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特表2023-539287安定化およびてこ作用装置、システム、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】安定化およびてこ作用装置、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20230906BHJP
【FI】
A61B17/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513657
(86)(22)【出願日】2021-08-18
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 US2021046522
(87)【国際公開番号】W WO2022046489
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】63/071,412
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ベヌート、キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ポール
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160AA12
4C160MM22
(57)【要約】
本開示の実施形態によれば、安定器は、標的組織部位に係合して安定化させるように構成されるので、安定器とは独立して標的組織に対して処置を行うことができる。レバーは、安定器と関連付けられ、標的組織に結合され、標的組織にてこ作用を及ぼす。いくつかの実施形態では、安定器は、標的組織部位の近位に展開され、標的組織部位の近位および送達装置の遠位端の近位にあるレバーは、安定化およびてこ作用装置を展開するために使用される。そのような実施形態では、レバーは、送達装置の近位端において制御される安定器内の通路を通って延在し得るレバー構成要素を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送達装置上に搭載するように構成された安定器と、
前記安定器に関連付けられ、標的組織と前記安定器との間に延在して前記標的組織にてこ作用を及ぼすレバーと、を含み、
前記安定器は、前記送達装置の遠位端とは独立して前記標的組織に接触して安定させ、前記安定器および前記標的組織に対して前記送達装置およびそこを通って延びる器具の独立した自由な移動を許容する、安定化およびてこ作用装置。安定器通路が、前記安定器の近位端から遠位端まで延在し、
前記レバーは、前記標的組織に結合された第1の端部から、前記安定器通路を通って、前記送達装置の近位端から制御可能な第2の端部まで延在して、前記標的組織にてこ作用を及ぼすレバー構成要素を含む、請求項1に記載の安定化およびてこ作用装置。
【請求項2】
前記レバー構成要素は、前記安定器通路を通って延びるレバーツールを含み、
前記レバーは、前記安定器を通る通路に関連付けられた支持エレベータを含み、
前記支持エレベータは、フラッパ、支持体およびその支持体に結合されたレバーコントローラ、作業チャネル、または二次膨張可能バルーンのうちの1つを含み、
前記支持エレベータは、前記レバーツールを支持しててこ作用を及ぼすように構成される、請求項3に記載の安定化およびてこ作用装置。
【請求項3】
前記安定器は、拡張可能な安定器であり、
前記レバーは、前記拡張可能な安定器と前記標的組織との間に延在するテンショナを含み、
前記拡張可能な安定器の拡張は、前記レバーおよび前記標的組織にてこ作用を及ぼす、請求項1に記載の安定化およびてこ作用装置。
【請求項4】
前記安定化およびてこ作用装置は、前記送達装置の近位端からの前記安定器の操作を容易にするために、前記安定器に関連付けられた安定器コントローラをさらに含み、
前記レバーは、前記標的組織に結合された第1の端部および前記安定器コントローラに結合された第2の端部を有するテザーと、前記標的組織に結合された第1の端部から、前記安定器コントローラを通って、前記標的組織にてこ作用を及ぼすように操作するために前記送達装置の近位端でアクセス可能な第2の端部まで延在するテザーと、前記標的組織に結合された第1の端部から、前記安定器コントローラ上の方向転換構造を通って、前記安定器コントローラに沿って、前記標的組織にてこ作用を及ぼすように操作するために前記送達装置の近位端でアクセス可能な第2の端部まで延在するテザーと、のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の安定化およびてこ作用装置。
【請求項5】
前記安定器は、前記安定化およびてこ作用装置を前記送達装置とともに標的組織部位に展開する間に、前記送達装置の遠位端を受容するように成形および構成される送達装置インタフェースを有する、請求項1に記載の安定化およびてこ作用装置。
【請求項6】
前記レバーは、前記送達装置の作業チャネルを介して装着されるとともに、前記送達装置の遠位端上に搭載される前記安定器の近位端上に予め装着されるレバー構成要素を備える、請求項7に記載の安定化およびてこ作用装置。
【請求項7】
送達装置と、
前記送達装置に搭載されるように構成された安定器と、
前記安定器に関連付けられ、標的組織と前記安定器との間に延在して前記標的組織にてこ作用を及ぼすレバーと、を含み、
前記安定器は、前記送達装置の遠位端とは独立して前記標的組織を安定させ、前記安定器および前記標的組織に対して、前記送達装置およびそれを通して延在される器具の独立した移動を可能にする、標的組織部位に送達するための安定化およびてこ作用システム。
【請求項8】
前記安定器は、それに関連付けられた安定器通路を含み、
前記レバーは、前記送達装置の近位端から前記安定器通路を通って前記送達装置の遠位側の標的組織に結合されて前記標的組織にてこ作用を及ぼすレバー構成要素を含む、請求項8に記載の安定化およびてこ作用システム。
【請求項9】
前記レバーは、前記安定器通路に関連付けられた支持エレベータを含み、
前記安定器通路は、前記標的組織と結合するためにテンショナを通過させるように構成され、
前記支持エレベータおよび前記安定器通路は、前記テンショナにてこ作用を及ぼして前記標的組織にてこ作用を及ぼす、請求項9に記載の安定化およびてこ作用システム。
【請求項10】
前記レバー構成要素は、前記安定器通路を通って延びるレバーツールを含み、
前記レバーは、前記安定器を通る通路に関連付けられた支持エレベータを含み、
前記支持エレベータは、フラッパ、支持体およびその支持体に結合されたレバーコントローラ、作業チャネル、または二次膨張可能バルーンのうちの1つを備え
前記支持エレベータは、前記レバーツールを支持しててこ作用を及ぼすように構成される、請求項10に記載の安定化およびてこ作用システム。
【請求項11】
前記安定器は、安定器通路が関連付けられた拡張可能な安定器であり、
前記レバーは、前記拡張可能な安定器と前記標的組織との間に延在するテンショナを含み、
前記拡張可能な安定器の拡張は、前記レバーおよび前記標的組織にてこ作用を及ぼす、請求項8に記載の安定化およびてこ作用システム。
【請求項12】
前記安定化およびてこ作用装置は、前記送達装置の近位端からの前記安定器の操作を容易にするために、前記安定器に関連付けられた安定器コントローラをさらに含み、
前記レバーは、前記標的組織に結合された第1の端部および前記安定器コントローラに結合された第2の端部を有するテザーと、前記標的組織に結合された第1の端部から、前記安定器コントローラを通って、前記標的組織にてこ作用を及ぼすように操作するために前記送達装置の近位端でアクセス可能な第2の端部まで延在するテザーと、前記標的組織に結合された第1の端部から、前記安定器コントローラ上の方向転換構造を通って、前記安定器コントローラに沿って、前記標的組織にてこ作用を及ぼすように操作するために前記送達装置の近位端でアクセス可能な第2の端部まで延在するテザーと、のうちの少なくとも1つを備える、請求項8に記載の安定化およびてこ作用システム。
【請求項13】
前記安定器は、前記安定化およびてこ作用装置を前記送達装置とともに標的組織部位に展開する間、前記送達装置の遠位端を受容するように成形および構成される送達装置インタフェースを有し、
前記レバーは、前記送達装置の作業チャネルを介して装着されるとともに、前記送達装置の遠位端上に搭載される前記安定器の近位端上に予め装着されるレバー構成要素を備える、請求項8に記載の安定化およびてこ作用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、医療器具および装置の分野に関する。より具体的には、本開示は、例えば、切除または切開等の組織に対する処置中に身体組織を操作する等、医療用途で使用するための医療器具および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの医療処置は、体内(消化管、腹腔、胆管、胸腔などの内部)で医療装置またはツールを利用して、除去が意図される組織(例えば、「標的組織」)にアクセスする。例えば、いくつかの現在の医療処置(例えば、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、経口内視鏡的筋層切開術(POEM)、胆嚢摘出術、ビデオ支援胸腔鏡下手術(VATS))では、医師または臨床医(本明細書では互換的に使用される)は、内視鏡または同様の医療装置を利用することによって、罹患病変にアクセスして除去することがある。
【0003】
内視鏡処置に関して、医師は、より大きい病変(癌性および非癌性の両方)の除去等のために、積極的介入および治療的処置をますます進んで行うようになってきている。医師は身体内(例えば、消化管、腹腔、胸腔等の内部)から罹患病変を切除および切開することにおいて、より熟達してきており、特殊ツールによって、医師はこれらの複雑な処置をより迅速かつ容易に行うことができるが、依然として、いくつかの課題がある。そのような処置は、複数の装置交換を含み得る。内視鏡は、複数のツールが同時に動作するための作業空間および安定化をほとんど提供しない。
【0004】
本開示によって提示される組織安定化およびてこ作用装置、システム、ならびに関連する使用方法における改善が有用であり得ることは、これらの考慮事項を考慮してのことである。
【発明の概要】
【0005】
本開示のこの概要は、理解を助けるために与えられ、当業者は、本開示の様々な態様および特徴の各々が、いくつかの事例において別々に、または他の事例において本開示の他の態様および特徴と組み合わせて有利に使用され得ることを理解するであろう。特許請求される主題の範囲に関する限定は、この概要における要素、構成要素などの包含または非包含のいずれによっても意図されない。したがって、本開示は、態様または実施形態に関して提示されるが、個々の態様は、別個に、またはその実施形態もしくは任意の他の実施形態の態様および特徴と組み合わせて特許請求され得ることを理解されたい。
【0006】
本開示は、その様々な態様において、一般に、医療装置を対象とし、より具体的には、組織安定化およびてこ作用装置、方法、ならびに関連システムを対象とする。本明細書に記載されているものを含む本開示による実施形態は、視覚化、処置時間、および処置の複雑さなど、身体組織に対して行われる処置の周辺の合併症を減少させることができる。本明細書に開示されるシステム、装置、および方法は、内視鏡とともに使用されるような、他の装置、システム、および方法と互換性があってもよい。いくつかの実施形態では、そのようなシステム、装置、および方法は、内視鏡とは独立して動作してもよいため、内視鏡を操作して組織に対して処置を行う(例えば、組織を格納または切断する)とき、安定化およびてこ作用機構が固定されたままであり、処置のために使用される内視鏡およびツールの移動によって影響を受けない。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムおよび装置は、送達装置および/または組織に対して使用される他のツールの移動とは独立して、組織にてこ作用を及ぼし、および/または格納してもよい。
【0007】
一態様では、安定化およびてこ作用装置が本明細書で開示される。装置は、送達装置による、標的組織部位における標的組織への送達のために構成されてもよい。いくつかの態様では、安定化およびてこ作用装置は、送達装置上に搭載するように構成される安定器と、安定器に関連付けられ、標的組織と安定器との間に延在して標的組織にてこ作用を及ぼすレバーとを含む。安定器は、送達装置の遠位端とは独立して標的組織に接触して安定させ、安定器および標的組織に対して送達装置およびそこを通って延びる器具の独立した自由な移動を許容する。いくつかの実施形態では、安定器は、送達装置上に装着されるように構成されてもよい。
【0008】
いくつかの態様では、レバーは、支持エレベータ、テンショナまたはコントローラ、レバーツール、方向転換構造、組織牽引装置のうちの1つ以上を備える。
いくつかの態様では、安定器通路は、安定器の近位端から遠位端まで延在し、レバーは、標的組織に結合された第1の端部から、安定器通路を通って、送達装置の近位端から制御可能な第2の端部まで延在して、標的組織にてこ作用を及ぼすレバー構成要素を含む。いくつかの態様では、加えて、レバー構成要素は、安定器通路を通って延在するレバーツールを含んでもよく、レバーは、安定器を通る通路に関連付けられ、レバーツールを支持し、およびてこ作用を及ぼすように構成された支持エレベータを含んでもよく、支持エレベータは、フラッパ、支持体およびその支持体に結合されたレバーコントローラ、作業チャネル、または二次膨張可能バルーンのうちの1つを備える。
【0009】
いくつかの態様では、安定器は、拡張可能な安定器であり、レバーは、拡張可能な安定器と標的組織との間に延在するテンショナを含み、拡張可能な安定器の拡張は、レバーおよび標的組織にてこ作用を及ぼす。
【0010】
いくつかの態様では、安定化およびてこ作用装置は、送達装置の近位端からの安定器の操作を容易にするように安定器に関連付けられた安定器コントローラを含み、レバーは、標的組織に結合された第1の端部および安定器コントローラに結合された第2の端部を有するテザーと、前記標的組織に結合された第1の端部から、前記安定器コントローラを通って、標的組織にてこ作用を及ぼすようにテザーを操作するために送達装置の近位端でアクセス可能な第2の端部まで延在するテザーと、標的組織に結合された第1の端部から、安定器コントローラ上の方向転換構造を通って、安定器コントローラに沿って、標的組織にてこ作用を及ぼすようにテザーを操作するために送達装置の近位端でアクセス可能な第2の端部まで延在するテザーと、のうちの少なくとも1つを備える。
【0011】
いくつかの態様では、安定器は、安定化およびてこ作用装置を送達装置とともに標的組織部位に展開する間に、送達装置の遠位端を受容するように成形および構成される送達装置インタフェースを有する。加えて、いくつかの態様では、レバーは、送達装置の作業チャネルを介して装着されるとともに、送達装置の遠位端上に搭載される安定器の近位端上に予め装着される、レバー構成要素を備えてもよい。加えて、または代替として、いくつかの態様では、安定器は、それを通る器具の通過を許容するように成形および構成される、それを通るリング開口部を有する。
【0012】
別の態様では、標的組織部位への送達のために構成される、安定化およびてこ作用システムが、本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、システムは、標的組織部位の安定化、および標的組織部位における標的組織のてこ作用のために構成される。いくつかの態様では、安定化およびてこ作用システムは、送達装置と、送達装置上に搭載するように構成される安定器と、安定器に関連付けられ、標的組織と安定器との間に延在して標的組織にてこ作用を及ぼすレバーとを含む。安定器は、送達装置の遠位端とは独立して標的組織を安定させ、安定器および標的組織に対して送達装置およびそこを通って延びる器具の独立した自由な移動を許容する。
【0013】
いくつかの態様では、安定器は、安定器に関連付けられた安定器通路を含み、レバーは、送達装置の近位端から安定器通路を通って送達装置の遠位側の標的組織に結合されて標的組織にてこ作用を及ぼすレバー構成要素を含む。加えて、または代替として、いくつかの態様では、レバーは、安定器通路と関連付けられる支持エレベータを含み、安定器通路は、標的組織と結合するために、それを通してテンショナを通過させるように構成され、支持エレベータおよび安定器通路は、テンショナにてこ作用を及ぼすことで、標的組織にてこ作用を及ぼす。加えて、または代替として、いくつかの態様では、レバー構成要素は、安定器通路を通って延在するレバーツールを含み、レバーは、安定器を通る通路と関連付けられる支持エレベータを含み、支持エレベータは、フラッパ、支持体およびその支持体に結合されるレバーコントローラ、作業チャネル、または二次膨張可能バルーンのうちの1つを備え、支持エレベータは、レバーツールを支持し、てこ作用を及ぼすように構成される。
【0014】
いくつかの態様では、安定器は、安定器に関連付けられた安定器通路を有する拡張可能安定器であり、レバーは、拡張可能安定器と標的組織との間に延在するテンショナを含み、拡張可能安定器の拡張は、レバーおよび標的組織にてこ作用を及ぼす。
【0015】
いくつかの態様では、安定化及びてこ作用装置は、送達装置の近位端からの安定器の操作を容易にするように安定器に関連付けられた安定器コントローラを含み、レバーは、標的組織に結合された第1の端部および安定器コントローラに結合された第2の端部を有するテザーと、前記標的組織に結合された第1の端部から、前記安定器コントローラを通って、標的組織にてこ作用を及ぼすように操作するために送達装置の近位端でアクセス可能な第2の端部まで延在するテザーと、標的組織に結合された第1の端部から、安定器コントローラ上の方向転換構造を通って、安定器コントローラに沿って、標的組織にてこ作用を及ぼすように操作するために送達装置の近位端でアクセス可能な第2の端部まで延在するテザーと、のうちの少なくとも1つを備える
いくつかの態様では、安定器は、安定化およびてこ作用装置を送達装置とともに標的組織部位に展開する間に、送達装置の遠位端を受容するように成形および構成される送達装置インタフェースを有する。加えて、または代替として、いくつかの態様では、レバーは、送達装置の作業チャネルを介して装着されるとともに、送達装置の遠位端上に搭載される安定器の近位端上に予め装着される、レバー構成要素を備える。加えて、または代替として、安定器は、それを通る器具の通過を許容にするように成形および構成される、それを通るリング開口部を有する。
【0016】
別の態様では、標的組織部位を安定させ、標的組織部位において標的組織にてこ作用を及ぼす方法が、本明細書に開示される。いくつかの態様では、本方法は、送達装置を用いて、送達装置上に装着される安定化およびてこ作用装置を送達するステップと、送達装置を展開し、送達装置の遠位端とは独立して標的組織を安定化させ、送達装置およびそれを通って延在される器具の、安定器および標的組織に対する独立した自由な移動を可能にするステップと、レバーを標的組織と安定器との間に延在させ、レバーを安定器と関連付け、標的組織にてこ作用を及ぼすステップとを含む。
【0017】
いくつかの態様では、本方法は、標的組織部位の近位および送達装置の遠位端の近位に安定器を展開するステップと、標的組織部位から安定器まで近位に、かつ送達装置の遠位端の近位にレバーを延在させるステップとをさらに含む。
【0018】
いくつかの態様では、本方法はさらに、安定器から送達装置の近位端まで延在する安定器コントローラを介して安定器を制御するステップと、標的組織部位の遠位および送達装置の遠位端の遠位に安定器を展開するステップと、標的組織部位から安定器コントローラまでレバーを近位に延在させるステップと、標的組織にてこ作用を及ぼすように、安定器コントローラを用いてレバーにてこ作用を及ぼすステップとを含む。
【0019】
本開示のこれらおよび他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から容易に明らかになり、特許請求される発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示の非限定的な実施形態は、添付の図面を参照して例として説明され、添付の図面は概略的であり、縮尺通りに描かれることを意図していない。添付の図面は、例示のみを目的として提供され、図面内の図に反映される寸法、位置、順序、および相対的サイズは、変動し得る。例えば、装置は、細部が認識可能であるように拡大され得るが、例えば、送達カテーテルまたは内視鏡の作業チャネル内に嵌合することに関連して縮小されることが意図される。図面では、同一またはほぼ同一または同等の要素は、通常、同じ参照文字によって表される。明確さおよび簡潔さの目的のために、すべての要素がすべての図においてラベル付けされているわけではなく、当業者が本開示を理解することを可能にするために図示が必要でない場合には、各実施形態のすべての要素が示されているわけでもない。
【0021】
詳細な説明は、以下のように、同様の参照文字が同様の要素を表す添付の図面と併せてより良く理解されるであろう。
図1】本開示の態様による安定化およびてこ作用装置を示す。
図2】本開示の態様による安定化およびてこ作用装置を示し、図1に示すものに対する代替的なレバーを示す。
図3】本開示の態様による安定化およびてこ作用装置を示し、図1および図2に示すものに対する代替的なレバーを示す。
図4】本開示の態様による安定化およびてこ作用装置を示し、図1~3に示すものに対する代替的なレバーを示す。
図5】本開示の態様による安定化およびてこ作用装置を示し、図1~3に示すものに対する代替的なレバーを示す。
図6】本開示の態様による安定化およびてこ作用装置を示し、図1~5に示すものに対する代替的なレバーを示す。
図7】本開示の態様による安定化およびてこ作用装置を示し、図1~5に示すものに対する代替的なレバーを示す。
図8】本開示の態様による別の安定化およびてこ作用装置を示す。
図9】本開示の態様による別の安定化およびてこ作用装置を示す。
図10】本開示の態様による安定化およびてこ作用装置を示し、図8および9に示すものに対する代替的な安定器を示す。
図11】本開示の態様による安定化およびてこ作用装置を示し、図8および9に示すものに対する代替的な安定器を示す。
図12】本開示の態様による別の安定化およびてこ作用装置を示す。
図13】本開示の態様による別の安定化およびてこ作用装置を示す。
図14】本開示の態様による安定化およびてこ作用装置を示し、図12および13に示すものに対する代替的な安定器を示す。
図15】本開示の態様による安定化およびてこ作用装置を示し、図12および13に示すものに対する代替的な安定器を示す。
図16】本開示の態様による別の安定化およびてこ作用装置を示す。
図17図16の安定化およびてこ作用装置から独立した送達装置の移動を概略的に図示する。
図18図16および17等の安定化およびてこ装置を図示し、本開示のいくつかの態様による、てこ装置をさらに図示する。
図19】本開示の態様による安定化およびてこ作用装置を示し、図18に示すものに対する代替的なレバーを示す。
図20】本開示の態様による安定化およびてこ作用装置を示し、図18および図19に示すものに対する代替的なレバーを示す。
図21】本開示の態様による別の安定化およびてこ作用装置を示す。
図22図21におけるような安定化およびてこ作用装置を図示し、安定器およびレバーは、組織を安定させ、てこ作用を及ぼすように位置付けるために前進させられる。
図23図21および図22と同様の安定化およびてこ作用装置を示すが、修正された安定器が断面で示されている。
図24図23におけるような安定化およびてこ作用装置を図示し、安定器およびレバーは、組織を安定させ、てこ作用を及ぼすように前進させられて位置付けられる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の詳細な説明は、例示的な実施形態を示す図面を参照して読まれたい。本開示は、本出願において様々なレベルの詳細で説明されていることが理解されよう。特定の例では、当業者が本開示を理解するのに必要でない詳細、または他の詳細を認識することを困難にする詳細は、省略されている場合がある。本明細書で開示および特許請求される装置および/または方法の全ては、本開示に照らして、過度の実験を伴わずに、作製および実行されることができる。特許請求される主題は、本明細書で説明または図示される特定の実施形態または構成に必ずしも限定されず、特許請求される発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されることを理解されたい。
【0023】
本明細書で使用される場合、「近位端」は、装置を使用するとき(例えば、装置を患者に導入するとき、または埋め込み、位置決め、もしくは送達中)など、ユーザ(医療専門家または臨床医または技術者またはオペレータまたは医師などであり、そのような用語は、限定またはその他を意図することなく互換的に使用される)などに最も近い装置または物体の端部を指し、「遠位端」は、装置を使用するとき(例えば、装置を患者に導入するとき、または埋め込み、位置決め、もしくは送達中)など、ユーザから最も遠い装置または物体の端部を指す。中心軸線は、開口部に関して、開口部の中心点を少なくとも概ね二等分する線を意味し、開口部が、例えば、管状フレーム、支柱、またはボアを備える場合、開口部の長さに沿って長手方向に延在する。
【0024】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、内容が明確に別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、「または」という用語は、内容が明確に別段の指示をしない限り、「および/または」を含む意味で一般に使用される。
【0025】
安定化およびてこ作用装置、システム、および方法の様々なの実施形態が、ここで説明される。本明細書における「一実施形態」、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、本開示の原理による1つ以上の特定の特徴、構造、および/または特性がその実施形態に関連して含まれ得ることを示す。しかしながら、そのような言及は、必ずしも、すべての実施形態が特定の特徴、構造、および/または特性を含むことも、実施形態がすべての特徴、構造、および/または特性を含むことも意味しない。いくつかの実施形態は、1つ以上のそのような特徴、構造、および/または特性を、それらの様々な組合せで含むことができる。さらに、本明細書の様々な箇所における「一実施形態」、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではなく、必ずしも他の実施形態と相互排他的な別個のまたは代替的な実施形態でもない。特定の特徴、構造、および/または特性が一実施形態に関連して説明される場合、そのような特徴、構造、および/または特性は、明確に反対のことが述べられない限り、明示的に説明されているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連して使用されてもよいことを理解されたい。さらに、いくつかの実施形態によって示され得るが、他の実施形態によって示され得ない様々な特徴が説明される。同様に、いくつかの実施形態のための特徴または要件であってもよいが、他の実施形態のための特徴または要件でなくてもよい、様々な特徴または要件が説明される。
【0026】
本開示の原理によれば、安定化およびてこ作用装置またはツール(そのような用語は、異なる意味または意図を限定または他の形で伝える意図なしに互換的に使用される)は、安定器およびレバーを含む。安定化およびてこ作用装置は、標的組織部位に送達および展開されるように、送達装置と併せて使用されてもよい。安定器およびレバーは、組織安定化およびてこ作用システムに組み込まれてもよい。そのようなシステムは、当業者に公知であるか、または器官もしくは血管もしくは組織等の身体部分に手術または処置等(以下、限定を意図せずに便宜上「処置」)を行うためにこれまでに開発された他の装置、ツール、器具、構成要素、構造等(そのような用語は、限定を意図せずに便宜上本明細書で互換的に使用される)を組み込んでもよい。安定化およびてこ作用装置は、身体組織に対して行われる処置と併せて本明細書で説明される。しかしながら、処置はそのように限定される必要はないことが理解されるであろう。さらに、本明細書に開示される装置およびシステムに関連して、またはそれと併せて行われるような、本明細書に開示される安定化およびてこ作用の方法は、身体組織に対して行われる処置と併せて説明されるが、そのように限定される必要はない。
【0027】
本開示の原理に従って形成される実施形態では、送達装置は、身体通路を介して、処置が行われる標的(例えば、標的組織部位)まで安定器およびレバーを運搬および送達するように構成される、既知の装置または構造である。送達装置は、チューブ、内視鏡、ガイドルーメン、作業チャネル、シース、ポート、アクセスポート、カテーテル、通路などであってもよい。いくつかの実施形態では、送達装置は、非直線もしくは蛇行身体通路または管腔を通るナビゲーションを可能にするように、可撓性および/または関節式である。送達装置は、当技術分野で知られているか、またはこれまでに知られている任意の方法で結合されたオーバーチューブまたは他の追加の通路を含んでもよく、これには、送達装置とは別個であって送達装置に沿って延びるか、または送達装置と一体であることが含まれるが、これらに限定されない。オーバーチューブは、それを通る装置またはシステムの別の要素の通過および/または送達のために構成されてもよい。オーバーチューブおよび送達装置は、同じ材料または異なる複数の材料から作製され得る。本明細書に開示される安定器および関連構成要素は、スコープに取り付けられてもよく、またはスコープが通過し、自由に出入りするオーバーチューブと組み合わせられてもよいことが理解されるであろう。
【0028】
安定器は、処置の標的(例えば、標的組織部位)に隣接するかまたはそれを取り囲む身体部分(例えば、組織)に接触し、かつ、例えば、作業ツール(例えば、医療器具、内視鏡、および/または他の装置)に対して、処置が行われる環境を安定させるように成形および構成される。例えば、処置が胃腸(GI)管内で行われる場合、例えば、自律運動(例えば、蠕動)が組織の運動を駆動しないように、または他の方法で組織に影響を与えないように、安定器は、GI組織に接触して標的組織部位を安定させるように成形および構成されるため、要望のように干渉または中断なく処置を行うことができる。例えば、安定器は、標的組織部位で、またはそれに隣接して、またはそれを取り囲む(本明細書では、限定する意図なく互換的に使用される)組織を定位置に保持し、かつ/または伸張するように成形および構成されてもよい。安定器の例は、拡張可能な部材(例えば、バルーン、ステント、メッシュ、またはコイル構造等の自己拡張構造、力が印加されると拡張するように応答する拡張可能構造等)、ワイヤペタル、ワイヤバルブ等であり、本開示の原理は、必ずしも特定の構造に限定されない。
【0029】
安定器は、好ましくは、送達装置上に搭載されるか、それを覆って装着されるか、または別様にそれに取り付け可能であって送達装置とともに標的部位に送達され、送達装置は、標的部位への他の装置、器具、ツール等(そのような用語は、本明細書では限定を意図することなく互換的に使用される)の送達を容易にするように構成される。したがって、安定器および送達装置は、ともに安定化システムであると見なすことができる。
【0030】
標的組織締結具/アンカ/クリップまたは他の組織係合構造(「締結具」は、限定または異なる意味または意図を別様に伝えることを意図することなく、便宜上、本明細書で使用される)は、典型的には、標的組織に結合、取り付け、連結、または把持等するために使用される。標的組織締結具は、典型的には、組織に係合/把持/挟持/保持/結合/締結/周囲にループするように成形および構成される構造を有し(そのような用語は、限定または異なる意味もしくは意図を別様に伝える意図なく、本明細書では互換的に使用される)、限定ではないが、締結具、クリップ、縫合糸、コルクスクリュ、バーブ、スパイク、フック、螺旋、把持具、係合部材、ステープル、接着剤、ループ(単純、渦巻き、螺旋等)、布、ワイヤ、弾性等のうちのいずれかまたはその均等物であり得る。典型的には、標的組織締結具は、例えば、当該分野で公知であるかまたはこれまでに公知であるような把持具もしくは把持装置、または他の操作ツールを用いて、標的組織に係合するか、把持するか、結合される(例えば、周囲にループされる、周りに囲まれるなど)ように成形される。標的組織締結具は、必要性または状況などによって、再配置可能であってもなくてもよい。標的組織締結具は、任意選択で、標的組織および別の要素に結合するように構成される、組織牽引装置の一部であってもよい。例えば、組織牽引装置は、組織締結具(標的組織に結合される)と、テザーと、係留または安定化締結具(標的組織締結具を安定化し、および/またはてこ作用を及ぼすために、別の組織部位等の別の部位に結合される)とを含んでもよい。
【0031】
上述したように、概して、標的組織締結具に牽引力を印加することにより、標的組織に牽引力を加え、標的組織にてこ作用を及ぼすことが望ましい。本開示の原理によれば、標的組織アンカにてこ作用を及ぼすことで標的組織に牽引力または張力を印加する(例えば、標的組織締結具を介して)か、または他の方法で標的組織締結具および標的組織を操作してその上またはその周囲での処置の実行を容易にする(例えば、標的組織を張力下に置いてその上での処置の実行を容易にする、つまり、例えば、組織を格納して組織の切断を容易にすることによって;送達装置、スコープ、ツールなどの標的組織部位へのアクセスを容易にする;所望の処置を行うために操作または他の方法で操作されるツールのための十分な空間またはクリアランスを提供する;および/または標的組織部位の可視化を容易にする)ために、臨床医が使用するための組織安定器と併せてレバーが提供される。レバーは、好ましくは、安定器と共に設けられ、例えば、安定器に対して配置され、好ましくは、安定器と関連付けられる(例えば、結合される)。安定器およびレバーは、共に安定化およびてこ作用装置とみなすことができる。いくつかの実施形態では、レバーは、安定器に結合され、安定器にもしくは安定器上に搭載され、または他の方法で安定器と関連付けられる。いくつかの実施形態では、そのような関連付けは直接的である。他の実施形態では、そのような関連付けは、安定化およびてこ作用装置の別の要素または構成要素を介する。安定器、レバー、および送達装置は、ともに、安定化およびてこ作用システムであると見なすことができる。
【0032】
レバーは、標的組織と相互作用(例えば、組織締結具等を介して標的組織と結合される)しててこ作用をそれに適用することで標的組織に張力または牽引力を印加するように配置、構成、成形、位置付け等される1つ以上の構成要素を含む。いくつかの実施形態では、レバーは、標的組織と相互作用するように、標的組織締結具または組織牽引装置を含むか、またはそれと関連付けられてもよい。レバーは、以下の構成要素のうちの1つ以上を含んでもよい:レバーテンショナまたは張力機構またはレバーコントローラ(そのような用語は、限定または異なる意味あるいは意図を別様に伝える意図なく、本明細書で互換的に使用される)、レバーツール、支持体、方向転換構造、組織牽引装置。レバーテンショナは、張力または牽引力を印加するか、別様に、レバーおよび/または標的組織のさらなる構成要素にてこ作用を及ぼす。いくつかの実施形態では、レバーテンショナは可撓性である。いくつかの実施形態では、レバーテンショナは、ケーブル、テザー、コード、縫合糸、ワイヤ、ストリング、デンタルフロス、ロッド、チューブ、ばね、弾性バンド、糸、布などの構造であり、それを介して張力が印加され得るか、またはそれによってレバーの別の構成要素もしくは組織締結具が制御され得る。いくつかの実施形態では、レバーテンショナは弾性である。いくつかの実施形態では、レバーツールは、直接または別の構成要素を介して(例えば、組織締結具またはテザーを介して)、標的組織に係合、操作等し得る把持具または他のツールである。いくつかの実施形態では、支持体は、レバーツール等の別の構成要素を支持するように、またはテンショナ等の別の構成要素を支持および誘導するように成形および構成される。いくつかの実施形態では、方向転換構造は、それと相互作用する別のレバー構成要素または別様のものが、方向を変更するか、またはてこ作用目的等のために方向転換されるように成形および構成される、旋回軸もしくは通路または他の構造である。いくつかの実施形態では、方向転換構造は、フック、ループ、滑車システム、チャネルなどである。いくつかの実施形態では、組織牽引装置は、当技術分野で知られているような組織係合牽引装置であり、標的組織に係合するとともに標的組織に牽引力を印加するように構成された構成要素を含む。組織牽引装置の一例は、テザー牽引装置であり、テザー牽引装置は、一端に組織締結具を伴うテザー(概して、弾性)と、他端に安定化アンカまたは締結具等の締結具(締結具によってテザー牽引装置が係留されるため、テザーが、組織締結具、および組織締結具によって把持される組織に牽引力を印加する)とを有する。概して、レバーの様々な構成要素は、標的組織に張力または牽引力を印加するための移動を容易にする材料から構成および/または成形および/または形成されてもよい。
【0033】
標的組織締結具または組織牽引装置の使用の議論に戻ると、標的組織の安定性が、送達装置または標的組織に対する処置の実施によって影響されない(例えば、標的組織の領域内または直接標的組織上の医療器具等の移動によって影響されない)ように、標的組織締結具および/または組織牽引装置および/または標的組織締結具に張力または牽引力を印加する任意のテンショナを安定化させるための安定化アンカを提供することが望ましいことが理解されるであろう。本開示のいくつかの実施形態では、安定化アンカは、安定器と関連付けられてもよい。標的組織アンカ、安定化アンカ、およびテンショナは、組み合わせて、組織格納機構と見なすことができる。
【0034】
本発明の原理によれば、使用時、安定化およびてこ作用装置は、スコープおよび任意の器具またはツール(スコープのチャネル内等)が標的組織へのアクセスおよび標的組織の可視化を得ることを許容にすること、および/または組織を張力下に置いて標的組織に対する器具またはツールの操作を容易にすること(例えば、標的組織に処置を行うため)、および/または標的組織等に処置を行う(例えば、その下を切断する)間、標的組織を持ち上げ、格納し、または別様に操作することなどの、様々な利点のために標的組織にてこ作用を及ぼす。切除または切開が標的組織に対して行われる場合、標的組織が完全に切除または切開されると、標的組織は締結具とともに残り、送達装置とともに取り除かれてもよい。安定化アンカは、自然に脱落するように、取り除かれてもよく(例えば、それが結合される安定化およびてこ作用装置の構成要素とともに)、または定位置に残されてもよい(例えば、別の組織に係留される場合)。
【0035】
ここで図を参照すると、送達装置、安定器、およびレバーの様々な実施形態、ならびに任意選択で、付加的構成要素、装置、器具、ツール等の付加的実施形態を組み合わせる、安定化およびてこ作用装置の様々な実施形態が、本明細書に説明される広義の原理から本開示を限定する意図なく、有益な実施例を開示および説明するために図示される。図1図24は、本開示の様々な原理に従って形成された安定化およびてこ作用装置100の実施形態を示しており、安定器120と、安定器120に結合され(ただし、任意選択で安定器120から空間を空ける)、または安定器120の上に搭載される等によって安定器120に関連付けられたレバー130とを有する。いくつかの実施形態では、レバー130は、安定器120に直接結合される。いくつかの実施形態では、レバー130は、別の構成要素を介して安定器120に結合される。例えば、いくつかの実施形態では、レバー130は、安定器120を制御および/または操作するためにも使用され得る構成要素を介して安定器120に結合される。図1図15の実施形態では、安定器120は、送達装置の遠位端111に近位の位置で送達装置110と関連付けられている。図16図24の実施形態では、安定器120は、送達装置110によって標的組織部位Tに送達され、次いで、標的部位Tに対して処置を行う間、送達装置110の遠位端111に対して遠位に位置付けられるように遠位に移動される。
【0036】
いくつかの実施形態では、本開示の原理に従って形成される安定化およびてこ作用装置100の安定器120は、拡張可能な安定器の形態であってもよく、その拡張は、圧力または張力等を印加し、標的組織Tを安定化させ、また、レバー130および/または標的組織Tにてこ作用を及ぼす他のテンショナおよび/または締結具および/またはツールにてこ作用を提供する。拡張可能な安定器は、好ましくは、送達装置110とともに標的組織部位Sにナビゲートされる間、格納されまたは小型の構成である。安定器120は、標的組織部位S(例えば、標的組織T上)における所望の処置の実施を容易にするためにそのような身体部位(例えば、組織)を安定化させるように、標的組織部位Sにおいて、標的組織部位Sに隣接して、標的組織部位Sの近傍等(そのような用語は、限定する意図なく、本明細書において互換的に使用される)において身体部位に係合するように展開される、例えば、膨張もしくは拡張される、または別様に構成および位置付けられる。いくつかの実施形態では、安定器120は、例えば、膨張管または管腔等の当技術分野で公知またはこれまでに公知の任意の膨張/収縮機構(そのような機構は、本開示の安定化およびてこ作用の原理に重要ではない)を介して膨張させられる、膨張可能バルーン等の膨張可能な安定化装置の形態である。いくつかの実施形態では、制御管または展開管または膨張管/管腔等は、膨張可能な安定器と流体連通し、流体(例えば、空気または水)が、それを通って膨張可能な安定器を膨張させるか、または吸引が、それを通して適用され、膨張可能な安定器を収縮させる。いくつかの実施形態では、安定器120は、拡張可能なステント安定器の形態であり、これは、圧縮構成で展開されてもよく、必要に応じて、ステント安定器を操作してその上の拘束を解放する(ステント安定化装置を圧縮構成に維持する)ことなどによって拡張されてもよい。いくつかの実施形態では、ケーブルもしくはワイヤ、または当技術分野で公知もしくはこれまでに公知の他のステントオペレータもしくはコントローラ(そのような要素は、本開示の安定化およびてこ作用の原理に重要ではない)等のコントローラが、ステント安定器を拡張または圧縮するように操作するために(例えば、その近位端から)操作される。
【0037】
本明細書の図に示される送達装置110は、送達管腔または通路または作業チャネル112(「作業チャネル」は、本明細書では限定を意図せずに便宜上全般的に使用される)を伴う内視鏡であり、それを通して、作業ツール180(例えば、切断ツール)が、処置中の任意の時間に送達部位/標的組織部位Sに輸送されてもよい。しかしながら、送達装置110の他の形態が本開示の範囲内であり、本実施形態は、例証の便宜上、内視鏡のみを示すことが理解されるであろう。図示されるように、安定器120は、送達装置110の一部に搭載される(例えば、その上に装着されるか、またはその上に位置付けられる)(例えば、安定器120を通る通路124に送達装置110を通過させること等によって、例えば、送達装置110の外部に結合される)。
【0038】
図1図7の実施形態の安定器120は、通路124を有し、この通路を、把持器などのレバーツール、装置、または器具190(限定する意図なく「レバー」という用語に関連して代替的に使用され、ツール、装置、器具などは、本明細書に開示される安定化およびてこの原理にとって重要ではないことが理解される)が通過して、標的組織Tに到達し、標的組織Tを操作することで、標的組織Tにてこ作用を及ぼす。図1図7の実施形態では、レバーツール190は、標的組織T(図1に示されるような)を直接把持、係合、締結等する(そのような用語は、限定する意図なく交互に使用される)テンショナおよび締結具、または把持具もしくはクリップと別個のテンショナ/締結具(例えば、図5に示されるような)との組み合わせであってもよいことが理解されるであろう。レバー130は、レバー130の構成要素と見なされ得るレバーツール190にてこ作用を及ぼすために、安定器120と関連付けられる。図1図7の様々な実施形態において、レバー130は、安定器120に対して、レバーツール190を上昇させて標的組織Tにてこ作用を及ぼすように構成された支持エレベータ132を含む。エレベータ132は、様々な異なる形態または構成のいずれであってもよく、そのいくつかの例をここで説明する。レバー130は、レバー130および/またはその構成要素(例えば、エレベータ132)がそれを介して動作または操作またはナビゲート(そのような用語は、限定することを意図せずに本明細書において互換的に使用される)され得るレバーコントローラ134を含んでもよい。
【0039】
図1に示されるエレベータ132の例は、支持エレベータ232の移動が、レバーツール190の所望の移動(例えば、持ち上げ、上昇、または横方向等の他の移動)を引き起こし、標的組織Tに要望に応じててこ作用をもたらすように、レバーツール190を支持し、または別様に係合される、楔またはフリッパまたは他の可動(例えば、枢動可能)支持エレベータ232の形態である。支持エレベータ232の移動または制御は、送達装置110の近位端115(例えば、ハンドル)におけるコントローラ234(例えば、バルーン、またはケーブル、テザー、コード、縫合糸、コントローラ等、そのような用語は、限定することを意図せずに本明細書で互換的に使用され、支持のためのコントローラは、本明細書に開示される安定化およびてこの原理に重要ではないことが理解される)の操作を介して達成されてもよい。
【0040】
図2および3に示されるエレベータ132の例は、支持チャネル332、432(例えば、図2に示されるような側面開放チャネル332、または図3に示されるような完全に閉じたチャネル432)の移動が、レバーツール190の所望の移動(例えば、持ち上げ、上昇、または横方向等の他の移動)を引き起こすことによって、要望に応じて標的組織Tにてこ作用を及ぼすように、レバーツール190を支持し、またはレバーツール190に結合または係合される、支持チャネル332、432の形態である。支持チャネル332、432の移動または制御は、送達装置110の近位端113(例えば、ハンドル)におけるレバーコントローラ334、434(例えば、ケーブル、テザー、コード、縫合糸、コントローラ等、そのような用語は、限定することを意図せずに互換的に使用され、コントローラは、本明細書に開示される安定化およびてこの原理に重要ではないことが理解される)の操作を介して達成されてもよい。例えば、コントローラ334、434の遠位端333、433は、支持チャネル332、432に結合されてもよく、コントローラ334、434の近位端335、435は、送達装置110の近位端115において操作されるようにアクセス可能であってもよい。
【0041】
図2の実施形態では、支持チャネル332は、レバーツール190を下から支持する側面開放チャネルである。支持チャネル332は、支持チャネル332の一端(例えば、近位端339)において方向転換構造(例えば、枢動ピン336を介して枢動可能に搭載される)を介して安定器120内の通路124内に搭載され、コントローラ334の遠位端333は、支持チャネル332の遠位端337に(例えば、フックまたはスリットまたは他の固定構成338を介して支持チャネル332の外部または端部に)結合される。コントローラ334の近位端335を引っ張ることにより、コントローラ334の遠位端333が支持チャネル332を枢動、てこ作用、または他の方法で移動させて、レバーツール190を移動させ、またはてこ作用を及ぼし、それにより、レバーツール190によって把持または他の方法で係合された組織にてこ作用を及ぼす。
【0042】
図3の実施形態では、支持チャネル432は、レバーツール190を支持するためにレバーツールを囲む実質的に閉じたチャネルである。支持チャネル432は、安定器120内の通路124内で自由に移動可能であり、コントローラ134によって移動させられ(例えば、持ち上げられ)、次に、レバー点またはピボットまたはプーリなどの方向転換構造436の周りを通過することなどによって通路124内でてこ作用を及ぼされる。図示の例では、コントローラ134は、一端が支持チャネル432に(例えば、当該技術分野における任意の既知の連結を介して支持チャネル432の外面に)結合され、安定器120の通路124内の方向転換構造436の周りに延在するテンショナ434(例えば、ケーブル、テザー、コード、縫合糸、コントローラなど)の形態である。方向転換構造436は、コントローラ134の移動が支持チャネル430にてこ作用を及ぼし(例えば、上昇または下降させ)、それによってレバーツール190およびそれと関連付けられ、または結合された標的組織Tにてこ作用を及ぼすように、コントローラ134がその周りを通過させられ得る、枢動ピンまたは他の構造であってもよい。使用中、コントローラ434の近位端435を引っ張ることにより、コントローラ434の遠位端433が安定器120の通路124内で支持チャネル430を枢動、てこ作用、または他の方法で移動させることによって、レバーツール190を移動させ、またはてこ作用を及ぼし、それにより、レバーツール190によって把持または他の方法で係合された組織にてこ作用を及ぼす。
【0043】
図4および図5の実施形態では、レバーツール190は、作業チャネル532を通過し、作業チャネル532を含むレバー130によって支持および移動される。作業チャネル532は、安定器120内の通路124を通過する。いくつかの実施形態では、作業チャネル532は、通路124内で自由に移動可能であり、レバーツール190、およびレバーツール190によって係合される標的組織を移動させ(例えば、持ち上げ)、てこ作用を及ぼしてもよい。一実施形態では、作業チャネル532は、送達装置110の全長に延在し、作業チャネル532の遠位端533を移動させ、それによってレバーツール190にてこ作用を及ぼすように、送達装置110の近位端115から移動可能である(例えば、引っ張られても押されてもよい)。一実施形態では、作業チャネル532は、通路124の内壁などを介して安定器120に係合することにより、通路124内での作業チャネル532の移動を容易にするかまたは案内してもよい。一実施形態では、枢動またはプーリまたは他の方向転換構造などの、作業チャネルおよび安定器のレバー係合が提供されてもよい。例えば、図4および図5に示される実施形態では、レバー係合は、作業チャネル532および通路124のうちの一方の上の突起またはピン536と、作業チャネル532および通路124のうちの他方の中のスロット538との形態である。例えば、スロット538は、湾曲したスロットまたはチャネルなどの形態であってもよく、ピン536を係合および/または受容して、それらの間の相対移動を可能にするように成形および構成されてもよく、作業チャネル532の移動およびその結果としてのレバーツール190の移動をもたらし、標的組織Tにてこ作用を及ぼす。図4および図5に例として示されるような一実施形態では、使用時に、作業チャネル532が遠位方向に移動されるため、その側面から突出するピン536が、遠位方向上向きに延在するスロット538に沿って上向きに移動する。レバーツール190は、それによって、送達装置110から遠位に移動させられて上向きにレバー操作され、当技術分野で知られているような別個の組織牽引装置192等を介して、標的組織T(安定化およびてこ作用装置100の下側に隣接し得る)に上向きのてこ作用を適用する。例えば、組織牽引装置192は、その各端部に組織締結具196、198を伴うテザー194を含んでもよい。組織締結具は、図面全体を通して概略的に示されており、当該技術分野において既知で、かつこれまでに知られている組織締結具を包含し、本開示は、特定の組織締結具構成によって限定されないことが理解されるであろう。
【0044】
図6および図7の実施形態では、レバーツール190は、二次流体バルーン632を含むレバー130によって支持および移動される。一実施形態では、二次流体バルーン632は、送達装置110の全長に延在する管腔634(例えば、膨張管またはホース等)を有し、バルーン636は、管腔634の遠位端633にある。二次流体バルーン632の遠位端637が安定器120内の通路124を通過することにより、二次流体バルーン632が通路124内に位置付けられる。流体(例えば、空気または水)は、管腔631の近位端635を通過して二次流体バルーン632を充填してもよい。二次流体バルーン632が充填されると、二次流体バルーン632は膨張してレバーツール190を持ち上げるエレベータとして作用し、それによって、レバーツール190およびそれに結合された標的組織Tにてこ作用を及ぼす。一実施形態では、二次流体バルーン632は、送達装置110内の別個のバルーンチャネルを介して挿入される。一実施形態では、二次流体バルーン632は、(当技術分野で知られているように、したがって図面を簡略化するために図示されていない)展開カテーテルなどを介して、送達装置110の別個の作業チャネル内に搭載される。
【0045】
図8図11に示されるようないくつかの実施形態では、拡張可能な安定器120の拡張は、組織安定化ならびにてこ作用を安定化およびてこ作用装置100のレバー130の構成要素に提供することができる。図8および図9の実施形態では、拡張可能な安定器は拡張可能なステント安定器720の形態であり、図10および図11の実施形態では、拡張可能な安定器は膨張可能なバルーン安定器820の形態である。拡張可能な安定器720、820の拡張は、(例えば、それぞれ制御ワイヤまたは膨張チューブなどの安定器コントローラ742、842を介して)拡張可能な安定器720、820を所望のサイズにして、標的組織部位Sにおいて、標的組織部位Sに隣接して、標的組織部位Sの近傍などの身体部位に係合させることで、本開示の原理に従って標的組織部位Sを安定化させる。レバー130は、拡張可能な安定器720、820と関連付けられた(例えば、拡張可能な安定器720、820に沿って、その中に/その中を通って、またはその上を通って延在する)チャネルまたは通路724、824(このような用語は、限定を意図することなく互換的に使用される)を通って延在し、拡張可能な安定器720、820の拡張時などに拡張可能な安定器730、820によっててこ作用を受けて、標的組織Tに所望のてこ作用を適用する。より具体的には、一実施形態では、レバー730、830は、安定器通路724、824を通って延在し、当技術分野で知られているか、これまでに知られているような組織締結具または組織牽引装置などを介して標的組織Tに結合されるレバーテンショナ734、834を含む。いくつかの実施形態では、レバー730、830は、組織締結具または組織牽引装置に結合される、本明細書に説明されるようなレバーツールを含んでもよい。拡張可能な安定器720、820の調節(例えば、拡張、膨張、収縮、移動など)は、安定器720、820の中を通る通路724、824を通過するレバーテンショナ734、834にてこ作用を及ぼし、したがって、安定器720、820が拡張した通路724、824は、この実施形態においてレバーとして作用する。そのようなてこ作用は、通路724、824が送達装置110の全長にわたって延びるか否かにかかわらず達成され得ることが理解されるであろう。図示の実施形態では、通路724、824は、拡張可能な安定器720、820の上部に位置し、標的組織Tは、その別の側(例えば、拡張可能な安定器720、820の底部)に配置されるので、拡張可能な安定器720、820の拡張は、レバーテンショナ734、834を持ち上げて、例えば、組織締結具796、896(組織締結具796、896とレバーテンショナ734、834との間に延在する任意選択のテザー794、894と共に概略的に示される)を介して標的組織Tにてこ作用を及ぼす。レバーテンショナ734、834は、レバーテンショナ734、834および標的組織Tにさらなる牽引力を印加するように、その近位端735、835(送達装置110の近位端115等)等を介して操作(例えば、引っ張られる、または別様に移動させられる)されてもよい。図8図11に示される実施形態では、拡張可能な安定器720、820内の通路724、824を通るレバーテンショナ734、834の動作は、レバーテンショナ734、834がその近位端735、835において引っ張られるときに、上向きの角度で引っ張られることで、切断ツール(例えば、ESDナイフ)が標的組織T(例えば、病変)の下を切断するためのアクセスを可能にすることなどによって、標的組織Tへのアクセスを容易にするように、てこ作用を提供する。
【0046】
テンショナ/コントローラ734、834は、標的組織締結具196と併せて使用される典型的なテンショナまたはコントローラの形態であってもよく、それに張力またはてこ作用を適用することで、標的組織Tを持ち上げ、またはてこ作用を及ぼし、標的組織Tに対する処置の実施を容易にする。代替として、テンショナ/コントローラ734、834は、標的組織締結具196に結合される典型的テンショナまたはコントローラに結合される別個のコントローラであってもよい。いずれの構成においても(本開示は、本明細書に開示されるより広い安定化およびてこ作用原理にとって重要ではない構成または代替構成のいずれにも限定されない)、テンショナ/コントローラ734、834は、通路724、824を通って送達装置110の近位端113まで延在し、テンショナ/コントローラ734、834の近位端733は、テンショナ/コントローラ734、834上の張力に影響を及ぼす(例えば、増加させる、減少させる、方向を変更する等)ように操作され、それによって、標的組織締結具196上の張力に影響を及ぼし得る。
【0047】
使用時には、任意選択的に、組織締結具796、896または組織牽引装置などを、図8図11に示す実施形態の送達装置110の作業チャネル112を介して標的組織Tまで延長または展開または送達することができる。縫合糸、ワイヤ、ケーブル、テザー、コード等の形態等のテンショナ734、834は、標的組織締結具196に結合されるとともに、拡張可能な安定器720、820の中を通る通路724、824を通って送達装置110に沿って送達装置110の近位端113まで延びる。送達装置110が標的組織部位Sに到達すると、拡張可能な安定器720、820が拡張されて安定化を提供し、組織締結具796、896が標的組織Tに展開されるか、または別様に取り付けられる。拡張可能な安定器720、820が拡張されるとき、レバーテンショナ734、834は、それとともに持ち上げられ、組織締結具796、896にてこ作用を及ぼす。標的組織Tのさらなるてこ作用または持ち上げが所望または必要とされるとき、レバーテンショナ734、834は、その近位端735において(概して、送達装置110の近位端113において)操作され(例えば、引っ張られ)、標的組織Tを所望の点まで持ち上げる等のために、所望のてこ作用を提供する。
【0048】
図8図11を参照して説明した標的組織Tの同様のてこ作用(例えば、標的組織締結具196と拡張可能な安定器120とのてこ作用を介して)は、図12図15の実施形態で達成され得、これらの実施形態は、同様に、図12および図13に示される拡張可能なステント安定器920の形態等の拡張可能な安定器120、または図14および図15に示される膨張可能なバルーン安定器1020を含む。しかしながら、拡張可能な安定器120を通る通路を通って延在するか、または拡張可能な安定器120に関連付けられたテンショナを含むレバー130の代わりに、図12図15の実施形態のレバー130は、拡張可能な安定器920、1020に結合されたテザー994、1094を含む。例えば、図12および図13の実施形態では、テザー994は、拡張可能なステント安定器920の材料に直接取り付けられてもよく、または織り込まれてもよい。図14および図15の実施形態では、テザー1094は、膨張可能なバルーン安定器1020の内側または外側に、直接取り付けられる等によって結合されてもよい。
【0049】
一実施形態では、テザー994、1094は、一端で拡張可能な安定器920、1020に結合され、別の端部で組織締結具196に結合される弾性材料であってもよい。組織締結具196(概略的に示される)は、送達装置110(例えば、図1参照)の作業チャネル112を介して標的組織部位Sに挿入される把持具等のツールを使用して、標的組織Tに結合されてもよい。拡張可能な安定器920、1020の移動(例えば、図8図11に示す実施形態の拡張可能な安定器720、820に関連して説明したような方法で、例えば、それぞれ制御ワイヤまたは膨張チューブなどの安定器コントローラ942、1042を介して、その拡張時など)は、テザー994、1094に力または張力を印加することで、そこに取り付けられた組織締結具196にてこ作用を及ぼし、それによって標的組織Tにてこ作用を及ぼす。標的組織Tが完全に切開されるとき、病変は、組織締結具196に取り付けられたままで、かつ送達装置110とともに除去され得るか、または把持器が、標的組織Tから組織締結具196を取り外し得るかのいずれかである。図8図11の実施形態と同様に、図12図15の安定化およびてこ作用装置900、1000は、同様に、その拡張可能な安定器920、1020の拡張時に、標的組織Tにおける、または標的組織Tに隣接する、もしくは標的組織Tを取り囲む組織を安定させ、レバー130にてこ作用を及ぼすことで、標的組織Tにてこ作用を及ぼすことが理解されるであろう。
【0050】
これまで説明してきた実施形態では、レバー130は、安定器120に搭載されるか、または安定器120と共に形成されることなどによって、安定器120に関連付けられることが理解されよう。本開示の原理に従って形成される安定化およびてこ作用装置100の代替実施形態では、レバー130は、安定化およびてこ作用装置100の別の構成要素を介して安定器120と関連付けられてもよい。例えば、図16図20の実施形態では、レバー130は、安定器120に結合された安定器コントローラ142を介して安定器120に結合されて、安定器120を展開および/または制御および/またはナビゲートおよび/または操作する(本明細書では、限定する意図なく互換的に使用される)。例えば、図示された安定器120が膨張可能な安定器の形態である図16図20の実施形態では、安定器コントローラ142は、安定器120の位置を操作するためだけでなく、安定器120によって与えられる安定化を(例えば、流体制御を安定器120に与えて拡張を制御し、したがって標的組織部位Sを安定させるために標的組織部位Sに加えられる支持または圧力を制御することによって)制御するために使用され得る(例えば、押され、引っ張られ、横方向または上下に動かされ得る)制御チューブおよび/または膨張管腔などの形態の安定器コントローラ1142、1242、1342であり得る。図16~20の実施形態におけるレバー130の一端(または構成要素)は、安定器コントローラ1142、1242、1342に結合されるか、またはそれによって支持され、他端(または別の構成要素)は、例えば、組織締結具196(概略的に示される)等を介して、標的組織Tに結合される。いくつかの実施形態では、レバー130は、一端が標的組織Tに結合された組織締結具196に結合され、他端が安定器コントローラ142に結合されたテザー194を含む。
【0051】
使用時、図16図20の実施形態の安定器120は、図16に示されるように、送達装置110の遠位端上に装着されてもよい。図16図20の図示された実施形態では、安定器コントローラ142は、安定器120が送達装置110によって標的組織部位Sに送達されるように、送達装置110の上に搭載されるか、またはそれに沿って延びる。いくつかの実施形態では、送達装置110の遠位端111から送達装置110の近位端113まで延在する安定器コントローラ1142、1242、1342を送達装置110に沿って搭載するために剛性または半剛性アタッチメントを使用して、安定器120を標的組織部位Sに対して遠位に押してもよい。図16図20の実施形態の送達装置110および安定器1120、1220、1320が標的組織部位Sに到達すると、安定器120は、送達装置110の遠位端111を越えて遠位に移動され、標的組織部位Sを越えて遠位に移動される。安定器コントローラ1142、1242、1342は、安定器コントローラ1142、1242、1342の近位端1143、1243、1343を操作することによって操作することができる。典型的には、安定器120は、非拡張(例えば、非膨張)構成で展開され、標的組織部位Sを越えて位置付けられた後に拡張され(例えば、膨張管の形態である場合、安定器コントローラ1142、1242、1342を介して、バルーンの形態である場合、膨張される)、標的組織部位Sにおける/標的組織部位Sのわずかに遠位の組織を安定化させる。安定器120が標的組織部位Sを安定させるために展開され、レバー130が標的組織Tに(例えば、組織締結具および/または組織牽引装置などを介して)結合されて標的組織Tにてこ作用を及ぼすと、さらなるツールが、標的組織Tまたは他のものに対して所望の処置を行うために展開され得る。送達装置110および送達装置110を介して送達または展開される任意のさらなるツールは、安定器120とは独立して移動可能であるので、本開示の原理に従って、安定器120が標的組織部位Sを効果的に安定させることが理解されるであろう。(安定器120およびレバー130に対する)送達装置110の独立した移動が、図17に概略的に示される(送達装置110の代替位置を示す送達装置110の破線図)。要望に応じて、安定器コントローラ1142、1242、1342、および/または安定器1120、1220、1320の位置を操作することによって、てこ作用の調整が可能である。
【0052】
図18に示される実施形態では、レバー1130は、1つ以上のテザー1194(典型的には、全般的に本明細書に説明されるとともに当技術分野で公知であるような弾性部材等)を含み、第1の端部1191は、安定器コントローラ1142に結合または搭載され、第2の端部1193は、標的組織締結具1196に結合される。従って、2つ以上の標的組織締結具1196は、標的組織Tに沿った異なる複数の位置に結合されて、要望のように組織を持ち上げ得る。各標的組織締結具1196は、典型的には、標的組織Tの異なる複数の側の安定器コントローラ1142の異なる複数の部分(例えば、異なる複数の制御管)上で、安定器コントローラ1142にも結合される。標的組織締結具1196は、レバー1130が標的組織Tにてこ作用を及ぼすように、標的組織Tに再配置可能または非再配置可能に結合されてもよい。標的組織締結具1196は、例えば、把持具を用いて操作され得る。レバー1130の安定器コントローラ1142への結合は、標的組織Tに対してレバー1130を安定させて、必要または要望に応じて標的組織Tにてこ作用を及ぼす。安定器コントローラ1142はまた、レバー1130を操作するように操作されてもよい。
【0053】
図19に示す実施形態では、レバー1230は、安定器コントローラ1242の開口部1244を通過し、安定器コントローラ1242を通って送達装置110の近位端113まで延びるテザー1294(例えば、本明細書に全般的に記載され、当技術分野で知られているようなケーブルまたはコードまたは縫合糸など)である。この実施形態では、管の形態の1つより多くの安定器コントローラ1242が提供され、少なくとも1つは、拡張可能な安定器1220を膨張させるように結合された膨張管であり、1つは、テザー1294が通る管であることが理解されよう。テザー1294の遠位端1291は、標的組織Tに再配置可能または非再配置可能に結合される標的組織締結具1296に結合され、テザー1294の近位端1293は、所望または必要に応じて、テザー1294を操作して、レバー1230および(それに結合される)標的組織Tにてこ作用を及ぼすために、臨床医がアクセス可能である(例えば、送達装置110の近位端113において)。開口部1244、および安定器コントローラ1242への/からのテザー1294の入口点/出口点は、テザー1294の近位端1293が操作されるときにテザー1294および標的組織締結具1296にてこ作用が及ぼされ、それによって標的組織Tにてこ作用を及ぼすレバー130の方向転換構造として機能し得ることが理解されるであろう。
【0054】
図20に示す実施形態では、レバー1330は、安定器コントローラ1342に沿って延びるテザー1394(例えば、本明細書に全般的に記載され、当技術分野で知られているようなケーブルまたはコードまたは縫合糸など)を含む。テザー1394の遠位端1391は、標的組織Tに再配置可能または非再配置可能に結合される標的組織締結具1396に結合され、テザー1294の近位端1393は、要望または必要に応じて、テザー1294を操作して、レバー1230および(それに結合される)標的組織Tにてこ作用を及ぼすために、臨床医がアクセス可能である。テザー1394の近位端1393が操作されるとき、テザー1394にてこ作用を及ぼすために、方向転換構造1344が設けられてもよい。図20に示す実施形態では、方向転換構造1344は、ループまたはプーリまたはアイレットなど、テザー1394が通過する開口部を有する構造である。一実施形態において、方向転換構造1344は、安定器コントローラ1342上に(例えば、その外部に)搭載される。
【0055】
標的組織部位Sの遠位に送達されるように本開示の全般的原理に従って形成される安定化およびてこ作用装置100の安定器120は、図16図20の実施形態のように送達装置110上に搭載される代わりに、図21図24の実施形態のように、送達装置110の前に進むことによって、標的組織部位Sに送達され得る。例えば、安定器120は、送達装置110の遠位端111上の解放可能キャップを介して、または解放可能キャップの形態もしくは構成で送達されてもよい。例えば、図21および図22に示される実施形態では、安定器120は、膨張可能なバルーン安定器1420の形態である。好ましくは、安定器1420は透明なバルーンであり、それを通して可視化を可能にし、標的組織部位Sへの送達装置110のナビゲーションを容易にする。いくつかの実施形態では、安定器1420は、標的組織部位Sへのナビゲーションおよび送達中に安定器1420が送達装置110の遠位端111上に位置するように、送達装置110の遠位端111を受容するように成形および構成された安定器1420の遠位側に形成された遠位向き台座などの送達装置インタフェース1444を有する。図23および図24の実施形態では、安定器120は、図21および図22の実施形態の膨張可能なバルーン安定器1420と同様の膨張可能なバルーン安定器1520の形態であるが、必要に応じて内視鏡またはそれを通る他のツールのナビゲーションができるように、通路または開口部1524が貫通したトロイダル形状である点が異なる。別個に形成された中心リング(例えば、安定器1420の材料よりも剛性の材料から形成される)が、開口部1524内に提供されてもよい。
【0056】
膨張チューブ1442、1542の形態などの安定器コントローラ142は、送達装置110に沿って(送達装置110の横かつ外側、またはその作業チャネル112に沿ってかつその中のいずれかで)延びる。送達装置110の遠位端111が標的組織部位Sに到達すると、安定器1420、1520は、遠位に前進させられ、次いで、拡張され(例えば、空気または流動体等の流体を安定器コントローラ1442、1542を通過させることによって膨張させられ)、標的組織部位Sを安定させて送達装置110およびその作業チャネル112を通過する任意のツールの独立動作を可能にする。
【0057】
図21~24の実施形態では、レバー1430は、送達装置110の作業チャネル112を介して送達される組織牽引装置192を含む。いくつかの実施形態では、組織牽引装置192は、安定器120上に予め装着される。図21において、送達装置110は、安定器1420によって担持される組織牽引装置192を示すために部分的に切り取られて示されてことが理解されるであろう。換言すれば、安定器1420は、安定器1420が送達装置110を介して送達されるときに、組織牽引装置192と共に予め装着される(例えば、組織牽引装置192が送達装置110の作業チャネル112内に担持された状態で、送達装置110の前部に装着される)。安定器120が展開され、標的組織Tを安定させると、組織牽引装置192は、標的組織Tと連結することができる(例えば、図24に図示されるように)。例えば、組織牽引装置192がテザー1494(例えば、ゴムバンドなどの弾性部材)および組織締結具1496、1498(例えば、ループの形態)を含む実施形態では、一方の組織締結具1496は、安定器1420に連結され(例えば、予め装着され)、他方の組織締結具1498は、標的組織Tに連結され(例えば、図23に図示されるようなクリップおよび/または把持具の使用によって)、テザー1494は、標的組織Tに牽引力を印加することができる。
【0058】
本開示の原理による安定化およびてこ作用装置、ならびにシステムは、食道、心臓、胃、骨盤領域、膀胱、腸等の種々の身体器官、または胃腸管、尿路、もしくは肺管の任意の部分等の身体通路もしくは管腔もしくは空洞もしくはオリフィス内またはそれに隣接した処置のために使用されてもよいことを理解されたい。
【0059】
本明細書で使用される送達装置は、送達装置の遠位端への医療器具の導入および通過を許容する、任意の好適なサイズ、断面形状、もしくは面積、および/または構成であってもよい。送達装置が操縦可能であることは全般的に有益であり、送達装置は、操縦可能性を促進するために、可撓性または剛性の異なる複数の領域を有してもよい。送達装置は、送達装置の近位端と遠位端との間で実質的に長手方向(軸線方向)に延在する、1つ以上の作業チャネルを含んでもよい。送達装置および/またはそれと関連付けられるオーバーチューブは、当業者に公知であり、非直線または蛇行生体構造を横断するために十分な可撓性を有する、任意の好適な生体適合性材料から作製されてもよい。このような材料としては、ゴム、シリコン、合成プラスチック、ステンレス鋼、金属-ポリマー複合材;ニッケル、チタン、銅、コバルト、バナジウム、クロム、および鉄の金属合金;ニチノール(ニッケル-チタン合金)などの超弾性または形状記憶材料;異なる複数の材料の異なる複数の層、および補強材が挙げられるが、これらに限定されない。そのような材料は、そこを通る送達装置の通過を可能にするかまたは容易にするために、ポリマー材料または潤滑性材料から作製され得るか、またはポリマー材料または潤滑性材料でコーティングされ得る。いくつかの実施形態では、作業チャネルは、導入された医療器具が作業チャネルを通過するのを容易にするために、ポリマー材料または潤滑性材料で作られてもよく、またはコーティングされてもよい。
【0060】
本開示の医療装置、器具、ツール等は、限定されず、例えば、十二指腸鏡、カテーテル、尿管鏡、気管支鏡、結腸鏡、関節鏡、膀胱鏡、子宮鏡等を含む、身体通路にアクセスするための種々の医療装置、器具、ツール等を含んでもよい。種々の医療装置、器具、ツール等が、本開示の原理に従って形成される安定化およびてこ作用装置と併せて使用されてもよい。例えば、そのような器具またはツールは、組織を把持、切除、切開、格納、切断、および/または別様に操作する等、診断もしくは治療のいずれかまたは両方である処置または手術を行うために使用されてもよい。そのような器具またはツールは、把持具(例えば、一対のジョー/アーム等を伴う、Boston Scientific Corporationによって販売されるRESOLUTION(登録商標)クリップ装置等の回転可能把持クリップ)、切断ツール(例えば、ナイフ、電気焼灼装置、鋏)、スネア等を含む。
【0061】
本明細書に開示されるような安定化およびてこ作用装置において使用されるステントは、ワイヤの編組および/またはねじれ格子、螺旋もしくは半螺旋渦巻き、および/または複数の波状、波形、もしくは正弦波リングであってもよい。本明細書中に開示されるような安定化およびてこ作用装置において使用されるステントは、少なくとも部分的に、形状記憶材料(例えば、Elgiloyのようなコバルト-クロム-ニッケル合金、合成プラスチック、ステンレス鋼、ニッケルおよびチタンの超弾性金属合金(例えば、ニチノール)、銅、コバルト、バナジウム、クロム、鉄など、他の金属合金、粉末金属、セラミック、熱可塑性複合材料、セラミック複合材料、またはポリマー、および/またはこれらの任意の組み合わせ)から作製され得る。
【0062】
本開示の原理に従って形成される安定器およびてこ作用装置とともに使用される標的組織締結具は、金属、ワイヤ、プラスチック、または全般的に弾性材料のうちの1つ以上から形成されてもよい。
【0063】
本開示の原理に従って形成された安定器およびてこ装置と共に使用されるレバーの構成要素は、プラスチック、金属、エラストマ、および/または安定器もしくは送達装置と同じ材料で形成されてもよい。レバーは、デュラスキン(duraskin)、PTFE「テフロン(登録商標)」ベースの材料によってコーティングされて、テンショナ構成要素が、近位に移動させられる等、より容易に摺動して、張力を標的組織に印加することを可能にしてもよい。
【0064】
本明細書で説明するすべての装置および方法は、本開示の1つ以上の原理に従って実装される装置および/または方法の例である。これらの例は、これらの原理を実施する唯一の方法ではなく、単なる例である。したがって、図面における要素または構造または特徴への言及は、本開示の実施形態の例への言及として認識される必要があり、本開示を図示された特定の要素、構造、または特徴に限定するものとして理解されるべきではない。開示された原理を実装する方法の他の例は、本開示を読んだ当業者に想起されるであろう。
【0065】
前述の説明および以下の特許請求の範囲において、以下が理解されるであろう。本明細書で使用される「少なくとも1つ」、「1つ以上」、および「および/または」という語句は、動作において接続的および離接的の両方であるオープンエンド表現である。用語「a」または「an」実体は、本明細書で使用される場合、その実体の1つ以上を指す。したがって、用語「a」(または「an」)、「1つ以上」および「少なくとも1つ」は、本明細書において互換的に使用することができる。全ての方向に関する言及(例えば、近位、遠位、上部、下部、上方、下方、左、右、横方向、長手方向、前部、後部、上部、底部、上、下、垂直、水平、半径方向、軸線方向、時計回り、反時計回りなど)は、本開示の読者の理解を助けるための識別目的でのみ使用され、および/または関連する要素の領域を互いに区別する役割を果たし、特に本開示の位置、向き、又は使用に関して関連する要素を限定しない。接続に関する言及(例えば、取り付けられる、結合される、連結される、および接合される)は、広義に解釈されるべきであり、別段の指示がない限り、要素の集合の間の中間部材および要素間の相対移動を含み得る。したがって、接続の言及は、2つの要素が直接連結され、互いに固定された関係にあることを必ずしも暗示しない。識別参照(例えば、一次、二次、第1、第2、第3、第4など)は、重要性または優先度を暗示することを意図するものではなく、1つの特徴を別の特徴から区別するために使用される。
【0066】
前述の議論は、例示および説明の目的で提示されており、本開示を本明細書に開示される1つまたは複数の形態に限定することを意図してはいない。本開示の概念、趣旨、および範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される実施形態に対して様々な追加、修正、および置換が行われ得ることが理解されるであろう。特に、本開示の原理は、その概念、趣旨、もしくは範囲、または特性から逸脱することなく、他の形態、構造、配置、比率で、ならびに他の要素、材料、および構成要素を用いて具現化され得ることが当業者には明らかであろう。例えば、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で、1つ以上の態様、実施形態、または構成において一緒にグループ化される。しかしながら、本開示の特定の態様、実施形態、または構成の様々な特徴は、代替の態様、実施形態、または構成において組み合わされ得ることを理解されたい。当業者は、本開示が、本開示の原理から逸脱することなく、特定の環境および動作要件に特に適合される、本開示の実施において使用される構造、配置、比率、材料、構成要素などの多くの修正とともに使用され得ることを理解するであろう。例えば、一体的に形成されるものとして示される要素は、複数の部品から構成されてもよく、または複数の部品として示される要素は、一体的に形成されてもよく、要素の動作は、逆にされても、他の方法で変更されてもよく、要素のサイズまたは寸法は、変更されてもよい。したがって、ここに開示された実施形態は、すべての点で例示的であって限定的ではないと見なされるべきであり、特許請求される発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示されており、前述の説明に限定されない。
【0067】
以下の特許請求の範囲は、参照によりこの詳細な説明に援用され、各請求項は、本開示の別個の実施形態として独立している。特許請求の範囲において、「含む/含んでいる」という用語は、他の要素またはステップの存在を除外しない。さらに、個々に列挙されているが、複数の手段、要素、または方法ステップは、例えば、単一のユニットまたはプロセッサによって実装されてもよい。加えて、個々の特徴が異なる複数の請求項に含まれ得るが、これらは、場合によっては有利に組み合わされてもよく、異なる複数の請求項に含まれることは、特徴の組み合わせが実現可能でないおよび/または有利でないことを暗示しない。加えて、単数の参照は複数を除外しない。「1つの(a)」、「1つの(an)」、「第1の(first)」、「第2の(second)」などの用語は、複数を除外しない。特許請求の範囲における参照符号は、単に明確な例として提供され、決して特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
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【手続補正書】
【提出日】2023-04-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送達装置上に搭載するように構成された安定器と、
前記安定器に関連付けられ、標的組織と前記安定器との間に延在して前記標的組織にてこ作用を及ぼすレバーと、を含み、
前記安定器は、前記送達装置の遠位端とは独立して前記標的組織に接触して安定させ、前記安定器および前記標的組織に対して前記送達装置およびそこを通って延びる器具の独立した自由な移動を許容する、安定化およびてこ作用装置。
【請求項2】
安定器通路が、前記安定器の近位端から遠位端まで延在し、
前記レバーは、前記標的組織に結合された第1の端部から、前記安定器通路を通って、前記送達装置の近位端から制御可能な第2の端部まで延在して、前記標的組織にてこ作用を及ぼすレバー構成要素を含む、請求項1に記載の安定化およびてこ作用装置。
【請求項3】
前記レバー構成要素は、前記安定器通路を通って延びるレバーツールを含み、
前記レバーは、前記安定器を通る通路に関連付けられた支持エレベータを含み、
前記支持エレベータは、フラッパ、支持体およびその支持体に結合されたレバーコントローラ、作業チャネル、または二次膨張可能バルーンのうちの1つを含み、
前記支持エレベータは、前記レバーツールを支持しててこ作用を及ぼすように構成される、請求項に記載の安定化およびてこ作用装置。
【請求項4】
前記安定器は、拡張可能な安定器であり、
前記レバーは、前記拡張可能な安定器と前記標的組織との間に延在するテンショナを含み、
前記拡張可能な安定器の拡張は、前記レバーおよび前記標的組織にてこ作用を及ぼす、請求項1に記載の安定化およびてこ作用装置。
【請求項5】
前記安定化およびてこ作用装置は、前記送達装置の近位端からの前記安定器の操作
を容易にするために、前記安定器に関連付けられた安定器コントローラをさらに含み、
前記レバーは、前記標的組織に結合された第1の端部および前記安定器コントローラに結合された第2の端部を有するテザーと、前記標的組織に結合された第1の端部から、前記安定器コントローラを通って、前記標的組織にてこ作用を及ぼすように操作するために前記送達装置の近位端でアクセス可能な第2の端部まで延在するテザーと、前記標的組織に結合された第1の端部から、前記安定器コントローラ上の方向転換構造を通って、前記安定器コントローラに沿って、前記標的組織にてこ作用を及ぼすように操作するために前記送達装置の近位端でアクセス可能な第2の端部まで延在するテザーと、のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の安定化およびてこ作用装置。
【請求項6】
前記安定器は、前記安定化およびてこ作用装置を前記送達装置とともに標的組織部位に展開する間に、前記送達装置の遠位端を受容するように成形および構成される送達装置インタフェースを有する、請求項1に記載の安定化およびてこ作用装置。
【請求項7】
前記レバーは、前記送達装置の作業チャネルを介して装着されるとともに、前記送達装置の遠位端上に搭載される前記安定器の近位端上に予め装着されるレバー構成要素を備える、請求項に記載の安定化およびてこ作用装置。
【請求項8】
送達装置と、
前記送達装置に搭載されるように構成された安定器と、
前記安定器に関連付けられ、標的組織と前記安定器との間に延在して前記標的組織にてこ作用を及ぼすレバーと、を含み、
前記安定器は、前記送達装置の遠位端とは独立して前記標的組織を安定させ、前記安定器および前記標的組織に対して、前記送達装置およびそれを通して延在される器具の独立した移動を可能にする、標的組織部位に送達するための安定化およびてこ作用システム。
【請求項9】
前記安定器は、それに関連付けられた安定器通路を含み、
前記レバーは、前記送達装置の近位端から前記安定器通路を通って前記送達装置の遠位側の標的組織に結合されて前記標的組織にてこ作用を及ぼすレバー構成要素を含む、請求項8に記載の安定化およびてこ作用システム。
【請求項10】
前記レバーは、前記安定器通路に関連付けられた支持エレベータを含み、
前記安定器通路は、前記標的組織と結合するためにテンショナを通過させるように構成され、
前記支持エレベータおよび前記安定器通路は、前記テンショナにてこ作用を及ぼして前記標的組織にてこ作用を及ぼす、請求項9に記載の安定化およびてこ作用システム。
【請求項11】
前記レバー構成要素は、前記安定器通路を通って延びるレバーツールを含み、
前記レバーは、前記安定器を通る通路に関連付けられた支持エレベータを含み、
前記支持エレベータは、フラッパ、支持体およびその支持体に結合されたレバーコントローラ、作業チャネル、または二次膨張可能バルーンのうちの1つを備え前記支持エレベータは、前記レバーツールを支持しててこ作用を及ぼすように構成される、請求項10に記載の安定化およびてこ作用システム。
【請求項12】
前記安定器は、安定器通路が関連付けられた拡張可能な安定器であり、
前記レバーは、前記拡張可能な安定器と前記標的組織との間に延在するテンショナを含み、
前記拡張可能な安定器の拡張は、前記レバーおよび前記標的組織にてこ作用を及ぼす、請求項8に記載の安定化およびてこ作用システム。
【請求項13】
前記安定化およびてこ作用装置は、前記送達装置の近位端からの前記安定器の操作を容易にするために、前記安定器に関連付けられた安定器コントローラをさらに含み、
前記レバーは、前記標的組織に結合された第1の端部および前記安定器コントローラに結合された第2の端部を有するテザーと、前記標的組織に結合された第1の端部から、前記安定器コントローラを通って、前記標的組織にてこ作用を及ぼすように操作するために前記送達装置の近位端でアクセス可能な第2の端部まで延在するテザーと、前記標的組織に結合された第1の端部から、前記安定器コントローラ上の方向転換構造を通って、前記安定器コントローラに沿って、前記標的組織にてこ作用を及ぼすように操作するために前記送達装置の近位端でアクセス可能な第2の端部まで延在するテザーと、のうちの少なくとも1つを備える、請求項8に記載の安定化およびてこ作用システム。
【請求項14】
前記安定器は、前記安定化およびてこ作用装置を前記送達装置とともに標的組織部位に展開する間、前記送達装置の遠位端を受容するように成形および構成される送達装置インタフェースを有し、
前記レバーは、前記送達装置の作業チャネルを介して装着されるとともに、前記送達装置の遠位端上に搭載される前記安定器の近位端上に予め装着されるレバー構成要素を備える、請求項8に記載の安定化およびてこ作用システム。
【国際調査報告】