(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-15
(54)【発明の名称】鼻、耳及び他の組織の感染症及び/又は炎症を処置するための組成物、デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 9/06 20060101AFI20230908BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20230908BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20230908BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20230908BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20230908BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20230908BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20230908BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20230908BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20230908BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20230908BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20230908BHJP
A61K 47/06 20060101ALI20230908BHJP
A61K 47/28 20060101ALI20230908BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20230908BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20230908BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230908BHJP
A61P 27/16 20060101ALI20230908BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20230908BHJP
A61K 31/573 20060101ALI20230908BHJP
A61K 31/57 20060101ALI20230908BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230908BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20230908BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230908BHJP
A61K 31/4164 20060101ALI20230908BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20230908BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20230908BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20230908BHJP
【FI】
A61K9/06
A61K47/10
A61K47/36
A61K47/34
A61K47/12
A61K47/26
A61K47/02
A61K47/14
A61K47/24
A61K47/20
A61K47/38
A61K47/06
A61K47/28
A61K47/44
A61K47/32
A61P29/00
A61P27/16
A61P11/02
A61K31/573
A61K31/57
A61K45/00
A61P31/04
A61P43/00 121
A61K31/4164
A61K31/496
A61K47/18
A61K9/107
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513413
(86)(22)【出願日】2021-08-26
(85)【翻訳文提出日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 US2021047769
(87)【国際公開番号】W WO2022047042
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521378015
【氏名又は名称】オティカラ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クロウリー,マイケル,マクドナルド
(72)【発明者】
【氏名】スレーター,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】マリッチ,クリストファー
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA06
4C076AA17
4C076BB25
4C076BB26
4C076BB31
4C076CC04
4C076CC10
4C076CC32
4C076DD09F
4C076DD23D
4C076DD24D
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4C076DD37
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4C076EE23F
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4C086MA01
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA22
4C086MA28
4C086MA56
4C086MA59
4C086MA63
4C086NA03
4C086NA05
4C086NA10
4C086NA14
4C086ZA34
4C086ZB11
4C086ZB35
4C086ZC75
(57)【要約】
鼻、副鼻腔、鼻咽頭、耳及び他の組織の疾患及び状態を処置するための組成物、デバイス及び方法が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
等張化剤及び
乳化剤
を含む組成物であって、
クリーム剤であり、
約270mOsm/kg~約360mOsm/kgのオスモル濃度を有する、組成物。
【請求項2】
等張化剤及び
乳化剤
を含む組成物であって、
クリーム剤であり、
ヒト細胞に対して等張である、組成物。
【請求項3】
等張化剤が、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、シクロメチコン、ポリデキストロース、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、トレハロース、トリアセチン、キシリトール、塩化ナトリウム、塩化カリウム及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1から2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
等張化剤がグリセリンである、請求項1から2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
プロピレングリコールを含まない、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
等張化剤が、組成物の総重量に対して約0.1%(w/w)~約15%(w/w)で組成物中に存在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
等張化剤が、組成物の総重量に対して約1.75%(w/w)、1.65%(w/w)又は1.45%(w/w)で組成物中に存在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
等張化剤が、組成物の総重量に対して約1%(w/w)~約5%(w/w)で組成物中に存在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
乳化剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ドキュセートナトリウム、エチレングリコールステアレート、ベヘン酸グリセリル、ヒドロキシプロピルデンプン、ラノリン、ラノリンアルコール、ラウリン酸、ラウリン酸ナトリウム、レシチン、リノール酸、中鎖トリグリセリド、ミリスチン酸、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、パルミチン酸、リン脂質、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシルグリセリド、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート、セチルアルコール、非イオン性乳化ワックス、硬化ヒマシ油、セレシン、セトステアリルアルコール、デキストリン、パラフィン、ステアリルアルコール、アニオン性乳化ワックス、セチルエステルワックス、微結晶性ワックス、ホワイトワックス、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、オレイン酸、カノーラ油、ヒマシ油、コレステロール、エチレングリコールステアレート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、ミリスチルアルコール、ベニバナ油、トリオレイン、キシリトール、オレス-2、ポリソルベート80、マクロゴール15ヒドロキシステアレート、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
乳化剤がソルビタン脂肪酸エステルを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
乳化剤がモノラウリン酸ソルビタンを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
乳化剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル及びソルビタン脂肪酸エステルの組合せを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルがポリソルベート80であり、ステアリン酸ポリオキシエチレンがステアリン酸ポリオキシル40であり、ソルビタン脂肪酸エステルがモノラウリン酸ソルビタンである、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
乳化剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル及びオレス-2の組合せである、請求項18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルがポリソルベート80であり、ステアリン酸ポリオキシエチレンがステアリン酸ポリオキシル40である、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
乳化剤が、組成物の総重量に対して約0.1%(w/w)~約20%(w/w)で組成物中に存在する、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
乳化剤が、組成物の総重量に対して約10.5%(w/w)で組成物中に存在する、請求項12から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
組成物の総重量に対して、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが約0.1%(w/w)~約15%(w/w)で存在し、ステアリン酸ポリオキシエチレンが約0.25%(w/w)~約10%(w/w)で存在し、セチルアルコールが約0.25%(w/w)~約10%(w/w)で存在し、モノステアリン酸グリセリルが約0.1%(w/w)~約10%(w/w)で存在し、ソルビタン脂肪酸エステルが約0.5%(w/w)~約5%(w/w)で存在する、請求項12から13及び17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、組成物の総重量に対して、約5%(w/w)で存在し、ステアリン酸ポリオキシエチレンが約1%(w/w)で存在し、セチルアルコールが約1%(w/w)で存在し、モノステアリン酸グリセリルが約0.5%(w/w)で存在し、ソルビタン脂肪酸エステルが約3%(w/w)で存在する、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
乳化剤が、組成物の総重量に対して約10.5%(w/w)で組成物中に存在する、請求項14から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが組成物の総重量に対して約0.1%(w/w)~約15%(w/w)で組成物中に存在し、ステアリン酸ポリオキシエチレンが組成物の総重量に対して約0.25%(w/w)~約10%(w/w)で組成物中に存在し、セチルアルコールが組成物の総重量に対して約0.25%(w/w)~約10%(w/w)で組成物中に存在し、モノステアリン酸グリセリルが組成物の総重量に対して約0.1%(w/w)~約5%(w/w)で組成物中に存在し、オレス-2が組成物の総重量に対して約0.5%(w/w)to約10%(w/w)で組成物中に存在する、請求項14から15及び20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが組成物の総重量に対して約5%(w/w)で組成物中に存在し、ステアリン酸ポリオキシエチレンが組成物の総重量に対して約1%(w/w)で組成物中に存在し、セチルアルコールが組成物の総重量に対して約1%(w/w)で組成物中に存在し、モノステアリン酸グリセリルが組成物の総重量に対して約0.5%(w/w)で組成物中に存在し、オレス-2が組成物の総重量に対して約3%(w/w)で組成物中に存在する、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
粘度改質剤をさらに含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
粘度改質剤が、カルボマー、アカシア、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、キトサン、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリカルボフィル、ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)、キサンタン、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
粘度改質剤がカルボマー980である、請求項23に記載の組成物。
【請求項26】
粘度改質剤が組成物の総重量に対して約0.1%(w/w)~約10%(w/w)で組成物中に存在する、請求項23から25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
粘度改質剤が組成物の総重量に対して約0.6%(w/w)で組成物中に存在する、請求項23から26のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
pH調節剤をさらに含む、請求項1から27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
pH調節剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、トリエタノールアミン、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
pH調節剤が水酸化ナトリウムである、請求項28に記載の組成物。
【請求項31】
pH調節剤が組成物の総重量に対して約0.005%(w/w)~約0.15%(w/w)で組成物中に存在する、請求項28から30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
pH調節剤が組成物の総重量に対して約0.01%(w/w)で組成物中に存在する、請求項28から30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
pH調節剤が、組成物のpHを約3.5~8の間に調整するのに十分な量で組成物中に存在する、請求項28から30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
pH調節剤が、組成物のpHを約4~約7に調整するのに十分な量で組成物中に存在する、請求項28から30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項35】
pH調節剤が、組成物のpHを約5~約6に調整するのに十分な量で組成物中に存在する、請求項28から30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項36】
pH調節剤が、組成物のpHを約5に調整するのに十分な量で組成物中に存在する、請求項28から30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項37】
pH調節剤が、組成物のpHを約6に調整するのに十分な量で組成物中に存在する、請求項28から30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項38】
pH調節剤が、組成物のpHを3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9及び8からなる群から選択されるpHに調整するのに十分な量で組成物中に存在する、請求項28から30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項39】
張度調節剤をさらに含む、請求項1から38のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項40】
張度調節剤が、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン、フェニルエチルアルコール、メタ重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
張度調節剤がベンジルアルコールである、請求項39に記載の組成物。
【請求項42】
張度調節剤が組成物の総重量に対して約0.5%(w/w)~約15%(w/w)で組成物中に存在する、請求項39から41のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項43】
張度調節剤が組成物の総重量に対して約0.9%(w/w)で組成物中に存在する、請求項39から41のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項44】
皮膚軟化剤をさらに含む、請求項1から43のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
皮膚軟化剤が、ワセリン、鉱油、軽油、パラフィン、ワセリンアルコール若しくはパラフィンアルコール、白色ワセリン、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
皮膚軟化剤がワセリンである、請求項44に記載の組成物。
【請求項47】
皮膚軟化剤が組成物の総重量に対して約4%(w/w)~約30%(w/w)で存在する、請求項44から46のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項48】
皮膚軟化剤が組成物の総重量に対して約8%(w/w)で存在する、請求項44から46のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項49】
ビヒクルをさらに含む、請求項1から48のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項50】
ビヒクルが水である、請求項49に記載の組成物。
【請求項51】
治療用活性剤をさらに含む、請求項1から50のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項52】
治療用活性剤がステロイドを含む、請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
ステロイドが、コルチゾン、コルチゾール、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、シクレソニド、デキサメタゾン、そのエステル、誘導体及び塩、並びにこれらの組合せからなる群から選択される、請求項52に記載の組成物。
【請求項54】
ステロイドがベタメタゾン又はそのエステル、誘導体若しくは薬学的に許容される塩である、請求項52に記載の組成物。
【請求項55】
ステロイドが二プロピオン酸ベタメタゾンである、請求項52に記載の組成物。
【請求項56】
ステロイドが組成物の総重量に対して、約0.01%(w/w)~約15%(w/w)で組成物中に存在する、請求項52から55のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項57】
ステロイドが組成物の総重量に対して約0.025%(w/w)の活性量で組成物中に存在する、請求項52から55のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項58】
ステロイドが組成物の総重量に対して約0.05%(w/w)の活性量で組成物中に存在する、請求項52から55のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項59】
抗菌活性を有する薬剤をさらに含む、請求項1から58のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項60】
抗菌活性を有する薬剤が、ナタマイシン、シクロピロックス、フルコナゾール、テルビナフィン、クロトリマゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、エコナゾール、ミコナゾール、ナイスタチン、オキシコナゾール、テルコナゾール、トルナフテート、エフィナコナゾール、アバフンギン、テルビナフィン、ブテナフィン、メトロニダゾール、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
抗菌活性を有する薬剤が、クロトリマゾール、イトラコナゾール及びケトコナゾールからなる群から選択される、請求項59に記載の組成物。
【請求項62】
抗菌活性を有する薬剤がクロトリマゾールである、請求項59に記載の組成物。
【請求項63】
抗菌活性を有する薬剤が組成物の総重量に対して約0.25%(w/w)~約2%(w/w)で組成物中に存在する、請求項59から62のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項64】
抗菌活性を有する薬剤が組成物の総重量に対して約1%(w/w)で組成物中に存在する、請求項59から62のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項65】
安定化剤をさらに含む、請求項1から64のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項66】
安定化剤が、エデト酸、エデト酸の薬学的に許容される塩、クエン酸、クエン酸ナトリウム、フマル酸、リンゴ酸、マルトース、ペンテト酸及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項65に記載の組成物。
【請求項67】
安定化剤がエデト酸又はその薬学的に許容される塩である、請求項65に記載の組成物。
【請求項68】
安定化剤がエデト酸二ナトリウムである、請求項65に記載の組成物。
【請求項69】
安定化剤が組成物の総重量に対して約0.005%(w/w)~0.25%(w/w)で組成物中に存在する、請求項65から68のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項70】
安定化剤が組成物の総重量に対して約0.05%(w/w)で組成物中に存在する、請求項65から68のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項71】
スピンドル28を備えたBrookfield RVDVII+で室温で測定した場合、(1)約0.3RPMの剪断速度で、約200,000センチポアズ(cPs)~約2,000,000cPs;(2)約0.5RPMの剪断速度で、約100,000cPs~約1,500,000cPs;(3)約0.6RPMの剪断速度で、約100,000cPs~約1,000,000;(4)約0.8RPMの剪断速度で、約50,000cPs~800,000cPs;(5)約1RPMの剪断速度で、約50,000cPs~約750,000cPs;(6)約1.5RPMの剪断速度で、約40,000cPs~約500,000cPs;(7)約2.0RPMの剪断速度で、約30,000cPs~約250,000cPs;(8)約2.5RPMの剪断速度で、約20,000cPs~約200,000cPs;(9)約3.0RPMの剪断速度で、約20,000cPs~約200,000cPs;(10)約4.0RPMの剪断速度で、約15,000cPs~約150,000cPs;(11)約5.0RPMの剪断速度で、約15,000cPs~約150,000cPs;(12)約6.0RPMの剪断速度で、約10,000cPs~約100,000cPs;(13)約10.0RPMの剪断速度で、約8,000cPs~約70,000cPs;(14)約12.0RPMの剪断速度で、約10,000cPs~約60,000cPs;(15)約20.0RPMの剪断速度で、約1,000cPs~約40,000cPs;(16)約30.0RPMの剪断速度で、約1,000cPs~約20,000cPs;(17)約50.0RPMの剪断速度で、約500cPs~約15,000cPs;(18)約60.0RPMの剪断速度で、約500cPs~約10,000cPs;又は(19)約100.0RPMの剪断速度で、約250cPs~約7,000cPsの粘度を有する、請求項1から70のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項72】
スピンドル28を備えたBrookfield RVDVII+で室温で測定した場合、(1)約0.3RPMの剪断速度で、約200,000センチポアズ(cPs)~約2,000,000cPs;(2)約0.5RPMの剪断速度で、約100,000cPs~約1,500,000cPs;(3)約0.6RPMの剪断速度で、約100,000cPs~約1,000,000;(4)約0.8RPMの剪断速度で、約100,000cPs~800,000cPs;(5)約1RPMの剪断速度で、約100,000cPs~約750,000cPs;(6)約1.5RPMの剪断速度で、約50,000cPs~約500,000cPs;(7)約2.0RPMの剪断速度で、約50,000cPs~約250,000cPs;(8)約2.5RPMの剪断速度で、約30,000cPs~約200,000cPs;(9)約3.0RPMの剪断速度で、約30,000cPs~約200,000cPs;(10)約4.0RPMの剪断速度で、約20,000cPs~約150,000cPs;(11)約5.0RPMの剪断速度で、約20,000cPs~約150,000cPs;(12)約6.0RPMの剪断速度で、約15,000cPs~約100,000cPs;(13)約10.0RPMの剪断速度で、約10,000cPs~約70,000cPs;(14)約12.0RPMの剪断速度で、約10,000cPs~約60,000cPs;(15)約20.0RPMの剪断速度で、約1,000cPs~約40,000cPs;(16)約30.0RPMの剪断速度で、約1,000cPs~約20,000cPs;(17)約50.0RPMの剪断速度で、約500cPs~約15,000cPs;(18)約60.0RPMの剪断速度で、約500cPs~約10,000cPs;又は(19)約100.0RPMの剪断速度で、約250cPs~約7,000cPsの粘度を有する、請求項1から70のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項73】
スピンドルCP52を備えたBrookfieldレオメーターDV3T CPレオメーターで25.0+/-0.1℃で測定した場合、:(1)約0.3RPMの剪断速度で、約30,000cPs~約500,000cPs;(2)約0.6RPMの剪断速度で、約30,000cPs~約300,000;(3)約1.5RPMの剪断速度で、約10,000cPs~約200,000cPs;(4)約3.0RPMの剪断速度で、約7,000cPs~約70,000cPs;(5)約12.0RPMの剪断速度で、約3,000cPs~約20,000cPs;(6)約30.0RPMの剪断速度で、約300cPs~約7,000cPs;又は(7)約60.0RPMの剪断速度で、約150cPs~約3,500cPsの粘度を有する、請求項1から70のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項74】
スピンドルCP52を備えたBrookfieldレオメーターDV3T CPレオメーターで25.0+/-0.1℃で測定した場合、:(1)約0.3RPMの剪断速度で、約70,000cPs~約700,000cPs;(2)約0.6RPMの剪断速度で、約30,000cPs~約300,000;(3)約1.5RPMの剪断速度で、約10,000cPs~約200,000cPs;(4)約3.0RPMの剪断速度で、約10,000cPs~約70,000cPs;(5)約12.0RPMの剪断速度で、約3,000cPs~約20,000cPs;(6)約30.0RPMの剪断速度で、約300cPs~約7,000cPs;又は(7)約60.0RPMの剪断速度で、約150cPs~約3,500cPsの粘度を有する、請求項1から70のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項75】
油中水エマルジョンである、請求項1から74のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項76】
水中油エマルジョンである、請求項1から75のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項77】
数又は体積平均で、50μm、45μm、40μm、35μm、30μm、25μm、20μm、15μm、10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm又は1μm未満の油小球サイズを有する、請求項76に記載の組成物。
【請求項78】
油小球サイズがUSP729により測定される、請求項77に記載の組成物。
【請求項79】
25℃/60%相対湿度で1カ月、3カ月、6カ月、12カ月、18カ月、又は24カ月貯蔵された後、凝集しない、クリーム状にならない、沈殿しない、フロキュレーションしない、相反転しない、融合しない又はこれらの組合せを生じない、請求項1から78のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項80】
40℃/70%相対湿度で1カ月、3カ月、12カ月、18カ月、又は24カ月貯蔵された後、凝集しない、クリーム状にならない、沈殿しない、フロキュレーションしない、相反転しない、融合しない又はこれらの組合せを生じない、請求項1から78のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項81】
存在する場合、ステロイド又は抗菌活性を有する薬剤由来の全分解物を10%未満含む、請求項1から80のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項82】
存在する場合、ステロイド又は抗菌活性を有する薬剤由来の全分解物を10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、又は1%未満含む、請求項1から81のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項83】
pH約3.5~約8を有する、請求項1から82のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項84】
pH約4~約7を有する、請求項1から83のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項85】
pH約5~約7を有する、請求項1から84のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項86】
pH約5~約6を有する、請求項1から85のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項87】
pH6を有する、請求項1から86のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項88】
pH4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4及び7.5を有する、請求項1から80のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項89】
炎症誘発性サイトカイン阻害剤を含まない、請求項1から88のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項90】
オートクレーブ処理可能なクリーム剤組成物であり、オートクレーブ処理可能なクリーム剤組成物が、110℃で10~30分間又は130℃で1~5分間でのオートクレーブ条件下で分離しない、請求項1から89のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項91】
オートクレーブ処理可能なクリーム剤組成物の小球サイズ又は粒子サイズが、110℃で10~30分間又は130℃で1~5分間オートクレーブ処理した後で200%を超えて変化しない、請求項90に記載の組成物。
【請求項92】
滅菌されている、請求項1から91のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項93】
組成物の小球サイズ又は粒子サイズが、数平均による測定で、25℃/60%相対湿度で1カ月又は3カ月貯蔵された後、20%を超えて変化しない、請求項1から92のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項94】
組成物の小球サイズ又は粒子サイズが、体積平均による測定で、25℃/60%相対湿度で1カ月又は3カ月貯蔵された後、100%を超えて変化しない、請求項1から93のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項95】
存在する場合、ステロイド又は抗菌活性を有する薬剤の含有量が、25℃/60%相対湿度で1カ月又は3カ月貯蔵された後測定された場合、ステロイド又は抗菌活性を有する薬剤の開始含有量の10%以内である、請求項1から94のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項96】
組成物のpHが、25℃/60%相対湿度で1カ月又は3カ月貯蔵された後測定された場合、組成物の開始pHの0.5以内である、請求項1から95のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項97】
組成物のオスモル濃度が、25℃/60%相対湿度で1カ月又は3カ月貯蔵された後測定された場合、組成物の開始オスモル濃度の10mOsm/kg以内である、請求項1から96のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項98】
組成物の粘度が、25℃/60%相対湿度で1カ月又は3カ月貯蔵された後測定された場合、組成物が製剤化された時点での組成物の開始粘度の10%以内である、請求項1から97のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項99】
25℃/60%相対湿度で1カ月又は3カ月貯蔵された後測定された場合、ステロイド又は抗菌活性を有する薬剤由来の全分解物を10%未満含む、請求項1から98のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項100】
請求項1から99のいずれか一項に記載の組成物を含む容器。
【請求項101】
シリンジである、請求項100に記載の容器。
【請求項102】
約0.1~約12gの請求項1から98のいずれか一項に記載の組成物を含有する、請求項100から101のいずれか一項に記載の容器。
【請求項103】
組成物がステロイドを含み、容器が約0.01mg~約1.5gのステロイドを含有する、請求項100から102のいずれか一項に記載の容器。
【請求項104】
組成物が抗菌活性を有する薬剤を含み、容器が約0.01mg~約200mgの抗菌活性を有する薬剤を含有する、請求項100から103のいずれか一項に記載の容器。
【請求項105】
クリーム剤を生成する方法であって、
水性相分散液を調製するステップであって、
水性分散液を形成するステップ、
分散液のpHを調整するステップ、
分散液のpHを調整した後、少なくとも1種の乳化剤を分散液に加えるステップ、
少なくとも1種の乳化剤を含有する分散液を加熱するステップ、及び
少なくとも1種の薬学的活性のある化合物の第1の部分を水性相分散液に加えるステップを含むステップ、
油相分散液を調製するステップであって、
油相を加熱するステップ、及び
少なくとも1種の薬学的活性のある化合物の第2の部分を油相に加えて、油相分散液を形成するステップを含むステップ、
水性相分散液と油相分散液を混ぜ合わせて、エマルジョン混合物を形成するステップ、並びに
エマルジョン混合物を冷却させるステップ
を含む、方法。
【請求項106】
エマルジョン混合物を冷却させた後:
エマルジョン混合物を容器に充填するステップ、及び
エマルジョン混合物を含有する前記容器を、オートクレーブ処理温度でオートクレーブ処理時間の間、例えば、110℃に10~30分間又は130℃に1~5分間オートクレーブ処理するステップをさらに含む、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
容器がシリンジである、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
水性分散液を形成するステップが等張化剤を分散液に加えるステップを含む、請求項105から107のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
等張化剤が、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、シクロメチコン、ポリデキストロース、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、トレハロース、トリアセチン、キシリトール、塩化ナトリウム、塩化カリウム及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
等張化剤がグリセリンである、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
水性分散液を形成するステップが、水性ビヒクルを分散液に加えるステップをさらに含む、請求項105から110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
水性ビヒクルが水である、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
水性分散液を形成するステップが安定化剤を分散液に加えるステップをさらに含む、請求項105から112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
安定化剤が、エデト酸、エデト酸の薬学的に許容される塩、クエン酸、クエン酸ナトリウム、フマル酸、リンゴ酸、マルトース、ペンテト酸及びこれらの組合せを含む、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
安定化剤がエデト酸又はその薬学的に許容される塩である、請求項113に記載の方法。
【請求項116】
安定化剤がエデト酸二ナトリウムである、請求項113に記載の方法。
【請求項117】
水性分散液を形成するステップが粘度改質剤を分散液に加えることをさらに含む、請求項105から116のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
粘度改質剤が、カルボマー、アカシア、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、キトサン、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリカルボフィル、ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)、キサンタン、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
粘度改質剤がカルボマー980である、請求項117に記載の方法。
【請求項120】
分散液のpHを調整するステップが、少なくとも1種の乳化剤を加える前、水性分散液を形成した直後に実施される、請求項105から119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
少なくとも1種の乳化剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ドキュセートナトリウム、エチレングリコールステアレート、ベヘン酸グリセリル、ヒドロキシプロピルデンプン、ラノリン、ラノリンアルコール、ラウリン酸、ラウリン酸ナトリウム、レシチン、リノール酸、中鎖トリグリセリド、ミリスチン酸、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、パルミチン酸、リン脂質、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシルグリセリド、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート、セチルアルコール、非イオン性乳化ワックス、硬化ヒマシ油、セレシン、セトステアリルアルコール、デキストリン、パラフィン、ステアリルアルコール、アニオン性乳化ワックス、セチルエステルワックス、微結晶性ワックス、ホワイトワックス、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、オレイン酸、カノーラ油、ヒマシ油、コレステロール、エチレングリコールステアレート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、ミリスチルアルコール、ベニバナ油、トリオレイン、キシリトール、オレス-2、ポリソルベート80、マクロゴール15ヒドロキシステアレート、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項105から120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
少なくとも1種の乳化剤がポリソルベート80である、請求項105から120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
水性分散液を加熱するステップが水性分散液を25~80℃に加熱することを含む、請求項105から122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
少なくとも1種の薬学的活性のある化合物がステロイドを含む、請求項105から123のいずれか一項に記載の方法。
【請求項125】
ステロイドが、コルチゾン、コルチゾール、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、シクレソニド、デキサメタゾン、エステル、その誘導体及び塩、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
ステロイドがベタメタゾン又はそのエステル、誘導体若しくは薬学的に許容される塩である、請求項124に記載の方法。
【請求項127】
ステロイドが二プロピオン酸ベタメタゾンである、請求項124に記載の方法。
【請求項128】
少なくとも1種の薬学的活性のある化合物が抗菌活性を有する薬剤を含む、請求項105から123のいずれか一項に記載の方法。
【請求項129】
抗菌活性を有する薬剤が、ナタマイシン、シクロピロックス、フルコナゾール、テルビナフィン、クロトリマゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、エコナゾール、ミコナゾール、ナイスタチン、オキシコナゾール、テルコナゾール、トルナフテート、エフィナコナゾール、アバフンギン、テルビナフィン、ブテナフィン、メトロニダゾール、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
抗菌活性を有する薬剤が、クロトリマゾール、イトラコナゾール及びケトコナゾールからなる群から選択される、請求項128に記載の方法。
【請求項131】
抗菌活性を有する薬剤がクロトリマゾール(clotrimzaole)である、請求項128に記載の方法。
【請求項132】
少なくとも1種の薬学的活性のある化合物が抗菌活性を有する薬剤をさらに含む、請求項124から127のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
抗菌活性を有する薬剤が、ナタマイシン、シクロピロックス、フルコナゾール、テルビナフィン、クロトリマゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、エコナゾール、ミコナゾール、ナイスタチン、オキシコナゾール、テルコナゾール、トルナフテート、エフィナコナゾール、アバフンギン、テルビナフィン、ブテナフィン、メトロニダゾール、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
抗菌活性を有する薬剤が、クロトリマゾール、イトラコナゾール及びケトコナゾールからなる群から選択される、請求項132に記載の方法。
【請求項135】
抗菌活性を有する薬剤がクロトリマゾールである、請求項132に記載の方法。
【請求項136】
pHを調整するステップが水性分散液のpHを約3.5~約8に調整することを含む、請求項105から135のいずれか一項に記載の方法。
【請求項137】
pHを調整するステップが水性分散液のpHを約4~約7に調整することを含む、請求項105から135のいずれか一項に記載の方法。
【請求項138】
pHを調整するステップが水性分散液のpHを約5~約6に調整することを含む、請求項105から135のいずれか一項に記載の方法。
【請求項139】
油相が乳化剤を含む、請求項105から138のいずれか一項に記載の方法。
【請求項140】
乳化剤が水性分散液に加えられた少なくとも1種の乳化剤とは異なる、請求項139に記載の方法。
【請求項141】
乳化剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ドキュセートナトリウム、エチレングリコールステアレート、ベヘン酸グリセリル、ヒドロキシプロピルデンプン、ラノリン、ラノリンアルコール、ラウリン酸、ラウリン酸ナトリウム、レシチン、リノール酸、中鎖トリグリセリド、ミリスチン酸、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、パルミチン酸、リン脂質、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシルグリセリド、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート、セチルアルコール、非イオン性乳化ワックス、硬化ヒマシ油、セレシン、セトステアリルアルコール、デキストリン、パラフィン、ステアリルアルコール、アニオン性乳化ワックス、セチルエステルワックス、微結晶性ワックス、ホワイトワックス、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、オレイン酸、カノーラ油、ヒマシ油、コレステロール、エチレングリコールステアレート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、ミリスチルアルコール、ベニバナ油、トリオレイン、キシリトール、オレス-2、ポリソルベート80、マクロゴール15ヒドロキシステアレート、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項139から140のいずれか一項に記載の方法。
【請求項142】
乳化剤が、ステアリン酸ポリオキシル40、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル及びオレス-2又はSpan 20の組合せである、請求項139から140のいずれか一項に記載の方法。
【請求項143】
油相を加熱するステップが、油相を25~80℃に加熱することを含む、請求項105から142のいずれか一項に記載の方法。
【請求項144】
水性相分散液と油相を混ぜ合わせて、エマルジョン混合物を形成するステップが、油相が依然として高温、例えば、30℃より上である間に実施される、請求項105から143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項145】
エマルジョン混合物を冷却させるステップが、エマルジョン混合物を30℃以下まで冷却させることを含む、請求項105から143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項146】
エマルジョン混合物が冷却された後、張度調節剤をエマルジョン混合物に加えることをさらに含む、請求項105から145のいずれか一項に記載の方法。
【請求項147】
張度調節剤が、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン、フェニルエチルアルコール、メタ重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項146に記載の方法。
【請求項148】
張度調節剤がベンジルアルコールである、請求項146に記載の方法。
【請求項149】
構成成分の量が、本開示の組成物を生成するのに十分な量で加えられる、請求項105から148のいずれか一項に記載の方法。
【請求項150】
クリーム剤を生成する方法であって、
水性相分散液を調製するステップであって、
水性分散液を形成するステップ、
少なくとも1種の薬学的活性のある化合物の第1の部分を分散液に加えるステップを含むステップ、
油相分散液を調製するステップであって、
油相を形成し、油相が少なくとも1種の乳化剤を含むステップ、
油相を加熱するステップ、及び
少なくとも1種の薬学的活性のある化合物の第2の部分を油相に加えて、油相分散液を形成するステップを含むステップ、
水性相分散液と油相を合わせて、エマルジョン混合物を形成するステップ、
エマルジョン混合物を冷却させるステップ、
エマルジョン混合物のpHを調整するステップ、
乳化剤をエマルジョン混合物に加えるステップ、並びに
エマルジョン混合物を加熱するステップ
を含む、方法。
【請求項151】
加熱して、エマルジョン混合物を冷却した後、
エマルジョン混合物を容器に充填するステップ、及び
エマルジョン混合物を含有する前記容器を、オートクレーブ処理温度で、オートクレーブ処理時間の間、例えば、110℃で10~30分間又は130℃で1~5分間オートクレーブ処理するステップ
をさらに含む、請求項150に記載の方法。
【請求項152】
容器がシリンジである、請求項151に記載の方法。
【請求項153】
水性分散液を形成するステップが、等張化剤を水性分散液に加えることを含む、請求項150から152のいずれか一項に記載の方法。
【請求項154】
等張化剤が、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、シクロメチコン、ポリデキストロース、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、トレハロース、トリアセチン、キシリトール、塩化ナトリウム、塩化カリウム及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項153に記載の方法。
【請求項155】
等張化剤がグリセリンである、請求項153に記載の方法。
【請求項156】
水性分散液を形成するステップが、水性ビヒクルを分散液に加えることをさらに含む、請求項150から155のいずれか一項に記載の方法。
【請求項157】
水性ビヒクルが水である、請求項156に記載の方法。
【請求項158】
水性分散液を形成するステップが、安定化剤を分散液に加えることをさらに含む、請求項150から157のいずれか一項に記載の方法。
【請求項159】
安定化剤が、エデト酸、エデト酸の薬学的に許容される塩、クエン酸、クエン酸ナトリウム、フマル酸、リンゴ酸、マルトース、ペンテト酸及びこれらの組合せを含む、請求項158に記載の方法。
【請求項160】
安定化剤がエデト酸又はその薬学的に許容される塩である、請求項158に記載の方法。
【請求項161】
安定化剤がエデト酸二ナトリウムである、請求項158に記載の方法。
【請求項162】
水性分散液を形成するステップが、粘度改質剤を分散液に加えることをさらに含む、請求項150から161のいずれか一項に記載の方法。
【請求項163】
粘度改質剤が、カルボマー、アカシア、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、キトサン、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリカルボフィル、ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)、キサンタン、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項162に記載の方法。
【請求項164】
粘度改質剤がカルボマー980である、請求項162に記載の方法。
【請求項165】
少なくとも1種の乳化剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ドキュセートナトリウム、エチレングリコールステアレート、ベヘン酸グリセリル、ヒドロキシプロピルデンプン、ラノリン、ラノリンアルコール、ラウリン酸、ラウリン酸ナトリウム、レシチン、リノール酸、中鎖トリグリセリド、ミリスチン酸、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、パルミチン酸、リン脂質、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシルグリセリド、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート、セチルアルコール、非イオン性乳化ワックス、硬化ヒマシ油、セレシン、セトステアリルアルコール、デキストリン、パラフィン、ステアリルアルコール、アニオン性乳化ワックス、セチルエステルワックス、微結晶性ワックス、ホワイトワックス、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、オレイン酸、カノーラ油、ヒマシ油、コレステロール、エチレングリコールステアレート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、ミリスチルアルコール、ベニバナ油、トリオレイン、キシリトール、オレス-2、ポリソルベート80、マクロゴール15ヒドロキシステアレート、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項150から164のいずれか一項に記載の方法。
【請求項166】
少なくとも1種の乳化剤がステアリン酸ポリオキシル40、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル及びオレス-2の組合せである、請求項150から164のいずれか一項に記載の方法。
【請求項167】
油相を加熱するステップが、油相を25~80℃に加熱することを含む、請求項150から166のいずれか一項に記載の方法。
【請求項168】
少なくとも1種の薬学的活性のある化合物がステロイドを含む、請求項150から167のいずれか一項に記載の方法。
【請求項169】
ステロイドが、コルチゾン、コルチゾール、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、シクレソニド、デキサメタゾン、そのエステル、誘導体及び塩、並びにこれらの組合せからなる群から選択される、請求項168に記載の方法。
【請求項170】
ステロイドがベタメタゾン又はそのエステル、誘導体若しくは塩である、請求項168に記載の方法。
【請求項171】
ステロイドが二プロピオン酸ベタメタゾンである、請求項168に記載の方法。
【請求項172】
少なくとも1種の薬学的活性のある化合物が抗菌活性を有する薬剤を含む、請求項150から167のいずれか一項に記載の方法。
【請求項173】
抗菌活性を有する薬剤が、ナタマイシン、シクロピロックス、フルコナゾール、テルビナフィン、クロトリマゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、エコナゾール、ミコナゾール、ナイスタチン、オキシコナゾール、テルコナゾール、トルナフテート、エフィナコナゾール、アバフンギン、テルビナフィン、ブテナフィン、メトロニダゾール、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項172に記載の方法。
【請求項174】
抗菌活性を有する薬剤が、クロトリマゾール、イトラコナゾール及びケトコナゾールからなる群から選択される、請求項172に記載の方法。
【請求項175】
抗菌活性を有する薬剤がクロトリマゾールである、請求項172に記載の方法。
【請求項176】
少なくとも1種の薬学的活性のある化合物が、抗菌活性を有する薬剤をさらに含む、請求項168から171のいずれか一項に記載の方法。
【請求項177】
抗菌活性を有する薬剤が、ナタマイシン、シクロピロックス、フルコナゾール、テルビナフィン、クロトリマゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、エコナゾール、ミコナゾール、ナイスタチン、オキシコナゾール、テルコナゾール、トルナフテート、エフィナコナゾール、アバフンギン、テルビナフィン、ブテナフィン、メトロニダゾール、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項176に記載の方法。
【請求項178】
抗菌活性を有する薬剤が、クロトリマゾール、イトラコナゾール及びケトコナゾールからなる群から選択される、請求項176に記載の方法。
【請求項179】
抗菌活性を有する薬剤がクロトリマゾールである、請求項176に記載の方法。
【請求項180】
pHを調整するステップが、水性分散液のpHを約3.5~約8に調整することを含む、請求項150から179のいずれか一項に記載の方法。
【請求項181】
pHを調整するステップが水性分散液のpHを約4~約7に調整することを含む、請求項150から179のいずれか一項に記載の方法。
【請求項182】
pHを調整するステップが水性分散液のpHを約5~約6に調整することを含む、請求項150から179のいずれか一項に記載の方法。
【請求項183】
エマルジョン混合物に加えられる乳化剤が油相中の少なくとも1種の乳化剤とは異なる、請求項150から182のいずれか一項に記載の方法。
【請求項184】
エマルジョン混合物に加えられる乳化剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ドキュセートナトリウム、エチレングリコールステアレート、ベヘン酸グリセリル、ヒドロキシプロピルデンプン、ラノリン、ラノリンアルコール、ラウリン酸、ラウリン酸ナトリウム、レシチン、リノール酸、中鎖トリグリセリド、ミリスチン酸、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、パルミチン酸、リン脂質、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシルグリセリド、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート、セチルアルコール、非イオン性乳化ワックス、硬化ヒマシ油、セレシン、セトステアリルアルコール、デキストリン、パラフィン、ステアリルアルコール、アニオン性乳化ワックス、セチルエステルワックス、微結晶性ワックス、ホワイトワックス、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、オレイン酸、カノーラ油、ヒマシ油、コレステロール、エチレングリコールステアレート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、ミリスチルアルコール、ベニバナ油、トリオレイン、キシリトール、オレス-2、ポリソルベート80、マクロゴール15ヒドロキシステアレート、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項150から183のいずれか一項に記載の方法。
【請求項185】
エマルジョン混合物に加えられる乳化剤がポリソルベート80である、請求項150から183のいずれか一項に記載の方法。
【請求項186】
エマルジョン混合物を加熱するステップがエマルジョン混合物を25~80℃に加熱することを含む、請求項150から185のいずれか一項に記載の方法。
【請求項187】
水性相分散液と油相を混ぜ合わせて、エマルジョン混合物を形成するステップが、油相が依然として高温、例えば、30℃より上である間に実施される、請求項150から186のいずれか一項に記載の方法。
【請求項188】
エマルジョン混合物を冷却させるステップが、エマルジョン混合物を30℃以下まで冷却させるステップを含む、請求項150から187のいずれか一項に記載の方法。
【請求項189】
エマルジョン混合物が冷却された後、張度調節剤をエマルジョン混合物に加えるステップをさらに含む、請求項150から188のいずれか一項に記載の方法。
【請求項190】
張度調節剤が、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン、フェニルエチルアルコール、メタ重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項189に記載の方法。
【請求項191】
張度調節剤がベンジルアルコールである、請求項189に記載の方法。
【請求項192】
構成成分の量が、本開示の組成物を生成するのに十分な量で加えられる、請求項150から191のいずれか一項に記載の方法。
【請求項193】
pHを調整するステップがpH調節剤を加えることにより実施される、請求項150から192のいずれか一項に記載の方法。
【請求項194】
pH調節剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、トリエタノールアミン、又はこれらの組合せからなる群から選択される、請求項193に記載の方法。
【請求項195】
pH調節剤が水酸化ナトリウムである、請求項193に記載の方法。
【請求項196】
組成物を鼻の又は耳の組織に塗布するためのデバイスであって、以下:
ある長さのチューブであって、その両端に配置された第1の末端及び第2の末端を有し、前記第1の末端においてある外径を有する前記ある長さのチューブ、
前記第1の末端から前記第2の末端に向かって、前記ある長さのチューブの全長の少なくとも一部分だけ前記チューブを貫通する構造的支持要素、並びに
前記ある長さのチューブの前記第2の末端に配置された先端部を含み、
前記ある長さのチューブが可撓性材料を含み、
前記先端部が実質的に弓形状を有し、前記弓形状が前記ある長さのチューブの前記第2の末端から遠位の前記先端部の端部において先細になり、前記先端部が前記ある長さのチューブの前記第2の末端に近位の端部において最大外径を有し、
前記先端部の最大外径が前記第1の末端の外径より大きく、
前記構造的支持要素が、チューブの形状を保持するのに十分な剛性を有するが、前記チューブの形状を変化させるのに十分に可撓性である、前記デバイス。
【請求項197】
前記ある長さのチューブが約2インチの全長を有する、請求項196に記載のデバイス。
【請求項198】
前記ある長さのチューブが約4インチの全長を有する、請求項196に記載のデバイス。
【請求項199】
前記構造的支持要素がプラスチックワイヤである、請求項196から198のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項200】
前記構造的支持要素が、前記第1の末端から前記第2の末端まで、前記ある長さのチューブの全長の約半分だけ前記チューブを貫通する、請求項196から199のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項201】
構造的支持要素が、前記第1の末端から前記第2の末端まで前記チューブを貫通する、請求項196から199のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項202】
デバイスをシリンジに取り付け可能なように構成されたコネクターをさらに含む、請求項196から201のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項203】
コネクターがルアーロックコネクターである、請求項202に記載のデバイス。
【請求項204】
前記ある長さのチューブが可撓性プラスチック材料を含む、請求項196から203のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項205】
前記ある長さのチューブがポリエーテルブロックアミドを含む、請求項196から203のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項206】
前記ある長さのチューブがPebax 45Dを含む、請求項196から203のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項207】
前記ある長さのチューブがPebax 55Dを含む、請求項196から203のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項208】
前記ある長さのチューブがPebax 63Dを含む、請求項196から203のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項209】
前記先端部及び前記ある長さのチューブが同じ材料で作製されている、請求項196から208のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項210】
前記ある長さのチューブの前記第2の末端の外径が、前記ある長さのチューブの前記第1の末端の外径と同じである、請求項196から209のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項211】
前記先端部の最大外径が約4mmである、請求項196から210のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項212】
前記ある長さのチューブの外径が約2.29mmである、請求項196から211のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項213】
前記先端部が全長約1mmを有する、請求項196から212のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項214】
前記ある長さのチューブが内径約1.4mmを有する、請求項196から213のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項215】
前記構造的支持要素が直径約0.5mmを有する、請求項196から214のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項216】
前記デバイスが滅菌されている、請求項196から215のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項217】
請求項79から83のいずれか一項に記載の容器をさらに含み、前記コネクターが、容器と係合して、前記ある長さのチューブを通って組成物が流れることを可能にするように構成されている、請求項196から216のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項218】
請求項196から216のいずれか一項に記載のデバイス、及び
請求項1から99のいずれか一項に記載の組成物
を含む、キット。
【請求項219】
組成物がシリンジ内に配置される、請求項218に記載のキット。
【請求項220】
組成物がキット中に0.1g~約12gの量で存在する、請求項218に記載のキット。
【請求項221】
組成物が約0.1mg~約1.5gのステロイドを含む、請求項218から220のいずれか一項に記載のキット。
【請求項222】
組成物が約0.01mg~約200mgの抗菌活性を有する薬剤を含む、請求項218から221のいずれか一項に記載のキット。
【請求項223】
請求項217に記載のデバイスを含むキットであって、容器が請求項1から96のいずれか一項に記載の組成物を含有する、キット。
【請求項224】
組成物がキット中に0.1g~約12gの量で存在する、請求項223に記載のキット。
【請求項225】
組成物が約0.1mg~約1.5gのステロイドを含む、請求項223から224のいずれか一項に記載のキット。
【請求項226】
組成物が約0.01mg~約200mgの抗菌活性を有する薬剤を含む、請求項223から224のいずれか一項に記載のキット。
【請求項227】
請求項1から99のいずれか一項に記載の組成物、及び
組成物を組織に適用するためのデバイス
を含む、キット。
【請求項228】
デバイスが、剛性である、ある長さのチューブを含む、請求項227に記載のキット。
【請求項229】
デバイスが、組成物を含有する容器に取り付け可能なように構成されたコネクターをさらに含む、請求項227から228のいずれか一項に記載のキット。
【請求項230】
容器がシリンジである、請求項229に記載のキット。
【請求項231】
組成物が、0.1g~約12gの量でキット内に存在する、請求項228から230のいずれか一項に記載のキット。
【請求項232】
組成物が約0.1mg~約1.5gのステロイドを含む、請求項228から231のいずれか一項に記載のキット。
【請求項233】
組成物が約0.01mg~約200mgの抗菌活性を有する薬剤を含む、請求項228から232のいずれか一項に記載のキット。
【請求項234】
請求項196から217のいずれか一項に記載のデバイス、及び
デバイスにより適用される組成物
を含む、キット。
【請求項235】
鼻、副鼻腔又は鼻咽頭の組織に関連する疾患又は状態を有する対象を処置するための方法であって、
請求項1から99のいずれか一項に記載の組成物を、副鼻腔、鼻又は鼻咽頭の組織に局所的に投与するステップを含む、方法。
【請求項236】
組織当たりに投与される組成物の量が約0.5グラム~約5グラムである、請求項235に記載の方法。
【請求項237】
前記疾患又は状態が、副鼻腔浮腫、急性副鼻腔炎、急性副鼻腔炎感染症、急性副鼻腔炎細菌感染症、急性副鼻腔炎ウイルス感染症、急性鼻副鼻腔炎、味覚消失、アレルギー性真菌性副鼻腔炎、無嗅覚、細菌性副鼻腔炎、気圧性副鼻腔炎、気圧性外傷、慢性ポリポーシス、慢性細菌性副鼻腔炎、慢性アレルギー性真菌性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎、慢性再発性副鼻腔炎、慢性再発性副鼻腔炎感染症、慢性再発性副鼻腔炎細菌感染症、慢性再発性副鼻腔炎ウイルス感染症、慢性鼻副鼻腔炎、ポリープを伴う慢性鼻副鼻腔炎、ポリープを伴わない慢性鼻副鼻腔炎、慢性反復性鼻副鼻腔炎、中央コンパートメントアトピー性疾患、嚢胞性線維症、びまん性副鼻腔炎、びまん性2型副鼻腔炎、好酸球性鼻副鼻腔炎、真菌性副鼻腔炎、多発血管炎性肉芽腫症、上顎洞感染症、ムコール症、鼻のポリープ、非好酸球性鼻副鼻腔炎、非好酸球性慢性鼻副鼻腔炎、副鼻腔貯留嚢胞、多微生物性副鼻腔炎、再発性鼻副鼻腔炎、再発性急性鼻副鼻腔炎、鼻副鼻腔炎、副鼻腔炎、副鼻腔のポリープ、及び蝶形骨洞感染症からなる群から選択される、請求項235から236のいずれか一項に記載の方法。
【請求項238】
前記疾患又は感染症が鼻副鼻腔炎である、請求項235から236のいずれか一項に記載の方法。
【請求項239】
前記対象が、前記組成物を投与する前に副鼻腔手術を受けている、請求項235から238のいずれか一項に記載の方法。
【請求項240】
投与するステップが対象に対して1回以下実施される、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項241】
投与するステップが10日の期間の間に1回以下実施される、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項242】
投与するステップが、14日の期間の間に1回以下実施される、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項243】
投与するステップが、21日の期間の間に1回以下実施される、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項244】
投与するステップが、30日の期間の間に1回以下実施される、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項245】
投与するステップが、60日の期間の間に1回以下実施される、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項246】
投与するステップが、60日の期間の間に2回以下実施される、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項247】
投与するステップが、90日の期間の間に1回以下実施される、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項248】
投与するステップが、180日の期間の間に1回以下実施される、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項249】
投与するステップが、365日の期間の間に1回以下実施される、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項250】
疾患又は状態が菌類によるものである、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項251】
疾患又は状態が酵母によるものである、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項252】
疾患又は状態が、細菌、真菌及び/又は酵母の組合せを含む多微生物性である、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項253】
疾患又は状態が、特定された微生物感染を伴わない炎症によるものである、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項254】
疾患又は状態が手術後の副鼻腔炎の増悪である、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項255】
疾患又は状態がグラム陰性細菌によるものである、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項256】
疾患又は状態がグラム陽性細菌によるものである、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項257】
組成物が抗菌活性を有する薬剤を含み、抗菌活性を有する薬剤がクロトリマゾールである、請求項255から256のいずれか一項に記載の方法。
【請求項258】
状態が少なくとも部分的に細菌感染症によるものであり、バイオフィルムが副鼻腔又は鼻咽頭の組織の表面に形成されている、請求項235から239のいずれか一項に記載の方法。
【請求項259】
対象が、肥大型、炎症型、及び肉芽形成型組織と記述される異常な鼻腔組織をもたらすFESSを受けている、請求項235から258のいずれか一項に記載の方法。
【請求項260】
患者が、鼻をかむ必要性、鼻づまり、くしゃみ、鼻水、咳、後鼻漏、高粘度の鼻汁、耳閉感、めまい、耳痛、顔面痛又は顔面圧迫感、嗅覚又は味覚の低下、入眠障害、夜間の覚醒、良好な夜の睡眠の欠如、目覚めたときの疲労感、疲労、生産性の低下、集中力の低下、いらだち、不穏状態又は怒りっぽい、悲しみ、困惑、及びこれらの組合せからなる群から選択される1種以上の副鼻腔の状態を患っている、請求項235から259のいずれか一項に記載の方法。
【請求項261】
副鼻腔の又は鼻咽頭の組織に関連する状態として、鼻をかむ必要性、鼻づまり、くしゃみ、鼻水、咳、後鼻漏、高粘度の鼻汁、耳閉感、めまい、耳痛、顔面痛又は顔面圧迫感、嗅覚又は嗅覚の低下、入眠障害、夜間の覚醒、良好な夜の睡眠の欠如、目覚めたときの疲労感、疲労、生産性の低下、集中力の低下、いらだち、不穏状態又は怒りっぽい、悲しみ、困惑、又はこれらの組合せが挙げられる、請求項235から259のいずれか一項に記載の方法。
【請求項262】
副鼻腔又は鼻咽頭組織が、上顎洞、前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞、上顎粘膜、前頭粘膜、篩骨粘膜、蝶形骨粘膜、鼻甲介、鼻腔、鼻涙管、鼻腔及び鼻の組織からなる群から選択される、請求項235から261のいずれか一項に記載の方法。
【請求項263】
組成物を投与するステップが、請求項193から213のいずれか一項に記載のデバイスを使用して組成物を適用することにより実施される、請求項235から261のいずれか一項に記載の方法。
【請求項264】
組成物を投与するステップが、約0.01mg~約750mgのステロイドを送達することを含む、請求項235から263のいずれか一項に記載の方法。
【請求項265】
組成物を投与するステップが、約0.01mg~約100mgの抗菌活性を有する薬剤を送達することを含む、請求項235から263のいずれか一項に記載の方法。
【請求項266】
耳の組織に関連する疾患又は状態を有する対象を処置するための方法であって、
請求項1から99のいずれか一項に記載の組成物を耳の組織に局所的に投与するステップを含む、方法。
【請求項267】
投与される組成物の総量が約0.17グラム~約2.1グラムである、請求項266に記載の方法。
【請求項268】
前記疾患又は状態が、急性中耳炎、急性限局性外耳道炎(せつ腫症)、急性乳様突起炎、聴神経腫瘍、聴覚情報処理障害、自己免疫性内耳疾患、良性発作性頭位めまい症、気圧性外傷、真珠腫、慢性外耳炎、慢性中耳炎、滲出液を伴う慢性中耳炎、めまい、丹毒、耳帯状疱疹、聴覚損失、感染性鼓膜炎、内耳感染症、内耳性眩暈、迷路炎、悪性外耳炎、メニエール病、中耳感染症、中耳炎、滲出液を伴う中耳炎、穿孔を伴う中耳炎、外耳炎、外耳道真菌症、外耳の感染症、穴が開いた鼓膜、軟骨膜炎、再発性前庭神経症、漿液性中耳炎、上半規管裂隙症候群、耳鳴り、チューブ耳漏、回転性めまい、前庭神経症、前庭神経炎、及びウイルス性迷路炎からなる群から選択される、請求項266から267のいずれか一項に記載の方法。
【請求項269】
投与するステップが対象に対して1回以下実施される、請求項266から268のいずれか一項に記載の方法。
【請求項270】
投与するステップが10日の期間の間に1回以下実施される、請求項266から268のいずれか一項に記載の方法。
【請求項271】
投与するステップが14日の期間の間に1回以下実施される、請求項266から268のいずれか一項に記載の方法。
【請求項272】
投与するステップが21日の期間の間に1回以下実施される、請求項266から268のいずれか一項に記載の方法。
【請求項273】
投与するステップが30日の期間の間に1回以下実施される、請求項266から268のいずれか一項に記載の方法。
【請求項274】
投与するステップが60日の期間の間に1回以下実施される、請求項266から268のいずれか一項に記載の方法。
【請求項275】
投与するステップが60の日期間の間に2回以下実施される、請求項266から268のいずれか一項に記載の方法。
【請求項276】
投与するステップが90日の期間の間に1回以下実施される、請求項266から268のいずれか一項に記載の方法。
【請求項277】
投与するステップが180日の期間の間に1回以下実施される、請求項266から268のいずれか一項に記載の方法。
【請求項278】
投与するステップが365日の期間の間に1回以下実施される、請求項266から268のいずれか一項に記載の方法。
【請求項279】
疾患又は状態が菌類によるものである、請求項266から278のいずれか一項に記載の方法。
【請求項280】
疾患又は状態が酵母によるものである、請求項266から278のいずれか一項に記載の方法。
【請求項281】
疾患又は状態が細菌、真菌及び/又は酵母の組合せを含む多微生物性である、請求項266から278のいずれか一項に記載の方法。
【請求項282】
疾患又は状態が、特定された微生物感染を伴わない炎症によるものである、請求項266から278のいずれか一項に記載の方法。
【請求項283】
疾患又は状態がグラム陰性細菌によるものである、請求項266から278のいずれか一項に記載の方法。
【請求項284】
疾患又は状態がグラム陽性細菌によるものである、請求項266から278のいずれか一項に記載の方法。
【請求項285】
組成物が抗菌活性を有する薬剤を含み、抗菌活性を有する薬剤がクロトリマゾールである、請求項283から284のいずれか一項に記載の方法。
【請求項286】
耳の組織が耳介、蝸牛、耳道、エウスタキー管、外耳道、内耳、中耳、外耳、正円窓、半規管、鼓膜、鼓室、耳道組織又は有毛細胞からなる群から選択される、請求項266から285のいずれか一項に記載の方法。
【請求項287】
組成物を投与するステップが、約0.01mg~約250mgのステロイドを送達することを含む、請求項266から286のいずれか一項に記載の方法。
【請求項288】
組成物を投与するステップが、約0.01mg~約50mgの抗菌活性を有する薬剤を送達することを含む、請求項266から287のいずれか一項に記載の方法。
【請求項289】
組成物を投与するステップが、請求項196から216のいずれか一項に記載のデバイスを使用して、組成物を組織に適用するステップを含む、請求項235から288のいずれか一項に記載の方法。
【請求項290】
請求項1から99のいずれか一項に記載の組成物を含むシリンジをデバイスに取り付けることをさらに含む、請求項289に記載の方法。
【請求項291】
組成物を投与するステップが、請求項196から216のいずれか一項に記載のデバイスを使用して、組成物を組織に適用することを含む、請求項266から288のいずれか一項に記載の方法。
【請求項292】
請求項1から99のいずれか一項に記載の組成物を含むシリンジをデバイスに取り付けることをさらに含む、請求項290に記載の方法。
【請求項293】
組成物を組織に適用するステップが、内視鏡の助けを借りて実施される、請求項289から292のいずれか一項に記載の方法。
【請求項294】
鼻、副鼻腔、鼻咽頭、又は耳の組織の疾患又は状態を処置するための方法であって、
請求項196から217のいずれか一項に記載のデバイスを使用して、組成物を鼻、副鼻腔、鼻咽頭、又は耳の組織に投与するステップを含み、
組成物が疾患又は状態を処置するのに適している、方法。
【請求項295】
組成物がデバイスに取り付けられたシリンジ内に配置される、請求項294に記載の方法。
【請求項296】
組成物を投与するステップが内視鏡の助けを借りて実施される、請求項294から295のいずれか一項に記載の方法。
【請求項297】
組織が、鼻、副鼻腔及び鼻咽頭の組織から選択される、請求項294から296のいずれか一項に記載の方法。
【請求項298】
疾患又は状態が、ムコール症、慢性副鼻腔炎、急性副鼻腔炎、細菌性副鼻腔炎、慢性細菌性副鼻腔炎、多微生物性副鼻腔炎、鼻のポリープ、アレルギー性真菌性副鼻腔炎、慢性アレルギー性真菌性副鼻腔炎、及び鼻副鼻腔炎からなる群から選択される、請求項297に記載の方法。
【請求項299】
組織が耳の組織である、請求項294から296のいずれか一項に記載の方法。
【請求項300】
耳の組織が、耳介、蝸牛、耳道、エウスタキー管、外耳道、内耳、中耳、外耳、正円窓、半規管、鼓膜、鼓室、金属組織又は有毛細胞からなる群から選択される、請求項299に記載の方法。
【請求項301】
疾患又は状態が、急性中耳炎、急性限局性外耳道炎(せつ腫症)、急性乳様突起炎、聴神経腫瘍、聴覚情報処理障害、自己免疫性内耳疾患、良性発作性頭位めまい症、気圧性外傷、真珠腫、慢性外耳炎、慢性中耳炎、滲出液を伴う慢性中耳炎、めまい、丹毒、耳帯状疱疹、聴覚損失、感染性鼓膜炎、内耳感染症、内耳性眩暈、迷路炎、悪性外耳炎、メニエール病、中耳感染症、中耳炎、滲出液を伴う中耳炎、穿孔を伴う中耳炎、外耳炎、外耳道真菌症、外耳の感染症、穴が開いた鼓膜、軟骨膜炎、再発性前庭神経症、漿液性中耳炎、上半規管裂隙症候群、耳鳴り、チューブ耳漏、回転性めまい、前庭神経症、前庭神経炎、及びウイルス性迷路炎からなる群から選択される、請求項299に記載の方法。
【請求項302】
組成物が組織に有効量で投与される、請求項294から300のいずれか一項に記載の方法。
【請求項303】
対象において組織の疾患又は状態を処置するための方法であって、
請求項1から99のいずれか一項に記載の組成物を組織に適用するステップを含み、
治療用活性剤が疾患又は状態を処置するのに適しており、
治療用活性剤が組成物中に有効量で存在する、方法。
【請求項304】
組成物が対象に有効量で投与される、請求項303に記載の方法。
【請求項305】
組織が鼻、耳、眼又は膣の組織である、請求項303から304のいずれか一項に記載の方法。
【請求項306】
組織が粘膜組織である、請求項303から305のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年8月26日に出願した米国仮出願第63/070,812号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
クリーム剤は、2種の不混和性液体を合わせることにより調製される2相のエマルジョンであり、この中で1種の液体の小さな小球体が他の液体全体にわたり均一に分散している。小さな小滴へと分散した液体は、多くの場合分散相又は内相と呼ばれる。他の液体は、外相又は連続相と呼ばれる。油が分散相であり、水溶液が連続相である場合、この系は水中油(O/W)エマルジョンと命名される。逆に、水又は水溶液が分散相であり、油又は油性材料が連続相である場合、この系は油中水(W/O)エマルジョンと命名される。
【0003】
クリーム剤は、界面張力、分散相の大きな表面積及び2つの相の密度の差異の組合せから生じる表面エネルギーの大きな増加により、一般的に熱力学的に不安定である。内相の小滴は、表面の自由エネルギーの有意な減少により融合することができる。よって、クリーム剤は、分離する傾向にある、すなわち、密度の低い相が上昇し、密度の高い相が下降する。熱に曝露されると、均一に分配した小滴は集まり始め、最終的に大きな小球体へと融合し、クリーム剤は不安定となり、相分離が通常生じる。本開示は、オートクレーブ処理した場合、又はそうでなければ滅菌した場合分離しないクリーム剤を提供することにより、この問題に対処する。
【0004】
鼻腔、鼻副鼻腔及び鼻咽頭は、ヒト呼吸器系の重要な構成成分であり、医学的介入を必要とする疾患又は状態により影響を受けることもあり得る。患者の健康を促進し、疾患又は状態による合併症を回避するためには、これらの疾患及び状態の適正な及び有効な処置が必要となる。
【0005】
これらの領域の疾患又は状態に対する現在の標準的ケアは、生理食塩水鼻腔用スプレー又はリンス剤、及びコルチコステロイド、グルココルチコイド、抗コリン(anticholergic)、及び抗ヒスタミン剤鼻腔用スプレーであり、これらは1日複数回、長期間の間適用される一般的に低粘度(1~10cPs)の、水ベースの溶液又は懸濁液である。単純な経鼻送達法、例えば、液滴、スプレー、エアゾール剤、ネブライザー、及びアトマイザーは、良好な鼻腔接触を提供するが、副鼻腔送達が弱い。低粘度の液体のための副鼻腔へのアクセス及び短い滞留時間が送達の弱さに寄与する。さらに、ステロイド系鼻腔用スプレーは状態がもたらす炎症に対処するが、これらは、炎症が感染症である場合、根底にある原因に対処することができない。これら家庭での治療法はまた、有効性に対する高レベルの患者コンプライアンスを必要とする。また、経鼻投与に対するFDA認可済み抗真菌剤も現在存在しない。よって、抗真菌療法のための、副鼻腔又は鼻咽頭組織に局所的に投与される効果的な製品が必要とされている。
【0006】
状態の根底にある原因、ある場合には、菌類及び/又は細菌感染症に関して、処置は、診療所内又は病院内での手順による抗菌剤又は抗真菌剤の水ベースの懸濁液の洗浄を含み、これらはIV投与を含むこともでき、麻酔を含むこともできるが、最も多くの場合には、鼻腔用スプレーを用いて、多くの場合複数の1日用量で患者により家庭で処置される。代わりに又はさらに、経口抗生剤及び抗真菌剤が処方される。これらの処置は多くの場合良い結果が出ず、患者は実行可能な代替形態がないまま慢性の感染症及び炎症に継続して悩まされる。したがって、上記に記載されている欠陥に対処する処置オプションが必要となる。
【0007】
副鼻腔粘膜へのステロイドの弱い送達に関して、副鼻腔への液体ベースのステロイド送達の欠陥及び不都合を克服するための処置オプションが必要とされる。
【0008】
外耳炎は、耳道の皮膚の炎症を特徴とする外耳の疾患である。外耳炎の症例の90%超は、その原因を細菌性及び/又は真菌感染症に辿ることができる。初期段階では、耳炎の症状は、多くの場合、外耳道の周辺領域での圧痛を伴う耳道におけるそう痒及び疼痛、並びに耳たぶを引っ張る又は下顎を動かすと疼痛があることを含む。明確な段階では、化膿が耳道に生じ、聴覚の低減を伴うこともある。外耳炎の処置は、感染した耳道の皮膚への到達が相対的に不可能なことから複雑となり、患部への処置を効果的に適用ことが困難となる。
【0009】
医師が遭遇する外耳炎の最も一般的な種類の1つが「スイマーの耳」と命名されている種類である。スイマーの耳は、医学分野において細菌を源とする感染症であり、そのように処理されるものと長期にわたり理解されてきた。したがって、現在の医療行為では、スイマーの耳の処置に対してこの状態の処置のために複数回用量の、抗生剤点耳薬レジメンが処方されている。場合によっては、これらの点耳薬は、少ない用量のステロイド又は有機酸、例えば、酢酸を含み得る。通常、点耳薬は、1日2回10日間感染した耳に適用される。代わりに又はさらに、経口の抗生剤及び鎮痛剤が処方される。この手法は細菌感染症の処置における標準的医療行為に合致しており、標準的医療行為は、(a)患者の血流内に高レベルの抗生剤を維持するために毎日の投薬を利用する、及び(b)長期間にわたり局所的接触を維持することにより、原因となる細菌を根絶しようとする。
【0010】
点耳薬レジメンはある場合にはスイマーの耳に対する有効な処置であり、患者により投与できるというかなりの利便性をもたらし得るが、いずれかの処置の中断により用量又は適用が不足してしまうと、疾患の治癒が失敗に終わる可能性がある。さらに、点耳薬の局所的適用は、多くの場合処置すべき表面との物理的接触が不十分であるという結果となり、さらに適正に接触したとしても、このような接触は、所望の生理学的作用を達成するのに十分な期間継続され得ない。さらに、現在の点耳薬製剤は、これらが適切に投与されたとしても、かなりの数の事例において効果がないことが判明している。
【0011】
多くの場合、鼓膜は、感染症が耳に存在する場合、破裂する。その結果、点耳薬レジメンは破裂を介して中耳及び内耳に入り、これら感受性組織及び器官を点耳薬レジメンの構成成分に曝露させてしまう可能性がある。多くの抗菌剤及び不活性成分は耳毒性であり、中耳、有毛細胞、蝸牛、聴覚神経及び時には前庭系に損傷を生じ、永久的な聴覚損失をもたらすのでこれは問題である。例えば、アミノグリコシド抗生剤、例えば、ゲンタマイシン、ネオマイシン及びトブラマイシンは耳毒性である。多くの局所的点滴薬に使用されている不活性成分、例えば、エチルアルコール、酢酸、クロルヘキシジン、及びプロピレングリコールもまた耳毒性である。したがって、耳疾患の処置のための、非耳毒性組成物が必要とされる。
【0012】
さらに、耳、副鼻腔、及び類似の組織の感染症を処置するための滅菌組成物が必要とされる。非滅菌組成物は、罹患又は感染組織へ追加の病原菌を導入し得る。オートクレーブ処理は、薬学的調製物を滅菌するために使用されている一般的な技術の1種である。クリーム剤は熱力学的に不安定である。オートクレーブ内で加熱状態に曝露された場合、クリーム剤は一般的にフロキュレーションし(flocculate)、これに続いて融合し、最終的に相が油と水に分離する。
【0013】
罹患及び感染組織は敏感であり、多くの場合有痛である。根底にある感染症を処置することに加えて、この過敏性に対処し、患者の快適さを維持又は改善する処置及び組成物が必要とされる。張度(tonicity)とは、細胞に水を得させたり又は失わさせたりする溶液の能力を指す。等張液は、細胞による水の正味の増加又は損失を引き起こさない。高張溶液は、細胞からの水の離脱を引き起こし、低張溶液は細胞への水の侵入を引き起こす。等張からかけ離れた薬物は、組織及び断裂細胞上に圧迫感を引き起こす可能性がある。よって、等張である処置が必要とされる。
【0014】
医薬組成物の周期的な適用を必要とする点耳薬レジメン、又は任意の他の処置の有効性は、多くの場合、熟練した医師により実施された場合、最適化することができる。しかし、実際のところ、多くの患者は病院又はヘルスケア提供者への複数回の通院を必要とする処置を受けたがらない。結果的に、多数のこのような患者は、最初の処置又はその後の処置を回避し、その結果、外耳炎の容易に治療可能な状態は、深刻な医学的介入を必要とするより急性の状態へと進行してしまう。最初の症状の発症と、例えば、通院のスケジューリングが遅れた結果、その後の処置との間にいずれかの著しい遅延がある場合、類似の結果が生じ得る。この点において、特筆すべきは、罹患組織における感染生物の成長速度は多くの場合急激であることである。
【0015】
スイマーの耳及び他の種類の外耳炎を処置するための代替法が、多くの場合1種以上の上述の欠陥を克服する目的で当技術分野で開発されてきた。これらの処置の一部は点耳薬レジメンと併用して使用することができる。例えば、1種の手法は、抗菌点耳薬(少ない用量のステロイドを含有し得る点耳薬)又は収斂剤、例えば、酢酸アルミニウム溶液を浸漬したリボンガーゼ包帯を感染領域に導入することを含む。このような手法はある場合には非常に有効となり得るが、挿入されたガーゼと炎症性耳道組織との間の接触は極めて有痛である可能性があるため、より急性の外耳炎事例の多くにおいて実用的ではない。さらに、この手法は患者により投与することができない、したがって処置のため患者が医師を訪問しなければならない。
【発明の概要】
【0016】
よって、複数回の適用を必要としない、外耳炎を処置するための方法であって、遅延なしで処置することに適しており、スイマーの耳及び他の種類の外耳炎を処置するのに有効な方法が当技術分野において必要とされている。非侵襲性であり、感染した耳道の皮膚に効果的に接触する、外耳炎を処置するための方法が当技術分野においてさらに必要とされている。耳毒性ではない滅菌組成物が必要とされている。これら及び他の必要性は、本明細書に開示されている及び本明細書のこれより以下に記載されているデバイス及び方法により満たされる。
【0017】
本開示は、鼻、副鼻腔、鼻咽頭、耳及び他の組織の疾患及び状態を処置するための組成物、デバイス及び方法を提供する。より一般的には、本開示は、等張性があり、及び/又は、ある場合には、相分離を生じることなく、滅菌可能な、例えばオートクレーブで滅菌可能なクリーム剤により、粘膜又は他の組織に治療的活性成分を送達するための処置の組成物、デバイス及び方法を提供する。
【0018】
一部の実施形態では、等張化剤(tonicity agent)及び乳化剤を含む組成物であって、クリーム剤であり、約270mOsm/kg~約360mOsm/kgのオスモル濃度(osmolality)を有する組成物が提供される。
【0019】
一部の実施形態では、本開示の組成物を組織に投与することにより、鼻、副鼻腔、鼻咽頭、耳又は他の組織の疾患又は状態を処置するための方法が提供される。
【0020】
一部の実施形態では、ある外径を有する第1の末端を有する、ある長さのチューブ(a length of tubing)と、第1の末端の外径より大きな最大直径を有し、弓形の形状を有する第2の末端にある先端部と、場合により構造的支持要素とを有するデバイスが提供される。
【0021】
一部の実施形態では、処置の方法は、鼻、副鼻腔、鼻咽頭、又は耳の組織に、本開示の組成物であることができる組成物を適用して、その疾患又は状態を処置するために本開示のデバイスを使用することができる。
【0022】
一部の実施形態では、本開示の組成物及び本開示のデバイスを含むキットが提供される。
【0023】
本発明及びその利点をより完全に理解するために、次に以下の記載が添付の図面と共に参照される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1A】
図1Aは、本開示のクリーム剤を製造する例示的な方法のワークフローを示す。
【
図1B】
図1Bは、本開示のクリーム剤を製造する別の例示的な方法のワークフロー示す。
【
図5A】
図5Aは、本開示の実施例で調製されたクリーム剤組成物のオートクレーブ処理の前後の結果を示す。
【
図5B】
図5Bは、本開示の実施例で調製されたクリーム剤組成物のオートクレーブ処理の前後の結果を示す。
【
図5C】
図5Cは、本開示の実施例で調製されたクリーム剤組成物のオートクレーブ処理の前後の結果を示す。
【
図5D】
図5Dは、本開示の実施例で調製されたクリーム剤組成物のオートクレーブ処理の前後の結果を示す。
【
図5E】
図5Eは、本開示の実施例で調製されたクリーム剤組成物のオートクレーブ処理の前後の結果を示す。
【
図6】
図6は、本開示の実施例で調製されたクリーム剤組成物のオスモル濃度対グリセリンの量のグラフを示す。
【
図7A】
図7Aは、本開示の実施例で調製されたクリーム剤組成物の粘度対剪断速度のグラフを示す。
【
図7B】
図7Bは、本開示の実施例で調製されたクリーム剤組成物の粘度対オートクレーブ処理温度のグラフを示す。
【
図8】
図8は、面取りした、及び面取りしていない針先を示す。
【
図9A】
図9Aは、聴器毒性試験のための実施例の注入セットアップを示す。
【
図9B】
図9Bは、聴器毒性試験のための実施例の注入セットアップを示す。
【
図11】
図11は、被験物又は生理食塩水で処置したモルモット耳についての異なる周波数領域での平均有毛細胞数を示す。
【
図12】
図12は、本開示の組成物又は生理食塩水で処置したモルモットの中耳の画像を示す。
【
図13A】
図13Aは、ベタメタゾン-17-プロピオネート及びベタメタゾンの平均ヒツジ血漿中濃度を示す。
【
図13B-1】
図13B-1は、平均及び個別のベタメタゾン-17-プロピオネート血漿中濃度プロットを示す。
【
図13B-2】
図13B-2は、平均及び個別のベタメタゾン-17-プロピオネート血漿中濃度プロットを示す。
【
図13C-1】
図13C-1は、平均及び個別のベタメタゾン血漿中濃度プロットを示す。
【
図13C-2】
図13C-2は、平均及び個別のベタメタゾン血漿中濃度プロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示は、鼻、副鼻腔、鼻咽頭、耳及び他の組織の疾患及び状態を処置するための組成物、デバイス及び方法を提供する。より一般的には、本開示は、等張性があり、ある場合には、相分離を生じることなく、滅菌可能な、例えばオートクレーブで滅菌可能なクリーム剤により、粘膜又は他の組織に治療的活性成分を送達するための処置の組成物、デバイス及び方法を提供する。
【0026】
定義
本明細書で使用される場合、文脈が明確にそうでないことを指示しない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の指示対象を含む。
【0027】
特許請求の範囲及び本開示における「又は」という用語の使用は、代替形態のみを指すことが明示的に示されている場合、又は代替形態が相互に排他的である場合を除いて、「及び/又は」を意味するように使用されている。
【0028】
「約」という用語の使用は、数値とともに使用される場合、+/-10%を含むことを意図する。例として、ただし限定するものではないが、量が約1mgと特定された場合、これは0.9~1.1mg(プラスマイナス10%)を含む。
【0029】
本明細書で使用される場合、「抗菌剤」は抗微生物、例えば、抗菌剤及び抗真菌剤を含むと考えるべきである。本明細書で使用される場合「抗菌活性を有する薬剤」と「抗菌剤」は同義である。
【0030】
本明細書で使用される場合、「有効量」とは、所望の薬理学的及び/又は薬力学的結果をもたらすのに十分な量を指す。
【0031】
例えば、処置に対する有効量とは、感染症又は疾患の症状及び/又は病理を減少させる又は排除することができる量である。別の例は、病原体を効果的に排除するために、病原体を保護しているバイオフィルムを破壊する又は根絶するのに有効な量である。
【0032】
「患者」、「個体」、及び「対象」という用語は、本明細書で交換可能なように使用され、処置すべき哺乳動物の対象を指し、ヒト患者が好ましい。ある場合には、本発明の方法は、実験動物、獣医学的応用、並びに疾患及び安全性のための動物モデルの開発における使用が見出され、これには、これらに限定するものではないが、げっ歯類、例えば、マウス、ラット、モルモット、及びハムスター、並びにこれらに限定するものではないが、イヌ、ヒツジ、ネコ、ウマ、及び霊長類を含む他の動物が含まれる。
【0033】
「処置」とは、障害の発症を予防する又は障害の病理又は症状を改変する意図をもって実施される治療介入である。したがって、「処置」は、治療的処置と、阻止的又は予防的手段との両方を指すことができる。処置を必要とする対象は、障害をすでに有する対象並びに障害が予防されるべきである対象を含む。
【0034】
本明細書で使用される場合、「クリーム剤」という用語は、水中油エマルジョン又は油中水エマルジョンのいずれかに溶解及び/又は分散された1種以上の薬剤を含有する調製物を意味する。疑念を回避するため、「クリーム剤」は、ゲル化剤の添加を介してゼリー状にされた水性液体ビヒクル中の小分子又は大分子の分散体からなる半固体系である「ゲル」を含まない。よって、「クリーム剤」という用語は、熱可逆性ゲル、熱可逆性ポリマー、又はポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのコポリマーを含まない。本明細書で使用される場合、「クリーム剤」は、スピンドル28を使用して、1rpm(剪断速度)で、Brookfield RVDVII+を使用して測定された場合、少なくとも25,000cPsの粘度を有すると理解されるべきである。
【0035】
また、別途明示されていない限り、張度(tonicity)又はオスモル濃度(osmolality)についての言及はmOsm/kgの単位によるものと理解されたい。
【0036】
組成物
一部の実施形態では、等張化剤及び乳化剤を含む組成物であって、クリーム剤であり、約270mOsm/kg~約360mOsm/kgのオスモル濃度を有する組成物が提供される。一部の実施形態では、オートクレーブ処理可能なクリーム剤組成物であって、クリーム剤であり、約270mOsm/kg~約360mOsm/kgのオスモル濃度を有し、オートクレーブ処理条件下で、例えば、110℃で10~30分間又は130℃で1~5分間のオートクレーブ処理条件下で分離しない組成物が提供される。後者の実施形態では、オートクレーブ処理可能なクリーム剤組成物は等張化剤及び乳化剤をさらに含むことができる。例として、ただし限定するものではないが、前述の実施形態のいずれかの組成物は、約270mOsm/kg~約360mOsm/kg、約270mOsm/kg~約350mOsm/kg、約270mOsm/kg~約340mOsm/kg、約270mOsm/kg~約330mOsm/kg、約270mOsm/kg~約320mOsm/kg、約270mOsm/kg~約310mOsm/kg、約270mOsm/kg~約300mOsm/kg、約270mOsm/kg~約290mOsm/kg、約270mOsm/kg~約280mOsm/kg、約280mOsm/kg~約360mOsm/kg、約280mOsm/kg~約350mOsm/kg、約280mOsm/kg~約340mOsm/kg、約280mOsm/kg~約330mOsm/kg、約280mOsm/kg~約320mOsm/kg、約280mOsm/kg~約310mOsm/kg、約280mOsm/kg~約300mOsm/kg、約280mOsm/kg~約290 m/Osm/kg、約290mOsm/kg~約360mOsm/kg、約290mOsm/kg~約350mOsm/kg、約290mOsm/kg~約340mOsm/kg、約290mOsm/kg~約330mOsm/kg、約290mOsm/kg~約320mOsm/kg、約290mOsm/kg~約310mOsm/kg、約290mOsm/kg~約300mOsm/kg、約300mOsm/kg~約360mOsm/kg、約300mOsm/kg~約350mOsm/kg、約300mOsm/kg~約340mOsm/kg、約300mOsm/kg~約330mOsm/kg、約300mOsm/kg~約320mOsm/kg、約300mOsm/kg~約310mOsm/kg、約310mOsm/kg~約360mOsm/kg、約310mOsm/kg~約350mOsm/kg、約310mOsm/kg~約340mOsm/kg、約310mOsm/kg~約330mOsm/kg、約310mOsm/kg~約320mOsm/kg、約320mOsm/kg~約360mOsm/kg、約320mOsm/kg~約350mOsm/kg、約320mOsm/kg~約340mOsm/kg、約320mOsm/kg~約330mOsm/kg、約330mOsm/kg~約360mOsm/kg、約330mOsm/kg~約350mOsm/kg、約330mOsm/kg~約340mOsm/kg、約340mOsm/kg~約360mOsm/kg、約340mOsm/kg~約350mOsm/kg、約350mOsm/kg~約360mOsm/kg、約270mOsm/kg~約310mOsm/kg、約280mOsm/kg~約320mOsm/kg、約290mOsm/kg~約310mOsm/kg、約310mOsm/kg~約360mOsm/kgの間、約270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、又は360mOsm/kg及びこれらの間の任意の範囲又は値のオスモル濃度を有することができる。これらオスモル濃度は、本開示の範囲内の任意の組成物に適用されることを理解されたい。
【0037】
一部の実施形態では、等張化剤は、血液と等張の組成物を生成するのに適した任意の薬剤であることができる。例として、ただし限定するものではないが、等張化剤は、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、シクロメチコン、ポリデキストロース、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、トレハロース、トリアセチン、キシリトール、塩化ナトリウム、塩化カリウム又はこれらの組合せであることができる。
【0038】
前述の実施形態のいずれかでは、等張化剤は、組成物の総重量に対して、約0.1%(w/w)~約15%(w/w)の量で存在することができる。例として、ただし限定するものではないが、等張化剤は、組成物の総重量に対して、約1%(w/w)~約10%(w/w)、約1%(w/w)~約5%(w/w)、約5%(w/w)~約10%(w/w)、約5%(w/w)~約15%(w/w)、又は約10%(w/w)~約15%(w/w)の量で存在することができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、等張化剤は、組成物の総重量に対して、約0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1%(w/w)、1.25%(w/w)、1.45%(w/w)、1.5%(w/w)、1.65%(w/w)、1.75%(w/w)、2%(w/w)、2.5%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、11%(w/w)、12%(w/w)、13%(w/w)、14%(w/w)、若しくは約15%(w/w)又はこれらの間の任意の範囲又は値の量で存在することができる。
【0039】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物はプロピレングリコールを含むことができない。
【0040】
前述の実施形態のいずれかでは、乳化剤は、クリーム剤組成物を生成するのに適した任意の乳化剤であることができる。例として、ただし限定するものではないが、乳化剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ドキュセートナトリウム、エチレングリコールステアレート、ベヘン酸グリセリル、ヒドロキシプロピルデンプン、ラノリン、ラノリンアルコール、ラウリン酸、ラウリン酸ナトリウム、レシチン、リノール酸、中鎖トリグリセリド、ミリスチン酸、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、パルミチン酸、リン脂質、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシルグリセリド(polyoxylglcyeride)、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート、セチルアルコール、非イオン性乳化ワックス、硬化ヒマシ油、セレシン、セトステアリルアルコール、デキストリン、パラフィン、ステアリルアルコール、アニオン性乳化ワックス、セチルエステルワックス、微結晶性ワックス、ホワイトワックス、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、オレイン酸、カノーラ油、ヒマシ油、コレステロール、エチレングリコールステアレート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、ミリスチルアルコール、ベニバナ油、トリオレイン、キシリトール、オレス-2、ポリソルベート80、マクロゴール15ヒドロキシステアレート、又はこれらの組合せ及び当業者に公知のものであることができる。さらなる例として、一実施形態では、乳化剤は、ポリソルベート80、ポリオキシル40ステアレート、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル及びオレス-2の組合せを含むことができる。またさらなる例として、乳化剤は、ポリソルベート80、ポリオキシル40ステアレート、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル及びSpan20(モノラウリン酸ソルビタン)の組合せを含むことができる。一部の実施形態では、乳化剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル及びソルビタン脂肪酸エステルの組合せを含むことができる。例として、ただし限定するものではないが、組成物の総重量に対して、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは約0.1%(w/w)~約15%(w/w)で存在することができ、ステアリン酸ポリオキシエチレンは約0.25%(w/w)~約10%(w/w)で存在することができ、セチルアルコールは約0.25%(w/w)~約10%(w/w)で存在することができ、モノステアリン酸グリセリルは約0.1%(w/w)~約10%(w/w)で存在することができ、ソルビタン脂肪酸エステルは約0.5%(w/w)~約5%(w/w)で存在することができ、例えば、組成物の総重量に対して、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは約5%(w/w)で存在することができ、ステアリン酸ポリオキシエチレンは約1%(w/w)で存在することができ、セチルアルコールは約1%(w/w)で存在することができ、モノステアリン酸グリセリルは約0.5%(w/w)で存在することができ、ソルビタン脂肪酸エステルは約3%(w/w)で存在することができる。例として、ただし限定するものではないが、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルはポリソルベート90であることができ、ステアリン酸ポリオキシエチレンはステアリン酸ポリオキシル40(polyoxyl 40 strearate)であることができ、ソルビタン脂肪酸エステルはオレス-2又はモノラウリン酸ソルビタンであることができる。一部の実施形態では、乳化剤は、ソルビタン脂肪酸エステル、例えばモノラウリン酸ソルビタンを含むことができる。
【0041】
前述の実施形態のいずれかでは、乳化剤は、クリーム剤組成物を生成するのに十分な量で存在することができる。前述の実施形態のいずれかでは、乳化剤は、生成したクリーム剤組成物がその成分相へと分離することなくオートクレーブ処理に耐えることができるだけの十分な量で存在することができる。例として、ただし限定するものではないが、このようなオートクレーブ処理条件は、110℃で10分間、110℃で19分間、110℃で30分間、130℃で1分間、130℃で3分間、又は130℃で5分間を含むことができる。例として、ただし限定するものではないが、乳化剤は、組成物の総重量に対して、約0.1%(w/w)~約20%(w/w)の量で組成物中に存在することができる。例として、ただし限定するものではないが、乳化剤は、組成物の総重量に対して、約0.1%(w/w)~約20%(w/w)、約1 %(w/w)~約20%(w/w)、約5%(w/w)~約20%(w/w)、約10%(w/w)~約20%(w/w)、約15%(w/w)~約20%(w/w)、約1%(w/w)~約10%(w/w)、約1%(w/w)~約5%(w/w)、約5%(w/w)~約10%(w/w)、約5%(w/w)~約15%(w/w)、又は約10%(w/w)~約15%(w/w)の量で存在することができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、乳化剤は、組成物の総重量に対して、約0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1%(w/w)、1.25%(w/w)、1.5%(w/w)、1.75%(w/w)、2%(w/w)、2.5%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、10.5%(w/w)、11%(w/w)、12%(w/w)、13%(w/w)、14%(w/w)、15%(w/w)、16%(w/w)、17%(w/w)、18%(w/w)、19%(w/w)、若しくは20%(w/w)又はこれらの間の任意の範囲若しくは値の量で存在することができる。さらに追加の例として、ただし限定するものではないが、一部の実施形態では、乳化剤は、組成物の総重量に対して、ポリソルベート80を約0.1%(w/w)~約15%(w/w)の量で含むことができ、ステアリン酸ポリオキシル40は、組成物の総重量に対して、約0.25%(w/w)~約10%(w/w)で組成物中に存在することができ、セチルアルコールは、組成物の総重量に対して、約0.25%(w/w)~約10%(w/w)で組成物中に存在することができ、モノステアリン酸グリセリルは、組成物の総重量に対して、約0.1%(w/w)~約5%(w/w)で組成物中に存在することができ、オレス-2は、組成物の総重量に対して、約0.5%(w/w)~約10%(w/w)で組成物中に存在することができる。例えば、本開示の組成物は、ポリソルベート80を組成物の総重量に対して約5%(w/w)で、ステアリン酸ポリオキシル40を組成物の総重量に対して約1%(w/w)で、セチルアルコールを組成物の総重量に対して約1%(w/w)で、モノステアリン酸グリセリルを組成物の総重量に対して約0.5%(w/w)で、及びオレス-2を組成物の総重量に対して約3%(w/w)で含むことができる。またさらなる例として、ただし限定するものではないが、一部の実施形態では、乳化剤は、ポリソルベート80を組成物の総重量に対して約0.1%(w/w)~約15%(w/w)の量で含むことができ、ステアリン酸ポリオキシル40は、組成物の総重量に対して、約0.25%(w/w)~約10%(w/w)で組成物中に存在することができ、セチルアルコールは、組成物の総重量に対して、約0.25%(w/w)~約10%(w/w)で組成物中に存在することができ、モノステアリン酸グリセリルは、組成物の総重量に対して、約0.1%(w/w)~約5%(w/w)で組成物中に存在することができ、オレス-2は、組成物の総重量に対して、約0.5%(w/w)~約10%(w/w)で組成物中に存在することができる。例えば、本開示の組成物は、ポリソルベート80を、組成物の総重量に対して約5%(w/w)で、ステアリン酸ポリオキシル40を組成物の総重量に対して約1%(w/w)で、セチルアルコールを組成物の総重量に対して約1%(w/w)で、モノステアリン酸グリセリルを組成物の総重量に対して約0.5%(w/w)で、及びSpan20を組成物の総重量に対して約3%(w/w)で含むことができる。
【0042】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、粘度改質剤をさらに含むことができる。前述の実施形態のいずれかでは、粘度改質剤は任意の薬学的に許容される粘度改質剤であることができる。例として、ただし限定するものではないが、粘度改質剤は、カルボマー、例えば、カーボポール940又はカーボポール980、アカシア、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、キトサン、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリカルボフィル、ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)、キサンタン、又はこれらの組合せ及び当業者に公知のものであることができる。
【0043】
前述の実施形態のいずれかでは、粘度改質剤は、組成物をクリーム剤として維持するのに十分な量で組成物中に存在することができる。前述の実施形態のいずれかでは、粘度改質剤は、生成したクリーム剤組成物がその成分相へと分離することなくオートクレーブ処理に耐えることができるだけの十分な量で存在することができる。例として、ただし限定するものではないが、このようなオートクレーブ処理条件は、110℃で10分間、110℃で30分間、130℃で1分間、130℃で3分間、又は130℃で5分間を含むことができる。例として、ただし限定するものではないが、粘度改質剤は、組成物の総重量に対して約0.1%(w/w)~約10%(w/w)の量で組成物中に存在することができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、粘度改質剤は、組成物の総重量に対して、約0.1%~約10%(w/w)、約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、約0.1%(w/w)~約3%(w/w)、約0.1%(w/w)~約2%(w/w)、約0.1%~約1%(w/w)、約1%(w/w)~約10%(w/w)、約1%(w/w)~約5%(w/w)、約1%(w/w)~約4%(w/w)、約1%(w/w)~約3%(w/w)、約1%(w/w)~約2%(w/w)、約2%(w/w)~約10%(w/w) 約2%(w/w)~約5%(w/w)、約2%(w/w)~約4%(w/w)、約2%(w/w)~約3%(w/w)、約3%(w/w)~約10%(w/w)、約3%(w/w)~約5%(w/w)、約3%(w/w)~約4%(w/w)、約4%(w/w)~約10%(w/w)、約4%(w/w)~約5%(w/w)、約5%(w/w)~約10%(w/w)、約0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1%(w/w)、1.5%(w/w)、2%(w/w)、2.5%(w/w)、3%(w/w)、3.5%(w/w)、4%(w/w)、4.5%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、若しくは10%(w/w)又はこれらの間の任意の範囲若しくは値の量で組成物中に存在することができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、粘度改質剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースである場合、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、組成物の総重量に対して、約2%(w/w)~約5%(w/w)の量で組成物中に存在することができる。またさらなる例として、ただし限定するものではないが、粘度改質剤はカルボマー、例えば、カルボマー980であることができ、約0.6%(w/w)の量で組成物中に存在することができる。
【0044】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物はpH調節剤をさらに含むことができる。前述の実施形態のいずれかでは、pH調節剤は、約3.5~約8、好ましくは約4~約7、より好ましくは約5~約6の間のpHを有する組成物をもたらすのに十分な量で加えることができる。例として、ただし限定するものではないが、pH調節剤は、組成物のpHを約3.5~約8、約4~約7、約5~約7、約5~約6、約6~約7、約4~約6、約4~約5、又は約3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9又は8及びこれらの間の任意の範囲又は値に調整するのに十分な量で存在することができる。例として、ただし限定するものではないが、pH調節剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、トリエタノールアミン、又はこれらの組合せ及び当業者に公知のものであることができる。
【0045】
前述の実施形態のいずれかでは、pH調節剤は、製剤中の薬学的活性のある化合物、例えば、ステロイド又は薬剤の抗菌剤による化学分解を最小化するのに十分な量で組成物中に存在することができる。例として、ただし限定するものではないが、pH調節剤は、組成物の総重量に対して、約0.005%(w/w)~約0.15%(w/w)の量で組成物中に存在することができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、pH調節剤は、組成物の総重量に対して、約0.005%(w/w)~約0.1%(w/w)、約0.005%(w/w)~約0.05%(w/w)、約0.05%(w/w)~約0.1%(w/w)、約0.05%(w/w)~約0.15%(w/w)、又は約0.1%(w/w)~約0.15%(w/w)の量で組成物中に存在することができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、pH調節剤は、組成物の総重量に対して、約0.005%(w/w)、0.006%(w/w)、0.007%(w/w)、0.008%(w/w)、0.009%(w/w)、0.01%(w/w)、0.0125%(w/w)、0.015%(w/w)、0.0175%(w/w)、0.02%(w/w)、0.025%(w/w)、0.03%(w/w)、0.04%(w/w)、0.05%(w/w)、0.06%(w/w)、0.07%(w/w)、0.08%(w/w)、0.09%(w/w)、0.1%(w/w)、0.11%(w/w)、0.12%(w/w)、0.13%(w/w)、0.14%(w/w)、若しくは約0.15%(w/w)又はこれらの間の任意の範囲若しくは値の量で存在することができる。pH調節剤は、純粋な調製物(neat preparation)又は希釈された溶液として、本開示の方法での場合を含めて、組成物に加えることができることを理解されたい。よって、希釈溶液、例えば、1%NaOH溶液が使用される場合、加える溶液の量は、pH調節剤を適量で加えるのに十分でなければならない。
【0046】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は張度調節剤をさらに含むことができる。前述の実施形態のいずれかでは、張度調節剤は、所望の張度、すなわち組成物のオスモル濃度を生じるのに十分な量で存在することができる。前述の実施形態のいずれかでは、張度調節剤は、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン、フェニルエチルアルコール、メタ重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、又はこれらの組合せであることができる。前述の実施形態のいずれかでは、張度調節剤は、組成物の総重量に対して、約0.5%(w/w)~約15%(w/w)の量で組成物中に存在することができる。例として、ただし限定するものではないが、張度調節剤は、組成物の総重量に対して、約0.5%(w/w)~約10%(w/w)、約0.5%(w/w)~約5%(w/w)、約5%(w/w)~約10%(w/w)、約5%(w/w)~約15%(w/w)、又は約10%(w/w)~約15%(w/w)の量で存在することができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、張度調節剤は、組成物の総重量に対して、約0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1%(w/w)、1.25%(w/w)、1.5%(w/w)、1.75%(w/w)、2%(w/w)、2.5%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、11%(w/w)、12%(w/w)、13%(w/w)、14%(w/w)、若しくは約15%(w/w)又はこれらの間の任意の範囲若しくは値の量で存在することができる。
【0047】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は皮膚軟化剤をさらに含むことができる。前述の実施形態のいずれかでは、皮膚軟化剤は、ワセリン、鉱油、軽油、パラフィン、ワセリンアルコール若しくはパラフィンアルコール、白色ワセリン、又はこれらの組合せ及び当業者に公知のものであることができる。前述の実施形態のいずれかでは皮膚軟化剤は、組成物の総重量に対して、約4%(w/w) ~約30%(w/w)の量で組成物中に存在することができる。例として、ただし限定するものではないが、皮膚軟化剤は、組成物の総重量に対して、約4%(w/w)~約10%(w/w)、約4%(w/w)~約20%(w/w)、約10%(w/w)~約20%(w/w)、約10%(w/w)~約30%(w/w)、又は約20%(w/w)~約30%(w/w)の量で組成物中に存在することができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、皮膚軟化剤は、組成物の総重量に対して、約4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、11%(w/w)、12%(w/w)、13%(w/w)、14%(w/w)、15%(w/w)、16%(w/w)、17%(w/w)、18%(w/w)、19%(w/w)、20%(w/w)、21%(w/w)、22%(w/w)、23%(w/w)、24%(w/w)、25%(w/w)、26%(w/w)、27%(w/w)、28%(w/w)、29%(w/w)、又は30%(w/w)の量で存在することができる。
【0048】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物はビヒクルをさらに含むことができる。任意の薬学的に許容される水性ビヒクルを使用することができる。例として、ただし限定するものではないが、ビヒクルは水であることができる。
【0049】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物はステロイドをさらに含むことができる。様々なコルチコステロイド、グルココルチコイド又はこれらの組合せを本開示の組成物及び方法に使用することができる。例として、ただし限定するものではないが、本開示の組成物及び方法に使用することができるコルチコステロイドとして、コルチゾン、コルチゾール、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、シクレソニド、デキサメタゾン、21-アセトキシプレグネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニゾン、クロベタゾール、クロベタゾン、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチバゾール、デフラザコート、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルプレドネート、エノキソロン、フルアザコート、フルクロロニド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、酢酸フルペロロン、酢酸フルプレドニデン、フルプレドニゾロン、フルランデノリド、プロピオン酸フルチカゾン、ホルモコルタル、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、ハロメタゾン、酢酸ハロプレドン、ヒドロコルタメート、ヒドロコルチゾン、エタボン酸ロテプレドノール、マジプレドン、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、フランカルボン酸モメタゾン、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾロン25-ジエチルアミノ-アセテート、リン酸プレドニゾロンナトリウム、プレドニバール、プレドニリデン、リメキソロン、チキソコルトール、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンベニトニド、トリアムシノロンヘキサアセトニドなどが挙げられる。コルチコステロイドの水和物及び塩化水素塩を含む、エステル、誘導体及び塩もまた本開示の組成物及び方法に使用することができる。例えば、ベタメタゾンは、多くの場合、二プロピオン酸ベタメタゾン(化学名9-フルオロ-11β,17,21-トリヒドロキシ-16β-メチルプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン17,21-ジプロピオナートを有し、これは、実験式C28H37FO7、及び分子量504.59g/モルを有する)として投与され、以下の表1のベタメタゾンに対して付与される用量はこの特定の塩に基づく。ステロイドの任意の薬学的に許容される塩を本開示の組成物及び方法に使用することができることを理解されたい。
【0050】
前述の実施形態のいずれかでは、ステロイドは、「有効量」で組成物中に存在することができる。本開示の組成物中のステロイドの量は、患者の状態、患者の過敏性、投与経路、ステロイドの生物学的半減期、患者の年齢、全身性要因、及び他の要因に基づき、送達される所望の用量に従い変動し得る。加えて、感染症又は疾患の状態及びステロイドに対するその感受性もまた考慮することができる。当業者は、適用する組成物の「有効量」を決定することを含めて、適当な用量を決定することができる。
【0051】
前述の実施形態のいずれかでは、ステロイドは、組成物の総重量に対して、組成物中に約0.01%(w/w)~約15%(w/w)で存在することができる。例として、ただし限定するものではないが、ステロイドは、約0.01%(w/w)~約15%(w/w)、約0.01%(w/w)~約10.5%(w/w)、約0.01%(w/w)~約8.5%(w/w)、約0.01%(w/w)~約3.5%(w/w)、約0.01%(w/w)~約2%(w/w)、0.01%(w/w~約1.7%(w/w)、約0.01%(w/w)~約0.03%(w/w)、約1%(w/w)~約10.5%(w/w)、約0.8%(w/w)~約8%(w/w)、約1.7%(w/w)~約17%(w/w)、約0.2%(w/w)~約2%(w/w)、約0.025%(w/w)~約0.25%(w/w)、約0.03%(w/w)~約0.3%(w/w)、約0.01%(w/w)、約0.02%(w/w)、約0.03%(w/w)、0.0322%(w/w)、0.05%(w/w)、0.0644%(w/w)、0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1%(w/w)、1.1%(w/w)、1.2%(w/w)、1.3%(w/w)、1.4%(w/w)、1.5%(w/w)、1.6%(w/w)、1.7%(w/w)、1.8%(w/w)、1.9%(w/w)、2%(w/w)、2.25%(w/w)、2.5%(w/w)、2.75%(w/w)、3%(w/w)、3.25%(w/w)、3.5%(w/w)、3.75%(w/w)、4%(w/w)、4.25%(w/w)、4.5% %(w/w)、4.75%(w/w)、5%(w/w)、5.5%(w/w)、6%(w/w)、6.5%(w/w)、7%(w/w)、7.5%(w/w)、8%(w/w)、8.5%(w/w)、9%(w/w)、9.5%(w/w)、10%(w/w)、10.5%(w/w)、11%(w/w)、12%(w/w)、13%(w/w)、14%(w/w)、又は15%(w/w)及びこれらの間の任意の範囲若しくは値で組成物中に存在することができる。
【0052】
前述の実施形態のいずれかでは、ステロイドが二プロピオン酸ベタメタゾンである場合、ステロイドは、組成物の総重量に対して、例として、ただし限定するものではないが、約0.01%(w/w)~約1.0%(w/w)、より好ましくは0.03%(w/w)~約0.6%(w/w)で組成物中に存在することができる。例として、ただし限定するものではないが、ステロイドは、組成物の総重量に対して、約0.01%(w/w)~約1.0%(w/w)、約0.01%(w/w)~約0.5%(w/w)、0.02%(w/w)~約0.8%(w/w)、0.03%(w/w)~約0.7%(w/w)、0.0322%(w/w)~約0.0644%(w/w)、0.04%(w/w)~約0.6%(w/w)、0.05%~約0.5%(w/w)、約0.01%(w/w)~約0.1%(w/w)、約0.01%(w/w)~約0.09%(w/w)、約0.01%(w/w)~約0.08%(w/w)、約0.01%(w/w)~約0.07%(w/w)、約0.1%(w/w)~約0.06%(w/w)、約0.01%(wow)~約0.05%(w/w)、約0.01%(w/w)~約0.04%(w/w)、約0.01%(w/w)~約0.03%(w/w)、約0.01%(w/w)~約0.02%(w/w)、約0.1%(w/w)~約1.0%(w/w)、約0.1%(w/w)~約0.2%(w/w)、約0.2%(w/w)~約1.0%(w/w)、約0.3%(w/w)~約1.0%(w/w)、約0.4%(w/w)~約1.0%(w/w)、約0.5%(w/w)~約1.0%(w/w)、約0.1%(w/w)~約0.5%(w/w)、約0.5%(w/w)~約1.0%(w/w)、約0.6%(w/w)~約1.0%(w/w)、約0.7%(w/w)~約1.0%(w/w)、約0.8%(w/w)~約1.0%(w/w)、又は約0.9%(w/w)~約1.0%(w/w)の量で組成物中に存在することができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、ステロイドは、約0.015%(w/w)、0.02%(w/w)、0.025%(w/w)、0.03%(w/w)、0.0322%(w/w)、0.035%(w/w)、0.04%(w/w)、0.045%(w/w)、0.05%(w/w)、0.055%(w/w)、0.06%(w/w)、0.0644%(w/w)、0.065%(w/w)、0.07%(w/w)、0.075%(w/w)、0.08%(w/w)、0.085%(w/w)、0.09%(w/w)、0.095%(w/w)、0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)若しくは1.0%(w/w)又はこれらの間の任意の範囲若しくは値の量で組成物中に存在することができる。さらに追加の例として、ただし限定するものではないが、ステロイドは、組成物の総重量に対して、約0.0322%(w/w)で組成物中に存在することができる。ステロイド(又は、存在する場合、抗菌剤活性を有する薬剤)の量は、化合物の活性のある量を指すことができることを理解されたい。例として、ただし限定するものではないが、0.0644%(w/w)の二プロピオン酸ベタメタゾンが加えられた場合、活性のある量は、0.05%(w/w)のベタメタゾンであることができる。よって、例において、0.05%の二プロピオン酸ベタメタゾンクリーム剤が示され、ステロイドが二プロピオン酸ベタメタゾンである場合、0.05%活性のあるベタメタゾンを達成するために加えられる量は0.0644%(w/w)である。
【0053】
本発明の方法のクリーム剤組成物に使用するための特定のステロイドのさらに例示的な、非限定的な用量範囲が以下の表1に示されている。
【0054】
【0055】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、合計約0.01mg~約3gのステロイドを含むことができる。例として、ただし限定するものではないが、表1の量は、0.17g、0.34g、0.7g、1g、1.4g、2g、2.1g、4g、4.2g、5g、6g、8g、10g又は20gで掛け算することができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、組成物は、合計約0.01mg~約3g、約0.1mg~約3g、約0.5mg~約3g、約1mg~約3mg、約1.5~約3mg、0.01mg~約1.5g、約0.01mg~約1g、約0.01mg~約500mg、約0.01mg~約250mg、約0.01mg~約100mg、約0.01mg~約10mg、約0.01mg~約5mg、約0.01mg~約1mg、約0.01mg~約0.1mg、約0.02mg~約1.5g、約0.02mg~約1g、約0.02mg~約500mg、約0.02mg~約250mg、約0.02mg~約100mg、約0.02mg~約10mg、約0.02mg~約5mg、約0.02mg~約1mg、0.02mg~約0.2mg、約0.03mg~約1.5g、約0.03mg~約1g、約0.03mg~約500mg、約0.03mg~約250mg、約0.03mg~約100mg、約0.03mg~約10mg、約0.03mg~約5mg、約0.03mg~約1mg、約0.03mg~約0.3mg、約1mg~約1.5g、約1mg~約1g、約1mg~約500mg、約1mg~約250mg、約1mg~約100mg、約1mg~約10mg、約1mg~約5mg、約2mg~約1.5g、約2mg~約1g、約2mg~約500mg、約2mg~約250mg、約2mg~約100mg、約2mg~約10mg、約2mg~約5mg、約8mg~約1.5g、約8mg~約1g、約8mg~約500mg、約8mg~約250mg、約8mg~約100mg、約8mg~約10mg、約10mg~約1.5g、約10mg~約1g、約10mg~約500mg、約10mg~約250mg、約10mg~約100mg、約100mg~約1.5g、約100mg~約1g、約100mg~約500mg、約100mg~約250mg、約250mg~約1.5g、約250mg~約1g、約250mg~約500mg、約500mg~約1.5g、約500mg~約1g、約1g~約1.5g、約0.01mg、0.02mg、0.05mg、0.1mg、0.125mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6、mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1mg、1.25mg、1.5mg、1.75mg、2mg、2.25mg、2.5mg、2.75mg、3mg、3.25mg、3.5mg、3.75mg、4mg、4.25mg、4.5mg、4.75mg、5mg、7.5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、220mg、240mg、250mg、260mg、280mg、300mg、330mg、350mg、360mg、390mg、400mg、440mg、450mg、480mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、1g、1.1g、1.2g、1.3g、1.4g、若しくは1.5g、1.6g、1.7g、1.8g、1.9g、2g、2.1g、2.2g、2.3g、2.4g、2.5g、2.6、g、2.7g、2.8g、2.9g、若しくは3g又はこれらの間の任意の範囲若しくは値を含むことができる。
【0056】
一部の実施形態では、ステロイドはベタメタゾン又は二プロピオン酸ベタメタゾンであり、本開示の組成物中に、クリーム剤組成物1グラム当たり約0.322mg~約3.215mgで、又はクリーム剤組成物1グラム当たりそれぞれ約0.322~約0.644mg、又はクリーム剤組成物1グラム当たり約0.322mg~クリーム剤組成物1グラム当たり約0.644mgで存在する。他の実施形態では、1回の適用(すなわち、両側の鼻腔内投与)で投与される二プロピオン酸ベタメタゾンの全用量は約0.322mg~約3.215mgであり、又はより好ましくは約0.80mg~約2.6mgであり、又はさらにより好ましくは約0.95mg~約1.93mgであり、さらにより好ましくは約1.28mg~約1.61mgである。
【0057】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、抗菌活性を有する薬剤をさらに含むことができる。前述の実施形態のいずれかでは、抗菌活性を有する薬剤は「有効量」で組成物中に存在することができる。抗菌活性を有する薬剤の本開示の組成物中の量は、患者の状態、患者の過敏性、投与経路、ステロイドの生物学的半減期、患者の年齢、全身性要因及び他の要因に基づき、送達される所望の用量に従い変動させることができる。加えて、感染症又は疾患の状態及びステロイドに対するその感受性もまた考慮することができる。当業者は、適用する組成物の「有効量」を決定することを含む、適当な用量を決定することができる。
【0058】
様々な抗真菌剤を本開示の組成物及び方法に使用することができる。例として、ただし限定するものではないが、このような抗真菌剤として、ナタマイシン、シクロピロックス、フルコナゾール、テルビナフィン、クロトリマゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、エコナゾール、ミコナゾール、ナイスタチン、オキシコナゾール、テルコナゾール、トルナフテート、エフィナコナゾール、アバフンギン、テルビナフィン、ブテナフィン、メトロニダゾールなど、並びにこれらの組合せ及び当業者に公知のものを挙げることができる。一部の実施形態では、抗真菌剤はクロトリマゾールである。
【0059】
抗真菌剤は本開示の組成物中に有効量で存在することができる。ある特定の実施形態では、単回投与当たりの抗真菌剤の有効量又は総量(すなわち、両側の鼻腔内投与)は約20mg~約50mgであり、より好ましくは約25mg~約40mgである。ある特定の実施形態では、抗真菌剤の量は、クリーム剤組成物1グラム当たり約2.5mg~クリーム剤組成物1グラム当たり約10mg、より好ましくは、クリーム剤組成物1グラム当たり約5mgである。一部の実施形態では、抗真菌剤は組成物の約0.1重量パーセント~約5重量パーセントで存在する。例として、ただし限定するものではないが、抗真菌剤は、組成物の0.1重量パーセント~5重量パーセント、組成物の0.5重量パーセント~4重量パーセント、組成物の0.5重量パーセント~3重量パーセント、組成物の0.5重量パーセント~2重量パーセント、組成物の0.5重量パーセント~1重量パーセント、組成物の1重量パーセント~5重量パーセント、組成物の2重量パーセント~5重量パーセント、組成物の3重量パーセント~5重量パーセント、組成物の4重量パーセント~5重量パーセント又は組成物の約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5又は5.0重量パーセントで存在することができる。一部の実施形態では、抗真菌剤はクロトリマゾールであり、組成物の約0.5重量パーセントで存在する。
【0060】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、抗菌活性を有する薬剤である抗生剤をさらに含むことができる。例として、ただし限定するものではないが、このような抗菌剤として、フルクロキサシリン、トリクロサン(2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル)、アルコール(エタノール及びイソプロピルアルコールを含む)、過酸化物(過酸化ベンゾイルを含む)、ヨウ素、塩化ベンゼトニウム、クロロキシレノール及びアミノグリコシド抗生剤、例えば、シプロフロキサシン、及びその塩又は誘導体を挙げることができる。例として、ただし限定するものではないが、他の抗生剤として、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、パロマイシン、ゲルダナマイシン、ハービマイシン、ロラカルベフ、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム、メロペネム、セファクロル、セファマンドール、セホトキシン、セフプロジル、セフロキシム、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフェピム、セフトビプロール、バンコマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、スペクチノマイシン、アズトレオナム、アモキシシリン、アンピシリン、アゾシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ピペラシリン、チカルシリン、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB、シプロフロキサシン、クラブラン酸、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン(nonfloxacin)、オフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、スパルフロキサシン、AL-15469A、AL-38905、OP-145、マフェニド、プロントジル、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルファニルイミド、スルファサラジン、スルフイソキサゾール、トリメトプリム、コトリモキサゾール、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、リネゾリド、アルソゲバヌーベンクロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコマイシン、エタンブトール、ホスホマイシン、フシジン酸、フラゾリドン、イソニアジド、リネゾリド、メトロニダゾール、ムピロシン、ニトロフラントイン、プラテンシマイシン、ピラジナミド、キヌプリスチン、ダルフォプリスチン、リファンピシン、チアンフェニコール、チニダゾール、アモキシシリン/クラブラン酸、Maximin H5、Dermcidin、Cecropins、アンドロピン、モリシン、セラトトキシン、メリチン、マガイニン、デルマセプチン、ボンビニン、ブレジニン-1、エスクレチン及びブフォリンII、CAP18、LL37、アバエシン、アピダエシン、プロフェニン、インドリシジン、ブレジニン、プロテグリン、タキプレシン、デフェンシン、ドロソマイシン、アラメチシン、ペキシガナン又はMSI-78、MSI-843、MSI-594、ポリフェムシン、コリシン、ピオシン、クレビシン、サブチリン、エピデルミン、ヘルビコラシン、ブレビシン、ハロシン、アグロシン、アルベイシン、カルノシン、クルバチシン、ジベルシン、エンテロシン、エンテロリシン、エルウィニオシン、グリシネシン、ラクトコシン、ラクチシン、レウコッシン、メセンテリシン、ペディオシン、プランタリシン、サカシン、スルホロビシン、ビブリオシン、ワーネリナンド、ナイシンなど、並びにその塩又は誘導体を挙げることができる。
【0061】
一部の実施形態では、抗菌活性を有する薬剤は、EDTA、例えば例として、ただし限定するものではないがEDTA二ナトリウムであることができる。
【0062】
前述の実施形態のいずれかでは、抗菌活性を有する薬剤は、組成物の総重量に対して、約0.25%(w/w)~約2%(w/w)の量で組成物中に存在することができる。例として、ただし限定するものではないが、組成物中の抗菌活性を有する薬剤の量は、組成物の総重量に対して、約0.25%(w/w)~約1%(w/w)、0.5%(w/w)~約1%(w/w)、0.5%(w/w)~約2%(w/w)、1%(w/w)~約2%(w/w)、又は1.5%(w/w)~約2%(w/w)であることができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、組成物中の抗菌活性を有する薬剤の量は、組成物の総重量に対して、約0.25%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.75%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1%(w/w)、1.25%(w/w)、1.5%(w/w)、1.75%(w/w)若しくは2%(w/w)又はこれらの間の任意の範囲若しくは値であることができる。
【0063】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、合計約0.01mg~約500mgの抗菌活性を有する薬剤を含むことができる。例として、ただし限定するものではないが、組成物は、合計約0.01mg~約500mg、約0.1mg~約500mg、約1mg~約500mg、約5mg~約500mg、約10mg~約500mg、約100mg~約500mg、約200mg~約500mg、約300mg~約500mg、約400mg~約500mg、約0.01mg~約100mg、約0.01mg~約10mg、約0.01mg~約5mg、約0.01mg~約1mg、約0.01mg~約0.1mg、約0.02mg~約100mg、約0.02mg~約10mg、約0.02mg~約5mg、約0.02mg~約1mg、0.02mg~約0.2mg、約0.03mg~約100mg、約0.03mg~約10mg、約0.03mg~約5mg、約0.03mg~約1mg、約0.03mg~約0.3mg、約1mg~約100mg、約1mg~約10mg、約1mg~約5mg、約2mg~約100mg、約2mg~約10mg、約2mg~約5mg、約8mg~約100mg、約8mg~約10mg、約10mg~約100mg、約50mg~約200mg、約50mg~約100mg、約100mg~約200mg、約0.01mg、0.02mg、0.03mg、0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.45mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.75mg、0.8mg、0.9mg、1mg、1.25mg、1.5mg、1.75mg、2mg、2.25mg、2.5mg、2.75mg、3mg、3.25mg、3.5mg、3.75mg、4mg、4.25mg、4.5mg、4.75mg、5mg、7.5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、若しくは500mg又はこれらの間の任意の範囲若しくは値を含むことができる。
【0064】
前述の実施形態のいずれかでは、本開示のクリーム剤組成物は、任意の適切な治療用活性剤を含むことができる。本発明の範囲内で企図される治療用活性剤(これらに限定するものではないが、ステロイド及び/又は抗菌剤を含む)は、疎水性、親水性及び両親媒性化合物を含むと考えるべきである。これらはこれらの遊離酸、遊離塩基、又は薬学的に許容される塩形態であってもよく、誘導体、エステル又はプロドラッグを含み得る。本開示のクリーム剤組成物は、ステロイドのみ、抗菌剤のみ(抗真菌剤、抗菌剤、又はこれらの組合せ)、又はステロイドと抗菌剤の組合せを含むことができることを理解されたい。クリーム剤組成物中の治療的に活性のある成分の種類は処置される状態に基づき決定することができ、ある場合にはステロイドのみが必要とされてもよいし、その他の場合には抗菌剤のみ、さらなる場合にはステロイドと抗菌剤の両方又は他の場合には異なる治療用活性剤が必要とされてもよい。よって、一部の実施形態では、クリーム剤組成物は抗菌剤を含まない。他の実施形態では、クリーム剤組成物はステロイドを含まない。このような場合、例として、ただし限定するものではないが、クリーム剤組成物は治療用活性剤としてステロイドのみを含むことができる、すなわちクリーム剤組成物は抗菌剤を含まない。他の場合、例として、ただし限定するものではないが、クリーム剤組成物は治療剤として抗菌剤のみを含むことができる、すなわち、クリーム剤組成物はステロイドを含まない。一部の実施形態では、クリーム剤組成物は、ステロイドも、抗菌活性を有する薬剤も含まない。
【0065】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、安定化剤をさらに含むことができる。前述の実施形態のいずれかでは、安定化剤は、オートクレーブ処理後、特にオートクレーブ処理中、安定化剤を有さない組成物と比べて、活性医薬成分からの分解物の量を減少させるのに十分な量で存在することができる。例として、ただし限定するものではないが、このようなオートクレーブ処理条件は、110℃で10分間、110℃で30分間、130℃で1分間、130℃で3分間、又は130℃で5分間を含むことができる。前述の実施形態のいずれかでは、安定化剤は、エデト酸、エデト酸の薬学的に許容される塩、クエン酸、クエン酸ナトリウム、フマル酸、リンゴ酸、マルトース、ペンテト酸、又はこれらの組合せ及び当業者に公知のものであることができる。エデト酸の薬学的に許容される塩は任意の適切な塩、例えば、エデト酸二ナトリウムを含むことができる。前述の実施形態のいずれかでは、安定化剤は、組成物の総重量に対して、約0.005%(w/w)~約0.25%(w/w)の量で、又はオートクレーブ処理の際に、安定化剤を有さない組成物と比べて、組成物中の薬学的活性のある化合物(又は治療用活性剤)の分解を減少させるのに十分な任意の量で組成物中に存在することができる。例として、ただし限定するものではないが、安定化剤は、組成物の総重量に対して、約0.005%(w/w)、0.01%(w/w)、0.015%(w/w)、0.025%(w/w)、0.05%(w/w)、0.075%(w/w)、0.1%(w/w)、若しくは0.25%(w/w)又はこれらの間の任意の範囲若しくは値で組成物中に存在することができる。
【0066】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は無菌であることができる。滅菌性は、例として、ただし限定するものではないが、USP71試験により決定することができる。
【0067】
本開示の組成物は、任意の適切な手段、好ましくは、オートクレーブ処理で滅菌することができる。例として、ただし限定するものではないが、組成物は、ガンマ線照射又は、ある特定の場合には濾過により滅菌することができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、組成物のD値の6~12倍の間のオートクレーブ処理を行えば、例えば、所与のオートクレーブ温度に対して標準的方法で枯草菌(Bacillus subtilis)S230に対する生存曲線で測定することにより、組成物を滅菌するのに十分となり得る。
【0068】
前述の実施形態のいずれかにおいて、組成物は、スピンドル28を備えたBrookfield RVDVII+により測定した場合、室温で(1)約0.3RPMの剪断速度で、約200,000センチポアズ(cPs)~約2,000,000cPs;(2)約0.5RPMの剪断速度で、約100,000cPs~約1,500,000cPs;(3)約0.6RPMの剪断速度で、約100,000cPs~約1,000,000;(4)約0.8RPMの剪断速度で、約50,000cPs~800,000cPs;(5)約1RPMの剪断速度で、約50,000cPs~約750,000cPs;(6)約1.5RPMの剪断速度で、約40,000cPs~約500,000cPs;(7)約2.0RPMの剪断速度で、約30,000cPs~約250,000cPs;(8)約2.5RPMの剪断速度で、約20,000cPs~約200,000cPs;(9)約3.0RPMの剪断速度で、約20,000cPs~約200,000cPs;(10)約4.0RPMの剪断速度で、約15,000cPs~約150,000cPs;(11)約5.0RPMの剪断速度で、約15,000cPs~約150,000cPs;(12)約6.0RPMの剪断速度で、約10,000cPs~約100,000cPs;(13)約10.0RPMの剪断速度で、約8,000cPs~約70,000cPs;(14)約12.0RPMの剪断速度で、約10,000cPs~約60,000cPs;(15)約20.0RPMの剪断速度で、約1,000cPs~約40,000cPs;(16)約30.0RPMの剪断速度で、約1,000cPs~約20,000cPs;(17)約50.0RPMの剪断速度で約500cPs~約15,000cPs;(18)約60.0RPMの剪断速度で、約500cPs~約10,000cPs;又は(19)約100.0RPMの剪断速度で、約250cPs~約7,000cPsの粘度を有することができる。一部の実施形態では、組成物が滅菌の場合、組成物は、スピンドル28を備えたBrookfield RVDVII+で測定した場合、室温で(1)約0.3RPMの剪断速度で、約200,000センチポアズ(cPs)~約2,000,000cPs;(2)約0.5RPMの剪断速度で、約100,000cPs~約1,500,000cPs;(3)約0.6RPMの剪断速度で、約100,000cPs~約1,000,000;(4)約0.8RPMの剪断速度で、約100,000cPs~800,000cPs;(5)約1RPMの剪断速度で、約100,000cPs~約750,000cPs;(6)約1.5RPMの剪断速度で、約50,000cPs~約500,000cPs;(7)約2.0RPMの剪断速度で、約50,000cPs~約250,000cPs;(8)約2.5RPMの剪断速度で、約30,000cPs~約200,000cPs;(9)約3.0RPMの剪断速度で、約30,000cPs~約200,000cPs;(10)約4.0RPMの剪断速度で、約20,000cPs~約150,000cPs;(11)約5.0RPMの剪断速度で、約20,000cPs~約150,000cPs;(12)約6.0RPMの剪断速度で、約15,000cPs~約100,000cPs;(13)約10.0RPMの剪断速度で、約10,000cPs~約70,000cPs;(14)約12.0RPMの剪断速度で、約10,000cPs~約60,000cPs;(15)約20.0RPMの剪断速度で、約1,000cPs~約40,000cPs;(16)約30.0RPMの剪断速度で、約1,000cPs~約20,000cPs;(17)約50.0RPMの剪断速度で、約500cPs~約15,000cPs;(18)約60.0RPMの剪断速度で、約500cPs~約10,000cPs;又は(19)約100.0RPMの剪断速度で、約250cPs~約7,000cPsの粘度を有することができる。代わりに、前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、スピンドルCP52を備えたBrookfieldレオメーターDV3TCPレオメーターで測定した場合、25.0+/-0.1℃で:(1)約0.3RPMの剪断速度で、約30,000cPs~約500,000cPs;(2)約0.6RPMの剪断速度で、約30,000cPs~約300,000;(3)約1.5RPMの剪断速度で、約10,000cPs~約200,000cPs;(4)約3.0RPMの剪断速度で、約7,000cPs~約70,000cPs;(5)約12.0RPMの剪断速度で、約3,000cPs~約20,000cPs;(6)約30.0RPMの剪断速度で、約300cPs~約7,000cPs;又は(7)約60.0RPMの剪断速度で、約150cPs~約3,500cPsの粘度を有することができる。一部の実施形態では、組成物が滅菌の場合、組成物は、スピンドルCP52を備えたBrookfieldレオメーターDV3T CPレオメーターで測定した場合、25.0+/-0.1℃で:(1)約0.3RPMの剪断速度で、約70,000cPs~約700,000cPs;(2)約0.6RPMの剪断速度で、約30,000cPs~約300,000;(3)約1.5RPMの剪断速度及び10~100%のトルクで、約10,000cPs~約200,000cPs;(4)約3.0RPMの剪断速度で、約10,000cPs~約70,000cPs;(5)約12.0RPMの剪断速度で、約3,000cPs~約20,000cPs;(6)約30.0RPMの剪断速度で、約300cPs~約7,000cPs;又は(7)約60.0RPMの剪断速度で、約150cPs~約3,500cPsの粘度を有することができる。本開示において使用される場合、室温は20℃~25℃の温度であることができると理解すべきである。
【0069】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は油中水エマルジョン又は水中油エマルジョンであることができる。このような実施形態では、組成物は、数平均又は体積平均に関わらず、50μm、45μm、40μm、35μm、30μm、25μm、20μm、15μm、10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、又は1μm未満の小球サイズ又は粒子サイズを有することができる。例として、ただし限定するものではないが、組成物の小球サイズ又は粒子サイズは、数平均又は体積平均のいずれかにより、約1μm~約50μm、1μm~約45μm、1μm~約40μm、1μm~約35μm、1μm~約30μm、1μm~約25μm、1μm~約20μm、1μm~約15μm、1μm~約10μm、約1.5μm~約50μm、約1.5μm~約45μm、約1.5μm~約40μm、約1.5μm~約35μm、約1.5μm~約30μm、約1.5μm~約25μm、約1.5μm~約20μm、約1.5μm~約15μm、約1.5μm~約10μm、約2.0μm~約50μm、約2.0μm~約45μm、約2.0μm~約40μm、約2.0μm~約35μm、約2.0μm~約30μm、約2.0μm~約25μm、約2.0~約20μm、約2.0μm~約15μm、約2.0μm~約10μm、約3.0μm~約50μm、約3.0μm~約45μm、約3.0μm~約40μm、約3.0μm~約35μm、約3.0μm~約30μm、約3.0μm~約25μm、約3.0μm~約20μm、約3.0μm~約15μm、約3.0~約10μm、約5.0μm~約50μm、約5.0μm~約45μm、約5.0μm~約40μm、約5.0μm~約35μm、約5.0μm~約30μm、約5.0μm~約25μm、約5.0μm~約20μm、約5.0μm~約15μm、約5.0μm~約10μm、約1μm~約5μm、約1.5μm~約5μm、約2μm~約5μm、約3μm~約5μm、約5μm~約10μm、約1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.25、3.5、3.75、4、4.25、4.5、4.75、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、15、20、25、30、35、40、45若しくは50μm又はこれらの間の任意の範囲若しくは値であることができる。一部の実施形態では、組成物は無菌であり、測定可能な小球サイズを有する。水中油エマルジョンに対して、小球サイズとは油小球サイズを指すことを理解されたい。小球サイズ又は粒子サイズはUSP729で測定された通りであり得ることをさらに理解されたい。
【0070】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、25℃/60%相対湿度(RH)で1カ月貯蔵された場合、数平均による測定で、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%を超えて変化しない小球サイズ又は粒子サイズを有することができる。前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、25℃/60%RHで3カ月間貯蔵された場合、数平均による測定で、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%を超えて変化しない小球サイズ又は粒子サイズを有することができる。前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、25℃/60%RHで6カ月貯蔵された場合、数平均による測定で、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%を超えて変化しない小球サイズ又は粒子サイズを有することができる。前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、25℃/60%相対湿度(RH)で12カ月貯蔵された場合、数平均による測定で、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%を超えて変化しない小球サイズ又は粒子サイズを有することができる。前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、数平均による測定で、25℃/60%相対湿度(RH)で18カ月貯蔵された場合、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%を超えて変化しない小球サイズ又は粒子サイズを有することができる。前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、数平均による測定で、25℃/60%相対湿度(RH)で24カ月貯蔵された場合、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%を超えて変化しない小球サイズ又は粒子サイズを有することができる。前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、体積平均による測定で、25℃/60%相対湿度(RH)で1カ月貯蔵された場合、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%を超えて変化しない小球サイズ又は粒子サイズを有することができる。前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、体積平均による測定で、25℃/60%RHで3カ月間貯蔵された場合、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%を超えて変化しない小球サイズ又は粒子サイズを有することができる。前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、体積平均による測定で、25℃/60%RHで6カ月貯蔵された場合、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%を超えて変化しない小球サイズ又は粒子サイズを有することができる。前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、体積平均による測定で、25℃/60%RHで12カ月貯蔵された場合、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%を超えて変化しない小球サイズ又は粒子サイズを有することができる。前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、体積平均による測定で、25℃/60%RHで18カ月貯蔵された場合、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%を超えて変化しない小球サイズ又は粒子サイズを有することができる。前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、体積平均による測定で、25℃/60%RHで24カ月貯蔵された場合、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%を超えて変化しない小球サイズ又は粒子サイズを有することができる。例として、ただし限定するものではないが、小球サイズ又は粒子サイズはUSP729で測定することができる。水中油エマルジョンに対しては、小球サイズは油小球サイズを指すこと理解されたい。
【0071】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、25℃/60%相対湿度で1カ月、3カ月、6カ月、12カ月、18カ月、又は24カ月貯蔵された後、凝集しない、クリーム状にならない、沈殿しない、フロキュレーションしない、相反転しない、又は融合しない。前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、40℃/70%相対湿度で1カ月、3カ月、12カ月、18カ月、又は24カ月貯蔵された後、凝集しない、クリーム状にならない、沈殿しない、フロキュレーションしない、相反転しない、又は融合しない。凝集は、小球体が組み合わさってより大きな小球体を形成することと理解することができる。クリーム状になる及び沈殿は、小球体が組み合わさって、もはや組成物の上側にも下側にもそれぞれ分散していないより大きな小球体を形成することと理解することができ、これらは。フロキュレーションは、第1次小滴サイズをより大きな単位へと増加させることなく小滴が集まることであると理解することができる。相の反転とは、分散相と媒体との間に交換が存在すること、例えば、o/wエマルジョンがw/oエマルジョンになること、又はその逆であることと理解することができる。融合は、小滴の間の液膜の薄化及び破壊により、小滴が融合してより大きな小滴を形成することと理解することができ、これが相分離をもたらし得る。
【0072】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、0.5、1、2、4、6、8、12、24又は48時間後、死体皮膚又は鼻粘膜に浸透することはできない。前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、0.5、1、2、4、6、8、12、24又は48時間後、>45ng/mLにおいて、死体皮膚又は鼻粘膜に浸透することができない。
【0073】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、存在する場合、ステロイド又は抗菌活性を有する薬剤由来の全分解物を10%未満含むことができる。例として、ただし限定するものではないが、組成物は、ステロイド又は抗菌活性を有する薬剤由来の全分解物を10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%又は0.1%未満含むことができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、全分解物はHPLCで測定することができる。またさらなる例として、ただし限定するものではないが、全分解物は、ベタメタゾン(EP Impurity A、CAS番号378-44-9)、ベタメタゾン17-プロピオネート(EP Impurity B、CAS番号5534-13-4)、ベタメタゾン21-プロピオネート(EP Impurity C、CAS番号75883-70-7)、ベタメタゾン21-アセテート17-プロピオネート(EP Impurity D、CAS番号5514-81-8)、二プロピオン酸ベクロメタゾン(EP Impurity E、CAS番号5534-09-8)、ベタメタゾン9,11-エポキシド17,21-ジプロピオネート(EP Impurity F、CAS番号66917-44-0)、トリプロピオン酸ベクロメタゾン(EP Impurity G、CAS番号1186048-33-8)、6-ブロモ-ベタメタゾン-17,21,ジプロピオネート(EP Impurity H、CAS番号1186048-34-9)、(8S,9R,10S,11S,13S,14S,16S,17R)-9-フルオロ-1-ヒドロキシ-10,13,16-トリメチル-3-オキソ-17-(2-(プロピオニルオキシ)アセチル)-2,3,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イルプロピオネート(EP Impurity I、CAS番号80163-83-3)、及びこれらの組合せを含むことができる。ある特定の態様では、全分解物はベタメタゾンEP Impurities A、B、C、D、E、F、G、H及びIを含むことができる。
【0074】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、25℃/60%RHで1カ月又は3カ月貯蔵した後、存在する場合、10%未満のステロイド又は抗菌活性を有する薬剤由来の全分解物を含むことができる。例として、ただし限定するものではないが、組成物は、25℃/60%RHで1カ月又は3カ月貯蔵された後、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.1%未満のステロイド又は抗菌活性を有する薬剤由来の全分解物を含むことができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、全分解物はHPLCで測定された通りであってよい。
【0075】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、存在する場合、25℃/60%RHで1カ月又は3カ月貯蔵した後測定された場合、開始含有量の10%以内である、ステロイド又は抗菌活性を有する薬剤の含有量を有することができる。例として、ただし限定するものではないが、組成物は、存在する場合、25℃/60%RHで1カ月又は3カ月貯蔵した後測定された場合、開始含有量の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、又は1%以内である、ステロイド又は抗菌活性を有する薬剤の含有量を有することができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、ステロイド又は抗菌活性を有する薬剤の含有量は、液体クロマトグラフィー(LC)、例えば、HPLCで測定された通りであってよい。例として、ただし限定するものではないが、ステロイドは二プロピオン酸ベタメタゾン又はベタメタゾンであることができる。
【0076】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、pH約3.5及び約8、好ましくは約4及び約7、より好ましくは約5及び約6を有することができる。例として、ただし限定するものではないが、pH調節剤は、組成物のpHを約3.5~約8、約4~約7、約5~約7、約5~約6、約6~約7、約4~約6、約4~約5、又は約3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9又は8及びこれらの間の任意の範囲若しくは値に調整するのに十分な量で存在することができる。
【0077】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、25℃/60%RHで1カ月又は3カ月貯蔵した後測定された場合、組成物の開始pHの0.5以内であるpHを有することができる。例として、ただし限定するものではないが、組成物は、25℃/60%RHで1カ月又は3カ月貯蔵した後測定された場合、開始pHの0.5、0.4、0.3、0.2又は0.1以内であるpHを有することができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、pHは標準的な方法で測定することができる。
【0078】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、25℃/60%RHで1カ月又は3カ月貯蔵した後測定された場合、組成物の開始オスモル濃度の10mOsm/kg以内であるオスモル濃度を有することができる。例として、ただし限定するものではないが、組成物は、25℃/60%RHで1カ月又は3カ月貯蔵した後測定された場合、開始オスモル濃度の10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1mOsm/kg以内であるオスモル濃度を有することができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、オスモル濃度は、USP 785により測定された通りであってよい。
【0079】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、25℃/60%で1カ月又は3カ月貯蔵した後測定された場合、組成物の開始粘度の10%以内である粘度を有することができる。例として、ただし限定するものではないが、組成物は、25℃/60%RHで1カ月又は3カ月貯蔵した後測定された場合、開始粘度の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%以内である粘度を有することができる。例として、ただし限定するものではないが、粘度は本開示に記載されている粘度測定のための方法により測定された通りであってよい。
【0080】
開始特性のいずれか、例えば、開始粘度に関して、これらの特性は、貯蔵が開始された時間、又はこれが一致し得る場合製剤化の時点から測定することができることを理解されたい。
【0081】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は炎症誘発性サイトカイン阻害剤を含むことができない。
【0082】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物中の唯一の薬学的活性のある化合物はステロイド又は抗菌活性を有する薬剤であることができる。前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、ステロイドではない、又は抗菌活性を有する薬剤ではないいずれの薬学的活性のある化合物を含有することはできない。
【0083】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物はシリンジ又は他の容器の中に詰めることができる。
【0084】
様々な局所的鎮痛剤を本明細書に記載されている組成物に含むこともできる。これらには、これらに限定するものではないが、非ステロイド性の抗炎症剤、リドカイン、カプサイシン、アミトリプチリン、ニトログリセリン、オピオイド、メントール、ピメクロリムス、フェニトインなどが含まれる。
【0085】
前述の実施形態のいずれかでは、組成物は、クリーム剤であることができ、ある特定の態様では、その成分相へと分離することなくオートクレーブ処理に耐えることができる、等張性があるクリーム剤であることができる。例として、ただし限定するものではないが、このようなオートクレーブ処理条件は、110℃で10分間、110℃で19分間、110℃で30分間、130℃で1分間、130℃で3分間、又は130℃で5分間を含むことができる。一部の実施形態では、分離がないことは小球サイズを測定することにより評価することができる。一部の実施形態では、組成物は、オートクレーブ処理後、例えば例として、ただし限定するものではないが、列挙された条件下で、凝集しない、クリーム状にならない、沈殿しない、フロキュレーションしない、相反転しない、融合しない、又はこれらの組合せを生じない。組成物が小球サイズを保持する範囲内に限り、組成物は分離せず、依然としてエマルジョンである。例として、ただし限定するものではないが、分離がないことはまた、滅菌前と滅菌後の小球サイズの変化を測定することにより評価することができる。例として、小球サイズは、滅菌前に対して、滅菌後に、数平均又は体積平均のいずれかにより、約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、75%、100%又は200%内であることができる。このような等張性があるクリーム剤は、無菌であることができ、鼻及び耳の組織を含む組織、並びに任意の粘膜の組織、例えば例として、ただし限定するものではないが、眼、膣、直腸又は尿道並びに鼻、副鼻腔、鼻咽頭及び耳の組織又は任意の他の粘膜組織への治療剤の送達のための組成物として使用することができる。
【0086】
前述の実施形態のいずれかでは、張度調節剤及び乳化剤は、これらが張度を変化させる範囲内に限り、等張化剤として使用することができ、使用される等張化剤、張度調節剤及び乳化剤の量及び種類は、所望の張度を有する組成物を生成するのに十分であることができることを理解されたい。よって、張度調節剤及び乳化剤は、等張化剤の代わりに使用することができることを理解されたい。例えば、ある特定の組成物において、張度調節剤及び/又は乳化剤が所望の張度を生じるのに十分である場合、等張化剤は必要とされない。
【0087】
当業者であれば、任意の適切な方法に基づき、本開示の組成物が所望の張度を有するように設計及び/又は生成することができることを理解されたい。例として、ただし限定するものではないが、塩化ナトリウム当量法を使用して、その成分に基づく予想される組成物のオスモル濃度を計算することができる。
【0088】
本開示の組成物の特徴及び態様は、本開示の範囲から外れることなく、当業者により様々な組合せで併用することができることを理解されたい。例として、ただし限定するものではないが、オートクレーブ処理可能なクリーム剤組成物又は滅菌クリーム剤組成物は、前述の実施形態における特性を含むことができ、列挙されたオスモル濃度又は異なるオスモル濃度を有することができる。例として、ただし限定するものではないが、オスモル濃度は、組成物が適用されることになる粘膜組織と等張であることができる。
【0089】
本開示の例示的な組成物が以下の表2に提供される。
【0090】
【0091】
上記表2の構成成分のそれぞれに対する例示的な範囲が以下の表3に提供されている。表2及び3の例示的なクリーム剤組成物はまた、クロトリマゾールなしで調製することができることを理解されたい。
【0092】
【0093】
製造の方法
本開示はまた、本開示の組成物の製造のための方法を提供する。本明細書に記載されている方法は、本開示の組成物を生成するための他の方法を排除することを意図しないことを理解されたい。
【0094】
一部の実施形態では、クリーム剤を製造するための方法は、水性相分散液を調製するステップ、油相分散液を調製するステップ、並びに水性相分散液と油相分散液を混ぜ合わせて、エマルジョン混合物を形成するステップを含む。一部の実施形態では、pHは水性相分散液を形成するステップの間に調整される。他の実施形態では、pHは水性相分散液及び油相分散液を混ぜ合わせて、エマルジョン混合物を形成した後調整される。例として、ただし限定するものではないが、水性分散液又はエマルジョン混合物のpHは、約3.5及び約8、好ましくは約4及び約7、より好ましくは約5及び約6に調整することができる。例として、ただし限定するものではないが、水性分散液のpHは、約3.5~約8、約4~約7、約5~約7、約5~約6、約6~約7、約4~約6、約4~約5、又は約3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9又は8及びこれらの間の任意の範囲若しくは値に調整することができる。一部の実施形態では、水性分散液のpHは、本明細書に記載されているようなpH調節剤を加えることによって調整される。
【0095】
一部の実施形態では、水性相分散液は、水性相分散液を形成し、分散液のpHを調整し、少なくとも1種の乳化剤を水性相分散液に加え、少なくとも1種の乳化剤を含有する水性分散液を加熱し、少なくとも1種の薬学的活性のある化合物の第1の部分を水性相分散液に加えることにより調製される。例として、ただし限定するものではないが、加熱は、約25~80℃で、分散液を形成するのに十分な期間の間であることができる。他の実施形態では、水性相分散液は、水性相分散液を形成し、少なくとも1種の薬学的活性のある化合物の第1の部分を水性相分散液に加えることによって調製され、pHは少なくとも1種の薬学的活性のある化合物の第1の部分を加える前に調整されない。一部の実施形態では、水性相分散液を形成するステップは、等張化剤を水性相分散液に加えるステップをさらに含むことができる。一部の実施形態では、水性相分散液を形成するステップは、本明細書に記載されているようなビヒクルを加えることをさらに含むことができる。一部の実施形態では、水性分散液を形成するステップは、本明細書に記載されているような安定化剤を加えるステップをさらに含むことができる。一部の実施形態では、水性分散液を形成するステップは、本明細書に記載されているような粘度改質剤を加えるステップをさらに含むことができる。
【0096】
水性相分散液の調製と並行して、油相分散液が調製されてもよい。一部の実施形態では、油相は、油相を加熱し、少なくとも1種の薬学的活性のある化合物の第2の部分を油相に加えることにより調製される。例として、ただし限定するものではないが、加熱は約25~80℃で、分散液を形成するのに十分な期間の間であることができる。一部の実施形態では、油相は、乳化剤が加えられる場合、水性相分散液中の乳化剤と同じでも異なってもよい本明細書に記載されているような乳化剤を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種の乳化剤は、油相分散液の調製の間に加えることができる。一部の実施形態では、油相分散液の調製は、皮膚軟化剤を油相分散液に加えるステップをさらに含むことができる。
【0097】
水性相分散液及び油相が生成された後、水性相分散液及び油相を混ぜ合わせて、エマルジョン混合物を生成する。好ましくは、油相は、2つの相を混ぜ合わせる時点で、さらに高温、例えば、30℃より上である。2つの相を混ぜ合わせた後、エマルジョン混合物は冷却することができる。一部の実施形態では、エマルジョン混合物は、例えば、30℃未満に一度冷却されると、張度調節剤及び/又は本明細書に記載されているような張度調節剤であることができる保存剤をエマルジョン混合物に加えることができる。
【0098】
一部の実施形態では、水性相分散液中でpHが調整されなかった場合、エマルジョン混合物のpHを調整することができる。このような実施形態では、張度調節剤及び/又は保存剤が加えられた後、本明細書に記載されているような乳化剤をエマルジョン混合物に加え、エマルジョン混合物を加熱することができる。例として、ただし限定するものではないが、加熱は、約25~80℃で、分散液を形成するのに十分な期間の間であることができる。
【0099】
エマルジョン混合物が調製された後、組成物は、容器に充填し、滅菌、例えば例として、ただし限定するものではないが、オートクレーブ処理による滅菌に供することができる。例として、ただし限定するものではないが、滅菌は、オートクレーブで、110℃で10~30分間又は130℃で1~5分間実施することができる。例として、ただし限定するものではないが、容器はシリンジであることができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、滅菌は、ガンマ線照射による、例えば、15~25mGyのガンマ線照射によるもの、又はクリーム剤の相を分離しない濾過によるものであってよい。
【0100】
前述の製造実施形態では、構成成分の量は、本開示の組成物に到達するまで加えることができ、組成物及び当業者の知識に基づき、ある特定の構成成分又はステップを省略又は手直しすることができることを理解されたい。
【0101】
水性相分散液及び油相分散液及び最終のエマルジョン混合物の構成成分は、本開示全体にわたり記載されている通りであることができることもまた理解されたい。例として、ただし限定するものではないが、乳化剤、皮膚軟化剤、等張化剤、張度調節剤、粘度改質剤、安定剤、ビヒクル及びpH調節剤は、本開示の他の部分に記載されている通りであることができる。
【0102】
本開示の組成物を生成するための例示的な方法が
図1A及び1Bに提供される。これらの方法は、オレス-2の代わりにSpan20を用いるよう修正することもできることを理解されたい。
【0103】
製造する方法のための前述の実施形態のいずれかでは、加熱ステップは、分散液又は混合物を約25℃~80℃に加熱するステップであることができることを理解されたい。例として、ただし限定するものではないが、加熱は、約25℃~約80℃、約30℃~約80℃、約35℃~約80℃、約40℃~約80℃、約50℃~約80℃、約60℃~約80℃、約70℃~約80℃、約30℃~約70℃、約40℃~約70℃、約50℃~約70℃、約60℃~約70℃、約30℃~約60℃、約40℃~約60℃、約50℃~約60℃、約30~約50℃、約40℃~約50℃、約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、若しくは80℃又はこれらの間の任意の範囲若しくは値であることができる。
【0104】
デバイス
本開示は、鼻及び耳の組織への組成物の適用のためのデバイスを提供する。このようなデバイスは、組成物、例えば、本開示のクリーム剤組成物を鼻又は耳の任意の組織に適用するために使用することができる。例として、ただし限定するものではないが、デバイスは、組成物を、副鼻腔又は鼻咽頭の組織、例えば、前頭、篩骨、上顎、及び蝶形骨組織に送達するために使用することができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、デバイスは、組成物を耳の組織、例えば、耳介、蝸牛、耳道、エウスタキー管、外耳道、内耳、中耳、外耳、正円窓、半規管、鼓膜、鼓室、耳道組織又は有毛細胞に送達するために使用することができる。
【0105】
一部の実施形態では、本開示のデバイスは、ある長さのチューブであって、その両端に配置された第1の末端及び第2の末端を有し、前記第1の末端においてある外径を有する前記ある長さのチューブと、前記第1の末端から前記第2の末端に向かって、前記ある長さのチューブ全長の少なくとも一部分だけ前記チューブを貫通する構造的支持要素と、前記第2の末端に配置された先端部であって、前記先端部が弓形状を有し、前記弓形状が前記ある長さのチューブの前記第2の末端から遠位の端部において先細になっており、前記ある長さのチューブの前記第2の末端の近位の端部において最大外径を有する前記先端部とを含むことができ、前記最大外径は前記ある長さのチューブの前記第1の末端における外径より大きく、前記構造的支持要素はチューブの形状を保持するのに十分な剛性を有するが、前記チューブの形状を変更するのに十分な可撓性を有する。弓形状の先端部は、「マッシュルーム」先端部と呼ぶことができ、本開示のクリーム剤組成物を粘膜組織に塗り広げて、クリーム剤組成物を適当な組織に送達するために組織をナビゲートする移動するのに有用となり得る。一部の実施形態では、本開示のデバイスは、ある長さのチューブであって、その両端に配置された第1の末端及び第2の末端を有する前記ある長さのチューブを含むことができ、前記ある長さのチューブは、前記第1の末端においてある外径を有し、且つ前記第2の末端に先端部を有し、前記先端部は、弓形状を有し、前記弓形状が前記ある長さのチューブの前記第2の末端から遠位の端部において先細になっており、前記ある長さのチューブの前記第2の末端の近位の端部において最大外径を有し、前記最大外径は前記ある長さのチューブの前記第1の末端における外径より大きい。このような後者の実施形態では、チューブは剛性であり、及び/又は曲がり(bend)を含むことができる。
【0106】
一部の実施形態では、ある長さのチューブの全長は、約0.5~約10インチであることができる。例として、ただし限定するものではないが、ある長さのチューブの全長は、約0.5、0.75、1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3、3.25、3.5、3.75、4、4.25、4.5、4.75、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、若しくは10インチの全長又はこれらの間の任意の範囲若しくは値であることができる。一部の実施形態では、構造的支持要素はワイヤ又は他の屈曲可能構造であることができる。例として、ただし限定するものではないが、構造的支持要素はプラスチック又は金属ワイヤであることができる。一部の実施形態では、構造的支持要素はある長さのチューブの全長に及ぶ。一部の実施形態では、構造的支持要素はある長さのチューブの全部の長さの約半分に及ぶ。一部の実施形態では、デバイスは構造的支持要素を含まず、ある長さのチューブは剛性である。一部の実施形態では、デバイスは弓状の先端部又は構造的支持要素を含まず、ある長さのチューブは剛性である。一部の実施形態では、剛性の設計はある長さのチューブに曲がりを含むことができる。一部の実施形態では、剛性の設計は、ある長さのチューブより小さな直径を有する、第1のある長さのチューブに取り付けられた第2のある長さのチューブを含むことができる。このような場合、直径は本明細書に記載されている通りであってよい。
【0107】
一部の実施形態では、デバイスは、シリンジに取り付けられるように構成されたコネクターを第1の末端にさらに含むことができる。一部の実施形態では、デバイスは、第1の末端においてコネクターによりデバイスに接続されているシリンジをさらに含む。例として、ただし限定するものではないが、コネクター及びルアーロックコネクターである。一部の実施形態では、チューブは、可撓性材料、例えば例として、ただし限定するものではないが、ポリエーテルブロックアミド例えば、Pebax 45D、Pebax 55D又はPebax 63Dで作製される。一部の実施形態では、ポリエーテルブロックアミド、又は他のチューブ材料は、添加剤で改質して、ポリエーテルブロックアミドの摩擦係数を減少させることができる。例として、ただし限定するものではないが、ASTM D1894試験で測定した場合のチューブ材料のステンレススチールに対する乾燥表面の静摩擦係数は0.2未満であることができる。例として、チューブ材料のステンレススチールに対する乾燥表面の静摩擦係数は、ASTM D1894で測定した場合、0.2、0.15、0.1、0.05、又は0.025未満及びその間の任意の値の範囲であることができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、チューブ材料のステンレススチールに対する乾燥表面の静摩擦係数は、ASTM D1894で測定した場合、約0.025~約0.2、約0.025~約0.15、約0.025~約0.1、約0.025~約0.05の間及びその間の任意の値の範囲であることができる。一部の実施形態では、材料は、ASTM D790試験で測定した場合、約100MPa~約400MPaの間の曲げ弾性率を有することができる。例として、ただし限定するものではないが、材料の曲げ弾性率は、ASTM D790試験で測定した場合、約100MPa~約400MPa、約150MPa~約300MPa、約150MPa~約200MPa、約200MPa~300MPaの間、約100MPa、125MPa、150MPa、164MPa、175MPa、200MPa、225MPa、250MPa、275MPa、278MPa又は300MPa及びこれらの間の任意の範囲又は値であることができる。一部の実施形態では、材料は、ASTM D2240試験で測定した場合、瞬間的又は15秒後のいずれかの条件下で、約35~約80のショア硬度(Shore D)を有することができる。例として、ただし限定するものではないが、材料は、ASTM D2240で測定した場合、瞬間的又は15秒後のいずれかの条件下で、約35~約80、約40~約80、約45~約75、約50~約70、約50~約60、約40、41、45、46、50、54、55、58、60、64、65、70、75又は80及びこれらの間の任意の範囲若しくは値のショア硬度(Shore D)を有することができる。一部の実施形態では、チューブは、剛性材料、例えば例として、ただし限定するものではないが、高密度ポリエチレン(HDPE)から作製することができる。一部の実施形態では、先端部及びチューブは同じ材料から作製することができる。一部の実施形態では、先端部の最大外径は約4mmであることができる。例として、ただし限定するものではないが、先端部の最大外径は、約1.5mm~約6mm、約2mm~約6mm、約2mm~約4mm、約4mm~約6mm、約1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2mm、2.1mm、2.2mm、2.3mm、2.4mm、2.5mm、2.6mm、2.7mm、2.8mm、2.9mm、3mm、3.1mm、3.2mm、3.3mm、3.4mm、3.5mm、3.6mm、3.7mm、3.8mm、3.9mm、4mm、4.1mm、4.2mm、4.3mm、4.4mm、4.5mm、4.6mm、4.7mm、4.8mm、4.9mm、5mm、5.1mm、5.2mm、5.3mm、5.4mm、5.5mm、5.6mm、5.7mm、5.8mm、5.9mm、若しくは6mm又はこれらの間の任意の値若しくは範囲であることができる。一部の実施形態では、先端部は約1mmの長さを有する。例として、ただし限定するものではないが、先端部は、長さ約0.5mm~約10mm、約0.5mm~約2mm、約0.5mm~約1mm、約1mm~約2mm、約0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、又は10mm及びこれらの間の任意の範囲若しくは値を有することができる。一部の実施形態では、ある長さのチューブの第1の末端の外径は約2mmであることができる。例として、ただし限定するものではないが、第1の末端の外径は、約1mm~約4mm、約1mm~約2mm、約1mm~約3mm、約2mm~約4mm、約3~約4mm、約1mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2mm、2.1mm、2.2mm、2.3mm、2.4mm、2.5mm、2.6mm、2.7mm、2.8mm、2.9mm、3mm、3.1mm、3.2mm、3.3mm、3.4mm、3.5mm、3.6mm、3.7mm、3.8mm、3.9mm、若しくは4mm又はこれらの間の任意の値若しくは範囲であることができる。一部の実施形態では、チューブは約1.4mmの内径を有する。例として、ただし限定するものではないが、チューブの内径は、約1mm~約2mm、約1mm~約1.5mm、約1.5mm~約2mm、約1mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、若しくは2mm又はこれらの間の任意の値若しくは範囲であることができる。一部の実施形態では、構造的支持要素は直径約0.5mmを有する。例として、ただし限定するものではないが、構造的支持要素は、直径約0.1mm~約1mm、約0.5mm~約1mm、約0.1mm~約0.5mm、約0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、若しくは1mm又はこれらの間の任意の値若しくは範囲を有することができる。一部の実施形態では、デバイスは滅菌されている。
【0108】
デバイスの前述の実施形態では、ある長さのチューブは任意の適切な形状を有することができ、直径は非環状である場合、チューブの長さ又は幅を指すことができることを理解されたい。例として、ただし限定するものではないが、デバイスは、第1の末端と第2の末端との間に曲がりを有することができ、曲がりは、第1の末端から曲がりに達するまでの軸に対して約60°の曲度を有する。さらなる例として、ただし限定するものではないが、曲がりは、約0°~約90°、 約0°~約80°、 約0°~約70°、 約0°~約60°、 約0°~約50°、 約0°~約45
o、 約0°~約40°、 約0°~約30°、 約0°~約20°、 約0°~約10°、 約10°~約90°、 約10°~約80°、 約10°~約70°、 約10°~約60°、 約10°~約50
o、 約10°~約45
o、 約10°~約40°、 約10°~約30°、 約10°~約20°、 約20°~約90°、 約20°~約80°、 約20°~約70°、 約20°~約60°、 約20°~約50°、 約20°~約45
o、 約20°~約40°、 約20°~約30°、 約30°~約90°、 約30°~約80°、 約30°~約70°、 約30°~約60°、 約30°~約50°、 約30°~約45
o、 約30°~約40°、 約40°~約90°、 約40°~約80°、 約40°~約70°、 約40°~約60°、 約40°~約50°、 約40°~約45
o、 約45
o~約90°、 約45
o~約80°、 約45
o~約70°、 約45
o~約60°、 約45
o~約50°、 約50°~約90°、 約50°~約80°、 約50°~約70°、 約50°~約60°、 約60°~約90°、 約60°~約80°、 約60°~約70°、 約70°~約90°、 約70°~約80°、 約80°~約90°、約0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、又は90°及びこれらの間の任意の範囲若しくは値であることができる。例示的な曲がったアプリケーターは
図14A~14Bに示されている。
【0109】
本開示の例示的デバイス及びその部分が
図2~3Eに示されている。
図2に示されている通り、ある長さのチューブ1、及び前記ある長さのチューブにシリンジを取り付けるための前記チューブの第1の末端3にあるコネクター2を含む、デバイスの様々な実施形態が示されており、弓形状の先端部は
図2には示されていない。
図3A~3Cに示されている通り、ある長さのチューブ1は、前記ある長さのチューブの第2の末端4に配置された、弓形状を有する先端部5を含むことができる。構造的支持要素6は、可撓性デバイスの曲がった形状を支持することにより、デバイスに曲げ性をもたらすことができる。構造的支持要素はワイヤ又は他の形状の形態であってもよいし、又はチューブの外周全体にわたってもよいし、又はデバイスに必須の剛性を付与し、ただし曲げ性も付与するのに十分な任意の構成であってもよいことを理解されたい。
図3Dに示されている通り、デバイスはまた、デバイスの第1の末端3に取り付けられたコネクター2を有することができる。コネクターは、
図3Eに示されているように、シリンジ8又は他の容器の、デバイスへの接続を可能にすることができる。
【0110】
図4A~4Dに示されている通り、デバイスはまた剛性の構造体で形成することもできる。
図4A~4Bは、ある長さのチューブ1を含み、場合により、チューブ単独では剛性が十分ではない場合、剛性を得るための構造的支持要素6を含むことができ、先細の先端部を含むことができる剛性アプリケーターデバイスを示しているが、先端部へのいかなる開口も使用することができる。デバイスはまた、第1の末端3及び第2の末端4並びにコネクター2を含むことができ、コネクターは、そのコネクターにおいてデバイスにシリンジ又は他の容器を接続するためのものである(示されていない)。
図4Cは、曲がった、剛性アプリケーターの手描きの図を示しており、この曲がった、剛性アプリケーターは、
図4Dに示されている通り、曲がりを含むある長さのチューブ1に取り付けらているコネクター2を含み、ある長さのチューブ1は、ある長さのチューブ1より小さな直径を有する第2のある長さのチューブ7に、フィッティング又ははんだ9により取り付けられている。
【0111】
キット
本開示は、本開示の組成物及び本開示のクリーム剤組成物を適用するためのデバイスを含むキットを提供する。一部の実施形態では、デバイスは、前述の実施形態のいずれかのデバイスである。一部の実施形態では、クリーム剤組成物は前述の実施形態のいずれかの組成物である。デバイスがシリンジ又は組成物を保持する他の容器をまだ含まない場合、キットは、デバイスに加えて組成物を含有するシリンジを含むことができる。
【0112】
前述のキットの実施形態のいずれかにおいて、組成物を保持するシリンジ又は他の容器は約0.1g~約20gの組成物を含むことができる。例として、ただし限定するものではないが、組成物を保持するシリンジ又は他の容器は、約0.1g~約20g、約0.5g~約20g、約1g~約20g、約2g~約20g、約5g~約20g、約10g~約20g、約0.1~約5g、約0.1g~約2.5g、約0.1g~約1g、約0.1~約0.5g、約0.5g~約12g、0.5g~約10g、約0.5g~約5g、約0.5~約2.5g、約0.5g~約1g、約1~約12g、約1g~約10g、約1g~約5g、約1g~約2g、約2g~約12g、約2g~約10g、約2g~約5g、約2g~約4g、約4g~約12g、約4g~約10g、約4g~約8g、約4g~約5g、約5g~約12g、約5g~約10g、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.25、4.5、4.75、5、5.25、5.5、5.75、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20g又はこれらの間の任意の範囲若しくは値を含むことができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、シリンジ又は他の容器は、合計約0.01mg~約3gのステロイド、例えば、表1の量で、0.17g、0.34g、0.7g、1g、1.4g、2g、2.1g、3g、4g、4.2g、5g、6g、8g、10g又は20gを含有することができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、シリンジ又は他の容器は、ステロイドの総量約0.01mg~約3g、約0.1mg~約3g、約0.5mg~約3g、約1mg~約3mg、約1.5~約3mg、0.01mg~約1.5g、約0.01mg~約1g、約0.01mg~約500mg、約0.01mg~約250mg、約0.01mg~約100mg、約0.01mg~約10mg、約0.01mg~約5mg、約0.01mg~約1mg、約0.01mg~約0.1mg、約0.02mg~約1.5g、約0.02mg~約1g、約0.02mg~約500mg、約0.02mg~約250mg、約0.02mg~約100mg、約0.02mg~約10mg、約0.02mg~約5mg、約0.02mg~約1mg、0.02mg~約0.2mg、約0.03mg~約1.5g、約0.03mg~約1g、約0.03mg~約500mg、約0.03mg~約250mg、約0.03mg~約100mg、約0.03mg~約10mg、約0.03mg~約5mg、約0.03mg~約1mg、約0.03mg~約0.3mg、約1mg~約1.5g、約1mg~約1g、約1mg~約500mg、約1mg~約250mg、約1mg~約100mg、約1mg~約10mg、約1mg~約5mg、約2mg~約1.5g、約2mg~約1g、約2mg~約500mg、約2mg~約250mg、約2mg~約100mg、約2mg~約10mg、約2mg~約5mg、約8mg~約1.5g、約8mg~約1g、約8mg~約500mg、約8mg~約250mg、約8mg~約100mg、約8mg~約10mg、約10mg~約1.5g、約10mg~約1g、約10mg~約500mg、約10mg~約250mg、約10mg~約100mg、約100mg~約1.5g、約100mg~約1g、約100mg~約500mg、約100mg~約250mg、約250mg~約1.5g、約250mg~約1g、約250mg~約500mg、約500mg~約1.5g、約500mg~約1g、約1g~約1.5g、約0.01mg、0.02mg、0.05mg、0.1mg、0.125mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1mg、1.25mg、1.5mg、1.75mg、2mg、2.25mg、2.5mg、2.75mg、3mg、3.25mg、3.5mg、3.75mg、4mg、4.25mg、4.5mg、4.75mg、5mg、7.5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、220mg、240mg、250mg、260mg、280mg、300mg、330mg、350mg、360mg、390mg、400mg、440mg、450mg、480mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、1g、1.1g、1.2g、1.3g、1.4g、若しくは1.5g、1.6g、1.7g、1.8g、1.9g、2g、2.1g、2.2g、2.3g、2.4g、2.5g、2.6、g、2.7g、2.8g、2.9g、若しくは3g又はこれらの間の任意の範囲若しくは値を含有することができる。またさらなる例として、ただし限定するものではないが、シリンジ又は容器は、約0.01mg~約500mgの間の抗菌活性を有する薬剤を含むことができる。例として、ただし限定するものではないが、シリンジ又は他の容器は、合計約0.01mg~約500mg、約0.1mg~約500mg、約1mg~約500mg、約5mg~約500mg、約10mg~約500mg、約100mg~約500mg、約200mg~約500mg、約300mg~約500mg、約400mg~約500mg、約0.01mg~約100mg、約0.01mg~約10mg、約0.01mg~約5mg、約0.01mg~約1mg、約0.01mg~約0.1mg、約0.02mg~約100mg、約0.02mg~約10mg、約0.02mg~約5mg、約0.02mg~約1mg、0.02mg~約0.2mg、約0.03mg~約100mg、約0.03mg~約10mg、約0.03mg~約5mg、約0.03mg~約1mg、約0.03mg~約0.3mg、約1mg~約100mg、約1mg~約10mg、約1mg~約5mg、約2mg~約100mg、約2mg~約10mg、約2mg~約5mg、約8mg~約100mg、約8mg~約10mg、約10mg~約100mg、約50mg~約200mg、約50mg~約100mg、約100mg~約200mg、約0.01mg、0.02mg、0.03mg、0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.45mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.75mg、0.8mg、0.9mg、1mg、1.25mg、1.5mg、1.75mg、2mg、2.25mg、2.5mg、2.75mg、3mg、3.25mg、3.5mg、3.75mg、4mg、4.25mg、4.5mg、4.75mg、5mg、7.5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、若しくは500mg又はこれらの間の任意の範囲若しくは値を含有することができる。
【0113】
処置の方法又は本開示のデバイスの使用
一部の実施形態では、鼻、副鼻腔又は鼻咽頭の組織の疾患又は状態を処置するための方法は、本開示の組成物を、対象の鼻、副鼻腔又は鼻咽頭の組織に局所的に投与するステップを含むことができる。他の実施形態では、耳の組織の疾患又は状態を処置するための方法は、本開示の組成物を局所的に対象の耳の組織に投与するステップを含むことができる。また他の実施形態では、粘膜の組織の疾患又は状態を処置するための方法は、本開示の組成物を局所的に粘膜組織に投与するステップを含むことができる。
【0114】
処置の方法のための前述の実施形態のいずれかでは、組成物を適用するステップは、単回投与として実施することができ、ある場合には、単回投与は鼻、副鼻腔又は鼻咽頭の組織の疾患又は状態の有効な処置を得るのに十分である。ある特定の他の実施形態では、クリーム剤組成物を適用するステップは、例として、ただし限定するものではないが、10~21日ごと、21~30日ごと、30~60日ごと、60~90日ごと、90日~180日ごと、又は180日~365日ごとに1回のみ実施される。「単回投与」とは、ほとんどの場合、鼻腔内投与、外耳道、中耳、眼又は他の組織を介した連続的な両側の投与を指すことを理解されたい。一部の実施形態では、クリーム剤組成物を適用するステップは、例として、ただし限定するものではないが、21日、30日、60日、90日、180日、又は365日ごとに2回以下実施される。一部の実施形態では、組成物は毎日又は毎週投与される。
【0115】
処置の方法に対する前述の実施形態のいずれかでは、投与される組成物の量は有効量であることができる。粘膜組織の処置のための方法では一般的に、組成物は、粘膜組織の疾患又は状態を処置するのに適した治療的活性成分を含有することができる。例として、ただし限定するものではないが、緑内障薬物は、本開示の組成物により眼に投与することができる。一部の実施形態では、粘膜組織は鼻、副鼻腔、鼻咽頭、耳、眼、膣、直腸又は尿道であることができる。例として、ただし限定するものではないが、炎症は、これらの組織において、本開示の組成物により処置することができることを理解されたい。
【0116】
処置すべき組織が眼である場合、眼の組織は、例として、ただし限定するものではないが、眼瞼の前縁、眼球結膜、涙丘、毛様体及び毛様筋、結膜、角膜、眉毛、眼瞼、虹彩、目尻(later angle of the eye)、外側眼瞼交連、レンズ、下眼瞼、網膜黄斑、内眼角、視神経、眼瞼の後縁、瞳孔、網膜、強膜、上眼瞼溝(superior palbepral sulcus)、網膜血管、上眼瞼、又は硝子体を挙げることができる。疾患又は状態が眼の場合、疾患又は状態は、例として、ただし限定するものではないが、緑内障、糖尿病性網膜症、黄斑変性、ブドウ膜炎、網膜症、網膜芽腫、ドライアイ、眼の障害、涙器系、眼窩、結膜、強膜、角膜、虹彩、毛様体、レンズ、脈絡膜、網膜、脈絡網膜の炎症、網膜の剥離及び破損、網膜血管系閉塞及び網膜障害を全般的に含むことができる。
【0117】
処置の方法のための前述の実施形態のいずれかでは、適用されるクリーム剤組成物の量は、罹患した組織の領域のサイズ及び患者のサイズの範囲に基づき変動する。一部の実施形態では、組成物は1回の鼻腔内適用当たり約0.5立方体センチメートル(cc)~約15ccの量で、又は約1cc~約10ccの副鼻腔の罹患組織への合計適用量で投与することができるが、より一般的には、鼻腔内適用1回当たり約2cc~約4cc又は副鼻腔粘膜の罹患組織への合計適用量約4cc~約8ccで投与することができる。例として、ただし限定するものではないが、鼻腔内又は耳の適用1回当たり投与される組成物の量は、約0.5cc、0.75cc、1cc、1.25cc、1.5cc、1.75cc、2cc、2.25cc、2.5cc、2.75cc、3cc、3.25cc、3.5cc、3.75cc、4cc、4.5cc、5cc、6cc、7cc、8cc、9cc、10cc、11cc、12cc、13cc、14cc、又は15ccであることができる。疾患した副鼻腔粘膜両側への適用合計については、これら列挙された量は、特に述べられていない限り、2倍になることを理解されたい。
【0118】
他の実施形態では、組成物が鼻、副鼻腔又は鼻咽頭の組織に投与される場合、組成物は、鼻腔内投与1回当たり約0.5グラム(g)~約10gの量で、又は罹患した組織(両方)への全適用量約1g~約20gの量で投与することができるが、より一般的には、鼻腔内投与1回当たり約2g~約4g又は罹患した組織への全適用量約4g~約8gの量で投与することができる。例として、ただし限定するものではないが、適用される組成物の量は、鼻腔内投与1回当たり、約0.5g、0.75g、1g、1.25g、1.5g、1.75g、2g、2.25g、2.5g、2.75g、3g、3.25g、3.5g、3.75g、4g、4.5g、5g、6g、7g、8g、9g、又は10gであることができる。罹患した副鼻腔粘膜両側への適用合計については、これら列挙された量は特に述べられていない限り2倍になることを理解されたい。
【0119】
よって、一部の実施形態では、鼻、副鼻腔又は鼻咽頭の組織ごとに投与されるステロイドの量は、合計約0.01mg~約1.5gのステロイドであることができる。例として、ただし限定するものではないが、表1の量は、0.5g、1g、2g、3g、4g、5g、6g、7g、8g、9g、又は10gで掛け算することができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、組織1つ当たり投与されるステロイドの量は、合計0.01mg~約1.5g、約0.01mg~約750mg、0.01mg~約500mg、約0.01mg~約250mg、約0.01mg~約100mg、約0.01mg~約10mg、約0.01mg~約5mg、約0.01mg~約1mg、約0.01mg~約0.1mg、約0.02mg~約1.5g、約0.02mg~約750mg、約0.02mg~約1g、約0.02mg~約500mg、約0.02mg~約250mg、約0.02mg~約100mg、約0.02mg~約10mg、約0.02mg~約5mg、約0.02mg~約1mg、0.02mg~約0.2mg、約0.03mg~約1.5g、約0.03mg~約750mg、約0.03mg~約500mg、約0.03mg~約250mg、約0.03mg~約100mg、約0.03mg~約10mg、約0.03mg~約5mg、約0.03mg~約1mg、約0.03mg~約0.3mg、約1mg~約1.5g、約1mg~約750mg、約1mg~約500mg、約1mg~約250mg、約1mg~約100mg、約1mg~約10mg、約1mg~約5mg、約2mg~約1.5g、約2mg~約750mg、約2mg~約500mg、約2mg~約250mg、約2mg~約100mg、約2mg~約10mg、約2mg~約5mg、約8mg~約1.5g、約8mg~約750mg、約8mg~約500mg、約8mg~約250mg、約8mg~約100mg、約8mg~約10mg、約10mg~約1.5g、約10mg~約750mg、約10mg~約500mg、約10mg~約250mg、約10mg~約100mg、約100mg~約1.5g、約100mg~約750mg、約100mg~約500mg、約100mg~約250mg、約250mg~約1.5g、約250mg~約750mg、約250mg~約500mg、約500mg~約750mg、約500mg~約1.5g、約1g~約1.5g、約1mg、1.25mg、1.5mg、1.75mg、2mg、2.25mg、2.5mg、2.75mg、3mg、3.25mg、3.5mg、3.75mg、4mg、4.25mg、4.5mg、4.75mg、5mg、7.5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、220mg、240mg、250mg、260mg、280mg、300mg、330mg、350mg、360mg、390mg、400mg、440mg、450mg、480mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、1g、1.1g、1.2g、1.3g、1.4g、若しくは1.5g又はこれらの間の任意の範囲若しくは値であることができる。このような実施形態では、両側の適用が施され、量は2倍であることを理解されたい。
【0120】
よって、一部の実施形態では、鼻、副鼻腔又は鼻咽頭の組織ごとに投与される抗菌活性を有する薬剤の総量は、約0.01mg~約200mgの間の抗菌活性を有する薬剤であることができる。例として、ただし限定するものではないが、送達される抗菌活性を有する薬剤の量は、合計約0.01mg~約200mg、約0.01mg~約100mg、約0.01mg~約10mg、約0.01mg~約5mg、約0.01mg~約1mg、約0.01mg~約0.1mg、約0.02mg~約200mg、約0.02mg~約100mg、約0.02mg~約10mg、約0.02mg~約5mg、約0.02mg~約1mg、0.02mg~約0.2mg、約0.03mg~約200mg、約0.03mg~約100mg、約0.03mg~約10mg、約0.03mg~約5mg、約0.03mg~約1mg、約0.03mg~約0.3mg、約1mg~約200mg、約1mg~約100mg、約1mg~約10mg、約1mg~約5mg、約2mg~約200mg、約2mg~約100mg、約2mg~約10mg、約2mg~約5mg、約8mg~約200mg、約8mg~約100mg、約8mg~約10mg、約10mg~約200mg、約10mg~約100mg、約50mg~約200mg、約50mg~約100mg、約100mg~約200mg、約0.01mg、0.02mg、0.03mg、0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.45mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.75mg、0.8mg、0.9mg、1mg、1.25mg、1.5mg、1.75mg、2mg、2.25mg、2.5mg、2.75mg、3mg、3.25mg、3.5mg、3.75mg、4mg、4.25mg、4.5mg、4.75mg、5mg、7.5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、若しくは200mg又はこれらの間の任意の範囲若しくは値であることができる。このような実施形態では、両側の適用が使用され、これらの量は2倍となることを理解されたい。
【0121】
他の実施形態では、組成物が耳の組織に投与される場合、組成物は、1つの耳当たり約0.1g~約3gの量で投与することができる。例として、ただし限定するものではないが、組成物は、約0.1g~約2.1g、約0.17g~約2.1g、約0.1g~約1g、約1g~約2.5g、約1g~約2g、約0.1g、0.17g、0.2g、0.3g、0.4g、0.5g、0.6g、0.7g、0.8g、0.9g、1g、1.1g、1.2g、1.3g、1.4g、1.5g、1.6g、1.7g、1.8g、1.9g、2g、2.1g、2.2g、2.3g、2.4g、2.5g、2.6g、2.7g、2.8g、2.9g、若しくは3g又はこれらの間の任意の範囲若しくは値、好ましくは約0.7gの量で投与することができる。罹患した耳の組織への両側適用の合計については、これら列挙された量は特に述べられていない限り2倍になることを理解されたい。一部の実施形態では、耳組織に送達されるステロイドの総量は約0.01mg~約500mgの間である。例として、ただし限定するものではないが、耳組織に送達されるステロイドの総量は、約0.01mg~約500mg、約0.01mg~約250mg、約0.01mg~約100mg、約0.1mg~約50mg、約0.01mg~約10mg、約0.01mg~約5mg、約0.01mg~約1mg、約0.1mg~約500mg、約0.1mg~約250mg、約0.1mg~約100mg、約0.1mg~約50mg、約0.1mg~約10mg、約0.1mg~約5mg、約0.1mg~約1mg、約0.5mg~約500mg、約0.5mg~約250mg、約0.5mg~約100mg、約0.5mg~約50mg、約0.5mg~約10mg、約0.5mg~約5mg、約0.5mg~1mg、約1mg~約500mg、約1mg~250mg、約1mg~100mg、約1mg~約50mg、約1mg~約10mg、約1mg~約5mg、約5mg~約500mg、約5mg~約250mg、約5mg~約100mg、約5mg~約50mg、約5mg~約10mg、約10mg~約500mg、約10mg~約250mg、約10mg~約100mg、約10mg~約50mg、約50mg~約500mg、約50mg~約250mg、約50mg~約100mg、約100mg~約500mg、約100mg~約250mg、約250mg~約500mgの間、約0.01mg、0.02mg、0.03mg、0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.45mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.75mg、0.8mg、0.9mg、1mg、1.25mg、1.5mg、1.75mg、2mg、2.25mg、2.5mg、2.75mg、3mg、3.25mg、3.5mg、3.75mg、4mg、4.25mg、4.5mg、4.75mg、5mg、5.5mg、6mg、6.5mg、7mg、7.5mg、8mg、8.5mg、9mg、9.5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、若しくは500mg又はこれらの間の任意の値又は範囲であることができる。これらの量は耳1つ当たりの量であり、両側の投与に対しては2倍になることを理解されたい。
【0122】
一部の実施形態では、耳組織に送達される抗菌活性を有する薬剤の総量は約0.01mg~約100mgの間である。例として、ただし限定するものではないが、耳組織に送達される抗菌活性を有する薬剤の総量は、約0.01mg~約100mg、0.01mg~約50mg、約0.01mg~約10mg、約0.01mg~約5mg、約0.01mg~約1mg、約0.1mg~約100mg、約0.1mg~約50mg、約0.1mg~約10mg、約0.1mg~約5mg、約0.1mg~約1mg、約0.5mg~約100mg、約0.5mg~約50mg、約0.5mg~約10mg、約0.5mg~約5mg、約0.5mg~1mg、約1mg~約100mg、約1mg~約50mg、約1mg~約10mg、約1mg~約5mg、約5mg~約100mg、約5mg~約50mg、約5mg~約10mg、約10mg~約100mg、約10mg~約50mg、約50mg~約100mgの間、約0.01mg、0.02mg、0.03mg、0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.45mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.75mg、0.8mg、0.9mg、1mg、1.25mg、1.5mg、1.75mg、2mg、2.25mg、2.5mg、2.75mg、3mg、3.25mg、3.5mg、3.75mg、4mg、4.25mg、4.5mg、4.75mg、5mg、5.5mg、6mg、6.5mg、7mg、7.5mg、8mg、8.5mg、9mg、9.5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、若しくは100mg又はこれらの間の任意の値若しくは範囲であることができる。これらの量は耳1つ当たりの量であり、両側の投与に対しては2倍になることを理解されたい。
【0123】
同様に、これらの量は、処置すべき粘膜組織に応じて調整できることを理解されたい。例として、ただし限定するものではないが、組織が処置されるべきである場合、投与される組成物の総量は約0.01g~約10gであることができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、組織に投与される量は、約0.01g~約0.1g、約0.02g~約0.1g、約0.03g~約0.1g、約0.04g~約0.1g、約0.05g~約0.1g、約0.1g~約1g、約0.1g~約2g、約1g~約5g、約1g~約10g、約2g~約5g、約2g~約10g、約5g~約10g、約0.01g、0.02g、0.03g、0.04g、0.05g、0.06g、0.07g、0.08g、0.09g、0.1g、0.015g、0.2g、0.25g、0.3g、0.35g、0.4g、0.45g、0.5g、0.6g、0.7g、0.8g、0.9g、1g、1.25g、1.5g、1.75g、2g、2.25g、2.5g、2.75g、3g、3.25g、3.5g、3.75g、4g、4.25g、4.5g、4.75g、5g、5.5g、6g、6.5g、7g、7.5g、8g、8.5g、9g、9.5g、若しくは10g又はこれらの間の任意の範囲若しくは値であることができる。
【0124】
処置の方法のための前述の実施形態のいずれかでは、疾患又は状態は、グラム陰性細菌、グラム陽性細菌、菌類、酵母によるものである可能性があり、又は細菌、真菌及び/若しくは酵母の組合せを含む多微生物性である可能性がある。他の実施形態では、疾患又は状態は、微生物感染を特定されていない炎症の結果である可能性がある。
【0125】
処置の方法のための前述の実施形態のいずれかでは、疾患又は状態が鼻、副鼻腔又は鼻咽頭の組織のものである場合、本開示の組成物を使用して、鼻、副鼻腔及び鼻咽頭の組織の様々な状態を処置することができる。前述の実施形態のいずれかでは、疾患又は状態は、鼻、副鼻腔又は鼻咽頭の組織の炎症であることができる。例として、ただし限定するものではないが、鼻、副鼻腔及び鼻咽頭の組織のこのような状態は疾患、感染症、症状及びこれらの組合せを含むことができる。例として、ただし限定するものではないが、このような疾患又は感染症は、副鼻腔、浮腫、慢性副鼻腔炎、急性副鼻腔炎、ムコール症、多微生物性副鼻腔炎、鼻のポリープ、細菌性副鼻腔炎、アレルギー性真菌性副鼻腔炎、慢性細菌性副鼻腔炎、慢性アレルギー性真菌性副鼻腔炎、鼻副鼻腔炎などを含むことができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、このような疾患及び感染症は、副鼻腔浮腫、急性副鼻腔炎、急性副鼻腔炎感染症、急性副鼻腔炎細菌感染症、急性副鼻腔炎ウイルス感染症、急性鼻副鼻腔炎、味覚消失、アレルギー性真菌性副鼻腔炎、無嗅覚、細菌性副鼻腔炎、気圧性副鼻腔炎、気圧性外傷、慢性ポリポーシス、慢性細菌性副鼻腔炎、慢性アレルギー性真菌性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎、慢性再発性副鼻腔炎、慢性再発性副鼻腔炎感染症、慢性再発性副鼻腔炎細菌感染症、慢性再発性副鼻腔炎ウイルス感染症、慢性鼻副鼻腔炎、ポリープを伴う慢性鼻副鼻腔炎、ポリープを伴わない慢性鼻副鼻腔炎、慢性再発性鼻副鼻腔炎、中央コンパートメントアトピー性疾患、嚢胞性線維症、びまん性副鼻腔炎、びまん性2型副鼻腔炎、好酸球性鼻副鼻腔炎、真菌性副鼻腔炎、多発血管炎性肉芽腫症、上顎洞感染症、ムコール症、鼻のポリープ、非好酸球性鼻副鼻腔炎、非好酸球性慢性鼻副鼻腔炎、副鼻腔貯留嚢胞、多微生物性副鼻腔炎、再発性鼻副鼻腔炎、再発性急性鼻副鼻腔炎、鼻副鼻腔炎、副鼻腔炎、副鼻腔のポリープ、及び蝶形骨洞感染症を挙げることができる。またさらなる例として、ただし限定するものではないが、本開示の方法は以下の副鼻腔症状を処置するために使用することができる:鼻をかむ必要性、鼻づまり、くしゃみ、鼻水、咳、後鼻漏、高粘度の鼻汁、耳閉感、めまい、耳痛、顔面痛又は顔面圧迫感、嗅覚又は味覚の低下、入眠障害、夜間の覚醒、良好な夜の睡眠の欠如、目覚めたときの疲労感、疲労、生産性の低下、集中力の低下、いらだち、不穏状態又は怒りっぽい、悲しみ、困惑、及びこれらの組合せ。一部の実施形態では、状態として、鼻をかむ必要性、鼻づまり、くしゃみ、鼻水、咳、後鼻漏、高粘度の鼻汁、耳閉感、めまい、耳痛、顔面痛又は顔面圧迫感、嗅覚又は味覚の低下、入眠障害、夜間の覚醒、良好な夜の睡眠の欠如、目覚めたときの疲労感、疲労、生産性の低下、集中力の低下、いらだち、不穏状態又は怒りっぽい、悲しみ、困惑、又はこれらの組合せがさらに挙げられる。よって、これらの副鼻腔症状は、疾患、感染症又は他の状態と併せて生じることがあってもよいし、又はそれら自体が処置すべき状態であってもよい。一部の実施形態では、対象は以前に機能的内視鏡副鼻腔手術(FESS)を受けたことがある。一部の実施形態では、対象は以前に副鼻腔の手術を受けたことがある。一部の実施形態では、対象は、FESSを受けた後、慢性炎症性応答をその後発症した。一部の実施形態では、対象はFESSを受け、慢性アレルギー性真菌性副鼻腔炎を発症した。一部の実施形態では、本発明の組成物及び方法が有用な対象は、FESS後、慢性アレルギー性真菌性副鼻腔炎を患っている。一部の実施形態では、患者は、FESS後、鼻のステロイドスプレー、経口抗生剤及び/又は鼻の洗浄を使用したかしないかに関わらず、軽症の期間又は無症状の期間後、症状の増悪を経験している。一部の実施形態では、対象は、FESSを受け、これが肥大型、炎症性、及び肉芽形成型組織と描写される異常な鼻の組織をもたらした。これらの実施形態のさらなる態様では、対象のFESS後の副鼻腔炎は、本発明の方法の実施前、1年の期間の間病態には最小の変化しかなく、又は変化がまったくないまま、鼻のステロイドスプレー、経口抗生剤及び/又は鼻の洗浄で処置されていた。一部の実施形態では、対象は、細菌感染症の結果、慢性副鼻腔炎症を患っている。一部の実施形態では、本開示の方法はFESSの際に実施することができる。一部の実施形態では、患者は以前にFESSを受けたことがない。一部の実施形態では、本開示の方法はバルーン副鼻腔拡大の間に実施することができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、FESSの際に投与することができる。一部の実施形態では、本開示の組成物はバルーン副鼻腔拡大の間に投与することができる。慢性炎症が、細菌感染症によるものであるとしても、クロトリマゾールを含むクリーム剤組成物は、この活性剤はグラム陽性とグラム陰性微生物の両方に対するその抗真菌性活性に加えて抗菌作用を有することが示されているので、有用となり得る。具体的には、クロトリマゾールは、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の減少をもたらし、連鎖球菌(Steptococci)、ブドウ球菌(Staphylococci)、ガルドネレラヴァギナリス(Gardnerella vaginalis)、及びコリネバクテリア(Corynebacteria)に対する抗菌作用を有することが示されている。しかし、以下でさらに詳細に論じられているように、他の抗生剤活性剤が、本開示のクリーム剤組成物において代用されてもよい。一部の実施形態では、患者は検出可能な微生物感染を有さない。他の実施形態では、患者は検出可能な微生物感染、例えば、細菌性又は真菌性の感染症を有する。よって、本開示の組成物及び方法は、検出可能な微生物感染の非存在下で又は存在下で有用であることができる。一部の実施形態では、状態は細菌感染症を含むことができる。一部の実施形態では、状態は少なくとも部分的に細菌感染症によるものであり、バイオフィルムが副鼻腔の又は鼻咽頭の組織の表面に形成されている。一部の実施形態では、状態は真菌感染症を含むことができる。一部の実施形態では、状態は酵母感染症を含むことができる。一部の実施形態では、状態は多微生物性感染症を含むことができる。処置の方法のための前述の実施形態のいずれかでは、疾患又は状態が鼻、副鼻腔又は鼻咽頭の組織のものである場合、組成物は、上顎洞、前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞、上顎粘膜、前頭粘膜、篩骨粘膜、蝶形骨粘膜、鼻甲介、鼻腔、鼻涙管、鼻腔及び鼻の組織に投与することができる。
【0126】
処置の方法のための前述の実施形態のいずれかでは、疾患又は状態が耳の組織のものである場合、本開示の組成物を使用して、耳の組織の様々な状態を処置することができる。例として、ただし限定するものではないが、耳の組織のこのような状態は、疾患、感染症、症状及びこれらの組合せを含むことができる。例として、ただし限定するものではないが、このような疾患又は感染症として、外耳炎、例えば例として、ただし限定するものではないが、急性びまん性細菌性外耳炎(スイマーの耳)、急性限局性外耳道炎(せつ腫症)、外耳の膿痂疹、丹毒、軟骨膜炎、慢性外耳炎、外耳道真菌症、悪性外耳炎、ヘルペス、チューブ耳漏、真珠腫(choleastome)、及び穿孔を伴う中耳炎を挙げることができる。さらなる例として、ただし限定するものではないが、このような疾患又は感染症として、急性中耳炎、急性限局性外耳道炎(せつ腫症)、急性乳様突起炎、聴神経腫瘍、聴覚情報処理障害、自己免疫性内耳疾患、良性発作性頭位めまい症、気圧性外傷、真珠腫(choleasteatoma)、慢性外耳炎、慢性中耳炎、滲出液を伴う慢性中耳炎、めまい、丹毒、耳帯状疱疹、聴覚損失、感染性鼓膜炎、内耳感染症、内耳性眩暈、迷路炎、悪性外耳炎、メニエール病、中耳感染症、中耳炎、滲出液を伴う中耳炎、穿孔を伴う中耳炎、外耳炎、外耳道真菌症、外耳の感染症、穴が開いた鼓膜、軟骨膜炎、再発性前庭神経症、漿液性中耳炎、上半規管裂隙症候群、耳鳴り、チューブ耳漏、回転性めまい、前庭神経症、前庭神経炎、及びウイルス性迷路炎を挙げることができる。他の耳の状態も本発明の組成物で処置することができることを理解されたい。前述の実施形態のいずれかでは、耳の組織は耳介、蝸牛、耳道、エウスタキー管、外耳道、内耳、中耳、外耳、正円窓、半規管、鼓膜、鼓室、耳道組織又は有毛細胞であることができる。
【0127】
処置の方法のための前述の実施形態のいずれかでは、組成物は有効量で投与することができる。処置の方法のための前述の実施形態のいずれかでは、本開示の組成物は、本開示のデバイスを使用して組織に適用することができる。例として、ただし限定するものではないが、本開示の組成物を含有するシリンジを、本開示のデバイスに、コネクターを介して取り付けることができ、デバイスの先端部を、鼻又は耳に挿入して組成物を標的組織に適用することができる。クリーム剤組成物を投与するステップは、組成物の標的組織への適用を可能にする他の適切なデバイスを使用して実施することができることを理解されたい。一部の実施形態では、デバイスは内視鏡で先導することができる。
【0128】
一部の実施形態では、鼻、副鼻腔又は鼻咽頭の組織又は耳の組織の疾患又は状態の処置の方法は、本開示のデバイスを使用して、組成物を組織に投与するステップを含むことができ、組成物は疾患又は状態を処置するのに適している。このような実施形態では、組成物は本開示の組成物に限定される必要はない。このような実施形態では、組成物は有効量で投与することができる。このような組成物がこれらの組織の疾患及び状態を処置するのに適している範囲内に限り、これら組成物は、本開示のデバイスを使用して適用することができることを理解されたい。
【0129】
これらの適用のための医薬組成物及び方法が以下の非限定的例を参照してこれより記載される。
【実施例】
【0130】
[実施例]
以下の実施例は、例示的な、及び例証の目的のために示されており、別途本開示の範囲を限定することは意図されていない。
【0131】
[実施例1]クリーム製剤の製造&物理的安定性の試験
以下の表4で示されているクリーム製剤を、
図1Aで概略されている方法に従って調製した。
【0132】
【0133】
簡潔には、250gのバッチサイズでは、水性(水)相を生成するために、およそ125~150gの水を、液体のおよそ1/2の高さに4-ブレードプロペラを有する400mLビーカーに入れた。2019-10-8のケースでは、グリセリンを添加し、混合を200~300rpmで行って、グリセリンを溶解した。混合プロペラをより低くし、速度をおよそ800rpmに1分かけて上昇させた。ミキサーを次いでオフにし、溶液の層全体に層を散らすことによりカーボポールを添加し、続いて2~5回振動させて(pulsing)カーボポールを湿らせ且つ分散させ、このプロセスを、すべてのカーボポールが添加されるまで繰り返した。混合物を次いで、ビーカーを5~10分おきに回転させながら、800~1000rpmで30分間混合させた。pHを調整することが必要な場合は、1000rpmで混合しながら、希水酸化ナトリウム溶液(約1%)を添加した(pH4、約0グラム;pH5、約20~25グラム;pH6、約35~40グラム、pH7、約45~55グラム)。混合物に次いで、水を所定体積まで適量加え(The mixture was then Q.S. to volume with water)、約30分間混合した。200~300rpmで、ポリソルベート80を次いで添加し、混合物を、ビーカーを5~10分おきに昇降させ、発泡を避けながら、およそ45分間混合した。
【0134】
油相を調製するために、クロトリマゾール、二プロピオン酸ベタメタゾン及びベンジルアルコール以外の水性相を調製するために使用されなかった残りの成分すべてを、撹拌子を有する250mLビーカーに液体からほぼ固体の順序で添加した。混合物を、固体の大半が溶融するまでおよそ15分間混合しながらホットプレートで65+/-5℃に加熱した(設定:80℃、100~350rpm)。撹拌を、75℃の設定で、混合物が均質になるまでおよそ10分間、50~100rpmに遅くした。
【0135】
ディスク状のインペラブレードを水性相容器に加え、混合を最低速度でおよそ5分間行った。水性相を次いで、発泡を引き起こさない最高混合速度(およそ1200+rpm)で62+/-3℃に加熱し、加熱中約30分間待った。抗微生物活性を有する薬剤であるクロトリマゾール、及びステロイドである二プロピオン酸ベタメタゾンを、水性相調製物及び油性調製物のそれぞれに添加し、クロトリマゾール及び二プロピオン酸ベタメタゾンのそれぞれおよそ半分を、水性相(混合をオフにして)及び油相のそれぞれに添加した。各相を次いでさらに10~15分間混合した。
【0136】
400mLビーカー中のブレードを液体の高さの1/2より高くなるように調整し、混合速度をおよそ1800rpmに上昇させて、高剪断を適用した。油相が熱いうちに油相を水性相に添加した。撹拌は、混合ブレードを5~10分おきに昇降させながら、およそ45分間続けた。ベンジルアルコールを、高剪断下、およそ1800rpmで添加した。混合物は、混合ブレードを5~10分おきに昇降させながら、およそ1200rpmで約30分間混合した。水を、蒸発を考慮して添加して、混合物をおよそ10分間混合した。
【0137】
生じたクリーム剤をシリンジに詰め、次いでこれにキャップを付けた。
【0138】
詰められている生じたクリーム剤を、110℃で10分間又は130℃で3分間オートクレーブ処理した。
【0139】
クリーム剤を、オートクレーブ処理後の物理的安定性について目視検査により評価した。オートクレーブ処理したクリーム剤の写真は、
図5A~5Eに示されている。示されているように、組成物2019-10-8は、物理的安定性を保持せず、両方のオートクレーブ条件下で2相に分離した。組成物2019-10-3は、物理的安定性を実際に保持し、いずれのオートクレーブ条件下でも2相に分離しなかった。2つの別個の相がないことが、実施例3に記載されている小球サイズ測定により確認された。組成物2019-10-4も、物理的安定性を保持し、いずれのオートクレーブ条件下でも2相に分離しなかった。2つの別個の相がないことが、同じく実施例3に記載されている小球サイズ測定により確認された。2020-01-Cは、部分的に分離した(
図5A~5Eに示されていない)。
【0140】
[実施例2]グリセリンを含有する組成物における張度(tonicity)の評価
組成物2019-11-1、2019-11-2、2019-11-3及び2019-11-4を、上に記載されているように調製した。これらの組成物の配合は、以下の表5に示されている。
【0141】
【0142】
各組成物のオスモル濃度は、Precision Systems Microosmetteモデル5004又は同等物を使用して測定した。microosmetteを製造者の指示によって較正した。クリーム剤組成物試料は、約1gのクリーム剤を3mL、15mLコニカルチューブそれぞれの中に秤量して入れ、続いて3g、5g又は10gのMilli-Q水を各チューブ中にそれぞれ秤量して入れることにより調製した。試料を2000rpmで少なくとも30秒間ボルテックスし、1800Gで45分間遠心分離した。試料のオスモル濃度を製造者の指示に従って測定した。オスモル濃度を計算するために、クリーム剤の重量分率(各試料におけるクリーム剤の量/試料の合計重量)(x-軸)に対する平均オスモル濃度測定値(y-軸)をプロットし、勾配を得、これが直線の場合は、希釈されていないクリーム剤のオスモル濃度と判定された。
図6に示されているように、組成物のオスモル濃度は、グリセリン含有量に応じて直線的に変動した。したがって、グリセリン含有量は、製剤の張度を調節するために使用され得る。
【0143】
[実施例3]組成物の小球サイズ及び粒子サイズの判定
クリーム製剤では、例えばクリーム剤が水中油エマルジョンである場合、活性成分であるクロトリマゾール及び二プロピオン酸ベタメタゾンは、完全に溶解していなくてもよく、これらの成分の一部の粒子は、クリーム剤マトリックス内に「懸濁されている」。さらに、水性相に分散した油滴は「小球」と呼ばれる。
【0144】
懸濁粒子及び小球のサイズ及び分布は、スタティックマイクロスコープイメージアナライザー(static microscopic image analyzer)(Malvern Morphologi G3S)を使用して測定できる。サイズ分布を判定し、「Dn10、Dn50及びDn90」は、分布内の粒子の10%、50%及び90%が、個数基準でそれより小さくなるサイズを指し示す。したがって、Dn50=2μmは、粒子の50%が、個数基準で2μmより小さいことを意味する。
【0145】
同様に、「Dv10、Dv50及びDv90」は、分布内の粒子の10%、50%及び90%が、体積基準でそれより小さくなるサイズを指し示す。したがって、Dv50=2μmは、粒子の50%が、体積基準で2μmより小さいことを意味する。
【0146】
数平均及び体積平均サイズも報告されている。粒子形状が判定され、アスペクト比及び真円度が報告されている。
【0147】
クリーム剤は、界面張力、分散相の大きい表面積及び2つの相の密度差の組合せに起因する表面エネルギーにおける大幅な増加により、熱力学的に不安定である。内相の液滴は、表面自由エネルギーにおけるかなりの減少と共に合体し得る。したがって、クリーム剤は分離する傾向があり、密度が低い相が上昇し、密度が高い相が下降する。熱に曝露した場合、均質に分布した液滴は凝集し始め、最終的に合体して大きい小球となり、クリーム剤は不安定になり、典型的には相分離が発生する。したがって、小球サイズの測定は安定性を指し示している。クリーム剤を、熱、及び他のストレス条件、例えばオートクレーブ処理に曝露した後に小球サイズが維持されていると、クリーム剤が安定であると実証される。
【0148】
表6は、実施例1に記載されている方法により調製された粒子の小球サイズ分布及び粒子サイズ分布について評価された組成物を示す(2020-01 Cは、「対照」製剤を指す)。
【0149】
【0150】
以下の表7は、オートクレーブ処理の前(「そのまま」)及び後における、表6における製剤についての小球サイズ分布(ミクロン、μmで報告されている)を示す。驚いたことに、本発明の組成物は分離せず、小球サイズは維持された。
【0151】
【0152】
懸濁粒子の粒子成長又は「オストワルド熟成」も、貯蔵中の温度変動に起因する不安定化プロセスである。温度変動は、薬物の溶解度が温度依存性である場合、粒子サイズ分布を変化させ得る。例えば、温度が上昇する場合、未溶解の薬物結晶は溶解し得、過飽和溶液を形成し得、これは冷却時に結晶成長を促進する。溶解した薬物が溶液から結晶化するとき、懸濁液中で結晶の表面で優先的に発生する。
【0153】
表8は、オートクレーブ処理の前(「そのまま」)及び後における、表6における製剤についての粒子サイズ分布(ミクロン、μmで報告されている)を示す。驚いたことに、本発明の組成物は、粒子サイズを維持し、粒子サイズ成長は観察されなかった。
【0154】
【0155】
比較目的のために、オートクレーブ処理されていない2つの市販品についての小球サイズ分布及び粒子サイズ分布(それぞれミクロン、μmで)が、表9及び10で示されている。
【0156】
【0157】
【0158】
[実施例4]滅菌中の化学的安定性
前記実施例に記載されているように調製した代表的ロットを、4つの異なる構成で詰め、オートクレーブ又はガンマ照射(15kGy線量)により滅菌した。試料の説明及びオートクレーブ条件は、以下の表に記載されている。クリーム剤は、試験のためにBecton Dickensonシリンジ(ゴムプランジャー)、NormJectシリンジ(ポリエチレンプランジャー)又はScintillationバイアル(ガラス)のいずれかに詰めた。一連の試料をScintillationバイアルに詰めて、クリーム剤がゴムと密接に接触するように5つのゴムストッパーを取り付けた。これらの異なるパッケージング構成は、クリーム剤の化学的安定性に対するゴムプランジャー及びシリンジ材料の影響を調査するために選択された。
【0159】
試料は、HPLCを使用して、滅菌プロセス前後におけるクロトリマゾール及びベタメタゾンの化学分解物について分析される。プレドニゾン内部標準(IS)ストックは、約25mgのプレドニゾンを、約2/3までエタノールを入れた25mLメスフラスコに添加し、続いて音波処理し、フラスコをエタノールで完全に満たして、1000μg/mLストック溶液を得ることにより調製する。ストック溶液は、4mLのストック溶液を100mLメスフラスコに移すことにより希釈され、エタノールで所定体積まで希釈して、内部標準溶液を得る。二プロピオン酸ベタメタゾンストック溶液は、25mLメスフラスコ中で、約33.4mgの二プロピオン酸ベタメタゾンを使用して、同様に調製される。
【0160】
作業用標準溶液(working standard solution)は、50mLメスフラスコ中で、1mLの内部標準溶液及び4mLの二プロピオン酸ベタメタゾンストック溶液を混ぜ合わせて、約167mgのクロトリマゾール及び約150mgのベンジルアルコールを添加し、エタノールをフラスコの約2/3入れることにより調製される。フラスコに、次いでエタノールを所定体積まで入れ、十分に混合する。
【0161】
チェック標準(check standard)は、約33.4mgのクロトリマゾールを、メタノールを約2/3入れた10mLメスフラスコに添加し、これを混合し、次いでフラスコを満たすのに十分な体積のメタノールを添加し、続いて十分に混合することにより調製される。
【0162】
クロトリマゾール関連化合物A(RCA)ストック溶液は、約21gのRCAを、メタノールを約2/3入れた25mLメスフラスコに秤量して入れ、続いて混合し、フラスコを所定体積まで満たすことにより調製される。曲線溶液(curve solutions)は、8mL、5mL、4mL、5mL及び1mLのRCAストック溶液をそれぞれ25mL、25mL、25mL、50mL及び25mLメスフラスコに添加し、メタノールを所定体積まで添加することにより調製される。メタノールを添加する前に、1mLのISストック溶液を50mLフラスコ中の5mLストックに添加する。希釈スキームは、以下の表11に示されている:
【0163】
【0164】
RCA及び他の標準に対する検量線は、HPLC手順を使用して作り出し、ピーク面積を濃度と相関させるために使用する。
【0165】
クリーム剤組成物は、HPLC用に、2g(+/-0.2g)のクリーム剤を50mL遠心管中に秤量して入れることにより調製される。3mLのエタノールが、各管並びに3mLの内部標準溶液に添加される。管を次いで約30秒間ボルテックスして、内容物を分散させる。試料を次いで70℃オーブンに15分間入れて、クリーム剤を溶解する。試料を、次いで直ちに少なくとも30秒間ボルテックスする。管を次いで室温の振とう機に400rpmで20分置く。振とうした後で、管を3000G及び4℃で30分遠心分離する。上澄みを次いで収集し、3mLシリンジに移し、HPLC分析のために必要な場合は濾過する。不活性成分からの分解物ピークを除外するために、活性成分を含まないクリーム剤の対応するロットで同じことを行う。
【0166】
HPLCは、0.5mL/分流速、並びに移動相として:A.リン酸アンモニウムバッファー、pH7.0+/-0.1、B.メタノール、及びC.アセトニトリルを使用し、表12に示されている以下のグラジエントを使用して、45分の実行時間で行う:
【0167】
【0168】
注入体積は3μLであり、試料温度は周囲温度であり、検出器の波長は254nm(データは270nmのみで情報のために収集した)であり、カラム温度は35℃であり、カラムは、Thermo Hypersil ODSカラム(150×3mm、3μm)であり、ガードカラムは、Thermo ODSガードカートリッジ(30×3mm、3μm)又は同等物であった。
【0169】
パーセンテージ面積は、クロマトグラムからの分析物及び関連した分解物のピークの合計面積から、クロマトグラムからの分析物のピークの面積を引くことにより算出される。
【0170】
[実施例5]pH、粘度及びオスモル濃度試験
いくつかの市販の製剤のpHは、標準方法を使用して測定したものであり、結果は以下の表13に示されている。
【0171】
【0172】
本開示のクリーム剤組成物のpHは、1000Gで2分の遠心分離後にそのままクリーム剤試料(約2グラムのクリーム剤)で行うか、又は、15mLコニカルチューブ中、5グラムの水中の約1グラムのクリーム剤から調製し、その後クリーム剤及び水の分離が観察されなくなるまで、2000rpmで少なくとも30秒間ボルテックスしたクリーム剤の1:5希釈物で行う。
【0173】
先述の実施例に記載されているように調製した3ロットのクリーム剤の粘度は、スピンドル28及び試料チャンバ、並びにウォータージャケット13Rを使用し、少量試料アダプター(small sample adapter)を使用する、0.3~1rpm(剪断速度)のBrookfield RVDVII+を使用して測定した。粘度は、回転速度及び10%から100%の間のトルクを設定することにより測定した。粘度を次いで異なる回転速度で読み取った。粘度は、表14においてcPs(センチポアズ)で報告されている。
【0174】
【0175】
図7A及び7Bは、試験される製剤の粘度に対する剪断速度及びオートクレーブ温度の効果をそれぞれ示す。
図7Bにおけるデータは、0.3rpmで得た。
【0176】
いくつかの市販製剤の粘度は、標準方法を使用して測定したものであり、結果は以下の表15に示されている。
【0177】
【0178】
いくつかの市販製剤のオスモル濃度は、標準方法を使用して測定したものであり、結果は、以下の表16に示されている。
【0179】
【0180】
追加の組成物は、以下の製剤に基づいて実施例に記載されているように調製した:
【0181】
【0182】
ロット2020-07-06では、本開示に記載されているように、製造の終わりにpHを調整した。各製剤の粘度は、前述のようにBrookfield RVDVII+を使用して測定した。ロット2020-07-05の粘度も、25.0+/-0.1℃で10~100%のトルクでスピンドルCP52を有するBrookfieldレオメーターDV3T CPレオメーターを使用する円錐-平板法を使用して測定した。簡潔には、0.5mLの製剤を試料カップに添加し、プログラムを0.3RPM、0.6RPM、1.5RPM、3RPM、6RPM、12RPM、30RPM又は60RPMで実行した。製剤の試料も、110℃で10分間オートクレーブ処理し、無菌製剤の粘度は、前述のようにBrookfield RVDVII+を使用して測定した。
【0183】
粘度測定の結果は、以下の表18及び19に示されている。
【0184】
【0185】
【0186】
試験された組成物の性質の要約は、以下の表に示されている:
【0187】
【0188】
[実施例6]モルモットにおける聴器毒性試験
耳鏡検査により誘導される鼓室内(IT)注入を、モルモットで行い、続いて被験物(2020-01-01、先述の実施例で調製したもの、pH5、EDTAを含む)の、中耳からのクリアランスの分析を行った。
【0189】
聴力を、左耳において、聴性脳幹反応(ABR)閾値(4、10、20kHz)を使用してベースラインで評価した。動物16匹(雄8匹及び雌8匹)に、被験物の50μL注入剤を両側に投与し、動物8匹(雄4匹及び雌4匹)に、生理食塩水の50μL注入剤を両側に投与した。被験物を投与した動物16匹を、8つの注入後生存時点(1、3、5、7、10、14、21及び28日目)に無作為化し、このとき、ABR閾値(4、10、20kHz)を使用して、左耳における聴力を再度評価した。対照動物は、1日又は28日時点で生存させ、同じくABR閾値を使用して評価した。各時点の後で、関連性がある動物を屠殺し、両側のブロストミー(bullostomy)を実施して、各中耳の検査を可能とし、クリーム剤及び浮腫又は紅斑が存在することを記録した。
【0190】
IT注入は、鼓膜(TM)付近の耳道に入れた1.9mm内視鏡により、注入の前、注入中及び流入後のTMの可視化及び画像キャプチャーを行いながら実施した。注入は、Becton Dickinson Exespine 0.5mm×90mmスパイナル針(spinal needles)を使用して行い、このスパイナル針はTMを貫通させるために面取りされているが、下層構造への損傷の可能性を低下させるために短いシャンク(shank)を有する。面取りしていない先端部と、面取りした先端部との対比は、
図8に示されている一方、注入装置(set-up)は、
図9A~9Bに示されている(6=定位的に設置されたマイクロインジェクションシリンジ;7=マイクロインジェクションシリンジ;及び8=マイクロインジェクション制御システム)。
【0191】
注入は、World Precision Instrumentsマイクロインジェクションシステムを使用して、50μLの正確な体積の被験物クリーム剤又は生理食塩水のいずれかを10秒かけて送達した。
【0192】
両側の耳鏡検査を、注入直前及び注入直後に、また、7日まで行い、剖検において再度行った。
【0193】
ABR試験の結果は、閾値としてのABRにおけるシフトを含めて、以下の表に示されている。
図10は、生存期間の関数としてベースラインからの平均閾値シフトを示し、閾値が、生理食塩水で処理した耳と同様にほぼ正常なレベルに戻ったことを実証している。
【0194】
【0195】
サイトコクレオグラム(Cytocochleograms)を、1、7、21及び28日目の時点でTA及び生理食塩水で処置した蝸牛である、8例の蝸牛で実施した。蝸牛を、蝸牛の最末端基底部における損傷について定性的に評価し、内有毛細胞(IHC)及び外有毛細胞(OHC)の数について定量的に評価した。表4は、各対象での未処理IHC及びOHC数を示す。IHC数は、3つの周波数領域すべてにわたって、生理食塩水で処置した動物で合計61~65、また、TAで処置した動物で61~62の範囲であった。合計OHC数は、3つの周波数領域すべてにわたって生理食塩水で処理した対照で211~224、また、TAで処置した試料で220~227の範囲であった。周波数に特有の有毛細胞減少の証拠は、定量的な有毛細胞数の評価では見出されなかった。特定の可聴周波数位置での定量的な評価に加えて、蝸牛の最末端基底部の定性的な評価も、低倍率の画像を使用して実施した。TAで処置した#18Fを除いていずれの試料でも、この最末端基部領域における有毛細胞減少の定性的な証拠は明らかにならなかった。しかし、この試料の最末端基部セクションも、外有毛細胞のすべてを切断する大きな切開損傷(dissection damage)を有しており、残った内有毛細胞のみを評価した。残った内有毛細胞のうちでは、中等度の有毛細胞減少があるように見える。しかし、試料サイズが小さく、蝸牛のこの部分が切開で損傷していることを考慮すると、この定性的観察は人為的なものである可能性がある。
【0196】
以下の表22は、サイコクレオグラムの有毛細胞数の結果を示す。これらの結果は、被験物が、有毛細胞減少を引き起こさなかったことを実証する。
【0197】
【0198】
図11は、被験物(灰色バー)群及び生理食塩水(黒色バー)群に対する、すべての動物における各周波数範囲にわたる平均聴覚有毛細胞数(200μm当たり)を示したものである。
【0199】
図12は、28日生存した動物での中耳の静止画像を示したものであり、1匹は生理食塩水を用い(上の段)、2匹は被験物を用いた(中央及び下の段)。示されているように、生理食塩水で処置した動物の両耳は正常と思われ、流体を視認できない。28日目に、片方の耳は正常であると思われ(中央の段、左側)、小骨上に少量だけクリーム剤がある。他の3つの耳は、中耳空間の大部分(空隙は約20~30%)をゲル状塊が満たしていた。これは、ゲル状塊が(TM、小骨、蝸牛及び周囲壁への)接着を含む21日目の動物での所見と同様であり、これにより周囲組織から切開することが困難になったが、21日目に対し28日目では、ゲル状塊にさらなる空隙が生じたようである。ゲル状塊のコンシステンシーは、2つの時点の間で同様であった。処置後の耳道の軽微な紅斑及び炎症(典型的には処置後約21日目までに治まった)が、腫れあがってTMを可視化できなかった動物#032-07の右耳を除き、観察された。
【0200】
[実施例7]クロトリマゾール/ベタメタゾンを有する、及び有さないクリーム剤の微生物の試験
先述の実施例に記載されているクリーム剤組成物2020-01-01及びプラセボ組成物2020-01-04を、抗微生物有効性についてUSP 51により評価した。そのままの濃度(full strength)でのUSP 51試験の微生物5種に対する各組成物での結果は、以下の表23~28に示されている。
【0201】
【0202】
【0203】
【0204】
【0205】
【0206】
[実施例8]副鼻腔炎患者におけるヒト臨床試験
副鼻腔炎を処置するクリーム剤の安全性及び有効性プロファイルを評価するため、本開示のクリーム剤を使用したヒト臨床試験を行う。治験医薬品は、0.9%ベンジルアルコール、ポリソルベート80、グリセリン、EDTA二ナトリウム、カーボポール980、ステアリン酸ポリオキシル40、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ワセリン、Span 20、水酸化ナトリウム及び水(グリセリンが1.65%(w/w)で使用されることを除いて表28と同一の製剤)を含有する二プロピオン酸ベタメタゾンクリーム剤(0.05%、0.5mg/g)である。クリーム剤は、4インチの可撓性チップアプリケーターを使用して適用し、これは、内視鏡の助けを借りて適用されるクリーム剤を予め充填したシリンジに取り付けられている。
【0207】
クリーム剤は、制御された室温で貯蔵される。
【0208】
FESS後の、18歳から80歳、副鼻腔炎と診断され、少なくとも30日継続してコントロール不良の(uncontrolled)症状を有する患者50名程度を登録する。すべての患者は、以前に両側篩骨洞手術及び上顎洞フィステル形成術を受けている。1回用量5ccのクリーム剤を、左及び右の炎症性副鼻腔粘膜に載せる(合計10cc)。これは、片側当たり1.288mgの二プロピオン酸ベタメタゾン又は合計2.576mgの二プロピオン酸ベタメタゾンに相当する。評価及び安全性評価のためのフォローアップは、適用後5日目及び21日目とする。患者は、スクリーニングとクリーム剤の適用との間に7日の導入期間(run-in period)を経て、処置前に疾患状態を測定する。
【0209】
組み入れ基準は、以下を含む:
1. 男性又は非妊娠、非授乳中の女性、年齢18歳から80歳。
2. 過去20年以内、但し6カ月以上前に両側篩骨洞手術及び上顎洞フィステル形成術。
3. 少なくとも30日継続してコントロール不良の症状のエピソードを有する、副鼻腔炎の増悪の臨床診断。篩骨及び上顎骨の両方が処置される。
4. 0から3のスケールの「主」症状のうち、少なくとも2つにおいてスコア≧2。
5. 0から3の「主」症状の閉塞及び鼻づまりスケールでスコア≧2。
6. 粘膜浮腫を呈さなければならない。
7. 医師の評価による、クリーム剤の配置に干渉しない軽度以下のポリープ量(polyp burden)。
8. スクリーニングの最低1カ月前に、局所コルチコイド噴霧又は灌注の少なくとも1回の試行。
9. インフォームドコンセントを理解及び署名付きで提供することが可能である。
10. 妊娠可能な女性は、スクリーニングで尿妊娠試験の陰性を示さなければならず、許容できる避妊法の使用に同意しなければならない。
11. 試験の実施中、副鼻腔の水浸漬を控えることに同意する。
12. 眼用ステロイド性又は非ステロイド性抗炎症薬、及び喘息又は副鼻腔炎用の生物製剤の慢性的使用を、スクリーニングから終了時の来院まで控えることに同意する。抗アレルギー性薬は、患者がスクリーニングから終了時の来院まで一貫した用量で抗アレルギー薬を続ける場合にのみ許可される。
13. 鎮痛剤又は他の非ステロイド含有維持薬物(例えば関節炎で)を服用している患者は、登録前に用量が少なくとも8週間安定しており、試験期間中も安定していることを条件として、本試験で許可される。
14. 通常活動的であり、その他病歴及び身体検査に基づいて一般的に良好な健康状態であると判断される(治験責任医師の意見で)。
15. 来院スケジュール及びプロトコール要件を守ることが可能であり、試験全体を完了することが可能である患者及び/又は介護者。
【0210】
除外基準は、以下を含む:
1. 試験期間中に妊娠している、授乳中又は妊娠することを望む女性。
2. 30日未満の副鼻腔炎の現在のエピソードの兆候及び症状。
3. コントロール不良の喘息。
4. 糖尿病、免疫不全、副腎皮質ステロイドにアレルギー又は不耐性、経口ステロイド依存状態、急性細菌性副鼻腔炎の臨床的証拠又は侵襲性真菌性副鼻腔炎の臨床的証拠の病歴。
5. 緑内障若しくは高眼圧症、グレード+3以上の白内障の存在、又は後嚢下白内障(posterior subscapular cataract)の存在の病歴又は診断。
6. 副鼻腔炎の増悪以外の、臨床的に診断された副鼻腔-鼻腔疾患(例えば、副鼻腔-鼻腔領域の先天異常、閉塞性骨外骨腫又は腫瘍、水痘及び単純ヘルペス感染を含む上気道感染症、蜂巣炎)。
7. 二プロピオン酸ベタメタゾン又は局所麻酔の過敏症が既知又は疑われる。
8. 局所的な副鼻腔異常、例えば膿瘍、鼻中隔穿孔、又は鼻ポリープによる重度の鼻閉であって。罹患した副鼻腔へのアクセス若しくはその可視化が不可能な場合。
9. 処置後5日間、鼻薬、すすぎ又は噴霧の使用を中断する意思がない。
10. 罹患した副鼻腔において、試験エントリーから3カ月以内に、事前の副鼻腔手術。
11. 鼻又は副鼻腔に任意のタイプのデバイス(例えば、PROPEL)を有する患者。
12. 患者が試験から退出した後に治験責任医師により処方される場合を除き、試験の期間中、クリーム剤の適用後における鼻又は副鼻腔における外科手術。
13. 以前この試験に登録したことがある。
14. 全身又は局所免疫抑制薬又は免疫調節物質(例えば、アザチオプリン、インフリキシマブ、カルシニューリン阻害剤)。
15. 治験責任医師の判断において、インフォームドコンセントを提供する、若しくは試験の指示に従う能力を妨げる、又は試験結果の解釈を混乱させ得る、又は患者を過度の危険にさらし得る重大な精神的状態又は精神的・心理状態。これは、最近(過去12カ月以内)の病歴、又はアルコール若しくは物質乱用の高い可能性を含むべきである。
16. 非試験薬物、例えばアセトアミノフェン又はイブプロフェンが、疼痛に使用され得る。そのような使用はすべて、試験スタッフに報告されるべきである。
【0211】
安全性評価は、試験期間(各患者で終了時の来院まで)に収集されるAEを記録することを含む。この報告群は、試験薬物を投与されたすべての参加者を含む。AEは、試験の患者及び/若しくは介護者から募ったコメント、又は試験の治験責任医師による観察として得られる。これは、重篤な有害事象(SAE)の報告も含む。
【0212】
スクリーニング及び各来院(clinic visit)では、ENT(頭頸部)の診察を実施する。
【0213】
6名の患者をPK試験に登録する。血漿中薬物濃度を、処置前、次いで投与後24時間又は判定される時間に測定する。
【0214】
患者は、午前8時から9時の間に試験を開始して、朝の血清コルチゾール及び/又はACTHレベルを試験する必要がある。コルチゾールレベルは、処置の来院時の投与前、次いで投与後5日目、及び投与後21日目の終了時の来院の際に測定される。
【0215】
眼圧(IOP)は、スクリーニング及び終了時の来院の際に測定される。IOPは、試験への登録において、正常(12~22mmHg)である必要がある。
【0216】
クリーム剤の保持は、もはや視認できなくなるまでPK患者で毎日、また、すべての患者で5日目及び21日目に測定される。副鼻腔におけるクリーム剤の有無は、内視鏡検査を介して評価される。
【0217】
4種の主症状スコア日誌を、7日間の導入期中、終了時の来院まで患者に毎日書記入させる。「主」症状は、閉塞及び鼻づまり(Obstruction and Congestion)、顔面痛及び圧迫感(Facial Pail and Pressure)、鼻汁、及び嗅覚消失である。これらの症状は、0はなし、1は軽度、2は中等度及び3は重度として、患者により毎日報告される。処置前の7日間全体の平均、及び終了前の7日間全体の平均における変化は、有効性の主要尺度である。有効性の診査尺度(exploratory measure)は、処置前及び終了時の来院の際の患者により完了する共通の副鼻腔-鼻腔症状に対する視覚的アナログスケール(VAS)における変化である("Cardinal" symptoms or Doulaptsiら、Visual analogue scale for sino-nasal symptoms severity correlates with sino-nasal outcome test 22: paving the way for a simple outcome tool of CRS burden. Clin Transl Allergy、2018年;8:32頁)。有効性の追加の診査尺度は、無関係な盲検化された医師3名によるビデオ評価に基づく、改定Lund Mackay内視鏡検査法スコア(処置前対21日目)における変化である(Snidvongsら、Modified Lund Mackay Postoperative Endoscopy Score for defining inflammatory burden in chronic rhinosinusitis. Rhinology、52:53~59頁、2013年)。
【0218】
経鼻内視鏡の使用を介して、副鼻腔に存在するクリーム剤の量を、以下のスケールで格付けする:視認可能(任意の量)及び視認不可能。これは、最初の患者6名で毎日、また、すべての患者で治験来院5日目及び終了時の来院の際に測定される。
【0219】
[実施例9]外耳道真菌症が確認された、又は疑われる患者における第2相臨床試験
クロトリマゾール(1%)/ベタメタゾン(.025%)の組合せクリーム剤、クロトリマゾール(1%)クリーム剤、ベタメタゾン(0.025%)クリーム剤又はシャム(空気注入)の単回用量(single dose)の、多施設、シャム対照、二重盲検、前向き、無作為化第2相臨床試験を使用して、外耳道真菌症が確認された、又は疑われる患者を処置する。
【0220】
患者は、4種の処置群に分類される:第1群は、処置される耳当たり15mgクロトリマゾール及び0.375mgベタメタゾンの確立された最大潜在用量以下でクロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤を投与され;第2群は、処置される耳当たり15mgクロトリマゾールの確立された最大潜在用量以下でクロトリマゾールクリーム剤を投与され;第3群は、処置される耳当たり0.375mgベタメタゾンの確立された最大潜在用量以下でベタメタゾンクリーム剤を投与され;第4群は、シャム(空気)処置を投与される。クリーム剤のそれぞれは、提示されている開示に記載されているように製剤化される。
【0221】
第1~3群は、必要に応じて外耳道(EAC)を洗浄し、クリーム剤を1回適用してEACに充填する。第4群は、必要に応じてEACを洗浄し、EACに空気を適用する。試験参加者は、評価のために処置後10+/-1日目に来院する。主要有効性は、クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とシャム(空気)処置とを比較するために、紅斑、浮腫、耳漏及び圧痛の完全な消散について、盲検化された評価者により判断される、塗布後10+/-1日目の兆候及び症状の消散に基づいて評価する。評価される第2の目的は、以下を含む:
1. クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とクロトリマゾールクリーム剤とを比較するために、紅斑、浮腫、耳漏及び圧痛の完全な消散について、盲検化された評価者により判断される、処置後10+/-2日目の兆候及び症状の消散。
2. クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とベタメタゾンクリーム剤とを比較するために、紅斑、浮腫、耳漏及び圧痛の完全な消散について、盲検化された評価者により判断される、処置後10+/-2日目の兆候及び症状の消散。
3. クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とシャム(空気)処置とを比較するために、日誌を介して患者により報告された、かゆみの消散までの時間。
4. クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とクロトリマゾールクリーム剤とを比較するために、日誌を介して患者により報告された、かゆみの消散までの時間。
5. クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とベタメタゾンクリーム剤とを比較するために、日誌を介して患者により報告された、かゆみの消散までの時間。
6. クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とシャム(空気)処置とを比較するために、日誌を介して患者により報告された、疼痛の消散までの時間。
7. クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とクロトリマゾールクリーム剤とを比較するために、日誌を介して患者により報告された、疼痛の消散までの時間。
8. クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とベタメタゾンクリーム剤とを比較するために、日誌を介して患者により報告された、疼痛の消散までの時間。
9. クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とシャム(空気)処置とを比較するために、紅斑、浮腫、耳漏及び圧痛について盲検化された評価者により判断され、患者との症状のレビューにより判断される、治癒判定(TOC)の来院でさらなる処置が不要と定義される臨床的治癒。
10. クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とクロトリマゾールクリーム剤とを比較するために、紅斑、浮腫、耳漏及び圧痛について盲検化された評価者により判断され、患者との症状のレビューにより判断される、治癒判定(TOC)の来院でさらなる処置が不要と定義される臨床的治癒。
11. クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とベタメタゾンクリーム剤とを比較するために、紅斑、浮腫、耳漏及び圧痛について盲検化された評価者により判断され、患者との症状のレビューにより判断される、治癒判定(TOC)の来院でさらなる処置が不要と定義される臨床的治癒。
12. クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とシャム(空気)処置とを比較するための、真菌の除菌。
13. クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とクロトリマゾールクリーム剤とを比較するための、真菌の除菌。
14. クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とベタメタゾンクリーム剤とを比較するための、真菌の除菌。
15. クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とシャム(空気)処置とを比較するための、細菌の除菌。
16. クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とクロトリマゾールクリーム剤とを比較するための、細菌の除菌。
17. クロトリマゾール/ベタメタゾンクリーム剤とベタメタゾンクリーム剤とを比較するための、細菌の除菌。
18. 報告されている有害事象に基づく安全性。
【0222】
患者260名を試験に登録し、患者は、8歳以上であり、外耳道真菌症と診断され(疑われ、又は確認され)ており、すべての組み入れ/除外基準を満たす。患者は、10+/-2日目(治癒時間(TOC))に処置の有効性の評価のため来院する。患者又は介護者は、処置される耳における疼痛及びかゆみによる不快感を、疼痛スケール:疼痛なし、軽度の疼痛、中等度の疼痛、重度の疼痛、極度の疼痛から考えられる最悪の疼痛までに従って、並びにかゆみスケール:かゆみなし、軽度のかゆみ、中等度のかゆみから重度のかゆみに従って、自宅で日誌に記録する。疼痛及びかゆみが休止する時点は、疼痛及びかゆみがなくなり(朝又は夕方)、それ以降の日誌エントリーのいずれにおいても再発しない最初の時点と定義される。
【0223】
試験の組み入れ基準は、以下を含む:
1. 男性又は非妊娠、非授乳中の女性、少なくとも年齢8歳。
2. 片側又は両側外耳道真菌症の臨床診断(疑われる又は確認されている、真菌/酵母を含む多微生物性でもあり得る)。
3. 圧痛、耳漏、紅斑及び浮腫についてのスクリーニングの来院での、少なくとも一方の罹患した耳において、複合数値重症度スコアが≧4。各測定値は、以下のようにスコア付けされる:0=なし[いかなる兆候又は症状もまったく存在しない]、1=軽度[わずかな/検出可能な]、2=中等度[明確に存在する]、3=重度[顕著な、激烈な]。両側外耳道真菌症を有する患者では、片耳のみこの基準を満たさなければならず、両耳を群無作為化に従って評価、培養、処置を同一に行う。
4. 許容できる避妊法を使用することに同意する、スクリーニングにおいて妊娠可能な女性。
5. 試験の実施中に耳の水浸漬を控えることに同意する。
6. 鎮痛剤又は他の非ステロイド含有維持薬物(例えば関節炎用)を服用している患者は、登録前に用量が少なくとも8週間安定しており、試験期間中も安定していることを条件として、本試験で許可される。
7. インフォームドコンセントを理解及び署名付きで提供することが可能である。18歳未満の患者の親又は法定後見人も、試験参加前に、文書によるインフォームドコンセントを読み、署名していなければならない。
8. 通常活動的であり、その他病歴及び身体検査に基づいて良好な健康と判断される(治験責任医師の意見で)。
9. 来院予定及びプロトコール要件を守ることが可能であり、試験全体を完了することが可能である患者及び/又は介護者。
【0224】
除外基準は、以下を含む:
1. 現在、悪性外耳炎との診断。
2. クロトリマゾール、二プロピオン酸ベタメタゾン又は試験薬物の他の成分に対する過敏症又はアレルギーが既知又は疑われる。
3. 耳道膿瘍。
4. ある型の糖尿病との診断。
5. 耳栓、ヘッドホン又はイヤホンを使用し、試験期間中にそれらの使用を中断する意思がない患者。
6. 試験エントリーの1年以内に、罹患した耳における事前の耳科手術。
7. 試験処置前に、全身性抗菌薬の使用中断不能。
8. 現在又は以前(3日間以内)に、罹患した耳の外耳道における局所的な酢、アルコール又は他の収斂剤の使用。
9. 全身性グルココルチコイドの使用。
10. 処置される耳における、試験期間(スクリーニングからTOC来院まで)にわたる聴力デバイス又は耳ウィックの使用中断不能。
11. この試験に以前に登録したことがある。
12. PIの判断において、インフォームドコンセントを提供する、若しくは試験の指示に従う能力を妨げる、又は試験結果の解釈を混乱させ得る、又は患者を過度の危険にさらし得る、ある重大な医学的又は精神的/精神医学的状態。
13. 治験薬若しくはデバイスの試験に現在登録しているか、又は本試験へのエントリーの30日以内にそのような試験に参加。
14. 首席治験医師が、患者は参加すべきではないと考える何らかの理由。
【0225】
各治験来院中、スコアは、上に記載されているスコアリングシステムを使用して、以下の兆候及び系のそれぞれについて記録される。兆候:耳珠及び耳介の圧痛、浮腫、耳漏及び紅斑。症状:患者により報告されているかゆみ及び疼痛。
【0226】
最初の治験来院で、過去の耳科的(ontological)病歴(例えば耳鳴、乳突洞削開、難聴、再発性外耳炎、過去の鼓膜切開術)を含めて、患者の病歴を得る。外耳道真菌症に関連した兆候及び症状の発生の日付、並びに任意の併用薬を記録する。頭頸部検査も実施する。罹患した耳の臨床評価も、兆候及び症状について上に記載されているように行われる。培養検体もEAC壁から収集される。EACの機械的清浄を、必要な場合は行う。処置は、患者が配置された群に従って適用される。
【0227】
患者又は介護者は、かゆみ及び疼痛の重症度、並びに各疼痛に使用される任意の鎮痛剤を1日2回記録する。何らかの有害事象も記録する。
【0228】
患者を、処置後10+/-2日目(TOC)で臨床的に評価する。残留した試験薬物は、存在する場合は除去する。盲検化された医療専門家は、患者を検査し、兆候を上に記載されている4ポイントスケールに従って記録する。かゆみ及び疼痛は、患者の報告に基づいて評価する。培養検体は、EAC壁から収集する。
【0229】
[実施例10]局所吸収(Absorportion)及び忍容性(tolerance)試験
0.05%(w/w)二プロピオン酸ベタメタゾンを含有する本開示の組成物は、ヒツジモデルで試験して、局所吸収及び忍容性を評価する。
【0230】
メリノヒツジ6匹に、全身麻酔下で、両側前頭穿孔術(bilateral frontal trephination)(ドリル孔を通した、両方の前頭洞への小さい金属カニューレの配置)を行う。ヒツジを無作為化して、片方の前頭洞に試験製剤、及び反対側の前頭洞に生理食塩水対照を投与して、処置した前頭洞を無作為化する。試験製剤を投与して、クリーム剤が鼻腔に現れるまで前頭洞全体に充填する。投与された体積を測定する。トレフィンを除去し、皮膚をドリル孔上で閉じる。
【0231】
ヒツジを檻(pens)の中で回復させ、一般的な健康状態をモニターする。鼻汁を1日2回記録する。
【0232】
血液をヒツジから、例えば投与前、投与後1、2、6、24、48及び72時間で、薬力学的及び薬物動態学的分析のために収集する。これらの時点、及び場合によって追加の時点のいずれかで、血液試料を収集して、ACTH及び/又はコルチゾールレベルを測定する。
【0233】
ヒツジを、投与から10日後に安楽死させる。盲検化された獣医病理学者により、巨視的評価及び病理組織学について前頭洞組織を評価する。巨視的評価では、粘膜の完全性及び粘膜刺激の肉眼的評価を、スケールに従って定性的に行い、写真を撮る。いずれかのクリーム剤の残りを観察し、定性的手段で評価し、写真を撮る。病理組織学では、走査電子顕微鏡法を、前頭洞粘膜の線毛及び密着結合の形態を評価するために行う。パラフィン包埋による病理組織学も、ヘマトキシリン及びエオシン染色により行う。上皮層を、完全性及び化生の兆候について評価する。粘膜を、炎症及び線維症について評価する。
【0234】
[実施例11]膜拡散及び透過性の試験
本開示の組成物の拡散性及び保持性を、死体皮膚及び粘膜で試験する。組成物は、様々な量の二プロピオン酸ベタメタゾンである。死体皮膚及び切除した鼻粘膜を通した薬物透過を、HPLCにより測定した。活性剤を有する組成物、及び活性剤を有さない組成物の両方を試験する。
【0235】
皮膚を通した透過は、Franz拡散セル中で、手術で切除した新鮮なヒト皮膚を使用して測定する。適用される用量の効果も評価した(用量=0.2g、0.5g及び1g、n=6及び対照でn=3)。試料を、レセプター液から0.5、1、2、4、6、8、12、24及び48時間で抜き取った。HPLC分析を行って、実施例4に記載されているように薬物を測定した。統計解析は、非正規分布データ(α=0.05)についてWilcoxonの順位和検定を使用して行った。
【0236】
鼻粘膜を通した透過を、Franz拡散セルにおいて、切除した新鮮なウシの鼻粘膜で測定した。1gまでの用量を試験した。試料を、レセプター液から0.5、1、2、4及び6時間で、及び場合により8、12、24及び48時間で抜き取った。HPLC分析を行って、実施例4に記載されているように薬物を測定した。統計解析は、非正規分布データ(α=0.05)についてWilcoxon順位和検定を使用して行った。
【0237】
%透過は、ウシの鼻粘膜で、0、0.5、1、2、4及び6時間のすべての時点(8、12、24及び48時間の時点でn/a)で定量の限界値未満(<45ng/mL)、また、ヒトの皮膚で0、0.5、1、2、4、6、8、12、24及び48時間のすべての時点で定量の限界値未満であることが見出された。これは、クリーム剤組成物の局所効果を指し示す。
【0238】
[実施例12]製剤の製造
表28に示されている以下の組成を有する二プロピオン酸ベタメタゾンクリーム剤の代替製剤を調製した。
【0239】
【0240】
上の製剤を、製剤開発から製造スケールにスケールアップした(2000g)。
【0241】
水相の調製
実験室スケールのプロセスは、400mLビーカーに小分けしたおよそ125~150gの水で始めると報告されている。4ブレードプロペラを有するオーバーヘッドミキサーを使用して、水の混合を200~300rpmで始めた。EDTA及びグリセリンを添加して溶解し、ミキサー速度を約800rpmに約1分かけて上昇させた。ミキサーをオフにし、カーボポールを表面に散らすことによりゆっくり添加し、少量の添加の間にミキサーを2~5回振動させて材料を湿らせる。すべてのカーボポールを添加したら、800~1000rpmでの混合を30分間再開させ、ビーカーを5~10分おきに回転させた。徹底的に混合したら、pHを試験し、必要に応じて1%NaOH溶液を使用して調整して、pH6の目標に到達させた。混合物に水を適量加え、約30分間混合した。ミキサーを次いで200~300rpmにセットし、ポリソルベート80を慎重に添加して、発泡を避けた。一層徹底した混合を確実にするために、容器を5~10分おきに上下に動かして(「ミルクセーキ」の混合)、混合を約45分続けた。
【0242】
pH調整のために過剰な1%水酸化ナトリウム溶液を添加しなければならないことは、生成物を過剰に希釈する危険を冒す可能性があり、これを避けるために、2%水酸化ナトリウム溶液が提案される。混合時間及び速度を、必要に応じて目視観察を使用して調整して、空気混入を最小限に抑える一方で分散を判定できる。示唆されるスケールアップパラメーターは、以下の表29に示されている。
【0243】
【0244】
油相の調製
油相活性についての実験室スケールのプロセスは、水相活性と並行して行われ得る。Span 20、ワセリン、ステアリン酸ポリオキシル40、セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセリル(GMS)を、撹拌子を備えた250mLビーカー(液体からほぼ固体の順序で)に添加した。ビーカーは、成分が65+/-5℃の温度に達するまでホットプレートで加熱した。加熱中、材料は、撹拌子を用いて100~350rpmで、ほとんどの固体が溶融するまで約15分間混合した。混合速度を50~100rpmに低下させ、成分を均質になるまで約10分間混合した。
【0245】
より強固で再現可能なプロセスを、より大きい2000gスケールで達成するために、バッチは、油相では温水浴及びオーバーヘッド混合を利用することが提案される。これは、将来的な拡張性のために大規模なジャケット付きタンクをよりよくシミュレートするものである。さらに、混合は、単なる撹拌子の代わりにプロペラタイプのインペラとするように提案される。温度、混合速度及び混合時間は、目視観察に基づいて、プロセス中必要に応じて調整及び記録される。示唆されているスケールアップパラメーターは、以下の表30に示されている。
【0246】
【0247】
API添加
実験室スケールのプロセスは、水相において、混合ブレードをより高剪断のディスク状のインペラブレードに変化させ、利用できる最低rpmの設定で約5分間混合すると報告された。水相を62+/-3℃の目標に加熱し、混合速度は、発泡を誘導しない最高rpm(約1200+rpm)にセットした。加熱は、小実験室スケールで、目標温度に到達するのに約30分かかると報告された。二プロピオン酸ベタメタゾンを適切に小分けし、合計量の半分を水相に、半分を油相に割り振った。水相のミキサーをオフにし、二プロピオン酸ベタメタゾンを両方の相に添加した。混合を再開し、両方の相を、依然加熱しながら10~15分間混合した。
【0248】
以下の計算を使用して、生成される平均の実験室スケールのバッチのおよその先端部速度を決定した:
【0249】
【数1】
実験室スケールのバッチ(300g及び600gバッチサイズ)中に使用される計算した平均先端部速度に基づき、また、エンジニアリング(engineering)及びcGMPスケールに提案されるミキサーサイズに基づき、このより大きいスケールでのおよその混合速度は約760RPMである。しかし、どのような混合速度を使用するかの主な指標は、混合物への空気の過剰な取り込の可能性を低下させるための視覚的手がかりである。
【0250】
APIは吸入経路に対して非常に強力な化合物であり、粉末形態で含有されなければならないため、エンジニアリング及びcGMPバッチについては封じ込め(containment)がディスペンスプロセスで使用され、これは、2つの相に活性成分を添加しながら加熱した容器を取り囲む。示唆されているスケールアップパラメーターは、以下の表31に示されている。
【0251】
【0252】
相の混ぜ合せ
実験室スケールのバッチでは、水相の混合を、約1800rpmに上昇させた。水相を混合し、依然加熱している間に、熱い油相を水相中に2~3回に分けて添加した。ここで混ぜ合わせられたエマルジョンを次いで熱から外し、約45分混合し、容器を混合物中で、混合物が確実に均質になるように5~10分おきに上下に動かした。<30℃に冷却した後で、ベンジルアルコール(D相)を混合物に添加し、これを約1800rpmの高剪断下で、続いて約1200rpmで約30分間、容器を5~10分おきに上下に動かして混合した。実験室スケールのエマルジョンを、次いで報告によってビーカー風袋、理論上の質量及び油相減少に基づいて、水を適量加え(QS with water)、次いで約10分間混合した。
【0253】
より強固で再現可能なプロセスを、より大きい2000gスケールで達成するために、バッチは、1枚又は2枚ディスクブレードのいずれかからなる混合シャフトを、シャフト上の様々な点で利用することが提案される。高流速高剪断分散機のブレードの使用は、十分な混合を達成するのに1枚のブレードしか必要としないことがあるが、これはプロセスで評価される。これは、クライアントの製剤開発サイトで行われ、より大きいスケールでの安全上の危険性を示す、いわゆる「ミルクセーキ」混合で容器を上下に動かす必要性を緩和するはずである。
【0254】
実験室スケールのバッチ中に使用される計算された平均先端部速度に基づいて、また、より大きいスケールに対して提案されるミキサーサイズに基づいて、このより大きいスケールでのおよその混合速度は、約1120rpmになる。しかし、どのような混合速度を使用するかの主な指標は、混合物への空気の過剰な取り込みの可能性を低下させるための視覚的手がかりである。
【0255】
最終的な水量を調整するために、どのような調整方式が使用されたかは不透明である。QCLは、油相において減少したAPIの量に基づいて最終的な水量を調整するように提案するが、過剰な減少が発生した場合、そのバッチについては通常の効力より弱くなるという危険性があり、この方法を使用しても、油相と水相との割合に一貫性がない。代替として、超過量の油相を調製し、水相中に慎重に分注して、減少による計算上の調整を防ぐことも可能である。このとき、このスケールでどれくらいの超過量が必要とされ得るかは不透明である。
【0256】
追加のpH測定又は調整は、最終生成物のQS前に、実験室スケールのプロセスで記録されなかった。pHチェックが組み込まれること、及び水相に使用される同じく2%水酸化ナトリウム溶液を用いた調整が必要に応じてなされることが推奨される。混合時間及び速度は、目視観察を使用して必要に応じて調整して、空気混入を最小限に抑える一方、分散を判定する。示唆されているスケールアップパラメーターは、以下の表32に示されている。
【0257】
【0258】
以下は例示的な製造手順である:
水相
1. 一方が他方の内側に嵌合して、加熱用の水浴を作り出すことができる2つのストックポットを得る。
2. 約1/2のUSP精製水、グリセリン及びEDTA二ナトリウムの順序で添加する。
3. オーバーヘッドミキサーを使用して、EDTAが溶解するまでNLT5分間混合する。
4. ミキサーを止め、カルボマーをゆっくり添加しながら、添加中にミキサーを定期的に「振動させる」。完全に分散するまでNLT5分間混合する。
5. pHを測定し、2%水酸化ナトリウム溶液を使用して6.0の目標に調整する。必要に応じて測定の間に少なくとも5分間混合する。
6. ポリソルベート80をゆっくり添加し、混合して、発泡を防止しながら分散させる。
7. 水浴の加熱を始めて、生成物の温度を62+/-3℃にする。
油相
1. 一方が他方の内側に嵌合して、加熱用の水浴を作り出すことができる2つのストックポットを得る。
2. Span 20、ワセリン、セチルアルコール、ステアリン酸ポリオキシル40及びGMSの順序で添加する。
3. 水浴の加熱を始めて、混合物を溶融し、生成物の温度を65+/-3℃にする。
4. オーバーヘッドミキサーを使用して混合を始める。完全に溶融し、混ぜ合うまで混合。
API添加及び相の混ぜ合せ
1. 適切な量の二プロピオン酸ベタメタゾンを、水相及び油相混合物の両方に添加し、NLT15分間加熱しながら混合する。
2. 油相の混合を止め、温めた水相に添加するために、ポットを加熱から慎重に外す。
3. 油相を水相中に完全に加えて、次いで、混合を続けながら、混ぜ合わせた相を加熱から外す。
4. 混ぜ合わせた相を<30℃の目標に冷却する。
5. pHを測定し、必要に応じて6の目標に調整する。
6. ベンジルアルコールを混合しながら添加する。NLT5分間混合する。
7. 混合を止め、容器を計量し、調整した目標重量までUSP精製水を使用して適量にする(QS using USP Purified Water)(油相の減少に対して調整する)。
パッケージング
1. 最終生成物の密度を計算し、5mLに等しい目標重量まで、重量で10ccシリンジに充填する。
2. シリンジにラベルを付し、2本のシリンジを各パウチに詰める。
3. パウチにラベルを付し、1つのパウチを各出荷用箱(shipper box)に詰める。出荷用箱にラベルを付す。
【0259】
[実施例13]ヒツジの試験
ヒツジは、前頭洞処置のモデルとして受け入れられている。サル(monkeys)、類人猿(apes)及びブタは別として、ヒツジの副鼻腔は、解剖学、生理学及び病理学の観点から、ヒトのもの最もよく似ている。ヒツジは、ヒトとよく似た鼻腔、上顎洞、篩骨洞及び前頭洞、並びに呼吸器型副鼻腔上皮(respiratory type sinosnasal epithelium)を有するので、ヒツジが二プロピオン酸ベタメタゾンクリーム剤の洞-副鼻腔(antra-sinus)試験のために選択された。さらに、ヒツジの副鼻腔は、ヒトと多くの類似性がある複雑な免疫系を有する。
【0260】
ヒトでは、局所又は筋肉内適用の後で、二プロピオン酸ベタメタゾンがベタメタゾン-17-プロピオネート及びベタメタゾンに代謝され、一部の研究で低レベルのベタメタゾン-21-プロピオネートも報告されている。
【0261】
ヒトでは、Servino Spray(FDA PharmReview、NDA 208079)での二プロピオン酸ベタメタゾンの局所投与後、二プロピオン酸ベタメタゾン、ベタメタゾン-17-ジプロピオネート及びベタメタゾンの血漿中濃度を、局所二プロピオン酸ベタメタゾン0.05%スプレー剤又はローション剤を1日2回(BID)、15日間投与された乾癬を有する対象75名において、ベースライン及び最後の投与の前・後で測定した。対象の大多数は、測定可能な二プロピオン酸ベタメタゾンの血漿中濃度を示さなかった(<5pg/mL)。ベタメタゾン及びベタメタゾン-17-プロピオネートの両方が、120pg/mLまでの血漿中濃度で存在した。
【0262】
BMDPクリーム剤(0.05%ベタメタゾン)の非GLP試験を、ヒツジで実施した。ヒツジは、ヒトの副鼻腔と同様の鼻腔、上顎洞、篩骨洞及び前頭洞、並びに呼吸器型副鼻腔上皮を有し、また、ヒトと多くの類似性がある複雑な免疫系を有するので、この試験のために選択された(Ha 2007年、Le 2008年、Rajiv 2013年、Drilling 2014年、Ooi 2018年)。投与経路は新規であるが、試験デザインは、典型的な毒性学の試験デザイン及びICH M3(R2)に記載されている原理と一致する。試験を、ISO:9001(2015)品質管理システムガイドライン、並びに試験計画及び試験施設標準操作手順(SOP)に従って実施した。適切な動物倫理承認を得た。結果は以下に記載されている。
【0263】
本試験の目的は、単回用量の副鼻腔内投与、及び10日間の回復期間後の、BMDPクリーム剤の潜在的な局所忍容性及び全身吸収を評価することであった。副鼻腔内投与経路は、意図された臨床的投与経路である。試験中、動物(n=6の去勢された雄、15~16カ月齢)を、選択された組織の毒性の徴候、局所組織反応、臨床病態、薬力学的反応(血清コルチゾール及びグルコース)及び病理組織学的評価、並びにベタメタゾン及びベタメタゾン-17-プロピオネートへの全身曝露判定について検査した。対照物品は、0.9%生理食塩水であった。
【0264】
0日目に、全身麻酔下で、両側前頭穿孔術を介して副鼻腔へのアクセスを確保し、ドリル孔を通して両方の前頭洞へと小さい金属カニューレを配置して、試験及び対照品目注入のためのアクセスを可能にした。トレフィンを通してのフルオレセインフラッシュを用いて、アクセス成功をチェックし、内視鏡検査法により確認した。手術中、BMDPクリーム剤又は生理食塩水を片方の前頭洞中に直接投与し、各動物は、BMDPクリーム剤と生理食塩水の両方が反対側の副鼻腔に投与されるように無作為化した。鼻腔にBMDPクリーム剤又は生理食塩水が現れる(内視鏡検査法により確認される)まで、前頭洞全体に充填した(7~15mL/側)。被験物の投与後、トレフィンを除去し、皮膚をドリル孔上で縫合し、閉じた。
【0265】
被験物の投与手術前、次いで試験期間中に週1回、体重を記録した。鼻汁の具体的な観察を、試験中を通じて1日2回、少なくとも6時間空けて行った。流体の色及び質感、並びに推定体積を記録した。
【0266】
薬物動態、血液学的、臨床化学、グルコース及び朝のコルチゾール分析のために、投与後10日間のフェーズ中、血液を収集した(手術中に挿入された頸静脈カニューレを経由して)。薬物動態学生物学的分析は、ベタメタゾン17-プロピオネート及びベタメタゾンの定量下限値を0.02ng/mLとする適格なLC/MS/MS方法を使用して、安定させた血漿で実施した。
【0267】
10日目に、動物を屠殺し、肉眼的病理検査を実施し、選択した組織を顕微鏡検査のために収集した。収集した組織は、前頭洞、鼻咽頭、食道、ルーメン、十二指腸、脳、心臓、肺、肝臓、腎臓及び脾臓を含んでいた。
【0268】
副鼻腔洞中に注入されたBMDPクリーム剤(0.05%ベタメタゾン)の体積は、ヒツジの副鼻腔体積におけるばらつきを反映している。0.8g/mLのクリーム剤密度及び体重に基づき、BDMPクリーム剤及びベタメタゾンの個々の用量を決定した。
【0269】
すべてのヒツジが手術から十分に回復し、10日間の回復期間を通じて有害な毒性の臨床徴候は認められなかった。動物1匹が、手術後に透明な鼻漏を呈し且つ投与後2日目にくしゃみを呈したが、他の兆候はこの動物では気付かなかった。2匹の動物は、試験の停止により、およそ2%又は6%の体重減少を示した。他のヒツジはすべて、試験中の体重を維持したか、又は体重が増加した。
【0270】
ベタメタゾン及びベタメタゾン17-プロピオネートの血漿レベルを投与後3日目まで検出し、血漿中濃度対時間曲線は、二プロピオン酸ベタメタゾンのベタメタゾンへの代謝を反映している。ベタメタゾンの最大血漿レベルは、投与後約24時間で観察された。
【0271】
簡潔に説明すると、実施例8の二プロピオン酸ベタメタゾンクリーム剤(0.05%ベタメタゾン、密度0.78)を、副鼻腔内経路を介してヒツジに投与し、活性代謝物の血漿レベルを測定した。二プロピオン酸ベタメタゾンクリーム剤の用量は、ヒツジの一方の副鼻腔を充填するように送達された。ヒツジにおける副鼻腔の体積におけるばらつきのため、総体積は5~15mLで変動した。対応する用量の二プロピオン酸ベタメタゾン(及び計算されたベタメタゾン用量)は、表33に示されている。体重及び体表面積(BSA)により計算される用量も示されている。
【表33】
【0272】
*(FDA2005)[https://www.fda.gov/media/72309/download; Guidance for Industry: Estimating the Maximum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers. U.S. Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration, Center for Drug Evaluation and Research (CDER)、2005年7月、Pharmacology and Toxicology.]に基づいて判定した
【0273】
粘膜表面から全身への吸収は、皮膚適用からの吸収より多いことに留意すべきであり、これは、より薄くより血管新生が多い粘膜表面と比較すると、皮膚の上皮バリア層(stratum cutaneous epithelial barrier of the skin)が存在するためである。
【0274】
血漿中のベタメタゾン及びベタメタゾン-17-プロピオネートの濃度を測定し、得られた平均濃度-時間曲線及び薬物動態学的パラメーターは、
図13A~Cに示されている。全体及び個々のデータは、以下の表34~36に示されている。
【0275】
【0276】
【0277】
【0278】
薬物動態におけるばらつき(例えばCmaxについての変動係数=40%)は、投与される用量(3倍変動する)と相関している可能性はなく、この部位において、この生成物の様々な吸収が存在することが示唆された。AUCは、25%のCVでより一貫性があった。
【0279】
用量投与後、血漿グルコースレベルは、1日目に約30%上昇したが、その後2日目に投与前レベルへ戻った。血清コルチゾールは、1日目に基礎レベル(10nmol/L未満)に低下し、10日間の試験を通じて投与前レベルより低いままであった。低いコルチゾールレベル及び1日目のグルコースレベルは、グルココルチコイドの薬理学的活性と一致する。コルチゾールの抑制延長は、ベタメタゾン及びベタメタゾン17-プロピオネートの血漿レベル延長による可能性が高い。
【0280】
ステロイドに関連した変化は、投与前の値と比較して、他の臨床化学又は血液学的パラメーターについては明らかにならなかった。
【0281】
剖検では、動物1匹は、肥厚した副鼻腔及び重大な細菌性感染症を有していた。他のヒツジでの他の肉眼的所見には気付かなかった。また、副鼻腔の刺激も観察されなかった。組織病理学的評価により、BMDPクリーム剤及び生理食塩水で処置した副鼻腔の両方で、一部の粘膜検体において炎症性細胞浸潤及び臨床的裸出(ciliary denudation)を生じたヒツジ1匹で感染症の証拠が明らかになった。局所毒性と、試験又は対照品目のいずれかの処置との相関はなかった。病理組織変化は、心臓、肺、肝臓、腎臓又は脾臓で観察されなかった。
【0282】
全体として、BMDPクリーム剤の前頭洞粘膜への副鼻腔内注入は、局所毒性若しくは炎症、又は有害な病態の証拠を誘導するように思われなかった。
【0283】
ヒツジにおける副鼻腔のばらつきのため、ヒト等価用量を計算するためのベタメタゾンの用量は、FDA Guidance(FDA 2005年)に記載されているように、全体表面積(BSA)の観点から表される。ヒツジ試験における平均用量は、0.072mg/kgであり、ヒツジについての計算されたKm 37に基づいてBSA当たりの用量に変換できる。ヒツジ及びヒトでのKmが同一の値であることは注目に値する。ヒツジ試験で計算した平均用量は、したがって2.6mg/m2である(1.3~3.7mg/m2の範囲)。計画された臨床試験では、患者は、合計最大用量10mLで処置されるが、これは、4.0mgベタメタゾンに等しく、個体60kgで0.067mg/kgの用量に等しい。BSAベースで、この用量はおよそ2.5mg/m2と同等である。
【0284】
ヒツジは、ベタメタゾン化合物を含むステロイドに対する前臨床モデルとして使用されており、これらの薬物の代謝及び薬物動態は、2つの種で同様である(9、11、12)。現在のデータは、副鼻腔内投与からの二プロピオン酸ベタメタゾンの代謝から、この投与経路によるヒト代謝が予測され得ることを示唆する。
【0285】
ヒツジの体重は、比較的安定しており、52~60Kgで変動し、平均56.3kgであった。これは、標準化されたヒト用量の計算についてFDAにより定義される名目上のヒトの体重60kgと同様である。
【0286】
ヒツジに送達されるクリーム剤の平均体積は、10mLであった。得られるヒツジにおけるベタメタゾン用量は、0.072mg/kg又は2.6mg/m2であった。
【0287】
ヒト前頭洞の体積は不定と報告されており、2mL~10mLの範囲である。
【0288】
同製剤のヒト用量10mLは、4.0mgベタメタゾンに等しく、60kg個体で0.067mg/kgの用量に等しい。BSAベースで、この用量は、およそ2.5mg/m2と同等である。
【0289】
したがって、診療所における使用に提案される用量は、ヒツジ試験に使用される用量とほぼ同一である。
【0290】
ベタメタゾン生成物の代謝及び薬物動態は、ヒツジとヒトとの間で同様であり、副鼻腔粘膜も同様であり、体重及び表面積も同様なので、したがって副鼻腔内BMDPで処置したヒトにおいて得られる吸収プロファイルも同様である可能性が高い。
【0291】
[実施例14]ヒトにおける第1相の試験
少なくとも30日間継続してコントロール不良の症状を有する慢性鼻副鼻腔炎(CRS)と診断された、18歳から80歳のFESS後の患者25名を登録する。すべての患者は、試験に登録する少なくとも6カ月前に、予めFESS術を受けていなければならない。最初の患者6名は、経鼻内視鏡を介してクリーム剤がもはや視認できなくなるまで、クリーム剤保持を観察するため毎日来院する。
【0292】
実施例12に記載されているように5mLまでの0.05%二プロピオン酸ベタメタゾンクリーム剤を、左及び右の副鼻腔粘膜のそれぞれに載せる(合計10ml)。クリーム剤は、シリンジに取り付けたカスタムデザインアプリケーターを使用し、経鼻内視鏡の助けを借りて、炎症性副鼻腔粘膜上に局所的に適用される。
【0293】
試験中、すべての患者は、安全性評価のため処置から5日後に来院し、処置から21日後に終了時の診察のため再度来院する。
【0294】
試験中、朝のコルチゾールレベル、眼圧及び有害事象を、処置前、処置後5日目及び終了時の来院の際に測定する。
【0295】
試験中、4種の主症状スコア(4CSS)の日誌を使用した、スクリーニング導入期の7日間の平均1日合計症状スコア対終了時の来院前7日間にわたる、7日間の平均1日合計スコアにおける変化。4CSSは、CRSスコア0~3とスコア付けされ、合計スコア12の患者でのCRSの主症状の複合スコアである。4種の「主」症状は:(1)閉塞及び鼻づまり、(2)顔面痛及び圧迫感、(3)鼻汁、並びに(4)嗅覚消失(匂いの感覚の消失)である。
【0296】
試験中、処置前と処置後21日目との間の合計SNOT-22スコアにおける変化を測定する。
【0297】
試験中、4CSS VASスコアにおける変化を、処置前対処置後21日目を評価する。
【0298】
試験中、ビデオ評価に基づく、改定されたLund Mackay内視鏡検査法スコア(処置前対21日目)における変化は、3名の無関係な、盲検化されたENTにより評価される。
【0299】
試験中、副鼻腔内のクリーム剤保持時間における変化も、最初の患者6名で測定される。患者は、内視鏡を介してクリーム剤がもはや視認できなくなるまで来院する。
【0300】
これは、18歳から80歳の、コントロール不良の慢性鼻副鼻腔炎症状と診断されたFESS後患者における副鼻腔粘膜に適用されたBMDPクリーム剤の安全性、忍容性及び予備的有効性についての、前向き、非盲検単一部位臨床試験(prospective, open-label, single-site clinical study)である。コントロール不良のFESS後慢性鼻副鼻腔炎の診断を保証するために、患者は予め慢性鼻副鼻腔炎と診断されていなければならず、過去30日にわたって持続性であった鼻副鼻腔炎の症状に対して積極的に処置されていなければならない。FESS術は、スクリーニングの6カ月以上前に行われていなければならない。試験活動の詳細については活動予定を参照されたい。
・患者は、4CSSの質問書の全ての項目に記入し、登録の資格を得るために、スクリーニングにおいて「主」症状のうち少なくとも2種(症状の1種は閉塞及び鼻づまりでなければならない)でスコア≧2を有さなければならない
・スクリーニング評価の後で、登録された患者には、7日間のスクリーニング導入期があり、ここで現在の処置レジメンを利用し続ける
・スクリーニングにおいて、登録された患者は、4CSS日誌を受け取り、これを7日間のスクリーニング導入期中に記入する
・処置来院当日、患者は、4種の主症状について報告し、「主」症状のうち少なくとも2種(症状の1種は閉塞及び鼻づまりでなければならない)で≧2をスコア付けしていない患者は、試験から退出し、利用できる処置でコントロール不良とはみなされない
・処置の日に(処置の適用前に)、及び終了時の来院の際に、炎症性負荷の独立した評価のために、患者の副鼻腔粘膜のビデオを記録する
・患者は、試験計画通りに、症状負荷のVAS評価を完了する
・患者は、試験計画通りに、SNOT-22評価を完了する
・眼圧評価(IOP)をすべての来院時に測定する
・処置した患者に、内視鏡の助けを借りて10mLまでのBMDPクリーム剤を炎症性副鼻腔粘膜上に置くことにより、院内で1回限りの投与をする。副鼻腔の構造により10mLを挿入できない場合、前後のシリンジの重量により実際の用量を記録する
・患者は、4種の主症状スコアの日誌を受け取り、これを終了時の来院まで毎日記入する。終了時の来院前の7日間の複合(composite)が、CRS症状改善の主要尺度である
・患者は、予定された処置来院前夜にいつものCRS処置レジメンの使用を止め、処置から5日後の安全性評価のため来院した後にいつもの処置を再開する
・患者は、評価、安全性評価及び試験退出のため、処置から21日後に来院する
・計画された患者登録25名のうち最初の患者6名は、試験のクリーム剤保持アームに参加する。これらの患者6名は、副鼻腔洞においてクリーム剤がもはや視認できなくなるまで、毎日来院する
・評価:
○すべての患者で、処置前、5日目及び21日目(終了時の来院の際)に朝のコルチゾールを測定する。
○最初の患者6名で、空腹時グルコースレベルを、処置前、5日目及び21日目に測定する。
○クリーム剤保持を、最初の患者6名で、もはや視認できなくなるまで毎日、また、すべての患者で、5日目及び21日目に測定する
【0301】
組み入れ基準:
1. 健常な成人、18歳~80歳
2. 登録の少なくとも6カ月前に機能的内視鏡下副鼻腔手術を受けた患者
3. 臨床的に確認された慢性鼻副鼻腔炎の診断
4. 有害作用なしで、スクリーニング前に最低1カ月にわたる局所コルチコイド噴霧又は灌注の少なくとも1回の試行。
5. インフォームドコンセントを提供すること、及び試験条件に従うことが可能である
6. 妊娠可能な女性は、試験の経過中は、十分な避妊法を使用しなければならず、妊娠を計画してはならない
7. 他の非ステロイド性薬に安定な患者。
8. 患者は、試験への登録及び処置に対する資格を得るために、スクリーニングにおいて「主」症状のうち少なくとも2種(症状の1種は閉塞及び鼻づまりでなければならない)でスコア≧2を有さなければならない。
【0302】
除外基準:
1. 妊娠又は授乳中の女性
2. 登録前の6カ月以内に任意の副鼻腔手術を受けた患者
3. 急性副鼻腔炎
4. コントロール不良の喘息
5. 緑内障又は白内障の病歴又は現在罹患
6. 二プロピオン酸ベタメタゾン、副腎皮質ステロイド又は局所麻酔に対するアレルギー又は禁忌
7. 療法の適用を妨げる副鼻腔-鼻腔の異常、疾患又は埋め込みデバイス
8. この試験に以前登録したことがある
9. インフォームドコンセントを提供すること、又は試験プロトコールに従うことができない
10. スクリーニング又は処置前に異常なIOPを有する場合(異常なIOPは、21mmHg超と定義される)
11. 糖尿病
【0303】
4-CSS日誌では、格付けは、「閉塞及び鼻づまり」、「顔面痛及び圧迫感」、「鼻汁」及び「嗅覚の消失」で「なし」、「軽度」、「中等度」、又は「重度」である。VASは、患者が、総合的な副鼻腔の症状、鼻づまり、頭痛/顔の圧迫感、嗅覚の消失、後鼻漏(鼻から咽喉へと下る分泌物)、鼻水、眼のかゆみ、鼻のかゆみ、くしゃみ、流涙、咳、胸部絞扼感/圧迫感、息切れ/呼吸困難、及び喘鳴を、「なし」から「想像を超える」まで格付けするものである。SNOT-22は、鼻をかむ必要性、鼻づまり、くしゃみ、鼻水、咳、後鼻漏、高粘度の鼻汁、耳閉感、めまい、耳痛、顔面痛/圧迫感、嗅覚/味覚の低下、入眠障害、夜間の覚醒、良好な夜の睡眠の欠如、目覚めたときの疲労感、疲労、生産性の低下、集中力の低下、いらだち/不穏状態/怒りっぽい、悲しみ及び困惑に対する、「問題なし(0)」、「ごく軽度の問題(1)」、「軽度又は若干の問題(2)」、「中等度の問題(3)」、「重度の問題(4)」、又は「存在し得る最悪の問題(Problem as bad as it can be)(5)」を格付けするものであり、どの症状が最も重大かについての追加のフィールド付(最大5)である。
【0304】
[実施例15]ヒトにおける第2相の試験
以前にFESSを受けた患者における慢性鼻副鼻腔炎を処置するための、二プロピオン酸ベタメタゾン(0.05%w/wベタメタゾンに等しい)クリーム剤の第2相の無作為化、二重盲検、多施設、プラセボ対照、単回投与の安全性、薬物動態学的及び有効性試験を行う。
【0305】
少なくとも30日間継続してコントロール不良の症状を有する慢性鼻副鼻腔炎と診断され、登録の少なくとも6カ月前にFESS術を以前に受けた、18歳から80歳の無作為化した患者60名(1:1で活性:プラセボ)が登録される。
【0306】
これは、コントロール不良のCRS症状と診断された、18歳から80歳のFESS後患者における副鼻腔粘膜に適用されるBMDPクリーム剤の有効性及び安全性の、前向き、無作為化、二重盲検、多施設、プラセボ-対照臨床試験である。コントロール不良のFESS後CRSの診断を保証するために、患者は、以前にCRSと診断されていなければならず、以前30日にわたって持続性であった鼻副鼻腔炎症状について積極的に処置されていなければならない。FESS術は、スクリーニングの6カ月以上前に行われていなければならない。
【0307】
患者は、4CSS質問書の全ての項目に記入し、登録の資格を得るために、スクリーニングにおいて「主」症状のうち少なくとも2種(症状の1種は閉塞及び鼻づまりでなければならない)でスコア≧2を有さなければならない
【0308】
スクリーニング評価の後で、登録された患者には、7日間のスクリーニング導入期があり、この間、現在の処置レジメンを利用し続ける。
【0309】
スクリーニングにおいて、登録された患者は、4CSS日誌を受け取り、これを、7日間のスクリーニング導入期中、自宅で毎日記入しなければならない。
【0310】
処置来院中に、患者は、4種の主症状について報告し、「主」症状のうち少なくとも2種(症状の1種は閉塞及び鼻づまりでなければならない)で≧2をスコア付けしない患者は、スクリーニング失敗である。
【0311】
処置前及び終了時の来院の際に、患者の副鼻腔粘膜のビデオを、炎症性負荷の独立した評価のために記録する。
【0312】
患者は、症状負荷のVAS評価の全ての項目に記入する。
【0313】
登録された患者は、院内で(又は臨床リサーチユニット、CRUで)1回限りの投与を受ける。患者は、4種の主症状スコア日誌を受け取り、これを終了時の来院まで毎日記入する。最高で5mLの二プロピオン酸ベタメタゾンクリーム剤を、左及び右の炎症性副鼻腔粘膜に載せる(合計10mL)。クリーム剤は、製造時にシリンジ中に予め充填されており、炎症性副鼻腔粘膜上に、シリンジに取り付けたアプリケーターを介して、臨床医に局所的に投与される。配置は経鼻内視鏡の助けを借りて行われる。
【0314】
患者は、ベタクリーム剤の適用後、いつもの副鼻腔炎処置レジメンの使用を止め、処置から5日後にいつもの処置を再開する。
【0315】
患者は、評価、安全性評価及び試験退出のために、処置から21日後に診療所に来院する。
【0316】
組み入れ基準:
12. 18歳~80歳の健常な成人
13. 登録の少なくとも6カ月前に機能的内視鏡下副鼻腔手術を受けた患者
14. 臨床的に確認された慢性鼻副鼻腔炎の診断
15. 有害作用なしで、スクリーニング前に最低1カ月にわたる局所コルチコイド噴霧又は灌注の少なくとも1回の試行。
16. インフォームドコンセントを提供すること、及び試験条件に従うことが可能である
17. 妊娠可能な女性は、試験の経過中は、十分な避妊法を使用しなければならず、妊娠を計画してはならない
18. 他の非ステロイド性薬に安定な患者。
19. 患者は、試験への登録及び処置に対する資格を得るために、スクリーニングにおいて「主」症状のうち少なくとも2種(症状の1種は閉塞及び鼻づまりでなければならない)でスコア≧2を有さなければならない。
【0317】
除外基準:
20. 妊娠又は授乳中の女性
21. 登録前の6カ月以内に任意の副鼻腔手術を受けた患者
22. 急性副鼻腔炎
23. コントロール不良の喘息
24. 緑内障又は白内障の病歴又は現在罹患
25. 二プロピオン酸ベタメタゾン、副腎皮質ステロイド又は局所麻酔に対するアレルギー又は禁忌
26. 療法の適用を妨げる副鼻腔-鼻腔の異常、疾患又は埋め込みデバイス
27. この試験に以前登録したことがある
28. インフォームドコンセントを提供すること、又は試験プロトコールに従うことができない
29. スクリーニング又は処置前に異常なIOPを有する場合(異常なIOPは、21mmHg超と定義される)
30. 糖尿病
【0318】
主要目的:
安全性:
積極的処置群における有害事象と、プラセボ群における有害事象の比較。
薬物動態:
PK分析は、この試験に登録された患者のサブセットで行う。
有効性:
試験OT-007の臨床結果及び規制当局との協議(regulatory discussions)に基づいて、以下の潜在的エンドポイントの1つは、主要有効性エンドポイントとして利用される可能性があり、他の潜在的エンドポイントは、第2の、又は予備的エンドポイント(exploratory endpoints)として使用される:
・4種の主症状スコア(4CSS)の日誌を使用した、7日間のスクリーニング導入期の平均1日合計症状スコア対終了時の来院前7日間にわたる、7日間の平均1日合計スコアにおける変化。4CSSは、CRSスコア0~3とスコア付けされ、合計スコア12を用いた患者でのCRSの主症状の複合スコアである。4種の「主」症状は:(1)閉塞及び鼻づまり、(2)顔面痛及び圧迫感、(3)鼻汁、並びに(4)嗅覚消失(匂いの感覚の消失)である。
・処置前と処置後21日目との間の合計SNOT-22スコアにおける変化。
・処置前と処置後21日目との間の4CSS VASスコアにおける変化。
・3名の無関係な、盲検化されたENTによるビデオ評価に基づく、改定されたLund Mackay内視鏡検査法スコア(処置前対21日目)における変化。
予備的エンドポイント:
・BMDPクリーム剤に関連した有害事象
BMDPクリーム剤適用に関連した有害事象
【0319】
[実施例16]安定性試験
二プロピオン酸ベタメタゾン(0.05%)クリーム剤を、1.75%グリセリンを使用することを除いて表28に記載されているように調製し、25℃/60%相対湿度(RH)(試料#1)、30℃/65%RH(試料#2)又は40℃/75%RH(試料#3)にて1カ月又は3カ月貯蔵した。二プロピオン酸ベタメタゾン(BMDP)及びベタメタゾン(BA)の含有量を、貯蔵の開始時、及び1カ月又は3カ月間隔でそれぞれ測定した。pHも、ニート(neat)調製物及び1:5希釈物について、貯蔵の開始時、及び1カ月又は3カ月間隔でそれぞれ測定した。粒子サイズ及び小球サイズを、USP 729に従って、同じく貯蔵の開始時、及び1カ月又は3カ月間隔でそれぞれ測定した。不純物も、貯蔵の開始時、及び1カ月又は3カ月間隔でそれぞれ測定した。粘度も、貯蔵の開始時、及び1カ月又は3カ月間隔でそれぞれ測定した。オスモル濃度も、USP 785に従って、貯蔵の開始時、及び1カ月又は3カ月間隔でそれぞれ測定した。
【0320】
安定性試験の結果は、表40~46に示されている。
【0321】
簡潔には、二プロピオン酸ベタメタゾン及びベタメタゾン含有量、並びに不純物/分解物を測定するために、HPLCを使用した。試料を二連で調製した。2gのクリーム剤を50mL遠心管に秤量して入れ、3.0mLの希釈剤(エタノール)を当該管に添加し、3.0mLのIS作業用ストック溶液も当該管に添加した。IS作業用ストック溶液(Working Stock Solution)は、およそ16.7mgのプレドニゾン標準品を50mLメスフラスコ中に秤量して入れること、及び混合しながら溶解してISストック溶液を得るように必要に応じて音波処理を用いて、プレドニゾン標準品を希釈剤(エタノール)で所定体積まで溶解することにより、ISストック溶液から調製し、12.0mLのISストック溶液を、次いで100mLメスフラスコ中にピペットで移し、希釈剤(エタノール)で所定体積まで希釈して、IS作業用ストック溶液を得た。50mL管を、次いで約30秒間ボルテックスし、70℃の水浴に15分入れてクリーム剤を溶解し、およそ7分後断続的にボルテックスした。50mL管を次いで熱から外し、再度30秒間ボルテックス混合した。必要な場合は、管を水浴に戻して、冷却を防止した。管を次いで20分振とうし、冷凍庫に15分入れて、クリーム剤からのワセリンを管中で固化させた。管を次いで12,000RPMで30分間遠心分離し、上澄みを、分析するためのHPLCバイアルに移した。
【0322】
HPLCシステムを50:50のアセトニトリル:水で十分にすすいで、各実行後にバッファー塩を除去した。いくつかの例では、100%エタノールのニードルウォッシュを使用した。HPLCは、ガードカラムとしてHypersil ODS 10×30mm、3μmカラム及び分析カラムとしてHypersil ODS 3×150mm、3μmカラムを使用して実行した。カラム温度を35℃で45分の実行時間維持し、0.5mL/分の流速、3μLの注入体積、30℃のオートサンプラー温度、また、同定試験のために254nm(UV吸光度)検出器を使用し、200nmから400nmのPDAを収集した。
【0323】
移動相Aを88:12のバッファー:アセトニトリルとして調製し、バッファーは、1Lの水中の6.6gの第二リン酸アンモニウムから調製され、リン酸を使用して7.00+/-0.05にpH調整した。移動相Bを88:12のメタノール:アセトニトリルとして調製した。移動相Cを30:5:65のバッファー:メタノール:アセトニトリルとして調製した。すべての移動相溶液を十分混合し、使用する前に脱気した。さらに、二プロピオン酸ベタメタゾンストック標準液(BDストック)を、およそ33.4mgの二プロピオン酸ベタメタゾン標準品を25mLメスフラスコ中に秤量して入れること、希釈剤中で所定体積まで溶解すること、音波処理して溶解すること、及び十分に混合することにより調製した。作業用標準溶液を、50mLメスフラスコ中の3.0mLのISストック溶液及び8.0mLのBDストックから調製し、これに、150mgのベンジルアルコール標準品を添加し、希釈剤を所定体積まで添加し、続いて十分に混合した。感受性溶液を、100mLメスフラスコ中の5.0mLの作業用標準溶液から調製し、希釈剤で所定体積まで希釈し、続いて十分に混合し、次いで1.0mLの生じた溶液を100mLメスフラスコ中にピペットで移し、希釈剤で所定体積まで希釈し、十分に混合した。
【0324】
ピークID標準は、5mgの各不純物標準を、別個の100mLメスフラスコ中に秤量して入れること、希釈剤で所定体積まで完全に溶解し、次いで1.0mLの各ストック不純物溶液を、新たなメスフラスコ中で一緒に、希釈剤で所定体積まで100mLに希釈することにより調製した。不純物は、Sigma-Aldrichからのベタメタゾン及び二プロピオン酸ベタメタゾン、並びにベタメタゾン21-アセテート-17-プロピオネート、ベタメタゾン21-プロピオネート、二プロピオン酸ベタメタゾンEP不純物B、二プロピオン酸ベタメタゾンEP不純物F、二プロピオン酸ベタメタゾンEP不純物G、二プロピオン酸ベタメタゾンEP不純物I及び6-ブロモ-ベタメタゾン-17,21-ジプロピオネートの標準品を含んでいた。
【0325】
使用されるグラジエントプログラム及び注入順序は、以下の表37に示されている。システム適合性の要件は、表38におけるものを含んでいた。ピーク同定パラメーターは、以下の表39に示されている。
【0326】
表39における比RT(RRT)は、試料保持時間とブラケッティング標準(bracketing standards)の平均保持時間との比から計算され得る。%LCは、試料におけるピーク面積応答比に標準品の重量(mgで)を掛け、標準品の純度(10進法形式で)を掛け、標準液の希釈度(dilution)を掛け、試料溶液の体積(mLで)を掛け、100を掛け、ブラケッティング標準における平均ピーク面積反応比で割り、標準液の体積(mLで)で割り、試料の重量(mgで)で割り、試料のラベル表示量(label claim)で割って計算され得る(%w/w/100%として)。関連物質の%は、試料注入における関連物質ピーク面積に100を掛け、試料注入における二プロピオン酸ベタメタゾンのピーク面積で割り、関連物質の相対的応答係数(1.0と仮定される)で割って計算され得る。
【0327】
【0328】
【0329】
【0330】
【0331】
【0332】
【0333】
【0334】
【0335】
【0336】
【0337】
【0338】
【0339】
[実施例17]他の活性剤を用いたクリーム製剤
フランカルボン酸モメタゾン一水和物のクリーム製剤(ロット#2021-06-03)のための水性相を、144.82gの水を、4-ブレードプロペラを有するミキサー中に、およそ半分の高さで分注すること、続いて200~300rpmで混合して、0.125gのEDTA二ナトリウム及び4.37gグリセリンを水中に溶解することにより調製した。1.502gのカーボポール980は、表面全体に層を散らし、各添加後にミキサーを2~5×振動させることにより添加した。混合物を次いで、5~10分おきにビーカーを回転させながら、800~1000RPMで30分間混合させた。43.08gの1%NaOHを、およそ1000RPMで混合しながら添加し、混合物に水を適量加えて250gとした。200~300RPMで混合しながら、12.51gのポリソルベート80を添加し、約半分の高さにて5~10分おきに「ミルクセーキ」の混合でおよそ45分間混合した。
【0340】
フランカルボン酸モメタゾン一水和物のクリーム製剤のための油相を、2.5gのステアリン酸ポリオキシル40、2.5gのセチルアルコール、1.25gのモノステアリン酸グリセリル、20.00gのワセリン及び7.51gのSpan 20を、撹拌子を有するビーカーに添加し、混合物を65+/-5℃に加熱し、大半の固体が溶融するまでおよそ15分間混合(設定:80℃、100~350RPM)し、続いて均質になるまでおよそ10分間、ゆっくり撹拌することにより(設定:75℃、50~100RPM)、調製した。
【0341】
水性相を次いでディスク状のインペラブレードでおよそ5分間混合し、発泡を引き起こさない最高RPM(およそ1200+RPM)で62+/-3℃に加熱し、加熱のためにおよそ30分待った。0.125gのフランカルボン酸モメタゾン一水和物を水性相及び油相のそれぞれに添加し、それぞれを次いでおよそ10~15分間混合した。
【0342】
水性相においてブレードを半分の高さに調整し、高剪断でおよそ1800RPMにて混合し、油相を温水性相に添加し、混合物を熱から外した。混合物を、5~10分おきに「ミルクセーキのように振とう」して、およそ45分間撹拌した。2.24gのベンジルアルコールを次いで、混ぜ合わせた(cmbined)混合物に添加し、高剪断でおよそ1800RPMにて混合し、次いで、5~10分おきに「ミルクセーキのように振とう」して、およそ1200RPMでおよそ30分間撹拌した。pHを測定し(pHは5.958であった)、混合物に、水が減少したため、追加の水を適量加え、3~5分おきに「ミルクセーキのように振とう(milk shaking)」して、およそ10分間混合した。
【0343】
プラセボクリーム剤(ロット#2020-11-01)は、フランカルボン酸モメタゾン一水和物なしで、0125gのEDTA二ナトリウム、4.389gのグリセリン、1.501gのカーボポール980、43.10gの1%NaOH、12.46gのポリソルベート80、2.5gのステアリン酸ポリオキシル40、2.5gのセチルアルコール、1.25gのモノステアリン酸グリセリル、20.00gのワセリン、7.51gのSpan 20及び2.26gのベンジルアルコールを使用して、同様に調製した。クリーム剤のpHは、5.953であった。
【0344】
プロピオン酸フルチカゾンクリーム剤は、フランカルボン酸モメタゾン一水和物の代わりにプロピオン酸フルチカゾンを使用し、0.1253gのEDTA二ナトリウム、4.39gのグリセリン、1.5009gのカーボポール980、43.06gの1%NaOH、12.51gのポリソルベート80、2.5gのステアリン酸ポリオキシル40、2.5gのセチルアルコール、1.25gのモノステアリン酸グリセリル、20.00gのワセリン、7.5のSpan 20、2.24gのベンジルアルコール及び12.517gのプロピオン酸フルチカゾンを使用して、同様に調製した。このクリーム剤をロット#2021-07-01に割り当てた。追加のロットは、0.100gのEDTA二ナトリウム、3.5gのグリセリン、1.201gのカーボポール980、34.38gの1%NaOH、10.01gのポリソルベート80、2gのステアリン酸ポリオキシル40、2gのセチルアルコール、1gのモノステアリン酸グリセリル、16.00gのワセリン、6のSpan 20、1.81gのベンジルアルコール及び100.1gのプロピオン酸フルチカゾンを使用して、合計200gに調製した。このクリーム剤をロット#2021-07-02に割り当てた。これら2種のクリーム剤の最終的なpHは、それぞれ5.961及び5.964であった。
【0345】
クリーム剤の分解及び不純物分析は、HPLCを使用して行った。以下のパラメーターを、フランカルボン酸モメタゾン一水和物の分析に使用した。
【0346】
【0347】
ニートフランカルボン酸モメタゾン一水和物(MFM)材料を分解し、潜在的なクロマトグラフィー干渉について分析した。簡潔には、ニートMFMを、熱(60℃/5日)、光(ベンチ白色光から6インチ離す、5日間)、酸(0.1N HCl、1時間、続いて0.1N NaOHで中和)、塩基(0.1N NaOH、1時間、続いて0.1N HClで中和)及び酸化(3%H2O2、1時間)を含む様々な条件に曝露して、分解を誘導した。分解された試料、対照試料(HPLC-グレードメタノールに溶解した)及び参照溶液を含むすべての試料を分析した。
【0348】
各条件についての回収パーセントは、以下の表48に示されている。
【0349】
【0350】
以下の表49は、試料についての相対保持時間(RRT)及び検出≧0.05%を示す。
【0351】
【0352】
MFMニート及び分解された材料を、プラセボクリーム剤(ロット#2020-11-01)中にスパイクして、潜在的な分配(partitioning)効果及びピーク干渉を調査し、酸、塩基及び過酸化物の分解を除いて、表50における手順により添加した試料、及び活性クリーム剤試料を比較し、HCl、NaOH及び過酸化物の添加は、それにしたがって計算した。
【0353】
【0354】
プラセボ中にスパイクした強制分解材料の回収パーセントは、以下の表51に示されている一方、活性クリーム製剤(0.1%MFM)の回収は、以下の表52に示されている。合計MFM-関連ピーク面積は、以下の表53に示されている。
【0355】
【0356】
【0357】
【0358】
これらの結果は、RRT=0.96(MFMに関する)での共通のピークが、強制的な分解の分析中に同定されたように、クリーム剤作製プロセスによるMFMの見かけの分解は存在しないことを示す。
【0359】
0.005%プロピオン酸フルチカゾンクリーム剤(ロット#2021-07-01)の同様の分析を行った。HPLCパラメーターは、表54に示されている。
【0360】
【0361】
各強制分解条件でのプロピオン酸フルチカゾンの回収パーセントは、以下の表55に示されている。
【0362】
【0363】
抽出手順は、以下の表56に示されている。
【0364】
【0365】
プラセボ中に添加した強制分解材料の回収パーセントは、以下の表57に示されている。プロピオン酸フルチカゾンを用いた活性クリーム製剤の回収パーセントは、以下の表58に示されている。合計プロピオン酸フルチカゾン-関連ピーク面積は、以下の表59に示されている。
【0366】
【0367】
【0368】
【0369】
過酸化物で処理したプロピオン酸フルチカゾンを除いて、すべてのスパイクした抽出物、活性クリーム剤抽出物は、RRT=1.17(プロピオン酸フルチカゾンに関する)で共通のピークが生じ、このピークは、強制分解又はニートクロマトグラムでは同定されておらず、また関連物質又は真の分解物ではなく、これにより、活性クリーム剤の抽出方法、塩基の添加、クリーム剤の加熱又は光の曝露により引き起こされる分解が存在し得ることが指し示され、これは、RRT=0.32に存在し、スパイクされた酸、塩基及び光で処理した強制分解試料にも存在するピークにより裏付けられる。
【0370】
この実施例における先述のHPLCすべてで、プレドニゾンを内部標準として使用した。
【0371】
[実施例18]二プロピオン酸ベタメタゾンクリーム製剤でのD-値
細菌リファレンス(bacterial reference)、このケースでは、枯草菌(Bacillus substilis)「S230」の90%を殺す特定の温度におけるオートクレーブ時間を測定するD-値を、実施例8で調製された0.05%二プロピオン酸ベタメタゾンクリーム剤について判定した。使用されるオートクレーブ温度は、110℃、115℃及び121℃を含み、時間は、110℃では0から8分、115℃では0から4分及び121℃では0から3分の範囲である。
【0372】
曝露データは、以下の表60に示されている。
【0373】
【0374】
3.0mLシリンジでは、D110値は、残存曲線のベストフィットのラインに基づいて1.6分であると見出した一方、D115値は、0.8分であると見出し、D121値は、0.6分であると見出した。
【0375】
本明細書で引用される刊行物、特許出願及び特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が、参照により組み込まれると、個々に及び具体的に指し示されて、また、その全体が本明細書に明記されている場合と同程度で、参照により本明細書に組み込まれる。
【0376】
「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含有する(containing)」という用語は、特に注記がなければ、オープンエンドな用語(すなわち、「を含むが、それらに限定されない」という意味)と解釈される。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において特に指示がない限り、範囲内に収まる別個の各値を個々に言及する略記方法としての役割を果たすことしか意図しておらず、別個の各値は、本明細書で個々に言及されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されているすべての方法は、本明細書で特に指示がない、又は文脈に明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で行われ得る。本明細書で示されている任意の、及びすべての実施例又は例示的な言葉(例えば「例えば」)の使用は、本発明をよりよく明らかにすることしか意図しておらず、別途主張されていない限り、本発明の範囲に対して限定を課さない。本明細書における言葉は、本発明の実践に不可欠な、任意の請求されていない要素を指し示すと解釈されるべきではない。
【0377】
本発明を実行するための、本発明者らに公知の最良の様式を含む、本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載されている。そのような好ましい実施形態の変形形態は、先述の記載を読む際に当業者に明らかになり得る。本発明者らは、当業者が、必要に応じてそのような変形形態を用いることを予期しており、本発明者らは、本発明に関して、本明細書に具体的に記載されているのとは違ったやり方で実践されることを意図している。したがって、本発明は、適用可能な法律により許容されるように、本明細書に添付の特許請求の範囲で挙げられる対象物質のすべての改変及び同等物を含む。さらに、それらのすべての考えられる変形形態における、上に記載する要素の任意の組合せは、本明細書で特に指示がない、又は文脈に明らかに矛盾しない限り本発明により包含される。
【国際調査報告】