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特表2023-539708回転可能な作業チャネルを有する医療装置および関連する使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-19
(54)【発明の名称】回転可能な作業チャネルを有する医療装置および関連する使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/018 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
A61B1/018 511
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566032
(86)(22)【出願日】2021-08-17
(85)【翻訳文提出日】2022-10-28
(86)【国際出願番号】 US2021071214
(87)【国際公開番号】W WO2022051740
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】63/073,952
(32)【優先日】2020-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ウェールズ、ライアン
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161AA04
4C161AA07
4C161AA15
4C161FF43
4C161HH21
4C161HH22
4C161HH25
(57)【要約】
シャフトと、シャフトの近位端を収容するハンドルと、シャフトの管腔を通して延在する第一のチャネルであって、シャフトの長手方向軸を中心に回転可能であり、近位端および遠位端を含む第一のチャネルと、アクチュエータであって、アクチュエータの遠位端が、第一のチャネルの近位端と係合および係合解除するように構成され、係合位置において、アクチュエータおよび第一のチャネルが回転可能である、アクチュエータと、を備える医療装置が開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置であって、
シャフトと、
前記シャフトの近位端を収容するハンドルと、
前記シャフトの管腔を通して延在する第一のチャネルであって、前記シャフトの長手方向軸を中心に回転可能であり、近位端および遠位端を含む、第一のチャネルと、
アクチュエータであって、前記アクチュエータの遠位端が、前記第一のチャネルの前記近位端と係合および係合解除するように構成され、係合位置において、前記アクチュエータおよび前記第一のチャネルが回転可能である、アクチュエータと、を備える医療装置。
【請求項2】
前記アクチュエータは、細長い本体を備え、前記細長い本体は、前記細長い本体を通して前記細長い本体の近位端から遠位端まで延在する管腔を含む、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記シャフトの前記管腔と流体連通するアクチュエータチャネルをさらに備え、前記アクチュエータチャネルは、前記シャフトの前記長手方向軸を横断する軸に沿って延在し、前記アクチュエータチャネルは、前記細長い本体の少なくとも一部を覆う、請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記アクチュエータは、前記アクチュエータチャネルの長手方向軸に沿って並進して前記第一のチャネルの前記近位端を係合および係合解除するように構成され、前記アクチュエータは、前記アクチュエータチャネルの長手方向軸を中心に回転するように構成される、請求項3に記載の医療装置。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記第一のチャネルの前記近位端との係合から離れるように付勢される、請求項1~4のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項6】
前記アクチュエータは、ばね付勢されている、請求項5に記載の医療装置。
【請求項7】
アクチュエータチャネルの外側に近位に延在する前記細長い本体の一部の周りに巻かれたばねをさらに備え、前記ばねは、ノブの遠位表面と前記アクチュエータチャネルの近位表面との間に位置付けられる、請求項2に記載の医療装置。
【請求項8】
前記アクチュエータの前記遠位端は、遠位に突出する第一の複数の歯を含み、前記第一の複数の歯はそれぞれ、前記アクチュエータの前記遠位端の周囲に沿った間隙によって互いに分離され、
前記第一のチャネルの前記近位端は、近位に突出する第二の複数の歯を含み、前記第二の複数の歯はそれぞれ、前記第一のチャネルの前記近位端の周囲に沿った間隙によって互いに分離されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項9】
前記アクチュエータの前記第一の複数の歯はそれぞれ、前記第一のチャネルの前記間隙の各々に嵌合するように構成され、前記チャネルの前記第二の複数の歯はそれぞれ、前記アクチュエータの前記間隙の各々に嵌合するように構成され、それによって、前記アクチュエータの前記遠位端が前記第一のチャネルの前記近位端と係合される、請求項8に記載の医療装置。
【請求項10】
前記シャフトの遠位端は、前記第一のチャネルの前記遠位端に当接するように構成された遠位当接部を含み、それによって、前記第一のチャネルが前記遠位当接部を越えてさらに遠位に移動することが阻止される、請求項1~9のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項11】
前記シャフトの近位部分は、近位当接部を含み、前記近位当接部は、前記第一のチャネルが前記近位当接部を越えてさらに近位に移動することを阻止するように構成されている、請求項10に記載の医療装置。
【請求項12】
前記第一のチャネルの近位開口部は、少なくとも一つのアクセサリ装置を受容し、前記チャネルの前記近位開口部を流体から封止するように構成されたリングを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項13】
前記チャネルの遠位部分は、前記チャネルの遠位開口部を通過する少なくとも一つのアクセサリ装置の遠位部分を保持するように構成されたホルダを備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項14】
前記ハンドルは、ディスク形状を有するノブを含む、請求項2に記載の医療装置。
【請求項15】
前記第一のチャネルは、前記第一のチャネルの遠位開口部を通して吸引および/または吹送を提供するように構成される、請求項1~14のいずれか一項に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、医療装置のハンドルおよびシャフトに対して回転可能な作業チャネルを含む医療装置に関する。本開示の少なくともいくつかの実施形態は、医療装置シャフトの管腔内に収容された作業チャネルを有する医療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の医療処置において、医師および/または技術者は、内視鏡の作業チャネルを通して延在する医療アクセサリ装置を制御する必要がある。そのような制御は、医療装置の作業チャネル内でのアクセサリ装置の回転を含む場合がある。医師は、時として、固定された作業チャネルを通して延在するアクセサリ装置を回転させることが、装置とチャネルとの間の摩擦力に起因して困難となる場合がある。前記摩擦力を克服するために、医師は、アクセサリ装置に過剰な回転力を加える場合がある。これは、アクセサリ装置と作業チャネルとの間のトルクおよび張力の蓄積を引き起こし得、1)アクセサリ装置を損傷させるか、または2)前記装置の遠位端が所望の回転度に対して過剰回転となるように、アクセサリ装置に鞭打つことに繋がり得る。その結果、医療処置は、アクセサリ装置を制御する際の上述の困難に悩まされる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一例によれば、医療装置は、シャフトと、シャフトの近位端を収容するハンドルと、シャフトの管腔を通して延在する第一のチャネルであって、シャフトの長手方向軸を中心に回転可能であり、近位端および遠位端を含む第一のチャネルと、アクチュエータであって、アクチュエータの遠位端が、第一のチャネルの近位端と係合および係合解除するように構成され、係合位置において、アクチュエータおよび第一のチャネルが回転可能である、アクチュエータと、を備えてもよい。アクチュエータは、細長い本体を備えてもよく、細長い本体は、細長い本体を通して細長い本体の近位端から遠位端まで延在する管腔を含む。
【0004】
別の例では、医療装置は、シャフトの管腔と流体連通するアクチュエータチャネルをさらに備えてもよく、アクチュエータチャネルは、シャフトの長手方向軸を横断する軸に沿って延在し、アクチュエータチャネルは、細長い本体の少なくとも一部を覆う。アクチュエータは、アクチュエータチャネルの長手方向軸に沿って並進して、第一のチャネルの近位端を係合および係合解除するように構成されてもよく、アクチュエータは、アクチュエータチャネルの長手方向軸を中心に回転するように構成される。アクチュエータは、第一のチャネルの近位端との係合から離れるように付勢される。アクチュエータは、ばね付勢されてもよい。
【0005】
別の例では、医療装置は、アクチュエータチャネルの外側に近位に延在する細長い本体の一部の周りに巻かれたばねをさらに備えてもよく、ばねは、ノブの遠位表面とアクチュエータチャネルの近位表面との間に位置付けられる。
【0006】
別の例では、アクチュエータの遠位端は、遠位に突出する第一の複数の歯を含んでもよく、第一の複数の歯はそれぞれ、アクチュエータの遠位端の周囲に沿った間隙によって互いに分離され、第一のチャネルの近位端は、近位に突出する第二の複数の歯を含み、第二の複数の歯はそれぞれ、第一のチャネルの近位端の周囲に沿った間隙によって互いに分離されている。アクチュエータの第一の複数の歯はそれぞれ、第一のチャネルの間隙の各々に嵌合するように構成されてもよく、チャネルの第二の複数の歯はそれぞれ、アクチュエータの間隙の各々に嵌合するように構成されてもよく、それによって、アクチュエータの遠位端が第一のチャネルの近位端と係合される。
【0007】
別の例では、シャフトの遠位端は、第一のチャネルの遠位端に当接するように構成された遠位当接部を含んでもよく、それによって、第一のチャネルが遠位当接部を越えてさらに遠位に移動することが阻止される。シャフトの近位部分は、近位当接部を含んでもよく、近位当接部は、第一のチャネルが近位当接部を越えてさらに近位に移動することを阻止するように構成されている。
【0008】
別の例では、第一のチャネルの近位開口部は、少なくとも一つのアクセサリ装置を受容し、チャネルの近位開口部を流体から封止するように構成されたリングを備えてもよい。チャネルの遠位部分は、チャネルの遠位開口部を通過する少なくとも一つのアクセサリ装置の遠位部分を保持するように構成されたホルダを備えてもよい。ハンドルは、ディスク形状を有するノブを含んでもよい。第一のチャネルは、第一のチャネルの遠位開口部を通して吸引および/または吹送を提供するように構成されてもよい。
【0009】
別の例によれば、医療装置は、管腔を含むシャフトと、シャフトの近位部分を収容するハンドルであって、シャフトの管腔と流体連通するアクチュエータチャネルに繋がる開口部を含むハンドルと、シャフトの管腔を通して延在する第一のチャネルであって、シャフトの長手方向軸を中心に回転可能であり、近位端および遠位端を含む第一のチャネルと、アクチュエータであって、アクチュエータの一部がアクチュエータチャネル内に覆われ、アクチュエータがアクチュエータチャネルの長手方向軸に沿って並進して第一のチャネルの近位端に係合するように構成され、第一のチャネルの近位端に係合している間、アクチュエータの回転が、第一のチャネルの同時回転を引き起こす、アクチュエータと、を備えてもよい。アクチュエータは、ノブおよび細長い本体を備えてもよく、細長い本体は、細長い本体を通して細長い本体の近位端から遠位端まで延在する管腔を含み、ノブは、細長い本体の近位端に固定され、ノブは、細長い本体の管腔と流体連通する開口部を含む。アクチュエータは、第一のチャネルの近位端との係合から離れるように付勢されてもよい。医療装置は、アクチュエータチャネルの外側に近位に延在する細長い本体の一部の周りに巻かれたばねをさらに備えてもよく、ばねは、ノブの遠位表面とアクチュエータチャネルの近位表面との間に位置付けられ、それによって、アクチュエータを第一のチャネルの近位端から離れるように付勢する。
【0010】
一例によれば、医療装置内に収容されたアクセサリ装置を回転させる方法であって、医療装置が、シャフトの管腔を通して延在する第一のチャネルであって、シャフトの長手方向軸を中心に回転可能である第一のチャネルと、第一のチャネルに係合して第一のチャネルを回転させるように構成されたアクチュエータであって、アクセサリ装置が第一のチャネル内に延在し、第一のチャネルがアクセサリ装置の遠位部分を把持する、アクチュエータと、を備える、方法は、医療装置のシャフトの遠位端を対象の体内に挿入するステップと、挿入ステップの後に、アクチュエータをチャネルに係合させるステップと、アクチュエータを回転させ、それによって、チャネルおよびアクセサリ装置の両方をシャフトに対して回転させるステップと、を含んでもよい。
【0011】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、様々な例示的な実施形態を示し、説明と共に、開示される実施形態の原理を説明する役割を果たしている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態による医療装置の部分断面図である。
図2A図1の医療装置の一部の部分断面図である。
図2B】別の実施形態による医療装置の一部の部分断面図である。
図3A図1の医療装置の一部の部分断面図である。
図3B図1の医療装置の一部の部分断面図である。
図3C図1の医療装置の一部の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、本開示の態様を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。可能な限り、同じまたは類似の部分を参照するために、図面を通じて同じまたは類似の参照番号が使用される。「遠位」という用語は、装置を対象(例えば、患者)に導入するときにユーザから最も遠い部分を指す。対照的に、「近位」という用語は、装置を対象内に配置するときにユーザに最も近い部分を指す。
【0014】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明はいずれも、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される特徴を限定するものではない。本明細書で使用される場合、「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」という用語、またはそれらの他の変形は、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素のみを含むのではなく、明示的にリスト化されていない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含み得るように、非排他的な包含をカバーすることが意図される。本開示では、例えば、「約」、「実質的に」、「概して」、および「およそ」等の相対的な用語は、述べられた値または特性における±10%の変動可能性を示すために使用される。
【0015】
本開示の実施形態は、当該技術分野における制限のうちの一つ以上を解決し得る。ただし、本開示の範囲は、特定の問題を解決する能力によってではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される。本開示は、作業チャネルを含む医療装置に関する。作業チャネルは、ポートキーとの係合によって、医療装置のハンドルおよびシャフトに対して時計回りまたは反時計回りに回転可能であってもよい。医療装置は、一例として、ハンドルから遠位に延在するシャフトを有する、任意のスコープ(例えば、気管支鏡、十二指腸鏡、内視鏡、結腸鏡、尿管鏡等)、カテーテル、ツール、器具等であり得る。同様に、作業チャネルは、前記シャフトの管腔内のハンドルから遠位に延在してもよい。いくつかの実施形態では、医療装置は、医療装置ハンドル上のポートの管腔を通して延在するキーとの係合によって回転可能であり得る作業チャネルを含む。前記キーは、二つの状態、すなわち、1)キーが作業チャネルと係合していないデフォルト状態、および2)キーが作業チャネルと係合している係合状態のうちの一つにあってもよい。キーは、ポートの外側にあり、ユーザがアクセス可能である部分、例えば、ノブを含んでもよい。ユーザは、ポートキーを作業チャネルと係合させるために、前記部分と相互作用してもよい(例えば、押す、回す)。ユーザはまた、係合状態にある間、キーを回転させ、それによって、同時に、作業チャネルを回転させてもよい。
【0016】
作業チャネルは、少なくとも一つのアクセサリ装置を受容し、任意の好適な手段(例えば、括約筋、コレット)を介して前記アクセサリ装置の遠位部分を保持するように構成される。したがって、作業チャネルが回転されると、アクセサリ装置も同様に回転される。そのような作業チャネルは、ユーザが前記アクセサリ装置の近位部分に回転力を及ぼすことによってアクセサリ装置を手動で回転させる必要性を排除する。したがって、前記作業チャネルは、アクセサリ装置を損傷するリスク、またはアクセサリ装置に鞭打つリスクを最小限に抑える。キーに関するさらなる詳細、およびキーが前述の状態間で遷移する様式については、図2A図2B、および図3A図3Cを参照して以下で議論される。
【0017】
図1を参照すると、一実施形態による医療装置1、例えば気管支鏡が示されている。医療装置1は、可撓性シャフト24(例えば、カテーテル)と、シャフト24の近位部分を受容するハンドル5と、を含む。シャフト24の近位部分は、ハンドル5の長手方向軸に沿って延在し得、任意の好適な手段によってハンドル5内に固定して保持され得る。いくつかの実施形態では、シャフト24の遠位端は、シャフト24の中心軸に向かって半径方向内向きに延在する遠位当接部26を含んでもよい。遠位当接部26が半径方向内向きに延在する程度は、医療アクセサリ装置がシャフト24の遠位開口部を通って遠位に延在することができる限り、特に限定されない。他の実施形態では、シャフト24の近位部分はまた、近位当接部28を含んでもよく、近位当接部28もまた、シャフト24の中心軸に向かって半径方向内向きに延在する。遠位当接部26および近位当接部28(図3A)は、シャフト24内に作業チャネル12(以下でさらに詳細に説明する)を収容する目的を果たすことができる。当接部26および28はまた、シャフト24内でのチャネル12の長手方向の可動性を制限し得る。
【0018】
医療装置1は、シャフト24の管腔の少なくとも一部を通して延在する作業チャネル12をさらに含む。チャネル12は、近位端12aおよび遠位端12bを含む。近位端12aは、チャネル12の管腔17の開口部に繋がる近位開口部15(図3Bに示す)を含む。近位端12aは、別の構成要素または手段によって係合されるように構成される。例えば、近位端12aは、近位に突出する一連の歯を含んでもよく(図2A図2Cにより詳細に示す)、これは、別の一連の歯と係合および連結するように構成される。しかしながら、近位端12aは、歯を含むことに限定されず、係合のために構成された任意の他の好適な手段を含んでもよい。遠位端12bは、チャネル12の管腔および近位開口部15と流体連通する遠位開口部12cを含む。遠位端12bはさらに、括約筋(sphincter)14、または任意の他の好適な手段を備え、この手段は、チャネル12を通って遠位開口部の外に延在する医療アクセサリ装置の遠位部分を把持するように構成される。括約筋14が遠位端12bに結合される様式は、特に限定されない。例えば、括約筋14は、任意の好適な手段、例えば接着剤によって、管腔17内で遠位端12bの遠位開口部12cのすぐ近位にしっかりと嵌め込まれてもよい。括約筋14の材料は特に限定されず、例えば、可撓性ゴム材料、例えば、シリコン、BUNA-Nであってもよい。また、括約筋14の構造形状も特に限定されない。例えば、いくつかの実施形態において、括約筋14は、環状のリング様構造であり得る。他の実施形態において、括約筋14は、エラストマースリットバルブであり得る。いくつかの他の実施形態では、括約筋14は、ピンホール、Oリングの形状であってもよく、または遠位端に可撓性ピンホール開口部を含むチャネル12のテーパ部分であってもよい。括約筋14は、括約筋14を通って延在する少なくとも一つのアクセサリ装置をしっかりと把持するように構成された中央開口部16を含んでもよい。しかしながら、遠位端12bは、括約筋14を含むことに限定されず、遠位開口部から延在するアクセサリ装置の遠位部分を保持または把持するように構成された任意の好適な手段、例えば、コレットを含んでもよいことに留意されたい。
【0019】
チャネル12は、遠位端12bが遠位当接部26に対して静止し、近位端12aが、チャネル22の管腔25(図2A図2Bに示す)とシャフト24の管腔とが出会う地点に隣接して遠位にあるように、管腔24内に位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、近位端12aはまた、シャフト24の近位部分上の近位当接部28の遠位に位置付けられてもよい。したがって、そのような実施形態では、チャネル12は遠位当接部26と近位当接部28との間に含まれてもよい。チャネル12は、シャフト24の管腔内でのチャネル12の回転を可能にしながら、チャネル12の外側表面がシャフト24の内側表面に対して面一になり得るように、シャフト24の管腔内に嵌合される。あるいは、チャネル12は、シャフト24の管腔内に嵌合されて、チャネル12の外側表面とシャフト24の内側表面との間にいくらかの環状空間を残し、回転中の摩擦力を最小にする。チャネル12は、アクセサリ医療装置を受容し、また、吸引または吹送を提供するように構成されてもよい。
【0020】
ハンドル5、または医療装置1および医療装置1に関連付けられた任意のツールもしくは装置を作動または制御するための何らかの他の装置は、作動装置43を含む。作動装置43は、可撓性シャフト24の関節運動、および/または可撓性シャフト24の遠位端における関節運動ジョイントを複数の方向に制御する。装置43は、例えば、その軸を中心に回転して、作動要素、例えばステアリングワイヤ(図示せず)を押し引きする回転可能なノブであってもよい。医療処置に適したケーブルまたはワイヤ(例えば、医療グレードのプラスチックまたは金属)等の作動要素は、医療装置1の近位端から遠位に延在し、可撓性シャフト24の遠位部分に接続してその動きを制御する。代替的にまたは追加的に、ユーザは、ハンドル5から独立して作動要素を操作してもよい。作動要素の遠位端は、可撓性シャフト24を通して延在し、関節運動ジョイントおよび/または可撓性シャフト24の遠位先端で終端してもよい。例えば、一つ以上の作動要素は、関節運動ジョイントに接続されてもよく、作動要素の作動は、関節運動ジョイントまたは可撓性シャフト24の遠位端を制御して、複数の方向(例えば、上下および/または左右)に移動させてもよい。加えて、一つ以上の電気ケーブル(図示せず)が、医療装置1の近位端から可撓性シャフト24の遠位端まで延在してもよく、可撓性シャフト24の遠位端における撮像、照明、および/または他の電気装置に電気制御を提供してもよく、ディスプレイ上で処理および/または表示されるように、撮像信号を可撓性シャフト24の遠位端から近位に伝送してもよい。
【0021】
ハンドル5はまた、ツール、流体、または他の材料を患者に導入し、および/または患者から除去するためのポート46、11を含んでもよい。ポート46は、流体の導入、吸引、吹送、および/または電子構成要素の配線のために、臍(umbilicus)に接続されてもよい。ポート11は、アクセサリ装置を導入するために使用され得る。ポート11は、シャフト24の長手方向軸を横断する軸に沿って延在するチャネル22を受容する。チャネル22の形状および長さは特に限定されない。チャネル22は、シャフト24に接続し、したがって、チャネル22の管腔25(図2A図2Bに示す)およびシャフト24の管腔は、互いに流体連通している。チャネル22は、ポートキー30の少なくとも一部を収容し/覆うように構成される。
【0022】
ポートキー30は、長手方向本体32およびノブ34を含む。本体32は、管腔38(図2Aに示す)を備える中空の管状本体であってよく、医療アクセサリ装置を受容するように構成されている。本体32の長さは、本体32がチャネル12に向かって並進されるときに、本体32の遠位端が作業チャネル12の近位端12aと係合し得る限り、特に限定されない(以下でさらに議論される)。本体32の遠位端は、チャネル12の近位端12aに係合するための手段を含んでもよい。例えば、本体32の遠位端は、遠位に突出する一連の歯を含んでもよく(図2A図2Cにより詳細に示す)、一連の歯は、近位端12aから突出する一連の歯と係合および連結するように構成されている。しかしながら、前記遠位端は歯を含むことに限定されず、近位端12aと係合するように構成された任意の他の好適な手段を含んでもよい。本体32の近位端は、ノブ34に固定または接続されてもよい。本体32がノブ34に固定/接続される方法は、特に限定されない。ノブ34はディスク形状であってもよいが、それに限定されない。ノブ34は、ユーザがノブ34を回すかまたは押すことを可能にする任意の好適な形状または設計であり得、それによって、チャネル22の長手方向軸を中心に本体32を回転させるか、またはチャネル22の長手方向軸に沿って本体32を並進させる。ノブ34は、本体32の管腔と流体連通している開口部36を備える。開口部36は、開口部36および本体32の管腔の両方を通して延在し得る、医療アクセサリ装置を受容するように構成される。
【0023】
図2Aに示すように、本体32の少なくとも一部は、チャネル22の管腔25内で覆われる。環状空間が、本体32の外側表面とチャネル22の内側表面との間に画定され得る。あるいは、他の実施形態では、本体32は、チャネル22の内側表面に対して面一であってもよいが、自由にチャネル22の長手方向軸に沿って並進し、またはチャネル22の長手方向軸を中心に回転することも可能である。さらに、ばね42が、チャネル22の外側に近位に延在する本体32の部分の周りに巻き付いている。ばね42は、ノブ34の遠位表面とチャネル22の近位表面との間に位置付けられ、ばね42の端部は、任意の好適な手段によって前述の表面に結合されてもよい。したがって、ばね42の伸長により、キー30は、デフォルトでチャネル12との係合から離れるように付勢され得る。また、ばね42を前述の表面に結合することによって、キー30がチャネル22の近位開口部から脱落することを阻止することができる。
【0024】
図2Aは、チャネルOリング23およびキーOリング33の存在をさらに示す。Oリング23および33はいずれも、任意の好適な材料、好ましくは可撓性のゴム状材料、例えばシリコン、BUNA-N等の環状リングである。図示のように、チャネルOリング33は、本体32の外側表面とチャネル22の内側表面との間の環状空間内で、キー30の本体32の周りに嵌め込まれる。本体32に対するOリング23の長手方向の配置は、特に限定されない。Oリング23は、本体32の周りの任意の好適な長手方向位置に配置することができる。Oリング33は、異物または流体がチャネル22に出入りすることを阻止するシールとして機能することができる。キーOリング33は、キー30の管腔38内に嵌め込まれてもよい。管腔38内のOリング33の長手方向の配置は、特に限定されない。Oリング33は、管腔38内の任意の好適な長手方向位置に配置することができる。Oリング33の環状形状を考慮すると、アクセサリ装置または器具は、Oリング33の中心開口部を通して挿入されてもよい。さらに、Oリング33は、異物または流体が管腔38を介してキー30に出入りすることを阻止するシールとして機能することができる。
【0025】
図2Bは、チャネル22´およびキー30´のための異なるシール手段の例を示す。チャネル22´は、管腔25´が管腔25´の近位端と遠位端との間にテーパ部分21を含むように構成されてもよい。テーパ部分21は、チャネル22´の内側表面が本体32´に接触するまで半径方向内向きにテーパ付けされ、次に、テーパに対して近位および遠位の管腔25´の直径まで半径方向外向きにテーパ付けされる。テーパ部分21は、異物または流体がチャネル22´に出入りすることを阻止するシールとして効果的に機能する。
【0026】
同様に、キー30´は、管腔38´がテーパ部分31でテーパ状になるように構成されてもよい。管腔38´は、ピンホール37がテーパ部分31の中心に残るようにテーパ付けされていてもよい。ピンホール37は、アクセサリ装置または器具がピンホール37を介して管腔38´を通過することを可能にする。ピンホール37の幅や直径は特に限定されない。例えば、ピンホール37は、アクセサリ装置または器具の幅と同様の直径であってもよい。しかしながら、テーパ部分31は、ピンホール37が撓んでより大きな幅の装置または器具を受容することを可能にする可撓性材料であってもよい。ピンホール37の伸張/屈曲能力を考慮すると、ピンホール37は、より小さな直径であってもよく、テーパ部分31は、異物または流体がキー30´に出入りすることを阻止するシールとして効果的に機能してもよい。
【0027】
上述したように、テーパ部分21、31は、チャネル22´およびキー30´の構造的特徴である。チャネル22´およびキー30´の残りの構造に対してより可撓性であるテーパ部分21、31を収容するために、チャネル22´およびキー30´は、ゴム様材料、例えば、より高いデュロメータのシリコン、BUNA-N等であってもよい。テーパ部分21、31は同じ材料であってもよいが、より低いデュロメータであってもよい。デュロメータレベルにおけるこの変動は、任意の好適な手段によって達成され得る。例えば、テーパ部分21、31は、チャネル22´およびキー30´上に射出成形されてもよく、これはより低いデュロメータを有する(チャネル22´、キー30´と)同じ材料であってもよい。
【0028】
シール手段は、図2Aおよび図2Bに示される実施形態に限定されないことにさらに留意されたい。例えば、装置1は、本体32がチャネル22の内側表面に対して面一であり得る場合、Oリング23またはテーパ部分21がなくてもよい。このように、上述のシール手段についての様々な組合せおよび/または構成を実施することができる。
【0029】
さらに、医療装置1は、ハンドル5の遠位端に取り付けられる張力緩和部23を含んでもよい。張力緩和部23は、遠位方向にテーパ付けされ、その遠位端にシャフト24のための開口部を有する任意の好適な軟質材料のカバーであってもよい。張力緩和部23は特に限定されず、シャフト24のねじれを防止することの助けとなり得る。
【0030】
図3Aは、デフォルト状態にあるキー30の別の図を示す。図3Aは、遠位に突出する一連の歯58を含む本体32の遠位端を示しており、各歯は、本体32の遠位先端の円周に沿って等しい距離だけ互いから分離されている。図3Aはまた、近位に突出する一連の歯52を含む近位端12aを示しており、各歯は、近位端12aの円周に沿って等しい距離だけ互いから分離されている。方向矢印によって示されるように、キー30は、チャネル22の長手方向軸に沿って並進することができ、それによって、デフォルト状態から係合状態に遷移する。これは、ばね42を圧縮するのに十分な量の力でノブ34を押し、キー30を作業チャネル12の近位端12aに向かって駆動することによって行われてもよい。ノブ34を押す方法は特に限定されない。歯52、58は複数のキャスタレーション(castellations)として示されているが、歯52、58は、キー30およびチャネル12が選択的に係合可能および係合解除可能であるように、任意の突起/凹部および対応する逆の構成であってもよいことが理解される。
【0031】
図3Bは、係合状態にあるキー30の図を示している。係合状態では、ばね42は圧縮され、キー30は近位端12aに向かって前進されている。キー30の歯58およびチャネル12の歯52は、歯58の各々が歯52の各々の間の分離または間隙を埋めるように、互いに係合され、連結される。係合されると、ノブ34は、方向矢印によって示されるように、チャネル22および本体32の長手方向軸を中心に回転され得、それによって、キー30を同じ方向に回転させ、それは次に、作業チャネル12を回転させる。ノブ34は、時計回りまたは反時計回りのいずれかの方向に回転され得、方向矢印が指し示す方向に限定されないことに留意されたい。ノブ34を回転させる方法は特に限定されない。前述のように、遠位端12bは、括約筋14(図1aに示す)または任意の他の好適な手段をさらに含み、これは、チャネル12の遠位開口部から外に延在する医療アクセサリ装置の遠位部分を把持するように構成される。このように、開口部36に挿入され、キー30およびチャネル12を通して延在する医療アクセサリ装置は、チャネル12と同時に(時計回りまたは反時計回りに)回転することができる。
【0032】
図3Cは、デフォルト状態に戻されたキー30の図を示している。ノブ34を押す力が解放されると、キー30はそのデフォルト状態に戻ることができ、それによって、ばね42が伸長することが可能となる。この戻りは方向矢印によって示されており、キー30はその元の位置に戻り、チャネル12との係合から離れるように付勢される。
【0033】
図1A図3Cを参照し、医療装置1がどのように使用され得るかの例が、以下でさらに説明される。医療装置1のシャフト24の遠位端は、対象の体内に、意図される標的部位に隣接して送達することができる。送達は、口、鼻、肛門等の自然の身体開口部を介してもよい。任意の好適な画像処理装置を介した医療装置1に関連する撮像は、シャフト24の遠位端の位置決めを支援することができる。次に、医療アクセサリ装置(図示せず)をキー30の開口部36に挿入することができる。アクセサリ装置は、アクセサリ装置の遠位部分を把持する括約筋14を越えて、シャフト24の遠位端に向かって前進させることができる。医療装置1および/または医療装置1のユーザに対する対象および/または意図される標的部位の位置に応じて、ユーザは、ハンドル5およびシャフト24に対してアクセサリ装置を回転させることを選択してもよい。アクセサリ装置を回転させるために、ユーザは最初に、ばね42を圧縮するのに十分な量の力でキー30のノブ34を押し、キー30を作業チャネル12に向かって前進させてもよい。キー30は、キー30の遠位端とチャネル12の近位端12aとが係合されるまで前進させることができる。係合されている間、ユーザは、次いで、ノブ34を時計回りまたは反時計回りの方向に回転させてキー30を回転させ、これによってチャネル12を同じ方向に回転させてもよい。チャネル12の回転は、括約筋14を介してチャネル12によって把持される医療アクセサリ装置の同時回転を引き起こす。このように、ユーザは、ノブ34の回転を介して、任意の所望の程度まで医療アクセサリ装置を回転させることができる。アクセサリ装置を所望の程度まで回転させた後、ユーザは、ノブ34に加えられた力を解放して、ばね42の圧縮を解除し、キー30をチャネル12から離れるように付勢された、そのデフォルト位置に戻すことができる。
【0034】
当業者には、本開示の範囲から逸脱することなく、開示された装置に対して様々な修正および変形を行い得ることが明らかとなるであろう。本開示の他の実施形態は、本明細書、および本明細書に開示される本発明の実施を考慮することにより、当業者に明らかとなるであろう。本明細書および実施例は例示としてのみ見なされることが意図されており、本発明の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示されている。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
【国際調査報告】