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特表2023-539696改善されたシートアセンブリ、及びこのようなシートアセンブリを備えた車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-15
(54)【発明の名称】改善されたシートアセンブリ、及びこのようなシートアセンブリを備えた車両
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/26 20060101AFI20230908BHJP
   B60N 2/64 20060101ALI20230908BHJP
【FI】
B60N2/26
B60N2/64
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537726
(86)(22)【出願日】2021-09-01
(85)【翻訳文提出日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 IB2021057983
(87)【国際公開番号】W WO2022049501
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】102020000020821
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523072072
【氏名又は名称】カロ’,アルベルト
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】カロ’,アルベルト
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CE05
3B087DE01
3B087DE08
(57)【要約】
車両(1)のリアシートアセンブリ(6)には、内部空間(3)とトランク(8)との間の挿置された、シート(11)及び背もたれ(12)が設けられる。リアシートアセンブリ(6)は、子供を搬送するために好適なシート(10、100)を備え、それはリアシートアセンブリ(6)によって支えられる。リアシートアセンブリ(6)は、シート(10、100)がトランク(8)の内側に収納され、かつシート(11)及び背もたれ(12)が自由に使用される、第1の構成と、シート(10、100)がトランク(8)から出て来て子供を搬送するために使用されるのを可能にするよう、背もたれ(12)が動かされた、第2の構成と、を想定して構成される。
【選択図】図3図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)のリアシートアセンブリ(6)であって、前記リアシートアセンブリ(6)は、前記車両(1)の内部空間(3)とトランク(8)との間の挿置された、シート(11)及び背もたれ(12)を備え、前記リアシートアセンブリ(6)は、子供を搬送するために好適なシート(10、100)を備え、前記シート(10、100)は前記リアシートアセンブリ(6)によって支えられ、前記リアシートアセンブリ(6)は、前記シート(10、100)が前記トランク(8)の内側に収納され、前記シート(11)及び前記背もたれ(12)が自由に使用される、第1の構成と、前記シート(10、100)が前記トランク(8)から出て来て子供を搬送するために使用されるのを可能にするよう、前記背もたれ(12)が動かされた、第2の構成と、を想定して構成され、
ここで前記リアシートアセンブリ(6)は、前記シート(10)が前記背もたれ(12)によって支えられ、前記シート(11)がその前縁部に対してひっくり返るよう構成され、第1の閉構成から、前記シート(11)が前記車両(1)の要素(5)に接触する第2の開構成まで移行し、第1の後退構成から、前記要素(5)に接触して係止されるよう回転した、第2の開いてひっくり返った構成まで移行させるために、前記背もたれ(12)が、前記車両(1)の底部(7)に対して摺動して傾くよう構成され、前記シート(10)が前記要素(5)の反対を向く、ことを特徴とする、リアシートアセンブリ(6)。
【請求項2】
前記シート(10)は、前記背もたれ(12)によって、その長さに対して摺動して支えられる、請求項1に記載のシートアセンブリ。
【請求項3】
前記シート(11)は、前記ベース(7)にヒンジ留めされる、請求項1または2に記載のシートアセンブリ。
【請求項4】
前記背もたれ(12)は、直線誘導部(15)に対する前記背もたれ(12)の回転を可能にするよう構成されたヒンジ手段(17)によって、前記底部(7)に対して摺動する前記直線誘導部(15)に接続される、請求項1~3の内いずれか一項に記載のシートアセンブリ。
【請求項5】
壁(16)を備え、前記壁(16)は、前記シートアセンブリ(6)に接続され、かつ前記トランク(8)の内側で前記底部(7)に接触する、第1の開構成と、前記車両(1)の要素(9)に連結されて、前記背もたれ(12)が前記第2の構成にあるときに前記トランク(8)の境界を定める、第2の動作構成と、を想定するよう構成された、請求項1~4の内いずれか一項に記載のシートアセンブリ。
【請求項6】
車両(1)のリアシートアセンブリ(6)であって、前記リアシートアセンブリ(6)は、前記車両(1)の内部空間(3)とトランク(8)との間の挿置された、シート(11)及び背もたれ(12)を備え、前記リアシートアセンブリ(6)は、子供を搬送するために好適なシート(10、100)を備え、前記シート(10、100)は前記リアシートアセンブリ(6)によって支えられ、前記リアシートアセンブリ(6)は、前記シート(10、100)が前記トランク(8)の内側に収納され、前記シート(11)及び前記背もたれ(12)が自由に使用される、第1の構成と、前記シート(10、100)が前記トランク(8)から出てきて子供を搬送するために使用されるのを可能にするよう、前記背もたれ(12)が動かされた、第2の構成と、を想定して構成され、
ここで前記リアシートアセンブリ(6)は、前記背もたれ(12)が、前記車両(1)に固定されたフレーム(12c)によって支えられた一対の部分(12a、12b)を備え、前記部分(12a、12b)が、第1の閉構成と第2の開構成とを想定するよう構成され、前記シートアセンブリが、前記底部(7)に対して摺動可能に支えられたシート(100)を備え、かつ前記トランク(8)に収納された第1の構成と、前記一対の部分(12a、12b)間に位置付けられた第2の構成と、を想定するよう構成されることを特徴とする、シートアセンブリ(6)。
【請求項7】
前記シート(100)は、前記底部(7)に対して摺動する壁(30)と、前記壁(30)によって支えられ、かつ前記一対の部分(12a、12b)間及び前記シート(11)の上に収納されるようサイズが決められたシート(101)と、前記壁(30)によって可動で支えられたヘッドレスト(102)と、を備える、請求項6に記載のシートアセンブリ。
【請求項8】
前記壁(30)は、直線誘導部(31)によって、前記底部(7)上で摺動可能に支えられる、請求項6に記載のシートアセンブリ。
【請求項9】
前記シート(101)は、前記壁(30)から選択的に取り外し可能である、請求項7または8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記ヘッドレスト(102)は、前記側部分(12a、12b)間に収納され、かつ前記壁(30)によって摺動して支えられた、外部分(102b)と、前記外部壁(102b)から選択的に取り外し可能に支えられた内部分(102a)と、を備える、請求項7~9の内いずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記シートアセンブリ(6)は、前記壁(30)を前記フレーム(12c)に選択的に係止するよう構成された、係止手段(33)を備える、請求項7~10の内いずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記シートアセンブリ(6)の可動要素(11、12)の自動的な動きを可能にするよう構成された、アクチュエータ手段、前記シート(10、100)に収納された子供の存在を検出するよう構成された、センサ手段、及び/または
前記シート(10、100)の衝撃を検出するよう構成された、センサ手段、
の中の少なくとも1つを備える、請求項1~11の内いずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項13】
請求項1~12の内いずれか一項に記載の、少なくとも1つのシートアセンブリ(6)を備える、車両。
【請求項14】
チャイルドシート(10、100)を含んだ視野を取得するよう構成された画像取得手段(20)と、前記画像取得手段(20)に電気接続され、かつ前記車両(1)のフロントシートアセンブリ(5)に収まった乗客によって得られる前記視野の可視化を可能にするよう構成された、表示手段(21)と、を備える、請求項13に記載の車両。
【請求項15】
請求項12に依存したときに、前記センサに電子接続され、かつ前記カーシートに収まった子供の危険状態を示す、特定の予め決められた状態が検出された場合に、運転者及び/もしくは救助ネットワークに警告するよう、ならびに/または前記車両の機能を抑制するよう構成された、電子ユニットを備える、請求項13に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、その全体の開示が参照によって本明細書に組み込まれる、2020年9月1日に出願されたIT2020000020821A1の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、車両のためのシートアセンブリに関し、詳細には、子供を搬送するために好適で、かつ子供の搬送に関する現在の基準に準拠した、車両のためのシートアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
事故の際に、道路車両で子供を安全に搬送できるよう設計された、子供用のシートシステムが公知である。
【0004】
実際、大人によって使用されるシート位置及び安全ベルトは、子供を守るために使用することはできない。なぜなら事故の際に、子供の体重及び/または身長のため、子供が車の外へ投げ出される様は、成人に起こることとは異なるからであり、潜在的により危険である。
【0005】
この目的のため、車両シートに固定されることを必要とし、かつ車両内の子供を安全に収容するよう構成された、チャイルドカーシートが公知である。
【0006】
詳細には、最近のUN ECE R129基準によると、異なる身長範囲に特定された3つの異なるタイプのカーシートが存在する:
・タイプ「A」カーシート。これは0cmから76~83cmの子供を搬送するために好適である;
・タイプ「B」カーシート。これは76~83cmから105cmの子供を搬送するために好適である;及び
・タイプ「C」カーシート。これは105cmから150cmの子供を搬送するために好適である。
【0007】
全てのタイプのカーシートには、側方包含手段を、ならびにタイプA及びタイプBのカーシートの場合は、特定の安全ベルトを、さらに設ける必要がある。
【0008】
したがって、子供が成長するにつれ、3つの異なるタイプのカーシートを購入する必要がある。それは、必要に応じてシートに適合させ/シートから取り外して、かつトランクに配置させ/トランクから回収する必要がある。
【0009】
このように、子供のいる家族は、これらのカーシートのために、大きなコストを負担する必要がある。連続した適合/取り外し作業、ならびにカーシートをトランクに収容することは、時間の浪費であり、複雑で、正確に実施しなかった場合に、潜在的に危険な行為となる。
【0010】
上述の課題を解決するには十分ではないが、公知の解決策の例が、独国特許発明第4140637号明細書、米国特許第5035465号明細書、米国特許出願公開第2011/043014号明細書、または米国特許出願公開第2009/051188号明細書に示されている。
【0011】
したがって、子供の搬送を可能にし、その一方で現在の基準に明記された要件を全て満たすため、及びコストの軽減のため、ならびにユーザが現在のカーシートに設定するよう実行する必要がある作業の、複雑性を軽減するために、公知のカーシートを改善する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】独国特許発明第4140637号明細書
【特許文献2】米国特許第5035465号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2011/043014号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2009/051188号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、上述の要件を満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述の目的は、添付の独立請求項で請求する、シートアセンブリ、及びこのシートアセンブリを備えた車両によって達成される。
【0015】
本発明の、別の好ましい実施形態は、従属請求項、または前述の独立請求項に関連した請求項で説明する。
【0016】
本発明は、以下の好ましい実施形態における詳細な説明を精査すると、最良に理解されるであろう。それは非限定例で提供され、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】より明白にするために部品を取り除き、本発明によるシートアセンブリの第1の実施形態を正面から示す、斜視図である。
図2】より明白にするために部品を取り除き、図1のシートアセンブリを背面から示す、斜視図である。
図3】様々な動作状況における、図1のシートアセンブリの概略側面図である。
図4】様々な動作状況における、図1のシートアセンブリの概略側面図である。
図5】様々な動作状況における、図1のシートアセンブリの概略側面図である。
図6】様々な動作状況における、図1のシートアセンブリの概略側面図である。
図7】より明白にするために部品を取り除き、本発明の第2の実施形態によるシートアセンブリの様々な動作ステップを示す、斜視図である。
図8】より明白にするために部品を取り除き、本発明の第2の実施形態によるシートアセンブリの様々な動作ステップを示す、斜視図である。
図9】本発明の第2の実施形態によるシートアセンブリの別の構成を示す、図8の斜視図である。
図10】様々な動作状況における、図7及び図8のシートアセンブリの概略側面図である。
図11】様々な動作状況における、図7及び図8のシートアセンブリの概略側面図である。
図12】様々な動作状況における、図7及び図8のシートアセンブリの概略側面図である。
図13図8のシートアセンブリの一部分における拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面において、番号1は全体的に、乗客搬送のための道路車両、所謂乗用車を示し、公知のようにそれは内部空間3を画定する複数の壁2を備える。
【0019】
公知のように、上記の車両は内部空間3において、とりわけダッシュボード4、ならびにフロントシートアセンブリ5及びリアシートアセンブリ6など、複数のシートアセンブリ5、6を収納する。
【0020】
添付の図面に示されるように、上記の複数のシートアセンブリ5及び6は、車両の底部7によって支持され、複数のフロントシートアセンブリ5は、ダッシュボード4と、複数のリアシートアセンブリ6との間に、車両1の運転方向に沿って配置される。その一方で、複数のリアシートアセンブリ6は、複数のフロントシートアセンブリ5と、トランク8との間に、車両1の運転方向に沿って配置される。
【0021】
詳細には、トランク8は、カバー9によって境界を定められた内部空間3の一部であり、カバー8は通常、複数のリアシートアセンブリ6と車両1の壁2との間に、取り外し可能に支えられる。
【0022】
公知のように、各シートアセンブリは、車両の底部7に固定されたシート11と、通常はシート11に対して可動で接続された背もたれ12と、を備える。上記によって、カバー9は、車両1の壁2と、背もたれ12の上部分との間で、可動で支えられる。
【0023】
本発明によると、複数のリアシートアセンブリ6におけるシートアセンブリの内、少なくとも1つはチャイルドシート10を備える。それは、トランク8の内側に収納され、かつシートアセンブリ6に対して可動で接続される。上記のシート6は、シート10がトランク8の内側に収納され、かつシート11及び背もたれ12が自由に使用される、第1の構成と、シート10がトランク8から出て来るのを可能にするよう、背もたれ12が動かされ、かつ子供の搬送のために使用される、第2の構成と、を想定するよう構成される。
【0024】
図1図6の第1の実施形態によると、シートアセンブリ6には、タイプAのシート10、すなわち0cmから76~83cmの子供を搬送するのに好適なシートが、設けられる。
【0025】
この実施形態において、図1及び図2によると、シート10は、それぞれのシートアセンブリ6の背もたれ12によって支えられ、かつ背もたれ12に対して反対側に支持を受けるように方向付けられる。
【0026】
本実施形態において、シート11は、ヒンジ手段13によって底部7で支えられる。ヒンジ手段13は、シート11が、車両の運転方向に対して垂直の軸Aの周りに回転できるよう構成され、かつシート11の前縁部の近く、すなわち背もたれ12に対して反対側に配置される。図3によると、ヒンジ手段13は、シート11が閉じて乗客が座れる通常の第1の構成から、シート11が、本発明によるシート10が設けられたリアシートアセンブリ6の前に配置されたフロントシートアセンブリ5に接触する、ひっくり返った第2の構成まで、シート11を移行させることが可能である。
【0027】
本実施形態において、背もたれ12は、乗客が座れる第1の後退構成と、背もたれ12がフロントシートアセンブリ5に近付いた、第2の開いてひっくり返った構成と、を想定するよう、底部7に摺動して支えられる。さらに、背もたれ12は、ヒンジ手段14によって底部7に接続される。ヒンジ手段14は、シート11が、軸Aに対して平行の軸Bの周りを回転できるよう設計され、かつ底部7に摺動して支えられる。これらのヒンジ手段14によって、背もたれ12が第2の構成にあるときに、本実施形態によるシート10が設けられたシートアセンブリ6の前で、フロントシートアセンブリ5の背もたれに接触するよう傾けられるよう、背もたれ12は回転できる。
【0028】
詳細には、ヒンジ手段14は、直線誘導部15上で摺動するよう支えられる。直線誘導部15は、背もたれ12と底部7との間に動作可能に挿置され、かつ背もたれ12が、前述の第1の構成と第2の構成との間で動けるよう構成される。
【0029】
図6によると、シート10は、シート12に固定された支持部の周りで、公知であるように軸Cの周りを回転するよう構成される。
【0030】
本構成によるシートアセンブリ6は、パネル16をさらに備える。パネル16は、底部7に接続され、トランク8に収納され、かつ、トランク8においてシート10の下に位置された第1の構成と、一旦背もたれ12がその第2の構成まで動かされた際に、トランク8の境界を定めるために、カバー9と協働する第2の動作構成と、を想定するよう構成される。
【0031】
詳細には、パネル16は、軸A及びBに対して平行な軸Dの周りに回転するよう構成され、かつパネル16の前縁部と底部7との間で設けられた、ヒンジ手段17によって画定される。本明細書で説明する事例において、ヒンジ手段17は、直線誘導部15の端部と共に設けられる。反対側において、パネル16は、例えば機械連結によって、取り外し可能にカバー9と協働するよう構成される。
【0032】
好ましくは、シート10は、例えばシート10と背もたれ12との間に動作可能に挿置された、直線誘導部などの摺動手段18によって、背もたれ12の延長に沿って可動で背もたれ12に連結される。
【0033】
第1の構成と第2の構成との間における背もたれの動き、または背もたれ12に対するシート10の動きは、手動で操作することができるか、または例えば車両の電子ユニットによって制御された液圧シリンダ、空圧シリンダ、もしくは電気機械式手段、などの特定のアクチュエータ手段(図示せず)によって制御することができる。
【0034】
動かされた後、本明細書では示されない公知の係止手段によって、背もたれ12はその所定の位置に保持される。追加として、車両1の標準的な安全ベルトを使用して、背もたれ12を傾いた位置に、さらに堅固に保持することができる。他方でシート10には、目的のために好適な、それ自体のベルトが設けられる。
【0035】
車両1は、有利には、ビデオカメラなどの画像取得手段20を備え、それらは壁2の1つで支えられ、かつシート10を含んだ視野に合せるよう構成される。
【0036】
そのため車両1は、スクリーンなどの表示手段21を備え、それは例えばダッシュボード4によって支えられ、かつ例えばワイヤを通して電気的に、または電磁的に、画像取得手段20に接続され、それによってシート10の画像を表示するのを可能にする。
【0037】
上述のシートアセンブリ6の実施形態は、図3図6を参照すると、以下のように作動する。
【0038】
ユーザが標準的な乗客搬送状況から、すなわち図1及び図2の構成から、子供搬送状況まで、すなわち図6の構成まで移行させたい場合、以下の動作を(手動またはボタンを介して自動で)実行することができる。
【0039】
最初に、シート11をフロントシートアセンブリ5に寄せて設置させるよう、シート11をひっくり返す必要がある(図3)。その後、背もたれ12を解放して、フロントシートアセンブリ5に接触するまで動かして回転させることができる。一旦この位置に達すると、背もたれ12を係止することができ、背もたれ12に対するシート10の高さを調整することができ、そしてさらなる安全手段として、安全ベルトを背もたれ12の周りに巻くことができる。
【0040】
子供を搬送する間、画像取得手段20及び表示部21によって、フロントシートアセンブリ5に座る車両の運転者/他の乗客は、頭を回して道路から目を逸らすことなく、シート10に収まった子供の状態を確認できる。
【0041】
図7図13の第2の実施形態によると、シートアセンブリ6には、タイプB及び/またはCのシート100、すなわち76~83cmを超える子供を搬送するのに好適なシートが、設けられる。
【0042】
図10による本実施形態において、シート100はそれぞれのシートアセンブリ6の背後において底部7で支えられ、成人乗客のための背もたれ12によって画定されたものと同じ方向で、子供のための支持を画定するよう、方向付けられる。詳細には、シート100は、底部7に対して摺動して支えられた壁30に固定される。詳細には、壁30は、壁30と底部17との間に動作可能に挿置された、直線誘導部31によって底部7で支えられる。
【0043】
本実施形態において、シート11は底部7に固定されて支えられ、その一方で背もたれ12は2つの部分12a、12bを備え、それらは図13でより良好に視認できるフレーム12cの周りに可動で接続され、それぞれの回転軸Eの周りを回転するよう構成される。このように、部分12a、12bは、有利にはそれらの側端縁部に設けられたヒンジ部32によって、前述の要素に接続される。
【0044】
有利には、部分12a、12bは、背もたれ12の矢状軸に対して互いに対称であり、上述のヒンジ接続部32を考慮して、両部分12a、12bが、ヒンジ部32によって接続された縁部とは反対側の縁部に沿って接触し、乗客が座るのを可能にする、図10による第1の閉構成と、部分12a、12bが開放され、以下で説明するようにシート100が挿入されるのを可能にする、図7による第2の開構成と、を画定する。
【0045】
部分12a、12bの動き及び係止は、手動で操作することができるか、または例えば車両の電子ユニットによって制御された液圧シリンダ、空圧シリンダ、もしくは電気機械式手段、などの特定のアクチュエータ手段(図示せず)によって制御することができる。
【0046】
上記で説明したことによると、シート100は、トランク8の内側に完全に収納された第1の構成と、部分12a、12bの開放によって自由にされた空間内でシート11上に設置された、第2の構成と、を想定するように、直線誘導部31に沿って動くことができる。
【0047】
詳細には、図8及び図9で明確に視認できるように、シート100は、壁30に支えられ、かつ部分12aと12bとの間で側方に包まれるように構成されたシート101と、壁30によって摺動して支えられ、かつ外部分102a及び内部分102bを備えたヘッドレスト102と、を備える。
【0048】
ヘッドレスト102は、例えば壁30とヘッドレスト102の外部分102aとの間に設けられた直線誘導部(図示せず)によって、図8及び図9に示されるように、シート101に対して垂直方向に動くよう構成される。
【0049】
さらに、シート101は、本明細書では示されないが、例えばネジ山要素または取り外し可能な機械式連結によって、壁30から選択的に取り外すことができ、内部分102bは、タイプB構成からタイプC構成に移行させるために、ヘッドレスト102の外部分102aから取り外されるよう構成される。
【0050】
詳細には、タイプB構成において、シート101はシート11の上に静止し、側方支持が画定される。それらは、子供を所定の位置に保持するよう設計される。その一方でタイプC構成において、子供をシート11に直接配置することができ、バックレスト12の部分12a、12bは、子供を所定の位置に保持する側方支持を画定する。そのため、部分12a、12bに面した壁部分30は、子供が背中を預けるのを可能にするために、軟質材料で覆われる。
【0051】
ヘッドレスト102が垂直方向に可動であるという事実によって、両構成において、搬送する子供の、そのときの身長に調整することができる。
【0052】
図7及び図8によるタイプB構成において、取り外し可能なシート101には専用ベルトが設けられ、その一方で図9のタイプC構成にはベルトは設けられない。なぜなら既に車両に存在する標準のものが使用できるからである。
【0053】
図13によると、壁30は、係止手段33によって、選択的にフレーム12cに固定することができる。係止手段33は、選択的に壁30をフレーム12cに固定するよう構成され、それによってシート100の安定を保つのを可能にする。
【0054】
詳細には、本実施形態によると、係止手段33は電気機械式手段であり、電気アクチュエータ34を備える。電気アクチュエータ34は、一対のピン35が、フレーム12cに設けられたそれぞれの座部(図示せず)の中に挿入されるのを可能にする。
【0055】
好ましくは、電気アクチュエータ34は、頂部の内の1つにおいて壁36にヒンジ留めされた、三角形の一対のブラケット37を備えたレバー機構36と、電気アクチュエータ34、ブラケット37,及びピン35を互いに接続した複数のロッド38と、によって、ピン35を制御する。
【0056】
上述のシートアセンブリ1の実施形態は、図10図13を参照すると、以下のように作動する。
【0057】
ユーザが、標準的な乗客搬送状態から、子供を搬送する状態まで、すなわち図8または図9の構成まで移行させたい場合、以下の動作を(手動またはボタンを介して自動で)実行することができる。
【0058】
最初に、ヘッドレストを取り外す必要があり、シート11を、シート12の部分12a、12bが解放されて回転され得るよう、したがってそれらが第2の構成(図11)に達するのを可能にするよう、ひっくり返す(図10)必要がある。このポイントにおいて、壁30がフレーム12cの内側に係止されるまで、すなわち本明細書の説明の事例において、ピン35がフレーム12cに一体化されるまで、シート100を動かすことをできる。
【0059】
ここにおいて、シート100を使用することができ、ヘッドレスト102の位置を、子供の身長に依拠して調整することができる。ユーザが、タイプB構成からタイプC構成に移行させる必要がある場合、シート101及びヘッドレスト102の内部分102aを取り外すことで十分である。タイプBシートの場合、シート101に含まれた特定のベルトによって子供をシート100に確保することができ、その一方でタイプC構成では、通常の安全ベルトを使用することができる。
【0060】
上述のシート10、100は、2つのシートを用いて明確に構成することができ、かつ支持情報を提供するために、例えば車両のECUなどの電子制御ユニットに電気接続された、1つまたは複数のセンサを備えることができる。
【0061】
上記の電子ユニットは、センサに電子接続され、かつ運転者及び/もしくは救助ネットワークに警告するよう、ならびに/または、カーシートに収まった子供の危険状態を示す、特定の予め決められた量が検出された場合に、車両の機能を抑制するよう構成される。
【0062】
第1のセンサの例は、子供の存在を検出するか、または検出しない、体重センサとすることができる。この場合、電子ユニットは、彼/彼女がシートの構成を変えたい場合、もしくはドアを閉めたい場合(置き去り防止)、及び/またはこれらの動作を回避したい場合に、彼/彼女の存在を車両の運転者に警告するよう構成される。
【0063】
第2のセンサの例は、カーシートの衝撃を検出するよう構成された、加速度センサとすることができる。この場合、電子ユニットは、救助ステーション、警察などの公共施設に、自動救助メッセージを送るよう構成される。
【0064】
上記により、本発明によるシートアセンブリ6の利点は明白である。
【0065】
カーシート10、100を伴って設けられたシートアセンブリ6の特定の配置によって、乗客用シートから、チャイルドシートを伴って設けられたシートに移行させることは、自動化されるか、または大幅に簡易かつ信頼性のあるものにすることができる。
【0066】
さらに、もはや両親は、3つの異なるタイプのカーシートを購入する必要はなく、2つのタイプのカーシートを購入する必要があるのみとなる。なぜなら、タイプB構成からタイプC構成への変更は、タイプBのカーシートから、単純にいくつかの要素を取り外すことによって実行できるからである。3つの全てのタイプのカーシートは明確に、現在強いられている基準の要求を満たすよう、承認されたタイプである。
【0067】
カーシート10、100を、シートアセンブリ6の背もたれ12に一体化させることで、トランクの空間をさらに確保する。
【0068】
さらに、ビデオカメラ及び表示部の存在は、タイプAのシートを使用するときに、両親が容易に子供を監視するのを可能にする。
【0069】
最後に、本発明によるシートアセンブリ6は、添付の特許請求の範囲に記載された保護の範囲を超えることなく、変更及び変形を受けることができる。
【0070】
例えば、車両1の内側におけるシートの数、形状、及びタイプ、ならびに車両のタイプを、明確に異なるものとすることができる。
【0071】
さらに、本明細書で説明したアクチュエータ手段、及び本明細書で示された動きは、可能な実施形態における単なる例である。
【0072】
さらに、本明細書で請求される必須のものに追加して、別の異なる要素を含むことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】