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特表2023-539581ヘテロポリペプチドの末端異質性を低減するためのシグナルペプチド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-15
(54)【発明の名称】ヘテロポリペプチドの末端異質性を低減するためのシグナルペプチド
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20230908BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20230908BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230908BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230908BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230908BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230908BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20230908BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20230908BHJP
   C07K 16/24 20060101ALI20230908BHJP
   C07K 16/26 20060101ALI20230908BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/00 ZNA
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
C07K16/28
C07K16/24
C07K16/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512724
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(85)【翻訳文提出日】2023-02-21
(86)【国際出願番号】 CN2021114911
(87)【国際公開番号】W WO2022042673
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】202010882873.5
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110958128.9
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】516174219
【氏名又は名称】江蘇恒瑞医薬股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】516174208
【氏名又は名称】上海恒瑞医薬有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI HENGRUI PHARMACEUTICAL CO., LTD
【住所又は居所原語表記】NO. 279 WENJING ROAD, MINHANG DISTRICT, SHANGHAI 200245, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100138911
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100218268
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】周 松涛
(72)【発明者】
【氏名】劉 洵
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA02
4B064CA05
4B064CA06
4B064CA08
4B064CA10
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B065AA01X
4B065AA01Y
4B065AA57X
4B065AA57Y
4B065AA72X
4B065AA72Y
4B065AA83X
4B065AA83Y
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA44
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA09
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、ヘテロポリペプチドの末端異質性を低減するためのシグナルペプチドに関する。具体的には、タンパク質発現用のシグナルペプチドに関し、更に、組換えポリペプチド、その調製方法及び組換えポリペプチドを含む組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖のN末端異質性を低減する方法であって、
(1)抗体の重鎖及び当該重鎖のN末端と効果的に連結する、配列番号55又は配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のシグナルペプチドをコードする第1のポリヌクレオチド、及び/又は
(2)抗体の軽鎖及び当該軽鎖のN末端と効果的に連結する、配列番号55又は配列番号56のアミノ酸配列を含む第2のシグナルペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドを含む宿主細胞の培養と、
前記抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖の発現と、
を含む、方法。
【請求項2】
発現して得られた前記抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖は、3%未満の末端伸び率を有し、好ましくは、発現して得られた前記抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖は、1%未満の末端伸び率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のシグナルペプチド又は前記第2のシグナルペプチドは、それぞれ独立的に配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号99、配列番号100、配列番号101、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号140、配列番号141、配列番号142、配列番号146、配列番号147又は配列番号148のアミノ酸配列を含み、
好ましくは、前記第1のシグナルペプチドは配列番号57又は配列番号105のアミノ酸配列を含み、及び/又は前記第2のシグナルペプチドは配列番号57又は配列番号105のアミノ酸配列を含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記抗体は、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、親和性成熟抗体又は多重特異性抗体である、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記抗体は、抗TLR7抗体、抗HER2(ErbB2)抗体、抗Claudin18.2抗体、抗EGFR抗体、抗B7H3抗体、抗c-Met抗体、抗HER3(ErbB3)抗体、抗HER4(ErbB4)抗体、抗CD3抗体、抗CD20抗体、抗CD22抗体、抗CD30抗体、抗CD33抗体、抗CD38抗体、抗CD44抗体、抗CD47抗体、抗CD56抗体、抗CD70抗体、抗CD73抗体、抗CD105抗体、抗CEA抗体、抗A33抗体、抗Cripto抗体、抗SOST抗体、抗EphA2抗体、抗G250抗体、抗MUCl抗体、抗Lewis Y抗体、抗VEGFR抗体、抗GPNMB抗体、抗トロンビン抗体、抗Aβ抗体、抗Integrin抗体、抗ANGPTL3抗体、抗PSMA抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗LAG3抗体、抗IL-5抗体、抗IL-15抗体、抗IL-4R抗体、抗IL-6R抗体、抗TIGHT抗体、抗Tenascin-C抗体、抗SLC44A4抗体、抗PCSK9抗体、抗EpCAM抗体、抗CTGF抗体、抗TSLP抗体、抗CEA抗体、抗Mesothelin抗体及び抗FcRn抗体から選ばれ、
好ましくは、前記抗体は、Trastuzumab、Pertuzumab、Nimotuzumab、Enoblituzumab、Emibetuzumab、Inotuzumab、Pinatuzumab、Brentuximab、Gemtuzumab、Bivatuzumab、Lorvotuzumab、cBR96、Glematumamab、抗Claudin18.2抗体及び抗FcRn抗体から選ばれ、そのうち、前記抗Claudin18.2抗体は、重鎖が配列番号49のアミノ酸配列を含み、軽鎖が配列番号47のアミノ酸配列を含み、前記抗FcRn抗体は、重鎖が配列番号167のアミノ酸配列を含み、軽鎖が配列番号168のアミノ酸配列を含む、
請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
配列番号55又は配列番号56のアミノ酸配列を含むシグナルペプチドを含む、ポリペプチド。
【請求項7】
前記ポリペプチドは、前記シグナルペプチドと効果的に連結するヘテロポリペプチドを更に含み、
好ましくは、前記ヘテロポリペプチドは抗体の重鎖又は抗体の軽鎖であり、
より好ましくは、前記シグナルペプチドは、抗体の重鎖又は抗体の軽鎖のN末端と効果的に連結する、
請求項6に記載のポリペプチド。
【請求項8】
前記シグナルペプチドは配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号99、配列番号100、配列番号101、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号140、配列番号141、配列番号142、配列番号146、配列番号147又は配列番号148のアミノ酸配列を含み、
好ましくは、前記シグナルペプチドは、配列番号57又は配列番号105のアミノ酸配列を含む、
請求項6又は7に記載のポリペプチド。
【請求項9】
前記ポリペプチドは、配列番号157、配列番号158、配列番号159、配列番号160、配列番号163、配列番号164、配列番号165、配列番号166、配列番号171及び配列番号172からなる群から選ばれるアミノ酸配列を含む、請求項6~8の何れか一項に記載のポリペプチド。
【請求項10】
請求項6~9の何れか一項に記載のポリペプチドをコードする、核酸分子。
【請求項11】
請求項10に記載の核酸分子を含む、宿主細胞。
【請求項12】
前記宿主細胞は真核宿主細胞であり、好ましくは、前記真核宿主細胞はCHO細胞又は酵母である、請求項11に記載の宿主細胞。
【請求項13】
重鎖が配列番号49のアミノ酸配列を含み、軽鎖が配列番号47のアミノ酸配列を含む抗Claudin18.2抗体を含む組成物であって、当該組成物中の抗Claudin18.2抗体は末端異質性を有し、且つ前記抗Claudin18.2抗体の重鎖及び/又は軽鎖は3%未満の末端伸び率を有し、
好ましくは、前記抗Claudin18.2抗体の重鎖は1%未満の末端伸び率を有する、
組成物。
【請求項14】
重鎖が配列番号167のアミノ酸配列を含み、軽鎖が配列番号168のアミノ酸配列を含む抗FcRn抗体を含む組成物であって、当該組成物中の抗FcRn抗体は末端異質性を有し、且つ前記抗FcRn抗体の重鎖及び/又は軽鎖は3%未満の末端伸び率を有し、
好ましくは、前記抗FcRn抗体の重鎖は1%未満の末端伸び率を有する、
組成物。
【請求項15】
請求項1~3の何れか一項に記載の方法により調製されて得られた、請求項13又は14に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、分子生物学とタンパク質工学分野に関し、具体的には、ヘテロポリペプチドの末端異質性を低減する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ここでの記載は、必ずしも従来技術を構成するものではなく、本開示に関連する背景情報のみを提供している。
【0003】
シグナルペプチドは、新たに合成されたタンパク質の分泌経路への移転を誘導する短いペプチド鎖である。シグナルペプチドは、分泌タンパク質のN末端にある。一般的に15個~30個のアミノ酸からなる。通常、3つの領域、即ち、塩基性アミノ末端と呼ばれる正電付きのN末端と、中性アミノ酸を主にして、1本のαヘリックス構造を形成することができ、シグナルペプチドの主要機能領域である中間疎水性配列と、低分子アミノ酸を含み、シグナル配列切断部位であり、加工領域とも呼ばれる負電荷付きの長いC末端とを含む。シグナルペプチド配列が合成された後、シグナル認識粒子(SRP)に認識され、タンパク質の合成が中止又は減速され、シグナル認識粒子によりリボソームが小胞体に持ち込まれ、タンパク質の合成が改めて開始する。シグナルペプチドの誘導下で、新たに合成されたタンパク質は小胞体内腔に入り込むが、シグナルペプチド配列はシグナルペプチダーゼの作用下で切除される。
【0004】
通常、シグナルペプチドの高効率な切断により、抗体の軽・重鎖のポリペプチドが何れも正確に切断されることを確保することができ、これは、哺乳動物細胞により仲介される抗体発現に非常に重要である。しかし、シグナルペプチドの切断中に、切断部位は変化することで、組換え抗体の軽・重アミノ酸鎖の延長又は截断を引き起こす可能性がある。截断又は延長された抗体は、その構造の変化によってその親和性が変わることで、抗体の活性に影響を及ぼすので、抗体の産生中にアミノ酸鎖の延長又は截断の発生を回避しなければならない。更に、一部の生成物の截断又は延長によって、産生中にそれぞれのロットの製品に差異が発生され、追加の品質検査が必要となり、また、プロセスでは、このような問題の解決が困難である。従って、N末端同質性を有する軽・重鎖抗体の産生は、現在、産業界における普遍的な共通認識である。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、ヘテロポリペプチドの末端異質性を低減するためのシグナルペプチド及びその用途に関する。
【0006】
本開示は、抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖のN末端異質性を低減する方法を提供し、それは、
(1)抗体の重鎖及び当該重鎖のN末端と効果的に連結する、配列番号55又は配列番号56のアミノ酸配列を含む第1のシグナルペプチドをコードする第1のポリヌクレオチド、及び/又は
(2)抗体の軽鎖及び当該軽鎖のN末端と効果的に連結する、配列番号55又は配列番号56のアミノ酸配列を含む第2のシグナルペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドを含む宿主細胞の培養と、
上記抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖の発現と、
を含み、
そのうち、配列番号55はMEWSWVFLFFLSLTGXHXで示され、そのうち、XはV、A、S、T、G、C、L又はIであり、XはA、G、S、C、T又はQであり、
配列番号56はMSVPTQVLGLLLLWLTDXRXで示され、そのうち、XはV、A、S、T、G、C、L又はIであり、XはA、G、S、C、T又はQであり、且つXがAから選ばれる時に、XはCではない。
【0007】
幾つかの実施形態では、上記のような抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖のN末端異質性を低減する方法において、発現して得られた上記抗体の重鎖は、3%、2.5%、2%、1.5%又は1%未満の末端伸び率を有し、及び/又は抗体の軽鎖は、3%、2.5%、2%、1.5%又は1%未満の末端伸び率を有し、幾つかの実施形態では、発現して得られた上記抗体の重鎖は1%未満の末端伸び率を有し、及び/又は抗体の軽鎖は1%未満の末端伸び率を有する。幾つかの実施形態では、当該末端伸び率は、ペプチドマッピング検出法により測定されて算出される。幾つかの実施形態では、発現して得られた上記抗体重鎖は末端残基が基本的に残っておらず、及び/又は抗体の軽鎖は末端残基が基本的に残っておらず、幾つかの実施形態では、発現して得られた上記抗体の重鎖は0%の末端伸び率を有し、及び/又は抗体の軽鎖は0%の末端伸び率を有する。
【0008】
幾つかの実施形態では、上記のような抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖のN末端異質性を低減する方法において、上記第1のシグナルペプチド又は第2のシグナルペプチドは、それぞれ独立的に、
配列番号57:MEWSWVFLFFLSLTGVHA;
配列番号58:MEWSWVFLFFLSLTGVHG;
配列番号59:MEWSWVFLFFLSLTGVHS;
配列番号60:MEWSWVFLFFLSLTGVHC;
配列番号61:MEWSWVFLFFLSLTGVHT;
配列番号62:MEWSWVFLFFLSLTGVHQ;
配列番号63:MEWSWVFLFFLSLTGAHA;
配列番号64:MEWSWVFLFFLSLTGAHG;
配列番号65:MEWSWVFLFFLSLTGAHS;
配列番号66:MEWSWVFLFFLSLTGAHC;
配列番号67:MEWSWVFLFFLSLTGAHT;
配列番号68:MEWSWVFLFFLSLTGAHQ;
配列番号69:MEWSWVFLFFLSLTGSHA;
配列番号70:MEWSWVFLFFLSLTGSHG;
配列番号71:MEWSWVFLFFLSLTGSHS;
配列番号72:MEWSWVFLFFLSLTGSHC;
配列番号73:MEWSWVFLFFLSLTGSHT;
配列番号74:MEWSWVFLFFLSLTGSHQ;
配列番号75:MEWSWVFLFFLSLTGTHA;
配列番号76:MEWSWVFLFFLSLTGTHG;
配列番号77:MEWSWVFLFFLSLTGTHS;
配列番号78:MEWSWVFLFFLSLTGTHC;
配列番号79:MEWSWVFLFFLSLTGTHT;
配列番号80:MEWSWVFLFFLSLTGTHQ;
配列番号81:MEWSWVFLFFLSLTGGHA;
配列番号82:MEWSWVFLFFLSLTGGHG;
配列番号83:MEWSWVFLFFLSLTGGHS;
配列番号84:MEWSWVFLFFLSLTGGHC;
配列番号85:MEWSWVFLFFLSLTGGHT;
配列番号86:MEWSWVFLFFLSLTGGHQ;
配列番号87:MEWSWVFLFFLSLTGCHA;
配列番号88:MEWSWVFLFFLSLTGCHG;
配列番号89:MEWSWVFLFFLSLTGCHS;
配列番号90:MEWSWVFLFFLSLTGCHC;
配列番号91:MEWSWVFLFFLSLTGCHT;
配列番号92:MEWSWVFLFFLSLTGCHQ;
配列番号93:MEWSWVFLFFLSLTGLHA;
配列番号94:MEWSWVFLFFLSLTGLHG;
配列番号95:MEWSWVFLFFLSLTGLHS;
配列番号96:MEWSWVFLFFLSLTGLHC;
配列番号97:MEWSWVFLFFLSLTGLHT;
配列番号98:MEWSWVFLFFLSLTGLHQ;
配列番号99:MEWSWVFLFFLSLTGIHA;
配列番号100:MEWSWVFLFFLSLTGIHG;
配列番号101:MEWSWVFLFFLSLTGIHS;
配列番号102:MEWSWVFLFFLSLTGIHC;
配列番号103:MEWSWVFLFFLSLTGIHT;
配列番号104:MEWSWVFLFFLSLTGIHQ;
配列番号105:MSVPTQVLGLLLLWLTDVRA;
配列番号106:MSVPTQVLGLLLLWLTDVRG;
配列番号107:MSVPTQVLGLLLLWLTDVRS;
配列番号108:MSVPTQVLGLLLLWLTDVRC;
配列番号109:MSVPTQVLGLLLLWLTDVRT;
配列番号110:MSVPTQVLGLLLLWLTDVRQ;
配列番号111:MSVPTQVLGLLLLWLTDARA;
配列番号112:MSVPTQVLGLLLLWLTDARG;
配列番号113:MSVPTQVLGLLLLWLTDARS;
配列番号114:MSVPTQVLGLLLLWLTDART;
配列番号115:MSVPTQVLGLLLLWLTDARQ;
配列番号116:MSVPTQVLGLLLLWLTDSRA;
配列番号117:MSVPTQVLGLLLLWLTDSRG;
配列番号118:MSVPTQVLGLLLLWLTDSRS;
配列番号119:MSVPTQVLGLLLLWLTDSRC;
配列番号120:MSVPTQVLGLLLLWLTDSRT;
配列番号121:MSVPTQVLGLLLLWLTDSRQ;
配列番号122:MSVPTQVLGLLLLWLTDTRA;
配列番号123:MSVPTQVLGLLLLWLTDTRG;
配列番号124:MSVPTQVLGLLLLWLTDTRS;
配列番号125:MSVPTQVLGLLLLWLTDTRC;
配列番号126:MSVPTQVLGLLLLWLTDTRT;
配列番号127:MSVPTQVLGLLLLWLTDTRQ;
配列番号128:MSVPTQVLGLLLLWLTDGRA;
配列番号129:MSVPTQVLGLLLLWLTDGRG;
配列番号130:MSVPTQVLGLLLLWLTDGRS;
配列番号131:MSVPTQVLGLLLLWLTDGRC;
配列番号132:MSVPTQVLGLLLLWLTDGRT;
配列番号133:MSVPTQVLGLLLLWLTDGRQ;
配列番号134:MSVPTQVLGLLLLWLTDCRA;
配列番号135:MSVPTQVLGLLLLWLTDCRG;
配列番号136:MSVPTQVLGLLLLWLTDCRS;
配列番号137:MSVPTQVLGLLLLWLTDCRC;
配列番号138:MSVPTQVLGLLLLWLTDCRT;
配列番号139:MSVPTQVLGLLLLWLTDCRQ;
配列番号140:MSVPTQVLGLLLLWLTDLRA;
配列番号141:MSVPTQVLGLLLLWLTDLRG;
配列番号142:MSVPTQVLGLLLLWLTDLRS;
配列番号143:MSVPTQVLGLLLLWLTDLRC;
配列番号144:MSVPTQVLGLLLLWLTDLRT;
配列番号145:MSVPTQVLGLLLLWLTDLRQ;
配列番号146:MSVPTQVLGLLLLWLTDIRA;
配列番号147:MSVPTQVLGLLLLWLTDIRG;
配列番号148:MSVPTQVLGLLLLWLTDIRS;
配列番号149:MSVPTQVLGLLLLWLTDIRC;
配列番号150:MSVPTQVLGLLLLWLTDIRT、及び
配列番号151:MSVPTQVLGLLLLWLTDIRQ
から選ばれるペプチドを含む。
【0009】
幾つかの実施形態では、上記のような抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖のN末端異質性を低減する方法において、上記第1のシグナルペプチド又は第2のシグナルペプチドは、それぞれ独立的に配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号99、配列番号100、配列番号101、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号140、配列番号141、配列番号142、配列番号146、配列番号147又は配列番号148のアミノ酸配列を含む。
【0010】
幾つかの実施形態では、上記のような抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖のN末端異質性を低減する方法において、第1のシグナルペプチドは配列番号57又は配列番号105のアミノ酸配列を含み、及び/又は第2のシグナルペプチドは配列番号57又は配列番号105のアミノ酸配列を含む。
【0011】
幾つかの実施形態では、上記のような抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖のN末端異質性を低減する方法において、第1のシグナルペプチドは配列番号57のアミノ酸配列を含み、及び/又は第2のシグナルペプチドは配列番号57のアミノ酸配列を含む。
【0012】
幾つかの実施形態では、上記のような抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖のN末端異質性を低減する方法において、第1のシグナルペプチドは配列番号57のアミノ酸配列を含み、及び/又は第2のシグナルペプチドは配列番号105のアミノ酸配列を含む。
【0013】
幾つかの実施形態では、上記のような抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖のN末端異質性を低減する方法において、第1のシグナルペプチドは配列番号105のアミノ酸配列を含み、及び/又は第2のシグナルペプチドは配列番号57のアミノ酸配列を含む。
【0014】
幾つかの実施形態では、上記のような抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖のN末端異質性を低減する方法において、第1のシグナルペプチドは配列番号105のアミノ酸配列を含み、及び/又は第2のシグナルペプチドは配列番号105のアミノ酸配列を含む。
【0015】
幾つかの実施形態では、上記のような抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖のN末端異質性を低減する方法において、上記第1のポリヌクレオチド又は第2のポリヌクレオチドは、それぞれ独立的にポリペプチドをコードし、上記ポリペプチドは配列番号157、配列番号158、配列番号159、配列番号160、配列番号163、配列番号164、配列番号165、配列番号166、配列番号171と配列番号172から選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0016】
幾つかの実施形態では、上記のような抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖のN末端異質性を低減する方法において、上記宿主細胞は真核宿主細胞であり、幾つかの実施形態では、上記真核宿主細胞はCHO細胞又は酵母である。
【0017】
幾つかの実施形態では、上記のような抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖のN末端異質性を低減する方法において、上記抗体は、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、親和性成熟抗体又は多重特異性抗体である。
【0018】
幾つかの実施形態では、上記のような抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖のN末端異質性を低減する方法において、上記抗体は抗TLR7抗体、抗HER2(ErbB2)抗体、抗Claudin18.2抗体、抗EGFR抗体、抗B7H3抗体、抗c-Met抗体、抗HER3(ErbB3)抗体、抗HER4(ErbB4)抗体、抗CD3抗体、抗CD20抗体、抗CD22抗体、抗CD30抗体、抗CD33抗体、抗CD38抗体、抗CD44抗体、抗CD47抗体、抗CD56抗体、抗CD70抗体、抗CD73抗体、抗CD105抗体、抗CEA抗体、抗A33抗体、抗Cripto抗体、抗SOST抗体、抗EphA2抗体、抗G250抗体、抗MUCl抗体、抗Lewis Y抗体、抗VEGFR抗体、抗GPNMB抗体、抗トロンビン抗体、抗Aβ抗体、抗Integrin抗体、抗ANGPTL3抗体、抗PSMA抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗LAG3抗体、抗IL-5抗体、抗IL-15抗体、抗IL-4R抗体、抗IL-6R抗体、抗TIGHT抗体、抗Tenascin-C抗体、抗SLC44A4抗体、抗PCSK9抗体、抗EpCAM抗体、抗CTGF抗体、抗TSLP抗体、抗CEA抗体、抗Mesothelin抗体と抗FcRn抗体から選ばれる。
【0019】
幾つかの実施形態では、上記のような抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖のN末端異質性を低減する方法において、上記抗体はTrastuzumab、Pertuzumab、Nimotuzumab、Enoblituzumab、Emibetuzumab、Inotuzumab、Pinatuzumab、Brentuximab、Gemtuzumab、Bivatuzumab、Lorvotuzumab、cBR96、Glematumamab、抗Claudin18.2抗体と抗FcRn抗体から選ばれ、そのうち、上記抗Claudin18.2抗体は、重鎖が配列番号49のアミノ酸配列を含み、軽鎖が配列番号47のアミノ酸配列を含み、上記抗FcRn抗体は、重鎖が配列番号167のアミノ酸配列を含み、軽鎖が配列番号168のアミノ酸配列を含む。
【0020】
幾つかの実施形態では、上記のような抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖のN末端異質性を低減する方法であって、上記方法は、軽鎖プラスミドを重鎖プラスミドにクローニングして全長抗体プラスミドを構築することを含む。幾つかの実施形態では、上記方法は、エレクトロポレーションによりプラスミドを宿主細胞に導入する。
【0021】
本開示は、配列番号55又は配列番号56のアミノ酸配列を含み、或いはそれらで構成されるシグナルペプチドを更に提供する。幾つかの実施形態では、上記ポリペプチドはシグナルペプチドであり、そのアミノ酸配列は配列番号55から配列番号151の何れか1つで示される。
【0022】
配列番号55又は配列番号56のアミノ酸配列を含むシグナルペプチドを含むポリペプチドである。
【0023】
幾つかの実施形態では、上記のようなポリペプチドにおいて、上記ポリペプチドは、上記シグナルペプチドと効果的に連結するヘテロポリペプチドを更に含み、幾つかの実施形態では、上記ヘテロポリペプチドは抗体の重鎖又は抗体の軽鎖であり、幾つかの実施形態では、上記シグナルペプチドは、抗体の重鎖又は抗体の軽鎖のN末端と効果的に連結する。
【0024】
幾つかの実施形態では、上記のようなポリペプチドにおいて、上記シグナルペプチドは、配列番号57から配列番号151からなる群から選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0025】
幾つかの実施形態では、上記のようなポリペプチドにおいて、上記シグナルペプチドは、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号99、配列番号100、配列番号101、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号140、配列番号141、配列番号142、配列番号146、配列番号147又は配列番号148のアミノ酸配列を含む。
【0026】
幾つかの実施形態では、上記のようなポリペプチドにおいて、上記シグナルペプチドは、配列番号57と配列番号105で示されるアミノ酸配列から選ばれるものを含む。
【0027】
幾つかの実施形態では、上記のようなポリペプチドにおいて、ポリペプチドは、配列番号157、配列番号158、配列番号159、配列番号160、配列番号163、配列番号164、配列番号165、配列番号166、配列番号169、配列番号170、配列番号171と配列番号172からなる群から選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0028】
本開示は、上記の何れか一項に記載のポリペプチドをコードする核酸分子を更に提供する。
【0029】
本開示は、上記のような核酸分子を含む宿主細胞を更に提供する。
【0030】
幾つかの実施形態では、上記のような宿主細胞において、上記宿主細胞は真核宿主細胞であり、幾つかの実施形態では、上記真核宿主細胞はCHO細胞又は酵母である。
【0031】
本開示は、3%、2.5%、2%、1.5%又は1%未満の末端伸び率を有するヘテロポリペプチドを含む組成物を更に提供し、幾つかの実施形態では、発現して得られた上記ヘテロポリペプチドは1%未満の末端伸び率を有し、幾つかの実施形態では、発現して得られた上記ヘテロポリペプチドは1%未満の末端伸び率を有し、且つ当該末端伸び率は、ペプチドマッピング検出法により測定されて算出され、幾つかの実施形態では、発現して得られた上記ヘテロポリペプチドは、末端残基が基本的に残っておらず、幾つかの実施形態では、発現して得られた上記ヘテロポリペプチドは0%の末端伸び率を有する。
【0032】
幾つかの実施形態では、上記のような組成物において、上記ヘテロポリペプチドは抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖であり、幾つかの実施形態では、上記抗体は、Trastuzumab、Pertuzumab、抗Claudin18.2抗体と抗FcRn抗体から選ばれ、そのうち、上記抗Claudin18.2抗体は、重鎖が配列番号49のアミノ酸配列を含み、軽鎖が配列番号47のアミノ酸配列を含む。
【0033】
幾つかの実施形態では、上記抗体は抗FcRn抗体から選ばれ、そのうち、上記抗FcRn抗体は、重鎖が配列番号167のアミノ酸配列を含み、軽鎖が配列番号168のアミノ酸配列を含む。
【0034】
幾つかの実施形態では、上記のような抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖のN末端異質性を低減する方法において、発現して得られた上記抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖は、3%、2.5%、2%、1.5%又は1%未満の末端伸び率を有し、幾つかの実施形態では、発現して得られた上記抗体重鎖及び/又は抗体の軽鎖は1%未満の末端伸び率を有し、幾つかの実施形態では、発現して得られた上記抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖は1%未満の末端伸び率を有し、且つ当該末端伸び率はペプチドマッピング検出法により測定されて算出され、幾つかの実施形態では、発現して得られた上記抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖は、末端残基が基本的に残っておらず、幾つかの実施形態では、発現して得られた上記抗体の重鎖及び/又は抗体の軽鎖は、0%の末端伸び率を有する。
【0035】
幾つかの実施形態では、上記のような組成物は、上記の何れか一項に記載の方法により調製されて得られる。
【0036】
本開示により提供されるシグナルペプチドは、ヘテロポリペプチドの末端異質性を安定して低減する効果を有し、ヘテロポリペプチドの大規模発現に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】細胞レベルにおいて、ヒト化抗体のヒトClaudin18.2との結合のFACS検出結果である。
図2】ヒト化抗体のNUGC4細胞エンドサイトーシス実験である。
図3A】異なるClaudin18.2発現程度のNUGC4細胞における、抗体のADCC効果検出であり、図3Aは、抗体の野生型NUGC4細胞(Claudin18.2低発現)におけるADCC効果検出であり、図3Bは、抗体のClaudin18.2中等度発現NUGC4細胞におけるADCC効果検出であり、図3Cは、抗体のClaudin18.2高発現NUGC4細胞におけるADCC効果検出である。
図3B】異なるClaudin18.2発現程度のNUGC4細胞における、抗体のADCC効果検出であり、図3Aは、抗体の野生型NUGC4細胞(Claudin18.2低発現)におけるADCC効果検出であり、図3Bは、抗体のClaudin18.2中等度発現NUGC4細胞におけるADCC効果検出であり、図3Cは、抗体のClaudin18.2高発現NUGC4細胞におけるADCC効果検出である。
図3C】異なるClaudin18.2発現程度のNUGC4細胞における、抗体のADCC効果検出であり、図3Aは、抗体の野生型NUGC4細胞(Claudin18.2低発現)におけるADCC効果検出であり、図3Bは、抗体のClaudin18.2中等度発現NUGC4細胞におけるADCC効果検出であり、図3Cは、抗体のClaudin18.2高発現NUGC4細胞におけるADCC効果検出である。
図4A図4AはPertuzumab-1抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図4BはPertuzumab-3抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図4CはPertuzumab-1抗体重鎖鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図4DはPertuzumab-3抗体重鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図である。
図4B図4AはPertuzumab-1抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図4BはPertuzumab-3抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図4CはPertuzumab-1抗体重鎖鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図4DはPertuzumab-3抗体重鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図である。
図4C図4AはPertuzumab-1抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図4BはPertuzumab-3抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図4CはPertuzumab-1抗体重鎖鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図4DはPertuzumab-3抗体重鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図である。
図4D図4AはPertuzumab-1抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図4BはPertuzumab-3抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図4CはPertuzumab-1抗体重鎖鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図4DはPertuzumab-3抗体重鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図である。
図5A図5AはPertuzumab-2抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図5BはPertuzumab-4抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図5CはPertuzumab-2抗体重鎖鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図5DはPertuzumab-4抗体重鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図である。
図5B図5AはPertuzumab-2抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図5BはPertuzumab-4抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図5CはPertuzumab-2抗体重鎖鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図5DはPertuzumab-4抗体重鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図である。
図5C図5AはPertuzumab-2抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図5BはPertuzumab-4抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図5CはPertuzumab-2抗体重鎖鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図5DはPertuzumab-4抗体重鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図である。
図5D図5AはPertuzumab-2抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図5BはPertuzumab-4抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図5CはPertuzumab-2抗体重鎖鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図5DはPertuzumab-4抗体重鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図である。
図6A図6Aはh1902-5-1抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図6Bはh1902-5-2抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図6Cはh1902-5-1抗体重鎖鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図6Dはh1902-5-2抗体重鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図である。
図6B図6Aはh1902-5-1抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図6Bはh1902-5-2抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図6Cはh1902-5-1抗体重鎖鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図6Dはh1902-5-2抗体重鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図である。
図6C図6Aはh1902-5-1抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図6Bはh1902-5-2抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図6Cはh1902-5-1抗体重鎖鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図6Dはh1902-5-2抗体重鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図である。
図6D図6Aはh1902-5-1抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図6Bはh1902-5-2抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図6Cはh1902-5-1抗体重鎖鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図6Dはh1902-5-2抗体重鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図である。
図7A図7AはFcRn-1抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図7BはFcRn-2抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図7CはFcRn-1抗体重鎖鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図7DはFcRn-2抗体重鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図である。
図7B図7AはFcRn-1抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図7BはFcRn-2抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図7CはFcRn-1抗体重鎖鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図7DはFcRn-2抗体重鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図である。
図7C図7AはFcRn-1抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図7BはFcRn-2抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図7CはFcRn-1抗体重鎖鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図7DはFcRn-2抗体重鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図である。
図7D図7AはFcRn-1抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図7BはFcRn-2抗体軽鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図7CはFcRn-1抗体重鎖鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図であり、図7DはFcRn-2抗体重鎖の脱グリコシル化還元分子量マススペクトル図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
発明の詳細
用語
本開示が更に容易に理解されるように、以下、幾つかの技術・科学用語を具体的に定義する。本明細書で別途明示的に定義されていない限り、本明細書に使用される他の技術・科学用語の全ては、当業者に通常理解されている意味を持っている。
【0039】
本開示に用いられるアミノ酸の3文字コードと1文字コードは、J.biol.chem、243、p3558(1968)に記載された通りである。
【0040】
本開示に記載される「抗体」は、本明細書において最も広い意味で使用されており、且つ異なる抗体構造を含み、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)と抗体断片を含むが、これらに限定されず、それらが所望の抗原結合活性と特異性を示せばよい。
【0041】
「抗体断片」という用語は、完全抗体とは異なる分子を指し、完全抗体と特異的に結合する抗原と特異的に結合する、完全抗体の一部を含む。抗体断片の実例は、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)、二重抗体、線形抗体、単鎖抗体分子(例えば、scFvやscFab)、単一ドメイン抗体(dAbs)、及び抗体断片から形成される多重特異性抗体を含むが、これらに限定されない。
【0042】
本開示に記載される「キメラ抗体(chimeric antibody)」は、マウス抗体の可変領域をヒト抗体の定常領域と融合してなる抗体であり、マウス抗体により誘発される免疫応答反応を低減することができる。
【0043】
本開示に記載される「ヒト化抗体(humanized antibody)」は、CDR移植抗体(CDR-grafted antibody)とも呼ばれ、マウスのCDR配列をヒトの抗体可変領域フレームワーク、即ち、異なる種類のヒト生殖細胞系の抗体フレームワーク配列に移植して産生された抗体を指す。キメラ抗体が大量のマウスタンパク質成分を持つことにより誘導された異種反応性を克服することができる。免疫原性の低下と共に引き起こされる活性の低下を回避するために、上記ヒト抗体可変領域フレームワーク配列に対して最も少ない逆変異又は復帰変異を行うことにより、活性を保ったり、向上させたりすることができる。本開示のヒト化抗体は、更に酵母菌で提示される、CDRに対して親和性成熟変異を行ったヒト化抗体も含む。
【0044】
本開示における「ヒト抗体(HuMAb)」、「ヒト抗体」、「全ヒト抗体」、「完全ヒト抗体」は、互いに交換して使用されてもよく、そのアミノ酸配列は、ヒト又はヒト細胞から産生された抗体のアミノ酸配列に対応し、又は、ヒト抗体ライブラリーや他のヒト抗体で配列がコードされた非ヒト由来のアミノ酸配列から誘導される。当該ヒト抗体についての定義には、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体が明確に除外されている。
【0045】
本開示に記載される「抗体断片」は、完全抗体とは異なる分子を指し、完全抗体と特異的に結合する抗原と特異的に結合する、完全抗体の一部を含む。抗体断片の実例は、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)、二重抗体、線形抗体、単鎖抗体分子(例えば、scFvやscFab)、単一ドメイン抗体(dAbs)、及び抗体断片から形成される多重特異性抗体を含むが、これらに限定されない。本開示に係る「抗体」は、「完全抗体」及びその「結合断片」を含む。それに応じて、本開示に記載される抗体の重鎖又は抗体の軽鎖は、完全な重鎖又は完全な軽鎖を含み、抗体断片中の重鎖断片又は軽鎖断片も含む。
【0046】
「フレームワーク」又は「FR」という用語は、相補性決定領域(CDR)残基を除く可変領域残基を指す。可変領域のFRは、一般的にFR1、FR2、FR3及びFR4という4つのFR領域から構成される。従って、CDR及びFR配列は、一般的に以下の順にVH(又はVL)に現れる:
FR1-HCDR1(LCDR1)-FR2-HCDR2(LCDR2)-FR3-HCDR3(LCDR3)-FR4。
【0047】
「相補性決定領域」、「CDR」又は「超可変領域」という用語は、抗体の可変ドメインにおいて抗原結合を促進する主な6つの超可変領域の1つを指す。通常、それぞれの重鎖可変領域には3つのCDR(HCDR1、HCDR2、HCDR3)があり、それぞれの軽鎖可変領域には3つのCDR(LCDR1、LCDR2、LCDR3)がある。「Kabat」番号付け規則(Kabat et al.(1991)、「Sequences of Proteins of Immunological Interest」、5th edition、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MDを参照)、「Chothia」番号付け規則(Al-Lazikani et al.、(1997)JMB 273:927-948を参照)及びImMunoGenTics(IMGT)番号付け規則(Lefranc M.P.、Immunologist、7、132-136(1999);Lefranc、M.P. et al.、Dev. Comp. Immunol.、27、55-77(2003)を参照)などを含む種々の公知方法の何れか1つによって、CDRのアミノ酸配列境界を決定することができる。例えば、典型的な書式では、Kabat規則によれば、上記重鎖可変領域(VH)におけるCDRアミノ酸残基の番号は31~35(HCDR1)、50~65(HCDR2)及び95~102(HCDR3)で、軽鎖可変領域(VL)におけるCDRアミノ酸残基の番号は24~34(LCDR1)、50~56(LCDR2)及び89~97(LCDR3)である。Chothia規則によれば、VHにおけるCDRアミノ酸の番号は26~32(HCDR1)、52~56(HCDR2)及び95~102(HCDR3)で、VLにおけるアミノ酸残基の番号は26~32(LCDR1)、50~52(LCDR2)及び91~96(LCDR3)である。KabatとChothiaの両方を組み合わせたCDR定義によって、CDRは、ヒトVHにおけるアミノ酸残基である26~35(HCDR1)、50~65(HCDR2)と95~102(HCDR3)及びヒトVLにおけるアミノ酸残基である24~34(LCDR1)、50~56(LCDR2)と89~97(LCDR3)から構成される。IMGT規則によれば、VHにおけるCDRアミノ酸残基の番号は大体、26~35(CDR1)、51~57(CDR2)及び93~102(CDR3)で、VLにおけるCDRアミノ酸残基の番号は大体、27~32(CDR1)、50~52(CDR2)及び89~97(CDR3)である。IMGT規則によれば、抗体のCDR領域は、プログラムIMGT/DomainGap Alignによって決定することができる。特に説明のない限り、本開示の実施例に係る抗体可変領域及びCDR配列は何れも、「Kabat」番号付け規則に適用する。
【0048】
「特異的結合」、「選択的結合」、「選択的に結合」及び「特異的に結合」という用語は、予め決定された抗原上のエピトープへの抗体の結合を指す。通常、抗体は、約10-8 M未満、例えば、約10-9 M、10-10 M、10-11 M、10-12 M未満又はそれ以下の親和性(KD)で結合される。
【0049】
「KD」という用語は、特定の抗体-抗原が互いに作用する解離平衡定数を指す。通常、本開示の抗体は、約10-7 M未満、例えば、約10-8 M又は10-9 M未満の解離平衡定数(KD)で抗原に結合し、例えば、本開示において、抗体の細胞表面抗原との親和性は、FACS法によりKD値が測定される。
【0050】
本開示における互いに交換して使用可能な「ポリヌクレオチド」又は「核酸分子」は、任意の長さのヌクレオチドポリマーを指し、且つDNAとRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾されたヌクレオチド又は塩基、及び/又はその類似体であってもよく、或いはDNA又はRNAポリメラーゼによって、又は合成反応によってポリマーに組み込める任意の基質であってもよい。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びその類似体などの修飾されたヌクレオチドを含んでもよい。存在する場合、ヌクレオチド構造に対する修飾は、ポリマーへの組み込みの前後に行うことができる。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分で中断することができる。
本開示に記載される「効果的に連結」は2種又は複数種の成分の並列を指し、そのうち、上記成分は、その所望の方式で機能することが許容される関係にある。例えば、プロモーターのシス作用によって連結した配列の転写を制御又は調節する場合、それは、コード配列と効果的に連結する。必ずしもそうではないが、通常、「効果的に連結する」DNA配列は隣接のものであり、且つ2つのタンパク質コード領域を連結する必要がある時、又は分泌リーダー配列の場合には、隣接すると共にオープンリーディングフレームに当てはまるものである。しかし、効果的に連結するプロモーターは、通常、コード配列の上流にあるが、必ずしもそれに隣接するわけではない。効果的に連結するエンハンサーは、コード配列の上流、コード配列内又はコード配列の下流にあり、且つプロモーターからかなり離れていてもよい。本分野で知られている組換え方法により連結が実現され、例えば、PCR方法を利用し、アニールにより、又は便利な制限部位で連結する。便利な制限部位がないと、通常の実施のように、合成したオリゴヌクレオチドアダプター又はリンカーを利用する。本開示において、シグナルペプチドとヘテロポリペプチドの連結方式の一つは、直接的連結である。
【0051】
本開示に記載される「宿主細胞」は、遺伝的変化が行われた、又は外因性ポリヌクレオチド(例えば、組換えプラスミド又はベクター)を導入することで遺伝的変化を行うことができる細胞を指す。このような用語は、具体的な個々の細胞だけでなく、その細胞の子孫も指すことを意図すると理解すべきである。連続的な世代において突然変異又は環境影響による幾つかの修飾を発生する可能性があるため、このような子孫は実質的に親細胞と異なり得るが、依然として本開示に使用される「宿主細胞」という用語の範囲内に含まれる。宿主細胞は微生物(例えば、真核微生物)又は動物細胞であってもよく、好適な微生物は出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)とピキア酵母(Pichia pastoris)を含み、好適な動物宿主細胞系はCHO(チャイニーズハムスター卵巣細胞系)、293細胞とNS0細胞を含む。
【0052】
本開示に記載される「ポリペプチド」は、任意の細胞に由来する、約10個以上のアミノ酸を有するペプチドとタンパク質を総括して指す。「ヘテロ」ポリペプチドは、利用される宿主細胞にとってそれらの外来ポリペプチドであり、例えば、宿主細胞により産生されたヒトタンパク質である。ヘテロポリペプチドは、原核又は真核のものであってもよく、例えば、哺乳動物又はヒトのものである。ヘテロポリペプチドは、組換えて産生されたポリペプチド又は組換えポリペプチドであってもよい。
【0053】
例示的なヘテロポリペプチドは、膜貫通分子(例えば、受容体型チロシンキナーゼなどの受容体)又は成長因子などのリガンドを含む。示例性ヘテロポリペプチドは、例えば、以下の分子を含む:レニン、ヒト成長ホルモンとウシ成長ホルモンを含む成長ホルモン、成長ホルモン放出因子、副甲状腺ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、リポタンパク質、α1-抗トリプシン、インスリンA鎖、インスリンB鎖、プロインスリン、卵胞刺激ホルモン、カルシトニン、黄体化ホルモン、グルカゴン様ペプチド、因子VIIIC、因子IX、組織因子(TF)とvon Willebrands因子などの血液凝固因子、タンパク質Cなどの抗血液凝固因子、心房性ナトリウム利尿ペプチド、肺表面活性剤、ウロキナーゼ又はヒト尿又は組織プラスミノゲン活性化因子(t-PA)などのプラスミノゲン活性化物質、ボンベシン、トロンビン、造血成長因子、腫瘍壊死因子-αと-β、ネプリライシン、RANTES(regulated onactivation normally T-cell expressed and secreted)、ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP-1-α)、ヒト血清アルブミンなどの血清アルブミン、Muellerian抑制物質、リラキシンA鎖、リラキシンB鎖、プロリラキシン、マウスゴナドトロピン関連ペプチド、β-ラクタマーゼなどの微生物タンパク質、デオキシリボヌクレアーゼ、IgE、CTLA-4などの細胞傷害性Tリンパ球関連抗原(CTLA)、インヒビン、活性化タンパク質、血管内皮成長因子(VEGF)、ホルモン又は成長因子の受容体、タンパク質A又はD、リウマチ因子、骨由来神経栄養因子(BDNF)、神経栄養タンパク質-3、-4、-5又は-6(NT-3、NT-4、NT-5又はNT-6)、又はNGFβなどの神経成長因子などの神経栄養因子、血小板由来成長因子(PDGF)、aFGFとbFGFなどの線維芽細胞成長因子、上皮成長因子(EGF)、TGF-α及びTGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、TGF-β4やTGF-β5を含むTGF-βなどのトランスフォーミング成長因子(TGF)、インスリン様成長因子-Iと-II(IGF-IとIGF-II)、des(1-3)-IGF-I(脳IGF-I)、インスリン様成長因子結合タンパク質、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20とCD40などのCDタンパク質、エリトロポエチン、骨誘導因子、免疫毒素、骨形成タンパク質(BMP)、インターフェロン-α、-βと-γなどのインターフェロン、M-CSF、GM-CSFとG-CSFなどのコロニー刺激因子(CSF)、IL-1~IL-10などのインターロイキン(IL)、スーパーオキシドジスムターゼ、T-細胞受容体、表面膜タンパク質、分解促進因子、AIDSエンベロープの部分などのウィルス抗原、輸送タンパク質、ホーミング受容体、アドレシン、調節タンパク質、CD11a、CD11b、CD11c、CD18、ICAM、VLA-4とVCAMなどのイテグリン、HER2、HER3やHER4受容体などの腫瘍関連抗原、及び何れかの上記ポリペプチドの断片。
【0054】
ヘテロポリペプチドは抗体であってもよく、例示的に、上記抗体の標的は、A33、BMPI、BMP2、BMP3B(GDFIO)、BMP4、BMP6、BMP8、CSFI(M-CSF)、CSF2(GM-CSF)、CSF3(G-CSF)、EPO、FGFI(aFGF)、FGF2(bFGF)、FGF3(int-2)、FGF4(HST)、FGF5、FGF6(HST-2)、FGF7(KGF)、FGF9、FGF10、FGF11、FGF12、FGF12B、FGF14、FGF16、FGF17、FGF19、FGF20、FGF21、FGF23、IGF1、IGF2、IFNAI、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNBI、IFNG、IFNWI、FELI、FELI(EPSELON)、FELI(ZETA)、IL1A、IL1B、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL8、IL9、IL10、IL11、IL12A、IL12B、IL13、IL14、IL15、IL16、IL17、IL17B、IL18、IL19、IL20、IL22、IL23、IL24、IL25、IL26、IL27、IL28A、IL28B、IL29、IL30、PDGFA、PDGFB、TGFA、TGFB1、TGFB2、TGFB3、LTA(TNF-b)、LTB、TNF(TNF-a)、TNFSF4(OX40リガンド)、TNFSF5(CD40リガンド)、TNFSF6(FasL)、TNFSF7(CD27リガンド)、TNFSF8(CD30リガンド)、TNFSF9(4-1BBリガンド)、TNFSFIO(TRAIL)、TNFSF1I(TRANCE)、TNFSF12(AP03L)、TNFSF13(April)、TNFSF13B、TNFSF14(HVEM-L)、TNFSF15(VEGI)、TNFSF18、HGF(VEGFD)、VEGF、VEGFB、VEGFC、ILIR1、IL1R2、IL1RL1、IL1RL2、IL2RA、IL2RB、IL2RG、IL3RA、IL4R、IL5RA、IL6R、IL7R、IL8RA、IL8RB、IL9R、ILIORA、ILIORB、IL11RA、IL12RB1、IL12RB2、IL13RA1、IL13RA2、IL15RA、IL17R、IL18R1、IL20RA、IL21R、IL22R、IL1HY1、IL1RAP、IL1RAPL1、IL1RAPL2、IL1RN、IL6ST、IL18BP、IL18RAP、IL22RA2、AIFI、HGF、LEP(レプチン)、PTN、THPO、CCLI(I-309)、CCL2(MCP-1/MCAF)、CCL3(MIP-la)、CCL4(MIP-lb)、CCL5(RANTES)、CCL7(MCP-3)、CCL8(mcp-2)、CCLH(eotaxin)、CCL13(MCP-4)、CCL15(MIP-ld)、CCL16(HCC-4)、CCL17(TARC)、CCL18(PARC)、CCL19(MDP-3b)、CCL20(MIP-3a)、CCL21(SLC/exodus-2)、CCL22(MDC/STC-I)、CCL23(MPIF-I)、CCL24(MPIF-2/eotaxin-2)、CCL25(TECK)、CCL26(eotaxin-3)、CCL27(CTACK/ILC)、CCL28、CXCLI(GROI)、CXCL2(GR02)、CXCL3(GR03)、CXCL5(ENA-78)、CXCL6(GCP-2)、CXCL9(MIG)、CXCL10(IP 10)、CXCL11(I-TAC)、CXCL12(SDFI)、CXCL13、CXCL14、CXCL16、PF4(CXCL4)、PPBP(CXCL7)、CX3CL1(SCYDI)、SCYEI、XCLI(lymphotactin)、XCL2(SCM-lb)、BLRI(MDR15)、CCBP2(D6/JAB61)、CCR1(CKRI/HM145)、CCR2(mcp-IRB/RA)、CCR3(CKR3/CMKBR3)、CCR4、CCR5(CMKBR5/ChemR13)、CCR6(CMKBR6/CKR-L3/STRL22/DRY6)、CCR7(CKR7/EBII)、CCR8(CMKBR8/TERI/CKR-LI)、CCR9(GPR-9-6)、CCRLI(VSHKI)、CCRL2(L-CCR)、XCRI(GPR5/CCXCRI)、CMKLRI、CMKORI(RDCI)、CX3CR1(V28)、CXCR4、GPR2(CCRIO)、GPR31、GPR81(FKSG80)、CXCR3(GPR9/CKR-L2)、CXCR6(TYMSTR/STRL33/Bonzo)、HM74、IL8RA(IL8Ra)、IL8RB(IL8Rb)、LTB4R(GPR16)、TCPIO、CKLFSF2、CKLFSF3、CKLFSF4、CKLFSF5、CKLFSF6、CKLFSF7、CKLFSF8、BDNF、C5R1、CSF3、GRCCIO(CIO)、EPO、FY(DARC)、GDF5、HDFIA、DL8、PRL、RGS3、RGS13、SDF2、SLIT2、TLR2、TLR4、TREMI、TREM2、VHL、ABCFI、ACVRI、ACVRIB、ACVR2、ACVR2B、ACVRLI、AD0RA2A、Aggrecan、AGR2、AICDA、AIFI、AIGI、AKAPI、AKAP2、AMH、AMHR2、ANGPTI、ANGPT2、ANGPTL3、ANGPTL4、ANPEP、APC、APOCI、AR、AZGPI(亜鉛-a-糖タンパク質)、Aβ、B7.1、B7.2、B7H3、BAD、BAFF(BLys)、BAGI、BAH、BCL2、BCL6、BDNF、BLNK、BLRI(MDR15)、BMPI、BMP2、BMP3B(GDFIO)、BMP4、BMP6、BMP8、BMPRIA、BMPRIB、BMPR2、BPAGI(プレクチン)、BRCAI、C19orflO(IL27w)、C3、C4A、C5、C5R1、CANTI、CASP1、CASP4、CAVI、CCBP2(D6/JAB61)、CCLI(1-309)、CCLII(eotaxin)、CCL13(MCP-4)、CCL15(MlP-ld)、CCL16(HCC-4)、CCL17(TARC)、CCL18(PARC)、CCL19(MIP-3b)、CCL2(MCP-1)、MCAF、CCL20(MIP-3a)、CCL21(MTP-2)、SLC、exodus-2、CCL22(MDC/STC-I)、CCL23(MPIF-1)、CCL24(MPIF-2/eotaxin-2)、CCL25(TECK)、CCL26(eotaxin-3)、CCL27(CTACK/ILC)、CCL28、CCL3(MTP-la)、CCL4(MDP-lb)、CCL5(RANTES)、CCL7(MCP-3)、CCL8(mcp-2)、CCNAI、CCNA2、CCNDI、CCNEI、CCNE2、CCRI(CKRI/HM145)、CCR2(mcp-IRB/RA)、CCR3(CKR3/CMKBR3)、CCR4、CCR5(CMKBR5/ChemR13)、CCR6(CMKBR6/CKR-L3/STRL22/DRY6)、CCR7(CKR7/EBII)、CCR8(CMKBR8/TERI/CKR-LI)、CCR9(GPR-9-6)、CCRLI(VSHKI)、CCRL2(L-CCR)、CD164、CD19、CD105、CDIC、CD20、CD200、CD22、CD24、CD28、CD3、CD33、CD37、CD38、CD3E、CD3G、CD3Z、CD4、CD40、CD40L、CD44、CD47、CD45RB、CD52、CD56、CD69、CD70、CD72、CD73、CD74、CD79A、CD79B、CD8、CD80、CD81、CD83、CD86、CDHI(E-カドヘリン)、CDH10、CDH12、CDH13、CDH18、CDH19、CDH20、CDH5、CDH7、CDH8、CDH9、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK9、CDKNIA(p21Wapl/Cipl)、CDKNIB(p27Kipl)、CDKNIC、CDKN2A(P16INK4a)、CDKN2B、CDKN2C、CDKN3、CEA、CEBPB、CERI、CHGA、CHGB、キチナーゼ、CHST10、CKLFSF2、CKLFSF3、CKLFSF4、CKLFSF5、CKLFSF6、CKLFSF7、CKLFSF8、CLDN3、CLDN7、Claudin18.2、CLN3、CLU(クラステリン)、c-Met、CMKLRI、CMKORI(RDCI)、CNRI、COL18A1、COLIAI、COL4A3、COL6A1、CR2、Cripto、CRP、CSFI(M-CSF)、CSF2(GM-CSF)、CSF3(GCSF)、CTGF、CTLA4、CTNNBI(b-カテニン)、CTSB(組織プロテアーゼB)、CX3CL1(SCYDI)、CX3CR1(V28)、CXCLI(GROI)、CXCL10(IP-10)、CXCLII(l-TAC/IP-9)、CXCL12(SDFI)、CXCL13、CXCL14、CXCL16、CXCL2、(GR02)、CXCL3(GR03)、CXCL5(ENA-78/LIX)、CXCL6(GCP-2)、CXCL9(MIG)、CXCR3(GPR9/CKR-L2)、CXCR4、CXCR6(TYMSTR/STRL33/Bonzo)、CYB5、CYCI、CYSLTRI、DAB2IP、DES、DKFZp451J01 18、DNCLI、DPP4、E2F1、ECGFI、EDGI、EFNAI、EFNA3、EFNB2、EGF、EGFR、ELAC2、ENG、EN01、EN02、EN03、EpCAM、EPHB4、EPO、ERBB2(Her-2)、ERBB3(Her-3)、ERBB4(Her-4)、EREG、ERK8、ESRI、ESR2、F3(TF)、FADD、FasL、FASN、FCERIA、FCER2、FCGR3A、FGF、FGFI(aFGF)、FGF10、FGF11、FGF12、FGF12B、FGF13、FGF14、FGF16、FGF17、FGF18、FGF19、FGF2(bFGF)、FGF20、FGF21、FGF22、FGF23、FGF3(int-2)、FGF4(HST)、FGF5、FGF6(HST-2)、FGF7(KGF)、FGF8、FGF9、FGFR3、FIGF(VEGFD)、FELI(EPSILON)、FILI(ZETA)、FLJ12584、FLJ25530、FLRTI(フィブロネクチン)、FLTI、FOS、FOSLI(FRA-I)、FY(DARC)、G250、GABRP(GABAa)、GAGEBI、GAGECI、GALNAC4S-6ST、GAT A3、GDF5、GFI 1、GGT1、GM-CSF、GNASI、GNRHI、GPR2(CCRIO)、GPR31、GPR44、GPR81(FKSG80)、GRCCIO(CIO)、GRP、GPNMB、GSN(ビリン)、GSTPI、HAVCR2、HDAC4、HDAC5、HDAC7A、HDAC9、HGF、HIFIA、HDPI、ヒスタミンとヒスタミン受容体、HLA-A、HLA-DRA、HM74、HMOXI、HUMCYT2A、ICEBERG、ICOSL、ID2、IFN-a、IFNAI、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNB1、IFNγ、DFNWI、IGBPI、IGFI、IGFIR、IGF2、IGFBP2、IGFBP3、IGFBP6、IL-I、IL10、MORA、IL10RB、IL11、IL11RA、IL-12、IL12A、IL12B、IL12RB1、IL12RB2、IL13、IL13RA1、IL13RA2、IL14、IL15、IL15RA、IL16、IL17、IL17B、IL17C、IL17R、IL18、IL18BP、IL18R1、IL18RAP、IL19、IL1A、IL1B、ILIF10、IL1F5、IL1F6、IL1F7、IL1F8、IL1F9
、IL1HYI、IL1Rl、IL1R2、IL1RAP、IL1RAPL1、IL1RAPL2、IL1RL1、IL1RL2、ILIRN、IL2、IL20、IL20RA、IL21R、IL22、IL22R、IL22RA2、IL23、IL24、IL25、IL26、IL27、IL28A、IL28B、IL29、IL2RA、IL2RB、IL2RG、IL3、IL30、IL3RA、IL4、IL4R、IL5、IL5RA、IL6、IL6R、IL6ST(糖タンパク質130)、EL7、EL7R、EL8、EphA2、IL8RA、DL8RB、IL8RB、DL9、DL9R、DLK、INHA、INHBA、INSL3、INSL4、IRAKI、Integrin、ERAK2、ITGAI、ITGA2、ITGA3、ITGA6(a6イテグリン)、ITGAV、ITGB3、ITGB4(b4イテグリン)、JAGI、JAKI、JAK3、JUN、K6HF、KAN、KDR、KITLG、KLF5(GC Box BP)、KLF6、KLKIO、KLK12、KLK13、KLK14、KLK15、KLK3、KLK4、KLK5、KLK6、KLK9、KRT1、KRT19(角タンパク質19)、KRT2A、KHTHB6(毛髪特異性H型ケラチン)、LAG3、LAMAS、LEP(レプチン)、Lewis Y、Lingo-p75、Lingo-Troy、LPS、LTA(TNF-b)、LTB、LTB4R(GPR16)、LTB4R2、LTBR、MACMARCKS、MAG又はO mgp、MAP2K7(c-Jun)、MDK、Mesothelin、MIBI、MUCl、ミッドカイン、MEF、MIP-2、MKI67、(Ki-67)、MMP2、MMP9、MS4A1、MSMB、MT3(metallothionectin-lll)、MTSSI、MUCI(ムコタンパク質)、MYC、MYD88、NCK2、neurocan、NFKBI、NFKB2、NGFB(NGF)、NGFR、NgR-Lingo、NgR-Nogo66(Nogo)、NgR-p75、NgR-Troy、NMEI(NM23A)、N0X5、NPPB、NROBI、NR0B2、NRIDI、NR1D2、NR1H2、NR1H3、NR1H4、NR1I2、NR1I3、NR2C1、NR2C2、NR2E1、NR2E3、NR2F1、NR2F2、NR2F6、NR3C1、NR3C2、NR4A1、NR4A2、NR4A3、NR5A1、NR5A2、NR6A1、NRPI、NRP2、NT5E、NTN4、ODZI、OPRDI、P2RX7、PAP、PARTI、PATE、PAWR、PCA3、PCNA、PCSK9、PD-1、PD-L1、PDGFA、PDGFB、PECAMI、PF4(CXCL4)、PGF、PGR、phosphacan、PIAS2、PIK3CG、PLAU(uPA)、PLG、PLXDCI、PPBP(CXCL7)、PPID、PRI、PRKCQ、PRKDI、PRL、PROC、PROK2、PSAP、PSCA、PSMA、PTAFR、PTEN、PTGS2(COX-2)、PTN、RAC2(p21Rac2)、RARB、RGSI、RGS13、RGS3、RNFIIO(ZNF144)、ROB02、S100A2、SCGB1D2(リポフィリンB)、SCGB2A1(mammaglobin2)、SCGB2A2(mamnnaglobin 1)、SCYEI(内皮単球活性化サイトカイン)、SDF2、SERPINAI、SERPINA3、SERP1NB5(マスピン)、SERPINEI(PAI-I)、SERPDMF1、SHBG、SLA2、SLC2A2、SLC33A1、SLC43A1、SLC44A4、SLIT2、SOST、SPPI、SPRRIB(Sprl)、ST6GAL1、STABI、STAT6、STEAP、STEAP2、TB4R2、TBX21、TCPIO、TDGFI、TEK、TGFA、TGFBI、TGFBIII、TGFB2、TGFB3、TGFBI、TGFBRI、TGFBR2、TGFBR3、THIL、THBSI(トロンボスポンジン-1)、THBS2、THBS4、THPO、TIE(Tie-1)、TIGHT、Tenascin-C、TMP3、組織因子、TLRIO、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TNF、TNF-a、TNFAEP2(B94)、TNFAIP3、TNFRSFIIA、TNFRSFIA、TNFRSFIB、TNFRSF21、TNFRSF5、TNFRSF6(Fas)、TNFRSF7、TNFRSF8、TNFRSF9、TNFSFIO(TRAIL)、TNFSFI 1(TRANCE)、TNFSF12(AP03L)、TNFSF13(April)、TNFSF13B、TNFSF14(HVEM-L)、TNFSF15(VEGI)、TNFSF18、TNFSF4(OX40リガンド)、TNFSF5(CD40リガンド)、TNFSF6(FasL)、TNFSF7(CD27リガンド)、TNFSF8(CD30リガンド)、TNFSF9(4-1BBリガンド)、TOLLIP、Toll様受容体、TOP2A(トポイソメラーゼEa)、TP53、TPMI、TPM2、TRADD、TRAFI、TRAF2、TRAF3、TRAF4、TRAF5、TRAF6、TREMI、TREM2、TRPC6、TSLP、TWEAK、VEGF、VEGFB、VEGFC、VEGFR、バーシカン、VHL C5、VLA-4、XCLI(lymphotactin)、XCL2(SCM-lb)、XCRI(GPR5/CCXCRI)、YYI、ZFPM2とトロンビンを含むが、これらに限定されない。
【0055】
例示的に、抗体は、Trastuzumab、Pertuzumab、Nimotuzumab、Enoblituzumab、Emibetuzumab、Inotuzumab、Pinatuzumab、Brentuximab、Gemtuzumab、Bivatuzumab、Lorvotuzumab、cBR96、Glematumamabと抗Claudin18.2抗体から選ばれ、そのうち、上記抗Claudin18.2抗体は、重鎖が配列番号49で示され、軽鎖が配列番号47で示される。
【0056】
「保存的修飾」又は「保存的置換又は置換」は、類似の特徴(例えば、電荷、側鎖の大きさ、疎水性/親水性、主鎖の立体配座と剛性など)を有する他のアミノ酸でタンパク質中のアミノ酸を置換することで、タンパク質の生物学的活性を変えずに頻繁に変化可能にすることを意味する。当業者に知られているように、一般的に、ポリペプチドの非必須領域における単一のアミノ酸置換は、基本的に生物学的活性を変えない(例えば、Watson et al.(1987)Molecular Biology of the Gene、The Benjamin/Cummings Pub.Co.、第224頁、(4th edition)を参照)。また、構造又は機能が類似したアミノ酸の置換は、生物学的活性を破壊する可能性が低い。例示的な保存的置換は、以下のように記載される。
【0057】
【表1】
【0058】
本開示に記載される「末端伸び率」は、発現生成物集団における、末端延長配列を有する発現生成物の占める割合を指す。末端延長配列を有する発現生成物は、目標発現生成物の変異体であり、所望の目標配列を有する以外、更に他のアミノ酸残基に連結している。例示的に、抗体軽鎖発現生成物には、1%の軽鎖配列変異体のN末端が、更に他のアミノ酸残基に連結している場合、当該発現生成物の末端伸び率が1%である。発現生成物集団に末端延長配列を有する発現生成物が含まれると、当該発現生成物集団は末端異質性を有することが示される。例示的に、本開示中の末端延長配列は、シグナルペプチドアミノ酸の残留に由来する。
【0059】
本開示中の組成物は、所望の目標発現生成物及び末端延長配列を有する発現生成物を含む。組成物におけるアミノ末端延長の存在は、種々の分析技術によって検出可能であり、当該分析技術は、N-末端配列分析、電荷異質性の測定法(例えば、カチオン交換クロマトグラフィー又はキャピラリゾーン電気泳動)、マススペクトル、ペプチドマッピング検出などを含むが、これらに限定されない。組成物における抗体変異体の量は、一般的に、変異体を検出するための何れかの測定法(例えば、カチオン交換分析)の検出下限を構成する量から、主な種類の抗体量よりも少ない量までの範囲内にある。組成物中の約3%又はそれ以下(例えば約3%、2.5%、2%、1.5%、1%、0.5%、0%)の抗体軽鎖又は抗体重鎖は、アミノ末端延長を含む。このようなパーセント量は、マススペクトル、ペプチドマッピング検出法により測定することができる。サンプルにおいて末端延長を含むヘテロポリペプチドの割合が全量の1%を超える場合、ペプチドマッピング検出法によりそれを効果的に同定すると共に、還元分子量マススペクトル検出ピーク図における対応するピークを定量的に標識することができる。
【0060】
上記の明細書には、本開示の1つ又は複数の実施形態の詳細が提出されている。本開示は、本明細書の記載と類似又は同様の任意の方法と材料により実施又は試験することができるが、以下、その方法と材料を説明する。明細書と特許請求の範囲により、本開示の他の特徴、目的及び利点は明らかになる。明細書と特許請求の範囲において、文脈で特に明記のない限り、単数形は複数の指示対象のことを含む。特に定義しない限り、本明細書に用いられる技術・科学用語の全ては、本開示の属する分野の当業者により理解されている一般的な意味を持っている。明細書に引用される特許と出版物の全ては、引用により組み込まれている。以下の実施例は、本開示の選択可能な実施形態を更に全面的に説明するために提出される。これらの実施例は、何れかの方式で、本開示の範囲を限定するものと理解すべきではなく、本開示の範囲は、特許請求の範囲により限定される。
【実施例
【0061】
以下、実施例と合わせて本開示を更に説明するが、これらの実施例は、本開示の範囲を制限するものではない。本開示の実施例において具体的な条件が明記されていない実験方法は、一般的に、例えば冷泉港の抗体技術実験マニュアル、分子クローニングマニュアルなどの通常の条件、又は原料や商品のメーカーにより推薦された条件に従う。具体的な供給源が明示されていない試薬は、市販される通常の試薬である。
【0062】
実施例1:抗claudin18.2抗体の調製
実施例1-1:Claudin18.2を高発現する細胞株の構築
Lipofecta mine 3000トランスフェクション試薬により、pCDH-hClaudin18.2レンチウイルス発現ベクタープラスミドとpVSV-G、pCMV-dR8.91レンチウイルス系パッケージングベクターを、ウィルスパッケージング細胞293Tにトランスフェクションし、ウィルスを含有する培地上清を収集し、ろ過して超高速で遠心分離し、濃縮されたウィルスでヒト胃印環細胞がん細胞株NUGC4を感染させ、ピューロマイシンで2週間~3週間選別してから、FACSシングルセルソーティングを行った。
【0063】
腫瘍IHC評価点数に基づき、Claudin18.2発現レベルを区別した。腫瘍IHC評価点数が3点である腫瘍Claudin18.2発現レベルに相当する細胞は、高発現細胞であり、腫瘍IHC評価点数が2点である腫瘍Claudin18.2発現レベルに相当する細胞は、中等度発現細胞である。FACSによりレンチウイルスに感染したNUGC4細胞表面のClaudin18.2発現を検出することによって、Claudin18.2発現量が高いNUGC4/hClaudin18.2モノクローナル細胞株を選び出した。同時に、FACSにより野生型NUGC4細胞表面のClaudin18.2発現を検出することによって、Claudin18.2発現量が中等度であるNUGC4クローナル細胞株を選び出し、野生型NUGC4は、Claudin18.2発現量が低い細胞である。
【0064】
選び出したモノクローナル細胞株を拡大培養し、冷蔵庫に凍結保存して後続の実験に備えた。
【0065】
Claudin18.2 配列Genbank:NP_001002026:(配列番号1)
MAVTACQGLGFVVSLIGIAGIIAATCMDQWSTQDLYNNPVTAVFNYQGLWRSCVRESSGFTECRGYFTLLGLPAMLQAVRALMIVGIVLGAIGLLVSIFALKCIRIGSMEDSAKANMTLTSGIMFIVSGLCAIAGVSVFANMLVTNFWMSTANMYTGMGGMVQTVQTRYTFGAALFVGWVAGGLTLIGGVMMCIACRGLAPEETNYKAVSYHASGHSVAYKPGGFKASTGFGSNTKNKKIYDGGARTEDEVQSYPSKHDYV。
【0066】
Claudin18.2 DNA配列:(配列番号2)
1 AGAATTGCGC TGTCCACTTG TCGTGTGGCT CTGTGTCGAC ACTGTGCGCC ACCATGGCCG
61 TGACTGCCTG TCAGGGCTTG GGGTTCGTGG TTTCACTGAT TGGGATTGCG GGCATCATTG
121 CTGCCACCTG CATGGACCAG TGGAGCACCC AAGACTTGTA CAACAACCCC GTAACAGCTG
181 TTTTCAACTA CCAGGGGCTG TGGCGCTCCT GTGTCCGAGA GAGCTCTGGC TTCACCGAGT
241 GCCGGGGCTA CTTCACCCTG CTGGGGCTGC CAGCCATGCT GCAGGCAGTG CGAGCCCTGA
301 TGATCGTAGG CATCGTCCTG GGTGCCATTG GCCTCCTGGT ATCCATCTTT GCCCTGAAAT
361 GCATCCGCAT TGGCAGCATG GAGGACTCTG CCAAAGCCAA CATGACACTG ACCTCCGGGA
421 TCATGTTCAT TGTCTCAGGT CTTTGTGCAA TTGCTGGAGT GTCTGTGTTT GCCAACATGC
481 TGGTGACTAA CTTCTGGATG TCCACAGCTA ACATGTACAC CGGCATGGGT GGGATGGTGC
541 AGACTGTTCA GACCAGGTAC ACATTTGGTG CGGCTCTGTT CGTGGGCTGG GTCGCTGGAG
601 GCCTCACACT AATTGGGGGT GTGATGATGT GCATCGCCTG CCGGGGCCTG GCACCAGAAG
661 AAACCAACTA CAAAGCCGTT TCTTATCATG CCTCAGGCCA CAGTGTTGCC TACAAGCCTG
721 GAGGCTTCAA GGCCAGCACT GGCTTTGGGT CCAACACCAA AAACAAGAAG ATATACGATG
781 GAGGTGCCCG CACAGAGGAC GAGGTACAAT CTTATCCTTC CAAGCACGAC TATGTGTAAT
841 GCTCTAAGAC CTCTCAGCAC GGGCGGAAGA AACTCCCGGA GAGCTCACCC AAAAAACAAG
901 GAGATCCCAT CTAGATTTCT TCTTGCTTTT GACTCACAGC TGGAAGTTAG AAAAGCCTCG
961 ATTTCATCTT TGGAGAGGCC AAATGGTCTT AGCCTCAGTC TCTGTCTCTA AATATTCCAC
1021 CATAAAACAG CTGAGTTATT TATGAATTAG AGGCTATAGC TCACATTTTC AATCCTCTAT
1081 TTCTTTTTTT AAATATAACT TTCTACTCTG ATGAGAGAAT GTGGTTTTAA TCTCTCTCTC
1141 ACATTTTGAT GATTTAGACA GACTCCCCCT CTTCCTCCTA GTCAATAAAC CCATTGATGA
1201 TCTATTTCCC AGCTTATCCC CAAGAAAACT TTTGAAAGGA AAGAGTAGAC CCAAAGATGT
1261 TATTTTCTGC TGTTTGAATT TTGTCTCCCC ACCCCCAACT TGGCTAGTAA TAAACACTTA
1321 CTGAAGAAGA AGCAATAAGA GAAAGATATT TGTAATCTCT CCAGCCCATG ATCTCGGTTT
1381 TCTTACACTG TGATCTTAAA AGTTACCAAA CCAAAGTCAT TTTCAGTTTG AGGCAACCAA
1441 ACCTTTCTAC TGCTGTTGAC ATCTTCTTAT TACAGCAACA CCATTCTAGG AGTTTCCTGA
1501 GCTCTCCACT GGAGTCCTCT TTCTGTCGCG GGTCAGAAAT TGTCCCTAGA TGAATGAGAA
1561 AATTATTTTT TTTAATTTAA GTCCTAAATA TAGTTAAAAT AAATAATGTT TTAGTAAAAT
1621 GATACACTAT CTCTGTGAAA TAGCCTCACC CCTACATGTG GATAGAAGGA AATGAAAAAA
1681 TAATTGCTTT GACATTGTCT ATATGGTACT TTGTAAAGTC ATGCTTAAGT ACAAATTCCA
1741 TGAAAAGCTC ACTGATCCTA ATTCTTTCCC TTTGAGGTCT CTATGGCTCT GATTGTACAT
1801 GATAGTAAGT GTAAGCCATG TAAAAAGTAA ATAATGTCTG GGCACAGTGG CTCACGCCTG
1861 TAATCCTAGC ACTTTGGGAG GCTGAGGAGG AAGGATCACT TGAGCCCAGA AGTTCGAGAC
1921 TAGCCTGGGC AACATGGAGA AGCCCTGTCT CTACAAAATA CAGAGAGAAA AAATCAGCCA
1981 GTCATGGTGG CCTACACCTG TAGTCCCAGC ATTCCGGGAG GCTGAGGTGG GAGGATCACT
2041 TGAGCCCAGG GAGGTTGGGG CTGCAGTGAG CCATGATCAC ACCACTGCAC TCCAGCCAGG
2101 TGACATAGCG AGATCCTGTC TAAAAAAATA AAAAATAAAT AATGGAACAC AGCAAGTCCT
2161 AGGAAGTAGG TTAAAACTAA TTCTTTAAAA AAAAAAAAAA GTTGAGCCTG AATTAAATGT
2221 AATGTTTCCA AGTGACAGGT ATCCACATTT GCATGGTTAC AAGCCACTGC CAGTTAGCAG
2281 TAGCACTTTC CTGGCACTGT GGTCGGTTTT GTTTTGTTTT GCTTTGTTTA GAGACGGGGT
2341 CTCACTTTCC AGGCTGGCCT CAAACTCCTG CACTCAAGCA ATTCTTCTAC CCTGGCCTCC
2401 CAAGTAGCTG GAATTACAGG TGTGCGCCAT CACAACTAGC TGGTGGTCAG TTTTGTTACT
2461 CTGAGAGCTG TTCACTTCTC TGAATTCACC TAGAGTGGTT GGACCATCAG ATGTTTGGGC
2521 AAAACTGAAA GCTCTTTGCA ACCACACACC TTCCCTGAGC TTACATCACT GCCCTTTTGA
2581 GCAGAAAGTC TAAATTCCTT CCAAGACAGT AGAATTCCAT CCCAGTACCA AAGCCAGATA
2641 GGCCCCCTAG GAAACTGAGG TAAGAGCAGT CTCTAAAAAC TACCCACAGC AGCATTGGTG
2701 CAGGGGAACT TGGCCATTAG GTTATTATTT GAGAGGAAAG TCCTCACATC AATAGTACAT
2761 ATGAAAGTGA CCTCCAAGGG GATTGGTGAA TACTCATAAG GATCTTCAGG CTGAACAGAC
2821 TATGTCTGGG GAAAGAACGG ATTATGCCCC ATTAAATAAC AAGTTGTGTT CAAGAGTCAG
2881 AGCAGTGAGC TCAGAGGCCC TTCTCACTGA GACAGCAACA TTTAAACCAA ACCAGAGGAA
2941 GTATTTGTGG AACTCACTGC CTCAGTTTGG GTAAAGGATG AGCAGACAAG TCAACTAAAG
3001 AAAAAAGAAA AGCAAGGAGG AGGGTTGAGC AATCTAGAGC ATGGAGTTTG TTAAGTGCTC
3061 TCTGGATTTG AGTTGAAGAG CATCCATTTG AGTTGAAGGC CACAGGGCAC AATGAGCTCT
3121 CCCTTCTACC ACCAGAAAGT CCCTGGTCAG GTCTCAGGTA GTGCGGTGTG GCTCAGCTGG
3181 GTTTTTAATT AGCGCATTCT CTATCCAACA TTTAATTGTT TGAAAGCCTC CATATAGTTA
3241 GATTGTGCTT TGTAATTTTG TTGTTGTTGC TCTATCTTAT TGTATATGCA TTGAGTATTA
3301 ACCTGAATGT TTTGTTACTT AAATATTAAA AACACTGTTA TCCTACAGTT
【0067】
実施例1-2:抗ヒトclaudin18.2モノクローナル抗体の産生
1 免疫
マウスを免疫することにより抗ヒトClaudin18.2モノクローナル抗体を産生した。
【0068】
実験用SJL白いマウスは、雌で、6週齢~8週齢(北京維通利華実験動物技術有限公司、動物生産ライセンス番号:SCXK(京)2012-0001)であった。飼育環境:SPFグレード。マウスを購入した後、実験室環境で1週間飼育し、12/12時間の明/暗周期で調節し、温度が20℃~25℃、湿度が40%~60%であった。環境に馴れたマウスは、以下の方案で免疫された。免疫抗原は、huClaudin18.2-HEK293細胞(ヒトClaudin18.2プラスミドをトランスフェクションしたHEK-293安定トランスフェクション細胞株)であった。
【0069】
免疫方案:細胞を初回免疫する前に、TiterMax(登録商標) Gold Adjuvant(Sigma Cat No. T2684)を0.1 mL/匹でマウスの腹膜内(IP)に注射し、30分間後に、各マウスの腹膜内(IP)に、0.1 mLの生理食塩水で1×10/mLの濃度に希釈した細胞液を注射した。細胞を均一に吹き散らした後、0日目、14日目、28日目、42日目、56日目に接種した。21日目、35日目、49日目、63日目に採血し、ELISA方法でマウス血清中の抗体価を確定した。4回目~5回目の免疫後に、血清中の抗体価が高くて安定する傾向があるマウスを選択して脾細胞の融合を行った。脾細胞融合の3日前に追加免疫を行い、腹膜内(IP)に1×10の細胞を注射した。
【0070】
2 脾細胞の融合
PEG媒介性の融合工程により、脾リンパ球と骨髄腫細胞Sp2/0細胞(ATCC(登録商標) CRL-8287(商標))を融合してハイブリドーマ細胞を得た。ハイブリドーマ細胞は、0.5×10/mL~1×10/mLの密度で、完全培地(20%のFBS、1×HAT、1×OPIを含むIMDM培地)で再懸濁し、100 μL/ウェルで96ウェルプレートに播種し、37℃、5%のCOで3日間~4日間インキュベートした後、HAT完全培地を100 μL/ウェルで補充し、クローンが形成されるまで3日間~4日間培養し続けた。上清を除去し、200 μL/ウェルのHT完全培地(20%のFBS、1×HT、1×OPIを含むIMDM培地)を加え、37℃、5%のCOで3日間インキュベートした後、ELISA検出を行った。
【0071】
3 ハイブリドーマ細胞の選別
ハイブリドーマ細胞の成長密度によって、結合ELISA方法で培養上清を検出した。huClaudin18.2-HEK293細胞との結合能力が強いと共にHEK293細胞との結合がない細胞を選択し、適時に増幅して凍結保存し、単細胞クローンが得られるまで2回~3回サブクローニングした。
【0072】
細胞をサブクローニングするたびに、細胞結合実験を行う必要があった。以上の実験により選別してハイブリドーマクローンを得て、無血清細胞培養法で抗体を更に調製し、抗体を精製し、検出例での使用に備えた。
【0073】
実施例1-3:マウス抗体のヒト化
体外活性が高いモノクローナルハイブリドーマ細胞株mAb1901、mAb1902を選び出し、その中のモノクローナル抗体配列をクローニングし、更にヒト化、組換え発現及び活性評価を行った。
【0074】
ハイブリドーマから配列をクローニングするプロセスは、以下の通りである。対数増殖期のハイブリドーマ細胞を収集し、Trizol(Invitrogen、15596-018)でRNAを抽出し(試薬キットの取扱説明書でのステップに従う)、逆転写した(PrimeScript(商標) Reverse Transcriptase、Takara、cat # 2680A)。逆転写で得られたcDNAを、mouse Ig-Primer Set(Novagen、TB326 Rev.B 0503)でPCR増幅し、シークエンシング社に送ってシークエンシングした。得られたDNA配列に対応するアミノ酸配列は、配列番号3~配列番号6で示される。
【0075】
mAb1901マウス重鎖可変領域(配列番号3)
EVQLMESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFSDYGIHWVRQAPEMGLEWIAYISRGSSTIYYADTVKGRFTMSRDNAKNTLFLQMTSLRSEDTAMYYCARGGYDTRNAMDYWGQGTSVTVSS。
【0076】
mAb1901マウス軽鎖可変領域(配列番号4)
DIVMTQSPSSLSVSAGEKVTMSCKSSQSLLNSGNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIYGASTRASGVPDRFTGSGSGTDFTLTISSVQAEDLAIYHCQNDLYYPLTFGAGTKLELK。
【0077】
mAb1902マウス重鎖可変領域(配列番号5)
EVQLQESGAELVKPGASVKLSCKASGYIFTSYWMHWVKQRPGQGLEWIGMIHPNSGSTNYNEKFKGKATLTLDKSSSTAYMQLSSLPSEDSAVYYCARLKTGNSFDYWGQGTTLTVSS。
【0078】
mAb1902マウス軽鎖可変領域(配列番号6)
DIVLTQSPSSLTVTAGEKVTMSCKSSQSLLNSGNQKNYLTWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFTGSGSGTDFTLTISSVQAEDLAIYYCQNAYTYPFTFGSGTKLEIK。
【0079】
上記マウス重鎖可変領域及び軽鎖可変領域は、それぞれ、後述するヒトIgG1抗体の重鎖定常領域とヒトκ軽鎖定常領域に接続してキメラ抗体であるch1901とch1902を形成した。
【0080】
定常領域は、以下の配列から選ばれる。
【0081】
ヒトIgG1抗体の重鎖定常領域:(配列番号7)
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK。
【0082】
ヒトκ軽鎖定常領域:(配列番号8)
RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC。
【0083】
本分野での多くの文献に開示された方法に従って、マウスモノクローナル抗体をヒト化した。つまり、親(マウス抗体)定常ドメインの代わりにヒト定常ドメインを用い、マウス抗体とヒト抗体の相同性に基づき、ヒト生殖細胞系配列を選択し、CDR移植を行った。本開示は、活性の良い候補分子を選択してヒト化し、その結果は以下の通りである。
【0084】
1. マウス抗体のCDR領域
表2において、VH/VL CDRのアミノ酸残基は、Kabat番号付けシステムによって決定されて注釈されている。
【0085】
マウス抗体のCDR配列は、表2に示す通りである。
【0086】
【表2】
【0087】
2. ヒト生殖細胞系FR領域配列の選択
得られたマウス抗体VH/VL CDRの典型的な構造を基にして、重・軽鎖可変領域配列を抗体Germlineデータベースと比較し、相同性の高いヒト生殖細胞系テンプレートを得た。その中で、ヒト生殖細胞系軽鎖フレームワーク領域は、ヒトκ軽鎖遺伝子から由来する。
【0088】
2.1 mAb1901のヒト化改変及び復帰変異の設計
適切なヒト抗体生殖細胞系を選択し、mAb1901マウス抗体のヒト化改変を行い、マウス抗体mAb1901のCDR領域を、選択されたヒト化テンプレートに移植し、ヒト化重鎖可変領域配列が配列番号24で、軽鎖可変領域配列が配列番号21であるヒト化可変領域を得て、更にIgG定常領域と組換え、完全抗体を形成した。同時に、ヒト化抗体のV領域におけるFR領域を復帰変異し、例示的な復帰変異形態及び組合せは、以下の通りである。
【0089】
【表3-1】
【表3-2】
*表中、全てのアミノ酸位置番号は、Kabat番号付け規則による番号であり、重鎖可変領域のN82Tにおいて、82はKabat規則での第82A位である。
【0090】
【表4】
【0091】
上記の表において、重鎖可変領域は、配列番号7で示されるヒトIgG1重鎖定常領域に接続して全長抗体の重鎖を形成することができるのに対して、軽鎖可変領域は、配列番号8で示されるヒトκ軽鎖定常領域に接続して全長抗体の軽鎖を形成する。他の実施形態において、重鎖可変領域と軽鎖可変領域は、他の重鎖定常領域と軽鎖定常領域にそれぞれ接続して全長抗体を形成してもよい。
【0092】
2.2 mAb1902のヒト化改変及び復帰変異の設計
適切なヒト抗体生殖細胞系を選択し、mAb1902マウス抗体のヒト化改変を行い、マウス抗体mAb1902のCDR領域を、選択されたヒト化テンプレートに移植し、ヒト化重鎖可変領域配列が配列番号31で、軽鎖可変領域配列が配列番号28であるヒト化可変領域を得て、更にIgG定常領域と組換え、完全抗体を形成した。同時に、ヒト化抗体のV領域におけるFR領域を復帰変異し、例示的な復帰変異形態及び組合せは、以下の通りである。
【0093】
【表5】
*表中、全てのアミノ酸位置番号は、Kabat番号付け規則による番号である。
【0094】
【表6】
上記の表において、重鎖可変領域は、配列番号7で示されるヒトIgG1重鎖定常領域に接続して全長抗体の重鎖を形成するのに対して、軽鎖可変領域は、配列番号8で示されるヒトκ軽鎖定常領域に接続して全長抗体の軽鎖を形成する。
【0095】
例示的に、抗体全長配列は、以下の通りである。
【0096】
キメラ抗体ch1901:
ch1901重鎖:(配列番号35)
EVQLMESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFSDYGIHWVRQAPEMGLEWIAYISRGSSTIYYADTVKGRFTMSRDNAKNTLFLQMTSLRSEDTAMYYCARGGYDTRNAMDYWGQGTSVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK。
【0097】
ch1901軽鎖(配列番号36)
DIVMTQSPSSLSVSAGEKVTMSCKSSQSLLNSGNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIYGASTRASGVPDRFTGSGSGTDFTLTISSVQAEDLAIYHCQNDLYYPLTFGAGTKLELKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC。
【0098】
キメラ抗体ch1902:
ch1902重鎖(配列番号37)
EVQLQESGAELVKPGASVKLSCKASGYIFTSYWMHWVKQRPGQGLEWIGMIHPNSGSTNYNEKFKGKATLTLDKSSSTAYMQLSSLPSEDSAVYYCARLKTGNSFDYWGQGTTLTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK。
【0099】
ch1902軽鎖(配列番号38)
DIVLTQSPSSLTVTAGEKVTMSCKSSQSLLNSGNQKNYLTWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFTGSGSGTDFTLTISSVQAEDLAIYYCQNAYTYPFTFGSGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC。
【0100】
【表7】
【0101】
全長抗体の軽重鎖配列は、以下の通りである。
【0102】
【表8-1】
【表8-2】
【表8-3】
【0103】
【表9】
【0104】
全長抗体の軽重鎖配列は、以下の通りである。
【0105】
【表10-1】
【表10-2】
【表10-3】
【0106】
本開示の陽性対照抗体は、IMAB-362(WO2016166122による)である。
【0107】
IMAB-362重鎖(配列番号53)
1 QVQLQQPGAE LVRPGASVKL SCKASGYTFT SYWINWVKQR PGQGLEWIGN
51 IYPSDSYTNY NQKFKDKATL TVDKSSSTAY MQLSSPTSED SAVYYCTRSW
101 RGNSFDYWGQ GTTLTVSSAS TKGPSVFPLA PSSKSTSGGT AALGCLVKDY
151 FPEPVTVSWN SGALTSGVHT FPAVLQSSGL YSLSSVVTVP SSSLGTQTYI
201 CNVNHKPSNT KVDKRVEPKS CDKTHTCPPC PAPELLGGPS VFLFPPKPKD
251 TLMISRTPEV TCVVVDVSHE DPEVKFNWYV DGVEVHNAKT KPREEQYNST
301 YRVVSVLTVL HQDWLNGKEY KCKVSNKALP APIEKTISKA KGQPREPQVY
351 TLPPSREEMT KNQVSLTCLV KGFYPSDIAV EWESNGQPEN NYKTTPPVLD
401 SDGSFFLYSK LTVDKSRWQQ GNVFSCSVMH EALHNHYTQK SLSLSPGK。
【0108】
IMAB-362軽鎖(配列番号54)
1 DIVMTQSPSS LTVTAGEKVT MSCKSSQSLL NSGNQKNYLT WYQQKPGQPP
51 KLLIYWASTR ESGVPDRFTG SGSGTDFTLT ISSVQAEDLA VYYCQNDYSY
101 PFTFGSGTKL EIKRTVAAPS VFIFPPSDEQ LKSGTASVVC LLNNFYPREA
151 KVQWKVDNAL QSGNSQESVT EQDSKDSTYS LSSTLTLSKA DYEKHKVYAC
201 EVTHQGLSSP VTKSFNRGEC。
【0109】
通常の遺伝子クローニング、組換え発現の方法により、上記抗体をそれぞれクローニング、発現、精製した。
【0110】
試験例1:抗claudin18.2抗体の体外活性の生物学的評価
試験例1-1:Cellレベル ELISA結合実験
細胞に基づくELISA実験は、Claudin18.2抗体の結合特性の検出に利用された。Claudin18.2を安定的にトランスフェクションして発現したNUGC4細胞を、96ウェル細胞プレート(Corning、3599)に培養し、90%の密度に成長した時に、4%のパラホルムアルデヒドを加えて細胞を1時間固定し、PBST緩衝液(pH 7.4のPBSに0.05%のTween-20が含まれる)でプレートを3回洗浄した後、PBSで希釈された5%の脱脂乳(光明脱脂粉乳)ブロッキング液を200 μL/ウェルで加え、37℃のインキュベータで2.5時間インキュベートし、又は4℃で一晩(16時間~18時間)放置してブロッキングした。ブロッキング終了後に、ブロッキング液を捨て、PBST緩衝液でプレートを3回洗浄した後、50 μL/ウェルでサンプル希釈液(pH 7.4のPBSに1%の脱脂乳が含まれる)で希釈された異なる濃度の検出待ち抗体を加え、37℃のインキュベータに入れて2時間インキュベートした。インキュベートが終了した後、PBSTでプレートを5回洗浄し、100 μL/ウェルでサンプル希釈液で希釈されたHRPで標識したヤギ抗ヒト二次抗体(Jackson Immuno Research、109-035-003)を加え、37℃で1時間インキュベートした。PBSTでプレートを6回洗浄した後、50 μL/ウェルでTMB発色基質(KPL、52-00-03)を加え、室温で10 min~15 minインキュベートし、50 μL/ウェルで1 MのHSOを加えて反応を停止させ、MD Versa Max TMマイクロプレートリーダーで450 nmでの吸収値を読み取り、Claudin18.2抗体のClaudin18.2に対する結合EC50値を算出した(結果は下記の表を参照)。
【0111】
【表11】
【0112】
【表12】
【0113】
【表13】
【0114】
試験例1-2:抗体細胞レベル結合実験
Claudin18.2を安定的にトランスフェクションして発現したNUGC4細胞をFACS緩衝液(2%のウシ胎児血清(Gibco、10099141)pH 7.4のPBS(Sigma、P4417-100TAB))で1×10/mLの細胞懸濁液に調製し、100 μL/ウェルで96ウェル円底プレート(Corning、3795)に加えた。遠心分離して上清を除去した後、50 μL/ウェルでFACS緩衝液で希釈された異なる濃度の検出待ちClaudin18.2抗体を加え、4℃の冷蔵庫に置いて暗所で1時間インキュベートした。FACS緩衝液300 gで3回遠心分離して洗浄した後、作業濃度のAlexa Fluor 488で被覆した抗ヒトIgG(H+L)(invitrogen、A-11013)を加え、4℃の冷蔵庫に置いて暗所で40分間インキュベートした。FACS緩衝液300 gで3回遠心分離して洗浄した後、BD FACS CantoIIフローサイトメーターで幾何平均蛍光強度を検出し、Claudin18.2抗体の、Claudin18.2を安定的にトランスフェクションして発現したNUGC4細胞に対する結合EC50値を算出し、その結果は図1に示されている。
【0115】
試験例1-3:抗体エンドサイトーシス実験
DyLight 488 NHS Ester(thermofisher、46403)が予め標識された検出待ちClaudin18.2抗体を、5 μg/mLの最終濃度で1×10/mLのClaudin18.2を安定的にトランスフェクションして発現したNUGC4細胞に加え、氷上に置いて暗所で1時間インキュベートし、予冷したFACS緩衝液(pH 7.4のPBS、2%のウシ胎児血清)で3回遠心分離して洗浄し、上清を除去した後、予熱した完全培地を加え、37℃で5%のCO細胞培養器に置いた。それぞれ0時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間後に細胞を取り出し、氷上に置いて暗所で保存した。サンプルを全部収集した後、300 gを低温で遠心分離して上清を除去し、溶離緩衝液(pH 1.7の0.05 Mのグリシン、0.1 Mの塩化ナトリウム)を加えた後、室温で7分間インキュベートし、FACS緩衝液300 gで1回遠心分離して洗浄し、BD FACS CantoIIフローサイトメーターで幾何平均蛍光強度を検出し、Claudin18.2抗体の、Claudin18.2を安定的にトランスフェクションして発現したNUGC4細胞に対するエンドサイトーシス効率を算出した。その結果(図2を参照)、ヒト化抗体は良い細胞エンドサイトーシス効率を有することが示されている。
【0116】
試験例1-4:フローサイトメトリーによる抗体の親和性の測定
実験当日、HEK293/hClaudin18.2細胞をU底96ウェルプレートに収集し、各ウェルに1×10個~2×10個の細胞を入れた。初期濃度5 μg/mL、2×勾配希釈(12個の濃度点)のClaudin18.2抗体を加え、4℃で1時間インキュベートし、陽性対照をIMAB362とすると共に、抗体を加えない陰性対照を設置した。遠心分離して抗体を除去してから、100 μL/ウェルでFITC抗ヒトIgG Fc抗体(200×)を加え、4℃で暗所で30分間インキュベートし、PBS+2%のFBSで2回洗浄した後、フローサイトメトリーによる検出に備えた。BD FACS CantoIIを起動し、予熱が完了した後、BD FACSDivaソフトウェアを起動し、新しい実験を確立し、HEK293/hClaudin18.2陰性対照サンプルを検出し、FSC及びSSC電圧を適切な数値に調整して保存した。Quantum(商標) FITC-5 MESF Kitの取扱説明書によって、ブランクサンプルB及び標準曲線1をそれぞれ検出し、FITC電圧を適切な数値に調整して保存した。保存した電圧で、U底96ウェルプレートにおけるサンプルを検出し、データを記録した。Flowjoソフトウェアで実験データを解析してGeo Mean値を取得し、Quantum(商標) FITC-5 MESF Kitの取扱説明書によってMESF-Geo Mean標準曲線をフィッティングし、FITC抗ヒトIgG Fc抗体の濃度蛍光値によって、HEK293/hClaudin18.2細胞と結合したClaudin18.2抗体のモル濃度及び遊離抗体濃度を算出し、Scatchardプロット法で抗体のBmaxと解離定数KDを算出した。その結果は、表13に示されている。
【0117】
【表14】
【0118】
試験例1-5:抗体のADCC効果の評価
各種のNUGC4細胞(Claudin18.2高/中等度/低発現)を消化し、1000 rpmで遠心分離した後、再懸濁してカウントした。細胞を3×10細胞/mLの密度で、10%のFBS(ニュージーランド超低IgGウシ胎児血清、Gibco、1921005PJ)が加えられたフェノールレッドフリーRPMI 1640(Gibco、11835-030)に再懸濁した。96ウェルプレート(Corning、3903)において、各ウェルに25 μLの細胞(7500個/ウェル)を加えた。抗体を上記フェノールレッドフリー培地において希釈し、3×の抗体希釈液に調製し、細胞プレートに25 μL/ウェルの抗体を加えた。37℃、5%のCO培養器において0.5時間インキュベートした。
【0119】
エフェクター細胞(FcrR3A-V158-NFAT-RE-Jurkat細胞)を収集し、1000 rpmで遠心分離した後、再懸濁してカウントした。細胞を3×10細胞/mLの密度で、10%のFBS(ニュージーランド超低IgGウシ胎児血清)が加えられたフェノールレッドフリーRPMI 1640に再懸濁し、実験プレートにおいて各ウェルに25 μLの細胞(7.5×10個の細胞/ウェル)を加えた。37℃、5%のCO培養器において6時間インキュベートした。
【0120】
実験プレートの各ウェルに75 μL/ウェルのBright-Glo(Promega、E2610)を加え、マイクロプレートリーダー(PerkinElmer、VITOR3)で化学発光(luminescence)を検出した。
【0121】
その結果(表14と図3A図3Cを参照)、Claudin18.2を低/中等度/高という異なるレベルで発現したNUGC4細胞において、抗体h1901-11とh1902-5は、何れも非常に強いADCC活性を示すことが示されている。
【0122】
【表15】
【0123】
実施例2:シグナルペプチドの設計と応用
実施例2-1:様々なシグナルペプチドを融合したPertuzumabの設計と発現
下記のシグナルペプチドを融合した抗体を設計し、そのシグナルペプチド配列の組み合わせは以下の通りである。
【0124】
MEWSWVFLFFLSVTTGVHS(配列番号152)及び
MSVPTQVLGLLLLWLTDARC(配列番号153)
MEWSWVFLFFLSVTTGVHS(配列番号152)及び
MEWSWVFLFFLSVTTGVHS(配列番号152)
MEWSWVFLFFLSLTGVHA(配列番号57)及び
MSVPTQVLGLLLLWLTDVRA(配列番号105)
MEWSWVFLFFLSLTGVHA(配列番号57)及び
MEWSWVFLFFLSLTGVHA(配列番号57)
MSVPTQVLGLLLLWLTDVRA(配列番号105)及び
MEWSWVFLFFLSLTGVHA(配列番号57)
上記シグナルペプチドの組み合わせを、それぞれPertuzumab抗体重・軽鎖アミノ酸N末端に置き、且つ対応する新しい重・軽鎖配列を設計した。設計した配列は、以下の通りである。
【0125】
Pertuzumab-1のシグナルペプチド含有の抗体重鎖アミノ酸配列(配列番号154)
MEWSWVFLFFLSVTTGVHSEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTDYTMDWVRQAPGKGLEWVADVNPNSGGSIYNQRFKGRFTLSVDRSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARNLGPSFYFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
Pertuzumab-1のシグナルペプチド含有の抗体軽鎖アミノ酸配列(配列番号155)
MSVPTQVLGLLLLWLTDARCDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVSIGVAWYQQKPGKAPKLLIYSASYRYTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYYIYPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
Pertuzumab-2のシグナルペプチド含有の抗体重鎖アミノ酸配列(配列番号154)
Pertuzumab-2のシグナルペプチド含有の抗体軽鎖アミノ酸配列(配列番号156)
MEWSWVFLFFLSVTTGVHSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVSIGVAWYQQKPGKAPKLLIYSASYRYTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYYIYPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
Pertuzumab-3のシグナルペプチド含有の抗体重鎖アミノ酸配列(配列番号157)
MEWSWVFLFFLSLTGVHAEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTDYTMDWVRQAPGKGLEWVADVNPNSGGSIYNQRFKGRFTLSVDRSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARNLGPSFYFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
Pertuzumab-3のシグナルペプチド含有の抗体軽鎖アミノ酸配列(配列番号158)
MSVPTQVLGLLLLWLTDVRADIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVSIGVAWYQQKPGKAPKLLIYSASYRYTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYYIYPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
Pertuzumab-4のシグナルペプチド含有の抗体重鎖アミノ酸配列(配列番号157)
Pertuzumab-4のシグナルペプチド含有の抗体軽鎖アミノ酸配列(配列番号159)
MEWSWVFLFFLSLTGVHADIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVSIGVAWYQQKPGKAPKLLIYSASYRYTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYYIYPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
Pertuzumab-5のシグナルペプチド含有の抗体重鎖アミノ酸配列(配列番号160)
MSVPTQVLGLLLLWLTDVRAEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTDYTMDWVRQAPGKGLEWVADVNPNSGGSIYNQRFKGRFTLSVDRSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARNLGPSFYFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
Pertuzumab-5のシグナルペプチド含有の抗体軽鎖アミノ酸配列(配列番号159)
(備考:下線部はシグナルペプチドである。)
上記Pertuzumab-1~Pertuzumab-4の配列に基づいて各重鎖と軽鎖の遺伝子断片を合成し、重鎖遺伝子をPXC18.4にクローニングして重鎖プラスミドを形成し、軽鎖遺伝子をPXC17.4にクローニングして軽鎖プラスミドを形成した。プラスミドにおける同じ酵素切断部位により、軽鎖プラスミドを重鎖プラスミドにクローニングし、全長抗体プラスミドを構築した。全長抗体プラスミドを直接的にCHO細胞にエレクトロポレーションし、選別した後に当該プラスミドを含む安定形質転換細胞を得た。安定形質転換細胞を培養し、培養後の上清をProtein A親和性カラムにより精製し、発現生成物を得た。
【0126】
実施例2-2:様々なシグナルペプチドを融合したh1902-5の設計と発現
下記のシグナルペプチドを融合した抗体を設計し、そのシグナルペプチド配列の組み合わせは以下の通りである。
【0127】
MEWSWVFLFFLSVTTGVHS(配列番号152)及び
MEWSWVFLFFLSVTTGVHS(配列番号152)
MEWSWVFLFFLSLTGVHA(配列番号57)及び
MSVPTQVLGLLLLWLTDVRA (配列番号105)
MSVPTQVLGLLLLWLTDVRA(配列番号105)及び
MEWSWVFLFFLSLTGVHA(配列番号57)及び
上記シグナルペプチドの組み合わせを、それぞれh1902-5抗体重鎖、軽鎖N末端に置き、且つ対応する新しい重・軽鎖配列を設計した。設計した配列は、以下の通りである。
【0128】
h1902-5-1のシグナルペプチド含有の抗体重鎖アミノ酸配列(配列番号161)
MEWSWVFLFFLSVTTGVHSEVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWMHWVRQAPGQRLEWMGMIHPNSGSTNYNEKFKGRVTITRDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARLKTGNSFDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
h1902-5-1のシグナルペプチド含有の抗体軽鎖アミノ酸配列(配列番号162)
MEWSWVFLFFLSVTTGVHSDIVLTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLNSGNQKNYLTWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQNAYTYPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
h1902-5-2のシグナルペプチド含有の抗体重鎖アミノ酸配列(配列番号163)
MEWSWVFLFFLSLTGVHAEVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWMHWVRQAPGQRLEWMGMIHPNSGSTNYNEKFKGRVTITRDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARLKTGNSFDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
h1902-5-2のシグナルペプチド含有の抗体軽鎖アミノ酸配列(配列番号164)
MSVPTQVLGLLLLWLTDVRADIVLTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLNSGNQKNYLTWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQNAYTYPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
h1902-5-3のシグナルペプチド含有の抗体重鎖アミノ酸配列(配列番号165)
MSVPTQVLGLLLLWLTDVRAEVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWMHWVRQAPGQRLEWMGMIHPNSGSTNYNEKFKGRVTITRDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARLKTGNSFDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
h1902-5-3のシグナルペプチド含有の抗体軽鎖アミノ酸配列(配列番号166)
MEWSWVFLFFLSLTGVHADIVLTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLNSGNQKNYLTWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQNAYTYPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
(備考:下線部はシグナルペプチドである。)
上記h1902-5-1又はh1902-5-2の配列に基づいて各重鎖と軽鎖の遺伝子断片を合成し、それを発現ベクターに構築して全長抗体プラスミドを得た。全長抗体プラスミドを直接的にCHO細胞にエレクトロポレーションし、選別した後に当該プラスミドを含む安定形質転換細胞を得た。安定形質転換細胞を培養し、培養後の上清をProtein A親和性カラムにより精製し、発現生成物を得た。
【0129】
実施例2-3:様々なシグナルペプチドを融合したFcRnの設計と発現
抗FcRn抗体の重・軽鎖アミノ酸配列は、以下の通りである。
【0130】
重鎖(配列番号167)
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYNFNKHYIAWVRQMPGKGLEWMGIIYPDNSNTIYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARFGGPTFAQWYFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
軽鎖(配列番号168)
NFMLTQPHSVSESPGKTVTISCTGSSGSIASNYVQWYQQRPGSSPTTVIYEDNQRASGVPDRFSGSIDSSSNSASLTISGLKTEDEADYYCQSYDSSSHNWVFGGGTKLTVLGQPKANPTVTLFPPSSEELQANKATLVCLISDFYPGAVTVAWKADGSPVKAGVETTKPSKQSNNKYAASSYLSLTPEQWKSHRSYSCQVTHEGSTVEKTVAPTECS
下記のシグナルペプチドを融合した抗体を設計し、そのシグナルペプチド配列の組み合わせは以下の通りである。
【0131】
MEWSWVFLFFLSVTTGVHS(配列番号152)及び
MEWSWVFLFFLSVTTGVHS(配列番号152)
MEWSWVFLFFLSLTGVHA(配列番号57)及び
MEWSWVFLFFLSLTGVHA(配列番号57)
設計した配列は、以下の通りである。
【0132】
FcRn-1のシグナルペプチド含有の抗体重鎖アミノ酸配列(配列番号169)
MEWSWVFLFFLSVTTGVHSEVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYNFNKHYIAWVRQMPGKGLEWMGIIYPDNSNTIYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARFGGPTFAQWYFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
FcRn-1のシグナルペプチド含有の抗体軽鎖アミノ酸配列(配列番号170)
MEWSWVFLFFLSVTTGVHSNFMLTQPHSVSESPGKTVTISCTGSSGSIASNYVQWYQQRPGSSPTTVIYEDNQRASGVPDRFSGSIDSSSNSASLTISGLKTEDEADYYCQSYDSSSHNWVFGGGTKLTVLGQPKANPTVTLFPPSSEELQANKATLVCLISDFYPGAVTVAWKADGSPVKAGVETTKPSKQSNNKYAASSYLSLTPEQWKSHRSYSCQVTHEGSTVEKTVAPTECS
FcRn-2のシグナルペプチド含有の抗体重鎖アミノ酸配列(配列番号171)
MEWSWVFLFFLSLTGVHAEVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYNFNKHYIAWVRQMPGKGLEWMGIIYPDNSNTIYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARFGGPTFAQWYFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
FcRn-2のシグナルペプチド含有の抗体軽鎖アミノ酸配列(配列番号172)
MEWSWVFLFFLSLTGVHANFMLTQPHSVSESPGKTVTISCTGSSGSIASNYVQWYQQRPGSSPTTVIYEDNQRASGVPDRFSGSIDSSSNSASLTISGLKTEDEADYYCQSYDSSSHNWVFGGGTKLTVLGQPKANPTVTLFPPSSEELQANKATLVCLISDFYPGAVTVAWKADGSPVKAGVETTKPSKQSNNKYAASSYLSLTPEQWKSHRSYSCQVTHEGSTVEKTVAPTECS
上記FcRn-1及びFcRn-2の配列に基づいて各重鎖と軽鎖の遺伝子断片を合成し、それを発現ベクターに構築して全長抗体プラスミドを得た。全長抗体プラスミドを直接的にCHO細胞にエレクトロポレーションし、選別した後に当該プラスミドを含む安定形質転換細胞プールを得た。安定形質転換細胞プールを培養し、培養後の上清をProtein A親和性カラムにより精製し、発現生成物を得た。
【0133】
試験例2:様々なシグナルペプチドを用いた発現生成物の末端異質性
試験例2-1:様々なシグナルペプチドを融合したPertuzumab脱グリコシル化還元分子量及びアミノ酸配列の検出
PNGase Fグリコシダーゼ(NEB、P0708)によりサンプルPertuzumab-1、Pertuzumab-2、Pertuzumab-3、Pertuzumab-4に持たれたN-グリコシルを切除し、そしてDTT(Sigma、43815)で軽・重鎖に還元し、最後にLC-MS(Waters、ACQUITY UPLC H-Class/XeVo G2-XS QTOF)によりサンプルの脱グリコシル化還元分子量を検出し、且つUNIFIソフトフェアによりデータの処理及び分析を行った。
【0134】
Pertuzumab-1及びPertuzumab-3の検出結果は図4A図4Dに示すように、サンプルPertuzumab-1は、軽鎖に4.7%のシグナルペプチドアミノ酸(RC)の残留が含まれていることを検出したが、サンプルPertuzumab-3は、軽鎖にシグナルペプチドアミノ酸の残留がなかった。Pertuzumab-1及びPertuzumab-3の重鎖は、何れもシグナルペプチドアミノ酸の残留が検出されておらず、少量のグリコシル化修飾しかなかった。
【0135】
Pertuzumab-1を尿素で変性処理した後、DTTを加えて軽・重鎖に還元し、そしてGlu C酵素(Promega、V1651)を加えて酵素切断し、得られたサンプルをLC-MSにより分子量データを採取し、得られたデータをUNIFIソフトフェアにより分析し、サンプルのアミノ酸配列情報を得た。
【0136】
その結果、Pertuzumab-1は、脱グリコシル化還元分子量検出に現れた異常ピークが、ペプチドマッピング分析検証により、RCアミノ酸の残留であると確認された。具体的な結果は、表15に示す通りである。
【0137】
【表16】
【0138】
注:本試験例は、Glu C酵素により酵素切断することで配列RC中のアミノ酸Rが切断され、当該残留アミノ酸Cは、RCアミノ酸の残留を表示する。
【0139】
Pertuzumab-2及びPertuzumab-4の検出結果は図5A図5Dに示すように、サンプルPertuzumab-2は、軽鎖に5.8%のシグナルペプチドアミノ酸(VHS)の残留が含まれていることを検出したが、サンプルPertuzumab-4は、軽鎖にシグナルペプチドアミノ酸の残留がなかった。2つの抗体の重鎖は、何れもシグナルペプチドアミノ酸の残留が検出されておらず、少量のグリコシル化修飾しかなかった。
【0140】
Pertuzumab-2を尿素で変性処理した後、DTTを加えて軽・重鎖に還元し、そしてGlu C酵素を加えて酵素切断し、得られたサンプルをLC-MSにより分子量データを採取し、得られたデータをUNIFIソフトフェアにより分析し、サンプルのアミノ酸配列情報を得た。
【0141】
その結果、Pertuzumab-2は、脱グリコシル化還元分子量検出に現れた異常ピークが、ペプチドマッピング分析検証により、VHSアミノ酸の残留であると確認された。具体的な結果は、表16に示す通りである。
【0142】
【表17】
【0143】
試験例2-2:様々なシグナルペプチドを融合したh1902-5脱グリコシル化還元分子量及びアミノ酸配列の検出
PNGase Fグリコシダーゼ(NEB、P0708)によりサンプルh1902-5-1、h1902-5-2に持たれたN-グリコシルを切除し、そしてDTT(Sigma、43815)で軽・重鎖に還元し、最後にLC-MS(Waters、ACQUITY UPLC H-Class/XeVo G2-XS QTOF)によりサンプルの脱グリコシル化還元分子量を検出し、且つUNIFIソフトフェアによりデータの処理及び分析を行った。
【0144】
その結果、図6A図6Dに示すように、サンプルh1902-5-1は、重鎖に3.1%のシグナルペプチドアミノ酸(VHS)の残留が含まれていることを検出したが、サンプルh1902-5-2は、重鎖にシグナルペプチドアミノ酸の残留がない。2つの抗体の軽鎖は、何れもシグナルペプチドアミノ酸の残留が検出されておらず、少量のグリコシル化修飾しかない。
【0145】
h1902-5-1を尿素で変性処理した後、DTTを加えて軽・重鎖に還元し、そしてGlu C酵素を加えて酵素切断し、得られたサンプルをLC-MSにより分子量データを採取し、得られたデータをUNIFIソフトフェアにより分析し、サンプルのアミノ酸配列情報を得た。
【0146】
その結果、h1902-5-1は、脱グリコシル化還元分子量検出に現れた異常ピークが、ペプチドマッピング分析検証により、VHSアミノ酸の残留であると確認された。具体的な結果は、下記の表17に示す通りである。
【0147】
【表18】
【0148】
試験例2-3:様々なシグナルペプチドを融合した抗FcRn抗体の脱グリコシル化還元分子量及びアミノ酸配列の検出
PNGase Fグリコシダーゼ(NEB、P0708)によりサンプルFcRn-1、FcRn-2に持たれたN-グリコシルを切除し、そしてDTT(Sigma、43815)で軽・重鎖に還元し、最後にLC-MS(Waters、ACQUITY UPLC H-Class/XeVo G2-XS QTOF)によりサンプルの脱グリコシル化還元分子量を検出し、且つUNIFIソフトフェアによりデータの処理及び分析を行った。
【0149】
その結果、図7A図7Dに示すように、サンプルFcRn-1は、重鎖に3.4%のシグナルペプチドアミノ酸(VHS)の残留が含まれていることを検出したが、サンプルFcRn-2は、重鎖にシグナルペプチドアミノ酸の残留がない。2つの抗体の軽鎖は、何れもシグナルペプチドアミノ酸の残留が検出されておらず、少量のグリコシル化修飾しかない。
【0150】
FcRn-1を尿素で変性処理した後、DTTを加えて軽・重鎖に還元し、そしてGlu C酵素を加えて酵素切断し、得られたサンプルをLC-MSにより分子量データを採取し、得られたデータをUNIFIソフトフェアにより分析し、サンプルのアミノ酸配列情報を得た。
【0151】
その結果、FcRn-1は、脱グリコシル化還元分子量検出に現れた異常ピークが、ペプチドマッピング分析検証により、VHSアミノ酸の残留であると確認された。具体的な結果は、下記の表に示す通りである。
【0152】
【表19】
【0153】
明らかに理解されるように、図面と実例によって上記の発明を詳しく説明したが、説明と実例は、本開示の範囲を制限するものと解釈すべきではない。本明細書に引用された特許と科学文献の開示内容の全ては、引用により完全且つ明らかに組み込まれている。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
【配列表】
2023539581000001.app
【国際調査報告】