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特表2023-539093有機熱伝達システム、方法、及び流体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】有機熱伝達システム、方法、及び流体
(51)【国際特許分類】
   C09K 23/52 20220101AFI20230906BHJP
   C09K 5/14 20060101ALI20230906BHJP
   B01J 13/00 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
C09K23/52
C09K5/14 102E
B01J13/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023511958
(86)(22)【出願日】2021-08-19
(85)【翻訳文提出日】2023-02-16
(86)【国際出願番号】 US2021046592
(87)【国際公開番号】W WO2022040372
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】63/068,199
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591131338
【氏名又は名称】ザ ルブリゾル コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】THE LUBRIZOL CORPORATION
【住所又は居所原語表記】29400 Lakeland Boulevard, Wickliffe, Ohio 44092, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アギラル, アニル
(72)【発明者】
【氏名】バートレット, メリンダ イー.
(72)【発明者】
【氏名】ジェイン, ダグラス ティー.
(72)【発明者】
【氏名】パシュコフスキー, ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】ショート, エイミー エル.
【テーマコード(参考)】
4D077
4G065
【Fターム(参考)】
4D077AA01
4D077AC05
4D077BA02
4D077BA07
4D077CA12
4D077DB06X
4D077DC12X
4D077DD12X
4D077DD13X
4G065AA05
4G065AA06
4G065AB01X
4G065AB03X
4G065BA07
4G065BB06
4G065CA01
4G065DA09
4G065EA01
4G065EA03
(57)【要約】
開示される技術は、a)非伝導性で非水性かつ非水混和性の誘電性油性熱伝達流体と、b)少なくとも1つの固体ナノ粒子と、c)界面活性剤との安定なコロイド分散体を用いる熱伝達システム及び熱伝達方法に関する。具体的には、この技術は、電気車両の電池パック又は電力システムを冷却するためのものなどの熱伝達システムにおいて優れたピーク温度低下を提供する、低電気伝導性、低可燃性、及び低凝固点を有する安定なコロイド分散体に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
安定なコロイド分散体であって、
(a)非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体と、
(b)少なくとも1つの固体ナノ粒子であって、前記固体が、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、及びそれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの固体ナノ粒子と、
(c)界面活性剤と、を含む、安定なコロイド分散体。
【請求項2】
0.5~40重量%の前記(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子を含む、請求項1に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項3】
前記(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、1000nm以下のD50粒径を有する、請求項1に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項4】
前記少なくとも1つのナノ粒子の0.1~2倍の界面活性剤を含む、請求項1に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項5】
前記(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、酸化アルミニウムを含む、請求項1に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項6】
前記(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、酸化マグネシウムを含む、請求項1に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項7】
前記界面活性剤が、脂肪族アミン極性頭部基、ポリアミン極性頭部基、又はそれらの組み合わせを含有する、請求項5に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項8】
前記非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体が、ASTM D445_100に従って測定したときに、100℃で0.7~7.0cStの動粘度を有する、液体炭化水素、液体ヒドロカルビルジエステル若しくはポリ-エステル、又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項9】
前記界面活性剤が、Mn250~5000ダルトンのポリオレフィンを含む、請求項8に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項10】
前記ポリオレフィンが、エチレン、高級アルファ-オレフィン、イソブチレン、4個以上の炭素原子の共役ジエン、又はそれらの任意の組み合わせのポリマー及びコポリマーを含む、請求項8に記載の分散体。
【請求項11】
前記分散体が、1)前記固体ナノ粒子をアルコール中に撹拌しながら分散させる工程と、2)前記界面活性剤を前記非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体と混合する工程と、3)1)の分散体を2)の混合物と撹拌しながら組み合わせる工程と、を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる2工程プロセスで調製される、請求項1に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項12】
熱伝達システムであって、
(a)請求項1に記載の安定なコロイド分散体と、
(b)前記安定なコロイド分散体を電気部品に密接に接触させて循環させるための循環システムと、を含む、熱伝達システム。
【請求項13】
電気部品から熱を分散させる方法であって、
(a)前記電気部品と密接に接触する熱伝達システムを提供することと、
(b)前記熱伝達システムを通して、請求項1に記載の安定なコロイド分散体を循環させることと、
(c)前記電気部品及び前記熱伝達システムを動作させることと、を含む、方法。
【請求項14】
非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体中の固体ナノ粒子の分散体を調製する方法であって、1)前記固体ナノ粒子をアルコール中に撹拌しながら分散させる工程と、2)界面活性剤を前記非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体と混合する工程と、3)1)の分散体を2)の混合物と撹拌しながら組み合わせる工程と、を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される技術は、a)非伝導性で非水性かつ非水混和性の誘電性油性熱伝達流体と、b)少なくとも1つの固体ナノ粒子と、c)界面活性剤との安定なコロイド分散体を用いる、熱伝達システム及び熱伝達方法に関する。具体的には、この技術は、電気車両の電池パック又は電力システムを冷却するためのものなどの熱伝達システムにおいて優れたピーク温度低下を提供する、低電気伝導性、低可燃性、及び低凝固点を有する安定なコロイド分散体に関する。
【背景技術】
【0002】
電源の動作は、熱を発生させる。電源と連通する熱伝達システムは、発生した熱を調節し、電源が最適温度で動作することを確実にする。熱伝達システムは、一般に、電源からの熱の吸収及び放散を容易にする熱伝達流体を含む。一般に水及びグリコールからなる熱伝達流体は、高価であり得、凍結する傾向がある。従来の熱伝達流体はまた、多くの場合3000マイクロジーメンス/センチメートル(μS/cm)以上の範囲の極めて高い伝導性を示し得る。この高い伝導性は、金属部品の腐食を促進することによって熱伝達システムに悪影響を及ぼし、また、熱伝達システムが電流にさらされる電源の場合、例えば燃料電池などにおいて、高い伝導性は、電流の短絡及び電気ショックにつながる可能性がある。
【0003】
電池パックは、高レベルの安全性及び安定性を提供するように設計されているが、電池パックの一部分が、局所的な熱状態を経験してかなりの熱を発生させる状況が生じ得る。温度が十分に高く持続されると、局所的な熱状態が、暴走熱状態に変化して電池パックの広い範囲に影響を及ぼす可能性があり、場合によっては、ある特定の状況下では電池パック全体に影響を及ぼす場合がある。
【0004】
現在の電池パック設計は、筐体全体にわたって冷却剤を送る一体化かつ絶縁された冷却システムを含む。正常に機能している場合、冷却システムからの冷却剤は、内部で保護された電位と接触しない。時には漏れが生じ、冷却剤が筐体の意図しない部分に入ることがある。冷却剤が電気伝導性である場合、冷却剤は、比較的大きな電位差を有する端子をブリッジする可能性がある。このブリッジングは、冷却剤が電気分解される電気分解プロセスを開始する可能性があり、十分なエネルギーが電気分解に伝導されると、冷却剤が沸騰し始める。この沸騰は、上述の暴走熱状態につながり得る局所的な熱状態を作り出す可能性がある。
【0005】
低電気伝導性及び凝固点を有する安価な熱伝達流体を用いる熱伝達システム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、開示される技術は、電気部品を冷却するための安定なコロイド分散体を、安定なコロイド分散体と接触させて電気部品を動作させる方法とともに提供することによって、電気部品の冷却における安全上の懸念の問題を解決する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
様々な好ましい特徴及び実施形態を、非限定的な例示により以下に記載する。
【0008】
開示される技術は、とりわけ、安定なコロイド分散体を提供する。安定なコロイド分散体は、a)非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体と、b)固体ナノ粒子と、c)界面活性剤と、を含む。本明細書で使用される場合、「a」固体ナノ粒子、又は「a」界面活性剤、又は「a」流体におけるような「a」という用語は、述べられた要素のうちの1つだけに限定されず、述べられた要素のうちの1つ以上、並びに2つ以上、3つ以上などを含む「少なくとも1つ」を意味するために使用される。
【0009】
非伝導性で非水性、非水混和性の流体
開示される技術の1つの成分は、非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体(又は略して「NCAMF(non-conductive,non-aqueous and non-water miscible fluid)」)である。NCAMFは、米国石油協会(American Petroleum Institute、API)の以下のBase Oil Interchangeability Guidelines(2011)のグループI~Vの基油のいずれかから選択することができる。
【0010】
【表1】
【0011】
グループI、II、及びIIIは、鉱油ベースストックである。APIによって公式に特定されない場合であっても、他の一般に認識されているカテゴリーの基油を使用してもよく、グループII+は、110~119の粘度指数を有し、他のグループIIの油よりも低い揮発性を有するグループIIの材料を指し、グループIII+は、130以上の粘度指数を有するグループIIIの材料を指す。
【0012】
多くのNCAMFが方法及び/又はシステムにおいて機能し得るが、ある特定のイソパラフィンが特に改善された熱伝達を提供することが見出されている。
【0013】
イソパラフィン(又はイソパラフィン油)は、極低温及び極高温の両方に対して流動性を提供するのに十分な、少なくとも1つのヒドロカルビル分岐を含有する飽和炭化水素化合物である。本発明のイソパラフィンは、天然油及び合成油、精製油の水素化分解、水素化、及び水素化仕上げから誘導される油、再精製油、又はそれらの混合物を含んでもよい。
【0014】
合成NCAMFは、主に直鎖炭化水素を異性化して分岐炭化水素を生成することによって生成されてもよい。直鎖炭化水素は、天然源であっても、合成的に調製されても、又はフィッシャー・トロプシュ反応若しくは類似のプロセスから誘導されてもよい。イソパラフィンは、水素異性化ワックスから誘導されてもよく、典型的には水素異性化フィッシャー・トロプシュ炭化水素又はワックスであってもよい。一実施形態では、油は、フィッシャー・トロプシュガス液化合成手順だけでなく他のガス液化油によって調製されてもよい。
【0015】
好適なイソパラフィンは、天然の再生可能な供給源から得てもよい。天然(又は生物由来)油は、再生可能な生物学的資源、生物、又は実体から誘導される材料を指し、石油又は同等の原料から誘導される材料とは異なる。炭化水素油の天然源としては、脂肪酸トリグリセリド、加水分解若しくは部分加水分解トリグリセリド、又はエステル交換トリグリセリドエステル、例えば脂肪酸メチルエステル(又はFAME(fatty acid methyl ester))が挙げられる。好適なトリグリセリドとしては、パーム油、大豆油、ヒマワリ油、菜種油、オリーブ油、アマニ油、及び関連材料が挙げられるが、これらに限定されない。他のトリグリセリド源としては、藻類、獣脂、及び動物プランクトンが挙げられるが、これらに限定されない。直鎖及び分岐炭化水素は、植物油から得られるか、又は抽出され、合成油と同様の方式で水素化精製及び/又は水素異性化されてイソパラフィンを生成してもよい。
【0016】
別のクラスのイソパラフィン油には、ポリオレフィンが含まれる。ポリオレフィンは、当該技術分野において周知である。一実施形態では、ポリオレフィンは、2~24個の炭素原子を有するオレフィンから誘導可能であり得る(又は誘導され得る)。誘導可能又は誘導されるとは、ポリオレフィンが、記載された数の炭素原子を有する出発重合性オレフィンモノマー又はそれらの混合物から重合されることを意味する。実施形態では、ポリオレフィンは、3~24個の炭素原子を有するオレフィンから誘導可能であり得る(又は誘導され得る)。いくつかの実施形態では、ポリオレフィンは、4~24個の炭素原子を有するオレフィンから誘導可能であり得る(又は誘導され得る)。更なる実施形態では、ポリオレフィンは、5~20個の炭素原子を有するオレフィンから誘導可能であり得る(又は誘導され得る)。また更なる実施形態では、ポリオレフィンは、6~18個の炭素原子を有するオレフィンから誘導可能であり得る(又は誘導され得る)。また更なる実施形態では、ポリオレフィンは、8~14個の炭素原子を有するオレフィンから誘導可能であり得る(又は誘導され得る)。代替の実施形態では、ポリオレフィンは、8~12個の炭素原子を有するオレフィンから誘導可能であり得る(又は誘導され得る)。
【0017】
多くの場合、重合性オレフィンモノマーは、プロピレン、イソブテン、1-ブテン、イソプレン、1,3-ブタジエン、又はそれらの混合物のうちの1つ以上を含む。有用なポリオレフィンの例は、ポリイソブチレンである。
【0018】
ポリオレフィンはまた、α-オレフィンから誘導可能な(又は誘導された)ポリ-α-オレフィンを含む。α-オレフィンは、直鎖若しくは分岐鎖又はそれらの混合物であってもよい。例としては、モノオレフィン、例えば、プロピレン、1-ブテン、イソブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセンなどが挙げられる。α-オレフィンの他の例としては、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、及びそれらの混合物が挙げられる。有用なα-オレフィンの例は、1-ドデセンである。有用なポリ-α-オレフィンの例は、ポリ-デセンである。
【0019】
ポリオレフィンはまた、オレフィンコポリマー(olefin copolymer、OCP)としても知られる、少なくとも2つの異なるオレフィンのコポリマーであってもよい。これらのコポリマーは、好ましくは2~約28個の炭素原子を有するα-オレフィンのコポリマー、好ましくはエチレンと3~約28個の炭素原子を有する少なくとも1つのα-オレフィンとのコポリマー、典型的には式CH=CHRのコポリマーであり、式中、Rは、1~26個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖アルキルラジカルである。好ましくは、上記式中のRは、1~8個の炭素原子のアルキルであり得、より好ましくは、1~2個の炭素原子のアルキルであり得る。好ましくは、オレフィンのポリマーは、エチレン-プロピレンコポリマーである。
【0020】
オレフィンコポリマーがエチレンを含む場合、エチレン含量は、好ましくは20~80重量パーセント、より好ましくは30~70重量パーセントの範囲である。プロピレン及び/又は1-ブテンがエチレンとともにコモノマーとして用いられる場合、このようなコポリマーのエチレン含量は、最も好ましくは45~65パーセントであるが、より高い又はより低いエチレン含量が存在してもよい。
【0021】
NCAMFは、エチレン及びそのポリマーを実質的に含まなくてもよい。組成物は、エチレン及びそのポリマーを完全に含まなくてもよい。実質的に含まないとは、組成物が、50ppm未満、又は30ppm未満、又は更に10ppm若しくは5ppm未満、又は更に1ppm未満の所与の材料を含有することを意味する。
【0022】
NCAMFは、プロピレン及びそのポリマーを実質的に含まなくてもよい。NCAMFは、プロピレン及びそのポリマーを完全に含まなくてもよい。前述のオレフィンモノマーから調製されるポリオレフィンポリマーは、140~5000の数平均分子量を有し得る。前述のオレフィンモノマーから調製されるポリオレフィンポリマーはまた、200~4750の数平均分子量を有し得る。前述のオレフィンモノマーから調製されるポリオレフィンポリマーはまた、250~4500の数平均分子量を有し得る。前述のオレフィンモノマーから調製されるポリオレフィンポリマーはまた、500~4500の数平均分子量を有し得る。前述のオレフィンモノマーから調製されるポリオレフィンポリマーはまた、ポリスチレン標準を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)によって測定したときに、750~4000の数平均分子量を有し得る。ポリスチレン標準を用いたGPCは、この参考文献において引用されているすべてのMnに対して用いられる標準方法である。
【0023】
鉱油及び合成油、例えばポリアルファオレフィン油及び/又はポリエステル油の混合物を使用してもよい。
【0024】
NCAMFは、8個の炭素数、最大50個の炭素原子を含有し、かつ少なくとも1個の炭素原子を含有する少なくとも1つのヒドロカルビル分岐を有する、飽和炭化水素化合物であり得る。一実施形態では、飽和炭化水素化合物は、少なくとも10個又は少なくとも12個の炭素原子を有し得る。一実施形態では、飽和炭化水素化合物は、14~34個の炭素原子を含有し得るが、但し、炭素原子の最長連続鎖は、24個以下の長さの炭素である。
【0025】
実施形態では、NCAMFは、24個以下の長さの炭素の最長の連続鎖の炭素原子を有するであろう。
【0026】
実施形態では、飽和炭化水素化合物は、サイズ排除クロマトグラフィー(size exclusion chromatography、SEC)(SECはゲル浸透クロマトグラフィー又はGPCとも呼ばれる)、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、質量分析、NMR、又はそれらの組み合わせによって測定されたときに、140g/mol~550g/mol、又は160g/mol~480g/molの分子量を有する分岐鎖非環状化合物であり得る。
【0027】
鉱油は、多くの場合、環状構造、すなわち芳香族又はナフテンとも呼ばれるシクロパラフィンを含有する。一実施形態では、イソパラフィンは、環状構造を含まないか、又は実質的に含まない飽和炭化水素化合物を含む。実質的に含まないとは、鉱油中に1モル%未満、又は0.75モル%未満、又は0.5モル%未満、又は更に0.25モル%未満の環状構造が存在することを意味する。いくつかの実施形態では、鉱油は、環状構造を完全に含まない。
【0028】
また、ある特定のエステル油及びエーテル油も、開示された方法において誘電性油性熱伝達流体として使用される場合、特に改善された熱伝達を提供することが見出された。
【0029】
誘電性油性熱伝達流体としての使用に好適なエステルとしては、モノカルボン酸と一価アルコールとのエステル;ジオールとモノカルボン酸とのジ-エステル及びジカルボン酸と一価アルコールとのジ-エステル;モノカルボン酸のポリオールエステル、及び一価アルコールとポリカルボン酸とのポリエステル;並びにそれらの混合物が挙げられる。エステルは、大きく2つのカテゴリー、つまり合成及び天然に分類され得る。
【0030】
誘電性油性熱伝達流体として好適な合成エステルとしては、モノカルボン酸(ネオペンタン酸、2-エチルヘキサン酸など)及びジカルボン酸(例えば、フタル酸、コハク酸、アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸、マレイン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、アジピン酸、リノール酸二量体、リノール酸、アルキルマロン酸、並びにアルケニルマロン酸)と、種々の一価アルコール(例えば、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、イソ-オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、イソデシルアルコール、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノエーテル、及びプロピレングリコール)のいずれかとのエステルが挙げられ得る。これらのエステルの具体的な例としては、ジブチルアジパート、ジ(2-エチルヘキシル)セバケート、ジ-n-ヘキシルフマレート、ジオクチルセバケート、ジイソオクチルアゼラート、ジイソデシルアゼラート、ジオクチルフタラート、ジデシルフタラート、ジエコイシルセバケート、リノール酸二量体の2-エチルヘキシルジエステル、並びに1モルのセバシン酸を2モルのテトラエチレングリコール及び2モルの2-エチルヘキサン酸と反応させることによって形成される複合エステルが挙げられる。他の合成エステルとしては、C~C12モノカルボン酸並びにポリオール及びポリオールエーテル、例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びトリペンタエリスリトールから作製されるものが挙げられる。エステルはまた、モノカルボン酸と一価アルコールとのモノエステルであり得る。
【0031】
天然(又は生物由来)エステルは、再生可能な生物学的資源、生物、又は実体から誘導される材料を指し、石油又は同等の原料から誘導される材料とは異なる。誘電性油性熱伝達流体として好適な天然エステルとしては、脂肪酸トリグリセリド、加水分解若しくは部分加水分解トリグリセリド、又はエステル交換トリグリセリドエステル、例えば脂肪酸メチルエステル(又はFAME)が挙げられる。好適なトリグリセリドとしては、パーム油、大豆油、ヒマワリ油、菜種油、オリーブ油、アマニ油、及び関連材料が挙げられるが、これらに限定されない。他のトリグリセリド源としては、藻類、獣脂、及び動物プランクトンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
他の好適な油性流体としては、アルキル化芳香族油(例えば、アルキル化ナフタレンなど)、低粘度ナフテン系鉱油、及び(ポリ)エーテル油が挙げられる。アルキレンオキシドポリマー及びインターポリマー並びにそれらの誘導体と、末端ヒドロキシル基が例えばエステル化又はエーテル化によって修飾されているものとは、使用され得る他のクラスの既知の合成潤滑油を構成する。(ポリ)エーテル基油の例としては、ジエチレングリコールジブチルエーテルが挙げられる。
【0033】
固体ナノ粒子
安定なコロイド分散体は、少なくとも1つの固体ナノ粒子又は固体ナノ粒子の混合物を含む。
【0034】
固体ナノ粒子は、金属ナノ粒子及び非金属ナノ粒子の両方を含み得る。
【0035】
金属ナノ粒子について、固体金属ナノ粒子の金属としては、アルカリ土類金属、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及びバリウムが挙げられ得る。
【0036】
固体金属ナノ粒子の金属としては、遷移金属、例えば、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、及びカドミウムが挙げられ得る。
【0037】
固体金属ナノ粒子の金属としては、ランタニド系列又はアクチニド系列の金属、例えば、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、トリウム、プロトアクチニウム、及びウラニウム)が挙げられ得る。
【0038】
固体金属ナノ粒子の金属としては、遷移後金属、例えば、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、スズ、鉛、ビスマス、及びポロニウムが挙げられ得る。
【0039】
固体金属ナノ粒子の金属としては、メタロイド、例えば、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、及びアンチモンが挙げられ得る。
【0040】
ある特定の実施形態では、金属は、アルミニウムを含み得る。実施形態では、金属は、鉄を含み得る。金属はまた、ルテニウムを含み得る。金属は、コバルトを含み得る。金属は、ロジウムを含み得る。金属は、ニッケルを含み得る。金属は、パラジウムを含み得る。金属は、白金を含み得る。金属は、銀を含み得る。金属は、金を含み得る。金属は、セリウムを含み得る。金属は、サマリウムを含み得る。金属は、タングステンを含み得る。
【0041】
固体金属ナノ粒子は、その純粋な形態で、あるいは酸化物、炭化物、窒化物、又はこれらの材料のいずれかの混合物若しくは材料の組み合わせとして存在し得る。
【0042】
例えば、固体金属ナノ粒子は、酸化鉄(例えば、Fe、Fe)、酸化コバルト(例えば、CoO)、酸化亜鉛(例えば、ZnO)、酸化セリウム(例えば、CeO)、及び酸化チタン(例えば、TiO)であり得る。酸化ホウ素(例えば、B)は、用いられ得る別の固体金属ナノ粒子である。酸化アルミニウム(例えば、Al)は、用いられ得る別の固体金属ナノ粒子である。酸化マグネシウム(例えば、MgO)は、用いられ得る別の固体金属ナノ粒子である。酸化タングステン(例えば、W、WO、WO、W)は、用いられ得る別の固体金属ナノ粒子である。
【0043】
金属炭化物固体金属ナノ粒子の例としては、炭化鉄(例えば、FeCH)、炭化コバルト(例えば、CoC、CoC、CoC)、炭化亜鉛(例えば、ZnC)、炭化セリウム(例えば、CeC)、及び炭化チタン(例えば、TiCが挙げられ得る。炭化ホウ素(例えば、BC)は、用いられ得る別の固体金属ナノ粒子である。炭化アルミニウム(例えば、Al)は、用いられ得る別の固体金属ナノ粒子である。炭化タングステン(例えば、WC)は、用いられ得る別の固体金属ナノ粒子である。
【0044】
金属窒化物固体金属ナノ粒子の例としては、窒化鉄(例えば、FeN、Fe、FeN、Fe、Fe16)、窒化コバルト(例えば、CoN、CoN、CoN)、窒化亜鉛(例えば、Zn)、窒化セリウム(例えば、CeN)、及び窒化チタン(例えば、TiN)が挙げられ得る。窒化ホウ素(例えば、BN)は、用いられ得る別の固体金属ナノ粒子である。窒化アルミニウム(例えば、AlN)は、用いられ得る別の固体金属ナノ粒子である。窒化タングステン(例えば、WN、WN、WN)は、用いられ得る別の固体金属ナノ粒子である。
【0045】
固体ナノ粒子はまた、固体非金属ナノ粒子を含み得る。そのような固体非金属ナノ粒子は、酸化物、炭化物、窒化物、又はこれらの材料のいずれかの混合物若しくは材料の組み合わせの形態で存在し得る。例えば、固体非金属ナノ粒子は、酸化グラフェンであり得る。
【0046】
固体ナノ粒子は、1000nm未満のD50粒径を有し得る。いくつかの実施形態では、固体ナノ粒子は、700nm未満のD50粒径を有し得る。固体ナノ粒子は、500nm未満のD50粒径を有し得る。固体ナノ粒子は、250nm未満のD50粒径を有し得る。固体ナノ粒子は、100nm未満のD50粒径を有し得る。固体ナノ粒子は、75nm未満のD50粒径を有し得る。固体ナノ粒子は、50nm未満のD50粒径を有し得る。固体ナノ粒子は、0.01nm~1000nmのD50粒径を有し得る。固体ナノ粒子はまた、0.1nm~100nmのD50粒径を有し得る。固体ナノ粒子は、1nm~75nmのD50粒径を有し得る。固体ナノ粒子は、10nm~50nmのD50粒径を有し得る。D50粒径は、ASTM E2490-09(2015)に従って動的光散乱によって測定することができる。
【0047】
固体ナノ粒子は、1~5000の平均アスペクト比を有し得る。本明細書で使用される場合、「平均アスペクト比」は、ナノ粒子混合物中の粒子の長さの、混合物中の粒子の幅に対する平均比を指す。「平均」という用語は、あらゆるすべてのアスペクト比が存在し得るが、集合体全体にわたる平均アスペクト比が開示された範囲内であることを意味することが意図される。平均アスペクト比の長さ及び幅を決定するための測定方法は、両方の測定に同じ測定方法が使用される限り、重要ではない。固体ナノ粒子はまた、1~2500の平均アスペクト比を有し得る。固体ナノ粒子はまた、1~1000の平均アスペクト比を有し得る。固体ナノ粒子はまた、1~500の平均アスペクト比を有し得る。固体ナノ粒子はまた、1~250の平均アスペクト比を有し得る。固体ナノ粒子はまた、1~100の平均アスペクト比を有し得る。固体ナノ粒子はまた、1~50の平均アスペクト比を有し得る。固体ナノ粒子はまた、1~25の平均アスペクト比を有し得る。固体ナノ粒子はまた、1~10の平均アスペクト比を有し得る。固体ナノ粒子はまた、10~5000の平均アスペクト比を有し得る。固体ナノ粒子はまた、25~5000の平均アスペクト比を有し得る。固体ナノ粒子はまた、50~5000の平均アスペクト比を有し得る。固体ナノ粒子はまた、100~5000の平均アスペクト比を有し得る。固体ナノ粒子はまた、250~5000の平均アスペクト比を有し得る。固体ナノ粒子はまた、500~5000の平均アスペクト比を有し得る。固体ナノ粒子はまた、1000~5000の平均アスペクト比を有し得る。固体ナノ粒子はまた、2500~5000の平均アスペクト比を有し得る。
【0048】
一般に、固体ナノ粒子は、前述のNCAMFの熱伝導性よりも大きい熱伝導性を有するように選択される。いくつかの実施形態では、安定なコロイド分散体は、5W/m-Kより大きい最小熱伝導性を有する固体ナノ粒子を含み得る。いくつかの実施形態では、安定なコロイド分散体は、10W/m-K以上の熱伝導性を有する固体ナノ粒子を含み得る。いくつかの実施形態では、安定なコロイド分散体は、30W/m-K以上の熱伝導性を有する固体ナノ粒子を含み得る。いくつかの実施形態では、安定なコロイド分散体は、250W/m-K以上の熱伝導性を有する固体ナノ粒子を含み得る。いくつかの実施形態では、安定なコロイド分散体は、500W/m-K以上の熱伝導性を有する固体ナノ粒子を含み得る。いくつかの実施形態では、安定なコロイド分散体は、1000W/m-K以上の熱伝導性を有する固体ナノ粒子を含み得る。本明細書で使用される場合、熱伝導性は、ASTM D7896-19によって測定することができる。
【0049】
安定なコロイド分散体は、コロイド分散体の重量に基づいて0.5~40重量%の濃度で少なくとも1つの固体ナノ粒子を含み得る。いくつかの実施形態では、安定なコロイド分散体は、少なくとも1つの固体ナノ粒子を0.75~35重量%の濃度で含み得る。いくつかの実施形態では、安定なコロイド分散体は、少なくとも1つの固体ナノ粒子を1~30重量%の濃度で含み得る。実施形態では、安定なコロイド分散体は、少なくとも1つの固体ナノ粒子を1.25~25重量%の濃度で含み得る。いくつかの実施形態では、安定なコロイド分散体は、少なくとも1つの固体ナノ粒子を0.5~10重量%の濃度で含み得る。いくつかの実施形態では、安定なコロイド分散体は、少なくとも1つの固体ナノ粒子を0.75~8重量%の濃度で含み得る。いくつかの実施形態では、安定なコロイド分散体は、少なくとも1つの固体ナノ粒子を0.1~6重量%の濃度で含み得る。いくつかの実施形態では、安定なコロイド分散体は、少なくとも1つの固体ナノ粒子を10~40重量%の濃度で含み得る。いくつかの実施形態では、安定なコロイド分散体は、少なくとも1つの固体ナノ粒子を15~35重量%の濃度で含み得る。いくつかの実施形態では、安定なコロイド分散体は、少なくとも1つの固体ナノ粒子を20~30重量%の濃度で含み得る。
【0050】
しかしながら、固体ナノ粒子を投与する場合、安定なコロイド分散体の誘電率の制約を超えないように注意すべきである。一般に、これは、純金属の形態の固体ナノ粒子などのより伝導性の固体ナノ粒子が、一般に10重量%以上などの高レベルで用いられる場合を除いて、問題ではない。懸念がある場合には、安定なコロイド分散体を配合し、分散体の誘電率を試験することができる。
【0051】
界面活性剤
安定なコロイド分散体は、少なくとも1つの界面活性剤を含む。界面活性剤は、当該技術分野において周知である。当業者は、界面活性剤が、油性流体中の界面活性剤の溶解性を付与する親油性部分と、界面活性剤が粒子に開裂することを可能にする極性部分との両方を含むことを直ちに認識するであろう。
【0052】
本技術の界面活性剤は、実際に、非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体に溶解性を付与するヒドロカルビル骨格と、少なくとも1つの固体ナノ粒子と会合して粒子を流体中に分散させ続けることができる極性部分との両方を含む。
【0053】
界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び分散剤が挙げられ得る。
【0054】
ある実施形態では、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤であり得る。アニオン性界面活性剤の非限定的な例は、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition,1998,published by Allured Publishing Corporation、及びMcCutcheon’s,Functional Materials,North American Edition(1992)に開示されており、これらの両方は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。アニオン性界面活性剤は、水性界面活性剤組成物の技術分野において既知であるか又は以前に使用されたアニオン性界面活性剤のいずれかであり得る。好適なアニオン性界面活性剤としては、サリチレート、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルスルホネート、アルカリールスルホネート、α-オレフィンスルホネート、アルキルアミドスルホネート、アルカリールポリエーテルサルフェート、アルキルアミドエーテルサルフェート、アルキルモノグリセリルエーテルサルフェート、アルキルモノグリセリドサルフェート、アルキルモノグリセリドスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルスルホスクシナマート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルアミドスルホスクシネート;アルキルスルホアセテート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルキルアミドエーテルカルボキシレート、N-アルキルアミノ酸、N-アシルアミノ酸、アルキルペプチド、N-アシルタウレート、アルキルイセチオネート、アシル基が脂肪酸から誘導されるカルボキシレート塩;及びアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミン、及びそれらのトリエタノールアミン塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
一態様では、前述の塩のカチオン部分は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、モノ-、ジ-、及びトリエタノールアミン塩、並びにモノ-、ジ-、及びトリイソプロピルアミン塩から選択される。前述のアニオン性界面活性剤のアルキル基及びアシル基は、6~約24個の炭素原子を含有し得る。前述のアニオン性界面活性剤のアルキル基及びアシル基は、8~22個の炭素原子を含有し得る。いくつかの実施形態では、前述のアニオン性界面活性剤のアルキル基及びアシル基は、12~18個の炭素原子を含有し得る。アルキル基及びアシル基は、飽和又は不飽和であり得る。界面活性剤中のアリール基は、フェニル又はベンジルから選択され得る。上述のエーテル含有界面活性剤は、一態様では、界面活性剤分子当たり1~10個のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド単位を含有し得、別の態様では、界面活性剤分子当たり1~3個のエチレンオキシド単位を含有し得る。
【0056】
好適なアニオン性界面活性剤の更なる例としては、1、2、3、4、又は5モルのエチレンオキシドでエトキシ化された、ラウレスサルフェート、トリデセスサルフェート、ミレスサルフェート、C12~C13パレスサルフェート、C12~C14パレスサルフェート、及びC12~C15パレスサルフェートのナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、及びアンモニウム塩;ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、アンモニウム、及びトリエタノールアミンラウリルサルフェート、ココサルフェート、トリデシルサルフェート、ミリスチルサルフェート、セチルサルフェート、セテアリルサルフェート、ステアリルサルフェート、オレイルサルフェート、及びタローサルフェート、二ナトリウムラウリルスルホスクシネート、二ナトリウムラウレススルホスクシネート、ナトリウムココイルイセチオネート、ナトリウムC12~C14オレフィンスルホネート、ナトリウムラウレス-6カルボキシレート、ナトリウムメチルココイルタウレート、ナトリウムココイルグリシネート、ナトリウムミリスチルサルコシネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、カルシウム及び/又はマグネシウムアルキルベンゼンスルホネート、ナトリウムココイルサルコシネート、ナトリウムココイルグルタメート、カリウムミリストイルグルタメート、トリエタノールアミンモノラウリルホスフェート、並びに約8~約22個の炭素原子を含有する飽和及び不飽和脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びトリエタノールアミン塩を含む脂肪酸石鹸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
カチオン性界面活性剤は、水性界面活性剤組成物の技術分野において既知であるか又は以前に使用されたカチオン性界面活性剤のいずれかであり得る。有用な陽イオン性界面活性剤は、例えば、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition,1998(前出)、及びKirk-Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,4th Ed.,Vol.23,pp.478-541(これらの内容は、このような界面活性剤がNCAMFに可溶性である範囲で、本明細書において参照として組み込まれる)に記載されるもののうちの1つ以上であり得る。好適なクラスのカチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン、アルキルイミダゾリン、エトキシ化アミン、四級化合物、及び四級化エステルが挙げられるが、これらに限定されない。加えて、アルキルアミンオキシドは、低pHでカチオン性界面活性剤として機能し得る。
【0058】
アルキルアミン界面活性剤は、置換又は非置換の一級、二級、及び三級脂肪族C12~C22アルキルアミンの塩、及び「アミドアミン」と呼ばれることもある物質であり得る。アルキルアミン及びその塩の非限定的な例としては、ジメチルコカミン、ジメチルパルミタミン、ジオクチルアミン、ジメチルステアラミン、ジメチルソイアミン、ソイアミン、ミリスチルアミン、トリデシルアミン、エチルステアリルアミン、N-タロープロパンジアミン、エトキシ化ステアリルアミン、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、アラキジルベヘニルアミン、ジメチルラウラミン、ステアリルアミンハイドロクロリド、塩化ソイアミン、ステアリルアミンホルメート、N-タロープロパンジアミンジクロリド、及びアモジメチコンが挙げられる。
【0059】
アミドアミン及びその塩の非限定的な例としては、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミンシトレート、パルミタミドプロピルジエチルアミン、及びコカミドプロピルジメチルアミンラクテートが挙げられる。
【0060】
アルキルイミダゾリン界面活性剤の非限定的な例としては、アルキルヒドロキシエチルイミダゾリン、例えば、ステアリルヒドロキシエチルイミダゾリン、ココヒドロキシエチルイミダゾリン、エチルヒドロキシメチルオレイルオキサゾリンなどが挙げられる。
【0061】
エトキシル化アミンの非限定的な例としては、PEG-ココポリアミン、PEG-15タローアミン、クオタニウム-52などが挙げられる。
【0062】
カチオン性界面活性剤として有用な四級アンモニウム化合物の中で、いくつかは、一般式:(R20212223)Eに対応し、式中、R20、R21、R22、及びR23は、独立して、1~約22個の炭素原子を有する脂肪族基、又はアルキル鎖中に1~約22個の炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール若しくはアルキルアリール基から選択され、Eは、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、サルフェート、及びアルキルサルフェートから選択されるものなどの塩形成アニオンである。脂肪族基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル結合、エステル結合、及びアミノ基などの他の基を含有し得る。より長い鎖の脂肪族基、例えば、約12個以上の炭素のものは、飽和又は不飽和であり得る。一態様では、アリール基は、フェニル及びベンジルから選択される。
【0063】
例示的な四級アンモニウム界面活性剤としては、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジエイコシルジメチルアンモニウムクロリド、ジドコシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムアセテート、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、及びジ(ココナッツアルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタロージメチルアンモニウムクロリド、ジ(水素化タロー)ジメチルアンモニウムクロリド、ジ(水素化タロー)ジメチルアンモニウムアセテート、ジタロージメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジタロージプロピルアンモニウムホスフェート、及びジタロージメチルアンモニウムニトレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
低pHでは、アミンオキシドは、プロトン化し、N-アルキルアミンと同様に挙動し得る。例としては、ジメチル-ドデシルアミンオキシド、オレイルジ(2-ヒドキシエチル)アミンオキシド、ジメチルテトラデシルアミンオキシド、ジ(2-ヒドキシエチル)-テトラデシルアミンオキシド、ジメチルヘキサデシルアミンオキシド、ベヘナミンオキシド、コカミンオキシド、デシルテトラデシルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルC12~C15アルコキシプロピルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルコカミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウラミンオキシド、ジヒドロキシエチルステアラミンオキシド、ジヒドロキシエチルタローアミンオキシド、水素化パーム核アミンオキシド、水素化タローアミンオキシド、ヒドキシエチルヒドロキシプロピルC12~C15アルコキシプロピルアミンオキシド、ラウラミンオキシド、ミリスタミンオキシド、セチルアミンオキシド、オレアミドプロピルアミンオキシド、オレアミンオキシド、パルミタミンオキシド、PEG-3ラウラミンオキシド、ジメチルラウラミンオキシド、カリウムトリホスホノメチルアミンオキシド、ソイアミドプロピルアミンオキシド、コカミドプロピルアミンオキシド、ステアラミンオキシド、タローアミンオキシド、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
本明細書で使用される場合、「両性界面活性剤」という用語は、両性界面活性剤の部分集合として当業者に周知である双性イオン界面活性剤も包含することが意図される。両性界面活性剤の非限定的な例は、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition(前出)、及びMcCutcheon’s,Functional Materials,North American Edition(前出)に開示されており、これらの両方は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。好適な例としては、アミノ酸(例えば、N-アルキルアミノ酸及びN-アシルアミノ酸)、ベタイン、スルタイン、及びアルキルアンホカルボキシレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
本発明の実施に好適なアミノ酸系界面活性剤としては、以下の式によって表される界面活性剤が挙げられ、
【0067】
【化1】
式中、R25は、10~22個の炭素原子を有する飽和若しくは不飽和炭化水素基、又は9~22個の炭素原子を有する飽和若しくは不飽和炭化水素基を含有するアシル基を表し、Yは、水素又はメチルであり、Zは、水素、--CH、--CH(CH、--CHCH(CH、--CH(CH)CHCH、--CH、--CHOH、--CHOH、--CH(OH)CH、--(CHNH、--(CHNHC(NH)NH、--CHC(O)O、--(CHC(O)Oから選択される。Mは、塩形成カチオンである。一態様では、R25は、直鎖又は分岐鎖C10~C22アルキル基、直鎖又は分岐鎖C10~C22アルケニル基、R26C(O)--で表されるアシル基から選択されるラジカルを表し、式中、R26は、直鎖又は分岐鎖C~C22アルキル基、直鎖又は分岐鎖C~C22アルケニル基から選択される。一態様では、Mは、ナトリウム、カリウム、及びアンモニウムカチオン、並びにモノ-、ジ-、及びトリエタノールアミン(triethanolamine、TEA)のアンモニウム塩から選択されるカチオンである。
【0068】
アミノ酸界面活性剤は、例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、イソロイシン、ロイシン、リシン、フェニルアラニン、セリン、チロシン、及びバリンなどのα-アミノ酸のアルキル化及びアシル化から誘導され得る。代表的なN-アシルアミノ酸界面活性剤は、N-アシル化グルタミン酸のモノ-及びジ-カルボキシレート塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びTEA)、例えば、ナトリウムココイルグルタメート、ナトリウムラウロイルグルタメート、ナトリウムミリストイルグルタメート、ナトリウムパルミトイルグルタメート、ナトリウムステアロイルグルタメート、二ナトリウムココイルグルタメート、二ナトリウムステアロイルグルタメート、カリウムココイルグルタメート、カリウムラウロイルグルタメート、及びカリウムミリストイルグルタメート;N-アシル化アラニンのカルボキシレート塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びTEA)、例えば、ナトリウムココイルアラニネート、及びTEAラウロイルアラニネート;N-アシル化グリシンのカルボキシレート塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びTEA)、例えば、ナトリウムココイルグリシネート、及びカリウムココイルグリシネート;N-アシル化サルコシンのカルボキシレート塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びTEA)、例えば、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ナトリウムココイルサルコシネート、ナトリウムミリストイルサルコシネート、ナトリウムオレオイルサルコシネート、及びアンモニウムラウロイルサルコシネート、並びに前述の界面活性剤の混合物であるが、これらに限定されない。
【0069】
本発明において有用なベタイン及びスルタインは、アルキルベタイン、アルキルアミノベタイン、及びアルキルアミドベタイン、並びに以下の式によって表される対応するスルホベタイン(スルタイン)から選択され、
【0070】
【化2】
式中、R27は、C~C22アルキル又はアルケニル基であり、各R28は、独立して、C~Cアルキル基であり、R29は、C~Cアルキレン基又はヒドロキシ置換C~Cアルキレン基であり、nは、2~6の整数であり、Aは、カルボキシレート又はスルホネート基であり、Mは、塩形成カチオンである。一態様では、R27は、C11~C18アルキル基又はC11~C18アルケニル基である。一態様では、R28は、メチルである。一態様では、R29は、メチレン、エチレン、又はヒドロキシプロピレンである。一態様では、nは、3である。更なる態様では、Mは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウムカチオン、並びにモノ-、ジ-、及びトリエタノールアミンのアンモニウム塩から選択される。前述のベタイン及びスルタインの混合物を利用することができる。
【0071】
好適なベタインの例としては、ラウリルベタイン、ミリスチルベタイン、ココベタイン、オレイルベタイン、ココヘキサデシルジメチルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルベタイン(cocoamidopropyl betaine、CAPB)、及びコカミドプロピルヒドロキシスルタイン、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
アルキルアンホカルボキシレート、例えばアルキルアンホアセテート及びアルキルアンホプロピオネート(モノ及びジ置換カルボキシレート)は、以下の式によって表され得、
【0073】
【化3】
式中、R27は、C~C22アルキル又はアルケニル基であり、R30は、--CHC(O)O、--CHCHC(O)O、又は--CHCH(OH)CHSO であり、R31は、水素又は--CHC(O)Oであり、Mは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、並びにモノ-、ジ-、及びトリエタノールアミンのアンモニウム塩から選択されるカチオンである。
【0074】
例示的なアルキルアンホカルボキシレートとしては、ナトリウムココアンホアセテート、ナトリウムラウロアンホアセテート、ナトリウムカプリロアンホアセテート、二ナトリウムココアンホジアセテート、二ナトリウムラウロアンホジアセテート、二ナトリウムカプリルアンホジアセテート、二ナトリウムカプリロアンホジアセテート、二ナトリウムココアンホジプロピオネート、二ナトリウムラウロアンホジプロピオネート、二ナトリウムカプリルアンホジプロピオネート、及び二ナトリウムカプリロアンホジプロピオネートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】
非イオン性界面活性剤の非限定的な例は、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition,1998(前出)、及びMcCutcheon’s,Functional Materials,North American(前出)に開示されており、これらの両方は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。非イオン性界面活性剤の追加の例は、Barratらに対する米国特許第4,285,841号、及びLeikhimらに対する米国特許第4,284,532号に記載されており、これらの両方は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。非イオン性界面活性剤は、典型的には、長鎖アルキル基又はアルキル化アリール基などの疎水性部分と、様々な程度のエトキシル化及び/又はプロポキシル化(例えば、1~約50)エトキシ及び/又はプロポキシ部分を含有する親水性部分とを有する。使用され得るいくつかのクラスの非イオン性界面活性剤の例としては、エトキシ化アルキルフェノール、エトキシ化及びプロポキシ化脂肪アルコール、メチルグルコースのポリエチレングリコールエーテル、ソルビトールのポリエチレングリコールエーテル、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー、脂肪酸のエトキシ化エステル、エチレンオキシドと長鎖アミン又はアミドとの縮合生成物、エチレンオキシドとアルコールとの縮合生成物、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0076】
好適な非イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル多糖類、アルコールエトキシレート、ブロックコポリマー、ヒマシ油エトキシレート、セト/オレイルアルコールエトキシレート、セテアリルアルコールエトキシレート、デシルアルコールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレート、ドデシルフェノールエトキシレート、エンドキャップエトキシレート、エーテルアミン誘導体、エトキシ化アルカノールアミド、エチレングリコールエステル、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪アルコールアルコキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート、モノ分岐アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアミンエトキシレート、ランダムコポリマーアルコキシレート、ソルビタンエステルエトキシレート、ステアリン酸エトキシレート、ステアリルアミンエトキシレート、タロー油脂肪酸エトキシレート、タローアミンエトキシレート、トリデカノールエトキシレート、アセチレンジオール、ポリオキシエチレンソルビトール、及びそれらの混合物が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤の様々な具体的な例としては、メチルグルセス-10、PEG-20メチルグルコースジステアレート、PEG-20メチルグルコースセスキステアレート、セテス-8、セテス-12、ドドキシノール-12、ラウレス-15、PEG-20ヒマシ油、ポリソルベート20、ステアレス-20、ポリオキシエチレン-10セチルエーテル、ポリオキシエチレン-10ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン-20セチルエーテル、ポリオキシエチレン-10オレイルエーテル、ポリオキシエチレン-20オレイルエーテル、エトキシ化ノニルフェノール、エトキシ化オクチルフェノール、エトキシ化ドデシルフェノール、又は3~20個のエチレンオキシド部分を含む、エトキシ化脂肪(C~C22)アルコール、ポリオキシエチレン-20イソヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレン-23グリセロールラウレート、ポリオキシエチレン-20グリセリルステアレート、PPG-10メチルグルコースエーテル、PPG-20メチルグルコースエーテル、ポリオキシエチレン-20ソルビタンモノエステル、ポリオキシエチレン-80ヒマシ油、ポリオキシエチレン-15トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン-6トリデシルエーテル、ラウレス-2、ラウレス-3、ラウレス-4、PEG-3ヒマシ油、PEG600ジオレエート、PEG400ジオレエート、ポロキサマー188などのポロキサマー、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、ソルビタンカプリレート、ソルビタンココエート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタンジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタンイソステアレート、ソルビタンラウレート、ソルビタンオレエート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンウンデシレネート、又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
アルキルグリコシド非イオン性界面活性剤も用いることができ、一般に、単糖、又は単糖に加水分解可能な化合物を、酸媒体中で脂肪アルコールなどのアルコールと反応させることによって調製される。例えば、米国特許第5,527,892号及び同第5,770,543号は、アルキルグリコシド及び/又はその調製方法を記載している。好適な例は、Glucopon(商標)220、225、425、600、及び625、PLANTACARE(登録商標)、並びにPLANTAPON(登録商標)の名称で市販されており、これらはすべてCognis Corporation(Ambler,PA)から入手可能である。
【0078】
別の態様では、非イオン性界面活性剤としては、例えば、それぞれGlucam(登録商標)E10、Glucam(登録商標)E20、Glucam(登録商標)P10、及びGlucam(登録商標)P20の商品名でLubrizol Advanced Materials,Inc.から入手可能なメチルグルセス-10、メチルグルセス-20、PPG-10メチルグルコースエーテル、及びPPG-20メチルグルコースエーテルなどのアルコキシル化メチルグルコシドが挙げられるが、これらに限定されず、それぞれGlucamate(登録商標)DOE-120、Glucamate(商標)LT、及びGlucamate(商標)SSE-20の商品名でLubrizol Advanced Materials,Inc.から入手可能なPEG120メチルグルコースジオレエート、PEG-120メチルグルコーストリオレエート、及びPEG-20メチルグルコースセスキステアレートなどの疎水的変性アルコキシル化メチルグルコシドも好適である。他の例示的な疎水的変性アルコキシル化メチルグルコシドは、米国特許第6,573,375号及び同第6,727,357号に開示されており、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0079】
他の有用な非イオン性界面活性剤としては、水溶性シリコーン、例えば、PEG-10ジメチコン、PEG-12ジメチコン、PEG-14ジメチコン、PEG-17ジメチコン、PPG-12ジメチコン、PPG-17ジメチコン、及びそれらの誘導体化/官能化形態、例えば、ビス-PEG/PPG-20/20ジメチコンビス-PEG/PPG-16/16PEG/PPG-16/16ジメチコン、PEG/PPG-14/4ジメチコン、PEG/PPG-20/20ジメチコン、PEG/PPG-20/23ジメチコン、及びペルフルオロノニルエチルカルボキシデシルPEG-10ジメチコンが挙げられる。
【0080】
分散剤とは、ポリマー分散剤添加剤を意味し、これは、一般に、添加剤の酸含有部分又は無水物部分の一部として、又はそれと会合した極性部分を含有する炭化水素系ポリマーである。これらの分散剤は、ポリオレフィン置換カルボン酸、エステル、アミド、又はイミドとして記載され得る。
【0081】
典型的な分散剤としては、N-置換長鎖アルケニルスクシンイミドが挙げられ、これは、種々の化学構造を有し、典型的には以下のものを含み、
【0082】
【化4】
式中、各Rは、独立して、アルキル基であり、多くの場合、ポリイソブチレン前駆体に基づいて500~5000の分子量(M)を有するポリイソブチレン基であり、Rは、アルキレン基、一般的にはエチレン(C)基である。このような分子は、一般的に、アルケニルアシル化剤とポリアミンとの反応から誘導され、2つの部分間の多種多様な結合が、上記に示される単純なイミド構造に加えて可能であり、種々のアミド及び四級アンモニウム塩を含む。上記構造において、アミン部分は、アルキレンポリアミンとして示されているが、他の脂肪族及び芳香族モノ-及びポリアミンも使用してもよい。また、イミド構造へのR基の種々の様式の結合が可能であり、様々な環状結合を含む。アシル化剤のカルボニル基のアミンの窒素原子に対する比は、1:0.5~1:3、及び他の事例では、1:1~1:2.75又は1:1.5~1:2.5であってもよい。スクシンイミド分散剤は、米国特許第4,234,435号及び同第3,172,892号並びに欧州特許第0355895号により完全に記載されている。
【0083】
例えば、このような分散剤は、C3~C6ポリアルキレン(例えば、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリペンチレン、ポリヘプチレン、ほとんどの場合はポリイソブチレン)又はその誘導体(例えば、塩素化誘導体)と、モノ-又はα,β不飽和ジカルボン酸又はその無水物(マレイン酸無水物又はコハク酸無水物など)との反応によって生成されて、アシル化C3~C6ポリアルキレン化合物を生成し得る。アシル化ポリアルキレン化合物は、更に官能化せずに使用してもよいか、又は一級アミンなどのアミン又はポリエチレンアミンなどのポリアミンと反応して、分散剤を生成してもよい。アシル化ポリアルキレン化合物の例としては、ポリイソブテニルコハク酸無水物(PIBSA(polyisobutenyl succinc anhydride)とも呼ばれる)が挙げられる。
【0084】
ポリイソブチレン分散剤は、塩素支援プロセス、熱エン反応(通常、高ビニリデンポリマーを含む)、又はラジカルグラフトプロセスから得られ得る/得ることができる。アシル化の方法及びプロセスパラメータは、1~2個のアシル基、好ましくはコハク酸又は機能的等価物で置換されたポリイソブチレンをもたらし得る。
【0085】
別のクラスの分散剤としては、高分子量エステルが挙げられる。これらの材料は、ヒドロカルビルアシル化剤と多価脂肪族アルコール、例えば、グリセロール、ペンタエリスリトール、又はソルビトールとの反応によって調製されたとみなされ得ることを除いて、上述のスクシンイミドと同様である。このような材料は、米国特許第3,381,022号により詳細に記載されている。
【0086】
別のクラスの無灰分散剤は、米国特許第5,330,667号に記載されているタイプのアシル化ポリアルキレンポリアミンである。
【0087】
別のクラスの無灰分散剤は、12-ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシ置換長鎖脂肪酸のポリエステルと、それらのエステル、アミド、並びにアミン及びアンモニウム塩である。ポリエステルは、少なくとも1つのヒドロキシル基を含有する長鎖カルボン酸と、当該酸と縮合することが可能な酸素又は窒素原子を有し、かつ三級アミノ基を更に有する化合物との反応生成物であってもよい。反応生成物は、脂肪族カルボン酸と、当該酸と縮合することが可能な酸素又は窒素原子を有する化合物とを任意の順序で添加することによって形成してもよい。本明細書で使用される場合、ポリエステルに関連して使用される「長鎖カルボン酸」という用語は、8~22個、又は10~22個の炭素原子の炭素鎖を有する酸を意味し、脂肪族カルボン酸とも呼ばれる。
【0088】
いくつかの実施形態では、ポリエステルの調製に使用されるヒドロキシカルボン酸は、12-ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、12-ヒドロキシドデカン酸、5-ヒドロキシドデカン酸、5-ヒドロキシデカン酸、4-ヒドロキシデカン酸、10-ヒドロキシウンデカン酸、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0089】
ポリエステル分散剤は、四級化可能な三級アミノ基を含有する窒素又は酸素化合物と更に反応させてもよい。当該酸と縮合することが可能な酸素又は窒素原子を有し、かつ三級アミノ基を更に有する化合物は、N,N-ジエチルエチレンジアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N-ジブチルエチレンジアミン、N,N-ジメチル-1,3-ジアミノプロパン、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン、N,N-ジメチルアミノエタノール、N,N-ジエチルアミノエタノール、又はそれらの組み合わせを含む。
【0090】
本発明のポリエステル分散剤の数平均分子量(Mn)は、500~3000、又は700~2500であってもよい。
【0091】
別のクラスの無灰分散剤は、マンニッヒ塩基である。これらは、より高い分子量のアルキル置換フェノール、アルキレンポリアミン、及びホルムアルデヒドなどのアルデヒドの縮合によって形成される材料である。それらは、米国特許第3,634,515号により詳細に記載されている。
【0092】
他の分散剤としては、ポリマー分散剤添加剤が挙げられ、これは、極性官能基を含有してポリマーに分散特性を付与する炭化水素系ポリマーであってもよい。
【0093】
分散剤はまた、種々の薬剤のいずれかとの反応によって後処理され得る。これらの中には、尿素、チオ尿素、ジメルカプトチアジアゾール、二硫化炭素、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、炭化水素置換コハク酸無水物、ニトリル、エポキシド、ホウ素化合物、及びリン化合物がある。このような処理を詳述する参考文献は、米国特許第4,654,403号に列挙されている。
【0094】
分散剤は、ジアルキルサルフェート、ハロゲン化ベンジル、ヒドロカルビル置換カーボネート;酸と組み合わせたヒドロカルビルエポキシド、又はそれらの混合物などの四級化剤との反応によって四級化することもできる。
【0095】
分散体中の界面活性剤のレベルは、界面活性剤のタイプ、NCAMFのタイプ、並びに固体ナノ粒子のタイプ及び量を含むいくつかの変数に依存する。しかしながら、ほとんどの実施形態では、界面活性剤は、重量基準で少なくとも1つのナノ粒子の濃度の約0.1~約2倍のレベルで含まれ得る。いくつかの事例では、界面活性剤は、重量基準で少なくとも1つのナノ粒子の濃度の約0.08~約1.5倍のレベルで含まれ得る。界面活性剤はまた、重量基準で少なくとも1つのナノ粒子の濃度の約0.1~約1倍、又は約0.2~約0.75倍のレベルで含まれてもよい。
【0096】
安定なコロイド分散体
安定なコロイド分散体の正確な配合は、分散体が用いられる系、及びその系に必要とされる所望の特性に依存する。例えば、分散体の熱伝導性、粘度、引火点、及び誘電特性は、分散体が自動車内の電池パックを冷却するために用いられる場合と、コンピュータサーバファームの冷却に使用される場合とでは異なる。
【0097】
安定なコロイド分散体は、選択された用途について所望の誘電特性、引火点、及び粘度を有する少なくとも1つの非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体を最初に選択することによって配合され得る。少なくとも1つの固体ナノ粒子は、選択された用途について所望の熱特性及び伝導特性を伴って選択され、非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体に添加され得る。
【0098】
少なくとも1つの非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体及び少なくとも1つの固体ナノ粒子が選択されたら、少なくとも1つの界面活性剤が分散体への添加のために選択され得る。次いで、安定なコロイド分散体は、分散体調製の技術分野において既知の標準的な技術に従って調製され得る。例えば、安定なコロイド分散体は、界面活性剤及びナノ粒子を非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体に単純に混合することによって調製され得る。
【0099】
しかしながら、本発明者らの驚くべきことに、2工程方法によって分散体を調製すると、より安定な分散体が得られることが見出された。2工程方法は、最初にナノ粒子をイソプロピルアルコールなどのアルコール中に撹拌しながら分散させることを伴う。好適なアルコールとしては、例えば、任意のC~C10アルコール又はそれらの混合物が挙げられ得るが、好ましくはC~Cアルコール又はそれらの混合物、及びより好ましくはC~Cアルコール又はそれらの混合物が挙げられ得る。好適なアルコールは、プロパノール又はイソプロパノールであり得る。理論に束縛されるものではないが、より高いpHのアルコールは、混合物にいくらかの静電安定化を提供し、アルコール中のナノ粒子の分散をもたらすと考えられる。
【0100】
界面活性剤と非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体との混合物を調製する。次いで、アルコール中のナノ粒子の分散体を、非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体中の界面活性剤の調製混合物と組み合わせる。この組み合わせを撹拌すると、界面活性剤がナノ粒子をアルコールから非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体中に抽出する。
【0101】
2工程方法では、撹拌は、単純な混合又は振盪などの任意の既知の撹拌方法によって行うことができる。単純な混合が、アルコール中にナノ粒子を分散させる最初の工程のために良好に機能すること、及び超音波処理が、アルコールから界面活性剤へのナノ粒子の抽出を助けるために良好に機能することが見出された。
【0102】
誘電率(比誘電率とも呼ばれる)は、浸漬冷却システムのための熱伝達流体の重要な特徴である。電流漏れの問題を回避するために、安定なコロイド分散体は、ASTM D924に従って測定したときに10.0以下の誘電率を有し得る。安定なコロイド分散体の誘電率はまた、ASTM D924に従って測定したときに7.5以下であり得る。安定なコロイド分散体の誘電率はまた、ASTM D924に従って測定したときに5以下であり得る。安定なコロイド分散体の誘電率はまた、ASTM D924に従って測定したときに4.0以下であり得る。
【0103】
安定なコロイド分散体はまた、ASTM D445_100に従って測定したときに、少なくとも0.7cSt、又は少なくとも0.9cSt、又は少なくとも1.1cSt、又は0.7~7.0cSt、又は0.9~6.5cSt、又は更に1.1~6.0cSの100℃で測定される動粘度を有し得る。所与の化学族及びポンプ出力について、より高い粘度の流体は、流れに対するより高い抵抗を考慮すると、熱を除去するのにあまり有効ではない。
【0104】
浸漬熱伝達流体は、非常に低い温度で自由に流れる必要がある。一実施形態では、安定なコロイド分散体は、ASTM D5985に従って測定したときに、少なくとも-50℃、又は少なくとも-40℃、又は少なくとも-30℃の流動点を有し得る。一実施形態では、安定なコロイド分散体は、ASTM D2983に従って測定したときに、-30℃で900cP以下、又は-30℃で500cP以下、又は-30℃で100cP以下の絶対粘度を有し得る。
【0105】
安定なコロイド分散体は、ASTM D56に従って測定したときに、少なくとも50℃、又は少なくとも60℃、又は少なくとも75℃、又は少なくとも100℃の引火点を有し得る。
【0106】
界面活性剤及びNCAMFのある特定の組み合わせは、特に安定な懸濁液をもたらすことが見出されている。例えば、界面活性剤と、イソパラフィン溶媒中で使用されるポリアミンスクシンイミド頭部基との組み合わせ、又は例えばエステル溶媒中でのスルホスクシネート頭部基、又はエーテル溶媒中でのヒドロキシステアリン酸頭部基の使用。
【0107】
ある実施形態では、a)ASTM D445_100に従って測定したときに100℃で0.7~7.0cStの動粘度を有する液体炭化水素、液体ヒドロカルビルジエステル若しくはポリ-エステル、又はそれらの混合物と、b)酸化アルミニウムナノ粒子と、c)少なくとも1つの脂肪族アミン、ポリアミン、又はそれらの組み合わせを含む極性頭部基を有する少なくとも1つの界面活性剤と、を有する安定なコロイド分散体が提供される。界面活性剤は、Mn250~5000ダルトンのポリオレフィンを含む骨格を有し得る。より具体的には、界面活性剤のポリオレフィン骨格は、エチレンのポリマー及びコポリマーを含み得る。ポリオレフィン骨格はまた、高級α-オレフィンを含み得る。この骨格はまた、イソブチレン、又は4個以上の炭素原子の共役ジエンを含んでもよい。ポリオレフィン骨格は、前述のもののいずれかの組み合わせであり得る。
【0108】
冷却方法
開示される技術は、安定なコロイド分散体を含む浴に電気部品を浸漬し、電気部品を動作させることによって、電気部品を冷却する方法を提供する。
【0109】
電気部品は、電力を利用し、かつ電子機器が過熱するのを防止するために放散しなければならない熱エネルギーを発生させるいずれの電子機器も含む。例としては、航空電子機器、マイクロプロセッサなどのコンピュータ電子機器、無停電電力供給(uninterruptable power supply、UPS)、パワー電子機器(IGBT、SCR、サイリスタ、コンデンサ、ダイオード、トランジスタ、整流器など)などが挙げられる。更なる例としては、インバータ、DC-DCコンバータ、充電器、相変化インバータ、電気モータ、電気モータコントローラ、トランスミッション、KERS(kinetic energy recovery system、運動エネルギー回収システム)、及びDC-ACインバータが挙げられる。
【0110】
電気部品のいくつかの例が提供されてきたが、熱伝達流体は、任意のアセンブリにおいて、又は任意の電気部品のために用いられて、混合物の電気伝導性及び潜在的可燃性を著しく増加させることなく、低温性能を有する改善された熱伝達流体を提供することができる。
【0111】
この方法は、電気自動車、トラックなどの電気車両、又は更には列車若しくは路面電車のような電化大量輸送車両などにおけるものなどの電池システムからの熱の伝達に特に有用である。電化輸送における主要な電気部品は、多くの場合、電池モジュールであり、これは、電池モジュールを構成するために互いに対して積層された1つ以上の電池セルを包含し得る。熱は、充電及び放電動作中に各電池セルによって発生され得るか、又は比較的極端な(すなわち、熱い)周囲条件の結果として、電化車両のキーオフ条件中に電池セルに伝達され得る。したがって、電池モジュールは、周囲条件及び/又は動作条件の全範囲にわたって電池モジュールを熱的に管理するための熱伝達システムを含む。実際に、電池モジュールの動作は、電池モジュールの動作中、又は電池モジュールの充電中など、電池モジュールからの電力の使用及び排出中に起こり得る。充電に関して、熱伝達流体の使用は、15分未満の時間で回復される総電池容量の少なくとも75%までの電池モジュールの充電を可能にすることができる。
【0112】
同様に、電化輸送における電気部品は、熱伝達流体による冷却を必要とする燃料電池、太陽電池、太陽電池パネル、光起電力電池などを含み得る。このような電化輸送はまた、例えば、ハイブリッド車両におけるような従来の内燃機関を含み得る。
【0113】
電化輸送はまた、電気部品として電気モータを含んでもよい。電気モータは、例えば、トランスミッション、車軸、及び差動機を動作させるために、車両の駆動系に沿った任意の場所で用いられてもよい。このような電気モータは、熱伝達流体を用いる熱伝達システムによって冷却され得る。
【0114】
この方法は、冷却を必要とする電気部品を含有する熱伝達システムを提供することを含み得る。熱伝達システムは、とりわけ、電気部品が安定なコロイド分散体と直接流体連通することを可能にする様式で電気部品が配置され得る浴を含む。浴は、安定なコロイド分散体を含有する熱伝達流体リザーバ及び熱交換器と流体連通している。
【0115】
電気部品は、熱伝達システムの動作とともに動作してもよい。熱伝達システムは、例えば、熱伝達システムを通して安定なコロイド分散体を循環させることによって動作してもよい。
【0116】
例えば、熱伝達システムは、冷却された安定なコロイド分散体を熱伝達流体リザーバから浴内に圧送し、加熱された安定なコロイド分散体を圧送して浴から熱交換器を通して熱伝達流体リザーバ内に戻す手段を含んでもよい。このようにして、電気部品が動作している間、熱伝達システムは、冷却された安定なコロイド分散体を電気部品に提供して、電気部品によって発生した熱を吸収し、電気部品によって加熱された安定なコロイド分散体を除去して、冷却及び熱伝達流体リザーバへの再循環のために熱交換器に送るように動作してもよい。
【0117】
本明細書に開示される熱管理システムは、電池の急速充電を可能にする速度で熱を除去し得る。高速充電の電力目標は、120~600kWを含む。電気システムの充電又は動作中に発生する熱は、最低10kwである。
【0118】
本明細書に開示される組成物の様々な実施形態は、1つ以上の追加の性能添加剤を任意選択的に含んでもよい。これらの追加の性能添加剤は、1つ以上の難燃剤、煙抑制剤、酸化防止剤、燃焼抑制剤、金属不活性化剤、流動添加剤、腐食抑制剤、発泡抑制剤、解乳化剤、流動点降下剤、シール膨潤剤、及びそれらの任意の組み合わせ又は混合物を含んでもよい。典型的には、完全に配合された熱伝達流体は、これらの性能添加剤のうちの1つ以上を含有してもよく、多くの場合、複数の性能添加剤のパッケージを含有してもよい。一実施形態では、1つ以上の追加の添加剤は、0.01重量パーセント~3重量パーセント、又は0.05重量パーセント~1.5重量パーセント、又は0.1重量パーセント~1.0重量パーセントで安定なコロイド分散体中に存在してもよい。
【0119】
本明細書で使用される場合、「ヒドロカルビル」という用語は、当業者に周知であるその通常の意味で使用される。具体的には、分子の残りの部分に直接結合した炭素原子を有し、主に炭化水素特性を有する基を指す。ヒドロカルビル基の例としては、
炭化水素置換基、すなわち、脂肪族(例えば、アルキル又はアルケニル)、脂環式(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル)置換基、並びに芳香族、脂肪族、及び脂環式置換芳香族置換基だけでなく、環が分子の別の部分を介して完成される(例えば、2つの置換基が一緒になって環を形成する)環状置換基;
置換炭化水素置換基、すなわち、本発明の文脈において、置換基の主に炭化水素の性質を変化させない非炭化水素基を含有する置換基(例えば、ハロ(特にクロロ及びフルオロ)、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソ、及びスルホキシ);
ヘテロ置換基、すなわち、本発明の文脈において、主に炭化水素特性を有するが、そうでなければ炭素原子から構成された環又は鎖中に炭素以外を含有し、かつピリジル、フリル、チエニル、及びイミダゾリルとして置換基を包含する置換基が挙げられる。ヘテロ原子としては、硫黄、酸素、及び窒素が挙げられる。一般に、ヒドロカルビル基中の10個の炭素原子毎に2個以下、又は1個以下の非炭化水素置換基が存在し、代替的に、ヒドロカルビル基中に非炭化水素置換基が存在しなくてもよい。
【0120】
上述の材料のいくつかは、最終配合物中で相互作用し得るため、最終配合物の成分は、最初に添加されたものとは異なり得ることが知られている。例えば、(例えば洗浄剤の)金属イオンは、他の分子の他の酸性部位又はアニオン性部位に移動することができる。それによって形成される生成物は、その意図された用途において本発明の組成物を用いる際に形成される生成物を含めて、容易に説明することができない場合がある。それにもかかわらず、すべてのそのような修飾及び反応生成物は、本発明の範囲内に含まれる。本発明は、上述の成分を混合することによって調製される組成物を包含する。
【0121】
本発明は、動作中に電気部品を冷却するのに有用であり、以下の実施例を参照することにより、より良く理解することができる。
【実施例
【0122】
実施例-
一連の熱伝達流体を、固体ナノ粒子の安定な懸濁液を用いて非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体中で調製した。流体は、単純なイソパラフィン系炭化水素から有機エステル及びエーテル化合物までの範囲である。安定な懸濁液は、単一工程又は多工程の2つの一般的な経路によって調製してもよい。両方のプロセスを以下に詳細に説明する。
【0123】
安定な懸濁液を調製するための単一工程プロセス。
【0124】
界面活性剤を油性流体に添加し、すべての界面活性剤が完全に溶解するまで、得られた溶液を超音波処理した。この工程の後、ナノ粉末を溶液に添加し、ナノ流体懸濁液を900Wで30分間超音波処理した。
【0125】
安定な懸濁液を調製するための多工程プロセス。
【0126】
ナノ粒子(20重量%)を8超のpHでイソプロパノール(80重量%)中に分散させた。界面活性剤を油性流体に添加し、すべての界面活性剤が完全に溶解するまで、得られた油溶液を超音波処理した。イソプロパノール中のナノ流体懸濁液を油溶液に添加し、ナノ流体懸濁液を900Wで15分間超音波処理した。超音波処理後、ナノ流体懸濁液を70℃で8時間放置してすべてのイソプロパノールを蒸発させた。イソプロパノール蒸発後、最終ナノ流体を900Wで15分間超音波処理した。
【0127】
安定な懸濁液を調製するための粉砕プロセス:パラフィン/イソパラフィンキャリア流体、分散剤、及び粉末MgOの混合物を、高せん断ミキサーを使用して分散させた。次いで、最大粒子が直径10~15ミクロンのサイズに達するまで、再循環プロセスにおいて大きな1mmのセラミック媒体を用いて、水平媒体ミルを使用して混合物を分散させた。1mmの媒体で粉砕した後、0.5ミクロン未満の粒子を有する安定な分散体に達するまで、再循環プロセスにおいてサブミリメートルのセラミック媒体を用いて、水平媒体ミルを使用して混合物を分散させた。粉砕後、材料を酸素化炭化水素流体で部分的に希釈した。
【0128】
試験した流体組成物に用いられた界面活性剤/分散剤の例を表1に要約する。
【0129】
【表2】
【0130】
上記の界面活性剤を利用して、多数の固体粒子を用いて一連の懸濁液を調製した。懸濁液の組成を以下に要約する(表2)。
【0131】
【表3】
1.固体粒子の懸濁液:1=単一工程プロセス、2=2工程プロセス
2.2nm未満のシート厚さを有するグラフェン単層シート
3.長さ300nm及び直径5nmのアルミナワイヤ
4.実施例17は、20重量%のDHE及び20重量%のドデカンで希釈した
【0132】
試験
流体を、熱伝導性(油についてのASTM D7896)として測定される、熱を吸収及び分散するその能力について評価した。熱性能及び粘度測定を以下に要約する(表3)。25℃における動粘度を、ASTM D445_25に従って測定する。
【0133】
【表4】
【0134】
上記で言及した文献の各々は、上記に具体的に列挙されているか否かにかかわらず、優先権が主張される任意の先行出願を含めて、参照により本明細書に組み込まれる。任意の文献の言及は、そのような文献が先行技術として適格であること、又は任意の管轄区域における当業者の一般知識を構成することを認めるものではない。実施例を除いて、又は他に明示的に示される場合を除いて、材料の量、反応条件、分子量、炭素原子の数などを特定する本説明におけるすべての数量は、「約」という語によって修飾されるものとして理解されるべきである。本明細書に記載される量、範囲、及び比の上限及び下限は、独立して組み合わされ得ることが理解されるべきである。同様に、本発明の各要素についての範囲及び量は、他の要素のうちのいずれかについての範囲又は量と一緒に使用することができる。
【0135】
本明細書で使用される場合、「含む(including)」、「含有する」、又は「を特徴とする」と同義である移行用語「含む(comprising)」は、包括的又はオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素又は方法工程を除外しない。しかしながら、本明細書における「含む」の各記載において、この用語がまた、代替的な実施形態として、「から本質的になる」及び「からなる」という句を包含することが意図され、ここで、「からなる」は、特定されていない任意の要素又は工程を排除し、「から本質的になる」は、考慮中の組成物又は方法の本質的又は基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさない追加の記載されていない要素又は工程の包含を許容する。
【0136】
本発明を例示する目的で、ある特定の代表的な実施形態及び詳細を示したが、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更及び修正を行うことができることが当業者には明らかであろう。これに関して、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
【0137】
(a)非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体と、(b)少なくとも1つの固体ナノ粒子であって、固体が、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、及びそれらの混合物のうちの少なくとも1つを含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる、少なくとも1つの固体ナノ粒子と、(c)界面活性剤と、を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる、安定なコロイド分散体。
【0138】
非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体が、APIグループI基油を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文に記載の安定なコロイド分散体。
【0139】
非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体が、APIグループII基油を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文に記載の安定なコロイド分散体。
【0140】
非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体が、APIグループII+基油を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文に記載の安定なコロイド分散体。
【0141】
非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体が、APIグループIII基油を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文に記載の安定なコロイド分散体。
【0142】
非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体が、APIグループIII+基油を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文に記載の安定なコロイド分散体。
【0143】
非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体が、APIグループIV基油を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文に記載の安定なコロイド分散体。
【0144】
非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体が、APIグループV基油を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文に記載の安定なコロイド分散体。
【0145】
非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体が、イソパラフィンを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文に記載の安定なコロイド分散体。
【0146】
非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体が、ポリオレフィンを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文に記載の安定なコロイド分散体。
【0147】
非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体が、ポリ-α-オレフィンを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文に記載の安定なコロイド分散体。
【0148】
非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体が、鉱油を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文に記載の安定なコロイド分散体。
【0149】
非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体が、エステル油を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文に記載の安定なコロイド分散体。
【0150】
0.5~40重量%の(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0151】
0.75~35重量%の(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0152】
1~30重量%の(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0153】
1.25~25重量%の(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0154】
0.5~10重量%の(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0155】
0.75~8重量%の(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0156】
0.1~6重量%の(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0157】
10~40重量%の(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0158】
15~35重量%の(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0159】
20~30重量%の(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0160】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、ASTM E2490-09(2015)に従って測定したときに1000nm以下のD50粒径を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0161】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、ASTM E2490-09(2015)に従って測定したときに700nm以下のD50粒径を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0162】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、ASTM E2490-09(2015)に従って測定したときに500nm以下のD50粒径を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0163】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、ASTM E2490-09(2015)に従って測定したときに250nm以下のD50粒径を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0164】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、ASTM E2490-09(2015)に従って測定したときに100nm以下のD50粒径を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0165】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、ASTM E2490-09(2015)に従って測定したときに75nm以下のD50粒径を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0166】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、ASTM E2490-09(2015)に従って測定したときに50nm以下のD50粒径を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0167】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、ASTM E2490-09(2015)に従って測定したときに0.01nm~1000nmのD50粒径を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0168】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、ASTM E2490-09(2015)に従って測定したときに0.1nm~100nmのD50粒径を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0169】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、ASTM E2490-09(2015)に従って測定したときに1nm~75nmのD50粒径を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0170】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、ASTM E2490-09(2015)に従って測定したときに10nm~50nmのD50粒径を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0171】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、金属ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0172】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、アルカリ土類金属ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0173】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、遷移金属ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0174】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、アクチニド系列の金属ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0175】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、ランタニド系列の金属ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0176】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、遷移後金属ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0177】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、メタロイドナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0178】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、固体酸化物ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0179】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、酸化アルミニウムを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0180】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、酸化マグネシウムを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0181】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、酸化グラフェンを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0182】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、酸化亜鉛を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0183】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、二酸化チタンを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0184】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、固体炭化物ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0185】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、固体窒化物ナノ粒子を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0186】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、窒化アルミニウムを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0187】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、窒化ケイ素を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0188】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、1~5000の平均アスペクト比を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0189】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、1~2500の平均アスペクト比を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0190】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、1~1000の平均アスペクト比を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0191】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、1~500の平均アスペクト比を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0192】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、1~250の平均アスペクト比を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0193】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、1~100の平均アスペクト比を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0194】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、1~50の平均アスペクト比を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0195】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、1~25の平均アスペクト比を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0196】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、1~10の平均アスペクト比を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0197】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、10~5000の平均アスペクト比を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0198】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、25~5000の平均アスペクト比を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0199】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、50~5000の平均アスペクト比を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0200】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、100~5000の平均アスペクト比を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0201】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、250~5000の平均アスペクト比を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0202】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、500~5000の平均アスペクト比を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0203】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、1000~5000の平均アスペクト比を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0204】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、2500~5000の平均アスペクト比を有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0205】
(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、1~5000の平均アスペクト比を有するアルミナワイヤを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0206】
少なくとも1つのナノ粒子の0.1~2倍の界面活性剤を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0207】
少なくとも1つのナノ粒子の0.08~1.5倍の界面活性剤を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0208】
少なくとも1つのナノ粒子の0.1~1倍の界面活性剤を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0209】
少なくとも1つのナノ粒子の0.2~0.75倍の界面活性剤を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0210】
界面活性剤が、アニオン性界面活性剤を含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0211】
界面活性剤が、アルキルサルフェートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0212】
界面活性剤が、アルキルエーテルサルフェートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0213】
界面活性剤が、サリチレートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0214】
界面活性剤が、アルキルスルホネートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0215】
界面活性剤が、アルカリールスルホネートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0216】
界面活性剤が、α-オレフィン-スルホネートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0217】
界面活性剤が、アルキルアミドスルホネートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0218】
界面活性剤が、アルカリールポリエーテルサルフェートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0219】
界面活性剤が、アルキルアミドエーテルサルフェートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0220】
界面活性剤が、アルキルモノグリセリルサルフェートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0221】
界面活性剤が、アルキルモノグリセリドサルフェートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0222】
界面活性剤が、アルキルモノグリセリドスルホネートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0223】
界面活性剤が、アルキルスクシネートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0224】
界面活性剤が、アルキルスルホスクシネートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0225】
界面活性剤が、アルキルスルホスクシナマートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0226】
界面活性剤が、アルキルエーテルスルホスクシネートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0227】
界面活性剤が、アルキルアミドスルホスクシネートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0228】
界面活性剤が、アルキルスルホアセテート含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定コロイド分散体。
【0229】
界面活性剤が、アルキルホスフェートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0230】
界面活性剤が、アルキルエーテルホスフェートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0231】
界面活性剤が、アルキルエーテルカルボキシレートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0232】
界面活性剤が、アルキルアミドエーテルカルボキシレートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0233】
界面活性剤が、N-アルキルアミノ酸を含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0234】
界面活性剤が、N-アシルアミノ酸を含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0235】
界面活性剤が、アルキルペプチドを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0236】
界面活性剤が、N-アシルタウレートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0237】
界面活性剤が、アルキルイセチオネートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0238】
界面活性剤が、カルボキシレート塩を含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0239】
界面活性剤が、カチオン性界面活性剤を含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0240】
界面活性剤が、アルキルアミンを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0241】
界面活性剤が、アルキルイミダゾリンを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定コロイド分散体。
【0242】
界面活性剤が、エトキシ化アミンを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0243】
界面活性剤が、四級化合物を含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0244】
界面活性剤が、四級化エステルを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0245】
界面活性剤が、アルキルアミンオキシドを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0246】
界面活性剤が、非イオン性界面活性剤を含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0247】
界面活性剤が、エトキシ化アルキルフェノールを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0248】
界面活性剤が、エトキシ化脂肪アルコールを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0249】
界面活性剤が、プロポキシ化脂肪アルコールを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定コロイド分散体。
【0250】
界面活性剤が、メチルグルコースのポリエチレングリコールエーテルを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0251】
界面活性剤が、ソルビトールのポリエチレングリコールエーテルを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0252】
界面活性剤が、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマーを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0253】
界面活性剤が、脂肪酸のエトキシル化エステルを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0254】
界面活性剤が、エチレンオキシドと長鎖アミン又はアミドとの縮合生成物を含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0255】
界面活性剤が、エチレンオキシドとアルコールとの縮合生成物を含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0256】
界面活性剤が、両性界面活性剤を含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0257】
界面活性剤が、アミノ酸を含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0258】
界面活性剤が、ベタインを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0259】
界面活性剤が、スルタインを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0260】
界面活性剤が、アルキルアンホカルボキシレートを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0261】
界面活性剤が、ポリマー分散剤を含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0262】
界面活性剤が、ポリオレフィン置換カルボン酸を含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0263】
界面活性剤が、ポリオレフィン置換カルボン酸エステルを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0264】
界面活性剤が、ポリオレフィン置換カルボン酸アミドを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0265】
界面活性剤が、ポリオレフィン置換カルボン酸イミドを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0266】
界面活性剤が、N-置換長鎖アルケニルスクシンイミドを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0267】
界面活性剤が、ヒドロカルビルアシル化剤と多価脂肪族アルコールとの反応によって調製される高分子量エステルを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0268】
界面活性剤が、アシル化ポリアルキレンポリアミンを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0269】
界面活性剤が、ヒドロキシ置換長鎖脂肪酸のポリエステルを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0270】
界面活性剤が、ヒドロキシ置換長鎖脂肪エステルのポリエステルを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0271】
界面活性剤が、ヒドロキシ置換長鎖脂肪酸アミドのポリエステルを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0272】
界面活性剤が、ヒドロキシ置換長鎖脂肪アミンのポリエステルを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0273】
界面活性剤が、ヒドロキシ置換長鎖脂肪酸アンモニウム塩のポリエステルを含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0274】
界面活性剤が、マンニッヒ塩基を含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0275】
界面活性剤が、ジアルキルサルフェート、ハロゲン化ベンジル、ヒドロカルビル置換カーボネート;酸と組み合わせたヒドロカルビルエポキシド、及びそれらの混合物からなる四級化剤との反応によって四級化されている、前文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0276】
界面活性剤が、脂肪族アミン極性頭部基を含有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0277】
界面活性剤が、ポリアミン極性頭部基を含有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0278】
界面活性剤が、ポリイソブチレンコハク酸又は無水物を含む、それから本質的になる、それからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0279】
非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体が、ASTM D445_100に従って測定したときに、100℃で0.7~7.0cStの動粘度を有する、液体炭化水素、液体ヒドロカルビルジエステル若しくはポリ-エステル、又はそれらの混合物を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0280】
界面活性剤が、Mn250~5000ダルトンのポリオレフィンを含有する、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0281】
ポリオレフィンが、エチレン、高級アルファ-オレフィン、イソブチレン、4個以上の炭素原子の共役ジエン、又はそれらの任意の組み合わせのポリマー及びコポリマーを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0282】
分散体が、1)固体ナノ粒子をアルコール中に撹拌しながら分散させる工程と、2)界面活性剤を非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体と混合する工程と、3)1)の分散体を2)の混合物と撹拌しながら組み合わせる工程と、を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる2工程プロセスで調製される、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体。
【0283】
(a)前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体と、(b)安定なコロイド分散体を電気部品に密接に接触させて循環させるための循環システムと、を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる、熱伝達システム。
【0284】
電気部品から熱を分散させる方法であって、(a)電気部品と密接に接触する熱伝達システムを提供することと、(b)当該熱伝達システムを通して、前の文のいずれかに記載の安定なコロイド分散体を循環させることと、(c)電気部品及び熱伝達システムを動作させることと、を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる、方法。
【0285】
非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体中の固体ナノ粒子の分散体を調製する方法であって、1)固体ナノ粒子をアルコール中に撹拌しながら分散させる工程と、2)界面活性剤を非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体と混合する工程と、3)1)の分散体を2)の混合物と撹拌しながら組み合わせる工程と、を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる、方法。
【0286】
アルコールが、C~C10アルコール又はそれらの混合物を含む、それから本質的になる、それからなる、前の段落に記載の方法。アルコールが、C~Cアルコール又はそれらの混合物を含む、それから本質的になる、それからなる、前の段落に記載の方法。アルコールが、C~Cアルコール又はそれらの混合物を含む、それから本質的になる、それからなる、前の段落に記載の方法。アルコールが、プロパノールを含む、それから本質的になる、それからなる、前の段落に記載の方法。アルコールが、イソ-プロパノールを含む、それから本質的になる、それからなる、前の段落に記載の方法。
【0287】
工程1)における撹拌が、混合を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の段落のいずれかに記載の方法。工程1)における撹拌が、振盪を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の段落のいずれかに記載の方法。工程1)における撹拌が、超音波処理を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の段落のいずれかに記載の方法。
【0288】
工程3)における撹拌が、混合を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の段落のいずれかに記載の方法。工程3)における撹拌が、振盪を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の段落のいずれかに記載の方法。工程3)における撹拌が、超音波処理を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の段落のいずれかに記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
安定なコロイド分散体であって、
(a)非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体と、
(b)少なくとも1つの固体ナノ粒子であって、前記固体が、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、及びそれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの固体ナノ粒子と、
(c)界面活性剤と、を含む、安定なコロイド分散体。
【請求項2】
0.5~40重量%の前記(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子を含む、請求項1に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項3】
前記(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、1000nm以下のD50粒径を有する、請求項1に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項4】
前記少なくとも1つのナノ粒子の0.1~2倍の界面活性剤を含む、請求項1に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項5】
前記(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、酸化アルミニウムを含む、請求項1に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項6】
前記(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、酸化マグネシウムを含む、請求項1に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項7】
前記界面活性剤が、脂肪族アミン極性頭部基、ポリアミン極性頭部基、又はそれらの組み合わせを含有する、請求項5に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項8】
前記非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体が、ASTM D445_100に従って測定したときに、100℃で0.7~7.0cStの動粘度を有する、液体炭化水素、液体ヒドロカルビルジエステル若しくはポリ-エステル、又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項9】
前記界面活性剤の骨格が、Mn250~5000ダルトンのポリオレフィンを含む、請求項8に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項10】
前記ポリオレフィンが、エチレン、高級アルファ-オレフィン、イソブチレン、4個以上の炭素原子の共役ジエン、又はそれらの任意の組み合わせのポリマー及びコポリマーを含む、請求項に記載の分散体。
【請求項11】
前記分散体が、1)前記固体ナノ粒子をアルコール中に撹拌しながら分散させる工程と、2)前記界面活性剤を前記非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体と混合する工程と、3)1)の分散体を2)の混合物と撹拌しながら組み合わせる工程と、を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる2工程プロセスで調製される、請求項1に記載の安定なコロイド分散体。
【請求項12】
熱伝達システムであって、
(a)請求項1に記載の安定なコロイド分散体と、
(b)前記安定なコロイド分散体を電気部品に密接に接触させて循環させるための循環システムと、を含む、熱伝達システム。
【請求項13】
電気部品から熱を分散させる方法であって、
(a)前記電気部品と密接に接触する熱伝達システムを提供することと、
(b)前記熱伝達システムを通して、請求項1に記載の安定なコロイド分散体を循環させることと、
(c)前記電気部品及び前記熱伝達システムを動作させることと、を含む、方法。
【請求項14】
非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体中の固体ナノ粒子の分散体を調製する方法であって、1)前記固体ナノ粒子をアルコール中に撹拌しながら分散させる工程と、2)界面活性剤を前記非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体と混合する工程と、3)1)の分散体を2)の混合物と撹拌しながら組み合わせる工程と、を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0288
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0288】
工程3)における撹拌が、混合を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の段落のいずれかに記載の方法。工程3)における撹拌が、振盪を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の段落のいずれかに記載の方法。工程3)における撹拌が、超音波処理を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる、前の段落のいずれかに記載の方法。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
安定なコロイド分散体であって、
(a)非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体と、
(b)少なくとも1つの固体ナノ粒子であって、前記固体が、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、及びそれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの固体ナノ粒子と、
(c)界面活性剤と、を含む、安定なコロイド分散体。
(項目2)
0.5~40重量%の前記(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子を含む、項目1に記載の安定なコロイド分散体。
(項目3)
前記(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、1000nm以下のD50粒径を有する、項目1に記載の安定なコロイド分散体。
(項目4)
前記少なくとも1つのナノ粒子の0.1~2倍の界面活性剤を含む、項目1に記載の安定なコロイド分散体。
(項目5)
前記(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、酸化アルミニウムを含む、項目1に記載の安定なコロイド分散体。
(項目6)
前記(b)の少なくとも1つの固体ナノ粒子が、酸化マグネシウムを含む、項目1に記載の安定なコロイド分散体。
(項目7)
前記界面活性剤が、脂肪族アミン極性頭部基、ポリアミン極性頭部基、又はそれらの組み合わせを含有する、項目5に記載の安定なコロイド分散体。
(項目8)
前記非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体が、ASTM D445_100に従って測定したときに、100℃で0.7~7.0cStの動粘度を有する、液体炭化水素、液体ヒドロカルビルジエステル若しくはポリ-エステル、又はそれらの混合物を含む、項目1に記載の安定なコロイド分散体。
(項目9)
前記界面活性剤が、Mn250~5000ダルトンのポリオレフィンを含む、項目8に記載の安定なコロイド分散体。
(項目10)
前記ポリオレフィンが、エチレン、高級アルファ-オレフィン、イソブチレン、4個以上の炭素原子の共役ジエン、又はそれらの任意の組み合わせのポリマー及びコポリマーを含む、項目8に記載の分散体。
(項目11)
前記分散体が、1)前記固体ナノ粒子をアルコール中に撹拌しながら分散させる工程と、2)前記界面活性剤を前記非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体と混合する工程と、3)1)の分散体を2)の混合物と撹拌しながら組み合わせる工程と、を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる2工程プロセスで調製される、項目1に記載の安定なコロイド分散体。
(項目12)
熱伝達システムであって、
(a)項目1に記載の安定なコロイド分散体と、
(b)前記安定なコロイド分散体を電気部品に密接に接触させて循環させるための循環システムと、を含む、熱伝達システム。
(項目13)
電気部品から熱を分散させる方法であって、
(a)前記電気部品と密接に接触する熱伝達システムを提供することと、
(b)前記熱伝達システムを通して、項目1に記載の安定なコロイド分散体を循環させることと、
(c)前記電気部品及び前記熱伝達システムを動作させることと、を含む、方法。
(項目14)
非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体中の固体ナノ粒子の分散体を調製する方法であって、1)前記固体ナノ粒子をアルコール中に撹拌しながら分散させる工程と、2)界面活性剤を前記非伝導性で非水性かつ非水混和性の流体と混合する工程と、3)1)の分散体を2)の混合物と撹拌しながら組み合わせる工程と、を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる、方法。

【国際調査報告】