(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-14
(54)【発明の名称】曲線電磁ポンプ
(51)【国際特許分類】
G21C 15/247 20060101AFI20230907BHJP
G21D 1/02 20060101ALI20230907BHJP
G21C 1/02 20060101ALI20230907BHJP
G21D 1/04 20060101ALI20230907BHJP
H02K 44/04 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
G21C15/247
G21D1/02 L
G21C1/02 100
G21D1/04
H02K44/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511825
(86)(22)【出願日】2021-04-01
(85)【翻訳文提出日】2023-02-15
(86)【国際出願番号】 US2021025477
(87)【国際公開番号】W WO2022039792
(87)【国際公開日】2022-02-24
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513313945
【氏名又は名称】テラパワー, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】コルビン,ロバート エー.
(57)【要約】
曲線電磁ポンプは、互いに対して或る角度だけオフセットされた複数の線形ポンプセグメントを共に結合することなどによって、曲線に従うように構成される。曲線電磁ポンプは、2次元内で、または3次元内で湾曲することができる。曲線電磁ポンプは、原子炉容器内の構成要素およびシステムのより効率的な配置を可能にし、垂直に配置された線形ポンプと比較して、原子炉容器の高さを著しく低減することを可能にする。曲線電磁ポンプは、原子炉容器壁の曲率に従うことができ、全体的に原子炉容器の底部付近に配置することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉であって、
原子炉容器と、
前記原子炉容器内の炉心と、
前記原子炉容器内の熱交換器と、
複数の線形セグメントを含む曲線電磁ポンプであって、第1の線形セグメントが第2の線形セグメントに対して所定の角度だけオフセットされ、前記曲線電磁ポンプは、前記熱交換器および前記炉心と流体連通し、前記熱交換器から流体を受け取って前記流体を前記炉心に送達するように構成される、曲線電磁ポンプと、
を含むことを特徴とする、原子炉。
【請求項2】
前記原子炉容器は概ね円筒形状であり、前記曲線電磁ポンプは、前記原子炉容器の形状に近似する形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の原子炉。
【請求項3】
前記曲線電磁ポンプは中心線を規定し、前記中心線は、単一平面内に位置することを特徴とする、請求項1に記載の原子炉。
【請求項4】
前記曲線電磁ポンプは中心線を規定し、前記中心線は、3次元で湾曲することを特徴とする、請求項1に記載の原子炉。
【請求項5】
前記曲線電磁ポンプは、単一ステータ構成を含むことを特徴とする、請求項1に記載の原子炉。
【請求項6】
前記曲線電磁ポンプは、二重ステータ構成を含むことを特徴とする、請求項1に記載の原子炉。
【請求項7】
前記原子炉容器は幾何学的中心を有し、前記曲線電磁ポンプは前記幾何学的中心の下方に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の原子炉。
【請求項8】
曲線電磁ポンプであって、
第1のポンプセクションであって、前記第1のポンプセクションは、
第1のポンプハウジングと、
第1の線形流体流路と、
第1の外側ステータ集合体とを含み、第1の外側ステータ集合体は、移動磁界を生成するように電気的に駆動されるように構成される、第1のポンプセクションと、
第2のポンプセクションであって、前記第2のポンプセクションは、
第2のポンプハウジングと、
第2の線形流体流路と、
第2の外側ステータ集合体とを含み、第2の外側ステータ集合体は、移動磁界を生成するように電気的に駆動されるように構成される、第2のポンプセクションと、
を含み、
前記第2のポンプセクションは、前記第1のポンプセクションに結合され、前記第1のポンプセクションに対して或る角度だけオフセットされていることを特徴とする、曲線電磁ポンプ。
【請求項9】
さらに結合器を含み、前記結合器は、前記第1のポンプセクションと前記第2のポンプセクションとを前記角度で流体的に接続するように構成されることを特徴とする、請求項8に記載の曲線電磁ポンプ。
【請求項10】
前記結合器は、第3の外側ステータを含み、前記第3の外側ステータは、前記第1の外側ステータ集合体および前記第2の外側ステータ集合体と共に順次駆動されて、前記移動磁界を前記第1のポンプセクション、前記結合器、および前記第2のポンプセクションに沿って移動させるように構成されることを特徴とする、請求項9に記載の曲線電磁ポンプ。
【請求項11】
前記第1の線形流体流路は、前記第2の線形流体流路と流体連通していることを特徴とする、請求項8に記載の曲線電磁ポンプ。
【請求項12】
前記角度は5°~30°であることを特徴とする、請求項8に記載の曲線電磁ポンプ。
【請求項13】
前記曲線電磁ポンプの中心線は、水平面内で方向づけられることを特徴とする、請求項8に記載の曲線電磁ポンプ。
【請求項14】
さらに、前記第1のポンプセクションは第1の内側ステータ集合体を含み、さらに、前記第2のポンプセクションは第2の内側ステータ集合体を含むことを特徴とする、請求項8に記載の曲線電磁ポンプ。
【請求項15】
前記曲線電磁ポンプは、原子炉容器内に配置され、前記曲線電磁ポンプは、前記原子炉容器の壁の曲線に従うように構成されることを特徴とする、請求項8に記載の曲線電磁ポンプ。
【請求項16】
前記原子炉容器は幾何学的中心を規定し、前記曲線電磁ポンプは、全体的に前記幾何学的中心の下に配置されることを特徴とする、請求項15に記載の曲線電磁ポンプ。
【請求項17】
前記曲線電磁ポンプは、熱交換器と流体連通する入口と、炉心の入口プレナムと流体連通する出口とを有することを特徴とする、請求項15に記載の曲線電磁ポンプ。
【請求項18】
第3のポンプセクションであって、前記第3のポンプセクションは、
第3のポンプハウジングと、
第3の線形流体流路と、
第3の外側ステータ集合体とを含み、
前記第3のポンプセクションは、前記第2のポンプセクションに結合され、前記第2のポンプセクションに対して前記角度だけオフセットされている、第3のポンプセクションを含むことを特徴とする、請求項8に記載の曲線電磁ポンプ。
【請求項19】
前記曲線電磁ポンプの中心線は平面ではないことを特徴とする、請求項18に記載の曲線電磁ポンプ。
【請求項20】
前記曲線電磁ポンプは、円弧に従うことを特徴とする、請求項18に記載の曲線電磁ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は2020年8月17日に出願された「CARTRIDGE CORE BARREL FOR NUCLEAR REACTOR」という名称の米国仮特許出願第63/066,785号の利益を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔背景〕
ナトリウムまたはナトリウム-カリウム合金などの液体金属の導電率を利用する電磁(EM)ポンプが知られている。EMポンプは典型的には可動部品を有しておらず、従来の機械式ポンプよりも単純性および信頼性を提供する。しかしながら、EMポンプは、同様の体積流量をポンピング(圧送)(pumping)するためのそれらの機械的対応物と比較して、サイズが比較的大きい。ヘリカル磁気ポンプ、環状線形誘導ポンプ、遠心電磁ポンプ、およびフラット線形誘導ポンプを含む、様々なタイプのEMポンプが開発されている。
【0003】
典型的には、電磁ポンプは、原子炉容器内に垂直に配置され、原子炉容器の底部付近の低温プールから、ポンプ吐出部に結合された高圧上部出口まで液体金属をポンピングする。ポンプ吐出部は、液体金属を原子炉容器の底部に戻し、そこで入口プレナムを通って炉心に入る配管を含む。
【0004】
原子炉の流れ需要を満たすために、また、電磁ポンプは比較的低い効率を有するので、電磁ポンプは、典型的には、必要なポンピング力を発生させるために、非常に大きい。多くの場合、必要なポンピング力を発生させるのに必要な電磁ポンプの長さは、他の原子炉内部構造と共に電磁ポンプを含まなければならない原子炉容器の高さに少なくとも部分的に関与する。
【0005】
したがって、原子炉容器の高さを指示せず、むしろ、原子炉容器内の液体金属を循環させるために必要なポンピング力を依然として提供しながら、原子炉容器内の構成要素およびシステムの位置および方向において、より柔軟性を可能にするポンプを有することは、有意な利点である。さらに、改良されたポンプは、電磁ポンプを使用する典型的な原子炉容器と比較して、原子炉容器の高さを著しく減少させることができる。
【0006】
これらおよび他の利点は、以下の説明および添付の図面を参照することによって明らかになるであろう。
【0007】
〔要約〕
いくつかの実施形態によれば、原子炉は、原子炉容器と、原子炉容器内の炉心と、原子炉容器内の熱交換器と、曲線電磁ポンプとを含む。曲線電磁ポンプは複数の線形(直線)(linear)セグメントを含み、第1の線形セグメントは、第2の線形セグメントに対して所定の角度だけオフセットされている。曲線電磁ポンプは、熱交換器および炉心と流体連通し、熱交換器から流体を受け取って流体を炉心に送達するように構成される。
【0008】
いくつかの実施例では、原子炉容器は、概ね円筒形状であり、曲線電磁ポンプは、原子炉容器の形状に追従するように湾曲する形状を有してもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、曲線電磁ポンプは、単一の平面内に位置する中心線を規定する。中心線は、その場所内で湾曲してもよい。場合によっては、曲線電磁ポンプは、3次元で湾曲する中心線を規定する。
【0010】
曲線電磁ポンプは、単一ステータ構成であってもよく、または二重ステータ構成であってもよい。
【0011】
いくつかの実施例では、原子炉容器は幾何学的中心を有し、曲線電磁ポンプは幾何学的中心の下に配置されてもよい。換言すれば、場合によっては、曲線電磁ポンプは、全体的に原子炉容器の幾何学的中心の下に位置する。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、曲線電磁ポンプは第1のポンプセクションと第2のポンプセクションを含み、第1のポンプセクションは、第1のポンプハウジングと、第1の線形(直線)(linear)流体流路と、第1の外側ステータ集合体とを有し、第1の外側ステータ集合体は、移動磁界を生成するように電気的に駆動されるように構成され、第2のポンプセクションは、第2のポンプハウジングと、第2の線形(直線)(linear)流体流路と、第2の外側ステータ集合体とを有し、第2の外側ステータ集合体は、移動磁界を生成するように電気的に駆動されるように構成され、第2のポンプセクションは第1のポンプセクションに結合され、第1のポンプセクションに対して或る角度だけオフセットされている。
【0013】
場合によっては、結合器は、第1のポンプセクションと第2のポンプセクションとを前記角度で流体的に接続するように構成される。結合器は、第1のポンプセクションと第2のポンプセクションとの間にオフセット角度を規定するように楔形であってもよい。
【0014】
場合によっては、結合器は、第3の外側ステータを含み、第3の外側ステータは、第1の外側ステータ集合体および第2の外側ステータ集合体と共に順次駆動されて、移動磁界を第1のポンプセクション、結合器、および第2のポンプセクションに沿って移動させるように構成される。
【0015】
第1の線形流体流路は、第2の線形流体流路と流体連通してもよい。
【0016】
場合によっては、前記角度は5°~30°である。すなわち、第1のポンプセグメントは、第2のポンプセグメントの中心線に対して約5°~約30°の範囲内のオフセット角度だけオフセットされた線形(直線)中心線を規定する。
【0017】
場合によっては、曲線電磁ポンプの中心線は、水平面内で方向づけられる。
【0018】
さらに、第1のポンプセクションは第1の内側ステータ集合体を含むことができ、さらに、第2のポンプセクションは第2の内側ステータ集合体を含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、曲線電磁ポンプは、原子炉容器内に配置され、曲線電磁ポンプは、原子炉容器の壁の曲線に従うように構成される。原子炉容器の壁は円筒形であってもよく、ポンプは円筒形壁の曲率に従うことができる。
【0020】
いくつかの例では、原子炉容器は幾何学的中心を規定し、曲線電磁ポンプは、全体的に幾何学的中心の下に配置される。曲線電磁ポンプは、原子炉容器の底部付近に配置され、幾何学的中心の下にある流体入口および流体出口を有することができる。
【0021】
曲線電磁ポンプは、熱交換器と流体連通する入口と、炉心の入口プレナムと流体連通する出口とを有することができる。
【0022】
場合によっては、曲線電磁ポンプは、第3のポンプセクションを含み、第3のポンプセクションは、第3のポンプハウジングと、第3の線形流路と、第3の外側ステータ集合体とを有し、第3のポンプセクションは、第2のポンプセクションに結合され、第2のポンプセクションに対して前記角度だけオフセットされている。
【0023】
場合によっては、曲線電磁ポンプの中心線は平面ではない。いくつかの実施例では、曲線電磁ポンプは、原子炉容器の壁によって規定される円弧などの円弧に従う。
【0024】
〔図面の簡単な説明〕
図1Aは、いくつかの実施形態による、原子炉容器内のシステムのレイアウトを示す、典型的なナトリウム高速原子炉の上部概略図である。
【0025】
図1Bは、いくつかの実施形態による、原子炉容器内のシステムのレイアウトを示す、
図1Aの線A-Aに沿って得られた典型的なナトリウム高速原子炉の立面断面概略図である。
【0026】
図2は、いくつかの実施形態による、二重ステータ線形電磁ポンプの模式図を示す。
【0027】
図3は、いくつかの実施形態による、曲線電磁ポンプの模式図を示す。
【0028】
図4は、いくつかの実施形態による、隣り合うポンプセクションの間に結合器を有する曲線電磁ポンプの模式図を示す。
【0029】
図5は、いくつかの実施形態による、垂直面内で湾曲する曲線電磁ポンプを利用する原子炉の模式図を示す。
【0030】
図6Aは、いくつかの実施形態による、水平面内で湾曲する曲線電磁ポンプを示す、原子炉容器の上面模式図を示す。
【0031】
図6Bは、いくつかの実施形態による、水平面内で湾曲する曲線電磁ポンプを示す、原子炉容器の側面概略図を示す。
【0032】
図7Aは、いくつかの実施形態による、3次元で湾曲する曲線電磁ポンプを示す、原子炉容器の側面概略図を示す。
【0033】
図7Bは、いくつかの実施形態による、3次元で湾曲する曲線電磁ポンプを示す、原子炉容器の上面模式図を示す。
【0034】
〔詳細な説明〕
本開示は一般に、電磁ポンプの構成および配置に関し、特に、空間が制限される場合、または構成要素の全体的な包絡線を低減するために使用することができる曲線電磁ポンプに関する。以下の説明はナトリウム冷却高速原子炉(SFR)の設計および構成において有用であるが、本明細書に開示される概念の多くは他の原子炉タイプにも等しく適用可能であり得、本開示は特に明記しない限り、SFR技術に限定されるべきではない。
【0035】
図1Aおよび
図1Bは、炉心102、容器内貯蔵システム(IVS)104、および電磁ポンプ106を有する原子炉容器100を示す。
図1Bは、
図1AのA-A線に沿った断面図である。これは、炉心102が、炉心フォーマリング、炉心バレル、IVS104、および遮蔽物を収容する支持シリンダを含むことができ、典型的には他の容器システムが炉心102の周りに同心円状に分配された状態で容器100内の中心に配置される、典型的な構成を表すことができる。IVS104は、典型的には炉心バレルに結合され、炉心アセンブリの交換(例えば燃料補給、シャフリング等)を支援するための貯蔵空間を提供する。いくつかの実施形態では、炉心アセンブリは、燃料ピン、制御ロッド、中性子反射体、中性子吸収体、またはIVS内に嵌合し、炉心内に選択的に挿入され、炉心から除去されるように構成された他の構成要素を含む。これらの構成要素の追加の詳細は、本説明に密接に関係しておらず、したがって、さらに説明されない。
【0036】
通常運転中、炉心102内で発生する熱は、一次冷却材を加熱し、一次冷却材は、場合によっては液体ナトリウムである。ナトリウムは炉心102を上方に通過し、炉心102の上方のナトリウム高温プール108に排出される。高温プール108からのナトリウムは熱交換器110に入り、熱交換器110を通過する二次冷却材に熱を放散する。場合によっては、二次冷却材は、ナトリウム、溶融塩、または他の流動冷却材であってもよい。
【0037】
高温プール108からのナトリウムが熱交換器110を通過すると、液体ナトリウムは熱交換器を出て、熱交換器110の下方の低温プール112に入る。いくつかの実施形態では、低温プール112内のナトリウムは、ポンプ106の下端に向かって配置されたポンプ入口114によって電磁ナトリウムポンプ106に入る。電磁ナトリウムポンプ106は、高温プール108内のナトリウムとの混合に対して密封された高圧上部出口116へナトリウムを上方にポンピングする。高圧上部出口116は、ナトリウムを炉心118の入口に戻すポンプ吐出部および配管に結合する。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、電磁ポンプ106は、入口がポンプの上端付近にあり、出口がポンプの下端に隣接するように逆にされてもよい。いずれの構成も、本明細書で説明する実施形態にも等しく適用可能である。
【0039】
多くの場合、原子炉容器100の高さhは、少なくとも部分的に、電磁ポンプ106の垂直高さによって決定される。電磁ポンプ106は、望ましい正味正の吸込ヘッド(NPSH)および原子炉容器100を通る冷却材の体積流を生成するようなサイズにすることができる。場合によっては、電磁ポンプ106は、所望の循環特性を達成するために必要な磁気流体力学的力を生成するために、所望の長さを有する。
【0040】
場合によっては、電磁気ポンプ106は、例えば、ナトリウムなどの高導電率を有する流体を輸送するために使用される。特に、電磁ポンプは軸受または可動部品を有しておらず、したがって、機械式ポンプと比較して、それらの動作を単純化し、保守要件を低減する。
【0041】
一般に、電磁ポンプはフレミングの左手の法則に基づいて動作し、すなわち、通電導体が磁界を受けると、導体に作用する力が生じる。例えば、ポンプは、電力を使用して導電性流体を移動させる。磁界は、流体の流れの方向に対して直角に設定され、電流が流体の流れに通される。その結果、ポンプを介して液体を移動させる電磁力が生じる。
【0042】
電磁ポンプは当技術分野で知られており、典型的には、外側ステータおよび内側中心炉心を含む。電磁ポンプは、磁界中の通電導体に力が作用するという原理で動作する。流れる流体(例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、または金属合金)の高導電率は、それが導管内に存在し、磁界および電流にさらされたときに、膨張力を発生させることを可能にする。これらのタイプのポンプは、可動部品または必要なメンテナンスなしに、毎分数千ガロンをポンピングするように動作してきた。
【0043】
例えば、直流伝導ポンプ、交流伝導ポンプ、固定磁石構造、回転磁石構造、単相誘導、多相誘導、単一ステータポンプ、二重ステータポンプ、平面線形誘導、環状線形誘導、螺旋誘導、または電磁石または永久磁石を使用するポンプなど、任意の好適な電磁ポンプを本発明の範囲内で利用することができる。開示される概念および実施形態は、現在知られているか、または後に開発される任意の適切な電磁ポンプに適用可能であり、本明細書の開示は、特に明記されない限り、ポンプの任意の特定の構成に限定されるべきではない。
【0044】
SFRにおける一次冷却材ポンプとして好適であることが証明されている1つの特定のポンプ構成は、環状線形誘導ポンプ(ALIP)である。いくつかの場合において、ALIPは、DC伝導ポンプがより高い効率を有するにもかかわらず、DC伝導ポンプと比較してサイズが小さくなるために選択されている。しかしながら、ALIPポンプは同様の流れ特性を提供する直流伝導ポンプよりも著しく小さいが、ALIPポンプは依然として比較的大きく、場合によっては原子炉容器の高さの駆動因子である。ポンプの高さを低減することによって、原子炉容器の高さの対応する低減を実現することができる。
【0045】
歴史的に、ALIPポンプは、
図1Bに示されるように、原子炉容器内に垂直に配置され、その高さは、典型的には、原子炉容器内で必要とされる流れ特性によって決定される。
【0046】
ALIPは、典型的には、交互の環状ステータコイルおよび磁気ステータ鉄から構成されるカラムによって囲まれた環状線形流路または導管を含む。場合によっては、ダブルステータシステムは、同心円状に配置され、ポンプ中心線形液体流導管内に封入された内側ステータ配置を含む。第2のステータカラムも、交互の環状コイルおよび磁気ステータ鉄を含んでもよい。二重ステータ構成では、ステータの両方の列が環状流導管を直線的に通過する液体に作用する。
【0047】
場合によっては、二重ステータ配置は、ポンプユニットサイズ当たり、より大きなポンピング能力を提供し、磁気誘導加熱からナトリウムに伝達される熱を低減するというさらなる利点を有する。場合によっては、電磁ポンプは、一次熱交換器を出た後に低温流体をポンピングし、低温流体を炉心入口に送るために使用される。したがって、高温プールと低温プールとの間の望ましいΔTを維持するために、低温流体の任意の誘導加熱を制限することが望ましい場合がある。
【0048】
図2は、二重ステータ環状線形誘導ポンプ200の模式図を示す。電磁ポンプ200は一般に、円筒形であってもよく、電磁誘導システムを囲み、ポンプ200が浸漬されて動作することを可能にするために必要な保護を提供する、ポンプハウジング202を備える。外側ステータアセンブリ204は外側ステータ206(1)、206(2)、…206(n)の集合体を含み、ポンプハウジング202と環状流路208との間に配置される。外側ステータアセンブリは、当技術分野で知られているように、ステータ磁気鉄およびステータコイルを有する交互に積み重ねられた複数の環状ステータユニットを含むことができる。場合によっては、ステータ鉄リグおよびステータコイルが交互に積み重ねられて、環状流路208の周りに同心リングを形成する。
【0049】
内側ステータアセンブリ210は内側ステータ212(1)、212(2)、…212(n)のアセンブリを含み、環状流路208内に配置される。外側ステータアセンブリ204および内側ステータアセンブリ210は、同様に構成され、配線され得る。使用時には、一般に3相交流電流を含む入力電圧がステータアセンブリ204、210に供給される。電流はステータアセンブリに沿って進行磁界を生成するために提供され、これは、次に、環状流路208内の液体金属の表面上に電流を生成し、環状流路208を通してその液体金属を移動させる電磁力を生成する。
【0050】
場合によっては、電磁ポンプ200は、一方の端部に入口214を有し、反対側の端部に出口216を有する。場合によっては、流体内に浸漬されることによって流体が環状流路208に入るように、電磁ポンプ200が流体内に浸漬される。段階的な電流が適用されると、磁界は、生成され、入口214から出口216に運ばれ、その結果、導電性流体が同様に入口214から出口216に運ばれる。
【0051】
電磁ポンプ200は、入力電流電圧、周波数、コイル巻数、および磁極ピッチなどの電気的な変数を介してカスタマイズすることができ、これらの変数は、移動磁界の極対の数およびコア長さから決定することができる。場合によっては、ステータパックはコイルパックと呼ばれ、これらの用語は互換的に使用され得る。コイルパックの数は、電磁ポンプ200の必要な長さおよび入力電流に基づいて決定することができる。場合によっては、3つ以上の通電された導電体が、各導電体内の電圧波間の規定された位相角を有する交流を運ぶような、多相電力電流が印加される。例えば、三相系では、位相角は120°である。多相電流の適用は、電磁ポンプ200の長さに沿ってコイルパック204、210に順次適用することができる回転磁界である。
【0052】
電磁ポンプがそのタイプまたは構成にかかわらず共通して有する特徴は、ポンピングされた流体が線形流体導管を通って直線的に流れることである。導管は環状であってもよく、円形断面、矩形断面、卵形断面、または任意の他の適切な幾何学的形状を有する可能性があるが、流体導管はその長さに沿って直線状である。したがって、例えば原子炉容器内のような限られた空間に電磁ポンプを設置する場合、電磁ポンプを適切に設置できるようにすべての原子炉内部を配置することは困難でありうる。さらに、原子炉容器内の電磁ポンプの必要な高さは、少なくとも部分的に、他の構成要素の配置を決定する。例えば、いくつかの実施例では、電磁気ポンプは、典型的には、低温プールから流体を引き込むポンプの下端付近の入口と、流体を熱交換器に送るポンプの上端付近の出口とを有する。その結果、熱交換器は、典型的には、電磁ポンプの出口付近の原子炉容器内の高い位置に配置される。
【0053】
図3は、単一ステータ曲線電磁ポンプ300の例示的な実施形態を示す。場合によっては、曲線電磁ポンプ300は、互いに結合され、隣接するセクションに対して或る角度だけオフセットされた(ずれた)複数の別個の直線セグメント302(1)、302(2)、302(n)から構成される。場合によっては、セグメント302(1)は、互いに対して角度を成す複数のコイルパック304(1)、304(2)、304(n)を含む。いくつかの場合において、相対角度は、5°~30°、または5°、8°、または10°、または12°、または15°、または20°、または30°以上のオーダーであり得る。本明細書で使用するとき、用語「曲線」は広い用語である。電磁ポンプを説明するために使用される場合、その使用は、共線(共直線性)(colinear)ではない中心線を有する2つ以上の直線セグメントを有するポンプを指す。例えば、本明細書に記載されるようなポンプの実施形態に言及する場合、「曲線」または「湾曲」は、互いに対して或る角度だけオフセットしている複数の直線セグメントを指す。場合によっては、複数のポンプセグメントが互いに対してオフセットされ、曲線または円弧を規定するものとして説明される。この場合、ポンプセグメントは直線でもよいが、ポンプを通って流れる流体がそれを通って流れるにつれて方向を変えるようにするために或る角度だけ互いにオフセットされていることを理解されたい。場合によっては、電磁ポンプセクションは湾曲していてもよく、または、電磁ポンプは、隣接するセクションに対して或る角度だけオフセットされた線形セクションから構成されていてもよい。いずれの場合も、電磁ポンプは、「湾曲」、「曲線に続く」、「曲線を規定する」、または「曲線」として記述されてもよい。
【0054】
ポンプハウジング306は、セグメント304(2)を収容するように設けられてもよく、ポンプハウジング306は同様に、隣接するコイルパックの角度オフセットに対応する角度でセグメント化されてもよい。場合によっては、ポンプハウジング306は、いくつかの実施形態では、一定の半径を有することができる滑らかな曲線を有するように成形される。場合によっては、ポンプハウジング306は、滑らかな曲線に従い、一方、ハウジング内のセグメント304は、各々、直線の流路を規定し得る。場合によっては、セグメント304は、それぞれ中心線を規定し、セグメント304の中心線は1つのセグメントから次のセグメントまで共線ではない。
【0055】
いくつかの例では、セグメント302(1)、302(2)は、任意の好適な方法または機構を介して結合され得、溶接、機械的締結具、または他の結合方法を含み得、さらに、ポンプ効率を増加させるために流体密結合を促進するための任意の好適なシーラを含み得る。
【0056】
任意の数のコイルパック304(1)が提供されてもよく、いくつかの実施形態では、セグメント302(1)ごとに6つのコイルパックが提供される。三相電力が供給されるいくつかの場合において、6コイルパックのセグメント302(1)は、セグメント302(1)を通して導電性流体を送るために、磁界の完全な1回転を提供する。もちろん、例えば、2、3、6、9、12、またはそれ以上などのような、1セグメント当たりの任意の好適な個数のコイルパックを使用することができる。
【0057】
図示の実施形態は単一ステータ構成を示しているが、二重ステータ構成は全体的に可能であり、必要な変更を加えて、同じ方法で機能することが企図される。
【0058】
図4は、第1のセグメント402が結合器406によって第2のセグメント404に接続されている二重ステータ曲線電磁ポンプ300の一部を示している。場合によっては、結合器406は、第1のセグメント402と第2のセグメント404とを接続するために結合器406が使用されるとき、セグメントが互いに対して角度を成すように、楔形であり、所定の角度を規定し得る。図は二重ステータポンプを示しているが、単一ステータポンプは同様の方法で使用され、同様の方法で機能することができることを理解されたい。
【0059】
場合によっては、結合器406の構造および構成は、第1のセグメント402および/または第2のセグメント404の構造および構成と同様である。例えば、結合器406は、類似または同一の断面形状および大きさを有するポンプハウジング408を有することができる。結合器406はさらに、第1のセグメント402および第2のセグメント404と流体連通する流路を規定してもよい。同様に、結合器406は、任意選択で、通電されて流体を送ることができる1つまたは複数のコイルパック410を含むことができる。結合器406内のコイルパックは、セグメント402、404内に存在するコイルパックと順番に電気的に駆動されてもよく、その結果、磁界は第1のセグメント402から、結合器406を通って、第2のセグメント404へと順番に通過する。
【0060】
場合によっては、結合器406は、コイルパックを含まなくてもよく、導電性流体は、流体慣性によって、結合器406の上流の能動的な送り圧力によって、結合器406の下流のより低い圧力によって、または力の組み合わせによって、結合器406を通って流れる。
【0061】
結合器406は、任意の適切な方法または構造を介して第1のセグメント402に接続されてもよく、溶接、ボルト、ファスナ、接着剤、クランプ、または任意の他の適切な接続方法を含むが、これらに限定されない。第1のセグメント402と第2のセグメント404との間のオフセットは、任意の適切なオフセット角度であり得る。場合によっては、オフセット角度は、約3°、5°、8°、10°、12°、15°、18°、20°、またはそれ以上である。
【0062】
図5は、原子炉容器502と、炉心504と、熱交換器506と、曲線電磁ポンプ508とを有する原子炉500の模式図を示す。もちろん、概略図は原子炉内に典型的に見られる構造および構成要素の多くを省略するが、むしろ、一次冷却材流路を示す。
【0063】
低温プール510内の一次冷却材は、ポンプ508内に引き込まれ、そこで炉心504の入口512に送られる。冷却材は、炉心504内で加熱され、高温プール514に出て、熱交換器506に入る。冷却材は、熱交換器506を出て低温プールに入り、サイクルを完了する。
【0064】
曲線電磁ポンプ508を提供することは、いくつかの利点を提供する。例えば、曲線電磁ポンプ508は、原子炉容器502内の電磁ポンプ508の配置の柔軟性を大幅に高めることができ、垂直に配置された線形誘導ポンプを使用する配置と比較して原子炉容器502を大幅に小さくすることができ、原子炉容器402内に他の構成要素を配置する際の柔軟性を大幅に高めることができる。例えば、曲線電磁ポンプ508が垂直面内で単一の方向に湾曲した図示の構成では、ポンプが90°の円弧を横切るように構成されていると仮定した場合、ポンプ508の全高は、垂直に配置された同じ長さの線形電磁ポンプと比較して、最大約40%まで低減され得る。その結果、原子炉容器の高さhは、対応する量だけ低減され得る。もちろん、曲線電磁ポンプ508の他の位置および配置が可能であり、さらなる利点をもたらすことが企図される。
【0065】
図6Aおよび
図6Bは、曲線電磁ポンプ508が水平に配置された原子炉容器500の実施形態を概略的に示す。図示のように、曲線電磁ポンプ508は、原子炉容器502の曲率に従うように成形することができる。いくつかの実施形態では、電磁ポンプ508は、原子炉容器502の底部付近に配置することができる。したがって、電磁ポンプ506への入口および電磁ポンプ506からの出口は、ともに原子炉容器502の底部付近に配置される。特に、本明細書に記載されるポンプ構成は、垂直に方向づけられたポンプと比較して、1つ以上の熱交換器506が、原子炉容器502内ではるかに低い位置に配置されることを可能にする。例えば、電磁ポンプ506が原子炉容器502内の実質的な量の垂直空間を必要としない場合、熱交換器506は、原子炉容器内の下方に配置することができる。場合によっては、熱交換器の底部は、炉心504の上端部の下方に配置される。
【0066】
曲線電磁ポンプ508は原子炉容器502の周囲に或る距離だけ延在してもよく、場合によってはおおよそ約90°~約120°の円弧形状を辿ってもよい。いくつかの場合において、1つ以上の電磁ポンプ508は、原子炉容器の底部付近の位置に配置され、各々、約45°、または90°、または120°の円弧、または原子炉容器502の壁付近の何らかの他の適切な円弧角度で延在し得、概して、原子炉容器壁の曲率に従い得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の曲線電磁ポンプ508は、原子炉容器502内で水平に方向づけられる。言い換えれば、1つ以上の電磁ポンプ506は、水平面内に位置する流体流路の少なくとも一部を規定する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の曲線電磁ポンプ508は、原子炉容器506の湾曲外壁に近似する流路を規定する。場合によっては、原子炉容器502は、幾何学的中心606を規定することができ、曲線電磁ポンプ508は、全体的に原子炉容器506の幾何学的中心606の下に位置することができる。場合によっては、入口602および出口604は、原子炉容器502の幾何学的中心606の下に配置される。
【0068】
図示のように、電磁ポンプ508は、吸気口602が熱交換器506と流体連通するように配置することができる。出口604は、例えば、炉心504の入口プレナムに流体的に結合されることによって、炉心504と流体連通することができる。この構成では、電磁ポンプ508は、原子炉容器502内の垂直空間をほとんど占有しておらず、原子炉容器502の高さhは、線形電磁ポンプが垂直に配置される原子炉容器よりも実質的に小さくてもよい。
【0069】
図7Aおよび
図7Bは、原子炉容器704内に配置された曲線電磁ポンプ702のさらなる構成を概略的に示す。いくつかの実施例によれば、曲線ポンプは、平面曲線(plane curve)を規定するものとして説明され得る。言い換えれば、曲線電磁ポンプの中心線は、たとえその中心線が曲線を規定し得るとしても、単一の平面内に位置し得る。場合によっては、曲線電磁ポンプは、2つ以上の寸法で湾曲してもよい。言い換えれば、曲線電磁ポンプ702の中心線は、単一の平面内に位置しなくてもよい。図示のように、曲線電磁ポンプ702は、複数の方向に湾曲することができる。場合によっては、曲線電磁ポンプ702の中心線は、3次元に位置し得る。例えば、曲線電磁ポンプ702の中心線は、螺旋状であってもよい。いずれにしても、曲線電磁ポンプ702は、図示されるように、2つ以上の方向に湾曲してもよい。
【0070】
曲線電磁ポンプ702は、熱交換器708と流体連通する入口706を有することができる。曲線電磁ポンプ702は、炉心714と流体連通する炉心プレナム712の付近に出口710を有することができる。場合によっては、原子炉容器704は、略円筒形状を有し、曲線電磁ポンプ702は、概して、原子炉容器704の曲率に従うことができる。
【0071】
動作中、曲線電磁ポンプ702は冷却された流体を炉心714に送り込み、炉心714内で発生する核分裂反応によって加熱される。加熱された流体は炉心から高温プール716に上方に移動し、そこで1つ以上の熱交換器708に引き込まれる。流体は、熱交換器708を通過するときに冷却され、熱交換器708を出るときに曲線電磁ポンプ702に引き込まれる。
【0072】
図示の構成では、曲線電磁ポンプ702は、垂直に配置された同じ長さの線形電磁ポンプと比較して、原子炉容器704内の実質的により少ない垂直空間しか必要としない。その結果、原子炉容器704は、従来の原子炉容器よりも著しく低い高さhを有するようなサイズにすることができる。さらに、曲線電磁ポンプ702は、原子炉容器704内の構成要素およびシステムに対して、はるかに広い範囲の設計およびレイアウトの選択肢を提供する。
【0073】
いくつかの実施形態によれば、曲線電磁ポンプ702は、曲線である1つまたは複数の長さと組み合わせて、比較的直線である1つまたは複数の長さを備え得る。場合によっては、曲線流路は、互いに対してオフセットされ、1つのセグメントの出口を別のセグメントの入口に接続する導管によって結合される、線形誘導ポンプの個々の直線セグメントによって規定される。
【0074】
場合によっては、曲線電磁ポンプ702は、実質的に水平面内に位置し得るが、上昇した上流吸気端を有する。例えば、曲線電磁ポンプ702は、出口端よりも高い高さに入口端を有することができる。曲線電磁ポンプ702は、原子炉容器の底部付近の位置に配置され、約100°、または120°、または130°、または140°、または150°などの円弧で原子炉容器の内周の位置に延在することができる。場合によっては、複数の曲線電磁ポンプ702が、原子炉容器704の底部付近に配置され、原子炉容器壁704の曲率に従う。いくつかの例では、第1の曲線電磁ポンプ702が、第2の曲線電磁ポンプ702と部分的に重なり得る。例えば、曲線電磁ポンプ702が出口端よりも高い高さに入口端を有する場合は、第1のポンプ702の入口端が第2のポンプ702の出口端の上方に配置されてもよい。この配置は複数の曲線電磁ポンプが実質的に水平面内に位置することを可能にするが、360°よりも大きい円弧を形成する流路を規定する。一実施例として、4つの曲線電磁ポンプを、原子炉容器の底部付近に配置することができ、それぞれのポンプは、120°の円弧を横切る流路を規定することができる。隣接するポンプ間の干渉を回避するために、各ポンプの入口端は、隣接するポンプの出口の上方に持ち上げられてもよく、その結果、ポンプ流路は、垂直空間において部分的に重なり合う。ポンプは三次元の曲率を規定するが、原子炉容器の底部付近の実質的に水平な流路を依然として可能にしながら、ポンプを任意の適切な長さにサイズ設定することを可能にする。
【0075】
場合によっては、熱交換器からの出口が二股に分かれており、2つ以上の曲線電磁ポンプ702に入る。したがって、場合によっては、原子炉容器704内に熱交換器が存在するよりも多くの電磁ポンプ702が存在する。
【0076】
本開示は例示的な実施形態を記載し、したがって、本開示の実施形態の範囲および添付の特許請求の範囲をいかなる形でも限定することを意図するものではない。実施形態は、特定の構成要素、機能、およびそれらの関係の実装を示す機能構成ブロックの助けを借りて上述されてきた。これらの機能的構成要素の境界は、説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。代替の境界は、指定された機能およびその関係が適切に実行される程度まで定義され得る。
【0077】
特定の実施形態の前述の説明は、当業者の知識を適用することによって、本開示の実施形態の一般的概念から逸脱することなく、過度の実験なしに、そのような特定の実施形態のような様々な用途に容易に修正および/または適応することができる本開示の実施形態の一般的性質を十分に明らかにするであろう。したがって、そのような適応および修正は、本明細書に提示される教示および指針に基づいて、開示される実施形態の均等物の意味および範囲内にあることが意図される。本明細書における説明または用語は、本明細書に提示される教示および指針に照らして、明細書の用語または説明が当業者によって解釈されるように、記載のためであり、限定のためではない。
【0078】
本発明の実施形態の幅および開示は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の開示およびそれらの均等物に従ってのみ定義されるべきである。
【0079】
特に明記されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、とりわけ、「can(可能)」、「could(可能)」、「might(可能性がある)」、または「may(可能性がある)」などの条件付き言語は一般に、特定の実装形態が含むことができるが、他の実装形態は特定の特徴、要素、および/または動作を含まないことを伝えることが意図される。したがって、そのような条件付き言語は一般に、特徴、要素、および/または動作が1つまたは複数の実装のために何らかの形で必要とされること、または1つまたは複数の実装がユーザ入力またはプロンプトの有無にかかわらず、これらの特徴、要素、および/または動作が任意の特定の実装において含まれるか、または実行されるべきかどうかを決定するための論理を必ず含むことを含意するものではない。
【0080】
明細書および図面は、原子炉のモジュールを製造設備内で製造し、モジュールを組み立てることができる建設現場に輸送することを可能にし、それによって現場での製造の煩雑さおよび費用を大幅に低減することができる、システム、機器、装置、および技術の実施例を開示する。さらに、原子炉のシステムが簡素化され、現場製作の代わりに工場製作をさらに促進している。
【0081】
当業者は、本明細書に開示される任意のプロセスまたは方法が多くの方法で変更され得ることを認識するであろう。本明細書に記載および/または図示される工程の工程パラメータおよび順序は、実施例としてのみ与えられ、所望に応じて変更することができる。たとえば、本明細書で図示および/または説明される工程は特定の順序で図示または説明され得るが、これらの工程は図示または説明される順序で必ずしも実行される必要はない。
【0082】
本明細書で説明および/または図示される様々な例示的な方法は、本明細書で説明または図示されるステップのうちの1つまたは複数を省略することもでき、または開示されるものに加えて追加のステップを含むこともできる。さらに、本明細書に開示される任意の方法のステップは、本明細書に開示される任意の他の方法の任意の1つ以上のステップと組み合わせることができる。
【0083】
もちろん、本開示の様々な特徴を説明する目的で、要素および/または方法の考えられるすべての組み合わせを説明することは不可能であるが、当業者は、開示された特徴の多くのさらなる組み合わせおよび置換が可能であることを認識する。したがって、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく、本開示に様々な修正を行うことができる。さらに、本発明の他の実施形態は、明細書および添付の図面の考察、ならびに本明細書に提示される開示される実施形態の実施から明らかであり得る。明細書および添付の図面において提示される実施例は、あらゆる点において、限定的ではなく例示的であると見なされるべきである。本明細書では特定の用語が使用されるが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定の目的で使用されない。
【0084】
特に明記しない限り、用語「connected to(に接続される)」および「coupled to(に結合される)」(およびそれらの派生語)は、明細書に使用される場合、直接的および間接的(すなわち、他の要素または構成要素を介して)の両方の連結を可能にすると解釈されるべきである。さらに、明細書に使用される「a」または「an」という用語は「のうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきであり、最後に、使用を容易にするために、明細書に使用される「including」および「having」(およびそれらの派生語)という用語は「comprising」という用語と交換可能であり、「comprising」という用語と同じ意味を有する。
【0085】
前述および添付の図面から、特定の実装が例示の目的で本明細書に記載されているが、添付の特許請求の範囲およびそこに記載されている要素の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正が行われ得ることが理解されよう。加えて、特定の実施局面は特定の特許請求の範囲の形態で以下に提示されるが、本発明者らは任意の利用可能な特許請求の形態の様々な局面を企図する。例えば、いくつかの局面のみが特定の構成で具現化されるものとして現在列挙され得るが、他の局面も同様に具現化され得る。本開示の利益を有する当業者には明らかであるように、様々な修正および変更を行うことができる。全てのそのような修正および変更を包含することが意図され、したがって、上記の説明は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で見なされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【
図1A】いくつかの実施形態による、原子炉容器内のシステムのレイアウトを示す、典型的なナトリウム高速原子炉の上部概略図である。
【
図1B】いくつかの実施形態による、原子炉容器内のシステムのレイアウトを示す、
図1Aの線A-Aに沿って得られた典型的なナトリウム高速原子炉の立面断面概略図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、二重ステータ線形電磁ポンプの模式図を示す。
【
図3】いくつかの実施形態による、曲線電磁ポンプの模式図を示す。
【
図4】いくつかの実施形態による、隣り合うポンプ部の間に結合器を有する曲線電磁ポンプの模式図を示す。
【
図5】いくつかの実施形態による、垂直面内で湾曲する曲線電磁ポンプを利用する原子炉の模式図を示す。
【
図6A】いくつかの実施形態による、水平面内で湾曲する曲線電磁ポンプを示す、原子炉容器の上面模式図を示す。
【
図6B】いくつかの実施形態による、水平面内で湾曲する曲線電磁ポンプを示す、原子炉容器の側面概略図を示す。
【
図7A】いくつかの実施形態による、3次元で湾曲する曲線電磁ポンプを示す、原子炉容器の側面概略図を示す。
【
図7B】いくつかの実施形態による、3次元で湾曲する曲線電磁ポンプを示す、原子炉容器の上面模式図を示す。
【国際調査報告】