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特表2023-539498容器をとらえて持ち上げるためのフック又は指部を備えたロボットを含む容器保管システムおよびそのシステムのための容器をとらえる方法
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  • 特表-容器をとらえて持ち上げるためのフック又は指部を備えたロボットを含む容器保管システムおよびそのシステムのための容器をとらえる方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-14
(54)【発明の名称】容器をとらえて持ち上げるためのフック又は指部を備えたロボットを含む容器保管システムおよびそのシステムのための容器をとらえる方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20230907BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B25J5/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513770
(86)(22)【出願日】2021-08-31
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2021074059
(87)【国際公開番号】W WO2022043589
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】2008857
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518127451
【氏名又は名称】エグゾテック
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】シャタン,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ムラン,ロマン
(72)【発明者】
【氏名】エイツ,ルノー
【テーマコード(参考)】
3C707
3F022
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707CS08
3C707WA11
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022KK14
3F022MM01
(57)【要約】
本発明は、自動商品保管回収システムに関し、このシステムは、容器保管設備と、少なくとも1つのロボットとを備え、前記容器保管設備は、格子に配置された複数の保管柱を備え、前記保管柱は、複数の容器の垂直な積み重ねを受け入れるように設けられ、前記ロボットは、少なくとも1つの容器をとらえる及び持ち上げる手段を備え、この手段は、可動式のサポート部を含み、前記サポート部は、前記複数の容器の周囲を垂直にスライドできるように設けられる。本発明によれば、前記とらえる及び持ち上げる手段は、前記サポート部に対して軸回転するように取り付けられた少なくとも1つのフック、又は1つ以上の伸縮ばねと協働して水平なスライドで移動するようにガイドされた指部を含み、前記容器は、前記フックのための実質的に下方を向いたロッキングハウジングと、実質的に上方を向いた傾斜部分とを有する少なくとも1つの取っ手を備え、前記サポート部が下方へ動いているとき、前記傾斜部分は、前記フック又は指部の自由端を前記容器の外側に向けて押すように設けられる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を受け入れるための複数の容器と、前記容器のための保管設備と、少なくとも1つのロボットとを備え、
前記保管設備は、格子に配置された複数の保管柱を備え、
前記保管柱は、複数の容器の垂直な積み重ねを受け入れるように設けられ、
前記ロボットは、前記格子の上で動作し、前記容器を運び前記保管柱内の前記容器をピックアップする又は置くことができるように設けられ、
前記ロボットは、少なくとも1つの容器をとらえる及び持ち上げる手段を備え、この手段は、フレーム又はアームのような可動式のサポート部を含み、
サポート部は、前記複数の容器の周囲を垂直にスライドできるように設けられ、
前記少なくとも1つの容器をとらえる及び持ち上げる手段は、少なくとも1つの実質的に垂直に伸びる要素を備え、この要素は、前記サポート部に対して、安定したつり合いの位置と少なくとも1つのつり合っていない位置との間で動くことができるように取り付けられ、
前記安定したつり合いの位置は、前記要素の下端がいかなる水平推力の作用にもさらされない位置、または前記要素の下端に加えられる水平推力の合力がゼロである位置であり、
少なくとも1つのつり合っていない位置は、前記要素の下端に加えられる水平推力の合力がゼロでない位置であり、前記要素の下端が前記つり合いの位置における前記要素の下端の位置に対して一方の側または他方の側に動かされている位置であり、
前記容器は、少なくとも1つの取っ手を有し、
前記取っ手は、前記安定したつり合いの位置にある可動式の前記要素をロックするための実質的に下方を向いたロッキングハウジングを有し、かつ、実質的に上方を向いた傾斜部分を有し、
前記傾斜部分は、前記サポート部が下方へ動いているとき、可動式の前記要素の下端が前記容器の外側の前記つり合っていない位置の1つに向かって押されるように設けられることを特徴とする自動商品保管回収システム。
【請求項2】
可動式の前記要素は、前記サポート部から吊るすためのフックであり、
前記フックは、前記サポート部に対して軸回転可能に軸に取り付けられている請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
可動式の前記要素は、指部であり、
前記指部は、水平なスライドで移動するようにガイドされ、前記安定したつり合いの位置で1つまたは複数の伸縮ばねと協働するように設けられた請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの容器をとらえる及び持ち上げる手段は、前記サポート部に対して動くことができる4つの前記要素を備え、
複数の前記取っ手は、4つの取っ手を有し、
前記取っ手は、前記サポート部が容器又は容器の積み重ねの周囲を動くとき、可動式の前記要素のそれぞれは、前記容器又は前記積み重ね内の容器の前記取っ手の1つに実質的に向かい合うようにお互いに位置する請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
ロックする前記取っ手は、前記容器と一体的に形成されている請求項1~4のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項6】
前記フックはロッドにより形成されており、
前記ロッドは、前記ロッドの自由端に実質的に一方側から突出するラグを有する請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記傾斜部分は、傾斜した平面を含む請求項1~6のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項8】
前記ロッキングハウジングが、双曲線ブランチの形状、放物線の形状、または楕円形が切り取られた形状の湾曲を有する請求項1~7のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項9】
前記容器は、可動式の前記要素を前記ロッキングハウジングへ押すための、前記ロッキングハウジングに向かい合ったガイドストップを有する請求項1~8のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項10】
前記とらえる及び持ち上げる手段は、前記サポート部に取り付けられた少なくとも1つのラック(歯竿)又は複数のケーブルと、前記ラック又は前記ケーブルを動かして前記サポート部を上昇させる又は下降させる手段とを含む請求項1~9のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項11】
前記ロボットのシャーシは、開口を有し、
前記開口は、前記シャーシを通って前記サポート部の通過を可能にして前記シャーシの上側へ容器又は容器の積み重ねを持ち上げることを可能にするように設けられ、又は逆に、前記シャーシを通って前記サポート部の通過を可能にして前記開口を通って前記ロボットの下の保管柱に容器又は積み重ねを置くことを可能にするように設けられた請求項1~10のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項12】
保管設備の保管柱の容器の積み重ねをロボットでとらえる方法であって、
前記保管設備は、格子に配置された複数の保管柱を備え、
前記ロボットは、前記格子上で動作し、少なくとも1つの容器をとらえる及び持ち上げる手段を備え、この手段は、フレーム又はアームのような可動式のサポート部と、少なくとも1つの要素、好ましくは4つの要素とを含み、
前記サポート部は、複数の前記容器の周囲を垂直にスライドできるように設けられ、
前記要素は、前記サポート部に対して、安定したつり合いの位置と少なくとも1つのつり合っていない位置との間で動くことができるように取り付けられ、
前記安定したつり合いの位置は、可動式の前記要素の下端がいかなる水平推力の作用にもさらされない位置、または前記要素の下端に加えられる水平推力の合力がゼロである位置であり、
少なくとも1つのつり合っていない位置は、可動式の前記要素の下端に加えられる水平推力の合力がゼロでない位置であり、前記要素の下端が前記つり合いの位置における前記要素の下端の位置に対して一方の側または他方の側に動かされている位置であり、
前記積み重ね内の前記容器は、少なくとも1つの取っ手好ましくは4つの取っ手を有し、
前記取っ手は、可動式の前記要素のための実質的に下方を向いたロッキングハウジングを有し、かつ、実質的に上方を向いた傾斜部分を有し、
前記傾斜部分は、前記サポート部が下方へ動いているとき、可動式の前記要素の自由端を前記容器の外側に押すように設けられ、
前記ロボットでとらえる方法は、前記積み重ねの周りにおいて前記積み重ねの下部の高さまで前記サポート部を下方へ動かすステップを備え、このステップにおいて、可動式の前記要素は、前記積み重ねの底の容器の取っ手の前記ロッキングハウジングと係合するように設けられ、
前記ロボットでとらえる方法は、前記下部の高さから前記保管柱の上部のレベルまで前記サポート部を上方へ動かし前記保管柱の外まで前記積み重ねを持ち上げるステップを含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.本発明の技術分野
本発明の分野は、倉庫ロジスティクスの分野であり、特に、商品の自動保管および自動回収である。より具体的には、本発明は、商品保管回収システムに関する。本発明は、倉庫における商品の保管に特に適用される。
【背景技術】
【0002】
2. 最新技術
たとえば、特許文献1(NO317366 B1)のように、商品を収容した容器を三次元格子状に保管するための自動化された構造が知られている。この構造では、容器は複数の柱のそれぞれの一番上に保管されており、複数の柱にはレールが取り付けられている。これらのレールは、ロボットが動き柱の容器をピックアップする又は置いていき、格子状のレールネットワーク上でこれを別の保管柱又は収集ポイントへ運ぶことを可能にする。収集ポイントにおいて、例えば、容器はコンベア又はリフトへ移される。
【0003】
柱から容器を持ち上げるために、特許文献1(NO 317366 B1)は、垂直に移動できるケーブルで吊り下げられたプラットフォームを実装することを提案しており、プラットフォームは、柱に保管された容器の積み重ねの一番上に置かれた容器をその上部で持ち上げることができる複数のつかみクリップを備えている。
【0004】
この既知の技術の欠点は、保管柱から一度に1つの容器しか取り出せないことである。この制限は、積み重ね内のいくつかの容器の下にある容器を取り出したい場合に特に問題となる。ピッキングする容器にアクセスしそれらを柱の外に一時的に保管できるようにするためには、この容器の上に配置された各容器を1つずつ取り出す必要がある。このことは、対象の容器をピッキングするのに必要な全体の時間を大幅に増加させ、そして、ターゲットの容器にアクセスするために取り外され、柱に戻されるのを待っている容器が存在するため、ロボットが格子上を循環するのが困難になる可能性がある。さらに、この既知の技術では、互いに積み重ねられた複数のターゲット容器を単一の操作でピッキングすることはできない。
【0005】
この欠点を克服するために、容器の積み重ねに沿ってスライドできるフレームまたはアームが設計されている。このフレーム又はアームは、積み重ねに含まれる、1つ以上の容器の下に位置する1つの容器をしっかりつかむことができる複数の爪を備えている。そして複数の爪でこの容器とその上の容器とを1回の動作で持ち上げることができる。
【0006】
特許文献2(EP 0767113 A2)は、そのような持ち上げフレームを備えたロボットを記載しており、そのフレームは矩形管のような形状である。この管型フレームの欠点は、その高さが、柱に保管できる複数の容器の最大積み重ねの高さに対応していることである。このため、この最大積み重ねを1回の操作でピックアップすることができるが、このことは、高さが十分でない倉庫でのその使用を制限する。
【0007】
また、特許文献3(WO 2013/167907 A1)は、柱内の複数の容器の積み重ねをピックアップするためのグリッパーを備えたアームを備えたロボットを記載している。これらの既知のクランプフレームまたはアーム技術の欠点は、クランプを操作するための流体圧制御システム、空気圧制御システム又は電気制御システムの故障のリスクがあることである。故障すると、ロボットを修理するための介入が必要になり、保管施設が中断または停止する。これらの既知の技術の別の欠点は、実施が複雑であり、大規模なメンテナンスが必要なことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】NO 317366 B1
【特許文献2】EP 0767113 A2
【特許文献3】WO 2013/167907 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
3.本発明の目的
したがって、本発明は、最新技術の上述の欠点を克服することを目的とする。より具体的には、本発明の目的は、保管庫から商品を迅速かつ確実に取り出すことを可能にする、商品を保管するおよび取り出す技術を提供することである。本発明の別の目的は、実施が簡単で、コストが削減された技術を提供することである。本発明のさらなる目的は、異なる高さの複数の容器に商品を保管できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
4.本発明の説明
これらの目的、および後述するその他の目的は、自動商品保管回収システムを用いて達成され、このシステムは、前記商品を受け入れるための複数の容器と、前記容器のための保管設備と、少なくとも1つのロボットとを備え、前記保管設備は、格子に配置された複数の保管柱を備え、前記保管柱は、複数の容器の垂直な積み重ねを受け入れるように設けられ、前記ロボットは、前記格子の上で動作し、前記容器を運び前記保管柱内の前記容器をピックアップする又は置くことができるように設けられ、前記ロボットは、少なくとも1つの容器をとらえる及び持ち上げる手段を備え、この手段は、フレーム又はアームのような可動式のサポート部を含み、サポート部は、前記複数の容器の周囲を垂直にスライドできるように設けられる。
【0011】
本発明によれば、前記少なくとも1つの容器をとらえる及び持ち上げる手段は、少なくとも1つの実質的に垂直に伸びる要素(部材)を備え、この要素は、前記サポート部に対して、安定したつり合いの位置と少なくとも1つのつり合っていない位置との間で動くことができるように取り付けられ、前記安定したつり合いの位置は、前記要素の下端がいかなる水平推力の作用にもさらされない位置、または前記要素の下端に加えられる水平推力の合力がゼロである位置であり、少なくとも1つのつり合っていない位置は、前記要素の下端に加えられる水平推力の合力がゼロでない位置であり、前記要素の下端が前記つり合いの位置における前記要素の下端の位置に対して一方の側または他方の側に動かされている位置である。そして、前記容器は、少なくとも1つの取っ手を有し、前記取っ手は、前記安定したつり合いの位置にある可動式の前記要素をロックするための実質的に下方を向いたハウジングを有し、かつ、実質的に上方を向いた傾斜部分を有し、前記傾斜部分は、前記サポート部が下方へ動いているとき、可動式の前記要素の下端を前記容器の外側の前記つり合っていない位置の1つに向かって押す。
【発明の効果】
【0012】
したがって、本発明は、斬新かつ巧妙な方法で、保管柱から容器の積み重ねをピックアップして持ち上げるために、サポート部に対して可動であり安定したつり合いの位置から離れることができる少なくとも1つの要素が取り付けられたサポート部を実装することを提案する。この技術的ソリューションは、使いやすさと効率性に加えて、非常に信頼性が高く、メンテナンスを必要としないため、特に有利である。
【0013】
本発明の文脈では、サポート部(支持体)は、フレーム、1つまたは複数のプレート、容器を少なくとも3つの側面で取り囲むフレーム、またはアームの形態をとることができる。このサポート部は、一体型の場合もあれば、複数の部品で構成されている場合もある。
【0014】
ロッキングハウジングは、本発明の範囲から逸脱することなく、例えば凹形状または三角形のへこみ形状などの任意のへこみ形状を取り得ることにも留意されたい。
【0015】
本発明の有利な実施形態では、可動式の前記要素は、前記サポート部から吊るすためのフックであり、前記フックは、前記サポート部に対して軸回転可能に軸に取り付けられている。
【0016】
本発明の別の有利な実施形態では、可動式の前記要素は、指部であり、前記指部は、水平なスライドで移動するようにガイドされ、前記安定したつり合いの位置で1つまたは複数の伸縮ばねと協働するように設けられている。
【0017】
本発明の特定の実施形態では、前記少なくとも1つの容器をとらえる及び持ち上げる手段は、動くことができる2つ又は3つの前記要素を備えることが想定でき、複数の前記取っ手は、2つ又は3つの取っ手を有し、前記取っ手は、前記サポート部が容器又は容器の積み重ねの周囲を動くとき、可動式の前記要素のそれぞれは、前記容器又は前記積み重ね内の容器の前記取っ手の1つに実質的に向かい合うようにお互いに位置する。
【0018】
本発明の特定の実施形態では、前記少なくとも1つの容器をとらえる及び持ち上げる手段は、動くことができる4つの前記要素を備え、複数の前記取っ手は、4つの取っ手を有し、前記取っ手は、前記サポート部が容器又は容器の積み重ねの周囲を動くとき、可動式の前記要素のそれぞれは、前記容器又は前記積み重ね内の容器の前記取っ手の1つに実質的に向かい合うようにお互いに位置する。
【0019】
本発明の特定の態様によれば、可動式の前記要素は、実質的に前記サポート部の一端または角に取り付けられる。
【0020】
前記少なくとも1つの容器をとらえる及び持ち上げる手段が複数の可動式の前記要素を備える本発明の有利な実施形態では、前記要素はそれぞれ、実質的に前記サポート部の異なる端部または角に取り付けられる。
【0021】
本発明の有利な実施形態では、ロックする前記取っ手は、前記容器と一体的に形成されている。
【0022】
本発明の特定の実施形態では、前記フックはロッドにより形成されており、前記ロッドは、前記ロッドの自由端に実質的に一方側から突出するラグを有する。
【0023】
本発明の特定の態様によれば、前記傾斜部分は傾斜した平面を含む。
【0024】
本発明の特定の実施形態によれば、前記ロッキングハウジングが、双曲線ブランチの形状、放物線の形状、または楕円形が切り取られた形状の湾曲を有する。
【0025】
有利には、前記容器は、可動式の前記要素を前記ロッキングハウジングへ押すための、前記ロッキングハウジングに向かい合ったガイドストップを有する。
【0026】
少なくとも1つの容器をとらえる及び持ち上げる手段が単一の可動式の要素を含む本発明の特定の実施形態では、容器のコーナーを案内するためにガイドを使用するように提供されてもよい。前記ガイドは、例えば、垂直材に固定または形成されている。また、容器の下部に取っ手を固定または形成することもできる。
【0027】
本発明の特定の実施形態では、前記とらえる及び持ち上げる手段は、前記サポート部に取り付けられた少なくとも1つのラック(歯竿)又は複数のケーブルと、前記ラック又は前記ケーブルを動かして前記サポート部を上昇させる又は下降させる手段とを含む。
【0028】
好都合には、前記ロボットのシャーシは、開口を有し、前記開口は、前記シャーシを通って前記サポート部の通過を可能にして前記シャーシの上側へ容器又は容器の積み重ねを持ち上げることを可能にするように設けられ、又は逆に、前記シャーシを通って前記サポート部の通過を可能にして前記開口を通って前記ロボットの下の保管柱に容器又は積み重ねを置くことを可能にするように設けられる。
【0029】
また、本発明は、保管設備の保管柱の容器の積み重ねをロボットでとらえる方法にも関連し、前記保管設備は、格子に配置された複数の保管柱を備え、前記ロボットは、前記格子上で動作し、少なくとも1つの容器をとらえる及び持ち上げる手段を備え、この手段は、可動式のサポート部と、少なくとも1つの要素、好ましくは4つの要素とを含み、前記サポート部は、前記複数の容器の周囲を垂直にスライドできるように設けられ、前記要素は、前記サポート部に対して、安定したつり合いの位置と少なくとも1つのつり合っていない位置との間で動くことができるように取り付けられ、前記安定したつり合いの位置は、可動式の前記要素の下端がいかなる水平推力の作用にもさらされない位置、または前記要素の下端に加えられる水平推力の合力がゼロである位置であり、少なくとも1つのつり合っていない位置は、可動式の前記要素の下端に作用する水平推力の合力がゼロでない位置であり、前記要素の下端が前記つり合いの位置における前記要素の下端の位置に対して一方の側または他方の側に動かされている位置であり、前記積み重ね内の前記容器は、少なくとも1つの取っ手好ましくは4つの取っ手を有し、前記取っ手は、可動式の前記要素のための実質的に下方を向いたロッキングハウジングを有し、かつ、実質的に上方を向いた傾斜部分を有し、前記傾斜部分は、前記サポート部が下方へ動いているとき、可動式の前記要素の自由端を前記容器の外側に押すように設けられる。
【0030】
本発明に関して容器の積み重ねは、保管柱に格納された容器の積み重ね内のすべての容器から構成されてもよく、または保管柱に格納された容器の積み重ねの上部のみから構成されてもよいことに留意されたい。
本発明によれば、上述の方法は、前記積み重ねの周りにおいて前記積み重ねの下部の高さまで前記サポート部を下方へ動かすステップを備え、このステップにおいて、可動式の前記要素は、前記積み重ねの底の前記ロッキングハウジングと係合するように設けられ、上述方法は、前記下部の高さから前記保管柱の上部のレベルまで前記サポート部を上方へ動かし前記保管柱の外まで前記積み重ねを持ち上げるステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0031】
5.図面のリスト
本発明の他の特徴および利点は、単純な例示的かつ非限定的な例として与えられた本発明の2つの実施形態の説明を読むことにより及び次の添付の図面により明らかになるであろう。
【0032】
図1図1は、本発明による商品保管回収システムの実施形態の一例の斜視図である。
図2図2図1に示されるシステムのロボットの図であり、ロボットは容器の積み重ねをピックアップするために保管柱の上に配置されている。
図3図3は、図1に示されているシステムのロボットのフックを備えたフレームを単独で示した詳細な斜視図である。
図4図4は、図1に示されているシステムの容器を単独で示した斜視図である。
図5図5は、フレームがロボットによって下げられているときの、図1に示されているシステムのロボットによって容器の積み重ねをピックアップするステップを示す図である。
図6図6は、フレームがロボットによって下げられているときの、図1に示されているシステムのロボットによる容器の積み重ねの移動におけるさらなるステップを示す図である。
図7図7は、フックが取っ手の傾斜面の下端を通過した後にフレームを上昇させるときの、図1に示されているシステムのロボットによる容器の積み重ねの移動におけるさらなる別のステップを示す図である。
図8図8は、ロボットのフレームが容器の積み重ねを持ち上げるときの、図1に示されているシステムのロボットによって容器の積み重ねをピックアップするさらなるステップを示す図である。
図9図9は、保管柱から容器の積み重ねを移動させるステップを示す図であり、フックが容器の積み重ねから解放されることを示している。
図10図10は、容器の積み重ねを保管柱に置く別のステップを示しており、ロボットのフレームが容器の積み重ねに沿って上昇する。
図11図11は、本発明によるシステムのロボットに取り付けられたフレームの別の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
5. 発明の詳細な説明
図1には、倉庫内に設けられた本発明による自動商品保管回収システムの例を斜視図で示している。
【0034】
このシステム10は、格子面に配置された複数の垂直材12によって形成される保管設備11を備え、この格子が、並べて置かれた複数の保管柱13を区切る又は互いに積み重ねられた容器14を保管するための単位セルを区切る。
【0035】
本発明のこの特定の実施形態では、カバー15が保管柱13の頂部開口を塞いでいる。平らにしたとき、カバーは、水平な梁と、複数の垂直材12の上端をつなぐ横木との上に縦方向及び横方向に置かれており、ローリングプラットフォームを形成する。ローリングプラットフォームは、自己誘導式ロボット16が容器を輸送し、1つ保管柱に1つ以上の容器を置いてくる又は1つ保管柱から1つ以上の容器を取り出すためのものである。
【0036】
また、これらのカバー15はそれらの下の保管柱に保管された容器にアクセスできるように軸回転可能に取り付けられている。これらのカバー15は、ロボット16によってカバーの自由端を押したり引いたりすることによって、垂直にまで傾けることができる。
【0037】
図2は、保管柱13の上に配置されたロボット16を示しており、保管柱13を閉じるカバー15を垂直にまで傾けた後、保管柱13から容器14の積み重ねをピックアップする。
【0038】
この複数の容器の積み重ねをピックアップするために、このロボット16は、フレーム21を保管柱13内に下降させるように作動させる。このフレーム21は、容器14の外幅よりも広い幅を有する内部開口部を有し、これによりフレームが容器14の周囲をスライドできるようになる。
【0039】
本発明のこの特定の実施形態では、フレーム21は、複数の電動ピニオン(小歯車)(図2には図示せず)によって駆動される複数のラック(歯竿)に取り付けられる。ピニオンがいずれかの方向に回転すると、ラックが下向きまたは上向きに駆動され、フレーム21が容器14の周りの保管柱13内で垂直にスライドできる。
【0040】
本発明のこの特定の実施形態において、フレーム21は、フレーム21が単独で示される図3に示されているように、互いに向き合う2つの垂直の「U」字形プレート22によって形成されている。
【0041】
4つのフック31がフレーム21の4つの隅に横軸32を中心に軸回転可能に取り付けられ、これらのフックの下に吊り下げる。これらのフック31は、容器14と一体的に形成された取っ手41と協働するように設けられており、図4は実質的に平行六面体の外形の断熱容器の斜視図であり、取っ手41が図4に示されている。これらのフック31は棒状の本体33を有し、その自由端にピン34が直角に突出しフック31の回転軸32に平行に延びている。
【0042】
図4に見られるように、複数の取っ手(ラグ、lugs)41は、容器14の複数の上部コーナー付近で、容器14の複数の長い側面の上縁から突出して形成されている。同じ面に形成された2つの取っ手41は、形状が同一であり、反対方向を向いており、容器14の横断面に関して対称である。
【0043】
これらの取っ手41は、それらの上部において、それらの厚みにおいて、点46で交わる2つの傾斜面42および43を有している。これらの傾斜面は、それらの下部において下方を向いて湾曲したロッキングハウジング44に接続されている。ロッキングハウジングの部分は、双曲面ブランチの形状を有している。また、上部の傾斜面42が上を向いていることにも留意されたい。
【0044】
取っ手41と実質的に同じ厚さの舌部(タング、tongue)45も、ロッキングハウジング44の下で容器14の上部輪郭から突出するように形成されている。この舌部45は、ガイドストップを形成しており、このガイドストップは、フックの自由端が容器14の取っ手のロッキングハウジング44のレベルに実質的にあるときに、フレーム21のフック31の自由端をロッキングハウジング44へ押すことを可能にする。
【0045】
図5から図8は、保管柱13の上方に配置されたロボット16によって保管柱13から容器の積み重ねをピッキングする際の異なる複数のステップを示している。読みやすくするために、容器14の取っ手41およびフック31のみが図6図8に示されている。
【0046】
フレーム21のプレート22のみが示されている詳細図である図5に見られるように、フレーム21が保管柱内に下降し始めると、フック31は、ピッキングされる複数の容器の積み重ねの一番上に配置されている容器14の取っ手41の上に垂直にぶら下がる。
【0047】
フレームが下降を続け、フック31の自由端のピン34が取っ手41に到達すると、ピンは傾斜面42(図6を参照)を徐々に滑り落ち、フック31の自由端を容器の外側へ押し出し、フック31を上向きに傾ける。
【0048】
フレーム21が下降し続け、ピン34が傾斜面42の下端61の下を通過すると、フック31は垂直位置にスイングバックしようとして、まず舌部45上に置かれるようになる(図7参照)。その後、ピンが舌部45の下端71の下を通過すると、フックは垂直位置に戻る。フレーム21がさらに下げられると、ピン34は容器の積み重ね内の次の容器の取っ手41上に置かれ、その容器の取っ手41によって徐々に外側へ押される、以下同様である。
【0049】
一方、ピン34が傾斜面42の下端61を通過した直後に、フレーム21が上昇するように命令された場合、ピン34は舌部45によってロッキングハウジング44の最も外側のプロファイル81へ押され、ロッキングハウジングに沿って徐々にスライドする。また、本発明のこの特定の実施形態では、舌部45によって、フック31を傾斜させ、上方に傾斜させておくことができることにも留意されたい。フレーム21が上昇し続け、ピン34がロッキングハウジング44の最高点82に位置すると(図8参照)、フック31は、それが係合している容器14およびその上に置かれた容器を持ち上げる。このことは、この容器の積み重ねを、保管柱の上のロボットの通行領域のレベルまで上げることを可能にする。フレーム21の助けを借りて持ち上げられたときに容器の積み重ねが通過できるように、ロボットシャーシに開口部23が設けられていることに留意されたい。
【0050】
次いで、ロボット16は、カバー15を保管柱上にかぶせるために後退し、新しい保管柱13又は預かり保管柱17へ移動する。新しい保管柱13は、容器の積み重ねを預けるように指示されている保管柱である。預かり保管柱17では、容器14の積み重ねは、フレーム21の動きで操作されることにより下降し、預かり保管柱17の底に位置するリフト(図1には図示せず)の上に置かれ、配送ステーションへ運ばれる。
【0051】
図9図10は、ロボットによって1つの保管柱からピックアップされた容器の積み重ねを別の保管柱に置くステップを示している。
【0052】
容器の積み重ねが置かれる保管柱を覆うカバー15を垂直に傾けた後、この保管柱の上方に配置されたロボットは、容器14の積み重ねを支持するフレーム21の下降を作動させる。最初のステップでは、フック31は、図8に示す位置で、積み重ねの下部の容器の取っ手41にロックされている。
【0053】
容器の積み重ねの一番下の容器が保管柱13の底部に接触するか、又は保管柱内に既に格納されている容器の積み重ねと接触すると、フック31が積み重ねの一番下の容器の取っ手41から解放されるように、フレーム21が再び下方に移動される。ロックハウジングの頂点82に位置していたピン34は、その後、ロックハウジング44の内側プロファイル83に沿って徐々に下方にスライドする。
【0054】
本発明のこの特定の実施形態では、伸縮ばねまたは板ばね(図示せず)をフックの回転軸に取り付けて、フック31を垂直方向に戻しそこに保つことを容易にすることができることに留意されたい。
【0055】
フレーム21が十分に下げられ、ピン34がロッキングハウジング44から解放されると、フック31は垂直位置に戻る(図9参照)。次いで、ロボット16は、フレーム21を上昇させることができる。次いで、ピン34は、取っ手41の下部傾斜面43に接触しスライドしながら取っ手41に沿って上に移動する(図10を参照)。取っ手41は、ピンが取っ手41の上端46に到達するまでフック31を取っ手41の反対側に押し、フックを上の方へ傾ける。本発明のこの特定の実施形態では、ピン34がロッキングハウジング44の内側プロファイル83の内側端91の下を通過するとき、フック31のロッド33は垂直位置にあることに注意すべきである。
【0056】
次いで、フレーム21は上昇を続け、ピン34が取っ手41から解放されると、ピンがその容器の上の容器の取っ手41に接触し再び内側へ押されるまでフック31が垂直位置に戻ることが可能となる。そして、フレーム21が保管柱13から出てロボット16が再び格子上を移動することができる。
【0057】
図11は、容器をピックアップするためのフレーム1101の代替実施形態を示す。
【0058】
このフレーム1101は、互いに向き合う「U」字形の2つの垂直プレート1102によって形成されており、それぞれが実質的にそれらの角に2つの可動指部1103を備えている。可動指部のヘッド11031はプレート1102の外へ突出しており、プレート1102内で方向付けられ、水平方向に方向付けられる(図11の2つの矢印1107によって表される)スライド1104により平行移動でガイドされる。
【0059】
指部1103の内側本体11032は、その両側に配置された2つの実質的に同一の伸縮ばね1105および1106の間に取り付けられている。スライド1104の中心に対しどちらか一方のサイドに押されることにより指部がばねのつり合いの位置から動かされたとき、これらのばねは、スライド1104の中心に実質的に一致する安定なつり合いの位置に指部1103を戻そうとする。
【0060】
これらの指部は、容器14上に形成された取っ手と協働して、1つまたは複数の容器をフレーム1101で持ち上げることができるように設けられている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】