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特表2023-539550自動保管システムで動作するコンテナ取扱車両のルーティング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-15
(54)【発明の名称】自動保管システムで動作するコンテナ取扱車両のルーティング
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20230908BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023505715
(86)(22)【出願日】2021-08-25
(85)【翻訳文提出日】2023-01-26
(86)【国際出願番号】 EP2021073547
(87)【国際公開番号】W WO2022043404
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】20200927
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ハッテランド, トミー
(72)【発明者】
【氏名】リルスコグ, トルゲイル
(72)【発明者】
【氏名】シレ-アーカー, ヴェガルド
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022MM01
3F022MM14
3F022MM42
3F022NN42
(57)【要約】
保管カラム(105)内に保管コンテナ(106)を保管するための3次元保管グリッド構造(104)を形成する骨格構造(100)を備える自動保管および回収システムにおいて保管コンテナ(106)を取り扱うコンテナ取扱車両(201)のルーティングおよび再ルーティングのための方法、制御システム(500)、およびコンピュータプログラムであって、骨格構造は、保管カラム(105)の上方に配列されているグリッドベースのレールシステム(108)を含み、レールシステム(108)は、保管コンテナ(106)を取り扱い、保管カラム(105)へと、およびそれから移送するコンテナ取扱車両(201)に関する利用可能なルートを提供する、方法、制御システム(500)、およびコンピュータプログラム。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管カラム(105)内に保管コンテナ(106)を保管するための3次元保管グリッド構造(104)を形成する骨格構造(100)を備える自動保管および回収システムにおいて前記保管コンテナ(106)を取り扱うコンテナ取扱車両(201)のルーティングおよび再ルーティングのための方法であって、前記骨格構造は、前記保管カラム(105)の上方に配列されているグリッドベースのレールシステム(108)を含み、前記レールシステム(108)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱い、前記保管カラム(105)へと、および前記保管カラム(105)から移送する前記コンテナ取扱車両(201)に関する利用可能なルートを提供し、各コンテナ取扱車両(201)は、前記グリッドベースのレールシステムの第1の横方向(X)に沿って前記車両を移動させるように構成されている車輪の第1のセットと、前記グリッドベースのレールシステム(108)の第2の横方向(Y)に沿って前記車両を移動させるように構成されている車輪の第2のセットとを備え、前記第2の方向(Y)は、前記第1の方向(X)に対して垂直であり、前記コンテナ取扱車両の前記移動は、指定のコンテナ取扱車両(201)によってどのタスクが行われるべきか、前記タスクを実施するための目的地の場所、および、前記コンテナ取扱車両(201)が前記レールシステム(108)上のどのルートを走行すべきかを決定する制御システム(500)によって制御され、
前記方法は、前記制御システム(500)によって実施される以下のステップ、すなわち、
a.前記コンテナ取扱車両(201)に関する、それらの現在の場所から目的地の場所における割り当てられたタスクまでの前記レールシステム(108)上のルートを確立し、割り当てるために、前記制御システム(500)においてマルチエージェント経路探索アルゴリズム、すなわち、MAPFを走らせるステップ(410)と、
b.設定された時間間隔内に、前記割り当てられたルートの最初の部分上を前記コンテナ取扱車両(201)がどれだけ遠くまで走行することができるかを決定するステップ(420)であって、前記最初の部分は、前記目的地までの前記割り当てられたルートより短い、ステップと、
c.前記設定された時間間隔内に前記コンテナ取扱車両(201)が走行することができる前記割り当てられたルートの前記最初の部分を固定するステップ(430)と、
d.前記コンテナ取扱車両(201)の現在の場所から、前記割り当てられた固定されたルート上の終了場所まで移動するようにそれらに命令するステップ(440)と、
e.ステップa)~d)を繰り返すステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
ステップb)における前記設定された時間間隔の上限は、前記制御システム(500)が前記MAPFアルゴリズムを実行し、確立されたルートに従って移動するように前記コンテナ取扱車両(201)に命令するために使用する実行時間に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップb)における前記設定された時間間隔の上限は、全てのコンテナ取扱車両(201)が現在の位置から、それらが方向を変更することができる最近傍の保管カラム(105)の上方に位置する前記レールシステム(108)上の位置まで移動することに関する経過時間である、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップb)における前記設定された時間間隔の持続時間は、前記自動保管および/または回収システムのサイズと、前記MAPFアルゴリズム内に含まれるべきコンテナ取扱車両(201)の数とに従って設定されている、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
優先を与えられたコンテナ取扱車両(201)に関する、前記割り当てられたルートの前記固定された部分を延長することを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
命令に応答しないコンテナ取扱車両(201)に関する、前記割り当てられたルートの前記固定された部分を延長することを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記割り当てられたルートの前記固定された部分は、前記コンテナ取扱車両(201)の現在の場所から前記目的地の場所における前記タスクまで、前記MAPFアルゴリズムによって確立された前記ルートに沿って延長される、請求項5または請求項6に記載の方法。
【請求項8】
固定されたルートは、前記MAPFアルゴリズムを走らせている間、利用可能なルートの検討から除外される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記MAPFアルゴリズムによって確立される各ルート間の隙間は、前記割り当てられたルートを走行するコンテナ取扱車両(201)のタイプに対して適合されている、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記コンテナ取扱車両(201)の前記移動は、前記目的地の場所における、可能性として考えられる待ち行列問題を回避するように制御される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
コンテナ取扱車両(201)は、前記目的地の場所において待ち行列問題が予測される場合、再方向付けされる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
コンテナ取扱車両(201)は、コンテナ取扱車両(201)が存在しないか、または向かうようにルーティングされていない位置またはルートに再方向付けされる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コンテナ取扱車両(201)の前記移動は、コンテナ取扱車両(201)のタイプ、運搬されている現在の荷重、および前記コンテナ取扱車両(201)の状態に従って制御される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
保管カラム(105)内に保管コンテナ(106)を保管するための3次元保管グリッド構造(104)を形成する骨格構造(100)を備える自動保管および回収システムにおいて前記保管コンテナ(106)を取り扱うコンテナ取扱車両(201)の効率的なルーティングおよび再ルーティングを制御するための制御システム(500)であって、前記骨格構造(100)は、前記保管カラム(105)の上方に配列されているグリッドベースのレールシステム(108)を含み、前記レールシステム(108)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱い、前記保管カラム(105)へと、および前記保管カラム(105)から移送する前記コンテナ取扱車両(201)に関する利用可能なルートを提供し、各コンテナ取扱車両(201)は、前記グリッドベースのレールシステムの第1の横方向(X)に沿って前記車両を移動させるように構成されている車輪の第1のセットと、前記グリッドベースのレールシステム(108)の第2の横方向(Y)に沿って前記車両を移動させるように構成されている車輪の第2のセットとを備え、前記第2の方向(Y)は、前記第1の方向(X)に対して垂直であり、前記コンテナ取扱車両の前記移動は、指定のコンテナ取扱車両(201)によってどのタスクが行われるべきか、前記タスクを実施するための目的地の場所、および、前記コンテナ取扱車両(201)が前記レールシステム(108)上のどのルートを走行すべきかを決定する前記制御システム(500)によって制御され、
前記制御システム(500)は、前記コンテナ取扱車両(201)に関する最適なルートを探索するためのルーティングプランナ(200)と、前記保管コンテナ(106)を追跡するためのデータベース(210)と、伝送機/受信機(225)に接続されているマスタコントローラ(220)とを備え、前記制御システム(500)は、請求項1~13に記載の方法を実行し、命令を各コンテナ取扱車両(201)に通信するように適合されている、制御システム(500)。
【請求項15】
自動保管および回収システム(1)の制御システム(500)内のプロセッサによって実行されたとき、自動保管および回収システムにおいて保管コンテナ(106)を取り扱うコンテナ取扱車両(201)の効率的なルーティングおよび再ルーティングのための請求項1~13に記載の方法を実施するコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、保管および回収システムのグリッドベースのレールシステム上を走るコンテナ取扱車両によって取り扱われる保管コンテナのための自動保管および回収システムに関し、より特定すると、レールシステム上の利用可能なルートに従ってコンテナ取扱車両をルーティングおよび再ルーティングするための方法、システム、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
図1は、骨格構造100を伴う典型的な従来技術の自動保管および回収システム1を開示しており、ロボットとしても公知であるコンテナ取扱車両201が、システム1上で動作する。
【0003】
骨格構造100は、直立部材102と、水平部材103と、直立部材102および水平部材103の間に並べて配列されている保管カラム105を備える保管容積とを備える。これらの保管カラム105において、容器としても公知である保管コンテナ106が、スタック107を形成するように相互の上にスタックされる。部材102、103は、典型的には、金属、例えば、押出アルミニウムプロファイルから作製されてもよい。
【0004】
自動保管および回収システム1の骨格構造100は、骨格構造100の上部を横切って配列されているレールシステム108を備え、複数のコンテナ取扱車両201は、そのレールシステム108上で保管コンテナ106を保管カラム105から上昇させるように動作させられ、保管コンテナ106をその中へと降下させるように動作させられ、保管コンテナ106を保管カラム105の上方に輸送するようにも動作させられる。
【0005】
レールシステム108は、フレーム構造物100の上部を横切る第1の方向Xにおけるコンテナ取扱車両201の移動を誘導するように配列されている平行レールの第1のセット110と、第1の方向Xに対して直角である第2の方向Yにおけるコンテナ取扱車両201の移動を誘導するための、レールの第1のセット110に対して直角に配列されている平行レールの第2のセット111とを備える。
【0006】
第1の方向Xにおける第1のレール110a、第1の方向Xにおける第2のレール110b、第2の方向Yにおける第1のレール111a、および第2の方向Yにおける第2のレール111bも、図1に示されている。コンテナ取扱車両201は、保管カラム105の上方で側方に移動し、すなわち、水平なX-Y平面に平行である平面内を移動する。
【0007】
使用されるコンテナ取扱車両201のタイプは、当該技術における任意の公知である任意のものであり得、例えば、1つまたは2つの保管カラム105を覆う占有面積を有する、第WO2014/090684A1号(特許文献1)または第WO2015/193278A1号(特許文献2)に開示されている自動コンテナ取扱車両のうちの1つであり得る。レールシステム108は、単線および/または複線構成として配列され得る。
【0008】
保管コンテナ106は、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交する第3の方向Zを定めるカラム105内に保管される。保管コンテナ106は、レールシステム108内のアクセス開口部112を通してコンテナ取扱車両201によってアクセスされ、すなわち、レールシステム108は、各保管カラム105の上に各アクセス開口部112の外周を画定する骨格構造100上に配列されている。骨格構造100の直立部材102は、これらをカラム105から外へとやるときに、およびその中へのコンテナの降下時に、保管コンテナを誘導するために使用されてもよい。コンテナ106のスタック107は、典型的には、自立型である。
【0009】
骨格構造100の保管容積は、多くの場合、グリッド104と称され、このグリッドにおける保管カラム105内の可能な保管位置は、保管セルと称される。各保管カラム105がXおよびY方向における位置によって識別され得る一方、各保管セルは、X、Y、およびZ方向におけるコンテナ数によって識別され得る。
【0010】
骨格構造100では、カラム105のほとんどは、保管カラム105であり、すなわち、保管コンテナ106がスタック107内に保管されるカラム105である。しかしながら、いくつかのカラム105は、他の目的を有し得る。
【0011】
図1において、カラム119および120は、保管コンテナ106がアクセスステーション(図示せず)へと移送され得るようにそれらを積み降ろすために、および/または積み込むために、コンテナ取扱車両201によって使用される専用カラムであり、保管コンテナ106は、アクセスステーションにおいて骨格構造100の外側からアクセスされ得、または骨格構造100の内外へと移送され得る。アクセスステーションは、典型的には、製品アイテムが保管コンテナ106から除去されるか、またはその中に位置付けられているピッキングまたはストックステーションである。
【0012】
当技術分野において、保管システムの内外へと保管容器を移送するためのカラムは、通常、ポートカラム119、120または移送カラムと称される。保管コンテナは、典型的には、ポートカラム119、120の端部における開口部に位置しているポート119’、120’を介してポートカラム119、120へと移送され、およびそれらから移送され、すなわち、保管コンテナは、ポート119’、120’においてポートカラム119、120に入り、またはそれらから出る。ポートは、ポートカラム119、120の中間階またはグラウンド階等の他の場所に位置していてもよい。
【0013】
アクセスステーションへの保管コンテナ106の輸送および移送は、水平、斜め、および/または垂直のいずれの方向であってもよい。例えば、保管コンテナ106は、骨格構造100内のランダムまたは専用カラム105内に置かれ、次いで、任意のコンテナ取扱車両201によって積み込まれ、アクセスステーションへのさらなる輸送のためにポートカラム119、120に輸送されてもよい。用語「斜め」は、水平と垂直との間のどこかに大まかな輸送の向きを有する保管コンテナ106の輸送を意味することに留意されたい。
【0014】
図1では、第1のポートカラム119は、例えば、コンテナ取扱車両201が、アクセスまたは移送ステーションに輸送されるべき保管コンテナ106を積み降ろし得る専用の積降ポートカラムであってもよく、第2のポートカラム120は、コンテナ取扱車両201が、アクセスまたは移送ステーションから輸送されている保管コンテナ106を積み込み得る専用の積込ポートカラムであってもよい。
【0015】
自動保管および回収システム1を動作させているとき、各コンテナ取扱車両201は、命令を受信することによってタスクを与えられる。タスクは、例えば、保管カラム105から特定の保管コンテナ106を回収し、アクセスステーションへのさらなる輸送のためにポート列119においてそれを送達することであり得、または1つの保管セルから別の保管セルに保管コンテナ106を移動させることであり得る。これは、各コンテナ取扱車両201がそれらの現在の場所から標的場所までのレール111上の設定されたルートを辿るように命令されることを意味する。
【0016】
図1に開示されているカラム105のうちの1つの中に保管されている特定の保管コンテナ106が回収されるべきであるとき、コンテナ取扱車両201のうちの1つが、タスクを割り当てられ、保管コンテナ106をその場所から回収し、それをポートカラム119のポート119’に輸送するように命令される。この動作は、その中に保管コンテナ106が位置している保管カラム105の上方の場所にコンテナ取扱車両201を移動させ、コンテナ取扱車両201の昇降デバイス(図示せず)を使用して保管コンテナ106を保管カラム105から回収し、保管コンテナ106をポートカラム119のポート119’に輸送することを伴う。
【0017】
標的保管コンテナ106がスタック107内の深くに位置している場合、すなわち、1つまたは複数の他の保管コンテナ106が標的保管コンテナ106の上方に位置付けられている場合、動作は、標的保管コンテナ106を保管カラム105から昇降させることに先立って、上方に位置付けられている保管コンテナを一時的に移動させることも伴う。当技術分野において時として「掘出」と称されるこのステップは、続いて、標的保管コンテナを積降ポートカラム119に輸送するために使用される同一のコンテナ取扱車両201を用いて、または1つもしくは複数の他の協働するコンテナ取扱車両201を用いて実施されてもよい。代替として、または加えて、自動保管および回収システム1は、保管コンテナを保管カラム105から一時的に除去するタスクに対して特別に専用のコンテナ取扱車両201を有してもよい。標的保管コンテナ106が保管カラム105から除去されると、一時的に除去された保管コンテナ106は、もとの保管カラム105内に再度位置付けられ得る。しかしながら、除去された保管コンテナ106は、代替として、他の保管カラム105に再配置されてもよい。
【0018】
保管コンテナ106がカラム105のうちの1つの中に保管されるべきであるとき、コンテナ取扱車両201のうちの1つが、アクセスまたは移送ステーションからの保管コンテナを移送するポートカラム120のポート120’から保管コンテナ106を積み込むことと、それが保管されるべき保管カラム105の上方の位置にそれを輸送することとを行うように命令される。保管カラムスタック107内の標的位置またはその上方に位置付けられている任意の保管コンテナが除去された後、コンテナ取扱車両201は、保管コンテナ106を所望の位置に位置付ける。除去された保管コンテナ106は、次いで、保管カラム105内に戻るように降下させられてもよく、または他の保管カラムに再配置されてもよい。
【0019】
骨格構造100内の各保管コンテナ106の場所、ならびに、保管および回収システム上で動作する各コンテナ取扱車両201の場所および移動は、コンテナ取扱車両201が相互に衝突することなく所望の保管コンテナ106が所望の時間に所望の場所に送達され得るように、制御システム500によって、および各保管コンテナ106の内容物の参照によって継続的に監視および制御される。
【0020】
典型的な制御システム500の実施例が、図2に示されている。制御システム500は、保管および回収システム1上の全ての移動および動作を制御するために、各コンテナ取扱車両201内の車両コントローラ230に動作および移動命令を伝送するように適合されている。制御システム500は、各車両201に保管コンテナ106を保管または回収するように命令する。各車両201の現在の位置は、車両201から制御システム500に通信され、したがって、車両150が待ち行列に並ぶこと、または衝突することを伴わない最適な手法において、それがレールシステム108上の全ての車両201の移動を制御することを可能にする。
【0021】
示されている実施例では、制御システム500は、マスタコントローラ220と、データベース210と、ルーティングプランナ200と、命令を各コンテナ取扱車両201に通信するための伝送機/受信機225とを備える。
【0022】
データベースは、保管コンテナ106の場所だけでなく、どの保管コンテナ106取り扱われるべきか、すなわち、保管グリッド104においてどの保管コンテナ106が回収または保管されるべきかを常に追跡している。ルーティングプランナ200は、コンテナ取扱車両201のための最適なルートを探索するように適合されている。
【0023】
マスタコントローラ220は、データベース210およびルーティングプランナからの情報を連携させ、各コンテナ取扱車両201に対する動作命令(例えば、どの保管コンテナを取り扱うべきか、および、ルーティングプランナ200からの入力に従ってレールシステム108上のどのルートを辿るべきか)を生成するように適合されている。
【0024】
制御システム500は、指令およびタスクが制御システム500に伝送される中央コンピュータと通信する。
【0025】
自動保管および回収システム1は、典型的には、ある場所から別の場所へと保管コンテナを移送する複数のコンテナ取扱車両201を伴って動作する。より大きな保管および回収システムは、数百台のコンテナ取扱車両201を追加投入され得、各々は、制御システム500から伝送された命令を受信することによって割り当てられ、タスクを与えられる。例えば、タスクは、特定の保管コンテナ106が位置している保管コラム105からそれを入手し、設定された距離を設定された方向に駆動することによってルートを辿り、ポート119’等において保管コンテナ106を送達することであってもよい。
【0026】
命令は、制御システム500によって与えられ、制御システム500は、タスクを実施することと、現在の場所から標的目的地までの特定のルートを辿ることとを行うように各コンテナ取扱車両201に命令する。全体としての目標は、各コンテナ取扱車両201に関する最良のルート、および、相互に衝突することにならないルートを探索することである。最良のルートは、典型的には、同一の時間枠における他のルートと衝突しない最短ルートである。
【0027】
マルチエージェント経路探索(MAPF)アルゴリズムは、コンピュータサイエンスの技術分野において公知であり、相互に衝突することなく、複数のエージェントに関する、それらの現在の場所からそれらの標的場所までの経路を探索することに関する問題を解決しながら、同時に、全てのエージェントの経路長の合計等のコスト関数を最適化するために使用され得る。
【0028】
保管および回収システム1に関して、コンテナ取扱車両201が、エージェントを表す。しかしながら、MAPFアルゴリズムのほとんどは、特定のシナリオを解決するワンショットアルゴリズムであり、コンテナ取扱車両201は、新たなタスクに従って新たなルートを作成する前に、現在の位置からタスクを実施するための最終的な位置までの設定されたルートを辿ってそれらの計画されたタスクを終了させる。コンテナ取扱車両201が最初の割り当てられたタスクを終了する前にタスクもしくは標的のタイプを変更し得る、または保管システム上で動作する新たなアクティブコンテナ取扱車両201が存在する動的に変化する環境にこれらのマルチエージェント経路探索アルゴリズムを適合させることは、自明ではない。
【0029】
MAPFアルゴリズムを使用することによって、コンテナ取扱車両201は、同時にルーティングされることができるが、MAPFアルゴリズムは非常に長い実行時間を有するため、コンテナ取扱車両201は、新たなルートが生成されている間、待機しなければならない。
【0030】
2005年のDavid Silverによる研究論文「Cooperative pathfinding」(www.aaai.org)では、制限エリアを画定するスライディングウインドウが、リアルタイムの環境におけるエリア内の非衝突ルートを探索するためのルーティングのために使用される。しかしながら、可能性として考えられるルートに関する協働的サーチは、現在のウインドウによって指定された一定深度に限定される。各エージェントは、その目的地までの部分的ルートをサーチし、次いで、そのルートを辿り始める。決まった間隔で、例えば、エージェントがその部分的ルートの途中にいるとき、ウインドウは、順方向へとシフトされ、新たな部分的ルートが、算出される。これは、協働的サーチがスライディングウインドウ内のエージェントのみを検討していること、すなわち、制限エリアを画定するウインドウの外側の他のエージェントが無視されることを意味する。目的地までのエージェントに関する方向を探索するために、フル深度におけるアブストラクトサーチが、実施される。
【0031】
本発明は、コンテナ取扱車両の現在の場所から目的地までの完全なルートが探索されるが、各ルートの最初の部分のみが設定された時間フレームを固定されるルーティングのための方法を提示する。この方法は、コンテナ取扱車両を停止させることなく再ルーティングが実施され得る時間効率の良いルーティングを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【特許文献1】国際公開第2014/090684号
【特許文献2】国際公開第2015/193278号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0033】
(発明の概要)
本発明の目的は、コンテナ取扱車両のルーティングおよび再ルーティングの向上した手法を提供することであり、それらは、自動システムのレールシステム上を走っているときのそれらの動作を実施している。新規の方法、システム、およびコンピュータプログラムが、全てのコンテナ取扱車両に対して、以前のルーティングが行ったものより多くのルート代替案を提供する。
【0034】
これは、それらの現在の場所から標的目的地まで、それらが走行する間、可能な限り頻繁にコンテナ取扱車両をルーティングおよび再ルーティングすることによって、および、現在の場所から目的地の場所におけるタスクまでの全てのコンテナ取扱車両のための全てのルートを検討することによってこれを行うことによって達成される。
【0035】
その発明的方法によると、コンテナ取扱車両のルートは、コンテナ取扱車両がそれらの目的地に向かって移動するとき、オンザフライで計算される。コンテナ取扱車両は、交通状況の変化に適合するために、新たなルートを辿るように効率的に再ルーティングされ得、新たにアクティブなコンテナ取扱車両に関する新たなルートが、作成され得る。
【0036】
その新たな方法は、全てのコンテナ取扱車両を停止させることなく、それらに関する新たなルートを探索するためのより少ない時間を要求し、全てのコンテナ取扱車両に関するより多くのルート代替案を提供する。方法によると、それらの最終的な目的地までの全てのコンテナ取扱車両に関するルートを探索するために、MAPFが、使用されるが、上記に述べられたDavid Silverによる研究論文において説明されるような、完全なルートが固定されるか、またはスライディングウインドウによって画定される制限エリア内の車両に関するルートのみが評価される従来技術とは対照的に、各ルートの最初の部分のみが、設定された時間間隔の間、固定される。
【0037】
その新たな方法は、コンテナ取扱車両がそれらの割り当てられたルートに沿って移動するとき、網羅された各ルートの部分が新たなルートおよびまだ固定されていない割り当てられたルートの部分のために解放されるため、より多くのルート代替案を提供する。
【0038】
本発明の方法は、流動的な絶えず変化するシステムを提供し、MAPFは、それを可能にするだけではなく、経路がより少ない時間にわたって遮断されるため、以前の計画的なアルゴリズムと比較して行程時間を短縮することも可能である。
【0039】
本発明は、保管カラム内に保管コンテナを保管するための3次元保管グリッド構造を形成する骨格構造を備える自動保管および回収システムにおいて保管コンテナを取り扱うコンテナ取扱車両のルーティングおよび再ルーティングのための方法によって規定され、骨格構造は、保管カラムの上方に配列されているグリッドベースのレールシステムを含み、レールシステムは、保管コンテナを取り扱い、保管カラムへと、およびそれから移送するコンテナ取扱車両に関する利用可能なルートを提供し、各コンテナ取扱車両は、グリッドベースのレールシステムの第1の横方向(X)に沿って車両を移動させるように構成されている車輪の第1のセットと、グリッドベースのレールシステムの第2の横方向(Y)に沿って車両を移動させるように構成されている車輪の第2のセットとを備え、第2の方向(Y)は、第1の方向(X)に対して垂直であり、コンテナ取扱車両の移動は、指定のコンテナ取扱車両によってどのタスクが行われるべきか、タスクを実施するための目的地の場所、および、コンテナ取扱車両がレールシステム上のどのルートを走行すべきかを決定する制御システムによって制御される。
【0040】
方法は、制御システムによって実施される以下のステップを含む。
a.コンテナ取扱車両に関する、それらの現在の場所から目的地の場所における割り当てられたタスクまでのレールシステム上のルートを確立し、割り当てるために、制御システムにおいてマルチエージェント経路探索アルゴリズム、すなわち、MAPFを走らせるステップ。
b.設定された時間間隔内に、割り当てられたルートの最初の部分上をコンテナ取扱車両がどれだけ遠くまで走行することができるかを決定するステップであって、最初の部分は、目的地までの割り当てられたルートより短い、ステップ。
c.設定された時間間隔内にコンテナ取扱車両が走行することができる、割り当てられたルートの最初の部分を固定するステップ。
d.コンテナ取扱車両の現在の場所から、割り当てられた固定されたルート上の終了場所まで移動するようにそれらに命令するステップ。
e.ステップa)~d)を繰り返すステップ。
【0041】
方法の一実施形態によると、ステップb)における設定された時間間隔の上限は、制御システムがMAPFアルゴリズムを実行し、確立されたルートに従って移動するようにコンテナ取扱車両に命令するために使用する実行時間に対応し得る。コンテナ取扱車両がこの時間間隔内に割り当てられたルートに従ってレールシステム上で網羅する距離は、ひいては、固定された、MAPFによって確立される完全なルートの部分である。
【0042】
方法の一実施形態によると、ステップb)における設定された時間間隔の上限は、全てのコンテナ取扱車両が現在の位置から、それらが方向を変更することができる最近傍の保管カラムの上方に位置するレールシステム上の位置まで移動することに関する経過時間に対応し得る。
【0043】
方法のある実施形態によると、ステップb)における設定された時間間隔の持続時間は、自動保管および/または回収システムのサイズと、MAPFアルゴリズム内に含まれるべきコンテナ取扱車両の数とに従って設定され得る。
【0044】
方法のある実施形態方法によると、方法は、優先を与えられたコンテナ取扱車両に関する、割り当てられたルートの固定された部分を延長することを含み得る。
【0045】
方法のある実施形態によると、方法は、命令に応答しないコンテナ取扱車両に関する、割り当てられたルートの固定された部分を延長することを含み得る。
【0046】
方法のある実施形態によると、割り当てられたルートの固定された部分は、コンテナ取扱車両の現在の場所から目的地の場所におけるタスクまで、MAPFアルゴリズムによって確立されたルートに沿って延長され得る。
【0047】
方法のある実施形態によると、固定されたルートは、MAPFアルゴリズムを走らせている間、利用可能なルートの検討から除外され得る。
【0048】
方法のある実施形態によると、MAPFアルゴリズムによって確立される各ルート間の隙間は、割り当てられたルートを走行するコンテナ取扱車両のタイプに対して適合され得る。
【0049】
方法のある実施形態によると、コンテナ取扱車両の移動は、目的地の場所における、可能性として考えられる待ち行列問題を回避するように制御され得る。
【0050】
方法のある実施形態によると、コンテナ取扱車両は、目的地の場所において待ち行列問題が予測される場合、再方向付けされ得る。
【0051】
方法のある実施形態によると、コンテナ取扱車両は、コンテナ取扱車両が存在しないか、または向かうようにルーティングされていない位置またはルートに再方向付けされ得る。
【0052】
方法のある実施形態によると、コンテナ取扱車両の移動は、運搬されている現在の荷重、およびコンテナ取扱車両の状態に従って制御され得る。
【0053】
本発明は、保管カラム内に保管コンテナを保管するための3次元保管グリッド構造を形成する骨格構造を備える自動保管および回収システムにおいて保管コンテナを取り扱うコンテナ取扱車両のルーティングおよび再ルーティングを制御するための制御システムによってさらに規定され、骨格構造は、保管カラムの上方に配列されているグリッドベースのレールシステムを含み、レールシステムは、保管コンテナを取り扱い、保管カラムへと、およびそれから移送するコンテナ取扱車両に関する利用可能なルートを提供し、各コンテナ取扱車両は、グリッドベースのレールシステムの第1の横方向(X)に沿って車両を移動させるように構成されている車輪の第1のセットと、グリッドベースのレールシステムの第2の横方向(Y)に沿って車両を移動させるように構成されている車輪の第2のセットとを備え、第2の方向(Y)は、第1の方向(X)に対して垂直である。コンテナ取扱車両の移動は、指定のコンテナ取扱車両によってどのタスクが行われるべきか、タスクを実施するための目的地の場所、および、コンテナ取扱車両がレールシステム上のどのルートを走行すべきかを決定する制御システムによって制御される。
【0054】
制御システムは、コンテナ取扱車両に関する最適なルートを探索するためのルーティングプランナと、保管コンテナを追跡するためのデータベースと、伝送機/受信機に接続されているマスタコントローラとを備え、制御システムは、上記に説明された方法を実行し、命令を各コンテナ取扱車両に通信するように適合されている。
【0055】
本発明は、自動保管および回収システムの制御システムにおいて、プロセッサによって実行されたとき、自動保管および回収システムにおいて保管コンテナを取り扱うコンテナ取扱車両の効率的なルーティングおよび再ルーティングのための上記に説明された方法を実施するコンピュータプログラム製品によってさらに規定される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
(図面の簡単な説明)
以下の図面は、本発明の理解を促進するために付属している。図面は、ここでは実施例としてのみ説明される本発明の実施形態を示している。
【0057】
図1図1は、従来技術の自動保管および回収システムの骨格構造の斜視図である。
【0058】
図2図2は、自動保管および回収システム上で動作するコンテナ取扱車両を制御するための制御システムの実施例を示している。
【0059】
図3図3は、自動保管および回収システムのコンテナ取扱車両の効率的なルーティングおよび再ルーティングのための方法の異なるステップを図示しているフローチャートである。
【0060】
図4図4は、以前のおよび新たなルーティングによる単純なルーティングの実施例を図示している。
【0061】
(参照)
1 - 自動保管および回収システム
100 - 骨格構造
102 - 骨格構造の直立部材
103 - 骨格構造の水平部材
104 - 保管グリッド構造物
105 - 保管カラム
106 - 保管コンテナ
106’ - 保管コンテナの具体的な位置
107 - スタック
108 - レールシステム
110 - 第1の方向(X)における平行レール
110a - 第1の方向(X)における第1のレール
110b - 第1の方向(X)における第2のレール
111 - 第2の方向(Y)における平行レール
111a - 第2の方向(Y)の第1のレール
111b - 第2の方向(Y)の第2のレール
112 - アクセス開口部
119 - 第1のポートカラム
119’ - 第1のポート
120 - 第2のポートカラム
120’ - 第2のポート
200 - ルーティングプランナ
201 - コンテナ取扱車両
210 - データベース
220 - マスタコントローラ
225 - 伝送機/受信機
230 - 車両コントローラ
X - 第1の方向
Y - 第2の方向
Z - 第3の方向
500 - 制御システム
【発明を実施するための形態】
【0062】
(発明の詳細な説明)
以下の説明では、本発明が、付属の図面の参照を伴ってさらに詳細に解説される。しかしながら、図面は、本発明を図面に描写される主題に限定することを意図されていないことを理解されたい。
【0063】
骨格構造100を伴う典型的な従来技術の自動保管および回収システム1が、図1の参照を伴って、上記の背景の節において説明された。
【0064】
骨格構造100は、任意のサイズであることができ、図1に開示されているタスクより大幅に広くあり得、および/または長くあり得、および/または深くあり得ることを理解されたい。例えば、骨格構造100は、700×700個より多くの保管カラム105の水平範囲と、12個より多くのスタックされた保管コンテナ106を保管するための保管深度とを有し得、保管コンテナ106は、レールシステム108上を走る数百台のコンテナ取扱車両201によって取り扱われる。
【0065】
また、保管グリッド104は、8つの保管コンテナ106のスタックを示している図1に開示されているものより大幅に深くあり得る。例えば、保管グリッド104は、12個のスタックされた保管コンテナ106を保持するように設計されてもよい。
【0066】
コンテナ取扱車両201は、当該技術において公知の任意のタイプであり得、例えば、第WO2014/090684 A1号、第NO317366号、または第WO2015/193278A1号に開示されている自動コンテナ取扱車両のうちの任意の1つであり得る。
【0067】
骨格構造100の上方を横切って配列されているレールシステム108が、コンテナ取扱車両201が、保管カラム105と、それらが相互作用しているポート(すなわち、保管コンテナ106をそれへと送達またはそれから回収するように命令されるポート)との間を水平に移動することを可能にする。
【0068】
自動保管および回収システム1は、保管カラム105内に保管コンテナ106を保管するための、グリッドベースのレールシステム108を伴う3次元保管グリッド構造104を形成する骨格構造100を備え、レールシステム108を伴う保管カラム105の上方に配列されているグリッドベースのレールシステム108は、保管コンテナ106を取り扱い、保管カラム105へと、およびそれから移送するコンテナ取扱車両201に関する利用可能なルートを提供し、各コンテナ取扱車両201は、グリッドベースのレールシステムの第1の横方向(X)に沿って車両を移動させるように構成されている車輪の第1のセットと、グリッドベースのレールシステム108の第2の横方向(Y)に沿って車両を移動させるように構成されている車輪の第2のセットとを備え、第2の方向(Y)は、第1の方向(X)に対して垂直であり、コンテナ取扱車両の移動は、制御システム500によって制御され、制御システム500は、指定のコンテナ取扱車両201によってどのタスクが行われるべきか、タスクを実施するための目的地の場所、および、コンテナ取扱車両201がレールシステム108上のどのルートを走行すべきかを決定する。
【0069】
図2は、本発明の実施形態によるコンテナ取扱車両201を制御するための制御システム500の実施例を示している。本実施例では、制御システム500は、マスタコントローラ220と、保管コンテナ106を追跡するために使用されるデータベース210と、コンテナ取扱車両201に関する最適なルートを探索するために使用されるルーティングプランナ200と、命令を各コンテナ取扱車両201に通信するための伝送機/受信機225とを備える。図は、ルーティングプランナ200がデータベース210に接続されていることを示している。しかしながら、これは、ルーティングプランナ200が全ての必要な情報をマスタコントローラ220から受信し得る場合には当てはまらないことがある。
【0070】
制御システム500は、典型的には、指令およびタスクが制御システム500に伝送される中央コンピュータと通信する。制御システム500は、各コンテナ取扱車両201内の車両コントローラ230とさらに通信し、ルーティングプランナ200からの入力に従ってコンテナ取扱車両201の交通の流れを制御する。通信は、好ましくは、ワイヤレスに、例えば、無線信号、光信号を介して実施される。
【0071】
図3は、自動保管および回収システム1のコンテナ取扱車両201の効率的なルーティングおよび再ルーティングのための方法400の異なるステップを図示している。
【0072】
方法の第1のステップ410は、コンテナ取扱車両201に関する、それらの現在の場所から目的地の場所における割り当てられたタスクまでのレールシステム108上のルートを確立し、割り当てるために、制御システム500においてマルチエージェント経路探索アルゴリズム、すなわち、MAPFを走らせることである。
【0073】
実施例として、あるタスクは、例えば、指定の保管コンテナ106を積み込み、別の場所に位置しているポート列にそれを持ってくることであり得る。いくつかのコンテナ取扱車両201が異なるタスクおよび目的地の場所を受信するとき、それらがレールシステム上で辿っているルートが各コンテナ取扱車両201に関して一意的であること、それによって衝突を回避することが、不可欠である。
【0074】
イントロダクションに述べられているように、MAPFは、衝突することなく多くのエージェントの交通の流れを同時に制御するために使用されるルートを探索するために使用される。自動保管および回収システム1を用いる本場合において、エージェントは、コンテナ取扱車両201である。
【0075】
制御システム500の異なるモジュールは、本明細書に説明される方法の全ての異なるステップを実行および制御する1つの中央制御ユニットとして、または、制御システム500を作製するために相互に接続されている別個のユニットとして構成され得る。別個のモジュールを用いる場合、図2の実施例に示されているように、ルーティングプランナ200と名付けられたモジュールが、コンテナ取扱車両201に関する、それらの現在の場所からその目的地までの実行可能なルートを探索するための、および、変更され得るルートの最初の部分を固定するためのMAPFを走らせるものである。コンテナ取扱車両201に関して探索された結果として生じたルートは、伝送機/受信機225を介して、確立されたルートに従って各コンテナ取扱車両を制御するマスタコントローラ220に通信される。
【0076】
MAPFは、グリッドベースのレールシステム108上で動作する全てのコンテナ取扱車両201に関するルートを探索するために使用され得、または、コンテナ取扱車両201のうちの選択されたグループのために使用され得る。
【0077】
例えば、数百台のコンテナ取扱車両201によって動作されるより大規模な自動保管および回収システム1に関して、1つまたはそれより多くのコンテナ取扱車両201が、特定のタスクを実施することと、それらがレールシステム108上の予め設定されたルートを辿る割り当てられたエリアにおいて動作することとに特化されることができる。
【0078】
別の実施例は、コンテナ取扱車両201の第1のグループがレールシステム108の1つのエリアにおいて1つのMAPFに従って制御されながら、コンテナ取扱車両201の第2のまたはさらなるグループがレールシステム108の別のエリアにおいて別のMAPF内に従って制御される場合である。実行を速めるために、異なるMAPFアルゴリズムが、異なるコンピュータシステムによって並列に実行され得る。
【0079】
特別に特化されたタスクを実施するコンテナ取扱車両201の実施例は、例えば、保管カラム105内に保管されている特定の保管コンテナ106の上方に積み重ねられている他の保管コンテナ106を最初に除去することによって、他のコンテナ取扱車両201によるさらなる取扱のための特定の保管コンテナ106を用意する掘出車両である。特別に特化されたタスクを実施するコンテナ取扱車両201は、他のコンテナ取扱車両201と比較して異なる移動パターンおよび速さを有し得る。したがって、これらは、別個に制御され得、または、これらの差異を考慮に入れるための調節が、ルーティングの決断において行われ得る。
【0080】
コンテナ取扱車両201に関するルートは、方法の第1のステップ410を実行した後に、すなわち、MAPFアルゴリズムを走らせた後に確立され、割り当てられる。これらのルートは、コンテナ取扱車両201の現在の場所から目的地の場所における割り当てられたタスクまで延びている。
【0081】
方法の次のステップ420は、設定された時間間隔内に、割り当てられたルートの最初の部分上をコンテナ取扱車両201がどれだけ遠くまで走行することができるかを決定することである。設定された時間間隔の持続時間は、自動保管および回収システム1のサイズと、MAPFアルゴリズム内に含まれるべきコンテナ取扱車両201の数とに従って設定されてもよい。
【0082】
一実施形態によると、設定された時間間隔は、コンテナ取扱車両201がその現在の位置から最近接の保管カラム105の上方のレールシステム108上の位置まで移動するために使用する時間に対応する時間間隔である。コンテナ取扱車両201が保管カラム105の上方の位置をちょうど通過した場合、それが次の最近接の保管カラムに到達するまで方向を変更することはできない。時間間隔は、ひいては、最近傍の保管カラム105まで移動するために使用する時間であり、コンテナ取扱車両201は、必要であれば、最近傍の保管カラム105で方向を変更し得る。
【0083】
別の実施形態によると、設定された時間間隔は、制御システム500がMAPFアルゴリズムを走らせるために使用する実行時間、すなわち、ルートを確立し、確立されたルートに沿って移動するようにコンテナ取扱車両201に命令するために使用する実行時間に対応する。コンテナ取扱車両201が固定されたルートの終点に到達したときに、可能性として考えられる新たなルートがMAPFアルゴリズムによってすでに確立されていることがあるため、これは、ルーティングの最適な手法を提供する。したがって、コンテナ取扱車両201は、新たな駆動命令を受信するために、固定されたルートの終点において停止する必要がないが、停止することなく最初の割り当てられたルートを継続し、辿ることができ、または新たなルートにルーティングされることができる。
【0084】
方法の次のステップ430は、設定された時間間隔内にコンテナ取扱車両201が走行することができる割り当てられたルートの最初の部分を固定することである。これは、ルートのこの部分は変更され得ない一方、MAPFによって確立される割り当てられたルートの残りの部分は固定されたルートの終了場所から始まる新たなルートに変更され得ることを意味する。
【0085】
次のステップ440は、コンテナ取扱車両201の現在の場所から、割り当てられた固定されたルート上の終了場所まで移動するようにそれらに命令することである。
【0086】
ステップ410~440は、各コンテナ取扱車両201に関して、それらが割り当てられたタスクを完了するまで繰り返される。方法が繰り返される毎に、それは、反復とみなされ得、各反復は、先の反復においてMAPFによって確立されたルートからのコンテナ取扱車両210の再ルーティングを可能にする。
【0087】
方法によると、コンテナ取扱車両201は、最初の割り当てられたタスクを終了する前にタスクまたは標的のタイプを容易に変更し得、または、新たなアクティブコンテナ取扱車両201が、保管システム上で動作させるために追加され得る。
【0088】
本発明の一実施形態によると、コンテナ取扱車両201が優先を与えられた場合、固定されたルートは、延長される。これの実施例は、保管コンテナ106をコンテナ取扱車両201から受け取る準備ができているという信号をポートが送ったときである。この場合、コンテナ取扱車両201に関する、その現在の位置からポートまで延びているMAPFによって決定された完全なルートは、固定され、割り当てられたタスク(例えば、保管コンテナをポートに送達すること)が完了されるまで変更され得ない。
【0089】
本発明の別の実施形態によると、固定されたルートは、コンテナ取扱車両201が制御システム500からの命令に応答しない場合にも延長される。これは、不良コンテナ取扱車両201に起因し得る。それは、その固定されたルートに沿ったある場所で停止していることがあり、または、固定されたルートの終点における再ルーティング命令等の命令に応答しない。その場合、それは、次いで、その割り当てられたルートに沿ったある場所(すなわち、固定されていない割り当てられたルートのその部分)を走行し続け得る。MAPFによって確立される完全なルートを固定することによって、他のコンテナ取扱車両は、それと衝突することを回避する。
【0090】
MAPFアルゴリズムによって確立される完全なルート(すなわち、コンテナ取扱車両201の現在の場所から目的地の場所におけるタスクまで)を含むように、固定されたルートを延長することによって、他のコンテナ取扱車両201との可能性として考えられる衝突が、回避される。これは、例えば、コンテナ取扱車両201が優先を与えられたとき、または、割り当てられたコンテナ取扱車両201と相互作用する準備ができているという信号をポートが送信したときに、好ましい。
【0091】
方法の一実施形態によると、固定されたルートは、MAPFアルゴリズムにおける実行から除外される。優先を伴わない通常通り動作しているコンテナ取扱車両201に関して、これは、それらの現在の場所がMAPFアルゴリズムへの入力として使用されることを意味し、すなわち、現在の場所が、固定されたルートに関する終了場所の1つのセットを提供することを意味する。優先を伴うコンテナ取扱車両201または不良コンテナ取扱車両201に関して、目的地の場所における割り当てられたタスクまでの完全な確立されたルートは、MAPFアルゴリズムにおけるさらなる実行から除外される。
【0092】
優先を与えられるコンテナ取扱車両を決定することは、いくつかの因子に基づき得る。いくつかのタスクは、他のタスクよりパフォーマンスに影響を与える。ポート内の保管コンテナ106を送達するために割り当てられたコンテナ取扱車両201は、通常、保管コンテナ106を保管カラム105に送達するために割り当てられたコンテナ取扱車両201と比較して優先される。通常、最初に、優先されるコンテナ取扱車両201に関する最適なルートが、作成される。ルートの優先順位付けおよび最適なルートの決定のための異なるルーティングアルゴリズムが、存在する。これらは、目的地に到達するまでの時間および距離、割り当てられたタスクの優先度、ポートにおける予期される待機時間等の異なる入力パラメータのセットを用いるコスト関数に基づく。
【0093】
述べられているように、MAPFアルゴリズムは、コンテナ取扱車両201に関する、それらの現在の場所から目的地の場所におけるタスクまでのレールシステム108上のルートを確立し、割り当てるために使用される。MAPFアルゴリズムへの入力は、レールシステム108の配置、動作しているコンテナ取扱車両201、ならびに各コンテナ取扱車両201の現在の場所および目的地の場所である。
【0094】
方法の一実施形態によると、MAPFアルゴリズムへの追加の入力は、例えば、余裕をもって衝突を回避するための十分な隙間を提供するためのMAPFアルゴリズムによって確立される各ルート間に要求される隙間である。要求される隙間は、タスクのために使用されるコンテナ取扱車両201のタイプと、目的地の場所におけるタスクまでのルート上で使用されるレールのタイプとに対して適合される。
【0095】
複線レール構成は、2つのコンテナ取扱車両が2つの隣接する保管カラム105上のレール上で相互に通過することを可能にする。単線レール構成は、遮っているコンテナ取扱車両を進路外へと移動させることが可能でない場合、コンテナ取扱車両201が通過することを可能にせず、2つの通過しているコンテナ取扱車両201の間に、1つの保管カラムの占有面積に少なくとも対応する通過隙間を要求し得る。
【0096】
方法の一実施形態によると、コンテナ取扱車両201の移動は、目的地の場所における可能性として考えられる待ち行列問題を回避するようにさらに制御される。これは、異なる手法において行われ得る。例えば、いくつかのコンテナ取扱車両201がほぼ同一の時間に同一のポートに到着することが予測される場合、それらは、ランク付けされ得、最低にランク付けされたコンテナ取扱車両201の駆動速さは、低減させられ得、または、それらは、1番目にランク付けされたコンテナ取扱車両201がポートにおけるそのタスクを終了するまで、進路外のある場所で停止させられ得る。予期される待ち行列問題を回避する別の手法は、例えば、他の目的地の場所における割り当てられたタスクを終了させるように、例えば、別のポートにおける保管コンテナ106を送達するようにコンテナ取扱車両を再方向付けすることである。
【0097】
加速度、速さ、最大荷重等の異なる仕様を有する異なるコンテナ取扱車両が、存在する。MAPFアルゴリズムへの追加の入力は、タスクを実施するために割り当てられたコンテナ取扱車両201のタイプと、輸送される保管コンテナ106の重量に基づいたコンテナ取扱車両201上の現在の荷重、および、例えば低バッテリ、摩耗部品、車輪の制御力等のコンテナ取扱車両201の状態との詳細を提供することであり得る。そのような追加の入力は、コンテナ取扱車両201の移動がどのように制御されるか、および、車両間の隙間が増加される必要があるかどうかに影響を及ぼし得る。
【0098】
図4は、古いルーティング方法に従ってどのようにルートが確立されるか、および、上記に説明された向上したルーティング方法に従ってどのようにルートが確立されるかの単純な実施例を図示している。
【0099】
R1およびR2は、コンテナ取扱車両1および2の現在の場所を示している。D1およびD2は、コンテナ取扱車両1および2に関する目的地の場所を示している。
【0100】
本実施例では、R1にあるロボット1は、R2にあるロボット2がタスクを受信する直前にタスクを受信する。以前のルーティングシステムによると、ロボット1の現在の場所R1からその目的地D1まで延びているルートが、最初に作成され、固定される。次いで、ロボット2に関するルートが、作成され、これは、それがロボット1の確立された固定されたルートと衝突しないように作成される。図4から分かるように、グリッドスペースD1(および、場合によってはR1からD1までの割り当てられたルート上の任意の他の固定されたグリッドスペース)を回避することが必要であるため、ロボット2に関するルートは、走行される距離の観点において最適ではない。
【0101】
本明細書に開示されている向上したルーティング方法によると、コンテナ取扱車両に関する確立されたルートの最初の部分のみが固定されながら、確立されたルートの最後の部分は、変更され得る計画されたルートである。これは、コンテナ取扱車両が固定されたルートの終点に到達し、MAPFアルゴリズムが再び走らされたときに、それらが、固定されたルートの終点における現在の開始位置からの新たなルートを辿るように再ルーティングされ得ることを意味する。
【0102】
したがって、ロボット2に関するルートがMAPFアルゴリズムによって確立されたときにロボット1が第1の固定された部分の終点にまだ到達してないと仮定すると、ロボット1に関するルートの最後の部分は、固定されず、結果として、両方のコンテナ取扱車両にとって最適なルートをもたらす。
【0103】
ルーティングのこの新たな方法は、柔軟性を有し、効率的であり、所与のコンテナ取扱車両が割り当てられたルートに沿って進んでいる間、複数の段階におけるそれらの割り当てられた目的地の場所までの全てのコンテナ取扱車両201の全てのルートを検討する。
【0104】
本発明は、図1の参照を伴って上記に説明されたもののような、自動保管および回収システム1において保管コンテナ106を取り扱うコンテナ取扱車両201の効率的なルーティングおよび再ルーティングを制御するための制御システム500によってさらに規定される。
【0105】
制御システム500は、図2の参照を伴って上記に説明されている。それは、実行されたとき、図3の参照を伴って上記に説明された方法を実施するコンピュータプログラムを走らせるように配列されているプロセッサをさらに備え、それによって、自動保管および回収システム1において保管コンテナ106を取り扱うコンテナ取扱車両201の効率的なルーティングおよび再ルーティングを可能にする。コンピュータプログラムは、ルーティングプランナ200内のプロセッサを走らせ得る。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管カラム(105)内に保管コンテナ(106)を保管するための3次元保管グリッド構造(104)を形成する骨格構造(100)を備える自動保管および回収システムにおいて前記保管コンテナ(106)を取り扱うコンテナ取扱車両(201)のルーティングおよび再ルーティングのための方法であって、前記骨格構造は、前記保管カラム(105)の上方に配列されているグリッドベースのレールシステム(108)を含み、前記レールシステム(108)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱い、前記保管カラム(105)へと、および前記保管カラム(105)から移送する前記コンテナ取扱車両(201)に関する利用可能なルートを提供し、各コンテナ取扱車両(201)は、前記グリッドベースのレールシステムの第1の横方向(X)に沿って前記車両を移動させるように構成されている車輪の第1のセットと、前記グリッドベースのレールシステム(108)の第2の横方向(Y)に沿って前記車両を移動させるように構成されている車輪の第2のセットとを備え、前記第2の方向(Y)は、前記第1の方向(X)に対して垂直であり、前記コンテナ取扱車両の前記移動は、指定のコンテナ取扱車両(201)によってどのタスクが行われるべきか、前記タスクを実施するための目的地の場所、および、前記コンテナ取扱車両(201)が前記レールシステム(108)上のどのルートを走行すべきかを決定する制御システム(500)によって制御され、
前記方法は、前記制御システム(500)によって実施される以下のステップ、すなわち、
a.全ての前記コンテナ取扱車両(201)に関する、それらの現在の場所から目的地の場所における割り当てられたタスクまでの前記レールシステム(108)上のルートを確立し、割り当てるために、前記制御システム(500)においてマルチエージェント経路探索アルゴリズム、すなわち、MAPFを走らせるステップ(410)と、
b.設定された時間間隔内に、前記割り当てられたルート上を前記コンテナ取扱車両(201)が走行することができる距離、すなわち、最初の部分を決定するステップ(420)であって、前記最初の部分は、前記目的地までの前記割り当てられたルートより短い、ステップと、
c.前記設定された時間間隔内に前記コンテナ取扱車両(201)が走行することができる前記割り当てられたルートの前記最初の部分を固定するステップ(430)であって、前記ルートの前記固定された最初の部分は、変更され得ず、前記MAPFアルゴリズムを走らせている間、利用可能なルートの検討から除外される、ステップ(430)と、
d.優先を与えられたコンテナ取扱車両(201)に関する、前記割り当てられたルートの前記固定された部分を延長するステップと、
e.前記コンテナ取扱車両(201)の現在の場所から、前記割り当てられたルートの前記固定された最初の部分上の終了場所まで移動するようにそれらに命令するステップ(440)と、
f.ステップa)~f)を繰り返すステップと
を含み、ステップb)~f)をさらなる特徴とする、方法。
【請求項2】
ステップb)における前記設定された時間間隔は、前記制御システム(500)が前記MAPFアルゴリズムを実行し、確立されたルートに従って移動するように前記コンテナ取扱車両(201)に命令するために使用する実行時間に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップb)における前記設定された時間間隔は、全てのコンテナ取扱車両(201)が現在の位置から、それらが方向を変更することができる最近傍の保管カラム(105)の上方に位置する前記レールシステム(108)上の位置まで移動することに関する経過時間である、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップb)における前記設定された時間間隔の持続時間は、前記自動保管および/または回収システムのサイズと、前記MAPFアルゴリズム内に含まれるべきコンテナ取扱車両(201)の数とに従って設定されている、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
命令に応答しないコンテナ取扱車両(201)に関する、前記割り当てられたルートの前記固定された部分を延長することを含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記割り当てられたルートの前記固定された部分は、前記コンテナ取扱車両(201)の現在の場所から前記目的地の場所における前記タスクまで、前記MAPFアルゴリズムによって確立された前記ルートに沿って延長される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記MAPFアルゴリズムによって確立される各ルート間の隙間は、前記割り当てられたルートを走行するコンテナ取扱車両(201)のタイプに対して適合されている、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記コンテナ取扱車両(201)の前記移動は、前記目的地の場所における、可能性として考えられる待ち行列問題を回避するように制御される、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
コンテナ取扱車両(201)は、前記目的地の場所において待ち行列問題が予測される場合、再方向付けされる、請求項に記載の方法。
【請求項10】
コンテナ取扱車両(201)は、コンテナ取扱車両(201)が存在しないか、または向かうようにルーティングされていない位置またはルートに再方向付けされる、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記コンテナ取扱車両(201)の前記移動は、コンテナ取扱車両(201)のタイプ、運搬されている現在の荷重、および前記コンテナ取扱車両(201)の状態に従って制御される、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
保管カラム(105)内に保管コンテナ(106)を保管するための3次元保管グリッド構造(104)を形成する骨格構造(100)を備える自動保管および回収システムにおいて前記保管コンテナ(106)を取り扱うコンテナ取扱車両(201)の効率的なルーティングおよび再ルーティングを制御するための制御システム(500)であって、前記骨格構造(100)は、前記保管カラム(105)の上方に配列されているグリッドベースのレールシステム(108)を含み、前記レールシステム(108)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱い、前記保管カラム(105)へと、および前記保管カラム(105)から移送する前記コンテナ取扱車両(201)に関する利用可能なルートを提供し、各コンテナ取扱車両(201)は、前記グリッドベースのレールシステムの第1の横方向(X)に沿って前記車両を移動させるように構成されている車輪の第1のセットと、前記グリッドベースのレールシステム(108)の第2の横方向(Y)に沿って前記車両を移動させるように構成されている車輪の第2のセットとを備え、前記第2の方向(Y)は、前記第1の方向(X)に対して垂直であり、前記コンテナ取扱車両の前記移動は、指定のコンテナ取扱車両(201)によってどのタスクが行われるべきか、前記タスクを実施するための目的地の場所、および、前記コンテナ取扱車両(201)が前記レールシステム(108)上のどのルートを走行すべきかを決定する前記制御システム(500)によって制御され、
前記制御システム(500)は、前記コンテナ取扱車両(201)に関する最適なルートを探索するためのルーティングプランナ(200)と、前記保管コンテナ(106)を追跡するためのデータベース(210)と、伝送機/受信機(225)に接続されているマスタコントローラ(220)とを備え、前記制御システム(500)は、請求項1~11に記載の方法を実行し、命令を各コンテナ取扱車両(201)に通信するように適合されている、制御システム(500)。
【請求項13】
自動保管および回収システム(1)の制御システム(500)内のプロセッサによって実行されたとき、自動保管および回収システムにおいて保管コンテナ(106)を取り扱うコンテナ取扱車両(201)の効率的なルーティングおよび再ルーティングのための請求項1~11に記載の方法を実施するコンピュータプログラム製品。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
本発明は、自動保管および回収システムの制御システムにおいて、プロセッサによって実行されたとき、自動保管および回収システムにおいて保管コンテナを取り扱うコンテナ取扱車両の効率的なルーティングおよび再ルーティングのための上記に説明された方法を実施するコンピュータプログラム製品によってさらに規定される。
本発明は、例えば以下を提供する。
(項目1)
保管カラム(105)内に保管コンテナ(106)を保管するための3次元保管グリッド構造(104)を形成する骨格構造(100)を備える自動保管および回収システムにおいて前記保管コンテナ(106)を取り扱うコンテナ取扱車両(201)のルーティングおよび再ルーティングのための方法であって、前記骨格構造は、前記保管カラム(105)の上方に配列されているグリッドベースのレールシステム(108)を含み、前記レールシステム(108)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱い、前記保管カラム(105)へと、および前記保管カラム(105)から移送する前記コンテナ取扱車両(201)に関する利用可能なルートを提供し、各コンテナ取扱車両(201)は、前記グリッドベースのレールシステムの第1の横方向(X)に沿って前記車両を移動させるように構成されている車輪の第1のセットと、前記グリッドベースのレールシステム(108)の第2の横方向(Y)に沿って前記車両を移動させるように構成されている車輪の第2のセットとを備え、前記第2の方向(Y)は、前記第1の方向(X)に対して垂直であり、前記コンテナ取扱車両の前記移動は、指定のコンテナ取扱車両(201)によってどのタスクが行われるべきか、前記タスクを実施するための目的地の場所、および、前記コンテナ取扱車両(201)が前記レールシステム(108)上のどのルートを走行すべきかを決定する制御システム(500)によって制御され、
前記方法は、前記制御システム(500)によって実施される以下のステップ、すなわち、
a.前記コンテナ取扱車両(201)に関する、それらの現在の場所から目的地の場所における割り当てられたタスクまでの前記レールシステム(108)上のルートを確立し、割り当てるために、前記制御システム(500)においてマルチエージェント経路探索アルゴリズム、すなわち、MAPFを走らせるステップ(410)と、
b.設定された時間間隔内に、前記割り当てられたルートの最初の部分上を前記コンテナ取扱車両(201)がどれだけ遠くまで走行することができるかを決定するステップ(420)であって、前記最初の部分は、前記目的地までの前記割り当てられたルートより短い、ステップと、
c.前記設定された時間間隔内に前記コンテナ取扱車両(201)が走行することができる前記割り当てられたルートの前記最初の部分を固定するステップ(430)と、
d.前記コンテナ取扱車両(201)の現在の場所から、前記割り当てられた固定されたルート上の終了場所まで移動するようにそれらに命令するステップ(440)と、
e.ステップa)~d)を繰り返すステップと
を含むことを特徴とする、方法。
(項目2)
ステップb)における前記設定された時間間隔の上限は、前記制御システム(500)が前記MAPFアルゴリズムを実行し、確立されたルートに従って移動するように前記コンテナ取扱車両(201)に命令するために使用する実行時間に対応する、項目1に記載の方法。
(項目3)
ステップb)における前記設定された時間間隔の上限は、全てのコンテナ取扱車両(201)が現在の位置から、それらが方向を変更することができる最近傍の保管カラム(105)の上方に位置する前記レールシステム(108)上の位置まで移動することに関する経過時間である、項目1または項目2に記載の方法。
(項目4)
ステップb)における前記設定された時間間隔の持続時間は、前記自動保管および/または回収システムのサイズと、前記MAPFアルゴリズム内に含まれるべきコンテナ取扱車両(201)の数とに従って設定されている、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
優先を与えられたコンテナ取扱車両(201)に関する、前記割り当てられたルートの前記固定された部分を延長することを含む、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
命令に応答しないコンテナ取扱車両(201)に関する、前記割り当てられたルートの前記固定された部分を延長することを含む、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
前記割り当てられたルートの前記固定された部分は、前記コンテナ取扱車両(201)の現在の場所から前記目的地の場所における前記タスクまで、前記MAPFアルゴリズムによって確立された前記ルートに沿って延長される、項目5または項目6に記載の方法。
(項目8)
固定されたルートは、前記MAPFアルゴリズムを走らせている間、利用可能なルートの検討から除外される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
前記MAPFアルゴリズムによって確立される各ルート間の隙間は、前記割り当てられたルートを走行するコンテナ取扱車両(201)のタイプに対して適合されている、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10)
前記コンテナ取扱車両(201)の前記移動は、前記目的地の場所における、可能性として考えられる待ち行列問題を回避するように制御される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11)
コンテナ取扱車両(201)は、前記目的地の場所において待ち行列問題が予測される場合、再方向付けされる、項目10に記載の方法。
(項目12)
コンテナ取扱車両(201)は、コンテナ取扱車両(201)が存在しないか、または向かうようにルーティングされていない位置またはルートに再方向付けされる、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記コンテナ取扱車両(201)の前記移動は、コンテナ取扱車両(201)のタイプ、運搬されている現在の荷重、および前記コンテナ取扱車両(201)の状態に従って制御される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目14)
保管カラム(105)内に保管コンテナ(106)を保管するための3次元保管グリッド構造(104)を形成する骨格構造(100)を備える自動保管および回収システムにおいて前記保管コンテナ(106)を取り扱うコンテナ取扱車両(201)の効率的なルーティングおよび再ルーティングを制御するための制御システム(500)であって、前記骨格構造(100)は、前記保管カラム(105)の上方に配列されているグリッドベースのレールシステム(108)を含み、前記レールシステム(108)は、前記保管コンテナ(106)を取り扱い、前記保管カラム(105)へと、および前記保管カラム(105)から移送する前記コンテナ取扱車両(201)に関する利用可能なルートを提供し、各コンテナ取扱車両(201)は、前記グリッドベースのレールシステムの第1の横方向(X)に沿って前記車両を移動させるように構成されている車輪の第1のセットと、前記グリッドベースのレールシステム(108)の第2の横方向(Y)に沿って前記車両を移動させるように構成されている車輪の第2のセットとを備え、前記第2の方向(Y)は、前記第1の方向(X)に対して垂直であり、前記コンテナ取扱車両の前記移動は、指定のコンテナ取扱車両(201)によってどのタスクが行われるべきか、前記タスクを実施するための目的地の場所、および、前記コンテナ取扱車両(201)が前記レールシステム(108)上のどのルートを走行すべきかを決定する前記制御システム(500)によって制御され、
前記制御システム(500)は、前記コンテナ取扱車両(201)に関する最適なルートを探索するためのルーティングプランナ(200)と、前記保管コンテナ(106)を追跡するためのデータベース(210)と、伝送機/受信機(225)に接続されているマスタコントローラ(220)とを備え、前記制御システム(500)は、項目1~13に記載の方法を実行し、命令を各コンテナ取扱車両(201)に通信するように適合されている、制御システム(500)。
(項目15)
自動保管および回収システム(1)の制御システム(500)内のプロセッサによって実行されたとき、自動保管および回収システムにおいて保管コンテナ(106)を取り扱うコンテナ取扱車両(201)の効率的なルーティングおよび再ルーティングのための項目1~13に記載の方法を実施するコンピュータプログラム製品。
【国際調査報告】