(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】ボリューメトリック・ビデオ内においてメッシュ・シーケンスを融合する方法
(51)【国際特許分類】
G06T 13/20 20110101AFI20230906BHJP
G06T 7/38 20170101ALI20230906BHJP
【FI】
G06T13/20
G06T7/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580822
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-02-10
(86)【国際出願番号】 IL2021051486
(87)【国際公開番号】W WO2022130379
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522382624
【氏名又は名称】ユーム.コム リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】カガルリツキー,セフィ
(72)【発明者】
【氏名】ケイナン,シャーリー
(72)【発明者】
【氏名】グリーン,アミール
(72)【発明者】
【氏名】バルーク,ヤイル
(72)【発明者】
【氏名】レブ,ロイ
(72)【発明者】
【氏名】バーンボイム,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】タミール,マイケル
【テーマコード(参考)】
5B050
5L096
【Fターム(参考)】
5B050AA08
5B050AA09
5B050BA09
5B050EA26
5B050FA05
5L096AA09
5L096CA04
5L096DA05
5L096EA35
5L096JA03
(57)【要約】
連続的にレンダリングする2つのメッシュ・シーケンス間の遷移を滑らかにするコンピュータ実装方法は、(a)融合シーケンスに融合しようとするメッシュ・フレームが形成された第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}をそれぞれ供給するステップと、(b)融合して間に入れる候補となるメッシュ・フレームgnおよびgmを選択するステップと、前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する候補フレームgnおよびgmの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算するステップと、前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する候補フレームgnおよびgmに、計算した幾何学的剛体および/または非剛体変換を適用するステップと、前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmのテクスチャ変換を計算するステップと、前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmに、計算したテクスチャ変換を適用するステップとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的にレンダリングする2つのメッシュ・シーケンス間の遷移を滑らかにするコンピュータ実装方法であって、
a.融合シーケンスに融合しようとするメッシュ・フレームが形成された第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}をそれぞれ供給するステップであって、前記第1メッシュ・シーケンスが、前記融合シーケンス内において、前記第2メッシュ・シーケンスの前に位置する、ステップと、
b.融合して間に入れる候補となるメッシュ・フレームg
nおよびg
mを選択するステップであって、前記候補g
nが、前記第1メッシュ・シーケンス{1}の終了部分に位置する第1メッシュ・フレーム・グループ{G
1}内で選択され、候補g
mが、前記第2メッシュ・シーケンスの開始部分に位置する第2メッシュ・グループ{G
2}内で選択される、ステップと、
c.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算するステップと、
d.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mに、計算した幾何学的剛体および/または非剛体変換を適用するステップと、
e.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mのテクスチャ変換を計算するステップと、
f.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mに、計算したテクスチャ変換を適用するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、候補メッシュ・フレームg
nおよびg
mを選択する前記ステップが、それぞれ、前記メッシュ・フレームg
nおよびg
mを包囲するメッシュ・フレームg
n±iまたはg
m±jによって形成されたグループ{Ng
n}および{Ng
m}を選択するサブステップを含み、mおよびnが画像フレームの数であり、iおよびjが0でない整数である、方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、候補フレームg
nおよびg
mの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算する前記ステップが、前記グループ{Ng
n}または{Ng
m}間に最小距離を与える剛体変換rt(g
nm,g
mm)を計算するサブステップを含む、方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法において、候補フレームg
nおよびg
mの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算する前記ステップが、更に、非剛体変換nrt(g
nm,g
mm)を計算するステップを含む、方法。
【請求項5】
請求項3または4記載の方法において、候補フレームg
nおよびg
mの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算する前記ステップが、計算した前記剛体変換rt(g
nm,g
mm)および前記非剛体変換nrt(g
nm,g
mm)を、前記第1および/または第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する1組の連続フレーム間で分割するサブステップを含む、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、幾何学的剛体および/または非剛体変換を候補フレームg
nおよびg
mに適用する前記ステップが、分割したrt(g
nm,g
mm) および nrt(g
nm,g
mm)を対応するフレームに適用するステップを含む、方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mのテクスチャ変換を適用するステップが、フレームg
n~g
n+kおよび/または g
m~g
m+kのテクスチャを、非剛体変換 nrt(g
nm,g
mm)によって変換されたテクスチャとアルファ・ブレンドし、重みが範囲[0,k]の範囲であるパラメータpに依存する、ステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法において、前記第1および第2メッシュ・シーケンスの内少なくとも1つが、キャプチャしたビデオをリギングするステップによって得られる、方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法において、前記非剛体変換を計算する前記ステップが、前記キャプチャしたビデオからリギングしたメッシュ・フレーム・シーケンスに基づく、方法。
【請求項10】
請求項8記載の方法において、前記非剛体変換を計算する前記ステップが、更に、前記キャプチャしたビデオからリギングしたメッシュ・フレーム・シーケンスに基づいて初期推定を計算し、前記初期推定に基づいて、最終的な非剛体変換を計算するステップを含む、方法。
【請求項11】
請求項1記載の方法において、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが、完全に1回のテークに属するクリップにおける異なる時点から取り込まれる、方法。
【請求項12】
請求項1記載の方法において、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが同一であり、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが互いに繋がれてループ状になるように、前記第2メッシュ・フレーム・シーケンスの終了部分が、前記第1メッシュ・フレーム・シーケンスの開始部分と融合される、方法。
【請求項13】
請求項1記載の方法において、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが異なるテークに属する、方法。
【請求項14】
連続的にレンダリングする2つのメッシュ・シーケンス間の遷移を滑らかにするコンピュータ実装システムであって、
a .プロセッサと、
b .命令を格納したメモリと、
を備え、前記命令が前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
i.融合シーケンスに融合しようとするメッシュ・フレームが形成された第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}をそれぞれ供給するステップであって、前記第1メッシュ・シーケンスが、前記融合シーケンス内において、前記第2メッシュ・シーケンスの前に位置する、ステップと、
ii.融合して間に入れる候補となるメッシュ・フレームg
nおよびg
mを選択するステップであって、前記候補g
nが、前記第1メッシュ・シーケンス{1}の終了部分に位置する第1メッシュ・フレーム・グループ{G
1}内で選択され、候補g
mが、前記第2メッシュ・シーケンスの開始部分に位置する第2メッシュ・グループ{G
2}内で選択される、ステップと、
iii.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算するステップと、
iv.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mに、計算した幾何学的剛体および/または非剛体変換を適用するステップと、
v.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mのテクスチャ変換を計算するステップと、
vi.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mに、計算したテクスチャ変換を適用するステップと、
を実行するように指令する、コンピュータ実装システム。
【請求項15】
請求項13記載のシステムにおいて、候補メッシュ・フレームg
nおよびg
mを選択する前記ステップが、それぞれ、前記メッシュ・フレームg
nおよびg
mを包囲するメッシュ・フレームg
n±iまたはg
m±jによって形成されたグループ{Ng
n}および{Ng
m}を選択するサブステップを含み、mおよびnが画像フレームの数であり、iおよびjが0でない整数である、システム。
【請求項16】
請求項14記載のシステムにおいて、候補フレームg
nおよびg
mの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算する前記ステップが、前記グループ{Ng
n}または{Ng
m}間に最小距離を与える剛体変換rt(g
nm,g
mm)を計算するサブステップを含む、システム。
【請求項17】
請求項15記載のシステムにおいて、候補フレームg
nおよびg
mの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算する前記ステップが、更に、非剛体変換nrt(g
nm,g
mm)を計算するステップを含む、システム。
【請求項18】
請求項15または16記載のシステムにおいて、候補フレームg
nおよびg
mの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算する前記ステップが、計算した前記剛体変換rt(g
nm,g
mm)および前記非剛体変換nrt(g
nm,g
mm)を、前記第1および/または第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する1組の連続フレーム間で分割するサブステップを含む、システム。
【請求項19】
請求項13記載のシステムにおいて、幾何学的剛体および/または非剛体変換を候補フレームg
nおよびg
mに適用する前記ステップが、分割したrt(g
nm,g
mm)および nrt(g
nm,g
mm)を対応するフレームに適用するステップを含む、システム。
【請求項20】
請求項14記載のシステムにおいて、前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mのテクスチャ変換を適用するステップが、フレームg
n~g
n+kおよび/またはg
m~g
m+kのテクスチャを、非剛体変換 nrt(g
nm,g
mm)によって変換されたテクスチャとアルファ・ブレンドし、重みが範囲[0,k]の範囲であるパラメータpに依存する、ステップを含む、システム。
【請求項21】
請求項14記載のシステムにおいて、前記第1および第2メッシュ・シーケンスの内少なくとも1つが、キャプチャしたビデオをリギングするステップによって得られる、システム。
【請求項22】
請求項21記載のシステムにおいて、前記非剛体変換を計算する前記ステップが、前記キャプチャしたビデオからリギングしたメッシュ・フレーム・シーケンスに基づく、システム。
【請求項23】
請求項21記載のシステムにおいて、前記非剛体変換を計算する前記ステップが、更に、前記キャプチャしたビデオからリギングしたメッシュ・フレーム・シーケンスに基づいて初期推定を計算し、最終的な非剛体変換を計算するステップを含む、システム。
【請求項24】
請求項14記載の方法において、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが、完全に1回のテークに属するクリップにおける異なる時点から取り込まれる、方法。
【請求項25】
請求項14記載のシステムにおいて、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが同一であり、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが互いに繋がれてループ状になるように、前記第2メッシュ・フレーム・シーケンスの終了部分が、前記第1メッシュ・フレーム・シーケンスの開始部分と融合される、システム。
【請求項26】
請求項14記載のシステムにおいて、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが異なるテークに属する、システム。
【請求項27】
連続的にレンダリングする2つのメッシュ・シーケンス間の遷移を滑らかにする方法を実行するための、プロセッサへの命令を備える非一時的コンピュータ読み取り可能媒体であって、前記命令が、
a.融合シーケンスに融合しようとするメッシュ・フレームが形成された第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}をそれぞれ供給するステップであって、前記第1メッシュ・シーケンスが、前記融合シーケンス内において、前記第2メッシュ・シーケンスの前に位置する、ステップと、
b.融合して間に入れる候補となるメッシュ・フレームg
nおよびg
mを選択するステップであって、前記候補g
nが、前記第1メッシュ・シーケンス{1}の終了部分に位置する第1メッシュ・フレーム・グループ{G
1}内で選択され、候補g
mが、前記第2メッシュ・シーケンスの開始部分に位置する第2メッシュ・グループ{G
2}内で選択される、ステップと、
c.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算するステップと、
d.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mに、幾何学的剛体および/または非剛体変換を適用するステップと、
e.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mのテクスチャ変換を計算するステップと、
f.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mに、テクスチャ変換を適用するステップと、
を含む、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項28】
請求項27記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体において、候補メッシュ・フレームg
nおよびg
mを選択する前記ステップが、それぞれ、前記メッシュ・フレームg
nおよびg
mを包囲するメッシュ・フレームg
n±iまたはg
m±jによって形成されたグループ{Ng
n}および{Ng
m}を選択するサブステップを含み、mおよびnが画像フレームの数であり、iおよびjが0でない整数である、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項29】
請求項28記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体において、候補フレームg
nおよびg
mの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算する前記ステップが、前記グループ{Ng
n}または{Ng
m}間に最小距離を与える剛体変換rt(g
nm,g
mm)を計算するサブステップを含む、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項30】
請求項29記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体において、候補フレームg
nおよびg
mの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算する前記ステップが、更に、非剛体変換nrt(g
nm,g
mm)を、前記第1および/または第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する1組の連続フレーム間で、計算するステップを含む、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項31】
請求項29または30記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体において、候補フレームg
nおよびg
mの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算する前記ステップが、計算した前記剛体変換rt(g
nm,g
mm)および前記非剛体変換nrt(g
nm,g
mm)を、分割するサブステップを含む、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項32】
請求項27記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体において、幾何学的剛体および/または非剛体変換を候補フレームg
nおよびg
mに適用する前記ステップが、分割したrt(g
nm,g
mm) および nrt(g
nm,g
mm)を対応するフレームに適用するステップを含む、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項33】
請求項27記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体において、前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mのテクスチャ変換を適用するステップが、フレームg
n~g
n+kおよび/または g
m~g
m+kのテクスチャを、非剛体変換 nrt(g
nm,g
mm)によって変換されたテクスチャとアルファ・ブレンドし、重みが範囲[0,k]の範囲であるパラメータpに依存する、ステップを含む、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項34】
請求項27記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体において、前記第1および第2メッシュ・シーケンスの内少なくとも1つが、キャプチャしたビデオをリギングするステップによって得られる、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項35】
請求項34記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体において、前記非剛体変換を計算する前記ステップが、前記キャプチャしたビデオからリギングしたメッシュ・フレーム・シーケンスに基づく、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項36】
請求項34記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体において、前記非剛体変換を計算する前記ステップが、更に、前記キャプチャしたビデオに基づいて初期推定を計算し、前記初期推定に基づいて、最終的な非剛体変換を計算するステップを含む、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項37】
請求項27記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体において、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが、完全に1回のテークに属するクリップにおける異なる時点から取り込まれる、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項38】
請求項27記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体において、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが同一であり、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが互いに繋がれてループ状になるように、前記第2メッシュ・フレーム・シーケンスの終了部分が、前記第1メッシュ・フレーム・シーケンスの開始部分と融合される、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項39】
請求項27記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体において、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが異なるテークに属する、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項40】
切断されたメッシュ・フレーム・シーケンスを連続的にレンダリングするときに、前記シーケンス間の遷移を滑らかにするコンピュータ実装方法であって、
a.繋げてループ状にしようとするメッシュ・シーケンスを供給するステップと、
b.融合して間に入れる候補となるメッシュ・フレームg
nおよびg
mを選択するステップであって、前記候補g
nが、前記メッシュ・シーケンスの終了部分に位置する第1メッシュ・フレーム・グループ{G
1}内で選択され、候補g
mが、前記メッシュ・シーケンスの開始部分に位置する第2メッシュ・グループ{G
2}内で選択される、ステップと、
c.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算するステップと、
d.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mに、幾何学的剛体および/または非剛体変換を適用するステップと、
e.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mのテクスチャ変換を計算するステップと、
f.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mに、テクスチャ変換を適用するステップと、
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項41】
請求項40記載の方法において、候補メッシュ・フレームg
nおよびg
mを選択する前記ステップが、それぞれ、前記メッシュ・フレームg
nおよびg
mを包囲するメッシュ・フレームg
n±iまたはg
m±jによって形成されたグループ{Ng
n}および{Ng
m}を選択するサブステップを含み、mおよびnが画像フレームの数であり、iおよびjが0でない整数である、方法。
【請求項42】
請求項41記載の方法において、候補フレームg
nおよびg
mの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算する前記ステップが、前記グループ{Ng
n}または{Ng
m}間に最小距離を与える剛体変換rt(g
nm,g
mm)を計算するサブステップを含む、方法。
【請求項43】
請求項42記載の方法において、候補フレームg
nおよびg
mの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算する前記ステップが、更に、非剛体変換nrt(g
nm,g
mm)を、前記第1および/または第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する1組の連続フレーム間で計算するステップを含む、方法。
【請求項44】
請求項42または43記載の方法において、候補フレームg
nおよびg
mの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算する前記ステップが、計算した前記剛体変換rt(g
nm,g
mm)および前記非剛体変換nrt(g
nm,g
mm)を、分割するサブステップを含む、方法。
【請求項45】
請求項40記載の方法において、幾何学的剛体および/または非剛体変換を候補フレームg
nおよびg
mに適用する前記ステップが、分割したrt(g
nm,g
mm)および nrt(g
nm,g
mm)を対応するフレームに適用するステップを含む、方法。
【請求項46】
請求項45記載の方法において、前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mのテクスチャ変換を適用するステップが、フレームg
n~g
n+kおよび/または g
m~g
m+kのテクスチャを、非剛体変換 nrt(g
nm,g
mm)によって変換されたテクスチャとアルファ・ブレンドし、重みが範囲[0,k]の範囲であるパラメータpに依存する、ステップを含む、方法。
【請求項47】
請求項40記載の方法において、前記第1および第2メッシュ・シーケンスの内少なくとも1つが、キャプチャしたビデオをリギングするステップによって得られる、方法。
【請求項48】
請求項47記載の方法において、前記非剛体変換を計算する前記ステップが、前記キャプチャしたビデオからリギングしたメッシュ・フレーム・シーケンスに基づく、方法。
【請求項49】
請求項47記載の方法において、前記非剛体変換を計算する前記ステップが、更に、前記キャプチャしたビデオからリギングしたメッシュ・フレーム・シーケンスに基づいて初期推定を計算し、前記初期推定に基づいて、最終的な非剛体変換を計算するステップを含む、方法。
【請求項50】
請求項40記載の方法において、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが、完全に1回のテークに属するクリップにおける異なる時点から取り込まれる、方法。
【請求項51】
請求項40記載の方法において、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが同一であり、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが互いに繋がれてループ状になるように、前記第2メッシュ・フレーム・シーケンスの終了部分が、前記第1メッシュ・フレーム・シーケンスの開始部分と融合される、方法。
【請求項52】
請求項40記載の方法において、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが異なるテークに属する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボリューメトリック・ビデオの処理に関し、更に特定すれば、ボリューメトリック・クリップの融合(fusing)に関する。
【従来技術】
【0002】
スキャンしたポイント・クラウドからの変形オブジェクトの空間-時間形状再現は、コンピュータ・グラフィクスおよびジオメトリ処理において近年熱心に研究されている問題である。必須の、そして特に意欲をそそる副問題は、キャプチャされた形状の全ての時間フレームにわたる時間-空間位置合わせである。
【0003】
米国特許第8,384,714号は、フィギュア(figure)をこのフィギュアの画像と相関付けた立体空間(volumetric)表現について開示する。このフィギュアの2つの時間的に異なる(distinct)画像の各々に共通な基準点を発見する。基準点は、2つの画像間におけるフィギュアの移動を表す。基準点およびフィギュアの立体空間表現の相関の関数として、立体空間変形(volumetric deformation)をフィギュアのデジタル表現に適用する。粗雑/立体空間変形の関数として、精細変形を適応する。適用した変形に応答して、フィギュアの更新デジタル表現を生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2つのメッシュ・シーケンスを融合するとき、直前のメッシュ・フレーム・シーケンスの最後のビデオ・フレームに属するメッシュ・フレームを、次に続くメッシュ・フレーム・シーケンスの最初のメッシュ・フレームに属するメッシュ・フレームに変換し(transform)なければならない。したがって、融合しようとするメッシュ・フレーム・シーケンス間の遷移を和らげる(soften)ことを対象とする、メッシュ・シーケンス融合方法を提供することは、長い間求められて(long-felt)いたが満たされていない要望である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明の目的の1つは、連続的にレンダリングする2つのメッシュ・シーケンス間の遷移を滑らかにするコンピュータ実装方法を開示することである。前述の方法は、(a)融合シーケンスに融合しようとするメッシュ・フレームが形成された第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}をそれぞれ供給するステップであって、前記第1メッシュ・シーケンスが、前記融合シーケンス内において、前記第2メッシュ・シーケンスの前に位置する、ステップと、(b)融合して間に入れる候補となるメッシュ・フレームgnおよびgmを選択するステップであって、前記候補gnが、前記第1メッシュ・シーケンス{1}の終了部分に位置する第1メッシュ・フレーム・グループ{G1}内で選択され、候補gmが、前記第2メッシュ・シーケンスの開始部分に位置する第2メッシュ・グループ{G2}内で選択される、ステップと、(c)前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算するステップと、(d)前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmに、計算した幾何学的剛体および/または非剛体変換を適用するステップと、(e)前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmのテクスチャ変換を計算するステップと、(f)前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmに、計算したテクスチャ変換を適用するステップとを含む。
【0006】
本発明の他の目的は、候補メッシュ・フレームgnおよびgmを選択するステップであって、前記メッシュ・フレームgnおよびgmを包囲するメッシュ・フレームgn±iまたはgm±jによって、それぞれ、形成されたグループ{Ngn}および{Ngm}を選択するサブステップを含む、ステップを提供することであり、mおよびnが画像フレームの数であり、iおよびjが0でない整数である。
【0007】
本発明の更に他の目的は、候補フレームgnおよびgmの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算するステップであって、前記グループ{Ngn}または{Ngm}間に最小距離を与える剛体変換rt(gnm,gmm)を計算するサブステップを含む、ステップを提供することである。
【0008】
本発明の更に他の目的は、更に、候補フレームgnおよびgmの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算するステップであって、非剛体変換nrt(gnm,gmm)を計算するサブステップを含む、ステップを提供することである。
【0009】
本発明の更に他の目的は、候補フレームgnおよびgmの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算するステップであって、計算した前記剛体変換rt(gnm,gmm)および前記非剛体変換nrt(gnm,gmm)を、前記第1および/または第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する1組の連続フレーム間で分割するサブステップを含む、ステップを提供することである。
【0010】
本発明の更に他の目的は、幾何学的剛体および/または非剛体変換を候補フレームgnおよびgmに適用するステップであって、分割したrt(gnm,gmm)およびnrt(gnm,gmm)を対応するフレームに適用するサブステップを含む、ステップを提供することである。
【0011】
本発明の更に他の目的は、前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmのテクスチャ変換を適用するステップであって、フレームgn~gn+kおよび/または gm~ggm+kのテクスチャを、非剛体変換 nrt(gnm,gmm)によって変換されたテクスチャとアルファ・ブレンドするサブステップを含み、重みが範囲[0,k]の範囲であるパラメータpに依存する、ステップを提供することである。
【0012】
本発明の更に他の目的は、キャプチャしたビデオをリギングするステップによって得られる前記第1および第2メッシュ・シーケンスの内少なくとも1つを提供することである。
【0013】
本発明の更に他の目的は、前記キャプチャしたビデオからリギングしたメッシュ・フレーム・シーケンスに基づいて非剛体変換を計算するステップを提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、更に、前記非剛体変換を計算するステップであって、前記キャプチャしたビデオからリギングしたメッシュ・フレーム・シーケンスに基づいて初期推定を計算し、前記初期推定に基づいて、最終的な非剛体変換を計算するサブステップを含む、ステップを提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、完全に1回のテークに属するクリップにおける異なる時点から取り込まれる第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスを提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、同一である前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスを提供することである。前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが互いに繋がれてループ状になるように、前記第2メッシュ・フレーム・シーケンスの終了部分を、前記第1メッシュ・フレーム・シーケンスの開始部分と融合する。
【0017】
本発明の他の目的は、異なるテークに属する第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスを提供することである。
【0018】
本発明の更に他の目的は、連続的にレンダリングする2つのメッシュ・シーケンス間の遷移を滑らかにするコンピュータ実装システムを提供することである。前述のコンピュータ実装システムは、(a)プロセッサと、(b)命令を格納したメモリとを備え、命令が前記プロセッサによって実行されると、(i)融合シーケンスに融合しようとするメッシュ・フレームが形成された第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}をそれぞれ供給するステップであって、前記第1メッシュ・シーケンスが、前記融合シーケンス内において、前記第2メッシュ・シーケンスの前に位置する、ステップと、(ii)融合して間に入れる候補となるメッシュ・フレームgnおよびgmを選択するステップであって、前記候補gnが、前記第1メッシュ・シーケンス{1}の終了部分に位置する第1メッシュ・フレーム・グループ{G1}内で選択され、候補gmが、前記第2メッシュ・シーケンスの開始部分に位置する第2メッシュ・グループ{G2}内で選択される、ステップと、(iii)前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算するステップと、(iv)前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmに、計算した幾何学的剛体および/または非剛体変換を適用するステップと、(v)前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmのテクスチャ変換を計算するステップと、vi.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmに、計算したテクスチャ変換を適用するステップとを、前記プロセッサに実行するように指令する。
【0019】
本発明の更に他の目的は、連続的にレンダリングする2つのメッシュ・シーケンス間の遷移を滑らかにする方法を実行するための、プロセッサへの命令を備える非一時的コンピュータ読み取り可能媒体を提供することであり、前記命令が、(a)融合シーケンスに融合しようとするメッシュ・フレームが形成された第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}をそれぞれ供給するステップであって、前記第1メッシュ・シーケンスが、前記融合シーケンス内において、前記第2メッシュ・シーケンスの前に位置する、ステップと、(b)融合して間に入れる候補となるメッシュ・フレームgnおよびgmを選択するステップであって、前記候補gnが、前記第1メッシュ・シーケンス{1}の終了部分に位置する第1メッシュ・フレーム・グループ{G1}内で選択され、候補gmが、前記第2メッシュ・シーケンスの開始部分に位置する第2メッシュ・グループ{G2}内で選択される、ステップと、(c)前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算するステップと、(d)前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmに、幾何学的剛体および/または非剛体変換を適用するステップと、(e)前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmのテクスチャ変換を計算するステップと、(f)前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmに、テクスチャ変換を適用するステップとを含む。
【0020】
本発明の更に他の目的は、切断されたメッシュ・フレーム・シーケンス(cut mesh frame sequences)を連続的にレンダリングするときに、シーケンス間の遷移を滑らかにするコンピュータ実装方法を提供することであり、前記方法が、(a)繋げてループ状にしようとするメッシュ・シーケンスを供給するステップと、(b)融合して間に入れる候補となるメッシュ・フレームgnおよびgmを選択するステップであって、前記候補gnが、前記メッシュ・シーケンスの終了部分に位置する第1メッシュ・フレーム・グループ{G1}内で選択され、候補gmが、前記メッシュ・シーケンスの開始部分に位置する第2メッシュ・グループ{G2}内で選択される、ステップと、(c)前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmの幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算するステップと、(d)前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmに、幾何学的剛体および/または非剛体変換を適用するステップと、(e)前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmのテクスチャ変換を計算するステップと、(f)前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームgnおよびgmに、テクスチャ変換を適用するステップとを含む。
【0021】
本発明を理解し、どのようにそれを実際に実施できるか確かめるために、これより添付図面を参照して、非限定的な例のみとして説明するための、複数の実施形態を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】ボリューメトリック・ビデオ内でメッシュ・シーケンスを融合する方法のフローチャートである。
【
図2a】メッシュ・フレーム・シーケンスの一部を切除し、2つのメッシュ・フレーム・シーケンスを融合する過程を示す模式図である。
【
図2b】メッシュ・フレーム・シーケンスの一部を切除し、2つのメッシュ・フレーム・シーケンスを融合する過程を示す模式図である。
【
図3】メッシュ・シーケンスを融合する方法のマッチング・フェーズのフローチャートである。
【
図4】ボリューメトリック・ビデオ内でメッシュ・シーケンスを融合する方法の幾何学的融合フェーズ(geometric fusing phase)のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明を行うのは、当業者であれば誰でも前記発明を利用することを可能にするためであり、本発明を実施する発明者によって考えられる最良の態様を明記する。しかしながら、本発明の包括的な原理は、具体的に、メッシュ・シーケンスを融合するコンピュータ実装方法、前述の方法を実施するためのコンピュータ実装システム、およびプロセッサが前述の方法を実行するための命令を含む非一時的コンピュータ読み取り可能媒体を提供するために定められているので、当業者には明白であり続けるように、種々の変更がなされる。
【0024】
本発明の目的は、キャラクタの動きの連続性が保持されるように、2つのメッシュ・フレーム・シーケンスを融合して、ループ状の1つのメッシュ・フレーム・シーケンスにする方法を提供することである。
【0025】
「フレーム」(frame)という用語は、以後、1本の(strip)フィルム上の個々の写真を指す。
【0026】
「シーン」(scene)という用語は、以後、1つ以上のショット(shot)から成り、ほぼ連続的な時間および空間において行われる劇的行動(dramatic action)を指す。
【0027】
「シーケンス」(sequence)という用語は、以後、共通の考えまたは画像によって一緒にリンクされたショットまたはシーンを含む劇的ユニット(dramatic unit)を指す。シーケンスは、その劇的エレメントおよび構造が統一されている限り、異なる時間または場所に及ぶことができる。
【0028】
「テーク」(take)という用語は、以後、所与のショットの多くの記録の内の1つを指す。大抵の場合、フィルムにおける各ショットは何度も撮影される。各ショットの最良のバージョン(またはテーク)が、最終的なフィルムのために選択される。
【0029】
メッシュ・シーケンスは、ボリューメトリック・ビデオをキャプチャし、キャプチャされたキャラクタの動きをリギングし(rigging)、ユーザのコマンドにしたがって、リギングされたメッシュを動かす(例えば、コンピュータ・ゲームにおいて)というような方法で得ることができる。
【0030】
本発明によって解決しようとする代表的な技術的問題は、少なくとも2つのカメラによって立体空間的にキャプチャされたビデオにおいて、キャラクタの動きの連続性を維持することである。ボリューメトリック・キャプチャ・シーケンスから得られたコンピュータ・ゲーム・キャラクタを、ユーザによって制御されるゲーム・プレーと融合することができる。メッシュ・シーケンスのルーピング(looping)(即ち、際限なく歩く人を作成する)も、本発明の範囲に該当する。達成される結果には、ビューア(ユーザ)が遷移の時点で全く気付かないような円滑な遷移が含まれる。これは、2つの幾何学的に同様の先頭および最終フレームを発見し、これらのジオメトリ(geometry)およびテクスチャを一緒に融合することによって達成される。
【0031】
撮影技術は、場合によっては、フィルム・エピソード(film episode)を全体として連続的にキャプチャすることができないこともある。撮影の連続性は、プレーが進むに連れて、カメラ、シーン位置を変化させることによって、途切れる可能性がある。したがって、異なるカメラによって異なる位置でキャプチャされたクリップ(メッシュ・フレーム・シーケンス)は、連続的にレンダリング可能なメッシュ・フレーム・シーケンスに融合される。ポストプロダクションにおいて、シーン全体を作るために、これらのシーケンスを一緒に併合する(merge)。
【0032】
ボリューメトリック・ビデオ(劇場におけるような)では、カメラ位置を変えることは不可能である。何故なら、ビューアが視点を決定するからであり、したがって異なるテークを併合して完全なシーケンスにするためには、融合技法(fusing technique)が必要となる。
【0033】
カメラ位置を変える遷移は不可能なので、メッシュ・フレーム・シーケンス間のカットは、2dビデオ間のカットよりも複雑である。
【0034】
ある場合には、撮影しようとする連続アクション(疾走のような)をボリューメトリック・キャプチャ・スタジオにおいて撮影するのは、技術的に非常に難しい(キャプチャ・エリアが限られているため)。走っている人の無限ループを作成することによって、連続的にレンダリング可能なメッシュ・フレーム・シーケンスを得ることができる。ボリューメトリック・スタジオにおいてキャプチャされた2つの同じメッシュ・フレーム・シーケンスを互いに融合する。
【0035】
メッシュ・フレーム・シーケンスは、リギングされると、仮想関節によって定められる所定の自由度で移動することができる。
【0036】
ある実施形態では、走る人のシーケンスをリギングし、立体空間的に跳躍する人と融合したい場合、リギングの自由度は、非剛体変換によって実現される。最初のフレームにおいて跳躍する人のフレームと一致させるように、最後のフレームにおいて走る人の脚部を動かすことができる。
【0037】
他の実施形態では、骨格の動きは非剛体変換の一部に過ぎない。キャラクタが着ている衣服の詳細な動きは、骨格の動きに加えて、もっと高い自由度を有することができる。
【0038】
これより、
図1を参照して、メッシュ・シーケンスを融合する方法100のフローチャートを示す。マッチング・フェーズであるステップ110において、先頭フレーム、終端フレーム、および隣接フレームに属するメッシュが、互いに最少距離だけ離間されるように、先頭フレームおよび終端フレームとなる候補毎に、最良の剛体変換を発見する。非限定的な一実施形態では、前述の候補の妥当性を評価するために、5つのフレームを使用する。
【0039】
幾何学的融合(ステップ120)は、ステップ110において選択した最良の候補と完全に一致させるために計算および使用される非剛体変換を含む。テクスチャ融合(ステップ130)は、第2シーケンスに属する4つのフレーム(最終フレーム)を当てはめるために、第1シーケンスに属するメッシュ・フレーム(先頭フレーム)の非剛体変換を行い、色調の滑らかな変化が達成されるように、漸次アルファ・ブレンドによって、先頭フレームのテクスチャを最終フレームの各々に変換するステップと、を含む。
【0040】
これより、本発明を示す
図2aおよび
図2bを参照する。
図2aは、メッシュ・フレーム・シーケンス{0}の切断を示す。具体的には、メッシュ・フレーム・シーケンス{0}の中央部分を切除する。残ったメッシュ・フレームg
nおよびg
mは、メッシュ・フレーム・シーケンス{1}および{2}を形成する。
【0041】
これより、
図2を参照して、メッシュ・フレーム・シーケンス{1}および{2}を融合する手順を示す。尚、
図2bに示す手順は、任意の1対のメッシュ・フレーム・シーケンスに適用可能であり、提示する実施形態に限定されるのではないことは、強調してしかるべきである。{G
1}は、前記第1メッシュ・フレーム・シーケンス{1}の終了部分に位置する第1メッシュ・フレーム・グループである。{G
2}は、前記第2メッシュ・フレーム・シーケンス{2}の開始部分に位置する第2メッシュ・フレーム・グループである。g
nおよびg
mは、融合する候補となるメッシュ・フレームを示す。{Ng
n}は、フレームg
nを包囲するフレームg
n±iによって形成されるサブグループである。{Ng
m}は、フレームg
mを包囲するフレームg
m±jによって形成されるサブグループであり、ここで、iおよびjは、ゼロでない整数である。{Ng
n}に属するg
nmおよび{Ng
m}に属するg
mmは、剛体変換によって変換されると、その間に最小の距離を有すると定められる。
【0042】
これより、
図3を参照して、ボリューメトリック・ビデオ内でメッシュ・シーケンスを融合する方法のマッチング・フェーズ110のフローチャートを示す。ステップ210aおよび210bは、それぞれ、メッシュ・フレーム・シーケンス{1}の終了部分に位置するフレームg
nのグループ{G
1}、およびメッシュ・フレーム・シーケンス{2}の開始部分に位置するフレームg
mのグループ{G
2}を選択する処理に向けられる。次いで、ステップ220aおよび220bでは、グループ{G
1}および{G
2}において、フレームg
n±iのサブグループ{Ng
n}およびフレームg
m±jのサブグループ{Ng
m}を選択する。フレームg
n±iおよびg
m±jは、それぞれ、フレームg
nおよびg
mを包囲する。マッチング・フェーズ110は、更に、前記g
nおよびg
m、ならびに前記g
n±iまたはg
m±j間の最小距離がそれぞれ得られるように、剛体変換rt(g
n、g
m)を計算するステップ230を含む。得られた剛体変換rt(g
n、g
m)を前述のフレームに適用したのち、間の距離が最小であるフレームg
nmおよびg
mmを決定する。
【0043】
これより、
図4を参照して、幾何学的融合フェーズ120のフローチャートを示す。幾何学的融合フェーズ120は、ステップ310において、フレームg
nmおよびg
mm間の非剛体変換nrt(g
n、g
m)の計算を含む。次いで、ステップ320において、グループ{G
2}に属するすべてのフレームg
m間で、計算した非剛体変換nrt(g
n、g
m)を分割する。加えて、ステップ330において、グループ{G
1}に属する複数の終端フレームg
n、またはグループ{G
2}に属する最初のフレームg
m間で、計算した剛体変換rt(g
n、g
m)を分割する。ステップ340において、分割したrt(g
n、g
m)およびnrt(g
n、g
m)を対応するフレームg
nおよびg
mに適用する。
【0044】
テクスチャ融合フェーズ130は、フレームgmからgm+kまでのテクスチャと、フレームgnからの非剛体変換nrt(gn、gm)によって変換されたテクスチャとの段階的アルファ・ブレンディングを含み、重みは[0,k]の範囲にあるパラメータpに依存する。
【0045】
リギングが施されたメッシュ・シーケンスの場合、リグを制御するモーション・パラメータを変化させることによって、非剛体変換を行うことができる。
【0046】
本発明は、メッシュ・フレーム・シーケンスを切断(編集)し、非剛体変換のためにリギングを使用し、非剛体変換の他の方法に対する初期推定としてリギングを使用し、リギングしたシーケンスにボリューメトリック・ビデオを融合するときに適用することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的にレンダリングする2つのメッシュ・シーケンス間の遷移を滑らかにするコンピュータ実装方法であって、
a.融合シーケンスに融合しようとするメッシュ・フレームが形成された第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}をそれぞれ供給するステップであって、前記第1メッシュ・シーケンスが、前記融合シーケンス内において、前記第2メッシュ・シーケンスの前に位置する、ステップと、
b.融合して間に入れる候補となるメッシュ・フレームg
nおよびg
mを選択するステップであって、前記候補g
nが、前記第1メッシュ・シーケンス{1}の終了部分に位置する第1メッシュ・フレーム・グループ{G
1}内で選択され、前記候補g
mが、前記第2メッシュ・シーケンスの開始部分に位置する第2メッシュ・グループ{G
2}内で選択される、ステップと、
c.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mについて幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算するステップと、
d.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mに、計算した幾何学的剛体および/または非剛体変換を適用するステップと、
e.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mのテクスチャ変換を計算するステップと、
f.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mに、計算したテクスチャ変換を適用するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
切断されたメッシュ・フレーム・シーケンスを連続的にレンダリングするときに、前記メッシュ・フレーム・シーケンス間の遷移を滑らかにするコンピュータ実装方法であって、
a.繋げてループ状にしようとするメッシュ・シーケンスを供給するステップと、
b.融合して間に入れる候補となるメッシュ・フレームg
nおよびg
mを選択するステップであって、前記候補g
nが、前記メッシュ・シーケンスの終了部分に位置する第1メッシュ・フレーム・グループ{G
1}内で選択され、前記候補g
mが、前記メッシュ・シーケンスの開始部分に位置する第2メッシュ・グループ{G
2}内で選択される、ステップと、
c.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mについて幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算するステップと、
d.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mに、幾何学的剛体および/または非剛体変換を適用するステップと、
e.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mのテクスチャ変換を計算するステップと、
f.前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mに、テクスチャ変換を適用するステップと、
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の方法において、候補メッシュ・フレームg
nおよびg
mを選択する前記ステップが、それぞれ、前記メッシュ・フレームg
nおよびg
mを包囲するメッシュ・フレームg
n±iまたはg
m±jによって形成されたグループ{Ng
n}および{Ng
m}を選択するサブステップを含み、ここでは、mおよびnが画像フレームの数であり、iおよびjが0でない整数である、方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法において、候補フレームg
nおよびg
mについて幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算する前記ステップが、前記グループ{Ng
n}または{Ng
m}間に最小距離を与える剛体変換rt(g
nm,g
mm)を計算するサブステップを含む、方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法において、候補フレームg
nおよびg
mについて幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算する前記ステップが、更に、非剛体変換nrt(g
nm,g
mm)を、前記第1および/または第2メッシュ・シーケンス{1}および/または{2}に属する1組の連続フレーム間で計算するステップを含む、方法。
【請求項6】
請求項4または5記載の方法において、候補フレームg
nおよびg
mについて幾何学的剛体および/または非剛体変換を計算する前記ステップが、計算した前記剛体変換rt(g
nm,g
mm)および前記非剛体変換nrt(g
nm,g
mm)を、前記第1および/または第2メッシュ・シーケンス{1}および/または{2}に属する1組の連続フレーム間で分割するサブステップを含む、方法。
【請求項7】
請求項1または2記載の方法において、幾何学的剛体および/または非剛体変換を候補フレームg
nおよびg
mに適用する前記ステップが、分割したrt(g
nm,g
mm)およびnrt(g
nm,g
mm)を対応するフレームに適用するステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項1または2記載の方法において、前記第1および第2メッシュ・シーケンス{1}および{2}に属する前記候補フレームg
nおよびg
mのテクスチャ変換を適用する前記ステップが、フレームg
n~g
n+kおよび/またはg
m~g
m+kのテクスチャを、非剛体変換nrt(g
nm,g
mm)によって変換されたテクスチャとアルファ・ブレンドし、重みが範囲[0,k]の範囲であるパラメータpに依存する、ステップを含む、方法。
【請求項9】
請求項1または2記載の方法において、前記第1および第2メッシュ・シーケンスの内少なくとも1つが、キャプチャしたビデオをリギングするステップによって得られる、方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法において、前記非剛体変換を計算する前記ステップが、前記キャプチャしたビデオからリギングしたメッシュ・フレーム・シーケンスに基づく、方法。
【請求項11】
請求項9記載の方法において、前記非剛体変換を計算する前記ステップが、更に、前記キャプチャしたビデオからリギングしたメッシュ・フレーム・シーケンスに基づいて初期推定を計算し、前記初期推定に基づいて、最終的な非剛体変換を計算するステップを含む、方法。
【請求項12】
請求項1または2記載の方法において、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが、完全に1回のテークに属するクリップにおける異なる時点から取り込まれる、方法。
【請求項13】
請求項1または2記載の方法において、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが同一であり、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが互いに繋がれてループ状になるように、前記第2メッシュ・フレーム・シーケンスの終了部分が、前記第1メッシュ・フレーム・シーケンスの開始部分と融合される、方法。
【請求項14】
請求項1または2記載の方法において、前記第1および第2メッシュ・フレーム・シーケンスが異なるテークに属する、方法。
【請求項15】
コンピュータ実装システムであって、
a.プロセッサと、
b.命令を格納したメモリと、
を備え、前記命令が前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、請求項1~14の何れか一項記載の方法を実行するように指令する、コンピュータ実装システム。
【請求項16】
請求項1~14の何れか一項記載の方法を実行するための、プロセッサへの命令を記録した非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【国際調査報告】