(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】人工弁送達システム
(51)【国際特許分類】
A61F 2/962 20130101AFI20230906BHJP
A61F 2/24 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
A61F2/962
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513746
(86)(22)【出願日】2021-08-31
(85)【翻訳文提出日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 US2021048472
(87)【国際公開番号】W WO2022047393
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512052029
【氏名又は名称】シファメド・ホールディングス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】アダメク-バワーズ,ジャスパー
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドスミス,ノア
(72)【発明者】
【氏名】スカロ,ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】オークデン,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】アルジェント,クラウディオ
(72)【発明者】
【氏名】ハ,ウェンチ
(72)【発明者】
【氏名】バッカス,アンドリュー
【テーマコード(参考)】
4C097
4C267
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C097BB09
4C097CC05
4C097DD10
4C097MM09
4C097SB00
4C097SB10
4C267AA05
4C267AA56
4C267BB02
4C267BB07
4C267BB10
4C267BB52
4C267CC19
4C267EE01
4C267EE03
4C267GG24
4C267GG32
(57)【要約】
螺旋アンカーを心臓の疾患のある自然弁に送達するための送達システムは、アンカー制御カテーテルと、アンカー制御カテーテルから延びるアンカーガイドとを含む。アンカーガイドは、可撓性構成と剛性構成を含む。剛性構成のアンカーガイドは、近位セクション、中間セクション、および遠位セクションを含む。近位セクションは、直線中心軸を含み、アンカー制御カテーテルから延び、中間セクションは、中心軸から軸方向および半径方向外向きに螺旋状になり、遠位セクションは、中心軸に垂直な平面内で中心軸を中心に同心円状に湾曲する。
【選択図】
図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺旋アンカーを心臓の疾患のある自然弁に送達するための送達システムであって、
アンカー制御カテーテルと、
前記アンカー制御カテーテルから延びるアンカーガイドと、を含み、前記アンカーガイドは、可撓性構成と剛性構成を含み、前記剛性構成の前記アンカーガイドは、近位セクション、中間セクション、および遠位セクションを含み、前記近位セクションは、直線中心軸を含み、前記アンカー制御カテーテルから延び、前記中間セクションは、前記中心軸から軸方向および半径方向外向きに螺旋状になり、前記遠位セクションは、前記中心軸に垂直な平面内で前記中心軸を中心に同心円状に湾曲する、送達システム。
【請求項2】
前記アンカーガイドは、前記剛性構成における前記アンカーガイドの形状を画定するように構成された複数のカットを含む、請求項1に記載の送達システム。
【請求項3】
前記複数のカットは、窓型カット、かみ合い式螺旋カット、または歯型ウェッジカットを含む、請求項2に記載の送達システム。
【請求項4】
前記可撓性構成から前記剛性構成へと前記アンカーガイドを作動させるように構成された1つまたは複数の作動要素をさらに含む、請求項1に記載の送達システム。
【請求項5】
前記1つまたは複数の作動要素が、入れ子になった同心シャフト機構、または、1つもしくは複数のプルワイヤもしくはケーブルを含む、請求項4に記載の送達システム。
【請求項6】
前記アンカーガイドは、前記剛性構成に向かって前記アンカーガイドを付勢または推進するように構成された中間の形状設定された構成を含む、請求項1に記載の送達システム。
【請求項7】
前記アンカーガイドが形状記憶材料を含む、請求項1に記載の送達システム。
【請求項8】
前記アンカーガイドが、アンカーを内部に保持するように構成された中央チャネルを含む、請求項1に記載の送達システム。
【請求項9】
前記アンカーガイドは、前記アンカーガイドが前記可撓性構成から前記剛性構成に移行するときに、前記中央チャネル内に配置された前記アンカーを偏向させるように構成される、請求項8に記載の送達システム。
【請求項10】
前記アンカーガイドが、前記アンカーを前記アンカー制御カテーテルの中心軸に対して同心状に配置するように構成される、請求項9に記載の送達システム。
【請求項11】
前記可撓性構成の前記アンカーガイドは、送達シース内に配置されるように構成される、請求項1に記載の送達システム。
【請求項12】
心臓の疾患のある自然弁に人工弁を送達する方法であって、
送達カテーテルを前記心臓の第1の室に配置するステップと、
可撓性構成から剛性構成へと前記送達カテーテルのアンカーガイドを作動させるステップと、
前記アンカーガイド内からアンカーを解放するステップと、
前記剛性構成の前記アンカーガイドが前記第2の室内にあり、前記アンカーが前記送達デバイスの中心軸に対して同心状に配置されるように、前記送達カテーテルを前記心臓の前記第1の室から第2の室に移動させるステップと、
前記アンカーガイドを前記中心軸を中心に前記剛性構成で回転させて、前記アンカーを回転させ、前記アンカーで前記自然心臓の索を取り囲むステップと、を含む、方法。
【請求項13】
前記アンカーガイドを回転させる前記ステップの後に、前記アンカー内に弁フレームを送達するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記弁フレームを送達するステップは、別個の弁送達カテーテルから前記弁フレームを送達するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記アンカーガイドが前記剛性構成にあるとき、前記アンカーガイドの遠位セクションが前記中心軸に対して同心円状に湾曲する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記アンカーを解放するステップは、前記中心軸に対して同心状に前記アンカーを解放するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記アンカーガイドを回転させる前記ステップの後に、前記アンカーガイドを用いて前記アンカーの配置を調整するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記配置を調整するステップは、前記アンカーガイドを用いて前記アンカーにトルクをかけるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記配置を調整するステップは、前記アンカーガイドを用いて前記アンカーを弁輪に向かって近位に移動させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記疾患のある自然弁が僧帽弁であり、前記第1の室が心房であり、前記第2の室が心室である、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記送達カテーテルを前記第1の室から前記第2の室に移動させる前記ステップ中に、前記アンカーガイドを逆回転させるステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
前記送達カテーテルを前記第1の室から前記第2の室に移動させる前記ステップの後、前記アンカー全体が前記第1の室ではなく前記第2の室内に配置される、請求項12に記載の方法。
【請求項23】
前記アンカーガイド内から前記アンカーを解放するステップは、前記アンカーガイドが前記剛性構成にある間に前記アンカーを解放するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項24】
前記アンカーガイド内から前記アンカーを解放するステップは、前記アンカーガイドが中間の形状設定構成である間に前記アンカーを解放するステップを含み、前記解放するステップは、前記アンカーガイドを前記可撓性構成から前記剛性構成に作動させる前記ステップの前に行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項25】
螺旋アンカーを心臓の疾患のある自然弁に送達するための送達システムであって、
アンカー制御カテーテルと、
前記アンカー制御カテーテルから延びるアンカーガイドと、を含み、前記アンカーガイドは可撓性構成および剛性構成を含み、前記剛性構成の前記アンカーガイドは、近位セクション、中間セクション、および遠位セクションを含み、前記近位セクションは前記アンカー制御カテーテルから延び、前記中間セクションは反転部を含み、前記遠位セクションは前記近位セクションの周りに同心円状に巻かれる、送達システム。
【請求項26】
前記アンカーガイドは、前記剛性構成における前記アンカーガイドの形状を画定するように構成された複数のカットを含む、請求項25に記載の送達システム。
【請求項27】
前記複数のカットは、窓型カット、かみ合い式螺旋カット、または歯型ウェッジカットを含む、請求項26に記載の送達システム。
【請求項28】
前記可撓性構成から前記剛性構成へと前記アンカーガイドを作動させるように構成された1つまたは複数の作動要素をさらに含む、請求項25に記載の送達システム。
【請求項29】
前記1つまたは複数の作動要素が、入れ子になった同心シャフト機構、または、1つもしくは複数のプルワイヤもしくはケーブルを含む、請求項28に記載の送達システム。
【請求項30】
前記アンカーガイドが、前記アンカーガイドを前記剛性構成に向かって付勢または推進するように構成された中間の形状設定された構成を含む、請求項25に記載の送達システム。
【請求項31】
前記アンカーガイドが形状記憶材料を含む、請求項25に記載の送達システム。
【請求項32】
前記アンカーガイドが、アンカーを内部に保持するように構成された中央チャネルを含む、請求項25に記載の送達システム。
【請求項33】
前記アンカーガイドは、前記アンカーガイドが前記可撓性構成から前記剛性構成に移行するときに、前記中央チャネルに配置された前記アンカーを偏向させるように構成される、請求項32に記載の送達システム。
【請求項34】
前記アンカーガイドが、前記アンカー送達カテーテルの中心軸に対して同心状に前記アンカーを配置するように構成される、請求項33に記載の送達システム。
【請求項35】
前記可撓性構成の前記アンカーガイドは、送達シース内に配置されるように構成される、請求項25に記載の送達システム。
【請求項36】
前記アンカー制御カテーテル上に配置され、その中に人工弁を収容するように構成された外側シースをさらに含む、請求項25に記載の送達システム。
【請求項37】
前記外側シースは、前記人工弁が前記アンカーガイドの周りで自己拡張することを可能にするように、近位に後退するように構成される、請求項36に記載の送達システム。
【請求項38】
心臓の疾患のある自然弁に人工弁を送達する方法であって、
送達カテーテルを前記心臓の第1の室に配置するステップと、
可撓性構成から剛性構成へと前記送達カテーテルのアンカーガイドを作動させるステップと、
前記アンカーガイドが前記剛性構成にある間に、前記アンカーガイド内からアンカーを解放するステップと、
前記アンカーガイドが前記第2の室内で反転され、前記アンカーが前記送達カテーテルの周りに同心円状に配置されるように、前記送達カテーテルを前記心臓の前記第1の室から第2の室に移動させるステップと、
前記アンカーガイドを回転させて前記アンカーを回転させ、前記自然心臓の索を前記アンカーで取り囲むステップと、を含む、方法。
【請求項39】
前記アンカーガイドを回転させる前記ステップの後に、前記アンカー内に弁フレームを送達するステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記弁フレームを送達するステップは、前記送達カテーテル内から前記弁フレームを送達するステップを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記弁フレームを送達するステップは、別個の弁送達カテーテルから前記弁フレームを送達するステップを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記アンカーガイドが前記剛性構成にあるとき、前記アンカーガイドの遠位セクションは、前記アンカーガイドの近位セクションの周りに同心状に巻かれる、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記アンカーを解放するステップは、前記送達カテーテルに対して同心状に前記アンカーを解放するステップを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
前記アンカーガイドを回転させる前記ステップの後に、前記アンカーガイドを用いて前記アンカーの配置を調整するステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
前記配置を調整するステップは、前記アンカーガイドを用いて前記アンカーにトルクをかけることを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記配置を調整するステップは、前記アンカーガイドを用いて前記アンカーを弁輪に向かって近位に移動させるステップを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記疾患のある自然弁が僧帽弁であり、前記第1の室が心房であり、前記第2の室が心室である、請求項38に記載の方法。
【請求項48】
前記送達カテーテルを前記第1の室から前記第2の室に移動させる前記ステップ中に、前記アンカーガイドを逆回転させるステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項49】
前記送達カテーテルを前記第1の室から前記第2の室に移動させる前記ステップの後、前記アンカー全体が前記第1の室ではなく前記第2の室内に配置される、請求項38に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2020年8月31日に出願された「VALVE DELIVERY SYSTEM」という名称の米国仮特許出願第63/072,788号に対する優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
参照による組み込み
[0002]本明細書で言及されたすべての刊行物および特許出願は、あたかも個々の刊行物または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
[0003]心腔間の血流は、自然弁、すなわち僧帽弁、大動脈弁、肺動脈弁、および三尖弁によって調節される。これらの弁はそれぞれ、差圧に応じて開閉する受動的な一方向弁である。弁膜症の患者は、少なくとも1つの弁の解剖学的構造および/または機能に異常がある。例えば、弁が完全に閉じず、血液が逆流するのを許す場合、逆流とも呼ばれる機能不全に陥り得る。弁狭窄症は、弁が適切に開かない原因となり得る。他の疾患も弁の機能不全につながり得る。疾患を治療するために薬物療法が使用される場合もあるが、多くの場合、欠陥のある弁は、患者の生涯のある時点で修復または交換する必要がある。既存の弁および外科的修復および/または交換手順は、比較的リスクが高く、寿命が限られており、および/または非常に侵襲的であり得る。より侵襲性の低い経カテーテルの選択肢がいくつか利用可能であるが、これらは一般に大動脈弁手術に限定され、患者間の融通性が制限され、多くの場合、移植に望ましいよりも時間がかかる。したがって、僧帽弁を含む心臓弁の修復および置換、より迅速な外科的方法、および/または様々な個々の患者に対応できる人工弁の低侵襲的処置を提供することが望ましい。
【0003】
[0004]さらに、既存の弁の修復/交換手順は、複雑で時間がかかることが多い。現在利用可能な手順では、多くの場合、複数の構成要素を配置する必要がある。例えば、人工弁とそれを自然解剖学的構造に固定するための機構である。このような手順は、一般に、複数の送達カテーテルを使用して、様々な構成要素を搬送し、各構成要素を別々に弁に送達し、これは、時間がかかり(特に構成要素が順番に送達される場合)、複雑、および/または危険であり得る。例えば、いくつかのデバイスは、送達時間を短縮するために、腱索などの自然解剖学的構造を捕捉するための回転固定要素を提供する。しかし、そのような固定要素は、多くの場合設計により、回転中に索を捕捉して引っ張るため、アンカー要素の配備中に索にトルクを与えたり、他の方法で応力を加えたり損傷したりし得、その結果、患者に対する追加の医療介入が必要になる。さらに、そのような固定要素は、目立たない(例えば細長い)送達構成から自然弁またはその近くの拡張構成への押し出しを必要とし得る。少なくともいくつかの例では、固定要素の押し出しは複雑になり得、送達デバイスおよび/または自然解剖学的構造に対して正しい拡張構成に確実に配備し得ない。配備が正しくないと、固定要素を後退させて再配備するための追加の時間、より複雑な固定手順、および/または自然組織への損傷が生じ得る。したがって、弁の交換および修復のために、より迅速で、複雑さが少なく、危険性が低く、より確実に配備可能な弁アセンブリを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0005]一般に、一実施形態では、螺旋アンカーを心臓の疾患のある自然弁に送達するための送達システムは、アンカー制御カテーテルと、アンカー制御カテーテルから延びるアンカーガイドとを含む。アンカーガイドには、可撓性構成と剛性構成が含まれる。剛性構成のアンカーガイドは、近位セクション、中間セクション、および遠位セクションを含む。近位セクションは、直線中心軸を含み、アンカー制御カテーテルから延び、中間セクションは、中心軸から軸方向および半径方向外向きに螺旋状になり、遠位セクションは、中心軸に垂直な平面内で中心軸を中心に同心円状に湾曲する。
【0005】
[0006]この実施形態および他の実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。アンカーガイドは、剛性構成でガイドの形状を画定するように構成された複数のカットを含むことができる。複数のカットには、窓型カット(window cut)、かみ合い式(interlocking)螺旋カット、または歯型ウェッジ(toothed wedge)カットが含まれ得る。送達システムは、可撓性構成から剛性構成へとガイドを作動させるように構成された1つまたは複数の作動要素をさらに含むことができる。1つまたは複数の作動要素は、入れ子になった同心シャフト機構または1つもしくは複数のプルワイヤもしくはケーブルを含むことができる。アンカーガイドは、剛性構成に向かってアンカーガイドを付勢または推進するように構成された中間の形状設定された構成を含むことができる。アンカーガイドは、形状記憶材料を含むことができる。アンカーガイドは、アンカーを保持するように構成された中央チャネルを含むことができる。アンカーガイドは、アンカーガイドが可撓性構成から剛性構成に移行するときに、中央チャネル内に配置されたアンカーを偏向させるように構成することができる。アンカーガイドは、アンカーをアンカー制御カテーテルの中心軸に対して同心状に配置するように構成することができる。可撓性構成のアンカーガイドは、送達シース内に配置されるように構成することができる。
【0006】
[0007]一般に、一実施形態では、心臓の疾患のある自然弁に人工弁を送達する方法は、送達カテーテルを心臓の第1の室に配置することと、可撓性構成から剛性構成へと送達カテーテルのアンカーガイドを作動することと、アンカーガイド内からアンカーを解放することと、剛性構成のアンカーガイドが第2の室内にあり、アンカーが送達デバイスの中心軸に対して同心円状に配置されるように、送達カテーテルを心臓の第1の室から第2の室に移動させることと、アンカーガイドを中心軸を中心に剛性構成で回転させて、アンカーを回転させ、アンカーで自然心臓の索を取り囲むことと、を含む。
【0007】
[0008]この実施形態および他の実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。この方法は、アンカーガイドを回転させるステップの後に、アンカー内に弁フレームを送達するステップをさらに含むことができる。弁フレームを送達することは、別個の弁送達カテーテルから弁フレームを送達することを含み得る。アンカーガイドが剛性構成にあるとき、アンカーガイドの遠位セクションは、中心軸に対して同心円状に湾曲することができる。アンカーを解放することは、中心軸に対して同心状にアンカーを解放することを含むことができる。この方法は、アンカーガイドを回転させるステップの後に、アンカーガイドを用いてアンカーの配置を調整するステップをさらに含むことができる。配置を調整することは、アンカーガイドを用いてアンカーにトルクをかけることを含むことができる。配置を調整することは、アンカーガイドを用いてアンカーを弁輪に向かって近位に移動させることを含むことができる。疾患のある自然弁は僧帽弁であり得、第1の室は心房であり得、第2の室は心室であり得る。この方法は、送達カテーテルを第1の室から第2の室に移動させるステップ中にアンカーガイドを逆回転させることをさらに含むことができる。送達カテーテルを第1の室から第2の室に移動させるステップの後、アンカー全体が第1の室ではなく第2の室内に配置され得る。アンカーガイド内からアンカーを解放することは、アンカーガイドが剛性構成にある間にアンカーを解放することを含むことができる。アンカーガイド内からアンカーを解放することは、アンカーガイドが中間の形状設定構成である間にアンカーを解放することを含むことができ、解放するステップは、送達カテーテルのアンカーガイドを可撓性構成から剛性構成に作動させるステップの前に行うことができる。
【0008】
[0009]一般に、一実施形態では、螺旋アンカーを心臓の疾患のある自然弁に送達するための送達システムは、アンカー制御カテーテルと、アンカー制御カテーテルから延びるアンカーガイドとを含む。アンカーガイドには、可撓性構成と剛性構成がある。剛性構成のアンカーガイドは、近位セクション、中間セクション、および遠位セクションを含む。近位セクションはアンカー制御カテーテルから延び、中間セクションは反転部を含み、遠位セクションは近位セクションの周りに同心円状に巻かれる。
【0009】
[0010]この実施形態および他の実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。アンカーガイドは、剛性構成におけるガイドの形状を画定するように構成された複数のカットを含むことができる。複数のカットには、窓型カット、かみ合い式螺旋カット、または歯型ウェッジカットが含まれ得る。送達システムは、可撓性構成から剛性構成へとガイドを作動させるように構成された1つまたは複数の作動要素をさらに含むことができる。1つまたは複数の作動要素は、入れ子になった同心シャフト機構または1つもしくは複数のプルワイヤもしくはケーブルを含むことができる。アンカーガイドは、アンカーガイドを剛性構成に向かって付勢または推進するように構成された中間の形状設定された構成を含むことができる。アンカーガイドは、形状記憶材料を含むことができる。アンカーガイドは、アンカーを保持するように構成された中央チャネルを含むことができる。アンカーガイドは、アンカーガイドが可撓性構成から剛性構成に移行するときに、中央チャネルに配置されたアンカーを偏向させるように構成することができる。アンカーガイドは、アンカー送達カテーテルの中心軸に対して同心状にアンカーを配置するように構成することができる。可撓性構成のアンカーガイドは、送達シース内に配置されるように構成することができる。送達システムは、アンカー制御カテーテル上に配置され、その中に人工弁を収容するように構成された外側シースをさらに含むことができる。外側シースは、人工弁がアンカーガイドの周りで自己拡張することを可能にするように、近位に後退するように構成することができる。
【0010】
[0011]一般に、一実施形態では、心臓の疾患のある自然弁に人工弁を送達する方法は、送達カテーテルを心臓の第1の室に配置することと、可撓性構成から剛性構成へと送達カテーテルのアンカーガイドを作動させることと、アンカーガイドが剛性構成にある間にアンカーガイド内からアンカーを解放することと、アンカーガイドが第2の室内で反転され、アンカーが送達カテーテルの周りに同心状に配置されるように送達カテーテルを心臓の第1の室から第2の室に移動させることと、アンカーガイドを回転させてアンカーを回転させ、自然心臓の索をアンカーで取り囲むことと、を含む。
【0011】
[0012]この実施形態および他の実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。この方法は、アンカーガイドを回転させるステップの後に、アンカー内に弁フレームを送達するステップをさらに含むことができる。弁フレームを送達することは、送達カテーテル内から弁フレームを送達することを含み得る。弁フレームを送達することは、別個の弁送達カテーテルから弁フレームを送達することを含み得る。アンカーガイドが剛性構成にあるとき、アンカーガイドの遠位セクションは、アンカーガイドの近位セクションの周りに同心状に巻かれることができる。アンカーを解放することは、送達カテーテルに対して同心状にアンカーを解放することを含むことができる。この方法は、アンカーガイドを回転させるステップの後に、アンカーガイドを用いてアンカーの配置を調整するステップをさらに含むことができる。配置を調整することは、アンカーガイドを用いてアンカーにトルクをかけることを含むことができる。配置を調整することは、アンカーガイドを用いてアンカーを弁輪に向かって近位に移動させることを含むことができる。疾患のある自然弁は僧帽弁であり得、第1の室は心房であり、第2の室は心室である。この方法は、送達カテーテルを第1の室から第2の室に移動させるステップ中にアンカーガイドを逆回転させることをさらに含むことができる。送達カテーテルを第1の室から第2の室に移動させるステップの後、アンカー全体が第1の室ではなく第2の室内に配置され得る。
【0012】
[0013]本発明の新規な特徴は、以下の特許請求の範囲に具体的に記載されている。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、および添付の図面を参照することによって得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】[0014]反転アンカーガイドを含む送達システムを示す図である。
【
図1B】反転アンカーガイドを含む送達システムを示す図である。
【
図1C】反転アンカーガイドを含む送達システムを示す図である。
【
図2A】[0015]反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図2B】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図2C】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図2D】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図2E】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図2F】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図2G】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図2H】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3A】[0016]反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3B】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3C】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3D】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3E】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3F】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3G】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3H】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3I】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3J】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3K】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3L】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3M】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3N】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3O】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3P】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3Q】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3R】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3S】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3T】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3U】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3V】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3W】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図3X】反転ガイドおよび単一の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図4A】[0017]反転ガイドを有するアンカー送達カテーテルおよび別個の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図4B】反転ガイドを有するアンカー送達カテーテルおよび別個の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図4C】反転ガイドを有するアンカー送達カテーテルおよび別個の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図4D】反転ガイドを有するアンカー送達カテーテルおよび別個の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図4E】反転ガイドを有するアンカー送達カテーテルおよび別個の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図4F】反転ガイドを有するアンカー送達カテーテルおよび別個の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図4G】反転ガイドを有するアンカー送達カテーテルおよび別個の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図4H】反転ガイドを有するアンカー送達カテーテルおよび別個の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図4I】反転ガイドを有するアンカー送達カテーテルおよび別個の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図4J】反転ガイドを有するアンカー送達カテーテルおよび別個の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図4K】反転ガイドを有するアンカー送達カテーテルおよび別個の弁送達カテーテルを使用して、アンカーおよび人工弁を自然弁輪の近くに送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図5A】[0018]単一のカテーテル送達システムと共に使用するための反転アンカーガイドを示す図である。
【
図5B】[0019]二重カテーテル送達システムと共に使用するための反転アンカーガイドを示す図である。
【
図6】[0020]歯型ウェッジカットを含むアンカーガイドの一部を示す図である。
【
図7A】[0021]は、アンカーガイドの別の実施形態を示す図である。
【
図7B】アンカーガイドの別の実施形態を示す図である。
【
図7C】アンカーガイドの別の実施形態を示す図である。
【
図7D】アンカーガイドの別の実施形態を示す図である。
【
図7E】アンカーガイドの別の実施形態を示す図である。
【
図7F】アンカーガイドの別の実施形態を示す図である。
【
図7G】アンカーガイドの別の実施形態を示す図である。
【
図7H】アンカーガイドの別の実施形態を示す図である。
【
図7I】アンカーガイドの別の実施形態を示す図である。
【
図8A】[0022]
図7A~7Iに示されるものと同様のアンカーガイドを使用してアンカーを送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図8B】
図7A~7Iに示されるものと同様のアンカーガイドを使用してアンカーを送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図8C】
図7A~7Iに示されるものと同様のアンカーガイドを使用してアンカーを送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図8D】
図7A~7Iに示されるものと同様のアンカーガイドを使用してアンカーを送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図8E】
図7A~7Iに示されるものと同様のアンカーガイドを使用してアンカーを送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図8F】
図7A~7Iに示されるものと同様のアンカーガイドを使用してアンカーを送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図8G】
図7A~7Iに示されるものと同様のアンカーガイドを使用してアンカーを送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図8H】
図7A~7Iに示されるものと同様のアンカーガイドを使用してアンカーを送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図8I】
図7A~7Iに示されるものと同様のアンカーガイドを使用してアンカーを送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図8J】
図7A~7Iに示されるものと同様のアンカーガイドを使用してアンカーを送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図8K】
図7A~7Iに示されるものと同様のアンカーガイドを使用してアンカーを送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図8L】
図7A~7Iに示されるものと同様のアンカーガイドを使用してアンカーを送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図8M】
図7A~7Iに示されるものと同様のアンカーガイドを使用してアンカーを送達する方法の実施形態を示す図である。
【
図9A】[0023]
図9Aは、
図7A~7Iに示されるものと同様のアンカーガイドから配備される平坦な螺旋アンカーを示す図である。
【
図9B】
図9Bは、
図7A~7Iに示されるものと同様のアンカーガイドから配備される平坦な螺旋アンカーを示す図である。
【
図9C】
図9Cは、
図7A~7Iに示されるものと同様のアンカーガイドから配備される平坦な螺旋アンカーを示す図である。
【
図10A】[0024]
図10Aは、アンカーガイドの中間形態形状設定を示す図である。
【
図11A】[0025]
図11Aは、アンカーガイドのための同心作動機構を示す図である。
【
図12A】[0026]
図12Aは、アンカー制御カテーテルのアンカーガイドへの例示的な取り付けを示す図である。
【
図12B】
図12Bは、アンカー制御カテーテルのアンカーガイドへの例示的な取り付けを示す図である。
【
図13A】[0027]
図13Aは、湾曲した窓型カットを有さないカットパターンの効果(
図13A)と湾曲した窓型カットを有するカットパターンの効果(
図13B)との比較を示す図である。
【
図13B】
図13Bは、湾曲した窓型カットを有さないカットパターンの効果(
図13A)と湾曲した窓型カットを有するカットパターンの効果(
図13B)との比較を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0028]本明細書に記載されるのは、例えば僧帽弁置換の間、アンカーおよび/またはフレームを含む人工弁を送達する際に使用するためのデバイスおよび方法である。
【0015】
[0029]
図1A~1Cは、本開示の実施形態に従って構成されたアンカーガイド1000を含む送達システム2200を描写する。アンカーガイド1000は、アンカー制御カテーテル122の一部を形成することができる(例えば、アンカー制御カテーテル122の遠位部分と結合することができる)。さらに、いくつかの実施形態では、送達システム2200は、アンカー制御カテーテル122および/またはガイド1000の上に延びるように構成された外側シース108を含み得る。
【0016】
[0030]いくつかの実施形態では、アンカーガイド1000は、複数のスリットまたはカット1010を有するハイポチューブなどのハイポチューブで形成することができる(
図1Bを参照)。カット1010は、例えば、レーザーカットパターンを使用して形成することができる。いくつかの実施形態では、カット1010は、窓型カット(可撓性を高めるため)、かみ合い式螺旋カット(例えば、圧縮なしで可撓性構成を可能にし、圧縮下では剛性の直線構成を可能にする)、および/または歯型ウェッジカットであり得る(例えば、圧縮されていないときに可撓性構成を可能にし、圧縮されているときにカット1010の隣接する縁が係合またはロックする剛性の曲がった構成を可能にする)。歯型ウェッジカット1010を含むガイド1000の例示的な部分が
図6に示されている。アンカーガイド1000はさらに、スパイン(換言すれば、背部)(すなわち、ガイド1000の全長にわたって延び、そこにカットを含まない連続セクション)を含むことができる。
【0017】
[0031]いくつかの実施形態では、アンカーガイド1000は、1つまたは複数の作動要素(例えば、プルワイヤまたはケーブル)と結合し、それによって作動されるように構成される。より多くの作動要素によるアンカーガイド1000の作動は、アンカーガイド1000を第1の構成(例えば、外側シース108内へのアンカーガイド1000の配置を可能にする)から第2の構成(例えば、心臓内でアンカーを操作および配置するように適合されている)に移行させることができる。
図1Bに示すように、例えば、アンカーガイド1000は、第1の終点1011で終端する第1の作動要素と、第2の終点1012で終端する第2の作動要素とを含むことができる。アンカーガイド1000の剛性は、アンカーガイド1000が第1の構成から第2の構成に移行するにつれて増加することができる。第2の構成のアンカーガイド1000は、有利には、ガイド1000内でアンカーを偏向させ、送達中にアンカーを支持およびガイドするのに十分高い剛性を有することができる。
【0018】
[0032]いくつかの実施形態では、アンカーガイド1000は、例えば、形状記憶効果を使用して、少なくとも部分的に自己組立することができる。本明細書で使用する場合、自己組立とは、力または方向を外部から加えることなく、構成要素が第1の構成から第2の構成に移行するプロセスである。いくつかの実施形態では、アンカーガイド1000は、中間形態(geometry)、例えば、第1の構成(例えば、直線)形態と第2の構成(例えば、完全に湾曲した)形態との間にある形態である形状設定された形態(例えば、熱処理による)を有することができる。中間の形状設定された形態は、例えば、第1の構成および/または第2の構成形態によって引き起こされる歪みに関して、アンカーガイド1000内の歪みを低減することができる。第1の構成と第2の構成との間の中間の形状設定を有することによって、アンカーガイド1000が第1の構成から第2の構成に移行するときに、アンカーガイド1000の歪みを低減することができる。例えば、アンカーガイド1000は、形状設定が終点構成のいずれかにあった場合、6%の歪みではなく、第1の構成を取得するために特定の領域で(-)3%の歪みを有し、第2の構成を取得するために(+)3%の歪みを有し得る。アンカーガイド1000が配備されると、中間の形状設定された形態は、アンカーガイド1000を第1の構成から第2の構成に向かって移行するようにさらに付勢または推進することができる。アンカーガイド1000は、本明細書に記載の任意の材料、例えば形状記憶材料(例えば、ニチノール)で形成することができる。
【0019】
[0033]アンカーガイド1000は、(例えば、アンカー制御カテーテル122および/またはアンカーの配備中に)アンカーガイド1000に別個の特徴および/または機能を提供し得る複数のセクション1001~1006を含み得る。第1の構成のアンカーガイド1000は、送達カテーテル内に適合するように、(
図1Bに示されるように)実質的に直線または細長くてもよい。心臓内に配置されると、アンカーガイド1000は、(
図1Aに示されるように)第2の構成をとることができ、したがって3次元湾曲形状をとることができる。アンカーガイド1000が第2の構成にあるとき、遠位セクション1006は、アンカーガイド1000の近位セクション1001の周りに同心円状に巻かれ、その上に(上方に)配置され得る。さらに、アンカーガイド1000が第2の構成にあるとき、中間セクション1003は反転部を含むことができる。時々、アンカーガイド1000は、本明細書では「反転」アンカーガイド1000と呼ばれることがある。
【0020】
[0034]セクション1001は、最近位セクションとすることができ、アンカー制御カテーテルの遠位部分に結合(例えば、熱結合)するように構成することができる。セクション1001は、その中に複数の窓型カット(
図1Bを参照)をさらに含み、可撓性を高めることができる。いくつかの実施形態では、セクション1001の可撓性は、アンカー制御カテーテルの可撓性と実質的に同等であり得る。
【0021】
[0035]次に、セクション1002は、実質的に等しい長さを有する複数の整列した歯型ウェッジカット1010を含むことができる。セクション1002の(カットに向かう)曲げは、(第1の終端点1011で終端する)第1の作動要素によって制御することができ、一方、セクション1003~1006の残りの曲げは、第2の作動要素(第2の終端点1012で終端する)によって制御することができる。セクション1002の曲げは、残りのセクションとは別の作動要素によって制御されるため、曲げセクション1002は、アンカー114の送達中(例えば、索の取り囲み中)に、アンカー114および/またはガイド1000の平面性を変更するために使用することができる。
【0022】
[0036]セクション1003は反転セクションとして構成できる(例えば、170°~190°など、約180°など、160°~200°の方向に移行する曲げなど、第2の構成にU字形の曲げを含めることができる)。いくつかの実施形態では、セクション1003は、歪みを低減するため、および/またはセクション1003を所望の曲率に向けて付勢するために、中間の形状設定を有することができる。セクション1003は、実質的に等しい長さを有する複数の整列した歯型ウェッジカット1010を含むことができる。セクション1003の歯型ウェッジカット1010は、セクション1002の歯型ウェッジカット1010から円周方向に(例えば、約90度)オフセットすることができる。
【0023】
[0037]セクション1004は、複数のかみ合い式螺旋カット1010を有する実質的に直線セクションであり得る。セクション1004は、第2の構成では最小限の圧縮で実質的に剛性で直線であり、第1の構成では可撓性であり得る(例えば、作動要素によって力が加えられない場合)。
【0024】
[0038]第2の構成のセクション1005は、近位セクション1004および/またはセクション1006の遠位端に接する曲線に沿ってねじれを有することができる。セクション1005は、螺旋パターンに配置された複数の歯型ウェッジカット1010を含むことができ、中間の形状設定をさらに含むことができる。
【0025】
[0039]最後に、遠位セクション1006は、取り囲みおよび/または弁配備中にアンカーを支持およびガイドするように構成することができる。第2の構成の遠位セクション1006は、実質的に面内且つアンカーと同じ軸に沿って湾曲することができる。セクション1005は、実質的に等しい長さの複数の整列した歯型ウェッジカット1010をさらに含むことができ、中間の形状設定を有することができる。
【0026】
[0040]いくつかの実施形態では、アンカーガイド1000は、単一のカテーテル送達システムを使用してアンカーおよび弁の送達を可能にすることができる。例えば、
図2A~
図2Hは、単一のカテーテル人工弁送達システム3000を使用して、アンカー114および弁120を送達する方法を示す。
図2Aで、送達システム3000(アンカー114および弁120を含む)は、経中隔穿刺を通してワイヤ109上を平行移動し(translate)、心臓の心房104内に入る。
図2Bで、ワイヤ109が後退され、その遠位端にアンカーガイド1000を有するアンカー制御カテーテル122が心房104内に前進される。アンカーガイド1000は、可撓性の第1の構成から剛性の第2の構成に移行することができ、第2の構成は、その遠位端1115が送達システム3000の周りに同心円状に少なくとも部分的に巻かれるような反転部分を含む。
図2Cで、アンカーガイド1000が剛性の第2の構成にあると、アンカー114は、アンカーガイド1000の遠位先端を通して押し出され、これにより、アンカー114が弁送達システム3000の周りに同心円状に巻かれるように推進する。アンカーガイド1000の機械的特性(例えば、剛性)および形態(例えば、曲率)は、配備中にアンカー114にトルクを提供して、アンカー114がアンカーガイド1000から解放されるときにアンカー114が送達システム3000の周りに同心状に配備できるようにすることができる。いくつかの実施形態では、アンカー114の近位セクションは、アンカーガイド1000の遠位先端内に部分的に留まり、アンカー114が配置されるときにアンカー114をさらに制御することができる。
図2Dでは、送達システム3000全体が、僧帽弁輪を横切って心室106の頂部に向かって(例えば、外側シース108内の操縦機構を介して)押され、操縦される。いくつかの実施形態では、(アンカー制御カテーテル122およびアンカーガイド1000の逆回転を介した)アンカー114の逆回転は、索のもつれなしに僧帽弁を横切ってアンカー114を前進させるのに役立ち得る。
図2Eでは、アンカー114は心室106内の選択された深さに配置されており、アンカー114の前方(例えば、時計回り)の回転(アンカー制御カテーテル122およびアンカーガイド1000の前方回転による)により、アンカー114は、僧帽小葉と索を取り囲む。アンカー114の選択された深さは、心室106内の弁輪の表面に近接していてもよい。いくつかの実施形態では、アンカー114の配置および取り囲みは、達成できる限り弁輪に近い。いくつかの実施形態では、反転アンカーガイド1000は、アンカー114を弁輪に向かって推進し、および/または取り囲み中にアンカーの平面性を維持する力を、アンカー制御カテーテル122を介してアンカー114に有利に伝達し得る。例えば、反転アンカーガイド1000は、アンカー制御カテーテル122で生成された引っ張り力を介して、心室106の弁輪下腔に向かって押す力を伝達することができる。アンカー114が索および/または小葉の周りの選択された位置に配置されると、人工弁120は、弁送達システム3000の外側シース108を後退させることによって配備され得る(例えば、
図2F)。いくつかの実施形態では、人工弁120の配備は、アンカーガイド1000がアンカー114の選択された位置を維持しながら実行される。いくつかの実施形態では、アンカーガイド1000および/またはアンカー114の位置は、人工弁120の配備中および/または配備後に調整することができる(例えば、アンカーガイド1000が剛性構成にある間に、アンカーガイド1000にトルクを加えるか、または別の方法で動かすことによって)。
図2Gでは、アンカー114が弁送達システム3000から解放され、アンカー制御カテーテルが近位に後退される。
図2Hにおいて、弁送達システム3000は、人工弁120およびアンカー114が移植されたままの状態で、心臓から後退される。
【0027】
[0041]
図3A~
図3Xは、ガイド1000を備えた単一のカテーテル送達システム3000を使用して人工弁を心臓に配備するより詳細な例を描写する。
図3Aで、ワイヤ109は、経中隔穿刺を通して心房104および/または心室106内に配置することができる。
図3Bおよび
図3Cで、送達システム3000は、ワイヤ109上で心房104内に平行移動することができる。
図3Dおよび
図3Eで、ワイヤ109は後退することができる。
図3Fで、アンカーガイド1000は、外側シース108から出て、心房104内に前進することができる。
図3Gで、アンカーガイド1000は、外側シース108からさらに前進し、反転し始めることができる(例えば、自己組立により)。
図3Hで、アンカーガイド1000は、外側シース108から完全に前進し、第1の構成から反転して硬化した第2の構成に完全に移行することができる(例えば、自己組立および/または作動要素の作動を介して)。
図3I~
図3Kで、アンカー114が、アンカーガイド1000から前進することができる。
図3Lで、次に、送達システム3000は、アンカー114およびアンカーガイド1000を心室106内に移動させるように前進させることができる。いくつかの実施形態では、アンカーガイド1000は、アンカー114および/またはガイド1000が索に絡まるのを防止するために、送達システム3000が前進するときに逆回転することができる。
図3M~
図3Nで、アンカーガイド1000は、索114の周りでアンカー114を回転させるように回転させることができる。
図3Oおよび
図3Pで、アンカーガイド1000(依然として剛性構成にある)は、アンカー114の平面性および/または配置を調整するように(例えば、アンカー114を僧帽弁輪の近くに押すように)トルクを加えるか、または別の方法で操縦することができる。
図3Q~
図3Tで、弁120が、シース108を近位に後退することによって、アンカー114内で解放され得る。
図3Uで、アンカーガイド1000は、可撓性構成に移行して戻り、送達システム3000内に引っ張ることができる。
図3V~
図3Xで、次に、送達システム3000を心臓から完全に除去し、アンカー114および弁120を適所に残すことができる。
【0028】
[0042]有利なことに、アンカーガイド1000は、単一のカテーテル送達システム3000の使用を可能にすると同時に、アンカーの平面性および配置制御も確実にすることができる。すなわち、アンカーガイド1000は心室104内で反転できるので、アンカーガイド1000が所定の位置に留まっている間に、人工弁120をアンカー114内に半径方向に配置し、アンカー114に対して軸方向に整列させることができる。さらに、アンカーガイド1000を使用して、人工弁の配備前、配備中、および配備後の両方で、アンカー114の平面性および位置を具体的かつ正確に調整することができる。アンカーガイド1000は、有利には、アンカー114の制御を強化するために、第1の(非作動)構成では比較的可撓性であり、第2の(作動)構成では比較的剛性であり得る。第2の構成のアンカーガイド1000は、有利には、アンカー114の取り囲み中にアンカー114に支持を提供することができ、単一のカテーテル送達システム3000が使用されるとき、弁配備のためにアンカー114を正しい位置に保持することができる。
【0029】
[0043]いくつかの実施形態では、アンカーガイド1000は、二重カテーテル送達システム(例えば、アンカーの送達のためのカテーテルおよびフレームの送達のための別個のカテーテルを含む送達システム)の一部であり得る。例えば、
図4A~
図4Kは、二重カテーテル人工弁送達システムを使用してアンカー114および弁120を送達する方法を示す。
図4Aでは、アンカー送達カテーテル4400が、経中隔穿刺を通してワイヤ109上を追従(tracked)し、心臓の心房104内に入る。
図4Bで、ワイヤ109は取り外すことができ、アンカー制御カテーテル122(その遠位端にガイドアーム1000を有する)は、ガイドアーム1000が心房104内で配備され、第1の構成から第2の構成に完全に移行するまで、外側シース108を通って前進することができる。
図4Cで、アンカー114は、アンカー114がアンカー送達カテーテル4400の周りに同心円状に巻かれるように、ガイドアーム1000内の管腔を通して配備することができる。
図4Dで、アンカー送達カテーテル4400およびアンカー114は、僧帽弁輪を横切って心室106内に押し込まれ、および/または操縦され得る。いくつかの実施形態では、(アンカー制御カテーテル122およびアンカーガイド1000の逆回転を介した)アンカー114の逆回転は、索のもつれなしに僧帽弁を横切ってアンカー114を前進させるのに役立ち得る。
図4Eで、アンカー114は、遠位先端がLVOT内にあるように配置することができ、次いで、アンカー114を(アンカー制御カテーテル122およびアンカーガイド1000の回転を介して)回転させて、先端が心室壁と小葉/索との間を移動するようにすることができる。
図4Fで、アンカーガイド1000は、テザー(換言すれば、ひも)118の反転ループがアンカー114に取り付けられたままになるように後退することができる。アンカー送達カテーテル4400は、アンカー114およびテザー118のみを適所に残して、患者から完全に除去することができる。
図4Gで、弁送達カテーテル4500が、テザー118上を同心円状に追従することができる。
図4Hで、配置ツール131が、テザー118上の弁送達カテーテル4500を通して配備され得る。配置ツール131の遠位端は、アンカー114の近位端と係合し、配置ツール114を硬直させ、アンカー114を特定の向きに保持することができる。
図4Iで、配置ツール114は、アンカー114が弁輪下空間内により高く持ち上げられるように操作することができ、弁送達カテーテル4500は、アンカー114に対して所望の配備高さになるように操作することができる。
図4Jで、弁120を配備することができる(例えば、弁送達カテーテルの外側スリーブを後退させることによって)。
図4Kで、テザー118をアンカー114から解放することができ、テザー118および配置ツール131を弁送達カテーテル4500内に後退させることができ、外側スリーブを前進させることができ、弁送達システム4500全体を患者から取り外すことができる。
【0030】
[0044]アンカーガイド1000は、有利には、アンカー114の制御を強化するために、第1の(非作動)構成では比較的可撓性であり、第2の(作動)構成では比較的剛性であり得る。有利なことに、第2の構成のアンカーガイド1000は、二重カテーテル送達システムの一部として使用して、送達前にアンカー114の配置を正確に制御することができる(例えば、第2の構成におけるアンカーガイド1000の特定の形状および剛性の結果として)。さらに、第2の構成のアンカーガイド1000は、取り囲み中にアンカーを支持することができる。第2の構成におけるアンカーガイド1000の曲げ部分または湾曲部は、弁輪内空間ではなく、取り囲み中に完全に心室の内側(小葉の下)にさらに有利にあり得、これにより、アンカーガイド1000が小葉の機能に干渉するのを防止する。さらに、アンカーガイド1000は、アンカー114内に反転され同心に配置されたテザー118を残すので、それを通して弁120の同心送達を有利に可能にすることができる。
【0031】
[0045]いくつかの実施形態では、単一のカテーテル送達システムで使用するための反転アンカーガイドは、二重カテーテル送達システムで使用するための反転アンカーガイドとは構成および設計がわずかに異なり得る。例えば、
図5A~
図5Bに示されるように、単一のカテーテル送達システムで使用するためのアンカーガイド1000aは、二重カテーテル送達システムで使用するためのアンカーガイド1000bよりも長い軸方向の全長を有することができる。例えば、セクション1001~1005のいずれかまたはすべては、二重カテーテル送達システムよりも単一のカテーテル送達システムの方が長くなり得る。単一のカテーテル送達システム用のアンカーガイド1000aのより長い全長は、アンカー/弁輪内の弁の配置に有利に適応することができ、一方、二重カテーテル送達システム用のアンカーガイド1000bの長さを短くすると、(例えば、アンカーに対してモーメントアームを短くすることによって)アンカーに対して向上した制御を有利に行うことができる。
【0032】
[0046]本明細書では、プルワイヤまたはケーブルなどの1つまたは複数の作動要素によって作動するものとして説明されているが、他の作動機構が可能であることを理解されたい。例えば、同心作動機構を使用することができ、これにより内側シャフトをアンカーガイド1000に対して近位方向に引っ張って、アンカーガイド1000を第1の構成から第2の構成に移行させることができる(例えば、
図11A~
図11Bに関して説明するように)。別の例として、外側スリーブをアンカーガイド1000に対して近位方向に引っ張って、アンカーガイド1000を第1の構成から第2の構成に移行させることができる。
【0033】
[0047]別の例示的なアンカーガイド2000が、
図7A~
図7Iに示されている。アンカーガイド2000はアンカーガイド1000と同様であり得るが、反転部が存在しない。アンカーガイド1000と同様に、アンカーガイド2000は、複数のスリットまたはカット2010を有するハイポチューブなどのハイポチューブで形成することができる(
図7A、
図7C、
図7D、および
図7Iを参照)。いくつかの実施形態では、カット2010は、窓型カット(可撓性を高めるため)、かみ合い式螺旋カット(例えば、圧縮なしで可撓性構成を可能にし、圧縮下では剛性の直線構成を可能にする)、および/または歯型ウェッジカットであり得る(例えば、圧縮されていないときに可撓性構成を可能にし、圧縮されているときにカット2010の隣接する縁が係合またはロックする剛性の曲がった構成を可能にする)。
【0034】
[0048]いくつかの実施形態では、アンカーガイド2000は、1つまたは複数の作動要素と結合し、それによって(例えば、
図11A~
図11Bに関して説明する同心作動部材を介して)作動するように構成される。1つまたは複数の作動要素によるアンカーガイド2000の作動は、アンカーガイド2000を
図7Aに示される第1の構成(例えば、外側シース108内へのアンカーガイド2000の配置を可能にする)から、
図7B~
図7Iに示される第2の構成(例えば、心臓内でアンカーを操作および配置するように適合されている)に移行することができる。アンカーガイド1000と同様に、アンカーガイド2000の剛性は、アンカーガイド2000が第1の構成から第2の構成に移行するにつれて増加することができる。第2の構成のアンカーガイド2000は、ガイド2000内でアンカー114を偏向させ、送達中にアンカー114を支持およびガイドするのに十分高い剛性を有利に有することができる。
【0035】
[0049]いくつかの実施形態では、アンカーガイド2000は、例えば形状記憶効果を使用して、少なくとも部分的に自己組立することができる。いくつかの実施形態では(および
図10Aに示されるように)、アンカーガイド2000は、中間形態、例えば、第1の構成(例えば、直線)形態と第2の構成(例えば、完全に湾曲した)形態との間の形態である形状設定された形態(例えば、熱処理による)を有することができる(
図10A~
図10Bからの移行に示されるように)。中間の形状設定された形態は、例えば、第1の構成および/または第2の構成形態によって引き起こされる歪みに関して、アンカーガイド2000内の歪みを低減することができる。第1の構成と第2の構成との間の中間の形状設定を有することによって、アンカーガイド2000が第1の構成から第2の構成に移行するときに、アンカーガイド2000の歪みを低減することができる。例えば、アンカーガイド2000は、形状設定が終点構成のいずれかであった場合、6%の歪みではなく、第1の構成を取得するために特定の領域で(-)3%の歪みを有し、第2の構成を取得するために(+)3%の歪みを有し得る。アンカーガイド2000が配備されると、中間の形状設定された形態は、アンカーガイド2000を第1の構成から第2の構成に向かって移行するようにさらに付勢または推進することができる。アンカーガイド2000は、本明細書に記載の材料のいずれか、例えば形状記憶材料(例えば、ニチノール)で形成することができる。
【0036】
[0050]アンカーガイド2000は、(例えば、アンカー制御カテーテルおよび/またはアンカーの配備中に)アンカーガイド2000に別個の特徴および/または機能を提供し得る複数のセクション2001~2004を含み得る。第1の構成のアンカーガイド2000は、送達カテーテル内に適合するように、(
図7Aに示されるように)実質的に直線または細長くてもよい。心臓内で配備されると、アンカーガイド2000は、(
図7B~
図7Iに示されるように)第2の構成をとることができ、したがって3次元湾曲形状をとることができる。アンカーガイド2000が第2の構成にあるとき、遠位セクション2004は、近位セクション2001を通って延びる軸2005の周りに同心状に巻かれ得る。アンカーガイド1000とは異なり、第2の構成におけるアンカーガイド2000の遠位セクション2004は、近位セクション2001の遠位に留まることができ、配備されたアンカーガイド2000の最遠位部分を形成することができる。
【0037】
[0051]近位セクション2001は、最近位セクションとすることができ、アンカー制御カテーテル122の遠位部分に結合する(例えば、熱的に結合する)ように構成することができる。セクション2001は、実質的に直線であり、アンカー制御カテーテル122の遠位端と軸方向に整列することができる。セクション2002~2004はすべて、スパイン、複数の窓型カット(例えば、同心作動部材との摩擦を低減するため)、および複数の歯型ウェッジカット(例えば、台形カット)を含み、最終形状(例えば、第2の構成)を形成するための硬い停止部(hard stops)を作成することができる。セクション2003の断面が
図7Iに示されている。
図7Iに示されるように、アンカーガイド2000は、第1の円周位置(例えば、0°)にスパイン、第2の円周位置(例えば、90°)に歯型ウェッジカット、第3の円周位置(例えば、180°)に窓型カット、および第4の円周位置(例えば、270°)に別の歯型ウェッジカットを含むことができる。
図13A~
図13Bを参照すると、歯型ウェッジカットと組み合わせた窓型カットを備えたアンカーガイド2000(
図13Bに示される)を有することは、アンカーガイドが剛性構成にあるときのアンカーガイド2000の中央管腔の収縮量を、窓型カットのないアンカーガイド(
図13Aに示される)に対して、有利に減少させることができる。管腔収縮の減少は、アンカーガイド2000を可撓性構成から剛性構成に作動させるための力を有利に減少させることができ、これにより、順に、アンカー制御カテーテル122に引き起こされるホイッピング(whipping)または劣化の量を減少させることができる。さらに、管腔収縮の減少は、アンカー114がアンカーガイド2000を通過する際の摩擦を有利に減少させることができる。最後に、窓型カットを有するアンカーガイド2000を有することは、アンカーガイド2000の製造中に、縁処理(例えば、丸め処理)および/または内部コーティングまたはラミネーション工程のためのクリアランスを有利に提供することもでき、これは、アンカー114がアンカーガイド2000を通過するときの摩擦をさらに減らすのに役立ち得る。
【0038】
[0052]さらに、セクション2002~2004のそれぞれは、それぞれの中間の形状設定を有することができる。セクション2002は、複数の軸方向に整列したカットを含むことができ、直線セクション2001から離れて軸方向および半径方向に湾曲するように構成することができる。セクション2003は、セクション2003が第2の構成で3次元螺旋を呈するように、螺旋パターンに配置された複数のカットを含むことができる。最後に、遠位セクション2004は、セクション2004が、セクション2001の軸2005と同心であり、180度などの約150~210度にわたって弧を描く平坦なまたは平面の曲線を描くように構成された、軸方向に整列した複数のカットを含むことができる(例えば、螺旋アンカー114を180度保持するように)。遠位セクション2004は、近位セクション2001の軸2005に垂直な平面内にさらに配置することができる。
【0039】
[0053]いくつかの実施形態では、アンカーガイド2000は、二重カテーテル送達システム(例えば、アンカー114の送達のためのカテーテルおよび弁120の送達のための別個のカテーテルを含む送達システム)の一部であり得る。例えば、
図8A~
図8Mは、その後弁を送達できるようにアンカー送達カテーテル8800を用いてアンカー114を送達する方法を示す。
図8Aにおいて、アンカー送達カテーテル8800は、経中隔穿刺を通して心臓の心房104内に(例えば、ガイドワイヤ上で)追従し、アンカー制御カテーテル122(ガイドアーム2000を有する)は、(例えば、外側シース108から)心房104内への配備を開始することができる。
図8Bで、ガイドアーム2000は、シース108から心房104内に完全に配備され、第1の構成から第2の構成に移行することができる。
図8Cで、アンカー114が、ガイドアーム2000の管腔を通って配備され始め、平坦な螺旋アンカー114がガイドアーム2000の遠位セクションと同じ平面内で湾曲するようにすることができる。
図8Dで、アンカー114は心房114内で完全に配備され得、アンカー114はガイドアーム2000の近位セクション(および/または送達カテーテル8800の軸)の周りに同心円状に巻かれるようにする。
図8Eで、配備されたアンカー114を僧帽弁輪に向かって移動させるために、外側シース108を偏向させることができ、および/またはアンカー制御カテーテル122を遠位に平行移動させることができる。
図8Fで、外側シース108は、僧帽弁輪に平行になるようにアンカー114の平面を調整するように操縦することができる。
図8Gで、アンカー114およびガイド2000は、僧帽弁輪を横切って遠位方向に平行移動することができる。いくつかの実施形態では、アンカーガイド114は、自然解剖学的構造とのもつれを回避するように平行移動しながら、(例えば、アンカーガイド2000の遠位先端が回転の跡をたどるような方向に)逆回転することができる。
図8Hで、アンカー114およびガイド2000は、心室106内に(例えば、追加の逆回転を伴って)完全に平行移動することができる。
図8Iで、アンカーガイド2000は、アンカーの先端が心室壁と自然小葉/索との間を移動するように(LVOT近くの遠位先端から開始して)前方に回転することができる。
図8Jおよび
図8Kで、アンカー114は、アンカーガイド2000をさらに前方に回転させることによって完全に取り囲むことができる。
図8Lで、アンカー制御カテーテル122およびガイド2000は、テザー118を適所に残して、患者から除去することができる。次いで、テザー118を介する等して、アンカー114内に弁を送達することができる(例えば、
図4G~
図4Kに関して説明したのと同様の方法で)。
【0040】
[0054]有利には、
図9A~
図9Cに示されるように、アンカーガイド2000の遠位セクションは、平坦な螺旋アンカー114(例えば、その少なくとも一部)の曲率と平面性の両方に厳密に一致するように構成することができる。この構成は、送達中のアンカー114の正確な配置を可能にすることができる。さらに、アンカーガイド2000は、有利には、心臓内の小さな軸方向空間(例えば、25mm未満、22mm未満、21mm以下など)を占めることができ、それによって局所解剖学的構造への影響を最小限に抑える。アンカーガイド2000は、可撓性構成にある場合、曲がりくねった解剖学的構造を介して心臓にさらに有利に送達することができ、その後、アンカー114の微調整を可能にするように硬化することができる。
【0041】
[0055]
図11A~
図11Bを参照すると、いくつかの実施形態では、アンカー制御カテーテル122およびガイド2000は、一緒に同心作動機構を構成する2つのシャフト(内側作動シャフト1111および外側トルクシャフト1112)を含むことができる。内側作動シャフト1111および外側トルクシャフト1112は、遠位端で一緒に結合(bonded)され得る(例えば、
図11Aに示されるかみ合い歯を介して)が、近位端では互いに対して自由に動くことができる(
図11Bに示されている)。したがって、内側作動シャフト1111に近位力が加えられると、外側トルクシャフト1112(例えば、アンカーガイド2000)のカットが一緒に圧縮され始め、アンカーガイド2000が第2の構成をとることが可能になる。いくつかの実施形態では、内側作動シャフト1111は、ライナー上のタングステンコイル、コイル上の編組、またはPebax(登録商標)ラミネーションで作ることができる。いくつかの実施形態では、外側トルクシャフト1112の近位部分はステンレス鋼で作ることができ、一方、外側トルクシャフト1112の遠位部分(アンカーガイド2000を構成する)はニチノールで作ることができる。本明細書では同心作動機構によって作動されると説明されているが、他の作動機構をアンカーガイド2000に使用できることを理解されたい。例えば、(アンカーガイド1000に関して説明したように)アンカーガイド2000を作動させるために、複数のプルワイヤを使用することができる。別の例として、外側スリーブをアンカーガイド2000に対して近位方向に引っ張って、アンカーガイド2000を第1の構成から第2の構成に移行させることができる。
【0042】
[0056]
図12A~
図12Bを参照すると、本明細書に記載のアンカーガイド1000/2000およびアンカー制御カテーテル122は、アンカーガイド1000/2000の回転のためのトルクを伝達するように構成されたかみ合い要素を介して結合され得る。例えば、
図12Aに示すように、アンカーガイド1000/2000の近位セクションは、アンカー制御カテーテル122上の半径方向伸長部とかみ合うように構成されたL字型のノッチをその中に含むことができる。その後、ジョイントを一緒に結合(bonded)することができる。別の例として、
図12Bに示されるように、アンカーガイド1000/2000は、アンカー制御カテーテル122上の対応するノッチと係合するように構成されたノッチを含むことができ、次いでジョイントを一緒に結合することができる。
【0043】
[0057]有利なことに、本明細書に記載のアンカーガイド1000/2000は、アンカー114をアンカー制御カテーテル122の回転軸と同心に配置することを可能にし、これにより、アンカー制御カテーテル122が回転するとき、アンカーが自然索の周りを同心円状に回転できるようになる。
【0044】
[0058]アンカーガイド1000/2000は、シース108を出た後、アンカー114の配備前に第1の構成から第2の構成に移行するものとして本明細書に記載されているが、ステップの他の順序が可能である。例えば、一方法では、アンカーガイド1000/2000が中間構成(すなわち、第1の構成と第2の構成との間)にある間に、アンカー114をアンカーガイド1000/2000から配備することができる。例えば、アンカー114は、中間の形状設定構成にある間に、アンカーガイド1000/2000から配備することができる。次いで、アンカーガイド1000/2000は、アンカー114がアンカーガイド1000/2000から部分的または完全に配備されたときに、第2の構成に完全に移行することができる。アンカーガイド1000/2000が中間の形状設定構成にある間に、アンカーガイド1000/2000からアンカー114を配備させることは、アンカー114がアンカーガイド1000/2000を通って移動する際に、アンカー114にかかる摩擦を有利に減少させることができる一方で、アンカー114がアンカーガイド1000/2000に巻かれるように有利に方向付けることもできる(例えば、アンカーガイド1000/2000が第2の構成にあるときの同心配置用)。
【0045】
[0059]追加の送達システム機能は、2020年3月19日に出願された「PROSTHETIC CARDIAC VALVE DEVICES,SYSTEMS,AND METHODS」という名称の国際出願番号PCT/US2020/023671に記載され、現在、PCT公開番号WO2020/191216および2021年7月7日に出願された「VALVE DELIVERY SYSTEM」という名称の国際出願番号PCT/US2021/040623に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
[0060]本明細書に記載のアンカーは、螺旋アンカー(例えば、平坦な螺旋アンカー)であり得る。アンカーは、弁索(例えば、僧帽弁)の周り、および人工弁の周りに延び、人工弁を適所に保持するように構成することができる。アンカーの例は、2019年12月20日に出願された「PROSTHETIC CARDIAC VALVE DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS」という名称の国際出願番号PCT/US2019/068088、現在はPCT公開番号WO2020/132590に記載され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、アンカーは、実質的に弁輪の平面内にある、または心室に向けられた近位端(例えば、送達システムと係合するように構成された端)を有することができる。
【0047】
[0061]本明細書に記載の人工弁は、既存の経カテーテル送達弁のものと同様であり得る。人工弁は、既存の外科用組織弁および機械弁に類似し得る。弁セグメントの少なくとも一部は、例えば人工弁のフレーム構造とともに、人工弁の少なくとも一部内に配置することができる。弁セグメントは、優先機能のために多層材料で形成された小葉を含むことができる。弁セグメントは、内層および外層を有する少なくとも1つの小葉を含み得る。弁セグメントは、人工弁に直接取り付けることができる。あるいは、弁セグメントは、順に、人工弁に接続される中間弁構造に取り付けられてもよい。人工弁が自然弁に隣接して配備される前または後に、弁セグメントを人工弁に接続することができる。人工弁は、人工弁の1つまたは複数の端で、弁セグメントの小葉、例えば小葉の外層に取り付けることができる。人工弁は、人工弁の1つまたは複数の中間部分で、弁セグメントの小葉、例えば小葉の外層に取り付けることができる。弁セグメントは、複数の小葉を含み得る。弁セグメントは、生体適合性一方向弁を含み得る。一方向の流れは偏向して小葉を開き、逆方向の流れは小葉を閉じ得る。
【0048】
[0062]フレーム構造は、ステントのように構成することができる。フレーム構造は、例えば、形状記憶材料(例えば、ニチノール、NiTi)から形成された菱形パターンの足場を含んでもよい。当業者は、フレーム構造に多くの他の構造、材料、および構成を採用できることを理解するであろう。例えば、フレーム構造は、十分な弾性を有するポリマーから形成され得る。フレーム構造は、ポリマーで覆われた金属(例えば、形状記憶材料)など、金属とポリマーとの組み合わせで形成されてもよい。フレーム構造は、菱形以外にも様々なパターンを含むことができる。いくつかの実施形態では、フレーム構造は、血流がその中の弁セグメントを強制的に通過するような閉じたフレームである。1つまたは複数のスカートおよび/またはシールは、血液が弁セグメントを通過するのを助けることができる。例示的なフレーム構造および人工弁は、2020年4月10日に出願された「MINIMAL FRAME PROSTHETIC CARDIAC VALVE DEVICES,SYSTEMS,AND METHODS」という名称の国際出願番号PCT/US2020/027744、現在はPCT公開番号WO2020/210685に記載され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
[0063]当業者は、本明細書の説明に基づいて、本明細書に記載の人工弁のいずれかがフレーム構造形状、フレーム構造設計、フレーム構造材料、アンカー形状、アンカー巻線、アンカー材料、自由端先端、小葉構成、または必要に応じてそれらの任意の組み合わせで本明細書に記載される可変特徴の任意の他のものを含むことができることを認識するであろう。
【0050】
[0064]一実施形態に関して本明細書に記載された任意の特徴は、別の実施形態に関して記載された任意の特徴と組み合わせることができる、またはその代わりに使用できることを理解されたい。
【0051】
[0065]特徴または要素が本明細書で別の特徴または要素「上」にあると言及される場合、それは他の特徴または要素のすぐ上にあるか、介在する特徴および/または要素も存在し得る。対照的に、特徴または要素が別の特徴または要素の「直接上」にあると言及される場合、介在する特徴または要素は存在しない。また、特徴または要素が、別の特徴または要素に「接続されている」、「取り付けられている」、または「結合されている」と言及される場合、他の特徴または要素に直接接続、取り付け、または結合され得るか、介在する特徴または要素が存在し得ることも理解される。対照的に、特徴または要素が別の特徴または要素に「直接接続」、「直接取り付け」、または「直接結合」されていると言及される場合、介在する特徴または要素は存在しない。一実施形態に関して説明または図示されているが、そのように説明または図示された特徴および要素は、他の実施形態に適用することができる。また、別の特徴に「隣接して」配置される構造または特徴への言及は、隣接する特徴と重なるまたは下にある部分を有し得ることも、当業者には理解されるであろう。
【0052】
[0066]本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図していない。例えば、本明細書で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形も含むことを意図している。「含む」および/または「含んでいる」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解される。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連するリスト項目の1つまたは複数の任意およびすべての組み合わせを含み、「/」と省略され得る。
【0053】
[0067]「下」、「下方」、「下側」、「上」、「上側」などの空間的に相対的な用語は、図に示されるように、ある要素または特徴と別の要素または特徴との関係を説明するために、説明を容易にするために本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示される向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの様々な向きを包含することを意図していることを理解されたい。例えば、図中のデバイスが反転されている場合、他の要素または特徴の「under(下)」または「beneath(下)」として説明されている要素は、他の要素または特徴の「上」に向けられる。したがって、例示的な用語「下」は、上および下の両方の向きを包含することができる。デバイスは別の方向に向けられてもよく(90度回転または他の方向に)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。同様に、「上向き」、「下向き」、「垂直」、「水平」などの用語は、別段の指示がない限り、説明の目的でのみ本明細書で使用される。
【0054】
[0068]「第1」および「第2」という用語は、本明細書では様々な特徴/要素(ステップを含む)を説明するために使用され得るが、文脈上別段の指示がない限り、これらの特徴/要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある特徴/要素を別の特徴/要素と区別するために使用できる。したがって、以下で説明する第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と呼ぶことができ、同様に、以下で論じる第2の特徴/要素は、本発明の教示から逸脱することなく、第1の特徴/要素と呼ぶことができる。
【0055】
[0069]本明細書および以下の特許請求の範囲を通じて、文脈上別段の要求がない限り、「含む」という語、ならびに「含む」および「含んでいる」などの変形は、方法および物品において様々な構成要素を一緒に使用できることを意味する(例えば、デバイスおよび方法を含む組成物および装置)。例えば、「含む」という用語は、述べられた要素またはステップを含むことを意味するが、他の要素またはステップを除外することを意味しないと理解される。
【0056】
[0070]本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、実施例で使用される場合を含め、別段の明示的な指定がない限り、すべての数値は、「約」または「およそ」という用語が明示的に表示されていない場合でも、「約」または「およそ」という用語が前置されているかのように読むことができる。「約」または「およそ」という語句は、大きさおよび/または位置を記述するときに、記述された値および/または位置が、値および/または位置の合理的な期待範囲内であることを示すために使用され得る。例えば、数値は、記載された値(または値の範囲)の+/-0.1%、記載された値(または値の範囲)の+/-1%、記載された値(または値の範囲)の+/-2%、記載された値(または値の範囲)の+/-5%、または記載された値(または値の範囲)の+/-10%の値を有し得る。本明細書で与えられる任意の数値は、文脈上別段の指示がない限り、約その値またはおおよそその値を含むと理解されるべきである。例えば、「10」という値が開示されている場合、「約10」も開示されている。本明細書に列挙される任意の数値範囲は、そこに含まれるすべての下位範囲を含むことを意図している。当業者によって適切に理解されるように、或る値が開示されている場合、当該値より小さいか当該値に等しいこと、当該値より大きいか当該値に等しいこと、及び値間の可能な範囲も開示されていると理解される。例えば、値「X」が開示される場合、「X以下」および「X以上」(例えば、Xが数値である場合)も開示される。本出願を通じて、データは多数の異なる形式で提供され、これらのデータは終点と開始点、およびデータ点の任意の組み合わせの範囲を表すことも理解される。例えば、特定のデータポイント「10」と特定のデータポイント「15」が開示されている場合、10~15の間だけでなく、10および15より大きい、10および15より大きいか等しい、10および15より小さい、10および15より小さいか等しい、および10および15に等しいことが開示されていると見なされることが理解される。2つの特定のユニット間の各ユニットも開示されることも理解される。例えば、10と15が開示されている場合は、11、12、13、および14も開示されている。
【0057】
[0071]様々な例示的な実施形態が上述されているが、特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態に対して任意の数の変更を行うことができる。例えば、記載された様々な方法ステップが実行される順序は、代替実施形態では変更されることが多く、他の代替実施形態では、1つまたは複数の方法ステップが完全に省略されてもよい。様々なデバイスおよびシステムの実施形態の任意選択特徴は、いくつかの実施形態に含まれてもよく、他の実施形態には含まれなくてもよい。したがって、前述の説明は、主に例示を目的として提供されたものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0058】
[0072]本明細書に含まれる例および図解は、限定ではなく例示として、主題が実施され得る特定の実施形態を示す。上述のように、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的および論理的な置換および変更を行うことができるように、他の実施形態を利用し、そこから導き出すことができる。本発明の主題のそのような実施形態は、本明細書では単に便宜上、用語「発明」によって個別にまたは集合的に言及され得、複数の発明が実際に開示されている場合でも、任意の単一の発明または発明概念に本出願の範囲を自発的に限定することを意図するものではない。したがって、特定の実施形態が本明細書に示され、説明されてきたが、同じ目的を達成するために計算された任意の構成が、示された特定の実施形態に置き換えられ得る。本開示は、様々な実施形態のあらゆる適合または変形を網羅することを意図している。上記の実施形態の組み合わせ、および本明細書に特に記載されていない他の実施形態は、上記の説明を検討することで当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】