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特表2023-538994ProSeリモート及び中継エンティティによるQoS管理
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】ProSeリモート及び中継エンティティによるQoS管理
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20230906BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20230906BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20230906BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W92/18
H04W88/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578564
(86)(22)【出願日】2021-06-14
(85)【翻訳文提出日】2023-02-17
(86)【国際出願番号】 EP2021065971
(87)【国際公開番号】W WO2021254962
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】20181208.8
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】スリニバサン ニティン
(72)【発明者】
【氏名】エブラヒム レツァガ ロヤ
(72)【発明者】
【氏名】マクメナミー ジャスミナ
(72)【発明者】
【氏名】ゲクテペ バリス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルス トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヘルゲ コルネリウス
(72)【発明者】
【氏名】シーアル トーマス
(72)【発明者】
【氏名】セルヴァネサン サルン
(72)【発明者】
【氏名】フェーレンバッハ トーマス
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067DD45
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
(57)【要約】
ワイヤレス通信ネットワークのためのユーザデバイス(UE)は、中継エンティティとして動作して、1つ以上のリモートUEとワイヤレス通信ネットワークの送信先との間の接続をサポートする機能を提供するようになっており、リモートUEと送信先との間の接続は1つ以上のサイドリンクを含み、各サイドリンクは事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)に関連付けられている。UEは、リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、送信先、1つ以上の別の中継UEのうちの1つ以上とサイドリンクを介して接続されている。UEは、事前定義済み又は交渉済みのQoSに関してサイドリンクの状態を決定し、基地局等ワイヤレス通信ネットワークのネットワークエンティティにサイドリンクの状態を送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信ネットワークのためのユーザデバイス(UE)であって、
前記UEは、中継エンティティとして動作して、1つ以上のリモートUEと前記ワイヤレス通信ネットワークの送信先との間の接続をサポートする機能を提供するようになっており、前記リモートUEと前記送信先との間の接続は1つ以上のサイドリンクを含み、各サイドリンクは事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)に関連付けられ、
前記UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上とサイドリンクを介して接続され、
前記UEは前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関して前記サイドリンクの状態を決定するようになっており、
前記UEは基地局等前記ワイヤレス通信ネットワークのネットワークエンティティに前記サイドリンクの前記状態を送信するようになっている、
ユーザデバイス(UE)。
【請求項2】
前記UEは、
●第1のサイドリンクによって前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE及び/又は1つ以上の別の中継UEに、そして前記送信先が別のUEの場合は第2のサイドリンクによって前記送信先に接続される、又は、
●第1のサイドリンクによって前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE及び/又は1つ以上の別の中継UEに、かつ第2のサイドリンクによって1つ以上の別の中継UEに接続される、又は、
●サイドリンクによって前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE及び/又は1つ以上の別の中継UEに、かつネットワークリンクによって前記送信先に接続される、
請求項1に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項3】
前記サイドリンクは、PC5接続等の3GPPアクセスリンク、又はブルートゥース(登録商標)若しくはWifi接続等の非3GPPアクセスリンクを含む、
請求項1又は2に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項4】
前記UEが例えばUuインターフェースによって基地局等の前記ネットワークエンティティに接続される場合、前記UEは前記サイドリンクの前記状態を前記ネットワークエンティティに送信するようになっており、又は、
前記UEが基地局等のネットワークエンティティに接続されない場合、前記UEは前記状態を前記ネットワークエンティティに対し、前記ネットワークエンティティに接続された別の中継UEを介して送信し、前記UEは前記別の中継UEに直接又は1つ以上の他の中継UEを介して接続されるようになっている、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項5】
前記UEは、前記リモートUEと前記送信先との間の事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)を、前記UEを介して提供するための前記サイドリンクのQoSプロファイルを備えるように構成され、前記QoSプロファイルは、前記UEが前記サイドリンクの前記状態を決定してシグナリングすることができるようにする又はアクティブ化する、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項6】
前記サイドリンクの前記状態を決定するために、前記UEは前記サイドリンク上で事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられた1つ以上のQoSパラメータを測定するようになっている、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項7】
前記UEは、無線リソース制御(RRC)シグナリングを使用して、又はメディアアクセス制御(MAC)制御要素(CE)を使用して、前記状態をシグナリングするようになっている、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項8】
前記状態は、
●例えばQoS障害レポート(QoS_FR)を送信することによって、前記サイドリンクが前記サイドリンク上の前記事前定義済み又は交渉済みのQoS及び/又は前記リモートUEと前記送信先との間の前記事前定義済み又は交渉済みのQoSをもはや満たさないこと又は再び満たしていることを示す、又は、
●例えばQoS測定レポート(QoS_MR)を送信することによって、前記サイドリンク上の前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられた前記1つ以上のQoSパラメータの測定結果を示す、又は、
●例えばQoS更新レポート(QoS_UP)を送信することによって、前記サイドリンクが前記事前定義済み又は交渉済みのQoSよりも高いQoSをサポートすることができることを示す、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項9】
前記UEが複数のリモートUEの中継エンティティとして動作する場合、前記QoS_FRは、前記リモートUEを前記UEに接続する前記サイドリンクのうち、前記事前定義済み又は交渉済みのQoSを満たさない又は満足しないものはどれかを示す、
請求項8に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項10】
前記UEは、前記サイドリンク上の1つ以上の事前定義済みパラメータを使用してQoS障害を予測し、QoS障害の予測に応答して早期QoS_FRを送信するようになっており、ここで前記1つ以上の事前定義済みパラメータは、
●事前定義済みの時間ウインドウにわたって測定された基準信号受信電力(RSRP)、
●前記事前定義済みの時間ウインドウにわたって取得されたチャネル状態情報(CSI)、
●ビーム測定及び/又はビーム障害、
●前記事前定義済みの時間ウインドウにわたるハイブリッド応答要求(HARQ)フィードバック、例えば、所定の数又は所定の比率の前記事前定義済みの時間ウインドウの間の否定応答(NACK)、
●前記UEにおける前記送信電力の制限、
●前記UEにおける前記バッテリ電力の制限、
●前記UEにおける前記計算能力の制限、
●例えば、チャネルビジー率(CBR)又はチャネル占有率(CR)によって示される、前記サイドリンク等前記リモートUEへの前記リンクの輻輳、
●前記事前定義済みの時間ウインドウにわたるビットエラー率(BER)、パケットエラー率(PER)、パケットロス又はパケット遅延のうちの1つ以上、
のうちの1つ以上を含む、
請求項8又は9に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項11】
前記サイドリンクの前記QoS_FRを送信する前に、前記UEは他のリソースを使用して前記サイドリンク上での伝送を試みるようになっており、前記他のリソースを使用する前記伝送が前記事前定義済み又は交渉済みのQoSを満たす場合、前記UEは前記QoS_FRを送信しないようになっている、
請求項8ないし10のいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項12】
前記UEは、前記QoS_MRを
●定期的に、及び/又は、
●要求に応答して、及び/又は、
●障害に応答して、及び/又は、
●1つ以上のイベントに応答して、
送信するようになっている、
請求項8ないし11のいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項13】
前記1つ以上のイベントは、
●前記QoS_MRが、以前のQoS_MRと比較して1つ以上の測定項目に関して著しく変化する場合、例えば、前記QoS_MRの1つ以上の測定項目の変化が設定済み又は事前設定済みの閾値より高い場合、
●前記サイドリンクの前記QoSパラメータのうちの1つ以上のパラメータが、設定済み又は事前設定済みの閾値に到達した場合、
●無線リンク障害、ビーム回復手順若しくはビーム障害、同期障害又は高干渉状態のうちの1つ以上の場合、
●前記サイドリンクの前記QoSパラメータのうちの1つ以上のパラメータが、設定されたQoSパラメータと、設定済み又は事前設定済みの閾値以上に異なっている場合、
●前記サイドリンクのHARQの失敗又は再送信の回数を示す設定済み又は事前設定済みのカウンタに到達した場合、
のうちの1つ以上を含むことがある、
請求項12に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項14】
前記UEは、
●前記測定されたQoSパラメータが改善されたことにより、前記事前定義済み又は交渉済みのQoSよりも高いQoSが満たされるようになったこと、又は、
●QoS_FRが事前に送信され、前記測定されたQoSパラメータが改善されたことにより、前記事前定義済み又は交渉済みのQoSが再び満たされるようになったこと、又は、
●QoS_FRを送信した後、設定済み又は事前設定済みの時間ウインドウが終了したこと、又は、
●クエリ、
に応答して前記QoS_UPを送信するようになっている、
請求項8ないし13のいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項15】
ワイヤレス通信ネットワークのユーザデバイス(UE)であって、
前記UEは、中継エンティティとして動作して、1つ以上のリモートUEと前記ワイヤレス通信ネットワークの送信先との間の接続をサポートする機能を提供するようになっており、前記リモートUEと前記送信先との間の接続は1つ以上のサイドリンクを含み、各サイドリンクは事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)と関連付けられ、また、
前記UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、
前記送信先又は前記リモートUE又は別の中継エンティティから、リフレクティブサービス品質(QoS)インジケータ(RQI)及び/又は中継QoSパケット処理情報(RPPQI)に関連付けられたパケット等の第1の伝送を受信すると、前記UEは、前記第1の伝送に関連付けられた前記QoSに従って前記送信先、前記リモートUE又は前記別の中継器に第2の伝送を処理するようになっている、
ユーザデバイス(UE)。
【請求項16】
前記UEは、前記第1の伝送のために提供された前記RQI又は前記RPPQIに基づくデータ無線ベアラ(DRB)マッピングへのQoSフローを前記第2の伝送に適用するようになっている、
請求項15に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項17】
前記RPPQIは、
●前記UEから前記送信先又は前記リモートUE又は前記他の中継エンティティへの通信について、前記伝送をどのように扱うかの指示、
●前記UEと前記送信先又は前記リモートUE又は前記他の中継エンティティとの間の前記通信についてのスケジューリング要件に関する情報、
●前記UEと前記送信先又は前記リモートUE又は前記他の中継エンティティとの間の前記通信についてのDRBマッピング要件に関する情報、
のうちの1つ以上を含む、
請求項15又は16に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項18】
前記UEは、前記送信先又は前記リモートUE又は他の中継エンティティから、RPPQI等の前記UEから前記送信先又は前記他の中継エンティティへの応答を送信するためのスケジューリング情報を前記リモートUEに中継する伝送とともに受信するようになっている、
請求項15ないし17のいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項19】
前記スケジューリング情報は、
●前記UEから前記送信先又は前記リモートUE又は前記他の中継エンティティへの前記通信のための専用のリソースのセット、
●前記UEから前記送信先又は前記他の中継エンティティへの前記通信のための半静的又は半永久的なリソースのセット、
のうちの1つ以上を含む、
請求項18に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項20】
ワイヤレス通信ネットワークのユーザデバイス(UE)であって、
前記UEは、中継エンティティとして動作して、1つ以上のリモートUEと前記ワイヤレス通信ネットワークの送信先との間の接続をサポートする機能を提供するようになっており、前記UEを介する前記リモートUEと前記送信先との間の接続は事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)と関連付けられ、また、
前記UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、
1つ以上の基準に応答して、前記UEは早期バッファステータスレポート(BSR)をトリガーすることになっている、
ユーザデバイス(UE)。
【請求項21】
前記1つ以上の基準は、
●受信するデータ又は送信するデータについての前記UEのキューイング能力又は容量、
●前記リモートUEと前記送信先との間の前記事前定義済み又は交渉済みのQoSがもはや満たすことができないと前記UEが予測すること、
●前記UEが前記1つ以上のリモートUEからBSRレポートを受信すること、
●リモートUEが要求する前記QoSの変更、
●HARQフィードバック応答としての事前定義済みの数の連続したNACK、
●前記事前設定済み又は設定済みの時間ウインドウ内におけるHARQ NACKの事前設定済み又は設定済みの比率、
のうちの1つ以上を含む、
請求項20に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項22】
前記リモートUEと前記送信先との間の前記QoSを予測するために、前記UEは前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられた1つ以上のQoSパラメータを前記サイドリンク上で測定するようになっている、
請求項21に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項23】
前記UEは、リモートUEとのパケットデータユニット(PDU)セッションの期間中、早期バッファステータスレポート(BSR)をトリガーするようになっている、
請求項1ないし22のいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項24】
前記UEは、例えば、前記ワイヤレス通信ネットワークのQoSマネージャからのQoS支援情報(QoS_AI)を使用するようになっており、前記QoS_AIは、前記サイドリンク上の前記1つ以上のQoSパラメータに対する許容値を含む、
請求項1ないし23のいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項25】
前記UEは、前記QoSマネージャを含む、又は前記ワイヤレス通信ネットワークの前記リモートUE若しくは前記別の中継UE若しくは前記送信先若しくはネットワークエンティティに位置する前記QoSマネージャに接続される、
請求項24に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項26】
前記許容値は、前記リモートUEと前記送信先との間のホップ数に基づいて、及び/又は前記リモートUEと前記送信先との間の前記リンクのうちの1つ以上のリンク若しくはすべてのリンクにおける前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられたQoSパラメータの測定値を使用して、前記QoSマネージャによって決定される、
請求項24又は25に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項27】
●前記QoSマネージャが、前記ワイヤレス通信ネットワークのネットワークエンティティに位置する場合、及び、
●前記1つ以上のリモートUEと前記送信先との間の前記接続が前記UEを含み、1つ以上の別のUEが中継エンティティとして動作する場合に、
前記UEはアンカー中継UEとして動作するようになっており、前記アンカー中継UEは、前記QoSマネージャと通信する中継器として動作する唯一のUEである、
請求項24ないし26のいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項28】
前記UEは、前記リモートUE又は前記送信先又は前記ネットワークエンティティから、前記UEに前記アンカー中継UEとして動作するよう通知するシグナリングを受信するようになっている、
請求項27に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項29】
前記許容値は、
●複数の前記リモートUEの一部又はすべてと前記UEとの間の前記1つ以上のサイドリンクに対する合計許容値、又は、
●特定のリモートUEと前記UEとの間の前記サイドリンクに対する1つ以上のリモートUE固有の許容値、
を含む、
請求項24ないし28のいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項30】
前記合計許容値は非GBRトラフィックに関連付けられるようになっており、前記UE固有の許容値はGBRトラフィックに関連付けられるようになっており、また、
前記中継UEは、前記QoSパラメータのうちの1つ以上が満たされない場合、非GBRトラフィックに参加している又は非GBRトラフィックを処理する任意のリモートUE又は任意の別の中継UEにシグナリングすることにより、負荷分散の再選択をトリガーするようになっている、
請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記負荷分散の再選択は、
●RRCメッセージ、
●RLCメッセージ、
●MAC CE、
●例えばPSFCH又はPSCCH等の物理層フィードバック又は制御チャネル上の、物理層信号、
●例えばアプリケーション層等、上位層の信号
のうちの1つ以上としてシグナリングされる、
請求項29又は30に記載の装置。
【請求項32】
前記送信先は、前記ワイヤレス通信ネットワークの他のUE又は前記ワイヤレス通信ネットワークの前記コアネットワークのエンティティ又は前記ワイヤレス通信ネットワークの前記アクセスネットワークのエンティティを含む、
請求項1ないし31のいずれか1項に記載のUE。
【請求項33】
前記ユーザデバイスは、モバイル端末、又は静止端末、又はセルラーIoT-UE、又は車両UE、又はリーダー(GL)UE、又はIoT若しくはナローバンドIoT(NB-IoT)デバイス、又はスマートウォッチ等のウェアラブルデバイス、又はフィットネストラッカー、又はスマートグラス、又は地上車両、又は空中車両、又はドローン、又は移動基地局、又は路側ユニット(RSU)、又は建物、又はセンサー若しくはアクチュエータ等、前記ワイヤレス通信ネットワークを使用して通信することを可能にするネットワーク接続性を備える任意の他のアイテム若しくはデバイス、又はセンサー若しくはアクチュエータ等、前記ワイヤレス通信ネットワークのサイドリンクを使用して通信することを可能にするネットワーク接続性を備える任意の他のアイテム若しくはデバイス、又は任意のサイドリンク可能なネットワークエンティティを含む、
請求項1ないし32のいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項34】
ワイヤレス通信ネットワークのための基地局等のネットワークエンティティであって、
前記ネットワークエンティティは、1つ以上の中継エンティティと通信するようになっており、前記中継エンティティは、1つ以上のリモートUEと前記ワイヤレス通信ネットワークの送信先との間の接続をサポートする機能を提供し、前記リモートUEと前記送信先との間の接続は1つ以上のサイドリンクを含み、各サイドリンクは、事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)と関連付けられ、前記中継UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、
前記ネットワークエンティティは、前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関する前記サイドリンクの状態を前記中継エンティティから受信するようになっている、
ネットワークエンティティ。
【請求項35】
前記サイドリンクは、PC5接続等の3GPPアクセスリンク、又はブルートゥース(登録商標)若しくはWiFi接続等の非3GPPアクセスリンクを含む、
請求項34に記載のネットワークエンティティ。
【請求項36】
前記状態は、
●前記サイドリンクが前記サイドリンク上の前記事前定義済み又は交渉済みのQoS及び/又は前記リモートUEと前記送信先との間の前記事前定義済み又は交渉済みのQoSをもはや満たしていないこと又は再び満たしていることを例えばQoS障害レポート(QoS_FR)の形式で示す、又は、
●前記サイドリンク上の前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられた1つ以上のQoSパラメータの測定結果を例えばQoS測定レポート(QoS_MR)の形式で示す、又は、
●前記サイドリンクが事前定義済み又は交渉済みのQoSよりも高いQoSをサポートすることができることを例えばQoS更新レポート(QoS_UP)の形式で示す、
請求項34又は35に記載のネットワークエンティティ。
【請求項37】
前記状態を受信すると、前記ネットワークエンティティは、
●QoS通知を生成して、前記ワイヤレス通信ネットワークのコアネットワークエンティティに送信するようになっている、又は、
●1つ以上の他の中継エンティティが前記ネットワークエンティティに接続されている場合、例えば中継再選択プロセスをトリガーすることによって、前記リモートUEへの前記接続を修正するようになっている、
請求項34ないし36のいずれか1項に記載のネットワークエンティティ。
【請求項38】
前記サイドリンク上の前記QoSが事前定義済みの閾値を下回ると、前記ネットワークエンティティは、それに応答して前記リモートUEへの前記接続を修正するようになっている、又は中継再選択プロセスをトリガーするようになっている、
請求項37に記載のネットワークエンティティ。
【請求項39】
マクロセル基地局、又はスモールセル基地局、又は基地局の中央ユニット、又は基地局の分散ユニット、IABノード、又は路側ユニット(RSU)、又はAMF、又はMME、又はSMF、又はコアネットワークエンティティ、又はモバイルエッジコンピューティング(MEC)エンティティ、又はNR若しくは5Gコアコンテキストにおけるようなネットワークスライス、又はアイテム若しくはデバイスが前記ワイヤレス通信ネットワークを使用して通信することを可能にする任意の送信/受信ポイント(TRP)であって、前記アイテム又はデバイスは前記ワイヤレス通信ネットワークを使用して通信するためのネットワーク接続性が設けられている、任意の送信/受信ポイント(TRP)、のうちの1つ以上を含む、
請求項34ないし38のいずれか1項に記載のネットワークエンティティ。
【請求項40】
ワイヤレス通信ネットワークのための装置であって、前記ワイヤレス通信ネットワークは、1つ以上のリモートUEと送信先との間の接続をサポートする機能を提供する1つ以上の中継エンティティを含み、前記リモートUEと前記送信先との間の接続は1つ以上のサイドリンクを備え、各サイドリンクは事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)に関連付けられ、前記中継UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、また、
前記リモートUEと前記送信先との間の前記リンクの1つ以上又はすべてにおける、前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられたQoSパラメータの測定を使用して、前記装置は、例えばQoS支援情報(QoS_AI)として、前記サイドリンク上の事前定義済み又は交渉済みのQoSパラメータに関連付けられた前記QoSパラメータの許容値を決定又は算出、及び/又は中継エンティティにシグナリングするようになっており、かつ、
前記装置は、前記ワイヤレス通信ネットワークの前記リモートUE、前記中継エンティティ、前記送信先、又はネットワークエンティティに配置される、
装置。
【請求項41】
前記装置は、前記リモートUEと前記送信先との間のホップ数及び/又は前記リモートUEと前記送信先との間の個々のリンクの測定値に基づいて、前記QoSパラメータの許容値を決定又は計算するようになっている、
請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記QoS_AIは、前記QoSパラメータ
●保証フロービットレート(GFBR)、
●最大フロービットレート(MFBR)、
●最大パケットロス、
●パケット遅延バジェット(PDB)、
●パケットエラーレート(PER)、
●リモートUE又はセッションごとの合計最大ビットレート(AMBR)、
●リモートUE又はセッションごとのキューイング負荷又は容量又は能力、
●サイドリンク輻輳、例えばチャネルビジー率(CBR)又はチャネル占有率(CR CBR又はCR)、
のうちの1つ以上に対する許容値を含む、
請求項40又は41に記載の装置。
【請求項43】
前記装置は、第1のQoS_AI、例えば初期QoS_AIを送信した後前記許容値のうちの1つ以上の更新及び/又は1つ以上の追加のQoSパラメータに対する許容値を示す第2のQoS_AIを提供するようになっている、
請求項40ないし42のいずれか1項に記載の装置。
【請求項44】
前記装置は、前記サイドリンク上の前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられた前記QoSパラメータのうちの1つ以上の測定結果を前記中継エンティティのうちの1つ以上から受信することに応答して、例えばQoS測定レポート(QoS_MR)を受信することによって、前記第2のQoS_AIを提供することになっている、
請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記QoS_AIは、
●複数の前記リモートUE及び/又は別の中継UEのうちの一部又は全部と前記UEとの間の前記サイドリンクに対する合計許容値、又は、
●特定のリモートUEと前記UEとの間の前記サイドリンクに対する1つ以上のリモートUE固有の又は別の中継UE固有の許容値、
を含む、
請求項40ないし44のいずれか1項に記載の装置。
【請求項46】
前記合計許容値は非GBRトラフィックに関連付けられるようになっており、前記UE固有の許容値はGBRトラフィックに関連付けられるようになっており、また、
前記QoS_AIは、1つ以上の前記QoSパラメータが満たされない場合、非GBRトラフィックに参加して又は非GBRトラフィックを処理する任意のリモートUE又は任意の別の中継UEに負荷分散再選択信号をトリガーすることを前記中継UEに許可する指示を含む、
請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記装置は、例えばRRC_再構成メッセージ又はRRCセットアップメッセージの一部として、RRCシグナリングを使用して前記QoS_AIをシグナリングするようになっている、
請求項40ないし46のいずれか1項に記載の装置。
【請求項48】
1つ以上のリモートユーザデバイス(リモートUE)と、
1つ以上のリモートUEと送信先との間の接続をサポートする機能を提供する、1つ以上の、請求項1ないし33のいずれか1項に記載のユーザデバイス、中継エンティティと、
を含む、
ワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項49】
1つ以上の、請求項34ないし39のいずれか1項に記載のネットワークエンティティ、及び/又は1つ以上の、請求項40ないし47のいずれか1項に記載のQoSマネージャをさらに含む、
請求項48に記載のワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項50】
●リモートUEと送信先との間の1つ以上のシングルホップ接続、及び/又は、
●リモートUEと送信先との間の1つ以上のマルチホップ接続、
を含む、
請求項48又は49に記載のワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項51】
前記送信先は、前記ワイヤレス通信ネットワークの他のUE、又は前記ワイヤレス通信ネットワークの前記コアネットワーク若しくは前記アクセスネットワークのエンティティを含む、
請求項48ないし50のいずれか1項に記載のワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項52】
前記コアネットワーク又は前記アクセスネットワークの前記エンティティは、マクロセル基地局、又はスモールセル基地局、又は基地局の中央ユニット、又は基地局の分散ユニット、又は路側ユニット(RSU)、又はAMF、又はMME、又はSMF、又はコアネットワークエンティティ、又はモバイルエッジコンピューティング(MEC)エンティティ、又はNR若しくは5Gコアコンテキストにおけるネットワークスライス、又はアイテム若しくはデバイスが前記ワイヤレス通信ネットワークを使用して通信することを可能にする任意の送信/受信ポイント(TRP)であって、前記アイテム若しくはデバイスには前記ワイヤレス通信ネットワークを使用して通信するためのネットワーク接続性が設けられている、任意の送信/受信ポイント(TRP)、のうちの1つ以上を含む、
請求項51に記載のワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項53】
ワイヤレス通信ネットワークのためのユーザデバイス(UE)を動作させる方法であって、前記UEは中継エンティティとして動作して、1つ以上のリモートUEと前記ワイヤレス通信ネットワークの送信先との間の接続をサポートする機能を提供し、前記リモートUEと前記送信先との間の接続は1つ以上のサイドリンクを含み、各サイドリンクは前記事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)に関連付けられており、前記UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、
前記方法は、
前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関して、前記サイドリンクの状態を決定するステップと、
前記サイドリンクの前記状態を基地局等の前記ワイヤレス通信ネットワークのネットワークエンティティに向けて送信するステップと、
を含む、
方法。
【請求項54】
ワイヤレス通信ネットワークのためのユーザデバイス(UE)を動作させる方法であって、前記UEが中継エンティティとして動作して、1つ以上のリモートUEと前記ワイヤレス通信ネットワークの送信先との間の接続をサポートする機能を提供し、前記リモートUEと前記送信先との間の接続は1つ以上のサイドリンクを含み、各サイドリンクは事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)と関連付けられ、また、前記UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、
前記方法は、
リフレクティブサービス品質(QoS)インジケータ(RQI)及び/又は中継QoSパケット処理情報(RPPQI)に関連付けられた、パケット等の第1の伝送を前記送信先又は前記リモートUE又は別の中継エンティティから受信すると、前記第1の伝送に関連付けられた前記QoSに従って前記送信先、前記リモートUE又は別の中継器に第2の伝送を処理するステップを含む、
方法。
【請求項55】
ワイヤレス通信ネットワークのためのユーザデバイス(UE)を動作させる方法であって、前記UEは中継エンティティとして動作して、1つ以上のリモートUEと前記ワイヤレス通信ネットワークの送信先との間の接続をサポートする機能を提供し、前記UEを介する前記リモートUEと前記送信先との間の接続は事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)と関連付けられ、また、前記UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、
前記方法は、
1つ以上の基準に応答して、早期バッファステータスレポート(BSR)をトリガーするステップを含む、
方法。
【請求項56】
基地局等、ワイヤレス通信ネットワークのためのネットワークエンティティを動作させる方法であって、前記ネットワークエンティティは1つ以上の中継エンティティと通信するようになっており、前記中継エンティティは1つ以上のリモートUEと前記ワイヤレス通信ネットワークの送信先との間の接続をサポートする機能を提供し、前記リモートUEと前記送信先との間の接続は1つ以上のサイドリンクを含み、各サイドリンクは、事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)と関連付けられ、前記中継UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、
前記方法は、
前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連して前記サイドリンクの状態を前記中継エンティティから受信するステップを含む、
方法。
【請求項57】
ワイヤレス通信ネットワークのための装置を動作させる方法であって、前記ワイヤレス通信ネットワークは、前記1つ以上のリモートUEと送信先との間の接続をサポートする機能を提供する1つ以上の中継エンティティを含み、前記リモートUEと前記送信先との間の接続は1つ以上のサイドリンクを備え、各サイドリンクは事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)に関連づけられ、前記装置は、前記ワイヤレス通信ネットワークの前記リモートUE、前記中継エンティティ、前記送信先、又はネットワークエンティティに配置され、前記中継UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、
前記方法は、
前記リモートUEと前記送信先との間の前記リンクのうちの1つ以上又はすべてのリンクについての前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられたQoSパラメータの測定を使用して、前記サイドリンク上の事前定義済み又は交渉済みのQoSパラメータに関連付けられた前記QoSパラメータの許容値を、例えばQoS支援情報(QoS_AI)として、決定又は算出、及び/又は中継エンティティにシグナリングするステップを含む、
方法。
【請求項58】
コンピュータ上で実行されると、請求項53ないし57のいずれか1項に記載の方法を実行する命令を格納したコンピュータ可読媒体を含む、非一時的なコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信システム又はネットワークの分野に関し、より具体的には、送信エンティティと受信エンティティとの間の接続をサポートする機能を提供するために使用される、サイドリンク中継デバイス等の中継デバイスの分野に関連する。本発明の実施形態は近接ベースのサービス(ProSe)リモート及び中継エンティティのQoS管理に関連する。
【背景技術】
【0002】
図1は、図1(a)に示すように、コアネットワーク102と、1つ以上の無線アクセスネットワークRAN1、RAN2、...RANNとを含む地上ワイヤレスネットワーク100の一例を概略的に示す図である。図1(b)は、1つ以上の基地局gNB1ないしgNB5を含むことができる無線アクセスネットワークRANnの一例を概略的に示す図であり、それぞれのセル1061ないし1065によって概略的に表される基地局の周囲の特定の領域にそれぞれサービスを提供する。基地局は、セル内のユーザにサービスを提供する。1つ以上の基地局は、ライセンスバンド及び/又はアンライセンスバンドでユーザにサービスを提供してもよい。基地局BSという用語は、5GネットワークにおけるgNB、UMTS/LTE/LTE-A/LTE-A ProにおけるeNB、又は他の移動通信規格における単なるBSを意味する。ユーザは、固定型のデバイスであってもよいし、移動型のデバイスであってもよい。また、ワイヤレス通信システムは、基地局又はユーザに接続する移動型又は固定型のIoTデバイスによってアクセスされてもよい。モバイルデバイス又はIoTデバイスは、物理デバイス、ロボット又は自動車などの地上ベースの車両、有人又は無人航空機UAVなどの航空機、後者はドローンとも呼ばれる、建物、及びその中に電子機器、ソフトウェア、センサー、アクチュエータなどを埋め込んだ他のアイテム又はデバイス、並びにこれらのデバイスが既存のネットワークインフラストラクチャにわたってデータを収集及び交換できるようにするネットワーク接続を含んでもよい。図1(b)は5つのセルの例示的な図を示しているが、RANnは、より多くの又はより少ないこのようなセルを含んでもよく、RANnも1つの基地局のみを含んでもよい。図1(b)は、セル1062にあり、基地局gNB2によってサービスを提供される、ユーザ機器UEとも呼ばれる2つのユーザUE1及びUE2を示している。別のユーザUE3は、基地局gNB4によってサービスが提供されるセル1064に示されている。矢印1081、1082、1083は、ユーザUE1、UE2、UE3から基地局gNB2、gNB4へデータを送信するための、又は基地局gNB2、gNB4からユーザUE1、UE2、UE3へデータを送信するためのアップリンク/ダウンリンク接続を概略的に表している。これは、ライセンスバンドで実現されてもよいし、アンライセンスバンドで実現されてもよい。さらに、図1(b)は、セル1064内に2つのIoTデバイス1101、1102が示されており、これらは、固定型のデバイスであってもよいし、移動型のデバイスであってもよい。IoTデバイス1101は、矢印1121によって概略的に表されるように、基地局gNB4を介してワイヤレス通信システムにアクセスし、データの受信及び送信を行う。IoTデバイス1102は、矢印1122によって概略的に表されるように、ユーザUE3を介してワイヤレス通信システムにアクセスする。それぞれの基地局gNB1ないしgNB5は、それぞれのバックホールリンク1141ないし1145を介して、例えばS1インターフェースを介して、コアネットワーク102に接続されてもよく、図1(b)では「コア」を指す矢印で概略的に表される。コアネットワーク102は、1つ以上の外部ネットワークに接続されてもよい。外部ネットワークは、インターネット、又はイントラネットなどのプライベートネットワーク、又は他のタイプのキャンパスネットワーク、例えばプライベートWiFi又は4G又は5G移動通信システムとすることができる。さらに、それぞれの基地局gNB1ないしgNB5の一部又は全部は、例えばNRにおけるS1若しくはX2インターフェース又はXNインターフェースを介して、それぞれのバックホールリンク1161ないし1165を介して互いに接続されてもよく、図1(b)において「gNB」を指す矢印によって概略的に表される。サイドリンクチャネルは、デバイス間(D2D)通信とも呼ばれ、UE間のダイレクト通信を可能にする。3GPPにおいてサイドリンクインターフェースは、PC5と命名されている。
【0003】
データ送信のために、物理リソースグリッドが使用される場合がある。物理リソースグリッドは、様々な物理チャネル及び物理信号がマッピングされるリソース要素のセットを備えてもよい。例えば、物理チャネルは、ダウンリンクペイロードデータ、アップリンクペイロードデータ、及びサイドリンクペイロードデータとも呼ばれるユーザ固有のデータを搬送する物理ダウンリンク共有チャネル、物理アップリンク共有チャネル、及び物理サイドリンク共有チャネル(PDSCH、PUSCH、PSSCH)、例えばマスタ情報ブロック(MIB)と1つ以上のシステム情報ブロック(SIB)とを搬送する物理ブロードキャストチャネル(PBCH)、例えばダウンリンク制御情報(DCI)、アップリンク制御情報(UCI)及びサイドリンク制御情報(SCI)を搬送する物理ダウンリンク制御チャネル、物理アップリンク制御チャネル及び物理サイドリンク制御チャネル(PDCCH、PUCCH、PSCCH)を含んでもよい。なお、サイドリンクインターフェースは、2つのステージのSCIをサポートしてもよい。これは、SCIの一部を含む第1の制御領域と、任意的に、制御情報の第2の部分を含む第2の制御領域とを指す。
【0004】
アップリンクの場合、物理チャネルは、UEが同期してMIB及びSIBを取得すると、ネットワークにアクセスするためにUEが使用する物理ランダムアクセスチャネル(PRACH又はRACH)をさらに含んでもよい。物理信号は、参照信号又はシンボル(RS)同期信号等を備えてもよい。リソースグリッドは、時間領域において特定の持続時間を有し、周波数領域において所与の帯域幅を有するフレーム又は無線フレームを備えてもよい。フレームは、予め定義された長さ、例えば1msの特定の数のサブフレームを有してもよい。各サブフレームは、サイクリックプレフィックス(CP)長に応じて、12又は14のOFDMシンボルの1つ以上のスロットを含んでもよい。フレームは、例えば、短縮された送信時間間隔(sTTI)を利用する場合、又は数個のOFDMシンボルを備えるミニスロット/非スロットベースのフレーム構造を利用する場合、より少ない数のOFDMシンボルからなることもある。
【0005】
ワイヤレス通信システムは、直交周波数分割多重(OFDM)システム、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)システム、又は、例えばDFT-s-OFDMのような、CPを有する又は有さない任意の他のIFFTベースの信号などの周波数分割多重を使用する任意のシングルトーン又はマルチキャリアシステムであってもよい。多重アクセスのための非直交波形、例えばフィルタバンクマルチキャリア(FBMC)、一般化周波数分割多重(GFDM)又はユニバーサルフィルタマルチキャリア(UFMC)のような他の波形が使用されてもよい。ワイヤレス通信システムは、例えば、LTE-Advanced pro規格、又は5G若しくはNR(New Radio)規格、又はNR-U(New Radioアンライセンス)規格に従って動作してもよい。
【0006】
図1に示すワイヤレスネットワーク又は通信システムは、異なるオーバーレイネットワーク、例えば、基地局gNB1ないしgNB5等のマクロ基地局を含む各マクロセルを有するマクロセルのネットワークと、フェムト又はピコ基地局等のスモールセル基地局のネットワーク(図1には示されていない)とを有する異種ネットワークであってもよい。上述の地上ワイヤレスネットワークに加えて、衛星のような衛星トランシーバー(spaceborne transceivers)、及び/又は無人航空機システムのような空中トランシーバー(airborne transceivers)を含む非地上ワイヤレス通信ネットワーク(NTN)も存在する。非地上ワイヤレス通信ネットワーク又はシステムは、例えば、LTE-Advanced Pro規格又は5G若しくはNR(new radio)規格に従って、図1を参照して上述した地上システムと同様の方法で動作することができる。
【0007】
モバイル通信ネットワークでは、例えばLTE又は5G/NRネットワークのような図1を参照して上述したようなネットワークでは、例えばPC5/PC3インターフェース又は直接Wifiを使用して、1つ以上のサイドリンク(SL)チャネルによって互いにダイレクト通信するUEが存在してもよい。サイドリンクによって互いにダイレクト通信するUEは、他の車両とダイレクト通信する車両(V2V通信)、ワイヤレス通信ネットワークの他のエンティティと通信する車両(V2X通信)、例えば信号機、交通標識、又は歩行者等の路側ユニット(RSU)、路側エンティティ、を含んでもよい。RSUは、特定のネットワーク構成に応じて、BS又はUEの機能を有することができる。他のUEは、車両関連のUEでなくてもよく、上述したデバイスのいずれかを含んでもよい。このようなデバイスは、SLチャネルを使用して互いにダイレクト通信(D2D通信)することもできる。
【0008】
上記のセクションの情報は、発明の背景の理解を高めるためのものにすぎず、したがって、当業者に既に知られている先行技術を形成しない情報が含まれている可能性があることに留意されたい。
【発明の概要】
【0009】
上記から出発して、ワイヤレス通信システム又はネットワークにおける中継送信の改善又は強化が必要とされている。
【0010】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1(a)】図1(a)は、地上ワイヤレスネットワークの一例を示す概略図である。
図1(b)】図1(b)は、地上ワイヤレスネットワークの一例を示す概略図である。
図2(a)】図2は、特定のUE-ネットワーク間の中継シナリオのプロトコルスタックを示し、図2(a)はL2中継のプロトコルストックを示す。
図2(b)】図2は、特定のUE-ネットワーク間の中継シナリオのプロトコルスタックを示し、図2(b)はL3中継のプロトコルスタックを示す。
図3(a)】図3は、ワイヤレス通信システム又はネットワークの無線アクセスネットワークとコアネットワークとの間に実装される従来のQNCメカニズムを示し、図3(a)はQNCメカニズムの初期化を示す。
図3(b)】図3は、ワイヤレス通信システム又はネットワークの無線アクセスネットワークとコアネットワークとの間に実装される従来のQNCメカニズムを示し、図3(b)はセッション中のQNCメカニズムの動作を示す。
図3(c)】図3は、ワイヤレス通信システム又はネットワークの無線アクセスネットワークとコアネットワークとの間に実装される従来のQNCメカニズムを示し、図3(c)は図3(b)のセッション中の通信用メッセージを示す。
図4(a)】図4(a)は、図4(a)に示すような中継による通常又はいつものBSRを示す。
図4(b)】図4(b)は、図4(b)に示すような早期BSRの概念を示す。
図5(a)】図5(a)は、1つ以上のリモートUEへのダウンリンク(DL)送信の送信シナリオを示す。
図5(b)】図5(b)は、ネットワークへのアップリンク(UL)送信のための送信シナリオを示す。
図6図6は、本発明の実施形態を実装するための、基地局等の送信機、ユーザデバイス(UE)等の1つ以上の受信機、及び1つ以上の中継UEを含むワイヤレス通信システムの概略図である。
図7(a)】図7(a)は、本発明の第1の態様の実施形態に係る中継UEを示す。
図7(b)】図7(b)は、本発明の第1の態様の実施形態に係るgNBを示す。
図8図8は、サイドリンク上で測定された1つ以上のQoSパラメータが関連付けられた参照パラメータをもはや満足しない場合の、本発明の実施形態に係るQoS_FRトリガー信号のフローを示す。
図9図9は、本発明の実施形態に係るQoS_FRのトリガーを示すフロー図である。
図10図10は、RANからの要求に基づくQoS_MRのシグナリングを示す。
図11図11は、図8と同様に、計算されたパラメータが参照パラメータを超えることに応答するQoS_MRのトリガーを示す。
図12図12は、本発明の実施形態に係るQoS_MRをトリガーするためのフロー図を示す。
図13(a)】図13(a)は、図13(a)に例示されるように、複数の送信先IDに対する測定又は障害レポートを含むMAC制御要素の実施形態を示す。
図13(b)】図13(b)は、図13(b)に例示されるように、集約された測定及び/又は障害レポートを含むMAC制御要素の実施形態を示す。
図13(c)】図13(c)は、図13(c)に例示されるように、それらの組み合わせを含むMAC制御要素の実施形態を示す。
図14(a)】図14(a)は、本発明の第2の態様の実施形態に係るQoSマネージャを示し、このQoSマネージャは、事前定義済みの又は交渉済みのQoSのためのQoSパラメータのうちの1つ以上のパラメータの許容値を中継UEに提供する。
図14(b)】図14(b)は、本発明の第2の態様の実施形態に係るQoSマネージャを示し、このQoSマネージャは、事前定義済みの又は交渉済みのQoSのためのQoSパラメータのうちの1つ以上のパラメータの許容値を中継UEに提供する。
図15図15は、QoSマネージャによって送信先におけるQoSパラメータの許容値の集中計算を実装する実施形態を示す。
図16(a)】図16(a)は、図16(a)を参照するシングルホップ マルチホップ UE間中継を実装するワイヤレス通信ネットワークを示す。
図16(b)】図16(b)は、図16(b)を参照するマルチホップ UE間中継を実装するワイヤレス通信ネットワークを示す。
図17図17は、中継UEによる中継QoSパケット処理情報(RPPQI)を採用する本発明の第2の態様の実施形態を示す。
図18図18は、本発明の第4の態様の実施形態に係る早期BSR補償メカニズムのフロー図を示す。
図19図19は、送信エンティティと受信エンティティとの間の通信にN個の中継を使用する本発明の実施形態を示す。
図20図20は、送信エンティティと受信エンティティとの間のエンドツーエンド通信のためにN=2個の中継層を採用する本発明の実施形態を示す。
図21図21は、本発明のアプローチに従って説明された方法のステップと同様にユニット又はモジュールが実行されるコンピュータシステムの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
同一又は類似の要素に同一の参照符号が付与されている添付図面を参照して、本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【0013】
図1を参照して上述したようなワイヤレス通信システム又はネットワークにおいて、基地局のセルの無線カバレッジの端部で遭遇することがあるような、データレートの低下、弱い信号、及び高い干渉等の性能問題を解決するために、中継デバイス又は中継ノードが採用されることがある。中継ノードは、受信した信号又は伝送を単に繰り返して転送することができる。他の例では、中継ノードは、受信した信号又は伝送からデータを抽出し、ノイズ補正を適用し、それ自身で新しい信号又は新しい伝送を送信することができる。また、信号を繰り返すだけでなく、信号の品質を向上させることもできる。
【0014】
例えば、3GPPで定義されている近接型サービス(ProSe)の中継機能を考慮する場合、リモートユーザデバイス(UE)とも呼ばれるユーザデバイスは、カバレッジ外(OOC)、すなわち、図1のRANのような任意のアクセスネットワークのカバレッジの外にあり、いわゆる中継エンティティ(中継UE又は中継ノードとも呼ばれる)であり、アクセスネットワークのカバレッジ内にある、他のUEのサービスを要求して、中継UEが接続するアクセスネットワークのサービスを取得することができる。リモートUEと中継UEとの間の接続は、例えばPC5サイドリンクリソースを使用したサイドリンク接続によるものであってもよい。リモートUEは、必ずしもカバレッジ外である必要はなく、例えば、基地局等のアクセスネットワークのアクセスポイントのセルの無線カバレッジの端部で遭遇する可能性のある性能劣化を回避するために、カバレッジ内にあるときにも中継UEのサービスを利用することができる。また、リモートUEは、2つ以上の中継UEを介してアクセスネットワークに接続してもよく、マルチホップシナリオとも呼ばれ、リモートUEをその送信先に接続するためにチェーンから複数の中継UEを使用するもので、他のユーザデバイス又はネットワークエンティティ(例えば基地局又はgNB等のRANエンティティ)であってもよい。マルチホップシナリオでは、リモートUEをアクセスネットワークに接続する際に、アクセスネットワークに直ちに接続する中継UEのみが、アクセスネットワークのアクセスポイントのカバレッジ内にある必要がある。
【0015】
3GPPでは、中継機能として、いわゆるレイヤ2(L2)中継と、レイヤ3(L3)中継の2つの解決策を提供している。図2は、それぞれのプロトコルスタックを示し、図2(a)は、L2中継のプロトコルストックを示し、図2(b)はL3中継のプロトコルスタックを示す図である。図2では、UE-ネットワーク間のシナリオが図示されており、送信先はネットワークエンティティである。図示されているように、リモートUEはPC5インターフェースを介してL2又はL3中継に接続され、順番に、Uuインターフェースを介してネットワーク、例えば無線アクセスネットワークに接続される。無線アクセスネットワークは、順に、N3ネットワークを介してコアネットワークに接続される。L2中継では、図2(a)を参照すると、リモートUEの上位層が無線アクセスネットワーク(RAN)及びコアネットワーク(CN)で終わり、それによって、システムのエンドツーエンド管理のための構造が提供される。L3中継では、図2(b)を参照すると、リモートUEの全ての層が各ホップで、中継UEで終わり、それによって、システムのホップバイホップ管理(hop-by-hop management)のための構造を提供する。
【0016】
図2を参照して上述したシナリオのいずれにおいても、シングルホップ中継シナリオ又はマルチホップ中継シナリオのいずれにおいても、リモートUEに対するサービス品質(QoS)を管理又は維持する必要がある。接続設定中に実行されるQoSネゴシエーションの態様の他に、QoS管理及び/又は維持(QoS-MM)は、接続がアクティブである間に実行されるという問題がある。本願は、シングルホップ中継シナリオ又はマルチホップ中継シナリオにおけるQoS-MMの態様を取り扱う。非中継シナリオでは、ネットワークエンティティ及び/又はUE内の特定の時間にQoSパラメータが満たされない場合、QoS-MM手順は、QoS再ネゴシエーションを含み、中継再選択又は他のアクセスネットワークへの変更をトリガーすることができる。例えば、QoS-MMは、例えば3GPP TS 23.501又は3GPP TS 23.502で規定されている保証ビットレート(GBR)フローのQoS通知制御(QNC)メカニズムを含んでもよい。
【0017】
図3は、ワイヤレス通信システム又はネットワークの無線アクセスネットワークとコアネットワークとの間に実施される従来のQNCメカニズムを示す。図3(a)はQNCメカニズムの初期化を示し、図3(b)はセッション中のQNCメカニズムの動作を示し、図3(c)は図3(b)のセッション中の通信のためのメッセージを示す。図3(a)に示すように、QNCメカニズムは、無線アクセスネットワーク(RAN)とコアネットワークとの間で実施される。セッションの確立中に、セッション管理機能(SMF)は、例えばポリシー制御及び課金制御(PCC)ルールの一部として、リモートUEと送信先との間の通信に満たすべきQoSを定義するために、ポリシー制御機能(PCF)と相互作用する。これらのルールに基づき、SMFは、セッションについて満たすべきQoS要件を定義するQoSプロファイルを決定する。QoSプロファイルはRANにシグナリングされ、通知制御はQoSプロファイルの一部としてRANにシグナリングされてもよい。
【0018】
初期化されると、図3(b)に示すように、セッション中は、QNCメカニズムがアクティブとなり、RANは、QoSプロファイルが提供するパラメータの1つである保証フロービットレート(GFBR)を監視し、RANによってGFBRが保証されなくなる又は再び保証された場合、SMFに通知を送信してもよい。SMFは、PCFが通知に同意する場合、その通知をPCFに転送してもよい。
【0019】
図3(c)に示すように、RANからSMFへのシグナリングは、PDUセッションID及びN2セッション管理(SM)情報を含むN2インターフェースのメッセージを使用して、アクセス及び移動機能(AMF)を介してもよい。AMFは、SMFに情報を伝達し、SMFは、PCFがそれに同意している場合、順番にPCFに通知を転送する。PDUセッションの各QoSフローのQNCは、SMF内のSMコンテキストに保持されてもよい。QNCは、QoSフローの継続中に、QoSフローに対してGFBRが保証されなくなったとき又は再び保証されるときに、RANから通知を要求するか否かを示す。通知制御がGBR QoSフローに設定されている場合、アクセスノードがQoSフローのQoSターゲットが満たされなくなった又は再び満たされたと判断した場合、RAN等のアクセスノードがSMFにN2メッセージを送信する。UEはUuインターフェースを介してネットワークに直接接続されており、SMFは、GBR又は非GBR等のUEの交渉済みのQoS要件に基づいて、RANに以下のパラメータの組み合わせを提供することができる。
●保証フロービットレート(GFBR)、
●最大フロービットレート(MFBR)
●最大パケットロス、
●パケット遅延バジェット(PDP)、
●パケットエラー率(PER)、
●UE及び/又はセッションごとの合計最大ビットレート(AMBR)。
【0020】
通知が有効な場合、すなわち、アプリケーションサーバが通知制御を受け入れている場合、RANはQoS-MMの様々なパラメータを測定し、必要に応じて通知をトリガーする。これらのパラメータの計算は、UEとRANとの間のUuインターフェースのみに依存する。
【0021】
他のQoS-MMの従来の概念は、いわゆるリフレクティブQoS(reflective QoS)(R-QoS)であり、これはコアネットワークによってRANにシグナリングされ、QoS非GBRフローで伝達される一部のトラフィックがリフレクティブQoSの対象であることを示す。RANは、リフレクティブマッピングを使用して、アップリンク上のUEがQoS非GBRフローとデータ無線ベアラとの間でQoSマッピングを実行するのを支援する。リフレクティブQoSが所与のQoSフローに設定され、特定のパケットに対してアクティブ化される場合、リフレクティブQoSは、特定のベアラ内でダウンリンクのセッション情報の一部として送信される情報を利用し、それによって、シグナリングのオーバーヘッドを低減する。UEは、追加の制御情報を受信する必要なく、アップリンク上で同じQoSマッピングを使用することができ、それによって、使用するデータベアラのマッピングルールに対する特定のQoSフローをUEに提供する明示的なシグナリングを使用するときに必要とされるシグナリングを回避することができる。
【0022】
さらに別のQoS-MMの従来の概念は、いわゆる早期バッファステータスレポート(早期BSR)である。図4は、図4(a)に示されるような通常のBSRと、図4(b)に示されるような早期BSRの概念とを示す。通常のBSRでは、リモートUE等の送信元は、パケット1ないし4を中継器に送信することができ、中継器で伝送1ないし4が受信されると、伝送1ないし4を送信するためのリソースを要求するために、BSRを送信先に送信する。早期バッファステータスレポートの概念を実施する場合、中継器は、既に受信した伝送3及び4に加え、追加の伝送1及び2が送信元によって送信されようとしていることを認識しており、この知識に基づいて、中継器は、伝送3及び4を送信するためのリソースだけでなく、予想される伝送1及び2を送信するためのリソースも要求する早期BSRをトリガーする。従来、統合アクセスバックホール(IAB)の文脈では、次のホップから又は基地局等の送信先から中継ノードのためのリソースを要求するときに待ち時間を減らすために、早期BSRレポートが標準化されており、データが送信元から中継ノードに到着する前でさえ、送信元から受信すると中継器が仮定するデータの予想量に基づいて早期BSRがトリガーされる。
【0023】
しかしながら、上述の従来のアプローチは、Uuインターフェースによる伝送のみに基づいてQoSの問題を解決する。中継UEがアクセスネットワークに接続され、1つ以上のリモートUEに中継機能を提供する中継シナリオを考慮する場合、リモートUE固有のQoS処理又はQoS-MMに対する解決策はない。アクセスネットワークと中継UEとの間のリンクは、それぞれのリモートUEと送信先との接続に使用される単一のリンクであり、累積リンク(cumulative link)とも呼ばれる。図5は、図5(a)に図示されるように、1つ以上のリモートUEへのダウンリンク(DL)送信、又は図5(b)に図示されるように、ネットワークへのアップリンク(UL)送信のための送信シナリオを示す。図5は、N1及びN3インターフェースを介して、AMF、SMF及びユーザープレーン機能(UPF)を含むコアネットワークに接続されるアクセスネットワーク(RAN)を示す。中継UEは、Uuインターフェースを介してRANに接続され、示されたシナリオでは、ネットワークへの3つのリモートUEの接続性を提供し、各リモートUEは、PC5リンク等の個々のリンク又はサイドリンクを介して中継UEに接続される。リモートUEの各々は、異なる可能性のあるそれぞれのQoSフローに関連付けられたコアネットワークとの1つ以上のセッションを実装している。したがって、図5(a)に示されるように、ネットワークからそれぞれのリモートUEに送信する場合、ネットワークと中継UEとの間のリンクは累積リンクであり、同様に、リモートUEからネットワークに向かって送信する場合、再び、中継UEからネットワークへの接続は累積リンクであり、すなわち、リンクはいかなるUEレベルの精度も欠いており、中継UEを介してリモートUEとネットワークとの間の接続についてのUEレベルの精度においてQoS-MMの提供は容易でない。
【0024】
参考文献[1]、SA WG2 Meeting #139E, S2-2003786, Elbonia, 01 - 12 June 2020, “KI#3, New Sol: QoS handling for Remote UE ”では、PC5サイドリンクの劣化につ
いてSMFに直接通知するためにリモートUEレポートメッセージをSMFに送信し、中継器とコアネットワークとの間のUuインターフェース上の劣化をSMFに通知するためにRANからQNC通知を送信することが説明されている。しかしながら、このアプローチでは、中継器とコアネットワーク(CN)との間で新たなダイレクト通信が必要となる。
【0025】
参考文献[2], SA WG2 Meeting #139E (e-meeting), S2-2004289, Elbonia, June 1-12, 2020,“KI#3, New solution to support end-to-end QoS for Layer-3 UE-to-Net
work Relay”では、2つの無線リンク、すなわち、Uu及びPC5を含むリモートUEか
らコアネットワークへのエンドツーエンド接続が説明されている。特定のサービスのパケット遅延バジェット(PDB)を満たすために、NG-RANが利用するPDBは、PC5リンクのためのいくつかのバジェットを与えるために削減される。言い換えると、PC5リンクとUuリンクとを考慮する場合、全体的なPDBを達成するために、UuリンクのPDBを減らし、PC5リンクのPDBを優先させる。このように、UuリンクのQoSプロファイルを設定する際にPC5リンクの必要性を考慮するように、2つのリンクのそれぞれのQoSプロファイルが定義される。
【0026】
本発明は、上記問題を解決するものである。本発明の実施形態はQoS-MMメカニズムを実施し、シングルホップ中継シナリオ又はマルチホップ中継シナリオにおいてもQoS-MMを可能にする。
【0027】
第1の態様
本発明の第1の態様は、参考文献[1]以外に、中継エンティティとCNとの間の新たなダイレクト通信を実施する必要性を回避する、シングルホップ中継シナリオ又はマルチホップ中継シナリオのためのQoS-MMメカニズムをサポートする。むしろ、実施形態によれば、サイドリンクによってQoSが満たされていないことを示すQNC通知をRANでトリガーするために、リモートUEレポート等のQoS状態が中継器からRANに送信される。また、必要に応じて、Uuインターフェースの状態に関する情報が、QNC通知を使用して送信されてもよい。
【0028】
第2の態様
本発明の第2の態様は、参考文献[2]の概念をさらに改善する。リンクのためのそれぞれのQoSプロファイルに固執するのではなく、QoS支援情報(QoS_AI)とも呼ばれる追加情報としてシグナリングされ得る、QoSパラメータの許容値が導入される。リンクのQoSプロファイルが存在すると、リンク上で測定が実行され、実際に達成可能なQoSパラメータの値を決定又は計算する。あるリンクでは、1つ以上のパラメータの値がQoSに実際に必要な値を上回っている場合があり、その残余又は余剰が1つ以上のサイドリンク上のパラメータの許容値としてシグナリングされる。リモートUEと送信先との間の接続の全体的なQoSを達成しつつ、許容値は、サイドリンクが特定のパラメータを許容値だけ超えることを可能にするために使用される場合がある。
【0029】
第3の態様
本発明の第3の態様は、中継においてリフレクティブQoSの概念を実施する。
【0030】
第4の態様
本発明の第4の態様は、中継エンティティにおいて早期BSRを実施する。
【0031】
本発明の実施形態は、モバイル端末又はIoTデバイス等の基地局及びユーザを含む、図1に示すようなワイヤレス通信システムにおいて実施され得る。図6は、本発明の実施形態を実施するための、基地局又はgNB等の送信機300と、1つ以上のユーザデバイス(UE)302、304と、中継UE等の1つ以上の中継エンティティ306、308、310とを含むワイヤレス通信システムの概略図である。送信機300及び受信機302、304は、それぞれの無線リンクのようなそれぞれのワイヤレス通信リンク又はチャネル310a、310b、312a、312b、314a、314bを使用して、それぞれの中継エンティティ306、308、310を介して通信することができる。送信機300は、互いに結合された、1つ以上のアンテナANTT又は複数のアンテナ素子を有するアンテナアレイと、信号プロセッサ300aと、トランシーバー300bとを含んでもよい。受信機302、304は、互いに結合された、1つ以上のアンテナANTUE又は複数のアンテナを有するアンテナアレイと、信号プロセッサ302a、304aと、トランシーバー302b、304bとを含む。中継エンティティ306、308、310の各々は、互いに結合された、1つ以上のアンテナANT又は複数のアンテナを有するアンテナアレイと、信号プロセッサと、トランシーバーTとを含む。基地局300とUE302とは、基地局300と中継エンティティ310との間で、Uuインターフェース又は他の3GPP又は非3GPPインターフェースを使用する、無線リンクのようなワイヤレス通信リンク314bを使用し、UE302と中継エンティティ310との間で、PC5/サイドリンク(SL)インターフェースを使用する、無線リンクのようなワイヤレス通信リンク314aを使用して中継エンティティ310を介して通信することができる。同様に、基地局300とUE304とは、基地局300と中継エンティティ308との間で、Uuインターフェースを使用する、無線リンクのようなワイヤレス通信リンク312bを使用し、UE304と中継エンティティ308との間で、SLインターフェースを使用する、無線リンクのようなワイヤレス通信リンク312aを使用して、中継エンティティ308を介して通信することができる。UE302、304は、UE302と中継エンティティ306との間で、SLインターフェースを使用する、無線リンクのようなワイヤレス通信リンク310aを使用し、UE304と中継エンティティ310との間で、SLインターフェースを使用する、無線リンクのようなワイヤレス通信リンク310bを使用して、中継エンティティ306を介して互いに通信することができる。図6に示されるような、システム又はネットワーク、1つ以上のUE302、304、1つ以上の中継エンティティ306ないし310及び/又は基地局300のうちの任意の1つは、本明細書に記載される独創的な教示に従って動作することができる。以下の説明では、中継エンティティは中継UEと呼ばれる。
【0032】
サイドリンクのQoS状態を提供する中継UE
本発明は、ワイヤレス通信ネットワークのためのユーザデバイス(UE)を提供し、
前記UEは、中継エンティティとして動作して、1つ以上のリモートUEと前記ワイヤレス通信ネットワークの送信先との間の接続をサポートする機能を提供するようになっており、前記リモートUEと前記送信先との間の接続は1つ以上のサイドリンクを含み、それぞれのサイドリンクは事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)に関連付けられ、
前記UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上とサイドリンクを介して接続され、
前記UEは前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関して前記サイドリンクの状態を決定するようになっており、
前記UEは基地局等前記ワイヤレス通信ネットワークのネットワークエンティティに前記サイドリンクの前記状態を送信するようになっている。
【0033】
実施形態によれば、前記UEは、
●第1のサイドリンクによって前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE及び/又は1つ以上の別の中継UEに、そして前記送信先が別のUEの場合は第2のサイドリンクによって前記送信先に接続される、又は、
●第1のサイドリンクによって前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE及び/又は1つ以上の別の中継UEに、かつ第2のサイドリンクによって1つ以上の別の中継UEに接続される、又は、
●サイドリンクによって前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE及び/又は1つ以上の別の中継UEに、かつネットワークリンクによって前記送信先に接続される。
【0034】
実施形態によれば、前記サイドリンクは、PC5接続等の3GPPアクセスリンク、又はブルートゥース(登録商標)若しくはWifi接続等の非3GPPアクセスリンクを含む。
【0035】
実施形態によれば、
前記UEが例えばUuインターフェースによって基地局等の前記ネットワークエンティティに接続される場合、前記UEは前記サイドリンクの前記状態を前記ネットワークエンティティに送信するようになっており、又は、
前記UEが基地局等のネットワークエンティティに接続されない場合、前記UEは前記状態を前記ネットワークエンティティに対し、前記ネットワークエンティティに接続された別の中継UEを介して送信し、前記UEは前記別の中継UEに直接又は1つ以上の他の中継UEを介して接続されるようになっている。
【0036】
実施形態によれば、前記UEは、前記リモートUEと前記送信先との間の事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)を、前記UEを介して提供するための前記サイドリンクのQoSプロファイルを備えるように構成され、前記QoSプロファイルは、前記UEが前記サイドリンクの前記状態を決定してシグナリングすることができるようにする又はアクティブ化する。
【0037】
実施形態によれば、前記サイドリンクの前記状態を決定するために、前記UEは前記サイドリンク上で事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられた1つ以上のQoSパラメータを測定するようになっている。
【0038】
実施形態によれば、前記UEは、無線リソース制御(RRC)シグナリングを使用して、又はメディアアクセス制御(MAC)制御要素(CE)を使用して、前記状態をシグナリングするようになっている。
【0039】
実施形態によれば、前記状態は、
●例えばQoS障害レポート(QoS_FR)を送信することによって、前記サイドリンクが前記サイドリンク上の前記事前定義済み又は交渉済みのQoS及び/又は前記リモートUEと前記送信先との間の前記事前定義済み又は交渉済みのQoSをもはや満たさないこと又は再び満たしていることを示す、又は、
●例えばQoS測定レポート(QoS_MR)を送信することによって、前記サイドリンク上の前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられた前記1つ以上のQoSパラメータの測定結果を示す、又は、
●例えばQoS更新レポート(QoS_UP)を送信することによって、前記サイドリンクが前記事前定義済み又は交渉済みのQoSよりも高いQoSをサポートすることができることを示す。
【0040】
実施形態によれば、前記UEが複数のリモートUEの中継エンティティとして動作する場合、前記QoS_FRは、前記リモートUEを前記UEに接続する前記サイドリンクのうち、前記事前定義済み又は交渉済みのQoSを満たさない又は満足しないものはどれかを示す。
【0041】
実施形態によれば、前記UEは、前記サイドリンク上の1つ以上の事前定義済みパラメータを使用してQoS障害を予測し、QoS障害の予測に応答して早期QoS_FRを送信するようになっており、ここで前記1つ以上の事前定義済みパラメータは、
●事前定義済みの時間ウインドウにわたって測定された基準信号受信電力(RSRP)、
●前記事前定義済みの時間ウインドウにわたって取得されたチャネル状態情報(CSI)、
●ビーム測定及び/又はビーム障害、
●前記事前定義済みの時間ウインドウにわたるハイブリッド応答要求(HARQ)フィードバック、例えば、所定の数又は所定の比率の前記事前定義済みの時間ウインドウの間の否定応答(NACK)、
●前記UEにおける前記送信電力の制限、
●前記UEにおける前記バッテリ電力の制限、
●前記UEにおける前記計算能力の制限、
●例えば、チャネルビジー率(CBR)又はチャネル占有率(CR)によって示される、前記サイドリンク等前記リモートUEへの前記リンクの輻輳、
●前記事前定義済みの時間ウインドウにわたるビットエラー率(BER)、パケットエラー率(PER)、パケットロス又はパケット遅延のうちの1つ以上、
のうちの1つ以上を含む。
【0042】
実施形態によれば、前記サイドリンクの前記QoS_FRを送信する前に、前記UEは他のリソースを使用して前記サイドリンク上での伝送を試みるようになっており、前記他のリソースを使用する前記伝送が前記事前定義済み又は交渉済みのQoSを満たす場合、前記UEは前記QoS_FRを送信しないようになっている。
【0043】
実施形態によれば、前記UEは、前記QoS_MRを
●定期的に、及び/又は、
●要求に応答して、及び/又は、
●障害に応答して、及び/又は、
●1つ以上のイベントに応答して、
送信するようになっている。
【0044】
実施形態によれば、前記1つ以上のイベントは、
●前記QoS_MRが、以前のQoS_MRと比較して1つ以上の測定項目に関して著しく変化する場合、例えば、前記QoS_MRの1つ以上の測定項目の変化が設定済み又は事前設定済みの閾値より高い場合、
●前記サイドリンクの前記QoSパラメータのうちの1つ以上のパラメータが、設定済み又は事前設定済みの閾値に到達した場合、
●無線リンク障害、ビーム回復手順若しくはビーム障害、同期障害又は高干渉状態のうちの1つ以上の場合、
●前記サイドリンクの前記QoSパラメータのうちの1つ以上のパラメータが、設定されたQoSパラメータと、設定済み又は事前設定済みの閾値以上に異なっている場合、
●前記サイドリンクのHARQの失敗又は再送信の回数を示す設定済み又は事前設定済みのカウンタに到達した場合、
のうちの1つ以上を含むことがある。
【0045】
実施形態によれば、前記UEは、
●前記測定されたQoSパラメータが改善されたことにより、前記事前定義済み又は交渉済みのQoSよりも高いQoSが満たされるようになったこと、又は、
●QoS_FRが事前に送信され、前記測定されたQoSパラメータが改善されたことにより、前記事前定義済み又は交渉済みのQoSが再び満たされるようになったこと、又は、
●QoS_FRを送信した後、設定済み又は事前設定済みの時間ウインドウが終了したこと、又は、
●クエリ、
に応答して前記QoS_UPを送信するようになっている。
【0046】
リフレクティブQoSを使用する中継UE
本発明は、ワイヤレス通信ネットワークのユーザデバイス(UE)を提供し、
前記UEは、中継エンティティとして動作して、1つ以上のリモートUEと前記ワイヤレス通信ネットワークの送信先との間の接続をサポートする機能を提供するようになっており、前記リモートUEと前記送信先との間の接続は1つ以上のサイドリンクを含み、各サイドリンクは事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)と関連付けられ、また、
前記UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、
前記送信先又は前記リモートUE又は別の中継エンティティから、リフレクティブサービス品質(QoS)インジケータ(RQI)及び/又は中継QoSパケット処理情報(RPPQI)に関連付けられたパケット等の第1の伝送を受信すると、前記UEは、前記第1の伝送に関連付けられた前記QoSに従って前記送信先、前記リモートUE又は前記別の中継器に第2の伝送を処理するようになっている。
【0047】
実施形態によれば、前記UEは、前記第1の伝送のために提供された前記RQI又は前記RPPQIに基づくデータ無線ベアラ(DRB)マッピングへのQoSフローを前記第2の伝送に適用するようになっている。
【0048】
実施形態によれば、前記RPPQIは、
●前記UEから前記送信先又は前記リモートUE又は前記他の中継エンティティへの通信について、前記伝送をどのように扱うかの指示、
●前記UEと前記送信先又は前記リモートUE又は前記他の中継エンティティとの間の前記通信についてのスケジューリング要件に関する情報、
●前記UEと前記送信先又は前記リモートUE又は前記他の中継エンティティとの間の前記通信についてのDRBマッピング要件に関する情報、
のうちの1つ以上を含む。
【0049】
実施形態によれば、前記UEは、前記送信先又は前記リモートUE又は他の中継エンティティから、RPPQI等の前記UEから前記送信先又は前記他の中継エンティティへの応答を送信するためのスケジューリング情報を前記リモートUEに中継する伝送とともに受信するようになっている。
【0050】
実施形態によれば、前記スケジューリング情報は、
●前記UEから前記送信先又は前記リモートUE又は前記他の中継エンティティへの前記通信のための専用のリソースのセット、
●前記UEから前記送信先又は前記他の中継エンティティへの前記通信のための半静的又は半永久的なリソースのセット、
のうちの1つ以上を含む。
【0051】
早期BSRを使用する中継UE
本発明は、ワイヤレス通信ネットワークのユーザデバイス(UE)を提供し、
前記UEは、中継エンティティとして動作して、1つ以上のリモートUEと前記ワイヤレス通信ネットワークの送信先との間の接続をサポートする機能を提供するようになっており、前記UEを介する前記リモートUEと前記送信先との間の接続は事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)と関連付けられ、また、
前記UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、
1つ以上の基準に応答して、前記UEは早期バッファステータスレポート(BSR)をトリガーすることになっている。
【0052】
実施形態によれば、前記1つ以上の基準は、
●受信するデータ又は送信するデータについての前記UEのキューイング能力又は容量、
●前記リモートUEと前記送信先との間の前記事前定義済み又は交渉済みのQoSがもはや満たすことができないと前記UEが予測すること、
●前記UEが前記1つ以上のリモートUEからBSRレポートを受信すること、
●リモートUEが要求する前記QoSの変更、
●HARQフィードバック応答としての事前定義済みの数の連続したNACK、
●前記事前設定済み又は設定済みの時間ウインドウ内におけるHARQ NACKの事前設定済み又は設定済みの比率、
のうちの1つ以上を含む。
【0053】
実施形態によれば、前記リモートUEと前記送信先との間の前記QoSを予測するために、前記UEは前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられた1つ以上のQoSパラメータを前記サイドリンク上で測定するようになっている。
【0054】
実施形態によれば、前記UEは、リモートUEとのパケットデータユニット(PDU)セッションの期間中、早期バッファステータスレポート(BSR)をトリガーするようになっている。
【0055】
実施形態によれば、前記UEは、例えば、前記ワイヤレス通信ネットワークのQoSマネージャからのQoS支援情報(QoS_AI)を使用するようになっており、前記QoS_AIは、前記サイドリンク上の前記1つ以上のQoSパラメータに対する許容値を含む。
【0056】
実施形態によれば、前記UEは、前記QoSマネージャを含む、又は前記ワイヤレス通信ネットワークの前記リモートUE若しくは前記別の中継UE若しくは前記送信先若しくはネットワークエンティティに位置する前記QoSマネージャに接続される。
【0057】
実施形態によれば、前記許容値は、前記リモートUEと前記送信先との間のホップ数に基づいて、及び/又は前記リモートUEと前記送信先との間の前記リンクのうちの1つ以上のリンク若しくはすべてのリンクにおける前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられたQoSパラメータの測定値を使用して、前記QoSマネージャによって決定される。
【0058】
実施形態によれば、
●前記QoSマネージャが、前記ワイヤレス通信ネットワークのネットワークエンティティに位置する場合、及び、
●前記1つ以上のリモートUEと前記送信先との間の前記接続が前記UEを含み、1つ以上の別のUEが中継エンティティとして動作する場合に、
前記UEはアンカー中継UEとして動作するようになっており、前記アンカー中継UEは、前記QoSマネージャと通信する中継器として動作する唯一のUEである。
【0059】
実施形態によれば、前記UEは、前記リモートUE又は前記送信先又は前記ネットワークエンティティから、前記UEに前記アンカー中継UEとして動作するよう通知するシグナリングを受信するようになっている。
【0060】
実施形態によれば、前記許容値は、
●複数の前記リモートUEの一部又はすべてと前記UEとの間の前記1つ以上のサイドリンクに対する合計許容値、又は、
●特定のリモートUEと前記UEとの間の前記サイドリンクに対する1つ以上のリモートUE固有の許容値、
を含む。
【0061】
実施形態によれば、
前記合計許容値は非GBRトラフィックに関連付けられるようになっており、前記UE固有の許容値はGBRトラフィックに関連付けられるようになっており、また、
前記中継UEは、前記QoSパラメータのうちの1つ以上が満たされない場合、非GBRトラフィックに参加している又は非GBRトラフィックを処理する任意のリモートUE又は任意の別の中継UEにシグナリングすることにより、負荷分散の再選択をトリガーするようになっている。
【0062】
実施形態によれば、前記負荷分散の再選択は、
●RRCメッセージ、
●RLCメッセージ、
●MAC CE、
●例えばPSFCH又はPSCCH等の物理層フィードバック又は制御チャネル上の、物理層信号、
●例えばアプリケーション層等、上位層の信号、
のうちの1つ以上としてシグナリングされる。
【0063】
実施形態によれば、前記送信先は、前記ワイヤレス通信ネットワークの他のUE又は前記ワイヤレス通信ネットワークの前記コアネットワークのエンティティ又は前記ワイヤレス通信ネットワークの前記アクセスネットワークのエンティティを含む。
【0064】
実施形態によれば、前記ユーザデバイスは、モバイル端末、又は静止端末、又はセルラーIoT-UE、又は車両UE、又はリーダー(GL)UE、又はIoT若しくはナローバンドIoT(NB-IoT)デバイス、又はスマートウォッチ等のウェアラブルデバイス、又はフィットネストラッカー、又はスマートグラス、又は地上車両、又は空中車両、又はドローン、又は移動基地局、又は路側ユニット(RSU)、又は建物、又はセンサー若しくはアクチュエータ等、前記ワイヤレス通信ネットワークを使用して通信することを可能にするネットワーク接続性を備える任意の他のアイテム若しくはデバイス、又はセンサー若しくはアクチュエータ等、前記ワイヤレス通信ネットワークのサイドリンクを使用して通信することを可能にするネットワーク接続性を備える任意の他のアイテム若しくはデバイス、又は任意のサイドリンク可能なネットワークエンティティを含む。
【0065】
サイドリンクのQoS状態を受信する基地局
本発明は、ワイヤレス通信ネットワークのための基地局等のネットワークエンティティを提供し、
前記ネットワークエンティティは、1つ以上の中継エンティティと通信するようになっており、前記中継エンティティは、1つ以上のリモートUEと前記ワイヤレス通信ネットワークの送信先との間の接続をサポートする機能を提供し、前記リモートUEと前記送信先との間の接続は1つ以上のサイドリンクを含み、各サイドリンクは、事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)と関連付けられ、前記中継UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、
前記ネットワークエンティティは、前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関する前記サイドリンクの状態を前記中継エンティティから受信するようになっている。
【0066】
実施形態によれば、前記サイドリンクは、PC5接続等の3GPPアクセスリンク、又はブルートゥース(登録商標)若しくはWiFi接続等の非3GPPアクセスリンクを含む。
【0067】
実施形態によれば、前記状態は、
●前記サイドリンクが前記サイドリンク上の前記事前定義済み又は交渉済みのQoS及び/又は前記リモートUEと前記送信先との間の前記事前定義済み又は交渉済みのQoSをもはや満たしていないこと又は再び満たしていることを例えばQoS障害レポート(QoS_FR)の形式で示す、又は、
●前記サイドリンク上の前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられた1つ以上のQoSパラメータの測定結果を例えばQoS測定レポート(QoS_MR)の形式で示す、又は、
●前記サイドリンクが事前定義済み又は交渉済みのQoSよりも高いQoSをサポートすることができることを例えばQoS更新レポート(QoS_UP)の形式で示す。
【0068】
実施形態によれば、前記状態を受信すると、前記ネットワークエンティティは、
●QoS通知を生成して、前記ワイヤレス通信ネットワークのコアネットワークエンティティに送信するようになっている、又は、
●1つ以上の他の中継エンティティが前記ネットワークエンティティに接続されている場合、例えば中継再選択プロセスをトリガーすることによって、前記リモートUEへの前記接続を修正するようになっている。
【0069】
実施形態によれば、前記サイドリンク上の前記QoSが事前定義済みの閾値を下回ると、前記ネットワークエンティティは、それに応答して前記リモートUEへの前記接続を修正するようになっている、又は中継再選択プロセスをトリガーするようになっている。
【0070】
実施形態によれば、マクロセル基地局、又はスモールセル基地局、又は基地局の中央ユニット、又は基地局の分散ユニット、IABノード、又は路側ユニット(RSU)、又はAMF、又はMME、又はSMF、又はコアネットワークエンティティ、又はモバイルエッジコンピューティング(MEC)エンティティ、又はNR若しくは5Gコアコンテキストにおけるようなネットワークスライス、又はアイテム若しくはデバイスが前記ワイヤレス通信ネットワークを使用して通信することを可能にする任意の送信/受信ポイント(TRP)であって、前記アイテム又はデバイスは前記ワイヤレス通信ネットワークを使用して通信するためのネットワーク接続性が設けられている、任意の送信/受信ポイント(TRP)、のうちの1つ以上を含む。
【0071】
QoSマネージャ
本発明は、ワイヤレス通信ネットワークのための装置を提供し、前記ワイヤレス通信ネットワークは、1つ以上のリモートUEと送信先との間の接続をサポートする機能を提供する1つ以上の中継エンティティを含み、前記リモートUEと前記送信先との間の接続は1つ以上のサイドリンクを備え、各サイドリンクは事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)に関連付けられ、前記中継UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、また、
前記リモートUEと前記送信先との間の前記リンクの1つ以上又はすべてにおける、前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられたQoSパラメータの測定を使用して、前記装置は、例えばQoS支援情報(QoS_AI)として、前記サイドリンク上の事前定義済み又は交渉済みのQoSパラメータに関連付けられた前記QoSパラメータの許容値を決定又は算出、及び/又は中継エンティティにシグナリングするようになっており、かつ、
前記装置は、前記ワイヤレス通信ネットワークの前記リモートUE、前記中継エンティティ、前記送信先、又はネットワークエンティティに配置される。
【0072】
実施形態によれば、前記装置は、前記リモートUEと前記送信先との間のホップ数及び/又は前記リモートUEと前記送信先との間の個々のリンクの測定値に基づいて、前記QoSパラメータの許容値を決定又は計算するようになっている。
【0073】
実施形態によれば、前記QoS_AIは、前記QoSパラメータ
●保証フロービットレート(GFBR)、
●最大フロービットレート(MFBR)、
●最大パケットロス、
●パケット遅延バジェット(PDB)、
●パケットエラーレート(PER)、
●リモートUE又はセッションごとの合計最大ビットレート(AMBR)、
●リモートUE又はセッションごとのキューイング負荷又は容量又は能力、
●サイドリンク輻輳、例えばチャネルビジー率(CBR)又はチャネル占有率(CR CBR又はCR)、
のうちの1つ以上に対する許容値を含む。
【0074】
実施形態によれば、前記装置は、第1のQoS_AI、例えば初期QoS_AIを送信した後前記許容値のうちの1つ以上の更新及び/又は1つ以上の追加のQoSパラメータに対する許容値を示す第2のQoS_AIを提供するようになっている。
【0075】
実施形態によれば、前記装置は、前記サイドリンク上の前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられた前記QoSパラメータのうちの1つ以上の測定結果を前記中継エンティティのうちの1つ以上から受信することに応答して、例えばQoS測定レポート(QoS_MR)を受信することによって、前記第2のQoS_AIを提供することになっている。
【0076】
実施形態によれば、前記QoS_AIは、
●複数の前記リモートUE及び/又は別の中継UEのうちの一部又は全部と前記UEとの間の前記サイドリンクに対する合計許容値、又は、
●特定のリモートUEと前記UEとの間の前記サイドリンクに対する1つ以上のリモートUE固有の又は別の中継UE固有の許容値、
を含む。
【0077】
実施形態によれば、
前記合計許容値は非GBRトラフィックに関連付けられるようになっており、前記UE固有の許容値はGBRトラフィックに関連付けられるようになっており、また、
前記QoS_AIは、1つ以上の前記QoSパラメータが満たされない場合、非GBRトラフィックに参加して又は非GBRトラフィックを処理する任意のリモートUE又は任意の別の中継UEに負荷分散再選択信号をトリガーすることを前記中継UEに許可する指示を含む。
【0078】
実施形態によれば、前記装置は、例えばRRC_再構成メッセージ又はRRCセットアップメッセージの一部として、RRCシグナリングを使用して前記QoS_AIをシグナリングするようになっている。
【0079】
ネットワーク
本発明は、ワイヤレス通信ネットワークを提供し、
1つ以上のリモートユーザデバイス(リモートUE)と、
1つ以上のリモートUEと送信先との間の接続をサポートする機能を提供する、1つ以上の、本発明のユーザデバイス、中継エンティティと、
を含む。
【0080】
実施形態によれば、1つ以上の本発明のネットワークエンティティ、及び/又は1つ以上の本発明のQoSマネージャをさらに含む。
【0081】
実施形態によれば、
●リモートUEと送信先との間の1つ以上のシングルホップ接続、及び/又は、
●リモートUEと送信先との間の1つ以上のマルチホップ接続、
を含む。
【0082】
実施形態によれば、前記送信先は、前記ワイヤレス通信ネットワークの他のUE、又は前記ワイヤレス通信ネットワークの前記コアネットワーク若しくは前記アクセスネットワークのエンティティを含む。
【0083】
実施形態によれば、前記コアネットワーク又は前記アクセスネットワークの前記エンティティは、マクロセル基地局、又はスモールセル基地局、又は基地局の中央ユニット、又は基地局の分散ユニット、又は路側ユニット(RSU)、又はAMF、又はMME、又はSMF、又はコアネットワークエンティティ、又はモバイルエッジコンピューティング(MEC)エンティティ、又はNR若しくは5Gコアコンテキストにおけるネットワークスライス、又はアイテム若しくはデバイスが前記ワイヤレス通信ネットワークを使用して通信することを可能にする任意の送信/受信ポイント(TRP)であって、前記アイテム若しくはデバイスには前記ワイヤレス通信ネットワークを使用して通信するためのネットワーク接続性が設けられている、任意の送信/受信ポイント(TRP)、のうちの1つ以上を含む。
【0084】
方法
本発明は、ワイヤレス通信ネットワークのためのユーザデバイス(UE)を動作させる方法を提供し、前記UEは中継エンティティとして動作して、1つ以上のリモートUEと前記ワイヤレス通信ネットワークの送信先との間の接続をサポートする機能を提供し、前記リモートUEと前記送信先との間の接続は1つ以上のサイドリンクを含み、各サイドリンクは前記事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)に関連付けられており、前記UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、
前記方法は、
前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関して、前記サイドリンクの状態を決定するステップと、
前記サイドリンクの前記状態を基地局等の前記ワイヤレス通信ネットワークのネットワークエンティティに向けて送信するステップと、
を含む。
【0085】
本発明は、ワイヤレス通信ネットワークのためのユーザデバイス(UE)を動作させる方法を提供し、前記UEが中継エンティティとして動作して、1つ以上のリモートUEと前記ワイヤレス通信ネットワークの送信先との間の接続をサポートする機能を提供し、前記リモートUEと前記送信先との間の接続は1つ以上のサイドリンクを含み、各サイドリンクは事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)と関連付けられ、また、前記UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、
前記方法は、
リフレクティブサービス品質(QoS)インジケータ(RQI)及び/又は中継QoSパケット処理情報(RPPQI)に関連付けられた、パケット等の第1の伝送を前記送信先又は前記リモートUE又は別の中継エンティティから受信すると、前記第1の伝送に関連付けられた前記QoSに従って前記送信先、前記リモートUE又は別の中継器に第2の伝送を処理するステップを含む。
【0086】
本発明は、ワイヤレス通信ネットワークのためのユーザデバイス(UE)を動作させる方法であって、前記UEは中継エンティティとして動作して、1つ以上のリモートUEと前記ワイヤレス通信ネットワークの送信先との間の接続をサポートする機能を提供し、前記UEを介する前記リモートUEと前記送信先との間の接続は事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)と関連付けられ、また、前記UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、
前記方法は、
1つ以上の基準に応答して、早期バッファステータスレポート(BSR)をトリガーするステップを含む。
【0087】
本発明は、基地局等、ワイヤレス通信ネットワークのためのネットワークエンティティを動作させる方法を提供し、前記ネットワークエンティティは1つ以上の中継エンティティと通信するようになっており、前記中継エンティティは1つ以上のリモートUEと前記ワイヤレス通信ネットワークの送信先との間の接続をサポートする機能を提供し、前記リモートUEと前記送信先との間の接続は1つ以上のサイドリンクを含み、各サイドリンクは、事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)と関連付けられ、前記中継UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、
前記方法は、
前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連して前記サイドリンクの状態を前記中継エンティティから受信するステップを含む。
【0088】
本発明は、ワイヤレス通信ネットワークのための装置を動作させる方法であって、前記ワイヤレス通信ネットワークは、前記1つ以上のリモートUEと送信先との間の接続をサポートする機能を提供する1つ以上の中継エンティティを含み、前記リモートUEと前記送信先との間の接続は1つ以上のサイドリンクを備え、各サイドリンクは事前定義済み又は交渉済みのサービス品質(QoS)に関連づけられ、前記装置は、前記ワイヤレス通信ネットワークの前記リモートUE、前記中継エンティティ、前記送信先、又はネットワークエンティティに配置され、前記中継UEは、
●前記リモートUEのうちの1つ以上のリモートUE、
●前記送信先、
●1つ以上の別の中継UE、
のうちの1つ以上にサイドリンクを介して接続され、
前記方法は、
前記リモートUEと前記送信先との間の前記リンクのうちの1つ以上又はすべてのリンクについての前記事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられたQoSパラメータの測定を使用して、前記サイドリンク上の事前定義済み又は交渉済みのQoSパラメータに関連付けられた前記QoSパラメータの許容値を、例えばQoS支援情報(QoS_AI)として、決定又は算出、及び/又は中継エンティティにシグナリングするステップを含む。
【0089】
コンピュータプログラム製品
本発明の第1の態様の実施形態は、コンピュータ上で実行されると、本発明に係る方法の1つ以上を実行する命令を格納したコンピュータ可読媒体を含む、非一時的なコンピュータプログラム製品。
【0090】
【0091】
したがって、実施形態によれば、中継UEは、
●第1のサイドリンクによってリモートUEのうちの1つ以上のリモートUE及び/又は1つ以上の別の中継UEに、そして送信先が別のUEである場合は第2のサイドリンクによって送信先に接続されてもよく、又は、
●第1のサイドリンクによってリモートUEのうちの1つ以上のリモートUE及び/又は1つ以上の別の中継UEに、かつ、第2のサイドリンクによって1つ以上の別の中継UEに接続されてもよく、又は、
●第1のサイドリンクによってリモートUEのうちの1つ以上のリモートUE及び/又は1つ以上の別の中継UEに、かつ、ネットワークリンクによって送信先に接続されてもよい。
【0092】
中継UE400は、410で示されるように、それぞれのサイドリンクに関連付けられた事前定義済み又は交渉済みのQoSに関して、UEが第1及び第2のエンティティ402、404に接続するために使用する1つ以上のサイドリンクの状態を決定し、412で示されるように、ワイヤレス通信ネットワークの基地局等のネットワークエンティティに向かってサイドリンクの状態を送信する。中継UE400が基地局等のネットワークエンティティに接続されている場合、中継UE400は、サイドリンクの状態をネットワークエンティティに直接送信する。中継UE400が基地局等のネットワークエンティティに接続されていない場合、中継UE400は、当該状態をネットワークエンティティに対し、ネットワークエンティティに接続された別の中継UEを介して送信する。ネットワークエンティティに接続された別の中継UEは、アンカー中継とも呼ばれることがある。
【0093】
実施形態によれば、中継UEは、リモートUE402と送信先404との間の交渉済み又は全体的なQoSを提供するためのサイドリンクのQoSプロファイルを受信してもよく、QoSプロファイルは、中継UE400においてサイドリンクのQoS状態の決定及び/又はシグナリングを有効又はアクティブ化することができる。サイドリンク406のQoS状態を決定することにより、実施形態によれば、リモートUE402と送信先404との間の交渉済みのQoSがサイドリンク上でもはや満たすことができない場合に、中継UEは通知を送信することができる。このような状況が発生し、解決された場合、すなわち、QoSを再び満たすことができる場合、対応する通知を中継UEが送信することができる。
【0094】
図7(b)は、本発明の第1の態様の実施形態に係る基地局等のネットワークエンティティ413を示す。ネットワークエンティティ409は、送信先であってもよいし、送信先でなくとも中継UE400に接続されてもよい。ネットワークエンティティは、第2のエンティティがサイドリンクである場合、中継UE400を第1のエンティティ及び第2のエンティティに接続するサイドリンクのQoS状態に関する通知414を、直接的又は間接的に中継UE400から受信する。実施形態によれば、ネットワークエンティティ413において、QoS通知制御(QNC)メカニズムが実装又はアクティブ化され、状態414の受信に応答して、ネットワークエンティティ413は、416で示されるように、ワイヤレス通信ネットワークのコアネットワークエンティティにQoS通知を生成して送信する。他の実施形態によれば、状態の受信に応答して、ネットワークエンティティ413は、418で示されるように、複数の中継UEがgNBに接続されている場合に、例えば中継再選択プロセスをトリガーすることによって、リモートUEへの接続を修正する。
【0095】
したがって、本発明の実施形態は、コアネットワークへの直接的なシグナリングを実装する必要はなく、中継とリモートUEとの間のサイドリンクについても従来の通知制御メカニズムを利用するものである。むしろ、gNBでアクティブ化される従来のQoS通知は、サイドリンク上でQoS状態を送信することによって、中継器によってトリガーされてもよい。実施形態によれば、状態は、以下のうちの1つ以上を示すことができるが、後続のリストは最終的又は網羅的なリストではなく、リストは他の通知を含むことができることに留意されたい。
●GFBRがもはや保証できない、
●GFBRを再び保証することができる、
●MFBRがもはや保証できない、
●MFBRを再び保証することができる、
●PERがもはや維持できない、
●PERを再び維持することができる、
●PDBがもはや満足されない、
●PDBを再び満足させることができる、
●中継UEのキューイング負荷が基準キューイング負荷を超える。
【0096】
実施形態によれば、QoS状態は、
●例えばQoS障害レポート(QoS_FR)を送信することによって、サイドリンク406がリモートUE402と送信先404との間の事前定義済み又は交渉済みのQoSをもはや満たさないこと又は再び満たしていることを示す、
●例えばQoS測定レポート(QoS_MR)を送信することによって、サイドリンク406上の事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられた1つ以上のQoSパラメータの測定結果を示す、又は、
●例えばQoS更新レポート(QoS_UP)を送信することによって、サイドリンク406が事前定義済み又は交渉済みのQoSよりも高いQoSをサポートすることができることを示す。
【0097】
例えば、中継UE400は、リモートUE402と中継UE400との間のサイドリンク406のための事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられた1つ以上のQoSパラメータを測定し、測定結果がQoSパラメータのうちの1つ以上のパラメータがもはや充足可能ではない、すなわちUEが事前定義済み又は交渉済みのQoSをもはやサポートする能力がないことを示す場合、中継UEがQoS_FRを送信することができる。一方、UEは、交渉済みのQoS要件が満たされ得るか否かとは独立して、特定のタイミングでQoS_MRに測定結果を提供することができる。QoSパラメータの測定結果が、UEが事前定義済み又は交渉済みのQoSよりも高いQoSをサポートできることを示す場合、これは、QoS_UPを使用してシグナリングされてもよい。
【0098】
中継UEによる障害表示-QoS障害レポート-QoS_FR
図8は、サイドリンク406上の1つ以上の測定されたQoSパラメータが関連する参照パラメータを満たさなくなった場合の、本発明の実施形態に係るQoS_FRトリガーシグナリングフローを示す。例えば、上述したレートのうちの1つ以上が測定されてもよく、測定されたレートがQoSプロファイルで定義されているような基準レートより小さい場合、QoS_FRが送信されてもよい。また、中継UEのキューイング負荷がQoSプロファイルに定義されるような基準キューイング負荷を超える場合、QoS_FRが送信されてもよい。図8に示される実施形態では、中継器400は、リモートUE402と、RAN404a及びCN404bを含む送信先404との間の接続性を提供するためのUE-ネットワーク間中継である。CNは、順に、AMF、SMF、及びProSe AFを含む。最初に、リモートUE402は、420で示されるように、CN 404bに登録し、QoSネゴシエーションを実行する。このようなQoSネゴシエーションに応答して、SMFは中継UEに交渉済みのQoSに関連付けられた1つ以上のQoSパラメータを提供する。以下でより詳細に説明される本発明の第2の態様の実施形態によれば、QoSプロファイルにおいて定義される1つ以上のQoSパラメータに加えて、いわゆるQoS支援情報(QoS_AI)が、例えば422で示されるように、SMFによって、中継UE400に提供されてもよい。QoS_AIは、サイドリンク406上のQoSパラメータの許容値を定義する。QoSプロファイルからのQoSパラメータを使用して、任意でQoS_AIと組み合わせて、中継UE400が定量計算424を実行することができ、QoSの充足ためのサイドリンク406の品質を評価することができる。計算424が、中継UE400が試行するサイドリンクのリソースの所定のセットについてQoS要件が満たされないことを示す場合、中継UE400は、426で示されるように、RAN404aに送信されるQoS_FRをトリガーし、428で示されるように、SMFにQoS通知を送信し得る。通知428は、サイドリンク406上でQoS要件が満たされていないことをSMFに示す。複数のリモートUEが中継UE400を使用している場合、中継UE400は、リモートUEのうちどれがQoS要件を満たしていないか示すこともできる。異なる言い方をすれば、どのQoSフローがアクセスネットワークによってサポートされなくなったかが提示されてもよい。
【0099】
実施形態によれば、実際にQoS_FRを送信する前に、中継UEは異なるリソースを使用して伝送を試みてもよい。例えば、中継UE400が中継のために意図された専用のリソースプールを使用していた場合、及び測定がこのリソースプールが混雑又は過負荷であることを示した場合、中継UE400は、中継送信を許可する他のリソースプールからのリソースを使用して伝送を試みてもよく、又は中継UEが、それぞれのリソースに関する測定によって、このようなリソースがQoSパラメータを満たすことができると決定した場合に、通常のリソースプールのリソースにフォールバックして伝送を実行することも可能である。言い換えれば、実施形態によれば、QoS_FRは、要求されるQoSフローに従って伝送を行うための他のすべての可能性が失敗した場合の、中継UEによる一種の最後の手段である。
【0100】
図9は、本発明の実施形態に係るQoS_FRのトリガーを示すフロー図である。最初に、図8で参照して説明したように、中継UE400は、430で示されるように、QoSパラメータを用いて設定される。中継UE400は、432で示されるように、QoSパラメータの計算を実行し、434で、リモートリンク406が、参照QoSパラメータ(reference QoS parameter)とも呼ばれるQoSプロファイルによって定義されるQoSパラメータ、又はQoS_AIによって定義される許容値を満たすか否かを判断する。算出されたQoSパラメータが参照パラメータを満たす場合、処理はステップ432に戻る。計算されたQoSパラメータがもはや参照パラメータを満たさない場合、436で示されるように、QoS_FRがトリガーされ、ネットワークにシグナリングされる。
【0101】
実施形態によれば、QoS_FRのシグナリングは、RRCシグナリング又はMAC制御要素(CE)を使用してもよい。
【0102】
別の実施形態によれば、上述のパラメータに加えて、QoS_FRをトリガーするためのQoSを予測するため、例えばQoSが将来的に維持されない可能性が高いことを予測する場合の早期QoS_FRを予測するために、以下の情報が使用されてもよい。例えば、予測は、閾値ベースの検出に基づいてもよく、ルールベースの検出に基づいてもよく、QoSの各パラメータに対して検出が実行されてもよい。例えば、付加情報は、以下のうちの1つ以上を含んでもよい。
●事前定義済みの時間ウインドウにわたって測定された基準信号受信電力(RSRP)、
●無線信号強度(RSSI)、基準信号受信電力(RSRP)、基準信号受信品質(RSRQ)、又はプリコーディングマトリックスインデックス(Precoding Matrix Index)(PMI)等の事前定義済みの時間ウインドウにわたって得られるチャネル状態情報(CSI)、
●ビーム測定及び/又はビーム障害、
●事前定義済みの時間ウインドウにわたるハイブリッド応答要求(HARQ)フィードバック、例えば、所定の数又は所定の比率の事前定義済みの時間ウインドウの間の否定応答(NACK)、
●UEにおける送信電力の制限、
●UEにおけるバッテリ電力の制限、
●UEにおける計算能力の制限、
●例えば、チャネルビジー率(CBR)又はチャネル占有率(CR)によって示される、サイドリンク等リモートUEへのリンクの輻輳、
●事前定義済みの時間ウインドウにわたるビットエラー率(BER)、パケットエラー率(PER)、パケットロス、パケット遅延のうちの1つ以上。
【0103】
実施形態によれば、サイドリンク輻輳は、チャネルビジー率(CBR)又はチャネル占有率(CR)に基づいて決定されてもよい。上述のように、中継UEは、実際にQoS_FRを送信する前に他のリソースで伝送を試みてもよく、伝送を意図した特定のリソースプールに関連付けられたCBR又はCRが輻輳を示すことに応答して、中継UEは、これらの追加の又は異なるリソースを使用してQoS要件を満たす場合に、別のリソースプールからのリソースを使用して、伝送を試みてQoS_FRを送信しないようにしてもよい。
【0104】
中継UEからの測定レポート-QoS_MR
本発明の別の実施形態によれば、QoS参照パラメータが満たされていない場合に、QoS_FRをトリガーすることとは別に、中継UEはQoS測定レポート(QoS_MR)を使用してQoSパラメータの計算の状態をネットワークに報告してもよい。QoS_MRは、
●定期的に、
●非定期的に、
●要求に応答して、又は、
●障害に応答して、
報告されてもよい。
【0105】
図10は、RANからの要求に基づくQoS_MRシグナリングを示す。図10は、図8を参照して上述したUE-ネットワーク間の中継UE400と、QoSのネゴシエーションと、中継UE400へのQoS_AIの提供とを示す。中継UE400は、QoSパラメータの測定を行い、RAN404aから中継UE400に送信される要求440に応答して、中継UE400はQoS_MR442をRAN404aに送信する。
【0106】
別の実施形態によれば、中継UEは、それに応じて設定される場合、例えば定期的に、特定のタイミングでQoS_MRを提供してもよく、すなわち、このようなシナリオでは、それぞれの設定された周期性で、図10のQoS_MR442は、先行要求440なしに中継UE400によってRAN404aに送信される。
【0107】
他の実施形態によれば、QoS_MRは、例えば特定のイベントに応答して、中継UE404によって非周期的に提供されてもよい。このようなイベントは、以下のうちの1つ以上を含んでもよい。
●QoS_MRが、以前のQoS_MRと比較して1つ以上の測定項目に関して著しく変化する場合、例えば、QoS_MRの1つ以上の測定項目の変化が設定済み又は事前設定済みの閾値よりも高い場合、
●無線リンク障害、ビーム回復手順又はビーム障害、同期障害又は高干渉状態のうちの1つ以上の場合、
●QoS_MRの1つ以上の値に対する閾値に達した場合-QoSパラメータの1つ以上の値に対する閾値に達した場合、又は設定済み若しくは事前設定済みの閾値以上に設定されたQoSパラメータと異なる場合にQoS_MRを送信することは、この場合に、QoS_MRベースの通知の受信に応答するQoSエンフォースメント444が不当なリモートUEを使用することを防止することができ、QoS_MRはこの条件の明示的な表示を伝達し、QoS_MRを他の条件から区別することができるような場合に有利である。
●HARQ等フィードバックメカニズムに従った失敗及び/又は再送信のためのカウンタに到達した場合又はQoSの変化。
【0108】
さらに別の実施形態によれば、QoS要件が満たされない場合に、QoS_MRもトリガーされ、QoS_FRの代わりに送信されてもよい。図11は、計算されたQoSパラメータが参照パラメータを超えることに応答して、RANに送信されるものがQoS_FRではなくQoS_MR442であることを除いて図8と同様に、計算されたパラメータが基準パラメータを超えることに応答して、QoS_MRをトリガーすることを示す。RANは、パラメータが基準パラメータを超えることを示すQoS_MR442に応答して、SMF等の通知をネットワークに発行し、順に、444で示されているように、リモートUEに関してQoSを実施することができる。QoSを実施するために、SMF等のネットワークは、NASメッセージとしてリモートUEに送信されるエンフォースメント信号を開始してもよく、NASメッセージはNAS送信例外(TE)と呼ばれることがある。
【0109】
図12は、本発明の実施形態に係るQoS_MRをトリガーするためのフロー図を示す。図12は、図9を参照して上記で既に説明したステップ430ないし434を示す。QoS_MRをトリガーする実施形態によれば、434でリモートUEリンクが参照QoSパラメータ又は許容値を超えることに応答して、中継UEは、446でQoS_MRをトリガーして、順番に、ネットワークにシグナリングし、448で示すように、エンフォースメント信号をトリガーする。
【0110】
QoS_FR及びQoS_MRに関する上述の実施形態によれば、QoS_FR又はQoS_MRのシグナリングは、RRCシグナリング又はMAC制御要素(CE)を使用してもよい。ネットワークがQoS_FR又はQoS_MRをRRC信号又はMAC CEとして受信する場合、RRC層又はMAC層はRANの上位層に通知して、図3を参照して上述したQNC等の通知制御メカニズムをトリガーしてもよい。
【0111】
実施形態によれば、MAC制御要素は、図13(a)に図示されるように、複数の送信先IDの測定又は障害レポートを含んでもよく、又は図13(b)に図示されるように、集約された測定及び/又は障害レポートを含んでもよく、又は図13(c)に図示されるように、それらの組み合わせを含んでもよい。例えば、MAC CEは、どのリモートUEの許容値を満たすことができないかを示す。
【0112】
中継UEからのQoS更新-QoS_UP
別の実施形態によれば、中継UEは、サポート可能なQoSフローに関する改善が決定された場合に、QoS更新(QoS_UP)表示を送信することができる。言い換えれば、あるリンクに対して中継UEによって実行された測定が、現在使用されているQoS要件と比較した場合により高いQoS要件が可能であることを示す場合、リモートUEと送信先との間のセッションに対してより高いQoS通信を可能にするように、これに応じてシグナリングされてもよい。
【0113】
QoS_UPは、ネットワークによってクエリに基づいて送信されてもよく、以前に送信されたQoS_FRに応答して送信されてもよい。QoS_UPがQoS_FRの後に送信される場合、実施形態によれば、QoS_UPがシグナリングされる前に特定の時間ウインドウが提供され、ネットワークに古いレポートを送信しない。例えば、これはヒステリシスを回避するために行われ、短い時間期間内に、QoS_FRとQoS_UPを複数回送信する間のトグル信号を避ける。時間ウインドウは、閾値に基づいて設定する又は事前設定することができる。
【0114】
第2の態様
次に、本発明の第2の態様の実施形態について説明する。図14は、中継UEを第1/第2のエンティティに接続するサイドリンク上のQoSパラメータの1つ以上の許容値を中継UEに提供する、以下ではQoSマネージャとも呼ばれるワイヤレス通信ネットワークのための装置に関する本発明の第2の態様の実施形態を示す。
【0115】
図14は、リンク406、408によって中継UE400を介して送信先404に接続されたリモートUE402を含むワイヤレス通信ネットワークを示す。図14(a)は、UE-ネットワーク中継を示し、リンク406がサイドリンクであり、リンク408がUuリンクであり、送信先404がネットワークである。図14(b)は、UE-UE間中継を示し、両方のリンク406、408がサイドリンクであり、送信先404が、リモートUE402が接続する最終UE又は別の中継UE等の他のUEである。さらに、QoSマネージャ450が図示されており、図14(a)に図示されているように送信先に、又は図14(b)に図示されているようにリモートUEに、又は中継UEに、又は中継UEが接続されているワイヤレス通信ネットワークのネットワークエンティティに配置されてもよい。QoSマネージャ450は、リモートUE402と送信先404との間のリンク406、408のうちの1つ以上又はすべてにおいて、定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられたQoSパラメータを測定して、サイドリンクにおける定義済み又は交渉済みのQoSパラメータに関連付けられた1つ以上のQoSパラメータの許容値を決定又は計算する。実施形態によれば、QoSパラメータの許容値は、リモートUEと送信先との間のホップ数及びリモートUEと送信先との間の個々のリンクの測定値に基づいて決定又は計算されてもよい。QoSマネージャ450は、例えば、いわゆるQoS支援情報(QoS_AI)として、許容値を中継UE400にシグナリングする。言い換えれば、リンク406、408に対するQoSプロファイルが存在すると、QoSマネージャ450はリンクを測定し、実際に達成可能なQoSパラメータに対する値を決定又は計算することができる。あるリンクでは、1つ以上のパラメータに対する値は、事前定義済み又は交渉済みのQoSに実際に必要な値を上回っていてもよく、残余又は余剰は、サイドリンク上でQoSパラメータに対する許容値としてシグナリングされる。許容値は、全体的な事前定義済み又は交渉済みのQoSを達成しつつ、サイドリンクリンクが特定のQoSパラメータを許容値だけ超えることを許容するために、中継UE400によって使用されてもよい。
【0116】
例えば、QoSがエンドツーエンドでネゴシエートされる場合、QoS_AIは、QoSマネージャによって決定され、シグナリングされてもよい。他の全ての実施形態によれば、QoSはホップバイホップでネゴシエートされてもよく、QoSマネージャは、隣接するホップとのQoSネゴシエーション中にQoS_AIを決定してもよい。ホップバイホップシナリオの場合、全体的なリンク情報はQoSマネージャに提供されてもよく、順番に、中継UEに明示的にシグナリングされ得るホップバイホップの特定のQoS_AIを提供してもよい。
【0117】
実施形態によれば、以下のパラメータのうちの1つ以上の許容値は、QoS_AIによって提供されてもよく、一方、後続のリストは最終的又は網羅的なリストではなく、リストは他のパラメータを含んでもよい。
●保証フロービットレート(GFBR)、
●最大フロービットレート(MFBR)、
●最大パケットロス、
●パケット遅延バジェット(PDB)、
●パケットエラー率(PER)、
●リモートUE又はセッションごとの合計最大ビットレート(AMBR)、
●リモートUE又はセッションごとのキューイング負荷、
●サイドリンク輻輳、例えばチャネルビジー率(CBR)又はチャネル占有率(CR CBR又はCR)。
【0118】
例えば、図14では、QoSマネージャ450が、中継UE400がリモートUE402に接続されるサイドリンク406によるPDBに対する許容値を含むQoS_AIを提供することが想定される。QoSマネージャ450は、リンク408が、例えば、全体的なQoSに必要なPDBを10%上回るPDBを許容すると決定してもよい。これは、許容値内のサイドリンク406によるPDBの悪化が、リンク408が提供し得るより高いPDBによって補償され得るため、サイドリンク406によるPDBが所望の全体的なQoSのために満たされているか否かを決定する際に許容値を適用する中継UE400にシグナリングされる。上記のような許容値は、以下の1つ以上のような、QoSに関連するリンクの任意のパラメータを適用することができる。
●保証フロービットレート(GFBR)、
●最大フロービットレート(MFBR)、
●最大パケットロス、
●パケット遅延バジェット(PDB)、
●パケットエラー率(PER)、
●リモートUE又はセッションごとの合計最大ビットレート(AMBR)、
●リモートUE又はセッションごとのキューイング負荷又は容量又は能力、
●サイドリンク輻輳、例えば、チャネルビジー率(CBR)又はチャネル占有率(CR CBR又はCR)。
例えば、PERを考慮すると、1つのリンクが不良で「x PER」しか提供できない場合、この許容値は他のリンクに渡される可能性がある。
【0119】
上述のようなQoSプロファイルは、セッション及びフローの確立中にネゴシエートされてもよく、このとき、QoSマネージャが実装されると、許容値もQoS_AIを介して決定され、シグナリングされてもよい。実施形態によれば、許容値は、例えば1つ以上のホップを含むリモートUEと送信先との間のリンク全体に対する送信先で、1つのQoSマネージャによって集中的に計算されてもよい。図15は、QoSマネージャ450によって送信先404で集中的に計算することを実装する実施形態を示す。リモートUE402はn個の中継UE400を介して送信先404に接続され、QoSマネージャ450は、中継器に固有のQoS_AI_1ないしQoS_AI_nを介して、中継UEとリモートUE又は別の中継UEとを接続するサイドリンクによる1つ以上のQoSパラメータが所望の全体的なQoSを満たすか否かをそれぞれの中継UEで判断する際に適用され得る1つ以上のQoSパラメータのそれぞれの許容値を提供する。QoSマネージャ450は、ホップ数、リンク測定、UE位置などのような特定のリンク情報を使用して、許容値を計算してもよい。他の実施形態によれば、QoSマネージャ450は、リモートUEに又は中継UEのいずれか1つに又は中継UEが接続されるワイヤレス通信ネットワークのネットワークエンティティに配置されてもよい。
【0120】
他の実施形態によれば、許容値は非集中型又は分散型の方法で計算されてもよく、すなわち、許容値は、リモートUEと送信先との間の接続に沿って提供される複数のQoSマネージャにおいて、中継器の一部又は各々について計算されてもよい。例えば、マルチホップリンクの第1の部分に対する許容値は、第1のQoSマネージャによって提供されてもよく、他のQoSマネージャはリンクの他の部分に対する許容値を計算する。図15では、中継UE_1は、リモートUEと中継UE_1との間のリンク406に対する許容値を計算するためにQoSマネージャを含んでもよく、他のサイドリンクに対する許容値を計算するために、第2のQoSマネージャが他の中継UEの1つ又は送信先において実装されてもよい。
【0121】
UE-ネットワーク間中継の場合、図15に示すように、リモートUEと送信先との間のリンク全体のQoS_AIはネットワークで計算され、その後、リモートUEと送信先との間の接続に沿って1つ以上の中継UEにシグナリングされてもよい。シングルホップUE-ネットワーク間中継の場合、リモートUE及び送信先に接続されている中継UE_1のみが存在する。マルチホップUE-ネットワーク間中継の場合、リモートUEと送信先との間にn個の中継UEが存在し、nは2以上である。
【0122】
UE-UE間中継の場合、許容値の集中計算を行う場所は、中継UEのいずれかがネットワークのカバレッジ内にあるか否かに依存する。中継UEのいずれもがネットワークのカバレッジ内にない場合、QoSマネージャは送信先UE又はリモートUEに含まれてもよい。リモートUEと送信先UEとの間の経路に沿った中継のうちの1つがネットワークにアクセスする場合、ネットワークはQoSマネージャを含んでもよい。複数の中継UEがネットワークにアクセスする場合、中継UEの1つは、ネットワークからQoS_AIを受信する機能を提供するアンカー中継UEと呼ばれてもよい。図16は、図16(a)を参照する、シングルホップのマルチホップ-UE-UE間中継を実装する無線通信ネットワークを示し、図16(b)を参照する、マルチホップ-UE-UE間中継を実装するワイヤレス通信ネットワークを示し、QoSマネージャがSMFの一部であるネットワークへのアクセスを有する中継UE_1を含む。中継UE_1は、ネットワークからQoS_AIとして許容値を受信し、リモートUEと送信先リモートUEとの間の複数の中継UE間でQoS_AIを分配する。許容値の分散計算を採用するUE-UE間中継の場合、例えばリモートUEと送信先リモートUEとの間の経路に沿ったホップごとに許容値を計算するために、それぞれのQoSマネージャが提供されてもよい。
【0123】
これまで説明した実施形態によれば、中継UEは、単一のリモートUEに接続されていることが示されている。しかし、中継UEは、複数のリモートUEと送信先との間の接続性を提供してもよく、このようなシナリオでは、中継UEがQoS_AIとして提供され得るQoSパラメータ又は許容値の集約されたセット、例えばサービスを受けるすべてのリモートUEに対するパラメータの1セットとして提供されてもよい。他の実施形態によれば、リモートUE固有のQoSパラメータ又は許容値は、QoS_AIで提供されてもよい。例えば、中継UEが3つのリモートUEにサービスを提供する場合、QoS_AIは、3つの異なるセットのQoSパラメータ又は許容値を示してもよい。QoS_AIのシグナリングは、RRC_再構成メッセージ又はRRCセットアップメッセージの一部として、RRCシグナリングを使用してもよい。例えば、合計許容値は非GBRトラフィックに関連付けられ、UE固有の許容値はGBRトラフィックに関連付けられ、中継UEは、QoSパラメータのうちの1つ以上が満たされない場合、非GBRトラフィックに参加する任意のリモートUEにシグナリングすることによって負荷分散再選択をトリガーしてもよい。負荷分散再選択は、以下のうちの1つ以上としてシグナリングされてもよい。
●RRCメッセージ、
●MAC CE、
●例えば物理層フィードバック又は制御チャネル(例えばPSFCH又はPSCCH)上の物理層信号、
●例えばアプリケーション層等、上位層の信号。
【0124】
実施形態によれば、第1のQoS_AI、例えば初期QoS_AIを送信した後、QoSマネージャは、1つ以上の許容値及び/又は1つ以上の追加QoSパラメータに対する許容値の更新を示す第2のQoS_AIを提供又は送信してもよい。例えば、QoSマネージャは、例えばQoS測定レポート(QoS_MR)を受信することによって、サイドリンク上の事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられた1つ以上のQoSパラメータの測定結果を1つ以上の中継器から受信することに応答して、第2のQoS_AIを提供してもよい。
【0125】
第3の態様
次に、本発明の第3の態様の実施形態について説明する。本発明の第3の態様の実施形態は、中継UEにおいてリフレクティブQoS概念を実装し、例えば、中継QoSパケット処理情報(RPPQI)を使用する中継UEにおけるQoS管理を可能にする。
【0126】
上述のように、従来、RANは、UEにQoSフローとデータ無線ベアラのマッピングを明示的に提供する、又はリフレクティブQoSを使用してこのマッピングを提供することによって、アップリンク上でUEを支援することができる。本発明の第3の態様の実施形態によれば、これは中継シナリオにおいても採用される。
【0127】
図17は、中継UE RPPQIを採用する実施形態を示す。リモートUE400と中継UE400との間のサイドリンク406上の許容値に関するQoS_AIをネットワーク404が提供することができる中継UE400は、さらにRAN404からリフレクティブQoSインジケータを含むデータ及びセッション情報を受信する。中継UE400が厳しいリソース制約を有する場合に、リフレクティブQoSインジケータは、必要に応じてQoSのより大きな制御及びリモートUE402に向けたデータ無線ベアラへのQoSフローの再マッピングに使用されてもよい。RPPQIはパケット単位で呼び出され、図17はRQIがコアネットワークによって送信される場合を示す。コアネットワークからRQIを転送する代わりに、中継UEは、RQI及び中継UEに提供されるQoS_AIにおける許容値に基づいて、あるパケットに対するデータベアラマッピングが適切なQoSフローであることを再評価する。QoS_AIで与えられたQoSパラメータ又は許容値と、リモートUEからの利用可能なリソースの中継UEの評価とを使用して、中継UEは、特定の異なるQoSフローからベアラマッピングが適用されることになることを決定し、RPPQIをリモートUEに送信してもよい。RPPQIは、リモートUEから中継UEに向かう伝送においてデータがどのように扱われることになるかの指示、両方向のスケジューリング要件に関する情報、及び両方向のDRBマッピング要件に関する情報を含んでもよい。
【0128】
RPPQIに基づいて、中継UEは他方向のデータの事前スケジューリングも実行することができ、例えば、ネットワークがUE-UE間中継を介してリモートUEにデータを送信するとき、中継UEからの応答がRPPQIに基づいて事前スケジューリングされる。これは、リソースの専用セット及び/又はリソースの半静的又は半永久的なセットを提供することを含むカレンダースケジューリングと呼ばれることがある。
【0129】
第4の態様
次に、本発明の第4の態様の実施形態について説明する。本発明の第4の態様の実施形態は、中継UEにおける早期BSRを実装する。別の実施形態によれば、上述した従来の早期BSRは、中継シナリオで使用されてもよい。
【0130】
従来、早期BSRは、送信元からのデータが中継器に到着する前に中継ノードによってトリガーされる。本発明の実施形態によれば、早期BSR要求は、中継UEで実行されるQoS測定の結果に基づいてトリガーされてもよく、BSRはQoS要件の充足又は満たすことを支援するメカニズムとして提供されてもよい。
【0131】
図18は、本発明の実施形態に係る早期BSR補償メカニズムのフローを示す。図9を参照して説明したのと同様の方法で、中継UEはQoS_AIを用いて設定され、それぞれの測定を実行し、参照QoSパラメータ又は許容値が満たされているか否かを434で評価する。それらが満たされない場合、451で示されるように、中継UEは、早期BSR補償メカニズムをトリガーし、早期BSR補償メカニズムに応答して、452で再び、参照QoSパラメータ又は許容値が満たされるか否かを決定してもよい。yesの場合、プロセスは432に戻り、そうでなければ、本発明の第1の態様の実施形態を参照して上述したような方法で、454で示されるように、QoS_FR又はQoS_MRがシグナリングされる。
【0132】
したがって、早期BSRのトリガーは、中継UE400によって行われた測定に基づいてもよく、例えば、中継UEがQoSパラメータ又は許容値が満たされていないと計算する場合、中継UE400が、例えば、キューイング負荷、遅延などを補償しようとするために早期BSRをトリガーしてもよい。例えば、計算されたキューイング負荷がQoS_AIで示されるような値を超えると判断した場合、中継UEはキューイング負荷を低減するために早期BSRメカニズムを使用してもよい。例えば、中継エンティティが特定のリモートUEに対して8パケットのキューイング容量又は許容値を有する場合、中継エンティティが10パケットを送信すると主張するリモートUEからのBSRを受信すると仮定すると、早期BSRは、リモートUEからの追加2パケットを収容するための物理リソース、すなわち追加リソースの要求を提供するスケジューリングエンティティを支援することができる。
【0133】
実施形態によれば、早期BSRは、QoSパラメータが満たされていないことを示す測定値又は計算値に応答してトリガーされてもよい。他の実施形態によれば、早期BSRは以下の場合にトリガーされてもよい。
●受信されたリモートUEデータ又は送信されたリモートUEデータについてのUEのキューイング能力又は容量が閾値に近づく又は閾値に達している場合、又は、
●QoSパラメータが参照パラメータと一致しない又は許容値内にないと予測される場合、又は、
●BSR報告が1つ以上のリモートUEから受信される場合、ここで、リモートUEから受信したBSR報告に基づいて、中継エンティティは要求されたデータのこのサイズをサポートできないと決定する-したがって、スケジューリングエンティティからより多くのリソースを要求するために早期BSRをトリガーする、又は、
●リモートUEからQoSの変更が要求された場合、又は、
●HARQのフィードバックとして、一定数の連続したNACKの場合。
【0134】
リモートUEと送信先との間のQoSは、事前定義済み又は交渉済みのQoSに関連付けられた1つ以上のQoSパラメータをサイドリンクで測定することによって予測され得る。
【0135】
図18を参照して上述したように、中継UEが、早期SR/BSRの後にQoSパラメータが参照パラメータを満たさないことを依然として計算又は予測する場合、中継器は、QoS_FR又はQoS_MRをトリガーしてもよい。他の実施形態によれば、マルチホップシステムでは、遅延がホップ数まで蓄積されることがあり、そのようなシステムにおける厳しいレイテンシ要件を満たすために、リモートUEは、動的補償メカニズムを使用するのとは対照的に、PDUセッションの持続時間のために早期SR/BSRのトリガーを使用するように1つ以上の中継UEと交渉することもできる。例えば、中継エンティティが開始時にQoS要件を満たすことができないと判断した場合、リソースを取得するために常に早期BSRメカニズムを採用することになる。これとは対照的に、中継エンティティが特定の時間にQoS要件を満たすことができないと判断した場合、追加のリソースを取得するために必要なときに早期BSRメカニズムを採用することができる。
【0136】
一般
本発明のアプローチのそれぞれの態様及び実施形態を別々に説明したが、それぞれの態様/実施形態は、他のものから独立して実施されてもよいし、一部又は全部の態様/実施形態が組み合わされてもよいことに留意されたい。さらに、その後に説明する実施形態は、これまでに説明したそれぞれの態様/実施形態に使用することができる。
【0137】
マルチホップ中継
上述した実施形態では、送信エンティティと受信エンティティとの間のエンドツーエンド通信は、受信エンティティからのフィードバックを転送する、及び/又は、上述したようにトラフィックを区別する単一の中継を介している。しかしながら、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、むしろ、別の実施形態によれば、送信エンティティと受信エンティティとの間のエンドツーエンドの通信は、中継UEのセット又は中継UEのチェーンとも呼ばれる複数の中継を介してもよい。
【0138】
図19は、送信エンティティ402と受信エンティティ404との間の通信が、N個の中継400(N≧2)を使用する実施形態を示す。それぞれの中継層は、中継UEのような複数の中継デバイス1ないしmを含む。それぞれの中継層4861ないし486Nは、同じ数の中継UEを含んでもよく、又は中継層4861ないし486Nの一部又は全部が、異なる数の中継UEを含んでもよい。受信エンティティ404は、第1の中継層4861の中継に接続してもよく、送信エンティティ402は、中継層486Nの中継に接続してもよい。図20は、送信エンティティ402と受信エンティティ404との間のエンドツーエンド通信のためにN=2の中継層を採用する実施形態を示す。第1の中継層4861は、n個のUE中継400を含んでもよい。送信エンティティ402は、第2の中継層4862に接続可能であってもよく、第2の中継層4862は、m個のUE中継400を含んでもよい。実施形態によれば、それぞれの中継層4861、4862は、同じ数の中継(n=m)を有してもよい。他の実施形態によれば、それぞれの中継層4861、4862における中継の数は異なっていてよく、すなわち、n≠mであってよい。異なる中継層4861、4862におけるそれぞれの中継は、566で概略的に示されるように、互いに接続されてもよい。第1の中継層4861の中継の一部又は全部は、第2の中継層4862の中継の一部又は全部と接続してもよい。層のそれぞれの中継は、受信エンティティ404からのフィードバックを転送し、及び/又は、本発明の第1及び第2の態様を参照して詳細に上述したように、トラフィックを区別する。
【0139】
本発明の実施形態について上記で詳細に説明したが、それぞれの実施形態及び態様は、個別に実施されてもよく、又は2つ以上の実施形態及び態様が組み合わされて実施されてもよい。言い換えると、1つ以上の中継を介した受信エンティティから送信エンティティへの全体的なフィードバックの提供に関する上述の第1の態様の実施形態のいずれかと、1つ以上の中継におけるトラフィックの区別に関する上述の第2の態様の実施形態のいずれかが組み合わされてもよい。
【0140】
一般
実施形態によれば、ワイヤレス通信システムは、地上ネットワーク、又は非地上ネットワーク、又は空中機若しくは衛星機若しくはそれらの組み合わせを受信機として使用するネットワーク又はネットワークのセグメントを含んでもよい。
【0141】
本発明の実施形態によれば、ユーザデバイスは以下のうちの1つ以上を含む:電力制限型UE、又は脆弱道路ユーザ(VRU)と呼ばれる歩行者が使用するUE等のハンドヘルドUE、又は歩行者UE(P-UE)、又は公共安全UE(PS-UE)と呼ばれる公共安全員及び第一応答者が使用するオンボディ又はハンドヘルドUE、又はIoT UE、例えば、センサー、アクチュエータ、又は反復タスクを実行するためにキャンパスネットワークに設けられ、定期的にゲートウェイノードからの入力を必要とするモバイル端末、又は静止端末を提供するUE、又はセルラーIoT-UE、又は車両UE、又は車両グループリーダー(GL)UE、又はサイドリンク中継、又はIoT若しくはナローバンドIoT(NB-IoT)デバイス、又はスマートウォッチ等のウェアラブルデバイス、又はフィットネストラッカー、又はスマートグラス、又は地上ベースの車両、又は空中車両、又はドローン、又は移動基地局、又は路側ユニット(RSU)、又は建物、又はセンサー若しくはアクチュエータ等、ワイヤレス通信ネットワークを使用して通信することを可能にするネットワーク接続性を備える任意の他のアイテム若しくはデバイス、又はセンサー若しくはアクチュエータ等、ワイヤレス通信ネットワークのサイドリンクを使用して通信することを可能にするネットワーク接続性を備える任意の他のアイテム若しくはデバイス、又は任意のサイドリンク可能なネットワークエンティティ。
【0142】
本発明の実施形態によれば、ネットワークエンティティは以下のうちの1つ以上を含む:マクロセル基地局、又はスモールセル基地局、又は基地局、統合アクセス又はバックホール(IAB)ノードの中央ユニット、又は基地局の分散ユニット、又は路側ユニット(RSU)、又はリモート無線ヘッド、又はAMF、又はMME、又はSMF、又はコアネットワークエンティティ、又はモバイルエッジコンピューティング(MEC)エンティティ、又はNR若しくは5Gコアコンテキストにおけるようなネットワークスライス、又はアイテム若しくはデバイスがワイヤレス通信ネットワークを使用して通信することを可能にする任意の送信/受信ポイント(TRP)であって、アイテム又はデバイスはワイヤレス通信ネットワークを使用して通信するためのネットワーク接続性が設けられている、任意の送信/受信ポイント(TRP)。
【0143】
記載した概念のいくつかの態様が装置の文脈で説明されてきたが、これらの態様はまた、ブロック又はデバイスが方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応する、対応する方法の説明を表すことは明らかである。同様に、方法ステップの文脈で説明される態様は、対応するブロック又はアイテム又は対応する装置の特徴の説明も表す。
【0144】
本発明の様々な要素及び特徴は、アナログ及び/又はデジタル回路を使用するハードウェアにおいて、1つ以上の汎用又は特殊用途プロセッサによる命令の実行を通じてソフトウェアにおいて、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして、実施されてもよい。例えば、本発明の実施形態は、コンピュータシステム又は他の処理システムの環境において実施されてもよい。図21は、コンピュータシステム500の一例を示す。ユニット又はモジュール、並びにこれらのユニットによって実行される方法のステップは、1つ以上のコンピュータシステム500上で実行されてもよい。コンピュータシステム500は、特殊用途又は汎用デジタル信号プロセッサ等の1つ以上のプロセッサ502を含む。プロセッサ502は、バス又はネットワーク等の通信インフラストラクチャ504に接続されている。コンピュータシステム500は、主メモリ506、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、及び二次メモリ508、例えばハードディスクドライブ及び/又はリムーバブルストレージドライブを含む。二次メモリ508は、コンピュータプログラム又は他の命令がコンピュータシステム500にロードされることを可能にし得る。コンピュータシステム500は、コンピュータシステム500と外部装置との間でソフトウェア及びデータを転送することを可能にするために、通信インターフェース510をさらに含んでもよい。通信は、電子的、電磁的、光学的、又は通信インターフェースによって処理することができる他の信号によるものであってよい。通信は、ワイヤ又はケーブル、光ファイバー、電話回線、携帯電話リンク、RFリンク、及び他の通信チャネル512を使用してもよい。
【0145】
「コンピュータプログラム媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、一般に、取り外し可能な記憶ユニット又はハードディスクドライブにインストールされたハードディスクなどの有形の記憶媒体を指すために使用される。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステム500にソフトウェアを提供するための手段である。コンピュータ制御ロジックとも呼ばれるコンピュータプログラムは、主メモリ506及び/又は二次メモリ508に格納される。また、コンピュータプログラムは、通信インターフェース510を介して受信されてもよい。コンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム500が本発明を実施することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサ502が、本明細書に記載された方法のいずれかなど、本発明のプロセスを実施することを可能にする。したがって、このようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステム500のコントローラを表すことができる。本開示がソフトウェアを使用して実施される場合、ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品に格納され、取り外し可能な記憶デバイス、通信インターフェース510等のインターフェースを使用してコンピュータシステム500にロードされてもよい。
【0146】
ハードウェア又はソフトウェアにおける実装は、デジタル記憶媒体、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、DVD、Blue-Ray(登録商標)、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM又はFLASHメモリであって、その上に格納された電子的に読み取り可能な制御信号を有し、それぞれの方法が実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働する又は協働できるものを使用して行うことができる。したがって、デジタル記憶媒体は、コンピュータ可読であってもよい。
【0147】
本発明によるいくつかの実施形態は、電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアであって、本明細書に記載の方法の1つが実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協働することが可能であるデータキャリアを備える。
【0148】
一般に、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実施することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに、方法の1つを実行するために動作可能である。プログラムコードは、例えば、機械読み取り可能なキャリア上に格納されてもよい。
【0149】
他の実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを、機械可読キャリアに格納したコンピュータプログラムを含む。言い換えると、本発明の方法の一実施形態は、したがって、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行される場合に、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0150】
したがって、本発明の方法の別の実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためにその上に記録されたコンピュータプログラムを含むデータキャリア又はデジタル記録媒体、又はコンピュータ読み取り可能な媒体である。本発明の方法の別の実施形態は、本明細書に記載された方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリーム又は信号のシーケンスである。データストリーム又は信号のシーケンスは、例えば、データ通信接続、例えばインターネットを介して転送されるように構成されてもよい。別の実施形態は、本明細書に記載された方法の1つを実行するように構成された、又は適合された、例えばコンピュータ、又はプログラマブルロジックデバイスなどの処理手段を含む。別の実施形態は、本明細書に記載された方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムをその上にインストールしたコンピュータを含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、プログラマブルロジックデバイス、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイを使用して、本明細書に記載の方法の機能性の一部又は全部を実行してもよい。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載される方法の1つを実行するためにマイクロプロセッサと協働してよい。一般に、本方法は、任意のハードウェア装置によって実行されることが好ましい。
【0152】
上述した実施形態は、本発明の原理について単に例示したに過ぎない。本明細書に記載された配置及び詳細の修正及び変形は、当業者には明らかであることが理解される。したがって、差し迫った特許請求の範囲の範囲によってのみ限定され、本明細書における実施形態の説明及び解説によって提示される特定の詳細によって限定されないことが意図される。
図1(a)】
図1(b)】
図2(a)】
図2(b)】
図3(a)】
図3(b)】
図3(c)】
図4(a)】
図4(b)】
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7(a)】
図7(b)】
図8
図9
図10
図11
図12
図13(a)】
図13(b)】
図13(c)】
図14(a)】
図14(b)】
図15
図16(a)】
図16(b)】
図17
図18
図19
図20
図21
【国際調査報告】