(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-15
(54)【発明の名称】保管システム、方法、及びデバイス
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20230908BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509670
(86)(22)【出願日】2021-07-28
(85)【翻訳文提出日】2023-03-07
(86)【国際出願番号】 EP2021071157
(87)【国際公開番号】W WO2022033875
(87)【国際公開日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2020-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2020-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】スタディー、ロバート
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022MM01
(57)【要約】
保管システムは、格子システムに基づくトラックネットワークを備える少なくとも1つの保管フロアを備え、トラックネットワーク(306)は、第1の(x)方向に伸長するトラック部材(16)の第1のセット(22A)と、第2の(y)方向に伸長するトラック部材(16)の第2のセット(22B)とを備え、トラック部材(16)の第2のセット(22B)は、実質的に水平な平面内でトラック部材(16)の第1のセット(22A)に対して横方向に延び、トラックネットワーク(306)は、アクセス通路(2)及び保管通路(2)を備え、保管通路(2)は、保管コンテナ(200)を受け入れるための1つ以上の保管ロケーション(1)と、保管コンテナ(200)を持ち上げて輸送するためにトラックネットワーク(306)上で動作する少なくとも1つの積荷取扱デバイスとを備え、保管ロケーション(1)は、保管コンテナ(200)を支持するための支持手段を備える。保管システムを制御および動作するための制御設備。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管システムであって、
格子システムに基づくトラックネットワークを備える少なくとも1つの保管フロアを備え、前記トラックネットワークは、第1の(x)方向に伸長するトラック部材の第1のセットと、第2の(y)方向に伸長するトラック部材の第2のセットとを備え、前記トラック部材の第2のセットは、実質的に水平な平面内で前記トラック部材の第1のセットに対して横方向に延び、
前記トラックネットワークは、アクセス通路及び保管通路を備え、前記保管通路は、保管コンテナを受け入れるための1つ以上の保管ロケーションと、
保管コンテナを持ち上げて輸送するために前記トラックネットワーク上で動作する少なくとも1つの積荷取扱デバイスと、を備え、
保管ロケーションは、保管コンテナを支持するための支持手段を備える、保管システム。
【請求項2】
トラックネットワークは、保管コンテナを支持するための支持手段を備える1つ以上の一時保管ロケーションを備える、請求項1に記載の保管システム。
【請求項3】
前記トラックネットワークは、
充電ベイ、通過レーン、サイディング、退避、及び/又は通過ポイントのうちの1つ以上をさらに備える、請求項1又は2に記載の保管システム。
【請求項4】
前記フロアは、仕切り手段によってチャンバに分割され、前記仕切り手段は、積荷取扱デバイスが通過することができる開口部またはハッチを有する、請求項1か3のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項5】
前記仕切り手段は、防火手段を備え、及び/又は前記仕切り手段は、前記システム内のユーザアクセスとロボットアクセスとの間の分離を提供する、請求項4に記載の保管システム。
【請求項6】
2つ以上の垂直に配置されたフロアを備え、フロアは、フロア間で積荷取扱デバイスを移送するためにアクセス通路からアクセス可能な1つ以上のリフトによって相互接続され、フロアは、
少なくとも1つの保管フロアと、任意選択で
リフト間で移動するための1つ以上のスカイロビーフロアと、を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項7】
制御設備、環境制御設備手段、安全システム、データ収集手段、データ通信手段、および通信システムのうちの1つ以上を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項8】
各フロアがメンテナンスエリアを含む、請求項1から7のいずれかに記載の保管システム。
【請求項9】
前記メンテナンスエリアは、前記保管ロケーションの少なくとも一部の上方に中二階(mezzanine)レベルを備える、請求項8に記載の保管システム。
【請求項10】
1つ以上のワークステーションを備え、任意選択で、各ワークステーションは、保管コンテナの識別タグまたはラベルを読み取るための、RFIDリーダ、スキャナ、またはカメラを備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の保管システムを制御し、動作させるための制御設備であって、
環境制御モジュールと、
タスクプランナと、
ボット経路計画モジュールと、
ボット経路クリアランスモジュールと、
通信モジュールと、
リフトタスクプランナと、
ボット充電状態マネージャと、
データ記憶及び持続モジュールと、
機械学習アルゴリズムにデータを提供するための長期データ記憶モジュールと、
回復、修理、およびメンテナンス動作を容易にするために計画およびスケジュールを修正するための回復、修理、及び/又はメンテナンスマネージャモジュールと、
以前の動作履歴に基づいて前記システムを微調整するように設計された機械学習及び/又は人工知能モジュールと、のうちの1つ以上を含む、制御設備。
【請求項12】
1つ以上の保管通路、チャンバ、若しくは保管フロアに対して独立した空気温度、1つ以上の保管通路、チャンバ、若しくは保管フロアに対して独立した空気湿度、1つ以上の保管通路、若しくは保管フロアに対して独立した大気の気体組成のうちの1つ以上は、
前記制御設備によって制御可能であり、及び/又は
前記制御設備は、正しい保管コンテナが各段階で取り扱われていることを確認し、
及び/又は
前記制御設備は、各保管コンテナに対する各動作の監査記録を作成する、請求項11に記載の制御設備。
【請求項13】
請求項1から10のいずれか一項に記載の保管システムにおいて、請求項11から12のいずれか一項に記載の制御設備の制御下で、動作するための積荷取扱デバイス及び/又は回収デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管システム、方法及びデバイスに関する。より具体的には、本発明は、自動物品保管及び取り出しシステム、方法、及び関連デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
列で積み重ねられたコンテナを取り扱う方法は、数十年にわたり周知である。いくつかのこのようなシステムでは、例えば、BertelのUS2,701,065に記載されているように、このようなコンテナを保管することに関係付けられた保管容積を低減させながらも、依然として必要に応じて特定のコンテナへのアクセスを提供するために、列で配置された、コンテナの自立型スタックを備える。所定のコンテナへのアクセスは、比較的複雑な巻上げ機構を設けることによって可能にされ、これは、所定のコンテナを積み重ねるために、及び所定のコンテナをスタックから取り出すために使用されることができる。しかしながら、このようなシステムのコストは、多くの状況において現実的ではなく、それらは、主に大型出荷コンテナの保管及び取り扱い用に商用化されてきた。
【0003】
コンテナの自立型スタックを使用し、特定のコンテナを回収及び保管するための機構を設ける構想は、例えば、CimcorpのEP0767113Bに記載されているように、さらに発展されてきた。EP’113には、コンテナのスタックの周りで下げられ、且つスタックにおける任意のレベルでコンテナを把持することが可能であるように構成された矩形チューブの形態のロボット積荷ハンドラを使用して、複数の積み重ねられたコンテナを取り出すための機構が開示されている。この方法では、いくつかのコンテナが、スタックから一度に持ち上げられることができる。移動可能なチューブを使用して、1つのスタックの一番上から別のスタックの一番上まで、いくつかのスタックコンテナを移動させるか、又は、スタックから外部ロケーションへ、及び、逆もまた同じように、コンテナを移動させることができる。このようなシステムは、単一のスタック内の全てのコンテナが同じ製品を含む(単一製品スタックとして知られる)場合に、特に有用であるかもしれない。
【0004】
EP’113に記載されているシステムでは、チューブの高さは、コンテナの最も高いスタックが単一の動作で抜き出されることができるように、コンテナの最大のスタックの高さと少なくとも同じ高さでなければならない。従って、倉庫等の閉鎖空間で使用されるとき、スタックの最大高さは、積荷ハンドラのチューブを収容する必要性によって制限される。
【0005】
EP1037828B1(Autostore)は、コンテナのスタックが、フレーム構造内に配置されているシステムを説明している。このタイプのシステムは、添付の図面の
図1から4において概略的に図示されている。ロボット積荷取扱デバイスは、スタックの最上面上のトラックのシステム上で、スタックのあちこちに制御可能に移動できる。
【0006】
積荷取扱デバイスは、英国特許出願番号GB2520104A-Ocado Innovation Limited-に記載されており、各ロボット積荷ハンドラが1つの格子空間のみをカバーし、したがって積荷ハンドラのより高い密度が、及びしたがって所定サイズのシステムの高いスループットが可能となる。
【0007】
上述の既知のロボットピッキングシステムでは、ロボット積荷取扱デバイスは、格子を形成するトラックシステム上においてスタックの頂部の周囲を制御可能に移動される。所定の積荷取扱デバイスが、スタックからビンを持ち上げ、コンテナは、顧客注文を満たすために必要とされる在庫アイテムを含んで持ち上げられる。コンテナは、ピックステーションへ搬送され、そこで必要な在庫アイテムがビンから手作業で取り出され、配送コンテナ内に配置されてもよい。配送コンテナは、顧客注文の一部を構成しており、適時の発送に向けて手作業で充填される。ピックステーションにおいて、それらのアイテムはまた、例えば英国特許出願番号GB2524383B-Ocado Innovation Limitedに記載されているような、かかる作業に適した産業ロボットによってもピッキングされてもよい。
【0008】
図1及び
図2に示すように、ビン10として知られるスタック可能保管コンテナが、スタック12を形成するように互いの上に重ねられる。スタック12は、倉庫又は製造環境におけるフレームワーク14内に配置される。
図1は、フレームワーク14の概略斜視図であり、
図2は、フレームワーク14内に配置されたビン10の単一のスタック12を示す上から見た図である。各ビン10は、典型的には複数の製品又は在庫アイテムを保持し、ビン10内の在庫アイテムは、同一であってもよく、又は用途に応じてそれぞれ異なる製品タイプのものであってもよい。さらに、ビン10は、複数の異なる在庫アイテムを収容するように物理的に小区分されてもよい。
【0009】
フレームワーク14は、水平の部材18、20を支持する複数の直立部材16を備えている。直立の部材16によって支持されている複数の水平の格子構造を形成するために、平行な水平の部材18の第1のセットは、平行な水平の部材20の第2のセットに直角に配置されている。部材16、18、20は、典型的に、金属から製造されている。フレームワーク14は、ビン10のスタック12の水平移動に対してガードし、ビン10の垂直の移動を誘導するように、ビン10は、フレームワーク14の部材16、18、20の間で積み重ねられている。
【0010】
フレームワーク14の最上レベルは、スタック12の最上部にわたって格子パターンに配置されたレール22を含む。
図3及び
図4をさらに参照すると、レール22は、複数のロボット積荷取扱デバイス30を支持する。平行なレール22の第1のセット22aは、フレームワーク14の一番上に渡って、第1の方向(X)における積荷取扱デバイス30の移動を誘導し、平行なレール22の第2のセット22bは、第1のセット22aに対して直角に配置され、第1の方向に対して直角な第2の方向(Y)において、積荷取扱デバイス30の移動を誘導する。このようにして、レール22は、X-Y平面において2次元における積荷取扱デバイス30の動きを可能にし、その結果、積荷取扱デバイス30は、スタック12のうちの任意のものの上方のポジションへと移動できる。
【0011】
各積荷取扱デバイス30は、スタック12の上方で、フレームワーク14のレール22上をX方向及びY方向に移動するように配置された車両32を備える。車両32の正面にある一対の車輪34と、車両32の背面にある一対の車輪34とからなる、車輪の第1のセット34は、レール22の第1のセット22aのうちの2つの隣接するレールと係合するように配置されている。同様に、車両32の各側の一対の車輪36からなる車輪の第2のセット36は、レール22の第2のセット22bの2つの隣接するレールと係合するように配置される。車輪の各セット34、36は、車輪の第1のセット34又は車輪の第2のセット36のいずれかがレールのそれぞれのセット22a、22bとどの時点においても係合するように、持ち上げられ、下げられることができる。
【0012】
車輪の第1のセット34が第1のレールのセット22aと係合し、車輪の第2のセット36がレール22から離れて持ち上げられたとき、車輪34は、積荷取扱デバイス30をX方向に移動させるために、車両32内に収容された駆動機構(図示せず)によって駆動されることができる。積荷取扱デバイス30をY方向に移動させるために、車輪の第1のセット34が、レール22から離れて持ち上げられ、車輪の第2のセット36が、レールの第2のセット22bと係合するように下げられる。次いで、駆動機構は、Y方向への移動を達成するように、車輪36の第2のセットを駆動させるために使用されてもよい。
【0013】
このようにすることで、1つ以上のロボット積荷取扱デバイス30が、集中制御ユーティリティ(図示せず)の制御下で
図4に示されるようにフレームワーク14上でスタック12の頂部表面の周囲を移動することが可能となる。各ロボット積荷取扱デバイス30には、必要とされる製品にアクセスするためにスタック12から1つ以上のビン10を持ち上げるための持ち上げ手段38が設けられる。
【0014】
車両32の本体は、空洞部40を備え、空洞部40は、ビン10を保持することが可能なサイズのものである。持ち上げ手段38は、ウィンチ手段及びビングリッパアセンブリ39を備える。持ち上げ手段は、スタック12から車両32の本体内の空洞部40内へとビン10を持ち上げる。空洞部40において、ビン10が下のレールから完全に持ち上げられるとき、積荷取扱デバイスは、格子上の異なるロケーションへと横方向に移動できる。ターゲットロケーション、例えば、別のスタック、保管システム中のアクセスポイント、又は、コンベヤベルトに達すると、ビン10は、空洞部から下げられ、グリッパアセンブリ39から取り外されることができる。
【0015】
このようにして、複数の製品が、どの時点においても格子及びスタックにおける複数のロケーションからアクセスされることができる。
【0016】
上記の説明は、例えば食料品に関連する保管システムを説明している。
【0017】
図4は、典型的な保管システムを示し、システムは、スタック12の上方の格子上で作動する複数の積荷取扱デバイス30を有する。
【0018】
図1及び
図4は、保管システム内のスタック12におけるビン10を示す。任意の所定の保管システム内に多数のビン10が存在してもよく、多数の異なるアイテムがスタック12中のビン10に保管されてもよいことが理解されよう。各ビン10は、単一のスタック12内に異なるカテゴリの在庫アイテムを収容することができる。
【0019】
上述の及び参照により本明細書に組み込まれる英国特許出願番号GB2517264A-Ocado Innovation Limitedにさらに記載されているあるシステムでは、保管システムは、顧客注文が中に収容された配送コンテナDTをさらに備えてもよく、又はピッキング待機中の在庫アイテムが中に収容されたビン10をさらに備えてもよい、一連のビン10を備える。これらの種々のビン10及びそれらの組み合わせは、保管システム内に収容され、上述のようにロボット積荷取扱デバイス30によりアクセスされてもよい。
【0020】
自動又は半自動の保管及び取り出しシステムは、食料品を対象とするシステムに限定されないことが理解されるであろう。例えば、本テクノロジーは、いくつかの可能な用途を挙げると、出荷、手荷物処理、車両駐車、屋内又は水耕温室及び農業、モジュール式建物、自己保管設備、荷役、輸送スイッチヤード、製造設備、パレット処理、小包仕分け、空港物流(ULD)、及び一般物流に適用できる。異なるタイプの保管及び取り出しシステムは、異なる技術的要件を有することが理解されるであろう。
【0021】
これは、本発明が考案しているこの背景とは対照的である。
【0022】
本開示は、従来のシステムに対する効率的かつ経済的な代替を提供するためのシステム、方法、及びデバイスを説明する。例えば、本開示は、大きくてかさばるアイテムを保管し、取り出すために使用することができる。いくつかの規模では、すなわち、非常に大きなコンテナが利用される場合、立方体システムを動作させることは非実用的であるかもしれない。
【発明の概要】
【0023】
本発明の態様は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0024】
システム
保管システムが提供され、保管システムは、格子システムに基づくトラックネットワークを備える少なくとも1つの保管フロアを備え、トラックネットワークは、第1の(x)方向に伸長するトラック部材の第1のセットと、第2の(y)方向に伸長するトラック部材の第2のセットとを備え、トラック部材の第2のセットは、実質的に水平な平面内でトラック部材の第1のセットに対して横方向に延び、トラックネットワークは、アクセス通路及び保管通路を備え、保管通路は、保管コンテナを受け入れるための1つ以上の保管ロケーションと、保管コンテナを持ち上げて輸送するためにトラックネットワーク上で動作する少なくとも1つの積荷取扱デバイスとを備える。保管ロケーションは、保管コンテナを支持するための支持手段を備えることができる。
【0025】
保管ロケーションは、保管フロア又はレベルの上に配置される。保管コンテナは、保管フロア又はレベル内の支持手段上に位置付けられている。支持手段は、1つ以上の架台、支持体又はブラケットを含むことができ、任意選択で、支持手段は、少なくとも2つの架台又は支持体又はブラケットを含むことができる。典型的には、保管コンテナは保管ロケーションに保管される。
【0026】
保管コンテナは、積荷取扱デバイス又はボットによってシステムの周りを移動する。積荷取扱デバイスは、半自動又は完全自動であってもよい。架台、ブラケット又は支持体は、積荷取扱デバイスがそれらの間を通過し、トラックのネットワーク又はトラックネットワーク上を移動することができるようなサイズ及び配置にされる。さらに、架台は、保管コンテナが架台によって支持されているときに、荷降ろしされた積荷取扱デバイスが保管コンテナの下を通過できるような高さである。
【0027】
トラックネットワークは、典型的には架台のない多数のアクセス通路と、コンテナの保管のためのロケーションを提供する架台を備えた多数の保管通路とを備えて配置される。保管通路から離れて、さらなる保管ロケーションにアクセスするための多数の側部通路があってもよい。保管通路の側部通路は、1つ以上の保管ロケーションの深さである。典型的には、保管システムが保管密度に関して最適化されているとき、側部通路は、2から6個の保管ロケーションの深さである。高速でほぼ均一な取り出し時間に最適化された保管システムの場合、側部通路は1つの深さであってもよい。複数の保管通路は、保管通路の各端部に位置付けられたアクセス通路によって接続されてもよい。
【0028】
トラックネットワーク、したがって保管ロケーションは、利用可能な空間を効率的に利用し、典型的にはシステム又は設備の保管容量を最大化するために、格子システム上に配置される。各格子ユニットは、「予約可能ロケーション」と考えられてもよい。予約可能ロケーションは、単一の格子ユニットであってもよく、又は予約可能ロケーションは、多数の隣接する格子ユニット、例えば、トラック又は経路の長さであってもよい。いくつかの例では、予約可能なトラックの長さは単一のユニットであってもよく、他の例では、同じユニットトラックのいくつかは、互いに独立して予約可能であってもよい。予約可能ロケーションの予約は、開始時間と終了時間とを有してもよい。このように、格子ユニットが予約されているか否かは時間とともに変化する。予約可能ロケーションは、特定の保管コンテナ及び/又は積荷取扱デバイスのために予約されてもよい。システム内のあらゆるロケーションが予約可能であってもよい。時間の経過とともに、各予約可能ロケーションは、同じ若しくは異なる積荷取扱デバイス及び/又は保管コンテナに対するものであってもよい、いくつかの重複しない予約を有してもよい。予約可能ロケーションの予約は、予約可能ロケーションテーブルに保持されてもよい。積荷取扱デバイスナビゲーションシステム及びコントローラは、可変長の予約可能ロケーションをサポートしてもよいことが理解されるであろう。各可変長の予約可能ロケーションにおいて、積荷取扱デバイスがその移動方向をトラックネットワーク上の直交方向に変更することができる最大1つのポジションが存在してもよい。このようにして、格子システムのロケーションは、以下でより詳細に説明する制御設備によって管理することができる。
【0029】
典型的には、トラックは、トラフ、レール、案内路、又は積荷取扱デバイスの車輪を受け入れるか又はそれと係合するための任意の他の適切な構造を備える。トラフ、レール又は案内路は、各トラック経路に対して対になっていてもよい。トラックは、積荷取扱デバイスのための経路を提供する。いくつかの格子空間は、建物及びフロアを通って伸長する支柱等の建物構造の特徴を収容するためのトラックがなくてもよいことが理解されるであろう。トラックネットワークは、任意の数の第1及び第2の部材から構成されてもよい。第1及び第2のトラック部材は、格子パターンに従って、実質的に直交して配置される。フロアは実質的に平坦かつ水平であり、トラックは実質的に水平面に配置される。
【0030】
システム内の各ロケーションは、単一の格子ユニットを備えてもよく、又はロケーションは、整数個の格子ユニットを備えてもよい。トラックは、単一の格子ユニット幅であってもよい。典型的には、各格子ユニットは、x方向のトラックと、y方向のトラックとを含むことができる。典型的には、保管ロケーション及びシステムの他の特徴は、単一の格子ユニットを備えてもよい。
【0031】
積荷取扱デバイスによって輸送されるとき、保管コンテナは、積荷取扱デバイスの上面に位置付けられた支持パッドによって支持される。支持パッドは、積荷取扱デバイスの経路に沿って配置された架台から離れて保管コンテナを持ち上げることができるように、積荷取扱デバイスによって昇降させることができ、その結果、架台は保管コンテナの移動を妨げない。典型的には、積荷取扱デバイスは、安定性のために支持パッドを下げた状態で移動する。典型的には、積荷取扱デバイスが目的ロケーション(保管ロケーションなど)に隣接するロケーションに到着するとき、積荷取扱デバイスは支持パッドを上昇させる。次に、積荷取扱デバイスは、保管コンテナを配置するポジションに移動する。積荷取扱デバイスが目的ロケーションの架台間の所定ポジションにあるとき、支持パッドは下降され、保管コンテナは各端部で一対の架台によって支持される。その後、積荷取扱デバイスは、別の積荷取扱作業を実行するために、保管ロケーションからトラックネットワークに沿って移動し続けることができる。典型的には、積荷取扱デバイスは、アクセス通路を使用することによって、同じフロアの保管通路間を移動する。
【0032】
トラックネットワークは、保管コンテナを支持するための支持手段を備える1つ以上の一時保管ロケーションを備えることができる。トラックネットワークは、充電ベイ、通過レーン、サイディング、退避(lay-by)、及び/又は通過ポイントのうちの1つ以上をさらに備えてもよい。
【0033】
フロア又はトラックネットワークのレイアウトは、典型的には、システムの効率的な動作のための追加の特徴を備える。例えば、アクセス通路は2対のトラック幅であってもよい。内側の対のトラック(例えば、保管通路に最も近い)は、積荷取扱デバイスの通行のための概念的な主経路又はハイウェイを提供する。外側の対のトラック(例えば、保管通路から最も遠い)は、ネットワークの他の特徴のためのロケーションを提供してもよい。
【0034】
例えば、退避は、故障若しくは損傷した積荷取扱デバイスの自動回復のためのもの、又はオペレータが積荷取扱デバイスにアクセスするためのもの、又は故障した積荷取扱デバイスを現場での修理若しくはメンテナンスエリアへの除去を待って配置するためのものであってもよい。通過ポイントは、同じ内側トラック経路上を反対方向に移動する積荷取扱デバイスが通過することを可能にしてもよい。さらに、トラックネットワークは、システムが動作するための他の補助機能のためのロケーションを備えてもよい。
【0035】
積荷取扱デバイスの充電ロケーション又は充電ポイントは、トラック間に配置された誘導充電パッドを含むことができ、この誘導充電パッドは、積荷取扱デバイスの下側の相互に関連する充電パッドを介してエネルギーを積荷取扱デバイスに誘導的に伝達する。典型的には、積荷取扱デバイスが、ある期間を費やす傾向がある場所に、積荷取扱デバイスの充電ロケーションは位置付けられてもよい。例えば、充電ロケーションは、積荷取扱デバイスが次に利用可能なリフト車が別のレベルに移動するのを待つ間に積荷取扱デバイスを充電するための、リフトに隣接する待機ロケーション、コンテナ受取りステーションのロケーション、コンテナ発送ステーションのロケーション、受取りステーションポジションが利用可能になるまで積荷取扱デバイスが待機するコンテナ誘導ステーションに対する待ち行列ロケーション、発送ステーションポジションが利用可能になるまで積荷取扱デバイスが待機するコンテナ発送ステーションに対する待ち行列ロケーション、又はアクセス通路に沿った1つ以上のロケーションも含むことができる。各保管フロアに少なくとも1つの充電ロケーションがあってもよいことが理解されるであろう。
【0036】
隣接するトラックは、保管コンテナが積み込まれた2つの積荷取扱デバイスが、適切な公差のための十分な空間を有して隣接するトラック上を通過し、衝突を回避することを可能にするようなサイズであってもよい。
【0037】
一時的な保管ロケーションは、側部通路内のより深い場所にある保管コンテナにアクセスするために、側部通路から一時的に取り出された保管コンテナのために使用されてもよい。使用する際、例えば、いくつかの保管ロケーションの深さである通路内に位置付けられ保管コンテナは、アクセス通路からいくつかの格子ユニットだけ離れて位置付けられた保管コンテナにアクセスするために、一時的な保管ロケーションに移動されてもよい。
【0038】
積荷取扱デバイスが保管コンテナを運搬している場合、これらの一時的な保管ロケーションは、積荷取扱デバイスの積荷パッドが架台との衝突を回避するために上昇状態にあるときにのみアクセスされてもよい。典型的には、一時的な保管ロケーションは、トラフィックを通る積荷取扱デバイスが予想されるロケーションでは使用されない。
【0039】
温度及び湿度制御であってもよい、物理的及び環境的に制御された保管条件を提供するように特別に構成された特定の通路があってもよい。
【0040】
特定の気体組成を有する特定の通路、例えば、火災リスク低減のための低酸素及び高窒素雰囲気が存在してもよい。保管設備のフロア全体は、火災リスク低減のために、低酸素及び高窒素雰囲気で動作してもよい。保管設備全体は、火災リスク低減のために、低酸素及び高窒素雰囲気で動作してもよい。
【0041】
通路は、1つ以上のチャンバ又はギャラリーに細分されてもよく、各チャンバは、温度及び湿度制御であってもよい、異なる、物理的及び環境的に制御された保管条件を提供するように構成される。
【0042】
フロアは、仕切り手段によってチャンバに分割されてもよく、仕切り手段は、積荷取扱デバイスが通過することができる開口部又はハッチを有する。仕切り手段は、防火手段を備えてもよく、及び/又は仕切り手段は、システム内のユーザアクセスとロボットアクセスとの間の分離を提供する。
【0043】
仕切り手段は、仕切り壁を含むことができる。保管通路は、例えば、チャンバ又はギャラリーに細分化されてもよい。仕切り壁は、環境制御ドアを備えてもよい。これは、各ギャラリー又はチャンバが、例えば、それ自体の固有の目標周囲空気温度、固有の目標周囲空気湿度を有することを可能にしてもよい。
【0044】
システムは、炎検出システムをさらに備えてもよい。システムは、例えばスプリンクラーシステムを含む火災抑制システムをさらに備えてもよい。システムは、煙検出システムをさらに備えてもよい。システムは、熱検出システムをさらに備えてもよい。火災安全システムのそれぞれは、制御設備へのネットワーク接続を含むことができる。仕切り壁は、高密度の保管エリア内に、火災を封じ込める及び/又は火災の拡散を抑制する機会を提供することができる。
【0045】
保管システムは、2つ以上の垂直に配置されたフロアをさらに備えることができ、フロアは、フロア間で積荷取扱デバイスを移送するためにアクセス通路からアクセス可能な1つ以上のリフトによって相互接続され、フロアは、少なくとも1つの保管フロアと、任意選択で、リフト間で移送するための1つ以上のスカイロビーフロアとを備える。
【0046】
保管システムは、2フロア以上をカバーするように拡張されてもよい。例えば、システムは、建物内のいくつかのフロアを占有してもよい。フロア又はレベル間の連続性を達成するために、積荷取扱デバイスは、特別に設計されたリフト内の異なるレベル間を移動することができる。リフトは、積荷取扱デバイスの支持パッド上に保管コンテナを載せて、又は載せずに、積荷取扱デバイスを輸送することができる。
【0047】
複数階システムでは、異なるフロアが異なるサービスレベルのために予約されてもよい。保管システム出力ステーションへの最短の通過時間を有するフロアは、最速のアクセス時間を必要とするコンテナの保管のために予約されてもよい。一方、保管システム出力ステーションへの最長の通過時間を有するフロアは、最速のアクセス時間を必要としない、又は最速のアクセス時間に対して割増料金を支払わないコンテナの保管のために予約されてもよい。
【0048】
いくつかの通路は、単一の保管ロケーションの深さの側部通路で構築されてもよい。これらの通路は、最速のアクセス時間を必要とするコンテナを保管するために予約されてもよい。
【0049】
各階又はフロアは、1つ以上のリフトによってサービス提供されてもよい。典型的には、リフトは双方向リフトであってもよく、すなわち上下に移動することができる。リフトは、通路にアクセスするために直接的又は間接的に位置付けられてもよい。フロア又はリフト車は、積荷取扱デバイスが保管フロアからリフトに直接移動することを可能にするトラックを有することができる。リフト車は、保管コンテナが積載された1つの積荷取扱デバイスを収容するようにサイズ決めされてもよく、又はリフト車は、保管コンテナを輸送する2つ以上の積荷取扱デバイスを収容するようにサイズ決めされてもよい。
【0050】
典型的には、リフトが故障した場合に弾性を提供するために、各フロアへのアクセスを有する少なくとも2つの双方向リフトがある。
【0051】
いくつかの配置では、リフトは、より高いリフトスループットを生成するために、積み重ねられたリフト車を備え、隣接するフロアに同時にサービスを提供し、2つの積荷取扱デバイスを搬送することが可能な2階建てであってもよい。2階建てリフト車について、2つの積荷取扱デバイスは、リフトの移動中に異なるレベルに集められるか又は配置されてもよく、より高い平均リフトスループットをもたらす。
【0052】
複数階システムのいくつかのレベル又はフロアは、スカイロビーを含むことができ、積荷取扱デバイスは、リフトシステム間のトラック経路上を移動することができる。スカイロビーのないシステムでは、リフトは、各保管フロアで停止することができる。いくつかのシステムでは、リフトは、選択されたフロア又はレベルで停止することができる。例えば、いくつかのリフトは、システム内の下のフロアのみにサービスを提供し、他のリフトは上のフロアにサービスを提供する。又は、いくつかのリフトは、特定の目的地のために予約されてもよい。典型的には、スカイロビー配置は、高層ビルの構造上の制限のために単一リフトシステムが実現可能でない高層ビルにおいて見出されてもよい。1つ以上のスカイロビーを有するシステムについて、リフトは、隣接するフロアのブロックへのアクセスを提供することができる。いくつかのシステムでは、建物内の同じレベルへのアクセスを提供する少なくとも2つのスカイロビーフロアがあってもよく、特定のレベルにおけるリフト車の入口/出口での予約可能なトラックロケーションをブロックする積荷取扱デバイスの故障の場合に、システムに復元力を提供することができる。
【0053】
多くのレベル又はフロアを有する非常に高い保管設備について、最下フロアと最上フロアとの間の垂直経路は、いくつかのリフト又はリフトシステムを介した通過を必要とする場合がある。1つのリフトシステムから別のリフトシステムへの移動は、スカイロビーフロアの移動通路を介して行われてもよい。スカイロビーフロアは、リフトシステム間で移動するためのフロアと同様に、保管フロアであってもよい。又は、スカイロビーフロアは、単に移動フロアであってもよい。
【0054】
保管システムのレベル又はフロアは、保管システムが位置付けられる建物のフロアに必ずしも対応する必要はないことが理解されるであろう。例えば、いくつかの保管システムフロアが、単一階の倉庫タイプの建物内に位置付けられてもよく、保管システムフロアを作成するために空間内に構造物を有する。
【0055】
保管システムはさらに、制御設備、環境制御設備手段、安全システム、データ収集手段、データ通信手段、及び通信システムのうちの1つ以上を備えてもよい。
【0056】
環境制御設備は、地球規模の環境制御システム、又は保管フロア若しくはフロアの一部のための環境制御システムを備えてもよい。制御システムは、空気の温度及び/若しくは湿度、並びに/又は気体組成、例えば空気の窒素含有量を制御することができる。
【0057】
保管設備は、1つ以上のフロア上に1つ以上のメンテナンスエリアを備えることができる。メンテナンスエリアは、オペレータによってアクセス可能であってもよい。
【0058】
メンテナンスエリアは、仕切り又はバルクヘッド壁の間の空間に配置されてもよい。そのような空間は、サービスフィード、例えば、通信、電力、照明、環境感知、ビデオカメラ、火災検出、及び火災抑制のためのケーブル及びインフラストラクチャのためのルートを提供してもよい。仕切り手段は、技術者が作業するための又は避難のための安全エリアを提供するための一時的な障壁を含むことができる。
【0059】
保管フロア又は通路は、メンテナンスエリアと交互に配置されてもよい。他の配置では、通路は、並んで又は背中合わせに配置されてもよく、特に、例えば、生育トレイを搬送することなく移動するときに、トラックネットワーク上で(アクセス通路を介するのではなく)通路間を直接移動するための積荷取扱デバイスを提供する。
【0060】
メンテナンスエリアは、例えば天井から吊り下げられたケーブル通路を含むことができる。ケーブル通路は、実際には、生育フロアがメンテナンスレベルと交互に配置されない場合に使用されてもよい。
【0061】
保管システムは、1つ以上のワークステーションをさらに備えることができ、任意選択で、各ワークステーションは、保管コンテナの識別タグ又はラベルを読み取るためのRFIDリーダ、スキャナ、又はカメラを備える。
【0062】
1つ以上のワークステーションは、オペレータに好適であってもよく、又は1つ以上のワークステーションは、自動化又は半自動化されてもよい。このようにして、保管システムは、グッズツーマン(Goods-to-man)システムであってもよい。保管コンテナは、積荷取扱デバイス上の作業ステーションへ、又は作業ステーションを通って輸送されてもよい。保管コンテナは、ワークステーションにある間、積荷取扱デバイス上に留まってもよく、又は、保管コンテナは、積荷取扱デバイスによって、ワークステーションにある1対又は一組の架台上に配置されてもよい。
【0063】
ワークステーションは、保管コンテナ上でプロセスを実行するためのものである。システム内のワークステーションは、コンテナ導入ワークステーション、コンテナ発送ワークステーション、コンテナから物品又はアイテムをピッキングし、これらを別のコンテナに移送するための、又はアイテムを配送コンテナに移送するためのピッキングワークステーション、空の保管コンテナをコンテナ導入に戻すためのワークステーションのうちの1つ以上を含むことができる。
【0064】
1つ以上の特定のワークステーションが単一のワークステーションに組み合わされてもよい。例えば、組み合わされたワークステーションは、異なるタスク又は機能を同じワークステーションで実行することができる、組み合わされた導入及び発送ワークステーションを含むことができる。
【0065】
各ワークステーションは、保管コンテナを処理する前に、保管コンテナの識別タグ又はラベルを読み取る能力を有することができる。このようにして、コントローラは、各段階で保管コンテナが正しく取り扱われていることを確認することができ、保管コンテナがどの段階でも正しく処理されていない場合、是正措置をとることができる。
【0066】
保管システム内では、異なるタイプのワークステーションが、単一のフロア上又はフロアの特定のエリア内に位置付けられてもよく、又はワークステーションが、生育フロア及び/又はスカイロビーフロア上に分散されてもよい。
【0067】
保管システムは、補助機能を備えることができる。
【0068】
保管システムは、補助空間及び補助機能をさらに備えてもよいことが理解されるであろう。例えば、保管システムは、マシンツーパーソン(machine-to-person)ワークステーション、及び積荷取扱デバイスサービス及びメンテナンスステーションであってもよい。
【0069】
保管コンテナは、標準的な出荷コンテナを含んでもよい。あるいは、保管コンテナは、アイテムが置かれる大面積トレイを含んでもよい。保管コンテナは、固有の識別タグ又はラベルを含んでもよい。
【0070】
各保管コンテナは、固有の識別タグ又はラベルを提供するスキャナ又はカメラで読み取ることができるバーコード又はQRコード(登録商標)などのRFIDタグ又はマーカを有することができる。相互に関連して、積荷取扱デバイス又はシステムの積荷取扱デバイスは、生育トレイのラグ又はラベルを読み取ることができるRFIDリーダ又はスキャナ又はカメラを有することができる。同様に、生育トレイを処理するために使用されるワークステーションは、生育トレイのラグ又はラベルを読み取ることが可能な相互に関連するRFIDリーダ又はスキャナ又はカメラを有することができる。したがって、積荷取扱デバイスは、生育トレイを架台から取り上げる動作中に、生育トレイのタグ又はラベルを読み取る能力を有する。同様に、各生育トレイ処理ワークステーションは、生育トレイのタグ又はラベルを読み取る能力を有する。各生育トレイ処理ワークステーションは、生育トレイを処理する前に生育トレイのタグ又はラベルを読み取ってもよい。このようにして、コントローラは、正しい生育トレイが各段階で取り扱われていることを確認することができ、それが任意の段階で正しい生育トレイでない場合、必要に応じて、修正措置を講じてもよい。有利なことに、システムは、制御の完全性の信頼性を高めることができ、監査記録を作成することを可能にすることができる。
【0071】
積荷取扱デバイス
保管システム内で動作するための積荷取扱デバイスが提供される。保管システムのフロアは、格子システムに基づくトラックのネットワーク又はトラックネットワークを備えることができ、トラックは、第1の(x)方向に伸長するトラック部材の第1のセットと、第2の(y)方向に伸長するトラック部材の第2のセットとを備え、トラック部材の第2のセットは、実質的に水平な平面内でトラック部材の第1のセットに対して横方向に延び、積荷取扱デバイスは、第1の方向でトラック部材のセットと係合するための車輪の第1のセット、及び第2の方向でトラック部材のセットと係合するための車輪の第2のセットと、ここで、積荷取扱デバイスは、トラックネットワーク上の任意のロケーションまで第1又は第2の方向に駆動可能であり、保管コンテナを運ぶための支持パッドとを備えることができる。
【0072】
支持パッドは、垂直(z)方向に上昇及び/又は下降されてもよい。
【0073】
積荷取扱デバイスは、ボット、自動車両又は半自動車両としても知られている。
【0074】
このようにして、積荷取扱デバイスは、保管コンテナを持ち上げ、トラックのネットワークに沿って保管コンテナを保管ロケーション又はワークステーションなどの保管システム内の任意のロケーションに輸送するために使用されてもよい。ボット又は積荷取扱デバイスは、x方向トラック及びy方向トラックに沿って順方向及び逆方向に移動することが可能であってもよい。
【0075】
典型的には、保管コンテナは、積荷取扱デバイスによって架台などの支持手段上に配置することができる。保管コンテナを運搬する積荷取扱デバイスが所定ポジションにあるとき、支持パッドは、架台が保管コンテナを支持するように下降される。その後、積荷取扱デバイスは、トラックに沿ってそのロケーションから離れて(保管コンテナを搬送し続けることなく)、保管コンテナの下に移動し、その後の持ち上げ及び/又は輸送タスクに進むことができる。
【0076】
支持パッドが下降ポジションにある状態で、保管又は他のポジションから保管コンテナを持ち上げるために、積荷取扱デバイスは、それ自体を保管コンテナの下に位置付け、積荷取扱デバイスが保管コンテナを支持し、保管コンテナを代替ロケーションに輸送してもよいように、支持パッドを上昇させる。
【0077】
支持パッド又は垂直リフト機構は、電気機械機構を備えてもよい。垂直リフト機構は、電気油圧発生機と、1つ以上の油圧ラムとを備えてもよい。故障及び漏出の場合に、保護囲いは、油圧流体が保管システムを汚染することを防止するために使用されてもよい。電気油圧発生器及びラム構成要素は、市販の構成要素であってもよい。
【0078】
車輪の第1のセット及び/又は車輪の第2のセットは、各側に2つ以上の車輪を備えてもよい。積荷取扱デバイスは、1つ以上の車輪のためのサスペンション手段を備えてもよい。
【0079】
保管設備のフロアは、トラックが実質的に水平面内にあるように実質的に平坦であってもよいが、フロアが完全に平坦であることを確実にすることは、費用効果が高くないかもしれないことが理解されるであろう。いずれにしても、フロアは、レベルにおいて段差変化を有しているかもしれず、又は平坦でないかもしれない。トラック経路は、制御設備と相互作用する積荷取扱デバイスのナビゲーション手段によって規定されてもよく、又はトラック経路は、本明細書の他の箇所に記載されるように、溝又はレールによって規定されてもよい。
【0080】
積荷取扱デバイスの各側に3つの車輪を配置することにより、デバイスは、トラック高さの意図的な変化又は設備のフロアの構造の不完全性による-トラック高さの段階的な変化に耐えることができる。車輪の第1のセット又は車輪の第2のセットで段差変化上を移動するとき、積荷取扱デバイスは、積荷取扱デバイスの重心がレベルの不連続部又は段差の上を通過するときに回転する。このようにして、積荷取扱デバイスは、典型的には、車輪のうちの少なくとも4つを表面又はトラックと接触した状態に保つ。
【0081】
車輪の各セットは、1つの車輪が実質的に側部の中心にある状態でそれぞれの側部に位置付けられてもよく、それにより、積荷取扱デバイスが実質的に安定したままであるか、又はトラック内のレベル変化若しくは段差に耐えることができる。例えば、車輪のセットが3つの車輪を含む場合、中間の車輪は実質的に側面の中心に位置付けられてもよい。
【0082】
さらに、サスペンションを車輪に提供することによって、積荷取扱デバイスは、積荷取扱デバイスが経路に沿って移動する際のトラックの変化に対してより耐性があってもよい。全ての車輪にサスペンション手段を設けることができる。トラックの変化は、方向の小さな変化及び段差変化を含むことができる。
【0083】
車輪は、第1の(x)方向に位置合わせされてもよく、又は第2の(y)方向に位置合わせされてもよく、車輪は、キャスタ車輪を備える。
【0084】
車輪は、トラックの格子ベースのネットワーク内のトラック部材レイアウトの方向に対応して、積荷取扱デバイスのx軸方向及びy軸方向に位置合わせされてもよい。車輪がキャスタ車輪を備える場合、すなわち、取り付け方向を中心とした比較的小さい角度だけわずかに偏向することができる場合、積荷取扱デバイスは、トラック部材間又はトラックのセクション間の位置合わせ不良に対してより耐性があってもよい。キャスタの程度は制限されてもよい。キャスタ機能は、ばね配置によって可能にされてもよい。車輪は、積荷取扱デバイスの軸に位置合わせするようにばね荷重がかけられてもよい。車輪は、積荷取扱デバイスがトラックの欠陥をうまく通り抜けるのを助けるために、機械的に制限された可撓性を有することができる。
【0085】
上記の特徴は、段差変化、勾配、及び片側2輪車両上のトラックの位置合わせに対する制約の少ない要件を提供し、制約の少ない構築公差を可能にするように設計され、作られる。これにより、古い倉庫の建物を再利用することができ、新築の建物の建設に対する許容度を低減することができる。
【0086】
積荷取扱デバイスは、トラックと係合しているx方向車輪とy方向車輪との係合を切り替えるための方向変更機構を備えてもよいことが理解されるであろう。
【0087】
方向変更機構と保管コンテナリフト機構とは同一の機構であってもよい。
【0088】
x方向車輪は、各端部の保持フランジ内に垂直方向に支持されて移動するサブシャーシ上に取り付けることができる。保持フランジにおけるサブシャーシの垂直移動は、ローラベアリング、ニードルベアリング、スライドベアリング、又はベアリングの使用によって低摩擦を有するようにされてもよい。1つの配置では、サブシャーシの垂直移動は、2段階油圧ラムを用いて達成されてもよい。油圧ラムは追加の段階を備えてもよいことが理解されるであろう。y方向車輪も同様に取り付けることができる。y方向車輪をサスペンションユニットで主シャーシに直接取り付け、x方向車輪を主シャーシに対して移動させることが有利であってもよいことが理解されるであろう。
【0089】
代替的な配置では、サブシャーシの垂直移動は、保持フランジ内の歯付きラックによって達成されてもよい。歯付きラックは、電気モータによって歯付きピニオン駆動車輪によって駆動されてもよい。車輪サブシャーシデバイスは、各端部に歯付きラックアセンブリを備えてもよい。
【0090】
各サブシャーシは、サブシャーシと支持パッド又は保管コンテナ運搬シャーシとの間の相対的な垂直変位を検出及び報告するための1つ以上のセンサを備えることができる。
【0091】
積荷取扱デバイスは、駆動モータに電力供給するための再充電可能なバッテリ及び/又はスーパーキャパシタをさらに備えてもよく、再充電可能なバッテリ及び/又はスーパーキャパシタは、積荷取扱デバイスの下側に位置付けられた誘導充電パッドを通して充電される。
【0092】
積荷取扱デバイスは、再充電可能なバッテリによって電力供給される搭載モータによって駆動されてもよい。代替的な配置では、搭載モータは、スーパーキャパシタによって電力供給されてもよい。又はいくつかの配置では、積荷取扱デバイスは、再充電可能なバッテリ及びスーパーキャパシタの両方を備えてもよい。スーパーキャパシタ充電(及び放電)時間は、バッテリ再充電時間と比較してはるかに高速であってもよいことが理解されるであろう。したがって、再充電可能バッテリ及びスーパーキャパシタの両方が使用される場合、積荷取扱デバイスは、スーパーキャパシタからの電力の迅速な増加又は補充、及び再充電可能バッテリからのより持続的な電力から利益を得ることができる。
【0093】
充電ロケーションは、積荷取扱デバイスがある期間にわたって留まる傾向がある場所に便利に位置付けられてもよいが、トラックネットワーク上の任意の場所であってもよい。典型的には、誘導パッドを提供するエネルギーは、特定の格子ロケーションでトラックレール間に位置付けられる。
【0094】
車輪のうちの1つ以上が駆動可能であってもよい。
【0095】
車輪の第1のセット及び車輪の第2のセットのすべての車輪が駆動可能であってもよい。
【0096】
車輪のセットの車輪のそれぞれが駆動されてもよい。このようにして、車輪のうちの1つがトラック面との接触を失っても、積荷取扱デバイスは依然として残りの車輪によって駆動される。さらに、これは、平坦でない表面上で積荷取扱デバイスの安定性を維持することを支援できる。
【0097】
車輪の第1のセット及び車輪の第2のセットのうちの1つ以上は、ロック手段によってロック可能である。
【0098】
ロック手段は、x方向移動及び/又はy方向移動のために駆動モータをロックするための電気機械式ロックを備えることができる。積荷取扱デバイスが駐車ポジションにあるとき、例えば、保管コンテナを持ち上げるか又は置くとき、リフト車で移動するとき、又は充電ロケーションにあるとき、車輪の移動及び積荷取扱デバイスの移動を防止するために、モータはロックされてもよい。電気機械式ロックは、解除手段を有してもよい。例えば、解除手段は、制御システム又は技術者によって動作可能なスイッチであってもよい。ロックが適用されていないとき、車輪は自由に回転することができる。このようにして、積荷取扱デバイスが故障した場合、ロックを解除することができ、積荷取扱デバイスを単にメンテナンスエリアに押し出すか、又は引っ張ることができる。ロックは、回復デバイスによって解除可能であってもよい。積荷取扱デバイスが自由に移動できると、回復デバイスは、さらに、故障した積荷取扱デバイスを押したり引いたりすることができる。技術者がシステムの他のエリアで作業する場合に危険にさらされないように、回復デバイスは、故障した積荷取扱デバイスをメンテナンスエリアに移動させることができる。
【0099】
積荷取扱デバイスは、識別タグ又はラベルを読み取るための、RFIDリーダ、スキャナ、及び/又はカメラをさらに備えることができる。
【0100】
積荷取扱デバイスは、識別タグを読み取る能力を有することができる。例えば、動作中、積荷取扱デバイスは、特定の保管コンテナを識別することができる。又は、積荷取扱デバイスは、タグがトラック内に若しくはトラックに沿って、又はワークステーションに配置された、システム内の特定のロケーションを識別することができる。
【0101】
積荷取扱デバイス及び支持された保管コンテナは、保管システム内の単一の格子空間のみを占有する設置面積を有する。
【0102】
単一の格子空間又は格子ユニットは、単一の予約可能ロケーションであってもよい。このようにして、保管コンテナを運搬する積荷取扱デバイスは、実質的に衝突のリスクなしに、任意のトラック経路を横断することができる(積荷取扱デバイスが格子ロケーションの中心に置かれ、保管コンテナが積荷取扱デバイスの支持パッドの中心に適切に置かれていると仮定する)。
【0103】
積荷取扱デバイスは、トラックネットワークに沿った動きを監視及び制御するためのナビゲーション手段をさらに備えてもよい。積荷取扱デバイスは、中央制御設備から命令を受信し、データを送信するための通信手段をさらに備えることができる。積荷取扱デバイスは、近接センサをさらに備えていてもよい。
【0104】
積荷取扱デバイスは、保管システムの各フロアの不揮発性メモリ内にソフトウェアマップを有することができる。ソフトウェアマップは、物理的寸法、基準マーカの識別コード、基準マーカのポジション、例えば架台の存在などの予約可能なトラックロケーションの物理的属性、及び予約可能なトラックロケーション間のトラック経路接続のトポロジを含む、予約可能なトラックロケーションのそれぞれに関する情報を含むことができる。ソフトウェアマップは、デバイスコントローラが、(中央)制御設備によって提供される経路の各セグメントに対する軌道のパラメータを計算することを可能にしてもよい。
【0105】
デバイスコントローラは、車輪状態、支持パッド状態を選択するサーボ機構及び電気モータを制御し、積荷取扱デバイスをトラックに沿って移動させてもよい。積荷取扱デバイスは、コントローラに送信された応答メッセージを用いて、受信した全ての命令に肯定応答してもよい。
【0106】
積荷取扱デバイスのための少なくともいくつかのナビゲーション及び他の制御命令は、(中央)制御設備によって積荷取扱デバイスに提供される。
【0107】
(中央)制御設備は、積荷取扱デバイスがフロアに沿って、フロアを横切って移動するための経路についての命令を提供してもよい。経路は、経路計画モジュールによって計画される。特定の時間における経路のセグメントは、予約され、積荷取扱デバイスへの命令として発行され、開始時間の前に記録されてもよい。経路又はトラックの個々のセグメントを横断するためのルート命令が、積荷取扱デバイス及び制御設備のクリアランスモジュールに発行される。
【0108】
経路計画モジュールは、積荷取扱デバイスが移動する前に、衝突リスクのない経路を計画することが理解されるであろう。一方、経路クリアランスモジュールは、保管システム内で動作している全ての積荷取扱デバイスからのポジション、速度及び状態報告を監視して、特定の積荷取扱デバイスのための意図された計画経路が衝突のリスクがないままであることを確実にする。計画された経路は、積荷取扱デバイスの故障、積荷取扱デバイスの性能低下、及び/又は積荷取扱デバイスへの又は積荷取扱デバイスからの通信障害によって、危険にさらされ、衝突又は別の形態の事故の危険にさらされる可能性がある。衝突リスクが識別された場合、経路クリアランスモジュールは、新たな衝突リスクのない経路が計画されてもよいように、経路計画モジュールに通知してもよい。
【0109】
積荷取扱デバイス自体は、デバイスコントローラをさらに備えていてもよい。デバイスコントローラは、中央制御設備から命令を受信し、肯定応答することができる。さらに、デバイスコントローラは、積荷取扱デバイスの移動を制御する際に使用するためのフィードバックのために、及び中央制御設備、特にクリアランスモジュールに提供するためのフィードバック又は報告のために、積荷取扱デバイス感知手段からの出力を使用してもよい。
【0110】
上述したように、積荷取扱デバイスは感知手段を備えてもよいことが理解されるであろう。センサは、トラックに近接する基準マーカを検出するためのレーザスキャナ、スキャナ、又はカメラ、トラック部材の交差を検出するための深さセンサ又はカメラ、車輪のうちの1つ以上の回転を監視及び報告するためのセンサ、及び車輪の回転を監視及び報告するための非駆動車輪検出器のうちの1つ以上であってもよい。積荷取扱デバイスの状態を監視するための他のセンサ及びデータコレクタが設けられてもよいことが理解されるであろう。積荷取扱デバイスは、基準マーカを通過するたびに、ポジション及び状態報告を中央コントローラ(制御設備)に送信してもよい。
【0111】
積荷取扱デバイスは、予期しない衝突リスクを警告するために、近接センサ、好ましくはデバイスの各側に近接センサをさらに備えてもよい。そのような状況では、温度上昇が緊急停止をトリガしてもよい。衝突リスクをもたらす予期しない物品の例は、意図された経路に直接ある他の積荷取扱デバイス、意図された経路に誤って落下した保管コンテナ、経路の端部をマーキングし、ナビゲーションエラー又はマッピングエラーのために遭遇する衝突防壁、ナビゲーションエラー又はマッピングエラーのために遭遇する架台、及び設備内で作業する(人間の)作業員を含むことができる。
【0112】
システムは、データを収集し、システムの状態を監視するための調査ボットをさらに備えることができる。調査ボットの移動及び制御は、積荷取扱デバイスの移動及び制御と同様であってもよい。調査ボットは、生育通路に沿って移動し、各保管コンテナを調査することができる。例えば、調査ボットは、積荷取扱デバイスと同様であるが、支持パッドを有さず、センサパックを有する車両であってもよい。
【0113】
システム内で動作し、説明されたデバイスと協働する他のタイプのボット又はモバイルデバイスが予想される。例えば、タスク特定デバイスである。
【0114】
制御設備
上述のように保管システムを制御し動作させるための制御機能が提供される。制御設備は、環境制御モジュール、マネージャモジュール、タスクプランナ、ボット経路計画モジュール、ボット経路クリアランスモジュール、通信モジュール、リフトタスクプランナ、ボット充電状態マネージャ、データ記憶及び持続モジュール、機械学習アルゴリズムにデータを提供するための長期データ記憶モジュール、回復、修理及びメンテナンス作業を容易にするために計画及びスケジュールを修正するための回復、修理及び/又はメンテナンスマネージャモジュール、並びにその以前の動作履歴に基づいてシステムを微調整するように設計された機械学習及び/又は人工知能モジュールのうちの1つ以上を備える。
【0115】
1つ以上の保管通路、チャンバ、若しくはフロアに対して独立した空気温度、1つ以上の通路、チャンバ、若しくはフロアに対して独立した空気湿度、1つ以上の通路、チャンバ、若しくは生育フロアに対して独立した空気流のうちの1つ以上は、制御デバイスによって制御可能であってもよく、及び/又は、制御設備は、計画及び/若しくは管理を実行してもよく、制御設備は、正しい保管コンテナが各段階で取り扱われていることを確認してもよく、制御設備は、各動作の監査記録を作成してもよい。
【0116】
制御設備は、1つ以上のコンピュータを備えてもよい。1つ以上のコンピュータは、農業システムと物理的に同一場所に位置付けられてもよく、又は1つ以上のコンピュータは、農業システムから遠隔に位置付けられてもよい。制御設備は、インターネットを介してアクセスされてもよく、及び/又はクラウドサービスに基づいてもよい。中央制御設備は、農業システムを管理する責任を負うことができる。積荷取扱デバイス又はボット、管理ステーションなどのシステムの個々の構成要素は、中央制御設備と通信するローカル又は個々の制御設備を備えることができる。中央制御設備は、農業システム内の個々の構成要素の制御システムを協調させることができることが理解されるであろう。農業システム内の個々の構成要素は、少なくともある程度まで、自律的又は半自律的に動作してもよい。
【0117】
1つ以上のコンピュータは、1つ以上のメモリ及び1つ以上のプロセッサを備えてもよく、1つ以上のメモリは、記憶設備のための制御設備を実装するように、1つ以上のコンピュータによって実行可能なプログラム命令を含む。システム又は制御設備は、複数の処理構成要素(モジュール)を備えることができ、それぞれは、少なくとも1つのモジュールを有するように構成された制御システムのそれぞれの部分を実行するようにそれぞれ構成される。
【0118】
制御設備は、任意の適切なアーキテクチャを含むことができる。制御設備のソフトウェアモジュールは、システム内のいくつかの異なる物理的ロケーションに位置付けられる、又は例えば、クラウドベースのシステムを介してシステムから遠隔に位置付けられる、多くのコンピュータ上で実行するように実装されてもよい。各ソフトウェアモジュールは、それ自体のデータ構造の維持と、不揮発性記憶媒体又はデバイスへのそれらのデータ構造の持続性とを担うことができる。
【0119】
データは、任意の適切な手段によって露出され、モジュール間で転送されてもよい。例えば、データを交換するように設計されたインタフェースへのコールと、データを交換するように設計されたメッセージングプロトコルとを含む。
【0120】
ソフトウェアモジュールは、並行して連続的に実行されてもよい。
【0121】
ソフトウェアの状態変化は、下流のモジュールに影響を及ぼしてもよい。状態変化は、前のモジュールの通知時に直ちに発生してもよい。典型的には、状態変化は、タスクキュー内のタスクの下流エントリをもたらしてもよいか、又はタスクの完了は、状態変化をもたらしてもよい。
【0122】
環境制御モジュールは、保管システム内の環境を制御することができる。環境制御は、地球規模/設備全体であってもよく、又は環境制御は、保管通路、保管通路のセクション、又はチャンバに局所化されてもよい。環境制御モジュールは、温度及び空気流を制御することができる。
【0123】
システムプランナ又はマネージャモジュールは、代替可能な保管コンテナのグループを作成し、側部通路内の隣接する保管ロケーションに割り当てることができるように、特定のタイムスロットにおける特定の複数の保管コンテナに対する需要を識別する。これは、通路の中心に最も近い保管コンテナが最初にアクセスされることができるので、代替可能なグループの部材にアクセスするために保管コンテナの一時的なリロケーションが必要とされないので、非常に効率的な最適化であってもよい。
【0124】
タスクプランナモジュールは、取り出し前の保管ロケーションにおける保管コンテナの予想時間を評価し、最適化アルゴリズムを実行して、発送ワークステーションに最も近い通路中の最短保管期間の保管コンテナを、収穫機器を有するフロアに配置し、したがって、必要とされる総リフトサービス時間を最小化し、したがって、必要とされる移動の数を最小化する。
【0125】
タスクプランナモジュールは、計画を処理し、構築する。タスクプランナによって作成された計画は、需要予測が発展するにつれて連続的に修正される。タスクプランナは、特定のタイムスロットで需要を満たすようにプランを修正することができる。タスクは、タスク計画ホリゾン(horizon)制限時間で作成され、計画される。
【0126】
保管システムボット又は積荷取扱デバイス経路計画モジュールは、積荷取扱デバイスが取るべきルートを計画するために、経路の各セグメントに対する積荷取扱デバイス横方向制御システムの推定整定時間の間、オーバーシュート予約可能トラックロケーションを予約することができる。経路のセグメントが、積荷取扱デバイスが移動を開始する予約可能ロケーションから、積荷取扱デバイスが次に停止するように計画されている予約可能ロケーションまでとして定義される場合、これは、積荷取扱デバイスがxとyとの間又はyとxとの間で車輪構成を変更する際の一時停止を含む。
【0127】
経路計画モジュールは、特定の保管コンテナ移動タスクのためにトラックに沿って予約可能ロケーションを予約する。積荷取扱デバイス経路計画モジュールの別個のインスタンスが、各フロアに対して実行されてもよい。積荷取扱デバイス経路計画モジュールは、フロア全体の全ての予約可能ロケーションについて予約テーブルを作成する。各予約可能ロケーションは、異なる時間帯に異なる積荷取扱デバイスのための多くの予約を有することができる。大型積荷取扱デバイス間の衝突は非常に長い回復手順を必要とすることがあるので、積荷取扱デバイス経路計画モジュールは、積荷取扱デバイスの横方向制御システムの推定整定時間のためにオーバーシュート予約可能ロケーションを予約して、積荷取扱デバイス間の衝突のリスクをさらに最小限に抑えることができる。積荷取扱デバイス経路計画モジュールは、そのデフォルト挙動の一部としてこれらの潜在的ルートを識別し、評価する。いくつかの例では、積荷取扱デバイスが保管コンテナを運搬していない場合、保管ロケーションの下のルートを計画することが可能であってもよい。
【0128】
積荷取扱デバイス又はボット経路クリアランスモジュールは、積荷取扱デバイスが辿るべき計画されたルートが空いていることを保証するために、積荷取扱デバイスによる各予約可能ロケーションの占有の記録を作成し、積荷取扱デバイスが、保管コンテナのピックアップと保管コンテナの配置との間のそれらの計画された経路上の各予約可能ロケーションを横切るときに入るためのクリアランスを与えられている予約可能ロケーションの記録を作成する。典型的には、積荷取扱デバイスは、予約可能ロケーションに入るポジション、予約可能ロケーションを中心とするポジション、及び予約可能ロケーションから出るポジションを報告する。積荷取扱デバイスクリアランスモジュールは、一方又は両方の積荷取扱デバイスの電気機械的故障、一方又は両方の積荷取扱デバイスとの通信故障、想定された運動学的及び物理的プロファイルを維持するための積荷取扱デバイスの故障の結果としての積荷取扱デバイス間の衝突を防止するために必要である。
【0129】
積荷取扱デバイス選択及び経路計画モジュールは、持ち上げ及び/又は輸送タスクを実行するために利用可能なボットを選択する役割を果たしてもよい。
【0130】
通信モジュールは、他のモジュールとマネージャとの間の通信を担うことができる。保管設備の各構成要素は、通信モジュールを備えてもよい。各積荷取扱デバイス又はボットは、通信モジュールを備えてもよい。各リフトは、通信モジュールを備えてもよい。各ワークステーションは、通信モジュールを備えてもよい。
【0131】
リフトタスクプランナモジュールは、リフト車停止のシーケンスを生成する。好ましい実施形態では、リフトタスクプランナモジュールは、リフト動作を選択して、タスクプランナモジュールによって決定された優先順位で積荷取扱デバイスの移動のシーケンスを維持するが、待ち行列が形成されるときはいつでも、リフトタスクプランナモジュールは、リフトスループットを最大にするようにピックアップ及びドロップオフ計画を切り替える。2階建てリフト車の場合には、これは、隣接するフロアでのピックアップ及びドロップオフ動作を同時に行うために特定のピックアップを遅延させることを意味する。
【0132】
回復、修復、及びメンテナンスマネージャモジュールは、以下を含むがこれらに限定されないシステム障害を自動トリアージする:
1.積荷取扱デバイスの故障、典型的には、モジュールは、故障した積荷取扱デバイスが占有する予約可能ロケーションが除外されることを指定するためにデータ内にフラグを設定し、任意のアクセス不可能な保管コンテナがアクセス不可能であることを指定するためにデータ内にフラグを設定し、任意の故障した積荷取扱デバイスは、タスク不可能である、すなわち、タスクを割り当てられるのに適していない。モジュールは、経路計画モジュールに実行するように要求し、そのアルゴリズムは、新たに除外された予約可能ロケーションを回避する代替ルートを探して計画する。複数の障害のために計画可能でない任意のタスクは、メンテナンス及び回復ミッションを先に進めることを選ぶことができる人間の管理者にフラグが立てられる。
2.リフト故障、典型的には、モジュールは、リフトが非稼働であることを指定するためにデータ内にフラグを設定し、任意の動けなくなった積荷取扱デバイスがタスク不可能であり、(動けなくなった積荷取扱デバイス上の)任意のアクセス不可能な保管コンテナがアクセス不可能であるとしてフラグを立てられることを指定するためにデータ内にフラグを設定する。モジュールは、リフトタスクプランナモジュールに、全ての未解決のリフトタスクを再計画するように要求する。
【0133】
回復、修理、及びメンテナンスマネージャモジュールはまた、人間による回復、人間による修理、及び人間によるメンテナンス作業のために保管設備を構成するために使用することができる。例えば、故障したボット又は積荷取扱デバイスの手動回復は、安全停止されるか又は他のフロアに移動されるかのいずれかのフロア上の全ての積荷取扱デバイスを用いて達成されてもよく、次いで、積荷取扱デバイスが人間と衝突することを物理的に防止するために、トラックにわたって安全バリアが配置される。回復、修理及びメンテナンスマネージャモジュールはまた、すべての隔離されたトラックを除外するためにデータ内にフラグを設定し、その結果、フロアの隔離されていないセクション上で通常の生産を再開することができる。回復が完了すると、フロア上の全ての積荷取扱デバイスは停止されるか、別のフロアに移動される。物理的な安全バリアが除去され、全ての分離されたトラックを除外するためにデータに設定されたフラグがクリアされる。積荷取扱デバイス経路計画モジュールは、次いで、積荷取扱デバイスの動作がフロア上で再開されると、積荷取扱デバイスの経路を計画するときに、全ての除外されていない予約可能ロケーションを使用することができる。
【0134】
機械学習及び/又は人工知能モジュールは、計画及び生産性を向上させ、その以前の動作履歴に基づいてシステムを微調整するように設計される。モジュールは、少なくとも以下の方法で機械学習及び人工知能技術を使用することができる:
1.積荷取扱デバイスの移動に関する長期データを分析し、積荷取扱デバイスの異なるクラス(モデル)にわたって集計して、経路計画で使用される物理モデルを定義するために使用されるパラメータを精緻化。
2.フロア上の可能な積荷取扱デバイスルートの識別、及び選択されたルートの最適化。
3.リフト移動の長期データを分析し、リフトの異なるクラス(モデル)にわたって集計して、リフト計画で使用される物理モデルを定義するために使用されるパラメータを精緻化。
【0135】
機械学習及び/又は人工知能モジュールは、以下の人工知能及び機械学習技術を使用してもよいが、それらに限定されない:
1.機械学習
2.ニューラルネットワーク
3.機械学習(一般)
4.教師あり学習
5.確率的グラフィカルモデル
6.サポートベクターマシン
7.バイオインスパイアードアプローチ(蟻コロニー最適化を含むが、これに限定されない)
8.分類及び回帰ツリー
9.深層学習
10.ルール学習
11.教師なし学習
12.強化学習
13.インスタンスベースの学習
14.潜在表現
15.マルチタスク学習
16.論理及び関係学習
17.論理プログラミング
18.エキスパートシステム
19.記述論理
20.論理プログラミング(一般的)
21.ファジィ論理2
22.オントロジー工学
23.確率的推論
【0136】
トラック及び積荷取扱デバイスは、積荷取扱デバイスが予約可能ロケーションの概念上の「中心」をマークする基準マーカに位置付けられたときに、積荷取扱デバイスが、静止しているか又は隣接するロケーションで移動しているかにかかわらず、他の積荷取扱デバイスとの衝突リスクがないように配置されることが理解されるであろう。
【0137】
格子ベースのトラックネットワーク上の直交方向への方向変更のための積荷取扱デバイスの位置合わせは、積荷取扱デバイス上のレーザスキャナ、スキャナ、又はカメラと、予約可能ロケーションにおける直交トラックの交差のポジションをマークするトラックに近接する基準マーカとを使用して達成されることが理解されるであろう。この配置は、積荷取扱デバイスの車輪とトラックとの直交方向における正確な位置付けを提供してもよい。
【0138】
保管ロケーション内での積荷取扱デバイスの位置合わせは、積荷取扱デバイス上のスキャナ、レーザスキャナ、又はカメラと、予約可能ロケーションの概念上の「中心」ポイントをマークするトラックに近接する基準マーカとを使用して達成されることが理解されるであろう。これは、架台に対する保管コンテナの正確な位置付けを提供する。
【0139】
直交又は格子ベースのトラック構造に沿った動きを追跡及び制御するための積荷取扱デバイスナビゲーションシステムは、センサ情報を使用することによって達成される。
【0140】
設備内の積荷取扱デバイス又は積荷取扱デバイスの動作に使用する際に、各フロアの詳細なマップを各積荷取扱デバイスにダウンロードする。マップに関係付けられたデータは、積荷取扱デバイスの動作制御システムに、その軌道を計算し、軌道に沿ったその動作を制御するのに十分なデータを提供する。マップとともに含まれるデータは、予約可能ロケーションの物理的寸法、予約可能ロケーション上の基準マーカのポジション、予約可能ロケーションと任意の隣接予約可能ロケーションとの間の接続を含むがこれらに限定されない。
【0141】
積荷取扱デバイスが移動するための命令は、コントローラの積荷取扱デバイス経路クリアランスモジュールによって生成され、コントローラの通信モジュールによって積荷取扱デバイスへ/から送信される。積荷取扱デバイスが移動するための指示は、移動の開始時刻を有し、開始時刻より前に積荷取扱デバイスに送信される。積荷取扱デバイスは、命令が受信されたという確認を送信してもよい。このプロトコルは、100%のメッセージ配信が保証又は期待されないので、移動命令が必要に応じて数回送信されることを可能にし、通信に回復力を加える。
【0142】
直交方向への方向変更のための積荷取扱デバイスの位置合わせは、積荷取扱デバイス上のレーザスキャナ、スキャナ、又はカメラと、ポイントをマーキングするトラックに近接した基準マーカとを使用して達成することができる。これにより、積荷取扱デバイスの車輪をトラックに対して直交方向に正確に位置付けることができる。直交方向への変更が許可されない予約可能ロケーションに対して、基準マーカは、予約可能ロケーションの概念上の中心ポイントに配置されてもよい。
【0143】
保管ロケーション内の積荷取扱デバイスの位置合わせは、積荷取扱デバイス上のスキャナ、レーザスキャナ、又はカメラと、予約可能ロケーションの中心ポイントをマークするトラックに近接する基準マーカとを使用して達成されてもよい。これは、架台に対する保管コンテナの正確な位置付けを提供する。
【0144】
使用
保管システムを使用する方法が提供される。方法は、積荷取扱デバイスを使用して保管コンテナを輸送及び配置するステップと、保管コンテナを保管ロケーションに配置するステップと、保管ロケーションから保管コンテナを取り出すステップと、保管コンテナを保管通路に配置するステップと、任意選択で、要件に従って保管通路内の環境を制御するステップとの1つ以上のステップを含むことができる。
【0145】
積荷取扱デバイスが、中央制御設備によって保管ロケーションの一対の架台上に保管コンテナを配置するように指示された場合、積荷取扱デバイスは、保管コンテナを搬送しながら、積荷取扱デバイスが所望の保管ロケーションに隣接するまでアクセス通路に沿って移動する。支持パッドが上昇された状態で、積荷取扱デバイスは、支持パッド上の保管コンテナが側部通路内の架台の上方にあるように、保管通路から側部通路内に移動する。保管通路への経路は、保管コンテナが架台上に載っている保管ロケーションを回避するように、制御設備によって計算又は計画されることが理解されるであろう。典型的には、積荷取扱デバイスは、保管通路内の他の利用可能な保管ロケーションへのアクセスを妨げないように、保管コンテナを保管ロケーションに配置するように指示されてもよい。指示されたロケーションに位置付けられるとき、積荷取扱デバイスは支持パッドを下降させ、架台によって支持された保管コンテナを保管ロケーションに残す。次いで、積荷取扱デバイスは、逆方向に、又は別の指示されたルートを介して移動して、アクセス通路に戻る。
【0146】
積荷取扱デバイスが、中央制御設備によって保管ロケーションから一対の架台上の保管コンテナを取り出すように指示された場合、積荷取扱デバイスは、積荷取扱デバイスが特定の保管コンテナを含む保管ロケーションを含む側部通路に隣接するまでアクセス通路に沿って移動する。支持パッドが下げられた状態で、積荷取扱デバイスは、支持パッドが目標保管コンテナの下方に位置付けられるまで、側部通路内に移動する。次に、積荷取扱デバイスは、支持パッドを上昇させ、保管コンテナを架台の上方に持ち上げる。保管コンテナを運搬すると、積荷取扱デバイスは、架台との衝突を回避するために支持パッドが上昇ポジションにある状態で、保管エリアを通ってアクセス通路へと逆に移動する。アクセス通路トラック上に来ると、積荷取扱デバイスは、次の目的地にナビゲートする前に支持パッドを下降させてもよい。
【0147】
同じアイテムの複数の同一の保管コンテナがあることを中央制御システムが認識している場合、制御設備は、保管コンテナのグループの代替可能な性質を利用し、代替可能な保管コンテナを同じ保管通路に配置することができることが理解されるであろう。代替可能グループの保管コンテナのいずれかが必要とされるとき、コントローラ計画モジュールは、アクセス通路に最も近い代替可能グループ内の保管コンテナを選択する。すなわち、制御設備は、保管通路内の他の保管コンテナを一時的に再配置することなくアクセスすることができる保管コンテナを選択する。
【0148】
システムによって必要とされる積荷取扱デバイスの数は、通路及び/又は保管ロケーションの数、又はフロアの数ではなく、保管コンテナの移動の数によって決定されてもよい。
【0149】
保管コンテナは積み重ねられないことが理解されるであろう。したがって、保管システム及び取り出しシステムは、積み重ねることができないコンテナ、又は可変高さの頂部若しくは平坦でない上面を有するコンテナを収容することができる。
【0150】
このようにして、本発明は、従来技術の問題のいくつかに対処し、物品保管及び取り出しシステムのためのシステム、方法及びデバイスを提供する。
【0151】
他のシステムとの統合
保管及び取り出しシステム並びに生育設備は、他の自動化システムと統合されてもよい。統合は、以下を含んでいてもよい:
・検索された、又はピッキングされた商品を含むトート又はコンテナを、食料品店の顧客フルフィルメントセンターの機械的処理機器の内側に、又は内側に向かって輸送するコンベヤ。いくつかの配置では、発送ワークステーションは、自動食料雑貨店顧客フルフィルメントセンター内で使用されるトート、特に商品内部の機械的処理機器及びシステムと互換性があるように設計されてもよい。
・トートを輸送する自律空輸車両又はドローン
・トートを輸送する自律陸上車両又は自律誘導車両
・トートを輸送する任意の形態の人間が操作する貨物車両
・トートを輸送する任意の形態の磁気浮上輸送システム
・自動食料雑貨店顧客フルフィルメントセンターの注文管理及び注文予測システムと、保管システムのプランナー/マネージャモジュールとの間の任意の形態の統合。特に、そのような統合が使用されて、特定の時間スロットでの自動食料品店顧客フルフィルメントセンターへの製品利用可能性を確実にする場合である。
【0152】
単なる例として、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明するが、同様の参照番号は、同様の特徴に対して使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【
図1】
図1は、先行技術の保管システムの代表的な図である。
【
図2】
図2は、従来技術の保管システムトラック配置の代表的な図である。
【
図3a】
図3aは、従来技術の保管システム積荷取扱デバイスの代表的な図である。
【
図3b】
図3bは、保管コンテナを有する従来技術の保管システム積荷取扱デバイスの代表的な図である。
【
図3c】
図3cは、保管コンテナを有する従来技術の保管システム積荷取扱デバイスの代表的な図である。
【
図4】
図4は、保管の上方の格子上に積荷取扱デバイスを有する従来技術の保管システムの代表的な図である。
【
図8a】
図8aは、リフトパッド上に載置された保管コンテナを有する、積荷取扱デバイスの長い側、又はy-z側の平面図を図示する。
【
図8b】
図8bは、リフトパッド上に載置された保管コンテナを有する、積荷取扱デバイスの長い側、又はy-z側の平面図を図示する。
【
図8c】
図8cは、リフトパッド上に載置された保管コンテナを有する、積荷取扱デバイスの長い側、又はy-z側の平面図を図示する。
【
図9a】
図9aは、保管コンテナを有さず、リフトパッドを詳細に示す、積荷取扱デバイスの短い側、又はx-z側の立面図を図示する。
【
図9b】
図9bは、保管コンテナを有さず、リフトパッドを詳細に示す、積荷取扱デバイスの短い側、又はx-z側の立面図を図示する。
【
図9c】
図9cは、保管コンテナを有さず、リフトパッドを詳細に示す、積荷取扱デバイスの短い側、又はx-z側の立面図を図示する。
【
図10】
図10は、保持フランジが取り外された積荷取扱デバイスのサブシャーシの、短い側、又はx-z側部の立面図を図示する。
【
図11a】
図11aは、積荷取扱デバイスの長い側、又は、y-z側の立面図を図示する。
【
図11b】
図11bは、積荷取扱デバイスの長い側、又は、y-z側の立面図を図示する。
【
図11c】
図11cは、積荷取扱デバイスの長い側、又は、y-z側の立面図を図示する。
【
図12】
図12は、積荷取扱デバイスの下側、x-y、の平面図を図示する。
【
図13】
図13は、保管システムのコントローラの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0154】
本発明は、より大きなシステムの一部を形成してもよい。本明細書で説明されるシステム、方法、及びデバイスは、例示にすぎず、説明される装置及び機器の他の組み合わせ及び構成が、本明細書で説明される本発明の範囲から逸脱することなく、本開示の発明者らによって予期されることを理解されたい。
【0155】
上述したように、
図1から
図4は、従来技術の保管システムの代表的な図面である。
【0156】
本発明の保管システム、積荷取扱デバイス、保管ロケーション、使用の方法及び制御設備は、残りの図面に図示されている。
【0157】
図5から
図7は、保管フロアの概略図を示す。保管フロアはユニットの格子に分割され、各ユニットは指定された機能を有する。通路2は、保管フロアの幅及び長さにわたって配置される。典型的には、アクセス通路2は2ユニット幅であり、
図1に示すように保管フロアの各端部を横切って配置されている。端部の間で、アクセス通路2は、アクセス通路2に対して垂直にかつ保管フロアの長さに沿って延びる保管通路2によって接合される。保管通路2は、典型的には1ユニット幅である。保管通路2に隣接して保管ロケーション1がある。保管ロケーション1は、アクセス通路2又は保管通路2のいずれかから積荷取扱デバイスによってアクセスされてもよい。
【0158】
上述したように、各保管ロケーション1には、保管コンテナを支持するための架台が設けられている。積荷取扱デバイスが保管コンテナを輸送していないとき、積荷取扱デバイスは、任意のアクセス可能なルートを介して、任意の保管フロア通路又は保管ロケーションまでx-方向及びy-方向に移動することができる。しかしながら、積荷取扱デバイスは、保管ロケーションを通って一方向(x)に移動することができ、直交方向に保管ロケーションを横断しようとするいかなる試みも、積荷取扱デバイスと支持架台との間の衝突をもたらすことがある。
【0159】
図5に図示するように、メンテナンスエリア3は、フロアの指定された保管ロケーション1のエリアの中心を通って位置付けられている。さらに、メンテナンスエリア3は、フロアの長い側面に沿って位置付けられ、保管フロアの短い側面に沿ったいくつかのユニットロケーションに位置付けられる。保管フロアの短い側面はまた、退避、一時的保管、リフト進入ポジション、リフト退出ポジション、リフトシャフト、及び充電ポイントのための格子ユニットロケーションを提供する。これらのメンテナンスエリア3は、積荷取扱デバイスによってアクセス可能ではなく、積荷取扱デバイスの修理には使用されない。
【0160】
図6及び
図7は、
図5に図示すような保管フロアの一部をより詳細に示す。
【0161】
図6は、2つのリフトを備える保管フロアの端部を図示する。図示するように、保管フロアの最終列は、2つのリフトシャフト8を備えている。各リフトシャフト8に隣接して、第1の側に、リフト進入ポジション6及びリフト退出ポジション7がある。リフト進入6及びリフト退出7は、積荷取扱デバイスをシステム内の他のフロアに輸送するために保管フロアに出入りできるように、空いた状態に保たれる。リフトエリア間には、追加のメンテナンスエリア3がある。保管フロアの最終列に沿ったユニットロケーションの残りは、システムの動作中に使用されてもよい退避4と一時保管ロケーション5との間で交互である。典型的には、通路が混雑しているときに、保管コンテナが積み降ろしされた又は積み込まれた積荷取扱デバイスが通過することを可能にするために、退避4が使用される。退避4はまた、故障した積荷取扱デバイスを一時的に位置付けるために使用されてもよい。一時保管ロケーション5は、典型的には、一対の架台を備える。このようにして、保管コンテナは、他のロケーションへのさらなる輸送を待つ間、架台上に一時的に配置されてもよい。一時保管ロケーション5は、システム内のフロア間の輸送のための待機エリアとして使用されてもよいように、リフトシャフト8に比較的近接して位置付けられることが理解されるであろう。一時保管ロケーション5は、積荷取扱デバイスが他のタスクを完了する間に使用されてもよい。好都合なことに、
図3から
図5に図示するように、一時保管ロケーション5は、主に輸送のために使用されてもよいアクセス通路に隣接して配置される。
【0162】
図7は、
図4に対して、
図3の保管フロアの反対側の端部の角を図示している。第1の端部と同様に、端部列の大部分に関して、格子ユニットロケーションは、退避4と一時保管ロケーション5との間で交互になっている。さらに、最終列は、メンテナンスエリア3及び充電ポイントロケーション9を含む。充電ポイントロケーション9は、積荷取扱デバイスの電力資源を再充電するために使用される。好都合なことに、充電ポイント9、退避4及び一時保管ロケーション5は、アクセス通路2に隣接して位置付けられている。
【0163】
保管フロアの特定のレイアウトは、保管フロアが位置付けられている建物に適合されてもよいことが理解されるであろう。異なるタイプの割合及びユニット格子ロケーションの使用は、利用可能性及び必要性に従って調整されてもよい。さらに、効率的に動作するシステムを提供するために、保管フロアの他のレイアウトが予想されることが理解されるであろう。正確なレイアウトは、保管システムに必要とされる総容量、並びに建物のサイズ及び形状に依存する。保管フロアのいくつかのセクションは、隔壁及び制御ドア(図示せず)によって分割されてもよい。
【0164】
地球規模又は設備規模の環境制御設備は、通路の端部、天井のフロアの上、又はメンテナンスエリアに位置付けられてもよいことが理解されるであろう。
【0165】
図8から
図12は、保管システムで使用するための積荷取扱デバイス301を図示する。積荷取扱デバイス301は、保管コンテナ200を持ち上げてシステム内のロケーションに配置するために使用される。さらに、積荷取扱デバイス301は、保管コンテナ200をロケーション間で輸送するために使用される。
【0166】
図8は、様々な構成において、リフトパッド上に載置された保管コンテナを有する積荷取扱デバイスの長い側面、すなわちy-z側の平面図を図示する。
図8aでは、y方向車輪303が配置され、x方向車輪は、y方向の前進及び後退移動のために、上昇ポジションに保持される。典型的には、積荷取扱デバイスは、
図8aに示される構成においてy方向に通過する。
【0167】
図8bでは、x方向車輪307が配置され、y方向車輪は、x方向の前進及び後退移動のために、上昇ポジションに保持される。典型的には、積荷取扱デバイスは、
図8bに示される構成においてx方向に移動する。保管コンテナ支持パッド308は、
図8aに示される構成と比較して、
図8bに示される構成ではわずかに上昇されているが、保管コンテナ200の底部は、運搬される場合、依然として架台の上部の下方にある。
【0168】
このようにして、保管コンテナ200を運搬するとき、積荷取扱デバイスは、トラックネットワーク306に沿った任意の遮られていない経路-典型的には、架台が存在しないアクセス通路に沿って移動できる。例えば、一時保管ロケーションや保管ロケーションなどの架台を有するロケーションに保管コンテナ200を放置したり、保管コンテナ200を取り出して新たなロケーションにコンテナ移動させたりする。
【0169】
積荷取扱デバイスが保管コンテナ200を運搬又は支持せずに輸送中である場合、積荷取扱デバイスは、トラックネットワーク306に沿った任意の経路に沿って、場合によっては架台上に載置された保管コンテナの下を移動することができる。
【0170】
図8cは、一対の架台311の間にある
図8a及び
図8bの積荷取扱デバイス301を示す。この構成では、支持パッド310及び保管コンテナ200は、保管コンテナ200の底部が架台311の頂部の上方に位置するよう上昇されている。
図8cに示す構成では、積荷取扱デバイス301は、次のロケーションに移動するか、又は次の作業に移動する前に架台311上に保管コンテナ200を降ろすことができる。支持パッド310が下降ポジション及び上昇ポジションからどのように移動するかについては、
図9に関連して以下でより詳細に説明する。
【0171】
図9は、保管コンテナ200のない積荷取扱デバイス301の短い側、すなわちx-z側の側立面図を図示し、リフトパッド310及び機構をより詳細に示している。
図10は、移動サブシャーシが除去された積荷取扱デバイスの短い側、又はx-z側の立面図を図示している。
図11は、架台を片付けるための積荷(トレイ)支持パッドの持ち上げが、2つの方向変更機構ラムから独立している、第3の電気又は油圧ラム(305)を用いて達成される、代替積荷取扱デバイス設計の長い側、又はy-z側の立面図を図示する。
図12は、積荷取扱デバイスの下側、x-yの平面図を図示する。
【0172】
図9aに示すように、ラム取付部327は、積荷取扱デバイスシャーシに取り付けられている。図示のラム331は、第1の段階329と、第1の段階329内に入れ子にされた第2の段階330とを備える。ラム331は、テレスコープ型のものであることが理解されるだろう。第2の段階330の上端はサブシャーシ312に取り付けられている。このようにして、サブシャーシ312は、ラム331と共に上下に移動することができる。サブシャーシ312は、
図9及び
図10に示すように、保持フランジ317、323内に収容され、ニードル又はローラベアリング324で誘導される。
【0173】
図9aでは、ラム331は完全に圧縮されているか又は入れ子になっており、車輪307はx方向駆動ポジションにあり、支持パッド310は最大高さにある。
図9bでは、ラム331は、部分的に拡張又は上昇させられ、車輪307は、駆動ポジションにあり、支持パッド310は、x方向駆動のための最小高さにある。
図9cでは、ラム331は完全に伸長しており、車輪307は(車輪303によるy方向駆動のために)上昇ポジションにある。このようにして、同じ機構が、支持パッド310を上昇及び下降させ、積荷取扱デバイス301のx-y方向を制御するために使用される。
【0174】
1つ以上の変位センサ304、326は、それぞれy方向及びx方向に積荷取扱デバイスが移動した距離を監視することができる。
【0175】
図10は、移動サブシャーシが除去された積荷取扱デバイスの短い側、又はx-z側の側立面図を図示している。
【0176】
図11は、架台をクリアするための保管コンテナ支持パッドの持ち上げが、2つの方向変更機構ラムから独立している第3の電気又は油圧ラム305を用いて達成される、代替積荷取扱デバイス設計の長い側、又はy-z側の側立面図を図示している。
【0177】
図12は、積荷取扱デバイス301の下面x-yの平面図を図示している。図から分かるように、車輪303は、y方向の移動のためにデバイス301の長辺に沿って配置され、車輪307は、保持フレーム317内に保持されたサブシャーシ312に取り付けられたデバイスの短い側に沿って配置される。デバイス301の中心には、デバイス301の位置付け及び移動を監視するためのカメラ316が位置付けられている。
【0178】
図13は、保管システムに対するコントローラの概略図である。上述したように、コントローラ又は制御設備は、通信設備によって相互リンクされた、別個のコンピューティングデバイス上で実行される多数のソフトウェアプログラムを含むことができる。当業者にはよく理解されるように、任意の適切なアーキテクチャが予想される。したがって、コントローラは、多数の別個のモジュールとして示されている。
【0179】
S99は、オペレータ又はインターフェースされた注文管理システムが、システムの他のモジュールに通信されるべきシステムの所望のアクションを入力することを可能にするための、保管&取り出し需要へのインターフェースを示す。
【0180】
Aは示されていない(A is not shown)。S1601は、保管システムの構成要素を集合的に管理し、システムの所望の結果に向かって作業するようにタスクを計画し、他のモジュールに命令を送信するための保管システムプランナ/マネージャを示す。
【0181】
S1602は、命令を計画し、積荷取扱デバイス及びワークステーションに送るための保管コンテナタスクマネージャを示す。
【0182】
S1603は、通路内、保管フロア上、及びチャンバ内の環境パラメータを管理及び制御するための環境コントローラモジュールを示す。
【0183】
S1606は、積荷取扱デバイスが必要なときに充電ポイントを訪れるようにスケジュールし、積荷取扱デバイスが充電ポイントからの十分な充電を有する前に積荷取扱デバイスが再タスク化されないことを確実にし、積荷取扱デバイスが十分なバッテリ又はスーパーキャパシタ充電を有さないタスクを引き受けるように選択されないことを確実にするための積荷取扱デバイス充電状態マネージャモジュールを示す。
【0184】
S1607は、積荷取扱デバイスのフリート(fleet)の動作能力を管理し、機能を維持するために必要な作業を管理するための回復、修理、及びメンテナンスマネージャモジュールを示す。
【0185】
S1608は、システムの構成要素にリンクして、所望の動作、データ、フィードバックについての入力をオペレータに提供する、ユーザに対するオペレータインターフェースを示す。
【0186】
S1609は、積荷取扱デバイスがタスクを完了するためのルートを計画するための積荷取扱デバイス選択&経路計画モジュールを示す。
【0187】
S1610は、計画されたルートの実行中に、衝突せず、障害物がないことを確実にするための積荷取扱デバイス経路クリアランスモジュールを示す。
【0188】
S1611は、他のモジュールから命令を受信し、他のモジュールにデータを送信するための積荷取扱デバイス通信モジュールを示す。
【0189】
S1612は、フロア間で積荷取扱デバイスを移動させる能力を提供するためのリフトタスクプランナモジュールを示す。
【0190】
S1613は、他のモジュールから命令を受信し、他のモジュールにデータを送信するためのリフト通信モジュールを示す。
【0191】
S1614は、保管コンテナを処理するためのタスクを計画及び実行するためのワークステーションコントローラモジュールを示す。
【0192】
S1615は、ユーザ入力と、システムから自動ワークステーション及び手動ワークステーションで作業するオペレータへの通信とを可能にするワークステーションへのインターフェースを示す。
【0193】
さらなるコメント
本明細書で説明される保管システムは、中密度から高密度の保管設備を提供することが理解されるであろう。したがって、設備は、土地の効率的で費用効果の高い使用を提供する。
【0194】
設備の垂直スケーラビリティは、保管設備及びシステム自体によってではなく、建築テクノロジー又は建設施行によってのみ制限される。
【0195】
有利なことに、保管配置は設計が比較的単純であり、機械的構成要素間で必要とされる相互作用又は接続性が最小限であることが理解されるであろう。既存の建物内又は多機能建物内に設備を構築することが可能であってもよい。
【0196】
保管ロケーションの配置は、有利には、比較的高い保管密度を維持しながら、保管コンテナのそれぞれへの迅速な又はランダムなアクセスを提供することが理解されるであろう。
【0197】
側部通路上の保管ロケーションの数は、意図された使用に基づいて最適化されてもよいことが理解されるであろう。
【0198】
積荷取扱デバイスは、単純であり、したがって、他のシステムと比較して信頼性の改善を提供できることが理解されるであろう。
【0199】
MHE要件若しくは積荷取扱デバイスのコスト及び/又は数は、システムの制御設備の最適化によって最小限に抑えることができることが理解されるであろう。
【0200】
温度、湿度、及び気体組成、例えば、通路ごとの、又は通路の一部、例えば、ギャラリー又はチャンバごとの大気の窒素濃度の制御は、効率及び単純化を提供できることが理解されるであろう。したがって、コスト上の利点が得られる。
【0201】
出荷コンテナなどの非常に大きなコンテナは、既存の技術で説明されているような立方体の保管及び回収システムで保管及び回収することが困難であることが理解されるであろう。Zリフトホイストの故障は、システム内のコンテナ及び/又は積荷取扱デバイスの困難な回復を必要とすることが理解されるであろう。本明細書に開示される実質的に単一の層のシステムは、この問題を回避する一方で、高密度保管及び取り出しシステムを提供する。
【0202】
有利なことに、システムは、積荷取扱デバイスがワークステーションを通る搬送を提供するので、ワークステーションでの完全自動化を容易にサポートする。ワークステーションは、自動化又はロボット化されてもよい。
【0203】
システム内では、火災抑制が容易に設計され、保管エリア内では、ファイアウォールが容易に設計され、それによって、システムの安全性を向上させる。
【0204】
図面を参照して上述した保管及び取り出しシステムは、成長環境の制御を可能にする。加えて、システムのモジュール性は、空間の効率的な使用を可能にし、容易に拡張可能である。トラック格子システムの長さ、幅及び高さは、利用可能な空間に適合するように選ぶことができる。
【0205】
前述の明細書では、特に重要であると考えられる本発明の特徴に注意を引くように努力しているが、出願人は、特に強調されているか否かにかかわらず、本明細書で言及され、及び/又は図面に示される任意の特許性のある特徴又は特徴の組み合わせに関して保護を主張することを理解されたい。
【0206】
保管システム、方法及びデバイスは、上述のデバイス及び配置の様々な組み合わせを使用して特定の用途のために設計することができることが理解されるであろう。本明細書で上述した特徴は全て、単一のシステムにおいて一緒に使用されてもよいことが理解されるであろう。本発明の他の実施形態では、特徴の一部が省略されてもよい。特徴は、任意の互換性のある配置で使用されてもよい。上記で明示的に説明されていない多くの変形及び修正もまた、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく可能である。
【0207】
本文書では、「積荷取扱デバイス」及び「ボット」という用語は、交換可能に使用されてもよい。保管コンテナはトレイであってもよく、積荷取扱デバイスはトレイ取扱デバイスであってもよい。積荷取扱デバイスは、MHE又は材料取扱機器のタイプである。
【0208】
本文書では、「間隙に対する移動」という用語は、間隙内の移動、例えば間隙に沿った摺動、並びに間隙内への又は間隙からの移動を含むことが意図される。
【0209】
本文書では、nがx、y、及びzのうちの1つである「n方向への移動」という文言(及び関連する言い回し)は、いずれかの方向(即ち、n軸の正の端部に向かうか又はn軸の負の端部に向かう)への、n軸に実質的に沿った又はn軸に対して平行な移動を意味するように意図される。
【0210】
本文書では、「接続する」という語及びその派生語は、直接接続及び間接接続の可能性を含むことが意図される。例えば、「xは、yに接続される」は、xが介在する構成要素を伴わずにyに直接接続される可能性、及びxが1つ以上の介在する構成要素を伴ってyに間接的に接続される可能性を含むことが意図される。直接接続が意図される場合、「直接接続された」、「直接接続」という語又は同様の語が使用されるであろう。同様に、「支持する」という語及びその派生語は、直接接触及び間接接触の可能性を含むことが意図される。例えば、「xは、yを支持する」は、xが介在する構成要素を伴わずにyを直接支持し、それに直接接触する可能性、並びにxがx及び/又はyに接触する1つ以上の介在する構成要素を伴ってyを間接的に支持する可能性を含むことが意図される。
【0211】
本文書では、「備える」という語及びその派生語は、排他的な意味ではなく包括的な意味を有することが意図される。例えば、「xは、yを備える」は、xが1つ及び1つのみのy、複数のy、又は1つ以上のy、並びに1つ以上の他の要素を含む可能性を含むことが意図される。排他的な意味が意図される場合、「xは、yから成る」という文言が使用され、xがyのみを含み、他に何も含まないことを意味するであろう。
【国際調査報告】