(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】ターゲット画像データの生成方法、電気装置および非一時的コンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
G06T 3/40 20060101AFI20230906BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
G06T3/40 705
H04N1/387 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514491
(86)(22)【出願日】2020-09-01
(85)【翻訳文提出日】2023-03-09
(86)【国際出願番号】 CN2020112800
(87)【国際公開番号】W WO2022047614
(87)【国際公開日】2022-03-10
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100203105
【氏名又は名称】江口 能弘
(72)【発明者】
【氏名】新井 俊彦
【テーマコード(参考)】
5B057
【Fターム(参考)】
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
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5B057CD05
5B057CE08
5B057CE11
5B057CE16
(57)【要約】
本発明の実施形態の方法は、画像信号プロセッサからターゲット画像データを生成するための埋め込み疎画像データを取得するステップであって、埋め込み疎画像データは疎画像データを含み、疎画像データは複数の画素を含み、複数の画素は少なくとも第1色画素、第2色画素及び第3色画素を含むステップと、疎画像データから第1データ部分と第2データ部分とを含む分割データを抽出するステップと、第1データ部分と前記第2データ部分とを結合して圧縮データを得るステップと、圧縮曲線に基づいて圧縮データを逆変換し、逆変換された残差データを取得するステップと、逆変換された残差データに誤差範囲内のランダム値を加算して、再構成された残差データを得るステップと、再構成された残差データおよび疎画像データに基づいて密画像データを再構成するステップであって、密画像データは複数の画素を含み、複数の画素は第1色画素を含むステップと、を含む。【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号プロセッサからターゲット画像データを生成するための埋め込み疎画像データを取得するステップであって、前記埋め込み疎画像データは疎画像データを含み、前記疎画像データは複数の画素を含み、前記複数の画素は少なくとも第1色画素、第2色画素及び第3色画素を含むステップと、 前記疎画像データから第1データ部分と第2データ部分とを含む分割データを抽出するステップと、 前記第1データ部分と前記第2データ部分とを結合して圧縮データを得るステップと、 圧縮曲線に基づいて前記圧縮データを逆変換し、逆変換された残差データを得るステップと、 前記逆変換された残差データに誤差範囲内のランダム値を加算して、再構成された残差データを得るステップと、 前記再構成された残差データおよび前記疎画像データに基づいて密画像データを再構成するステップであって、前記密画像データは複数の画素を含み、前記複数の画素は第1色画素を含むステップと、 を含むことを特徴とするターゲット画像データの生成方法。
【請求項2】
前記誤差範囲内のランダム値は、元の残差データが前記圧縮曲線で取り得る値と前記逆変換された残差データの値との差分値の中のいずれかの一つであることを特徴とする請求項1に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項3】
前記密画像データにおける隣接する2つの画素は第1対を構成し、前記第1対は第1色画素の第1値及び第1色画素の第2値を含むことを特徴とする請求項1に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項4】
前記密画像データを再構成することは、 前記疎画像データから、前記第1対の第1色画素の第1値を取得するステップと、 前記再構成された残差データを前記第1対の第1色画素の第1値に加算して、前記第1色画素の第2値を得るステップと、 を含むことを特徴とする請求項3に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項5】
画像信号プロセッサからの前記疎画像データに基づいて前記ターゲット画像データを生成する処理中に生成画像データを取得するステップと、 前記生成画像データと、前記再構成された残差データから再構成された前記密画像データとを合成して、合成画像データを生成するステップと、 を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項6】
前記合成画像データを前記画像信号プロセッサに入力するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項7】
前記圧縮曲線は実質的にS字型であり、前記圧縮曲線には大きな残差データの圧縮率は小さな残差データの圧縮率より大きいことを特徴とする請求項1に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項8】
対象をキャプチャするためのカメラアセンブリから前記疎画像データおよび前記密画像データを取得するステップと、 前記密画像データにおける前記第1対の第1色画素の第1値と前記第1対の第2色画素の第2値との差分値を計算することによって、前記密画像データに基づいて元の残差データを生成するステップと、 前記圧縮曲線に基づいて前記元の残差データを圧縮して前記元の残差データのデータ量を削減することにより、前記圧縮データを生成するステップと、 前記圧縮データを前記第1データ部分と前記第2データ部分とに分割して前記分割データを生成するステップと、 前記分割データを前記疎画像データに埋め込み、前記埋め込み疎画像データを生成するステップと、 をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項9】
前記疎画像データにおける隣接する2つの画素は第2対を構成し、前記第1データ部分および前記第2データ部分は、前記密画像データの前記第1対に対応する位置にある前記第2対の隣接する2つの画素に埋め込まれることを特徴とする請求項8に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項10】
前記埋め込み疎画像データを画像信号プロセッサに入力するステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項11】
第1色は緑であり、第2色は赤であり、第3色は青であることを特徴とする請求項1~10のいずれに記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項12】
前記疎画像データはベイヤー形式に準拠することを特徴とする請求項11に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項13】
画像信号プロセッサと、メインプロセッサと、を含む電気装置であって、 前記画像信号プロセッサは埋め込み疎画像データに基づいてターゲット画像データを生成することを実施することに用いられ、 前記メインプロセッサは、 前記画像信号プロセッサから前記ターゲット画像データを生成するための前記埋め込み疎画像データを取得するステップであって、前記埋め込み疎画像データは疎画像データを含み、前記疎画像データは複数の画素を含み、前記複数の画素は少なくとも第1色画素、第2色画素及び第3色画素を含むステップと、 前記疎画像データから、第1データ部分と第2データ部分とを含む分割データを抽出するステップと、 前記第1データ部分と前記第2データ部分とを結合して圧縮データを得るステップと、 圧縮曲線に基づいて前記圧縮データを逆変換し、逆変換された残差データを得るステップと、 前記逆変換された残差データに誤差範囲内のランダム値を加算して、再構成された残差データを得るステップと、
前記再構成された残差データおよび前記疎画像データに基づいて密画像データを再構成するステップであって、前記密画像データは複数の画素を含み、前記複数の画素は第1色画素を含むステップと、を実施することに用いられることを特徴とする電気装置。
【請求項14】
プログラム命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記プログラム命令は、
画像信号プロセッサからターゲット画像データを生成するための埋め込み疎画像データを取得するステップであって、前記埋め込み疎画像データは疎画像データを含み、前記疎画像データは複数の画素を含み、前記複数の画素は少なくとも第1色画素、第2色画素及び第3色画素を含むステップと、 前記疎画像データから、第1データ部分と第2データ部分とを含む分割データを抽出するステップと、 前記第1データ部分と前記第2データ部分とを結合して圧縮データを得るステップと、 圧縮曲線に基づいて前記圧縮データを逆変換し、逆変換された残差データを得るステップと、 前記逆変換された残差データに誤差範囲内のランダム値を加算して、再構成された残差データを得るステップと、 前記再構成された残差データおよび前記疎画像データに基づいて密画像データを再構成するステップであって、前記密画像データは複数の画素を含み、前記複数の画素は第1色画素を含むステップと、 を実施することを特徴とする非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はターゲット画像データの生成方法、そのような方法を実装する電気装置、およびそのような方法を実行するために記憶されたプログラム命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやタブレット端末などの電子装置は、私たちの生活の中で広く使われている。現在、多くの電子装置には、画像をキャプチャするためのカメラアセンブリが装備されている。一部の電気装置は携帯性に優れているため、持ち運びが簡単である。従って、電子装置の使用者は、電子装置のカメラアセンブリを使用して、時間や場所を問わず簡単に対象の写真を撮ることができる。
【0003】
対象の画像をキャプチャし、そのターゲット画像データを生成するための多くの形式がある。広く知られているフォーマットの1つは、疎画像データ(sparse image data)を含むベイヤー(Bayer)形式である。
【0004】
疎画像データに加えて、ターゲット画像データにおける対象の画像の品質を改善するために、カメラアセンブリが対象の画像をキャプチャするときに密画像データ(Dense image data)も生成される。この場合、疎画像データおよび密画像データを使用して、ディスプレイに表示されるか、または電気装置のメモリに記憶されるターゲット画像データが生成される。電気装置の開発コストを削減するためには、共通の画像信号プロセッサを使用して、疎画像データおよび密画像データに基づいてターゲット画像データを生成することが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の技術的問題の少なくとも1つを解決することを目的とする。従って、本発明は、ターゲット画像データの生成方法、そのような方法を実装する電気装置、およびそのような方法を実行するために記憶されたプログラム命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が提供するターゲット画像データの生成方法は、 画像信号プロセッサからターゲット画像データを生成するための埋め込み疎画像データを取得するステップであって、埋め込み疎画像データは疎画像データを含み、疎画像データは複数の画素を含み、複数の画素は少なくとも第1色画素、第2色画素及び第3色画素を含むステップと、 疎画像データから、第1データ部分と第2データ部分とを含む分割データを抽出するステップと、 第1データ部分と第2データ部分とを結合して圧縮データを得るステップと、 圧縮曲線に基づいて圧縮データを逆変換し、逆変換された残差データを得るステップと、 逆変換された残差データに誤差範囲内のランダム値を加算して、再構成された残差データを得るステップと、 再構成された残差データおよび疎画像データに基づいて密画像データを再構成するステップであって、密画像データは複数の画素を含み、複数の画素は第1色画素を含むステップと、を含む。
【0007】
本発明が提供する電気装置は、画像信号プロセッサと、メインプロセッサと、を含み、 画像信号プロセッサは埋め込み疎画像データに基づいてターゲット画像データを生成することを実施することに用いられ、 メインプロセッサは、 画像信号プロセッサからターゲット画像データを生成するための埋め込み疎画像データを取得するステップであって、埋め込み疎画像データは疎画像データを含み、疎画像データは複数の画素を含み、複数の画素は少なくとも第1色画素、第2色画素及び第3色画素を含むステップと、 疎画像データから、第1データ部分と第2データ部分とを含む分割データを抽出するステップと、 第1データ部分と第2データ部分とを結合して圧縮データを得るステップと、 圧縮曲線に基づいて圧縮データを逆変換し、逆変換された残差データを得るステップと、 逆変換された残差データに誤差範囲内のランダム値を加算して、再構成された残差データを得るステップと、
再構成された残差データおよび疎画像データに基づいて密画像データを再構成するステップであって、密画像データは複数の画素を含み、複数の画素は第1色画素を含むステップと、を実施することにも用いられる。
【0008】
プログラム命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記プログラム命令は、
画像信号プロセッサからターゲット画像データを生成するための埋め込み疎画像データを取得するステップであって、埋め込み疎画像データは疎画像データを含み、疎画像データは複数の画素を含み、複数の画素は少なくとも第1色画素、第2色画素及び第3色画素を含むステップと、 疎画像データから、第1データ部分と第2データ部分とを含む分割データを抽出するステップと、 第1データ部分と第2データ部分とを結合して圧縮データを得るステップと、 圧縮曲線に基づいて圧縮データを逆変換し、逆変換された残差データを得るステップと、 逆変換された残差データに誤差範囲内のランダム値を加算して、再構成された残差データを得るステップと、 再構成された残差データおよび疎画像データに基づいて密画像データを再構成するステップであって、密画像データは複数の画素を含み、複数の画素は第1色画素を含むステップと、を実施する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電気装置の第1側の平面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る電気装置の第2側の平面図である。
【
図3】本発明の第一実施例に係る電気装置のブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る電気装置が実行するターゲット画像生成処理のフローチャート(部分1)である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る電気装置が実行するターゲット画像生成処理のフローチャート(部分2)である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る画像信号プロセッサに入力された埋め込み疎画像データを生成するメカニズムの概略図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る元の残差データと、密画像データにおける第1対の隣接する2つの画素に基づく圧縮データを計算する方法を説明する概略図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る元の残差データを圧縮して圧縮データを生成するための圧縮曲線の例の1つを示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る元の残差データを分割して分割データを生成し、分割データを疎画像データに埋め込む方法を説明する概略図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る再構成された密画像データと生成画像データとに基づいて合成画像データを生成する方法を説明する概略図である。
【
図11】圧縮データに基づいて密画像データにおける第1対の隣接する2つの画素を再構成する方法を説明する概略図である。
【
図12】第1対の隣接する2つの画素間の差分値が比較的小さい際、部分的に拡大された圧縮曲線を示す図である。
【
図13】第1対の隣接する2つの画素間の差分値が比較的大きい際、部分的に拡大された圧縮曲線を示す図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る埋め込み疎画像データに基づいてターゲット画像データを生成するメカニズムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明し、実施形態の例を添付の図面に示す。同一または類似の要素、および同一または類似の機能を有する要素は、説明全体を通じて同一の参照数字で示す。図面を参照して説明することは、本発明を説明することを目的としており、本発明を制限するものと解釈されるべきではない。
【0011】
(第一実施形態)
図1は本発明の第一実施形態に係る電気装置10の第1側の平面図であり、
図2は本発明の第一実施形態に係る電気装置10の第2側の平面図である。第1側は電気装置10の裏側(back side)と呼ばれ、第2側は、電気装置10の表側(front side)と呼ばれることができる。
【0012】
図1および
図2に示すように、電気装置10は、ディスプレイ20およびカメラアセンブリ30を含むことができる。カメラアセンブリ30は第1メインカメラ32、第2メインカメラ34及びサブカメラ36を含む。第1メインカメラ32および第2メインカメラ34は、電気装置10の第1側で画像をキャプチャすることができ、サブカメラ36は、電気装置10の第2側で画像をキャプチャすることができる。第1メインカメラ32および第2メインカメラ34はいわゆるアウトカメラ(out camera)であり、サブカメラ36はいわゆるインカメラ(in camera)である。例として、電気装置10は、携帯電話、タブレットコンピュータ、携帯情報端末などであってもよい。
【0013】
第1メインカメラ32、第2メインカメラ34及びサブカメラ36は、それぞれカラーフィルタを通過した光を電気信号に変換するイメージセンサを有し、電気信号の信号値はカラーフィルターを通過した光の量に関する。
【0014】
本実施形態に係る電気装置10は3つのカメラを有するが、電気装置10は3つ未満または3つ以上のカメラを有してもよい。例えば、電気装置10は、2つ、4つ、5つなどのカメラを有することができる。
【0015】
図3は、本実施形態に係る電気装置10のブロック図である。
図3に示すように、ディスプレイ20およびカメラアセンブリ30に加えて、電気装置10は、メインプロセッサ40、画像信号プロセッサ42、メモリ44、電源回路46および通信回路48を含むことができる。カメラアセンブリ30、メインプロセッサ40、画像信号プロセッサ42、メモリ44、電源回路46および通信回路48は、バス50を介して互いに接続されている。
【0016】
メインプロセッサ40は、メモリ44に記憶された1つまたは複数のプログラム命令を実行する。メインプロセッサ40は、プログラム命令を実行することによって、電気装置10のさまざまなアプリケーションおよびデータ処理を実現する。メインプロセッサ40は、1つまたは複数のコンピュータプロセッサであってもよい。メインプロセッサ40は、1つのCPUコア(CPU core)に限らず、複数のCPUコアを有していてもよい。メインプロセッサ40は、電気装置10のメインCPU、画像処理ユニット(Image Processing Unit、IPU)、またはカメラアセンブリ30を備えたDSPであってもよい。
【0017】
画像信号プロセッサ42は、カメラアセンブリ30を制御し、カメラアセンブリ30によってキャプチャされた様々な種類の画像データを処理して、ターゲット画像データを生成する。例えば、画像信号プロセッサ42は、デモザイク処理(demosaicing process)、ノイズリダクション処理(noise reduction process)、自動露出処理(auto exposure process)、オートフォーカス処理(auto focus process)、オートホワイトバランス処理(auto white balance process)、ハイダイナミックレンジ処理(high dynamic range process)などを、カメラアセンブリ30によってキャプチャされた画像データに適用することができる。
【0018】
本実施形態では、メインプロセッサ40および画像信号プロセッサ42が協働して、カメラアセンブリ30によってキャプチャされた対象のターゲット画像データを生成する。すなわち、メインプロセッサ40および画像信号プロセッサ42は、カメラアセンブリ30によって対象の画像をキャプチャし、キャプチャされた画像データに様々な種類の画像処理を適用することに用いられる。
【0019】
メインプロセッサ40が実行するプログラム命令(program instruction)や各種データはメモリ44に記憶される。例えば、キャプチャされた画像のデータもメモリ44に記憶される。
【0020】
メモリ44は、高速RAMメモリ(high speed memory)、および/またはフラッシュメモリ(flash memory)および磁気ディスクメモリ(magnetic disk memory)などの不揮発性メモリ(non-volatile memory)を含むことができる。すなわち、メモリ44は、プログラム命令が記憶された非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0021】
電源回路46は、リチウムイオン二次電池などの電池と、電池を管理するための電池管理ユニット(Battery Management Unit、BMU)と、を有していてもよい。
【0022】
通信回路48は、電気通信ネットワークシステムの基地局、インターネット、または他の装置と無線通信によってデータを送受信することに用いられる。無線通信は、GSM(Global System for Mobile communication)、コード分割多元接続(Code Division Multiple Access、CDMA)、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)、LTEアドバンスト(LTE-Advanced)、5G(5th generation)を含むが、これらに制限されず、任意の通信規格またはプロトコルを採用することができる。通信回路48は、アンテナおよび無線周波数(RF)回路を含んでもよい。
【0023】
図4および
図5は、本実施形態に係る電気装置10に係るターゲット画像生成処理のフローチャートを示す。本実施形態において、ターゲット画像生成処理は、例えば、メインプロセッサ40によって実行され、ターゲット画像データを生成する。しかしながら、メインプロセッサ40は画像信号プロセッサ42と協働してターゲット画像データを生成してもよい。従って、本実施形態において、メインプロセッサ40および画像信号プロセッサ42は、画像プロセッサを構成する。
【0024】
また、本実施形態では、ターゲット画像生成処理のプログラム命令は、メモリ44の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶される。従って、例えば、プログラム命令がメモリ44から読み出され、メインプロセッサ40で実行されると、メインプロセッサ40は、
図4および
図5に示すターゲット画像生成プロセスを実行する。
【0025】
図4に示すように、例えば、メインプロセッサ40は、疎画像データと密画像データとを取得する(ステップS10)。本実施形態では、メインプロセッサ40は、カメラアセンブリ30から疎画像データおよび密画像データを取得する。すなわち、カメラアセンブリ30は、対象の画像をキャプチャし、疎画像データおよび密画像データの両方を生成する。本実施形態では、疎画像データは、複数の緑色画素、複数の赤色画素および複数の青色画素を含む。一方、密画像データは複数の緑色画素を含む。
【0026】
カメラアセンブリ30によって疎画像データおよび密画像データを生成するために、カメラアセンブリ30は、対象の画像をキャプチャするための専用のイメージセンサを有し、一つのカメラを使用して1回のイメージング操作(imaging operation)を実行することによって疎画像データおよび密画像データを生成することができる。この場合、例えば、第1メインカメラ32が対象の画像をキャプチャし、1回の撮像動作で疎画像データと密画像データの両方を生成してもよい。
【0027】
一方、カメラアセンブリ30は、2つのカメラを使用して対象の画像をキャプチャし、1回のイメージング操作を実行することによって疎画像データおよび密画像データを生成することができる。この場合、例えば、第1メインカメラ32が対象をキャプチャして疎画像データを生成し、第2メインカメラ34が対象をキャプチャして密画像データを生成する。
【0028】
一方、カメラアセンブリ30は、2回のイメージング操作を実行することにより、一つのカメラによって対象の画像をキャプチャし、疎画像データおよび密画像データを生成することができる。例えば、サブカメラ36は、第1回のイメージング操作を実行することによって対象をキャプチャして、疎画像データを生成する。その後、サブカメラ36は、第1回のイメージング操作の直後に第2回のイメージング操作を実行することによって対象をキャプチャし、密画像データを生成する。
【0029】
図6は、画像信号プロセッサ42に入力された埋め込み疎画像データを生成するメカニズムの概略図である。
【0030】
図6に示すように、疎画像データはベイヤー形式に準拠している。したがって、対象をキャプチャするためのカメラアセンブリ30のイメージセンサのカラーフィルタの緑、赤、青の配列は、ベイヤー配列に従う。ベイヤー形式では、疎画像データにおいて、緑の画素G1の数は、赤の画素R1の数または青の画素B1の数の2倍である。疎画像データは、カメラアセンブリ30からのRAWデータと呼ばれることもある。
【0031】
密画像データは緑の画素G2からなる。これは、人間の目は、赤や青の明るさよりも緑の明るさ(brightness)に敏感だからである。本実施形態では、ターゲット画像データの明るさを調整するために密集画像をキャプチャする。
【0032】
次に、
図4に示すように、例えば、メインプロセッサ40は、密画像データにおける2つの緑の画素G2を選択し、選択した2つの緑の画素G2の元の残差データを生成する(ステップS12)。すなわち、本実施形態では、データ量を削減するために、密画像データにおける隣接する2つの画素間の差分値を計算することにより元の残差データを生成する。
【0033】
図7は、元の残差データ、圧縮データ、分割データの生成方法を説明する概略図である。
図6および
図7に示すように、疎画像データの緑の画素G1は、密画像データの緑の画素G2aに対応する。すなわち、同じ位置にある緑の画素G1の値と緑の画素G2aの値とは実質的に等しい。
【0034】
一方、緑の画素G2bは、密画像データには含まれるが、疎画像データには含まれない。すなわち、疎画像データは、密画像データの緑の画素G2bに対応する緑の画素を含まない。
図7では、互いに隣接する1つの緑の画素G2aと1つの緑の画素G2bとが第1対を構成する例として示されている。すなわち、例えば、メインプロセッサ40はステップS12で密画像データの第1対を1つ選択し、全ての第1対が処理されるまでステップS12から後述するステップS20までの処理が繰り返される。
【0035】
一般に、隣接する2つの画素の明るさは近似または同じである。すなわち、緑の画素G2aの値と、緑の画素G2aに隣接する緑の画素G2bの値との差分値は一般に小さい。そこで、本実施形態では、データ量を削減するために、緑の画素G2aの値と緑の画素G2aに隣接する緑の画素G2bの値との差分値が、緑の画素G2bに隣接する緑の画素G2aの値から緑の画素G2bの値を減算することによって得られる。
【0036】
換言すれば、密画像データにおける隣接する2つの画素G2aおよび画素G2bは、元の残差データを生成するための第1対を構成する。
図6の疎画像データの例では、元の残差データを計算するための12つ(3×4)の第1対がある。換言すれば、第1対の数は、密画像データの緑の画素G2の数の半分である。
【0037】
また、例えば、本実施形態では、1つの緑の画素G2が10ビット(bits)で構成されている。すなわち、密画像データにおける1つの緑の画素G2の値は0~1023である。従って、元の残差データの値は+1023~-1024になるので、元の残差データは11ビットで構成される。
【0038】
次に、
図4に示すように、例えば、メインプロセッサ40は、元の残差データに基づいて圧縮データを生成する(ステップS14)。元の残差データを圧縮して元の残差データのビットの数を減らす方法はさまざまである。元の残差データを圧縮する方法の一例をここで説明する。
【0039】
図8は、元の残余データを圧縮して圧縮データを生成するための圧縮曲線の例の1つを示す。すなわち、圧縮曲線に基づいて元の残差データを圧縮データに変換する。圧縮曲線は、さまざまなデータを圧縮するためのトーンカーブ(tone curve)とも呼ばれ、元の残差データの値と圧縮データの値との関係を定義する。圧縮データのビットの数は、元の残差データのビットの数よりも小さい。
【0040】
例えば、
図7および
図8に示すように、本実施形態では、11ビットからなる元の残差データが8ビットからなる圧縮データに圧縮される。つまり、元の残差データの値は-1024~+1023の間であるが、圧縮データの値は-128~+127である。
【0041】
上述したように、密画像データにおける隣接する2つの緑の画素G2aの値と緑の画素G2bの値との差分値が一般に小さいので、圧縮曲線は、元の残差の絶対値が小さい範囲でほぼ直線的に増減する。一方、圧縮曲線は、元の残差データの絶対値が大きい範囲ではほぼ平坦または一定(constant)である。その結果、圧縮曲線はS字型になる。
【0042】
元の残差データを
図8に示す圧縮曲線に基づいて圧縮することにより、11ビットからなる元の残差データは8ビットからなる圧縮データに圧縮されることができる。たとえば、元の残差データの値が10である場合、圧縮データの値も10になる。従って、元の残差データの値が圧縮曲線に基づいて拡張されると、残差データの値は10に戻されることができる。すなわち、元の残差データの絶対値が小さい範囲では、圧縮データは元の残差データとほぼ同じである残差データに戻されることができる。
【0043】
一方、元の残差データの値が1023である場合、圧縮データの値は127である。また、元の残差データの値が980である場合、圧縮データの値は126である。すなわち、元の残差データの絶対値が大きい範囲では、元の残差データは元の残差データとほぼ同じである残差データに戻されることはできない。すなわち、元の残差データの絶対値が大きい場合、圧縮データに基づく残差データの拡張値は粗い。しかし、元の残差データの絶対値が大きい可能性が元の残差データの絶対値が小さい可能性よりも低いため、再現性が低い元の残差データの絶対値が大きい値の範囲は許容されることができる。
【0044】
次に、
図4に示すように、例えば、メインプロセッサ40は、圧縮データに基づいて分割データを生成する(ステップS16)。すなわち、本実施形態では、圧縮データの画素のサイズが大きすぎて疎画像データに埋め込まれることができないため、圧縮データは第1データ部分と第2データ部分との2つのデータに分割される。
【0045】
図9は圧縮データから分割データをどのように生成するかを説明する概略図である。
図9の上部が従来技術の比較例を示し、
図9の下部が本実施形態の説明を示す。
【0046】
図9に示すように、圧縮データの値は8ビットで表され、4ビットの第1データ部及び4ビットの第2データ部に分割される。
【0047】
本実施形態では、画像信号プロセッサ42が疎画像データにおける1画素に対応する可利用空間(available space)は14ビットであるが、疎画像データにおける1画素あたり10ビットが必要である。従って、14ビットのうちの4ビットはリザーブビット(reserved bit)であり、画像信号プロセッサ42では使用されない。すなわち、14ビットのうちの4ビットの空間は、疎画像データが記憶されない予備空間(spare space)である。
【0048】
そこで、本実施形態では、8ビットからなる圧縮データを疎画像データの4リザーブビットに挿入できるようにするために、8ビットの圧縮データが2つの4ビット部分に分割され、分割データとする。その結果、第1データ部分のサイズおよび第2データ部分のサイズは、疎画像データの予備空間のサイズと一致する。そこで、本実施形態では、8ビットの圧縮データは4ビットの第1データ部および4ビットの第2データ部に分割される。
【0049】
次に、
図4に示すように、例えば、メインプロセッサ40は疎画像データに分割データを埋め込み、埋め込み疎画像データを生成する(ステップS18)。
図9および
図6に示すように、分割データは、疎画像データの2つの4リザーブビットに埋め込まれる。
【0050】
より具体的には、本実施形態では、疎画像データの各赤の画素R1、各青の画素B1および各緑の画素G1は、画像信号プロセッサ42の予備空間である4リザーブビットを有する。なお、分割データが埋め込まれた疎画像データを埋め込み疎画像データと呼ばれる。
【0051】
図6に示すように、ベイヤー形式の疎画像データにおいて、赤の画素R1と緑の画素G1とが第2対を構成でき、青の画素B1と緑の画素G1とが第2対を構成できる。ベイヤー形式では、各対における隣接する2つの画素は、緑の画素G1及び赤の画素R1を含み、または緑の画素G1及び青の画素B1を含む。
図6の疎画像データの例では、疎画像データは12個(3×4)の第2対を含み、各対は緑の画素G1及び赤の画素R1からなり、または緑の画素G1及び青の画素B1からなる。
【0052】
第2対の緑の画素G1は、密画像データの第1対に対応する位置にある第1対の緑の画素G2に対応する。すなわち、疎画像データの第2対の位置が密画像データの第1対の位置と同じであると、疎画像データの第2対における緑の画素G1の値は密画像データの第1対における緑の画素G2の値と実質的に同じである。
【0053】
本実施形態では、分割データの第1データ部分は、第2対の緑の画素G1の4ビットの予備空間に埋め込まれ、分割データの第2データ部分は、第2対の赤の画素R1または青の画素B1の4ビットの予備空間に埋め込まれる。
【0054】
すなわち、分割データの第1データ部分および第2データ部分は、第2対の2つの隣接する赤の画素R1および緑の画素G1に埋め込まれ、または第2対の2つの隣接する青の画素B1および緑の画素G1に埋め込まれる。従って、本実施形態では、分割データの第1データ部分および第2データ部分のすべては、疎画像データの予備空間に埋め込まれることができる。
【0055】
また、本実施形態では、密画像データの第1対と疎画像データの第2対とが1対1に対応している。従って、第1データ部分および第2データ部分は第2対の2つの隣接する画素に埋め込まれ、第2対は第1データ部分および第2データ部分が最初に計算された第1対に対応する。すなわち、元の第1対の位置に対応する第2対に、第1データ部分および第2データ部分が挿入される。
【0056】
しかし、分割データは、分割データの第1データ部分および第2データ部分が疎画像データのどこに埋め込まれるかを指定できる任意の方法で、疎画像データの予備空間に埋め込まれてもよい。
【0057】
図9の上部に示す比較例では、疎画像データが画像信号プロセッサ42に入力されると、緑の画素G2bの情報が破棄される。しかし、本実施形態では、緑の画素G2bのデータも疎画像データに埋め込むことができるので、緑の画素G2bの情報は破棄されない。
【0058】
次に、
図4に示すように、例えば、メインプロセッサ40は、密画像データにおける全ての第1対が処理され、完了したか否かを判断する(ステップS20)。すなわち、本実施形態では、第1対に基づくすべての元の残差データが疎画像データに埋め込まれるべきである。
【0059】
密画像データにおける全ての第1対が処理され完了していないと(ステップS20:No)、ターゲット画像生成処理は、ステップS12に戻り、ステップS12からステップS18までの処理を繰り返す。すなわち、ステップS12からステップS18までの処理は、全ての第1対の元の残差データが疎画像データに埋め込まれるまで繰り返される。
【0060】
一方、密画像データの第1対が全て処理され完了したと(ステップS20:Yes)、例えば、メインプロセッサ40は埋め込み疎画像データを画像信号プロセッサ42に入力する(ステップS22)。すなわち、疎画像データと分割データとを含む埋め込み疎画像データが画像信号プロセッサ42に入力され、ターゲット画像データが生成される。その後、画像信号プロセッサ42は、埋め込み疎画像データにおける疎画像データの処理を開始して、ターゲット画像データを生成する。
【0061】
次に、
図5に示すように、例えば、メインプロセッサ40は、画像信号プロセッサ42から埋め込み疎画像データを取得する(ステップS30)。すなわち、画像信号プロセッサ42は、処理中に各種データを出力する1つ以上のデータ出力ポートと、画像信号プロセッサ42に各種データを入力する1つ以上のデータ入力ポートと、を有する。従って、メインプロセッサ40は、画像信号プロセッサ42のデータ出力ポートの1つを介して、埋め込み疎画像データを取得する。
【0062】
図10は、本実施形態におけるターゲット画像データの生成メカニズムを説明する概略図である。
図10に示すように、埋め込み疎画像データは画像信号プロセッサ42から得ることができる。埋め込み疎画像データは疎画像データおよび分割データを含む。
【0063】
なお、埋め込み疎画像データの処理中に、画像信号プロセッサ42から得られる埋め込み疎画像データは、画像信号プロセッサ42に入力された埋め込み疎画像データと同一ではない場合がある。しかし、分割データは疎画像データの予備空間に記憶され、破壊されないため、本明細書で開示されるターゲット画像生成プロセスにとって許容可能である。
【0064】
次に、
図5に示すように、例えば、メインプロセッサ40は、埋め込み疎画像データから分割データを抽出する(ステップS32)。すなわち、メインプロセッサ40は、疎画像データにおける第2対から1つの分割データを抽出する。本実施形態では、疎画像データの各画素は、分割データにおける4ビットの第1データ部分または分割データにおける4ビットの第2データ部分を含む。従って、埋め込み疎画像データから、第1データ部分と第2データ部分とを含む分割データが抽出される。本実施形態では、例えば、メインプロセッサ40は、ステップS32において疎画像データの1つの第2対から分割データを抽出し、第2対におけるすべての分割データが処理されるまで、ステップS32から後述するステップS40までの処理を繰り返す。
【0065】
次に、
図5に示すように、例えば、メインプロセッサ40は、分割データの第1データ部分と第2データ部分とを結合して圧縮データを得る(ステップS34)。上述したように、分割データを生成する際には、8ビットの圧縮データが4ビットの第1データ部と4ビットの第2データ部に分割される。従って、圧縮データは、同じ第2対から抽出された第1データ部分及び第2データ部分を結合することによって再構成することができる。同じ第2対における第1データ部分及び第2データ部分を結合することにより、
図9に示す圧縮データが得られる。
【0066】
次に、
図5に示すように、例えば、メインプロセッサ40は圧縮データを逆変換し、逆変換された残差データを得る(ステップS36)。上述したように、ステップS14の圧縮曲線に基づいて、11ビットの元の残差データが8ビットの圧縮データに圧縮される。従って、8ビットの圧縮データから11ビットの逆変換された残差データを得ることができる。
【0067】
図11は、分割データから密画像データを再構成する方法を説明する概略図である。即ち、
図11は
図7で説明した元の残差データ及び圧縮データの生成との逆の手順を示している。
【0068】
図11に示すように、
図8に示す圧縮曲線を用いて圧縮データを逆変換し、逆変換された残差データを得ることができる。すなわち、圧縮データを生成する際に、圧縮データは、
図8に示す圧縮曲線を用いて、元の残差データから変換されたものである。従って、圧縮データを逆変換することにより、逆変換された残差データは元の残差データと同じか、またはそれに近いものとなる。
【0069】
次に、
図5に示すように、例えば、メインプロセッサ40は、逆変換された残差データに誤差範囲内のランダム値を加算して再構成された残差データを得る(ステップS38)。逆変換された残差データには、元の残差データに対して一定量のエラーが含まれているため、メインプロセッサは、誤差範囲内のランダムな値を逆変換された残差データに加算して、元の残差データに対するエラーを隠蔽する。
【0070】
図12は、第1対の緑の画素G2aと緑の画素G2bとの差分値が比較的小さい場合、部分に拡大された圧縮曲線を示す。
図13は、第1対の緑の画素G2aと緑の画素G2bとの差分値が比較的大きい場合、部分に拡大された圧縮曲線を示す。
【0071】
図12に示すように、圧縮データの値が10である場合、逆変換された残差データの値も10である。すなわち、逆変換された残差データは正確に得られ、逆変換された残差データは元の残差データと等しい。
【0072】
一方、
図13に示すように、圧縮データの値が110である場合、逆変換された残差データの値は810である。しかし、元の残差データの値は、810、811、812または813である可能性がある。つまり、元の残差データを圧縮すると、元の残差データの値が810、811、812及び813である場合、圧縮データの値は110となる。従って、圧縮データを逆変換しても、まったく同じ元の残差データを取得することはできない。これにより、ターゲット画像データにジャギーや線が発生する。
【0073】
従って、本実施形態では、例えば、メインプロセッサ40は逆変換された残差データに誤差範囲内のランダム値を加算する。
図13の例において、メインプロセッサ40は、810に0、1、2、3を加算する。この場合、0、1、2、3の値は誤差範囲内のランダム値であり、810は逆変換された残差データである。すなわち、誤差範囲内のランダム値は、圧縮曲線に元の残差データが取り得る値と逆変換された残差データの値との差値の中のいずれかの一つである。
【0074】
図8の圧縮曲線によれば、誤差範囲内のランダム値は残差データの値に依存する。残差データが小さい場合、誤差範囲は狭くなる。たとえば、圧縮データが10である場合、逆変換された残差データは10しかあり得ないため、誤差範囲内のランダム値は0しかあり得ない。
【0075】
一方、残差データが大きい場合、誤差範囲が広くなる。たとえば、圧縮データが110である場合、逆変換された残差データは810であるが、元の残差データは810、811、812または813である可能性があるため、誤差範囲内のランダム値は0、1、2または3になる。
【0076】
本実施形態では、圧縮データが110より大きい場合、誤差範囲は4より広い。
【0077】
元の残差データは不明であるため、本実施形態では、逆変換された残差データに誤差範囲内のランダム値を加算して再構成された残差データを得る。換言すれば、再構成された残差データは、可能な元の残差データにランダムに分散することができる。
【0078】
次に、
図5に示すように、例えば、メインプロセッサ40は、再構成された残差データに基づいて密画像データを再構成する(ステップS40)。すなわち、
図11に示すように、緑の画素G2bの値を計算するために、再構成された残差データが緑の画素G2aの値に加算される。
【0079】
上述したように、密画像データは複数の第1対を含み、各第1対は緑の画素G2aおよび緑の画素G2bを含む。また、残差データの値は、第1対における緑の画素G2aの値と緑の画素G2bの値と差分値を表す。緑の画素G2aの値は、画像信号プロセッサ42からの埋め込み疎画像データから得ることができる。なぜなら、緑の画素G2bの値は、疎画像データにおける緑の画素G1の値と実質的に同じだからである。その結果、緑の画素G2aの値に残差データの値を加算することにより、緑の画素G2bの値を算出することができる。
【0080】
その後、疎画像データの緑の画素G2aの値と、緑の画素G2aの値に残差データの値を加算することによって計算された緑の画素G2bの値とをマージすることによって、密画像データの第1対を得ることができる。
【0081】
次に、
図5に示すように、例えば、メインプロセッサ40は、埋め込み疎画像データにおける全ての分割データが処理され完了したか否かを判断する(ステップS42)。すなわち、本実施形態では、埋め込み疎画像データからすべての分割データを抽出し処理して、密画像データにおけるすべての第1対の緑の画素G2bを再構成する。
【0082】
埋め込み疎画像データにおける全ての分割データが処理され完了していないと(ステップS42:No)、ターゲット画像生成処理は、ステップS32に戻り、ステップS32からステップS40までの処理を繰り返す。すなわち、ステップS32からステップS40までの処理は、密画像データにおけるすべての第1対の緑の画素G2bが再構成されるまで繰り返される。
【0083】
一方、埋め込み疎画像データの全ての分割データが処理されて完成すると(ステップS42:Yes)、緑の画素G2aと緑の画素G2bとを含む第1対からなる密画像データは再構成される。従って、例えば、メインプロセッサ40は、画像信号プロセッサ42の1つのデータ出力ポートから疎画像データに基づく生成画像データを取得する(ステップS48)。
図10に示すように、疎画像データから処理された結果として生成された画像データは、画像信号プロセッサ42から得ることができる。
【0084】
次に、
図5に示すように、例えば、メインプロセッサ40はステップS44で得られた再構成された密画像データと生成画像データとを合成し、合成画像データを生成する(ステップS46)。
【0085】
図14は、疎画像データおよびステップS46で再構成された密画像データに基づく生成画像データの一例を示す。
図14に示すように、生成画像データは、画像信号プロセッサ42に疎画像データに基づいて生成されたものである。その結果、生成画像データの画像がディスプレイ20に表示されると、画像の明るさは少し粗いが、フルカラー画像である。逆に、密画像データの画像がディスプレイ20に表示されると、密画像データの色は人間の目にとって光に敏感な色である緑色であるため、画像の明るさは十分である。従って、本実施形態では、疎画像データに基づく生成画像データ及び密画像データを合成して合成画像データを生成する。
【0086】
次に、
図5および
図10に示すように、たとえば、メインプロセッサ40は合成画像データを画像信号プロセッサ42の1つのデータ入力ポートに入力する(ステップS48)。その後、画像信号プロセッサ42は合成画像データの処理を継続し、最終的にターゲット画像データが画像信号プロセッサ42から出力される。
【0087】
例えば、ディスプレイ20に表示される画像は、ターゲット画像データに基づいて生成されてもよい。あるいは、ターゲット画像データはメモリ44に記憶されてもよい。ターゲット画像データには様々なフォーマットがある。例えば、ターゲット画像データのフォーマットは、JPEG、TIFF、GIF等であってもよい。
【0088】
以上のように、本実施形態に係る電気装置10によれば、逆変換された残差データに誤差範囲内のランダム値を加算して再構成された残差データを得る。従って、再構成された残差データは、可能な元の残差データにランダムに分散することができる。その結果、ターゲット画像データのジャギーを隠蔽することができる。
【0089】
なお、上記実施形態では、圧縮データが第1データ部及び第2データ部に分割されるが、疎画像データの予備空間に未分割の圧縮データを記憶する余裕がある場合には、必ずしも圧縮データを分割しなくてもよい。この場合、圧縮データを疎画像データに直接に埋め込むことができるので、画像信号プロセッサ42から取得した埋め込み疎画像データから圧縮データを直接に抽出することができる。
【0090】
また、上記実施形態では、密画像データを緑色で生成したが、他の色を用いて密画像データを生成してもよい。例えば、黄色を使用して、密画像データを生成することができる。この場合、カメラアセンブリ30のイメージセンサのカラーフィルタは赤色、黄色及び青色(RYB)からなり、疎画像データは赤色、黄色及び青色からなり、密画像データは黄色からなる。
【0091】
さらに、疎画像データは、3つ以上の色を含むことができる。例えば、疎画像データは、緑の画素、赤の画素、青の画素、および黄の画素を含むことができる。すなわち、疎画像データは複数の画素を含み、複数の画素は少なくとも3色の画素を含む。
【0092】
本発明の実施形態の説明において、「中央」、「縦」、「横」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上部」、「下部」、「前」、「背部」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」などの用語は、記載されたまたは議論された図面に示されている方向または位置を指すと解釈されるべきである。これらの相対的な用語は、本発明の説明を簡略化するためにのみ使用され、参照されるデバイスまたは要素が特定の向きを持たなければならないこと、または特定の向きで構成または操作されなければならないことを示したり暗示したりするものではない。従って、これらの用語は本発明を制限するように構成することはできない。
【0093】
さらに、「第1」および「第2」などの用語は、説明の目的で本明細書で使用されており、相対的な重要性または重要性を示したり暗示したり、示された技術的特徴の数を暗示したりすることを意図したものではない。従って、「第1」および「第2」で定義される特徴は、この特徴の1つまたは複数を含むことができる。本発明の説明において、「複数」は、別段の指定がない限り、2つまたは2つよりも多いことを意味する。
【0094】
本発明の実施形態の説明において、特に指定または制限されない限り、「取り付けられた」、「接続された」、「結合された」などの用語は広く使用され、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、または一体型接続であってもよく、機械的接続または電気的接続であってもよく、構造を介した直接接続または間接接続であってもよく、特定の状況に応じて、当業者が理解できる2つの要素の内部通信であってもい。
【0095】
本発明の実施形態では、特に指定または制限されない限り、第1特徴が第2特徴の「上」または「下」にある構造は、第1特徴が第2特徴と直接に接触している実施形態を含むことができ、また、第1特徴と第2特徴が互いに直接に接触していないが、その間に形成された追加の特徴を介して接触している実施形態を含むこともできる。さらに、第2特徴の「上」、「上方」、または「頂部」に設置された第1特徴は、第1特徴が第2特徴の真上または斜めに「上」、「上方」、または「頂部」に設置される実施形態を含むことができ、または単に第1特徴の高さが第2特徴の高さよりも高いことを意味する。一方、第2特徴の「下」、「下方」、または「底部」に設置された第1特徴は、第1特徴が第2特徴の真下または斜めに「下」、「下方」、または「底部」に設置される実施形態を含むことができ、または単に第1特徴の高さが第2特徴の高さよりも低いことを意味する。
【0096】
上記の説明では、本発明の異なる構造を実施するために、様々な実施形態および例が提供されている。本発明を単純化するために、特定の要素および設定が上記で説明されている。しかしながら、これらの要素および設定は単なる例であり、本発明を制限することを意図するものではない。さらに、参照番号および/または参照文字は、本発明の異なる例で繰り返される場合がある。この繰り返しは、単純化および明確化を目的としており、異なる実施形態および/または設定の間の関係を指すものではない。さらに、本発明で異なるプロセスおよび材料の例が提供される。しかしながら、当業者であれば、他のプロセスおよび/または材料も適用できることを理解できる。
【0097】
本明細書を通じて「実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示的な実施形態」、「例」、「特定の例」または「いくつかの例」への言及は、実施形態または例に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態または実施例に含まれることを意味する。従って、本明細書全体にわたる上記の語句の出現は、必ずしも本発明の同じ実施形態または例を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つまたは複数の実施形態または例において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0098】
フローチャートに記載された、または他の方法で本明細書に記載されたプロセスまたは方法は、1つまたは複数のモジュールと、プロセス内の特定の論理機能またはステップを達成するための実行可能命令のコードのセグメントまたは部分と、を含むことを理解できる。本発明の好ましい実施形態の範囲には、示されたまたは議論された順序以外の順序で機能が実現されることができ、実質的に同一の順序または反対の順序を含むことは、当業者によって理解されるべきである。
【0099】
本明細書の他の方法で説明された、またはフローチャートに示されているロジックおよび/またはステップ、たとえば、論理機能を実現するための実行可能な命令の特定のシーケンステーブルは、命令実行システム、デバイス、または機器(たとえば、コンピュータに基づくシステム、該システムは命令実行システム、デバイス、および機器から命令を取得し、命令を実行できるプロセッサまたは他のシステムを含む)に使用された任意のコンピュータ可読媒体で達成することができ、または命令実行システム、デバイス、および機器と組み合わせて使用される。明細書では、「コンピュータ可読媒体」は、命令実行システム、デバイス、または機器に使用され、またはこれらと組み合わせて使用されるプログラムを含め、記憶、通信、伝達、または転送するのに適した任意のデバイスである。コンピュータ可読媒体のより具体的な例は、1つまたは複数のワイヤを備えた電子接続(電子デバイス)、ポータブルコンピュータエンクロージャ(磁気デバイス)、ランダムアクセスメモリ(Random access、RAM)、読み取り専用メモリ(Read Only Memory、ROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(Erasable Programmable Read Only Memory、EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバーデバイス、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(Portable Compact Disk Read Only Memory、CDROM)が含まれるが、これらに制限されない。さらに、コンピュータ可読媒体は、紙またはプログラムを印刷できるその他の適切な媒体であってもよい。これは、たとえば、紙またはその他の適切な媒体を光学的にスキャンしてから、編集、解読、または他の適切な方法で処理でき、必要に応じてプログラムを電気的に取得し、その後、プログラムをコンピュータのメモリに記憶することができるためである。
【0100】
本発明の各部は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせによって実現できることを理解できる。上記の実施形態において、複数のステップまたは方法は、メモリに記憶され、適切な命令実行システムによって実行されるソフトウェアまたはファームウェアによって実現できる。例えば、それがハードウェアによって実現される場合、他の実施形態と同様に、ステップまたは方法は、当技術分野で知られている以下の技術、データ信号の論理機能を実現するための論理ゲート回路を有するディスクリート論理回路(discrete logic circuit having a logic gate circuit for realizing a logic function of a data signal)、適切な組み合わせ論理ゲート回路を有する特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit having an appropriate combination logic gate circuit)、プログラマブル ゲート アレイ(Programmable Gate Array、PGA)、フィールド プログラマブル ゲート アレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)中の1つまたは組み合わせによって実現されてもよい。
【0101】
当業者は、本発明の上記の例示的な方法におけるステップのすべてまたは一部が、プログラムで関連するハードウェアを命令することによって実現されることを理解できる。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されることができ、プログラムは、コンピュータで実行される場合、本発明の方法の実施形態におけるステップの1つまたはその組み合わせを含む。
【0102】
さらに、本発明の実施形態の各機能セルは、処理モジュールに集積されてもよく、またはこれらのセルは別個の物理的なものであってもよく、または2つ以上のセルが処理モジュールに集積されてもよい。集積モジュールは、ハードウェアの形態で実現されてもよいし、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現されてもよい。集積モジュールがソフトウェア機能モジュールの形態で実現され、スタンドアロン製品として販売または使用される場合、集積モジュールはコンピュータ可読記憶媒体に記憶される。
【0103】
上記の記憶媒体は、読み取り専用メモリ、磁気ディスク、CDなどであってもよい。
【0104】
本発明の実施形態を示して説明したが、当業者は、これらの実施形態が説明のためのものであり、本発明を制限するものとは解釈できず、かつ本発明から逸脱せずに、これらの実施形態に対する修正、置換、変更、変形を行うことができないことが理解できる。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号プロセッサからターゲット画像データを生成するための埋め込み疎画像データを取得するステップであって、前記埋め込み疎画像データは疎画像データを含み、前記疎画像データは複数の画素を含み、前記複数の画素は少なくとも第1色
の画素、第2色
の画素及び第3色
の画素を含むステップと、 前記疎画像データから第1データ部分と第2データ部分とを含む分割データを抽出するステップと、 前記第1データ部分と前記第2データ部分とを結合して圧縮データを得るステップと、 圧縮曲線に基づいて前記圧縮データを逆変換し、逆変換された残差データを得るステップと、 前記逆変換された残差データに誤差範囲内のランダム値を加算して、再構成された残差データを得るステップと、 前記再構成された残差データおよび前記疎画像データに基づいて密画像データを再構成するステップであって、前記密画像データは複数の画素を含み、前記複数の画素は第1色
の画素を含むステップと、 を含むことを特徴とするターゲット画像データの生成方法。
【請求項2】
前記誤差範囲内のランダム値は
、前記圧縮曲線で取り得
られる元の残差データの値と前記逆変換された残差データの値との差分値
の一つであることを特徴とする請求項1に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項3】
前記密画像データにおける隣接する2つの画素は第1対を構成し、前記第1対は
前記第1色の画素における第
1画素の第1値及び
前記第1色の画素における第
2画素の第2値を含むことを特徴とする請求項1に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項4】
前記密画像データを再構成することは、 前記疎画像データから、前記第1対の
前記第1色の画素における第
1画素の第1値を取得するステップと、 前記再構成された残差データを前記第1対の
前記第1色の画素における第
1画素の第1値に加算して、前記
第1色の画素における第
2画素の第2値を得るステップと、 を含むことを特徴とする請求項3に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項5】
画像信号プロセッサからの前記疎画像データに基づいて前記ターゲット画像データを生成する処理中に生成画像データを取得するステップと、 前記生成画像データと、前記再構成された残差データから再構成された前記密画像データとを合成して、合成画像データを生成するステップと、 を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項6】
前記合成画像データを前記画像信号プロセッサに入力するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項7】
前記圧縮曲線は実質的にS字型であり、前記圧縮曲線には大きな残差データの圧縮率は小さな残差データの圧縮率より大きいことを特徴とする請求項1に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項8】
対象をキャプチャする
ように構成されるカメラアセンブリから前記疎画像データおよび前記密画像データを取得するステップと、 前記密画像データにおける前記第1対の
前記第1色の画素における第
1画素の第1値と前記第1対の
前記第1色の画素における第
2画素の第2値との差分値を計算することによって、前記密画像データに基づいて元の残差データを生成するステップと、 前記圧縮曲線に基づい
て元の残差データを圧縮して前記元の残差データのデータ量を削減することにより、前記圧縮データを生成するステップと、 前記圧縮データを前記第1データ部分と前記第2データ部分とに分割して前記分割データを生成するステップと、 前記分割データを前記疎画像データに埋め込み、前記埋め込み疎画像データを生成するステップと、 をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項9】
前記疎画像データにおける隣接する2つの画素は第2対を構成し、前記第1データ部分および前記第2データ部分は、前記密画像データの前記第1対に対応する位置にある前記第2対の隣接する2つの画素に埋め込まれることを特徴とする請求項8に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項10】
前記第2対は前記第1色の画素及び前記第2色の画素を含み、または前記第2対は前記第1色の画素及び第3色の画素を含み、 前記第2対における前記第1色の画素は、前記第1対における前記第1色の画素に対応することを特徴とする請求項9に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項11】
前記埋め込み疎画像データを画像信号プロセッサに入力するステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項12】
第1色は緑であり、第2色は赤であり、第3色は青であることを特徴とする請求項1~
11のいずれに記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項13】
前記疎画像データはベイヤー形式に準拠することを特徴とする請求項
12に記載のターゲット画像データの生成方法。
【請求項14】
画像信号プロセッサと、メインプロセッサと、を含む電気装置であって、 前記画像信号プロセッサは埋め込み疎画像データに基づいてターゲット画像データを生成することを実施することに用いられ、 前記メインプロセッサは、 前記画像信号プロセッサから前記ターゲット画像データを生成するための前記埋め込み疎画像データを取得するステップであって、前記埋め込み疎画像データは疎画像データを含み、前記疎画像データは複数の画素を含み、前記複数の画素は少なくとも第1色
の画素、第2色
の画素及び第3色
の画素を含むステップと、 前記疎画像データから、第1データ部分と第2データ部分とを含む分割データを抽出するステップと、 前記第1データ部分と前記第2データ部分とを結合して圧縮データを得るステップと、 圧縮曲線に基づいて前記圧縮データを逆変換し、逆変換された残差データを得るステップと、 前記逆変換された残差データに誤差範囲内のランダム値を加算して、再構成された残差データを得るステップと、
前記再構成された残差データおよび前記疎画像データに基づいて密画像データを再構成するステップであって、前記密画像データは複数の画素を含み、前記複数の画素は第1色
の画素を含むステップと、を実施することに用いられることを特徴とする電気装置。
【請求項15】
プログラム命令を記憶し
たコンピュータ可読媒体であって、前記プログラム命令は
前記請求項1から13のいずれか一項に記載の生成方法を実行することを特徴とす
るコンピュータ可読媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明が提供するターゲット画像データの生成方法は、 画像信号プロセッサからターゲット画像データを生成するための埋め込み疎画像データを取得するステップであって、埋め込み疎画像データは疎画像データを含み、疎画像データは複数の画素を含み、複数の画素は少なくとも第1色の画素、第2色の画素及び第3色の画素を含むステップと、 疎画像データから、第1データ部分と第2データ部分とを含む分割データを抽出するステップと、 第1データ部分と第2データ部分とを結合して圧縮データを得るステップと、 圧縮曲線に基づいて圧縮データを逆変換し、逆変換された残差データを得るステップと、 逆変換された残差データに誤差範囲内のランダム値を加算して、再構成された残差データを得るステップと、 再構成された残差データおよび疎画像データに基づいて密画像データを再構成するステップであって、密画像データは複数の画素を含み、複数の画素は第1色の画素を含むステップと、を含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明が提供する電気装置は、画像信号プロセッサと、メインプロセッサと、を含み、 画像信号プロセッサは埋め込み疎画像データに基づいてターゲット画像データを生成することを実施することに用いられ、 メインプロセッサは、 画像信号プロセッサからターゲット画像データを生成するための埋め込み疎画像データを取得するステップであって、埋め込み疎画像データは疎画像データを含み、疎画像データは複数の画素を含み、複数の画素は少なくとも第1色の画素、第2色の画素及び第3色の画素を含むステップと、 疎画像データから、第1データ部分と第2データ部分とを含む分割データを抽出するステップと、 第1データ部分と第2データ部分とを結合して圧縮データを得るステップと、 圧縮曲線に基づいて圧縮データを逆変換し、逆変換された残差データを得るステップと、 逆変換された残差データに誤差範囲内のランダム値を加算して、再構成された残差データを得るステップと、
再構成された残差データおよび疎画像データに基づいて密画像データを再構成するステップであって、密画像データは複数の画素を含み、複数の画素は第1色の画素を含むステップと、を実施することにも用いられる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
プログラム命令を記憶したコンピュータ可読媒体であって、前記プログラム命令は上記ターゲット画像データの生成方法を実施する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
上述したように、密画像データは複数の第1対を含み、各第1対は緑の画素G2aおよび緑の画素G2bを含む。また、残差データの値は、第1対における緑の画素G2aの値と緑の画素G2bの値と差分値を表す。緑の画素G2aの値は、画像信号プロセッサ42からの埋め込み疎画像データから得ることができる。なぜなら、緑の画素G2aの値は、疎画像データにおける緑の画素G1の値と実質的に同じだからである。その結果、緑の画素G2aの値に残差データの値を加算することにより、緑の画素G2bの値を算出することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
その後、疎画像データの緑の画素G1の値と、緑の画素G2aの値に残差データの値を加算することによって計算された緑の画素G2bの値とをマージすることによって、密画像データの第1対を得ることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
一方、埋め込み疎画像データの全ての分割データが処理されて完成すると(ステップS42:Yes)、緑の画素G2aと緑の画素G2bとを含む第1対からなる密画像データは再構成される。従って、例えば、メインプロセッサ40は、画像信号プロセッサ42の1つのデータ出力ポートから疎画像データに基づく生成画像データを取得する(ステップS
44)。
図10に示すように、疎画像データから処理された結果として生成された画像データは、画像信号プロセッサ42から得ることができる。
【国際調査報告】