(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】アナログブロックの電磁干渉(EMI)を低減するための方法および回路
(51)【国際特許分類】
H03K 5/1252 20060101AFI20230906BHJP
H03K 7/06 20060101ALI20230906BHJP
G06F 1/08 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
H03K5/1252
H03K7/06 B
H03K7/06 D
G06F1/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509809
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-04-10
(86)【国際出願番号】 US2021045692
(87)【国際公開番号】W WO2022036061
(87)【国際公開日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522029730
【氏名又は名称】インフィニオン テクノロジーズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Infineon Technologies LLC
【住所又は居所原語表記】198 Champion Court, San Jose, CA 95134, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】オレグ ダダシェフ
(72)【発明者】
【氏名】ヨーラム ベッツァー
【テーマコード(参考)】
5J039
【Fターム(参考)】
5J039KK00
5J039KK01
5J039KK11
5J039MM08
5J039NN06
(57)【要約】
本開示の実施形態は、アナログブロックによって生成されるEMI効果を低減するシステムおよび方法を提供する。このようなアナログブロックにおいて使用される発振器のクロック信号周波数を時間が経つにつれて変化させることにより、EMIエネルギを広いスペクトル領域にわたって分散させ、主な周波数においてのピークエネルギを減少させることができる。このことを実施するためには、発振器の周波数を、アナログメカニズムを使用して直接変化させる。当該メカニズムは、発振器のコンデンサを充電/放電する電流を増加/減少させるための同期的な方法に基づいていてもよい。周波数の変化は、追加の充電/放電電流のアナログ制御によって実施されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、前記システムは、
クロック信号を生成するように構成された発振器と、
前記発振器に動作結合された周波数変調器と、
を含み、
前記周波数変調器は、
第1の周波数を有する変調器クロック信号に基づいた前記発振器のノードの充電段階中および放電段階中に、ならびに、前記変調器クロック信号が前記クロック信号の周波数を上げるために前記クロック信号と同位相であるときに、充電電流および放電電流を前記発振器の前記ノードに交互に提供するように構成されており、
前記変調器クロック信号に基づいた前記ノードの充電段階中および放電段階中に、ならびに、前記変調器クロック信号が前記クロック信号の前記周波数を下げるために前記クロック信号と同位相ではないときに、前記充電電流および前記放電電流を前記発振器の前記ノードに交互に提供することにより、前記変調器クロック信号に基づいて公称周波数の周りで前記クロック信号の前記周波数を変化させるように構成されている、
システム。
【請求項2】
前記周波数変調器はさらに、
前記第1の周波数よりも低い第2の周波数で前記周波数変調器の基準ノードを交互に充電および放電することによって、第1のトランジスタで前記充電電流を生成し、第2のトランジスタで前記放電電流を生成するように構成されており、
前記周波数変調器は、前記基準ノードを交互に充電および放電するように構成されたスイッチング回路を備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記周波数変調器はさらに、
前記発振器から前記クロック信号を受信し、
前記クロック信号に基づいて、分周器を利用して、前記第2の周波数を有しかつ前記スイッチング回路の動作を制御するための第1のクロック信号と、第2のクロック信号と、を生成し、
排他的論理和(XOR)装置を利用して、前記第2のクロック信号および前記クロック信号に基づいて前記変調器クロック信号を生成する、
ように構成され、
前記第2のクロック信号は、前記第1のクロック信号よりも低い周波数を有し、
前記変調器クロック信号は、前記第2のクロック信号に基づいて前記クロック信号と交互に同位相および不一致の位相になる、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記周波数変調器は、
前記変調器クロック信号に基づいて、前記第1のトランジスタから前記発振器の前記ノードに前記充電電流を提供するように構成されている第1のスイッチングトランジスタと、
前記変調器クロック信号に基づいて、前記第2のトランジスタから前記発振器の前記ノードに前記放電電流を提供するように構成されている第2のスイッチングトランジスタと、
を含む、
請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記周波数変調器は、前記スイッチング回路およびスイッチトキャパシタを利用して前記基準ノードを交互に充電および放電する、
請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記周波数変調器は、前記スイッチング回路とスイッチトキャパシタの等価抵抗とを利用して前記基準ノードを交互に充電および放電する、
請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2のクロック信号の前記周波数は、前記第1のクロック信号の前記周波数の半分である、
請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
装置であって、前記装置は、
基準ノードと、
時間と共に変化する充電電流および放電電流を生成するために前記基準ノードを交互に充電および放電するように構成されているスイッチング回路と、
駆動回路と、
を含み、
前記駆動回路は、
第1の周波数を有する変調器クロック信号に基づいた発振器のノードの充電段階中および放電段階中に、ならびに、前記変調器クロック信号がクロック信号の周波数を上げるために前記発振器により生成される前記クロック信号と同位相であるときに、前記充電電流および前記放電電流を前記発振器の前記ノードに交互に提供するように構成されており、
前記変調器クロック信号に基づいた前記ノードの充電段階中および放電段階中に、ならびに、前記変調器クロック信号が前記クロック信号の前記周波数を下げるために前記クロック信号と同位相ではないときに、前記充電電流および前記放電電流を前記発振器の前記ノードに交互に提供することにより、前記変調器クロック信号に基づいて公称周波数の周りで前記クロック信号の前記周波数を変化させるように構成されている、
装置。
【請求項9】
前記駆動回路は、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含み、
前記スイッチング回路は、前記第1の周波数よりも低い第2の周波数で前記基準ノードを交互に充電および放電することによって、前記第1のトランジスタで前記充電電流を生成し、前記第2のトランジスタで前記放電電流を生成するように構成されている、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、
前記クロック信号に基づいて、前記第2の周波数を有しかつ前記スイッチング回路の動作を制御するための第1のクロック信号と、第2のクロック信号と、を生成するように構成されている分周器と、
前記第2のクロック信号と前記クロック信号とに基づいて、前記変調器クロック信号を生成するように構成されている排他的論理和(XOR)装置と、
をさらに含み、
前記第2のクロック信号は、前記第1のクロック信号よりも低い周波数を有し、
前記変調器クロック信号は、前記第2のクロック信号に基づいて前記クロック信号と交互に同位相および不一致の位相になる、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記駆動回路はさらに、
前記変調器クロック信号に基づいて、前記第1のトランジスタから前記発振器の前記ノードに前記充電電流を提供するように構成されている第1のスイッチングトランジスタと、
前記変調器クロック信号に基づいて、前記第2のトランジスタから前記発振器の前記ノードに前記放電電流を提供するように構成されている第2のスイッチングトランジスタと、
を含む、
請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、スイッチトキャパシタをさらに含み、前記スイッチング回路は、前記基準ノードを交互に充電および放電するために前記スイッチトキャパシタを利用する、
請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記装置は、スイッチトキャパシタの等価抵抗をさらに含み、前記スイッチング回路は、前記基準ノードを交互に充電および放電するために前記等価抵抗を利用する、
請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記第2のクロック信号の前記周波数は、前記第1のクロック信号の前記周波数の半分である、
請求項10に記載の装置。
【請求項15】
方法であって、前記方法は、
時間と共に変化する充電電流および放電電流を生成するために、基準ノードを交互に充電および放電するステップと、
第1の周波数を有する変調器クロック信号に基づいた発振器のノードの充電段階中および放電段階中に、ならびに、前記変調器クロック信号がクロック信号の周波数を上げるために前記発振器により生成される前記クロック信号と同位相であるときに、前記充電電流および前記放電電流を前記発振器の前記ノードに交互に提供するステップと、
前記変調器クロック信号に基づいた前記ノードの充電段階中および放電段階中に、ならびに、前記変調器クロック信号が前記クロック信号の前記周波数を下げるために前記クロック信号と同位相ではないときに、前記充電電流および前記放電電流を、前記発振器の前記ノードに交互に提供することにより、前記変調器クロック信号に基づいて公称周波数の周りで前記クロック信号の前記周波数を変化させるステップと、
を含む方法。
【請求項16】
スイッチング回路により、前記充電電流は、第1のトランジスタで生成され、前記放電電流は、第2のトランジスタで生成され、
前記スイッチング回路は、前記第1の周波数よりも低い第2の周波数で前記基準ノードを交互に充電および放電する、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、
前記第2の周波数を有しかつ前記スイッチング回路の動作を制御するための第1のクロック信号を、分周器を利用して生成し、第2のクロック信号を、分周器を利用して生成するステップと、
前記第2のクロック信号および前記クロック信号に基づいて、前記変調器クロック信号を、排他的論理和(XOR)装置を利用して生成するステップと、
をさらに含み、
前記第2のクロック信号は、前記第1のクロック信号よりも低い周波数を有し、
前記変調器クロック信号は、前記第2のクロック信号に基づいて、前記クロック信号と交互に同位相および不一致の位相になる、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記充電電流は、前記変調器クロック信号に基づいて、前記第1のトランジスタから前記発振器の前記ノードに第1のスイッチングトランジスタを利用して提供され、
前記放電電流は、前記変調器クロック信号に基づいて、前記第2のトランジスタから前記発振器の前記ノードに第2のスイッチングトランジスタを利用して提供される、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記スイッチング回路は、前記基準ノードを交互に充電および放電するために、スイッチトキャパシタを利用する、
請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記スイッチング回路は、前記基準ノードを交互に充電および放電するために、スイッチトキャパシタの等価抵抗を利用する、
請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記方法は、前記クロック信号の前記周波数を前記公称周波数の周りで変化させるために、前記発振器への入力電圧および入力電流の1つまたは複数を変化させるステップをさらに含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記方法は、前記クロック信号の前記周波数を前記公称周波数の周りでさらに変化させるために、前記発振器の抵抗および静電容量の1つまたは複数を変化させるステップをさらに含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記発振器の前記抵抗は、前記発振器に結合された複数の抵抗器を含む抵抗回路によって提供され、
前記発振器の前記抵抗を変化させるステップは、
交互に、
前記複数の抵抗器のそれぞれを前記発振器から分離することと、
前記複数の抵抗器のそれぞれを前記発振器に再結合することと、
を含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記発振器の前記静電容量は、前記発振器に結合された複数のコンデンサを含むコンデンサ回路によって提供され、
前記発振器の前記静電容量を変化させるステップは、
交互に、
前記複数のコンデンサのそれぞれを前記発振器から分離することと、
前記複数のコンデンサのそれぞれを前記発振器に再結合することと、
を含む、
請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年1月29日に出願された米国非仮出願番号17/161、763の国際出願であり、2020年8月12日に出願された先行出願米国仮出願第63/064、634号の利益を主張するものであり、その全てを、あらゆる目的のために、その全体を参照することにより本開示に組み込むとする。
【0002】
本開示は、一般的に、チャージポンプなどのアナログ回路ブロックに関し、より詳細には、このようなアナログ回路ブロックによって生成される電磁干渉(EMI)を軽減することに関する。
【背景技術】
【0003】
多くのシステムは、システムにおける様々な電子装置のためのクロック信号を生成するための内部クロック発生器を含む。内部クロック発生器は、特定の周波数のクロック信号を生成するための固定周波数発振器を含むことができる。特定の周波数のクロック信号は、システム内の様々な電子装置を駆動させるおよび/または様々な電子装置にタイミングを提供することができるが、固定周波数発振器を含む装置またはシステムは、電磁干渉(EMI)を引き起こすのに充分な大きさの無線周波数(RF)信号を放射することがあり、当該EMIは、EMIの特定の周波数または高調波の近くで動作する周囲の電子装置に影響を及ぼす。
【0004】
本実施形態は、添付の図面において、限定的ではなく例示的に示される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本開示の幾つかの実施形態による、他の(被害)装置に干渉するEMIを生成している加害装置を示すブロック図である。
【
図2】本開示の幾つかの実施形態による、周波数変調器および発振器を含むシステムを示すブロック図である。
【
図3A】本開示の幾つかの実施形態による、周波数変調器および発振器を含むシステムを示すブロック図である。
【
図3B】本開示の幾つかの実施形態による、周波数変調器および発振器を含むシステムを示すブロック図である。
【
図4】本開示の幾つかの実施形態による、スイッチトキャパシタの特価抵抗を示す図である。
【
図5】本開示の幾つかの実施形態による、
図3の周波数変調器のタイミング図である。
【
図6】本開示の幾つかの実施形態による、
図2および
図3の周波数変調器によって提供される周波数変調ありの場合およびなしの場合の、周波数スペクトルにわたるEMIエネルギの分散を様々な動作電圧/温度の組み合わせにおいて示す図である。
【
図7】本開示の幾つかの実施形態による、
図2および
図3の周波数変調器を用いて、周波数スペクトルにわたってEMIエネルギを分散させるための方法のフロー図である。
【
図8A】本開示の幾つかの実施形態による発振器を示すブロック図である。
【
図8B】本開示の幾つかの実施形態による、発振器への入力電圧と発振器によって出力されるクロック信号の周波数との間の経時的な関係を示す図である。
【
図8C】本開示の幾つかの実施形態による発振器を示すブロック図である。
【
図8D】本開示の幾つかの実施形態による、発振器への入力電流と発振器によって出力されるクロック信号の周波数との間の経時的な関係を示す図である。
【
図9A】本開示の幾つかの実施形態による発振器を示すブロック図である。
【
図9B】本開示の幾つかの実施形態による、
図9Aの発振器によって出力されるクロック信号の周波数を変調するためのコンデンサ回路を示すブロック図である。
【
図9C】本開示の幾つかの実施形態による、
図9Bのコンデンサ回路におけるスイッチの経時的な制御信号波形を示す図である。
【
図9D】本開示の幾つかの実施形態による、
図9Aの発振器によって出力されるクロック信号の周波数を経時的に示す図である。
【
図10A】本開示の幾つかの実施形態による発振器を示すブロック図である。
【
図10B】本開示の幾つかの実施形態による、
図10Aの発振器によって出力されるクロック信号の周波数を変調するための抵抗回路を示すブロック図である。
【
図10C】本開示の幾つかの実施形態による、
図10Aの発振器によって出力されるクロック信号の周波数を経時的に示す図である。
【
図11】プログラマブル・システム・オン・チップ(PSoC(R))マイクロコントローラのコアアーキテクチャの実施形態を示す図である。
【
図12】本開示の幾つかの実施形態による、フラッシュメモリチップのアーキテクチャのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の記載では、説明の目的で、本実施形態の完全な理解を促すために、多くの特定の詳細が示される。しかしながら、当業者にとっては、本実施形態をこれらの特定の詳細なしで実施することができることが明らかであろう。他の事例では、本記載の解釈を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の回路、構造および技術を詳細には図示せず、ブロック図として示すことがある。
【0007】
本記載における「一実施形態」または「実施形態」の言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。本記載の様々な箇所に登場する「一実施形態において」という語句は、必ずしも同じ実施形態を指しているとは限らない。
【0008】
例えば高電圧(HV)チャージポンプ(CP)などの高出力アナログブロックは、電源に大きな電流と電圧の変化を引き起こすことができる。当該変化は、CPのアナログ設計においてクロック信号を提供する発振器を使用することによって、特定の周波数と同期される。CPは、クロック信号の全ての正および/または負のエッジで、同期された電流のブーストをシステムに提供する。CPの出力電流波形の周波数成分を観測すると、動作がクロック信号の両エッジで行われているため、特定の周波数(通常はクロック周波数の2倍)において当該変化に係るピークが非常に狭くて高いことが見受けられる。このことにより、電磁干渉(EMI)が発生し、ノイズの多い回路の近くに配置されたブルートゥース発信器などの敏感な回路を害する可能性がある。
【0009】
本開示の実施形態は、上述のようなアナログブロックによって生成されるEMI効果を低減するシステム、装置および方法を提供する。このようなアナログブロックで使用される発振器の周波数を時間が経つにつれて変化させることにより、EMIエネルギを広いスペクトル領域にわたって分散させることができ、その結果、主な周波数のピークエネルギが減少する。このことを実施するために、発振器の周波数を、アナログメカニズムを用いて直接変化する。当該メカニズムは、発振器のコンデンサを充電/放電する電流を増加/減少させるための同期的な方法に基づいていてもよい。周波数の変化は、追加の充電/放電電流のアナログ制御によって実施されてもよい。
【0010】
本願明細書では、例えば、クロック信号を生成するように構成された発振器と、発振器に動作的に結合された周波数変調器と、を備える、アナログブロックによって生成されるEMI効果を低減するためのシステムが記載されている。周波数変調器は、発振器によって生成されるクロック信号に基づいて、第1の周波数を有する変調器クロック信号を生成するように構成されるとともに、変調器クロック信号に基づいたノードの充電段階中および放電段階中に、および、変調器クロック信号の位相がクロック信号の周波数を上げるためにクロック信号の位相と同じときに、充電電流および放電電流を発振器のノードに交互に提供するように構成されている。周波数変調器はさらに、充電電流および放電電流を、変調器クロック信号に基づいたノードの充電段階中および放電段階中に、ならびに、変調器クロック信号の位相がクロック信号の周波数を下げるためにクロック信号の位相と同じではないときに、発振器のノードに交互に提供することにより、変調器のクロック信号に基づいて公称周波数の周りでクロック信号の周波数を変化させるように構成されている。
【0011】
図1は、高電圧チャージポンプなどの任意の適切な高出力アナログブロックであってもよい加害装置105と、ブルートゥース受信機などの敏感な回路を有する任意の装置であってもよい被害装置110と、を示すブロック図である。上述したように、加害装置105は、クロック信号を提供するための発振器を含む場合、特定の周波数と同期した大きな電流および電圧の変化を生成することがある。CPは、正および負のエッジごとにシステムに同期された電流ブーストを適用する。当該変化は、特定の周波数において狭くて高い電流ピークを有し、加害装置105の近くに配置されている、ブルートゥース送信器などの敏感な回路を備えた任意の装置であってもよい被害装置110に害を及ぼす可能性があるEMIを生成する。
【0012】
図2は、本開示の幾つかの実施形態による、RC発振器205および(以下、「変調器210」と言及する)周波数変調器210を含むシステム200を示す。RC発振器205は、インバータ207、208および209ならびに抵抗器RoscおよびコンデンサCoscを備えていてもよい。RC発振器205は、本願明細書において記載されるように、クロック信号(clk)を生成し、任意の適切なアナログブロック(例えば、チャージポンプ)にclkを提供することができる。変調器210は、スイッチトキャパシタCsw1およびCsw2、ノードPbrefに接続されたトランジスタ211A、充電コンデンサ211Cd、ならびに、スイッチトキャパシタCsw1をトランジスタ211Aに選択的に結合するためのスイッチSW1(本願明細書ではスイッチング回路とも言及する)を備えていてもよい。変調器210は、スイッチトキャパシタCsw1を利用して、PMOSトランジスタなどの任意の適切なトランジスタであってもよいトランジスタ211Aを介してノードPbrefを(例えば、ハイの状態に)充電するか、または、ノードPbrefを(例えば、ローの状態に)放電することができる。変調器210は、ノードPbおよびNbにそれぞれ結合されたトランジスタ211Bおよび211Cをさらに備えていてもよい。変調器210は、
図2に見受けられるように、その後、スイッチトキャパシタCsw2を用いて、ノードPbrefの充電/放電に基づいてトランジスタ211Bおよび211Cを充電/放電することができる。変調器210は、電流源として機能することができるトランジスタ214csおよび215cs、分周器212、XOR装置213、ならびに、(スイッチとして機能することができる)トランジスタ214swおよび215swをさらに備えていてもよい。トランジスタ211Bおよび211Cは、それぞれPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタであってもよい。トランジスタ214csおよび214swはPMOSトランジスタであってもよく、トランジスタ215csおよび215swはNMOSトランジスタであってもよい。変調器210は、トランジスタ214csおよび215csを電流源として実施することができる。このことにより、ノードPbrefがゆっくりと充電または放電するため、ノードPbおよびNbがゆっくりと変化し、この結果、本願明細書においてさらに詳細に記載されるように、それぞれのトランジスタ214csおよび215csからの充電/放電電流が直接変化する。このようにして、変調器210は、RC発振器205のRCノード206に追加電流を供給することによって、発振器のコンデンサCoscの充電/放電を変化させることができ(そうでなければ、RC発振器205は、抵抗器Roscを介してRCノード206に常に同じ電流を流そうとする)、その結果、本願明細書においてさらに詳細に記載されるように、公称値(Fclk0)の周りでclk(Fclk)の周波数が変化する。このようにして、RC発振器205がその一部であるアナログブロックによって生成されるEMIを複数の周波数にわたって分散することができる。当該追加電流は、電流源214csおよび215csによって供給され、本願明細書においてさらに詳細に記載されるように、スイッチ214swおよび215swを用いることによってRCノード206(発振器205)の充電/放電位相と同期される。
【0013】
EMIを複数の周波数にわたって効果的に分散させるためには、ノードPbを経時的にゆっくりと充電および放電する必要があり、したがって、変調器210によって提供される追加電流を経時的にゆっくりと変化させる必要がある。充電/放電の時定数は、抵抗と静電容量の関数(τ=Rsw2×Cint)であるため、例えば非常に低い周波数(例えば、キロヘルツの領域)を実現するには、追加電流が追加される時間を延ばす(つまり、Fclkが変化する時間を延ばす)ために、非常に大きな抵抗が必要とされる。
図3Aは、変調器210のスイッチトキャパシタCsw1およびCsw2が、スイッチトキャパシタの電圧と電流の関係性、例えばCsw:Req≒1/[Csw×Fclk]、に従う大きな等価抵抗(それぞれRsw1およびRsw2)で置き換えられていることを除いて、システム200と同様のシステム300を示している。このことにより、効率的な方法で大きな等価抵抗を実施し、変調器210がRCノード206をゆっくりと充電および放電することが可能になる。
図4は、
図2のスイッチトキャパシタCswに対応する等価抵抗Rswを示す。本願明細書において記載される等価抵抗の構成を採用することにより、変調器210によって提供される充電/放電追加電流の低速な変化のために必要とされる大きな時定数(τ=Rsw2×Cint)を実施するための面積効率のよい解決策を確立することができる。
【0014】
図3Aに示されるように、clkが1(「ハイ」)であるときインバータ207が0(「ロー」)電圧信号をRoscに提供するため、RC発振器205のRCノード206が放電される。clkが0の場合、インバータ207が0のclk値を1に変化させ、したがってRoscに高電圧信号を提供するため、電流がRoscを介してRCノード206に提供される。したがって、clkの周期ごとに、RCノード206はclkの周期の一方の半分の間に充電され、clkの周期の他方の半分の間に放電される。
【0015】
RC発振器205は、クロック信号clkを同期させるために、クロック信号clkを変調器210に出力することができる。変調器210は、クロック信号clkを分周器212に入力することができ、分周器212は、(
図5に示すように)clkよりも低い周波数で0値と1値との間で交番してもよいクロック信号clk1およびclk2を生成することができる。変調器210は、clk1をスイッチSW1に入力し、clk1を用いてスイッチSW1を動作することができる。clk1が「1」のとき、SW1がオフになり、ノードPbrefはトランジスタ211Aを介してハイの状態に充電される。clk1が「0」の場合、SW1がオンになり、Rsw1を介してノードPbrefがローの状態に放電される。変調器210はまた、clkをclk2と共にXOR213に入力することができ、XOR213は、clkと同じ周波数で0値と1値との間を遷移してもよい、clk2に基づいてclkの位相と交互に同位相および不一致の位相になるクロック信号clkmを生成することができる。clk2が1であるとき、XOR213の出力(clkm)はclkと同位相であってもよく、clk2が0であるとき、clkmはclkと不一致の位相であってもよい。例えば、clkおよびclkmの位相が同じである場合、clkmはclkと同じ周波数および位相で1値と0値との間を遷移してもよく、clkおよびclkmの位相が同じでない場合、clkmはclkと同じ周波数で、しかし反対の位相で1値と0値との間を遷移してもよい。clkmがclkに基づいているため、clkmが1または0であるとき、これは、clkの周波数を変化してもよい安定した時間(RCノード206の充電/放電)を表してもよい。変調器210は、発振器のコンデンサCoscを充電/放電するための追加電流をRCノード206に提供することによって、その公称値(Fclk0)の周りでclkの周波数を変化させることができる。当該追加電流は、変調器210のトランジスタ214csおよび215cs(電流源)によって供給され、トランジスタ214csおよび215csは、変調器210がclkmを使用してスイッチ214swおよび215swを動作するときに、これらを用いて、それぞれRCノード206(すなわち発振器205)の充電および放電位相と同期される。換言すれば、214csはRCノード206の充電を補助し、215csはRCノード206の放電を補助する。電流源214csおよび215csがclkと同じ位相でRCノード206を充電/放電する場合、充電/放電電流の合計は公称電流より大きいため、Fclk>Fclk0になる。214csおよび215csがclkと逆の位相でRCノード206を充電/放電する場合、充電/放電電流の合計は公称電流より小さいため、Fclk<Fclk0になる。トランジスタ214csおよび215csによって提供される電流の値は、(本願明細書において記載されるように)時間と共にゆっくりと変化し、広い周波数スペクトル領域において最大のエネルギ分散を達成するために、Fclk0の周りでFclkをゆっくりと偏差させる。本願明細書において記載されるように、変調器210は、トランジスタ211Aを介してノードPbrefをゆっくりと充電し、Rsw1を介してノードPbrefを放電することによって、トランジスタ214csおよび215csを電流源として実施することができ、このことにより、ノードPbおよびNbがゆっくりと変化する。この結果、214csおよび215csの充電/放電電流が直接変化する。
【0016】
RCノード206は、clkの周期の半分の間充電し、clkの周期の半分の間放電する。clk(Fclk)の周波数を変化させるために、変調器210は、本願明細書においてさらに詳細に記載されるように、追加電流をRCノード206に流してもよい。例えばRCノード206が充電されるとき、トランジスタ214swがオンになり、電流はトランジスタ214csを通って流れる。
【0017】
clkおよびclkmが同位相である(例えば、clk2が1である)場合、変調器210は、RCノード206の充電および放電を補助することによってclkの周波数を上げることができる。例えば、clkが1である場合、インバータ207が0または低電圧信号をRoscに提供するため、RCノード206は放電される。放電中、RCノード206は、clkの周波数を変化させるために、変調器210によって充電または放電されてもよい。RCノード206の放電を補助するためには、より多くの電流がRCノード206から接地に流れなければならない。clkmおよびclkが同位相であるため、clkmも1であり、トランジスタ215swが有効になり、トランジスタ215swはノードNbの放電電流に基づいて215csを介してRCノード206から接地に電流を放電する。このことは、RCノード206の接地(GND)への放電を助ける。clkが0に変化すると、clkmも0に変化し、clkが0であり、インバータ207はこれを1に変化させ、高電圧信号をRoscに提供するため、電流がRoscを介してRCノード206に提供される。さらに、clkmも0であるため、トランジスタ214swが有効になり、トランジスタ214csがノードPbの充電電流に基づく追加電流でRCノード206を充電できるようになる。clk1が0である間、ノードNbの放電電流が増加するため、clkmの連続する1(「ハイ」)の状態ごとに変調器210によって増加する量の放電電流が提供され、減少する量の放電電流が変調器によってclkmの連続する0(「ロー」)の状態ごとに提供される(
図5を参照)。逆に、clkが1である間、ノードNbの放電電流が減少するため、clkmの連続する1の状態ごとに変調器210によって減少する量の放電電流が提供され、増加する量の放電電流が変調器210によってclkmの連続する0の状態ごとに提供される(
図5を参照)。
【0018】
上述の実施形態は、RCノード206の充電および放電の両方を補助するためにclkの両方の位相を利用するが、幾つかの代替的な実施形態では、変調器210がclkの一方の位相のみを利用してもよく、例えば変調器210は、clkの周波数を増加させるために、RCノード206の充電または放電のいずれか一方を補助することができる。
【0019】
clkおよびclkmが同位相でない(例えば、clk2が0である)場合、変調器210は、RCノード206の充電および放電を控えることによってclkの周波数を下げることができる。例えば、clkが1であるとき、インバータ207が0または「低電圧」信号をRoscに提供するため、RCノード206が放電される。この時点においてclkmは0であるため、214csおよび214swが有効になり、RCノード206の放電を妨げる追加電流でRCノード206を充電し、このことによってclkの周波数が下がる。clkが0のとき、インバータ207が1または「高電圧」信号をRoscに提供するため、RCノード206が充電される。この時点においてclkmは1であるため、215csおよび215swが有効になり、RCノード206の充電を妨げるようにRCノード206を放電し、このようにしてclkの周波数を下げる。clk1が0である間、ノードNbの放電電流が増加するため、clkmの連続する1(「ハイ」)の状態ごとに増加する量の放電電流が変調器210によって提供され、減少する量の充電電流が変調器によってclkmの連続する0(「ロー」)の状態ごとに提供される(
図5を参照)。逆に、clkが1である間、ノードNbの放電電流が減少するため、clkmの連続する1の状態ごとに減少する量の放電電流が変調器210によって提供され、増加する量の充電電流が変調器210によってclkmの連続する0の状態ごとに提供される(
図5を参照)。
【0020】
上述の実施形態では、RCノード206の充電および放電の両方を控えるためにclkの両方の位相を利用するが、幾つかの代替的な実施形態では、変調器210は、clkの一方の位相のみを利用してもよく、例えば変調器210は、clkの周波数を下げるために、RCノード206の充電または放電のいずれか一方を控えてもよい。
【0021】
図5は、
図2および
図3Aの周波数変調器210のタイミング図を示す。
図5から見受けられるように、段階1ではVPbref=Vd1であり、したがってVpbはVpb2からVpb1へゆっくりと低下する。その結果、変調器210の(214sw、214cs、215sw、および215csを含む)駆動回路の電流がゆっくりと増加する。clkmの位相はこの時点でclkの位相と同じであるため、駆動回路電流の影響により、周波数Fclkが公称周波数Fclk0に対して上昇する。したがって、Fclkは徐々に最大値(Fclk_max)へ上昇する。
【0022】
段階2では、VPbrefがVd2へ上昇するため、VpbはVpb1からVpb2へゆっくりと上昇する。この時点で、Nbを充電する代わりに放電するため、変調器210の駆動回路の電流はゆっくりと減少する。clkmの位相は現時点においてclkの位相と同じであるため、駆動回路電流の影響により、周波数FclkがFclk0に対して上昇する。したがって、Fclkは段階1の開始時の周波数と等しい水準まで徐々に低下する。
【0023】
段階3において、VPbrefがVd1まで減少するため、VpbはVpb2からVpb1へゆっくりと低下する。その結果、変調器210の駆動回路の電流はゆっくりと増加する。clkmの位相は、この時点でclkの位相と逆になっているため、駆動回路電流の影響により、周波数Fclkが公称周波数Fclk0に対して低下する。したがって、Fclkは徐々に最小値(Fclk_min)へ低下する。
【0024】
段階4において、VPbrefがVd2まで上昇するため、VpbはVpb1からVpb2へゆっくりと上昇する。その結果、変調器210の駆動回路の電流がゆっくりと減少する。clkmの位相はclkの位相と逆であるため、駆動回路電流の影響により、周波数Fclkが公称周波数Fclk0に対して低下する。したがって、Fclkは段階3の開始時の周波数と等しい水準まで徐々に上昇する。
【0025】
図6は、4つの異なる動作電圧/温度の組み合わせにおいて、本願明細書において記載される周波数変調技術を使用した場合および使用しない場合のEMI干渉のパワースペクトル密度を対比したグラフ600である。見受けられるように、各動作電圧/温度の組み合わせにおいて、本願明細書において記載される周波数変調技術を使用すると、主な周波数のピークエネルギが約30分の1に減少し、より広い領域の周波数に分散される。
【0026】
上述の実施形態は、clkおよびclkmの位相が同じまたは不一致のときに動作するが、幾つかの実施形態では、変調器210は、clkおよびclkm位相が同じである場合にのみ動作し、または、clkおよびclkmの位相が不一致の場合にのみ動作してもよい。例えば、
図5に示されているように、システム200は、段階3および段階4に移行する代わりに、段階1―>段階2―>段階1―>段階2(すなわち、段階1と段階2との間を交番する)のように進むことができる。このことにより、段階2と段階3との間の周波数の任意の不連続性を減らすことができる。
図3Bは、本開示の幾つかの実施形態によるシステム300を示し、これらの周波数変調器210は、clk2のためのトリミング(trim<1:0>)を提供することができる、外部2ビット論理バスであってもよい論理ブロック214を含む。論理ブロック214の出力は、クロック信号clk3であって、trim<1:0>=00の場合はclkに等しく、trim<1:0>=01の場合は「0」に等しく、trim<1:0>=10または11の場合は「1」に等しくあってもよい。このようにして、周波数変調器210は、段階1から段階2に遷移することができる。
【0027】
図7は、本開示の幾つかの実施形態による、周波数スペクトルにおいて複数の周波数にわたってEMI干渉を分散する方法700のフロー図である。方法700は、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、プロセッサ、処理装置、中央処理装置(CPU)、システム・オン・チップ(SoC)等)、ソフトウェア(例えば、処理装置上で実行中/実施中の命令)、ファームウェア(例えば、マイクロコード)またはこれらの組み合わせを含むことができる処理ロジックによって実施されてもよい。例えば、方法700は、
図2および
図3の変調器210によって実施されてもよい。
【0028】
図3Aにも示されているように、ノードPbおよびNbにおいてそれぞれ時間と共に変化する充電電流および放電電流を生成するために、ブロック705において周波数変調器210はノードpbrefを交互に充電および放電する。RC発振器205は、高電圧チャージポンプなどの任意の適切なアナログブロックに出力してもよいクロック信号を生成することができる。RC発振器205は、クロック信号を周波数変調器210に提供することもできる。ブロック710において、周波数変調器210は、変調器クロック信号に基づいてRCノード206の充電段階中および放電段階中に、および変調器クロック信号の位相がクロック信号の周波数を上げるためにクロック信号の位相と同じであるときに、トランジスタ214csおよび215csを介してRC発振器205のRCノード206に充電電流および放電電流を交互に提供してもよく、変調器クロック信号は、クロック信号に基づいており、クロック信号の周波数に等しい第1の周波数を有する。ブロック715において、周波数変調器210は、変調器クロック信号の位相がクロック信号の周波数を下げるするためにクロック信号の位相と同じではない場合であって、変調器クロック信号に基づいてRCノード206の充電段階中および放電段階中に、トランジスタ214csおよび215csを介してRC発振器205のRCノード206に充電電流および放電電流を交互に提供することができ、このことにより、変調器クロック信号に基づいて公称周波数の周りでクロック信号の周波数を変化させる。
【0029】
図8Aは、本開示の幾つかの実施形態による発振器800を示す。発振器800は、出力クロック信号(clk)周波数(Fclk)が少なくとも部分的に入力電圧(Vreg)値に基づく任意の適切な(
図2に示されているRC発振器205などの)発振器であってもよい。Vregは、供給電圧、制御電圧(例えば、発振器800が電圧制御発振器である場合)、または、Fclkに影響を及ぼすことができる任意の別の電圧など、発振器800の1つまたは複数の要素への任意の適切な入力電圧であってもよい。Vregの周期的なゆっくりとした変化は、
図8Bに示されているように(波形は一例にすぎない)、Fclkを変調させることができる。
【0030】
図8Cは、本開示の幾つかの実施形態による発振器810を示す。発振器810は、出力信号(clk)周波数(Fclk)が少なくとも部分的に入力電流(Ics)値に基づいている任意の適切な(
図2に示されているRC発振器205のような)発振器であってもよい。入力電流Icsは、供給電流(例えば、発振器810が電流によって制御されている発振器である場合)またはFclkに影響を及ぼす可能性がある任意の他の電流などの、発振器810の1つまたは複数の要素(例えば、インバータ、PMOSトランジスタ、または、これらの他の内部ノード)への任意の適切な入力電流であってもよい。Icsの周期的なゆっくりとした変化の結果、単なる例として
図8Dに示されているように、Fclkが変調されることがある。
【0031】
図9Aは、本開示の幾つかの実施形態による発振器900を示す。発振器900は、ノード901と902との間に接続されているコンデンサ回路Coscを含むことができる。ノード902は、接地、供給電圧または任意の適切な基準点に相当してもよい。幾つかの実施形態において、発振器900は、(
図2に示されているRC発振器205などの)RC発振器であってもよく、(幾つかの実施形態において、
図2に示されているコンデンサCoscと同様であってもよい)コンデンサ回路Coscは、RC発振器に含まれるコンデンサであってもよい。他の実施形態では、コンデンサ回路Coscは、RC発振器に含まれるコンデンサである既存のコンデンサ機構の上に追加されるコンデンサであってもよい。発振器900は、出力クロック信号(clk)周波数(Fclk)が少なくとも部分的にCoscの変化に基づいている任意の適切な発振器であってもよい。換言すれば、FclkはCoscの静電容量を変化させることによって変調されてもよい。
図9Bに示されているように、回路Coscは、それぞれが対応するスイッチSW1~SWnを介してノード901に接続されているコンデンサC1~Cnを含むことができる。スイッチSWの経時的な制御信号波形は、
図9Cに示されており、
図9Dは、Fclkの経時的な図を示す。
【0032】
図9Cおよび
図9Dの両方に合わせて示されているように、(時間T0において)全てのコンデンサCがノード901に接続されているとき、回路Coscの総静電容量は最大になり、したがって発振器周波数Fclkはその最小値(Fclk_min)に到達する。コンデンサC1~Cnがノード901から徐々に(例えば、1つずつ)切断されていくにつれて、回路Coscの総静電容量はその最小値まで減少し、その結果、Fclkは時間T1において到達される最大値(Fclk_max)まで徐々に上昇する。見受けられるように、コンデンサ回路Coscが含むコンデンサCの数が多いほど、周波数変調をより細かくすることができる。換言すれば、コンデンサ回路Coscに含まれるコンデンサCの数が多いほど、分離されるコンデンサあたりによるFclkの変化が小さくなり、充分な数のコンデンサを導入すると、Fclkの経時的な変化が滑らかになり、かつアナログに見える。コンデンサC1~Cnは、低速で1つずつ切断することができ、このことにより、
図9Dに示されているように、より広い領域の周波数にわたってFclkが変調される。コンデンサ回路CoscのスイッチSWは、例えば
図12に示すMCU1210によって動作されてもよい。
【0033】
図10Aは、本開示の幾つかの実施形態による発振器1000を示す。発振器1000は、ノード1001と1002との間に接続されている抵抗回路Roscを含んでもよい。ノード1002は、接地、供給電圧または任意の他の適切な基準点に相当してもよい。幾つかの実施形態において、発振器1000は、(
図2に示されているRC発振器205などの)RC発振器であってもよく、(幾つかの実施形態において、
図2に示されている抵抗器Roscと同様であってもよい)抵抗回路Roscは、RC発振器に含まれる抵抗であってもよい。他の実施形態では、抵抗回路Roscは、RC発振器に含まれる抵抗である既存の抵抗機構の上に追加されるの抵抗であってもよい。発振器1000は、その出力クロック信号(clk)周波数(Fclk)が少なくとも部分的にRoscの変化に基づいている任意の適切な発振器であってもよい。換言すれば、回路Roscの抵抗を変化させることによってFclkを変調することができる。
図10Bに示すように、回路Roscは、それぞれが対応するスイッチSW1~SWnを介してノード1001に接続されている、直列に接続された抵抗器R1~Rnを含むことができる。スイッチSWの経時的な制御信号波形は、
図9Cに示されているものと同様であってもよく、
図10Cは、Fclkの経時的な図を示す。
【0034】
図10Cにも示されているように、(時間T0において)全ての抵抗器Rがノード1001に接続されているとき、回路Roscの総抵抗は最小値に到達し、したがって発振器周波数Fclkは最大値(Fclk_max)に到達する。抵抗器R1~Rnがノード1001から徐々に(例えば、1つずつ)切断されていくと、回路Roscの総抵抗が最大値まで上昇し、その結果、Fclkはその時間T1に到達される最小値(Fclk_min)まで徐々に減少する。見受けられるように、抵抗回路Roscが含む抵抗器Rの数が多いほど、周波数変調をより細かくすることができる。換言すれば、抵抗回路Roscに含まれる抵抗器Rの数が多いほど、分離された抵抗器あたりによるFclkの変化が小さくなり、充分な数の抵抗器が導入されれば、Fclkの経時的な変化が滑らかになり、かつアナログに見える。抵抗器R1~Rnは、低速で1つずつ切断することができ、そのことによって、
図10Cに示すように、より広い領域の周波数にわたってFclkが変調される。なお、
図8A~
図10Cに関連して記載される実施形態は相互に排他的ではなく、互いに組み合わせたり、また本願明細書において記載される他の実施形態と組み合わせたりして使用することができる。抵抗回路Roscは、例えば
図12に示されているMCU210によって動作することができる。また、
図8A~
図10Cに示される実施形態においてEMIを効果的に低減するために、Coscの総静電容量の変化の周波数は、Fclkよりも大幅に小さくなければならないことにも留意されたい。
【0035】
図11は、サイプレス・セミコンダクター社(カリフォルニア州サンノゼ)によって提供されるTraveo(R)またはPSoC(R)コントローラなどのコントローラのコアアーキテクチャ1100の実施形態を示し、その内部で本開示に係る実施形態を実施することができる。一実施形態によれば、コアアーキテクチャ1100はマイクロコントローラ1102を含む。マイクロコントローラ1102は、CPU(中央処理装置)コア1104、フラッシュプログラムストレージ1106、DOC(デバッグ・オン・チップ)1108、プリフェッチバッファ1110、プライベートSRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)1112、および特殊機能レジスタ1114を含む。一実施形態よれば、DOC1108、プリフェッチバッファ1110、プライベートSRAM1112、および特殊機能レジスタ1114はCPUコア1104(例えば、CPUコア1006)に結合され、フラッシュストレージ1106はプリフェッチバッファ1110に結合される。フラッシュストレージ1106は、(本願明細書および
図9において記載されるように)その内部で本開示の実施形態を実施することができるメモリチップであってもよい。
【0036】
コアアーキテクチャ1100はまた、CHub(コアハブ)1116を含むことができ、CHub(コアハブ)1116は、ブリッジ1118と、バス1122を介してマイクロコントローラ1102に結合されているDMAコントローラ1120と、を含む。CHub1116は、マイクロコントローラ1102およびその周辺機器(例えば、周辺機器)およびメモリと、プログラマブルコア1124と、の間の一次データおよび制御インターフェースを提供することができる。DMAコントローラ1120は、CPUコア1104に負荷をかけずにシステム要素間でデータを転送するようにプログラミングすることができる。様々な実施形態において、マイクロコントローラ1102およびCHub1116の各構成要素は、CPUコア1104の選択または種類によって異なることがある。CHub1116はまた、共有SRAM1126およびSPC(システムパフォーマンスコントローラ)1128に結合されていてもよい。プライベートSRAM1112は、ブリッジ1118を介してマイクロコントローラ1102によってアクセスされる共有SRAM1126から独立している。CPUコア1104は、ブリッジ1118を介さずにプライベートSRAM1112にアクセスし、したがってローカルレジスタおよびRAMへのアクセスがDMAによる共有SRAM1126へのアクセスと同時並行に実行されることを可能にする。本願明細書ではSRAMと付されているが、これらのメモリモジュールは、様々な他の実施形態では、多種多様な選択肢の内、任意の適切な種類の(揮発性または不揮発性)メモリまたはデータストレージモジュールであってもよい。
【0037】
様々な実施形態において、プログラマブルコア1124は、デジタルロジックアレイ、デジタル周辺機器、アナログ処理チャンネル、グローバルルーティングアナログ周辺機器、(複数の)DMAコントローラ、SRAMおよびその他の適切な種類のデータストレージ、IOポートならびにその他の適切な種類の構成要素を含むが、これらに限定されない構成要素(図示せず)の様々な組み合わせを含むことができる。一実施形態によれば、プログラマブルコア1124は、それぞれが1つまたは複数の構成要素機能を実装するように構成された、マイクロコントローラ1102の外部オフ・チップ・アクセスを拡張するメカニズムを提供するためのGPIO(汎用IO)およびEMIF(拡張メモリインターフェース)ブロック1130、プログラマブルデジタルブロック1132、プログラマブルアナログブロック1134ならびに特殊機能ブロック1136を含む。様々な実施形態において、特殊機能ブロック1136は、専用(ノン・プログラマブル)機能ブロックを含むことができ、および/または、USB、水晶発振器駆動、JTAGなどの専用機能ブロックのための1つまたは複数のインターフェースを含むことができる。
【0038】
プログラマブルデジタルブロック1132は、デジタル論理ブロックのアレイおよび関連するルーティングを含むデジタル論理アレイを含むことができる。一実施形態において、デジタルブロックアーキテクチャは、複数のUDB(ユニバーサルデジタルブロック)から構成されている。例えば、各UDBは、CPLD機能と共にALUを備えることができる。
【0039】
様々な実施形態において、プログラマブルデジタルブロック1132の1つまたは複数のUDBは、以下の機能の内1つまたは複数を含むが、これらに限定されない様々なデジタル機能を実行するように構成されていてもよい:基礎的なI2Cスレーブ;I2Cマスタ;SPIマスタまたはスレーブ;マルチワイヤ(例えば、3ワイヤ)SPIマスタまたはスレーブ(例えば、1つのピン上に多重化されたMISO/MOSI);タイマおよびカウンタ(例えば、一対の8ビットタイマまたはカウンタ、1つの16ビットタイマまたはカウンタ、1つの8ビットキャプチャタイマ等);複数のPWM(例えば、一対の8ビットPWM、1つの16ビットPWM、1つの8ビットデッドバンドPWM等)、レベルセンシティブI/O割り込み発生器;直交エンコーダ、UART(例えば、半二重);遅延線;ならびに複数のUDBにおいて実施できる任意の他の適切な種類のデジタル機能またはデジタル機能の組み合わせ。
【0040】
他の実施形態において、2つ以上のUDBの組を使用して追加の機能を実装することができる。説明することのみを目的としており、限定するものではないが、複数のUDBを使用した次の機能を実装することができる:ハードウェアアドレス検出と、CPUコア(例えば、CPUコア1104)の介入なしに完全なトランザクションを処理する機能と、をサポートし、データストリーム内の任意のビットにおいて強制クロックストレッチを防止することを補助するI2Cスレーブ;1つのブロックにおいてスレーブオプションを含むことができるI2Cマルチマスタ;任意の長さ(最大32ビット)のPRSまたはCRC;SDIO;SGPIO;(例えば、4倍のオーバーサンプリングで最大32ビットを保持し、設定可能なしきい値をサポートする)デジタル相関器;(例えば、差動出力ペアを有するクラスDオーディオDACのための)デルタ・シグマ変調器;I2S(ステレオ);(例えば、UDBを使用してLCD駆動ブロックのタイミング制御を実装し、ディスプレイRAMアドレッシングを提供することができる)LCD駆動制御;全二重UART(例えば、1または2ストップビットまたはパリティを含む7、8または9ビット、およびRTS/CTSサポート)、IRDA(送信または受信);キャプチャタイマ(例えば、16ビット等);デッドバンドPWM(例えば、16ビット等);(ソフトウェアにおいCRCを用いたSMbusパケットのフォーマッティングを含む)SMbus;(例えば、6/12ステップ整流をサポートするための)ブラシレスモータ駆動;自動ボーレート検出および生成(例えば、ボーレートを生成するのに必要とされるクロック信号を生成するために、1200から115200ボーまでの標準レートのためおよび検出後にボーレートを自動的に決定する);ならびに複数のUDBにおいて実施できる任意の他の適切な種類のデジタル機能またはデジタル機能の組み合わせ。
【0041】
プログラマブルアナログブロック1134は、コンパレータ、ミキサ、PGA(プログラマブルゲインアンプ)、TIA(トランスインピーダンスアンプ)、ADC(アナログ‐デジタル変換器)、DAC(デジタル‐アナログ変換器)、電圧リファレンス、電流源、サンプル・ホールド回路ならびに任意の他の適切な種類のアナログリソースを含むが、これらに限定されないアナログリソースを含むことができる。プログラマブルアナログブロック1134は、本願明細書において記載される実施形態を実施するために使用されてもよく、また、アナログルーティング、LCD駆動IOサポート、静電容量センシング、電圧測定、モータ制御、電流から電圧への変換、電圧から周波数への変換、差動増幅、光測定、誘導性を利用した位置監視、フィルタリング、ボイスコイル駆動、磁気カード読み取り、音響ドップラー効果測定、エコー測距、モデム送信および受信エンコーディングまたは任意の他の適切な種類のアナログ機能を含むが、これらに限定されない様々な他のアナログ機能をサポートすることができる。
【0042】
図12は、本開示の実施形態がその内部において実装されてもよいフラッシュメモリチップ1200を示す。メモリチップ1200は、複数のメモリセルおよびデコーダを含んでもよいフラッシュメモリアレイ1205を含むことができる。チャージポンプ1235は、クロック発生器1240によって提供されるクロック信号の全てのエッジで、電圧源1230において駆動電荷を生成することができる。電圧源1230は、メモリアレイ1205に電源電圧を提供することができる。クロック発生器1240は、
図2~
図3Bに関連して上述した発振器205と同様であってもよい。メモリチップ1200は、読み取り/書き込み要求などを受け取るように機能することができる入力/出力駆動装置1215を含んでもよい。マイクロコントローラユニット1210(以下、MCU1210と言及する)は、チャージポンプ1235を有効にする、および、読み取り/書き込み要求を管理する(例えば、メモリアレイ1205にアドレスを配置する)など、メモリチップ1200の他の要素の機能を制御することができる。周波数変調器210は、本願明細書において記載されるように、チャージポンプ1235のクロック発生器1240によって提供されるクロック信号の周波数を変調するに動作することができ、このことによって、本願明細書においてさらに詳細に記載されるように、クロック周波数のより広い領域にわたってチャージポンプ1235によって生成されるノイズが分散される。
【0043】
上記の記載において、多数の詳細が述べられている。しかしながら、本開示の利益を有する当業者には、本開示の実施形態がこれらの特定の詳細なしに実施可能であることが明らかであろう。幾つかの事例においては、記載が不明瞭になるのを避けるために、周知の構造や装置が詳細を省略したブロック図形式で示されている。
【0044】
本願明細書の幾つかの箇所は、アルゴリズムおよびコンピュータメモリ内のデータビットに対する動作の記号表現の形式で記載されている。これらのアルゴリズムの記載および表現は、データ処理技術の分野の当業者が各々の作業の内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために用いる手段である。本願明細書においておよび一般的にアルゴリズムは、望ましいい結果をもたらす自己矛盾のない一連のステップから構成されるものであると認識されている。当該ステップは、物理量の物理的な操作を必要とするものである。必ずというわけではないが、通常、これらの量は、保存、転送、結合、比較、およびその他操作することが可能な電気信号または磁気信号の形を取る。これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、項、数などと言及することは、主に一般的な使用において場合によっては便利であることが立証されている。
【0045】
しかしながら、これらの用語および類似の用語は全て、適切な物理量に関連付けされる必要があり、これらの量に適用される便利な符号にすぎないことに留意されてたい。特段の定めがない限り、上記の記載から明らかであるように、記載全体を通して、「決定する」、「検出する」、「比較する」、「リセットする」、「追加する」、「計算する」などの用語を使用する記載は、コンピューティングシステムのレジスタおよびメモリ内の物理(例えば、電子の)量として表されるデータを操作し、ならびにコンピューティングシステムのメモリもしくはレジスタ、またはその他のこのような情報ストレージ、送信もしくはディスプレイ装置内で物理量として同様に表される他のデータに変換する、コンピューティングシステムまたは同様の電子コンピューティング装置の作業およびプロセスに言及するものであることを認識されたい。
【0046】
本願明細書では、「例」または「例示」という語句は、例、事例、または実例としての機能を表現するために用いられる。「例」または「例示」として本願明細書において記載される任意の特徴または設計事項は、必ずしも他の特徴または設計事項よりも好ましいまたは有利であると解されるべきではない。むしろ、「例」または「例示」という語句の使用は、概念を具体的な様式で表現するものである。本願で用いられる「または」という語句は、排他的な「または」ではなく、包含的な「または」を意味することを意図してる。すなわち、特段の定めがない限り、または文脈から明らかでない限り、「XはAまたはBを含む」は、自然な包含的順列のいずれかを意味するものである。つまり、「XはAまたはBを含む」は、XがAを含む、XがBを含む、または、XがAとBとの両方を含む場合、これらのいずれかの事例により満たされる。さらに、本願および添付の特許請求の範囲で使用される不定冠詞「a」および「an」は、特段の定めがない限り、または文脈から単数形を示すことが明らかでない限り、一般的に「1つまたは複数」を意味すると解されるべきである。さらに、使用されている「実施形態」、「一実施形態」、「実施態様」または「一実施態様」の用語は、そのように記載されていない限り、同じ実施形態または実施態様を意味するものではない。
【0047】
本願明細書において記載される実施形態は、本願明細書に記載の動作を実行するための装置に関連してもよい。当該装置は、要求される目的のために特別に構築されてもよいし、またはコンピュータに格納されているコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成される汎用コンピュータを備えていてもよい。このようなコンピュータプログラムは、フロッピーディスク、光学ディスク、CD-ROMおよび光磁気ディスクを含む任意の種類のディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カードまたは光学カード、フラッシュメモリ、または電子的な命令を保存するのに適している任意の種類のメディアなどであるが、これらに限定されない固定的なコンピュータ可読記憶媒体に保存することができる。「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、1つまたは複数の命令の集合体を保存する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型または分散型データベースおよび/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むものと解されるべきである。「コンピュータ可読記憶媒体」という用語はまた、機械によって実行される命令の集合体を保存、符号化または保持することができ、機械に本実施形態の任意の1つまたは複数の方法を実行させる、任意の媒体を含むものと解されるべきである。したがって、「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、ソリッド・ステート・メモリ、光学媒体、磁気媒体、機械によって実行される命令の集合体を保存することができ、機械に本実施形態の任意の1つまたは複数の方法を実行させる任意の媒体を含むが、それらに限定されないものと解されるべきである。
【0048】
本願明細書において提供されるアルゴリズムおよび表示は、本質的に特定のコンピュータまたは他の装置に関連するものではない。本願明細書の教示によるプログラムを用いて様々な汎用システムを使用することができるが、要求されている方法手段を実行するためにより特化した装置を構築する方が便利な場合もある。これらの様々なシステムに必要な構造は、以下の記載から明らかになる。さらに、本実施形態は、特定のプログラミング言語を想定して記載されていない。本願明細書において記載される実施形態の教示を実施するために、様々なプログラミング言語を使用できることを認識されたい。
【0049】
上記の記載は、本開示の幾つかの実施形態を充分に理解できるために、特定のシステム、構成要素、方法等の例など、多数の特定の詳細に言及する。しかしながら、当業者には、本開示の少なくとも幾つかの実施形態が、これらの特定の詳細なしで実施可能であることが明らかであろう。他の事例では、本実施形態を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の構成要素または方法を詳細に説明しないか、単純なブロック図形式で提示する。したがって、上記の特定の詳細についての記載は単なる例示である。特定の実施態様は、これらの例示的な詳細と異なる点を含むことがあるが、依然として本実施形態の範囲内にあると解せる。
【0050】
上記の記載は、例示的なものであり、限定的なものではないことに留意されたい。上記の記載を読んでかつ理解した当業者にとっては、多くの他の実施形態が明らかになるであろう。したがって、本実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲に関して、当該請求項が権利を有する等価の発明の全範囲と共に決定されるべきである。
【国際調査報告】