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特表2023-538960グルコース感知のためのシステム、デバイス及び方法、並びに関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-12
(54)【発明の名称】グルコース感知のためのシステム、デバイス及び方法、並びに関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1473 20060101AFI20230905BHJP
【FI】
A61B5/1473
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513924
(86)(22)【出願日】2021-08-26
(85)【翻訳文提出日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 IL2021051053
(87)【国際公開番号】W WO2022044018
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】63/070,735
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/072,050
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523067540
【氏名又は名称】ティンゴ・メディカル・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リオール・ストラム
(72)【発明者】
【氏名】オフェル・ヨードファット
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038KK10
4C038KL01
4C038KL09
4C038KM01
4C038KY08
4C038KY13
(57)【要約】
本開示の実施形態は、連続グルコース監視のためのシステム、デバイス及び方法に関する。幾つかの実施形態では、皮下移植可能な電気化学感知プローブ(センサ)を含む連続グルコース監視(CGM)デバイスが提供される。センサは平面であり、感知プローブの両方の側部に堆積された対電極及び作用電極を備えている。センサ周面全体に堆積された生体適合層は、炎症反応を最小限に抑える。リール間製造プロセスは、製造ステーションの間の変位中にベースシート上に所定のスポットで「センサ毎」層の堆積を提供する。製造プロセスは、対向側部の製造プロセスの後に、ベースシートの一側部で最初に行われる。センサバイセンサ作用電極表面積及び層の厚さが測定され、「センサ毎」データ(「ドライ」パラメータ)は、プリント又はエッチングされたマーキングによって、あるいはRFIDなどの他の手段によって実施することができるベースシート識別子により記憶される。加えて、バッチパラメータはサンプルベースで測定される(インビトロ「ウェット」パラメータ)。工場較正アルゴリズムは、センサの性能の「ロット毎」サンプル(グルコース溶液中のインビトロ「ウェット」パラメータ)と個別のセンサ測定を分析し、個別のセンサ較正パラメータを計算するように較正アルゴリズム内のデータを組合せ、データは個別センサに再びプログラミングされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続グルコース監視デバイス(CGMデバイス)センサの製造の方法であって、
ベースマトリックスシートの延長長さ、又はベースマトリックスシートの個別の片を提供するステップと、
複数の製造ステーションを通して前記ベースマトリックスシートの延長長さを変位させることを含む第1のプロセスであって、
各ステーションでは、前記ベースマトリックスシートは少なくとも1つの製造プロセスを経験し、
少なくとも1つの前記製造プロセスは少なくとも、
酵素層の堆積と、
前記ベースマトリックスシートの少なくとも1つの側部での誘電層のスクリーン印刷と、
個別のセンサ内へ前記延長長さを折り畳むこと及び切断することのうち少なくとも一方と、
を含む前記第1のプロセス、又は
単一センサ又は複数のセンサを製造するために一度に1つ前記ベースマトリックスシートの前記個別の片を処理することを含む第2のプロセスであって、
前記複数のセンサは2つ以上のセンサ、2個~5個のセンサ、2個~10個のセンサ、2個~100個のセンサ、及び2個~1000個のセンサからなる群から選択され、
前記個別の片の処理は少なくとも、前記ベースマトリックスシートの片の少なくとも1つの側部での酵素層の堆積及び誘電層のスクリーン印刷を含む前記第2のプロセス
を遂行するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記センサは、請求項37から47のいずれか一項に記載のセンサに対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの前記製造プロセスは、前記ベースマトリックスシートの第1の側部及び第2の側部で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
特定の堆積領域/点/スポットの配列の少なくとも1つでの使用のための少なくとも1つの、好ましくは複数の基準マーキング、及び前記ベースマトリックスシートの1つ又は2つの側部に前記CGMデバイスの符号化及び/又は追跡のためのマーキングを行うステップをさらに含む方法であって、任意選択では、前記CGMデバイスの符号化及び/又は追跡のためのマーキングの代わりに、RFIDタグを前記ベースマトリックスシートに結合させることができる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの前記製造プロセスが、第1の側部、その後第2の側部で行われる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
第1の側部又は底側部は、対電極を含むように対電極側部として構成され、第2の側部又は上側部は、作用電極を含むように作用電極側部として構成され、前記第2の側部は前記第1の側部と対向している、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
第1の側部及び第2の側部の少なくとも1つ、好ましくは両方で前記ベースマトリックスシートの少なくとも一部分を覆うステップをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ベースマトリックスシートの少なくとも一部分は、その縁部によって境界付けられたベースストリップのストリップを備えている、請求項18に記載の方法。
【請求項9】
覆いは金属を含んでいる、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記金属は金及び白金の少なくとも一方を含んでいる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記金属はスパッタ金属である、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記ベースマトリックスシートの少なくとも1つの縁部領域を保護するように構成された線状材料を提供するステップをさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
対電極側部では、製造ステーションの1つ及び/又は別のもので、Ag/AgCl層、誘電層及び生体適合層の少なくとも1つ、好ましくは複数、より好ましくは全てを所定の位置で堆積するステップを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
作用電極側部では、プロセスは、酵素層、誘電層及び生体適合層、インターフェース導電層、グルコース制限層、及び耐干渉層の堆積の少なくとも1つ、好ましくは複数、より好ましくは全てを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記生体適合層は、前記ベースマトリックスシートに提供された1つ又は複数の両側スロットを通して1つ又は複数の他の層の上部、及び/又は両方の側部に堆積され、任意選択では、前記上部及び側部からの前記生体適合層の前記堆積は、センサの周面を覆うように構成されている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ベースマトリックスシートを1つ又は複数の平面部分/構成に切断するステップをさらに含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ベースマトリックスシートはさらに、各電極と電気連通した電気接点を含み、前記方法はさらに、約90°で前記ベースマトリックスシートを折り畳むこと、前記ベースマトリックスシートをイントロデューサに結合すること、前記電気接点を皮膚付着制御ユニットのプリント基板アセンブリに結合することのうち少なくとも1つ、好ましくは複数、より好ましくは全てを含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記ベースマトリックスシートは、その1つ又は2つの側部で、材料の堆積のための複数の所定の領域又は点/スポットを含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第2のプロセス中、ベースシートの各片は固定されている、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記固定は単一の位置でのベースマトリックスの各片を処理することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第2のプロセスでは、材料堆積はベースシートの前記片上の複数の領域/点/スポットへの材料インジェクタの変位によって行われる、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
各センサを較正するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記ベースマトリックスシートの1つ又は両方の側部で1つ又は複数の層の堆積中及び/又はその後に硬化するステップをさらに含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記ベースマトリックスシートの厚さは、25μm~75μmの間である、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
導電層は、50nm~200nmの間の厚さを含む、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記ベースマトリックスシートの1つ又は両方の側部を保護ライナで覆うステップをさらに含む、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
酵素、メディエータ、架橋剤、接着剤、及びグルコース及び酸素の拡散を制御するため、及び/又は、任意選択では、アセトアミノフェン及びアスコルビン酸を含む様々な干渉化合物の拡散を制御するために使用することができるポリマーからなる群から選択された少なくとも1つの追加層を堆積するステップをさらに含む、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
較正データを作り出すためにセンサバイセンサパラメータを確認するステップを含むCGMデバイスセンサ較正方法であって、
このような確認は選択数の製造されたセンサのサンプリングのロット測定を介してであり、
前記センサバイセンサパラメータは作用電極の表面積、1つ又は複数の特定層の厚さ、全ての層の前記厚さからなる群から選択される、較正方法。
【請求項29】
各センサに対する前記較正データは、記憶され、特定のセンサに関連付けられる、請求項28に記載の較正方法。
【請求項30】
インビトロ較正データを作り出すためにセンサ性能を記録するように1つ又は複数のセンサのインビトロ測定を行うステップをさらに含む、請求項28又は29に記載の較正方法。
【請求項31】
ドライ較正データ及び較正アルゴリズムに対するインビトロ較正の少なくとも一方、及び好ましくは両方を提供するステップと、及び連続グルコース監視デバイス及び/又はシステムの電子回路で使用するように構成されたセンサ較正データを作り出すステップとをさらに含む、請求項28から30のいずれか一項に記載の較正方法。
【請求項32】
単一センサ製造データを作り出すステップをさらに含む、請求項28から31のいずれか一項に記載の較正方法。
【請求項33】
単一センサ製造データを製造するステップは、画像化デバイスを使用することを含む、請求項32に記載の較正方法。
【請求項34】
画像化デバイスは単一センサを画像化し、前記画像化デバイスは顕微鏡/撮像装置を備えていてもよい、請求項32又は33に記載の較正方法。
【請求項35】
光学プロファイラ、スペクトル反射モニタなどの少なくとも1つを介して、単一センサ製造較正データを作り出すステップをさらに含む、請求項28から34のいずれか一項に記載の較正方法。
【請求項36】
作り出す前に、製造の際に使用される材料の性状を測定するステップをさらに含む、請求項28から34のいずれか一項に記載の較正方法。
【請求項37】
少なくとも1つの側部を有するベースマトリックスシートと、
対電極と、
少なくとも1つの作用電極とを備えた連続グルコースセンサ。
【請求項38】
少なくとも1つの前記側部は複数の側部を含む、及び/又は前記ベースマトリックスシートはベースマトリックスプレートに対応する、請求項37に記載のセンサ。
【請求項39】
前記複数の側部は少なくとも第1の側部を含む、請求項38に記載のセンサ。
【請求項40】
前記複数の側部は、少なくとも第1の側部及び第2の側部を含む、請求項38又は39に記載のセンサ。
【請求項41】
前記対電極は前記第1の側部に配置されている、請求項39又は40に記載のセンサ。
【請求項42】
前記作用電極は第2の側部に配置されている、請求項39から41のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項43】
第2の側部は前記第1の側部に対向している、請求項40から42のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項44】
前記対電極及び前記作用電極は同じ側にある、請求項37又は38に記載のセンサ。
【請求項45】
前記対電極及び作用電極の少なくとも1つは、少なくとも1つの前記側部に印刷される、請求項37から44のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項46】
参照電極をさらに備えた、請求項37から45のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項47】
少なくとも1つの前記作用電極は、2つ以上の作用電極を備えている、請求項36から46のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項48】
開示された実施形態のいずれかに記載のシステム、デバイス又は方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本開示は、「Systems, Devices and Methods for Glucose Sensing and Associated Manufacturing Methods」という名称の2020年8月28日に出願した米国仮特許出願第63/072,050号、及び「Continuous Glucose Sensor and Mounting Assembly」という名称の2020年8月26日に出願した米国仮特許出願第63/070,735号の優先権及び利点を主張するものである。これらの開示それぞれは全体として、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示の実施形態は概して、患者内のグルコースの連続監視のためのシステム、デバイス及び方法を対象としている。より詳細には、本開示の幾つかの実施形態は、平面皮下グルコース感知プローブを有する連続グルコース監視デバイスに関する。さらに詳細には、本開示の幾つかの実施形態は、平面プローブの改善された製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
連続グルコース監視(CGM)は、グルコースレベルの上昇又は降下の時間中に投薬及び/又はライフスタイル習慣への直接の変化を可能にするので、糖尿病患者に重要である。CGMデバイスは、間質液中のグルコースレベルを検出するが、幾つかのデバイスでは、頻繁な血糖測定(指先穿刺)が較正のために必要である。
【0004】
CGMシステムは普通、作用電極及び対電極を備えた皮下移植可能な電気化学感知プローブ(センサ)、及びプリント基板アセンブリ(PCBA)を備えた皮膚付着制御ユニットを利用する。作用電極の表面上のグルコースの酵素的酸化によって生成された電流は、間質グルコースレベルに相関しており、より大きい作用電極表面積がセンサ精度を上昇させる。電流は、皮膚付着制御ユニットに流され、電気回路はセンサ対電極によって閉じられる。両方の電極は普通、異物炎症反応を減少させるために生体適合層で覆われている。
【0005】
CGM感知プローブは普通、円筒形又は平面であり、両方のプローブは取除可能なイントロデューサで身体に挿入される。挿入が外傷性が少なく、製造コストが高収率の材料使用及び大量製造方法及び機器の利用可能性により低いので、平面プローブが好ましい。多くの平面プローブでは、作用電極及び対電極がプローブの一方側に堆積されて、その表面積及びセンサ精度を制限する。平面プローブの別の制限は、身体の反対側(非生体適合層)の直接接触による炎症反応である。
【0006】
センサの工場較正は、較正責任をユーザから取り、代わりに、センサ製造者の手に委ねる。センサ感度は、センサ製造プロセス中に判断され、その情報はセンサコードの形で全てのセンサに含められる。製造者の主な課題は、低いセンサ間変動性でセンサロットを製造することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、工場で較正され、較正プロセスの実行に関連する指先穿刺及び誤差をなくすCGMデバイスの必要がある。また、最小ロットバリエーションで安定している製造プロセスの必要がある。また、小型であるが、電極に最大表面積を提供する平面プローブの必要がある。また、生体適合性があり、最小炎症反応を生じさせる平面プローブの必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
幾つかの実施形態では、連続グルコースセンサが提供され、少なくとも1つの側部を有するベースマトリックスシート、対電極、及び少なくとも1つの作用電極を備えている。このような実施形態は、以下の特性、機能、ステップ、構成部品、材料、パラメータ及び説明の1つ及び/又は別のもの(幾つかの実施形態では複数、幾つかの実施形態では大部分、実質的に全て、又は全て)を含み、さらに別の実施形態を生じさせる。
- 少なくとも1つの側部は複数の側部を含む、及び/又はベースマトリックスシートはベースマトリックスプレートに対応する。
- 複数の側部は少なくとも第1の側部を含む。
- 複数の側部は、少なくとも第1の側部及び第2の側部を含む。
- 対電極は第1の側部に配置されている。
- 作用電極は第2の側部に配置されている。
- 第2の側部は第1の側部に対向している。
- 対電極及び作用電極は同じ側にある。
- 対電極及び作用電極の少なくとも1つは、少なくとも1つの側部に印刷される。
- 参照電極。
- 少なくとも1つの作用電極は、2つ以上の作用電極を備えている。
【0009】
幾つかの実施形態では、連続グルコース監視デバイス(CGMデバイス)センサの製造の方法が提供され、ベースマトリックスシートの延長長さ、又はベースマトリックスシートの個別の片を提供するステップと、複数の製造ステーションを通してベースシートの延長長さを変位させることを含む第1のプロセスであって、各ステーションでは、ベースシートは少なくとも1つの製造プロセスを経験し、少なくとも1つの製造プロセスは少なくとも、ベースシートの少なくとも1つの側部での酵素層の堆積及び誘電層のスクリーン印刷、及び個別のセンサ内へ延長長さを折り畳むこと及び切断することの少なくとも一方を含む第1のプロセス、又は単一センサ又は複数のセンサを製造するために一度に1つベースシートの個別の片を処理することを含む第2のプロセスであって、複数のセンサは2つ以上のセンサ、2個~5個のセンサ、及び2個~10個のセンサ(幾つかの実施形態では、2個~100個のセンサ、2個~1000個のセンサ、2個~10,000個のセンサ、及びその間の全ての範囲)からなる群から選択され、個別の片の処理は少なくとも、ベースシートの片の少なくとも1つの側部での酵素層の堆積及び誘電層のスクリーン印刷を含む第2のプロセスを遂行するステップとを含む。
【0010】
このような実施形態は、以下の特性、機能、ステップ、構成部品、材料、パラメータ及び説明の1つ及び/又は別のもの(幾つかの実施形態では複数、幾つかの実施形態では大部分、実質的に全て、又は全て)を含み、さらに別の実施形態を生じさせる。
- センサは本明細書に開示した実施形態のセンサに対応する。
- 少なくとも1つの製造プロセスは、ベースシートの第1の側部及び第2の側部で行われる。
- 特定の堆積領域/点/スポットの配列の少なくとも1つでの使用のための少なくとも1つの、好ましくは複数の基準マーキング、及びベースシートの1つ又は2つの側部にCGMデバイスの符号化及び/又は追跡のためのマーキングを行い、任意選択では、CGMデバイスの符号化及び/又は追跡のためのマーキングの代わりに、RFIDタグをベースシートに結合させることができる。
- 少なくとも1つの製造プロセスは、第1の側部、その後に第2の側部で行われる。
- 第1の側部又は底側部は、対電極を含むように対電極側部として構成され、第2の側部又は上側部は、作用電極を含むように作用電極側部として構成され、第2の側部は第1の側部と対向している。
- 第1及び第2の側部の少なくとも1つ、好ましくは両方でベースシートの少なくとも一部分を覆う。
- ベースシートの少なくとも一部分は、その縁部によって境界付けられたベースストリップのストリップを備えている。
- 覆いは金属を含む。
- 金属は金及び白金の少なくとも一方を含む。
- 金属はスパッタ金属である。
- ベースシートの少なくとも1つの縁部領域を保護するように構成された線状材料を提供する。
- 対電極側部では、製造ステーションの1つ及び/又は別のもので、Ag/AgCl層、誘電層及び生体適合層の少なくとも1つ、好ましくは複数、より好ましくは全てを所定の位置で堆積する。
- 作用電極側部では、プロセスは、酵素層、誘電層及び生体適合層、インターフェース導電層、グルコース制限層、及び耐干渉層の堆積の少なくとも1つ、好ましくは複数、より好ましくは全てを含む。
- 生体適合層は、ベースシートに提供された1つ又は複数の両側スロットを通して1つ又は複数の他の層の上部、及び/又は両方の側部に堆積され、任意選択では、上部及び側部からの生体適合層の堆積は、センサの周面を覆うように構成されている。
- ベースシートを1つ又は複数の平面部分/構成に切断する。
- ベースシートはさらに、各電極と電気連通した電気接点を含み、方法はさらに、約90°でベースシートを折り畳むこと、ベースシートをイントロデューサに結合すること、電気接点を皮膚付着制御ユニットのプリント基板アセンブリに結合することのうち少なくとも1つ、好ましくは複数、より好ましくは全てを含む。
- ベースシートは、その1つ又は2つの側部で、材料の堆積のための複数の所定の領域又は点/スポットを含む。
- 第2のプロセス中、ベースシートの各片は固定され、固定は単一の位置でのベースマトリックスの各片を処理することを含むことができる。
- 第2のプロセスでは、材料堆積はベースシートの片上の複数の領域/点/スポットへの材料インジェクタの変位によって行われる。
- 各センサを較正する。
- ベースシートの1つ又は両方の側部で1つ又は複数の層の堆積中及び/又はその後に硬化する。
- ベースシート厚さは、25μm~75μmの間(及びその間のあらゆる範囲)である。
- 導電層は、50nm~200nmの間(及びその間のあらゆる範囲)の厚さを含む。
- ベースシートの1つ又は両方の側部を保護ライナで覆う。
- 酵素、メディエータ、架橋剤、接着剤、及びグルコース及び酸素の拡散を制御するため、及び/又は、任意選択では、アセトアミノフェン及びアスコルビン酸を含む様々な干渉化合物の拡散を制御するために使用することができるポリマーからなる群から選択された少なくとも1つの追加層を堆積する。
【0011】
幾つかの実施形態では、CGMデバイスセンサ較正方法が提供され、較正データを作り出すためにセンサバイセンサパラメータを確認するステップを含み、このような確認は選択数の製造されたセンサ(例えば、1から100の間)のサンプリングのロット測定を介してであり、パラメータは作用電極の表面積、1つ又は複数の特定層の厚さ、全ての層の厚さからなる群から選択される。
【0012】
このような実施形態は、以下の特性、機能、ステップ、構成部品、材料、パラメータ及び説明の1つ及び/又は別のもの(幾つかの実施形態では複数、幾つかの実施形態では全て)を含み、さらに別の実施形態を生じさせる。
- 各センサに対する較正データは、記憶され、特定のセンサに関連付けられる。
- インビトロ較正データを作り出すためにセンサ性能を記録するように1つ又は複数のセンサのインビトロ測定を行う。
- ドライ較正データ及び較正アルゴリズムに対するインビトロ較正の少なくとも一方、及び好ましくは両方を提供する、及び/又は連続グルコース監視デバイス及び/又はシステムの電子回路で使用するように構成されたセンサ較正データを作り出す。
- 単一センサ製造データを作り出す。
- 単一センサ製造データを製造することは、画像化デバイスを使用することを含む。
- 画像化デバイスは単一センサを画像化し、画像化デバイスは顕微鏡/撮像装置を備えていてもよい。
- 光学プロファイラ、スペクトル反射モニタなどの少なくとも1つを介して、単一センサ製造較正データを作り出す。
- 作り出す前に、1つ又は複数のセンサの製造の際に使用される1つ又は複数の材料の1つ又は複数の性状を測定する。
【0013】
本開示の実施形態のいくつかは、皮下平面電気化学感知プローブ(センサ)を使用した連続グルコース監視(CGM)のための方法及びデバイスに関する。幾つかの実施形態はまた、CGMデバイスの製造プロセスに関し、幾つかの実施形態は又は工場較正プロセスに関する。幾つかの実施形態では、CGMデバイスは、平面シートの両方の側部に堆積された電極、導体、誘電体、及び電気接点を備えた平面マトリックスベースシートを含む。マトリックスベースシートは90°折り畳むことができ、それによりその一部分が身体(センサ)、及びCGMデバイスの皮膚付着制御ユニット内に含まれるように構成されてもよい別の部分に挿入されるように構成されている。
【0014】
制御ユニットは、幾つかの実施形態によると、マトリックスベースプレート接点に電気結合されたプリント基板アセンブリ(PCBA)を含んでいる。幾つかの実施形態では、平面センサは、センサの1つの側部に堆積された対電極、及びセンサの対向側部に堆積された少なくとも1つの作用電極を含む。対電極は幾つかの実施形態では、Ag/AgCl層を含み、作用電極は幾つかの実施形態では、少なくとも1つの酵素層を含み、またグルコース制限層及び耐干渉層の少なくとも1つを含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、対電極及び作用電極は両方とも、及び幾つかの実施形態では、縁部及び電極と共に、反応性炎症反応を最小限に抑える生体適合層が側部を保護する。
【0015】
幾つかの実施形態では、マトリックスベースシート用製造プロセスは、「リール間」プロセスを含む。特に、ポリイミドを含んでもよいベースシートの長いストリップは、製造ステーションを通して変位され、各ステーションでは、ベースシートは酵素層、誘電層のスクリーン印刷などの堆積などの少なくとも1つの製造プロセスを経験する。ポリイミド(例えば)ベースシートは、幾つかの実施形態では、全体を通して交換可能に使用されている用語であるスポット又は点と呼ばれてもよい特定の堆積領域の配列のための基準、及びセンサ符号化によるセンサ用マーキングを含み、別の方法では、個別のセンサは例えばRFIDなどの他の手段によって識別することができる。製造プロセスは、幾つかの実施形態では、最初にベースシートの1つの側部(例えば、対電極側部又は底側部)で、その後、幾つかの実施形態では、側部対電極側部と対向する側部(例えば、作用電極側部又は上側部)である別の側部で行われてもよい。ベースシートストリップは、幾つかの実施形態では、導電性スパッタ金属(例えば、金、白金など)によって両方の側部(底及び下側部)上で最初に覆われ、幾つかの実施形態では、底側部及び上側部ライナで保護される。
【0016】
製造プロセスは対電極側部で、幾つかの実施形態では、例えば、少なくともAg/AgCl層、誘電層及び生体適合層の特定の位置での堆積を含む。製造プロセスは作用電極側で(ベースストリップシートのフリッピング後に)、幾つかの実施形態では、例えば、少なくとも酵素層、誘電層及び生体適合層の堆積を含むが、幾つかの実施形態では、インターフェース導電層(炭素など)、グルコース制限層、及び耐干渉層の少なくとも1つ(幾つかの実施形態では複数、幾つかの実施形態では全て)をさらに含んでいてもよい。生体適合層は幾つかの実施形態では、1つ又は複数の他の層の上部に、及びベースシート内の両側スロットを通してセンサ電極の両方の側部に堆積される。両方の側部での層の堆積の後に、幾つかの実施形態では、マトリックスベースシートは平面構成に(例えば、レーザ切断によって)切断される。マトリックスベースシートは幾つかの実施形態では、その後90°で折り畳まれ、センサはイントロデューサに結合され、電気接点は皮膚付着制御ユニット内でPCBAに結合される。幾つかの実施形態では、マトリックスシートの製造プロセスは、長さ及び幅を有する矩形ベースシートを利用し、各シートは材料の堆積のための数百又は数千の所定の領域/スポットを含む。リール間プロセスと異なり、ベースシートは固定であり、「センサ毎」材料堆積は材料インジェクタの変位、例えば、多数の作用電極領域/スポットでの酵素の堆積のための液体堆積注射器の変位によって行われる。
【0017】
本開示のセンサの製造/工場較正は、幾つかの実施形態では、プロセスにおいて、例えばカメラによるセンサバイセンサ寸法測定(例えば、ドライ測定)、及びグルコース溶液中のセンサロット測定のサンプリング(例えば、センサ性能のドライ測定)によって提供される。センサバイセンサドライパラメータは、作用電極の表面積、及び1つ又は複数の特定層の厚さの少なくとも1つを含んでいる。幾つかの実施形態では、各センサ用のデータは識別された特定センサによって記憶される。さらに、幾つかの実施形態では、バッチパラメータは、所与のバッチからサンプルを抽出し、センサ性能を記録するためにインビトロ(「ウェット」)測定を行うことによって測定される。したがって、幾つかの実施形態では、バッチ測定とのセンサ特定測定の組合せが、センサバイセンサ較正パラメータの少なくとも1つ、好ましくは複数を作り出すために少なくとも1つの較正アルゴリズムに提供される。得られたセンサ較正パラメータはその後、アセンブリが完了した後に、個別のセンサデバイスの電子回路内にプログラミングされる/その一部であってもよい。
【0018】
これら及び他の実施形態、及びその目的及び/又は利点は、添付の図面及び以下の詳細な説明を参照してさらにより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1a】本開示の幾つかの実施形態による感知プローブの断面図である。
図1b】本開示の幾つかの実施形態による感知プローブの側面図である。
図1c】本開示の幾つかの実施形態による感知プローブの側面図である。
図2a】本開示の幾つかの実施形態による、その最終空間構成への折り畳み前のセンサマトリックスベースプレートの略図である。
図2b】本開示の幾つかの実施形態による、折り畳み後の最終空間構成のマトリックスベースプレートを示す図である。
図3】本開示の幾つかの実施形態による、リール間製造プロセスを示す図である。
図4】本開示の幾つかの実施形態による、それぞれライナで覆われた上側及び底部スパッタ金属層を備えたベースシートの断面図である。
図5】本開示の幾つかの実施形態による、規定の位置での底部誘電体の堆積後のベースシート(対電極側部)を示す図である。
図6】本開示の幾つかの実施形態による、規定の位置でのAg/AgClの堆積後のベースシート(対電極側部)を示す図である。
図7】本開示の幾つかの実施形態による、マトリックスベースプレートアウトライン、基準及び個別のセンサマーキングを作り出す選択レーザエッチング後、及び生体適合層の堆積及び硬化後のベースシート(対電極側部)を示す図である。
図8a】本開示の幾つかの実施形態による、感圧接着剤(PSA、17)の堆積後のベースシート(対電極側部)を示す図である。
図8b】本開示の幾つかの実施形態による、第2の底側部ライナ18の接着後のベースシート(対電極側部)を示す図である。
図9】本開示の幾つかの実施形態による、ベースシートからの上側ライナの取外しを示す図である。
図10a】本開示の幾つかの実施形態による、炭素電極40の堆積、及びマトリックスベースプレートアウトラインのレーザエッチング後のベースシート(作用電極側部)を示す図である。
図10b】本開示の幾つかの実施形態による、上側部誘電体22の堆積、及びマトリックスベースプレートアウトラインのレーザエッチング後のベースシート(作用電極側部)を示す図である。
図11】本開示の幾つかの実施形態による、作用電極表面積の画像キャプチャを示す図である。
図12】本開示の幾つかの実施形態による、ベースシートの底部(対電極側部)及び上部(作用電極側部)上に堆積された様々な層を示す図であり、各層の高さ(厚さ)が測定される。
図13】本開示の幾つかの実施形態による、生体適合層の堆積後のベースシート(作用電極側部)を示す図であり、生体適合ポリマーは各作用電極の上及び両方の側部に堆積される。
図14】本開示の幾つかの実施形態による、個別のマトリックスベースプレートの切断及び解放後のベースシートを示す図である。
図15a】本開示の幾つかの実施形態による、イントロデューサでのマトリックスベースプレート及びアセンブリの折畳プロセスを示し、平面マトリックスベースプレートはイントロデューサと結合させることができる。
図15b】本開示の幾つかの実施形態による、イントロデューサでのマトリックスベースプレート及びアセンブリの折畳プロセスを示し、平面マトリックスベースプレートはイントロデューサと結合させることができる。
図15c】本開示の幾つかの実施形態による、イントロデューサでのマトリックスベースプレート及びアセンブリの折畳プロセスを示し、平面マトリックスベースプレートは感知プローブに対して90°で折り畳むことができる。
図15d】本開示の幾つかの実施形態による、イントロデューサでのマトリックスベースプレート及びアセンブリの折畳プロセスを示し、平面マトリックスベースプレートは1つの側部で180°折り畳むことができる。
図15e】本開示の幾つかの実施形態による、イントロデューサでのマトリックスベースプレート及びアセンブリの折畳プロセスを示し、平面マトリックスベースプレートは1つの側部で180°折り畳むことができる。
図16】本開示の幾つかの実施形態による、較正プロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1a~図1cは、幾つかの実施形態による、感知プローブ(これ以下「センサ」と呼ぶ)の断面図(図1a)及び側面図(図1b及び図1c)を示している。センサ60は、幾つかの実施形態では、平面であり、2つの側部及びセンサプローブ先端61を含むことができ、各側部は少なくとも1つの電極を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、センサ60は2つの電極、1つの側部(第1又は底側部)に堆積させることができる対電極30、及び対向側部(第2又は上側部)に堆積させることができる作用電極40を含んでいる。幾つかの実施形態では、対電極30は、Ag/AgCl層31及び生体適合層51を含んでいる。作用電極は、幾つかの実施形態では、少なくとも1つの酵素層42を含むことができ、幾つかの実施形態では、グルコース制限層43及び生体適合層52を含む。幾つかの実施形態では、2つ以上の作用電極40は1つの側部に堆積させることができ、対電極30(幾つかの実施形態ではより大きい)は対向側部に堆積させることができる。
【0021】
幾つかの実施形態では、追加の導電層は作用電極上に堆積させることができ、例えば、炭素及び/又は変性炭素(例えば、プルシアンブルーで変性された炭素、ルテニウムパープルで変性された炭素など)などのスパッタ金属層を備えることができる。幾つかの実施形態では、耐干渉層であってもよい追加層は酵素層(42)の上又は下のいずれかに追加することができる。
【0022】
図2aは、幾つかの実施形態による、その最終空間構成への折り畳み前のセンサマトリックスベースプレート20の略図を示している。マトリックスベースプレート20は、感知プローブ60、センサ先端61、及びマトリックスベースプレート折り目23の少なくとも1つ(幾つかの実施形態では複数、幾つかの実施形態では全て)を備えることができる。マトリックスベースプレート20は、センサ電極(対及び作用)、導体及び誘電体を(図示しないが、幾つかの実施形態では両方の側部に)含むことができる。
【0023】
図2bは、折り畳み後の(幾つかの実施形態による)最終空間構成のマトリックスベースプレート20を示している。センサ60は、ベースプレート20に対して90°折り畳まれることが好ましく、マトリックスプレート折り目23では1つの側部で180°折り畳まれることが好ましい(拡大図)。最終空間構成では、幾つかの実施形態によると、マトリックスベースプレート20の一部分は皮膚付着ユニット70内に含まれるように構成され、別の部分、感知プローブ60は皮下組織内に皮膚80を通して挿入されるように構成されている。感知プローブ60は、幾つかの実施形態では、1つの側部に対電極30を、幾つかの実施形態では、対電極を有する側部と対向する側部である第2/他の側部に作用電極40を含んでいる。幾つかの実施形態では、センサ60の1つの側部で作用電極40に生成される電流は、マトリックスプレート20の1つの側部(例えば、底側部)、マトリックスプレート折り目23、折り畳まれたマトリックスプレート20(上向き)及び1つの導電ばね72を介してPCBA71に案内することができる。電気回路は幾つかの実施形態では、第2の導電ばね72、マトリックスベースプレート20の対向側部(例えば、上側部)、及びセンサ60の対向側部に堆積された対電極30を介して閉じられる。幾つかの実施形態では、対電極30及び作用電極40の位置は逆である。
【0024】
図3図15は、層堆積、硬化、センサパラメータによるセンサの測定、及びベースシートからの製品(平面マトリックスベースシート及び感知プローブ)の切断を含む、平面マトリックスベースプレート及び感知プローブ(センサ)の製造プロセス(ステップ毎)の態様を示している。幾つかの実施形態では、所定の表面積での層の(特定のスポットでの)選択堆積は、スクリーン印刷、フォトリソグラフィなどのあらゆる当業界で知られている技術によって行うことができる。図5図8は、対電極側部(例えば、底側部)の幾つかの実施形態による製造プロセスを示し、図9図15は作用電極側部(例えば、上側部)の幾つかの実施形態による製造プロセスを示す。各図に輪郭が描かれたプロセスはまた、開示の一実施形態を示すことができる。
【0025】
図3は、幾つかの実施形態による、製造プロセス、リール間プロセスを示している。ここでは、ベースシート10は2つのリール間にかかった長いストリップとして構成されている。ベースシート10上の規定のスポットは、ベースシートの変位中に製造ステーションa、b…zでの連続製造プロセスを経験する(図3では、右から左)。各製造ステーション(a、b…z)では、ベースシートの1つのスポットは特定の製造プロセス(例えば、作用電極上の酵素層の堆積)を経験する。幾つかの実施形態(図示せず)では、ベースシートは長さ及び幅を有する平面矩形シートとして構成することができ、数百又は数千の規定のスポットを含む。各製造ステーション(a、b…z)では、特定の製造プロセスはシート上の全てのスポットで繰り返すことができる(例えば、酵素層の堆積は全ての数百又は数千のスポットに対して繰り返される)。
【0026】
図4は、幾つかの実施形態による、ベースシート10の長手断面図を示している。ベースシート10は、ポリイミド(カプトン)、又は電子産業で現在使用されるあらゆる他のポリマー薄膜であってもよい。したがって、ベースシート10は、両方の側部で導体で、例えば、金又は白金などのスパッタ金属で覆われる。ベースシート厚さは、25μm~75μm(及びその間のあらゆる範囲)であってもよく、各スパッタ導電層は50nm~200nm(及びその間のあらゆる範囲)であってもよい暑さを含んでもよい。幾つかの実施形態では、底側部11及び上側部12でのスパッタ金属層の少なくとも1つは、保護ライナ、それぞれ底ライナ13及び上ライナ14で覆うことができる。
【0027】
図5は、底ライナの取り除き、及び規定のスポットでの底誘電体21の堆積後に、スパッタ金属層11で覆われた、幾つかの実施形態による、ベースシート(対電極側部又は底側部)を示している。マトリックスベースプレート20の最終形状は破線で示されている。
【0028】
図6は、幾つかの実施形態による、規定のスポットでの誘電体21の堆積、及びAg/AgCl層31の堆積後の、スパッタ金属層11で覆われたベースシートの底側部を示している。Ag/AgCl層は、幾つかの実施形態では、対電極の主成分である。
【0029】
図7は、幾つかの実施形態による、マトリックスベースプレートアウトライン、基準15及び個別のセンサ識別子16(例えば、マーキング)を作り出す選択レーザエッチング後のベースシート(対電極側部)を示している。誘電体及びAg/AgCl層31の堆積の後、レーザエッチングプロセスはセンサを個別化し、基準及びユニットIDなどのマーキングを追加する。RFID技術が個別のセンサを識別するために使用される場合、RFIDチップは、個別のセンサマーキングによって示されるような同じ領域を使用して、基板に結合される。レーザエッチングプロセスの後に、幾つかの実施形態では、生体適合層は堆積及び硬化される。生体適合層の硬化は、幾つかの実施形態では、対電極の最終製造プロセスであってもよい。
【0030】
図8a~図8bは、幾つかの実施形態による、感圧接着剤(PSA、17)の堆積(図8a)、及び第2の底側部ライナ18の接着(図8b)後のベースシート(対電極側部)を示している。第2の底側部ライナは、ベースシートの対向側部での作用電極の製造プロセス中にベースシートに剛性を提供する。このプロセスの終わりに、ベースシートは作用電極側部(上側部)に移される。
【0031】
図9は、幾つかの実施形態による、上側部スパッタ金属層12からの上側部ライナ14の取り除きを示している。
【0032】
図10a~図10bは、幾つかの実施形態による、炭素/作業電極40(図10a)及び上側誘電体22(図10b)の堆積、及びマトリックスベースプレートアウトラインのレーザエッチング後のベースシート(作用電極側部)を示している。シートは、炭素電極40及び/又は上側部誘電体22の堆積のためにスポットを規定する基準15によって配列することができる。炭素電極40の堆積後、各電極40の正確な表面積を測定することができ、(個別のセンサ識別子により)センサ毎の関連データを記憶させることができる。
【0033】
図11は、幾つかの実施形態による、作用電極40の表面積の画像キャプチャを示している。作用電極40は、誘電体22を含むこともできる平面感知プローブ60上に堆積させることができる。感知プローブ60は、幾つかの実施形態では、平面マトリックスベースプレート20の一部である。カメラ100は、作用電極40表面積及びこれに関連するデータ(センサ識別子毎)をキャプチャするために含めることができ、このようなデータを記憶させることができる。
【0034】
図12は、幾つかの実施形態による、ベースシート10の1つの側部、例えば底側部(対電極側部)、及び別の側部、例えば上側(作用電極側部)に堆積させることができる様々な層を示している。対電極側部(例えば、底側部)は、Ag/AgCl層31及び生体適合層50を含むことができ、作用電極側部は、変性SPC(石プラスチック複合材)層41(例えば、変性SPC層)、酵素層42、グルコース制限層43、及び生体適合層50を含むことができる。図12に示す層は、連続グルコース感知のために使用される層の組成の単なる一例である。他の例としては、例えば、酵素、メディエータ、架橋剤、接着剤、及びグルコース及び酸素の拡散を制御するため(また、例えばアセトアミノフェン、アスコルビン酸などを含む様々な干渉化合物の拡散を制御するため)に使用することができるあらゆるポリマーを挙げることができる。層の堆積は、例えば、注射器、インクジェット印刷、スクリーン印刷などを使用した液体堆積を含む当業界で知られているあらゆるプロセスによって行うことができる。層の堆積の後、層の高さ(すなわち、厚さ)を捕捉することができ、センサバイセンサデータを(センサ識別子毎に)記憶させることができる。層の高さ(厚さ)測定は、任意のプロファイラ、スペクトル反射モニタ、及び/又はその他で行うことができる。
【0035】
図13は、幾つかの実施形態による、生体適合層50の堆積後のベースシート(作用電極側部)を示している。生体適合層50は各作用電極の上及び両方の側部に堆積されてもよい。作用電極の両方の側部の生体適合層50の堆積は、ベースシート内のスロットによって行うことができ、生体適合ポリマーは作用電極の上部に堆積させることができ、また両方のスロットに堆積させることができ、ベースシートの対向側部で対電極に堆積された生体適合層と結合させることができる。
【0036】
図14は、幾つかの実施形態による、個別の平面マトリックスベースプレート20及びその感知プローブ60の切断(例えば、レーザ切断又は金型切断)及び解放後のベースシート10を示している。
【0037】
図15a~図15eは、幾つかの実施形態による、イントロデューサ90でのマトリックスベースプレート20及びアセンブリの折畳プロセスを示している。したがって、平面マトリックスベースプレート20はイントロデューサと結合させることができ(図15a~図15b)、感知プローブ60に対して90°に折り畳むことができ(図15c)、その後、1つの側部で180°に折り畳まれてもよく(図15d~図15e)、図2に示される、CGMの皮膚付着制御ユニット内のマトリックスベースプレート20につながる。
【0038】
図16は、幾つかの実施形態による、工場較正プロセスのフローチャートを示している。プロセスは、幾つかの実施形態による、「単一センサ毎の」各センサに対する製造プロセス中に捕捉されるパラメータ(例えば、センサバイセンサ「ドライ」パラメータ)の1つ又は複数(好ましくは複数)の測定、及び様々なグルコース濃度での溶液内のセンサのインビトロテストによって捕捉されるパラメータ(バッチ「ウェット」パラメータ)の「バッチサンプリングされたセンサ毎の」測定を含む。インビトロテストは、バッチ製造が完了しセンサが安定化まで記憶された後に行うことができる。「センサ毎ドライ」パラメータは、単一センサ作用電極の表面積、及びセンサ作用電極の少なくとも1つの層の厚さの「プロセス中」測定を含むことができる。センサは、ベースシート上に印刷された「センサ毎」特定識別子によって、及び/又は図7に示すような電子手段を使用することによって識別することができる。「ドライ」及び「ウェット」測定パラメータの両方から集められた記憶データは、較正アルゴリズムによって分析され、各特定CGMデバイス内で符号化される。
【0039】
様々な発明の実施形態を本明細書に記載及び図示したが、当業者は、機能を行う、及び/又は結果及び/又は本明細書に記載した利点の1つ又は複数を得るために、様々な他の手段及び/又は構造を簡単に思い付き、このような変形形態及び/又は変更形態はそれぞれ、本明細書に記載された発明の実施形態の範囲内にあると考えられる。より一般的に、当業者は、本明細書に記載された全てのパラメータ、寸法、材料、ステップ、及び構成は単に例であることを意味しており、実際のパラメータ、寸法、材料、ステップ及び構成は本発明の教示が使用される1つ又は複数の特定の応用例によることが簡単に分かるだろう。当業者は、本明細書に記載した特定の発明の実施形態の多くの等価物をただの日常の実験にすぎないものを使用して認識又は解明することが可能である。したがって、前述の実施形態は例としてのみ提示され、本開示及びその等価物によって裏付けられる請求項の範囲内で、発明の実施形態を特に記載及び請求された以外で実施することができることを理解されたい。本開示の発明の実施形態は、本明細書に記載された各個別の特性、デバイス、システム、物体、材料、キット、ステップ、機能/機能性、及び方法を対象としている。加えて、このような特性、システム、物体、材料、キット、ステップ、機能/機能性及び方法が相互に矛盾しない場合、2つ以上のこのような特性、デバイス、システム、物体、材料、キット、ステップ、機能/機能性及び方法のあらゆる組合せは、本開示の発明範囲及び考えられる実施形態に含まれる。
【0040】
本明細書に開示された実施形態はまた、1つ又は複数の特性と、完全なシステム、デバイス、及び/又は方法と組み合わされて、さらに他の実施形態及び発明を生じさせてもよい。さらに、幾つかの実施形態は、特定の従来技術の参照で開示された1つ及び/又は別の特性を特に欠いていることによって従来技術とは区別可能であってもよい、すなわち、幾つかの実施形態への請求は1つ又は複数の負の限定を含むことによって従来技術とは区別可能であってもよい。
【0041】
また、記したように、様々な発明概念は、1つ又は複数の例が提供された、1つ又は複数の方法として具体化されてもよい。方法の一部として行われる動作は、あらゆる適切な方法で順序付けられてもよい。したがって、実施形態は、例示的実施形態で連続動作として示されているとしても、幾つかの動作を同時に行うことを含む、図示したのと異なる順序で動作が行われる実施形態が構成されてもよい。
【0042】
本出願のどこからで提示された、これに限らないが、特許、特許出願、記事、ウェブページ、本などを含む刊行物又は他の文書へのあらゆる及び全ての言及は、全体が参照として本明細書に組み込まれている。さらに、本明細書で規定及び使用されるような全ての定義は、辞書定義、参照として組み込まれた文書内の定義、及び/又は規定された用語の通常の意味を制御することを理解すべきである。
【0043】
明細書及び特許請求の範囲において本明細書で使用されるような「a」及び「an」という不定冠詞は、そうでないと明確に記されていない限り、「少なくとも1つ」を意味することを理解すべきである。
【0044】
「できる」及び「してもよい」という用語は、本開示において交換可能に使用され、言及された要素、構成部品、構造、機能、機能性、目的、利点、動作、ステップ、プロセス、装置、システム、デバイス、結果、又は説明は、使用され、含まれ、又は製造される、あるいは用語が使用される(又は言及される)陳述で示された提案を示す能力があることを示す。
【0045】
明細書及び特許請求の範囲において本明細書で使用されるような「及び/又は」というフレーズは、そのように結合された要素の「いずれか又は両方」、すなわちある場合では結合的に存在し、他の場合では分離的に存在する要素を意味することを理解すべきである。「及び/又は」で挙げられた多数の要素は、同じ方法で構成されるべきである、すなわち、要素の「1つ又は複数」がそのように結合されている。他の要素は任意選択では、特に識別されたこれらの要素に関連しているか関連していないかに関わらず、「及び/又は」節によって特に識別された要素以外で存在してもよい。したがって、非限定的例として、「備えた(comprising)」などのオープンエンド言語と併せて使用される場合に「A及び/又はB」への言及は、一実施形態ではAのみ(任意選択で、B以外の要素を含む)、別の実施形態ではBのみ(任意選択で、B以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、A及びB両方(任意選択で、他の要素を含む)などに言及することができる。
【0046】
明細書及び特許請求の範囲において本明細書で使用されるように、「又は」は上に定義したように「及び/又は」と同じ意味を有することを理解すべきである。例えば、リスト内のアイテムを分ける場合に、「又は」又は「及び/又は」は包含的、すなわち、要素の数又はリストの少なくとも1つを含めるだけではく、2つ以上、及び任意選択で追加のリストにはないアイテムを含めると解釈されたい。「の1つのみ」又は「のちょうど1つ」などのそうでないと明らかに示された用語のみ、又は請求項で使用される場合の「consisting of(からなる)」は、要素の数又はリストの1つの要素のみを含むことに言及している。一般的に、本明細書で使用されるような「又は」という用語は、「いずれか」、「の1つ」、「の1つのみ」又は「のちょうど1つ」などの排他的意味の用語が先行する場合、排他的代替(すなわち、「1つ又は他のであり、両方ではない」)を示すものと解釈されるべきである。請求項で使用される場合、「consisting essentially of(主にからなる)」は、特許法の分野で使用されるような通常の意味を有するものとする。
【0047】
明細書及び特許請求の範囲において本明細書で使用されるように、1つ又は複数の要素のリストに言及した「少なくとも1つ」というフレーズは、要素のリスト内の要素の1つ又は複数から選択された少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも、要素のリスト内に特に挙げられた各全ての要素の少なくとも1つを含むものではなく、要素のリストの要路のあらゆる組合せを排除するものではないことを理解すべきである。この定義はまた、特に識別されたこれらの要素に関連するか又は関連しないかに関わらず、「少なくとも1つ」というフレーズが言及する要素のリスト内で特に識別された要素以外の要素が任意選択で存在してもよいことを可能にする。したがって、非限定的例として、「A及びBの少なくとも1つ」(又は等価では「A又はBの少なくとも1つ」、又は等価では「A及び/又はBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、少なくとも1つ、任意選択では2つ以上のAをBなしで含む(及び任意選択ではB以外の要素を含む)、別の実施形態では、少なくとも1つ、任意選択では2つ以上のBをAなしで含む(及び任意選択ではA以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、少なくとも1つ、任意選択で2つ以上のAを含む、及び少なくとも1つ、任意選択で2つ以上のBを含む(及び任意選択では他の要素を含む)などのことを言う。
【0048】
特許請求の範囲と、上記明細書では、「comprising(備えた)」、「including(含む)」、「carrying(担持した)」、「having(有する)」、「containing(含む)」、「involving(伴う)」、「holding(保持する)」、「composed of(から構成された)」などの全ての移行句は、オープンエンドである、すなわち、これに限らないが含むことを意味することを理解されたい。「consisting of(からなる)」及び「consisting essentially of(基本的にからなる)」という移行句のみが、United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures, Section 2111.03に記載されるように、それぞれクローズ又はセミクローズ移行句とされる。
【符号の説明】
【0049】
実施形態の少なくともいくつかに対応する、使用される用語及び関連する参照番号。
10 ベースシート(カプトン)
11 底側部スパッタ金属層
12 上側部スパッタ金属層
13 第1の底側部ライナ
14 上側部ライナ
15 基準
16 マーキング
17 感圧接着剤
18 第2の底側部ライナ
20 センサマトリックスベースプレート
21 底誘電体(対電極側部)
22 上側部誘電体(作用電極側部)
23 マトリックスベースプレート折り目
30 対電極
31 Ag/AgCl層
40 作用電極(炭素)
41 変性SPC層
42 酵素層
43 グルコース制限層
50 生体適合層
51 生体適合層底側部(対電極側部)
52 生体適合層上側部(作用電極側部)
60 センサプローブ
61 センサプローブ先端
70 皮膚付着制御ユニット
71 PCBA
72 導電ばね
80 皮膚
90 イントロデューサ
100 カメラ
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10a
図10b
図11
図12
図13a
図13b
図14
図15a
図15b
図15c
図15d
図15e
図16
【国際調査報告】