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特表2023-539671二次電池の熱暴走を防止するためのスマート温度管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-15
(54)【発明の名称】二次電池の熱暴走を防止するためのスマート温度管理システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/48 20060101AFI20230908BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20230908BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230908BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20230908BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20230908BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20230908BHJP
【FI】
H01M10/48 301
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
H02J7/00 302C
H02J7/00 303C
H02J7/00 S
H02J7/04 L
H02J7/10 L
H02H7/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514147
(86)(22)【出願日】2021-08-25
(85)【翻訳文提出日】2023-04-25
(86)【国際出願番号】 US2021047454
(87)【国際公開番号】W WO2022046841
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】63/070,160
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507333812
【氏名又は名称】ユニバーシティ・オブ・サウス・フロリダ
(71)【出願人】
【識別番号】523070252
【氏名又は名称】ポリマテリアルズ エーピーピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タクシ、アラシュ
(72)【発明者】
【氏名】ラム、マノージ クマール
【テーマコード(参考)】
5G053
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G053AA14
5G053BA06
5G053EA01
5G053FA05
5G053FA07
5G503AA04
5G503BA04
5G503BB02
5G503BB03
5G503CB11
5G503CB12
5G503FA18
5G503GD02
5G503GD06
5H030AA06
5H030AA10
5H030AS08
5H030BB01
5H030FF22
5H030FF42
5H030FF43
(57)【要約】
電池管理システムは、電池と負荷とを電気的に結合する回路経路と、予備蓄電装置と、電池と予備蓄電装置とを接続する第1スイッチと、予備蓄電装置と負荷とを接続する第2スイッチと、電池の温度を測定するセンサと、第1スイッチ、第2スイッチ、及びセンサと電気的に通信する制御部とを備える。制御部は、(i)閾値を満たす電池の温度に基づいて、電池によって供給される電力を充電期間にわたって予備蓄電装置を充電するために、電池と予備蓄電装置とを接続する第1スイッチを作動させ、(ii)充電期間が終了した後に、予備蓄電装置から負荷に電力を供給するため、予備蓄電装置と負荷とを接続するために、第2スイッチを作動させるプログラムを実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池と負荷とを電気的に結合する第1回路経路と、
予備蓄電装置と、
前記電池と前記予備蓄電装置とを電気的に結合する第2回路経路と、
前記電池と前記予備蓄電装置との間において、前記第2回路経路に接続された第1スイッチと、
前記予備蓄電装置と前記負荷とを電気的に結合する第3回路経路と、
前記予備蓄電装置と前記負荷との間において、前記第3回路経路に接続された第2スイッチと、
前記電池の温度を測定するためのセンサと
前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、及び前記センサと電気的に通信する制御部であって、
前記制御部は、
(i)第1スイッチを作動させて前記電池と前記予備蓄電装置とを接続し、前記電池の前記温度が閾値を満たすことの少なくとも一部に基づいて、充電期間にわたり前記電池によって供給される電力によって前記予備蓄電装置を充電し、
(ii)前記充電期間が満了した後に、前記予備蓄電装置から前記負荷に電力を供給するために、前記第2スイッチを作動させ、前記予備蓄電装置と前記負荷とを接続するために、
前記制御部に記憶されたプログラムを実行する、
電池管理システム。
【請求項2】
前記第2スイッチが作動されたとき、前記予備蓄電装置は、前記電池と並列に前記負荷に前記電力を供給する、請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項3】
前記予備蓄電装置は、スーパーキャパシタを備える、請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項4】
前記予備蓄電装置は、再充電可能な電池を備える、請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項5】
前記閾値は、温度設定点を含む、請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項6】
前記温度設定点は、前記電池の熱暴走温度より低い、請求項5に記載の電池管理システム。
【請求項7】
前記温度設定点は、前記電池の熱暴走温度より数パーセント低い、請求項5に記載の電池管理システム。
【請求項8】
前記閾値は、温度変化率を含む、請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項9】
前記温度変化率は、前記電池の熱暴走温度を引き起こす所定の温度変化率である、請求項7に記載の電池管理システム。
【請求項10】
前記第1回路経路には、前記電池と前記負荷とを電気的に結合するスイッチは存在しない、請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項11】
前記制御部は、
前記充電期間の間、前記予備蓄電装置を充電する前に、
前記第1スイッチを非作動にして、前記電池及び前記予備蓄電装置を切断し、
前記第2スイッチを非作動にして、前記予備蓄電装置及び前記負荷を切断するために、
前記制御部に記憶された前記プログラムを実行する
請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項12】
前記制御部は、
前記第2スイッチを作動させて前記予備蓄電装置と前記負荷とを接続する前に、前記第1スイッチを非作動にして前記電池と前記予備蓄電装置とを切断するために、
前記制御部に記憶された前記プログラムを実行する
請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項13】
前記制御部は、
(iii)エネルギー供給期間の後、前記予備蓄電装置と前記負荷を切断するために、前記第2スイッチを非作動にするために、
前記制御部に記憶された前記プログラムを実行する、
請求項12に記載の電池管理システム。
【請求項14】
前記制御部は、
前記充電期間、及び前記エネルギー供給期間をリモートコンピューティング装置から受信するために、
前記制御部に記憶された前記プログラムを実行する、
請求項13に装置の電池管理システム。
【請求項15】
前記充電期間中の前記電池からの第1電流は、前記エネルギー送達期間中の前記電池からの第2電流よりも高い、請求項13に記載の電池管理システム。
【請求項16】
前記制御部は、
前記充電期間の最適な時間長を決定するために、機械学習アプリケーションを使用するために、
前記制御部に記憶された前記プログラムを実行する、
請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項17】
前記電池管理システムから出力された第1電圧を前記負荷に供給される第2電圧に変換するためのDC-DCコンバータを更に備える、請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項18】
前記電池管理システムから出力される直流電圧を受け取り、前記直流電圧を前記負荷に供給される交流電圧に変換するためのDC-ACコンバータを更に備える、請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項19】
前記電池の充電状態を測定するためのセンサを更に備える、請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項20】
前記予備蓄電装置の充電状態を測定するセンサを更に備える、請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項21】
電池と負荷とを電気的に結合する第1回路経路と、
予備蓄電装置と、
前記電池と前記予備蓄電装置とを電気的に結合する第2回路経路と、
前記電池と前記予備蓄電装置との間において、第2回路経路に接続された第1スイッチと、
前記予備蓄電装置と前記負荷とを電気的に結合する第3回路経路と、
前記予備蓄電装置と前記負荷との間において、前記第3回路経路に接続された第2スイッチと、
前記第1回路経路内の電池電流を測定するためのセンサと
前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、及び前記センサと電気的に通信する制御部であって、
前記制御部は、
(i)前記第1スイッチを作動させて前記電池と前記予備蓄電装置とを接続し、前記電池電流が閾値を満たすことの少なくとも一部に基づいて、充電期間にわたり前記電池によって供給される電力によって前記予備蓄電装置を充電し、
(ii)前記充電期間が満了した後に、前記予備蓄電装置から前記負荷に電力を供給するために、前記第2スイッチを作動させ、前記予備蓄電装置と前記負荷とを接続するために、
前記制御部に記憶されたプログラムを実行する、
電池管理システム。
【請求項22】
前記第2スイッチが作動されたとき、前記予備蓄電装置は、前記電池と並列に前記負荷に前記電力を供給する、請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項23】
前記予備蓄電装置は、スーパーキャパシタを備える、請求項21に記載の電池管理システム。
【請求項24】
前記予備蓄電装置は、再充電可能な電池を備える、請求項21に記載の電池管理システム。
【請求項25】
前記制御部は、
前記電池電流に基づいて前記電池の温度を決定するために、
前記制御部に記憶された前記プログラムを実行する、
請求項21に記載の電池管理システム。
【請求項26】
前記閾値は、温度設定点に対応する、請求項25に記載の電池管理システム。
【請求項27】
前記温度設定点は、前記電池の熱暴走温度より低い、請求項26に記載の電池管理システム。
【請求項28】
前記温度設定点は、前記電池の熱暴走温度より数パーセント低い、請求項26に記載の電池管理システム。
【請求項29】
前記第1回路経路内には、前記電池と前記負荷とを電気的に結合するスイッチは存在しない、請求項21に記載の電池管理システム。
【請求項30】
前記制御部は、
前記充電期間の間、前記予備蓄電装置を充電する前に、
前記第1スイッチを非作動にして、前記電池及び前記予備蓄電装置を切断し、
前記第2スイッチを非作動にして、前記予備蓄電装置及び前記負荷を切断するために、
前記制御部に記憶された前記プログラムを実行する、
請求項21に記載の電池管理システム。
【請求項31】
前記制御部は、
前記第2スイッチを作動させて前記予備蓄電装置と前記負荷とを接続する前に、前記第1スイッチを非作動にして前記電池と前記予備蓄電装置とを切断するために、
前記制御部に記憶された前記プログラムを実行する、
請求項21に記載の電池管理システム。
【請求項32】
前記制御部は、
(iii)エネルギー供給期間の後、前記予備蓄電装置と前記負荷を切断するために、前記第2スイッチを非作動にするために、
前記制御部に記憶された前記プログラムを実行する、
請求項31に記載の電池管理システム。
【請求項33】
前記制御部は、
前記充電期間、及び前記エネルギー供給期間をリモートコンピューティング装置から受信するために、
前記制御部に記憶された前記プログラムを実行する、
請求項32に装置の電池管理システム。
【請求項34】
前記充電期間中の前記電池からの第1電流は、前記エネルギー送達期間中の前記電池からの第2電流よりも高い、請求項32に記載の電池管理システム。
【請求項35】
前記制御部は、
前記充電期間の最適な時間長を決定するために、機械学習アプリケーションを使用するために、
前記制御部に記憶された前記プログラムを実行する、
請求項21に記載の電池管理システム。
【請求項36】
前記電池管理システムから出力された第1電圧を前記負荷に供給される第2電圧に変換するためのDC-DCコンバータを更に備える、請求項21に記載の電池管理システム。
【請求項37】
前記電池管理システムから出力される直流電圧を受け取り、前記直流電圧を前記負荷に供給される交流電圧に変換するためのDC-ACコンバータを更に備える、請求項21に記載の電池管理システム。
【請求項38】
前記電池の充電状態を測定するためのセンサを更に備える、請求項21に記載の電池管理システム。
【請求項39】
前記予備蓄電装置の充電状態を測定するためのセンサを更に備える、請求項21に記載の電池管理システム。
【請求項40】
制御部を介して、電池の特性を測定するセンサから受信されたセンサデータの少なくとも一部に基づいて、前記電池の温度が温度閾値を満たしたことを判定することであって、前記電池は、負荷に電力を供給し、
前記制御部を介して、前記温度閾値を満たす前記電池の温度の少なくとも一部に基づいて、予備蓄電装置のための充電サイクルを起動することであって、前記電池は、前記予備蓄電装置を充電し、
前記制御部を介して、前記充電サイクルの第1期間が満了したことを決定し、
前記制御部を介して、前記電池に対して前記予備蓄電装置が前記電池と並列に負荷に電力を供給する送達サイクルを起動する
ことを含む、電池管理システムを動作させるための方法。
【請求項41】
前記充電サイクルを起動させることは、前記電池のための回路スイッチを作動させて、前記予備蓄電装置に電力を供給する、ことを更に含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記回路スイッチは、第1回路スイッチであり、
前記充電サイクルを起動させることは、第2回路スイッチを作動させない、
ことを更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記制御部を介して、前記予備蓄電装置が前記電池と並列に前記負荷に電力を供給する前記送達サイクルを起動することは、前記第1回路スイッチを非作動にすることを更に含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記センサは、温度センサを備える、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記センサは、電流センサを備え、
前記電池の特性は、前記電池によって供給される電池電流である、
請求項40に記載の方法。
【請求項46】
前記予備蓄電装置は、再充電可能な電池を備える、請求項40に記載の方法。
【請求項47】
前記予備蓄電装置は、スーパーキャパシタを備える、請求項40に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月25日に出願された米国特許出願第63/070,160号の優先権を主張する。
【0002】
連邦支援研究に関する表明
該当なし。
【0003】
本発明は、熱暴走を回避するために電池の温度上昇を管理するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0004】
リチウム電池の使用は、電力網に接続されない電気システムの最大の電源になりつつある。また、リチウム電池は、高エネルギー密度及び高電圧のために、ハイブリッド車両及び電力網用途での使用にも注目を集めている。リチウム電池の性能、効率及び寿命は、状態動作温度に大きく依存する。熱暴走は、放電プロセス中にリチウム電池において生じ、発熱と温度上昇との間に制御されないループが形成されたとき、蓄えられたエネルギーのより速い放出を引き起こす。これは火災や爆発の原因となる。熱暴走を制御するための基本的な方法は、不燃性電解質の使用、反応性の低い電極の使用、及び動作条件によるものであった。実際に、電池内の熱暴走を制御するように適合された2つの主要な方法がある。第1の方法は、熱源制御及び熱抵抗制御である。熱源制御方法では、冷却装置が、それ自体が電池又は他の供給源から大量のエネルギーを消費する対流プロセスを通して熱を除去するために使用される。第2の方法は、電池の急激な温度上昇を低下させることができない熱抵抗制御である。
【0005】
必要とされているのは、熱暴走を回避するために電池の温度上昇を管理するための改良されたシステム及び方法である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の必要性は、本開示の電池の温度上昇を管理するためのシステム及び方法によって満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、本開示は、電池と負荷とを電気的に結合する第1回路経路と、予備蓄電装置と、電池と予備蓄電装置とを電気的に結合する第2回路経路と、電池と予備蓄電装置との間において、第2回路経路に接続された第1スイッチと、予備蓄電装置と負荷とを電気的に結合する第3回路経路と、予備蓄電装置と負荷との間において、第3回路経路に接続された第2スイッチと、電池の温度を測定するためのセンサと第1スイッチ、第2スイッチ、及びセンサと電気的に通信する制御部と、を備える電池管理システムを提供する。制御部は、(i)第1スイッチを作動させて電池と予備蓄電装置とを接続し、電池の温度が閾値を満たすことの少なくとも一部に基づいて、充電期間にわたり電池によって供給される電力によって予備蓄電装置を充電し、(ii)充電期間が満了した後に、予備蓄電装置から負荷に電力を供給するために、第2スイッチを作動させ、予備蓄電装置と負荷とを接続するために、制御部に記憶されたプログラムを実行する。
【0008】
電池管理システムの一実施形態では、第2スイッチが作動されたとき、予備蓄電装置は、電池と並列に負荷に電力を供給する。予備蓄電装置は、スーパーキャパシタを備えることができる。予備蓄電装置は、再充電可能な電池を備えることができる。
【0009】
電池管理システムの一実施形態では、閾値は、温度設定点を含む。温度設定点は、電池の熱暴走温度より低くてもよい。温度設定点は、電池の熱暴走温度より数パーセント低くてもよい。閾値は、温度変化率を含むことができる。温度変化率は、電池の熱暴走温度を引き起こす所定の温度変化率とすることができる。
【0010】
電池管理システムの一実施形態では、第1回路経路内には、電池と負荷とを電気的に結合するスイッチは存在しない。
【0011】
電池管理システムの一実施形態では、制御部は、充電期間にわたって予備蓄電装置を充電する前に、第1スイッチを非作動にして、電池及び予備蓄電装置を切断し、第2スイッチを非作動にして、予備蓄電装置及び負荷を切断するために、制御部に記憶されたプログラムを実行する。
【0012】
電池管理システムの一実施形態では、制御部は、第2スイッチを作動させて予備蓄電装置と負荷とを接続する前に、第1スイッチを非作動にして電池と予備蓄電装置とを切断するために、制御部に記憶されたプログラムを実行する。
【0013】
電池管理システムの一実施形態では、制御部は、(iii)エネルギー供給期間の後、予備蓄電装置記負荷を切断するために、第2スイッチを非作動にするために、制御部に記憶されたプログラムを実行する。
【0014】
電池管理システムの一実施形態では、制御部は、リモートコンピューティング装置から充電期間及びエネルギー送達期間を受信するために、制御部に記憶されたプログラムを実行する。
【0015】
電池管理システムの一実施形態では、充電期間中の電池からの第1電流は、エネルギー送達期間中の電池からの第2電流よりも高い。
【0016】
電池管理システムの一実施形態では、制御部は、充電期間の最適な時間長を決定するために機械学習アプリケーションを使用するために、制御部に記憶されたプログラムを実行する。
【0017】
電池管理システムは、電池管理システムから出力される第1電圧を負荷に供給される第2電圧に変換するためのDC-DCコンバータを更に備えてもよい。
【0018】
電池管理システムは、電池管理システムから直流電圧出力を受け取り、直流電圧を負荷に供給される交流電圧に変換するためのDC-ACコンバータを更に備えてもよい。
【0019】
電池管理システムは、電池の充電状態を測定するためのセンサを更に備えてもよい。
【0020】
電池管理システムは、予備蓄電装置内の充電状態を測定するためのセンサを更に備えてもよい。
【0021】
別の態様では、本開示は、電池と負荷とを電気的に結合する第1回路経路と、予備蓄電装置と、電池と予備蓄電装置とを電気的に結合する第2回路経路と、電池と予備蓄電装置との間において、第2回路経路に接続された第1スイッチと、予備蓄電装置と負荷とを電気的に結合する第3回路経路と、予備蓄電装置と負荷との間において、第3回路経路に接続された第2スイッチと、第1回路経路内の電池電流を測定するためのセンサと第1スイッチ、第2スイッチ、及びセンサと電気的に通信する制御部と、を備える、電池管理システムを提供する。制御部は、(i)第1スイッチを作動させて電池と予備蓄電装置とを接続し、電池電流が閾値を満たすことの少なくとも一部に基づいて、充電期間にわたり電池によって供給される電力によって予備蓄電装置を充電し、(ii)充電期間が満了した後に、予備蓄電装置から負荷に電力を供給するために、第2スイッチを作動させ、予備蓄電装置と負荷とを接続するために、制御部に記憶されたプログラムを実行する。
【0022】
電池管理システムの一実施形態では、第2スイッチが作動されたとき、予備蓄電装置は、電池と並列に負荷に電力を供給する。予備蓄電装置は、スーパーキャパシタを備えることができる。予備蓄電装置は、再充電可能な電池を備えることができる。
【0023】
電池管理システムの一実施形態では、制御部は、電池電流に基づいて電池の温度を決定するために、制御部に記憶されたプログラムを実行する。
【0024】
電池管理システムの一実施形態では、閾値は、温度設定点に対応する。温度設定点は、電池の熱暴走温度より低くて良い。温度設定点は、電池の熱暴走温度より数パーセント低くてよい。
【0025】
電池管理システムの一実施形態では、第1回路経路内には、電池と負荷とを電気的に結合するスイッチは存在しない。
【0026】
電池管理システムの一実施形態では、制御部は、充電期間にわたって予備蓄電装置を充電する前に、第1スイッチを非作動にして、電池及び予備蓄電装置を切断し、第2スイッチを非作動にして、予備蓄電装置及び負荷を切断するために、制御部に記憶されたプログラムを実行する。
【0027】
電池管理システムの一実施形態では、制御部は、第2スイッチを作動させて予備蓄電装置と負荷とを接続する前に、第1スイッチを非作動にするために、制御部に記憶されたプログラムを実行する、電池と予備蓄電装置とを切断する。
【0028】
電池管理システムの一実施形態では、制御部は、制御部に記憶されたプログラムを実行すると、(iii)エネルギー供給期間の後、予備蓄電装置及び負荷を切断するために、第2スイッチを非作動にする。
【0029】
電池管理システムの一実施形態では、制御部は、リモートコンピューティング装置から充電期間、及びエネルギー送達期間を受信するために、制御部に記憶されたプログラムを実行する。
【0030】
電池管理システムの一実施形態では、充電期間中の電池からの第1電流は、エネルギー送達期間中の電池からの第2電流よりも高い。
【0031】
電池管理システムの一実施形態では、制御部は、充電期間の最適な長さの時間を決定するために、機械学習アプリケーションを使用するために、制御部に記憶されたプログラムを実行する。
【0032】
電池管理システムは、電池管理システムから出力される第1電圧を、負荷に供給される第2電圧に変換するためのDC-DCコンバータを更に備えることができる。
【0033】
電池管理システムは、電池管理システムから出力される直流電圧を受け取り、直流電圧を負荷に供給される交流電圧に変換するためのDC-ACコンバータを更に備えることができる。
【0034】
電池管理システムは、電池の充電状態を測定するためのセンサを更に備えることができる。
【0035】
電池管理システムは、予備蓄電装置の充電状態を測定するためのセンサを更に備えることができる。
【0036】
別の態様では、本開示は、電池管理システムを動作させるための方法を提供する。本方法は、制御部を介して、電池の特性を測定するセンサから受信されたセンサデータの少なくとも一部に基づいて、電池の温度が温度閾値を満たしたことを判定することであって、電池は、負荷に電力を供給し、制御部を介して、温度閾値を満たす電池の温度の少なくとも一部に基づいて、予備蓄電装置のための充電サイクルを起動することであって、電池は、予備蓄電装置を充電し、制御部を介して、充電サイクルの第1期間が満了したことを決定し、制御部を介して、電池に対して予備蓄電装置が電池と並列に負荷に電力を供給する送達サイクルを起動する、ことを含む。
【0037】
本方法の一実施形態では、充電サイクルを起動させることは、電池のための回路スイッチを作動させて、予備蓄電装置に電力を供給する、ことを更に含む。
【0038】
本方法の一実施形態では。回路スイッチは、第1回路スイッチであり、充電サイクルを作動にすることは第2の回路スイッチを非作動にする、ことを更に含む。
【0039】
本方法の一実施形態では、制御部を介して、予備蓄電装置が電池に並列に負荷に電力を供給する送達サイクルを起動することは、第1回路スイッチを非作動にする、ことを更に含む。
【0040】
本方法の一実施形態では、センサは、温度センサを備える。
【0041】
本方法の一実施形態では、センサは、電流センサを備え、電池の特性は、電池によって供給される電池電流である。
【0042】
本方法の一実施形態では、予備蓄電装置は、再充電可能な電池を備える。
【0043】
本方法の一実施形態では、予備蓄電装置は、スーパーキャパシタを備える。
【0044】
本開示の多くの態様は、以下の図面を参照して、よりよく理解することができる。図面中の構成要素は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、本開示の原理を明確に示すことに重点が置かれている。さらに、図面中、類似の参照番号は、いくつかの図面にわたって対応する部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1A】本明細書に記載される一実施形態による、DC負荷を駆動する主電池のための電池予備蓄電の例の概略図である。
図1B】本明細書に記載される一実施形態による、DC負荷を駆動する主電池のための電池予備蓄電の例の概略図である。
図2】本明細書に記載される一実施形態による、電池管理システムの概略図である。
図3】本開示の様々な実施形態による、図2の電池管理システムの制御部において実行される温度管理アプリケーションの一部として実装される機能の一例を示すフローチャートである。
図4A】本明細書に記載の一実施形態による、温度管理システムを備えた電池と、温度管理システムを備えていない電池とのシミュレーショングラフである。
図4B】本明細書に記載の一実施形態による、温度管理システムを備えた電池と、温度管理システムを備えていない電池とのシミュレーショングラフである。
図4C】本明細書に記載の一実施形態による、温度管理システムを備えた電池と、温度管理システムを備えていない電池とのシミュレーショングラフである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
実施形態の本開示は、スーパーキャパシタ又は充電式電池などの予備エネルギー蓄積装置を使用することによって、熱暴走を回避するために電池の温度上昇を管理するためのシステム及び方法に関する。例えば、実施形態は、特にリチウム(Li)電池及び他の適切な電池における熱暴走を防止するために使用することができる。
【0047】
実施形態の1つの非限定的な例によれば、システムは、予備蓄電(スーパーキャパシタ又は別の電池)と、予備蓄電の充電及び放電サイクルを制御するためのスマート回路とを含むことができる。システムは、スマートアルゴリズムを頼ることができ、それによって、必要な予備蓄電装置は、主電池と比較して、サイズ及び体積が比較的小さくなり得る。コンパクトなソリューションであることに加えて、スマート制御システムは、予備蓄電の効率的な使用を保証し、システム内の高エネルギー密度を達成する。
【0048】
Li電池における電荷蓄積のメカニズムは、電池の構造、特に電極の構造を決定する。効率的な充電蓄積及び長い電池寿命のために、充電プロセスは、重要であり得、特に充電サイクル中の電流密度は制限されなければならない。そうしないと、電極構造が損傷することになる。また、このような損傷は、電池が過負荷になる、又は、電池から長時間高電流が流れた場合にも起こり得る。損傷した電極は、潜在的に電池にとって危険であり得るが、電池の燃焼の主な理由は充電プロセスにおけるLiの発熱反応において起こり得る熱暴走と呼ばれる効果によるものである。熱暴走は、電池の温度が臨界値(T=Trunaway)に達すると始まるプロセスである。その時点で、電池温度は、内燃機関が電池を損傷するまで上昇し続け、電池爆発を引き起こす可能性がある。熱暴走を回避するために、電池内部の消費電力は、臨界温度に達する前に制御されなければならない。リチウム電池の典型的な熱暴走温度は、60℃(カ氏140度)である。(www.rutronik.com/article/ detail/News/News/Lithium-ion-batteries-how-can-thermal-runaway-be-prevent)
【0049】
熱暴走を回避するための簡単な解決策は、電池の温度が臨界温度に近づくと、電池を充電器又は負荷から切り離すことである。しかしながら、電池の突然の切断は、電気自動車、ドローン、軍事及び医療装置などの多くの用途にとって問題である。温度上昇は、電池の内部抵抗(ジュール熱)を通過する高電流によって発生する熱放散によって生じるので、今日、内部抵抗を低減するための一般的なアプローチは、過度な設計の電池又は分散電極を含む特別な設計の電池を使用することである。どちらの場合も、電池の重量及びサイズは、アプリケーションに実際に必要とされるものよりも大きくすることができる。
【0050】
図1A及び図1Bを参照すると、直流(DC)負荷のためのシステムの2つの電池接続形態が示されている。予備電池又はスーパーキャパシタの使用は、主電池が熱暴走の前に遮断されるときに電力遮断を回避すると考えられてきたが(DOI: 10.1109/TVLSI.2018.2818758)、単に予備蓄電を追加すると、エネルギー蓄電の重量及びサイズが大幅に増加する可能性がある。この構成では、予備蓄電が負荷にエネルギーを供給するときに、主電池が一時的に遮断されて冷却される。図1Aは、代替モードでDC負荷を駆動する主電池のための予備蓄電を使用する第1の接続形態である。代替モードでは、システムが任意の時点でSW1又はSW2をオンにすることができる。図1Bは、予備蓄電をバッファとして駆動させながらの主電池と予備蓄電とを使用する第2の接続形態である。図1A及び図1Bの両方において、SW1は、回路から電池を遮断するオープンモードにある。
【0051】
図2を参照すると、電池管理システム200の概略図が示されている。温度閾値に達したとき、電池管理システム200は、予備充電サイクル及び予備エネルギー送達サイクルで動作するように構成され得る。電池管理システム200は、制御部203及び予備蓄電装置206を含むことができる。制御部203は、スマート制御部、制御システム、スマート制御システム、及び他の適切なコンピューティング装置によって表すことができる。予備蓄電装置206は、小型予備電池、充電式電池、スーパーキャパシタ、又は他の適切な電池蓄電装置などの二次電池蓄電源によって表すことができる。
【0052】
また、電池管理システム200は、主電池209と、第1電流センサ212と、第2電流センサ215と、温度センサ218と、負荷221と、ダイオード231と、電池209と負荷221とを電気的に接続する第1回路経路241と、電池209と予備蓄電装置206とを電気的に接続する第2回路経路242と、予備蓄電装置206と負荷221とを電気的に接続する第3回路経路243と、第2回路経路242内の第1スイッチSWAと、第3回路経路243内の第2スイッチSWBと、その他の適切な構成要素とを含む。回路は、主電池209の温度を直接又は間接的に(その出力電流を通して)監視する。温度が温度設定点又は温度閾値に達すると、制御部203は、予備蓄電装置206を回路に入れる。温度設定点は、主電池209の熱暴走温度に基づいて決定することができる。例えば、温度設定点は熱暴走温度よりもある程度低い、又は熱暴走温度よりも数パーセンテージと低く設定することができる。場合によっては、リチウムイオン電池の熱暴走温度が60~80℃の範囲であり得る。熱暴走温度は、電池パッケージ又はその電極の形状及び構造などの様々な要因に基づいて変化し得る。さらに、熱暴走温度は、電池の化学的性質に基づいて変化し得る。
【0053】
図示の回路構成では、制御部203は、予備蓄電装置206を充電するための第1サイクルのための回路を構成することができる。第1サイクル(すなわち、予備充電サイクル)において、制御部203は、第2回路経路242において電池209と予備蓄電装置206とを接続する第1スイッチSWAをオンにし、第3回路経路243において予備蓄電装置206と負荷221とを切断する第2スイッチSWBをオフにする。
【0054】
しかしながら、従来の予備システムとは異なり、主電池209は、回路への電気的接続を維持することができる(電池と負荷との間の第1回路経路241にスイッチがない)。実際に、短時間の間、主電池からの電流は、負荷221に依然として電力を供給しながら、予備蓄積装置206を充電するために増加され得る。第1サイクルの間、第1の期間が満了した後、これに続いて、主電池209と並列の予備蓄電装置206が負荷221にエネルギーを送達し、主電池209からの出力電流を減少させることができる第2サイクルを行うことができる。予備エネルギー供給のための第2サイクルにおいて、制御部203は、第2回路経路242において、電池209及び予備蓄電装置206を切断する第1スイッチSWAをオフにし、第3回路経路243において、予備蓄電装置206と負荷221とを接続する第2スイッチSWBをオンにする。第1サイクルにおいて、温度上昇の勾配は主電池209からのより大きい電流のためにより高くなるが、第2のサイクルにおけるより低い電流は、より遅い温度上昇又は温度の低下さえも可能にする。制御部203に実装されるスマートアルゴリズム(図3)は、臨界熱暴走温度に達することを回避するようにサイクルを制御することができる。
【0055】
次に図3を参照すると、様々な実施形態による温度管理アプリケーション300の一部の動作の一例を提供するフローチャートが示されている。図3のフローチャートは、本明細書に記載される温度管理アプリケーション300の一部の動作を実施するために使用され得る多くの異なるタイプの機能構成の例を提供するに過ぎないことが理解される。代替として、図3のフローチャートは、1つ又は複数の実施形態による、電池管理システム200(図2)の制御部203において実装される方法の要素の例を示すものと見なされ得る。
【0056】
ボックス305から始めて、温度管理アプリケーション300は、温度設定点T及び/又は温度変化閾値を受け取ることができる。温度設定点Tは、制御装置203が動作する電池温度を表すことができる。温度設定点Tは、主電池209の暴走温度未満である。温度変化閾値は、主電池209の暴走温度を引き起こす温度変化率を表すことができる。
【0057】
加えて、電池管理システム200は、最初は第1スイッチ及び第2スイッチが開いているか又はオフであるように構成され得る。さらに、電池管理システム200は、予備充電サイクル及び予備エネルギー送達サイクルのための最適な時間長を決定するように構成され得る。いくつかの例では、電池管理システム200は、機械学習アプリケーションを使用して、予備充電サイクル及び予備エネルギー送達サイクルのための最適な時間長を決定することができる。他の例では、リモートコンピューティング装置が予備充電サイクル及び予備エネルギー送達サイクルのための最適な時間長を電池管理システム200に送信することができる。
【0058】
ボックス308において、温度管理アプリケーション300は、主電池209の温度を決定する。温度センサ218は、主電池209の温度を測定し、温度データを制御部203に提供することができる。温度データから、温度管理アプリケーション300及び/又は制御部203は、主電池209の温度及び/又は主電池209の温度変化率を決定することができる。
【0059】
ボックス311において、温度管理アプリケーション300は、主電池209の温度又は温度変化率が閾値を満たすかどうかを判定することができる。例えば、温度管理アプリケーション300は、主電池209の40℃の温度が、温度設定点60℃を満たすかどうかを判定することができる。この例では、現在の温度が温度設定点を満たさないか、又は超えない。したがって、温度管理アプリケーション300は、ボックス308に進む。別の実施形態では、温度管理アプリケーション300が主電池の変化率が1時間にわたって1℃であると決定することができる。同様に、変化率閾値は、1時間の間、10度の変化に設定されてもよい。したがって、温度管理アプリケーション300は、ボックス308に進む。あるいは、温度又は変化率が温度設定点又は変化率閾値を超える場合、温度管理アプリケーション300は、ボックス314に進む。
【0060】
ボックス314において、温度管理アプリケーション300は、第1時間期間の間、予備充電サイクルを起動することができる。予備充電サイクルでは、温度管理アプリケーション300が第1スイッチ(SWA)をオンにし、第2スイッチ(SWB)をオフに保つことができる。この回路構成では、主電池209が予備蓄電装置206を充電している。電池電流は、ロード電流IBatt>ILoad(IBatt=ILoad+I)よりも高い。場合によっては、主電池209の温度がより速く上昇し得る。
【0061】
ボックス317において、温度管理アプリケーション300は、第1の期間が満了したかどうかを判定することができる。第1の期間が満了していない場合、温度管理アプリケーション300は、ボックス314に戻る。あるいは、第1の期間が終了した場合、温度管理アプリケーション300はボックス320に進む。
【0062】
ボックス320において、温度管理アプリケーション300は、第2の時間期間の間、予備エネルギー送達サイクルを起動することができる。予備エネルギー送達サイクルにおいて、温度管理アプリケーション300は、第1スイッチ(SWA)をオフにし、第2スイッチ(SWB)をオンにすることができる。この回路構成では、予備蓄電装置206は負荷221に電流を供給しており、主電池209は負荷221に電流を供給している。電池電流が負荷電流IBatt<ILoad(IBatt=ILoad-I)より低く、昇温が遅くなったり、低下したりする。制御部203は、主電池209を充電するための電流を管理することができる。
【0063】
図4A図4Cを参照すると、温度管理システムのない電池と温度管理システムのある電池のシミュレーショングラフが示されている。シミュレーショングラフは主電池と予備蓄電の組み合わせのサイクルを制御することにより、高レベルの電流で電池を使用する延長された時間において、より低い全体的な温度をもたらすことができることを示している。
【0064】
様々な実施形態によれば、電池管理システム200は、予備エネルギー蓄積器を含むことができる。予備エネルギー貯蔵は、再充電可能な電池における熱暴走を回避するために使用することができる。予備エネルギー貯蔵装置は、再充電可能な電池又はスーパーキャパシタであってもよい。電池管理システム200は、制御部203を含むことができ、制御部203は、主電池温度を測定するための1つ又は複数の温度センサを含むことができる。制御部は、また、主電池からの第1の電流を測定するための第1の電流センサと、負荷に供給される第2の電流を測定するための第2の電流センサとを含むことができる。制御部はまた、第1のプログラマブル/自己調整電流源と、第2のプログラマブル/自己調整電流源とを含むことができる。2つのプログラム可能な/自己調整された電流源を使用して、予備蓄電装置を充電し、予備蓄電装置からエネルギーを回収することができる。
【0065】
制御部203は、主電池209及び予備蓄電装置206の充電状態を測定するための1つ又は複数のセンサを含むことができる。制御部203は、予備蓄電装置206を充電するため、又は主電池209と並列に予備蓄電から負荷221にエネルギーを送達するために、電池管理システム200を構成するための1つ又は複数スイッチを動作させるために使用され得る。制御部203は主電池209の温度を制御するために、予備充電サイクル及び予備送出エネルギーサイクルを複数回繰り返すように構成することができる。
【0066】
制御部203は、予備蓄電充電サイクル中及びエネルギーを送達するサイクル予備蓄電装置206中の両方で、主電池209を保護するように構成され得る。2サイクルの組み合わせは、第2サイクルにおける供給電流を低下させることによって、主電池における温度上昇の速度を制御する。
【0067】
制御部203は、その出力における電圧を負荷電圧に整合させるために、その出力においてDC-DCコンバータに電気的に結合され得る。したがって、DC-DCコンバータは、電池管理システム200から第1電圧出力を受信し、第1電圧を第2電圧に変換し、第2電圧は次に、負荷221に供給される。さらに、制御部203は、AC負荷への直接接続のために、その出力においてDC-ACコンバータに電気的に結合され得る。したがって、DC-ACコンバータは、電池管理システム200から出力される直流電圧を受信し、直流電圧を交流電圧に変換し、交流電圧は次に、負荷221に供給される。
【0068】
したがって、本発明は、スーパーキャパシタ又は予備電池を使用することによって、熱暴走を回避するために電池の温度上昇を管理するためのシステム及び方法を提供する。
【0069】
特に明記しない限り、「X、Y、又はZのうちの少なくとも1つ」という語句などの分岐言語は項目、用語などが、X、Y、又はZ、又はそれらの任意の組合せ(例えば、X、Y、及び/又はZ)のいずれかであり得ることを提示するために一般に使用される文脈とともに他に理解される。したがって、そのような選言は一般に、特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、又はZのうちの少なくとも1つがそれぞれ存在することを必要とすることを意図するものではなく、またそのようなことを意味するべきではない。
【0070】
本明細書に記載され、例示される原理及び例示的な実施形態に照らして、例示的な実施形態は、そのような原理から逸脱することなく、配置及び詳細に修正され得ることが認識されるのであろう。また、前述の説明は、特定の実施形態に焦点を当てているが、他の構成も企図される。特に、「一実施形態では」、「別の実施形態では」などの表現が本明細書で使用されるが、これらの語句は、一般に実施形態の可能性を参照することを意味し、本発明を特定の実施形態の構成に限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、これらの用語は、他の実施形態に組み合わせ可能な同じ又は異なる実施形態を参照し得る。原則として、本明細書で参照される任意の実施形態は、本明細書で参照される任意の1つ以上の他の実施形態と自由に組み合わせることができ、異なる実施形態の任意の数の特徴は別段の指示がない限り、互いに組み合わせることができる。
【0071】
本発明は、特定の実施形態を参照してかなり詳細に記載しているが、実施形態は、説明の目的のために提示され、限定のためではなく、記載されたものに対する代替の実施形態において使用され得ることを当業者は理解するのであろう。例えば、圧電フィルムは、セパレータ表面上ではなく金属アノード表面上にコーティングされてもよい。したがって、添付の特許請求の範囲は、本明細書に含まれる実施形態の説明に限定されるべきではない。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
【国際調査報告】