(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】車両座席の位置決定システム
(51)【国際特許分類】
B60N 2/90 20180101AFI20230906BHJP
B60N 2/04 20060101ALI20230906BHJP
B60N 2/22 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N2/04
B60N2/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509773
(86)(22)【出願日】2021-09-08
(85)【翻訳文提出日】2023-02-10
(86)【国際出願番号】 US2021049463
(87)【国際公開番号】W WO2022055996
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591076268
【氏名又は名称】シアーズ・マニュファクチュアリング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】SEARS MANUFACTURING COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】スヴィタク、テイラー
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンズ、エリック
(72)【発明者】
【氏名】ネア、ヴィクラム
(72)【発明者】
【氏名】リンバーグ、ジェフリー
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087AA02
3B087BA02
3B087BA07
3B087BA15
3B087DE08
3B087DE10
(57)【要約】
車両座席の位置を制御するためのシステムが開示される。このシステムは、ネットワーク通信において、入力デバイス、検出システム、少なくとも1つのコントローラ、および少なくとも1つの制御可能な装置を含む。検出システムは、座席のリクライニング、前後、またはスイベル位置のうちの少なくとも1つの現在値を測定する。入力装置は、これらの座席位置の少なくとも1つについての所望の値をコントローラに通信する。コントローラは、測定値を制限値および所望の値と比較し、移動係数値を計算する。移動係数値は、コントローラと制御可能な装置間の通信を決定する。移動係数値が、座席を所望の値に移動できる範囲に入る場合、コントローラは、リクライニング位置、前後位置、またはスイベル位置のうちの少なくとも1つの所望の値への調整を制御するように、少なくとも1つの制御可能デバイスに信号を送信する。しかし、移動係数値が座席を所望の値に移動できる範囲外にある場合、コントローラは、リクライニング位置、前後位置、またはスイベル位置のうちの少なくとも1つの調整を制限するように、少なくとも1つの制御可能デバイスに信号を送信する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両座席の位置調整を制御するシステムであって、
車両座席、入力装置、検出システム、少なくとも1つのコントローラ、および少なくとも1つの制御可能な装置を含み、これらは、すべてネットワーク通信で構築および構成され、
前記入力装置は、前記座席のリクライニング位置、前記座席の前後位置、または前記座席のスイベル位置のうちの少なくとも1つに対する所望の値を前記少なくとも1つのコントローラに通信し、
前記検出システムは、前記リクライニング位置、前記前後位置、または前記スイベル位置のうちの少なくとも1つの現在値を測定するとともに、前記測定値を前記少なくとも1つのコントローラに通信し、
前記少なくとも1つのコントローラは、前記測定値を制限値および前記所望の値と比較し、移動係数値を計算し、該移動係数値は、前記少なくとも1つのコントローラと前記制御可能な装置との間の通信を決定する、システム。
【請求項2】
コンソールおよびコンソール位置をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記移動係数値が、前記座席を前記所望の値に移動できる範囲に入る場合、前記コントローラは、前記リクライニング位置、前記前後位置、または前記スイベル位置のうちの少なくとも1つの前記所望の値への調整を制御するように、前記少なくとも1つの制御可能な装置に信号を送信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記移動係数値が、前記座席を前記所望の値に移動できる範囲外にある場合、前記コントローラは、前記リクライニング位置、前記前後位置、または前記スイベル位置のうちの少なくとも1つの調整を制限するように、前記少なくとも1つの制御可能な装置に信号を送信する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記移動係数値が、前記座席を前記所望の値に移動できる範囲外にある場合、前記コントローラは、前記リクライニング位置、前記前後位置、または前記スイベル位置のうちの少なくとも1つの調整を強制するように、前記少なくとも1つの制御可能な装置に信号を送信する、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの検出器が、センサである、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御可能な装置が、アクチュエータである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記入力装置が、前記座席の所望のリクライニング位置、前後位置、またはスイベル位置を記憶するように動作可能な前記コントローラ内のメモリである、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
座席の所望のリクライニング位置、前後位置、またはスイベル位置が、前記メモリに予めロードされている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記座席の前記所望のリクライニング位置、前後位置、またはスイベル位置が、オペレータによって設定される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記入力装置が、タッチスクリーンである、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記入力装置が、ノブである、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記検出器システムが2つの検出器を含み、一方の検出器は前記座席のリクライニング位置を測定し、他方の検出器は前記座席の前後位置を測定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
座席を調整する方法であって、
座席のリクライニング位置、座席の前後位置、または座席のスイベル位置のうちの少なくとも1つの所望の位置を入力するステップと、
現在のリクライニング位置、前後位置、またはスイベル位置のうちの少なくとも1つを決定するステップと、
前記所望の位置、前記現在位置、および制限値に基づいて移動値を計算するステップと、
前記移動値が所定の許容範囲外である場合に、前記リクライニング位置、前記前後位置、または前記スイベル位置のうちの少なくとも1つの位置を制限または強制するように、制御可能な装置を作動させるステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記制御可能な装置が、前記座席のリクライニング位置、前記前後位置、または前記スイベル位置のうちの少なくとも1つの移動を強制する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記制御可能な装置が、前記座席の前記リクライニング位置、前記前後位置、または前記スイベル位置のうちの少なくとも1つの移動を制限する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
車両座席の位置の調整を制御するための装置であって、
a)前記座席のリクライニング位置、前記座席の前後位置、または前記座席のスイベル位置のうちの少なくとも1つの所望の位置を通信する少なくとも1つの入力装置と、
b)前記リクライニング位置、前記前後位置、または前記スイベル位置のうちの少なくとも1つの現在位置の値を通信する検出器システムと、
c)前記入力装置および前記検出器システムに動作可能に接続された少なくとも1つのコントローラであって、前記入力装置および前記検出器システムから情報を受信および処理するように構成され、
i)移動係数を計算し;
ii)前記移動係数の値が前記所望の位置と異なる場合、制御可能な装置に自動的に指示する、コントローラと、
を備える、装置。
【請求項18】
前記制御可能な装置が、前記リクライニング位置、前記前後位置、または前記スイベル位置のうちの少なくとも1つの移動を強制するように指示される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記制御可能な装置が、前記リクライニング位置、前記前後位置、または前記スイベル位置のうちの少なくとも1つの移行を制限するように指示される、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年9月9日に出願された米国仮出願第63/076034号に対する優先権を主張し、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、車両用座席に関し、より具体的には、作業車両における車両座席の自動位置決めの改良に関する。
【背景技術】
【0003】
本開示は、一般に車両座席調整システムに関し、より具体的には、車両座席の別の位置に基づいて車両座席の1つの位置の調整を電子的に指示するシステムおよび方法に関する。
【0004】
そのサイズと構成のために、商用砂子(semis)、建設車両、農業用車両などの多くの大型車両には、狭い環境にあるオペレータ座席がある。座席は調整可能であるが、環境によっては、キャビンの壁やコンソールとの悪影響を避けるために、座席を適切な位置に調整するのが難しい場合がある。当技術分野で知られている座席は、座席をリクライニングさせたり、キャビンの壁に滑り込ませたりすることができるので、オペレータの快適さのために座席をさらに調整することを困難になっている。
【0005】
自動車座席のスライドおよびリクライニング位置はよく知られている。両方とも一般に機械的または電気的に制御できるが、既知の技術では、座席の前後位置はリクライニング位置とは無関係である。ただし、自動車は一般に、作業用車両と同じスペース制限に直面することはない。
【0006】
電子制御座席では、座席の別の位置に基づいて座席の1つの位置の可動域を制御する必要性は、特に閉鎖空間領域では解決されていない。このように、座席の様々な位置が車両キャビンの特定のサイズに確実に適合するようにするアクティブな自動座席位置調整システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
したがって、必要とされるのは、キャビン内の前後位置に基づいて完全にリクライニングまたは旋回する能力が制限された、およびその逆の、座席位置決めシステムである。これにより、特定の好みに基づいて座席をすばやく調整できるため、作業車両のオペレータにより良いエクスペリエンスを提供できる。
【0008】
本開示は、移動係数に基づいて調節可能な座席変数の範囲を制御する電子制御座席調節システムを対象とする。このシステムを実行するための方法も考えられる。他の態様は、詳細な説明および添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本明細書で開示される車両座席位置システムの構成要素のブロック図である。
【
図2】入力装置をボタンとして示す車両座席位置システムの例示的な座席である。
【
図3】車両座席位置システムのタッチスクリーン入力装置である。
【
図4】
図1に示される座席位置コントローラによって実施される、本開示による座席位置調整のための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の原理の理解を促進するために、図面に示され、以下の明細書に記載されている実施形態を参照する。それによって本開示の範囲を限定する意図はないことを理解されたい。本開示は、例示された実施形態に対する任意の変更および修正を含み、本開示が関係する当業者に通常想起されるように、本明細書に開示される原理のさらなる適用を含むことがさらに理解される。
【0011】
移動係数を決定し、他の座席位置に対して特定の座席位置を制限する電子制御車両座席位置決めシステムが開示される。このシステムは、個々の車両のさまざまなキャビンの制約を考慮し、さまざまなタイプの電動座席とキャビンサイズに適応させることができる。一実施形態では、車両座席位置決めシステムは、互いの通信内に、オペレータを支持するための座席(ここで、座席は、電気制御自動リクライニング、電気制御自動前後位置決め、電気制御自動スイベルのうちの少なくとも2つが可能である。)、コントローラ、および少なくとも1つの制御可能な装置、および座席リクライニング、座席前後位置、および/または座席スイベル位置の現在位置を決定するように構成された検出システムを含む。検出システムは、コントローラに信号を送信するように動作可能であり、コントローラは、アクチュエータなどの制御可能な装置に信号を送信して、移動係数に基づいて座席の前後、リクライニング、および/またはスイベル位置を調整するように動作可能である。
【0012】
図1に示されるような電子制御座席位置決めシステムの一態様では、1つまたは複数の検出器10、12、14が、座席の前後、リクライニング、および/またはスイベル位置に関する情報を提供する。特定の実施形態では、コンソール検出器15が考えられる。これらの検出器は、座席またはサスペンションに配置することができるが、当業者に理解されるように、検出器の位置は、座席またはコンソールの位置の前後、リクライニング、および/またはスイベル位置に関する情報を送信できる限り、重要ではない。検出器は、スイッチ、センサ、またはモータであり得る。
【0013】
検出器10、12、14は、抵抗の変化または磁場の変化によって、またはデジタルパルスまたはソナーによって座席位置値を測定することができる。当業者は、測定が座席の実際の位置に関する情報を提供する限り、測定方法のタイプまたは測定の値が限定されないことを理解する。一実施形態では、検出器は、供給電圧および検出器位置に基づいてレシオメトリック電圧を出力する。ただし、パルス幅変調(PWM)、集積回路(I2C)、直列周辺装置インタフェース(SPI)、コントローラエリアネットワーク(CAN)、およびローカル相互接続ネットワーク(LIN)などの適用可能な電流またはデジタル出力などの他の検出器出力も考えられる。当業者に理解されるように、座席位置検出器は、様々なタイプのセンサとすることができ、当技術分野で知られているように様々な方法で統合することができる。唯一の制限要因は、座席位置検出器が、前後位置、リクライニング位置、またはスイベル位置のいずれかで座席の位置を感知できることである。いくつかの実施形態では、位置検出は、時間ベースの計算、またはシステムアクチュエータが動力モータである場合など、システムアクチュエータからの時間および電流引き込み計算に基づく。
【0014】
一実施形態では、単一の検出器が座席の前後位置およびリクライニング位置を測定する。別の実施形態では、1つの検出器が座席の前後位置を測定し、別の検出器が座席のリクライニングを測定する。検出器の数が限定されるわけではない。また、検出器の種類が限定されるわけではない。単一のポテンショメータセンサを検出器として使用すると、正確なフィードバックがすぐに得られるという利点がある。別の実施形態では、加速度計センサを使用することができる。しかし、加速度計を使用する実施形態では、加速度計データを正確な位置データにさらに変換する必要があるため、加速度計を使用するデータはリアルタイムデータからずれていることもある。安全上重要なコンポーネントを扱う場合、複数の検出器を使用することが重要な場合があり、検出器の故障の可能性は許容されない。例としては、ステア・バイ・ワイヤまたはフライ・バイ・ワイヤシステムなどがある。
【0015】
車両座席位置コントローラ16内のプロセッサなどのプロセッサ内のソフトウェアまたはファームウェアは、検出器10、12、14のうちの少なくとも1つから、電流または電圧信号の信号を受信し、該受信信号から座席の少なくとも1つの位置を決定するか、または少なくとも座席の少なくとも1つの位置を示す値を決定する。次いで、コントローラ16は、これらの生信号を計算し、工学値に変換する。座席の位置を決定するために、生信号は、ミリメートルなどの距離に対応する電圧、または移動のパーセンテージであり得る。コントローラ16は、座席の少なくとも1つの位置をリアルタイムで監視する。次に、現在の位置が他の位置、つまり制限値に基づく仕様(specification)から外れているかどうかに基づいて、プログラムで移動係数を計算する。仕様内の値は、所定の許容範囲内の値です。例えば、異なる実施形態では、この決定は、許容可能な位置制限を決定するルックアップテーブルおよび補間値、一次方程式、または複雑な方程式を用いて行うことができる。ほとんどの実施形態では、これらの決定の複雑さは、システムに事前にプログラムすることができるキャビン環境の物理的スペースの制約によって少なくとも部分的に決定される。
【0016】
本開示による車両座席位置決めシステムは、1つまたは複数の制御可能な装置18、20、22、23によって実施される。一実施形態では、コントローラ16は、移動係数に基づいて車両座席の位置を移動するようにアクチュエータに指示するように構成される。例えば、所望の位置が、移動係数値で計算された自由な移動を可能にする境界の外にある場合、アクチュエータは、コントローラ16によって、座席のリクライニングの現在の位置に基づいて座席の前後方向の移動を制限するように指示され得る。または、移動係数の値に基づいて、コントローラ16は、制御可能な装置18、20、22、23と通信して、前後位置に基づいて座席のリクライニング位置を移動させる。さらに別の実施形態では、アクチュエータは、座席のリクライニングまたは前後位置のいずれかに基づいて、座席のスイベル位置を移動させる。
【0017】
コントローラ16は、同じ原理に従って車両座席位置の強制的または予防的移動のいずれかを伝達することができる。たとえば、車両座席が最大後方値に指示された場合、移動係数は許容仕様外になり、コントローラからの信号に作用するアクチュエータは、座席が特定のレベルを超えてリクライニングするのを防ぐ。別の実施形態では、座席の現在のリクライニングによって決定される移動係数の値に基づいて、前後方向の移動が防止される。たとえば、リクライニングが最大位置にある場合、移動係数は許容仕様外になり、コントローラはアクチュエータに座席を最大後方位置にまで動かさないように指示する。一般に、コントローラ16からの信号を受信すると、電動座席調整の移動または移動を制限することができる電気モータなどの任意のアクチュエータが、本明細書で企図される。
【0018】
座席の所望の位置値は、コントローラ16と通信する入力装置を使用して入力される。この所望の位置値は、ほとんどのオペレータに最高度の快適さを提供することが知られている予めプログラムされた位置であり得る。また、個々のオペレータが好む個々の位置であり得る。特定の実施形態では、入力デバイスは、コントローラ内の事前にプログラムされたメモリである。他の実施形態では、入力装置はノブまたはタッチスクリーンである。特定の実施形態では、アクチュエータへのコントローラ信号は、オペレータが入力装置を介して所望の座席位置を設定することにより、手動で無効にすること(オーバーライド)ができる。本開示と共に使用できる入力装置の例を
図2および
図3に示す。
図2において、ボタン31は前後スライド入力装置を表し、ボタン33はリクライニング入力装置を表す。
図3に示されるタッチスクリーン30のようなタッチスクリーンを使用するオーバーライドの例では、オペレータは、ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)を介して所望の座席位置を設定し、結果として生じる信号が制御装置16に送られて、座席・アクチュエータ18、20、22、23に命令して、移動係数を計算することなく座席を所望の位置に調整する。タッチスクリーン30の異なるゾーンは、ボタン31および33に対応する。例えば、タッチスクリーンゾーン35は前後スライド入力であり、タッチスクリーンゾーン37はリクライニング入力である。いくつかの実施形態では、オペレータはシステムを無効にすることができない。
【0019】
一例として、システムは、
図4に示すフローチャートに従ってステップを指示する。
図4を参照すると、最初の一連のステップで、コントローラ16は、座席位置決めシステムが機能しているかどうかを判断する(ステップ1)。システムが機能していない場合、座席はオペレータまたは事前にプログラムされた入力のみに基づいて配置される。システムが機能している場合、座席の1つの位置に関する情報が検出される。オペレータが機能しているシステムの入力デバイスを介して所望の位置を設定した場合、この例では、システムは、オペレータによってどの座席位置(すなわち、前後位置(位置1)またはリクライニング位置(位置2)が設定されたかを決定する(ステップ2)。位置1または位置2の検出に基づいて、コントローラ16は移動係数を計算して、異なるコンポーネントの位置を制限する必要があるか(ステップ3)、強制する必要があるか(ステップ4)を決定する。移動係数が許容可能なパラメータの外にあり、位置1または位置2を制限または強制する必要がある場合、コントローラ16はアクチュエータ18/20と通信して、他の位置を制限または強制する(ステップ5/ステップ6)。制限または強制するために使用できる位置は、限られた領域内で、キャビンの壁やコンソールなどに悪影響を与えることなく座席を配置できる適切な移動係数の値に基づく。
【0020】
コントローラ16は、システムの様々な構成要素と直接的または間接的に通信することができる。直接通信のために、検出器10、12、14、15およびアクチュエータ18、20、22、23などのコンポーネントは、適切な配線によってコントローラに直接接続することができる。コントローラ16との通信は、アナログ信号またはデジタル信号に基づくことができ、LIN、CAN、UART、SPIなどのさまざまな通信プロトコルに従うことができる。あるいは、コントローラ16と特定のシステム構成要素との間の通信は、さまざまな既知のワイヤレス通信プロトコルを使用してワイヤレスにすることができる。
【0021】
本明細書に示されるように、単一のコントローラ16が開示される。ただし、システム内のコントローラの数に制限はない。たとえば、親/子など、2つのコントローラが存在し得る。この状況では、コントローラはデータを収集するが、アクチュエータの動きを指示する前に、親コントローラからの指示を待つ。別の実施形態では、1つのコントローラは位置情報を収集するが、他のコントローラはアクチュエータの移動を指示する役割をする。さらに別の実施形態では、すなわち、車両が複数の座席を有する場合、1つの親コントローラといくつかの子コントローラがあってもよい。
【0022】
一実施形態では、車両がオンのとき、コントローラ16は、
図4のフローチャートループによって示されるステップを連続的に実行するように構成される。特定のシナリオでは、オペレータはキーを回すだけでシステムの電源をオンにする必要がある。システムは、オペレータが入力デバイスを使用してオフにすることもできる。
【0023】
本開示は、説明のためのものであり、限定的なものではないと考えるべきである。特定の実施形態のみが提示されており、本開示の精神内に入るすべての変更、修正、およびさらなる適用が保護されることが望まれることが理解される。
【国際調査報告】