(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-11
(54)【発明の名称】工業用木材を用いた履物具
(51)【国際特許分類】
A43B 13/12 20060101AFI20230904BHJP
A43B 17/12 20060101ALI20230904BHJP
A43B 13/42 20060101ALI20230904BHJP
B27K 3/20 20060101ALI20230904BHJP
B27K 3/02 20060101ALI20230904BHJP
B27M 3/20 20060101ALI20230904BHJP
【FI】
A43B13/12 C
A43B17/12
A43B13/42 101
B27K3/20
B27K3/02 B
B27K3/02 D
B27K3/02 C
B27M3/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513457
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 IB2021057880
(87)【国際公開番号】W WO2022043945
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511264353
【氏名又は名称】プーマ エス イー
【氏名又は名称原語表記】PUMA SE
【住所又は居所原語表記】Puma Way 1,91074 Herzogenaurach Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジラード, ロメイン
(72)【発明者】
【氏名】ハルトマン, マティアス
【テーマコード(参考)】
2B230
2B250
4F050
【Fターム(参考)】
2B230AA01
2B230AA07
2B230AA11
2B230AA18
2B230AA30
2B230BA01
2B230CA01
2B230DA02
2B230EB02
2B250AA27
2B250BA06
2B250BA07
2B250BA08
2B250CA11
2B250DA01
2B250FA21
2B250FA37
2B250FA47
2B250HA01
4F050AA01
4F050BA43
4F050BA55
4F050BF09
4F050EA01
4F050HA11
4F050JA01
(57)【要約】
履物具は、アッパー、および足先領域、中足領域、および踵領域を画定するソール構造を含む。ソール構造は高密度化木材を含み、上部ミッドソールクッション部材と、下部ミッドソールクッション部材と、下部ミッドソールクッション部材の底面に結合されたアウトソールと、上部ミッドソールクッション部材と下部ミッドソールクッション部材との間に配置されたプレートとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパー、および
前記アッパーに結合され、足先領域、中足領域、および踵領域を画定し、高密度化木材を含む、ソール構造、
を含む履物具。
【請求項2】
前記ソール構造が、
上部ミッドソールクッション部材、
下部ミッドソールクッション部材、
前記下部ミッドソールクッション部材の底面に結合されたアウトソール、および
前記上部ミッドソールクッション部材と前記下部ミッドソールクッション部材との間に配置された高密度化木材を含むプレート、
を含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項3】
前記プレートが、平坦部と、前記履物具の少なくとも前記足先領域を通って延在する前方湾曲部、および前記履物具の前記中足領域及び前記履物具の前記踵領域の少なくとも一部を通って延在する後方湾曲部を含む湾曲部と、を含む、請求項2に記載の履物具。
【請求項4】
前記前方湾曲部は、第1のセグメント部分と、それらの間に分割された第2のセグメント部分と、を含む、請求項3に記載の履物具。
【請求項5】
前記ソール構造は、前記履物具の前記踵領域に踵支持構造をさらに含む、請求項2に記載の履物具。
【請求項6】
前記上部ミッドソールクッション部材及び前記下部ミッドソールクッション部材は、発泡材料である、請求項2に記載の履物具。
【請求項7】
前記前方湾曲部の最小幅は、前記後方湾曲部の最小幅よりも大きく、前記平坦部の最小幅は、前記後方湾曲部の最小幅よりも大きい、請求項2に記載の履物具。
【請求項8】
前記高密度化木材パネルは、約1.4g/cc~約1.6g/ccの密度を有する、請求項1に記載の履物具。
【請求項9】
前記高密度化木材パネルは、脱リグニンされ、脱リグニン前の天然木材のリグニン含有量に対して少なくとも30%の前記リグニンが除去されている、請求項1に記載の履物具。
【請求項10】
前記高密度化木材は、
リグニンおよびセルロースを含む天然木材を、脱リグニン木材を形成するのに十分な時間および条件下でナトリウム系の化学溶液と接触させる工程、および
脱リグニン木材を、厚さが少なくとも40%減少するまで圧縮する工程、を含む方法によって製造される、請求項1に記載の履物品。
【請求項11】
前記ナトリウム系の化学溶液は、NaOH、NaOH/Na
2S、NaHSO
3+SO
2+H
2O、NaHSCb、NaHSO
3+Na
2SO
3、NaOH+Na
2SO
3、Na
2SO
3、NaOH+AQ、NaOH/Na
2S+AQ、NaHSO
3+SO
2+H
2O+AQ、NaOH+Na
2SO
3+AQ、NaHSO
3+AQ、NaHSO
3+Na
2SO
3+AQ、Na
2SO
3+AQ、NaOH+Na
2S+Na
2S
n、Na
2SO
3+NaOH+CH
3OH+AQ、C
2H
5OH+NaOH、NaClO、NaClO
2+酢酸、またはそれらの組合せを含み、nは整数であり、AQはアントラキノンである、請求項10の履物。
【請求項12】
前記脱リグニン木材は、0.5MPa~10MPaの圧力で圧縮される、請求項10に記載の履物具。
【請求項13】
前記脱リグニン木材は、約100°F~約250°Fで圧縮される、請求項10に記載の履物具。
【請求項14】
前記高密度化木材は、天然木材の粘弾性熱圧縮によって作製される、請求項1に記載の履物具。
【請求項15】
前記高密度化木材パネルは、疎水性、耐候性、耐腐食性、または耐炎性を高めるために化学物質で処理されている、請求項1に記載の履物具。
【請求項16】
前記ソール構造は、高密度化木材を含み、1つ以上の突出部を含む、ソールプレート、を含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項17】
スタッドが、前記1つ以上の突出部の各々に取り付けられる、請求項16に記載の履物具。
【請求項18】
前記スタッドは、金属、ゴム、または熱可塑性材料から形成される、請求項17に記載の履物具。
【請求項19】
アッパー、および
前記アッパーと結合されたソール構造体であって、足先領域、中足領域、および踵領域を画定するソール構造体、を含み、
前記ソール構造体は、
ミッドソールクッション部材、
前記ミッドソールクッション部材の底面に結合されたアウトソール、および
プレートと、を備え、
前記プレートは、高密度化木材から形成され、つま先部と、アーチ状部分と、後部セグメントとを含み、
前記つま先部と前記アーチ状部分は、前記ミッドソールクッション部材と前記アウトソールとの間に位置し、前記後部セグメントは前記ミッドソールクッション部材の上方に位置する、履物具。
【請求項20】
高密度化木材を含むアッパーと、前記アッパーに連結されたソール構造と、を含む履物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般的に、高密度化木材を中に含む履物具に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの従来の靴または他の履物具は一般的に、アッパーと、アッパーの下端に取り付けられたソールとを備える。従来の靴は、靴を足に固定する前にユーザの足を受け入れる内部空間、すなわち、上部およびソールの内部表面によって形成される空隙または空洞をさらに含む。ソールはアッパーの下面または境界に取り付けられ、アッパーと地面との間に配置される。結果として、靴底は典型的には靴が着用されているときに、安定性およびクッション性をユーザに提供する。いくつかの例では、ソールがアウトソール、ミッドソール、およびインソールなどの複数の構成要素を含んでもよい。アウトソールはソールの底面に牽引力を提供することができ、ミッドソールはアウトソールの内面に取り付けることができ、ソールにクッション性を提供することができ、または安定性を追加することができる。例えば、ソールはソールに沿った1つ以上の所望の位置での安定性を増加させ得る特定の発泡材料、またはユーザがランニング、ウォーキング、または別の活動に従事しているときに足または脚への応力または衝撃エネルギーを減少させ得る発泡材料を含んでもよい。ソールはまた、ソールの全体的な剛性を増加させ、使用中のエネルギー損失を低減するために、ソールに埋め込まれたプレートなどの追加の構成要素を含んでもよい。
【0003】
アッパーは一般的に、ソールから上方に延び、足を完全にまたは部分的に包む内部空洞を画定する。ほとんどの場合、アッパーは足の甲およびつま先領域にわたって、ならびにその内側および外側を横切って延在する。多くの履物具はまた、甲領域を横切って延在し、空洞内への開口部を画定し、アッパーの内側および外側の縁部間の間隙を架橋するシュータンを含んでもよい。シュータンはまた、靴の締め付けの調整を可能にするために、靴紐結びシステムの下、およびアッパーの内側と外側との間に配置されてもよい。シュータンは内部空間または空洞からの足の進入または退出を可能にするために、ユーザによってさらに操作可能であってもよい。加えて、紐締めシステムはユーザがアッパーまたはソールの特定の寸法を調整することを可能にし、それによって、アッパーが様々なサイズおよび形状を有する多種多様なタイプの足を収容することができる。
【0004】
アッパーは靴の1つ以上の意図される用途に基づいて選択され得る多種多様な材料を含んでもよい。アッパーはまた、アッパーの特定の領域に固有の様々な材料を含む部分を含んでもよい。例えば、より高い程度の抵抗または剛性を提供するために、追加の安定性がアッパーの前部または踵領域に隣接する部分において望ましい場合がある。対照的に、靴の他の部分は耐延伸性、可撓性、通気性、または吸湿性を有する領域を提供するために、柔らかい織布を含んでもよい。
【0005】
しかしながら、多くの現在利用可能な靴は上記の特性に関連する様々な特徴を有するが、多くの靴、およびそのソール構造は、ランニング、ウォーキング、または激しい運動活動に従事している間の安定性を補助するために、ユーザの足に的を絞った支持を提供するようにさらに最適化されてもよい。加えて、多くの靴、およびそれらのソール構造は、エネルギー散逸を低減し、それによって、ランニングなどの身体活動中のユーザの効率を増加させるために、ユーザの足に的を絞った支持を提供するようにさらに最適化されてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、足の領域にわたってそのような効果を提供することを特徴とする履物具が望まれる。先行技術のこれらの欠点および他の欠点は以下の開示において概説される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に記載の履物具は様々な構成を有することができる。履物具は高密度化木材を含み、アッパーおよびソール構造を有してもよい。ソール構造は、足先領域、中足領域、および踵領域を画定してもよい。さらに、ソール構造は、上部ミッドソールクッション部材と、下部ミッドソールクッション部材と、下部ミッドソールクッション部材の底面に結合されたアウトソールとを含んでもよい。ソール構造は、上部ミッドソールクッション部材と下部クッション部材との間に配置されたプレートをさらに含んでもよい。ソール構造の一部または全体は、高密度化木材を含んでもよい。
【0008】
いくつかの実施形態において、プレートは湾曲部および平坦部を含んでもよい。これらの実施形態において、湾曲部は履物具の少なくとも足先領域を通って延在する前方湾曲部と、履物具の中足領域及び履物具の踵領域の少なくとも一部を通って延在する後方湾曲部とを含んでもよい。さらなる実施形態において、プレートは高密度化木材から構築されてもよい。加えて、前方湾曲部は、分割された第1のセグメント部分と、第2のセグメント部分とを含んでもよい。
【0009】
さらなる実施形態において、ソール構造はまた、履物具の踵領域に踵支持構造を含んでもよく、踵支持構造は熱可塑性ポリウレタンから構築されてもよい。いくつかの実施形態において、上部ミッドソールクッション部材および下側クッション部材は、それぞれ発泡材料である。例えば、特定の実施形態において、発泡材料はエチレン酢酸ビニル、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料から形成される。さらに別の実施形態において、発泡材料は窒素、二酸化炭素、超臨界窒素、または超臨界二酸化炭素を含むことができる、超臨界発泡プロセスまたは物理的発泡プロセス中に形成される。
【0010】
特定の実施形態において、前方湾曲部は、基準面に対して約5度~約45度の角度で角度を付けられ、後方湾曲部は、基準面に対して約3度~約45度の角度で角度を付けられ、平坦部は、基準面に対して約0度~約5度の角度で角度を付けられる。
【0011】
いくつかの実施形態において、高密度化木材は約1.4g/cc~約1.6g/ccの密度を有する。いくつかの実施形態において、高密度化木材パネルは、脱リグニンされ、脱リグニン前の天然木材のリグニン含有量に対して少なくとも30%のリグニンが除去されている。いくつかの実施形態において、高密度化木材パネルは、疎水性、耐候性、耐腐食性、または耐炎性を高めるために、化学物質で処理されている。
【0012】
さらなる実施形態において、高密度化木材は、リグニンおよびセルロースを含む天然木材を、脱リグニン木材を形成するのに十分な時間および条件下でナトリウム系の化学溶液と接触させ、脱リグニン木材を、厚さが少なくとも40%減少するまで圧縮することを含むプロセスによって作製される。具体的な実施形態において、ナトリウム系の化学溶液は、NaOH、NaOH/Na2S、NaHSO3+SO2+H2O、NaHSCb、NaHSO3+Na2SO3、NaOH+Na2SO3、Na2SO3、NaOH+AQ、NaOH/Na2S+AQ、NaHSO3+SO2+H2O+AQ、NaOH+Na2SO3+AQ、NaHSO3+AQ、NaHSO3+Na2SO3+AQ、Na2SO3+AQ、NaOH+Na2S+Na2Sn、Na2SO3+NaOH+CH3OH+AQ、C2H5OH+NaOH、NaClO、NaClO2+酢酸、またはそれらの組合せを含み、nは整数であり、AQはアントラキノンである。特定の実施形態において、脱リグニン木材は、0.5MPa~10MPaの圧力で圧縮される。特定の実施形態において、脱リグニン木材は、約100°F~約250°Fで圧縮される。
【0013】
いくつかの実施形態において、高密度化木材は、天然木材の粘弾性熱圧縮によって作製される。
【0014】
本開示の別の実施形態において、アッパーおよびソール構造を含む履物具が提供される。この実施形態において、ソール構造は高密度化木材を含むソールプレートを備え、ソールプレートは1つ以上の突出部を含む。いくつかの実施形態において、スタッドは1つまたは複数の突出部の各々に取り付けられる。特定の実施形態において、スタッドは金属、ゴム、または熱可塑性材料から形成される。
【0015】
本開示の別の実施形態において、アッパーおよびソール構造を含む履物具が提供される。この実施形態において、ソール構造は足先領域、中足領域、および踵領域を画定してもよく、ソール構造はミッドソールクッション部材と、ミッドソールクッション部材の底面に結合されたアウトソールと、高密度化木材プレートとを含んでもよい。プレートはまた、つま先部と、アーチ部と、後部セグメントとを含んでもよい。さらに、これらの実施形態において、つま先部およびアーチ部は、ミッドソールクッション部材とアウトソールとの間に配置され、後部セグメントは、ミッドソールクッション部材の上方に配置される。
【0016】
いくつかの実施形態において、ミッドソールクッション部材は開口部を含み、後部セグメントとアーチ部との間のプレートの一部は、ミッドソールクッション部材の開口部の間に延在する。ソール構造は、踵クッション部材および踵支持カラーをさらに含んでもよい。さらなる実施形態において、プレートが前方湾曲部、内側湾曲部、後方湾曲部、および平坦部を含んでもよい。前方湾曲部、内側湾曲部、後方湾曲部、および平坦部はそれぞれ、基準平面に対して角度を付けられてもよい。
【0017】
さらに別の実施形態において、本開示は、アッパーと、アッパーに結合されたソール構造とを有する履物具を提供する。ソール構造は、この実施形態において、足先領域、中足領域、および踵領域を画定してもよい。ソール構造は、上部ミッドソールクッション部材と、下部ミッドソールクッション部材と、下部ミッドソールクッション部材の底面間に結合されたアウトソールと、上部ミッドソールクッション部材と下部ミッドソールクッション部材との間に配置された高密度化木材を含むプレートとをさらに含んでもよい。これらの実施形態において、上部ミッドソールクッション部材および下部ミッドソールクッション部材は超臨界ガスを使用して形成された発泡材料であり、プレートは炭素繊維を含む。
【0018】
さらに別の実施形態において、本開示は、高密度化木材を含むアッパーと、アッパーに結合されたソール構造とを有する履物具を提供する。
【0019】
本明細書に記載される履物具の特徴および利点を含む他の態様は、図面および本明細書の詳細な説明を検討すれば、当業者には明らかになるだろう。したがって、履物具のそのような態様はすべて、詳細な説明およびこの概要に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本明細書で論じられるように、アッパーおよびソール構造を含む左靴として構成される履物具の斜視図である。
【
図5】アッパーが取り除かれ、ユーザの骨格足構造がその上に重ねられている、
図1の靴の上面図である。
【
図8】ソール構造がアウトソールと、ミッドソール本体と、プレートと、踵支持と、踵支持カラーとを含む、
図1のソール構造の分解図である。
【
図13】ユーザの骨格足構造がその上に重ねられている
図8のプレートの上面図である。
【
図15】
図8のミッドソール本体の底面斜視図である。
【
図17】内部構造が破線で示されている
図8のミッドソール本体の外側面図である。
【
図18】
図7のソール構造の線18-18に沿った断面図である。
【
図19】本開示の第2の実施形態による、別のソール構造の分解上面斜視図である。
【
図21】本開示の第3の実施形態による、さらに別のソール構造の分解底面斜視図である。
【
図22】本開示の第4の実施形態による、さらに別のソール構造の分解底面斜視図である。
【
図23】本開示の第5の実施形態による、アウトソールと、下部ミッドソールクッション部材と、上部ミッドソールクッション部材と、踵支持と、プレートとを有する別のソール構造の分解上面斜視図である。
【
図24】本開示の第6の実施形態による、アウトソール、ミッドソール、およびプレートを有するさらに別のソール構造の分解上面斜視図である。
【
図25】プレートがミッドソールに対して第1の状態にある、
図24のソール構造の部分図である。
【
図26】プレートがミッドソールに対して第2の状態にある、
図24のソール構造の部分図である。
【
図27】ソール構造のためのプレートの別の実施形態の上面図である。
【
図28】
図27のプレートを有するソール構造を有する履物具の外側面図である。
【
図29】内部構成要素が破線で示されている
図28のソールの上面図である。
【
図36】履物具のための別のソール構造の斜視図である。
【
図39】履物具のための別のソール構造の底面図である。
【
図46】天然木材からの高密度化木材の製造の一実施形態の一般的な概略図を示す。
【
図48】
図8のプレートの別の実施形態の斜視図を示す。
【
図49】前面および後面を含む、脛ガードとして構成されたスポーツ用品構造の正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面の詳細な説明
以下の説明および添付の図面がアッパーおよびソール構造を有する靴の様々な実施形態または構成を開示する。実施形態は、ランニングシューズ、テニスシューズ、バスケットボールシューズなどのスポーツシューズに関して開示されているが、靴の実施形態に関連する概念は例えば、クロストレーニングシューズ、フットボールシューズ、ゴルフシューズ、ハイキングシューズ、ハイキングブーツ、スキーおよびスノーボードブーツ、サッカーシューズおよびクリート、ウォーキングシューズ、ならびにトラッククリートを含む、広範囲の履物および履物スタイルに適用され得る。靴の概念はまた、ドレスシューズ、サンダル、ローファー、スリッパ、およびヒールを含む、非運動用であると考えられる履物具に適用されてもよい。
【0022】
「約」という用語は本明細書で使用される場合、例えば、本明細書の開示の実施形態を含み得る、履物具または他の製品に使用される典型的な測定および製造手順、これらの手順における不注意な誤り、組成物または混合物を作製するため、または手段を講じるために使用される成分の製造、供給源、または純度の差異など生じ得る数値量の変動を指す。本開示を通して、「約」および「およそ」という用語はその用語が先行する数値の±5%の値の範囲を指す。
【0023】
本開示は、高密度化木材を含む、または高密度化木材パネルから少なくとも部分的に形成された履物具、またはアッパー、ソール、またはソール構造などの履物具の特定の構成要素に関する。
【0024】
本明細書で使用するとき、「高密度化木材」又は「高密度化木材パネル」は互換的に使用され、同様に加工されていない木材パネルと比較して、強度、靭性及び密度が増加した加工木材材料を指す。いくつかの実施形態において、高密度化木材パネルは、約1.1g/cm3~約1.9g/cm3の間の密度を有する。いくつかの実施形態において、高密度化木材パネルは、約1.5g/cm3の密度を有する。
【0025】
天然木材から高密度化木材を形成するための適切な方法は、当技術分野で公知であり、記載されている。例えば、国際公開第2019/055789号、国際公開第2018/191181号、およびSong et al.(「Processing bulk natural wood into a high-performance structural material,」、Nature、2018、554:224~228)を参照し、これらのそれぞれは、あたかも全体が記載されているかのように、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0026】
本開示のいくつかの実施形態において、高密度化木材パネルは、天然木材からリグニンおよびヘミセルロースを除去し、脱リグニン木材を形成するのに十分な時間および条件下で、バルク天然木材をナトリウム系の化学溶液と接触させる第1のステップを含むプロセスによって作製される。ナトリウム系の化学溶液は、nが整数であり、AQがアントラキノンである、NaOH、NaOH/Na2S、NaHSO3+SO2+H2O、NaHSCb、NaHSO3+Na2SO3、NaOH+Na2SO3、Na2SO3、NaOH+AQ、NaOH/Na2S+AQ、NaHSO3+SO2+H2O+AQ、NaOH+Na2SO3+AQ、NaHSO3+AQ、NaHSO3+Na2SO3+AQ、Na2SO3+AQ、NaOH+Na2S+Na2Sn、Na2SO3+NaOH+CH3OH+AQ、CH3OH、C2H5OH、C2H5OH+NaOH、C4H9OH、HCOOH、CH3COOH、CH3OH+HCOOH、C4H8O2、NH3.H2O、p-TsOH、H2O2、NaClO、NaClO2+酢酸、ClO2、およびCl2などのパルプ化またはパルプ漂白に使用される化学物質を含むことができる科学物質であるが、これらに限らない。
【0027】
本明細書で使用するとき、「天然木材」は自然界に見られ、植物によって生産されるリグニン及びヘミセルロースの架橋マトリックス中に埋め込まれたセルロースナノファイバーの複合体を指す。本明細書に記載される脱リグニンおよび高密度化プロセスに使用するための天然木材はこれらに限定されるわけではないが、バスウッド、オーク、ポプラ、トネリコ、アルダー、ヤマナラシ、バルサウッド、ブナ、カバノキ、サクラ、バターナット、クリ、ココボロ、ニレ、ヒッコリー、カエデ、オーク、パドゥーク、プラム、クルミ、ヤナギ、イエローポプラ、ヌマスギ、シダー、イトスギ、ダグラスファー、モミ、ヘムロック、カラマツ、マツ、レッドウッド、スプルース、タマラック、ジュニパーおよびイチョウを含む、任意のタイプの針葉樹または広葉樹であり得る。いくつかの実施形態において、高密度化木材に使用するための天然木材はリサイクル木材またはスクラップ木材である。
【0028】
本明細書に記載の高密度化木材パネルに使用するための天然木材は、その硬度に基づいて選択してもよい。硬度を測定するための方法は当技術分野において公知であり、記載されており、限定されるわけではないが、木材サンプル(例えば、ジャンカスケール)の耐欠損性および耐摩耗性を測定すること、または木材サンプル(例えば、ブリンネルスケール)のくぼみ硬度を測定することを含む。以下の表1は本明細書に記載される高密度化木材に使用されてもよいいくつかの天然木材サンプルのジャンカスケール硬度を含む。
【0029】
【0030】
本明細書で使用するとき、「脱リグニン木材」はリグニンの少なくとも一部又は実質的に全てが除去された木材を指す。いくつかの実施形態において、脱リグニン木材がリグニンの少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、または少なくとも90%が除去されている木材である。いくつかの実施形態において、高密度化木材は、リグニンの少なくとも30%が除去された脱リグニン木材から作製される。いくつかの実施形態において、高密度化木材は、リグニンの少なくとも40%が除去された脱リグニン木材から作製される。リグニン除去率は、化学的脱リグニン処理の前の天然木材中のリグニン含有量との比較で測定される。
【0031】
「実質的に全てのリグニン」の除去は、天然木材からのリグニンの少なくとも90%を除去することを指す。いくつかの実施形態において、リグニンの少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%を天然木材から除去して、脱リグニン木材を形成している。本明細書で使用するとき、「リグニンを実質的に含まない」とは、天然木材に対して少なくとも98%のリグニンが除去された木材製品を指す。
【0032】
いくつかの実施形態において、脱リグニン木材はまた、ヘミセルロース含量が減少している。いくつかの実施形態において、脱リグニン木材の形成中に、ヘミセルロースの少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%が天然木材から除去されている。本明細書で使用するとき、「ヘミセルロースを実質的に含まない」とは、天然木材に対して少なくとも98%のヘミセルロースが除去されている木材製品を指す。
【0033】
いかなる特定の理論または方法論にも拘束されることを望むものではないが、天然木材のリグニンおよびヘミセルロース成分の除去は、開いたルーメンを有するセルロースナノフィブリルを主体とするその独特の組成のために、天然木材よりも多孔性が高く、剛性が低い脱リグニン木材をもたらす。脱リグニン木材の圧縮は、残りのセルロースナノファイバー間に水素結合を形成し、それにより、高密度化木材の機械的特性を改善する。
【0034】
脱リグニン木材を形成するための脱リグニンに続いて、脱リグニン木材をプレスして脱リグニン木材の細胞を圧縮することによって、高密度木材が形成される。脱リグニンされた木材は、約0.5MPa~約10MPaの圧力でプレスされる。いくつかの実施形態において、脱リグニン木材がプレスされている間、約100°F~約250°Fで加熱される。いくつかの実施形態において、脱リグニン木材がプレスされている間、約150°F~約220°Fで加熱される。
【0035】
いくつかの実施形態において、高密度化木材の圧縮軸に沿った厚さは、脱リグニンおよび高密度化の前の同じ軸に沿った天然木材の厚さと比較して、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%減少する。
【0036】
いくつかの実施形態において、脱リグニン木材が圧縮されて高密度化木材を形成するのではなく、透明木材が形成される。本明細書で使用するとき、「透明木材」とは、ポリマー材料と、保存された自然に配列したナノスケールのセルロース繊維から構成される複合材料を指す。高密度化木材の脱リグニンおよび形成に関して上述したように、脱リグニン後の天然セルロース繊維は自然に存在する配向でそのまま残っている。脱リグニンされた木材製品にポリマー材料を導入すると、脱リグニンプロセスによって残された間隙および空間は透明なポリマー材料で置き換えられ、自然に存在するセルロース繊維の配向および構造が保持されて、透明な木材材料を形成する。適切なポリマー材料としては熱硬化性ポリマー、熱可塑性ポリマー、セルロース系ポリマー、エポキシ樹脂、ポリマーナノグルー、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、およびポリジメチルシロキサン(PDMS)が挙げられるが、これらに限定されない。天然木材から透明木材を形成するための適切な方法は当技術分野で公知であり、記載されている。例えば、国際公開第2017/136714号、およびZhu et al.(「Highly anisotropic, highly transparent wood composites,」、Advanced Materials、2016、28(26):5181-5187)を参照し、それぞれはその全体が記載されているかのように、参照することにより本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、高密度化木材に加えて、またはその代わりに、透明木材を使用することができることが想定される。
【0037】
いくつかの実施形態において、粘弾性熱圧縮(VTC)を使用して、脱リグニンを伴わずに天然木材を高密度化する。高密度化木材を形成するための天然木材のVTC処理のための方法は当技術分野で公知であり、記載されている。例えば、Kutner et al.(「The mechanical properties of densified VTC wood relative for structural composites,」Holz als Roh- und Werkstoff、 Volume 66、 pages 439-446、2008)、米国特許第7,404,422号、および米国特許第5,415,943号を参照し、これらはそれぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0038】
脱リグニン木材の圧縮中または天然木材のVTC中に、木材を所望の形態に成形することができる。例えば、木材は圧縮され、加熱されることで、
図9に示されるように、プレート170の形状に湾曲させられた高密度化木材パネルを形成することができる。別の例では、木材を圧縮し、加熱することで、
図39に示すように、ソールプレート1002の形状をした一連の突出部を有するパネルを形成することができる。本開示の履物具に使用するのに適した高密度化木材パネルは、本明細書に記載の履物具に組み込むのに適した任意の形状または構成をとってもよい。いくつかの実施形態において、高密度化木材パネルが履物具に組み込まれたときに支持および補強を提供するために、隆起部、溝、リブ、または他の構造を含むように成形される。高密度化木材パネルの形状および構成は、本明細書に示されるそれらの形状および構成に限定されるものではない。
【0039】
いくつかの実施形態において、高密度化木材パネルは脱リグニンまたは天然木材の2つ以上の層を組み込んだ積層体である。いくつかの実施形態において、高密度化木材パネル積層体は、脱リグニンまたは天然木材の少なくとも2つの層を配置し、少なくとも2つの層を一緒に圧縮することによって作製される。いくつかの実施形態において、高密度化木材パネル積層体が圧縮された後に、高密度化木材の2つ以上の層を結合することによって作製される。いくつかの実施形態において、高密度化木材パネル積層体が少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの層を含む。
【0040】
図47A~
図47Cに示されるように、高密度化木材積層体1100内の層1102a、1102bは、セルロースマイクロファイバールーメン1104a、1104bが隣接する層1102a、1102bに対して垂直に配向されるように、平行に配置されてもよい。
図47Aにおいて、第1の層1102aは、第2の層1102bにおけるセルロースマイクロファイバールーメン1104bに対して垂直である第1の方向に配向されたセルロースマイクロファイバールーメン1104aを有する。第1及び第2の層1102a、1102bは、ラミネートユニット1106を形成するために組み合わされてもよく、ラミネートユニットは高密度化木材ラミネート1100を形成するために接合されてもよい。あるいは、高密度化木材パネル積層体内の層は、1つの層のセルロースマイクロファイバールーメンが隣接する層(図示せず)のセルロースマイクロファイバールーメンと平行になるように配置されてもよい。いくつかの実施形態において、高密度化木材積層体の1つ以上の層を、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィンなどの熱可塑性材料、または炭素繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、ガラス繊維、天然繊維、およびポリマー繊維などの1つ以上の繊維、またはそれらの組み合わせで置き換えることで複合体を形成する。
【0041】
いくつかの実施形態において、脱リグニン木材は、プレス加工またはVTC加工の前に前処理されるか、またはそれと同時に処理される。脱リグニン木材、天然木材、または高密度化木材の処理は、疎水性の増大、耐候性、耐食性(例えば、耐塩水)、および耐炎性などの追加の有益な特性を付与し得る。いくつかの実施形態において、脱リグニンまたは高密度化木材は、エポキシ樹脂、シリコーン油、ポリウレタン、パラフィンエマルジョン、無水酢酸、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)、1H,1H,2H,2H-ペルフルオロデシルトリエトキシシラン、フルオロエシン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、メタクリルオキシメチルトリメチルシラン(MSi)、ポリヘドラルオリゴマーシルセスキオキサン(POSS)、ケイ酸メチルシリコネート(PMS)、ドデシル(トリメトキシ)シラン(DTMS)、ヘキサメチルジシロキサン、ジメチルジエトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、リメチルクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ポリメチルメタクリレート、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(ポリDADMAC)、3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(MPS、疎水性ステアリン酸、両親媒性フッ素化トリブロックアジドコポリマー、ポリフッ化ビニリデンおよびフッ素化シラン、n-ドデシルトリメトキシシラン、およびラウリル硫酸ナトリウムを含む改善された疎水性を提供する化学物質で前処理または処理されてもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、脱リグニンまたは高密度化木材は、耐候性および耐食性を改善するために、化学薬品で前処理または処理されてもよく、化学薬品にはクプラマート(CDDC)、第四級アンモニア性銅(ACQ)、クロム酸亜鉛ヒ酸銅(CCA)、アンモニア性ヒ酸銅(ACZA)、ナフテン酸銅、酸性クロム酸銅、クエン酸銅、アゾール銅、8-ヒドロキシキノリン酸銅、ペンタクロロフェノール、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸銅、クレオソート、二酸化チタン、プロピコナゾール、テブコナゾール、シプロコナゾール、ホウ酸、ホウ砂、有機ヨウ化物(IPBC)、およびNa2B80i3 4H2Oが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、脱リグニンまたは高密度化木材は、塗料、染み、またはワニスなどの特定の色、陰影、または色合いを提供するために、化学物質で前処理または処理され得るが、これらに限定されない。
【0042】
いくつかの実施形態において、履物具に組み込まれる場合、高密度化木材パネルは、約0.5mm~約5mmの間の厚さを有する。いくつかの実施形態において、高密度化木材パネルの厚さは、約0.5mm~約3.0mm、または約0.75mm~約3mm、または約0.5mm~約2.0mm、または約0.7mm~約1.0mmである。いくつかの実施形態において、高密度化木材パネルの厚さは、約1mmである。履物具への組み込み時の高密度化木材は、均一または不均一な厚さを有してもよい。
【0043】
高密度化木材パネルは、上部(例えば、外面、シュータン、アイレット、ストローベルボードなど)またはソール部(例えば、アウトソール、プレート、クリートプレート、ミッドソールなど)の一部に組み込まれてもよく、またはその全体を形成してもよい。外面、シュータン、アイレット、およびストローベルボードを含む上部、ならびにプレート、アウトソール、クリートプレート、およびミッドソールを含むソール部、ならびに本明細書に記載される高密度化木材パネルまたはその部分と共に使用するのに適した履物具の様々な実施形態が
図1~
図45に示される。
図1~
図45に示される実施形態は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、当業者は、高密度化木材パネルが本明細書に記載されるように、履物具上および履物具内の様々な場所に組み込まれ得ることを認識するだろう。
【0044】
高密度化木材に加えて、またはそれに代わるものとして、アッパーは、ニット部材、織布、不織布、皮革、メッシュ、スエード、高密度化木材パネル、または前述の材料のうちの1つ以上の組み合わせを含んでもよい。ニット部材は糸を編むことによって、織布は糸の織りによって、および不織布は一体の不織ウェブの製造によって作製されてもよい。編み物には、縦編み、横編み、平編み、丸編み、または他の適切な編み作業によって形成される織物を含む。編み物は、例えば、平編み構造、メッシュニット構造、またはリブニット構造を有してもよい。織布には、限定されるものではないが、例えば、平織り、綾織り、朱子織り、ドビン織り、ジャカード織り、二重織、または二重布織などの多数の織物形態のいずれかによって形成される織物が含まれる。不織布は、例えば、エアレイド法またはスパンレイド法によって作製された布地を含む。アッパーは、様々な特性または様々な視覚特性を有し得る、第1の糸、第2の糸、または第3の糸などの様々な材料を備えてもよい。
【0045】
図1~
図7は、アッパー102およびソール構造104を含む靴100として構成された履物具の例示的な実施形態を示す。本明細書でさらに論じられるように、アッパー102はソール構造104に取り付けられ、ソール構造104とともに、ユーザの足が挿入され得る内部空洞106(
図1および
図4参照)を画定する。参考のために、履物具100は足先領域108、中足領域110、及び踵領域112を含む(
図4及び
図5参照)。足先領域108は、一般に、つま先、拇指球、および中足骨をつま先または指骨に接続する関節を含む足の部分を包む履物具100の部分に対応する。中足領域110は、足先領域108に近接して隣接し、一般的に、足のアーチを包む履物具100の部分に、足のブライドに沿って対応する。踵領域112は、中足領域110に近接して隣接し、一般的に、踵または踵骨、足首、またはアキレス腱を含む、足の後部を包む履物具100の部分に対応する。
【0046】
単一の靴100のみが描かれているが、すなわち、ユーザの左足に着用される靴であるが、本明細書に開示される概念はユーザの左足および右足をそれぞれ受容するようにサイズ設定および形状設定され得る左靴および右靴を含む、一対の靴(図示せず)に適用可能であることを理解されたい。しかしながら、開示を容易にするために、単一の靴が本開示の態様を説明するために参照されるが、履物具100を参照した以下の開示は左の靴と右の靴の両方に適用可能である。しかしながら、いくつかの実施形態において、左/右構成以外の左の靴と右の靴との間に相違が存在してもよい。さらに、いくつかの実施形態において、左の靴は、右の靴が含まない1つまたは複数の追加の要素を含んでもよく、またはその逆でもよい。
【0047】
引き続き
図1~
図7を参照すると、アッパー102は、ソール構造104の上方に配置され、結合されて示されている。アッパー102は、従来のように、継ぎ目で接着または縫合によって接着される複数の要素、例えば、織物、ポリマー発泡体、ポリマーシート、皮革、合成皮革、または高密度化木材から形成することができる。いくつかの実施形態において、履物具100のアッパー102は、ニット構造またはニット部材から形成される。様々な実施形態において、ニット部材は、アッパーに異なる特性を提供し得る様々なタイプの糸を組み込んでもよい。例えば、上部メッシュ層は縦編みであってもよく、一方、メッシュ裏打層は丸編みを備えてもよい。いくつかの実施形態において、履物具100のアッパー102は、1つ以上の高密度化された木製パネルを備える。
【0048】
いくつかの実施形態において、アッパー102の様々な層は、アッパー102の様々な層を接着するように、一緒に熱プレスされる。例えば、アッパー102を構成する層は一度に、かつ単一の温度で、全て一緒に熱プレスされることができる。アッパー102は、ストローベルステッチ(図示せず)によってストローベルボード114(
図4参照)にさらに取り付けられてもよい。アッパー102の製造中に、位置決めピン(図示せず)を使用して、アッパー102内の様々な孔(図示せず)と位置合わせしてもよい。いくつかの実施形態において、アッパー102の様々な層は防水または半防水であってもよく、メッシュまたは他の材料の複数の層を含んでもよい。アッパー102を構成する材料は、内側メッシュ層と、熱可塑性ポリウレタン(TPU)フィルムと、外側メッシュ層とを含んでもよい。いくつかの実施形態において、TPUスキンがアッパーの他方の表面に沿って適用されてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、アッパー102の1つ以上の層は高密度化木材を含む。いくつかの実施形態において、外面130の一部または全体は高密度化木材から形成される。いくつかの実施形態において、ストローベルボード114の一部または全体は高密度化木材から形成される。
【0050】
アッパー102を構成する材料、または複数の材料に関して、特定のタイプの糸がニット部材の領域に付与するであろう特定の特性は、糸の様々なフィラメントおよび繊維を形成する材料に少なくとも部分的に依存してもよい。例えば、綿は、編物材料に、柔らかい効果、生分解性、または自然な美観を提供してもよい。エラスタンおよび延伸ポリエステルはそれぞれ、所望の弾性および回復性を有するニット部材を提供してもよい。レーヨンは高い光沢および吸湿性材料を提供してもよく、ウールは増加した吸湿性を有する材料を提供してもよく、ナイロンは耐摩耗性である耐久性材料であってもよく、ポリエステルは疎水性で耐久性のある材料を提供してもよい。
【0051】
ニット部材の他の態様もまた、ニット部材の特性に影響を及ぼし、所望の属性を提供するように変更されてもよい。例えば、ニット部材を形成する糸はモノフィラメント糸またはマルチフィラメント糸を含んでもよく、または糸はそれぞれ2つ以上の異なる材料から形成されるフィラメントを含んでもよい。加えて、ニット部材は、ニット部材の領域に特定の特性を付与するために、特定の編み工程を用いて形成されてもよい。したがって、糸を形成する材料および糸の他の態様の両方を、アッパー102の特定の領域に様々な特性を付与するように選択してもよい。
【0052】
いくつかの実施形態において、ニット構造体の弾性は、第1の非延伸状態におけるニット構造体の幅または長さを、ニット構造体に横方向に力が加えられた後の第2の延伸状態におけるニット構造体の幅または長さと比較することに基づいて測定されてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、アッパー102は追加の構造要素を含んでもよく、もしくは、追加の構造要素はアッパー102を取り囲むか、または結合してもよい。例えば、ヒールカップを靴100の踵領域112内の踵端部116に設けて、ユーザの踵に追加の支持を提供してもよい。いくつかの実施形態において、ヒールカップの一部または全体が高密度化木材から形成されてもよい。いくつかの例では、他の要素、例えば、プラスチック材料、高密度化木材材料、ロゴ、商標などもまた、接着剤または熱成形プロセスを使用して、外面に塗布され、固定されてもよい。いくつかの実施形態において、異なるステッチタイプまたは糸タイプに関連するアッパー、例えば、ステッチタイプ、糸タイプ、または弾性、美的外観、厚さ、通気性、または耐擦傷性などが異なるステッチタイプまたは糸タイプに関連する特性を変化させることができる。
【0054】
さらに
図1~
図7を参照すると、履物具100はまた、ひも120および複数のアイレット122を含む締め付けシステム118を含む。この実施形態において、ひも120は複数のアイレット122を通って延びる。いくつかの実施形態において、アイレットは高密度化木材で形成される。いくつかの実施形態において、締め付けシステム118はゴム紐を含んでもよい。締め付けシステム118は、ユーザに、アッパー102の寸法を修正して、例えば、アッパー102の一部を着用者が望むように足の周りで締めたり緩めたりすることを可能にしてもよい。締め付けシステム118はまた、アッパー118の中心に沿って走り、ひも120をガイドする1つ以上のループを含むバンド(図示せず)を含んでもよい。他の実施形態において、締め付けシステム118はVelcro(登録商標)などの面ファスナーシステムであってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、締め付けシステム118は、1つまたは複数の面ファスナーストラップを含んでもよい。さらなる実施形態において、締め付けシステム118は、当技術分野で知られている別のひもなしファスナーシステムであってもよい。さらに別の実施形態において、締め付けシステム118は、2018年5月31日に出願された米国特許出願第15/780,368号および2019年4月23日に出願された米国特許出願第16/392,470号に記載されている締め付けシステムなどの、異なる手動締め付けシステム、回転式閉鎖装置、または自動締め付けシステムを含んでもよく、これらの両方は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、アイレット122の一部または全体が高密度化木材から形成されてもよい。
【0055】
図2および
図3を参照すると、履物具100は、外側124および内側126も画定し、外側124は
図2に示され、内側126は
図3に示される。ひも120は、外側124から内側126まで延びている。ユーザが靴を履いているとき、外側124は履物具100の外側に面する部分に対応し、一方、内側126は履物具100の内側に面する部分に対応する。このように、左の靴と右の靴は対向する外側と内側とを有し、ユーザが靴を履いているときに内側が互いに最も近くなり、一方、外側は靴を履いている間に互いに最も遠くなる側面として定義される。以下でより詳細に議論されるように、内側126および外側124は履物具100の対向する遠位端において互いに隣接する。
【0056】
図4および
図5を参照すると、アッパー102は外側124および内側126に沿って、足先領域108、中足領域110、および踵領域112を横切って延びて、ユーザの足を収容し、包囲する。完全に組み立てられると、アッパー102はまた、内面128および外面130を含む。内面126は内側に面し、概して、内部空洞106を画定し、アッパー102の外面130は外側に面し、概して、アッパー102の外周または境界を画定する。内面128および外面130は、上に開示された上層の一部を備えてもよい。アッパー102はまた、履物具100の踵領域112に少なくとも部分的に位置し、内部空洞106(例えば、
図4参照)へのアクセスを提供し、そこを通して足を挿入および取り出すことができる開口部132を含む。いくつかの実施形態において、アッパー102はまた、踵領域112内の開口部132から、足の甲に対応する領域にわたって、足先領域108に隣接する領域まで延びるインステップ領域134を含んでもよい。インステップ領域134は、本実施形態のシュータン136が配置される領域と同様の領域を備えてもよい。いくつかの実施形態において、アッパー102はシュータン136を含まず、すなわち、アッパー102はシュータンなしである。いくつかの実施形態において、シュータン136の一部または全体は高密度化木材から形成される。
【0057】
特に
図5を参照すると、内側126および外側124は、履物具100の長手方向中心平面または軸150に沿って互いに隣接する。本明細書でさらに論じられるように、長手方向中心平面または軸150は、履物具100の内側126と外側128との間の中心、中間軸を画定してもよい。言い換えると、長手方向平面または軸150は、履物具100の踵端部116と履物具100のつま先端部152との間に延在してもよく、履物具100のインソール、ソール構造104、またはアッパー102の中間を連続的に画定してもよい、すなわち、長手方向平面または軸150は、踵領域112の踵端部116を通って足先領域108のつま先端部152まで延在する直線軸であってもよい。
【0058】
足先領域108、中足領域110、踵領域112、内側126、および外側124は、履物具100の境界または領域を画定することが意図される。そのため、足先領域108、中足領域110、踵領域112、内側126、および外側124は一般的に、履物具100の区分を特徴付ける。本開示の特定の態様は、足先領域108、中足領域110、踵領域112、内側126、または外側124のうちの1つまたは複数に併存する部分または要素に言及してもよい。さらに、アッパー102およびソール構造104の両方は、足先領域108、中足領域110、踵領域112内、または内側126もしくは外側124に沿った部分を有するものとして特徴付けられてもよい。したがって、アッパー102およびソール構造104、またはアッパー102およびソール構造104の個々の部分は、足先領域108、中足領域110、踵領域112内に、または内側126もしくは外側124に沿って配置されるそれらの一部を含んでもよい。
【0059】
さらに
図5を参照すると、足先領域108、中足領域110、踵領域112、内側126、および外側124が詳細に示されている。足先領域108はつま先端部152から履物具100の最も広い部分154まで延在する。最も広い部分154は、つま先端部152の遠位部分からつま先端部152の反対側である踵端部116の遠位部分まで延在する長手方向軸150に対して垂直である第1の線156に沿って画定または測定される。中足領域110は最も広い部分154から履物具100の最も細い部分158まで延在する。履物具100の最も細い部分158は長手方向軸150に対して垂直である第2の線160に沿って測定された履物具100の最も細い部分として定義される。踵領域112は、履物具100の最も細い部分160から踵端部116まで延在する。
【0060】
前述の説明を考慮すると、当業者には多数の変更が明らかであり得、その個々の構成要素は多数の履物具に組み込まれ得ることを理解されたい。したがって、履物具100およびその構成要素の態様は、本明細書に記載されるように、足先領域108、中足領域110、踵領域112、内側126、または外側124の境界を理解しながら、履物具100の一般的な領域または部分を参照して説明され得る。しかしながら、履物具100およびその個々の構成要素の態様は、履物具100の正確な領域または部分を参照して説明することもでき、本明細書の添付の特許請求の範囲は、本明細書で論じられる足先領域108、中足領域110、踵領域112、内側126、または外側124のこれらの境界に関連する制限を組み込んでもよい。
【0061】
さらに
図5を参照すると、内側126は遠位つま先端152から始まり、足先領域108に沿って中足領域110に向かって外向きに湾曲する。第1の線156で、内側126は中心の長手方向軸150に向かって内側に湾曲する。内側126は第1の線156、すなわち最も広い部分154から第2の線160、すなわち最も細い部分158に向かって延び、第1の線156を横切ると中足領域110に入る。第2の線160に達した後、内側126は長手方向の中心軸150から離れるように外側に湾曲し、その点で、内側126は踵領域112に延在する、すなわち、第2の線160を超える。内側126は、次いで外向きに湾曲し、次いで踵端部116に向かって内向きに湾曲し、内側126が長手方向中心軸150と交わる点で終端する。
【0062】
さらに
図5を参照すると、外側124はまた、遠位つま先端152から始まり、足先領域108に沿って中足領域110に向かって外向きに湾曲する。外側124が縦方向の中心軸150に向かって内側に湾曲する点で、外側124は第1の線156に達する。外側124は第1の線156、すなわち最も広い部分154から第2の線160、すなわち最も細い部分158に向かって延び、第1の線156を横切って中足領域110に入る。第2の線160に達した後、外側124は踵領域112に延在する、すなわち、第2の線160を超えた点で、外側124は長手方向の中心軸150から離れるように外側に湾曲する。外側124は次いで、外側に曲がり、次いで、踵端部116に向かって内側に曲がり、外側124が長手方向中心軸150と出会う点で終端する。
【0063】
再び
図2および
図3を参照すると、ソール構造104はアウトソールまたはアウトソール領域162、ミッドソールまたはミッドソール領域164、およびインソールまたはインソール領域(図示せず)を含む。いくつかの実施形態において、ソール構造104はインソールを含むが、図示の実施形態では、インソールはストローベルボード114の上の足空洞内に挿入される別個の要素である。アウトソール162、ミッドソール164、およびインソール、またはそれらの任意の構成要素は、足先領域108、中足領域110、または踵領域112内の部分を含んでもよい。さらに、アウトソール162、ミッドソール164、およびインソール、またはそれらの任意の構成要素は、外側124または内側126上の部分を含んでもよい。アウトソール162、ミッドソール164、およびソール構造104の任意の他の部分は、接着剤(図示せず)を介して互いに取り付けられてもよい。アッパー102はさらに、接着または縫合を介してソール構造に取り付けられる。
【0064】
いくつかの実施形態において、履物具100は高密度化木材を含むインソールを含む。インソールの一部または全体は高密度化木材から作製されてもよい。いくつかの実施形態において、インソールの高密度化木材は、アルミニウムを組み込み、抗菌特性または抗臭特性を有する。
【0065】
いくつかの例において、アウトソール162は履物具100が着用されたときに、例えば地面などの外面に少なくとも部分的に接触するソール構造104の一部として画定されてもよい。インソールは履物具が着用されたときに、ユーザの足に少なくとも部分的に接触するソール構造104の部分として画定されてもよい。最後に、ミッドソール164はアウトソールからアッパー102に向かって延在する、またはそうでなければアウトソール162とインソール領域との間に延在し、これらを接続するソール構造104の少なくとも一部として画定されてもよい。
【0066】
履物具100のソール構造104の分解図である
図8を特に参照すると、ソール構造104は、アウトソール162と、プレート170と、踵クッション部材172と、踵支持カラー174と、ミッドソールクッション部材176とを含んでもよい。この実施形態において、ミッドソールクッション部材176は、開口部178(
図14および
図15を参照)を含み、それを通して、本明細書でさらに論じるように、プレート170の後部セグメント179(
図9~
図13を参照)を挿入することができる。アウトソール162、プレート170、踵クッション部材172、踵カラー174、およびミッドソールクッション部材176は、本実施形態において別個の構成要素であるが、代替実施形態において、これらの構成要素またはその部分が他の構成要素と一体であってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、踵クッション部材172および踵支持カラー174は一体であってもよいし、または単一部品であってもよい。
【0067】
ソール構造104の断面図である
図8および
図18に示されるように、アウトソール162は、踵領域112、ミッドソール領域110、および足先領域108を横切るソール構造104の底端または表面を画定してもよい。さらに、本明細書で先に論じたように、アウトソール162は、ソール構造104の地面係合部分であってもよく、インソールとは反対であってもよい。アウトソール162は、ソール構造104に耐久性、耐摩耗性、耐摩耗性、または牽引力を付与するために、1つ以上の材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態において、アウトソール162は、例えば、ゴムから形成してもよい。
【0068】
この実施形態において、ソール構造104はまた、踵領域112においてアウトソール162に隣接してその上に、かつ部分的に中足領域110に配置されてもよい踵クッション部材172を含んでもよい。換言すれば、踵クッション部材172は、アウトソール162に隣接してもよく、ソール構造104の踵端部116から、踵領域112を通って、部分的に中足領域110を通って延在してもよい。踵クッション部材172はまた、外側プロング182および内側プロング184によって画定される切り欠き部180を含んでもよい。踵クッション部材172は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、それらのコポリマー、または類似のタイプの材料から構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、踵クッション部材172は、EVA-Solid-Sponge(「ESS」)材料、EVA発泡体(例えば、PUMA(登録商標)ProFoam LiteTM、IGNITE発泡体)、ポリウレタン、ポリエーテル、オレフィンブロックコポリマー、熱可塑性材料(例えば、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリオレフィンなど)、または超臨界発泡体であってもよい。踵クッション部材172は、単一のポリマー材料であってもよく、またはEVAコポリマー、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)コポリマー、および/またはオレフィンブロックコポリマーなどの材料のブレンドであってもよい。
【0069】
踵クッション部材172が超臨界発泡プロセスから形成される実施形態において、超臨界発泡体はオートクレーブ、射出成形機器、または超臨界流体(例えば、CO2、N2、またはそれらの混合物)と、好ましくは溶融している材料(例えば、TPU、EVA、ポリオレフィンエラストマー、またはそれらの混合物)との混合を処理することができる任意の十分に加熱/加圧された容器内で実施されるプロセスを使用して製造される、TPU、EVA、PEBAX(登録商標)、またはそれらの混合物などのマイクロポア発泡体または粒子発泡体を含んでもよい。例示的なプロセスの間、超臨界流体および溶融材料の溶液は、加圧された容器内に圧送され、その後、容器内の圧力が解放され、その結果、超臨界流体の分子はガスに急速に変わり、材料内に小さなポケットを形成し、材料を発泡体に膨張させ、これを踵クッション部材172として使用してもよい。さらなる実施形態において、踵クッション部材172は、膨張プレス、射出成形機、ペレット膨張法、冷間発泡法、圧縮成形法、型抜き法、またはそれらの任意の組合せの使用を含む、当技術分野で公知の代替方法を使用して形成されてもよい。例えば、踵クッション部材172は、材料を発泡させるために超臨界ガスが使用され、次いで、特定の形状に圧縮成形または型抜きされる初期発泡ステップを伴う工程を使用して形成されてもよい。しかしながら、特定の実施形態において、踵クッション部材172は、ソール構造104の一部、例えば、踵領域112の応力を低減させるか、またはその強度を増加させるために設けられる。そのようなものとして、これらの実施形態において、踵クッション部材172は、ミッドソールクッション部材176よりも大きい剛性(例えば、引張強度または曲げ強度)を有する。
【0070】
踵クッション部材172は、約0.05g/cm(g/cm3)~約0.30g/cm3、または約0.10g/cm3~約0.20g/cm3の間の範囲の密度を含んでもよい。さらなる実施形態において、踵クッション部材172は、約10ショアA~約50ショアAの間の硬度を有すしてもよい。なお、さらなる実施形態において、踵クッション部材172は、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、または超臨界発泡体から形成された複数の球形または楕円形のビーズまたはペレットなど、複数のビーズを包む空気袋であってもよい。さらに、ビーズまたはペレットは均一に成形されてもよく、不均一に成形されてもよく、または均一および不均一な形状の組み合わせ、例えば、複数の球形および楕円状のビーズまたはペレットであってもよい。なお、さらに、ビーズまたはペレットは、任意の幾何学的形状をとり得ることが企図される。例えば、踵クッション部材172は、2015年12月7日に出願された国際公開第2017/097315号に記載されているいくつかのプラスチック体で充填された中空空間のような、加圧流体または複数の楕円形または球形ビーズを受容する内部空隙(図示せず)を画定してもよく、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
引き続き
図8および
図18を参照すると、踵支持カラー174は、踵クッション部材172に隣接し、その上に配置されてもよく、ミッドソールクッション部材176に隣接し、その下に配置されてもよい。特定の実施形態において、踵支持カラー174は、踵クッション部材172の外周壁186に類似する形状を有してもよい。例えば、この特定の実施形態において、踵支持カラー174は、踵クッション部材172の外周壁186に類似し、概ねU字形または馬蹄形である。さらに、
図18に最もよく示されるように、踵支持カラー174の外縁188は、踵クッション部材172の後方端部190およびミッドソールクッション部材176の後方端部192を越えて、ある距離だけ後方に延在してもよい。踵支持カラー174は、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィンなどの熱可塑性材料から形成されてもよい。さらに、特定の実施形態において、踵支持カラー174は、約10ショアA~約90ショアAの硬度を有してもよい。いくつかの実施形態において、踵支持カラー174は、ヒール緩衝部材176の硬度または剛性値よりも大きい硬度または剛性値を有してもよい。
【0072】
ソール構造104はまた、典型的にはミッドソールクッション部材176を含み、ミッドソールクッション部材176は、足先領域108においてアウトソール162に隣接し、その上にあってよく、履物具100の踵領域112において踵クッション部材172に隣接し、その上にあってよい。ソール構造104はまた、本明細書でさらに論じられるように、プレート170および踵クッション部材172の少なくとも一部分と通じ、埋め込まれ、または封入される凹部194、196(
図15および
図16を参照)を含んでもよい。さらに、本明細書でさらに説明するように、ミッドソールクッション部材176は、プレート170の一部がそこを通って延在することができる開口部178を含み、それにより、プレート170の一部、例えば、後部セグメント179は踵領域112(
図18参照)において、ミッドソールクッション部材176の垂直方向で上方にあり、プレート170の一部、例えば、アーチ状セグメント200及び/又はつま先セグメント202(
図10及び12参照)は、履物具100の中足領域110及び/又は足先領域108(
図18参照)において、ミッドソールクッション部材176の垂直方向で下方にある。この実施形態において、ミッドソールクッション部材176はまた、プレート170の後部セグメント179と協働し、その形状およびサイズを画定する凹部196(
図14参照)を踵領域112内に含んでもよい。例えば、この特定の実施形態において、ストローベルボード114とすることができる上面206は、凹部196を含んでもよい。
【0073】
図14~
図16を参照すると、ミッドソールクッション部材176は、ストローベルボード114であってもよい上面206と、プレート170の後部セグメント179に類似する踵領域112内の凹部196とを含んでもよい。ミッドソールクッション部材176は、プレート170のつま先セグメント202およびアーチ状セグメント200に類似する、履物具100の足先領域108および中足領域110内に凹部194を有する底面207をさらに含んでもよい。さらに、開口部178は、凹部196の前端208、すなわち履物具100のつま先端152に最も近い凹部196の端部に近接し、凹部194の後端209、すなわち履物具100の踵端116に最も近い凹部194の端部に近接している。
【0074】
いくつかの実施形態において、側壁はミッドソールクッション部材176の周囲の一部を部分的に取り囲んで、足を支持および保持するのを助ける空洞を画定してもよい。例えば、この特定の実施形態において、ミッドソールクッション部材176は、履物具100の使用中に足を揺らして支持するように作用する、履物具100の踵領域112と中足領域110の少なくとも一部との周りにリムを形成する側壁、を含んでもよい。
【0075】
ミッドソールクッション部材176は、EVA、そのコポリマー、または類似のタイプの材料から構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ミッドソールクッション部材176は、ESS材料、EVA発泡体(例えば、PUMA(登録商標)ProFoam LiteTM、IGNITE発泡体)、ポリウレタン、ポリエーテル、オレフィンブロックコポリマー、熱可塑性材料(例えば、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリオレフィンなど)、または超臨界発泡体であってもよい。踵クッション部材172と同様に、ミッドソールクッション部材176は、単一のポリマー材料であってもよく、またはEVAコポリマー、熱可塑性ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(PEBA)コポリマー、および/またはオレフィンブロックコポリマーなどの材料のブレンドであってもよい。さらに、ミッドソールクッション部材176は、超臨界気体、例えばCO2、N2、またはそれらの混合物を使用して、材料、例えばEVA、TPU、TPE、またはそれらの混合物を発泡させる超臨界発泡工程から形成してもよい。そのような実施形態において、ミッドソールクッション部材176は、オートクレーブ、射出成形装置、または超臨界液体(例えば、CO2、N2、またはそれらの混合物)と、好ましくは溶融している材料(例えば、TPU、EVA、ポリオレフィンエラストマー、またはそれらの混合物)との混合を処理することができる任意の十分に加熱/加圧された容器内で実施されるプロセスを使用して製造されてもよい。例えば、例示的なプロセスにおいて、超臨界流体の溶液が溶融材料と混合される。この混合物は加圧された容器内に圧送または注入され、その後、容器内の圧力が解放され、その結果、超臨界流体の分子はガスに急速に変わり、材料内に小さなポケットを形成し、材料を発泡体に膨張させ、この発泡体はミッドソールクッション部材176として使用されてもよい。さらなる実施形態において、ミッドソールクッション部材176は、膨張プレス、射出成形機、ペレット膨張法、冷間発泡法、圧縮成形技術、型抜き法、またはそれらの任意の組合せの使用を含む、当技術分野で公知の代替方法を使用して形成されてもよい。特定の実施形態において、ミッドソールクッション部材176は、初期発泡ステップ(その間に超臨界ガスを使用して材料を発泡させる)と、第2のステップ(その間に発泡材料を特定の形状に圧縮成形または型抜きをする)とを含む工程を使用して形成してもよい。例えば、ミッドソールクッション部材176は、材料を発泡させるために超臨界流体を使用する初期発泡工程と、次いで、ミッドソールクッション部材176の上面206および底面207それぞれに凹面194、196を形成するために発泡材料を圧縮成形する第2のステップとを含む工程を使用して形成されてもよい。
【0076】
特定の実施形態において、ミッドソールクッション部材176は、十分なクッション性をソール構造104に供給するために提供される。ミッドソールクッション部材176は、約0.05g/cm3~約0.20g/cm3、または約0.10g/cm3~約0.20g/cm3の範囲の間の密度を有してもよい。さらなる実施形態において、ミッドソールクッション部材176は、約10ショアA~約50ショアAの間の硬度を有してもよい。なお、さらなる実施形態において、ミッドソールクッション部材176は、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、または超臨界発泡体から形成された複数の球形または楕円形のビーズまたはペレットなど、複数のビーズを包む空気袋であってもよい。例えば、ミッドソールクッション部材176は、2015年12月7日に出願され、上述された国際公開第2017/097315号に記載された多数のプラスチック体で充填された中空空間のような、加圧流体または複数のビーズを受容する内部空隙(図示せず)を画定してもよい。
【0077】
再び
図8および
図18を参照すると、ソール構造104は、その中に配置されたプレート170、または複数のプレートを含んでもよい。特定の実施形態において、プレート170は、履物具100の足先領域108においてアウトソール162とミッドソールクッション部材176との間に隣接して配置されてもよく、その結果、プレート170は足先領域108においてミッドソールクッション部材176の垂直下方にあり、および/または履物具100の中足領域110においてミッドソールクッション部材176の垂直下方にある。さらに、前述のように、ミッドソールクッション部材176は、ミッドソールクッション部材176がプレート170を少なくとも部分的に包み込むように、プレート170が嵌合または固定してもよい凹部194を含む。プレート170はまた、開口部178を通って延在し、より具体的にはプレート170の後部セグメント179が開口部178を通って延在する。このように、本実施形態において、後部セグメント179の少なくとも一部がミッドソールクッション部材176の上方に位置する。さらに、ミッドソールクッション部材176の凹部196は、プレート170の後部セグメント179を部分的に包み込んでもよい。この特定の実施形態において、ミッドソールクッション部材176の凹部196は、プレート170の上面274がミッドソールクッション部材176の上面206と同一平面上にあるように、後部セグメント179を完全に囲み、包み込む(
図18参照)。
【0078】
図9~
図13は履物具100に組み込まれ得る履物プレートまたはプレート170を示す。
図9はプレート170の上面斜視図を提供し、
図10はプレート170の上面図を提供し、
図11はプレート170の底面図を提供し、
図12はプレート170の側面図を提供し、
図13はその上に重ねられた左足の骨格構造を有するプレート170の別の上面図を提供する。
【0079】
プレート170は、後方セグメント179、アーチ状セグメント200、およびつま先セグメント202によって画定されてもよい。
図10および
図18を参照すると、後部セグメント179はその中に組み込まれたとき、履物具100の少なくとも踵領域112を通って延在してもよく、踵または踵骨、足首、またはアキレス腱を含む、足の後部の近くに位置付けられたプレート170の部分に対応してもよい。プレート170のアーチ状セグメント200は、後部セグメント179に近接して隣接しており、足のアーチを包む履物具100の中足領域110の近くに位置するプレート170の部分と、足のブライドとに対応してもよい。プレート170のつま先セグメント202は、アーチ状セグメント200に近接して隣接し、つま先、拇指球、および中足骨をつま先または指骨(すなわち、中足指節関節)と接続する関節を含む足の部分を包み込む、履物具100の足先領域108の近くに位置するプレート170の部分に対応する。
【0080】
図9~
図13に示すように、プレート170のつま先セグメント202はまた、プレート170の外側の第1のつま先セグメント部分212と、プレート170の内側の第2のつま先セグメント部分214とにつま先セグメント202を二分させる割れ目210を含んでもよい。この実施形態において、割れ目210が第1のつま先セグメント部分212の内壁216および第2のつま先セグメント部分212の内壁218によって画定されてもよく、概して湾曲または放物線状であってもよい。
図13に示されるように、第1のつま先セグメント部分212は、第4および第5のつま先または指骨を支持してもよく、第2のつま先セグメント部分214は本明細書でさらに論じられるように、第1および第2のつま先または指骨を支持してもよい。代替の実施形態において、第1のつま先セグメント部分212、第2のつま先セグメント部分214、および割れ目210のサイズは変化してもよい。その結果、第1のつま先セグメント部分212および/または第2のつま先セグメント部分214は、本明細書で後述するように、つま先または指骨のいずれか1つを個別に支持してもよい。
【0081】
図10に最もよく示されるように、プレート170はまた、第2のつま先セグメント部分214の遠位端である第1の端部220と、後部セグメント179の遠位端である第2の端部222とによって画定されてもよい。この実施形態において、プレート170はまた、第1のつま先セグメント部分212の遠位端である第3の端部224を含んでもよい。これらの実施形態において、プレート170の長さL1は、第1の端部220と第2の端部222との間の距離によって画定されてもよく、ミッドソールクッション部材176の長さ以下であってもよい。プレート170はまた、第1の端部220と第2の端部222との間に延在する外側226および内側228を含んでもよい。外側226と内側228との間の距離はまた、プレート170の第1の端部220と第2の端部222との間で変化してもよく、プレート170の幅、例えば、幅W1を画定してもよい。
【0082】
さらに
図10を参照すると、内側228は、第1の端部220から始まり、つま先セグメント202に沿ってアーチ状セグメント200に向かって外側に湾曲する。アーチ状セグメント200に近接して、内側228は、後部セグメント179に向かって内側に弓形に曲がり、その点で、内側228は第2の端部222に向かって直線的に延びる。外側226は、第3の端部224から始まり、つま先セグメント202に沿ってアーチ状セグメント200に向かって外側に湾曲する。アーチ状セグメント200に近接して、外側226は、後部セグメント179に向かって内側に湾曲し、その点で、外側226は第2の端部222に向かって直線的に延びる。
【0083】
図12を参照すると、プレート170はまた、履物具100の足先領域108および中足領域110を通って延びる湾曲部250と、履物具100の踵領域112を通って第2の端部222まで延びる平坦領域252とによって画定されてもよい。平坦領域252は平坦であり、平坦部252はプレート170が履物具100内に配置されたときに、地面、または基準平面254(
図12参照)に対して約10度以内または5度以内の水平になるように、実質的に平らである。平坦領域252はまた、基準平面254に対して高さH1にあってもよい。いくつかの実施形態において、高さH1は、約1ミリメートルから約50ミリメートルの間の範囲であってもよい。他の実施形態において、高さH1は、約5ミリメートル~約35ミリメートルの間、または約10ミリメートル~約20ミリメートルの間の範囲であってもよい。
【0084】
引き続き
図12を参照すると、湾曲部250は、1つまたは複数の曲率半径を含んでもよい。例えば、本実施形態において、湾曲部250は、それぞれ曲率半径を有する前方湾曲部256、内側湾曲部258、および後方湾曲部260を含む。前方湾曲部256は、第1の端部220と頂点262との間に延在してもよく、この実施形態において、プレート170が基準平面254に接するプレート170に沿った位置である。内側湾曲部258は、前方湾曲部256に隣接してもよく、基準平面254に対するプレート170の角度が変化する点においてプレートに沿った位置として定義される頂点262と遷移点264との間に延在してもよい。例えば、本実施形態において、基準平面254に対する湾曲部250の角度は、遷移点264において大きくなる。後方湾曲部260は、内側湾曲部258に隣接し、遷移点264からプレート170の平坦領域252まで延在する。
【0085】
さらに
図12を参照すると、前方湾曲部256、内側湾曲部258、および後方湾曲部260はそれぞれ、長さL2、L3、L4、および角度A1、A2、A3によって画定されてもよい。長さL2はプレート170の頂点262と前端220との間の基準平面254に沿って測定され、長さL3は頂点262と遷移点264との間の基準平面254に沿って測定され、長さL4は遷移点264とプレート170の後部セグメント179の前端266との間の基準平面254に沿って測定される。
図12にさらに示されるように、後部セグメント179または平坦部252は、その前端266から第2の端222まで測定される長さL5を有してもよい。いくつかの実施形態において、長さL2は、プレート170の全長L1の約10パーセント(10%)、20%、30%、または40%としてもよく、長さL3は、プレート170の全長L1のおよそ10%、20%、30%、40%、50%、または60%としてもよく、長さL4は、プレート170の全長L1の約10%、20%、30%、40%、50%、または60%としてもよく、そして、平坦部179の長さL5は、プレート170の全長L1の約10%、20%、30%、または40%としてもよい。代替実施形態において、湾曲部250は、プレート170が頂点262からプレート170の前端220まで延在する前方部分256、及び頂点262から後部セグメント179の前端266まで延在する後方部分(図示せず)のみを含むように、遷移点264を含まなくてもよい。そのような実施形態において、後方部分の長さは、長さL3と長さL4との合計にほぼ等しくてもよい。
【0086】
前述のように、プレート170の前方湾曲部256、内側湾曲部258、および後方湾曲部260もまた、それぞれ角度A1、A2、A3によって画定されてもよい。前方湾曲部256の角度A1は、前方部分256が頂点262から前端220に向かって延在する角度として定義されてもよい。あるいは別の言い方をすれば、角度A1は、基準平面254と、頂点262と前端220との間に延在する直線平面268との間の角度として定義されてもよい。角度A1は、約3度から約45度の間、または約5度から約20度の間、または約10度から約20度の間の値であってもよい。
【0087】
同様に、内側湾曲部258の角度A2は内側湾曲部258が頂点262からプレート170の後部セグメント179に向かって延在する角度として定義されてもよい。あるいは別の言い方をすれば、角度A2は、基準平面254と、頂点262と遷移点264との間に延在する第2の直線平面270との間の角度として定義されてもよい。角度A2は、約3度~約45度の間、または約5度~約20度の間、または約10度~約20度の間の値であってもよい。いくつかの実施形態において、内側湾曲部258の角度A2と、前方湾曲部268の角度A1とは互いに実質的に等しい。
【0088】
後方湾曲部260の角度A3は、後方湾曲部260が後方セグメント179に向かって延在する角度として定義されてもよく、基準平面254と、遷移点264とプレート170の後方セグメント179の前端266との間に延在する第3の直線平面272との間の角度として定義されてもよい。角度A3は、約5度から約70度の間、または約20度から約50度の間、または約30度から約50度の間の値であってもよい。いくつかの実施形態において、後方湾曲部260の角度A3は、内側湾曲部258および前方湾曲部256の角度A1、A2よりも大きい。
【0089】
図48はプレート1200の他の構成を示す。プレート1200の、プレート170に関して図示および説明したものと同じ特徴は、同様の参照番号で示されている。プレート1200は、後方セグメント179、アーチ状セグメント200、およびつま先セグメント202によって画定されてもよい。プレート1200はまた、プレート1200の第1の端部220に近接し、内壁1204によって画定される開口部1202を含んでもよい。開口部は、円形または長円形であってもよく、つま先セグメント202内に完全に含まれてもよく、アーチ状セグメント200内に完全に含まれてもよく、またはつま先セグメント202からアーチ状セグメント200内に延在してもよい。
【0090】
プレート170は、本明細書に記載されるように、リグニンまたはヘミセルロースをそこから除去するために天然木材を化学的に処理すること、または天然木材を圧縮することから形成される、高密度化木材または高密度化木材パネルから形成されてもよい。いくつかの実施形態において、プレート170は、高密度化木材と、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィンなどの熱可塑性材料との複合体から形成されてもよい。いくつかの実施形態において、プレート170は、高密度化木材と、炭素繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、ガラス繊維、天然繊維、およびポリマー繊維、またはそれらの組み合わせなどの1つまたは複数の繊維との複合体から形成されてもよい。これらの実施形態において、高密度化木材および/または繊維が縫合または接着によって、基材または熱可塑性材料、例えば、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリオレフィン、または熱可塑性エラストマーに貼り付けまたは結合されてもよい。他の実施形態において、プレート170は、炭素繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、ガラス繊維、ポリマー繊維などを含む一方向性テープから形成してもよい。他の実施形態において、プレート170は、高密度化木材の少なくとも1つの層との複合材から形成してもよい。
【0091】
いくつかの実施形態において、プレート170の1つ以上の材料がヤング率によって規定される剛性(例えば、引張強度)を有してもよい。例えば、特定の実施形態において、プレート170を形成する1つ以上の材料は、少なくとも約25ギガパスカル(GPa)、少なくとも約40GPa、または少なくとも約70GPa、または少なくとも約85GPa、または少なくとも約200GPaのヤング率を有してもよい。さらなる実施形態において、プレート170を形成する1つ以上の材料は、約25GPa~約200GPa、または約25GPa~約80GPa、または約25GPa~約70GPa、または約50GPa~約75GPaのヤング率を有してもよい。
【0092】
いくつかの実施形態において、プレート170の一部または全体は、約10GPa~約70GPa、約12GPa~約60GPa、約18GPa~約58GPa、約25GPa~約55GPa、または約35GPa~約50GPaのヤング率を有する高密度化木材から形成される。いくつかの実施形態において、プレート170の一部または全体は、ヤング率が少なくとも10.0GPa、少なくとも12.0GPa、少なくとも15.0GPa、少なくとも20.0GPa、少なくとも25.0GPa、少なくとも30.0GPa、少なくとも40.0GPa、少なくとも50.0GPa、または少なくとも55.0GPaである高密度化木材から形成される。
【0093】
いくつかの実施形態において、プレート170、およびその剛性は、特定のユーザのために選択され、設計されてもよい。例えば、プレート170の剛性は、ユーザの特定の筋力、腱柔軟性、または関節柔軟性に基づいて選択されてもよい。さらなる実施形態において、プレート170の剛性は、プレート170の一部がプレート170の別の部分と比較してより剛性が高くなるように、変化してもよい。例えば、ユーザが回内する実例では、その内側のプレート170の第2のつま先セグメント部分214は、プレート170の第1のつま先セグメント部分212、アーチ状部分200(または個々に、内側湾曲部258および/または後方湾曲部260)、および後方セグメント179よりも剛性が高くてもよい。他の実施形態において、追加の支持が履物具100のアーチまたは中足領域110において所望される場合、プレート170のアーチ状セグメント200(または個々に、内側湾曲部258および/または後方湾曲部260)は、プレート170のつま先セグメント202および後方セグメント179よりも剛性が高くてもよい。本質的に、第1のつま先セグメント部分212、第2のつま先セグメント部分214、アーチ状セグメント200(または個々に、内側湾曲部258および/または後部湾曲部260)、および後部セグメント179はそれぞれ、前述の範囲内の個々の剛性と、プレート170の他のセグメントの剛性よりも大きいかまたは小さい個々の剛性とを有してもよいことが想定される。代替実施形態において、プレート170の剛性は、第1のつま先セグメント部分212と、第2のつま先セグメント部分214と、アーチ状セグメント200と、後部セグメント179との間で均一かつ一定であってもよい。
【0094】
いくつかの実施形態において、プレート170の剛性は、その中の高密度化木材の層の数を増減させることによって変更されてもよい。いくつかの実施形態において、プレート170の特定の領域は、剛性を高めるために、高密度化木材のより多くの層を含んでもよい。いくつかの実施形態において、プレート170の剛性は、所望の剛性を達成するために、高密度化木材を1つまたは複数の追加の材料と組み合わせることによって変更されてもよい。
【0095】
プレート170はまた、約0.5ミリメートル(mm)~約3.0mm、または約0.5mm~約2.0mm、または約0.7mm~約1.0mmの間の均一な厚さまたは実質的に均一な厚さを含んでもよい。他の実施形態において、プレート170は、プレート170にわたって変化する不均一な厚さまたは厚さを有してもよい。例えば、プレート170の剛性と同様に、第1のつま先セグメント部分212の厚さは、第2のつま先セグメント部分214、アーチ状セグメント200(又は個々に、内側湾曲部258及び/又は後方湾曲部260)、及び/又は後方セグメント179の厚さとは異なる厚さであってもよく、第2のつま先セグメント部分214は、第1のつま先セグメント部分214、アーチ状セグメント200、および/または後部セグメント179の厚さとは異なる厚さであってもよく、アーチ状セグメント200は、第1のつま先セグメント部分212、第2のつま先セグメント部分214、および/または後部セグメント179の厚さとは異なる厚さであってもよく、または後部セグメント179は、第1のつま先セグメント部分212、第2のつま先セグメント部分214、および/またはアーチ状セグメント200の厚さとは異なる厚さを有してもよい。本質的に、第1のつま先セグメント部分212、第2のつま先セグメント部分214、アーチセグメント200、または後部セグメント179の厚さは、プレート170が形成されるときに個別に選択されてもよい。特定の実施形態において、プレート170の厚さおよびその領域は、特定のユーザおよびその特定の筋力、腱の柔軟性、または関節の柔軟性のために選択されてもよい。これらの実施形態において、プレート170の厚さ、およびそのセグメント179、200、212、214の個々の厚さは、約0.5mm~約3.0mm、または約0.5mm~約2.0mm、または約0.7mm~約1.0mmの範囲であってもよい。
【0096】
特に
図13を参照すると、第1のつま先セグメント部分212は、第4の遠位指節骨および/または第4の近位指節骨300、ならびに第5の遠位指節骨および/または第5の近位指節骨302に近接して配置され、それらを支持してもよい。したがって、第1のつま先セグメント部分212の特性は、ユーザの足の特定の領域に最適または所望の量の支持、弾性、またはばね力を提供するように調整されてもよい。さらに、第2のつま先セグメント部分214は、第1の遠位指節骨および/または第1の近位指節骨304、ならびに第2の遠位指節骨および/または第2の近位指節骨306に近接して配置され、それらを支持してもよい。したがって、第1のつま先セグメント部分212の特性は、ユーザの足の特定の領域に最適または所望の量の支持、弾性、またはばね力を提供するように調整されてもよい。アーチセグメント200は、第1の中足骨308、第2の中足骨310、第3の中足骨312、第4の中足骨314、および/または第5の中足骨316、ならびにユーザの足の外側楔状、中間または中間楔状、および/または内側楔状などの立方体318、舟状骨320、および/または楔状骨322に近接して配置され、それらを支持してもよい。したがって、アーチセグメント200の特性は、ユーザの足の特定の領域に最適または所望の量の支持、弾性、またはばね力を提供するように調整されてもよい。最後に、後部セグメント179は、ユーザの足の踵または踵骨324に近接し、それを支持してもよく、したがって、後部セグメント179の特性は、ユーザの足の特定の領域に最適または所望の量の支持、弾性、またはばね力を提供するように調整されてもよい。例えば、ランナーが足先部打撃を有する場合、すなわち、ランナーが足のつま先およびボール(例えば、遠位指骨および/または近位指骨300~306)にその衝撃の重量をかける場合、ランニング時に、ユーザの重量および力の大部分がプレート170の第1のつま先セグメント部分212および第2のつま先セグメント部分214に加えられてもよい。したがって、第1のつま先セグメント部分212および第2のつま先セグメント部分214は、走行時にユーザの足を支持するために必要な剛性を提供し、それによってエネルギー散逸を低減するように設計されてもよい。さらに、この実施形態において、プレート170のアーチ状セグメント200および後部セグメント179は、軽量材料から構成されてもよく、それはこれらの領域に最小の重量または力が加えられ、したがって、足先部打撃を有するランナーのためにこれらの特定の領域に必要とされる支持がより少ないからである。あるいは、ランナーが踵打撃または中足打撃を有する場合、第1のつま先セグメント部分212、第2のつま先セグメント部分214、アーチ状セグメント200、および後部セグメント179は、ストライド全体にわたって、および地面との接触中に、ユーザの足に支持を提供するために、剛性材料から構成されてもよい。
【0097】
他の実施形態において、本明細書でさらに議論されるように、プレート170のサイズおよび形状は、着用者の足に所望の支持および構造を提供するように変更されてもよい。例えば、この特定の実施形態において、第1のつま先セグメント部分212は、幅W2(
図10参照)を有してもよい。幅W2は、プレート170の外側226と、プレート170の第3の遠位端224上の割れ目210の内壁216、218との間の距離として定義されてもよい。さらに、第2のつま先セグメント部分214は、プレート170の内側228と割れ目210の内壁218との間の距離として定義される幅W3を有してもよい。加えて、割れ目210は第1のつま先セグメント部分212と第2のつま先セグメント部分214との間の距離として定義される幅W4を有してもよい。いくつかの実施形態において、割れ目210の幅W4は、増加されてもよく、第1のつま先セグメント部分212および第2のつま先セグメント部分214のそれぞれの幅は、本明細書でさらに論じるように減少されてもよい(例えば、
図19および
図20を参照)。
【0098】
いくつかの実施形態において、幅W2、W3は個々に、約2.5ミリメートル(mm)~約100mm、または約5mm~約50mm、または約10mm~約30mm、または約15mm~約30mm、または約20mm~約30mm、または約25mmであってもよい。さらに、割れ目210の幅W4は、約2.5mm~約100mm、または約5mm~約50mm、または約10mm~約30mm、または約15mm~約30、または約20mm~約30mm、または約30mm~約70mm、または約30mm~約50mm、または約35mm~約45mmであってもよい。
【0099】
図19および
図20は本開示の第2の実施形態による、ソール構造400を提供する。この実施形態において、ソール構造400は、アウトソール402と、ミッドソールクッション部材404と、プレート406とを含む。さらに、
図19および
図20はソール構造400のみを示すが、ソール構造400は、アッパー102などのアッパーに接続されて、履物具を形成してもよいことが、当業者によって理解されるべきである。したがって、ソール構造400と組み合わせたアッパー102の態様が想定され、アッパー102は、ソール構造400に取り付けられてもよく、ソール構造400と共に、足が挿入され得る内部空洞を画定してもよい。
【0100】
ソール構造400の構成は、ソール構造400が踵クッション部材172および踵支持カラー174を含まず、アウトソール402、ミッドソールクッション部材404、ならびに第1のつま先セグメント部分408および第2のつま先セグメント部分410を有するプレート406を含むことを除いて、ソール構造104と実質的に同様である。
【0101】
本明細書で前述したように、第1のつま先セグメント部分212の幅W2、第2のつま先セグメント部分214の幅W3、および割れ目210の幅W4は、変化してもよく、ソール構造104に必要とされる所望の支持に依存してもよい。例えば、ソール構造104の側面124上に比較的小さい支持が必要であり、ソール構造104の内側126上に比較的小さい支持が必要である場合、割れ目210の幅W4を増加させてもよい一方で、第1のつま先セグメント部分212の幅W2および第2のつま先セグメント部分214の幅W3を減少させてもよい。例えば、特に
図10及び
図20を参照すると、第1つま先セグメント部分408の幅は、第1つま先セグメント部分212の幅W2よりも小さく、第2つま先セグメント部分410の幅は、第2つま先セグメント部分410の幅W3よりも小さく、割れ目412の幅は、割れ目210の幅W4よりも大きい。
【0102】
図21は、本開示の第3の実施形態によるミッドソールクッション部材452と、プレート454と、アウトソール456とを含むソール構造450を提供する。
図21はソール構造450のみを示しているが、ソール構造450はアッパー102などのアッパーに接続されて、履物具を形成してもよいことを理解されたい。したがって、ソール構造450と組み合わせたアッパー102の態様が想定され、アッパー102は、ソール構造450に取り付けられてもよく、ソール構造450と共に、ユーザの足が挿入され得る内部空洞を画定してもよい。
【0103】
この実施形態において、ミッドソールクッション部材452は、足先領域、ミッドソール領域、および踵領域において、アウトソール456に隣接し、その上にあってもよい。ミッドソールクッション部材452はまた、プレート454と通じる凹部458を含んでもよい。言い換えれば、ミッドソールクッション部材452の凹部458は、プレート170の少なくとも一部を埋め込み、封入し、または取り囲んでもよい。したがって、ミッドソールクッション部材452の凹部458はまた、プレート170の形状およびサイズを画定し得る。
【0104】
前述のように、ソール構造450は、その中に配置されたプレート454を含んでもよい。特定の実施形態において、プレート454が履物具の足先領域においてアウトソール456とミッドソールクッション部材452との間に隣接して配置されてもよく、その結果、プレート454は履物具の中足領域においてミッドソールクッション部材452の垂直下方に、および/または履物具の中足領域においてミッドソールクッション部材452の垂直下方にある。言い換えると、プレート454は、足先領域および/または中足領域において、ミッドソールクッション部材452とアウトソール456との間に配置されてもよい。さらに、この特定の実施形態において、足先領域における凹部458の深さは、ソール構造450の踵領域における凹部458の深さよりも小さい。結果として、プレート454は、組み立てられたときに、ソール構造450の足先領域の凹部458内に位置決めされるが、そこから延在し、その結果、アウトソール456は、足先領域のプレート454と係合または接触する。しかしながら、凹部458の深さは踵領域におけるプレート454の厚さよりも大きいので、この実施形態において、ミッドソールクッション部材452がプレート454を完全に囲み、組み立てられたときに、プレート454とアウトソール456との間に間隙(図示せず)が存在する。
【0105】
この実施形態において、プレート454はまた、後部セグメント460、アーチ状セグメント462、およびつま先セグメント464によって画定されてもよい。後部セグメント460は、組み込まれたとき、ソール構造450の踵領域の少なくとも一部を通って延在してもよく、踵または踵骨、足首、またはアキレス腱を含む、足の後部付近に位置付けられたプレート454の部分に対応してもよい。プレート454のアーチ状部分462は、後部セグメント460に近接し、これに隣接し、足のブリッジとともに足のアーチを包み込む履物具の中足領域の近くに位置するプレート454の部分に対応する。プレートのつま先セグメント464は、アーチ状セグメント462に近接し、それに隣接し、つま先、拇指球、および中足骨をつま先または指骨(すなわち、中足指節関節)に接続する関節を含む足の部分に対応する。
【0106】
プレート454のつま先セグメント464はまた、プレートの外側の第1のつま先セグメント部分468と、プレート454の内側の第2のつま先セグメント部分470とにつま先セグメント464を分岐させる割れ目466を含んでもよい。
【0107】
さらに
図21を参照すると、アーチ状部分462は、プレート454がソール構造450内に位置付けられるとき、つま先セグメント464がプレート454のアーチ状部分462および/または後部セグメント460の下の相対位置を有するように、湾曲または弓なりにされてもよい。言い換えると、組み立てられたとき、プレート454のつま先セグメント464は、プレート454の後部セグメント460と比較してアウトソール456により近く、プレート454の後部セグメント460は、プレート454のつま先セグメント464と比較して、ミッドソールクッション部材452のインソールまたは上面(図示せず)により近い。これらの実施形態において、アーチ状部分462は、比較的平坦である後部セグメント460に向かって上向きに湾曲する。特定の実施形態において、後部セグメント460は、プレート454がソール構造450内に位置付けられるとき、後部セグメント460が地面、または基準平面に対して約10度以内または5度以内の水平になるように、実質的に平坦である。しかしながら、ソール構造104、400とは異なり、ミッドソールクッション部材452は、プレート454の一部が延在する開口部を含まず、したがって、プレート454の一部は、ミッドソールクッション部材452の上方にない。むしろ、この実施形態において、プレート454の全長はミッドソールクッション部材452の下にあり、ミッドソールクッション部材452とアウトソール456との間に配置される。
【0108】
図1~
図21に関連して上述したように、足指セグメント、例えば、プレート170、406、454の足指セグメント202、464は、ソール構造104、400、450のための支持を拡張して変更し、ひいてはユーザの足の足先領域に提供される支持を変更するように修正されてもよい。同様に、代替実施形態において、プレート170、406、454の後部セグメント、例えば後部セグメント179、460は、ソール構造104、400、450の踵領域に提供される支持を変更または最適化するように修正されてもよい。言い換えれば、プレート170、406、454の後部セグメントは、ユーザの足の踵領域に対する支持を増減するように修正されてもよい。例えば、
図22および
図23は、ソール構造500(
図22参照)およびソール構造600(
図23参照)のさらなる実施形態を示し、プレートの後部セグメントは、履物具の踵領域に最適化された支持を提供するように修正される。
【0109】
図22を参照すると、ソール構造500は、ミッドソールクッション部材502と、プレート504と、踵クッション部材506と、アウトソール508とを含んでもよい。
図23に関して、ソール構造600は、上部ミッドソールクッション部材602と、プレート604と、下部ミッドソールクッション部材606と、踵支持カラー608と、アウトソール610とを含んでもよい。これらの実施形態において、従来の実施形態と同様に、
図22および23はソール構造500、600を示しているに過ぎないが、ソール構造500、600は、アッパー102などのアッパーに接続され、履物具を形成してもよいことを理解されたい。
【0110】
引き続き
図22および
図23を参照すると、ソール構造500、600は、プレート504、604の外側の第1のつま先セグメント部分512、612およびプレート504、604の内側の第2のつま先セグメント部分514、614につま先セグメントを分岐させる割れ目510、610を有するプレート504、604と、プレート504、604の外側の第1の後セグメント部分518、618およびプレート504、604の内側の第2の後セグメント部分520、620に後セグメントを分岐させる第2の割れ目516、616とを含む。これらの実施形態において、第2の割れ目516、616は、内壁522、622によって画定されてもよく、内壁は概して湾曲していても放物線状であってもよい。いくつかの実施形態において、第1の後部セグメント部分518、618および/または第2の後部セグメント部分520、620のサイズは、ソール構造500、600の踵領域を支持してもよい。
【0111】
さらに、ソール構造104のプレート170と同様に、プレート504、604は、平坦部と、前方湾曲部、内側湾曲部、および/または後方湾曲部を有する湾曲部とを含んでもよい。例えば、
図23に示すように、プレート604は、平坦部624と、前方湾曲部626、内側湾曲部628、および後方湾曲部630を有する湾曲部とを含んでもよい。下部ミッドソールクッション部材606はまた、下部ミッドソールクッション部材606の上面634から上方に突出する支持面632を含んでもよい。この実施形態において、支持面632は、平坦部624、後方湾曲部630、および内側湾曲部628の下面に接触または係合する。
【0112】
図24~26は本開示の別の態様による、ミッドソールクッション部材702と、プレート704と、アウトソール706とを含む別のソール構造700を提供する。この特定の実施形態において、プレート704は、基部708と、内側および外側アーム710、712とを含む。さらに、ミッドソールクッション部材702は、基部708が貫通し得る開口部714を含んでもよい。例えば、
図25および
図26に示されるように、基部708は、それ自体の上に折り畳まれ、開口部714を通して挿入されてもよい。基部708が開口部714を通して挿入されると、基部708は凹部716内に配置されてもよい。
【0113】
図27は本開示の別の実施形態による、プレート800の上面図を示し、これは本明細書で前述したプレート170と同様の方法で特徴付けられ、画定されてもよい。さらに、
図28~
図35はプレート800を含む履物具802またはそのソール構造804を示す。履物具802またはそのソール構造804はまた、本開示のさらに別の態様による、上部ミッドソールクッション部材806、踵支持カラー808、プレート800、下部ミッドソールクッション部材810、アウトソール812、およびアッパー813を含んでもよい。本明細書で前述した実施形態と同様に、プレート800は、後部セグメント814(
図30参照)、アーチセグメント816(
図30参照)、およびつま先セグメント818(
図30参照)によって画定されてもよい。引き続き
図30を参照すると、後部セグメント814はその中に組み込まれたとき、履物具802の少なくとも踵領域を通って延在してもよく、本明細書で前述したように、足の後部の近くに位置付けられたプレート800の部分に対応してもよい。プレート800のアーチ状セグメント816は、後部セグメント814に近接し、それに隣接し、足のブリッジとともに足のアーチを包む履物802の物品の中足領域の近くに配置されたプレート800の部分に対応する。プレート800のつま先セグメント818は、アーチ状セグメント816に近接し、それに隣接し、履物具802の足先領域の近くに配置されたプレート800の部分に対応する。
【0114】
プレート170と同様に、プレート800のつま先セグメント818はまた、つま先セグメント818を、プレート800の外側の第1のつま先セグメント部分822と、プレート800の内側の第2のつま先セグメント部分824とに分岐させる割れ目820を含んでもよい。第1のつま先セグメント部分822、第2のつま先セグメント部分824、および割れ目820は、第1のつま先セグメント部分212、第2のつま先セグメント部分214、および割れ目210と同様の特性を有してもよい。たとえば、第1のつま先セグメント822、第2のつま先セグメント824、および割れ目820は、本明細書で前述したように、それぞれ幅W2、W3、およびW4に等しい幅を有してもよい。
図27に最もよく示されるように、プレート800はまた、第2のつま先セグメント部分824の遠位端である第1の端部826と、後部セグメント814の遠位端である第2の端部828と、第1のつま先セグメント部分822の遠位端であり得る第3の端部830とによって画定されてもよい。プレート800の長さL6は、第1の端部826と第2の端部828との間の距離によって画定されてもよく、履物具の上部ミッドソールクッション本体806などのミッドソールの長さ以下であってもよい。プレート800はまた、第1の端部826と第2の端部828との間に延在する外側832および内側834を含んでもよい。外側832と内側834との間の距離はまた、プレート800の第1の端部826と第2の端部828との間で変化し得るプレート800の幅W5を画定してもよい。
【0115】
さらに
図27を参照すると、内側834は第1の端部826から始まり、つま先セグメント818に沿ってアーチ状セグメント816に向かって外側に湾曲する。アーチ状セグメント816に近接して、内側834は後部セグメント814に向かって内向きに湾曲し、その時点で、内側834は再び外向きに湾曲する。外側832は第3の端部830から始まり、つま先セグメント818に沿ってアーチ状セグメント816に向かって外側に湾曲する。外側832は、アーチ状セグメント816に近接して、後部セグメント814に向かって内側に曲がり、その時点で、外側832は再び外側に曲がる。
【0116】
図30を参照すると、プレート800はまた、履物具802の足先領域および中足領域を通って延在する湾曲部816と、履物具802の踵領域を通って第2の端部828まで延在する平坦領域814とを含んでもよい。平坦領域814は、プレート800が履物具802内に配置されるとき、平坦領域814が地面に対して約10度以内または5度以内の水平であるように、実質的に平らである。
【0117】
プレート170と同様に、つま先セグメント部分818および湾曲部816は、1つまたは複数の曲率半径を含んでもよい。例えば、この実施形態において、湾曲部816は、後方湾曲部256と同様に角度が付けられてもよく、つま先セグメント部分818は、内側湾曲部256および/または後方湾曲部260と同様に角度が付けられてもよい。つま先セグメント部分818および湾曲部816は、本明細書で前述したように、それぞれ長さL7またはL8などの長さと、角度A1、A2、および/またはA3などの角度とによって画定されてもよい。後方セグメント814はまた、長さL5と同様の長さL9によって画定されてもよい。
【0118】
本明細書で前述したように、プレート800の一部または全体、またはプレート170、406、454、504、604、704は、高密度化されたもので形成されてもよい。いくつかの実施形態において、プレート800、またはプレート170、406、454、504、604、704は、高密度化木材と、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィンなどの熱可塑性材料との複合体から形成されてもよい。しかしながら、特定の実施形態において、プレート800、またはプレート170、406、454、504、604、704は、炭素繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、ガラス繊維、およびポリマー繊維、またはそれらの組み合わせなどの繊維と共に、高密度化木材の複合材または1つ以上の層から形成されてもよい。これらの実施形態において、高密度化木材および/または繊維が縫合または接着によって、基材または熱可塑性材料、例えば、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリオレフィン、または熱可塑性エラストマーに貼り付けられるか、または結合されてもよい。他の実施形態において、プレート800、またはプレート170、406、454、504、604、704は、高密度化木材、炭素繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、ガラス繊維、ポリマー繊維などを含む一方向テープから形成されてもよい。
【0119】
いくつかの実施形態において、プレート800、またはプレート170、406、454、504、604、704の1つまたは複数の材料は、ヤング率によって定義される剛性(たとえば、引張強度)を有してもよい。例えば、特定の実施形態において、プレート800、またはプレート170、406、454、504、604、704を形成する1つまたは複数の材料は、少なくとも約25ギガパスカル(GPa)、少なくとも約40GPa、または少なくとも約70GPa、または少なくとも約85GPa、または少なくとも約200GPaのヤング率を有してもよい。さらなる実施形態において、プレート800を形成する1つまたは複数の材料は、約25GPa~約200GPa、または約25GPa~約80GPa、または約25GPa~約70GPa、または約50GPa~約75GPaのヤング率を有してもよい。いくつかの実施形態において、プレート800、またはプレート170、406、454、504、604、704、およびそれらの剛性は、特定のユーザのために選択され、設計されてもよい。例えば、プレート800、またはプレート170、406、454、504、604、704の剛性は、ユーザの特定の筋力、腱の可撓性、または関節の可撓性に基づいて選択されてもよい。さらなる実施形態において、プレート800、またはプレート170、406、454、504、604、704の剛性は、本明細書で前述したように、プレート800の一部、またはプレート170、406、454、504、604、704がその別の部分と比較してより剛性が高くなるように、変化してもよい。いくつかの実施形態において、プレート800の一部または全体、またはプレート170、406、454、504、604、704は、少なくとも10.0GPa、少なくとも12.0GPa、少なくとも15.0GPa、少なくとも20.0GPa、少なくとも25.0GPa、少なくとも30.0GPa、少なくとも40.0GPa、少なくとも50.0GPa、または少なくとも55.0GPaのヤング率を有する高密度化木材から形成される。
【0120】
プレート800、またはプレート170、406、454、504、604、704はまた、約0.5ミリメートル(mm)~約3.0mm、または約0.5mm~約2.0mm、または約0.7mm~約1.0mmの均一な厚さまたは実質的に均一な厚さを含んでもよい。他の実施形態において、プレート800、またはプレート170、406、454、504、604、704は、本明細書で前述したように、プレート800にわたって、またはプレート170、406、454、504、604、704にわたって変化する不均一な厚さまたは厚さを有してもよい。
【0121】
図30~
図35を参照すると、プレート800は、上部ミッドソールクッション部材806と下部ミッドソールクッション部材810とに隣接し、それらの間に配置されてもよい。上部ミッドソールクッション部材806は、上部ミッドソールクッション部材806がプレート800を少なくとも部分的に包み込むように、プレート800が嵌合または固定されてもよい凹部を含んでもよい。下部クッション部材810の一部は、上部クッション部材806の凹部内に延在してもよい(例えば、
図34参照)。
【0122】
上部ミッドソールクッション部材806および/または下部ミッドソールクッション部材810は、EVA、TPU、TPE、それらの組み合わせ、または同様のタイプの材料から構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、上部クッション部材806および/または下部クッション部材810は、ESS材料、EVA発泡体(例えば、PUMA(登録商標)ProFoam LiteTM、IGNITE発泡体)、ポリウレタン、ポリエーテル、オレフィンブロックコポリマー、熱可塑性材料(例えば、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリオレフィンなど)、または超臨界発泡体であってもよい。上部ミッドソールクッション部材806および/または下部ミッドソールクッション部材810は、単一のポリマー材料であってもよく、またはEVAコポリマー、熱可塑性ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(PEBA)コポリマー、および/またはオレフィンブロックコポリマーなどの材料のブレンドであってもよい。さらに、上部クッション部材806および/または下部ミッドソールクッション部材810は、超臨界気体、例えば、CO2、N2、またはそれらの混合物を使用して、材料、例えば、EVA、TPU、TPE、またはそれらの混合物を発泡させる超臨界発泡工程から形成されてもよい。そのような実施形態において、上部ミッドソールクッション部材806および/または下部ミッドソールクッション部材810は、オートクレーブ、射出成形機、または超臨界流体(例えば、CO2、N2、またはそれらの混合物)と、好ましくは溶融している材料(例えば、TPU、EVA、ポリオレフィンエラストマー、またはそれらの混合物)との混合を処理することができる任意の十分に加熱/加圧された容器内で実施されるプロセスを使用して製造されてもよい。例えば、例示的なプロセスでは、超臨界流体の溶液を溶融材料と混合する。この混合物は加圧された容器内に圧送または注入され、その後、容器内の圧力が解放され、その結果、超臨界流体の分子はガスに急速に変わり、材料内に小さなポケットを形成し、材料を発泡体に膨張させ、上部ミッドソールクッション部材806および/または下部ミッドソールクッション部材810として使用されてもよい。さらなる実施形態において、上部ミッドソールクッション部材806および/または下部ミッドソールクッション部材810は、膨張プレス、射出機、ペレット膨張法、冷間発泡法、圧縮成形技術、型抜き法、またはそれらの任意の組合せの使用を含む、当技術分野で知られている代替方法を使用して形成されてもよい。特定の実施形態において、上部ミッドソールクッション部材806および/または下部ミッドソールクッション部材810は、材料を発泡させるために超臨界ガスが使用される初期発泡ステップと、発泡材料が特定の形状に圧縮成形または型抜きされる第2のステップとを含む工程を使用して形成されてもよい。例えば、上部ミッドソールクッション部材806および/または下部ミッドソールクッション部材810は、材料を発泡させるために超臨界流体を使用する初期発泡工程と、その後、発泡材料を圧縮成形して上部ミッドソールクッション部材806の凹面を形成する第2のステップとを含む工程を使用して形成されてもよい。
【0123】
さらなる実施形態において、上部ミッドソールクッション部材806および/または下部ミッドソールクッション部材810は、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、または超臨界発泡体から形成された複数のビーズまたはペレットを包む空気袋であってもよい。例えば、上部ミッドソールクッション部材806および/または下部ミッドソールクッション部材810は、2015年12月7日に出願された国際公開第2017/097315号に記載されている、上述のような多数のプラスチック体で充填された中空空間などの、加圧流体または複数のビーズまたはペレットを受容する内部空隙(図示せず)を画定してもよい。
【0124】
ソール構造104の踵支持カラー174と同様に、ソール構造804は、踵支持カラー808を含んでもよい。踵支持カラー808は、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィンなどの熱可塑性材料から形成してもよい。さらに、特定の実施形態において、踵支持カラー808は、約10ショアA~約90ショアAの硬度を有してもよい。いくつかの実施形態において、踵支持カラー808は、上部ミッドソールクッション部材806および/または下部ミッドソールクッション部材810の硬度または剛性値よりも大きい硬度または剛性値を有してもよい。
【0125】
図36~38は履物具のための別のソール構造900を示す。この実施形態において、ソール構造900は、アウトソール902と、プレート904と、踵クッション部材906と、踵支持カラー908と、ミッドソールクッション部材910とを含む。
【0126】
この実施形態において、プレート904は、約10°~45°または約20°~約30°の角度を有する傾斜を有する下側基部912を含んでもよい。言い換えれば、水平面に対して、プレート904の下側基部912は、ソール構造900の踵領域に向かって延在するにつれて上方に傾斜する。プレートはまた、下側基部912を上向きに延在するフランジ916に接続する、アーチ形、湾曲形、またはC字形の後部914を含んでもよい。ミッドソールクッション部材910はまた、
図36に示されるように、ソール構造900が組み立てられるとき、上方に延在する側壁918を含んでもよく、上方に延在するフランジ916は、側壁918の周りに巻き付いてもよい。さらに、ソール構造900が組み立てられると、踵支持カラー908は、プレート904のフランジ916の周りに巻き付いてもおい。したがって、これらの実施形態において、プレート904の一部は、ソール構造900に沿った特定の位置において、ミッドソールクッション部材910の上方および下方の両方に配置されてもよい。例えば、ソール構造900の踵領域付近では、プレート904の基部912はミッドソールクッション部材910の下方に位置付けられ、プレート904のフランジ916はミッドソールクッション部材910の上方に位置付けられる。
【0127】
本明細書で前述したように、プレート904の一部または全体は、高密度化木材から形成してもよい。いくつかの実施形態において、プレート904は、高密度化木材と、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィンなどの熱可塑性材料との複合体から形成されてもよい。本質的に、プレート904は、本明細書で前述したプレート170、406、454、504、604、704、800と同様の材料から構成され、同様の特性を有してもよい。
【0128】
ミッドソールクッション部材910は、ミッドソールクッション部材176と同様の材料から構築されてもよい。例えば、ミッドソールクッション部材は、EVA、TPU、TPE、それらの組み合わせ、または同様のタイプの材料から構築または構成されてもよい。さらに、本明細書で前述したように、ミッドソールクッション部材910は、超臨界気体、例えばCO2、N2、またはそれらの混合物を使用して、材料、例えばEVA、TPU、TPE、またはそれらの混合物を発泡させる超臨界発泡工程から形成してもよい。さらに別の実施形態において、ミッドソールクッション部材910は、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、または超臨界発泡体から形成された複数の球形または楕円形のビーズまたはペレットなどの複数のビーズを包む空気袋であってもよい。例えば、ミッドソールクッション部材910は、本明細書で前述したように、いくつかのプラスチック体で充填された中空空間などの、加圧流体または複数の楕円形または球形ビーズを受容する内部空隙(図示せず)を画定してもよい。
【0129】
この実施形態において、ソール構造900はまた、踵領域においてアウトソール902に隣接してその上に、および部分的に中足領域において位置決めされ得る踵クッション部材906を含んでもよい。言い換えると、踵クッション部材906は、アウトソール902に隣接してもよく、ソール構造900の踵端部から、踵領域を通って、部分的に中足領域を通って延在してもよい。踵クッション部材906は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、それらのコポリマー、または類似のタイプの材料から構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、踵クッション部材906は、EVA-Solid-Sponge(「ESS」)材料、EVA発泡体(例えば、PUMA(登録商標)ProFoam LiteTM、IGNITE発泡体)、ポリウレタン、ポリエーテル、オレフィンブロックコポリマー、熱可塑性材料(例えば、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリオレフィンなど)、または超臨界発泡体であってもよい。踵クッション部材906は、単一のポリマー材料であってもよく、またはEVAコポリマー、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)コポリマー、および/またはオレフィンブロックコポリマーなどの材料のブレンドであってもよい。さらに別の実施形態において、踵クッション部材906は、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、または超臨界発泡体から形成された複数の球形、楕円形、または他の成形ビーズまたはペレットなどの複数のビーズまたはペレットを包む空気袋であってもよい。例えば、踵クッション部材906は、本明細書で前述したように、加圧流体または複数の楕円形、球形、または他の形状のビーズもしくはペレットを受容する内部空隙(図示せず)を画定してもよい。
【0130】
踵支持カラー174と同様に、ソール構造900はまた、ミッドソールクッション部材900の上方に配置された踵支持カラー908を含んでもよい。踵支持カラー908は、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィンなどの熱可塑性材料から形成してもよい。
【0131】
図39~
図45は本開示の別の実施形態による、ソール構造1000を提供する。
図39~
図45はソール構造1000のみを示しているが、ソール構造1000の上面1014は、アッパー102などのアッパーに接続されて、履物具を形成してもよいことが、当業者によって理解されるべきである。したがって、ソール構造1000と組み合わせたアッパー102の態様が想定され、アッパー102は、ソール構造1000に取り付けられてもよく、ソール構造1000と共に、足が挿入され得る内部空洞を画定してもよい。
【0132】
図39~
図45に示す実施形態では、ソール構造1000は、上面1014と、底面1016と、底面1016から下方に延在する1つまたは複数の突出部1004、1010で構成されるソールプレート1002を含む。ソールプレート1002の突出部1004、1010は、スタッド1006、1012をそこに可逆的または不可逆的に取り付けるように構成される。ソールプレートに取り付けられたスタッド1006、1012は、ユーザに着用されたとき、地面と係合し、地面の中に部分的に挿入されることが確認される。ソールプレート1002は、ソールプレート1002の構造、可撓性、または剛性を支持または修正するために、追加の構造的特徴、例えば、リッジ1008または屈曲溝1018、1020を含んでもよい。単一のソール構造1000、すなわち、ユーザの右足に着用される履物具のためのソール構造のみが示されているが、本明細書に開示される概念は、ユーザの左足および右足をそれぞれ受容するようなサイズおよび形状にされ得る左靴および右靴を含む、一対の靴(図示せず)に適用可能であることを理解されたい。しかしながら、開示を容易にするために、単一の靴が本開示の態様を説明するために参照されるが、ソール構造1000を参照する本明細書の開示は左靴および右靴の両方に適用可能である。
【0133】
突出部1004、110およびスタッド1006、1012の多くの形状および構成は当技術分野で知られており、着用者、地面、または履物具が使用される活動のタイプに最適化されてもよい。いくつかの実施形態において、ソールプレート1002は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、または少なくとも40個の突出部1006、1012およびそれらに取り付けられたスタッドを含む。いくつかの実施形態において、スタッド1006、1012は、円筒形、円錐形、角柱形、または羽根付き形状であってもよい。同様に、スタッドはゴム、金属、または熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィンなどの熱可塑性材料を含むが、これらに限定されない任意の適切な材料から形成されてもよい。スタッド1006、1012は限定されないが、接着剤または噛み合わせねじ(interlocking threads)を含む、当技術分野で知られている任意の手段によって、突出部1004、1010を通してソールプレート1002に取り付けられてもよい。
【0134】
いくつかの実施形態において、ソールプレート1002は、突出部自体(図示せず)がスタッドとして機能し、地面と係合し、地面の中に部分的に挿入するように構成されてもよい。ソールプレート1002は、別個のスタッドを取り付けずに地面と直接係合するように構成された、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、または少なくとも40個の突出部を含んでもよい。
【0135】
ソールプレート1002は、本明細書に記載されるように、天然木材を化学的に処理してリグニンもしくはヘミセルロースを除去すること、または天然木材を圧縮することから形成される、高密度化木材パネルまたは高密度化木材パネルから形成されてもよい。いくつかの実施形態において、ソールプレート1002は、高密度化木材と、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィンなどの熱可塑性材料との複合体から形成されてもよい。いくつかの実施形態において、ソールプレート1002は、高密度化木材と、炭素繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、ガラス繊維、天然繊維、およびポリマー繊維、またはそれらの組み合わせなどの1つまたは複数の繊維との複合材から形成されてもよい。これらの実施形態において、高密度化木材および/または繊維は縫合または接着によって、基材または熱可塑性材料、例えば、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリオレフィン、または熱可塑性エラストマーに貼り付けられるか、または結合されてもよい。他の実施形態において、ソールプレート1002は、高密度化木材、炭素繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、ガラス繊維、ポリマー繊維などを含む一方向性テープから形成されてもよい。他の実施形態において、ソールプレート1002は、高密度化木材の少なくとも1つの層との複合材から形成されてもよい。
【0136】
いくつかの実施形態において、ソールプレート1002の1つ以上の材料は、ヤング率によって画定される剛性(例えば、引張強度)を有してもよい。例えば、特定の実施形態において、ソールプレート1002を形成する1つ以上の材料は、少なくとも約25ギガパスカル(GPa)、少なくとも約40GPa、または少なくとも約70GPa、または少なくとも約85GPa、または少なくとも約200GPaのヤング率を有してもよい。さらなる実施形態において、プレート170を形成する1つまたは複数の材料は、約25GPa~約200GPa、または約25GPa~約80GPa、または約25GPa~約70GPa、または約50GPa~約75GPaのヤング率を有してもよい。
【0137】
いくつかの実施形態において、ソールプレート1002の一部または全体は、約10GPa~約70GPa、約12GPa~約60GPa、約18GPa~約58GPa、約25GPa~約55GPa、または約35GPa~約50GPaのヤング率を有する高密度化木材から形成される。いくつかの実施形態において、プレート170の一部または全体は、少なくとも10GPa、少なくとも12GPa、少なくとも15GPa、少なくとも20GPa、少なくとも25GPa、少なくとも30GPa、少なくとも40GPa、少なくとも50GPa、または少なくとも55GPaのヤング率を有する高密度化木材から形成される。
【0138】
いくつかの実施形態において、ソールプレート1002およびその剛性は、特定のユーザのために選択され、設計されてもよい。例えば、ソールプレート1002の剛性は、ユーザの特定の筋力、腱の可撓性、または関節の可撓性に基づいて選択されてもよい。さらなる実施形態において、ソールプレート1002の剛性は、ソールプレート1002の一部がソールプレート1002の別の部分と比較してより剛性が高くなるように、変化してもよい。代替の実施形態において、ソールプレート1002の剛性は、均一かつ一定であってもよい。
【0139】
いくつかの実施形態において、ソールプレート1002の剛性は、その中の高密度化木材の層の数を増減させることによって変更されてもよい。いくつかの実施形態において、ソールプレート1002の特定の領域は、剛性を高めるために、高密度化木材のより多くの層を含んでもよい。いくつかの実施形態において、ソールプレート1002の剛性は、所望の剛性を達成するために、高密度化木材を1つまたは複数の追加の材料と組み合わせることによって変更されてもよい。
【0140】
ソールプレート1002はまた、約0.5ミリメートル(mm)~約3.0mm、または約0.5mm~約2.0mm、または約0.7mm~約1.0mmの均一な厚さまたは実質的に均一な厚さを含んでもよい。他の実施形態において、ソールプレート1002は、均一な厚さまたはソールプレート1002にわたって変化する厚さを有してもよい。
【0141】
高密度化木材は、履物以外のスポーツ用品構造にも使用されてもよい。高密度化木材を含み得る構造のいくつかの非限定的な例としては、パッド、ガード、手袋、滑り止め、クリート用スタッドおよびスパイク、クラブ、ラケット、バット、飲用ボトル、スキーおよびスノーボード、スキーロッド/スティック、保護モバイルデバイスカバー、時計、ヘルメット、他のヘッドギア、スケートボード、アイススケート、ゴールポスト、槍、自転車フレーム、自転車ペダル/シート、およびウォータースポーツフィンが挙げられる。
【0142】
例えば、サッカー選手/ホッケー選手によって着用されるような脛ガードなどは、高密度化木材を含んでもよい。別の例として、手袋(特に強化手袋)は、高密度化木材を含んでもよい。一実施形態において、強化手袋は、高密度化木材を含む指支持または「指安全」要素を有する。
【0143】
ここで
図49を参照すると、脛ガード1300の正面図が示されており、脛ガード1300は、前面1302と、後面1304と、上縁1306と、下縁1308と、第1の側縁1310と、第2の側縁1312とを有する。前面1302および後面1304は、脛ガード1300の厚さを画定する。上縁1306および下縁1308は、脛ガード1300の高さを画定する。第1の側縁1310および第2の側縁1312は、脛ガード1300の幅を画定する。
【0144】
前面1302および後面1304は、脛ガード1300が実質的に凸形状であるように、曲線を画定してもよい。前面1302および後面1304によって画定される曲線の勾配は、曲線が脛ガード1300の幅に沿って移動することにつれて変化してもよい。追加または代替として、曲線の勾配は曲線は、脛ガード1300の高さに沿って移動することにつれて変化してもよい。
図49に示される実施形態において、前面1302および後面1304によって画定される曲線の勾配は、脛ガード1300の幅の中心に近接するよりも、側縁1310および1312に近接する方が大きい。いくつかの実施形態において、曲線は、脛ガードの中心に近接するより大きな傾斜を有してもよい。いくつかの実施形態において、曲線は、脛ガードの長さまたは幅にわたって一貫していてもよい。
【0145】
再び
図49を参照すると、脛ガード1300は、下縁1308に近接するよりも上縁1306に近接する方が大きい幅を有する。さらに、上縁1306と下縁1308との間のほぼ半分の位置における脛ガード1300の幅は、上縁1306に近接する脛ガード1300の幅よりも小さいが、下縁部1308に近接する脛ガード1300の幅と実質的に同じである。いくつかの実施形態において、脛ガードの幅の変化は、脛ガードの高さにわたって実質的に一貫していてもよい。いくつかの実施形態において、上端に近接する幅は下端に近接する幅とほぼ同じであっても、脛ガードの幅は脛ガードの高さにわたって変化してもよい。いくつかの実施形態において、脛ガードの幅は、脛ガードの高さ全体に沿って実質的に一貫していてもよい。
【0146】
脛ガード1300は、人間の脛に使用するのに適した任意の高さ及び幅を有してもよい。いくつかの実施形態において、脛ガードの高さ、幅、および形状は、着用時に、脛ガードが人間の足首および/または人間の膝の自然な動作を妨げないように、人間の脛を補完するように選択される。いくつかの実施形態において、前面および後面によって画定される脛ガードの凸状湾曲は、人間の脛の湾曲と実質的に同じであってもよい。
【0147】
再び
図49を参照すると、脛ガード1300は、その前面1302上に屈曲溝1314を有する。脛ガード1300の厚さは、屈曲溝1314によって占有される空間において、屈曲溝1314によって占有されない脛ガードの部分全体よりも小さい。屈曲溝1314は、より容易に屈曲する能力を脛ガード1300に付与する。有益なことに、これは脛ガード1300が着用者の脛によりよくフィットすることを可能にし得る。加えて、屈曲溝1314は、脛ガード1300が張力または圧縮下で弾性的に変形することを可能にしてもよく、これは脛ガード1300が使用中に必要に応じて、衝撃をより良好に吸収し、エネルギーを消散し、および/または形状を変化させることを有益に可能にしてもよい。屈曲溝1314は、任意の適切なプロセスによって作製してもよい。例えば、屈曲溝1314は、前面1302が製造された後に前面1302に刻み込まれてもよい。代替的に、屈曲溝1314は、例えば成形工程を通して、脛ガード1300の残りの部分と同時に形成されてもよい。使用中に屈曲溝1314が見えるため、脛ガード1300の前面1302上に配置された屈曲溝1314を有することには、美的価値があってもよい。
【0148】
脛ガード1300は、本明細書に記載されるように、天然木材を化学的に処理してリグニンもしくはヘミセルロースを除去すること、または天然木材を圧縮することから形成される、高密度化木材パネルまたは高密度化木材パネルを含んでもよい。いくつかの実施形態において、脛ガード1300は、高密度化木材と、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィンなどの熱可塑性材料との複合体を含んでもよい。いくつかの実施形態において、脛ガード1300は、高密度化木材と、炭素繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、ガラス繊維、天然繊維、およびポリマー繊維、またはそれらの組み合わせなどの1つまたは複数の繊維との複合材を含んでもよい。これらの実施形態において、高密度化木材および/または繊維は、縫合または接着によって、基材または熱可塑性材料、例えば、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリオレフィン、または熱可塑性エラストマーに貼り付けられるか、または結合されてもよい。他の実施形態において、脛ガード1300は、炭素繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、ガラス繊維、ポリマー繊維などを含む一方向テープを含んでもよい。他の実施形態において、脛ガード1300は、高密度化木材の少なくとも1つの層を有する複合材を含んでもよい。いくつかの実施形態において、脛ガードは、2つ以上の層を有してもよく、一方または両方の層は、高密度化木材を含む。いくつかの実施形態において、脛ガードは、3つ以上の層を有してもよく、一方または両方の層は高密度化木材を含む。一実施形態において、脛ガードは2つの層を有してもよく、一方の層は高密度化木材を含み、他方の層は高密度化木材以外の材料を含む。別の実施形態において、脛ガードは3つの層を有してもよく、一方の層は高密度化木材を含み、他方の2つの層は高密度化木材以外の材料を含む。いくつかの実施形態において、脛ガード1300の少なくとも後面1304がアルミニウムを組み込み、抗菌特性または抗臭特性を有する材料を含む。一実施形態において、高密度化木材は、アルミニウムを組み込んでもよい。
【0149】
いくつかの実施形態において、脛ガード1300の1つまたは複数の材料は、ヤング率によって定義される剛性(たとえば、引張強度)を有してもよい。例えば、特定の実施形態において、脛ガード1300を形成する1つまたは複数の材料(高密度化木材など)は、少なくとも約25ギガパスカル(GPa)、少なくとも約40GPa、または少なくとも約70GPa、または少なくとも約85GPa、または少なくとも約200GPaのヤング率を有してもよい。さらなる実施形態において、脛ガード1300を形成する1つまたは複数の材料は、約25GPa~約200GPa、または約25GPa~約80GPa、または約25GPa~約70GPa、または約50GPa~約75GPaのヤング率を有してもよい。いくつかの実施形態において、脛ガード1300の一部または全体は、約10GPa~約70GPa、約12GPa~約60GPa、約18GPa~約58GPa、約25GPa~約55GPa、または約35GPa~約50GPaのヤング率を有する高密度化木材から形成される。いくつかの実施形態において、脛ガード1300の一部または全体は、少なくとも10.0GPa、少なくとも12.0GPa、少なくとも15.0GPa、少なくとも20.0GPa、少なくとも25.0GPa、少なくとも30.0GPa、少なくとも40.0GPa、少なくとも50.0GPa、または少なくとも55.0GPaのヤング率を有する高密度化木材から形成される。
【0150】
いくつかの実施形態において、脛ガード1300の剛性は、その中の高密度化木材の層の数を増加または減少させることによって変更されてもよい。いくつかの実施形態において、脛ガード1300の特定の領域は、剛性を高めるために、より多くの高密度化木材の層を含んでもよい。いくつかの実施形態において、脛ガード1300の剛性は、所望の剛性を達成するために、高密度化木材を1つまたは複数の追加の材料と組み合わせることによって変更されてもよい。
【0151】
脛ガード1300はまた、約0.5ミリメートル(mm)~約3.0mm、または約0.5mm~約2.0mm、または約0.7mm~約1.0mmの均一な厚さまたは実質的に均一な厚さを含んでもよい。他の実施形態において、脛ガード1300は、不均一な厚さまたは脛ガード1300にわたって変化する厚さを有してもよい。例えば、第1の側縁1310、第2の側縁1312に近接する脛ガード1300の部分の厚さ、およびこれらの部分の間の(脛ガード1300の幅の中心に近接する)領域は、脛ガード1300が形成されるときに個々に選択されてもよい。特定の実施形態において、脛ガード1300の厚さは、第1の側縁1310または第2の側縁1312に近接するよりも、脛ガード1300の幅の中央付近で大きくてもよい。
【0152】
ここで
図50を参照すると、
図49に先に示された脛ガード1300の背面図が示されている。脛ガード1300の後面1304は、
図49に示される前面1302と実質的に同じ凸形状、高さ、および幅を有する。一実施形態において、後面1304は、前面1302と同じ材料を含んでもよい。一実施形態において、後面1304及び前面1302の両方が高密度化木材を含んでもよい。代替実施形態において、後面1304が前面1302を作製するために使用される材料とは異なる材料を含んでもよい。一実施形態において、少なくとも後面1304は、アルミニウムを組み込み、抗菌特性または抗臭特性を有する高密度化木材を含む。一実施形態において、後面1304は、発泡体、織布、不織布、及び/又はポリマー材料などの緩衝材料を含んでもよい。一実施形態において、後面1304は、アルミニウムを組み込み、抗菌特性または抗臭特性を有するクッション材料を含んでもよい。
図50に示される実施形態において、後面1304上に屈曲溝は存在しない。
【0153】
図51を参照すると、
図49および
図50に先に示された脛ガード1300の断面側面図が示されている。
図51は、脛ガード1300が2つの層、すなわち、内層1316および外層1318を有することを示す。内層1316は、内面1320および外面1322を有する。外層1318は、内面1324および外面1326を有する。内層1316の内面1320は、後面1304と同じ面であってもよい。あるいは、内面1320および後面1304が異なる表面であるように、内層1316の内面1320上に追加の層またはコーティングを配置してもよい。同様に、外層1318の外面1326は、前面1302と同じであってもよい。
【0154】
外層1318は、内層1316に直接接触する。
図51に示される実施形態において、内層1316および外層1318は、脛ガード1300の実質的に全長および全幅に沿って互いに直接接触する。代替の実施形態において、内層および外層は、脛ガードの長さの一部に沿って互いに直接接触するが、脛ガードの全長に沿って接触することはない。別の実施形態において、内層および外層は、脛ガードの幅の一部に沿って互いに直接接触するが、脛ガードの幅全体に沿って接触することはない。
【0155】
内層1316および外層1318は、同じ材料を含んでもよい。あるいは、内層1316および外層1318は、異なる材料を含んでもよい。一実施形態において、内層1316および外層1318の一方または両方は、高密度化木材を含む。いくつかの実施形態において、内層1316および/または外層1318は、木目または配向を有する材料を含む。いくつかの実施形態において、内層1316および/または外層1318は、木目または配向を有する高密度化木材を含む。
図51において、内層1316および外層1318の木目は、スラッシュマークによって示されている。一実施形態において、内層1316および/または外層1318は、木目または配向を有する高密度化木材を含み、内層1316および外層1318は、それらの木目/配向が平行に整列しないように配置される。一実施形態において、内層1316および/または外層1318は、木目または配向を有する高密度化木材を含み、内層1316および外層1318は、それらの木目/配向が互いに垂直に整列するように配置される。一実施形態において、内層1316および/または外層1318は、木目または配向を有する高密度化木材を含み、内層1316および外層1318は、それらの木目/配向が互いに平行でも垂直でもない角度で整列するように配置される。一実施形態において、内層1316および/または外層1318は、木目または配向を有する高密度化木材を含み、内層1316および外層1318は、それらの木目/配向が互いに平行に整列するように配置される。
【0156】
一実施形態において、脛ガード1300は、内層1316および外層1318の2つの層を含み、内層1316は発泡体、布地、またはポリマー材料などの緩衝材料を含み、外層1318は高密度化木材を含む。一実施形態において、脛ガードは、クッション材料を含む内層と、高密度化木材を含む外層と、内層と外層との間に配置された1つまたは複数の追加の層とを有する。一実施形態において、脛ガードは、クッション材料を含む内層と、高密度化木材を含む外層と、内層および外層のいずれかの側に配置された1つまたは複数の追加の層とを有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよいことがさらに企図される。一実施形態において、内層1316は、アルミニウムおよび/または抗菌性もしくは抗臭性を有する他の材料を組み込んだ緩衝材料を含んでもよい。
【0157】
一実施形態において、脛ガードは、単一層のみを含んでもよく、単一層は高密度化木材を含む。高密度化木材の層は、脛ガードとしての使用に適した任意の寸法を有してもよい。高密度化木材はさらに、1つ以上の添加剤と混合および/またはコーティングされてもよい。例えば、一実施形態において、高密度化木材は、流体をはじくのに役立つ、または高密度化木材に対する損傷を低減するポリマーコーティングを有してもよい。一実施形態において、高密度化木材は、その特性を所望の用途に合わせるために、1つ以上の充填剤で増強されてもよい。いくつかの実施形態は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよいことがさらに企図される。
【0158】
図52および
図53は、
図49~
図51に示される脛ガード1300に類似する脛ガード1400の実施形態を示すが、脛ガード1400は、その後面1404上に配置された屈曲溝1414を有し、その前面1402上に配置された屈曲溝を全く有さない点が異なる。有利なことに、前面1402ではなく後面1404上に屈曲溝1414を配置することにより、前面1402をその表面領域全体にわたって滑らかにすることができる。これにより、前面1402を装飾しやすくすることができる。これはまた、前面1402を、テクスチャ加工された表面と組み合わせることがより困難であり得る特定のタイプの添加剤をより受け入れることができるようにしてもよい。これはまた、前面1402の洗浄をより容易にすることができる。同時に、後面1404上に屈曲溝1414を配置することにより、
図49を参照して上述した脛ガード1300と実質的に同じ可撓性および弾性変形能力を脛ガード1400に付与することができる。さらに、
図53の図示の実施形態において、屈曲溝1414は、屈曲溝1314とは実質的に異なる寸法および実質的に異なるレイアウトを有する。他の実施形態において、屈曲溝は、特定の実施形態または特定の機能と共に使用するのに適した任意の寸法および任意のレイアウトを有してもよい。
【0159】
一実施形態において、本開示の脛ガードは、その前面および後面に配置された屈曲溝を有してもよい。代替の実施形態において、脛ガードは、その前面および後面のいずれにも配置された屈曲溝を有していなくてもよい。一実施形態において、屈曲溝の少なくとも一部は、脛ガードの深さを横断する開口を備えてもよい。言い換えると、屈曲溝の一部は、前面、外層、内層、および後面のそれぞれを貫通する連続孔を形成してもよい。
【0160】
当業者は、本開示の実施形態が他のタイプのパッド/ガードの一部またはすべてを形成してもよいことを認識するだろう。例えば、いくつかの実施形態は、肘パッド、膝パッド、手首パッド、足首パッド、ヘルメット、胸部パッド、および/または大腿パッドの一部または全部を形成してもよい。さらに、いくつかの実施形態は、手袋または一対の手袋を形成してもよい。特定の実施形態は、指支持または「指安全」要素を有する手袋または一対の手袋を形成してもよい。
【0161】
図54を参照すると、脛ガード1400の断面側面図が示されている。
図54は、脛ガード1400が2つの層、すなわち内層1416および外層1418を有することを示す。後面1404は、内層1416の内限を画定する。前面1402は、外層1418の外限を画定する。外層1418は、内層1416に直接接触する。層1416および1418は、層1316および1318と同様である。内層1416および外層1418は、同じ材料を含んでもよい。あるいは、内層1416および外層1418は、異なる材料を含んでもよい。一実施形態において、内層1416および外層1418の一方または両方は、高密度化木材を含む。いくつかの実施形態において、内層1416および/または外層1418は、木目または配向を有する材料を含んでもよい。いくつかの実施形態において、内層1416および/または外層1418は、木目または配向を有する高密度化木材を含んでもよい。
【0162】
本明細書に記載される実施形態のいずれも、異なる実施形態に関連して開示される構造または方法のいずれかを含むように修正してもよい。同様に、いくつかの実施形態において、既知のアプローチに従って、上記で開示されたもの以外の材料または構築技術を置換または追加してもよい。さらに、本開示は、具体的に示されるタイプの履物具に限定されない。さらに、本明細書に開示される実施形態のいずれかの履物具の態様は、任意のタイプの履物、衣服、または他の運動用機器で機能するように修正されてもよい。
【0163】
前述のように、本開示は、特定の実施形態および実施例に関連して上述されているが、本開示は必ずしもそのように限定されず、多数の他の実施形態、実施例、使用、修正、および実施形態からの逸脱が本明細書に添付される特許請求の範囲によって包含されることが意図されることが、当業者によって理解されるだろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパー、および
前記アッパーに結合され、足先領域、中足領域、および踵領域を画定し、高密度化木材
パネルを含む、ソール構造、
を含む履物具。
【請求項2】
前記ソール構造が、
上部ミッドソールクッション部材、
下部ミッドソールクッション部材、
前記下部ミッドソールクッション部材の底面に結合されたアウトソール、および
前記上部ミッドソールクッション部材と前記下部ミッドソールクッション部材との間に配置された高密度化木材を含むプレート、
を含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項3】
前記プレートが、平坦部と、前記履物具の少なくとも前記足先領域を通って延在する前方湾曲部、および前記履物具の前記中足領域及び前記履物具の前記踵領域の少なくとも一部を通って延在する後方湾曲部を含む湾曲部と、を含む、請求項2に記載の履物具。
【請求項4】
前記前方湾曲部は、第1のセグメント部分と、それらの間に分割された第2のセグメント部分と、を含む、請求項3に記載の履物具。
【請求項5】
前記ソール構造は、前記履物具の前記踵領域に踵支持構造をさらに含む、請求項2に記載の履物具。
【請求項6】
前記上部ミッドソールクッション部材及び前記下部ミッドソールクッション部材は、発泡材料である、請求項2に記載の履物具。
【請求項7】
前記前方湾曲部の最小幅は、前記後方湾曲部の最小幅よりも大きく、前記平坦部の最小幅は、前記後方湾曲部の最小幅よりも大きい、請求項
3に記載の履物具。
【請求項8】
前記高密度化木材パネルは、約1.4g/cc~約1.6g/ccの密度を有する、請求項1に記載の履物具。
【請求項9】
前記高密度化木材パネルは、脱リグニンされ、脱リグニン前の天然木材のリグニン含有量に対して少なくとも30%の前記リグニンが除去されている、請求項1に記載の履物具。
【請求項10】
前記高密度化木材
パネルは、
リグニンおよびセルロースを含む天然木材を、脱リグニン木材を形成するのに十分な時間および条件下でナトリウム系の化学溶液と接触させる工程、および
脱リグニン木材を、厚さが少なくとも40%減少するまで圧縮する工程、を含む方法によって製造される、請求項1に記載の履物
具。
【請求項11】
前記ナトリウム系の化学溶液は、NaOH、NaOH/Na
2S、NaHSO
3+SO
2+H
2O、NaHSCb、NaHSO
3+Na
2SO
3、NaOH+Na
2SO
3、Na
2SO
3、NaOH+AQ、NaOH/Na
2S+AQ、NaHSO
3+SO
2+H
2O+AQ、NaOH+Na
2SO
3+AQ、NaHSO
3+AQ、NaHSO
3+Na
2SO
3+AQ、Na
2SO
3+AQ、NaOH+Na
2S+Na
2Sn、Na
2SO
3+NaOH+CH
3OH+AQ、C
2H
5OH+NaOH、NaClO、NaClO
2+酢酸、またはそれらの組合せを含み、nは整数であり、AQはアントラキノンである、請求項10
に記載の履物
具。
【請求項12】
前記脱リグニン木材は、0.5MPa~10MPaの圧力で圧縮される、請求項10に記載の履物具。
【請求項13】
前記脱リグニン木材は、約100oF~約250oFで圧縮される、請求項10に記載の履物具。
【請求項14】
前記高密度化木材
パネルは、天然木材の粘弾性熱圧縮によって作製される、請求項1に記載の履物具。
【請求項15】
前記高密度化木材パネルは、疎水性、耐候性、耐腐食性、または耐炎性を高めるために化学物質で処理されている、請求項1に記載の履物具。
【請求項16】
前記ソール構造は、高密度化木材を含み、1つ以上の突出部を含む、ソールプレート、を含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項17】
スタッドが、前記1つ以上の突出部の各々に取り付けられる、請求項16に記載の履物具。
【請求項18】
前記スタッドは、金属、ゴム、または熱可塑性材料から形成される、請求項17に記載の履物具。
【請求項19】
アッパー、および
前記アッパーと結合されたソール構造体であって、足先領域、中足領域、および踵領域を画定するソール構造体、を含み、
前記ソール構造体は、
ミッドソールクッション部材、
前記ミッドソールクッション部材の底面に結合されたアウトソール、および
プレートと、を備え、
前記プレートは、高密度化木材から形成され、つま先部と、アーチ状部分と、後部セグメントとを含み、
前記つま先部と前記アーチ状部分は、前記ミッドソールクッション部材と前記アウトソールとの間に位置し、前記後部セグメントは前記ミッドソールクッション部材の上方に位置する、履物具。
【請求項20】
高密度化木材を含むアッパーと、前記アッパーに連結されたソール構造と、を含む履物
具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
いくつかの実施形態において、脱リグニン木材は、プレス加工またはVTC加工の前に前処理されるか、またはそれと同時に処理される。脱リグニン木材、天然木材、または高密度化木材の処理は、疎水性の増大、耐候性、耐食性(例えば、耐塩水)、および耐炎性などの追加の有益な特性を付与し得る。いくつかの実施形態において、脱リグニンまたは高密度化木材は、エポキシ樹脂、シリコーン油、ポリウレタン、パラフィンエマルジョン、無水酢酸、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)、1H,1H,2H,2H-ペルフルオロデシルトリエトキシシラン、フルオロエシン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、メタクリルオキシメチルトリメチルシラン(MSi)、ポリヘドラルオリゴマーシルセスキオキサン(POSS)、ケイ酸メチルシリコネート(PMS)、ドデシル(トリメトキシ)シラン(DTMS)、ヘキサメチルジシロキサン、ジメチルジエトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、リメチルクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ポリメチルメタクリレート、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(ポリDADMAC)、3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(MPS、疎水性ステアリン酸、両親媒性フッ素化トリブロックアジドコポリマー、ポリフッ化ビニリデンおよびフッ素化シラン、n-ドデシルトリメトキシシラン、およびラウリル硫酸ナトリウムを含む改善された疎水性を提供する化学物質で前処理または処理されてもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、脱リグニンまたは高密度化木材は、耐候性および耐食性を改善するために、化学薬品で前処理または処理されてもよく、化学薬品にはクプラマート(CDDC)、第四級アンモニア性銅(ACQ)、クロム酸亜鉛ヒ酸銅(CCA)、アンモニア性ヒ酸銅(ACZA)、ナフテン酸銅、酸性クロム酸銅、クエン酸銅、アゾール銅、8-ヒドロキシキノリン酸銅、ペンタクロロフェノール、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸銅、クレオソート、二酸化チタン、プロピコナゾール、テブコナゾール、シプロコナゾール、ホウ酸、ホウ砂、有機ヨウ化物(IPBC)、およびNa
2
B
8
O
13
4H
2
Oが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、脱リグニンまたは高密度化木材は、塗料、染み、またはワニスなどの特定の色、陰影、または色合いを提供するために、化学物質で前処理または処理され得るが、これらに限定されない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
図1~
図7は、アッパー102およびソール構造104を含む靴100として構成された履物具の例示的な実施形態を示す。本明細書でさらに論じられるように、アッパー102はソール構造104に取り付けられ、ソール構造104とともに、ユーザの足が挿入され得る内部空洞106(
図1および
図4参照)を画定する。参考のために、履物具100は足先領域108、中足領域110、及び踵領域112を含む(
図4及び
図5参照)。足先領域108は、一般に、つま先、拇指球、および中足骨をつま先または指骨に接続する関節を含む足の部分を包む履物具100の部分に対応する。中足領域110は、足先領域108に近接して隣接し、一般的に、足のアーチを包む履物具100の部分に、足の
ブリッジに沿って対応する。踵領域112は、中足領域110に近接して隣接し、一般的に、踵または踵骨、足首、またはアキレス腱を含む、足の後部を包む履物具100の部分に対応する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
さらに
図5を参照すると、足先領域108、中足領域110、踵領域112、内側126、および外側124が詳細に示されている。足先領域108はつま先端部152から履物具100の最も広い部分154まで延在する。最も広い部分154は、つま先端部152の遠位部分からつま先端部152の反対側である踵端部116の遠位部分まで延在する長手方向軸150に対して垂直である第1の線156に沿って画定または測定される。中足領域110は最も広い部分154から履物具100の最も細い部分158まで延在する。履物具100の最も細い部分158は長手方向軸150に対して垂直である第2の線160に沿って測定された履物具100の最も細い部分として定義される。踵領域112は、履物具100の最も細い部分
158から踵端部116まで延在する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
プレート170は、後方セグメント179、アーチ状セグメント200、およびつま先セグメント202によって画定されてもよい。
図10および
図18を参照すると、後部セグメント179はその中に組み込まれたとき、履物具100の少なくとも踵領域112を通って延在してもよく、踵または踵骨、足首、またはアキレス腱を含む、足の後部の近くに位置付けられたプレート170の部分に対応してもよい。プレート170のアーチ状セグメント200は、後部セグメント179に近接して隣接しており、足のアーチを包む履物具100の中足領域110の近くに位置するプレート170の部分と、足の
ブリッジとに対応してもよい。プレート170のつま先セグメント202は、アーチ状セグメント200に近接して隣接し、つま先、拇指球、および中足骨をつま先または指骨(すなわち、中足指節関節)と接続する関節を含む足の部分を包み込む、履物具100の足先領域108の近くに位置するプレート170の部分に対応する。
【国際調査報告】