(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】化粧品組成物、そのキット並びにその製造方法及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/34 20060101AFI20230906BHJP
A61K 8/42 20060101ALI20230906BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20230906BHJP
A61K 8/33 20060101ALI20230906BHJP
A61K 8/365 20060101ALI20230906BHJP
A61K 8/40 20060101ALI20230906BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20230906BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/42
A61K8/37
A61K8/33
A61K8/365
A61K8/40
A61Q5/06
A61Q5/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513127
(86)(22)【出願日】2021-08-23
(85)【翻訳文提出日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 US2021047078
(87)【国際公開番号】W WO2022046597
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ルガニ, ロナク
(72)【発明者】
【氏名】カイン, チョー-チョー
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC331
4C083AC332
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC641
4C083AC642
4C083AC681
4C083AC682
4C083AD662
4C083BB06
4C083BB53
4C083CC32
4C083CC33
4C083DD23
4C083EE28
4C083EE29
(57)【要約】
化粧品組成物、そのキット、並びにそのような化粧品組成物を製造する方法及び使用する方法。化粧品組成物は典型的には、約20~約95重量%のポリオール;約5~約70重量%の、2~6個の炭素原子を有する1つ又は複数のモノアルコール;約0.1~約10重量%の1つ又は複数の陽イオン性界面活性剤;約0.1~約20重量%の1つ又は複数の脂肪族化合物;及び約1~約15重量%の、尿素化合物及びクエン酸の組合せを含み、重量パーセントは化粧品組成物の全重量に基づく。化粧品組成物は、20:1~1:20であるポリオールとモノアルコール(複数可)との重量比を有する。さらに、化粧品組成物は典型的には、約10:0.5~約0.5:10である、クエン酸と尿素化合物とのモル比を有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)約20~約95重量%のポリオールと、
(b)約5~約70重量%の、2~6個の炭素原子を有する1つ又は複数のモノアルコールと、
(c)約0.1~約10重量%の1つ又は複数の陽イオン性界面活性剤と、
(d)約0.1~約20重量%の1つ又は複数の脂肪族化合物と、
(e)約1~約15重量%の
(i)クエン酸、及び
(ii)尿素化合物
の組合せと
を含む化粧品組成物であって、
ポリオールとモノアルコール(複数可)との重量比(ポリオール:モノアルコール(複数可))が20:1~1:20であり、(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比が約10:0.5~約0.5:10であり、重量パーセントは化粧品組成物の全重量に基づく、化粧品組成物。
【請求項2】
クエン酸及び尿素化合物の組合せが深共晶溶媒として添加された、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比が約8:1~約1:8である、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比が約6:1~約1:6である、請求項3に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比が約5:1~約1:2である、請求項4に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
(a)のクエン酸と(b)の尿素化合物との重量比が約12:1~約1:12である、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
(a)のクエン酸と(b)の尿素化合物との重量比が約10:1~約1:10である、請求項6に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
約3~約7重量%の(e)の組合せを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
尿素化合物が、ジメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、尿素又はそれらの混合物である、請求項1から6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
濡れた又は湿ったケラチン基質に塗布されるか、又は水に接して置かれるまで可溶化された非乳化組成物であり、そこで、組成物は、in situでラメラ相を形成する、請求項1から6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項11】
ポリオールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、グリセリン及びそれらの混合物から選ばれる、請求項1から6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項12】
1種又は複数の陽イオン性界面活性剤が、セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン及びその混合物から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項13】
脂肪族化合物が、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪族エーテル、脂肪酸、ワックス、油剤、それらの誘導体及びそれらの混合物から選ばれる、請求項1から6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項14】
脂肪族化合物が、式:R
1O(C=O)R
2(式中、R
1及びR
2は、独立して1~30個の炭素原子を有する、又は2~28個の炭素原子を有する、又は4~25個の炭素原子を有する、又は6~22個の炭素原子を有する、線状又は分岐状、飽和又は不飽和アルキル鎖である)の炭酸ジアルキルから選ばれる脂肪族炭酸エステル、好ましくはC14-15炭酸ジアルキル、炭酸ジカプリリル、炭酸ジエチル、炭酸ジヘキシル、炭酸ジエチルヘキシル、ジメトキシフェニルフェニルオキソエチルエチルカーボネート、炭酸ジメチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジプロピルヘプチル、炭酸ジオクチル及びそれらの混合物から選択される1つ又は複数の脂肪族炭酸エステルを含む脂肪酸エステルである、請求項13に記載の化粧品組成物。
【請求項15】
脂肪族化合物が、セチルエステル、パーセリンオイル(オクタン酸セテアリール)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、安息香酸C
12-C
15アルキル、安息香酸2-エチルフェニル、ラノリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、エルカ酸オレイル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、セバシン酸ジイソプロピル、アルコール又はポリアルコールのオクタノエート、デカノエート又はリシノレエート、ヒドロキシル化エステル、炭酸ジカプリリル、ペンタエリトリトールエステル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、セバシン酸ジブチル、リンゴ酸ジ-C
12-13アルキル、ダイマージリノール酸ジセテアリル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジイソセチル、アジピン酸ジイソノニル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、フマル酸ジイソステアリル及びそれらの混合物から選ばれる脂肪酸エステルである、請求項13に記載の化粧品組成物。
【請求項16】
脂肪族化合物が、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリールアルコール、イソステアリルアルコール、イソセチルアルコール、ベヘニルアルコール、リナロール、オレイルアルコール、シス-4-t-ブチルシクロヘキサノール、イソトリデシルアルコール、ミリシルアルコール及びそれの混合物から選ばれる脂肪族アルコールである、請求項13に記載の化粧品組成物。
【請求項17】
脂肪族化合物が、ポリオキシエチレンセチル/ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ラウリン酸ポリオキシエチレン又はジラウリン酸ポリオキシエチレン、ステアリン酸ポリオキシエチレン又はジステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル又はポリオキシエチレンステアリルエーテル、ジカプリリルエーテル、ジセチルエーテルジステアリルエーテル、ドデシルエーテル、ジラウリルエーテル、ジミリスチルエーテル、ジイソノニルエーテル、及びそれの混合物から選ばれる脂肪族エーテルである、請求項13に記載の化粧品組成物。
【請求項18】
脂肪族化合物が、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アラキドン酸(arichidonic acid)、オレイン酸、イソステアリン酸、セバシン酸及びそれらの混合物から選ばれる脂肪酸である、請求項13に記載の化粧品組成物。
【請求項19】
実質的に水を含まない、請求項1から6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項20】
ヘアケア組成物である、請求項1から6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項21】
ケラチン基質を処置するための化粧品組成物であって、
(a)約20~約95重量%の、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、グリセリン及びそれらの混合物から選ばれるポリオールと、
(b)約5~約70重量%の2~6個の炭素原子を有する1つ又は複数のモノアルコールと、
(c)約0.1~約10重量%の1種又は複数の陽イオン性界面活性剤と、
(d)約0.1~約20重量%の、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪族エーテル、脂肪酸、ワックス、油剤、それらの誘導体及びそれらの混合物から選ばれる1種又は複数の脂肪族化合物と、
(e)約1~約15重量%の
(i)クエン酸、及び
(ii)ジメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、尿素及びそれらの混合物から選ばれる尿素化合物
の組合せと
を含み、
ポリオールとモノアルコール(複数可)との重量比(ポリオール:モノアルコール(複数可))が20:1~1:20であり、(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比が約10:0.5~約0.5:10であり、重量パーセントが化粧品組成物の全重量に基づく、化粧品組成物。
【請求項22】
(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比が約5:1~約1:2である、請求項21に記載の化粧品組成物。
【請求項23】
化粧品組成物を製造する方法であって、
(I)
(i)クエン酸、及び
(ii)尿素化合物
を含む深共晶溶媒系であり、(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比が約10:0.5~約0.5:10である、深共晶溶媒系を生成することと、
(II)
(a)ベース組成物の重量に対して約20~約95重量%のポリオール、
(b)ベース組成物の重量に対して約5~約70重量%の、2~6個の炭素原子を有する1種又は複数のモノアルコール、
(c)ベース組成物の重量に対して約0.1~約10重量%の1種又は複数の陽イオン性界面活性剤、及び
(d)ベース組成物の重量に対して約0.1~約20重量%の1種又は複数の脂肪族化合物
を含むベース組成物であり、ポリオールとモノアルコール(複数可)との重量比(ポリオール:モノアルコール(複数可))が20:1~1:20である、ベース組成物に(I)の深共晶溶媒系を添加することと
を含む、方法。
【請求項24】
- 約70℃~約90℃の温度で(i)のクエン酸及び(ii)の尿素化合物の混合物を加熱することによって(I)の深共晶溶媒系を形成することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法によって調製される、ヘアケア組成物。
【請求項26】
毛髪を処置する方法であって、
(I)任意選択的に、毛髪にシャンプーを塗布することと、
(II)任意選択的に、毛髪をすすいでシャンプーの少なくとも一部を除去することと、
(III)
(a)約20~約95重量%のポリオール、
(b)約5~約70重量%の、2~6個の炭素原子を有する1種又は複数のモノアルコール、
(c)約0.1~約10重量%の1種又は複数の陽イオン性界面活性剤、
(d)約0.1~約20重量%の1種又は複数の脂肪族化合物、並びに
(e)約1~約15重量%の
(i)クエン酸、及び
(ii)尿素化合物
の組合せを含む化粧品組成物であり、ポリオールとモノアルコール(複数可)との重量比(ポリオール:モノアルコール(複数可))が20:1~1:20であり、(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比が約10:0.5~約0.5:10であり、重量パーセントが化粧品組成物の全重量に基づく、化粧品組成物を塗布することと、
(IV)任意選択的に、毛髪をすすいで化粧品組成物の少なくとも一部を除去することと
を含む、方法。
【請求項27】
- 毛髪に縮れ制御を提供し、及び/又は
- 毛髪の扱いやすさを改善し、及び/又は
- 毛髪をコンディショニングし、及び/又は
- 毛髪に直線性を提供し、及び/又は
- 損傷から毛髪を保護し、及び/又は
- 輝きを与える、
請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月31日に出願された米国特許出願第17/007,832号、及び2020年10月16日に出願された仏国特許出願公開第2010608号の利益を主張し、これらは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は化粧品組成物及びそのキットに関する。本開示の態様はまた、そのような化粧品組成物を製造する方法、及びそのような化粧品組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
消費者は、皮膚又は毛髪などの角質物質を処置、手入れ及び/又はコンディショニングするための新しく改善された組成物を望む。毛髪及び皮膚は、環境要因、機械的要因、化学的要因、熱及び老化などの固有及び外来の影響に晒される。
【0004】
例えば、光及び悪天候などの外部の周囲の要因の作用、及びまたブラシ掛け、櫛けずり、染色、脱色、パーマネントウエーブ及び/又はカール取り、ブロー乾燥、アイロン掛け、又はさらに洗髪の繰り返しなどの熱、機械的又は化学的処置による作用は、毛髪繊維を損傷し弱めかねない。経時的に、毛髪は、パサつき、きめ粗く、脆く又はくすみ、殊に脆弱な領域で、とりわけ最後には結果として枝毛をもたらすことがある。
【0005】
このように、これらの欠点を克服するために、殊に平滑性、つや、柔軟性、従順性、軽さ、自然な感触及び良好なほどける性質の観点でそれに満足な美容的性質を与えて、毛髪をコンディショニングするように意図される組成物を使用したヘアケア製品に頼ることは一般的慣習である。例えば、ヘアコンディショナー及び/又はトリートメント組成物などのヘアケア組成物は、毛髪にその自然な光沢、輝き及び柔軟性を改善するか取り戻すために、又は毛髪の感触、外観及び扱いやすさを改善するために、毛髪をシャンプーで洗浄する前後、及び/又は毛髪に化学的処置を施す前後に使用されてもよい。
【0006】
異なる形態のヘアケア及びスキンケア組成物が異なる恩恵を提供することができることは理解される。
【0007】
しかし、改善された毛髪の扱いやすさ、例えば、改善された毛髪の整列、低減した望ましくないボリューム(殊に低減した縮れ)及び増加した光沢を提供することがなお必要とされている。また、手入れしコンディショニングする恩恵に加えて他の恩恵、例えば、整髪、ボリューム付け、成形、カールの画定(カール又はウエーブ状毛髪のための)、及び再整髪性(restylability)又は再成形(製品を再塗布する必要なしで)を同時に与えることができる化粧製品を開発することが必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本開示の態様は化粧品組成物及びそれらのキットに関する。本開示のさらなる態様は、そのような化粧品組成物を製造する方法、並びに毛髪及び皮膚などのケラチン基質にそのような化粧品組成物を使用する方法に関する。
【0009】
ケラチン基質が毛髪、特に、ヒト頭部の毛髪である場合、本開示の化粧品組成物は、同時に、表面及び深部両方の修復を毛髪に対して達成する。本発明者らは、驚いたことに、ある化合物、並びに特定の重量比及び/又はモル比のそれらの協同が、化粧品組成物が毛髪の熱劣化に対する耐久性及び抵抗力の著しい改善を可能にすることを発見した。さらに、本発明者らは、化粧品組成物を形成する前に、ある化合物、並びに特定の重量比及び/又はモル比のそれらの協同から深共晶溶媒系(「DES」)系を形成することが、例えば化粧品組成物を含むベース組成物に包含する前にDES系を形成することによって、化粧品組成物によって達成される恩恵を高めることを認識した。
【0010】
さらに、化粧品組成物は、化粧品組成物が外来の水と混合される場合に、ラメラ相を形成するように配合されてもよい。いかなる特定の理論にも束縛されることはないが、化粧品組成物によって形成されるラメラ構造は、化粧品組成物によって達成される恩恵をさらに高め、特に毛髪の扱いやすさを改善し、及び/又は縮れを低減すると考えられる。
【0011】
化粧品組成物は、典型的には
(a)約20~約95重量%のポリオールと、
(b)約5~約70重量%の2~6個の炭素原子を有する1種又は複数のモノアルコールと、
(c)約0.1~約10重量%の1種又は複数の陽イオン性界面活性剤と、
(d)約0.1~約20重量%の1種又は複数の脂肪族化合物と、
(e)約1~約15重量%の
(i)尿素化合物、及び
(ii)クエン酸
の組合せと
を含み、
ポリオールとモノアルコール(複数可)との重量比(ポリオール:モノアルコール(複数可))は20:1~1:20であり、
(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比は約10:0.5~約0.5:10であり、重量パーセントは化粧品組成物の全重量に基づく。
【0012】
幾つかの事例において、化粧品組成物中に存在する尿素化合物及びクエン酸の組合せの量は、約3~約7重量%である。実施形態において、(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比は約5:1~約1:5の範囲であってもよい。化粧品組成物中の尿素化合物は、ジメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、尿素又はそれらの混合物であってもよい。好ましくは、尿素化合物及びクエン酸の組合せは深共晶溶媒として化粧品組成物へ添加されてもよい。
【0013】
化粧品組成物は、毛髪又は皮膚などの、濡れた又は湿ったケラチン基質に塗布されるまで、又は水と接触させるまで可溶化された非乳化組成物であってもよく、そこで、組成物はin situでラメラ相を形成する。化粧品組成物は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール及びそれらの混合物から選ばれるポリオールを含んでいてもよい。
【0014】
化粧品組成物としての陽イオン性界面活性剤の例は、セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン及びそれらの混合物を含む。
【0015】
化粧品組成物は、好ましくは脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪族エーテル、脂肪酸、ワックス、油剤、それらの誘導体及びそれらの混合物から選ばれる脂肪族化合物を含む。幾つかの事例において、脂肪族化合物は、式:R1O(C=O)R2[式中、R1及びR2は、独立して1~30個の炭素原子を有する、又は2~28個の炭素原子を有する、又は4~25個の炭素原子を有する、又は6~22個の炭素原子を有する、線状又は分岐状、飽和又は不飽和アルキル鎖である]の炭酸ジアルキルから選ばれる脂肪族炭酸エステル、好ましくはC14~15炭酸ジアルキル、炭酸ジカプリリル、炭酸ジエチル、炭酸ジヘキシル、炭酸ジエチルヘキシル、ジメトキシフェニルフェニルオキソエチルエチルカーボネート、炭酸ジメチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジプロピルヘプチル、炭酸ジオクチル及びそれらの混合物から選択される1種又は複数の脂肪族カーボネートである。追加の事例において、脂肪族化合物は、セチルエステル、パーセリンオイル(オクタン酸セテアリール)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、安息香酸C12~C15アルキル、安息香酸2-エチルフェニル、ラノリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、エルカ酸オレイル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、セバシン酸ジイソプロピル、アルコール又はポリアルコールのオクタノエート、デカノエート又はリシノレエート、ヒドロキシル化エステル、炭酸ジカプリリル、ペンタエリトリトールエステル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、セバシン酸ジブチル、リンゴ酸ジ-C12-13アルキル、ダイマージリノール酸ジセテアリル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジイソセチル、アジピン酸ジイソノニル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、フマル酸ジイソステアリル、及びそれらの混合物から選ばれる脂肪族炭酸エステルである。
【0016】
さらに又は代替として、脂肪族化合物は、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリールアルコール、イソステアリルアルコール、イソセチルアルコール、ベヘニルアルコール、リナロール、オレイルアルコール、cis-4-t-ブチルシクロヘキサノール、イソトリデシルアルコール、ミリシルアルコール及びそれらの混合物から選ばれる脂肪族アルコールであってもよい。脂肪族化合物は、ポリオキシエチレン(olyoxyethylene)セチル/ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ラウリン酸ポリオキシエチレン又はジラウリン酸ポリオキシエチレン、ステアリン酸ポリオキシエチレン又はジステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンラウリル又はステアリルエーテル、ジカプリリルエーテル、ジセチルエーテルジステアリルエーテル、ドデシルエーテル及びジラウリルエーテル、ジミリスチルエーテル、ジイソノニルエーテル及びそれらの混合物から選ばれる脂肪族エーテルであってもよい少なくとも1つの実例において、化粧品組成物は水を実質的に含まない。少なくとも1つのさらなる実例において、化粧品組成物は水を含まない。
【0017】
本開示の態様は化粧品組成物を製造する方法に関する。化粧品組成物を製造する方法は典型的には、
(I)
(i)クエン酸、及び
(ii)尿素化合物
を含む深共晶溶媒系であり、(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比は約10:0.5~約0.5:10である、深共晶溶媒系を生成することと、
(II)
(a)ベース組成物の重量に対して約20~約95重量%のポリオール、
(b)ベース組成物の重量に対して約5~約70重量%の、2~6個の炭素原子を有する1種又は複数のモノアルコール、
(c)ベース組成物の重量に対して約0.1~約10重量%の1種又は複数の陽イオン性界面活性剤、及び
(d)ベース組成物の重量に対して約0.1~約20重量%の、1種又は複数の脂肪族化合物
を含むベース組成物であり、ポリオールとモノアルコール(複数可)(ポリオール:モノアルコール(複数可))との重量比が20:1~1:20である、ベース組成物に(I)の深共晶溶媒系を添加することと
を含む。
【0018】
方法は、例えば本明細書において検討されるある比で、クエン酸及び尿素化合物(複数可)を混合することによって(I)の深共晶溶媒(DES)系を形成することをさらに含んでいてもよい。幾つかの事例において、例えば、クエン酸と尿素化合物が室温で液体として混ざる場合、DES系は室温で形成されてもよい。他の事例において、方法は、またクエン酸及び尿素化合物の混合物/組合せを約70℃~約90℃の温度に加熱することを含む。
【0019】
開示のさらなる態様によると、毛髪を処置する方法が提供される。毛髪を処置する方法は典型的には、
(I)任意選択的に、毛髪にシャンプーを塗布することと、
(II)任意選択的に、毛髪をすすいで、シャンプーの少なくとも一部を除去することと、
(III)
(a)約20~約95重量%のポリオール、
(b)2~6個の炭素原子を有する約5~約70重量%の1種又は複数のモノアルコール、
(c)約0.1~約10重量%の1種又は複数の陽イオン性界面活性剤、
(d)約0.1~約20重量%の1種又は複数の脂肪族化合物、並びに
(e)約1~約15重量%の
(i)クエン酸、及び
(ii)尿素化合物
の組合せ
を含む化粧品組成物であり、ポリオールとモノアルコール(複数可)との重量比(ポリオール:モノアルコール(複数可))が20:1~1:20であり、(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比が約10:0.5~約0.5:10であり、重量パーセントが化粧品組成物の全重量に基づく、化粧品組成物を塗布することと、
(IV)任意選択的に、毛髪をすすいで化粧品組成物の少なくとも一部を除去することと
を含む。
【0020】
本技術の実施は、ここで添付の図を参照して例としてのみ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示の態様による比較組成物及び例示化粧品組成物の後の毛髪見本の変性温度を示す棒グラフである。
【
図2】開示の態様による比較組成物及び例示化粧品組成物を用いる処置の後の毛髪見本の耐久性を示す棒グラフである。
【
図3】開示の態様による比較組成物及び例示化粧品組成物を用いる処置の後の毛髪見本の変性温度を示す棒グラフである。
【
図4】本開示の態様による比較組成物及び例示化粧品組成物を用いる処置の後の毛髪見本の耐久性を示す棒グラフである。
【
図5】本開示の態様による比較組成物又は例示化粧品組成物の1、3及び6回の塗布の後の毛髪見本の変性温度を示す棒グラフである。
【
図6】本開示の態様による比較組成物及び例示化粧品組成物の1、3及び6回の塗布の後の毛髪見本の耐久性を示す棒グラフである。
【
図7A-B】本開示の態様による湿度に供した、本開示による組成物及び比較組成物を用いて処置された毛髪見本の写真である。
【
図8】本開示の態様による比較組成物及び例示化粧品組成物の後の毛髪見本の変性温度を示す棒グラフである。
【
図9】本開示の態様による比較組成物及び例示化粧品組成物の後の毛髪見本の耐久性を示す棒グラフである。
【
図10】本開示の態様による比較組成物及び例示化粧品組成物の後の毛髪見本の変性温度を示す棒グラフである。
【
図11】本開示の態様による比較組成物及び例示化粧品組成物の後の毛髪見本の耐久性を示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
様々な態様が図面に示される配置及び手段に限定されるものではないことは理解されるべきである。
【0023】
本開示の態様は化粧品組成物及びそれらのキットに関する。本開示のさらなる態様は、そのような化粧品組成物を製造する方法、並びに毛髪及び皮膚などのケラチン基質にそのような化粧品組成物を使用する方法に関する。
【0024】
ケラチン基質が毛髪、特にヒト頭部の毛髪である場合、本開示の化粧品組成物は、同時に、表面及び深部両方の修復を毛髪に達成する。本発明者らは、驚いたことに、ある化合物、並びに特定の重量比及び/又はモル比のそれらの協同が、化粧品組成物が毛髪の熱劣化に対する耐久性及び抵抗力の著しい改善を可能にすることを発見した。さらに、本発明者らは、化粧品組成物を形成する前に、ある化合物、並びに特定の重量比及び/又はモル比のそれらの協同から深共晶溶媒系(「DES」)系を形成することが、例えば化粧品組成物を含むベース組成物に包含する前にDES系を形成することによって、化粧品組成物によって達成される恩恵を高めることを認識した。
【0025】
さらに、化粧品組成物は、通常、水素結合相互作用による自己会合の能力があり得て、それによって化粧品組成物は、毛髪、特に損傷した毛髪を補強及び/又は強化することが可能になり得る。一部の実施形態において、化粧品組成物は損傷した毛髪を復元する。
【0026】
本明細書において開示される化粧品組成物はまた、毛髪に使用された場合、有利には縮れを低減し及び/又は毛髪の扱いやすさを増加し得る。いかなる特定の理論にも束縛されることはないが、本発明者らは、化粧品組成物、特にある深共晶溶媒系を含む化粧品組成物が、水分を吸収した雰囲気と会合した毛髪の弱い結合を分裂させて、縮れを低減し、毛髪の扱いやすさを増加し得ると考える。
【0027】
化粧品組成物は、化粧品組成物が外来の水と混合された場合に、ラメラ相を形成するように配合されてもよい。いかなる特定の理論にも束縛されることはないが、化粧品組成物によって形成されるラメラ構造は、さらに、化粧品組成物によって達成される恩恵を高めて、特に、毛髪の扱いやすさを改善し、及び/又は縮れを低減すると考えられる。
【0028】
化粧品組成物はまた独特の感覚及び消費者の体験を提供し得る。例えば、化粧品組成物は、組成物が感覚及び/又は触覚の変化を生じるように、熱及び/又は剪断によって活性化され得る。幾つかの実例において、例えば、化粧品組成物を使用者がその手の間でこすること、又は温かいシャワー又は浴槽で化粧品組成物を用いることによって得られる熱活性化及び/又は剪断の存在下で、化粧品組成物はより固体状の挙動を示すことからより液体状の挙動を示すことに移行する。幾つかの実例において、化粧品組成物の粘度は、90秒後に1~10rpmの範囲のBrookfield DV2T粘度計でLV 04スピンドルを用いて測定して24℃の温度で約10~約500Pa*sの粘度から40℃の温度で100Pa*s未満の還元粘度に移行し得る。
【0029】
化粧品組成物は典型的には、
(a)約20~約95重量%のポリオールと、
(b)約5~約70重量%の、2~6個の炭素原子を有する1種又は複数のモノアルコールと、
(c)約0.1~約10重量%の1種又は複数の陽イオン性界面活性剤と、
(d)約0.1~約20重量%の1種又は複数の脂肪族化合物と、
(e)約1~約15重量%の
(i)クエン酸、及び
(ii)尿素化合物
の組合せと
を含み、
ポリオールとモノアルコール(複数可)との重量比(ポリオール:モノアルコール(複数可))は20:1~1:20であり、
(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比は約10:0.5~約0.5:10であり、重量パーセントは化粧品組成物の全重量に基づく。
【0030】
化粧品組成物は、20:1~1:20の比のポリオールの量とモノアルコールの量(すなわち全ポリオール:全モノアルコール)を有するように配合されてもよい。例えば、ポリオールの量と、2~6個の炭素原子を有するモノアルコールの量の重量比は、20:1~1:20、18:1~1:20、15:1~1:20、10:1~1:20、7:1~1:20、6:1~1:20、5:1~1:20、4:1~1.1:20、20:1~1:18、20:1~1:15、20:1~1:10、20:1~1:7、20:1~1:6、20:1~1:5、20:1~1:4であってもよく、その間の範囲及び下位範囲(例えば5:1~1:5、4:1~1:4、5:1~1:1など)を含む。少なくとも1つの実施形態において、ポリオールの全量がモノアルコールの全量を超えるように、化粧品組成物は配合される。少なくとも別の実例において、化粧品組成物はグリコールの全量がモノアルコールの全量を超えるように配合される。
【0031】
化粧品組成物は、約12:0.5~約0.5:12であってもよい(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比を有するように配合されてもよい。幾つかの実例において、化粧品組成物は、約11:1~約1:11、約10:1~約1:10、約9:1~約1:9、約9:1~約1:1、約9:1~約3:2、約8:1~約0.5:10、約7:1~約0.5:10、約6:1~約0.5:10、約5:1~約0.5:10、約4:1~約0.5:10、約3:1~約0.5:10;10:1~約1:10、約9:1~約1:10、約8:1~約1:10、約7:1~約1:10、約6:1~約1:10、約5:1~約1:10、約4:1~約1:10、約3:1~約1:10;約10:1~約2:10、約9:1~約2:10、約8:1~約2:10、約7:1~約2:10、約6:1~約2:10、約5:1~約2:10、約4:1~約2:10、約3:1~約2:10;約10:1~約2:8、約9:1~約2:8、約8:1~約2:8、約7:1~約2:8、約6:1~約2:8、約5:1~約2:8、約4:1~約2:8、約3:1~約2:8;約10:1~約2:6、約9:1~約2:6、約8:1~約2:6、約7:1~約2:6、約6:1~約2:6、約5:1~約2:6、約4:1~約2:6、約3:2~約2:6;約2:1~約2:10、約1:1~約2:10、約3:2~約2:9、約3:2~約2:8、約3:2~約2:7、約3:2~約2:6、約3:2~約2:5、約3:2~約2:4、約5:1~約3:2、約4:1~約3:2、約3:2~約2:3、約1:1~約1:4、約1:1~約1:3、約1:1~約1:2、又は約1:1.3~約1:1.6の、その間の範囲及び下位範囲(例えば約3:2~約2:5、約2:1~約2:5、約1:1~約2:5、約1:1~約2:4など)を含むクエン酸と尿素化合物(複数可)との重量比を有するように配合されてもよい。
【0032】
ある実施形態において、化粧品組成物は、約10:1、9.5;1、9:1、8.5:1、8:1、7.5:1、7:1、6.5:1、6;1、5.5:1、5:1、4.5:1、4:1、3.5:1、3:1、3:2、2:8:1、1.4:1、1.2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1.6、1.7、1.8又は1.9の(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物との重量比を有するように配合されてもよい。
【0033】
本開示の組成物中の(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比は、約10:0.5~約0.5:10であり、その間の範囲及び下位範囲を含む。実施形態において、(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比が約10:0.5~約0.5:10であり、その間の範囲及び下位範囲を含む場合、深共晶溶媒は形成される。
【0034】
例えば、化粧品組成物は約10:0.5~約0.5:10の、(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比を有するように配合されてもよい。幾つかの実例において、化粧品組成物は、10:1~約0.5:10、約9:1~約0.5:10、約8:1~約0.5:10、約7:1~約0.5:10、約6:1~約0.5:10、約5:1~約0.5:10、約4:1~約0.5:10、約3:1~約0.5:10;10:1~約1:10、約9:1~約1:10、約8:1~約1:10、約8:1~約1:8、約7:1~約1:10、約6:1~約1:10、約6:1~約1:6、約5:1~約1:10、約4:1~約1:10、約3:1~約1:10;約10:1~約2:10、約9:1~約2:10、約8:1~約2:10、約7:1~約2:10、約6:1~約2:10、約5:1~約2:10、約4:1~約2:10、約3:1~約2:10;約10:1~約2:8、約9:1~約2:8、約8:1~約2:8、約7:1~約2:8、約6:1~約2:8、約5:1~約2:8、約4:1~約2:8、約3:1~約2:8;約10:1~約2:6、約9:1~約2:6、約8:1~約2:6、約7:1~約2:6、約6:1~約2:6、約5:1~約2:6、約5:1~約1:2、約4:1~約2:6、約3:2~約2:6;約2:1~約2:10、約1:1~約2:10、約3:2~約2:9、約3:2~約2:8、約3:2~約2:7、約3:2~約2:6、約3:2~約2:5、約3:2~約2:4、約3:2~約2:3、約3:2~約1:3、約3:1~約1:3、約1:1~約1:4、約1:1~約1:3、約1:1~約1:2、又は約1:1.3~約1:1.6のクエン酸と尿素化合物(複数可)との重量比を有するように配合されてもよく、その間の範囲及び下位範囲(例えば約3:1~約2:5、約2.5:1~約2:3、約2:1~約2:5、約1:1~約2:5、約1:1~約2:4など)を含む。
【0035】
ある実施形態において、化粧品組成物は、約10:1、9.5:1、9:1、8.5:1、8:1、7.5:1、7:1、6.5:1、6:1、5.5:1、5:1、4.5:1、4:1、3.5:1、3.3:1、3:1、2.5:1、2:3、2:1、1.9:1、1.8:1、1:7:1、1.6:1、1:5:1、1.4:1、1.3:1、1.2:1、1.1:1、1:1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:0.1、1:0.2、1:0.3、1:0.4、1:0.5、1:0.6、1:0.7、1:0.8又は1:0.9の、(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比を有するように配合されてもよい。
【0036】
クエン酸及び尿素又はその一部は、化粧品組成物のベース組成物に包含する前に深共晶溶媒系(「DES」)系を形成してもよい。化粧品組成物のベース組成物は、化粧品組成物の1種又は複数の成分の組成物であってもよい。例えば、幾つかの実例において、ベース組成物は、クエン酸及び尿素化合物(複数可)を別にすれば化粧品組成物の成分をすべて含んでいてもよい。DES系がベース化粧品組成物に組み込まれた後、化粧品組成物は、少なくとも部分的にDES系を含んでいてもよい。DES系のさらなる説明及びDES系を製造する方法が本明細書において開示される。
【0037】
使用中に、使用者は、化粧品組成物を外来の水(例えば化粧品組成物に既に含まれている水以外の水)と組み合わせる。化粧品組成物が外来の水と混合され、又はそれと接すると、化粧品組成物はラメラ相構造を形成し得る。「ラメラ相構造」とは、一般に、バルク液体によって分離した二分子層のシートとしての、バルク極性液体(すなわち毛髪からの水)の環境中での頭部極性尾部無極性の長鎖分子のパッキングを指す。幾つかの事例において、化粧品組成物は外来の水と組み合わせて混合構造を形成し得る。本明細書において使用される場合、「混合構造」という用語は、ラメラ相及び結晶の組合せを指す。さらに又は代替として、化粧品組成物は外来の水と組み合わせて不透明なエマルジョン又は濁ったエマルジョンを形成し得る。
【0038】
幾つかの事例において、化粧品組成物は、0.1:1~3:1、好ましくは0.5:1又は1:1又は1.5:1又は2:1の範囲の比(水:組成物)で外来の水を化粧品組成物と組み合わせた場合、ラメラ相構造、混合構造相及び/又は不透明なエマルジョンを形成する。さらに及び/又は代替として、ラメラ相構造、混合構造相及び/又は不透明なエマルジョンの形成は、化粧品組成物中の水の全量が、幾つかの実例において、外来の水と組み合わせる前の化粧品組成物の全重量に対して10重量%を超え、12重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上又は30重量%以上に増加するような量の外来の水を組み合わせることにより生じ得る。一部の実施形態において、不透明又は濁ったエマルジョンは、外来の水と組み合わせる前の組成物の粘度と同じか又は高い粘度を有する。
【0039】
化粧品組成物は、例えば使用者の濡れた又は湿った手、濡れた又は湿った皮膚、濡れた又は湿った毛髪、及び/又は蛇口などからの外来の水と組み合わせると、ラメラ相構造、混合構造相及び/又は不透明なエマルジョンを形成し得る。例えば、消費者が、身体(例えば手、顔、皮膚、毛髪など)の濡れた又は湿った部分に化粧品組成物を塗布すると、これが生じ得る。次いで、使用者は塗布される化粧品組成物を物理的に操作してもよい(例えば、手を一緒に合わせてこする、又は例えば顔、毛髪などの身体の別の部分に対して組成物をこすることにより)。幾つかの実例において、ラメラ相構造、混合構造相及び/又は不透明なエマルジョンの形成は、混合する必要なしに自動的に生じる。言い換えれば、化粧品組成物は、外来の水と単純に接触させることにより外来の水と十分に組み合わせたようになる。しかしながら、幾つかの実例において、最小限の量の混合は必要になり得るし、奨励され得る。
【0040】
化粧品組成物及び外来の水の組合せから形成される混合構造は、使用者からの積極的な混合がなくても、又は使用者からの積極的な混合との協同でも生じ得る。例えば、これは、例えば身体を使用して(例えば手を用いて)、化粧品組成物を外来の水と物理的に操作(例えば、混合)することによって、化粧品組成物の使用中に容易に達成することができる。
【0041】
化粧品組成物は通常、外来の水と組み合わせる前は半透明又は透明である。例えば、化粧品組成物は、例えばLambda 40紫外可視光スペクトロメーターを使用して測定して、600nmの波長で少なくとも50%の透過率を有し得る。幾つかの実例において、組成物は、例えばLambda 40紫外可視光スペクトロメーターを使用して測定して、600nmの波長で少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%又は少なくとも95%の透過率を有し得る。
【0042】
化粧品組成物は典型的には、外来の水と組み合わせる前、25℃の温度で1s-1の剪断速度で約1Pa.s以下の粘度を有する。例えば、化粧品組成物は、外来の水と組み合わせる前、25℃の温度で約1mPa~約1Pa.s、約1mPa.s~約800mPa.s、約1mPa.s~約600mPa.s、約1mPa.s~約500mPa.s、約1mPa.s~約400mPa.s、又は約1mPa.s~約300mPa.s;約100mPa.s~約1 Pa.s、約100mPa.s~約800mPa.s、約100mPa.s~約600mPa.s、約100mPa.s~約500mPa.s、約100mPa~約400mPa、又は約100mPa~約300mPa;約300mPa~約1Pa.s、約300mPa~約800mPa、約300mPa~約600mPa又は約300mPa~約500mPa;約500mPa~約1Pa.s、約500mPa~約800mPa又は約500mPa~約600mPaの粘度を有していてもよく、その間の範囲及び下位範囲を含む。粘度測定は、例えば、Brooksfield粘度計、Model RVT (Brookfield Engineering Laboratories, Inc.)を使用して約20~25℃の周囲室温において毎分約60回転(RPM)で行うことができ;スピンドルサイズは、製造業者推奨の標準操作に従ってディスクスピンドルNo.1~No.4の範囲で選択されてもよい。
【0043】
幾つかの実例において、化粧品組成物は水を含まず、又は実質的に水を含まない(無水又は実質的に無水)。代替として又はさらに、化粧品組成物は、化粧品組成物の全重量に対して6重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは4重量%未満、好ましくは3重量%未満、好ましくは2重量%未満、好ましくは1重量%未満及び/又は0.5重量%未満である水の量を有していてもよい。少なくとも実施形態において、化粧品組成物は、化粧品組成物の全重量に対して実質的に/本質的に0重量%又は0重量%の水を有する。
【0044】
さらに又は代替として、化粧品組成物はアルギニンを含んでいてもよい。幾つかの事例において、アルギニンはl-アルギニン、d-アルギニンであり、及び/又はラセミ混合物であってもよい。
【0045】
以下に列挙されるものなどの適切な成分は、他の成分の特定の組合せ、化粧品組成物の形態、及び/又は配合物(例えばローション、ゲル、クリーム、スプレーなど)の使用に応じて、化粧品組成物用の配合に含まれても除かれてもよい。化粧品組成物は、例えば、毛髪及び/又は皮膚への使用のためのヘアケア組成物及び/又は毛髪化粧品組成物及び/又はヘアトリートメント組成物及び/又はスキンケア組成物及び/又は頭皮ケア組成物として配合されてもよい。
【0046】
ポリオール(複数可)
化粧品組成物は1種又は複数のポリオールを含む。化粧品組成物中に存在するポリオール(複数可)の量は通常、化粧品組成物の全重量に対して約20重量%以上の範囲である。例えば、化粧品組成物中のポリオール(複数可)の量は、化粧品組成物の全重量に対して約20~約87重量%、約20~約85重量%、約20~約80重量%、約20~約75重量%、約20~約70重量%、約20~約65重量%、約20~約60重量%、約20~約55重量%、約20~約50重量%、約20~約45重量%、約20~約40重量%、約20~約35重量%、約20~約30重量%;約30~約87重量%、約30~約85重量%、約30~約80重量%、約30~約75重量%、約30~約70重量%、約30~約65重量%、約30~約60重量%、約30~約55重量%、約30~約50重量%、約30~約45重量%、約30~約40重量%;約40~約87重量%、約40~約85重量%、約40~約80重量%、約40~約75重量%、約40~約70重量%、約40~約65重量%、約40~約60重量%、約40~約55重量%、約40~約50重量%;約50~約87重量%、約50~約85重量%、約50~約80重量%、約50~約75重量%、約50~約70重量%、約50~約65重量%、約50~約60重量%;約60~約87重量%、約60~約85重量%、約60~約80重量%、約60~約75重量%、約60~約70重量%;約65~約87重量%、約65~約85重量%、約65~約80重量%、約65~約75重量%;約70~約87重量%、約70~約85重量%、約70~約75重量%であってよく、その間の範囲及び下位範囲をすべて含む。
【0047】
用語「ポリオール」は本開示の意味内において、少なくとも2個の遊離ヒドロキシル基を含む有機分子という意味と理解されたい。化粧品組成物のポリオールは、多数のヒドロキシル基を有するグリコール又は化合物であってもよい。幾つかの事例において、1種又は複数のポリオールは、C2~C32ポリオールからなる群から選択される。1種又は複数のポリオールは常温(25℃)で液体であり得る。1種又は複数のポリオールは、2~32炭素原子、3~16炭素原子、又は3~12炭素原子を有していてもよい。
【0048】
ある特定の実例において、化粧品組成物中に含まれてよいポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ジエチレングリコール及びジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物を含む。幾つかの事例において、ポリオールはプロピレングリコールである。幾つかのさらなる事例において、ポリオールはプロピレングリコール及びブチレングリコールの1つ又は両方である。さらに、幾つかの事例において、化粧品組成物は少なくともプロピレングリコール、任意選択的にプロピレングリコール以外の1種又は複数のポリオールを含む。
【0049】
化粧品中に任意選択的に含まれてもよいポリオールの非限定的な例は、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオールカプリリルグリコール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ペンタンジオール、及び4-メチル-1,2-ペンタンジオールなどのアルカンジオール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、1-メチル-1-メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテルなどのグリコールエーテル、ソルビトール、ソルビタン、トリアセチン及びそれらの混合物を含み、及び/又はそれらから選ばれてもよい。
【0050】
1種又は複数のポリオールは任意選択的に、グリコール又はグリコールエーテル例えばエチレングリコール、プロピレングリコールのモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテルなど、又はそのエーテル、例えばプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコールのモノメチルエーテルなど、並びにジエチレングリコールのアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールのモノエチルエーテル又はモノブチルエーテルであってもよい。幾つかの事例において、1種又は複数のポリオールはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、グリセリン、ジグリセリン、カプリリルグリコール、ポリエチレングリコール及びそれらの混合物を含んでもよく、又はそれらから選ばれる。
【0051】
モノアルコール(複数可)
化粧品組成物は、モノアルコール(複数可)、例えば1~10炭素、好ましくは2~6炭素を有するものを含む。化粧品組成物中に存在するモノアルコールの量は、化粧品組成物の全重量に対して約5~約50重量%の範囲であってもよい。例えば、化粧品組成物は、化粧品組成物の全重量に対して約5~約50重量%、約5~約45重量%、約5~約40重量%、約5~約35重量%、約5~約30重量%、約5~約25重量%;約10~約50重量%、約10~約45重量%、約10~約40重量%、約10~約35重量%、約10~約30重量%、約10~約25重量%;約15~約50重量%、約15~約45重量%、約15~約40重量%、約15~約35重量%、約15~約30重量%、又は約15~約25重量%の量のモノアルコールを有していてもよく、その間の範囲及び下位範囲をすべて含む。
【0052】
化粧品組成物の1種又は複数のモノアルコールは、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、イソブチルアルコール、2-メチル-2-ブタノール(2-メチルブタン-2-オール及びそれらの混合物から選ばれてもよい。幾つかの実例において、モノアルコールは、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、それらの異性体又はそれらの組合せを含むか、又はそれらから選ばれる。さらなる実例において、1種又は複数のモノアルコール(複数可)はエタノールを含むか、又はそれからなる。
【0053】
陽イオン性界面活性剤(複数可)
化粧品組成物は陽イオン性界面活性剤(複数可)を含む。陽イオン性界面活性剤(複数可)の量は、化粧品組成物の全重量の約0.1~約10重量%であってもよい。幾つかの実例において、陽イオン性界面活性剤(複数可)は、化粧品組成物の全重量に対して約0.1~約10重量%、約0.1~約8重量%、約0.1~約6重量%、約0.1~約4重量%、約0.1~約3重量%;約0.2~約10重量%、約0.2~約8重量%、約0.2~約6重量%、約0.2~約4重量%、約0.2~約3重量%;約0.5~約10重量%、約0.5~約8重量%、約0.5~約6重量%、約0.5~約4重量%、約0.5~約3重量%;約1~約10重量%、約1~約8重量%、約1~約6重量%、約1~約4重量%、約1~約3重量%;約1.5~約10重量%、約1.5~約8重量%、約1.5~約6重量%、約1.5~約4重量%、約1.5~約3重量%;約2~約10重量%、約2~約8重量%、約2~約6重量%、約2~約4重量%、約2~約3重量%の範囲の量であり、その間の範囲及び下位範囲を含む。
【0054】
ある実施形態において、陽イオン性界面活性剤は、セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン及びそれらの混合物を含むか、又はそれらから選ばれる。
【0055】
陽イオン性界面活性剤の追加の非限定的な例としては、ベヘナルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ラウラルコニウムクロリド、セタルコニウムクロリド、セトリモニウムブロマイド、セトリモニウムクロリド、セチルアミンヒドロフルオリド、クロラリルメテンアミンクロリド(クオタニウム-15)、ジステアリルジモニウムクロリド(クオタニウム-5)、ドデシルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド(クオタニウム-14)、クオタニウム-22、クオタニウム-26、クオタニウム-18ヘクトライト、ジメチルアミノエチルクロリド塩酸塩、システイン塩酸塩、ジエタノールアンモニウムPOE(10)オレチルエーテルホスフェート、ジエタノールアンモニウムPOE(3)オレイルエーテルホスフェート、獣脂アルコニウムクロリド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムベントナイト、ステアラルコニウムクロリド、臭化ドミフェン、安息香酸デナトニウム、ミリスタルコニウムクロリド、ラウルトリモニウムクロリド、エチレンジアミン二塩酸塩、グアニジン塩酸塩、塩酸ピリドキシン、イオフェタミン塩酸塩、メグルミン塩酸塩、メチルベンゼトニウムクロリド、ミルトリモニウムブロミド、オレイルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-1、塩酸プロカイン、ココベタイン、ステアラルコニウムベントナイト、ステアラルコニウムヘクトナイト、ステアリルトリヒドロキシエチルプロピレンジアミンジヒドロフルオリド、獣脂トリモニウムクロリド、及びヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロリド及びそれらの混合物が挙げられる。
【0056】
陽イオン性界面活性剤(複数可)はまた、任意選択的に、ポリオキシアルキレン化、第一級、第二級若しくは第三級脂肪族アミン又はそれらの塩、及び第四級アンモニウム塩、並びにそれらの混合物から選ばれてもよい。幾つかの事例において、第四級アンモニウム化合物の塩化物塩などの塩を使用することは有用である。
【0057】
脂肪族アミンは一般に、少なくとも1個のC
8~C
30炭化水素系鎖を含む。例えば、ある特定の実例において組み込まれてもよい第四級アンモニウム塩は、以下の一般式:
【化1】
[式中、R
8~R
11基は、同一でも異なっていてもよく、1~30炭素原子を含む、線状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和の脂肪族基、又はアリール若しくはアルキルアリールなどの芳香族基を表し、R
8~R
11基の少なくとも1つは、8~30炭素原子、好ましくは12~24炭素原子を含む基を示す]
に対応するものを含む。脂肪族基は、殊に酸素、窒素、硫黄及びハロゲンなどのヘテロ原子を含んでいてもよい。脂肪族基は例えば、C
1~C
30アルキル、C
2~C
30アルケニル、C
1~C
30アルコキシ、ポリオキシ(C
2~C
6)アルキレン、C
1~C
30アルキルアミド、(C
12~C
22)アルキルアミド(C
2~C
6)アルキル、(C
12~C
22)アルキルアセテート及びC
1~C
30ヒドロキシアルキル基から選ばれ;X
-は、ハライド、ホスフェート、アセテート、ラクテート、(C
1~C
4)アルキルサルフェート、及び(C
1~C
4)アルキル-又は(C
1~C
4)アルキルアリールスルホネートの群から選ばれる陰イオンである。
【0058】
一方、上記の一般式(III)による構造を有する第四級アンモニウム塩の中でも、テトラアルキルアンモニウム塩、例えば、アルキル基がおよそ12~22の炭素原子を含むジアルキルジメチルアンモニウム塩又はアルキルトリメチルアンモニウム塩、例えば、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩若しくはベンジルジメチルステアリルアンモニウム塩、又は他方でオレオセチルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、ステアラミドプロピルトリメチルアンモニウム塩及びステアラミドプロピルジメチルセテアリルアンモニウム塩が好ましい。
【0059】
ある特定の実例において組み込まれてもよいイミダゾリンの第四級アンモニウム塩の例は、以下に与えられる一般式:
【化2】
[式中、R
12は、例えば獣脂脂肪酸に由来する8~30炭素原子を含むアルケニル又はアルキル基を表し、R
13は水素原子、C
1~C
4アルキル基又は8~30炭素原子を含むアルキル若しくはアルケニル基を表し、R
14はC
1~C
4アルキル基を表し、R
15は水素原子又はC
1~C
4アルキル基を表し、X
-は、ハライド、ホスフェート、アセテート、ラクテート、アルキルサルフェート、アルキル又はアルキルアリールスルホネートの群から選ばれる陰イオンであり、アルキル及びアリール基は、好ましくはそれぞれ1~20炭素原子及び6~30炭素原子を含む]
による構造を有するものを含む。R
12及びR
13は、好ましくは、例えば、獣脂脂肪酸に由来する、12~21炭素原子を含有するアルケニル又はアルキル基の混合物を示し、R
14は好ましくはメチル基を示し、R
15は好ましくは水素原子を示す。そのような製品は、例えば、Rewo社によって名称REWOQUAT W 75の下で販売されている。
【0060】
ある特定の実例において組み込まれてよい第四級ジアンモニウム又はトリアンモニウム塩の例は、以下の一般式:
【化3】
[式中、R
16は、任意選択的に、ヒドロキシル化された、及び/又は1個又は複数の酸素原子が介在する、およそ16~30炭素原子を含むアルキルラジカルを示し、R
17は、水素又は1~4炭素原子を含むアルキルラジカル又は水素及び1~4炭素原子を含むアルキルラジカルから選ばれる同一でも異なってもよい、(R
16a)(R
17a)(R
18a)N-(CH
2)
3、R
16a、R
17a、R
18a、R
18、R
19、R
20及びR
21基から選ばれ;X
-は、ハライド、アセテート、ホスフェート、ニトレート及びメチルサルフェートの群から選ばれる陰イオンである]
による構造を有するものを含む。そのような化合物は、例えばFinetex社によって販売されているFinquat CTP(クオタニウム89)、及びFinetex社によって販売されているFinquat CT(クオタニウム75)である。
【0061】
ある特定の実例において組み込まれてよい陽イオン性/陽イオン化性界面活性剤の例は、以下に与えられる一般式:
R4-A-R5--B
[式中、R4は、8~24個のC原子を有する飽和又は不飽和、線状又は分岐状アルキル鎖であり、R5は1~4個のC原子を有する線状又は分岐状アルキル鎖であり、Aは、
【化4】
から選択され、
Bは
【化5】
から選択され、ここで、R
6及びR
7は同一又は異なり、H又は1~4個のC原子を有するアルキル鎖、1~4個のC原子を有するヒドロキシルアルキル鎖及び2~4個のC原子を有するジヒドロキシルアルキル鎖であり、
【化6】
R
8及びR
9は同一又は異なり、1~4個のC原子を有するアルキル鎖、1~4個のC原子を有するヒドロキシルアルキル鎖及び2~4個のC原子を有するジヒドロキシルアルキル鎖であり、R
10は1~4個のC原子を有するアルキル鎖、1~4個のC原子を有するヒドロキシルアルキル鎖又は2~4個のC原子を有するジヒドロキシルアルキル鎖である]
による構造を有するものを含む。
【0062】
幾つかの実例において、R4は、10~24C原子、より好ましくは12~22個のC原子を有する、飽和又は不飽和、線状又は分岐状アルキル鎖であり、R5は1~4個のC原子を有する線状又は分岐状アルキル基であり、A、B、R6~R10は上記と同じである。
【0063】
非限定的な適切な例は、ステアリルオキシプロピルアミン、パルミチルオキシプロピルアミン、ステアリルオキシプロピルジメチルアミン、ステアリルオキシプロピルジエチルアミン、ステアリルオキシエチルイルジメチルアミン、ステアリルオキシエチルアミン、ミリスチルオキシプロピルアミン、ミリスチルオキシプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルアミン、パルミタミドプロピルメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドプロピルジブチルアミン、パルミタミドプロピルブチルアミン、パルミタミドプロピルジプロピルアミン、パルミタミドプロピルプロピルアミン、パルミタミドプロピルジヒドロキシルエチルアミン、パルミタミドプロピルヒドロキシエチルアミン、パルミタミドプロピルジヒドロキシルプロピルアミン、パルミタミドプロピルヒドロキシプロピルアミン、ラウラミドプロピルアミン、ラウラミドプロピルメチルアミン、ラウラミドプロピルジエチルアミン、ラウラミドプロピルジブチルアミン、ラウラミドプロピルブチルアミン、ラウラミドプロピルジプロピルアミン、ラウラミドプロピルプロピルアミン、ラウラミドプロピルジヒドロキシルエチルアミン、ラウラミドプロピルヒドロキシエチルアミン、ラウラミドプロピルジヒドロキシルプロピルアミン、ラウラミドプロピルヒドロキシプロピルアミン、ステアラミドプロピルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドプロピルジブチルアミン、ステアラミドプロピルブチルアミン、ステアラミドプロピルジプロピルアミン、ベテナミドプロピルプロピルアミン、ベテナミドプロピルジヒドロキシルエチルアミン、ベテナミドプロピルヒドロキシエチルアミン、ベテナミドプロピルジヒドロキシルプロピルアミン、ベテナミドプロピルヒドロキシプロピルアミン、ベテナミドプロピルアミン、ベテナミドプロピルメチルアミン、ベテナミドプロピルジエチルアミン、ベテナミドプロピルジブチルアミン、ベテナミドプロピルブチルアミン、ベテナミドプロピルジプロピルアミン、ベテナミドプロピルプロピルアミン、ベテナミドプロピルジヒドロキシルエチルアミン、ベテナミドプロピルヒドロキシエチルアミン、ベテナミドプロピルジヒドロキシルプロピルアミン、ベテナミドプロピルヒドロキシプロピルアミン、ジパルミタミドプロピルメチルアミン、ジパルミタミドプロピルエチルアミン、ジパルミタミドプロピルブチルアミン、ジパルミタミドプロピルプロピルアミン、ジパルミタミドプロピルヒドロキシエチルアミン、ジパルミタミドプロピルヒドロキシプロピルアミン、ジラウラミドプロピルアミン、ジラウラミドプロピルメチルアミン、ジラウラミドプロピルブチルアミン、ジラウラミドプロピルヒドロキシエチルアミン、ジラウラミドプロピルヒドロキシプロピルアミン、ジステアラミドプロピルアミン、ジステアラミドプロピルメチルアミン、ジベヘナミドプロピルプロピルアミン、ジベヘナミドプロピルヒドロキシエチルアミン、パルミタミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアラミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ベテナミドプロピルトリヒドロキシエタルモニウム(hydroxyethalmonium)クロリド、ジステアリルアミドプロピルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルアミドジヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、パルミトイルプロピルアミン、パルミトイルプロピルメチルアミン、パルミトイルプロピルジエチルアミン、パルミトイルプロピルジブチルアミン、パルミトイルプロピルブチルアミン、パルミトイルプロピルジプロピルアミン、パルミトイルプロピルプロピルアミン、パルミトイルプロピルジヒドロキシルエチルアミン、パルミトイルプロピルヒドロキシエチルアミン、パルミトイルプロピルジヒドロキシルプロピルアミン、パルミトイルプロピルヒドロキシプロピルアミン、ミリストイルプロピルアミン、ミリストイルプロピルメチルアミン、ミリストイルプロピルジエチルアミン、ミリストイルプロピルジブチルアミン、ミリストイルプロピルブチルアミン、ミリストイルプロピルジプロピルアミン、ミリストイルプロピルプロピルアミン、ミリストイルプロピルジヒドロキシルエチルアミン、ミリストイルプロピルヒドロキシエチルアミン、ミリストイルプロピルジヒドロキシルプロピルアミン、ミリストイルプロピルヒドロキシプロピルアミン、ステアロイルプロピルアミン、ステアロイルプロピルメチルアミン、ステアロイルプロピルジエチルアミン、ステアロイルプロピルジブチルアミン、ステアロイルプロピルブチルアミン、ステアロイルプロピルジプロピルアミン、ベヘニルプロピルプロピルアミン、ベヘニルプロピルジヒドロキシルエチルアミン、ベヘニルプロピルヒドロキシエチルアミン、ベヘニルプロピルジヒドロキシルプロピルアミン、ベヘニルプロピルヒドロキシプロピルアミン、ベヘニルプロピルアミン、ベヘニルプロピルメチルアミン、ベヘニルプロピルジエチルアミン、ベヘニルプロピルジブチルアミン、ベヘニルプロピルブチルアミン、ベヘニルプロピルジプロピルアミン、ベヘニルプロピルプロピルアミン、ベヘニルプロピルジヒドロキシルエチルアミン、ベヘニルプロピルヒドロキシエチルアミン、ベヘニルプロピルジヒドロキシルプロピルアミン、ベヘニルプロピルヒドロキシプロピルアミン、ジパルミトイルプロピルメチルアミン、ジパルミトイルプロピルエチルアミン、ジパルミチルプロピルブチルアミン、ジパルミチルプロピルプロピルアミン、ジパルミチルプロピルヒドロキシエチルアミン、ジパルミチルプロピルヒドロキシプロピルアミン、ジラウロイルプロピルアミン、ジラウロイルプロピルメチルアミン、ジラウロイルプロピルブチルアミン、ジラウロイルプロピルヒドロキシエチルアミン、ジラウロイルプロピルヒドロキシプロピルアミン、ジステアリルプロピルアミン、ジステアリルプロピルメチルアミン、ジベヘニルプロピルプロピルアミン、ジベヘニルプロピルヒドロキシエチルアミン、パルミチルプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルプロピルトリヒドロキシエタルモニウム(hydroxyethalmonium)クロリド、ジステアリルプロピルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、ジオレオイルエチルヒドロキシエチルモニウム(dioleoylethylhydroxyethylmonium)メトサルフェート、及びジココイルエチルヒドロキシエチルモニウム(dicocoylethylhydroxyethylmonium)メトサルフェートである。
【0064】
陽イオン化性界面活性剤は、脂肪族アルキルアミン、好ましくは脂肪族ジアルキルアミンから選ばれてもよい。非限定的な例は、ジメチルラウラミン、ジメチルベヒンアミン、ジメチルコカミン、ジメチルミリスタミン、ジメチルパルミタミン、ジメチルステアラミン、ジメチル獣脂アミン、ジメチルソイアミン及びそれらの混合物を含む。
【0065】
脂肪族ジアルキルアミンは脂肪族アミドアミン化合物、それらの塩及びそれらの混合物を含む。非限定的な例はオレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、ブラシカアミドプロピルジメチルアミン、ラウラミドプロピルジメチルアミン、ミリスタミドプロピルジメチルアミン、ジリノールアミドプロピルジメチルアミン、及びパルミタミドプロピルジメチルアミンを含む。
【0066】
非ポリマー状、モノ-、ジ-及び/又はトリカルボン酸は脂肪族ジアルキルアミンを「中和する」ために使用されてもよい。幾つかの事例において、1種又は複数の非ポリマー状モノ-、ジ-及び/又はトリカルボン酸は少なくとも1個のジカルボン酸を含む。非限定的な例は、乳酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、グルタル酸、シトラコン酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、安息香酸及びそれらの混合物を含む。特に、乳酸又は酒石酸又はそれらの混合物は、殊に例えばステアラミドプロピルジメチルアミンなどの脂肪族ジメチルアミンと組み合わせて有用である。
【0067】
実施形態において、化粧品組成物はベヘントリモニウムクロリド、セトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート又はそれらの混合物から選ばれる陽イオン性界面活性剤を用いて配合されてもよい。
【0068】
化粧品組成物は、2種以上の陽イオン性界面活性剤が、同じ又は異なる平衡をとる陰イオン性イオンと会合するように配合されてもよい。例えば2種以上の陽イオン性界面活性剤の少なくとも1つは、クロリドイオン及び/又はサルフェートイオンを有していてもよい。幾つかの実例において、2種以上の陽イオン性界面活性剤は、セトリモニウムクロリド、並びにベヘントリモニウムメトサルフェート及びベヘントリモニウムクロリドのうちの1つ又は両方を含む。さらなる実例において、2種以上の陽イオン性界面活性剤は、ベヘントリモニウムクロリド、並びにベヘントリモニウムメトサルフェート及びセトリモニウムクロリドのうちの1つ又は両方を含む。
【0069】
なお別の実例において、陽イオン性界面活性剤(複数可)は、セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン及びそれらの混合物から選ばれる。
【0070】
脂肪族化合物(複数可)
化粧品組成物は、変動し得る量の1種又は複数の脂肪族化合物(複数可)を含むが、しかし、通常、化粧品組成物の全重量に対して約0.1~約20重量%である。幾つかの実例において、化粧品組成物中に存在する脂肪族化合物の量は、化粧品組成物の全重量に対して約0.1~20重量%、約0.1~約18重量%、約0.1~約16重量%、約0.1~約14重量%、約0.1~約12重量%、約0.1~約10重量%、約0.1~約8重量%、約0.1~約7重量%、約0.1~約6重量%、約0.1~約5重量%;約0.5~20重量%、約0.5~約18重量%、約0.5~約16重量%、約0.5~約14重量%、約0.5~約12重量%、約0.5~約10重量%、約0.5~約8重量%、約0.5~約7重量%、約0.5~約6重量%、約0.5~約5重量%;約1~約20重量%、約1~約18重量%、約1~約16重量%、約1~約14重量%、約1~約12重量%、約1~約10重量%、約1~約8重量%、約1~約7重量%、約1~約6重量%、約1~約5重量%;約2~約20重量%、約2~約18重量%、約2~約16重量%、約2~約14重量%、約2~約12重量%、約2~約10重量%、約2~約8重量%、約2~約7重量%、約2~約6重量%、約2~約5重量%;約3~約20重量%、約3~約18重量%、約3~約16重量%、約3~約14重量%、約3~約12重量%、約3~約10重量%、約3~約8重量%、約3~約7重量%、約3~約6重量%、約3~約5重量%;約4~約20重量%、約4~約18重量%、約4~約16重量%、約4~約14重量%、約4~約12重量%、約4~約10重量%、約4~約8重量% 約4~約7重量%、約4~約6重量%、約4~約5重量%;約5~約20重量%、約5~約18重量%、約5~約16重量%、約5~約14重量%、約5~約12重量%、約5~約10重量%、又は約5~約8重量%、約5~約7重量%又は約5~約6重量%であり、その間の範囲及び下位範囲をすべて含む。
【0071】
化粧品組成物に組み込まれてもよい脂肪族化合物(複数可)の例は、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪族エーテル、脂肪酸、ワックス、油剤、それらの誘導体及びそれらの混合物を含む。言及する価値がある脂肪族化合物の追加の例は、油剤、鉱油、アルカン(パラフィン)、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、脂肪族アルコールのエステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、ワックス及びトリグリセリド化合物、ラノリン、及びそれらの混合物を含む。
【0072】
脂肪酸エステル(複数可)
化粧品組成物は、脂肪酸エステルである1種又は複数の脂肪族化合物(複数可)を含んでいてもよい。例えば、脂肪族化合物(複数可)は、式:R1O(C=O)R2[式中、R1及びR2は独立して、1~30炭素原子を有する、若しくは2~28炭素原子を有する、若しくは4~25炭素原子を有する、若しくは6~22炭素原子を有する、線状又は分岐状、飽和又は不飽和アルキル鎖である]の炭酸ジアルキル、好ましくは炭酸C14~15ジアルキル、炭酸ジカプリリル、炭酸ジエチル、炭酸ジヘキシル、炭酸ジエチルヘキシル、ジメトキシフェニルフェニルオキソエチルエチルカーボネート、炭酸ジメチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジプロピルヘプチル、炭酸ジオクチル及びそれらの混合物から選択される1種又は複数の脂肪族カーボネートから選ばれてもよい。
【0073】
さらに又は代替として、脂肪酸エステルは、セチルエステル、パーセリンオイル(オクタン酸セテアリール)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、安息香酸C12~C15アルキル、安息香酸2-エチルフェニル、ラノリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、エルカ酸オレイル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、セバシン酸ジイソプロピル、オクタノエート、アルコール又はポリアルコールのデカン酸エステル又はリシノール酸エステル、ヒドロキシル化エステル及び炭酸ジカプリリル、ペンタエリトリトールエステル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、セバシン酸ジブチル、リンゴ酸ジ-C12-13アルキル、ダイマージリノール酸ジセテアリル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジイソセチル、アジピン酸ジイソノニル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、フマル酸ジイソステアリル及びそれらの混合物から選ばれる。言及する価値がある他の脂肪酸エステルは、オレイン酸ポリグリセリル-10、ジオレイン酸ポリグリセリル-10、ステアリン酸ポリグリセリル-6、ジステアリン酸ポリグリセリル-6、ステアリン酸ポリグリセリル-10、ジステアリン酸ポリグリセリル-10、ジパルミチン酸ポリグリセリル-8、ジパルミチン酸ポリグリセリル-10、ベヘン酸ポリグリセリル-10、及びトリラウリン酸ポリグリセリル-12を含む。
【0074】
脂肪族アルコール(複数可)
適切な脂肪族アルコールは、存在する場合、8を超える炭素原子、8~50炭素原子、8~40炭素原子、8~30炭素原子、8~22炭素原子、12~22炭素原子又は12~18炭素原子の、その間の範囲及び下位範囲をすべて含む炭素鎖を含む脂肪族基を有するものを含む。幾つかの実例において、脂肪族アルコールの脂肪族基は、10~20炭素原子又は10~18炭素原子の炭素鎖を有する。脂肪族アルコールは、12~16又は12~14炭素原子の炭素鎖を含む脂肪族アルコール基を有するものなどのポリエチレングリコールエーテルから選ばれてもよい。
【0075】
脂肪族アルコール部分は好ましくは、水素化されている(例えばステアリル、ラウリル、セチル、セテアリール)が;しかし、脂肪族アルコールは1個又は複数の二重結合(例えばオレイル)を含んでいてもよい。脂肪族アルコールの非限定的な例は、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリールアルコール(セチルアルコール及びステアリルアルコール)、イソステアリルアルコール、イソセチルアルコール、ベヘニルアルコール、リナロール、オレイルアルコール、cis-4-t-ブチルシクロヘキサノール、イソトリデシルアルコール、ミリシルアルコール及びそれらの混合物を含む。幾つかの事例において、脂肪族アルコールは、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリールアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソトリデシルアルコール及びそれらの混合物の少なくとも1つを含むか、又はそれらから選ばれてもよい。
【0076】
脂肪族アルコールは飽和でも不飽和であってもよい。例示の飽和液体脂肪族アルコールは分岐していてもよく、任意選択的に、それらの構造中に少なくとも1個の芳香族又は非芳香族環を含む。しかしながら、幾つかの実例において、脂肪族アルコールは非環式である。液体飽和脂肪族アルコールの非限定的な例は、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール及び2-ヘキシルデカノールを含む。
【0077】
例示の不飽和液体脂肪族アルコールは、それらの構造中に少なくとも1個の二重又は三重結合を含んでいてもよい。例えば、脂肪族アルコールは、共役であっても非共役であってもよい、幾つかの二重結合(2又は3個の二重結合など)を含んでいてもよい。不飽和脂肪族アルコールは線状であっても分岐であってもよく、非環式であるか、又はそれらの構造中に少なくとも1個の芳香族又は非芳香族環を含んでいてもよい。液体不飽和脂肪族アルコールは、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール及びウンデシレニルアルコールを含むか、又はそれらから選ばれてもよい。
【0078】
脂肪族アルコールは、例えばアルコキシ化脂肪族アルコールの1モル当たり約1~約100モルのアルキレンオキシドを有するアルコキシ化脂肪族アルコールであってもよい。例えば、アルコキシ化脂肪族アルコールは、アルコキシ化脂肪族アルコールの1モル当たり約1~約80モル、約2~約50、約5~約45モル、約10~約40モル又は15~約35モルの、その間の範囲及び下位範囲をすべて含むアルキレンオキシドでアルコキシ化されていてもよい。
【0079】
アルコキシ化脂肪族アルコールの例として、ステアレス(例えばステアレス-2、ステアレス-20及びステアレス-21)、ラウレス(例えばラウレス-4、及びラウレス-12)、セテス(例えばセテス-10及びセテス-20)及びセテアレス(例えばセテアレス-2、セテアレス-10及びセテアレス-20)が言及される。少なくとも1つの実例において、1種又は複数のアルコキシ化脂肪族アルコールはステアレス-20を含む。幾つかの実例において、1種又は複数のアルコキシ化脂肪族アルコールはもっぱらステアレス-20であってもよい。
【0080】
任意選択的に適切である、追加の脂肪族アルコール誘導体は、メチルステアリルエーテル;2-エチルヘキシルドデシルエーテル;酢酸ステアリル;プロピオン酸セチル;セチルアルコールのエチレングリコールエーテルであるセテス-1からセテス-45のセテス系列の化合物(ここで、数の表記は存在するエチレングリコール部分の数を示す。);ステアレスアルコールのエチレングリコールエーテルであるステアレス-1から10のステアレス系列の化合物(ここで、数の表記は存在するエチレングリコール部分の数を示す。);セテアレスアルコールのエチレングリコールエーテル、すなわちセチル及びステアリルアルコールを優勢的に含む脂肪族アルコールの混合物であるセテアレス-1からセテアレス-10(ここで、数の表記は存在するエチレングリコール部分の数を示す。);記載したばかりのセテス、ステアレス、及びセテアレス化合物のC1~C30アルキルエーテル;オクチルドデシルアルコール、ドデシルペンタデシルアルコール、ヘキシルデシルアルコール、及びイソステアリルアルコールなどの分岐状アルコールのポリオキシエチレンエーテル;ベヘニルアルコールのポリオキシエチレンエーテル;PPGエーテル、例えばPPG-9-ステアレス-3、PPG-11ステアリルエーテル、PPG8セテス-1及びPPG-10セチルエーテル;及びそれらの混合物を含む。
【0081】
脂肪族エーテル(複数可)
脂肪族化合物は脂肪族エーテルから選ばれてもよい。例えば、化粧品組成物はポリオキシエチレンセチル/ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ラウリン酸ポリオキシエチレン又はジラウリン酸ポリオキシエチレン、ステアリン酸ポリオキシエチレン又はジステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル又はポリオキシエチレンステアリルエーテル、ジカプリリルエーテル、ジセチルエーテルジステアリルエーテル、ドデシルエーテル、ジラウリルエーテル、ジミリスチルエーテル、ジイソノニルエーテル、又はそれらの混合物を含んでいてもよい。適切なポリオキシエチレン脂肪族エーテルの非限定的な例は、ポリオキシエチレンセチル/ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ラウリン酸又はジラウリン酸ポリオキシエチレン、ステアリン酸ポリオキシエチレン又はジステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル又はポリオキシエチレンステアリルエーテル、及びそれらの混合物(ここで、ポリオキシエチレンヘッド基約2~約100基の範囲である。)を含むが、しかしこれらに限定されない。ある実施形態において、ポリオキシエチレン脂肪族エーテルは、約3~約10オキシエチレン単位を有するポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル及びそれらの混合物を含む。
【0082】
脂肪酸(複数可)
幾つかの実例において、脂肪族化合物は脂肪酸、脂肪酸誘導体、脂肪酸のエステル、ヒドロキシル置換脂肪酸、及びアルコキシ化脂肪酸から選ばれてもよい。脂肪酸は、線状又は分岐鎖酸であってもよく、及び/又は飽和であっても不飽和であってもよい。脂肪酸の非限定的な例は、二酸、三酸及び他の多価の酸、並びにこれらの脂肪酸の塩を含む。例えば、脂肪酸は任意選択的に、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アラキドン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、セバシン酸、及びそれらの混合物を含むか、又はこれらから選ばれてもよい。幾つかの事例において、脂肪酸は、パルミチン酸、ステアリン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0083】
脂肪酸のポリグリセロールエステルの非限定的な例は、以下の式:
【化7】
[式中、nの平均値は約3であり、R
1、R
2及びR
3はそれぞれ独立して脂肪酸部分又は水素であってもよく、ただし、R
1、R
2及びR
3の少なくとも1つは脂肪酸部分である]
のものを含む。例えば、R
1、R
2及びR
3は飽和又は不飽和、線状又は分岐状であってよく、C
1~C
40、C
1~C
30、C
1~C
25又はC
1~C
20、C
1~C
16又はC
1~C
10の長さを有する。
【0084】
脂肪酸誘導体は、本明細書において、上記に定義される脂肪族アルコールの脂肪酸エステル、上記に定義される脂肪族アルコール誘導体の脂肪酸エステル(そのような脂肪族アルコール誘導体がエステル化できるヒドロキシル基を有する場合)、上記に記載の脂肪族アルコール及び脂肪族アルコール誘導体、ヒドロキシ置換脂肪酸、及びそれらの混合物以外のアルコールの脂肪酸エステルを含むと定義される。脂肪酸誘導体の非限定的な例は、リシノール酸、モノステアリン酸グリセロール、12-ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸エチル、ステアリン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ポリオキシエチレンセチルエーテル、ステアリン酸ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ステアリン酸ポリオキシエチレンラウリルエーテル、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ポリオキシエチレン、ジステアリン酸ポリオキシエチレン、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸トリメチロールプロパン、ステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸ポリグリセリル、セバシン酸ジメチル、ココ酸PEG-15、ステアリン酸PPG-15、モノステアリン酸グリセリン、ジステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリン、ラウリン酸PEG-8、イソステアリン酸PPG-2、ラウリン酸PPG-9、及びそれらの混合物を含む。モノステアリン酸グリセロール、12-ヒドロキシステアリン酸及びそれらの混合物が本明細書において使用に好ましい。
【0085】
ワックス
脂肪族化合物は、幾つかの実例において、1種又は複数のワックスを含むか、又はそれらから選ばれる。この範疇内のワックスの非限定的な例は、例えば、合成ワックス、セレシン、パラフィン、オゾケライト、ポリエチレンワックス、イリッペ脂、蜜蝋、カルナウバ蝋、微晶質、ラノリン、ラノリン誘導体、キャンデリア、カカオ脂、セラック蝋、鯨蝋、ふすまワックス、カポックワックス、サトウキビワックス、モンタン蝋、クジラワックス、シロヤマモモ蝋、フサアカシア花蝋、植物ワックス(ヒマワリシードヘリアントゥス・アンヌウス(helianthus annuus)、カルナウバ蝋、キャンデリア、オーリクリー若しくは木ロウ又はコルク繊維若しくはサトウキビロウなど)又はそれらの混合物を含む。
【0086】
油剤(複数可)
幾つかの実例において、脂肪族化合物は、1種又は複数の油剤(複数可)を含むか、又はそれらから選ばれてもよい。適切な油剤は、シリコーン油などの合成油剤;ココヤシ油などの天然油剤、;鉱油及び水素化ポリイソブテンなどの炭化水素、;オクチルドデカノールなどの脂肪族アルコール、;安息香酸C12~C15アルキルなどのエステル、;ジペラルゴン酸プロピレンなどのジエステル;及びトリオクタン酸グリセリルなどのトリエステルを含むが、しかしこれらに限定されない。化粧品組成物中に任意選択的に含まれてもよい油剤の非限定的な例には、イソノナン酸イソトリデシル、ジヘプタン酸PEG-4、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸トリデシル、オクタン酸セチル、パルミチン酸セチル、リシノール酸セチル、ステアリン酸セチル、ミリスチン酸セチル、ココ-ジ(カプリレート/カプレート)、イソステアリン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソヘキシル、パルミチン酸オクチル、リンゴ酸ジオクチル、オクタン酸トリデシル、ミリスチン酸ミリスチル、オクトドデカノール、又はオクチルドデカノールの組合せ、アセチル化ラノリンアルコール、酢酸セチル、イソドカノール、ポリグリセリル-3-ジイソステアレート、ヒマシ油、ラノリン及びラノリン誘導体、クエン酸トリイソセチル、セスキオレイン酸ソルビタン、C10-C18トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/トリグリセリド、ココヤシ油、コーン油、綿実油、トリアセチルヒドロキシステアリン酸グリセリル、トリアセチルリシノール酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、亜麻仁油、ミンク油、オリーブ油、ココヤシ油、イリッペバター、ナタネ油、大豆油、ヒマワリ種子油、獣脂、トリカプリン、トリヒドロキシステアリン、トリイソステアリン、トリラウリン、トリリノレイン、トリミリスチン、トリオレイン、トリパルミチン、トリステアリン、クルミ油、小麦胚芽油、コレステロール、又はそれらの組合せが含まれる。
【0087】
尿素化合物(複数可)及びクエン酸の組合せ
クエン酸及び尿素化合物(複数可)の組合せは、通常、化粧品組成物の全重量に対して約1~約15重量%の量で化粧品組成物中に存在する。幾つかの事例において、クエン酸及び尿素化合物(複数可)の組合せは、化粧品組成物の全重量に対して約1~約15重量%、約1~約15重量%、約1~約15重量%、約1~約13重量%、約1~約11重量%、約1~約10重量%、約1~約15重量%、約1~約9重量%、約1~約8重量%、約1~約7重量%、約1~約6重量%、約1~約5重量%、約1~約4重量%;約1.5~約15重量%、約1.5~約15重量%、約1.5~約13重量%、約1.5~約11重量%、約1.5~約10重量%、約1.5~約15重量%、約1.5~約9重量%、約1.5~約8重量%、約1.5~約7重量%、約1.5~約6重量%、約1.5~約5重量%、約1.5~約4重量%;約2~約15重量%、約2~約15重量%、約2~約13重量%、約2~約11重量%、約2~約10重量%、約2~約15重量%、約2~約9重量%、約2~約8重量%、約2~約7重量%、約2~約6重量%、約2~約5重量%;約3~約15重量%、約3~約15重量%、約3~約13重量%、約3~約11重量%、約3~約10重量%、約3~約15重量%、約3~約9重量%、約3~約8重量%、約3~約7重量%、約3~約6重量%、約3~約5重量%;約4~約15重量%、約4~約15重量%、約4~約13重量%、約4~約11重量%、約4~約10重量%、約4~約15重量%、約4~約9重量%、約4~約8重量%、約4~約7重量%、又は約4~約6の量で存在し、それらの範囲及び下位範囲を含む。
【0088】
クエン酸及び尿素化合物(複数可)の組合せは、通常、事前相成分として調製される。言い換えれば、クエン酸及び尿素の化合物の組合せは、通常、組合せが化粧品組成物のベース組成物に添加される前に、例えばクエン酸及び尿素化合物を組み合わせる/混合することによって製造される。
【0089】
クエン酸及び尿素化合物の組合せは、深共晶溶媒系(「DES」)系の形態であっても、なくてもよい。好ましくは、化粧品組成物は、少なくとも部分的にDES系を含む。化粧品組成物は、化粧品組成物の全重量に対して約1重量%以上の量のDES系を含んでいてもよい。幾つかの事例において、深共晶溶媒の量は、化粧品組成物の全重量に対して約1重量%以上、好ましくは約2重量%以上、約3重量%以上、約4重量%以上、約5重量%以上、約6重量%以上、約7重量%以上、約8重量%以上、約9重量%以上、約10重量%以上、約12重量%以上又は約14重量%以上である。さらに又は代替として、クエン酸及び尿素化合物(複数可)の組合せは、化粧品組成物のベースへ包含する前にDES系の形態をしている。
【0090】
DES系はクエン酸及び尿素化合物を含んでいてもよい。幾つかの事例において、DES系は、ジメチル尿素、ヒドロキシルエチル尿素、尿素及びそれらの混合物から選ばれるものなどの、クエン酸及び1種又は複数の尿素化合物から形成される。
【0091】
クエン酸及び尿素化合物(複数可)の組合せは、化粧品組成物の全重量に対して約0.5~約12重量%、約0.5~約10重量%、約0.5~約8重量%、約0.5~約6重量%、約0.5~約4重量%、約0.5~約3重量%;約1~約12重量%、約1~約10重量%、約1~約8重量%、約1~約6重量%、約1~約4重量%、約1~約3重量%;約1.5~約12重量%、約1.5~約10重量%、約1.5~約8重量%、約1.5~約6重量%、約1.5~約4重量%、約1.5~約3重量%;約2~約12重量%、約2~約10重量%、約2~約8重量%、約2~約6重量%、約2~約4重量%、約2~約3重量%;約3~約12重量%、約3~約10重量%、約3~約8重量%、約3~約6重量%、約3~約4重量%;約4~約12重量%、約4~約10重量%、約4~約8重量%、約4~約6重量%;約5~約12重量%、約5~約10重量%、約5~約8重量%、約5~約6重量%;約6~約12重量%、約6~約10重量%、約6~約8重量%;約7~約12重量%、約7~約10重量%、約7~約8重量%;約8~約12重量%、約8~約11重量%、約8~約10重量%;約9~約12重量%、約9~約11重量%、約9~約10重量%;約10~約12重量%、又は約10~約11重量%の量のクエン酸を含んでもよく、その間の範囲及び下位範囲を含む。
【0092】
クエン酸及び尿素化合物(複数可)の組合せは、化粧品組成物の全重量に対して約0.5~約12重量%、約1~約10重量%、約1~約8重量%、約1~約6重量%、約1~約4重量%、約1~約3重量%;約1.5~約12重量%、約1.5~約10重量%、約1.5~約8重量%、約1.5~約6重量%、約1.5~約4重量%、約1.5~約3重量%;約2~約12重量%、約2~約10重量%、約2~約8重量%、約2~約6重量%、約2~約4重量%、約2~約3重量%;約3~約12重量%、約3~約10重量%、約3~約8重量%、約3~約6重量%、約3~約4重量%;約4~約12重量%、約4~約10重量%、約4~約8重量%、約4~約6重量%;約5~約12重量%、約5~約10重量%、約5~約8重量%、約5~約6重量%;約6~約12重量%、約6~約10重量%、約6~約8重量%;約7~約12重量%、約7~約10重量%、約7~約8重量%;約8~約12重量%、約8~約11重量%、約8~約10重量%;約9~約12重量%、約9~約11重量%、約9~約10重量%;約10~約12重量%、又は約10~約11重量%の量の尿素化合物を含んでもよく、その間の範囲及び下位範囲を含む。
【0093】
尿素化合物は以下の式:
【化8】
[式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は、水素、C
4~C
10非置換アリール、C
4~C
10置換アリール、C
2~C
10非置換複素環、C
2~C
10置換複素環、C
1~C
10非置換アルキル、C
1~C
10置換アルキル、C
3~C
10非置換シクロアルキル及びC
3~C
10置換シクロアルキルから独立して選択される]
による構造を有していてもよい。
【0094】
尿素化合物は、好ましくはジメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、尿素又はそれらの混合物から選ばれる。尿素化合物の非限定的な例は、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、m-ジメチルアミノフェニル尿素、ジメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、尿素、尿素誘導体、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、m-ジメチルアミノフェニル尿素、ジメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、N-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N-(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(3-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)尿素;N-(2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシヘキシル)尿素;N-メチル-N-(1,3,4,5,6-ペンタヒドロキシ-2-ヘキシル)尿素;N-メチル-N’-(1-ヒドロキシ-2-メチル-2-プロピル)尿素;N-(1-ヒドロキシ-2-メチル-2-プロピル)尿素;N-(1,3-ジヒドロキシ-2-プロピル)尿素;N-(トリス-ヒドロキシメチルメチル)尿素;N-エチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N’-プロピル尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N-tert-ブチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)-N’-(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(1,3-ジヒドロキシ-2-プロピル)-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル).-N’,N’-ジメチル尿素;N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N’,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N’、及び/又はN’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-尿素を含む。
【0095】
増粘剤(複数可)
本明細書において記載の化粧品組成物は任意選択的に、増粘剤を含んでいてもよい。増粘剤の量は変動することができるが、通常化粧品組成物の全重量に対して約0.01~約20重量%である。幾つかの事例において、増粘剤の全量は、化粧品組成物の全重量に対して約0.01~約15重量%、約0.01~約10重量%、約0.01~約0.01~約8重量%、約0.01~約6重量%、約0.01~約5重量%、約0.1~約20重量%、約0.1~約15重量%、約0.1~約10重量%、約0.1~約8重量%、約0.1~約6重量%、又は約0.1~約5重量%であり、その間の範囲及び下位範囲を含む。
【0096】
増粘剤(複数可)は、キサンタンゴム、グアーゴム、バイオサッカライドゴム、セルロース、アラビアゴム、スクレロティウムゴム、アガロース、ペクチン、ゲランゴム、ヒアルロン酸から選ばれてもよい。さらに、1種又は複数の増粘剤はポリアクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム、アクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/VPコポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリレートコポリマー、ポリアクリルアミド、カルボマー、及びアクリレート/アクリル酸C10~30アルキルクロスポリマーからなる群から選択されるポリマー状増粘剤を含んでいてもよい。幾つかの事例において、組成物はポリアクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム、及び/又はポリアクリル酸ナトリウムを含む。適切な増粘剤は、すべての目的のためにその全体が本明細書において組み込まれる、米国特許出願第16/731,654号に見いだすことができる。
【0097】
多くの増粘剤は、本発明の化粧品組成物が水に分散/溶解されると、水溶性であり、水の粘度を増加させ、水性ゲルを形成する。必要ならば、水溶液は、ゲルの形成のために、加熱して冷却され、又は中和されてもよい。増粘剤は、それが水に分散/溶解される場合、水に可溶の水性溶媒、例えばエチルアルコールに分散/溶解されてもよい。
【0098】
挙げることができる特定のタイプの増粘剤は、以下を含む:
1種又は複数の増粘剤は、任意選択的に、本開示の化粧品組成物中に含むことができる。増粘剤は「増粘剤」又は「粘度改質剤」と称されてもよい。増粘剤は通常、化粧品組成物の粘度を増加させるために含まれる。それにもかかわらず、幾つかの実例において、ある増粘剤は化粧品組成物に追加の驚くべき恩恵を提供している。増粘剤の非限定的な例は、ポリアクリレートクロスポリマー又は架橋したポリアクリレートポリマー、陽イオン性アクリレートコポリマー、陰イオン性アクリル酸又はカルボン酸ポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、セルロース誘導体などの多糖、ゴム、ポリクオタニウム、ビニルピロリドンホモポリマー/コポリマー、C8~24ヒドロキシル置換脂肪酸及びC8~24共役脂肪酸、糖脂肪酸エステル、ポリグリセリルエステル及びそれらの混合物を含む。挙げることができる特定のタイプの増粘剤は、以下を含む:
【0099】
線状でも架橋していてもよいカルボン酸又はカルボキシレートベースのホモポリマー又はコポリマー:
これらのポリマーは、アクリル酸、置換アクリル酸、及びこれらのアクリル酸及び置換アクリル酸の塩及びエステル(アクリレート)に由来する1種又は複数のモノマーを含む。市販されているポリマーは、商品名CARBOPOL、ACRYSOL、POLYGEL、SOKALAN、CARBOPOL ULTREZ及びPOLYGELの下で販売されているものを含む。市販されているカルボン酸ポリマーの例はカルボマーを含み、これは、スクロース又はペンタエリトリトールのアリルエーテルと架橋したアクリル酸のホモポリマーである。カルボマーは、B.F.Goodrich(例えばCARBOPOL 954)からのCARBOPOL 900シリーズとして入手可能である。さらに、他の適切なカルボン酸のポリマー状試剤は、ULTREZ 10(B.F.Goodrich)、及びアクリル酸、メタクリル酸又はそれらの短鎖(すなわちC1~4アルコール)エステルの1つの、1つ又は複数のモノマーとのアクリル酸C10~30アルキルのコポリマーを含み、ここで、架橋剤はスクロース又はペンタエリトリトールのアリルエーテルである。これらのコポリマーは、アクリレート/アクリル酸C10~C30アルキルクロスポリマーとして知られ、及び、B.F.GoodrichからCARBOPOL 1342、CARBOPOL 1382、PEMULEN TR-1及びPEMULEN TR-2として市販されている。
【0100】
他の適切なカルボン酸又はカルボキシレートポリマー状試剤は、アクリル酸及びアルキルC5~C10アクリレートのコポリマー、アクリル酸及び無水マレイン酸のコポリマー及びポリアクリレートクロスポリマー-6を含む。ポリアクリレートクロスポリマー-6はSeppicからのSEPIMAX ZENとして公知の原材料において入手可能である。
【0101】
別の適切なカルボン酸又はカルボキシレートポリマー状試剤は、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、陽イオン性アクリレートコポリマー(又は第四級アンモニウム化合物)を含み、SeppicからのSIMULQUAT HC 305の商品名の下で公知の原料として入手可能である。
【0102】
ある実施形態において、本明細書において有用なカルボン酸又はカルボキシレートポリマー増粘剤は、カルボマー、アクリレート/アクリル酸C10~C30アルキルクロスポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-6、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、及びそれらの混合物から選択されるものである。
【0103】
ポリクオタニウム化合物:
非限定的な例として、ポリクオタニウム-1、ポリクアテルニウム-2、ポリクアテルニウム-3、ポリクアテルニウム-4、ポリクアテルニウム-5、ポリクアテルニウム-6、ポリクアテルニウム-7、ポリクアテルニウム-8、ポリクアテルニウム-9、ポリクアテルニウム-10、ポリクアテルニウム-11、ポリクアテルニウム-12、ポリクアテルニウム-13、ポリクアテルニウム-14、ポリクアテルニウム-15、ポリクアテルニウム-16、ポリクアテルニウム-17、ポリクアテルニウム-18、ポリクアテルニウム-19、ポリクアテルニウム-20、ポリクアテルニウム-21、ポリクアテルニウム-22、ポリクアテルニウム-23、ポリクアテルニウム-24、ポリクアテルニウム-25、ポリクアテルニウム-26、ポリクアテルニウム-27、ポリクアテルニウム-28、ポリクアテルニウム-29、ポリクアテルニウム-30、ポリクアテルニウム-40、ポリクアテルニウム-41、ポリクアテルニウム-42、ポリクアテルニウム-43、ポリクアテルニウム-44、ポリクアテルニウム-45、ポリクアテルニウム-46、ポリクアテルニウム-47、ポリクアテルニウム-48、ポリクアテルニウム-49、ポリクアテルニウム-50、ポリクアテルニウム-51、ポリクアテルニウム-52、ポリクアテルニウム-53、ポリクアテルニウム-54、ポリクアテルニウム-55、ポリクアテルニウム-56、ポリクアテルニウム-57、ポリクアテルニウム-58、ポリクアテルニウム-59、ポリクアテルニウム-60、ポリクアテルニウム-61、ポリクアテルニウム-62、ポリクアテルニウム-63、ポリクアテルニウム-64、ポリクアテルニウム-65、ポリクアテルニウム-66、ポリクオタニウム-67などを含む。幾つかの事例において、好ましいポリクオタニウム化合物はポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-67及びそれらの混合物を含む。
【0104】
セルロース:
セルロースの非限定的な例は、セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートカルボキシレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、微結晶性セルロース、ナトリウムセルロースサルフェート、及びそれらの混合物を含む。幾つかの実例において、セルロースは水溶性セルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースサルフェートナトリウム塩)から選択される。さらに、幾つかの実例において、セルロースは好ましくはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)である。
【0105】
ポリビニルピロリドン(PVP)及びコポリマー:
非限定的な例は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルピロリドン(PVP)/酢酸ビニルコポリマー(PVP/VAコポリマー)、ポリビニルピロリドン(PVP)/エイコセンコポリマー、PVP/ヘキサデセンコポリマーなどを含む。市販されているポリビニルピロリドンはBASFから入手可能なLUVISKOL K30、K85、K90を含む。市販されているビニルピロリドン及び酢酸ビニルのコポリマーは、BASFから入手可能なLUVISKOL VA37、VA64を含み;ビニルピロリドン、メタクリルアミド及びビニルイミダゾールのコポリマー(INCI名:VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾールコポリマー)はBASFからLUVISETとして市販されている。幾つかの実例において、PVP及びPVP/VAコポリマーが好ましい。
【0106】
スクロースエステル:
非限定的な例は、パルミチン酸スクロース、ココ酸スクロース、モノオクタン酸スクロース及びモノデカン酸スクロース、モノ-又はジラウリン酸スクロース、モノミリスチン酸スクロース、モノ-又はジパルミチン酸スクロース、モノ-及びジステアリン酸スクロース、モノ-、ジ、又はトリオレイン酸スクロースモノ-又はジリノール酸スクロース、ペンタオレイン酸スクロース、ヘキサオレイン酸スクロース、ヘプタオレイン酸スクロース又はオクトオレイン酸、及びパルミチン酸/ステアリン酸スクロースなどの混合エステル、並びにそれらの混合物を含む。
【0107】
ポリグリセリルエステル:
非限定的な脂肪酸のポリグリセロールエステル(ポリグリセリルエステル)は以下の式:
【化9】
[式中、nは2~20、2~10若しくは2~5であり、又は2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10であり、R
1、R
2及びR
3はそれぞれ、独立して脂肪酸部分又は水素であってもよく、ただし、R
1、R
2及びR
3の少なくとも1つは脂肪酸部分である]
のものを含む。例えば、R
1、R
2及びR
3は飽和又は不飽和、線状又は分岐状であってもよく、C
1~C
40、C
1~C
30、C
1~C
25、又はC
1~C
20、C
1~C
16、又はC
1~C
10の長さを有する。さらに、脂肪酸の非イオン性ポリグリセロールエステルの非限定的な例は、カプリル酸塩/カプリン酸ポリグリセリル-4、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-10、カプリン酸ポリグリセリル-4、カプリン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸ポリグリセリル-4、ラウリン酸ポリグリセリル-5、ラウリン酸ポリグリセリル-6、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ココ酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-10、ステアリン酸ポリグリセリル-10、及びそれらの混合物を含む。
【0108】
ゴム:
ゴムの非限定的な例は、アラビアゴム、トラガカントゴム、カラヤゴム、グアーゴム、ゲランゴム、タラゴム、ローカストビーンゴム、タマリンドゴム、キサンタンゴム、ローカストビーンゴム、アカシアゴム、スクレロティウムゴム、ゲランゴムなどを含む。
【0109】
pH調整剤(複数可)
化粧品組成物は、化粧品組成物の全体的なpHを上げるか下げるために1種又は複数のpH調整剤を含んでいてもよい。例えば、1種又は複数の酸が、化粧品組成物のpHを低下させるために含まれてもよい。化粧品組成物のpHを低下させるために適している酸の例は、クエン酸、酢酸などを含むが、しかしこれらに限定されない。化粧品組成物は、化粧品組成物のpHを上げるために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの1種又は複数の塩基を含んでいてもよい。化粧品組成物のpHを調節するのに適している、追加又は代替の酸及び塩基は、当業者にとって容易にわかることである。
【0110】
化粧品組成物中のpH調整剤の量は、最終化粧品組成物及び/又は製品の所望のpHに基づいてもよい。例えば、pH調整剤の全量は、化粧品組成物の全重量に対して約0.05~約20重量%の範囲であってもよい。幾つかの実例において、pH調整剤の全量は、化粧品組成物の全重量に対して約0.05~約15重量%、約0.1~約10重量%又は約0.12~約5重量%であり、その間の範囲及び下位範囲を含む。
【0111】
水
化粧品組成物は任意選択的に、10重量%以下の水を含んでいてもよい。例えば、外来の水と組み合わせる前の化粧品組成物中に存在する水の量は、化粧品組成物の全重量に対して10重量%以下、9重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下又は0.5重量%以下であってもよい。幾つかの実例において、外来の水と組み合わせる前に化粧品組成物中に存在する水は、組成物に添加される(「添加水」)。幾つかの実例において、外来の水と組み合わせる前の化粧品組成物中に存在する水は、「添加水」ではなく、すなわち、それは、化粧品組成物に含まれる原材料の一部として化粧品組成物中に存在する。化粧品組成物は外来の水を組み合わせる前に水を含んでいてもよいが、一部の実施形態において、化粧品組成物は水を含まず、又は水を実質的に含まない。
【0112】
エステル(複数可)
化粧品組成物は任意選択的に、1種又は複数のジエステル、1種又は複数のトリグリセリド、及びそれらの混合物から選ばれるエステル油などのエステルを含んでいてもよい。化粧品組成物中に存在するジエステルの量は、例えば化粧品組成物の全重量に対して約0.05~約4.5重量%、約0.1~約4重量%、約0.1~約3.5重量%、約0.1~約3重量%、約0.5~約3重量%、約0.5~約2.5重量%;約0.5~約2重量%又は約0.5~約1.5重量%の範囲であってもよく、その間の範囲及び下位範囲をすべて含む。ある実施形態において、化粧品組成物中に存在するジエステルの量は、化粧品組成物の全重量に対して約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.75、1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3重量%である。
【0113】
液体エステルの非限定的な例は、C6~C32脂肪酸からの脂肪酸エステル及び/又はC6~C32脂肪族アルコールを含み、25℃1気圧で液体である。これらのエステルは、飽和又は不飽和、線状又は分岐状C1~C26脂肪族モノ又はポリ酸と、飽和又は不飽和、線状又は分岐状C1~C25脂肪族モノ又はポリアルコールとの液体エステルであってもよく、エステル中の炭素原子の全数は10と等しいか又はそれより大きい。幾つかの事例において、モノアルコールのエステルとして、本発明のエステルが結果として生じるアルコール又は酸の少なくとも1つは、分岐している。一塩基酸とモノアルコールとのモノエステルの中で、言及されてもよいのは、パルミチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル又はミリスチン酸エチルなどのミリスチン酸アルキル、ステアリン酸イソセチル及びイソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル及びネオペンタン酸イソステアリルである。
【0114】
幾つかの事例において、ヘアコンディショニング組成物中にセチルエステルを含むことは特に有用である。セチルエステルは、飽和脂肪酸及び脂肪族アルコールの以下のエステルの混合物である:パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル及びステアリン酸ステアリル。
【0115】
C4~C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸とC1~C22アルコールとのエステル、及びモノカルボン、ジカルボン酸又はトリカルボン酸と、C4~C26ジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシ又はペンタヒドロキシノンシュガーアルコールのエステルも使用されてもよい。言及することができるのは、特にセバシン酸ジエチル;セバシン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジ-n-プロピル;クエン酸トリイソプロピル;トリ乳酸グリセリル;トリオクタン酸グリセリル;ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール;及びジイソノナン酸ジエチレングリコールである。
【0116】
挙げることができる非限定的な液体エステル(エステル油)又は液体脂肪酸エステルは、例えば、ヒマワリ油、コーンオイル、大豆油、骨髄油、グレープシード油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、マカダミア油、アララ油、ヒマシ油、アボカド油、オリーブ油、ナタネ油、ココヤシ油、小麦麦芽油、スイートアーモンド油、アプリコット油、サフラワー油、キャンドルナット油、ココヤシ油、カメリナ油、タマヌ油、ババスー油及びプラカシー油、ホホバ油及びシアバター油を含む。
【0117】
本開示のエステルはまた、C9~C26脂肪酸及びC9~C25脂肪族アルコールから得られた固体エステルを含む固体脂肪酸エステル及び/又は脂肪酸エステルをさらに含んでいてもよい。これらのエステルの中で、言及することができるのは、ベヘン酸オクチルドデシル及びベヘン酸イソセチル、乳酸セチル、オクタン酸ステアリル、オクタン酸オクチル、オクタン酸セチル、オレイン酸デシル、ステアリン酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル、ペラルゴン酸オクチル、ステアリン酸オクチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル又はミリスチン酸ステアリルなどのミリスチン酸アルキル、及びステアリン酸ヘキシルである。
【0118】
実施形態において、本開示の化粧品組成物の1種又は複数のエステルは、1種又は複数のジエステル、特に、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、セバシン酸ジブチル、リンゴ酸ジ-C12-13アルキル、ダイマージリノール酸ジセテアリル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジイソセチル、アジピン酸ジイソノニル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、フマル酸ジイソステアリル塩、及びそれらの混合物から選ばれるジエステル油を含む。
【0119】
キット
本開示の態様は、本明細書において検討される化粧品組成物を含むキットを対象とする。実施形態において、本開示の化粧品組成物は毛髪化粧品又はヘアトリートメント組成物である。例えば、キットは、毛髪化粧品又はヘアトリートメント組成物などの、本開示による少なくとも1種の化粧品組成物、及び例えばシャンプー、コンディショナーなどの1種又は複数の追加の組成物を含んでいてもよい。様々な組成物は、キットに別々に含まれている。幾つかの実例において、キットは、1種又は複数の化粧品組成物、例えば、本開示による毛髪化粧品又はヘアトリートメント組成物、シャンプー、コンディショナー、マスク、及び/又は他のヘアトリートメント製品を含み、それらはすべて別々に含まれている。
【0120】
キットの化粧品組成物は、例えばそのままで使用できる容器などの様々な異なる容器に包装されてもよい。有用な包装の非限定的な例は、チューブ、ジャー、ふた、単位量包装、及び圧搾可能なチューブ、ボトル及び噴霧可能な容器を含むボトルを含む。シャワー又は浴槽の壁を含む浴室の壁などの壁に付けることができるように、包装が構成されてもよい。例えば、包装は、圧力が容器に印加されると、それに含まれている組成物が容器の1つ又は複数の開口部から押し出されるように、壁に結合して構成される容器であってもよい。幾つかの事例において、包装は、2つの区画を有するチューブ又はデュアルチューブなどのチューブであり、それぞれ別個の区画を形成する。各区画は異なる組成物を含んでいてもよい。例えば、一方のチューブ又は区画は、本開示による化粧品組成物を含んでもよく、他方のチューブは、化粧品組成物、例えばシャンプー、コンディショナー、オールインワンシャンプー/コンディショナー(すなわちコンディショニングシャンプー;また「共洗浄液」とも称される)マスク又は他の化粧用製品を用いて使用される組成物を含んでいてもよい。
【0121】
化粧品組成物を製造する方法(複数可)
開示の態様は化粧品組成物を製造する方法に関する。化粧品組成物を製造する方法は、典型的には
(I)
(i)クエン酸、及び
(ii)尿素化合物
を含む深共晶溶媒系であり、(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比が約10:0.5~約0.5:10である、深共晶溶媒系を生成することと、
(II)
(a)ベース組成物の重量に対して約20~約95重量%のポリオール、
(b)ベース組成物の重量に対して約5~約70重量%の、2~6個の炭素原子を有する1種又は複数のモノアルコール、
(c)ベース組成物の重量に対して約0.1~約10重量%の1種又は複数の陽イオン性界面活性剤、及び
(d)ベース組成物の重量に対して約0.1~約20重量%の1種又は複数の脂肪族化合物
を含むベース組成物であり、ポリオールとモノアルコール(複数可)との重量比(ポリオール:モノアルコール(複数可))が20:1~1:20である、ベース組成物に(I)の深共晶溶媒系を添加することと
を含む。
【0122】
方法は、例えば、本明細書において検討されるようにある比中の、(i)のクエン酸、及び(ii)の尿素化合物を混合することによって(I)の深共晶溶媒(DES)系を形成することをさらに含んでいてもよい。幾つかの事例において、例えば、クエン酸及び尿素化合物が室温で液体として混合する場合、DES系は室温で形成されてもよい。他の事例において、方法は、クエン酸及び尿素化合物の混合物/組合せを約70℃~約90℃の温度に加熱することを含む。クエン酸及び尿素化合物の混合物/組合せを加熱することは通常、クエン酸及び尿素化合物が室温で液体として混ざらない場合、有益である。クエン酸及び尿素化合物の混合物/組合せは、クエン酸及び尿素化合物が液体として混ざるような温度に加熱されてもよい。例えば、クエン酸及び尿素化合物の混合物/組合せは約75℃~約90℃、約80℃~約90℃、約85℃~約90℃、約70℃~約85℃、約75℃~約85℃、約80℃~約85℃、約70℃~約80℃、約75℃~約80℃、又は約70℃~約75℃の温度に又はそれらの任意の範囲若しくは下位範囲に加熱されてもよい。
【0123】
方法は、(a)の1種又は複数のポリオール、(b)の2~6個の炭素原子を有するモノアルコール(c)の陽イオン性界面活性剤及び(d)の脂肪族化合物を組み合わせることによって、化粧品組成物のベース組成物を製造することを含んでいてもよい。当業者は、組成物のベースが安定及び/又は均質となるように、前述の化合物を組み合わせる方法を理解している。幾つかの事例において、化粧品組成物のベースは、加熱、混合され及び/又は剪断力を、例えば乳化剤から受けることができる。
【0124】
ケラチン基質を処置する方法(複数可)
本開示の態様は、またそのような化粧品組成物を使用する方法に関する。
【0125】
開示の態様に従って毛髪又は皮膚などのケラチン基質を処置する方法は、典型的には
(I)
(a)約20~約95重量%のポリオール、
(b)約5~約70重量%の、2~6個の炭素原子を有する1種又は複数のモノアルコール、
(c)約0.1~約10重量%の1種又は複数の陽イオン性界面活性剤、
(d)約0.1~約20重量%の1種又は複数の脂肪族化合物、並びに
(e)約1~約15重量%の
(i)クエン酸、及び
(ii)尿素化合物
の組合せを含む化粧品組成物であり、ポリオールとモノアルコール(複数可)との重量比(ポリオール:モノアルコール(複数可))が20:1~1:20であり;(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比が約10:0.5~約0.5:10であり、重量パーセントが化粧品組成物の全重量に基づく、化粧品組成物をケラチン基質に塗布することと、
(II)任意選択的に、ケラチン基質をすすいで化粧品組成物の少なくとも一部を除去することと
を含み、
ケラチン基質は、下地に化粧品組成物を塗布する前及び/又は後及び/又はその間に濡れているか、又は外来の水を用いてすすがれる。
【0126】
開示の態様に従って毛髪を処置する方法は典型的には、
(I)任意選択的に、毛髪にシャンプーを塗布することと、
(II)任意選択的に、毛髪をすすいでシャンプーの少なくとも一部を除去することと、
(III)
(a)約20~約95重量%のポリオール、
(b)約5~約70重量%の、2~6個の炭素原子を有する1種又は複数のモノアルコール、
(c)約0.1~約10重量%の1種又は複数の陽イオン性界面活性剤、
(d)約0.1~約20重量%の1種又は複数の脂肪族化合物、並びに
(e)約1~約15重量%の
(i)クエン酸、及び
(ii)尿素化合物
の組合せ
を含む化粧品組成物であり、ポリオールとモノアルコール(複数可)との重量比(ポリオール:モノアルコール(複数可))が20:1~1:20であり、(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比が約10:0.5~約0.5:10であり、重量パーセントが化粧品組成物の全重量に基づく、化粧品組成物を塗布することと、
(IV)任意選択的に、毛髪をすすいで化粧品組成物の少なくとも一部を除去することと
を含む。
【0127】
本開示に従って毛髪を処置及び/又は浄化する方法は、通常変動し得るが、しかし、本明細書において開示される化粧品組成物を塗布し、化粧品組成物が十分な長さの時間毛髪に留まることを可能にし、化粧品組成物を毛髪からすすぐことを含む。幾つかの実例において、しかしながら、化粧品組成物はすすぎなし組成物であってもよい。例えば、化粧品組成物は、毛髪に無期限に留まるようにさせ、すなわち、化粧品組成物は整髪の前に毛髪から除去又はすすがれなくてもよい。
【0128】
化粧品組成物は他の組成物との順序で毛髪に塗布されてもよい。例えば、化粧品組成物は、毛髪をシャンプーする前、毛髪をシャンプーした後、毛髪をコンディショニングする前、及び/又は毛髪をコンディショニングした後などに毛髪に塗布されてもよい。しかしながら、化粧品組成物が、ある順序で使用されることは必要ではない。
【0129】
方法は、毛髪又は皮膚などのケラチン基質に、例えば片手又は両手に、毛髪に、頭皮に、顔に、身体などに、ある量の化粧品組成物を塗布することを含んでいてもよい。毛髪又は皮膚は、外来の水で既に濡れていても湿っていてもよく、又は、化粧品組成物が毛髪又は皮膚に既に塗布された後、外来の水を含むことができる。化粧品組成物及び外来の水は、任意選択的に身体の皮膚又は毛髪で一緒に混合されて粘度が増加した不透明なエマルジョン、ラメラ相構造及び/又は混合構造の形成を容易にし得る。代替として、化粧品組成物及び外来の水は組み合わせられ、任意選択的に、毛髪又は皮膚に塗布する前に混合されてもよい。例えば、化粧品組成物は、容器及びボウル、包装、ボトル中などで組み合わせられ、続いて、不透明なエマルジョンを形成した後に毛髪又は皮膚に塗布されてもよい。
【0130】
幾つかの実例において、方法は、ラメラ相構造、混合構造及び/又は不透明なエマルジョンを手に形成すること、及び続いて毛髪又は皮膚にそれを塗布することを含む。他の実例において、方法はラメラ相構造、混合構造及び/又は不透明なエマルジョンを直接毛髪又は皮膚に形成することを含む。処置されるケラチン基質が毛髪である場合、化粧品組成物及び水との組合せによって形成されたエマルジョンは、コンディショニング、毛髪の取り扱い、化粧効果の耐久性の改善、及び/又は熱劣化に対する毛髪の抵抗力の改善に有用である。化粧品組成物及び水との組合せによって形成されたエマルジョンは、濡れた又は湿った毛髪に塗布することができ、毛髪をマッサージし、例えば、手を用いて、及び/又は櫛又はブラシを用いて毛髪の全体にわたって伸ばしてもよい。これによって毛髪の平滑化及び軟化をもたらし、縮れ、乾燥及び望ましくないボリュームを低減する。
【0131】
幾つかの事例において、化粧品組成物は、個別の通常のシャワー/入浴/クレンジングルーチン中に、例えばルーチンの追加のヘアケア又はスキンケア又はスキンクレンジング組成物と組み合わせて使用される。化粧品組成物は、毛髪又は皮膚に個々に塗布されてもよく、又は1種若しくは複数の追加の組成物と組み合わせてもよい。例えば、化粧品組成物は毛髪への塗布前にシャンプー(又はコンディショナー)と混合されてもよい。この場合、シャンプー(又はコンディショナー)及び化粧品組成物の混合物は、浄化又はコンディショニングプロセス中に、毛髪に同時に塗布され、同時に毛髪からすすがれる。代替として、化粧品組成物は、シャンプー(又はコンディショナー)が既に塗布された毛髪の上に(又は泡立った毛髪中に)層を作ってもよいが、又はその逆でもまた同様である。この場合、化粧品組成物は、毛髪からそれをすすぐことなく毛髪を塗布されてもよく、その後、シャンプー(又はコンディショナー)は、毛髪に続いて塗布される。代替として、シャンプー(又はコンディショナー)は、毛髪からシャンプー(又はコンディショナー)をすすぐことなく、まず毛髪に塗布されてもよく、化粧品組成物も毛髪に塗布される。
【0132】
シャンプー及び/又はコンディショナーと組み合わせて使用される場合、化粧品組成物は、約1:10~約10:1、約1:5~約5:1、約1:3~約3:1、約1:2~約2:1、約1:1~約4:1、約1:1~約3:1又は約1:1~約2:1の比(本開示の化粧品組成物:シャンプー/コンディショナーなど)のシャンプー及び/又はコンディショナーを用いて混合又は使用されてもよい。
【0133】
本開示の化粧品組成物は、毛髪からすすぐ前に最低限の時間毛髪に留めてもよいが、しかし、化粧品組成物を長期間の間、毛髪に留める必要はない。好都合なことに、化粧品組成物は、塗布し、普通のシャンプー及び/又はコンディショニングに典型的な時間、毛髪に留めることができる。例えば、化粧品組成物(シャンプーでもコンディショナーでもよい別のヘアトリートメント組成物と組み合わせて)は、毛髪に塗布され、数秒間(1、2、3又は5秒)、最大約1、約2、約5、約10、約15、約20、約25又は約30分間毛髪に留めてもよい。
【0134】
化粧品組成物が毛髪への塗布前に別の組成物と混合されていない場合、化粧品組成物は、毛髪が別の組成物(例えば、シャンプー、及び/又は、コンディショナー)を用いて処置される直後に、又は直前に、毛髪に塗布されてもよい。例えば、化粧品組成物は、シャンプー及び/又はコンディショナーが毛髪に塗布される前又は後、数秒又は1、2、5、10若しくは20分以内に毛髪に塗布されてもよい。
【0135】
用語「INCI」は、化粧品原料国際命名法(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients)の短縮形であり、パーソナルケア原料を記載するためにthe International Nomenclature Committee of the Personal Care Products Councilによって提供される名称のシステムである。
【0136】
本明細書において使用される場合、提供される範囲はすべて、すべての特定の範囲以内、及び所与の範囲の間の下位範囲の組合せ、を含むことを意味する。したがって、1~5の範囲はとりわけ1、2、3、4及び5、それに加えて、2~5、3~5、2~3、2~4、1~4などの下位範囲を含む。
【0137】
この開示で肯定的に述べられるすべての成分及び要素は、特許請求の範囲からは否定的に排除することができる。言い換えれば、本開示の毛髪クレンジング組成物は、本開示の全体にわたって肯定的に記述される、すべての成分及び要素を含まないか、又は本質的に含まないことが可能である。幾つかの実例において、本開示の毛髪クレンジング組成物は、本明細書において記載の非偶発的量の原料(複数可)又は化合物(複数可)を実質的に含まない。非偶発的量の原料又は化合物とは、毛髪クレンジング組成物へ単独で添加されるその原料又は化合物の量である。例えば、毛髪クレンジング組成物は、非偶発的量の原料又は化合物を実質的に含まなくてもよいが、そのような原料(複数可)又は化合物(複数可)は、2種以上の化合物のブレンドとして含まれている原材料の一部として存在し得る。
【0138】
特定された様々な範疇の成分のうちの幾つかは重複してもよい。そのような場合重複が存在し、毛髪クレンジング組成物が両方の成分を含む(又は、組成物が重複する2種以上の成分を含む)場合には、重複する化合物は、1種を超える成分を表さない。例えば、ある化合物は、乳化剤及び界面活性剤の両方であることを特徴とすることがある。特定の毛髪組成物が乳化剤及び界面活性剤の両方を含む場合、乳化剤及び界面活性剤の両方であることを特徴とし得る化合物は、乳化剤又は界面活性剤のいずれかとしてのみ役立ち、両方ではない。
【0139】
この明細書において挙げられた刊行物及び特許出願はすべて、あたかも各個別の刊行物又は特許出願が、参照によって組み込まれるためにとりわけ個々に示されたように、参照によって、ありとあらゆる目的のために本明細書において組み込まれる。本明細書において組み込まれる本開示と、参照による刊行物又は特許出願の間に矛盾がある場合には、本開示が優先する。
【0140】
本明細書において使用される場合、「含む(comprising)」、「有する(having)」、及び「含む(including)」という用語は、そのオープンで非限定的な意味で使用される。「一つの(a)」及び「その(the)」という用語は、複数形並びに単数形を包含すると理解される。このように、「それらの混合物(a mixture thereof)」という用語は、また「それらの混合物(mixtures thereof)」に関係がある。本開示を通して、「それらの混合物」という用語は、文字A~Fが要素を表す場合に、次の例に示されるような要素のリストに従って使用される:「A、B、C、D、E、F及びそれらの混合物からなる群から選択される1種又は複数の要素」)。「それらの混合物」という用語は、混合物が、A、B、C、D、E及びFのすべてを含むことを必要としない(しかし、A、B、C、D、E及びFのすべてが含まれていてもよい)。むしろ、それは、A、B、C、D、E及びFのうちの任意の二以上の混合物を含めることができることを示す。言い換えれば、それは、「A、B、C、D、E、F、並びにA、B、C、D、E及びFのうちの任意の二以上の混合物からなる群から選択される1種又は複数の要素」という語句と等価である。
【0141】
「1つ又は複数」という表現は「少なくとも1つ」を意味し、したがって個々の成分並びに混合物/組合せを含む。実施例を除いて、又は他に示された場合、成分の量及び/又は反応条件を表すすべての数は、すべての実例において、示された数の±5%以内を意味する「約」という用語によって修飾されていてもよい。
【0142】
本明細書において使用される場合、表現された又は言及されたすべての重量パーセント(又は重量%)は、他に記載又は指示されなければ100%の活性度に基づく。
【0143】
「処置」(及びその文法的変形)という用語は、本明細書において使用される場合、使用者の頭部及び/又は身体の毛などのケラチン基質の表面への本開示の組成物の塗布を指す。
【0144】
本明細書で使用される「実質的に含まない」又は「本質的に含まない」という用語は、組成物に添加される特定の材料が、組成物の全重量に対して約2重量%未満であることを意味する。しかし、組成物は、特定された材料を約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満含むか、あるいは全く含まない場合がある。本明細書において述べられる成分すべては、任意選択的に組成物/方法/キットに含まれても除外されてもよい。除外された場合、組成物/方法/キットはその成分を含まなくてもよく、又は本質的に含まなくてもよい。例えば、特定の組成物は、シリコーンを含まなくてもよく、又は本質的に含まなくてもよい。
【0145】
開示の実施形態
ある実施形態において、化粧品組成物は、
ポリオールとモノアルコール(複数可)との重量比(ポリオール:モノアルコール(複数可))が20:1~1:20、好ましくは約15:1~約1:20、より好ましくは約15:1~約1:15である、
- 約20~約95重量%、好ましくは約20~約85重量%、より好ましくは約30~約70重量%のポリオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、グリセリン、ジグリセリン、カプリリルグリコール、ポリエチレングリコール及びそれらの混合物から選ばれるものと、
- 約5~約70重量%、好ましくは約5~約50重量%、より好ましくは約5~約40重量%の、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、イソブチルアルコール、2-メチル-2-ブタノール(2-メチルブタン-2-オール及びそれらの混合物を含む、2~6個の炭素原子を有する1種又は複数のモノアルコールと、
- 約0.1~約10重量%、好ましくは約0.1~約8重量%、より好ましくは約0.2~約8重量%の1種又は複数の陽イオン性界面活性剤、例えば、セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、及びそれらの混合物と、
- 約0.1~約20重量%、好ましくは約0.1~約16重量%、より好ましくは約0.5~約16重量%の、例えば脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪族エーテル、脂肪酸、ワックス、油剤、それらの誘導体又はそれらの混合物を含む1種又は複数の脂肪族化合物と、
- 約1~約15重量%、好ましくは約1~約10重量%、より好ましくは約3~約7重量%の、
(i)好ましくは約0.5~約12重量%以上の量、好ましくは約1~約10重量%の量のクエン酸、並びに
(ii)好ましくは約0.5~約12重量%以上の量、好ましくは約1~約10重量%の量の、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、m-ジメチルアミノフェニル尿素、ジメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、尿素、尿素誘導体、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、m-ジメチルアミノフェニル尿素、ジメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、N-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N-(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(3-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)尿素;N-(2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシヘキシル)尿素;N-メチル-N-(1,3,4,5,6-ペンタヒドロキシ-2-ヘキシル)尿素;N-メチル-N’-(1-ヒドロキシ-2-メチル-2-プロピル)尿素;N-(1-ヒドロキシ-2-メチル-2-プロピル)尿素;N-(1,3-ジヒドロキシ-2-プロピル)尿素;N-(トリス-ヒドロキシメチルメチル)尿素;N-エチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N’-プロピル尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N-tert-ブチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)-N’-(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(1,3-ジヒドロキシ-2-プロピル)-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N’,N’-ジメチル尿素;N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N’,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N’,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-尿素、及びそれらの混合物から選ばれてもよい尿素化合物
の組合せであり、(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比が、約10:0.5~約0.5:10、約8:1~約1:8、又は好ましくは約5:1~約1:5、又はより好ましくは約4:1~約1:4、又はさらにより好ましくは約3:1~約1:3である、組合せと
を含み、重量パーセントは化粧品組成物の全重量に基づく。
【0146】
さらなる実施形態において、ケラチン基質を処置するための化粧品組成物は、
ポリオールとモノアルコール(複数可)との重量比(ポリオール:モノアルコール(複数可))が20:1~1:20、好ましくは約15:1~約1:20、より好ましくは約15:1~約1:15である、
- 約20~約95重量%、好ましくは約20~約80重量%、より好ましくは約35~約70重量%の、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、グリセリン、及びそれらの混合物から選ばれるポリオールと、
- 約5~約70重量%、好ましくは約5~約40重量%、より好ましくは約5~約30重量%の、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、イソブチルアルコール、2-メチル-2-ブタノール(2-メチルブタン-2-オール)及びそれらの混合物を含む2~6個の炭素原子を有する1種又は複数のモノアルコールと、
- 約0.1~約10重量%、好ましくは約0.1~約6重量%、より好ましくは約0.2~約6重量%の1種又は複数の陽イオン性界面活性剤、例えば、セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミンベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミンベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミンアラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミンアラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、及びそれらの混合物と、
- 約0.1~約20重量%、好ましくは約0.1~約14重量%、より好ましくは約0.5~約14重量%の、例えば脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪族エーテル、脂肪酸、ワックス、油剤、それらの誘導体又はそれらの混合物を含む1種又は複数の脂肪族化合物と、
- 約1~約15重量%、好ましくは約1~約10重量%、より好ましくは約3~約7重量%の、
(i)好ましくは約0.5~約12重量%以上の量、好ましくは約1~約10重量%の量のクエン酸、並びに
(ii)好ましくは約0.5~約12重量%以上の量、好ましくは約1~約10重量%の量の、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、m-ジメチルアミノフェニル尿素、ジメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、尿素、尿素誘導体、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、m-ジメチルアミノフェニル尿素、ジメチル尿素(ヒドロキシエチル尿素)、N-(2-ヒドロキシエチル)尿素、N-(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(3-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)尿素;N-(2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシヘキシル)尿素;N-メチル-N-(1,3,4,5,6-ペンタヒドロキシ-2-ヘキシル)尿素;N-メチル-N’-(1-ヒドロキシ-2-メチル-2-プロピル)尿素;N-(1-ヒドロキシ-2-メチル-2-プロピル)尿素;N-(1,3-ジヒドロキシ-2-プロピル)尿素;N-(トリス-ヒドロキシメチルメチル)尿素;N-エチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N’-プロピル尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N-tert-ブチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)-N’-(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(1,3-ジヒドロキシ-2-プロピル)-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル).-N’,N’-ジメチル尿素;N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N’,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N’,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-尿素、及びそれらの混合物から選ばれてもよい尿素化合物の、
の組合せであり、(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比が、約10:0.5~約0.5:10、好ましくは約8:1~約1:8又は好ましくは約5:1~約1:5、又はより好ましくは約4:1~約1:4、又はさらにより好ましくは約3:1~約1:3である、組合せと
を含み、重量パーセントは化粧品組成物の全重量に基づく。
【0147】
なおさらなる実施形態において、化粧品組成物を製造する方法は、
(I)
(i)好ましくは約0.5~約12重量%以上の量、好ましくは約1~約10重量%の量のクエン酸、並びに
(ii)好ましくは約0.5~約12重量%以上の量、好ましくは約1~約10重量%の量の、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、m-ジメチルアミノフェニル尿素、ジメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、尿素、尿素誘導体、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、m-ジメチルアミノフェニル尿素、ジメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、N-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N-(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(3-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)尿素;N-(2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシヘキシル)尿素;N-メチル-N-(1,3,4,5,6-ペンタヒドロキシ-2-ヘキシル)尿素;N-メチル-N’-(1-ヒドロキシ-2-メチル-2-プロピル)尿素;N-(1-ヒドロキシ-2-メチル-2-プロピル)尿素;N-(1,3-ジヒドロキシ-2-プロピル)尿素;N-(トリス-ヒドロキシメチルメチル)尿素;N-エチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N’-プロピル尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N-tert-ブチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)-N’-(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(1,3-ジヒドロキシ-2-プロピル)-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル).-N’,N’-ジメチル尿素;N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N’,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N’,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-尿素、及びそれらの混合物から選ばれてもよい尿素化合物
を含む深共晶溶媒系であり、(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物との重量比が約3:1~約1:3である、深共晶溶媒系を生成することと、
(II)
ポリオールとモノアルコール(複数可)との重量比(ポリオール:モノアルコール(複数可))が、20:1~1:20、好ましくは約15:1~約1:20、より好ましくは約15:1~約1:15である、
- 約20~約95重量%、好ましくは約20~約85重量%、より好ましくは約30~約70重量%のポリオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、グリセリン、ジグリセリン、カプリリルグリコール、ポリエチレングリコール及びそれらの混合物から選ばれるもの、
- 約5~約70重量%、好ましくは約5~約50重量%、より好ましくは約5~約40重量%の、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、イソブチルアルコール、2-メチル-2-ブタノール(2-メチルブタン-2-オール、及びそれらの混合物を含む、2~6個の炭素原子を有する1種又は複数のモノアルコール、
- 約0.1~約10重量%、好ましくは約0.1~約8重量%、より好ましくは約0.2~約8重量%の1種又は複数の陽イオン性界面活性剤、例えば、セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド及びベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン及びそれらの混合物、並びに
- 約0.1~約20重量%、好ましくは約0.1~約16重量%、より好ましくは約0.5~約16重量%の、例えば脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪族エーテル、脂肪酸、ワックス、油剤、それらの誘導体又はそれらの混合物を含む1種又は複数の脂肪族化合物
を含むベース組成物に(I)の深共晶溶媒系を添加することと
を含む。
【実施例】
【0148】
本開示の実施は以下の実施例によって提供される。以下の実施例は、本質的に以下に限定されないが、技術の態様を明瞭にする役目をする。
【0149】
実施例1
表1及び2に示される、例示のベース組成物及び例示の深共晶溶媒(DES)系の組合せから化粧品組成物を調製した。クエン酸及び尿素を水浴で加熱することによってDES系を調製した。具体的には、95重量%のベース組成物及び5重量%の深共晶溶媒系(「DES」)系を組み合わせる本明細書において検討された方法を使用して、例示化粧品組成物(例示組成物A)を調製した。90重量%のベース組成物及び10重量%のDES系を組み合わせる本明細書において検討された方法を使用して、第2の例示化粧品組成物(例示組成物B)を調製した。98.5重量%のベース組成物及び1.5重量%のDES系を組み合わせる本明細書において検討された方法を使用して、第3の例示化粧品組成物(例示組成物C)を調製した。
【0150】
例示組成物A~Cとしての配合を表3に示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【0151】
実施例2
比較組成物1及び対照によって得た効果と比較して例示組成物A及びBによって毛髪が得た熱変性温度及び耐久性への効果を評価した。比較組成物1はベース組成物が表1に提供したのと同じ配合を有し、それを例示組成物A及びBを調製するために使用した。
【0152】
脱色した毛髪見本に例示組成物A及びB並びに比較組成物1を塗布した。従来のサルフェート系シャンプーを用いて脱色した毛髪見本を洗浄し、すすいでから、それぞれ毛髪見本1グラム当たり約0.1グラムの量の化粧品組成物でそれぞれの化粧品組成物を塗布した。毛髪見本を櫛ですいて毛髪見本に一様にそれぞれの化粧品組成物を伸ばした。約1分後、水で毛髪見本をすすいだ。従来のサルフェート系シャンプーを塗布することにより、続いて化粧品組成物を毛髪見本に塗布せずに、対照を調製した。
【0153】
対照を考慮して毛髪見本の熱変性温度及び耐久性について例示組成物A及びB並びに比較組成物1の効果を見積もるために毛髪見本を評価した。毛髪見本をサイクル疲労にかけ、毛髪見本の耐久性を求めた。サイクル試験機は、破損するまで繰り返しサイクル引張変形に繊維をかけることによって毎日の毛髪の手入れをシミュレートする。さらに、示差走査熱量測定法を使用して、非晶質マトリックスの架橋密度と関連する熱変性温度について毛髪見本を評価した。示差走査熱量測定法は、毛髪の主要な形態学的成分の熱的安定性を測定する。
【0154】
図1及び2で見られるように、例示組成物A及びBを受け取った毛髪見本は、それぞれ約136℃及び約137℃の変性温度を有していた。比較組成物1及び対照は両方とも約132℃の変性温度を有していた。例示組成物Aを用いて処置した毛髪の耐久性は、驚いたことに、比較組成物1及び対照を用いて処置した毛髪の耐久性より高かった。例えば、例示組成物Aを用いて処置した毛髪の耐久性は、比較組成物1及び対照を用いて処置した毛髪の耐久性より約50%高かった。例示組成物Bを用いて処置した毛髪はまた、比較組成物1及び対照を用いて処置した毛髪より高い耐久性を示した。
【0155】
実施例3
例示組成物Aによって毛髪が得た熱変性温度及び耐久性の効果を、比較組成物1~3及び対照によって得た効果と比較して評価した。98重量%のベース組成物及び2重量%のN,N-ジメチル尿素を組み合わせることによって、比較組成物2を調製した。97重量%のベース組成物及び3重量%のクエン酸を組み合わせることにより比較組成物3を調製した。
【0156】
脱色した毛髪見本に例示組成物A及び比較組成物1~3を塗布した。脱色した毛髪見本を従来のサルフェート系シャンプーを用いて洗浄し、すすいでから、毛髪見本1グラム当たりそれぞれ約0.1グラムの量の化粧品組成物の例示組成物A及び比較組成物1~3を塗布した。毛髪見本を櫛ですいてそれぞれの化粧用配合物を毛髪見本に一様に伸ばした。約1分後、水で毛髪見本をすすいだ。従来のサルフェート系シャンプーの後に毛髪見本それぞれに化粧品組成物を塗布しなかったこと以外、上記の手順に従って対照を調製した。
【0157】
次いで、対照を考慮して毛髪見本の架橋密度及び耐久性に対応する熱変性温度について、例示組成物A及び比較組成物1~3の効果を見積もるために毛髪見本を評価した。実施例3で検討する毛髪の熱変性温度及び耐久性を求めた。
【0158】
例示組成物Aを用いて処置した毛髪は、
図3及び4で見られるように、比較組成物1~3及び対照を用いて処置した毛髪と比較して改善された熱変性温度及び著しく改善された耐久性を示した。
【0159】
実施例4
例示組成物Aによって得た熱変性温度及び耐久性の効果を、比較組成物1~3及び対照によって毛髪が得た効果と比較して評価した。特に、脱色した毛髪見本に例示組成物A及び比較組成物1~3を塗布した。従来のサルフェート系シャンプーを用いて脱色した毛髪見本を洗浄し、すすいでから毛髪見本1グラム当たりそれぞれ約0.1グラムの量の化粧品組成物の例示組成物A及び比較組成物1~3を塗布した。毛髪見本を櫛ですいてそれぞれの化粧用配合物を毛髪見本に一様に伸ばした。約1分後、水で毛髪見本をすすいだ。毛髪見本をシャンプーし、毛髪見本をすすぎ、化粧品組成物をそれぞれ塗布するこの手順を、合計6サイクル完了した。従来のサルフェート系シャンプーの後に毛髪見本それぞれに化粧品組成物を塗布しなかったこと以外、上記の手順に従って対照を調製した。
【0160】
次いで、対照を考慮して毛髪見本の架橋密度及び耐久性に対応する熱変性温度について、例示組成物A及び比較組成物1~3の効果を見積もるために毛髪見本を評価した。実施例3で検討されるように毛髪の熱変性温度及び耐久性を求めた。
【0161】
例示組成物Aを用いて処置した毛髪は、
図5及び6で見られるように、比較組成物1~3及び対照を用いて処置した毛髪と比較して改善された熱変性温度及び著しく改善された耐久性を示した。
【0162】
実施例5
例示組成物A及びHを用いて処置した毛髪見本を評価し、比較組成物1又は従来のサルフェート系シャンプーのみを用いて処置した毛髪見本(対照)と比較した。6重量%のクエン酸及び4重量%のジメチル尿素を含み残りが水である混合物を、表1のベース組成物に添加することにより、例示組成物Hを調製し、混合物が例示組成物Hの全重量の5重量%の量であり、ベース組成物が95重量%の量となるようにした。
【0163】
従来のサルフェート系シャンプーを用いてコーカサス人の天然褐色ウエーブ状毛髪見本を洗浄し、すすいでから例示組成物A及びH並びに比較組成物1を塗布した。毛髪見本1グラム当たりそれぞれ0.4グラムの量の組成物でそれぞれの毛髪見本を1分間マッサージし、すすがないで毛髪見本にさらに1分間残し、30秒間すすぎ、次いで、2分間ブロー乾燥した。次いで、これらの毛髪見本を組成物の効果を見積もるために、すすぎ流す手順を使用して評価した。従来のサルフェート系シャンプーの後に毛髪見本に化粧品組成物を塗布しなかったこと以外、上記の手順に従って対照を調製した。
【0164】
毛髪見本1グラム当たりそれぞれ0.15グラムの量の組成物で毛髪見本に試験組成物を塗布することにより、追加の毛髪見本を調製した。具体的には、例示組成物A及びH並びに比較組成物1でそれぞれの毛髪見本を1分間マッサージし、すすがないで毛髪見本に1分間残し、次に2分間ブロー乾燥した。これらの毛髪見本は、すすがない手順を使用して、試験組成物の効果を見積もるために評価した。
【0165】
毛髪見本のそれぞれについての抗縮れ性又は縮れの程度を、画像化分析を使用して評価した。毛髪見本をブロー乾燥した後、相対湿度80%、室温の湿度槽に毛髪見本を置いて1時間後に、毛髪見本の抗縮れ性を測定した。
【0166】
驚いたことに、すすぎ流す手順とすすぎなし手順の両方で、
図7A及び7Bに示されるように、比較組成物1又は対照を用いて処置した見本と比較して、例示組成物Aを用いて処置した見本は、処置後、及び処置後1時間で著しく良好な抗縮れ性を示した。さらに、すすぎ流す手順とすすぎなし手順の両方で、組成物1を用いて処置した見本又は対照と比較して、例示組成物Hは、処置後に著しく良好な抗縮れ性を示した。すすぎなし手順で、例示組成物Hは、比較組成物1又は対照を用いて処置した見本と比較して処置後1時間で良好な抗縮れ性を示した。
【0167】
実施例6
例示組成物Cによって毛髪が得た熱変性温度及び耐久性の効果を、比較組成物1、4、5及び対照によって得た効果と比較して評価した。99.1重量%のベース組成物及び0.9重量%のクエン酸を組み合わせることにより比較組成物4を調製した。99.4重量%のベース組成物及び0.6重量%のN,N-ジメチル尿素を組み合わせることにより比較組成物5を調製した。
【0168】
具体的には、例示組成物C、比較組成物1、4及び5を脱色した毛髪見本に塗布した。従来のサルフェート系シャンプーを用いて脱色した毛髪見本を洗浄し、すすいでから毛髪見本1グラム当たりそれぞれ約0.1グラムの量の化粧品組成物の例示組成物C、比較組成物1、4及び5を塗布した。毛髪見本を櫛ですいてそれぞれの化粧用配合物を毛髪見本に一様に伸ばした。約1分後、毛髪見本を水ですすいだ。毛髪見本をシャンプーし、毛髪見本をすすぎ、それぞれの化粧品組成物を塗布するこの手順を、合計6サイクル完了した。従来のサルフェート系シャンプーの後にそれぞれの毛髪見本に化粧品組成物を塗布しなかったこと以外、上記の手順に従って対照を調製した。
【0169】
次いで、対照を考慮して毛髪の架橋密度及び耐久性に対応する熱変性温度について、例示組成物C及び比較組成物1、4及び5の効果を見積もるために毛髪を評価した。実施例3で検討されるように毛髪の熱変性温度及び耐久性を求めた。
【0170】
例示組成物Cを用いて処置した毛髪は、
図8及び9で見られるように、比較組成物1、4及び5並びに対照を用いて処置した毛髪と比較して、改善された熱変性温度及び著しく改善された耐久性を示した。
【0171】
実施例7
例示組成物D~Gによって得た熱変性温度及び耐久性の効果を比較組成物1及び対照によって得た効果と比較した。脱色した毛髪見本に例示組成物D~G及び比較組成物1を塗布した。脱色した毛髪見本を従来のサルフェート系シャンプーを用いて洗浄し、すすいでから、毛髪見本1グラム当たりそれぞれの化粧品組成物の約0.4グラムの量で例示組成物D~G及び比較組成物1を塗布した。毛髪見本をマッサージしてそれぞれの化粧用配合物を毛髪見本に一様に伸ばした。約1分後、毛髪見本を水ですすいだ。従来のサルフェート系シャンプーの後にそれぞれの毛髪見本に化粧品組成物を塗布しなかったこと以外、上記の手順に従って対照を調製した。
【0172】
次いで、対照を考慮して毛髪の架橋密度及び耐久性に対応する熱変性温度について例示組成物D~G及び比較組成物1の効果を見積もるために毛髪を評価した。実施例3で検討する毛髪の熱変性温度及び耐久性を求めた。
【0173】
図10に見られるように、比較組成物1及び対照を用いて処置した毛髪と比較して、例示組成物D~Gは改善された熱変性温度を示した。
図11で見られるように、例示組成物Eを用いて処置した毛髪は、驚いたことに、改善された耐久性を示した。
【国際調査報告】