(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-14
(54)【発明の名称】少なくとも1つのストリンガで補剛された複合材料において構造コンポーネントを製造するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
B29C 70/68 20060101AFI20230907BHJP
B29C 70/42 20060101ALI20230907BHJP
B64F 5/10 20170101ALI20230907BHJP
【FI】
B29C70/68
B29C70/42
B64F5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023505767
(86)(22)【出願日】2021-07-27
(85)【翻訳文提出日】2023-03-24
(86)【国際出願番号】 IB2021056813
(87)【国際公開番号】W WO2022023975
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】102020000018139
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518160436
【氏名又は名称】レオナルド・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ・ジュゼッペ・コルヴァグリア
(72)【発明者】
【氏名】パスクアーレ・ガムバルデッラ
【テーマコード(参考)】
4F205
【Fターム(参考)】
4F205AA36
4F205AC03
4F205AD16
4F205AG06
4F205AG28
4F205AH31
4F205HA09
4F205HA14
4F205HA22
4F205HA33
4F205HA37
4F205HA45
4F205HB01
4F205HB11
4F205HK03
4F205HK04
4F205HK05
4F205HT16
4F205HT26
(57)【要約】
スキン(2)およびスキン(2)の一方の面(2a)に強固かつ一体的に適用される少なくとも1つの補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)を含む複合材料で作製される構造コンポーネント(1、1’、1’’、1’’’、1’’’’)を製造するためのプロセスであって、このプロセスは、a)長手軸(A)を提供し、長手軸(A)に平行に、そして平坦であるまたは回転面である載置面(S)に沿って延在する少なくとも1つのフランジ(8)から突出する隆起部分(7、7’、7’’、7’’’、7’’’’)を有するストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)を形成する未硬化のまたは予備硬化された複合材料の複数の第1の層(4、4a’、4b’、4’’、4’’’、4a’’’’、4b’’’’、4c’’’’)をツール(12、12’、12’’、12’’’’)上に配置するステップと、b)上記スキン(2)を形成する未硬化のまたは予備硬化された複合材料の複数の第2の層を上記ツール(12、12’、12’’、12’’’、12’’’’)上に配置するステップと、c)上記載置面(S)に平行な上記スキン(2)の面(2a)と上記ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)の上記フランジ(8)とを互いに接着させるステップと、d)上記層を一緒に圧縮し、場合によっては未硬化材料を硬化させて上記スキン(2)を上記ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)に強固に接合するように、こうして形成されたアセンブリに所定の温度および圧力を印加するステップと、e)上記載置面(S)に対して横方向に、上記フランジ(8)の自由端側縁(13)に対して切断作業を実行するステップと、f)上記フランジ(8)を形成する層(4、4a’、4b’、4’’、4’’’、4a’’’’、4b’’’’)を外側で封止するように、上記フランジ(8)の端部の上記端部側縁(13)を複合材料のコーティングで覆うステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキン(2)および前記スキン(2)の面(2a)に強固かつ一体的に適用される少なくとも1つの補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)を含む複合材料において構造コンポーネント(1、1’、1’’、1’’’、1’’’’)を製造するためのプロセスであって、前記プロセスは、
a)前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)を形成する未硬化のまたは予備硬化された複合材料の複数の第1の層(4、4a’、4b’、4’’、4’’’、4a’’’’、4b’’’’、4c’’’’)をツール(12、12’、12’’、12’’’’)上に配置するステップであって、前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)は長手軸(A)を提供し、前記長手軸(A)に平行に、かつ平坦であるまたは回転面である載置面(S)に沿って、延在する少なくとも1つのフランジ(8)から突出する隆起部分(7、7’、7’’、7’’’、7’’’’)を有する、ステップと、
b)前記スキン(2)を形成する未硬化のまたは予備硬化された複合材料の複数の第2の層を前記ツール(12、12’、12’’、12’’’’)上に配置するステップと、
c)前記載置面(S)に平行な前記スキン(2)の面(2a)と前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)の前記フランジ(8)とを互いに接着させるステップと、
d)結果として形成されたアセンブリに、前記層を一緒に圧縮し、場合によっては前記未硬化の複合材料を硬化させて前記スキン(2)を前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)に強固に接合するように、所定の温度および圧力を印加するステップと、
e)前記載置面(S)と前記フランジ(8)自体を形成する前記層(4、4a’、4b’、4’’、4’’’、4a’’’’、4b’’’’)とに対して斜め方向に、前記フランジ(8)の自由端側縁(13)に対して切断作業を実行するステップと、
を含み、
f)前記フランジ(8)を形成する前記層(4、4a’、4b’、4’’、4’’’、4a’’’’、4b’’’’)を外側で封止するように、前記フランジ(8)の少なくとも前記自由端側縁(13)を複合材料のコーティングで覆うステップであって、前記複合材料のコーティングは、前記プロセスの最後で、前記構造コンポーネント(1、1’、1’’、1’’’、1’’’’)の構成または一体部分を画定する、ステップをさらに含むことを特徴とする、プロセス。
【請求項2】
ステップe)の後かつステップc)の前に、g)前記スキン(2)の前記面(2a)に適用される側とは反対の前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)自体の側に適用される前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)を形成する複合材料の少なくともさらなる層(16)を積層するステップを含み、前記さらなる層(16)は、前記フランジ(8)の切断された前記自由端側縁(13)に対して突出する1つまたは2つの横方向端部フラップ(17)を有し、前記ステップf)は、前記さらなる層(16)の前記横方向端部フラップ(17)を前記フランジ(8)のそれぞれの切断された前記自由端側縁(13)上に折り畳んで前記自由端側縁(13)を覆い、前記自由端側縁(13)を外側で封止して前記複合材料のコーティングを画定することによって実行される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記さらなる層(16)の前記横方向端部フラップ(17)の折り畳み中に、前記横方向端部フラップ(17)のまたは各前記横方向端部フラップ(17)の第1の部分(18)が前記フランジ(8)のそれぞれの切断された前記自由端側縁(13)を覆い、切断された前記自由端側縁(13)自体から依然として突出している第2の部分(19)が、前記ステップc)において、前記スキン(2)と前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)との間に介在するように前記フランジ(8)の上に折り畳まれる、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記さらなる層(16)の前記横方向端部フラップ(17)の折り畳み中に、前記横方向端部フラップ(17)のまたは各前記横方向端部フラップ(17)の第1の部分(18)が前記フランジ(8)のそれぞれの切断された前記自由端側縁(13)を覆い、切断された前記自由端側縁(13)自体から依然として突出している第2の部分(19)が、ステップc)中に、前記スキン(2)と前記ツール(12、12’、12’’、12’’’’)との間に介在するように前記フランジ(8)の反対の部分から折り返される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記ステップf)は、未硬化の複合材料における1つまたはそれぞれのパッチ要素(20)を前記フランジ(8)の切断された前記自由端側縁(13)に適用して、前記自由端側縁(13)を覆い、前記自由端側縁(13)を外側で封止して前記複合材料のコーティングを画定することによって実行される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記パッチ要素(20)のまたは各前記パッチ要素(20)の切断された前記自由端側縁(13)への適用中に、前記パッチ要素(20)自体の第1の部分(21)が前記フランジ(8)のそれぞれの切断された前記自由端側縁(13)を覆い、切断された前記自由端側縁(13)自体から依然として突出している第2の部分(22)が、前記ステップc)において、前記スキン(2)と前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)との間に介在するように前記フランジ(8)上に折り畳まれる、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
前記パッチ要素(20)のまたは各前記パッチ要素(20)の切断された前記自由端側縁(13)への適用中に、前記パッチ要素(20)自体の第1の部分(21)が前記フランジ(8)のそれぞれの切断された前記自由端側縁(13)を覆い、切断された前記自由端側縁(13)自体から依然として突出している第2の部分(22)が、ステップc)中に、前記スキン(2)と前記ツール(12、12’、12’’、12’’’’)との間に介在するように前記フランジ(8)の反対側で折り畳まれる、請求項5に記載のプロセス。
【請求項8】
前記ステップe)において、前記フランジ(8)の前記自由端側縁(13)での前記切断作業は、前記載置面(S)と前記フランジ(8)自体を形成する前記層(4、4a’、4b’、4’’、4’’’、4a’’’’、4b’’’’)とに対して斜め方向に、かつ前記フランジ(8)の前記切断された層(4、4a’、4b’、4’’、4’’’、4a’’’’、4b’’’’)が、次の前記ステップc)において、前記載置面(S)に沿った、前記スキン(2)自体に向かって増大する延在長を提示するように実行される、請求項1から7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記補剛ストリンガ(3’、3’’、3’’’、3’’’’)は、前記長手軸(A)に対する横断面において、TまたはLまたはZまたはJ形状の輪郭を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記補剛ストリンガ(3)の前記隆起部分(7)は凹状であり、前記載置面(S)に沿って延在する2つの前記横方向フランジ(8)間の中央に配置され、前記ステップc)において、前記スキン(2)および前記補剛ストリンガ(3)の前記凹状の隆起部分(7)は閉じた輪郭の空洞(10)を形成する、請求項1から8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
ステップa)の後かつステップc)の前に、h)前記補剛ストリンガ(3)の前記凹状の隆起部分(7)の内側に少なくとも1つの長手方向膨張可能インサート(11)を配置して、前記長手方向膨張可能インサート(11)が、ステップc)中に画定される前記空洞(10)内に完全に収容されるようにするステップを含み、
ステップc)の後かつステップd)中に、i)前記空洞(10)を区切る壁に対して前記長手方向膨張可能インサート(11)を膨張させて前記空洞(10)を維持するステップをさらに含む、
請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記ステップi)は、前記長手方向膨張可能インサート(11)の内側に圧力、特にステップd)中に前記アセンブリの外側に印加される同じ圧力を印加することによって実行される、請求項10に記載のプロセス。
【請求項13】
前記ステップi)は、前記長手方向膨張可能インサート(11)に熱を加えることによって実行される、請求項10に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2020年7月27日に出願されたイタリア国特許出願第102020000018139号からの優先権を主張するものであり、その開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、少なくとも1つのストリンガで補剛された、複合材料における構造コンポーネントを製造するためのプロセスに関する。
【0003】
特に、この説明は、そのために本明細書の一般的な適用可能性を失うことなく、航空機の胴体、翼、その一部または他の構造部品の製造に明示的に言及するものである。
【背景技術】
【0004】
胴体、翼およびその一部のような、航空において使用される構造コンポーネントは、複合材料で作製されることが知られている。この材料の使用は、航空機の総重量を削減し、航空機における腐食の問題を排除または最小化する必要性によって必要になっている。
【0005】
最も一般的な解決策において使用される複合材料は、繊維材料、たとえば、エポキシ、BMIまたは何らかの他の未硬化のまたは予備硬化された材料で予備含浸された炭素繊維からなる。上記材料はモールドに堆積され、次いで温度および圧力下で処理される。他の方法では、よく知られたプロセスに従って(たとえば「樹脂トランスファー成形」またはRTMとして知られる方法によって)通常流動樹脂で含浸された乾燥繊維を使用する。
【0006】
典型的には、胴体、翼またはこれらの部品のような、上述のタイプの構造コンポーネントは、これも複合材料で作製され、上記構造コンポーネントが延在する所定の方向に平行に通常配置されている複数の補剛ストリンガと複合スキンとを接合することによって製造される。
【0007】
特に、各ストリンガは通常、
スキンに接合するのに適した1つまたは2つの長手方向横方向フランジと、
フランジに対して横方向に突出する所定の形状の隆起部分と、
を含む、薄壁の長手方向の輪郭によって画定される。
【0008】
業界で最も一般的に使用されているストリンガは、オメガ、T、L、JまたはZの断面を有する。
【0009】
皮革を製造するため、複数の上記未硬化複合材料の層が一緒に積層される。
【0010】
同様に、ストリンガを製造するため、未硬化複合材料の多くの層が、適切な形状の形成ツール上に配置される。
【0011】
スキンおよびストリンガが製造されたら、ストリンガをスキンと接触させ、それぞれのフランジでスキンに接合する。
【0012】
この第1の実施形態において、このように形成されたアセンブリは次いで、複合材料を硬化させ、上記の層を一緒に圧縮し、ストリンガをスキンに接合させるように、高圧および高温を適用することによってオートクレーブ内で共硬化作業を受ける。
【0013】
実際には、各ストリンガは、スキンの1つの面、排他的ではないが通常はスキンの内壁を画定する面、すなわち胴体または翼の内側に面して使用される面に強固に一体的に適用される。
【0014】
構造コンポーネントはこのように製造される。
【0015】
別の一実施形態において、ストリンガは、形成した後に予備硬化し、次いで構造用接着剤を使用することによってスキンに接合することができる。このように形成されたアセンブリをオートクレーブに入れ、高圧および高温にさらして、新しい複合材料を硬化させ、異なる層を一緒に圧縮し、ストリンガをスキンに結合させる。この作業は業界で一般に「共結合」と呼ばれている。
【0016】
共結合は、スキンのみを予備硬化し、これを構造用接着剤で未硬化のストリンガに結合することによっても実行することができる。
【0017】
さらなる一実施形態において、スキンとストリンガとの両方を予備硬化し、次いで構造用接着剤で接合することができる。この作業は業界で一般に「結合」と呼ばれ、オートクレーブ内で行う、または冷間で行うことができる。
【0018】
スキンとストリンガとは異なる方法で接合することもできる。
【0019】
「内側モールドライン」またはIMLとして知られる第1のモードは、しばしば「マンドレル」と呼ばれる硬化ツールの使用を伴い、その外側形状が、製造される胴体または翼の部分の内部表面を画定する。実際には、マンドレルはそれぞれの長手方向の空洞を有し、それぞれが補剛ストリンガを収容することができる。
【0020】
ストリンガがマンドレルの前述の空洞に配置されたら、ストリンガ自体の形状に応じて、業界で「ブラダ」および「ヌードル」として知られる、異なるタイプのインサートを、マンドレル上にストリンガを配置してから形成することができるさまざまな空洞に挿入することが必要であることがあり、これらのインサートは、さまざまなコンポーネントを所定の位置に保ち、オートクレーブを通過するとき、これらが高圧により破砕されることを防止するように設計されている。
【0021】
この時点で、マンドレル、ストリンガおよびインサートからなるアセンブリは、胴体または翼の前述の部分の外部表面を形成することになるスキンの関連部分で覆われる。ストリンガまたはスキン、または両方が予備硬化されていれば、構造用接着剤の層がスキンと上記ストリンガとの間に配置される。
【0022】
したがって、マンドレルは結果のアセンブリにおける最も内側のコンポーネントを画定する。
【0023】
この時点で、アセンブリ全体が、上で定義したように、共硬化、共結合または結合作業を受け、この間にストリンガはスキン上へ堅固に結合および接合される。
【0024】
この作業中、弾性変形可能な材料で作製され、内部が空洞または中実のいずれかであり得るブラダは、オートクレーブ作業中にアセンブリの外側に印加される圧力に対抗するように膨張する。より正確には、空洞のブラダの場合、その内側はオートクレーブの内側への開口によってロックされ、アセンブリの外側とストリンガにおけるあらゆる空洞との両方が同じ圧を受けるようになる。中実のブラダの場合、ブラダは、温度の増加とともに膨張する材料で作製されている。
【0025】
空洞のブラダの代わりに、管状バッグを使用することができ、その内側がオートクレーブの内側にロックされる。
【0026】
ヌードルは引き続き構造に統合されるが、ブラダは硬化段階の最後に抽出される。
【0027】
「外側モールドライン」またはOMLとして知られる第2のモードは、「外部」マンドレルの使用を伴い、プロセスは、マンドレルがスキンの外側表面を包囲および支持することを除いて、IMLと同様である。
【0028】
ストリンガが形成ツール上で形成されている間に実行される、補剛ストリンガのフランジの長手方向側縁をトリミングする段階も、業界で知られている。
【0029】
特に前述の縁が切断されている間、ストリンガを支持する支持平面に対してこれらの縁を90°切断し、上記切断は形成ツールによって画定されることが業界で知られている。支持平面は通常水平面であり、切断は頂部から底部へと行われるため、このタイプの切断は、行うのが最も容易である。
【0030】
しかしながら、共硬化、共結合または結合作業中にストリンガがスキンに接合されると、ストリンガの縁の90°の切断は、上記スキンの内側表面に対してかなり顕著な表面の不連続につながり、したがって、ストリンガからスキンへの、およびその逆の動作負荷の伝達は最適ではなく、改善することができる。
【0031】
同時に、切断縁での繊維はむき出しになり、ストリンガのフランジを形成する層に浸透する湿気、および/または層が剥離している完成したコンポーネントのリスクが増加する。
【0032】
特許文献1は、請求項1のプリアンブルで定義されているような、複合材料で作製された構造コンポーネントを製造するためのプロセスを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0033】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2886311号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
本発明の目的は、信頼性が高く、コストが制限され、上述した既知のタイプのプロセスから生じる上で特定した問題の少なくとも1つを解決することが可能になる、少なくとも1つのストリンガで補剛された複合材料で作製された構造コンポーネントを製造するためのプロセスを開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の少なくとも1つのストリンガを有する補剛複合材料で作製された構造コンポーネントを製造するためのプロセスによって達成される。
【0036】
本発明をよりよく理解するという目的のため、純粋に例として、そして添付の図面の助けを借りて、いくつかの好ましい非限定的な実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】複合材料で作製された構造コンポーネント、特に本発明によって開示される製造プロセスによって製造される航空機胴体の一部を画定する複合パネルの斜視図である。
【
図2】形成ツール上にある
図1に示す構造コンポーネントの補剛ストリンガの、上記ストリンガが形成されている間の、拡大された、そして明確にするために部品が除去されている断面図である。
【
図3】後続の作業条件中の
図2に示す補剛ストリンガの、拡大された、そして明確にするために部品が除去されている断面図である。
【
図4】後続の作業条件中の
図3に示す補剛ストリンガの、拡大された、そして明確にするために部品が除去されている断面図である。
【
図5】コンポーネントが硬化している間、硬化ツール上にある
図1に示す構造コンポーネントの断面図である。
【
図6】
図5と同様の、この中に示すステップの可能な変形を示す図である。
【
図7】本発明の代替の一実施形態において説明する製造プロセスにおけるステップ中に使用される硬化ツールの断面図である。
【
図8】本発明によって開示される製造プロセスの代替の一実施形態において説明する硬化段階中の
図5および
図6に示す硬化ツール上にある
図1に示す構造コンポーネントの断面図である。
【
図9】
図8と同様の、この中に示すステップの可能な変形を示す図である。
【
図10】本発明によって開示される製造プロセスのそれぞれのさらなる代替の実施形態において説明する対応する硬化段階中のそれぞれの硬化ツール上にある異なるタイプの構造コンポーネントの断面図である。
【
図11】本発明によって開示される製造プロセスのそれぞれのさらなる代替の実施形態において説明する対応する硬化段階中のそれぞれの硬化ツール上にある異なるタイプの構造コンポーネントの断面図である。
【
図12】本発明によって開示される製造プロセスのそれぞれのさらなる代替の実施形態において説明する対応する硬化段階中のそれぞれの硬化ツール上にある異なるタイプの構造コンポーネントの断面図である。
【
図13】本発明によって開示される製造プロセスのそれぞれのさらなる代替の実施形態において説明する対応する硬化段階中のそれぞれの硬化ツール上にある異なるタイプの構造コンポーネントの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明によって開示されるプロセスによって製造される複合材料で作製された構造コンポーネントの第1の例を1で全体的に示す。
【0039】
この説明は、特に、本明細書の一般的な適用可能性を失うことなく、航空において使用される構造コンポーネント、たとえば航空機の胴体、翼または胴体または翼の一部、およびこのような構造コンポーネントを製造するためのプロセスに明示的に言及するものとする。
【0040】
本明細書で説明および図示する好ましい実施形態によれば、構造コンポーネント1は、航空機胴体の一部を形成するように意図されてパネルによって画定され、パネルは、複合スキン2および、パネルを補剛するように構成された、閉じたセクションを有する一連の空洞の長手方向補剛ストリンガ3を含む。
【0041】
各ストリンガ3は、このような長手方向に直交する他の2つの方向における延在長より大幅に大きい長手方向における延在長を有する。
【0042】
本明細書に示す具体的な場合において、ストリンガ3の前述の長手方向の延在長は、また、構造コンポーネント1によって少なくとも部分的に形成される胴体の長手方向の延在軸に対して使用時に平行である。
【0043】
図示していない可能な代替案によれば、ストリンガ3は、その長手方向の延在長が胴体の長手方向の延在軸に対して横方向であるまたは直交するようにスキン2に取り付けることもできる。
【0044】
航空機産業における複合構造コンポーネントの使用は、航空機の総重量を削減し、航空機における腐食の問題を排除または最小化する必要性によって決まる。
【0045】
一実施形態において、使用される複合材料は、繊維材料、たとえば、エポキシ、BMIまたは他の未硬化のまたは予備硬化された材料で予備含浸された炭素繊維である。材料はモールドに堆積され、次いで温度および圧力下で処理される。他の方法では、よく知られたプロセス(たとえば「樹脂トランスファー成形」またはRTMとして知られる方法)に従って通常流動樹脂で含浸された乾燥繊維を使用する。
【0046】
図1から
図9に記載の解決策は、構造コンポーネント1を製造するためのプロセスに関し、これは、各ストリンガ3がスキン2とともに閉じた輪郭の空洞を形成するように、ストリンガ3を上記スキン2に強固かつ一体的に適用することによって得られる。
【0047】
特に、この説明は、本明細書の一般的な適用可能性を失うことなく、前述の胴体の一部を画定する単一のパネルの製造に明示的に言及するものである。
【0048】
より具体的には、簡素化のため、このようなパネルは平坦または実質的に平坦である、すなわちこれは平坦または実質的に平坦な表面に沿って延在すると仮定する。しかしながら、手順の構造的および機能的特徴およびステップは、湾曲したまたは回転するレイアウトを有する表面に沿って、たとえば実質的に放物線状の表面、アーチ型の表面または、再度、(実質的に)円筒状または先細り表面に沿って延在するパネルに等しく適用可能であると考えられるべきである。
【0049】
後者の場合、スキン2は、(実質的に)円筒状または先細り形状(図示せず)を有し、中心長手軸を提供することになる。ストリンガ3は、スキン2の中心軸に平行なそれぞれの長手軸に沿って配置されることになる。
【0050】
構造コンポーネント1は、胴体のリング状部分を形成するように意図されたバレルによって画定することもできる。
【0051】
さらに、この説明は、本明細書の一般的な適用可能性を失うことなく、それ自体よく知られており、詳細には説明しない「内側モールドライン」またはIMLとして知られるタイプの製造プロセスに明示的に言及するものである。
【0052】
しかしながら、これもそれ自体よく知られており、詳細には説明しない「外側モールドライン」またはOMLとして知られるタイプのプロセスに従って構造コンポーネントが製造される場合(図示せず)、必要な変更が行われたら、プロセスのステップは等しく適用可能である。
【0053】
図2を参照すると、各ストリンガ3は好ましくは、ツール、特にストリンガ3を形成するように特別に構成された形成ツール6の成形部分5上に未硬化複合材料の複数の層4を配置することによって作製される。
【0054】
特に、各ストリンガ3は長手軸Aを有し、それぞれの軸Aに平行に、そして単一の載置面Sに沿って延在する2つの横方向フランジ8と、フランジ8間の中央に配置され、後者に対して突出して片側で凹形状を有する隆起部分7と、を含む。
【0055】
上で特定したように、本明細書に記載の非限定的な例は平坦または実質的に平坦な載置面Sを開示している。本明細書に示さない代替の一実施形態において、載置面Sは曲線であってもよく、すなわちこれは検査中、ストリンガ3の軸Aに平行な軸を中心に曲線を回転させることによって得られる回転面であってもよい。
【0056】
したがって、各ストリンガ3をそれぞれ形成するため、構造コンポーネント1の製造プロセスは、上記ストリンガ3を形成するように、前述の例において形成ツール6である、ツールの成形部分5上に未硬化複合材料の複数の層4を配置するステップを含む。
【0057】
この好ましい非限定的な実施形態によれば、ストリンガ3はオメガ形状の断面を有する。
【0058】
あるいは、スキン2で閉じた空洞セクションを作成するように意図されたストリンガ3は、異なる断面形状、たとえば円弧、半円形、長方形、多角形、半楕円形、半卵形などを有することができる。
【0059】
スキン2を形成するため、構造コンポーネント1を製造するプロセスは、未硬化複合材料の複数の層(図示せず)を積層するステップを含む。
【0060】
このような積層は通常硬化ツール上で直接実行され、これは以下で説明する。
【0061】
構造コンポーネント1を画定するパネルを作製するため、製造プロセスは、各ストリンガ3の隆起部分7とスキン2自体との間にそれぞれの閉じた輪郭の空洞10(
図1および
図5)を形成するように、載置面Sに平行な、したがって具体的な例において平坦なスキン2の面2aと各ストリンガ3のフランジ8とを互いに接触させるステップをさらに含む。
【0062】
さらに、上で示したように、ストリンガ3は、航空機胴体の長手方向の延在長に対して平行に配置される。
【0063】
この好ましい実施形態によれば、スキン2とストリンガ3とを互いに接触させるステップは、ストリンガ3を作製するために使用される形成ツール6とは別個の分離した特別な硬化ツール12(
図5)上に、前もって形成された各ストリンガ3およびスキン2を配置することによって実行される。
【0064】
特に、硬化ツール12は、載置面Sに沿って延在し、スキン2とストリンガ3とを互いに接触させ、同じステップの間、ならびに、以下でよりよく説明するように、後続の硬化ステップまたは作業においてこれらを支持するステップの前に、前もって形成されたストリンガ3を受け取るように構成された複数の長手方向に成形されたスロットまたは溝15(そのうちの1つのみを
図5に示す)を提示する壁を含む本体(一般に「マンドレル」として知られる)によって画定されている。
【0065】
本明細書で説明および図示する好ましい実施形態において、載置面が平坦であるため、硬化ツール12はしたがって平坦である。
【0066】
図示しない代替の一実施形態において、硬化ツール12は、載置面の形状に応じて、湾曲した、または(実質的に)円筒状または先細りの本体によって画定することもできる。
【0067】
好都合には、製造プロセスは、ストリンガ3を形成するステップの後、そしてスキン2とストリンガ3とを互いに接触させるステップの前に、一般に「ブラダ」として知られる長手方向インサート11(
図5)を各ストリンガ3の隆起部分7内に配置して、スキン2とストリンガ3とを互いに接触させるステップが完了すると、インサート11自体が空洞10内に完全に収容されるようにするステップをさらに含む。
【0068】
特に、インサート11は弾性変形可能な材料で作製され、以下でより詳細に説明するように、空洞10を維持するように構造コンポーネント1が続いて共硬化されている間、膨張することができる。
【0069】
より具体的には、インサート11を配置するステップは、ストリンガ3が硬化ツール12上でそれぞれの成形スロット15内に配置されているときに実行される。
【0070】
インサート11が配置された後、一般に「ヌードル」として知られる追加のインサート25がこれらとスキン2との間の角に配置され、上記「ヌードル」はフィラーとして作用し、未硬化複合材料で作製されている。
【0071】
前述の共硬化作業は、複合材料を硬化させ、前述の層をこれらの間で圧縮してストリンガ3、インサート25およびスキン2を接合するように、スキン2、ストリンガ3、インサート11、25および硬化ツール12で構成されたアセンブリに高圧および高温(約6バールおよび180℃)を印加すること、特に堅固かつ一体的な方法でストリンガ3をスキン2の面2aに適用することにある。
【0072】
したがって、製造プロセスは、空洞10を維持しながら、複合材料を硬化させて層を一緒に圧縮するように、上記アセンブリの外側におよび空洞10の内側に高温および高圧を印加するステップを含む。
【0073】
この点に関して、製造プロセスは、スキン2とストリンガ3とを互いに接触させるステップに続いて、そして温度および圧力を印加するステップ中、上記共硬化作業中に上記空洞10を維持するため、各インサート11をそれぞれの空洞10の境界壁に対して膨張させるステップを含む。
【0074】
特に、各インサート11は前述の例において弾性変形可能な空洞の本体によって画定されているため、その膨張のステップは、インサート11自体の内側に圧力を印加することによって、特に硬化ステップ中、上記アセンブリの外側に印加される同じ圧力を印加することによって実行される。
【0075】
より具体的には、各インサート11には、既知の詳細には説明しない方法で、上記インサート11の内側とその外側とを接続するバルブが設けられ、このように、硬化ステップ中、インサート11の内側は、硬化環境と同じ温度および圧力条件にさらされる。したがって、共硬化作業中に構造コンポーネント1が受ける高圧によって引き起こされる、空洞10に向かうスキン2の起こり得る変形が回避され、空洞10自体がしたがって維持される。
【0076】
図示しない代替の一実施形態によれば、インサート11は、弾性変形可能な感温性の材料、特に熱膨張性材料で作製された中実体によって画定することができる。
【0077】
したがって、このような場合、拡張ステップは、単にインサート11を硬化温度に曝露することによって実行され、これによりしたがって、空洞10を区切る壁に押し付けられることになる。
【0078】
図示しない代替の一実施形態によれば、インサート11は、硬化環境と同じ圧力が内側に印加される簡単な管状バッグによって画定することもできる。
【0079】
共硬化作業の最後で、結果のパネルは硬化ツール12から分離され、インサート11は除去される。
【0080】
共硬化作業の代わりに、スキン2およびストリンガ3は、共結合または結合作業によって接合することもできる。
【0081】
第1の場合(共結合)において、ストリンガ3(またはスキン2)を硬化させ、次いで構造用接着剤を使用して未硬化のスキン2(または未硬化のストリンガ3)に接合することもできる。このように形成されたアセンブリを次いでオートクレーブに入れ、高圧および高温にさらして新しい複合材料を硬化させ、異なる層を圧縮してストリンガ3をスキン2に接合させる。
【0082】
第2の場合(結合)において、スキン2とストリンガ3との両方を予備硬化させ、次いで構造用接着剤によって接合することもできる。この作業は、オートクレーブ結合または冷間結合のいずれかによって実行することもできる。
【0083】
軸Aに平行で、隆起部分7から離間し、載置面Sに対して横方向に延在する、ストリンガ3のそれぞれのフランジ8の自由端によって各側縁13が画定される、各ストリンガ3の自由端側縁13のトリミング段階も業界で知られている。
【0084】
特に、切断作業中にストリンガ3を支持する支持平面14に対して、したがってフランジ8の載置面Sに対して、上記側縁13の90°切断を実行することが知られている。
【0085】
記載の例において、支持平面14は、成形部分5に隣接する形成ツール6の平坦な上面によって区切られている。
【0086】
有利には、
図3を参照すると、構造コンポーネント1を製造するプロセスは、各ストリンガ3が形成された、すなわち未硬化複合材料の複数の層4を形成ツール6の成形部分5上に配置するステップの後、そしてスキン2とストリンガ3とを互いに接触させる前に、載置面Sに対して斜め方向にフランジ8の自由端の側縁13を切断するステップを含み、上記載置面Sは、フランジ8の切断層4が、スキン2とストリンガ3とを互いに接触させる後続のステップの過程の間、載置面S自体に沿ったまたは平行な、スキン2に向かって進行するにつれて増大する延在長を提示するように、フランジ8が延在する表面である。
【0087】
換言すれば、
図3に示すように、側縁13は、上に示した場合において平坦である載置面Sに対して斜め方向に切断されて、各切断側縁13が、上記縁側13のその側で、形成ツール6上に配置されたそれぞれのフランジ8の表面に対して、すなわち
図3に示すそれぞれのフランジ8の下面に対してαの鋭角を画定するようになっている。
【0088】
図5に見られるように、スキン2とストリンガ3とを互いに接触させる後続の段階の間、切断されたフランジ8は、載置面Sに沿って測定して、上記スキン2の面2aに向かって増大する延在長を有する。
【0089】
実際には、各フランジ8は、それぞれのストリンガ3の軸Aに直交する断面において、実質的に半台形の輪郭を有し、斜めの側はそれぞれの切断された側縁13によって画定され、その主要なベースが、スキン2の面2aに触れるように意図されている。
【0090】
本発明による側縁13の特定の切断構成により、部品が一体的に結合されると、スキン2の面2aに対するストリンガ3の強調された表面の不連続を回避することが可能になる。逆に、このようなせん断形状により、各ストリンガ3のフランジ8と上記スキン2との間のより滑らかな接続が決定され、ストリンガ3とスキン2との間の接合領域における応力の分布も改善される。特に、使用時の構造負荷は、ストリンガ3からスキン2へ、およびその逆に、より良好に分散される。
【0091】
さらに、このように得られたストリンガ3は、取り扱うこと、そして硬化ツール12、特に、側縁13と同じ傾斜を有するそれぞれの鈍角の面取り部を備えてその対向する横方向端部で終了する、上記硬化ツール12の成形空洞15において挿入/抽出するのがより容易である。その結果として、上記成形空洞15は、鋭い面取り部および表面の不連続がない簡単な形状を提示することができる。
【0092】
この好ましい非限定的な実施形態によれば、側縁13を切断するステップは、関連するストリンガ3が形成ツール6上に配置されているときに実行される。
【0093】
図5に見られるように、製造プロセスは、各ストリンガ3が形成され、横方向縁部13が切断された後、そしてスキン2とストリンガ3とが互いに接触する前に、ツールの成形空洞、特に、形成および切断されたストリンガ3を収容するように成形されている、硬化ツール12の成形空洞15に各ストリンガ3を配置するステップを含む。
【0094】
詳細には、各成形空洞15は、外側輪郭、すなわち上記空洞を区切る壁を有し、これは、スキン2の面2aに適用されるように意図されたものとは反対側の形成および切断されたストリンガ3の側の輪郭に従う、すなわちこれをたどる。
【0095】
実際には、各成形空洞15は、すでに切断された側縁13を有するストリンガ3を収容するように特別に成形される。
【0096】
上で特定したように、フランジ8が切断される特定の形状のため、成形空洞15の輪郭はかなり簡単であり、鋭い面取り部および表面の不連続がない。
【0097】
有利には、製造プロセスは、斜めにまたは90°で切断されている層4、すなわちフランジ8の側縁13を、複合材料コーティングでコーティングするステップも含む。
【0098】
このような複合コーティングは、本明細書に記載の製造プロセスの最後で、最終構造コンポーネント1の構成要素または不可欠な部分である。
【0099】
特に、
図4に示すように、製造プロセスは、各ストリンガ3が形成された後、そしてスキン2とストリンガ3とを互いに接触させる前に、スキン2の面2aに適用されるように意図された側に対してストリンガ3の反対側に適用された関連するストリンガ3を形成する複合材料のさらなる層16を積層するステップを含む。より正確には、上記さらなる層16は、ストリンガ3の最外層、すなわち上記ストリンガ3の「凸」側に配置される層を画定する。
【0100】
さらなる層16は、フランジ8の側縁13に対して突出するそれぞれの対向する横方向端部フラップ17を有する。上記フラップ17はしたがって切断された層4の側縁13の上記複合材料コーティングを画定する。
【0101】
したがって、側縁13を覆うステップは、フラップ17をそれぞれの側縁13の上に折り畳んでこれらを覆い、外側で封止することによって実行される。
【0102】
より詳細には、
図5に示す解決策によれば、フラップ17の第1の部分18は、さらなる層16のフラップ17の折り畳み中、それぞれのウイング8の側縁13を覆い、第2の部分19は、側縁13自体から依然として突出しており、スキン2とストリンガ3とを互いに接触させるステップ中、スキン2と上記ストリンガ3との間に介在するように、それぞれのフランジ8の上に折り畳まれる。
【0103】
実際には、フラップ17は、層4を外側で封止することによってこれらを覆うように、フランジ8の側縁13の周りで実質的に「C」形状に折り畳まれる。
【0104】
あるいは、
図6に示す解決策によれば、フラップ17の第2の部分19は、スキン2とストリンガ3とを互いに接触させる間、スキン2と上記硬化ツール12との間に介在するように、さらなる層16のフラップ17が折り畳まれている、すなわち硬化ツール12上にある間、それぞれのフランジ8の反対側に折り畳まれる。
【0105】
実際には、フラップ17は、層4を外側で封止することによってこれらを覆うように、フランジ8の側縁13の周りで実質的に「Z」形状に折り畳まれる。
【0106】
斜めにまたは90°で側縁13を切断した結果として覆われずに残る繊維がこのように保護される。これにより、層4間への水分または他の流体の侵入のリスク、ならびに完成したコンポーネント1の構造的剥離のリスクが低減または排除される。
【0107】
図7から
図9を参照して、構造コンポーネント1の前述の製造プロセスのステップを、本発明の代替の一実施形態において以下で図示および説明する。
【0108】
特に、製造プロセスのこの代替の実施形態によれば、フランジ8の側縁13を覆うステップは、未硬化複合材料で作製されたパッチ要素20を側縁13に適用してこれらを覆い、これらを外側で封止することによって実行される。この場合、パッチ要素20は、切断された層4の側縁13の上記複合材料コーティングを画定する。
【0109】
特に、パッチ要素20は、未硬化複合材料の薄壁の長手方向インサートによって画定される。
【0110】
好ましくは、
図7に示すように、パッチ要素20は、硬化ツール12の成形空洞15に、特にフランジ8の側縁13を収容および支持することになる空洞の面取り部に配置される。
【0111】
したがって、パッチ要素20は、スキン2の面2aに適用されるように意図されたものとは反対側にある関連するストリンガ3の側に適用される。
【0112】
特に、パッチ要素20は、フランジ8の側縁13から突出するように配置される。
【0113】
図8の解決策に見られるように、側縁13を覆うパッチ要素20の第1の部分21と、上記側縁13自体から依然として突出している第2の部分22とは、スキン2とストリンガ3とを接触させている間、スキン2とそれぞれのストリンガ3との間に介在するように、パッチ要素20が側縁13に適用される間、それぞれのフランジ8の上に折り畳まれる。
【0114】
さらに、各パッチ要素20は、それぞれの第2の部分22とは反対にある側でそれぞれのフランジ8の上に折り畳まれた第3の部分23を含み、実際には、ストリンガ3が上記硬化ツール12上に配置されているとき、第3の部分23はそれぞれのストリンガ3と硬化ツール12の成形空洞15との間に介在する。
【0115】
実際には、パッチ要素20は、層4を外側で封止することによってこれらを覆うように、フランジ8の側縁13の周りで実質的に「C」形状に折り畳まれる。
【0116】
あるいは、
図9に示す解決策によれば、第2の部分22は、スキン2とストリンガ3とを互いに接触させる間、スキン2と上記硬化ツール12との間に介在するように、パッチ要素20が折り畳まれている、すなわち硬化ツール12上にある間、それぞれのフランジ8の反対側に折り畳まれる。
【0117】
実際には、パッチ要素20は、層4を外側で封止することによってこれらを覆うように、フランジ8の側縁13の周りで実質的に「Z」形状に折り畳まれる。
【0118】
図10から
図13は、共硬化ステップ中の他のタイプの構造コンポーネントを断面で示しており、これらはそれぞれ1’、1’’、1’’’、1’’’’で示され、本発明において開示されるプロセスによって得ることができる。
【0119】
構造コンポーネント1’、1’’、1’’’、1’’’’およびこれらの製造プロセスは、これらが互いにそして構造コンポーネント1とは、ならびに上述した製造方法とは異なる場合にのみ、以下で説明し、すでに説明した部分と等しいまたは同等である部分を同じ参照番号で示している。
【0120】
構造コンポーネント1に関連してすでに見たように、構造コンポーネント1’、1’’、1’’’、1’’’’の最終的な共硬化は、オートクレーブ共結合または冷間共結合またはこれらの結合によって置き換えることもできるということにも留意されるべきである。
【0121】
図10に関して、構造コンポーネント1’は、上述のものと同一のスキン2と、形状がストリンガ3のものとは異なるストリンガ3’と、を含む。
【0122】
より正確には、ストリンガ3’は、長手軸Aと、実質的にT形状である上記長手軸Aを横切る断面積と、を有する。ストリンガ3’は、ストリンガ3のフランジ8と同様である2つの横方向フランジ8と、フランジ8におよび載置面Sに実質的に直交する方向に延在する、薄い平らなシートを備えた隆起部分7’と、を含む。
【0123】
ストリンガ3’は、
互いに対向する未硬化のL形状複合材料の2組の層4a’であって、それぞれ、そのベースおよびバックで互いに直角の2つの直線セクションからなり、ベースおよびバックは共通の曲線セクションによって接合され、それぞれのバックに沿って並んで配置されている、2組の層4a’と、
スキン2と接触するように意図されたフランジ8の部分を画定する未硬化複合材料の第3の一連の平らな層4b’と、
を特別な形成ツール(これ自体は知られており、図示していない)上に積層することによって得られる。
【0124】
続いて、一般に「ヌードル」として知られる1つまたは複数のインサート25’が、共通の曲線の特徴が配置されている領域において層4b’と層4a’との間に作成された隙間に挿入され、上記曲線の特徴はフィラーとして作用し、未硬化複合材料で作製されている。
【0125】
ストリンガ3’のフランジ8は、それぞれの自由端側縁13が斜めにではなく載置面Sに対して90°で切断されているという事実のみのためにストリンガ3のフランジ8とは異なる。
【0126】
スキン2およびストリンガ3’によって形成されたアセンブリは、スキン2用のハウジングを有する硬化ツール12’、この場合はたとえばOMLタイプのものに配置される。
【0127】
有利には、フランジ8の側縁13は、薄壁の未硬化複合材料で作製されたそれぞれのパッチ要素20によって覆われて外側で封止されている。
【0128】
特に、
図10および
図14Aに見られるように、側縁13にパッチ要素20を適用している間、上記パッチ要素20の第1の部分21は切断された側縁13を覆い、スキン2とストリンガ3’とを互いに接触させている間、上記側縁13の一方の側から突出する第2の部分22はスキン2の上に折り畳まれ、上記側縁13の反対側から突出する第3の部分23は、隆起部分7’の側でそれぞれのフランジ8の上に折り畳まれる。
【0129】
実際には、パッチ要素20は、層4a’および4b’を外側で封止することによってこれらを覆うように、フランジ8の側縁13の周りで実質的に「Z」形状に折り畳まれる。
【0130】
あるいは、
図14Bに示す解決策によれば、第2の部分22は、スキン2とストリンガ3’とを接触させている間、これらの間に介在するように、パッチ要素20の折り畳み中、第3の部分23に面する位置においてそれぞれのフランジ8上へ折り畳むことができる。
【0131】
実際には、パッチ要素20は、層4a’および4b’を外側で封止することによってこれらを覆うように、フランジ8の側縁13の周りで実質的にC形状に折り畳まれる。
【0132】
隆起部分7’の自由端側縁もCパッチ要素30によって覆われて外側で封止される。
【0133】
共硬化作業はこの場合、各ストリンガ3’を外部で覆う硬化ツール12’上の真空バッグ31を封止することによって実行される。
【0134】
図示していない可能な代替の一実施形態によれば、そして
図1から
図6に関して説明した手順において見られたものとの類似により、ストリンガ3’を形成する2つのLの最も外側の複合層4a’は、側縁13自体を外側で覆って封止するように、これらの上でCまたはZ形状に折り畳まれているフランジ8の切断された側縁13に対して突出する横方向端部フラップをそれぞれ有することもできる。このように、上記突出するフラップがパッチ要素20に置き換わるであろう。
【0135】
上に示したように、ストリンガ3’(またはスキン2)は、予備硬化させ、構造用接着剤の層によってスキン2(またはストリンガ3’)に接合し、次いでスキン2(またはストリンガ3’)と一緒にオートクレーブ共結合作業にかけることもできる。
【0136】
さらなる可能な一実施形態によれば、ストリンガ3’とスキン2との両方を個別に予備硬化させ、構造用接着剤を使用することによって一緒に接合し、次いでオートクレーブまたは冷間結合作業にかけることもできる。
【0137】
図14Cおよび
図14Dに示す変形は、コンポーネント1用のストリンガ3のフランジ8と同一であるフランジ8からなるストリンガ3’についての解決策を指す。
【0138】
この場合でも、ストリンガ3と同様に、フランジ8は、スキン2とストリンガ3’とを互いに接触させる後続のステップにおいて、載置面S自体に沿ったまたは平行な、スキン2に向かって増大する延在長を提示するように、載置面Sに対して斜めに切断されたそれぞれの自由端側縁13を有する。
【0139】
フランジ8のパッチ要素20は、この解決策において、側縁13でZ形状(
図14C)またはC形状(
図14D)に折り畳むこともできる。
【0140】
図11に関して、構造コンポーネント1’’は、上述のものと同一のスキン2と、ストリンガ3および3’とは異なる形状を有するストリンガ3’’と、を含む。
【0141】
特に、ストリンガ3’’は、長手軸Aと、実質的にL形状である上記長手軸Aを横切る断面積と、を有する。ストリンガ3’’は、ストリンガ3’の対応するフランジ8と同一である単一の横方向フランジ8と、フランジ8におよび上記フランジの載置面Sに直交する方向に実質的に延在する薄い平らなシートを有する隆起部分7’’と、を含む。
【0142】
より正確には、隆起部分7’’は、一端が曲線セクション7a’’によってフランジ8の一端に接続されている。
【0143】
ストリンガ3’’は、フランジ8および隆起部分7’’と同じコースを有する未硬化のL形状複合材料の一連の層4’’を特別なモールディングツール(これ自体は知られており、図示していない)上に積層することによって得られる。
【0144】
この解決策でも、ストリンガ3’の場合に見られるように、フランジ8の自由端の側縁13は載置面Sに対して90°で切断される。
【0145】
スキン2およびストリンガ3’’によって形成されたアセンブリは、スキン2用のハウジングを有する硬化ツール12’’、この場合はたとえばOMLタイプのものに配置される。
【0146】
この場合、硬化ツール12’’はまた、湾曲したまたは丸みを帯びた縁を備えた空洞の四角形を有する補助ツール12a’’を含み、これは、硬化ツール12’’に対してスキン2の反対側に配置され、ストリンガ3’’の隆起部分7’’をそれ自体の境界壁32で支持して受容する。
【0147】
一般に「ヌードル」として知られる1つまたは複数のインサート25’’が、曲線セクション7a’’でスキン2、補助ツール12a’’およびストリンガ3’’の間に作成された隙間に挿入される。これらのインサート25’’はフィラーとして作用し、未硬化複合材料で作製されている。
【0148】
有利には、フランジ8の側縁13は、薄壁の未硬化複合材料で作製されたパッチ要素20(
図11、
図14Aおよび
図14B)によって覆われて外側で封止され、これは、ストリンガ3’のフランジ8の側縁13を覆うために使用されるものと完全に同一であり、上に示したまったく同じ2つのモードで折り畳まれる(
図14Aおよび
図14B)。
【0149】
この場合でも、隆起部分7’’の自由端側縁はCパッチ30によって覆われて外側で封止される。
【0150】
共硬化作業はこの場合、各ストリンガ3’’を外部で覆う真空バッグ31を硬化ツール12’’および補助ツール12a’’上で封止することによって実行される。
【0151】
図示していない可能な代替の一実施形態によれば、そして
図1から
図6に関連して説明したプロセスにおいて見られたものとの類似により、ストリンガ3’’を形成する最も外側の複合材料層4’’は、フランジ8の関連する切断された側縁13に対して突出し、側縁13自体を覆ってこれを外側で封止するようにこれらの上でCまたはZ形状に折り畳まれた横方向端部フラップを有することもできる。このように、上記突出するフラップがパッチ要素20に置き換わるであろう。
【0152】
上に示したように、ストリンガ3’’(またはスキン2)は、予備硬化させ、構造用接着剤の層によってスキン2(またはストリンガ3’’)に接合し、次いでスキン2(またはストリンガ3’’)と一緒にオートクレーブ共結合作業にかけることもできる。
【0153】
さらなる一実施形態によれば、ストリンガ3’’とスキン2との両方を個別に予備硬化させ、構造用接着剤によって一緒に接合し、次いでオートクレーブまたは冷間結合作業にかけることもできる。
【0154】
図14Cおよび
図14Dに示す変形はストリンガ3’’にも適用可能であり、そのフランジ8は、コンポーネント1用のストリンガ3の対応するフランジ8と同一である形状をとる。
【0155】
この場合でも、ストリンガ3と同様に、フランジ8は、スキン2とストリンガ3’’とを互いに接触させる後続の段階において、載置面S自体に沿ったまたは平行な、スキン2に向かって増大する延在長を提示するように、載置面Sに対して斜めに切断された自由端側縁13を有する。
【0156】
パッチ要素20は、この解決策において、フランジ8の側縁13でZ形状(
図14C)またはC形状(
図14D)に折り畳むことができる。
【0157】
図12に関して、構造コンポーネント1’’’は、上述のものと同一のスキン2と、ストリンガ3、3’および3’’とは異なる形状を有するストリンガ3’’’と、を含む。
【0158】
より正確には、ストリンガ3’’’は、長手軸Aと、実質的にZ形状である上記長手軸Aを横切る断面と、を有する。ストリンガ3’’’は、ストリンガ3’’のフランジ8と同一であるスキン2に接合されるように意図された単一の横方向フランジ8と、フランジ8から片持ちで延在し、フランジ8におよび上記フランジの載置面Sに実質的に直交する第1のセクション7a’’’、ならびにセクション7a’’’から上記フランジ8とは反対方向に延在するフランジ8に平行な第2のフランジセクション7b’’’を含む薄いシートの隆起部分7’’’と、を含む。
【0159】
特に、セクション7a’’’は、曲線セクション7c’’’によってフランジ8の一端に接続された第1の端部と、別の曲線セクション7d’’’によってセクション7b’’’に接続された第2の対向する端部と、を有する。
【0160】
ストリンガ3’’’は、フランジ8および隆起部分7’’’と同じコースを有する未硬化のZ形状複合材料で作製された一連の層4’’’を特別なモールディングツール(これ自体はよく知られており、図示していない)上に積層することによって作製される。
【0161】
この解決策でも、フランジ8の自由端の側縁13は載置面Sに対して直角に切断される。
【0162】
スキン2およびストリンガ3’’’によって形成されたアセンブリは、コンポーネント1’’に使用される同じ硬化ツール12’’および補助ツール12a’’上に配置される。
【0163】
この場合、補助ツール12a’’の境界壁32は、ストリンガ3’’’の隆起部分7’’’のセクション7a’’’によって支持され、上記境界壁32に隣接しかつ直交する別の境界壁33はセクション7b’’’によって支持される。ストリンガ3’’’の隆起部分7’’’の曲線セクション7d’’’は代わりに、境界壁32と境界壁33とを接合する曲線縁に配置される。
【0164】
フィラーとして作用し、未硬化複合材料で作製されている、一般に「ヌードル」として知られる1つまたは複数のインサート25’’’が、隆起部分7’’’の曲線セクション7c’’’でスキン2、補助ツール12a’’およびストリンガ3’’’の間に作成された隙間に挿入される。
【0165】
有利には、フランジ8の側縁13は、薄壁の未硬化複合材料で作製されたパッチ要素20(
図12、
図14Aおよび
図14B)によって覆われて外側で封止され、これは、ストリンガ3、3’、3’’のフランジ8の側縁13を覆うために使用されるものと同一であり、上で見たまったく同じ2つの方法で折り畳まれる(
図14Aおよび
図14B)。
【0166】
この場合でも、隆起部分7’’’の隆起セクション7b’’’の自由端側縁はCパッチ要素30によって覆われて外側で封止される。
【0167】
構造コンポーネント1’’に関連して見られたように、共硬化作業は、各ストリンガ3’’’を外側で覆う真空バッグ31を硬化ツール12’’および補助ツール12a’’上で封止することによって実行される。
【0168】
図示していない可能な代替の一実施形態によれば、そして
図1から
図6に関して説明したプロセスにおいて見られたものとの類似により、ストリンガ3’’’を形成する最も外側の複合材料層4’’’は、上記側縁13を覆ってこれを外側で封止するようにこれの上でCまたはZ形状に折り畳まれているフランジ8の関連する切断された側縁13に対して突出する横方向端部フラップを有することもできる。このように、上記突出するフラップがパッチ要素20に置き換わるであろう。
【0169】
上に示したように、ストリンガ3’’’(またはスキン2)は、予備硬化させ、構造用接着剤の層によってスキン2(またはストリンガ3’’’)に接合し、次いでスキン2(またはストリンガ3’’’)と一緒にオートクレーブ共結合作業にかけることもできる。
【0170】
さらなる可能な一実施形態によれば、ストリンガ3’’’とスキン2との両方を個別に予備硬化させ、構造用接着剤を使用して一緒に接合し、次いでオートクレーブまたは冷間結合作業にかけることもできる。
【0171】
図14Cおよび
図14Dに示す変形はストリンガ3’’’にも適用可能であり、そのフランジ8はしたがって、コンポーネント1用のストリンガ3の対応するフランジ8と同一である形状を呈する。
【0172】
この場合でも、ストリンガ3と同様に、フランジ8は、スキン2とストリンガ3’’’とを互いに接触させる後続の段階において、載置面S自体に沿ったまたは平行な、スキン2に向かって増大する延在長を提示するように、載置面Sに対して斜めに切断された自由端側縁13を有する。
【0173】
パッチ要素20は、この解決策において、フランジ8の側縁13でZ形状(
図14C)またはC形状(
図14D)に折り畳むことができる。
【0174】
図13に関して、構造コンポーネント1’’’’は、上述のものと同一のスキン2と、ストリンガ3、3’、3’’および3’’’とは異なる形状を有するストリンガ3’’’’と、を含む。
【0175】
より正確には、ストリンガ3’’’’は、長手軸Aと、実質的にJのような形状の上記長手軸Aを横切る断面と、を有する。ストリンガ3’’’’は、スキン2に接合されるように意図され、ストリンガ3’’および3’’’のフランジ8と同一である単一の横方向フランジ8と、フランジ8におよび上記フランジの載置面Sに実質的に直交する第1のセクション7a’’’’、およびフランジ8に平行であり、セクション7a’’’’からその両側で対称的に延在する第2のフランジ付きセクション7b’’’’を含む、フランジ8から片持ちで延在する隆起した薄い積層部分7’’’’と、を含む。
【0176】
特に、セクション7a’’’’は、曲線セクション7c’’’’によってフランジ8の一端に接続された第1の端部と、それぞれの凹状曲線表面によって両側で増加して区切られているセクションを有するセクション7d’’’’によってセクション7b’’’’に接続された第2の対向する端部と、を有する。
【0177】
より正確には、セクション7b’’’’は、セクション7a’’’’および7d’’’’によって、上記セクション7a’’’’および7d’’’’の両側から延在する2つのセグメント7b1’’’’および7b2’’’’に分割され、セグメント7b1’’’’はフランジ8に面して配置される一方、セグメント7b2’’’’は、セグメント7b1’’’とは反対にあるセクション7a’’’’の側に延在する。
【0178】
ストリンガ3’’’’は、
スキン2により近く配置され、フランジ8、隆起部分7’’’’のセクション7a’’’’、7c’’’’およびセグメント7b2’’’’と同じコースを有する、使用時未処理のZ形状複合材料で作製された第1の一連の層4a’’’’と、
フランジ8、隆起部分7’’’’のセクション7a’’’’、7c’’’’およびセグメント7b1’’’’と同じコースを有するC形状の未硬化複合材料の第2の一連の層4b’’’’と、
セグメント7b1’’’’および7b2’’’’を形成する層4a’’’’および4b’’’’の対応する部分に重ねられる、セクション7b’’’’全体と同じコースを有する未処理の複合材料の一連の平らな層4c’’’’と、
を特別な形成ツール(よく知られており、開示していない)上に積層することによって得られる。
【0179】
続いて、フィラーとして作用し、未硬化複合材料で作製されている、一般に「ヌードル」として知られる1つまたは複数のインサート25’’’’が、セクション7a’’’’、7b’’’’および7d’’’’の間の接続領域における層4c’’’’と層4a’’’’および4b’’’’との間の隙間に挿入される。
【0180】
ストリンガ3’、3’’および3’’’と同様に、フランジ8の自由端側縁13は載置面Sに対して直交する方向に切断される。
【0181】
スキン2およびストリンガ3’’’’によって形成されたアセンブリは、硬化ツール12’’と実質的に同じ形状を有し、補助ツール12a’’と同様である第1の補助ツール12a’’’’、および、これも、補助ツール12a’’’’の反対側にあるストリンガ3’’’’のセクション7a’’’’の側で使用されるときに配置される湾曲したまたは丸みを帯びた縁を備えた空洞の四角形を有する第2の補助ツール12b’’’’を含む硬化ツール12’’’’上に配置される。このように、ストリンガ3’’’’のセクション7a’’’’は補助ツール12a’’’’と補助ツール12b’’’’との間に介在したままになり、さらに、補助ツール12b’’’’は、これ自体の境界壁34を通してフランジ8と、境界壁34に対向して平行なこれ自体の境界壁35を通してセグメント7b1’’’’と、そして境界壁34および35に直交してこれらの間に介在するこれ自体の境界壁36を通してセクション7a’’’’と協働する。
【0182】
フィラーとして作用し、未硬化複合材料で作製されている、一般に「ヌードル」として知られる1つまたは複数のインサート25’’’’が、隆起部分7’’’’の曲線セクション7c’’’’でスキン2、補助ツール12a’’’’およびストリンガ3’’’’の間に形成された隙間に挿入される。
【0183】
有利には、フランジ8の側縁13は、薄壁の未硬化複合材料で作製されたパッチ要素20(
図13、
図14Aおよび
図14B)によって覆われて外側で封止され、これは、ストリンガ3、3’、3’’、3’’’のフランジ8の側縁13を覆うために使用されるものと完全に同一であり、上で見たまったく同じ2つのモードで折り畳まれる(
図14Aおよび
図14B)。
【0184】
この場合でも、隆起部分7b’’’’の対向する自由端側縁はそれぞれのC形状パッチ要素30によって覆われて外側で封止される。
【0185】
構造コンポーネント1’’、1’’’に関連して見られたように、共硬化作業は、各ストリンガ3’’’’を外部で覆う真空バッグ31を硬化ツール12’’’’上および補助ツール12a’’’’および12b’’’’上で封止することによって実行される。
【0186】
図示していない可能な一実施形態によれば、そして
図1から
図6に関して開示されたプロセスにおいて見られたものとの類似により、スキン2と協働するように意図されたものとは反対側のフランジ8の層を形成する複合材料で作製された層4b’’’’は、上記側縁13を覆ってこれを外側で封止するようにこれの上でCまたはZ形状に折り畳まれている上記フランジ8の関連する切断された側縁13に対して突出する横方向端部フラップを有することもできる。このように、上記突出するフラップがパッチ要素20に置き換わるであろう。
【0187】
上に示したように、ストリンガ3’’’’(またはスキン2)は、予備硬化させ、構造用接着剤の層によってスキン2(またはストリンガ3’’’’)に接合し、次いでスキン2(またはストリンガ3’’’’)と一緒にオートクレーブ共結合作業にかけることができる。
【0188】
さらなる可能な一実施形態によれば、ストリンガ3’’’’とスキン2との両方を個別に予備硬化させ、構造用接着剤によって一緒に接合し、次いでオートクレーブまたは冷間結合作業にかけることもできる。
【0189】
図14Cおよび
図14Dに示す変形はストリンガ3’’’’にも適用可能であり、そのフランジ8はしたがって、コンポーネント1用のストリンガ3の対応するフランジ8と同一である形状をとる。
【0190】
この場合でも、ストリンガ3と同様に、フランジ8は、スキン2とストリンガ3’’’’とを互いに接触させる後続の段階において、載置面S自体に沿ったまたは平行な、スキン2に向かって増大する延在長を提示するように、載置面Sに対して斜めに切断された自由端側縁13を有する。
【0191】
パッチ要素20は、この解決策において、フランジ8の側縁13でZ形状(
図14C)またはC形状(
図14D)に折り畳まれる。
【0192】
上述の構造コンポーネント1、1’、1’’、1’’’、1’’’’のための製造プロセスの特性を調べると、これによって達成することができる利点が明らかになる。
【0193】
特に、さらなる層16またはパッチ要素20の存在により、フランジ8の側縁13またはストリンガ3、3’、3’’、3’’’、3’’’’の他の部分の端縁のむき出しの繊維が保護され、使用時の水分または他の流体の浸入のリスク、ならびに構造的剥離のリスクが低減または排除される。換言すれば、さらなる層16またはパッチ要素20は、最終構造コンポーネント1、1’、1’’、1’’’’、1’’’’の一体または構成部分であることに加えて、フランジ8の側縁13またはストリンガ3、3’’、3’’’、3’’’’の端縁を水分から保護する水分コーティングを画定する。
【0194】
さらに、
図1から
図9を参照して、そして
図14Cおよび
図14Dの変形を参照して説明した製造プロセスにより、特にストリンガ3、3’、3’’、3’’’、3’’’’とスキン2との間の接合部において、強調された表面の不連続がない構造コンポーネント1、1’、1’’、1’’’、1’’’’を得ることが可能になる。実際、各ストリンガ3、3’、3’’、3’’’’のフランジ8と上記スキン2との間でより滑らかな接続が決定され、ストリンガ3、3’、3’’、3’’’’とスキン2との間の接合部における応力の分布も改善される。
【0195】
実際には、この結果、ストリンガ3、3’、3’’、3’’’、3’’’’からスキン2への、およびその逆の動作負荷の伝達が最適になる。
【0196】
さらに、ストリンガ3の場合、これらは、硬化ツール12、特に上記硬化ツール12の成形空洞15における取り扱いおよび挿入/抽出がより容易になる。したがって、上記成形空洞15は、鋭い面取り部および表面の不連続がない簡単な形状を有することができる。
【0197】
特許請求の範囲によって定義される保護の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載および図示する構造コンポーネント1、1’、1’’、1’’’、1’’’’を製造するプロセスに対して変更および変形を行うことができるということが明らかである。
【0198】
特に、各ストリンガ3、3’、3’’、3’’’、3’’’’を形成するステップは、ストリンガ自体が硬化ツール12、12’、12’’、12’’’’上に配置されているときに実行することもできる。
【0199】
さらに、側縁13を切断するステップは、ストリンガ3、3’、3’’、3’’’、3’’’’が硬化ツール12、12’、12’’、12’’’’上に配置されているときに直接実行することもできる。
【0200】
このように、コンポーネントを形成および硬化するための単一のツールを使用することによってプロセス全体を実行することもできる。
【符号の説明】
【0201】
1 構造コンポーネント
1’ 構造コンポーネント
1’’ 構造コンポーネント
1’’’ 構造コンポーネント
1’’’’ 構造コンポーネント
2 スキン
2a 面
3 ストリンガ
3’ ストリンガ
3’’ ストリンガ
3’’’ ストリンガ
3’’’’ ストリンガ
4 層
4a’ 層
4b’ 層
4’’ 層
4’’’ 層
4a’’’’ 層
4b’’’’ 層
4c’’’’ 層
5 成形部分
6 形成ツール
7 隆起部分
7’ 隆起部分
7’’ 隆起部分
7a’’ 曲線セクション
7’’’ 隆起部分
7a’’’ 第1のセクション
7b’’’ 第2のフランジセクション
7c’’’ 曲線セクション
7d’’’ 別の曲線セクション
7’’’’ 隆起部分
7a’’’’ 第1のセクション
7b’’’’ 第2のフランジ付きセクション
7c’’’’ 曲線セクション
7d’’’’ セクション
7b1’’’’ セグメント
7b2’’’’ セグメント
8 フランジ
10 空洞
11 インサート
12 硬化ツール
12’ 硬化ツール
12’’ 硬化ツール
12a’’ 補助ツール
12’’’’ 硬化ツール
12a’’’’ 第1の補助ツール
12b’’’’ 第2の補助ツール
13 側縁
14 支持平面
15 溝
16 さらなる層
17 フラップ
18 第1の部分
19 第2の部分
20 パッチ要素
21 第1の部分
22 第2の部分
23 第3の部分
25 インサート
25’ インサート
25’’ インサート
25’’’ インサート
25’’’’ インサート
30 パッチ要素
31 真空バッグ
32 境界壁
33 別の境界壁
34 境界壁
35 境界壁
36 境界壁
【手続補正書】
【提出日】2022-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキン(2)および前記スキン(2)の面(2a)に強固かつ一体的に適用される少なくとも1つの補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)を含む複合材料において構造コンポーネント(1、1’、1’’、1’’’、1’’’’)を製造するためのプロセスであって、前記プロセスは、
a)前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)を形成する未硬化のまたは予備硬化された複合材料の複数の第1の層(4、4a’、4b’、4’’、4’’’、4a’’’’、4b’’’’、4c’’’’)をツール(12、12’、12’’、12’’’’)上に配置するステップであって、前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)は長手軸(A)を提供し、前記長手軸(A)に平行に、かつ平坦であるまたは回転面である載置面(S)に沿って、延在する少なくとも1つのフランジ(8)から突出する隆起部分(7、7’、7’’、7’’’、7’’’’)を有する、ステップと、
b)前記スキン(2)を形成する未硬化のまたは予備硬化された複合材料の複数の第2の層を前記ツール(12、12’、12’’、12’’’’)上に配置するステップと、
c)前記載置面(S)に平行な前記スキン(2)の面(2a)と前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)の前記フランジ(8)とを互いに接着させるステップと、
d)結果として形成されたアセンブリに、前記層を一緒に圧縮し、場合によっては前記未硬化の複合材料を硬化させて前記スキン(2)を前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)に強固に接合するように、所定の温度および圧力を印加するステップと、
e)前記載置面(S)と前記フランジ(8)自体を形成する前記層(4、4a’、4b’、4’’、4’’’、4a’’’’、4b’’’’)と
を横切る方向に、前記フランジ(8)の自由端側縁(13)に対して切断作業を実行するステップと
、
f)前記フランジ(8)を形成する前記層(4、4a’、4b’、4’’、4’’’、4a’’’’、4b’’’’)を外側で封止するように、前記フランジ(8)の少なくとも前記自由端側縁(13)を複合材料のコーティングで覆うステップであって、前記複合材料のコーティングは、前記プロセスの最後で、前記構造コンポーネント(1、1’、1’’、1’’’、1’’’’)の構成または一体部分を画定する、ステップ
と、
を含み、
ステップe)の後かつステップc)の前に、g)前記スキン(2)の前記面(2a)に適用される側とは反対の前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)自体の側に適用される前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)を形成する複合材料の少なくともさらなる層(16)を積層するステップをさらに含み、前記さらなる層(16)は、前記フランジ(8)の切断された前記自由端側縁(13)に対して突出する1つまたは2つの横方向端部フラップ(17)を有し、前記ステップf)は、前記さらなる層(16)の前記横方向端部フラップ(17)を前記フランジ(8)のそれぞれの切断された前記自由端側縁(13)上に折り畳んで前記自由端側縁(13)を覆い、前記自由端側縁(13)を外側で封止して前記複合材料のコーティングを画定することによって実行されることを特徴とする、プロセス。
【請求項2】
前記さらなる層(16)の前記横方向端部フラップ(17)の折り畳み中に、前記横方向端部フラップ(17)のまたは各前記横方向端部フラップ(17)の第1の部分(18)が前記フランジ(8)のそれぞれの切断された前記自由端側縁(13)を覆い、切断された前記自由端側縁(13)自体から依然として突出している第2の部分(19)が、前記ステップc)において、前記スキン(2)と前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)との間に介在するように前記フランジ(8)の上に折り畳まれる、
請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記さらなる層(16)の前記横方向端部フラップ(17)の折り畳み中に、前記横方向端部フラップ(17)のまたは各前記横方向端部フラップ(17)の第1の部分(18)が前記フランジ(8)のそれぞれの切断された前記自由端側縁(13)を覆い、切断された前記自由端側縁(13)自体から依然として突出している第2の部分(19)が、ステップc)中に、前記スキン(2)と前記ツール(12、12’、12’’、12’’’’)との間に介在するように前記フランジ(8)の反対の部分から折り返される、
請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
スキン(2)および前記スキン(2)の面(2a)に強固かつ一体的に適用される少なくとも1つの補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)を含む複合材料において構造コンポーネント(1、1’、1’’、1’’’、1’’’’)を製造するためのプロセスであって、前記プロセスは、
a)前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)を形成する未硬化のまたは予備硬化された複合材料の複数の第1の層(4、4a’、4b’、4’’、4’’’、4a’’’’、4b’’’’、4c’’’’)をツール(12、12’、12’’、12’’’’)上に配置するステップであって、前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)は長手軸(A)を提供し、前記長手軸(A)に平行に、かつ平坦であるまたは回転面である載置面(S)に沿って、延在する少なくとも1つのフランジ(8)から突出する隆起部分(7、7’、7’’、7’’’、7’’’’)を有する、ステップと、
b)前記スキン(2)を形成する未硬化のまたは予備硬化された複合材料の複数の第2の層を前記ツール(12、12’、12’’、12’’’’)上に配置するステップと、
c)前記載置面(S)に平行な前記スキン(2)の面(2a)と前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)の前記フランジ(8)とを互いに接着させるステップと、
d)結果として形成されたアセンブリに、前記層を一緒に圧縮し、場合によっては前記未硬化の複合材料を硬化させて前記スキン(2)を前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)に強固に接合するように、所定の温度および圧力を印加するステップと、
e)前記載置面(S)と前記フランジ(8)自体を形成する前記層(4、4a’、4b’、4’’、4’’’、4a’’’’、4b’’’’)とを横切る方向に、前記フランジ(8)の自由端側縁(13)に対して切断作業を実行するステップと、
f)前記フランジ(8)を形成する前記層(4、4a’、4b’、4’’、4’’’、4a’’’’、4b’’’’)を外側で封止するように、前記フランジ(8)の少なくとも前記自由端側縁(13)を複合材料のコーティングで覆うステップであって、前記複合材料のコーティングは、前記プロセスの最後で、前記構造コンポーネント(1、1’、1’’、1’’’、1’’’’)の構成または一体部分を画定する、ステップと、
を含み、
前記ステップf)は、未硬化の複合材料における1つまたはそれぞれのパッチ要素(20)を前記フランジ(8)の切断された前記自由端側縁(13)に適用して、前記自由端側縁(13)を覆い、前記自由端側縁(13)を外側で封止して前記複合材料のコーティングを画定することによって実行され、
前記パッチ要素(20)のまたは各前記パッチ要素(20)の切断された前記自由端側縁(13)への適用中に、前記パッチ要素(20)自体の第1の部分(21)が前記フランジ(8)のそれぞれの切断された前記自由端側縁(13)を覆い、切断された前記自由端側縁(13)自体から依然として突出している第2の部分(22)が、前記ステップc)において、前記スキン(2)と前記補剛ストリンガ(3、3’、3’’、3’’’、3’’’’)との間または前記スキン(2)と前記ツール(12、12’、12’’、12’’’’)との間に介在するように前記フランジ(8)上に折り畳まれることを特徴とする、プロセス。
【請求項5】
前記ステップe)において、前記フランジ(8)の前記自由端側縁(13)での前記切断作業は、前記載置面(S)と前記フランジ(8)自体を形成する前記層(4、4a’、4b’、4’’、4’’’、4a’’’’、4b’’’’)とに対して斜め方向に、かつ前記フランジ(8)の前記切断された層(4、4a’、4b’、4’’、4’’’、4a’’’’、4b’’’’)が、次の前記ステップc)において、前記載置面(S)に沿った、前記スキン(2)自体に向かって増大する延在長を提示するように実行される
、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記補剛ストリンガ(3’、3’’、3’’’、3’’’’)は、前記長手軸(A)に対する横断面において、TまたはLまたはZまたはJ形状の輪郭を有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記補剛ストリンガ(3)の前記隆起部分(7)は凹状であり、前記載置面(S)に沿って延在する2つの前記横方向フランジ(8)間の中央に配置され、前記ステップc)において、前記スキン(2)および前記補剛ストリンガ(3)の前記凹状の隆起部分(7)は閉じた輪郭の空洞(10)を形成する、
請求項1から5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
ステップa)の後かつステップc)の前に、h)前記補剛ストリンガ(3)の前記凹状の隆起部分(7)の内側に少なくとも1つの長手方向膨張可能インサート(11)を配置して、前記長手方向膨張可能インサート(11)が、ステップc)中に画定される前記空洞(10)内に完全に収容されるようにするステップを含み、
ステップc)の後かつステップd)中に、i)前記空洞(10)を区切る壁に対して前記長手方向膨張可能インサート(11)を膨張させて前記空洞(10)を維持するステップをさらに含む、
請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記ステップi)は、前記長手方向膨張可能インサート(11)の内側に圧力、特にステップd)中に前記アセンブリの外側に印加される同じ圧力を印加することによって実行される、
請求項7に記載のプロセス。
【請求項10】
前記ステップi)は、前記長手方向膨張可能インサート(11)に熱を加えることによって実行される、
請求項7に記載のプロセス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
特許文献1は、請求項1および4のプリアンブルで定義されているような、複合材料で作製された構造コンポーネントを製造するためのプロセスを開示している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3549755号明細書
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
本発明によれば、この目的は、請求項1または4に記載の少なくとも1つのストリンガを有する補剛複合材料で作製された構造コンポーネントを製造するためのプロセスによって達成される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
図3を参照すると、構造コンポーネント1を製造するプロセスは、各ストリンガ3が形成された、すなわち未硬化複合材料の複数の層4を形成ツール6の成形部分5上に配置するステップの後、そしてスキン2とストリンガ3とを互いに接触させる前に、載置面Sに対して斜め方向にフランジ8の自由端の側縁13を切断するステップを含み、上記載置面Sは、フランジ8の切断層4が、スキン2とストリンガ3とを互いに接触させる後続のステップの過程の間、載置面S自体に沿ったまたは平行な、スキン2に向かって進行するにつれて増大する延在長を提示するように、フランジ8が延在する表面である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
本解決策による側縁13の特定の切断構成により、部品が一体的に結合されると、スキン2の面2aに対するストリンガ3の強調された表面の不連続を回避することが可能になる。逆に、このようなせん断形状により、各ストリンガ3のフランジ8と上記スキン2との間のより滑らかな接続が決定され、ストリンガ3とスキン2との間の接合領域における応力の分布も改善される。特に、使用時の構造負荷は、ストリンガ3からスキン2へ、およびその逆に、より良好に分散される。
【国際調査報告】