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特表2023-538794投与量の厳密な調整のためのレボドパセンサー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-12
(54)【発明の名称】投与量の厳密な調整のためのレボドパセンサー
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/63 20180101AFI20230905BHJP
   A61M 37/00 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
G16H40/63
A61M37/00 550
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022548888
(86)(22)【出願日】2021-02-16
(85)【翻訳文提出日】2022-08-12
(86)【国際出願番号】 US2021018240
(87)【国際公開番号】W WO2021163700
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】62/976,580
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507020152
【氏名又は名称】メドトロニック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】プロブスト,デビッド
(72)【発明者】
【氏名】シュルハウザー,ランダル
(72)【発明者】
【氏名】キンジー,パトリック・ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン,ジャダン・シー
(72)【発明者】
【氏名】ハーン,ダニエル
【テーマコード(参考)】
4C267
5L099
【Fターム(参考)】
4C267AA02
4C267AA74
4C267CC12
4C267CC23
5L099AA03
(57)【要約】
酵素センサーは、センサーに存在するL-アミノ酸脱炭酸酵素とのレボドパ相互作用に応答して生成される電流または共振周波数に従って、サンプルに存在するレボドパの濃度を判定するように構成されている。センサーと関連付けられたプロセッサは、レボドパ濃度を判定し、レボドパ濃度による服用量推奨または出力を生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レボドパ(levodopa)センサーデバイスであって、
プロセッサと、
電気化学的反応性表面を含む作用電極であって、前記電気化学的反応性表面が、レボドパの存在下で電気化学的信号を生成する、作用電極と、
参照電極と、
対向(counter)電極と、
命令を有するコンピュータ可読プログラムコードであって、実行されるときに、前記プロセッサに、
前記作用電極から取得された電気化学的信号データを評価させ、
前記作用電極から取得された電気化学的信号データに基づいて、レボドパ濃度を計算させ、
前記レボドパ濃度の表示を提供させる、コンピュータ可読プログラムコードと、を備える、レボドパセンサーデバイス。
【請求項2】
レボドパ送達コンポーネントをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記レボドパ送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、表示された経口服用量推奨を提供する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記レボドパ送達コンポーネントが、注入ポンプである、請求項2または3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記レボドパ送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、表示されたポンプ設定推奨を提供する、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記レボドパ送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、前記注入ポンプ設定の自動調節を提供する、請求項4または5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記注入ポンプが、植込まれたポンプである、請求項4または5に記載のデバイス。
【請求項8】
前記注入ポンプが、十二指腸ポンプである、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記注入ポンプが、髄腔内ポンプである、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
電気刺激送達コンポーネントをさらに備える、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項11】
前記電気刺激送達コンポーネントが、前記植込まれた送達ポンプと共通のハウジングを共有する、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記電気刺激送達コンポーネントが、脳深部刺激療法(DBS)システムである、請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記電気刺激送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、表示されたDBSシステム設定推奨を提供する、請求項10に記載のデバイス。
【請求項14】
前記電気刺激送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、前記DBSシステム設定の自動調節を提供する、請求項10に記載のデバイス。
【請求項15】
監視アプリケーションをさらに備え、前記監視アプリケーションが、縦断的データの表示を提供する、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項16】
前記監視アプリケーションが、デジタルヘルスシステムとの通信をさらに提供する、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
レボドパセンサーデバイスであって、
プロセッサと、
カプセル化されたL-アミノ酸脱炭酸酵素を伴うポリイミドーパッド(polyimide pad)層と、
サンプルと前記カプセル化されたL-アミノ酸脱炭酸酵素との相互作用によって生成される電気化学信号が回路上に共振周波数を生成するように、前記ポリイミドーパッド層と関連付けられた調和振動回路と、
命令を有するコンピュータ可読プログラムコードであって、実行されるときに、前記プロセッサに、
前記回路から取得された前記共振周波数を評価させ、
前記回路から取得された前記共振周波数に基づいて、レボドパ濃度を計算させる、コンピュータ可読プログラムコードと、を備える、レボドパセンサーデバイス。
【請求項18】
レボドパ送達コンポーネントをさらに備える、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記レボドパ送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、表示された経口服用量推奨を提供する、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記レボドパ送達コンポーネントが、十二指腸ポンプである、請求項18に記載のデバイス。
【請求項21】
前記レボドパ送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、表示されたポンプ設定推奨を提供する、請求項18または20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記レボドパ送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、前記十二指腸ポンプ設定の自動調節を提供する、請求項20に記載のデバイス。
【請求項23】
電気刺激送達コンポーネントをさらに備える、請求項18または19に記載のデバイス。
【請求項24】
前記電気刺激送達コンポーネントが、脳深部刺激療法(DBS)システムである、請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記電気刺激送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、表示された電気刺激システム設定推奨を提供する、請求項23に記載のデバイス。
【請求項26】
前記電気刺激送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、前記電気刺激システム設定の自動調節を提供する、請求項23に記載のデバイス。
【請求項27】
レボドパを服用量統制する方法であって、
ユーザーのレボドパの第1の血中濃度を取得することと、
前記第1の血中濃度に従って、前記ユーザーのための医薬品レボドパの服用量を計算することと、
前記レボドパ濃度の表示を提供することと、を含む、方法。
【請求項28】
前記医薬品レボドパの服用量が、経口服用量推奨として表示されている、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記医薬品レボドパの服用量が、十二指腸ポンプ設定推奨として表示されている、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記十二指腸ポンプ設定推奨に従って、十二指腸ポンプ設定を自動的に調節することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の血中濃度に従って、前記ユーザーのための脳深部刺激療法(DBS)システムのための設定推奨を計算することと、
前記DBSシステムための前記設定推奨の表示を提供することと、をさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記DBSシステム設定推奨に従って、前記DBSシステム設定を自動的に調節することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記DBSシステムのための前記設定推奨に従って、前記医薬品レボドパの服用量の前記計算を調節することをさらに含む、請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
前記医薬品レボドパの服用量の前記計算に従って、前記DBSシステムのための前記設定推奨を調節することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記ユーザーへの前記医薬品レボドパの服用量の投与に続いて、前記ユーザーのレボドパの第2の血中濃度を取得することと、
前記第1の血中濃度と前記第2の血中濃度との間の差を分析することと、
前記第1の血中濃度と前記第2の血中濃度との間の差に基づいて、前記医薬品レボドパの服用量が調節されるべきかどうかを判定することと、をさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
前記医薬品レボドパの服用量に対する調節を計算することをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
レボドパを服用量統制する方法であって、
ユーザーのレボドパの第1の血中濃度を取得することと、
前記第1の血中濃度に従って、前記ユーザーのための脳深部刺激療法設定を計算することと、を含む、方法。
【請求項38】
前記ユーザーへの前記脳深部刺激療法設定の投与に続いて、前記ユーザーのレボドパの第2の血中濃度を取得することと、
前記第1の血中濃度と前記第2の血中濃度との間の差を分析することと、
前記第1の血中濃度と前記第2の血中濃度との間の差に基づいて、前記脳深部刺激療法設定が調節されるべきかどうかを判定することと、をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記脳深部刺激療法設定に対する調節を計算することをさらに含む、請求項37または38に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月14日に出願された米国仮特許出願第62/976,580号の利益を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、閉ループ薬物送達システム、より具体的には、体内のおけるそれらの薬物または化合物の継続的に監視されるレベルに基づいて、レボドパまたは他の関連する薬物化合物もしくは製剤の送達を制御するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ドーパミンは、脳内の多くの重要な機能に関与する神経伝達物質であるが、最も顕著には、移動を統制することにある。ドーパミンは、酵素チロシンヒドロキシラーゼによってアミノ酸L-チロシンからそれ自体が合成されるレボドパ(L-ドーパ)の脱炭酸によって体内で産生されている。L-ドーパは、他の多くの神経伝達物質、最も顕著には、エピネフリンおよびノルエピネフリンの前駆体である。
【0004】
ドーパミンは、血液脳関門を通過することが不可能であるが、L-ドーパは、関門を通過することを可能にするため、パーキンソン病およびドーパミン反応性ジストニアなどのドーパミン欠乏症の治療に効果的であり得る。L-ドーパは、中枢神経系(CNS)に入り、次いで、ドーパミンに変換されて、CNS内のドーパミンレベルを上昇させ、シナプス後ドーパミン作動性受容体を活性化する。このように、L-ドーパの投与は、内因性ドーパミンにおける減少を補填することができる。
【0005】
いくつかのL-ドーパの医薬品バージョンが存在し、経口によって投与され得、または液体バージョンは、十二指腸ポンプによって投与され得る。L-ドーパの胃腸摂取は、非常に多様であり、多くの食事の選択肢、最も重要なのは脂肪およびタンパク質によって阻害され得る。特に、タンパク質は、摂取部位についてL-ドーパと直接競合し、所与の服用量から摂取されるL-ドーパの有効量を減らすことができる。制限された摂取を考慮して投与量を増やすことは、それ自体の問題を伴う。ある日の患者の食事が非常に高い摂取を可能にする場合、そのような投与量の可動域(excursion)は、関連するリスクを高める可能性がある。脳内の高いL-ドーパピークは、パーキンソン病患者における運動および行動の合併症を破壊または無効にすることと関連付けられているので、特に有害である。
【0006】
摂取された医薬品L-ドーパは、全身を通してL-ドーパにおける上昇を作り出す。これは、治療対象領域だけでなく、CNS全体を通してドーパミンが増加される結果をもたらす。経口的に投与された、またはCNSの外に注入されたL-ドーパは、末梢神経系においてドーパミンに変換され、さらなる副作用を生じる。副作用は、低血圧、不整脈、吐き気、胃腸出血、呼吸障害、脱毛、方向感覚の喪失および混乱、極度の情動状態(特に不安)、鮮明な夢ならびに不眠症、聴覚的または視覚的幻覚、学習への影響(証拠は、それがワーキングメモリーを改善し得ることを示すが、同時に他の複雑な機能を損なう)、不眠症ならびにナルコレプシー、および覚醒剤精神病と同様の状態を含む。
【0007】
一部の患者では、大脳基底核の脳深部刺激療法(DBS)は、L-ドーパ治療を補足することができる。視床下核または淡蒼球内核のいずれかにリードを植込むことによって、ドーパミン作動性受容体は、直接刺激し、患者のドーパミン必要量を低下し得る。DBSは、医薬品L-ドーパについて必要性の低下と関連付けられているが、DBSは、L-ドーパ治療について完全な代替にはならない可能性がある。
【0008】
L-ドーパは、末梢神経系におけるL-ドーパの代謝を制限するために、ドーパミン脱炭酸酵素阻害剤、例えば、カルビドーパとともに投与され得る。ドーパミン促進剤は、必要とされるL-ドーパの有効服用量を制限するのに役立つが、CNSオフターゲット効果に対処せず、さらにL-ドーパの服用量調整と並行してそれ自体の投与量調整を必要とする。
【0009】
したがって、副作用の臨床管理は、投与量を注意深く制御する、または「厳密な調整」に依存するが、服用量制御は、観察され、または経験された効果および副作用以外の現在の身体L-ドーパレベルに関する入力の欠如によって妨げられる。患者管理はまた、一部の患者が適切な量の薬を服用し得ない(または時間服用を分散させるために錠剤を分割し得る)ため、適切な投与量を提供するための負担を提示する。したがって、当技術分野では、身体L-ドーパレベルに基づいて、L-ドーパ投与を制御する手段が必要である。
【発明の概要】
【0010】
本開示の実施形態は、L-ドーパ検出、測定、および服用のためのデバイスおよび方法に関する。本開示は全体を通してL-ドーパに言及するが、本明細書に記載される閉ループシステムおよび他の概念はまた、代謝のための酵素メカニズムに依存する他の薬物、化合物、または製剤について使用されることができることを理解されたい。
【0011】
本開示の実施形態は、酵素L-ドーパセンサーに関する。L-アミノ酸脱炭酸酵素は、センサー層に組み込まれるか、またはカプセル化され得る。脱炭酸酵素によるL-ドーパの酸化によって放出された電子は、関連する電極または調和回路によって検出され得る。結果として生じる電流または共振周波数は、サンプルのL-ドーパ濃度を判定するためにプロセッサによって解釈され得る。
【0012】
本開示の実施形態は、L-ドーパ投与量または送達システムを備えたL-ドーパセンサーを組み込み得る。プロセッサは、適切投与量推奨を判定するように構成され得る。
【0013】
上記の概要は、図示された各実施形態または本明細書の主題のすべての実装態様を記載することを意図するものではない。以下の図面および詳細な記載は、様々な実施形態をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本明細書の主題は、添付の図面に関連する様々な実施形態の以下の詳細な記載を考慮して、より完全に理解され得る。
【0015】
図1】本開示の実施形態による、閉ループレボドパシステムのブロック図である。
図2】L-ドーパとDOPA脱炭酸酵素との間の反応を示す。
図3】酵素検出のための電流測定デバイスの例である。
図4A】酵素検出のための電気化学インピーダンス分光デバイスの例である。
図5】酵素検出のための電気化学インピーダンス分光デバイスの出力例である。
【0016】
様々な実施形態は、様々な修正および代替形態に補正可能であるが、それらの具体的な内容は、図面に例として示されており、詳細に記載される。しかしながら、その意図は、特許請求された発明を、記載された特定の実施形態に限定することではないことを理解されたい。それどころか、その意図は、特許請求の範囲によって定義される本主題の趣旨および範囲内にあるすべての修正、同等物、および代替物を網羅することである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の実施形態は、レボドパ(L-ドーパ)のための開ループまたは閉ループ分析システムを提供する。実施形態は、身体濃度測定からのフィードバックに基づいて、経口服用量推奨および医薬品L-ドーパについての注入速度の統制を提供する。実施形態は、閉ループシステムと組み合わせて、または独立した測定システムとして、電流測定または分光学的濃度測定を提供する。実施形態では、システムは、ユーザーの身体から取られたL-ドーパ濃度測定に基づいて、ユーザーの体内へのL-ドーパ注入の速度を統制するための制御システムである。L-ドーパ注入は、経口的に、静脈内に、またはその他の方法で投与され得る。実施形態は、L-ドーパ検出システムからのフィードバックによる可変の刺激設定を用いて、ユーザーの身体によってL-ドーパ産生を刺激し得る。
【0018】
ここで図1を参照すると、ブロック図は、本開示の実施形態による、L-ドーパの検出および送達のための閉ループシステム100を示す。閉ループシステム100は、L-ドーパセンサー104と、コントローラ106と、L-ドーパ送達ベクトル108と、ユーザー102と、を備える。L-ドーパセンサー104は、ユーザー102の身体からL-ドーパ濃度測定110を行う。センサー104は、濃度を、コントローラ106に送信する電気信号112に変換する。コントローラ106は、信号112に従って服用量を判定し、送達ベクトル108のためのコマンド114を生成する。送達ベクトル108は、L-ドーパの服用量116をユーザー102に送達することによって、コマンド114に応答する。
【0019】
センサー104は、酵素センサー、インピーダンスセンサー、またはその他の方法でL-ドーパの血中濃度を判定するものであり得る。コントローラ106は、概して、信号112を分析し、コマンド114を生成するために必要なプロセッサ、メモリ、およびソフトウェアを備え得る。送達ベクトル108は、概して、経口医薬品L-ドーパまたは液体医薬品L-ドーパのための注入システムを含み得る。コントローラ106は、特定の送達ベクトル108に従って適切な服用量116を生成するコマンド114を生成するように構成され得る。
【0020】
実施形態では、センサー104およびコントローラ106は、植込可能であるか、またはユーザー102の外部にあり得る、ハウジングを共有し得る。
【0021】
実施形態では、コントローラ106および送達ベクトル108は、植込可能であるか、またはユーザー102の外部にあり得る、ハウジングを共有し得る。例えば、送達ベクトル108は、コントローラ106との共有ハウジング内の注入ポンプであり得るか、または送達ベクトル108は、経口服用量116データをユーザー102に提示するコントローラ106のハウジング上のスクリーンであり得る。実施形態では、コントローラ106は、それ自体のハウジングを有し得、送達ベクトル108は、それ自体のハウジング、例えば、別個の注入ポンプを有し得るか、またはハウジングを全く必要としない形態、例えば、服用量データをユーザーに提示する電話アプリであり得る。コントローラ106および送達ベクトル108が互いに物理的に近接していないときに、それらは、例えば、無線信号を介して、より長い距離にわたって通信し得る。
【0022】
センサー104は、特定のユーザー102の必要性または要望に応じて、ポイントオブケア(POC)センサー、急性センサー、または慢性センサーを備え得る。センサー104の実施形態は、医薬品L-ドーパと内因性L-ドーパとを区別するために構成され得る。
【0023】
POCセンサーは、使用を通してL-ドーパの個別的測定を求めるユーザーによって好まれ、採用される送達ベクトルに関係なくフィードバックを提供することができる。例えば、脳深部刺激療法(DBS)治療システムが植込まれているユーザーは、初期DBS刺激設定のための入力を取得するために、またはDBS刺激設定を更新するために、POCセンサーを使用し得、より良い結果および治療管理の改善をもたらす。POCセンサーは、概して、ユーザー自身によって、もしくは医療専門家によって手動で操作またはトリガーされ得る。POCセンサーは、例えば、現在経験している特定の症状と関連付けられたL-ドーパ血中濃度を測定するために、即時フィードバックに適用可能であり得る。
【0024】
L-ドーパの急性連続測定は、ユーザーの身体濃度およびL-ドーパ服用量への応答に対してリアルタイムでフィードバックを提供し得、特に、自動送達シナリオにおいて有益であり得る。急性監視は、概して、一定期間、例えば3~7日間となり得る。急性監視は、経口的に投与された医薬品L-ドーパの新しい服用量または新しいDBS設定に対するユーザーの応答を判定するために適用され得る。急性監視は、治療アプリケーション、デジタルヘルスプラットフォーム、または遠隔医療システムにおけるなど、縦断的もしくは遠隔的監視のためのツールまたはシステムの一部として医師に提供される情報を補足し得る。
【0025】
L-ドーパの慢性測定は、長期間にわたってユーザーの病状を監視し、検出されたL-ドーパレベルと投与量/注入/刺激に対する身体の応答に従ってL-ドーパまたは刺激投与量を調節する、真の閉ループシステムについて利用され得る。慢性測定は、読み取りに従って医薬品L-ドーパ投与量またはDBS設定を自動的に調節し得る、自動フィードバックシステムに結び付けられ得る。慢性測定は、手動システムに結び付けられ、投薬量における変化に対するユーザーの応答、疾患および治療の進行などに関する長期データを単に提供し得る。実施形態は、脳に植込まれたセンサーを組み込み得、標的上のL-ドーパ投与量の直接測定を可能にする。慢性監視は、治療アプリケーション、デジタルヘルスプラットフォーム、または遠隔医療システムにおけるなど、縦断的もしくは遠隔的監視のためのツールまたはシステムの一部として医師に提供される情報を補足し得る。
【0026】
L-ドーパは、図2Aに示されるように、酵素芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素(DOPA脱炭酸酵素)との相互作用を通じてドーパミンに変換される。酵素センサーにDOPA脱炭酸酵素を組み込むことによって、適用されたサンプルに存在するL-ドーパは、DOPA脱炭酸酵素との相互作用を通じて検出され得る。
【0027】
ここで図2B図2Dを参照すると、本開示の実施形態による、例示的な厳密調整プロセスを示す一連のグラフが、示されている。図2B図2Dの各々は、x軸に沿って時間を、およびy軸に沿って(レボドパの)血中薬物濃度を示す。
【0028】
図2Bは、非応答性服用の問題を論証する。概念的には、標的投与量202は、患者が副作用を経験し始める閾値を表している上限204、および、それより下で症状が出現し始める下限206を伴う、緑色で示される。患者の目標は、症状閾値を上回り、それを超えると副作用が見られる閾値を下回るように、薬物投与を維持することである。患者の投与量が高すぎて、脳脊髄液-薬物または血液-薬物濃度が、ポイント210で、上限204を上回って上昇するときに、患者が経験する副作用の重症度は、症状の緩和を相殺し、および/または患者の日常生活を妨害するのに十分なほど重大であり得る。患者の投与量が低すぎて、血中薬物濃度が下限206を、ポイント212で、下回ったときに、患者は、症状から十分な緩和を受けられず、関連する生活の質の混乱を経験し得る。線208は、各々が本開示に記載されているように、ポイントオブケアセンサー、急性センサー、または連続センサーを使用して測定された患者の反応を論証する。
【0029】
投与量が静的なままであるときに、ポイント210および212で見られるような可動域は、避けられない可能性がある。ポイント210などの上限204を超える可動域は、特に、投与量が連続的ではなく定期的である場合(例えば、医薬品L-ドーパが経口的に取られる場合)、任意の服用量送達に続いて発生し得る。ポイント210などの高可動域はまた、服用量が計算されたときに推定されたものよりも服用量の代謝が遅くなるように、服用量がスケジュールから外れた場合、または患者のルーチンが変更された場合に発生し得る。ポイント210などの高可動域は、排尿障害、精神病、気分もしくは精神状態の変化、または攻撃的な行動などの運動または認知の副作用、ならびに異常な心臓リズム、困難もしくは痛みを伴う排尿、過度の吐き気もしくは嘔吐、または低血圧を含む広範囲の一般的な全身性副作用と関連付けら得る。ポイント210などの高可動域はまた、かすみ目または複視、ほてり、まぶたのけいれん、膀胱制御の喪失、悪寒、発熱、食欲不振、および顔面もしくは下肢の痛みまたは腫れを含む、珍しくて、稀な副作用を悪化させ得る。
【0030】
ポイント212などの下限206を下回る可動域は、次の服用期間への前振りにおける服用期間の終わり近くに発生し得、その間に、次の服用が患者によって取られるか、またはそれ以外方法で患者に送達される前に、以前の服用量が使い尽くされ得る。ポイント212などの低可動域は、服用送達スケジュールの中断、または薬物の代謝もしくは排除の増加をもたらす患者のルーチンにおける変更に起因し得る。ポイント212などの低可動域は、症状における増加または再発と関連付けられ得る。パーキンソン病の患者の場合、症状は、震え、または硬直もしくは剛直などの他の筋肉症状、可動性または調整の困難、不随意もしくは緩慢な移動、または律動的収縮を含み得る。その他のパーキンソン病の症状は、睡眠障害、落ち着きのない睡眠、会話困難、尿失禁、表情低下、便秘、記憶障害、または嗅覚の喪失もしくは歪みを含む。
【0031】
患者の血中薬物濃度がポイント210などの高可動域とポイント212などの低可動域との間で変動するライン208の全体的なパターンは、患者の活動レベルおよび食事など、統制が困難な要因があるため、固定服用量モデルにおける防止が困難である。結果として、患者は、症状の障害と副作用の危険性との間で継続的に前後に引っ張られる。
【0032】
図2Cにおけるグラフは、患者の血中薬物濃度レベルの調整に対する脳深部刺激療法(DBS)などの電気刺激システムの効果を論証する。第1の領域214は、図2Bの標的投与量領域202に非常に類似している。次いで、刺激が加えられたときに、第2の領域216において、下限206が低下し、患者が症状を緩和するために有効な低服用量の医薬品L-ドーパを作る。低有効服用量を有することは、患者の治療に全体的にプラスの効果を有し、L-ドーパ療法の長期的な効果に関連する懸念についてのタイムラインが長くなる可能性がある。
【0033】
しかしながら、上限204がまた、電気刺激の効果によって低下することは注目に値する。したがって、電気刺激療法の追加は、L-ドーパ療法を受けている患者に改善を提供することができるが、高血中薬物濃度の副作用に関連する懸念を効果的には軽減しない。
【0034】
図2Dにおけるグラフは、開示された閉ループL-ドーパ治療システムの効果を論証する。図2Dのグラフはまた、開示されたポイントオブケアまたは急性L-ドーパセンサーで取られた血中薬物濃度の読み取りに対する患者または提供者の応答を論証するのに役立ち得る。図2Dにおける例は、概して、電気刺激および医薬品L-ドーパの両方を組み込んでいる治療プログラムを想定して考察されているが、原理は、L-ドーパのみを使用する治療プログラムに同様に適用する。L-ドーパの送達は、経口カプセル、液体、もしくはエアロゾルによるか、または内部もしくは外部の注入ポンプ送達によるか、または任意の他の方法によるものであり得る。ポンプ送達は、植込まれたポンプ、外部に運ばれたポンプ、または他の任意の注入ポンプの設計によるものであり得る。ポンプ送達は、概して、十二指腸へ、であり得るが、脊椎の髄腔内またはくも膜下腔などの他の送達部位も想定されている。治療のために電気刺激およびL-ドーパの両方を使用する実施形態では、両方のデバイスは、単一のハウジングに植込まれるか、または単一の同型のデバイスは、治療の両方の形態を提供し得る。
【0035】
第1の領域218では、初期のL-ドーパ服用量および電気刺激設定は、確立されている。
【0036】
ポイント220で、患者の血中薬物濃度の監視は、患者の血中L-ドーパ濃度が上昇していることを示し、アルゴリズムは、濃度が上限204を超え、患者に副作用を経験させ得ると判定する。それに応じて、閉ループシステムは、電気刺激の効果を低減するために電気刺激設定を自動的に低減し、脳の調整パラメータを薬物濃度にシフトし、それによって上限204(第2の領域222参照)を増加させ、または電気刺激設定を低減するように患者もしくは提供者に推奨し得る。実施形態において、システムは、代替的または追加して、L-ドーパの連続的または今後の服用量を減少させるか、もしくは減少させることを推奨し得る。実施形態では、刺激設定またはL-ドーパ服用量における減少は、急性もしくはポイントオブケア血液-L-ドーパ濃度測定を使用して取られたポイント220での読み取りに従って、提供者によって推奨され得る。実施形態では、患者は、急性またはポイントオブケア測定を使用して自分の血中薬物濃度を監視し得、提供者から受けたトレーニングまたは指示に従って、刺激設定または投与量に必要な調節を作り得る。
【0037】
同様に、ポイント224で、システムは、血中薬物濃度の減少を検出し、下限206を超え、その結果、患者が症状を経験し得ると判定する。それに応じて、システムは、エリア226のように、低可動域を防止するために、より低い血中薬物濃度に応答して適応する。実施形態では、システムは、下限206を減少するように電気刺激設定を増加することによって適応し得る。システムは、L-ドーパを患者に送達する薬物ポンプの注入速度を減少することによって、または患者もしくは提供者にその後のより低い投与量を推奨することによって適応し得る。
【0038】
システムは、ポイント228のように、血中薬物濃度が調整パラメータ内で応答しているときに、したがって現在の設定を維持する必要があることを判定することを識別ようにさらに構成されている。
【0039】
電流測定センサー
ここで図3を参照すると、酵素検出のための電流測定デバイス300の例が、示されている。L-ドーパ302は、作用電極308と関連付けられた電気化学層306に存在するL-アミノデカロキシラーゼ304と相互作用する。酸化反応によって放出された電子310は、作用電極308によって捕捉され、電流312を生成するために、電位によって作用電極308を通って移動する。電位は、例示的なデバイス300などの実施形態では一緒に短絡され得る、参照および対向電極314の活動によって作り出される。生成される電流は、サンプルに存在するL-ドーパのレベルに比例する。
【0040】
電気化学インピーダンス分光法(EIS)
ここで図4Aを参照すると、EIS酵素センサー400の例が、示されている。サンプル中のL-ドーパ分子402は、制限膜404を通過し、ポリイミドーパッド層408にカプセル化されたDOPA脱炭酸酵素406と相互作用する。L-ドーパの酸化からの電子の放出は、取り付けられた調和振動(LRC)回路410からの特徴的な応答を生成する。実施形態では、LRC回路410は、ランドルまたは修正されたランドル回路であり得る。
【0041】
ポリイミド層における各酵素相互作用は、固有のLRC特性を表わす。次に、本特性は、電気化学インピーダンス分光法(EIS)を使用してL-ドーパの濃度を検出および測定すうために使用することができる、共振周波数に変換される。結果は、信頼できる結果が得られる「理想的な」システムである。
【数1】
式中、Z=インピーダンス、R=全抵抗、R=検出された抵抗、=√(-1)、ω=半径方向の周波数、δ=拡散が発生する厚さ、Di=誘電正接である。
【0042】
したがって、酵素を分子認識要素として使用し、EISをプラットフォームとして使用すると、ドーパミンの形成は、経時的な速度として測定されることができる。回路のインピーダンスとして読み取られる酵素速度は、時間の経過とともにサンプルに存在するL-ドーパ濃度とともに変化する。これらの速度は、フィックの磁束方程式およびネルンストの電流方程式を組み合わせることによって、ファラデー相互作用によって記載されることができる。
【数2】
式中、Iは電流であり、nは半反応(数)で伝送された電子のモル数であり、Fはファラデー定数(C/mol)であり、Aは電極面積(cm)であり、Dは拡散係数であり、DOPAはL-ドーパ濃度であり、Lは反応が発生することができる距離の長さ(概して、本開示で適用される拡散膜の厚さ)である。
【0043】
非ファラデー相互作用は、実効静電容量、インダクタンス、フェルミ層、およびインターフェースの他の電気的特性を使用することによって記載されることができる。
【0044】
実施形態では、プラットフォームのためのEISの使用は、L-ドーパ濃度を測定するための非破壊的で、超高感度で、迅速で、ラベルのない方法を提供する。EISは、固有の電位でAC電圧を印加し、出力インピーダンスを測定する。ここで図5を参照すると、例示的な出力502および504は、例示的な回路506について示されている。回路例506は、活性電解質抵抗(R)が、二重層静電容量(Cdl)およびファラデー反応のインピーダンス(Rct)との並列の組み合わせと直列になっている、標準的なランドル回路である。実施形態では、Cdlは、定位相要素を使用してモデル化されている。ナイキスト線図である出力504は、以下の式を使用して実現され得る。
【数3】
式中、Zはインピーダンスであり、Rは回路内の抵抗であり、Cは回路内のコンデンサであり、ωはラジアル周波数である。
【0045】
入力信号と出力信号との間の差を検出することによって、特性システムは、入力電位510と出力電流512との間の位相508における変化に基づいて、測定され得る。異なる特性は、各設計がサンプルの特性に関連して出力信号において明確な変化を生じる、異なるLRC回路設計に基づいて、測定され得る。
【0046】
システム、デバイス、および方法の様々な実施形態が、本明細書に記載されている。これらの実施形態は、例としてのみ与えられており、特許請求される発明の範囲を限定することを意図するものではない。さらに、記載されてきた実施形態の様々な特徴が、多数の追加の実施形態を生じるために様々な方式で組み合わされ得ることを理解されたい。さらに、開示された実施形態で使用するために様々な材料、寸法、形状、構成および位置などが記載されてきたが、開示されたもの以外の他のものは、特許請求される発明の範囲を超えることなく利用され得る。
【0047】
関連技術における通常のスキルを有する者は、本明細書の主題が、上記の個々の実施形態に例示されているよりも少ない特徴を備え得ることを認識するであろう。本明細書に記載の実施形態は、本明細書の主題の様々な特徴を組み合わせ得る方法の網羅的な提示を意味するものではない。したがって、実施形態は、機能の相互に排他的な組み合わせではなく、むしろ、様々な実施形態は、当業者によって理解されるように、異なる個々の実施形態から選択される異なる個々の特徴の組み合わせを含むことができる。さらに、一実施形態に関して記載された要素は、特に断りのない限り、そのような実施形態に記載されていないときでさえ、他の実施形態に実装されることができる。
【0048】
従属請求項は、特許請求の範囲において、1つ以上の他の特許請求項との特定の組み合わせを指し得るが、他の実施形態はまた、従属請求項と各他の従属請求項の主題との組み合わせ、または1つ以上の特徴と他の従属もしくは独立請求項との組み合わせを含むことができる。そのような組み合わせは、特定の組み合わせが意図されていないことが述べられていない限り、本明細書で提案されている。
【0049】
上記の文書の参照による組み込みは、本明細書の明示的な開示に反する主題が組み込まれないように制限されている。上記の文書の参照による組み込みは、文書に含まれる特許請求の範囲が参照によって本明細書に組み込まれないように、さらに制限されている。上記の文書の参照による組み込みは、文書に提供される定義が本明細書に明示的に含まれない限り、参照によって本明細書に組み込まれないように、さらに制限されている。
【0050】
特許請求の範囲を解釈する目的で、米国特許法第112条(f)の規定は、特許請求項において「ための手段」または「ためのステップ」という特定の用語が記載されていない限り、発動されないことが明確に意図されている。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-06-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レボドパセンサーデバイスであって、
プロセッサと、
電気化学的反応性表面を含む作用電極であって、前記電気化学的反応性表面が、レボドパの存在下で電気化学的信号を生成する、作用電極と、
参照電極と、
対向電極と、
命令を有するコンピュータ可読プログラムコードであって、実行されるときに、前記プロセッサに、
前記作用電極から取得された電気化学的信号データを評価させ、
前記作用電極から取得された電気化学的信号データに基づいて、レボドパ濃度を計算させ、
前記レボドパ濃度の表示を提供させる、コンピュータ可読プログラムコードと、
患者が無症候性である、上限および下限を修正するように構成された電気刺激送達コンポーネントと、を備える、レボドパセンサーデバイス。
【請求項2】
レボドパ送達コンポーネントをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記レボドパ送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、表示された経口服用量推奨を提供する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記レボドパ送達コンポーネントが、注入ポンプである、請求項2または3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記レボドパ送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、表示されたポンプ設定推奨を提供する、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記レボドパ送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、前記注入ポンプ設定の自動調節を提供する、請求項4または5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記注入ポンプが、植込まれたポンプである、請求項4または5に記載のデバイス。
【請求項8】
前記注入ポンプが、十二指腸ポンプである、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記注入ポンプが、髄腔内ポンプである、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
前記電気刺激送達コンポーネントが、前記植込まれた送達ポンプと共通のハウジングを共有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記電気刺激送達コンポーネントが、脳深部刺激療法(DBS)システムである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記電気刺激送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、表示されたDBSシステム設定推奨を提供する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記電気刺激送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、前記DBSシステム設定の自動調節を提供する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
監視アプリケーションをさらに備え、前記監視アプリケーションが、縦断的データの表示を提供する、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項15】
前記監視アプリケーションが、デジタルヘルスシステムとの通信をさらに提供する、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
レボドパセンサーデバイスであって、
プロセッサと、
カプセル化されたL-アミノ酸脱炭酸酵素を伴うポリイミドーパッド(polyimide pad)層
と、
サンプルと前記カプセル化されたL-アミノ酸脱炭酸酵素との相互作用によって生成される電気化学信号が回路上に共振周波数を生成するように、前記ポリイミドーパッド層と関連付けられた調和振動回路と、
命令を有するコンピュータ可読プログラムコードであって、実行されるときに、前記プロセッサに、
前記回路から取得された前記共振周波数を評価させ、
前記回路から取得された前記共振周波数に基づいて、レボドパ濃度を計算させる、コンピュータ可読プログラムコードと、を備える、レボドパセンサーデバイス。
【請求項17】
レボドパ送達コンポーネントをさらに備える、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記レボドパ送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、表示された経口服用量推奨を提供する、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記レボドパ送達コンポーネントが、十二指腸ポンプである、請求項17に記載のデバイス。
【請求項20】
前記レボドパ送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、表示され
たポンプ設定推奨を提供する、請求項17または19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記レボドパ送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、前記十二指腸ポンプ設定の自動調節を提供する、請求項19に記載のデバイス。
【請求項22】
電気刺激送達コンポーネントをさらに備える、請求項17または18に記載のデバイス。
【請求項23】
前記電気刺激送達コンポーネントが、脳深部刺激療法(DBS)システムである、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記電気刺激送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、表示された電気刺激システム設定推奨を提供する、請求項22に記載のデバイス。
【請求項25】
前記電気刺激送達コンポーネントが、前記計算されたレボドパ濃度に従って、前記電気刺激システム設定の自動調節を提供する、請求項22に記載のデバイス。
【請求項26】
レボドパを服用量統制する方法であって、
ユーザーのレボドパの第1の血中濃度を取得することと、
前記第1の血中濃度に従って、前記ユーザーのための医薬品レボドパの服用量を計算することと、
前記レボドパ濃度の表示を提供することと、を含む、方法。
【請求項27】
前記医薬品レボドパの服用量が、経口服用量推奨として表示されている、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記医薬品レボドパの服用量が、十二指腸ポンプ設定推奨として表示されている、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記十二指腸ポンプ設定推奨に従って、十二指腸ポンプ設定を自動的に調節することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の血中濃度に従って、前記ユーザーのための脳深部刺激療法(DBS)システムのための設定推奨を計算することと、
前記DBSシステムための前記設定推奨の表示を提供することと、をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記DBSシステム設定推奨に従って、前記DBSシステム設定を自動的に調節することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記DBSシステムのための前記設定推奨に従って、前記医薬品レボドパの服用量の前記計算を調節することをさらに含む、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
前記医薬品レボドパの服用量の前記計算に従って、前記DBSシステムのための前記設定推奨を調節することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記ユーザーへの前記医薬品レボドパの服用量の投与に続いて、前記ユーザーのレボドパの第2の血中濃度を取得することと、
前記第1の血中濃度と前記第2の血中濃度との間の差を分析することと、
前記第1の血中濃度と前記第2の血中濃度との間の差に基づいて、前記医薬品レボドパ
の服用量が調節されるべきかどうかを判定することと、をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
前記医薬品レボドパの服用量に対する調節を計算することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
レボドパを服用量統制する方法であって、
ユーザーのレボドパの第1の血中濃度を取得することと、
前記第1の血中濃度に従って、前記ユーザーのための脳深部刺激療法設定を計算することと、を含む、方法。
【請求項37】
前記ユーザーへの前記脳深部刺激療法設定の投与に続いて、前記ユーザーのレボドパの第2の血中濃度を取得することと、
前記第1の血中濃度と前記第2の血中濃度との間の差を分析することと、
前記第1の血中濃度と前記第2の血中濃度との間の差に基づいて、前記脳深部刺激療法設定が調節されるべきかどうかを判定することと、をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記脳深部刺激療法設定に対する調節を計算することをさらに含む、請求項36または37に記載の方法。
【国際調査報告】