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特表2023-539206情報取扱システムを構成する方法及び装置、サービスを管理する方法及び装置、コンピュータプログラム、及び不揮発性の記憶媒体
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  • 特表-情報取扱システムを構成する方法及び装置、サービスを管理する方法及び装置、コンピュータプログラム、及び不揮発性の記憶媒体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】情報取扱システムを構成する方法及び装置、サービスを管理する方法及び装置、コンピュータプログラム、及び不揮発性の記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20230906BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230906BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q50/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513178
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(85)【翻訳文提出日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2021076984
(87)【国際公開番号】W WO2022069656
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】102020125869.0
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522288832
【氏名又は名称】フジツウ テクノロジー ソリューションズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ミューター・シュテッフェン
(72)【発明者】
【氏名】ファン アイグ・コーエン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC11
(57)【要約】
【要約】
本発明は、情報取扱システム(2)を構成する方法(300)に関し、以下のステップ、即ち、
管理デバイス(5)により、サービスに関する入力信号を検出するステップと、
管理デバイス(5)により、記憶された複数のプロビジョニングパターン(13)から少なくとも1つのプロビジョニングパターン(13)を決定するステップであり、各プロビジョニングパターン(13)は、サービスと少なくとも1つの実行パターン(14)との間のマッピングを提供し、各実行パターン(14)は、情報取扱システム(2)を構成するための命令を構成する、決定するステップと、
管理デバイス(5)により、少なくとも1つの決定されたプロビジョニングパターン(13)に基づいて、少なくとも1つの実行パターン(14)を決定するステップと、
管理デバイス(5)により、少なくとも1つの決定されたプロビジョニングパターン(13)と選択されたサービスに関する情報とに基づいて、少なくとも1つの実行パラメータを決定するステップと、
管理デバイス(5)により、少なくとも1つの決定された実行パラメータに基づいて、少なくとも1つの決定された実行パターン(14)を実行するステップとを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報取扱システムを構成する方法であって、方法は、
・管理デバイスにより、サービスに関する入力信号を検出するステップであり、前記サービスは、顧客により選択され、前記入力信号は、選択された前記サービスに関する情報を含み、前記情報取扱システムは、選択された前記サービスのために構成されようとするものである、検出するステップと、
・前記管理デバイスにより、選択された前記サービスに関する前記情報に基づいて、記憶された複数のプロビジョニングパターンから少なくとも1つのプロビジョニングパターンを決定するステップであり、複数の前記プロビジョニングパターンの各プロビジョニングパターンは、サービスと少なくとも1つの実行パターンとの間のマッピングを提供する、決定するステップと、
・前記管理デバイスにより、少なくとも1つの決定された前記プロビジョニングパターンに基づいて、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定するステップであり、各実行パターンは、情報取扱システムを構成するためのコンピュータ可読な命令を含む、決定するステップと、
・前記管理デバイスにより、少なくとも1つの決定された前記プロビジョニングパターンに基づいて、少なくとも1つの実行パラメータを決定するステップと、
・前記管理デバイスにより、少なくとも1つの決定された前記実行パラメータに基づいて、少なくとも1つの決定された前記実行パターンを実行し、選択された前記サービスのために前記情報取扱システムを構成するステップとを備えている、方法。
【請求項2】
管理デバイスにより入力信号を検出する前記ステップの前に、方法はさらに、
少なくとも1つのサービスパターンが記憶された少なくとも1つのサービスに関する情報を、表示デバイスにより表示するステップであり、前記顧客により選択された前記サービスは、表示されたサービスのうちの少なくとも1つを含む、表示するステップを備えている、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記管理デバイスにより、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定する前記ステップは、さらに、選択された前記サービスに関する前記情報に基づく、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの前記実行パターンは、前記情報取扱システムを構成するための前記命令を有する少なくとも1つの実行可能なスクリプトを含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの前記実行パターンは、少なくとも2つの異なるプロビジョニングパターンによって、少なくとも2つの異なるサービスにマッピングされる、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記管理デバイスにより、少なくとも1つの実行パラメータを決定する前記ステップは、
・前記入力信号の選択された前記サービスに関する前記情報を分析することと、
・選択された前記サービスに関する分析された前記情報に基づいて、選択された前記サービスの少なくとも1つのプロビジョニング標準を決定することと、
・少なくとも1つの決定された前記プロビジョニング標準に基づいて、少なくとも1つの前記実行パラメータを決定することとを含む、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記管理デバイスにより、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定する前記ステップは、さらに、少なくとも1つの決定された前記プロビジョニング標準に基づく、請求項6記載の方法。
【請求項8】
情報取扱システムを構成する装置であって、装置は、管理デバイスを備え、
・前記管理デバイスは、サービスに関する入力信号を検出するように構成され、前記サービスは、顧客により選択され、前記入力信号は、選択された前記サービスに関する情報を含み、前記情報取扱システムは、選択された前記サービスのために構成されようとするものであり、
・前記管理デバイスはさらに、選択された前記サービスに関する前記情報に基づいて、記憶された複数のプロビジョニングパターンから少なくとも1つのプロビジョニングパターンを決定するように構成され、複数の前記プロビジョニングパターンの各プロビジョニングパターンは、サービスと少なくとも1つの実行パターンとの間のマッピングを提供し、各実行パターンは、情報取扱システムを構成するためのコンピュータ可読な命令を構成し、
・前記管理デバイスはさらに、少なくとも1つの決定された前記プロビジョニングパターンに基づいて、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定するように構成され、
・前記管理デバイスはさらに、少なくとも1つの決定された前記プロビジョニングパターンと選択された前記サービスに関する前記情報とに基づいて、少なくとも1つの実行パラメータを決定するように構成され、
・前記管理デバイスはさらに、少なくとも1つの決定された前記実行パラメータに基づいて、少なくとも1つの決定された前記実行パターンを実行するように構成され、選択された前記サービスの前記情報取扱システムを構成する、装置。
【請求項9】
さらに、少なくとも1つの記憶デバイスを備え、複数の前記プロビジョニングパターン及び/又は複数の前記実行パターンは、実行可能なスクリプトであり、少なくとも1つの前記記憶デバイスに記憶されている、請求項8記載の装置。
【請求項10】
情報取扱システムでのサービスを管理する方法であって、方法は、
・情報取扱システムで実行されているサービスのタスクであり、実行されるべきタスクを、管理デバイスにより決定するステップと、
・前記サービスを実行している前記情報取扱システムに関する情報を、前記管理デバイスにより構成管理データベースCMDBから要求するステップであり、前記情報取扱システムに関する前記情報は、少なくとも1つのプロビジョニングパターンに関する情報を含み、前記情報取扱システムは、少なくとも1つの前記プロビジョニングパターンに基づいて構成されている、要求するステップと、
・前記サービスを実行している前記情報取扱システムに関する前記情報と、実行されるべき前記タスクに関する情報とに応じて、前記管理デバイスにより、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定するステップと、
・前記管理デバイスにより、少なくとも1つの決定された前記実行パターンを実行し、前記情報取扱システムでの前記サービスを管理するステップとを備えている、方法。
【請求項11】
方法はさらに、
情報取扱システムで実行されているサービスのタスクであり、実行されるべきタスクに関する入力信号を、前記管理デバイスにより検出するステップを備え、ここで、情報取扱システムで実行されているサービスのタスクであり、実行されるべきタスクを、管理デバイスにより決定するステップは、検出された前記入力信号に基づく、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記実行パターンは、
・構成された前記情報取扱システムで、選択された前記サービスを管理する指示、及び/又は、
・前記情報取扱システムの構成を変更する指示
を含む、請求項10又は11記載の方法。
【請求項13】
情報取扱システムでのサービスを管理する装置であって、装置は、管理デバイスを備え、
・情報取扱システムで実行されているサービスのタスクであり、実行されるべきタスクを、前記管理デバイスは、決定するように構成され、
・前記情報取扱システムで実行されている前記サービスに関する情報を、構成管理データベースCMDBから要求するように、前記管理デバイスはさらに構成され、前記サービスに関する前記情報は、少なくとも1つのプロビジョニングパターンに関する情報を含み、前記情報取扱システムは、少なくとも1つの前記プロビジョニングパターンに基づいて構成され、
・前記サービスに関する前記情報と、実行されるべき前記タスクに関する情報とに応じて、前記管理デバイスはさらに、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定するように構成され、
・前記管理デバイスはさらに、少なくとも1つの決定された前記実行パターンを実行するように構成され、前記情報取扱システムでの前記サービスを管理する、装置。
【請求項14】
装置はさらに、記憶デバイスを備え、複数の前記実行パターンは、前記記憶デバイスに記憶されている、請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記管理デバイスと、前記記憶デバイスと、前記CMDBとは、通信ネットワーク、及び/又はサービスバス、及び/又はアプリケーションプログラミングインターフェースAPIを介して接続されている、請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記APIはさらにゲートウェイを含み、前記ゲートウェイは、前記情報取扱システムで実行される前記サービスの顧客にとってアクセス可能である、請求項15記載の装置。
【請求項17】
命令を含むコンピュータプログラムであり、前記命令は、コンピュータによりコンピュータプログラムが実行された場合に、前記コンピュータに請求項1ないし6又は10ないし12のいずれか1項に記載の方法の前記ステップを実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項18】
請求項17記載のコンピュータプログラムを備えている、不揮発性の記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報取扱システムを構成する方法及び装置に関する。また本発明は、情報取扱システムでのサービスを管理する方法及び装置に関する。さらに本発明は、コンピュータプログラム、及び不揮発性の記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
産業、労働環境及び社会でのデジタル化の進展に伴い、ITサービスはますます重要になっている。しかし、そのようなITサービスを提供及び管理することは、通常、広範な技術的及び組織的努力を生じさせる。
【0003】
顧客が要求するITサービスにどのようなハードウェアとソフトウェアを必要とするかを決定するために、そのようなITサービス提供者は、時間のかかる交渉を行う必要がある。ハードウェアは、注文及び納入される必要がある。システムは、プロビジョニング及び構成される必要がある。ソフトウェアは、インストールなどがされる必要がある。
【発明の概要】
【0004】
通常は全ての顧客が、例えば、従業員の個別の数など、異なる要件を有し、要求されるサービスはこのために供給されるべきである。従って、ITサービス提供者は、個別にプロビジョニングされたインフラストラクチャーとサービスとを提供することによって、ITソリューションを個別に設計する必要がある。従って、サービスがプロビジョニングされると、サービスの個別の管理も必要になる。これには時間がかかるだけでなく、IT専門家や技術者による広範なマンパワーが必要である。上記を考慮すると、このようなITサービスのプロビジョニングと管理とは、顧客にとって高いコストをもたらす。
【0005】
本発明の目的は、上記の問題を軽減するために、方法、装置、コンピュータプログラム、及び不揮発性の記憶媒体を提供することにある。
【0006】
上記の発明の目的は、添付の独立の請求項の特徴によって解決される。有利な実施形態は、添付の従属の請求項に開示される。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、情報取扱システムを構成する方法は、以下のステップを備えている。即ち、
・管理デバイスにより、サービスに関する入力信号を検出するステップであり、サービスは、顧客により選択され、入力信号は、選択されたサービスに関する情報を含む、検出するステップと、
・管理デバイスにより、選択されたサービスに関する情報に基づいて、記憶された複数のプロビジョニングパターンから少なくとも1つのプロビジョニングパターンを決定するステップであり、複数のプロビジョニングパターンの各プロビジョニングパターンは、サービスと少なくとも1つの実行パターンとの間のマッピングを提供する、決定するステップと、
・管理デバイスにより、少なくとも1つの決定されたプロビジョニングパターンに基づいて、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定するステップであり、各実行パターンは、情報取扱システムを構成するための命令を含む、決定するステップと、
・管理デバイスにより、少なくとも1つの決定されたプロビジョニングパターンに基づいて、少なくとも1つの実行パラメータを決定するステップと、
・管理デバイスにより、少なくとも1つの決定された実行パラメータに基づいて、少なくとも1つの決定された実行パターンを実行するステップとを備えている。
【0008】
この文脈で顧客のサービスのために構成されている情報取扱システムは、例えば、サーバシステム、仮想マシン、ワークステーションシステム、クラウドコンピューティングシステム、ハイブリッドITシステム、記憶システム、ネットワークシステム、又はその他のあらゆるタイプのコンピュータシステムを含む。これらは、ITサービスを実行するように構成されている。情報取扱システムは、上記のうちの1つ以上、例えば、異なるシステムタイプの混合を含んでよい。さらに情報取扱システムは、例えば、クラウドコンピューティングのソリューション、又はオンプレミスソリューションのいずれか一方に基づいてよく、又は両方の組み合わせに基づいてよい。
【0009】
この文脈でのサービスは、情報取扱システムでタスクを実行及び維持することに対して、情報取扱システムをプロビジョニング及びオーケストレーションする任意のサービスを含んでよい。この文脈での可能なサービスは、例えば、以下のものの少なくとも1つであってよい。即ち、情報取扱システムのプロビジョニング及びオーケストレーション、情報取扱システムの管理、SAP(登録商標)システムのプロビジョニング、オーケストレーション及び/又は管理、ワークプレイスサービスのプロビジョニング、オーケストレーション及び/又は管理、例えばリモートワークプレイスソリューション、記憶サービスのプロビジョニング、オーケストレーション及び/又は管理、クラウド及びハイブリッドITシステムのプロビジョニング、オーケストレーション及び/又は管理、アプリケーション管理サービスの提供、データベースサービスのプロビジョニング、オーケストレーション及び/又は管理、Azure(登録商標)SQLデータベースインスタンスのプロビジョニング、オーケストレーション及び/又は管理、その他多数のサービスの少なくとも1つであってよい。情報取扱システムが構成された後、サービスの操作は情報取扱システムで実行される。その後、管理デバイスはさらに、対応する実行パターンを実行することで、情報取扱システムで実行されているサービスを管理するように構成されてよい。
【0010】
選択されたサービスに関する情報は、顧客がどのサービスを選択したかに関する情報を含む。例えば、顧客が管理されたSAP(登録商標)サービスなどのサービスを選択した場合に、その情報は、顧客が「管理されたSAPサービス」を選択したという指示を含む。その点に関して、もちろんさらに、他のタイプのサービスが可能である。
【0011】
さらに、サービスの範囲又はサイズ、又はその他のパラメータに関する顧客の好みに関して、サービスのカスタマイズを可能にする情報を、選択されたサービスに関する情報は含んでよい。例えば、この情報は、100のユーザアカウントにサービスが必要であるということの指示、及び/又は、要求されたサービスが10テラバイトの記憶スペースのプロビジョニングを含むということの指示を含んでよい。これに加えて、又はこれに代えて、選択されたサービスに関する情報はさらに、回復時間、必要なアップタイム、サービスレベル契約、単一サイト又は複数サイトのセットアップなどの情報取扱システムのセットアップに関する情報、クラウド又はオンプレミスのセットアップ、サービスの優先ソフトウェア及び/又はツールなどに関する情報などを含んでよい。
【0012】
この情報は、サービスを選択した顧客によって直接提供されてよく、即ち、顧客が「管理されたSAP(登録商標)サービス」などを選択してから、「100ユーザアカウント」に必要な情報を提供する。又は、情報は、顧客の入力から派生してよい。つまり、顧客が月に100ユーロを超える費用がかからない管理された記憶サービスなどを選択し、その入力から、その入力に従って最大10テラバイトの管理された記憶スペースを顧客にプロビジョニングしてよいことが派生する。
【0013】
プロビジョニングパターン(Bereitstellungsmuster,プロビジョニングモデル)は「ブループリント」と称してよく、サービスと少なくとも1つの実行パターンとの間のマッピングを提供する。例えば、顧客が選択できる提供されたサービスごとに、1つの特定のプロビジョニングパターンが提供される。プロビジョニングパターンは、どの顧客がサービスを選択したかに関わらず、同じサービスに関して同じである。それぞれのプロビジョニングパターンの選択だけが、どのサービスが選択されたかに依存する。プロビジョニングパターンは、管理デバイスにより実行されるため、実行する必要があるマッピングされた実行パターンが決定される。言い換えれば、プロビジョニングパターンは、選択されたサービスの情報取扱システムを構成するために実行する必要があるステップのリストを含み、各ステップは1つ以上の対応する実行パターンに関連している。
【0014】
実行パターン(Ausfuehrungsmuster,実行モデル)は「ランブック」と称してよく、情報取扱システムを構成する指示を含む。これらの指示は、顧客が選択したサービスの実行を可能にするように、情報取扱システムをプロビジョニング及びオーケストレーションするために実行する必要があるタスクの指示を含む。少なくとも1つの実行パターンは、特に、実行パターンのシーケンスであってよい。これは、少なくとも1つの実行パターンを実行するステップで連続して実行される。
【0015】
実行パターンは、全ての顧客で同じである。実行パターンの選択のみが、決定されたプロビジョニングパターンに依存するため、選択されたサービスに依存する。決定された実行パターンは、サービスに関する入力信号に従って実行され、選択されたサービスを顧客ごとにカスタマイズできる。
【0016】
実行パターンは、例えばプログラミングコードの形式でコンピュータ可読な命令を構成し、実行されると、関連するタスクを実行する。この文脈で管理デバイスにより実行パターンを実行することは、管理デバイスにより実行パターンを呼び出して、当該実行パターンのタスクを実行すること、又はそれに応じてタスクを実行するように情報取扱システムに指示することを意味する。
【0017】
例えば、顧客がサービス「管理されたオペレーティングシステム(OS)」を選択し、それぞれのプロビジョニングパターンが決定している場合に、少なくとも1つの実行パターンを実行するステップは、例えば、以下の個別の実行パターンの一部又は全部を、連続して実行することを含む。即ち、必要なサーバスペースの提供や、サーバスペースへの仮想マシンのセットアップや、各仮想マシンへのオペレーティングシステムのインストールや、インストールされたシステムの構成及び管理などの一部又は全部を、連続して実行することを含む。それぞれのタスクは、それぞれの実行パターンを実行することで実行される。
【0018】
言い換えれば、以上は次のように要約できる。顧客が選択できるサービスごとに、プロビジョニングパターンが存在する。各プロビジョニングパターンは、それぞれのサービスを実行するための情報取扱システムを提供するために実行する必要があるタスク、及び/又は、サービス自体を実行するために実行する必要があるタスクに関する情報を提供する。これらのタスクごとに、実行パターンが存在する。情報取扱システムを構成するタスクは、実行パターンを実行することで実行される。
【0019】
第1の態様に係る方法の利点は、サービスを実行するための情報取扱システムのプロビジョニングとオーケストレーションとのための自動化されたソリューションを提供することである。これにより、このような情報取扱システムのプロビジョニングとオーケストレーションとに使用される時間を大幅に短縮することを可能にする。サービスを実行するための情報取扱システムの従来のプロビジョニングには、通常、数日、数週間、さらになお数か月かかる。第1の態様に係る方法では、この情報取扱システムのプロビジョニングとオーケストレーションとには、数時間、数分、又は数秒しかかからない可能性がある。また、情報取扱システムの自動プロビジョニングとオーケストレーションとにより、技術者やIT専門家のマンパワーを大幅に削減することができる。最終的には、上記により、サービスを実行するための情報取扱システムを構成するコストが、大幅に削減される。
【0020】
さらに、サービスを実行するための情報取扱システムのプロビジョニングとオーケストレーションとは、物理層からインターネットプロトコル(IP)ベースの層へ移動される。言い換えれば、情報取扱システムを物理システムに提供及びインストールするのではなく、インターネット経由で情報取扱システムを提供及び管理することができる。これにより、顧客や提供者の所在地に関係なく、情報取扱システムをプロビジョニング及びオーケストレーションすることを可能にする。
【0021】
もう1つの利点は、提供されたサービスを選択することで、顧客が簡単にサービスと情報取扱システムのプロビジョニングとを要求することが可能であることである。顧客は、そのようなサービスにどのようなインフラストラクチャーが必要になるかなどについて、広範な技術的知識やIT専門家の支援を必要としない。さらに、顧客は、入力信号を介して、情報取扱システムの構成とそれぞれのサービスとをカスタマイズすることができる。例えば、顧客は、サービスをクラウドソリューション経由で提供するか、又は、オンプレミスソリューション経由で提供するか、又は、選択されたサービスに関する入力情報に関する上記のオプションのいずれかの経由で提供するかを選択できる。ただし、要求されたサービスは、いずれの場合も顧客に確実に提供され、顧客は提供されたサービス自体の中に差異を見ない。
【0022】
第1の態様による方法は、コンピュータ実施された方法である。
【0023】
第1の態様の少なくとも1つの実施形態によれば、管理デバイスにより入力信号を検出するステップの前に、方法はさらに、以下のステップ、即ち、
・少なくとも1つのサービスパターンが記憶された少なくとも1つのサービスに関する情報を、表示デバイスにより表示するステップであり、顧客により選択されたサービスは、表示されたサービスのうちの少なくとも1つを含む、表示するステップを備えている。
【0024】
これにより顧客は、表示されたサービスのうち、直接複数の提供されたサービスからサービスが選択できるようになる。顧客は、ニーズに合った1つ以上の複数のサービスを独立して選択してよい。ここでの利点は、顧客がニーズに応じてサービスを選択でき、IT専門家や技術者に頼る必要がないことである。選択可能なサービスの表示は、例えば「ServiceNow(登録商標)」のようなサービスプラットフォームを介して行ってよい。サービスプラットフォームは、サービスカタログを含むWebポータルであってよい。
【0025】
さらに、プロビジョニングパターンを決定するため、実行パターンを決定するため、及び/又は実行パラメータを決定するために、顧客は、管理デバイスが必要とする全ての必要な情報を入力するように、表示デバイスを介して求められてよい。どのような情報が求められるかは、サービスプラットフォームが知っている。又は、どのような情報が求められるかを、管理デバイスについてサービスプラットフォームから要求してよい。
【0026】
さらに、提供者は、提供されようとするサービスの数とタイプとを、事前に決定することが可能になる。提供されたサービスの数とタイプとをあらかじめ決めておくことで、情報取扱システムを構成する方法の複雑さを調整してよい。特に、提供されたサービスの数とタイプとを調整することで、プロビジョニングパターンと実行パターンとの数と複雑さとを調整してよく、管理デバイスの複雑さを調整してよい。特に、記憶スペースや処理能力、管理デバイスの処理時間を調整してよい。
【0027】
このようにして、さらに提供者は、顧客から情報取扱システムの構成に関して必要な情報を要求してよい。例えば、与えられた全ての情報に顧客が同意するように、又は必要な全ての情報を入力するように顧客に求めるように、オファーが表示されてよい。
【0028】
第1の態様の有利な実施形態によれば、管理デバイスにより、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定するステップは、さらに、選択されたサービスに関する情報に基づく。
【0029】
第1の態様の少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つの実行パターンは、情報取扱システムを構成するための命令を有する少なくとも1つの実行可能なスクリプトを含む。
【0030】
実行可能なスクリプトは、例えば、1つ以上のソフトウェアリポジトリ、例えば、分散バージョン管理システム、例えば、Gitシステムに記憶されてよい。少なくとも1つの実行可能なスクリプトを構成する少なくとも1つの実行パターンの利点は、それらの実行パターンが、選択されたサービスに応じて情報取扱システムの構成中に実行する必要がある構成タスクのために、具体的に記述及び管理することができることである。
【0031】
このような実行パターンの管理は、有利な実施形態で自動化される。実行パターンの管理は、例えば、実行パターンの更新を含んでよい。例えば、実行パターンによって実行されるタスクに関するソフトウェアが変更された場合に、即ち、実行パターンによってインストール及び/又は管理されているプログラムにセキュリティパッチが提供されているなどの場合に、それに応じて実行パターンの更新が必要になる可能性がある。この更新は、自動的に行われてよい。
【0032】
第1の態様の少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つの実行パターンは、少なくとも2つの異なるプロビジョニングパターンによって、少なくとも2つの異なるサービスにマッピングされる。言い換えれば、異なるサービスに応じて情報取扱システムを構成するために、同じ実行パターンが使用されてよい。
【0033】
少なくとも1つの実行パターンを少なくとも2つの異なるサービスにマッピングする利点は、それによって、スクリプト化及びメンテナンスが必要な実行パターンの数が減少されることが可能であることである。これにより、処理能力及び処理時間と、実行パターンに必要な記憶スペースとが削減されることが可能である。一般に、この方法により、情報取扱システムの構成方法の複雑さが軽減されることが可能である。
【0034】
第1の態様の少なくとも1つの実施形態によれば、管理デバイスにより、少なくとも1つの実行パラメータを決定するステップは、以下を含む。
・入力信号の選択されたサービスに関する情報を分析することと、
・選択されたサービスに関する分析された情報に基づいて、選択されたサービスの少なくとも1つのプロビジョニング標準を決定することと、
・少なくとも1つの決定されたプロビジョニング標準に基づいて、少なくとも1つの実行パラメータを決定すること。
【0035】
少なくとも1つのプロビジョニング標準は、例えば、選択されたサービス、又は構成するべき情報取扱システムの範囲又はサイズに関して定義されてよい。異なるプロビジョニング標準は、例えば、サイズS,サイズM,サイズL,サイズXLなどのラベルが付けられてよく、記憶スペースのプロビジョニングに関して、サイズSは100ギガバイト未満の記憶スペースに関連し、サイズMは101ギガバイトないし500ギガバイトの記憶スペースに関連し、サイズLは501ギガバイトないし1テラバイトの記憶スペースに関連し、サイズXLは1テラバイトを超える記憶スペースに関連する。さらに、同様の標準は、他の主題に関して定義されてよく、例えば、サービスが提供されるユーザの数、提供されるサーバの数、ネットワークスイッチの数、提供されるコンピューティング能力、ネットワーク能力、帯域幅の信頼性などに関して定義されてよい。少なくとも1つのプロビジョニング標準は、上記又は他の主題の2つ以上に応じてスケールしてよい。
【0036】
提供されたサービスごとに、つまり、各プロビジョニングパターンに対して、少なくとも1つの標準が定義されてよい。また、同じ主題、例えば記憶スペースに関して、異なるサービスに対して異なる標準が定義されてよい。例えば、「管理された記憶スペース」サービスの記憶スペース標準では、サイズSを100ギガバイト未満と定義してよいが、「管理されたオペレーティングシステム」サービスの記憶スペース標準では、サイズSを500ギガバイト未満と定義してよい。提供者の好み、及び/又は顧客のニーズに応じて、特に、異なる顧客の同じようなニーズが繰り返し発生することに応じて、標準は定義されてよい。
【0037】
これらの標準を定義及び使用する利点は、例えば、プロビジョニングシステムの複雑さが軽減されることである。プロビジョニングパターンと実行パターンとは、標準化されたサイズに最適な方法で提供されてよい。さらに、作成及び管理が必要な多くのプロビジョニングパターンと実行パターンとは、この方法で削減されてよい。特に、適切な標準を選択することで、提供者は、提供されたサービスの努力と複雑さとを低い状態に保ちながら、顧客のニーズに可能な限り適合するようにオファーを調整してよい。
【0038】
第1の態様の少なくとも1つの有利な実施形態によれば、管理デバイスにより、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定するステップは、さらに、少なくとも1つの決定されたプロビジョニング標準に基づく。
【0039】
本発明の第2の態様によれば、情報取扱システムを構成する装置は、管理デバイスを備え、
・管理デバイスは、サービスに関する入力信号を検出するように構成され、サービスは、顧客により選択され、入力信号は、選択されたサービスに関する情報を含み、
・管理デバイスはさらに、選択されたサービスに関する情報に基づいて、記憶された複数のプロビジョニングパターンから少なくとも1つのプロビジョニングパターンを決定するように構成され、複数のプロビジョニングパターンの各プロビジョニングパターンは、サービスと少なくとも1つの実行パターンとの間のマッピングを提供し、各実行パターンは、情報取扱システムを構成するための命令を構成し、
・管理デバイスはさらに、少なくとも1つの決定されたプロビジョニングパターンに基づいて、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定するように構成され、
・管理デバイスはさらに、少なくとも1つの決定されたプロビジョニングパターンと選択されたサービスに関する情報とに基づいて、少なくとも1つの実行パラメータを決定するように構成され、
・管理デバイスはさらに、少なくとも1つの決定された実行パラメータに基づいて、少なくとも1つの決定された実行パターンを実行するように構成されている。
【0040】
管理デバイスは、提供されたサービスを選択した顧客からの信号を受領するように構成された任意のタイプのデバイスである。顧客は、提供されたサービスを情報取扱システムで実行しようとしている。
【0041】
管理デバイスはさらに、例えば、管理プラットフォーム、特にクラウド管理プラットフォームの一部であってよく、又は、そのような管理プラットフォームと通信するように構成されてよい。このようなプラットフォームは、例えば、クラウドシステムや、仮想システムや、クラスタコンピューティングシステムなど、可能な任意のコンピュータシステムで実行してよい。管理デバイスはさらに、例えば、入力信号を検出する第1エンティティ、少なくとも1つのプロビジョニングパターンを決定及び実行する第2エンティティ、及び少なくとも1つの実行パターンを決定及び実行する第3エンティティなど、複数のエンティティ(構成要素)を含んでよい。第2エンティティは、例えばMorpheusData, LLC製の管理プラットフォーム「Morpheus」であってよい。第3エンティティは、例えば、ソフトウェアのプロビジョニング、構成管理、アプリケーションの展開ツールなどであってよく、インフラストラクチャーをプログラムコードとして有効にする。例として、管理デバイスの第3エンティティは、AnsibleWorks, Inc.によって開発されたツール「Ansible(登録商標)」を使用してよい。
【0042】
第2の態様の少なくとも1つの有利な実施形態によれば、装置はさらに、少なくとも1つの記憶デバイスを備え、複数のプロビジョニングパターン及び/又は複数の実行パターンは、実行可能なスクリプトであり、少なくとも1つの記憶デバイスに記憶されている。
【0043】
本発明の第3の態様によれば、情報取扱システムでのサービスを管理する方法は、以下のステップを備えている。即ち、
・情報取扱システムで実行されているサービスのタスクであり、実行されるべきタスクを、管理デバイスにより決定するステップと、
・サービスを実行している情報取扱システムに関する情報を、管理デバイスにより構成管理データベースCMDBから要求するステップであり、サービスに関する情報は、少なくとも1つのプロビジョニングパターンに関する情報を含み、情報取扱システムは、少なくとも1つのプロビジョニングパターンに基づいて構成されている、要求するステップと、
・サービスを実行している情報取扱システムに関する情報と、実行されるべきタスクに関する情報とに応じて、管理デバイスにより、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定するステップと、
・管理デバイスにより、少なくとも1つの決定された実行パターンを実行するステップとを備えている。
【0044】
この文脈では、CMDBから要求される、サービスを実行している情報取扱システムに関する情報は、例えば、顧客に関する情報、顧客の情報取扱システムに関する情報、及び/又は顧客のために提供されたサービスに関する情報、特に、使用されるプロビジョニングパターンに関する情報、及び例えば実行パラメータに関する情報を含んでよい。顧客の情報取扱システムは、顧客が所有するハードウェアを含んでよいし、顧客が所有していないハードウェアに基づくクラウド及び/又はハイブリッドシステムを含んでよい。
【0045】
サービスのタスクは、顧客によってトリガーされ、例えば、提供されたサービスの変更を要求するようにしてよく、又は、サービスのタスクは、繰り返し発生するタスク又は独立してトリガーされたタスクであってよい。繰り返し発生するタスク又は独立してトリガーされたタスクは、例えば、管理デバイスにより、トリガーされてよく、特に、管理デバイスから又は管理デバイスを介して提供されたサービスプラットフォームにより、トリガーされてよい。サービスプラットフォームは、例えば、前述の管理デバイスの第1エンティティであってよい。再発又は独立してトリガーされたタスクは、例えば、CMDBに記憶されている情報に基づいてトリガーされてよい。再発するタスクは、例えば、サービスの更新、又は顧客に提供された情報取扱システムの更新、又はスケジュールされたバックアップの実行などである。さらに、実行された実行パターンなどによって、タスクがトリガーできる可能性がある。
【0046】
第3の態様による方法の利点は、情報取扱システムでのサービスの自動管理が提供されることである。従って、第1の態様による方法、特に自動化に関して詳述したように、この場合も、マンパワー、処理時間、コストを削減することが可能である。
【0047】
第3の態様による方法は、コンピュータ実施された方法である。
【0048】
第3の態様の少なくとも1つの有利な実施形態によれば、方法はさらに、以下のステップを備えている。
・情報取扱システムで実行されているサービスのタスクであり、実行されるべきタスクに関する入力信号を、管理デバイスにより検出するステップであり、ここで、情報取扱システムで実行されているサービスのタスクであり、実行されるべきタスクを、管理デバイスにより決定するステップは、検出された入力信号に基づく。
【0049】
入力信号は、例えばユーザ(即ち、顧客又はサービス提供者)によりポータル又はAPIを介して、cronジョブにより提供されてよい。
【0050】
第3の態様の少なくとも1つの実施形態によれば、実行パターンは、
・構成された情報取扱システムで、選択されたサービスを管理する指示、及び/又は、
・情報取扱システムの構成を変更する指示
を含む。
【0051】
その文脈でのサービスの管理は、例えば、サービスの開始、停止、更新又はバックアップの実行や、サービスに関する顧客サービスの提供や、サービスに関する発券、課金及び/又はレポートの機会の提供などを含んでよい。その文脈での構成の変更は、例えば、記憶サイズの変更や、顧客に提供されている多数のユーザアカウントの変更や、既存のサービスへの追加アプリケーション及び/又はその他の機能の追加などを含んでよい。特に、情報取扱システムの構成の変更は、実行パラメータの変更を含んでよく、及び/又は第1の態様に係る方法で、例えば、プロビジョニング及びオーケストレーションされたシステムの1つの標準から別の標準への移動を含んでよい。
【0052】
本発明の第4の態様によれば、情報取扱システムでのサービスを管理する装置は、管理デバイスを備え、
・情報取扱システムで実行されているサービスのタスクであり、実行されるべきタスクを、管理デバイスは、決定するように構成され、
・情報取扱システムで実行されているサービスに関する情報を、構成管理データベースCMDBから要求するように、管理デバイスはさらに構成され、サービスに関する情報は、少なくとも1つのプロビジョニングパターンに関する情報を含み、情報取扱システムは、少なくとも1つのプロビジョニングパターンに基づいて構成され、
・サービスに関する情報と、実行されるべきタスクに関する情報とに応じて、管理デバイスはさらに、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定するように構成され、
・管理デバイスはさらに、少なくとも1つの決定された実行パターンを実行するように構成されている。
【0053】
第4の態様の少なくとも1つの有利な実施形態によれば、装置はさらに、記憶デバイスを備え、複数の実行パターンは、記憶デバイスに記憶されている。
【0054】
第4の態様の少なくとも1つの実施形態によれば、管理デバイスと、記憶デバイスと、CMDBとは、通信ネットワーク、及び/又はサービスバス、及び/又はアプリケーションプログラミングインターフェースAPIを介して接続されている。
【0055】
通信ネットワークは、インターネットプロトコルタイプのネットワークを含む通信ネットワークであってよい。サービスバスは、サービス指向アーキテクチャー(SOA)の中で相互に相互作用するソフトウェアアプリケーション間で、通信システムを実施するエンタープライズサービスバスESBであってよい。サービスバスを介して、接続されたエンティティは、複数の事前に決定されたコマンドを介して相互に通信してよい。サービスバスを介した通信は、伝送制御プロトコルTCPのトラフィックに基づく。
【0056】
この実施形態の利点は、装置のエンティティ間の直接的で容易な通信が保証されることである。各エンティティは、当該通信ネットワーク、当該サービスバス、及び/又はAPIへのゲートウェイを含んでよい。従って、異なるエンティティ間の個々の接続が削減又は省略できる。さらに、システムに高い柔軟性を与え、新しいエンティティの簡単な接続や、既存のエンティティのシステムからの切断を可能にする。
【0057】
第4の態様の少なくとも1つの実施形態によれば、APIはさらにゲートウェイを含み、ゲートウェイは、情報取扱システムで実行されるサービスの顧客にとってアクセス可能である。
【0058】
これにより、顧客は、追加のツールを使用してAPIに直接アクセスできる。例えば、顧客は、個々の管理ツールを使用してAPIにアクセスできる。その利点は、顧客に提供される管理システムの柔軟性である。一方、APIによって提供され、発明の第4の態様に従って装置によって提供される明確に定義されたタスクに、顧客は依存することが可能である。これにより、情報取扱システムでのサービスを管理する装置を、APIゲートウェイを介して、顧客の既存の管理システムに直接組み込むことができる。
【0059】
本発明の第5の態様によれば、コンピュータプログラムは命令を含み、命令は、コンピュータによりプログラムが実行された場合に、コンピュータに第1の態様及び/又は第3の態様に係る方法のステップを実行させる。
【0060】
本発明の第6の態様によれば、不揮発性の記憶媒体は、第5の態様に係るコンピュータプログラムを備えている。
【0061】
上記の態様の1つに関して開示された利点及び実施形態は、他の上記の態様のいずれにも等しく適用してよい。また、上記の態様の1つに関して開示された特徴は、他の上記の態様の特徴と容易に組み合わせてよい。
【0062】
本発明のこれ以上の有利な実施形態は、添付の請求項に記載されるほか、例示的な実施形態の以下の詳細な説明で説明される。例示的な実施形態は、添付の図に関して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】本発明の実施形態による装置の構造図を示す。
図2】本発明の実施形態によるブループリントと複数のランブックとの構造図を示す。
図3】本発明の実施形態による情報取扱システムを構成する方法のフローチャートを示す。
図4】本発明の実施形態による情報取扱システムでのサービスを管理する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本発明の一実施形態に係り、図1は、情報取扱システム2でサービスを構成及び管理する装置1を示す。図1は、さらに情報取扱システム2(情報処理システム2)を示す。ネットワーク3を介して、この例示的な実施形態ではインターネットを介して、装置1と情報取扱システム2とは、通信するように構成されている。装置1と情報取扱システム2との両方は、図1についての以下の説明で詳細に説明されている複数のエンティティと特徴とを備えている。「装置」及び「情報取扱システム」のエンティティが少なくとも部分的にハードウェア及び/又はソフトウェアのエンティティとして、又は両方の混合として、実施されてよいように、「装置」及び「情報取扱システム」という表現は理解されるものとする。さらに、情報取扱システム2と装置1とは、それぞれ個別のシステム又は分散システムとして構成されてよい。
【0065】
情報取扱システム2は、入力デバイス4を含む。入力デバイス4は、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、又はワークステーションなどのコンピュータシステム、又はタブレット又はスマートフォンなどのモバイルデバイスである。入力デバイス4は、ネットワーク3に接続され、顧客からの入力を受領し、ネットワーク3を介して装置1に入力信号を伝送するように構成されている。図1に示す実施形態では、入力デバイス4は情報取扱システムの一部である。あるいは、特に装置1を使用して情報取扱システム2を初期設定する場合に、入力デバイス4は、外部のコンピュータシステムであってよく、又は装置1に含まれるコンピュータシステムであってよい。
【0066】
情報取扱システム2をセットアップ又は管理したい顧客は、入力デバイス4を介して、取得したいサービスに関する情報を入力してよい。顧客がサービスに関する情報を入力するために、本実施形態では、装置1を運用するサービス提供者は、顧客に提供できる特定のサービスを提供することができる。提供されたサービスの中から、顧客は1つ以上を選択し、入力デバイス4にその選択内容を入力してよい。提供されたサービスは、例えば、Webサービスツールやポータルを介して、又は入力デバイス4が接続可能なアプリケーションプログラミングインターフェースAPIを介して、提供者によって提供されてよい。
【0067】
この実施形態で可能なサービスは、顧客に提供することができ、顧客が1つ以上を選択することができるものであり、例えば、以下のサービスの少なくとも1つを含んでよい。即ち、情報取扱システム2のプロビジョニング及びオーケストレーション、情報取扱システム2の管理、SAP(登録商標)システムのプロビジョニング、オーケストレーション及び/又は管理、ワークプレイスサービスのプロビジョニング、オーケストレーション及び/又は管理、例えば、リモートワークプレイスソリューション、記憶サービスのプロビジョニング、オーケストレーション及び/又は管理、クラウド及びハイブリッドITシステムのプロビジョニング、オーケストレーション及び/又は管理、アプリケーション管理サービスの提供、データベースサービスのプロビジョニング、オーケストレーション及び/又は管理、Azure(登録商標)SQLデータベースインスタンスのプロビジョニング、オーケストレーション及び/又は管理、その他多数のサービスの少なくとも1つを含んでよい。この文脈でのサービスは、上記のいずれかの一部にのみ関連してよい。
【0068】
入力デバイス4を介して顧客が入力する選択されたサービスに関する情報は、この実施形態では、顧客がどのサービスを選択するかを指定する情報を含む。さらに、選択されたサービスに関する情報は、顧客キーパラメータCKP、例えば、顧客の情報に関するパラメータ、即ち、誰がサービスを選択するかを指定するCKPなどを含んでよい。例えば、これらのCKPは、顧客ID、この顧客が既に受け取っているサービスに関する情報、顧客の情報取扱システム2に関する情報、即ちIPアドレスなど、利用可能なリソース、それらのリソースの仕様など、多数のものを含んでよい。
【0069】
さらに、CKPは、顧客が必要とするサービスの範囲又はサイズに関する情報を含んでよい。例えば、一定の量のユーザに対してサービスが必要であること、及び/又は選択されたサービスが一定のサイズの記憶スペースで要求されていることを指示することを、CKPは含んでよい。さらに、CKPは、絶対又は最大の賞を含んでよい。顧客は、選択されたサービスに対して、その絶対又は最大の賞を支払うつもりがある。サービス又はその一部(例えば、個人データ又はその他の重要なデータの取り扱いに関するもの)が、特定の地域の情報取扱システムで実行されることを要するという指示、又は、サービス又はその一部が、顧客又はサービスのプロバイダについてオンプレミスに設置された情報取扱システムで実行され、又はサービスプロバイダのデータセンターで実行され、又はクラウドで実行されることを要するという指示、又は、サービスが1つの場所又は複数の場所に構成された情報取扱システムで実行されるべきかどうかの指示に、他のCKPは関連してよい。この実施形態では、CKPに関する必要な情報は、入力デバイス4を介して顧客から求められてよい。
【0070】
選択されたサービスとCKPとの仕様を含む情報は、入力信号として装置1にネットワーク3を介して伝送される。
【0071】
装置1は、管理デバイス5を備え、これは、入力デバイス4からの入力信号を受領するように構成されている。管理デバイス5は、装置1の通信ネットワーク6に接続されている。通信ネットワーク6は、本実施形態では、APIとサービスバスとを含む。APIとサービスバスとは、本実施形態では、独立した通信媒体である。装置1内の各エンティティは、API又はサービスバスのいずれか、又はその両方に接続してよい。装置1はさらに、APIゲートウェイ7を含み、APIゲートウェイ7は、APIに接続され、ネットワーク3へのゲートウェイを提供する。
【0072】
図1の実施形態では、管理デバイス5は、管理プラットフォーム8と実行ツール9とを有する。管理プラットフォーム8と実行ツール9とは、いずれも通信ネットワーク6に接続されている。管理プラットフォーム8は、例えば「MorpheusData, LLC」製の「Morpheus」などの管理ツールを使用してよい。ハードウェア及び/又はソフトウェアのための、例えば、プロビジョニング、構成管理、アプリケーション展開ツールなどの1つ以上の実行ツール9に、管理デバイス5は依存してよい。例として、実行ツール9は、AnsibleWorks, Inc.によって開発されたツール「Ansible(登録商標)」であってよい。
【0073】
さらに装置1は、ソフトウェアリポジトリ10を有する。ソフトウェアリポジトリは、通信ネットワーク6にも接続され、通信ネットワーク6を介して管理デバイス5と通信するように構成されている。レポジトリ10には、提供されたサービスに関するブループリントが複数記憶されている。これらのブループリントはさらに、プロビジョニングパターンと称してよい。この実施形態によれば、記憶された各ブループリントは、サービス提供者によって提供された特定のサービスに関連している。言い換えれば、サービス提供者によって提供された各サービスについて、ブループリントがリポジトリ10に記憶される。
【0074】
ブループリントはそれぞれ、提供された1つのサービスと1つ以上のランブックとの間のマッピングを提供する。例えば、ブループリントが複数のランブックを1つのサービスにマッピングする場合に、1つのブループリントによってマッピングされるランブックはランブックのシーケンスである可能性がある。ランブックは実行パターンと称してよいもので、情報取扱システム2のサービスを設定又は管理するための命令を構成する。言い換えれば、特定のサービスに関連する全てのブループリントで、情報取扱システム2でブループリントのサービスを行うために実行する必要があるタスクのシーケンスを反映したランブックが指定されている。
【0075】
ブループリントは、ライブラリ要素と統合要素との組み合わせであり、情報取扱システム2が、どのようにセットアップ及び/又は管理されるものとするかを、定義する。ブループリントには、プログラミングコードのスクリプトがあり、管理プラットフォーム8で実行できる。管理プラットフォーム8は、通信ネットワーク6を介してブループリントにアクセスできる。
【0076】
管理プラットフォーム8は、選択されたサービスに関する情報に基づいて決定されたブループリントを実行するように、構成されている。次に、管理プラットフォーム8は、実行ツール9をトリガーして、ブループリントにマッピングされたランブックを実行するように構成されている。
【0077】
管理プラットフォーム8は、さらに、選択されたサービスに関する情報、即ち、どのサービスが選択されたかに関する情報と、CKPとを含む入力信号を分析するように構成されている。どのサービスが選択されたかに関する情報は、選択されたサービスの適切なブループリントを選択するために管理プラットフォーム8によって使用される。さらにCKPは、顧客のためにサービスをカスタマイズするために、分析される。ブループリントは、顧客の個々の特徴と、顧客の情報取扱システム2とから独立しているため、顧客が顧客の仕様に関して選択したサービスのカスタマイズは、顧客固有のパラメータに基づいてランブックを実行することで行われる。顧客固有のパラメータはまた、実行パラメータと称してよい。
【0078】
CKPは、実行パラメータを直接構成し、それに従ってランブックを実行用にカスタマイズするか、又はCKPは情報を構成し、実行パラメータを決定するために評価する必要がある。後者は、例えば、CKPが最大の賞を指定し、顧客は、選択されたサービスを受けるために、その最大の賞を支払うつもりがある場合である。その場合に、例えば、顧客が管理ストレージのサービスを要求し、CKPで月に支払うつもりがある最大の1000ユーロを指定した場合に、管理プラットフォーム8は、受領したCKPに関して管理ストレージの最大の50テラバイトを提供できることを決定するように構成される。この例では、サイズ「50テラバイト」が、実行パラメータである。別の例では、ユーザ数の最小値、信頼性レベルの最小値(例えば、サービスの利用可能性)、及び/又は性能の最小値(例えば、ウェブサーバが1秒当たりで処理できる要求の数、又は、データベースサーバが1秒当たりで処理できる問い合わせの数)など、複数のCKPを顧客が指定してよい。顧客が指定した全てのCKPを満たすサービスを実行するために必要である、情報取扱システム(例えば、サーバ、ネットワークデバイス、ストレージなど)の数とタイプとを決定するように、管理プラットフォームは構成されている。この例では、必要な情報取扱システムの数とタイプとは、実行パラメータである。
【0079】
選択したブループリントとそれに応じたそれぞれのランブックに応じて、特定の実行パラメータを、ランブックに対して決定する必要がある。一部のランブックは、少なくとも部分的に、同じ実行パラメータを共有する可能性があり、他のランブックは異なる実行パラメータを要する可能性がある。実行パラメータのタイプはランブックによって異なり、従って、最終的には選択されたサービスによって異なる。代替的に、さらに、ここで説明する実行パラメータの決定は、装置1の他のエンティティ又は外部デバイスによって実行されてよい。
【0080】
さらに管理プラットフォーム8は、選択されたサービスに関する入力信号に基づいて、選択されたサービスのプロビジョニング標準を決定するために、構成されている。特に、どのサービスに基づいて、またそれに応じてどのブループリントが選択されたかに基づいて、標準のタイプが選択されてよい。その後、標準化された実行パラメータが、決定された標準タイプとCKPとに基づいて、決定されてよい。
【0081】
プロビジョニング標準は、例えば、選択されたサービス又は情報取扱システムの範囲又はサイズに関して定義されてよい。この情報取扱システムは、構成及び/又は管理されようとするものである。異なるタイプのプロビジョニング標準は、例えば、サイズS、サイズM、サイズL、サイズXLとラベル付けされる。例えば、記憶スペースのプロビジョニングと管理とに関して、サイズSは100ギガバイト未満の記憶スペースに関連し、サイズMは101ギガバイトないし500ギガバイトの記憶スペースに関連し、サイズLは501ギガバイトないし1テラバイトの記憶スペースに関連し、サイズXLは1テラバイトを超える記憶スペースに関連する。また、サービスを提供するユーザ数、設けられたサーバ数、ネットワークスイッチ数など、他の主題についても同様の基準が定義されてよい。一例では、ユーザ数の最小値、信頼性レベルの最小値(例えば、サービスの利用可能性)、及び/又は性能の最小値(例えば、ウェブサーバが1秒当たりで処理できる要求の数、又は、データベースサーバが1秒当たりで処理できる問い合わせの数)など、複数のCKPを顧客が指定してよい。プロビジョニング基準を決定するように管理プラットフォームが構成され、これは顧客が指定した全てのCKPを満たす。例えば、前述のS,M,L及びXLの標準サイズに応じて、顧客が指定した全てのCKPを満たす最小サイズを選択するように管理プラットフォームが構成される。
【0082】
例えば、前述のS,M,L及びXLの標準サイズに応じて、多数のネットワークスイッチ及び/又はサーバが標準化される。特に、顧客が「記憶スペースをプロビジョニング及び管理する」というサービスを選択する際に、ストレージの600ギガバイトと800ギガバイトとのCKPのどちらを伴って選択したとしても、両方のCKPが、標準化された「サイズL」の範囲内であり、1000ギガバイトまでの記憶サイズをサポートできる。これに対して、「サイズM」は、500ギガバイトまでしかサポートしない。従って、両方の場合で、CKPに600ギガバイトと800ギガバイトとのどちらが指定されていても、要求された記憶スペースの正確な量に関係なく、サーバとネットワークスイッチとの同じ量が提供される。
【0083】
図1に示す実施形態によれば、提供された各サービス、即ち各ブループリントに対して、少なくとも1つの標準が定義される。特に、ランブックを実行するために指定する必要がある実行パラメータごとに、標準が定義される。これに代えて、個々の値を使用した場合に、情報取扱システム2の構成及び/又は管理を非常に複雑にしてしまう、実行パラメータに対してのみ、標準が定義されてよい。
【0084】
また、同じ主題、例えば主題「記憶スペース」に関しても、異なるサービスに対して異なる標準が定義されてよい。例えば、「管理された記憶スペース」サービスでの記憶スペース標準は、サイズSを100ギガバイト未満と定義してよいが、「管理されたオペレーティングシステム」サービスでの記憶スペース標準は、サイズSを500ギガバイト未満と定義してよい。標準は、提供者の好み、及び/又は顧客のニーズに応じて定義されてよい。
【0085】
実行ツール9は、標準化された実行パラメータ、及び/又は個々の実行パラメータに従って、ランブックを実行するように構成されている。特に、それぞれのブループリントがランブックのシーケンスをシグナリングした場合に、それぞれのランブックは順次実行される。
【0086】
例えば、図1の実施形態では、顧客は「ワークプレイス環境をプロビジョニング及び管理する」というサービスを選択したものである。従って、以下のランブックは、当該サービスのそれぞれのブループリントによって示されるランブックのシーケンスのあるものである。即ち、記憶スペースのプロビジョニング、仮想マシンとオペレーティングシステムとのインストール、アプリケーションのインストール、サービス管理統合のオーケストレーション、ワークプレイス環境のための監視サービス、バックアップサービスなどの管理を実行すること、このようなランブックである。これらのランブックは、実行ツール9によって実行され、それぞれのタスクが実行される。
【0087】
情報取扱システム2のプロビジョニング及び設定時にソフトウェアをインストールするために、管理デバイス5及び/又は情報取扱システム2は、必要なソフトウェアをダウンロードするために、対応するソフトウェアリポジトリにアクセスする。クラウドベースの情報取扱システム2をプロビジョニングするために、管理デバイス5はそのようなクラウドプラットフォームにアクセスする。
【0088】
記憶スペースをプロビジョニングするタスクのために、図1に示すような実施形態では、実行ツール9は、記憶デバイス12からそれぞれの記憶容量を選択する。この実施形態では、記憶デバイス12は、情報取扱システム2にそれぞれの記憶スペースが割り当てられる記憶サーバである。記憶デバイス12は、例えば、サービス提供者に属する記憶デバイスである。これに代えて、記憶デバイス12は、クラウドストレージのような外部プロバイダの記憶デバイスであってよく、又は、顧客の記憶デバイスであってよい。このようにして、提供者が、利用可能な十分な記憶スペースを有する場合に、サービスを直ちに提供することができる。
【0089】
装置1はさらに、構成管理データベースCMDB11を有し、これは通信ネットワーク6に接続されている。CMDB11は、装置1によりプロビジョニング及び管理される顧客と情報取扱システムとに関する、全ての重要情報を記憶する中央CMDBである。さらにCMDB11は、情報取扱システムのローカルデータソースにアクセスして、それらのシステムに関する情報を収集するように構成されている。CMDB11に基づいて、装置は、情報取扱システムに関するレポートをリアルタイムに提供するように構成されている。例えば、新しい顧客が認識された場合、第1サービスがプロビジョニング及びオーケストレーションされた場合、又は、実行中のサービスが変更された場合に、それら全てのタスクなどに関する情報がCMDB11に記憶されてよい。情報は自動的に収集され、CMDB11に記憶される。例えば、サービスを実行する情報取扱システムが初めてプロビジョニング及び構成された場合、又はブループリント又はランブックの実行によって変更、更新、又は再構成された場合には、ブループリント及び/又はランブックは、それに応じてCMDBを更新するように構成される。その結果、CMDBは、常に情報取扱システムでの有効なデータを提供する。
【0090】
図2は、本発明の一実施形態によるブループリント13と複数のランブック(手順書)14との構造図を示す。図2に示したブループリント13とランブック14とは、例えば図1の装置1のブループリント及びランブックとして使用してよい。
【0091】
図2は、ストレージをプロビジョニング及び管理するサービスのブループリント13を示す。図2の構造図は、ブループリント13とランブック14とを非常に単純化した方法で示している。他の実施形態では、ブループリント13とランブック14とは、一層高いレベルの複雑さを有してよい。
【0092】
ブループリント13は、ストレージを提供及び管理する選択されたサービスを、それぞれのランブック14にマッピングする。ランブック14は、サービスを実行する情報取扱システムをプロビジョニング及び構成するために、実行される必要がある。図2に示すブループリント13によってマッピングされていない、他のランブック14が存在してよい。
【0093】
ブループリント13への入力は、CKP15である。これらのCKP15は、この実施形態では、顧客がLサイズの管理ストレージを選択したという情報を含む。
【0094】
ブループリント13は、プロビジョニング標準16を含み、この場合に、Lサイズの管理ストレージの場合に、1テラバイトの記憶スペースを割り当てる必要があることを識別する。他の実施形態又は他の選択されたサービスでは、CKPは、選択されたプロビジョニング標準に関する情報を含まないが、決定されたブループリントは、CKPに基づいてプロビジョニング標準を決定する。プロビジョニング標準については、図1に関してさらに詳細に説明したが、ここでは繰り返さない。
【0095】
ブループリント13は、ランブック14のシーケンスをブループリント13のサービスにマッピングする。これらのランブック14は、CKP、即ち、CKP15から導かれた標準化された実行パラメータに従ってカスタマイズされる。ブループリント13にマッピングされているランブック14の1つは、「記憶デバイスのXギガバイトの量を割り当てる」ためのランブック14である。ランブック14をカスタマイズするステップでは、このランブック14は、ここで説明する実施形態で「記憶デバイスの1000ギガバイトの量を割り当てる」ことに、カスタマイズされる。
【0096】
その後、カスタマイズされたランブック14は、実行される。従って、最初にランブック14の最初のものが実行され、1000ギガバイトのストレージが割り当てられる。その後、ブループリント13によってマッピングされた追加的なランブック14は、さらに実行され、サービスを提供する。これらの追加的なランブック14は、例えば、ストレージなどのバックアップを実行するタスクを含んでよい。
【0097】
さらに、ブループリント13によってマッピングされたランブック14は、プロビジョニング標準に依存してよく、又は相互に依存してよい。例えば、標準サイズのL又はXLが選択された場合に、追加の信頼性を与えるために、異なる記憶デバイスからの記憶スペースが割り当てられる。ただし、標準サイズのS又はMが選択された場合には、1つの記憶デバイスでの記憶スペースのみが割り当てられる。従って、ブループリント13で特定の標準が選択された場合に、それぞれの依存関係によって、特定のランブック14は実行されてよく、又はされなくてよい。
【0098】
図3は、本発明の一実施形態に係り、情報取扱システムを構成する方法300のフローチャートを示す。図3の方法は、図1に関して開示された装置によって実行されてよい。
【0099】
第1ステップ301では、サービスに関する入力信号が検出される。サービスは、顧客により選択されたサービスであり、入力信号は、選択されたサービスに関する情報を含む。入力信号は特に、どのサービスが選択されているかの情報と、CKPに関する情報とを含む。ここでは詳細な説明は繰り返さない。
【0100】
第2ステップ302では、選択されたサービスに関する情報に基づいて、記憶された複数のブループリントから少なくとも1つのブループリントが決定される。複数のブループリントのうち各ブループリントは、サービスと少なくとも1つのランブックとの間のマッピングを提供する。各ランブックは、情報取扱システムを構成するための命令を含む。本発明のこの実施形態でのランブックとブループリントとは、図1及び図2に関して詳細に説明されたランブックとブループリントとに対応してよい。
【0101】
第3ステップ303では、少なくとも1つの決定されたブループリントに基づいて、選択されたサービス、例えばCKPに関する情報が分析される。選択されたサービス、即ち少なくとも1つの決定されたブループリントに応じて、次のステップに必要な入力を提供するために、分析は、非常に単純な場合もあれば、非常に複雑な場合もある(選択されたサービス、例えばCKPに関する情報に基づいて複数の自動決定を含む)。
【0102】
第4ステップ304では、少なくとも1つの決定されたブループリントと、ステップ303に従って、例えばCKPを含む、選択されたサービスに関する情報とに基づいて、複数のランブックからの少なくとも1つのランブックが決定され、同じものに基づいて、少なくとも1つの実行パラメータが決定される。
【0103】
第5ステップ305では、少なくとも1つの決定された実行パラメータに基づいて、少なくとも1つの決定されたランブックが実行される。
【0104】
第6ステップ306では、情報取扱システムの構成結果は、構成管理データベースCMDBにフィードバックされる。これは、例えば、顧客に関する情報、及び/又は構成された情報取扱システムに関する情報を含んでよい。
【0105】
図4は、本発明の一実施形態による情報取扱システムでのサービスを管理する方法400のフローチャートを示す。図4の方法は、図1に関して説明した装置によって実行されてよい。
【0106】
第1ステップ401では、情報取扱システムで実行されているサービスのタスクであり、実行されるべきタスクを、決定する。サービスのタスクは、例えば提供されたサービスの変更を要求する顧客によってトリガーされてよいし、繰り返し発生するタスクや独立してトリガーされたタスクであってよい。繰り返し発生するタスクや独立してトリガーされたタスクは、例えばサービスプラットフォームによってトリガーされてよい。サービスプラットフォームは、例えば、クラウドプラットフォーム「ServiceNow(登録商標)」のような、ITサービスプラットフォームに基づいてよい。繰り返し発生するタスクや独立してトリガーされたタスクは、例えば、CMDBに記憶されている情報に基づいてトリガーされてよい。繰り返し発生するタスクは、例えば、サービスの更新や、顧客に提供された情報取扱システムの更新、スケジュールされたバックアップの実行などである。さらに、タスクは、実行された実行パターンなどによってトリガーされてよい。
【0107】
第2ステップ402では、情報取扱システムで実行されているサービスに関する情報が、構成管理データベースCMDBから要求される。サービスに関する情報は、情報取扱システムが構成されている少なくとも1つのブループリントに関する情報と、情報取扱システムの実際の構成に関する情報とを含む。情報取扱システムの実際の構成に関する情報は、少なくとも1つのブループリントに基づく構成と、例えば図4に示す方法に従って、情報取扱システムに適用されたその後の構成変更とから、生じた結果である。
【0108】
第3ステップ403では、サービスに関する情報と、実行されるべきタスクに関する情報とに従って、複数のランブックから少なくとも1つのランブックが決定される。
【0109】
第4ステップ404で、少なくとも1つの決定されたランブックが実行される。本発明のこの実施形態でのランブックとブループリントとは、図1及び図2に関して詳細に説明されたランブックとブループリントとに対応してよい。
【0110】
第5ステップ405では、設定管理データベースCMDBは、少なくとも1つの決定されたランブックの実行と、その結果とに従って、更新される。
【0111】
図3及び4に関して説明されている方法は、コンピュータ実施された方法である。
【符号の説明】
【0112】
1 装置
2 情報取扱システム
3 ネットワーク
4 入力デバイス
5 管理デバイス
6 通信ネットワーク
7 アプリケーションプログラミングインターフェースゲートウェイ
8 管理プラットフォーム
9 実行ツール
10 ソフトウェアリポジトリ
11 構成管理データベース
12 記憶デバイス
13 ブループリント
14 ランブック
15 顧客キーパラメータ
16 プロビジョニング標準
300,400 方法
301ないし405 ステップ
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報取扱システムを構成する方法であって、方法は、
・管理デバイスにより、サービスに関する入力信号を検出するステップであり、前記サービスは、顧客により選択され、前記入力信号は、選択された前記サービスに関する情報を含み、前記情報取扱システムは、選択された前記サービスのために構成されようとするものである、検出するステップと、
・前記管理デバイスにより、選択された前記サービスに関する前記情報に基づいて、記憶された複数のプロビジョニングパターンから少なくとも1つのプロビジョニングパターンを決定するステップであり、複数の前記プロビジョニングパターンの各プロビジョニングパターンは、サービスと少なくとも1つの実行パターンとの間のマッピングを提供する、決定するステップと、
・前記管理デバイスにより、少なくとも1つの決定された前記プロビジョニングパターンに基づいて、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定するステップであり、各実行パターンは、情報取扱システムを構成するためのコンピュータ可読な命令を含む、決定するステップと、
・前記管理デバイスにより、少なくとも1つの決定された前記プロビジョニングパターンに基づいて、少なくとも1つの実行パラメータを決定するステップと、
・前記管理デバイスにより、少なくとも1つの決定された前記実行パラメータに基づいて、少なくとも1つの決定された前記実行パターンを実行し、選択された前記サービスのために前記情報取扱システムを構成するステップとを備え
少なくとも1つの前記実行パターンは、前記情報取扱システムを構成するための前記命令を有する少なくとも1つの実行可能なスクリプトを含む、方法。
【請求項2】
管理デバイスにより入力信号を検出する前記ステップの前に、方法はさらに、
少なくとも1つのサービスパターンが記憶された少なくとも1つのサービスに関する情報を、表示デバイスにより表示するステップであり、前記顧客により選択された前記サービスは、表示されたサービスのうちの少なくとも1つを含む、表示するステップを備えている、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記管理デバイスにより、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定する前記ステップは、さらに、選択された前記サービスに関する前記情報に基づく、請求項1載の方法。
【請求項4】
前記管理デバイスにより、少なくとも1つの実行パラメータを決定する前記ステップは、
・前記入力信号の選択された前記サービスに関する前記情報を分析することと、
・選択された前記サービスに関する分析された前記情報に基づいて、選択された前記サービスの少なくとも1つのプロビジョニング標準を決定することと、
・少なくとも1つの決定された前記プロビジョニング標準に基づいて、少なくとも1つの前記実行パラメータを決定することとを含み、
前記管理デバイスにより、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定する前記ステップは、さらに、少なくとも1つの決定された前記プロビジョニング標準に基づく、請求項1載の方法。
【請求項5】
情報取扱システムを構成する、及び/又は、情報取扱システムでのサービスを管理する装置であって、装置は、管理デバイスを備え、前記情報取扱システムを構成するために、前記管理デバイスは、
ービスに関する入力信号を検出するように構成され、前記サービスは、顧客により選択され、前記入力信号は、選択された前記サービスに関する情報を含み、前記情報取扱システムは、選択された前記サービスのために構成されようとするものであり、
択された前記サービスに関する前記情報に基づいて、記憶された複数のプロビジョニングパターンから少なくとも1つのプロビジョニングパターンを決定するように構成され、複数の前記プロビジョニングパターンの各プロビジョニングパターンは、サービスと少なくとも1つの実行パターンとの間のマッピングを提供し、各実行パターンは、情報取扱システムを構成するためのコンピュータ可読な命令を構成し、
なくとも1つの決定された前記プロビジョニングパターンに基づいて、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定するように構成され、
なくとも1つの決定された前記プロビジョニングパターンと選択された前記サービスに関する前記情報とに基づいて、少なくとも1つの実行パラメータを決定するように構成され、
なくとも1つの決定された前記実行パラメータに基づいて、少なくとも1つの決定された前記実行パターンを実行するように構成され、選択された前記サービスの前記情報取扱システムを構成し、
及び/又は、前記情報取扱システムでのサービスを管理するために、前記管理デバイスは、
・情報取扱システムで実行されているサービスのタスクであり、実行されるべきタスクを、決定するように構成され、
・前記情報取扱システムで実行されている前記サービスに関する情報を、構成管理データベースCMDBから要求するように構成され、前記サービスに関する前記情報は、少なくとも1つのプロビジョニングパターンに関する情報を含み、前記情報取扱システムは、少なくとも1つの前記プロビジョニングパターンに基づいて構成され、
・前記サービスに関する前記情報と、実行されるべき前記タスクに関する情報とに応じて、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定するように構成され、
・少なくとも1つの決定された前記実行パターンを実行するように構成され、前記情報取扱システムでの前記サービスを管理する、装置。
【請求項6】
さらに、少なくとも1つの記憶デバイスを備え、複数の前記プロビジョニングパターン及び/又は複数の前記実行パターンは、実行可能なスクリプトであり、少なくとも1つの前記記憶デバイスに記憶されている、請求項記載の装置。
【請求項7】
情報取扱システムでのサービスを管理する方法であって、方法は、
・情報取扱システムで実行されているサービスのタスクであり、実行されるべきタスクを、管理デバイスにより決定するステップと、
・前記サービスを実行している前記情報取扱システムに関する情報を、前記管理デバイスにより構成管理データベースCMDBから要求するステップであり、前記情報取扱システムに関する前記情報は、少なくとも1つのプロビジョニングパターンに関する情報を含み、前記情報取扱システムは、少なくとも1つの前記プロビジョニングパターンに基づいて構成されている、要求するステップと、
・前記サービスを実行している前記情報取扱システムに関する前記情報と、実行されるべき前記タスクに関する情報とに応じて、前記管理デバイスにより、複数の実行パターンから少なくとも1つの実行パターンを決定するステップと、
・前記管理デバイスにより、少なくとも1つの決定された前記実行パターンを実行し、前記情報取扱システムでの前記サービスを管理するステップとを備えている、方法。
【請求項8】
方法はさらに、
情報取扱システムで実行されているサービスのタスクであり、実行されるべきタスクに関する入力信号を、前記管理デバイスにより検出するステップを備え、ここで、情報取扱システムで実行されているサービスのタスクであり、実行されるべきタスクを、管理デバイスにより決定するステップは、検出された前記入力信号に基づく、請求項記載の方法。
【請求項9】
前記実行パターンは、
・構成された前記情報取扱システムで、選択された前記サービスを管理する指示、及び/又は、
・前記情報取扱システムの構成を変更する指示
を含む、請求項記載の方法。
【請求項10】
前記管理デバイスと、前記記憶デバイスと、前記CMDBとは、通信ネットワーク、及び/又はサービスバス、及び/又はアプリケーションプログラミングインターフェースAPIを介して接続され
前記APIはさらにゲートウェイを含み、前記ゲートウェイは、前記情報取扱システムで実行される前記サービスの顧客にとってアクセス可能である、請求項記載の装置。
【国際調査報告】