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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】多チャネル血液粘度測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 11/04 20060101AFI20230906BHJP
   G01N 1/00 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
G01N11/04 B
G01N1/00 101K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509485
(86)(22)【出願日】2021-08-19
(85)【翻訳文提出日】2023-03-16
(86)【国際出願番号】 KR2021011010
(87)【国際公開番号】W WO2022039512
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0104136
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522024160
【氏名又は名称】バイオレオロジックス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ, ドン ファン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ダル シク
(72)【発明者】
【氏名】イ, ウイ ユン
(72)【発明者】
【氏名】イ, ウイ ホ
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA30
2G052AD06
2G052AD26
2G052AD46
2G052BA02
2G052BA14
2G052CA04
2G052CA18
2G052CA28
2G052CA30
(57)【要約】
【課題】一つ以上の血液サンプルに対する粘度測定を自動で同時に行うことで、血液サンプルの粘度測定が一律に行われて正確度を向上させ、作業時間を短縮することができる多チャネル血液粘度測定装置を提供する。
【解決手段】採血管をスキャンさせて揺振した後、採血管カバーを分離させる血液サンプル前処理部、前記血液サンプル前処理部によって着座された採血管を移動させる血液サンプル移送部;血液粘度測定用キットが装着されて注入された血液サンプルの粘度を測定する一つ以上のチャネルを含む血液粘度測定部、及び前記血液粘度測定部に前記血液粘度測定用キットを装着させ、前記血液サンプル移送部によって移送された採血管の血液サンプルを吸引して装着された血液粘度測定用キットに注入する血液サンプル後処理部を含むことを特徴とする。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
採血管をスキャンさせて揺振した後、採血管カバーを分離させる血液サンプル前処理部、
前記血液サンプル前処理部によって着座された採血管を移動させる血液サンプル移送部、
血液粘度測定用キットが装着されて注入された血液サンプルの粘度を測定する一つ以上のチャネルを含む血液粘度測定部、及び
前記血液粘度測定部に前記血液粘度測定用キットを装着させ、前記血液サンプル移送部によって移送された採血管の血液サンプルを吸引して装着された血液粘度測定用キットに注入する血液サンプル後処理部を含むことを特徴とする多チャネル血液粘度測定装置。
【請求項2】
前記血液サンプル前処理部は、
前記採血管を挟持して回転させ得る前処理挟み部、及び
前記前処理挟み部の位置を調節する前処理位置調節部を含むことを特徴とする請求項1に記載の多チャネル血液粘度測定装置。
【請求項3】
前記前処理挟み部は、
前記採血管を挟持するか載置し得る前処理挟み、
前記前処理挟みをz軸回転させ得る第1回転部、及び
前記前処理挟みをx軸またはy軸回転させ得る第2回転部を含むことを特徴とする請求項2に記載の多チャネル血液粘度測定装置。
【請求項4】
前記前処理位置調節部は、
前記前処理挟み部の位置を上下方向に調節し得る前処理上下調節部、
前記前処理挟み部の位置を左右方向に調節し得る前処理左右調節部、及び
前記前処理挟み部の位置を前後方向に調節し得る前処理前後調節部のうち一つ以上を含むことを特徴とする請求項2に記載の多チャネル血液粘度測定装置。
【請求項5】
前記血液サンプル移送部は、
前記血液サンプル前処理部によって採血管が着座される移送挟み部、及び
前記移送挟み部に連結されて着座された採血管を移送させる移送ユニットを含むことを特徴とする請求項1に記載の多チャネル血液粘度測定装置。
【請求項6】
前記血液粘度測定部のチャネルは、
前記血液粘度測定用キットが装着されるキット装着部材、
前記血液粘度測定用キットが装着されたキット装着部材が内部に挿入され、血液粘度測定用キットに注入された血液サンプルの粘度を測定する粘度測定ユニット、及び
前記キット装着部材を前記粘度測定ユニットに挿入または引出させるキット挿入ユニットを含むことを特徴とする請求項1に記載の多チャネル血液粘度測定装置。
【請求項7】
記血液サンプル後処理部は、
前記血液粘度測定用キットを挟持するか載置し得るキット挟み部、
ピペットチップが装着されて移送された採血管の血液サンプルを吸引し、装着された血液粘度測定用キットに注入するピペット部、及び
前記キット挟み部とピペット部の位置を調節する後処理位置調節部を含むことを特徴とする請求項1に記載の多チャネル血液粘度測定装置。
【請求項8】
前記後処理位置調節部は、
前記キット挟み部とピペット部の位置を上下方向に調節し得る後処理上下調節部、
前記キット挟み部とピペット部の位置を左右方向に調節し得る後処理左右調節部、及び
前記キット挟み部とピペット部の位置を前後方向に調節し得る後処理前後調節部のうち一つ以上を含むことを特徴とする請求項7に記載の多チャネル血液粘度測定装置。
【請求項9】
前記後処理上下調節部は、
前記キット挟み部に連結されて、前記キット挟み部の位置を上下方向に調節し得るキット上下調節部、及び
前記キット上下調節部と前記ピペット部に連結されて、前記キット挟み部とピペット部の位置を上下方向に調節する統合上下調節部を含むことを特徴とする請求項8に記載の多チャネル血液粘度測定装置。
【請求項10】
前記血液サンプル前処理部、血液サンプル移送部、血液粘度測定部及び血液サンプル後処理部の作動を制御する制御部、及び
前記血液粘度測定部から測定された粘度測定結果をモニタリングできるようにするモニタ部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の多チャネル血液粘度測定装置。
【請求項11】
一つ以上の採血管を装着し得る血液サンプル装着部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の多チャネル血液粘度測定装置。
【請求項12】
使用前の血液粘度測定用キットを保管する血液粘度測定用カートリッジをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の多チャネル血液粘度測定装置。
【請求項13】
使用前のピペットチップを保管するピペットチップ保管部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の多チャネル血液粘度測定装置。
【請求項14】
前記血液粘度測定部で血液サンプルの粘度測定が完了した血液粘度測定用キットを収容する廃処理部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の多チャネル血液粘度測定装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多チャネル血液粘度測定装置に係り、より詳しくは、一つ以上の血液サンプルに対する粘度測定を自動で同時に行うことができるため、血液サンプルの粘度測定が一律に行われて正確度の向上と作業時間の短縮ができる多チャネル血液粘度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液の粘度は、血管内の血液の流動による流動抵抗を示す物性値であり、具体的には、全血粘度と血漿粘度に分けることができる。血液粘度の非正常的な増加は、血管内壁に作用するせん断応力及び流動抵抗の増加を引き起こし、急性心血管疾患及び微小血液疾患の発病の危険を著しく高める。また、血漿粘度は、体内の炎症状態を診断するのに活用されるだけでなく、全血粘度を増加させる主要原因のうち一つである。
全血粘度は、心臓の収縮期及び弛緩期に応じて継続的に粘度が変化する流動特性を示すが、その理由は、全血中にある赤血球と血漿タンパク質の相互複合的な影響によって血液が速い速度で流れる時(せん断率が高い時)には粘度が低くなり、反対に、血液が遅い速度で流れる時(せん断率が低い時)には粘度が増加するためである。このような流動特性を示す流体を非ニュートン性流体といい、血液の非ニュートン性流動特性を正確に把握するためには、全体せん断率(例:1~1,000s^-1)に対する全血粘度を正確に測定する必要がある。
最近の血液粘度測定装置は、身体から得た血液が流動抵抗管(flow restrictor tube)を通過させ、流動抵抗管内で血液の流動特性を測定して血液の粘度や血球凝集率などを測定することができる。
従来の技術として、特許文献1(血液粘度と血球凝集率を同時に測定する装置)が公開されている。
しかし、機器の操作者が手作業で注射器を通じて血液を注入して血液の粘度が測定されるようにしなければならないため、一定の圧力及び一定の流量で血液を供給することが困難で、同一の条件での血液粘度測定が困難な問題があった。また、手作業で行われるため、作業時間が長くかかる問題があった。
また、手作業で行われるため、血液による感染問題も頻繁に発生した。
このような問題を解決するために、自動化された血液粘度測定装置が開発されている状況だが、一つの血液サンプルに対する粘度測定が完了すると、次の血液サンプルに対する粘度測定がなされるため、作業時間が長くかかる問題があった。
それだけでなく、大量に血液サンプルを測定する際、遅い順番の血液サンプルの場合、時間の経過によって赤血球などが沈殿した状態で血液に対する粘度測定がなされるため、粘度測定の正確度が劣る問題が発生した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国登録実用新案第20-0331884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が目的とするところは、一つ以上の血液サンプルに対する粘度測定を自動で同時に行うことで、血液サンプルの粘度測定が一律に行われて正確度を向上させ、作業時間を短縮することができる多チャネル血液粘度測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の多チャネル血液粘度測定装置は、採血管をスキャンさせて揺振した後、採血管カバーを分離させる血液サンプル前処理部、前記血液サンプル前処理部によって着座された採血管を移動させる血液サンプル移送部、血液粘度測定用キットが装着されて注入された血液サンプルの粘度を測定する一つ以上のチャネルを含む血液粘度測定部、及び前記血液粘度測定部に前記血液粘度測定用キットを装着させ、前記血液サンプル移送部によって移送された採血管の血液サンプルを吸引して装着された血液粘度測定用キットに注入する血液サンプル後処理部を含む多チャネル血液粘度測定装置を提供してもよい。
ここで、前記血液サンプル前処理部は、前記採血管を挟持して回転させ得る前処理挟み部、及び前記前処理挟み部の位置を調節する前処理位置調節部を含んでもよい。
また、前記前処理挟み部は、前記採血管を挟持するか載置し得る前処理挟み、前記前処理挟みをz軸回転させ得る第1回転部、及び前記前処理挟みをx軸またはy軸回転させ得る第2回転部を含んでもよい。
また、前記前処理位置調節部は、前記前処理挟み部の位置を上下方向に調節し得る前処理上下調節部、前記前処理挟み部の位置を左右方向に調節し得る前処理左右調節部、及び前記前処理挟み部の位置を前後方向に調節し得る前処理前後調節部のうち一つ以上を含んでもよい。
【0006】
また、前記血液サンプル移送部は、前記血液サンプル前処理部によって採血管が着座される移送挟み部、及び前記移送挟み部に連結されて着座された採血管を移送させる移送ユニットを含んでもよい。
また、前記血液粘度測定部のチャネルは、前記血液粘度測定用キットが装着されるキット装着部材、前記血液粘度測定用キットが装着されたキット装着部材が内部に挿入され、血液粘度測定用キットに注入された血液サンプルの粘度を測定する粘度測定ユニット、及び前記キット装着部材を前記粘度測定ユニットに挿入または引出させるキット挿入ユニットを含んでもよい。
また、前記血液サンプル後処理部は、前記血液粘度測定用キットを挟持するか載置し得るキット挟み部、ピペットチップが装着されて移送された採血管の血液サンプルを吸引し、装着された血液粘度測定用キットに注入するピペット部、及び前記キット挟み部とピペット部の位置を調節する後処理位置調節部を含んでもよい。
また、前記後処理位置調節部は、前記キット挟み部とピペット部の位置を上下方向に調節し得る後処理上下調節部、前記キット挟み部とピペット部の位置を左右方向に調節し得る後処理左右調節部、及び前記キット挟み部とピペット部の位置を前後方向に調節し得る後処理前後調節部のうち一つ以上を含んでもよい。
【0007】
また、前記後処理上下調節部は、前記キット挟み部に連結されて、前記キット挟み部の位置を上下方向に調節し得るキット上下調節部、及び前記キット上下調節部と前記ピペット部に連結されて、前記キット挟み部とピペット部の位置を上下方向に調節する統合上下調節部を含んでもよい。
また、前記血液サンプル前処理部、血液サンプル移送部、血液粘度測定部及び血液サンプル後処理部の作動を制御する制御部、及び前記血液粘度測定部から測定された粘度測定結果をモニタリングできるようにするモニタ部をさらに含んでもよい。
また、一つ以上の採血管を装着し得る血液サンプル装着部をさらに含んでもよい。
また、使用前の血液粘度測定用キットを保管する血液粘度測定用カートリッジをさらに含んでもよい。
また、使用前のピペットチップを保管するピペットチップ保管部をさらに含んでもよい。
また、前記血液粘度測定部で血液サンプルの粘度測定が完了した血液粘度測定用キットを収容する廃処理部をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の多チャネル血液粘度測定装置は、機器の操作者が別途操作せずとも自動で採血管に収容された血液サンプルの粘度を測定し、血液粘度測定後に廃キットを処理することができるため、大量に血液サンプルを測定しようとする際に効率的である。
また、血液サンプルの粘度測定が一律に行われて各血液サンプルの粘度測定の正確度を向上することができる。
さらに一つ以上の血液サンプルに対する粘度測定を同時に行うことができるため、作業時間をさらに短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の多チャネル血液粘度測定装置を図示した斜視図である。
図2】本発明の多チャネル血液粘度測定装置を一部除いて図示した斜視図である。
図3図2の血液サンプル前処理部を図示した斜視図である。
図4図3の前処理挟み部を拡大して図示した拡大斜視図である。
図5】(a)及び(b)は本発明の多チャネル血液粘度測定装置の前処理挟み部が採血管をスキャンさせて揺振するために作動する態様を示した作動例示図である。
図6図3の前処理上下調節部を拡大して図示した側面図である。
図7図2の血液サンプル移送部を図示した回転斜視図である。
図8】(a)及び(b)は本発明の多チャネル血液粘度測定装置の血液サンプル移送部に採血管が着座されて移送される過程を示した例示図である。
図9図2の血液粘度測定部を図示した回転斜視図である。
図10】(a)及び(b)は本発明の多チャネル血液粘度測定装置の血液粘度測定部に血液粘度測定用キットが装着されて作動する態様を示した作動例示図である。
図11図2の血液サンプル後処理部を図示した斜視図である。
図12図11の後処理上下調節部を拡大して図示した側面図である。
図13】(a)ないし(c)は本発明の多チャネル血液粘度測定装置の後処理上下調節部の作動態様を示した作動例示図である。
図14】本発明の多チャネル血液粘度測定装置の血液粘度測定用キットを図示した投映斜視図である。
図15図14の血液粘度測定用キットを分離して図示した分離斜視図である。
図16】(a)及び(b)は図15のキット本体に形成された微小チャネルを図示した底面斜視図及び底面図である。
図17図15の微小チャネルカバーを図示した斜視図である。
図18図14の血液粘度測定用キットを図示した正断面図である。
図19】(a)及び(b)は図15の注入カバーを図示した斜視図及び断面図である。
図20】(a)ないし(d)は図19の注入カバーの血液注入孔が他の形態で形成された態様を示した例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の多チャネル血液粘度測定装置は、採血管をスキャンさせて揺振した後、採血管カバーを分離させる血液サンプル前処理部、前記血液サンプル前処理部によって着座された採血管を移動させる血液サンプル移送部、血液粘度測定用キットが装着されて注入された血液サンプルの粘度を測定する一つ以上のチャネルを含む血液粘度測定部、及び前記血液粘度測定部に前記血液粘度測定用キットを装着させ、前記血液サンプル移送部によって移送された採血管の血液サンプルを吸引して装着された血液粘度測定用キットに注入する血液サンプル後処理部を含む多チャネル血液粘度測定装置を提供することができる。
【0011】
以下、図面を参照した本発明の説明は、特定の実施形態に対して限定されず、多様な変換を加えてもよく、いくつか実施例を有してもよい。また、以下で説明する内容は、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変換、均等物ないし代替物を含むことを理解されたい。
以下の説明で第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに用いられる用語であって、それ自体に意味が限定されず、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられる。
本明細書全体にかけて用いられる同一の参照番号は、同一の構成要素を示す。
本発明で用いられる単数の表現は、文脈上明白に異なる意味を有しない限り複数の表現を含む。
また、以下で記載される「含む」、「備える」または「有する」などの用語は、明細書上に記載され特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定するものとして解釈されなければならず、一つまたはそれ以上の異なる特徴や、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせなどの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないことを理解されたい。
【0012】
以下、本発明について図1ないし図20を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の多チャネル血液粘度測定装置を図示した斜視図であり、図2は多チャネル血液粘度測定装置を一部除いて図示した斜視図であり、図3図2の血液サンプル前処理部を図示した斜視図であり、図4図3の前処理挟み部を拡大して図示した拡大斜視図であり、図5の(a)及び(b)は本発明の多チャネル血液粘度測定装置の前処理挟み部が採血管をスキャンさせて揺振するために作動する態様を示した作動例示図であり、図6図3の前処理上下調節部を拡大して図示した側面図であり、図7図2の血液サンプル移送部を図示した回転斜視図であり、図8の(a)及び(b)は本発明の多チャネル血液粘度測定装置の血液サンプル移送部に採血管が着座されて移送される過程を示した例示図であり、図9図2の血液粘度測定部を図示した回転斜視図であり、図10の(a)及び(b)は本発明の多チャネル血液粘度測定装置の血液粘度測定部に血液粘度測定用キットが装着されて作動する態様を示した作動例示図であり、図11図2の血液サンプル後処理部を図示した斜視図であり、図12図11の後処理上下調節部を拡大して図示した側面図であり、図13の(a)ないし(c)は本発明の多チャネル血液粘度測定装置の後処理上下調節部の作動態様を示した作動例示図である。
【0013】
本発明は、血液サンプルの粘度を測定する血液粘度測定部7のチャネルが多チャネルから形成されており、機器の操作者が別途操作せずに自動で採血管に収容された血液サンプルの粘度が測定されるようにすることで、血液サンプルの粘度測定が一律に行われて大量に血液サンプルの粘度を測定しようとする際に時間を短縮させることができる多チャネル血液粘度測定装置を提供しようとする。
図1及び図2に示すとおり多チャネル血液粘度測定装置は、ハウジング1、血液サンプル装着部2、血液粘度測定用カートリッジ3、ピペットチップ保管部4、血液サンプル前処理部5、血液サンプル移送部6、血液粘度測定部7、血液サンプル後処理部8、廃処理部9、制御部(未図示)及びモニタ部10を含んでもよい。
ハウジング1は、多チャネル血液粘度測定装置の構成が設置されてもよく、設置された構成を覆ってもよく、支持ハウジングとカバーハウジングを含んでもよい。
支持ハウジングの上面に多チャネル血液粘度測定装置の血液サンプル装着部2、血液粘度測定用カートリッジ3、ピペットチップ保管部4、血液サンプル前処理部5、血液サンプル移送部6、血液粘度測定部7、血液サンプル後処理部8などが設置され、カバーハウジングによって覆われてもよいが、これに限定されない。
【0014】
また、カバーハウジングには、ドアが形成されており、使用者が一つ以上の採血管Bを血液サンプル装着部2に装着させるか引抜くなど、必要時にハウジング1の内部を開放してもよい。
血液サンプル装着部2は、採血管Bを立てて挿すことができるように、試験管台形状から形成されてもよい。この時、多数の採血管装着孔を含んで多数の採血管Bを装着させてもよい。このような血液サンプル装着部2は、支持ハウジングの上面において正面側の一側に形成されてもよいが、これに限定されない。
血液粘度測定用カートリッジ3は、使用前の血液粘度測定用キット30を保管してもよく、一つ以上の血液粘度測定用キット30を保管することができるように形成されることが好ましく、上面は開放されて血液サンプル後処理部8が血液粘度測定用キット30を容易に挟持してもよいが、これに限定されない。このような血液粘度測定用カートリッジ3は、支持ハウジングの上面において正面側中心側に形成されてもよいが、これに限定されない。
ピペットチップ保管部4は、使用前のピペットチップを保管してもよく、ピペットチップを挿すことができる多数のピペットチップ孔を含み、一つ以上のピペットチップを保管してもよい。このようなピペットチップ保管部4は、支持ハウジングの上面において正面側の他側に形成されてもよいが、これに限定されない。
【0015】
血液サンプル前処理部5は、血液サンプル装着部2に装着された一つ以上の採血管Bを感知し、採血管Bを持ち上げて採血管Bをスキャンさせて揺振した後、血液サンプル移送部6に採血管Bを着座させ、採血管カバーを分離させてもよい。
このような血液サンプル前処理部5は、支持ハウジングの上面において一側に形成されてもよいが、これに限定されない。
図3に示すとおり、血液サンプル前処理部5は、採血管感知部50、血液サンプルリーダ部51、前処理挟み部52及び前処理位置調節部53を含んでもよい。
採血管感知部50は、前処理挟み部52の一側に設置されて血液サンプル装着部2に装着された一つ以上の採血管Bを感知することで、採血管Bの位置及び個数情報である採血管装着情報を得てもよい。
より具体的には、採血管感知部50は、レーザスキャニングまたはイメージ撮影を通じて血液サンプル装着部2に装着された一つ以上の採血管Bを撮影してイメージを確保し、イメージを分析して採血管Bの位置及び個数情報である採血管装着情報を得てもよい。
これを通じて血液サンプル前処理部5が採血管装着情報によって自動で採血管Bを持ち上げたり置くことができ、すべての採血管Bの血液サンプルに対する粘度測定が行われるようにすることができる。
【0016】
血液サンプルリーダ部51は、採血管Bをスキャンして血液サンプル情報を獲得してもよいが、採血管Bに付着しているバーコードをスキャンすることで、該当採血管Bに収容されている血液サンプルに対する血液サンプル情報を得てもよい。
これによって、粘度が測定されている血液サンプルが何かを確認することができ、測定された粘度測定結果が自動で該当血液サンプル情報の結果として保存されることができる。
また、血液サンプルリーダ部51は、獲得された血液サンプル情報をモニタ部10に送信して使用者が確認してもよい。
前処理挟み部52は、血液サンプル装着部2に装着された採血管Bを挟持して回転させてもよく、前処理位置調節部53によって位置が調節されることによって採血管Bで採血管カバーが分離されてもよい。
また、前処理挟み部52は、前処理位置調節部53によって位置が調節されることよって血液サンプルが吸入され、血液サンプル移送部6によって移送された採血管Bに採血管カバーを挿入させ、再び血液サンプル装着部2に装着させてもよい。この時、装着される位置は、該当採血管Bが装着されていた位置でもよい。
【0017】
図4及び図5に示すとおり、前処理挟み部52は、前処理挟み520、第1回転部521及び第2回転部522を含んでもよい。
前処理挟み520は、対称的な一対で形成され、採血管Bを挟持するか載置する。この時、前処理挟み520は、把持溝5200及び係止部5201を含んでもよい。
把持溝5200は、前処理挟み520下端内面に形成されて採血管B上部が収容されてもよいが、上部に位置する採血管カバーが収容されてもよい。よって、採血管Bのカバー形状に対応されるように形成されることが好ましいが、これに限定されない。
係止部5201は、把持溝5200下端に形成されて採血管カバーが係止されてもよい。
よって、血液サンプル移送部6に採血管Bが着座されて固定され、前処理挟み520が採血管Bの採血管カバーを挟持している状態で前処理挟み部52が上側に移動することによって採血管Bから採血管カバーが分離されることができる。
【0018】
第1回転部521は、前処理挟み520をz軸回転させてもよい。このような第1回転部521は、前処理挟み520上側に連結されてz軸を基準に360゜回転が可能に形成されてもよい。
よって、図5の(a)に図示したように、前処理挟み520で挟持した採血管Bをz軸を基準に360゜回転させて血液サンプルリーダ部51にスキャンさせることで、採血管Bのバーコードが容易にスキャンさせることができる。
第2回転部522は、図5の(b)に図示したように、前処理挟み520をy軸回転させてもよいが、これに限定されず、x軸回転させてもよい。
このような第2回転部522は、第1回転部521上側に連結されてy軸を基準に前処理挟み520を回転させてもよい。
血液サンプルは、赤血球が時間が経つことによって沈殿するおそれがあるが、その状態で血液粘度を測定する場合、測定正確度が低下する問題が発生することがある。
よって、第2回転部522を通じて採血管Bを揺振して血液サンプルの血漿と血球を混ぜることで、血液粘度測定の正確度を向上させることができる。
このように前処理挟み520上側に第1回転部521が連結され、第1回転部521上側に第2回転部522が連結される構造で形成されてもよいが、これに限定されず、第2回転部522が前処理挟み520上側に連結された後、第1回転部521が第2回転部522上側に連結されるなど構造が多様に変更されてもよい。
【0019】
前処理位置調節部53は、支持ハウジング1に設置され、前処理挟み部52に連結されて前処理挟み部52の位置を調節してもよい。
このために、前処理位置調節部53は、前処理上下調節部530、前処理左右調節部531及び前処理前後調節部532のうち一つ以上を含んでもよい。この時、すべて含んで上下、左右、前後方向に対する位置をそれぞれ調節し、前処理挟み部52の位置を調整することが好ましいが、これに限定されない。
前処理上下調節部530は、前処理挟み部52の位置を上下方向に調節してもよく、前処理挟み部52に連結されて、前処理挟み部52を上下方向に移動させてもよい。
図6に示すとおり、前処理上下調節部530は、第1上下連結部材5300及び第1上下調節ユニット5301を含んでもよい。
第1上下連結部材5300は、L字状に形成されて前処理挟み部52の後側に連結されてもよいが、形状はこれに限定されず、多様な形状で形成されてもよい。
また、第1上下連結部材5300は、第1上下調節ユニット5301が連結されて上下移動することで、前処理挟み部52が上下移動されるようにしてもよい。この時、第1上下調節ユニット5301が下端後側に連結されることが好ましいが、これに限定されない。
第1上下調節ユニット5301は、第1上下連結部材5300に連結されて、第1上下連結部材5300を上下移動させてもよい。
【0020】
このために、第1上下調節ユニット5301は、地面に垂直に設置されるシリンダからなってもよいが、これに限定されず、前処理挟み部52を上下移動させることができる多様なアクチュエータ、装置が適用されてもよい。
前処理左右調節部531は、前処理挟み部52の位置を左右方向に調節してもよく、前処理上下調節部530に連結されて左右方向に移動させることで、前処理挟み部52が左右移動されるようにしてもよい。
このために、前処理左右調節部531は、第1左右連結部材5310及び第1左右調節ユニット5311を含んでもよい。
第1左右連結部材5310は、前処理上下調節部530の後側に連結されてもよく、より具体的には、第1上下調節ユニット5301の後側に連結されてもよい。
しかし、これに限定されず、第1左右連結部材5310なく第1上下調節ユニット5301と第1左右調節ユニット5311が直接連結されてもよい。
第1左右調節ユニット5311は、第1左右連結部材5310の後側に連結されて、第1左右連結部材5310を左右移動させることで、前処理挟み部52を左右移動させてもよい。
このような第1左右調節ユニット5311は、左右方向に長さを有するように設置されたリニアアクチュエータからなってもよいが、これに限定されず、多様な形態のアクチュエータ、レールなどの多様な装置が適用されてもよい。
前処理前後調節部532は、前処理挟み部52の位置を前後方向に調節してもよく、前処理左右調節部531に連結されて前後方向に移動させることで、前処理挟み部52が前後移動されるようにしてもよい。
このために、前処理前後調節部532は、第1前後連結部材5320及び第1前後調節ユニット5321を含んでもよい。
【0021】
第1前後連結部材5320は、前処理左右調節部531の一側に連結されてもよく、より具体的には、第1左右調節ユニット5311の一側に連結されてもよい。しかし、これに限定されず、第1前後連結部材5320なく第1左右調節ユニット5311と第1前後調節ユニット5321が直接連結されるなど多様な形態で連結されてもよい。
第1前後調節ユニット5321は、支持ハウジングに設置され、第1前後連結部材5320の下側に連結されて、第1前後連結部材5320を前後移動させることで、前処理挟み部52を前後移動させてもよい。
このような第1前後調節ユニット5321は、前後方向に長さを有するように設置されたリニアアクチュエータからなってもよいが、これに限定されず、多様な形態のアクチュエータ、レールなどの多様な装置が適用されてもよい。
上記で説明したように、前処理挟み部52に前処理上下調節部530、前処理左右調節部531及び前処理前後調節部532が連結されて上下、左右、前後方向に対する位置が調節されてもよいが、これに限定されず、連結される順序は多様に変更されてもよい。
【0022】
このような血液サンプル前処理部5の作動について、順次さらに詳細に説明する。
まず、採血管感知部50が血液サンプル装着部2に設置された採血管Bを感知して採血管装着情報を獲得する。獲得された採血管装着情報によって前処理位置調節部53が前処理挟み部52の位置を調節し、前処理挟み部52は、採血管Bを挟持してもよい。
次いで、前処理挟み部52が前処理位置調節部53によって移動して血液サンプルリーダ部51に採血管Bをスキャンさせる。この時、前処理挟み部52は、第1回転部521が作動して採血管Bを回転させてスキャンさせてもよい。
次いで、前処理挟み部52の第2回転部522が作動して採血管Bを揺振してもよい。
次いで、前処理挟み部52が前処理位置調節部53によって移動して血液サンプル移送部6に採血管Bを着座させ、血液サンプル移送部6に採血管Bが固定されると、前処理位置調節部53によって前処理挟み部52が上昇して採血管Bから採血管カバーを分離させてもよい。
次いで、血液サンプル移送部6を通じて血液サンプルが吸入された採血管Bが移送されると、前処理挟み部52が前処理位置調節部53によって下降して採血管Bに採血管カバーを挿入させてもよい。採血管カバーが挿入されると、移送挟み部60による採血管Bの固定が解除されてもよい。
次いで、前処理挟み部52が前処理位置調節部53によって移動して採血管Bを血液サンプル装着部2の元の位置に再装着させてもよい。
血液サンプル前処理部5は、上記のような過程を繰り返して、多数の血液サンプルに対する粘度測定が行われるようにしてもよい。
【0023】
図7及び図8に示すとおり、血液サンプル移送部6は、血液サンプル前処理部5によって着座された採血管Bを左右方向に移動させ、移送挟み部60及び移送ユニット61を含んでもよい。
移送挟み部60は、血液サンプル前処理部5によって採血管Bが着座されてもよく、着座された採血管Bを固定させてもよい。このために、移送挟み部60は、着座部材600及び移送挟み601を含んでもよい。
着座部材600は、採血管Bが着座され得る管着座溝が形成されてもよい。
移送挟み601は、着座部材600の一側に設置され、管着座溝に着座された採血管Bを固定させてもよい。また、移送挟み601は、移送挟み部60が他側から一側に移動すると広がって採血管Bの固定を解除してもよい。
このような移送挟み部60は、移送ユニット61が連結されて移送ユニット61によって左右方向(両側方向)に移動してもよい。
【0024】
移送ユニット61は、移送挟み部60に連結されて着座された採血管Bを移送させてもよいが、具体的に、移送挟み部60に採血管Bが着座されて採血管カバーが分離されると、一側から他側に移送挟み部60を移送させて、採血管Bの血液サンプルが吸入されると、他側から一側に移送挟み部60を移送させてもよい。上記のような過程を自動で繰り返して行ってよい。
このような移送ユニット61は、左右方向に長さを有するように設置されたリニアアクチュエータからなってもよいが、これに限定されず、多様な形態のアクチュエータ、レールなどの多様な装置が適用されてもよい。
このような血液サンプル移送部6は、支持ハウジングの上面において血液サンプル前処理部5と血液サンプル後処理部8との間に形成されてもよいが、これに限定されない。
図9に示すとおり、血液粘度測定部7は、血液粘度測定用キット30を利用して血液サンプルの粘度を測定し、一つ以上のチャネル70から形成されてもよい。多数のチャネル70から形成されて同時に多数の血液サンプルに対する粘度を測定させることが好ましい。図9に血液粘度測定部7が8チャネルであることが図示されているが、これに限定されない。
チャネル70は、血液粘度測定用キット30が装着されて注入された血液サンプルの粘度を測定してもよい。
このようなチャネル70は、キット装着部材700、キットガイド部材701、粘度測定ユニット702及びキット挿入ユニット703を含んでもよい。
【0025】
キット装着部材700は、血液粘度測定用キット30が装着されてもよく、キット挿入ユニット703によってキットガイド部材701に沿って移動して粘度測定ユニット702内部に挿入されてもよい。血液粘度測定用キット30が装着された状態でキット装着部材700が粘度測定ユニット702に挿入されると、血液サンプル後処理部8から血液粘度測定用キット30に血液サンプルが注入されることができる。
また、キット装着部材700は、血液粘度測定用キット30が装着されるようにキット装着溝を含み、他側にキット挿入ユニット703が連結されてもよい。
キットガイド部材701は、キット装着部材700が設置されて移動することができるガイドを含んでもよい。また、ガイドに沿って移動したキット装着部材700が粘度測定ユニット702に挿入されるように、一側に粘度測定ユニット702が連結されるように設置されてもよい。
粘度測定ユニット702は、キットガイド部材701の一側に連結されるように設置されて血液粘度測定用キット30が装着されたキット装着部材700が内部に挿入され、血液粘度測定用キット30に注入された血液サンプルの粘度を測定してもよい。
また、粘度測定ユニット702は、粘度測定ハウジング及び光学センサ(未図示)を含んでもよい。
【0026】
粘度測定ハウジングは、ボックス形状で形成されてもよく、血液粘度測定用キット30が挿入または引出されることができるように他側面が開放されてもよいが、これに限定されない。
また、粘度測定ハウジングは、内部に血液粘度測定用キット30が挿入された状態で血液サンプルの注入が可能に上面の他側一部分が開放されるように形成されてもよいが、これに限定されない。
光学センサは、血液粘度測定用キット30に注入された血液サンプルの高さが時間によって変化することを測定し、血液サンプルの粘度を測定してもよい。このように測定された粘度測定結果をモニタ部10に送信してもよい。
【0027】
図10に示すとおり、キット挿入ユニット703は、キット装着部材700の他側に連結されて、キット装着部材700に血液粘度測定用キット30が挿入されると、粘度測定ユニット702に挿入させてもよい。
また、キット挿入ユニット703は、粘度測定ユニット702の粘度測定が完了すると、キット装着部材700を粘度測定ユニット702から引出させて血液粘度測定用キット30を処理してもよい。
このために、キット挿入ユニット703は、シリンダからなりキット装着部材に水平に設置され、引出または引込作動によってキット装着部材700を粘度測定ユニット702に挿入または引出させてもよいが、これに限定されず、移動させることができる多様なアクチュエータ、装置(レール、ベルトなど)などが適用されてもよい。
血液サンプル後処理部8は、血液粘度測定部7に血液粘度測定用キット30を装着させ、ピペットチップを装着して血液サンプル移送部6によって移送された採血管Bの血液サンプルを吸引し、装着された血液粘度測定用キット30に注入してもよい。また、使用されたピペットチップと血液粘度測定用キット30をそれぞれ廃処理部9で処理してもよい。
【0028】
図11に示すとおり、血液サンプル後処理部8は、キット挟み部80、ピペット部81及び後処理位置調節部82を含んでもよい。
キット挟み部80は、後処理位置調節部82によって位置が調節されて、血液粘度測定用キット30を挟持するか載置してもよい。
ピペット部81は、ピペットチップが装着されて移送された採血管Bの血液サンプルを吸引し、装着された血液粘度測定用キット30に注入してもよい。後処理位置調節部82によって位置が調節されてピペットチップ保管部4にあるピペットチップが装着されてもよく、血液サンプルを吸引して注入してもよい。また、使用したピペットチップを廃処理部9で処理してもよい。
後処理位置調節部82は、支持ハウジングに設置され、キット挟み部80とピペット部81に連結されて、キット挟み部80とピペット部81の位置を調節してもよい。
このために、後処理位置調節部82は、後処理上下調節部820、後処理左右調節部821及び後処理前後調節部822のうち一つ以上を含んでもよい。この時、すべて含んで上下、左右、前後方向に対する位置をそれぞれ調節し、キット挟み部80とピペット部81の位置を調整することが好ましいが、これに限定されない。
後処理上下調節部820は、キット挟み部80とピペット部81の位置を上下方向に調節してもよい。
この時、長さに差があるキット挟み部80とピペット部81を上下方向に対する位置を同一に調節する場合、衝突が発生する場合があるため、キット挟み部80とピペット部81の上下方向に対する位置は分離されて調節されることが好ましい。
よって、後処理上下調節部820は、キット上下調節部8200及び統合上下調節部8201を含んでもよい。
キット上下調節部8200は、キット挟み部80に連結されてキット挟み部80を上下方向に移動させてもよい。
【0029】
図12及び図13に示すとおり、キット上下調節部8200は、キット上下連結部材8200a及びキット上下調節ユニット8200bを含んでもよい。
キット上下連結部材8200aは、L字状に形成されてキット挟み部80の上側に連結されてもよいが、形状はこれに限定されず、多様な形状で形成されてもよい。
また、キット上下連結部材8200aは、キット上下調節ユニット8200bが連結されて上下移動することで、キット挟み部80が上下移動されるようにしてもよい。この時、キット上下調節ユニット8200bが下端後側に連結されることが好ましいが、これに限定されない。
キット上下調節ユニット8200bは、キット上下連結部材8200aに連結されて、キット上下連結部材8200aを上下移動させてもよい。
このために、キット上下調節ユニット8200bは、地面に垂直に設置されるシリンダからなってもよいが、これに限定されず、キット挟み部80を上下移動させることができる多様なアクチュエータ、装置が適用されてもよい。
統合上下調節部8201は、統合上下連結部材8201a及び統合上下調節ユニット8201bを含んでもよい。
統合上下連結部材8201aは、L字状に形成されてキット上下調節部8200の後側とピペット部81に連結されてもよいが、形状はこれに限定されず、多様な形状で形成されてもよい。
また、統合上下連結部材8201aは、統合上下調節ユニット8201bが連結されて上下移動することで、キット挟み部80とピペット部81をともに上下移動されるようにしてもよい。
この時、統合上下調節ユニット8201bが下端後側に連結されることが好ましいが、これに限定されない。
【0030】
統合上下調節ユニット8201bは、統合上下連結部材8201aに連結されて上下移動させてもよい。
このために、統合上下調節ユニット8201bは、地面に垂直に設置されるシリンダからなってもよいが、これに限定されず、キット挟み部80及びピペット部81を上下移動させることができる多様なアクチュエータ、装置が適用されてもよい。
また、統合上下調節ユニット8201bは、後側に後処理左右調節部821が連結されてもよいが、これに限定されない。
後処理左右調節部821は、キット挟み部80とピペット部81の位置を左右方向に調節してもよく、後処理上下調節部820に連結されて左右方向に移動させることで、キット挟み部80とピペット部81が左右移動されるようにしてもよい。
このために、後処理左右調節部821は、第2左右連結部材8210及び第2左右調節ユニット8211を含んでもよい。
第2左右連結部材8210は、後処理上下調節部820の後側に連結されてもよく、より具体的には、統合上下調節ユニット8201bの後側に連結されてもよい。しかし、これに限定されず、第2左右連結部材8210なく統合上下調節ユニット8201bと第2左右調節ユニット8211が直接連結されるなど多様な位置に連結されることもできる。
第2左右調節ユニット8211は、第2左右連結部材8210の後側に連結されて、左右移動させ、キット挟み部80とピペット部81を左右移動させてもよい。
このような第2左右調節ユニット8211は、第1左右調節ユニット5311と同一にリニアアクチュエータからなってもよいが、これに限定されない。
【0031】
後処理前後調節部822は、キット挟み部80とピペット部81の位置を前後方向に調節してもよく、後処理左右調節部821に連結されて前後方向に移動させることで、キット挟み部80とピペット部81が前後移動されるようにしてもよい。
このために、後処理前後調節部822は、第2前後連結部材8220及び第2前後調節ユニット8221を含んでもよい。このような後処理前後調節部822は、前処理前後調節部532と設置される位置及び方向、そして連結される構成が異なるだけで、実質的に同一の装置であってもよい。
第2前後連結部材8220は、後処理左右調節部821の一側に連結されてもよい。
第2前後調節ユニット8221は、支持ハウジングに設置され、第2前後連結部材8220の下側に連結されて前後移動させて、キット挟み部80とピペット部81を前後移動させてもよい。
この時、第2前後調節ユニット8221は、第1前後調節ユニット5321とともにリニアアクチュエータからなってもよいが、これに限定されない。
後処理位置調節部82もまたキット挟み部80とピペット部81に後処理上下調節部820、後処理左右調節部821及び後処理前後調節部822が連結されて上下、左右、前後方向に対する位置が調節されてもよいが、連結される順序は多様に変更されてもよい。
【0032】
このような血液サンプル後処理部8の作動について、順次さらに詳細に説明する。
まず、後処理位置調節部82によってキット挟み部80とピペット部81の位置が調節され、キット挟み部80がキット上下調節部8200によって下側に移動して血液粘度測定用キット30を挟持してもよい。挟持した後に後処理位置調節部82によって移動して血液粘度測定部7に血液粘度測定用キット30を装着させてもよい。
次いで、後処理位置調節部82によってキット挟み部80とピペット部81が移動してピペット部81にピペットチップを装着してもよい。
次いで、後処理位置調節部82によってキット挟み部80とピペット部81が移動して血液サンプル移送部6によって他側に移送された採血管Bの血液サンプルをピペット部81が吸引し、後処理位置調節部82によって移動して血液粘度測定部7に装着された血液粘度測定用キット30に血液サンプルを注入してもよい。
次いで、後処理位置調節部82によって移動して使用したピペットチップを廃処理部9で処理してもよい。
血液サンプル後処理部8は、上記のような過程を繰り返して、多数の血液サンプルに対する粘度測定が行われるようにしてもよい。
追加で、血液サンプル後処理部8は、上記のような過程を繰り返す中で血液粘度測定部7で測定が完了した血液粘度測定用キット30を廃処理部9で処理してもよい。
【0033】
上記で説明した血液サンプル前処理部5、血液サンプル移送部6、血液サンプル後処理部8がそれぞれの動作を繰り返して行うことで、多数の血液サンプルに対する粘度測定が自動で一律に行うことができる。
廃処理部9は、支持ハウジングに形成されて使用された血液粘度測定用キット30とピペットチップを収容して後に処理可能にしてもよい。
制御部(未図示)は、血液サンプル前処理部5、血液サンプル移送部6、血液粘度測定部7など多チャネル血液粘度測定装置の作動を制御してもよい。
例えば、制御部は、採血管感知部50から受信された採血管装着情報によって血液サンプル前処理部5を作動させてもよく、採血管装着情報の個数情報によって多チャネル血液粘度測定装置の各構成の反復回数を決定して、それによって作動を制御してもよい。
また、制御部は、各構成から情報を受信してモニタ部1に送信してもよく、モニタ部10から制御設定情報を受信して、それによって各構成が作動を制御してもよい。
モニタ部10は、採血管感知部50から感知された採血管装着情報、血液サンプルリーダ部51から採血管Bをスキャンして得た血液サンプル情報、血液粘度測定部7のチャネル70から測定された粘度測定結果などを制御部から受信して、出力することで使用者がモニタリングしてもよい。
これ以外にも、モニタ部10は、各構成の作動情報、状態情報など多チャネル血液粘度測定装置の多様な情報を受信して提供することができる。
また、モニタ部10は、使用者から制御設定情報を受信して制御部を通じて各構成が制御させてもよい。
【0034】
上記のような本発明の多チャネル血液粘度測定装置で用いられる血液粘度測定用キット30についても図14ないし図20を利用して下記で詳細に説明する。
図14は本発明の多チャネル血液粘度測定装置の血液粘度測定用キットを図示した投映斜視図であり、図15図14の血液粘度測定用キットを分離して図示した分離斜視図であり、図16の(a)及び(b)は図15のキット本体に形成された微小チャネルを図示した底面斜視図及び底面図であり、図17図15の微小チャネルカバーを図示した斜視図であり、図18図14の血液粘度測定用キットを図示した正断面図であり、図19の(a)及び(b)は図15の注入カバーを図示した斜視図及び断面図であり、図20の(a)ないし(d)は図19の注入カバーの血液注入孔が他の形態で形成された態様を図示した例示図である。
図14及び図15に示すとおり、本発明の血液粘度測定用キット30は、キットボディ300、両側血液管301、微小チャネル302、微小チャネルカバー303及び注入カバー304を含んでもよい。
キットボディ300は、透明な材質で形成され、血液が流れるように両側血液管301及び微小チャネル302が形成されてもよい。このように内部が透明に見える構造からなり、血液が両側血液管301、微小チャネル302で移動する状況をリアルタイムで確認してもよい。
よって、血液粘度測定中にエラー認知が可能である。
【0035】
また、キットボディ300は、約幅60mm×高さ70mm以内に形成され、サイズが小型に形成されることが好ましい。これは血液粘度時に必要な血液の量を減少させることができ、血液注入時、人体と類似する環境を作るためにキットを36.5℃に予熱することが必要だが、予熱が早く行われるようにする。
また、キットボディ300は、微小チャネルカバー303が結合されて固定されるように第1結合溝3000及び第2結合溝3001を含んでもよい。
第1結合溝3000は、キットボディ300の底面に外周面に沿って形成され、第1結合突起3031aが挿入されてもよい。
第2結合溝3001は、第1結合溝3000に隣接して形成され、長手方向に沿って前側と後側にジグザグに多数個が形成され、第2結合突起3031bが挿入されてもよい。すなわち、第2結合溝3001は、第1屈曲部3020と第1屈曲部3020との間、第2屈曲部3021と第2屈曲部3021との間に位置するように形成されてもよい。
また、第2結合溝3001は、上面が外側から内側に下斜めに形成されてもよい。
【0036】
両側血液管301は、キットボディ300の両側に対称に形成されて、上側が開放されるように形成されて血液が注入されてもよい。ここで、両側血液管301は、正面からみるとキットボディ300の上面と垂直に長さを有するように形成されてもよいが、これに限定されず、キットボディ300の上端両側において中央に向かって下向きに斜めになるように形成されてもよい。
また、両側血液管301は、下面が開放されるように形成されて、微小チャネルカバー303によって開放された下側が密閉されてもよい。よって、両側血液管301に注入された血液が外部に抜けず微小チャネル302に流れることができる。
また、両側血液管301は、上端に注入カバー304が挿入されてもよいカバー挿入溝3010を含んでもよい。
カバー挿入溝3010は、両側血液管301の上端に両側血液管301の直径より大きく形成され、注入カバー304の大きさに対応するように形成されて、注入カバー304が挿入されてもよい。
そして、両側血液管301は、微小チャネル302によって下端部が連結されてもよい。
よって、一つの両側血液管301に血液が注入されると、微小チャネル302を通じてもう一つの両側血液管301に供給されてもよい。
微小チャネル302は、二つの両側血液管301の下側とそれぞれ連結され、二つの両側血液管301を連結させてもよい。
【0037】
このような微小チャネル302は、二つの両側血液管301を連結させ、血液が流動されるように左右方向に長さを有し、屈曲して形成されてもよい。
これは微小チャネル302が直線で形成される場合、好適な流動抵抗を生成することができない限界により、各両側血液管301における血液の高さが同一になる時、血液にflutuationが発生する場合があるため、微小チャネル302を屈曲して形成して、所望のサイズで流動抵抗を自由に形成し、よってflutuationが発生しないようにするためである。
具体的に、微小チャネル302は、図16のように、前方に屈曲するように形成された第1屈曲部3020及び後方に屈曲するように形成された第2屈曲部3021を含み、第1屈曲部3020と第2屈曲部3021が左右方向に交互して波形形状で形成されてもよい。
この時、第1屈曲部3020及び第2屈曲部3021は、対称的な形状で形成されることが好ましく、U字状、半円状、コ字状、V字状など多様な形状で屈曲するように形成されてもよい。
このように微小チャネル302が形成されることで、流動のflutuationを最小化し、微小チャネル302の流動抵抗を容易に調節して各両側血液管301における血液の高さが同一になる時、所望の流速で血液の高さが合わせられように調節してもよい。
【0038】
一方、粘度を測定する血液の量が少ない時は、流動抵抗を低くして流動速度を増加させ、反対に血液の量が多い時は、流動抵抗を高くして流動速度を減少させて常に一定の流動速度を維持させると一定の血液粘度測定が可能であるため、微小チャネル302の流動抵抗に対する調節は非常に重要だと言える。
従来は流動速度を調節するためにチャネルのサイズを小さくしたり、チャネル内部の粗さをさらに粗くして、流動抵抗を調節する方法を利用したが、このような方法では所望の大きさで流動抵抗を調節することに限界があった。
しかし、上記のような構造によって微小チャネル302が形成されることで、第1屈曲部及び第2屈曲部の総個数、第1屈曲部及び第2屈曲部の幅(W)、微小チャネルの間隔(L)のうち一つ以上を調節して所望の微小チャネル302の流動抵抗に合わせて容易に調節してもよい。
例えば、第1屈曲部及び第2屈曲部の総個数を増やし流動抵抗を増加させるか、第1屈曲部及び第2屈曲部の総個数を減らして流動抵抗を減少させて、流動速度を遅くしたり速く調節してもよい。
また、微小チャネル302の大きさ(D)は、最小0.8mm以上からなってもよい。これは血液は水のような血漿成分に赤血球、白血球、血小板などが混ざっており、0.8mm未満に形成される場合、赤血球、白血球、血小板などが微小チャネル302の中央のみに集まるようになり、細胞による摩擦抵抗が無視されて正確な血液粘度を測定することができないからである。
【0039】
このような微小チャネル302は、キットボディ300の底面に形成され、下面が開放されるように形成されることが好ましい。この時、微小チャネル302の開放された下側は微小チャネルカバー303によって密閉されてもよい。
これは屈曲するように形成された微小チャネル302の製作を容易にさせ、微小チャネル302が微小チャネルカバー303の分離によって開放されるようにして使用後に洗浄及び消毒が容易にさせる。または廃棄処分時にも血液を容易に洗浄した後に捨てることができるため清潔である。
微小チャネルカバー303はキットボディ300の下部に装着され、微小チャネル302、両側血液管301の開放された下側を密閉してもよい。
このような微小チャネルカバー303は、図17のように、密閉突起3030及び結合突起3031を含んでもよい。
密閉突起3030は、微小チャネル302及び両側血液管301の形状に対応するように形成され、微小チャネル302及び両側血液管301下側に挿入されてもよい。
また、密閉突起3030は、高さが微小チャネル302の深さより短く形成され、結合時、図18のように、離間空間を有することで、両側血液管301に注入された血液が微小チャネル302に沿って流れさせる。
結合突起3031は、キットボディ300の第1結合溝3000及び第2結合溝3001に挿入されて結合されてもよい。
【0040】
具体的に、結合突起3031は、第1結合突起3031a及び第2結合突起3031bを含んでもよい。
第1結合突起3031aは、微小チャネルカバー303の上面に外周面に沿って上側に突出して形成されてもよい。よって、キットボディ300の第1結合溝3000に挿入され、キットボディ300と微小チャネルカバー303が結合されることができる。
第2結合突起3031bは、微小チャネルカバー303とキットボディ300との間の結合をさらに堅固にさせるため、第1結合突起3031aに隣接して形成され、長手方向に沿って前側と後側にジグザグに多数個が形成され、第2結合溝3001に挿入されてもよい。
また、第2結合突起3031bは上面が外側から内側に下向きに斜めになるように形成されてもよい。よって、第2結合溝3001に第2結合突起3031bが挿入されることによって結合力は向上しながら、分離時に微小チャネルカバー303が容易に分離することができる。
注入カバー304は、両側血液管301の上側に形成されたカバー挿入溝3010に挿入され、ピペット部81で両側血液管301に血液注入する場合、外部空気が血液とともに注入されないようにして血液に気泡が生じないようにしてもよい。よって、血液に生じた気泡によって血液の流動が邪魔されることを防ぐことができる。
このような注入カバー304は、血液注入孔3040及び摩擦突起3041を含んでもよい。
【0041】
図19に示すとおり、血液注入孔3040は、注入カバー304の上面から下面まで貫通するように形成されてもよく、上部注入孔3040a及び下部注入孔3040bを含んでもよい。
上部注入孔3040aは、注入カバー304の上部側に形成され、上端から下端に直径が漸次細くなるように形成され、上広下狭状に形成されてもよい。よって、ピペット部81で血液注入時、ピペット部81の傾斜した構造と上部注入孔3040aが正確に一致して、ピペット部81と上部注入孔3040aが密着した状態で血液が注入されることができ、外部空気が一緒に流入されることを防ぐことができる。
下部注入孔3040bは、注入カバー304下部側に形成され、下端から上端に直径が漸次に細くなるように形成され、上狭下広状に形成されてもよい。
【0042】
このような下部注入孔3040bは、上部注入孔3040aとすぐ連結されてもよいが、中間注入孔によって連結されてもよい。中間注入孔は、上端から下端まで直径が同一に形成され、下部注入孔3040bと上部注入孔3040aを連結させてもよいが、この場合、ピペット部81の傾斜構造の端部分まで密着させて外部空気の流入をさらに効果的に遮断することができる。
また、下部注入孔3040bは、上部注入孔3040aより下部注入孔3040bの直径の大きさがさらに大きく形成されてもよい。
下部注入孔3040bが上記のように形成され、ピペット部81を通じる血液注入時、万一外部空気が少しでも一緒に流入すると、その流入した空気が血液に沿って微小チャネル302に入らず、下部注入孔3040bにとどまるようになる。
よって、血液に気泡が生ずることを効果的に防ぐことができるようになる。
摩擦突起3041は、注入カバー304の外周面に沿って突出するように形成されて、注入カバー304がカバー挿入溝3010に挿入される際に摩擦によって固定がさらに堅固になり、外部空気が入らないように防ぐことができる。
【0043】
一方、注入カバー304の血液注入孔3040は、前記形状に限定されず、他の形状で形成されてもよい。これについても図20を例示として説明する。
図20の(a)のように、注入カバー304の血液注入孔3040は、上部注入孔3040aが上端から下端に直径が漸次に細くなるように形成された上広下狭状に形成され、傾斜が左右非対称である形状で形成されてもよい。すなわち、左側の傾斜が右側の傾斜よりさらに傾くように形成されてもよい。
下部注入孔3040bは、上部注入孔3040aの下端に連結されるように形成され、上端から下端まで直径が同一に形成されてもよい。
これによって、ピペット部81を通じて血液注入孔3040に血液が注入されると、両側血液管301の一方の壁面に沿って血液を流れさせることで、両側血液管301の内部で血液が飛ぶ現象を防ぎ、血液粘度測定の正確度が低下することを防ぐことができる。
図20の(b)のように、注入カバー304の血液注入孔3040は、上端から下端に直径が漸次に細くなるように形成される上広下狭状に形成されてもよい。
【0044】
この時、血液注入孔3040は、断面で傾斜が左右対称になるように形成されてもよいが、これに限定されず、傾斜が左右非対称である形状に形成されてもよい。この場合には、ピペット部81を通じて血液注入孔3040に血液が注入されると、両側血液管301の壁面に沿って血液が注入されてもよく、両側血液管301の内部で壁面との衝突によって血液が飛ぶ現象を最小化して粘度測定のエラーを減少させることができる。
図20の(c)のように、注入カバー304の血液注入孔3040は、下端から上端に直径が漸次に狭く形成される上狭下広状に形成されてもよい。
図20の(d)のように、注入カバー304の血液注入孔3040は、上端から下端まで直径が同一に形成されてもよい。この時、血液注入孔3040は、直径がピペット部81のピペットチップの最大直径より小さく形成されてもよい。よって、血液注入時、ピペットチップによって血液注入孔3040の上側が密閉され、外部空気の流入が遮断されることができる。
また、血液注入孔3040は、注入カバー304の中心に形成されたり、一側に形成されて血液注入孔3040の一方の壁面が両側血液管301の一方の壁面の位置と相応するように形成されてもよい。
このように血液注入孔3040が注入カバー304の一側に形成される場合、両側血液管301の壁面に沿って血液が注入されてもよく、両側血液管301の内部で血液が飛ぶ現象を最小化することができる。
【0045】
上記で説明したように、本発明の多チャネル血液粘度測定装置は、 機器の操作者が別途操作せずとも自動で採血管に収容された血液サンプルの粘度を測定し、血液粘度測定後に廃キットを処理することができるため、大量に血液サンプルを測定しようとする際に効率的である。
それだけでなく、血液サンプルの粘度測定が一律に行われて各血液サンプルの粘度測定の正確度を向上することができる。
また、一つ以上の血液サンプルに対する粘度測定を同時に行うことができるため、作業時間をさらに短縮することができる。
以上添付の図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明の技術的思想や必須な特徴を変更せず他の具体的な形態で実施することができることを理解することができる。したがって、以上で記述した実施例はあらゆる面で例示的なものであり、限定的ではないものである。
【符号の説明】
【0046】
1 ハウジング
2 血液サンプル装着部
3 血液粘度測定用カートリッジ
4 ピペットチップ保管部
5 血液サンプル前処理部
6 血液サンプル移送部
7 血液粘度測定部
8 血液サンプル後処理部
9 廃処理部
10 制御部及びモニタ部
30 血液粘度測定用キット
50 採血管感知部
51 血液サンプルリーダ部
52 前処理挟み部
53 前処理位置調節部
60 移送挟み部
61 移送ユニット
70 多数のチャネル
80 キット挟み部
81 ピペット部
82 後処理位置調節部
300 キットボディ
301 両側血液管
302 微小チャネル
303 微小チャネルカバー
304 注入カバー
520 前処理挟み
521 第1回転部
522 第2回転部
530 前処理上下調節部
531 前処理左右調節部
532 前処理前後調節部
600 着座部材
601 移送挟み
700 キット装着部材
701 粘度測定ユニット
703 キット挿入ユニット
820 後処理上下調節部
821 後処理左右調節部
822 後処理前後調節部
3000 第1結合溝
3001 第2結合溝
3010 カバー挿入溝
3020 第1屈曲部
3021 第2屈曲部
3030 密閉突起
3031 結合突起
3031a 第1結合突起
3031b 第2結合突起
3040 血液注入孔
3040a 上部注入孔
3040b 下部注入孔
3041 摩擦突起
5200 把持溝
5201 係止部
5300 第1上下連結部材
5301 第1上下調節ユニット
5310 第1左右連結部材
5311 第1左右調節ユニット
5320 第1前後連結部材
5321 第1前後調節ユニット
8200 キット上下調節部
8201 統合上下調節部
8200a キット上下連結部材
8200b キット上下調節ユニット
8200a キット上下連結部材
8201a 統合上下連結部材
8201b 統合上下調節ユニット
8210 第2左右連結部材
8211 第2左右調節ユニット
8220 第2前後連結部材
8221 第2前後調節ユニット
B 採血管
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図9
図10(a)】
図10(b)】
図11
図12
図13(a)】
図13(b)】
図13(c)】
図14
図15
図16(a)】
図16(b)】
図17
図18
図19(a)】
図19(b)】
図20(a)】
図20(b)】
図20(c)】
図20(d)】
【国際調査報告】