(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-19
(54)【発明の名称】抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤との組合わせ
(51)【国際特許分類】
A61K 47/68 20170101AFI20230911BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230911BHJP
A61K 31/4745 20060101ALI20230911BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230911BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230911BHJP
C07K 16/28 20060101ALN20230911BHJP
【FI】
A61K47/68 ZNA
A61K45/00
A61K31/4745
A61P35/00
A61P35/02
C07K16/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580310
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 IB2021055549
(87)【国際公開番号】W WO2021260580
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】502097090
【氏名又は名称】アストラゼネカ ユーケー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】307010166
【氏名又は名称】第一三共株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100119183
【氏名又は名称】松任谷 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100149076
【氏名又は名称】梅田 慎介
(74)【代理人】
【識別番号】100173185
【氏名又は名称】森田 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100162503
【氏名又は名称】今野 智介
(74)【代理人】
【識別番号】100144794
【氏名又は名称】大木 信人
(74)【代理人】
【識別番号】100204582
【氏名又は名称】大栗 由美
(72)【発明者】
【氏名】メッテタル 2世,ジェローム トーマス
(72)【発明者】
【氏名】デュラント,ステファン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】アスタネ,アザデー チェラグチ バシ
(72)【発明者】
【氏名】ラウ,アラン イン カイ
(72)【発明者】
【氏名】ウォレス,ヤン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA95
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE59
4C084AA19
4C084NA14
4C084ZB26
4C084ZB27
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC75
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA72
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA52
(57)【要約】
抗HER2抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤とを組み合わせて投与するための医薬品が提供される。この抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、抗体-薬物コンジュゲートであって、下記式(式中、Aは、抗体への接続位置を表す)で表される薬物リンカーが、チオエーテル結合を介して抗HER2抗体にコンジュゲートしている、抗体-薬物コンジュゲートである。同様に提供されるのは、対象に、抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤とを組み合わせて投与する、治療上での使用及び治療方法である:式(I)。
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
併用投与用の、抗HER2抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤とを含む医薬品であって、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、下記式:
【化1】
(式中、Aは、抗体への接続位置を表す)で表される薬物-リンカーが、チオエーテル結合を介して抗HER2抗体にコンジュゲートしている、抗体-薬物コンジュゲートである、医薬品。
【請求項2】
前記ATM阻害剤は、下記式(I):
【化2】
(式中、
R
1は、メチルであり;
R
2は、水素若しくはメチルであるか;又はR
1及びR
2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、若しくはピペリジニル環を形成しており;
R
3は、水素又はフルオロであり;
R
4は、水素又はメチルであり;
R
5は、水素又はフルオロである)
で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬品。
【請求項3】
式(I)中、R
1及びR
2は両方とも、メチルであるか;又はR
1及びR
2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、又はピペリジニル環を形成している、請求項2に記載の医薬品。
【請求項4】
式(I)中、R
1及びR
2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、又はピペリジニル環を形成している、請求項2又は3に記載の医薬品。
【請求項5】
式(I)中、R
3は、水素である、請求項2~4のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項6】
式(I)中、R
4は、メチルである、請求項2~5のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項7】
式(I)中、R
5は、フルオロである、請求項2~6のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項8】
式(I)中、
R
1は、メチルであり;
R
2は、メチルであるか;又はR
1及びR
2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、若しくはピペリジニル環を形成しており;
R
3は、水素又はフルオロであり;
R
4は、メチルであり;
R
5は、水素又はフルオロである、
請求項2に記載の医薬品。
【請求項9】
前記ATM阻害剤は、下記式:
【化3】
で表される7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン(AZD1390)、又はその薬学的に許容される塩である、請求項2に記載の医薬品。
【請求項10】
前記抗HER2抗体は、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖と、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号7のアミノ酸残基1~3からなるアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号8で表されるアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖とを含む抗体である、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項11】
前記抗HER2抗体は、配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖と、配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖とを含む抗体である、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項12】
前記抗HER2抗体は、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖とを含む抗体である、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項13】
前記抗HER2抗体は、配列番号11で表されるアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖とを含む抗体である、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項14】
前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、下記式:
【化4】
(式中、「抗体」は、チオエーテル結合を介して前記薬物-リンカーにコンジュゲートしている前記抗HER2抗体を示しており、nは、前記抗体-薬物コンジュゲート中の1つの抗体分子当たりのコンジュゲートした前記薬物-リンカーの単位の平均数を示しており、nは、7~8の範囲である)で表される、請求項1~13のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項15】
前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)である、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項16】
前記製品は、同時投与用の、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤とを含む組成物である、請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項17】
前記製品は、連続投与又は同時投与用の、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤とを含む複合製剤である、請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項18】
前記製品は、癌の処置用である、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項19】
前記癌は、乳癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、食道癌、頭頸部癌、食道胃接合部腺癌、胆道癌、パジェット病、膵癌、卵巣癌、子宮癌肉腫、尿路上皮癌、前立腺癌、膀胱癌、胃腸間質腫瘍、消化管間質腫瘍、子宮頸癌、扁平上皮癌、腹膜癌、肝癌、肝細胞癌、子宮体癌腫、腎癌、外陰癌、甲状腺癌、陰茎癌、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、神経膠腫、多形性膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及び黒色腫からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項18に記載の医薬品。
【請求項20】
前記癌は、乳癌である、請求項18に記載の医薬品。
【請求項21】
前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC 3+である、請求項20に記載の医薬品。
【請求項22】
前記乳癌は、HER2低発現乳癌である、請求項20に記載の医薬品。
【請求項23】
前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC 2+である、請求項20に記載の医薬品。
【請求項24】
前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC 1+である、請求項20に記載の医薬品。
【請求項25】
前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC >0であり且つ<1+である、請求項20に記載の医薬品。
【請求項26】
前記乳癌は、三種陰性乳癌である、請求項20に記載の医薬品。
【請求項27】
前記癌は、胃癌である、請求項18に記載の医薬品。
【請求項28】
前記癌は、結腸直腸癌である、請求項18に記載の医薬品。
【請求項29】
前記癌は、肺癌である、請求項18に記載の医薬品。
【請求項30】
前記肺癌は、非小細胞肺癌である、請求項29の記載の医薬品。
【請求項31】
前記癌は、膵癌である、請求項18に記載の医薬品。
【請求項32】
前記癌は、卵巣癌である、請求項18に記載の医薬品。
【請求項33】
前記癌は、前立腺癌である、請求項18に記載の医薬品。
【請求項34】
前記癌は、腎癌である、請求項18に記載の医薬品。
【請求項35】
癌の処置での使用のための、請求項1~17のいずれか一項で定義されている医薬品。
【請求項36】
前記癌は、乳癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、食道癌、頭頸部癌、食道胃接合部腺癌、胆道癌、パジェット病、膵癌、卵巣癌、子宮癌肉腫、尿路上皮癌、前立腺癌、膀胱癌、胃腸間質腫瘍、消化管間質腫瘍、子宮頸癌、扁平上皮癌、腹膜癌、肝癌、肝細胞癌、子宮体癌腫、腎癌、外陰癌、甲状腺癌、陰茎癌、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、神経膠腫、多形性膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及び黒色腫からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項35に記載の使用のための医薬品。
【請求項37】
前記癌は、乳癌である、請求項35に記載の使用のための医薬品。
【請求項38】
前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC 3+である、請求項37に記載の使用のための医薬品。
【請求項39】
前記乳癌は、HER2低発現乳癌である、請求項37に記載の使用のための医薬品。
【請求項40】
前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC 2+である、請求項37に記載の使用のための医薬品。
【請求項41】
前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC 1+である、請求項37に記載の使用のための医薬品。
【請求項42】
前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC >0であり且つ<1+である、請求項37に記載の使用のための医薬品。
【請求項43】
前記乳癌は、三種陰性乳癌である、請求項37に記載の使用のための医薬品。
【請求項44】
前記癌は、胃癌である、請求項35に記載の使用のための医薬品。
【請求項45】
前記癌は、結腸直腸癌である、請求項35に記載の使用のための医薬品。
【請求項46】
前記癌は、肺癌である、請求項35に記載の使用のための医薬品。
【請求項47】
前記肺癌は、非小細胞肺癌である、請求項46の記載の使用のための医薬品。
【請求項48】
前記癌は、膵癌である、請求項35に記載の使用のための医薬品。
【請求項49】
前記癌は、卵巣癌である、請求項35に記載の使用のための医薬品。
【請求項50】
前記癌は、前立腺癌である、請求項35に記載の使用のための医薬品。
【請求項51】
前記癌は、腎癌である、請求項35に記載の使用のための医薬品。
【請求項52】
癌の処置用の、抗HER2抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤とを組み合わせて投与するための薬剤の製造における前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲート又は前記ATM阻害剤の使用であって、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤とが、請求項1~15のいずれか一項で定義されている通りである、使用。
【請求項53】
前記癌は、乳癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、食道癌、頭頸部癌、食道胃接合部腺癌、胆道癌、パジェット病、膵癌、卵巣癌、子宮癌肉腫、尿路上皮癌、前立腺癌、膀胱癌、胃腸間質腫瘍、消化管間質腫瘍、子宮頸癌、扁平上皮癌、腹膜癌、肝癌、肝細胞癌、子宮体癌腫、腎癌、外陰癌、甲状腺癌、陰茎癌、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、神経膠腫、多形性膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及び黒色腫からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項52に記載の使用。
【請求項54】
前記癌は、乳癌である、請求項52に記載の使用。
【請求項55】
前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC 3+である、請求項54に記載の使用。
【請求項56】
前記乳癌は、HER2低発現乳癌である、請求項54に記載の使用。
【請求項57】
前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC 2+である、請求項54に記載の使用。
【請求項58】
前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC 1+である、請求項54に記載の使用。
【請求項59】
前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC >0であり且つ<1+である、請求項54に記載の使用。
【請求項60】
前記乳癌は、三種陰性乳癌である、請求項54に記載の使用。
【請求項61】
前記癌は、胃癌である、請求項52に記載の使用。
【請求項62】
前記癌は、結腸直腸癌である、請求項52に記載の使用。
【請求項63】
前記癌は、肺癌である、請求項52に記載の使用。
【請求項64】
前記肺癌は、非小細胞肺癌である、請求項63に記載の使用。
【請求項65】
前記癌は、膵癌である、請求項52に記載の使用。
【請求項66】
前記癌は、卵巣癌である、請求項52に記載の使用。
【請求項67】
前記癌は、前立腺癌である、請求項52に記載の使用。
【請求項68】
前記癌は、腎癌である、請求項52に記載の使用。
【請求項69】
前記薬剤は、同時投与用の、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤とを含む組成物である、請求項52~68のいずれか一項に記載の使用。
【請求項70】
前記薬剤は、連続投与又は同時投与用の、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤とを含む複合製剤である、請求項52~68のいずれか一項に記載の使用。
【請求項71】
癌を処置する方法であって、必要な対象に、請求項1~15のいずれか一項で定義されている抗HER2抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤とを組み合わせて投与することを含む方法。
【請求項72】
前記癌は、乳癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、食道癌、頭頸部癌、食道胃接合部腺癌、胆道癌、パジェット病、膵癌、卵巣癌、子宮癌肉腫、尿路上皮癌、前立腺癌、膀胱癌、胃腸間質腫瘍、消化管間質腫瘍、子宮頸癌、扁平上皮癌、腹膜癌、肝癌、肝細胞癌、子宮体癌腫、腎癌、外陰癌、甲状腺癌、陰茎癌、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、神経膠腫、多形性膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及び黒色腫からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記癌は、乳癌である、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC 3+である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記乳癌は、HER2低発現乳癌である、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC 2+である、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC 1+である、請求項73に記載の方法。
【請求項78】
前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC >0であり且つ<1+である、請求項73に記載の方法。
【請求項79】
前記乳癌は、三種陰性乳癌である、請求項73に記載の方法。
【請求項80】
前記癌は、胃癌である、請求項71に記載の方法。
【請求項81】
前記癌は、結腸直腸癌である、請求項71に記載の方法。
【請求項82】
前記癌は、肺癌である、請求項71に記載の方法。
【請求項83】
前記肺癌は、非小細胞肺癌である、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記癌は、膵癌である、請求項71に記載の方法。
【請求項85】
前記癌は、卵巣癌である、請求項71に記載の方法。
【請求項86】
前記癌は、前立腺癌である、請求項71に記載の方法。
【請求項87】
前記癌は、腎癌である、請求項71に記載の方法。
【請求項88】
前記方法は、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤とを連続的に投与することを含む、請求項71~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記方法は、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤とを同時に投与することを含む、請求項71~87のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ATM阻害剤と組み合わされた、リンカー構造を介して抗HER2抗体にコンジュゲートしている抗腫瘍剤を有する特定の抗体-薬物コンジュゲートの投与用の医薬品と、この特定の抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤とを組み合わせて対象に投与する治療上での使用及び治療方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
ATM(血管拡張性失調症変異キナーゼ)は、血管拡張性失調症において変異した遺伝子の産物と最初に特定されたセリン/スレオニンタンパク質キナーゼである。血管拡張性失調症は、ヒト染色体11q22-23上に位置しており、且つ約350kDaの大きなタンパク質をコードしており、ATMキナーゼの活性及び機能を調節するFRAP-ATM-TRRAP及びFATCドメインに隣接するホスファチジルイノシトール(「PI」)3-キナーゼ様セリン/スレオニンキナーゼドメインの存在を特徴としている。ATMキナーゼは、二本鎖切断により誘発されるDNA損傷応答の主役と特定されている。これは、DNA損傷後の細胞完全性を維持するために、S/G2/M細胞周期移行において及び且つ剥離した(collapsed)複製フォークで主に機能して、細胞周期チェックポイント、クロマチン修飾、HR修復、及び生存促進性シグナル伝達カスケードを開始する(Lavin,M.F.;Rev.Mol.Cell Biol.2008,759-769)。ATMキナーゼは、電離放射線及びトポイソメラーゼ-II阻害剤(ドキソルビシン、エトポシド)等の一般的な抗癌処置により引き起こされる直接的な二本鎖切断に応答するだけでなく、複製中の一本鎖切断から二本鎖切断への転換を介して、トポイソメラーゼ-I阻害剤(例えば、イリノテカン及びトポテカン)にも応答する。ATMキナーゼ阻害は、これらのいずれの薬剤の活性も増強し得、その結果、ATMキナーゼ阻害剤は、癌の処置に有用であることが期待される。
ATM阻害剤の例は、例えば、国際公開第2017/046216号パンフレットで開示されている。
【0003】
抗体にコンジュゲートしている細胞毒製剤で構成されている抗体-薬物コンジュゲート(ADC)は、この薬物を癌細胞へと選択的に送達し得、従って、この薬剤の癌細胞内での蓄積を引き起こしてこの癌細胞を死滅させることが期待される(Ducry,L.,et al.,Bioconjugate Chem.(2010)21,5-13;Alley,S.C.,et al.,Current Opinion in Chemical Biology(2010)14,529-537;Damle N.K.Expert Opin.Biol.Ther.(2004)4,1445-1452;Senter P.D.,et al.,Nature Biotechnology(2012)30,631-637;Burris HA.,et al.,J.Clin.Oncol.(2011)29(4):398-405)。
【0004】
そのような抗体-薬物コンジュゲートの1つは、トラスツズマブ デルクステカンであり、これは、HER2標的抗体とエキサテカンの誘導体とで構成されている(Ogitani Y.et al.,Clinical Cancer Research(2016)22(20),5097-5108;Ogitani Y.et al.,Cancer Science(2016)107,1039-1046)。
【0005】
抗体-薬物コンジュゲート及びATM阻害剤の治療可能性にもかかわらず、この抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤との併用による優れた効果を実証する試験結果を説明する文献も、そのような試験結果を示唆するいかなる化学的根拠を説明する文献も公開されていない。さらに、試験結果がない場合には、抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤等の別の癌処置剤との併用投与は、負の相互作用及び/又は副相加的治療結果をもたらす可能性があり、そのため、そのような併用処置により得られる優れた効果が期待できない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、既存の癌処置剤の有効性を増強し得、治療奏効の持続性を高め得、及び/又は用量依存的毒性を低減し得る、改善された治療用組成物及び治療方法に対するニーズが残っている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示で使用される抗体-薬物コンジュゲート(トポイソメラーゼI阻害剤エキサテカンの誘導体を含む抗HER2抗体-薬物コンジュゲート)は、単独で投与された場合には、乳癌及び胃癌等のある特定の癌の処置において優れた抗腫瘍効果を示すことが確認されている。しかしながら、癌の処置において優れた抗腫瘍効果(例えば、有効性の増強、治療奏効の持続性の向上、及び/又は用量依存的毒性の低減)を得ることができる医薬品及び処置を提供することが望ましい。本開示の抗体-薬物コンジュゲートにより導入される二本鎖切断に対するDNA損傷応答を阻害することにより、ATM阻害剤は、この抗体-薬物コンジュゲートと組み合わされて投与された場合に、抗腫瘍効果をさらに増強し得る。
【0008】
本開示は、ATM阻害剤と組み合わせた抗HER2抗体-薬物コンジュゲートの投与により、癌の処置において優れた抗腫瘍効果を発揮し得る医薬品を提供する。本開示はまた、抗HER2抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤とを組み合わせて対象に投与する治療上での使用及び治療方法も提供する。
【0009】
具体的には、本開示は、下記の[1]~[52]に関する:
【0010】
[1]併用投与用の、抗HER2抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤とを含む医薬品であって、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、下記式:
【化1】
(式中、Aは、抗体への接続位置を表す)で表される薬物-リンカーが、チオエーテル結合を介して抗HER2抗体にコンジュゲートしている、抗体-薬物コンジュゲートである、医薬品;
【0011】
[2]前記ATM阻害剤は、下記式(I):
【化2】
(式中、
R
1は、メチルであり;
R
2は、水素若しくはメチルであるか;又はR
1及びR
2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、若しくはピペリジニル環を形成しており;
R
3は、水素又はフルオロであり;
R
4は、水素又はメチルであり;
R
5は、水素又はフルオロである)
で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩である、[1]に記載の医薬品;
【0012】
[3]式(I)中、R1及びR2は両方とも、メチルであるか;又はR1及びR2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、又はピペリジニル環を形成している、[2]に記載の医薬品;
【0013】
[4]式(I)中、R1及びR2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、又はピペリジニル環を形成している、[2]又は[3]に記載の医薬品;
【0014】
[5]式(I)中、R3は、水素である、[2]~[4]のいずれか一つに記載の医薬品;
【0015】
[6]式(I)中、R4は、メチルである、[2]~[5]のいずれか一つに記載の医薬品;
【0016】
[7]式(I)中、R5は、フルオロである、[2]~[6]のいずれか一つに記載の医薬品;
【0017】
[8]式(I)中、
R1は、メチルであり;
R2は、メチルであるか;又はR1及びR2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、若しくはピペリジニル環を形成しており;
R3は、水素又はフルオロであり;
R4は、メチルであり;
R5は、水素又はフルオロである、
[2]に記載の医薬品;
【0018】
[9]前記ATM阻害剤は、下記式:
【化3】
で表されるAZD1390(AZ13791971としても既知である)、又はその薬学的に許容される塩である、[2]に記載の医薬品;
【0019】
[10]前記抗HER2抗体は、配列番号3[=配列番号1のアミノ酸残基26~33]で表されるアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号4[=配列番号1のアミノ酸残基51~58]で表されるアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号5[=配列番号1のアミノ酸残基97~109]で表されるアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖と、配列番号6[=配列番号2のアミノ酸残基27~32]で表されるアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号7のアミノ酸残基1~3[=配列番号2のアミノ酸残基50~52]からなるアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号8[=配列番号2のアミノ酸残基89~97]で表されるアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖とを含む抗体である、[1]~[9]のいずれか一つに記載の医薬品;
【0020】
[11]前記抗HER2抗体は、配列番号9[=配列番号1のアミノ酸残基1~120]で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖と、配列番号10[=配列番号2のアミノ酸残基1~107]で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖とを含む抗体である、[1]~[9]のいずれか一つに記載の医薬品;
【0021】
[12]前記抗HER2抗体は、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖とを含む抗体である、[1]~[9]のいずれか一つに記載の医薬品;
【0022】
[13]前記抗HER2抗体は、配列番号11[=配列番号1のアミノ酸残基1~449]で表されるアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖とを含む抗体である、[1]~[9]のいずれか一つに記載の医薬品;
【0023】
[14]前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、下記式:
【化4】
(式中、「抗体」は、チオエーテル結合を介して前記薬物-リンカーにコンジュゲートしている前記抗HER2抗体を示しており、nは、前記抗体-薬物コンジュゲート中の1つの抗体分子当たりのコンジュゲートした前記薬物-リンカーの単位の平均数を示しており、nは、7~8の範囲である)で表される、[1]~[13]のいずれか一つに記載の医薬品;
【0024】
[15]前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)である、[1]~[14]のいずれか一つに記載の医薬品;
【0025】
[16]前記製品は、同時投与用の、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤とを含む組成物である、[1]~[15]のいずれか一つに記載の医薬品;
【0026】
[17]前記製品は、連続投与又は同時投与用の、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤とを含む複合製剤である、[1]~[15]のいずれか一つに記載の医薬品;
【0027】
[18]前記製品は、癌の処置用である、[1]~[17]のいずれか一つに記載の医薬品;
【0028】
[19]前記癌は、乳癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、食道癌、頭頸部癌、食道胃接合部腺癌、胆道癌、パジェット病、膵癌、卵巣癌、子宮癌肉腫、尿路上皮癌、前立腺癌、膀胱癌、胃腸間質腫瘍、消化管間質腫瘍、子宮頸癌、扁平上皮癌、腹膜癌、肝癌、肝細胞癌、子宮体癌腫、腎癌、外陰癌、甲状腺癌、陰茎癌、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、神経膠腫、多形性膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及び黒色腫からなる群から選択される少なくとも1つである、[18]に記載の医薬品;
【0029】
[20]前記癌は、乳癌である、[18]に記載の医薬品;
【0030】
[21]前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC 3+である、[20]に記載の医薬品;
【0031】
[22]前記乳癌は、HER2低発現乳癌である、[20]に記載の医薬品;
【0032】
[23]前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC 2+である、[20]に記載の医薬品;
【0033】
[24]前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC 1+である、[20]に記載の医薬品;
【0034】
[25]前記乳癌は、HER2ステータススコアがIHC >0であり且つ<1+である、[20]に記載の医薬品;
【0035】
[26]前記乳癌は、三種陰性乳癌である、[20]に記載の医薬品;
【0036】
[27]前記癌は、胃癌である、[18]に記載の医薬品;
【0037】
[28]前記癌は、結腸直腸癌である、[18]に記載の医薬品;
【0038】
[29]前記癌は、肺癌である、[18]に記載の医薬品;
【0039】
[30]前記肺癌は、非小細胞肺癌である、[29]に記載の医薬品;
【0040】
[31]前記癌は、膵癌である、[18]に記載の医薬品;
【0041】
[32]前記癌は、卵巣癌である、[18]に記載の医薬品;
【0042】
[33]前記癌は、前立腺癌である、[18]に記載の医薬品;
【0043】
[34]前記癌は、腎癌である、[18]に記載の医薬品;
【0044】
[35]癌の処置での使用のための、[1]~[17]のいずれか一つで定義されている医薬品;
【0045】
[36]前記癌は、[19]~[34]のいずれか一つで定義されている通りである、[35]に記載の使用のための医薬品;
【0046】
[37]癌の処置用の、抗HER2抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤とを組み合わせて投与するための薬剤の製造における前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲート又は前記ATM阻害剤の使用であって、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤とが、[1]~[15]のいずれか一つで定義されている通りである、使用;
【0047】
[38]前記癌は、[19]~[34]のいずれか一つで定義されている通りである、[37]に記載の使用;
【0048】
[39]前記薬剤は、同時投与用の、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤とを含む組成物である、[37]又は[「38]に記載の使用;
【0049】
[40]前記薬剤は、連続投与又は同時投与用の、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤とを含む複合製剤である、[37]又は[「38]に記載の使用;
【0050】
[41]癌の処置での、ATM阻害剤と組み合わされた使用のための抗HER2抗体-薬物コンジュゲートであって、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤とは、[1]~[15]のいずれか一つで定義されている通りである、抗HER2抗体-薬物コンジュゲート;
【0051】
[42]前記癌は、[19]~[34]のいずれか一つで定義されている通りである、[41]に記載の使用ための抗HER2抗体-薬物コンジュゲート;
【0052】
[43]前記使用は、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤との連続投与を含む、[41]又は[42]に記載の使用のための抗HER2抗体-薬物コンジュゲート;
【0053】
[44]前記使用は、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤との同時投与を含む、[41]又は[42]に記載の使用のための抗HER2抗体-薬物コンジュゲート;
【0054】
[45]癌の処置での、抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと組み合わされた使用のためのATM阻害剤であって、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤とは、[1]~[15]のいずれか一つで定義されている通りである、ATM阻害剤;
【0055】
[46]前記癌は、[19]~[34]のいずれか一つで定義されている通りである、[45]に記載の使用のためのATM阻害剤;
【0056】
[47]前記使用は、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤との連続投与を含む、[45]又は「46]に記載の使用のためのATM阻害剤;
【0057】
[48]前記使用は、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤との同時投与を含む、[45]又は「46]に記載の使用のためのATM阻害剤;
【0058】
[49]癌を処置する方法であって、必要な対象に、[1]~[15]のいずれか一つで定義されている抗HER2抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤とを組み合わせて投与することを含む方法;
【0059】
[50]前記癌は、[19]~[34]のいずれか一つで定義されている通りである、[49]に記載の方法;
【0060】
[51]前記方法は、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤とを連続的に投与することを含む、[49]又は「50]に記載の方法;
並びに
【0061】
[52]前記方法は、前記抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと前記ATM阻害剤とを同時に投与することを含む、[49]又は「50]に記載の方法。
【0062】
開示の有利な効果
本開示は、リンカー構造を介して抗HER2抗体にコンジュゲートしている抗腫瘍剤を有する抗HER2抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤とを併用投与する医薬品、並びに特定の抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤とを対象に併用投与する治療上の使用及び治療方法を提供する。そのため、本開示は、癌の処置において優れた抗腫瘍効果を得ることができる薬剤及び処置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】抗HER2抗体の重鎖のアミノ酸配列(配列番号1)を示す図である。
【
図2】抗HER2抗体の軽鎖のアミノ酸配列(配列番号2)を示す図である。
【
図3】重鎖CDRH1のアミノ酸配列(配列番号3[=配列番号1のアミノ酸残基26~33])を示す図である。
【
図4】重鎖CDRH2のアミノ酸配列(配列番号4[=配列番号1のアミノ酸残基51~58])を示す図である。
【
図5】重鎖CDRH3のアミノ酸配列(配列番号5[=配列番号1のアミノ酸残基97~109])を示す図である。
【
図6】軽鎖CDRL1のアミノ酸配列(配列番号6[=配列番号2のアミノ酸残基27~32])を示す図である。
【
図7】軽鎖CDRL2のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列(SAS)(配列番号7[=配列番号2のアミノ酸残基50~56])を示す図である。
【
図8】軽鎖CDRL3のアミノ酸配列(配列番号8[=配列番号2のアミノ酸残基89~97])を示す図である。
【
図9】重鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号9[=配列番号1のアミノ酸残基1~120])を示す図である。
【
図10】軽鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号10[=配列番号2のアミノ酸残基1~107])を示す図である。
【
図11】重鎖のアミノ酸配列(配列番号11[=配列番号1のアミノ酸残基1~449])を示す図である。
【
図12A-12B】HER2発現が様々な3種の乳癌細胞系統と、HER2発現が高い1種の胃細胞系統とにおける、DS-8201とAZD1390(AZ13791971;ATM阻害剤)とを組み合わせたハイスループットスクリーニングにより得られた組合わせマトリックスを示す図である。
【
図13】(A)コントロールの割合としての相対的総細胞数、並びに(B)Loeweスコア、Blissスコア、及びHSAスコアの観点からの、HER2-高KPL4細胞系統におけるDS-8201とAZD1390との組合わせに関する相乗マトリックスを示す図である。
【
図14】(A)HER2-高KPL4細胞系統及び(B)HER2-陰性MDA-MB-468細胞系統における、DS-8201とAZD1390との組合わせに関する時間ゼロと比較した処置後に残存する総細胞の変化を示す図である。
【
図15】(A)HER2-高KPL4細胞系統又は(B)HER2-低MDA-MB-468細胞系統における、DS-8201とAZD1390との組合わせに関するATM依存性KAP1 pSer824シグナル伝達の誘導、DNA二本鎖切断損傷(γH2AX)バイオマーカー、又は細胞数の割合(対溶媒コントロール)を示す図である。
【
図16】1mg/kg又は3mg/kgのDS-8201単独で処置した、及び10mg/kgのAZD1390との組合わせで処置した、NCI-N87腫瘍を皮下移植した雌のヌードマウスの処置群に関する腫瘍体積の経時変化を示す図である。
【
図17】(A)NCI-N87(胃癌)及び(B)KPL4(乳癌)細胞系統における、DS8201又はメシル酸エキサテカンとADZ1390とを組み合わせた抗体ブロット画像を示す図である。
【
図18】(A)及び(B)は、HER2-高NCI-H2170(肺癌)細胞系統における、DS-8201とAZD1390(ATM阻害剤)とを組み合わせたハイスループットスクリーニングにより得られた組合わせマトリックスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本開示がより容易に理解され得るようにするために、ある特定の用語を最初に定義する。追加の定義については、詳細な説明全体を通して記載する。
【0065】
本開示を詳述する前に、本開示は特定の組成物又は方法の工程に限定されず、それ故に変更可能であることを理解しなければならい。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、別途文脈が明確に指示しない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数の指示対象を含む。「a」(又は「an」)という用語、並びに「1又は複数」及び「少なくとも1」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。
【0066】
更に、本明細書で使用される「及び/又は」は、他の特徴又は構成要素の有無にかかわらず、2つの特定の特徴又は構成要素のそれぞれの具体的な開示であると見なされなければならない。そのため、「及び/又は」という用語は、本明細書において「A及び/又はB」等の語句で使用される場合には、「A及びB」、「A又はB」、「A」(単独)、及び「B」(単独)を含むことが意図されている。同様に、「及び/又は」という用語は、「A、B、及び/又はC」等の語句で使用される場合には、下記の態様の内のいずれかを包含することが意図されている:A、B、及びC;A、B、又はC;A又はC;A又はB;B又はC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);並びにC(単独)。
【0067】
別途定義されない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は全て、本開示が関連する技術分野の当業者により通常理解されるのと意味と同じ意味を有する。例えば、Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology,Juo,Pei-Show,2nd ed.,2002,CRC Press;The Dictionary of Cell and Molecular Biology,3rd ed.,1999,Academic Press;及びOxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology,Revised,2000,Oxford University Pressが、当業者に、本開示で使用される用語の多くの一般辞書を提供する。
【0068】
単位、接頭辞、及び記号は、これらの国際単位系(SI)で認められている形態で表記される。数値範囲には、当該範囲を定義する数が含まれる。
【0069】
本明細書中で態様が「含む」という語と共に説明される場合は常に、「からなる」及び/又は「から本質的になる」という用語で説明される、他の点では類似の態様も提供されることを理解されたい。「阻害する」、「ブロックする」、及び「抑制する」という用語は、本明細書では互換的に使用され、生物学的活性の任意の統計学的に有意な減少(例えば、この活性の完全なブロック)を指す。例えば、「阻害」は、生物学的活性の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%の減少を指し得る。細胞分裂速度、及び/又は細胞集団内において細胞分裂を起こす細胞の割合、及び/又は終末分化若しくは細胞死(例えば、チミジン取込み)に起因する細胞集団からの細胞損失率を測定する、当該技術分野で認められている技法を使用して、細胞増殖をアッセイし得る。
【0070】
「対象」という用語は、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類、及び同類のものが挙げられるがこれらに限定されない、特定の処置のレシピエントとなるあらゆる動物(例えば哺乳動物)を指す。典型的には、「対象」及び「患者」という用語は、ヒト対象に関連して、本明細書において互換的に使用される。
【0071】
「医薬品」という用語は、全ての有効成分を含む組成物(同時投与用)又は有効成分の内の少なくとも1種を含むが全てを含むわけではない別々の組成物の組合わせ(複合製剤)(連続投与又は同時投与用)のいずかとして、有効成分の生物学的活性を許容するような形態であり、且つこの製品が投与されるであろう対象に対して許容されない毒性を示す追加の成分を含まない製剤を指す。そのような製品は、無菌であり得る。「同時投与」は、有効成分が同時に投与されることを意味する。「連続投与」は、有効成分が、個々の投与間のある時間間隔にて、いずれかの順序で、次々に投与されることを意味する。この時間間隔は、例えば、24時間未満であり得、好ましくは6時間未満であり得、より好ましくは2時間未満であり得る。
【0072】
「処置すること(treating)」若しくは「処置(treatment)」若しくは「処置する(to treat)」、又は「緩和すること(alleviating)」若しくは「緩和する(to alleviate)」等の用語は、(1)診断された病的な状態又は障害の症状を治癒し、減速させ、減少させ、及び/又はその進行を停止させる治療的措置と、(2)標的とする病的な状態又は障害の発症を予防し、及び/又は減速させる予防的(prophylactic)措置又は予防的(preventative)措置との両方を指す。そのため、処置が必要な者として、既に障害を有する者、障害を有する傾向がある者、及び障害を予防すべき者が挙げられる。ある特定の態様では、患者は、例えば、ある特定のタイプの癌の完全な、部分的な、又は一時的な寛解を示す場合には、本開示の方法に従って癌が首尾よく「処置」されている。
【0073】
「癌」、「腫瘍」、「癌性」、及び「悪性」という用語は、典型的には無秩序な細胞増殖を特徴とする哺乳動物における生理的状態を指すか、又は説明する。癌の例として下記が挙げられるが、これらに限定されない:乳癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌、食道癌、頭頸部癌、食道胃接合部腺癌、胆道癌、パジェット病、膵癌、卵巣癌、子宮癌肉腫、尿路上皮癌、前立腺癌、膀胱癌、胃腸間質腫瘍、消化管間質腫瘍、子宮頸癌、扁平上皮癌、腹膜癌、肝癌、肝細胞癌、子宮体癌腫、腎癌、外陰癌、甲状腺癌、陰茎癌、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、神経膠腫、多形性膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及び黒色腫。癌として、血液悪性腫瘍(例えば、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫)、並びに固形腫瘍(例えば、乳癌、肺癌、神経芽細胞腫、及び結腸癌)が挙げられる。
【0074】
「細胞毒性剤」という用語は、本明細書で使用される場合、広く定義されており、且つ細胞の機能を阻害するか若しくは防止し、及び/又は細胞の破壊(細胞死)を引き起こし、及び/又は抗新生物/抗増殖性効果を示す物質を指す。例えば、細胞毒性剤は、新生腫瘍細胞の発生、成熟、又は拡散を直接的に又は間接的に防止する。この用語には、細胞増殖抑制効果のみを引き起こし、単なる細胞毒性効果を引き起こさないような薬剤も含まれる。この用語には、下記に規定される化学療法剤、並びに他のHER2アンタゴニスト、抗血管新生剤、チロシンキナーゼ阻害剤、プロテインキナーゼA阻害剤、サイトカインファミリのメンバー、放射性同位体、及び毒素(例えば、細菌、真菌、植物、又は動物起源の酵素学的に活性な毒素)が含まれる。
「化学療法剤」という用語は、天然又は合成の化合物を含む「細胞毒性剤」という用語の部分集合である。
【0075】
本開示の方法又は使用によれば、本開示の化合物を患者に投与して、癌に関する正の治療奏効を促進し得る。癌処置に関する「正の治療奏効」という用語は、この疾患に伴う症状の改善を指す。例えば、疾患の改善は、完全奏効を特徴とし得る。「完全奏効」という用語は、任意の事前の試験結果の正常化を伴う、臨床的に検出可能な疾患の不存在を指す。或いは、疾患の改善は、部分奏効であると分類され得る。「正の治療奏効」には、癌の進行及び/若しくは持続期間の低減若しくは阻害、癌の重症度の低減若しくは改善、及び/又は本開示の化合物の投与により生じる1つ若しくは複数のその症状の改善が包含される。具体的な態様では、そのような用語は、本開示の化合物の投与後の1つ、2つ、若しくは3つ、又はより多くの結果を指す:
(1)癌細胞集団の安定化、低減、又は排除;
(2)癌成長の安定化又は低減;
(3)癌形成の低下;
(4)原発性、局所性、及び/又は転移性の癌の根絶、除去、又は制御;
(5)死亡率の低減;
(6)無病、無再発、無進行、及び/又は全生存の持続期間又は割合の増加;
(7)応答率、応答持続性、又は応答するか若しくは寛解する患者数の増加;
(8)入院率の減少;
(9)入院期間の短縮;
(10)癌のサイズが維持されており、且つ増加しないか又は10%未満、好ましくは5%未満、好ましくは4%未満、好ましくは2%未満だけ増加すること;並びに
(11)寛解患者数の増加;
(12)他の場合に癌の処置に必要となるであろうアジュバント療法剤(例えば、化学療法剤又はホルモン療法剤)の数の減少。
【0076】
臨床奏効を、下記を使用して評価し得る:スクリーニング技術、例えば、PET、磁気共鳴イメージング(MRI)スキャン、X放射線イメージング、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、フローサイトメトリー若しくは蛍光活性化セルソーター(FACS)分析、組織学的検査、肉眼的所見、及び血液化学検査、例えば、限定されないが、ELISA、RIA、クロマトグラフィー、及び同類のものにより検出可能な変化。これらの正の治療奏効に加えて、治療を受けている対象は、疾患に伴う症状の改善の有益な効果を受け得る。
【0077】
本明細書で使用される場合、「有効量」という語句は、処置すべき症状及び/又は状態を有意に且つ正に変化させる(例えば、正の臨床奏効を提供する)のに十分である化合物又は組成物の量を意味する。医薬品で使用される有効成分の有効量は、処置されている特定の状態、この状態の重症度、処置期間、併用療法の性質、使用されている特定の有効成分、使用されている特定の薬学的に許容される賦形剤/担体、並びに主治医の知識及び専門的技術内の同様な因子により変化することになる。具体的には、抗体-薬物コンジュゲートと組み合わせて癌の処置で使用される式(I)の化合物の有効量は、この組合わせが、温血動物(例えばヒト)における症状を緩和するのに、癌の症状を緩和するのに、癌の進行を遅延させるのに、又は癌の症状を有する患者において悪化リスクを低減させるのに十分であるような量である。
【0078】
「任意選択的に」という用語が使用される場合には、これに続く特徴が存在してもよいし存在しなくてもよいことが意図されている。従って、「任意選択的に」という用語の使用には、この特徴が存在する事例が含まれ、更にはこの特徴が存在しない事例も含まれる。例えば、「1つのメトキシ基で任意選択的に置換されている」基として、メトキシ置換基を有する基と、メトキシ置換基を有しない基とが挙げられる。
【0079】
「置換されている」という用語は、置換基を担持する任意の原子が許容原子価を維持するという条件で、明示された基上の1つ又は複数の水素(例えば、1つ若しくは2つの水素、或いは1つの水素)が、表示された置換基(例えば、1つ若しくは2つの置換基、或いは1つの置換基)で置き換えられていることを意味する。置換基の組み合わせは、安定化合物及び安定合成中間体のみを包含する。「安定した」は、関連する化合物又は中間体が単離される上で十分に頑健であり、且つ合成中間体又は潜在的な治療有用性を有する薬剤の何れかとして有用性を有することを意味する。ある基が「置換されている」又は「任意選択的に置換されている」と説明されていない場合には、非置換と(即ち、明示された基上の何れの水素も置き換えられていないと)見なさなければならない。
【0080】
「薬学的に許容される」という用語は、ある物体(例えば、塩、剤形、又は賦形剤)が、患者における使用に適していることを明記するために使用される。薬学的に許容される塩の例となるリストを、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,P.H.Stahl and C.G.Wermuth,editors,Weinheim/Zuerich:Wiley-VCH/VHCA,2002の中に見出し得る。式(I)又は(II)の化合物の好適な薬学的に許容できる塩は、例えば酸付加塩である。式(I)又は(II)の化合物の酸付加塩を、この化合物を当業者に既知の条件下で好適な無機酸又は有機酸と接触させることにより形成し得る。酸付加塩を、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、及びリン酸からなる群から選択される無機酸を使用して形成し得る。また、酸付加塩を、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸、シュウ酸、酢酸、ギ酸、安息香酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸からなる群から選択される有機酸を使用しても形成し得る。
【0081】
従って、式(I)若しくは(II)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の一実施形態では、この薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、ピルビン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、又はパラ-トルエンスルホン酸塩である。式(I)若しくは(II)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態では、この薬学的に許容される塩は、メタンスルホン酸塩である。式(I)若しくは(II)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態では、この薬学的に許容される塩は、モノ-メタンスルホン酸塩であり、即ち、式(I)又は(II)の化合物対メタンスルホン酸の化合物の化学量論は、1:1である。
【0082】
本明細書中で説明されている化合物及び塩は、溶媒和形態及び非溶媒和形態で存在し得る。例えば、溶媒和形態は、水和形態であり得、例えば、半水化物、一水和物、二水和物、三水和物、又はその代替量であり得る。本開示は、式(I)又は(II)の化合物のそのような溶媒和形態及び非溶媒和形態の全てを、特に、そのような形態がATMキナーゼ阻害活性を有する限りにおいて包含する。
【0083】
本明細書中で説明されている化合物及び塩の原子は、これらの同位体として存在し得る。本開示は、式(I)又は(II)の全ての化合物であって、原子が、その同位体の内の1つ又は複数に置き換えられている、化合物(例えば、1つ若しくは複数の炭素原子が、11C若しくは13C炭素同位体であるか、又は1つ若しくは複数の水素原子が、2H若しくは3H同位体である、式(I)又は(II)の化合物、又は1つ若しくは複数のフッ素原子が、18F同位体である、式(I)若しくは(II)の化合物)を包含する。
【0084】
本明細書で説明されている化合物及び塩は、互変異性体の混合物として存在し得る。「互変異性体」は、水素原子の移動からもたらされる、平衡状態で存在する構造異性体である。本開示は、式(I)又は(II)の化合物の全ての互変異性体を、特に、そのような互変異性体がATMキナーゼ阻害活性を有する限りにおいて含む。
【0085】
本明細書で説明されている化合物及び塩は、1つ又は複数の不斉炭素原子に起因して、光学活性形態又はラセミ形態で存在し得る。本開示は、ATMキナーゼ阻害活性を有する、式(I)又は(II)の化合物のあらゆる光学活性形態又はラセミ形態を含む。光学活性形態の合成を、当該技術分野で公知の有機化学の標準的技術により実行し得、例えば、光学活性材料を使用する合成により実行し得るか、又はラセミ形態の分割により実行し得る。
【0086】
従って、式(I)若しくは(II)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の一実施形態では、この化合物は、鏡像体過剰率(%ee)が≧95%、≧98%、又は≧99%である単一光学異性体である。別の実施形態では、この単一光学異性体は、≧99%の鏡像体過剰率(%ee)で存在している。
【0087】
本明細書で説明されている化合物及び塩は、結晶性であり得、且つ1種又は複数種の結晶形態を呈し得る。本開示は、ATMキナーゼ阻害活性を有する、式(I)若しくは(II)の化合物のあらゆる結晶形態若しくは非結晶形態、又はそのような形態の混合物を包含する。
【0088】
実施形態の説明
下記で、本開示を実行するための好ましい態様を説明する。下記で説明されている実施形態は、本開示の典型的な実施形態の一例を説明するために示されているにすぎず、本開示の範囲を限定することは意図されていない。
【0089】
1.抗体-薬物コンジュゲート
本開示で使用される抗体-薬物コンジュゲートは、下記式:
【化5】
(式中、Aは、抗体への接続位置を表す)で表される薬物-リンカーが、
チオエーテル結合を介して抗HER2抗体にコンジュゲートしている、抗体-薬物コンジュゲートである。
【0090】
本開示では、抗体-薬物コンジュゲート中のリンカー及び薬物からなる部分構造は、「薬物-リンカー」と称される。この薬物-リンカーは、抗体中の鎖間ジスルフィド結合部位(重鎖間の2箇所の部位、及び重鎖と軽鎖との間の2箇所の部位)で形成されているチオール基(換言すると、システイン残基の硫黄原子)に接続されている。
【0091】
本開示の薬物-リンカーは、構成要素として、トポイソメラーゼI阻害剤であるエキサテカン(IUPAC名:(1S,9S)-1-アミノ-9-エチル-5-フルオロ-1,2,3,9,12,15-ヘキサヒドロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10H,13H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13-ジオン(化学名:(1S,9S)-1-アミノ-9-エチル-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン)としても表される)を含む。エキサテカンは、抗腫瘍効果を有するカンプトテシン誘導体であり、下記式:
【化6】
で表される。
【0092】
本開示で使用される抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、下記式:
【化7】
でも表され得る。
【0093】
従って、この薬物-リンカーは、チオエーテル結合を介して抗HER2抗体(「抗体-])にコンジュゲートしている。nの意味は、いわゆるコンジュゲートした薬物分子の平均数(DAR:薬物対コンジュゲート比)の意味と同じであり、1つの抗体分子当たりのコンジュゲートした薬物-リンカーの単位の平均数を示す。
【0094】
癌細胞中に移動した後、本開示で使用される抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、リンカー部分で開裂され、下記式:
【化8】
で表される化合物が放出される。
【0095】
この化合物は、本開示で使用される抗体-薬物コンジュゲートの抗腫瘍活性の起源であると推察され、トポイソメラーゼI阻害効果を有することが確認されている(Ogitani Y.et al.,Clinical Cancer Research,2016,Oct 15;22(20):5097-5108,Epub 2016 Mar 29)。
【0096】
本開示で使用される抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、バイスタンダー効果を有することが知られている(Ogitani Y.et al.,Cancer Science(2016)107,1039-1046)。このバイスタンダー効果は、本開示で使用される抗体-薬物コンジュゲートが、標的を発現している癌細胞中に内部移行し、次いで、放出された化合物が、周囲に存在しており且つ標的を発現していない癌細胞に対しても抗腫瘍効果を発揮するプロセスを介して発揮される。このバイスタンダー効果は、抗HER2抗体-薬物コンジュゲートが、本開示に係るATM阻害剤と組み合わせて使用される場合であっても、優れた抗腫瘍効果として発揮される。
【0097】
2.抗体-薬物コンジュゲート中の抗体
本開示で使用される抗体-薬物コンジュゲート中の抗HER2抗体は、あらゆる種に由来し得、好ましくは、ヒト、ラット、ウマ、又はウサギに由来する抗HER2抗体である。この抗体は、ヒト種以外の種に由来する場合には、好ましくは、公知の技法を使用してキメラ化されているか、又はヒト化されている。この抗HER2抗体は、ポリクローナル抗体であってもよいしモノクローナル抗体であってもよく、好ましくはモノクローナル抗体である。
【0098】
本開示で使用される抗体-薬物コンジュゲート中の抗体は、癌細胞を標的とし得る特性を好ましくは有する抗HER2抗体であり、好ましくは、例えば、癌細胞を認識する性質、癌細胞に結合する性質、癌細胞中に内部移行する性質、及び/又は癌細胞に対する細胞破壊活性を有する抗体である。
【0099】
癌細胞に対する抗HER2抗体の結合活性を、フローサイトメトリーを使用して確認し得る。癌細胞への抗体の内部移行を、下記を使用して確認し得る:(1)治療用抗体への二次抗体(蛍光標識されている)の結合を使用して、蛍光顕微鏡下で、細胞に取り込まれた抗体を可視化するアッセイ(Cell Death and Differentiation(2008)15,751-761)、(2)治療用抗体への二次抗体(蛍光標識されている)の結合を使用して、細胞に取り込まれた蛍光強度を測定するアッセイ(Molecular Biology of the Cell,Vol.15,5268-5282,December 2004)、又は(3)治療用抗体への免疫毒素の結合を使用するMab-ZAPアッセイであって、この毒素は、細胞への取込み時に放出されて細胞増殖を阻害する、Mab-ZAPアッセイ(Bio Techniques 28:162-165,January 2000)。免疫毒素として、ジフテリア毒素の触媒ドメインとプロテインGとの組換え複合タンパク質を使用し得る。
【0100】
本抗HER2抗体の抗腫瘍活性を、細胞増殖に対する阻害活性を決定することにより、インビトロで確認し得る。例えば、この抗体の標的タンパク質としてHER2を過剰発現している癌細胞系統を培養し、この培養系に、様々な濃度でこの抗体を添加して、フォーカス形成、コロニー形成、及びスフェロイド増殖に対する阻害活性を決定する。抗腫瘍活性を、例えば、標的タンパク質を高発現している癌細胞系統が移植されたヌードマウスに、この抗体を投与し、この癌細胞中での変化を決定することにより、インビボで確認し得る。
【0101】
抗HER2抗体-薬物コンジュゲート中のコンジュゲートしている化合物は、抗腫瘍効果を発揮することから、抗HER2抗体自体が抗腫瘍効果を有するであろうことが好ましいが、必須ではない。癌細胞に対して抗腫瘍化合物の細胞毒性活性を特異的に且つ選択的に発揮するという目的のために、抗HER2抗体は、癌細胞へと内在化して移行する性質を有するであろうことが重要であり、且つ同様に好ましい。
【0102】
本開示で使用される抗体-薬物コンジュゲート中の抗HER2抗体を、当該技術分野で既知の手順により得ることができる。例えば、本開示の抗体を、当該技術分野で通常実行される方法を使用して得ることができ、この方法は、抗原ポリペプチドで動物を免疫化すること、及びインビボで産生された抗体を回収して精製することを含む。この抗原の起源は、ヒトに限定されず、動物を、マウス、ラット、及び同類のもの等の非ヒト動物に由来する抗原で免疫化し得る。この場合には、得られた異種抗原に結合する抗体と、ヒト抗原との交差反応性を試験して、ヒト疾患に適用可能な抗体に関してスクリーニングし得る。
【0103】
或いは、抗原に対する抗体を産生する抗体産生細胞を、当該技術分野で既知の方法(例えば、Kohler and Milstein,Nature(1975)256,p.495-497;及びKennet,R.ed.,Monoclonal Antibodies,p.365-367,Plenum Press,N.Y.(1980))に従って骨髄腫細胞と融合させて、ハイブリドーマを確立し、次いで、このハイブリドーマから、モノクローナル抗体を得ることができる。
【0104】
宿主細胞を遺伝子操作して、抗原タンパク質をコードする遺伝子を産生させることにより、抗原を得ることができる。具体的には、抗原遺伝子の発現を可能にするベクターを調製し、宿主細胞に導入して、この遺伝子を発現させる。そのようにして発現された抗原を、精製し得る。上記で説明されている遺伝子操作抗原発現細胞、又はこの抗原を発現する細胞系統で、動物を免疫化する方法によっても、本抗体を得ることができる。
【0105】
本開示で使用される抗体-薬物コンジュゲート中の抗HER2抗体は、好ましくは、キメラ抗体又はヒト化抗体等のヒトに対する異種抗原性を低下させる目的のために人工改変により得られた組換え抗体であるか、又は好ましくは、ヒト由来の抗体(即ち、ヒト抗体)の遺伝子配列のみを有する抗体である。これらの抗体を、既知の方法を使用して製造し得る。
【0106】
キメラ抗体として、抗体の可変領域及び定常領域が異なる種由来である抗体(例えば、マウス又はラットに由来する抗体の可変領域がヒト由来抗体の定常領域に接続されているキメラ抗体)を例示し得る(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81,6851-6855,(1984))。
【0107】
ヒト化抗体として、異種抗体の相補性決定領域(CDR)のみをヒト由来抗体に組み込むことにより得られる抗体(Nature(1986)321,pp.522-525)、及びCDR移植方法によりヒト抗体に異種抗体のフレームワークのアミノ酸残基の一部とこの異種抗体のCDR配列とを移植することにより得られる抗体(国際公開第90/07861号パンフレット)、及び遺伝子変換変異誘発戦略を使用してヒト化された抗体(米国特許第5821337号明細書)を例示し得る。
【0108】
ヒト抗体として、ヒト抗体の重鎖及び軽鎖の遺伝子を含むヒト染色体断片を有するヒト抗体産生マウスを使用することにより生成された抗体(Tomizuka,K.et al.,Nature Genetics(1997)16,p.133-143;Kuroiwa,Y.et.al.,Nucl.Acids Res.(1998)26,p.3447-3448;Yoshida,H.et.al.,Animal Cell Technology:Basic and Applied Aspects vol.10,p.69-73(Kitagawa,Y.,Matsuda,T.and Iijima,S.eds.),Kluwer Academic Publishers,1999;Tomizuka,K.et.al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(2000)97,p.722-727等を参照されたい)を例示し得る。代替として、ファージディスプレイにより得られた抗体、ヒト抗体ライブラリから選択された抗体(Wormstone,I.M.et.al,Investigative Ophthalmology&Visual Science.(2002)43(7),p.2301-2308;Carmen,S.et.al.,Briefings in Functional Genomics and Proteomics(2002),1(2),p.189-203;Siriwardena,D.et.al.,Ophthalmology(2002)109(3),p.427-431等を参照されたい)を例示し得る。
【0109】
本開示では、本開示で使用されている抗体-薬物コンジュゲート中の抗HER2抗体の改変バリアントも含まれる。この改変バリアントは、本開示に係る抗体を化学的改変又は生物学的改変に供することにより得られるバリアントを指す。化学的改変バリアントの例として、下記が挙げられる:アミノ酸骨格への化学的部位の連結を含むバリアント、N連結型又はO連結型の炭水化物鎖への化学的部位の連結を含むバリアント等。生物学的改変バリアントの例として、下記が挙げられる:翻訳後改変(例えば、N連結型若しくはO連結型のグリコシル化、N末端若しくはC末端の処理、脱アミド化、アスパラギン酸の異性化、又はメチオニンの酸化)により得られるバリアント、及び原核宿主細胞中で発現されることによりN末端にメチオニン残基が付加されているバリアント。さらに、本開示に係る抗体又は抗原の検出又は単離を可能にするように標識された抗体(例えば、酵素標識抗体、蛍光標識抗体、及び親和性標識抗体)も、改変バリアントの意味に含まれる。本開示に係る抗体のそのような改変バリアントは、抗体の安定性及び血液中保持の改善、その抗原性の低減、抗体又は抗原の検出又は単離、及び同類のものに有用である。
【0110】
さらに、本開示に係る抗体に連結されているグリカンの改変(グリコシル化、脱フコシル化等)を調節することにより、抗体依存性細胞毒性活性を増強し得る。抗体のグリカンの改変を調節する技術として、国際公開第99/54342号パンフレット、同第00/61739号パンフレット、同第02/31140号パンフレット、同第2007/133855号パンフレット、同第2013/120066号パンフレット等で開示されているものが知られている。しかしながら、この技術は、これらに限定されない。本開示に係る抗HER2抗体では、グリカンの改変が調節されている抗体も含まれる。
【0111】
培養された哺乳動物細胞中で産生された抗体の重鎖のカルボキシル末端のリシン残基が欠失していることが既知であり、(Journal of Chromatography A,705:129-134(1995))、及び培養された哺乳動物細胞中で産生された抗体の重鎖のカルボキシル末端で2つのアミノ酸残基(グリシン及びリシン)が欠失しており、このカルボキシル末端に新たに位置するプロリン残基がアミド化されていることも既知である(Analytical Biochemistry,360:75-83(2007))。しかしながら、重鎖のそのような欠失及び改変は、本抗体の抗原結合親和性及びエフェクター機能(補体の活性化、抗体依存性細胞毒性等)に影響を及ぼさない。従って、本開示に係る抗HER2抗体では、そのような改変に供された抗体、及びこの抗体の機能的断片も含まれ、1つ又は2つのアミノ酸が重鎖のカルボキシル末端で欠失している欠失バリアント、欠失バリアントのアミド化により得られるバリアント(例えば、カルボキシル末端のプロリン残基がアミド化されている重鎖)、及び同類のものも含まれる。本開示に係る抗HER2抗体の重鎖のカルボキシル末端で欠失を有する欠失バリアントの種類は、抗原結合親和性及びエフェクター機能が保存されている限り、上記のバリアントに限定されない。本開示に係る抗体を構成する2本の重鎖は、完全長の重鎖と、上記で説明されている欠失バリアントとからなる群から選択される1種であってもよいし、これらから選択される2種の組合わせであってもよい。各欠失バリアントの量の比は、本開示に係る抗HER2抗体を産生する培養された哺乳動物細胞の種類、及び培養条件による影響を受ける可能性があるが、本開示に係る抗体の2本の重鎖の両方においてカルボキシル末端での1つのアミノ酸残基が欠失している抗体が、好ましいものとして例示され得る。
【0112】
本開示に係る抗HER2抗体のアイソタイプとして、例えば、IgG(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)が例示され得、IgG1又はIgG2が、好ましいものとして例示され得る。
【0113】
本開示では、「抗HER2抗体」という用語は、HER2(ヒト上皮成長因子受容体2型;ErbB-2)に特異的に結合し、好ましくは、HER2への結合によりHER2発現細胞に内部移行する活性を有する抗体を指す。
【0114】
抗HER2抗体の例として、トラスツズマブ(米国特許第5821337号明細書)及びペルツズマブ(国際公開第01/00245号パンフレット)が挙げられ、トラスツズマブが、好ましいものとして例示され得る。
【0115】
3.抗体-薬物コンジュゲートの製造
本開示に係る抗HER2抗体-薬物コンジュゲートの製造での使用のための薬物-リンカー中間体は、下記式:
【化9】
で表される。
【0116】
この薬物-リンカー中間体を、化学名N-[6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサノイル]グリシルグリシル-L-フェニルアラニル-N-[(2-{[(1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル]アミノ}-2-オキソエトキシ)メチル]グリシンアミドとして表し得、且つ国際公開第2014/057687号パンフレット、同第2015/098099号パンフレット、同第2015/115091号パンフレット、同第2015/155998号パンフレット、同第2019/044947号パンフレット等での説明を参照して製造し得る。
【0117】
本開示で使用される抗HER2抗体-薬物コンジュゲートを、上記で説明されている薬物-リンカー中間体と、チオール基(スルフヒドリル基とも称される)を有する抗HER2抗体とを反応させることにより製造し得る。
【0118】
スルフヒドリル基を有する抗HER2抗体を、当該技術分野で公知の方法により得ることができる(Hermanson,G.T,Bioconjugate Techniques,pp.56-136,pp.456-493,Academic Press(1996))。例えば、抗体内の1つの鎖間ジスルフィド当たり0.3~3モル当量の還元剤(例えばトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP))を使用して、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のキレート剤を含む緩衝溶液中で、この抗体と反応させることにより、この抗体内の鎖間ジスルフィドが部分的に又は完全に還元されているスルフヒドリル基を有する抗HER2抗体を得ることができる。
【0119】
さらに、スルフヒドリル基を有する1つの抗HER2抗体当たり2~20モル当量の薬物-リンカー中間体を使用することにより、1つの抗体分子当たり2~8個の薬物分子がコンジュゲートしている抗HER2抗体-薬物コンジュゲートを製造し得る。
【0120】
製造された抗体-薬物コンジュゲートの1つの抗HER2抗体分子当たりのコンジュゲートした薬物分子の平均数を、例えば、280nm及び370nmの2つの波長での抗体-薬物コンジュゲート及びそのコンジュゲーション前駆体のUV吸光度の測定に基づく算出方法(UV法)により決定し得るか、又は還元剤で抗体-薬物コンジュゲートを処理することにより得られる断片のHPLC測定による定量に基づく算出方法(HPLC法)により決定し得る。
【0121】
抗HER2抗体と薬物-リンカー中間体との間のコンジュゲーション、及び抗体-薬物コンジュゲートの1つの抗体分子当たりのコンジュゲートした薬物分子の平均数の算出を、国際公開第2014/057687号パンフレット、同第2015/098099号パンフレット、同第2015/115091号パンフレット、同第2015/155998号パンフレット、同第2017/002776号パンフレット、同第2018/212136等での説明を参照して実施し得る。
【0122】
本開示では、「抗HER2抗体-薬物コンジュゲート」という用語は、本開示に係る抗体-薬物コンジュゲート中の抗体が抗HER2抗体であるような抗体-薬物コンジュゲートを指す。
【0123】
本抗HER2抗体は、好ましくは、配列番号1のアミノ酸残基26~33からなるアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号1のアミノ酸残基51~58からなるアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号1のアミノ酸残基97~109からなるアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖と、配列番号2のアミノ酸残基27~32からなるアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号2のアミノ酸残基50~52からなるアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号2のアミノ酸残基89~97からなるアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖とを含む抗体であり、より好ましくは、配列番号1のアミノ酸残基1~120からなるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖と、配列番号2のアミノ酸残基1~107からなるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖とを含む抗体であり、さらにより好ましくは、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖とを含む抗体であるか、又は配列番号1のアミノ酸残基1~449からなる重鎖と、配列番号2の全てのアミノ酸残基1~214からなるアミノ酸配列からなる軽鎖とを含む抗体である。
【0124】
本抗HER2抗体-薬物コンジュゲート中の1つの抗体分子当たりのコンジュゲートした薬物-リンカーの単位の平均数は、好ましくは2~8であり、より好ましくは3~8であり、さらにより好ましくは7~8であり、さらにより好ましくは7.5~8であり、さらにより好ましくは約8である。
【0125】
本開示で使用される抗HER2抗体-薬物コンジュゲートを、国際公開第2015/115091号パンフレット等での説明を参照して製造し得る。
【0126】
好ましい実施形態では、抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)である。
【0127】
4.ATM阻害剤
本開示では、「ATM阻害剤」という用語は、ATM(血管拡張性失調症変異キナーゼ)を阻害する薬剤を指す。本開示でのATM阻害剤は、キナーゼATMを選択的に阻害し得るか、又はATMを非選択的に阻害して且つATM以外のキナーゼも阻害し得る。好ましくは、本開示でのATM阻害剤は、ATMを選択的に阻害する。本開示におけるATM阻害剤は、説明されている特性を有する薬剤である限りにおいて特に限定されず、その好ましい例として、下記で開示されているものが挙げられ得る:国際公開第2017/046216号パンフレット、同第2015/170081号パンフレット、同第2018/167203号パンフレット、同第2017/153578号パンフレット、同第2017/162611号パンフレット、同第2017/162605号パンフレット、同第2017/174446号パンフレット、同第2017/076895号パンフレット、同第2017/076898号パンフレット、同第2017/194632号パンフレット、同第2019/057757。
【0128】
本開示で使用されるATM阻害剤の他の実施形態では、このATM阻害剤は、下記から選択される化合物である:
AZD1390:
7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン(国際公開第2017/046216号パンフレット;実施例2)、及びその重水素化形態:
4,6-ジジュウテロ-7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン、及び
4-ジュウテロ-7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
AZD0156
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン(国際公開第2015/170081号パンフレット:実施例1);
M4076
8-(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(3-フルオロ-5-メトキシ-ピリジン-4-イル)-7-メトキシ-3-メチル-1,3-ジヒドロイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン(国際公開第2016/155884号パンフレット);
M3541
3-フルオロ-4-[7-メトキシ-3-メチル-8-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル]ベンゾニトリル(国際公開第2012/028233号パンフレット);
KU-55933
2-(4-モルホリニル)-6-(1-チアンスレニル)-4H-ピラン-4-オン(CAS番号587871-26-9;国際公開第2003070726A1号パンフレット);
KU-60019:
2-[(2R,6S)-2,6-ジメチル-4-モルホリニル]-N-{5-[6-(4-モルホリニル)-4-オキソ-4H-ピラン-2-イル]-9H-チオキサンテン-2-イル}アセトアミド(CAS番号925701-49-1);
KU-59403
3-(4-メチル-1-ピペラジニル)-N-{6-[6-(4-モルホリニル)-4-オキソ-4H-ピラン-2-イル]-2-チアンスレニル}プロパンアミド(国際公開第2005016919号パンフレット);
CP466722
2-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)-5-(2-ピリジル)-1,2,4-トリアゾール-3-アミン(CAS番号1080622-86-1);
NVP-BEZ235
2-メチル-2-[4-[3-メチル-2-オキソ-8-(3-キノリル)イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル]フェニル]プロパンニトリル(ダクトリシブ;CAS番号915019-65-7;国際公開第2006/122806号パンフレット);
6-[6-(メトキシメチル)-3-ピリジル]-4-[[(1S)-1-テトラヒドロピラン-4-イルエチル]アミノ]キノリン-3-カルボキサミド
(Degorce et al,J Med chem,2016,59,6281);
7-フルオロ-6-[6-(メトキシメチル)-3-ピリジル]-4-[[(1S)-1-(1-メチルピラゾール-3-イル)エチル]アミノ]キノリン-3-カルボキサミド(Degorce et al,J Med chem,2016,59,6281);
6-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-N-メチル-4-[[(1S)-1-テトラヒドロピラン-4-イルエチル]アミノ]シンノリン-3-カルボキサミド(Barlaam et al,Med Chem Lett,2018,9,809-814);
N-メチル-4-(6-フェニリミダゾ[1,2-a]ピラジン-3-イル)ベンズアミド(Valerie et al,Mol Can Ther,2018,1637);
1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン(国際公開第2019/057757号パンフレット);及び
2-(7-メトキシ-9H-チオキサンテン-4-イル)-6-モルホリノ-ピラン-4-オン(J.Med.Chem,2019,62,2988)。
【0129】
本開示で使用されるATM阻害剤の好ましい実施形態によれば、ATM阻害剤は、下記式(I):
【化10】
(式中、
R
1は、メチルであり;
R
2は、水素若しくはメチルであるか;又はR
1及びR
2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、若しくはピペリジニル環を形成しており;
R
3は、水素又はフルオロであり;
R
4は、水素又はメチルであり;
R
5は、水素又はフルオロである)
で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0130】
「R1及びR2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、又はピペリジニル環を形成している」ことが言及される場合には、このことは、R1基及びR2基が、炭素-炭素共有結合により連結されて、該当する環を形成するのに適した長さの非置換アルキレン鎖を形成していることを意味する。例えば、R1及びR2が、これらが結合する窒素原子と一緒にピロリジニル環を形成している場合には、R1及びR2は一緒に、非置換ブチレン鎖を呈しており、この非置換ブチレン鎖は、両末端炭素で、式(I)中の関連する窒素原子に付着している。
【0131】
式(I)中の可変基の一部の値は、下記の通りである。そのような値を、本明細書中の定義、特許請求の範囲、又は定義された実施形態の内のいずれかと組み合わせて使用して、下記の式(I)の化合物のさらなる実施形態を提供し得る:
a)R1は、メチルである。
b)R2は、メチルである。
c)R2は、水素である。
d)R1は、メチルであり、R2は、水素又はメチルである。
e)R1及びR2は両方とも、メチルである。
f)R1及びR2は両方とも、メチルであるか;又はR1及びR2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、又はピペリジニル環を形成している。
g)R1及びR2は両方とも、メチルであるか;又はR1及びR2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環を形成している。
h)R1及びR2は両方とも、メチルであるか;又はR1及びR2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、ピロリジニル環を形成している。
i)R1及びR2は両方とも、メチルであるか;又はR1及びR2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、ピペリジニル環を形成している。
j)R1及びR2は両方とも、メチルである。
k)R1及びR2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、又はピペリジニル環を形成している。
l)R1及びR2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環を形成している。
m)R1及びR2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、ピロリジニル環を形成している。
n)R1及びR2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、ピペリジニル環を形成している。
o)R3及びR5は両方とも、Hである。
p)R3及びR5は両方とも、フルオロである。
q)R3は、水素である。
r)R3は、フルオロである。
s)R4は、水素である。
t)R4は、メチルである。
u)R5は、水素である。
v)R5は、フルオロである。
【0132】
一実施形態では、本化合物は、式(I)又はその薬学的に許容される塩で表され、式中、
R1は、メチルであり;
R2は、水素若しくはメチルであるか;又はR1及びR2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、若しくはピペリジニル環を形成しており;
R3は、水素又はフルオロであり;
R4は、水素又はメチルであり;
R5は、水素又はフルオロである。
【0133】
別の実施形態では、本化合物は、式(I)又はその薬学的に許容される塩で表され、式中、
R1は、メチルであり;
R2は、水素又はメチルであり;
R3は、水素であり;
R4は、水素又はメチルであり;
R5は、水素である。
【0134】
別の実施形態では、本化合物は、式(I)又はその薬学的に許容される塩で表され、この化合物は、下記からなる群から選択される:
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[2-フルオロ-6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[2-フルオロ-6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
7-フルオロ-8-[2-フルオロ-6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
7-フルオロ-8-[2-フルオロ-6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-イソプロピル-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;及び
7-フルオロ-1-イソプロピル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン。
【0135】
別の実施形態では、式(I)で表される化合物は、7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン、又はその薬学的に許容される塩である。
【0136】
別の実施形態では、式(I)で表される化合物は、7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オンである。
【0137】
別の実施形態では、式(I)に従う化合物は、7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オンの薬学的に許容される塩である。
【0138】
別の実施形態では、式(I)で表される化合物は、8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン、又はその薬学的に許容される塩である。
【0139】
別の実施形態では、式(I)で表される化合物は、8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オンである。
【0140】
別の実施形態では、式(I)で表される化合物は、8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オンの薬学的に許容される塩である。
【0141】
別の実施形態では、式(I)に従う化合物は、8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン、又はその薬学的に許容される塩である。
【0142】
別の実施形態では、式(I)で表される化合物は、8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オンである。
【0143】
別の実施形態では、式(I)で表される化合物は、8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オンの薬学的に許容される塩である。
【0144】
別の実施形態では、式(I)に従う化合物は、7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-オキシドピペリジン-1-イウム-1-イル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン、又はその薬学的に許容される塩である。
【0145】
別の実施形態では、式(I)で表される化合物は、7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-オキシドピペリジン-1-イウム-1-イル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オンである。
【0146】
別の実施形態では、式(I)に従う化合物は、7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-オキシドピペリジン-1-イウム-1-イル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オンの薬学的に許容される塩である。
【0147】
本開示で使用されるATM阻害剤の他の好ましい実施形態によれば、このATM阻害剤は、下記式(II):
【化11】
(式中、
Qは、シクロブチル環又はシクロペンチル環であり、これらのそれぞれは、1つのヒドロキシ基若しくはメトキシ基で任意選択的に置換されているか、又はQは、オキセタニル環、テトラヒドロフラニル環、若しくはオキサニル環であり、これらのそれぞれは、1つのメチル基で任意選択的に置換されており;
R
1は、メチルであり;
R
2は、水素若しくはメチルであるか;又はR
1及びR
2は一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、若しくはピペリジニル環を形成しており;
R
3は、水素又はフルオロであり;
R
4は、水素又はメチルであり;
R
5は、水素又はフルオロである)
で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0148】
「シクロブチル環」及び「シクロペンチル環」という用語は、ヘテロ原子を含まない炭素環を指す。1-メトキシシクロブタ-3-イル基、及び3-メトキシシクロブタ-1-イル基は、下記に示すように、同一の構造を有する。
【化12】
【0149】
シス-1-メトキシ-シクロブタ-3-イル基は、シス-3-メトキシ-シクロブタ-1-イルと同等であり、下記の構造を有する。
【化13】
【0150】
同じ決まりが、他のシクロブチル基にも当てはまり、例えば、1-ヒドロキシシクロブタ-3-イル基及び3-ヒドロキシシクロブタ-1-イル基にも当てはまる。
【0151】
同様に、1-メトキシシクロペンタ-3-イル基及び3-メトキシシクロペンタ-1-イル基は、下記に示すように、同一の構造を有する。
【化14】
【0152】
「オキセタニル環」という用語は、オキセタン-2-イル基及びオキセタン-3-イル基を含み、これらの構造を下記に示す。
【化15】
【0153】
「テトラヒドロフラニル環」という用語は、テトラヒドロフラン-2-イル基及びテトラヒドロフラン-3-イル基を含み、これらの構造を下記に示す。
【化16】
【0154】
「オキサニル環」という用語は、オキサン-2-イル基、オキサン-3-イル基、及びオキサン-4-イル基を含み、これらの構造を下記に示す。
【化17】
上記の構造において、破線は、関連する基の結合位置を示す。
【0155】
オキサニル環はまた、テトラヒドロピラニル環とも称され得る。同様に、オキサン-4-イル環は、テトラヒドロピラン-4-イル環と称され得;オキサン-3-イル環は、テトラヒドロピラン-3-イル環と称され得、オキサン-2-イル環は、テトラヒドロピラン-2-イル環と称され得る。
【0156】
「R1及びR2は一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、又はピペリジニル環を形成している」と言及される場合には、このことは、R1基及びR2基が、炭素-炭素共有結合により連結されて、該当する環に適した長さの非置換アルキレン鎖を形成していることを意味する。
【0157】
式(II)中の可変基の一部の値は、下記の通りである。そのような値を、本明細書中の定義、特許請求の範囲、又は定義された実施形態の内のいずれかと組み合わせて使用して、下記の式(II)の化合物のさらなる実施形態を提供し得る:
a)Qは、シクロブチル環又はシクロペンチル環であり、これらのそれぞれは、1つのヒドロキシ基若しくはメトキシ基で置換されているか、又はQは、オキセタニル環、テトラヒドロフラニル環、若しくはオキサニル環であり、これらのそれぞれは、1つのメチル基で任意選択的に置換されている。
b)Qは、1つのヒドロキシ基若しくはメトキシ基で置換されているシクロブチル環であるか、又はQは、オキセタニル環若しくはオキサニル環であり、これらのそれぞれは、1つのメチル基で任意選択的に置換されている。
c)Qは、1つのヒドロキシ基若しくはメトキシ基で置換されているシクロブチル環であるか、又はQは、オキセタニル環若しくはオキサニル環である。
d)Qは、シクロブチル、1-メトキシ-シクロブタ-3-イル、1-ヒドロキシ-シクロブタ-3-イル、3-メトキシシクロペンタ-1-イル、オキセタン-3-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、オキサン-3-イル、オキサン-4-イル、又は4-メチルオキサン-4-イルである。
e)Qは、1-メトキシ-シクロブタ-3-イル、1-ヒドロキシ-シクロブタ-3-イル、3-メトキシシクロペンタ-1-イル、オキセタン-3-イル、オキサン-3-イル、オキサン-4-イル、又は4-メチルオキサン-4-イルである。
f)Qは、1-メトキシ-シクロブタ-3-イル、1-ヒドロキシ-シクロブタ-3-イル、又はオキサン-4-イルである。
g)Qは、シス-1-メトキシ-シクロブタ-3-イル又はオキサン-4-イルである。
h)Qは、シクロブチル環又はシクロペンチル環であり、これらのそれぞれは、1つのヒドロキシ基又はメトキシ基で任意選択的に置換されている。
i)Qは、シクロブチル環又はシクロペンチル環であり、これらのそれぞれは、1つのメトキシ基で任意選択的に置換されている。
j)Qは、1つのヒドロキシ基又はメトキシ基で置換されているシクロブチル環である。
k)Qは、シクロブチル、1-ヒドロキシ-シクロブタ-3-イル、又は1-メトキシ-シクロブタ-3-イルである。
l)Qは、シクロブチルである。
m)Qは、1つのヒドロキシ基又はメトキシ基で置換されているシクロペンチル環である。
n)Qは、1つのメトキシ基で置換されているシクロペンチル環である。
o)Qは、3-メトキシシクロペンタ-1-イルである。
p)Qは、1-ヒドロキシ-シクロブタ-3-イル又は1-メトキシ-シクロブタ-3-イルである。
q)Qは、シス-1-ヒドロキシ-シクロブタ-3-イル又はシス-1-メトキシ-シクロブタ-3-イルである。
r)Qは、シス-1-メトキシ-シクロブタ-3-イルである。
s)Qは、オキセタニル環、テトラヒドロフラニル環、又はオキサニル環であり、これらのそれぞれは、1つのメチル基で任意選択的に置換されている。
t)Qは、オキセタニル環又はオキサニル環であり、これらのそれぞれは、1つのメチル基で任意選択的に置換されている。
u)Qは、オキセタニル環又はテトラヒドロフラニル環である。
v)Qは、オキセタニル環である。
w)Qは、オキセタン-3-イルである。
x)Qは、テトラヒドロフラニル環である。
y)Qは、テトラヒドロフラン-3-イルである。
z)Qは、1つのメチル基で任意選択的に置換されているオキサニル環である。
aa)Qは、オキサニル環である。
bb)Qは、オキサン-4-イルである。
cc)R1は、メチルである。
dd)R2は、メチルである。
ee)R2は、水素である。
ff)R1は、メチルであり、R2は、水素又はメチルである。
gg)R1及びR2は両方とも、メチルであるか;又はR1及びR2は一緒に、ピロリジニル環を形成している。
hh)R1及びR2は両方とも、メチルである。
ii)R1及びR2は一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、又はピペリジニル環を形成している。
jj)R1及びR2は一緒に、アゼチジニル環を形成している。
kk)R1及びR2は一緒に、ピロリジニル環を形成している。
ll)R1及びR2は一緒に、ピペリジニル環を形成している。
mm)R3及びR5は両方とも、水素である。
nn)R3は、水素である。
oo)R3は、フルオロである。
pp)R4は、水素である。
qq)R4は、メチルである。
rr)R5は、水素である。
ss)R5は、フルオロである。
【0158】
一実施形態では、本化合物は、式(II)又はその薬学的に許容される塩で表され、式中、
Qは、シクロブチル、1-メトキシ-シクロブタ-3-イル、1-ヒドロキシ-シクロブタ-3-イル、3-メトキシシクロペンタ-1-イル、オキセタン-3-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、オキサン-3-イル、オキサン-4-イル、又は4-メチルオキサン-4-イルであり;
R1は、メチルであり;
R2は、水素若しくはメチルであるか;又はR1及びR2は一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、若しくはピペリジニル環を形成しており;
R3は、水素又はフルオロであり;
R4は、水素又はメチルであり;
R5は、水素又はフルオロである。
【0159】
別の実施形態では、本化合物は、式(II)又はその薬学的に許容される塩で表され、式中、
Qは、1-メトキシ-シクロブタ-3-イル、1-ヒドロキシ-シクロブタ-3-イル、3-メトキシシクロペンタ-1-イル、オキセタン-3-イル、オキサン-3-イル、オキサン-4-イル、又は4-メチルオキサン-4-イルであり;
R1は、メチルであり;
R2は、水素若しくはメチルであるか;又はR1及びR2は一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、若しくはピペリジニル環を形成しており;
R3は、水素又はフルオロであり;
R4は、水素又はメチルであり;
R5は、水素又はフルオロである。
【0160】
別の実施形態では、本化合物は、式(II)又はその薬学的に許容される塩で表され、式中、
Qは、1-メトキシ-シクロブタ-3-イル、1-ヒドロキシ-シクロブタ-3-イル、又は3-メトキシシクロペンタ-1-イルであり;
R1は、メチルであり;
R2は、水素若しくはメチルであるか;又はR1及びR2は一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、若しくはピペリジニル環を形成しており;
R3は、水素又はフルオロであり;
R4は、水素又はメチルであり;
R5は、水素又はフルオロである。
【0161】
別の実施形態では、本化合物は、式(II)又はその薬学的に許容される塩で表され、式中、
Qは、オキセタン-3-イル、オキサン-3-イル、オキサン-4-イル、又は4-メチルオキサン-4-イルであり;
R1は、メチルであり;
R2は、水素若しくはメチルであるか;又はR1及びR2は一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、若しくはピペリジニル環を形成しており;
R3は、水素又はフルオロであり;
R4は、水素又はメチルであり;
R5は、水素又はフルオロである。
【0162】
別の実施形態では、本化合物は、式(II)又はその薬学的に許容される塩で表され、式中、
Qは、シス-1-メトキシ-シクロブタ-3-イル又はオキサン-4-イルであり;
R1は、メチルであり;
R2は、メチル又は水素であり;
R3は、水素であり;
R4は、メチル又は水素であり;
R5は、水素である。
【0163】
別の実施形態では、本化合物は、式(II)又はその薬学的に許容される塩で表され、この化合物は、下記からなる群から選択される:
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-3-メチル-1-(4-メチルオキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(オキセタン-3-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-ヒドロキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(4-メチルオキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-3-メチル-1-(オキセタン-3-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-3-メチル-1-[(3R)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-3-メチル-1-[(3S)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(オキサン-4-イル)-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-ヒドロキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-(3-シス-ヒドロキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-[(3R)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-[(3S)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-7-フルオロ-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-3-メチル-1-[(3S)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-3-メチル-1-[(3R)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
7-フルオロ-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
7-フルオロ-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-[(1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
7-フルオロ-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-[(3S)-オキサン-3-イル]-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-(オキサン-4-イル)-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-[(3S)-オキサン-3-イル]-8-[6-(3-ピペリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-[(3R)-オキサン-3-イル]-8-[6-(3-ピペリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-(3-ピペリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-[(3R)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-(オキサン-4-イル)-8-[6-(3-ピペリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-(オキサン-4-イル)-8-[6-(3-ピペリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[6-(3-メチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[6-(3-メチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-[(3S)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;及び
1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-(3-メチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチルl-8-[6-[3-(メチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロフラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-シクロブチル-8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
7-フルオロ-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-7-フルオロ-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロフラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-シクロブチル-8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-3-メチル-1-(オキセタン-3-イル)イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
7-フルオロ-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-テトラヒドロピラン-4-イル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-[(3R)-テトラヒドロフラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-(オキセタン-3-イル)-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-シクロブチル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-シクロブチル-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[2-フルオロ-6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-[(1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-[(1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-[(1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-1-[(1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-[(1R,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;及び
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-[(1S,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン。
【0164】
別の実施形態では、本化合物は、式(II)又はその薬学的に許容される塩で表され、この化合物は、下記からなる群から選択される:
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-3-メチル-1-(4-メチルオキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(オキセタン-3-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-ヒドロキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(4-メチルオキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-3-メチル-1-(オキセタン-3-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-3-メチル-1-[(3R)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-3-メチル-1-[(3S)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(オキサン-4-イル)-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-ヒドロキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-(3-シス-ヒドロキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-[(3R)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-[(3S)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-7-フルオロ-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-3-メチル-1-[(3S)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-3-メチル-1-[(3R)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-[(3R)-オキサン-3-イル]-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-[(1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
7-フルオロ-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-[(3S)-オキサン-3-イル]-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-(オキサン-4-イル)-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-[(3S)-オキサン-3-イル]-8-[6-(3-ピペリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-[(3R)-オキサン-3-イル]-8-[6-(3-ピペリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-(3-ピペリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-[(3R)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-(オキサン-4-イル)-8-[6-(3-ピペリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-(オキサン-4-イル)-8-[6-(3-ピペリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[6-(3-メチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[6-(3-メチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-[(3S)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;及び
1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-(3-メチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン。
【0165】
別の実施形態では、本化合物は、式(II)又はその薬学的に許容される塩で表され、この化合物は、下記からなる群から選択される:
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-3-メチル-1-(4-メチルオキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(オキセタン-3-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-ヒドロキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(4-メチルオキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-3-メチル-1-(オキセタン-3-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-3-メチル-1-[(3R)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-7-フルオロ-3-メチル-1-[(3S)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(オキサン-4-イル)-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-ヒドロキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-(3-シス-ヒドロキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-[(3R)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-[(3S)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-7-フルオロ-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-3-メチル-1-[(3S)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-3-メチル-1-[(3R)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-[(3R)-オキサン-3-イル]-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
7-フルオロ-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-[(3S)-オキサン-3-イル]-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-(オキサン-4-イル)-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-[(3S)-オキサン-3-イル]-8-[6-(3-ピペリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-[(3R)-オキサン-3-イル]-8-[6-(3-ピペリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-(3-ピペリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-[(3R)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-(オキサン-4-イル)-8-[6-(3-ピペリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-(オキサン-4-イル)-8-[6-(3-ピペリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[6-(3-メチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[6-(3-メチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-[(3S)-オキサン-3-イル]イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン;及び
1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-(3-メチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン。
【0166】
別の実施形態では、本化合物は、式(II)又はその薬学的に許容される塩で表され、この化合物は、下記からなる群から選択される:
7-フルオロ-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
7-フルオロ-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[6-[3-(メチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロフラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-シクロブチル-8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
7-フルオロ-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-7-フルオロ-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロフラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-シクロブチル-8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-3-メチル-1-(オキセタン-3-イル)イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
7-フルオロ-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-テトラヒドロピラン-4-イル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
13-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-[(3R)-テトラヒドロフラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-1-(オキセタン-3-イル)-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-シクロブチル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-シクロブチル-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[2-フルオロ-6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-[(1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-[(1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-[(1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-8-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-1-[(1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-[(1R,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;及び
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-[(1S,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン。
【0167】
別の実施形態では、本化合物は、式(II)又はその薬学的に許容される塩で表され、この化合物は、下記からなる群から選択される:
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-[(1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;及び
8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン。
【0168】
一実施形態では、8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0169】
一実施形態では、8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オンが提供される。
【0170】
一実施態様では、8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチルイミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オンの薬学的に許容される塩が提供される。
【0171】
別の実施形態では、式(II)で表される化合物は、8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オン又はその薬学的に許容される塩である。
【0172】
別の実施形態では、式(II)で表される化合物は、8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オンである。
【0173】
別の実施形態では、式(II)に従う化合物は、8-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)イミダゾ[5,4-c]キノリン-2-オンの薬学的に許容される塩である。
【0174】
別の実施形態では、式(II)で表される化合物は、1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-{6-[3-(ピロリジン-1-イル)プロポキシ]ピリジン-3-イル}-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン又はその薬学的に許容される塩である。
【0175】
別の実施形態では、式(II)で表される化合物は、1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-{6-[3-(ピロリジン-1-イル)プロポキシ]ピリジン-3-イル}-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オンである。
【0176】
別の実施形態では、式(II)に従う化合物は、1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-{6-[3-(ピロリジン-1-イル)プロポキシ]ピリジン-3-イル}-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オンの薬学的に許容される塩である。
【0177】
好ましい実施形態では、本開示で使用されるATM阻害剤は、式(I)の化合物であり、この化合物は、下記式:
【化18】
で表されるAZD1390、又はその薬学的に許容される塩である。
【0178】
別の好ましい実施形態では、本開示で使用されるATM阻害剤は、式(II)の化合物であり、この化合物は、下記式:
【化19】
で表されるAZD0156、又はその薬学的に許容される塩である。
【0179】
式(I)及び式(II)の化合物等のATM阻害剤を、当該技術分野で既知の方法により調製し得、例えば、国際公開第2017/046216号パンフレット及び同第2015/170081号パンフレットで開示されている方法により調製し得る。
【0180】
式(I)又は(II)の化合物、及び本明細書で言及されている他のATM阻害剤は、1つ又は複数の同位体置換を有する化合物を包含し得ることが理解されるだろう。例えば、Hは、任意の同位体形態であり得、例えば、1H、2H(D)、及び3H(T)であり得;Cは、任意の同位体形態であり得、例えば、12C、13C、及び14Cであり得;Oは、任意の同位体形態であり得、例えば、16O及び18Oであり得る;等である。
【0181】
具体的には、国際公開第2018/167203号パンフレットで説明されているように、7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン(AZD1390)は、化学構造が
【化20】
である4,6-ジジュウテロ-7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オンとして存在し得る。
【0182】
或いは、同様に国際公開第2018/167203号パンフレットで説明されているように、AZD1390は、化学構造が
【化21】
である4-ジュウテロ-7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オンとして存在し得る。
【0183】
本開示に従って使用され得るATM阻害剤の他の例は、下記である:
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-イソプロピル-3-メチル-8-[4-[3-(ピロリジン-1-イルプロポキシ)フェニル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]フェニル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]フェニル]-7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-[(1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-7-フルオロ-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-7-フルオロ-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-7-フルオロ-1-[トランス-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[4-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)フェニル]-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[4-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)フェニル]-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[4-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]フェニル]-1-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[4-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]フェニル]-1-テトラヒドロピラン-4-イル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-[トランス-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-8-[4-[3-(ピロリジン-1-イルプロポキシ)フェニル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-(トランス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-(トランス-4-メトキシシクロヘキシル)-3-メチル-8-[4-[3-(ピロリジン-1-イルプロポキシ)フェニル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(アゼチジン-1-イル)プロポキシ]フェニル]-7-フルオロ-1-[トランス-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-(シス-4-メトキシシクロヘキシル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-(シス-4-メトキシシクロヘキシル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-(シス-4-メトキシシクロヘキシル)-3-メチル-8-[4-(3-(ピロリジン-1-イルプロポキシ)フェニル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-[トランス-3-メトキシシクロヘキシル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-[トランス-3-メトキシシクロヘキシル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-[トランス-3-メトキシシクロヘキシル]-3-メチル-8-[4-(3-(ピロリジン-1-イルプロポキシ)フェニル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-[シス-3-メトキシシクロヘキシル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-[シス-3-メトキシシクロヘキシル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-[シス-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-7-フルオロ-1-[シス-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-[シス-3-メトキシシクロヘキシル]-3-メチル-8-[4-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)フェニル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-[シス-3-メトキシシクロヘキシル]-3-メチル-8-[4-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)フェニル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-8-[4-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]フェニル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[4-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)フェニル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-(トランス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[4-(3-(ピロリジン-1-イルプロポキシ)フェニル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[4-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]フェニル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-3-メチル-1-テトラヒドロピラン-4-イル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-7-フルオロ-3-メチル-1-テトラヒドロピラン-4-イル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
7-フルオロ-3-メチル-8-[4-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)フェニル]-1-テトラヒドロピラン-4-イル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル]-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル]-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-(3-(シス)メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[4-[(2-ピロリジン-1-イルエトキシ)フェニル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[4-[2-(ピロリジン-1-イルエトキシ)フェニル]-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[4-[2-(ピロリジン-1-イルエトキシ)フェニル]-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル]-1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-シクロブチル-8-[4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル]-3-メチル-1-テトラヒドロピラン-4-イル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル]-1-(3-(シス)メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル]-7-フルオロ-3-メチル-1-テトラヒドロピラン-4-イル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-(トランス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-(トランス-4-メトキシシクロヘキシル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-3-メチル-1-テトラヒドロピラン-4-イル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-7-フルオロ-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-7-フルオロ-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-7-フルオロ-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-7-フルオロ-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-[トランス-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-(トランス-4-メトキシシクロヘキシル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-シクロブチル-8-[6-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-3-[ピリジル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-3-ピリジル]-3-メチル-1-テトラヒドロピラン-4-イル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-[トランス-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-1-[トランス-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-シクロブチル-8-[6-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-3-メチル-1-(オキセタン-3-イル)イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-3-メチル-1-テトラヒドロピラン-4-イル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-7-フルオロ-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-7-フルオロ-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-(シス-4-メトキシシクロヘキシル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-1-[(シス-3-メトキシシクロヘキシル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-[シス-3-メトキシシクロヘキシル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-[シス-3-メトキシシクロヘキシル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-[トランス-3-メトキシシクロヘキシル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-1-[トランス-3-メトキシシクロヘキシル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-[トランス-3-メトキシシクロヘキシル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
7-フルオロ-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-[4-(メチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[6-[4-(メチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
3-メチル-8-[6-[4-(メチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-[4-(メチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;及び
3-メチル-8-[6-[4-(メチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-1-テトラヒドロピラン-4-イル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン。
(R)-8-(6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル)-3-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2(3H)-オン;
(S)-8-(6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル)-3-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2(3H)-オン;
(S)-7-フルオロ-8-(6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル)-3-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
(R)-7-フルオロ-8-(2-フルオロ-6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル)-3-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2(3H)-オン;
(S)-7-フルオロ-8-(2-フルオロ-6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル)-3-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2(3H)-オン;
(R)-8-(2-フルオロ-6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル)-3-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2(3H)-オン;
(S)-8-(2-フルオロ-6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル)-3-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2(3H)-オン;
(R)-7-フルオロ-8-(6-(メトキシメチル)ピリジン-3-yl)-3-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-3-yl)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2(3H)-オン;
rac-1-(3,3-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-8-(6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル)-3-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
(R)-1-(3,3-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-8-(6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル)-3-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
(S)-1-(3,3-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-8-(6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル)-3-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
(S)-8-(6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
7-フルオロ-6-[6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]-4-{[(1S)-1-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}キノリン-3-カルボキサミド;
7-フルオロ-6-[6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]-4-{[(1R)-1-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}キノリン-3-カルボキサミド;
7-フルオロ-6-[2-フルオロ-6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]-4-{[(1S)-1-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}キノリン-3-カルボキサミド;
4-{[(1S)-1-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}-7-フルオロ-6-[2-フルオロ-6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]キノリン-3-カルボキサミド;
4-{[(1S)-1-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}-7-フルオロ-6-[2-フルオロ-6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル]キノリン-3-カルボキサミド;
4-{[(1S)-1-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}-7-フルオロ-6-[6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]キノリン-3-カルボキサミド;
4-{[(1R)-1-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}-7-フルオロ-6-[6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]キノリン-3-カルボキサミド;
7-フルオロ-6-[6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]-4-{[(1S)-1-(1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}キノリン-3-カルボキサミド;
7-フルオロ-6-[6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]-4-{[(1R)-1-(1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}キノリン-3-カルボキサミド;
7-フルオロ-4-{[(1S)-1-(4-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}-6-[6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]キノリン-3-カルボキサミド;
7-フルオロ-4-{[(1R)-1-(4-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}-6-[6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]キノリン-3-カルボキサミド;
7-フルオロ-6-[6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]-4-{[(1S)-1-(4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}キノリン-3-カルボキサミド;
7-フルオロ-6-[6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]-4-{[(1R)-1-(4-メチルl-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}キノリン-3-カルボキサミド;
7-フルオロ-6-[6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル]-4-{[(1S)-1-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}キノリン-3-カルボキサミド;
4-{[(1S)-1-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}-7-フルオロ-6-[6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル]キノリン-3-カルボキサミド;
4-{[(1R)-1-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}-7-フルオロ-6-[6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル]キノリン-3-カルボキサミド;
6-[2-フルオロ-6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]-4-{[(1S)-1-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}キノリン-3-カルボキサミド;
4-{[(1S)-1-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}-6-[2-フルオロ-6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]キノリン-3-カルボキサミド;
4-{[(1S)-1-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}-6-[6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]キノリン-3-カルボキサミド;
4-{[(1R)-1-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}-6-[6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]キノリン-3-カルボキサミド;
4-{[(1S)-1-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}-6-[2-フルオロ-6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル]キノリン-3-カルボキサミド;
6-[6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル]-4-{[(1S)-1-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}キノリン-3-カルボキサミド;
4-{[(1S)-1-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}-6-[6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル]キノリン-3-カルボキサミド;
4-{[(1R)-1-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}-6-[6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル]キノリン-3-カルボキサミド;
4-{[(1S)-1-(4-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}-6-[6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]キノリン-3-カルボキサミド;
6-[6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]-4-{[(1S)-1-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}キノリン-3-カルボキサミド;
6-[6-(メトキシメチル)ピリジン-3-イル]-4-{[(1R)-1-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ}キノリン-3-カルボキサミド;
6-[2-フルオロ-6-(メトキシメチル)-3-ピリジル]-4-[[(1S)-1-(4-フルオロ-1-メチル-ピラゾール-3-イル)エチル]アミノ]キノリン-3-カルボキサミド;
6-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-N-メチル-4-[[(1S)-1-(オキサン-4-イル)エチル]アミノ]シンノリン-3-カルボキサミド;
6-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-4-[[(1S)-1-(オキサン-4-イル)エチル]アミノ]シンノリン-3-カルボキサミド;
4-[[(1S)-1-(オキサン-4-イル)エチル]アミノ]-6-[6-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ピリジン-3-イル]シンノリン-3-カルボキサミド;
6-[6-(3-メチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-4-[[(1S)-1-(オキサン-4-イル)エチル]アミノ]シンノリン-3-カルボキサミド;
N-メチル-6-[6-(3-メチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-4-[[(1S)-1-(オキサン-4-イル)エチル]アミノ]シンノリン-3-カルボキサミド;
6-[6-(3-ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン-3-イル]-N-メチル-4-[[(1R)-1-(オキサン-4-イル)エチル]アミノ]シンノリン-3-カルボキサミド;
N,N-ジメチル-3-[[5-(3-メチル-2-オキソ-1-テトラヒドロピラン-4-イル-イミダゾ[4,5-c]キノリン-8-イル)-2-ピリジル]オキシ]プロパン-1-アミン オキシド;
8-(6-(3-(4-フルオロピペリジン-1-イル)プロポキシ)ピリジン-3-イル)-1-イソプロピル-3-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
(S)-8-(6-(3-(3-フルオロピロリジン-1-イル)プロポキシ)ピリジン-3-イル)-1-イソプロピル-3-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
(R)-8-(6-(3-(3-フルオロピロリジン-1-イル)プロポキシ)ピリジン-3-イル)-1-イソプロピル-3-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-3-メチル-1-テトラヒドロピラン-4-イル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3S)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-テトラヒドロピラン-4-イル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
1-イソプロピル-3-メチル-8-[4-[3-(ピロリジン-1-イルプロポキシ)フェニル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
1-イソプロピル-3-メチル-8-(4-(3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)フェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-(トランス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-[4-フルオロ-1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-[(3R)-3-フルオロピロリジン-1-イル]プロポキシ]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
1-イソプロピル-3-メチル-8-[2-メチル-6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
1-(トランス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[4-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]フェニル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-(トランス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-(4-フルオロ-1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-(トランス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-(4-フルオロ-1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[4-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]フェニル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-[(3R)-3-フルオロピロリジン-1-イル]プロポキシ]-3-ピリジル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
3-メチル-8-[4-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]フェニル]-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-(4-フルオロ-1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-3-メチル-1-(1-メチルシクロプロピル)イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
3-メチル-1-(1-メチルシクロプロピル)-8-[4-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]フェニル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-(4-フルオロ-1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]-3-メチル-1-(1-メチルシクロプロピル)イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
3-メチル-1-(1-メチルシクロプロピル)-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-[(1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-8-[4-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]フェニル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
1-[(1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-[(3S)-3-フルオロピロリジン-1-イル]プロポキシ]-3-ピリジル]-1-[(1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-[(3S)-3-フルオロピロリジン-1-イル]プロポキシ]-3-ピリジル]-1-(トランス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-[(4S)-3,3-ジメチルテトラヒドロピラン-4-イル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-[(4R)-3,3-ジメチルテトラヒドロピラン-4-イル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン
1-[3,3-ジメチルテトラヒドロピラン-4-イル]-3-メチル-8-{4-[3-(1-ピペリジニル)プロポキシ]フェニル}-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-[(4S)-3,3-ジメチルテトラヒドロピラン-4-イル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-[(4R)-3,3-ジメチルテトラヒドロピラン-4-イル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[4-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]フェニル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]フェニル]-1-イソプロピル-3.7-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
1-イソプロピル-3,7-ジメチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3,7-ジメチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
1-イソプロピル-3,7-ジメチル-8-[4-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]フェニル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
3-(ジフルオロメチル)-8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-1-[3,3-ジメチルテトラヒドロピラン-4-イル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-[3,3-ジメチルテトラヒドロピラン-4-イル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-[トランス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-[シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-3-メチル-1-テトラヒドロピラン-4-イル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-[(1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]-3-ピリジル]-1-(シス-3-メトキシシクロブチル)-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]フェニル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]フェニル]-1-[3,3-ジメチルテトラヒドロピラン-4-イル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]フェニル]-1-[(1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]フェニル]-1-[(1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル]-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]フェニル]-3-メチル-1-[(3R)-テトラヒドロピラン-3-イル]イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]フェニル]-7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[6-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3,7-ジメチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;
8-[4-[4-(ジメチルアミノ)-1-ピペリジル]フェニル]-1-イソプロピル-3,7-ジメチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン;及び
8-[6-[3-(ジメチルアミノ)プロポキシ]-2-フルオロ-3-ピリジル]-1-イソプロピル-3-メチル-イミダゾ[4,5-c]シンノリン-2-オン。
【0184】
5.抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤との組合わせ
本開示の第1の組合わせの実施形態では、ATM阻害剤と組み合わされている抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、下記式:
【化22】
(式中、Aは、抗体への接続位置を表す)で表される薬物-リンカーが、チオエーテル結合を介して抗HER2抗体にコンジュゲートしている、抗体-薬物コンジュゲートである。
【0185】
別の組合わせの実施形態では、第1の組合わせの実施形態に関して上記で定義された抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、下記式(I):
【化23】
(式中、
R
1は、メチルであり;
R
2は、水素若しくはメチルであるか;又はR
1及びR
2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、若しくはピペリジニル環を形成しており;
R
3は、水素又はフルオロであり;
R
4は、水素又はメチルであり;
R
5は、水素又はフルオロである)
で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩であるATM阻害剤と組み合わされている。
【0186】
別の組合わせの実施形態では、上記で定義された抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、上記で定義された式(I)で表される化合物であるATM阻害剤と組み合わされており、式(I)中、R1及びR2は両方とも、メチルであるか;又はR1及びR2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、若しくはピペリジニル環を形成している。
【0187】
別の組合わせの実施形態では、上記で定義された抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、上記で定義されたATM阻害剤と組み合わされており、式(I)中、R1及びR2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、若しくはピペリジニル環を形成している。
【0188】
別の組合わせの実施形態では、上記で定義された抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、上記で定義されたATM阻害剤と組み合わされており、式(I)中、R3は、水素である。
【0189】
別の組合わせの実施形態では、上記で定義された抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、上記で定義されたATM阻害剤と組み合わされており、式(I)中、R4は、メチルである。
【0190】
別の組合わせの実施形態では、上記で定義された抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、上記で定義されたATM阻害剤と組み合わされており、式(I)中、R5は、フルオロである。
【0191】
別の組合わせの実施形態では、上記で定義された抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、上記で定義されたATM阻害剤と組み合わされており、式(I)中、
R1は、メチルであり;
R2は、メチルであるか;又はR1及びR2は、これらが結合する窒素原子と一緒に、アゼチジニル環、ピロリジニル環、若しくはピペリジニル環を形成しており;
R3は、水素又はフルオロであり;
R4は、メチルであり;
R5は、水素又はフルオロである。
【0192】
別の組合わせの実施形態では、上記で定義された抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、上記で定義されたATM阻害剤と組み合わされており、このATM阻害剤は、下記式:
【化24】
で表されるAZD1390、又はその薬学的に許容される塩である。
【0193】
上記で説明されている組合わせの実施形態のそれぞれのある実施形態では、抗HER2抗体は、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるCDRH1、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるCDRH2、及び配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるCDRH3を含む重鎖と、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるCDRL1、配列番号7のアミノ酸残基1~3からなるアミノ酸配列からなるCDRL2、及び配列番号8で表されるアミノ酸配列からなるCDRL3を含む軽鎖とを含む。上記で説明されている組合わせの実施形態のそれぞれの別の実施形態では、抗HER2抗体は、配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含む重鎖と、配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む軽鎖とを含む。上記で説明されている組合わせの実施形態のそれぞれの別の実施形態では、抗HER2抗体は、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖とを含む。上記で説明されている組合わせの実施形態のそれぞれの別の実施形態では、抗HER2抗体は、配列番号11で表されるアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖とを含む。
【0194】
本開示の特に好ましい組合わせの実施形態では、抗HER2抗体-薬物コンジュゲートは、トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)であり、ATM阻害剤は、AZD1390とも特定される、下記式:
【化25】
で表される化合物である。
【0195】
6.治療上での併用及び治療方法
下記で説明するのは、本開示に係る抗HER2抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤とを組み合わせて投与する医薬品、並びに治療上での使用及び治療方法である。
【0196】
本開示の医薬品、並びに治療上での使用及び治療方法は、抗HER2抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤とを、別々の製剤中の有効成分として別々に含有させ、同時に投与するか若しくは異なる時間で投与することを特徴としてもよいし、この抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤とを、単一製剤中の有効成分として含有させて投与することを特徴としてもよい。
【0197】
本開示の医薬品及び治療方法では、本開示で使用される単一種のATM阻害剤を、抗HER2抗体-薬物コンジュゲートと組み合わせて投与し得るか、又は2種以上の異なるATM阻害剤を、この抗体-薬物コンジュゲートと組み合わせて投与し得る。
【0198】
本開示の医薬品及び治療方法を、癌の処置に使用し得、好ましくは、乳癌(例えば、三種陰性乳癌、及び管腔乳癌)、胃癌(胃腺癌とも称される)、結腸直腸癌(結腸及び直腸癌とも称され、結腸癌及び直腸癌が含まれる)、肺癌(例えば、小細胞肺癌、及び非小細胞肺癌)、食道癌、頭頸部癌(例えば、唾液腺癌、及び咽頭癌)、食道胃接合部腺癌、胆道癌(例えば、胆管癌)、パジェット病、膵癌、卵巣癌、子宮癌肉腫、尿路上皮癌、前立腺癌、膀胱癌、胃腸間質腫瘍、子宮頸癌、扁平上皮癌、腹膜癌、肝癌、肝細胞癌、子宮体癌腫、腎癌、外陰癌、甲状腺癌、陰茎癌、白血病、悪性リンパ腫、形質細胞腫、骨髄腫、神経膠腫、多形性膠芽腫、骨肉腫、肉腫、及び黒色腫からなる群から選択される少なくとも1つの癌の処置に使用し得、より好ましくは、乳癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌(好ましくは非小細胞肺癌)、膵癌、卵巣癌、前立腺癌、及び腎癌からなる群から選択される少なくとも1つの癌の処置に使用し得る。
【0199】
HER2腫瘍マーカーの有無を、例えば、癌患者から腫瘍組織を採取して、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)標本を調製し、この標本を、例えば、免疫組織化学(IHC)法、フローサイトメトリー、又はウエスタンブロッティングによる遺伝子産物(タンパク質)に関する検査に供するか、又は例えば、インサイチュハイブリダイゼーション(ISH)法、定量PCR法(q-PCRR)、若しくはマイクロアレイ分析による遺伝子転写に関する検査に供することにより決定し得るか、又は癌患者から無細胞循環腫瘍DNA(ctDNA)を採取し、このctDNAを、次世代配列決定(NGS)等の方法による検査に供することにより決定し得る。
【0200】
本開示の医薬品及び治療方法を、癌に使用し得、この癌は、HER2過剰発現癌(高又は中程度)であってもよいし、HER2低発現癌であってもよい。
【0201】
本開示では、「HER2過剰発現癌」という用語は、当業者によりHER2過剰発現癌と認識される限りにおいて特に限定されない。HER2過剰発現癌の好ましい例として、下記が挙げられ得る:IHC法においてHER2の発現に関して3+のスコアが付与されている癌、及びIHC法においてHER2の発現に関して2+のスコアが付与されており且つインサイチュハイブリダイゼーション法(ISH)においてHER2の発現に関して陽性と決定されている癌。本開示のインサイチュハイブリダイゼーション法として、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション法(FISH)、及びデュアルカラーインサイチュハイブリダイゼーション法(DISH)が挙げられる。
【0202】
本開示では、「HER2低発現癌」という用語は、当業者によりHER2低発現癌と認識される限りにおいて特に限定されない。HER2低発現癌の好ましい例として、下記が挙げられ得る:IHC法においてHER2の発現に関して2+のスコアが付与されており且つインサイチュハイブリダイゼーション法においてHER2の発現に関して陰性と決定されている癌、及びIHC法においてHER2の発現に関して1+のスコアが付与されている癌。
【0203】
IHC法によりHER2発現の程度をスコア化する方法、又はインサイチュハイブリダイゼーション法によりHER2発現に対して陽性若しくは陰性と決定する方法は、当業者により認識される限りにおいて特に限定されない。この方法の例として、HER2検査のガイドライン、乳癌の第4版(乳癌に関するHER2の最適使用のための日本病理委員会(Japanese Pathology Board)により策定されている)で説明されている方法が挙げられ得る。
【0204】
癌(特に、乳癌の処置に関する癌)は、HER2過剰発現(高若しくは中程度)乳癌又は低発現乳癌、又は三種陰性乳癌であり得、並びに/又はIHC 3+、IHC 2+、IHC 1+、若しくはIHC>0及び<1+のHER2ステータススコアを有し得る。
【0205】
本開示の医薬品及び治療方法を、好ましくは哺乳動物に使用し得るが、より好ましくはヒトに使用する。
【0206】
本開示の医薬品及び治療方法の抗腫瘍効果を、癌細胞を被験動物に移植してモデルを調製し、本開示の医薬品及び治療方法の適用による腫瘍量の減少又は延命効果を測定することにより確認し得る。次いで、本開示で使用される抗体-薬物コンジュゲートとATM阻害剤との併用の効果を、本開示で使用される抗体-薬物コンジュゲートの単独投与による抗腫瘍効果、及びこのATM阻害剤の単独投与による抗腫瘍効果を比較することにより確認し得る。
【0207】
本開示の医薬品及び治療方法の抗腫瘍効果を、固形腫瘍の応答評価基準(RECIST)、WHO評価方法、Macdonald評価方法、体重測定、及び他のアプローチによる評価方法の内のいずれかを使用する臨床試験で確認し得、完全奏効(CR)、部分奏効(PR);進行性疾患(PD)客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、及び同類のものの指標に基づいて決定し得る。
【0208】
上記方法を使用することにより、癌処置用の既存の医薬品及び治療方法に対する本開示の医薬品及び治療方法の抗腫瘍効果の優位性を確認し得る。
【0209】
本開示の医薬品及び治療方法により、癌細胞の発達を遅延させ得、その増殖を阻害し得、さらには癌細胞を死滅させ得る。これらの効果により、癌患者は、癌により引き起こされる症状がなくなり得るか、又は癌患者の生活の質(QOL)の改善が達成され得、且つ癌患者の生活を維持することによって治療効果が達成され得る。本開示の医薬品及び治療方法が、癌細胞の死滅を達成し得ない場合であっても、癌細胞の増殖を阻害するか又は制御することにより、長期生存を達成しつつ、癌患者のより高いQOLを達成し得る。
【0210】
本開示の医薬品は、患者への全身治療としての適用、加えて癌組織への局所適用により、治療効果を発揮することが期待され得る。
【0211】
少なくとも1種の薬学的に好適な成分を含む本開示の医薬品を投与し得る。薬学的に好適な成分は、本開示で使用される抗体-薬物コンジュゲート及びATM阻害剤の投与量、投与濃度、又は同類のものに従って、当該技術分野で一般に使用される製剤添加剤又は同類のものから好適に選択され得、且つ適用され得る。本開示で使用される抗HER2抗体-薬物コンジュゲートを、例えば、ヒスチジン緩衝液等の緩衝液、スクロース及びトレハロース等のビヒクル、並びにポリソルベート80及び20等の界面活性剤を含む医薬品として投与し得る。本開示で使用される抗体-薬物コンジュゲートを含む医薬品を、好ましくは、注射剤として使用し得、より好ましくは、水性注射剤又は凍結乾燥注射剤として使用し得、さらにより好ましくは、凍結乾燥注射剤として使用し得る。
【0212】
本開示で使用される抗HER2抗体-薬物コンジュゲートを含む医薬品が水性注射剤である場合には、この水性注射剤を、好ましくは、好適な希釈剤で希釈し、次いで静脈内注入として投与し得る。希釈剤の例として、デキストロース溶液及び生理食塩水が挙げられ得、好ましくはデキストロース溶液が例示され得、より好ましくは5%デキストロース溶液が例示され得る。
【0213】
本開示の医薬品が凍結乾燥注射剤である場合には、注射用水に予め溶解させる凍結乾燥注射剤の必要量を、好ましくは、好適な希釈剤で希釈し、次いで静脈内注入として投与し得る。希釈剤の例として、デキストロース溶液及び生理食塩水が挙げられ得、好ましくはデキストロース溶液が例示され得、より好ましくは5%デキストロース溶液が例示され得る。
【0214】
本開示の医薬品の投与に適用可能な投与経路の例として、静脈内経路、皮内経路、皮下経路、筋肉内経路、及び腹腔内経路が挙げられ得、静脈内経路が好ましい。
【0215】
本開示で使用される抗HER2抗体-薬物コンジュゲートを、1~180日の間隔でヒトに投与し得、好ましくは1週間、2週間、3週間、又は4週間の間隔で投与し得、より好ましくは3週間の間隔で投与し得る。本開示で使用される抗HER2抗体-薬物コンジュゲートを、1回の投与当たり約0.001~100mg/kgの用量で投与し得、好ましくは、1回の投与当たり0.8~12.4mg/kgの用量で投与し得る。例えば、この抗HER2抗体-薬物コンジュゲートを、0.8mg/kg、1.6mg/kg、3.2mg/kg、5.4mg/kg、6.4mg/kg、7.4mg/kg、又は8mg/kgの用量で3週間毎に1回投与し得、好ましくは、5.4mg/kg又は6.4mg/kgの用量で3週間毎に1回投与し得る。
【0216】
式(I)又は(II)の化合物は、通常、2.5~5000mg/m2(動物の体面積)又は約0.05~100mg/kgの範囲内の単位用量で温血動物に投与されることとなり、これにより、通常は、治療上有効な用量が提供される。錠剤又はカプセル剤等の単位剤形は、通常、例えば0.1~250mgの有効成分を含むこととなる。1日用量は、処置される宿主、特定の投与経路、同時に行われる何れかの治療、及び処置している疾病の重症度に依存して必ず変動する。従って、任意の特定の患者を処置している開業医は、最適な投与量を決定し得る。
【0217】
本医薬品は、経口使用に好適な形態(例えば、錠剤、ロゼンジ、ハード若しくはソフトカプセル、水性若しくは油性の懸濁剤、乳剤、分散性の散剤若しくは顆粒剤、シロップ、又はエリキシルとして好適な形態)、局所使用に好適な形態(例えば、クリーム、軟膏、ゲル、又は水性若しくは油性の液剤若しくは懸濁剤として好適な形態)、吸入による投与に好適な形態(例えば、微粉化された粉末、又は液体エアロゾルとして好適な形態)、吹送による投与に好適な形態(例えば、微粉化された粉末として好適な形態)、又は非経口投与に好適な形態(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、若しくは筋肉内投与のための無菌の水性若しくは油性の溶液として好適な形態)、又は直腸内投与のための座剤として好適な形態であり得る。この組成物を、当該技術分野で公知の通常の手順により得ることができる。経口使用として意図されている組成物は、追加的成分を含み得、例えば、1種又は複数種の着色剤、甘味料、香味料、及び/又は保存剤を含み得る。
【0218】
特定の病状の治療的処置に必要な用量のサイズは、処置される対象、投与経路、及び処置している疾病の重症度に依存して必ず変動する。式(I)又は(II)の化合物は、通常、2.5~5000mg/m2(動物の体面積)又は約0.05~100mg/kgの範囲内の単位用量で温血動物に投与されることとなり、これにより、通常は、治療上有効な用量が提供される。錠剤又はカプセル剤等の単位剤形は、通常、例えば0.1~250mgの有効成分を含むこととなる。
【0219】
本開示の医薬品及び治療方法を、外科手術と組み合わせたアジュバント化学療法として使用し得る。本開示の医薬品を、外科手術前に腫瘍サイズを縮小する目的投与してもよいし(手術前アジュバント化学療法又はネオアジュバント療法と称される)、外科手術後に腫瘍の再発を予防する目的で投与してもよい(手術後アジュバント化学療法又はアジュバント療法と称される)。
【実施例】
【0220】
本開示を、下記に示す実施例を考慮して具体的に説明する。しかしながら、本開示は、これらに限定されない。さらに、決して限定的に解釈されるべきではない。
【0221】
実施例1:抗体-薬物コンジュゲートの製造
国際公開第2015/115091号パンフレットで説明されている製造方法に従い、且つ抗HER2抗体(配列番号11で表されるアミノ酸配列(配列番号1のアミノ酸残基1~449)からなる重鎖と、配列番号2の全アミノ酸残基1~214からなるアミノ酸配列からなる軽鎖とを含む抗体)を使用して、下記式:
【化26】
(式中、Aは、抗体への接続位置を表す)
で表される薬物-リンカーが、チオエーテル結合を介して抗HER2抗体にコンジュゲートしている、抗HER2抗体-薬物コンジュゲートを製造した(DS-8201:トラスツズマブ デルクステカン)。この抗体-薬物コンジュゲートのDARは、7.7又は7.8であった。
【0222】
実施例2:ATM阻害剤の製造
国際公開第2017/046216号パンフレットで説明されている製造方法に従って、式(I)のATM阻害剤を調製する。具体的には、国際公開第2017/046216号パンフレットの実施例2に従って、7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン:
【化27】
を調製し得る。
【0223】
実施例3:抗腫瘍試験(1)
抗体-薬物コンジュゲートDS-8201(トラスツズマブ デルクステカン)とATM阻害剤AZD1390(7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン)との組合わせ
【0224】
方法:
ハイスループット組合わせスクリーニングを実行し、このスクリーニングでは、HER2発現が様々な3種の乳癌細胞系統、及びHER2発現が高い1種の胃細胞系統(表1)を、DS-8201及びAZD1390(ATM阻害剤)の組合わせで処置した。
【0225】
【0226】
このスクリーニングの読み取りは、7日間の細胞タイター-グロ細胞生存率アッセイ(cell titer-glo cell viability assay)であり、各組合わせに関する6×6用量反応マトリックスとして実行した(DS-8201に関しては5点対数連続希釈、及びパートナーに関しては半対数連続希釈)。加えて、AZD1390と並行して、トラスツズマブ及びエキサテカン(DNAトポイソメラーゼI阻害剤)もスクリーニングした。併用活性を、ΔEmax及びHSA相乗スコアの組合わせに基づいて評価した。
【0227】
結果:
結果を、
図12A及び12B、並びに表2に示す。
【0228】
図12Aは、測定した細胞生存率シグナルのマトリックスを示す。X軸は、薬物A(DS-8201)を表し、Y軸は、薬物B(AZD1390)を表す。ボックス内の値は、7日目でのDMSOコントロールと比較した、薬物A+Bで処置された細胞の比を表す。全ての値は、0日目での細胞生存率の値に対して正規化されている。0~100の値は、増殖阻害%を表し、100を超える値は、細胞死を表す。
図12Bは、HSA過剰マトリックスを示す。ボックス内の値は、HSA(最高単一薬剤(Highest Single Agent))モデルにより算出された過剰値を表す。
【0229】
下記の表2は、HSA相乗スコア及びLoewe相加スコアを示す。
【0230】
【0231】
Loewe用量相加性は、2種の化合物が同一分子標的に対して同一機序で作用する場合に期待される反応を予測する。このLoewe用量相加性は、化合物間の相互作用がゼロであるという仮定に基づいて相加性を算出し、用量反応関係の性質から独立している。
【0232】
HSA(最高単一薬剤)[Berenbaum 1989]は、対応する濃度での2種の単一化合物の効果の高い方を定量する。併用効果は、この組合わせで使用された濃度での各単一薬剤の効果と比較される。最高単一薬剤効果の超過は、協同性を示す。HSAは、化合物が同一標的に影響を及ぼすことを必要としない。
【0233】
過剰マトリックス:濃度マトリックス中の各ウェルに関して、測定値又は適合値は、各濃度ペアに関して予測される非相乗値と比較される。この予測値は、選択されたモデルにより決定される。予測値と実測値との差違は、相乗作用又は拮抗作用を示し得、過剰マトリックスで示されている。過剰マトリックス値は、過剰量及び相乗スコアの組合わせスコアにまとめられている。
【0234】
図12A及び12B、並びに表2に示すように、DS-8201と組み合わされたAZD1390(AZ13791971)は、EMAX(0.3μM AZD1390及び10μg/ml(0.064μM)DS-8201)にて、HER2+細胞系統KPL4及びNCI-N87において、相乗活性と細胞死の増加とを示した。より低い濃度で、併用活性も観察した。単一薬剤AZD1390は、選択された濃度範囲内では活性ではなかった。加えて、AZD1390及びDS-8201は、HER2低細胞系統MDA-MB-468及びT47Dにおいて、DS-8201 Emaxで併用活性を示した。
【0235】
結果から、AZD1390を使用するATM阻害により、インビトロで、高HER2発現細胞系統及び低HER2発現細胞系統の両方においてDS-8201の抗腫瘍有効性が増強されることが実証されている。AZD1390は、HER2高細胞系統において、相乗的な併用活性と細胞死の増加とを示した。HER2低癌細胞系統においても、有益な併用活性を観察した。
【0236】
実施例4:抗腫瘍試験(2)
抗体-薬物コンジュゲートDS-8201(トラスツズマブ デルクステカン)とATM阻害剤AZD1390(7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン)との組合わせ
【0237】
DS-8201又はメシル酸エキサテカンを、HER2発現レベルが異なる癌細胞系統において、単独で試験し、且つAZD1390と組み合わせて試験した。
【0238】
方法:
それぞれの条件下で増殖した細胞を、アッセイ期間(4~8日間;処置期間は、各細胞系統の増殖速度に依存する)にわたり、線形増殖が可能な最適密度にて96ウェルプレート中に蒔種した。蒔種の直後に、細胞に、示された化合物を200μL/ウェルの総体積で投与し、インキュベーターに入れた。組合わせを、各組合わせに関して6×8濃度応答マトリックスとして実行した。終点で、細胞を、室温にて20分にわたり2% PFAで固定した。処置開始時の細胞数を得るために、各実験に1つの追加のプレートを使用し、細胞を付着させた後に固定した。次いで、細胞を、10分にわたりPBS中の0.5% Triton-X100で透過処理した。PBS洗浄後、細胞を、RTで1時間、PBS中の5% PBSでブロックし、4℃で一晩、5% FBS+0.05% triton中において一次抗体と共にインキュベートした。PBSでの3回の洗浄後、細胞を、室温にて1時間にわたり、Hoechst33258を含む5% FBS+0.05% triton中において二次抗体と共にインキュベートした。PBSでの3回の洗浄後、細胞を、10倍対物レンズ及び9個の視野/ウェルにてCellinsight機器でスキャンした。画像を、核のHoechst染色に基づく細胞数と、調べた他のバイオマーカーの核強度とに関して、Columbusを使用して解析した。総細胞数/ウェルを使用して、溶媒コントロールと比較した各ウェルでの相対増殖を算出した。相乗スコアを算出するために、増殖阻害データを、Combenefitソフトウェアを使用して解析した(Di Veroli GY et al.,Bioinformatics 2016,32(18),2866-8)。IFバイオマーカーの核強度の合計の平均/ウェルも、溶媒コントロールと比較して表した。
【0239】
結果:
結果を、
図13~15、並びに表3及び4に示す。
【0240】
下記の表3は、インビトロ試験で使用した細胞系統に対するDS-8201、エキサテカン、及びAZD1390の単剤療法活性を示す。
【0241】
【0242】
図13は、HER2-高KPL4細胞系統における、DS-8201とAZD1390との組合わせに関する相乗マトリックスを示す。
【0243】
図13において、(A)は、DMSOビヒクルコントロールの割合としての相対総細胞(核)数を示し(コントロール=100%、残存する細胞なし=0%;暗い領域は、総細胞数が非常に少ない領域である)、(B)は、Loeweスコア、Blissスコア、及びHSAスコアに関する算出された相乗マトリックスを示す(より高い=より大きい相乗作用;暗い領域は、組合わせ相乗作用が高い領域である)。
【0244】
下記の表4は、AZD1390と組み合わされたDS-8201に関する相乗スコア(Loewe、Bliss、及びHSA)の合計を示す。
【0245】
【0246】
図14は、(A)HER2-高KPL4細胞系統、及び(B)HER2-陰性MDA-MB-468細胞系統における、DS-8201とAZD1390との組合わせに関する時間ゼロと比較した4~8日間処置後に残存する総細胞の倍数変化を示す。正の値は、増殖(倍数増加)を示しており、ゼロの値は、細胞分裂停止を示しており、負の値は、正味の細胞の喪失を表しており、且つ細胞死の代わりとなる。枠で囲まれた領域は、単剤療法と比較した組合わせの細胞分裂停止又は細胞喪失の領域を示す。
【0247】
図15は、(A)HER2-高KPL4細胞系統、又は(B)HER2-低MDA-MB-468細胞系統における、DS-8201とAZD1390との組合わせに関するATM依存性KAP1 pSer824シグナル伝達の誘導、DNA二本鎖切断損傷(γH2AX)バイオマーカー、又は細胞数の割合(対溶媒コントロール)を示す。枠で囲まれた領域は、単剤療法と比較した組合わせのDNA損傷応答の誘導、DNA損傷、又は細胞喪失の増加の領域を示す。
【0248】
上記の結果によれば、高HER2 KPL4乳癌細胞系統モデルにおいて、ATM阻害剤AZD1390と組み合わされたDS-8201(及びエキサテカン)の臨床的に適切な濃度で、相乗活性及び細胞死を観察した。加えて、DS-8201(及びエキサテカン)は、ATMのバイオマーカー(KAP1 pSer824)の活性化及びDNA鎖切断(γH2AX)を濃度依存的に誘導し、この誘導は、AZD1390との組合わせでさらに増強された。HER2-陰性MDA-MB-468乳癌細胞系統では、DS-8201の組合わせにおいて、弱い組合わせ活性、及び乏しいDNA損傷応答経路の活性化を観察したが、エキサテカンは、組合わせ活性を依然として示しており、DS-8201のHER2及び腫瘍標的化依存性を支持したが、遊離エキサテカンでは支持されていない。これらのデータは、腫瘍HER2発現に依存するATM阻害剤AZD1390と組み合わされた場合に、DS-8201による活性の強力な増強を示しており、従って、遊離トポイソメラーゼ-I阻害剤と比較して治療指数を増加させ得る。
【0249】
実施例5:抗腫瘍試験(3)-インビボ
抗体-薬物コンジュゲートDS-8201(トラスツズマブ デルクステカン)とATM阻害剤AZD1390(7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン)との組合わせ
【0250】
方法:
5~8週齢の雌のヌードマウス(Charles River)を使用し、7日間の順化後に、この試験に参加させた。この雌のヌードマウスの脇腹に、1×107個のNCI-N87腫瘍細胞(Matrigel中に1:1)を皮下移植した。腫瘍が約150mm3に達した場合に、同様のサイズの腫瘍を、表5に示す処置群に無作為に割り当てた。
【0251】
【0252】
各動物に対する化合物の用量を、投与日での個々の体重に基づいて算出した。DS-8201用量の24時間後に、AZD1390を投与した。別途述べない限り、投与期間は28日(1サイクル)であった。
【0253】
3mg/kg及び1mg/kgでのDS-8201の製剤化
投与日に、DS-8201ストック(20.1mg/ml)を、25mM ヒスチジン緩衝液、9%スクロース(pH5.5)に、3mg/kg及び1mg/kgそれぞれの投与溶液に関して0.6mg/ml及び0.2mg/mlまで希釈することにより、DS-8201の投与溶液を調製した。各投与溶液を、ピペットを使用して十分に混合した後、5ml/kgの投与量でのIV注射により投与した。
【0254】
10mg/kgでのAD1390の製剤化
10mg/kg投与溶液を製剤化するために、1mg/ml AZD1390の最終濃度を調製し、PO投与のための10mg/kgの投与量を得た。最初に、0.1% Tween 80(ビヒクル)を含む0.5% HPMCで、5mg/ml 投与溶液を調製した。この化合物を、一晩撹拌した後、投与日に、1mg/ml 投与溶液までさらに希釈した。この投与溶液を遮光し、継続的に混合しつつ最大4日にわたり室温で保持した。10mg/kg AZD1390の最終投与マトリックスは、白色懸濁液であった。
【0255】
測定
試験開始から腫瘍測定日までの腫瘍増殖阻害(TGI)を、コントロール群及び処置群に関する腫瘍体積の幾何平均変化の比較により評価した。腫瘍退縮を、ベースライン(処置前)値からの腫瘍体積の減少率として算出した:
退縮%=(1-RTV)×100%
(式中、RTV=幾何平均相対腫瘍体積)。ビヒクルコントロールと比較して、最終測定日での(log(相対腫瘍体積)=log(最終体積/開始体積))の片側t検定を使用して、統計学的有意性を評価した。
【0256】
結果:
DS-8201及び/又はAZD1390による処置に関する腫瘍体積を、
図16に示す。データは、処置群に関する経時的な腫瘍体積の変化を表す。
図16中の点線は、投与期間の終了を表す。全用量及びスケジュールの情報に関しては、上記の表5を参照されたい。示された値は、平均±SEMであり、最初に、ビヒクル処置マウスに関してn=10であり、全ての他の処置群に関してn=8である。
【0257】
NCI-N87異種移植における、DS-8201若しくはAZD1390単独による処置、又はAZD1390と組み合わされたDS-8201による処置の後のTGI最良奏効(最大TGI/退縮)を、表6に示す。
【0258】
【0259】
3mg/kgでのDS-8201による単剤療法は、処置後33日目に、84%という最大の腫瘍増殖阻害(TGI)を示した。1mg/kgにて、DS-8201は、処置後37日目に、22%という最大TGIを示した。AZD1390単剤療法は、処置後40日目に、37%という最大TGIに達した。1mg/kgでのDS-8201による組合わせ処置により、ビヒクル処置コントロールマウスと比較してNCI-N87腫瘍負荷が有意に減少し、処置後40日目に、82%という最大TGIにて、DS-8201 1mg/kg+AZD1390により有意な効果を観察した。より高い用量のDS-8201 3mg/kg及びAZD1390を使用する併用療法により腫瘍退縮が達成され、処置後33日目に最大TGIが143%であり、それぞれの単剤療法と比べて良好な奏効が示された。全ての処置群は、耐容性を示しており、ビヒクル群、単剤療法群、及び併用群の間で、平均体重の一貫した差違を観察しなかった。
【0260】
実施例6:ATMシグナル伝達の阻害
DS-8201とATM阻害剤AZD1390との組合わせ
【0261】
方法
胃癌NCI-N87及び乳癌KPL4細胞系統を、37℃及び5%CO2にて、加湿インキュベーター中において、10% FCSが補充されたRPMI 1640中で培養した。このアッセイの期間中に線形増殖を可能にするのに最適な密度で、細胞を、6ウェルプレートに蒔種した。蒔種の2日後に、細胞に、指定の化合物(AZD1390単独、又はDS-8201若しくはメシル酸エキサテカンとの組合わせ)を投与し、インキュベーター中に戻した。投与の7時間、24時間、又は48時間後、プロテアーゼ阻害剤及びホスファターゼ阻害剤を含む50mM Tris-HCl pH7.5、2%SDSでの溶解により、全細胞抽出物を得た。溶解物を、95℃で5分にわたり沸騰させた。240nmでNanodropを使用してタンパク質濃度を測定し、溶解物50μgを、4~12%Bis Trisゲルにロードした。タンパク質を、iblot2を使用して転写した。一次抗体(表7を参照されたい)を、3%ミルクTBS-Tween0.05%中において4℃で一晩インキュベートし、HRPがコンジュゲートした二次抗体を、室温で1時間にわたりインキュベートした。
ブロットを、G-boxを使用して画像化した。
【0262】
【0263】
結果:
結果を、(A)NCI-N87(胃癌)細胞系統及び(B)KPL4(乳癌)細胞系統において、AZD1390単独、又はDS-8201(若しくはメシル酸エキサテカン)との組合わせを使用して得られた抗体ブロット画像の形式で、表17に示す。
【0264】
Her2-高NCI-N87及びKPL4の両方において、pATM-S1981、pChk2-T68、及びpKap1-S824の増加により示されるように、30μg/mLでのDS-8201又は弾頭(メシル酸エキサテカン)への曝露により、ATM経路の活性化が誘導された。100nMでのAZD1390との組合わせにより、pATM、pChk2、及びpKAP1の活性化が阻害され、DNA損傷(pRPA、gH2AX)が悪化し、最終的には細胞死(cCasp3)が増加した。
【0265】
そのため、AZD1390は、DS-8201により誘導されるATMシグナル伝達を阻害することが示されている。
【0266】
実施例7:抗腫瘍試験(4)
抗体-薬物コンジュゲートDS-8201(トラスツズマブ デルクステカン)とATM阻害剤AZD1390(7-フルオロ-1-イソプロピル-3-メチル-8-[6-[3-(1-ピペリジル)プロポキシ]-3-ピリジル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン)との組合わせ
【0267】
方法:
ハイスループット組合わせスクリーニングを実行し、このスクリーニングでは、HER2が高発現している肺癌細胞系統(表8)を、DS-8201及びAZD1390の組合わせで処置した。
【0268】
【0269】
このスクリーニングの読み取りは、7日間の細胞タイター-グロ細胞生存率アッセイであり、各組合わせに関する6×6用量反応マトリックスとして実行した(DS-8201及びAZD1390の両方を、半対数連続希釈で使用した)。併用活性を、ΔEmax及びHSA相乗スコアの組合わせに基づいて評価した。
【0270】
結果:
結果を、
図18A及び18B、並びに表9に示す。
【0271】
図18Aは、測定した細胞生存率シグナルのマトリックスを示す。X軸は、薬物A(DS-8201)を表し、Y軸は、薬物B(AZD1390)を表す。ボックス内の値は、7日目でのDMSOコントロールと比較した、薬物A+Bで処置された細胞の比を表す。全ての値は、0日目での細胞生存率の値に対して正規化されている。0~100の値は、増殖阻害%を表し、100を超える値は、細胞死を表す。
【0272】
図18Bは、HSA過剰マトリックスを示す。ボックス内の値は、HSA(最高単一薬剤)モデルにより算出された過剰値を表す。
【0273】
下記の表9は、HSA相加スコア及びLoewe相乗スコアを示す。
【0274】
【0275】
図18A及び18B、並びに表9から分かるように、AZD1390は、DS-8201と相乗的に相互作用しており、HER2高肺癌系統での細胞死も増加させた。
【0276】
上述の明細書は、当業者が本実施形態を実行することを可能にするのに十分であると考えられている。上述の説明及び実施例は、ある特定の実施形態を詳述しており、且つ本発明者らにより企図される最良の形式を説明している。しかしながら、上文がテキストでいかに詳細に述べられていても、本実施形態が多くの方法で実行され得、特許請求の範囲がその任意の均等物を含むことが理解されるだろう。
【0277】
配列表のフリーテキスト
配列番号1-抗HER2抗体の重鎖のアミノ鎖配列
配列番号2-抗HER2抗体の軽鎖のアミノ鎖配列
配列番号3-重鎖CDRH1のアミノ酸配列[=配列番号1のアミノ酸残基26~33]
配列番号4-重鎖CDRH2のアミノ酸配列[=配列番号1のアミノ酸残基51~58]
配列番号5-重鎖CDRH3のアミノ酸配列[=配列番号1のアミノ酸残基97~109]
配列番号6-軽鎖CDRL1のアミノ酸配列[=配列番号2のアミノ酸残基27~32]
配列番号7-軽鎖CDRL2のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列(SAS)[=配列番号2のアミノ酸残基50~56]
配列番号8-軽鎖CDRL3のアミノ酸配列[=配列番号2のアミノ酸残基89~97]
配列番号9-重鎖可変領域のアミノ酸配列[=配列番号1のアミノ酸残基1~120]
配列番号10-軽鎖可変領域のアミノ酸配列[=配列番号2のアミノ酸残基1~107]
配列番号11-重鎖のアミノ酸配列[=配列番号1のアミノ酸残基1~449]
【配列表】
【国際調査報告】