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特表2023-539497カバー上でロボットが動く容器保管システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-14
(54)【発明の名称】カバー上でロボットが動く容器保管システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20230907BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20230907BHJP
   F25D 13/04 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B25J5/00 A
F25D13/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513768
(86)(22)【出願日】2021-08-31
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2021073970
(87)【国際公開番号】W WO2022043572
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】2008856
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518127451
【氏名又は名称】エグゾテック
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】シャタン,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ムラン,ロマン
(72)【発明者】
【氏名】エイツ,ルノー
【テーマコード(参考)】
3C707
3F022
3L045
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707CS08
3C707WA16
3F022BB02
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022MM01
3L045AA04
3L045BA01
3L045CA02
3L045PA04
(57)【要約】
本発明は、複数の保管柱と、少なくとも1つのロボットとを含む容器保管システムに関し、前記保管柱は、容器の積み重ねを受け入れるように設けられ、複数の保管柱の上部輪郭は格子となっており、少なくとも1つのロボットは、前記格子上で動作し、容器をピックアップし運搬し置くことができるように設けられ、前記ロボットは、少なくとも1つの容器をつかみ持ち上げる手段を有する。本発明によれば、容器保管システムは、前記格子上に移動可能な複数のカバーを有し、前記カバーは前記ロボットの循環プラットフォームを構成し、前記ロボットは前記カバーを押す、引く及び/又は持ち上げる手段を備え、前記カバーの位置を変えて前記保管柱の上部に自由にアクセスすることができるように設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に方形断面の複数の保管柱と、少なくとも1つのロボットとを含む容器保管システムであって、
前記保管柱は、垂直方向の容器の積み重ねを受け入れるように設けられ、
複数の保管柱の上部輪郭は格子となっており、
少なくとも1つのロボットは、前記格子上で動作し、容器をピックアップし運搬し置くことができるように設けられ、
前記ロボットは、少なくとも1つの容器をつかみ持ち上げる手段を有しかつ車輪を備え、
前記容器保管システムは、前記格子上の複数の移動可能なカバーを備え、
前記カバーは、隣接するカバーに実質的に接触しており、かつ、前記格子の単位セルの上面全体に実質的に広がっており、
前記カバーは、前記ロボットのための循環プラットフォームを構成し、
前記ロボットは、前記カバーを押す又は引くための手段を備え、前記カバーの位置を変え、前記保管柱の上部に自由にアクセスできるように設けられたことを特徴とする容器保管システム。
【請求項2】
各前記カバーは、1つの保管柱の上部を閉じる水平位置と、その保管柱の上部へのアクセスが自由となる垂直位置との間で、水平軸を回転軸として回転するように取り付けられており、
前記押す又は引くための手段は、前記カバーの自由端を押しカバーを上方向に傾けるように設けられている請求項1に記載の容器保管システム。
【請求項3】
前記カバーは、前記カバーの2つの対向する端において実質的に伸びる2つの水平軸を回転軸として回転するように取り付けられている請求項2に記載の容器保管システム。
【請求項4】
少なくとも1つの前記カバーは、第1位置と第2位置との間でスライドできるように設けられており、
第1位置は、カバーが1つの保管柱の上部を閉じる位置であり、
第2位置は、前記カバーが第1位置において隣接するカバーの下に収容されることによりその保管柱の上端に自由にアクセスできる位置である請求項1に記載の容器保管システム。
【請求項5】
スライド可能な前記カバーは、横方向に突出している指部の第1ペアと第2ペアとを有し、
前記容器保管システムは、指部ガイドスライドの第1ペアと、指部ガイドスライドの第2ペアとを備え、
前記指部ガイドスライドの第1ペアは、前記指部の第1ペアをガイドし、第1位置においてスライド可能な前記カバーにより閉じられる保管柱の対向する両端に伸びており、
前記指部ガイドスライドの第2ペアは、前記指部の第2ペアをガイドし、第1位置においてスライド可能な前記カバーにより閉じられる前記保管柱に隣接する保管柱の対向する両端に伸びており、
前記隣接する保管柱は、前記指部ガイドスライドの第1ペアの延長上に位置する請求項4に記載の容器保管システム。
【請求項6】
前記カバーは、断熱材層を有し、
前記カバーの下の前記保管柱は、温度が制御された領域である請求項1~5のいずれか1つに記載の容器保管システム。
【請求項7】
少なくとも2つの前記保管柱は、制御温度が異なる請求項6に記載の容器保管システム。
【請求項8】
前記カバーを押す又は引くための手段は、前記カバーの1つに形成されているハウジングと共に作動するように設けられた指部を含む請求項1~7のいずれか1つに記載の容器保管システム。
【請求項9】
前記カバーを押す又は引くための手段は、前記ロボットのシャーシから突出している部材を含み、この部材は前記カバーの下面と係合し、前記カバーを押して上の方へ軸回転させ前記垂直位置にするように設けられている請求項2に記載の容器保管システム。
【請求項10】
前記ロボットは、少なくとも2つの駆動車輪を有する請求項1~9のいずれか1つに記載の容器保管システム。
【請求項11】
少なくとも1つの容器をつかみ持ち上げる手段は、容器を固定するための手段を備えた前記容器の周りをスライドすることができるフレームと、前記ロボットのシャーシの下に前記フレームを垂直に動かすための手段とを備える請求項1~10のいずれか1つに記載の容器保管システム。
【請求項12】
前記容器保管システムは、前記容器を置くための少なくとも1つの保管柱と、容器を置いたこの保管柱から前記容器を移動させる手段とを有する請求項1~11のいずれか1つに記載の容器保管システム。
【請求項13】
平行なレール又はガイドスライドの第1及び第2ペアが前記カバーの上部に形成されており、
平行なレール又はガイドスライドの第2ペアの前記レール又はガイドスライドは、平行なレール又はガイドスライドの第1ペアの前記レール又は前記ガイドスライドと直角になっており、
前記ロボットは、レール上又はガイドスライド上を走行可能な複数の車輪を備え、平行なレール又はガイドスライドの第1及び第2ペアのどちらか一方の上を走行する請求項1~12のいずれか1つに記載の容器保管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.本発明の技術分野
本発明の分野は、倉庫ロジスティクスの分野であり、特に、商品の自動保管および自動回収である。より具体的には、本発明は、複数の柱に積み重ねられた容器を保管するためのシステムに関する。本発明は、制御された温度、例えば冷蔵環境または冷凍環境での食料品の保存に特に適用される。
【背景技術】
【0002】
2. 最新技術
たとえば、特許文献1(NO317366 B1)のように、商品を収容した容器を三次元格子状に保管するための自動化された構造が知られている。この構造では、容器は複数の柱のそれぞれの一番上に保管されており、複数の柱にはレールが取り付けられている。これらのレールは、ロボットが動き柱の1つ以上の容器をピックアップする又は置いていき、格子状のレールネットワーク上でこれらを別の保管柱又は収集ポイントへ運ぶことを可能にする。収集ポイントにおいて、例えば、容器はコンベア又はリフトへ移される。
【0003】
生鮮食品または冷凍食品の保管を確実にするために、例えば特許文献2(US2018/0128532 A1)では、いくつかの柱を1つのグループにまとめている温度が管理された保管領域を複数設けることが提案されている。保管領域の温度はそれぞれ正の低温又は約-18℃に維持される。この領域の周囲は断熱されており、複数のロボット循環レールの間において温度管理された保管領域の各柱の上には断熱材で作られたカバーが配置されている。
【0004】
この既知の技術の欠点は、カバーの取り扱いである。温度管理された柱に保管されている容器にアクセスするためには、このカバーを取り外して他のカバーの上に置きそしてこの柱の上のレール間の元の位置に戻す必要がある、又は温度管理された柱において別のロボットが容器をピックアップしている又は置いている間にカバーを操作するための専用のロボットを使用する必要がある。その結果、これらの技術は実行が複雑でコストがかかる。さらに、いろいろなカバーの取り扱いが、保管構造から容器を取り出すのに必要な時間を長くする。さらに、容器内の商品はカバーを何度も操作している間に暖かくなる、これは望ましくない。
【0005】
商品が倉庫の周囲温度にさらされる時間を短縮するために、温度管理された領域の複数の保管柱の上のロボットの循環領域において管理された温度を維持することも考えられた。この既知の技術の欠点は、ロボットがある場所から異なる温度の別の場所に移動するときに、ロボットの電子回路で結露が発生することである、このことがロボットを損傷させたり、適切な機能を妨げる可能性がある。
【0006】
この欠点を克服するために、特許文献3(WO2019/001816 A1)では、異なる温度ゾーンを分割し、リフトを使用して1つのゾーンから別のゾーンに容器を輸送することが提案されている。この技術の欠点は、実行が複雑で費用がかかることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】NO317366 B1
【特許文献2】US2018/0128532 A1
【特許文献3】WO2019/001816 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
3.本発明の目的
したがって、本発明は、最新技術の上述の欠点を克服することを目的とする。より具体的には、本発明の目的は、容器の迅速かつ容易な取り出しを可能にする技術を提供することである。また、本発明の目的は、容器の取り扱い中に、容器に保管された商品の温度が上昇することを抑制する技術を提供することである。本発明のさらなる目的は、簡単かつ低コストで実施できる技術を提供することである。特に、本発明の目的は、商品を同じ施設内で異なる温度で保管できるようにする保管技術を提供することである。本発明のさらなる目的は、信頼できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
4.本発明の説明
これらの目的、および後に現れる他の目的は、容器保管システムを用いて達成され、この容器保管システムは、実質的に方形断面の複数の保管柱と、少なくとも1つのロボットとを含み、前記保管柱は、垂直方向の容器の積み重ねを受け入れるように設けられ、複数の保管柱の上部輪郭は格子となっており、少なくとも1つのロボットは、前記格子上で動作し、容器をピックアップし運搬し置くことができるように設けられ、前記ロボットは、少なくとも1つの容器をつかみ持ち上げる手段を有しかつ車輪を備える。
【0010】
本発明によれば、容器保管システムは、前記格子上の複数の移動可能なカバーを備え、前記カバーは、隣接するカバーに実質的に接触しており、かつ、前記格子の単位セルの上面全体に実質的に広がっており、前記カバーは、前記ロボットのためのトラフィックプラットフォームを構成し、前記ロボットは、前記カバーを押す、引く及び/又は持ち上げるための手段を有し、前記カバーの位置を変え、前記保管柱の上部に自由にアクセスできるように設けられている。
【発明の効果】
【0011】
したがって、新規な方法として、本発明は、カバーを使用してロボット用の転がり面を形成することを提案する。転がり面の上において、ロボットは、例えば、カバーに形成されたガイド内を走行することによって、すべての方向または所定の経路に沿って自由に移動することができる。このことは、インフラコストを制限する、また、ロボットが自由に移動できる場合、移動性が向上し、格子上の2つの離れた位置間のロボットの移動速度を大幅に向上させることが可能になる。
【0012】
本発明の範囲を逸脱することなく、保管柱にアクセスするために、ロボットによりカバーを垂直に傾けたり、ロボットによりカバーを実質的に水平に押したり引いたりして他のカバーの上または下をスライドさせたり、又はカバーをロボットによって持ち上げることができることに注目すべきである。さらに、「移動可能な」という用語は、本発明の文脈において、その一般的な意味で使用されている。すなわち、カバーは、並進的または回転的に、または両方の組み合わせで動かすことができる。
【0013】
本発明の有利な実施形態では、各前記カバーは、1つの保管柱の上部を閉じる水平位置と、その保管柱の上部へのアクセスが自由となる垂直位置との間で、水平軸を回転軸として回転するように取り付けられており、前記押す、引く及び/又は持ち上げるための手段は、前記カバーの自由端を押しカバーを上方向に傾けるように設けられている。従って、カバーを軸回転可能に取り付けることにより、ロボットは、カバーの自由端を単純に押す又は引いてカバーを上方向に傾けることによりカバーの下の保管柱に保管された容器に容易にアクセスすることができる。
【0014】
本発明のこの特定の実施形態の変形では、前記カバーを押す、引く及び/又は持ち上げるための手段は、前記ロボットのシャーシから突出している部材を含み、この部材は前記カバーの下面と係合し、前記カバーを押して上の方へ軸回転させ前記垂直位置にするように設けられている。
【0015】
本発明の特定の実施形態では、前記カバーは、前記カバーの2つの対向する端において実質的に伸びる2つの水平軸を回転軸として回転するように取り付けられている。これによりカバーの一方の端又は他方の端が動くことが可能になり、ロボットがカバーのどちらの端側からもカバーに近づくことが可能になる。このことは、ロボットの移動距離を短縮することができ、別のロボットが移動するためのパスを解放することができる。
【0016】
本発明の特定の実施形態では、少なくとも1つの前記カバーは、第1位置と第2位置と間でスライドできるように設けられており、第1位置は、カバーが1つの保管柱の上部を閉じる位置であり、第2位置は、前記カバーが第1位置において隣接するカバーの下に収容されることによりその保管柱の上端に自由にアクセスできる位置である。
【0017】
本発明の特定の実施形態では、スライド可能な前記カバーは、横方向に突出している指部の第1ペアと第2ペアとを有し、前記容器保管システムは、指部ガイドスライドの第1ペアと、指部ガイドスライドの第2ペアとを備え、前記指部ガイドスライドの第1ペアは、前記指部の第1ペアをガイドし、第1位置においてスライド可能な前記カバーにより閉じられる保管柱の対向する両端に伸びており、前記指部ガイドスライドの第2ペアは、前記指部の第2ペアをガイドし、第1位置においてスライド可能な前記カバーにより閉じられる前記保管柱に隣接する保管柱の対向する両端に伸びており、前記隣接する保管柱は、前記指部ガイドスライドの第1ペアの延長上に位置する。
【0018】
本発明の有利な実施形態では、前記カバーは断熱材層を有し、前記カバーの下の前記保管柱は、温度が制御された領域である。この保管システムにより、冷却の損失を回避しながら、この領域の全体又は一部において1つ以上の制御された温度で商品を保管することが可能になる。
【0019】
本発明の特定の実施形態では、少なくとも2つの前記保管柱は、制御温度が異なる。このことは、例えば、正の低温で保管する商品、冷凍商品、倉庫内の室温で保管する商品を同じシステムに保管できることを意味する。
【0020】
本発明の特定の態様によれば、カバーの自由端を引くおよび/または押すための前記手段は、前記カバーの1つに形成されたハウジングと協働するように適合された指部を備える。
【0021】
好ましくは、前記ロボットは少なくとも2つの駆動輪を有する。本発明の特定の実施形態では、前記ロボットは、3つまたは4つの駆動輪を有する。
【0022】
本発明の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの容器をつかみ持ち上げる手段は、容器を連結するための手段を備えた前記容器の周りをスライドすることができるフレームと、前記ロボットのシャーシの下に前記フレームを垂直に動かすための手段とを備える。本発明の文脈において、用語「フレーム」は、容器を少なくとも3つの側面で包囲するためのシャーシなどのデバイスを意味する。本発明の特定の実施形態では、前記連結手段はフックまたは爪を備える。
【0023】
本発明の特定の実施形態では、前記上述のシステムは、前記容器を置くための少なくとも1つの保管柱と、容器を置いたこの保管柱から前記容器を移動させる手段とを有する。このことは、ロボットが保管された容器を簡単に回収できることを意味する。
【0024】
本発明の特定の実施形態では、平行なレール又はガイドスライドの第1及び第2ペアが前記カバーの上部に形成されており、平行なレール又はガイドスライドの第2ペアの前記レール又はガイドスライドは、第1ペアの前記レール又は前記ガイドスライドと直角になっており、前記ロボットは、レール上又はガイドスライド上を走行可能な複数の車輪を備え、平行なレール又はガイドスライドの第1及び第2ペアのどちらか一方の上を走行する。このように、ガイドスライドをカバーに直接組み込むことにより、保管システムの実施コストが削減される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
5.図面のリスト
本発明の他の特徴および利点は、単に例示的で非限定的な例として与えられた本発明の2つの実施形態の以下の説明、および添付の図面からより明らかになるであろう。
【0026】
図1図1は、本発明による保管システムの一実施形態の一例の斜視図である。
図2図2は、図1を参照して示される保管システムの直立位置にあるカバーの詳細図である。
図3図3は、図1を参照して示したシステムのロボットによって容器の積み重ねをピッキングするステップを示しており、ロボットは、容器の積み重ねをピッキングするために持ち上げられているカバーに向かい合って位置する。
図4図4は、図1に示されたシステムのロボットによって容器の積み重ねをピックアップするステップを示しており、ロボットは指部をカバーに係合させてそれを持ち上げる。
図5図5は、図1に示されるシステムのロボットによって容器の積み重ねをピックアップするステップを示しており、ロボットはカバーの下側を押し上げてカバーを上向きに傾ける。
図6図6は、図1を参照して示したシステムのロボットによって容器の積み重ねをピッキングするステップを示しており、ロボットは保管柱の上に配置され、容器の積み重ねをピッキングするために、容器の積み重ねの周りでフレームを下方にスライドさせる。
図7図7は、本発明の保管システムの実施形態の別の例のロボット循環プラットフォームの部分図であり、すべてのカバーが保管柱を閉じている。
図8図8は、図7を参照して示されたプラットフォームの詳細図であり、カバーの1つの前部がロボットによって下向きに傾けられ、前部のカバーの下にスライドできるようになっている。
図9図9は、図7および図8を参照して示されたプラットフォームの図であり、カバーがその前のカバーの下にスライドし始める。
図10図10は、図7および9を参照して示されるプラットフォームの図であり、カバーがその前のカバーの下に平らにスライドするときを示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
6.本発明の詳細な説明
図1は、食品貯蔵倉庫内に実装された本発明による自動貯蔵システムの例を斜視図で示している。
【0028】
このシステム10は、格子面に配置された複数の垂直材12によって形成される保管設備11を備え、この格子が、並べて置かれた複数の保管柱を区切る又は互いに積み重ねられた容器14を保管するための矩形断面の単位セル13を区切る。
【0029】
本発明のこの特定の実施形態では、設備11は次の3つの区域に分割されている、第1区域15は容器の内容物を冷たく保つための区域であり、第2区域16は冷凍商品を収容している容器を受け入れるための区域であり、第3区域110は、倉庫の室温で保管することができる容器を受け入れるための区域である。
【0030】
保管柱の高さ全体にわたって延びる断熱材料の垂直隔壁17が、第1区域15と第2区域16との間、および第2区域15と第3区域110との間に取り付けられている。さらに、第1区域15の外縁部が保護断熱層で覆われている。
【0031】
第1区域15、第2区域16および第3区域110の複数の保管柱の上に、複数のカバー18が枢動可能に(pivotally)取り付けられており、これらのカバー18は実質的に互いに連続しており、複数の保管柱13の上部開口部を閉じることができる。カバーを平らにしたとき、これらのカバー18は、水平な梁と、複数の垂直材12の上端をつなぐ横木との上に縦方向及び横方向に置かれており、ローリングプラットフォームを形成する。ローリングプラットフォームは、自己誘導式2輪駆動ロボット19が容器を輸送し、1つの保管柱に1つ以上の容器を置いてくる又は1つの保管柱から1つ以上の容器をピックアップするためのものである。これらのカバー18は、断熱層を有し、第1区域15とロボット19の循環空間との間での冷気の損失を制限し、第2区域16とロボット19の循環空間との間での冷気の損失を制限する、また、ロボットが倉庫の室温で動作することを可能にする。
【0032】
図2に示したような、保管柱13に保管された複数の容器にアクセスすることが可能な状態である垂直方向に立てたカバー18の詳細図では、このカバー18は、保管柱13の上部輪郭を画定する横木23に固定された2つの軸部22により形成される水平軸21(図2では点線で示している)を回転軸として回転することができる。カバー18は、カバー18の横縁25に形成されているフック24の第1ペアを用いてシャフト部分22に連結されている。本発明のこの特定の実施形態では、カバー18は、その2つの横縁25、26のいずれかから上方に枢動可能であるように構成される。この目的のために、フック27の第2ペアが、カバー18の横縁26に形成されている。
【0033】
図3~6は、ロボットが保管柱から容器の積み重ねをピックアップできるようにするさまざまな操作を示している。
【0034】
第1ステップ(図3を参照)において、ロボットは、ロボット19がこれから傾けるカバー18の周辺部で、回転軸21から最も遠いカバー21の横縁31に近い周辺部において、カバー21の回転軸に対して垂直となるように保管柱を覆うカバー18の方を向く。次に、ロボットは、水平軸43を中心に回転するアーム42の自由端に取り付けられた指部41を、カバーの一方の端に形成された隠れた溝44に挿入し(図4を参照)、指部41は徐々にカバーを持ち上げる。このステップの期間に、指部を溝44に引っ掛けたままロボット19はゆっくりと前方に移動することに注目すべきである。本発明のこの特定の実施形態において、アーム42が十分に上の方に回転し、実質的に垂直になっているこの事例では、カバーが水平に対して約12°傾いているカバー18の位置に対応し、このときに、ロボット19のシャーシはカバーのフック24の下側に当接し始める。次に、カバー18が図5に示す垂直位置に達するまで、指部41を溝44から解放しながら、ロボット19がカバー18のフック24を押してカバー18を十分に上向きに傾ける。本発明のこの特定の実施形態では、指部41は、溝44から指部41を容易に解放することを可能にする実質的に球形の形状を有することが好ましいことに注目すべきである。また、本発明のこの特定の実施形態では、ロボット19のシャーシには2つの垂直方向のガイドスライドがあり、ロボット19がカバー18を押すと、ガイドスライドの底部にフック24の内面が置かれることに注目すべきである。
【0035】
図6に見られるように、ロボット19は、その後、保管柱13の上に位置し、その後、フレームを下降させる。このフレームは2つの垂直なプレート61により構成され、2つのプレートは、ピックアップされる容器の積み重ねの下側コンテナのレベルに達するまで容器14の対向する2つの側面に沿って滑り降りる。そして、2つのプレート61から吊り下げられているフック(図6には示されていない)が下側コンテナの両端に形成されている取っ手に滑り込むことができる。次に、ロボット19は、容器14の積み重ねを運ぶフレームを、カバー18の上方のロボット通行領域の高さまで持ち上げる。中央開口62がロボットのフレームに設けられており、この開口は、容器14がロボット19のフレームを通過することを可能にすることは注目すべきである。
【0036】
次に、ロボット19は、その格子の単位セルのカバー18を元の位置に戻し、その後、新しい保管柱13へと移動する。この新しい保管柱においてロボットは容器14の積み重ねを置く必要がある。又はロボット19は、第3区域110に設けられている預かり柱111へと移動する。預かり柱では、容器14の積み重ねはフレームを動かすことにより下降し、預かり柱111の底部に位置するリフト112の上に置かれる。
【0037】
図7から図10には、本発明による保管システムの第2の例のカバーを有する異なる実施形態が示されており、このカバーが、閉めることを可能な保管柱72に自由にアクセスするためにロボット(図7~10には図示していない)によりロボットのアームを用いて押される。
【0038】
図7では、カバー71が保管柱72の上に配置されており、それがシールしており、その上面はプラットフォーム70の表面と同一平面となっている。
【0039】
図7に見られるように、カバー71は、その左側の長い方の縁に2つの突出している指部73、74を有する。同様の2つの指部がカバー71の右側の長い方の縁からも突出している。指部74は、本発明のこの特定の実施形態では、指部73のレベルより下に形成されている。
【0040】
これらの指部73および74は、それらが連携するガイドスライド75および76に収容されている。これらのガイドスライド75および76は、保管柱72の左側の長い方の縁および保管柱78の左側の長い方の縁にそれぞれ形成され、保管柱78は保管柱72に隣接しカバー77によって閉じられている。図9に示されているように、同様の形状のガイドスライド85、86は、保管柱72の反対側の長い方の縁に互いに向かい合うように設けられ、カバー71の右側の長い方の縁に突出している指部をガイドする。
【0041】
これらのガイドスライド75、76、85および86は、いろいろな連続する、直線、水平または傾斜部分から形成される。
【0042】
ロボットがカバー71を矢印79の方向に押すと(図8参照)、指部73は最初にガイドスライド75の第1の水平部分751をスライドし、指部74はガイドスライド76の傾斜部分761をスライドする。これにより、カバーが矢印79の方向にスライドするにつれて、カバー71の前部711が徐々に下向きに傾斜する。
【0043】
図9に示されているように、指部73が次にガイドスライド75の傾斜部分752にガイドされて進み、指部74が傾斜部分761を滑り続けてその後ガイドスライド76の水平部分762に入り進んでいく。
【0044】
指部73が傾斜部分752の低い点に到達すると、指部はガイドスライド75の第2の水平部分753に入り、カバー71はその後、指部73が水平部分753の出口のない端754に隣接するまで、隣接するカバー72の下を水平にスライドすることができる(図10参照)。
【0045】
本発明のこの特定の実施形態では、ガイドスライド75または76の高点と低点との間の高低差は、カバー72の厚さよりも大きく、カバー71がカバー72の下をスライドすることを可能にすることに注目すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】