(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-15
(54)【発明の名称】ECG波形表示方法およびその媒体、および電子デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 5/256 20210101AFI20230908BHJP
A61B 5/353 20210101ALI20230908BHJP
A61B 5/355 20210101ALI20230908BHJP
A61B 5/352 20210101ALI20230908BHJP
A61B 5/332 20210101ALI20230908BHJP
A61B 5/339 20210101ALI20230908BHJP
A61B 5/282 20210101ALI20230908BHJP
A61B 5/276 20210101ALI20230908BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20230908BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20230908BHJP
【FI】
A61B5/256 220
A61B5/353
A61B5/355
A61B5/352
A61B5/332
A61B5/339
A61B5/282
A61B5/276 100
A61B5/107 300
A61B5/11 230
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512741
(86)(22)【出願日】2021-08-24
(85)【翻訳文提出日】2023-03-29
(86)【国際出願番号】 CN2021114341
(87)【国際公開番号】W WO2022042558
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】202010862902.1
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ビン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シュオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ウェンジュアン
(72)【発明者】
【氏名】シオン、ハオ
【テーマコード(参考)】
4C038
4C127
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB12
4C038VC20
4C127AA02
4C127CC10
4C127GG01
(57)【要約】
ECG波形表示方法が提供されている。本方法は、電子デバイスがECG波形検出アプリケーションを起動し、ECG波形を収集し;上記電子デバイスが上記電子デバイスおよびユーザの手首の間の装着部データを読み取り、ここで上記装着部データはIMU装着部識別によって取得され;上記電子デバイスは装着ステータスデータに基づいて第1装着部情報を決定し、ここで上記第1装着部情報は決定状態および不確実な状態を含み、上記決定状態は第1決定状態または第2決定状態であり;上記電子デバイスは上記電子デバイスおよび上記ユーザの手首の間の第2装着部情報をECG装着部識別によって取得し;および、上記第1装着部情報および上記第2装着部情報が同じであり且つ決定状態を示すとき、上記電子デバイスは、上記決定状態に対応する表示方式で、上記ECG波形をディスプレイ上に表示する、ことを含む。このように、上記ECG波形が通常表示方式で表示されているかどうかを決定することの誤検出率が低減され得、上記ECG波形を通常表示方式で表示することの精度は向上され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ECG波形表示方法であって、
電子デバイスが、ECG波形検出アプリケーションを起動し、ECG波形を収集する段階;
前記電子デバイスが、前記電子デバイスおよびユーザの手首の間の装着部データを読み取る段階、ここで前記装着部データはIMU装着部識別によって取得される;
前記電子デバイスが、装着ステータスデータに基づいて第1装着部情報を決定する段階、ここで前記第1装着部情報は決定状態および不確実な状態を含む;
前記電子デバイスが、前記電子デバイスおよび前記ユーザの前記手首の間の第2装着部情報をECG装着部識別によって取得する段階;および
前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が同じであり且つ決定状態を示すとき、前記電子デバイスが、前記決定状態に対応する表示方式で、前記ECG波形をディスプレイ上に表示する段階
を備える、方法。
【請求項2】
前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が同じであり且つ決定状態を示すとき、前記決定状態に対応する表示方式で、前記ECG波形をディスプレイ上に前記表示する段階は、
前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が予め設定された装着部情報と同じであるときに、前記電子デバイスが、前記ECG波形を通常表示方式で前記ディスプレイ上に表示する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が同じであり且つ決定状態を示すとき、前記決定状態に対応する表示方式で、前記ECG波形をディスプレイ上に前記表示する段階は、
前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が予め設定された装着部情報とは異なるとき、前記電子デバイスが、前記ECG波形を調整し、その結果、前記ECG波形は通常表示方式で前記ディスプレイ上に表示されることを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が決定状態を示すが異なるとき、ECG装着部識別を少なくとも1回は再び実行し、第3装着部情報を取得する段階;および、前記電子デバイスが、前記第3装着部情報によって示される決定状態に対応する表示方式で前記ECG波形を前記ディスプレイ上に表示する段階、をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1装着部情報が不確実な状態を示すときに、ECG装着部識別を実行し、第4装着部情報を取得する段階;および、前記電子デバイスが、前記第4装着部情報によって示される決定状態に対応する表示方式で前記ECG波形を前記ディスプレイ上に表示する段階、をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1装着部情報および前記第4装着部情報が同じであり且つ不確実な状態を示すとき、ECG装着部識別を少なくとも1回は再び実行し、第5装着部情報を取得する段階;および、前記電子デバイスが、前記第5装着部情報によって示される決定状態に対応する表示方式で前記ECG波形を前記ディスプレイ上に表示する段階、をさらに備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記電子デバイスが、装着ステータスデータに基づいて第1装着部情報を前記決定する段階は、
前記装着ステータスデータに基づいて第1装着部信頼度を取得する段階、および、少なくとも前記第1装着部信頼度に基づいて前記第1装着部情報を決定する段階、を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記装着ステータスデータに基づいて第1装着部信頼度を前記取得する段階、および、少なくとも前記第1装着部信頼度に基づいて前記第1装着部情報を前記決定する段階は:
前記装着ステータスデータに基づいて複数の第1装着部信頼度を取得する段階;
第1反復式に従って前記複数の第1装着部信頼度を処理し、第1平均装着部信頼度を取得する段階;および
前記第1平均装着部信頼度に基づいて前記第1装着部情報を決定する段階
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記装着部データは、IMUによって検出された加速度値および姿勢角を含み、前記装着ステータスデータに基づいて第1装着部信頼度を前記取得する段階は、
前記IMUによって検出された前記加速度値および前記姿勢角に基づいて前記第1装着部信頼度を取得する段階、を含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記IMUによって検出された前記加速度値および前記姿勢角に基づいて前記第1装着部信頼度を前記取得する段階は、
現在取得されているX軸、Y軸およびZ軸における加速度計の加速度の標準偏差および平均値、および、ジャイロスコープの姿勢角の前記X軸、前記Y軸および前記Z軸における標準偏差および平均値をトレーニングされたIMU装着部識別モデルに入力する段階、ここで、前記トレーニングされたIMU装着部識別モデルの出力結果は前記第1装着部信頼度である、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第2装着部情報をECG装着部識別によって前記取得する段階は、
ECG装着部識別によって第2装着部信頼度を取得する段階、および、少なくとも前記第2装着部信頼度に基づいて前記第2装着部情報を決定する段階、を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ECG装着部識別によって第2装着部信頼度を取得する前記段階、および、少なくとも前記第2装着部信頼度に基づいて前記第2装着部情報を前記決定する段階は、
前記装着ステータスデータに基づいて複数の第1装着部信頼度を取得する段階;
第1反復式に従って前記複数の第1装着部信頼度を処理し、第1平均装着部信頼度を取得する段階;
前記第1平均装着部信頼度に基づいて前記第1装着部情報を決定する段階;
ECG装着部識別によって複数の第2装着部信頼度を取得する段階;
前記第1平均装着部信頼度、前記複数の第2装着部信頼度、および第2反復式に基づいて第2平均装着部信頼度を取得する段階;および
前記第2平均装着部信頼度に基づいて前記第2装着部情報を取得する段階
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ECG装着部識別によって第2装着部信頼度を取得する前記段階は、
前記ECG波形の波形特徴情報に基づいて前記第2装着部信頼度を決定する段階、を含む、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記ECG波形の前記波形特徴情報をトレーニングされたECG装着部識別モデルに入力し、前記第2装着部信頼度である前記トレーニングされたECG装着部識別モデルの出力結果を取得する段階
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1反復式はCI1_average=a1*CI1_average+b1*CI_imuiであり、ここで、CI1_averageは前記第1平均装着部信頼度を表し、CI_imuiは前記第1装着部信頼度を表し、a1およびb1は自然数であり、a1およびb1の合計は1であり、aはbより大きい、請求項8または12に記載の方法。
【請求項16】
前記第2反復式はCI2_average=a2*CI1_average+b2*CI_ecgiであり、ここで、CI2_averageは前記第2平均装着部信頼度を表し、CI_ecgiは前記第2装着部信頼度を表し、a2およびb2は自然数であり、a2およびb2の合計は1であり、a2はb2より小さい、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記ECG波形の前記波形特徴情報は、
QRS波面積、QR幅およびRS幅の比、QR高さ、RS高さ、P波振幅、P波面積(正および負の値を含む)、T波幅、およびT波面積を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
ECG装着部識別を少なくとも1回は再び実行し、第3装着部情報を取得する前記段階は、
第2装着部信頼度および第3装着部信頼度に対して反復処理を実行して第3平均装着部信頼度を取得する段階、ここで、前記第2装着部信頼度は以前のECG装着部識別によって取得されており、前記第2装着部信頼度は前記第2装着部情報に対応する;および
前記第3平均装着部信頼度に基づいて前記第3装着部情報を決定する段階
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項19】
前記決定状態は、前記電子デバイスおよび前記ユーザの前記手首の間の装着状態が右手装着状態または左手装着状態であることである、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
プロセッサに、請求項1から19のいずれか一項に記載のECG波形表示方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項21】
電子デバイスであって、
前記電子デバイスの1または複数のプロセッサによって実行される命令を格納するように構成されたメモリ;および、
請求項1から19のいずれか一項に記載のECG波形表示方法を実行するように構成された、前記電子デバイスの前記1または複数のプロセッサのうちの1つである、プロセッサ
を備える、電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年8月25日に中国国家知識産権局に出願された「ECG波形表示方法およびその媒体、および電子デバイス」と題する中国特許出願第202010862902.1号に基づく優先権を主張しており、当該出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、電子技術分野、特に、ECG波形表示方法およびその媒体、および電子デバイスに関連する。
【背景技術】
【0003】
心電図(electrocardiogram,ECG)は、ユーザの健康ステータスを反映し得る。例えば、ECGは、心臓疾患(例えば、心拍の異常)などを反映し得る。スマート手首ストラップおよびスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスの継続的な発達に伴い、現在、ECG検出などの健康検出機能は、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスに統合され、ユーザの心拍などの身体的症状をモニタリングし、その結果、ユーザの身体状況に対する予測が実装され、心伝導電子デバイスの障害、または心筋病変が効果的に回避され得る。
【0004】
ユーザがウェアラブルデバイスを使用してECG検出を実行するとき、ECG波形は、ユーザがウェアラブルデバイスを装着する左手または右手の位置に直接関連する。例えば、ユーザが左手にウェアラブルデバイスを装着し、次にユーザの右手でウェアラブルデバイスの電極をタッチした場合、ウェアラブルデバイスによって生成されたECG波形は順方向波形である。ウェアラブルデバイスの構成を変化することなく、ユーザが右手にウェアラブルデバイスを装着し、次にユーザの左手でウェアラブルデバイスの電極をタッチした場合、ウェアラブルデバイスによって生成されたECG波形は、誤った逆方向の波形である。
【0005】
ユーザがウェアラブルデバイスを左手に装着するかまたは右手に装着するかを決定するために、ユーザがウェアラブルデバイスを装着するときのスマートウェアラブルデバイスの偏向角度は、ウェアラブルデバイス内の内蔵慣性測定ユニットに基づいて検出および取得され、ユーザがウェアラブルデバイスを左手に装着するかまたは右手に装着するかを識別し得る。しかしながら、ユーザが初めてウェアラブルデバイスを装着し、静的状態を保つとき、ECG検出機能が即座に使用された場合、ウェアラブルデバイスが左手に装着されているかまたは右手に装着されているかは決定できないので、ECG波形が正常に表示されているかどうかは決定できない。
【0006】
ユーザがウェアラブルデバイスを左手に装着するかまたは右手に装着するかを決定するための別の解決手段において、ユーザがウェアラブルデバイスのECG検出機能を有効にしたとき、ウェアラブルデバイスによって生成されたECG波形は予め設定された基準波形と比較され、その結果、ユーザがウェアラブルデバイスを左手に装着するかまたは右手に装着するかが識別される。しかしながら、ユーザの心臓が右方にある場合、ユーザがウェアラブルデバイスを左手に装着したとき、ウェアラブルデバイスによって生成されたECG波形の特徴は、心臓の位置が正常であるユーザがウェアラブルデバイスを右手に装着したときに生成されるECG波形の特徴と同様である。したがって、誤判定が発生しやすい。
【発明の概要】
【0007】
本願の実施形態は、左/右手識別に基づいたECG検出方法および装置、媒体、および電子デバイスを提供する。
【0008】
第1態様によれば、本願の実施形態は、ECG波形表示方法を提供する。本方法は、
電子デバイスがECG波形検出アプリケーションを起動し、ECG波形を収集し;
前記電子デバイスが前記電子デバイスおよびユーザの手首の間の装着部データを読み取り、ここで前記装着部データはIMU装着部識別によって取得され;
前記電子デバイスは前記装着ステータスデータに基づいて第1装着部情報を決定し、ここで前記第1装着部情報は決定状態および不確実な状態を含み、前記決定状態は第1決定状態または第2決定状態であり;
前記電子デバイスは前記電子デバイスおよび前記ユーザの手首の間の第2装着部情報をECG装着部識別によって取得し;および
前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が同じであり且つ決定状態を示すとき、前記電子デバイスは、前記決定状態に対応する表示方式で、前記ECG波形をディスプレイ上に表示する
ことを含む。
【0009】
本願のこの実施形態において、上記ECG波形が通常表示方式で表示されているかどうかを決定することの誤検出率が低減され得、上記ECG波形を通常表示方式で表示することの精度は向上され得る。
【0010】
第1態様の実行可能な実装形態において、前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が同じであり且つ決定状態を示すとき、前記ECG波形が、前記決定状態に対応する表示方式でディスプレイ上に表示されることは、
前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が予め設定された装着部情報と同じであるときに、前記電子デバイスが前記ECG波形を通常表示方式で前記ディスプレイ上に表示することを含む。
【0011】
第1態様の実行可能な実装形態において、前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が同じであり且つ決定状態を示すとき、前記ECG波形が、前記決定状態に対応する表示方式でディスプレイ上に表示されることは、
前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が予め設定された装着部情報とは異なるとき、前記電子デバイスは前記ECG波形を調整し、その結果、前記ECG波形は通常表示方式で前記ディスプレイ上に表示されることを含む。
【0012】
第1態様の実行可能な実装形態において、本方法はさらに、前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が決定状態を示すが異なるときに、ECG装着部識別が少なくとも1回は再び実行されて第3装着部情報を取得すること;および、前記電子デバイスが、前記第3装着部情報によって示される決定状態に対応する表示方式で前記ECG波形を前記ディスプレイ上に表示すること、を含む。
【0013】
本願のこの実施形態においては、IMU装着部識別およびECG装着部識別の両方が使用されており、上記IMU装着部識別および上記ECG装着部識別によって決定された装着情報が異なるとき、ECG装着部識別回数およびECG検出信頼度の割合が増加される。したがって、ある程度は、通常状態における装着部およびECG波形を表示することの精度が向上される。
【0014】
第1態様の実行可能な実装形態において、本方法はさらに、前記第1装着部情報が不確実な状態を示すときに、ECG装着部識別が実行されて第4装着部情報を取得すること;および、前記電子デバイスが、前記第4装着部情報によって示される決定状態に対応する表示方式で前記ECG波形を前記ディスプレイ上に表示すること、を含む。
【0015】
第1態様の実行可能な実装形態において、本方法はさらに、前記第1装着部情報および前記第4装着部情報が同じであり且つ不確実な状態を示すとき、ECG装着部識別が少なくとも1回は再び実行されて第5装着部情報を取得すること;および、前記電子デバイスが、前記第5装着部情報によって示される決定状態に対応する表示方式で前記ECG波形を前記ディスプレイ上に表示すること、を含む。
【0016】
本願のこの実施形態においては、IMU装着部識別およびECG装着部識別の両方が使用されており、上記IMU装着部識別および上記ECG装着部識別によって決定された装着情報が異なるとき、ECG装着部識別回数およびECG検出信頼度の割合が増加される。したがって、ある程度は、通常状態における装着部およびECG波形を表示することの精度が向上される。
【0017】
第1態様の実行可能な実装形態において、前記電子デバイスが前記装着ステータスデータに基づいて第1装着部情報を決定することは、
前記装着ステータスデータに基づいて第1装着部信頼度を取得すること、および、少なくとも前記第1装着部信頼度に基づいて前記第1装着部情報を決定すること、を含む。
【0018】
第1態様の実行可能な実装形態において、前記装着ステータスデータに基づいて第1装着部信頼度を前記取得すること、および、少なくとも前記第1装着部信頼度に基づいて前記第1装着部情報を決定することは、
前記装着ステータスデータに基づいて複数の第1装着部信頼度を取得すること;
第1反復式に従って前記複数の第1装着部信頼度を処理し、第1平均装着部信頼度を取得すること;および
前記第1平均装着部信頼度に基づいて前記第1装着部情報を決定すること
を含む。
【0019】
第1態様の実行可能な実装形態において、前記装着部データは、IMUによって検出された加速度値および姿勢角を含み、前記装着ステータスデータに基づいて第1装着部信頼度を前記取得することは、
前記IMUによって検出された前記加速度値および前記姿勢角に基づいて前記第1装着部信頼度を取得すること、を含む。
【0020】
第1態様の実行可能な実装形態において、前記IMUによって検出された前記加速度値および前記姿勢角に基づいて前記第1装着部信頼度を前記取得することは、
現在取得されているX軸、Y軸およびZ軸における加速度計の加速度の標準偏差および平均値、および、ジャイロスコープの姿勢角の前記X軸、前記Y軸および前記Z軸における標準偏差および平均値をトレーニングされたIMU装着部識別モデルに入力すること、ここで、前記トレーニングされたIMU装着部識別モデルの出力結果は前記第1装着部信頼度である、を含む。
【0021】
第1態様の実行可能な実装形態において、前記第2装着部情報がECG装着部識別によって取得されたことは、
ECG装着部識別によって第2装着部信頼度を取得すること、および、少なくとも前記第2装着部信頼度に基づいて前記第2装着部情報を決定すること、を含む。
【0022】
第1態様の実行可能な実装形態において、ECG装着部識別によって第2装着部信頼度を前記取得すること、および、少なくとも前記第2装着部信頼度に基づいて前記第2装着部情報を決定することは、
前記装着ステータスデータに基づいて複数の第1装着部信頼度を取得すること;
第1反復式に従って前記複数の第1装着部信頼度を処理し、第1平均装着部信頼度を取得すること;
前記第1平均装着部信頼度に基づいて前記第1装着部情報を決定すること;
ECG装着部識別によって複数の第2装着部信頼度を取得すること;
前記第1平均装着部信頼度、前記複数の第2装着部信頼度、および第2反復式に基づいて第2平均装着部信頼度を取得すること;および
前記第2平均装着部信頼度に基づいて前記第2装着部情報を取得すること
を含む。
【0023】
第1態様の実行可能な実装形態において、ECG装着部識別によって第2装着部信頼度を前記取得することは、
前記ECG波形の波形特徴情報に基づいて前記第2装着部信頼度を決定すること、を含む。
【0024】
第1態様の実行可能な実装形態において、前記ECG波形の前記波形特徴情報はトレーニングされたECG装着部識別モデルに入力され、前記第2装着部信頼度である前記トレーニングされたECG装着部識別モデルの出力結果を取得する。
【0025】
第1態様の実行可能な実装形態において、前記第1反復式はCI1_average=a1*CI1_average+b1*CI_imuiであり、ここで、CI1_averageは前記第1平均装着部信頼度を表し、CI_imuiは前記第1装着部信頼度を表し、a1およびb1は自然数であり、a1およびb1の合計は1であり、aはbより大きい。
【0026】
第1態様の実行可能な実装形態において、前記第2反復式はCI2_average=a2*CI1_average+b2*CI_ecgiであり、ここで、CI2_averageは前記第2平均装着部信頼度を表し、CI_ecgiは前記第2装着部信頼度を表し、a2およびb2は自然数であり、a2およびb2の合計は1であり、a2はb2より小さい。
【0027】
第1態様の実行可能な実装形態において、前記ECG波形の前記波形特徴情報は、QRS波面積、QR幅およびRS幅の比、QR高さ、RS高さ、P波振幅、P波面積(正および負の値を含む)、T波幅、およびT波面積を含む。
【0028】
第1態様の実行可能な実装形態において、ECG装着部識別が少なくとも1回は再び実行されて第3装着部情報を取得することは、
前記第2装着部信頼度および前記第3装着部信頼度に対して反復処理を実行して第3平均装着部信頼度を取得すること、ここで、前記第2装着部信頼度は以前のECG装着部識別によって取得されており、前記第2装着部信頼度は前記第2装着部情報に対応する;および
前記第3平均装着部信頼度に基づいて前記第3装着部情報を決定すること
を含む。
【0029】
第1態様の実行可能な実装形態において、前記決定状態は、前記電子デバイスおよび前記ユーザの前記手首の間の装着状態が右手装着状態または左手装着状態であることである。
【0030】
第2態様によれば、本願の実施形態は、可読媒体を提供する。上記可読媒体は、命令を格納する。上記命令が電子デバイス上で実行されるとき、機械は、第1態様に係るECG波形表示方法を実行することが可能になる。
【0031】
第3態様によれば、本願の実施形態は、前記電子デバイスの1または複数のプロセッサによって実行される命令を格納するように構成されたメモリ;および、
第1態様に係るECG波形表示方法を実行するように構成された前記電子デバイスの前記プロセッサのうちの1つであるプロセッサ
を含む電子デバイスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】本願のいくつかの実施形態に係るECG波形表示方法の応用シナリオの図である。
【0033】
【
図1B】本願のいくつかの実施形態に係るECG波形表示方法の応用シナリオの図である。
【0034】
【
図1C】本願のいくつかの実施形態に係るECG波形表示方法の応用シナリオの図である。
【0035】
【
図2】本願のいくつかの実施形態に係るスマートウォッチの構造のブロック図である。
【0036】
【
図3A】本願のいくつかの実施形態に係るECG波形表示方法の概略フローチャートである。
【
図3B】本願のいくつかの実施形態に係るECG波形表示方法の概略フローチャートである。
【
図3C】本願のいくつかの実施形態に係るECG波形表示方法の概略フローチャートである。
【0037】
【
図4】本願のいくつかの実施形態に係る、予め設定された間隔が200ミリ秒であり、ステップが150ミリ秒である収集周期の時間領域の概略図である。
【0038】
【
図5】本願のいくつかの実施形態に係る、姿勢角の差および基準値、および、加速度の差および基準値が時間とともに変化する波形の概略図である。
【0039】
【
図6】本願のいくつかの実施形態に係るECG装着部識別プロンプト情報の表示インタフェース図の例である。
【0040】
【
図7】本願のいくつかの実施形態に係るECG波形のセグメントの概略図である。
【0041】
【
図8】本願のいくつかの実施形態に係る異常表示方式で表示されたECG波形の表示インタフェース図の例である。
【0042】
【
図9】本願のいくつかの実施形態に係る通常表示方式で表示されたECG波形の表示インタフェース図の例である。
【0043】
【
図10】本願のいくつかの実施形態に係る電子デバイスオンチップ(SoC)のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本願の例示的な実施形態は、限定されるものではないが、ECG波形表示方法およびその媒体、および電子デバイスを含む。
【0045】
以下ではさらに、添付図面を参照して、本願の実施形態を詳細に説明する。
【0046】
図1A、
図1Bおよび
図1Cは、本願のいくつかの実施形態に係るECG波形表示方法の応用シナリオの図である。
図1A、
図1Bおよび
図1Cに示された実施形態において、ウェアラブルデバイス100は、本願において提供されたECG波形表示方法を実行し得る。ウェアラブルデバイス100は、内蔵ECG検出モジュール、複数の内蔵電極、および内蔵慣性測定ユニット(Inertial measurement unit,IMU)を搭載している。例えば、ウェアラブルデバイス100は2つの電極を含み、2つの電極はそれぞれ電極Aおよび電極Bとして示される。
図1Bに示されたように、電極A 200はウェアラブルデバイス100のハウジングの側面に配置されており、電極B(図示せず)はウェアラブルデバイス100の下面に配置されている。いくつかの実施形態において、ユーザは、内蔵ECG検出モジュールを有するウェアラブルデバイス100を装着し、心電図機能検出を実行する。例えば、ユーザは、ユーザの左手首にウェアラブルデバイス100を装着する。この場合、ユーザの左手首はウェアラブルデバイス100の下面における電極Bと接触する。ユーザは、心電図検出を実行するために使用されるECG波形検出APP(Application,アプリケーション)のアイコンに対して作用する。例えば、ユーザが
図1Aに示されたように指を使用してECG波形検出APPをタップしたとき、または、ユーザがECG APPを起動するためのコマンドを音声方式でウェアラブルデバイス100に送信したとき、ウェアラブルデバイス100は、ECG APPを起動するためのタップ操作を検出するか、または、ECG APPを起動するためのコマンドを受信して、ECG検出機能を有効にする。ユーザは、ユーザの右手の指を使用して、ウェアラブルデバイス100の側面における電極A 200に接触し得る。
図1Bに示されたように、電極A 200および電極Bは電極ペアを形成し、心臓組織を通過するユーザの心室脱分極波形の低下についての詳細な情報が収集され得る。ECG検出モジュールは、電極A 200および電極Bによって収集された電気信号に対するアナログ-デジタル変換およびフィルタなどの処理を実行し、ユーザのシングルリードECG信号を生成する。ウェアラブルデバイス100は、ディスプレイ上に、上記ユーザの、上記ECG検出モジュールによって生成されたECG波形を表示する。
図1Bに示されたように、スマートウォッチ100は、上記スマートウォッチ100が右手に装着されたときにECG波形を通常表示方式で表示するために設定されている。例えば、ECG波形のピークは左手側に対向している。しかしながら、スマートウォッチ100がユーザによって左手首に装着されたとき、ECG波形のピークは右手側に対向し、異常に見える。ECG波形は、ディスプレイ上に異常表示方式で表示されている。本願のこの実施形態において、ウェアラブルデバイス100は、内蔵IMUに基づいて、ユーザがウェアラブルデバイスを左手に装着するかまたは右手に装着するかを決定し、さらに、ECG検出モジュールによって生成されたECG波形に基づいて、ユーザがウェアラブルデバイスを左手に装着するかまたは右手に装着するかを決定する。さらに、
図1Cに示されたように、ウェアラブルデバイス100は、決定結果に基づいてECG波形を通常表示方式でディスプレイ上に表示し、ユーザにより容易に見えるようにする。
【0047】
このように、左手および右手の決定がIMUに基づいてのみ実行されるか、または、左手および右手の決定が収集されたECG波形に基づいてのみ実行される関連技術における解決手段と比較して、この実施形態では、IMUに基づいてのみ左手および右手の決定が実行されるので、決定のエラー率が高くなるという問題が回避され得る。加えて、左手および右手の決定をECG波形に基づいてのみ実行することによって発生する、消費時間が過度に長いという問題が回避され得る。このように、決定期間が短縮され、左手および右手の識別の精度、および、通常状態におけるECG波形の表示の精度が向上される。
【0048】
いくつかの実施形態において、ウェアラブルデバイス100はさらに、ECG検出モジュールによって生成されたECG波形に基づいてユーザの心電図を分析し、ウェアラブルデバイス100のディスプレイ上に分析結果をテキスト形式で表示するまたは、分析結果が音声形式で再生し得、その結果、ユーザは、当該ユーザの心臓の健康ステータスについてより直感的に知り得る。
【0049】
図1に示された実施形態において、ウェアラブルデバイス100は、独立して、ECGデータを収集し、左手または右手を決定し、左手または右手を決定した結果に基づいて、最終ECG波形を表示するまたは心電図レポートを生成し得る。
【0050】
図1A、
図1Bおよび
図1Cはスマートウォッチ100を示すが、本願におけるECG波形表示方法に適用可能な電子デバイスは、例えば、手首に装着され且つ心電図測定機能を有するスマートバンドまたは別の専用デバイスのような別の手首装着デバイスであり得ることが理解され得る。
【0051】
本願に説明された処理プロセス、例えば、データに基づいて計算および決定を実行するプロセスは、スマートバンド、スマートフォン、または、手首に装着され得る別のデバイス上で実行され得る。代替的に、当該プロセスは、携帯電話、タブレットコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant,PDA)、または、スマートバンド、スマートフォン、または手首に装着され得る別のデバイスに無線または有線で接続されたノートブックコンピュータなどのデバイス上で実行され得る。
【0052】
以下では、ウェアラブルデバイス100がスマートウォッチ100である例を使用して、本願において提供されたECG波形表示方法を実行し得るウェアラブルデバイスをユーザが装着した技術的解決手段を詳細に説明する。
【0053】
図2は、本願のいくつかの実施形態に係るスマートウォッチ100の構造のブロック図である。
図2に示されたように、スマートウォッチ100は、タッチディスプレイ101、プロセッサ102、ECG検出モジュール103、電極104a、電極104b、静電容量センサ105、IMU104、赤外線分光法(Infrared Spectroscopy,IR)106、慣性測定ユニット(Inertial measurement unit,IMU)107、メモリ108、および通信モジュール109などを含む。
【0054】
1つの態様において、タッチディスプレイ101は、タッチパネルとして使用され、タッチディスプレイ101に対するユーザのタッチ操作を収集し、予め設定されたプログラムに従って、応答する接続装置を駆動し得る。例えば、ユーザが指を使用してスマートウォッチ100のECG APPアイコンをタップするタッチ操作が収集される。別の態様において、タッチディスプレイ101は、ユーザにより入力される情報またはユーザに提供されるプロンプト情報、およびスマートウォッチ100上の様々なメニューを表示するように構成され得る。例えば、スマートウォッチ100を使用して検出されたユーザのECG波形、およびユーザの心電図レポートなどが表示される。
【0055】
プロセッサ102は複数の処理ユニットを含み、本願のいくつかの実施形態において提供されているECG波形表示方法のソフトウェアコードを実行し得る。例えば、装着部情報はIMU装着部識別およびECG装着部識別によって決定され、ECG波形が通常表示方式で表示されているかどうかを決定する。ECG波形が通常表示方式で表示されていない場合、ECG波形は通常表示方式で表示されるECG波形、およびユーザの心電図レポートなどに調整される。
【0056】
ECG検出モジュール103は、電極104aおよび電極104bによって検出された人体の電気信号を、ECG波形に処理するように構成されている。例えば、ECG検出モジュール103は、1または複数のフィルタを内部に含み得、または、ECG検出モジュール103は、1または複数のフィルタに接続され得る。1または複数のフィルタは、電極104aおよび電極104bによって検出された人体の電気信号に対して、フィルタ処理を実行するように構成され得る。例えば、ECG検出モジュール103は、1または複数のフィルタの周波数領域帯域幅で構成され得る。フィルタの周波数帯域幅が0.5Hzから40Hzであるとき、フィルタは、当該フィルタの入力信号(例えば、電極104aおよび電極104bによって検出された電気信号)に対してフィルタ処理を実行し、0.5Hzから40Hzの範囲における電気信号を取得し得、別の周波数の電気信号はフィルタリングされる。いくつかの実施形態において、電極104aおよび電極104bによって検出された電気信号をECG波形に処理する前述の機能は、別の部品、コンポーネントまたは回路によって実行され得る。上記別の部品、コンポーネントまたは回路は、プロセッサ103から独立した異なる部品であり得る。上記別の部品、コンポーネントまたは回路は、別個のデバイス(例えば、半導体デバイス)を使用した構築され得る。例えば、別の部品、コンポーネントまたは回路は、ECG検出機能を統合する集積回路(integrated circuit,IC)、マイクロ回路(microcircuit)、チップ(chip)、またはマイクロチップ(microchip)などであり得る。これは、本願において限定されない。
【0057】
静電容量センサ105は、人体およびスマートウォッチ100の間の静電容量を検出するように構成され得る。静電容量は、人体がスマートウォッチ100と良好に接触しているかどうかを反映し得る。静電容量センサ105が電極104aおよび/または電極104b上に配置されたとき、静電容量センサ105は、人体および電極104aおよび/または電極104bの間の静電容量を検出し得る。静電容量センサ105によって検出された静電容量が過度に大きいまたは過度に小さいとき、それは、人体と電極104aおよび/または電極104bの接触が悪いことを示す。静電容量センサ105によって検出された静電容量が適度であるとき、それは、人体が電極104aおよび/または電極104bと良好に接触していることを示す。人体が電極と良好に接触しているかどうかは、電極による電気信号の検出に影響を与え、さらにはECG波形の生成に影響を与える。したがって、ECG波形を生成するとき、スマートウォッチ100は、静電容量センサ106Dによって検出された静電容量に基づいて、ユーザがスマートウォッチ100を適切に装着しているかどうかを決定し得る。
【0058】
赤外線分光法106は、異なる物質の異なる反射値に基づいて、装着ステータスの検出を実行するように構成されている。
【0059】
慣性測定ユニット107は、物体の三軸姿勢角(または角速度)および加速度を測定するように構成されている。いくつかの実施形態において、慣性測定ユニット107は、3つの単軸加速度計、および3つの単軸ジャイロスコープを含む。上記加速度計は、キャリアの座標システムの3つの独立した軸において、物体の加速度信号を検出する。上記ジャイロスコープは、ナビゲーション座標システムに対するキャリアの角速度信号を検出し、3次元空間における物体の角速度および加速度を測定し、上記角速度および上記加速度に基づいて物体の姿勢を計算する。本願のいくつかの実施形態においては、ユーザの手首におけるスマートウォッチ100の装着部情報が検出され得る。
【0060】
メモリ108は、ソフトウェアプログラムおよびデータを格納するように構成されている。プロセッサ103は、メモリ108に格納されたソフトウェアプログラムおよびデータを実行し、スマートウォッチ100の様々な機能アプリケーションおよびデータ処理を実行する。例えば、本願のいくつかの実施形態において、メモリ108は、ECG検出モジュール103によって生成された人体のECG波形、人体および電極104aおよび/または電極104bの間の、静電容量センサ105によって収集された静電容量、および、慣性測定ユニット107によって測定された姿勢角および加速度などのデータを格納し得る。
【0061】
通信モジュール109は、スマートウォッチ100が別の電子デバイスと通信することを可能にするように構成され得、別の電子デバイスを使用してネットワークと接続されている。例えば、本願のいくつかの実施形態において、スマートウォッチ100は、通信モジュール109を使用してサーバとの接続を確立し、スマートウォッチ100によって生成されたECGデータをサーバに送信し得る。サーバは、受信されたECGデータに基づいてユーザの心臓機能を分析し、心電図レポートを生成し、生成されたレポートを、通信モジュール109を使用してスマートウォッチ100に送信する。
【0062】
図2は単に本願の技術的解決手段におけるスマートウォッチ100の機能を実装するための例示的な構造を示すということが理解され得る。別の構造を有し且つ同様の機能を実装し得るスマートウォッチ100も、本願の技術的解決手段に適用可能である。これは、本明細書において限定されるものではない。
【0063】
以下では、ユーザがスマートウォッチ100を使用してECG検出を実行する例を使用して、本願の技術的解決手段を詳細に説明する。
図3Aから
図3Cは、本願のいくつかの実施形態に係るECG波形表示方法の概略フローチャートである。
図3Aから
図3Cに示されたように、具体的に、本方法は以下を含む。
【0064】
ユーザがスマートウォッチ100を左手に装着し、左手が指定された部分として使用されるとき、すなわち、ユーザがスマートウォッチ100を左手首に装着したとき、スマートウォッチ100は、ECG波形を通常表示方式でディスプレイ上に表示する。例えば、ECG波形のピークは左手側に対向している。しかしながら、ユーザがスマートウォッチ100をユーザの右手首に装着し、本願のこの実施形態において提供されているECG波形表示方法を実行しないとき、スマートウォッチ100は、ECG波形を異常表示方式でディスプレイ上に表示する。通常表示方式でディスプレイ上に表示された波形の方向が異常表示方式でディスプレイ上に表示された波形の方向と反対である例、例えば、ECG波形のピークが右手側に対向する事例が、説明のために使用されている。
【0065】
ステップ301:スマートウォッチ100は、ECG波形検出アプリケーションを起動し、ECG波形を収集する。
【0066】
いくつかの実施形態において、スマートウォッチ100はECG波形検出機能を有する。ECG波形検出機能に対応し且つスマートウォッチ100内のアプリケーションが起動されたとき、スマートウォッチ100はECG波形検出機能を有効にする。例えば、ユーザが、
図1Aに示されたように指を使用してECG波形検出APPをタップしたとき、または、ユーザが、ECG波形検出APPを起動するためのコマンドを音声方式でスマートウォッチ100に送信したとき、スマートウォッチ100は、ECG波形検出APPを起動するためのタップ操作を検出するまたはECG APPを起動するためのコマンドを受信する。ユーザの手がスマートウォッチの側面にある電極と接触している、すなわち、ECG波形検出アプリケーションが有効になっているとき、スマートウォッチ100はECG波形検出を開始し、ECG波形を収集する。
【0067】
ステップ302:スマートウォッチ100は、スマートウォッチ100およびユーザの手首の間の装着ステータスを決定する。
【0068】
ECG波形検出アプリケーションを起動した後、スマートウォッチ100は、ECG波形を収集し、装着ステータスおよび装着部を決定し、その結果、スマートウォッチ100のECG波形は、通常表示方式でディスプレイ上に表示される。
【0069】
いくつかの実施形態において、スマートウォッチ100の装着ステータス検出機能は、着用状態における静電容量および非装着状態における静電容量の異なるインピーダンス値に基づいて実装される。例えば、ユーザがスマートウォッチ100を装着したときに、人体表面のインピーダンス値は2kΩから10kΩの範囲にあることが検出される。この場合、スマートウォッチ100は、スマートウォッチ100がユーザの手首に着用された状態であることを知る。ユーザがスマートウォッチ100を装着していないとき、検出された人体表面のインピーダンス値は、一般に、1MΩより大きい。この場合、スマートウォッチ100は、スマートウォッチ100がユーザの手首に装着されていない状態であることを知る。
【0070】
加えて、いくつかの他の実施形態において、スマートウォッチ100は、スマートウォッチ100およびユーザの手首の間における装着ステータスデータを読み取り、スマートウォッチ100およびユーザの手首の間における装着ステータスを決定する。具体的には、本方法は、以下を含む:スマートウォッチ100は当該スマートウォッチ100のレジスタにおける装着ステータスフラグビットを読み取り、スマートウォッチ100およびユーザの手首の間における装着ステータスを取得する。例えば、スマートウォッチ100がECG波形検出アプリケーションを起動する前に、当該スマートウォッチ100は、着用状態における静電容量および非装着状態における静電容量の異なるインピーダンス値に基づいて、フラグレジスタ内の装着ステータスフラグビットflag_wearの値を決定する。ユーザがスマートウォッチ100を装着したとき、人体表面のインピーダンス値は2kΩから10kΩの範囲内にあること、および、スマートウォッチ100内のフラグレジスタにおける装着ステータスフラグビットflag_wearが1の値に割り当てられたことが検出される。スマートウォッチ100のレジスタにおける装着ステータスフラグビットが1であることをスマートウォッチ100が読み取ったとき、当該スマートウォッチ100は、スマートウォッチ100がユーザの手首に着用された状態であることを知る。ユーザがスマートウォッチ100を装着していないとき、検出された人体表面のインピーダンス値は一般に1MΩより大きく、スマートウォッチ100内のフラグレジスタにおける装着ステータスフラグビットflag_wearは0の値に割り当てられる。スマートウォッチ100のレジスタにおける装着ステータスフラグビットが0であることをスマートウォッチ100が読み取ったとき、当該スマートウォッチ100は、スマートウォッチ100がユーザの手首に着用されていない状態であることを知る。
【0071】
加えて、前述の実施形態とは異なり、いくつかの他の実施形態においては、異なる物質に対する赤外線の反射値は異なるという原理に従って、赤外線スペクトル検出デバイスによって検出された着用状態における赤外線スペクトルおよび非装着状態における赤外線スペクトルは異なる。したがって、スマートウォッチ100はさらに、赤外線スペクトル検出デバイスを使用して、スマートウォッチ100の装着ステータス検出機能を実装し得る。
【0072】
ステップ303:スマートウォッチ100は、スマートウォッチ100が着用状態にあるかどうかを決定する。スマートウォッチ100が着用状態にある場合、ステップ304が実行され;そうでなければ、それはウォッチが着用状態でないことを示し、この場合、IMU装着部検出がアクティブ化することができない。したがって、ステップ303における決定結果がnoであるとき、現在のプロセスは終了する。
【0073】
ステップ304:スマートウォッチ100は、IMU装着部識別によって第1装着部情報を決定する。
【0074】
いくつかの実施形態において、ユーザがスマートウォッチ100を装着した後、IMUは、ジャイロスコープの姿勢角の経時的に変化するデータ、および加速度計の加速度の経時的に変化するデータを取得する。スマートウォッチ100は、IMU装着部検出信頼度(第1装着部信頼度の一例として使用される)を、姿勢角の経時的に変化するデータおよび加速度の経時的に変化するデータに基づいて取得し、IMU装着部検出情報(第1装着部情報の一例として使用される)を、IMU装着部検出信頼度に基づいて取得する。以下では、IMU装着部検出信頼度を具体的に説明する。IMU装着部検出信頼度は、左手装着部、右手装着部、および不確実な装着部の真正性確率を決定するために使用されるということが理解され得る。IMU装着部検出信頼度は、左手装着信頼度、右手装着信頼度、または不確実な装着部検出信頼度であり得る。左手装着信頼度、右手装着信頼度、および不確実な装着部検出信頼度の合計は1である。例えば、左手装着信頼度は0.8であり、右手装着信頼度は0.1であり、不確実な装着部の信頼度は0.1である。装着情報は、最も高い信頼度に基づいて、左手装着状態を示すように決定される。装着部情報は、左手装着部、右手装着部、または不確実な装着部を示し得る。いくつかの実施形態において、IMU装着部検出信頼度は、百分率の形態であり得る。これは、本願において限定されない。同じ検出からの左手装着信頼度、右手装着信頼度、および不確実な装着部検出信頼度の合計は100%であり得ることが理解され得る。
【0075】
具体的には、IMU装着部検出情報(第1装着部情報の一例)がIMUによって検出された加速度値および姿勢角に基づいて決定されるということは、以下を含む。
【0076】
スマートウォッチ100は、経時的に変化する姿勢角データを、予め設定された時間間隔、例えば200ミリ秒ごとに1回処理し、それぞれの予め設定された時間間隔内の姿勢角の標準偏差および平均値を取得する。
【0077】
加速度は、X軸、Y軸、およびZ軸における加速度計の変化であり得、姿勢角は、Pitch(Y軸)、Roll(X軸)、またはYaw(Z軸)におけるジャイロスコープの変化であり得る。
例えば、
図4は、本願のいくつかの実施形態に係る、予め設定された間隔が200ミリ秒であり、ステップが150ミリ秒である収集周期の時間領域の概略図である。
図4に示されたように、ユーザがウォッチを装着した後、スマートウォッチ100は、ジャイロスコープおよび加速度計のデータを予め設定された時間間隔、例えば200ミリ秒ごとに1回処理し、ここで連続的な200msのデータは50msの重複エリアを有する。
【0078】
いくつかの実施形態において、X軸、Y軸、およびZ軸における加速度計の加速度の変化、および、ジャイロスコープのPitch(Y軸)、Roll(X軸)、およびYaw(Z軸)などの姿勢角の変化に対して、200msごとに正規化処理が実行され、次に、対応する加速度の標準偏差および平均値、および姿勢角などのパラメータが計算される。
図5は、本願のいくつかの実施形態に係る、姿勢角の差および基準値、および、加速度の差および基準値が時間とともに変化する波形の概略図を示す。
図5に示されたように、以下の変化が含まれる。第1の列は、X軸姿勢角の平均値における変化、X軸姿勢角の標準偏差における変化、X軸加速度の平均値における変化、およびX軸加速度の標準偏差における変化を含む。第2の列は、Y軸姿勢角の平均値における変化、Y軸姿勢角の標準偏差における変化、Y軸加速度の平均値における変化、およびY軸加速度の標準偏差における変化を含む。第3の列は、Z軸姿勢角の平均値における変化、Z軸姿勢角の標準偏差における変化、Z軸加速度の平均値における変化、Z軸加速度の標準偏差における変化を含む。ジャイロスコープは、X、YおよびZといった3つの軸における姿勢角を有し、移動する物体の方向を決定するのに使用されている。ユーザの左手および右手の移動方向は、異なる。それに応じて、ジャイロスコープによって測定された左手および右手の姿勢角データは異なる。同じ期間において、3つの軸X、YおよびZにおける姿勢角平均値の変化は、当該期間における姿勢角平均値を反映する。姿勢角の標準偏差は、ある期間における姿勢角値の分布および分散を反映する。姿勢角の平均値および標準偏差は、装着部を反映し得る。
【0079】
加速度はベクトルであり、加速度の方向は、物体の速度変化(量)の方向であり、共同の外力の方向と同じである。力が左方または右方に適用された、すなわち、異なる加速度が提供された場合、力の速度は変化する(速力および方向を含む)。しかしながら、左方の加速度および右方の加速度は、明らかに異なる効果をもたらす。移動プロセスにおいて左手および右手の力が適用される方向は通常は異なり、加速度および加速度の方向は異なる。したがって、装着部は、加速度の平均値および標準偏差に基づいて決定され得る。
【0080】
左および右手の分布ルールおよび左および右手の決定基準は、アルゴリズムモデルトレーニングによって取得される。以下では、IMU装着部識別モデルの一例を説明する。
【0081】
X軸、Y軸、およびZ軸における加速度計の加速度の標準偏差および平均値、Y軸、X軸、およびZ軸におけるジャイロスコープの姿勢角の平均値の標準偏差、および、左手および右手の状態ラベルは、IMU装着部識別モデルに入力される。予め設定された損失関数を満たすトレーニングされたIMU装着部識別モデルは、IMU装着部識別モデルをトレーニングすることによって取得される。
【0082】
X軸、Y軸、およびZ軸における加速度計の加速度の現在取得されている標準偏差および平均値、および、Pitch(Y軸)、Roll(X軸)、およびYaw(Z軸)におけるジャイロスコープの姿勢角の標準偏差および平均値は、トレーニングされたIMU装着部識別モデルに入力される。トレーニングされたIMU装着部識別モデルの出力結果は、IMU装着部検出信頼度および/またはIMU装着部検出情報である。IMU装着部検出信頼度は、左手装着のIMU装着部検出信頼度、右手装着のIMU装着部検出信頼度、または不確実な装着部検出信頼度であり得ることが理解され得る。IMU装着部検出情報は、左手装着部、右手装着部、または不確実な装着部を示し得る。例えば、IMU左手装着検出信頼度は0.8であり、IMU右手装着検出信頼度は0.2であり、不確実な装着部検出信頼度は0.4である。IMU装着部検出信頼度は、小数または百分率であり得る。しかしながら、IMU装着部検出信頼度はそれに限定されるものではない。
【0083】
装着部データは、左/右手装着フラグhand_flag_imuを含み得る。左/右手装着フラグhand_flag_imuの値は左手装着状態に基づいて決定され、左/右手装着フラグhand_flag_imuの値は、0、1または2であり得る。値0は、スマートウォッチが左手に装着されているかまたは右手に装着されているかが不確実であることを示し、値1は、スマートウォッチが左手に装着されていることを示し、値2は、スマートウォッチが右手に装着されていることを示す。スマートウォッチ100は、左/右手装着フラグhand_flag_imu値を読み取り、装着部情報を決定する。
【0084】
いくつかの実施形態において、複数のIMU装着部検出信頼度は、IMUによって検出された加速度値および姿勢角に基づいて取得される。複数のIMU装着部検出信頼度は第1反復式に従って処理され、平均IMU装着部信頼度(第1平均装着部信頼度の一例として使用される)を取得する。IMU装着部検出情報は、平均IMU装着部信頼度に基づいて決定される。
【0085】
第1反復式が以下の通りであり得ることが理解され得る。
CI1_average=a1*CI1_average+b1*CI_imui (式1)
【0086】
上記式において、CI1_averageは平均IMU装着部信頼度を表し、CI_imuiはIMU装着部検出信頼度、すなわち、単一信頼度CI_imuiを表す。a1およびb1は自然数であり、a1およびb1の合計は1であり、a1はb1より大きい。シンボル「*」は乗算を表し、CI_averageの値範囲は[0,1]である。例えば、a1は0.6に設定され、b2は0.4に設定される。
【0087】
いくつかの実施形態において、IMU装着部検出情報が単一測定において取得されたIMU装着部検出信頼度に基づいて決定されるということは、具体的には以下を含む。
【0088】
IMU装着部検出信頼度が第1閾値(例えば、0.7)より大きいとき、スマートウォッチは左手に装着されていることが決定される。代替的に、IMU装着部検出信頼度が第2閾値(例えば、0.3)より小さいとき、スマートウォッチは右手に装着されていることが決定される。代替的に、IMU装着部検出信頼度が第1閾値および第2閾値の間の間隔(例えば、0.3から0.7)に含まれるとき、装着部は不確実であることが決定される。第1閾値は、第2閾値より大きい。
【0089】
例えば、CI_imuはIMU装着部検出信頼度を表し、hand_flagは装着部フラグビットを表す。CI_imuの値が0.7より大きいとき、スマートウォッチは左手に装着され、hand_flagは値1に割り当てられていることが決定される。代替的に、CI_imuの値が0.3より小さいとき、スマートウォッチは右手に装着され、hand_flagは2に等しいことが決定される。代替的に、CI_imuの値が間隔[0.3,0.7]に含まれるとき、装着部は不確実であり、hand_flagは0に等しいことが決定される。スマートウォッチは、装着部フラグビットを読み取ることによってIMU装着部検出情報を決定し得る。
【0090】
加えて、いくつかの実施形態において、平均IMU装着部信頼度が第3閾値(例えば、0.7)より大きいとき、スマートウォッチは左手に装着されていることが決定される。代替的に、平均IMU装着部信頼度が第4閾値(例えば、0.3)より小さいとき、スマートウォッチは右手に装着されていることが決定される。代替的に、平均IMU装着部信頼度が第3閾値および第4閾値の間の間隔(例えば、0.3から0.7)に含まれるとき、装着部は不確実であることが決定される。第3閾値は、第4閾値より大きい。
【0091】
例えば、CI1_averageは平均IMU装着部信頼度を表し、hand_flagは装着部フラグビットを表す。CI1_averageの値が0.7より大きいとき、スマートウォッチは左手に装着され、hand_flagは値1に割り当てられていることが決定される。代替的に、CI1_averageの値が0.3より小さいとき、スマートウォッチは右手に装着され、hand_flagは2に等しいことが決定される。代替的に、CI1_averageの値が間隔[0.3,0.7]に含まれるとき、装着部は不確実であり、hand_flagは0に等しいことが決定される。スマートウォッチは、装着部フラグビットを読み取ることによってIMU装着部検出情報を決定し得る。
【0092】
ステップ305:スマートウォッチ100は、第1装着部情報が決定状態を示すかどうかを決定し、第1装着部情報が決定状態を示すときにステップ306を実行するか、または、第1装着部情報が決定状態を示さないときにステップ311を実行する。
【0093】
IMU装着部検出情報は、第1装着部情報の一例として使用されている。IMU装着部検出情報が決定状態を示すとスマートウォッチ100が決定するとき、ECG装着部識別によって取得された識別結果を使用することによって検証をさらに実行し、正確な装着部検出結果を取得する必要がある。言い換えれば、ステップ306が実行される。IMU装着部検出情報が不確実な状態を示すとスマートウォッチ100が決定するとき、装着部識別結果は、ECG装着部識別によって取得された識別結果を使用して直接取得される。言い換えれば、ステップ311が実行される。
【0094】
ステップ306:スマートウォッチ100は、そのディスプレイ上にECG装着部識別プロンプト情報を表示し、ECG装着部識別を実行するかどうかを選択するようにユーザに指示することで、ECG波形が通常状態で表示されることを保証する。
【0095】
図6は、本願のいくつかの実施形態に係るECG波形検出プロンプト情報の表示インタフェース図の一例である。
図6に示されたように、スマートウォッチ100は、そのディスプレイ上に、「ECG波形の通常表示を保証するために、ECG装着部識別はさらに実行される必要がある!」というプロンプト情報、および、「カウントダウン3秒」および「キャンセル」という2つの選択肢を表示する。「カウントダウン3秒」の選択肢は、時間切れになったときにECG装着部識別が自動的に開始されることを示す。本願の実装に従って、ECG波形検出は、IMU検出が実行された後に実行され、その結果、手首識別成功率が向上され、正常方式で表示された心電図波形がユーザに提供される。したがって、「カウントダウンまで3秒」の方式が採用され、ユーザが動作を強制的に停止しない限り、自動的にECG波形検出を実行する。ユーザが「キャンセル」アイコンをタップしたとき、スマートウォッチ100はECG装着部識別要求を取得せず、「ECG波形の通常表示を保証するために、ECG装着部識別はさらに実行される必要がある!」というプロンプト情報、および、「カウントダウン3秒」および「キャンセル」という2つの選択肢の表示をキャンセルする。
【0096】
加えて、前述の実施形態における事例とは異なり、いくつかの他の実施形態においては、ユーザは、代替的に、当該ユーザの要件に基づいて、ある期間の間「キャンセル」アイコンをタップした後、「ECG装着部識別」アイコンをタップすることで、ECG装着部識別を有効にし得る。
【0097】
加えて、いくつかの他の実施形態において、スマートウォッチ100は、そのディスプレイ上にECG装着部識別プロンプト情報を表示しないことで、ECG装着部識別を実行するかどうかを選択するようにユーザに指示する。代わりに、スマートウォッチ100は、IMU装着部識別を実行した後、ECG装着部識別を直接且つ自動的に実行する。
【0098】
このように、いくつかの実施形態において、左/右手の決定結果は、ECG装着部識別によって取得された装着部情報およびECG装着部検出信頼度に基づいて取得される。代替的に、左/右手の決定結果は、IMU装着部識別によって取得された装着部情報およびIMU装着部検出信頼度、および、ECG装着部識別によって取得された装着部情報およびECG装着部検出信頼度を総合的に考慮することによって取得される。
【0099】
ステップ307:ECG装着部識別要求を取得するとき、スマートウォッチ100は、ECG装着部識別によって第2装着部情報を決定する。
【0100】
いくつかの実施形態において、「ECG装着部識別」アイコンがタップされて、ECG装着部識別を有効にする。
【0101】
加えて、いくつかの他の実施形態において、
図6に示されたように、「カウントダウン3秒」の選択肢は、時間切れになったときにECG装着部識別が自動的に開始されることを示す。
【0102】
いくつかの実施形態において、スマートウォッチ100が、ECG波形検出要求を取得した後にECG波形の波形特徴情報に基づいてECG装着部検出信頼度を取得することは、
IMU装着部検出信頼度およびECG装着部検出信頼度に基づいて平均ECG装着部信頼度(第2平均装着部信頼度の一例として使用される)を取得すること;および
平均ECG装着部信頼度に基づいて、ECG装着部情報(第2装着部情報の一例)を決定すること
を含む。
【0103】
具体的には、いくつかの実施形態において、本方法は、
ECG波形の波形特徴情報に基づいて複数のECG装着部検出信頼度を取得すること;
平均IMU装着部信頼度(第1平均装着部信頼度の一例として使用される)、複数のECG装着部検出信頼度(第2装着部信頼度の一例として使用される)、および第2反復式に基づいて、平均ECG装着部検出信頼度(第2平均装着部信頼度の一例として)を取得すること;および
平均ECG装着部検出信頼度に基づいて、ECG装着部検出情報を取得すること
を含む。
【0104】
第2反復式は、以下の通りである。
CI2_average=a2*CI1_average+b2*CI_ecgi (式2)
【0105】
上記式において、CI2_averageは平均ECG装着部信頼度を表し、CI1_averageは平均IMU装着部信頼度を表し、CI_ecgiはECG装着部検出信頼度を表し、a2およびb2は自然数であり、a2およびb2の合計は1であり、a2はb2より小さい。ECG装着部識別およびIMU装着部識別の間には時間間隔が存在し得ることが考慮される。したがって、時間間隔の長さに基づいて、信頼度より前の重み係数が決定される。例えば、IMU装着部識別および検出からより長い時間離れているほど、b2をより大きい値で示す。例えば、a2は0.4に設定され、b2は0.6に設定される。CI_ecgiの値範囲は[0,1]である。いくつかの他の実施形態において、ユーザが不整脈を有する患者であり且つECG波形が変形されているとき、IMU事前決定割合が増加し、精度を向上させ、ECG収集に使用される時間を低減するということが理解され得る。具体的に、本方法は、以下を含む。
【0106】
スマートウォッチ100は、ディスプレイの表示インタフェース上に、ユーザが身体状態を入力したというプロンプト情報を表示し、
ユーザがスマートウォッチ100の表示インタフェース上に入力した不整脈情報が取得されたとき、IMU事前決定割合b2は増加する。
【0107】
いくつかの実施形態において、平均ECG装着部検出信頼度が第5閾値より大きいとき、スマートウォッチは左手に装着されていることが決定される。代替的に、平均ECG装着部検出信頼度が第6閾値より小さいとき、スマートウォッチは右手に装着されていることが決定される。代替的に、平均ECG装着部検出信頼度が第5閾値および第6閾値の間の間隔に含まれるとき、装着部は不確実であることが決定される。第5閾値は、第6閾値より大きい。
【0108】
例えば、左および右の境界閾値はT1_ECGおよびT1_exgに設定され、ここでT1_ECGはT1_exgより大きいまたはそれに等しい。CI_ecgiの値が[T1_ECG,1]および[0,T1_exg]内にあるとき、CI_ecgiの値はそれぞれ、左手および右手に対応し、hand_flag_ecgの値はそれぞれ、割り当てられた値1および2に対応する。CI_ecgiの値が間隔[T1_exg,T1_ECG]内にあるとき、左/右手の状態は不確実である。T1_ECGの値は0.5であり、T1_exgの値は0.3であると仮定する。CI_ecgiの値が間隔[0.5,1]内にあるとき、CI_ecgiの値は左手に対応し、hand_flag_ecgの値は値1に対応する。代替的に、CI_ecgiの値が[0,0.3]内にあるとき、CI_ecgiの値は右手に対応し、hand_flag_ecgの値は値2に対応する。代替的に、CI_ecgiの値が間隔[0.3,0.5]内にあるとき、左/右手の状態は不確実である。いくつかの実施形態において、スマートウォッチ100は、hand_flag_ecgを読み取ることによってECG装着部検出情報を取得し得る。
【0109】
加えて、いくつかの他の実施形態において、前述の実装における事例とは異なり、ECG装着部検出信頼度は第3反復式を使用してのみ処理されることで、平均ECG装着部信頼度(第2平均装着部信頼度の一例として使用される)を取得し、ECG装着部検出情報は、平均ECG装着部信頼度に基づいて取得される。
【0110】
第3反復式は、以下の通りである。
CI2_average=a2*CI2_average+b2*CI_ecgi (式3)
【0111】
上記式において、CI2_averageは平均ECG装着部信頼度を表し、CI_ecgiはECG装着部検出信頼度を表し、a2およびb2は自然数であり、a2およびb2の合計は1であり、a2はb2より小さい。ECG装着部識別およびIMU装着部識別の間には時間間隔が存在し得ることが考慮される。したがって、時間間隔の長さに基づいて、信頼度より前の重み係数が決定される。例えば、IMU装着部識別および検出からより長い時間離れているほど、b2をより大きい値で示す。例えば、a2は0.4に設定され、b2は0.6に設定される。CI_ecgiの値範囲は[0,1]である。
【0112】
加えて、いくつかの他の実施形態において、ECG装着部検出情報は、ECG装着部信頼度に基づいて1回取得される。
【0113】
以下では、ECG装着部検出信頼度をどのように取得するかを、例を使用して説明する。いくつかの実施形態において、ユーザがスマートウォッチ100を装着した後、左/右手の識別が、ECG波形に基づいて実行される。ECG装着部識別アルゴリズムの機能に従って、ユーザの最初の検出段階におけるECG波形の形態が分析され、ユーザがインテリジェントウェアラブルデバイスを装着した部分を決定する。tの期間(例えば、1秒から2秒)内のECG波形(R波およびQRS群幅など)が抽出され、左/右手の決定を実装する。具体的には、本方法は、
ユーザがスマートウォッチ100を装着した後のECG波形のセグメント(例えば、持続時間1秒)を取得する段階;
ECG波形の取得されたセグメントの波形特徴情報を決定する段階
を含む。
【0114】
ECG波形の波形特徴情報をトレーニングされたECG装着部識別モデルに入力し、ECG装着部検出信頼度であるトレーニングされたECG装着部識別モデルの出力結果を取得する段階;および、ECG装着部検出信頼度に基づいてECG装着部検出情報を決定する段階。ECG装着部検出情報は、スマートウォッチが左手に装着されているかまたは右手に装着されているかについての情報であり得る。ECG装着部検出信頼度は、左手装着ECG信頼度または右手装着ECG信頼度であり得る。
【0115】
ECG検出において、ECG波形の抽出された波形特徴情報は、QRS波面積、QR幅とRS幅の比、QR高さ、RS高さ、P波振幅、P波面積(正および負の値を含む)、T波幅、およびT波面積を含み得ることが理解され得る。
図7は、本願のいくつかの実施形態に係るECG波形のセグメントの概略図である。
図7に示されたように、ECG波形は、QRS波面積、QR幅とRS幅の比、QR高さ、RS高さ、P波振幅、P波面積(正および負の値を含む)、T波幅、およびT波面積を含む。主な要素の分析に基づいて主な要素の再構築が信号に対して実行され、最も大きい変化を有し且つ波形特徴情報における最初の3つの主な要素の特徴が選択される。選択された主な要素の特徴はトレーニングされたECG装着部識別モデルに入力され、ECG波形に基づいて左/右手の決定を実装し、信頼度CI_ecgiを取得する。
【0116】
ステップ308:スマートウォッチ100は、第1装着部情報が第2装着部情報と同じであるかどうかを決定し、第1装着部情報が第2装着部情報と同じときにステップ309を実行するか、または、第1装着部情報が第2装着部情報とは異なるときにステップ310を実行する。
【0117】
IMU装着部検出情報は、第1装着部情報の一例として使用されており、ECG装着部検出情報は、第2装着部情報の一例として使用されている。IMU装着部検出情報がECG装着部検出情報と同じであることは、IMU装着部識別およびECG装着部識別の結果が一致することを意味する。それに応じて、IMU装着部検出情報およびECG装着部検出情報が決定状態において左手装着状態または右手装着状態を示すことが決定され得る。したがって、スマートウォッチ100は、ステップ309の実行を継続し得る。IMU装着部検出情報がECG装着部検出情報とは異なることは、IMU装着部識別およびECG装着部識別の結果が一致しないことを意味する。それに応じて、IMU装着部検出情報およびECG装着部検出情報が決定状態において左手装着状態を示すかまたは右手装着状態を示すことが決定されることができない。ECG装着部識別は比較的正確である。したがって、装着部識別結果を取得するために、ECG装着部識別がさらに実行される必要がある。スマートウォッチ100は、ステップ310の実行を継続し得る。
【0118】
ステップ309:スマートウォッチ100は、決定状態に対応する表示方式でディスプレイ上にECG波形を表示する。
【0119】
本願のこの実施形態において、電極Aおよび電極Bなどのハードウェア構造に基づいて決定された予め設定された装着部情報に従って、スマートフォン100は、左手に装着されるように設定されている。別の実施形態において、予め設定された装着部情報は代替的に、右手装着状態を示し得ることが理解され得る。装着部情報が予め設定された装着部情報であるとき、ECG波形は、通常表示方式でディスプレイ上に表示される。別の実施形態において、予め設定された装着部情報は代替的に、左手装着状態を示し得ることが理解され得る。IMU装着部検出情報およびECG装着部検出情報が左手装着情報または右手装着情報であるとき、IMU装着部検出情報およびECG装着部検出情報は決定状態を示す。
【0120】
いくつかの実施形態において、IMU装着部検出情報(第1装着部情報の一例として使用される)およびECG装着部検出情報(第2装着部情報の一例として使用される)が予め設定された装着部情報と同じとき、スマートウォッチ100は、ECG波形を通常表示方式でディスプレイ上に表示する。
【0121】
例えば、予め設定された装着部情報は左手装着状態を示す。IMU装着部検出情報およびECG装着部検出情報が左手装着情報と同じであるとき、スマートウォッチ100は、ECG波形を、左手装着状態に対応する通常表示方式でディスプレイ上に表示する。
【0122】
いくつかの他の実施形態において、IMU装着部検出情報およびECG装着部検出情報が予め設定された装着部情報とは異なるとき、スマートウォッチ100は、異常表示方式を通常表示方式に調整し、ECG波形がディスプレイ上に表示することが理解され得る。
【0123】
例えば、予め設定された装着部情報は左手装着状態を示す。IMU装着部検出情報およびECG装着部検出情報が左手装着情報とは異なるとき、スマートウォッチ100は、異常表示方式を通常表示方式に調整し、ECG波形をディスプレイ上に表示する。
【0124】
図8は、本願のいくつかの実施形態に係る異常表示方式で表示されたECG波形の表示インタフェース図の例である。ユーザがスマートウォッチ100をユーザの左手首に装着したとき、スマートウォッチ100は、ECG波形を通常表示方式でディスプレイ上に表示する。しかしながら、ユーザがスマートウォッチ100をユーザの右手首に装着したとき、スマートウォッチ100は、ECG波形を、座標軸の負方向において、すなわち、右手側を向いている方向において、表示する。
図8に示されたように、スマートウォッチ100のディスプレイ上におけるECG波形の表示ステータスは、ECG波形が異常表示方式で表示されていることである。
【0125】
図9は、本願のいくつかの実施形態に係る通常表示方式で表示されたECG波形の表示インタフェース図の例である。
図9に示されたように、スマートウォッチ100のディスプレイ上におけるECG波形の表示ステータスは、ECG波形が通常表示方式で表示されていることである。具体的には、
図9における波形データが負1で乗算され、その結果、波形が反転され、ECG波形は、座標軸の正の方向において、すなわち、左手側を向いている方向において、表示される。
【0126】
本願において、装着部情報はIMU装着部識別およびECG装着部識別によって決定され、ECG波形が通常表示方式で表示されているかどうかを決定する。ECG波形が通常表示方式で表示されていない場合、ECG波形は通常表示方式で表示されるECG波形に調整される。このように、IMU装着部識別のみを実行することによって発生する誤検出率が低減し得、ECG装着部識別のみを実行することによって発生する、消費時間が過度に長いいという問題が低減し得る。識別期間が短縮され、同時に、装着部識別の精度および通常状態におけるECG波形の表示精度が向上する。
【0127】
ステップ310:スマートウォッチ100は、ECG装着部識別を少なくとも1回は再び実行して第3装着部情報を取得し、スマートウォッチ100は、第3装着部情報によって示された決定状態に対応する表示方式でECG波形をディスプレイ上に表示する。
【0128】
いくつかの実施形態において、IMU装着部識別によって取得された装着部情報がECG装着部識別によって取得された装着部情報とは異なるとき、スマートウォッチ100は、ECG装着部識別の実行を少なくとも1回は継続し、ECG装着部検出情報(第3装着部情報の一例として使用される)およびECG装着部検出信頼度を取得する。ECG装着部識別をさらに実行した結果に基づいて装着ステータスを決定する方式には、以下の例示的な実装が含まれ得る。
【0129】
実装において、ECG装着部識別が少なくとも1回は再び実行され、第3装着部情報を取得する、すなわち、ECG装着部識別の回数が増加する。平均ECG装着部検出信頼度(第3平均装着部信頼度として使用される)は、ECG装着部識別の増加した回数、および平均ECG装着部検出信頼度(第2平均装着部信頼度の一例として使用される)に基づいて取得された複数のECG装着部検出信頼度(第2装着部信頼度の一例として使用される)に基づいて、再取得される。ECG装着部検出情報(第3装着部情報の一例として使用される)は、再取得された平均ECG装着部検出信頼度に基づいて決定される。
【0130】
平均ECG装着部検出信頼度を再取得するための計算式は、以下の通りである。
CI3average=a3*CI2_average+b3*CIN_CI_ecgi (式4)
【0131】
上記式において、CI3_averageは再取得された平均ECG装着部検出信頼度を表し、CI2_averageは平均ECG装着部検出信頼度を表し、CIN_CI_ecgiは増加したECG波形検出の回数に対応するECG装着部検出信頼度を表し、a3およびb3は自然数であり、a3およびb3の合計は1であり、a3はb3より小さい。
【0132】
左および右の境界閾値は、T1_CI3およびT1_ci3に設定されており、ここでT1_ECGはT1_CI3より大きいまたはそれに等しい。CI3_averageの値が[T1_CI3,1]および[0,T1_ci3]内にあるとき、Ci3_averageの値はそれぞれ、左手(hand_flag_ecgの値は1に等しい)および右手(hand_flag_ecgの値は2に等しい)に対応する。CI3_averageの値が間隔[T1_ci3,T1_CI3]内にあるとき、左/右手の状態は不確実である。
【0133】
例えば、hand_flag_ecgの値およびhand_flagの値の両方が1または2であるとき、対応するECG波形が表示される。例えば、hand_flagの値が1に等しい(hand_flag_ecgの値は、hand_flagの値に等しく、1に等しい)とき、ECG波形は、順方向において表示される。代替的に、hand_flagの値が2に等しい(hand_flag_ecgの値はhand_flagの値に等しく、2に等しい)とき、ECG波形は逆方向において表示され、すなわち、ECG波形データは-1で乗算される。
【0134】
いくつかの実施形態において、ユーザがウォッチを装着した直後に測定を実行するとき、IMUベース決定の回数は少なく、予測を正確に実行することができないということが理解され得る。この場合、波形特徴の事前決定割合が増加する。波形ベース決定の精度はIMU装着部識別の精度より高く、その結果、左/右手装着位置の決定の精度、および通常表示方式におけるECG波形の表示の精度が向上する。
【0135】
このように、IMU装着部識別およびECG装着部識別の両方が使用されており、上記IMU装着部識別および上記ECG装着部識別によって決定された装着情報が異なるとき、ECG装着部識別回数およびECG検出信頼度の割合が増加される。したがって、ある程度は、通常状態における装着部およびECG波形を表示することの精度が向上される。
【0136】
加えて、いくつかの他の実施形態において、ECG装着部識別が少なくとも1回は再び実行されて少なくとも1つの第3装着部信頼度を直接取得し、第3装着部情報は少なくとも1つの第3装着部信頼度に基づいて決定され得る。
【0137】
例えば、ECG装着部識別がもう一度実行されて1つのECG装着部検出信頼度(第3装着部信頼度の一例として使用される)を取得し、第3装着部情報は、ECG装着部検出信頼度に基づいて決定される。
【0138】
例えば、ECG装着部検出信頼度は第5反復式を使用して処理され、平均ECG装着部信頼度(第3平均装着部信頼度の一例として使用される)を取得し、ECG装着部検出情報は平均ECG装着部信頼度に基づいて取得される。
【0139】
平均ECG装着部検出信頼度を再取得するための計算式(第5反復式の一例として)は、以下の通りである。
CI3_average=a3* CI3_average+b3*CIN_CI_ecgi (式5)
【0140】
上記式において、CI3_averageは再取得された平均ECG装着部検出信頼度を表し、CIN_CI_ecgiは増加したECG波形検出の回数に対応するECG装着部検出信頼度を表し、a3およびb3は自然数であり、a3およびb3の合計は1であり、a3はb3より小さい。
【0141】
次に、
図3Aに示されたように、本プロセスはステップS05における決定に戻る。このステップにおける決定結果がnoであるとき、ステップS311における処理が実行される。
【0142】
ステップ311:スマートウォッチ100は、ECG装着部識別を実行し、第4装着部情報を取得する。
【0143】
いくつかの実施形態において、ECG装着部識別は少なくとも1回は再び実行され、少なくとも1つのECG装着部検出信頼度(第4装着部信頼度の一例として使用される)を直接取得し得、ECG装着部検出情報(第4装着部位置情報の一例として使用される)は、少なくとも1つのECG装着部検出信頼度に基づいて決定される。
【0144】
例えば、ECG装着部識別がもう一度実行されて1つのECG装着部検出信頼度(第4装着部信頼度の一例として使用される)を取得し、ECG装着部検出情報は、ECG装着部検出信頼度に基づいて決定される。
【0145】
加えて、いくつかの他の実施形態において、ECG装着部検出信頼度は第6反復式を使用して処理され、平均ECG装着部信頼度(第4平均装着部信頼度の一例として使用される)を取得し、ECG装着部検出情報(第4装着部情報)は平均ECG装着部信頼度に基づいて取得される。
【0146】
例えば、平均ECG装着部検出信頼度を再取得するための計算式(第6反復式の一例として)は、以下の通りである。
CI6_average=a6* CI6_average+b6*CIN_CI_ecgi (式6)
【0147】
上記式において、CI6_averageは再取得された平均ECG装着部検出信頼度を表し、CIN_CI_ecgiは増加したECG波形検出の回数に対応するECG装着部検出信頼度を表し、a6およびb6は自然数であり、a6およびb6の合計は1であり、a6はb6より小さい。
【0148】
ステップ312:スマートウォッチ100は、第4装着部情報が決定状態を示すかどうかを決定し、第4装着部情報が決定状態を示すときにステップ313を実行するか、または、第4装着部情報が決定状態を示さないときにステップ314を実行する。
【0149】
ステップ313:スマートウォッチ100は、決定状態に対応する表示方式でディスプレイ上にECG波形を表示する。
【0150】
ステップ313の実施形態およびステップ309の実施形態は、同じ概念に基づいている。詳細はここで再度説明されない。
【0151】
ステップ314:スマートウォッチ100は、ECG装着部識別を少なくとも1回は再び実行して第5装着部情報を取得し、スマートウォッチ100は、第5装着部情報によって示された決定状態に対応する表示方式でECG波形をディスプレイ上に表示する。
【0152】
いくつかの実施形態において、ECG装着部識別は少なくとも1回は再び実行され、少なくとも1つのECG装着部検出信頼度(第5装着部信頼度の一例として使用される)を直接取得し得、第5装着部情報は、少なくとも1つのECG装着部検出信頼度に基づいて決定される。
【0153】
例えば、ECG装着部識別がもう一度実行されて1つのECG装着部検出信頼度(第5装着部信頼度の一例として使用される)を取得し、第5装着部情報は、ECG装着部検出信頼度に基づいて決定される。
【0154】
加えて、いくつかの他の実施形態において、ECG装着部検出信頼度は第7反復式を使用して処理され、平均ECG装着部信頼度(第5平均装着部信頼度の一例として使用される)を取得し、ECG装着部検出情報(第5装着部情報)は平均ECG装着部信頼度に基づいて取得される。
【0155】
例えば、平均ECG装着部検出信頼度を再取得するための計算式は、以下の通りである。
CI7_average=a7* CI7_average+b7*CIN_CI_ecgi (式7)
【0156】
上記式において、CI7_averageは再取得された平均ECG装着部検出信頼度を表し、CIN_CI_ecgiは増加したECG波形検出の回数に対応するECG装着部検出信頼度を表し、a7およびb7は自然数であり、a7およびb7の合計は1であり、a7はb7より小さい。
【0157】
ECG装着部検出信頼度に基づいて第5装着部情報を決定するプロセスの概念は、式1、式2または式3に従って装着部情報を取得するプロセスのそれと同様である。詳細はここで再度説明されない。
【0158】
本願の実施形態は、可読媒体をさらに提供する。上記可読媒体は、命令を格納する。上記命令が機械上で実行されたとき、当該機械は、前述のECG波形表示方法を実行することが可能になる。
【0159】
任意選択的に、この実施形態において、前述の記憶媒体は、コンピュータネットワークにおける複数のネットワークサーバのうち少なくとも1つに位置付けられ得る。任意選択的に、この実施形態において、前述の記憶媒体は、限定されるものではないが、USBフラッシュドライブ、リードオンリメモリ(ROM,Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM,Random Access Memory)、リムーバブルハードディスク、磁気ディスク、または光ディスクなどの、プログラムコードを格納し得る任意の媒体を含む。
【0160】
本願の実施形態はさらに電子デバイスを提供する。上記電子デバイスは、
上記電子デバイスの1または複数のプロセッサによって実行される命令を格納するように構成されたメモリ;および
上記電子デバイスのプロセッサのうちの1つであり、前述のファイアウォールルール構成方法を実行するように構成された、プロセッサ
を含む。電子デバイスは、前述のECG波形表示方法を実装する機能を有する。機能は、ハードウェアにより実装されてもよく、対応するソフトウェアを実行するハードウェアにより実装されてもよい。ハードウェアまたはソフトウェアは、前述の機能に対応する1または複数のモジュールを含む。
【0161】
本願の実施形態によると、
図10は、SoC(System on Chip,システムオンチップ)1000のブロック図である。
図10において、同様のコンポーネントは同じ参照番号を有する。加えて、破線のボックスは、より高度なSoCの任意選択的特徴である。
図10において、SoC1000は、アプリケーションプロセッサ1010に連結された相互接続ユニット1050;システムエージェントユニット1070;バスコントローラユニット1080;統合メモリコントローラユニット1040;統合グラフィックスロジック、画像プロセッサ、オーディオプロセッサ、およびビデオプロセッサを含み得る1つのグループのコプロセッサ1020または1または複数のコプロセッサ1020;スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)ユニット1030;およびダイレクトメモリアクセス(DMA)ユニット1060を含む。
【0162】
実施形態において、コプロセッサ1020は、例えば、ネットワークまたは通信プロセッサ、圧縮エンジン、GPGPU、高スループットMICプロセッサ、または埋め込みプロセッサなどの専用プロセッサを含む。
【0163】
本願に開示された実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、これらの実装方法の組み合わせにおいて実装され得る。本願の実施形態は、プログラム可能なシステムにおいて実行されるコンピュータプログラムまたはプログラムコードとして実装されてよい。プログラム可能なシステムは、少なくとも1つのプロセッサ、ストレージシステム(揮発性および不揮発性メモリおよび/またはストレージ要素を含む)、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスを含む。
【0164】
プログラムコードは、入力命令に適用されることで、本願に説明されたECG波形表示方法の機能を実行し、出力情報を生成し得る。出力情報は、公知の方式で1または複数の出力デバイスに適用されてよい。
【0165】
本願の目的のために、処理システムは、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはマイクロプロセッサのようなプロセッサを有する任意のシステムを含む。
【0166】
プログラムコードは、高水準手続き型言語またはオブジェクト指向プログラミング言語で実装されることで、処理システムと通信し得る。プログラムコードは、代替的に、必要とされる場合には、アセンブリ言語または機械語を用いることによって実装されてよい。実際に、本願において説明されるメカニズムは、任意の特定のプログラミング言語の範囲に限定されるものではない。いずれの場合も、言語は、コンパイラ型言語またはインタプリタ言語であってよい。
【0167】
本願は、本願のいくつかの好ましい実施形態を参照して例示および説明されているが、当業者であれば、本願の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変化が形式的および詳細的に本願に対して成され得ることを理解すべきである。
[他の考えられる項目]
(項目1)
電子デバイスが、ECG波形検出アプリケーションを起動し、ECG波形を収集する段階;
前記電子デバイスが、前記電子デバイスおよびユーザの手首の間の装着部データを読み取る段階、ここで前記装着部データはIMU装着部識別によって取得される;
前記電子デバイスが、装着ステータスデータに基づいて第1装着部情報を決定する段階、ここで前記第1装着部情報は決定状態および不確実な状態を含み、前記決定状態は第1決定状態または第2決定状態である;
前記電子デバイスが、前記電子デバイスおよび前記ユーザの前記手首の間の第2装着部情報をECG装着部識別によって取得する段階;および
前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が同じであり且つ決定状態を示すとき、前記電子デバイスが、前記決定状態に対応する表示方式で、前記ECG波形をディスプレイ上に表示する段階
を含む、ECG波形表示方法。
(項目2)
前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が同じであり且つ決定状態を示すとき、前記決定状態に対応する表示方式で、前記ECG波形をディスプレイ上に前記表示する段階は、
前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が予め設定された装着部情報と同じであるときに、前記電子デバイスが、前記ECG波形を通常表示方式で前記ディスプレイ上に表示する段階を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が同じであり且つ決定状態を示すとき、前記決定状態に対応する表示方式で、前記ECG波形をディスプレイ上に前記表示する段階は、
前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が予め設定された装着部情報とは異なるとき、前記電子デバイスが、前記ECG波形を調整し、その結果、前記ECG波形は通常表示方式で前記ディスプレイ上に表示されることを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記第1装着部情報および前記第2装着部情報が決定状態を示すが異なるとき、ECG装着部識別を少なくとも1回は再び実行し、第3装着部情報を取得する段階;および、前記電子デバイスが、前記第3装着部情報によって示される決定状態に対応する表示方式で前記ECG波形を前記ディスプレイ上に表示する段階、をさらに備える、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記第1装着部情報が不確実な状態を示すときに、ECG装着部識別を実行し、第4装着部情報を取得する段階;および、前記電子デバイスが、前記第4装着部情報によって示される決定状態に対応する表示方式で前記ECG波形を前記ディスプレイ上に表示する段階、をさらに備える、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記第1装着部情報および前記第4装着部情報が同じであり且つ不確実な状態を示すとき、ECG装着部識別を少なくとも1回は再び実行し、第5装着部情報を取得する段階;および、前記電子デバイスが、前記第5装着部情報によって示される決定状態に対応する表示方式で前記ECG波形を前記ディスプレイ上に表示する段階、をさらに備える、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記電子デバイスが、装着ステータスデータに基づいて第1装着部情報を前記決定する段階は、
前記装着ステータスデータに基づいて第1装着部信頼度を取得する段階、および、少なくとも前記第1装着部信頼度に基づいて前記第1装着部情報を決定する段階、を含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記装着ステータスデータに基づいて第1装着部信頼度を前記取得する段階、および、少なくとも前記第1装着部信頼度に基づいて前記第1装着部情報を決定する段階は:
前記装着ステータスデータに基づいて複数の第1装着部信頼度を取得する段階;
第1反復式に従って前記複数の第1装着部信頼度を処理し、第1平均装着部信頼度を取得する段階;および
前記第1平均装着部信頼度に基づいて前記第1装着部情報を決定する段階
を含む、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記装着部データは、IMUによって検出された加速度値および姿勢角を含み、前記装着ステータスデータに基づいて第1装着部信頼度を前記取得する段階は、
前記IMUによって検出された前記加速度値および前記姿勢角に基づいて前記第1装着部信頼度を取得する段階、を含む、項目7に記載の方法。
(項目10)
前記IMUによって検出された前記加速度値および前記姿勢角に基づいて前記第1装着部信頼度を前記取得する段階は、
現在取得されているX軸、Y軸およびZ軸における加速度計の加速度の標準偏差および平均値、および、ジャイロスコープの姿勢角の前記X軸、前記Y軸および前記Z軸における標準偏差および平均値をトレーニングされたIMU装着部識別モデルに入力する段階、ここで、前記トレーニングされたIMU装着部識別モデルの出力結果は前記第1装着部信頼度である、を含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
第2装着部情報をECG装着部識別によって前記取得する段階は、
ECG装着部識別によって第2装着部信頼度を取得する段階、および、少なくとも前記第2装着部信頼度に基づいて前記第2装着部情報を決定する段階、を含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
ECG装着部識別によって第2装着部信頼度を取得する前記段階、および、少なくとも前記第2装着部信頼度に基づいて前記第2装着部情報を決定する段階は、
前記装着ステータスデータに基づいて複数の第1装着部信頼度を取得する段階;
第1反復式に従って前記複数の第1装着部信頼度を処理し、第1平均装着部信頼度を取得する段階;
前記第1平均装着部信頼度に基づいて前記第1装着部情報を決定する段階;
ECG装着部識別によって複数の第2装着部信頼度を取得する段階;
前記第1平均装着部信頼度、前記複数の第2装着部信頼度、および第2反復式に基づいて第2平均装着部信頼度を取得する段階;および
前記第2平均装着部信頼度に基づいて前記第2装着部情報を取得する段階
を含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
ECG装着部識別によって第2装着部信頼度を取得する前記段階は、
前記ECG波形の波形特徴情報に基づいて前記第2装着部信頼度を決定する段階、を含む、項目11または12に記載の方法。
(項目14)
前記ECG波形の前記波形特徴情報をトレーニングされたECG装着部識別モデルに入力し、前記第2装着部信頼度である前記トレーニングされたECG装着部識別モデルの出力結果を取得する段階
を含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記第1反復式はCI1_average=a1*CI1_average+b1*CI_imuiであり、ここで、CI1_averageは前記第1平均装着部信頼度を表し、CI_imuiは前記第1装着部信頼度を表し、a1およびb1は自然数であり、a1およびb1の合計は1であり、aはbより大きい、項目8または12に記載の方法。
(項目16)
前記第2反復式はCI2_average=a2*CI1_average+b2*CI_ecgiであり、ここで、CI2_averageは前記第2平均装着部信頼度を表し、CI_ecgiは前記第2装着部信頼度を表し、a2およびb2は自然数であり、a2およびb2の合計は1であり、a2はb2より小さい、項目12に記載の方法。
(項目17)
前記ECG波形の前記波形特徴情報は、
QRS波面積、QR幅およびRS幅の比、QR高さ、RS高さ、P波振幅、P波面積(正および負の値を含む)、T波幅、およびT波面積を含む、項目13に記載の方法。
(項目18)
ECG装着部識別を少なくとも1回は再び実行し、第3装着部情報を取得する前記段階は、
前記第2装着部信頼度および前記第3装着部信頼度に対して反復処理を実行して第3平均装着部信頼度を取得する段階、ここで、前記第2装着部信頼度は以前のECG装着部識別によって取得されており、前記第2装着部信頼度は前記第2装着部情報に対応する;および
前記第3平均装着部信頼度に基づいて前記第3装着部情報を決定する段階
を含む、項目4に記載の方法。
(項目19)
前記決定状態は、前記電子デバイスおよび前記ユーザの前記手首の間の装着状態が右手装着状態または左手装着状態であることである、項目1に記載の方法。
(項目20)
可読媒体であって、ここで前記可読媒体は命令を格納し、前記命令が電子デバイス上で実行されるとき、機械が、項目1から19のいずれか一項に記載のECG波形表示方法を実行することが可能になる、可読媒体。
(項目21)
電子デバイスであって、
前記電子デバイスの1または複数のプロセッサによって実行される命令を格納するように構成されたメモリ;および、
項目1から19のいずれか一項に記載のECG波形表示方法を実行するように構成された、前記電子デバイスの前記プロセッサのうちの1つである、プロセッサ
を備える、電子デバイス。
【国際調査報告】