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特表2023-539616センサネットワークに基づく分析及び/又は予測方法、並びに遠隔監視センサ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-15
(54)【発明の名称】センサネットワークに基づく分析及び/又は予測方法、並びに遠隔監視センサ装置
(51)【国際特許分類】
   G01W 1/02 20060101AFI20230908BHJP
   G01N 17/00 20060101ALI20230908BHJP
【FI】
G01W1/02 A
G01N17/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513656
(86)(22)【出願日】2021-08-26
(85)【翻訳文提出日】2023-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2021073575
(87)【国際公開番号】W WO2022048981
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】102020122861.9
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510301231
【氏名又は名称】ジェオブルッグ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】アイヒャー、マヌエル
【テーマコード(参考)】
2G050
【Fターム(参考)】
2G050AA01
2G050BA03
2G050CA01
(57)【要約】
本発明は、自然災害に対する保護のためのセンサネットワークに基づく分析及び/又は予測方法に関し、この方法は、少なくとも、外部分析及び/又は予測ユニットにおいて屋外センサネットワークの分散したセンサモジュールから電子センサデータであって、センサデータが、少なくとも屋外腐食測定データ、衝撃センサデータ、及び/又はケーブル力センサデータを含み、センサデータが、少なくとも対流圏測定データを含み、各屋外腐食測定データセットには、少なくとも1つの対流圏測定データセットが割り当てられている、電子センサデータを受信及び収集することと、屋外センサネットワークの受信したセンサデータを外部分析及び/又は予測ユニットの記憶ユニットに記憶することと、外部分析及び/又は予測ユニットが、屋外センサネットワークのセンサモジュールのそれぞれの使用エリアにおける自然災害のリスクを確認するために、屋外センサネットワークの受信したセンサデータを分析することであって、屋外腐食測定データ及び対流圏測定データとは異なる、使用エリアに関する少なくとも1つの追加の情報が、分析に直接組み込まれる、ステップと、外部分析及び/又は予測ユニットによって確認された自然災害のリスクをユーザグループに提供することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然災害からの保護のためのセンサネットワークに基づく分析及び/又は予測方法であって、少なくとも、
外部分析及び/又は予測ユニット(14)において、屋外センサネットワーク(12)の分散配置されたセンサモジュール(10、10’、10”)から、電子センサデータを受信及び収集することであって、
前記センサデータが、少なくとも屋外腐食測定データ、衝撃センサデータ、及び/又はロープ力センサデータを含み、
前記センサデータが、少なくとも対流圏測定データを含み、
少なくとも1つの対流圏測定データセットが、特に地理的に、各屋外腐食測定データセットに割り当てられている、
電子センサデータを受信及び収集することと、
前記屋外センサネットワーク(12)の前記受信したセンサデータを前記外部分析及び/又は予測ユニット(14)のメモリユニット(16)に記憶することと、
前記外部分析及び/又は予測ユニット(14)によって、前記屋外センサネットワーク(12)の前記センサモジュール(10、10’、10”)のそれぞれの適用エリア(20、20’、20”)における自然災害リスクの判定のために、前記屋外センサネットワーク(12)の前記受信したセンサデータを分析することであって、前記屋外腐食測定データ及び前記対流圏測定データとは異なる、前記適用エリア(20、20’、20”)に関する少なくとも1つの更なる情報が、前記自然災害リスクの前記判定のための前記分析に直接組み込まれる、分析することと、
前記外部分析及び/又は予測ユニット(14)によって判定された前記自然災害リスクを、特に許可された、ユーザグループ(18)に提供することと
の方法ステップ(150、152、154、156、158)を含む、方法。
【請求項2】
前記適用エリア(20、20’、20”)の少なくとも1つが、大気腐食にさらされる金属構成要素を含む建造物(24)であり、前記ユーザグループ(18)に提供される前記自然災害リスクが、前記センサデータに基づいて判定された前記建造物(24)の残存寿命を含むことを特徴とする、請求項1に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項3】
前記提供された自然災害リスクが、前記センサデータに基づいて判定された、防食被覆された金属構成要素の防食層減少率を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項4】
前記適用エリア(20、20’、20”)の地理的環境の腐食分類が、前記判定された防食層減少率を考慮して定義される、請求項3に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項5】
少なくとも1つの適用エリア(20、20’、20”)において、前記屋外センサネットワーク(12)の前記センサモジュール(10、10’、10”)が、自然災害安全対策の前に設置され、次いで、前記判定された自然災害リスクに応じて、前記自然災害安全対策を実施する必要性の評価が行われることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項6】
少なくとも1つの適用エリア(20,20’,20”)において、前記屋外センサネットワーク(12)の前記センサモジュール(10,10’,10”)が、計画された建築対策の前に設置され、次いで、前記判定された自然災害リスクに応じて、前記計画された建築対策の調整が実行されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項7】
前記建築対策が、ワイヤネット(226)及び/又はワイヤロープ(228)の設置を含み、前記ワイヤネット(226)及び/又は前記ワイヤロープ(228)の防食層のタイプ及び/又は厚さの選択が、前記判定された自然災害リスクに基づいて行われることを特徴とする、請求項6に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項8】
前記建築対策が、ワイヤネット(226)及び/又はワイヤロープ(228)の設置を含み、前記ワイヤネット(226)及び/又は前記ワイヤロープ(228)のワイヤ径及び/又は材料の選択が、前記判定された自然災害リスクに基づいて行われ、並びに/又は、前記ワイヤネット(226)の寸法及び/又は前記ワイヤネット(226)のメッシュのメッシュサイズの選択が、前記判定された自然災害リスクに基づいて行われることを特徴とする、請求項6又は7に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項9】
前記適用エリア(20、20’、20”)に関する前記更なる情報が、少なくとも、前記適用エリア(20、20’、20”)に設置された前記それぞれのセンサモジュール(10、10’、10”)の地理的座標を含み、前記地理的座標が、腐食データを示す少なくとも前記適用エリア(20、20’、20”)の腐食マップとして実現される自然災害リスクが判定されるときに使用されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項10】
前記腐食マップが、特に自然災害防止設備(32)として具現化されている適用エリア(20、20’、20”)の、建物情報モデリングシステム(BIMシステム)に組み込まれることを特徴とする、請求項9に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項11】
前記判定された腐食マップに基づいて、自然災害防止設備(32)として具現化されている適用エリア(20、20’、20”)の、特に局所的な最適化が実行されることを特徴とする、請求項9又は10に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項12】
前記腐食マップが、前記適用エリア(20)の周囲地域を超えて、シミュレートされた腐食データで補填され、前記屋外センサネットワーク(12)のセンサモジュール(10、10’、10”)がない前記腐食マップの地域において、前記腐食データが、他の適用エリア(20’、20”)、特に隣接する適用エリア(20’)及び/又は地理的に、かつ/若しくは気候的に類似する適用エリア(20”)におけるセンサモジュール(10、10’、10”)からのセンサデータに少なくとも基づいて判定されることを特徴とする、請求項9~11のいずれか一項に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項13】
前記適用エリア(20、20’、20”)に関する前記更なる情報が、少なくとも、前記適用エリア(20、20’、20”)の近隣環境における野生生物活動及び/又は人為的活動、例えば歩行者の活動の活発さを含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項14】
前記適用エリア(20、20’、20”)に関する前記更なる情報が、少なくとも、前記適用エリア(20、20’、20”)の近隣環境における空気質データを含むことを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項15】
前記識別された前記自然災害リスクが、以前に取得された前記センサデータの推移に基づいて、特に前記適用エリア(20,20’,20”)に関する以前に取得された更なる情報に基づいて生成される自然災害リスク予測を含むことを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載の、特に請求項13又は14に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項16】
前記屋外センサネットワーク(12)の少なくとも1つのセンサモジュール(10、10’、10”)が、岩石、石、雪崩、土石流、地滑りなどのための捕捉及び/又は安定化装置(222)として具現化された適用エリア(20,20’,20”)に割り当てられ、前記屋外センサネットワーク(12)の少なくとも1つのセンサモジュール(10、10’、10”)が、前記捕捉及び/又は安定化装置(222)における衝撃の検出のための衝撃センサ(28)を含み、前記センサモジュール(10、10’、10”)の前記対流圏測定データの測定系列、特に前記適用エリア(20,20’,20”)に関する前記更なる情報とともに、前記衝撃センサ(28)の衝撃データを使用して、かつ/又は前記センサモジュール(10、10’、10”)のロープ力センサ(30)のロープ力センサデータを使用して、分析、特にパターン認識が実行され、前記分析に基づいて、衝撃予測として実現される自然災害リスク予測が判定されることを特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項17】
前記判定された自然災害リスクに基づいて、前記適用エリア(20,20’,20”)のための、例えば自然災害防止設備(32)のための保守スケジュールが作成されることを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項18】
保守要員の編成、保守用具の編成、及び/又は消耗材料の編成が、複数の適用エリア(20、20’、20”)の判定された自然災害リスクに基づいて行われることを特徴とする、請求項17に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項19】
衝撃の検出後、及び/又は流入事象、例えば土石流の検出後、保守命令又は即時修理が、前記衝撃及び/又は前記流入事象の強度及び/又はタイプに応じてトリガされることを特徴とする、請求項1~18のいずれか一項に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項20】
ドローン(34)、特に保守ドローン及び/又は調査ドローンの配備が、前記判定された自然災害リスクの結果及び/又は値によってトリガされることを特徴とする、請求項1~19のいずれか一項に記載の、特に請求項18又は19に記載の分析及び/又は予測方法。
【請求項21】
特に請求項1~20のいずれか一項に記載のセンサネットワークに基づく分析及び/又は予測方法のためのセンサデータを記録及び提供するように構成された、屋外センサネットワーク(12)のセンサモジュール(10)と、少なくとも1つの屋外腐食センサ(38)と、対流圏測定データを判定するための少なくとも1つの周囲センサ(40)と、外部分析及び/又は予測ユニット(14)への前記センサデータの、特に無線での、送信のための少なくとも1つの通信ユニット(42)とを有する遠隔監視センサ装置(36)であって、
前記センサモジュール(10)が、少なくとも実質的に密閉されたセンサモジュールハウジング(44)を備えることを特徴とする、遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項22】
前記センサモジュールハウジング(44)が、ケーブル引き込み口がなく、ケーブル引き出し口がなく、圧力スイッチがなく、外部アンテナがないことを特徴とする、請求項21に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項23】
前記センサモジュール(10)が、外部カメラ(46)との結合のための無線カメラインターフェースを備えることを特徴とする、請求項21又は22に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項24】
外部起動及び/又は停止要素(48)であって、前記センサモジュール(10)の前記センサモジュールハウジング(44)に対する前記外部起動及び/又は停止要素(48)の相対位置に応じて、前記センサモジュール(10)を起動及び/又は停止するように構成されている外部起動及び/又は停止要素(48)を特徴とする、請求項21~23のいずれか一項に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項25】
前記通信ユニット(42)が、前記センサデータを直接、特にセンサデータのための1つ以上の収集ポイントを介して迂回することなく、前記外部分析及び/又は予測ユニット(14)に送信するように構成されており、前記外部分析及び/又は予測ユニット(14)が、異なる適用エリア(20、20’、20”)にわたって分散している複数のセンサモジュール(10、10’、10”)からセンサデータを受信するように構成されていることを特徴とする、請求項21~24のいずれか一項に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項26】
前記外部分析及び/又は予測ユニット(42)にアクセスできない場合に、前記通信ユニット(42)が、前記屋外センサネットワーク(12)の更なる、好ましくは隣接するセンサモジュール(10’)に前記センサデータを送信するように構成されていることを特徴とする、請求項25に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項27】
前記センサモジュール(10)が、少なくとも1つの加速度センサ(50)を備えることを特徴とする、請求項21~26のいずれか一項に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項28】
前記センサモジュール(10)が、少なくとも1つの向きセンサ(52)を備えることを特徴とする、請求項21~27のいずれか一項に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項29】
前記センサモジュール(10)が、少なくとも1つのロープ力センサ(30)を備えることを特徴とする、請求項21~28のいずれか一項に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項30】
前記ロープ力の測定のために、前記ロープ力センサ(30)が、少なくとも1つの箔ひずみゲージ(54)を備え、前記少なくとも1つの箔ひずみゲージ(54)が、好ましくは、前記ロープ力センサ(30)によってロープ力が監視されるロープ(56、56’、56”)とは離れて配置されていることを特徴とする、請求項29に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項31】
前記ロープ力センサ(30)が、前記センサモジュール(10)の接続ユニット(224)と少なくとも部分的に一体的に実装されており、前記接続ユニット(224)が、前記センサモジュール(10)を建造物(24)に、好ましくは前記建造物(24)のロープ(56、56’、56”)に直接固定するように構成されていることを特徴とする、請求項29又は30に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項32】
前記屋外腐食センサ(38)が、腐食によって生成される腐食電流フローの測定を基本としており、前記屋外腐食センサ(38)が、少なくとも1つの電荷蓄積器(58)であって、充電限界に達するまで前記腐食電流フローによって充電され、その直後に放電する電荷蓄積器(58)を備え、前記センサモジュール(10)が、電流計(60)であって、前記屋外腐食測定データを判定するために前記電荷蓄積器(58)の放電電流を測定するように構成された電流計(60)を備えることを特徴とする、請求項21~31のいずれか一項に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項33】
前記屋外腐食センサ(38)が、腐食によって生成される腐食電流フローの測定を基本としており、前記センサモジュール(10)が、前記センサモジュール(10)の少なくとも1つの構成要素に電力供給するように構成された少なくとも1つの蓄電池(62)を備え、前記屋外腐食センサ(38)の前記腐食電流フローが、前記蓄電池(62)の充電のための充電電流として機能することを特徴とする、請求項21~32のいずれか一項に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項34】
前記センサモジュール(10)が、事前分析ユニット(64)を備え、前記事前分析ユニット(64)が、前記センサモジュール(10)の前記センサのうちの少なくとも1つ及び/又は例えば外部カメラ(46)のような前記センサモジュール(10)に結合された少なくとも1つの外部センサの測定データ、特に生の測定データのセンサ近傍事前分析を少なくとも1回実行するように構成されていることを特徴とする、請求項21~33のいずれか一項に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項35】
前記事前分析ユニット(64)が、センサの測定データセットのどの部分が前記通信ユニット(42)によって送出されるか、かつ/又はセンサの測定データセットが前記通信ユニット(42)によって送出されるか否かの自律的選択を行うように構成されていることを特徴とする、請求項34に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項36】
前記事前分析ユニット(64)が、前記センサモジュール(10)の少なくとも1つのセンサ及び/又は前記センサモジュール(10)に結合された少なくとも1つの外部センサの測定データを使用して、前記通信ユニット(42)の送信間隔を定義するように構成されていることを特徴とする、請求項34又は35に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項37】
前記事前分析ユニット(64)が、前記センサモジュール(10)の少なくとも1つのセンサ及び/又は前記センサモジュール(10)に結合された少なくとも1つの外部センサの測定データに基づいて、少なくとも前記センサ及び/又は少なくとも1つの更なるセンサの待機段階及び/又は測定間隔の調整を定義するように構成されていることを特徴とする、請求項34~36のいずれか一項に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項38】
前記センサモジュール(10)が、既存のオペレーティングシステムに基づかない、特別に開発されたオペレーティングシステムを有する計算ユニット(66)を備えることを特徴とする、請求項21~37のいずれか一項に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項39】
前記センサモジュール(10)が、温度差、特に前記センサモジュールハウジング(44)内の温度差から電流を得るように構成された環境発電ユニット(68)を備えることを特徴とする、請求項21~38のいずれか一項に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項40】
前記センサモジュール(10)と同じ適用エリア(20)に割り当てられた少なくとも1つの更なるセンサモジュール(10’)を特徴とする、請求項21~39のいずれか一項に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項41】
前記センサモジュール(10)が、前記センサモジュール(10)の設定のために、設置者の外部セットアップ装置(72)、例えばスマートフォンと無線通信するように構成されたセットアップモジュール(70)を備えることを特徴とする、請求項21~40のいずれか一項に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項42】
前記センサモジュール(10)が、前記センサモジュール(10)の前記設定の開始のために前記外部セットアップ装置(72)によって読み出す又は作動させることができるセットアップ要素(74)、例えばQRコード(登録商標)、バーコード、及び/又はNFCインターフェースを備えることを特徴とする、請求項41に記載の遠隔監視センサ装置(36)。
【請求項43】
請求項21~42のいずれか一項に記載の複数の遠隔監視センサ装置(36)を有する屋外センサネットワーク(12)であって、前記複数の遠隔監視センサ装置(36)が、異なる適用エリア(20、20’、20”)を含み、かつセンサモジュール(10、10’、10”)をそれぞれ備え、前記センサモジュール(10、10’、10”)が、前記異なる適用エリア(20、20’、20”)に割り当てられ、いずれの場合も、共有の外部分析及び/又は予測ユニット(14)と無線で、特に直接通信する、屋外センサネットワーク(12)。
【請求項44】
建造物(24)、特に、例えば、落石バリア(76)、雪崩防御物(78)、落石カーテン(80)、斜面固定物(82)、土石流バリア(84)、及び/又は仮設防護柵(86)などの自然災害防止設備(32)であって、前記建造物(24)が、少なくとも1つのロープ(56、56’、56”)、特に固定ワイヤロープ(228)と、請求項21~42のいずれか一項に記載の遠隔監視センサ装置(36)の少なくとも1つのセンサモジュール(10、10’、10”)とを備え、前記センサモジュール(10、10’、10”)が、前記ロープ(56、56’、56”)に固定されている、建造物(24)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の分析及び/又は予測方法、請求項21の前提部に記載の遠隔監視センサ装置、請求項43に記載の屋外センサネットワーク、並びに請求項44に記載の建造物に関する。
【背景技術】
【0002】
とりわけ、建造物内の、例えばパイプライン(特許文献1を参照)又は鉄筋コンクリート(特許文献2を参照)における腐食進行を監視するセンサネットワークが既に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7526944号明細書
【特許文献2】米国特許第8886468号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、自然災害防止の分野において、腐食の本質的な問題は、これまで満足のいくように考慮されていなかった。
本発明の目的は、特に、自然災害防止及び/又は自然災害からの保護に関して有利な特性を有する一般的な方法及び/又は一般的な装置を提供することである。この目的は、本発明によれば、請求項1、21、43、及び44の特徴によって達成され、本発明の有利な実装形態及び更なる発展形態は、従属請求項から収集することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
自然災害からの保護のためのセンサネットワークに基づく分析及び/又は予測方法が提案され、この方法は、少なくとも以下の、
外部分析及び/又は予測ユニットにおいて、屋外センサネットワークの分散配置されたセンサモジュールから、電子センサデータを受信及び収集することであって、センサデータが、少なくとも屋外腐食測定データ及び/又はロープ力センサデータを含み、センサデータが、少なくとも対流圏測定データを含み、少なくとも1つの対流圏測定データセットが、特に地理的に、各屋外腐食測定データセットに割り当てられている、電子センサデータを受信及び収集することと、
屋外センサネットワークの受信したセンサデータを、外部分析及び/又は予測ユニットの、特に集中又は分散配置されたメモリユニット、例えば、外部分析及び/又は予測ユニットの、特に集中又は分散配置された電子(揮発性又は不揮発性の)データ記憶媒体、あるいは外部分析及び/又は予測ユニットの、特に集中又は分散配置された磁気記憶媒体、に記憶することと、
外部分析及び/又は予測ユニットが、屋外センサネットワークのセンサモジュールのそれぞれの適用エリアにおける自然災害リスクの判定のために、受信した、特に記憶された、屋外センサネットワークのセンサデータを分析することであって、屋外腐食測定データ及び対流圏測定データとは異なる、適用エリアに関する少なくとも1つの更なる情報が、自然災害リスクの判定のための分析に直接組み込まれる、分析することと、
外部分析及び/又は予測ユニットによって判定された自然災害リスクを、特に許可された、ユーザグループに提供することと、の方法ステップを含む。
【0006】
これにより、自然災害リスクに関する包括的かつ/又は重要な情報を、有利に取得、処理、並びに/又は、アクション及び/若しくはアクションのための命令に移行することを可能にする。有利には、特に異なる種類のセンサからもデータを収集する、屋外センサネットワークによって、1つの適用エリア又は複数の適用エリアの著しく正確かつ信頼性のあるマッピング及び/又は監視を可能にする。センサネットワークに基づく分析及び/又は予測方法では、特に、分散配置されたセンサモジュールの収集されたデータは、好ましくは自動化された方法及び/又はコンピュータベースの方法で、一緒に分析される。センサネットワークに基づく分析及び/又は予測方法では、特に、分散配置されたセンサモジュールの収集されたデータの分析に基づいて、センサデータ又は一般に監視される適用エリアの将来の動向が予測される。
【0007】
「自然災害」とは、特に、地球物理学的な自然災害であると理解されたい。自然災害は、特に、人間、動物、又は建造物に悪影響を及ぼし得る自然現象、好ましくは地質学的、物理的、及び/又は地球物理学的現象を意味する。自然災害は、とりわけ、落石、土石流、土石流、雪崩、浸食であってもよいが、また、例えば、建造物の少なくとも一部の腐食、特に大気腐食、又は単に特定の地域で可能性のある(大気)腐食のような、建造物の安定性に影響を及ぼす自然作用であってもよい。この文脈において、「自然災害リスク」は、例えば、特に防止策を設定する前、若しくは既存の自然災害防止策の下で発生する前述の現象のうちの1つに関して見積もられるリスク、自然災害防止策及び/又は建造物の状態に基づいて見積もられるリスク、又はリスク予測、例えば、自然災害防止策及び/又は建造物の寿命の予測であってもよい。好ましくは、「自然災害リスク」は、腐食リスク、落石リスク、及び/又は土石流が発生するリスクを意味する。
【0008】
「屋外センサネットワーク」とは、特に、外部に、好ましくは建物又はパイプラインなどの他のエンクロージャなどの外側に配置され、かつ優先的に開放雰囲気(外気)にさらされるセンサモジュールを(専ら)備えるセンサネットワークであると理解されたい。特に、「屋外センサネットワーク」は、野外センサネットワーク、及び/又は、外気にさらされ、かつ外気若しくは外気によって誘発される影響を測定するセンサネットワークを意味する。「外部分析及び/又は予測ユニット」は、特に、データ処理ユニット又はデータ処理ネットワークを意味し、例えば、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのメモリユニット(RAM、ROMなど)、及びプロセッサによってメモリユニットから呼び出すことができる少なくとも1つの動作プログラムを有するコンピュータ又はコンピュータネットワーク(例えば、クラウド)である。特に、外部分析及び/又は予測ユニットは、屋外センサネットワークのセンサモジュールとは少なくとも部分的に別個に実装されている。特に、外部分析及び/又は予測ユニットは、屋外センサネットワークのセンサモジュールから離れて配置される、好ましくは少なくとも1キロメートル超隔てて配置されている。特に、外部分析及び/又は予測ユニットは、屋外センサネットワークの異なるセンサモジュール、好ましくは異なる適用エリアに割り当てられた屋外センサネットワークのセンサモジュールから、センサデータを受信、収集、分析、及び/又は提供するように構成されている。外部分析及び/又は予測ユニットは、例えば、中央コンピューティングセンターとして、又は分散配置されたコンピューティングネットワーク(キーワード「クラウドコンピューティング」)として実現され、世界中に分散配置された屋外センサネットワークのデータ、又は世界中に配置された複数の屋外センサネットワークからのデータを受信、収集、分析、及び/又は提供する。外部分析及び/又は予測ユニットは、特に、センサモジュールによって測定された屋外センサネットワークの電子センサデータを無線で受信するように構成されている。外部分析及び/又は予測ユニットは、特に、受信したセンサデータを(集中又は分散配置された)メモリユニットに記憶するように構成されている。外部分析及び/又は予測ユニットは、特に、生のセンサデータ及び/又はセンサモジュールにおいて既に事前分析されたセンサデータを受信するように構成されている。「構成されている」とは、特に、具体的にプログラム、設計、及び/又は装備されていることを意味する。対象物が特定の機能のために構成されているとは、特に、その対象物が少なくとも1つのアプリケーション状態及び/又は動作状態において、この特定の機能を満たす及び/又は実行することと理解されたい。
【0009】
「屋外腐食測定データ」とは、特に、外気によって引き起こされる腐食を推測することを可能にする測定データであると理解されたい。「屋外腐食測定データ」とは、特に、野外腐食測定データであると理解されたい。例えば、「屋外腐食測定データ」は、例えば、外気によって誘発される測定装置の腐食によって生成される、腐食電流を測定することによって測定される。特に、屋外腐食測定データは、センサモジュールの屋外腐食センサ、特に野外腐食センサによって測定される。「ロープ力センサデータ」とは、特に、建造物、特に捕捉及び/又は安定化建造物のロープ、特にワイヤロープに加えられる、特にそれを引っ張る少なくとも1つのロープ力を推定することを可能にする測定データであると理解されたい。ロープ力センサデータは、特に、建造物における衝撃、建造物における衝撃の衝撃強度、建造物の流入レベル(キーワード「土石流バリア」)などの検出のために構成することができる。「衝撃センサデータ」とは、特に、建造物、特に捕捉建造物における衝撃体の少なくとも1つの衝撃を推定することを可能にする測定データと理解されたい。衝撃センサデータは、ロープ力センサデータと同じ測定信号に基づいて判定されることが考えられる。「対流圏測定データ」とは、特に、対流圏、特にセンサモジュールを取り囲む対流圏の少なくとも1つのパラメータの推定を可能にする測定データであると理解されたい。「対流圏測定データ」は、例えば、温度データ、空気中湿度データ、降雨データ、日照データ、風速データ、風向データ、気圧データ、露点データなどであってもよく、及び/又は大気汚染データ、微量ガス測定データ(例えば火山地帯における硫黄など)、オゾン測定データ、エアロゾル濃度測定データ、エアロゾル組成測定データ、水酸化物測定データ、pH値測定データ、塩濃度測定データなどであってもよい。好ましくは、特にセンサモジュールの対流圏測定データセットは、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、特に優先的には3つより多くの異なるタイプの対流圏測定データを同時に含む。「分散配置されている」とは、特に、1つの適用エリアにわたって分散されるように配置されていること、及び/又は、いくつかの適用エリアにわたって分散されるように配置されていることを意味する。
【0010】
対流圏測定データセットが屋外腐食測定データセットに割り当てられているとは、特に、屋外腐食測定データセットと対流圏測定データセットとが互いに論理的に結びついていると理解されたい。好ましくは、対流圏測定データセットは、屋外腐食測定データセットに地理的に割り当てられ、特に、両方の測定データセットが互いに非常に近接して、例えば最大10cm、好ましくは最大25cm、有利には1m以下、優先的には10m以下、及び特に優先的には100m以下の距離で記録されるように地理的に割り当てられている。「適用エリア」という用語は、特に、建造物、建造物集合体、自然災害防止策、及び/又は、例えば斜面などの場所であると理解されたい。「適用エリアに関する更なる情報」は、屋外腐食測定データ及び対流圏測定データとは異なる任意の情報、例えば、とりわけ、更なる測定データセット、又は、例えば、建造物の一部分の防食コーティングの厚さ、建造物及び/又は自然災害防止策のタイプ、若しくは局所的な地形などの建造物及び/又は自然災害防止策の特性であってもよい。判定された自然災害リスクは、特に電子的に、例えば、電子通知として、又は例えばインターネットポータルのようなポータルを介した検索として、ユーザグループに提供される。優先的に、許可されたユーザグループの人は、判定された自然災害リスクが事前処理された、例えばグラフィカルに事前処理された方法で示されるポータルにアクセスする許可を有する。あるいは、当然ながら、特別な許可が必要とされず、提供されたデータの少なくとも一部分が自由に利用可能であることも考えられる。特に、判定された自然災害リスクに基づいて、警告及び/又は警報が、特に許可された、ユーザグループに出力されることが考えられる。この目的のために、外部分析及び/又は予測ユニットは、例えば、判定された自然災害リスクの、特にインテリジェントな、かつ/又は自動化された、評価を実行し、危機的状態が識別された場合にユーザグループに自律的に警報を発する、かつ/又は警告する。このための例は、分析及び/又は予測ユニットが、分析されたセンサデータに基づいて、建造物に衝撃があったこと、又は建造物の腐食状態が、特に予め決定可能な、許容閾値を超えたことを確認することである。
【0011】
更に、適用エリアの少なくとも1つは、大気腐食にさらされる金属構成要素、特に外部に配置された金属ワイヤ及び/又は金属ワイヤロープ、好ましくは外部に配置された防食被覆(Zn、ZnAl、プラスチックなど)鋼ワイヤ及び/又はステンレス鋼ワイヤを備える建造物であること、並びにユーザグループに提供される自然災害リスクは、センサデータに基づいて判定された建造物の残存寿命を含むことが提案される。結果として、高度の安全性が有利に達成可能である。有利なことに、建造物の保守、改修、新築などの計画を最適化することが可能である。有利には、建造物の保守スケジュール及び/又は改修計画を編成することができる。更に、有利なことに、異なる場所に位置する複数の建造物の保守を含む包括的な保守スケジュールを最適化することが可能である。例えば、異なる建造物の適切な保守の順序によって、保守車両及び/又は保守スタッフの経路及び/又は作業時間を最適化することができる。更に、このようにして、保守材料及び/又は消耗材料、例えば交換部品の時間最適化された発注が有利に可能となる。結果として、保管のための費用及び/又は保管の規模を有利に削減することができる。建造物は、具体的には、捕捉装置、特に捕捉建造物、例えば、落石バリア、土石流バリア、雪崩バリア、落石カーテン、仮設防護柵などや、安定化装置、特に安定化建造物、例えば斜面固定物、雪崩防御物などとして、又は吊り橋、例えば歩行者吊り橋、屋根建造物、例えばスタジアム屋根建造物、ガラスファサード、マストアンカー、風車アンカーなどのようなロープ及び/又はワイヤ構造物を備える更なる建造物として実現されている。
【0012】
残存寿命は、特に残存寿命パラメータとして実装されている。残存寿命パラメータは、特に、センサデータに基づいて、好ましくは少なくとも屋外腐食測定データ及び対流圏測定データに基づいて計算される(近似)時間情報として実装されている。例えば、残存寿命パラメータは、建造物の残存寿命を残りの年数、月数、及び/又は日数として与える。代替的に、残存寿命パラメータは、目標日(正確な年、月、又は日)として建造物の残存寿命を与える。代替的に、残存寿命パラメータは、例えば、防食層の残りの残存層厚のパーセンテージ、既に除去された防食層の層厚のパーセンテージ、予め計算された総寿命の残存パーセンテージなどを示すパーセンテージとして更に実装されていてもよい。特に、この場合、残存寿命の計算のために、建造物の監視対象の金属構成要素の防食層の少なくとも厚さ、特に初期厚さが、適用エリアに関する更なる情報として考慮される。代替的に、残存寿命パラメータはまた、例えば土石流バリアの、例えばバリアへの流入量のパーセンテージ(既に流入したパーセンテージ又は依然として利用可能なパーセンテージ)を示すパーセンテージとして実装されていてもよい。特に、この場合、残存寿命の計算のために、バリアの少なくとも1つの測定された流入レベルパラメータ、例えばバリアの固定ロープに作用するロープ力が、適用エリアに関する更なる情報として考慮される。残存寿命の計算のために、両方の場合において、少なくとも1つの気候予測、例えば、過去に測定された気象データに基づく気候予測、並びに/又は、特に局所的及び/又は全体的な気候変化を考慮した、将来に対して予想される気象データに基づく気候予測が、適用エリアに関する更なる情報として統合されることも考えられる。特に、判定された残存寿命は、好ましくは世界中で、例えば、好ましくはインターネットアクセスを有する電子ディスプレイユニットによって、ユーザグループに提供される。
【0013】
提供される自然災害リスクが、センサデータに基づいて判定された、防食被覆された、特に亜鉛被覆された金属構成要素の、特に標準化された防食層減少率、特に亜鉛保護層減少率を含む場合、防食層で被覆された構造構成要素の残存寿命を特に単純な方法で推定することが有利に可能である。特に、特定の材料、例えば亜鉛の減少率から、他の材料の減少率を推定することが可能であり、したがって、有利には、自由度の高い使い方を達成可能になる。「標準化された防食層減少率」とは、特に、異なるタイプの防食層に変換することができる防食層減少率であると理解されたい。防食層のタイプは、特に、亜鉛コーティング、ZnAlコーティング、ZnAlMnコーティング、PETシース、PVCシースなどであってもよい。特に、この防食層減少率は、ステンレス鋼腐食速度に変換することもできる。
【0014】
更に、提供される自然災害リスクは、土石流バリア、雪崩防御物、落石バリア、及び/又は特に緩慢な流入を許容する更なる建造物を固定するロープにおけるロープ力変化を含み、このロープ力変化は、センサデータに基づいて判定されることが提案される。このようにして、有利には、土石流バリア、雪崩防御物、落石バリア、及び/又は更なる建造物の残存寿命を定義する、土石流バリア、雪崩防御物、落石バリア、及び/又は更なる建造物の流入レベルを判定することが可能である。
【0015】
これに加えて、適用エリアの地理的環境の腐食分類が、判定された防食層減少率を考慮して定義されることが提案される。これにより、有利なことに、適用エリアの地理的環境の著しく正確な、かつ/又は信頼性のある腐食分類を達成することが可能になる。有利には、特に地理的及び/又は気候学的な構成条件のみに基づく広く使用されている腐食分類とは対照的に、実際の腐食測定に基づく腐食分類をもたらすことが可能である。特に、腐食分類は、規格DIN EN ISO12944-1:2019-01のカテゴリC1~CXに従って行われる。特に、適用エリアの環境には、判定された防食層減少率の値に基づいた腐食クラスが割り当てられる。
【0016】
加えて、少なくとも1つの適用エリアにおいて、特に、以前には保護されていなかった少なくとも1つの場所において、屋外センサネットワークのセンサモジュールが、自然災害安全対策の前に設置され、次いで、判定された自然災害リスクに応じて、自然災害安全対策を実施する必要性の評価が行われることが提案される。これにより、有利には、特定の場所における自然災害安全対策の必要性の評価を判定することが可能になる。結果として、自然災害防止のための資源利用を全体的に最適化することが有利に可能である。有利なことに、特に自然災害安全対策を効果的に施すことができるので、安全性を高めることができる。有利なことに、自然災害安全対策の賛否に関する意思決定を大幅に容易にするエキスパートツールを作成することが可能である。特に、自然災害を構成する現象、例えば、落石、土石流、地滑り、浸食などの発生確率は、好ましくは有意な時間間隔の間(例えば、少なくとも1年間又は少なくとも2年間)に、センサモジュールによって収集されたセンサデータ(例えば、対流圏センサデータ)から計算される。特に、計算された確率は、自然災害安全対策の賛否の重み付けのために、意思決定者を含むユーザグループに提供される。特に、自然災害安全対策を実行する必要性の評価は、ある時間間隔内、例えば、自然災害安全対策の平均寿命内に自然災害を構成する現象が発生する確率の詳細を含む。特に、自然災害安全対策は、1つ以上の上述の捕捉及び/又は安定化建造物を含むことができる。更に、自然災害安全対策を実行する必要性の評価は、リスク分類(例えば、少なくともカテゴリ(「高リスク」、「中リスク」、「低リスク」)を含む)を含むことが考えられる。
【0017】
少なくとも1つの適用エリアにおいて、屋外センサネットワークのセンサモジュールが、計画された建築対策の前に設置され、次いで、判定された自然災害リスクに応じて、計画された建築対策の調整が実行されることが更に提案される。これにより、有利には、高レベルの安全性を達成することが可能になる。建造物、特に上述の捕捉及び/又は安定化建造物のうちの1つの適切な調整が有利に達成可能である。「計画された建築対策の調整」は、特に、建築される建造物の、好ましくは強度、堅牢性などに関する、設計を意味する。例えば、落石バリアの捕捉能力は、予想される落石事象のサイズ及び/又は頻度に適合させることができる。例えば、予想される浸食強度に対して斜面固定物の固定を適合させることが可能である。例えば、斜面固定物の固定は、予想される浸食強度に適合させることができる。
【0018】
建築対策がワイヤネット及び/又はワイヤロープの設置を含み、ワイヤネット及び/又はワイヤロープの防食層のタイプ及び/又は厚さの選択が、判定された自然災害リスクに基づいて行われる場合、有利には、最適な腐食防止、したがって設置物の最適な及び/又は好ましくは長い寿命が達成可能である。「防食層のタイプ」とは、特に、防食層の材料及び/又は組成を意味する(例えば、上記参照)。特に、強い腐食環境、例えば湿潤気候及び/又は海付近では、より高い耐性を有する防食層(例えばZn/Al)又はより高い耐性を有する異なる腐食防止(例えばステンレス鋼ワイヤ)が、より低い耐性の防食層(例えばZn)よりも好ましい。特に、強い腐食環境、例えば湿潤気候及び/又は海付近では、より厚い防食層(例えば、150g/m超)を有するワイヤが、より薄い防食層(例えば、150g/m未満)を有するワイヤよりも好ましい。特に、より弱い腐食環境、例えば乾燥砂漠地帯では、比較的薄い防食層を有する大幅に安価なワイヤで十分である。特に、センサデータに基づいて計算された調整結果は、建築対策の計画及び/又は設計をサポートするために、特に建築立案者を含む、ユーザグループに提供される。特に、建築対策の計画及び/又は設計を支援するために、特に建築立案者を含む、ユーザグループには、センサデータに基づいて計算された、防食層のタイプ及び/又は厚さに関する推奨事項が提供される。
【0019】
更に、ワイヤネット及び/又はワイヤロープのワイヤ径及び/又は材料の選択が、判定された自然災害リスクに基づいて行われる場合、並びに/又は、ワイヤネット及び/又はワイヤネットのメッシュのメッシュサイズの寸法、特に全体寸法の選択が、判定された自然災害リスクに基づいて行われる場合、高レベルの安全性が有利に達成可能である。これにより、有利なことに、予想される自然災害の強度及び/又は激しさに、保護内容を正確に適合させることが可能になる。有利には、高い費用対効率及び/又は長い寿命を達成可能である。考えられる選択可能な(最小)ワイヤ径は、例えば、とりわけ、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、又は7mmである。考えられる選択可能な材料は、とりわけ、鋼、高張力鋼(特に、800N/mm以上の公称引張強度を有する鋼を意味する)、又はステンレス鋼である。特に、ワイヤネット及び/又はワイヤロープ、特に鋼ワイヤネット及び/又は鋼ワイヤロープの引張強度は、判定された自然災害リスクに基づいて実現されてもよい。選択可能な鋼ワイヤの考えられる最小公称引張強度は、例えば、とりわけ、400N/mm、800N/mm、1000N/mm、1770N/mm、2200N/mm、又は3000N/mmである。ワイヤネットの寸法は、特に、センサモジュールを介して確認された危険地帯の、判定された寸法に応じて定義される。例えば、センサデータに基づいて、特定の場所において、どの勾配範囲に捕捉及び/又は安定化建造物による地形の固定が必要であるかが確認される。特に、センサデータに基づいて計算された、ワイヤ径、ワイヤ材料、ワイヤネットの寸法、ワイヤネットの正確な位置、及び/又はワイヤネットのメッシュのメッシュサイズに関する推奨は、建築対策の計画及び/又は設計をサポートするために、特に建築立案者を含む、ユーザグループに提供される。
【0020】
更に、適用エリアに関する更なる情報は、少なくとも、適用エリアに設置されたそれぞれのセンサモジュールの地理的座標を含み、これらの地理的座標は、腐食データ、例えば、腐食分類、腐食強度値、防食層減少率などを示す少なくとも適用エリア及び/又は適用エリアの近隣環境の腐食マップとして実現される自然災害リスクが判定されるときに使用されることが提案される。これにより、有利には、適用エリア及び/又は適用エリアの近隣環境の、特に少なくとも局所的な、腐食性の詳細な範囲を取得することができる。またこれにより、有利には、腐食性による小規模な局所的差異を可視化することができる(この差異は、例えば、雨陰の中若しくは外の場所、高い日射強度の中若しくは外のエリア内の場所、又は滝若しくは波打ち際の水しぶきがかかる範囲内の場所などに起因する)。特に、センサモジュールが設置されるとき、センサモジュールに割り当てられた地理的座標が確認され、かつ/又はセンサモジュールにコピーされる。代替的に、センサモジュールがそれ自体のGPS機能を有することが考えられる。腐食マップは、特に、地理データと地理的座標にリンクされた腐食データとの組み合わせを含むマップ表現として実装されている。特に、センサデータに基づいて計算された腐食マップは、例えば建築対策の計画及び/又は設計をサポートするために、ユーザグループに提供される。特に、腐食マップ、好ましくはユーザグループに提供される腐食マップの表現は、空間的に分解された、特に測定、補間、及び/又はシミュレートされた、腐食データ及び/又は腐食分類を有する、マップ、例えば、政治地図、地形図、及び/又は地質図などの重ね合わせを含む。
【0021】
腐食マップが、特に、自然災害防止設備、好ましくは建造物、優先的には捕捉及び/又は安定化建造物として具現化されている適用エリアの、建物情報モデリングシステム(Building Information Modeling System、BIMシステム)に組み込まれる場合、有利には、適用エリア、特に建造物の特に効果的で単純かつ透過的な管理が可能になる。有利なことに、不動産管理、特に施設管理を改善することが可能である。有利なことに、例えば腐食による損傷が激しい場所を、ユーザフレンドリな方法で明確に知覚可能にすることができる。BIMシステムは、特に、腐食マップが好ましくは重ね合わされる、適用エリア、特に建造物の幾何学的に可視化された仮想モデルを含む。これにより、適用エリア、特に建造物のどの場所及び/又は部分が腐食の増加にさらされ得るかを直接認識することができる。有利なことに、BIMモデルに統合された腐食マップは、BIMモデルの建造物の寿命全体にわたって実現することができる。特に、腐食マップが重ね合わされたBIMモデルは、例えば、建造物管理をサポートするために、ユーザグループに提供される。
【0022】
更に、判定された腐食マップに基づいて、自然災害防止設備として具現化されている適用エリアの、特に局所的な、最適化が実行される場合、有利には、高レベルの安全性が達成可能である。有利には、自然災害防止設備の効率的な、及び/又は正確に適合された実装が達成可能である。「自然災害防止設備」という用語は、特に、捕捉及び/又は安定化建造物であると理解されたい。自然災害防止設備の「局所的最適化」は、特に、自然災害防止設備の実装の局所的適合、例えば、自然災害防止設備の局所的拡大による、自然災害防止設備の局所的補強(例えば、ワイヤ径、防食コーティングの厚さなどを変更することによる)などを意味する。例えば、適用エリアの部分領域において腐食性の増加が確認された場合、この部分領域に配置されたワイヤネットに対して異なる腐食防止が選択されること、及び/又はこの部分領域において第2のワイヤネットが第1のワイヤネットに隣接して若しくは第1のワイヤネットの上に設置されることなどが考えられる。自然災害防止設備の最初の設置の前に既に最適化が行われること、又は既に設置された自然災害防止設備にその後にのみ最適化が実現されることが考えられる。
【0023】
更に、適用エリアの周辺地域を超えて、シミュレートされた腐食データで腐食マップが補填され、屋外センサネットワークのセンサモジュールがない腐食マップの地域において、腐食データは、他の適用エリア、特に隣接する適用エリア及び/又は地理的に、かつ/若しくは気候的に類似する適用エリアにおけるセンサモジュールからのセンサデータに少なくとも基づいて判定されることが提案される。結果として、有利には、実際の腐食測定データに基づきながら、特に広いエリアをカバーする腐食マップを得ることができる。これにより、有利なことに、地理的に広い地域に対する建築計画の信頼性のあるサポートが可能になる。更に、有利なことに、測定データ(例えば、腐食測定データ)がまだ存在しない地域であっても、実際の測定データによってサポートされる建築計画が可能になる。特に、屋外センサネットワークのセンサモジュールがない地域における腐食データを判定するために、腐食センサを有するセンサモジュールが存在する2つの隣接する適用エリアの腐食データ間で補間が行われる。特に、屋外センサネットワークのセンサモジュールがない地域は、腐食センサを有するセンサモジュールが存在する適用エリアと比較され、好ましくは、地理的かつ/又は気候的類似性を確認する際に、地理的かつ/又は気候的に類似する適用エリアにおける腐食データは少なくとも実質的に同じであるものとするという仮定がなされる。そして、特にこのような場合、地理的かつ/又は気候的に類似した適用エリアには、実際に腐食データが測定される適用エリアと同じ腐食データが割り当てられる。「シミュレートされた腐食データ」とは、特に、直接的な現場測定に基づくものではなく、例えば経験値から、既知の腐食測定データとの比較から、及び/又は既知の腐食測定データの補間を介して計算される腐食データであると理解されたい。特に、このようにして補完された腐食マップは、例えば、更なる新しい建築対策のサポートのために、又は更なる新しい建築対策に関する決定のために、ユーザグループに提供される。
【0024】
更に、適用エリアに関する更なる情報は、少なくとも、適用エリアの近隣環境における野生生物活動及び/又は人為的活動、例えば歩行者の活動の活発さを含むことが提案される。このようにして、自然災害リスクの判定の実質的な改善が有利に達成可能であることを研究が示している。結果として、特に、例えば落石予測のような自然災害予測を特定することが可能である。特に季節的な、高い野生生物活動、又は特に季節的な、高い人為的活動、例えば歩行者の活動は、適用エリアにおける物質の転位の増加をもたらす可能性があり、これにより、特に特定の大気条件下で、落石事象のようなセンサモジュールによって検出可能な事象の確率を実質的に増大させる可能性がある。したがって、自然災害リスクは、少なくとも季節的に、活動のそれぞれの活発さによって実質的に影響を受ける可能性があり、特に季節的に増加する可能性がある。特に、屋外センサネットワークは、野生生物活動及び/又は人為的活動を捕捉するように構成されている。好ましくは、屋外センサネットワークは、少なくとも1つのカメラ、特に野生動物及び/又は人間、例えば歩行者を記録及び/又はカウントするように構成された少なくとも1つの野生生物カメラを備える。代替的に、野生生物活動及び/又は歩行者の活動はまた、例えば、外部野生生物カメラを介して、猟場番人によって実行される野生生物計数を介して、歩行者の駐車場の販売された駐車券の枚数を介して、販売された山岳鉄道切符の枚数を介してなど、適用エリア及び/又はその周囲に関する外部データから収集されてもよい。「近隣環境」という用語は、特に、適用エリアの周り、好ましくは適用エリアの最も端の部分の周りの数キロメートル、例えば、最大10km、最大5km、若しくは最大2km内の環境、又は好ましくは、適用エリアの周り、好ましくは適用エリアの最も端の部分の周りの数百メートル、例えば、最大800m、最大500m、若しくは最大300m内の環境を意味する。
【0025】
代替的に又は追加的に、適用エリアに関する更なる情報は、少なくとも、適用エリアの近隣環境における空気質データを含むことが提案される。このようにして、自然災害リスクの判定の実質的な改善が有利に達成可能であることを研究が示している。結果として、特に、特定の空気汚染物質が腐食促進効果を有し得るので、腐食を受ける建造物の金属構成要素の残存寿命の予測を特定することが特に可能である。空気質データは、特に、空気中に含まれ得る微量ガス又はエアロゾルに関するデータを含むことができる。例えば、エアロゾル液滴は、低いpH値又は高濃度の塩を有する場合があり、これは、金属構成要素上に凝結する場合があり、したがって、腐食に影響を及ぼし得る。例えば、特定の地域(例えば、火山付近又は大気汚染の多い都市)では、腐食促進ガス及び/又はエアロゾルが空気中に含まれることがある(例えば、二酸化硫黄のような硫黄化合物)。好ましくは、屋外センサネットワークは、少なくとも1つの空気質センサを備える。代替的に、空気質はまた、例えば、外部空気汚染物質測定を介して、又は空気汚染物質シミュレーションを介して、適用エリア及び/又はその周囲に関する外部データから捕捉されてもよい。
【0026】
これに加えて、識別された自然災害リスクは、好ましくはデータマイニングによって、以前に取得されたセンサデータの推移に基づいて、特に、以前に取得された適用エリアに関する更なる情報に基づいて生成される自然災害リスク予測を含むことが提案される。これにより、有利なことに、高レベルの安全性を達成することが可能になる。例えば、このようにして自然災害リスクにさらされる建造物の最適化及び/又は最適化された調整が達成可能である。結果として、予想される事象に耐えることができ、かつ/又は予想される事象からの十分な保護を提供することができるように、建造物を有利に設計することができる。例えば、将来の事象の予測可能性は、事象発生時に測定された異なるセンサデータの相関を使用して推測することができる。例としては、降水量限界値、風速限界値、又は野生生物活動限界値の判定であり、それを超えると、特に特定の大きさの、落石の発生の可能性がある。例えば、自然災害リスク予測のパラメータを超えた場合又は下回った場合に、建造物の提供者又は管理者に警告を与えることが可能であり、これにより、例えば、緊急チーム又は修理チームが警報待機モードに入ることができる。例えば、自然災害リスク予測は、消防士の制御室に利用可能にすることができ、この制御室は、自然災害リスク予測によって事象発生確率の増加が予測される限り、特定のユニットを増加した警報レベルにすることができる。例えば、自然災害リスク予測は、鉄道提供者に利用可能にされてもよく、自然災害リスク予測によって事象発生確率の増加が予測される限り、鉄道提供者が特定エリアを通る列車の通過を停止すること、又は迂回を誘導することを可能にする。例えば、自然災害リスク予測は、歩道の管理を担当する当局に提供されてもよく、この当局は、自然災害リスク予測によって事象発生確率の増加が予測される限り、特定エリア内の歩道を規制する。
【0027】
また、屋外センサネットワークの少なくとも1つのセンサモジュールが、岩石、石、雪崩、土石流、地滑りなどのための捕捉及び/又は安定化装置として具現化され、かつ特に捕捉及び/又は安定化建造物として具現化された適用エリアに割り当てられ、屋外センサネットワークの少なくとも1つのセンサモジュールが、捕捉装置における衝撃の検出のための衝撃センサを備え、衝撃センサの衝撃データを使用して、かつ/又はセンサモジュールのロープ力センサのロープ力センサデータを使用して、分析、特にパターン認識が実行され、ロープ力センサデータは、センサモジュールの対流圏測定データの測定系列とともに、特に適用エリアに関する更なる情報とともに、特に土石流バリアの流入レベルの測定値を与え、この分析に基づいて、衝撃予測として実現される自然災害リスク予測が判定されることが提案される。過去からの測定データの組み込みは、自然災害リスク予測の改善を達成することを有利に可能とする。パターン認識は、特に、自動パターン認識として実装され、好ましくは、機械学習の原理及び/又はニューラルネットワークの原理に基づく分析及び/又は予測ユニットのアルゴリズムによって実行される。特に、このようにして判定された自然災害リスク予測は、ユーザグループに提供される。特に、パターン認識は、屋外センサネットワークの故障しているセンサ及び/又はセンサモジュールの認識を更に含む。例えば、個々の潜在的に損傷した、誤って較正された、又は不正確に設置されたセンサ及び/又はセンサモジュールは、データ異常値によって識別することができる。パターン認識はまた、好ましくはクラウドインテリジェントセンサの原理に基づく。
【0028】
更に、判定された自然災害リスクに基づいて、適用エリアのための、例えば自然災害防止設備のための保守スケジュールが作成されることが提案される。これにより、有利なことに、例えば人員、材料、及び機械の編成に関して、高い効率、特に保守効率を達成することができる。特に、保守スケジュールは、ユーザグループに提供される。特に、保守スケジュールは更に、判定された自然災害リスク予測に基づく。特に、保守スケジュールは、変化するセンサ測定データに柔軟に適合される。特に、保守スケジュールは、検出された事象、例えば衝撃事象及び/又は流入事象に柔軟に適合される。例えば、1つ以上の新たな衝撃又は流入事象、例えば土石流の検出後に、特定の適用エリアが保守スケジュールにおいて時間的に前方に移動されることが考えられる。
【0029】
保守要員の編成、保守用具の編成、及び/又は消耗材料の編成が、特に地域内に分散配置された、複数の適用エリアの判定された自然災害リスクに基づいて行われる場合、高い保守効率が有利に達成可能である。例えば、保守稼働において複数の適用エリアをチェックする保守チームの検査ルートは、総運転時間に関して、及び/又は総運転距離に関して最適化することができる。「保守要員の編成」は、特に、保守を行う人への適用エリアの割り当てを意味する。好ましくは、保守命令は、本明細書では、特に分析及び/又は予測ユニットによって、全体として作業負荷を地域内で利用可能な人員全体に可能な限り均等に分配することができるように、及び/又は地域内で利用可能な人員の総運転距離を可能な限り短く保つことができるように、分配される。「保守用具の編成」は、特に、保守を行う人への保守用具の割り当てを意味する。好ましくは、保守命令は、本明細書では、特に分析及び/又は予測ユニットによって、利用可能な人員全体への保守用具の割り当てが分配されるように、保守用具及び人員の好ましくは短いダウンタイムが達成可能であるように、分配される。「消耗材料の編成」は、特に、保守を行う人への消耗材料の割り当てを意味する。好ましくは、消耗材料は、本明細書では、特に分析及び/又は予測ユニットによって、好ましくは少量の保管が必要とされるように、利用可能なスタッフに割り当てられる。
【0030】
更に、特に衝撃センサによる、捕捉装置、特に落石バリアにおける衝撃の検出後、及び/又は、特にロープ力センサによる、特に土石流バリアにおける、流入事象、例えば土石流の検出後、特に警告として実施される、保守命令、及び/又は、特に警報として実施される、即時修理が、衝撃及び/又は流入事象の強度及び/又はタイプに応じてトリガされることが提案される。これにより、有利なことに、事象の発生に対する適切な、かつ/又は効率的な反応が可能になる。有利なことに、安全性を更に高めることが可能である。特に、衝撃及び/又は流入事象の強度が(例えば、予め決定可能な限界値を超える又は下回ることによって)捕捉装置の深刻な損傷の推定を可能にする場合、警報がトリガされ、これにより、好ましくは、(緊急)修理チームが可能な限り早く送られること、及び/又は適用エリアが許可されていない人に対して規制されることになる。特に、衝撃及び/又は流入事象の強度が(例えば、許容範囲内の測定値によって)捕捉装置のより深刻でない損傷を推測することを可能にする場合、警告がトリガされ、これにより、好ましくは、適用エリアの検査が前倒しされ、該当する場合、それぞれの捕捉装置が空にされることになる。
【0031】
更に、ドローン、特に保守ドローン及び/又は調査ドローンの配備が、結果、例えば、落石バリアにおける衝撃及び/若しくは土石流バリアの流入事象によって、並びに/又は判定された自然災害リスクの値、特に衝撃及び/若しくは流入事象の強度によってトリガされることが提案される。結果として、有利なことに、高レベルの保守効率が達成可能であり、及び/又は編成の労力を低く保つことができる。「ドローン」とは、特に、自律的に動作する、又は遠隔制御される、のいずれかである無人航空機と理解されたい。「調査ドローン」とは、適用エリア、特に建造物の、特に光学的、評価及び/又は検査を行うように構成されている、特に純粋なセンサドローン、特にカメラドローンであると理解されたい。「保守ドローン」とは、特に調査ドローンのタスクに加えて、特に少なくとも1つの保守活動を実行するように構成されたドローンであると理解されたい。保守活動は、例えば、センサモジュールからのデータの読み出し、センサモジュールのエネルギー蓄積器の充電、センサモジュールの部品(例えば、バッテリ)の交換、センサモジュールの設置などであってもよい。特に、ドローンは、(GPSに依存しない)ナビゲーションのために、特に「仮想トラッキング」の原理の下で、方位測定の地点として、及び/又は方位測定支援のために、適用エリアに配置されたセンサモジュールを使用して、少なくとも部分的に自律的に動作することが考えられる。ドローンの配備が「トリガされる」とは、特に、駐機位置からのドローンの直接的な自律的始動であると理解されたい。代替的に、ドローンの配備が「トリガ」されるとは、ドローンの配備を担当し、通知に従って、好ましくはドローンを適用エリアに輸送し、ドローンを自律的に又は遠隔制御によって始動させる、人への通知であると理解されたい。
【0032】
更に、特にセンサネットワークに基づく分析及び/又は予測方法のためのセンサデータを記録及び提供するように構成された、屋外センサネットワークのセンサモジュールと、少なくとも1つの屋外腐食センサと、対流圏測定データを判定するための少なくとも1つの周囲センサと、外部分析及び/又は予測ユニットへのセンサデータの、特に無線での、送信のための少なくとも1つの通信ユニットとを有する遠隔監視センサ装置が提案され、センサモジュールは、少なくとも実質的に密閉されたセンサモジュールハウジングを備える。これにより、有利には、特に1つの適用エリア又は複数の適用エリアにおける自然災害リスクに関する包括的かつ/又は重要な情報を取得することが可能になる。有利には、信頼性のある、かつ/又は堅牢な屋外センサ監視が可能になる。有利には、長期の屋外監視が可能になり、これは、好ましくは、特に悪天候条件の場所でも恒久的に機能する。屋外腐食センサは、特に、好ましくは外気の腐食性を検出するように構成された、野外腐食センサとして具現化されている。屋外腐食センサは、特に、腐食電流を測定することによって、腐食、好ましくは腐食の進行を検出するように構成されている。屋外腐食センサは、腐食監視要素を備える。屋外腐食センサは、特に、外気にさらされるように支持された腐食監視要素における腐食プロセスによって生成される腐食電流を測定するように、好ましくは腐食電流の電流値の推移を測定するように構成されている。有利には、屋外腐食センサによって、腐食監視要素の、特にコーティングの、腐食、特に防食層減少率に比例する電流フローが検出され、この電流フローは、特に、防食層減少率の時間的推移、瞬間防食層減少率、及び/又は防食層、特に腐食監視要素の、したがって、また適用エリアに位置する金属部品の、実際の残留材料強度を推測することを可能にする。
【0033】
腐食監視要素は、修正されたACM(Atmospheric Corrosion Monitor)(大気腐食モニタ)センサとして具現化されている。特に、ACMセンサは、好ましくは金属及び/又は合金の間を流れるガルバニ電流に基づいて、周囲の腐食性並びに/又は、金属及び/又は合金の腐食率、特に減少率を判定するように構成されている。特に、ACMセンサは、特に乾燥状態で、互いに電気的に絶縁された少なくとも2つの電極を備える。これらの電極は、特に、少なくとも部分的に異なる材料、好ましくは異なる貴度の金属で実装されている。少なくとも1つの電極が少なくとも1つのコーティングを含み、その結果として、特に少なくとも2つの電極の少なくとも表面材料が異なることが考えられる。好ましくは、表面材料は、異なる貴度の金属で作製されている。有利には、少なくとも1つの電極は、ワイヤネットのワイヤの少なくとも一部分と実質的に同一に実装されている。このようにして、腐食監視要素上で測定された材料減少の、ワイヤネットの材料減少への好ましくは良好な移行性が有利に達成可能である。有利には、ACMセンサの少なくとも1つの更なる電極は、ワイヤの一部分と実質的に同一に実装されている電極よりも貴である材料から少なくとも部分的に作製されている。より貴な材料は、特に、鋼、銀、金、コバルト、ニッケル、銅、白金、パラジウム、電位系列において亜鉛の上に位置する更なる元素、及び/又は電位系列において亜鉛の上に位置する合金であってもよい。特に、電極、特に異なる表面材料を有する電極は、互いに接触しないように配置されている。特に、電極、特に異なる表面材料を有する電極は、互いに直接接触しない。好ましくは、湿潤状態において、電極、特に異なる表面材料を有する電極は、電解質を構成する水滴を介して電気的に接触している。特に、電極が電気的に接触する場合、ガルバニ電流が流れる。ガルバニ電流が流れると、特に、より卑な電極の材料減少及び/又は腐食を引き起こす。有利には、電流フローは、材料除去に比例する。電解質の存在及び/又は電解質の特性、特に腐食特性は、特に、腐食監視要素が特定の時点でさらされる周囲条件に依存し、したがって、有利には、その時点での周囲条件の腐食性を推測することができる。
【0034】
周囲センサは、少なくとも1つの温度計、少なくとも1つの湿度計、少なくとも1つの雨量計、少なくとも1つの日射計、少なくとも1つの風速計、少なくとも1つの気圧計、及び/又は、例えば、微量ガス、塩濃度又はエアロゾル濃度などを検出するための測定装置のような少なくとも1つの更なる測定装置を備える。特に、通信ユニットは、センサデータを外部分析及び/又は予測ユニットに自動的に、好ましくは周期的に送信するように構成されている。好ましくは、通信ユニットは、移動通信能力を有する。特に、通信ユニットは、移動通信プロトコル、例えば、EDGE、GPRS、HSCSDを介して、及び/又は好ましくはGSM移動通信プロトコルを介して通信する。しかしながら、追加的又は代替的に、分析及び/又は予測ユニットと通信するための更なる無線インターフェースも考えられる。また、センサモジュール、特に通信ユニットが、近隣環境の電子ユニット、例えば屋外センサネットワークの更なるセンサモジュール、ドローン、及び/又は、例えば外部カメラ、特に外部Bluetooth(登録商標)カメラのような外部センサと通信するための更なる無線インターフェースを備えることも考えられる。更なる無線インターフェースは、例えば、Bluetooth(登録商標)無線インターフェース、NFC無線インターフェース、RFID無線インターフェース、LoRa無線インターフェース、又は同等の短距離無線インターフェースを含んでもよい。好ましくは、通信ユニットは、センサデータに加えて、センサモジュールに関する、例えば、位置、時刻、バッテリレベル、機能状態などに関する更なるデータを送信する。
【0035】
「実質的に密閉されたセンサモジュールハウジング」とは、特に、少なくとも5m、好ましくは少なくとも25m、優先的には少なくとも100m、特に優先的には少なくとも250mの水柱に特に少なくとも対して、少なくとも水密に閉じられたセンサモジュールハウジングであると理解されたい。好ましくは、少なくとも実質的に密閉されたセンサモジュールハウジングはまた、少なくとも実質的に気密及び/又はガス密に閉じられている。「少なくとも実質的に気密及び/又はガス密に」とは、特に、センサモジュールハウジングの内部空間とセンサモジュールハウジングの周囲との間の水蒸気透過率(moisture vapor transmission rate、MVTR)が、100cm/m/24h未満、好ましくは25cm/m/24h未満、優先的には10cm/m/24h未満、特に優先的には1cm/m/24h未満であることを意味する。代替的に又は追加的に、「少なくとも実質的に気密及び/又はガス密に」とは、センサモジュールハウジングの内部空間とセンサモジュールハウジングの周囲との間の酸素透過率(oxygen transmission rate、OTR)が1000cm/m/24h未満、好ましくは250cm/m/24h未満、優先的には100cm/m/24h未満、特に優先的には50cm/m/24h未満であることを意味する。密閉されたセンサモジュールハウジングは、特に、異物がセンサモジュールハウジングの内部に入ることを防止するように構成されており、その結果として、長い寿命が有利に達成可能である。有利には、センサモジュールハウジングは、植物による損傷に対して(例えば、根などの侵入に対して)耐性がある。有利には、センサモジュールハウジングは、動物相による損傷に対して(例えば、昆虫の侵入に対して、狩猟動物の咬傷に対してなど)耐性がある。特に、センサモジュールハウジングは、その内部に、少なくとも通信ユニット、センサモジュールの少なくとも1つのエネルギー蓄積ユニット、並びに/又は少なくとも1つの電子制御及び/若しくは調整ユニット、並びに/又は屋外腐食センサ、周囲センサ、通信ユニット、センサモジュールのエネルギー蓄積ユニットなどと相互作用する計算ユニットを収容する。密閉されたセンサモジュールハウジングは、特に屋外腐食センサ及び/又は周囲センサの、特に、少なくとも1つのセンサプローブのための少なくとも1つの、好ましくは密封及び/又は密閉グラウチングされた開口部を備える。「遠隔監視センサ装置」とは、特に、建造物、特に自然災害の分野における捕捉及び/又は安定化建造物のための腐食及び/又は衝撃遠隔監視装置であると理解されたい。特に、遠隔監視センサ装置は、複数のセンサモジュールからのデータに基づく建造物、特に捕捉及び/又は安定化建造物の遠隔監視を可能にするように構成されている。センサモジュールは、特に、適用エリアに設置されるように構成されており、これは、地形に、又は優先的には捕捉及び/又は安定化建造物に、特に捕捉及び/又は安定化建造物のロープ、好ましくは固定ロープに固定されていることを意味する。好ましくは、センサモジュールは、捕捉及び/又は安定化建造物の固定ロープに固定的にクランプされている。
【0036】
これに加えて、センサモジュールハウジングは、例えば、プラグ、ソケット、又はケーブルダクトのようなケーブル引き込み口がなく、例えば、プラグ、ソケット、又はケーブルダクトのようなケーブル引き出し口がなく、圧力スイッチがなく、特に、例えば、トグルスイッチ及び/又はプッシュスイッチのような機械スイッチがなく、例えば、プラスチックシースロッドアンテナ(「ラバーソーセージ」)又はダイポールアンテナのような外部アンテナがなく、実装されていることが提案される。これにより、有利には、センサモジュールの長い寿命を達成することができる。結果として、センサモジュールは、有利には、狩猟動物の咬傷に対して、及び/又は野生生物、例えば、雌鹿、雄鹿、テン、イノシシ、ハツカネズミ、クマネズミなどによって引き起こされる他の損傷に対して特に耐性があり、これは、特にセンサモジュールの屋外適用状況において非常に重要である。特に、センサモジュールの、特にセンサモジュールハウジングの外側は、プラスチックカバー及び/又は他の外部設置用プラスチック部品が少なくとも実質的にない。「実質的にない」とは、特に、この文脈において、センサモジュールの外面の25%未満、好ましくは15%未満、有利には10%未満、優先的には5%未満、特に優先的には2%未満がプラスチックによって実装されていることを意味する。特に、センサモジュール、特にセンサモジュールハウジングの外面は、少なくとも大部分が、好ましくは75%超が、優先的には90%超が、特に優先的には95%超が金属で実装されている。
【0037】
また、センサモジュール、特に通信ユニットが外部カメラとの結合のための無線カメラインターフェースを備えることが提案される。これにより、有利なことに、自然災害リスクに関する包括的かつ/又は重要な情報を得ることができる。有利には、適用エリアに関する更なる情報を得ることが可能であり、これは、例えば、センサデータのセンサモジュール内事前分析において考慮することができる。結果として、更に、センサモジュールハウジングの少なくとも実質的な密閉を有利に維持することができる。無線カメラインターフェースは、特に、Bluetooth(登録商標)インターフェースとして、好ましくはBluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)インターフェースとして具現化されている。しかしながら、代替的又は追加的に、更なる無線インターフェース、例えば、近距離無線通信(Near Field Communication、NFC)インターフェース及び/又はZigBee(登録商標)インターフェースも考えられる。
【0038】
更に、遠隔監視センサ装置が外部起動及び/又は停止要素を備えることが提案され、外部起動及び/又は停止要素は、センサモジュールのセンサモジュールハウジングに対する外部起動及び/又は停止要素の相対位置に応じて、センサモジュールを起動及び/又は停止するように構成されている。これにより、有利には、信頼性のある、かつ/又は堅牢な屋外センサ監視が可能になる。有利には、制御、特にセンサモジュールの起動及び/又は停止が外部スイッチング素子から独立して可能になる。起動及び/又は停止要素は、好ましくは、起動及び/又は停止磁石として具現化されている。しかしながら、例えば、接着要素として、締め付け要素としてなどの代替的な実装形態も考えられる。センサモジュールは、特に、起動及び/又は停止位置における起動及び/又は停止要素の存在を検出するように構成された検出ユニットを備える。検出ユニットは、例えば、磁場センサとして具現化されている。しかしながら、代替的に、機械的スイッチングも考えられ、そのスイッチング素子は、センサモジュール内スイッチングプロセスがセンサモジュールハウジングの外部から制御可能であるように、起動及び/又は停止磁石として具現化されている起動及び/又は停止要素によって引き付けられる、又は反発する。特に、外部起動及び/又は停止要素が停止位置にある限り、センサモジュールは、停止される。特に、外部起動及び/又は停止要素が起動位置にある限り、センサモジュールは、起動される。例えば、センサモジュールは、起動及び/又は停止要素がセンサモジュールハウジングに、特に停止位置を形成するセンサモジュールハウジングの停止エリアに固定されている限り、停止される。例えば、センサモジュールは、起動及び/又は停止要素がセンサモジュールハウジングの近傍からある距離に位置している限り、起動される。逆のスイッチングももちろん考えられる。
【0039】
通信ユニットが、センサデータを直接、好ましくはGSM移動通信規格を使用する通信プロトコルを介して、特にセンサデータのための1つ以上の収集ポイントを介して迂回することなく、特にクラウドとして具現化された外部分析及び/又は予測ユニットに送信するように構成されており、外部分析及び/又は予測ユニットが、異なる適用エリアにわたって、特に世界中に分散している複数のセンサモジュールからセンサデータを受信するように構成されている場合、高レベルのデータ安全性が有利に達成可能である。有利には、センサデータの無許可の取得は、特に、各センサモジュールの各個別の通信を受信しなければならないため、実質的に困難にすることができる。有利には、追加のコスト及び/又は保守労力を引き起こす収集ポイントを使用せずに実施することが可能である。有利には、特に、最悪の場合、個々のセンサモジュールが故障する可能性があるが、収集ポイント全体が故障する可能性がないため、センサネットワークの高いフェイルセーフ性が達成可能である。有利には、屋外センサネットワークの設置及び/又はセットアップを簡略化することが可能である。通信ユニットは、特に、送信されたセンサデータを、好ましくは非対称暗号システムによって符号化するように構成されている。好ましくは、非対称暗号システムにおけるセンサモジュールに割り当てられた秘密鍵及び/又は公開鍵は、工場出荷時に既にセンサモジュールに組み込まれている。これにより、特に高いレベルのデータ安全性を達成することができる。更に、改ざんに対する高い安全性を確実にするために、センサデータは、好ましくは符号化された、ブロックチェーンに、又は、好ましくは符号化された、分散型台帳に格納されることが考えられる。特に、外部分析及び/又は予測ユニットは、中央通信ユニットを備え、中央通信ユニットは、異なる適用エリアにわたって分散配置された屋外センサネットワークの複数のセンサモジュールから、好ましくは屋外センサネットワークの全てのセンサモジュールからセンサデータを受信するように構成されている。
【0040】
更に、外部分析及び/又は予測ユニットにアクセスできない場合、特に、接続性、特にGSM接続性が低下している、かつ/又は存在しない場合で、通信ユニットが、屋外センサネットワークの更なる、好ましくは隣接するセンサモジュールにセンサデータを送信するように構成されている場合、ある地域の特に広いカバレッジが有利に達成可能である。接続性が悪い又は存在しない場所に位置するセンサモジュールの屋外センサネットワークへの統合が、有利に達成可能である。このために、センサモジュール間の通信も通信ユニットを介して行われることが考えられるが、代替的な通信規格及び/又は代替的な無線インターフェース、好ましくは、例えばLoRaなどの範囲が比較的狭い無線インターフェースが適用される。特に、センサデータは、外部分析及び/又は予測ユニットへの直接送信のために十分な接続性を有するセンサモジュールに到達するまで、センサモジュールのチェーンにおいて転送される。
【0041】
加えて、センサモジュールが少なくとも1つの加速度センサを備えることが提案される。このようにして、衝撃事象の信頼性のある検出が有利に可能となる。結果として、検出された衝撃事象と、更なるセンサデータ、例えば、対流圏測定データ及び/又は適用エリアに関する更なる情報(例えば、外部の更なる測定データ)との相関が可能になる。特に、加速度センサは、衝撃センサを実現する。加速度センサは、少なくとも1つのセンサモジュールによって監視される捕捉及び/又は安定化建造物における、衝撃体の衝突時に発生する加速度を検出するように構成されている。好ましくは、加速度センサは、少なくとも100gまで、好ましくは少なくとも150gまで、優先的には少なくとも200gまでの加速度を測定するように少なくとも構成されており、1gは、9.81m/sの値に等しい。特に、加速度センサは、3つの空間方向全てにおける加速度を検出するように構成されている。特に、加速度センサは、加速度方向を検出するように構成されている。加速度センサは、特に、当業者に既知の加速度センサタイプ、例えば、圧電加速度センサ、MEMS加速度センサなどとして具現化されている。好ましくは、加速度センサの機能は、監視装置のハウジングユニットの外側を走るケーブル及び/又はロープから独立している。特に、加速度センサは、完全にセンサモジュールハウジングの内部に配置されている。
【0042】
更に、センサモジュールが少なくとも1つの向きセンサを備えることが提案される。このようにして、センサデータ、特に屋外腐食測定データの高い信頼性が有利に達成可能である。特に、向きセンサは、重力の作用方向に対するセンサモジュールの向きを判定するように構成されている。特に、向きセンサは、重力の作用方向に対する屋外腐食センサの向きを判定するように構成されている。特に、事象に続く、例えば衝撃体の衝突に続く向きの変化から、事象に関する、例えば衝撃強度又は衝撃の方向に関する追加情報を得ることができる。特に、向き測定を使用することで、特に、屋外腐食センサの向きの不良、例えば屋外腐食センサの位置が上下逆になっていることを識別可能であるので、屋外腐食センサのデータの品質及び/又は信頼性を確実にすることができる。屋外腐食センサが完全に又は部分的に上下逆の位置になっている場合、場合によっては、降水水分が屋外腐食センサに到達しない又は少なすぎる降水水分しか屋外腐食センサに到達せず、その結果、屋外腐食センサの腐食監視要素は、特に全降水水分に完全にさらされる金属構成要素と比較して、より少ない腐食を受けることになり、これは、より少ない量の腐食電流を生成することを意味し、したがって、小さすぎる腐食値が測定されることになる。向きセンサは、特に、当業者に既知のタイプの向きセンサ又は位置センサとして具現化されている。特に、向きセンサが加速度センサを同時に実現すること、又はその逆も考えられる。
【0043】
センサモジュールが少なくともロープ力センサを備えることも提案される。このようにして、ロープ、特に固定ロープを備える建造物の効果的かつ/又は信頼性のある監視が有利に達成可能である。落石バリアのような捕捉建造物における衝撃事象及び/又は土石流バリアのような捕捉建造物における流入事象の信頼性のある検出が有利に可能である。更に、ロープ力センサによって、事象、特に衝撃事象及び/又は流入事象の強度を有利に測定することができる。好ましくは、ロープ力センサは、50kNまで、有利には100kNまで、特に有利には150kNまで、優先的には200kNまで、特に優先的には294kNまでのロープ力を測定するように構成されている。ロープ力センサの機能は、好ましくは、監視装置のハウジングユニットの外側を走るケーブル及び/又はロープから独立している。特に、ロープ力センサは、センサモジュールハウジングの内部に完全に配置されている。
【0044】
これに加えて、ロープ力の測定のために、ロープ力センサは、少なくとも1つの箔ひずみゲージを備え、少なくとも1つの箔ひずみゲージは、好ましくは、ロープ力センサによってロープ力が監視されるロープとは離れて配置されていることが提案される。このようにして、ロープ力の特に簡単な、かつ/又は複雑でない測定が有利に達成可能である。特に、箔ひずみゲージは、発生するロープ力によって引き起こされるセンサモジュールのロープ接触要素の変形を判定するように構成されている。特に、箔ひずみゲージは、センサモジュールハウジングの内部に配置されている。特に、箔ひずみゲージは、温度応答補償を有する。特に、箔ひずみゲージは、自己補償型箔ひずみゲージとして具現化されている。特に、箔ひずみゲージは、監視対象のロープに全く直接接触していない。特に、箔ひずみゲージは、センサモジュールハウジングの内部に面するロープ接触要素の側面に配置されている。特に、箔ひずみゲージは、監視対象のロープから離れて向くロープ接触要素の側面に配置されている。
【0045】
また、ロープ力センサは、センサモジュールの接続ユニットと少なくとも部分的に一体的に実装されていることが提案され、接続ユニットは、センサモジュールを建造物に、好ましくは建造物のロープに、優先的には建造物の固定ロープに直接固定するように構成されている。このようにして、特に有利な、かつ/又はコンパクトなロープ力測定が可能になる。特に、接続ユニットは、ロープに作用する力、すなわち特にロープ力がロープ接触要素を測定可能な方法で変形させるように、ロープ接触要素を介してロープ、特に固定ロープを反らすように構成されている。有利には、接続ユニットは、異なるロープ、特に異なる太さを有するロープに対して普遍的に設計されている。特に、接続ユニットによって、センサモジュールは、少なくとも16mm~24mmのロープ径を有するロープに取り付けることができる。より太い又はより細いロープへの接続ユニットの適合は、本発明から逸脱することなく容易に可能である。有利には、ロープ力が発生し得るロープ、特に固定ロープを備える各建造物は、センサモジュールを後付け可能である。特に、接続ユニットによって、センサモジュールは、ロープ、特に固定ロープを有する全ての建造物に取り付けることができる。2つのユニットが「部分的に一体的に」実装されているとは、特に、ユニットが、両方のユニットの構成要素、特に機能的に関連する構成要素である1つ、特に少なくとも2つ、有利には少なくとも3つの共通要素を含むことと理解されたい。
【0046】
更に、屋外腐食センサは、腐食によって生成される腐食電流フロー(略して「腐食電流」と呼ばれる)の測定に基づくことが提案され、腐食センサは、充電限界に達するまで腐食電流フローによって充電される少なくとも1つの電荷蓄積器、例えばキャパシタを備え、充電限界に達すると、電荷蓄積器、特にキャパシタは放電し、センサモジュールは、屋外腐食測定データの判定のために、電荷蓄積器、特にキャパシタの放電電流を測定するように構成されている電流計を備える。このようにして、特に、例えばμA域にある低い腐食電流を確実に測定することも可能であるので、特に正確な、かつ/又は信頼性のある腐食測定が有利に達成可能である。結果として、使用される屋外腐食センサ、特にACMタイプのセンサにおいて一般的に生じる、特にμA域の特に低い腐食電流の測定は、過度の技術的努力なしに(例えば、ゼロオーム電流計なしに)測定することができる。これにより、有利なことに、屋外腐食センサの特に費用対効率の高い実装が可能になる。腐食電流は、特にガルバニ電流である。
【0047】
センサモジュールが、センサモジュールの少なくとも1つの構成要素に電力供給するように構成された少なくとも1つの蓄電池を備え、屋外腐食センサの腐食電流フローが、蓄電池の充電のための充電電流として機能することが更に提案される。このようにして、センサモジュールの特に長いバッテリ寿命が有利に達成可能である。有利なことに、センサモジュールは、特に長時間にわたって自立して動作することができる。
【0048】
これに加えて、センサモジュールが事前分析ユニットを備えることが提案され、事前分析ユニットは、センサモジュールのセンサのうちの少なくとも1つ及び/又は例えば外部カメラのようなセンサモジュールに結合された少なくとも1つの外部センサの測定データ、特に生の測定データのセンサ近傍事前分析を少なくとも1回実行するように構成されている。これにより、有利には、限られた量しか利用できない電気エネルギーの特に効率的な利用が可能になる。有利には、通信ユニットを介して送信されるデータ量を低減及び/又は最適化することができる。このようにして、特にデータ送信がセンサモジュールのエネルギー消費の大部分を占めるので、センサモジュール、特にセンサモジュールの蓄電池及び/又はバッテリの寿命を最適化することができる。特に、事前分析ユニットは、生の測定データのセンサ近傍分析を実行するように構成されている。特に、事前分析ユニットは、生データを平均化、要約、及び/又は処理するように構成されている。特に、生データは、依然としてセンサモジュールに記憶されており、分析及び/又は予測ユニットによる新たな分析又は品質チェックのためにその場で直接要求する又は読み出すことができる。特に、事前分析ユニットは、生データの事前分析に基づいて、分析及び/又は予測ユニットへのデータ送信の送信間隔及び/又は送信時間を自律的に適合させるように構成されている。例えば、事前分析された対流圏測定データに基づいて、一般的に(例えば、腐食及び/又は落石などに関して)低い活動が予想される段階、例えば穏やかなかつ乾燥した気象条件の間、において、送信間隔を増加させてもよい。特に、測定データの事前分析は、送信されるデータ量を可能な限り低減するように構成されている。特に、測定データの事前分析は、センサモジュールの総電力消費を低減するように構成されている。特に、事前分析により、全ての生データの送信を省略することによって節約されるよりも少ないエネルギーが消費される。事前分析ユニットは、特に、センサモジュールに割り当てられた計算ユニットとして具現化されている。「計算ユニット」とは、特に、情報入力、情報処理、情報出力を有するユニットであると理解されたい。有利には、計算ユニットは、少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、入力及び出力構成要素、更なる電気構成要素、動作プログラム、調整ルーチン、制御ルーチン、並びに/又は計算ルーチンを備える。好ましくは、計算ユニットの構成要素は、共用の回路基板上に配置され、かつ/又は、共用のハウジング内に有利に配置されている。
【0049】
センサの測定データセットのどの部分が通信ユニットによって送出されるかの自律的選択を行うように事前分析ユニットが更に構成されている場合、及び/又はセンサの測定データセットが通信ユニットによって送出されるか否かの自律的選択を行うように事前分析ユニットが構成されている場合、エネルギー消費の有利な最適化が達成可能である。例えば、外部カメラによって記録された画像が事前分析ユニットによって以前に記録された画像と比較され、新しい画像が以前に記録された画像と比較して本質的な変化を含む場合にのみ、新しい画像が通信ユニットによって送出されることが考えられる。例えば、センサモジュールのセンサのデータセットは、更なるセンサの更なるデータセットが特定の基準を満たす場合にのみ、例えば、特定の事象を示す場合にのみ、通信ユニットによって送出されることが考えられる(例えば、向きセンサのデータ及び/又は向きセンサデータセットは、加速度センサのデータ及び/又は加速度センサデータセットが、衝撃事象などが発生したと推測することを可能にする場合にのみ送信される)。
【0050】
事前分析ユニットが、センサモジュールの少なくとも1つのセンサ及び/又はセンサモジュールに結合された少なくとも1つの外部センサの測定データを使用して、通信ユニットの送信間隔を定義するように構成されている場合、エネルギー消費の有利な最適化が達成可能である。特に、事前分析ユニットは、活動が増加した(例えば、腐食の増加、落石活動の増加、風速の増加、降水の増加など)時に送信間隔を短縮する。特に、事前分析ユニットは、低活動(例えば、低腐食又は無腐食、低落石活動又は無落石活動、低風速、無降水など)の時に送信間隔を増加させる。
【0051】
更に、事前分析ユニットが、センサモジュールの少なくとも1つのセンサ及び/又はセンサモジュールに結合された少なくとも1つの外部センサの測定データに基づいて、少なくともセンサ及び/又は特にセンサとは異なる少なくとも1つの更なるセンサの待機段階及び/又は測定間隔の調整を定義するように構成されている場合、エネルギー消費の有利な最適化が達成可能である。例えば、更なるセンサの測定データが事象、例えば衝撃などを示す場合にのみ、画像が外部カメラによって記録されることが考えられる。特に、そのような場合、カメラによる画像記録は、更なるセンサによって判定され、かつ事前分析ユニットによってセンサ近傍で分析された、センサモジュールの測定データによってトリガされる。例えば、センサモジュールのセンサは、更なるセンサの更なるデータセットが特定の基準を満たす場合にのみ、例えば、特定の事象を示す場合にのみ、起動されることが考えられる(例えば、向きセンサは、加速度センサのデータが、衝撃事象などが発生したと推測することを可能にする場合にのみ起動される)。例えば、センサモジュールのセンサは、センサの測定データの変化が長期間にわたって予想されない場合に待機動作状態にされることが考えられる(例えば、向きセンサは、降水及び実質的な風力が測定されない場合に待機動作状態にされる)。
【0052】
加えて、センサモジュールが、既存のオペレーティングシステムに基づかず、かつセンサ、通信ユニット、事前分析ユニットなどの制御及び/又は調整のために特に構成された特別に開発されたオペレーティングシステムを有する計算ユニットを備えることが提案される。このようにして、特に高いレベルのデータ及び/又は誤用の安全性が有利に達成可能である。有利なことに、特に、いかなるマルウェアもセンサモジュール固有のオペレーティングシステム専用に構築されなければならないため、例えばトロイの木馬などによるハッカー攻撃からの特に高い安全性が達成可能である。計算ユニットは、特に、センサ、通信ユニット、事前分析ユニットなどの制御及び/又は調整のために構成されている。計算ユニットは、特に、事前分析ユニットを少なくとも部分的に実装する。
【0053】
更に、センサモジュールが、温度差、特にセンサモジュールハウジング内の温度差から、電流、特にセンサモジュールの蓄電池を充電するための充電電流を得るように構成された環境発電ユニットを備えることが提案される。このようにして、特に高いエネルギー効率が有利に達成可能である。これにより、有利なことに、センサモジュールの特に長い寿命を達成することができる。有利なことに、このようにしてセンサモジュールの自立性が高められる。特に、環境発電ユニットは、少なくとも1つの熱電発電機を備える。特に、熱電発電機は、充電電流を生成するためのゼーベック効果の利用に基づいている。特に、環境発電ユニットは、少なくとも1つのゼーベック素子を備える。特に、環境発電ユニットは、電流及び/又は電圧を生成するために、センサモジュールハウジングの上側(日射に直接さらされる)とセンサモジュールハウジングの下面(センサモジュールの影に位置する)との間の温度差を利用するように構成されている。
【0054】
また、遠隔監視センサ装置が、特にセンサモジュールとは別個に実装され、かつセンサモジュールと同じ適用エリアに割り当てられた、少なくとも1つの更なるセンサモジュールを備えることが提案される。このようにして、適用エリアの特に包括的かつ特に正確な監視が有利に達成可能である。結果として、有利には、1つの同じ適用エリア内で、例えば、異なる腐食強度をもたらし得る(斜面の風上側対風下側/雨影側)、又は局所的に異なる落石頻度をもたらし得る(例えば、上記の地形の勾配/地質)、異なる条件が存在し得ることを考慮することが可能である。特に、遠隔監視センサ装置は、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、優先的には少なくとも4つ、特に優先的には5つより多くのセンサモジュールを備え、これらのセンサモジュールは、いずれの場合も適用エリアの異なる場所に設置されている。好ましくは、遠隔監視センサ装置のセンサモジュール、特にセンサモジュール及び更なるセンサモジュールは、少なくとも実質的に互いに同一に実装されている。特に、遠隔監視センサ装置の全てのセンサモジュールは、同じ分析及び/又は予測ユニットに無線で接続されている。特に、屋外センサネットワークは、各々が複数のセンサモジュールを備える複数の遠隔監視センサ装置を備える。
【0055】
更に、少なくとも1つの更なるセンサモジュールが、センサモジュールへの(ローカル)通信接続なしに実装されていることが提案される。これにより、有利には、高レベルのデータ安全性を達成することが可能になる。好ましくは、遠隔監視センサ装置のセンサモジュールの各々は、適用エリアの外側に位置する分析及び/又は予測ユニットとのみ直接通信する。
【0056】
更に、センサモジュールがセットアップモジュールを備えることが提案され、セットアップモジュールは、センサモジュールの設定のために、特にセンサモジュールの初期設定及び/又はセンサモジュールの再設定のために、設置者の外部セットアップ装置、例えばスマートフォンと、例えば通信ユニットのNFCインターフェースを介して、無線通信するように構成されている。これにより、有利には、特に単純な設置プロセスが可能になる。特に、有利には、誤ったセンサデータをもたらす可能性のあるセンサモジュールの設置時の誤りが回避される。特に、センサモジュール、好ましくは通信ユニットは、セットアップモジュールと外部セットアップ装置との通信のために特に構成された、近距離データ送信のためのインターフェース、例えばBluetooth(登録商標)インターフェース、BLEインターフェース、又は優先的にはNFCインターフェースを備える。
【0057】
加えて、センサモジュールが、センサモジュールの設定、特にセンサモジュールの初期設定及び/又はセンサモジュールの再設定を開始するために、外部セットアップ装置によって読み出し、走査し、又は作動させることができるセットアップ要素、例えば、QRコード(登録商標)、バーコード、NFCインターフェースなどを備えることが提案される。このようにして、高度のユーザフレンドリ性が有利に達成可能である。誤った設置のリスクが有利に低減可能である。結果として、センサデータの高い信頼性及び/又は高いデータ品質を確実にすることができる。特に、セットアップ要素を読み出し、走査し、及び/又は作動させた後、設置者は、少なくとも半自動の誘導セットアッププロセスを通して誘導され、その間、外部セットアップ装置は、好ましくは、例えば、NFCインターフェースのような無線インターフェースを介して、センサモジュールと通信し、その間、好ましくは、設定データが外部セットアップ装置からセンサモジュールに、又はその逆に送信される。特に、セットアッププロセスは、外部セットアップ装置にインストールされたアプリケーションソフトウェア(アプリ)によって指示される。特に、設置者は、アプリによってセットアッププロセスを通じて誘導される。特に、外部セットアップ装置とセンサモジュールとの間で交換されるデータの少なくとも一部分及び/又はセンサモジュールの設定の設定データの少なくとも一部分は、好ましくは設定、特に初期設定及び/又は再設定の実行が成功した後に、分析及び/又は予測ユニットに自動的に、かつ無線で送信される。
【0058】
特に、セットアッププロセスは、セットアップを実行する会社、特に会社の名前を取り込むこと、並びに/又はセットアップを実行する設置者、特に設置者の人員番号及び/若しくは名前を取り込むことを含む。特に、セットアッププロセスは、適用エリア、例えば、プロジェクト名、プロジェクト番号、建造物の名称などを取り込むことを含む。特に、セットアッププロセスは、センサモジュールの識別子、例えば、シリアル番号又は登録番号を(完全に自動化して)取り込むことを含む。特に、セットアッププロセスは、センサモジュール、特にセンサモジュールの設置場所の地理的座標、例えばGPS座標を取り込むことを含む。好ましくは、地理的座標は、外部セットアップ装置のジオトラッキング機能、特にGPS機能を介して取り込まれる。しかしながら、一般的に、センサモジュールがGPSセンサを備えることも考えられる。可能な限り正確な地理的座標を受信するために、設置者は、セットアッププロセスにおいて、地理的座標を取り込むときに、外部セットアップ装置をセンサモジュールに対して所定の位置に持ってくる、例えばセンサモジュールの特定の表面と接触させるように要求されてもよい。特に、セットアッププロセスは、時間帯、日付、及び/又は時刻を取り込むことを含む。好ましくは、本明細書では、外部セットアップ装置の設定時間帯、装置日付、及び/又は装置時間が採用される。特に、セットアッププロセスは、建造物上のセンサモジュールの正確な設置位置、特に捕捉及び/又は安定化建造物上のセンサモジュールの正確な固定位置を取り込むことを含む。特に、セットアッププロセスは、センサモジュールが固定されている建造物、特に捕捉及び/又は安定化建造物の正確な名称、特にタイプ名称を取り込むことを含む。特に、セットアッププロセスは、センサモジュールの設置状況、特に組み込み状況の画像、特に写真を取り込むことを含む。画像は、好ましくは外部セットアップ装置によって作成される。代替的に、画像は、センサモジュールのカメラによって、又はセンサモジュールと無線通信接続されている外部カメラによって作成することもできる。特に、セットアッププロセスは、センサモジュールが接続ユニットを介して固定されている建造物、特に捕捉及び/又は安定化建造物のロープの直径を取り込むことを含む。
【0059】
更に、複数の遠隔監視センサ装置を有する屋外センサネットワークが提案され、複数の遠隔監視センサ装置は、異なる適用エリアを含み、かつセンサモジュールをそれぞれ備え、センサモジュールは、異なる適用エリアに割り当てられ、いずれの場合も、共有の外部分析及び/又は予測ユニットと無線で、特に直接通信し、いずれの場合も、好ましくは共有の分析及び/又は予測ユニットと無線直接通信接続されている。結果として、有利には、特に1つの適用エリア又は複数の適用エリアにおける、自然災害リスクに関する包括的かつ/又は重要な情報を取得、処理、並びに/又は活動及び/若しくは活動のための命令に実装することができる。
【0060】
更に、建造物、特に自然災害防止設備、好ましくは、例えば、落石バリア、雪崩防御物、落石カーテン、斜面固定物、土石流バリア、及び/又は仮設防護柵などの捕捉及び/又は安定化建造物が提案され、建造物は、少なくとも1つのロープ、特に固定ワイヤロープと、遠隔監視センサ装置の少なくとも1つのセンサモジュールとを備え、センサモジュールは、ロープに固定されている。これにより、有利には、建造物及び/又は建造物の近隣環境の自然災害リスクに関する包括的かつ/又は重要な情報を取得することが可能になる。建造物は、特に、少なくとも1つの更なるロープを備える。特に、遠隔監視センサ装置の更なるセンサモジュールは、更なるロープに固定されている。遠隔監視センサ装置の2つより多くのセンサモジュールが建造物に割り当てられること、特に、遠隔監視センサ装置の2つより多くのセンサモジュールが建造物に固定されていることも考えられる。
【0061】
本発明による分析及び/又は予測方法、並びに/又は本発明による遠隔監視センサ装置は、本明細書では、上述の用途及び実装形態に限定されない。特に、本明細書に記載される機能を実現するために、本発明による分析及び/又は予測方法、並びに/又は本発明による遠隔監視センサ装置は、本明細書で与えられる数とは異なる数の個々の要素、構成要素、方法ステップ、及びユニットを含んでもよい。
【0062】
更なる利点は、以下の図面の説明から明らかになるであろう。図面には、本発明の1つの例示的な実施形態が示されている。図面、説明、及び特許請求の範囲は、複数の特徴を組み合わせて含む。当業者であれば、また、これらの特徴を意図的に別個に考慮し、更なる好都合な組み合わせを見出すであろう。これを以下に示す。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】遠隔監視センサ装置を有する屋外センサネットワークの概略図である。
図2】建造物として具現化された屋外センサネットワークの遠隔監視センサ装置の適用エリアの概略図である。
図3】建造物のロープに固定された遠隔監視センサ装置のセンサモジュールの概略側面図である。
図4】遠隔監視センサ装置のセンサモジュールの更なる概略斜視図である。
図5】センサモジュールのセットアッププロセスの概略フローチャートである。
図6】自然災害から保護するための、屋外センサネットワークに基づく分析及び/又は予測方法の概略フローチャートである。
図7】センサモジュールによるセンサデータの、センサに近接したセンサ近傍分析の方法の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図1は、屋外センサネットワーク12の概略図を示す。屋外センサネットワーク12は、少なくとも、以下で説明されるセンサネットワークに基づく分析及び/又は予測方法のためのセンサデータを記録するように構成されている。屋外センサネットワーク12は、複数の遠隔監視センサ装置36(図2参照)を備える。屋外センサネットワーク12は、複数の異なる適用エリア20にわたって延びる。適用エリア20は、世界中に分散配置されていてもよい。それぞれ1つの遠隔監視センサ装置36が、いずれの場合も、異なる適用エリア20の1つに割り当てられている。遠隔監視センサ装置36の各々は、1つのセンサモジュール10又は複数のセンサモジュール10を備え、したがって、センサモジュール10はまた、それぞれの適用エリア20に固定的に割り当てられている。図1は、外部分析及び/又は予測ユニット14を更に示しており、外部分析及び/又は予測ユニット14はまた、特に屋外センサネットワーク12に割り当てられ得る。外部分析及び/又は予測ユニット14は、クラウドとして具現化されている。しかしながら、代替的に、外部分析及び/又は予測ユニット14はまた、単一の中央サーバとして、又はサーバ複合体として具現化されていてもよい。遠隔監視センサ装置36、好ましくはそれぞれの遠隔監視センサ装置36のセンサモジュール10は、外部分析及び/又は予測ユニット14と無線通信する。遠隔監視センサ装置36、好ましくはそれぞれの遠隔監視センサ装置36のセンサモジュール10は、外部分析及び/又は予測ユニット14と直接通信する。遠隔監視センサ装置36、好ましくはそれぞれの遠隔監視センサ装置36のセンサモジュール10は、直接GSM移動通信データ接続を介して外部分析及び/又は予測ユニット14と通信する。同じ外部分析及び/又は予測ユニット14は、屋外センサネットワーク12の全ての遠隔監視センサ装置36の全てのセンサモジュール10と通信する。外部分析及び/又は予測ユニット14は、異なる適用エリア20、20’、20”にわたって分散している複数のセンサモジュール10、10’、10”からセンサデータを受信するように構成されている。外部分析及び/又は予測ユニット14は、屋外センサネットワーク12と通信するための通信装置(図示せず)を備える。
【0065】
外部分析及び/又は予測ユニット14は、屋外センサネットワーク12の全てのセンサモジュール10の共有の外部分析及び/又は予測ユニット14を実現する。外部分析及び/又は予測ユニット14は、屋外センサネットワーク12の全てのセンサモジュール10から判定されたセンサデータを収集する。外部分析及び/又は予測ユニット14は、少なくとも1つのデータ記憶媒体を有するメモリユニット16を備える。外部分析及び/又は予測ユニット14は、屋外センサネットワーク12のセンサモジュール10の収集されたセンサデータをメモリユニット16に記憶するように構成されている。外部分析及び/又は予測ユニット14は、センサネットワーク12に対して外部にあるデータベース90から更なるデータを受信、収集、及び/又は記憶するように構成されている。センサネットワーク12に対して外部にあるデータベース90からの更なるデータは、とりわけ、適用エリア20に関する更なる情報を含む。
【0066】
外部分析及び/又は予測ユニット14は、少なくとも1つのプロセッサを有するプロセッサユニット88を備える。外部分析及び/又は予測ユニット14は、収集及び/又は記憶されたデータの処理のために構成され、かつプロセッサユニット88によって呼び出して実行することができる、動作プログラムを含む。外部分析及び/又は予測ユニット14は、動作プログラムを使用して、収集及び/又は記憶されたデータを分析及び/又は処理するように構成されている。外部分析及び/又は予測ユニット14は、動作プログラムを使用して、収集及び/又は記憶されたデータを互いに関係付けるように構成されている。外部分析及び/又は予測ユニット14は、収集及び/又は記憶されたデータに基づいてパターン認識を実行するように構成されている。
【0067】
外部分析及び/又は予測ユニット14は、動作プログラムによって処理及び処理されたデータ及び/又はセンサモジュール10から受信した未処理データをユーザグループ18に提供するように構成されている。ユーザグループ18は、例えば、とりわけPC又はスマートフォンとして具現化することができる表示装置92を介して、外部分析及び/又は予測ユニット14、特に外部分析及び/又は予測ユニット14のユーザポータル(「ダッシュボード」)にアクセスすることができる。代替的に、外部分析及び/又は予測ユニット14がデータをユーザグループ18に、特にユーザグループ18の表示装置92に(例えば、通知の形態で)送信することも考えられる。更に、ユーザグループ18がドローン34を含むことも考えられる。
【0068】
適用エリア20のいくつかは、建造物24である。適用エリア20の少なくとも1つは、本明細書では、大気腐食にさらされる金属構成要素を備える建造物24である。建造物24の金属構成要素は、例えば、ロープ56(図2参照)であり、特に固定ワイヤロープ228である。建造物24によって実現される適用エリア20のいくつかは、自然災害防止設備32である。図1の例示的な適用エリア20は、落石バリア76として具現化されている。落石バリア76は、ロープ56を備え、ロープ56にセンサモジュール10が固定されている。図1の更なる例示的な適用エリア20は、雪崩防御物78として具現化されている。雪崩防御物78は、ロープ56を備え、ロープ56にセンサモジュール10が固定されている。図1の更なる例示的な適用エリア20は、落石カーテン80として具現化されている。落石カーテン80は、ロープ56を備え、ロープ56にセンサモジュール10が固定されている。図1の更なる例示的な適用エリア20は、斜面固定物82として具現化されている。斜面固定物82は、ロープ56を備え、ロープ56にセンサモジュール10が固定されている。図1の更なる例示的な適用エリアは、土石流バリア84及び/又は土石流遮断物として具現化されている。土石流バリア84及び/又は土石流遮断物は、ロープ56を備え、ロープ56にセンサモジュール10が固定されている。図1の更なる例示的な適用エリア20は、仮設防護柵86として具現化されている。仮設防護柵86は、ロープ56を備え、ロープ56にセンサモジュール10が固定されている。建造物24として具現化された適用エリア20のいくつかは、自然災害防止設備32とは異なる。図1の例示的な適用エリア20は、吊り橋96として具現化されている。吊り橋56は、ロープ56を備え、ロープ56にセンサモジュールが固定されている。図1の更なる例示的な適用エリア20は、スタジアム屋根アンカー98として具現化されている。スタジアム屋根アンカー98は、ロープ56を備え、ロープ56にセンサモジュール10が固定されている。図1の更なる例示的な適用エリア20は、風車アンカー100として、特に風車マストアンカーとして具現化されている。風車アンカー100、特に風車マストアンカーは、ロープ56を備え、ロープ56にセンサモジュール10が固定されている。図1の更なる例示的な適用エリア20は、ファサードアンカー102として具現化されている。ファサードアンカー102は、ロープ56を備え、ロープ56にセンサモジュール10が固定されている。いくつかの更なる適用エリア20は、例えば斜面94のような、建造物のない場所である。
【0069】
図2は、建造物24として具現化されている適用エリア20のうちの1つの概略図を例示的に示す。図2に示す建造物24は、自然災害防止設備32として具現化されている。図2に示す建造物24は、捕捉及び/又は安定化装置222として、特に捕捉及び/又は安定化建造物として具現化されている。図2に示す建造物24は、落石バリア76として具現化されている。落石バリア76は、ワイヤネット226を備え、ワイヤネット226は、一例としてリングネットとして具現化され、図2では部分的にのみ示されている。リングネットのリングは、この場合、ワイヤネット226のメッシュによって具現化されている。したがって、リングネットのリングの直径は、ワイヤネット226のメッシュサイズを構成する。適用エリア20、特に落石バリア76は、遠隔監視センサ装置36を備える。適用エリア20、特に落石バリア76に割り当てられた遠隔監視センサ装置36は、例示的に、3つのセンサモジュール10、10’、10”を備える。センサモジュール10、10’、10”はそれぞれ、落石バリア76の異なるロープ56、56’、56”に固定されている。センサモジュール10、10’、10”はそれぞれ、落石バリア76の異なる領域に配置されている。センサモジュール10、10’、10”のうちの1つのセンサモジュール10は、落石バリア76の正面図から見て、落石バリア76の左上端領域に配置されている。センサモジュール10、10’、10”の更なるセンサモジュール10’は、落石バリア76の正面図から見て、落石バリア76の右上端領域に配置されている。センサモジュール10、10’、10”の追加の更なるセンサモジュール10”は、落石バリア76の正面図から見て、落石バリア76の左下端領域に配置されている。落石バリア76上のセンサモジュール10、10’、10”の代替的な配置及び/又は更なるセンサモジュール10、10’、10”の配置が考えられる。ロープ56、56’、56”は、いずれの場合も、落石バリア76の固定ワイヤロープ228である。落石バリア76における衝撃体(図示せず)の衝突の場合、ロープ力がロープ56、56’、56”にかかる。センサモジュール10、10’、10”は、いずれの場合も、特に重力方向126に関して見ると、それぞれ割り当てられたロープ56、56’、56”の上側に配置されている。
【0070】
図3は、ロープ56に固定された遠隔監視センサ装置36のセンサモジュール10の概略側面図を示す。センサモジュール10は、接続ユニット224を備える。接続ユニット224は、センサモジュール10を建造物24のロープ56に直接固定するように構成されている。接続ユニット224は、ロープ受け要素104を備える。ロープ受け要素104は、U字フックとして具現化されている。接続ユニット224は、引張要素106を備える。接続ユニット224は、更なる引張要素108を備える。引張要素106、108は、ナットとして具現化されている。ロープ受け要素104は、各端部に、引張要素106、108をねじ留めするためのねじ山を有する。センサモジュール10をロープ56に固定するために、ロープ受け要素104は、ロープ56の上に置かれ、センサモジュール10内のトンネル状の凹部110を通って案内され、引張要素106、108をロープ受け要素104にねじ込むことによって、ロープ56の反対側に位置するセンサモジュール10の側に固定されている。引張要素106、108は、ロープ56の側部がロープ受け要素104によってセンサモジュール10の外側に押し付けられるように、ロープ受け要素104にしっかりとねじ込まれている。接続ユニット224は、センサモジュール10がロープ56の長手方向軸に対して滑らないように、センサモジュール10をロープ56に固定するように構成されている。接続ユニット224は、センサモジュール10がロープ56の長手方向軸に対して回転固定されているように、センサモジュール10をロープ56に固定するように構成されている。
【0071】
図4は、遠隔監視センサ装置36のセンサモジュール10(接続ユニット224なし)、特にセンサモジュール10の上側120の概略斜視図を示す。図示されたセンサモジュール10は、屋外センサネットワーク12における使用のために構成されている。
【0072】
センサモジュール10は、屋外腐食センサ38を備える。屋外腐食センサ38は、屋外腐食測定データを測定するように構成されている。屋外腐食センサ38は、腐食強度を測定するように構成されている。屋外腐食センサ38は、防食層減少率を測定するように構成されている。屋外腐食センサ38は、ACMセンサとして具現化されている。屋外腐食センサ38は、電極112、114を備える。例として示されている場合では、屋外腐食センサ38は、正確には5つの電極112、114を備える。電極112、114は、互いに平行に整列している。いずれの場合にも、2つの電極114は、中央電極112の上、下それぞれの共有平面に配置されている。中央電極112は、アノードを形成する。他の電極114は、カソードを形成する。電極112、114は、少なくとも実質的に互いに同一の外形を有する。カソードを形成する電極114の表面は、アノードを形成する中央電極112の表面よりも高い貴度の金属を含む。例として示されている場合では、カソードを形成する電極114の表面は、鋼からなり、アノードを形成する電極112の表面は、亜鉛、特に鋼ワイヤの亜鉛コーティングからなる。ACMセンサとして具現化された屋外腐食センサ38は、電極112と114との間に、いずれの場合も空隙を有する。空隙は、絶縁体として機能する。カソードの電極114とアノードの電極112との間には、最大0.4mm、好ましくは最大0.3mm、優先的には0.2mm以下の距離がある。カソードの電極114の間にも、最大0.4mm、好ましくは最大0.3mm、優先的には0.2mm以下の距離がある。屋外腐食センサ38は、その側方端部に、絶縁体として実装されている2つの端部キャップ116、118を有する。端部キャップ116、118は、電極112、114を保持する役割を果たす。電極112、114の電気接点は、端部キャップ116、118内に案内されている。端部キャップ116、118、及び/又はセンサモジュール10のセンサモジュールハウジング44の内部への電極112、114の電気接点の開口部は、少なくとも実質的に密封されている。空隙があるため、アノードからカソードへの接続は、乾燥状態において無電流である。例えば結露水分又は降水水分によって、屋外腐食センサ38が濡れると、水中に溶解していて、特に電極112、114のうちの1つから出てきた、導電性粒子、例えばイオンによって電流が流れ得る。この電流フローは、アノードの電極112及びカソードの電極114の異なる材料の異なる酸化還元電位によって駆動される。電流フローの場合、アノードから材料が除去される。電流フローは、材料除去に比例する。電流フローは、水中に溶解した化学物質の種類及び量に依存する。例えば、塩(例えば、硫酸塩又は塩化ナトリウム)の量が増加すると、電流フローが増加する。屋外腐食センサ38は、センサモジュール10の上側120に配置されている。腐食によって生成される腐食電流フローの測定のために、屋外腐食センサ38は、少なくとも1つの電荷蓄積器58を備える。電荷蓄積器58は、キャパシタとして実装されている。電荷蓄積器58は、充電限界に達するまで、腐食電流フローによって充電される。電荷蓄積器58が腐食電流フローによって充電限界まで充電されると、電荷蓄積器58は、電流パルスで放電する。センサモジュール10、特に屋外腐食センサ38は、電流計60を備える。電流計60は、電荷蓄積器58の放電電流によって生成される電流パルスを測定するように構成されている。センサモジュール10は、電荷蓄積器58の放電電流によって生成される電流パルスから屋外腐食測定データを判定するように構成されている。
【0073】
センサモジュール10は、加速度センサ50を備える。加速度センサ50は、センサモジュールハウジング44の内部に配置されている。加速度センサ50は、センサモジュール10の動きを検出するように構成されている。センサモジュール10は、向きセンサ52を備える。向きセンサ52は、センサモジュール10の相対的な向き、特に重力方向126に対するセンサモジュール10の上側120の相対的な向きを検出するように構成されている。センサモジュール10は、ロープ力センサ30を備える。ロープ力センサ30は、センサモジュール10が固定されたロープ56に作用する力を検出するように構成されている。ロープ力センサ30は、箔ひずみゲージ54を備える。センサモジュール10は、ロープ接触要素128を備える。ロープ力センサ30は、ロープ接触要素128を備える。ロープ接触要素128は、センサモジュール10の外側、特に下側130に配置されている。箔ひずみゲージ54は、ロープ56によって引き起こされるセンサモジュール10のロープ接触要素128の変形の度合い及び/又は程度によって、ロープ力を間接的に測定するように構成されている。箔ひずみゲージ54は、ロープ力センサ30を介してロープ力が監視されるロープ56から分離して配置されている。箔ひずみゲージ54は、ロープ56と反対側にあるロープ接触要素128の側に配置されている。箔ひずみゲージ54は、センサモジュールハウジング44の内側に、特にセンサモジュールハウジング44の内部に配置されている。ロープ力センサ30は、センサモジュール10の接続ユニット224と少なくとも部分的に一体的に実装されている。ロープ接触要素128の(近くの)領域及び接続ユニット224の(近くの)領域におけるセンサモジュール10の表面、特にロープ接触面は、好ましくは互いに平行な、異なる平面に位置する。ロープ接触要素128及び接続ユニット224のロープ接触面は、センサモジュール10及び/又はロープ56の長手方向132に沿って配置されている。ロープ56は、ロープ接触要素128並びにロープ56及び/又はセンサモジュール10のロープ接触面を介して互いに離間している。ロープ56がロープ接触要素128の領域及び接続ユニット224の領域においてセンサモジュール10に隣接していることによって、ロープ56は、直線方向から反らされている。接続ユニット224及び/又はロープ接触要素128は、ロープ56を部分的に反らすように構成されている。接続ユニット224がロープ56の反りに実質的に寄与することによって、接続ユニット224、特にロープ受け要素104は、ロープ力センサ30の実質的な一部分を構成する。ロープ56に作用する、特にロープ56を引っ張るロープ力により、好ましくはロープ接触要素128及び接続ユニット224を介して反らされたロープ56は、この反った状態が無くなるように再度反らされる。ロープ56に作用する、特にロープ56を引っ張るロープ力によって、ロープ接触要素128が曲げられる。図示の例示的な実施形態では、ロープ接触要素128は、金属棒、特にアルミニウム棒として具現化されている。ロープ接触要素128上に、特にロープ接触要素128の内側に配置された箔ひずみゲージ54は、ロープ接触要素128の屈曲によって(不均一に)伸張又は圧縮される。箔ひずみゲージ54の伸張から、ロープ力センサ30は、ロープ接触要素128の屈曲を引き起こすロープ力を判定する。
【0074】
センサモジュール10は、エネルギー蓄積ユニット124を備える。エネルギー蓄積ユニット124は、バッテリとして、特に、通常条件下で10年の最小耐用年数を有するバッテリとして実装されていてもよい。しかしながら、図4に示す実施例では、エネルギー蓄積ユニット124は、蓄電池62として実装されている。エネルギー蓄積ユニット124は、少なくとも、センサモジュール10の少なくとも1つの構成要素、例えば、センサモジュール10のセンサのうちの少なくとも1つ及び/又はセンサモジュール10の少なくとも1つの計算ユニット66の電力供給のために構成されている。例として示されている場合では、屋外腐食センサ38の腐食電流フローは、蓄電池62の充電のための充電電流として機能する。センサモジュール10は、環境発電ユニット68を備える。環境発電ユニット68は、センサモジュール10内、好ましくはセンサモジュールハウジング44内の温度差から電流を得るように構成されている。環境発電ユニット68は、電力を生成するための熱電発電機を備える。
【0075】
センサモジュール10は、周囲センサユニット122を備える。周囲センサユニット122は、少なくとも1つの周囲センサ40、好ましくは複数の周囲センサ40、例えば、温度計、湿度計、雨量計、日射計、風速計、気圧計、及び/又は微量ガス、塩濃度、若しくはエアロゾル濃度などの検出のための測定装置のような少なくとも更なる測定装置を備える。周囲センサユニット122、特に周囲センサ40は、対流圏測定データを測定するように構成されている。センサモジュールハウジング44は、密閉されている。センサモジュールハウジング44は、センサモジュールハウジング44の内部を周囲から密閉分離するように構成されている。周囲センサ40のうちの少なくとも1つは、センサモジュール10のセンサモジュールハウジング44から突出する測定プローブ(図示せず)を備える。測定プローブは、密閉が維持されるように密閉グラウチングされている。センサモジュールハウジング44は、ケーブル引き込み口なしで実装されている。センサモジュールハウジング44は、ケーブル引き出し口なしで実装されている。センサモジュールハウジング44は、圧力スイッチなしで実装されている。センサモジュールハウジング44は、機械的スイッチなしで実装されている。センサモジュールハウジング44は、外部アンテナなしで実装されている。
【0076】
センサモジュール10は、通信ユニット42を備える。通信ユニット42は、センサデータ、特に周囲センサユニット122及び/又は屋外腐食センサ38のセンサデータを外部分析及び/又は予測ユニット14に無線及び/又は直接送信するように構成されている。通信ユニット42は、センサデータのための1つ以上の収集ポイントを介して迂回することなく、それぞれのセンサモジュール10から共有の外部分析及び/又は予測ユニット14にセンサデータを送信するように構成されている。通信ユニット42は、GSM送受信モジュールを備える。通信ユニット42は、センサモジュール10の全センサを約10年連続して動作させた場合に相当するデータ量(約1GB)のデータ転送が可能なSIMカードを備えている。通信ユニット42は、外部アンテナなしで実装されている。通信ユニット42は、一体化されたアンテナを備える。
【0077】
センサモジュール10、特に通信ユニット42は、無線カメラインターフェースを備える。無線カメラインターフェースは、外部カメラ46と結合するように構成されている。外部カメラ46は、例えば、野生生物カメラとして、並びに/又はセンサモジュール10及び/若しくは建造物24を監視する監視カメラとして具現化されていてもよい。外部カメラ46は、特にBluetooth(登録商標)カメラとして具現化されている。遠隔監視センサ装置36及び/又は屋外センサネットワーク12は、外部カメラ46を備える。また、通信ユニット42が、外部分析及び/又は予測ユニット14にアクセスできない場合に、同じ適用エリア20に割り当てられた、又は更なる、特に隣接する適用エリア20に割り当てられた、屋外センサネットワーク12の更なる、好ましくは隣接するセンサモジュール10’にセンサデータを送信するように構成された、伝送範囲が縮小された更なる通信インターフェースを有することも考えられる。
【0078】
センサモジュール10は、計算ユニット66を備える。計算ユニット66は、センサモジュール10の内部機能、例えばセンサモジュール10のセンサの内部機能、例えば外部カメラ46のような外部センサの内部機能、通信ユニット42の内部機能、例えば通信ユニット42によって送信されたセンサデータの符号化のための内部機能などを検査、制御及び/又は調整するように構成されている。計算ユニット66は、既存のオペレーティングシステムに基づかない、それ自体の特別に開発されたオペレーティングシステムを含む。
【0079】
センサモジュール10は、事前分析ユニット64を備える。事前分析ユニット64は、計算ユニット66と一体的に実装されている。事前分析ユニット64は、センサモジュール10のセンサのうちの少なくとも1つの測定データ、特に生の測定データのセンサ近傍事前分析を実行するように構成されている。事前分析ユニット64は、例えば外部カメラ46のような、センサモジュール10に結合された少なくとも1つの外部センサの測定データ、特に生の測定データのセンサ近傍事前分析を実行するように構成されている。事前分析ユニット64は、センサの測定データセットのどの部分が通信ユニット42によって送出されるかの自律的選択を行うように構成されている。事前分析ユニット64は、センサの測定データセットが通信ユニット42によって送出されるか否かの自律的判定を行うように構成されている。事前分析ユニット64は、センサモジュール10の少なくとも1つのセンサ及び/又は例えば外部カメラ46のようなセンサモジュール10に結合された少なくとも1つの外部センサの測定データを使用して、通信ユニット42の送信間隔を定義するように構成されている。事前分析ユニット64は、センサモジュール10の少なくとも1つのセンサ及び/又は例えば外部カメラ46のようなセンサモジュール10に結合された少なくとも1つの外部センサの測定データを使用して、少なくともセンサ及び/又は少なくとも1つの更なるセンサの待機段階及び/又は測定間隔の調整を定義するように構成されている。
【0080】
遠隔監視センサ装置36は、外部起動及び/又は停止要素48を備える。外部起動及び/又は停止要素48は、センサモジュールハウジング44に対する外部起動及び/又は停止要素48の相対位置に応じて、センサモジュール10を起動及び/又は停止するように構成されている。外部起動及び/又は停止要素48は、外部起動及び/又は停止磁石として具現化されており、外部起動及び/又は停止磁石は、少なくともセンサモジュールハウジング44の一部分によって磁気的に引き付けられ、かつ/又は少なくともセンサモジュールハウジング44の一部分を磁気的に引き付ける効果を有する。センサモジュールハウジング44は、起動及び/又は停止面136を備える。起動及び/又は停止面136は、磁性材料、好ましくは強磁性材料を含む。外部起動及び/又は停止要素48が起動及び/又は停止面136の領域内のセンサモジュールハウジング44上に配置されている限り、センサモジュール10は、停止状態にある。外部起動及び/又は停止要素48が起動及び/又は停止面136の領域外のセンサモジュールハウジング44上に配置されている限り、及び/又は外部起動及び/又は停止要素48がセンサモジュールハウジング44から完全に離間している限り、センサモジュール10は、起動状態にある。もちろん、逆のやり方も考えられる。外部起動及び/又は停止要素48、特に起動及び/又は停止磁石が起動及び/又は停止面136の領域内に配置されているか否かに応じて、センサモジュール10は、起動状態又は停止状態にある(又はその逆)。
【0081】
センサモジュール10は、セットアップモジュール70を備える。センサモジュール10の設定をもたらすために、セットアップモジュール70は、設置者の外部セットアップ装置72、例えばスマートフォンと無線通信するように構成されている。センサモジュール10、特にセットアップモジュール70は、セットアップ要素74を備え、セットアップ要素74は、センサモジュール10の設定の開始のために外部セットアップ装置72によって読み出す又は作動させることができる。図4に示す実施例では、セットアップ要素74は、QRコード(登録商標)として実現されている。図示の場合では、QRコード(登録商標)は、センサモジュールハウジング44に適用されている。セットアップモジュール70は、特に外部セットアップ装置72と協働して、少なくとも半自動化されたセットアッププロセス134(図5参照)を実施するように構成されている。
【0082】
図5は、少なくとも半自動化されたセットアッププロセス134の概略フローチャートを示す。少なくとも1つのセットアップステップ138において、センサモジュール10は、適用エリア20に運ばれ、適用エリア20上/内に設置される。少なくとも1つの更なるセットアップステップ140において、センサモジュール10が起動される。起動のために、起動及び/又は停止要素48は、例えば、セットアップステップ140において、起動及び/又は停止面136の領域から取り外される。少なくとも1つの更なるセットアップステップ142において、セットアップ要素74が読み出される。セットアップステップ142において、センサモジュールハウジング44上に適用されたQRコード(登録商標)は、例えば、外部セットアップ装置72によってスキャンされる。センサモジュール10の基本データがセットアップ要素74に既に含まれていることが考えられ、基本データは、次いで、セットアップモジュール70によって実行されるセットアッププロセス134に自動的に統合される。少なくとも1つの更なるセットアップステップ144において、外部セットアップ装置72上のアプリが自動的に開く。セットアップステップ144において、セットアップ要素74から既に取得されているセンサモジュール10の基本データ(例えば、シリアル番号、センサモジュールのタイプなど)は、アプリに自動的に組み込まれる。少なくとも1つの更なるセットアップステップ146において、特に段階的な、セットアッププロセスが開始され、これはアプリによって指示される。アプリによって指示されるセットアッププロセス134において、センサモジュール10、設置者、適用エリア20などの上述した特徴が登録される。少なくとも1つの更なるセットアップステップ148において、セットアッププロセスが終了され、登録されたデータが、通信ユニット42によって、かつ/又は外部セットアップ装置72によって、外部分析及び/又は予測ユニット14に(直接かつ無線で)送信される。
【0083】
図6は、自然災害からの保護のためのセンサネットワークに基づく分析及び/又は予測方法の概略フローチャートを示す。
少なくとも1つの方法ステップ182において、屋外センサネットワーク12のセンサモジュール10、10’、10”は、自然災害安全対策の前に、又は計画された建築対策の前に、適用エリア20に設置される。本明細書では、屋外センサネットワーク12のセンサモジュール10、10’、10”は、自然災害安全対策の局所的必要性を判定するために、これまで自然災害安全対策が施されていなかった適用エリア20の周囲、例えば斜面94に設置することができる。代替的又は追加的に、少なくとも1つの更なる方法ステップ184において、屋外センサネットワーク12のセンサモジュール10、10’、10”は、既に構築された建造物24として実装された適用エリア20に設置される。本明細書では、屋外センサネットワーク12のセンサモジュール10、10’、10”は、建造物24に、特に建造物24のロープ56に固定されている。
【0084】
少なくとも1つの更なる方法ステップ150において、屋外センサネットワーク12の分散配置されたセンサモジュール10、10’、10”の電子センサデータが、外部分析及び/又は予測ユニット14によって受信される。本明細書では、外部分析及び/又は予測ユニット14は、受信したセンサデータを収集する。受信及び収集されたセンサデータは、少なくとも屋外腐食測定データ、衝撃センサデータ、ロープ力センサデータ、及び対流圏測定データを含む。対流圏測定データは、本明細書では、いずれの場合も、腐食測定データのセット、衝撃センサデータのセット、及びロープ力センサデータのセットに割り当てられる。少なくとも1つの更なる方法ステップ152において、屋外センサネットワーク12の受信及び収集されたセンサデータは、共有の外部分析及び/又は予測ユニット14のメモリユニット16に記憶される。少なくとも1つの更なる方法ステップ154において、屋外センサネットワーク12の受信、収集、及び記憶されたセンサデータは、屋外センサネットワーク12のセンサモジュール10、10’、10”のそれぞれの適用エリア20、20’、20”における自然災害リスクの判定のために、外部分析及び/又は予測ユニット14によって分析される。屋外腐食測定データ、衝撃センサデータ、ロープ力センサデータ、及び対流圏測定データとは異なる、それぞれの適用エリア20に関する少なくとも1つの更なる情報は、方法ステップ154において実行されるセンサデータの分析に直接統合される。
【0085】
少なくとも1つの更なる方法ステップ156において、適用エリア20、20’、20”に関する更なる情報とともに、外部センサネットワーク12のセンサデータの分析に基づいて、自然災害リスクが判定される。方法ステップ154において実行される分析に直接統合される、適用エリア20に関する更なる情報は、適用エリア20の近隣環境における野生生物活動及び/又は例えば歩行者の活動のような人為的活動の活発さであってもよい。野生生物活動の増加及び/又は人為的活動の増加は、方法ステップ156において判定される自然災害リスクの増大をもたらす。方法ステップ154において実行される分析に直接統合される、適用エリア20に関する追加の更なる情報は、適用エリア20の近隣環境からの空気質データであってもよい。特定の空気汚染物質の濃度の増加は、方法ステップ156において判定される自然災害リスクの増大につながる。
【0086】
少なくとも1つの更なる方法ステップ158において、外部分析及び/又は予測ユニット14によって判定された自然災害リスクは、許可されたユーザグループ18に提供される。方法ステップ156において判定され、方法ステップ158において提供される自然災害リスクは、センサデータに基づいて判定された建造物24の残存寿命を含む。方法ステップ156において判定され、方法ステップ158において提供される自然災害リスクは、センサデータに基づいて判定された、防食被覆された金属構成要素、例えばワイヤロープ228の防食層減少率を含む。少なくとも1つの更なる方法ステップ160において、判定された防食層減少率を使用して、適用エリア20、20’、20”の地理的環境、特にそれぞれの適用エリア20上に設置された各センサモジュール10の環境の腐食分類が定義される。この目的のために、長期間(例えば、少なくとも1ヶ月、少なくとも1年、又は少なくとも2年)にわたって判定された実際の屋外腐食測定データから、それぞれ適切な腐食クラスへの割り当てのために、(例えば、規格ISO 12944-1:2019-01に準じた)腐食分類に割り当てられた標準化された防食層減少率に一致する、平均防食層減少率が得られる。
【0087】
少なくとも1つの更なる方法ステップ162において、自然災害リスク予測を含む自然災害リスクが判定される。方法ステップ162では、以前に判定されたセンサデータの推移に基づいて、自然災害リスク予測が得られる。代替的又は追加的に、方法ステップ162において、自然災害リスク予測は、適用エリア20に関する以前に判定された更なる情報に基づいて取得される。方法ステップ162では、センサデータ及び/又は更なる情報に基づいて、パターン認識が実行され、パターン認識において、個々のセンサのセンサデータ推移及び/又は異なるセンサのセンサデータ推移の相関が判定され、これにより、自然災害リスク、例えば落石リスクの増大又は低減の推定が可能になる。方法ステップ162では、とりわけ、センサモジュール10の対流圏測定データの測定系列及び/又は適用エリア20に関する更なる情報とともに、センサモジュール10の衝撃センサ28の衝撃データ及び/又はロープ力センサ30のロープ力センサデータを使用して、パターン認識が実行され、それに基づいて、衝撃予測として実現される自然災害リスク予測が得られる。方法ステップ162において、好ましくは分析及び/又は予測ユニット14によって収集及び記憶された適用エリア20に関する更なる情報と組み合わせて、外部分析及び/又は予測ユニット14によって収集及び記憶されたセンサデータのデータマイニングが実行される。
【0088】
少なくとも1つの更なる方法ステップ186において、特に方法ステップ156において判定された自然災害リスク、及び/又は特に方法ステップ162において取得された自然災害リスク予測に基づいて、方法ステップ182において設置されたセンサモジュール10を用いて、それまでは自然災害安全対策が施されていない適用エリア20における、自然災害安全対策を実施する必要性の評価が実行される。
【0089】
少なくとも1つの更なる方法ステップ188において、ワイヤネット226及び/又はワイヤロープ228の設置を含む、既に計画された建築対策の調整が、判定された自然災害リスクに応じて実行される。方法ステップ188の少なくとも1つの方法サブステップ190において、ワイヤネット226及び/又はワイヤロープ228の防食層のタイプの選択が、判定された自然災害リスクに基づいて、特に判定された防食層減少率に基づいて行われる。方法ステップ188の少なくとも1つの方法サブステップ192において、ワイヤネット226及び/又はワイヤロープ228の防食層の厚さの選択が、判定された自然災害リスクに基づいて、特に判定された防食層減少率に基づいて行われる。方法ステップ188の少なくとも1つの方法サブステップ194において、ワイヤネット226及び/又はワイヤロープ228のワイヤ径の選択が、判定された自然災害リスクに基づいて、特に判定された自然災害リスク予測(例えば、予想される事象の頻度及び/又は強度)に基づいて行われる。方法ステップ188の少なくとも1つの方法サブステップ196において、ワイヤネット226及び/又はワイヤロープ228の材料の選択が、判定された自然災害リスクに基づいて、特に判定された自然災害リスク予測(例えば、予想される事象の頻度及び/又は強度)に基づいて行われる。方法ステップ188の少なくとも1つの方法サブステップ198において、ワイヤネット226の寸法の選択が、判定された自然災害リスクに基づいて、特に判定された自然災害リスク予測(例えば、事象の発生について予想される場所)に基づいて行われる。方法ステップ188の少なくとも1つの方法サブステップ200において、ワイヤネット226のメッシュのメッシュサイズの選択が、判定された自然災害リスクに基づいて、特に判定された自然災害リスク予測(例えば、事象のタイプ)に基づいて行われる。
【0090】
少なくとも1つの更なる方法ステップ22において、方法ステップ156において判定された自然災害リスクに基づいて、適用エリア20、好ましくは建造物24の保守スケジュールが作成される。保守スケジュールは、建造物24、特に建造物24の特定の構成要素の判定された残存寿命に応じて得られる。方法ステップ22において、別々に配置された複数の建造物24の保守シーケンスが定義される。保守シーケンスは、建造物24の腐食状態及び/又は建造物24の残存寿命に基づいて判定される、異なる建造物24の優先順位に従って定義される。更に、方法ステップ22において、建造物24に対して保守時期が指定される。保守時期は、建造物24の測定された腐食状態及び/又は建造物24の測定された残存寿命に基づいて指定される。保守時期は、建造物24の測定された腐食状態及び/又は建造物24の測定された残存寿命に、これらの値の実質的な変化が経時的に生じる場合、柔軟に適合される。
【0091】
方法ステップ22の少なくとも1つの方法サブステップ164において、複数の適用エリア20の判定された自然災害リスクに基づいて、保守要員の編成が実施される。指定された保守時期は、本明細書では、好ましくは均一な作業負荷が保守要員に対して達成可能であるように、保守要員に分配される。指定された保守時期は、本明細書では、保守対象の建造物24への好ましくは短い移動時間が達成可能であるように、異なる保守拠点の保守要員に分配される。指定された保守時期は、本明細書では、実行対象の保守手順を保守要員の個々のスキルに正確に適合させることができるように、保守要員に分配される。方法ステップ22の少なくとも1つの更なる方法サブステップ166において、複数の適用エリア20の判定された自然災害リスクに基づいて、保守用具の編成が実施される。利用可能な保守用具は、本明細書では、保守用具の好ましくは均一な利用が達成可能であるように、指定された保守時期に分配される。利用可能な保守用具は、本明細書では、例えば、保守対象の建造物24への移動による、保守用具の好ましくは短いダウンタイムが達成可能であるように、異なる保守拠点に分配される。本明細書では、利用可能な保守用具を利用可能な保守要員に分配する際に、それぞれの保守用具の操作に関する保守要員の個々のスキルが考慮される。方法ステップ22の少なくとも1つの更なる方法サブステップ168において、複数の適用エリア20の判定された自然災害リスクに基づいて、消耗材料の編成が実施される。消耗材料の注文及び/又は配送は、本明細書では、好ましくは小規模の保管が必要となるように、指定された保守時期に適合される。保守要員への消耗材料の割り当ては、本明細書では、保守訪問で運ばれる消耗材料の総量を可能な限り少なく保つことができるように、来るべき保守時期に適合される。
【0092】
少なくとも1つの方法ステップ170において、落石バリア76として実現されている適用エリア20に割り当てられたセンサモジュール10の少なくとも1つの衝撃センサ28によって、衝撃体の衝突を示す衝撃信号が検出される。代替的に、少なくとも1つの方法ステップ172において、土石流バリア84として実現されている適用エリア20に割り当てられたセンサモジュール10の少なくとも1つのロープ力センサ30によって、流入事象、特に土石流を示すロープ力信号が検出される。少なくとも1つの更なる方法ステップ174において、方法ステップ170における衝撃の検出後及び/又は方法ステップ172における流入事象の検出後、衝撃及び/又は流入事象の強度及び/又はタイプに応じて、特に分析及び/又は予測ユニット14によって、保守命令をトリガするか又は即時修理をトリガするかの、好ましくは自動化された判定が行われる。少なくとも1つの更なる方法ステップ176において、保守命令がトリガされる。センサモジュール10によって測定された衝撃及び/又は流入事象の強度が、落石バリア76及び/又は土石流バリア84が衝撃及び/又は流入事象によって深刻な損傷を受けなかったこと、並びに/又は潜在的な更なる事象に対して依然として十分な保護効果がある程度しか損傷を受けなかったことを推測することを可能にする場合、保守命令がトリガされる。センサモジュール10によって測定された衝撃及び/又は流入事象のタイプ、すなわち、例えば事象発生中に受信したセンサデータの推移が、落石バリア76及び/又は土石流バリア84が衝撃及び/又は流入事象によって深刻な損傷を受けなかったこと、並びに/又は潜在的な更なる事象に対して依然として十分な保護効果がある程度しか損傷を受けなかったことを推測することを可能にする場合、保守命令がトリガされる。少なくとも1つの更なる方法ステップ178において、即時修理命令がトリガされる。センサモジュール10によって測定された衝撃及び/又は流入事象の強度が、落石バリア76及び/又は土石流バリア84が衝撃及び/又は流入事象によって深刻な損傷を受けたこと、並びに/又は潜在的な更なる事象に対して保護効果がもはや十分でない程度まで損傷を受けたことを推測することを可能にする場合、即時修理命令がトリガされる。センサモジュール10によって測定された衝撃及び/又は流入事象のタイプ、すなわち、例えば事象発生中に受信したセンサデータの推移が、落石バリア76及び/又は土石流バリア84が衝撃及び/又は流入事象によって深刻な損傷を受けたこと、並びに/又は潜在的な更なる事象に対して保護効果がもはや十分でない程度まで損傷を受けたことを推測することを可能にする場合、即時修理命令がトリガされる。
【0093】
特に方法ステップ174の意思決定を支援するために適用することができるが、任意の他の時間にも実現されてもよい、少なくとも1つの更なる方法ステップ180において、判定された自然災害リスクの結果及び/又は値によって、ドローン34の配備がトリガされる。ドローン34は、保守ドローン又は調査ドローンとして具現化されている。落石バリア76における衝撃及び/又は土石流バリア84の流入事象の、強度及び/又はタイプに応じて、方法ステップ180において、特に分析及び/又は予測ユニット14によって、ドローン34の配備を開始するか否かの、好ましくは自動化された判定が行われる。
【0094】
少なくとも1つの更なる方法ステップ202において、方法ステップ156において判定された自然災害リスクに基づいて、腐食データを示し、かつ少なくとも適用エリア20を含む、腐食マップが作成される。この目的のために、方法ステップ202において、適用エリア20に設置されたそれぞれのセンサモジュール10の地理的座標が、適用エリア20に関する更なる情報として統合される。腐食マップは、適用エリア20の地理的範囲にわたる、かつ/又は適用エリア20を実現している建造物24の範囲にわたる腐食データ、特に腐食強度の分布を示す。少なくとも1つの更なる方法ステップ26において、腐食マップは、例えば自然災害防止設備32として実現されている、適用エリア20のBIMシステム(建物情報モデリングシステム)に組み込まれる。少なくとも1つの更なる方法ステップ204において、得られた腐食マップに基づいて、例えば自然災害防止設備32として実現されている、適用エリア20の特に局所的な最適化が実行される。方法ステップ204では、例えば、落石バリア76又は斜面固定物82などの一部分が補強される。本明細書では、例えば、落石バリア76、斜面固定物82などの一部分は、引張強度を増強し、防食コーティングの厚さを増加し、ワイヤ径を増加したワイヤネット226及び/又はワイヤロープ228を備えている。少なくとも1つの更なる方法ステップ206において、腐食マップは、適用エリア20の周囲を超えて、すなわち、特に屋外センサネットワーク12のセンサモジュール10、10’、10”のないエリアにおいて、シミュレートされた腐食データで補填される。方法ステップ206では、隣接する適用エリア20’内のセンサモジュール10、10’、10”のセンサデータに基づいて、適用エリア20の周囲を超えて位置する、すなわち、特に屋外センサネットワーク12のセンサモジュール10、10’、10”がない、腐食マップのエリアの腐食データが取得される。代替的に又は追加的に、方法ステップ206では、地理的かつ/又は気候的に類似する適用エリア20”内のセンサモジュール10、10’、10”のセンサデータに基づいて、適用エリア20の周囲を超えて位置する、すなわち、特に屋外センサネットワーク12のセンサモジュール10、10’、10”がない、腐食マップのエリアの腐食データが取得される。
【0095】
図7は、センサモジュール10によるセンサデータのセンサ近傍(事前)分析の方法の概略フローチャートを示す。少なくとも1つの方法ステップ208において、生の測定データが、センサモジュール10のセンサによって記録される。方法ステップ208では、更に、生の測定データが、センサモジュール10に結合された外部センサによって、例えば外部カメラ46によって記録される。少なくとも1つの更なる方法ステップ210において、生の測定データは、センサモジュール内事前分析ユニット64によるデータ処理の観点から分析される。方法ステップ210の少なくとも1つの方法サブステップ212において、生の測定データの分析に基づいて、事前分析ユニット64によって、生の測定データのどの部分が分析及び/又は予測ユニット14に送信されるかの自律的選択が行われる。方法サブステップ212では、生の測定データ点のそれぞれ及び/又は生の測定データセットのそれぞれについて、この生の測定データ点及び/又はこの生の測定データセットが分析及び/又は予測ユニット14に送信されるかどうかが判定される。方法ステップ210の少なくとも1つの更なる方法サブステップ214において、生の測定データの分析に基づいて、通信ユニット42が分析及び/又は予測ユニット14へのデータ送信接続を確立する送信間隔が定義される。方法ステップ210の少なくとも1つの更なる方法サブステップ216において、生の測定データの分析に基づいて、センサモジュール10のセンサのうちの1つ以上の測定間隔が定義される。方法ステップ210の少なくとも1つの更なる方法サブステップ218において、センサモジュール10の1つ以上のセンサの待機段階の持続時間が、生の測定データの分析に基づいて定義される。方法ステップ210の少なくとも1つの更なる方法サブステップ220において、外部カメラ46の画像のセンサモジュール内分析に基づいて、それぞれの画像が分析及び/又は予測ユニット14に送信されるか否かが定義される。方法サブステップ220では、新たに撮影された画像は、基準画像、例えば、同じ画像細部の以前に撮影された画像と比較される。ここで、基準画像からの新しい画像の本質的な偏差がある場合、新しい画像が分析及び/又は予測ユニット14に送信される。ここで、新しい画像が基準画像と本質的に一致する場合、新しい画像は、分析及び/又は予測ユニット14に送信されない。
【符号の説明】
【0096】
10 センサモジュール
12 屋外センサネットワーク
14 分析及び/又は予測ユニット
16 メモリユニット
18 ユーザグループ
20 適用エリア
22 方法ステップ
24 建造物
26 方法ステップ
28 衝撃センサ
30 ロープ力センサ
32 自然災害防止設備
34 ドローン
36 遠隔監視センサ装置
38 屋外腐食センサ
40 周囲センサ
42 通信ユニット
44 センサモジュールハウジング
46 外部カメラ
48 起動及び/又は停止要素
50 加速度センサ
52 向きセンサ
54 ひずみゲージ
56 ロープ
58 電荷蓄積器
60 電流計
62 蓄電池
64 事前分析ユニット
66 計算ユニット
68 環境発電ユニット
70 セットアップモジュール
72 外部セットアップ装置
74 セットアップ要素
76 落石バリア
78 雪崩防御物
80 落石カーテン
82 斜面固定物
84 土石流バリア
86 仮設防護柵
88 プロセッサユニット
90 センサネットワークの外部のデータベース
92 表示装置
94 斜面
96 吊り橋
98 スタジアム屋根アンカー
100 風車アンカー
102 ファサードアンカー
104 ロープ受け要素
106 引張要素
108 更なる引張要素
110 凹部
112 電極
114 電極
116 端部キャップ
118 端部キャップ
120 上側
122 周囲センサユニット
124 エネルギー蓄積ユニット
126 重力方向
128 ロープ接触要素
130 下側
132 長手方向
134 セットアッププロセス
136 起動及び/又は停止面
138 セットアップステップ
140 セットアップステップ
142 セットアップステップ
144 セットアップステップ
146 セットアップステップ
148 セットアップステップ
150 方法ステップ
152 方法ステップ
154 方法ステップ
156 方法ステップ
158 方法ステップ
160 方法ステップ
162 方法ステップ
164 方法サブステップ
166 方法サブステップ
168 方法サブステップ
170 方法ステップ
172 方法ステップ
174 方法ステップ
176 方法ステップ
178 方法ステップ
180 方法ステップ
182 方法ステップ
184 方法ステップ
186 方法ステップ
188 方法ステップ
190 方法サブステップ
192 方法サブステップ
194 方法サブステップ
196 方法サブステップ
198 方法サブステップ
200 方法サブステップ
202 方法ステップ
204 方法ステップ
206 方法ステップ
208 方法ステップ
210 方法ステップ
212 方法サブステップ
214 方法サブステップ
216 方法サブステップ
218 方法サブステップ
220 方法サブステップ
222 捕捉及び/又は安定化装置
224 接続ユニット
226 ワイヤネット
228 ワイヤロープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】