IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エレクトロニクス インコーポレイティドの特許一覧

特表2023-539147無線通信システムにおいて端末が上りリンク信号を送信する方法及びそのための装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいて端末が上りリンク信号を送信する方法及びそのための装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20230906BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20230906BHJP
   H04W 74/08 20090101ALI20230906BHJP
   H04W 72/1268 20230101ALI20230906BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W48/16
H04W74/08
H04W72/1268
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512321
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 KR2022000709
(87)【国際公開番号】W WO2022154559
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2021-0006336
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0044708
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0060633
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0131061
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】パク ヘウク
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ソクチェル
(72)【発明者】
【氏名】シン ソクミン
(72)【発明者】
【氏名】キム キチュン
(72)【発明者】
【氏名】コ ヒョンス
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067DD24
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK02
(57)【要約】
様々な実施例によるNTN(non-terrestrial network)を支援する無線通信システムにおいて端末が上りリンク信号を送信する方法及びそのための装置に関する。NTNに対する上りリンク信号のタイミングを修訂するためのスケジューリングオフセットである第1Kオフセットを設定するシステム情報を受信する段階、第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又はアップデートする制御信号を受信する段階、及び第1Kオフセット又は第2Kオフセットに基づいて上りリンク信号を送信する段階を含み、RACH(Random Access Channel)に関連する上りリンク信号に基づいて、上りリンク信号は第1Kオフセットに基づいて送信される方法及びそのための装置に関する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NTN(non-terrestrial network)を支援する無線通信システムにおいて端末が上りリンク信号を送信する方法であって、
前記NTNに対する前記上りリンク信号のタイミングを修正するためのスケジューリングオフセット(scheduling offset)である第1Kオフセットを設定するシステム情報を受信する段階と、
前記第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号を受信する段階と、
前記第1Kオフセット又は前記第2Kオフセットに基づいて前記上りリンク信号を送信する段階と、を含み、
RACH(Random Access Channel)手順に関連する前記上りリンク信号に基づいて、前記上りリンク信号は前記第1Kオフセットに基づいて送信される、方法。
【請求項2】
前記RACHに関連しない前記上りリンク信号に基づいて、前記上りリンク信号は前記第1Kオフセット及び前記第2Kオフセットに基づいて送信されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2Kオフセットは前記制御信号のMAC-CE(Media Access Control element)に含まれた前記第1Kオフセットと前記第2Kオフセットの間の差の値に基づいて設定又は更新されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記差の値により更新された第2Kオフセットは前記MAC-CEの受信成功に対するACK(Acknowledgement)の送信時点又は基地局での前記ACKの受信時点から所定のx-スロット後に適用されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1Kオフセットはセル-特定のKオフセットを設定する値であり、前記制御信号のMAC-CE(Media Access Control element)により更新されないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1Kオフセット及び前記第2Kオフセットは前記上りリンク信号の送信タイミングの決定に基礎となることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記RACH手順に関連する信号はRAR(Random Access Response)上りリンクグラントによりスケジューリングされた上りリンク信号であるか、又は前記RACH手順に関連する下りリンク信号に対するACKを含む上りリンク信号であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2Kオフセットは複数のBWP(Bandwidth Part)のそれぞれに対して設定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2Kオフセットは複数のビームグループのそれぞれに対して設定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
CFRA(contention free random access)に対する前記RACH手順に関連する前記上りリンク信号は前記第1Kオフセット及び第2Kオフセットに基づいて送信されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
NTN(non-terrestrial network)を支援する無線通信システムにおいて基地局が上りリンク信号を受信する方法であって、
前記NTNに対する前記上りリンク信号のタイミングを修正するためのスケジューリングオフセットである第1Kオフセットを設定するシステム情報を送信する段階と、
前記第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号を送信する段階と、
前記第1Kオフセット又は前記第2Kオフセットに基づいて前記上りリンク信号を受信する段階と、を含み、
RACH(Random Access Channel)手順に関連する前記上りリンク信号に基づいて、前記上りリンク信号は前記第1Kオフセットに基づいて受信される、方法。
【請求項12】
前記RACHに関連しない前記上りリンク信号に基づいて、前記上りリンク信号は前記第1Kオフセット及び第2Kオフセットに基づいて受信されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
NTN(non-terrestrial network)を支援する無線通信システムにおいて上りリンク信号を送信する端末であって、
RF(Radio Frequency)送受信機、及び
前記RF送受信機に連結されるプロセッサを含み、
前記プロセッサは、前記RF送受信機を制御して前記NTNに対する前記上りリンク信号のタイミングを修正するためのスケジューリングオフセットである第1Kオフセットを設定するシステム情報を受信し、前記第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号を受信し、前記第1Kオフセット又は前記第2Kオフセットに基づいて前記上りリンク信号を送信し、
RACH(Random Access Channel)手順に関連する前記上りリンク信号に基づいて、前記上りリンク信号は前記第1Kオフセットに基づいて送信される、端末。
【請求項14】
NTN(non-terrestrial network)を支援する無線通信システムにおいて上りリンク信号を受信する基地局であって、
RF(Radio Frequency)送受信機と、
前記RF送受信機に連結されるプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、前記RF送受信機を制御して前記NTNに対する前記上りリンク信号のタイミングを修正するためのスケジューリングオフセットである第1Kオフセットを設定するシステム情報を送信し、前記第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号を送信し、前記第1Kオフセット又は前記第2Kオフセットに基づいて前記上りリンク信号を受信し、
RACH(Random Access Channel)手順に関連する前記上りリンク信号に基づいて、前記上りリンク信号は前記第1Kオフセットに基づいて受信される、基地局。
【請求項15】
NTN(non-terrestrial network)を支援する無線通信システムにおいて上りリンク信号を送信するチップセットであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに動作可能に連結され、実行されるとき、前記少なくとも1つのプロセッサが動作を行うようにする少なくとも1つのメモリと、を含み、前記動作は、
前記NTNに対する前記上りリンク信号のタイミングを修正するためのスケジューリングオフセットである第1Kオフセットを設定するシステム情報を受信し、前記第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号を受信し、前記第1Kオフセット又は前記第2Kオフセットに基づいて前記上りリンク信号を送信する動作を含み、
RACH(Random Access Channel)手順に関連する前記上りリンク信号に基づいて、前記上りリンク信号は前記第1Kオフセットに基づいて送信される、チップセット。
【請求項16】
NTN(non-terrestrial network)を支援する無線通信システムにおいて上りリンク信号を送信する動作を行う少なくとも1つのコンピュータプログラムを含むコンピュータ読み取り可能な格納媒体であって、
前記少なくとも1つのプロセッサが前記上りリンク信号を送信する動作を行うようにする少なくとも1つのコンピュータプログラムと、
前記少なくとも1つのコンピュータプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な格納媒体と、を含み、
前記動作は、前記NTNに対する前記上りリンク信号のタイミングを修正するためのスケジューリングオフセットである第1Kオフセットを設定するシステム情報を受信し、前記第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号を受信し、前記第1Kオフセット又は前記第2Kオフセットに基づいて前記上りリンク信号を送信する動作を含み、
RACH(Random Access Channel)手順に関連する前記上りリンク信号に基づいて、前記上りリンク信号は前記第1Kオフセットに基づいて送信される、コンピュータ読み取り可能な格納媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
NTN(non-terrestrial network)を支援する無線通信システムにおいて端末が上りリンク信号を送信する方法及びそのための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは利用可能なシステムリソース(例えば、帯域幅、伝送パワーなど)を共有して多重使用者との通信を支援する多重接続(多元接続、multiple access)システムである。多重接続システムの例としては、CDMA(code division multiple access)システム、FDMA(frequency division multiple access)システム、TDMA(time division multiple access)システム、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)システム、SC-FDMA(single carrier frequency division multiple access)システム、MC-FDMA(multi carrier frequency division multiple access)システムなどがある。
【0003】
より多くの通信機器がより大きな通信容量を要求するにつれて、従来の無線アクセス技術(RAT)と比較して改善されたモバイルブロードバンド通信の必要性が高まっている。また、複数の機器やモノを接続し、いつでもどこでも様々なサービスを提供するmassive MTC(massive Machine Type Communications)も次世代通信で考慮される主な課題の1つです。さらに、信頼性と遅延に敏感なサービス/端末を考慮した通信システムの設計が議論されている。このように拡張されたモバイルブロードバンドコミュニケーション(enhanced mobile broadband communication)、massive MTC、URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communication)などを考慮した次世代無線接続技術の導入が議論されており、本発明では便宜上当該技術をnew RATまたはNRと呼ぶ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、RACHに関連する上りリンク信号に対してシステム情報により設定されたKオフセットであるセル-特定のKオフセットに基づく送信タイミングを決定するように設定して端末のフォールバック動作(fall-back operation)を最大に保障する方法及び装置を提供することにある。
【0005】
本発明で遂げようとする技術的目的は、以上で言及した事項に制限されず、言及していない他の技術的課題は、以下に説明する本発明の実施例から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって考慮されてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一側面によるNTN(non-terrestrial network)を支援する無線通信システムにおいて端末が上りリンク信号を送信する方法は、NTNに対する上りリンク信号のタイミングを修正するためのスケジューリングオフセットである第1Kオフセットを設定するシステム情報を受信する段階、第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号を受信する段階、及び第1Kオフセット又は第2Kオフセットに基づいて上りリンク信号を送信する段階を含み、RACH(Random Access Channel)に関連する上りリンク信号に基づいて、上りリンク信号は第1Kオフセットに基づいて送信される。
【0007】
又は、RACHに関連しない上りリンク信号に基づいて、上りリンク信号は第1Kオフセット及び第2Kオフセットに基づいて送信されることを特徴とする。
【0008】
又は、第2Kオフセットは制御信号のMAC-CE(Media Access Control element)に含まれた第1Kオフセットと第2Kオフセットの間の差の値に基づいて設定又は更新されることを特徴とする。
【0009】
又は、差の値により更新された第2KオフセットはMAC-CEの受信成功に対するACKの送信時点又は基地局でのACKの受信時点から所定のX-スロット後に適用されることを特徴とする。
【0010】
又は、第1Kオフセットはセル-特定のKオフセットを設定する値であり、制御信号のMAC-CE(Media Access Control element)により更新されないことを特徴とする。
【0011】
又は、第1Kオフセット及び第2Kオフセットは上りリンク信号の送信タイミングの決定に基礎となることを特徴とする。
【0012】
又は、RACH手順に関連する信号はRAR(Random Access Response)上りリンクグラントによりスケジューリングされた上りリンク信号であることを特徴とする。
【0013】
又は、第2Kオフセットは複数のBWP(Bandwidth Part)のそれぞれに対して設定されることを特徴とする。
【0014】
又は、第2Kオフセットは複数のビームグループのそれぞれに対して設定されることを特徴とする。
【0015】
又は、CFRA(contention free random access)に対するRACH手順に関連する上りリンク信号は第2Kオフセットに基づいて送信されることを特徴とする。
【0016】
他の側面によるNTN(non-terrestrial network)を支援する無線通信システムにおいて基地局が上りリンク信号を受信する方法は、NTNに対する上りリンク信号のタイミングを修正するためのスケジューリングオフセットである第1Kオフセットを設定するシステム情報を送信する段階、第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号を送信する段階、及び第1Kオフセット又は第2Kオフセットに基づいて上りリンク信号を受信する段階を含み、RACH(Random Access Channel)に関連する上りリンク信号に基づいて、上りリンク信号は第1Kオフセットに基づいて受信される。
【0017】
又は、RACHに関連しない上りリンク信号に基づいて、上りリンク信号は第2Kオフセットに基づいて受信されることを特徴とする。
【0018】
他の側面によるNTN(non-terrestrial network)を支援する無線通信システムにおいて上りリンク信号を送信する端末は、RF(Radio Frequency)送受信機及びRF送受信機に連結されるプロセッサを含み、このプロセッサは、RF送受信機を制御してNTNに対する上りリンク信号のタイミングを修正するためのスケジューリングオフセットである第1Kオフセットを設定するシステム情報を受信し、第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号を受信し、第1Kオフセット又は第2Kオフセットに基づいて上りリンク信号を送信し、RACH(Random Access Channel)に関連する上りリンク信号に基づいて、上りリンク信号は第1Kオフセットに基づいて送信される。
【0019】
他の側面によるNTN(non-terrestrial network)を支援する無線通信システムにおいて上りリンク信号を受信する基地局は、RF(Radio Frequency)送受信機及びRF送受信機に連結されるプロセッサを含み、このプロセッサは、RF送受信機を制御してNTNに対する上りリンク信号のタイミングを修正するためのスケジューリングオフセットである第1Kオフセットを設定するシステム情報を送信し、第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号を送信し、第1Kオフセット又は第2Kオフセットに基づいて上りリンク信号を受信し、RACH(Random Access Channel)に関連する上りリンク信号に基づいて、上りリンク信号は第1Kオフセットに基づいて受信される。
【0020】
他の側面によるNTN(non-terrestrial network)を支援する無線通信システムにおいて上りリンク信号を送信するチップセットは、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのプロセッサに動作可能に連結され、実行されるとき、少なくとも1つのプロセッサが動作を行うようにする少なくとも1つのメモリを含み、この動作は、NTNに対する上りリンク信号のタイミングを修正するためのスケジューリングオフセットである第1Kオフセットを設定するシステム情報を受信し、第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号を受信し、第1Kオフセット又は第2Kオフセットに基づいて上りリンク信号を送信する動作を含み、RACH(Random Access Channel)に関連する上りリンク信号に基づいて、上りリンク信号は第1Kオフセットに基づいて送信される。
【0021】
他の側面によるNTN(non-terrestrial network)を支援する無線通信システムにおいて上りリンク信号を送信する動作を行う少なくとも1つのコンピュータプログラムを含むコンピュータ読み取り可能な格納媒体は、少なくとも1つのプロセッサが上りリンク信号を送信する動作を行うようにする少なくとも1つのコンピュータプログラム、及び少なくとも1つのコンピュータプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な格納媒体を含み、この動作は、NTNに対する上りリンク信号のタイミングを修正するためのスケジューリングオフセットである第1Kオフセットを設定するシステム情報を受信し、第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号を受信し、第1Kオフセット又は第2Kオフセットに基づいて上りリンク信号を送信する動作を含み、RACH(Random Access Channel)に関連する上りリンク信号に基づいて、上りリンク信号は第1Kオフセットに基づいて送信される。
【発明の効果】
【0022】
様々な実施例が解決しようとする課題は、端末-特定のKオフセットが設定又はアップデートされてもRACHに関連する上りリンク信号に対してはシステム情報により設定された初期値(セル-特定のKオフセット)に基づく上りリンク信号の送信を行うことによりRACH手順に関連する端末のフォールバック動作(fall-back operation)が保障される。
【0023】
また端末に対するKオフセットを設定する場合、複数のビームグループのそれぞれに対するKオフセットを設定してビームごとにKオフセットを設定した場合よりシグナリングオーバーヘッドを減少させながら端末により精密な粒度でKオフセットを設定することができる。
【0024】
また端末-特定のKオフセットのアップデートがトリガーされる条件を具体的に定義することにより、適切な状況において端末-特定のKオフセットのアップデート要請が行われる。
【0025】
またKオフセットのアップデート時点を明確に特定することにより、端末と基地局の間のKオフセットのアップデート適用有無の曖昧さを解消することができる。
【0026】
また基地局でUL-DLフレームのタイミングが整列されないとき、K_macのオフセットをKオフセットに連係して明示的/暗黙的に指示してシグナリングオーバーヘッドを最小化することができる。
【0027】
本発明から得られる効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及していない他の効果は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
以下に添付する図面は、本発明に関する理解を助けるために詳細な説明の一部として含まれるものであり、本発明の実施の形態を示し、詳細な説明と共に本発明の技術的特徴を説明する。
【0029】
図1】LTEシステムの構造を示す。
図2】NRシステムの構造を示す。
図3】NRの無線フレームの構造を示す。
図4】NRフレームのスロット構造を示す。
図5】基地局がUEに下りリンク信号を送信する過程を説明する図である。
図6】UEが基地局に上りリンク信号を送信する過程を説明する図である。
図7】PDCCHによるPDSCH時間ドメインリソース割り当ての一例とPDCCHによるPUSCH時間ドメインリソース割り当ての一例を示す。
図8】任意接続手順(ランダムアクセス手順、random access procedure)を説明するための図である。
図9】非-地上ネットワーク(非地上系ネットワーク、non-terrestrial networks、NTN、以下、NTN)を説明する図である。
図10】非-地上ネットワーク(NTN)概要及びシナリオを説明する図である。
図11】NTNのTA構成要素を説明する図である。
図12】端末に対して設定されたKオフセットを説明する図である。
図13】DL及びULフレームのタイミング整列に関連してK_macを設定するための図である。
図14】DL及びULフレームのタイミング整列に関連してK_macを設定するための図である。
図15】端末がKオフセットに基づいて上りリンク信号を送信する方法を説明する図である。
図16】基地局が端末から上りリンク信号を受信する方法を説明する図である。
図17】本発明の具現が適用される通信システム1の例を示す。
図18】本発明による方法を実行する通信機器の例を示すブロック図である。
図19】本発明の具現を実行する無線機器の他の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
無線通信システムは、利用可能なシステムリソース(例えば、帯域幅、送信電力など)を共有して多重使用者との通信をサポートする多重接続システムである。多重接続システムの例には、CDMA(code division multiple access)システム、FDMA(frequency division multiple access)システム、TDMA(time division multiple access)システム、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)システム、SC-FDMA(Single carrier frequency division multiple access)システム、MC-FDMA(multi carrier frequency division multiple access)システムなどがある。
【0031】
サイドリンク(Sidelink)とは、端末(User Equipment、UE)の間に直接的なリンクを設定して、基地局(Base Station、BS)を介さず、端末の間で音声又はデータなどを直接やりとりする通信方式をいう。サイドリンクは急増するデータトラフィックによる基地局の負担を解決する一つの方案になっている。
【0032】
V2X(vehicle-to-everything)は、有無線通信により他の車両、歩行者、インフラが構築された物事などと情報を交換する通信技術を意味する。V2XはV2V(vehicle-to-vehicle)、V2I(vehicle-to-infrastructure)、V2N(vehicle-to-network)及びV2P(vehicle-to-pedestrian)のような4つの類型に区分される。V2X通信はPC5インターフェース及び/又はUuインターフェースにより提供される。
【0033】
より多い通信装置がより大きい通信容量を要求することにより、既存の無線接続技術(無線アクセス技術、radio access technology)に比べて向上したモバイル広帯域通信の必要性が台頭しつつある。これにより、信頼性(reliability)及び遅延(latency)に敏感なサービス又は端末を考慮した通信システム設計が論議されている。このように改善した移動広帯域通信(enhanced mobile broadband communication)、massive MTC、URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communication)などを考慮した次世代無線接続技術を新しいRAT(new radio access technology)又はNR(new radio)と呼ぶ。NRにおいてもV2X(vehicle-to-everything)通信が支援されることができる。
【0034】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような種々の無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802-20、E-UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。IEEE 802.16mはIEEE 802.16eの進展であり、IEEE 802.16eに基づくシステムとの下位互換性(backward compatibility)を提供する。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(登録商標)(3rd Generation Partnership Project)LTE(long term evolution)は、E-UTRAを用いるE-UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC-FDMAを採用する。LTE-A(Advanced)は3GPP LTEの進展である。
【0035】
5G NRは、LTE-Aの後継技術であり、高性能、低遅延、高可用性などの特性を持つ新しいClean-slate型の移動通信システムである。5G NRは1GHz未満の低周波帯域から1GHz~10GHzの中間周波帯域、24GHz以上の高周波(ミリ波)帯域など、使用可能な全てのスペクトルリソースを活用することができる。
【0036】
説明を明確にするために、LTE-A又は5G NRを中心に説明するが、実施例の技術的思想はこれに限定されない。
【0037】
図1は本発明に適用可能なLTEシステムの構造を示す。これはE-UTRAN(Evolved-UMTS Terrestrial Radio Access network)、又はLTE(Long Term Evolution)/LTE-Aシステムとも呼ばれる。
【0038】
図1を参照すると、E-UTRANは端末10に制御平面及びユーザ平面を提供する基地局20を含む。端末10は固定式又は移動式であり、MS(mobile station)、UT(user terminal)、SS(Subscriber station)、MT(mobile terminal)、無線デバイスなどの用語とも呼ばれる。一般的には基地局20は端末10と通信する固定ステーションであり、eNB(evolved NodE-B)、BTS(base transceiver system)、アクセスポイント(access point)などの用途とも呼ばれる。
【0039】
基地局20はX2インターフェースにより互いに接続する。基地局20はS1インターフェースによりEPC(evolved Packet core、30)に、より詳しくはS1-MMEによりMME(mobility management entity)に、S1-Uを介してS-GW(Serving gateway)と連結される。
【0040】
EPC30はMME、S-GW及びP-GW(Packet data network-gateway)で構成される。MMEは端末の接続情報や端末の能力に関する情報を有し、かかる情報は端末の移動性管理に主に使用される。S-GWはE-UTRANを端点とするゲートウェイであり、P-GWはPDN(Packet Date network)を端点とするゲートウェイである。
【0041】
端末とネットワークの間の無線インターフェースプロトコル階層は、通信システムにおいて公知の開放型システム間相互接続(Open System Interconnection、OSI)基準モデルの下部3層に基づいて第1層(L1)、第2層(L2)及び第3層(L3)に分類される。そのうち、第1層に属する物理層は物理チャネルを用いて情報送信サービスを提供し、第3層に属するRRC(Radio Resource Control)層は端末とネットワークの間で無線リソースを制御する。このために、RRC層は端末と基地局の間でRRCメッセージを交換する。
【0042】
図2はNRシステムの構造を示す。
【0043】
図2を参照すると、NG-RANは端末にユーザ平面及び制御平面プロトコル終端(termination)を提供するgNB及び/又はeNBを含む。図7ではgNBのみを含む場合を例示する。gNB及びeNBは互いにXnインターフェースにより連結されている。gNB及びeNBは第5世代コアネットワーク(5G Core Network:5GC)とNGインターフェースにより連結されている。より具体的には、AMF(access and mobility management function)とはNG-Cインターフェースにより連結され、UPF(user plane function)とはNG-Uインターフェースにより連結される。
【0044】
図3はNRの無線フレームの構造を示す。
【0045】
図3を参照すると、NRにおいて、上りリンク及び下りリンクの送信では無線フレームを使用する。無線フレームは10msの長さを有し、2個の5msハーフフレーム(Half-Frame、HF)により定義される。ハーフフレームは5個の1msサブフレーム(Subframe、SF)を含む。サブフレームは一つ以上のスロットに分割され、サブフレーム内のスロット数は副搬送波間隔(Subcarrier Spacing、SCS)に依存する。各スロットはCP(cyclic prefix)によって12個又は14個のOFDM(A)シンボルを含む。
【0046】
一般CPが使用される場合、各スロットは14個のシンボルを含む。拡張CPが使用される場合は、各スロットは12個のシンボルを含む。ここで、シンボルはOFDMシンボル(又はCP-OFDMシンボル)、SC-FDMAシンボル(又はDFT-s-OFDMシンボル)を含む。
【0047】
表1は一般CPが使用される場合、SCSの設定(μ)によるスロットごとのシンボル数(Nslot symb)、フレームごとのスロット数(Nframe,u slot)とサブフレームごとのスロット数(Nsubframe,u slot)を例示する。
【0048】
【表1】
【0049】
表2は拡張CPが使用される場合、SCSによってスロットごとのシンボル数、フレームごとのスロット数とサブフレームごとのスロット数を例示する。
【0050】
【表2】
【0051】
NRシステムでは一つの端末に併合される複数のセル間のOFDMニューマロロジー(例えば、SCS、CP長さなど)が異なることもある。これにより、同じ数のシンボルで構成された時間リソース(例えば、サブフレーム、スロット又はTTI)(便宜上、TU(Time Unit)と統称)の(絶対時間)区間が併合されたセル間で異なるように設定される。
【0052】
NRにおいて、様々な5Gサービスを支援するための多数のニューマロロジー又はSCSが支援される。例えば、SCSが15kHzである場合、伝統的なセルラーバンドにおける広い領域(wide area)が支援され、SCSが30kHz/60kHzである場合は、密集した都市(dense-urban)、より低い遅延(lower latency)及びより広いキャリア帯域幅(wider carrier bandwidth)が支援される。SCSが60kHz又はそれよりも高い場合には、位相雑音(phase noise)を克服するために、24.25GHzより大きい帯域幅が支援される。
【0053】
NR周波数バンド(frequency band)は2つのタイプの周波数範囲(frequency range)により定義される。2つのタイプの周波数範囲は、FR1及びFR2である。周波数範囲の数値は変更可能であり、例えば、2つのタイプの周波数範囲は、以下の表3の通りである。NRシステムで使用される周波数範囲のうち、FR1は“sub 6GHz range”を意味し、FR2は“above 6GHz range”を意味し、ミリメートル波(millimeter wave、mmW)とも呼ばれる。
【0054】
【表3】
【0055】
上述したように、NRシステムの周波数範囲の数値は変更可能である。例えば、FR1は以下の表4のように、410MHz乃至7125MHzの帯域を含む。即ち、FR1は6GHz(又は5850、5900、5925MHzなど)以上の周波数帯域を含む。例えば、FR1内で含まれる6GHz(又は5850、5900、5925MHzなど)以上の周波数帯域は、非免許帯域(unlicensed band)を含む。非免許帯域は様々な用途に使用され、例えば、車両のための通信(例えば、自律走行)のために使用される。
【0056】
【表4】
【0057】
図4はNRフレームのスロット構造を示す。
【0058】
図4を参照すると、スロットは時間ドメインで複数のシンボルを含む。例えば、一般CPの場合、一つのスロットが14個のシンボルを含むが、拡張CPの場合は、一つのスロットが12個のシンボルを含む。又は一般CPの場合、一つのスロットが7個のシンボルを含むが、拡張CPの場合は、一つのスロットが6個のシンボルを含む。
【0059】
搬送波は周波数領域で複数の副搬送波を含む。RB(Resource Block)は周波数領域で複数(例えば、12)の連続する副搬送波と定義される。BWPは周波数ドメインで複数の連続するPRB(Physical RB)と定義され、一つのニューマロロジー(numerology)(例えば、SCS、CP長さなど)に対応する。搬送波は最大N個(例えば、5個)のBWPを含む。データ通信は活性化したBWPで行われる。各々の要素はリソースグリッドにおいてリソース要素(リソースエレメント、Resource Element、RE)と称され、一つの複素シンボルがマッピングされることができる。
【0060】
一方、端末間の無線インターフェース又は端末とネットワークの間の無線インターフェースはL1層、L2層及びL3層で構成される。本発明の様々な実施例において、L1層は物理層を意味する。L2層は例えば、MAC層、RLC層、PDCP層及びSDAP層のうちのいずれか一つを意味する。L3層は例えば、RRC層を意味する。
【0061】
Bandwidth part, BWP
【0062】
NRシステムでは1つのCC(component carrier)ごとに最大400MHzまで支援される。かかるwideband CCで動作する端末が常にCC全体に対するRFをオン(ON)にしたまま動作すると、UEのバッテリー消耗が大きくなる。又は1つのwideband CC内に動作する複数の使用例(例えば、eMBB、URLLC、mMTC、V2Xなど)を考慮するとき、該当CC内に周波数帯域ごとに互いに異なるニューマロロジー(例えば、副搬送波間隔)が支援される。又は、UEごとに最大帯域幅に対する能力(capability)が互いに異なってもよい。かかる状況を考慮して、基地局はUEにwideband CCの全体帯域幅ではない一部帯域幅でのみ動作するように指示し、該当一部の帯域幅を便宜上、帯域幅パート(bandwidth part;BWP)と定義する。BWPは周波数軸上で連続するresource block(RB)で構成され、1つのニューマロロジー(例えば、副搬送波間隔、CP長さ、スロット/ミニスロット区間)に対応する。
【0063】
一方、基地局はUEに設定された1つのCC内でも多数のBWPを設定することができる。一例として、PDCCHモニタリングスロットでは相対的に小さい周波数領域を占めるBWPを設定し、PDCCHで指示するPDSCHはそれより大きいBWP上にスケジュールされる。また特定BWPにUEが集中する場合、負荷均等化(load balancing)のために一部UEを他のBWPに設定することができる。また隣接セル間の周波数領域セル間の干渉除去(frequency domain inter-cell interference cancellation)などを考慮して、全体帯域幅のうち、中間部の一部のスペクトルを排除し、両側のBWPを同じスロット内に設定することができる。即ち、基地局はwideband CCに関連する(association)UEに少なくとも1つのDL/UL BWPを設定し、特定の時点に設定されたDL/UL BWP(s)のいずれかのDL/UL BWPを(第1層シグナリング、MAC、RRCシグナリングなどにより)活性化することができる。また他の設定されたDL/UL BWPによりスイッチングを(L1シグナリング、MAC CE又はRRCシグナリングなどにより)指示することもできる。また端末はタイマー値に基づいてタイマーが満了すると、所定のDL/UL BWPによりスイッチング動作を行うこともできる。この時、活性化されたDL/UL BWPはactive DL/UL BWPと呼ぶ。初期接続(初期アクセス、initial access)過程又はRRC連結が設定(set up)される前などのUEは、基地局からDL/UL BWPに対する設定を受信できないこともある。かかるUEについて仮定されるDL/UL BWPをinitial active DL/UL BWPと定義する。
【0064】
図5は基地局がUEに下りリンク信号を送信する過程を説明する図である。
【0065】
図5を参照すると、基地局は周波数/時間リソース、送信レイヤ、下りリンクプリコーダ、MCSなどの下りリンク送信をスケジューリングする(S1401)。特に、基地局は上述した動作により端末にPDSCH送信のためのビームを決定する。
【0066】
端末は基地局から下りリンクスケジューリングのための(即ち、PDSCHのスケジューリング情報を含む)下りリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)をPDCCH上で受信する(S1402)。
【0067】
下りリンクスケジューリングのためにDCIフォーマット1_0又は1_1が利用され、特にDCIフォーマット1_1では以下のような情報を含む:DCIフォーマット識別子(Identifier for DCI formats)、帯域幅部分指示子(Bandwidth part indicator)、周波数ドメインリソース割り当て(Frequency domain Resource assignment)、時間ドメインリソース割り当て(Time domain Resource assignment)、PRBバンドリングサイズ指示子(PRB bundling size indicator)、レートマッチング指示子(Rate matching indicator)、ZP CSI-RSトリガー(ZP CSI-RS trigger)、アンテナポート(antenna port(s))、送信設定指示(TCI:Transmission configuration indication)、SRS要請(SRS要求、SRS Request)、DMRS(Demodulation Reference Signal)シーケンス初期化(DMRS sequence initialization)
【0068】
特にアンテナポート(antenna port(s))フィールドで指示される各状態によってDMRSポート数がスケジューリングされ、またSU(Single-user)/MU(Multi-user)送信スケジューリングが可能である。
【0069】
また、TCIフィールドは3ビットで構成され、TCIフィールド値によって最大8TCI状態を指示することにより動的にDMRSに対するQCLが指示される。
【0070】
端末は基地局から下りリンクデータをPDSCH上で受信する(S1403)。
【0071】
端末がDCIフォーマット1_0又は1_1を含むPDCCHを検出すると、該当DCIによる指示によってPDSCHを復号する。ここで、端末がDCIフォーマット1によりスケジューリングされたPDSCHを受信するとき、端末は上位層パラメータ‘dmrs-Type'によりDMRS設定タイプが設定され、DMRSタイプはPDSCHを受信するために使用される。また端末は上位層パラメータ‘maxLength'によりPDSCHのための前に挿入される(front-loaded)DMRAシンボルの最大数が設定される。
【0072】
DMRS設定タイプ1の場合、端末が単一のコードワードがスケジューリングされ、{2,9,10,11又は30}のインデックスとマッピングされたアンテナポートが指定されると、又は端末が2つのコードワードがスケジューリングされると、端末は全ての残りの直交するアンテナポートがさらに他の端末へのPDSCH送信に連関しないと仮定する。
【0073】
又は、DMRS設定タイプ2の場合、端末が単一のコードワードがスケジューリングされ、{2,10又は23}のインデックスとマッピングされたアンテナポートが指定されると、又は端末が2つのコードワードがスケジューリングされると、端末は全ての残りの直交するアンテナポートがさらに他の端末へのPDSCH送信に連関しないと仮定する。
【0074】
端末がPDSCHを受信するとき、プリコーディング単位(precoding granularity)P'を周波数ドメインにおいて連続する(consecutive)リソースブロックとして仮定することができる。ここで、P'は{2,4,広帯域}のいずれの値に該当する。
【0075】
P'が広帯域に決定されると、端末は不連続する(不連続な、non-contiguous)PRBによりスケジューリングされることを予想せず、端末は割り当てられたリソースに同一のプリコーディングが適用されると仮定する。
【0076】
反面、P'が{2,4}のいずれに決定されると、プリコーディングリソースブロックグループ(PRG:Precoding Resource Block group)はP'個の連続するPRBに分割される。各PRG内の実際連続するPRB数は1つ又はそれ以上である。UEはPRG内の連続する下りリンクPRBには同一のプリコーディングが適用されると仮定する。
【0077】
端末がPDSCH内の変調次数(modulation order)、ターゲット符号化率(target code rate)、送信ブロックサイズ(transport block size)を決定するために、端末はまずDCI内の5ビットMCDフィールドを読み取り、変調次数及びターゲット符号化率を決定する。また、DCI内のRV(redundancy version)フィールドを読み取り、RVを決定する。そして端末はレートマッチング前にレイヤ数、割り当てられたPRBの総数を用いて輸送ブロックのサイズを決定する。
【0078】
図6はUEが基地局に上りリンク信号を送信する過程を説明するための図である。
【0079】
図6を参照すると、基地局は周波数/時間リソース、送信レイヤ、上りリンクプリコーダ、MCSなどの上りリンク送信をスケジューリングする(S1501)。特に基地局は上述した動作により端末がPUSCH送信のためのビームを決定する。
【0080】
端末は基地局から上りリンクスケジューリングのための(即ち、PUSCHのスケジューリング情報を含む)DCIをPDCCH上で受信する(S1502)。
【0081】
上りリンクスケジューリングのためにDCIフォーマット0_0又は0_1が利用され、特にDCIフォーマット0_1では以下のような情報を含む:DCIフォーマット識別子(Identifier for DCI formats)、UL/SUL(Supplementary uplink)指示子(UL/SUL indicator)、帯域幅部分指示子(Bandwidth part indicator)、周波数ドメインリソース割り当て(Frequency domain Resource assignment)、時間ドメインリソース割り当て(Time domain Resource assignment)、周波数ホッピングフラグ(Frequency hopping flag)、変調及びコーディング方式(MCS:Modulation and coding scheme)、SRSリソース指示子(SRI:SRS resource indicator)、プリコーディング情報及びレイヤ数(Precoding information and number of layers)、アンテナポート(antenna port(s))、SRS要請(SRS request)、DMRSシーケンス初期化(DMRS sequence initialization)、UL-SCH(Uplink Shared Channel)指示子(UL-SCH indicator)。
【0082】
特に、SRSリソース指示子フィールドにより上位層パラメータ‘usage'に連関するSRSリソースセット内に設定されたSRSリソースが指示される。また各SRSリソースごとに‘spatialRelationInfo'が設定され、その値は{CRI,SSB,SRI}のいずれかである。
【0083】
端末は基地局に上りリンクデータをPUSCH上で送信する(S1503)。
【0084】
端末がDCIフォーマット0_0又は0_1を含むPDCCHを検出すると、該当DCIによる指示によって該当PUSCHを送信する。
【0085】
PUSCH送信のためにコードブック基盤の送信及び非コードブック(non-codebook)基盤の送信の2つの送信方式が支援される:
【0086】
i) 上位層パラメータ‘txConfig'が‘codebook'にセットされるとき、端末はコードブック基盤の送信に設定される。反面、上位層パラメータ‘txConfig'が‘nonCodebook'にセットされるときは、端末は非-コードブック基盤の送信に設定される。上位層パラメータ‘txConfig'が設定されないと、端末はDCIフォーマット0_1によりスケジューリングされることを予想しない。DCIフォーマット0_0によりPUSCHがスケジュールされると、PUSCH送信は単一のアンテナポートに基づく。
【0087】
コードブック基盤の送信の場合、PUSCHはDCIフォーマット0_0、DCIフォーマット0_1又は準-静的に(semi-statically)スケジューリングされる。このPUSCHがDCIフォーマット0_1によりスケジューリングされると、端末はSRSリソース指示子フィールド及びプリコーディング情報及びレイヤ数フィールドにより与えられたように、DCIからSRI、TPMI(Transmit Precoding Matrix Indicator)及び送信ランクに基づいてPUSCH送信プリコーダを決定する。TPMIはアンテナポートにわたって適用されるプリコーダを指示するために用いられ、多重のSRSリソースが設定されるとき、SRIにより選ばれたSRSリソースに相応する。又は、単一のSRSリソースが設定されると、TPMIはアンテナポートにわたって適用されるプリコーダを指示するために用いられ、該当単一のSRSリソースに相応する。上位層パラメータ‘nrofSRS-Ports'と同一のアンテナポート数を有する上りリンクコードブックから送信プリコーダが選択される。端末が‘codebook'にセットされた上位層がパラメータ‘txConfig'に設定されるとき、端末は少なくとも1つのSRSリソースが設定される。スロットnで指示されたSRIはSRIにより識別されたSRSリソースの最近の送信に連関し、ここでSRSリソースはSRIを運ぶPDCCH(即ち、スロットn)より前である。
【0088】
ii) 非コードブック基盤の送信の場合、PUSCHはDCIフォーマット0_0、DCIフォーマット0_1又は準-静的に(semi-statically)スケジューリングされる。多重のSRSリソースが設定されるとき、端末は広帯域SRIに基づいてPUSCHプリコーダ及び送信ランクを決定し、ここでSRIはDCI内のSRSリソース指示子により与えられるか、又は上位層パラメータ‘srs-ResourceIndicator'により与えられる。端末はSRS送信のために1つ又は多重のSRSリソースを用い、ここでSRSリソースの数はUE能力に基づいて同一のRB内で同時送信のために設定される。各SRSリソースごとにただ1つのSRSポートが設定される。ただ1つのSRSリソースのみが‘nonCodebook'にセットされた上位層パラメータ‘usage'に設定される。非コードブック基盤上りリンク送信のために設定されるSRSリソースの最大数は4である。スロットnで指示されたSRIはSRIにより識別されたSRSリソースの最近の送信に連関し、ここでSRS送信はSRIを運ぶPDCCH(即ち、スロットn)より前である。
【0089】
図7はPDCCHによるPDSCH時間ドメインリソース割り当ての一例とPDCCHによるPUSCH時間ドメインリソース割り当ての一例を示す。
【0090】
PDSCH又はPUSCHをスケジューリングするためにPDCCHにより搬送されるDCIは、時間ドメインリソース割り当て(time domain Resource assignment、TDRA)フィールドを含み、TDRAフィールドはPDSCH又はPUSCHのための割り当て表(allocation table)への行(row)インデックスm+1のための値mを提供する。所定のデフォルトPDSCH時間ドメイン割り当てがPDSCHのための割り当て表として適用されるか、又はBSがRRCシグナリングpdsch-TimeDomainAllocationListにより設定したPDSCH時間ドメインリソース割り当て表がPDSCHのための割り当て表として適用される。所定のデフォルトPUSCH時間ドメイン割り当てがPDSCHのための割り当て表として適用されるか、又はBSがRRCシグナリングpusch-TimeDomainAllocationListにより設定したPUSCH時間ドメインリソース割り当て表がPUSCHのための割り当て表として適用される。適用するPDSCH時間ドメインリソース割り当て表及び/又は適用するPUSCH時間ドメインリソース割り当て表は、固定/所定の規則によって決定される(例、3GPP TS 38.214を参照)。
【0091】
PDSCH時間ドメインリソース設定において、各々のインデックスされた行は、DL割り当て-to-PDSCHスロットオフセットK、開始及び長さ指示子SLIV(又は直接スロット内のPDSCHの開始位置(例、開始シンボルインデックスS)及び割り当て長さ(例、シンボル数L))、PDSCHマッピングタイプを定義する。PUSCH時間ドメインリソース設定において、各々のインデックスされた行は、ULグラント-to-PUSCHスロットオフセットK、スロット内のPUSCHの開始位置(例、開始シンボルインデックスS)及び割り当て長さ(例、シンボル数L)、PUSCHマッピングタイプを定義する。PDSCHのためのK又はPUSCHのためのKはPDCCHがあるスロットとPDCCHに対応するPDSCH又はPUSCHがあるスロットの間の差を示す。SLIVはPDSCH又はPUSCHを有するスロットの開始に相対的な開始シンボルS及びシンボルSからカウントした連続的な(consecutive)シンボル数Lのジョイント指示である。PDSCH/PUSCHマッピングタイプの場合、2つのマッピングタイプがある:その1つはマッピングタイプAであり、他の1つはマッピングタイプBである。PDSCH/PUSCHマッピングタイプAの場合、復調参照信号(demodulation reference signal、DMRS)がRRCシグナリングによりスロットにおいて3番目のシンボル(シンボル#2)或いは4番目のシンボル(シンボル#3)に位置する。PDSCH/PUSCHマッピングタイプBの場合、DMRSがPDSCH/PUSCHのために割り当てられた1番目のシンボルに位置する。
【0092】
スケジューリングDCIはPDSCH又はPUSCHのために使用されるリソースブロックに関する割り当て情報を提供する周波数ドメインリソース割り当て(frequency domain Resource assignment、FDRA)フィールドを含む。例えば、FDRAフィールドは、UEにPDSCH又はPUSCH送信のためのセルに関する情報、PDSCH又はPUSCH送信のためのBWPに関する情報、PDSCH又はPUSCH送信のためのリソースブロックに関する情報を提供する。
【0093】
*RRCによるリソース割り当て
【0094】
上述したように、上りリンクの場合、動的グラントがない2つのタイプの送信がある:設定されたグラントタイプ1及び設定されたグラントタイプ2。設定されたグラントタイプ1の場合、ULグラントがRRCシグナリングにより提供されて設定されたグラントとして格納される。設定されたグラントタイプ2の場合、ULグラントがPDCCHにより提供され、設定された上りリンクグラント活性化又は活性解除を指示するL1シグナリングに基づいて設定された上りリンクグラントとして格納又は除去される。タイプ1及びタイプ2がサービングセルごと及びBWPごとにRRCシグナリングにより設定される。多数の設定が異なる多数のサービングセル上で同時に活性化されることができる。
【0095】
設定されたグラントタイプ1が設定されるとき、UEには以下のパラメータがRRCシグナリングによりBSから提供される:
【0096】
-再送信のためのCS-RNTIであるcs-RNTI;
【0097】
-設定されたグラントタイプ1の周期であるperiodicity;
【0098】
-時間ドメインにおいてシステムフレーム番号(System frameNumber、SFN)=0に対するリソースのオフセットを示すtimeDomainOffset;
【0099】
-開始シンボルS、長さL及びPUSCHマッピングタイプの組み合わせを示す、割り当て表をポイントする行インデックスm+1を提供するtimeDomainAllocation値m;
【0100】
-周波数ドメインリソース割り当てを提供するfrequencyDomainAllocation;及び
【0101】
-変調次数、ターゲットコードレート及び輸送ブロックサイズを示すIMCSを提供するmcsAndTBS。
【0102】
RRCによりサービングセルのための設定グラントタイプ1の設定時、UEはRRCにより提供されるULグラントを指示されたサービングセルのための設定された上りリンクグラントとして格納し、timeDomainOffset及び(SLIVから誘導される)Sによるシンボルで上記設定された上りリンクグラントが開始するように、そしてperiodicityで再発(recur)するように初期化(initialize)又は再-初期化する。上りリンクグラントが設定されたグラントタイプ1のために設定された後、UEは上りリンクグラントが以下を満たす各シンボルに連関して再発するとみなすことができる:[(SFN *numberOfSlotsPerFrame (numberOfSymbolsPerSlot)+(SlotNumber in the frame *numberOfSymbolsPerSlot)+symbolNumber in the slot]=(timeDomainOffset *numberOfSymbolsPerSlot+S+N *periodicity) modulo (1024 *numberOfSlotsPerFrame *numberOfSymbolsPerSlot)、for all N≧0、ここで、numberOfSlotsPerFrame及びnumberOfSymbolsPerSlotはフレームごとの連続するスロット数及びスロットごとの連続するOFDMシンボルをそれぞれ示す。
【0103】
設定されたグラントタイプ2が設定されるとき、UEには以下のパラメータがRRCシグナリングによりBSから提供される:
【0104】
-活性化、活性解除及び再電送のためのCS-RNTIであるcs-RNTI;
【0105】
-設定されたグラントタイプ2の周期を提供するperiodicity。
【0106】
実際の上りリンクグラントは(CS-RNTIにアドレスされた)PDCCHによりUEに提供される。上りリンクグラントが設定されたグラントタイプ2のために設定された後、UEは上りリンクグラントが以下を満たす各々のシンボルに連関して再発するとみなす:[(SFN*numberOfSlotsPerFrame *numberOfSymbolsPerSlot)+(SlotNumber in the frame *numberOfSymbolsPerSlot)+symbol Number in the slot]=[(SFNstart time *numberOfSlotsPerFrame *numberOfSymbolsPerSlot+slotstart time *numberOfSymbolsPerSlot+symbolstart time)+N*periodicity] modulo (1024 *numberOfSlotsPerFrame *numberOfSymbolsPerSlot)、for all N≧0、ここで、SFNstart time、slotstart time及びsymbolstart timeは上記設定されたグラントが(再-)初期化された後、PUSCHの1番目の送信機会のSFN、スロット、シンボルをそれぞれ示し、numberOfSlotsPerFrame及びnumberOfSymbolsPerSlotはフレームごとの連続するスロット数及びスロットごとの連続するOFDMシンボルをそれぞれ示す。
【0107】
下りリンクの場合、UEはBSからのRRCシグナリングによりサービングセルごと及びBWPごとに準-持続的スケジューリング(Semi-persistent scheduling、SPS)を有して設定される。DL SPSの場合、DL割り当てはPDCCHによりUEに提供され、SPS活性化又は活性解除を指示するL1シグナリングに基づいて格納又は除去される。SPSが設定されるとき、UEには以下のパラメータがRRCシグナリングによりBSから提供される:
【0108】
-活性化、活性解除及び再送信のためのCS-RNTIであるcs-RNTI;
【0109】
-SPSのための設定されたHARQプロセスの数を提供するnrofHARQ-Processes;
【0110】
-SPSのための設定された下りリンク割り当ての周期を提供するperiodicity。
【0111】
SPSのために下りリンク割り当てが設定された後、UEはN番目の下りリンク割り当てが以下を満たすスロットで発生すると連続して見なす:(numberOfSlotsPerFrame*SFN+slotNumber in the frame)=[(numberOfSlotsPerFrame*SFNstart time+slotstart time)+N*periodicity *numberOfSlotsPerFrame/10] modulo (1024 *numberOfSlotsPerFrame)、ここで、SFNstart time及びslotstart timeは設定された下りリンク割り当てが(再-)初期化された後、PDSCHの1番目の送信のSFN、スロット、シンボルをそれぞれ示し、numberOfSlotsPerFrame及びnumberOfSymbolsPerSlotはフレームごとの連続するスロット数及びスロットごとの連続するOFDMシンボルをそれぞれ示す。
【0112】
該当DCIフォーマットの循環冗長検査(巡回冗長検査、cyclic redundancy check、CRC)がRRCパラメータcs-RNTIにより提供されたCS-RNTIを有してスクランブルされており、有効な(enabled)輸送ブロックのための新しいデータ指示子フィールドが0にセットされていると、UEはスケジューリング活性化又はスケジューリング解除のために、DL SPS割り当てPDCCH又は設定されたULグラントタイプ2のPDCCHを有効であると確認する(validate)。
【0113】
図8は任意接続手順を説明するための図である。
【0114】
図8(a)を参照すると、(競合基盤の)任意の接続手順を4段階で行われる場合(タイプ1ランダムアクセス手順、4ステップRACH)、端末は物理任意接続チャネル(物理ランダムアクセスチャネル、Physical Random Access Channel、PRACH)を介して特定のシーケンスに関連するプリアンブルを含むメッセージ(メッセージ1、Msg1)を送信し(1401)、PDCCH及び対応するPDSCHを介してプリアンブルに対する応答メッセージ((RAR(Random Access Response) message)(メッセージ2、Msg2)を受信する(1403)。端末はRAR内のスケジューリング情報を用いてPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)を含むメッセージ(メッセージ3、Msg3)を送信し(1405)、物理下りリンク制御チャネル信号及びそれに対応する物理下りリンク共有チャネル信号の受信のような衝突(競争)解決手順(Contention Resolution Procedure)を行う。端末は基地局から衝突解決手順のための衝突(競争)解決情報(contention resolution information)を含むメッセージ(メッセージ4、Msg4)を受信する(1407)。
【0115】
端末の4-ステップRACH手順は以下の表5のように要約される。
【0116】
【表5】
【0117】
まず、端末はULにおいて任意接続手順のMsg1として任意接続プリアンブルをPRACHを介して送信する。
【0118】
互いに異なる長さの任意接続プリアンブルシーケンスが支援される。長いシーケンス839は1.25及び5kHzの副搬送波間隔に適用され、短いシーケンス139は15、30、60及び120kHzの副搬送波間隔に適用される。
【0119】
多数のプリアンブルフォーマットは一つ又はそれ以上のRACH OFDMシンボル及び互いに異なる循環プレフィックス(cyclic prefix)(及び/又はガード時間(guard time))により定義される。セルのためのRACH設定がこのセルのシステム情報に含まれてUEに提供される。RACH設定はPRACHの副搬送波間隔、利用可能なプリアンブル、プリアンブルフォーマットなどに関する情報を含む。RACH設定はSSBとRACH(時間-周波数)リソースの間の連関情報を含む。UEは検出した又は選択したSSBに連関するRACH時間-周波数リソースで任意接続プリアンブルを送信する。
【0120】
RACHリソース連関のためのSSBのしきい値がネットワークにより設定され、SSB基盤に測定された参照信号受信電力(reference signal received power、RSRP)がしきい値を満たすSSBを基盤としてRACHプリアンブルの送信又は再送信が行われる。例えば、端末はしきい値を満たすSSBのいずれかを選択し、選択されたSSBに連関するRACHリソースを基盤としてRACHプリアンブルを送信又は再送信する。
【0121】
基地局が端末から任意接続プリアンブルを受信すると、基地局は任意接続応答(ランダムアクセス応答、random access response、RAR)メッセージ(Msg2)を端末に送信する。RARを運ぶPDSCHをスケジューリングするPDCCHは、任意接続(ランダムアクセス、random access、RA)無線ネットワーク臨時識別子(radio network temporary identifier、RNTI)(RA-RNTI)によりCRCマスキングされて送信される。RA-RNTIにCRCスクランブルされたPDCCHを検出した端末は、PDCCHが運ぶDCIがスケジューリングするPDSCHからRARを受信する。端末は自分が送信したプリアンブル、即ち、Msg1に関する任意接続応答情報がRAR内にあるか否かを確認する。自分が送信したMsg1に関する任意接続情報が存在するか否かは、端末が送信したプリアンブルに関する任意接続プリアンブルIDが存在するか否かにより判断される。Msg1に対する応答がないと、端末は電力ランピング(power ramping)を行いながらRACHプリアンブルを所定の回数内で再送信する。端末は最近の送信電力、電力増分量及び電力ランピングカウンターに基づいてプリアンブルの再送信に対するPRACH送信電力を計算する。
【0122】
任意接続応答情報は端末が送信したプリアンブルシーケンス、基地局が任意接続を試みた端末に割り当てたC-RNTI、上りリンク送信時間調整情報(Uplink transmit time alignment information)、上りリンク送信電力調整情報及び上りリンク無線リソース割り当て情報を含む。端末がPDSCH上で自分に関する任意接続応答情報を受信すると、端末はUL同期化のためのタイミングアドバンス(timing advance)情報、初期ULグラント、臨時セル-RNTI(cell RNTI、C-RNTI)が分かる。タイミングアドバンス情報は上りリンク信号送信タイミングを制御するために使用される。端末によるPUSCH/PUCCH送信がネットワークでサブフレームタイミングと正しく整列(align)するために、ネットワーク(例、BS)はPUSCH/PUCCH/SRS受信及びサブフレーム間の時間差を測定し、それに基づいてタイミングアドバンス情報を送る。端末は任意接続応答情報を基盤として上りリンク共有チャネル上でUL送信を任意接続手順のMsg3として送信する。Msg3はRRC連結要請及び端末識別子を含む。Msg3に対する応答として、ネットワークはMsg4を送信し、これはDL上での競争解決メッセージとして扱われる。Msg4を受信することにより、端末はRRC連結状態に進入することができる。
【0123】
前述のように、RAR内のULグラントは基地局にPUSCH送信をスケジュールする。RAR内のULグラントによる初期UL伝送を運ぶPUSCHはMsg3 PUSCHとも呼ばれる。
【0124】
(競争基盤の)任意接続手順が2段階で行われる2-step RACH手順は、低いシグナリングオーバーヘッドと低い遅延を達成するために、RACH手順を単純化するために提案されている。
【0125】
4-step RACH手順でのメッセージ1を送信する動作とメッセージ3を送信する動作は、2-step RACH手順では端末がPRACH及びPUSCHを含む一つのメッセージ(メッセージA)に対する送信を行う一つの動作により行われ、4-step RACH手順での基地局がメッセージ2を送信する動作及びメッセージ4を送信する動作は、2-step RACH手順では基地局がRAR及び衝突解決情報を含む一つのメッセージ(メッセージB)に対する送信を行う一つの動作により行われる。
【0126】
即ち、2-step RACH手順において、端末は4-step RACH手順でのメッセージ1とメッセージ3を一つのメッセージ(例えば、メッセージA(message A、MsgA))に結合して、該当一つのメッセージを基地局に送信する。
【0127】
また、2-step RACH手順において、基地局は4-step RACH手順でのメッセージ2とメッセージ4を一つのメッセージ(例えば、メッセージB(message B、MsgB))に結合して、該当一つのメッセージを端末に送信する。
【0128】
かかるメッセージの結合に基づいて、2-step RACH手順は低い遅延(low-latency)RACH手順を提供することができる。
【0129】
より具体的には、2-step RACH手順においてメッセージAはメッセージ1に含まれたPRACHプリアンブルとメッセージ3に含まれたデータを含む。2-step RACH手順においてメッセージBはメッセージ2に含まれたRAR(random access response)とメッセージ4に含まれた競争解消情報(contention resolution information)を含む。
【0130】
又は、非競争任意接続手順(contention-free RACH)は、端末が他のセル又は基地局にハンドオーバーする過程で使用されるか、又は基地局の命令により要請された場合に行われる。非競争任意接続手順の基本的な過程は競争基盤の任意接続手順と類似する。但し、端末が複数の任意接続プリアンブルから使用するプリアンブルを任意に選択する競争基盤の任意接続手順とは異なり、非競争任意接続手順では、端末が使用するプリアンブル(以下、専用任意接続プリアンブル)が基地局により端末に割り当てられる。専用の任意接続プリアンブルに関する情報はRRCメッセージ(例、ハンドオーバー命令)に含まれるか、又はPDCCHオーダー(order)により端末に提供される。任意接続手順が開始されると、端末は専用の任意接続プリアンブルを基地局に送信する。端末が基地局から任意接続応答を受信すると、任意接続手順は完了する(complete)。
【0131】
非競争任意接続手順において、RAR ULグラント内のCSI要請フィールドは端末が非周期的CSI報告を該当PUSCH送信に含めるか否かを指示する。Msg3 PUSCH送信のための副搬送波間隔はRRCパラメータにより提供される。端末は同一のサービス提供セルの同一の上りリンク搬送波上でPRACH及びMsg3 PUSCHを送信する。Msg3 PUSCH送信のためのUL BWPはSIB1(SystemInformationBlock1)により指示される。
【0132】
Non-Terrestrial Networks reference
【0133】
図9は非地上ネットワーク(Non-terrestrial networks,NTN,以下、NTN)を説明するための図である。
【0134】
非地上ネットワーク(NTN)は、衛星(例えば、停止軌道衛星(GEO)/低軌道衛星(LEO))を用いて構成された無線ネットワークを称する。NTNネットワークに基づいてカバレッジ拡張が可能であり、高い信頼度のネットワークサービスが可能である。例えば、NTN単独で構成されるか、又は従来の地上ネットワークと結合して無線通信システムが構成される。例えば、NTNネットワークでは、i)衛星とUEの間のリンク、ii)衛星間リンク、iii)衛星とゲートウェイ間のリンクなどで構成される。
【0135】
衛星を用いた無線通信システム構成を説明するために、以下の用語が使用される。
【0136】
-Satellite:a space-borne vehicle embarking a bent pipe payload or a 再生ペイロード telecommunication transmitter, placed into Low-Earth Orbit(LEO) typically at an altitude between 500km to 2000km, Medium-Earth Orbit(MEO) typically at an altitude between 8000 to 20000 lm, or Geostationary satellite Earth Orbit(GEO) at 35 786 km altitude.
【0137】
-Satellite network:Network, or segments of network, Using a space-borne vehicle to embark a transmission equipment relay node or base station.
【0138】
-Satellite RAT:a RAT defined to support at least one satellite.
【0139】
-5G Satellite RAT:a Satellite RAT defined as part of the New Radio.
【0140】
-5G satellite access network:5G access network using at least one satellite.
【0141】
-Terrestrial:located at the surface of Earth.
【0142】
-Terrestrial network:Network, or segments of a network located at the surface of the Earth.
【0143】
衛星連結を用いた通信システムで提供する使用例は3つのカテゴリーに区分される。“サービス継続性(Service Continuity)”カテゴリーは、地上ネットワークの無線通信範囲で5Gサービスにアクセスできない地理的領域でのネットワーク連結を提供するために使用される。例えば、歩行者ユーザに関連するUE又は移動する陸上地上プラットフォーム(例えば、自動車、コーチ(coach)、トラック、汽車)、航空プラットフォーム(例えば、商業用又は個人用ジェット機)、又は海上プラットフォーム(例えば、海上船舶)でUEのために衛星連結が利用される。“サービス普遍性(Service Ubiquity)”カテゴリーは、地上ネットワークを使用できない場合(例えば、災難、破壊、経済的な理由など)、IOT/公共安全関連非常ネットワーク/ホームアクセスなどのために衛星連結が利用される。また“サービス拡張性(Service Scalability)”カテゴリーは、衛星ネットワークの広範囲カバレッジを用いたサービスを含む。
【0144】
例えば、5G衛星接続ネットワーク(5G衛星アクセスネットワーク、5G satellite access network)は5Gコアネットワークに連結される。この場合、衛星は曲管型(ベントパイプ衛星、bent pipe satellite)又は再生衛星(a regenerative satellite)である。UEと衛星の間でNR無線プロトコルが利用される。また衛星とgNBの間でF1インターフェースが利用される。
【0145】
上述したように、非地上ネットワーク(Non-terrestrial networks,NTN)は、衛星などの地上に固定していない装置を用いて構成された無線ネットワークを称し、代表的な例としては、衛星ネットワークがある。NTNに基づいてカバレッジ拡張が可能であり、信頼度の高いネットワークサービスが可能である。例えば、NTNは単独で構成されるか、又は既存の地上ネットワークと結合して無線通信システムが構成される。
【0146】
NTNを用いた通信システムで提供する使用例は3つのカテゴリーに区分される。“サービス継続性(Service Continuity)”カテゴリーは、地上ネットワークの無線通信範囲で5Gサービスにアクセスできない地理的領域でのネットワーク連結を提供するために使用される。例えば、歩行者ユーザに関連するUE又は移動する陸上地上プラットフォーム(例えば、自動車、コーチ(coach)、トラック、汽車)、航空プラットフォーム(例えば、商業用又は個人用ジェット機)、又は海上プラットフォーム(例えば、海上船舶)でUEのために衛星連結が利用される。“サービス普遍性(Service Ubiquity)”カテゴリーは、地上ネットワークを使用できない場合(例えば、災難、破壊、経済的な理由など)、IOT/公共安全関連非常ネットワーク/ホームアクセスなどのために衛星連結が利用される。また“サービス拡張性(Service Scalability)”カテゴリーは、衛星ネットワークの広範囲カバレッジを用いたサービスを含む。
【0147】
図9を参照すると、NTNは、1つ以上の衛星410、衛星と通信可能な1つ以上のNTNゲートウェイ420、及び衛星から移動衛星サービス(mobile satellite services)が提供される1つ以上のUE(/BS)430などを含んで構成される。説明の便宜のために、衛星を含むNTNの例を中心として説明するが、本発明の範囲はこれに制限されない。従って、NTNは衛星だけではなく、航空機(aerial vehicle)(Unmanned Aircraft Systems(UAS) encompassing tethered UAS(TUA), Lighter than Air UAS(LTA), Heavier than Air UAS(HTA), all operating in altitudes typically between 8 and 50km including High Altitude Platforms(HAPs))などを含んで構成される。
【0148】
衛星410は曲管型(bent pipe)ペイロード又は再生ペイロード通信送信機(regenerative payload telecommunication transmitter)を取り付けた宇宙移動体(space-borne vehicle)であって、LEO(low earth orbit)、MEO(medium earth orbit)、GEO(Geostationary Earth Orbit)に位置する。NTNゲートウェイ420は地表面に存在する地上局(earth station)又はゲートウェイであって、衛星に接続可能な十分なRF電力/感度を提供する。NTNゲートウェイはTNL(transport network layer)ノードに該当する。
【0149】
NTNネットワークでは、i)衛星とUEの間のリンク、ii)衛星間のリンク、iii)衛星とNTNゲートウェイの間のリンクなどが存在する。サービスリンクは衛星とUEの間の無線リンクを意味する。複数の衛星が存在する場合、衛星間のISL(Inter-satellite links)が存在する。フィーダリンク(Feeder link)はNTNゲートウェイと衛星(又はUASプラットフォーム)の間の無線リンクを意味する。ゲートウェイはデータネットワークに連結され、フィーダリンクにより衛星と送受信を行う。UEは衛星とサービスリンクにより送受信することができる。
【0150】
NTN動作シナリオは、透明ペイロード(transparent payload)と再生ペイロード(regenerative payload)にそれぞれ基づく2つのシナリオが考えられる。図9(a)は透明ペイロードに基づくシナリオの例を示す。透明ペイロードに基づくシナリオでは、ペイロードにより繰り返されるシグナルが変更されない。衛星410はフィーダリンクからサービスリンクに(又はその逆に)NR-Uu無線インターフェースを繰り返し、フィーダリンク上の衛星無線インターフェース(SRI)はNR-Uuである。NTNゲートウェイ420はNR-Uuインターフェースの信号伝達に必要な全ての機能を支援する。また、互いに異なる透明衛星(transparent satellites)が地上の同一のgNBに連結されることもできる。図9(b)は再生ペイロードに基づくシナリオの例を示す。再生ペイロードに基づくシナリオでは、衛星410が従来の基地局(例えば、gNB)の機能を一部又は全部行い、周波数変換/復調/復号/変調などの一部又は全部を行うシナリオをいう。UEと衛星の間のサービスリンクではNR-Uu無線インターフェースを用い、NTNゲートウェイと衛星の間のフィーダリンクでは衛星無線インターフェース(SRI)を利用する。SRIはNTNゲートウェイと衛星の間の輸送リンク(transport link)に該当する。
【0151】
UE430はNTN基盤のNG-RAN及び従来のセルラーNG-RANにより同時に5GCNに連結される。又はUEは同時に2つ以上のNTN(例えば、LEO NTN+GEO NTNなど)により5GCNに連結される。
【0152】
図10は非地上ネットワーク(NTN)の概要及びシナリオを説明する図である。
【0153】
NTNは衛星(又はUASプラットフォーム)においてRFリソースを使用するネットワーク又はネットワークセグメントを意味する。ユーザ装備に対するアクセスを提供するNTNネットワークの一般的なシナリオは、図10(a)に示した透明ペイロードに基づくNTNシナリオ、及び図10(b)に示した再生ペイロードに基づくNTNシナリオを含む。
【0154】
NTNは一般的には以下の要素を特徴とする。
【0155】
-非地上ネットワーク(Non-Terrestrial Network)を共用データネットワークに連結する1つ又は複数のsat-gateway
【0156】
-GEO衛星は衛星対象カバレッジ(例えば、地域又は大陸カバレッジ)に配置される1つ又は複数の衛星ゲートウェイにより供給される(又はセルのUEが1つのsat-gatewayでのみサービスを受けると仮定)。
【0157】
-non-GEO衛星は1回に1つ又は複数の衛星ゲートで連続して提供される。このシステムは、移動性アンカリング(mobility anchoring)及びハンドオーバーの進行に十分な時間の間に連続サービス衛星ゲートウェイの間のサービス及びフィーダリンクの連続性を保障する。
【0158】
-衛星-ゲートウェイと衛星(又はUASプラットフォーム)の間のフィーダリンク又は無線リンク
【0159】
-ユーザ装備と衛星(又はUASプラットフォーム)の間のサービスリンク又は無線リンク
【0160】
-透明ペイロード又は再生(with on board processing)ペイロードを具現可能な衛星(又はUASプラットフォーム)。ここで、衛星(又はUASプラットフォーム)生成ビームは一般的に視野により境界が指定されたサービス領域で複数のビームが生成される。ビームの軌跡(footprints)は一般的に楕円形である。衛星(又はUASプラットフォーム)の視野はオンボードアンテナダイヤグラムと最小仰角(min elevation angle)によって異なる。
【0161】
-透明ペイロード:無線周波数フィーダリンク、周波数変換及び増幅(ここで、ペイロードにより繰り返される波形信号が変更されないこともある)
【0162】
-再生ペイロード:無線周波数フィーダリンク、周波数変換及び増幅だけではなく、復調/復号、スイッチ及び/又はルーティング、コーディング/変調(これは衛星(又はUASプラットフォーム)で基地局機能(例えば:gNB)の全部又は一部を有することと実質的に同一である)。
【0163】
-衛星集合の場合、選択的に衛星間リンク(Inter-satellite links,ISL)。このためには衛星に再生ペイロードが必要である。又はISLはRF周波数又は広帯域(optical bands)で作動する。
【0164】
-端末は対象サービス地域内で衛星(又はUASプラットフォーム)によりサービスされる。
【0165】
以下の表6は様々な類型の衛星(又はUASプラットフォーム)を定義する。
【0166】
【表6】
【0167】
一般的にGEO衛星及びUASは大陸、地域又は地域サービスの提供に使用される。LEO及びMEO集合(constellation)は北半球と南半球の両方においてサービス提供に使用される。又はLEO及びMEO集合(constellation)が極地方を含めてグローバルバレッジを提供することもできる。今後、そのために適切な軌道傾斜、十分なビーム生成及び衛星間リンクが必要である。一方、HEO衛星システムはNTNに関連しては考慮されなくてもよい。
【0168】
以下の6つの参照シナリオにおいて端末に対するアクセスを提供するNTNを考えることができる。
【0169】
-円形軌道及び名目ステーション維持プラットフォーム
【0170】
-最高のRTD制約
【0171】
-最高のドップラー制約
【0172】
-透明及び再生ペイロード
【0173】
-1つのISLケースと1つのISL無しのケース。衛星間リンクの場合、再生ペイロードは必須である。
【0174】
-固定又は可動ビームにより、それぞれ地面に移動又は固定ビーム軌道が発生する(Fixed or steerable beams resulting respectively in moving or Fixed beam foot print on the ground)
【0175】
上記6つの参照シナリオは以下の表7のように定義でき、表8のようにシナリオごとのパラメータを定義できる。
【0176】
【表7】
【0177】
【表8-1】
【表8-2】
【0178】
-NOTE 1:各衛星はビームフォーミング技術を使用して地球上の固定地点にビームを操縦する。これは衛星の可視性時間に該当する期間の間に適用される。
【0179】
-NOTE 2:ビーム(地球固定端末;earth fixed user equipment)内の最大遅延変動はゲートウェイ及び端末の全てに対する最小仰角に基づいて計算される。
【0180】
-NOTE 3:ビーム内の最大差動遅延(max differential delay)は天底(nadir)において最大ビーム軌跡直径を基準として計算される。
【0181】
-NOTE 4:遅延計算に使用される光の速度は299792458m/sである。
【0182】
-NOTE 5:GEOに対する最大ビーム軌跡のサイズ(Maximum beam foot print size)は、カバレッジの縁部(low elevation)にスポットビーム(spot beams)があると仮定して最新GEOの高い処理量システムに基づく。
【0183】
-NOTE 6:セル水準で最大差動遅延(maximum differential delay)は最大ビームサイズに対するビーム水準の遅延を考慮して計算される。一方、ビームサイズが小さいか又は中間サイズであるときは、セルが2つ以上のビームを含めることを排除しないことができる。但し、セル内の全てのビームの累積差動遅延(cumulated differential delay)は上記表のセル水準で最大差動遅延を超えない。
【0184】
NTN研究結果はGEOシナリオだけではなく、高度が600km以上である円形軌道を有する全てのNGSOシナリオに適用できる。
【0185】
以下、NTN基準点について説明する。
【0186】
図11はNTNのTA構成要素を説明する図である。ここで、TAオフセット(NTAoffset)はプロットされなくてもよい。
【0187】
NTNに基づく無線システムはより大きいセルカバレッジ、長い往復時間(RTT)及び高いドップラーを考慮して、UL送信のためのタイミング及び周波数同期化性能を保障するために改善事項が考慮される。
【0188】
図11を参照すると、初期アクセス及び後続TAの維持/管理のタイミングアドバンス(TA)に関連する基準点が示されている。以下、図11に関連して定義された用語について説明する。
【0189】
-オプション1:UEで知られた位置及び衛星天体暦(衛星エフェメリス、satellite ephemeris)を使用してUEでTAの自律を獲得
【0190】
オプション1に関連して、PRACHを含むUL送信に必要なTA値はUEにより計算される。該当調整はUE特定の差動TA(UE-specific differential TA)又は全体TA(consisting of UE specific differential TA and common TA)を使用して行われる。
【0191】
UE側での全体TA補償(full TA compensation)を除いて、UE間のULタイミング、ネットワーク側でのDL及びULフレームタイミングに対する整列が全て達成できる(W.r.t the full TA compensation at the UE side, both the alignment on the UL timing among UEs And DL and UL frame timing at network side can be achieved)。但し、透明ペイロードの衛星の場合は、フィーダリンクによる影響を処理する方法についての追加論議が規範的な業務(normative work)で行われる。もしフィーダリンクにより導入された影響が該当補償においてUEにより補償されないと、ネットワークがDLとULフレームタイミングの間のタイミングオフセットを管理するための追加要求が考慮される(Additional needs for the network to manage the timing offset between the DL and UL frame timing Can be considered, If impacts introduced by feeder link is not compensated by UE in corresponding compensation)。
【0192】
UE特定の差動TA(UE specific differential TA)のみを除いて、同一のビーム/セルのカバレッジ内でUE間のULタイミング整列を達成するために、単一の参照ポイントに対する追加指示がビーム/セルごとにUEにシグナリングされる必要がある。ネットワーク側でDL及びULフレームタイミング間のタイミングオフセットは、衛星ペイロード類型に関係なく、ネットワークで管理される。
【0193】
UE側で自体計算されたTA値に対する正確度についての恐れに関連して、TA改善のためにネットワークでUEに追加TAがシグナリングされる。例えば、初期アクセス及び/又はTA保持の間に規範的な業務(normative work)で決定される。
【0194】
-オプション2:ネットワーク表示によるタイミング高級調整(advanced adjustment)
【0195】
このオプション2に関連して、同一の衛星ビーム/セルのカバレッジ内で全てのUEが共有する伝播遅延の共通構成要素を称する共通TAが衛星ビーム/セルごとにネットワークによりブロードキャストされる。ネットワークは衛星ビーム/セルごとに少なくとも1つの基準点を仮定して共通TAを算出する。
【0196】
従来のTAメカニズム(Rel-15)によりネットワークからのUE特定の差動TAに対する表示が必要である。より大きいNTNカバレッジを満たすために、明示的又は黙示的にRARにおいてTA表示に対する値範囲の拡張が識別される。該当表示において負のTA値(negative TA value)を支援するか否かを指示することもできる。また、ネットワークからUEへのタイミングドリフト率(timing drift rate)の表示も支援されて、UE側でTA調整が可能である。
【0197】
上記2つのオプションにおいて、共通TAを計算するためにビームごとの単一基準点を基準線とすることができる。複数の基準点を支援するか否か及び支援方法については追加論議が必要である。
【0198】
UL周波数補償の場合、少なくともLEOシステムの場合は、ネットワーク側で共通周波数オフセットのビームごとのポスト-補償(beam specific post-compensation)を考慮して、以下のソリューションが識別される。
【0199】
-オプション1に関連して、UE特定の周波数オフセットのプリー補償(pre-compensation)及び推定の全てがUE側で行われる(Both the estimation and pre-compensation of UE-specific frequency offset are conducted at the UE side)。この値の獲得(又はUE特定の周波数オフセットのプリー補償及び推定)はDL参照信号、UE位置及び衛星天体歴を活用して行うことができる。
【0200】
-オプション2に関連して、少なくともLEOシステムにおいてUL周波数補償に必要な周波数オフセットはネットワークによりUEに指示される。この値に対する獲得はUL信号(例えば、プリアンブル)を感知してネットワーク側で行われる。
【0201】
また、上りリンク及び/又は下りリンクにおいて、それぞれネットワークが周波数オフセット補償を行う場合に対するネットワークによる補償された周波数オフセット値が指示又は支援される。但し、ドップラードリフト率(doppler drift rate)は指示されないこともある。これに関連する信号の設計については追加論議されることができる。
【0202】
以下、より多い遅延許容再送信メカニズム(More delay-tolerant re-Transmission mechanisms)について説明する。
【0203】
以下のように、向上した遅延耐性のある再送信メカニズムの2つの主要側面が論議される。
【0204】
-NR NTNにおけるHARQの無効化(Disabling of HARQ in NR NTN)
【0205】
-NR NTNにおけるHARQ最適化(HARQ optimization in NR-NTN)
【0206】
NRのHARQ往復時間は数ms程度である。NTNの伝播遅延は衛星軌道によって数ミリ秒から数百ミリ秒まで(従来の通信システムよりも)もっと長い。従って、HARQ RTTはNTNにおいて(従来の通信システムよりも)もっと長い。従って、HARQ手順に対する潜在的な影響とソリューションを追加論議する必要がある。RAN1は物理層の側面に重点をおき、RAN2はMAC層の側面に重点を置いている。
【0207】
これに関連して、NR NTNにおいてHARQ非活性化(Disabling of HARQ in NR NTN)が考慮される。
【0208】
UL HARQフィードバックが非活性化された場合、(1)MAC CE及びRRCシグナリングがUEにより受信されないか、又は(2)gNBが知らない状態で長期間UEにより正しく受信されていないDLパケットによる問題が発生する。
【0209】
これに関連して、HARQフィードバックが非活性化されたときの上記問題についてNTNで以下の方式が考えられる。
【0210】
(1)新しく/再-解釈されたフィールドでDCIを介してHARQ無効化を指示する(Indicate HARQ disabling via DCI in new/re-interpreted field)
【0211】
(2)DL送信の中断を報告したりDLスケジューリングの変更を要求したりするための新しいUCIフィードバック(New UCI Feedback for reporting DL Transmission disruption and or requesting DL scheduling changes)
【0212】
スロット集計又はブラインド繰り返しに対して、以下のような可能な改善事項が考慮される。NTNに対してかかる向上を導入する必要に対する収斂がない。
【0213】
(1)8スロット以上-集合(Greater than 8 slot-aggregation)
【0214】
(2)時間-インターリーブスロット集合(time-interleaved slot aggregation)
【0215】
(3)新しいMCSテーブル(New MCS table)
【0216】
次に、NR NTNのためのHARQ最適化方案について説明する。
【0217】
NTNにおいて、最大データ速度(peak data rates)の減少を防止する解決案が考慮される。1つの解決案は、HARQ手順において中止及び待機を防止するために、より長い衛星往復遅延と一致するようにHARQプロセス数を増やすことである。又はUL HARQフィードバックを非活性化してHARQ手順における中止及び待機を防止し、信頼性のためにRLC ARQに依存する。上記2つの解決案に対する処理量性能は多数の会社によりリンク水準及びシステム水準で評価されている。
【0218】
性能に対するHARQプロセス数の影響について行われた評価の観察結果を要約すると以下の通りである。
【0219】
-3つのソースは以下の観察と共にSNRに対する処理量のリンク水準シミュレーションを提供する。
【0220】
-16個のHARQプロセスを使用するRLC ARQに対して1%のBLER目標と32/64/128/256HARQプロセスを使用してBLERが1%及び10%を目標とする30°の高度角を有するTDL-D郊外チャネルでシミュレーションされた1つのソース。{32,64,128,256}msでRTTを使用したRLC層の再送信に比べてHARQプロセス数が増加しても処理量において観察可能な利得がない(One source simulated with a TDL-D suburban channel with elevation angle of 30 degrees with BLER target of 1% for RLC ARQ with 16 HARQ processes, and BLER targets 1% and 10% with 32/64/128/256 HARQ processes. There was no observable gain in throughput with increased number of HARQ processes compared to RLC layer RE-Transmission with RTT in {32, 64, 128, 256}ms)。
【0221】
-16個のHARQプロセスを使用するRLC ARQに対して0.1%のBLER目標と32個のHARQプロセスを使用してBLERが1%及び10%を目標とする30°の高度角を有するTDL-D郊外チャネルでシミュレーションされた1つソース。RTT=32msである16個のHARQプロセスを使用するRLC ARQと比較して、32個のHARQプロセスで10%の平均処理量利得が観察される(One source simulated with a TDL-D suburban channel with elevation angle of 30 degrees with BLER targetS of 0.1% for RLC ARQ with 16 HARQ processes, and BLER targets 1% and 10% with 32 HARQ processes. an average throughput gain of 10% was observed with 32 HARQ processes compared to RLC ARQ with 16 HARQ processes with RTT=32ms)。
【0222】
-1つのソースはRTT=32msである次の例でシミュレーション結果を提供する。例えば、16個のHARQプロセスを使用するRLC ARQに対してBLER目標を1%と仮定し、BLERは32個のHARQプロセスを使用して1%及び10%を目標とすると仮定する。16個のHARQプロセスを使用するRLC ARQと比較して、32個のHARQプロセスを使用する処理量で観察可能な利得はない。この場合、チャネルが上昇角が30である郊外シナリオにおいてシステムチャネルモデルからの遅延拡散/K-ファクターがあるTDL-Dと仮定する場合である。性能の向上は他のチャネルで観察でき、特に30°高度角を有する郊外でチャネルがTDL-Aと仮定される場合、最大12.5%のスペクトル効率向上が得られる。また他のスケジューリング作業を考慮してミュレーションに基づくシミュレーション:(i)追加MCSオフセット、(ii)低い効率性に基づくMCSテーブル、(iii)他のBLERターゲットを使用したスロット集計が行われる(HARQプロセス番号を拡大すると、相当な利得が得られる(One source provides the simulation results in following cases with RTT=32ms, e.g., assuming BLER targets at 1% for RLC ARQ with 16 HARQ processes, BLER targets 1% and 10% with 32 HARQ processes. There is no observable gain in throughput with 32 HARQ processes compared to RLC ARQ with 16 HARQ processes in case that channel is assumed as TDL-D with delay spread/ k-factor taken from system channel model in suburban scenario with elevation angle 30. Performance gain can be observed with other channels, especially, up to 12.5% spectral efficiency gain is achieved in case that channel is assumed as TDL-A in suburban with 30° elevation angle. Moreover, simulation based on the simulation with consideration on other scheduling operations:(i) additional MCS offset, (ii) MCS table based on Lower efficiency (iii) slot aggregation with different BLER targets are conducted. Significant gain can be observed with enlarging the HARQ process number)。
【0223】
1つのソースは20%リソース活用、16個及び32個のHARQプロセス、セルごとに15個及び20個のUE、比例公正スケジューリング(比例公平スケジューリング、proportional fair scheduling)、周波数リサイクル無しにLEO=1200kmに対するシステム水準のシミュレーションが提供される。16個のHARQプロセスと比較して、32個のHARQプロセスにおいてユーザごとにスペクトル効率性の利得はUE数によって異なる。ビームごとに15個のUEを使用すると、50%パーセンタイルで12%の平均スペクトル効率利得が観察される。セルごとに20個のUEを使用すると、観察可能な利得がない。
【0224】
かかる観察に基づいて以下のようなオプションが考慮される。
【0225】
-オプションA:16個のHARQプロセスIDを維持し、RRCによりUL HARQフィードバックが非活性化されたHARQプロセスに対してRLC ARQに依存
【0226】
-オプションB:RRCにより活性化されたUL HARQフィードバックがある16個以上のHARQプロセスID。この場合、16個以上のHARQプロセスIDである場合にUE能力及びDCIに4ビットのHARQプロセスIDフィールドの維持が考えられる。
【0227】
又は、DCIにおいて4ビットHARQプロセスIDフィールドを維持する16個以上のHARQプロセスに対して以下のソリューションが考えられる。
【0228】
-オプションA:16個のHARQプロセスIDを維持し、RRCによりUL HARQフィードバックが非活性化されたHARQプロセスに対してRLC ARQに依存
【0229】
-オプションB:RRCにより活性化されたUL HARQフィードバックがある16個以上のHARQプロセスID。この場合、16個以上のHARQプロセスIDである場合にUE能力及びDCIに4ビットHARQプロセスIDフィールドの維持が考えられる。
【0230】
又は、DCIにおいて4ビットHARQプロセスIDフィールドを維持する16個以上のHARQプロセスに対して以下のソリューションが考えられる。
【0231】
-スロット番号に基づく
【0232】
-HARQ再送信タイミング制限に基づく仮想プロセスID
【0233】
-RTD内でHARQプロセスID再使用(時間ウィンドウ)
【0234】
-上位層の支援情報により既存のDCIフィールドの再解釈
【0235】
ここで、1つのソースはHARQプロセスIDフィールドが4ビット以上に増加する場合に解決策が考えられる。
【0236】
ソフトバッファー管理及び中止-待機時間減少のためのHARQ改善事項に関連して以下のオプションが考えられる。
【0237】
-オプションA-1:停止及び待機時間を減らすための事前活性/先制HARQ
【0238】
-オプションA-2:UE及びHARQプロセスごとに構成可能なHARQバッファー使用活性化/非活性化
【0239】
-オプションA-3:UEからHARQバッファー状態報告
【0240】
今後、HARQフィードバック、HARQバッファーサイズ、RLCフィードバック及びRLC ARQバッファーサイズに対する論議が必要なHARQプロセス数については、仕様の開発によってさらに論議される。
【0241】
上述した内容(NR frame structure,NTNシステムなど)は後述する内容に結合されて適用でき、又はこの明細書で提案する方法の技術的特徴を明確にするための補充となる。また後述するHARQ disablingに関連する方法は上りリンク送信に関し、上述したNRシステム又はLTEシステムでの下りリンク信号送信方法にも同様に適用できる。この明細書で提案する技術的思想が該当システムでも具現されるように、各システムで定義する用語、表現、構造などに合わせて変形又は代替することができる。
【0242】
Signaling method for timing relationship in NTN
【0243】
NTNのタイミング関係に対するシグナリングに関連して、以下のシナリオが考えられる。
【0244】
NTNにおいて、Kオフセット(K_offset)を導入して以下のタイミング関係を向上させることができる。具体的には、(1)DCIスケジューリングされたPUSCHの送信タイミング(PUSCH上のCSIを含む)、(2)RAR承認スケジューリングされたPUSCHの送信タイミング、(3)PUCCH上のHARQ-ACK送信タイミング、(4)CSI参照リソースタイミング、及び(5)非周期的SRSの送信タイミングなどのタイミング関係を向上させることができる。一方、等しいか又は異なる値のKオフセットが必要な追加タイミング関係については追加定義される(Additional timing relationships that require K_offset of the same or different values can be further identified)。
【0245】
初期接近に使用されたKオフセットの場合、Kオフセットの情報はシステム情報により送信される。例えば、システム情報によりKオフセットの情報が明示的及び/又は黙示的に伝達される。セルの全てのビーム及び/又はセルの各ビームで使用されるセル特定のKオフセット値はビーム特定のKオフセット値を使用することができる。アクセス後、Kオフセットを更新するか否か及び更新方法については追って論議される。
【0246】
また、MsgBに対するPUCCHに対するHARQ-ACKのタイミング関係を向上させるために、Kオフセット(他のタイミング関係のK_offset値と同一であるか又は同一ではない)が導入される。RARグラントスケジューリングされたPUSCHの送信タイミングにKオフセットを導入することに関連するシナリオはfallbackRARスケジューリングされたPUSCHにも適用できる。
【0247】
また、Kオフセット以外のスケジューリングオフセットとしてK_macに定義される。(1)下りリンク及び上りリンクフレームタイミングがgNBで整列される場合:PDSCHにおいてMAC-CE命令により指示される下りリンク設定に対するUEの動作及び仮定のために、K_macは必要ではない。又は、PDSCHにおいてMAC-CE命令が指示する上りリンク構成に対するUEの動作及び仮定のために、K_macは必要ではない。(2)下りリンク及び上りリンクフレームタイミングがgNBで整列されない場合:PDSCHにおいてMAC-CE命令が指示する下りリンク構成に対するUEの動作及び仮定のために、K_macが必要である。又は、PDSCHにおいてMAC-CE命令が指示する上りリンク構成に対するUEの動作及び仮定のために、K_macは必要ではない。一方、K_macが必要であることも必要ではないこともできる例外的なMAC CEタイミング関係が識別されることが排除されない(This does not preclude identifying exceptional MAC CE timing relationship(s) that may or may not require K_mac)。
【0248】
図12は端末に対して設定されたKオフセットを説明するための図である。
【0249】
図12(a)を参照すると、Kオフセットに関連して基地局(又はgNB)はPDCCHを介してUL送信を指示する。この場合、端末はT0時点にPDCCHを受信し、T0+T_procに該当UL送信を行う。ここで、T_procはプロセシング時間及び/又はスケジューリングオフセットを含む時間である。このとき、基地局が期待するUL Rx timingにUL信号を送信するために、端末はTA(timing advance)を適用してULを送信し、ULの送信時点は図12(a)に示すように、第1送信時点(T0+T_proc-T_TA)である。NTNのように、long RTT(round trip time)が長いシステムにおいて第1送信時点(T0+T_proc-T_TA)はT0を逆転することができ(即ち、第1送信時点がT0より前である)、この場合、端末はPDCCHを受信する前にそれに対応するUL信号を送信するという曖昧さが発生し得る。このような曖昧さを解決するために、図12(b)に示したように、Kオフセット(K_offset)が導入される。例えば、Kオフセットの適切な設定によりULの送信時点(T0+T_proc+T_offset-T_TA)はPDCCH受信時間であるT0より後となり、端末のUL送信動作の曖昧さ(ambiguity)が解消される。
【0250】
上述したシナリオにおいては、このような問題を考慮してKオフセットが導入されており、端末がセル(又はNTN cell)に接続するための初期接続を行うようにKオフセット値はシステム情報によりブロードキャストされる。このとき、Kオフセット値は以下のようにセル-特定又はビーム特定されて設定される。ここで、ビームとは、特定のSSB又はCSI-RSに相当するビームである。
【0251】
セル-特定(又はセル-特定されて設定されたセル特定のKオフセット)は、システム情報によりセル内の全ての端末にブロードキャストされる1つのセルを代表するKオフセット値である。このセル内の全ての端末はブロードキャストされたセル特定のKオフセットに基づいて初期接続を行う。かかるセル-特定のKオフセットはビーム-特定された場合よりシグナリングオーバーヘッドが相対的に小さく、仕様影響(specification impact)が少ないという長所がある。一方、ビーム-特定(又はビーム-特定されて設定されたビーム特定のKオフセット)は、1つのセル内に複数の(SSB又はCSI-RSに対応する)ビームが存在する場合に複数のビームのそれぞれに対するKオフセットがシグナリングされることを意味する。このようなビーム-特定のKオフセットは(セルカバレッジが大きい)NTNセル(セルカバレッジが相当に大きいセル)内の端末により精密な粒度(fine granularity)でKオフセットを設定することができるという長所がある。
【0252】
以下、上述したシナリオに基づいてKオフセットが効率的に設定される範囲及び/又は対象に対する提案1ないし提案4を説明する。
【0253】
(1)提案1-ビームグループごとのKオフセットの設定
【0254】
シグナリングオーバーヘッドを減らすために、Kオフセットの初期設定及び更新はビームグループごとに設定及び/又は指示される。上述したように、セル-特定とビーム-特定の場合、それぞれのシグナリングオーバーヘッド及び精密な粒度(fine granularity)に対して長所を有する。この提案の折衷案として、シグナリングオーバーヘッドをある程度甘受しながら、セル-特定のKオフセットに比べてより精密な粒度を有することが長所である。かかるビームグループ特定のKオフセットを指示する方案では以下のようなオプションが考えられる。ここで、ビームグループは特定の(analog)ビームフォーミングされたSSB/CSI-RSのグループであるか、又は特定範囲内のビーム方向のグループである。
【0255】
ビームグループごとの特定のKオフセット(又はビームグループ特定のオフセット)は、システム情報(SIB)により設定/指示される。このとき、ビームグループに関する情報は、予め(predefined rule)約束されるか、又はビームグループ特定のオフセットと共にシステム情報により指示/設定される。この場合、端末は、初期接続段階からビームグループ特定のKオフセットを使用する。例えば、ビームグループに関する情報は所定の規則により指示又は設定される場合、開始id(例えば、id=0、又は最低id)から2^N個のSSB/CSI-RSを1つのグループとして設定し、2^Nから2*2^N-1までのSSB/CSI-RSを他のグループとして設定するように予め約束される。
【0256】
複数のグループごとの特定のKオフセットは、以下のようなi)ないしiv)の条件のいずれかによって指示又は設定される。
【0257】
-i)複数のビーム-グループ特定のKオフセットのうち、最大値又は最小値はセル-特定のKオフセットとして見なされる。ii)シグナリングオーバーヘッドを最小化するために、複数のビーム-グループ特定のKオフセットのうち、最大値又は最小値を基準値と仮定し、残りのビーム-グループ特定のKオフセットは基準値との差の値(differential値)により設定/指示される。この場合、差の値に基づくビームグループ特定のKオフセットの設定/指示のためのペイロードは予め約束するか、又は柔軟性のためにペイロードサイズ、範囲及び/又はステップサイズに関する情報が共に指示/設定される。iii)ビーム-グループ特定のKオフセット値は絶対時間(例えば、msec)で指示される。iv)ビーム-グループ特定のKオフセットの値はNTN特定のSIBにより指示されてもよい。
【0258】
又は、複数のビーム-グループごとの特定のKオフセットは、セルを代表するセル-特定のKオフセットを設定するSIBに関連するチャネルではない他のチャネル/信号により指示/設定される。例えば、SIBのシグナリングオーバーヘッドを減らすために、端末は初期接続段階でセル-特定のKオフセットを使用するが、今後RRC又はMAC-CEによりビーム-グループ特定のKオフセットを使用することができる。即ち、RRC又はMAC-CEにより細かいKオフセットであるビーム-グループ特定のKオフセットを指示することができる。又は、シグナリングオーバーヘッドを減らすために、セル-特定のKオフセットを基準値とし、ビーム-グループごとの特定のKオフセットは基準値との差の値(differential値)により指示することができる。この場合、差の値に基づくビームグループ特定のKオフセットの設定/指示のためのペイロードは予め約束されるか、又は柔軟性のためにペイロードのサイズ、範囲及び/又はステップサイズに関する情報が共に指示/設定される。
【0259】
又は、ビーム-グループ特定のKオフセット値は絶対時間(例えば、msec)で指示されてもよい。又は、RRC連結状態での初期ビーム-グループKオフセットはRRC(例えば、UE dedicated RRC)により設定/指示され、MAC-CE及び/又はDCI(例えば、group-common DCI)により初期ビーム-グループKオフセットの更新が指示/設定される。更新が設定/指示されるとき、ビーム-グループの変更に関する情報をさらに提供することができる。ここで、ビーム-グループの変更は上述したグルーピングに関連するN値の変更又はビーム-グループIDの変更を意味する。
【0260】
このように上記提案1は、ビームグループごとの特定のKオフセットを設定することにより、細かい粒度でKオフセットを設定しながらシグナリングオーバーヘッドを減少させる技術的効果を有する。
【0261】
(2)提案2
【0262】
一方、上述したKオフセット値の更新は、基地局が明示的に指示/設定するか、又は他のパラメータ/信号により黙示的に指示/設定することができる。
【0263】
明示的に更新を指示/設定する場合、基地局はRRC又はMAC-CEにより周期的/半永久的(semi-persistent)に(例えば、時間周期性や時間オフセットにより)指示するか、又は非周期的に設定/指示することができる。例えば、半永久的更新設定の場合、この更新の活性化/非活性化(activation/deactivation)がMAC-CEにより指示/設定されることが考えられる。
【0264】
又は、非周期的に基地局が設定/指示する場合、Kオフセットの更新は基地局がトリガーする方式と端末の要請(UE triggered)に基づいて行われる。
【0265】
例えば、基地局がトリガーする方式において基地局は特定のイベントに基づくカウンタ(counter)を用い、カウンタの値が特定値以上であると、K-オフセットの更新をトリガリングすることができる。ここで、特定のイベントは基地局が指示した特定のUL信号に対する応答(例えば、ACK-NACK information)が基地局が予想した時点/ウィンドウ内に入らない場合(受信されない場合)である。この場合、基地局はカウントのカウント値をカウントする(例えば、バックオフカウントはカウンタ値の1減少、カウンタはカウント値の1増加)。
【0266】
又は、端末の要請(又はトリガー)する場合、端末はKオフセットの更新に対する要請をシグナリングするか、又はTA値を報告してKオフセットの更新をトリガリングする。例えば、基地局は報告されたTA値が所定のKオフセット値より大きいか又は特定のしきい値以上(又は以下)である場合、Kオフセットの更新を設定/指示する。一方、TA値はUE特定のTA又はfull TA(UE specific TA+common TA)であり、UE特定のTAは端末がGNSS基盤に自律的に得た/計算したTA値であり、common TAは基地局がシグナリング/設定したTA値である。端末がKオフセットを要請する場合に対するトリガリング条件は、端末が黙示的に算出したKオフセットと所定のKオフセットの間の差が大きいか(例えば、所定のしきい値以上の差が発生)、又はUE特定のTA(又はfull TA)より小さい場合である。又は、端末は推薦Kオフセット値を基地局に報告し、基地局は推薦Kオフセット値に基づいてKオフセットを設定/指示(又はKオフセットの更新を設定/指示)することもできる。
【0267】
新しいKオフセットの適用時点(又は更新されたKオフセットの適用時点)は、該当Kオフセットを指示する信号/チャネルの受信時点(n、nはスロット又はシンボル)であるか、或いは適用オフセット後に適用することができる。例えば、新しいKオフセットの適用時点は、信号/チャネルの受信時点nに適用オフセット(適用オフセットはシンボル、スロット又はmsecの単位で設定される)を追加した時点である。又は、上述したように、端末がTA値又は推薦Kオフセットを送信する場合に新しいKオフセットの適用時点は、送信時点であるmからm+a*TA又はm+a*Kオフセット(ここで、aはスケーリング値)の時点である。但し、基地局が該当値(TA値又は推薦Kオフセット値)を逃したか或いは感知に失敗した場合は、基地局と端末間の理解が異なるので、曖昧さが発生する。かかる曖昧さを解消するために、基地局はTA値又はKオフセット値(例えば、端末が報告したTA値又は推薦Kオフセット値)の受信を知らせるACK情報を端末に送信し、端末はACKの受信時点であるnからK(ここで、Kはシンボル又はスロット又はmsec)が経過した時点(m+K)後に新しいKオフセットを適用する。
【0268】
又は、Kオフセットの更新に対する基地局のトリガリング方式に関連して、(周期的な)衛星軌道情報(天体暦情報、以下、軌道情報)がブロードキャストされる。軌道情報はSIBにより設定/更新されるか、又は初期軌道情報はSIBにより指示され、更新軌道情報はRRCなどにより指示される。即ち、Kオフセットの情報は軌道(天体暦)情報が更新されるたびに一緒に更新される。Kオフセットの指示は軌道情報と同一のチャネル/信号により指示されるか、又は異なるチャネル/信号を用いて指示される場合に端末は軌道情報の更新受信時点からXまでの特定時間区間(W)内にKオフセットに対する更新が指示されると期待する。
【0269】
これに関連するシナリオにおいて、Kオフセットの更新はRRC再設定及びMAC CEのいずれかにより指示/設定される。シナリオに関連して、RRC再設定又はMAC CEによりKオフセットの更新が行われる場合、更新された新しいKオフセットの適用時点が曖昧である。この曖昧さを解消するために、以下の1)、2)及び/又は3)が考えられる。
【0270】
1)RRC再設定によりKオフセット値が更新される場合、新しいKオフセットの適用時点はRRC再設定完了メッセージの送信時点(例えば、slot n)からX-スロット(又はX-symbol、X-msec)後である。又は、RRC再設定によりKオフセット値が更新される場合、新しいKオフセットの適用時点は基地局のRRC再設定完了メッセージの受信時点(例えば、slot n)からX-スロット(又はX-symbol、X-msec)後である。
【0271】
2)MAC CEによりKオフセット値が更新される場合、更新されたKオフセット値(又は新しいKオフセット)はKオフセット値の更新を指示するMAC-CEの受信成功に対するACK送信時点(例えば、slot n)からX-スロット(又はX-symbol、X-msec)後に適用される。又はMAC CEによりKオフセット値が更新される場合、更新されたKオフセット値(又は新しいKオフセット)は端末のKオフセット値を指示するMAC-CEの受信成功に対するACKを基地局が受信した時点(例えば、slot n)からX-スロット(又はX-symbol、X-msec)後に適用される。一方、ACKを送るときに使用するKオフセットは変更前の値である。
【0272】
3)上記1)と2)でのX値は端末の能力(capability)に基づいて決定されるか、又は基地局が設定する値である。Xは負の数ではない整数値に設定されるか又は0に設定される(X can be non-negative integer value. X can be zero)
【0273】
又は、更新された新しいKオフセット値は該当RRC再設定の受信時点又はMAC-CEの受信時点(例えば、slot m)を基準として適用できる。
【0274】
具体的には、(1)新しいKオフセット値はRRC再設定によりKオフセット値が更新される場合にRRC再設定の受信時点(例えば、slot m)からX-スロット(又はX-symbol、X-msec)後である。又は(2)MAC CEによりKオフセット値が更新される場合、新しいKオフセット値はKオフセット値を指示するMAC-CEの受信時点(例えば、slot m)からX-スロット(又はX-symbol、X-msec)後である。このとき、ACK送信時点が適用時点(m+X)内である場合は、ACKは更新前のKオフセット値が適用されて送信され、ACK送信時点が適用時点(m+X)後である場合には、ACKは更新された新しいKオフセット値が適用されて送信される。ここで、上記(1)及び(2)でのX値は端末の能力に基づいて決定されるか、又は基地局が設定する値である。Xは負の数ではない整数値に設定されるか、又は0に設定される(X can be non-negative integer value. X can be zero)。又は(3)MAC-CEにより指示される更新情報を指示する場合、端末はMAC-CE情報を検出ミス(miss detection)するか或いは受信失敗(又は送信失敗)する場合にNACKを送信する。この場合、基地局はNACK情報に適用されたKオフセットが更新前の値であるか又は更新後の値であるかが曖昧であるが、基地局は該当2時点(更新前後のKオフセット値)に対して感知を2回行うと、NACKに適用されたKオフセット値を感知することができる。
【0275】
又は、RRC再設定又はMAC-CEに基づく(UE-specific)Kオフセットに対する更新を行う場合、RRC再設定完了メッセージ又はMAC-CE受信に対するACKを基地局が逃す(missing)こともある。この場合、基地局と端末の動作にエラーが発生し得る。このエラーを防止するために、基地局は該当RRC再設定完了メッセージ又はMAC-CEに対するACKの受信に対する確認メッセージをさらに送信する。端末はこの確認メッセージを受信した時点(例えば、slot n)からX-スロット(又はX-symbol、X-msec)後に更新されたKオフセット値を適用する。又は受信時点を基準としてKオフセット更新を端末が動作する場合、該当RRC再設定或いはMAC-CE受信に失敗しても、基地局の具現により(例えば、2回のブラインド検出(blind detection))基地局と端末の間の曖昧さを解決することができる。
【0276】
以下、RRC再設定及びMAC-CEの組み合わせに関する動作について詳しく説明する。
【0277】
RRC再設定を用いてKオフセットを更新する場合、主にGEOシナリオに適する。これは端末と衛星(GEO衛星)間の距離が非常に遠く(例えば、35000km)、端末で衛星が停止していると見える停止軌道衛星であるためである。この場合、Kオフセットの値変動(value variation)がLEOシナリオ(LEO衛星との通信)に比べて相対的に大きくないので、速いタイミング調整(timing adjustment)が要らず、RRC再設定を用いる方がより適切である。従って、RRC再設定はGEOシナリオに限定して適用される。又は、NTNの場合、衛星タイプ(NTN platform type)が明示的に設定されないこともあるので、端末はSIBにより指示される軌道情報に基づいてNTNプラットフォームタイプを間接的に(implicit)推定することができる。端末はこの推定された情報により衛星タイプなどを判断し、GEOシナリオである場合、RRC再設定により与えられた(UE-specific)Kオフセットのみが有効であると判断する。この場合、端末はMAC-CEにより指示される(UE-specific)Kオフセット値を無視したりMAC-CEによりKオフセット値又は更新が指示されることを期待しない。ここで、更新される(UE-specific)Kオフセットの場合、システム情報により指示されるセル-特定のKオフセットとの差の値(differential)に指示される。
【0278】
又は、RRC再設定とMAC-CEの全てによりKオフセット値又は更新が指示される場合、MAC-CEを用いた更新に対する指示ではRRC再設定値を基準とする差の値が指示される。この場合、端末は該当値の累積値(差の値の累積値)を用いてKオフセット値を更新する。
【0279】
一方、NTNに関連してK_macの構成がさらに導入され、以下ではK_mac及びKオフセットを運営する方法について詳しく説明する。
【0280】
これに関連して、Kオフセットの単位は所定の副搬送波間隔(subcarrier spacing,SCS)に対するスロット数であり、K_macの単位は所定の副搬送波間隔に対するスロット数である。一方、副搬送波間隔の値はNTNに関連するシナリオ(例えば、GEOシナリオ、LEOシナリオなど)に対して1つの値であるか、又は他の値が設定される(one subcarrier spacing value or different subcarrier spacing values for different scenarios)。
【0281】
具体的には、Kオフセット及び/又はK_mac値は、衛星シナリオ(例えば、GEOシナリオ、LEOシナリオなど)又は衛星(NTN platform)タイプによって値の範囲及び与えられる(使用する)SCSが異なる。ここで、衛星シナリオはLEO earth-moving beam、LEO earth-Fixed beam、GEO、HAPs、ATGなどを含む(表7及び表8を参照)。
【0282】
又は、Kオフセット及び/又はK_mac値は、上述した全ての衛星シナリオ又は衛星(NTN platform)タイプに対して1つの値を有するか、又は衛星シナリオ又は衛星(NTN platform)タイプごとに別の値の範囲及び/又はSCSが設定される。
【0283】
又は、Kオフセット及び/又はK_mac値の範囲は各FRごとに設定される(又は範囲各FRごとの1つの代表値を設定する)。即ち、各シナリオごとに異なるバンドが使用されることを考慮して、各バンドごとにKオフセット及び/又はK_mac値の範囲が設定される。例えば、衛星と端末間の距離が遠いGEOシナリオの場合、FR1帯域であるLバンド又はSバンドが使用される。LEOシナリオの場合は、FR2帯域であるKa/Kuバンドが使用される。これを考慮して、FRごとにKオフセットに対する範囲が設定/指示される。Kオフセット/K_macの指示のための各FRごとのビット幅及び/又は粒度は異なっても良い。これに関連するNTNで使用される周波数バンドは以下の表9のように定義される。ここで、Lバンドは1GHz~2GHz帯域、Sバンドは2GHz~4GHz帯域、Kuバンドは12GHz~18GHz帯域、またKaバンドは26.5GHz~40GHz帯域に定義される。
【0284】
又は、FRごとにKオフセットを区分する方法以外にNTN支援のための周波数バンドのそれぞれに対してKオフセット及び/又はK_macの範囲(及び/又は粒度)が設定され(例えば、周波数バンド又はFRごとに特定のKオフセット値の範囲がマッピング又はtieされ)、このマッピング結果によって周波数バンドごとに対応するKオフセット値が指示/設定される。周波数バンドはFDD/TDDバンドごとに異なる。特にFDDである場合、UL/DLが同一のKオフセット/K_mac値がペアで同一に動作するか、又はULバンドに対して限定的に設定される。
【0285】
又は、特定の周波数バンド又はFRごとに複数のKオフセット/K_mac範囲が設定され、範囲内で特定の周波数バンドに対するKオフセット及び/又はK_macが基地局により設定される。例えば、{0,…,42000}である第1範囲内でKオフセット1を設定し、{0,…,84000}である第2範囲内でKオフセット2を設定し、それに関する設定情報をSIB又はRRCなどの上位層信号により指示するか、又は上述したように、軌道情報などに基づいて黙示的に決定することができる。
【0286】
【表9】
【0287】
このように、提案2の場合、端末-特定のKオフセットの更新がトリガーされる条件を具体的に定義することにより、適切な状況において端末-特定のKオフセットの更新が要請される。またKオフセットの更新時点を明確に特定することにより、端末と基地局間のKオフセットの更新適用有無の曖昧さを解消することができる。
【0288】
一方、上述したKオフセットの更新及び更新されたKオフセット値の適用有無は、UEが送信する信号及び/又はBWPにより決定され、以下では更新されたKオフセット値が適用されるか又は適用されない場合について詳しく説明する。
【0289】
(2)提案3
【0290】
提案3はRACH手順及び/又は初期BWP(initial BWP)に関連するKオフセットを効率的に定義する方法を提案する。一方、上述した提案1及び提案2のように、セル-特定のKオフセットはシステム情報により伝達又は設定され、端末-特定のKオフセットはMAC-CE又はRRC再設定により指示されたセル-特定のKオフセットとの差の値に基づいて設定及び/又は更新される。
【0291】
基地局は端末にシステム情報によりKオフセットの初期値(又はセル-特定のKオフセット)を設定し、別の制御信号(RRC再設定、MAC-CE)により端末-特定のKオフセットを設定又は更新する。
【0292】
これに関連して、基地局が端末に設定するKオフセット値の更新有無には以下の条件のいずれかが考慮される。
【0293】
-(1)システム情報により設定された初期BWPに対するKオフセット(又はシステム情報により設定されたKオフセット又はセル-特定のKオフセット)は、端末のフォールバック動作(fall-back operation)のために設定されるので、初期設定されたKオフセット値は更新されないように約束される。具体的には、端末はシステム情報からKオフセットに対する初期値(又は初期BWPに対するKオフセット値)が設定され、初期値は端末のフォールバック動作のために更新されない値である。即ち、端末は初期BWPに対するKオフセットに関する情報を持続して維持及び格納することができる。
【0294】
-(2)セル-特定のKオフセットとUE-特定のKオフセット値が区分されてシグナリングされる。より具体的には、提案1及び/又は提案2で説明したように、セル特定のKオフセット(又は初期BWPに対するKオフセット)はシステム情報であるSIBのシグナリングにより初期値に設定され、UE-特定のKオフセット値はSIBのシグナリングと区分されるMAC-CE及びRRCシグナリングにより設定又は更新される。例えば、端末-特定のKオフセット値は‘セル-特定のKオフセット値-差の値’にMAC-CE及びRRCにより設定される。
【0295】
このとき、セル-特定のKオフセットは初期接続段階で設定された値にそのまま維持される(端末のメモリに格納)。UE-特定/UE-専用(dedicated)のシグナリング(例えば、UE dedicated RRC,MAC-CE,DCI)などにより指示/更新されるKオフセット値(例えば、端末-特定のKオフセット値)は、端末がNTNセルからサービスされる間に可変(更新)して適用/設定される。言い換えれば、SIBによりシグナリングされたKオフセット(初期Kオフセット又はセル-特定のKオフセット)は更新されず、MAC-CEなどの端末特定のシグナリングにより設定されたKオフセット(例えば、端末-特定のKオフセット)は端末特定のシグナリングにより更新又は可変する。
【0296】
即ち、RACH手順に関連するKオフセット値(又はシステム情報により伝達された初期値)は更新されない。ここで、RACH手順に関連するKオフセット値は上述したセル-特定のKオフセットに定義されるか又は見なされる。一方、Kオフセット値は用いられるタイムラインに従って互いに異なる値が適用される。それらのうち、RACH手順で使用されるKオフセット値はセル-特定のKオフセットに見なされるか又は取り扱われるので、RRC又はMAC-CEに更新されない。RACH手順に連関するKオフセット値は、i)及びii)のいずれかに関連するか、又はタイミング関係に対して考慮される。
【0297】
Kオフセット(例えば、セル-特定のKオフセット又はシステム情報によりシグナリングされた初期値)は、i)RARグラントによりスケジューリングされたPUSCHの送信タイミング(ここで、RARフォールバックにスケジューリングされたPUSCHの送信タイミングも含む。the Transmission timing of RAR grant scheduled PUSCH. Including fallback RAR scheduled PUSCH)、及び/又はii)MsgB及び/又はMsg4に対するPUCCH上のHARQ-ACKタイミング関係(the timing relationship of HARQ-ACK on PUCCH to MsgB/Msg4)を向上させるために使用される。
【0298】
具体的には、システム情報から設定されたKオフセットの初期値(又はセル-特定のKオフセット)はRARグラントによりスケジューリングされたPUSCHの送信タイミングを決定するか、又はMSG B及び/又はMSG 4のHARQ-ACKの送信タイミングを決定するときに使用される。上述したように、MAC-CEなどによりセル-特定のKオフセットに基づいて端末-特定のKオフセットが設定又は更新されてもRACH手順に関連する上りリンク信号を送信する場合に端末は更新されたKオフセットではないセル-特定のKオフセット値(又はシステム情報により設定された初期値)に基づいてRACH手順に関連する上りリンク信号の送信タイミングを決定することができる。
【0299】
又は、RACH関連Kオフセットの更新はCFRA(contention free random access)の場合に限って適用される。
【0300】
又は、RRC再設定とMAC-CE基盤の更新の両方が使用される場合、シグナリングオーバーヘッドを減少するために、RRC再設定とMAC-CE基盤の間の粒度を異なるように設定する。例えば、RRC再設定基盤のKオフセットの更新は相対的に大きい単位の値(例えば、数~数十msec単位のKオフセット)の調整又は更新を指示し、MAC-CE基盤のKオフセットの更新は相対的に小さい単位の値(例えば、0.1~1msec単位のKオフセット)の調整又は更新を指示する。この場合、適用される最終Kオフセット値は最新の(有効な)RRC及びMAC-CEにより指示された値に基づいて決定される。ここで、有効な指示値であるか否かを決定するために(又は、有効な値を決定するために)、所定のタイミングウィンドウが設定される。この場合、所定のタイミングウィンドウ内で指示される値のみが有効な指示値として決定される。又はしきい値に基づいて端末が自ら有効性に関連する計算を行って上記指示された値の有効性有無を決定する。指示された値が有効ではない場合、端末は特定のデフォルト値(例えば、SIBにより設定された値)をKオフセット値として決定又は使用する。
【0301】
又は、RRC再設定により更新した値において、MAC-CEにより指示する差の値に基づいてKオフセットに対する追加更新が行われる。ここで、MAC-CEにより指示する値は+及び/又は-の値を有する。例えば、Kオフセットの更新値としてRRC再設定によりXが指示され、MAC-CEによりY値が指示される。この場合、最終Kオフセット値は所定のX及びYの関数に基づいて決定され、例えば、最終KオフセットはX+Yの値に決定又は設定される。
【0302】
又は、Kオフセット値は複数のBWPのそれぞれに対して設定される。具体的には、NTNの無線システムにおいて複数のBWPを用いて端末が無線通信を行うことができる。この場合、Kオフセット値は複数のBWPのそれぞれに対して互いに異なる値が設定される。ここで、Kオフセット値が更新される場合、(initial BWPにおいて)RACH手順に関連するKオフセットは更新されない。
【0303】
ここで、初期BWPに指示されるKオフセット値(即ち、システム情報により指示されるKオフセット値)はセル-特定のKオフセット値に更新される必要がない。この場合、初期BWPではないBWPで指示されるKオフセット値はビーム-特定又はビーム-グループ特定のKオフセット(即ち、UE特定のオフセット)値として指示される。
【0304】
NTNにおいて干渉緩和(interference mitigation)のために、周波数再使用因子(frequency reuse factor)を上げる方案が考えられる。そのための方案として、周波数ドメインでのリソースを区分して使用するFDM方式が考えられる。具体的には、周波数ドメインでのリソースはBWP及び/又はCC(component carrier)単位でFDMされる。
【0305】
一方、NTNセルがカバーするカバレッジ(又は、セルサイズ)が非常に大きいことを考慮して、複数のビーム(例えば、SSB及び/又はCSI-RS)が使用される。この場合、速いビームスイッチングのために、周波数領域ごとに(例えば、BWP)に特定のSSB及び/又はCSI-RS(特定のSSBとQCL-Dにより連結)に対応する少なくとも1つのビームが予めマッピングされる。この場合、BWPスイッチングにより、自動に遅延の問題が大きいNTNシステムにおいて速いビームスイッチングを達成できるという長所がある。また、NTNがカバーするカバレッジ(又はセルサイズ)が非常に大きいので(例えば、~数千km)、セル内に設定された複数のビーム間のセル内に設定された複数のビーム間の往復遅延(round-trip delay)差が発生し得る。従って、Kオフセット値はビーム又はビームグループによって異なるように設定される。この場合、NTNでは効果的な干渉管理のために、特定のビームがBWPにマッピングされて設定/指示され、これにより、KオフセットはBWPごとに異なるように設定される必要がある。
【0306】
例えば、基地局がシステム情報により複数のKオフセット値を指示/設定し、各Kオフセット値は各BWP IDにマッピングされる。マッピング順序又はマッピング関係(例えば、BWP IDとKオフセット値の間のマッピング関係)は、予め約束されるか又は基地局が追加して設定/指示する。また複数のBWPに対する複数のKオフセットを指示することにより発生するシグナリングのオーバーヘッドを減らすために、基地局は複数のKオフセットのいずれかを基準として残りのKオフセットのそれぞれの差の値を指示/設定する。例えば、初期BWPに指示されるKオフセットを基準値とし、基地局は基準値との差の値により残りのBWPに対するKオフセット値を設定/指示する。一般的には、セル-特定のKオフセット値は最悪の場合を想定して決定されるので、セル-特定のKオフセット値は設定可能な全てのKオフセット値のうち、最大値に(max値に)設定される。この場合、初期BWPではない他のBWPに設定されるKオフセット値は初期BWPに対するKオフセットに負の数である差の値を適用又は反映して設定される。即ち、初期BWPに対するKオフセット値は最大値を有するので、各BWPごとのKオフセット値を指示又は設定する差の値は負数である。
【0307】
このように端末は端末-特定のKオフセットが設定又は更新されてもRACHに関連する上りリンク信号に対してはシステム情報により設定された初期値(セル-特定のKオフセット)に基づく上りリンク信号の送信を行うことによりRACH手順に関連する端末のフォールバック動作が保障される。
【0308】
(4)提案4
【0309】
図13及び図14はDL及びULフレームのタイミング整列に関連してK_macを設定するための図である。
【0310】
MAC-CE action timingに関連して以下のシナリオが考えられる。
【0311】
-Kオフセット以外のスケジューリングオフセットとしてK_macに関連して、(1)下りリンク及び上りリンクフレームタイミングがgNBで整列される場合:i)PDSCHにおいてMAC-CE命令により指示される下りリンク設定に対するUE動作及び仮定のために、K_macが必要ではない。ii)PDSCHにおいてMAC-CE命令が指示する上りリンク構成に対するUE動作及び仮定のために、K_macが必要ではない。(2)下りリンク及び上りリンクフレームタイミングがgNBで整列されない場合:i)PDSCHにおいてMAC-CE命令が指示する下りリンク構成に対するUE動作及び仮定のためには、K_macが必要である。ii)PDSCHにおいてMAC-CE命令が指示する上りリンク構成に対するUE動作及び仮定のために、K_macが必要ではない。(3)参考:ここで、K_macが必要であることも必要ではないこともできる例外的なMAC CEタイミング関係を識別することが排除されない。
【0312】
NTNにおいて上述したようなMAC-CE action timingを適用するための追加タイミングオフセットであるK_macが設定/指示される。K_macの設定指示のために、(1)及び(2)が考慮される。
【0313】
-(1)明示的シグナリング(if UL-DL frame timing at gNB is not aligned):i)K_macはセル-特定のKオフセットの設定と同時にシグナリングされる。又はii)K_macはSIB、RRC、MAC-CE又はDCI(例えば、group-common DCI)によりシグナリングされる。
【0314】
-(2)黙示的シグナリング:K_macはi) UL-DLフレームタイミングシフトのシグナリング、ii)基準点のシグナリング、iii)共通TAにより黙示的にシグナリングされる。
【0315】
黙示的シグナリング方式(K_macを明示的にシグナリングしない場合)により、ネットワークが指示する他のパラメータにより端末がK_macを類推する方式が考えられる。K_macはパラメータの一部又は全部を使用した関数形態に基づいて類推される。パラメータの例として、UL-DLフレームタイミングシフトのシグナリング、ii)基準点のシグナリング、iii)共通TAが考えられる。ここで、UL-DLフレームタイミングシフトとは、基地局(gNB)のULとDLフレームの間のタイミング差であってスロット及び/又はシンボル(又は絶対時間、msec)で示され、基準点は図14に示すように、ゲートウェイ及び衛星の間(フィーダリンク)、又は衛星と端末の間(サービスリンク)に存在する点であるか、又は共通TAを定義するための点である。ここで、共通TAは衛星と基準点の間の距離を支援するために使用される(例えば、full TA=UE specific TA(to cover service link)+common TAと表現される)。この黙示的なシグナリング方式は重複するシグナリングのオーバーヘッドを減らすことができるという長所がある。
【0316】
図15は端末がKオフセットに基づいて上りリンク信号を送信する方法を説明するための図である。
【0317】
図15を参照すると、端末は第1Kオフセットを設定するシステム情報を基地局から受信する(S201)。第1KオフセットはNTNにおいて上りリンク信号の送信タイミング決定に追加して考慮されるオフセットである。システム情報により設定された第1KオフセットはKオフセットの初期値であるか、又はセル-特定のKオフセットである。ここで、KオフセットはNTNに対する上りリンク信号のタイミングを修正するためのスケジューリングオフセットであって、NTNに対してのみ適用されるオフセットである。
【0318】
次に、端末には第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号が基地局から受信される(S203)。第2Kオフセットは、上述したように、端末-特定のKオフセット、ビーム(グループ)特定のKオフセットに対応する。制御信号は第2Kオフセットを設定するための更新値を含む。上述したように、更新値は第1Kオフセットを基準とする差の値である。例えば、端末は第1Kオフセットに対する値に更新値を+/-した値を第2Kオフセットとして設定又は更新する。又は更新値は制御信号に含まれたMAC-CE(Media Access Control element)により指示又は設定される。又は制御信号はRRC再設定に関連する信号である。
【0319】
一方、提案3で上述したように、第1Kオフセットはセル-特定のKオフセットであって、制御信号により更新されない。即ち、第2Kオフセットのみが制御信号に基づいて更新される。
【0320】
又は、第2Kオフセットは複数のBWPのそれぞれに対して設定される。例えば、NTNは複数のBWPを支援し、BWPごとに対応する第2Kオフセット値が設定される。この場合、端末は制御情報に基づいて対応するBWPに対する第2Kオフセットを設定又は更新する。
【0321】
又は、第2Kオフセットは端末に関連するビームグループごとに設定される。例えば、端末は複数のビームグループに基づいて基地局と通信を行う。この場合、端末は、上述したように、制御信号によりビームグループごとに対応する第2Kオフセットを設定又は更新する。
【0322】
一方、上記提案2で説明したように、更新された第2Kオフセット(例えば、制御信号のMAC-CEに指示された差の値により更新された第2Kオフセット)は、MAC-CEの受信成功に対するACKの送信時点から所定の時間(x-スロット、x-シンボル、x-ms)後に適用される。又は更新された第2Kオフセットは基地局でのACKの受信時点から所定の時間(x-スロット、x-シンボル、x-ms)後に適用される。
【0323】
次に、端末は第1Kオフセット又は第2Kオフセットに基づいて上りリンク信号を送信する(S205)。具体的には、図12を参照して説明したように、NTNにおいて端末はKオフセットをさらに考慮して上りリンク信号の送信タイミングを決定する。即ち、端末は上りリンク信号の送信タイミング決定においてTA値だけではなく、第1Kオフセット及び/又は第2Kオフセットを考慮して上りリンク信号の送信タイミングを決定する。
【0324】
又は、端末は上りリンク信号の種類及び/又はタイプに基づいて第1Kオフセット及び第2KオフセットのいずれのKオフセットを決定する。具体的には、端末は第2Kオフセットが設定された場合に基地局との通信において原則的に第2Kオフセット(又は制御信号から差の値又は更新値が指示されない場合に第1Kオフセット)に基づいて上りリンク信号を送信する。但し、上りリンク信号がRACHに関連する信号である場合、端末は端末-特定のKオフセットである第2Kオフセットが設定されても第2Kオフセットではない第1Kオフセットに基づいて上りリンク信号を送信する。即ち、フォールバック動作を保障するために、上りリンク信号がRACHに関連する上りリンク信号は端末-特定のKオフセットである第2Kオフセットではないシステム情報により設定される第1Kオフセットに基づいて常に送信される。ここで、RACH手順に関連する信号は、上述したように、RAR(Random Access Response)上りリンクグラントによりスケジューリングされた上りリンク信号であるか、又はMsg B(又はMsg 4)に対するACKを含む上りリンク信号である。
【0325】
又は、上りリンク信号がCFRA(contention free random access)に対するRACH手順に関連する信号である場合は、端末は、上記とは異なり、第1Kオフセット及び第2Kオフセットに基づいて上りリンク信号を送信する。
【0326】
又は、第1Kオフセットはセル-特定のKオフセットであって、制御信号により更新されない。即ち、端末は制御信号が受信された場合に第1Kオフセットではない第2Kオフセットのみを可変又は更新し、第1Kオフセットは初期値に維持される。
【0327】
図16は基地局が端末から上りリンク信号を受信する方法を説明するための図である。
【0328】
図15を参照すると、基地局は第1Kオフセットを設定するシステム情報を端末に送信する(S301)。第1KオフセットはNTNにおいて上りリンク信号の送信タイミング決定に追加して考慮されるオフセットである。システム情報により設定された第1KオフセットはKオフセットの初期値であるか、又はセル-特定のKオフセットである。即ち、基地局はシステム情報により端末にセル-特定のKオフセットを設定することができる。
【0329】
次に、基地局は第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号を端末に送信する(S303)。第2Kオフセットは、上述したように、端末-特定のKオフセット、ビーム(グループ)特定のKオフセットに対応する。制御信号は第2Kオフセットを設定するための更新値を含む。上述したように、更新値は第1Kオフセットを基準とする差の値である。例えば、基地局は第1Kオフセットと上記設定しようとする第2Kオフセットの間の差の値を制御信号により端末に伝達して第2Kオフセットの設定及び/又は更新を端末に指示する。又は更新値は制御信号に含まれたMAC-CE(Media Access Control element)により指示又は設定される。又は、制御信号はRRC再設定に関連する信号である。
【0330】
一方、提案3で上述したように、第1Kオフセットはセル-特定のKオフセットであって、制御信号により更新されない。即ち、第2Kオフセットのみが制御信号に基づいて更新される。
【0331】
又は、第2Kオフセットは複数のBWPのそれぞれに対して設定される。例えば、NTNは複数のBWPを支援し、BWPごとに対応する第2Kオフセット値が設定される。この場合、基地局は制御情報によりBWPごとに対応する第2Kオフセットを設定又は更新する。
【0332】
又は、第2Kオフセットは端末に関連するビームグループごとに設定される。例えば、基地局はビームグループごとに対応する第2Kオフセットの設定又は更新を制御信号により指示する。
【0333】
次に、基地局は第1Kオフセット又は第2Kオフセットに基づいて端末が送信した上りリンク信号を受信する(S305)。具体的には、図12を参照して説明したように、NTNにおいて基地局はKオフセットをさらに考慮して上りリンク信号の受信タイミングを決定する。即ち、基地局は上りリンク信号の送信タイミング決定においてTA値だけではなく、第1Kオフセット及び/又は第2Kオフセットを考慮して上りリンク信号の受信タイミングを決定する。
【0334】
又は、基地局は端末が送信する上りリンク信号の種類及び/又はタイプに基づいて第1Kオフセット及び/又は第2Kオフセットに基づいて上りリンク信号を受信する。具体的には、基地局が端末に第2Kオフセットを設定した場合、基地局は第2Kオフセット(又は第1Kオフセット及び第2Kオフセット)に基づいて上りリンク信号を受信する。但し、上りリンク信号がRACHに関連する信号である場合は、基地局は端末-特定のKオフセットである第2Kオフセットを端末に設定しても第2Kオフセットではない第1Kオフセットに基づいて上りリンク信号を受信することができる。即ち、フォールバック動作を保障するために、上りリンク信号がRACHに関連する上りリンク信号である場合、基地局は端末-特定のKオフセットである第2Kオフセットではないシステム情報により設定される第1Kオフセットに基づいて上りリンク信号を常に受信する。ここで、RACH手順に関連する信号は、上述したように、RAR(Random Access Response)上りリンクグラントによりスケジューリングされた上りリンク信号であるか、又はMsg B(又はMsg 4)に対するACKを含む上りリンク信号である。
【0335】
又は、上りリンク信号がCFRA(contention free random access)に対するRACH手順に関連する信号である場合、基地局は、上記とは異なり、第1Kオフセット及び第2Kオフセット(又は第2Kオフセット)に基づいて上りリンク信号を受信する。
【0336】
又は、第1Kオフセットはセル-特定のKオフセットであって、制御信号により更新されない。即ち、基地局は制御信号により第1Kオフセットではない第2Kオフセットのみを可変又は更新することができる。この場合、第1Kオフセットは初期値に維持される。
【0337】
このようにNTNの特性を考慮してKオフセットをさらに反映し、端末ごとに端末-特定のKオフセットを導入し、RACH手順に関連する上りリンク信号に端末-特定のKオフセットではないシステム情報により設定されたセル-特定のKオフセットに基づいて常に上りリンク信号を送信するように制限して、端末のフォールバック動作を効率的に保障することができる。
【0338】
上述した提案方式に対する一例もこの明細書の具現方法の一つとして含まれるので、一種の提案方式として見なすことができる。また、上述した提案方式は独立して具現してもよく、一部の提案方式の組み合わせ(或いは併合)の形態で具現してもよい。上述した提案方法の適用有無に関する情報(或いは提案方法の規則に関する情報)は基地局が端末に所定の信号(例えば、物理層信号或いは上位層信号)により知らせるように規定される。上位層は、例えば、MAC、RLC、PDCP、RRC、SDAPのような機能的層のいずれかを含む。
【0339】
この明細書で提案する方法を具現するための方法、実施例又は説明は個々に適用してもよく、又は一つ以上の方法(又は実施例又は説明)を結合して適用してもよい。
【0340】
本発明が適用される通信システムの例
【0341】
これに限られないが、この明細書に開示された本発明の様々な説明、機能、手順、提案、方法及び/又はフローチャートは、機器間無線通信/連結(例えば、5G)を必要とする様々な分野に適用することができる。
【0342】
以下、図面を参照しながらより具体的に説明する。以下の図/説明において、同じ図面符号は特に言及しない限り、同一又は対応するハードウェアブロック、ソフトウェアブロック又は機能ブロックを例示する。
【0343】
図17は本発明が適用される通信システム1を例示する。
【0344】
図17を参照すると、本発明に適用される通信システム1は、無線機器、基地局及びネットワークを含む。ここで、無線機器は無線接続技術(例えば、5G NR、LTE)を用いて通信を行う機器を意味し、通信/無線/5G機器とも称される。これに限られないが、無線機器はロボット100a、車両100b-1,100b-2、XR(eXtended Reality)機器100c、携帯機器(Hand-held Device)100d、家電100e、IoT(Internet of Thing)機器100f及びAI機器/サーバ400を含む。例えば、車両は無線通信機能が備えられた車両、自律走行車両、車両間通信可能な車両などを含む。ここで、車両はUAV(Unmanned Aerial Vehicle)(例えば、ドローン)を含む。XR機器はAR(Augmented Reality)/VR(Virtual Reality)/MR(Mixed Reality)機器を含み、HMD(Head-Mounted Device)、車両に備えられたHUD(Head-Up Display)、TV、スマートホン、コンピュータ、ウェアラブルデバイス、家電機器、デジタル看板、車両、ロボットなどの形態で具現される。携帯機器はスマートホン、スマートパッド、ウェアラブル機器(例えば、スマートウォッチ、スマートグラス)、コンピュータ(例えば、ノートブックパソコンなど)などを含む。家電はTV、冷蔵庫、洗濯機などを含む。IoT機器はセンサ、スマートメータなどを含む。例えば、基地局、ネットワークは無線機器にも具現され、特定の無線機器200aは他の無線機器に基地局/ネットワークノードで動作することもできる。
【0345】
無線機器100a~100fは基地局200を介してネットワーク300に連結される。無線機器100a~100fにはAI(Artificial Intelligence)技術が適用され、無線機器100a~100fはネットワーク300を介してAIサーバ400に連結される。ネットワーク300は3Gネットワーク、4G(例えば、LTE)ネットワーク又は5G(例えば、NR)ネットワークなどを用いて構成される。無線機器100a~100fは基地局200/ネットワーク300を介して互いに通信できるが、基地局/ネットワークを介することなく、直接通信することもできる(例えば、サイドリンク通信)。例えば、車両100b-1、100b-2は直接通信することができる(例えば、V2V(Vehicle to Vehicle)/V2X(Vehicle to everything)通信)。またIoT機器(例えば、センサ)は他のIoT機器(例えば、センサ)又は他の無線機器100a~100fと直接通信することができる。
【0346】
無線機器100a~100f/基地局200、基地局200/基地局200の間では無線通信/連結150a、150b、150cが行われる。ここで、無線通信/連結は上り/下りリンク通信150aとサイドリンク通信150b(又は、D2D通信)、基地局間通信150c(例えば、relay、IAB(Integrated Access Backhaul)のような様々な無線接続技術により行われる(例えば、5G NR)。無線通信/連結150a、150b、150cにより無線機器と基地局/無線機器、基地局と基地局は互いに無線信号を送/受信することができる。例えば、無線通信/連結150a、150b、150cは様々な物理チャネルを介して信号を送/受信することができる。このために、本発明の様々な提案に基づいて、無線信号の送/受信のための様々な構成情報の設定過程、様々な信号処理過程(例えば、チャネル符号化/復号、変調/復調、リソースマッピング/デマッピングなど)、リソース割り当て過程のうちのいずれか一つが行われる。
【0347】
本発明が適用される無線機器の例
【0348】
図18は本発明に適用される無線機器を例示する。
【0349】
図18を参照すると、第1無線機器100と第2無線機器200は様々な無線接続技術(例えば、LTE、NR)により無線信号を送受信する。ここで、{第1無線機器100、第2無線機器200}は図17の{無線機器100x、基地局200}及び/又は{無線機器100x、無線機器100x}に対応する。
【0350】
第1無線機器100は一つ以上のプロセッサ102及び一つ以上のメモリ104を含み、さらに一つ以上の送受信機106及び/又は一つ以上のアンテナ108を含む。プロセッサ102はメモリ104及び/又は送受信機106を制御し、この明細書に開示された説明、機能、手順、提案、方法及び/又はフローチャートを具現するように構成される。例えば、プロセッサ102はメモリ104内の情報を処理して第1情報/信号を生成した後、送受信機106で第1情報/信号を含む無線信号を送信する。またプロセッサ102は送受信機106で第2情報/信号を含む無線信号を受信した後、第2情報/信号の信号処理から得た情報をメモリ104に格納する。メモリ104はプロセッサ102に連結され、プロセッサ102の動作に関連する様々な情報を格納する。例えば、メモリ104はプロセッサ102により制御されるプロセスのうちの一部又は全部を行うか、又はこの明細書に開示された説明、機能、手順、提案、方法及び/又はフローチャートを行うための命令を含むソフトウェアコードを格納する。ここで、プロセッサ102とメモリ104は無線通信技術(例えば、LTE、NR)を具現するように設計された通信モデム/回路/チップの一部である。送受信機106はプロセッサ102に連結され、一つ以上のアンテナ108により無線信号を送信及び/又は受信する。送受信機106は送信機及び/又は受信機を含む。送受信機106はRF(radio Frequency)ユニットとも混用することができる。本発明において、無線機器は通信モデム/回路/チップを意味することもできる。
【0351】
一実施例によれば、第1無線機器100又は端末は、送受信機106に連結されるプロセッサ102とメモリ104を含む。メモリ104には図11ないし図16で説明された実施例に関連する動作を行う少なくとも1つのプログラムが含まれる。
【0352】
具体的には、プロセッサ102は送受信機106を制御してNTNに対する上りリンク信号のタイミングを修正するためのスケジューリングオフセットである第1Kオフセットを設定するシステム情報を受信し、第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号を受信し、第1Kオフセット又は第2Kオフセットに基づいて上りリンク信号を送信し、RACHに関連する上りリンク信号に基づいて、上りリンク信号は第1Kオフセットに基づいて送信される。
【0353】
又は、プロセッサ102及びメモリ104を含むチップセットが構成される。この場合、チップセットは少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのプロセッサに動作可能に連結され、実行されるとき、少なくとも1つのプロセッサが動作を行うようにする少なくとも1つのメモリを含み、この動作は、NTNに対する上りリンク信号のタイミングを修正するためのスケジューリングオフセットである第1Kオフセットを設定するシステム情報を受信し、第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号を受信し、第1Kオフセット又は第2Kオフセットに基づいて上りリンク信号を送信する動作を含み、RACHに関連する上りリンク信号に基づいて、上りリンク信号は第1Kオフセットに基づいて送信される。また少なくとも1つのプロセッサはメモリに含まれたプログラムに基づいて図11ないし図16で説明した実施例のための動作を行う。
【0354】
又は、少なくとも1つのプロセッサが動作を行うようにする少なくとも1つのコンピュータプログラムを含むコンピュータ読み取り可能な格納媒体が提供され、この動作は、NTNに対する上りリンク信号のタイミングを修正するためのスケジューリングオフセットである第1Kオフセットを設定するシステム情報を受信し、第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号を受信し、第1Kオフセット又は第2Kオフセットに基づいて上りリンク信号を送信する動作を含み、RACHに関連する上りリンク信号に基づいて、上りリンク信号は第1Kオフセットに基づいて送信される。また、コンピュータプログラムは図11ないし図16で説明した実施例のための動作を行うプログラムを含む。
【0355】
第2無線機器200は一つ以上のプロセッサ202及び一つ以上のメモリ204を含み、さらに一つ以上の送受信機206及び/又は一つ以上のアンテナ208を含む。プロセッサ202はメモリ204及び/又は送受信機206を制御し、この明細書に開示された説明、機能、手順、提案、方法及び/又はフローチャートを具現するように構成される。例えば、プロセッサ202はメモリ204内の情報を処理して第3情報/信号を生成した後、送受信機206で第3情報/信号を含む無線信号を送信する。またプロセッサ202は送受信機206で第4情報/信号を含む無線信号を受信した後、第4情報/信号の信号処理から得た情報をメモリ204に格納する。メモリ204はプロセッサ202に連結され、プロセッサ202の動作に関連する様々な情報を格納する。例えば、メモリ204はプロセッサ202により制御されるプロセスのうちの一部又は全部を行うか、又はこの明細書に開示された説明、機能、手順、提案、方法及び/又はフローチャートを行うための命令を含むソフトウェアコードを格納する。ここで、プロセッサ202とメモリ204は無線通信技術(例えば、LTE、NR)を具現するように設計された通信モデム/回路/チップの一部である。送受信機206はプロセッサ202に連結され、一つ以上のアンテナ208により無線信号を送信及び/又は受信する。送受信機206は送信機及び/又は受信機を含む。送受信機206はRFユニットとも混用することができる。本発明において、無線機器は通信モデム/回路/チップを意味することもできる。
【0356】
一実施例によれば、基地局又はNTNはプロセッサ202、メモリ204及び/又は送受信機206を含む。プロセッサ202は送受信機206又はRF送受信機を制御してNTNに対する上りリンク信号のタイミングを修正するためのスケジューリングオフセットである第1Kオフセットを設定するシステム情報を受信し、第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新する制御信号を受信し、第1Kオフセット又は第2Kオフセットに基づいて上りリンク信号を送信し、RACHに関連する上りリンク信号に基づいて、上りリンク信号は第1Kオフセットに基づいて送信される。またプロセッサ202は図11ないし図16で説明した実施例に関連する動作を行える少なくとも1つのプログラムが含むメモリ204に基づいて上述した動作を行うことができる。
【0357】
以下、無線機器100,200のハードウェア要素についてより具体的に説明する。これに限られないが、一つ以上のプロトコル層が一つ以上のプロセッサ102,202により具現される。例えば、一つ以上のプロセッサ102,202は一つ以上の層(例えば、PHY、MAC、RLC、PDCP、RRC、SDAPのような機能的層)を具現する。一つ以上のプロセッサ102,202はこの明細書に開示された説明、機能、手順、提案、方法及び/又はフローチャートによって一つ以上のPDU(Protocol Data Unit)及び/又は一つ以上のSDU(Service Data Unit)を生成する。一つ以上のプロセッサ102,202はこの明細書に開示された説明、機能、手順、提案、方法及び/又はフローチャートによってメッセージ、制御情報、データ又は情報を生成する。一つ以上のプロセッサ102,202はこの明細書に開示された機能、手順、提案及び/又は方法によってPDU、SDU、メッセージ、制御情報、データ又は情報を含む信号(例えば、ベースバンド信号)を生成して、一つ以上の送受信機106,206に提供する。一つ以上のプロセッサ102,202は一つ以上の送受信機106,206から信号(例えば、ベースバンド信号)を受信して、この明細書に開示された説明、機能、手順、提案、方法及び/又はフローチャートによってPDU、SDU、メッセージ、制御情報、データ又は情報を得ることができる。
【0358】
一つ以上のプロセッサ102,202はコントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ又はマイクロコンピュータとも称される。一つ以上のプロセッサ102,202はハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより具現される。一例として、一つ以上のASIC(Application Specific Integrated Circuit)、一つ以上のDSP(Digital Signal Processor)、一つ以上のDSPD(Digital Signal Processing Device)、一つ以上のPLD(Programmable Logic Device)又は一つ以上のFPGA(Field Programmable Gate Arrays)が一つ以上のプロセッサ102,202に含まれる。この明細書に開示された説明、機能、手順、提案、方法及び/又はフローチャートはファームウェア又はソフトウェアを使用して具現され、ファームウェア又はソフトウェアはモジュール、手順、機能などを含むように具現される。この明細書に開示された説明、機能、手順、提案、方法及び/又はフローチャートを行うように設定されたファームウェア又はソフトウェアは一つ以上のプロセッサ102,202に含まれるか、又は一つ以上のメモリ104,204に格納されて一つ以上のプロセッサ102,202により駆動される。この明細書に開示された説明、機能、手順、提案、方法及び/又はフローチャートはコード、命令語(instruction)及び/又は命令語集合の形態でファームウェア又はソフトウェアを使用して具現される。
【0359】
一つ以上のメモリ104,204は一つ以上のプロセッサ102,202に連結され、様々な形態のデータ、信号、メッセージ、情報、プログラム、コード、指示及び/又は命令を格納する。一つ以上のメモリ104,204はROM、RAM、EPROM、フラッシメモリ、ハードドライブ、レジスター、キャッシュメモリ、コンピュータ読み取り格納媒体及び/又はこれらの組み合わせにより構成される。一つ以上のメモリ104,204は一つ以上のプロセッサ102,202の内部及び/又は外部に位置する。また、一つ以上のメモリ104,204は有線又は無線連結のような様々な技術により一つ以上のプロセッサ102,202に連結される。
【0360】
一つ以上の送受信機106,206は一つ以上の他の装置にこの明細書における方法及び/又はフローチャートなどで言及されたユーザデータ、制御情報、無線信号/チャネルなどを送信することができる。一つ以上の送受信機106,206は一つ以上の他の装置からこの明細書に開示された説明、機能、手順、提案、方法及び/又はフローチャートなどで言及されたユーザデータ、制御情報、無線信号/チャネルなどを受信することができる。例えば、一つ以上の送受信機106,206は一つ以上のプロセッサ102,202に連結され、無線信号を送受信する。例えば、一つ以上のプロセッサ102,202は一つ以上の送受信機106,206が一つ以上の他の装置にユーザデータ、制御情報又は無線信号を送信するように制御することができる。また、一つ以上のプロセッサ102,202は一つ以上の送受信機106,206が一つ以上の他の装置からユーザデータ、制御情報又は無線信号を受信するように制御することができる。一つ以上の送受信機106,206は一つ以上のアンテナ108,208に連結され、一つ以上の送受信機106,206は一つ以上のアンテナ108,208によりこの明細書に開示された説明、機能、手順、提案、方法及び/又はフローチャートなどで言及されるユーザデータ、制御情報、無線信号/チャネルなどを送受信するように設定される。この明細書において、一つ以上のアンテナは複数の物理アンテナであるか、複数の論理アンテナである(例えば、アンテナポート)。一つ以上の送受信機106,206は受信されたユーザデータ、制御情報、無線信号/チャネルなどを一つ以上のプロセッサ102,202を用いて処理するために、受信された無線信号/チャネルなどをRFバンド信号からベースバンド信号に変換する(Convert)。一つ以上の送受信機106,206は一つ以上のプロセッサ102,202を用いて処理されたユーザデータ、制御情報、無線信号/チャネルなどをベースバンド信号からRFバンド信号に変換する。このために、一つ以上の送受信機106,206は(アナログ)オシレーター及び/又はフィルターを含む。
【0361】
本発明が適用される無線機器の活用例
【0362】
図19は本発明に適用される無線機器の他の例を示す。無線機器は使用例/サービスによって様々な形態で具現される。
【0363】
図19を参照すると、無線機器100,200は図18の無線機器100,200に対応し、様々な要素(element)、成分(component)、ユニット/部及び/又はモジュールで構成される。例えば、無線機器100,200は通信部110、制御部120、メモリ部130及び追加要素140を含む。通信部は通信回路112及び送受信機114を含む。例えば、通信回路112は図18における1つ以上のプロセッサ102,202及び/又は1つ以上のメモリ104,204を含む。例えば、送受信機114は図18の1つ以上の送受信機106,206及び/又は1つ以上のアンテナ108,208を含む。制御部120は通信部110、メモリ部130及び追加要素140に電気的に連結され、無線機器の諸般動作を制御する。例えば、制御部120はメモリ部130に格納されたプログラム/コード/命令/情報に基づいて無線機器の電気的/機械的動作を制御する。また制御部120はメモリ部130に格納された情報を通信部110により外部(例えば、他の通信機器)に無線/有線インターフェースにより送信するか、又は通信部110により外部(例えば、他の通信機器)から無線/有線インターフェースにより受信された情報をメモリ部130に格納する。
【0364】
追加要素140は無線機器の種類によって様々に構成される。例えば、追加要素140はパワーユニット/バッテリー、入出力部(I/O unit)、駆動部及びコンピュータ部のうち、いずれか1つを含む。これに限られないが、無線機器はロボット(図6、100a)、車両(図6、100b-1、100b-2)、XR機器(図6、100c)、携帯機器(図6、100d)、家電(図6、100e)、IoT機器(図6、100f)、デジタル放送用端末、ホログラム装置、公共安全装置、MTC装置、医療装置、フィンテック装置(又は金融装置)、保安装置、気候/環境装置、AIサーバ/機器(図6、400)、基地局(図6、200)及びネットワークノードなどの形態で具現される。無線機器は使用例/サービスによって移動可能であるか、又は固定した場所で使用される。
【0365】
図19において、無線機器100,200内の様々な要素、成分、ユニット/部及び/又はモジュールは全体が有線インターフェースにより互いに連結されるか、又は少なくとも一部が通信部110により無線連結される。例えば、無線機器100,200内で制御部120と通信部110は有線連結され、制御部120と第1ユニット(例えば、130、140は通信部110により無線連結される。また無線機器100,200内の各要素、成分、ユニット/部及び/又はモジュールは1つ以上の要素をさらに含む。例えば、制御部120は1つ以上のプロセッサ集合で構成される。例えば、制御部120は通信制御プロセッサ、アプリケーションプロセッサ(Application PROCESSOR)、ECU(Electronic control Unit)、グラフィック処理プロセッサ、メモリ制御プロセッサなどの集合で構成される。他の例として、メモリ部130はRAM(Random Access Memory)、DRAM(Dynamic RAM)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash Memory)、揮発性メモリ(volatile Memory)、非揮発生メモリ及び/又はこれらの組み合わせで構成される。
【0366】
ここで、この明細の無線機器100,200で具現される無線通信技術はLTE、NR及び6Gだけではなく、低電力通信のためのNB-IoT(Narrowband Internet of Things)を含む。このとき、例えば、NB-IoT技術はLPWAN(Low Power Wide Area Network)技術の一例であり、LTE Cat NB1及び/又はLTE Cat NB2などの規格で具現され、上述した名称に限定されない。さらに又は或いは、この明細書の無線機器XXX,YYYで具現される無線通信技術はLTE-M技術に基づいて通信を行う。このとき、一例として、LTE-M技術はLPWAN技術の一例であり、eMTC(enhanced Machine Type Communication)などの様々な名称に呼ばれる。例えば、LTE-M技術は、1)LTE CAT0、2)LTE Cat M1、3)LTE Cat M2、4)LTE non-BL(non-Bandwidth Limited)、5)LTE-MTC、6)LTE Machine Type Communication、及び/又は7)LTE Mなどの様々な規格のうちのいずれかに具現され、上述した名称に限定されない。さらに又は或いは、この明細書の無線機器XXX,YYYで具現される無線通信技術は、低電力通信を考慮したZigBee(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))及び低電力広域通信網(Low Power Wide Area Network、LPWAN)のいずれかを含み、上述した名称に限定されない。一例として、ZigBee技術はIEEE802.15.4などの様々な規格に基づいて小型/低電力デジタル通信に関連するPAN(personal area networks)を生成し、様々な名称に呼ばれる。
【0367】
以上説明した実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定形態に結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮される。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することもでき、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部構成や特徴は他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替わってもよい。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めたりできるということは明らかである。
【0368】
この明細書において、この発明の実施例は主に端末と基地局の間の信号送受信関係を中心として説明されている。かかる送受信関係は、端末とリレー又は基地局とリレーの間の信号送受信にも同様/同一に拡張できる。本文書で基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。即ち、基地局を含む複数のネットワークノードからなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われ得ることは明らかである。基地局は固定局(fixed station)、Node b、eNode b(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語にしてもよい。また端末はUE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)などの用語にしてもよい。
【0369】
この発明による実施例は様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの結合などにより具現される。ハードウェアによる具現の場合、この発明の一実施例は1つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現される。
【0370】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合は、この発明の一実施例は以上で説明した機能又は動作を行うモジュール、手順又は関数などの形態で具現される。ソフトウェアコードはメモリに格納されてプロセッサにより駆動される。メモリユニットはプロセッサの内部又は外部に設けられ、公知の様々な手段によってプロセッサとデータをやり取りする。
【0371】
本発明は、本発明の特徴を逸脱しない範囲で他の特定の形態に具体化できることは当業者にとって自明である。よって、前記の詳細な説明は、全ての面で制限的に解釈してはならなく、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的解釈によって決定しなければならなく、本発明の等価的範囲内での全ての変更は本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0372】
上述したような本発明の実施形態は様々な移動通信システムに適用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12(a)】
図12(b)】
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2023-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線通信システムにおいてUE(User Equipment)が上りリンク信号を送信する方法であって
1Kオフセットを設定するためのシステム情報を受信する段階と、
前記第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新するための制御信号を受信する段階と、
前記第1Kオフセット又は前記第2Kオフセットに基づいて前記上りリンク信号を送信する段階と、を含み、
RACH(Random Access Channel)手順に関連する前記上りリンク信号に基づいて、前記上りリンク信号は前記第1Kオフセットに基づいて送信される、方法。
【請求項2】
前記RACH手順に関連しない前記上りリンク信号に基づいて、前記上りリンク信号は前記第2Kオフセットに基づいて送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2Kオフセットは前記制御信号のMAC-CE(Media Access Control element)に含まれた前記第1Kオフセットと前記第2Kオフセットの間の差に基づいて設定又は更新される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記差により更新された前記第2Kオフセットは前記MAC-CEの受信成功に対するACK(Acknowledgement)送信された時点は前記ACKが基地局により受信された時点からx個の所定のスロット後に適用される、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1Kオフセットはル特定のKオフセットを設定するための値であり、
前記第1Kオフセットは、前記制御信号のMAC-CE(Media Access Control element)により更新されない、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1Kオフセット及び前記第2Kオフセットに基づいて、前記上りリンク信号の送信タイミングが決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記RACH手順に関連する前記信号はRAR(Random Access Response)上りリンクグラントによりスケジューリングされた上りリンク信号である、又は前記RACH手順に関連する下りリンク信号に対するACKを含む上りリンク信号である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2Kオフセットは複数のBWP(Bandwidth Part)のそれぞれに対して設定される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2Kオフセットは複数のビームグループのそれぞれに対して設定される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
CFRA(contention free random access)に対する前記RACH手順に関連する前記上りリンク信号は前記第1Kオフセット及び第2Kオフセットに基づいて送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
線通信システムにおいて上りリンク信号を送信するUE(User Equipment)であって、
RF(Radio Frequency)送受信機、及び
前記RF送受信機に連結されるプロセッサを含み、
前記プロセッサは、前記RF送受信機を制御して
第1Kオフセットを設定するためのシステム情報を受信し、
前記第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新するための制御信号を受信し、
前記第1Kオフセット又は前記第2Kオフセットに基づいて前記上りリンク信号を送信し、
RACH(Random Access Channel)手順に関連する前記上りリンク信号に基づいて、前記上りリンク信号は前記第1Kオフセットに基づいて送信される、UE
【請求項12】
線通信システムにおいて上りリンク信号を送信する動作を行うための少なくとも1つのコンピュータプログラムを含むコンピュータ読み取り可能な格納媒体であって、
前記少なくとも1つのプロセッサ前記上りリンク信号を送信する動作を行わせるように構成された少なくとも1つのコンピュータプログラムと、
前記少なくとも1つのコンピュータプログラム格納するように構成されたコンピュータ読み取り可能な格納媒体と、を含み、
前記動作は
1Kオフセットを設定するためのシステム情報を受信することと
前記第1Kオフセットに基づいて第2Kオフセットを設定又は更新するための制御信号を受信することと
前記第1Kオフセット又は前記第2Kオフセットに基づいて前記上りリンク信号を送信することと、を含み、
RACH(Random Access Channel)手順に関連する前記上りリンク信号に基づいて、前記上りリンク信号は前記第1Kオフセットに基づいて送信される、格納媒体。
【請求項13】
前記第1Kオフセット又は前記第2Kオフセットは、NTN(non-terrestrial network)に関連する前記上りリンク信号の送信に適用される、請求項1に記載の方法。
【国際調査報告】