IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トライ アルファ エナジー, インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-539067ビーム不整列検出のためのシステム、デバイス、および方法
<>
  • 特表-ビーム不整列検出のためのシステム、デバイス、および方法 図1A
  • 特表-ビーム不整列検出のためのシステム、デバイス、および方法 図1B
  • 特表-ビーム不整列検出のためのシステム、デバイス、および方法 図2
  • 特表-ビーム不整列検出のためのシステム、デバイス、および方法 図3
  • 特表-ビーム不整列検出のためのシステム、デバイス、および方法 図4A
  • 特表-ビーム不整列検出のためのシステム、デバイス、および方法 図4B
  • 特表-ビーム不整列検出のためのシステム、デバイス、および方法 図5
  • 特表-ビーム不整列検出のためのシステム、デバイス、および方法 図6
  • 特表-ビーム不整列検出のためのシステム、デバイス、および方法 図7
  • 特表-ビーム不整列検出のためのシステム、デバイス、および方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】ビーム不整列検出のためのシステム、デバイス、および方法
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/29 20060101AFI20230906BHJP
   G21K 5/04 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
G01T1/29 A
G21K5/04 C
G21K5/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511579
(86)(22)【出願日】2021-08-25
(85)【翻訳文提出日】2023-02-14
(86)【国際出願番号】 US2021047602
(87)【国際公開番号】W WO2022046936
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】63/070,799
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/071,185
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】515056990
【氏名又は名称】ティーエーイー テクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヴェクセルマン, ヴラディスラフ
【テーマコード(参考)】
2G188
【Fターム(参考)】
2G188BB12
2G188BB14
(57)【要約】
システム、デバイス、および方法の実施形態は、ビームシステムに関する。ビームシステムのビーム不整列を検出する例示的方法は、ビームシステムの注入器システムにおけるビーム不整列を検出することを含む。例示的方法は、ビームシステムの加速器システムにおけるビーム不整列を検出することをさらに含む。一実施形態において、方法は、ビームが不整列であることを決定すると、ビーム注入器を通して伝搬するビームを非アクティブにすることをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム注入器におけるビーム不整列を検出する方法であって、前記方法は、
前記ビーム注入器の少なくとも1つの磁気要素からの少なくとも1つの電流測定値と前記ビーム注入器の少なくとも1つのバイアスされる構成要素からの少なくとも1つの電圧測定値とを取得することと、
前記ビーム注入器の前記少なくとも1つの磁気要素から取得された前記少なくとも1つの電流測定値が整列電流範囲から外れていること、または前記ビーム注入器の前記少なくとも1つのバイアスされる構成要素から取得された前記少なくとも1つの電圧測定値が整列電圧範囲から外れていることのうちの1つ以上であるとき、前記ビーム注入器を通して伝搬するビームが不整列であることを決定することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ビーム注入器は、ビーム位置モニタを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ビーム位置モニタからの出力信号が前記ビーム位置モニタの1つ以上の個々の電極における信号がある条件に反することを示すとき、前記ビーム注入器を通して伝搬する前記ビームが不整列であることを決定することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ビーム位置モニタからの出力信号が前記ビーム位置モニタの1つ以上の個々の電極における第1の大きさの電流が第1の電流閾値を超えていること、または下回っていることを示すとき、前記ビーム注入器を通して伝搬する前記ビームが不整列であることを決定することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ビーム注入器は、1つ以上のスクレーパ部材を備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上のスクレーパ部材のうちの少なくとも1つのスクレーパ部材から1つ以上の測定値を取得することと、
前記少なくとも1つのスクレーパ部材から取得された前記1つ以上の測定値が整列閾値から外れているとき、前記ビーム注入器を通して伝搬する前記ビームが不整列であることを決定することと
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの磁気要素は、ビーム操向磁石またはソレノイドを備えている、請求項1-6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのバイアスされる構成要素は、イオン源、前段加速器管、または静電レンズを備えている、請求項1-7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記ビーム注入器は、ビームを加速器システムに注入する、請求項1-8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記ビームが不整列であることを決定すると、前記ビーム注入器を通して伝搬する前記ビームを非アクティブにすることをさらに含む、請求項1-9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記ビームが不整列であることを決定すると、ビーム不整列を制御システムまたはコンピューティングデバイスに信号伝達することをさらに含む、請求項1-10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
ビーム注入器におけるビーム不整列を検出するためのシステムであって、前記システムは、
ビーム注入器と、
少なくとも1つのプロセッサと、命令を記憶している少なくとも1つのメモリとを備えている制御システムと
を備え、
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、
前記ビーム注入器の少なくとも1つの磁気要素からの少なくとも1つの電流測定値と前記ビーム注入器の少なくとも1つのバイアスされる構成要素からの少なくとも1つの電圧測定値とを取得することと、
前記ビーム注入器の前記少なくとも1つの磁気要素から取得された前記少なくとも1つの電流測定値が整列電流範囲から外れていること、または前記ビーム注入器の前記少なくとも1つのバイアスされる構成要素から取得された前記少なくとも1つの電圧測定値が整列電圧範囲から外れていることのうちの1つ以上であるとき、前記ビーム注入器を通して伝搬するビームが不整列であることを決定することと
を行うように前記制御システムを構成する、システム。
【請求項13】
前記ビーム注入器は、ビーム位置モニタを備えている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのメモリは、命令を記憶しており、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、
前記ビーム位置モニタからの出力信号が前記ビーム位置モニタの1つ以上の個々の電極における信号がある条件に反することを示すとき、前記ビーム注入器を通して伝搬する前記ビームが不整列であることを決定するように前記制御システムをさらに構成する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのメモリは、命令を記憶しており、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、
前記ビーム位置モニタからの出力信号が前記ビーム位置モニタの1つ以上の個々の電極における第1の大きさの電流が第1の電流閾値を超えていること、または下回っていることを示すとき、前記ビーム注入器を通して伝搬する前記ビームが不整列であることを決定するように前記制御システムをさらに構成する、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記ビーム注入器は、1つ以上のスクレーパ部材を備えている、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのメモリは、命令を記憶しており、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、
前記1つ以上のスクレーパ部材のうちの少なくとも1つのスクレーパ部材から1つ以上の測定値を取得することと、
前記少なくとも1つのスクレーパ部材から取得された前記1つ以上の測定値が整列閾値から外れているとき、前記ビーム注入器を通して伝搬する前記ビームが不整列であることを決定することと
を行うように前記制御システムをさらに構成する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの磁気要素は、ビーム操向磁石またはソレノイドを備えている、請求項12-17のいずれかに記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのバイアスされる構成要素は、イオン源、前段加速器管、または静電レンズを備えている、請求項12-18のいずれかに記載のシステム。
【請求項20】
前記ビーム注入器は、ビームを加速器システムに注入するように構成されている、請求項12-19のいずれかに記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つのメモリは、命令を記憶しており、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、
前記ビームが不整列であることを決定すると、前記ビーム注入器を通して伝搬する前記ビームを非アクティブにするように前記制御システムをさらに構成する、請求項12-20のいずれかに記載のシステム。
【請求項22】
前記少なくとも1つのメモリは、命令を記憶しており、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、
前記ビームが不整列であることを決定すると、ビーム不整列をコンピューティングデバイスに信号伝達するように前記制御システムをさらに構成する、請求項12-21のいずれかに記載のシステム。
【請求項23】
加速器システムにおけるビーム不整列を検出する方法であって、前記方法は、
前記加速器システムの入力開口における入力ビーム電流を取得することと、
前記加速器システムの出力開口における出力ビーム電流を取得することと、
前記出力ビーム電流と前記入力ビーム電流との間の差異がビーム損失閾値を超えたビーム損失を示すとき、前記加速器システムを通して伝搬するビームが不整列であることを決定することと
を含む、方法。
【請求項24】
前記入力ビーム電流は、第1の電流モニタ測定値と第1のスクレーパ部材測定値とから決定される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記出力ビーム電流は、第2の電流モニタ測定値と第2のスクレーパ部材測定値とから決定される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記ビームが不整列であることを制御システムまたはコンピューティングデバイスに信号伝達することをさらに含む、請求項23-25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記出力ビーム電流と前記入力ビーム電流との間の前記差異を制御システムまたはコンピューティングデバイスに信号伝達することをさらに含む、請求項23-25のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記ビームが不整列であることを決定すると、ビーム伝搬を中止することをさらに含む、請求項23-27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
加速器システムにおけるビーム不整列を検出する方法であって、前記方法は、
前記加速器システムの入力開口における入力ビーム電流を取得することと、
前記加速器システムの出力開口における出力ビーム電流を取得することと、
前記加速器システムの電流と、前記出力ビーム電流と前記入力ビーム電流との合計との間の差異がゼロより大きいとき、前記加速器システムを通して伝搬するビームが不整列であることを決定することと
を含む、方法。
【請求項30】
前記入力ビーム電流は、第1の電流モニタ測定値と、第1のスクレーパ部材測定値とから成る、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記出力ビーム電流は、第2の電流モニタ測定値と、第2のスクレーパ部材測定値とから成る、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記ビームが不整列であることを制御システムまたはコンピューティングデバイスに信号伝達することをさらに含む、請求項29-31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記出力ビーム電流と前記入力ビーム電流との間の差異を制御システムまたはコンピューティングデバイスに信号伝達することをさらに含む、請求項29-31のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記ビームが不整列であることを決定すると、ビーム伝搬を中止することをさらに含む、請求項29-31のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
加速器システムにおけるビーム不整列を検出する方法であって、前記方法は、
前記加速器システムの標的交換冷却デバイスの冷却剤の流量、前記加速器システムの電荷交換デバイスに衝突する粒子のエネルギー、および前記電荷交換冷却デバイスの入口と出口との間の冷却剤の温度差を取得することと、
前記流量、エネルギー、および温度差に基づいて計算されたビーム損失がビーム損失閾値を超えているとき、前記加速器システムを通して伝搬するビームが不整列であることを決定することと
を含む、方法。
【請求項36】
前記ビームが不整列であることを制御システムまたはコンピューティングデバイスに信号伝達することをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記流量、エネルギー、および温度差を制御システムまたはコンピューティングデバイスに信号伝達することをさらに含む、請求項35-36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
前記ビームが不整列であることを決定すると、ビーム伝搬を中止することをさらに含む、請求項35-37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
加速器システムにおけるビーム不整列を検出する方法であって、前記方法は、
前記加速器システムの入力開口における入力ビーム電流を取得すること、
前記加速器システムの出力開口における出力ビーム電流を取得すること、または、
前記加速器システムの電荷交換冷却デバイスの冷却剤の流量、前記加速器システムの電荷交換デバイスに衝突する粒子のエネルギー、および前記電荷交換冷却デバイスの入口と出口との間の冷却剤の温度差を取得することと、
前記出力ビーム電流と前記入力ビーム電流との間の差異がビーム損失閾値を超えたビーム損失を示すとき、前記加速器システムを通して伝搬するビームが不整列であることを決定すること、または、
前記加速器システムの電流と、前記出力ビーム電流と前記入力ビーム電流との合計との間の差異がゼロより大きいとき、前記加速器システムを通して伝搬するビームが不整列であることを決定すること、または、
前記流量、エネルギー、および温度差に基づいて計算されたビーム損失がビーム損失閾値を超えているとき、前記加速器システムを通して伝搬するビームが不整列であることを決定すること
のうちの1つ以上と
を含む、方法。
【請求項40】
加速器システムにおけるビーム不整列を検出するためのシステムであって、前記システムは、
加速器システムと、
少なくとも1つのプロセッサと、命令を記憶している少なくとも1つのメモリとを備えている制御システムと
を備え、
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、請求項23-39のいずれかに記載の方法を実施するように制御システムを構成する、システム。
【請求項41】
前記加速器システムの入力開口に位置付けられた第1の電流モニタと、前記加速器システムの出力開口に位置付けられた第2の電流モニタとをさらに備えている、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記加速器システムの入力開口に位置付けられた第1のスクレーパ部材と、前記加速器システムの出力開口に位置付けられた第2のスクレーパ部材とをさらに備えている、請求項40に記載のシステム。
【請求項43】
電荷交換デバイスと、電荷交換冷却デバイスとをさらに備えている、請求項40に記載のシステム。
【請求項44】
ビームシステムであって、前記システムは、
請求項12-22のいずれかに記載のビーム注入器におけるビーム不整列を検出するためのシステムと、
請求項40-43のいずれかに記載の加速器システムにおけるビーム不整列を検出するためのシステムと
を備えている、ビームシステム。
【請求項45】
ビームシステムにおけるビーム不整列を検出する方法であって、前記方法は、
請求項1-11のいずれかに記載の方法に従って前記ビームシステムのビーム注入器におけるビーム不整列を検出すること、または、
請求項23-39のいずれかに記載の方法に従って前記ビームシステムの加速器システムにおけるビーム不整列を検出すること
のうちの1つ以上を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その両方の内容が、あらゆる目的のために参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる「SYSTEMS,DEVICES,AND METHODS FOR BEAM MISALIGNMENT DETECTION」と題され、2020年8月26日に出願された米国仮出願第63/070,799号および「SYSTEMS,DEVICES,AND METHODS FOR BEAM MISALIGNMENT DETECTION」と題され、2020年8月27日に出願された米国仮出願第63/071,185号の優先権を主張する。
(技術分野)
【0002】
本明細書に説明される主題は、概して、加速器システムにおける不整列ビームを検出し、調節し、安全に中止するシステム、デバイス、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、最も困難なタイプのうちのいくつかを含む種々のタイプの癌の治療のモダリティである。BNCTは、ホウ素化合物を使用して、正常細胞を避けながら、腫瘍細胞を治療するように選択的に照準する技法である。ホウ素を含む、物質が、血管の中に注入され、ホウ素が、腫瘍細胞内に集中する。患者は、次いで、(例えば、中性子ビームの形態における)中性子を用いた放射線療法を受ける。中性子は、ホウ素と反応し、周辺正常細胞への害を低減させながら、腫瘍細胞を死滅させる。長期臨床研究は、3~30キロ電子ボルト(keV)以内のエネルギースペクトルを伴う中性子のビームが、患者への放射線負荷を減少させながら、より効率的な癌治療を達成するために好ましいことを証明している。このエネルギースペクトルまたは範囲は、頻繁に、熱外と称される。
【0004】
熱外中性子(例えば、熱外中性子ビーム)の発生のための大部分の従来の方法は、陽子とベリリウムまたはリチウム(例えば、ベリリウム標的またはリチウム標的)のいずれかとの核反応に基づく。
【0005】
静電加速器に基づく解決策に関して、ビーム診断器は、荷電粒子ビームライン設計の本質的な部分である。ビーム輸送における重要なタスクは、ビームが、ビームラインの内側に正しく位置付けられること(例えば、ビームライン構成要素および壁とのいかなる直接的なビーム相互作用も存在しないこと)を確実にすることである。ビーム破壊力が、ビームエネルギーに伴って上がるので、そのようなビーム診断器の設置または使用のいずれの影響も、ビームエネルギーに比例し得る。これは、特に、ビームライン構成要素およびビームに基づく治療を受ける患者への不可逆的損傷が、ミリ秒時間スケールで生成され得る直流(DC)ビームの輸送に関して当てはまる。したがって、ビーム位置の連続的な監視は、不整列であるとして検出されたビームを迅速に中止または調節する能力のような加速器ベースの解決策においてビーム輸送を成功させるための鍵である。
【0006】
これらおよび他の理由から、加速器ベースの解決策において輸送される不整列ビームを安全に監視し、その中止を可能にする改良された効率的かつコンパクトなシステム、デバイス、および方法の必要性が、存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
中性子ビームシステムの注入器システムおよび中性子ビームシステムの加速器システムにおけるビーム不整列検出のためのシステム、デバイス、および方法の例示的実施形態が、本明細書に説明される。例示的実施形態は、ビームシステムにおけるビーム不整列の検出に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
種々の実施形態では、ビーム不整列は、ビーム注入器の磁気要素から電流測定値を取得することまたはビーム注入器のバイアスされる構成要素の電圧測定値を取得することに基づいて、ビームシステムのビーム注入器または注入器システムにおいて検出されることができる。ビームは、電流測定値が公称条件から外れているとき、または電圧測定値が公称条件から外れているとき、不整列であると決定されることができる。
【0009】
種々の実施形態では、ビーム不整列は、加速器システムの入力ビーム電流および出力ビーム電流およびビーム損失を評価するための加速器システムの電荷交換デバイスに関連付けられた種々のパラメータを取得することに基づいて、ビームシステムの加速器システムにおいて検出されることができる。ビームは、検出されたビーム損失がビーム損失閾値を超えているとき、不整列であると決定されることができる。
【0010】
本明細書に説明される主題の他のシステム、デバイス、方法、特徴、および利点は、以下の図および詳細な説明の検討に応じて、当業者に明白であるか、または、明白となるであろう。全てのそのような追加のシステム、方法、特徴、および利点が、本説明内に含まれ、本明細書に説明される主題の範囲内であり、付随の請求項によって保護されることを意図している。それらの特徴の明確な列挙が請求項内に不在であっても、いかようにも、例示的実施形態の特徴は、添付される請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
その構造および動作の両方に関する本明細書に記載される主題の詳細は、同様の参照番号が同様の部分を指す付随の図の精査によって明白となることができる。図中の構成要素は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、主題の原理を図示することに重点が置かれている。また、全ての図示は、概念を伝えることを意図しており、相対的サイズ、形状、および他の詳述される属性は、文字通りまたは精密にではなく、図式的に図示されることができる。
【0012】
図1A図1Aは、本開示の実施形態との使用のための中性子ビームシステムの例示的実施形態の概略図である。
【0013】
図1B図1Bは、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)における使用のための中性子ビームシステムの例示的実施形態の概略図である。
【0014】
図2図2は、本開示の実施形態との使用のための例示的前段加速器システムまたはイオンビーム注入器を図示する。
【0015】
図3図3は、図2に示されるイオンビーム注入器システムのビーム位置モニタ(BPM)の例示的実施形態の斜視図である。
【0016】
図4A図4Aは、図2に示される、イオン源およびイオン源真空ボックスの斜視図である。
【0017】
図4B図4Bは、図4Aに示されるアインツェルレンズの例示的実施形態を描写する、分解斜視図である。
【0018】
図5図5は、本開示の実施形態との使用のための例示的前段加速器管を図示する。
【0019】
図6図6は、本開示の例示的実施形態の例示的動作を図示する。
【0020】
図7図7は、本開示の実施形態が動作し得るシステムのブロック図を図示する。
【0021】
図8図8は、本開示の実施形態に従って特別に構成され得る例示的コンピューティング装置を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本主題が詳細に説明される前に、本開示が、説明される特定の実施形態に限定されず、したがって、当然ながら、変動し得ることを理解されたい。また、本明細書に使用される専門用語が、特定の実施形態を説明する目的のみのためのものであり、本開示の範囲は、添付される請求項によってのみ限定されるであろうから、限定することを意図していないことを理解されたい。
【0023】
用語「粒子」は、本明細書では、広義に使用され、別様に限定されない限り、電子、陽子(またはH+イオン)、または中性子、および2つ以上の電子、陽子、および/または中性子(例えば、他のイオン、原子、および分子)を有する種を説明するために使用され得る。
【0024】
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、癌治療のために高エネルギー(例えば、2~3メガ電子ボルト(MeV))および高電流(例えば、最大20ミリアンペア(mA))DC陽子ビームを展開することを伴う。そのような強力なビームは、ビーム不整列、中断、ビームライン構成要素の故障、またはビーム不安定性の発展によってトリガされる有害事象の可能性として考えられる生成をもたらし得る。例えば、ビームとビームライン壁との直接的な相互作用は、数ミリ秒内に不可逆的な損傷につながり得る。
【0025】
本開示の実施形態は、ビーム診断器およびビーム不整列の検出および不整列ビームの調節または中止のための方法を採用するように構成される制御システムの使用を通して、システム動作の間のそのような所望されない事象の監視および防止を可能にする。
【0026】
ビーム輸送シミュレーションは、典型的に、限定ではないが、空間および位相座標における最適経路からのビームの外れ、ビームサイズ限定、ビームエネルギー変動等を含む、種々のビーム特性に関する「安全な経路」を決定するために実施される。これらのシミュレーションは、初期条件の不確かさおよび適用される方法の本質的な不正確さから、複雑であり、時として、不十分な正確度であるが、シミュレーションは、結果に信頼性を持たせるために、実験を用いてベンチマークされることができる。シミュレーション結果のベンチマークは、非侵襲性診断ツールを通して達成可能な機械またはシステム試運転および動作の間の正確なビーム特性評価および監視に依存する。
【0027】
ビーム特性の非侵襲性測定は、特に、高電力DCビームに関して(侵襲性診断が不適切である場合)、実施することが困難である。ビームラインに沿って作用する空間限定および他の制限を考慮すると、ビーム診断器の実際のセットは、ビームについての部分的情報しかもたらすことが可能ではない場合がある。本開示の例示的実施形態は、ビーム輸送の安全性および信頼性を証明するための信頼性の高いインターロックシステムおよび方法を可能にすることによって、ビームのそのようなスポット様被覆率を克服する。本明細書に説明される実施形態は、ビーム診断器からの関連する信号のタイムリーかつ信頼性の高い解釈を可能にし、必要とされる場合、ビーム中止の開始が続く。
【0028】
本明細書に説明される実施形態は、測定の間に最小のビーム摂動または擾乱をもたらす、専用非侵襲性または低侵襲性ビーム診断器を含むことができる。すなわち、遮断性または侵襲性ビーム診断器を使用するビーム測定は、ビーム-プローブ相互作用を介してビーム特性に影響を及ぼす。例えば、ビーム空間および位相プロファイルは、一般的に、影響を受けるビーム特性およびビームエネルギーである。したがって、遮断性または侵襲性ビーム診断器は、概して、機械試運転段階の間または機械保守または点検の間の使用のためにのみ好適である。
【0029】
本明細書に説明される実施形態はさらに、種々のビーム特性またはパラメータの冗長測定を可能にすることができる。冗長性は、ある例示的実施形態では、結果として生じる信号を決定するために、異なる測定からの2つ以上の信号を比較する方法によって達成されることができる。冗長性はさらに、ある例示的実施形態では、種々の動的または固定された計算に基づいて、異なる測定値がビーム不整列を示すかどうかを決定する方法によって達成されることができる。冗長性は、本明細書では、ハードウェア、ソフトウェア、または両方の組み合わせの使用を通して達成されることができる。
【0030】
ビームパラメータの時間分解測定は、測定の正確度に基づいて考慮され得る異なる現象によって影響を受け得る。例えば、ビーム電流の推定を可能にする、電気プローブ表面上のビーム粒子の集合は、二次粒子放出として公知の現象を伴う。二次粒子放出は、一般的に、ビーム電流の誤った推定をもたらし、負のイオンビームに関して、ビーム電流は、そのような放出される二次電子に起因して、過小評価され得る。電気プローブのバイアスおよび/または具体的構成の外部磁場の印加は、二次粒子放出の効果を減少させることができる。しかしながら、他の荷電粒子は、近傍の発生されるプラズマから電気プローブによって引き寄せられ、したがって、電気プローブ発生信号の正確度を限定し得る。
【0031】
ビーム微粒子が、イオン源(例えば、12)によって排他的に発生され得るため、ビーム電流は、好ましくは、ビームがビームシステム(例えば、10)を通して下流に伝搬する間に増加しない。そのような条件は、本明細書では、ビーム診断器の誤った読取値を検出するために採用されることができる。例えば、j≧iに関してI≧Iであり、式中、i、jは、イオン源(例えば、12)から増分されるビームライン(例えば、ビームシステム10)におけるビーム診断器のインデックスであり、I(またはI)は、測定されたビームパラメータである。例えば、イオン源(例えば、12)の出口において測定されるビーム全電流は、加速器システム(例えば、16)の入口において測定される、加速器システム(例えば、16)の中に注入されるビーム全電流より小さくなるべきではない。
【0032】
本明細書に説明されるシステム、デバイス、および方法の例示的実施形態は、粒子加速器との使用のための前段加速器システムを含むことができる。粒子加速器は、一般的例であり、本明細書に説明される実施形態は、任意のタイプの粒子加速器とともに使用されるか、または粒子加速器に供給するための規定されたエネルギーにおける荷電粒子ビームの生成を伴う任意の粒子加速器用途において使用されることができる。本前段加速器システムまたはイオンビーム注入器の実施形態は、負の粒子ビームをタンデム加速器に提供するために適しているが、それは、例示的タイプの加速器にすぎない。本明細書に説明される前段加速器実施形態は、核物理学研究等のための科学ツールとして使用される粒子加速器、半導体チップの製造等の産業または製造プロセスにおいて使用される粒子加速器、材料性質の改変(表面処理等)のための加速器、食品の照射のための粒子加速器、および医療滅菌における病原破壊のための粒子加速器において実装されることができる。実施形態はまた、積荷またはコンテナ点検等の撮像用途においても使用されることができる。また、別の非包括的例として、実施形態は、医療診断システム、医療撮像システム、または放射線療法システム等の医療用途のための粒子加速器において使用されることができる。
【0033】
1つのそのような放射線療法システムは、BNCTシステムである。説明を容易にするために、本明細書に説明される多くの実施形態は、BNCTにおける使用のための中性子ビームシステムの文脈においてそのように行われるであろうが、実施形態は、中性子ビームまたはBNCT用途のみに限定されない。本開示の実施形態は、リチウム(Li)またはベリリウム(Be)等の中性子発生標的を用いたBNCTのための中性子の源のために好適なパラメータを伴う陽子ビームを発生させるための加速器システム(本明細書では、前段加速器システムとも称される)の構成を可能にする。
【0034】
リチウム標的上での熱外中性子の効率的な発生のために、1.9~3.0MeVのエネルギーを伴う陽子のビームが、望ましくあり得る。そのような用途における、合理的に短い治療時間にわたる、好ましい束密度を伴う中性子ビームの形成はまた、5mAを上回る陽子ビーム電流を伴うことができる。タンデム加速器システムをそのような用途において採用するために、水素の負のイオンの源が、好ましくあり得る。
【0035】
本開示の実施形態は、数ミリアンペアを上回るビーム電流を伴う負のイオンの任意のタイプの静電加速器のために有用であり得る。本明細書に開示される実施形態は、前段加速器システムの前、その中、または後に、特定の用途による要求に応じて、イオン光学系およびビーム診断器を含む任意の追加の要素を有することができる。
【0036】
本開示の実施形態は、連続的または変調された陽子ビームを提供する、中性子ビームシステム(NBS)とともに使用されることができる。陽子ビームは、広範囲のエネルギーおよび電流を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、陽子ビームは、5~15mAのビーム電流を伴う1.9~3.0MeVの範囲内の粒子エネルギーを有する。他の実施形態では、陽子ビームは、これらの範囲外のエネルギーおよび/または電流を有する。ビームは、リチウム標的に指向され、中性子ビームを発生させることができるか、または、NBSは、リチウムの代わりに、ベリリウム等の中性子発生のための他の材料を有する標的とともに使用されることができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、イオン源は、最大15mAの(またはより高い)電流を伴う水素の負のイオンのビームを発生させる。ビーム粒子は、イオン源において、30keVの(またはより高い)エネルギーに加速されることができる。イオン源は、前段加速器システム(1つ以上の介在構成要素を伴う)に接続されることができ、それは、120~150keVの(またはより高い)エネルギーへの負のイオンビーム粒子の追加の加速を提供する。ビームはまた、タンデム加速器入力チャンバの入力開口までの距離に対応する焦点距離、例えば、1メートル(m)未満の距離を伴って、前段加速器システム内で集束させられることができる。前段加速器システムは、静電レンズ(例えば、アインツェルレンズ)、前段加速器デバイス(例えば、複数の端子を有する前段加速器管)、および/またはタンデム加速器に入射することに立って、イオンビームをより高いエネルギーに成形および加速するための磁気要素(例えば、1つ以上のソレノイド)を含むことができる。
【0038】
前段加速器システムの静電レンズは、静電レンズがイオン源の接地レンズから下流にあるように、イオン源と前段加速器管との間に位置付けられることができる。静電レンズは、イオン源からのイオンビームの発散を低減させることができ、また、イオン化された逆流粒子を迂回および収集させることができる。
【0039】
前段加速器システムの磁気要素(または磁気集束デバイス)は、前段加速器管とタンデム加速器との間に位置付けられることができ、ビームを焦点スポットに向かって微調整することができる。磁気要素は、例えば、ソレノイドであり得る。
【0040】
本明細書に説明されるシステム、デバイス、および方法の例示的実施形態はまた、ビームシステム10のビームラインにおけるビーム不整列の検出のための高速ビーム位置監視を促進する。ある例示的実施形態では、ビーム位置モニタ(BPM)は、中性子ビームシステム(NBS)のビームラインの内部の中に延びている複数の電極を含むことができる。これらの実施形態では、ビーム位置モニタ(BPM)は、電極によるビームハロー電流の収集によって動作することができる。電極は、BPMの壁から直流的に分離され、外部電力供給源を使用してバイアスされることができる。BPM壁に対するバイアスは、信号に対する二次電子放出(SEE)電流の寄与を低減させることができ、ビーム発生プラズマから収集されるビームハロー電流を増加させることができる。
【0041】
例示的実施形態では、ビーム位置モニタ(BPM)は、ビームラインを通して前進するビームが軸外れであるときを制御システムに信号伝達する、または示すように構成される。
【0042】
ビーム位置モニタ(BPM)は、ビームラインを通して前進するビームへの擾乱を最小限にしながら、ビームライン構成要素へのビーム誘発損傷を低減または排除することに関連付けられた検出感度レベルを含むことができる。すなわち、ビームラインの構成要素を通過するビームのビーム電流の最小量は、電極による電流収集の結果として低減させられることができる。BPMの例示的実施形態は、有利なこととして、直流(DC)ビームを用いて動作する、ミリ秒(またはより速い)応答時間を有する、および/または核あたり2.5MeV(およびより高い)ビーム電力を受け取ることができる。
【0043】
いくつかの例示的実施形態では、BPMは、イオンビームから中性子ビームを生成するために構成されるビームシステムの一部であり得る。ビームシステムは、イオンビーム注入器システムとしての役割を果たすLEBLと、イオンビーム注入器システムに結合された高電圧(HV)タンデム加速器と、タンデム加速器から中性子生成標的を格納する中性子標的アセンブリまで延びているHEBLとを含むことができる。これらの例示的実施形態では、イオンビーム注入器は、イオン源と、イオン源から延びている低エネルギービームラインの中に組み込まれるビーム光学系と、前段加速器管と、ビーム診断器と、タンデム加速器に結合された圧送チャンバとを含むことができる。イオン源は、プラズマ体積における荷電粒子を発生させることができ、それは、抽出され、加速され、調整され、最終的に、中性子生成標的に送達されるときに中性子を生成するために使用されることができる。ビーム位置を監視するそのような改良された効率的かつコンパクトなシステム、デバイス、および方法は、動作的効能を維持しながら、中性子ビームシステム機器の保全を可能にする。
【0044】
図1Aは、本開示の実施形態との使用のためのビームシステム10の例示的実施形態の概略図である。ここでは、ビームシステム10は、源12と、低エネルギービームライン(LEBL)14と、低エネルギービームライン(LEBL)14に結合された加速器16と、加速器16から標的100まで延びている高エネルギービームライン(HEBL)18とを含む。LEBL14は、ビームを源22から加速器16の入力に輸送するように構成され、それは、次に、LEBL14によって輸送されるビームを加速することによって、ビームを生成するように構成される。HEBL18は、ビームを加速器16の出力から標的100に移送する。標的100は、入射ビームによって印加される刺激に応答して所望の結果を生成するように構成される構造であり得るか、または、ビームの性質を修正することができる。標的100は、システム10の構成要素であり得るか、または、少なくとも部分的に、システム10によって調整または製造されるワークピースであり得る。
【0045】
図1Bは、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)における使用のための中性子ビームシステム10の別の例示的実施形態を図示する概略図である。ここでは、源12は、イオン源であり、加速器16は、タンデム加速器である。中性子ビームシステム10は、荷電粒子ビーム注入器としての役割を果たす前段加速器システム20と、前段加速器システム20に結合された高電圧(HV)タンデム加速器16と、タンデム加速器16から標的100(図示せず)を格納する中性子標的アセンブリ200まで延びているHEBL18とを含む。本実施形態では、標的100は、十分なエネルギーの陽子による影響に応答して、中性子を発生させるように構成され、中性子発生標的と称され得る。中性子ビームシステム10および前段加速器システム20はまた、本明細書に説明されるそれらの他の例等の他の用途のために使用されることができ、BNCTに限定されない。
【0046】
前段加速器システム20は、イオンビームをイオン源12からタンデム加速器16の入力(例えば、入力開口)に輸送するように構成され、したがって、また、LEBL14としての機能を果たす。それに結合された高電圧電力供給源42によって給電される、タンデム加速器16は、概して、加速器16内に位置付けられる加速電極に印加される電圧の2倍に等しいエネルギーを伴う陽子ビームを生成することができる。陽子ビームのエネルギーレベルは、負の水素イオンのビームを加速器16の入力から最内側高電位電極まで加速し、2個の電子を各イオンから奪取し、次いで、結果として生じる陽子を同一の印加される電圧によって下流に加速することによって達成されることができる。
【0047】
HEBL18は、陽子ビームを加速器16の出力から、患者治療室の中に延びているビームラインの支流70の端部に位置付けられた中性子標的アセンブリ200内の標的に移送することができる。システム10は、陽子ビームを任意の数の1つ以上の標的および関連付けられた治療エリアに方向づけるように構成されることができる。本実施形態では、HEBL18は、3つの異なる患者治療室の中に延び得る3つの支流70、80、および90を含み、各支流は、標的アセンブリ200および下流ビーム成形装置(図示せず)において終端することができる。HEBL18は、ポンプチャンバ51と、ビームのデフォーカスを防止するための四重極磁石52および72と、ビームを治療室の中に操向するための双極子または曲げ磁石56および58と、ビーム補正器53と、電流モニタ54および76等の診断器と、高速ビーム位置モニタ55区分と、走査磁石74とを含むことができる。
【0048】
HEBL18の設計は、治療設備の構成(例えば、1階建構成の治療設備、2階建構成の治療設備等)に依存する。ビームは、曲げ磁石56の使用によって、(例えば、治療室の近傍に位置付けられる)標的アセンブリ200に送達されることができる。四重極磁石72は、次いで、ビームを標的においてあるサイズに集束させるように含まれることができる。次いで、ビームは、1つ以上の走査磁石74を通過し、それは、所望のパターン(例えば、螺旋、湾曲、行および列における段階的、それらの組み合わせ、およびその他)において、標的表面上のビームの側方移動を提供する。ビーム側方移動は、リチウム標的上で陽子ビームの平滑かつ均一な時間平均分布を達成し、過熱を防止し、中性子発生をリチウム層内で可能な限り均一にすることに役立ち得る。
【0049】
走査磁石74に入射した後、ビームは、電流モニタ76の中に送達されることができ、それは、ビーム電流を測定する。標的アセンブリ200は、ゲート弁77を用いて、HEBL体積から物理的に分離されることができる。ゲート弁の主要機能は、標的を装填し、および/または使用済み標的を新しいものと交換しながらの、ビームラインの真空体積の標的からの分離である。実施形態では、ビームは、曲げ磁石56によって、90度曲げられ得ず、それは、むしろ、図1Bの右に直線に進み、次いで、水平ビームライン内に位置する、四重極磁石52に入射する。ビームは、続けて、別の曲げ磁石58によって、建物および部屋構成に応じて、必要とされる角度まで、曲げられ得る。そうでなければ、曲げ磁石58は、同一階上に位置する2つの異なる治療室のために、ビームラインを2つの方向に分割するために、Y形状磁石と置換され得る。
【0050】
図2は、本開示の実施形態との使用のための前段加速器システムまたはイオンビーム注入器の例を図示する。この例では、前段加速器システム20(例えば、LEBL14)は、アインツェルレンズ30(図示せず)と、前段加速器管26と、ソレノイド510とを含み、イオン源12から注入される負のイオンビームを加速するように構成される。前段加速器システム20は、タンデム加速器16のために要求されるエネルギーへのビーム粒子の加速を提供し、タンデム加速器16の入力開口または入口における入力開口面積に合致するために、負のイオンビームの全体的収束を提供するように構成される。前段加速器システム20はさらに、イオン源12への損傷および/または逆流がイオン源のフィラメントに到達する可能性を低減させるために、タンデム加速器16から前段加速器システムを通してこれが通過するにつれて、逆流を最小限またはデフォーカスさせるように構成される。
【0051】
実施形態では、イオン源12は、負のイオンビームをアインツェルレンズ30の上流に提供するように構成されることができ、負のイオンビームは、前段加速器管26および磁気集束デバイス(例えば、ソレノイド)510を通過し続ける。ソレノイド510は、前段加速器管26とタンデム加速器16との間に位置付けられることができ、電力供給源と電気的に結合可能である。負のイオンビームは、ソレノイド510を通してタンデム加速器16まで通過する。
【0052】
前段加速器システム20はまた、ガスを除去するためのイオン源真空ボックス24と、ポンプチャンバ28とを含むことができ、それは、前段加速器管26および上で説明される他の要素とともに、タンデム加速器16につながる、比較的に低いエネルギービームラインの一部である。その中にアインツェルレンズ30が位置付けられ得るイオン源真空ボックス24は、イオン源12から延びている。前段加速器管26は、イオン源真空ボックス24およびソレノイド510に結合されることができる。ガスを除去するための真空ポンプチャンバ28は、ソレノイド510およびタンデム加速器16に結合されることができる。イオン源12は、荷電粒子の源としての役割を果たし、それは、加速され、調整され、最終的に、中性子生成標的に送達されると、中性子を生成するために使用されることができる。例示的実施形態は、負の水素イオンビームを生成するイオン源を参照して本明細書に説明されるであろうが、実施形態は、そのようなものに限定されず、他の正または負の粒子も、源によって生成されることができる。
【0053】
前段加速器システム20は、ビームを集束および/またはその整列を調節する等の目的のために、ゼロ、1つ、または複数の磁気要素を有することができる。例えば、任意のそのような磁気要素は、ビームをビームライン軸およびタンデム加速器16の受け入れ角度に合致させるために使用されることができる。イオン真空ボックス24は、その中に位置付けられたイオン光学系を有することができる。
【0054】
概して、負のイオンの発生の機構と異なる、2つのタイプの負のイオン源12、すなわち、表面タイプおよび体積タイプが、存在する。表面タイプは、概して、具体的内部表面上にセシウム(Cs)の存在を要求する。体積タイプは、高電流放電プラズマの体積内の負のイオンの形成に依拠する。両方のタイプのイオン源が、タンデム加速器に関連する用途のために、所望の負のイオンの流れを送達することができるが、表面タイプの負のイオン源は、変調のために望ましくない。すなわち、本明細書に説明される実施形態における負のイオンビームの変調のために、(例えば、セシウム(Cs)を採用しない)体積タイプの負のイオン源が、好ましい。
【0055】
注入器システム(例えば、前段加速器システム20、例えば、LEBL14)は、加速器システム(例えば、16)へのビーム粒子の発生、ビーム形成、ビーム輸送、およびビーム合致を可能にすることができる。注入器システム(例えば、前段加速器システム20、例えば、LEBL14)におけるビームエネルギーは、比較的に小さくあり得(例えば、50~200キロ電子ボルト(keV))、それは、ビーム不整列(例えば、および直接的なビーム-壁相互作用)に応じて、不可逆的な注入器システム損傷の確率を減少させることができる。しかしながら、注入器システム(例えば、20、14)におけるビームの不整列は、注入器システムの下流(例えば、加速器16内およびHEBL18内の下流)のビーム輸送に関連する重大な結果につながり得る。不整列(例えば、不合致)ビームは、機械性能劣化またはさらには誤動作および損傷の根本原因である可能性が高い。
【0056】
実施形態では、注入器システム(例えば、前段加速器システム20、例えば、LEBL14)におけるビーム不整列は、ビーム注入器システム(例えば、20、14)の1つ以上の磁気要素から電流測定値を取得することに基づいて検出されることができる。すなわち、磁気タイプイオン光学系、操向磁石シフタ、磁気要素、またはソレノイドの性能は、時間分解電流大きさ読取値を介して監視されることができる。これらの構成要素から取得された電流測定値の公称条件からの、または整列電流範囲からの外れは、注入器システムを通過するビームが不整列であることを信号伝達することができる。
【0057】
実施形態では、注入器システム(例えば、前段加速器システム20、例えば、LEBL14)におけるビーム不整列は、ビーム注入器システム(例えば、20、14)の少なくとも1つのバイアスされる構成要素から電圧測定値を取得することによって検出されることができる。すなわち、イオン源(例えば、12)、前段加速器管(例えば、26)、または静電レンズ(例えば、30)等の1つ以上のバイアスされる構成要素の性能は、各構成要素に関連付けられた印加電圧大きさの時間分解読取値を介して評価または監視されることができる。これらの構成要素から取得された電圧測定値の公称条件からの、または整列電圧範囲からの外れは、注入器システムを通過するビームが不整列であることを信号伝達することができる。
【0058】
例えば、本明細書に説明される実施形態は、ビーム注入器の少なくとも1つの磁気要素から取得された少なくとも1つの電流測定値が、整列電流範囲から外れているとき、ビーム注入器を通して伝搬するビームが不整列であることを決定することができる。代替として、または加えて、本明細書の実施形態は、ビーム注入器の少なくとも1つのバイアスされる構成要素から取得された少なくとも1つの電圧測定値が、整列電圧範囲から外れているとき、ビーム注入器を通して伝搬するビームが不整列であることを決定することができる。
【0059】
本明細書に説明される実施形態はさらに、ビーム注入器システムに沿った1つ以上のビーム位置モニタ(図2に図示せず)の使用を通して、ビーム注入器システムにおけるビーム不整列の検出における冗長性を可能にすることができる。本明細書に説明される実施形態はさらに、ビーム注入器システムに沿った1つ以上のスクレーパ部材(図2に図示せず)の使用を通して、ビーム注入器システムにおけるビーム不整列の検出における冗長性を可能にすることができる。各スクレーパ部材は、ビームと近接近するように延びているプレート、パネル、または支柱として構成されることができる。プレート、パネル、または支柱は、ビームを囲繞するように構成されることができ、例えば、それを通してビームが通過する開口を有することができる。環状部材もまた、好適である。最適な軸からのビームの外れは、ビームまたはビームハローをスクレーパ部材に衝突させることができる。
【0060】
ビーム注入器システムにおけるビーム不整列の検出は、ビーム不整列を示す条件に反する(例えば、公称条件の閾値から外れている、または整列電流範囲から外れている)、ビーム注入器の磁気要素から取得された信号(例えば、電流測定値)の存在に基づいて決定されることができる。ビーム注入器システムにおけるビーム不整列の検出は、ビーム不整列を示す条件に反する(例えば、公称条件の閾値から外れている、または整列電圧範囲から外れている)、ビーム注入器のバイアスされる構成要素から取得された信号(例えば、電圧測定値)の存在に基づいて決定されることができる。ビーム注入器システムにおけるビーム不整列の検出は、ビームが軸外れであることを示すビーム位置モニタから受信された信号に基づいて決定されることができる。ビーム注入器システムにおけるビーム不整列の検出は、1つ以上のスクレーパ部材からの測定信号に基づいて決定されることができる。ビーム注入器システムにおけるビーム不整列の検出はさらに、前述の条件のうちの2つ以上のものの組み合わせに基づいて決定されることができ、いくつかの実施形態では、ビーム不整列の決定は、2つ以上の不整列条件が満たされる場合にのみ到達することができる。
【0061】
制御システム(図7に関して説明される)は、上記の決定または検出のうちのいずれかに基づいて、ビームパラメータを調節する、またはビーム伝搬またはシステム動作を中止するように構成されることができる。
【0062】
図3に目を向けると、例示的ビーム位置モニタ(BPM)(例えば、または高速ビーム位置モニタ)300は、ビームライン(例えば、低エネルギービームライン(LEBL)14(例えば、前段加速器または注入器システム20)、加速器16、高エネルギービームライン(HEBL)100)に沿ってビーム位置モニタ(BPM)300を搭載するように適合されるフランジ304の対の間に延びている円筒形壁302を含む。ビーム位置モニタ(BPM)300が低エネルギービームライン(LEBL)に沿って搭載される例では、ビーム位置モニタ(BPM)300は、前段加速器管26と圧送チャンバ28との間に搭載されることができる。ビーム位置モニタ(BPM)300は、1つ以上の電気ワイヤコネクタ(310)を用いて電気的に結合可能であってもよい。ビーム位置モニタ(BPM)300の動作は、壁302から突出し、ビームラインの内部の中に延びている電極306によるビームハロー電流の収集に基づくことができる。例示的実施形態では、電極306は、1つ以上の冷却デバイスを用いて冷却されることができる。例示的実施形態では、1つ以上の冷却デバイスは、水冷デバイス(例えば、水冷管308)を含むことができる。
【0063】
図3では、ビーム位置モニタ(BPM)300は、4つの電極306を含むように示されるが、実施形態は、4つの電極に限定されない(例えば、任意の数の電極が、本開示の範囲内で採用されることができる)。電極306は、好ましくは、熱流束に対する抵抗を増加させるために、円筒として成形され、タンタル(Ta)またはタングステン(W)のうちの1つ以上から作製される。電極306はまた、ビームによって発生される熱負荷に耐えることが可能である複合材料および異なる形状から作製されることができる。電極306の挿入長(例えば、ビームラインの内部の中への電極延在距離)は、(例えば、図3に示されない制御システムを使用して)電極306毎に別個に調節され、ユーザが恣意的な寸法のビームのためにビーム位置モニタ(BPM)300を適合させることを可能にすることができる。電極306は、ビームハロー電流に暴露されることを意図しており、したがって、収集された電力束は、はるかに低くなることが予想される。また、ビーム-残留ガス相互作用の領域の近傍に形成されるプラズマは、ビーム外側境界まで拡大し、ビーム位置モニタ(BPM)300に関する追加の信号を形成する。
【0064】
電極306は、BPM壁302から直流的に分離され、外部電力供給源を使用してバイアスされることができる。BPM壁302に対するバイアスは、a)信号に対する二次電子放出(SEE)電流の寄与を低減させることができ、b)ビーム発生プラズマから収集されるビームハロー電流を増加させることができる。
【0065】
ビームシステムが、動作しており、ビームが、源(例えば、12)から抽出され、例示的ビームシステム(例えば、10)の構成要素(例えば、20(14)、16、18、100)を通して伝搬されている間、ビーム位置モニタ(BPM)300は、制御システムがビーム位置を能動的に監視することを可能にする。各電極306は、それを電流閾値(例えば、信号閾値)に関連付けられることができる。所与の電極によって収集された電流(例えば、信号)が、その電流閾値を超えると、ビームは、その電極に向かって過剰に遠くに偏向しており、したがって、軸外れであると見なされることができる。ビーム位置モニタ(300)は、電極によって収集された電流が、その電流閾値を超えたという指示を制御システムに提供することができ、制御システムは、ビームシステム全体(例えば、10)の1つ以上の構成要素のパラメータを調節し、軸上に戻るようにビームを移動させることができる。調節可能パラメータの例は、ビーム操向磁石の位置が、所望の軸上に戻るようにビームを移動させるために改変されるように、ビーム操向磁石に提供される入力を含むことができる。このように、ビーム位置モニタ(BPM)300は、制御システムとともに、連続的/繰り返し可能に、かつリアルタイムでフィードバックをビーム操向磁石および/またはビームシステムの他の構成要素に提供する。
【0066】
実施形態では、所与の電極に関連付けられた電流閾値は、ビーム位置モニタ(300)の別の電極に関連付けられた電流閾値と異なり得る。さらに、所与の電極は、それをビーム位置のより細かい検出のために複数の電流閾値に関連付けられることができる。すなわち、複数の電流閾値が、ビーム位置モニタ(300)の電極とともに使用されることができる。電極の間の方向において軸外れのビームの移動の検出は、隣接する電極に関連付けられた複数の電流閾値に基づくことができる。
【0067】
例えば、隣接する電極の対が両方とも、信号レベル(例えば、収集された電流)の増加を示し得るが、しかしながら、信号レベルの増加は、隣接する電極の対の各電極に関連付けられた第2のより低い電流閾値を超え得る。そのような例では、隣接する電極の対の各電極に関連付けられた第2のより低い電流閾値を超える信号レベルは、ビームが電極の間で軸外れ方向にあることを示すことができる。
【0068】
故に、制御システムは、信号レベルがビーム位置モニタ(BPM)300の単一の電極に関する単一の閾値を超える指示に基づいて、または信号レベルが隣接する電極に関する2つのより低い閾値を超える指示に基づいて、ビーム操向磁石を調節することができる。
【0069】
また、制御システムは、電極のそれぞれの上の信号の大きさを監視し、信号の大きさに基づいて(例えば、電極に関連付けられた1つ以上の電流閾値から独立して、またはそれと組み合わせて)、特定の方向におけるビーム偏向の程度を推定することができる。制御システムは、次いで、ビーム偏向を補償し、ビームをその所望の軸に戻すために、推定されたビーム偏向の程度に基づいて、ビーム操向磁石または他のパラメータを調節することができる。そのような例では、制御システムは、検出された偏向の最小量(例えば、偏向閾値)に基づいて、ビーム操向磁石の位置等のビームラインパラメータを連続的かつリアルタイムで調節することができる。
【0070】
図4Aに目を向けると、イオンビーム注入器20(14)のイオン源真空ボックス24は、その中に位置付けられたアインツェルレンズ30を含むことができる。図4Bに詳細に示されるように、真空ボックス24内のイオン源12の接地レンズ25の下流に搭載され得るアインツェルレンズ30は、搭載プレート32と、搭載プレート32に搭載され、搭載ロッド35を用いて、間隔を置かれた関係において互いに結合された2つの接地された電極34と、2つの接地された電極34間に位置付けられた給電(バイアス)される電極38とを含む。電極34および38は、円筒形開口として構成され、ビーム経路と一致する軸方向軸を有するように組み立てられる。給電される電極38は、接地された電極または開口34の間に延びているアイソレータ(または絶縁体)36によって支持される。
【0071】
スタンドオフアイソレータ36は、電子雪崩の発達を阻止し、フラッシュオーバ形成をもたらし得るストリーマ形成および伝搬を抑制するように構成された幾何学的設計を有することができる。スタンドオフアイソレータ36の幾何学的設計は、部分的に、電子雪崩を駆動し、経路長を事実上増加させる、絶縁体表面上の外部電場をスクリーニングすることができる。加えて、絶縁体/アイソレータ36の材料は、スパッタリング効果、表面上の負のイオンの損失、体積汚染、および電気強度の減少につながる絶縁体またはアイソレータ表面上の伝導性コーティングの形成を減少させる傾向がある。
【0072】
機能的に、イオン源12から前進する荷電粒子のビームに対するアインツェルレンズ30の作用は、光のビームに対する光学集束レンズの作用に類似する。すなわち、アインツェルレンズ30は、流入発散ビームを焦点面においてスポットの中に集束させる。しかしながら、ここでは、対の給電される電極38と2つの接地された電極34との間に形成される電場は、アインツェルレンズの集束強度(焦点長距離)を決定する。アインツェルレンズ30をイオン源接地レンズ25の下流に搭載することによって、それは、固有の空間電荷に起因して、ビームが発散にさらされる場合、ビーム自由空間輸送を減少させる。アインツェルレンズ30の軸対称または略軸対称設計の寸法は、抽出されるイオンとアインツェルレンズ30の露出表面との直接相互作用を回避するために最適化される。
【0073】
図5は、本開示の実施形態との使用のための例示的前段加速器管26を図示する。例示的前段加速器管26は、円筒形形状であり得、第1の前段加速器管端部26Aと、第2の前段加速器管端部26Bとを含む。実施形態では、第1の前段加速器管端部26Aは、前段加速器管の内側円筒形構造から外向きに突出する、付属設備(例えば、端子または電極)を含む。実施形態では、第2の前段加速器管端部26Bは、前段加速器管の内側円筒形構造から外向きに突出する、付属設備(例えば、端子または電極)を含む。すなわち、前段加速器管の内側円筒形構造から外向きに突出する、付属設備は、円筒形形状であるが、内側円筒形構造のものより大きい直径を有することができる。実施形態では、前段加速器管26は、第1の前段加速器管端部26Aから第2の前段加速器管端部26Bまで均一に離間される、複数の前段加速器管端子27-1、27-2、27-3、27-4、27-5、27-6を含む。第1の前段加速器管端部26Aは、いくつかの実装では、遠位前段加速器管端部26Bである、第2の前段加速器管26Bに関連して、近位前段加速器管端部26Aと称され得る。隣接する前段加速器管端子の各対(例えば、前段加速器管端子27-1、27-2、27-3、27-4、27-5、27-6)は、その間に接続される、1つ以上の抵抗器を有することができ、抵抗器は、同一(好ましい)または異なる抵抗値を有することができる。実施形態では、第1の前段加速器管端部26Aにおける第1の端子27-1は、第1の電力供給源と電気的に結合可能である一方、第2の前段加速器管端部26Bにおける第2の端子27-2は、接地と電気的に結合可能である。故に、電圧は、前段加速器管26を横断して均一に分散されることができる。
【0074】
図6は、本開示の例示的実施形態に関連付けられた例示的動作を図示する。加速器システムにおけるビーム不整列の検出に目を向けると、加速器システム(例えば、16)は、ビームの荷電粒子が所望のエネルギーまで加速される場所である。加速器システム(例えば、16)の本実施形態は、印加電圧から2倍のエネルギーのビームを生成するために、電荷交換プロセスの間に各負イオンから2つの電子を奪取することに依拠する。ビームの効率的輸送、加速、および電子奪取のために最適化されると、例示的加速器システムは、直接的なビーム診断器の使用を妨げる条件(強い電場、空間限定、高電位)を有し得る。そのような条件は、加速器システム(例えば、16)の内側でのビーム監視を非常に困難なタスクにし得る。
【0075】
加速電極(例えば、601A、601B、601C、601D)に印加される高電圧に起因して、加速器システム(例えば、16)は、ビーム輸送を伴わなくても、暗電流の存在によって特徴付けられることができる。他の粒子加速器と対照的に、タンデム加速器は、粒子のタンデムタイプ加速を達成するために、電荷の奪取に依拠する。したがって、タンデムの内側の真空条件は、電荷交換媒体(例えば、アルゴン)とのビーム相互作用を助長し、暗電流の発展をもたらす。本プロセスは、ビームエネルギーに影響を及ぼす不完全な電圧破壊事象をもたらし得る。タンデム加速器は、依然として動作を継続することができるが、加速されたビームは、下流ビームライン構成要素に対してもはや安全ではない場合があり、中止されるべきである。
【0076】
本明細書の実施形態は、ビーム-壁相互作用が検出され、サブミリ秒持続時間に限定されるように、加速器システム(例えば、16)の内側のビーム損失の複数の検出点を可能にする。複数の検出点のうちの1つ以上は、ビームが不整列である(例えば、ビーム-壁相互作用が存在する)かどうかを決定する、ビームパラメータを調節するために信号を1つ以上のビームライン構成要素に送信するべきかどうかを決定するために、またはビームまたはビームシステム動作を中止するために信号を1つ以上のビームライン構成要素に送信するべきかどうかを決定するために、制御システムによって考慮されることができる。
【0077】
図6に示されるように、加速器システム16の上流および下流の全ビーム電流は、それぞれ、ビーム電流モニタ603A、603B(例えば、非侵襲性診断)を使用して監視されることができる。ビーム電流モニタ603Aおよび603Bを用いて取得される測定電流の差異は、加速器システム16の内側で被るビーム損失を示すことができる。
【0078】
例えば、入力ビーム電流および出力ビーム電流の比較は、加速器システムにおけるビーム損失を表すことができる。
【数10】
式中、CMは、電流モニタ(例えば、603A、603B)を表し、SMは、スクレーパ部材(例えば、610A、610B)を表し、LEBLは、低エネルギービームラインを表し、HEBLは、高エネルギービームラインを表す。例えば、
【数11】
は、LEBLと加速器システムとの間に位置付けられる電流モニタ(例えば、この例では、603A)において測定される電流であり得る一方、
【数12】
は、HEBLと加速器システムとの間に位置付けられる電流モニタ(例えば、この例では、603B)において測定される電流であり得る。例を継続すると、
【数13】
は、LEBLと加速器システムとの間に位置付けられるスクレーパ部材(例えば、この例では、610A)において測定される電流であり得る一方、
【数14】
は、LEBLと加速器システムとの間に位置付けられるスクレーパ部材(例えば、この例では、610B)において測定される電流であり得る。電流モニタまたは検出器612A、612Bは、それぞれ、スクレーパ部材610A、610Bにおいて電流を測定するために使用されることができる。電荷交換プロセス(奪取)効率は、説明を簡単にするために、100%と仮定されることができるが、しかしながら、それは、
【数15】
項において考慮されることができる。閾値または整列範囲は、所与の範囲内の外れが、許容可能と見なされ得るように、
【数16】
に関連付けられることができる。所与の閾値または整列範囲外の外れは、ビーム不整列の信号と見なされることができる。
【0079】
第1のスクレーパ部材610Aは、加速器システム16の入口または入力開口に位置付けられることができ、第2のスクレーパ部材610Bは、加速器システム16の出口または出力開口に位置付けられることができる。例示的実施形態では、スクレーパ部材610Aおよび610Bは、ビームハロー電流を遮断または低減させ、リミッタとしての役割を果たすように構成されることができる。入口または入力開口に位置付けられる第1のスクレーパ部材610Aは、ビーム電流の有意な部分を吸収するように構成されることができる。スクレーパ部材610Aおよび610Bは、好ましくは、荷電粒子の入射束(例えば、電流)を測定するように構成される。両方の部材610A、610Bは、二次放出を抑制するようにバイアスされ、収集された電流の指示を制御システムに信号伝達または提供するように構成されることができる。
【0080】
加速器システム16の電力供給源出力電圧および電流もまた、測定され、ビーム不整列検出の一部として監視されることができる。以下のように奪取された電子を含む加速器(例えば、タンデム)電流を測定する。
【数20】
【0081】
寄生放電が、加速器システムの内側で発展される場合、上記の等式は、満たされないであろう。したがって、条件
【数21】
は、加速器システムの不完全な破壊が起こる可能性が高いため、ビームを中止するためのインターロックトリガ(例えば、ビーム不整列の信号)として指定されることができる。ここでは、αは、安全なビーム輸送を確実にするために、加速器システム電力供給源特性、ビーム電流、ビームエネルギー等に基づいて調節または構成されることができる。代替として、ビーム損失は、以下のように表されることができる。
【数22】
これは、加速器電流測定を介してビーム損失の冗長推定を可能にする。
【0082】
電荷交換デバイス冷却剤の流量および温度もまた、加速器システム16内の入口および出口において測定されることができる。加速器システム16の長期動作の間、電荷交換媒体を有する、または含む、電荷交換(CEX)デバイス605の内側のビーム損失も、以下の例示的熱平衡方程式を介して推定されることができる。
【数23】
であり、
式中、
【数24】
および
【数25】
であり、
したがって、
【数26】
,C=c・ρである。
【0083】
ここでは、qは、冷却剤(油)の流量であり、cおよびρは、油の比熱および密度であり、dTは、入口(例えば、IN)と出口(例えば、OUT)との間の冷却剤の温度差であり、Ebeamは、CEXデバイス605に衝突する粒子のエネルギーである。電荷交換デバイス605上のこれらの間接的に測定されたビーム損失は、
【数27】
としてインターロック(例えば、不整列信号または閾値、またはビーム伝搬を中止するための閾値)を設定するために使用されることができ、δ、β、およびγは、調節可能パラメータである。CEXデバイス605は、図6において、加速器の真空環境に逃散する前に、その中に電荷交換媒体が導入され、一時的に保持される管状部材として構成される。CEXデバイス605は、電荷交換媒体の流動を少なくとも一時的に保持または方向づけるために十分な内部体積を伴う任意の構造等の他の方法で構成されることができる。
【0084】
図7は、それを用いて本開示の実施形態が動作し得る制御システムの例示的実施形態を描写する、ブロック図である。例えば、図示される例示的システムは、ビームシステム10と、1つ以上のコンピューティングデバイス3002を含む。実施形態では、ビームシステム10は、例示的中性子ビームシステム(例えば、上記のシステム10)の一部であり得る。そのような実施形態では、ビームシステム10は、1つ以上の制御システム3001Aを採用することができ、それを用いて1つ以上のコンピューティングデバイス3002は、ビームシステム10(例えば、中性子ビームシステム10)のシステムおよび構成要素と相互作用するために、通信することができる。これらのデバイスおよび/またはシステムの各々は、直接互いに、またはネットワーク3004等のローカルネットワークを介して、通信するように構成される。
【0085】
コンピューティングデバイス3002は、種々のユーザデバイス、システム、コンピューティング装置等によって具現化されることができる。例えば、第1のコンピューティングデバイス3002は、特定のユーザに関連付けられたデスクトップコンピュータであり得る一方、別のコンピューティングデバイス3002は、特定のユーザに関連付けられたラップトップコンピュータであり得、さらに別のコンピューティングデバイス3002は、モバイルデバイス(例えば、タブレットまたはスマートデバイス)であり得る。コンピューティングデバイス3002の各々は、例えば、コンピューティングデバイスを介してアクセス可能なユーザインターフェースを通して、ビームシステム10と通信するように構成されることができる。例えば、ユーザは、デスクトップアプリケーションをコンピューティングデバイス3002上で実行することができ、それは、ビームシステム10と通信するように構成される。
【0086】
コンピューティングデバイス3002を使用し、ビームシステム10と通信することによって、ユーザは、本明細書に説明される実施形態によるビームシステム10のための動作パラメータ(例えば、動作電圧等)を提供することができる。
【0087】
制御システム3001Aは、ビームシステム10の構成要素から測定値、信号、または他のデータを受信するように構成されることができる。例えば、制御システム3001Aは、ビームシステム10を通過するビームの不整列を示す信号を例示的不整列検出システム3010から受信することができる。制御システム3001Aは、不整列の程度または信号に応じて、本明細書に説明される方法に従ってビームの位置を改変するために、1つ以上のビームライン構成要素3020の入力の調節を提供することができる。制御システム3001Aはまた、または代替として、ビームシステムに、例えば、イオン源上の抽出電極をバイアスしないことによって、ビームの伝搬を停止または中止させることができる。制御システム3001Aはまた、ビーム不整列の指示またはビーム不整列の程度をコンピューティングデバイス3002(およびユーザ)に出力することができる。同様に、制御システム3001Aは、不整列検出システム3010を含む、ビームシステム10の構成要素のうちのいずれかから収集された情報を直接、または通信ネットワーク3004を介してのいずれかで、コンピューティングデバイス3002に提供することができる。
【0088】
通信ネットワーク3004は、例えば、有線または無線ローカルエリアネットワーク(LAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、都市規模ネットワーク(MAN)、広域ネットワーク(WAN)等を含む任意の有線または無線通信ネットワーク、およびそれを実装するために要求される任意のハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアを含むことができる(例えば、ネットワークルータ等)。例えば、通信ネットワーク3004は、802.11、802.16、802.20、および/またはWiMaxネットワークを含むことができる。さらに、通信ネットワーク3004は、インターネット等のパブリックネットワーク、イントラネット等のプライベートネットワーク、またはそれらの組み合わせを含むことができ、限定ではないが、TCP/IPベースのネットワーキングプロトコルを含む、現在利用可能なまたは後に開発される種々のネットワーキングプロトコルを利用することができる。
【0089】
コンピューティングデバイス3002、不整列検出システム3010、および制御システム3001Aは、図8に示される装置3100等の1つ以上のコンピューティングシステムによって具現化されることができる。図8に図示されるように、装置3100は、プロセッサ3102と、メモリ3104と、入力および/または出力回路網3106と、通信デバイスまたは回路網3108とを含むことができる。また、これらの構成要素3102-3108のうちのあるものが、類似するハードウェアを含み得ることを理解されたい。例えば、2つの構成要素の両方は、複製ハードウェアが各デバイスのために要求されないように、同一プロセッサ、ネットワークインターフェース、記憶媒体等の使用を活用し、それらの関連付けられた機能を実施することができる。装置の構成要素に関して本明細書に使用されるような用語「デバイス」および/または「回路網」の使用は、したがって、本明細書に説明されるように、その特定のデバイスに関連付けられた機能を実施するためのソフトウェアを伴って構成される特定のハードウェアを包含することができる。
【0090】
用語「デバイス」および/または「回路網」は、広義に、ハードウェアを含むように理解されるべきであり、いくつかの実施形態では、デバイスおよび/または回路網はまた、ハードウェアを構成するためのソフトウェアを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスおよび/または回路網は、処理回路網、記憶媒体、ネットワークインターフェース、入/出力デバイス等を含むことができる。いくつかの実施形態では、装置3100の他の要素は、特定のデバイスの機能性を提供または補完することができる。例えば、プロセッサ3102は、処理機能性を提供することができ、メモリ3104は、記憶機能性を提供することができ、通信デバイスまたは回路網3108は、ネットワークインターフェース機能性を提供することができる等。
【0091】
いくつかの実施形態では、プロセッサ3102(および/またはプロセッサを補助する、または別様にそれに関連付けられたコプロセッサまたは任意の他の処理回路網)は、装置の構成要素間で情報を通過させるために、バスを介して、メモリ3104と通信することができる。メモリ3104は、非一過性であり得、例えば、1つ以上の揮発性および/または不揮発性メモリを含むことができる。言い換えると、例えば、メモリは、電子記憶デバイス(例えば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)であり得る。メモリ3104は、装置が、本開示の例示的実施形態による種々の機能を実行することを可能にするために、情報、データ、コンテンツ、アプリケーション、命令等を記憶するように構成されることができる。
【0092】
プロセッサ3102は、いくつかの異なる方法において具現化されることができ、例えば、独立して実施するように構成された1つ以上の処理デバイスを含むことができる。加えて、または代替として、プロセッサは、バスを介して連動し、命令、パイプライン、および/またはマルチスレッドの独立実行を可能にするように構成された1つ以上のプロセッサを含むことができる。用語「処理デバイス」および/または「処理回路網」の使用は、装置の内部のシングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、複数のプロセッサ、および/または遠隔または「クラウド」プロセッサを含むように理解されることができる。
【0093】
例示的実施形態では、プロセッサ3102は、メモリ3104内に記憶されるか、または別様にプロセッサにアクセス可能である命令を実行するように構成されることができる。代替として、または加えて、プロセッサは、ハードコーディングされた機能性を実行するように構成されることができる。したがって、ハードウェアまたはソフトウェア方法によって、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって、構成されるかどうかにかかわらず、プロセッサは、適宜構成される間、本開示のある実施形態による動作を実施することが可能である(例えば、回路網内で物理的に具現化される)エンティティを表すことができる。代替として、別の例として、プロセッサが、ソフトウェア命令のエグゼキュータとして具現化されると、命令は、命令が実行されると、本明細書に説明されるアルゴリズムおよび/または動作を実施するように、プロセッサを具体的に構成することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、装置3100は、入/出力デバイス3106を含むことができ、それは、次に、プロセッサ3102と通信し、出力をユーザに提供し、いくつかの実施形態では、入力をユーザから受信することができる。入/出力デバイス3106は、ユーザインターフェースを含むことができ、ウェブユーザインターフェース、モバイルアプリケーション、クライアントデバイス等を含み得るユーザデバイスディスプレイ等のデバイスディスプレイを含むことができる。いくつかの実施形態では、入/出力デバイス3106はまた、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチスクリーン、タッチエリア、ソフトキー、マイクロホン、スピーカ、または他の入/出力機構を含むことができる。プロセッサおよび/またはプロセッサを含むユーザインターフェース回路網は、プロセッサにアクセス可能なメモリ(例えば、メモリ3104および/または同等物)上に記憶されたコンピュータプログラム命令(例えば、ソフトウェアおよび/またはファームウェア)を通して、1つ以上のユーザインターフェース要素の1つ以上の機能を制御するように構成されることができる。
【0095】
通信デバイスまたは回路網3108は、データを/ネットワークおよび/または装置3100と通信する任意の他のデバイスまたは回路網から受信し、および/またはそこに伝送するように構成されたハードウェアまたはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせのいずれかにおいて具現化されるデバイスまたは回路網等の任意の手段であり得る。この点で、通信デバイスまたは回路網3108は、例えば、有線または無線通信ネットワークとの通信を可能にするためのネットワークインターフェースを含むことができる。例えば、通信デバイスまたは回路網3108は、1つ以上のネットワークインターフェースカード、アンテナ、バス、スイッチ、ルータ、モデム、およびサポートハードウェアおよび/またはソフトウェア、またはネットワークを介して通信を可能にするために好適な任意の他のデバイスを含むことができる。加えて、または代替として、通信インターフェースは、アンテナと相互作用し、アンテナを介して信号の伝送を引き起こす、またはアンテナを介して受信される信号の受信をハンドリングするための回路網を含むことができる。これらの信号は、装置3100によって、現在および将来的Bluetooth(登録商標)規格(Bluetooth(登録商標)およびBluetooth(登録商標)低エネルギー(BLE)を含む)、赤外線無線(例えば、IrDA)、FREC、超広帯域(UWB)、誘導無線伝送等のいくつかの無線パーソナルエリアネットワーク(PAN)技術のうちのいずれかを使用して、伝送されることができる。加えて、これらの信号が、Wi-Fi、近距離無線通信(NFC)、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX)、または他の近接度ベースの通信プロトコルを使用して、伝送され得ることを理解されたい。
【0096】
任意のそのようなコンピュータプログラム命令および/または他のタイプのコードは、コンピュータ、プロセッサ、または他のプログラマブル装置の回路網上にロードされ、コードを機械上で実行するコンピュータ、プロセッサ、または他のプログラマブル回路網が、本明細書に説明されるものを含む、種々の機能を実装するための手段を生成するように、機械を生産することができる。
【0097】
上で説明されるように、本開示の実施形態は、システム、方法、モバイルデバイス、バックエンドネットワークデバイス等として構成されることができる。故に、実施形態は、完全にハードウェアまたはソフトウェアおよびハードウェアの任意の組み合わせを含む種々の構造を含むことができる。さらに、実施形態は、記憶媒体内に具現化されるコンピュータ読み取り可能なプログラム命令(例えば、コンピュータソフトウェア)を有する少なくとも1つの非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。非一過性ハードディスク、CD-ROM、フラッシュメモリ、光学記憶デバイス、または磁気記憶デバイスを含む任意の好適なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が、利用されることができる。
【0098】
本開示の実施形態との使用のための処理回路網は、1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、および/またはマイクロコントローラを含むことができ、そのそれぞれは、別々のチップであるか、または、いくつかの異なるチップ(およびその一部)間で分散されることができる。本開示の実施形態との使用のための処理回路網は、本開示の実施形態との使用のための処理回路網のハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて実装され得るデジタル信号プロセッサを含むことができる。本開示の実施形態との使用のための処理回路網は、本明細書の図の他の構成要素と通信可能に結合されることができる。本開示の実施形態との使用のための処理回路網は、処理回路網に、異なるアクションの集合を行わせ、本明細書の図における他の構成要素を制御させる、メモリ上に記憶されたソフトウェア命令を実行することができる。
【0099】
本開示の実施形態との使用のためのメモリは、種々の機能ユニットのうちの1つ以上によって共有されることができるか、または、それらのうちの2つ以上のもの間に分散されることができる(例えば、異なるチップ内に存在する別個のメモリとして)。メモリはまた、その独自の別個のチップであり得る。メモリは、非一過性であり得、揮発性(例えば、RAM等)および/または不揮発性メモリ(例えば、ROM、フラッシュメモリ、F-RAM等)であり得る。
【0100】
説明される主題による動作を実行するためのコンピュータプログラム命令は、Java(登録商標)、Java(登録商標)スクリプト、Smalltalk、C++、C#、Transact-SQL、XML、PHP等の、オブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または類似プログラミング言語等の従来の手続型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書き込まれることができる。
【0101】
本主題の種々の側面は、これまで説明された実施形態の復習として、および/またはその補完として、下記に記載され、以下の実施形態の相互関係および相互交換可能性がここで強調される。言い換えると、実施形態の各特徴は、別様に明示的に記載されない、または論理的にあり得なくない限り、あらゆる他の特徴と組み合わせられ得るという事実が強調される。
【0102】
いくつかの実施形態では、ビーム注入器におけるビーム不整列を検出する方法は、ビーム注入器の少なくとも1つの磁気要素からの少なくとも1つの電流測定値およびビーム注入器の少なくとも1つのバイアスされる構成要素からの少なくとも1つの電圧測定値を取得することを含む。これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、ビーム注入器の少なくとも1つの磁気要素から取得された少なくとも1つの電流測定値が整列電流範囲から外れていること、またはビーム注入器の少なくとも1つのバイアスされる構成要素から取得された少なくとも1つの電圧測定値が整列電圧範囲から外れていることのうちの1つ以上であるとき、ビーム注入器を通して伝搬するビームが不整列であることを決定することを含む。
【0103】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、ビーム注入器は、ビーム位置モニタを含む。これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、ビーム位置モニタからの出力信号が、ビーム位置モニタの1つ以上の個々の電極における信号がある条件に反することを示すとき、ビーム注入器を通して伝搬するビームが不整列であることを決定することを含む。これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、ビーム位置モニタからの出力信号が、ビーム位置モニタの1つ以上の個々の電極における第1の大きさの電流が第1の電流閾値を超えていること、または下回っていることを示すとき、ビーム注入器を通して伝搬するビームが不整列であることを決定することを含む。
【0104】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、ビーム注入器は、1つ以上のスクレーパ部材を含む。これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、1つ以上のスクレーパ部材のうちの少なくとも1つのスクレーパ部材から1つ以上の測定値を取得することと、少なくとも1つのスクレーパ部材から取得された1つ以上の測定値が整列閾値から外れているとき、ビーム注入器を通して伝搬するビームが不整列であることを決定することとを含む。
【0105】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、少なくとも1つの磁気要素は、ビーム操向磁石またはソレノイドを含む。
【0106】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、少なくとも1つのバイアスされる構成要素は、イオン源、前段加速器管、または静電レンズを含む。
【0107】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、ビーム注入器は、ビームを加速器システムに注入する。
【0108】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、ビームが不整列であることを決定すると、ビーム注入器を通して伝搬するビームを非アクティブにすることを含む。
【0109】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、ビームが不整列であることを決定すると、ビーム不整列を制御システムまたはコンピューティングデバイスに信号伝達することを含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、ビーム注入器におけるビーム不整列を検出するためのシステムは、ビーム注入器と、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ビーム注入器の少なくとも1つの磁気要素からの少なくとも1つの電流測定値およびビーム注入器の少なくとも1つのバイアスされる構成要素からの少なくとも1つの電圧測定値を取得するように制御システムを構成する、命令を記憶している少なくとも1つのメモリとを含む、制御システムとを含む。これらの実施形態のうちのいくつかでは、少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ビーム注入器の少なくとも1つの磁気要素から取得された少なくとも1つの電流測定値が整列電流範囲から外れていること、またはビーム注入器の少なくとも1つのバイアスされる構成要素から取得された少なくとも1つの電圧測定値が整列電圧範囲から外れていることのうちの1つ以上であるとき、ビーム注入器を通して伝搬するビームが不整列であることを決定するように制御システムをさらに構成する、命令を記憶する。
【0111】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、ビーム注入器は、ビーム位置モニタを含む。
【0112】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ビーム位置モニタからの出力信号が、ビーム位置モニタの1つ以上の個々の電極における信号がある条件に反することを示すとき、ビーム注入器を通して伝搬するビームが不整列であることを決定するように制御システムをさらに構成する、命令を記憶する。
【0113】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ビーム位置モニタからの出力信号が、ビーム位置モニタの1つ以上の個々の電極における第1の大きさの電流が第1の電流閾値を超えていること、または下回っていることを示すとき、ビーム注入器を通して伝搬するビームが不整列であることを決定するように制御システムをさらに構成する、命令を記憶する。
【0114】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、ビーム注入器は、1つ以上のスクレーパ部材を含む。
【0115】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、1つ以上のスクレーパ部材のうちの少なくとも1つのスクレーパ部材から1つ以上の測定値を取得し、少なくとも1つのスクレーパ部材から取得された1つ以上の測定値が整列閾値から外れているとき、ビーム注入器を通して伝搬するビームが不整列であることを決定するように制御システムをさらに構成する、命令を記憶する。
【0116】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、少なくとも1つの磁気要素は、ビーム操向磁石またはソレノイドを含む。
【0117】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、少なくとも1つのバイアスされる構成要素は、イオン源、前段加速器管、または静電レンズを含む。
【0118】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、ビーム注入器は、ビームを加速器システムに注入するように構成される。
【0119】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ビームが不整列であることを決定すると、ビーム注入器を通して伝搬するビームを非アクティブにするように制御システムをさらに構成する、命令を記憶する。
【0120】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ビームが不整列であることを決定すると、ビーム不整列をコンピューティングデバイスに信号伝達するように制御システムをさらに構成する、命令を記憶する。
【0121】
いくつかの実施形態では、加速器システムにおけるビーム不整列を検出する方法は、加速器システムの入力開口における入力ビーム電流を取得することと、加速器システムの出力開口における出力ビーム電流を取得することと、出力ビーム電流と入力ビーム電流との間の差異がビーム損失閾値を超えたビーム損失を示すとき、加速器システムを通して伝搬するビームが不整列であることを決定することとを含む。
【0122】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、入力ビーム電流は、第1の電流モニタ測定値と第1のスクレーパ部材測定値とから決定される。
【0123】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、出力ビーム電流は、第2の電流モニタ測定値と第2のスクレーパ部材測定値とから決定される。
【0124】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、ビームが不整列であることを制御システムまたはコンピューティングデバイスに信号伝達することを含む。
【0125】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、出力ビーム電流と入力ビーム電流との間の差異を制御システムまたはコンピューティングデバイスに信号伝達することを含む。
【0126】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、ビームが不整列であることを決定すると、ビーム伝搬を中止することを含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、加速器システムにおけるビーム不整列を検出する方法は、加速器システムの入力開口における入力ビーム電流を取得することと、加速器システムの出力開口における出力ビーム電流を取得することと、加速器システムの電流と出力ビーム電流および入力ビーム電流の合計との間の差異がゼロより大きいとき、加速器システムを通して伝搬するビームが不整列であることを決定することとを含む。
【0128】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、入力ビーム電流は、第1の電流モニタ測定値と、第1のスクレーパ部材測定値とから成る。
【0129】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、出力ビーム電流は、第2の電流モニタ測定値と、第2のスクレーパ部材測定値とから成る。
【0130】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、ビームが不整列であることを制御システムまたはコンピューティングデバイスに信号伝達することを含む。
【0131】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、出力ビーム電流と入力ビーム電流との間の差異を制御システムまたはコンピューティングデバイスに信号伝達することを含む。
【0132】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、ビームが不整列であることを決定すると、ビーム伝搬を中止することを含む。
【0133】
いくつかの実施形態では、加速器システムにおけるビーム不整列を検出する方法は、加速器システムの標的交換冷却デバイスの冷却剤の流量、加速器システムの電荷交換デバイスに衝突する粒子のエネルギー、および電荷交換冷却デバイスの入口と出口との間の冷却剤の温度差を取得することを含む。これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、流量、エネルギー、および温度差に基づいて計算されたビーム損失がビーム損失閾値を超えているとき、加速器システムを通して伝搬するビームが不整列であることを決定することを含む。
【0134】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、ビームが不整列であることを制御システムまたはコンピューティングデバイスに信号伝達することを含む。
【0135】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、流量、エネルギー、および温度差を制御システムまたはコンピューティングデバイスに信号伝達することを含む。
【0136】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、ビームが不整列であることを決定すると、ビーム伝搬を中止することを含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、加速器システムにおけるビーム不整列を検出する方法は、加速器システムの入力開口における入力ビーム電流を取得すること、加速器システムの出力開口における出力ビーム電流を取得すること、または加速器システムの電荷交換冷却デバイスの冷却剤の流量、加速器システムの電荷交換デバイスに衝突する粒子のエネルギー、および電荷交換冷却デバイスの入口と出口との間の冷却剤の温度差を取得することを含む。これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、出力ビーム電流と入力ビーム電流との間の差異がビーム損失閾値を超えたビーム損失を示すとき、加速器システムを通して伝搬するビームが不整列であることを決定すること、または加速器システムの電流と出力ビーム電流および入力ビーム電流の合計との間の差異がゼロより大きいとき、加速器システムを通して伝搬するビームが不整列であることを決定すること、または流量、エネルギー、および温度差に基づいて計算されたビーム損失がビーム損失閾値を超えているとき、加速器システムを通して伝搬するビームが不整列であることを決定することのうちの1つ以上を含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、加速器システムにおけるビーム不整列を検出するためのシステムは、加速器システムと、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサを用いて、前述の実施形態のいずれかによる方法を実施するように制御システムを構成する、命令を記憶している少なくとも1つのメモリとを含む、制御システムとを含む。
【0139】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、本システムはさらに、加速器システムの入力開口に位置付けられた第1の電流モニタと、加速器システムの出力開口に位置付けられた第2の電流モニタとを含む。これらの実施形態のうちのいくつかでは、本システムはさらに、加速器システムの入力開口に位置付けられた第1のスクレーパ部材と、加速器システムの出力開口に位置付けられた第2のスクレーパ部材とを含む。
【0140】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、本システムはさらに、電荷交換デバイスと、電荷交換冷却デバイスとを含む。
【0141】
いくつかの実施形態では、ビームシステムは、前述の実施形態のいずれかによるビーム注入器におけるビーム不整列を検出するためのシステムを含む。これらの実施形態のうちのいくつかでは、ビームシステムはさらに、前述の実施形態のいずれかによる加速器システムにおけるビーム不整列を検出するためのシステムを含む。
【0142】
いくつかの実施形態では、ビームシステムにおけるビーム不整列を検出する方法は、前述の実施形態のいずれかの方法に従ってビームシステムのビーム注入器におけるビーム不整列を検出することを含む。これらの実施形態のうちのいくつかでは、方法はさらに、前述の実施形態のいずれかの方法に従ってビームシステムの加速器システムにおけるビーム不整列を検出することを含む。
【0143】
本明細書に提供される任意の実施形態に関して説明される、全ての特徴、要素、構成要素、機能、およびことが、自由に組み合わせ可能であり、任意の他の実施形態からのものと代用可能であることを意図していることに留意されたい。ある特徴、要素、構成要素、機能、またはことが、1つのみの実施形態に関して説明される場合、その特徴、要素、構成要素、機能、またはことが、別様に明示的に記載されない限り、本明細書に説明される全ての他の実施形態とともに使用され得ることを理解されたい。本段落は、したがって、随時、異なる実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびことを組み合わせる、または一実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびことを別の実施形態からのもので代用することの請求項の導入の前提および記述支援としての役割を果たし、以下の説明が、特定の事例において、そのような組み合わせまたは代用が可能であることを明示的に記載しない場合でも該当する。特に、あらゆるそのような組み合わせおよび代用の許容性は、当業者によって容易に認識されるであろうことを所与として、あらゆる可能性として考えられる組み合わせおよび代用の明確な列挙が、過度に負担であることが明示的に認識される。
【0144】
本明細書に開示される実施形態が、メモリ、記憶装置、および/またはコンピュータ読み取り可能な媒体を含む、またはそれに関連付けて動作する限りにおいて、そのメモリ、記憶装置、および/またはコンピュータ読み取り可能な媒体は、非一過性である。故に、メモリ、記憶装置、および/またはコンピュータ読み取り可能な媒体が、1つ以上の請求項によって網羅される限りにおいて、そのメモリ、記憶装置、および/またはコンピュータ読み取り可能な媒体は、非一過性にすぎない。
【0145】
本明細書および添付される請求項で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別様に明確に決定付けない限り、複数指示物を含む。
【0146】
実施形態は、種々の修正および代替形態を被るが、その具体的例が、図面に示され、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、これらの実施形態が、開示される特定の形態に限定されず、対照的に、これらの実施形態が、本開示の精神内に該当する、全ての修正、均等物、および代替を網羅するものであることを理解されたい。さらに、実施形態の任意の特徴、機能、こと、または要素が、その範囲内に該当しない、特徴、機能、こと、または要素によって、請求項の発明的範囲を定義する、負の限定とともに、請求項内に列挙されるか、またはそれに追加されることができる。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】