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特表2023-539475皮膚接触反応を検出し、関連する安全な製品推奨を行うための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-14
(54)【発明の名称】皮膚接触反応を検出し、関連する安全な製品推奨を行うための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20230907BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
G06T7/00 350C
A61B5/00 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512712
(86)(22)【出願日】2021-08-03
(85)【翻訳文提出日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 CA2021051082
(87)【国際公開番号】W WO2022036437
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】63/067,256
(32)【優先日】2020-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523060024
【氏名又は名称】オール スキン インク
【氏名又は名称原語表記】ALL SKIN INC
【住所又は居所原語表記】3 Spring Mews SW, Calgary, Alberta, Canada
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルウィンソン ライアン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレラン イザベル エー.
(72)【発明者】
【氏名】ヒュー ジョン-ダグラス マシュー
【テーマコード(参考)】
4C117
5L096
【Fターム(参考)】
4C117XB01
4C117XE43
4C117XG05
4C117XJ01
4C117XK03
4C117XK04
4C117XK07
4C117XK08
4C117XK09
4C117XL01
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA06
5L096CA02
5L096DA02
5L096EA12
5L096EA13
5L096EA15
5L096EA16
5L096HA11
(57)【要約】
アレルゲンのセットに対する皮膚接触反応を検出するシステムを提供する。動作中、システムは、ユーザが、ポータブルデバイス内のカメラを通じてパッチエリアの画像を取得することを可能にし、パッチエリアは、患者の皮膚上に位置し、アレルゲンのセットを包有するパッチは、一定期間パッチエリアに適用され、画像が取得される前に除去された。次に、システムは、結果として生じるパッチエリアの前処理された画像が予め指定されたサイズ及び配向を有するように、画像を前処理する。次いで、システムは、前処理された画像上で画像処理動作を実行して、陽性皮膚接触反応に対応するパッチエリアの領域を識別する。システムは、各識別された領域を、その領域に適用された特定のアレルゲンでラベル付けして、陽性皮膚接触反応が生じた特定のアレルゲンを識別するテスト結果を生成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレルゲンのセットに対する皮膚接触反応を検出するための方法であって、
ユーザが、ポータブルデバイス内のカメラを通じてパッチエリアの画像を取得することを可能にすることであって、前記パッチエリアが、患者の皮膚上に位置し、前記アレルゲンのセットを包有するパッチが、一定期間前記パッチエリアに適用され、前記画像が取得される前に除去された、可能にすることと、
前記パッチエリアの結果として生じる前処理された画像が予め指定されたサイズ及び配向を有するように、前記画像を前処理することと、
陽性皮膚接触反応に対応する前記パッチエリアの領域を識別するために、未加工の又は前処理された画像上で画像処理動作を実行することと、
各識別された領域を、前記領域に適用された特定のアレルゲンでラベル付けして、陽性皮膚接触反応が生じた特定のアレルゲンを識別するテスト結果を生成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記パッチが、前記パッチエリアに約2日間適用され、前記画像を取得する前に約2~3日間除去された、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザが前記カメラを通じて前記画像を取得することを可能にすることが、
前記カメラによって見られているものの画像をユーザに表示することと、
前記ユーザが前記カメラの位置を調整して、パッチエリア全体の可視画像を取得することを可能にすることと、を伴う、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
異なる照明条件、皮膚のトーン、及び皮膚の質感の変化を説明するために、2つ以上の画像が取得及び処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
複数の画像が、異なる時間に取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記画像を前処理することが、以下の前処理動作の、
前記画像をシフトすることと、
前記画像を回転させることと、
前記画像をスケーリングすることと、
前記画像をトリミングすることと、
前記画像の明るさを調整することと、
前記画像のコントラストを調整することと、
基準となる皮膚のトーン、色素、又は色に対して前記画像を調整することと、
機械学習を使用して、前記画像の選択された品質を強化又は正規化することと、のうちの1つ以上を実行することを伴う、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記前処理動作のうちの1つ以上は、前記パッチが前記皮膚に適用されていた間に前記パッチから前記皮膚に転写されたパッチ登録マークを参照して実行される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記画像を前処理することが、機械学習技術を使用して、光条件、皮膚のトーン、及びコントラストを変化させるために前記画像を正規化することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記画像処理動作を実行して、陽性皮膚接触反応に対応する前記パッチエリアの前記領域を識別することが、機械学習モデルを使用して、皮膚の色/色素及び/又は皮膚の質感の変化に基づいて陽性皮膚接触反応を認識することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
機械学習モデルが、ニューラルネットワーク又は関連する深層学習アーキテクチャを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、前記テスト結果を使用して、既知の製品成分のリストに基づいて製品カタログをフィルタリングし、前記患者のための安全な製品推奨のセットを生成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記安全な製品推奨のセットを生成することが、患者の年齢、患者の性別、患者の皮膚のタイプ及び質感、前から存在する皮膚の懸念事項、患者の現在の又は選択された地理的場所の気候関連の態様、及び患者の製品の嗜好を含み得る、患者のデータ及び嗜好を考慮することを更に伴う、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記安全な製品推奨のセットが、個々の小売ベンダー又はブランドに更に合わせて作られ及び/又はフィルタリングされた、パーソナル化されたリストを生成する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記前処理動作及び前記画像処理動作が、前記ポータブルデバイス及びリモートクラウドコンピューティングシステムのうちの1つ以上によって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ポータブルデバイスが、スマートフォン、タブレットコンピュータ、及びプロセッサを有するデジタルカメラのうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
アレルゲンのセットに対する皮膚接触反応を検出するためのシステムであって、
ユーザがパッチエリアの画像を取得することを可能にするように構成されているカメラを含むポータブルデバイスであって、前記パッチエリアが、患者の皮膚上に位置し、前記アレルゲンのセットを包有するパッチが、一定期間前記パッチエリアに適用され、前記画像が取得される前に除去された、ポータブルデバイスと、
処理機構であって、前記処理機構が、
前記パッチエリアの結果として生じる前処理された画像が予め指定されたサイズ及び配向を有するように、前記画像を前処理し、
陽性皮膚接触反応に対応する前記パッチエリアの領域を識別するために、前記前処理された画像上で画像処理動作を実行し、及び、
各識別された領域を、前記領域に適用された特定のアレルゲンでラベル付けして、陽性皮膚接触反応が生じた特定のアレルゲンを識別するテスト結果を生成するように構成されている、処理機構と、を備える、システム。
【請求項17】
前記パッチが、前記パッチエリアに約2日間適用され、前記画像を取得する前に約2~3日間除去された、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ユーザが前記カメラを通じて前記画像を取得することを可能にしている間、前記システムが、
前記カメラによって見られているものの画像をユーザに表示し、及び、
前記ユーザが前記カメラの位置を調整して、パッチエリア全体の可視画像を取得することを可能にする、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
異なる照明条件、皮膚のトーン、及び皮膚の質感の変化を説明するために、2つ以上の画像が取得及び処理される、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
複数の画像が、異なる時間に取得される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記画像を前処理している間、前記システムが、以下の前処理動作の、
前記画像をシフトすることと、
前記画像を回転させることと、
前記画像をスケーリングすることと、
前記画像をトリミングすることと、
前記画像の明るさを調整することと、
前記画像のコントラストを調整することと、
基準となる皮膚のトーン又は色に対して前記画像を調整することと、
機械学習を使用して、前記画像の選択された品質を強化又は正規化することと、のうちの1つ以上を実行する、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
前記前処理動作のうちの1つ以上は、前記パッチが前記皮膚に適用されていた間に前記パッチから前記皮膚に転写されたパッチ登録マークを参照して実行される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記画像を前処理している間、前記システムが、機械学習技術を使用して、光条件、皮膚のトーン、及びコントラストを変化させるために前記画像を正規化する、請求項16に記載のシステム。
【請求項24】
前記画像処理動作を実行して、陽性皮膚接触反応に対応する前記パッチエリアの前記領域を識別している間、前記システムが、機械学習モデルを使用して、皮膚の色及び/又は皮膚の質感の変化に基づいて陽性皮膚接触反応を認識する、請求項16に記載のシステム。
【請求項25】
前記機械学習モデルが、ニューラルネットワーク又は関連する深層学習アーキテクチャを含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記処理機構が、前記テスト結果を更に使用して、既知の製品成分のリストに基づいて製品カタログをフィルタリングし、前記患者のための安全な製品推奨のセットを生成する、請求項16に記載のシステム。
【請求項27】
前記安全な製品推奨のセットを生成している間、前記処理機構が、患者の年齢、患者の性別、患者の皮膚のタイプ及び質感、前から存在する皮膚の懸念事項、患者の現在の又は選択された地理的場所の気候関連の態様、及び患者の製品の嗜好を含み得る、患者のデータ及び嗜好を更に考慮する、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記安全な製品推奨のセットが、個々の小売ベンダー又はブランドに更に合わせて作られ及び/又はフィルタリングされた、パーソナル化されたリストを生成する、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記処理機構が、前記ポータブルデバイス及びリモートクラウドコンピューティングシステムのうちの1つ以上に位置する、請求項16に記載のシステム。
【請求項30】
前記ポータブルデバイスが、スマートフォン、タブレットコンピュータ、及びプロセッサを有するデジタルカメラのうちの1つを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項31】
皮膚接触反応のためのアレルゲンのセットのテストを容易にするパッチであって、
前記アレルゲンのセットを保持するように構成されたウェルのセットを含む、前記パッチと、
前記パッチを患者の皮膚に付着させるための前記パッチ上に位置する接着セクションと、
前記パッチが患者に適用されたとき、前記患者の前記皮膚に転写される登録マークと、を備える、パッチ。
【請求項32】
前記登録マークが、前記パッチに注入された染料又は一時的なタトゥーで構成されている、請求項31に記載のパッチ。
【請求項33】
前記登録マークは、前記パッチが除去された後に一定期間前記皮膚上に残る二次接着剤層で構成されている、請求項31に記載のパッチ。
【請求項34】
前記パッチが、耐水コーティングを更に含む、請求項31に記載のパッチ。
【請求項35】
前記パッチは、前記パッチが前記患者に適用される前に、前記接着セクション及び前記登録マークを露出させるために剥がされるように構成されている裏材を更に含む、請求項31に記載のパッチ。
【請求項36】
前記パッチ内の前記ウェルのセットは、前記アレルゲンのセットが事前に取り付けられて出荷される、請求項31に記載のパッチ。
【請求項37】
ユーザは、前記パッチが前記患者に適用される前に、前記アレルゲンのセットを前記ウェルのセットに装填する、請求項31に記載のパッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月18日に出願された、発明者Ryan T.Lewinsonらによる「Detection and Labelling of Skin Contact Reactions and Recommender System for Safe Product List」と題された米国仮特許出願第63/067,256号への米国特許法第119条に基づく優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
開示される実施形態は、概して、皮膚アレルギー反応を検出するための技術に関する。より具体的には、開示される実施形態は、皮膚接触反応を検出及びラベル付けし、この情報を使用して関連する安全な製品推奨を行うためのシステムを提供する。
【背景技術】
【0003】
一般集団の約20%が、アレルギー性接触皮膚炎(ACD)として知られる状態の、皮膚アレルゲンによって引き起こされる発疹を経験する。ACDは、紅斑性(赤)、そう痒症(かゆみ)、痛み、湿疹性の発疹を引き起こす慢性疾患であり、時には皮膚水疱又はひび(ひび割れ)とも関連している。ACDは、アレルゲンに対する遅延型過敏反応の結果であり、典型的には、曝露後48~72時間で発生する。これらのアレルゲンは、職場若しくは家庭、化粧品、又は個人衛生製品に見られる。ACDはしばしば手及び足と共に顔、特に眼瞼に影響を及ぼすが、ACDはアレルゲン曝露の結果として体のどこにでも発生する可能性がある。ACDの発生に関与する最も一般的なアレルゲンには、金属(例えば、ニッケル、コバルト)、香料、防腐剤(例えば、メチルイソチアゾリノン/メチルクロロイソチアゾリノン、ホルムアルデヒド)、局所抗生物質(例えば、ネオマイシン、バシトラシン)、及び染料(例えば、p-フェニレンジアミン)を含む。ACDは治療法のない持病であるが、原因となるアレルゲンが識別され、使用から除去されると、それを回避することができる。
【0004】
現在、ACDを診断するための標準治療は、100年を超える前から存在している「パッチテスト」である。パッチテストは、典型的には上背部の皮膚に約48時間適用されるペトロラタムゲル(又は別の媒介物)中に懸濁した個々のアレルゲンを包有する一連のパッチを有することを伴う。この曝露(遅延型過敏反応)の結果は、追加の48~72時間後に査定される。適用されたパッチのマップは、個体の特定のアレルゲンを判定するための参照として使用される。
【0005】
パッチテストは長年使用されてきたが、それには不利な点がある。例えば、パッチテストは典型的には、ACDに専門知識又は特別な関心を持つ皮膚科医によってのみ提供され、これらの皮膚科医は典型的には、大都市の中心部でのみ開業している。このように、地方に住む患者のケアに対するアクセスは非常に限られており、全体の患者の待ち時間は1年を超えることがよくある。この長い待ち時間の間、患者は苦しんでいる。皮膚の症状、外観の視覚的変化、及びそれらのパーソナルケア製品に関する不安は、患者の病的状態を悪化させる。高い運営コストと患者へのコストは、一般的な市販製品にはほとんど見られないアレルゲンを必然的に含む多数のアレルゲン(通常は>100)について、各患者を型通りに検査することによって悪化する可能性が高い。更に、パッチテスト手順を管理するのに必要な全体的な時間により、ほとんどの皮膚科医は忙しい業務の中で手順を提供することにとても手が出せない。ACDの治療は、最終的に原因となるアレルゲンの識別及び排除を必要とする。しかしながら、医療提供者へのアクセスの制限、長い順番待ちリスト、地理的な制約、及び法外なコストは全て、ケアへのアクセスの減少及び患者の病的状態の増大の一因となる。
【0006】
人工知能に基づく意思決定は、皮膚科学及びスキンケアの分野で急速に成長しており、以前の使用事例は、メラノーマ皮膚がんの検出、経時的な皮膚特徴の追跡、及び美容アドバイスのために開発されている。これらの最新のテクノロジーはまだパッチテストに対して適用されていないが、皮膚科医などの熟練した評価者に物理的に会うことなく、患者がリモートで反応を安全に評価することを可能にすることで、ACDテストを拡大する重要な機会を提供する。
【0007】
したがって、必要なのは、既存のパッチテスト技術の欠点がない、ACDを診断し、関連するアレルゲンを識別するための新しい技術である。
【発明の概要】
【0008】
開示される実施形態は、アレルゲンのセットに対する皮膚接触反応を検出するシステムに関する。動作中、システムは、ユーザが、ポータブルデバイス内のカメラを通じてパッチエリアの画像を取得することを可能にし、パッチエリアは、患者の皮膚上に位置し、アレルゲンのセットを包有するパッチは、一定期間パッチエリアに適用され、画像が取得される前に除去された。次に、システムは、結果として生じるパッチエリアの前処理された画像が予め指定されたサイズ及び配向を有するように、画像を前処理する。次いで、システムは、前処理された画像上で画像処理動作を実行して、陽性皮膚接触反応に対応するパッチエリアの領域を識別する。最後に、システムは、各識別された領域を、その領域に適用された特定のアレルゲンでラベル付けして、陽性皮膚接触反応が生じた特定のアレルゲンを識別するテスト結果を生成する。
【0009】
いくつかの実施形態では、パッチが、パッチエリアに約2日間適用され、画像を取得する前に約2~3日間除去された。
【0010】
いくつかの実施形態では、ユーザがカメラを通じて画像を取得することを可能にしている間、システムが、カメラによって見られているものの画像をユーザに表示し、かつユーザがカメラの位置を調整して、パッチエリア全体の可視画像を取得することを可能にする。
【0011】
いくつかの実施形態では、異なる照明条件、皮膚のトーン、皮膚の色素、及び皮膚の質感の変化を説明するために、2つ以上の画像が取得及び処理される。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数の画像が、異なる時間に取得される。例えば、第1の画像は、48時間で取得され得、第2の画像は、72時間で取得され得る。これにより、画像/時点間の差に基づいて刺激物対アレルギー反応を査定することを可能にし、また、パッチ/マーキングの地肌及び他の識別された特徴に基づいて、配向/登録マーキングの較正のために両方の画像をおそらく使用することを可能にする。
【0013】
いくつかの実施形態では、画像を前処理することが、以下の前処理動作の、画像をシフトすることと、画像を回転させることと、画像をスケーリングすることと、画像をトリミングすることと、基準となる皮膚のトーン又は色に対して画像を調整することと、機械学習を使用して、画像の選択された品質を強化又は正規化することと、画像の明るさ又はコントラストを調整することと、のうちの1つ以上を実行することを伴う。
【0014】
いくつかの実施形態では、画像を前処理することが、機械学習技術を使用して、光条件、皮膚のトーン、及びコントラストを変化させるために画像を正規化することを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、前処理動作のうちの1つ以上が、パッチが皮膚に適用されていた間にパッチから皮膚に転写されたパッチ登録マークを参照して実行される。
【0016】
いくつかの実施形態では、画像処理動作を実行して、陽性皮膚接触反応に対応するパッチエリアの領域を識別している間、システムが、機械学習モデルを使用して、皮膚の色及び/又は皮膚の質感の変化に基づいて陽性皮膚接触反応を認識する。
【0017】
いくつかの実施形態では、機械学習モデルが、ニューラルネットワーク又は関連する深層学習アーキテクチャを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、処理機構が、テスト結果を更に使用して、既知の製品成分のリストに基づいて製品カタログをフィルタリングし、患者のための安全な製品推奨のセットを生成する。
【0019】
いくつかの実施形態では、安全な製品推奨のセットを生成している間、処理機構が、患者の年齢、患者の性別、患者の皮膚のタイプ及び質感、患者の前から存在する皮膚の状態、患者の可変の地理的場所/選択された地理的場所の気候関連の態様、及び患者の製品の嗜好を含み得る、患者のデータ及び嗜好を更に考慮する。
【0020】
いくつかの実施形態では、安全な製品推奨のセットが、個々の小売ベンダー又はブランドに更に合わせて作られかつ/又はフィルタリングされた、パーソナル化されたリストを生成する。
【0021】
いくつかの実施形態では、前処理動作及び画像処理動作が、ポータブルデバイス及びリモートクラウドコンピューティングシステムのうちの1つ以上によって実行される。
【0022】
いくつかの実施形態では、ポータブルデバイスが、スマートフォン、タブレットコンピュータ、及びプロセッサを有するデジタルカメラのうちの1つを含む。
【0023】
開示される実施形態はまた、皮膚接触反応のためのアレルゲンのセットのテストを容易にするパッチに関する。このパッチは、アレルゲンのセットを保持するように構成されているウェルのセットを含む。また、パッチは、パッチを患者の皮膚に付着させるためのパッチの表面上に位置する接着セクションを含む。最後に、パッチは、パッチに注入された染料又は他の一時的な皮膚着色機構で構成された登録マークを含み、登録マークは、パッチが患者に適用されたとき、患者の皮膚に転写される。(登録マーキングは、パッチ自体上、又はパッチが適用された後に残留物として患者の皮膚上のいずれかに見られることに留意されたい。)
【0024】
いくつかの実施形態では、パッチは、耐水コーティングを更に含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、パッチは、パッチが患者に適用される前に、接着セクション及び登録マークを露出させるために剥がされるように構成されている裏材を更に含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、パッチ内のウェルのセットは、アレルゲンのセットが事前に取り付けられて出荷される。
【0027】
いくつかの実施形態では、ユーザは、パッチが患者に適用される前に、アレルゲンのセットをウェルのセットに装填する。
【0028】
いくつかの実施形態では、パッチ配向登録マーキングは、患者又は他の観察者によって皮膚上に描画され、これは、パッチの周辺をトレースすること、又は事前に切断された登録テンプレート内をトレースすることのいずれかを含み得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、パッチ及びアレルゲンの配向は、ポータブルデバイスからのゴニオメータベースの測定値、パッチ表面からのQRコード(登録商標)読み取り値、又は患者若しくは観察者による手動ラベリングを含み得る、パッチを着用している患者の以前に撮影した写真から決定される。
【0030】
いくつかの実施形態では、パッチの配向は、パッチ内の様々な異なるウェル形状及び配置から判別される。
【0031】
いくつかの実施形態では、パッチの配向は、パッチが除去された後に一定期間皮膚上に残る二次接着剤層上のマーキングから判別される。
【0032】
いくつかの実施形態では、パッチの配向は、手動で決定される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1A】開示された実施形態による、皮膚接触反応を検出及びラベル付けし、この情報を使用して関連する安全な製品推奨を行う、例示的なプロセスを示す詳細なフローチャートを提示する。
図1B】開示された実施形態による、皮膚接触反応を検出及びラベル付けし、この情報を使用して関連する安全な製品推奨を行う、例示的なプロセスを示す詳細なフローチャートを提示する。
図2A】開示された実施形態による、どのようにパッチテスト結果の画像を使用して、皮膚接触反応を引き起こすアレルゲンを識別するかの例示的なプロセスを示すフロー図を提示する。
図2B】開示された実施形態による、どのようにパッチテスト結果の画像を使用して、皮膚接触反応を引き起こすアレルゲンを識別するかの例示的なプロセスを示すフロー図を提示する。
図3】開示された実施形態による、例示的な製品推奨システムを示す。
図4】開示された実施形態による、異なるアレルゲンに対する複数のウェル及び関連する登録マークを有する例示的なパッチを示す。
図5】開示された実施形態による、皮膚接触反応を検出するプロセスを示すハイレベルのフローチャートを提示する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の説明は、当業者が本実施形態を作成及び使用することを可能にするために提示され、特定の用途及びその要件の文脈で提供される。開示される実施形態に対する様々な修正は、当業者に容易に明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は、本実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び用途に適用され得る。したがって、本実施形態は、示される実施形態に限定されないが、本明細書に開示される原理及び特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【0035】
この詳細な説明で説明されるデータ構造及びコードは、典型的には、コンピュータシステムによって使用されるコード及び/又はデータを格納することができる任意のデバイス又は媒体であり得る、コンピュータ可読記憶媒体に格納される。コンピュータ可読記憶媒体には、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ディスクドライブ、磁気テープ、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル多用途ディスク若しくはデジタルビデオディスク)などの磁気及び光学記憶デバイス、又は現在知られている若しくは後に開発されるコンピュータ可読媒体を格納することが可能な他の媒体が含まれるが、これらに限定されない。
【0036】
詳細な説明セクションで説明される方法及びプロセスは、上記のようにコンピュータ可読記憶媒体に格納され得るコード及び/又はデータとして具現化され得る。コンピュータシステムが、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されたコード及び/又はデータを読み出して実行するとき、コンピュータシステムは、データ構造及びコードとして具現化され、かつコンピュータ可読記憶媒体内に格納された、方法及びプロセスを実行する。更に、以下に説明する方法及びプロセスは、ハードウェアモジュールに含めることができる。例えば、ハードウェアモジュールには、特定用途向け集積回路(ASIC)チップ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び現在知られている又は後に開発される他のプログラマブルロジックデバイスが含まれ得るが、これらに限定されない。ハードウェアモジュールがアクティブ化されたとき、ハードウェアモジュールは、ハードウェアモジュール内に含まれる方法及びプロセスを実行する。
【0037】
考察
本発明は、皮膚接触アレルゲン及び刺激反応を診断及びラベル付けし、この情報を使用して関連する安全な製品推奨を行うためのコンピュータ支援方法に関する。図1A及び図1Bは、一般的なアプローチのフローチャートを提示している。図1Aを参照すると、ステップ101は、皮膚からパッチ検査薬を除去することを伴う。典型的なパッチテスト手順は、様々な濃度の一般的なアレルゲン及び刺激物の配列を皮膚に適用し、これを一定期間(約48時間)所定の位置にそのままにすることを伴う。この配列は、標準仕様であるか、又はカスタマイズされ得る。適用された化学物質が、感受性個体における皮膚反応を誘発するのに十分な皮膚曝露を可能にするための時間が提供される。重要なことに、この反応は安全であり、生命を脅かすものではない。パッチの除去後、次のステップに進む前に、追加の期間(約48~72時間)が提供される。
【0038】
ステップ102は、全体のパッチテストエリア(又は分析されるべきエリア)の写真の収集を伴う。これは、ハンドヘルドスマートデバイス、パーソナルカメラ、又は画像を電子媒体に転送する任意の他の写真デバイスによって達成され得る。次に、この画像は、ステップ103でユーザに表示される。
【0039】
ステップ104は、査定されるべきエリア全体が画像上の視野内にあるかどうかを判定する。これは、ユーザ判定を介して手動で行うことができ、代替的に、画質のコンピュータ支援判定を介して電子的に行うことができる。画質が不十分な場合、ユーザは新しい画像を提供するように促され、それ以外の場合、技術は進行する。
【0040】
ステップ105は、画像の前処理を伴い、これは、画像ソース及び画質に応じて必要とされてもよく、又は必要とされなくてもよい。これらの処理ステップは、画像のトリミング、画像の変換、画像の回転、並びに画像の明るさ及びコントラストの調整を含み得るが、これらに限定されない。
【0041】
ステップ106は、パッチテスト画像を事前に訓練された人工知能/機械学習モデルに渡し、これは、ステップ107において陽性反応に対応するエリアを識別するために使用される。この機械学習モデルは、いくつかの畳み込みニューラルネットワーク、フィードフォワードニューラルネットワーク、オブジェクト検出システム、又は他の機械学習モデルのうちの任意の1つを使用して実装することができる。適切に訓練された機械学習モデルを使用することにより、システムは、画質、パッチの配向、反応の重症度、基準となる皮膚の色、基準となる皮膚の質感、並びに他の複雑な事項及び/又は可変事項を説明することができ、同時に、一度展開された、分析のための迅速なソリューションを提供する。開示された実施形態では、本システムは、修正されたYou Only Look Once v2(YOLOv2)技術を実装しており、画像は、畳み込み、バッチ正規化、修正された線形ユニットアクティブ化、及び最大値プーリングを有する一連の層を通され、特徴重みが学習される。訓練されたモデルを用いることにより、所与の層から特徴を抽出して、最終的なオブジェクト検出を容易にすることができる。このようにして、オブジェクト(すなわち、陽性反応)を検出し、境界ボックスによって表すことができ、元の画像に関連する関連する座標を保存することができる。このプロセスは、図2A及び図2Bに見られる図に示されている。この情報は、ユーザがステップ112~117で実行される動作を使用しないことを決定する場合、データ解釈及び関連する患者推奨を容易にするために、ステップ118で使用され得る。
【0042】
データセット108及び109は、テストされた特定の化学物質、及び化学物質の特定のパッチレイアウトを識別する補足情報を提供する。ユーザは、この情報を手動で入力するか、又はデータセット108及び109から情報を自動的にインポートすることができる。一実施形態では、適用されたパッチと関連付けられたQRコード(登録商標)をスキャンして、このデータをインポートすることができる。別の実施形態では、所定のパッチレイアウトのリストを、ユーザによって表示し、選択することができる。
【0043】
ステップ110は、ステップ107の機械学習出力からのデータと、データセット108及び109からの補足パッチレイアウト情報とを統合して、その反応位置に対応する化学物質に従って陽性反応をラベル付けする。次いで、この情報は、ステップ111において、陽性反応を引き起こす特定の接触アレルゲン又は刺激物に従って次いでラベル付けされ得る陽性パッチ結果に対応する境界ボックスオーバーレイと共に、元の画像としてユーザに表示される(図2A及び図2Bを参照されたい)。
【0044】
ステップ118は、ユーザがこの情報を手動で解釈したい場合、直接開始することができることに留意されたい。しかしながら、ボックス112~117に示すように、本発明はまた、パッチテスト結果データを、製品カタログ114からの製品情報、並びにデータセット116からのユーザデータ及びユーザ嗜好などの外部データと統合して、製品推奨を提供するための技術を提供する。(詳細は図3を参照されたい。)これは、製品に現れるパッチテストに使用される化学物質の中には、一般の人々及びパッチテストの経験が浅い臨床医には馴染みのないものがあるため、重要であり得る。
【0045】
データセット112からのラベル付けされた画像及びパッチテスト結果(すなわち、陽性反応を引き起こすアレルゲン及び刺激物)は、保存されたデータとして機械学習システムからエクスポートされる。このプロセスを開始するために使用されるプラットフォームに応じて、データは、ユーザスマートデバイス上、コンピュータシステム上、又はリモートクラウドベースのプラットフォーム上にローカルに保存され得る。
【0046】
次いで、データは、ステップ113において、製品カタログ114からの外部データを組み込む製品フィルタリング機構に渡される。製品カタログ114は、市場で入手可能な製品(個人衛生用、化粧品、機能性化粧品、汎用/洗浄用、業務用)、並びに接触性皮膚炎を引き起こすことが知られている一般的な製品(例えば、洗剤、家庭用クリーナなど)のリストを含む。製品カタログ114は、完全な成分リスト(アレルゲン及び刺激物を含む)、製品使用意図(例えば、保湿剤、日焼け止め、シャンプー、洗剤など)、顧客評価、及び価格に対応するが、これらに限定されないデータを含む。製品カタログ114からの既知の製品成分リストとパッチテストの結果からのデータとを組み合わせることによって、製品カタログ114内のデータをステップ115でフィルタリングして、陽性反応を引き起こしたアレルゲン及び刺激物を含有する全ての製品を除去することができる。新製品が頻繁に市場にリリースされるため、このリストはリアルタイムで更新されることとなる。
【0047】
データセット116は、利用可能なユーザデータ及び嗜好を含む。例えば、このデータは、患者の年齢及び性別、皮膚のタイプ、ユーザ入力を通じて又は画像分類を通じて得られる色素及び質感(脂性肌/乾燥肌など)、地理(例えば、気候、温度、湿度などに関連する)、他の皮膚の問題、及び使用される他の製品に関する情報を含み得るが、これらに限定されない。このデータを安全な製品リスト115からのデータと組み合わせることによって、陽性パッチテスト反応を誘発した化学物質を含有する製品を除外する、ユーザ固有の製品推奨を生成することができる。
【0048】
このユーザ固有の製品推奨は、単純な「if this,then that」(IFTTT)技術を使用して生成することができ、又は代わりに機械学習アプローチを使用してもよく、特徴重みは、推奨システムを訓練して所望の出力を生成することによって学習される。クラスタリングモデルを開発して、データの類似性を有する個体のグループを識別することもできる。機械学習及びクラスタリング分析を使用するこれらの「スマート」アプローチは、多変数の複雑な事項を処理するのに役立つようには見えにくい相関関係を識別することができる。
【0049】
例えば、カナダのカルガリー(典型的には、寒くて乾燥している)に住んでいる、フィッツパトリックのスキンフォトタイプII(色白の肌)、及びアトピー性皮膚炎(湿疹)の病歴を持つ27歳の女性は、IFTTT技術又は機械学習技術によって、彼女がテストした可能性のある接触アレルゲン及び刺激物のうちのいずれかを除外する、日焼け止め(彼女の明るいスキンフォトタイプを考慮すると)を含有する保湿クリーム(寒い乾燥環境及びアトピー性皮膚炎の病歴を考慮すると、より軽めのローションの代わりに)の使用が推奨され得、この技術はまた、これらの基準を満たす製品のリストを提供することができる。機械学習アプローチを使用することによって、同様の地理、年齢、性別、及び/又は他の可変事項を有する個体は、特定の製品タイプに対してより高い個人的嗜好スコアを有する傾向があると判定され得る、これは、製品推奨を導くのに役立ち得る。
【0050】
したがって、本システムは、(1)ユーザが家庭又は臨床環境でパッチテストを実行することを可能にし、(2)人工知能によって陽性アレルゲン又は刺激物を識別し、(3)パッチテストで陽性であるとテストされたアレルゲン又は刺激物を除外するだけでなく、スキンケアを最適化するための製品選択に関するガイダンスを提供するためにユーザデータ及び個人的嗜好を組み合わせる、製品に対するコンピュータ支援によるスマートな推奨を提供する。
【0051】
例示的な用途
本システムは、パッチテストのために一般的なアレルゲンを用いて予め作られた消費者グレードのパッチを介して使用することができる。このパッチは、医療施設外のユーザに適用することができ、パッチテストアレルゲンレイアウトは、QRコード(登録商標)又はアプリ内製品セレクタを介して決定することができる。次に、パッチテスト結果を解釈する当日に、カメラを有するそれらのスマートデバイスを使用してユーザによって画像が取得され得、画像がクラウドベースのネットワークに渡され得、クラウドベースのネットワークは、事前に訓練された機械学習モデルを画像に適用して皮膚接触反応を識別する。識別された皮膚接触反応と定義されたパッチテストレイアウトとを組み合わせることにより、本システムは、陽性皮膚反応を引き起こすアレルゲンを識別してラベル付けする。
【0052】
次いで、このデータは、関連する成分リストに基づいて製品のライブラリをフィルタリングし、陽性アレルゲンを含有する製品を除去する推奨システムに渡される。ユーザがユーザプロファイルを介して追加の個人データを提供した場合、この個人データは、機械学習又はIFTTT技術によって安全な製品リストを改良して、安全でかつ個体が陽性とテストされたいかなる接触アレルゲンもなく、彼らの皮膚のタイプ、並びに個人情報及び嗜好と合致する、推奨される製品のカスタマイズされたリストを作成するために使用される。推奨される製品のこのリストは、ある期間にわたってアクセスして再訪することができる、推奨される製品リストからの購入を容易にするための直接の製品リンクと共に、この情報が関連するユーザプロファイルに格納されているユーザのデバイスにフィードバックされ得る。
【0053】
別の例では、上記の手順が繰り返されるが、ユーザのためのカスタマイズされたスキンケア製品の製造を容易にするために、機械学習システム又は他の技術によって使用されるユーザデータ及びパッチテスト結果データを用いる。
【0054】
更に別の例では、ユーザは家庭用製品をペトロラタム(ワセリン)中に懸濁し、ペトロラタムを含有するパッチを皮膚に適用することによる、オープン塗布テストが実行される。次いで、本システムは、陽性反応が発生したかどうかを判定するために使用される。次に、製品カタログを使用することにより、テストされた製品を(手動又は自動化されたコンピュータベースの技術を介するいずれかで)相互参照して、問題のある可能性のあるアレルゲン及び関連製品を識別することができる。
【0055】
更なる例では、システムは、パッチテストへのアクセスが制限され得る場所において、地方/遠隔地の医療提供者によって使用される。一般的なアレルゲンを用いる予め作られたパッチテストを患者に適用し、次いで再受診時に医師は本システムを使用して、後でアクセスして紹介する目的のために患者の電子カルテに画像及び関連する陽性反応を格納し、かつ患者のための安全な製品リストを生成することができる。このようにして、本システムは、患者が、必要に応じて、後日追加のアレルゲンの更なるテストのために専門のセンターへの紹介を待っている間、アレルギー性接触皮膚炎の初期診断及び管理を容易にする。
【0056】
更なる例では、システムは、テクノロジーが、全ての陽性反応を記録しかつユーザ定義のパッチテストレイアウトに基づいて原因となるアレルゲンを迅速に識別するために使用される、パッチテストを提供する専門の皮膚科センターで使用することができる。次いで、これらのデータは、後で参照するために患者の電子カルテにエクスポートされ、関連するカスタム製品リストが生成され得る。これにより、60を超える個々のパッチテスト結果を手動で記録し、次いで安全な製品リストを手動で並べ替えて配置するのではなく、コンピュータ支援テクノロジーを介してパッチテスト分析手順を迅速化することができ、それによって、より多くの患者が所与の期間内に診察されることが可能になる。
【0057】
パッチ設計
図4は、開示された実施形態による、皮膚接触反応のためのアレルゲンのセットのテストを容易にする例示的なパッチ400を示している。このパッチ400は、アレルゲンのセット(A、B、C、D、E、及びF)を保持するように構成されている、ウェル401~406のセットを含む。ウェル401~406のセットは、アレルゲンのセットを事前に取り付けて出荷することができることに留意されたい。代替的に、ユーザは、パッチが患者に適用される前に、アレルゲンのセットをウェルのセット401~406に装填することができる。パッチはまた、登録マーク411~414のセットを含み、登録マーク411~414は、ヘナなどの染料又は一時的なタトゥーで構成され、これは、パッチが患者に適用されたとき、登録マーク411~414が患者の皮膚に転写されるようにパッチに注入されている。パッチはまた、患者がパッチを着用しているときにシャワーを浴びることを可能にする耐水コーティング(図示せず)を含み得る。パッチは、パッチが患者に適用される前に、接着セクション及び登録マークを露出させるために剥がされるように構成されている裏材(図示せず)を更に含み得る。上記の発明の概要セクションで述べたように、パッチレイアウトを登録するためのいくつかの他の代替アプローチが存在する。
【0058】
皮膚接触反応の検出
図5は、開示された実施形態による、皮膚接触反応を検出するプロセスを示すハイレベルのフローチャートを提示している。動作中、システムは、ユーザが、ポータブルデバイス内のカメラを通じてパッチエリアの画像を取得することを可能にし、パッチエリアは、患者の皮膚上に位置し、アレルゲンのセットを包有するパッチは、一定期間パッチエリアに適用され、画像が取得される前に除去された(ステップ502)。次に、システムは、結果として生じるパッチエリアの前処理された画像が予め指定されたサイズ及び配向を有するように、画像を前処理する(ステップ504)。次いで、システムは、前処理された画像上で画像処理動作を実行して、陽性皮膚接触反応に対応するパッチエリアの領域を識別する(ステップ506)。最後に、システムは、各識別された領域を、その領域に適用された特定のアレルゲンでラベル付けして、陽性皮膚接触反応が生じた特定のアレルゲンを識別するテスト結果を生成する(ステップ506)。
【0059】
開示された実施形態に対する様々な修正は、当業者に容易に明らかであり、本明細書で定義される一般原理は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び用途に適用され得る。したがって、本発明は、示された実施形態に限定されず、本明細書に開示された原理及び特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【0060】
実施形態の前述の説明は、例示及び説明のみを目的として提示されている。これらは、網羅的であること、又は本明細書を開示された形態に限定することを意図しない。したがって、多くの修正及び変形は、当業者に明らかであろう。加えて、上記の開示は、本明細書を限定することを意図しない。本明細書の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
【国際調査報告】