(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】慢性呼吸器疾患の管理のための連結型酸素療法システム
(51)【国際特許分類】
A61M 16/10 20060101AFI20230906BHJP
G16H 40/00 20180101ALN20230906BHJP
【FI】
A61M16/10 B
G16H40/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501678
(86)(22)【出願日】2021-07-27
(85)【翻訳文提出日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 IB2021056818
(87)【国際公開番号】W WO2022023978
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522412471
【氏名又は名称】レズメド アジア プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オーイ、ワイ、ローン
(72)【発明者】
【氏名】スミトロ、ティルザ
(72)【発明者】
【氏名】タン、テック、ウェイ(チェン、ティウェイ)
(72)【発明者】
【氏名】リム、キアン、ブーン
(72)【発明者】
【氏名】チア、ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ロウ、キーン、ワァ
(72)【発明者】
【氏名】リ、シン、チン
(72)【発明者】
【氏名】ロー、ユ、ファン
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA00
(57)【要約】
酸素濃縮器の使用者に周辺の有害な環境条件に対応する方法及びシステムを開示する。使用者の生理学的データを収集する。酸素濃縮器の作動データを酸素濃縮器の作動中に収集する。酸素濃縮器周辺の環境データを収集する。収集した環境データに基づいて、酸素濃縮器周辺に有害環境条件が存在するか否かを判定する。収集した生理学的データ、作動データ、環境データを分析して、判定された有害環境条件に対する対応措置を決める。対応措置を使用者に伝達する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素濃縮器使用者周辺の有害環境条件に対応する方法であって、
前記使用者の生理学的データを収集するステップ、
前記酸素濃縮器の作動中、酸素濃縮器の作動データを収集するステップ;
前記酸素濃縮器周辺の環境データを収集するステップ;
収集した前記環境データに基づいて、有害環境条件が前記酸素濃縮器周辺に存在するか否かを判定するステップ;
判定された前記有害環境条件に対する対応措置を決めるために、収集した生理学的データ、作動データ、環境データを分析するステップ;
前記対応措置を前記使用者に伝達するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記作動データは地理的位置データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記環境データを収集するステップは、前記地理的位置データを用いて環境データベースから環境データを検索するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記環境データは空気質測定値を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記有害環境条件が存在するか否かを判定するステップは、前記空気質測定値と空気汚染を示す閾値を比較するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記分析ステップは、データベースに保存された他の携帯用酸素濃縮器で収集した生理学的データ、作動データ、環境データを利用する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
収集した前記生理学的データ、作動データ、環境データを前記データベースに保存するステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記対応措置は、前記使用者の前記酸素濃縮器を制御して酸素流量制御を変更する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
連結型酸素療法システムであって、
酸素濃縮空気を生成して使用者に伝達するように構成された酸素濃縮器と、
前記使用者の生理学的データを収集するように構成された生理学的センサと、
前記酸素濃縮器の作動中に前記酸素濃縮器の作動データを収集するように構成された作動センサと、
プロセッサとを含み、
前記プロセッサは、
前記使用者の生理学的データを収集し、
前記酸素濃縮器の作動中に前記酸素濃縮器の作動データを収集し、
前記酸素濃縮器周辺の環境データを収集し、
収集した前記環境データに基づいて、前記酸素濃縮器周辺の有害環境条件の存在するか否かを判定し、
収集した前記生理学的データ、作動データ、環境データを分析して、判定された前記有害環境条件に対する対応措置を決め、
前記対応措置を前記使用者に伝達するように構成されている、連結型酸素療法システム。
【請求項10】
前記酸素濃縮器と通信するサーバを更に含み、
前記プロセッサは、前記サーバのプロセッサである、請求項9に記載の連結型酸素療法システム。
【請求項11】
前記酸素濃縮器と前記サーバとの間で仲介者の役割をするように構成された携帯用演算装置を更に含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記酸素濃縮器周辺の前記環境データを生成するように構成されている環境センサを更に含む、請求項9~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記酸素濃縮器の地理的位置データを生成するように構成されている地理的位置装置を更に含む、請求項9~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
環境データを含む環境データベースを更に含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記地理的位置データを用いて前記環境データベースから前記環境データを検索するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
他の酸素濃縮器から得た生理学的データ、作動データ、環境データが保存されているデータベースを更に含む、請求項9~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記分析ステップで他の酸素濃縮器から得た前記生理学的データ、作動データ、環境データを利用するように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記対応措置は、前記酸素濃縮器を制御して前記使用者に対する酸素流量制御を変更することであり、前記プロセッサは前記酸素濃縮器を制御するように構成されている、請求項9~17のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互引用
【0002】
本願は、2020年7月28日に出願した米国仮特許出願第63/057,607号に対して優先権を主張し、当該出願は本願に援用されている。
【0003】
本発明は、一般的に携帯用の酸素濃縮器(POC)に関するもので、より具体的には、POCの作動及び/又はPOCを用いる患者の行動を調整して周辺空気汚染の影響を減らすための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
長期酸素療法(LTOT)の一環で、酸素補充を必要とする使用者(患者)が多い。現在LTOTを受ける大多数の使用者は慢性閉鎖性肺疾患(COPD)診断を受けた人々である。ここには慢性気管支炎、肺気腫及び関連肺状態のような一般的な疾病が含まれる。例えば、活動レベルを高めなければならない肥満者、嚢胞性繊維症がある使用者、又は気管支肺異形成症がある乳児など、その他の使用者も酸素補充を必要とし得る。
【0005】
医者はこれらの使用者に酸素濃縮器又は携帯用の医療用酸素タンクを処方することができる。一般的に特定の連続酸素流量を処方するようになっている(例:1分当たり1リットル(LPM)、2LPM、3LPMなど)。医療専門家らは、当該使用者が運動すると疾病の進行を遅らせ、暮らしの質を改善する一方、長期的には寿命を延ばすことを明らかにした。しかしながら、ランニングマシンや固定式自転車のような大部分の固定式運動は、該当使用者には非常に厳しい場合が殆どである。したがって、移動性の必要性が台頭し、最近までは小型圧縮酸素タンクやホイール付きのカートにシリンダを用いる方式で移動性を確保していた。ただし、このようなタンクは酸素量が限定的であり、装着時に重量が約50ポンド(約23kg)もするという短所がある。
【0006】
酸素濃縮器は約50年間、呼吸器治療の際に、酸素を供給する手段として広く使用されてきた。酸素濃縮器は、VSA(真空スイング吸着)、PSA(圧力スイング吸着)又はVPSA(真空圧力スイング吸着)などの循環プロセスを具現することができる。例えば酸素濃縮器、いわゆるPOCは、スイング吸着プロセス(例:真空スイング吸着、圧力スイング吸着又は真空圧力スイング吸着。以下、本明細書では「スイング吸着プロセス」と称する)において減圧(例:真空作動)及び/又は加圧(例:圧縮器作動)を基盤として作動する。圧力スイング吸着の場合、ガス分離吸着剤の粒子を含む1つ以上のキャニスタ内部のガス圧力を増加させるために、1つ以上の圧縮器を用いることができる。ガス分離吸着層のような大量のガス分離吸着剤を含むキャニスタは、シーブベッド(sieve bed)の役割もする。圧力が増加することによってガスの特定の分子がガス分離吸着剤に吸着される。加圧状態でキャニスタのガスの一部を除去すると、吸着分子から非吸着分子を分離することが可能である。吸着分子はシーブベッドを排気して脱着する。酸素濃縮器に関する追加的な詳細事項は、例えば本願でも援用している米国公開特許出願第2009-0065007号(公開日:2009年3月12日、発明の名称:酸素濃縮器装置及び方法)を参照することができる。
【0007】
大気は一般的に約78%の窒素と21%の酸素を含み、残りはアルゴン、二酸化炭素、水蒸気、その他の微量気体で構成される。例えば、空気などの気体混合物が、酸素より窒素と親和力が良いガス分離吸着剤が入っているキャニスタに加圧状態で通されると、窒素の一部又は全部がキャニスタ内部に残るため、キャニスタから抜けた気体は大量の酸素を含むようになる。シーブベッドが窒素吸装着量限界に到逹すると、排気し吸着した窒素を脱着する。その後、シーブベッドは、酸素濃縮空気の生成サイクルを最初からやり直す。キャニスタが2つのシステムの場合、キャニスタを交互に加圧することで、一方が酸素を分離する間、残りの一方を排気することが可能である(これによりほぼ連続的に空気から酸素を分離する)。このような方式で、使用者に補充酸素を供給するなど様々な用途のために、キャニスタと結合した保存容器、その他の加圧可能容器又は導管に酸素濃縮空気を積することができる。
【0008】
VSA(真空スイング吸着)は代替ガス分離技術を提供する。VSAは、一般的にシーブベッド内に真空を生成するように構成された圧縮器のような真空を用いてシーブベッドの分離プロセスを介して気体を引き出す。VPSA(真空圧力スイング吸着)は真空と加圧技術を組み合わせて用いるハイブリッドシステムとして理解することができる。例えば、VPSAシステムは分離プロセスのためにシーブベッドを加圧することができ、シーブベッドの減圧のため真空を適用することもできる。
【0009】
既存の酸素濃縮器は嵩が大きく重かったため、一般的な歩行活動が難しく非実用的であった。最近、大型固定式酸素濃縮器を製造する企業では携帯用の酸素濃縮器(POC)を開発し始めた。POCの長所は理論的に連続で酸素を生成し供給して患者に移動性を提供することができるということである。該当装置を小さくして移動性を高めようとすると、酸素濃縮空気の生産に必要な様々なシステムが凝縮されるようになる。POCは、重量、大きさ、電力消費率を最小化するために生産された酸素をできるだけ効率的に活用しようとする。一部の具現例の場合、酸素を一連のパルスとして伝達する方式を採用しているが、それぞれのパルス又は「ボーラス(bolus)」が吸入の開始と一致するように時間を調整する。該当治療モードは固定式酸素濃縮器により適した既存の連続流れの伝達とは別のパルス型酸素伝達(POD)又は需要モードとして知られている。PODモードは吸入の開始を決めるセンサがある活性バルブである保存器で具現することができる。
【0010】
例えば、空気質指数(AQI)又は花粉数で測定する周辺空気汚染は、POC作動に影響を及ぼし、酸素患者の状態を悪化させる恐れがある。例えば特定の密度閾値以上のPM2.5(直径2.5ミクロメートル以下の吸入可能な粒子)に短期間露出すると、数分内に血中酸素飽和度(SpO2)が急激に減少し、その効果は数時間も続く。また他の例で、POCは空気流れ経路で特定の大きさ以上の微粒子を除去するために1つ以上の微粒子フィルタを含むことができる。該当フィルタが予想寿命の前に除去された粒子で詰まると(予想以上に空気質が良くない場合に発生し得る)、POCは規定された酸素用量を伝達するためにより動かなければならないので、構成要素及びバッテリの寿命に影響を及ぼし得る。或いは、フィルタを抜けた粒子がバルブなど気体経路の他の位置に留まりながら類似の効果をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、POCの作動及び/又は酸素患者の行動を調整し、患者の環境で空気汚染の影響を減らすことができる酸素療法システムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示内容は、周辺環境条件、特に空気質に反応する慢性呼吸器疾患の管理のための連結型酸素療法システムに関する。システムの一部でPOCは使用量、出力インピーダンスなどの作動データ、呼吸率のような患者媒介変数、遠隔サーバに対する地理的位置などを送る。サーバは地理的位置を公共環境データベース又はその他の情報源と関連付けてPOC周辺の空気質など環境条件を得る。POCは微粒子センサを含むかセンサと通信して周辺空気質データを測定し、サーバに送ることができる。サーバはデータを分析して、POCを用いる患者に空気汚染のような周辺有害環境条件の影響を減らすための措置を取るか勧奨する。
【0013】
本願で開示する例示的方法のうちの1つは、酸素濃縮器の使用者周辺の有害環境条件に対応するものである。使用者の生理学的データを収集する。酸素濃縮器の作動データを酸素濃縮器の作動中に収集する。酸素濃縮器周辺の環境データを収集する。収集した環境データを基として酸素濃縮器周辺に有害環境条件が存在するか否かを判定する。収集した生理学的データ、作動データ、環境データを分析して、判定された有害環境条件に対する対応措置を決める。対応措置を使用者に伝達する。例示的方法の他の具現例で、作動データは地理的位置データを含む。例示的方法の他の具現例で、環境データを収集するステップは、地理的位置データを用いて環境データベースから環境データを検索するステップを含む。例示的方法の他の具現例で、環境データは空気質測定値を含む。例示的方法の他の具現例で、有害環境条件が存在するか否かを判定するステップは、空気質測定値と空気汚染を示す閾値とを比べるステップを含む。例示的方法の他の具現例で、分析ステップは、データベースに保存された他の携帯用の酸素濃縮器で収集した生理学的データ、作動データ、環境データを用いる。例示的方法の他の具現例で、収集した生理学的データ、作動データ、環境データをデータベースに保存するステップを更に含む。例示的方法の他の具現例で、対応措置は使用者の酸素濃縮器を制御して酸素流量制御を変更するものである。
【0014】
また他の開示例は、酸素濃縮空気を生成し使用者に伝達するように構成された酸素濃縮器を含む連結型酸素療法システムに関する。生理学的センサは前記使用者の生理学的データを収集するように構成されている。作動センサは酸素濃縮器の作動中に酸素濃縮器の作動データを収集するように構成されている。システムは、使用者の生理学的データと、酸素濃縮器の作動中に酸素濃縮器の作動データとを収集するプロセッサを含む。プロセッサは酸素濃縮器周辺の環境データを収集する。収集した前記環境データに基づいて、プロセッサは酸素濃縮器周辺の有害環境条件の存在するか否かを判定する。プロセッサは、収集した前記生理学的データ、作動データ、環境データを分析して、判定された有害環境条件に対する対応措置を決める。プロセッサは対応措置を使用者に伝達する。
【0015】
例示的システムの他の具現例は、酸素濃縮器と通信するサーバを更に含む。プロセッサはサーバのプロセッサである。例示的システムの他の具現例は、酸素濃縮器とサーバとの間で仲介者の役割をするように構成された携帯用演算装置を含む。例示的システムの他の具現例は、酸素濃縮器周辺の環境データを生成するように構成されている環境センサを含む。例示的システムの他の具現例は、酸素濃縮器の地理的位置データを生成するように構成されている地理的位置装置を含む。例示的システムの他の具現例は、環境データを含む環境データベースを含む。例示的システムの他の具現例は、プロセッサが地理的位置データを用いて環境データベースから環境データを検索するように構成されている。例示的システムの他の具現例は、他の酸素濃縮器から得た生理学的データ、作動データ、環境データが保存されているデータベースを含む。例示的システムの他の具現例は、プロセッサが分析ステップで他の酸素濃縮器から得た前記生理学的データ、作動データ、環境データを用いるように構成されている。例示的システムの他の具現例で、対応措置は酸素濃縮器を制御して使用者に対する酸素流量制御を変更するものである。プロセッサは酸素濃縮器を制御するように構成されている。
【発明の効果】
【0016】
前記要約は本発明の各実施例又は全ての態様を網羅するものでない。上述の要約は、単に本願が提示する新しい態様及び特徴のうちの一部の例を提供するものである。添付の図面及び下記の請求の範囲に関する本発明を実施するための代表的な実施例及びモードを以下に詳細に説明し、これにより本発明の前記特徴及び利点、並びにその他の特徴及び利点を明確に提示する。
【0017】
本発明を次の添付の図面を参照して例示的な実施例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】
図1Aは、本技術の一形態による酸素濃縮器を図示する。
【
図1E】
図1Eは、熱交換導管を含む圧縮システムの側面図である。
【
図1N】
図1Nは、
図1Aの酸素濃縮器と通信することができる例示的な装置の通信装置のブロック図である。
【
図2】
図2は、POCからのデータ収集及びそのデータの分析を許容する連結型酸素療法システムのブロック図である。
【
図3】
図3は、
図2のシステムのような連結型酸素療法システムで具現したように周辺環境条件に対応する方法を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、様々な変形及び代替形態が可能である。一部の代表的な実施例を図面に例として図示し、下記で詳しく説明する。しかしながら、本発明は開示された特定の形態に限定されない。本開示内容は添付の請求の範囲が定義する本発明の思想及び範囲内に属する全ての修正、等価物及び代案を含む。
【0020】
本発明は、様々な形態で具現が可能である。代表的な実施例を図面に例として図示し、下記で詳しく説明する。本開示は、本開示の原理の例示であり、開示の広範囲な態様は図示した実施例に限定されない。該当範囲内で、例えば要約、発明の内容及び発明の詳細な説明に開示されているが請求の範囲に明示上に提示されていない要素及び制限事項を暗示、推論などにより単独で又は集合的に請求の範囲に含んではならない。本明細書で別に断らない限り、単数形は複数形を含み、その反対も同様である。「含み(including)」は「含むが限定されない」を意味する。また、「約」、「ほとんど」、「実質的に」、「ほぼ」などのような近似語は、本願で「~に」、「辺りに」又は「ほとんど」、例えば「以内」又は「許容可能な製造公差以内」、或いはこれらの論理的組み合わせを意味することができる。
【0021】
本発明は、クラウド基盤のエンジンで患者の健康状態の分析を提供するために多数の酸素濃縮器装置で収集した作動データを活用するシステムに関するものである。このシステムは、医療(特に統合医療)市場で連結型医療サービスの価値を高め、通信及びマシンランニング技術が支援する酸素濃縮器装置及びサービスに感知技術を統合して医療負担を減らすものである。
【0022】
携帯用の酸素濃縮器(POC)のような例示的な酸素濃縮器装置は、地理的位置及び治療への使用のような作動データと、呼吸率及び吸気時間のような生理学的データとをモニタリングして収集することができる。例示的なPOCは、連結された身体パッチ又はスマートウォッチ、腕輪又は指輪のような電気的又は光学的感知機能を有する健康モニタリング装置の追加センサから生理学的データを収集してもよい。例示的なPOCは、POCと通信する追加センサから周辺環境データを収集することもできる。患者が用いるスマート吸入器のような他の治療装置でデータを統合することもできる。例示的なPOCは収集したデータをネットワークを介してサーバのような遠隔演算装置に送ることができる。
【0023】
本発明はまた、サーバで実行される健康データ分析エンジンに関するものである。健康データ分析エンジンは酸素濃縮器から送信されたデータを収集し、データを分析してPOCを用いる患者に空気汚染のような周辺有害環境条件の影響を減らすための措置を取るか勧奨するように構成される。
【0024】
図1A~1Nは酸素濃縮器100の具現を図示する。本明細書に記載されたように、酸素濃縮器100は循環圧力スイング吸着(PSA)プロセスを用いて酸素濃縮空気を生成する。しかしその他の実施形態で酸素濃縮器100は循環真空スイング吸着(VSA)プロセス又は循環真空圧力スイング吸着(VPSA)プロセスを用いて酸素濃縮空気を生成してもよい。本技術の例示は次のような構造及び作動のうちの1つで具現が可能である。
【0025】
図1Aは酸素濃縮器100の外部ハウジング170の具現を図示する。一部の具現で、外部ハウジング170は軽量プラスチックで構成することができる。外部ハウジング170、圧縮システム入口105、冷却システム受動入口101及び外部ハウジング170の各端部にある出口173、出口ポート(174)及び制御パネル600を含む。入口101及び出口173は、冷却空気がハウジングに入り、ハウジングを通じて流れ、ハウジング170の内部を抜けて酸素濃縮器100の冷却を補助するようにする。圧縮システム入口105は、空気が圧縮システムに入れるようにする。出口ポート(174)は、酸素濃縮器100によって生成された酸素濃縮空気を使用者に提供するための導管を付着するのに用いられる。
【0026】
図1Bは
図1Aの例示的な酸素濃縮器100の構成要素の概略図を図示する。酸素濃縮器100は、酸素濃縮空気を使用者に提供するために気流内に酸素を濃縮することができる。本願で用いられる「酸素濃縮空気」は、約50%以上の酸素、約60%以上の酸素、約70%以上の酸素、約80%以上の酸素、約90%以上の酸素、約95%以上の酸素、約98%以上の酸素、又は約99%以上の酸素から構成された気体混合物である。最小範囲の例示としては携帯用の酸素濃縮器の酸素濃度86~87%が挙げられる。
【0027】
酸素濃縮器100は携帯用の酸素濃縮器であってもよい。例えば、酸素濃縮器100は酸素濃縮器100を手で、或いは運搬ケースに入れて運搬できる重さ及び大きさである。一具現例で、酸素濃縮器100は、約20ポンド(9.7kg)未満、約15ポンド(6.80kg)未満、約10ポンド(4.54kg)未満、又は約5ポンド(2.27kg)未満の重量を有する。一具現例で、酸素濃縮器100、約1000立方インチ(0.0164立方メートル)未満、約750立方インチ(0.0123立方メートル)未満、約500立方インチ(0.0082立方メートル)未満、約250立方インチ(0.0041立方メートル)未満、又は約200立方インチ(0.0033立方メートル)未満の体積を有する。
【0028】
ガス分離吸着剤を含むキャニスタ302及び304形態のシーブベッドで周辺空気を加圧することにより周辺空気から酸素濃縮空気を生成することができる。酸素濃縮器で有用なガス分離吸着剤は、空気流から少なくとも窒素を分離して酸素濃縮空気を生成することができる。ガス分離吸着剤の例としては、空気流から窒素を分離することのできる分子体が選ばれる。酸素濃縮器で用いられる吸着剤の例としては、ゼオライト(天然)又は上昇圧力下で空気流から窒素を分離する合成結晶質アルミノシリケートを有することができるが、これに限定されない。使用可能な合成結晶質アルミノシリケートの例としては、UOPLLC(DesPlaines,IL)の市販のOXYSIV吸着剤;W. R. Grace & Co(Columbia,MD)の市販のSYLOBEAD吸着剤;CECAS. A.(Paris,France)の市販のSILIPORITE吸着剤;ZeochemAG(Uetikon,Switzerland)の市販のZEOCHEM吸着剤;AirProductsandChemicals, Inc.(Allentown,PA)の市販のAgLiLSX吸着剤が挙げられる。
【0029】
図1Bに図示されたように、空気は空気入口105を通じて酸素濃縮器100に入る。空気は圧縮システム200によって空気入口105に吸引される。圧縮システム200は酸素濃縮器の周辺から空気を吸い込み、空気を圧縮し、圧縮された空気をキャニスタ302及び304のうちの1つ又は2つともに圧入する。一具現例で、入口マフラ108を空気入口105と結合して、圧縮システム200で空気を酸素濃縮器に誘導するときに生成される音を減少させてもよい。一具現例で、入口マフラ108は湿気及び音を下げるために用いることができる。例えば、水気吸着剤材料(ポリマー水気吸着剤材料又はゼオライト材料のような材料)を用いて流入空気から水気、すなわち水を吸着して空気入口105を通過する空気の音を下げてもよい。
【0030】
圧縮システム200は、空気を圧縮するように構成された1つ以上の圧縮器を含むことができる。圧縮システム200によって生成された圧縮空気はキャニスタ302、304のうちの1つ又は2つともに供給される。一部の具現例で、周辺空気をキャニスタで約13~20psiゲージ圧力(psig)範囲の圧力に加圧してもよい。キャニスタに配置されたガス分離吸着剤の類型によって圧力が変わる。
【0031】
入口バルブ122、124と出口バルブ132、134がそれぞれのキャニスタ302、304に結合される。
図1Bに図示したように、入口バルブ122はキャニスタ302に結合され、入口バルブ124はキャニスタ304に結合される。出口バルブ132はキャニスタ302に結合され、出口バルブ134はキャニスタ304に結合される。入口バルブ122、124は圧縮システム200でそれぞれのキャニスタへの空気通過を制御するのに用いられる。出口バルブ132、134は排気プロセスの間、それぞれのキャニスタ302、304から気体を排気するために用いられる。一部の具現例で、入口バルブ122、124及び出口バルブ132、134はシリコーンプランジャソレノイドバルブでも良いが、他の類型のバルブを用いてもよい。プランジャバルブは静かで滑りが少ないという利点がある。
【0032】
一部の具現例で、入口バルブ122、124及び出口バルブ132、134を制御するために2段階バルブ作動電圧を生成してもよい。例えば、入口バルブを開放するために入口バルブに高電圧(例えば、24V)を印加する。入口バルブを開いておくために電圧を減少(例:7V)させる。バルブを開いておくための電圧が低ければ使用電力をより節減することができる。電圧を減少すると熱蓄積及び電力消費を最小化して電源供給装置180(後述)の実行時間を延長する。バルブの電源が遮断されるとスプリング動作で閉まる。一部の具現例で、電圧は必ず段階的応答(例:初期24Vと最終7Vとの間の曲線下向き電圧)ではない時間の関数として印加されてもよい。
【0033】
一具現例で、コントローラ400はバルブ122、124、132、134に電気的に結合される。コントローラ400はメモリ420に保存されたプログラム命令を実行するように動作可能な1つ以上のプロセッサ410を含む。プログラム命令は本明細書で後述する方法など酸素濃縮器の作用に用いられる様々な事前定義方法を遂行するようにコントローラ400を構成する。プログラム命令は入口バルブ122、124を互いに異なる位相で作動させるためのプログラム命令を含むことができる。例えば、入口バルブ122又は124のうちの1つが開くと、電気機械式バルブを用いた場合のように他のバルブが閉まる。キャニスタ302の加圧中に出口バルブ132は閉まり、出口バルブ134は開く。入口バルブと同様に、出口バルブ132、134は互いに逆位相に作動する。一部の具現例で、入口及び出口バルブを開くことに用いられる電圧及び電圧の続き時間をコントローラ400で制御してもよい。
【0034】
チェックバルブ142、144はそれぞれキャニスタ302、304に結合される。チェックバルブ142、144はキャニスタが加圧されて排出されるときに発生する差圧によって受動的に作動する一方向バルブか能動バルブであり得る。チェックバルブ142、144はそれぞれのキャニスタの加圧間に生成された酸素濃縮空気がキャニスタの外部に流れるようにして、酸素濃縮空気又は任意の他のガスがキャニスタで逆流することを防止するためにキャニスタに結合される。このような方式で、チェックバルブ142、144は酸素の豊かな空気が加圧中にそれぞれのキャニスタを抜けるように許容する一方向バルブとして作用する。
【0035】
本明細書で用いられる「チェックバルブ」という用語は、流体(気体又は液体)を一方向で流れるようにして流体の逆流を防止するバルブを意味する。用いるのに適したチェックバルブとしては、ボールチェックバルブ;ダイヤフラムチェックバルブ;バタフライチェックバルブ;スイングチェックバルブ;ダックビルバルブ;アンブレラバルブ;リフトチェックバルブが挙げられるがこれに限定されない。加圧状態で、加圧された周辺空気の窒素分子は加圧キャニスタのガス分離吸着剤に吸着される。圧力が増加することによってキャニスタの空気に酸素が濃縮されるまでより多くの窒素が吸着される。非吸着ガス分子(主に酸素)は圧力がキャニスタに連結されたチェックバルブの抵抗を克服するのに十分な地点に到逹すると、加圧キャニスタの外に流れ出す。一具現例で、順方向でのチェックバルブの圧力降下は1psi(6.9kPa)未満である。逆方向の破損圧力は100psi(689.5kPa)より大きい。しかし1つ以上の構成要素を変更するとバルブの作動媒介変数も変わるようになる。順方向の流れ圧力が増加すると、一般的に酸素濃縮空気生成が減少する。逆流に対する中断圧力を減らすか相当低く設定すると一般的に酸素濃縮空気の圧力が減少する。
【0036】
例示的具現例で、キャニスタ302は圧縮システム200で生産され、キャニスタ302に伝達される圧縮空気によって加圧される。キャニスタ302の加圧の間、入口バルブ122は開放され、出口バルブ132は閉鎖され、入口バルブ124は閉鎖され、出口バルブ134は開放される。キャニスタ302が加圧される間にキャニスタ304を周辺大気に排気することができるよう、出口バルブ132が閉鎖されるときに出口バルブ134は開放する。
【0037】
時間が経過するとキャニスタ302の圧力はチェックバルブ142を開けるに充分になる。キャニスタ302で生成された酸素濃縮空気はチェックバルブ142を通過し、一具現例ではアキュムレータ106に収集される。
【0038】
ある程度時間が経過するとキャニスタ302のガス分離吸着剤は窒素で飽和され、入ってくる空気から相当な量の窒素を分離することができなくなる。一般的に酸素濃縮空気生産の予め定められた時間後にこの状態に到逹する。前述の具現例で、キャニスタ302内のガス分離吸着剤がこの飽和点に到逹すると圧縮空気の流入を止めてキャニスタ302を排気し窒素を脱着させる。キャニスタ302を排気する間に、入口バルブ122は閉まり、出口バルブ132は開く。キャニスタ302を排気するうちに、キャニスタ304は前述のものと同様の方式で酸素濃縮空気を生成するように加圧される。出口バルブ134を閉めて入口バルブ124を開くとキャニスタ304を加圧することができる。ある程度時間が経過すると酸素濃縮空気がチェックバルブ144を通じてキャニスタ304から出る。
【0039】
キャニスタ302を排気する間に、出口バルブ132は開放されて排気ガス(主に窒素)が濃縮器出口130を通じてキャニスタ302をすり抜けて大気に排出されるようにする。一具現例で、キャニスタから加圧されたガスを放出することで生成された騷音を減少させるために排気ガスがマフラ133を通るように誘導してもよい。排気ガスがキャニスタ302から排出されることによって、キャニスタ302内の圧力が下がり、窒素がガス分離吸着剤から脱着されるようにする。窒素の脱着はキャニスタ302をリセットし空気流で窒素を再び分離することができるようにする。マフラ133は酸素濃縮器100を離れるガスの音をマフリングするために開放セルフォーム(又は他の材料)を含むことができる。一部の具現例では、空気の流入と酸素濃縮空気の排出のために組み合わせたモプリング構成要素/技術を導入して酸素濃縮器が50デシベル未満の騷音だけで作動するようにする。
【0040】
キャニスタ302、304の排気で窒素の少なくとも大部分が除去されるのが好ましい。一具現例で、キャニスタの窒素を少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は実質的に完全に除去することでキャニスタを窒素分離に再度用いることができる。
【0041】
一部の具現例で、他のキャニスタ又は保存された酸素濃縮空気からキャニスタに導入する酸素濃縮空気流で窒素除去を促進する。例示的な具現例で、キャニスタ304から排気ガスが排出されるとき、酸素濃縮空気の一部をキャニスタ302からキャニスタ304に伝達する。キャニスタ304を排気するうちにキャニスタ302からキャニスタ304へ酸素濃縮空気を伝達すると、吸着剤に隣接した窒素の分圧を下げることで吸着剤での窒素脱着を促進する。酸素濃縮空気流はキャニスタで脱着された窒素(及びその他のガス)を除去するのに役に立つ。一具現例で、酸素濃縮空気は2つのキャニスタ302、304の間の流れ制限器151、153、155を通じて移動することができる。流れ制限器151は細流流れ制限器であってもよい。例えば、流れ制限器151は0.009D流れ制限器でああってもよい(例:内部にあるチューブの直径より流れ制限器の半径が0.009インチ(0.022cm)と小さい)。流れ制限器153及び155は0.013D流れ制限器であってもよい。キャニスタを連結するのに用いられる特定の構成及びチューブに応じて他の類型と大きさの流れ制限器を用いてもよい。一部の具現例で、流れ制限器はそれぞれの導管により狭い直径を導入することで空気流れを制限する圧入流れ制限器である。一部の具現例で、圧入流れ制限器はサファイア、金属又はプラスチックで作られる(その他の素材でも良い)。
【0042】
キャニスタの間の酸素濃縮空気流はバルブ152及びバルブ154を用いて制御してもよい。バルブ(152、154)は、パージするキャニスタの過度な酸素損失を防止するために排気プロセス中、短い期間中に開放するか閉鎖してもよい。期間を異ならせるようにすることも可能である。例示的な具現例で、キャニスタ302を排気し、キャニスタ304で生成された酸素濃縮空気の一部をキャニスタ302に通過させることでキャニスタ302をパージすることが好ましい。酸素濃縮空気の一部はキャニスタ304の加圧時キャニスタ302の排気の間に流れ制限器151を通じてキャニスタ302を通過する。追加的な酸素濃縮空気はキャニスタ304からバルブ154及び流れ制限器155を通じてキャニスタ302内に伝達される。バルブ152は移送プロセスの間に閉まった状態を維持することができるか、追加的な酸素濃縮空気が必要な場合、開放することができる。バルブ154の開放を制御して適切な流れ制限器(151及び155)を選択すると、適正量の酸素濃縮空気をキャニスタ304からキャニスタ302に送ることができるようにする。一具現例で、酸素濃縮空気の量はキャニスタ302を浄化しキャニスタ302のバルブ132を排気することで酸素濃縮空気の損失を最小化させるのに十分な量である。該当具現例はキャニスタ302の排気に関して説明しているが、流れ制限器151、バルブ152及び流れ制限器153を用いてキャニスタ304を排気するときも同様なプロセスを適用することができる。
【0043】
均等化/排気バルブ152、154対は流れ制限器153、155とともに作動して2つのキャニスタ302、304の間の空気流均衡を最適化する。これは他のキャニスタからの酸素濃縮空気でキャニスタ302及び304うちの1つをパージするための流量制御を最適したことができる。或いは、2つのキャニスタ302、304の間での流動方向を調整することも可能である。流れバルブ152、154は双方向バルブで作動することができるが、該当バルブを通じる流量はバルブを通じて流れる流体の方向によって変わる。例えば、バルブ152を通じてキャニスタ304からキャニスタ302に向かって流れる酸素濃縮空気は、バルブ152を通じてキャニスタ302からキャニスタ304に向かって流れる酸素濃縮空気より流量がより多い。
【0044】
単一バルブを用いる場合、酸素濃縮空気が多過ぎるか少な過ぎるとキャニスタとの間に送られ、キャニスタは時間が経つにつれて他の量の酸素濃縮空気を生成し始める。一直線な空気経路で対向バルブ及び流れ制限器を用いると、2つのキャニスタの間の酸素が豊かな空気の流れパターンを均等化することができる。流れを均等化すると使用者が多くの周期にわたり一定の量の酸素濃縮空気を用いることができ、予測可能な量の酸素濃縮空気で他のキャニスタをパージすることができる。一部の具現例で、空気経路に制限器を設置しない代わりに、抵抗内装バルブを設置するか、空気経路自体で抵抗を生成するように半径を小さくしてもよい。
【0045】
時々、酸素濃縮器100は一定時間の間停止する。酸素濃縮器が停止すると圧縮システムの断熱熱損失によってキャニスタ内部の温度が下がることができる。温度が下がるとキャニスタ内部で気体の占める体積が低くなる。キャニスタ302、304の冷却はキャニスタ302、304の音圧を引き起こすことができる。キャニスタ302、304に繋がれたバルブ(例えば、バルブ122、124、132、134)を機密に密閉する代わりに動的に密閉するものである。したがって、圧力差を調整するために停止後に外部空気がキャニスタ302及び304に入ることができる。外気がキャニスタ302、304内部に流入されるとガス分離吸着剤が外気の水気を吸着する。キャニスタ302、304内部で水気を吸着するとガス分離吸着剤の漸進的劣化を引き起こすことができ、酸素濃縮空気を生成するガス分離吸着剤の能力を減少させる。
【0046】
一具現例で、酸素濃縮器100が停止前にキャニスタ302、304をともに加圧することで、停止後に外部空気がキャニスタ302、304に流入されることを禁止する。キャニスタ302、304を陽圧の下に保存することで、バルブはキャニスタ302、304内の空気の内部圧力によって気密位置で強制的に作動するようになる。一具現例で、停止時にキャニスタ302及び304の圧力は少なくとも大気圧より大きくなければならない。本明細書で用いられる用語「大気圧」は酸素濃縮器100が位置する周辺の圧力(例:部屋内部、外部、平面内圧力など)を意味する。一具現例で、キャニスタ302及び304の圧力は停止時に少なくとも標準大気圧より大きい(すなわち、760mmHg(Torr)、1atm、101,325Pa超過)。一具現例で、キャニスタ302及び304の圧力は停止時に大気圧より少なくとも約1.1倍更に大きく、大気圧より約1.5倍以上高く、又は大気圧より約2倍以上大きい。
【0047】
一具現例で、加圧空気を圧縮システムから各キャニスタ302、304で誘導し、全てのバルブを閉鎖して加圧空気をキャニスタに閉じ込めることでキャニスタ302、304を加圧することができる。例示的な具現例で、停止シーケンスが開始されるとき、入口バルブ122及び124は開放され出口バルブ132及び134は閉鎖される。入口バルブ122及び124が共通導管によって一緒に結合されるため、キャニスタ302及び304はともに1つのキャニスタからの空気及び/又は酸素濃縮空気が別のキャニスタに伝達することができるので、加圧することができる。これは圧縮システムと2つの入口バルブとの間の経路がこのような伝達を許容するときに発生することができる状況である。酸素濃縮器100が交互加圧/排気モードで作動するため、キャニスタ302、304のうちの少なくとも1つは任意の時間の間加圧状態になければならない。他の具現例で、圧力は圧縮システム200の作動によってそれぞれのキャニスタ302、304から上昇する。入口バルブ122及び124が開放されるときキャニスタ302及び304間の圧力は均等化されるが、キャニスタ1つでの均等化圧力は停止時に空気がキャニスタに入ることを抑制するのに十分でないこともある。空気がキャニスタに流入されることを確実に防止するために、圧縮システム200は2つのキャニスタ内部の圧力を少なくても大気圧より高い水準で増加させるのに十分なときの間作動することができる。キャニスタの加圧方法にかかわらず、一旦キャニスタが加圧されると入口バルブ122及び124が閉まり、加圧された空気をキャニスタ内部に閉じ込めて、停止期間の間に空気がキャニスタに流入されることを防止する。
【0048】
図1Cは酸素濃縮器100の具現例を図示する。該当実施例で、酸素濃縮器100は圧縮システム200、キャニスタシステム300及び外部ハウジング170内に配置された電源供給装置180を含む。入口101は外部ハウジング170に位置し、環境からの空気が酸素濃縮器100に入るようにする。入口101はコンパートメント内の構成要素の冷却を補助するために空気が区画内で流れるようにできる。電源供給装置180は酸素濃縮器100に電源を提供する。圧縮システム200は入口105とマフラ108を通じて空気を引き入れる。マフラ108は圧縮システムが吸引する空気の騷音を減少させることができ、また流入される空気から水気、すなわち水を除去するための乾燥剤を含むことができる。酸素濃縮器100は出口173を通じて酸素濃縮器から空気及び他のガスを排出するファン172を更に含んであってもよい。一部の具現例で、圧縮システム200は1つ以上の圧縮器を含む。他の具現例で、圧縮システム200はキャニスタシステム300の全てのキャニスタに繋がれた単一圧縮器を含む。
図1D及び1Eには、圧縮器210及びモータ220を含む圧縮システム200が図示されている。モータ220は圧縮器210に結合され圧縮器210に作動力を提供して圧縮器具を作動させる。例えば、モータ220は空気を圧縮する圧縮器210の構成要素の周期的運動を引き起こす回転構成要素を提供するモータであり得る。圧縮器210がピストン式圧縮器の場合モータ220は圧縮器210のピストンを往復運動させる作動力を提供する。ピストンの往復運動は圧縮器210によって圧縮空気が生成されるようにする。圧縮空気の圧力は部分的に圧縮器が作動する速度(例:ピストンが往復する速度)によって推定する。したがって、モータ220は圧縮器210により生成された空気の圧力を動的に制御するために様々な速度で作動可能な可変速度モータであり得る。
【0049】
一具現例で、圧縮器210はピストンを有する単一ヘッドウォブル型圧縮器を含む。ダイヤフラム圧縮器及び他の類型のピストン圧縮器のような他の類型の圧縮器が用いることができる。モータ220はDC又はACモータであっても良く、圧縮器210の圧縮部品に作動動力を提供する。モータ220はブラシレスDCモータであってもよい。モータ220は圧縮器210の圧縮構成要素を可変速度で作動させるように構成された可変速度モータであり得る。モータ220は
図1Bに図示されたようにモータに作動信号を送ってモータの作動を制御するコントローラ400に結合されてもよい。例えば、コントローラ400はモータをオンにし、モータをオフにし、モータの作動速度を設定するためにモータ220に信号を送ることができる。したがって、
図1Bに図示されたように、圧縮システム200は速度センサ201を含むことができる。速度センサ201はモータ220の回転速度及び/又は圧縮システム200の他の往復作動周波数を決めるのに用いられるモータ速度変換器であってもよい。例えば、モータ速度変換器からのモータ速度信号をコントローラ400に提供する。速度センサ又はモータ速度変換器は例えばホール効果センサであり得る。コントローラ400は速度信号及び/又は圧力センサ(例えば、アキュムレータ圧力センサ107)のような酸素濃縮器のその他のセンサ信号に基づいてモータ220を通じて圧縮システムを作動させてもよい。
図1Bに図示されたように、コントローラ400は速度センサ201からの速度信号及びアキュムレータ圧力センサ107からのアキュムレータ圧力信号のようなセンサ信号を受信する。該当信号で、コントローラは後述するようにアキュムレータ圧力及び/又はモータ速度のようなセンサ信号に基づいて圧縮システムの作動のための1つ以上の制御ループ(例えば、フィードバック制御)を具現することができる。
【0050】
圧縮システム200はかなりの熱を発生する。熱はモータ220による電力消耗及び機械的運動への変換によって発生する。圧縮器210は圧縮される空気によって圧縮器構成要素の動きに対する増加された抵抗により熱を発生する。熱は更に圧縮器210による空気の断熱圧縮によって本質的に発生する。したがって、空気の持続的な加圧でエンクロージャが発熱する。また、電源供給装置180は電力を圧縮システム200に供給するときに発熱し得る。また、酸素濃縮器の使用者は室内より周辺温度が潜在的により高い未制御環境(例:室外)で装置を作動することもできる。この場合、流入空気は既に加熱された状態である。
【0051】
酸素濃縮器100内部で生成された熱は問題になり得る。リチウムイオンバッテリは一般的に寿命が長く、重さが軽いため酸素濃縮器の電源供給装置として用いられる。しかしながら、リチウムイオンバッテリパックは温度上昇時危険であり、危険なほどの電源供給装置の温度を感知すると、システムを停止するために酸素濃縮器100に安全制御を適用する。また、酸素濃縮器100の内部温度が高くなることによって濃縮器で生成される酸素量が減少し得る。これは部分的に高温では同一の体積の空気であっても酸素量が減少するためである。生成された酸素量が一定量以下に低下すると、酸素濃縮器100を自動で停止させてもよい。
【0052】
酸素濃縮器のコンパクトな特性のため熱発散が難しいことがある。一般的にはエンクロージャを介して冷却空気流れを生成するために1つ以上のファンを用いる方法で解決する。しかしながら、このような解決策は電源供給装置180から追加電力が供給されなければならないため酸素濃縮器100の携帯可能な使用時間が短縮される。一具現例で、モータ220によって生成された機械的動力を用いた受動冷却システムを用いる。
図1D及び1Eによると、圧縮システム200のモータ220は外部回転電機子230を有する。具体的に、モータ220の電機子230(例えば、DCモータ)は電機子230を駆動する固定場の周りを囲んでいる。モータ220はシステム全体の発熱に大きく寄与するため、モータで熱を発散してエンクロージャの外に出せば大きく役立つ。モータの外部高速回転によって、モータ220の主要構成要素と、それが存在する空気の相対速度は非常に高い。電機子の表面積は内部に装着された場合よりも外部に装着された場合がより大きい。熱交換率は表面積と速度の二乗に比例するため、外部に装着されたより大きい表面積電機子を用いると、モータ220の熱発散能力が増加する。電機子230を外部に装着して冷却効率を高めると、1つ以上の冷却ファンは必要でないので酸素濃縮器内部を適切な温度範囲内に維持しながら重量と電力消費率を減らすことができる。更に、外部に装着された電機子230の回転は追加的な冷却を生成するためにモータに近接した空気の動きを生成する。
【0053】
また、外部回転電機子はモータの効率性を高めて熱発生を減らすことができる。外部電機子があるモータは、弾み車が内燃機関で作動する方式と同様に作動する。モータが圧縮器を駆動するとき、低い圧力で回転抵抗が低い。圧縮空気の圧力が高いほどモータの回転抵抗が高くなる。結果的にモータは一貫した理想的な回転安定性を維持できず、代わりに圧縮器の圧力要求によってサージが起こり速度も遅くなる。モータがサージした後、速度が遅くなると効率が落ちることによって発熱するようになる。外部電機子を用いるとモータにより大きい各運動量が加えられてモータが経験する可変抵抗を補償するのに役に立つ。モータが熱心に作動する必要がないため、モータで発生する熱を減らすことができる。
【0054】
一具現例で、外部回転電機子230に空気伝達装置240を結合することで冷却効率をより高めることができる。一具現例で、空気伝達装置240は外部電機子230の回転によって空気伝達装置240がモータの少なくとも一部を通過する気流を生成するように外部電機子230に結合される。一具現例で、空気伝達装置240は外部電機子230に結合された1つ以上のファンブレードを含む。一具現例で、空気伝達装置240が外部回転電機子230の動きによって回転するインペラの役割をするように複数のファンブレードを環状リングに配列することができる。
図1D及び1Eに図示されたように、空気伝達装置240は外部電機子230の外面にモータ220と整列されて装着することができる。電機子230に空気伝達装置240を装着することで、空気の流れが外部回転電機子230の主要部分に向かうようにして使用するときに冷却効果を提供する。一具現例で、空気伝達装置240は大部分の外部回転電機子230が空気流れ経路にあるように空気流れを案内する。
【0055】
また、
図1D及び1Eによると、圧縮器210によって加圧された空気は圧縮器出口212から圧縮器210を出る。圧縮空気をキャニスタシステム300に伝達するために圧縮器出口導管250が圧縮器出口212に結合される。上述したように、空気が圧縮されると空気温度が上昇する。このような温度増加は酸素濃縮器の効率に有害なことがある。加圧された空気の温度を低めるために圧縮器出口導管250を空気伝達装置240によって生成された空気流れ経路に配置する。圧縮器出口導管250の少なくとも一部はモータ220に近接するように位置することができる。したがって、空気伝達装置によって生成された空気流れは、モータ220及び圧縮器出口導管250の全てと接触する。一具現例で、圧縮器出口導管250の大部分はモータ220に近接するように位置する。一具現例で、圧縮器出口導管250は
図1Eに図示されたようにモータ220の周りに巻かれる。一具現例で、圧縮器出口導管250は熱交換金属から構成される。熱交換金属はアルミニウム、炭素鋼、ステンレス鋼、チタン、銅、銅-ニッケル合金又はこれら金属の組み合わせで形成されたその他の合金を含むが、これに限定されない。したがって、圧縮器出口導管250は空気の圧縮により本質的に惹起される熱を除去するための熱交換器として作用することができる。圧縮空気から熱を除去することで任意の圧力と体積で分子数が増加する。その結果、それぞれのPSAサイクルの間、それぞれのキャニスタによって生成可能な酸素濃縮空気の量が増加する。
【0056】
ここで説明する放熱メカニズムは受動的であるか酸素濃縮器100に必要な要素を用いる。したがって、追加電力が必要なシステムを使用しなくても熱発散を増加させることができる。追加電源を必要しないことでバッテリパックの実行時間を増やすことができ、酸素濃縮器の大きさと重さを最小化することができる。同様に、追加ボックスファンや冷却装置を使用しなくてもよい。このような追加機能を除去すると酸素濃縮器の重量と電力消費率が減る。
【0057】
上述で論議したように、空気の断熱圧縮は空気温度を増加させる。キャニスタシステム300でキャニスタの排出間、キャニスタから排出される排気ガスの圧力が減少する。キャニスタにあるガスの断熱減圧によってガスが排出されるときに温度が下がる。一具現例で、キャニスタシステム300から排出した冷却排気ガス327は、電源供給装置180及び圧縮システム200に向かう。一具現例で、キャニスタシステム300の基部315はキャニスタから排気ガス327を収容する。排気ガス327は基部315を通じて基部の出口325に向かって電源供給装置180に向かう。上述したように、排気ガスはガスの減圧によって冷却されるため、受動的に電源供給装置に冷却を提供する。圧縮システムが作動するとき、空気伝達装置は冷却した排気ガスを集めて排気ガス327を圧縮システム200のモータ220の方に向かうようにする。ファン172はまた、圧縮システム200を横切ってハウジング170の外に排気ガス327を送ることを補助することができる。このような方式でバッテリの追加電力の要求事項なしに追加的な冷却が可能である。
【0058】
酸素濃縮器100は、少なくとも2つのキャニスタを含むことができ、それぞれのキャニスタはガス分離吸着剤を含む。酸素濃縮器100のキャニスタは成形ハウジングで形成することができる。具現において、従来技術のキャニスタシステム300(シーブベッドとも言う)は、
図1Iに図示されたように2つのハウジング構成要素310及び510を含む。各種の具現例で、酸素濃縮器100のハウジング構成要素310及び510は2つのキャニスタ302及び304及びアキュムレータ106を定義する2つの部分の成形プラスチックフレームを形成することができる。
【0059】
ハウジング構成要素310、510は別々に形成されてもよいし結合されてもよい。一部の具現例で、ハウジング構成要素310及び510は射出成形又は圧縮成形される。ハウジング構成要素310、510は、ポリカーボネート、メチレンカーバイド、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリ塩化ビニルのような熱可塑性ポリマーからなり得る。他の具現例で、ハウジング構成要素310、510は熱硬化性プラスチック又は金属(ステンレススチール又は軽量アルミニウム合金のような)で製造してもよい。酸素濃縮器100の重量を減らすために軽量素材を用いる。一部の具現例で、2つのハウジング構成要素310、510をねじ又はボルトを用いて一緒に締結する。又は、ハウジング構成要素310及び510を一緒にソルベント溶接してもよい。
【0060】
図示されたように、酸素濃縮器100の空気の流れ全体にわたり必要な封止コネクタの数を減らすためにベルブシート(322、324、332及び334)及び導管330及び346をハウジング構成要素310に統合してもよい。
【0061】
ハウジング構成要素310、510の互いに異なるセクションの間の空気経路/チューブは成形された導管の形態を取ることができる。空気経路のための成形されたチャネル形態の導管は、ハウジング構成要素310及び510において多数の平面を占めることができる。例えば、成形空気導管をハウジング構成要素310及び510で異なる深さと異なる位置に形成してもよい。一部の具現例で、導管の大部分又は実質的に全部を潜在的な漏出地点を減少させるためにハウジング構成要素310、510に統合する。
【0062】
一部の具現例で、ハウジング構成要素310、510を一緒に結合する前に、ハウジング構成要素が適切に封止されるようにハウジング構成要素310、510の多くの地点の間にOリングを配置してもよい。一部の具現例で、構成要素はハウジング構成要素310及び510に個別に統合又は結合してもよい。例えば、チューブ、流れ制限器(例えば、圧入流れ制限器)、酸素センサ、ガス分離吸着剤、チェックバルブ、プラグ、プロセッサ、電源供給装置などをハウジング構成要素を結合する前又は結合した後に、ハウジング構成要素310及び510に結合してもよい。
【0063】
一部の具現例で、ハウジング構成要素310及び510の外部につながる開口(337)は流れ制限器のような装置を挿入するのに用いることができる。開口は成形性を高めるために用いることもできる。開口のうち1つ以上をモールディング後に塞ぐ(例:プラスチックプラグ使用)。一部の具現例で、流れ制限器は通路を封止するためにプラグを挿入する前に通路に挿入することができる。圧入流れ制限器は圧入流れ制限器とそれぞれの開口との間に摩擦嵌合を許容することができる直径を有する。一部の具現例で、挿入した後、圧入流れ制限器を自分の位置に維持するために圧入流れ制限器の外部に接着剤を追加してもよい。一部の具現例で、プラグはそれぞれのチューブに摩擦嵌合で挟まれる(又は外部表面に接着剤が塗布することができる)。圧入流れ制限器及び/又は他の構成要素を狭いチップツール又は棒(例えば、各開口の直径より小さな直径を有する)を用いてそれぞれの開口に挿入して圧縮することができる。一部の具現例で、圧入流れ制限器はチューブの特徴要素と接触して挿入が停止されるまで各チューブに挿入される。例えば、特徴要素は半径減少を含むことができる。その他の特徴要素も適用可能である(例:チューブ側面のバンプ、ねじ山など)。一部の具現例で、圧入流れ制限器はハウジング構成要素(例えば、狭いチューブ区画の形態で)の内部に成形することができる。
【0064】
一部の具現例で、スプリングバッフル139は、バッフル139のスプリング側面がキャニスタの出口に向かうようにハウジング構成要素310及び510のそれぞれのキャニスタ収容部分に配置することができる。スプリングバッフル139はキャニスタ内のガス分離吸着剤に力を加えると同時にガス分離吸着剤が出口の開口に入るのを防止することを補助することができる。スプリングバッフル139の使用は、ガス分離吸着剤をコンパクト化するように維持しながら、更に膨脹(例えば、熱膨脹)を許容することができる。ガス分離吸着剤をコンパクト化するように維持することで、酸素濃縮器100の移動中にガス分離吸着剤が破損することを防止することができる。
【0065】
一部の具現例で、フィルタ(129)は各キャニスタの入口と対面するハウジング構成要素310及び510の各キャニスタ収容部分に配置することができる。フィルタ(129)はキャニスタに入る供給空気流から粒子を除去する。
【0066】
一部の具現例で、圧縮システム200からの加圧された空気は空気入口306に入ることができる。空気入口306は入口導管330に結合される。空気は入口306を通じてハウジング構成要素310に入り、入口導管330を通じて移動し、バルブシート322、324に移動する。
図IJ及び1Kはハウジング310の端部図を図示する。
図1Jはバルブをハウジング構成要素310に合わせる前のハウジング310の端部図を図示する。
図1Kはハウジング構成要素310にバルブが挟まれたハウジング構成要素310の端部図を図示する。バルブシート322、324は入口バルブ122、124をそれぞれ収容するように構成される。入口バルブ122はキャニスタ302に結合され、入口バルブ124はキャニスタ304に結合される。ハウジング構成要素310はまた、出口バルブ132、134をそれぞれ収容するように構成されたバルブシート332、334を含む。出口バルブ132はキャニスタ302に結合され、出口バルブ134はキャニスタ304に結合される。入口バルブ122及び124は入口導管330から各キャニスタへの空気の通路を制御するのに用いられる。
【0067】
一具現例で、圧縮空気はキャニスタ302又は304うちの1つに送られて他のキャニスタは排気される。バルブシート322はハウジング構成要素310を通じてキャニスタ302に通過する開口323を含む。同様に、バルブシート324はハウジング構成要素310を通じてキャニスタ304で通過する開口375を含む。入口導管330からの空気はそれぞれのバルブ(122及び124)が開放されると開口323又は375を通過し、それぞれのキャニスタ302及び304に入る。
【0068】
チェックバルブ42及び144(
図1I参照)はそれぞれキャニスタ302及び304に結合される。チェックバルブ142、144は、キャニスタが加圧されて排出されるときに発生する差圧によって受動的に作動する一方向バルブである。キャニスタ302及び304で生成された酸素濃縮空気はキャニスタからハウジング構成要素510の開口542及び544を通過する。通路(未図示)は開口542、544を導管342、344にそれぞれ連結する。キャニスタ302で生成された酸素濃縮空気はキャニスタ302の圧力がチェックバルブ142を開くのに十分な場合にキャニスタ302から開口542を通じて導管342を通過する。チェックバルブ142が開放されると、酸素の豊かな空気は導管342を通じてハウジング構成要素310の端部に向かって流れる。同様に、キャニスタ304で生成された酸素濃縮空気はキャニスタ304の圧力がチェックバルブ144を開くのに十分な場合にキャニスタ304から開口544を通じて導管344を通過する。チェックバルブ144が開放されると、酸素濃縮空気は導管344を通じてハウジング構成要素310の端部に向かって流れる。
【0069】
キャニスタ302又は304からの酸素濃縮空気は導管342又は344を通じて移動してハウジング構成要素310に形成された導管346に入る。導管346は、導管を導管342、導管344及びアキュムレータ106に連結する開口を含む。したがって、キャニスタ302又は304で生成された酸素が豊かな空気は導管346に移動してアキュムレータ106に伝達される。
図1Bに図示されたように、アキュムレータ106内のガス圧力はアキュムレータ圧力センサ107のようなセンサによって測定することができる(更に
図1F参照)。したがって、アキュムレータ圧力センサ107は蓄積された酸素濃縮空気の圧力を示す信号を生成する。適切な圧力変換器の例はHONEYWELLASDXシリーズのセンサである。代案的に適切な圧力変換器はGENERALELECTRICのNPAシリーズセンサである。一部バージョンで、圧力センサ107は、アキュムレータ106と酸素濃縮空気の放出を制御してボーラスで使用者に伝達するバルブ(例えば、供給バルブ160)間の出力経路と共にアキュムレータ106外部のガス圧力を測定することができる。
【0070】
キャニスタ302は入口バルブ122を閉め、出口バルブ132を開いて排気する。出口バルブ132は排気ガスをキャニスタ302からハウジング構成要素310の端部によって限定された体積で放出する。フォーム材料はキャニスタからのガス放出によって生成される音を減少させるためにハウジング構成要素310の端部を覆うことができる。同様に、キャニスタ304は入口バルブ124を閉めてバルブ134の出口を開放することで排出される。出口バルブ134は排気ガスをキャニスタ304からハウジング構成要素310の端部によって限定された体積で放出する。
【0071】
キャニスタ302、304の間に酸素が豊かな空気を伝達するのに用いられるため3つの導管がハウジング構成要素510に形成される。
図1Lに図示されたように、導管530はキャニスタ302をキャニスタ304に連結する。流れ制限器151(未図示)は使用中に酸素濃縮空気流を制限するためにキャニスタ302とキャニスタ304との間の導管530に配置される。導管532はまた、キャニスタ302をキャニスタ304に連結する。導管532は、
図1Mに図示されたように、バルブ152を収容するバルブシート552に結合される。流れ制限器153(未図示)はキャニスタ302とキャニスタ304との間の導管532に配置される。導管534はまた、キャニスタ302をキャニスタ304に連結する。導管534は
図1Mに図示されたようにバルブ154を収容するバルブシート(554)に結合される。流れ制限器155(未図示)はキャニスタ302とキャニスタ304との間の導管534に配置される。均等化/排気バルブ(152/154)対は流れ制限器153、155とともに作動して2つのキャニスタ302、304間の空気流れ均衡を最適化する。
【0072】
アキュムレータ106内の酸素濃縮空気は供給バルブ160を通じてハウジング構成要素510に形成された拡張チャンバ162を通過する。ハウジング構成要素510の開口(未図示)はアキュムレータ106を供給バルブ160に連結する。一具現例で、拡張チャンバ162はチャンバを通過するガスの酸素濃度を推正するように構成された1つ以上の装置を含むことができる。
【0073】
1つ以上のキャニスタに結合された出口システムは、使用者に酸素濃縮空気を提供するための1つ以上の導管を含む。一具現例で、キャニスタ302及び304のいずれかで生成された酸素濃縮空気は、
図1Bに概略的に図示されたように、それぞれチェックバルブ42及び144を通じてアキュムレータ106に収集される。キャニスタ302、304から出た酸素濃縮空気は、使用者に提供される前に酸素アキュムレータ106に収集することができる。一部の具現例で、酸素濃縮空気を使用者に提供するために導管がアキュムレータ106に結合することができる。酸素濃縮空気は酸素濃縮空気を使用者の口及び/又は鼻に伝達する気道伝達装置(例:患者インターフェース)を通じて使用者に提供することができる。一具現例で、伝達装置は使用者の鼻に直接連結されない場合もある使用者の鼻及び/又は口に向かって酸素を送るチューブを含むことができる。
【0074】
図1Fには、酸素濃縮器用出口システム具現の概略図が図示されている。供給バルブ160はアキュムレータ106から使用者に酸素濃縮空気の放出を制御するために導管に結合することができる。一具現例で、供給バルブ160は電磁気的で作動するプランジャバルブである。供給バルブ160はコントローラ400によって作動して使用者に酸素濃縮空気の伝達を制御する。供給バルブ160の作動は圧力スイング吸着プロセスに合わせられ、又は同期化されない。その代わり、下記に説明されたとおり、作動が使用者の呼吸と同期化される。一部の具現例で、供給バルブ160は酸素濃縮空気を提供するための臨床的に効果的な振幅プロファイルを確立するために連続値によって作動することができる。
【0075】
アキュムレータ106内の酸素濃縮空気は、
図1Fに図示されたように、供給バルブ160を通じて膨脹チャンバ162を通過する。一具現例で、拡張チャンバ162は拡張チャンバ162を通過するガスの酸素濃度を推正するように構成された1つ以上の装置を含むことができる。拡張チャンバ162内の酸素の豊かな空気は供給バルブ160によってアキュムレータ106からのガス放出を通じて簡単に蓄積された後、小さなオリフィス流れ制限器175を通じて流量センサ185で、その後、微粒子フィルタ187で排出される。流れ制限器175は0.025Dの流れ制限器であり得る。他の類型及び大きさの流れ制限器を用いてもよい。一部の具現例で、ハウジングの空気経路の直径は、制限されたガス流れを生成するように制限することができる。流量センサ185は導管を通じて流れるガスの速度を示す信号を生成するように構成された任意のセンサであり得る。微粒子フィルタ187は、酸素が豊かな空気を使用者に伝達する前にバクテリア、ほこり、顆粒粒子などをフィルタリングするところ用いることができる。酸素濃縮空気はフィルタ187を通過し、酸素濃縮空気を伝達導管192を通じて使用者に、更に圧力センサ194に送るコネクタ190に移動する。
【0076】
出口経路の流体力学は供給バルブ160のプログラミング作動と結合されて過度な無駄使いなしに使用者の肺への迅速な伝達を保障する振幅プロファイルと正確な時間に提供される大量の酸素を成立させる。
【0077】
拡張チャンバ162はチャンバを通過する気体の酸素濃度を決めるように構成された1つ以上の酸素センサを含むことができる。一具現例で、拡張チャンバ162を通過する気体の酸素濃度は酸素センサ165を用いて推定される。酸素センサは気体の酸素濃度を測定するように構成された装置である。酸素センサの例としては、超音波酸素センサ、電気酸素センサ、化学的酸素センサ及び光学酸素センサが挙げられるが、これに限定されない。一具現例で、酸素センサ165は超音波放出器(166)及び超音波受信器(168)を含む超音波酸素センサである。一部の具現例で、超音波放出器166は多数の超音波放出器を含むことができ、超音波受信器168は多数の超音波受信器を含むことができる。多数の放出器/受信器を含む具現例の場合、多数の超音波放出器及び受信器は軸方向に整列することができる(例えば、軸整列に垂直であり得る気体流経路を横切って配置する)。
【0078】
使用するとき、放出器166からの超音波音波は、チャンバ162に配置された酸素濃縮空気を通じて受信器168に志向することができる。超音波酸素センサ165は酸素濃縮空気の組成を決めるために酸素濃縮空気を通じた音速を検出するように構成することができる。音の速度は窒素と酸素で異なり、2つの気体の混合物で混合物を通過する音の速度は混合物内の各気体の相対的な量に比例する中間値であり得る。使用するとき、受信器168での音は放出器166から送信された音と多少位相が異なる。この位相変異はワイヤを介した電子パルスの相対的に速い速度と比べるとき気体媒質を通じた音速の相対的に遅い速度によって発生する。位相変異は放出器166と受信器168との間の距離に比例し、拡張チャンバ162を通過する音の速度に反比例する。チャンバ162内の気体の密度は拡張チャンバ162を通過する音の速度に影響を及ぼし、密度は拡張チャンバ162内の酸素と窒素の割合に比例する。したがって、位相変異は拡張チャンバ162の酸素濃度を測定するのに用いることができる。このような方式で、アキュムレータ106内の酸素の相対濃度はアキュムレータ106を通じて移動する検出された音波の1つ以上の特性の関数として推定することができる。
【0079】
一部の具現例で、多数の放出器166及び受信器168を用いることができる。放出器166及び受信器168からの判読値は乱流システムに内在し得るエラーを減らすために平均化することができる。一部の具現例で、通過時間を測定して測定された通過時間を他の気体及び/又は気体混合物に対して事前に定義した通過時間と比べて他の気体の存在を検出することもできる。
【0080】
超音波酸素センサシステムの感度は、例えば、放出器166と受信器168との間に様々な音波サイクルが発生するように、放出器166と受信器168との間の距離を延ばすことで増加させることができる。一部の具現例において、少なくとも2つの音サイクルが存在するとすれば、変換器の構造的変化の影響は2つの時点で固定された基準に対する位相変異を測定することで減少させることができる。後期の位相変異で初期の位相変異を引くと、拡張チャンバ162の熱膨脹による変異が減少されるか除去することができる。放出器166と受信器168との間の距離の変化による変異は測定の区間でほぼ同じであることもあるが、酸素濃度の変化による変異は累積することができる。一部の具現例において、後期の位相変異を中間サイクルの数に乗じた後、隣接サイクル2つの間の変異と比較したりもする。拡張チャンバ内の酸素感知に関する追加の詳細事項は、例えば、米国特許出願第12/163,549号(発明の名称:酸素濃縮器装置及び方法、公開日:2009年3月12日、公開特許番号:第2009/0065007号)に記載されており、該当出願は本明細書に組み込まれる。
【0081】
流量センサ185は出口システムを介して流れる気体の流量を決めるために使用することができる。使用できる流量センサとしては、ダイアフラム/ベローズ流量計、回転流量計(例:ホール効果流量計)、タービン流量計、オリフィス流量計、及び超音波流量計などがある。流量センサ185はコントローラ400に結合することができる。出口システムを介して流れる気体の速度は使用者の呼吸量を示す。出口システムを介して流れる気体流量の変化は、使用者の呼吸率を決めるのに使用することもできる。コントローラ400は、供給バルブ160の作動を制御するために制御信号又はトリガ信号を生成することができる。このような供給バルブの作動制御は流量センサ185によって推定された使用者の呼吸率及び/又は呼吸量に基づいてもよい。
【0082】
一部の具現例において、超音波センサ165、及び、例えば、流量センサ185は、提供される酸素の実際の量の測定を提供することができる。例えば、流量センサ185は提供されたガスの量(流量に基づく)を測定することができるし、超音波センサ165は提供されたガスの酸素濃度を提供することができる。コントローラ400はこれらの2つの測定値を用いて使用者に提供される酸素の実際の量の近似値を判定する。
【0083】
酸素濃縮空気は流量センサ185を通過して、フィルタ187に移動する。フィルタ187は使用者に酸素濃縮空気を提供する前にバクテリア、ほこり、粒状の粒子などを除去する。濾過された酸素濃縮空気はフィルタ187を通過して、コネクタ190に向かう。コネクタ190はフィルタ187の出口を圧力センサ194及び輸送導管192に連結する「Y」コネクタであってもよい。圧力センサ194は導管192を介して使用者に伝達されるガスの圧力をモニタリングするのに使用することができる。一部の具現例において、圧力センサ194は感知表面に適用される陽圧又は陰圧の量に比例する信号を生成するように構成される。圧力センサ194によって感知された圧力の変化は、後述するように、使用者の呼吸率だけでなく、吸入の開始(トリガ瞬間とも言う)を決めるのに使用することができる。コントローラ400は使用者の呼吸数及び/又は吸入開始に基づいて供給バルブ160の作動を制御することができる。一具現例において、コントローラ400は流量センサ185及び圧力センサ194の1つ又は2つともによって提供される情報に基づいて、供給バルブ160の作動を制御することができる。コントローラ400は供給バルブ160が作動する時間を制御することで各ボーラス体積を調節することができる。コントローラ400は、提供される酸素の実際の体積(投与量)の測定値を提供するために超音波センサ165及び流量センサ185からデータを判読することで、作動時間及びボーラス体積を補正することができる。
【0084】
酸素濃縮空気は、輸送導管192を介して使用者に提供することができる。一具現例において、輸送導管192はシリコーンチューブであり得る。輸送導管192は、
図1G及び1Hに図示されたように、気道輸送装置196を用いて使用者に結合することができる。気道輸送装置196は鼻腔又は口腔に酸素濃縮空気を提供することができる任意の装置であり得る。気道輸送装置の例としては、鼻腔マスク、鼻腔ピロー、鼻プロング、鼻腔カニューレ、マウスピースが挙げられるが、これらに限定されない。鼻腔カニューレ型の気道輸送装置196が
図1Gに図示されている。鼻腔カニューレ型の気道輸送装置196は、使用者が周辺から空気を呼吸することができるようにしながら、酸素濃縮空気を使用者に伝達できるように使用者の気道に近接して(例えば、使用者の口及び/又は鼻に近接して)位置する。
【0085】
他の具現例において、マウスピースは使用者に酸素濃縮空気を提供するために使用することができる。
図1Hに図示されたように、マウスピース198が酸素濃縮器100に結合され得る。マウスピース198は、酸素が豊かな空気を使用者に提供するために使われる唯一の装置であるか、或いは気道輸送装置196(例えば、鼻腔カニューレ)と組み合わせて使用することができる。
図1Hに図示されたように酸素濃縮空気は鼻腔気道輸送装置196及びマウスピース198の全てを介して使用者に提供することができる。
【0086】
マウスピース198は取り外し可能に使用者の口に位置することができる。一具現例において、マウスピース198は使用者の口で1つ以上の歯に取り外し可能に結合することができる。使用する間、酸素の豊かな空気がマウスピースを介して使用者の口に向かう。マウスピース198は使用者の歯に合わせて成形されたナイトガードマウスピースであってもよい。或いは、マウスピースは下顎再配置装置であってもよい。一具現例において、マウスピースの大半は使用中に使用者の口腔に位置する。
【0087】
使用中に、マウスピースの近くで圧力変化が感知されるとき、酸素濃縮空気がマウスピース198に向かうことができる。一具現例において、マウスピース198は圧力センサ194に結合することができる。使用者が使用者の口を介して空気を吸い込むとき、圧力センサ194はマウスピースに近接した圧力降下を検出することができる。酸素濃縮器100のコントローラ400は吸入開始時に使用者に酸素濃縮空気ボーラスの放出を制御することができる。
【0088】
一般的な呼吸の間、吸入は鼻、口を介して又は鼻と口を介して発生することができる。また呼吸は様々な要因によって1つの通路から他の通路に変わることもある。例えば、活動的な行動をする際に、使用者は鼻で呼吸することから口で呼吸することに、又は口と鼻で呼吸することに切り替えることができる。単一伝達方式(鼻腔又は口腔)に依存するシステムは、モニタリングされる経路を通じた呼吸が中断されれば、正しく作動しないこともある。例えば、酸素濃縮空気を使用者に提供するために鼻腔カニューレが使われる場合、吸入センサ(例えば、圧力センサ又は流量センサ)が鼻腔カニューレに結合されて吸入の開始を決める。使用者が鼻での呼吸を止め、口での呼吸に切り替えれば、酸素濃縮器100は鼻腔カニューレからフィードバックがないため、いつ酸素濃縮空気を提供するかわからない。そのような状況で、酸素濃縮器100は吸入センサが使用者による吸入を感知するまで、流量を増加させるか、酸素濃縮空気を提供する頻度を増加させることができる。使用者が呼吸方式を頻繁に切り替えれば、酸素濃縮空気を提供する基本モードによって酸素濃縮器100が更に多く作動して、システムの携帯用の使用時間が制限されることもある。
【0089】
一具現例において、マウスピース198は鼻腔カニューレ型の気道輸送装置196とともに使われて、
図1Hに図示されたように酸素濃縮空気を使用者に提供する。マウスピース198及び鼻腔気道輸送装置196は吸入センサに結合される。一具現例において、マウスピース198及び鼻腔気道輸送装置196は、同じ吸入センサに結合される。代案的な具現例において、マウスピース198及び鼻腔カニューレ型の気道輸送装置196は異なる吸入センサに結合される。具現例にかかわらず、吸入センサは口又は鼻から吸入の開始を検出することができる。酸素濃縮器100は吸入の開始が検出された近くの伝達装置(すなわち、マウスピース198又は鼻腔カニューレ型の気道輸送装置196)に酸素濃縮空気を提供するように構成することができる。代案的に、酸素の豊かな空気は、吸入開始が伝達装置の近くで検出される場合、マウスピース198及び鼻腔気道輸送装置196にともに提供することができる。
図1Hに図示されたような二重伝達システムの使用は、使用者が寝ている時に特に有用であり、意識的な努力なしに鼻呼吸と口呼吸とを切り替えることが可能になる。
【0090】
酸素濃縮器100は本明細書に説明されたように、酸素濃縮器100の様々な構成要素に結合された内部コントローラ400を用いて、自動的に作動してもよい。コントローラ400は、
図1Bに図示されたように1つ以上のプロセッサ410、内部メモリ420、セルラー無線モジュール(CWM)モジュール(430)及びGPS受信器434を含んであってもよい。酸素濃縮器100を作動し、モニタリングするのに使われる方法は内部メモリ420又はコントローラ400に連結された外部メモリ媒体に保存されたプログラム命令によって具現され、1つ以上のプロセッサ410によって実行することができる。記憶媒体は様々な形態の記憶装置又は保存装置を含んであってもよい。「記憶媒体」はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フロッピー(登録商標)ディスク又はテープ装置の設置媒体、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、DDR RAM(Double Data Rate Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、EDO RAM(Extended Data Out Random Access Memory)、Random Access Memory(RAM)などのコンピュータシステムメモリ又はランダムアクセスメモリ、磁気媒体、例えば、ハードドライブ又は光学ストレージのような不揮発性メモリを含む。記憶媒体は他の類型のメモリ又はこれらの組み合わせを含むこともできる。更に、記憶媒体はプログラムが実行されるコントローラ400近くに位置するか、後述のようにネットワークを介してコントローラ400に連結される外部演算装置に位置することができる。後者の場合、外部演算装置は実行のためにコントローラ400にプログラム命令を提供することができる。「記憶媒体」は互いに異なる位置、例えば、ネットワークを介して連結された演算装置に常在する2つ以上の記憶媒体を含むこともある。
【0091】
一部の具現例において、コントローラ400は、例えば、酸素濃縮器100に配置された回路基板に含まれた1つ以上のFPGA(field programmable gate array)、マイクロコントローラなどを含むプロセッサ410を含む。プロセッサ410は、メモリ420に保存されたプログラミング命令を実行するように構成される。一部の具現例において、プログラミング命令はプロセッサ410外部のメモリが別途にアクセスされないように(すなわち、メモリ420がプロセッサ410内部にあり得る)プロセッサ410に内蔵することができる。
【0092】
プロセッサ410は圧縮システム200、システムを介した流体の流れを制御するのに使われる1つ以上のバルブ(例:バルブ(122、124、132、134、152、154、160))、酸素センサ165、圧力センサ194、流量センサ185、温度センサ(未図示)、ファン172、モータ速度センサ201、その他、電気的に制御され得る任意の構成要素を含むが、これに限定されない酸素濃縮器100の各種の構成要素と連結されてもよい。一部の具現例において、別途のプロセッサ(及び/又はメモリ)が1つ以上の構成要素に連結されてもよい。
【0093】
コントローラ400は酸素濃縮器100を作動するように構成され(例えば、プログラム命令によってプログラミングされる)、誤作動状態に対して酸素濃縮器100をモニタリングするように追加で構成される。例えば、一具現例において、コントローラ400はシステムが作動中であり、予め定められた時間の間、使用者によって呼吸が感知されない場合にアラームをトリガするようにプログラミングされる。例えば、コントローラ400が75秒間呼吸を感知することができなければアラームLEDが点灯するか、可聴アラームが鳴ることもある。例えば、睡眠時無呼吸症があるうちに使用者が本当に呼吸を止めた場合、アラームは使用者を起こすのに十分であり、使用者が呼吸を再開するようにすることができる。呼吸動作は、コントローラ400がこのアラーム機能を再設定するのに十分である。或いは、輸送導管192を使用者が除去するとき、システムが偶発的にオンになっている場合、アラームは使用者が酸素濃縮器100をオフにするように気づかせる役割をすることができる。
【0094】
コントローラ400は、酸素センサ165に追加で結合され、拡張チャンバ162を通過する酸素濃縮空気の酸素濃度を連続的に、又は周期的にモニタリングするようにプログラムされることがある。最小酸素濃度の閾値は、コントローラ400が低い酸素濃度を使用者に警告するためにLED視覚的アラーム及び/又は可聴アラームをオンにするようにコントローラ400にプログラムされることがある。
【0095】
コントローラ400はまた、内部電源供給装置180に結合され、内部電源供給装置の充電レベルをモニタリングするように構成されることがある。最小電圧及び/又は電流の閾値はコントローラ400にプログラミングされて、コントローラ400がLED視覚的アラーム及び/又は可聴アラームをオンにして使用者に低電力状態を警告することができる。アラームは間歇的に活性化されることもでき、バッテリが使用可能な充電量が0近くなれば、増加された頻度で活性化することができる。
【0096】
コントローラ400は、連結型酸素療法システムを構成するために、1つ以上の外部装置に通信可能に結合することができる。1つ以上の外部装置は遠隔外部装置であってもよい。1つ以上の外部装置は外部演算装置であってもよい。1つ以上の外部装置は、更に生理学的データを収集するためのセンサを含んであってもよい。
【0097】
図1Nは、連結型酸素療法システム450の一具現例を図示し、ここで、コントローラ400は、セルラー無線モジュール(CWM)(430)、又はコントローラ400がネットワークなどを介して遠隔演算装置460と連結するGSM(登録商標)(Global System for Mobile Telephony)又は他のプロトコル(例えば、WiFi)などの無線通信プロトコルを用いて通信するように構成された他の無線通信モジュールを含むことができる。クラウド基盤サーバのような遠隔演算装置460(又は遠隔外部装置464)はコントローラ400とデータを交換することができる。遠隔外部装置は、携帯用演算装置のような遠隔演算装置であってもよい。例えば、コントローラ400はブルートゥース(登録商標)のような短距離無線通信プロトコルを用いて、コントローラ400がスマートフォンなどの携帯用(モバイル)演算装置466と通信することができるように構成された短距離無線モジュール(SRWM)440を含むこともできる。携帯用演算装置466は、
図1AのPOC100の使用者と関連することもある。2つ以上の外部装置がある場合、各外部装置は同じであっても異なっていてもよい。例えば、2つの外部装置があり、それぞれの外部装置が同一の場合、2つのサーバ460があってもよい。又は2つの外部装置があり、それぞれの外部装置が異なる場合、サーバ460と携帯用演算装置466があってもよい。サーバ460は、更に、GSM(登録商標)のような無線通信プロトコルを用いて携帯用演算装置466と無線通信することができる。携帯用演算装置466のプロセッサは、POC100、使用者及び/又はサーバ460と携帯用演算装置466との相互作用を制御するために、「アプリ」と既知のアプリケーションプログラムを実行することができる。
【0098】
サーバ460は、更に、インターネット又はクラウドのような広域ネットワーク470又はイーサネット(登録商標)のような近距離ネットワークに対する有線又は無線連結を介して個人用演算装置464と通信することができる。個人用演算装置464のプロセッサは、個人用演算装置464とサーバ460との相互作用を制御するために、「クライアント」プログラムを実行することができる。クライアントプログラムの例としては、ブラウザが挙げられる。
【0099】
コントローラ400とともに又はコントローラによって具現されることができる追加機能は、本開示で別途に詳しく説明する。コントローラ400は、POC100で本明細書に記述された内部センサから生理学的データを受信することができる。或いは、コントローラ400は、独立型センサ又は健康モニタリングもしくは他の装置上のセンサであり得る外部血中酸素化センサ436及び他の外部センサ438から生理学的データ又は関連データを収集することができる。収集された生理学的データは、サーバ460又は携帯用演算装置466によって分析しても良く、コントローラ400の内部レジスタに対する追加制御命令を提供しても良い。
【0100】
POC100は作動データを収集し、収集した作動データをサーバ460で実行することができる遠隔健康データ分析エンジン472に転送する。
【0101】
作動データの一例は、使用データ(POCがいつ、どれくらい長く、どのような設定で使われたか否か)である。使用データは、使用が発生した位置を示す地理的位置データと相関することができる。地理的位置データは、POC100に位置したGPS受信器434又は携帯用演算装置466に位置したGPS受信器のような地理的位置装置で得ることができる。その他の作動データは、圧力センサ194及び流量センサ185からの出力圧力及び流量データを含む。
【0102】
POC100によって収集可能な作動データのまた他の例は、治療セッションの間に伝達されたボーラスの総数に対する「自動パルス伝達」ボーラスの割合である(下記参照)。割合が大きいほど吸入が多く感知されないことであり、これは呼吸がより浅く、より不規則であることを意味する。
【0103】
健康データ分析エンジン472は、POC100から収集された動作及び生理学的データを受信し、収集されたデータを分析する。健康データ分析エンジン472は、更に、患者情報データベースのような外部データベースから他の関連データを受信し、分析することができる。他の外部データベースも健康データ分析エンジンに追加データを提供することができる。例えば、データベースは他のPOC及び該当患者のデータを提供することができる。データベースは、更に、環境データ、科学データ及び人口統計データのような他のソースの関連外部データを保存することができる。データベースからのデータ及び患者データを後述するようにマシンランニングエンジン480によって追加で関連付けてもよい。医療提供者がアクセスすることができる個人用演算装置464のような外部装置を後述するように健康データ分析エンジン472に連結することもある。
【0104】
生理学的及びその他のデータは、
図1Nの外部センサ438のような追加的な外部センサから収集することができる。一実施例で、外部センサ438は、身体装着型の健康モニタリング装置に設置されている。該当装置は患者から持続的に低い衝撃方式でデータをキャプチャするためにスマートウェアラブル衣類、スマート時計又はその他のスマート装置であり得る。例えば、健康モニタリング装置は、オーディオセンサ、心拍数センサ、(肺の用量を測定する)肺活量計のような呼吸センサ、ECGセンサ、PPG(photoplethysmography)センサ、赤外線センサ、光音響呼気二酸化炭素センサ、活動センサ、無線周波数センサ、SONARセンサ、光学センサ、ドップラーレーダモーションセンサ、温度計又はインピーダンス、圧電、光電又はストレインゲージ類型センサなど、1つ以上のセンサを含む。このデータはPOC100の作動データのように一日の間に収集された他のデータソース又は特定期間の間に収集されたデータと組み合わせることができる。追加的な外部センサ438は、鼻腔カニューレ196のような気道輸送装置に装着してもよい。
【0105】
選択的内部オーディオセンサをPOC100に内蔵し、特定の患者の音を感知することができる。追加オーディオデータを収集するためにPOC100の外部にマイクのような選択的外部オーディオセンサが位置してもよい。常温センサ、接触式又は非接触式体温センサ、室内湿度センサ、近接センサ、ジェスチャセンサ、タッチセンサ、ガスセンサ、空気質センサ、微細ほこりセンサ、加速度計、ジャイロスコープ、傾斜センサ、受動又は能動SONARのような音響センサ、超音波センサ、無線周波数センサ、加速度計、光度センサ、LIDARセンサ、赤外線センサ(受動型、透過型又は反射型)、二酸化炭素センサ、一酸化炭素センサ又は化学物質センサなどの追加センサを外部ポートを介してコントローラ400に連結することができる。該当追加センサからのデータは、更に、コントローラ400によって収集することができる。追加センサからのデータを周期的に中央コントローラ400が収集してもよい。該当データは一般的にPOC100又はその作動環境の作動状態と関連する。
【0106】
このような一実施例で、外部センサ438は、コントローラ400に連結された空気質モニタリング装置に位した環境センサであってもよい。空気質モニタリング装置の環境センサ438は、POC100の環境でガス、煙、煙又は微粒子を感知することができる。該当センサはPOC100周辺でPM2.5(一般的に直径が2.5マイクロメートル以下の吸入可能な粒子)及びPM10(直径が10マイクロメートル以下の粒子)の量又は密度を測定することができる。
【0107】
追加センサからのデータは、POC100と通信することができるモバイル演算装置466で送ることができる。或いは、追加的な外部センサ438からのデータをPOC100に直接送ってもよい。健康モニタリング装置、POC100、空気質モニタリング装置又はモバイル演算装置466上の外部センサ438からのデータをネットワーク470に送ってもよい。
【0108】
本技術によると、POC100は患者周辺の他のセンサとのデータ送信及び健康データ分析エンジン472による遠隔処理のための収集されたデータの送信を管理する通信ハブの役割をする電子部品を含むことができる。該当データはPOC100が能動的に酸素を伝達しない場合にもPOC100によって健康モニタリング装置上の外部センサ438のような外部センサから収集することができる。或いは、モバイル演算装置466は外部センサ438、POC100及び他のデータソースからデータを収集することができ、したがって健康データ分析エンジン472でのデータ送信を管理する通信ハブの役割をすることができる。POC100と通信することができる家庭用デジタルアシスタントのような他の装置も通信ハブの役割をすることができる。
【0109】
制御パネル600は、使用者が酸素濃縮器100の予め定められた作動モードを開始し、システムの状態をモニタリングできるように使用者とコントローラ400との間のインターフェースの役割をする。
図1Oは、制御パネル600の具現を図示する。制御パネル600には内部電源供給装置180を充電するための充電入力ポート605が配置されることもある。
【0110】
一部の具現例において、制御パネル600は酸素濃縮器100に対する様々な作動モードを活性化するボタンを含むことができる。例えば、制御パネル600は、電源ボタン610、流量設定ボタン620~626、アクティブモードボタン630、スリップモードボタン635、高度ボタン640、バッテリチェックボタン650を含むことができる。一部の具現例において、1つ以上のボタンはそれぞれのボタンが押されたときに発光することができ、それぞれのボタンが再び押されたときに電源をオフにすることができるそれぞれのLEDを含んであってもよい。電源ボタン610はシステムの電源をオン又はオフにする。電源ボタン610が活性化されてシステムをオフにすれば、コントローラ400はシステムを停止状態(例えば、2つのキャニスタが加圧された状態)にするために、停止シーケンスを開始することができる。流量設定ボタン620、622、624、626は、所定の酸素濃縮空気の連続流量を選択するようにする(例:ボタン620で0.2LPM、ボタン622で0.4LPM、ボタン624で0.6LPM、ボタン(626)で0.8LPM)。他の具現例において、流量設定値を数を増やすか減らしてもよい。流量設定値を選択した後、酸素濃縮器100は選択した流量設定によって酸素濃縮空気の生産を果たすために作動を制御する。高度ボタン640は使用者が酸素濃縮器100を定期的に使用する位置より更に高い位置にある時に活性化してもよい。
【0111】
バッテリチェックボタン650は、酸素濃縮器100でバッテリチェックルーチンを開始して、制御パネル600で相対バッテリ電力残量LED655を点灯する。
【0112】
使用者は、相対的に活動的でない場合(例えば、睡眠、座っているなど)、低い呼吸率又 は深さを示すことができ、これを検出された呼吸率又は深さを閾値と比較して推正することができる。使用者が相対的に活動的な場合(例:歩いている、運動中など)、呼吸率や深さが高いことがある。活性/睡眠モードは呼吸数又は深さから自動で推定しても良く、使用者が活性モードのためのボタン630又は睡眠モードのためのボタン635を押すことで、活性モード又は睡眠モードを手動で設定してもよい。
【0113】
以下で説明するPOC100の作動及びモニタリング方法は、上述のように、POC100のメモリ420のようなメモリに保存された1つ以上の機能及び/又は関連データを含むプログラム命令によって構成される、コントローラ400の1つ以上のプロセッサ410のような1つ以上のプロセッサによって実行することができる。或いは、記述した方法のステップのうちの一部又は全部は、上述のように連結型酸素療法システム450の一部を形成するサーバ460のような外部演算装置の1つ以上のプロセッサによって同様に実行してもよい。後者の場合、プロセッサ410は、POC100のメモリ420に保存されたプログラム命令で構成し、外部演算装置で遂行するステップの遂行に必要な測定値及び媒介変数を外部演算装置に送ることができる。
【0114】
酸素濃縮器100の主な用途は、使用者に補充酸素を提供することである。酸素濃縮器100の制御パネル600で1つ以上の流量設定が選択することができ、選択された流量設定によって酸素濃縮空気の生産を達成するための作動を制御する。一部のバージョンでは、流量設定値が複数である(例:流量設定値6個)。本明細書で上述したように、コントローラ400はPOD(パルス型酸素伝達)又は需要作動モードを具現することができる。コントローラ400は選択した流量設定値によって酸素濃縮空気の伝達を達成するために、1つ以上の放出されたパルス又はボーラスの大きさを調節することができる。
【0115】
伝達された酸素濃縮空気の効果を最大化するために、コントローラ400は酸素濃縮空気の各ボーラスの放出を使用者の吸入と同期化するようにプログラミングすることができる。使用者が息を吸うとき、酸素の豊かな空気を使用者に放出することは、例えば、使用者が息を吐き出すとき、酸素を放出しないことで酸素の無駄使いを防止することができる。制御パネル600上の流量設定値は、伝達された酸素の毎分体積(毎分呼吸率を乗じたボーラス体積)、例えば0.2LPM、0.4LPM、0.6LPM、0.8LPM、1LPM、1.1LPMに対応することができる。
【0116】
酸素濃縮器100によって生成された酸素濃縮空気は酸素アキュムレータ106に保存され、POD作動モードで使用者が吸入するとき、使用者に放出される。酸素濃縮器100によって提供される酸素濃縮空気の量は、供給バルブ160によって部分的に制御される。一具現例において、供給バルブ160はコントローラ400によって推定された適切な量の酸素濃縮空気を使用者に提供するのに十分な時間の間、開放される。酸素の無駄使いを最小化するために、酸素の豊かな空気は使用者の吸入の開始が感知された直後、ボーラスに提供することができる。例えば、酸素濃縮空気のボーラスを使用者が吸入した最初の数ミリ秒の間、提供してもよい。
【0117】
一具現例において、圧力センサ194のようなセンサは、使用者による吸入の開始を決めるのに使用することができる。例えば、圧力センサ194を用いて使用者の吸入を感知する。使用時、酸素濃縮空気を提供するための輸送導管192は、鼻腔伝達装置196及び/又はマウスピース198を介して使用者の鼻及び/又は口に結合される。したがって、輸送導管192の圧力は使用者の気道圧力を表し、よって使用者呼吸に該当する。吸入が始まると使用者は鼻及び/又は口を介して体の中に空気を吸入し始める。空気が吸引されるに従い、部分的に輸送導管192の端部を横切って吸引される空気のベンチュリ効果によって、陰圧が輸送導管192の端部に生成される。コントローラ400は圧力センサ194からの圧力信号を分析して吸入の開始を示す圧力降下を検出する。吸入の開始の検出時、供給バルブ160が開放されてアキュムレータ106から酸素濃縮空気のボーラスを放出する。
【0118】
輸送導管192内の圧力の陽圧変化又は上昇は、使用者による呼気(exhalation)を示す。コントローラ400は呼気の開始を示す圧力上昇を検出するために圧力センサ194からの圧力信号を分析することができる。一具現例においては、陽圧変化が感知されれば、次の吸入開始が感知されるまで供給バルブ160が閉鎖される。或いは、供給バルブ160をボーラス期間(bolus duration)と既知の所定の間隔後に閉鎖してもよい。
【0119】
吸入の隣接した開始の間の間隔を測定することで、使用者の呼吸率を推正することができる。吸気の開始と後続呼気の開始の間の間隔を測定し、使用者の吸気時間を推正することができる。
【0120】
他の具現例において、圧力センサ194は使用者の気道と空気圧通信するが、輸送導管192とは別の感知導管に位置することができる。該当具現例において、圧力センサ194からの圧力信号は、更に、使用者の気道圧力を示す。
【0121】
一部の具現例において、圧力センサ194の感度は、特に圧力センサ194が酸素濃縮器100に位置し、圧力差が酸素濃縮器100を使用者に連結する輸送導管192を介して検出される場合、使用者と圧力センサ194の物理的距離によって影響を受けることもある。一部の具現例において、圧力センサ194は、酸素濃縮空気を使用者に提供するのに使われる気道輸送装置196に配置することができる。圧力センサ194からの信号は有線を介して、又はブルートゥース(登録商標)又は他の無線技術のような遠隔測定を介して電子的に酸素濃縮器100のコントローラ400に提供することができる。
【0122】
一部の具現例において、POC100が活性モードにあり、吸入の開始が所定の間隔の間、例えば、1時間の間に感知されなければ、8秒後POC100は、節電モードに切り替わる。それから、追加で定められた間隔(例:8秒)の間、吸入の開始が感知されなければ、POC100は「自動パルス」モードに入る。自動パルスモードで、コントローラ400は供給バルブ160の作動を制御してボーラスを規則的で予め決められた間隔、例えば、4秒間隔に伝達するようにする。POC100は、トリガプロセスによって吸入の開始が感知されるかPOC100の電源がオフになると、自動パルスモードを終了する。
【0123】
一部の具現例において、検出された使用者の呼吸率を用いて推定されたことのような使用者の現在活動水準が所定の閾値を超える場合、コントローラ400はアラーム(例:視覚的及び/又は可聴アラーム)を具現して、現在の使用者に呼吸率が酸素濃縮器100の伝達用量を超えると警告することができる。例えば、閾値は毎分呼吸数(BPM)40に設定することができる。
【0124】
上述のように、
図1Nのセンサ436のような装置は、POC100の使用者から血中酸素化データを収集するのに使用することができる。例えば、血中酸素化センサ436は手首モニタ又は腰装着型モニタのような装着身体装着型の血中酸素化モニタであってもよい。このようなモニタは、光電式容積脈波記録法で血中酸素化を測定する。装着身体装着モニタは、POC100(CWM430を介して)又は携帯用演算装置466のような外部装置と通信する送信器を含むことができる。
【0125】
他の外部血中酸素化センサは、血中酸素化水準を測定する指先クリップ装置であり得る。該当装置は光電式容積脈波記録法で血中酸素化を測定してもよい。該当例では、Nonin社のOnyx、WristOx2又はNoninConnect装置のような指先クリップ装置で外部装置と無線通信をしてもよい。Turner Medical社で製造した3078耳センサを装備したBCI3301携帯用脈拍酸素測定器のような耳装着装置であってもよい。或いは、使用者又は専門医療関係者が血中酸素濃度を測定し、測定値を携帯用演算装置466で実行されるアプリに入力してもよい。
【0126】
また他の代案としては、血中酸素化センサ436をPOC100に設置してもよい。このようなセンサは、使用者が指を挿入できるようにPOC100のハウジングに物理的開口を有する指先クリップ装置であり得る。センサは、測定された血中酸素化データをコントローラ400に直接伝達される。他の具現例では、Fitbit、Spry Health Loop、Biosency BORAband又はApple watchのような手首装着装置のような既存の装着身体装着センサを適用することを含むこともある。センサ436は、無線受信器を介してデータを通信する移植型センサであり得る。移植されたセンサの例としては、皮膚付着パッチ又は使い捨てナノボット移植が挙げられる。
【0127】
他の代案として、POC100自体がウェアラブル装置であってもよく、血中酸素化センサ436はPOC100に装着され、装着時に使用者の皮膚に接触することができる。外部センサ438は該当具現例で、健康モニタリング装置ではないPOC100に装着することができる。
【0128】
連結型酸素療法システム450において例示的なPOC100は、家庭環境で連結されたハブの役割をする。ハブの役割をするPOC100はこの場合、外部健康データ分析エンジン472と協働して、COPD、喘息、肺気腫及び慢性気管支炎のような健康状態を管理する。この管理は統合支払い者にサービスとして提供することができる。健康モニタリング装置に装着されたPOC100及び関連外部センサ438のようなものは、患者が経験する呼吸状態を多様にモニタリングすることができる。
【0129】
収集データは健康状態の変化(例:正常呼吸率/頻呼吸よりも高い)を追跡するために、呼吸変化を決めるのに使用することができる。時間経過に伴う呼吸データ収集は、基本呼吸率が時間経過によってどのように変化するかを決めることができる。疾病分析には悪化する健康状態を追跡するのが含まれることもある。例えば、収集データを分析して喘息、花粉症、風邪又は呼吸器感染の悪化を感知することができる。
【0130】
健康データ分析を確認するか強化するために、オーディオデータを使用することもできる。例えば、内部オーディオセンサからの患者の呼吸音はオーディオデータを決めるために外部オーディオセンサによって検出された外部音とともに用いてもよい。オーディオデータはいびき、喘ぎ、咳、呼気性喘鳴、飛び散り 、心拍音のレベルを含むことができる。該当音は呼吸器疾患及びその他の健康状態をモニタリングするのに使われてもよい。例えば、呼気性喘鳴の音の強度と時期(吸気又は呼気)は呼吸器疾患、障害又は疾病の症状であり得る。更に、無拍動のように音が聞こえないのは、心拍数及び呼吸数増加のような他の活力兆候とともに深刻な喘息を意味することもある。
【0131】
収集した作動データと生理学的データは、他のソースからのデータから導出されることができる患者の特定条件の脈略から分析してもよい。このようなデータは、モバイル演算装置466で実行されるアプリによって生成されたインターフェースを介して、患者によって報告された結果又はデータベースの電子健康記録からの入力を含むことができる。したがって、患者別のデータには同伴疾患、人口統計学的詳細情報(ボディマス指数(BMI)、年齢、性別)、地理的詳細情報(花粉の数によるアレルギーの危険、外部温度による熱中症、高度に伴う空気質及び酸素水準による酸素水準)、患者と係わる薬物情報が含まれる。患者が報告した結果(PRO)には患者の感覚(ウェルビーイング)、だるさの有無、患者の眠気の程度に対する主観的なフィードバックが含まれてもよい。
【0132】
POC100のセンサは、疾病進行による特定の揮発性有機化合物(VOC)の特性変化を識別するために、いわゆる、交差反応センサアレイ及びパターン認識/ディープラーニングを用いて患者の気体(呼吸)を感知することができる。
【0133】
図2は、POC100のコントローラ400が
図1Nに示すように、コントローラ400がGSM(登録商標)(Global System for Mobile Telephony)又はその他のプロトコル(例:WiFi)のような無線通信プロトコルを用いて、ネットワーク470を介してクラウド基盤サーバ460のような遠隔外部装置(又は遠隔演算装置)と通信できるように構成された、CWM430を含む連結型酸素療法システム(450A)の他の具現例を図示する。ネットワーク470はインターネット、クラウドのような広域ネットワーク又はイーサネット(登録商標)のような近距離ネットワークであり得る。代案的に、又は追加的に、遠隔外部装置は携帯用演算装置466のような遠隔演算装置であり得る。例えば、コントローラ400はコントローラ400がBluetooth(登録商標)のような短距離無線通信プロトコルを用いて、スマートフォンのような携帯用演算装置466と通信できるように構成された短距離無線モジュール440を含むことができる。携帯用演算装置466はPOC100の使用者1000と関連付けることができる。
【0134】
サーバ460はまた、GSM(登録商標)のような無線通信プロトコルを用いて、携帯用演算装置466と無線通信することができる。携帯用演算装置466のプロセッサは、POC100、使用者1000及び/又はサーバ460とスマートフォンの相互作用を制御するため、患者参加プログラム又は「アプリ」(482)を実行することができる。患者参加アプリ482は、
図1Nのセンサ436のようなネットワーク血中酸素化センサが使用できない場合、使用者1000が外部センサからのSpO2判読値のようなデータを入力することができる入力インターフェースを含んであってもよい。
【0135】
サーバ460は、有害環境条件を決めて対応するために、受信されたデータを分析するような動作を実行できる分析エンジン472を含む。サーバ460は、更に、ネットワーク470を通じた有線又は無線連結を介して、個人用演算装置464のような他の装置と通信することができる。サーバ460は、連結型酸素療法システム450によって管理されるPOC及び使用者に対する作動及び生理学的データを保存するデータベース484にアクセスすることができる。データベース484は、POC使用者に対する生理学的データ及びPOC使用と係わる作動データを有する使用者データベースのような個別データベースに分割してもよい。サーバ460は、更に、追加データを提供することができる環境データベース486のような他の関連データベースとネットワーク470を介して通信してもよい。
【0136】
POC100の使用者1000及び携帯用演算装置466は、POC使用者システム490で構成することができる。連結型酸素療法システム(450A)はそれぞれPOC使用者、POC100のようなPOC、携帯用演算装置466のような携帯用演算装置を含む複数のPOC使用者システム490、492、494及び496を含むことができる。各POC使用者システム492、494及び496は、直接、又はPOC各使用者と係わる各携帯用演算装置を介してサーバ460と通信する。コントローラ400に該当するコントローラとシステム492、494、496の各POCから、CWM430に該当する送受信器が
図1Nと関連して上述のデータを収集して転送する。個人用演算装置464はPOCグループの使用者グループの治療を担当する健康管理者(HME)と関連付けることができる。
【0137】
データベース484からのデータ、健康データ分析エンジン472からの分析結果及び使用者システム490のような個別POC使用者システムからのデータをマシンラーニングエンジン480によって更に連関付けてもよい。マシンラーニングエンジン480はニューラルネットワーク、決定木のアンサンブル法、サポートベクトルマシン、ベイジアンネットワーク又は勾配ブースティングマシンのようなマシンラーニング構造を具現することができる。このような構造は、様々な健康状態をモニタリングするために、線形又は非線形予測モデルを具現するように構成することができる。例えば、患者の健康状態を判断するようなデータ処理は、指導マシンラーニング、ディープラーニング、畳み込みニューラルネットワーク、循環神経網うちの1つ以上によって遂行してもよい。手作業機能を有する説明的且つ予測的な指導マシンラーニング以外にも、マシンラーニングエンジン480でディープラーニングを具現することができる。これは一般的に正常及び異常条件に関する大量の点数(ラベル)データ(例:POC装置の数百個のデータポイント)に依存する。該当接近方式は、ニューラルネットワーク(単純ニューラルネットワークより「更に深い」ニューラルネットワーク)を形成するために、相互に連結された多くのニューロン階層を具現して、各階層で更に複雑な機能を「学習」できる。マシンラーニングは、受動機能や簡単な意思決定木より更に多い変数を使用することが可能である。
【0138】
畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、情報を推論するためのオーディオ及びイメージ処理(例:顔認識)に広く使われ、オーディオスペクトログラム又はイメージで表現された収集されたデータから生成された人口規模のゲノムデータセットにも適用することができる。イメージ又はスペクトログラム処理を実施するとき、システムはデジタル化されたイメージ又はスペクトログラムデータの強度、スペクトラム及び統計的推定値から時間及び周波数属性を認知的に「学習」する。
【0139】
しかしCNNの場合とは異なり、問題を常に固定長さの入力及び出力で表現できるわけではない。例えば、呼吸音や心臓音を処理するのは音声認識及び時系列予測と類似している。したがって、音分析の場合、以前の出力又は隠された状態を入力で使用することができる回帰型ニューラルネットワーク(RNN)のような、コンテクスト情報を保存して使用するシステムがより有利である。言い換えれば、コンテクストノードに情報を保存することができる多層ニューラルネットワークの方が好ましい。RNNは、時間ステップにわたって状態情報を維持することで可変長入力及び出力を処理することができ、勾配消失問題及び/又は勾配クリッピング使用を管理するLSTM(長短期記憶、RNNが制御を強化できる「ニューロン」類型、単方向又は両方向であり得る)を含むことができる.
【0140】
マシンラーニングエンジン480は、入力データ分析に役立てるために既知のデータ入力から既知の患者の状態の指導学習を介して訓練することができる。マシンラーニングエンジン480は、更に、入力データと患者の状態との間の知られていない相関関係を決めるために自律学習を介して訓練して、健康データ分析エンジン472の分析範囲を広げることができる。
【0141】
使用者システム(492、494、496)のようなPOC使用者システムグループの使用者グループからのデータ収集は、より正確な健康データ分析を提供する目的で、大規模なデータセットを駆逐できるようにする。上述のように、収集されたデータは、追加的な分析のためにマシンラーニングエンジン480に提供することができる。健康データ分析エンジン472及び/又はマシンラーニングエンジン480からの分析は、使用者1000のような任意の個別の使用者に対する健康データ分析を提供するために使われてもよい。
【0142】
図3は
図2のシステム450Aなどの連結型酸素療法システムで具現されるように、周辺環境条件を分析し、ここに対応するための方法1010を例示するフローチャートである。方法1010はサーバ460で実行される分析エンジン472によって実行することができる。方法1010はPOC使用者システム490のような連結型酸素療法システムのPOC使用者システムによって送信される作動及び生理学的データを受信するステップ1020から開始する。上述のように、生理学的データの例は、呼吸率と吸気の時間である。上述のように、作動データの例としては、使用データと地理的位置データが挙げられる。
【0143】
続いて、ステップ1030は、POC使用者システム490のようなPOC使用者システムによって送信された環境データを受信する。或いは、ステップ1020は、ステップ1020でPOC使用者システムから受信された地理的位置データに基づいて環境データベース486から特定のPOC使用者システム、例えば、POC使用者システム490周辺の環境データを検索することができる。上述のように、環境データの例は、POC使用者システム490の環境で、PM2.5及びPM10のような微粒子の量又は密度によって測定した空気質のデータである。ステップ1020及び1030で収集されたデータは、データベース484に保存される。
【0144】
次のステップ1040では、有害環境条件が特定のPOC使用者システム490周辺に存在するか否かを決めるため、ステップ1020及び1030で収集した環境データ、生理学的データ、作動データを分析する。例えば、ステップ1040は各POC使用者システム周辺の微粒子密度のような空気質測定値を空気汚染閾値と比較することができる。有害環境条件が存在しない場合(「N」)、方法1010はステップ1045で終了する。特定のPOC使用者システム、例えば、POC使用者システム490周辺に有害環境条件が存在する場合(「Y」)、方法1010は、ステップ1050に進行する。ステップ1050は、有害環境条件の影響を減らすためのPOC使用者システム490の対応措置を決めるため、データの追加分析を遂行する。
【0145】
対応措置の一例は、現在治療セッションで使用中の流量設定値を増加させる方式でPOC100を制御することである。POC100のコントローラ400はボーラスの体積又は酸素伝達頻度を増加させる命令を受信することができる。このような対応措置を介して、POC100を制御するように構成されたコントローラ400で、使用者に供給される酸素の流れを変更してPOC100を制御することができる。結果的に対応措置は、使用者に対する酸素の流量制御を変更することができる。したがって、対応措置は収集したデータを基盤にPOC100を制御することになる。また他の例は、使用者1000に外出しないことを勧めることである。また他の例は、使用者1000が外出する場合、POC100を持って行くように勧めることである。また他の例は、微粒子フィルタ187を交換するように勧めることである。
【0146】
次のステップ1060では、その後、ネットワーク470を介して、POC使用者システム490の使用者1000に対応措置を知らせる。一部の具現例では、患者参加アプリ482によって生成されたインターフェースから「プッシュ」通知を介して知らせる。他の具現例では、POC100の制御パネル600上のディスプレイを介して対応措置を知らせる。例えば、「今日の空気質は良くありません。設定値4を用いてください」のようなメッセージを表示することである。
【0147】
ステップ1050は、マシンラーニングエンジン480の助けを借りて実施することができる。時間が経過するにつれ、データベース484は様々な水準の屋内及び屋外活動での流量設定値使用のような各種の使用シナリオ下で、有害環境条件の以前のインスタンスと使用者の生理に及ぼす影響に関する大規模なデータセットを構築する。その後、マシンラーニングエンジン480は、上述したマシンラーニングを用いて使用シナリオ、有害環境条件、類似の使用者グループの呼吸困難又は不飽和イベントの不在のような肯定的な結果間の相関関係を学習することができる。このような相関関係が学習されれば、ステップ1050を具現するための分析エンジン472は、ステップ1040で決められたPOC使用者システム490の使用者1000と類似の使用者グループを決めることができる。
【0148】
その後、分析エンジン472はステップ1040で「Y」をトリガしたのと類似の有害環境条件下で、該当グループの使用者に対する肯定的な結果に関連する使用シナリオを決める。ステップ1050で生成された対応措置は、使用者グループに対する肯定的な結果と関連する使用シナリオを発生させる措置である。位置と関連して収集されたデータは、環境要因を考慮して治療を調整するなど、呼吸器疾患治療を改善するのに使用することもある。
【0149】
本明細書で使われた用語は、単に特定の実施例を説明するためのものであり、本発明を限定するためのものではない。本明細書で使われた複数形の冠詞「a」、「an」及び「the」は、文脈上明白でない限り複数形も含むものと解釈しなければならない。また「including/includes(含む)」、「having/has(有する)」、「with(~とともに)」又はこれらの変形語を詳細な説明及び/又は請求の範囲で使用する場合、「(含む)」と同様の方式で包括的に解釈しなければならない。
【0150】
別途に定義しない限り、技術的及び科学的用語を含め、本願で使用する用語は全て該当技術分野で通常の知識を有する当業者が一般的に理解することができる意味を有する。更に、一般的に使われる辞書で定義する用語は、関連技術の脈絡でその意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、明示的に定義しない抽象的又は形式的な意味で解釈してはならない。
【0151】
本発明の様々な実施例が上述されたが、これらは単に例示にすぎず、本発明の範疇を限定するものではない。本発明の1つ以上の具現例を説明したが、当業者は本明細書及び添付の図面を参照して変更又は修正することができる。更に、本発明の特徴を1つの具現例でのみ開示した場合にも、該当特徴は任意又は特定の用途で、他の具現例の1つ以上の他の特徴と結合することができる。したがって、本発明の範囲は、上述の実施例に限定されてはならない。本発明の範囲は後述の請求の範囲及びその等価物によって定義しなければならない。
【符号の説明】
【0152】
100:酸素濃縮器
101:入口
105:入口
106:アキュムレータ
107:アキュムレータ圧力センサ
108:入口マフラ
122:入口バルブ
124:バルブ
129:フィルタ
130:出口
132:出口バルブ
133:マフラ
134:出口バルブ
139:スプリングバッフル
142:チェックバルブ
144:チェックバルブ
151:流れ制限器
152:バルブ
153:流れ制限器
154:バルブ
155:流れ制限器
160:供給バルブ
162:拡張チャンバ
165:超音波センサ
166:放出器
168:受信器
170:ハウジング
172:ファン
173:出口
174:出口ポート
175:流れ制限器
180:電源供給装置
185:流量センサ
187:フィルタ
190:コネクタ
192:輸送導管
194:圧力センサ
196:鼻腔カニューレ型の気道輸送装置
198:マウスピース
200:圧縮システム
201:速度センサ
210:圧縮器
212:圧縮器出口
220:モータ
230:外部回転電機子
240:空気伝達装置
250:圧縮器出口導管
300:キャニスタシステム
302:キャニスタ
304:キャニスタ
306:空気入口
310:ハウジング構成要素
315:基部
322:バルブシート
323:開口
324:バルブシート
325:出口
327:排気ガス
330:入口導管
332:バルブシート
337:開口
342:導管
344:導管
346:導管
375:開口
400:コントローラ
410:プロセッサ
420:メモリ
430:セルラー無線モジュール
434:GPS受信器
436:センサ
438:外部センサ
440:短距離無線モジュール
450:酸素療法システム
450:酸素療法システム
460:サーバ
464:個人用演算装置
466:携帯用演算装置
470:ネットワーク
472:健康データ分析エンジン
480:マシンラーニングエンジン
482:患者参加アプリ
484:データベース
486:環境データベース
490:使用者システム
492:使用者システム
494:使用者システム
510:ハウジング構成要素
530:導管
532:導管
534:導管
542:開口
544:開口
552:バルブシート
554:バルブシート
600:制御パネル
605:入力ポート
610:電源ボタン
620:流量設定ボタン
622:流量設定ボタン
624:ボタン
626:ボタン
630:ボタン
635:ボタン
640:高度ボタン
650:バッテリチェックボタン
655:LED
1000:使用者
1010:方法
1020:ステップ
1030:ステップ
1040:ステップ
1045:ステップ
1050:ステップ
1060:ステップ
【国際調査報告】