IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハーパー,マイケル フィリップの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-15
(54)【発明の名称】支持装置
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/48 20060101AFI20230908BHJP
【FI】
B66C23/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537722
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(85)【翻訳文提出日】2023-04-28
(86)【国際出願番号】 GB2021052235
(87)【国際公開番号】W WO2022043707
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】2013567.9
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523073208
【氏名又は名称】ハーパー,マイケル フィリップ
(74)【代理人】
【識別番号】100067448
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 スミ子
(74)【代理人】
【識別番号】100221752
【弁理士】
【氏名又は名称】古川 雅与
(72)【発明者】
【氏名】ハーパー,マイケル フィリップ
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA14
3F205BA10
(57)【要約】
車両からの部品の取り外しを補助するフレームが開示されている。フレームは、基部に枢動自在に取り付けられるように適合されたピボットマウントを備える。吊り下げ手段と、該吊り下げ手段と空間的に固定された配置でベースとを連結する接続バーとからなる。連接バーの形状が全体的に凸状であることにより、吊り下げ手段をベースに結合する仮想線の周りを回転できるように物体を自由に吊り下げることができる。また、上記フレームを利用して、ギヤボックスなどの部品を車両から取り外す方法も開示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースに枢動自在に取り付けられるピボットマウント(11)と、
連接バー(12-14)の第1の端部に動作可能に接続された吊り下げ手段であって、連接バーは第2の端部でピボットマウントに連結され、吊り下げ手段と空間的に固定して配置されたピボットマウントとを連結することと、
連接バー(12-14)は、物体が吊り下げ手段をベースに結合する仮想線の周りを回転できるように物体を吊り下げ手段から自由に吊り下げることができる略凸形状を有すること
を含む、車両からの部品の取り外しを補助するためのフレーム。
【請求項2】
前記連接バーは、前記ピボットマウントに対して直角に水平に配置された端部セクションを含む、請求項1に記載のフレーム。
【請求項3】
前記連接バーの形状は、支持された物体からのクリアランスを最大にするために半円を描いている、請求項1または請求項2に記載のフレーム。
【請求項4】
吊り下げ手段が、連接バーの貫通孔(19)に着座し、固定部材(23)によって定位置に固定されるロッド(18)を備える、請求項1から3のいずれかに記載のフレーム。
【請求項5】
前記固定部材が、前記ロッドの第1の端部とねじ込み式に接続されている、請求項4に記載のフレーム。
【請求項6】
固定部材が、ロッドが貫通孔に平行な軸を中心に枢動できるように、1つまたは複数の摩擦低減部材(21a~c)によって連接バーから分離されている、請求項4または5に記載のフレーム。
【請求項7】
ロッドの軸線は、ピボットマウントとベースとの間の接続部に向けられ、支持された物体がフレームの重心上に実質的にぶら下がることを確実にする、請求項4から6のいずれかに記載のフレーム。
【請求項8】
ロッドの第2の端部に固定された貫通孔を有するアイレットを含む、請求項4から7のいずれかに記載のフレーム。
【請求項9】
少なくとも1つの貫通孔が細長い、請求項4に記載のフレーム。
【請求項10】
前記吊り下げ手段は、細長い開口部を有するアイレットを含む、請求項1から9のいずれかに記載のフレーム。
【請求項11】
前記アイレットが前記連接バーに回転可能に固定される、請求項10に記載のフレーム。
【請求項12】
前記アイレットは、前記連接バーの端部に固定される、請求項11に記載のフレーム。
【請求項13】
連接バーの第1の端部またはその端部セクションが、連接バーまたは端部の他の部分よりも小さい直径の狭小部分(131)を含む、請求項1から12のいずれかに記載のフレーム。
【請求項14】
前記連接バーの前記第1の端部は、前記狭小部分(131)よりも大きな直径のエンドキャップを有する、請求項13に記載のフレーム。
【請求項15】
前記エンドキャップは、前記連接バーに取り外し可能に固定可能である、請求項14に記載のフレーム。
【請求項16】
車両からギヤボックスなどの部品を取り外す方法であって、方法は、:
ベースを選択し、そこにフレームを枢動自在に固定する工程を含み、
フレームは、
ベースに枢動自在に取り付けられるピボットマウントと、
吊り下げ手段と、該吊り下げ手段と空間的に固定された配置のベースとを連結する連接バーと、
吊り下げ手段に操作可能に取り付けられる柔軟なストラップと、
連接バーは物体が吊り下げ手段をベースに結合する仮想線の周りを回転できるように物体を吊り下げ手段から自由に吊り下げることができる略凸状の形状を有することと、
部品が連接バーの凸形状内にあるときに車両の下でフレームを操作し、フレームを持ち上げ、フレームを枢動させることと、
ストラップが部品を支持できるように、部品の周りにストラップを固定することと、
部品を車両から切り離し、部品を操作し、部品が車両から離れるまでフレームを下げること、
を含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ギヤボックスなどの車両部品を支持し、操作するための支持装置に関するものであり、特に、車両の下で作業するオペレータが使用することができる。車両は、自動車、バン、ローリー等とすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
車両の修理の多くは比較的簡単に行うことができるが、大きな部品への対処は、特に部品がかさばる、または重い場合に問題となり得る。現代の車両では、モーターやドライブアッセンブリー内のスペース利用率が高くなり、オペレータが損傷した部品の修理を行えるスペースが比較的少なくなっている。 製造業者は、自動車ユーザーや自動車内の保管スペースに提供されるスペースを最大化することを商業的に推進している。そのため、交換や修理のために部品を取り外す必要がある場合、オペレータはその取り外しをどのように安全に行うかという問題を抱えている。
【0003】
この問題は、ギヤボックスのような重量のある部品を扱う場合に、さらに深刻となる。 一般的なギヤボックスは、理想的な作業条件であっても、オペレータが自身で安全に支えるには重すぎる。しかし、オペレータは最初に車両の下で、通常はピットで、または車両をスロープに置いて作業するため、通常、その条件は理想とはほど遠いものとなる。第二に、ギヤボックスが車両から取り外されると、ギヤボックスは、車両のシャーシにある開口部から搬入できるように、1つまたは複数の軸を中心に回転させる必要がある。
【0004】
この目的のために、最も基本的な形態で、ギヤボックスの下からギヤボックスとの接触を支持する持ち上げ可能なプラットフォームを提供する機械的サポートが利用可能である。ギヤボックスが車両から完全に切り離されると、プラットフォームが下がり、ギヤボックスが降ろされて車両から取り出される。プラットフォームには通常、ギヤボックスをより便利な場所に移動できるようにする車輪が付いている。しかしながら、ギヤボックスを取り外す前にギヤボックスを回転させる必要がある場合、特に作業者がギヤボックスに手を伸ばして回転させる際にプラットフォームがさらなる障害となる問題が残る。
【0005】
本発明の目的は、上記の問題に対処するための装置を提供することである。本発明のさらなる目的は、ギヤボックスを車両から取り外す方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、車両からの部品の取り外しを補助するフレームが提供される。
ベースに枢動自在に取り付けられるピボットマウントと、連接バー(12-14)の第1の端部に動作可能に接続された吊り下げ手段(サスペンション手段)であって、吊り下げ手段と空間的に固定して配置されたピボットマウントとを連結することと、連接バー(12-14)は、物体が吊り下げ手段をベースに結合する仮想線の周りを回転できるように物体を吊り下げ手段から自由に吊り下げることができる略凸形状を有する。
【0007】
この構成により、物体がある方向にある間、装置によって最初に支持され、装置から取り外されることなく他の方向に容易に移動することが可能となる。
【0008】
接続バーは、好ましくは、ピボットマウントに対して直角に水平に配置された端部セクションを含む。
【0009】
必要に応じて、連接バーの形状が半円を描いて、サポート対象物から最大のクリアランスを提供する。
【0010】
好ましくは、吊り下げ手段は、連接バーの貫通孔に着座し、固定部材によって定位置に固定されるロッドを備え、さらに好ましくは、ロッドの第1の端部とねじ込み式に接続され、さらに好ましくは、固定部材は、ロッドが貫通孔に平行な軸を中心に枢動できるように、1つまたは複数の摩擦低減部材によって連接バーから分離されている。
【0011】
ロッドの軸線は、ピボットマウントとベースとの間の接続部に向けられ、支持された物体がフレームの重心上に実質的にぶら下がることを確実とする。
【0012】
好ましくは、貫通孔を有するアイレット、さらに好ましくは細長い貫通孔を有するアイレットが、ロッドの第2の端部に固定され、ストラップなどの固定手段をそこに固定できるようにする。
【0013】
吊り下げ手段は、好ましくは、1つまたは複数のストラップが通過可能な細長い開口部を有するアイレットを備える。アイレットは、好ましくは連接バーに回転可能に固定され、さらに好ましくは、接続バーの端部に固定される。
【0014】
好ましくは、連接バーの第1の端部またはその端部セクションは、連接バーまたは端部の残りの部分よりも小さい直径の狭小部分を含む。さらに好ましくは、連接バーの第1の端部は、狭小部分よりも大きな直径のエンドキャップを含む。さらに好ましくは、エンドキャップは、連接バーに取り外し可能に固定可能である。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、ギヤボックスなどの部品を車両から取り外す方法が提供され、この方法は、
ベースを選択し、そこにフレームを枢動自在に固定する工程を含み、
フレームは、
ベースに枢動自在に取り付けられるピボットマウントと、
吊り下げ手段と、該吊り下げ手段と空間的に固定された配置のベースとを連結する連接バーと、
吊り下げ手段に操作可能に取り付けられる柔軟なストラップと、
連接バーは物体が吊り下げ手段をベースに結合する仮想線の周りを回転できるように物体を吊り下げ手段から自由に吊り下げることができる略凸状の形状を有することと、
部品が連接バーの凸形状内にあるときに車両の下でフレームを操作し、フレームを持ち上げ、フレームを枢動させることと、
ストラップが部品を支持できるように、部品の周りにストラップを固定することと、
部品を車両から切り離し、部品を操作し、部品が車両から離れるまでフレームを下げること、含む方法である。
これにより、オペレータが部品の重量を支える必要性を最小限にして、部品を取り外すことが可能である。
次に、本発明を、支持体の一実施形態を例としてのみ示す添付図面を参照して説明する。 図面は、以下の通りである:
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】支持体の第1の実施形態を示す、(a)正面図、(b)背面図、(c)底面図、(d)平面図、(e)A部分の詳細図、(f)B部分の詳細図、(g)C部分の詳細図である。
図2A-2B】支持体の第1の実施形態を示す斜視図である。
図2C-2D】支持体の第1の実施形態を示す斜視図である。
図3図1(e)部分の分解斜視図である。
図4図1(e)部分の斜視図である。
図5】支持体のベース部分の斜視図である。
図6】支持体の第2の実施形態を示す斜視図である。
図7】支持体の第3の実施形態を示す斜視図である。
図8】支持体の第1の実施形態によって支持されたギヤボックスの側面図である。
図9】支持体の第1の実施形態によって支持されたギヤボックスの端面図である。
図10】支持体の第2の実施形態を示す、(a)-(b)第1および第2の側面図、(c)図(a)におけるA部分の拡大図、(d)図(b)におけるB部分の拡大図である。
図11】支持スタンドの伸長可能な管状要素を示す図である。
図12図11の固定された拡張要素を示す図である。
図13】第1の支持クリップを有するクロスバーの別の実施形態におけるストラップ保持器(リテーナ)を示す図である。
図14】第2の支持クリップを有する、図13のクロスバーの別の実施形態を示す図である。
図15】リフティングストラップを有する、図13のクロスバーの別の実施形態を示す図である。
図16】ストラップなどを固定できる保持器(リテーナ)の別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
参照されるこれらの図は、本発明による支持装置の実施形態を示しており、動力付き車両からギヤボックスを取り外したり取り付けたりするのに特に適しているものである。 例示的な寸法が提供されているが、当業者であれば、これらの寸法は単なる例示であり、適用可能な場合には他の寸法を使用できることを認識するであろう。
【0018】
図において、符号10で参照される支持体が図示されている。支持体10は、主に、鋼鉄などの強く剛性のある材料で形成されるが、当技術分野で知られている他の材料を使用することもできる。支持体は、該支持体10を直立位置に保持し、特にギヤボックスを支持する場合に支持体10が倒れるのを防止するように作用する基部(図示せず)に、恒久的に、またはより好ましくは取り外し可能に、枢動自在に取り付けられることを意図している。ベース自体を車輪で支えることができ、サポートとギヤボックスを別の場所に移動したり、新しいギヤボックスまたは修理したギヤボックスを車両に持ち込んで設置したりすることが可能である。
【0019】
ギヤボックスの質量を支持するために、支持体10は、管状セグメント12~15を含むフレームを備えている。管状セグメント12~15は円形の断面を持ち、直径は約38mmである。フレームはセクション(部分)を有するものとして説明されているが、フレームは、好ましくは、図示されている形状に曲げられたポリエチレン被覆管状鋼の単一片から形成されることに留意されたい。長さ約235mmの管状セグメント12の第1の端部から延在するのは、長さ約90mmで、やはり直径38mmの管状鋼で形成されたピボットマウント11である。ピボットマウント11とフレームは、従来の溶接によって固定される。使用中、ピボットマウント11は、基部から延びる円筒形のロッドに嵌合し、ピボットマウント11が管軸の周りでいずれかの回転方向に360°自由に枢動できるようにする。好ましい実施形態では、フレームには、操作者がピボットマウントを固定できるようにする解放可能な固定手段が設けられており、したがって、望ましくない場合に枢動を防止するためにフレームを特定の方向に固定することができる。
【0020】
管状セグメント13は、ピボットマウント11と平行であり、使用時には直立体を形成する。管状セグメント13は、約380mmの長さを有し、第1端で管状セグメント12の第2端に接合され、2つのセグメント間の角度は120°である。支持体10にさらなる強度を与えるために、補強部材26がピボットマウント11および管状セグメント12に溶接されている。
【0021】
管状セグメント13の第2端から、長さが約150mmの別の管状セグメント14が延びており、2つのセグメント13、14は互いに120°である。管状セグメント14の他端からは、クロスバー15として機能する長さ約120mmの管状セグメントが垂下している。クロスバー15は、接続セグメント25によって管状セグメント14の他端に結合され、管状セグメント14と150°の角度を形成する。したがって、図に示した実施形態のクロスバー15は、ピボットマウント11の軸に対して直角になるように展開される。
【0022】
管状セグメント12~14およびクロスバー15が一緒になって、概ね凸形状を形成することが分かるであろう。これにより、フレームに衝突することなく、オブジェクトをより簡単に吊り下げて所定の位置に操作することができる。当業者であれば、V字形、開いた長方形、円または楕円の弧など、他の形状のフレームを考案することができるが、一般的に凸形状は維持される。
【0023】
支持体10は、物体を吊り下げることができる手段を提供し、支持手段はクロスバー15の一部として含まれる。再び図1を参照し、さらに図3および4を参照すると、これらは物体を支持する好ましい手段を示している。図示された支持体は、当技術分野で知られているタイプの1つまたは複数の柔軟なストラップ(図示せず)によって物体を容易に所定の位置に固定することができる。特に好適なストラップは、引き裂きや伸びに抵抗する合成繊維素材のものである。さらに、ストラップの材料は、互いに隣接して接触しているストラップの2つのセクションが、相対的な運動で発生する摩擦力により、動きに抵抗するようなものである。
【0024】
1つまたは複数のストラップを保持するために、クロスバー15から下方に垂れ下がった、寸法が約35mm×45mmのほぼ長方形のアイレット16が設けられる。アイレット16は、ストラップの少なくとも一部が通過できる細長い長方形の開口17a、17bを有する。この場合も、開口17a、17bの壁とのストラップの係合は、その開口を通るストラップの移動に抵抗し、ストラップによって吊り下げられている物体を固定する。
【0025】
アイレット16は小さなタブを有し、そこから、少なくとも第1の端部において、固定ナット23をねじ込み可能に受けるようにねじ込まれたロッド18が延びる。ロッド18は、クロスバー15の貫通孔19内で自由に回転できるように収容されている。さらに、ロッド18の向きは、貫通孔19内に収容されたスリーブ20によってクロスバー15内で安定し、このスリーブ22は、ロッド18が実質的に垂直な使用位置から大きくずれることを防止する。スリーブ22は、一端にフランジ21cを有し、溶接接合によってそれに確実に固定されている。 フランジ21cは、スリーブ22が貫通孔19の上縁に載ることにより、貫通孔19から脱落するのを防止する。スリーブ22を貫通孔19に挿入する前に、ワッシャー21a、21bをスリーブ20の外側にスライドさせる。固定ナット23がロッド18の端部にねじ込まれると、ワッシャー21a、21bがフランジ21cを上縁から分離し、ロッド18の回転を容易にする。ワッシャー21a、21bは、任意にテフロン(登録商標)などの低摩擦材料でコーティングすることができるスチール材料で形成することができる。あるいは、ワッシャー21a、21bは、低摩擦材料で形成することができる。
【0026】
図6には、支持体60が、ほぼ半円形の形状に形成された管状支持体61を含むフレームを備える支持装置の第2の実施形態が示されている。支持体は、直径38mmのポリエチレン鋼管で形成されている。支持体60の表面62による半径は、約325mmである。補強部材66は、ピボットマウント63および管状セクション61に溶接される。
【0027】
図7には、管状セグメント71を含むフレームを備える支持体70を有する支持装置の第3の実施形態が示されている。支持体70は、直径38mmのポリエチレン鋼管から形成される。サポート 70は、5つの直線セグメント72~76 に曲げられる。最も下のセグメント72から始まる隣接するセグメント間の角度は、それぞれ135°、156°、140°、および130°である。フレームの第2および第3の実施形態の両方において、支持手段は第1の実施形態で説明した通りである。
【0028】
したがって、使用中、例えば車両からギヤボックスを取り外したい場合、オペレータは、例えばランプ上や作業ピットの上など、車両の下でオペレータが安全に作業できるように車両を配置する。ギヤボックスへのアクセス支障をきたすアンダートレイなどの部品は取り外される。必要に応じて、また適切な固定手段があれば、ベースに対するフレームの向きを解放可能に固定することができる。1つまたは複数の柔軟なストラップが、アイレット16の開口部17a、17bを通して配置される。ストラップはラチェットシステムに組み込まれており、移動する物体を固定したり解放する際に、ストラップを締めたり解放したりすることができる。ベースは、ギヤボックスが取り外される車両の下に配置され、フレームが車両シャーシ内のスペースに入ることができるように、ベースが持ち上げられる。
【0029】
シャーシに入ると、ギヤボックスがフレームセクション 12~14 とクロスバー 15内、およびアイレット16とピボット マウント 11の間の凹んだスペースに収まるように、フレームを所定の位置に回転させる。アイレットはさらに、ストラップをギヤボックスの両側にしてギヤボックスの上になるように配置される。ストラップをギヤボックスの周りに渡し、ラチェット システムを使用して締めて、車両から切り離されたギヤボックスがストラップによってバランスの取れた方法で支持されるようにする。オペレータは、適切なベースを選択し、ピボットマウント11をベースから延びる円筒形ロッドの周りに配置することによってフレームを固定する。フレームの高さは、ギヤボックスの重量の一部がストラップにかかるように、高くする。
【0030】
図8および9は、ストラップ90がギヤボックス91の周りに固定されたギヤボックスの支持を示す。オペレータが必要と考える場合は、ギヤボックス91を固定するために更にストラップのセットを利用することができる。アイレット92の位置決めは、ギヤボックス91の重心がアイレット92とピボットマウント93を結ぶ仮想線に実質的に沿って位置するようになっていることに留意されたい。ストラップに加えて、チェーン、ロープなど、またはそれらの組み合わせを持ち上げ作業に利用することができる。
【0031】
より詳細には、車が持ち上げられ、ギヤボックスにアクセスできるようにアンダートレイやその他のコンポーネントが取り外される。支持装置は、アイレットがギヤボックスの上にあり、ストラップがギヤボックスの両側にくるように、所定の位置に操作される。ギヤボックスのバランスを保つために、ストラップはギヤボックスの周りの位置に固定される。垂直リフト装置が定位置にない場合、これを支持装置に接続して、支持装置を垂直方向に移動できるようにする。次いで、リフト装置は、ストラップを介してギヤボックスを支持するように調整される。こうしてギヤボックスは車両から切り離され、その重量はストラップとフレームによって支えられる。固定されている場合は、フレームを解放して、ギヤボックスとフレームをシャーシから出すためにフレームを枢動させることができる。ギヤボックスは、互いに垂直な3つの軸を中心に回転させることで、ギヤボックスを取り外ることができる向きと位置に操作することができるようになる。
ギヤボックスが適切な位置に来たら、ベースはギヤボックスがシャーシから離れるまで下げられ、その後ギヤボックスが必要な場所に移動される。この操作中、オペレータが負担する重量は、通常の場合よりもはるかに少なくなる。さらに、オペレータがギヤボックスの下にいる必要がないため、オペレータが怪我をするリスクは格段に低くなる。
【0032】
ギヤボックスを取り付けるには、再び車両をスロープまたは作業ピットの上に上げる。フレームはベースに固定され、ギヤボックスは、上記と同じ方法でフレームに結合された1または複数のストラップ内に保持される。ギヤボックスは車両の下に配置され、オペレータがストラップ内でギヤボックスを回転させて正しい位置に設置するのを容易にするために、所定の位置に引き上げられる。ギヤボックスは車両に固定される。 ストラップを緩めて取り外した後、ベースをフレームから分離し、車両から離す。フレームは車内から取り外され、残りの作業はアンダートレイの再取り付けの前に行われる。別の使用方法では、例えば、自動車のサスペンションで作業を支援するために、支持装置を使用して、サスペンションシステムのバネまたは他の要素に上向きの力を加えることができる。これは、システムのコンポーネントを互いに分離するために使用することができる。例えば、垂直リフト装置に固定されたストラップを1つの構成要素に取り付けることができる。さらにストラップを別の部品に取り付け、そのストラップを支持器具に固定する。支持装置を持ち上げると、2つの構成要素は互いに分離される。
【0033】
さらなる図示しない実施形態では、2つの支持装置を上下に固定して、別々の物体を支持し、それらの個別の操縦を可能にするための2つの自由度を提供することができる。
【0034】
図10および11は、用途に合わせて延長または収縮できる別の管状要素110を示している。要素110は、2つのセグメント111、112を含む。要素111は、セグメント111の残りの部分よりも小さい直径の端部分113を有し、端部分113の外径は、要素112の内径の外径と一致する。端部113は、一連の開口部114を含む。使用中、図12に示すように、開口部114の1つを要素112の開口部115と位置合わせし、適切な固定クリップ116を使用して要素111、112の相対位置を固定することができる。クリップ116は、要素111、112の軸方向の動きを防止するために、ピン117自体が開口部114、115の両方を通過するピン117のヘッドの周りを通過するループ118aを有する。クリップ116の別のループ118bは、ピン117の端部119の周りを同様に通過する。
【0035】
図10ならびに図13および14に示されるクロスバー130の実施形態では、クロスバー130の端部131は、クロスバー130の残りの部分よりも細い直径である。これにより、図13の132および図14の133として示されているようなクリップが、ストラップなどのさらなる要素の固定を助けるために取り付けられ、あるいは代替的に、ストラップをより薄い部分131の周りに取り付けたりすることができる。したがって、クリップがクロスバー130から滑る危険性が少なくなる。オプションとして、エンドピース134は、クリップの装着を容易にするために、クロスバー130に取り外し可能に固定することができる。
【0036】
図15の実施形態では、ストラップ150は、各端にループ151a、151bを有し、これらのループは、クロスバー130の端部131の上を渡される。ループのサイズがエンドピース134の直径よりも小さい場合、ストラップ150を配置できるようにエンドピース134を取り外し、配置が完了するとクロスバー上の所定の位置に固定される。次に、持ち上げる物品をストラップ150の中央部分152に固定することができる。図示されていない別の実施形態では、可変長のストラップを使用して、特定の用途に適合させることができる。
【0037】
図16では、ギヤボックスなどの物体を持ち上げる際に使用するためにストラップなどを固定できる保持器(リテーナ)の代替実施形態が示されている。この実施形態の保持器160は、一般に三角形の形状を有し、ストラップが通過できる開口部161を画定し、三角形の側面162の1つが水平方向に配置されて、固定されたストラップの安定性を助ける。

図1
図2A-2B】
図2C-2D】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】