(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】一方向均一光ビーム拡大スクリーン及び三次元表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 30/54 20200101AFI20230906BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20230906BHJP
G03B 21/625 20140101ALI20230906BHJP
G02B 3/08 20060101ALI20230906BHJP
G02B 5/04 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
G02B30/54
G02B5/18
G03B21/625
G02B3/08
G02B5/04 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023508474
(86)(22)【出願日】2021-03-03
(85)【翻訳文提出日】2023-02-07
(86)【国際出願番号】 CN2021078851
(87)【国際公開番号】W WO2022027959
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】202010789272.X
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521506283
【氏名又は名称】▲億▼信科技▲発▼展有限公司
【氏名又は名称原語表記】FAITH BILLION TECHNOLOGY DEVELOPMENT LIMITED
【住所又は居所原語表記】10F Mutual Tower, 33 Lockhart Road Wanchai Hong Kong, Hong Kong 999077 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼ ▲増▼祥
【テーマコード(参考)】
2H021
2H042
2H199
2H249
【Fターム(参考)】
2H021BA24
2H042CA06
2H042CA13
2H042CA15
2H042CA17
2H199BA25
2H199BA43
2H199BA67
2H199BB02
2H199BB06
2H199BB22
2H199BB24
2H199BB27
2H199BB32
2H249AA03
2H249AA13
2H249AA50
2H249AA60
2H249AA64
2H249AA68
(57)【要約】
一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)及び三次元表示装置である。そのうち、一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)は、シリンドリカルレンズグレーティング(22)及び少なくとも1つのリニアフレネルレンズ(21)を備え、リニアフレネルレンズ(21)は、投影ユニット(10)とシリンドリカルレンズグレーティング(22)との間に位置し、リニアフレネルレンズ(21)は、第2の方向(x)に沿って延在する複数の歯状構造(211)を備え、リニアフレネルレンズ(21)は、投影ユニット(10)により出射された光ビームを屈折させて、屈折後の光ビームをシリンドリカルレンズグレーティング(22)に正入射させるように構成され、シリンドリカルレンズグレーティング(22)は、グレーティング線(221)が第2の方向(x)に沿って延在し、シリンドリカルレンズグレーティング(22)は、リニアフレネルレンズ(21)により出射された光ビームを第1の方向(y)に沿って均一にビーム拡大させるように構成され、そのうち、第1の方向(y)と第2の方向(x)とは交差する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影ユニット(10)により出射された異なる出射角の光ビームに対して、第2の方向(x)に沿った伝播方向及び発散角を変化せず、第1の方向(y)に沿って強度が均一で分布が同じである光錐にビーム拡大させるように構成される一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)であって、
シリンドリカルレンズグレーティング(22)及び少なくとも1つのリニアフレネルレンズ(21)を備え、
前記リニアフレネルレンズ(21)は、前記投影ユニット(10)と前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)との間に位置し、前記第2の方向(x)に沿って延在する複数の歯状構造(211)を備え、前記投影ユニット(10)により出射された光ビームを屈折させて、屈折後の光ビームを前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)に正入射させるように構成され、
前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)は、グレーティング線(221)が前記第2の方向(x)に沿って延在し、前記リニアフレネルレンズ(21)により出射された光ビームを前記第1の方向(y)に沿って均一にビーム拡大させるように構成され、
前記一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)が少なくとも2つの前記リニアフレネルレンズ(21)を備える場合、前記リニアフレネルレンズ(21)は、前記第1の方向(y)に沿って配列され、隣り合う2つの前記リニアフレネルレンズ(21)の継目位置箇所で受光された、前記第1の方向(y)に沿って隣り合う2つの前記投影ユニット(10)により出射された光ビームは、前記一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)を通過した後に同じ分布を形成し、
前記投影ユニット(10)と前記リニアフレネルレンズ(21)とは、一対一に対応し、前記投影ユニット(10)と、一対一に対応する前記リニアフレネルレンズ(21)との垂直距離は、前記リニアフレネルレンズ(21)の焦点距離に等しく、前記第1の方向(y)と前記第2の方向(x)とは交差する、
一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項2】
前記投影ユニット(10)は、対応する前記リニアフレネルレンズ(21)の焦点位置箇所に設けられる、
請求項1に記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項3】
前記投影ユニット(10)は、対応する前記リニアフレネルレンズ(21)の焦点面に設けられ、前記投影ユニット(10)と前記リニアフレネルレンズ(21)の焦点との距離hは、
【数1】
を満たし、
Lは、前記リニアフレネルレンズ(21)の焦点距離を表し、φは、前記一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)の前記第1の方向(y)に沿った実際のビーム拡大角度を表し、θは、前記第1の方向(y)に沿うために必要な視野角を表す、
請求項1に記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項4】
前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)の前記投影ユニット(10)から乖離した側に位置する支持レンズ(23)をさらに備え、前記支持レンズ(23)は、前記リニアフレネルレンズ(21)及び前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)を支持するように構成される、
請求項1に記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項5】
前記支持レンズ(23)の前記投影ユニット(10)に近い側は、第1の表面であり、前記第1の表面は曲面であり、前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)は、前記支持レンズ(23)の第1の表面に貼り付けられ、前記リニアフレネルレンズ(21)は、前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)の前記支持レンズ(23)から乖離した側に貼り付けられる、
請求項4に記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項6】
前記支持レンズ(23)は、均肉レンズ又はシリンドリカル凹レンズである、
請求項4に記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項7】
前記リニアフレネルレンズ(21)及び前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)は、一体式フィルムシートであり、前記リニアフレネルレンズ(21)の歯状構造(211)は、前記一体式フィルムシートの前記投影ユニット(10)に近い側の表面に位置し、前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)は、前記一体式フィルムシートの前記投影ユニット(10)から乖離した側の表面に位置する、
請求項1~6のいずれかに記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項8】
順次積層された第1の媒体層(30)、第2の媒体層(31)及び第3の媒体層(32)を備え、
前記第1の媒体層(30)は、前記第2の媒体層(31)の前記投影ユニット(10)に近い側に位置し、前記第1の媒体層(30)及び前記第3の媒体層(32)の屈折率はいずれも前記第2の媒体層(31)の屈折率よりも大きく、
前記第1の媒体層(30)と前記第2の媒体層(31)との境界面には、前記リニアフレネルレンズ(21)の歯状構造(211)が設けられており、前記第2の媒体層(31)と前記第3の媒体層(32)との境界面には、前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)が設けられており、前記第3の媒体層(32)の前記第2の媒体層(31)から乖離した表面は、平面である、
請求項1~6のいずれかに記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項9】
前記第1の媒体層(30)及び前記第3の媒体層(32)の屈折率は、同じである、
請求項8に記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項10】
積層して設けられた第4の媒体層(40)及び第5の媒体層(41)を備え、
前記第4の媒体層(40)は、前記第5の媒体層(41)の前記投影ユニット(10)に近い側に位置し、前記第5の媒体層(41)の屈折率は、前記第4の媒体層(40)の屈折率よりも大きく、
前記第4の媒体層(40)の前記投影ユニット(10)に近い側の表面には、前記リニアフレネルレンズ(21)の歯状構造(211)が設けられており、前記第4の媒体層(40)と前記第5の媒体層(41)との境界面には、前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)が設けられており、前記第5の媒体層(41)の前記第4の媒体層(40)から乖離した表面は、平面である、
請求項1~6のいずれかに記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項11】
前記投影ユニット(10)における1つの画素の、前記一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)における第1の方向(y)に沿った光スポットの幅は、d
1であり、前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)の格子定数は、d
2であり、d
1≧3d
2である、
請求項1に記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項12】
第1の方向(y)に沿って延在する自身の中心軸(a)回りに回動する回転テーブル(100)と、
各々が少なくとも2つの視点を形成するように、前記第1の方向(y)に垂直な平面内の少なくとも2つの方向に発光するように構成される少なくとも1つの投影ユニット(10)を備え、前記回転テーブル(100)に固定される少なくとも1つの灯ポール(200)と、
前記灯ポール(200)に一対一に対応して設けられ、且つ前記投影ユニット(10)の出射光路に位置する請求項1~11のいずれかに記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)と、を備える、
三次元表示装置。
【請求項13】
前記投影ユニット(10)は、前記第1の方向(y)に沿って配置された第1のベクトル画素(2101)、第2のベクトル画素(2102)及び第3のベクトル画素(2103)を備え、
前記一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)は、前記投影ユニット(10)に一対一に対応する複数のリニアフレネルレンズ(21)を備え、前記第2のベクトル画素(2102)の中心、及び前記第2のベクトル画素(2102)が所在する投影ユニット(10)に対応する前記リニアフレネルレンズ(21)の中心は、高さが同じである、
請求項12に記載の三次元表示装置。
【請求項14】
前記投影ユニット(10)は、第1のベクトル画素(2101)、第2のベクトル画素(2102)、第3のベクトル画素(2103)及び色合成プリズム(2104)を備え、前記色合成プリズム(2104)は、前記第1のベクトル画素(2101)、前記第2のベクトル画素(2102)及び前記第3のベクトル画素(2103)により出射された光線を同一位置から出射させるように構成され、
前記一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)は、前記投影ユニット(10)に一対一に対応する複数のリニアフレネルレンズ(21)を備え、前記色合成プリズム(2104)の中心、及び前記色合成プリズム(2104)が所在する投影ユニット(10)に対応する前記リニアフレネルレンズ(21)の中心は、高さが同じである、
請求項12に記載の三次元表示装置。
【請求項15】
前記投影ユニット(10)は、1つのベクトル画素を備え、
前記一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)は、前記投影ユニット(10)に一対一に対応する複数のリニアフレネルレンズ(21)を備え、前記投影ユニット(10)の中心、及び前記投影ユニット(10)に対応する前記リニアフレネルレンズ(21)の中心は、高さが同じである、
請求項12に記載の三次元表示装置。
【請求項16】
前記灯ポール(200)と前記一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)との間に位置する曲面レンズをさらに備える、
請求項12~15のいずれかに記載の三次元表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年8月7日に中国専利局に出願された、出願番号が202010789272.Xである中国特許出願の優先権を主張し、該出願の全ての内容は、引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願の実施例は、三次元表示技術に関し、例えば、一方向均一光ビーム拡大スクリーン及び三次元表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術においては、ホログラフィック投影、シリンドリカルレンズグレーティング、ボリュメトリック三次元、インテグラルイメージングなどの原理を利用して裸眼の三次元表示を実現可能である。実現方式について、シリンドリカルレンズグレーティングは、シリンドリカルレンズの屈折効果を利用して異なる画面を異なる角度に現し、左右眼の画像を分け、視差を利用して三次元視覚効果を生じさせる。
【0004】
三次元表示装置において、ベクトル画素を画像源として利用し、シリンドリカルレンズグレーティングを利用してベクトル画素に対して一方向にビーム拡大させることができ、ベクトル画素の用量を減らしてコストを低減させることができ、ビーム拡大の角度が小さい場合、光ビームの均一度が一致し、広角度のビーム拡大が必要となる場合、エッジ領域の輝度が中間領域の輝度よりも低いため、ビーム拡大方向の異なる位置で観覧する時に、輝度の飛びが出現し、表示の不均一が引き起こされる。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例は、一方向均一光ビーム拡大スクリーン及び三次元表示装置を提供し、そのうち、一方向均一光ビーム拡大スクリーンは、投影ユニットにより出射された光ビームに対して、第2の方向に沿った伝播方向及び発散角を変化せず、同一方向(即ち第1の方向)に沿って強度が均一で分布が同じである光錐にビーム拡大させ、且つ2つの投影ユニットにより出射された光線を一方向に均一にビーム拡大された後に輝度が一致するようにさせて、接合された像に輝度の飛びが生じることを回避することができ、三次元表示装置に応用される時に、表示の輝度及び均一性を高めることができる。
【0006】
第1の態様では、本願の実施例は、投影ユニットにより出射された異なる出射角の光ビームに対して、第2の方向に沿った伝播方向及び発散角を変化せず、第1の方向に沿って強度が均一で分布が同じである光錐にビーム拡大させるように構成される一方向均一光ビーム拡大スクリーンを提供し、前記一方向均一光ビーム拡大スクリーンは、シリンドリカルレンズグレーティング及び少なくとも1つのリニアフレネルレンズを備え、
前記リニアフレネルレンズは、前記投影ユニットと前記シリンドリカルレンズグレーティングとの間に位置し、前記第2の方向に沿って延在する複数の歯状構造を備え、前記投影ユニットにより出射された光ビームを屈折させて、屈折後の光ビームを前記シリンドリカルレンズグレーティングに正入射させるように構成され、
前記シリンドリカルレンズグレーティングは、グレーティング線が前記第2の方向に沿って延在し、前記リニアフレネルレンズにより出射された光ビームを前記第1の方向に沿って均一にビーム拡大させるように構成され、
前記一方向均一光ビーム拡大スクリーンが少なくとも2つの前記リニアフレネルレンズを備える時に、前記リニアフレネルレンズは、前記第1の方向に沿って配列され、隣り合う2つの前記リニアフレネルレンズの継目位置箇所で受光された、前記第1の方向に沿って隣り合う2つの前記投影ユニットにより出射された光ビームは、前記一方向均一光ビーム拡大スクリーンを通過した後に同じ分布を形成し、
そのうち、前記投影ユニットと前記リニアフレネルレンズとは、一対一に対応し、前記投影ユニットと、一対一に対応する前記リニアフレネルレンズとの垂直距離は、前記リニアフレネルレンズの焦点距離に等しく、前記第1の方向と前記第2の方向とは交差する。
【0007】
第2の態様では、本願の実施例は、
第1の方向に沿って延在する自身の中心軸回りに回動する回転テーブルと、
各々が少なくとも2つの視点を形成するように、前記第1の方向に垂直な平面内の少なくとも2つの方向に発光するように構成される少なくとも1つの投影ユニットを備え、前記回転テーブルに固定される少なくとも1つの灯ポールと、
前記灯ポールに一対一に対応して設けられ、且つ前記投影ユニットの出射光路に位置する上記のいずれか1つに記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーンと、を備える三次元表示装置をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本願の実施例に係る1つの一方向均一光ビーム拡大スクリーンの構造模式図である。
【
図2】本願の実施例に係る1つの一方向均一光ビーム拡大スクリーンがビーム拡大する時の光路模式図である。
【
図3】本願の実施例に係る1つの投影ユニットの有効設定領域の構造模式図である。
【
図4】本願の実施例に係る1つの一方向均一光ビーム拡大スクリーンの断面構造模式図である。
【
図5】それぞれ本願の実施例に係る別の一方向均一光ビーム拡大スクリーンの平面構造模式図である。
【
図6】それぞれ本願の実施例に係る別の一方向均一光ビーム拡大スクリーンの平面構造模式図である。
【
図7】本願の実施例に係る別の一方向均一光ビーム拡大スクリーンの断面構造模式図である。
【
図8】本願の実施例に係る別の一方向均一光ビーム拡大スクリーンの断面構造模式図である。
【
図9】本願の実施例に係る1つの一方向均一光ビーム拡大スクリーンの製造方法のフローの模式図である。
【
図10】本願の実施例に係る1つの三次元表示装置の構造模式図である。
【
図11】本願の実施例に係る1つの三次元表示装置の部分構造模式図である。
【
図12】本願の実施例に係る別の三次元表示装置の部分構造模式図である。
【
図13】それぞれ曲面レンズが設けられていない及び曲面レンズが設けられた歪み矯正の比較模式図である。
【
図14】それぞれ曲面レンズが設けられていない及び曲面レンズが設けられた歪み矯正の比較模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願の実施例で使用される用語は、特定の実施例を説明するためのものに過ぎず、本願を制限することは意図していない。本願の実施例で説明される「上」、「下」、「左」、「右」などの方位詞は、図面に示す角度で説明されるものであり、本願の実施例の限定として理解されるべきではないことは注意されたい。また、文脈では、1つの素子が他の1つの素子の「上」又は「下」に形成されることに言及する時、それは他の1つの素子の「上」又は「下」に直接形成できるだけでなく、中間素子を介して他の1つの素子の「上」又は「下」に間接的に形成できることをさらに理解すべきである。用語「第1」、「第2」などは、説明の目的のためのものに過ぎず、何らかの順序、数量又は重要性を表すものではなく、異なる構成部分を区別するためのものに過ぎない。当業者であれば、上記用語の本願における具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0010】
図1に示すのは、本願の実施例に係る1つの一方向均一光ビーム拡大スクリーンの構造模式図であり、
図2に示すのは、本願の実施例に係る1つの一方向均一光ビーム拡大スクリーンがビーム拡大する時の光路模式図である。
図1及び
図2を参照し、本実施例に係る一方向均一光ビーム拡大スクリーン20は、投影ユニット10により出射された光ビームに対して、第2の方向xに沿った伝播方向及び発散角を変化せず、第1の方向yに沿って強度が均一で分布が同じである光錐にビーム拡大させるように構成され、一方向均一光ビーム拡大スクリーン20は、シリンドリカルレンズグレーティング22及び少なくとも1つのリニアフレネルレンズ21(
図1には1つのリニアフレネルレンズのみが模式的に示されている)を備え、リニアフレネルレンズ21は、投影ユニット10とシリンドリカルレンズグレーティング22との間に位置し、リニアフレネルレンズ21は、第2の方向xに沿って延在する複数の歯状構造211を備え、リニアフレネルレンズ21は、投影ユニット10により出射された光ビームを屈折させて、屈折後の光ビームをシリンドリカルレンズグレーティング22に正入射させるように構成され、シリンドリカルレンズグレーティング22のグレーティング線221は、第2の方向xに沿って延在し、シリンドリカルレンズグレーティング22は、リニアフレネルレンズ21により出射された光ビームを第1の方向yに沿って均一にビーム拡大させるように構成され、一方向均一光ビーム拡大スクリーン20が少なくとも2つのリニアフレネルレンズ21を備える場合、リニアフレネルレンズ21は、第1の方向yに沿って配列され、隣り合う2つのリニアフレネルレンズ21の継目位置箇所(
図2における点線枠部分を参照する)で受光された、第1の方向yに沿って隣り合う2つの投影ユニット10により出射された光ビームは、一方向均一光ビーム拡大スクリーンを通過した後に同じ分布を形成し、そのうち、投影ユニット10とリニアフレネルレンズ21とは、一対一に対応し、投影ユニットと一対一に対応するリニアフレネルレンズとの垂直距離は、リニアフレネルレンズ21の焦点距離に等しく、第1の方向yと第2の方向xとは交差する。
【0011】
例示的に、本実施例は、第1の方向yが第2の方向xに垂直であることを例とし、そのうち、第1の方向yは垂直方向であってもよく、第2の方向xは、水平方向であってもよい。投影ユニット10は、少なくとも1つのベクトル画素又はマイクロプロジェクタを備えてもよい。ベクトル画素とは、サブ画素アレイ及び光学モジュールにより構成される光学表示モジュールを指し、サブ画素アレイは、密集表示デバイス(例えばMicro-LEDアレイ)基本表示ユニットにより構成され、サブ画素アレイが光学モジュールを経た後に、各サブ画素光ビームはそれぞれ空間の異なる角度に指向し、異なる方向から特定のサブ画素しか見れず、即ち、画素はベクトル指向性を実現している。ベクトル画素は、以下の条件を満たす。1、点光源で狭光ビームである。大きい表示尺度に対し、1つの点で発光する光源と近似的に見なすことができ(例えば、光源がディスプレイの面積の1万分の1以下しか占めない)、それから空間に発射される多数の光ビームは、光強度がこの光ビームの最大光強度の50%まで低下したものを該光ビームの境界とし、光源を円心とすれば、全ての境界を含みうる最小空間球面角が10度よりも小さいという性質を有する。2、区別可能な100方向以上における上記光ビームの投射に対応可能である。3、少なくとも2方向に上記光ビームを同時に発射可能である。4、上記光ビームの輝度は、少なくとも16段階の調節が可能であることに対応する。
【0012】
図2を参照し、投影ユニット10は、リニアフレネルレンズ21の焦点距離位置に位置し、投影ユニット10により出射された発散光ビームは、リニアフレネルレンズ21に入射し、リニアフレネルレンズ21は、投影ユニット10により出射された光ビームの第2の方向xに沿って伝播する成分を変えず、投影ユニット10により出射された光ビームの、第1の方向yに沿って伝播する成分のみを変え、そして、リニアフレネルレンズ21は、光ビームを平行に近似した光ビームに屈折させて、シリンドリカルレンズグレーティング22に垂直に近づいて入射させるとともに、光ビームの第2の方向xにおける角度を変えず、シリンドリカルレンズグレーティング22における各シリンドリカルレンズの形状を設計することにより、光ビームが第1の方向yにおいて異なる発散角に均一にビーム拡大することが実現可能であり、シリンドリカルレンズの焦点距離が小さいほど、一方向にビーム拡大させる角度が大きくなる。加工の難度を下げるために、リニアフレネルレンズ21は、複数個により接合されてもよく、隙間を小さくするように、接合時に可能な限り整列すべきである。リニアフレネルレンズ21を設計することにより、上方の投影ユニットにより発せられた光線1及び下方の投影ユニットにより発せられた光線2がフレネルレンズ21を通過した後にシリンドリカルレンズグレーティング22にほぼ正入射することを可能にし、そして、シリンドリカルレンズグレーティング22を通過した後に第1の方向yにおいてビーム拡大する強度が均一で分布が同じであり、即ち光線1及び光線2は、リニアフレネルレンズ21に入射する時の強度や分布は異なるものの、一方向均一光ビーム拡大スクリーンを通過して出射された後の強度や分布は同じである。さらに、設計時に、リニアフレネルレンズ21及びシリンドリカルレンズグレーティング22の全体厚さを、投影ユニット10の出射光ビームのフォーカスの被写界深度よりも小さく又は等しくさせ、これにより、結像の鮮明度が保証される。好ましくは、各投影ユニットにおける1つの画素の、一方向均一光ビーム拡大スクリーンにおける第1の方向に沿った光スポットの幅は、d
1であり、シリンドリカルレンズグレーティングの格子定数は、d
2であり、d
1≧3d
2である。即ち、各画素の光スポットは結像時に十分な解像度を有することを保証するために、少なくともシリンドリカルレンズグレーティングの3つのシリンドリカルレンズに対応する。
【0013】
好ましくは、シリンドリカルレンズグレーティング22のグレーティング線数は、1インチ当たり300線よりも大きく又は等しく、具体的に実施する時に、実際の表示効果及びニーズに応じて設計可能である。シリンドリカルレンズグレーティングの線数が小さい場合、特にシリンドリカルレンズの幅が投影画素の大きさよりも大きい場合、結像光ビームは、シリンドリカルレンズグレーティングを経た後に一方向にビーム拡大され、人の目で観覧する時に、投影画素の拡大された虚像が見えるようになり、該虚像の大きさは、投影画素の大きさよりも大きく、シリンドリカルレンズの幅が投影画素の大きさよりも小さい場合、投影画素は複数の部分に分けられ、それぞれがシリンドリカルレンズグレーティングに投影されて結像され、この時、人の目が複数のシリンドリカルレンズを通して見る投影画素の複数の部分の複数の虚像は重なり、グレーティング線数が大きいほど、複数の部分の虚像の重なり率が高くなり、見える虚像が投影画素の大きさに近くなる。
【0014】
本実施例の技術案は、リニアフレネルレンズを設けることにより、リニアフレネルレンズで、投影ユニットにより出射された発散光ビームを平行に近似した光ビームに屈折させ、そして、シリンドリカルレンズグレーティングに垂直に近似して入射させ、シリンドリカルレンズグレーティングで、リニアフレネルレンズにより出射された光ビームに対して、第2の方向に沿った伝播方向及び発散角を変化せず、第1の方向に沿って視野角を広げ、リニアフレネルレンズの屈折作用により、シリンドリカルレンズグレーティングは、第1の方向における均一なビーム拡大を実現可能であり、複数の投影ユニットの結像が接合されている時に、継目の輝度を均一にさせることができ、三次元表示装置に応用される時に、表示の輝度及び均一性を高め、表示効果を向上させることができる。
【0015】
好ましくは、投影ユニット10は、対応するリニアフレネルレンズ21の焦点位置箇所に設けられる。投影ユニット10をリニアフレネルレンズ21の焦点位置に設けることで、投影ユニット10からリニアフレネルレンズ21に入射した光線は、シリンドリカルレンズグレーティング22に垂直に入射し、シリンドリカルレンズグレーティング22は、全ての入射光線に対する均一なビーム拡大を実現する。
【0016】
好ましくは、投影ユニットは、対応するリニアフレネルレンズの焦点面に設けられ、投影ユニットとリニアフレネルレンズの焦点との距離hは、
【0017】
【0018】
を満たし、
ここで、Lは、リニアフレネルレンズの焦点距離を表し、φは、一方向均一光ビーム拡大スクリーンの第1の方向に沿った実際のビーム拡大角度を表し、θは、第1の方向に沿うために必要な視野角を表す。
【0019】
投影ユニットが一定の大きさを有し、焦点位置から外に向かって広がっているため、観覧ニーズを満たせることが可能な領域は、入射有効位置領域を形成している。
図3に示すのは、本願の実施例に係る1つの投影ユニットの有効設定領域の構造模式図である。
図3を参照し、Lは、リニアフレネルレンズの焦点距離を表し、φは、一方向均一光ビーム拡大スクリーンの第1の方向に沿った実際のビーム拡大角度を表し、θは、第1の方向に沿うために必要な視野角を表し、投影ユニットとリニアフレネルレンズの焦点との距離hが上記数式(1)を満たすように設定されると、観察者により観察された像の鮮明度を保証することができる。例示的に、一方向均一光ビーム拡大スクリーンの散乱角度が60度であれば観覧ニーズが満たされ、一方向均一光ビーム拡大スクリーンの散乱角度が60度だけである場合、鉛直方向(即ち第1の方向y)において、1つの点のみが要求に一致し、該点は、一方向均一光ビーム拡大スクリーンの光軸に位置し、一方向均一光ビーム拡大スクリーンの散乱角度が60度よりも大きく、例えば、投影ユニットが一方向均一光ビーム拡大スクリーンから50mm離れており、一方向均一光ビーム拡大スクリーンの散乱角度が70度である場合、鉛直方向における一方向均一光ビーム拡大スクリーンの光軸に対称である位置の±4.37mmの領域内の位置に投影ユニットを置ければ、観覧ニーズを満たすことができる。
【0020】
本実施例に係る一方向均一光ビーム拡大スクリーンは、取付けを容易にするために、一般的に、リニアフレネルレンズ及びシリンドリカルレンズグレーティングをいずれも薄いフィルム層であるように設計し、
図4に示すのは、本願の実施例に係る1つの一方向均一光ビーム拡大スクリーンの断面構造模式図である。
図4を参照し、好ましくは、本実施例に係る一方向均一光ビーム拡大スクリーンは、シリンドリカルレンズグレーティング22の投影ユニットから乖離した側に位置する支持レンズ23をさらに備え、支持レンズ23は、リニアフレネルレンズ21及びシリンドリカルレンズグレーティング22を支持するように構成される。好ましくは、支持レンズ23は、均肉レンズ又はシリンドリカル凹レンズであってもよい。
【0021】
図4を参照し、支持レンズ23は均肉レンズであり、この時、支持レンズ23は、支持作用しか有せず、他の実施例において、支持レンズは、さらにシリンドリカル凹レンズに設計されてもよく、ベクトル画素又はマイクロプロジェクタが一方向均一光ビーム拡大スクリーンに投影すると、異なる出射角度の光線の一方向均一光ビーム拡大スクリーンに到達するまで通る光学経路には、差異が存在し、一方向均一光ビーム拡大スクリーンによりビーム拡大された後に収差が引き起こされる。収差を低減させるためには、好ましくは、支持レンズ23の投影ユニットに近い側は、第1の表面であり、第1の表面は曲面であり、シリンドリカルレンズグレーティング22は、支持レンズ23の第1の表面に貼り付けられ、リニアフレネルレンズ21は、シリンドリカルレンズグレーティング22の支持レンズ23から乖離した側に貼り付けられる。例示的に、
図5及び
図6に示すのはそれぞれ、本願の実施例に係る別の一方向均一光ビーム拡大スクリーンの断面構造模式図である。
図5を参照し、第1の表面は、円弧面に設定されてもよく、投影ユニット(
図5に示されていない)は、円心に位置し、且つリニアフレネルレンズの焦点箇所に位置し、このような設計は、投影ユニットから各方向に発せられた光線の、一方向均一光ビーム拡大スクリーンまでの距離が同じであることを可能にする。第1の表面を曲面に設定することで、シリンドリカルレンズグレーティングの収差による、一方向にビーム拡大された光スポットの歪みや湾曲の状況を回避し、且つ投影ユニットの広角度結像による像面の湾曲及び歪みを一定の程度低減させ、後続の複数の投影ユニットの結像接合のために利便を提供することができる。一方向均一光ビーム拡大スクリーンが平面である場合、投影ユニットの投影がリニアフレネルレンズによりシリンドリカルレンズグレーティングに投影されてビーム拡大されると、サブ画素は、一方向均一光ビーム拡大スクリーンまでの距離が一致しないため、投影された像の大きさが一致しておらず、且つ投影ユニットのサブ画素が一方向均一光ビーム拡大スクリーンに投影されて結像されると、各サブ画素を形成する光ビーム円錐軸線が一方向均一光ビーム拡大スクリーンのシリンドリカルレンズグレーティングに垂直に正入射しておらず、この時、シリンドリカルレンズの収差に起因し、シリンドリカルレンズグレーティングが一方向に光スポットを広げると歪みが現れ、最終的に形成される一方向にビーム拡大された直線光スポットに湾曲が発生し、この時、対応する列の投影ユニットのサブ画素の、一方向均一光ビーム拡大スクリーンに投影された像をある視点で観覧すれば、画素列が湾曲する現象が発生し、この時、シリンドリカルレンズグレーティングの軸方向を湾曲させれば、湾曲が低減又は解消され、そのため、本願の実施例の一方向均一光ビーム拡大スクリーンは円弧状に湾曲するように設定される。
図6を参照し、支持レンズ23の中間領域の厚さは、両側領域の厚さよりも小さく、投影の画像源をシリンドリカル凹レンズの焦線中点に置ければ、投影装置の視野角を一方向に拡大することができ、具体的に実施する時に、支持レンズの構造は、実際のニーズに応じて設計可能であり、本願の実施例は限定しない。
【0022】
図1を参照し、リニアフレネルレンズ21及びシリンドリカルレンズグレーティング22は、一体式フィルムシートであり、リニアフレネルレンズ21の歯状構造211は、一体式フィルムシートの投影ユニット10に近い側の表面に位置し、シリンドリカルレンズグレーティング22は、一体式フィルムシートの投影ユニット10から乖離した側の表面に位置する。このような設計は、一方向均一光ビーム拡大スクリーンの構造を簡略化し、リニアフレネルレンズ21とシリンドリカルレンズグレーティング22との位置合わせ過程を減らし、製造及び取付けの難度を下げ、コストを低減させることができる。
【0023】
図7に示すのは、本願の実施例に係る1つの一方向均一光ビーム拡大スクリーンの断面構造模式図である。
図7を参照し、好ましくは、本実施例に係る一方向均一光ビーム拡大スクリーンは、順次積層された第1の媒体層30、第2の媒体層31及び第3の媒体層32を備え、第1の媒体層30は、第2の媒体層31の投影ユニット10に近い側に位置し、第1の媒体層30及び第3の媒体層32の屈折率はいずれも第2の媒体層31の屈折率よりも大きく、第1の媒体層30と第2の媒体層31との境界面には、リニアフレネルレンズの歯状構造211が設けられており、第2の媒体層31と第3の媒体層32との境界面には、シリンドリカルレンズグレーティングが設けられており、第3の媒体層32の第2の媒体層31から乖離した表面は、平面である。
【0024】
例示的に、
図7には、支持レンズ23が備えられてもよく、この時、支持レンズ23は、第1の媒体層30の第2の媒体層31から乖離した側に貼り付けられ、又は支持レンズ23は、第3の媒体層32の第2の媒体層31から乖離した側に貼り付けられる。
【0025】
図1に示す一方向均一光ビーム拡大スクリーンの両面にはいずれも歯すじが設けられており、工程コストの低減に有利であるが、取付けに一定の困難をもたらす可能性があり、そのため、取付けを容易にするために、例示的に、
図7に示す一方向均一光ビーム拡大スクリーンの両側はいずれも平面であり、第1の媒体層30、第2の媒体層31及び第3の媒体層32の屈折率はぞれぞれn
1、n
2及びn
3であり、そのうち、n
2が最も小さく、他の実施例において、一方向均一光ビーム拡大スクリーンの一側又は両側は非平面であってもよく、具体的に実施する時に、実際のニーズに応じて設計可能である。
図7には、該一方向均一光ビーム拡大スクリーンの光路伝送模式図がさらに示されており、スネルの法則により、平行光ビームは、一定の挟角で一方向均一光ビーム拡大スクリーンの左辺の屈折率がn
1である第1の媒体層30から通過する時に、2回の屈折が発生し、1回目は、鉛直な一方向均一光ビーム拡大スクリーンの左側の境界で、空気からn
1に入り込み、2回目は、斜面又は曲面(歯状構造211)から屈折率がn
2である第2の媒体層31の中に入射し、入射角に応じて適切な斜面又は曲面を設計すると、光ビームは最終的に水平方向で屈折率がn
3である第3の媒体層32の中に入射し、水平光ビームは、n
2である第2の媒体層31から屈折率がn
3である第3の媒体層32の中に入り込む時に、n
2及びn
3の2つの媒体の境界面はシリンドリカルグレーティングであるため、光ビームは、境界面を通過すると直ちに一方向に広げられ、均一光で一方向にビーム拡大することが実現される。平面一方向均一光ビーム拡大スクリーンにおいて、リニアフレネルレンズの歯状構造211は、曲面又は斜面のうちの少なくとも1つからなるものであってもよい。他の実施例において、第1の媒体層30の左側表面及び第3の媒体層32の右側表面はさらに、実際のニーズに応じて、支持レンズに貼り合わせられると曲面形状に形成されてもよく、具体的に実施する時に、実際のニーズに応じて設計可能である。
【0026】
例示的に、第2の媒体層31の厚さは、薄くなってもよく、シリンドリカルレンズグレーティングの機能面とリニアフレネルレンズの機能面とが無限に近いことを達成可能であり、さらに、機能面の両側の厚さは、一方向均一光ビーム拡大スクリーンの性能に影響せず、即ち、機能面の間の第2の媒体層31が薄いように保持されれば、一方向均一光ビーム拡大スクリーンの厚さには厳格な制限はなく、このようにすることで、加工の難度を下げることができる。
【0027】
好ましくは、第1の媒体層及び第3の媒体層の屈折率は、同じである。例示的に、第1の媒体層及び第3の媒体層は、同じ材料を採用して形成されてもよく、これにより、工程の難度が簡略化され、一方向均一光ビーム拡大スクリーンの作製コストが下げられる。
【0028】
別の実施例において、一方向均一光ビーム拡大スクリーンは、さらに、片側が平面となるように設計可能である。例示的に、出光面が平面であることを例にとると、
図8に示すのは、本願の実施例に係る別の一方向均一光ビーム拡大スクリーンの断面構造模式図である。
図8を参照し、好ましくは、一方向均一光ビーム拡大スクリーンは、積層して設けられた第4の媒体層40及び第5の媒体層41を備え、第4の媒体層40は、第5の媒体層41の投影ユニットに近い側に位置し、第5の媒体層41の屈折率は、第4の媒体層40の屈折率よりも大きく、第4の媒体層40の投影ユニットに近い側の表面には、リニアフレネルレンズの歯状構造211が設けられており、第4の媒体層40と第5の媒体層41との境界面には、シリンドリカルレンズグレーティングが設けられており、第5の媒体層41の第4の媒体層40から乖離した表面は、平面である。
【0029】
光は空気から屈折率がn4である第4の媒体層40に入射し、第4の媒体層40における歯状構造211は、焦点距離が予め設定されたリニアフレネルレンズに設計され、投影ユニットは、リニアフレネルレンズの焦点位置箇所に設けられ、焦点から発せられた光線は、空気と第4の媒体層40との境界面を通過すると、屈折率がn5である第5の媒体層41に水平方向で入射することができ、n5>n4であり、第4の媒体層40と第5の媒体層41との境界面は、シリンドリカルレンズグレーティングに設計され、シリンドリカルレンズグレーティングを通過すれば、投影ユニットの均一光での一方向におけるビーム拡大を実現可能である。
【0030】
他の実施例において、入光面を平面に設計してもよく、その設計思想は上記実施例に類似し、ここでは詳しく説明しない。
【0031】
図9に示すのは、本願の実施例に係る1つの一方向均一光ビーム拡大スクリーンの製造方法のフローの模式図であり、本実施例に係る製造方法は、上記実施例に係る一方向均一光ビーム拡大スクリーンを製造するために用いられ、ステップS110ないしステップS130を含む。
【0032】
ステップS110において、ある1つの方向に沿って延在する複数の歯状構造を備えるリニアフレネルレンズを形成する。
【0033】
ステップS120において、グレーティング線がある1つの方向に沿って延在するシリンドリカルレンズグレーティングを形成する。
【0034】
ステップS130において、リニアフレネルレンズとシリンドリカルレンズグレーティングとを結合し、且つ歯状構造の延在方向とシリンドリカルレンズグレーティングのグレーティング線の延在方向とを平行させる。
【0035】
例示的に、一体式フィルムシートの2つの表面にそれぞれリニアフレネルレンズ及びシリンドリカルレンズグレーティングを形成してもよく、2種類又は3種類の媒体層を用いてフレネルレンズ及びシリンドリカルレンズグレーティングをそれぞれ形成し、そして、一緒に貼り合わせてもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0036】
本実施例の技術案は、リニアフレネルレンズ及びシリンドリカルレンズグレーティングを形成することで、リニアフレネルレンズで、投影ユニットにより出射された発散光ビームを平行に近似した光ビームに屈折させ、そして、シリンドリカルレンズグレーティングに垂直に近似して入射させ、シリンドリカルレンズグレーティングで、リニアフレネルレンズにより出射された光ビームに対して、第1の方向に沿って視野角を広げ、リニアフレネルレンズの屈折作用により、シリンドリカルレンズグレーティングは、第1の方向における均一なビーム拡大を実現可能であり、複数の投影ユニットの結像が接合されている時に、継目の輝度を均一にさせることができ、三次元表示装置に応用される時に、表示の輝度及び均一性を高め、表示効果を向上させることができる。
【0037】
好ましくは、リニアフレネルレンズ及びシリンドリカルレンズグレーティングは、一体式フィルムシートであり、リニアフレネルレンズの歯状構造は、一体式フィルムシートの一側の表面に形成され、シリンドリカルレンズグレーティングは、一体式フィルムシートの歯状構造の対向側の表面に形成される。本実施例は、
図1に示す一方向均一光ビーム拡大スクリーンの製造に使用可能である。
【0038】
好ましくは、一方向均一光ビーム拡大スクリーンは、順次積層された第1の媒体層、第2の媒体層及び第3の媒体層を備え、該製造方法は、
リニアフレネルレンズモールド及びシリンドリカルレンズグレーティングモールドを作製することと、
リニアフレネルレンズモールド及びシリンドリカルレンズグレーティングモールドをそれぞれ用いて第1の媒体層及び第3の媒体層をプレスすることと、
第2の媒体層を利用してプレス後の第1の媒体層と第3の媒体層とを接着することとを含む。本実施例は、
図7に示す一方向均一光ビーム拡大スクリーンの製造に使用可能である。
【0039】
好ましくは、一方向均一光ビーム拡大スクリーンは、積層して設けられた第4の媒体層及び第5の媒体層を備え、該製造方法は、
第5の媒体層の一側にシリンドリカルレンズグレーティングを形成することと、
シリンドリカルレンズグレーティングに第4の媒体層を形成することと、
紫外線成形技術を利用して、第4の媒体層の第5の媒体層から乖離した側にリニアフレネルレンズを形成することとを含む。本実施例は、
図8に示す一方向均一光ビーム拡大スクリーンの製造に使用可能である。
【0040】
図10に示すのは、本願の実施例に係る1つの三次元表示装置の構造模式図である。
図10を参照し、本実施例に係る三次元表示装置は、第1の方向yに沿って延在する自身の中心軸a回りに回動する回転テーブル100と、各々が少なくとも2つの視点を形成するように、第1の方向yに垂直な平面内の少なくとも2つの方向に発光するように構成される少なくとも1つの投影ユニット10を備え、回転テーブル100に固定される少なくとも1つの灯ポール200(
図10に2つの灯ポール200が模式的に示されているが、本願の実施例を限定するわけではない)と、一方向均一光ビーム拡大スクリーン20が灯ポール200に一対一に対応して設けられ、且つ投影ユニット10の出射光路に位置する上記実施例に係る任意の1つの一方向均一光ビーム拡大スクリーン20とを備える。
【0041】
そのうち、投影ユニット10は、少なくとも1つのベクトル画素又はマイクロプロジェクタを備えてもよく、本実施例において、1つの灯ポール200は、1つの一方向均一光ビーム拡大スクリーン20に対応し、別の実施例において、少なくとも2つの灯ポール200が1つの一方向均一光ビーム拡大スクリーン20に対応するように設定されてもよく、本願の実施例は、一方向均一光ビーム拡大スクリーン20の数量について限定しない。
【0042】
図10において一方向均一光ビーム拡大スクリーン20が灯ポール200の外側に設けられているのは模式的なものに過ぎず、このような場合、観衆が三次元表示装置の外部に位置して三次元結像を観察し、別の実施例において、観衆が三次元表示装置の内部に位置して三次元結像を観察するように、一方向均一光ビーム拡大スクリーン20を灯ポールの内側に設けてもよく、他の実施例において、さらに、複数の三次元表示装置及び反射ミラーの組合せを設けて結像を接合してもよく、これにより、接合表示、大画面表示の効果が実現される。
【0043】
本願の実施例に係る三次元表示装置は、上記実施例に係る任意の1つの一方向均一光ビーム拡大スクリーンを設けることにより、各視野角で表示輝度が均一で表示効果が良好である特徴を有する。
【0044】
図11に示すのは、本願の実施例に係る1つの三次元表示装置の部分構造模式図である。
図11を参照し、好ましくは、投影ユニット10は、第1の方向yに沿って配置された第1のベクトル画素2101、第2のベクトル画素2102及び第3のベクトル画素2103を備え、一方向均一光ビーム拡大スクリーンは、投影ユニット10に一対一に対応する複数のリニアフレネルレンズ21を備え、第2のベクトル画素2102の中心、及び第2のベクトル画素2102が所在する投影ユニット10に対応するリニアフレネルレンズ21の中心は、高さが同じである。
【0045】
そのうち、第1のベクトル画素2101、第2のベクトル画素2102及び第3のベクトル画素2103は、赤色画素(R)、緑色画素(G)及び青色画素(B)を含んでもよく、投影ユニットは、RGB画素を設定することによりカラー表示を実現する。例示的に、
図11では、第2のベクトル画素2102の中心、及び第2のベクトル画素2102が所在する投影ユニット10に対応するリニアフレネルレンズ21の中心は、高さが同じであり、第1のベクトル画素2101及び第3のベクトル画素2103は、傾斜して設けられ、第1のベクトル画素2101の中心及び第3のベクトル画素2103の中心は、リニアフレネルレンズ21の中心を指向する。
【0046】
リニアフレネルレンズ21の焦点とリニアフレネルレンズ21の中心との連結線は第1の方向yに垂直な1本の直線を形成し、投影ユニットは、リニアフレネルレンズ21の焦点位置箇所に位置するが、実際の投影ユニットはいずれも、一定の大きさを有し、焦点位置から外に向かって広がっており、観覧ニーズを満たせることが可能な領域は、入射有効位置領域を形成している。該領域の大きさは、一方向均一光ビーム拡大スクリーンの散乱角度、投影ユニットの一方向均一光ビーム拡大スクリーンまでの距離、及び観覧を満たすために必要な角度に関連し、上記数式(1)を参照することができる。本実施例においては、ベクトル画素自体が既に結像の歪みの要求を満たすことができると仮定し、歪みが要求を満たさなければ、結像の歪みを低減させるために、各投影ユニットの前に歪み矯正レンズを追加する必要がある。
【0047】
上記実施例において、第2のベクトル画素の中心、及び第2のベクトル画素が所在する投影ユニットに対応するリニアフレネルレンズの中心は、高さが同じであり、第1のベクトル画素及び第3のベクトル画素の光線は、リニアフレネルレンズに斜め入射すると、収差が引き起こされる可能性があり、光線の斜め入射による収差を低減させるために、
図12に示すのは、本願の実施例に係る別の三次元表示装置の部分構造模式図である。
図12を参照し、好ましくは、投影ユニット10は、第1のベクトル画素2101、第2のベクトル画素2102、第3のベクトル画素2103及び色合成プリズム2104を備え、色合成プリズム2104は、第1のベクトル画素2101、第2のベクトル画素2102及び第3のベクトル画素2103により出射された光線を同一位置から出射させるように構成され、一方向均一光ビーム拡大スクリーン20は、投影ユニット10に一対一に対応する複数のリニアフレネルレンズ21を備え、色合成プリズム2104の中心、及び該色合成プリズム2104が所在する投影ユニット10に対応するリニアフレネルレンズ21の中心は、高さが同じである。
【0048】
色合成プリズム2104は、異なるめっき膜のプリズムにより接着されてなり、赤、緑、青の3つの色のうち、2つの色の光は反射し、他の1つは透過し、色合成プリズム2104を設けることで、画素により出射された光線のリニアフレネルレンズ21に入射する角度が大きくなることを回避することができ、結像時の収差を弱めるのに有利である。
【0049】
上記実施例において、いずれも各画素ユニット(即ち投影ユニット)に異なる色のカラー画素が含まれることによりカラー投影が形成され、他の実施例において、単色投影を前提として、投影ユニットを異なる位置に置いてもよく、制御可能な分布誤差の下で、ソフトウェアの修正によりカラーのものに接合可能である場合があり、このようにすることで色合成プリズムを必要としなくてもよく、好ましくは、投影ユニットは、1つのベクトル画素を備え、即ち、投影ユニットは、
図11における210の2102のみを備え、又は
図12における210の2102のみを備え、一方向均一光ビーム拡大スクリーンは、投影ユニットに一対一に対応する複数のリニアフレネルレンズを備え、画素ユニットの中心(即ち投影ユニットの中心)、及び該画素ユニットに対応する前記リニアフレネルレンズの中心は、高さが同じである。
【0050】
通常の場合、単一のベクトル画素の解像度が限られていることにより、高解像度の観覧要求を満たすには表示領域が不足しており、そのため、複数のベクトル画素が接合されて表示される状況が出てくる。
図10に示すような三次元表示装置において、単一の灯ポールには少なくとも2つのベクトル画素(投影ユニット)が接合されて表示されており、ベクトル画素の光学モジュールには、広視野角の結像時に像面の湾曲及び歪みが発生するため、上記一方向均一光ビーム拡大スクリーンの湾曲状態が像面の湾曲及び歪みの低減に寄与しても、接合時に、隣り合うベクトル画素の一方向均一光ビーム拡大スクリーンに形成された像の間に依然として間隔があり、後期の画像表示ソフトウェアの補正という方法により継目のない接合が達成可能であるものの、これでは有効表示画素数が多く失われる。歪みの生じる原因は結像時に倍率が一致しないことにより像に変形が発生するからであるため、レンズ(即ちベクトル画素における光学モジュール)結像の中央エリアの横方向倍率とエッジの横方向倍率とが一致せず、中央の倍率がエッジの倍率よりも小さければ、枕型歪みが生じ、中央エリアの倍率がエッジの倍率よりも大きければ、桶型歪みが生じる。歪みは、レンズの結像により引き起こされ、レンズの視野のみに関連し、視野が大きいほど歪みが大きくなり、且つ歪みは、低減することしかできず、解消することができない。隙間を小さくするために、好ましくは、本実施例に係る三次元表示装置は、曲面レンズをさらに備え、曲面レンズは、灯ポールと一方向均一光ビーム拡大スクリーンとの間に位置する。曲面レンズは、両表面が同じ曲率中心を有する光学ガラスにより形成されてもよく、これにより、歪み量が低減され、継目のない接合の目的が達成される。例示的に、
図13及び
図14に示すのはそれぞれ、曲面レンズが設けられていない及び曲面レンズが設けられた歪み矯正の比較模式図であり、そのうち、
図13は、補正前(曲面レンズが設けられていない)であり、
図14は、補正後(曲面レンズが設けられた)であり、
図13及び
図14から分かるように、曲面レンズを設けると、接合領域の歪みを明らかに補正して、表示効果を向上させることができる。
図10に示す三次元表示装置に応用される時に、ベクトル画素は、灯ポールに鉛直に配列され、ベクトル画素の水平方向の歪みを補正すれば接合が実現可能であり、そのため、上記光学ガラスは、水平方向に曲率を有すればニーズを満たすことができる。
【0051】
灯ポールの固定は、安定が保証される必要があり、収差の補正は、さらにデジタル補正方法を採用してもよく、灯ポールをテストベンチに置いて、テストベンチ外において各方向に取り付けられた複数の補正されたカメラヘッドにより、補正過程は、フィードバックにより自動的に完成する。非カメラヘッド領域のパラメータは、合理的な差値アルゴリズムを採用して生成する必要があり、カメラヘッドが多いほど、補正精度が高くなる。補正内容は、アライメント調整、歪み補正、色彩及び輝度補正を含む。補正が合格した後に、得られた各灯ポールの補正パラメータは、その制御ボードに記憶される。
【0052】
好ましくは、設計された垂直観覧領域が大きくない場合、異なるリニアフレネルレンズが灯ポールの異なる領域に使用されるように設計し、同時にシリンドリカルレンズグレーティングの発散角を低減させることで、輝度を高めることができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影ユニット(10)により出射された異なる出射角の光ビームに対して、第2の方向(x)に沿った伝播方向及び発散角を変化せず、第1の方向(y)に沿って強度が均一で分布が同じである光錐にビーム拡大させるように構成される一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)であって、
シリンドリカルレンズグレーティング(22)及び少なくとも1つのリニアフレネルレンズ(21)を備え、
前記リニアフレネルレンズ(21)は、前記投影ユニット(10)と前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)との間に位置し、前記第2の方向(x)に沿って延在する複数の歯状構造(211)を備え、前記投影ユニット(10)により出射された光ビームを屈折させて、屈折後の光ビームを前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)に正入射させるように構成され、
前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)は、グレーティング線(221)が前記第2の方向(x)に沿って延在し、前記リニアフレネルレンズ(21)により出射された光ビームを前記第1の方向(y)に沿って均一にビーム拡大させるように構成され、
前記一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)が少なくとも2つの前記リニアフレネルレンズ(21)を備える場合、前記リニアフレネルレンズ(21)は、前記第1の方向(y)に沿って配列され、隣り合う2つの前記リニアフレネルレンズ(21)の継目位置箇所で受光された、前記第1の方向(y)に沿って隣り合う2つの前記投影ユニット(10)により出射された光ビームは、前記一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)を通過した後に同じ分布を形成し、
前記投影ユニット(10)と前記リニアフレネルレンズ(21)とは、一対一に対応し、前記投影ユニット(10)と、一対一に対応する前記リニアフレネルレンズ(21)との垂直距離は、前記リニアフレネルレンズ(21)の焦点距離に等しく、前記第1の方向(y)と前記第2の方向(x)とは交差する、
一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項2】
前記投影ユニット(10)は、対応する前記リニアフレネルレンズ(21)の焦点面に設けられ、前記投影ユニット(10)と前記リニアフレネルレンズ(21)の焦点との距離hは、
【数1】
を満たし、
Lは、前記リニアフレネルレンズ(21)の焦点距離を表し、φは、前記一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)の前記第1の方向(y)に沿った実際のビーム拡大角度を表し、θは、前記第1の方向(y)に沿うために必要な視野角を表す、
請求項1に記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項3】
前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)の前記投影ユニット(10)から乖離した側に位置する支持レンズ(23)をさらに備え、前記支持レンズ(23)は、前記リニアフレネルレンズ(21)及び前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)を支持するように構成される、
請求項1に記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項4】
前記支持レンズ(23)の前記投影ユニット(10)に近い側は、第1の表面であり、前記第1の表面は曲面であり、前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)は、前記支持レンズ(23)の第1の表面に貼り付けられ、前記リニアフレネルレンズ(21)は、前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)の前記支持レンズ(23)から乖離した側に貼り付けられる、
請求項3に記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項5】
前記支持レンズ(23)は、均肉レンズ又はシリンドリカル凹レンズである、
請求項3に記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項6】
前記リニアフレネルレンズ(21)及び前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)は、一体式フィルムシートであり、前記リニアフレネルレンズ(21)の歯状構造(211)は、前記一体式フィルムシートの前記投影ユニット(10)に近い側の表面に位置し、前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)は、前記一体式フィルムシートの前記投影ユニット(10)から乖離した側の表面に位置
し、
前記一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)は、順次積層された第1の媒体層(30)、第2の媒体層(31)及び第3の媒体層(32)を備え、
前記第1の媒体層(30)は、前記第2の媒体層(31)の前記投影ユニット(10)に近い側に位置し、前記第1の媒体層(30)及び前記第3の媒体層(32)の屈折率はいずれも前記第2の媒体層(31)の屈折率よりも大きく、
前記第1の媒体層(30)と前記第2の媒体層(31)との境界面には、前記リニアフレネルレンズ(21)の歯状構造(211)が設けられており、前記第2の媒体層(31)と前記第3の媒体層(32)との境界面には、前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)が設けられており、前記第3の媒体層(32)の前記第2の媒体層(31)から乖離した表面は、平面であり、
前記第1の媒体層(30)及び前記第3の媒体層(32)の屈折率は、同じである、
請求項1~5のいずれかに記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項7】
積層して設けられた第4の媒体層(40)及び第5の媒体層(41)を備え、
前記第4の媒体層(40)は、前記第5の媒体層(41)の前記投影ユニット(10)に近い側に位置し、前記第5の媒体層(41)の屈折率は、前記第4の媒体層(40)の屈折率よりも大きく、
前記第4の媒体層(40)の前記投影ユニット(10)に近い側の表面には、前記リニアフレネルレンズ(21)の歯状構造(211)が設けられており、前記第4の媒体層(40)と前記第5の媒体層(41)との境界面には、前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)が設けられており、前記第5の媒体層(41)の前記第4の媒体層(40)から乖離した表面は、平面である、
請求項1~
5のいずれかに記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項8】
前記投影ユニット(10)における1つの画素の、前記一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)における第1の方向(y)に沿った光スポットの幅は、d
1であり、前記シリンドリカルレンズグレーティング(22)の格子定数は、d
2であり、d
1≧3d
2である、
請求項1に記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)。
【請求項9】
第1の方向(y)に沿って延在する自身の中心軸(a)回りに回動する回転テーブル(100)と、
各々が少なくとも2つの視点を形成するように、前記第1の方向(y)に垂直な平面内の少なくとも2つの方向に発光するように構成される少なくとも1つの投影ユニット(10)を備え、前記回転テーブル(100)に固定される少なくとも1つの灯ポール(200)と、
前記灯ポール(200)に一対一に対応して設けられ、且つ前記投影ユニット(10)の出射光路に位置する請求項1~
5及び8のいずれかに記載の一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)と、を備える、
三次元表示装置。
【請求項10】
前記投影ユニット(10)は、前記第1の方向(y)に沿って配置された第1のベクトル画素(2101)、第2のベクトル画素(2102)及び第3のベクトル画素(2103)を備え、
前記一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)は、前記投影ユニット(10)に一対一に対応する複数のリニアフレネルレンズ(21)を備え、前記第2のベクトル画素(2102)の中心、及び前記第2のベクトル画素(2102)が所在する投影ユニット(10)に対応する前記リニアフレネルレンズ(21)の中心は、高さが同じである、
請求項
9に記載の三次元表示装置。
【請求項11】
前記投影ユニット(10)は、第1のベクトル画素(2101)、第2のベクトル画素(2102)、第3のベクトル画素(2103)及び色合成プリズム(2104)を備え、前記色合成プリズム(2104)は、前記第1のベクトル画素(2101)、前記第2のベクトル画素(2102)及び前記第3のベクトル画素(2103)により出射された光線を同一位置から出射させるように構成され、
前記一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)は、前記投影ユニット(10)に一対一に対応する複数のリニアフレネルレンズ(21)を備え、前記色合成プリズム(2104)の中心、及び前記色合成プリズム(2104)が所在する投影ユニット(10)に対応する前記リニアフレネルレンズ(21)の中心は、高さが同じである、
請求項
9に記載の三次元表示装置。
【請求項12】
前記投影ユニット(10)は、1つのベクトル画素を備え、
前記一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)は、前記投影ユニット(10)に一対一に対応する複数のリニアフレネルレンズ(21)を備え、前記投影ユニット(10)の中心、及び前記投影ユニット(10)に対応する前記リニアフレネルレンズ(21)の中心は、高さが同じである、
請求項
9に記載の三次元表示装置。
【請求項13】
前記灯ポール(200)と前記一方向均一光ビーム拡大スクリーン(20)との間に位置する曲面レンズをさらに備える、
請求項
10~12のいずれかに記載の三次元表示装置。
【国際調査報告】