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特表2023-538903仮想現実環境において照準機器を狙うシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-12
(54)【発明の名称】仮想現実環境において照準機器を狙うシステム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20230905BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20230905BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
G06T19/00 C
G09B19/00 Z
G06F3/01 510
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511890
(86)(22)【出願日】2021-08-16
(85)【翻訳文提出日】2023-02-16
(86)【国際出願番号】 US2021046132
(87)【国際公開番号】W WO2022040081
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】16/995,470
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】トイ,グレゴリー ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ウェザリル,マイケル ディー.,ジュニア.
(72)【発明者】
【氏名】ヴェレス,クリストファー エー.
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
【Fターム(参考)】
5B050BA09
5B050CA07
5B050EA07
5B050FA05
5E555AA01
5E555AA27
5E555AA64
5E555BA20
5E555BA38
5E555BB20
5E555BB38
5E555BC04
5E555BE17
5E555CA42
5E555CA44
5E555CA45
5E555CB19
5E555CB21
5E555CC05
5E555DA08
5E555DB53
5E555DB56
5E555DC13
5E555DC43
5E555DD06
5E555EA11
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
システムは、3次元位置追跡システムを用いて3次元空間における兵器シミュレータの照準機器の位置を決定する。仮想現実(VR)頭部搭載ディスプレイ(HMD)が兵器シミュレータの照準機器の近傍に置かれると、システムは、追跡システムを用いて3次元空間におけるVR HMDの位置を決定する。システムは、次に、仮想トレーナとVR HMDの位置の間の関係を分析し、VR HMDが仮想トレーナに関して正しく位置付けられていると決定すると、システムは、VR HMDに視覚フィードをロックする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理であって、
3次元位置追跡システムを用いて3次元空間における照準システム仮想トレーナの第1位置を決定するステップと、
前記照準システム仮想トレーナの近傍に仮想現実(VR)頭部搭載ディスプレイ(HMD)が置かれると、前記3次元位置追跡システムを用いて3次元空間における前記VR HMDの第2位置を決定するステップと、
前記第1位置と前記第2位置の間の関係を分析するステップと、
前記第1位置と前記第2位置の間の関係の分析に基づき、前記VR HMDが前記照準システム仮想トレーナに関して正しく位置付けられたことを決定すると、前記VR HMDへの視覚フィードをロックするステップと、
を含む処理。
【請求項2】
前記照準システム仮想トレーナは、個人用携帯型防空仮想トレーナを含む、請求項1に記載の処理。
【請求項3】
前記照準システム仮想トレーナは、携帯型防空ミサイルシステム(MANPADS)仮想トレーナを含む、請求項1に記載の処理。
【請求項4】
前記照準システム仮想トレーナは、トレーニング支援、装置、シミュレータ、及びシミュレーション(TADSS)装置を含む、請求項1に記載の処理。
【請求項5】
前記VR HMDが正しく位置付けられたことを決定することは、ユーザが前記照準システム仮想トレーナの照準視線を見下ろすことができると決定することを含む、請求項1に記載の処理。
【請求項6】
前記ユーザが前記照準システム仮想トレーナの照準視線を見下ろすことができると決定することは、前記VR HMDが前記照準システム仮想トレーナのソフトウェア定義の仮想衝突ゾーン内に位置付けられると決定することを含む、請求項5に記載の処理。
【請求項7】
前記照準視線は、第1仮想レチクル及び第2仮想レチクルのうちの1つ以上を含む、請求項5に記載の処理。
【請求項8】
前記照準視線と関連して物理的な照準装置を使用するステップを含む請求項7に記載の処理。
【請求項9】
前記VR HMDは、前記照準システム仮想トレーナのユーザの頭部に位置付けられる、請求項1に記載の処理。
【請求項10】
前記第1位置と第2位置との関係の分析は、仮想現実ゲームエンジンの使用を含む、請求項1に記載の処理。
【請求項11】
前記3次元位置追跡システムは、前記照準システム仮想トレーナ及び前記VR HMDに配置された赤外線センサ、複数のカメラ、並びにインサイドアウト追跡方法、のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の処理。
【請求項12】
命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令はプロセッサにより実行されると処理を実行し、前記処理は、
3次元位置追跡システムを用いて3次元空間における照準システム仮想トレーナの第1位置を決定するステップと、
前記照準システム仮想トレーナの近傍に仮想現実(VR)頭部搭載ディスプレイ(HMD)が置かれると、前記3次元位置追跡システムを用いて3次元空間における前記VR HMDの第2位置を決定するステップと、
前記第1位置と前記第2位置の間の関係を分析するステップと、
前記第1位置と前記第2位置の間の関係の分析に基づき、前記VR HMDが前記照準システム仮想トレーナに関して正しく位置付けられたことを決定すると、前記VR HMDへの視覚フィードをロックするステップと、
を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記照準システム仮想トレーナは、個人用携帯型防空仮想トレーナを含む、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記照準システム仮想トレーナは、携帯型防空ミサイルシステム(MANPADS)仮想トレーナを含む、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記照準システム仮想トレーナは、トレーニング支援、装置、シミュレータ、及びシミュレーション(TADSS)装置を含む、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記VR HMDが正しく位置付けられたことを決定することは、ユーザが前記照準システム仮想トレーナの照準視線を見下ろすことができると決定することを含む、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記ユーザが前記照準システム仮想トレーナの照準視線を見下ろすことができると決定することは、前記VR HMDが前記照準システム仮想トレーナのソフトウェア定義の仮想衝突ゾーン内に位置付けられると決定することを含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記照準視線は、第1仮想レチクル及び第2仮想レチクルのうちの1つ以上を含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記照準視線と関連して物理的な照準装置を使用するための命令を含む請求項18に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
システムであって、
照準システム仮想トレーナと、
仮想現実(VR)頭部搭載ディスプレイ(HMD)と、
を含み、
前記システムは、
3次元位置追跡システムを用いて3次元空間における前記照準システム仮想トレーナの第1位置を決定し、
前記照準システム仮想トレーナの近傍に前記VR HMDが置かれると、前記3次元位置追跡システムを用いて3次元空間における前記VR HMDの第2位置を決定し、
前記第1位置と前記第2位置の間の関係を分析し、
前記第1位置と前記第2位置の間の関係の分析に基づき、前記VR HMDが前記照準システム仮想トレーナに関して正しく位置付けられたことを決定すると、前記VR HMDへの視覚フィードをロックする、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権の主張]
本願は、参照により全体がここ組み込まれる米国出願番号第16/995470号、2020年8月17日出願、の優先権を請求する。
【0002】
[技術分野]
本開示は、仮想現実環境の照準システムに関し、実施形態では、限定ではなく、個人用携帯型防空仮想トレーナの照準システムに関する。
【背景技術】
【0003】
個人が、特にトレーニング支援、装置、シミュレータ、及びシミュレーション(training aids, devices, simulators, and simulations (TADSS))装置の例である携帯型防空ミサイルシステム(man portable air defense system (MANPADS))仮想トレーナのような個人用携帯型防空仮想トレーナを狙おうとするとき、該個人がMANPADS又は他のTADSS装置に関して彼らの頭部を正しく位置合わせすることは困難である。この困難の原因は、ユーザが仮想現実(virtual reality (VR))頭部搭載ディスプレイ(head mounted display (HMD))を装着しているために、彼らが自身の保持しているMANPADSトレーナ又は他のTADSS装置を見ることができないためである。また、HMDを使用すると頭がかさばり、個人は頭を正しく配置できなくなる。更に、未熟な個人にとっては、頭部とMANPADSトレーナ又は他のTADSS装置を正確に位置合わせすることが難しい。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】仮想現実における個人用携帯型防空仮想トレーナの概観を示す図である。
図2】ユーザが個人用携帯型防空仮想トレーナに関して仮想現実(VR)頭部搭載ディスプレイ(HMD)を適切に位置合わせできるようにする方法を示すブロック図である。
図3】ユーザが個人用携帯型防空仮想トレーナに関して仮想現実(VR)頭部搭載ディスプレイ(HMD)を適切に位置合わせできるようにする別の方法を示すブロック図である。
図4】本開示の1つ以上の実施態様が実行可能なコンピュータアーキテクチャのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明では、例示を目的として、本発明の異なる実施形態の様々な側面の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が説明される。しかしながら、当業者には、すべての特定の詳細がなくても、及び/又はここに記載された種々の特徴及び要素の変形、置換、及び組み合わせにより、本発明が実施できることが明らかである。
【0006】
戦術的な携帯型防空ミサイルシステム(MANPADS)は、ユーザが、通常、彼らの肩に置き、飛行機、ヘリコプター、ドローンなどの空中車両に対抗するために発射体を発射する兵器である。世界中の多くの軍隊はこのような戦術的なMANPADSを使用し、同じこれらの軍隊は、一般にトレーニング支援、装置、シミュレータ、及びシミュレーション(TADSS)と呼ばれるトレーニング装置も使用し、戦術的なMANPADSの使用について個人をトレーニングする。個人がTADSS装置のような仮想現実(VR)でトレーニングするとき、特にTADSS装置を狙っているとき、該個人は自身の頭部をTADSS装置に関して正しく位置付けることが困難である。この困難の原因は、ユーザが仮想現実(virtual reality (VR))頭部搭載ディスプレイ(head mounted display (HMD))を装着しているために、彼らが自身の保持しているTADSS装置を見ることができないためである。また、HMDを使用すると頭がかさばり、個人は頭を正しく配置できなくなる。更に、未熟な個人にとっては、頭部とTADSS装置を正確に位置合わせすることが難しい。更に、仮想現実ユーザのうちのごく一部は、仮想現実シミュレータを使用しているときにシミュレーション酔いの兆候を示す。本開示の実施形態は、主に防空アプリケーションに関して説明されるが、そのような実施形態は、民間及び非防空関連アプリケーションを含む、ユーザが彼らの頭部を任意のタイプの照準又はエイミングシステムに置く任意のアプリケーションにも適用可能である。例えば、そのような実施形態は、一連の照準を合わせるために、ユーザが彼らの頭部を正しく位置付ける必要がある任意のトレーニング又はゲームアプリケーションにも適用可能である。更なる例として、実施形態はトレーニング中の測量技師のために使用でき、トレーニング中の測量技師がこれらの実施形態を使用して、経緯儀装置を正しく照準を定め位置付けることができる。
【0007】
実施形態では、「SightLock」機能と呼ばれるソフトウェア方法は、ユーザがTADSS装置を肩に正しく位置付けているとき、ユーザが即時フィードバックを受信できるようにする。VR HMD内のビューは、仮想照準フレームにスムーズにスナップイン及びスナップアウトして、ユーザがTADSS装置を正しく保持しているときに、ユーザがサイトを覗いて照準を合わせること(エイムダウンサイト、aim down sights (ADS))を可能にする。特に、VR HMD内のビューは、正しく「エイムダウンサイト」位置にスナップインして、そこで保持し、ユーザが、彼らが狙っているものの正しい照準図を見ることができる。これは、戦術的なMANPADSランチャーの物理的な照準フレームにおいて後ろの光景に目を向けるのと同等の現実世界を再現するため、仮想現実のトレーニング生に貴重な筋肉の記憶を提供する。
【0008】
実施形態は、TADSS装置の変更された照準フレームアセンブリと連携して機能し、これは、実施形態をユーザにとってより現実的なものにする。しかしながら、変更された照準フレームアセンブリは、本実施形態の動作には必要ない。幾つかのMANPADSトレーニング装置は、トレーニング体制をより現実的にする照準フレームアセンブリを含む。しかしながら、仮想現実トレーニング環境では、VR HMDは、ユーザが仮想TADSS装置、特に照準フレームアセンブリに関して彼らの頭部を正しく配置することを妨げる。
【0009】
実施形態は、個人が保持している物理TADSS装置に関して、個人の頭部の位置を追跡する。TADSS装置に関して、個人が頭部を正しい位置に置き、個人が目を正しい位置に置くとき、VR HMD内のビューは固定される。つまり、仮想現実で生成されたシーンにおけるMANPADSジオメトリは、変化しないので、個人は明瞭な照準図を見ることができる。このロック機能は、仮想現実に関連する固有のジッタを解決する。この特徴は、(正しく保持された場合に)兵器の3Dモデルをユーザの頭部の位置にロックし、ユーザの動きに同期しているTADSS装置を有することに起因して生じるシミュレーション酔いの機会を低減する可能性がある。
【0010】
ユーザがTADSS装置を自身のVR HMDに対して正しく位置付けると、小さい仮想衝突(collision)ゾーンにより表される衝突領域は、ソフトウェアにより生成されたレチクル又は照準にユーザの視点(point of view (POV))をロックして、シミュレーション酔いの可能性を低減し、ユーザが目標に留まることを可能にする。高レベルで、VR HMDがTADSS装置に対して正しい位置にあるという決定は、以下の通りである。ゲームエンジンは、3D空間におけるTADSS装置とVR HMDの位置を決定する。システムは、TADSS装置に対して3D空間におけるVR HMDの正しい位置が何であるかを知っているようにプログラミングされる。その正しい位置は、衝突ゾーン及び/又は衝突ゾーンを囲むボックスにより、ソフトウェアによりマークされる。VR HMDが衝突ゾーン及び/又はボックス内にある場合、VR HMDへの視覚フィードはロックされる。
【0011】
図1は、個人用携帯型防空仮想トレーナのシミュレートされた仮想現実ビューを示す図である。図1は、本開示の実施形態を使用するとき、TADSS装置のユーザが仮想現実環境内で見るものを示す。これは第1個人ビューと呼ぶことができる。個人の頭部が衝突領域(又は衝突ゾーン)110内にあるとき、彼らの頭部は正しい位置にあり、彼らはコンピュータが生成したレチクル又は視野を見る。衝突ゾーン110は、ヘッドセットを装着している個人には見えないことに留意する。衝突ゾーン110は、ソフトウェアのためのマーカであり、個人の頭部が衝突ゾーン内にあること、個人の頭部が正しい位置にあること、及び照準図がロックされることを示す。照準図がロックされた後、照準図は、個人が物理的に動いてTADSS装置から離れるまで、変化しない。ユーザは、彼らの頭部をTADSS装置に対して正しく位置付けることにより、彼らの頭部が衝突ゾーン内にあることをソフトウェアに決定させる。この処理は、図2及び3に関して更に詳細に議論される。ユーザの頭部の正しい位置づけは、仮想現実システムの自然誤差を除去するので、トレーニングがユーザにとってシームレスな経験となる。シミュレートされた環境のジオメトリは、個人の頭部の位置にロックされるので、ユーザが彼らの頭部を保持したままであるとき、仮想現実システム内の固有の誤差によりビューが絶えず再描画されることがない。
【0012】
ソフトウェアは、個人が保持しているTADSS装置に関連する(VR HMDの位置により)個人の頭部の位置を絶えずモニタする。ゾーン(頭部の位置)が図1のボックス130の中央にあるとき、これはすべてアクティブになる。この時点で、個人が彼らの頭部をボックス130の外部に移動するまで、個人は照準線を有する。
【0013】
ユーザがTADSS装置を移動させると常に、ソフトウェアは、TADSS装置の位置を更新しなければならない。図2及び3において以下に詳述するように、これは、TADSS装置の回転、又はTADSS装置の左右及び上下の動きを更新することを含む。これは、TADSS装置(VR HMDではない)の回転である。現実空間におけるユーザによる実際のTADSS装置の回転と一致するために、TADSS装置は、3D空間内で回転される。機能は、SightLock機能をアクティブに保つのと同時に、上昇(上下)角の中でMANPADSシミュレータを移動させる能力である。
【0014】
ソフトウェアが、ユーザの頭部がボックス130内にあると決定すると、ユーザが照準を狙っていると結論づけることができる。照準ロック機能は、その点でアクティブにされる。重なり合うと(図2及び3を参照)、ソフトウェアは、ユーザをTADSS装置にアタッチする。ソフトウェアは、次に、仮想環境内でVR HMD及びTADSS装置を正しく方向付ける。重なり合いが終了すると、ユーザの頭部はボックス130の外に移動される。つまり、VR HMDが移動して、TADSS装置から離れる。
【0015】
VR HMDの位置がTADSSの位置と重なり合うと、ソフトウェアは、VR HMDに視覚フィードをロックする。TADSSは、ゲームエンジントラッカからの空間内の3D点に関連付けられ、次にVR HMDに関連付けられ、そして位置の積(position product)を生成する。ボックス130は、TADSS装置に対して移動する。つまり、ボックス130はTADSS装置の動きに追従する。VR HMD及びボックス130が正しい位置に適合すると、つまりユーザが見ている視点が仮想現実環境内の照準に結合されると、ソフトウェアもVR HMDを追跡する。その点で、ユーザは照準を狙うことができる。しかしながら、TADSS装置の位置は、物理TADSS装置の実際の物理位置に基づき更新されない。むしろ、それは、ユーザのヘッドセットが指している方向に基づき更新される。
【0016】
図2は、照準ロックを更新する処理の高レベルの図である。それにより、個人用携帯型防空システム仮想トレーナのユーザのビューをロックして、ユーザが仮想トレーナにおいて照準を正しく狙うことができるようにする。シミュレーションは210で開始し、始めに、220で、照準ロックが非アクティブにされる。230で、システムは、ユーザの頭部が衝突ゾーン(図1、110)に入っていることを検出し、240で照準ロックがアクティブになる。250に示されるように、ユーザの頭部(VR HMD)が衝突ゾーン内に留まっていて、兵器シミュレータに対する正しい3D空間方向を有する限り、照準ロックはアクティブのままである。260で、ユーザの頭部が兵器シミュレータに関する衝突ゾーンを出ると、220で、システムは照準ロック非アクティブ状態に戻る。
【0017】
図3は、仮想トレーナにおける照準をロックする処理のより詳細な図である。310で、システムは、自身のシミュレーション動作を開始し、320で、衝突イベントがあるかどうかを決定する。上述のように、衝突イベントは、ユーザのVR HMDがソフトウェアの生成した衝突ゾーンに入るときである。より具体的には、システムは、VR HMDの3次元形状及びTADSS装置の3次元形状によりプログラムされ、VR HMDにアタッチされた2つのプログラムされた形状とTADSS装置の3次元形状が交差すると、システムは、衝突イベントが生じたと決定できる。実施形態では、衝突イベントの決定は、標準的なVRゲームエンジンにより実行できる。320で、衝突イベントが生じていない場合、システムは、衝突イベントをモニタし続けるためにループバックする。
【0018】
システムが衝突イベントを検出した場合、つまり、ユーザのVR HMDが衝突ゾーンに入った場合、3300で照準ロックが真に設定され、340で兵器シミューレションランチャーがユーザのVR HMDにアタッチされるか又は関連付けられる。このアタッチ又は関連付けは、TADSS装置のx、y、及びz位置を、ユーザのVR HMDのx、y、及びz位置と同期させることを含む。これは、TADSS装置のピッチ、ロール、及びヨー角を、ユーザのVR HMDのピッチ、ロール、及びヨー角と同期させることを更に含む。これらの動作と関連して、角度回転は任意の所望の制約に制限される。例えば、システムは、平行に対して25度~75度の角度の間で、TADSSの位置を制約できる。別の実施形態では、TADSSのピッチ角は、ユーザにより自由に操作でき、トレーニングをより現実的にすることができる。
【0019】
340で、ユーザのVR HMDが衝突ゾーンを出て、350で照準ロック機能が偽に設定されるまで、照準ロック機能はアクティブのままである。その後、360で、シミューレションランチャーは、ユーザのVR HMDからデタッチ又は関連付け解除され、シミューレションランチャーは、ゲームエンジンのVRトラッカに再アタッチ又は再関連付けされる。トラッカの回転が決定され、TADSS装置のピッチ、ヨー、及びロールはVRトラッカと同期される。その後、システムは320で次の衝突イベントを決定するために戻る。
【0020】
図4は、機械にここで議論した方法のうちのいずれか1つ以上を実行させる命令のセットが実行できる、コンピュータシステムの形式の機械のブロック図である。代替の実施形態では、機械は、独立型装置として動作し、又は他の機械に結合され(例えばネットワーク接続され)てよい。ネットワーク接続された展開では、機械は、クライアント-サーバネットワーク環境におけるサーバ又はクライアントマシンの能力で、又はピアツーピア(又は分散型)ネットワーク環境におけるピアマシンとして動作してよい。好適な実施形態では、機械はサーバコンピュータであるが、代替の実施形態では、機械は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話機、ウェブ家電、ネットワークルータ、スイッチ、若しくはブリッジ、又は機械により行われるべきアクションを指定する(シーケンシャル又はその他の)命令を実行可能な任意の機械、であってよい。さらに、単一の機器のみが例示されているが、「機械(マシン)」という用語は、ここで説明されている方法論のいずれか1つ以上を実行するための命令セット(又は複数のセット)を個別に又は共同で実行するマシンの集合も含む。
【0021】
例示的なコンピュータシステム400は、プロセッサ402(例えば、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、又は両者)、メインメモリ401、及び静的メモリ406を含み、それらはバス408を介して互いに通信する。コンピュータシステム400は、ディスプレイユニット410、英数字入力装置415(例えば、キーボード)、及びユーザインタフェース(UI)ナビゲーション装置411(例えば、マウス)を更に含んでよい。一実施形態では、ディスプレイ、入力装置、及びカーソル制御装置は、タッチスクリーンディスプレイである。コンピュータシステム400は、更に、記憶装置416(例えば、ドライブユニット)、信号生成装置418(例えば、スピーカ)、ネットワークインタフェース装置420、及び全地球測位システムセンサ、コンパス、加速度計、若しくは他のセンサのような1つ以上のセンサ424、を含んでよい。
【0022】
記憶装置416は、機械可読媒体422を含み、機械可読媒体622には、本願明細書に記載した方法若しくは機能のうちの任意の1つ以上を実現する又はそれにより利用される命令及びデータ構造の1つ以上のセット(例えば、ソフトウェア423)が格納される。ソフトウェア423は、完全に又は少なくとも部分的にメインメモリ401内及び/又はコンピュータシステム400による実行中にプロセッサ402内に存在してもよく、メインメモリ401及びプロセッサ402は機械可読媒体を構成してもよい。
【0023】
機械可読媒体422は例示的な実施形態では単一の媒体で示されるが、用語「機械可読媒体」は、1つ以上の命令を格納する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型又は分散型データベース、及び/又は関連付けられたキャッシュ及びサーバ)を含んでよい。用語「機械可読媒体」は、機械による実行のために機械に本発明の方法論のうちの任意の1つ以上を実行させる命令を格納し、符号化し、又は運ぶことの可能な、又はこのような命令により利用される若しくはそれに関連付けられたデータ構造を格納し、符号化し、又は運ぶことの可能な任意の有形媒体を含むとも考えられる。用語「機械可読媒体」は、したがって、限定ではなく、固体メモリ、及び光磁気媒体を含むと考えられる。機械可読媒体の特定の例は、半導体メモリ装置、例えばEPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリ装置を含む半導体メモリ装置、内蔵ハードディスク及び取り外し可能ディスクのような磁気ディスク、光磁気ディスク、並びにCD-ROM及びDVD-ROMディスクを含む。
【0024】
ソフトウェア423は、更に、多数のよく知られた転送プロトコルのうちの1つ(例えば、HTTP)を利用して、ネットワークインタフェース装置420により伝送媒体を用いて通信ネットワーク426を介して送信又は受信できる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、インターネット、移動電話ネットワーク、POTS(Plain Old Telephone)ネットワーク、及び無線データネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標)、及びWiMax(登録商標))を含む。「伝送媒体」という用語は、機械による実行のための命令を保存し、符号化し、又は搬送することができる無形の媒体であって、そのようなソフトウェアの通信を容易にするためのデジタル若しくはアナログの通信信号又はその他の無形の媒体を含むものを含むものとする。
【0025】
実施形態は特定の例を参照して説明されたが、本発明の広範な精神及び範囲から逸脱することなく種々の変更及び変化がこれらの実施形態に対して行われてよいことが明らかである。従って、明細書及び図面は、限定的意味ではなく説明的意味で考えられるべきである。本願明細書の一部を形成する添付の図面は、例示により、限定ではなく、主題の実施され得る特定の実施形態を示す。図示の実施形態は、当業者がここに開示した技術を実施できる程度に十分に詳細に記載される。他の実施形態が利用され及びそれから導出されてよく、従って、本開示の範囲から逸脱することなく構造的、論理的、及び電気的変更が行われてよい。この詳細な説明は、従って、限定的意味として取られるのではなく、種々の実施形態の範囲は、このような請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に、添付の請求の範囲によってのみ定められる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】