(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-12
(54)【発明の名称】パルス管冷却装置の為のハイブリッドダブルインレット弁
(51)【国際特許分類】
F25B 9/14 20060101AFI20230905BHJP
【FI】
F25B9/14 530A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509793
(86)(22)【出願日】2021-08-09
(85)【翻訳文提出日】2023-04-10
(86)【国際出願番号】 US2021045212
(87)【国際公開番号】W WO2022035756
(87)【国際公開日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501356112
【氏名又は名称】スミトモ (エスエイチアイ) クライオジェニックス オブ アメリカ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Sumitomo(SHI)Cryogenics of America,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100200001
【氏名又は名称】北原 明彦
(72)【発明者】
【氏名】シュー,ミンギャオ
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ティアン
(72)【発明者】
【氏名】ロングスワース,ラルフ,シー.
(57)【要約】
極低温の冷却を提供するギフォード-マクマホン(GM)型ダブルインレットパルス管冷却装置システムの為のダブルインレット弁であって、前記ダブルインレット弁が、固定制限器と、前記固定制限器と並列に配置されたニードル弁と、を含む。前記ニードル弁が非対称な流れを生成する。前記固定制限器及び非対称な流れを有する前記ニードル弁の組み合わせが、改善された交流(AC)フロー特性及び直流(DC)フローの調整機能を提供し、利用可能な冷却能力を向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温の冷却を提供するギフォード-マクマホン(GM)型ダブルインレットパルス管冷却装置システムの為のダブルインレット弁であって、前記ダブルインレット弁が、
固定制限器と、
前記固定制限器と並列に配置されたニードル弁と、
を含み、
前記ニードル弁を通る流れが非対称であることを特徴とするダブルインレット弁。
【請求項2】
前記固定制限器を通る流れが対称的であることを特徴とする請求項1に記載のダブルインレット弁。
【請求項3】
前記固定制限器を通る流れが非対称であることを特徴とする請求項1に記載のダブルインレット弁。
【請求項4】
前記ニードル弁が、針端部ポート及びステムポートを有する空洞を画定し、前記ニードル弁が、
前記空洞を密封する基部と、
前記基部から前記針端部ポートに向かって伸びている針と、
を含み、
前記針端部ポートから前記ステムポートへの方向の流れは、前記ステムポートから前記針端部ポートへの方向の流れよりも高い流動抵抗を有することを特徴とする請求項1に記載のダブルインレット弁。
【請求項5】
前記ニードル弁が、前記針端部ポート及び前記ステムポート間の流量を調整する為に調節可能であることを特徴とする請求項4に記載のダブルインレット弁。
【請求項6】
極低温の冷却を提供するギフォード-マクマホン(GM)型ダブルインレットパルス管冷却装置システムであって、前記GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システムが、
供給ラインを通して供給圧力でガスを供給し、戻りラインを通して戻り圧力でガスを受領する圧縮機と、
前記供給ライン及び前記戻りラインに接続された弁アセンブリと、
前記弁アセンブリに接続されたパルス管コールドヘッドと、
を含み、
前記弁アセンブリは、接続ラインを通して前記パルス管コールドヘッドに供給圧力及び戻り圧力でガスを循環させ、
前記パルス管コールドヘッドは、
ウォームエンド及びコールドエンドを有する少なくとも1つの蓄冷機と、
ウォームエンド及びコールドエンドを有する少なくとも1つのパルス管と、
固定制限器及び前記固定制限器と並列に配置されたニードル弁を含む少なくとも1つのダブルインレット弁と、
前記パルス管の前記ウォームエンドに接続されたバッファボリュームと、
前記接続ラインから前記蓄冷機の前記ウォームエンドに延びている第1のラインと、
前記蓄冷機の前記コールドエンドを前記パルス管の前記コールドエンドに接続する第2のラインと、
前記パルス管の前記ウォームエンドから前記ダブルインレット弁及び単一の入口弁を通して前記バッファボリュームに延びている第3のラインと、
を含み、
前記ニードル弁を通る流れが非対称であり、
前記ダブルインレット弁が、前記第1のラインに接続することを特徴とするGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項7】
前記固定制限器を通る流れが対称的であることを特徴とする請求項6に記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項8】
前記固定制限器を通る流れが非対称であることを特徴とする請求項6に記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項9】
前記ニードル弁が、針端部ポート及びステムポートを有する空洞を画定し、前記ニードル弁が、
前記空洞を密封する基部と、
前記基部から前記針端部ポートに向かって伸びている針と、
を含み、
前記針端部ポートから前記ステムポートへの方向の流れは、前記ステムポートから前記針端部ポートへの方向の流れよりも高い流動抵抗を有することを特徴とする請求項6に記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項10】
前記ニードル弁が、前記針端部ポート及び前記ステムポート間の流量を調整する為に調節可能であることを特徴とする請求項9に記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項11】
前記針端部ポートが前記第1のラインに接続され、前記ステムポートが前記第3のラインに接続されることを特徴とする請求項9に記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項12】
前記固定制限器が、前記第1のラインから前記第3のラインへの流れにおいて、前記第3のラインから前記第1のラインへの流れよりも低い流動抵抗を有することを特徴とする請求項11に記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項13】
前記針端部ポートが前記第3のラインに接続され、前記ステムポートが前記第1のラインに接続されることを特徴とする請求項9に記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項14】
前記パルス管コールドヘッドがさらに、
前記蓄冷機の前記コールドエンドに接続された第2段蓄冷機と、
ウォームエンド及びコールドエンドを有する第2段パルス管と、
前記第1のラインに接続された第2段ダブルインレット弁と、
前記第2段パルス管の前記ウォームエンドに接続された第2段バッファボリュームと、
前記第2段パルス管の前記コールドエンドを前記第2段蓄冷機の前記コールドエンドに接続する第4のラインと、
前記第2段パルス管の前記ウォームエンドから前記第2段ダブルインレット弁及び単一の入口弁を通して前記第2段バッファボリュームに延びている第5のラインと、
を含むことを特徴とする請求項6に記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項15】
前記弁アセンブリ及び前記パルス管コールドヘッド間の前記接続ラインが、単一の可撓性ホースであることを特徴とする請求項6に記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項16】
前記弁アセンブリ及び前記パルス管コールドヘッド間の前記接続ラインが、少なくとも0.5mの長さを有することを特徴とする請求項6に記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年8月12日に出願された米国仮特許出願63/064,528の優先権を主張するものであり、この出願は参照されることにより、本出願に援用される。
【0002】
ここに記載の実施形態は、主に直流(DC)フローの好適な制御により性能を改善するギフォード-マクマホン(GM)型パルス管冷却装置の為の改良されたダブルインレット弁に関する。
【背景技術】
【0003】
ギフォード-マクマホン(GM)型パルス管冷却装置は、供給および戻りホースにより膨張機に接続された圧縮機内のガスの圧縮により冷却するGM冷却装置と同様の冷却装置である。膨張機は、蓄冷機を通した冷却膨張空間において一般的な回転弁を使用して入口弁及び出口弁を通してガスを循環させる。GM膨張機は、シリンダー内のソリッドピストン(ピストンは、ピストンの上下の排出容積が蓄冷機により接続されるとディスプレーサとも呼ばれる)の往復運動により冷却膨張空間を生成し、一方、パルス管膨張機は、「ガスピストン」の往復運動により冷却膨張空間を生成する。パルス管冷却装置は、そのコールドヘッドに可動部品を有していないが、パルス管内の円柱状揺動ガスが圧縮ピストンとして機能する。ピストンは、加圧されて減圧されているのでパルス管内に留まるガスを含む。パルス管冷却装置のコールドエンド内の可動部品の削除は、振動のかなりの減少を可能にし、同様に、より大きな信頼性及び寿命を可能にする。さらに振動を減少する為に、回転弁が通常、可撓性のホースにより膨張機に接続される。2段GM型パルス管冷却装置は通常、ヘリウムを圧縮する為に油潤滑式圧縮機を使用し、5~15kW以上の入力電力を引き出す。今日の主要な用途は、MRI(磁気共鳴画像法)及びNMR(核磁気共鳴画像法)磁石の冷却であり、熱シールドを約40Kで冷却し、ヘリウムを約4Kで再濃縮する。量子コンピュータの初期開発においても使用されている。これらの用途は、低レベルの振動及び低レベルの電磁干渉(EMI)を必要とする。
【0004】
GM型パルス管冷却装置は、スターリング型パルス管冷却装置と共に開発され、往復運動する圧縮ピストンから直接、蓄冷機及びパルス管に圧力サイクルを提供する。これらは、地上及び宇宙システムにおいて70Kに近い赤外線検出器を冷却する為に広く使用されている。これらは通常、より小さく、例えば、GM型パルス管の1~2Hzに対して60Hzのより高速で運転する。スターリング型パルス管は、GM型パルス管に比べてより効果的である。なぜなら、スターリング型パルス管は、膨張の作用の多くを回復するからである。しかし、パルス管のウォームエンド及びバッファボリューム間のフローの制御方法が相違するので、スターリング型パルス管は、低温においてはあまり効果的ではない。
【0005】
GMサイクル冷却装置の共同発明者であるW.E.Giffordは、ソリッドピストンをガスピストンに置き換えた膨張機も思いつき、「パルス管」冷却装置と呼んだ。このことは、彼の米国特許3237421号に初めて記載され、初期のGM冷却装置のように弁に接続されたパルス管が示されている。パルス管膨張機の初期の開発は、下部の垂直配向管に流入し、流れを平滑化するメッシュを通って流れて層化した円柱状のガスを生成し、ガスは圧縮されて上部に向かって押し込まれることで高温になる。管の上部には、熱をいくらか吸収する銅のキャップが備えられているので、ガスが管から流れ出て膨張することにより冷却されると、ガスはいわゆるコールドエンド内の流れ平滑化装置及び隣接する銅を冷却する。1984年に報告されたように、パルス管のウォームエンドにバッファボリュームを追加し、絞り弁を通して内部及び外部にガスを流れさせることにより、Mikulin等により基本的なGM型パルス管に重大な改良がなされた。このことは現在、基本的なオリフィス型パルス管又は単一の入口弁パルス管と呼ばれる。これに続く開発作業は、パルス管膨張機の性能を改善する流れを調整するいくつかの異なる手段の設計を導き出した。ほとんどのスターリング型パルス管は、単一入口設計である。
【0006】
GM型パルス管において、パルス管のウォームエンド及び蓄冷機の入口の間に第2のオリフィスを追加することにより性能が改善され、2段パルス管において4K以下に達することが可能になることが分かった。このことは現在、ダブルインレットパルス管と呼ばれ、第2の絞り装置は、ダブルインレット弁と呼ばれる。単一の入口弁の場合に異なる形式になるように、ダブルインレット弁は異なる形式になる。本発明は、改善された性能を示す新規のダブルインレット弁である。
【0007】
Giffordによる米国特許3205668号には、膨張空間への圧力サイクルにより駆動ステム上の圧力を位相外に循環させることによりディスプレーサを上下に駆動するウォームエンドに取り付けられたステムを備えたソリッドピストンを有するGM膨張機が記載されている。高圧Ph及び低圧Pl間で圧力を循環させる最も一般的な手段は回転弁である。ガスピストンの寒冷境界がソリッドピストンのコールドエンドと実質的に同じパターンをたどる場合、パルス管のウォームエンドの流量制御は最適化されていると考えることができる。米国特許3205668号に記載の膨張機を有するサイクルは、入口弁が開放されて圧力が高圧Phまで上昇する間にディスプレーサを下部に押さえることにより開始される。その後、ピストンは上方に移動し、約3/4ほど上方に移動したら入口弁が閉鎖され、ピストンが上部まで移動するにつれて圧力が低下する。その後、出口弁が開放されて圧力が低圧Plまで低下する。その後、ピストンは、下方に移動し、約3/4ほど下方に移動したら出口弁が閉鎖され、ピストンが下部まで移動するにつれて圧力が上昇する。圧・容積(P-V)の領域がサイクル毎に生成される冷却の尺度である。ソリッドピストン及びガスピストンの相違点は多数ある。相違点には、1)長さ及びストロークは圧力比及びパルス管のコールドエンドの内外にどれくらいのガスが流入及び流出することができるかに依拠し、2)流動抵抗及び弁タイミングのアシンメトリは、各サイクルにおいて、流入又は流出に比べてより多くのガスがパルス管の一方のエンドから流出又は流入することを引き起こし、このことは直流(DC)フローと呼ばれ、3)コールドエンド及びウォームエンドの流入及び流出を同時に均衡させて寒冷境界を確立することは非常に困難であり、このことは交流(AC)フローと呼ばれ、ソリッドピストンの圧・容積(P-V)関係及び運動をシミュレートする。単一の入口弁を有するスターリングサイクルパルス管は、第1の課題を回避することができる。なぜなら、圧縮機ピストンは固定の変位を有するからである。そして、第2の課題も回避することができる。なぜなら、バッファボリュームに流入したガスと同じ量のガスがバッファボリュームから流出するからである。
【0008】
ソリッドピストンとのガスピストンのこの相似は、プロセスの物理的性質を提供し、圧力サイクル及び質量流量サイクル間の位相関係に関して説明されているフローパターンを発見することがより一般的である。Yuan等による米国特許出願公開公報2011/0100022号には、スターリング型単一入口パルス管冷却装置の為の位相制御装置がよく説明されている。米国特許出願公開公報2011/0100022号の
図2には、オリフィス、短管、及び近接した板を含む抵抗装置が図示されている。
図2には、電気相似におけるインダクタンスとして作用する長い小径管であるイナータンス管が示されている。米国特許出願公開公報2011/0100022号の
図8には、最も冷却性を提供する圧力サイクル及び質量流量サイクル間の位相関係を最適化する為に、電気回路相似を使用してこれらのデバイスをどのように組み合わせることができるかが示されている。米国特許出願公開公報2011/0100022号の
図7は、イナータンス装置と並行して配置された抵抗装置を有する単一入口弁の概略図である。スターリング型パルス管においてイナータンス装置は実用的であると言及することが重要である。なぜなら、高周波で動作するからである。GM型パルス管の低周波においては、抵抗装置のみが実用的である。米国特許出願公開公報2011/0100022号に記載の全てのデバイスは、いずれの方向の流れにおいても同じ流動特性を有すると言及することも重要である。
【0009】
4Kの2段GM型冷却装置の冷却能力を増加させる為の努力には、4弁設計の開発が含まれる。Xuによる米国特許10066855号には、4弁パルス管が記載されている。この名称は、蓄冷機のウォームエンドに接続された1組の入口弁及び出口弁、並びに、パルス管のウォームエンドに接続された第2の組の入口弁及び出口弁を有する移相メカニズムに由来する。米国特許10066855号には、追加の1組の弁をそれぞれが必要とする第2段及び第3段パルス管へのガスの流量を均衡させる流量制御メカニズムが記載されている。4弁パルス管は、バッファボリュームを使用せず、現在の設計は、ダブルインレットパルス管の現在の設計よりもわずかに優れた性能を有する。ホースの空隙容量が圧力振動及び性能を減少させるという欠点を有するが、弁モータ及び回転弁は蓄冷機から分離されなければならない。ダブルインレットパルス管は、コールドエンドと呼ばれるパルス管/蓄冷機アセンブリ及び弁アセンブリ間に1つのホースしか必要としないが、4弁パルス管は、蓄冷機に接続された1つのホースと、多段パルス管の各パルス管のウォームエンドに接続されたより小径のホースと、を必要とする。本願発明を含むダブルインレットパルス管の改善された性能は、遠隔弁アセンブリ及び単一の接続ホースを含むユニット内の4弁パルス管と同等の性能を達成することができる。改善された接続ホースの特許出願が近年出願されている。このホースは、弁モータアセンブリからコールドヘッドに伝達される振動を減少し、そして、空隙容量を減少し、改善された効率をもたらす。
【0010】
Oguraによる日本国特許第3917123号には、ダブルインレット弁の為のニードル弁及び第1の入口弁へのブッシュを通る短い穴を有する交換可能なブッシュの使用が記載されている。ブッシュを通る短い穴は、いずれの方向においても同じ流動条件の同じ流量制限を有し、対称的な流量制限器である。一方、ニードル弁は、図示されているように、針の先端を向いた端部のポート及びステムを向いた側部のポートを有する。異なる方向において同じ条件の流れでも流量制限が異なるので、流量制限は非対称的である。非対称の度合いは、ポートへの入口の傾斜、ポート内の穴の長さ等の要因の数に依拠する。調整手段を簡略化することにより、移相の改善が可能になる。
【0011】
4K近くで動作するGM型パルス管における圧・容積(P-V)関係を制御する移相メカニズムを最適化することに加えて、直流(DC)フローを制御することが重要であることも分かった。Xuによる米国特許第9157668号には、バッファボリューム及び圧縮機戻りライン間のブリードラインが追加されているダブルインレット型パルス管が記載されている。米国特許第9157668号の
図1には、従来技術の基本的なダブルインレット型パルス管が示されており、ダブルインレット弁を通るフローパターンが、パルス管のウォームエンドからコールドエンドに過度の直流(DC)フローを生成していることが記載されている。バッファボリュームから圧縮機の戻り側に戻るブリードラインは、直流(DC)フローを冷却を最適化する速度に減少する。このことは、弁アセンブリがコールドエンドから遠隔に位置しており、追加の接続ラインを必要とするという欠点を有する。2段ダブルインレットパルス管は、室温から第1段及び第2段温度まで拡張された並列に配置された2つの管を有する。それぞれのウォームエンドは、独自のバッファボリュームに接続され、独自のダブルインレット弁を有する。第2段蓄冷機は、第1段蓄冷機の拡張であるから、第1段蓄冷機から第1段パルス管のコールドエンドへの圧力低下は、第2段パルス管のコールドエンドへの圧力低下よりも少ない。2段パルス管における直流(DC)フローの最適化は、第2段において上向きの直流(DC)フローを有し、第1段において下向きの直流(DC)フローを有することを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、優れた交流(AC)フロー特性を有し、直流(DC)フローの調整機能を提供し、利用可能な冷却能力を向上させるダブルインレット弁である。本発明はまた、遠隔に位置する弁アセンブリ及びコールドヘッド間に単一の接続ホースのみを必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
ダブルインレット弁は、調整可能なニードル弁と並列に配置された固定制限器を含む。ニードル弁を通る流れは非対称であり、所定の条件のガスが他方のポートに流入した場合と比べて、一方のポートに流入した場合は圧力がより低下する。固定制限器は、どちらの方向の流れにおいても同じ対称的な圧力低下を有する短い穴、又は、非対称な流れを有する先細の穴であることができる。この組み合わせが、優れた交流(AC)フロー特性及び直流(DC)フローの調整機能を提供し、利用可能な冷却能力を向上させる。また、遠隔に位置する弁アセンブリ及びコールドヘッド間に単一の接続ホースのみを必要とする。
【0014】
これらの利点及び他の利点は、極低温の冷却を提供するGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システムにより達成される。GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システムは、供給ラインを通して供給圧力でガスを供給し、戻りラインを通して戻り圧力でガスを受領する圧縮機と、前記供給ライン及び前記戻りラインに接続された弁アセンブリと、前記弁アセンブリに接続されたパルス管コールドヘッドと、を含む。前記弁アセンブリは、接続ラインを通して前記パルス管コールドヘッドに供給圧力及び戻り圧力でガスを循環させる。前記パルス管コールドヘッドは、ウォームエンド及びコールドエンドを有する少なくとも1つの蓄冷機と、ウォームエンド及びコールドエンドを有する少なくとも1つのパルス管と、少なくとも1つのダブルインレット弁と、前記パルス管の前記ウォームエンドに接続されたバッファボリュームと、前記接続ラインから前記蓄冷機の前記ウォームエンド及び前記ダブルインレット弁に延びている第1のラインと、前記蓄冷機の前記コールドエンドを前記パルス管の前記コールドエンドに接続する第2のラインと、前記パルス管の前記ウォームエンドからダブルインレット弁及び単一の入口弁を通して前記バッファボリュームに延びている第3のラインと、を含む。
【0015】
図面には、単なる例として、限定を意図しない、本概念による1以上の実施が図示されている。図面において、同じ又は同様の符号は同じ又は同等の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】開示の発明のダブルインレット弁の第1の実施形態を含む単段GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システムの概略図である。
【
図2】開示の発明のダブルインレット弁の第2の実施形態を含む単段GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システムの概略図である。
【
図3】開示の発明のダブルインレット弁の第3の実施形態を含む単段GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システムの概略図である。
【
図4】開示の発明のダブルインレット弁の実施形態を含む2段GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システムの概略図である。
【
図5A】ダブルインレット弁の第1の実施形態の概略図である。
【
図5B】ダブルインレット弁の第2の実施形態の概略図である。
【
図5C】ダブルインレット弁の第3の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここでは、本発明のいくつかの実施形態が、本発明の好ましい実施形態が図示されている添付の図面を参照にして、より完全に記載される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、ここに記載の実施形態に限定されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が完全なものとなり、当業者に本発明の範囲を伝達する為に提供されているものである。全体を通して、同様の符号は同様の要素を示し、代替実施形態における同様の要素はプライム記号を使用して示されている。図面において、同じ又は同様の部品は同じ符号を有し、通常、説明は繰り返されていない。
【0018】
図1は、開示の発明のダブルインレット弁1aの第1の実施形態を含む単段GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム100の概略図である。
図5Aは、ダブルインレット弁1aの第1の実施形態の概略図である。全体のシステムにおけるダブルインレット弁1aが図示されている。
図1及び
図5Aを参照して、単段GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム100は、圧縮機10、弁12a及び12bを含む弁アセンブリ12、及びパルス管コールドヘッド101を含む。圧縮機10は、供給ライン11aを通して供給弁12a、V1に接続され、戻りライン11bを通して戻り弁12b、V2に接続される。供給ライン11a及び戻りライン11bは通常、5~20mの長さの可撓性金属ホースであり、供給弁12a及び戻り弁12bは通常、固定シート内のポート上で回転するモータ駆動回転弁内の溝穴である。通常ヘリウムであるガスは、接続ライン13を通して蓄冷機16のウォームエンド16a及びダブルインレット弁1aを通してパルス管17のウォームエンドに流れ、通常2.2MPa及び0.6MPaである供給圧力及び戻り圧力の圧力下で循環する。圧縮機10は、供給ライン11aを通して供給圧力でガスを供給し、戻りライン11bを通して戻り圧力でガスを受領する。供給弁12a及び戻り弁12bはそれぞれ、供給ライン11a及び戻りライン11bに接続され、接続ライン13を通してパルス管コールドヘッド101に、供給圧力及び戻り圧力でガスを循環させる。供給弁12a及び戻り弁12bがパルス管コールドヘッド101と一体である場合、接続ライン13は数mmの長さであることができ、又は、弁が遠隔に配置されている場合、接続ライン13は1mまでの長さであることができる。
【0019】
パルス管コールドヘッド101は、ウォームエンド16a及びコールドエンド16bを有する蓄冷機16と、ウォームエンドにウォームフロースムーザ17a及びコールドエンドにコールドフロースムーザ17bを有するパルス管17と、蓄冷機16のコールドエンド16bをパルス管17のコールドフロースムーザ17bに接続するライン18と、接続ライン13から蓄冷機16のウォームエンド16aまで延びているライン7と、ライン7からダブルインレット弁1aまで延びているライン6a及び9aと、パルス管17のウォームフロースムーザ17aから単一の入口弁4を通してバッファボリューム15まで延びているライン5と、ダブルインレット弁1aからライン5及びパルス管17のウォームフロースムーザ17aまで延びているライン8a及び9bと、を含む。循環フローは、ライン7を通して蓄冷機16のウォームエンド16aまで続き、ダブルインレット弁1aを通してライン5まで続く。ライン5は、一方の端部においてウォームフロースムーザ17aを含むパルス管17のウォームエンドに接続し、他方の端部においてバッファボリューム15に接続する単一の入口弁4に接続する。蓄冷機16のコールドエンド16bは、ライン18を通してコールドフロースムーザ17bを含むパルス管17のコールドエンドに接続する。
【0020】
図1及び
図5Aを参照して、固定制限器3a及びニードル弁2aを含むダブルインレット弁1aは、両方向からの流量を調整する為に調節可能である。ニードル弁2a及び固定制限器3aは、並列に接続される。ニードル弁2aは、基部30及び基部30から延びている針31を含み、その両方が、ニードル弁2a内に形成された空洞32内部に配置される。ニードル弁2aは、ライン6aを通してライン7に接続される針端部ポート33と、ライン8aを通してライン5に接続されるステムポート34と、を含む。針31は、針端部ポート33に向けて突出し、基部30が空洞32を密封するので、空洞32を通って針端部ポート33及びステムポート34間に流体流路が形成される。針端部ポート33に向けて又は離れるように針31を移動することにより、流路の開口が変化し、両方向における流量及び双方向のフロー間の非対称の度合いが変化する。針31及び針端部ポート33の寸法及び形状は、両方向における流量及びニードル弁2aの非対称の度合い、即ち交流(AC)及び直流(DC)フロー特性を変化させる為に変更することができる。
【0021】
固定制限器3aは、ライン7に接続するライン9a及びライン5に接続するライン9bに接続された穴(流路)35aを有する。穴35aは、穴の長さにわたって同じ断面積を有し、その結果、固定制限器3aを通る流れは対称的である。対称的な流れは、一方向へのガス流が反対方向へのガス流と同じ流動抵抗を有することを意味する。非対称的な流れは、一方向へのガス流が反対方向へのガス流とは異なる流動抵抗を有することを意味する。非対称的な流れにおいて、一方向に流れるガスの流動抵抗は、反対方向に流れるガスの流動抵抗よりも大きい又は小さい。ニードル弁2aを通る流れは非対称である。ライン6aを通して針端部ポート33に流入するガスの流れは、ライン8aを通してステムポート34に流入するガスの流れよりも制限されている。その結果、針端部ポート33からステムポート34へのガス流は、ステムポート34から針端部ポート33へのガス流よりも高い流動抵抗を有する。即ち、針31から基部30への方向の流れが、反対方向よりも高い流動抵抗を有する。
【0022】
図2は、開示の発明のダブルインレット弁1bの第2の実施形態を含む単段GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム200の概略図である。
図5Bは、ダブルインレット弁1bの第2の実施形態の概略図である。ダブルインレット弁1bは、方向転換されたニードル弁2bを有する点でダブルインレット弁1aとは異なるので、針端部ポート33がライン6bを通してライン5に接続し、ステムポート34がライン8bを通してライン7に接続される。固定制限器3aの穴35aは、穴の長さにわたって同じ断面積を有し、その結果、固定制限器3aを通る流れは対称的である。ニードル弁2bを通る流れは非対称である。ライン6bを通して針端部ポート33に流入するガスの流れは、ライン8bを通してステムポート34に流入するガスの流れよりも制限されている。針端部ポート33からステムポート34へのガス流は、ステムポート34から針端部ポート33へのガス流よりも高い流動抵抗を有する。
【0023】
単段GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム200は、圧縮機10、弁12a及び12bを含む弁アセンブリ12、及びパルス管コールドヘッド201を含む。圧縮機10は、供給ライン11aを通して供給圧力でガスを供給し、戻りライン11bを通して戻り圧力でガスを受領する。供給弁12a及び戻り弁12bはそれぞれ、供給ライン11a及び戻りライン11bに接続され、接続ライン13を通してパルス管コールドヘッド201に、供給圧力及び戻り圧力でガスを循環させる。パルス管コールドヘッド201は、ウォームエンド16a及びコールドエンド16bを有する蓄冷機16と、ウォームエンドにウォームフロースムーザ17a及びコールドエンドにコールドフロースムーザ17bを有するパルス管17と、蓄冷機16のコールドエンド16bをパルス管17のコールドフロースムーザ17bに接続するライン18と、接続ライン13から蓄冷機16のウォームエンド16aまで延びているライン7と、ライン7からダブルインレット弁1bまで延びているライン8b及び9aと、パルス管17のウォームフロースムーザ17aから単一の入口弁4を通してバッファボリューム15まで延びているライン5と、ダブルインレット弁1bからライン5及びパルス管17のウォームフロースムーザ17aまで延びているライン6b及び9bと、を含む。
【0024】
図3は、開示の発明のダブルインレット弁1cの第3の実施形態を含む単段GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム300の概略図である。
図5Cは、ダブルインレット弁1cの第3の実施形態の概略図である。ダブルインレット弁1cは、固定制限器3bが非対称なフローパターンを生成する先細の穴35bを有する点でダブルインレット弁1aとは異なる。この実施形態において、穴35bの断面積は、ライン9aの接続点からライン9bの接続点に進むにつれて増加する。この構成において、固定制限器3bは、ライン9aからライン9bへの流れにおいて反対方向の流れより低い流動抵抗を有する。非対称な固定制限器3bは、調節可能な制限器2a又は2bと組み合わせていずれの方向向きにでも配置できる。例えば、固定制限器3bが
図2の実施形態のニードル弁2bと組み合された場合、穴35bの断面積は、ライン9aの接続点からライン9bの接続点に進むにつれて減少することができる。
【0025】
単段GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム300は、圧縮機10、弁12a及び12bを含む弁アセンブリ12、及びパルス管コールドヘッド301を含む。圧縮機10は、供給ライン11aを通して供給圧力でガスを供給し、戻りライン11bを通して戻り圧力でガスを受領する。供給弁12a及び戻り弁12bはそれぞれ、供給ライン11a及び戻りライン11bに接続され、接続ライン13を通してパルス管コールドヘッド301に、供給圧力及び戻り圧力でガスを循環させる。パルス管コールドヘッド301は、ウォームエンド16a及びコールドエンド16bを有する蓄冷機16と、ウォームエンドにウォームフロースムーザ17a及びコールドエンドにコールドフロースムーザ17bを有するパルス管17と、蓄冷機16のコールドエンド16bをパルス管17のコールドフロースムーザ17bに接続するライン18と、接続ライン13から蓄冷機16のウォームエンド16aまで延びているライン7と、ライン7からダブルインレット弁1cまで延びているライン6a及び9aと、パルス管17のウォームフロースムーザ17aから単一の入口弁4を通してバッファボリューム15まで延びているライン5と、ダブルインレット弁1cからライン5及びパルス管17のウォームフロースムーザ17aまで延びているライン8a及び9bと、を含む。
【0026】
図4は、2つのパルス管17及び21を含む2段GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム400の概略図である。ダブルインレット弁1aは、第1段パルス管17に接続され、ダブルインレット弁1dは、第2段パルス管21に接続される。ダブルインレット弁1dは、ダブルインレット弁1aと同等の構成を有するが、異なる配置を有する。特に、ダブルインレット弁1a及び1dは、ライン7に対して鏡面対称に配置される。循環流は、第1段蓄冷機16’のウォームエンド16a’及びライン7を通して第2段蓄冷機20まで続き、ダブルインレット弁1aを通してライン5まで続き、そして、第2段ダブルインレット弁1dを通してライン5aまで続く。ライン5は、一方の端部においてウォームフロースムーザ17aを含む第1段パルス管17のウォームエンドに接続し、他方の端部においてバッファボリューム15に接続する単一の入口弁4に接続する。ライン5aは、一方の端部においてウォームフロースムーザ21aを含む第2段パルス管21のウォームエンドに接続し、他方の端部において第2段バッファボリューム15aに接続する単一の入口弁4aに接続する。
【0027】
図4に図示されているように、2段GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム400は、第1段蓄冷機16’の拡張である第2段蓄冷機20を含む。第2段パルス管21は、ウォームエンドが室温である第1段パルス管17から分離される。第1段蓄冷機16’のコールドエンド16b’は、ライン18を通してコールドフロースムーザ17bを含む第1段パルス管17のコールドエンドに接続される。第2段蓄冷機20のコールドエンド20bは、ライン22を通してコールドフロースムーザ21bを含む第2段パルス管21のコールドエンドに接続される。第1段パルス管17のウォームエンドは、ウォームフロースムーザ17aを有し、そして、ライン5に接続し、ライン5は、第1のダブルインレット弁1a、及び単一の入口弁4を通してバッファボリューム15に接続する。第2段パルス管21のウォームエンドは、ウォームフロースムーザ21aを有し、そして、ライン5aに接続し、ライン5aは、第2段ダブルインレット弁1d、及び単一の入口弁4aを通して第2段バッファボリューム15aに接続する。
【0028】
2段GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム400は、圧縮機10、弁12a及び12bを含む弁アセンブリ12、及びパルス管コールドヘッド401を含む。圧縮機10は、供給ライン11aを通して供給圧力でガスを供給し、戻りライン11bを通して戻り圧力でガスを受領する。供給弁12a及び戻り弁12bはそれぞれ、供給ライン11a及び戻りライン11bに接続され、接続ライン13を通してパルス管コールドヘッド401に、供給圧力及び戻り圧力でガスを循環させる。パルス管コールドヘッド401は、ウォームエンド16a’及びコールドエンド16b’を有する第1段蓄冷機16’と、第1段蓄冷機16’のコールドエンド16b’に取り付けられ、コールドエンド20bを有する第2段蓄冷機20と、ウォームエンドにウォームフロースムーザ17a及びコールドエンドにコールドフロースムーザ17bを有する第1段パルス管17と、ウォームエンドにウォームフロースムーザ21a及びコールドエンドにコールドフロースムーザ21bを有する第2段パルス管21と、第1段蓄冷機16’のコールドエンド16b’を第1段パルス管17のコールドフロースムーザ17bに接続するライン18と、第2段蓄冷機20のコールドエンド20bを第2段パルス管21のコールドフロースムーザ21bに接続するライン22と、接続ライン13から第1段蓄冷機16’のウォームエンド16a’まで延びているライン7と、ライン7からダブルインレット弁1aまで延びているライン6a及び9aと、ライン7からダブルインレット弁1dまで延びているライン6a’及び9a’と、第1段パルス管17のウォームフロースムーザ17aから単一の入口弁4を通してバッファボリューム15まで延びているライン5と、第2段パルス管21のウォームフロースムーザ21aから単一の入口弁4aを通してバッファボリューム15aまで延びているライン5aと、ダブルインレット弁1aからライン5及び第1段パルス管17のウォームフロースムーザ17aまで延びているライン8a及び9bと、ダブルインレット弁1dからライン5a及び第2段パルス管21のウォームフロースムーザ21aまで延びているライン8a’及び9b’と、を含む。
【0029】
ダブルインレット弁1aは、本設計に最適な結果をもたらすことが見出されている。異なるパルス管及び蓄冷機の寸法を有する他の設計においては、ダブルインレット弁1b及び1cが好ましいことがある。ダブルインレット弁1a又は1dは、他方の段において従来のダブルインレット弁2aと組み合わされる2段GM型ダブルインレットパルス管コールドヘッド401の第1段又は第2段のいずれかに単独で使用されることができる。
【0030】
ここで使用されている用語及び記載は、単に説明の為に示されており、限定を意味するものではない。ここに記載の実施形態及び本発明の主旨及び範囲内で様々な変形が可能であると当業者は認識するものである。
【符号の説明】
【0031】
1a ダブルインレット弁
1b ダブルインレット弁
1c ダブルインレット弁
1d ダブルインレット弁
2a ニードル弁
2b ニードル弁
3a 固定制限器
3b 固定制限器
4 入口弁
4a 入口弁
5 ライン
5a ライン
6a ライン
6a’ ライン
6b ライン
7 ライン
8a ライン
8a’ ライン
8b ライン
9a ライン
9a’ ライン
9b ライン
9b’ ライン
10 圧縮機
11a 供給ライン
11b 戻りライン
12 弁
12a 供給弁
12b 戻り弁
13 接続ライン
15 バッファボリューム
15a バッファボリューム
16 蓄冷機
16a ウォームエンド
16b コールドエンド
16’ 第1段蓄冷機
16a’ ウォームエンド
16b’ コールドエンド
17 (第1段)パルス管
17a ウォームフロースムーザ
17b コールドフロースムーザ
18 ライン
20 第2段蓄冷機
20b コールドエンド
21 第2段パルス管
21a ウォームフロースムーザ
21b コールドフロースムーザ
22 ライン
30 基部
31 針
32 空洞
33 針端部ポート
34 ステムポート
35a 穴
35b 先細の穴
100 単段GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム
101 パルス管コールドヘッド
200 単段GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム
201 パルス管コールドヘッド
300 単段GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム
301 パルス管コールドヘッド
400 2段GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム
401 パルス管コールドヘッド
【手続補正書】
【提出日】2023-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温の冷却を提供するギフォード-マクマホン(GM)型ダブルインレットパルス管冷却装置システムの為のダブルインレット弁であって、前記ダブルインレット弁が、
固定制限器と、
前記固定制限器と並列に配置されたニードル弁と、
を含み、
前記ニードル弁を通る流れが非対称であることを特徴とするダブルインレット弁。
【請求項2】
前記固定制限器を通る流れが対称的であることを特徴とする請求項1に記載のダブルインレット弁。
【請求項3】
前記固定制限器を通る流れが非対称であることを特徴とする請求項1に記載のダブルインレット弁。
【請求項4】
前記ニードル弁が、針端部ポート及びステムポートを有する空洞を画定し、前記ニードル弁が、
前記空洞を密封する基部と、
前記基部から前記針端部ポートに向かって伸びている針と、
を含み、
前記針端部ポートから前記ステムポートへの方向の流れは、前記ステムポートから前記針端部ポートへの方向の流れよりも高い流動抵抗を有することを特徴とする請求項1
~3のいずれかに記載のダブルインレット弁。
【請求項5】
前記ニードル弁が、前記針端部ポート及び前記ステムポート間の流量を調整する為に調節可能であることを特徴とする請求項4に記載のダブルインレット弁。
【請求項6】
極低温の冷却を提供するギフォード-マクマホン(GM)型ダブルインレットパルス管冷却装置システムであって、前記GM型ダブルインレットパルス管冷却装置システムが、
供給ラインを通して供給圧力でガスを供給し、戻りラインを通して戻り圧力でガスを受領する圧縮機と、
前記供給ライン及び前記戻りラインに接続された弁アセンブリと、
前記弁アセンブリに接続されたパルス管コールドヘッドと、
を含み、
前記弁アセンブリは、接続ラインを通して前記パルス管コールドヘッドに供給圧力及び戻り圧力でガスを循環させ、
前記パルス管コールドヘッドは、
ウォームエンド及びコールドエンドを有する少なくとも1つの蓄冷機と、
ウォームエンド及びコールドエンドを有する少なくとも1つのパルス管と、
固定制限器及び前記固定制限器と並列に配置されたニードル弁を含む少なくとも1つのダブルインレット弁と、
前記パルス管の前記ウォームエンドに接続されたバッファボリュームと、
前記接続ラインから前記蓄冷機の前記ウォームエンドに延びている第1のラインと、
前記蓄冷機の前記コールドエンドを前記パルス管の前記コールドエンドに接続する第2のラインと、
前記パルス管の前記ウォームエンドから前記ダブルインレット弁及び単一の入口弁を通して前記バッファボリュームに延びている第3のラインと、
を含み、
前記ニードル弁を通る流れが非対称であり、
前記ダブルインレット弁が、前記第1のラインに接続することを特徴とするGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項7】
前記固定制限器を通る流れが対称的であることを特徴とする請求項6に記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項8】
前記固定制限器を通る流れが非対称であることを特徴とする請求項6に記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項9】
前記ニードル弁が、針端部ポート及びステムポートを有する空洞を画定し、前記ニードル弁が、
前記空洞を密封する基部と、
前記基部から前記針端部ポートに向かって伸びている針と、
を含み、
前記針端部ポートから前記ステムポートへの方向の流れは、前記ステムポートから前記針端部ポートへの方向の流れよりも高い流動抵抗を有することを特徴とする請求項6
~8のいずれかに記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項10】
前記ニードル弁が、前記針端部ポート及び前記ステムポート間の流量を調整する為に調節可能であることを特徴とする請求項9に記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項11】
前記針端部ポートが前記第1のラインに接続され、前記ステムポートが前記第3のラインに接続されることを特徴とする請求項9
又は10に記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項12】
前記固定制限器が、前記第1のラインから前記第3のラインへの流れにおいて、前記第3のラインから前記第1のラインへの流れよりも低い流動抵抗を有することを特徴とする請求項11に記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項13】
前記針端部ポートが前記第3のラインに接続され、前記ステムポートが前記第1のラインに接続されることを特徴とする請求項9
~12のいずれかに記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項14】
前記パルス管コールドヘッドがさらに、
前記蓄冷機の前記コールドエンドに接続された第2段蓄冷機と、
ウォームエンド及びコールドエンドを有する第2段パルス管と、
前記第1のラインに接続された第2段ダブルインレット弁と、
前記第2段パルス管の前記ウォームエンドに接続された第2段バッファボリュームと、
前記第2段パルス管の前記コールドエンドを前記第2段蓄冷機の前記コールドエンドに接続する第4のラインと、
前記第2段パルス管の前記ウォームエンドから前記第2段ダブルインレット弁及び単一の入口弁を通して前記第2段バッファボリュームに延びている第5のラインと、
を含むことを特徴とする請求項6
~13のいずれかに記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項15】
前記弁アセンブリ及び前記パルス管コールドヘッド間の前記接続ラインが、単一の可撓性ホースであることを特徴とする請求項6
~14のいずれかに記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【請求項16】
前記弁アセンブリ及び前記パルス管コールドヘッド間の前記接続ラインが、少なくとも0.5mの長さを有することを特徴とする請求項6
~15のいずれかに記載のGM型ダブルインレットパルス管冷却装置システム。
【国際調査報告】