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特表2023-539239回路基板、アンテナパッケージ及びディスプレイ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】回路基板、アンテナパッケージ及びディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/52 20060101AFI20230906BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
H01Q1/52
H01Q1/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513272
(86)(22)【出願日】2021-08-26
(85)【翻訳文提出日】2023-02-23
(86)【国際出願番号】 KR2021011437
(87)【国際公開番号】W WO2022045793
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】10-2020-0109675
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132, YAKCHON-RO, IKSAN-SI, JEOLLABUK-DO 54631, REPUBLIC OF KOREA
(71)【出願人】
【識別番号】520337569
【氏名又は名称】ポステック リサーチ アンド ビジネス デベロップメント ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】POSTECH RESEARCH AND BUSINESS DEVELOPMENT FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】(Jigok-dong) 77, Cheongam-ro, Nam-gu, Pohang-si, Gyeongsangbuk-do 37673 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】チェ, ビョン ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ヨン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】パク, ドン ピル
(72)【発明者】
【氏名】ホン, ウォン ビン
【テーマコード(参考)】
5J046
【Fターム(参考)】
5J046AA03
5J046AA05
5J046AB13
5J046PA06
5J046PA09
5J046UA02
(57)【要約】
回路基板、アンテナパッケージおよびディスプレイ装置に関するものである。一実施形態による回路基板は、第1領域および第2領域を含むコア層と、前記第1領域および前記第2領域にわたって前記コア層上に配置されるアンテナ給電配線とを含み、前記アンテナ給電配線は、前記第1領域上で第1方向に延びる第1部分と、前記第1領域上で第2方向に延びる第2部分と、前記第2領域上で前記第1方向に延びる第3部分とを含み、前記アンテナ給電配線の隣り合う第2部分間の間隔は、前記アンテナ給電配線の隣り合う第3部分間の間隔の3倍以下であってもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1領域および第2領域を含むコア層と、
前記第1領域および前記第2領域にわたって前記コア層上に配置されるアンテナ給電配線とを含み、
前記アンテナ給電配線は、前記第1領域上で第1方向に延びる第1部分と、前記第1領域上で第2方向に延びる第2部分と、前記第2領域上で前記第1方向に延びる第3部分とを含み、
前記アンテナ給電配線の隣り合う前記第2部分間の間隔は、前記アンテナ給電配線の隣り合う前記第3部分間の間隔の3倍以下である、回路基板。
【請求項2】
前記アンテナ給電配線の隣り合う前記第2部分間の間隔は、前記アンテナ給電配線の隣り合う前記第3部分間の間隔の0.5倍以上である、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記アンテナ給電配線の隣り合う前記第3部分間の間隔は0.05mm以上1mm以下である、請求項1に記載の回路基板。
【請求項4】
前記アンテナ給電配線の隣り合う前記第3部分間の間隔は0.1mm以上0.7mm以下である、請求項1に記載の回路基板。
【請求項5】
前記第1領域は、アンテナユニットと前記アンテナ給電配線が接続されるアンテナ領域を含み、
前記第2領域は、アンテナ駆動部と前記アンテナ給電配線が接続されるアンテナ駆動部領域を含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項6】
前記アンテナ給電配線は実質的に同一の長さに形成される、請求項1に記載の回路基板。
【請求項7】
前記アンテナ給電配線は、前記アンテナ給電配線に接続されるアンテナユニットの利得偏差が1dBi以内となるように、または前記アンテナ給電配線の位相遅延差が10度以内となるように形成される、請求項6に記載の回路基板。
【請求項8】
請求項1に記載の回路基板と、
前記回路基板の前記アンテナ給電配線に接続されるアンテナユニットとを含む、アンテナパッケージ。
【請求項9】
請求項8に記載のアンテナパッケージを含む、ディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板、アンテナパッケージ及びディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会が進展するにつれて、ワイファイ(Wi-Fi)、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)などの無線通信技術がディスプレイ装置と結合され、例えばスマートフォンの形で実現されている。この場合には、アンテナがディスプレイ装置に結合され、通信機能を実行することができる。
【0003】
最近では、移動通信技術が進化するにつれて、例えば3G~5Gに相当する高周波または超高周波帯域の通信を行うためのアンテナをディスプレイ装置に結合する必要がある。
【0004】
アンテナの放射駆動のためには、給電、制御信号の伝達などのための回路基板をアンテナに接続することができる。回路基板は、例えばアンテナ駆動回路に接続するために屈曲することができ、この場合には、回路基板の配線の損傷、屈曲ストレスによるアンテナとの接合不良などが生じることがある。
【0005】
一方、最近ではアンテナが結合されるディスプレイ装置の厚さが減少し、ディスプレイ装置のベゼル部の面積が減少する傾向にある。したがって、アンテナの放射特性を維持または向上させながら、回路基板のボンディング、回路接続信頼性を確保するとともに、ベゼル部の面積が小さくてもアンテナを結合できる回路基板およびアンテナパッケージの設計が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、回路基板、アンテナパッケージ及びディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1.第1領域および第2領域を含むコア層と、前記第1領域および前記第2領域にわたって前記コア層上に配置されるアンテナ給電配線とを含み、前記アンテナ給電配線は、前記第1領域上で第1方向に延びる第1部分と、前記第1領域上で第2方向に延びる第2部分と、前記第2領域上で前記第1方向に延びる第3部分とを含み、前記アンテナ給電配線の隣り合う前記第2部分間の間隔は、前記アンテナ給電配線の隣り合う前記第3部分間の間隔の3倍以下である、回路基板。
【0008】
2.前記項目1において、前記アンテナ給電配線の隣り合う前記第2部分間の間隔は、前記アンテナ給電配線の隣り合う前記第3部分間の間隔の0.5倍以上である、回路基板。
【0009】
3.前記項目1において、前記アンテナ給電配線の隣り合う前記第3部分間の間隔は0.05mm以上1mm以下である、回路基板。
【0010】
4.前記項目1において、前記アンテナ給電配線の隣り合う前記第3部分間の間隔は0.1mm以上0.7mm以下である、回路基板。
【0011】
5.前記項目1において、前記第1領域は、アンテナユニットと前記アンテナ給電配線が接続されるアンテナ領域を含み、前記第2領域は、アンテナ駆動部と前記アンテナ給電配線が接続されるアンテナ駆動部領域を含む、回路基板。
【0012】
6.前記項目1において、前記アンテナ給電配線は実質的に同一の長さに形成される、回路基板。
【0013】
7.前記項目6において、前記アンテナ給電配線は、前記アンテナ給電配線に接続されるアンテナユニットの利得偏差が1dBi以内となるように、または前記アンテナ給電配線の位相遅延差が10度以内となるように形成される、回路基板。
【0014】
8.前述の実施形態による回路基板と、前記回路基板の前記アンテナ給電配線に接続されるアンテナユニットとを含む、アンテナパッケージ。
【0015】
9.前記項目8に記載のアンテナパッケージを含む、ディスプレイ装置。
【発明の効果】
【0016】
一実施形態によると、回路基板は、第1領域および第2領域を含むコア層と、第1領域および第2領域にわたってコア層上に配置されるアンテナ給電配線とを含むことができる。このとき、アンテナ給電配線は、第1領域における第1方向の間隔が第2領域における第2方向の間隔の所定の倍数以内となるように形成することができる。
【0017】
これにより、各アンテナユニットに印加される電気信号の独立性を維持してアンテナ給電配線間の信号妨害を防止するとともに、回路基板の第1領域の第1方向の長さを短くすることができる。これにより、ディスプレイ装置の前面部上に形成された遮光部またはベゼル部の面積が小さくても、回路基板を含むアンテナパッケージをディスプレイ装置に容易に結合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、一実施形態によるアンテナパッケージを示す概略平面図である。
図2図2は、一実施形態によるアンテナパッケージを示す概略断面図である。
図3図3は、他の実施形態によるアンテナパッケージを示す概略平面図である。
図4図4は、一実施形態によるディスプレイ装置を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態をより具体的に説明する。ただし、本明細書に添付される図面は、本発明の好適な実施形態を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解する一助となる役割を果たすものであるため、本発明は図面に記載された事項のみに限定されて解釈されるものではない。
【0020】
第1、第2などの用語は多用な構成要素を説明するのに使用されるが、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味にならない限り、複数の表現を含む。「含む」または「有する」などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除するものではない。
【0021】
また、「一面」、「他面」、「上部」、「下部」、「上面」、「底面」、「第1方向」、「第2方向」などの方向性の用語は、開示された図面の配向に関連して使用される。本発明の実施形態の構成要素は、様々な配向に位置設定できるため、方向性の用語は、例示を目的として使用されるものであり、それを制限するものではない。
【0022】
図1は、一実施形態によるアンテナパッケージを示す概略平面図であり、図2は、一実施形態によるアンテナパッケージを示す概略断面図である。
【0023】
図1及び図2を参照すると、一実施形態によるアンテナパッケージは、アンテナ素子100と回路基板200とを含むことができる。
【0024】
アンテナ素子100は、アンテナ誘電層110とアンテナユニット120とを含むことができる。
【0025】
アンテナ誘電層110は、所定の誘電率を有する絶縁物質を含むことができる。一実施形態によると、アンテナ誘電層110は、ガラス、シリコン酸化物、シリコン窒化物、金属酸化物などの無機絶縁物質、またはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、イミド系樹脂などの有機絶縁物質を含むことができる。アンテナ誘電層110は、アンテナユニット120が形成されるアンテナ素子100のフィルム基材として機能することができる。
【0026】
一実施形態によると、アンテナ誘電層110は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体などのスチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系またはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン-プロピレン共重合体などのポリオレフィン系樹脂;塩化ビニル系樹脂;ナイロン、芳香族ポリアミドなどのアミド系樹脂;イミド系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;スルホン系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン系樹脂;硫化ポリフェニレン系樹脂;ビニルアルコール系樹脂;塩化ビニリデン系樹脂;ビニルブチラル系樹脂;アリレート系樹脂;ポリオキシメチレン系樹脂;エポキシ系樹脂などの熱可塑性樹脂などを含むことができる。これらは、単独でまたは2以上を組み合わせて用いることができる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコン系などの熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂からなる透明フィルムをアンテナ誘電層110として活用することができる。
【0027】
一実施形態によると、アンテナ誘電層110は、光学透明粘着剤(Optically clear Adhesive:OCA)、光学透明樹脂(Optically Clear Resin:OCR)などの粘接着フィルムを含むことができる。
【0028】
一実施形態によると、アンテナ誘電層110は実質的に単一層で形成されてもよく、少なくとも2層以上の複層構造で形成されてもよい。
【0029】
アンテナ誘電層110によって静電容量(capacitance)又はインダクタンス(inductance)が形成され、アンテナ素子100が駆動又はセンシングできる周波数帯域を調節することができる。アンテナ誘電層110の誘電率が約12を超えると、駆動周波数が低下しすぎて、所望の高周波帯域での駆動を実現できないことがある。したがって、一実施形態によると、アンテナ誘電層110の誘電率は約1.5~12の範囲、好ましくは約2~12の範囲に調整することができる。
【0030】
アンテナユニット120は、アンテナ誘電層110の上面上に形成することができる。例えば、複数のアンテナユニット120をアンテナ誘電層110の上面上に線形または非線形に配列してアレイアンテナを形成することができる。
【0031】
アンテナユニット120は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、 モリブデン(Mo)、カルシウム(Ca)などの低抵抗の金属、又はこれらの少なくとも一つを含有する合金を含むことができる。これらは単独でまたは2以上を組み合わせて用いることができる。例えば、アンテナユニット120は、低抵抗を実現するために、銀(Ag)または銀合金(例えば、銀-パラジウム-銅(APC)合金)を含むことができる。他の例としては、アンテナユニット120は、低抵抗および微細線幅のパターニングを考慮して、銅(Cu)または銅合金(例えば、銅-カルシウム(CuCa)合金)を含むことができる。
【0032】
一実施形態によると、アンテナユニット120は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウム亜鉛スズ酸化物(ITZO)、亜鉛酸化物(ZnOx)、酸化銅(CuO)のような透明導電性酸化物を含むことができる。
【0033】
一実施形態によると、アンテナユニット120は透明導電性酸化物層と金属層との積層構造を含むことができ、例えば、透明導電性酸化物層-金属層の2層構造、または透明導電性酸化物層-金属層-透明導電性酸化物層の3層構造を有することもできる。この場合、金属層によってフレキシブル特性が向上しつつ、抵抗を下げて信号伝送速度を向上させることができ、透明導電性酸化物層によって耐食性、透明性を向上させることができる。
【0034】
例示的な実施形態によると、アンテナユニット120は黒化処理部を含むことができる。これにより、アンテナユニット120の表面での反射率を減少させ、光反射によるパターンの視認を低減することができる。
【0035】
一実施形態によると、アンテナユニット120に含まれる金属層の表面を金属酸化物または金属硫化物に変換して黒化層を形成することができる。一実施形態によると、アンテナユニット120または金属層上に黒色材料コーティング層、またはメッキ層のような黒化層を形成することができる。ここで、黒色材料またはめっき層は、ケイ素、炭素、銅、モリブデン、スズ、クロム、ニッケル、コバルトまたはこれらの少なくとも1つを含有する酸化物、硫化物、合金などを含むことができる。
【0036】
黒化層の組成および厚さは、反射率の低減効果、アンテナの放射特性を考慮して調整することができる。
【0037】
アンテナユニット120は、放射体122と伝送線路124とを含むことができる。
【0038】
放射体122はメッシュ(mesh)構造で形成することができる。これにより、放射体122の透過率が増加し、アンテナ素子100の柔軟性を向上させることができる。したがって、アンテナ素子100をフレキシブルディスプレイ装置に効果的に適用することができる。
【0039】
放射体122のサイズは、所望の共振周波数、放射抵抗および利得によって決定することができる。例えば、アンテナユニット120または放射体122は、高周波または超高周波(例えば、3G、4G、5Gまたはそれ以上)の移動通信、Wi-Fi、ブルートゥース、NFC、GPSなどが可能な共振周波数帯域で信号の送受信が可能になるように実現できる。
【0040】
放射体122は、図1に示すように長方形にすることができる。しかし、これは一実施形態に過ぎず、放射体122の形状に特に制限はない。すなわち、放射体122は、菱形、円などの多様な形状の多角形のプレート状に具現することができる。
【0041】
伝送線路124は、放射体122から延びて形成することができる。
【0042】
一実施形態によると、伝送線路124は、放射体122と一体に接続して実質的に単一の部材で形成されてもよく、放射体122とは別個の部材で形成されてもよい。
【0043】
一実施形態によると、伝送線路124は、放射体122と実質的に同一の形状(例えば、同じ線幅、同じ間隔など)のメッシュ構造で形成できるが、これに限定されず、放射体122とは実質的に異なる形状のメッシュ構造で形成してもよい。
【0044】
アンテナユニット120は、さらに信号パッド126を含むことができる。
【0045】
信号パッド126は伝送線路124の末端に接続し、伝送線路124を介して放射体122と電気的に接続することができる。一実施形態によると、信号パッド126は、伝送線路124と一体に接続して実質的に単一の部材で形成してもよく、伝送線路124とは別個の部材で形成してもよい。例えば、信号パッド126は、伝送線路124と実質的に一体の部材で形成し、伝送線路124の末端部を信号パッド126で提供してもよい。
【0046】
一実施形態によると、信号パッド126の周辺にはグランドパッド128を配置することができる。例えば、一対のグランドパッド128を、信号パッド126を挟んで互いに対向して配置することができる。グランドパッド128は、信号パッド126の周辺で信号パッド126および伝送線路124とは電気的・物理的に分離することができる。
【0047】
一実施形態によると、信号パッド126およびグランドパッド128は、給電抵抗の低減、ノイズ吸収効率などを考慮して、前述の金属または合金から形成された、中身が詰まった(solid)構造で形成することができる。
【0048】
一方、一実施形態によると、放射体122および伝送線路124の周辺にはダミーパターン(図示せず)を形成することができる。ダミーパターンは、放射体122及び/又は伝送線路124と同じ金属を含み、放射体122及び/又は伝送線路124と実質的に同一または異なる形状のメッシュ構造で形成することができる。
【0049】
また、一実施形態によると、アンテナ素子100は、アンテナ誘電層110の底面上に形成されたアンテナグランド層130をさらに含むことができる。アンテナグランド層130は、前述の金属または合金を含むことができる。アンテナ素子100がアンテナグランド層130を含むことによって垂直放射特性を実現することができる。
【0050】
アンテナグランド層130は、アンテナユニット120と少なくとも部分的に重畳することができる。例えば、アンテナグランド層130は放射体122とは全体的に重畳し、伝送線路124、信号パッド126およびグランドパッド128とは重畳しなくてもよい。他の例として、アンテナグランド層130は、放射体122および伝送線路124とは全体的に重畳し、信号パッド126およびグランドパッド128とは重畳しなくてもよい。また他の例として、アンテナグランド層130は、放射体122、伝送線路124、信号パッド126およびグランドパッド128と全体的に重畳してもよい。
【0051】
一実施形態によると、アンテナパッケージが実装されるディスプレイ装置またはディスプレイパネルの導電性部材をアンテナグランド層130で提供することができる。例えば、導電性部材は、ディスプレイパネルに含まれる薄膜トランジスタ(TFT)のゲート電極、ソース/ドレイン電極、画素電極、共通電極、データライン、スキャンラインなどの電極または配線、およびディスプレイ装置のSUS(Stainless steel)プレート、放熱シート、デジタイザ(digitizer)、電磁波遮蔽層、圧力センサ、指紋センサを含むことができる。
【0052】
回路基板200は、コア層210とアンテナ給電配線220とを含むことができる。一実施形態によると、回路基板200はフレキシブルプリント回路基板(FPCB)であってもよい。
【0053】
コア層210は、例えば、ポリイミド樹脂、MPI(Modified Polyimide)、エポキシ樹脂、ポリエステル、シクロオレフィンポリマー(COP)、液晶ポリマー(LCP)などの柔軟性樹脂を含むことができる。コア層210は、回路基板200に含まれる内部絶縁層を含むことができる。
【0054】
コア層210は、第1領域210aと第2領域210bとを含むことができる。第1領域210aは、アンテナ素子100が接続されるアンテナ領域211を含み、第2領域210bは、アンテナ駆動部300が接続されるアンテナ駆動部領域212を含むことができる。アンテナ領域211を介してアンテナ素子100のパッド126,128をコア層210に接合し、アンテナユニット120をアンテナ給電配線220に接続することができる。また、図1に示すように、アンテナ駆動部領域212を介してアンテナ駆動部300をコア層210上に実装し、アンテナ駆動部300をアンテナ給電配線220に接続することができる。これにより、アンテナ駆動部300によってアンテナ給電配線220を経由し、アンテナユニット120へ給電および駆動信号の印加を行うことができる。一方、一実施形態によると、図1とは異なり、アンテナ駆動部領域212に回路基板200と、アンテナ駆動部が搭載された他の回路基板とを接続するためのコネクタを実装することもできる。この場合には、コネクタにより、アンテナ給電配線220と他の回路基板に搭載されたアンテナ駆動部とを接続することができる。また、一実施形態によると、アンテナ駆動部領域212は、アンテナ駆動部300及びコネクタの実装なしに、アンテナ駆動部が搭載された他の回路基板のコネクタに締結可能な形態(例えば、FFC(Flexible Flat Cable)またはFFCコネクタ(ZIF(Zero Insertion Force)タイプおよびNon-ZIFタイプ)など)で形成することもできる。
【0055】
一実施形態によると、第1領域210aと第2領域210bは異なる幅を有することができる。例えば、第1領域210aは、第2領域210bよりも相対的に広い幅を有することができ、相対的に広い幅を有する第1領域210aによってアンテナ素子100との十分なボンディング安定性を確保できる。また、相対的に狭い幅を有する第2領域210bにより、アンテナパッケージの柔軟性および回路接続特性を向上させることができる。例えば、回路基板200は、第1領域210aと第2領域210bとの境界部分でフォールディング(folding)され得る。これにより、アンテナ素子100および第1領域210aはディスプレイ装置の前面部に配置し、アンテナ駆動部300および第2領域210bはディスプレイ装置の側面部または背面部に配置することができる。
【0056】
アンテナ給電配線220は、コア層210の一面上に配置することができる。例えば、回路基板220は、コア層210の一面上に形成され、アンテナ給電配線220を覆うカバーレイフィルムをさらに含むことができる。この場合、回路基板200のカバーレイフィルムを一部除去してアンテナ給電配線220の一端部を露出させ、露出したアンテナ給電配線220の一端部を信号パッド126上に接合することができる。より具体的には、異方性導電フィルム(ACF)のような導電性仲介構造物150を信号パッド126およびグランドパッド128上に取り付けた後、露出したアンテナ給電配線220の一端部が位置する回路基板200のアンテナ領域211を導電性仲介構造物150上に配置することができる。その後、熱処理/加圧工程によって回路基板200のアンテナ領域211をアンテナ素子100に取り付けることができ、アンテナ給電配線220を各信号パッド126に電気的に接続することができる。また、グランドパッド128を信号パッド126の周辺に配列することにより、異方性導電フィルム(ACF)との密着力が増加し、ボンディング安定性を向上させることができる。
【0057】
アンテナ給電配線220は、それぞれアンテナユニット120とは個別に独立して接続することができる。これにより、アンテナユニット120のそれぞれに対して、独立して給電/駆動制御を行うことができる。例えば、アンテナユニット120にそれぞれ接続されたアンテナ給電配線220により、各アンテナユニット120に互いに異なる位相信号を印加することができる。
【0058】
アンテナ給電配線220は、第1領域210aと第2領域210bにわたって形成することができる。例えば、アンテナ給電配線220は、アンテナ領域211からアンテナ駆動部領域212に向かって延びて形成することができる。
【0059】
アンテナ給電配線220は、実質的に同一の長さに形成することができる。ここで、長さが実質的に同一であるというのは、長さが完全に同一である場合だけでなく、工程上の問題のために長さが完全に同一ではないが、所定の条件を満たす場合も含むことができる。このとき、所定の条件とは、アンテナ給電配線220に接続されるアンテナユニット120の利得偏差が1dBi以内となること、及び/又はアンテナ給電配線220の位相遅延差が10度以内となることであってもよい。
【0060】
アンテナ給電配線220は、第1領域210aで一回またはそれ以上折り曲げることができる。これにより、限定された領域に、実質的に同一の長さのアンテナ給電配線220を配置することができる。例えば、アンテナ給電配線220は、第1領域210aから第1方向(例えば、図1のy方向)に延びる1つ以上の第1部分220aと、第1領域210aから第2方向(例えば、図1のx方向)に延びる1つ以上の第2部分220bと、第2領域210bから第1方向(例えば、図1のy方向)に延びる第3部分220cとを含むことができる。
【0061】
一実施形態によると、アンテナ給電配線220の隣り合う第2部分220b間の間隔aは、アンテナ給電配線220の隣り合う第3部分220c間の間隔bの0.5倍以上3倍以下であってもよい。このとき、アンテナ給電配線220の隣り合う第3部分220c間の間隔bは、0.05mm以上1mm以下、好ましくは0.1mm以上0.7mm以下であってもよい。アンテナ給電配線220の隣り合う第2部分220b間の間隔aを、アンテナ給電配線220の隣り合う第3部分220c間の間隔bの0.5倍以上3倍以下に形成することにより、各アンテナユニット120に印加される電気信号の独立性を維持してアンテナ給電配線220間の信号妨害を防止するとともに、第1領域210aの第1方向(例えば、図1のy方向)の長さを短くすることができる。これにより、ディスプレイ装置の前面部上に形成された遮光部またはベゼル部の面積が小さくても、第1領域210aをディスプレイ装置の遮光部またはベゼル部に配置することが可能である。
【0062】
一実施形態によると、コア層210の他面上にグランド層230を配置することができる。
【0063】
グランド層230は、アンテナ給電配線220と重畳することができる。グランド層230により、アンテナ給電配線220の周辺におけるノイズ、信号干渉を吸収または遮蔽することができる。また、グランド層230により、アンテナ給電配線220から電界生成が促進され、信号伝送効率を向上させることができる。
【0064】
一方、一実施形態によると、前述のアンテナ給電配線220およびグランド層230は、前述の金属または合金を含むことができる。
【0065】
図3は、他の実施形態によるアンテナパッケージを示す概略平面図である。図3を参照すると、回路基板200は、アンテナ給電配線220の周辺に形成されたボンディングパッド225を含むことができる。ボンディングパッド225は、回路基板200のアンテナ領域211に含まれてもよい。
【0066】
ボンディングパッド225は、アンテナ給電配線220と共にコア層210の一面上に形成することができる。例えば、一対のボンディングパッド225を、1つのアンテナ給電配線220を挟んで配置することができる。
【0067】
ボンディングパッド225は、アンテナ給電配線220と電気的・物理的に分離され、アンテナ素子100のグランドパッド128と導電性仲介構造物150(図2を参照)を介して接合することができる。ボンディングパッド225が回路基板200のアンテナ領域211に含まれることにより、アンテナ素子100と回路基板200との間のボンディング安定性をより向上させることができる。
【0068】
図4は、一実施形態によるディスプレイ装置を示す概略平面図である。より具体的には、図4は、ディスプレイ装置の前面部またはウインドウ面を示す図である。
【0069】
図4を参照すると、ディスプレイ装置400の前面部は表示領域410と周辺領域420とを含むことができる。表示領域410とは、視覚情報が表示される領域を示し、周辺領域420とは、表示領域410の両側部及び/又は両端部に配置される不透明領域を示すことができる。例えば、周辺領域420は、ディスプレイ装置400の遮光部またはベゼル部に相当し得る。
【0070】
前述のアンテナ素子100は、ディスプレイ装置400の前面部に向かって配置することができ、例えばディスプレイパネル上に配置できる。一実施形態では、放射体122及び/又は伝送線路124は、表示領域410と少なくとも部分的に重畳することができる。
【0071】
この場合、放射体122及び/又は伝送線路124はメッシュ構造を形成することができ、放射体122及び/又は伝送線路124による透過率の低下を防止することができる。
【0072】
回路基板200は、表示領域410における画像品質の低下を防止するために周辺領域420に配置することができる。一実施形態によると、回路基板200は、第1領域210aと第2領域210bとの境界部分でフォールディング(folding)され得る。これにより、第1領域210aはディスプレイ装置の周辺領域420に配置し、アンテナ駆動部300および第2領域210bはディスプレイ装置の側面部または背面部に配置することもできる。
【0073】
前述のように、アンテナ給電配線220の第1領域210aにおける第1方向の間隔を第2領域210bにおける第2方向の間隔の所定の倍数以内に形成することにより、各アンテナユニット120に印加される電気信号の独立性を維持して、アンテナ給電配線220間の信号妨害を防止するとともに、第1領域210aの第1方向の長さを短くすることができる。これにより、ディスプレイ装置の前面部上に形成された遮光部またはベゼル部の面積が小さくても、第1領域210aをディスプレイ装置の遮光部またはベゼル部に配置することが可能である。
【0074】
以上、本発明について好適な実施形態を中心に説明した。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、発明の本質的な特性から逸脱することなく変形形態で実現できることを理解することができるだろう。よって、本発明の範囲は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示された内容と同等の範囲内にある多様な実施形態が本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【0075】
[実験例:アンテナ給電配線における、隣り合う第2部分間の間隔aと、隣り合う第3部分間の間隔bの比によるアンテナ給電配線の信号伝送率の評価]
図1に示すような形態のアンテナパッケージを形成した。アンテナ給電配線220の隣り合う第2部分220b間の間隔aと、アンテナ給電配線220の隣り合う第3部分220c間の間隔bの比を調整しながらアンテナ給電配線の信号伝送率を評価した。
【0076】
【表1】
【0077】
表1を参照すると、アンテナ給電配線220の隣り合う第3部分220c間の間隔bに対するアンテナ給電配線220の隣り合う第2部分220b間の間隔aの比が0.2及び3.5である比較例とは異なり、0.5~3である実施例では、アンテナ給電配線における信号伝送率に優れていることを確認することができる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】