(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】スクリュープレスでろ液含有量を測定する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B01D 29/17 20060101AFI20230906BHJP
B01D 37/04 20060101ALI20230906BHJP
G01N 15/06 20060101ALN20230906BHJP
【FI】
B01D29/30 501
B01D37/04
G01N15/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023503416
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(85)【翻訳文提出日】2023-03-02
(86)【国際出願番号】 EP2021064778
(87)【国際公開番号】W WO2022017672
(87)【国際公開日】2022-01-27
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397062685
【氏名又は名称】アンドリッツ アクツイエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】エッガー・マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ピヒラー・フランコ
(72)【発明者】
【氏名】シュテルツァー・ダーニエール
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルベルガー・シュテファン
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA26
4D116BB01
4D116BC25
4D116BC27
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4D116QB50
4D116QC18C
4D116QC34
4D116QC50
4D116SS02
4D116SS10
(57)【要約】
本発明は、供給材料からろ液を分離するスクリュープレス(1)に関する。このスクリュープレス(1)は、
ろ液含有量を測定するセンサ(7)を備えるセンサ機構(9)が、スクリュープレス(1)の排出領域(4)内に配置されていて、その際、供給材料は、センサ(7)に向かって流れることが可能及び/又はセンサ(7)の周囲を流れることが可能である。これは、簡単、迅速、かつ正確に測定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給材料からろ液を分離するスクリュープレス(1)であって、
このスクリュープレス(1)は、供給領域(2)、脱水領域(3)、及び排出領域(4)を備え、
その際、供給領域(2)を介してスクリュープレス(1)に供給材料を送ることができ、
脱水領域(3)は、回転軸線(13)を中心として回転可能でフィルタドラム(5)内に配置されているプレススクリュー(6)を備え、
プレススクリュー(6)の回転により、脱水領域(3)を介して供給材料を、供給領域(2)から排出領域(4)に送ることができ、
その際、供給材料はフィルタドラム(5)とプレススクリュー(6)との間の脱水領域(3)内にガイドされ、かつろ液がフィルタドラム(5)を通って分離可能である、当該スクリュープレス(1)において、
ろ液含有量を測定するセンサ(7)を含むセンサ機構(9)が排出領域(4)に配置されていて、
その際、供給材料がセンサ(7)に向かって流れることができ、及び/又はセンサ(7)の周囲を流れることができる、ことを特徴とするスクリュープレス(1)。
【請求項2】
供給材料からセンサ(7)に作用する圧力は、センサ機構(9)を介して補償可能であり、
その際、センサ機構(9)はガイド(10)を備え、センサ(7)は、供給材料からセンサ(7)に作用する圧力を補償するために、ガイド(10)を介して排出領域(4)内で移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のスクリュープレス(1)。
【請求項3】
ガイド(10)を介してセンサ(7)に補償力を加えることができ、その際、補償力はセンサ(7)に作用する圧力から生じる力に対抗することを特徴とする請求項2に記載のスクリュープレス(1)。
【請求項4】
センサ(7)に一定の補償力を加えることができることを特徴とする請求項3に記載のスクリュープレス(1)。
【請求項5】
センサ機構(9)は、ばね(12)を備え、
その際、ばね(12)は、空気圧、油圧、電気的、又は磁気的に作用するものであり、かつばね(12)を介してセンサ(7)に補償力を加えることができることを特徴とする請求項3又は4に記載のスクリュープレス(1)。
【請求項6】
磁気ばね(12)を介してセンサ(7)に補償力を加えることができ、
その際、補償力は一定であることを特徴とする請求項3に記載のスクリュープレス(1)。
【請求項7】
補償力が優勢な場合には、センサ(7)は、センサ(7)に作用する圧力から生じる力に向かって、ガイド(10)に沿って移動可能であり、かつセンサ(7)に作用する圧力から生じる力が優勢な場合には、センサ(7)は、圧力から生じる力の方向に、ガイド(10)に沿って移動可能であることを特徴とする請求項3~6のいずれか一項に記載のスクリュープレス(1)。
【請求項8】
供給材料からろ液を分離する方法であって、
この方法では、供給材料が供給領域(2)を介して請求項1~7のいずれか一項に記載のスクリュープレス(1)に送られ、
ろ液は、回転軸線(13)を中心として回転するプレススクリュー(6)とフィルタドラム(5)との間の脱水領域(3)内で供給材料から分離され、
その際、供給材料は、供給領域(2)と排出領域(4)との間で圧縮され、かつフィルタドラム(5)を通ってろ液が排出される、
当該方法において、
供給材料のろ液含有量の測定が排出領域(4)で実行され、
その際、供給材料はろ液含有量を測定するためのセンサ(7)に対して流れる、及び/又はセンサ(7)の周囲を流れることを特徴とする方法。
【請求項9】
センサ機構(9)は、供給材料からセンサ(7)に作用する圧力を補償することができ、
その際、センサ(7)が、供給材料からセンサ(7)に作用する圧力を補償するために、センサ機構(9)のガイド(10)を介して排出領域(4)内で移動されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ガイド(10)を介してセンサ(7)に補償力を加えられ、
その際、補償力はセンサ(7)に作用する圧力から生じる力に対抗することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
センサ(7)に一定の補償力が加えられることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
センサ機構(9)のばね(12)を介してセンサ(7)に補償力が加えられ、
その際、ばね(12)は空気圧、油圧、電気的、又は磁気的に作用するものであることを特徴とする請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
磁気ばね(12)を介してセンサ(7)に一定の補償力が加えられることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
補償力が優勢な場合には、センサ(7)は、センサ(7)に作用する圧力から生じる力に向かって、ガイド(10)に沿って移動され、かつセンサ(7)に作用する圧力から生じる力が優勢な場合には、センサ(7)は、圧力から生じる力の方向に、ガイド(10)に沿って移動されることを特徴とする請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1~7のいずれか1項に記載のスクリュープレス(1)内で供給材料のろ液含有量を測定するセンサ(7)の使用であって、
センサ(7)はセンサ機構(9)に配置されていて、かつ供給材料は、センサ(7)に対して流れる、及び/又はセンサ(7)の周囲を流れることを特徴とする使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給材料からろ液を分離するスクリュープレスに関するものであり、スクリュープレスは、供給領域と、脱水領域と、排出領域とを備え、
その際、供給領域を介してスクリュープレスに供給材料を送ることができ、
脱水領域は、回転軸線を中心として回転可能でフィルタドラム内に配置されている押圧スクリューを備え、かつ押圧スクリューの回転により、供給領域から脱水領域を介して排出領域に供給材料を送ることができ、
その際、供給材料は、フィルタドラムと押圧スクリューとの間の脱水領域内でガイドされ、かつフィルタドラムを通ってろ液が分離可能である。
【0002】
本発明は、供給材料からろ液を分離する方法に関するものでもあり、
この方法では、供給材料が、供給領域を介して本発明のスクリュープレスに送られ、
回転軸線を中心として回転する押圧スクリューとフィルタドラムとの間の脱水領域内で、ろ液が供給材料から分離され、
その際、供給材料は、供給領域と排出領域との間で圧縮され、かつフィルタドラムを通ってろ液が排出される。
【0003】
さらに、本発明は、スクリュープレス内で、供給材料内のろ液含有量を測定するセンサの使用に関する。
【背景技術】
【0004】
典型的には、スクリュープレスは、例えばファイバースクリュー又はパルプスクリューで、供給材料からろ液を分離するために使用される。この場合、供給材料は、固相(固体)及び液相(ろ液)を含む。
ここで、ろ液含有量は供給材料に対して液相(ろ液)の比率を示す。脱水によって、供給材料からろ液を分離し、したがって供給材料中のろ液含有量が減少する。この場合、供給材料は供給領域を介してスクリュープレスに送られる。脱水領域では、供給材料が脱水され、その際、脱水領域は、フィルタドラムと、回転軸線を中心として回転可能な押圧スクリューとを含む。典型的には、フィルタドラムはミシン孔が開いていて、その結果、供給材料から押し出されたろ液が、フィルタドラムを通って排出することができる又は分離することができる。押圧スクリューの機能は、一方では、供給材料を供給領域から排出領域へ搬送し、他方では、供給材料を次第に圧縮し、かつフィルタドラムを通ってろ液の分離を可能にすることである。
【0005】
供給材料は、供給領域内のろ液内容物の変動、脱水性又は圧縮性の違いのような、例えば固相の組成又は構造の違いにより、特性が大きく変化することがある。この場合、ここで重要なことは、スクリュープレスで特定のろ液含有量を設定でき、また運転中も継続的に維持できることである。そうでないと、その後のプロセスが最適に作動できない。しばしば、これは、スクリュープレスの排出部でろ液含有量を離散的な時間間隔でサンプリングすることによって求め/検出し、これは、試料の手動のサンプリング、評価及び分析することを意味する。これは時間がかかり、サンプリング時のスクリュープレス操作に関する情報を多少遅れて提供するだけでもある。時間の不一致は問題があり、その理由は、例えば、その間、ろ液含有量を最適に調整することができない、従って、有効な化学薬品の投与ができない、又は、排出領域内のろ液含有量が変動し、後続のプロセス、例えば、燃焼に悪影響を与えるからである。
【0006】
特許文献1は、固体を含む液体の成分を分離する装置を記載していて、その際、加圧ゾーンとして構成されている出口ノズルの内側シェル面が、固体ケークの排出移動に対抗する、鉤爪形状の少なくとも1つの隆起した突起部を備える。この場合、少なくとも1つの鉤爪部は、センサを備えてもよい、又はセンサ自体であることができ、したがって装置の出口ノズルでの様々な値、例えば水分含有量を測定することができる。
【0007】
特許文献2は、固形ケークの含水量又は圧力を決定するための、出口ノズル内又は出口ノズル上に存在するセンサを用いて、固形ケークの乾燥物質含有量を調整する装置及び方法を記載している。
【0008】
特許文献3は、固体材料によるスクリュープレスセパレータの少なくとも1つの構成部品に生じる応力を検出するセンサ付きスクリュープレスセパレータを記載している。これは、運転中にスクリュープレスセパレータから出る固形物の乾燥物含有量を制御するためである。
【0009】
ただし、ろ液含有量は直接測定されず、相関変数(圧力又は機械部品における、圧力によって誘起される応力)を介して推定される。最終的には、最近は、多くの撹乱変数が脱水性に影響するので、このようにして決定したろ過物含有量は、目安としてしか役立たない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国実用新案第202017105625号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102017115080号明細書
【特許文献3】独国実用新案第202012008077号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、ろ液含有量の簡単で迅速かつ正確な測定である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、これは、ろ液含有量を測定するセンサを含むセンサ機構が排出領域に配置されていることによって達成され、その際、供給材料がセンサに向かって流れることが可能及び/又はセンサの周囲を流れることが可能である。脱水領域での供給材料の圧縮後、供給材料は排出領域に送られ、その際、供給材料は排出領域で解放される、すなわち排出領域の圧力は脱水領域に対して低減されている。驚くべきことに、排出領域に測定器を配置する方が、脱水領域に配置するよりも有利であることがわかった。このように、誤ったろ液含有量は、多くの場合、脱水領域に測定器を配置することで決定される。これに反して、排出領域での本発明による配置は、信頼性のある測定結果につながる。この場合、排出領域内のセンサの本発明による配置により、供給材料が排出領域内で減圧されるので(例えば、周囲圧力に、又は後続のプロセス工程の圧力レベルに)、比較的一定の圧力でろ液含有量を測定することが可能である。しかし、脱水エリアではスクリュープレスの作動によって異なる圧力が与えられている。本発明によれば、ろ液含有量を測定するセンサが使用される。有利には、ろ液含有量を測定するセンサは、供給材料の誘電率の測定に基づく。本発明によれば、供給材料は、センサに対して流れる及び/又はセンサの周囲を流れる。センサに対する及び/又はセンサの周囲の供給材料の流れは、センサに対して作用する供給材料による圧力に対応する力を、供給材料がセンサに与えるような効果がある。本発明によれば、供給材料中のろ液含有量を連続的に、すなわちインラインで測定可能である。
【0013】
本発明によれば、スクリュープレスは、供給材料からセンサに作用する圧力が、センサ機構を介して補償可能であるという特徴を有し、その際、センサ機構はガイドを備え、かつ供給材料からセンサに作用する圧力を補償するセンサが排出領域内のガイドを介して移動可能である。典型的には、脱水されるべき供給材料は非ニュートン流体である。驚くべきことに、誘電率が圧力依存性をもつことが今やわかっている。誘電率、ひいてはろ液含有量の誤認を回避する為に、有利には、センサが、センサ機構の一部であり、その際、センサに作用する供給材料の圧力は、センサ機構によって補償することができ、センサに作用する一定の圧力(設定圧力)は、補償を介して実現することができる。このようにすると、センサに作用する圧力を、すなわち、目標圧力のレベルで一定に保つことができ、圧力偏差による誘電率の影響を回避することができ、正確にろ液含有量を測定することができる。
【0014】
驚くべきことに、センサに作用する圧力の補償は、排出領域内でのセンサがセンサ機構のガイドを介して移動可能であることによって可能である。排出領域内でのセンサの移動によって、センサはガイドに沿って目標圧力に対して外れた圧力を回避でき、目標圧力に対応して排出領域内で位置決めできる。
【0015】
有利な一実施形態では、センサ機構のガイドは、平面内でのセンサの移動を可能とし、その際、加圧スクリューの回転軸線は、この平面に対する法線を形成する。別の有利な一実施形態では、例えば、ガイドに沿ったセンサの移動によって、押圧スクリューの回転軸線に対するセンサの距離を変えられる。
【0016】
スクリュープレスの同様に好ましい一様態は、ガイドを介して補償力をセンサに加えることができであるという特徴を有し、その際、補償力は、センサに作用する圧力から生じる力に対抗する。有利には、ガイドを介して補償力がセンサに加えられ、その際、補償力は、センサに対して作用する供給材料の圧力に対応する力に逆に向けられる。力平衡、すなわち、補償力と供給材料の圧力からの力が同じ場合、センサは動かない。補償力と供給材料の圧力からの力に差がある場合、センサはより大きな力の方向にガイドに沿って移動する。
【0017】
有利な一実施形態は、センサに一定の補償力を加える。この場合、センサは、センサ機構のガイドを介して移動範囲内で移動可能であり、その際、センサに加えられる補償力は、少なくとも移動範囲の一部において、一定である。
【0018】
特に好ましい一実施形態は、センサ機構がばねを備えることという特徴を有し、その際、ばねは空気圧的、油圧的、電気的、又は磁気的に作用し、ばねを介して補償力をセンサに加えることができる。有利には、空気圧、油圧、電気的、又は磁気的に作用するばねを介して補償力を加えることができる。空気圧又は油圧ばねは、空気圧又は油圧で作用するシリンダによって実現可能である。シリンダ内の空気圧又は油圧に応じて、センサに補償力が作用する。
【0019】
特に、磁気ばねを介してセンサに補償力を加えることが有利であり、その際、補償力は一定である。そのような磁気的に作用するばねは、ある領域にわたって一定の力作用を可能にし、したがって、移動範囲の少なくとも一部において、センサに一定の力作用を与えることができる。このような磁気的に作用するばねは、工業用の定力ばねとして提供される。磁気的に作用するばねは、空気圧式、油圧式、又は電気的に作用するばね対して、補助システム(例えば、空気圧、油圧...)がなくてもよいという利点がある。
【0020】
スクリュープレスの別の好ましい一実施形態は、補償力が優勢な場合、センサが、センサに作用する圧力から生じる力に逆らって、ガイドに沿って移動可能であること、及びセンサに作用する圧力から生じる力が優勢な場合には、センサが、圧力から生じる力の方向に、ガイドに沿って移動可能であることを特徴とする。驚くべきことに、センサに作用する圧力のために、結果として生じる力は、排出領域内のセンサの位置によって変化する。有利には、ガイドは、センサの位置決めを可能にし、その際、回転軸線からのセンサの距離がガイドに沿って可変である。次に、例えば、より小さい、一定の補償力に対抗して、より大きな結果として生じる力によって、センサがガイドに沿って移動する場合、回転軸線からのセンサの間隔は変化する。本発明によれば、回転軸線からのセンサの間隔が変化すると、結果として生じる力は、大きさに関して一定の補償力に近づく。逆に、例えばセンサは、より大きな一定の補償力によって、より小さな結果としての力に対してガイドに沿って移動させると、センサと回転軸の間隔も変化する。回転軸線からのセンサの間隔の変化に伴って、結果として生じる力は、本発明によれば、大きさに関して一定の補償力に再び近づく。この自己調節はセンサの位置決めにつながり、その際、センサに作用する圧力が補償される。
【0021】
また、本発明の目的は、ろ液含有量の簡単で、迅速で、正確な測定により、供給材料からろ液を分離する方法を提供することである。
【0022】
本発明によれば、これは、排出領域において、供給材料のろ液含有量を測定することによって達成され、その際、供給材料は、ろ過含有量を測定するセンサに向かって流れる及び/又はセンサの周囲を流れる。排水領域では、脱水領域内において供給材料を圧縮した後、供給材料の減圧を実行する。脱水領域内ではなく排出領域内でろ液含有量の測定を実施することは、驚くほど有利である。本発明によれば、供給材料は、ろ液含有量を測定するためのセンサに対して流れ及び/又はセンサの周囲を流れる、その際、ろ液含有量を測定するセンサは、供給材料の誘電率の測定に基づく。
【0023】
本発明によれば、本方法は、センサ機構が、供給材料からセンサに作用する圧力の補償が可能であることを特徴とし、その際、供給材料からセンサに作用する圧力を補償するために、センサは、排出領域内のセンサ機構のガイドを介して移動される。驚くべきことに、センサに作用する圧力は、排出空間内におけるセンサの位置によって変化することを意味する。このように、センサに作用する圧力の補償は、センサがガイドに沿って目標圧力に対して外れた圧力を回避し、目標圧力に従って排出領域に位置決めすることによって可能になる。このように配置すると、センサに作用する一定の圧力(目標圧力)が実現され、その結果、圧力の影響による誘電率への影響が回避される。
【0024】
別の好ましい本方法の一実施形態は、ガイドを介してセンサに補償力が加えられることを特徴とし、その際、補償力がセンサに作用する圧力からの力に対抗して作用する。補償力と供給材料の圧力からの力との間に差がある場合、センサはより大きな力の方向に、ガイドに沿って移動する。排出空間内でのセンサの移動に伴い、センサに作用する圧力も変化し、その際、センサは、目標圧力に応じて又は供給材料の圧力からの補償力と力とからセンサに作用する力のバランスに応じて、排出領域で位置決めされる。
【0025】
本方法の有利な一実施形態は、一定の補償力がセンサに加えられることを特徴とする。
【0026】
同様に有利な本方法の一実施形態は、補償力が、センサ機構のバネを介してセンサに加えられることを特徴とし、その際、バネは、空気式、油圧式、電気式、又は磁気式に作用する。有利には、空気式、油圧式、電気式、又は磁気式に作用するバネが、移動範囲の少なくとも一部にわたってセンサに対して補償力を加えることを可能にする。
【0027】
本方法の有利な一実施形態は、一定の補償力が磁気バネを介してセンサに加えられることを特徴とする。磁気ばねは、二次システム(油圧、空気圧、...)とは無関係に、ガイドの少なくとも一部に渡ってセンサに一定の補償力を加えることが可能であるので、特に有利である。
【0028】
この方法の有利な一実施形態は、補償力が優勢な場合、センサが、センサに作用する圧力から生じる力に逆らって、ガイドに沿って移動され、及びセンサに作用する圧力から生じる力が優勢な場合には、センサが、圧力から生じる力の方向に、ガイドに沿って移動されることを特徴とする。有利には、ガイドは、センサの位置決めを可能にし、その際、回転軸線からのセンサの距離がガイドに沿って可変である。例えば、より小さい、一定の補償力に対抗して、より大きな結果として生じる力によって、センサがガイドに沿って移動すると、結果として生じる力は、大きさに関して一定の補償力に近づく。逆に、例えばセンサは、より大きな一定の補償力によって、圧力からのより小さな結果としての力に対して、ガイドに沿って移動させると、同様に、結果として生じる力は、大きさに関して一定の補償力に近づく。
この自己調節はセンサの位置決めにつながり、その際、センサに作用する圧力が補償される。
【0029】
同等に有利には、本発明によるスクリュープレス内の供給材料内のろ液含有量を測定するセンサを使用することであり、その際、このセンサは、センサ機構に配置され、供給材料は、センサに対して流れ及び/又はセンサの周囲を流れている。センサに作用する圧力の補償と共に使用することが特に有利である。その際、供給材料からセンサに作用する圧力を補償するために、センサが、排出領域内のセンサ機構のガイドを介して移動される。
【0030】
次に、本発明は、図面を参照しつつ例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、本発明によるスクリュープレスを示す。
【
図2】
図2は、本発明によるスクリュープレスの排出領域を詳細図で示す。
【
図4】
図4は、スクリュープレスの排出領域における有利なセンサ機構を示す。
【
図5】
図5は、回転軸線の方向から見た、スクリュープレスの排出領域における有利なセンサ機構を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、本発明によるスクリュープレスを示す。スクリュープレス1は、供給領域2、脱水領域3及び排出領域4を備える。脱水領域3は、フィルタドラム5内に回転軸線13を中心として回転可能に配置されている押圧スクリュー6を備える。押圧スクリュー6は、例えば、シャフト上に配置されているらせん状の羽根を備えてもよい。フィルタドラム5と押圧スクリュー6との間の空間は、排出領域4に向かって次第に狭くなる。供給材料は、供給領域2を介してスクリュープレス1に送られ、その際、ろ液は、ろ過ドラム5を通って脱水領域3内の供給材料から分離される。この目的のために、フィルタドラム5は開口部を有し、例えば穴があけられている。フィルタドラム5内の押圧スクリュー6の回転により、供給材料は、供給領域2から脱水領域3を介して排出領域4に送られ、その際、脱水領域3内の供給材料は排出領域4の方向へ次第に圧縮される。供給材料は、フィルタドラム5と押圧スクリュー6との間に形成されたリング状の間隙16を介して排出領域4に進入し、その際、押圧スクリュー6は脱水領域3から排出された供給材料を対向圧力ユニット14に対して搬送する。対向圧力ユニット14は、例えば、円形で構成されていて、その際、回転方向13で見ると、対向圧力ユニット14の環状リングは、少なくとも、フィルタドラム5と押圧スクリュー6との間のリング状の間隙16と整列させることができる。供給材料は、対向圧力ユニット14で半径方向外側へ向きを変え、その際、供給材料が、押圧スクリュー6の回転に対応して、周方向での速度成分ももつ。対向圧力ユニット14で供給材料の向きを変えることに伴って、排出領域4で供給材料の圧力が解放される。したがって、対向圧力ユニット14は、脱水領域3内に搬送材料にかかる圧力が増大することを可能にし、対向圧力ユニット14で搬送材料の向きを変えることに伴って、搬送材料内の圧力が減少する。本発明によれば、センサ7を備えるセンサ機構9は、排出領域4(
図1には示されていない)内に配置されていて、その際、供給材料がセンサ7に対して流れることができ、及び/又は供給材料がセンサ7の周囲を流れることができる。
【0033】
図2は、本発明によるスクリュープレスの排出領域を詳細に示す。脱水領域3では、供給材料は排出領域4の方向に圧縮され、その際、供給材料はフィルタドラム5と押圧スクリュー6との間の隙間領域に案内され、供給材料を加圧スクリュー6が間隙16を通って脱水領域3から対向圧力ユニット14の方へ搬送する。この場合、押圧スクリュー6は、例えばシャフトとらせん形状の羽根とからなる。供給材料は、フィルタドラム5と押圧スクリュー6との間に形成されているリング状の間隙16を通って排出領域4に進入する。供給材料は、排出領域4の壁15と対向圧力ユニット14との間で半径方向外側に向きが変えられ、その際、供給材料は、押圧スクリュー6の回転に対応する周速度成分も有する。対向圧力ユニット14で供給材料の向きを変えることに伴って、排出領域4で供給材料の圧力が解放される。
【0034】
図3は有利なセンサ機構を示す。本発明によれば、センサ機構9は、供給材料のろ液含有量を測定するセンサ7を備える。有利には、ろ液含有量の測定は、供給材料の誘電率の測定に基づいている。有利には、センサ機構9が、ガイド10とばね12をさらに備える。この場合、センサ7は、ガイド10を介してスプリング12に接続されていて、その際、センサ7は、ガイド10を介して移動可能である。供給材料によってセンサ7に作用する圧力、又は結果として生じる力は、ガイド10を介してばね12に伝達され、その際、ばね12は、補償力をガイド10に伝達する。この場合、ばね12の補償力とガイド10上の供給材料から生じる力は、対抗作用(作用=反作用)に対応して反対方向に向いている。補償力が優勢な場合、センサ7は、センサ7に作用する圧力から生じる力に対してガイド10にわたって移動するか、又はセンサ7に作用する圧力から生じる力が優勢な場合には、センサ7は、ガイド10に沿って結果として生じる力の方向に移動する。結果として生じる力と補償力との力の釣り合いが維持されている限り、センサのそれ以上の移動はない。このようにして、センサ機構9は、供給材料からセンサ7に作用する結果として生じる力の補償を可能にする。有利には、ばね12は、一定の補償力をセンサ7に加えることができる。センサ7は、移動範囲11内でガイドを介して移動可能であるので、一定の補償力を、少なくとも移動範囲11の一部で、ばね12を介してセンサ7に加えることができる。有利には、ばね12は、空気式、油圧式、電気式、又は磁気式に作用する。磁気的に作用するばね12を用いると、ある範囲にわたる力効果または少なくとも移動範囲11の部分的な範囲において、センサ7に対する一定の力効果を実現することができる。このような磁気的に作用するばね12は、例えば、工業用の定力ばねとして提供され、補助システム(例えば、空気圧、油圧・・・)が不要であるために、空気圧式、油圧式、又は電気的に作用するばねを上回る利点を有する。
【0035】
図4は、スクリュープレスの排出領域における有利なセンサ機構を示す。この場合、回動軸線13を中心として回動可能に配置されている押圧スクリュー6が概略的に示されていて、その際、押圧スクリュー6は脱水領域3から排出領域4にまで延在する。搬送材料は、フィルタドラム5(図示せず)と押圧スクリュー6との間の間隙16を介して、又は排出領域4の壁15と押圧スクリュー6との間の間隙16を介して排出領域4に送られる。センサ機構9は、排出領域の壁15に固定することができる。センサ機構9は、センサ7、ガイド10及びばね12を備え、その際、ガイド10は、センサ7を移動範囲11内で移動することを可能にする。供給材料はセンサ7に対して流れることができ、及び/又は供給材料はセンサ7の周囲を流れることができる。この場合、供給材料は、脱水領域3から排出領域4内に導かれ、排出領域4の壁15と対向圧力ユニット14との間で半径方向外側に向きを変え、その際、供給材料は、押圧スクリュー6の回転に対応する周速度成分も有する。有利には、軸線方向、すなわち回転軸線13の方向で見て、センサ7は、排出領域4の壁15と対向圧力ユニット14との間に配置され、その際、供給材料は、対向圧力ユニットで向きを変えた後に、センサ7に対して流れる及び/又はセンサ7の周囲を流れる。センサ7が排出領域4でのガイド10の移動範囲11内で移動すると、有利には、排出領域4の壁15と押圧スクリュー6との間の間隙16の内側及び/又は外側に、センサ7を位置決めすることが可能であり、従って、供給材料はセンサ7対して適切に流れることができ、及び/又はセンサ7の周囲を適切に流れることができる。
【0036】
図5は、回転軸線の方向で見て、スクリュープレスの排出領域における有利なセンサ機構を示す。ここで、押圧スクリュー6は概略的に示されていて、その際、押圧スクリュー6は排出領域4内にまで延在する。搬送材料は、フィルタドラム5(図示せず)と押圧スクリュー6との間の間隙16を介して、又は排出領域4の壁15と押圧スクリュー6との間の間隙16を介して排出領域4に送られる。センサ機構9は、排出領域4の壁15に固定されていて、かつセンサ7、ガイド10及びばね12を備え、その際、ガイド10は、センサ7を移動範囲11内で移動することを可能にする。供給材料は、センサ7に対して流れ、及び/又はセンサ7の周囲に流れる。センサ7が排出領域4でのガイド10の移動範囲11内で移動すると、有利には、排出領域4の壁15と押圧スクリュー6との間の間隙16の内側及び/又は外側にセンサ7を位置決めすることが可能であり、それによって、供給材料はセンサ7対して適切に流れることができ、及び/又はセンサ7の周囲を適切に流れることができる。
【0037】
本発明は、複数の利点を提供する。スクリュープレスで処理された供給材料のろ液含有量を、簡単、迅速、かつ正確に測定することができる。ろ液含有量を正確に決定することにより、一定のろ液含有量になるようにスクリュープレスの操作を調整することができ、通常の影響するパラメータ(プレススクリュー速度、逆圧装置の圧力、・・・)を所望のろ液含有量を自動的に制御して、設定することができる。スクリュープレス後の正確に調整されたろ液含有量は、最適な操作点を設定することができるので、後続のプロセスに有利である。
【符号の説明】
【0038】
1 スクリュープレス
2 供給領域
3 脱水領域
4 排出領域
5 フィルタドラム
6 押圧スクリュー
7 センサ
8 軸方向
9 センサ機構
10 ガイド
11 移動範囲
12 ばね
13 回転軸線
14 対向圧力ユニット
15 壁
16 間隙
【手続補正書】
【提出日】2022-05-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給材料からろ液を分離するスクリュープレスに関するものであり、スクリュープレスは、供給領域と、脱水領域と、排出領域とを備え、
その際、供給領域を介してスクリュープレスに供給材料を送ることができ、
脱水領域は、回転軸線を中心として回転可能でフィルタドラム内に配置されている押圧スクリューを備え、かつ押圧スクリューの回転により、供給領域から脱水領域を介して排出領域に供給材料を送ることができ、
その際、供給材料は、フィルタドラムと押圧スクリューとの間の脱水領域内でガイドされ、かつフィルタドラムを通ってろ液が分離可能である。
【0002】
本発明は、供給材料からろ液を分離する方法に関するものでもあり、
この方法では、供給材料が、供給領域を介して本発明のスクリュープレスに送られ、
回転軸線を中心として回転する押圧スクリューとフィルタドラムとの間の脱水領域内で、ろ液が供給材料から分離され、
その際、供給材料は、供給領域と排出領域との間で圧縮され、かつフィルタドラムを通ってろ液が排出される。
【0003】
さらに、本発明は、スクリュープレス内で、供給材料内のろ液含有量を測定するセンサの使用に関する。
【背景技術】
【0004】
典型的には、スクリュープレスは、例えばファイバースクリュー又はパルプスクリューで、供給材料からろ液を分離するために使用される。この場合、供給材料は、固相(固体)及び液相(ろ液)を含む。
ここで、ろ液含有量は供給材料に対して液相(ろ液)の比率を示す。脱水によって、供給材料からろ液を分離し、したがって供給材料中のろ液含有量が減少する。この場合、供給材料は供給領域を介してスクリュープレスに送られる。脱水領域では、供給材料が脱水され、その際、脱水領域は、フィルタドラムと、回転軸線を中心として回転可能な押圧スクリューとを含む。典型的には、フィルタドラムはミシン孔が開いていて、その結果、供給材料から押し出されたろ液が、フィルタドラムを通って排出することができる又は分離することができる。押圧スクリューの機能は、一方では、供給材料を供給領域から排出領域へ搬送し、他方では、供給材料を次第に圧縮し、かつフィルタドラムを通ってろ液の分離を可能にすることである。
【0005】
供給材料は、供給領域内のろ液内容物の変動、脱水性又は圧縮性の違いのような、例えば固相の組成又は構造の違いにより、特性が大きく変化することがある。この場合、ここで重要なことは、スクリュープレスで特定のろ液含有量を設定でき、また運転中も継続的に維持できることである。そうでないと、その後のプロセスが最適に作動できない。しばしば、これは、スクリュープレスの排出部でろ液含有量を離散的な時間間隔でサンプリングすることによって求め/検出し、これは、試料の手動のサンプリング、評価及び分析することを意味する。これは時間がかかり、サンプリング時のスクリュープレス操作に関する情報を多少遅れて提供するだけでもある。時間の不一致は問題があり、その理由は、例えば、その間、ろ液含有量を最適に調整することができない、従って、有効な化学薬品の投与ができない、又は、排出領域内のろ液含有量が変動し、後続のプロセス、例えば、燃焼に悪影響を与えるからである。
【0006】
特許文献1は、固体を含む液体の成分を分離する装置を記載していて、その際、加圧ゾーンとして構成されている出口ノズルの内側シェル面が、固体ケークの排出移動に対抗する、鉤爪形状の少なくとも1つの隆起した突起部を備える。この場合、少なくとも1つの鉤爪部は、センサを備えてもよい、又はセンサ自体であることができ、したがって装置の出口ノズルでの様々な値、例えば水分含有量を測定することができる。
【0007】
特許文献2は、固形ケークの含水量又は圧力を決定するための、出口ノズル内又は出口ノズル上に存在するセンサを用いて、固形ケークの乾燥物質含有量を調整する装置及び方法を記載している。
【0008】
特許文献3は、固体材料によるスクリュープレスセパレータの少なくとも1つの構成部品に生じる応力を検出するセンサ付きスクリュープレスセパレータを記載している。これは、運転中にスクリュープレスセパレータから出る固形物の乾燥物含有量を制御するためである。特許文献2(DE102017115080A1)は、固形ケークの乾燥物含有量を調整する方法及び固形物を含む液体の成分を分離する装置を開示している。従って、駆動装置の消費電力は、生成された固形ケークの水分含有量の尺度として把握され、及び/又は少なくとも1つのセンサによって決定された固形ケークの水分含有量又は圧力が、固体ケークを供給する尺度として使用されることが開示されている。特許文献4(EP1873123A1)は、スラッジ濃縮器が開示されていて、その際、タンクは増粘スラッジを収容するように構成され、タンクはスラッジ濃度を決定するためのパワーセンサを備える。この場合、電力センサは、増粘スラッジに浸漬されている回転可能な円筒体を備え、その際、電力消費の変化から、スラッジ濃度が推測される。
【0009】
ただし、ろ液含有量は直接測定されず、相関変数(圧力又は機械部品における、圧力によって誘起される応力)を介して推定される。最終的には、最近は、多くの撹乱変数が脱水性に影響するので、このようにして決定したろ過物含有量は、目安としてしか役立たない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国実用新案第202017105625号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102017115080号明細書
【特許文献3】独国実用新案第202012008077号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1873123号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、ろ液含有量の簡単で迅速かつ正確な測定である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、これは、ろ液含有量を測定するセンサを含むセンサ機構が排出領域に配置されていることによって達成され、その際、供給材料がセンサに向かって流れることが可能及び/又はセンサの周囲を流れることが可能である。脱水領域での供給材料の圧縮後、供給材料は排出領域に送られ、その際、供給材料は排出領域で解放される、すなわち排出領域の圧力は脱水領域に対して低減されている。驚くべきことに、排出領域に測定器を配置する方が、脱水領域に配置するよりも有利であることがわかった。このように、誤ったろ液含有量は、多くの場合、脱水領域に測定器を配置することで決定される。これに反して、排出領域での本発明による配置は、信頼性のある測定結果につながる。この場合、排出領域内のセンサの本発明による配置により、供給材料が排出領域内で減圧されるので(例えば、周囲圧力に、又は後続のプロセス工程の圧力レベルに)、比較的一定の圧力でろ液含有量を測定することが可能である。しかし、脱水エリアではスクリュープレスの作動によって異なる圧力が与えられている。本発明によれば、ろ液含有量を測定するセンサが使用される。有利には、ろ液含有量を測定するセンサは、供給材料の誘電率の測定に基づく。本発明によれば、供給材料は、センサに対して流れる及び/又はセンサの周囲を流れる。センサに対する及び/又はセンサの周囲の供給材料の流れは、センサに対して作用する供給材料による圧力に対応する力を、供給材料がセンサに与えるような効果がある。本発明によれば、供給材料中のろ液含有量を連続的に、すなわちインラインで測定可能である。
【0013】
本発明によれば、スクリュープレスは、供給材料からセンサに作用する圧力が、センサ機構を介して補償可能であるという特徴を有し、その際、センサ機構はガイドを備え、かつ供給材料からセンサに作用する圧力を補償するセンサが排出領域内のガイドを介して移動可能である。典型的には、脱水されるべき供給材料は非ニュートン流体である。驚くべきことに、誘電率が圧力依存性をもつことが今やわかっている。誘電率、ひいてはろ液含有量の誤認を回避する為に、有利には、センサが、センサ機構の一部であり、その際、センサに作用する供給材料の圧力は、センサ機構によって補償することができ、センサに作用する一定の圧力(設定圧力)は、補償を介して実現することができる。このようにすると、センサに作用する圧力を、すなわち、目標圧力のレベルで一定に保つことができ、圧力偏差による誘電率の影響を回避することができ、正確にろ液含有量を測定することができる。
【0014】
驚くべきことに、センサに作用する圧力の補償は、排出領域内でのセンサがセンサ機構のガイドを介して移動可能であることによって可能である。排出領域内でのセンサの移動によって、センサはガイドに沿って目標圧力に対して外れた圧力を回避でき、目標圧力に対応して排出領域内で位置決めできる。
【0015】
有利な一実施形態では、センサ機構のガイドは、平面内でのセンサの移動を可能とし、その際、加圧スクリューの回転軸線は、この平面に対する法線を形成する。別の有利な一実施形態では、例えば、ガイドに沿ったセンサの移動によって、押圧スクリューの回転軸線に対するセンサの距離を変えられる。
【0016】
スクリュープレスの同様に好ましい一様態は、ガイドを介して補償力をセンサに加えることができであるという特徴を有し、その際、補償力は、センサに作用する圧力から生じる力に対抗する。有利には、ガイドを介して補償力がセンサに加えられ、その際、補償力は、センサに対して作用する供給材料の圧力に対応する力に逆に向けられる。力平衡、すなわち、補償力と供給材料の圧力からの力が同じ場合、センサは動かない。補償力と供給材料の圧力からの力に差がある場合、センサはより大きな力の方向にガイドに沿って移動する。
【0017】
有利な一実施形態は、センサに一定の補償力を加える。この場合、センサは、センサ機構のガイドを介して移動範囲内で移動可能であり、その際、センサに加えられる補償力は、少なくとも移動範囲の一部において、一定である。
【0018】
特に好ましい一実施形態は、センサ機構がばねを備えることという特徴を有し、その際、ばねは空気圧的、油圧的、電気的、又は磁気的に作用し、ばねを介して補償力をセンサに加えることができる。有利には、空気圧、油圧、電気的、又は磁気的に作用するばねを介して補償力を加えることができる。空気圧又は油圧ばねは、空気圧又は油圧で作用するシリンダによって実現可能である。シリンダ内の空気圧又は油圧に応じて、センサに補償力が作用する。
【0019】
特に、磁気ばねを介してセンサに補償力を加えることが有利であり、その際、補償力は一定である。そのような磁気的に作用するばねは、ある領域にわたって一定の力作用を可能にし、したがって、移動範囲の少なくとも一部において、センサに一定の力作用を与えることができる。このような磁気的に作用するばねは、工業用の定力ばねとして提供される。磁気的に作用するばねは、空気圧式、油圧式、又は電気的に作用するばね対して、補助システム(例えば、空気圧、油圧...)がなくてもよいという利点がある。
【0020】
スクリュープレスの別の好ましい一実施形態は、補償力が優勢な場合、センサが、センサに作用する圧力から生じる力に逆らって、ガイドに沿って移動可能であること、及びセンサに作用する圧力から生じる力が優勢な場合には、センサが、圧力から生じる力の方向に、ガイドに沿って移動可能であることを特徴とする。驚くべきことに、センサに作用する圧力のために、結果として生じる力は、排出領域内のセンサの位置によって変化する。有利には、ガイドは、センサの位置決めを可能にし、その際、回転軸線からのセンサの距離がガイドに沿って可変である。次に、例えば、より小さい、一定の補償力に対抗して、より大きな結果として生じる力によって、センサがガイドに沿って移動する場合、回転軸線からのセンサの間隔は変化する。本発明によれば、回転軸線からのセンサの間隔が変化すると、結果として生じる力は、大きさに関して一定の補償力に近づく。逆に、例えばセンサは、より大きな一定の補償力によって、より小さな結果としての力に対してガイドに沿って移動させると、センサと回転軸の間隔も変化する。回転軸線からのセンサの間隔の変化に伴って、結果として生じる力は、本発明によれば、大きさに関して一定の補償力に再び近づく。この自己調節はセンサの位置決めにつながり、その際、センサに作用する圧力が補償される。
【0021】
また、本発明の目的は、ろ液含有量の簡単で、迅速で、正確な測定により、供給材料からろ液を分離する方法を提供することである。
【0022】
本発明によれば、これは、排出領域において、供給材料のろ液含有量を測定することによって達成され、その際、供給材料は、ろ過含有量を測定するセンサに向かって流れる及び/又はセンサの周囲を流れる。排水領域では、脱水領域内において供給材料を圧縮した後、供給材料の減圧を実行する。脱水領域内ではなく排出領域内でろ液含有量の測定を実施することは、驚くほど有利である。本発明によれば、供給材料は、ろ液含有量を測定するためのセンサに対して流れ及び/又はセンサの周囲を流れる、その際、ろ液含有量を測定するセンサは、供給材料の誘電率の測定に基づく。
【0023】
本発明によれば、本方法は、センサ機構が、供給材料からセンサに作用する圧力の補償が可能であることを特徴とし、その際、供給材料からセンサに作用する圧力を補償するために、センサは、排出領域内のセンサ機構のガイドを介して移動される。驚くべきことに、センサに作用する圧力は、排出空間内におけるセンサの位置によって変化することを意味する。このように、センサに作用する圧力の補償は、センサがガイドに沿って目標圧力に対して外れた圧力を回避し、目標圧力に従って排出領域に位置決めすることによって可能になる。このように配置すると、センサに作用する一定の圧力(目標圧力)が実現され、その結果、圧力の影響による誘電率への影響が回避される。
【0024】
別の好ましい本方法の一実施形態は、ガイドを介してセンサに補償力が加えられることを特徴とし、その際、補償力がセンサに作用する圧力からの力に対抗して作用する。補償力と供給材料の圧力からの力との間に差がある場合、センサはより大きな力の方向に、ガイドに沿って移動する。排出空間内でのセンサの移動に伴い、センサに作用する圧力も変化し、その際、センサは、目標圧力に応じて又は供給材料の圧力からの補償力と力とからセンサに作用する力のバランスに応じて、排出領域で位置決めされる。
【0025】
本方法の有利な一実施形態は、一定の補償力がセンサに加えられることを特徴とする。
【0026】
同様に有利な本方法の一実施形態は、補償力が、センサ機構のバネを介してセンサに加えられることを特徴とし、その際、バネは、空気式、油圧式、電気式、又は磁気式に作用する。有利には、空気式、油圧式、電気式、又は磁気式に作用するバネが、移動範囲の少なくとも一部にわたってセンサに対して補償力を加えることを可能にする。
【0027】
本方法の有利な一実施形態は、一定の補償力が磁気バネを介してセンサに加えられることを特徴とする。磁気ばねは、二次システム(油圧、空気圧、...)とは無関係に、ガイドの少なくとも一部に渡ってセンサに一定の補償力を加えることが可能であるので、特に有利である。
【0028】
この方法の有利な一実施形態は、補償力が優勢な場合、センサが、センサに作用する圧力から生じる力に逆らって、ガイドに沿って移動され、及びセンサに作用する圧力から生じる力が優勢な場合には、センサが、圧力から生じる力の方向に、ガイドに沿って移動されることを特徴とする。有利には、ガイドは、センサの位置決めを可能にし、その際、回転軸線からのセンサの距離がガイドに沿って可変である。例えば、より小さい、一定の補償力に対抗して、より大きな結果として生じる力によって、センサがガイドに沿って移動すると、結果として生じる力は、大きさに関して一定の補償力に近づく。逆に、例えばセンサは、より大きな一定の補償力によって、圧力からのより小さな結果としての力に対して、ガイドに沿って移動させると、同様に、結果として生じる力は、大きさに関して一定の補償力に近づく。
この自己調節はセンサの位置決めにつながり、その際、センサに作用する圧力が補償される。
【0029】
同等に有利には、本発明によるスクリュープレス内の供給材料内のろ液含有量を測定するセンサを使用することであり、その際、このセンサは、センサ機構に配置され、供給材料は、センサに対して流れ及び/又はセンサの周囲を流れている。本発明によれば、センサに作用する圧力の補償と共に使用され、その際、センサは、供給材料からセンサに作用する圧力を補償するセンサが、排出領域内のセンサ機構のガイドを介して移動される。
【0030】
次に、本発明は、図面を参照しつつ例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、本発明によるスクリュープレスを示す。
【
図2】
図2は、本発明によるスクリュープレスの排出領域を詳細図で示す。
【
図4】
図4は、スクリュープレスの排出領域における有利なセンサ機構を示す。
【
図5】
図5は、回転軸線の方向から見た、スクリュープレスの排出領域における有利なセンサ機構を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、本発明によるスクリュープレスを示す。スクリュープレス1は、供給領域2、脱水領域3及び排出領域4を備える。脱水領域3は、フィルタドラム5内に回転軸線13を中心として回転可能に配置されている押圧スクリュー6を備える。押圧スクリュー6は、例えば、シャフト上に配置されているらせん状の羽根を備えてもよい。フィルタドラム5と押圧スクリュー6との間の空間は、排出領域4に向かって次第に狭くなる。供給材料は、供給領域2を介してスクリュープレス1に送られ、その際、ろ液は、ろ過ドラム5を通って脱水領域3内の供給材料から分離される。この目的のために、フィルタドラム5は開口部を有し、例えば穴があけられている。フィルタドラム5内の押圧スクリュー6の回転により、供給材料は、供給領域2から脱水領域3を介して排出領域4に送られ、その際、脱水領域3内の供給材料は排出領域4の方向へ次第に圧縮される。供給材料は、フィルタドラム5と押圧スクリュー6との間に形成されたリング状の間隙16を介して排出領域4に進入し、その際、押圧スクリュー6は脱水領域3から排出された供給材料を対向圧力ユニット14に対して搬送する。対向圧力ユニット14は、例えば、円形で構成されていて、その際、回転方向13で見ると、対向圧力ユニット14の環状リングは、少なくとも、フィルタドラム5と押圧スクリュー6との間のリング状の間隙16と整列させることができる。供給材料は、対向圧力ユニット14で半径方向外側へ向きを変え、その際、供給材料が、押圧スクリュー6の回転に対応して、周方向での速度成分ももつ。対向圧力ユニット14で供給材料の向きを変えることに伴って、排出領域4で供給材料の圧力が解放される。したがって、対向圧力ユニット14は、脱水領域3内に搬送材料にかかる圧力が増大することを可能にし、対向圧力ユニット14で搬送材料の向きを変えることに伴って、搬送材料内の圧力が減少する。本発明によれば、センサ7を備えるセンサ機構9は、排出領域4(
図1には示されていない)内に配置されていて、その際、供給材料がセンサ7に対して流れることができ、及び/又は供給材料がセンサ7の周囲を流れることができる。
【0033】
図2は、本発明によるスクリュープレスの排出領域を詳細に示す。脱水領域3では、供給材料は排出領域4の方向に圧縮され、その際、供給材料はフィルタドラム5と押圧スクリュー6との間の隙間領域に案内され、供給材料を加圧スクリュー6が間隙16を通って脱水領域3から対向圧力ユニット14の方へ搬送する。この場合、押圧スクリュー6は、例えばシャフトとらせん形状の羽根とからなる。供給材料は、フィルタドラム5と押圧スクリュー6との間に形成されているリング状の間隙16を通って排出領域4に進入する。供給材料は、排出領域4の壁15と対向圧力ユニット14との間で半径方向外側に向きが変えられ、その際、供給材料は、押圧スクリュー6の回転に対応する周速度成分も有する。対向圧力ユニット14で供給材料の向きを変えることに伴って、排出領域4で供給材料の圧力が解放される。
【0034】
図3は有利なセンサ機構を示す。本発明によれば、センサ機構9は、供給材料のろ液含有量を測定するセンサ7を備える。有利には、ろ液含有量の測定は、供給材料の誘電率の測定に基づいている。有利には、センサ機構9が、ガイド10とばね12をさらに備える。この場合、センサ7は、ガイド10を介してスプリング12に接続されていて、その際、センサ7は、ガイド10を介して移動可能である。供給材料によってセンサ7に作用する圧力、又は結果として生じる力は、ガイド10を介してばね12に伝達され、その際、ばね12は、補償力をガイド10に伝達する。この場合、ばね12の補償力とガイド10上の供給材料から生じる力は、対抗作用(作用=反作用)に対応して反対方向に向いている。補償力が優勢な場合、センサ7は、センサ7に作用する圧力から生じる力に対してガイド10にわたって移動するか、又はセンサ7に作用する圧力から生じる力が優勢な場合には、センサ7は、ガイド10に沿って結果として生じる力の方向に移動する。結果として生じる力と補償力との力の釣り合いが維持されている限り、センサのそれ以上の移動はない。このようにして、センサ機構9は、供給材料からセンサ7に作用する結果として生じる力の補償を可能にする。有利には、ばね12は、一定の補償力をセンサ7に加えることができる。センサ7は、移動範囲11内でガイドを介して移動可能であるので、一定の補償力を、少なくとも移動範囲11の一部で、ばね12を介してセンサ7に加えることができる。有利には、ばね12は、空気式、油圧式、電気式、又は磁気式に作用する。磁気的に作用するばね12を用いると、ある範囲にわたる力効果または少なくとも移動範囲11の部分的な範囲において、センサ7に対する一定の力効果を実現することができる。このような磁気的に作用するばね12は、例えば、工業用の定力ばねとして提供され、補助システム(例えば、空気圧、油圧・・・)が不要であるために、空気圧式、油圧式、又は電気的に作用するばねを上回る利点を有する。
【0035】
図4は、スクリュープレスの排出領域における有利なセンサ機構を示す。この場合、回動軸線13を中心として回動可能に配置されている押圧スクリュー6が概略的に示されていて、その際、押圧スクリュー6は脱水領域3から排出領域4にまで延在する。搬送材料は、フィルタドラム5(図示せず)と押圧スクリュー6との間の間隙16を介して、又は排出領域4の壁15と押圧スクリュー6との間の間隙16を介して排出領域4に送られる。センサ機構9は、排出領域の壁15に固定することができる。センサ機構9は、センサ7、ガイド10及びばね12を備え、その際、ガイド10は、センサ7を移動範囲11内で移動することを可能にする。供給材料はセンサ7に対して流れることができ、及び/又は供給材料はセンサ7の周囲を流れることができる。この場合、供給材料は、脱水領域3から排出領域4内に導かれ、排出領域4の壁15と対向圧力ユニット14との間で半径方向外側に向きを変え、その際、供給材料は、押圧スクリュー6の回転に対応する周速度成分も有する。有利には、軸線方向、すなわち回転軸線13の方向で見て、センサ7は、排出領域4の壁15と対向圧力ユニット14との間に配置され、その際、供給材料は、対向圧力ユニットで向きを変えた後に、センサ7に対して流れる及び/又はセンサ7の周囲を流れる。センサ7が排出領域4でのガイド10の移動範囲11内で移動すると、有利には、排出領域4の壁15と押圧スクリュー6との間の間隙16の内側及び/又は外側に、センサ7を位置決めすることが可能であり、従って、供給材料はセンサ7対して適切に流れることができ、及び/又はセンサ7の周囲を適切に流れることができる。
【0036】
図5は、回転軸線の方向で見て、スクリュープレスの排出領域における有利なセンサ機構を示す。ここで、押圧スクリュー6は概略的に示されていて、その際、押圧スクリュー6は排出領域4内にまで延在する。搬送材料は、フィルタドラム5(図示せず)と押圧スクリュー6との間の間隙16を介して、又は排出領域4の壁15と押圧スクリュー6との間の間隙16を介して排出領域4に送られる。センサ機構9は、排出領域4の壁15に固定されていて、かつセンサ7、ガイド10及びばね12を備え、その際、ガイド10は、センサ7を移動範囲11内で移動することを可能にする。供給材料は、センサ7に対して流れ、及び/又はセンサ7の周囲に流れる。センサ7が排出領域4でのガイド10の移動範囲11内で移動すると、有利には、排出領域4の壁15と押圧スクリュー6との間の間隙16の内側及び/又は外側にセンサ7を位置決めすることが可能であり、それによって、供給材料はセンサ7対して適切に流れることができ、及び/又はセンサ7の周囲を適切に流れることができる。
【0037】
本発明は、複数の利点を提供する。スクリュープレスで処理された供給材料のろ液含有量を、簡単、迅速、かつ正確に測定することができる。ろ液含有量を正確に決定することにより、一定のろ液含有量になるようにスクリュープレスの操作を調整することができ、通常の影響するパラメータ(プレススクリュー速度、逆圧装置の圧力、・・・)を所望のろ液含有量を自動的に制御して、設定することができる。スクリュープレス後の正確に調整されたろ液含有量は、最適な操作点を設定することができるので、後続のプロセスに有利である。
【符号の説明】
【0038】
1 スクリュープレス
2 供給領域
3 脱水領域
4 排出領域
5 フィルタドラム
6 押圧スクリュー
7 センサ
8 軸方向
9 センサ機構
10 ガイド
11 移動範囲
12 ばね
13 回転軸線
14 対向圧力ユニット
15 壁
16 間隙
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給材料からろ液を分離するスクリュープレス(1)であって、
このスクリュープレス(1)は、供給領域(2)、脱水領域(3)、及び排出領域(4)を備え、
その際、供給領域(2)を介してスクリュープレス(1)に供給材料を送ることができ、
脱水領域(3)は、回転軸線(13)を中心として回転可能でフィルタドラム(5)内に配置されているプレススクリュー(6)を備え、
プレススクリュー(6)の回転により、脱水領域(3)を介して供給材料を、供給領域(2)から排出領域(4)に送ることができ、
その際、供給材料はフィルタドラム(5)とプレススクリュー(6)との間の脱水領域(3)内にガイドされ、かつろ液がフィルタドラム(5)を通って分離可能であ
り、
かつろ液含有量を測定するセンサ(7)を含むセンサ機構(9)が排出領域(4)に配置されていて、
その際、供給材料がセンサ(7)に向かって流れることができ、及び/又はセンサ(7)の周囲を流れることができる、
当該スクリュープレス(1)
において、
供給材料からセンサ(7)に作用する圧力は、センサ機構(9)を介して補償可能であり、
その際、センサ機構(9)はガイド(10)を備え、センサ(7)は、供給材料からセンサ(7)に作用する圧力を補償するために、ガイド(10)を介して排出領域(4)内で移動可能であることを特徴とするスクリュープレス(1)。
【請求項2】
ガイド(10)を介してセンサ(7)に補償力を加えることができ、その際、補償力はセンサ(7)に作用する圧力から生じる力に対抗することを特徴とする請求項
1に記載のスクリュープレス(1)。
【請求項3】
センサ(7)に一定の補償力を加えることができることを特徴とする請求項
2に記載のスクリュープレス(1)。
【請求項4】
センサ機構(9)は、ばね(12)を備え、
その際、ばね(12)は、空気圧、油圧、電気的、又は磁気的に作用するものであり、かつばね(12)を介してセンサ(7)に補償力を加えることができることを特徴とする請求項
2又は
3に記載のスクリュープレス(1)。
【請求項5】
磁気ばね(12)を介してセンサ(7)に補償力を加えることができ、
その際、補償力は一定であることを特徴とする請求項
2に記載のスクリュープレス(1)。
【請求項6】
補償力が優勢な場合には、センサ(7)は、センサ(7)に作用する圧力から生じる力に向かって、ガイド(10)に沿って移動可能であり、かつセンサ(7)に作用する圧力から生じる力が優勢な場合には、センサ(7)は、圧力から生じる力の方向に、ガイド(10)に沿って移動可能であることを特徴とする請求項
2~
5のいずれか一項に記載のスクリュープレス(1)。
【請求項7】
供給材料からろ液を分離する方法であって、
この方法では、供給材料が供給領域(2)を介して請求項1~
6のいずれか一項に記載のスクリュープレス(1)に送られ、
ろ液は、回転軸線(13)を中心として回転するプレススクリュー(6)とフィルタドラム(5)との間の脱水領域(3)内で供給材料から分離され、
その際、供給材料は、供給領域(2)と排出領域(4)との間で圧縮され、かつフィルタドラム(5)を通ってろ液が排出され
、かつ供給材料のろ液含有量の測定が排出領域(4)で実行され、
その際、供給材料はろ液含有量を測定するためのセンサ(7)に対して流れる、及び/又はセンサ(7)の周囲を流れる
、当該方法
において、
センサ機構(9)は、供給材料からセンサ(7)に作用する圧力を補償することができ、
その際、センサ(7)が、供給材料からセンサ(7)に作用する圧力を補償するために、センサ機構(9)のガイド(10)を介して排出領域(4)内で移動されることを特徴とする、方法。
【請求項8】
ガイド(10)を介してセンサ(7)に補償力を加えられ、
その際、補償力はセンサ(7)に作用する圧力から生じる力に対抗することを特徴とする請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
センサ(7)に一定の補償力が加えられることを特徴とする請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
センサ機構(9)のばね(12)を介してセンサ(7)に補償力が加えられ、
その際、ばね(12)は空気圧、油圧、電気的、又は磁気的に作用するものであることを特徴とする請求項
8又は
9に記載の方法。
【請求項11】
磁気ばね(12)を介してセンサ(7)に一定の補償力が加えられることを特徴とする請求項
8に記載の方法。
【請求項12】
補償力が優勢な場合には、センサ(7)は、センサ(7)に作用する圧力から生じる力に向かって、ガイド(10)に沿って移動され、かつセンサ(7)に作用する圧力から生じる力が優勢な場合には、センサ(7)は、圧力から生じる力の方向に、ガイド(10)に沿って移動されることを特徴とする請求項
8~
11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~
6のいずれか1項に記載のスクリュープレス(1)内で供給材料のろ液含有量を測定するセンサ(7)の使用であって、
センサ(7)はセンサ機構(9)に配置されていて、かつ供給材料は、センサ(7)に対して流れる、及び/又はセンサ(7)の周囲を流れることを特徴とする使用。
【国際調査報告】