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特表2023-539653連続グルコースセンサおよび装着組立体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-15
(54)【発明の名称】連続グルコースセンサおよび装着組立体
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1473 20060101AFI20230908BHJP
【FI】
A61B5/1473
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513915
(86)(22)【出願日】2021-08-26
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 IL2021051052
(87)【国際公開番号】W WO2022044017
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】63/070,735
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/072,050
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523067540
【氏名又は名称】ティンゴ・メディカル・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リオール・ストラム
(72)【発明者】
【氏名】オフェル・ヨードファット
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038KK10
4C038KL01
4C038KL09
4C038KX01
4C038KX04
(57)【要約】
本開示の実施形態は、とりわけ、一体型の連続グルコース監視(CGM)デバイス(デバイスまたはセンサ)を対象とするものであり、CGMデバイスを装着するための、完全に使い捨ての一体型装着ユニットが提供される。このデバイスと装着ユニットとは、いくつかの実施形態では、事前に、工場内で、使い捨ての一体型装着組立体に組み立てられる。装着組立体は、センサの一部と、センサの別の部分を含む密封されていない区画とを含む、密封された区画から構成され得る。装着組立体は、全自動であり得、ボタンを押すと、センサが皮膚に付着してセンサプローブが皮下組織に挿入される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのグルコースレベルを連続的に監視するための連続グルコース監視システムであって、
装着組立体と、
感知デバイスと
を備え、前記感知デバイスの少なくとも一部が、前記感知デバイスを前記ユーザに装着する前に前記装着組立体の内部に収容される、システム。
【請求項2】
前記感知デバイスが、少なくとも、前記ユーザの感知されたグルコースレベルに対応する信号を伝送するように構成された送信器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記感知されたグルコース読取り値を前記感知デバイスから前記送信器を介して受信するための少なくとも1つの受信器を用いて構成された遠隔表示ユニットをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記感知デバイスがセンサを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記感知デバイスが、センサと、前記ユーザの皮下組織に挿入するように構成されたセンサプローブとを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記感知デバイスが、前記ユーザの皮膚に付着するように構成されたセンサと、前記ユーザの皮下組織に挿入するように構成されたセンサプローブとを備える、請求項2または3に記載のシステム。
【請求項7】
前記センサが、前記ユーザの皮膚に前記センサを取外し可能に貼付するための接着剤を有する下部を任意選択で含む、請求項5または6に記載のシステム。
【請求項8】
前記センサがセンサハウジングを含む、請求項5から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記センサがセンサ制御ユニットを含む、請求項5から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記センサプローブが、皮下組織に挿入するように構成された第1の部分と、前記センサハウジングに収容されるように構成された第2の部分とを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記センサプローブが、皮下組織に挿入するように構成された第1の部分と、前記センサハウジングに収容されるように構成された第2の部分とを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記センサハウジングが上部カバーおよび下部カバーを備える、請求項8から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記下部カバーが患者の皮膚に前記センサに付着させるための接着剤を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記センサがプリント回路基板組立体(PCBA)を含む、請求項5から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記センサハウジングおよび前記PCBAのうち少なくとも1つが、受信器、送信器、処理回路、バッテリ、警報システム、およびデータ記憶手段のうち少なくとも1つをも含む、請求項5から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記センサハウジングおよび前記PCBAのうち少なくとも1つが、受信器、送信器、処理回路、バッテリ、警報システム、およびデータ記憶手段のうち少なくとも2つをも含む、請求項5から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記センサハウジングおよび前記PCBAのうち少なくとも1つが、受信器、送信器、処理回路、バッテリ、警報システム、およびデータ記憶手段をも含む、請求項5から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記受信器および前記送信器がトランシーバを備える、請求項15から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記センサが、前記センサプローブの1つまたは複数のそれぞれの導体パッドに結合するように構成された導電性接触子のうち少なくとも1つを含み、好ましくは複数を含む、請求項5から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記センサプローブが、少なくとも、少なくとも1つの作用電極、対電極、少なくとも2つの導電体、および少なくとも2つの導体パッドを含む、請求項5から19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記センサプローブが、少なくとも1つの作用電極、対電極、少なくとも2つの導電体、および少なくとも2つの導体パッドを含む、請求項5から19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記センサプローブが平坦な形状に構成され、少なくとも2つの電極を含む、請求項5から21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記少なくとも2つの電極が少なくとも作用電極を備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記作用電極が、前記センサプローブの第1の側および遠位端のうち少なくとも1つに位置するように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記少なくとも2つの電極が対電極を備える、請求項22から24のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記少なくとも2つの電極が、少なくとも作用電極および対電極を備え、前記作用電極が、前記センサプローブの第1の側および遠位端のうち少なくとも1つに位置するように構成されており、前記対電極が、前記センサプローブの、前記作用電極が配置されている側の反対側に配置されるように構成されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項27】
各電極が、導電体によってそれぞれの導体パッドに接続されている、請求項22から26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
1つまたは複数の導体パッドが、接触板の少なくとも1つの面に配置されるように構成されており、前記接触板が任意選択でセンサプローブとともに含まれる、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
1つまたは複数の導体パッドが、接触板の各面に配置されるように構成されており、前記接触板が任意選択でセンサプローブとともに含まれる、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記接触板が、前記センサプローブに対してほぼ垂直に配置されている、請求項28または29に記載のシステム。
【請求項31】
前記接触板が前記センサハウジングの内部に配置されている、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記接触板が前記センサハウジングの内部に配置されるとき、少なくとも1つの導体パッドがPCBAに面し、任意選択で、別の(たとえば他方の)導体パッドが反対方向に面する、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記接触板が、各導体パッドが前記PCBAに面するように、第1の面において180度に折り曲げられる、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記センサプローブおよび前記接触板が、前記センサプローブが皮膚に対して垂直になるように構成されたシートから構築され、前記接触板が(皮膚に対して平行な)前記センサプローブに対して垂直であり、両方の導体パッドが前記PCBAに面する、請求項29から33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
前記シートが単一のマトリクスシートを備える、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記装着組立体が、患者に前記感知デバイスを装着するように構成されている、請求項2から35のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
前記装着組立体が、患者に前記感知デバイスをすぐに装着できるように、製造中に前記感知デバイスとともに組み立てられている、請求項5から36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記装着組立体が、密封も殺菌もされていない第1の区画と、密封され、殺菌された第2の区画とを備える、請求項1から37のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
第1および第2の区画のうち少なくとも1つがハウジングを含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記第1の区画が前記第2の区画にすぐ隣接して配置されている、請求項38または39に記載のシステム。
【請求項41】
前記第1の区画が挿入手段および後退手段のうち少なくとも1つを含む、請求項38から40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
前記第1の区画が挿入手段および後退手段を含む、請求項38から41のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
前記第2の区画がセンサプローブおよびセンサの一部のうち少なくとも1つを含む、請求項38から42のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項44】
前記第2の区画が、センサプローブと、センサの一部と、前記第2の区画を密封するように構成された任意選択の弾性隔壁とを含む、請求項38から43のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項45】
前記第2の区画が保護蓋を含む、請求項38から44のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項46】
前記保護蓋が取り外される前記第2の区画の側が、患者の皮膚に隣接して配置されるように構成されている、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記感知デバイスを装着するとき、センサおよびセンサプローブのうち少なくとも1つが前記第2の区画の内部で変位して患者に装着される、請求項38から46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項48】
前記感知デバイスを装着するとき、センサおよびセンサプローブが前記第2の区画の内部で変位して患者に装着される、請求項38から46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項49】
センサプローブを患者の皮下組織に挿入するように構成されたセンサプローブ誘導針(「誘導針」)をさらに備える、請求項5から52のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項50】
前記誘導針が、
前記患者の皮膚に差し込むように構成された、第1の端における尖った先端と、
前記誘導針を、挿入中は第1の方向に駆動し、後退中は前記第1の方向と反対の第2の方向に駆動するように構成された、第2の端における誘導針キャップと
を備える、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記誘導針が前記装着組立体内部に配置されている、請求項49または50に記載のシステム。
【請求項52】
前記誘導針が、前記装着組立体の内部に配置されて、第1の区画、第2の区画、および弾性隔壁に及ぶ、請求項49または50に記載のシステム。
【請求項53】
前記誘導針が、前記弾性隔壁を通って、センサプローブの挿入中は第1の方向に変位し、誘導針の後退中は前記第1の方向と反対の第2の方向に変位するように構成されている、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記装着組立体が、患者の皮膚にセンサを自動的に付着させるステップと、前記センサプローブを皮下組織に挿入するステップと、前記センサプローブ誘導針を後退させるステップとを含めて自動的に動作するように構成されている、請求項5から53のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項55】
前記ユーザに前記感知デバイスを装着するための前記装着組立体の自動運転を開始するように構成されたトリガをさらに備える、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記トリガが、ユーザまたはオペレータの入力を受けるように構成された動作ボタンまたは動作スイッチを含む、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
挿入手段が、患者に前記感知デバイスを装着するように構成された、ばね荷重がかかった駆動機構を備える、請求項41から56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項58】
後退手段が、患者に前記感知デバイスを残したまま誘導針を取り除くための、ばね荷重がかかった後退機構を備える、請求項41から57のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項59】
動作ボタンを押すと、トリガが、センサ、前記センサプローブ、および任意選択の誘導針を含む前記感知デバイスを第1の方向に駆動する挿入手段の挿入ばねを解放し、その後、前記後退ばねが解放されて、前記誘導針の尖った端部が前記装着ユニット内部に少なくとも実質的に隠れるように、前記誘導針を反対の第2の方向に後退させる、請求項57または58に記載のシステム。
【請求項60】
誘導針が、尖った先端を含む、剛体の平坦な構造を備え、挿入中はセンサプローブを支持するように適合されている、請求項49から59のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項61】
誘導針とセンサプローブとが共に皮下組織に挿入される、請求項49から59のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項62】
挿入の最後に前記センサプローブが第1の方向へさらに(たとえば1~3mm)進められる、請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
第1の区画と第2の区画との両方が殺菌された区画である、請求項38から62のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項64】
最初に前記第1の区画がeビームおよび/またはガンマ線を用いて殺菌され、続いて前記第2の区画がガス(たとえば酸化エチレン)を用いて殺菌される、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
誘導針の断面が平坦である、請求項49から64のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項66】
誘導針の断面が楕円形でも円形でもない、請求項49から65のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項67】
誘導針がU字形の断面を含む、請求項49から66のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項68】
誘導針が、少なくとも1つ、好ましくは2つの肩部であって、前記センサプローブの挿入状態を確保する構成、および身体内に前記センサプローブを残したまま誘導針の後退を可能にする構成のうち少なくとも一方である肩部を含む、請求項49から67のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項69】
請求項1から68のいずれか一項に記載の、グルコースを監視する感知デバイス装着組立体。
【請求項70】
請求項1から68のいずれか一項に記載の、グルコースを監視する感知デバイス。
【請求項71】
請求項1から68のいずれか一項に記載のグルコースセンサ。
【請求項72】
請求項1から68のいずれか一項に記載のグルコースセンサプローブ。
【請求項73】
連続グルコース監視システム用の装着組立体および感知デバイスを組み立てるための組立て方法であって、
前記感知デバイスを組み立てるステップを含み、前記感知デバイスを組み立てるステップが、
マトリクスシートの片面または両面に、グルコース感知層、導電体、絶縁体、および導体パッドを堆積するステップであって、前記マトリクスシート上に1つまたは複数の電極を形成することを含む、堆積するステップと、
前記マトリクスシートを、センサプローブおよび接触板を含む構成とするように切断し、かつ/または折り曲げるステップと、
センサを形成するように、センサ接触板、センサプリント回路基板組立体(PCBA)、およびセンサハウジングを組み立てるステップと
を含み、
前記方法がさらに、
前記装着組立体を組み立てるステップを含み、前記装着組立体を組み立てるステップが、
前記装着組立体の第1の区画の中に、挿入ばねおよび後退ばねのうち少なくとも1つを組み立てるステップと、
前記装着組立体の第2の区画を組み立てて殺菌するステップと
を含み、
前記方法がさらに、
前記第2の区画に前記感知デバイスの少なくとも一部を配置するステップ
を含む方法。
【請求項74】
前記第1の区画と前記第2の区画との両方が殺菌される、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
最初に前記第2の区画がeビームおよび/またはガンマ線を用いて殺菌され、続いて前記第1の区画がガス(たとえば酸化エチレン)を用いて殺菌される、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記プローブおよび接触板のうち少なくとも1つが、前記マトリクスシート上に/前記マトリクスシートから形成される、請求項73から75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記センサプローブおよび前記接触板が、前記マトリクスシート上に/前記マトリクスシートから形成される、請求項73から76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記センサプローブおよび前記接触板のうち少なくとも1つが、適切な空間構成を形成するように、切断し、かつ/または折り曲げることによって、前記マトリクスシート上に/前記マトリクスシートから形成される、請求項76または77に記載の方法。
【請求項79】
前記1つまたは複数の電極、1つまたは複数の導体、および1つまたは複数の導体パッドのうち少なくとも1つが、前記マトリクスシートの少なくとも片面に配置される、請求項73から78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記1つまたは複数の電極、1つまたは複数の導体、および1つまたは複数の導体パッドのうち少なくとも1つが、1つのマトリクスシートの両面に配置される、請求項73から78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記接触板の折り曲げが、前記導体パッドを同じ向きに配置するように構成される、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記同じ向きがPCBAに向かうものを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
本明細書で開示された実施形態のいずれか1つに記載のデバイス、システム、および/または方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本開示は、2020年8月26日出願の「Continuous Glucose Sensor and Mounting Assembly」という名称の米国特許仮出願第63/070,735号、および2020年8月28日出願の「Systems, Devices and Methods for Glucose Sensing and associated manufacturing methods」という名称の米国特許仮出願第63/072,050号の優先権および利益を主張するものである。これらの開示の各々の全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施形態は、患者のグルコースの連続監視用に構成された方法、システム、デバイス、およびこれらの構成要素を対象とするものである。より詳細には、
- 本開示のいくつかの実施形態は、連続グルコース監視のための使い捨てグルコース感知デバイスに関し、
- 本開示のいくつかの実施形態は、そのような監視のためにグルコースセンサを患者に装着するための使い捨て装着組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
糖尿病を患っている人は、グルコースレベルを下げるためのインシュリンまたはグルコースレベルを上げるための追加のグルコースが必要なときを判定しなければならないので、連続グルコース監視が重要である。連続グルコース監視(CGM)デバイスは、通常は患者の皮膚に付着して、グルコース読取り値を遠隔監視デバイスに伝送する。CGMは閉ループシステム(人工膵臓)に組み込まれ得、ここにおいて、CGMが伝送したグルコース読取り値に従って、インシュリンポンプがインシュリン放出を自動的に管理して調節する(閉ループシステム)。
【0004】
グルコースの連続監視のために、完全に使い捨ての感知デバイスが必要である。最小限の表面積で最大の電極表面積を有する平坦なセンサプローブも必要である。使用するのが容易で、痛みは最小限にして挿入外傷を最小限にする装着デバイスも必要である。誘導針の先鋭部の挿入および後退が、患者が介入してばねに予荷重をかけることなく、ボタンを押すことによって行われる全自動の装着デバイスも必要である。殺菌されたセンサプローブと殺菌されていない構成要素とを含むことによって各デバイスの置換における装着ステップを低減する、事前に工場で組み立てられた一体型の使い捨て装着デバイスも必要である。比較的割高なばねを装填した機構は殺菌しない、生産コストが安い一体型の使い捨て装着デバイスも必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態は、多くの実施形態の中で、完全に使い捨ての、一体型の連続グルコース監視(CGM)デバイス(感知デバイス)を提供するものであり、このデバイスは、いくつかの実施形態では、センサおよびセンサプローブと、CGMデバイスを装着するための、完全に使い捨ての一体型の装着組立体/装着ユニット(装着組立体、装着ユニットと装着組立体とはどちらも区別なく使用される)とを含む。このデバイスと装着ユニットとは、事前に、工場内で、使い捨ての一体型装着組立体に組み立てられる。装着組立体は、センサの一部と、センサの別の部分を含む密封されていない区画とを含む、密封された区画から構成される。装着組立体は、部分的に自動化され得、好ましくは全面自動であり、ボタンを押すと、センサが皮膚に付着して、センサプローブが皮下組織に挿入される。
【0006】
センサプローブは、いくつかの実施形態では、皮下組織に挿入される第1の部分と、センサハウジングに収容されるように適合された第2の部分とを含む(前述のように、一緒に、グルコースセンサと、感知デバイスを備えるセンサハウジングとを含む)。センサハウジングは上部カバーおよび下部カバーを含み、いくつかの実施形態では、下部カバーは、センサを皮膚に付着させるための接着剤を含む。いくつかの実施形態では、感知デバイス(すなわちセンサハウジングおよびセンサプローブ)は、使用後に身体から取り外されて処分される。
【0007】
いくつかの実施形態では、センサは、電子的なプリント回路基板組立体(「PCBA」または「電子回路」)を備え、たとえば、受信器、送信器、処理回路、バッテリ、警報システム、および/またはデータ記憶装置などの様々な任意選択の構成要素も含み得る。いくつかの実施形態では、センサは、たとえば2つ以上のそれぞれのセンサプローブ上の導体パッドに結合するように構成され得る2つ以上の導電性接触子(たとえば導電性ばね)といった、複数の導電性接触子を含む。センサプローブは、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの作用電極、対電極、少なくとも2つの導電体、および少なくとも2つの導体パッドを含む。いくつかの実施形態では、プローブは平坦であり、いくつかの実施形態ではプローブの片側の遠位端に配置され得る作用電極と、いくつかの実施形態では反対側に配置され得る対電極との2つの電極を含む。どちらの電極も、いくつかの実施形態では、導電体を用いて、接触板の両面に配置され得る導体パッドに接続される。いくつかの実施形態では、接触板は、プローブに対して垂直であり(いくつかの実施形態ではプローブの一部であり得)、少なくとも1つの導体パッドがPCBAに面し、別の(たとえば他方の)導体パッドが反対方向に面するように、センサハウジング内部に存在し得る。いくつかの実施形態では、接触板は、両方の導体パッドがPCBAに面して電気接続が簡単になるように、片側が180度に折り曲げられる。いくつかの実施形態では、プローブおよび接触板は単一のマトリクスシート(たとえばポリイミド)から作製され、このシートは、プローブが皮膚に対して垂直に構成され、接触板がプローブ対して垂直に(皮膚に対して平行に)なって、どちらの導体パッドもPCBAに面するように、折り曲げられる。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、患者に感知デバイスを装着するように構成された装着ユニット(たとえば上記の実施形態を参照されたい)が提供される。装着ユニットは、1つのボックスの中に詰め込まれた装着ユニットと感知デバイス(いくつかの実施形態ではセンサおよびセンサプローブを含む)とが一体化して提供されるように、感知デバイスとともに事前に組み立てられ得る(装着組立体)。いくつかの実施形態では、装着ユニットは2つの事前に組み立てられたハウジングを有する2つの区画から構成され、これらの区画は、挿入および後退の機構および感知デバイスの一部を含む、密封も殺菌もされていない区画(ばね区画)と、センサプローブを含む、密封され、殺菌された区画(プローブ区画)とを有する。どちらの区画も、ハウジング、ばね区画ハウジングおよびプローブ区画ハウジングを有し、これらは、(たとえば)事前に、プローブ区画ハウジングの上のばね区画ハウジングの製造中に、強固に組み立てられる。プローブ区画は、好ましくは、密封され、放射線(たとえばガンマ線またはeビーム)で殺菌される。患者は、デバイスを装着する前に、センサプローブハウジングの底部側から保護蓋を取り外して、装着組立体を皮膚に付着させる。デバイスの装着中に、センサおよびセンサプローブがセンサプローブハウジングの内部で変位されて患者に装着される(プローブが組織に挿入される)。
【0009】
いくつかの実施形態では、皮下組織にセンサプローブを挿入するための誘導針が提供される。誘導針は、いくつかの実施形態では、皮膚に差し込むように構成された鋭い先端を一端に含み、他端には、挿入中は誘導針を一方向に駆動し、後退中は反対方向に駆動するように構成された誘導針キャップを含む。誘導針は、いくつかの実施形態では、装着組立体の内部に配置され、殺菌されていない区画、殺菌された区画、および弾性隔壁(密封され、殺菌されたプローブ区画を密封する)に及ぶ。誘導針は、センサプローブの挿入中は隔壁を通って一方向に変位し得、次いで、誘導針の後退中は反対方向に変位し得る。デバイスの装着に続いて、身体から装着ユニットが取り外され得、皮膚上のセンサと皮下組織内のセンサプローブとが残る。
【0010】
いくつかの実施形態では、起動後の装着ユニットの動作は自動である。たとえば、動作ボタンを押したとき、装着ユニットは、センサを患者の皮膚に付着させ、皮下組織にセンサプローブを挿入して(第1の装着段階)、センサプローブは身体内部に残したままセンサプローブ誘導針を後退させる(第2の装着段階)。デバイスの装着後に、装着ユニットを身体から取り外して処分することができる。いくつかの実施形態では、装着ユニットは、患者にデバイスを装着するための、ばね荷重がかかった駆動機構と、センサを患者に残したまま誘導針を取り除くための、ばね荷重がかかった後退機構とを含む。動作ボタンを押したとき、トリガが、デバイス(センサ、センサプローブ、および誘導針を含む)を第1の方向に駆動する、予荷重がかかった挿入ばねを解放する。動作の最後に、予荷重がかかった後退ばねが解放されて、誘導針は、誘導針の先鋭部が装着ユニットの内部に隠れるように、反対の第2の方向に後退する。いくつかの実施形態では、誘導針は、挿入中にセンサプローブを支持するように適合された、尖った先端を有する剛体の平坦な構造である。誘導針とセンサプローブとが共に皮下組織に挿入され得るが、いくつかの実施形態では、第1の方向における誘導針の移動の最後に、センサプローブは、同じ第1の方向にさらに(たとえばさらに1~3mm)進められる。したがって、そのような実施形態では、センサプローブの断面プロファイルが非常に小さいので、周囲の組織内部の局所外傷が最小限になり得(たとえば外傷が最小限になり得)、プローブの遠位端に配置されたグルコース感知電極(すなわち作用電極)に作用する局所炎症反応が最小限になる。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、デバイスの組立てプロセスは、
- マトリクスシートの片面または両面に、グルコース感知層、導電体、絶縁体、および導体パッドを堆積するステップと、
- マトリクスシートを、センサプローブおよび接触板を含む構成とするように切断し、かつ/または折り曲げるステップと、
- プローブ区画を組み立てて(いくつかの実施形態ではさらに殺菌して)から、センサPCBA、センサハウジング上部カバー、後退ばね、誘導針キャップ、最後に、ばね荷重がかかった挿入機構を含むばねの区画ハウジングを組み立てる(積み上げる)ステップと
を含む(これらは、いくつかの実施形態では連続したステップである)。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、デバイスを装着する方法が提供され、この方法は、保護蓋を取り外すステップと、装着組立体を皮膚に配置するステップと、ボタンを押すステップと、装着ユニットを取り外すステップとを(いくつかの実施形態では連続して)含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、ユーザのグルコースレベルを連続的に監視するための連続グルコース監視システムが提供される。このシステムは装着組立体および感知デバイスを含み、感知デバイスの少なくとも一部は、感知デバイスをユーザに装着する前に装着組立体の内部に収容される。これらの構成要素の各々は、それ自体が個別の実施形態であることは注目に値する。
【0014】
装着組立体および感知デバイスの個別の実施形態を含む前述の実施形態は、さらなる実施形態をもたらす、1つおよび/または別の(また、いくつかの実施形態では、複数の、大多数の、実質的にすべての、さらに、いくつかの実施形態ではすべての)以下のさらなる特徴、機能性、構造、ステップ、または説明も含み得る(このことは、以前に/先に列挙されたさらなる特徴、機能性、構造、ステップ、または説明を踏まえ、かつ/またはこれらに基づくなら、以下のリスト、さらなる特徴、機能性、構造、ステップ、および説明のうちいくつかから明らかである)。
- 感知デバイスは、少なくとも、ユーザの感知されたグルコースレベルに対応する信号を伝送するように構成された送信器を含み得る。
- 遠隔表示ユニットは、感知デバイスから送信器を介して感知されたグルコース読取り値を受信するための少なくとも1つの受信器を用いて構成される。
- 感知デバイスはセンサを備えることができる。
- 感知デバイスは、センサと、ユーザの皮下組織に挿入するように構成されたセンサプローブとを備えることができる。
- 感知デバイスは、ユーザの皮膚に付着するように構成されたセンサと、ユーザの皮下組織に挿入するように構成されたセンサプローブとを備えることができる。
〇センサが含み得る下部(たとえば下蓋)は、センサをユーザの皮膚に取外し可能に貼るための接着剤を有し、
〇センサはセンサハウジングを含み得、
〇センサはセンサ制御ユニットを含み得、
〇センサプローブは、皮下組織に挿入するように構成された第1の部分と、センサハウジングに収容されるように構成された第2の部分とを含み得、および/または
〇センサプローブは、皮下組織に挿入するように構成された第1の部分と、センサハウジングに収容されるように構成された第2の部分とを含み得る。
- センサハウジングは上部カバーおよび下部カバーを備えることができ、下部カバーは、患者の皮膚にセンサを付着させるための接着剤を含み得る。
- センサはプリント回路基板組立体(PCBA)を含み得る。
- センサハウジングおよびPCBAのうち少なくとも1つが、受信器、送信器、処理回路、バッテリ、警報システム、およびデータ記憶手段のうち、少なくとも1つ、複数、大多数、実質的にすべて、またはすべて、をも含み得、受信器と送信器とは、互いにトランシーバを備えることができる。
- センサは、センサプローブの1つまたは複数のそれぞれの導体パッドに結合するように構成された導電性接触子のうち少なくとも1つを含み得、好ましくは複数を含み得る。
- センサプローブは、
〇少なくとも1つの作用電極と、対電極と、少なくとも2つの導電体と、少なくとも2つの導体パッドとのうち少なくとも1つを含み得るか、あるいは
〇少なくとも1つの作用電極と、対電極と、少なくとも2つの導電体と、少なくとも2つの導体パッドと
を含む。
- センサプローブは、平坦な形状に構成され得、少なくとも2つの電極を含み、少なくとも2つの電極は少なくとも作用電極を備える。
- 作用電極は、センサプローブの第1の側および遠位端のうち少なくとも1つに位置するように構成され得る。
- 少なくとも2つの電極は対電極を備えることができる。
- 少なくとも2つの電極は少なくとも作用電極および対電極を備えることができ、作用電極は、センサプローブの第1の側および遠位端のうち少なくとも1つに位置するように構成され、対電極は、センサプローブの、作用電極が配置されている側の反対側に配置されるように構成される。
- 各電極は、導電体によってそれぞれの導体パッドに接続され得る。
- 1つまたは複数の導体パッドが、
〇少なくとも、接触板がセンサプローブとともに任意選択で含まれる側に位置するように、または
〇接触板がセンサプローブとともに任意選択で含まれるそれぞれの側に位置するように、
構成され得る。
- 接触板は、
〇センサプローブに対してほぼ垂直に配置され得、かつ/または
〇センサハウジングの中に配置され得る。
- 接触板がセンサハウジングの内部に配置されているとき(上記参照)、少なくとも1つの導体パッドがPCBAに面し得、任意選択で、別の(たとえば他方の) 導体パッドが反対方向に面し得る。
- 接触板は、各導体パッドがPCBAに面するように、第1の面において180度に折り曲げられ得る(上記参照)。
- センサプローブおよび接触板は、センサプローブが皮膚に対して垂直になり、接触板がセンサプローブに対して垂直に(皮膚に対して平行に)なって、どちらの導体パッドもPCBAに面するように構成された、マトリクスシートから構築され得る。
- マトリクスシートは単一のマトリクスシートを備えることができる。
- 装着組立体は患者に感知デバイスを装着するように構成され得る。
- 装着組立体は、患者に感知デバイスをすぐに装着できるように、製造中に感知デバイスとともに組み立てられ得る。
- 装着組立体は、密封も殺菌もされていない第1の区画と、密封され、殺菌された第2の区画とを備えることができる(いくつかの実施形態では、どちらの区画も殺菌され得る)。
- 第1および第2の区画のうち少なくとも1つがハウジングを含み得る。
- 第1の区画は第2の区画にすぐ隣接して配置され得る。
- 第1の区画は、挿入手段および後退手段のうち少なくとも1つを含み得る。
- 第1の区画は、挿入手段および後退手段を含み得る。
- 第2の区画は、センサプローブおよびセンサの一部のうち少なくとも1つを含み得る。
- 第2の区画は、センサプローブと、センサの一部と、第2の区画を密封するように構成された任意選択の弾性隔壁とを含み得る。
- 第2の区画は保護蓋を含み得る。
- 保護蓋が取り外される第2の区画の側は、患者の皮膚に隣接して配置されるように構成され得る。
- 感知デバイスを装着するとき、センサおよびセンサプローブのうち少なくとも1つが第2の区画の内部で変位して患者に装着され得る。
- 感知デバイスを装着するとき、センサおよびセンサプローブが第2の区画の内部で変位して患者に装着され得る。
- センサプローブ誘導針(「誘導針」)は、センサプローブを患者の皮下組織に挿入するように構成される。
- 誘導針は、
〇患者の皮膚に差し込むように構成された、第1の端における尖った先端、
〇誘導針を、挿入中は第1の方向に駆動し、後退中は第1の方向と反対の第2の方向に駆動するように構成された、第2の端の誘導針キャップ
のうち、少なくとも1つ、複数、大多数、実質的にすべて、好ましくはすべて、を備えることができる。
- 誘導針は、
〇装着組立体の内部に配置され得る。
〇装着組立体の内部に配置され得て、第1の区画、第2の区画、および弾性隔壁に及ぶ。
〇弾性隔壁を通って、センサプローブの挿入中は第1の方向に変位し、誘導針の後退中は第1の方向と反対の第2の方向に変位するように構成され得る。
〇尖った先端を含む、剛体の平坦な構造を備えることができ、挿入中はセンサプローブを支持するように適合される。
〇付随して、センサプローブが皮下組織に挿入され得る。
〇断面において平坦であり得る。
〇断面は楕円形や円形にはなり得ない。
〇U字形の断面を含み得、かつ/または
〇少なくとも1つ、好ましくは2つの肩部であって、センサプローブの挿入状態を確保する構成、および身体内にセンサプローブを残したまま誘導針の後退を可能にする構成のうち少なくとも一方である肩部を含み得る。
- 装着組立体は、患者の皮膚にセンサを自動的に付着させるステップと、センサプローブを皮下組織に挿入するステップと、センサプローブ誘導針を後退させるステップとを含めて自動的に動作するように構成され得る。
- トリガは、ユーザに感知デバイスを装着するための装着組立体の自動運転を開始するように構成される。
- トリガは、ユーザまたはオペレータの入力を受けるように構成された動作ボタンまたは動作スイッチを含み得る。
- 挿入手段は、患者に感知デバイスを装着するように構成された、ばね荷重がかかった駆動機構を備えることができる。
- 後退手段は、患者に感知デバイスを残したまま誘導針を取り除くための、ばね荷重がかかった後退機構を備えることができる。
- 動作ボタンを押すと、トリガが、センサ、センサプローブ、および任意選択の誘導針を含む感知デバイスを第1の方向に駆動する挿入手段の挿入ばねを解放するように構成され得、その後、後退ばねが、解放されて、誘導針の尖った先端が装着ユニット内部に少なくとも実質的に隠れ得るように、誘導針を反対の第2の方向に後退させるように構成され得る。
- 挿入の最後に、センサプローブは、第1の方向へさらに(たとえば1~3mm)進められ得る。
- 第1の区画も第2の区画も殺菌された区画であり得る。
また、
- 最初に第2の区画(すなわちプローブ区画)がeビームおよび/またはガンマ線を用いて殺菌され得、続いて、第1の区画(すなわちばね区画)がガス(たとえば酸化エチレン)を用いて殺菌され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、前述の実施形態(および本開示の任意の他の実施形態)のうち任意のものによる、グルコースを監視する感知デバイス装着組立体が提供される。
【0016】
いくつかの実施形態では、前述の実施形態(および本開示の任意の他の実施形態)のうち任意のものによる、グルコースを監視する感知デバイスが提供される。
【0017】
いくつかの実施形態では、連続グルコース監視システム用の装着組立体および感知デバイスを組み立てるための組立て方法が提供され、(開示された実施形態のうちいずれかによる)感知デバイスを組み立てるステップと、(開示された実施形態のうちいずれかによる)装着組立体を組み立てるステップとを含む。この方法は、感知デバイスを組み立てるために、
- マトリクスシートの片面または両面に、グルコース感知層、導電体、絶縁体、および導体パッドを堆積するステップであって、マトリクスシートに1つまたは複数の電極を形成することを含む、ステップと、
- マトリクスシートを、センサプローブおよび接触板を含む構成とするように切断し、かつ/または折り曲げるステップと、
- センサを形成するように、センサ接触板、センサプリント回路基板組立体(PCBA)、およびセンサハウジングを組み立てるステップと
のうち少なくとも1つ、好ましくは複数、最も好ましくはすべてを含む。
【0018】
この方法は、装着組立体を組み立てるために、
- 装着組立体の第1の区画の中に、挿入ばねおよび後退ばねのうち少なくとも1つを組み立てるステップと、
- 装着組立体の第2の区画を組み立てて殺菌するステップと、
- 第2の区画に感知デバイスの少なくとも一部を配置するステップと
のうち少なくとも1つ、好ましくは複数、最も好ましくはすべてを含む。
【0019】
装着組立体および感知デバイスの個別の実施形態を含むそのような方法実施形態は、さらなる実施形態をもたらす、1つおよび/または別の(また、いくつかの実施形態では、複数の、実質的にすべての、さらに、いくつかの実施形態ではすべての)以下のさらなる特徴、機能性、構造、ステップ、または説明も含み得る(このことは、以前に/先に列挙されたさらなる特徴、機能性、構造、ステップ、または説明を踏まえ、かつ/またはこれらに基づくなら、リスト、さらなる特徴、機能性、構造、ステップ、および説明のうちいくつかから明らかである)。
- 第1の区画も第2の区画も殺菌された区画であり得る。
- 最初に第2の区画がeビームおよび/またはガンマ線を用いて殺菌され、続いて第1の区画がガス(たとえば酸化エチレン)を用いて殺菌される。
- プローブおよび接触板のうち少なくとも1つが、マトリクスシート上に/マトリクスシートから、形成される。
- センサプローブおよび/または接触板は、マトリクスシート上に/マトリクスシートから、形成され得る。
- センサプローブおよび接触板のうち少なくとも1つは、適切な空間構成を形成するように、切断し、かつ/または折り曲げることによって、マトリクスシート上に/マトリクスシートから形成され得る。
- 1つまたは複数の電極、1つまたは複数の導体、および1つまたは複数の導体パッドのうち少なくとも1つは、マトリクスシートの少なくとも片面に配置され得る。
- 1つまたは複数の電極、1つまたは複数の導体、および1つまたは複数の導体パッドのうち少なくとも1つは、1つのマトリクスシートの両面に配置され得る。
また、
- 接触板の折り畳みは、導体パッドを、PCBAに向かう同じ向きに面するように配置するように構成され得る。
【0020】
本開示の様々な発明のこれらおよび他の実施形態、利点、および目的が、以下の実施形態のうち少なくともいくつかの実施形態、ならびに本開示の一部を形成する図(その概要は以下で概説される)を所与として、さらに明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】いくつかの実施形態による、装着組立体を含むCGMシステム、および表示ユニットの概略図である。
図2A】いくつかの実施形態による装着組立体の断面図である。
図2B】いくつかの実施形態による装着組立体の空間図/斜視図である。
図2C】いくつかの実施形態による装着組立体の断面斜視図である。
図3A】いくつかの実施形態によるプローブ区画の分解図である。
図3B】いくつかの実施形態によるプローブ区画の断面図(図3B)である。
図4】いくつかの実施形態による装着組立体の、保護蓋を取り除いた後の断面図である。
図5】いくつかの実施形態による装着組立体の、第1の装着段階の最後における断面図である。
図6】いくつかの実施形態による装着組立体の、第2の装着段階の最後における断面図である。
図7A】いくつかの実施形態による装着組立体の、センサから取り外した後の空間図である。
図7B】いくつかの実施形態による装着組立体の、センサから取り外した後の断面図である。
図8A】いくつかの実施形態によるセンサの空間図である。
図8B】いくつかの実施形態によるセンサの断面図である。
図8C】いくつかの実施形態による、患者におけるセンサの断面図である。
図9A】いくつかの実施形態によるばね解放機構の断面図である。
図9B】いくつかの実施形態による、挿入ばねの解放機構の拡大図である。
図9C】いくつかの実施形態による、後退ばねの解放機構の拡大図である。
図10】いくつかの実施形態によるセンサの部品の分解図である。
図11】いくつかの実施形態によるセンサを示す図である。
図11A】いくつかの実施形態によるセンサ50の上面図である。
図11B】いくつかの実施形態によるセンサの空間分解図である。
図11C】いくつかの実施形態による、隔壁と、隔壁を横断するように構成された誘導針との断面図である。
図12】いくつかの実施形態によるセンサの部品を示す図である。
図12A】いくつかの実施形態による、センサプリント回路基板(PCBA)、センサベース板、および誘導針の空間図である。
図12B】いくつかの実施形態による、誘導針、接触板、および導電性ばねの空間図である。
図12C】いくつかの実施形態による、誘導針、センサプローブ、接触板、導電性ばね、および導電性ばねホルダの分解図である。
図13A】いくつかの実施形態による、マトリクスシートの折り曲げ前の、センサプローブおよび接触板を示す図である。
図13A1】いくつかの実施形態による、マトリクスシートの折り曲げ後の、センサプローブおよび接触板を示す図である。
図13B】いくつかの実施形態による、センサプローブおよび接触板、電極、導体、および導体パッドの鏡像の、空間図である。
図13B1】いくつかの実施形態による、センサプローブおよび接触板、電極、導体、および導体パッドの鏡像の、空間図である。
図14】いくつかの実施形態による、誘導針、プローブおよび接触板の空間図である。
図14A】いくつかの実施形態による、センサプローブ挿入前の、誘導針およびプローブの分解図である。
図14B】いくつかの実施形態による、誘導針およびセンサプローブを示す図であり、センサプローブ挿入前の誘導針先端およびプローブ先端の拡大図である。
図14C】いくつかの実施形態による、誘導針およびセンサプローブを示す図であり、プローブ挿入後の(誘導針後退前の)、誘導針先端およびプローブ先端の拡大図である。
図15A1】いくつかの実施形態による誘導針先端の、側面図である。
図15A2】いくつかの実施形態による誘導針先端の、上面図である。
図15A3】いくつかの実施形態による誘導針先端の、断面図である。
図15B1】いくつかの実施形態による誘導針先端およびセンサプローブ先端の、側面図である。
図15B2】いくつかの実施形態による誘導針先端およびセンサプローブ先端の、上面図である。
図15C】いくつかの実施形態によるセンサプローブ先端65の、いくつかの好ましい実施形態の上面図である。
図15D1】いくつかの実施形態によるセンサプローブ先端65の、いくつかの好ましい実施形態の上面図である。
図15D2】いくつかの実施形態によるセンサプローブ先端65の、いくつかの好ましい実施形態の上面図である。
図16A】いくつかの実施形態による、第1および第2の装着段階(すなわち、それぞれ、誘導針およびセンサプローブの挿入、および誘導針の後退)中の、センサ、センサプローブ、誘導針先端、プローブ先端の、それぞれ空間図および拡大図である。
図16B】いくつかの実施形態による、第1および第2の装着段階(すなわち、それぞれ、誘導針およびセンサプローブの挿入、および誘導針の後退)中の、センサ、センサプローブ、誘導針先端、プローブ先端の、それぞれ空間図および拡大図である。
図16C】いくつかの実施形態による、第1および第2の装着段階(すなわち、それぞれ、誘導針およびセンサプローブの挿入、および誘導針の後退)中の、センサ、センサプローブ、誘導針先端、プローブ先端の、それぞれ空間図および拡大図である。
図16A1】いくつかの実施形態による、第1および第2の装着段階(すなわち、それぞれ、誘導針およびセンサプローブの挿入、および誘導針の後退)中の、センサ、センサプローブ、誘導針先端、プローブ先端の、それぞれ空間図および拡大図である。(いくつかの実施形態による、誘導針と結合されたセンサプローブの図である。)
図16B1】いくつかの実施形態による、第1および第2の装着段階(すなわち、それぞれ、誘導針およびセンサプローブの挿入、および誘導針の後退)中の、センサ、センサプローブ、誘導針先端、プローブ先端の、それぞれ空間図および拡大図である。(いくつかの実施形態による、誘導針先端から突出しているプローブ先端の図である。)
図16C1】いくつかの実施形態による、第1および第2の装着段階(すなわち、それぞれ、誘導針およびセンサプローブの挿入、および誘導針の後退)中の、センサ、センサプローブ、誘導針先端、プローブ先端の、それぞれ空間図および拡大図である。(いくつかの実施形態による、誘導針を取り除いた後のセンサおよびプローブの図である。)
図17】いくつかの実施形態による装着組立体の組立てプロセスを示す図である。
図17A】いくつかの実施形態による、殺菌され、密封された区画(第2の区画/プローブ区画)の分解図である。
図17B】いくつかの実施形態による、殺菌され、密封された区画(第2の区画/プローブ区画)の断面斜視図である。
図18】いくつかの実施形態による装着組立体の組立てプロセスを示す図である。
図18A1】いくつかの実施形態による装着組立体の、連続した組立てステージのうち1つの空間図である。
図18A2】いくつかの実施形態による装着組立体の、連続した組立てステージのうち1つの断面斜視図である。
図18B1】いくつかの実施形態による装着組立体の、連続した組立てステージのうち1つの空間図である。
図18B2】いくつかの実施形態による装着組立体の、連続した組立てステージのうち1つの断面斜視図である。
図18C1】いくつかの実施形態による装着組立体の、連続した組立てステージのうち1つの空間図である。
図18C2】いくつかの実施形態による装着組立体の、連続した組立てステージのうち1つの断面斜視図である。
図18D1】いくつかの実施形態による装着組立体の、連続した組立てステージのうち1つの空間図である。
図18D2】いくつかの実施形態による装着組立体の、連続した組立てステージのうち1つの断面斜視図である。
図18E1】いくつかの実施形態による装着組立体の、連続した組立てステージのうち1つの空間図である。
図18E2】いくつかの実施形態による装着組立体の、連続した組立てステージのうち1つの断面斜視図である。
図18F1】いくつかの実施形態による装着組立体の、連続した組立てステージのうち1つの空間図である。
図18F2】いくつかの実施形態による装着組立体の、連続した組立てステージのうち1つの断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、患者の間質液におけるグルコースレベルを検知するための埋込み可能な皮下のグルコース感知プローブを含む、いくつかの実施形態による連続グルコース監視(CGM)システムの概要を示す。いくつかの実施形態では、CGMシステムは、使い捨て装着組立体1および永続性の遠隔表示ユニット2を含む。遠隔表示ユニット2は、いくつかの実施形態では、皮膚に付着したグルコースセンサ(「センサ」または「グルコースセンサ」50)からのグルコース読取り値を受信するための受信器を有し、受信したグルコース読取り値を提示するための画面も含み得る。いくつかの実施形態によれば、装着組立体1は、センサ50と、センサ50を患者に装着するための装着ユニット10とを含む、使い捨ての一体型ユニットである。装着ユニット10およびセンサ50は、いくつかの実施形態では、製造中に事前に組み立てられ、したがって、単一の使い捨てユニットである装着組立体1において提供される。(身体への)センサ装着の前に、センサ50は、いくつかの実施形態では装着ユニット10の内部に少なくとも一部が隠されており、いくつかの実施形態では、センサのすべてまたは実質的にすべてが隠されている。
【0023】
装着組立体1は、いくつかの実施形態では、第1の区画またはばね区画9とも称され得る、殺菌も密封もされていない区画と、プローブ区画6とも称され得る、殺菌され、密封された、第2の区画との、2つの区画から構成される。いくつかの実施形態では、センサは、いくつかの実施形態では皮膚に配置するように適合されたハウジングを含むセンサ制御ユニットと、皮下組織に挿入するように構成された第1の部分およびセンサハウジングに収容されるように構成された第2の部分を有するセンサプローブ60との、製造中に事前に組み立てられ得る少なくとも2つの構成要素を備える。いくつかの実施形態では、センサプローブ60は、皮下組織の内部の間質液におけるグルコースレベルを検知するように構成されたグルコース感知酵素を含む。センサ50は、いくつかの実施形態では、センサ50の少なくとも第1の部分が、密封され、殺菌された区画(第2の区画/プローブ区画6)に収容され得、センサ50の、少なくとも、PCBA 53を含む別の部分(たとえば第2の部分)は、密封も殺菌もされていない区画(ばね区画9)に収容されるように、装着組立体10の内部に配置される。
【0024】
いくつかの実施形態では、装着組立体1の両方の区画が殺菌される。この構成では、第2の区画/プローブ区画6は、たとえばeビームまたはガンマ線を用いて殺菌され、ばね区画9はガス(たとえば酸化エチレン)を用いて殺菌される。いくつかの実施形態では、センサ50の、PCBA 53を含む部分は、殺菌された区画(ばね区画9)に収容されるように構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、センサプローブ60を皮下組織に挿入するように構成された誘導針20が含まれる。そのような実施形態では、誘導針20は、装着組立体1の内部に配置され得、殺菌されていないばね区画9、殺菌されたプローブ区画6、および弾性隔壁52に及ぶことができる。プローブ区画6は、ハウジング16、取外し可能な蓋17、センサ50の一部、および誘導針20の一部を含み得る。プローブ区画6は、保護蓋シール174、プローブ区画シール162、および隔壁52によって密封され得る。
【0026】
ばね区画は、いくつかの実施形態では、ハウジング19と、誘導針20の一部と、誘導針20を第1の方向(たとえばプローブ60を挿入する方向)や第1の方向と反対の第2の方向(たとえば誘導針20を後退させる方向)に駆動するためのばね機構(図示せず)とを含む。いくつかの実施形態では、患者は、使用前に保護蓋17を取り除いて、センサ50およびセンサプローブ60の、プローブ区画ハウジング16の内部での自由な前進移動(たとえば図1では下方への移動)を可能にする。
【0027】
装着組立体1は、いくつかの実施形態では装着ユニット10およびセンサ50から構成されるものであり、断面図(図2A)、空間図(図2B)、および断面斜視図(図2C)が示されている。図2Aは、プローブ区画6およびばね区画9から構成され得る装着ユニット10を示す。プローブ区画6、ばね区画9、およびセンサ50は、いくつかの実施形態では、製造中に事前に組み立てられ得て装着組立体1を形成する。プローブ区画は、プローブ区画ハウジング16、取外し可能な保護蓋17、センサ50の一部、センサプローブ(図示せず)、および誘導針20の少なくとも一部を含み得る。プローブ区画6は、保護蓋シール174、プローブ区画シール162、および隔壁52によって密封され得る。ばね区画9は、ばね区画ハウジング19と、誘導針キャップ21を含む誘導針20の一部と、1つまたは複数のばね機構(たとえば、ばね荷重がかかった挿入および後退の機構)とを含み得る。
【0028】
ばね機構は、いくつかの実施形態では、動作ボタン11、トリガ12、トリガラッチ18、スリーブ13、ハンマ14、挿入ばね31、後退ばね32、および後退ばねラッチ155のうち少なくとも複数(いくつかの実施形態ではすべて)を含む。したがって、動作ボタン11を押すと、トリガ12がハンマ14を解放し、挿入ばね31が、ハンマ14を第1の方向(たとえば前進方向)に駆動することにより、誘導針キャップ21、誘導針20、およびセンサの50を同じ方向に駆動する。誘導針キャップ21は、前進移動の終端に到達したとき(たとえば第1の装着段階の最後において)、いくつかの実施形態では後退ばねラッチ155を解放し、後退ばね32が、誘導針キャップ21および誘導針20を第1の方向と反対の第2の方向に(たとえば後方へ)駆動する。
【0029】
図2Bには、プローブ区画6、プローブ区画ハウジング16、ばね区画9、ばね区画ハウジング19、および動作ボタン11を含む一体型の装着ユニット10の空間図が示されている。図2Cには、プローブ区画ハウジング16、ばね区画ハウジング19、センサ50、センサプローブ60、および誘導針20を含む、いくつかの実施形態による装着組立体1の断面斜視図が示されている。取外し可能な保護蓋17は、保護蓋ベース173を含み得、保護蓋スレッド172でプローブ区画ハウジング16に接続され得る。いくつかの実施形態では、保護蓋支持リブ171が、プローブ区画を支持し、センサプローブを保護する。誘導針20の一端(たとえば近位端)が誘導針キャップ21に接続され得、誘導針キャップ21は、いくつかの実施形態では、誘導針キャップスナップ211、誘導針キャップスナップホルダ212、および誘導針ノブ213から構成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、挿入機構は、動作ボタン11、トリガ12、スリーブ13、ハンマ14、および挿入ばね31を含む。ハンマ14は、誘導針引張りレバー141およびセンサ押しレバー142(たとえば3つのレバー)を含み得る。いくつかの実施形態では、解放機構は後退ばね32および後退ばねラッチ155を含む。いくつかの実施形態では、使用前に患者によって保護蓋が取り除かれ、動作ボタン11を押すと、トリガ12がハンマ14を解放し、挿入ばね31が、スリーブ13の内部でハンマ14を(第1の)前進方向に駆動する。いくつかの実施形態では、誘導針キャップスナップ211に接続されたハンマ誘導針引張りレバー141が、誘導針20を(第1の)前進方向に駆動し、付随して(いくつかの実施形態では)ハンマセンサ押しレバー142が、センサ50およびセンサプローブ60を(第1の)前進方向に駆動する。ハンマ14の前進移動の最後(第1の装着段階の最後)に、誘導針キャップノブ213が、後退ばね32を解放することにより、誘導針キャップ21を、たとえば後方といった反対の(第2の)方向に駆動する。
【0031】
図3A図3Bは、いくつかの実施形態による、密封され、殺菌されたプローブ区画6の、分解図(図3A)および断面図(図3B)を示す。図3Aは、取外し可能な保護蓋17、保護蓋シール174、プローブ区画シール162、プローブ区画ハウジング16、センサハウジング下部カバー55および接着剤56、誘導針20、センサベース板54(図示せず)、ベース板シール546、センサプローブ60、および接触板61といった、プローブ区画6の(たとえば下から上へ積み重ねる)部品を示す。センサ50を患者の身体に装着する前に、プローブ区画6を密封するように、保護蓋シール174およびプローブ区画シール174が含まれ得る。センサを装着した後に、センサを患者の皮膚に付着させたまま密封するために、センサベース板シール546が含まれ得る。図3Bは、センサプローブハウジング16、誘導針20、および保護蓋17(図示されている)といった、組み立てられたプローブ区画6の断面図を示す。
【0032】
図4は、いくつかの実施形態による装着組立体1の、保護蓋17を取り除いた後の(センサ装着前の)断面図を示す。したがって、装着組立体1は、ばね区画ハウジング19、センサプローブハウジング16、挿入ばね31、後退ばね32、および誘導針キャップノブ213を含み得る。保護蓋17は、保護蓋ベース173、保護蓋スレッド172、および保護蓋リブ171を含み得る。いくつかの実施形態では、センサ50の装着前に、患者によって、スレッド172のネジを弛めることにより、プローブ区画ハウジングウォーム161から保護蓋17が取り除かれる。
【0033】
図5は、ハンマ14の前方(第1の方向)への移動の最後(第1の装着段階の最後)における装着組立体1の断面図を示す。したがって、センサ50が接着剤56で皮膚80に付着させられ、誘導針20およびセンサプローブ(図示せず)が皮下組織70の内部に挿入されている。装着組立体1は、そのような実施形態では、ばね区画ハウジング19、プローブ区画ハウジング16、動作ボタン11、トリガ12、トリガラッチ18、スリーブ13、ハンマ14、ハンマセンサ押しレバー142、挿入ばね31、後退ばね32、誘導針20、および誘導針ノブ213のうち複数を含み得、いくつかの実施形態ではすべてを含み得る。動作ボタン11を押すと、トリガ12がハンマ14を解放し、挿入ばね31が、スリーブ13の内部でハンマ14を前方(第1の)方向に駆動する。いくつかの実施形態では、ハンマ14の前進移動の最後に、誘導針ノブ213は、荷重がかかった後退ばね32の内部に配置され、センサ50が皮膚80に付着されて、誘導針20およびセンサプローブ60が皮下組織70の内部に挿入される。
【0034】
図6は、誘導針20の後退の最後(第2の装着段階の最後)における装着組立体の断面図を示す。装着組立体は、いくつかの実施形態では、プローブ区画ハウジング16、ばね区画ハウジング19、動作ボタン11、トリガ12、スリーブ13、ハンマ14、ハンマ誘導針引張りレバー141、ハンマセンサ押しレバー142、挿入ばね31、後退ばね32、誘導針20、誘導針キャップ21、および誘導針ノブ213のうち複数を含み得、いくつかの実施形態ではすべてを含み得る。したがって、いくつかの実施形態では、センサ50が皮膚(図示せず)に付着されて、センサプローブ60が皮下組織(図示せず)の内部に挿入される。誘導針20を挿入すると(すなわちハンマ14の前方移動/第1の移動の最後において)、後退ばね32が解放され、誘導針キャップ21、誘導針ノブ213、および誘導針20が反対方向(後方/第2の方向移動)に駆動される。第2の装着段階の最後に、誘導針20が装着組立体1の内部に隠される。
【0035】
図7A図7Bは、身体から取り外した後の装着組立体1の空間図(図7A)および断面図(図7B)であり、いくつかの実施形態では、センサ50が皮膚(図示せず)に装着されて、センサプローブ60が皮下組織(図示せず)に挿入される。装着組立体1は、プローブ区画ハウジング16、ばね区画ハウジング19、動作ボタン11、および誘導針20を含む。
【0036】
図8A図8Bは、いくつかの実施形態によるセンサ50の空間図(図8A)および断面図(図8B)を示す。図8Aは、センサ50およびセンサプローブ60を示しており、いくつかの実施形態では、センサ50は、センサハウジング上部カバー51、センサハウジング下部カバー55、隔壁52、および接着剤56を含む。図8Bは、センサハウジング上部カバー51、センサハウジング下部カバー55、PCBA 53、隔壁52、および接着剤56を示す。センサハウジング下部カバー55、センサベース板54(図示せず)、隔壁52、および接着剤56は、殺菌された区画(たとえばプローブ区画6)に収容されるように構成され得、PCBA 53およびセンサハウジング上部カバー51は、殺菌されていない区画(たとえば、ばね区画9)に収容されるように構成される。図8Cは患者の皮膚上のセンサ50の断面図を示し、センサプローブ60は皮下組織の内部に挿入されている。センサ50は、センサハウジング上部カバー51、センサハウジング下部カバー55、隔壁52、および接着剤56を含む。
【0037】
図9は、いくつかの実施形態によるばね解放機構を示す。図9Aは、ばね解放機構の断面図を示す(断面図は図2の断面図に対して45°回転されている)。図9Bおよび図9Cは、挿入ばね31の解放機構の拡大図(図9B)および後退ばね32の解放機構の拡大図(図9C)である。図9Aが示す装着組立体1は、ばね区画ハウジング19、動作ボタン11、トリガ12、スリーブ13、ハンマ14、挿入ばね31、後退ばね32、誘導針20、誘導針キャップスナップ211、および誘導針キャップノブ213のうち少なくとも複数を含み、いくつかの実施形態ではすべてを含む。いくつかの実施形態では、挿入中に、ハンマ14は、荷重がかかったばね31によって前方(たとえば第1の)方向に変位される。誘導針キャップスナップ211は、ハンマ14によって同一の方向(前方/第1の方向)に変位され、付随して、誘導針20および誘導針キャップノブ213を同一の方向(前方/第1の方向)に駆動する。図9Bは、いくつかの実施形態による挿入ばね31の解放機構を示しており、動作ボタン11を押すと、トリガ12が、同一の方向(前方/第1の方向)に変位され、また、ハンマ14がスリーブ13の内部で解放されて、荷重がかかったばね31によって(たとえば前方へ)変位されるように、(いくつかの実施形態では、少し、たとえば1回転未満)回転する。
【0038】
図9Cは、いくつかの実施形態による、後退ばね32の後退機構を示す。ここで、後退ばねラッチ155が、誘導針キャップノブ213によって水平方向に変位されて、後退ばね32を解放する。次いで、後退ばね32が、誘導針20を、第1の方向/前進方向と反対の第2の方向/後退方向に変位させる。
【0039】
図10は、いくつかの実施形態による、センサ50およびセンサプローブ60の部品/構成要素の分解図を示す。センサ50およびセンサプローブ60は、(たとえば積み上げた配置において)、接着剤56、センサハウジング下部カバー55、センサプローブ60、接触板61、センサベース板54、PCBA 53、隔壁52、およびセンサハウジング上部カバー51のうち少なくとも複数を含み得、いくつかの実施形態ではすべてを含み得る。接着剤56、センサハウジング下部カバー55、センサベース板54、センサプローブ60、接触板61、隔壁52、および誘導針20の一部は(いくつかの実施形態によれば)殺菌され、PCBA 53およびセンサハウジング上部カバー51は(いくつかの実施形態によれば)殺菌されない。
【0040】
図11は、いくつかの実施形態によるセンサ50の構成要素を示す。図11Aは、いくつかの実施形態による、接着剤56、隔壁52、およびセンサハウジング上部カバー51を含むセンサ50の上面図を示す。図11Bは、センサ50およびセンサプローブ60の空間分解図を示す。センサ50は、センサハウジング下部カバー55、下部カバークッションパッド551、接触板61、ベース板シール546、センサベース板54、導電性ばね542、PCBA 53、およびPCBA開口533のうち複数を含み得、いくつかの実施形態ではすべてを含み得る。いくつかの実施形態では、センサハウジング下部カバー55とセンサハウジング上部カバー51とを接続した後に、ベース板シール546がセンサ50を密封する(たとえば耐水性をもたらす)。いくつかの実施形態では、下部カバークッションパッド551が、接触板61上に配置された導体パッド(図12図14に示されている)と導電性ばね542との間をしっかりと/堅く接続することができる。いくつかの実施形態では、センサの動作中に、センサプローブ60に生じた電流が接触板61に導かれ、導電性ばね542を通ってPCBA 53に流れる。図11Cはセンサ50の一部の断面図を示しており、センサ50は、いくつかの実施形態によれば、センサハウジング下部カバー55、センサベース板54、PCBA 53、およびセンサハウジング上部カバー51を含む。いくつかの実施形態では、誘導針20は隔壁52を横断する(たとえば隔壁52を通って/隔壁52の中を横断する)。
【0041】
図12は、いくつかの実施形態によるセンサの構成要素/部品を示す。図12Aは、センサの電子プリント(PCBA)53、センサベース板54、および誘導針20の空間図を示す。センサベース板54は、バッテリ(図示せず)を収納するための凹部544、ベース板開口541、および導電性ばね542用の開口のうち少なくとも1つを含み得、好ましくはすべてを含み得る。誘導針20は、PCBA 53の開口を通って、センサおよびセンサベース板54に及び得る(これらの開口を横断する隔壁52は示されていない)。図12Bは、いくつかの実施形態による、誘導針20、接触板61、および導電性ばね542の空間図を示す。図12Cは、いくつかの実施形態による、誘導針20、センサプローブ60、接触板61、導電性ばね542、および導電性ばねホルダ543(センサベース板54およびPCBA 53は取り除かれている)の分解図を示す。
【0042】
図13は、いくつかの実施形態によるセンサプローブ60および接触板61を示す。センサプローブ60および接触板61は、単一の平坦な薄型ベースシート(たとえばポリイミドといったマトリクスシート)から作製され得る。したがって、これらの片面または両面に、電極、導体、絶縁体、導体パッド、酵素層、および他の保護層が堆積され得る。マトリクスシートは、上に材料を堆積されてから(たとえばダイカットまたはレーザーカットによって)所望の形状に切断され、接触板61がセンサハウジングへの収容されるように、また、(接触板に対して垂直な)センサプローブが皮下組織への挿入されるように、最終的な空間構成を受け入れるように折り曲げられ得る。いくつかの実施形態では、接触板は、センサプローブ電極とセンサPCBAとを電気的に接触させるように構成される。マトリクスシートの、たとえば片面に作用電極(すなわちグルコースを感知できる電極)が堆積されて他の面/第2の面に対電極が堆積されるように、片面または両面に(少なくとも1つの)電極が堆積され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、マトリクスシートの片面に作用電極および対電極が(必要に応じて基準電極も)堆積される。図13Aは、いくつかの実施形態による、マトリクスシートを折り曲げた後のセンサプローブ60および接触板61の側面図を示す。ここで、接触板61は、接触板の第1の面611および接触板の第2の面612といった2つの面を有する。いくつかの実施形態では、接触板61は、接触板の第1の面611と接触板の第2の面612とが同じ方向(たとえば上)に向くように折り曲げられる(拡大図)。図13A1は、いくつかの実施形態による、マトリクスシート5の、切断後の、折り曲げられる前の上面図を示す。ここで、マトリクスシート5は、センサプローブ60と、接触板の第1の面611、接触板の第2の面612(上面図には見られない)、および接触板の折り目613から構成された接触板61とを含む。図13Bおよび図13B1には、折り曲げられたマトリクスシートが2つの空間図(鏡像)で示されており、これは、いくつかの実施形態によれば、センサプローブ60および接触板61を形成し、電極7および8と、導体71および81と、導体パッド72および82とを含む。電極7、導体71、および導体パッド72はマトリクスシート5の第1の面に堆積され得、導体パッド72は接触板の第2の面612に堆積され得る。電極8、導体8、および導体パッド82はマトリクスシート5の第2の面に堆積され得、導体パッド82は接触板の第1の面611に堆積され得る。いくつかの実施形態では、マトリクスシートを折り曲げた後に、導体パッド72と導体パッド82とは同じ方向に面する。
【0044】
図14は、いくつかの実施形態による、誘導針20、プローブ60、および接触板61の空間図を示す。図14Aは、誘導針20およびセンサプローブ60の組立て前の分解図を示す。したがって、誘導針キャップ21は、誘導針キャップスナップ211および誘導針キャップスナップホルダ212から構成され、誘導針20の一端(たとえば近位端)に接続される。誘導針キャップスナップ211は、ハンマと結合するように構成され得(たとえば図2図6)、挿入中に誘導針20を駆動する。図14Bは、いくつかの実施形態による、誘導針20、誘導針キャップ21、センサプローブ60、および接触板61の空間図と、センサプローブ60を挿入する前の誘導針先端22およびセンサプローブ先端65の拡大図とを示す。
【0045】
図14Cは、いくつかの実施形態による、センサプローブを挿入する前の誘導針20および誘導針キャップ21の空間図を示す。図14Dは、いくつかの実施形態による、誘導針20、誘導針キャップ21、センサプローブ60、および接触板61の空間図と、センサプローブ60の皮下組織内部への挿入後、(第1の装着段階の最後における)誘導針20の後退前の、誘導針先端22およびセンサプローブ先端65の拡大図とを示す。
【0046】
図15は、いくつかの実施形態による、誘導針先端22およびセンサ先端65を示す。図15A1図15A3は、いくつかの実施形態による誘導針先端22の、側面図(図15A1)、上面図(図15A2)、および断面図(図15A3)を示す。いくつかの実施形態では、誘導針20は、長手方向の突部を少なくとも1つ、好ましくは2つ有するU字形の断面を含み、この突部は、センサプローブ60が誘導針20と結合されているときセンサプローブ60を支持するように構成されたセンサプローブホルダ23である。図15B1図15B2は、誘導針先端22およびセンサプローブ先端60の、側面図(図15B1)および上面図(図15B2)を示す。いくつかの実施形態では、センサ先端65は長方形の形状を有する。図15Cは、誘導針の尖った先端22、およびプローブ60のセンサ先端65(ここでは四角形状を有する)の上面図を示す。図15D1および図15D2は、いくつかの実施形態による、尖った端部を有するセンサプローブ先端の機構を示す。
【0047】
図16A図16Cおよび図16A1図16C1は、いくつかの実施形態による、第1の装着段階および第2の装着段階中の、センサ50、センサプローブ60、誘導針先端22、およびセンサ先端65の、空間図(図16A図16C)および拡大図(図16A1図16C1)を示す。センサプローブ先端を取り巻く組織における外傷を最小限にすること、またグルコースに対する電極感度が炎症によって低下するので、発生する炎症反応を最小限にすることが望まれるので、第1の装着段階では、結合された誘導針20とセンサプローブ60とが共に皮下組織に挿入される。いくつかの実施形態では、誘導針20およびセンサプローブ60の前方/第1の方向の変位の最後に、センサプローブ60は、同じ(第1の/前進)方向にさらに(たとえば1~3mm)変位される(すなわち、誘導針20とセンサプローブ60との間に相対移動がある)。したがって、いくつかの実施形態では、第1の装着段階の最後において、センサプローブ先端65が誘導針先端22に対して遠位に配置される。センサプローブ60は、皮下組織の内部での移動による外傷が最小限になるように、50~100ミクロンと比較的細い。図16A図16A1は、挿入前の、誘導針20と結合されたセンサプローブ60を示しており、センサプローブ先端65は誘導針20の内部にある。図16B図16B1は、第1の装着段階の最後における誘導針先端22およびセンサプローブ先端65を示しており、センサプローブ先端65が誘導針先端22から突出している(たとえば1~3mm離れている)。図14C図14C1は、誘導針20(図示せず)を取り除いた後の(第2の装着段階の最後における)センサ50およびプローブ60を示す。
【0048】
図17および図18は、いくつかの実施形態による装着組立体1の組立てプロセスを示す。第1の組立てステージでは、プローブ区画6が組み立てられ、次いで、(たとえばガンマ線、eビーム放射によって)殺菌される。次いで、プローブ区画6が密封され、センサプローブ60を生物学的汚染および化学的汚染に対して保護する。いくつかの実施形態では、プローブ区画6は、装着組立体1の少なくとも一部およびセンサ50の少なくとも一部から構成される(たとえば図1図3)。プローブ区画6の殺菌に続いて、殺菌されていないばね区画9が、(たとえばクリーンルームで)殺菌されたプローブ区画6に隣接して(たとえば上に)組み立てられ得る。ばね区画9は、いくつかの実施形態では、装着組立体1の少なくとも一部およびセンサ50の少なくとも一部を備える(たとえば図1図3を参照されたい)。誘導針20は、いくつかの実施形態によれば、装着組立体1に及び、プローブ区画6とばね区画9との両方に収容されるように構成される。
【0049】
図17A図17Bは、いくつかの実施形態による、殺菌され、密封された区画(プローブ区画6)の分解図(図17A)および断面斜視図(図17B)を示す。プローブ区画6は、保護蓋17、保護蓋シール174、プローブ区画シール162、プローブ区画ハウジング16、接着剤56、センサハウジング下部カバー55、センサベース板54、誘導針20、ベース板シール546、センサプローブ60、および接触板61(たとえば下から積み上げた部品)のうち複数を含み得、いくつかの実施形態ではすべてを含み得る。
【0050】
図18A1図18F1および図18A2図18F2は、それぞれ、いくつかの実施形態による装着組立体1の様々な組立てステージの空間図(図18A1図18F1)および斜位図(図18A2図18F2)を示す。図18A1図18A2は、組立て(たとえば図17に示された組立てプロセス)および殺菌後の無菌のプローブ区画6を示す。無菌のプローブ/区画(プローブ区画6)は、保護蓋17、プローブ区画ハウジング16、センサベース板54、および誘導針20のうち複数を含み得、いくつかの実施形態ではすべてを含み得る。図18B1図18B2は、いくつかの実施形態による組み立てられたPCBA 53を示し、図18C1図18C2は、いくつかの実施形態による組み立てられたセンサハウジング上部カバー51を示し、図18D1図18D2は、いくつかの実施形態による組み立てられたばね区画ベース15および後退ばね32を示す。図18E1図18E2は、いくつかの実施形態による組み立てられた誘導針キャップ21を示し、図18F1図18F2は、いくつかの実施形態による、ばね区画ハウジング19および挿入ばね荷重がかかった機構を示す(動作ボタン11、他の構成要素は図2図6に示されている)。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、組立ての後期ステージにおいて、ばね区画ハウジング19が、プローブ区画ハウジング16に強固に接続され得て(図1図6に示されるように)装着組立体1を形成する。いくつかの実施形態では、組み立てられた装着組立体1は、ガス(たとえば酸化エチレン)を用いて殺菌され得、放射(たとえばガンマ線またはeビーム)を用いて事前殺菌され得る密封されたプローブ区画6が、ガス感応性酵素(プローブ60上に堆積する)を可能性のあるガスの損傷から保護する。そのような構成では、両方の区画(プローブ区画6およびばね区画9)ならびにセンサ50(PCBAを含む)のすべての構成要素が殺菌され得る。
【0052】
本明細書において様々な独創的な実施形態が説明され、例証されてきたが、当業者なら、本明細書で説明された機能を実行するため、および/または結果を得るため、および/または目的/利点のうち1つまたは複数のために、様々な他の手段および/または構造を容易に構想するはずであり、そのような変形形態および/または修正形態の各々が、本明細書で説明された本発明の実施形態の範囲内にあると見なされる。より一般的には、当業者なら、本明細書で説明された、すべてのパラメータ、寸法、材料、ステップ、および構成は単なる例示であることが意味され、実際のパラメータ、寸法、材料、ステップ、および構成は、本発明の教示が使用される特定の1つまたは複数の用途に依拠するはずであることを容易に理解するであろう。当業者なら、型通りの試験をするだけで、本明細書で説明された特定の独創的な実施形態に対する多くの等価物を認識するかまたは確認することができるであろう。したがって、前述の実施形態は例としてのみ提供されたものであり、主題開示およびその等価物によって裏付けられる特許請求の範囲の範囲内で、独創的な実施形態が、具体的に説明されて特許請求されるものと違った風に実施され得ることを理解されたい。本開示の独創的な実施形態は、本明細書で説明されたそれぞれの個々の特徴、デバイス、システム、物品、材料、キット、ステップ、機能/機能性、および方法を対象とするものである。加えて、そのような特徴、デバイス、システム、物品、材料、キット、ステップ、機能/機能性、および方法の、2つ以上のあらゆる組合せは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、ステップ、機能/機能性、および方法が互いに矛盾することがなければ、本開示の発明の範囲および考慮に入れられる実施形態の範囲内に含まれる。
【0053】
本明細書で開示された実施形態はまた、さらなる他の実施形態および発明を生み出すために、1つまたは複数の特徴、ならびに完全なシステム、デバイス、および/または方法と組み合わされ得る。なおまた、いくつかの実施形態は、特定の従来技術の参照において開示された1つおよび/または別の特徴が特にないことによって、従来技術から識別可能であり得、すなわち、いくつかの実施形態に対する請求項は、1つまたは複数の否定的な制限を含むことによって従来技術から識別可能であり得る。
【0054】
また、前述のように、様々な発明概念が、1つまたは複数の方法として具現され得る。方法の一部として実行される行為は、任意の適切なやり方で順序付けられてよい。したがって、実例となる実施形態において、逐次に行われる行為として示されたとしても、実施形態は、実例とされたものと異なる順序で実行されるように構築され得、いくつかの行為を同時に実行することも含み得る。
【0055】
本明細書のどこかで提示された特許、特許出願、物品、ウェブページ、書籍などを含み、これらに限定されない、出版物または他の文献に対する何らかの参照やすべての参照は、それらの全体が参照によって本出願に組み込まれる。なおまた、本明細書で定義されて使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照によって組み込まれた文献における定義、および/または定義された用語の通常の意味を制御するものと理解されたい。
【0056】
明細書や特許請求の範囲において使用される「1つの(a)」や「1つの(an)」といった不定冠詞は、明らかにそれと反対に指示されない限り、「少なくとも1つの」を意味するものと理解されたい。
【0057】
本開示では、「できる」および「よい」という用語は区別なく使用され、参照された要素、構成要素、構造、機能、機能性、目的、利点、動作、ステップ、プロセス、装置、システム、デバイス、結果、または説明には、用語が使用されている(または参照される)記述の中で指示される命題において、使用される、含まれる、もしくは生成される能力、またはこの命題を表す能力があることを指示する。
【0058】
明細書および特許請求の範囲において使用される「および/または」という慣用句は、そのような要素の「一方または両方」を意味し、すなわち、それらの要素が、ある場合は結合的に存在し、他の場合には分離して存在することを理解されたい。「および/または」を用いて列挙された複数の要素は、同じように、すなわち、そのように結合された「1つまたは複数の」要素であると解釈されたい。「および/または」の文節によって具体的に識別された要素以外の他の要素が、具体的に識別された要素に関係あろうとなかろうと、任意選択で存在し得る。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への参照が「備える」など無制限の言語に関連して使用されたときには、ある実施形態ではAのみを指す(任意選択でB以外の要素を含む)ことができ、別の実施形態ではBのみを指す(任意選択でA以外の要素を含む)ことができ、さらに別の実施形態ではAとBとの両方を指す(任意選択の他の要素を含む)ことができる、などがある。
【0059】
明細書および特許請求の範囲において使用される「または」は、上記で定義された「および/または」と同じ意味を有することを理解されたい。たとえば、リストの中の項目を分離するときの「または」または「および/または」は包括的に解釈されるものとし、すなわち、少なくとも1つを含むばかりでなく、複数の要素またはリストの要素を含み、任意選択で、リストに無記載の追加の項目を含む。「のうち1つのみ」または「のうち正確に1つ」など、明瞭にそれとは反対に指示された用語、または特許請求の範囲において使用されたときの「~から成る」は、複数の要素またはリストのうち正確に1つの要素を含有することを指す。一般に、本明細書で使用される「または」という用語は、「いずれか」、「のうち1つ」、「のうち1つのみ」、または「のうち正確に1つ」などの排他性の用語が続くときのみ、排他的な選択肢(すなわち「一方または他方であって両方ではない」)を指示するように解釈されるものとする。「~から基本的に成る」は、特許請求の範囲において使用されたとき、特許法の分野において使用されるような通常の意味を有するものとする。
【0060】
明細書や特許請求の範囲において、1つまたは複数の要素のリストに関連して使用される「少なくとも1つの」という慣用句は、要素のリストの任意の1つまたは複数の要素から選択された少なくとも1つの要素であるが、必ずしも、要素のリストに具体的に列挙されたあらゆる要素を少なくとも1つ含むわけではなく、要素のリストにおける要素の任意の組合せも除外しないことを意味するものと理解されたい。この定義は、「少なくとも1つの」という慣用句が参照する要素のリストの中で具体的に識別された要素以外の要素が、具体的に識別された要素に関係あろうとなかろうと、任意選択で存在し得ることをも許容するものである。したがって、非限定的な例としての、「AおよびBのうち少なくとも1つ」(または同様な意味合いで「AまたはBのうち少なくとも1つ」、または同様な意味合いで「Aおよび/またはBのうち少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bなしで、少なくとも1つのAを含み、任意選択で複数のAを含む(また、任意選択でB以外の要素を含む)こと、別の実施形態では、Aなしで、少なくとも1つのBを含み、任意選択で複数のBを含む(また、任意選択でA以外の要素を含む)こと、さらに別の実施形態では、少なくとも1つのAを含み、任意選択で複数のAを含み、また、少なくとも1つのBを含み、任意選択で複数のBを含む(また、任意選択で他の要素を含む)こと、などを指すことができる。
【0061】
特許請求の範囲ならびに上記の明細書では、「~を備える」、「~を含む」、「~を担持する」、「~を有する」、「~を含有する」、「~を包含する」、「~を保持する」、「~から構成される」等のようなすべての移行句は、解放的、すなわち「~を含むが、これらに限定されない」という意味に理解されるべきである。米国特許庁特許審査手続便覧の第2111.03項に明記されているように、移行句「~から成る」および「~から基本的に成る」のみを、それぞれ閉鎖的、または準閉鎖的な移行句とする。
【0062】
以下の参考番号および関連する用語は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による様々な構造を説明するために使用される。
【符号の説明】
【0063】
1 装着組立体
2 表示ユニット
5 マトリクスシート(折り曲げられた後に、センサプローブおよび接触板を形成する)
6 プローブ区画(いくつかの実施形態では第2の区画と称される)
7 第1の電極(作用電極)
8 第2の電極(対電極)
9 ばね区画
10 装着ユニット
11 動作ボタン
12 トリガ
13 スリーブ
14 ハンマ
141 ハンマ誘導針引張りレバー
142 ハンマセンサ押しレバー
15 ばね区画基部
155 後退ばねラッチ
16 プローブ区画ハウジング
161 プローブ区画ハウジングウォーム
162 プローブ区画シール
17 保護蓋
171 保護蓋支持リブ
172 保護蓋スレッド
173 保護蓋ベース
174 保護蓋シール
18 トリガラッチ
19 ばね区画ハウジング
20 誘導針
21 誘導針キャップ
211 誘導針キャップスナップ
212 誘導針キャップスナップホルダ
213 誘導針キャップノブ
22 誘導針先端
23 誘導針プローブホルダ
31 挿入ばね
32 後退ばね
50 センサ
51 センサハウジング上部カバー
52 センサ隔壁
53 センサプリント回路基板組立体(PCBA)
533 プリント開口
54 センサベース板
541 ベース板開口
542 導電性ばね
543 導電性ばねホルダ
544 ベース板バッテリ溝
546 ベース板シール
55 センサハウジング下部カバー
551 下部カバークッションパッド
56 センサ接着剤
60 センサプローブ
65 センサプローブ先端
61 接触板
611 接触板の第1の面
7 第1の電極(作用電極)
71 導体の第1の電極(作用電極)
72 導体パッドの第1の電極(作用電極)
612 接触板の第2の面
8 第2の電極(対電極)
81 導体の第2の側(対電極)
82 導体パッドの第2の電極(対電極)
613 接触板の折り目
70 皮下組織
80 皮膚
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図15
図16A-16A1】
図16B-16B1】
図16C-16C1】
図17A
図17B
図18A1
図18A2
図18B1
図18B2
図18C1
図18C2
図18D1
図18D2
図18E1
図18E2
図18F1
図18F2
【国際調査報告】