(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-19
(54)【発明の名称】同調計時器組立体
(51)【国際特許分類】
G04B 27/00 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
G04B27/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023506241
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(85)【翻訳文提出日】2023-03-17
(86)【国際出願番号】 EP2020071504
(87)【国際公開番号】W WO2022022827
(87)【国際公開日】2022-02-03
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504341564
【氏名又は名称】モントレー ブレゲ・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ツァウク,エム・アラン
(57)【要約】
本発明は、同調置時計(100)によって同調腕時計(200)を永続的に時間設定する方法に関し、同調置時計(100)は、腕時計(200)と共に同調組立体(1000)を形成し、腕時計(200)は、基準位置が規定される時表示器(4)と分表示器(5)とを含み、時間設定は、前記置時計(100)は、置時計(100)又は腕時計(200)内に含まれる制御手段(300)に対するユーザの作用による要求時にのみ実行されるか、又は置時計(100)によって自動的、周期的に制御される。時間設定を実施するため、置時計(100)は、表示器(4、5)が基準位置を通過することを保証するのに十分に長い行程で、腕時計の表示器(4、5)を逆に反時計回り方向で駆動する。又は置時計は、ハートピースによって、基準位置への表示器の変位を保証するように配設された腕時計(200)の手段を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同調置時計(100)によって同調腕時計(200)を永続的に時間設定する方法であって、前記同調腕時計(200)は、前記置時計(100)と共に同調組立体(1000)を形成し、前記同調組立体(1000)は、伝達位置で前記置時計(100)内に含まれるレセプタクル(150)の中に前記腕時計(200)を置いた際に前記置時計(100)と前記腕時計(200)との間に少なくとも2つの個別伝達線を含む接続機構を含み、前記腕時計(200)は、少なくとも1つの共振器(10)、及び表示歯車列、及び最終歯車列、及び前記共振器(10)の動作を停止するように構成される少なくとも1つの停止機構(20)、又は前記最終歯車列から前記表示器を分離可能にする結合機構、又は前記停止機構(20)及び前記結合機構の両方を含み、前記腕時計(200)は、基準位置が規定される少なくとも1つの時表示器(4)と1つの分表示器(5)とを含む、方法において、前記時間設定は、前記置時計(100)は、前記置時計(100)又は前記腕時計(200)内に含まれる制御手段(300)に対するユーザの作用による要求時にのみ実行されるか、又は前記置時計(100)によって自動的、周期的に制御されること、並びに前記時間設定のため、前記置時計(100)は、前記表示器(4、5)が前記基準位置を通過することを保証するのに十分に長い行程で、前記腕時計の表示器(4、5)を逆に反時計回り方向で駆動すること、又は前記置時計は、ハートピースによって、前記基準位置への前記表示器の変位を保証するように配設された前記腕時計(200)の手段を制御することを特徴とする、時間設定方法。
【請求項2】
インターフェースを通じて、前記置時計(100)は、前記腕時計の前記分表示器(5)を駆動し、前記分表示器を通じて、前記腕時計の前記時表示器(4)を反時計回り方向で駆動し、前記分表示器及び前記時表示器を前記基準位置でブロックし、前記置時計(100)による駆動は、摩擦システム上で継続されること、並びに次に、適切なインターフェースを通じて、前記置時計(100)は、今度は、通常の時計回り方向で前記腕時計の前記分表示器(5)を駆動し、前記分表示器によって、前記表示器が厳密な時間に到達するまで前記腕時計の前記時表示器(4)を連続回転で駆動することを特徴とする、請求項1に記載の時間設定方法。
【請求項3】
前記制御手段(300)に対するユーザの作用により、前記停止機構(20)を作動し、前記表示器(4、5)を前記基準位置に駆動する前に前記共振器(10)の動作を停止すること、及び前記腕時計(200)の前記表示器(4、5)が瞬間的な時間に到達した後、前記置時計(100)は、前記腕時計(200)が伝達位置で前記レセプタクル(150)内にあるかぎり前記表示器(4、5)を駆動すること、並びに前記腕時計(200)が前記レセプタクル(150)から外されると、前記腕時計(200)を前記置時計(100)から分離し、前記停止機構(20)を解放し、前記共振器(10)の動作を可能にすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の時間設定方法。
【請求項4】
ユーザが前記制御手段(300)に対して作用すると、前記置時計(100)は、オールオアナッシング・インターフェースを通じて前記停止機構(20)を作動させ、前記共振器(10)の動作を停止させることを特徴とする、請求項3に記載の時間設定方法。
【請求項5】
前記表示器(4、5)を逆に駆動するため、前記置時計(100)は、前記表示器(4、5)を運動伝達インターフェースを通じて駆動すること、及び前記表示器(4、5)が通常の時計回り方向で瞬間的な時間に到達した後、前記置時計(100)は、前記腕時計(200)が伝達位置で前記レセプタクル(150)内にあるかぎり、前記表示器(4、5)を実際の速度で駆動すること、及び前記腕時計(200)が前記レセプタクル(150)から外されると、前記腕時計(200)を前記置時計(100)から分離し、前記運動伝達インターフェースと前記表示器(4、5)との間に結合解除をもたらすことを特徴とする、請求項3又は4に記載の時間設定方法。
【請求項6】
前記腕時計(200)が12時の表示を表示する場合、前記行程は、12時間を超える値が選択されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の時間設定方法。
【請求項7】
前記腕時計(200)は、前記表示器(4、5)のそれぞれに対して、爪を備え、前記爪は、前記腕時計200が前記基準位置に対応する位置に切り替わる際に前記表示器(4、5)をブロックするように構成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の時間設定方法。
【請求項8】
自動永続的時間設定トリガが選択され、前記自動永続的時間設定トリガは、周期的に、前記置時計(100)の前記表示器の回転に接続される機構によって、又はユーザによって設定された補助機構のトリガによって、アラーム型機構内でユーザによって規定される瞬間で、前記置時計(100)によって制御されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の時間設定方法。
【請求項9】
前記永続的時間設定は、時間設定要求の間のユーザの作用によって、又は前記置時計(100)による時間設定制御によってトリガされることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の時間設定方法。
【請求項10】
巻上げは、前記巻上げを可能にする前記永続的時間設定の間、前記制御手段(300)に対するユーザの作用の間の要求時にのみ実行されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の時間設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同調計時器組立体に関し、同調計時器組立体は、置時計と、少なくとも1つの腕時計とを含み、少なくとも1つの腕時計は、単一伝達位置で置時計内に含まれるレセプタクル内に置かれるように構成され、前記同調組立体は、前記腕時計が前記伝達位置で前記レセプタクル内に置かれている際に前記置時計と各腕時計との間に接続機構を含む。
【0002】
本発明は、同調置時計及び腕時計というかなり特定の分野に関し、これらの対が対になった計時器はそれぞれ、時間を計数する時間基準と、測時器変数を表示する表示手段とを含み、特に、これら表示手段は、ユーザが、置時計上の表示及び腕時計上の表示を同時に見ることを可能にするように構成される。
【背景技術】
【0003】
1800年以降、アブラアン-ルイ・ブレゲは、同調置時計を設計しており、同調置時計は、同調置時計専用の腕時計に対する巻上げ、時間設定及び調節を可能にするものであり、腕時計を置時計上に置く以外、他の制約条件はない。
【0004】
これらの3つの機能(最大数の公知の機能である)は、置時計の構造によって規定される時間、概して1日に1回又は2回、同時に実施される。これは、例えば、書籍「The art of Breguet」、ジョージ・ダニエルズ著に記載されるブレゲ置時計No.128及び付随する腕時計No.5009にも当てはまる。時間設定の精度を左右するのは、時間設定をトリガする瞬間である。このことは、この機能が、1800年代の置時計では1日に1回又は2回のみ実行され、1990年代の置時計では2時間おきに行われたことの説明となる。腕時計は、ジョージ・ダニエルズの分析において述べられるように、分修正器の他に、時修正器を有さず、このため、ユーザに、プラス又はマイナス15分程度の最初の大まかな時間設定による事前調節を義務付け、置時計が、通過中に細かな時間設定を実施することに留意されたい。
【0005】
今日まで、こうした種類の機能のみが、いくつかの既存の同調置時計に適用されている。
【0006】
一部の同調置時計は、腕時計の自動香箱型の香箱を永続的に巻き上げ、1日に1回又は2回、固定時間で分の時間設定を実施する。この種の置時計において、香箱の巻上げは、巻き上げられていない腕時計の妥当な時間以内での巻上げを保証するため、急速でなければならない。
【0007】
一部の同調置時計は、腕時計の時間設定から得られる歩度の調節を保証する。
【0008】
これらの同調置時計の構造からは、以下のいくつかの欠点が生じる:
-腕時計が置時計上に継続的に置かれた場合、置時計は、周期的に(2時間ごと、12時間ごと又は24時間ごとに)時間設定し、時間設定機構を不必要に付勢すること、
-腕時計が置時計上に継続的に置かれ、巻上げが一定で急速である場合、この場合に必要とされる自動式香箱は、著しい摩耗を受けること、
-ユーザが腕時計を置時計上に置いた際、腕時計が停止しており、時間設定されていない場合、不確かな時間設定のために、次の設定時間までの通過を待機する必要があること、
-ユーザが腕時計を置時計上に置いた際、腕時計が停止しており、巻上げが時間設定と共に周期的であることが予期される場合、巻上げは、次の設定時間までの通過前に行われず、結果として、腕時計は稼働せず、プラス又はマイナス15分の時間の事前調節は、失われること、
-ユーザが腕時計を置時計上に置いた際、腕時計が停止しており、巻上げが低速で一定であることが予期される場合、腕時計は、数日間、完全な巻上げに到達しないこと、
-ユーザが腕時計を置時計上に置いた際、腕時計が停止しており、巻上げが高速で一定であることが予期される場合、腕時計は、より迅速に完全な巻上げに到達するが、腕時計が置時計上に保管されたままである場合、この高速は、香箱の摺動フランジ機能に向かい、摺動フランジを早期に摩耗させること、
-分の時間設定機能及び巻上げのみが保証され、他の機能の提供又は追加が困難であること。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】書籍「The art of Breguet」、ジョージ・ダニエルズ著
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、公知の技法の欠点を克服することによって、同調置時計及び腕時計の機能を改善することを提案する。
【0011】
本発明の目的は、置時計及び少なくとも1つの腕時計から形成される組立体を開発することであり、組立体は、
-腕時計が置時計上に置かれるとすぐに、腕時計を最適に巻き上げることを常時保証し、
-ユーザの要求時、例えば着用のために腕時計が外される前に時間設定をもたらし、
-例えば厳密な秒で、正確な時間設定の保証を可能にし、
-腕時計が停止している場合でさえ、完全な時間設定の保証を可能にし、
-単に1つの分ではなく、より多くの情報、例えば、秒、分、時、日付、月相及び/又は月齢、曜日、週、月、年、うるう年等の伝達を可能にする。
【0012】
置時計は、真の自律計時器であり、置時計自体の時間基準、並びに置時計が含む複雑機構に関連付けられる置時計自体の時間及び変数の表示器を含む。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的で、本発明は、請求項1に記載の同調組立体に関する。
【0014】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】同調計時器組立体の概略正面図であり、同調計時器組立体は、レセプタクルを含む同調置時計と、このレセプタクル内に置かれる少なくとも1つの腕時計とを含み、置時計と腕時計との間の接続は、2つの斜めの伝達線に沿って行われ、各伝達線は、置時計内に作動器を含み、作動器は、腕時計内のレシーバに対して並進及び/又は回転駆動可能であり、このレシーバは、内部作動器として作用し、開始/停止、時間設定、若しくは巻上げ等の機能の性質を規定するか、又は例えば、時間設定のためのタイマの駆動回転に従って、若しくは特に往復運動の並進に従って、腕時計機構に一定量の動力を伝達し、香箱若しくは特定の機構を巻き上げる。
【
図2】
図1で同一平面上にある2つのそのような伝達線を伴う概略詳細図であり、それぞれの伝達線は、置時計内に収容される下半分シャフトと、腕時計内に収容される上半分シャフトから構成されるシャフトとを含み、制御手段は、2つのシャフトの一方を駆動するように示される。
【
図3】
図2と同様の図であり、2つの平行なシャフトを有する変形形態を示す。
【
図4】平坦区分がスロットと協働することによる、下半分シャフトによる上半分シャフトの回転駆動を示す詳細図である。
【
図5】ばねフィンガが溝と協働することによる、下半分シャフトによる上半分シャフトの並進駆動を示す詳細図である。
【
図6】
図3による2つの上半分シャフトを有する同調腕時計の底面図及び側面図である。
【
図7】第1の作動器及び第2のプッシュ型作動器の特定の実施形態の概略平面詳細図である。
【
図8】要求時、時間設定のために置時計上でデータを取得する図であり、第6の変形形態として以下で説明する。
図8は、
図1と同様であり、置時計を示し、置時計のムーブメントは、おもりによって維持され、従来の前面表示器を含み、おもりの2つの線形案内コラムの間に、2つの伝達シャフトが見え、各伝達シャフトは、腕時計を受け入れるレセプタクル付近で、置時計の上部内の作動器を駆動するように構成される。図の最も左の伝達シャフトは、差動機構の出力であり、腕時計を時間設定するこのケースでは、置時計上で読み取られる変数を較正する。
図8では、停止している腕時計上の時表示器が10h10にある一方で、置時計上の瞬間的な表示は、10h08にあることがわかる。
【
図9】要求時、時間設定のために置時計上でデータを取得する図であり、第6の変形形態として以下で説明する。
図9は、レセプタクルにおける、置時計及び腕時計の2つの作動器の
図8の上部の詳細図である。
図9は、腕時計の様々な表示が重ねられており、分表示の変動のみを示す。腕時計がレセプタクル上に置かれた際の腕時計の最初の表示12h23を破線で示す。反時計回り方向の戻り矢印PESIAMは、時表示器及び分表示器に対する所定の基準位置、ここでは12h00への強制的な戻しを示す。時計回り方向における基本ステップの小矢印PE又はPESAMは、置時計の表示に接近させるように、腕時計の分針に連続的に課される2分のステップの一部を示す。腕時計は、10h10を示し、したがって、4つの2分の基本ステップが完了しており、置時計が10h10に到達した際、置時計の命令下、稼働を直ちに再開する準備ができている。
【
図10】要求時、時間設定のために置時計上でデータを取得する図であり、第6の変形形態として以下で説明する。
図10は、置時計が渦形カムを含む図であり、
図10の詳細は、
図11で見える。渦形カムは、360個の支承部を有し、置時計のムーブメントによって、12時間に1回転の速度で駆動され、渦形カムを通じて、フィーラスピンドルが進行し、置時計の瞬間的な値を読み取る。このフィーラスピンドルは、ラックを含み、ラックは、第2の作動器を駆動するように構成された歯車列と協働する。より詳細には、この歯車列は、差動機構の入力歯車列であり、差動機構の1つの出力歯車列は、図の最も左の伝達シャフトであり、中間車を介して第2の作動器を駆動するように構成される。
【
図11】要求時、時間設定のために置時計上でデータを取得する図であり、第6の変形形態として以下で説明する。
【
図12】要求時、時間設定のために置時計上でデータを取得する図であり、第6の変形形態として以下で説明する。
図12は、
図10と同様の図である。同様であるが、よりかさが少ない実施形態は、2つの渦形カムを有し、一方の渦形カムは、11個以下の支承部であり、時を読み取り、もう一方の渦形カムは、31個以上の支承部であり、2分のステップを読み取る。同様に、それぞれの渦形カムをフィーラスピンドルが横断し、フィーラスピンドルのラックは、単位の差を修正する差動機構の入力を構成する。
【
図13】表示器に対する基準時間設定変形形態の第7の変形形態の図である。
図13は、概略平面図であり、同調腕時計の機構の一部は、クロノグラフ・ハンマと同様のハンマを含み、ハンマは、巻上げ位置及び有効位置を含み、巻上げ位置では、ハンマは、爪によって保持され、ばねによって引っ張られ、有効位置では、ハンマは、第1のハート形時カムの外周部上に載置され、第1のハート形時カムを最小半径まで強制的に回転させる。この第1のハート形時カムは、クロノグラフ機構で使用されるものと同様のものであり、筒車によって支持される。第2の切頭ハート形分カムは、分表示器によって支持される。ジャンパは、分表示器と一体である星形車と支承的に協働する。
【
図14】表示器に対する基準時間設定変形形態の第7の変形形態の図である。
図14は、
図13の詳細図であり、実質的に正方形の切欠きを含む時カム、及び下側部がハート形状の分カムの詳細を示す。
【
図15】表示器に対する基準時間設定変形形態の第7の変形形態の図である。
図15は、針の軸を通過する、結合位置における
図13の機構の概略断面図であり、機構は、表示歯車列と最終歯車列との間の結合クラッチと、摩擦ばねとを含む。
【
図16】表示器に対する基準時間設定変形形態の第7の変形形態の図である。
図16は、
図15と同様の図であり、結合解除位置における同じ機構を示す。
【
図17】表示器に対する基準時間設定変形形態の第7の変形形態の図である。
図17は、
図13及び
図14の詳細図であり、二重ジャンパと筒かなのかなとの協働を示す。
【
図18】表示器に対する基準時間設定変形形態の第7の変形形態の図である。
図18は、クランプを含むブレゲ・クロノグラフ結合機構1050の概略平面図であり、結合機構1050の機能は、コラム・ホイールの制御下、結合及び結合解除を保証するものであり、コラム・ホイールは、クランプを開閉するクランプ腕部の角度のずれを制御し、したがって、
図16及び
図15による結合解除又は結合を制御する。
【
図19】表示器に対する基準時間設定の第8の変形形態の図である。
図19は、同調腕時計の機構の一部の概略平面図であり、機構は、爪ばねを有する爪と、筒車と噛み合い、筒車の時計回り方向で音を立てて進み、戻しばねによって駆動されるラックと、ラックかな(又は時かな)と、筒車によって支持され、開口を含む第1の時カムと、分表示可動体によって支持され、角穴車の歯の開口又は切欠きを含む第2の分カムと、分表示可動体と一体である星形車と協働するように構成されたジャンパとを含む。
【
図20】表示器に対する基準時間設定の第8の変形形態の図である。
図20は、針の軸を通過する、結合位置における
図19の機構の概略断面図であり、機構は、表示歯車列と最終歯車列との間の結合クラッチと、摩擦ばねとを含む。
【
図21】表示器に対する基準時間設定の第8の変形形態の図である。
図21は、
図20と同様の図であり、結合解除位置における同じ機構を示す。
【
図22】時表示器及び分表示器に対するステップごとの時間設定の第9の変形形態の図である。
図22は、同調腕時計の機構の一部の概略平面図であり、機構は、置時計のインターフェース、又は往復運動の伝達を可能にする別の要素と一致する修正器と、往復運動で筒かなの歯の駆動が可能なロッカ・レバーと、駆動機能の間隔において分表示器の位置を維持するジャンパと、2分のステップの間、分表示器によって支持される30歯の星形車とを含む。
【
図23】時表示器及び分表示器に対するステップごとの時間設定の第9の変形形態の図である。
図23は、針の軸を通過する、結合位置における
図22の機構の概略断面図であり、機構は、表示歯車列と最終歯車列との間の結合クラッチと、摩擦ばねとを含む。
【
図24】時表示器及び分表示器に対するステップごとの時間設定の第9の変形形態の図である。
図24は、
図23と同様の図であり、結合解除位置における同じ機構を示す。
【
図25】時表示器及び分表示器に対するステップごとの時間設定の第9の変形形態の図である。
図25は、二重ジャンパと15歯の筒かなのかなとの協働を示す
図22の詳細図であり、二重ジャンパ、及びロッカ・レバー腕部からずれた2つの支持面の段階化のおかげで、30個の安定した位置が得られる。
【
図26】置時計と腕時計との間で12時間にわたり実行されるサイクルを示すフローチャートであり、ユーザによる任意の時間設定要求DMAH、及び巻上げR、及び時間設定動作MAHを伴う。
【
図27】
図1と同様の図であり、レセプタクルが依然として空である、10h09にある置時計、及び8h17を表示する腕時計を示す。置時計は、ここでは3つの作動器を含み、第1の作動器は、実質的に腕時計の4時にあり、第2の作動器は、実質的に腕時計の8時にあり、第3の作動器は、3時で腕時計のりゅうずと協働するように構成される。作動器は全て、ここでは、枢動可動部品を有するストレッチャによって構成されるレセプタクルの周囲に星形に配設される。
【
図28】
図27と同様の図であり、レセプタクル内に挿入されている腕時計を示す。
【
図29】主な時計設定及び巻上げステップの図であり、左部に腕時計を表示し、右部に置時計を同時に表示することが視覚化される。
図29は、
図28で見えるような、巻上げ及び時間設定の準備ができている腕時計を示す。
【
図30】主な時計設定及び巻上げステップの図であり、左部に腕時計を表示し、右部に置時計を同時に表示することが視覚化される。
図30は、巻上げスリーブの回転による、腕時計の巻上げを示し、巻上げスリーブは、第3の作動器を構成し、腕時計のりゅうずを駆動し、りゅうずは、ユーザによる要求時DMAH、又は周期的に12時間ごとに固定時間で13時間の電池寿命の相当量だけ巻き上げられる。
【
図31】主な時計設定及び巻上げステップの図であり、左部に腕時計を表示し、右部に置時計を同時に表示することが視覚化される。
図31は、共振器のてんぷに対する停止レバーの作用による、腕時計の停止を示す。置時計は、4時にある第1の作動器によって、腕時計の共振器に対するこの停止、歯車列からの針の結合解除、及びここでは12h00で選択された基準位置に針を戻すことを制御する。
【
図32】主な時計設定及び巻上げステップの図であり、左部に腕時計を表示し、右部に置時計を同時に表示することが視覚化される。
図32は、この例では3分が選択された、それぞれ所定のステップ値だけ跳躍することによる腕時計の針の変位を示す。この跳躍は、針が置時計によって表示される瞬間的な時間の位置、ここでは10h12に、3分のステップを足した時間、したがって10h15n位置に至るまで行われる。置時計は、針の全体的な制御に必要な数のパルスによって、置時計の渦形カム(複数可)上の瞬間的な時間の値を読み取った後、この瞬間的な時間の値を腕時計に伝達する。次に、腕時計は、再開の準備ができ、置時計によって制御される腕時計の停止レバーの解放を待機するだけである。
【
図33】主な時計設定及び巻上げステップの図であり、左部に腕時計を表示し、右部に置時計を同時に表示することが視覚化される。
図33は、置時計が10h15位置を通過した際の、停止レバーの解放による腕時計の開始を示す。次に、腕時計は、最高の精度で時間設定され、ユーザが着用する準備ができている。
【
図35】置時計の3つの作動器が協働する概略斜視図であり、腕時計は、レセプタクルを形成する枢動ストレッチャ上に置かれている。第1のプッシュ型作動器は4時にあり、第2のプッシュ型作動器は8時にあり、腕時計のりゅうずを駆動する第3の回転作動器は3時にある。
【
図36】置時計の3つの作動器が協働する概略斜視図であり、腕時計は、レセプタクルを形成する枢動ストレッチャ上に置かれている。第1のプッシュ型作動器は4時にあり、第2のプッシュ型作動器は8時にあり、腕時計のりゅうずを駆動する第3の回転作動器は3時にある。
【
図37】以下で説明する第1の変形形態の方法の基本動作を含むフローチャートである。
【
図38】以下で説明する第2の変形形態の方法の基本動作を含むフローチャートである。
【
図39】以下で説明する第3の変形形態の方法の基本動作を含むフローチャートである。
【
図40】以下で説明する第4の変形形態の方法の基本動作を含むフローチャートである。
【
図41】以下で説明する第5の変形形態の方法の基本動作を含むフローチャートである。
【
図42】以下で説明する第6の変形形態の方法の基本動作を含むフローチャートである。
【
図43】以下で説明する第7の変形形態の方法の基本動作を含むフローチャートである。
【
図44】以下で説明する第8の変形形態の方法の基本動作を含むフローチャートである。
【
図45】以下で説明する第9の変形形態の方法の基本動作を含むフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、同調計時器組立体1000に関し、同調計時器組立体1000は、置時計時表示器104及び置時計分表示器105を含む同調置時計100と、腕時計時表示器4及び腕時計分表示器5を含む少なくとも1つの同調腕時計200とを含み、同調腕時計200は、置時計内に含まれるレセプタクル150内に、特にストレッチャ670に単一伝達位置で配設されるように構成され、この同調組立体1000は、この腕時計200が伝達位置でレセプタクル150内に置かれている際、この置時計100と各腕時計200との間に少なくとも1つの接続機構を含む。
【0017】
本発明によれば、この少なくとも1つの接続機構は、少なくとも2つの個別伝達線を含み、一方は、実施すべき機能又は調節すべき表示変数を選択するためのものであり、もう一方は、動力又は運動を伝達する及び/若しくはパルスを伝達するためのものである。
【0018】
より詳細には、少なくとも1つの伝達線、より詳細には各伝達線は、シャフトを含む。より詳細には、このシャフトは、少なくとも回転する。
【0019】
より詳細には、非限定的に、これらのシャフトの少なくとも1つ又はこれらのシャフトのそれぞれは、ブレゲ置時計No.128(G.Daniels:The Art of Breguet:277頁)と同様のものである。
【0020】
少なくとも1つのそのようなシャフト、より詳細には、各シャフトは、置時計100と、関係する腕時計200との間で2つの半分シャフトに分割され、これら2つの半分シャフトは、腕時計200が置時計100上のレセプタクル150内に伝達位置で置かれた際に、直接駆動、より詳細には同軸駆動で、又は中間車若しくは歯車列を通じて、互いに駆動協働するように構成される。これら半分シャフトの間の伝達は、本明細書では詳細に説明せず、あらゆる適切な駆動機構、歯部、スプライン、結合スリーブ、摩擦体等を使用することが可能である。半分シャフトは、末端同士を結合して、又は互いの内部で、又は互いに接線方向に、又は中間車若しくは歯車列等を通じて協働し得る。
【0021】
これら少なくとも2つの伝達線は、異なる機能を分配する。
【0022】
本発明は、より詳細には、少なくとも2つのシャフト形状の2つの伝達線、即ち、第1の選択シャフト1及び少なくとも1つの第2の駆動シャフト2と共に説明される。当然、以下で説明する機能の一部は、断片化し、他の更なるシャフトによって取り扱うことができる。
【0023】
第1の選択シャフト1は、機能選択を伝達し、複数の機能の1つは、腕時計200に動力を再投入する中立/巻上げ機能である。この伝達は、特に、360°にわたり広がる交互型機能、即ち、中立-巻上げ、日付、時、分等のものである。第1の選択シャフト1は、選択器、機械制御器、又はクロノグラフ若しくは複雑腕時計のためのコラム・ホイールに相当する。
【0024】
第2の駆動シャフト2は、力、特に動力を再投入するトルクの伝達、特に、置時計100からの腕時計200の香箱の巻上げを保証する、及び/又は置時計100が与える値に基づき、回転角度の形態で、腕時計200に調節若しくは設定値を伝達することを保証する、及び/又は腕時計の機関にパルスを与える。調節又は設定値は、腕時計によって表示されるサイズの1つに対応し得る。調節又は設定値は、目盛り、ひげぜんまいのてん真に対する作用、可撓性ブレードに対する押圧、慣性の調節等による、腕時計の共振器の調節値とすることもできる。
【0025】
第1のシャフト1及び第2のシャフト2は、互いに別個であり、一変形形態では、平行軸に沿って延在する、又は合流し得る。
【0026】
特定の変形形態では、第1のシャフト1及び第2のシャフト2の軸は、同一平面上にある。
【0027】
別の特定の変形形態では、第1のシャフト1及び第2のシャフト2の軸は、交差する。
【0028】
本発明は、少なくとも2つの個別シャフト1及び2による腕時計200の調節の設定、特に、時間設定を可能にするものであり、シャフトの第1のシャフトは、所望の種類の修正を示し、もう一方は、修正値を示し、シャフトのうち、少なくとも1つのシャフトは、腕時計に動力を再投入する機能、特に、香箱の再巻上げ専用である。
【0029】
第1のシャフト1及び/又は第2のシャフト2は、異なる様式で、並進及び/又は回転状態で移動可能とし得る。
【0030】
一変形形態では、第1のシャフト1及び第2のシャフト2は、回転移動可能である。
【0031】
一変形形態では、第1のシャフト1及び第2のシャフト2は、並進移動可能である。
【0032】
一変形形態では、第1のシャフト1及び第2のシャフト2の一方は、回転移動可能であり、もう一方は、並進移動可能である。
【0033】
一変形形態では、第1のシャフト1及び第2のシャフト2の一方は、回転並進移動可能であり、もう一方は、並進移動可能である。
【0034】
一変形形態では、第1のシャフト1及び第2のシャフト2の一方は、回転並進移動可能であり、もう一方は、回転移動可能である。
【0035】
一変形形態では、第1のシャフト1及び第2のシャフト2は、回転並進移動可能である。
【0036】
有利には、設定は連続して行い、動力再投入が行われる中立位置から開始する。この中立位置の後、好ましくは特定の予め規定された継続時間の後、又はユーザの作用下、腕時計によって表示される変数の1つを調節する少なくとも1つの基本シーケンス、又は特定の機能のトリガが続く。
【0037】
特に、腕時計調節の設定は、連続して行い、各変数は、他の変数から独立して調節される。
【0038】
より詳細には、この連続時間設定は、従来の腕時計時間設定機構と並行して、専用機構によって実行される。
【0039】
より詳細には、連続時間設定は、置時計によって制御される。特に、特定の変形形態では、2つの基本シーケンスの間の継続時間は、調節可能である。より更に詳細には、2つの基本シーケンスの間のそれぞれの継続時間は、調節可能である。
【0040】
有利には、置時計によって管理される基本シーケンスのテンポを規定する時間は、停止機構20によって停止が既に維持されている腕時計の開始をトリガする瞬間(又は信号)を規定し、停止機構20は、特に、非限定的に、停止レバー等を有する秒針停止機構25を含む。以下で説明する例示的な実施形態は、非限定的に、停止レバーを含み、停止レバーは、共振器10の慣性質量体15、特に、てんぷと協働し、てんぷをブロック又は解放するように構成される。
【0041】
より詳細には、調節設定又は連続時間設定は、非限定的に、以下の表示の全て又は一部、即ち、時、分、日付、曜日、月及び/又はあらゆる他の表示を修正する。
【0042】
中立位置は、腕時計の動力再投入又は巻上げを可能にし、この巻上げは、腕時計によって制御される。
【0043】
この第1のシャフト1及びこの第2のシャフト2は、以下で説明するような置時計100と腕時計200との間の協働を可能にする。
【0044】
第1のシャフト1は、置時計100の第1の下半分シャフト11と、腕時計200の第1の上半分シャフト12とを含む。
【0045】
腕時計200がない場合、即ち、腕時計200が置時計100上に置かれていない場合、及び置時計100が一切の腕時計200を載せていない場合、これら2つの半分シャフトは、第1のシャフト1を一緒に構成することが意図される。即ち、第1の下半分シャフト11及び第1の上半分シャフト12はそれぞれ、中立位置にある。
【0046】
同様に、第2のシャフト2は、置時計100の第2の下半分シャフト21と、腕時計200の第2の上半分シャフト22とを含む。
【0047】
腕時計200を置時計100上に置くと、一方の、第1の下半分シャフト11及び第1の上半分シャフト12、並びにもう一方の、第2の下半分シャフト21及び第2の上半分シャフト22は、一致する。第1の下半分シャフト11及び第1の上半分シャフト12が中立位置にある際、選択機能は、中立/巻上げであり、腕時計の配置は、各半分シャフトを独立して中立位置内で割り送ることによって促進される。これら半分シャフトは、自然に割り送られる。
【0048】
置時計100は、腕時計200の存在下、第1のシャフト1にトルクを送出するように構成される。この第1のシャフト1の回転は、例えば、ミニッツ・リピータ調整器型の調整機構によって調整される。
【0049】
各腕時計200は、腕時計200が蓄えている動力レベルに応じて、特に、特定のケースでは香箱の巻上げに従って、例えばパワーリザーブ機構によって規定されたヒステリシスに従って、第2のシャフト2の回転を解放又はブロックするように構成される。第2のシャフト2のこの回転は、この特定のケースでは、香箱の巻上げに伝達され、香箱の巻上げを保証する。したがって、この中立位置において、腕時計200は、規定された範囲内で香箱の巻上げを常時保証する。
【0050】
置時計100は、少なくとも1つの制御手段300を含み、少なくとも1つの制御手段300は、第1の下半分シャフト11を回転させて第1のシャフト1の機能を選択するため、ユーザによって動作されるか、又は置時計の時間基準によって制御されるように構成される。
【0051】
腕時計200が置時計100上に置かれ、ユーザが、特に置時計100上に存在するレバー等のそのような制御手段300によって時間設定を要求すると、腕時計200の調節設定又は時間設定は、例えば、日付、時、分及び秒の値といった瞬間的な値に対する調節のために、置時計100によって制御される機能のシーケンスによって実施される。ユーザの要求後、現在の値に対する調節シーケンスは、例えば時間設定シーケンスのために開始される。各シーケンスは、置時計100の時間基準によって規定された正確なテンポで開始される。
【0052】
当然、置時計100上に制御手段300を据え付けるのではなく、腕時計200上に制御手段300を据え付けるか、又は置時計100及び腕時計200の両方がそれぞれ制御手段300を備えることも可能である。制御手段300が腕時計上にのみある場合、このことにより、腕時計200が伝達位置でレセプタクル150内にないかぎり、機能をロック可能にする。
【0053】
同調組立体1000が、日付、時、分及び秒の値を連続調節するように構成される特定のケースでは、いくつかの基本シーケンスは、互いに追従する。
【0054】
第1の基本シーケンスの間、置時計100は、第1のシャフト1を日付位置に回転させ、日付の瞬間的な値に対応する角度だけ第2のシャフト2を回転させる。腕時計200は、日付位置への第1のシャフト1の回転を認識し、停止レバーを作動させ、停止レバーは、共振器及び腕時計を停止させ、日付、時、分及び秒の表示をゼロ位置に配置させ、第2のシャフト2によって伝達された値を日付表示に適用する。
【0055】
用語「表示器」は、本明細書では、測時器製作法で公知のあらゆる可動表示要素、即ち、針、リング、円板、カーソル、フラグ、都市若しくは時間帯表示器、月相表示器、うるう年表示器、AM/PM表示器、昼/夜表示器、パワーリザーブ指示器、時打ち選択器、アラーム指示器、暦表示器等を意味する。
【0056】
第1の所定の継続時間D1の後、例えば2分後、置時計100は、第2の基本シーケンスをトリガする。この第2の基本シーケンスの間、置時計100は、第1のシャフト1を時の位置に回転させ、時間の瞬間的な値に対応する角度だけ第2のシャフト2を回転させる。腕時計200は、時位置への第1のシャフト1の回転を認識し、第2のシャフト2によって伝達された値を腕時計200の時表示器4に適用する。
【0057】
第2の所定の継続時間D2の後、例えば2分後、置時計100は、第3の基本シーケンスをトリガする。この第3の基本シーケンスの間、置時計100は、第1のシャフト1を分の位置に回転させ、瞬間的な分の値に第3の所定の継続期間D3の値を追加したものに対応する角度だけ第2のシャフト2を回転させる。これにより、基本シーケンスの次の変更から第3の基本シーケンスを分離する。この次の変更は、腕時計200の稼働を解放する前の最後の設定である。腕時計200は、分の位置への第1のシャフト1の回転を認識し、第2のシャフト2によって伝達された値を腕時計の分表示器5に適用する。
【0058】
第3の所定の継続時間D3の後、例えば2分後、置時計100は、第1のシャフト1を中立/巻上げ位置に戻す。腕時計200は、中立/巻上げ位置への第1のシャフト1の回転を認識し、停止レバーを解放し、次に、腕時計200は調節、完全に時間設定され、その瞬間に厳密に開始する。
【0059】
この構成の遊び心のある、有用な側面を記す。この例では、巻き上げられていない状態で置時計上に呈され、停止しており、時間設定されていない腕時計200は、(第1のシーケンスが2分の過渡的継続時間D0の後に開始される場合)6又は8分以内に巻き上げられ、日付を含めて完全に時間設定される。特定のオプションは、置時計100に万年暦を追加することである。この場合、制御手段300におけるユーザの要求時、腕時計200の日付を単純に修正可能にする。
【0060】
より詳細には、置時計100は、機械式ムーブメントの置時計である。
【0061】
一変形形態では、置時計100は、時間基準からの信号、例えば、制御された無線信号、GPS、電子置時計等からの信号等を受信し、瞬間的な時間を指示する信号を機械構成要素の運動に変換し、情報を腕時計200に伝達する手段を含む。
【0062】
一変形形態では、置時計100と腕時計200との間の全ての動力及び運動の伝達は、機械的及び/又は磁気的である。
【0063】
一変形形態では、置時計100と腕時計200との間の全ての動力及び運動の伝達は、機械的である。
【0064】
一変形形態では、置時計100と腕時計200との間の全ての動力及び運動の伝達は、磁気的である。
【0065】
一変形形態では、動力及び/又は運動の伝達は、腕時計の巻上げ及び時間設定棒を通じて実施されない。
【0066】
より詳細には、腕時計200内に含まれる各半分シャフト12、22は、腕時計200が巻上げ及び時間設定棒を含む際、腕時計200の巻上げ及び時間設定棒から分離される。
【0067】
一変形形態では、動力の伝達は、腕時計の巻上げ及び時間設定棒を通じて実施されない。
【0068】
一変形形態では、運動の伝達は、腕時計の巻上げ及び時間設定棒を通じて実施されない。
【0069】
巻上げシステムは、摺動フランジ香箱を必要とせず、香箱の摩耗を防止する。巻上げは、腕時計200が置時計100上に置かれた際、数分で、いつでも、必要な場合に行われる。
【0070】
調節設定、特に時間設定は、要求時に行われるため、機構の摩耗は、腕時計200が置時計100上に長期間保管された際に制限される。これらのケースの場合、時間設定は、一定間隔で、例えば、週に1度、置時計100の時間基準によって与えられる制御によってトリガし得る。
【0071】
本発明は、現代のユーザのニーズに適合する、上記したような有用で遊び心のある使用を伴う同調置時計の生成を可能にする。このことにより、二百年間公知である製品に対する真の発展を可能にする。
【0072】
腕時計200の歩度よりも安定で、より正確である置時計100の歩度は、腕時計200が着用されていない際の腕時計200を時間通りに保ち、要求時、腕時計200を修正する。
【0073】
置時計100の卓越した電池寿命は、腕時計200が着用されていない際の腕時計200に提供され、例えば、理想的な動作範囲で、週末の着用及び平日の保守を可能にする。
【0074】
本発明による同調計時器組立体1000の様々な変形形態、及び使用法の様々な変形形態を以下で説明する。
【0075】
そのような同調組立体1000は、同調置時計100と、少なくとも1つの同調腕時計200とを含み、少なくとも1つの同調腕時計200は、単一伝達位置で置時計100のレセプタクル150内に置かれるように構成される。同調組立体1000は、腕時計200を伝達位置でレセプタクル150内に置いた際に置時計100と各腕時計200との間に少なくとも2つの個別伝達線を含む接続機構を含む。
【0076】
少なくとも1つの同調腕時計200に動力を再投入し、表示及び/又は歩度を調節するように構成された同調置時計100は、少なくとも1つの作動器を含み、伝達位置でレセプタクル150内に置かれた少なくとも1つの同調腕時計200の動力再投入及び/又は表示及び/又は歩度調節を実行する。
【0077】
置時計100は、置時計の少なくとも1つの第1のオールオアナッシング作動器501を含み、第1のオールオアナッシング作動器501は、腕時計200内に含まれる機構の有効化又は無効化を制御するように、静止位置と有効化位置との間を移動可能である。置時計100は、置時計の少なくとも1つの他の作動器502、503も含み、作動器502、503は、腕時計200内に含まれるレシーバに一連のパルスを与えるか又は機械的トルクを伝達するように構成される。
【0078】
より詳細には、置時計の少なくとも1つの第1の作動器501も、静止位置と有効化位置との間で、腕時計200内に含まれるレシーバに一連のパルスを与えるように構成される。
【0079】
より詳細には、置時計の少なくとも1つの他の作動器502、503は、オールオアナッシング作動器であり、オールオアナッシング作動器は、腕時計200内に含まれる機構の有効化又は無効化を制御するように、静止位置と有効化位置との間を移動可能である。
【0080】
より詳細には、置時計の少なくとも1つの他の作動器502、503は、第2の作動器502であり、腕時計200内に含まれるレシーバに一連のパルスを与えるように構成される。
【0081】
より詳細には、置時計の少なくとも1つの他の作動器502、503は、第3の作動器503であり、腕時計200内に含まれるレシーバに機械的トルクを伝達するように構成される。
【0082】
より詳細には、少なくとも1つのそのような第3の作動器503は、解放位置において、単一伝達位置でレセプタクル150内に置かれた腕時計200からある距離で結合解除され、係合位置において、腕時計200内に含まれる動作手段270又は制御棒と結合し得る。
【0083】
より詳細には、少なくとも1つのそのような第3の作動器503は、スリーブ678を含み、スリーブ678は、係合位置で、腕時計200内に含まれる動作手段270又は制御棒と協働するように構成される。
【0084】
より詳細には、置時計100は、第1の動力貯蔵手段691、693、特におもりを含み、第1の動力貯蔵手段691、693は、置時計100内に含まれる少なくとも1つのムーブメント180若しくは900及び/又は置時計100に固有のあらゆる機構に動力を供給するように構成される。
【0085】
より詳細には、置時計100は、第2の動力貯蔵手段を含み、第2の動力貯蔵手段は、レセプタクル150内に置かれる少なくとも1つの腕時計200への動力伝達専用である。より詳細には、これらの第2の動力貯蔵手段は、ウォーム684若しくはかなを支持する伝達シャフト683を回転駆動し、かな677若しくはウォームをそれぞれ駆動し、第3の作動器503を回転させるように構成される。
【0086】
より詳細には、置時計100は、腕時計200に動力を連続的に伝達するように構成される。
【0087】
より詳細には、置時計100は、腕時計200に動力をステップごとに伝達するように構成される。
【0088】
より詳細には、置時計100は、少なくとも1つのムーブメント180を含み、少なくとも1つのムーブメント180は、少なくとも1つの渦形カム601、610、620を駆動し、少なくとも1つの渦形カム601、610、620の角度位置は、測時器変数の瞬間的な値を特徴付ける。置時計100は、少なくとも1つのフィーラスピンドル602、630、640も含み、少なくとも1つのフィーラスピンドル602、630、640は、渦形カム601、610、620の外周部と支承的に協働し、測時器変数の瞬間的な値を読み出すように構成される。各フィーラスピンドル602、630、640は、ラック603、633、643を含み、ラック603、633、643は、第2の作動器を駆動するように構成された歯車列と協働するように構成される。より詳細には、この歯車列は、差動機構680の入力歯車列であり、差動機構680の出力歯車列は、第2の作動器502を駆動するように構成される。
【0089】
より詳細には、置時計100は、少なくとも1つの電気機械又は電子ムーブメントを含み、少なくとも1つの電気機械又は電子ムーブメントは、第2の作動器502を駆動するように構成された出力可動体の運動を制御するように構成される。
【0090】
より詳細には、第2の作動器502は、カム684を含み、カム684は、複数のランプを含み、複数のランプは、第2の作動器502内に含まれる第2の制御棒512を押し引きするように構成され、この第2の制御棒512は、第2の弾性戻し手段513によって第2のカム684に向かって戻され、第2の制御棒512に、腕時計200を時間設定するための往復運動を与えるようにする。
【0091】
より詳細には、第2の作動器502は、クランク-連接棒を含み、クランク-連接棒は、第2の作動器502内に含まれる第2の制御棒512を押し引きし、第2の制御棒512に、腕時計200を時間設定するための往復運動を与えるように構成される。一変形形態では、この第2の制御棒512は、第2の弾性戻し手段513によって戻される。
【0092】
より詳細には、置時計100は、置時計の第1の作動器501を駆動する第1の伝達シャフト682を含み、第1の伝達シャフト682は、置時計のこの第1の作動器501の第1の棒511を押し引きし、腕時計200の共振器10、又はこの共振器を支持するトゥールビヨン若しくはカルーセルの停止又は解放を制御するように構成される。より詳細には、この第1の伝達シャフト682は、置時計のこの第1の作動器501内に含まれる第1の制御カム686を駆動するように構成される。この第1の制御カム686は、より詳細には、複数のランプを含む。
【0093】
より詳細には、置時計100は、基準時間に時間を調整する手段と、トリガ手段とを含み、トリガ手段は、伝達位置の間、レセプタクル150が腕時計200によって占められている際、置時計100によって表示された時間がこの基準時間に等しくなった場合に作動器501、502、503の運動シーケンスをトリガする。
【0094】
より詳細には、置時計100は、動力再投入及び/又は表示及び/又は歩度調節サイクルの実行中に、ユーザが腕時計200をレセプタクル150から外した際、作動器501、502、503の再巻上げを制御する手段を含む。
【0095】
より詳細には、置時計100は、所定期間に従って、レセプタクル150内に置かれた腕時計200に動力を再投入するサイクルを周期的にトリガする手段と、所定値のパワーリザーブのために動力再投入サイクルを制限する手段とを含み、パワーリザーブは、所定期間より大きい。
【0096】
より詳細には、置時計100は、手動制御手段を含み、手動制御手段は、ユーザによって取り扱われ、伝達位置でレセプタクル150内に置かれた腕時計200の動力再投入及び/又は表示及び/又は歩度調節サイクルの実行を制御するように構成される。
【0097】
より詳細には、置時計100は、停止制御機構120を含み、停止制御機構120は、ユーザ又は置時計100によって実行されるステップごとの時間設定制御をシーケンスに変換するように構成され、シーケンスの第1のステップは、同調腕時計200内に含まれる表示器の停止及び/又は結合解除機構20を制御する動作である。
【0098】
より詳細には、この停止制御機構120は、伝達線の運動を制御し、時間設定動作を識別し、腕時計200内に含まれる停止機構20へのパルス又はトルクの伝達を制御するように構成される。
【0099】
同調腕時計200に関し、有利で非限定的な種類、即ち、ハートピース及びハンマのバージョン、爪及び二重カムのバージョン、並びに爪、ラック及び二重カムのバージョンを以下で説明する。
【0100】
これらの腕時計は、共通の特徴を有する。
【0101】
腕時計の両方のバージョンにおいて、同調腕時計200は、少なくとも1つの動力貯蔵香箱を含み、少なくとも1つの動力貯蔵香箱は、この腕時計200内に含まれる少なくとも1つの共振器10に動力を供給する。腕時計200は、表示歯車列と、最終歯車列とを含む。
【0102】
時間設定を実施するには、結合機構又は/及び共振器停止機構を使用することが必要である。この目的で、本明細書で提示される全ての時間設定デバイス及び方法に関し、腕時計200は、共振器10の動作を停止するように構成された停止機構20、又は最終歯車列から表示器を分離可能にする結合機構のいずれかを含むか、又はそのような停止機構20及びそのような結合機構の両方を含む。
【0103】
結合クラッチは、実際、結合クラッチが開放している際、最終歯車列から独立して、特に針である表示器の回転を可能にし、結合クラッチが閉鎖している際、表示器又は針の駆動を可能にする。この針の回転は、これらの表示器を所定の基準時間に変位させるためであるか、又は瞬間的に厳密な時間に向かって変位させる(ステップごとの時間設定、若しくは相対的な時間設定、若しくは永続的な時間設定)ためであるか、又はオフセットを変位させる(秒信号を有するバージョン)ためであるかにはかかわらない。
【0104】
特に、停止レバーによる、秒針停止機構25を含む停止機構20の使用は、永続的時間設定等、一部の時間設定モードでは必要である。停止機構20は、停止機構20が0秒信号で開始を可能にするステップごとの時間設定モード、又は同様に、時間設定の間にユーザが共振器10の慣性質量体15、特にてんぷが停止しているのがわかる相対的時間設定モードでは、利点となる。これら2つの時間設定モードにおいて、結合クラッチ単独で、てんぷを停止させずに針を開始することを保証し得る。この場合、秒の表示はランダムに±30sである。
【0105】
腕時計200は、従来通り、少なくとも1つの時表示器4、1つの分表示器5、及び/又は少なくとも任意の他の表示器3を含む。
【0106】
腕時計200は、少なくとも1つの内部機構を含み、少なくとも1つの内部機構は、置時計100のオールオアナッシング作動器によって有効化又は無効化可能であり、腕時計200は、置時計100の作動器から到来する一連のパルス又は機械的トルクを受けることが可能な少なくとも1つのレシーバを含む。
【0107】
ハートピース及びハンマのバージョンにおいて、腕時計200は、リセット機構500を含み、リセット機構500は、少なくとも1つのそのような表示器3、4、5を所定の基準位置に戻すように構成される。本明細書は、主に、12時0分における基準位置の例を取り扱う。あらゆる他の基準位置、例えば、10時10分等が可能である。
【0108】
リセット機構500は、腕時計200の少なくとも1つの、より詳細には、非限定的ではあるが、それぞれの表示器3、4、5をその基準位置に戻すように構成される。この目的で、リセット機構500は、特に、少なくとも1つの表示器3、4、5のために、関係する表示器3、4、5と一体に回転する少なくとも1つのハートピース401、702、703を含み、リセット機構500は、少なくとも1つのハンマ402、701を含み、少なくとも1つのハンマ402、701は、ハンマ402、701がリセット機構500の有効化によって解放されると、ばねの圧力下、ハートピース401、702、703と支承的に協働するように構成される。このハンマ402、701は、通常稼働時、ハンマ402、701をハートピース401、702、703から遠ざけるようにする性質をもつリセット機構500によって戻される。
【0109】
より詳細には、腕時計200は、腕時計の第1の作動器901を含み、第1の作動器901は、置時計100によって作動され、少なくとも1つのハンマ402、701の運動を制御し、それぞれ調節される測時器変数のため、ハンマ402、701とハートピース401、702、703との協働によって、少なくとも1つの表示器3、4、5を所定の基準位置内に配置させるように構成され、ハートピース401、702、703は、対応する表示器、より詳細には、筒かなによって支持される。
【0110】
より詳細には、ハンマ402又は701は、固有のものであり、腕時計200内に含まれる全てのハートピース701、702、703に共通であり、様々な対応する腕時計の変数に関する表示を調節する。
【0111】
より詳細には、腕時計200は、そのような停止機構20と、腕時計の第1の作動器901とを含み、第1の作動器901は、置時計100によって作動され、この停止機構20を制御し、腕時計200の共振器10及び/若しくは腕時計200の表示器の結合解除機構の稼働をブロック又は解放するように構成される。
【0112】
より詳細には、腕時計の第1の作動器901は、ハンマ402、701の再巻上げを保証するように構成される。
【0113】
より詳細には、この停止機構20は、停止レバーを含む秒針停止機構25を含み、停止レバーは、ブロック位置で共振器10の慣性質量体15と支承的に協働し、共振器10の通常稼働の間、慣性質量体15から一定の距離のままであるように構成される。
【0114】
より詳細には、腕時計200は、係合位置で置時計100の作動器と協働可能な少なくとも1つの動作手段270又は制御棒を含む。
【0115】
より詳細には、腕時計200は、手動制御手段を含み、手動制御手段は、ユーザによって取り扱われるように構成され、腕時計200が伝達位置でレセプタクル150内に置かれている際に腕時計200の動力再投入及び/又は表示調節及び/又は稼働調節サイクルの実行を制御し、特に、腕時計200は、周期型巻上げの実行の制御及び/又は自動時間設定の実行の制御のためにユーザがアクセス可能な少なくとも1つの制御手段300を含む。
【0116】
より詳細には、腕時計200は、腕時計の第2の作動器902を含み、第2の作動器902は、往復運動で動作し、所与のステップの値で腕時計200の分表示器5を駆動し、この分表示器5を通じて、腕時計200の時表示器4を間接的に駆動させることが可能である。
【0117】
腕時計200は、所定値、例えば2分の修正ステップを有する複数のステップで、表示器を修正するように構成される。この修正ステップは、1時間の約数、即ち、1分、2分、3分、4分、5分、6分、10分、12分、15分、20分、30分である。腕時計200は、筒かな又は日の裏車を含み、筒かな又は日の裏車は、星形車のおかげで正確に配置され、星形車は、30歯、15歯を有するか、又は1時間ごとに選択される修正ステップの数に対応する歯数を含む。
【0118】
腕時計200は、有利には、少なくとも1つの第1の上選択半分シャフト11と、少なくとも1つの第2の上駆動半分シャフト12とを含み、腕時計200は、時間設定終了位置における選択伝達線又は駆動伝達線の運動を認識するように構成され、時間設定終了位置では、第1の上半分シャフト12は、停止機構20の停止レバーを作動し、共振器10及び/又は表示器の結合解除機構を解放し、腕時計200の稼働を許可するように構成される。
【0119】
より詳細には、腕時計200は、過負荷の香箱のばねが破断するのを防止する少なくとも1つの安全機構を含み、安全機構は、香箱に対する不要な又は損害を与える巻上げを防止する摺動フランジ又はパワーリザーブ測定機構を含む。
【0120】
より詳細には、腕時計200は、表示器3、4、5を含み、表示器3、4、5は、時計回り又は反時計回り方向で枢動するように構成され、表示器のそれぞれは、爪に関連付けられ、爪は、基準位置、又は基準位置に近接する準備位置から切り替える際に、考慮される表示器をブロックするように構成される。
【0121】
より詳細には、基準位置及び/又は準備位置、並びに爪のブロック位置は、調節可能である。
【0122】
より詳細には、腕時計200は、インターフェースを含み、インターフェースは、少なくとも1つのそのような表示器3、4、5を反時計回り回転で駆動し、そのような反時計回り方向での回転の間、香箱を巻き上げるように構成される。
【0123】
インターフェースは、有利には、少なくとも1つの表示器3、4、5の反時計回り方向での回転に加えて、爪機構によって少なくとも1つの香箱を手動で巻き上げる歯車列を駆動するように構成され、爪機構は、腕時計200内に含まれる最終歯車列の外側にある。
【0124】
一変形形態では、腕時計200の最終歯車列は、爪可動体を含み、爪可動体は、反時計回りの回転の間、少なくとも1つの香箱を巻き上げるように構成される。
【0125】
腕時計200は、有利には、巻上げによるトルクの伝達を可能にし得る時間設定摩擦体を含むか、又は時間設定摩擦体の代わりに結合機構を含む。
【0126】
より詳細には、腕時計200は、少なくとも1つの筒かな結合機構を含み、少なくとも1つの筒かな結合機構は、表示器3、4、5を結合又は結合解除するように構成される。特に、表示歯車列705、707、708と最終歯車列710との間のこの結合機構706は、摩擦ばね709を含む。
【0127】
より詳細には、腕時計200は、時計回り又は反時計回り方向で枢動するように構成された分表示器5と、爪とを含み、爪は、分表示器5を準備位置に切り替える際にロックを解除し、基準位置で分表示器をブロックするように構成される。腕時計200は、有利には、摩擦機構も含み、摩擦機構は、反時計回り回転の間のこのブロックの後、再巻上げを可能にし、継続させるように構成される。
【0128】
腕時計200は、特に、ハンマ701を含み、ハンマ701は、巻上げ位置と有効位置との間を移動可能であり、巻上げ位置では、ハンマ701は、爪によって保持され、ばねによって張力がかけられ、有効位置では、ハンマ701は、筒車708によって支持される第1のハート形時カム702の外周部上に載置され、第1のハート形時カム702を最小半径まで強制的に回転させるように構成される。腕時計200は、分表示可動体によって支持される星形車も含み、星形車は、ジャンパ704、7040と協働し、規則的な段でそれぞれの表示位置を維持する。
【0129】
腕時計200は、第2の切頭ハート形分カム703も含み、第2の切頭ハート形分カム703は、分表示器705によって支持され、厳密に分の表示位置を保証することができる。
【0130】
腕時計のいずれかのバージョンにおいて、同調組立体1000は、有利には、基準位置で表示器の配置を制御する制御機構を含む。より詳細には、この制御機構は、少なくとも1つのコラム・ホイール840を含む。
【0131】
より詳細には、腕時計200は、機能制御器を含み、機能制御器は、少なくとも2つの位置を占めることができ、第1の位置は、機能の開始に対応し、制御器は、最終歯車列の結合解除を制御し、共振器10の慣性質量体15を停止するように構成され、第2の位置は、機能の終了に対応し、制御器は、結合クラッチ及びてんぷを解放するように構成される。
【0132】
一変形形態では、機能制御器は、第1の位置と第2の位置との間に、制御器がハンマの巻上げを制御する中間位置を占めることができる。
【0133】
一代替形態では、機能制御器は、腕時計200に統合され、2から5つの連続安定位置でインターフェースによって制御されるコラム・ホイール型回転制御器、又は2つの連続安定位置でインターフェースによって制御されるシャトル型往復制御器のいずれかを含む。
【0134】
別の代替形態では、機能制御器は、腕時計200の外部にあり、置時計100内に収容され、腕時計200は、インターフェースによって制御され、規定により静止に戻る往復カムのみを含み、安定静止位置及び1から3の制御された位置を含む。
【0135】
一変形形態では、機能制御器は、3つの位置のコラム・ホイール型であり、3つのロッカ・レバーを制御するように構成され、3つのロッカ・レバーは、結合クラッチ、停止レバー及び1つ若しくは複数のハンマを制御するように構成されるか、又はこれらの機構の一部である。ロッカ・レバーは、コラム・ホイールのコラム上に載置され、必要な際に有効化されるように構成される。コラム・ホイールの異なる複数の位置は、結合クラッチが有効、停止レバーが無効、ハンマが巻き上げられた状態である、初期及び最終位置、結合クラッチが無効、停止レバーが有効、ハンマが解放された状態である、基準時間、例えば12時00分に戻る位置、並びに結合クラッチが無効、停止レバーが有効、ハンマが巻き上げられた状態である、時間設定位置である。
【0136】
一変形形態では、機能制御器は、3レベルの渦形カムを含み、渦形カムは、置時計100内に位置し、同調インターフェースを介して、腕時計200内の往復カムを制御し、結合クラッチ、停止レバー及び1つ又は複数のハンマを制御するように構成され、渦形カムの異なる複数の位置は、結合クラッチが有効、停止レバーが無効、ハンマが巻き上げられた状態である、初期及び最終位置、結合クラッチが無効、停止レバーが有効、ハンマが解放されている、基準時間、例えば12時00分に戻る位置、並びに結合クラッチが無効、停止レバーが有効、ハンマが巻き上げられた状態である、時間設定位置である。
【0137】
腕時計の変形形態は、置時計の作用下、基準位置への表示器の回転による巻上げのために使用し得る。この腕時計は、爪と、少なくとも2つのカムとを含む。
【0138】
この変形形態では、腕時計200は、腕時計200内に含まれる少なくとも1つの共振器10に動力を供給する少なくとも1つの動力貯蔵香箱と、表示歯車列と、最終歯車列とを含む。
【0139】
腕時計200は、共振器10の動作を停止するように構成された停止機構20、又は最終歯車列から表示器を分離可能にする結合機構のいずれかを含むか、又はそのような停止機構20及びそのような結合クラッチ機構の両方を含む。
【0140】
腕時計200は、少なくとも1つの表示器3、4、5、特に少なくとも1つの時表示器4及び1つの分表示器5を含む。
【0141】
腕時計200は、置時計100の作動器から一連のパルス又は機械的トルクを受けることが可能な少なくとも1つのレシーバを含む。
【0142】
腕時計200は、表示器を反時計回り方向で駆動可能な伝達線と、爪801と、少なくとも1つの第1の時カム802とを含み、少なくとも1つの第1の時カム802は、筒車808によって支持され、表示器の基準位置に対応する角穴車の歯の開口8030又は切欠き831を含む。
【0143】
より詳細には、腕時計200は、筒車808によって支持され、開口8020を含む第1の時カム802と、分表示可動体805によって支持され、角穴車の歯の開口8030又は切欠き831を含む第2の分カム803と、ジャンパ804とを含み、ジャンパ804は、分表示可動体805によって支持される星形車と協働し、所定の規則的な段に従って各表示位置を維持するように構成される。
【0144】
より詳細には、腕時計200は、インターフェースを含み、インターフェースは、少なくとも1つの表示器3、4、5を反時計回り回転で駆動し、香箱のコイルを巻き上げるように構成される。腕時計200は、爪可動体を含む最終歯車列も含み、爪可動体は、反時計回り回転の間、少なくとも1つの香箱の巻上げを可能にするように構成される。
【0145】
より詳細には、インターフェースは、少なくとも1つの表示器3、4、5の反時計回り方向での回転に加えて、腕時計200内に含まれる最終歯車列の外側にある爪機構によって、少なくとも1つの香箱を手動で巻き上げる歯車列を駆動するように構成される。
【0146】
より詳細には、腕時計200は、巻上げによるトルクの伝達を可能にし得る時間設定摩擦体を含むか、又は時間設定摩擦体の代わりに結合機構を含む。
【0147】
腕時計の別の変形形態は、爪と、ラックと、少なくとも2つのカムとを含む。この爪、ラック及び二重カムのバージョンにおいて、腕時計200は、爪801と、ラック823と、時ラックかな824とを含み、ラック823は、筒車808と噛み合い、筒車808から時計回り方向で音を立てて進むように構成され、戻しばね825によって駆動される。腕時計200は、2つのカム、即ち、筒車808によって支持され、開口8020を含む少なくとも1つの第1の時カム802、及び分表示可動体805によって支持され、角穴車の歯の開口8030又は切欠き831を含む第2の分カム803を含む。腕時計200は、ジャンパ804を含み、ジャンパ804は、分表示可動体805によって支持される星形車と協働し、所定の規則的な段に従って各表示位置を維持するように構成される。
【0148】
ラックかな824は、ラック823を駆動し、巻き上げるように構成され、ラック823は、腕時計200が置時計100と協働していない際の腕時計200の通常動作の間、各歯で音を立てて進む。
【0149】
腕時計200は、表示歯車列805、807、808と最終歯車列810との間に結合機構806も含む。
【0150】
同調組立体1000は、置時計100と腕時計200との間にインターフェースを含み、このインターフェースは、結合解除位置に向かって結合機構806を作動させることによって結合機構806を結合解除し、これにより、ラック823が、腕時計の200の時表示及び分表示歯車列を反時計回り方向で、必要な回転数で駆動することを可能にする。この駆動は、爪801が、腕時計200の表示器3、4、5の所定された基準位置に対応する前の基準時間の数分に第1の時カム802の開口8020に接触し、第2の分カム803の角穴車の歯の開口8030内にブロックされるまで行われる。この接触は、この基準時間に到達する前の最後の数分に対応し、このブロックは、基準表示位置に対応する。
【0151】
置時計100によって制御される時間設定機構は、ラック823を再度巻き上げることによって、厳密な時間に向かって腕時計200の表示器4、5の時間を時計回り方向で設定するように構成される。
【0152】
置時計100と腕時計200との間のインターフェースは、結合機構806を結合させてラック823を再度巻き上げるか又はラック823の再巻上げを完了させることによって、最終歯車列と表示歯車列とを再接続するように更に構成される。
【0153】
ジャンパ804と星形車との間の協働は、表示を各ステップで維持可能にし、この表示を失うことなく、ラック823の再巻上げを可能にする。
【0154】
分表示器5によって支持される星形車は、単純な1歯のジャンパ804と協働する30歯の星形車であるか、若しくは2歯を含む二重ジャンパ8040の1つの歯と同時に協働する15歯の分筒かなのかなのいずれかであるか、又は1時間の中に含まれる所定のステップ整数に対応する歯数を含む。
【0155】
結合機構806は、有利には、摩擦ばね809を含む。
【0156】
より詳細には、この結合機構806は、クランプ821を含むクロノグラフ結合機構であり、クランプ821の機能は、コラム・ホイール840の制御下、結合及び結合解除を保証するものであり、コラム・ホイール840は、クランプを開閉するクランプ821、822の腕部の角度のずれを制御し、クランプの開閉は、結合解除又は結合にそれぞれ対応する。
【0157】
ハートピース及びハンマのバージョンのように、同調組立体1000は、制御機構を含み、制御機構は、腕時計200の内部又は外部にあり、基準位置内への表示器の配置を制御する。
【0158】
より詳細には、この機能制御器は、少なくとも2つの位置を占めることができ、第1の位置は、機能の開始に対応し、制御器は、最終歯車列の結合解除を制御し、共振器のてんぷを停止するように構成され、第2の位置は、機能の終了に対応し、制御器は、結合クラッチ及びてんぷを解放するように構成される。
【0159】
より詳細には、機能制御器は、腕時計200に統合され、2から5つの連続安定位置でインターフェースによって制御されるコラム・ホイール型回転制御器840、又は2つの連続安定位置でインターフェースによって制御されるシャトル型往復制御器のいずれかを含む。
【0160】
より詳細には、機能制御器は、腕時計200の外部にあり、置時計100内に収容され、腕時計200は、インターフェースによって制御され、規定により静止に戻る往復カムのみを含み、安定静止位置、及び1から3の制御された位置を含む。
【0161】
より詳細には、機能制御器は、渦形カムと2つの位置のカムとを含む。
【0162】
ステップごとの時間設定と呼ばれる第1の特定の変形形態では、同調組立体1000は、ステップごとの時間設定を可能にするように構成される。より詳細には、この同調組立体1000は、同調置時計100と、関連付けられた少なくとも1つの同調腕時計200とを含み、以下の機能を実施するように設計される:
-停止している腕時計が置時計上に置かれた際にこの腕時計を開始させること、
-腕時計が置時計から外された際に12時間の最低電池寿命を保証する状態で、腕時計を巻き上げること、
-腕時計が置時計上にある際に腕時計を動作状態で保つこと、
-腕時計が置時計上に置かれた際、又は要求時、プラス又はマイナス15秒以内に腕時計の時間を設定すること、
-腕時計が置時計上にあるかぎり、腕時計を時間通りに保つこと、
-停止している腕時計を置時計上に保管可能にするため、機能の無効化を可能にすること。
【0163】
この第1の変形形態では、ステップごとの時間設定は、制御手段300に対するユーザの要求時に行い得る、及び/又は自動的に、即ち、置時計100によって、特に置時計100の表示器、特に、非限定的に、置時計の時表示器104及び置時計の分表示器105の回転に接続される機構によって制御される。置時計100によって実施される制御は、周期的であるか、又はアラーム機構と同様のアラーム型機構と呼ばれる、ユーザによって設定される補助機構に接続し得る。置時計100によって実施されるこの制御は、腕時計200が伝達位置でレセプタクル150内に存在する場合にのみ実行される。
【0164】
時間設定は、デモンストレーションの目的を除き、腕時計200が完全に巻き上げられていない場合、ユーザにとって重要である。また、時間設定は、一般に、腕時計200の再巻上げ、又はより一般的には動力再投入まで連続的である。本明細書は、あらゆる動力投入又は動力再投入のそれぞれに対し、用語「巻上げ」又は「再巻上げ」を使用することによって簡略化する。
【0165】
腕時計200は、従来通り、表示器3、4、5、特に、非限定的に、腕時計の時表示器4及び腕時計の分表示器5を含む。図面は、これらの表示器が針である非限定的な変形形態を示す。
【0166】
より詳細には、置時計100によって実施される制御、又は制御手段300に対するユーザの作用は、時間設定に対応する位置内に伝達線の一方を配置させる第1の効果を有する。この場合、伝達線の一方は、腕時計200の内部にある時間設定機構に、現在時刻の表示に正確に到達するのに必要な運動(複数可)を伝えることができる。
【0167】
以下、本発明を非限定的な実施形態で説明する。非限定的な実施形態では、置時計と腕時計との間の伝達線の一方は、腕時計の第1の作動器901と協働して腕時計の開始又は停止を制御するように構成された置時計の第1の作動器501を含み、これら伝達線の他方は、配置運動を増分的にもたらす腕時計の第2の作動器902、特にプッシュピース等と協働するように構成された置時計の第2の作動器502を含む。別の実施形態では、これらのプッシュピースは、組み合わせ得る。別の実施形態では、別の伝達線は、腕時計の作動器の1つと協働するように構成された置時計の第3の作動器503を含む。
【0168】
腕時計200は、少なくとも1つの慣性質量体15を含む共振器10を含み、本明細書は、慣性質量体15がてんぷである、てんぷ-ひげぜんまい型共振器という最も一般的なケースに関連する。
【0169】
腕時計200は、停止機構20を備え、停止機構20は、特に、慣性質量体15上又は共振器の適切な要素上で腕部又は板ばね又は別の作動器を押圧することによって、共振器10の動作を停止させるように設計される。より詳細には、この停止機構20は、停止レバーを含む秒針停止機構25である。
【0170】
置時計100は、停止制御機構120を含み、停止制御機構120は、ユーザ又は置時計100によって実行されるステップごとの時間設定制御をシーケンスに変換するように構成され、シーケンスの第1のステップは、腕時計200の停止機構20の制御動作である。
【0171】
置時計100の停止制御機構120は、伝達線の一方の運動を制御し、時間設定動作を識別し、腕時計200の停止機構20へのパルス又はトルクの伝達を制御するように構成される。
【0172】
時間設定シーケンスは、以下のとおりである:
-時間を設定するため、共振器10を停止させる、特に腕時計200のてんぷを停止させ、腕時計200の表示を基準位置、特に12時00に瞬時に戻す、
-次に、腕時計200の時表示器4及び分表示器5は、連続ステップで、再開表示位置に到達する。再開表示位置は、瞬間の厳密な時間に、機構によって課される少なくとも1つの更なるステップの値、特に2分のステップを加えたものに対応する、
-次の2分が通過すると、即ち、たった今到達した再開表示位置に対応する瞬間において、腕時計の共振器10、特にてんぷ15は、腕時計200の停止機構20によって、特に、この秒針停止機構25によって解放される。
【0173】
この目的で、腕時計200は、時間設定位置における置時計100と腕時計200との間の伝達線の運動を認識し、腕時計の第1の作動器901(特に、プッシュピース等)は、共振器10及び腕時計200を停止させる秒針停止機構25の停止レバーを作動させる。腕時計のこの第1の作動器901は、有利には、少なくとも1つのハンマ等を制御する機構でもあり、それぞれ調節される測時器変数のため、ハンマと、筒かなによって支持されるハートピースとを協働させることによって、腕時計200の時表示器4及び分表示器5を基準位置に配置させる。
【0174】
したがって、より詳細には、ステップごとの時間設定は、決して限定的ではないステップの数値と共に、本明細書で説明するステップのシーケンスを含む。
【0175】
制御手段300にユーザによって与えられるか又は置時計100自体によって与えられる時間設定命令の間、制御手段300、又は置時計100内に含まれる測時器ムーブメント900は、停止制御機構120を有効化し、停止制御機構120は、第1のプッシュピース901を通じて腕時計200の停止機構20を即時に制御する。
【0176】
次に、共振器10を停止させる。本明細書で示される特定のケースでは、慣性質量体15を停止させる。
【0177】
腕時計200は、少なくとも1つの表示器3、4、5を含む。より詳細には、非限定的に、本明細書は、腕時計の時表示器4及び腕時計の分表示器5の設定に関連する。
【0178】
腕時計200は、リセット機構500を含み、リセット機構500は、腕時計の少なくとも1つの表示器3、4、5、特に腕時計の時表示器4及び腕時計の分表示器5を、基準位置に戻す、特に、例えば、基準位置の位置、特に12h00、即ち12時0分、又は
図27から
図33に示すように、位置10h10、即ち10時10分、又はあらゆる他の値に戻すように構成される。別段に規定されていないかぎり、本明細書において、基準位置は、この基準位置12h00、即ち12時0分である。
【0179】
より詳細には、このリセット機構500は、腕時計の各表示器3、4、5をこの基準位置に戻すように設計される。
【0180】
非限定的な実施形態では、このリセット機構500は、各表示器3、4、5に対して、この表示器3、4、5と一体に回転するハートピース401、702、703を含み、リセット機構500は、リセット機構500を有効化する間、このハートピース401、702、703と支承的に協働するように構成された少なくとも1つのハンマ402、702を含む。このハンマ402、701は、好ましくは、通常動作において、ハンマ402、701をハートピース401、702、703から遠ざける性質をもつハンマばね403によって戻される。
【0181】
特定の変形形態では、ハンマ402又は701は、固有で、腕時計200内に含まれる全てのハートピース401、702、703に共通であり、様々な測時器変数を調節する。
【0182】
したがって、停止機構20は、リセット機構500の有効化によって、腕時計200の停止と同時に、表示器のリセットを制御し、各表示器3、4、5を基準位置に戻す。
【0183】
したがって、腕時計200の表示器3、4、5は、基準表示位置、例えば、12時0分位置を瞬時に取る。
【0184】
次に、別の伝達線は、置時計によって駆動され、腕時計に対して特定の表示を課す。この駆動は、連続的に行うのではなく、複数のステップで行われる。この他方の伝達線は、ここでは往復運動で動作する腕時計の第2の作動器902を含む。この非限定的な実施形態は、腕時計の時間を制御する可能な形態の1つである。
【0185】
次に、腕時計のこの第2の作動器902により、置時計100は、腕時計の分表示器5を所与の値のステップ、例えば2分で駆動し、したがって、腕時計上の表示が、瞬間的な厳密な時間に対応する再開表示位置に一致するまで、腕時計の分表示器5を通じて、腕時計の時表示器4を間接的に駆動する。この瞬間の厳密な時間は、置時計100上に見える瞬間的な表示の値に、少なくとも1つの更なるステップ、したがって、ここでは2分を加えた時間である。
【0186】
この機構は、日修正器と同様に働く。腕時計200は、分可動体に接続された修正器を有し、置時計100は、腕時計の第2の作動器902を作動し、腕時計の第2の作動器902は、瞬間的な時間に到達するのに必要な回数に、ステップの値、ここでは2分を加えた回数で、この修正器を押圧する。この線形運動は、自転車の空気入れの動作に似ている。置時計上の基準点は、要求時にミニッツ・リピータ機構によって行われるのと同様に、置時計内に従来に含まれる時渦形カム及び分渦形カムの感知により行われる。
【0187】
2分のステップは、非限定的な例であり、この例で2分のステップのために選択すべきステップの数であり、0から359のステップの間の変数である(60/2×12)。この段階の間、腕時計の筒かな又は日の裏車は、限定的ではないが、特に、30歯の星形車のおかげで正確に配置される。15歯の星形車の有利なケースを以下に示す。より一般的には、腕時計200の筒かな又は日の裏車は、筒かな又は日の裏車と一体の星形車と、1つ又は複数の歯を有するジャンパとの組合せによって正確に配置され、この星形車の歯数及びこのジャンパの歯数は、所定のステップの値を一緒に規定する。
【0188】
腕時計の第1の作動器901の動作は、ハンマ402、701の再巻上げを保証するために使用し得る。
【0189】
次に、置時計100は、次の2分まで次の通過を待機し、既に設定した再開表示位置に対応するこの正確な瞬間で、第1のプッシュピース901により停止レバーを解放し、したがって、厳密な時間で腕時計が動作するのを可能にする。この秒針停止のおかげで、この時間設定は、とても正確である。
【0190】
実際、この、次の2分までの同じ通過は、停止制御機構120の状態の修正、及び開始/停止伝達線の運動の制御という効果を有し、時間設定終了動作を識別し、腕時計200の停止機構20へのパルス又はトルクの伝達を制御する。
【0191】
同調置時計100が第1の選択シャフト1と少なくとも1つの第2の駆動シャフト2とを含む実施形態では、腕時計200は、時間設定終了位置における伝達線の一方の運動を認識し、第1の上半分シャフト12は、停止機構20の停止レバーを再度作動し、これにより、共振器10及び腕時計200を解放し、共振器10及び腕時計200の稼働を瞬時に再開する。
【0192】
要約すると、第1のインターフェースによって、置時計100は、特に秒針停止レバー機構25によって、腕時計200の慣性質量体15、特にてんぷを停止させる。
【0193】
次に、第2の機構によって、置時計100は、複数のステップで、ここでは2分のステップで、腕時計200の分表示器5を駆動し、分表示器5により腕時計200の時表示器4を駆動する。この駆動は、表示器が、瞬間的に厳密な時間に2分を加えた時間に到達し、この時間を一緒に示すまで行われる。
【0194】
次に、置時計100は、次の2分までの次の通過を待機し、停止レバーを解放し、したがって、腕時計200が時間通りに動作するのを可能にする。
【0195】
したがって、腕時計の時間設定は、とても正確に実行される。
【0196】
要約すると、そのような同調腕時計200のステップごとの時間設定方法は、以下で説明する様々なステップを含む。
【0197】
1A:置時計100から外した際、最初の巻上げの後に腕時計200が全ての瞬間で有さなければならない所定の電池寿命の値を決定する。
【0198】
1B:所定の時間設定ステップの値を決定する。
【0199】
1C:腕時計200の表示器3、4、5のための基準位置を規定する。
【0200】
1D:修正機構は、少なくとも2つの個別伝達線を備え、一方は、動力又は運動伝達のためのものであり、もう一方は、実施すべき機能又は調節すべき表示変数を選択するためのものであり、各伝達線は、置時計100内の置時計作動器及び腕時計200内の少なくとも1つの腕時計作動器とのインターフェースを含む。
【0201】
1E:腕時計200を伝達位置でレセプタクル150内に置く。これにより、置時計100が、腕時計200の存在を検出し、腕時計200が置時計100上に置かれている際に腕時計200が停止している場合に腕時計200の最初の巻上げを実行し、腕時計200の開始をトリガすることを可能にする。
【0202】
1F:置時計100は、腕時計200が置時計100から外された際の腕時計200の所定の電池寿命を保証するように腕時計200を巻き上げる。
【0203】
1G:また、腕時計200がレセプタクル150上に置かれている際、又は代替的に、所定の時間で置時計100上に、又は置時計100若しくは腕時計200内に含まれる制御手段300に対するユーザの作用による要求時、又は置時計100内に含まれる測時器ムーブメント900の制御時のいずれかにおいて、置時計100は、腕時計200の時間設定を実施する。
【0204】
1H:また、置時計100は、時間設定に対応する位置内に伝達線を配置させ、この所定ステップのそれぞれの値だけ伝達線を連続ステップで作動させる。伝達線は、腕時計200の内部時間設定機構に、現在時刻の表示に正確に到達するのに必要なあらゆる運動を与えることができる。
【0205】
1I:置時計100は、腕時計200が伝達位置で置時計100上のレセプタクル150内にあるかぎり、腕時計200を動作状態で保つ。
【0206】
1J:より詳細には、置時計100及び/又は腕時計200は、制御手段を備え、制御手段は、停止している腕時計を置時計上に保管するために、ユーザが、時間設定機能及び巻上げ機能を無効にすることを可能にするように構成される。
【0207】
1K:より詳細には、時間設定は、周期的な機構によってステップごとに制御され、この機構は、置時計100の表示器の回転に接続されるか、又はユーザによって設定されるアラーム若しくはアラーム型機構に接続される。
【0208】
1L:より詳細には、同調組立体1000は、置時計の第1の作動器501を含む第1の伝達線と、置時計の第2の作動器502を含む第2の伝達線とを備え、第1の作動器501は、腕時計の第1の作動器901と協働し、腕時計の開始又は停止を制御するように構成され、第2の作動器502は、腕時計の第2の作動器902と協働し、配置運動を増分的にもたらすように構成される。
【0209】
1M:より詳細には、同調組立体1000は、置時計の第1の作動器501を含む第1の伝達線と、置時計の第2の作動器502を含む第2の伝達線とを備え、第1の作動器501は、腕時計の第1の作動器901と協働し、共振器に対して、共振器を停止させずに腕時計200の表示器の結合又は結合解除を制御するように構成され、第2の作動器502は、腕時計の第2の作動器902と協働し、配置運動を増分的にもたらすように構成される。
【0210】
1N:より詳細には、単一作動器が生成され、単一作動器は、腕時計の第1の作動器901及び腕時計の第2の作動器902の両方を構成する。
【0211】
1O:より詳細には、腕時計200は、停止機構20を備え、置時計100は、停止制御機構120を備え、停止制御機構120は、ユーザ又は置時計100によって実施されるステップごとの時間設定制御をシーケンスに変換するように構成され、シーケンスの第1のステップは、腕時計200の停止機構20の制御動作であり、置時計100の停止制御機構120は、伝達線の運動を制御し、時間設定動作を識別し、腕時計200の停止機構20へのパルス又はトルクの伝達を制御するように構成される。
【0212】
1P:より詳細には、腕時計200の内部時間設定機構に対する伝達線の連続ステップでの作動に関し、時間設定シーケンスが実行される。時間設定シーケンスに従って、置時計100の停止制御機構120は、腕時計200の停止機構20を制御し、時間設定前に共振器10を停止させ、腕時計200が備えるリセット機構500を制御し、腕時計200の表示器3、4、5をそれらの基準位置に瞬時に戻し、次に、表示器3、4、5の前進は、連続ステップで再開表示位置まで制御される。この再開表示位置は、置時計100上で読取り可能な厳密な瞬間的な時間に、所定ステップに対応する値、又は機構によって課された所定のステップ整数を加えたものに対応する。また、再開表示位置に対応する時間を置時計100が通過すると、停止制御機構120の状態を変更し、開始/停止制御伝達線の運動を制御し、時間設定終了動作を識別し、腕時計200の停止機構20へのパルス又はトルクの伝達を制御し、停止機構20を解放し、共振器10を再開させる。
【0213】
1Q:より詳細には、リセットを実行するため、腕時計200は、時間設定位置における置時計100と腕時計200との間の伝達線の運動を認識し、腕時計の第1の作動器901は、共振器10及び腕時計200を停止させる停止機構20を作動し、腕時計の第1の作動器901は、少なくとも1つのハンマのための制御機構を構成し、それぞれ調節される測時器変数のために、ハンマ402、701とハートピース401、702、703との協働によって少なくとも1つの時表示器4を配置させ、ハートピース401、702、703は、表示器と一体に回転し、筒かなによって支持される。
【0214】
1R:より詳細には、時間設定シーケンスを実行するため、置時計100は、腕時計200に対して特定の表示を課す別の伝達線を駆動し、この他方の伝達線は、往復運動で動作する腕時計の第2の作動器902を含み、腕時計の第2の作動器902により、置時計100は、所定のステップ整数だけ腕時計200の分表示器5を駆動し、腕時計の分表示器5を通じて、腕時計200上の表示が再開表示位置に対応するまで、腕時計200の時表示器4を駆動する。
【0215】
1S:より詳細には、時間設定シーケンスを実行するため、置時計100は、ムーブメント900によって時渦形カム及び分渦形カムを駆動する機構と、ミニッツ・リピータ機構上でのように、要求時、瞬間的な時及び分を感知する機構とを備える。
【0216】
1T:より詳細には、時間設定シーケンスを実行するため、置時計100は、ムーブメント900によって単一の分渦形カムを駆動する駆動機構と、ミニッツ・リピータ機構上でのように、要求時、瞬間的な分を感知する機構とを備え、駆動機構は、選択された分のステップに、12又は24を掛けたものに対応するステップ数を含めた、12時間に1回転又は24時間に1回転の速度で駆動される。
【0217】
1U:より詳細には、2分の所定のステップ数を選択する。選択すべきステップ数は、0から359のステップの間の変数であり、所定のステップの間、腕時計200の筒かな又は日の裏車は、30歯又は15歯の星形車のおかげで、正確に配置され、星形車は、筒かな自体によって形成し得る。
【0218】
1V:より詳細には、腕時計200の筒かな又は日の裏車は、筒かな又は日の裏車と一体の星形車と、1つ又は複数の歯を有するジャンパとの組合せによって正確に配置され、星形車の歯数及びジャンパの数は、所定のステップの値を一緒に規定する。
【0219】
1W:より詳細には、第1の選択シャフト1と少なくとも1つの第2の駆動シャフト2とを含む置時計100が実装され、腕時計200は、時間設定終了位置における伝達線の一方の運動を認識するように構成され、第1の上半分シャフト12を含み、第1の上半分シャフト12は、停止機構20を制御し、共振器10を解放する。
【0220】
時間設定機能における、周期的パルス巻上げと呼ばれる第2の変形形態は、腕時計が置時計100のレセプタクル150内にある際の腕時計200の周期的巻上げに関し、巻上げの値は、周期継続時間に安全継続時間を足したものに対応する。
【0221】
一般的な目的は、ステップごとの時間設定の第1の変形形態に関するものと同じである。
【0222】
有利な実施形態では、ユーザの要求時であれ、置時計100の時間基準の要求時であれ、各周期で実行されるものと同一の巻上げも、時間が腕時計上で設定される際にトリガされ、時間設定後の腕時計200の動作を保証する。この場合、この巻上げは、時間設定動作前に実行される。
【0223】
この原理は、摺動フランジ型香箱等、腕時計200における安全機構の存在を必要とし、過負荷の際に香箱ばねが破断するのを防止するようにする。より複雑な実施形態では、パワーリザーブ測定機構は、香箱の不要な又は損害を与える巻上げを防止可能にし得る。
【0224】
例えば、非限定的に、周期的な巻上げは、12時間の周期、したがって1日に2回実行され、巻上げ値は、周期的巻上げの値より大きい、例えば、13時間の電池寿命を有するように13時間の巻上げ値である。
【0225】
周期型巻上げの実行は、制御手段300に対するユーザの要求時に行われる、及び/又は自動的に、即ち、置時計100によって、特に、置時計100の表示器104、105の回転に接続される機構によって、制御し得る。置時計100によって実行される制御は、周期的であるか、又はユーザによって設定される補助機構、アラーム機構若しくはアラーム型機構に接続し得る。置時計100によって実施されるこの制御は、腕時計200が伝達位置でレセプタクル150内に存在する場合にのみ実行される。
【0226】
周期型巻上げの実行は、時間設定を要求する間のユーザの作用によって、又は同じ目的で置時計100自体の制御によってトリガし得る。
【0227】
より詳細には、周期型巻上げは、置時計と腕時計との間の伝達線の一方によって、又はりゅうず等の第3のインターフェースによって実行され、置時計100は、本例では13時間の電池寿命に相当する回転数だけ腕時計200の巻上げ歯車列を駆動する。この電池寿命は、ユーザが腕時計200を着用すると直ちに腕時計200の動作を可能にするものである。このことは、前記腕時計が、自動巻上げ機構を備え、腕時計200が時間設定要求前に事前に巻き上げられていなかった場合でさえ更なる巻上げを保証することを条件とする。
【0228】
腕時計200が自動式である場合、腕時計200は着用中の巻上げを継続する。
【0229】
腕時計200が置時計100上のレセプタクル150内に依然としてある場合、腕時計200は、次の周期的な巻上げまで、この有利な例では12時間後の巻上げまで、動作を継続する。
【0230】
極端なケースでは、巻上げの停止により時刻測定の質が下がる場合があるが、巻上げ周期が時間設定周期と結合している場合、この損失はユーザにとって害がないことに留意されたい。
【0231】
したがって、約50サイクル後、例えば60時間の腕時計の最大巻上げに到達すると、腕時計は、連続的に48から60時間の間の巻上げで動作し、この場合、香箱フランジは、1日に2時間付勢摺動され、このことは、自動式腕時計の通常の摩耗よりかなり低く、機構に過度の摩耗を生じさせないことにも留意されたい。
【0232】
この周期的な巻上げは、とても単純で、腕時計の動力貯蔵機構を保護する一方で、ユーザの利益に対する利用可能性を保証する。
【0233】
要約すると、周期的パルスによってそのような同調腕時計200を巻き上げる方法は、以下で説明する様々なステップを含む。
【0234】
2A:巻上げ周期を決定する。腕時計がレセプタクル150内にある際、腕時計200の周期的な巻上げは、巻上げ周期と等しい周期で実行され、巻上げ値は、巻上げ周期の継続時間に安全継続時間を足したものに対応する。
【0235】
2B:より詳細には、各巻上げ周期で、又は置時計100による腕時計200の時間設定動作の間、又は制御手段300に対するユーザの作用による要求時、又は置時計100内に含まれる測時器ムーブメント900の制御下、周期的巻上げと同一の巻上げが実行され、時間設定動作後の腕時計200の継続動作を保証する。巻上げは、時間設定動作の前に実行される。
【0236】
2C:より詳細には、置時計100は、腕時計200が伝達位置で置時計100上のレセプタクル150内にあるかぎり、腕時計200を動作状態で保つ。
【0237】
2D:置時計100及び/又は腕時計200は、制御手段を備え、制御手段は、ユーザが、時間設定機能及び巻上げ機能を無効にし、停止している腕時計を置時計上で保管することを可能にするように構成される。
【0238】
2E:腕時計200は、安全機構、摺動フランジ香箱、又はパワーリザーブ測定機構を備え、過負荷の香箱ばねの破断、及び香箱の不要な又は有害な巻上げを防止するようにする。
【0239】
特に、12時間の巻上げ周期が選択される。
【0240】
2F:より詳細には、13時間の巻上げ値が選択され、この巻上げ値は、12時間の巻上げ周期及び1時間の安全継続時間を含み、合計13時間の電池寿命を与える。
【0241】
2G:より詳細には、周期型自動巻上げを選択する。周期型自動巻上げは、置時計100の表示器の回転に接続される機構によって周期的に、又はユーザによって調整される補助機構のトリガによって、アラーム機構若しくはアラーム型機構内でユーザによって規定される瞬間で、置時計100によって制御される。
【0242】
2H:より詳細には、周期型巻上げは、時間設定を要求する間のユーザの作用によって、又は置時計100による時間設定制御によってトリガされる。
【0243】
2I:置時計100は、伝達線の一方によって、又は腕時計200内に含まれるりゅうずの回転を制御する第3のインターフェースによって、十分な回転数だけ腕時計200の巻上げ歯車列を駆動し、この回転数は、巻上げ周期及び安全継続時間の和に等しい巻上げ値を構成するものであり、時間設定要求前に、ユーザが腕時計200を直ちに着用した場合であっても、及び腕時計200が事前に巻き上げられていない場合であっても、腕時計200の即時の動作を可能にするようにする。
【0244】
2J:より詳細には、巻上げ周期が閾値まで低減されると、この閾値での腕時計200の時刻測定の質が下がるが、巻上げ周期が時間設定周期と結合しているために、時刻測定の性能の損失は、ユーザにとって害がないようになる。
【0245】
より詳細には、置時計100と腕時計200との間に少なくとも2つの個別の伝達線を含む接続機構が生成される。
【0246】
より詳細には、この同調組立体1000は、腕時計200と共に生成され、腕時計200は、少なくとも1つの共振器10、及び表示歯車列、及び最終歯車列、及び共振器10の動作を停止するように構成された停止機構20、又は最終歯車列から表示器を分離可能にする結合機構のいずれか、又はそのような停止機構20及びそのような結合機構の両方を含み、腕時計200は、少なくとも1つの時表示器4と1つの分表示器5とを含む。
【0247】
相対的時間設定と呼ばれる第3の変形形態は、要求時、及び周期的に自動的に、例えば1日に2回、置時計100により制御される時間設定の実行に関連する。
【0248】
一般的な目的は、ステップごとの時間設定の第1の変形形態と同じである。
【0249】
各周期において、置時計100は、12時間にわたる時表示器の時間設定のため、表示を12時0分位置に切り替えることを保証する値、例えば13時間の値で、腕時計200の表示器4、5を逆に駆動する。これら表示器4、5のそれぞれは、12時0分の基準位置を通過する間、爪によってブロックされる。より詳細には、この基準位置は調節可能であり、爪のブロック位置は、少なくとも1つの表示器4、5、より詳細には各表示器4、5に固有のものである。
【0250】
置時計100は、±20秒程度の精度で、腕時計の表示器4、5を正確な時間に駆動する。
【0251】
要求時、及び自動的、周期的な時間設定の実行は、制御手段300に対するユーザの要求時に行われる、及び/又は自動的、即ち、置時計100によって、特に、置時計100の表示器104、105の回転に接続された機構によって制御し得る。置時計100によって実行される制御は、周期的であるか、又はユーザによって設定される補助機構、アラーム機構若しくはアラーム型機構に接続し得る。置時計100によって実施されるこの制御は、腕時計200が伝達位置でレセプタクル150内に存在する場合にのみ実行される。
【0252】
りゅうず型等のインターフェースによって、置時計100は、腕時計の分表示器5を駆動し、前記分表示器によって、腕時計の時表示器4を反時計回り方向に駆動する。この反時計回り方向は、短縮形SIAMであり、13時間に相当し、基準位置、特に12時0分を通る時間の通過を保証する。12時0分の位置から通過する際、又は有利には、準備位置と呼ばれる隣接位置、例えば、12時15分の位置から通過する際、爪は、ロックを解除され、基準位置、特に12h00で分表示器をブロックする。反時計回り方向で13時間行程にわたる時間の駆動は、摩擦システム上で継続される。この原理は、MONTRES BREGUETの名義の文献EP2073076B1で読むことができるような、厳密な分で、2つのカムの組合せによってアラームの時打ち時間の厳密な調節を可能にする原理とは逆のものであり、当該文献では、2つのカムのうち、1つのカムは、時カムであり、時打ちの実行が予定される時間の前の、1時間の約4分の1の経過時間に対応する開口を含み、この開口は、ピンと協働するように構成され、前もって設定した厳密な分でアラームをトリガする分カムの運動によってのみ駆動を継続させる。
【0253】
次に、適切なインターフェースを通じて、置時計100は、通常の時計回り方向、即ち、短縮形SAMで腕時計の分表示器5を駆動し、前記分表示器によって、表示器が正確な時間に到達するまで腕時計の時表示器4を駆動する。時間設定精度は、隙間に非常に依存し、時間設定歯車列の1周における原理から外れて、1分あたり約±15から20秒であることが推定されることに留意されたい。
【0254】
より詳細には、基準位置及び/又は準備位置、並びに少なくとも1つの爪、特に各爪のブロック位置は、調節可能である。
【0255】
要約すると、そのような同調腕時計200の相対的時間設定の方法は、以下で説明する様々なステップを含む。
【0256】
3A:腕時計200の表示器3、4、5のための基準位置を規定する。
【0257】
3B:時間設定は、要求時、置時計100若しくは腕時計200内に含まれる制御手段300に対するユーザの作用によって実行されるか、又は置時計100によって周期的、自動的に制御される。
【0258】
3C:また、相対的時間設定を実施するため、置時計100は、表示器4、5が基準位置を通過するのを保証するのに十分に長い行程で、腕時計の表示器4、5を逆に反時計回り方向で駆動する。
【0259】
3D:腕時計200が12時の表示を表示する場合、特に、非限定的ではあるが、1日に2回の時間設定のために、行程は、12時間を超える値が選択される。
【0260】
3E:より詳細には、腕時計200は、特に、非限定的ではあるが、表示器4、5のそれぞれに対して、爪を備え、爪は、腕時計200が基準位置に対応する位置に切り替わる際に少なくとも1つの表示器4、5をブロックするように構成される。
【0261】
3F:より詳細には、制御手段300は、調節手段を備え、少なくとも1つの表示器に固有の爪のブロック位置を調節するか、又は各表示器に固有の爪のブロック位置を調節する。
【0262】
より詳細には、制御手段300は、基準位置を調節する調節手段を備える。
【0263】
3G:より詳細には、周期型自動時間設定が選択され、この周期型自動時間設定は、置時計100によって、周期的に、置時計100の表示器の回転に接続される機構によって、又はユーザによって設定された補助機構のトリガによって、アラーム機構若しくはアラーム型機構内でユーザによって規定される瞬間で、制御される。
【0264】
3H:より詳細には、周期的時間設定は、時間設定要求の間のユーザの作用によって、又は置時計100の時間設定制御によってトリガされる。
【0265】
3I:より詳細には、インターフェースを通じて、置時計100は、腕時計の分表示器5を駆動し、前記分表示器を通じて、腕時計の時表示器4を反時計回り方向で駆動し、基準位置で分表示器をブロックするようにする。置時計100による時間の駆動は、摩擦システム上で継続される。
【0266】
3J:より詳細には、次に、適切なインターフェースによって、置時計100は、今度は、通常の時計回り方向で腕時計の分表示器5を駆動し、前記分表示器によって、表示器が正確な時間に到達するまで腕時計の時表示器4を駆動する。
【0267】
3K:より詳細には、基準位置に近接する準備位置を規定し、準備位置の通過時、爪はロック解除され、制御手段300は、準備位置を調節する調節手段を備える。
【0268】
3L:より詳細には、同調組立体1000は、第1の伝達線と、第2の伝達線とを備え、第1の伝達線は、置時計の第1の作動器501を含み、置時計の第1の作動器501は、腕時計の第1の作動器901と協働し、共振器10を停止させずに共振器10に対する腕時計の表示器の結合又は結合解除を制御するように構成され、第2の伝達線は、置時計の第2の作動器502を含み、置時計の第2の作動器502は、腕時計の第2の作動器902と協働し、配置運動をもたらすように構成される。
【0269】
3M:より詳細には、腕時計200は、時間設定の間、共振器10の慣性質量体15の停止を保つ停止機構20を備える。
【0270】
3N:より詳細には、腕時計200は、時間設定の間、共振器10の慣性質量体15を停止させずに表示器4、5を開始させる結合機構を備える。
【0271】
相対的時間設定による巻上げと呼ばれる第4の変形形態では、巻上げは、上記した腕時計の相対的時間設定の反時計回り回転の13時間の周期の間、同様に、要求時、及び自動的に、1日に2回に生じる。腕時計の表示器4、5の13時間の反時計回り回転は、13時間の継続時間の間の腕時計の巻上げを保証する。
【0272】
この第4の代替形態は、単一回転インターフェースによる時間設定及び巻上げの実行を可能にする。
【0273】
時間設定機能は、(要求時)置時計に対するユーザの作用によって、又は置時計の表示器の(周期的)回転に接続された機構によってトリガされる。
【0274】
りゅうず型インターフェース等により、置時計100は、相対的時間設定のための13時間の相当量だけ、反時計回り方向で腕時計の分表示器5及び腕時計の時表示器4を駆動する。この回転は、有利には13時間香箱を巻き上げるために使用し得る。
【0275】
2つの解決策:
-インターフェースが、反時計回り方向での表示器の回転に加えて、手動巻上げ歯車列を駆動すること、又は
-最終歯車列が、表示器の逆回転の間に香箱の巻上げを可能にする爪可動体を含むこと
のいずれかが提案される。
【0276】
第1のオプションは、実装が容易である。第1のオプションは、爪システムを含み、相対的時間設定の表示器の時計回りの回転を行い得るようにする。しかし、爪システムは、最終歯車列内にない。
【0277】
第2のオプションは、興味深いことに、最終歯車列内の爪車しか必要としない。時間設定摩擦体は、巻上げによるトルクの伝達を可能にしなければならない。典型的な筒かなのトルクは、約1N.mmであり、最大巻上げに対する典型的な筒かなのトルクは、3N.mmである。結合システムは、従来の時間設定摩擦体に取って代わることができる。
【0278】
本発明は、要求時、時間設定の間の13時間の継続時間の間の巻上げ、及び周期的時間設定時、13時間の継続時間の間の巻上げの保証を可能にする。
【0279】
要約すると、相対的時間設定によってそのような同調腕時計200を巻き上げる方法は、以下で説明する様々なステップを含む。
【0280】
4A:腕時計200の表示器のための基準位置を規定する。
【0281】
4B:巻上げは、時間設定によって、又は要求時、置時計100若しくは腕時計200内に含まれる制御手段300に対するユーザの作用によって実行される、又は自動的、周期的に、置時計100によって制御される。巻上げを可能にする相対的時間設定を実行するため、置時計100は、表示器4、5が基準位置を通過するのを保証するのに十分に長い行程で、腕時計の表示器4、5を逆に反時計回り方向で駆動する。
【0282】
4C:より詳細には、腕時計200が12時の表示を表示する場合、行程は、1日に2回の時間設定のために、特に、非限定的ではあるが12時を超える値が選択される。
【0283】
4D:より詳細には、腕時計200は、表示器4、5のそれぞれに対して、爪を備え、爪は、腕時計200が基準位置に対応する位置に切り替わる際にこの表示器4、5をブロックするように構成される。
【0284】
4E:より詳細には、制御手段300は、調節手段を備え、少なくとも1つの表示器に固有の爪のブロック位置を調節するか、又は各表示器に固有の爪のブロック位置を調節する。
【0285】
4F:より詳細には、制御手段300は、基準位置を調節する調節手段を備える。
【0286】
4G:より詳細には、周期的自動時間設定が選択され、周期的自動時間設定は、置時計100によって、周期的に、置時計100の表示器の回転に接続される機構によって、又はユーザによって設定された補助機構のトリガによって、アラーム若しくはアラーム型機構内でユーザによって規定される瞬間で、制御される。
【0287】
4H:より詳細には、周期型時間設定は、時間設定要求の間、ユーザの作用によって、又は置時計100による時間設定制御によってトリガされる。
【0288】
4I:より詳細には、インターフェースを通じて、置時計100は、腕時計の分表示器5を駆動し、前記分表示器によって、腕時計の時表示器4を反時計回り方向で駆動し、基準位置で分表示器をブロックする。置時計100による時間の駆動は、摩擦システム上で継続され、規定された巻上げを保証する。特に、基準位置に近接する準備位置が規定され、準備位置を通過する際、分表示器をブロックするため、爪はロック解除されている。
【0289】
4J:より詳細には、表示器の反時計回り回転の間、インターフェースは、香箱を巻き上げる。また、爪は、最終歯車列の外側にあり、インターフェースは、表示器に加えて、腕時計200内に含まれる手動巻上げ歯車列を駆動する。又は最終歯車列は、表示歯車列による香箱の巻上げを可能にする爪可動体を含み、最終歯車列の一部は、表示器の逆回転の間、爪可動体と香箱との間に位置する。
【0290】
永続的時間設定の変形形態と呼ばれる第5の変形形態では、時間設定は、巻上げのように、要求時のみに生じる。
【0291】
この変形形態では、腕時計200は、必然的に、停止機構20を備え、停止機構20は、特に、慣性質量体15上又は共振器の適切な要素上の腕部又は板ばね又は別の作動器の支持によって、共振器10の動作を停止させるように設計される。より詳細には、この停止機構20は、停止レバーを含む秒針停止機構25である。
【0292】
停止レバーは有効化される。
【0293】
置時計は、13時間、表示器を逆に駆動する。表示器は、基準位置、特に12h00から通過する際、爪によってブロックされる。
【0294】
これらの13時間の逆回転は、前述のように、腕時計の巻上げも保証する。
【0295】
この場合、置時計は、表示器を約±20秒の精度で時間まで駆動する。
【0296】
次に、置時計は、腕時計が置時計上でロック解除されるまで表示器の駆動を継続する。
【0297】
置時計上の腕時計のロック解除により、停止レバーを解放する。
【0298】
この第5の変形形態は、(表示器を除く)腕時計の一定動作、即ち、毎日の巻上げ及び時間設定を回避するものであり、これらの機能は、腕時計のユーザの要求から1度のみ実施される。
【0299】
時間設定機能は、(要求時)置時計に対するユーザの作用によってのみトリガされる。
【0300】
第2のインターフェース(プッシュボタン型)によって、置時計は、腕時計を停止させ、表示器(筒かなの結合)を結合解除する。
【0301】
第1のインターフェース(りゅうず型)によって、置時計は、分表示器を駆動し、前記分表示器によって、13時間の相当量だけ反時計回り方向で時表示器を駆動し、時表示器を基準位置、特に12h00に切り替えることを保証し、第4の変形形態と同様に、12時間のパワーリザーブを超える最小巻上げ、特に13時間のパワーリザーブ値での最小巻上げを保証するようにする。逆の動作において、基準位置、特に12h00に到達する少し前、例えば、12h15位置から通過する際等、爪は、ロック解除され、基準位置、特に12h00で分表示器をブロックする。置時計による反時計回りの13時間の駆動は、摩擦システム上で継続される。
【0302】
次に、第1のインターフェースによって、置時計は、分表示器を駆動し、前記分表示器を通じて、表示器が厳密な時間に到達するまで時表示器を駆動する。時間設定精度は、隙間に高度に依存し、時間設定歯車列の1周における原理から外れて、1分あたり±20秒であることが推定されることに留意されたい。
【0303】
次に、第1のインターフェースを介して、置時計は、腕時計が着用のために置時計から開放されないかぎり、実際の速度で表示器を駆動する。
【0304】
ユーザが着用するために腕時計を開放した場合、置時計は、第2のインターフェースによって停止レバー及び表示器結合クラッチを解放し、腕時計は再度独立する。
【0305】
本発明は、腕時計が置時計上にある際、腕時計の動作上の摩耗をなくすという利点を有する。
【0306】
本発明は、腕時計がいつ取られたかにかかわらず、最小13時間の電池寿命を保証する。
【0307】
要約すると、永続的時間設定によってそのような同調腕時計200を巻き上げる方法は、以下で説明する様々なステップを含む。
【0308】
5A:腕時計200の表示器のための基準位置を規定する。
【0309】
5B:時間設定は、要求時にのみ、置時計100若しくは腕時計200内に含まれる制御手段300に対するユーザの作用によって実行される、又は自動的、周期的に、置時計100によって制御される。時間設定のため、置時計100は、表示器4、5が基準位置を通過することを保証するのに十分に長い行程で、腕時計の表示器4、5を逆に反時計回り方向で駆動する。又は置時計100は、ハートピースによって、基準位置への表示器の変位を保証するように配設された腕時計200の手段を制御する。
【0310】
5C:インターフェースを通じて、置時計100は、腕時計の分表示器5を駆動し、前記分表示器を通じて、腕時計の時表示器4を反時計回り方向で駆動し、分表示器を基準位置でブロックし、置時計100による時間の駆動は、摩擦システム上で継続される。次に、適切なインターフェースを通じて、置時計100は、今度は、通常の時計回り方向で腕時計の分表示器5を駆動し、前記分表示器によって、表示器が厳密な時間に到達するまで腕時計の時表示器4を連続的に回転駆動する。より詳細には、基準位置に近接する準備位置が規定され、準備位置を通過する際、爪がロック解除され、分表示器をブロックする。
【0311】
5D:制御手段300に対するユーザの作用は、停止機構20を作動し、表示器4、5を基準位置に駆動する前に共振器10の動作を停止する。腕時計の表示器4、5が瞬間的な時間に到達した後、置時計100は、腕時計200が伝達位置でレセプタクル150内にあるかぎり表示器4、5を駆動し、腕時計200がレセプタクル150から取り外されると、腕時計200を置時計100から分離し、停止機構20の解放をもたらし、共振器10の動作を可能にする。
【0312】
5E:したがって、表示器4、5は、反時計回り方向で基準位置まで駆動される。
【0313】
5F:ユーザが制御手段300に対して作用すると、置時計100は、オールオアナッシング・インターフェースを通じて停止機構20を作動させ、共振器10の動作を停止させる。
【0314】
5G:より詳細には、表示器4、5を逆に駆動するため、置時計100は、表示器4、5を運動伝達インターフェースを通じて駆動し、表示器4、5が通常の時計回り方向で瞬間的な時間に到達した後、置時計100は、腕時計200が伝達位置でレセプタクル150内にあるかぎり、表示器4、5を実際の速度で駆動し、腕時計200がレセプタクル150から取り外されると、腕時計200を置時計100から分離し、運動伝達インターフェースと表示器4、5との間に結合解除をもたらす。
【0315】
5H:より詳細には、腕時計200が12時の表示を表示する場合、行程は、1日に2回の時間設定のために、特に、非限定的ではあるが12時間を超える値が選択される。
【0316】
5I:より詳細には、腕時計200は、表示器4、5のそれぞれに対して、爪を備え、爪は、腕時計200が基準位置に対応する位置に切り替わる際にこの表示器4、5をブロックするように構成される。
【0317】
5J:より詳細には、制御手段300は、調節手段を備え、少なくとも1つの表示器に固有の爪のブロック位置を調節するか、又は各表示器に固有の爪のブロック位置を調節する。
【0318】
5K:より詳細には、制御手段300は、基準位置を調節する調節手段を備える。
【0319】
5L:より詳細には、永続的自動時間設定トリガが選択され、永続的自動時間設定トリガは、置時計100によって、周期的に、置時計100の表示器の回転に接続される機構によって、又はユーザによって設定された補助機構のトリガによって、アラーム型機構内でユーザによって規定される瞬間で、制御される。
【0320】
5M:より詳細には、そのような永続的時間設定は、時間設定要求の間のユーザの作用によって、又は置時計100による時間設定制御によってトリガされる。
【0321】
5N:より詳細には、制御手段300は、準備位置を調節する調節手段を備える。
【0322】
5O:より詳細には、巻上げは、巻上げを可能にする永続的時間設定の間、制御手段300に対するユーザの作用の間、要求時にのみ、実行される。
【0323】
要求時に時間を設定するためのデータ取得と呼ばれる第6の変形形態は、置時計が表示する時間を読み取り、上記第1の変形形態、第3の変形形態及び第5の変形形態で説明した同調置時計の動作モードの枠組内で腕時計に情報を伝達することを可能にする目的を有する。
図8から
図12は、要求時に時間を設定するための置時計上でのデータ取得を示す。
【0324】
この第6の変形形態は、現在時刻と基準時間との間の差を読み取る機構を使用し、基準時間は、任意に選択され、非限定的に、上記変形形態の全てで12h00であり、機構は、この差の値の情報を腕時計に伝達し、表示を基準位置、特に12h00に戻した後、表示器を割り送ることも可能にする。有利には、この伝達は、厳密なずれ、又はずれ及びオフセットの合計のいずれかを与えることができ、オフセットは、秒信号での時間設定に必要なものである。
【0325】
この第6の変形形態は、ここでは、ステップごとの時間設定と呼ばれる第1の変形形態と同様に説明され、第6の変形形態は、第3の変形形態及び第5の変形形態にも有効であることがわかるであろう。
【0326】
第1の変形形態によれば、時間設定機能は、(要求時、制御手段300における)置時計に対するユーザの作用によって、又は置時計の表示器の(周期的)回転に接続された機構によってトリガされることを想起されたい。第1のインターフェースによって、置時計は、共振器10、特に腕時計のてんぷ15を停止し(てんぷレバー機構の停止)、ハンマ機構を作動し、腕時計の時表示器を4時から12時に戻し、前記時表示器によって、腕時計の分表示器5を00分に戻す。次に、第2のインターフェース(プッシュボタン)を介して、置時計は、2分のステップで腕時計の分表示器5を駆動し、前記分表示器によって、腕時計の時表示器4を駆動する。この駆動は、これら表示器4及び5が、非限定的に、厳密な時間に2分のステップを加えた時間に到達し、この時間を示すまで行われる。この機能は、ハンマの再巻上げを保証し得る。この段階の間、日の裏車は、星形車、特に、30歯又は15歯の星形車のおかげで正確に配置される。次に、置時計は、次の2分まで次の通過を待機し、停止レバーを解放し、腕時計が時間通りに動作するのを可能にする。
【0327】
この第6の変形形態の第1の実施形態は、置時計100に単一カム601を含み、ステップごとの時間設定を実施する。
【0328】
置時計100は、12時間で1回転する渦形カム601を含み、渦形カム601は、その外周上に360個の支承部6010を含み、2分ごとに1つの支承部がある。このカムは、(12時間に1回転する)置時計の表示器と一体である。
【0329】
置時計100は、フィーラスピンドル602、特にロッカ・レバーを含み、ロッカ・レバーは、第1の端部におけるラック603と、第2の反対端部におけるビーク605を有するフィーラスピンドル・フィンガ604とを含む。前記フィーラスピンドル・フィンガは、規定により、基準時間にオフセットを加えたものに対応する静止位置に維持され、このオフセットは、可能性のある歯車列の隙間、及び更なる跳躍の可能性に対応し、第1の変形形態による秒針停止機構を有する時間設定機能を可能にする。このフィーラスピンドル602の維持は、有利には、調節偏心器(図示せず)と共に行われ、時計製造業者が、これらの隙間を容易に補償することを可能にする。
【0330】
調節は、有利には、MONTRES BREGUET名義の出願EP20158326.7の教示による微調整ラックにより実行することもできる。
【0331】
ユーザが時間設定を要求する際、又は置時計自体がこの時間設定を要求する際、提案する時間設定サイクルは、腕時計を基準位置、例えば12h00に基準設定する段階を含む。
【0332】
フィーラスピンドル・フィンガ604を支持するフィーラスピンドル602は、戻し手段、特にばね等の弾性戻し手段の作用を受ける。
【0333】
この基準設定を実行するとすぐに、置時計100は、フィーラスピンドル602を解放し、フィーラスピンドル602は、図示しないこの戻し手段によって回転する。フィーラスピンドル602は、フィーラスピンドル602がカム601の360個の支承部6010の1つに当接するまで回転する。この回転は、置時計上に表示される時間から基準時間を隔てる2分のステップの数に完全に対応する。
【0334】
この回転は、非限定的に、特に往復型のインターフェースによって、腕時計、及び腕時計の表示器又は分表示器に伝達される。代替的に、インターフェースは、往復運動ではなく、回転可能であってもよい。
【0335】
機能の終了時、置時計100は、公知のグランド・ストライク機構と同様の機構によってフィーラスピンドル602を再度巻き上げ、その静止位置に戻し、新たな機能の準備ができる。
【0336】
この第6の変形形態の第2の実施形態は、置時計100内に2つのカム610及び620を含み、ステップごとの時間設定を実施する。
【0337】
第1の実施形態で使用された360個の位置のカムは、実際、依然として、製造が困難な要素であり、必然的に、置時計の状況においてでさえ、かさばる。
【0338】
この第2の実施形態の動作は、第1の単一カムモードの動作と同様であるが、カムを製造する困難を軽減する。したがって、置時計100は、2つのカムを含み、第1の時カム610は、12時間で1回転し、その外周上に12個の支承部6100を含み、1時間ごとに1つの支承部があり、第2の分カム620は、1時間で1回転し、30個の支承部6200を含み、2分ごとに1つの支承部がある。これらのカムは、置時計表示器、即ち、それぞれの時表示器104(12時間で1回転)及び分表示器105(1時間で回転)と一体である。
【0339】
置時計100は、2つのフィーラスピンドルも含み、第1のフィーラスピンドル630は、第1の時カム610と協働するように構成され、第2のフィーラスピンドル640は、第2の分カム620と協働するように構成される。これら2つのフィーラスピンドルは、規定により静止位置に維持され、この静止位置は、第1の時フィーラスピンドル630の場合、基準時間にオフセットを加えたものに対応し、このオフセットは、可能性のある歯車列の隙間に対応し、第2の分フィーラスピンドル640の場合、可能性のある更なる跳躍に対応し、第1の変形形態による秒針停止機構25を有する時間設定機能を可能にする。
【0340】
腕時計200が基準時間に設定されるとすぐに、置時計100は、フィーラスピンドル630及び640がそれぞれのカム610、620に載置されるまでフィーラスピンドル630及び640を解放する。この回転は、特に、差動歯車列680を介してインターフェース及び腕時計200に伝達される。2つのカム610、620が互いに対して1/12の比率を有する理由の1つは、2つのカム610、620の値を蓄積するためである。この差動機構680の出力は、特に、非限定的ではあるが、第2の制御カム684を介して、第2の作動器502を駆動するように構成される。
【0341】
より詳細には、この第2の作動器502は、クランク-連接棒を含み、クランク-連接棒は、第2の作動器502内に含まれる第2の制御棒512を押し引きし、第2の制御棒512に、そのような腕時計200を時間設定するための往復運動を与えるように構成される。代替的に、第2の制御棒512は、第2の弾性戻し手段513によって第2のカム684に戻される。
【0342】
一変形形態では、置時計100は、少なくとも1つの電気機械又は電子ムーブメントを含み、少なくとも1つの電気機械又は電子ムーブメントは、出力可動体の運動を制御するように構成され、出力可動体は、特に、非限定的であるが、第2の制御カム684により、そのような第2の作動器502を駆動するように構成される。
【0343】
この回転は、このインターフェースによって、腕時計200及び腕時計の分表示器5に伝達される。
【0344】
機能の終了時、置時計100は、公知のグランド・ストライク機構と同様の機構によって2つのフィーラスピンドル630及び640をその静止位置に再度巻き上げ、新たな機能の準備ができる。
【0345】
要約すると、要求時、置時計100上で腕時計200の時間を設定するデータ取得方法は、以下で説明する様々なステップを含む。
【0346】
6A:腕時計200の表示器のための基準位置を規定する。
【0347】
6B:置時計100は、腕時計200がレセプタクル150上に置かれた際、又は置時計100上で所定の瞬間に切り替える際、又は要求時、置時計100若しくは腕時計200内に含まれる制御手段300に対するユーザの作用によって、又は置時計100内に含まれる測時器ムーブメント900の制御下、腕時計200の時間設定を実施する。置時計100によって表示される時間は、置時計100に読取り機構を実装することによって読み取られ、腕時計200に時間情報を伝達する。読取り機構は、基準時間と、比較した現在時刻との間のずれを読み取り、このずれの値の情報を腕時計200に伝達し、表示器4、5を基準位置にした後、腕時計200を割り送るように構成される。
【0348】
6C:より詳細には、読取り機構は、値の情報若しくは厳密なずれ、又はずれ及びオフセットの合計である修正したずれを伝達するように構成される。このオフセットは、秒信号での時間設定に必要とされる。
【0349】
6D:より詳細には、所定の時間設定ステップの値を決定する。置時計100は、時間設定に対応する位置に伝達線を配置し、連続ステップで、この所定ステップの値のそれぞれを作動する。伝達線は、腕時計200の内部にある時間設定機構に、現在時刻の表示を正確に達成するのに必要なあらゆる運動を付与することができる。また、腕時計200の内部にある時間設定機構に対する伝達線の連続ステップによる作動に関し、時間設定シーケンスが実行され、時間設定シーケンスに従って、置時計100の停止制御機構120は、腕時計200の停止機構20を制御し、時間設定前に共振器10を停止するか又は表示歯車列から最終歯車列を結合解除し、腕時計200内に含まれるリセット機構500を制御し、腕時計200の表示器3、4、5をそれらの基準位置に瞬間的に戻す。
【0350】
6E:次に、表示器3、4、5の前進は、置時計100上で読み取り可能な再開表示位置まで連続ステップで制御される。この再開表示位置は、厳密で瞬間的な時間に、所定ステップで対応する値、又は機構によって課される所定のステップ整数を加えたものに対応する。
【0351】
6F:次に、再開表示位置に対応する時間への置時計100の切替えにより、停止制御機構120の状態を変更し、開始/停止制御伝達線の運動を制御し、時間設定終了動作を識別し、腕時計200の停止機構20へのパルス又はトルクの伝達を制御し、停止機構20を解放し、共振器10を再開させるか、又は最終歯車列を表示歯車列と結合する。
【0352】
6G:より詳細には、リセットを実行するため、腕時計200は、時間設定位置における置時計100と腕時計200との間の伝達線の運動を認識する。腕時計200が使用され、腕時計の第1の作動器901は、停止機構20を作動し、停止機構20は、共振器10及び腕時計200を停止し、腕時計のこの第1の作動器901は、少なくとも1つのハンマを制御する機構を構成し、特に、それぞれ調節される測時器変数のため、ハンマ402、701と、ハートピース401、702、703との協働によって、少なくとも1つの時表示器4及び1つの分表示器5を基準位置内に配置させ、ハートピース401、702、703は、表示器の1つと一体に回転し、より詳細には、非限定的であるが、筒かなによって支持される。
【0353】
6H:より詳細には、時間設定シーケンスを実行するため、置時計100は、腕時計200に対して特定の表示を課す別の伝達線を駆動し、この他方の伝達線は、腕時計200が備える腕時計の第2の作動器902を含み、第2の作動器902は、往復運動で動作し、腕時計の第2の作動器902により、置時計100は、所定ステップの整数だけ腕時計200の分表示器5を駆動し、腕時計の分表示器5を通じて、腕時計200上の表示が再開表示位置に対応するまで腕時計200の時表示器4を駆動する。
【0354】
6I:より詳細には、時間設定シーケンスを実行するため、置時計100は、ムーブメント900によって時渦形カム及び分渦形カムを駆動する機構と、要求時に瞬間的な時及び分を感知する機構とを備える。
【0355】
6J:より詳細には、時間設定シーケンスを実行するため、置時計100は、単一分渦形カムを駆動する機構と、瞬間的な分を感知する機構とを備え、単一分渦形カムは、選択された分のステップに12又は24を掛けたものに対応するステップ数を含めて、ムーブメント900によって12時間に1回転又は24時間に1回転の速度で駆動される。
【0356】
6K:より詳細には、2分の所定ステップが選択され、実施すべきステップ数は、0から359ステップの間の変数であり、所定ステップの間、腕時計200の筒かな又は日の裏車は、筒かな自体によって形成し得る30歯又は15歯の星形車のおかげで、正確に配置される。
【0357】
6L:より詳細には、腕時計200の筒かな又は日の裏車は、筒かな又は日の裏車と一体の星形車と、1つ又は複数の歯を有するジャンパとの組合せによって正確に配置され、星形車の歯数及びジャンパの歯数は、所定ステップの値を一緒に規定する。
【0358】
6M:より詳細には、置時計100が腕時計の分表示器5を駆動することにより、少なくとも1つのハンマ402、701又は各ハンマ402、701の少なくとも部分的な再巻上げも保証する。
【0359】
6N:より詳細には、瞬間的な時及び分の感知を実行するため、置時計100が使用される。置時計100は、12時間で1回転する単一渦形カム601を含み、単一渦形カム601は、その外周上に360個の支承部6010を含み、即ち、2分ごとに1つの支承部があり、単一渦形カム601は、12時間で1回転を実施する置時計100の表示器と一体であり、置時計100は、弾性戻し手段の作用を受けるフィーラスピンドル602を含み、フィーラスピンドル602は、第1の端部におけるラック603と、第2の反対端部におけるビーク605を有するフィーラスピンドル・フィンガ604とを含み、フィーラスピンドル602は、規定により静止位置に維持され、静止位置は、基準時間にプラス又はゼロのオフセットを加えたものに対応し、オフセットは、可能性のある歯車列の隙間及び可能性のある更なる跳躍に対応し、秒針停止機構を有する時間設定機能の実施を可能にする。ユーザが時間設定を要求する際、又は置時計100が時間設定を要求する際、時間設定サイクルは、腕時計100の基準位置を基準設定する段階により開始され、この基準設定が実行されるとすぐに、置時計100は、フィーラスピンドル602を解放し、フィーラスピンドル602は、カム601の支承部6010の1つに当接するまで回転する。この回転は、置時計100上に表示される時間から基準時間を隔てるステップ数に完全に対応する。
【0360】
6O:より詳細には、機能の終了時、置時計100は、フィーラスピンドル602を再度巻き上げ、その静止位置に戻し、新たな機能の準備ができる。
【0361】
6P:より詳細には、瞬間的な時及び分の感知を実行するため、置時計100を使用する。置時計100は、第1の時渦形カム610と、第2の分渦形カム620とを含み、第1の時渦形カム610は、12時間で1回転し、その外周上に12個の支承部6100を含み、1時間ごとに1つの支承部があり、第2の分渦形カム620は、1時間で1回転し、30個の支承部6200を含み、2分ごとに1つの支承部があり、カム610及び620は、それぞれ、12時間に1回転する置時計の時表示器104及び1時間に1回転する置時計の分表示器105に固着される。置時計100は、第1の時カム610と協働するように構成された第1のフィーラスピンドル630と、第2の分カム620と協働するように構成された第2のフィーラスピンドル640とを含み、第1のフィーラスピンドル630及び第2のフィーラスピンドル640は、規定により静止位置に維持され、静止位置は、第1の時フィーラスピンドル630の場合、基準時間にプラス又はゼロのオフセットを足したものに対応し、オフセットは、可能性のある歯車列の隙間に対応し、第2の分フィーラスピンドル640の場合、オフセットは、可能性のある更なる跳躍に対応し、秒針停止機構25による時間設定機能を可能する。ユーザが時間設定を要求する際、又は置時計100が時間設定を要求する際、時間設定サイクルは、腕時計200の基準位置を基準設定する段階により開始し、この基準設定が行われるとすぐに、置時計100は、第1のフィーラスピンドル630及び第2のフィーラスピンドル640を解放し、それぞれのカム610、620に載置されるまで回転させ、この回転は、差動歯車列680を介してインターフェース及び腕時計200の分表示器5に伝達される。2つのカム610、620が互いに対して1/12の比率を有する理由の1つは、2つのカム610、620の値を蓄積するためである。
【0362】
6Q:より詳細には、機能の終了時、置時計100は、第1のフィーラスピンドル630及び第2のフィーラスピンドル640を再度巻き上げ、その静止位置に戻し、新たな機能の準備ができる。
【0363】
表示器の基準時間設定と呼ばれ、
図13から
図18によって示される第7の変形形態は、腕時計200の表示器を基準位置、特に12h00に戻す機能のための解決策を提案する。この機能は、上記第1の変形形態、第3の変形形態及び第5の変形形態の実施に必要なものである。
【0364】
第9の変形形態は、腕時計200と置時計100との間のインターフェースの第1の変位に対するサイクルの実行を可能にすることに関し、修正器は、例えば、随時、腕時計200の以下の機能を実施する:
-最終歯車列から表示歯車列を結合解除すること、
-表示を基準位置、例えば12h00に戻すこと、
-この位置を可能なかぎり正確に維持すること、
-時間設定機能を可能にすること(後述)、
-ハンマを再度巻き上げるため、この時間設定機能を利用すること、又は
-このハンマを無効化すること。
腕時計200と置時計100との間のインターフェースの第2の変位の際、
-最終歯車列上に表示歯車列を結合すること、
-必要な場合、ハンマを再度巻き上げること。
【0365】
この目的で、腕時計200は、以下を含む:
-クロノグラフ・ハンマと同様のハンマ701。ハンマ701は、巻上げ位置及び有効位置を有し、巻上げ位置では、ハンマ701は、爪によって保持され、ばねによって張力がかけられ、有効位置では、ハンマ701は、第1のハート形時カム702の外周部上に載置され、第1のハート形時カム702を最小半径まで強制的に回転させる、
-この第1のハート形時カム702は、クロノグラフ機構で使用されるものと同様である。この第1の時カム702は、筒車708によって支持される、
-分表示器705によって支持される第2の切頭ハート形分カム703、
-分表示器(図示せず)と一体である30歯の星形車と支承的に協働するジャンパ704、
-分表示器(図示せず)によって支持される30歯の星形車、
-星形車、特に、
図17に示すように、二重ジャンパ7040と協働する15歯の星形車として作用し得る、筒かなのかな705、
-図示の特定のケースでは摩擦ばね709を含む、表示歯車列705-707-708と最終歯車列710との間の結合機構706、
-機能の3つの段階を制御する機構(図示せず)。
【0366】
サイクルは、以下の3つの段階で実行される:
-インターフェースによって、
図15の位置で、基準位置、特に12h00への配置をトリガし、結合解除する段階、
-時間設定する表示器の位置を維持し、ハンマを隔離する又は再度巻き上げる段階、
-インターフェースを介してハンマを結合し、必要な場合、再度巻き上げる段階。
【0367】
第1の段階において、インターフェースは、
図16で見えるように、結合クラッチ706をその結合解除位置に作動する。
【0368】
次に、インターフェースは、ハンマ701を解放し、これにより、第1のハート形カム702によって、時表示器を基準位置、特に12h00にし、タイマによって、分表示器を基準位置、特に12h00にする。
【0369】
図13及び
図14に示すように、典型的なタイマの設定により、ハンマによってハートピースに伝達されるリセット方向に応じて、時表示器の誤差に対して、分表示器の位置上に3分程度、即ち±1.5分の誤差を可能にする。
【0370】
有利には、更なる分ハート・カム703は、ハンマ701機能の終了時に働き、厳密な分における位置を保証する。
【0371】
第2の段階の間、ジャンパ704及び30歯の星形車は、表示器の位置を基準位置、特に12h00で維持し、全ての後続の位置で、2分修正ステップで維持する。この例では、15歯の筒かなは、有利には、
図17に示す二重ジャンパとの協働によって、30歯の星形車に取って代わる。
【0372】
機構は、表示を失わずにハンマを再度巻き上げることができ、時間を2分のステップで設定し得る。
【0373】
第3の段階において、インターフェースは、結合クラッチを解放し、最終歯車列を表示歯車列と再接続し得る。
【0374】
したがって、2つのハート・カムのオプションは、動作の精度を改善する。
【0375】
図18は、ブレゲ・クロノグラフ1050結合機構を示し、この結合機構1050は、クランプ721を含み、この結合機構の機能は、コラム・ホイール740の制御下、結合及び結合解除を保証するものであり、コラム・ホイール840は、クランプを開閉するクランプ腕部721、722の角度のずれ、したがって、結合解除又は結合を制御する。
【0376】
この第7の実施形態は、時間設定機構の関与を可能にし、表示歯車列を最終歯車列から結合解除し、再度、これらを互いに結合することを可能にする。
【0377】
この構成は、星形車の機能のために筒かなの歯部を有利に使用するケースでは簡略化される。
【0378】
要約すると、表示器の基準時間設定方法は、以下で説明する様々なステップを含む。
【0379】
7A:表示器の基準位置が規定される。
【0380】
7B:腕時計200を使用する。腕時計200は、表示歯車列705、707、708と最終歯車列710との間の結合機構706と、ハンマ701とを含み、ハンマ701は、巻上げ位置と有効位置との間を移動可能であり、巻上げ位置では、ハンマ701は、爪によって保持され、ばねによって張力がかけられ、有効位置では、ハンマ701は、腕時計200内に含まれる筒車708によって支持される第1の時ハート・カム702の外周部上に載置され、第1の時ハート・カム702を最小半径まで強制的に回転させるように構成される。
【0381】
また、3つの段階を含むサイクルが実行される。
【0382】
-7C:第1の段階。第1の段階の間、置時計100と腕時計200との間のインターフェースの第1の変位によって、結合機構706は、インターフェースによって結合解除され、これにより、インターフェースを結合解除位置に作動し、結合クラッチ706を結合解除した後、インターフェースは、ハンマ701を解放し、これにより、第1の時ハート・カム702によって、時表示器4を基準位置に戻し、タイマによって、分表示器5を基準位置に戻す。
【0383】
-7D:第2の段階時間。時間設定のために表示器4、5の位置を維持し、ハンマ701を隔離する又は再度巻き上げる。
【0384】
-7E:及び第3の段階。置時計100と腕時計200との間のインターフェースの第2の変位によって、最終歯車列を表示歯車列と再接続する。結合機構706は、結合位置に向かって結合機構706を作動するインターフェースによって結合される。第3の段階の間、インターフェースによって、ハンマ701を再度巻き上げることが可能である。
【0385】
7F:より詳細には、ハンマ701の行程の終了時、ハンマ701は、切頭ハート形状であり、分表示器5と一体である第2の分ハート・カム703と協働し、厳密な分で位置を保証する。
【0386】
7G:より詳細には、所定の時間設定ステップの値が決定される。第2の段階の間、表示器の位置は、腕時計200内に含まれるジャンパ704と星形車との間の協働によって基準位置内で維持され、次に、ステップごとのそれぞれの後続の位置において、表示を失うことなく、ハンマ701の再巻上げを可能にする。
【0387】
7H:より詳細には、分表示器5によって支持される星形車として、30歯の星形歯、又は15歯の分筒かなのかなのいずれを選択する。30歯の星形歯は、単純な1歯のジャンパ704と協働し、15歯の分筒かなのかなは、2歯を含む二重ジャンパ7040の単一歯と同時に協働する。
【0388】
7I:より詳細には、腕時計200の筒かな又は日の裏車は、筒かな又は日の裏車と一体の星形車と、1つ又は複数の歯を有するジャンパとの組合せによって正確に配置され、星形車の歯数及びジャンパの歯数は、所定ステップの値を一緒に規定する。
【0389】
7J:より詳細には、結合機構706は、摩擦ばね709を含む。
【0390】
7K:より詳細には、結合機構706として、クランプ721を含むクロノグラフ結合機構が使用される。結合機構706の機能は、コラム・ホイール740の制御下、結合及び結合解除を保証するものであり、コラム・ホイール840は、クランプを開閉するクランプ721、722の腕部の角度のずれを制御し、クランプの開閉は、結合解除又は結合にそれぞれ対応する。
【0391】
7L:より詳細には、3段階制御機構が使用される。より詳細には、この制御機構は、少なくとも1つのコラム・ホイール740を含む。
【0392】
この第7の変形形態に対する代替形態として、基準時間設定と呼ばれ、
図19から
図21によって示される第8の変形形態は、腕時計200の表示器を基準位置、特に12h00に戻す機能のための別の解決策を提案する。この機能は、上記第1の変形形態、第3の変形形態及び第5の変形形態の実施に必要なものである。
【0393】
ここでもやはり、第8の変形形態は、腕時計200と置時計100との間のインターフェースの第1の変位のためのサイクルを実行可能にすることに関し、修正器は、例えば、随時、腕時計200内の以下の機能を実施する:
-最終歯車列から表示歯車列を結合解除すること、
-基準位置、例えば12h00に表示器を戻すこと、
-この位置を可能なかぎり正確に維持すること、
-時間設定機能を可能にすること(後に詳述する)。
また、腕時計と置時計との間のインターフェースの第2の変位の際、最終歯車列上に表示歯車列を結合すること。
【0394】
腕時計200が使用され、腕時計200は、以下を含む:
-筒車808と噛み合うラック823、筒車808は、腕時計の時表示器4と一体であり、角穴車の歯の切欠きを含む時カム802を支持する、
-爪ばね8010によって時カム802との接触を保持される爪801、
ラック823は、筒車808の時計回り方向で音を立てて進むように構成され、戻しばね825によって駆動される。
【0395】
腕時計200は、ラックかな824又は時かなも含み、ラックかな824は、ラック823を駆動し、巻き上げるように構成され、ラック823は、腕時計200が置時計100と協働していない際の腕時計200の通常動作の間、各歯で音を立てて進む。
【0396】
腕時計200は、表示歯車列805、807、808と最終歯車列810との間に結合機構806を更に含む。
【0397】
また、腕時計200の基準時間設定は、以下から構成される3つの段階を含むサイクルによって随時実施される:
-第1の段階。第1の段階の間、置時計100と腕時計200との間のインターフェースの第1の変位によって、基準位置内への配置がトリガされ、腕時計200の表示器4、5の基準時間設定が実施される。結合機構806は、結合機構806を結合解除位置に作動するインターフェースによって結合解除され、これにより、ラック823が、腕時計200の時表示歯車列及び分表示歯車列を、必要に応じた回数にわたり、反時計回り方向で駆動可能にする。この駆動は、爪801が時カムの角穴車の歯の開口に接触するまで行われ、このブロックは、基準表示位置に対応する、
-第2の段階。時間設定のために表示器4、5の位置は維持され、置時計100によって制御される時間設定機構は、ラック801の再巻上げによって腕時計200の表示器4、5の時間を時計回り方向で厳密な時間に設定する、
-第3の段階。置時計100と腕時計200との間のインターフェースの第2の変位によって、最終歯車列を表示歯車列と再接続する。結合機構806は、結合位置に向かって結合機構806を作動するインターフェースを介して結合される。第3の段階の間、インターフェースによって、ラック801を再度巻き上げる、又は第2の段階の間に開始されたラック801の再巻上げを完了することが可能である。
【0398】
より詳細には、腕時計200を使用する。腕時計200は、開口8020を含む時カム802を支持する腕時計の時表示器4と、第2の分カム803とを含み、第2の分カム803は、腕時計の分表示可動体805によって支持され、角穴車の歯の開口8030又は切欠き831を含む。また、結合機構806は、結合解除位置で結合解除され、これにより、ラック823が、腕時計200の時表示器及び分表示器の歯車列を、反時計回り方向で、必要に応じた回数にわたり駆動可能にする。この駆動は、爪801が第1の時カム802の開口8020に接触し、第2の分カム803の角穴車の歯の開口8030内でブロックされるまで行われる。この接触は、接触の瞬間で爪801を回転のために第2の分カム803上に載置し得る、基準時間に先行する数分に対応し、基準時間に先行する数分は、基準時間に到達する前の最後の数分に対応する。ブロックは、基準表示位置に対応する。
【0399】
腕時計200は、星形車、特に、第7の実施形態と同様に、分表示可動体805と一体である30歯の星形車と協働するように構成されたジャンパ804と、機能の3段階を制御する機構とを更に含む。
【0400】
サイクルは、以下の3つの段階で実行される:
-基準位置、特に12h00への配置をトリガし、インターフェースによって結合解除する段階、
-時間設定のために表示器の位置を維持する段階、
-インターフェースを介して爪801を結合し、必要な場合、再度巻き上げる段階。
【0401】
同調されていない腕時計の通常動作の間、時かな824は、ラック823を駆動、巻き上げ、ラック823は、
図19及び
図20に示すように各歯で音を立てて進む。
【0402】
第1の段階において、インターフェースは、
図21に示すように、結合クラッチ806をその結合解除位置に作動する。
【0403】
結合クラッチは、ラック823によって反時計回り方向で駆動される時表示歯車列及び分表示歯車列を解放する。
【0404】
ラック823によって反時計回り方向で駆動される表示歯車列は、可能性として、筒車(時表示器)を2回転以上させ、タイマによって接続された筒かな(分表示器)を13回転以上させ得る。
【0405】
第2の段階の間、時間設定機構は、ラック801を再度巻き上げることによって、厳密な時間まで時計回り方向でその機能を実施し得る。再巻上げが時間設定によって完了しない場合、腕時計表示器の時計回り方向での通常回転によって補われる。
【0406】
第3の段階において、インターフェースは、結合クラッチを解放し、最終歯車列を表示歯車列と再接続し得る。
【0407】
要約すると、基準時間設定方法は、以下で説明する様々なステップを含む。
【0408】
8A:表示器の基準位置が規定される。
【0409】
8B:腕時計200が使用され、腕時計200は、以下を含む:
-筒車808と噛み合うラック823。筒車808は、腕時計の時表示器4に固着された、角穴車の歯の切欠きを含む時カム802を支持する、
-爪ばね8010によって時カム802上に載置された状態で維持される爪801、
ラック823は、筒車808の時計回り方向で音を立てて進むように構成され、戻しばね825によって駆動される。
【0410】
腕時計200は、ラックかな824又は時かなも含み、ラックかな824は、ラック823を駆動し、巻き上げるように構成され、ラック823は、腕時計200が置時計100と協働していない際の腕時計200の通常動作の間、各歯で音を立てて進む。
【0411】
腕時計200は、表示歯車列805、807、808と最終歯車列810との間に結合機構806も含む。
【0412】
また、腕時計200の基準時間設定は、以下から構成される3つの段階を含むサイクルによって随時実施される。
【0413】
-8C:第1の段階。第1の段階の間、基準位置内への配置は、置時計100と腕時計200との間のインターフェースの第1の配置によってトリガされる。腕時計200の表示器4、5の基準時間設定が実施され、結合機構806は、結合機構806を結合解除位置に作動するインターフェースによって結合解除され、これにより、ラック823が、腕時計200の時表示及び分表示歯車列を反時計回り方向で、必要に応じた回数にわたり駆動可能にする。この駆動は、爪801が時カムの角穴車の歯の開口に接触するまで行われ、このブロックは、基準表示位置に対応する。
【0414】
-8D:第2の段階。表示器4、5の位置は、時間設定のために維持される。置時計100によって制御される時間設定機能は、ラック823の再巻上げによって、腕時計200の表示器4、5の時間を厳密な時間まで時計回り方向で設定する、
【0415】
-8E:第3の段階。置時計100と腕時計200との間のインターフェースの第2の変位によって、最終歯車列を表示歯車列と再接続するため、結合機構806は、結合位置に向かって結合機構806を作動するインターフェースによって結合される。第3の段階の間、インターフェースによって、ラック823を再度巻き上げるか、又は第2の段階の間に開始されたラック823の再巻上げを完了することが可能である。
【0416】
8F:より詳細には、所定の時間設定ステップの値が決定され、第2の段階の間、表示器の位置は、腕時計200内に含まれるジャンパ804と星形車との間の協働によって基準位置で維持され、次に、それぞれの後続の位置において、表示を失うことなく、ステップごとのラック823の再巻上げを可能にする。
【0417】
8G:より詳細には、分表示器5によって支持される星形車として、単純な1歯のジャンパ804と協働する30歯の星形歯、又は15歯の分筒かなのかなのいずれを選択する。15歯の分筒かなのかなは、2歯を含む二重ジャンパ8040の1歯と同時に協働する。
【0418】
8H:より詳細には、腕時計200の筒かな又は日の裏車は、筒かな又は日の裏車と一体の星形車と、1つ又は複数の歯を有するジャンパとの組合せによって正確に配置され、星形車の歯数及びジャンパの歯数は、所定ステップの値を一緒に規定する。
【0419】
8I:特に、結合機構806は、摩擦ばね809を含む。
【0420】
8J:より詳細には、結合機構806として、クランプ821を含むクロノグラフ結合機構が使用される。結合機構806の機能は、コラム・ホイール840の制御下、結合及び結合解除を保証するものであり、コラム・ホイール840は、クランプ821、822の腕部の角度のずれを制御してクランプを開閉し、この開閉は、結合解除又は結合にそれぞれ対応する。
【0421】
8K:より詳細には、3つの段階を制御する機構が使用される。
【0422】
8L:より詳細には、少なくとも1つのコラム・ホイール840を含む制御機構が使用される。
【0423】
第9の変形形態は、時表示器及び分表示器のためのステップごとの時間設定方法及び機構に関する。本発明は、第7の変形形態及び第8の変形形態で説明したような、基準位置、特に12h00へのリセット後、2分のステップで腕時計の表示器を時間設定する機能に対する解決策を提案する。表示器は、同調置時計のインターフェースによって制御され、時間設定のための同調置時計のデータ取得機構は、第6の変形形態で上記にて説明したとおりである。
【0424】
また、第9の変形形態は、腕時計と置時計との間のインターフェースの第1の変位のためのサイクルの実行を可能にすることに関し、修正器は、例えば、腕時計内で以下の機能を随時実施する:
-元の位置、例えば12h00に対して規定されたステップ数によって、表示器を現在時刻に対応する位置に戻すこと、
-現在時刻にオフセットを加えたものに対応する位置に表示器を戻す。オフセットは、正確な時間設定で腕時計共振器を解放する秒信号の待機を可能にする。
【0425】
本明細書は、2分のステップで時間を設定する機構の非限定的な構成に関する。1分、3分、4分、5分、6分及び10分のステップも可能である。
【0426】
腕時計は、以下を含む:
-置時計のインターフェース、又は往復運動の伝達を可能にする別の要素と一致する修正器932、
-往復運動で筒かなの歯を駆動可能である腕部921を含むロッカ・レバー931、
-駆動機能の間隔における分表示器の位置を維持するジャンパ904、
-第7の変形形態と同様に、2分のステップで分表示器によって支持される30歯の星形車、
-表示歯車列905-907-908と、最終歯車列910との間の結合機構906。結合機構906は、第7の変形形態又は第8の変形形態と同様に、時間設定の間、開放位置にあり、腕時計が動作している間は閉鎖し得る。
【0427】
図示される特定の実施形態では、有利には、15歯の筒かな905が使用され、30歯の星形車に取って代わることも必要である。このオプションは、制限的ではなく、星形車は、分ごとの所望のステップ数に従って規定されなければならない。Ze=60分/2分。したがって、15歯の筒かなは、
図25に記載される二重ジャンパ904、並びにロッカ・レバー931の腕部921からずれた2つの支承面922及び923の段階化のおかげで、30個の安定した位置を有する。
【0428】
したがって、初期状態において、第1の安定位置は、基準位置、即ち、例えば12h00へのリセット後に得られた表示に対応する。
【0429】
結合クラッチは、
図24に示すように、最終歯車列910に対して開放位置にある。したがって、表示器は、腕時計の歯車列から独立している。更に、この歯車列は、この機能の間、停止レバーによって停止される。
【0430】
時間設定機能に関し、置時計は、第6の変形形態によれば、インターフェースを通じて、現在時刻に到達するのに必要な規定変位数を2分のステップで伝達する。置時計は、1つ又は2つの更なるステップを伝達し、秒信号までの待機時間を可能にする。
【0431】
置時計のインターフェースは、ロッカ・レバー931を駆動する腕時計の修正器932と協働する。このロッカ・レバー931は、30歯の星形車を1段だけ駆動するか、又は代替実施形態では、15歯のかなを半段だけ駆動するように構成される。
【0432】
図25に示すように、ロッカ・レバー931は、段の80%にわたり15歯のかなを駆動し、ロッカ・レバー931の静止位置に戻り、次に、ジャンパは、進行中の段の残りの20%で残りの行程を保証し、次の半段にかなを配置させる。
【0433】
この実施形態は、所望の時間設定機能に応答するものであり、これにより、置時計が、2分のステップだけ表示器を現在時刻に変位させ、オフセットを追加することを可能にする。
【0434】
要約すると、時表示器及び分表示器をステップごとに時間設定する方法は、以下で説明する様々なステップを含む。
【0435】
9A:表示器の基準位置が規定される。
【0436】
9B:腕時計200を使用する。腕時計200は、往復運動を伝達する置時計100のインターフェースと協働する修正器932と、往復運動によって分表示器5の筒かなの歯を駆動可能なロッカ・レバー931と、駆動機能の間隔における分表示器の位置を維持するジャンパ904とを含み、腕時計200は、表示歯車列905、907、908と最終歯車列910との間に結合機構906も含む。また、随時、置時計100は、ロッカ・レバー931によって、基準位置に対して規定された段数だけ分表示器5の歯を駆動することにより、置時計100上で読み取られる現在時刻に対応する位置に表示器4、5を戻すか、又は現在時刻にオフセットを加えたものに対応する別の位置に表示器4、5を戻すことができる。このオフセットは、停止機構20が腕時計200の共振器10を解放可能にする秒信号の待機を可能にする。この解放は、各歯に対応する行程の一部のみを実施するロッカ・レバー931によって、分表示器5を部分的に駆動することによって行われる。次に、分表示器5の割送り回転を完了させる各歯の行程の残りは、ジャンパ904のパルス下で実施される。
【0437】
9C:所定の時間設定ステップ値を決定する。
【0438】
9D:腕時計200の筒かな又は日の裏車は、筒かな又は日の裏車と一体の星形車と、1つ又は複数の歯を有するジャンパとの組合せによって正確に配置され、星形車の歯数及びジャンパの歯数は、所定ステップの値を一緒に規定する。
【0439】
9E:より詳細には、腕時計200の筒かな又は日の裏車は、一方で、筒かな又は日の裏車と一体である星形車と、ロッカ・レバー又は駆動器若しくはラックとの組合せによって駆動され、この運動は、置時計100によって制御される。
【0440】
9F:より詳細には、第1の段階において、置時計100は、停止機構20を制御して共振器10を停止させ、表示器4、5を基準位置に戻し、結合機構906を最終歯車列910に対して開放位置で配置させる。この場合、最終歯車列910は、腕時計200の歯車列から独立している。
【0441】
9G:より詳細には、第2の段階において、置時計100は、置時計100のインターフェースを通じて、所定のステップ整数による、現在時刻に到達するのに必要な規定の変位数を伝達する。
9H:より詳細には、第2の段階において、置時計100は、置時計100のインターフェースを通じて、所定のステップ整数による、現在時刻に到達するのに必要な規定の変位数に、1つ又は2つの変位を足して伝達する。1つ又は2つの変位は、1つ又は2つの更なる所定のステップに対応し、停止機構20が腕時計200の共振器10を解放可能にする秒信号までの待機時間を可能にする。
【0442】
9I:より詳細には、腕時計200を使用する。腕時計200のロッカ・レバー931は、30歯の星形車を1段だけ駆動するか又は15歯のかなを半段だけ駆動するように構成される。
【0443】
9J:より詳細には、腕時計200を使用する。腕時計200のロッカ・レバー931は、15歯のかなを半段だけ駆動し、15歯のかなを行程の80%にわたり駆動し、ロッカ・レバー931の静止位置に戻るように構成され、ジャンパ904は、現在の行程の残りの20%を保証し、15歯のかなを次の半段に配置させる。
【0444】
9K:より詳細には、腕時計200を使用する。腕時計200は、一定のステップで時間を設定する機構と、置時計100のインターフェース又は往復運動の伝達を可能にする別の要素と一致する修正器932と、往復運動によって筒かなの歯を駆動可能なロッカ・レバー931と、駆動機能の間隔における分表示器の位置を維持するように構成されたジャンパ904と、分表示器によって支持され、必要な段の値に依存する歯数を有する星形車と、表示歯車列905、907、908と最終歯車列910との間の結合機構906とを含む。結合機構906は、時間設定の間、開放位置にあり、腕時計200の動作時、閉鎖し得る。置時計100のインターフェースは、腕時計200の修正器932と協働するように構成され、修正器932は、1段又は半段だけ星形車を駆動するように構成されたロッカ・レバー931を駆動する。
【0445】
9L:より詳細には、星形車が分筒かなによって形成される腕時計200を使用する。
【0446】
第7の変形形態及び第8の変形形態は、様々な段階における機能の進行を保証する機能制御器を実装する。
【0447】
第7の変形形態において、機能制御器は、以下の3つの位置を有する:
-機能の開始:機能制御器は、最終歯車列の結合解除を制御し、てんぷを停止し、ハンマを解放する、
-時間設定機能:機能制御器は、ハンマを巻き上げる、
-機能の終了:機能制御器は、結合クラッチ及びてんぷを解放する。
【0448】
第8の変形形態において、制御器は、以下の2つの位置を有する:
-機能の開始:制御器は、最終歯車列の結合解除を制御し、てんぷを停止する、
-機能の終了:機能制御器は、結合クラッチ及びてんぷを解放する。
【0449】
本発明は、非限定的に様々な実施形態を提案するものであり、クロノグラフで使用されるものと同様に、特定の制御器を腕時計に統合するか、又は制御器は、腕時計の外部にあり、置時計に統合される。制御器を腕時計に統合する場合、以下を使用し得る:
-インターフェースによって制御されるコラム・ホイール型回転制御器(2から5の連続安定位置1-2-3-1-2-3-1等を有する)、
-インターフェースによって制御されるシャトル型往復制御器(2つの連続安定位置:1-2-1-2-1等)。
【0450】
制御器が置時計内にある場合、腕時計は、往復カムのみを含み、往復カムは、インターフェースによって制御され、規定により静止に戻る(安定静止位置、及び1から3の制御位置1-2-3-2-1-2-3等)。
【0451】
コラム・ホイールによる実行は、第7の変形形態に十分に適合される。例えば、3つの位置を有するコラム・ホイールが選択され、前記3つの位置は、同調インターフェースを通じて置時計によって連続的に選択される。このコラム・ホイールは、クロノグラフの様に3つのロッカ・レバーを制御し、これらロッカ・レバーは、結合クラッチ、停止レバー及び1つ若しくは複数のハンマを制御するか、又はこれらの機構の一部である。これらのロッカ・レバーは、必要に応じて有効化されるようにコラム・ホイールのコラム上に載置されるように構成される。
【0452】
様々な位置は、以下のとおりである:
-位置0:初期及び最終位置:結合クラッチは有効、停止レバーは無効、ハンマは巻き上げられている、
-位置1:基準位置、特に12h00に戻る。結合クラッチは無効、停止レバーは有効で、ハンマは解放されている、
-位置2:時間設定:結合クラッチは無効、停止レバーは有効、ハンマは巻き上げられている、
-位置0:完全な回転後、戻る。
【0453】
この実施形態は、2つの位置のコラム・ホイールを有する第8の変形形態に適用し得る。
【0454】
単純なシャトルを有する第2の実施形態は、2つの位置が十分である第8の変形形態では十分であり、コラム・ホイールに取って代わることができる。
【0455】
制御器が置時計内にある実施形態は、第7の変形形態に良好に適している。既に説明した3つの位置のコラム・ホイールは、置時計内に位置する3レベルの渦形カムに機能的に取って代えられる。この渦形カムは、腕時計内のカムを往復運動で制御する。このカムは、必要に応じて、結合クラッチ、停止レバー、及び1つ又は複数のハンマを制御する。
【0456】
様々な位置は、以下のとおりである:
-位置0:初期及び最終位置:結合クラッチは有効、停止レバーは無効、ハンマは巻き上げられている、
-位置1:基準位置、特に12h00に戻す。結合クラッチは無効、停止レバーは有効、ハンマは解放されている、
-位置2:時間設定:結合クラッチは無効、停止レバーは有効、ハンマは巻き上げられるている、
-位置0:カムをゼロに戻す。
【0457】
制御器が腕時計の外部にあるこの実施形態は、興味深いものである。というのは、この実施形態は、(機能の実行中)腕時計が置時計から予期せずに取り外された際に、腕時計が位置1又は位置2に依然としてあるのを防止するためである。
【0458】
この構成は、位置0に戻っている際に位置1に切り替える場合、ハンマが落ちるのを防止するように適合される。
【0459】
制御器が置時計内にあるこの実施形態は、渦形カム及び2つの位置のカムを有する第8の変形形態に適用し得る。
【0460】
要約すると、そのような制御器は、所望の時間設定機能に応ずるものであり、最終歯車列からの表示器の結合解除及び表示器の結合を可能にし、必要な場合、ハンマを制御可能にし、停止レバーを制御可能にする。
【0461】
当然、そのような制御器の使用は、上記の他の変形形態にも適用可能である。
【0462】
したがって、これら様々な変形形態は、以下の機能を満たすことを可能にする:
-腕時計が置時計上に置かれた際、停止している腕時計を開始させること、
-腕時計が着用のために置時計から外された際、12時間の最低電池寿命を保証すること、
-腕時計が置時計上にある際、腕時計を動作状態で保つこと、
-腕時計が置時計上に置かれた際、又は要求時、約±15秒の精度で腕時計を時間設定すること、
-腕時計が置時計上にあるかぎり、腕時計を時間通りに保つこと、
-代替的に、同調組立体1000は、結合解除機構を有するオプションを含み、停止している腕時計を置時計上に保管するため、機能を無効化し得る。
【0463】
より詳細には、第1のインターフェースは、置時計内の第1の外部作動器と、腕時計内の第1の内部作動器とを含む。
【0464】
同様に、第2のインターフェースは、置時計内の第2の外部作動器と、腕時計内の第2の内部作動器とを含む。
【0465】
同様に、第3のインターフェースは、置時計内の第3の外部作動器と、腕時計内の第3の内部作動器とを含む。
【0466】
同様に、より多数のインターフェースまで一般化すると、第nのインターフェースは、置時計内の第nの外部作動器と、腕時計内の第nの内部作動器とを含む。
【0467】
上記した多数の異なる使用のシナリオに対応する同調組立体及び様々な方法は、時打ちを含まない置時計及び腕時計に基づく。
【0468】
時打ち置時計及び/又は時打ち腕時計を有するそのような同調組立体を作製可能であることを理解されたい。
【0469】
時打ち機構は、時間設定に正確な基準をもたらすという利点を有する。当業者は、同調腕時計を時間設定する使用を想定し得る。
【0470】
しかし、予防策を取らなければならない。
【0471】
時打ち渦形カムは、5分のステップで実行される時間設定の一例において、時間設定機構のために使用し得る。対応する渦形カムは、5分のステップのために144個の支承部を有さなければならず、時打ちのために使用されない。時打ちの場合、時渦形カムは、原則的に、サプライズピース機構と共に跳躍するため、論理的に、駆動さえ特有のものである。腕時計は、時打ち腕時計であってよいが、このことは、システムをわずかにより複雑にする。というのは、時打ちは、時間設定の間、連続的に時打ちを行い、機構を故障させる可能性があるので、同調腕時計100及び同調腕時計200が協働する同調動作の間、時打ちを隔離する必要があるためである。
【0472】
実行をより複雑にするが、アイソレータを間に挿入するという条件下、そのような時打ち腕時計のための機構を生成することが可能である。この場合、腕時計の時打ち渦形カムは、同調時間設定によって駆動される。
【0473】
基本的な巻上げ及び時間設定機能のみを本明細書で説明してきたが、当然、他の変数に関係する他の情報:第2の時間帯、昼-夜の表示、AM/PM、日付、及びより一般的には暦要素等の伝達は、外挿によって可能である。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同調置時計(100)によって同調腕時計(200)を永続的に時間設定する方法であって、前記同調腕時計(200)は、前記置時計(100)と共に同調組立体(1000)を形成し、前記同調組立体(1000)は、伝達位置で前記置時計(100)内に含まれるレセプタクル(150)の中に前記腕時計(200)を置いた際に前記置時計(100)と前記腕時計(200)との間に少なくとも2つの個別伝達線を含む接続機構を含み、前記腕時計(200)は、少なくとも1つの共振器(10)、及び表示歯車列、及び最終歯車列、及び前記共振器(10)の動作を停止するように構成される少なくとも1つの停止機構(20)、又は前記最終歯車列から前記表示器を分離可能にする結合機構、又は前記停止機構(20)及び前記結合機構の両方を含み、前記腕時計(200)は、基準位置が規定される少なくとも1つの時表示器(4)と1つの分表示器(5)とを含む、方法において、前記時間設定は、前記置時計(100)は、前記置時計(100)又は前記腕時計(200)内に含まれる制御手段(300)に対するユーザの作用による要求時にのみ実行されるか、又は前記置時計(100)によって自動的、周期的に制御されること、並びに前記時間設定のため、前記置時計(100)は、前記表示器(4、5)が前記基準位置を通過することを保証するのに十分に長い行程で、前記腕時計の表示器(4、5)を逆に反時計回り方向で駆動すること、又は前記置時計は、ハートピースによって、前記基準位置への前記表示器の変位を保証するように配設された前記腕時計(200)の手段を制御することを特徴とする、時間設定方法。
【請求項2】
インターフェースを通じて、前記置時計(100)は、前記腕時計の前記分表示器(5)を駆動し、前記分表示器を通じて、前記腕時計の前記時表示器(4)を反時計回り方向で駆動し、前記分表示器及び前記時表示器を前記基準位置でブロックし、前記置時計(100)による駆動は、摩擦システム上で継続されること、並びに次に、適切なインターフェースを通じて、前記置時計(100)は、今度は、通常の時計回り方向で前記腕時計の前記分表示器(5)を駆動し、前記分表示器によって、前記表示器が厳密な時間に到達するまで前記腕時計の前記時表示器(4)を連続回転で駆動することを特徴とする、請求項1に記載の時間設定方法。
【請求項3】
前記制御手段(300)に対するユーザの作用により、前記停止機構(20)を作動し、前記表示器(4、5)を前記基準位置に駆動する前に前記共振器(10)の動作を停止すること、及び前記腕時計(200)の前記表示器(4、5)が瞬間的な時間に到達した後、前記置時計(100)は、前記腕時計(200)が伝達位置で前記レセプタクル(150)内にあるかぎり前記表示器(4、5)を駆動すること、並びに前記腕時計(200)が前記レセプタクル(150)から外されると、前記腕時計(200)を前記置時計(100)から分離し、前記停止機構(20)を解放し、前記共振器(10)の動作を可能にすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の時間設定方法。
【請求項4】
ユーザが前記制御手段(300)に対して作用すると、前記置時計(100)は、オールオアナッシング・インターフェースを通じて前記停止機構(20)を作動させ、前記共振器(10)の動作を停止させることを特徴とする、請求項3に記載の時間設定方法。
【請求項5】
前記表示器(4、5)を逆に駆動するため、前記置時計(100)は、前記表示器(4、5)を運動伝達インターフェースを通じて駆動すること、及び前記表示器(4、5)が通常の時計回り方向で瞬間的な時間に到達した後、前記置時計(100)は、前記腕時計(200)が伝達位置で前記レセプタクル(150)内にあるかぎり、前記表示器(4、5)を実際の速度で駆動すること、及び前記腕時計(200)が前記レセプタクル(150)から外されると、前記腕時計(200)を前記置時計(100)から分離し、前記運動伝達インターフェースと前記表示器(4、5)との間に結合解除をもたらすことを特徴とする、請求項3又は4に記載の時間設定方法。
【請求項6】
前記腕時計(200)が12時の表示を表示する場合、前記行程は、12時間を超える値が選択されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の時間設定方法。
【請求項7】
前記腕時計(200)は、前記表示器(4、5)のそれぞれに対して、爪を備え、前記爪は、前記腕時計200が前記基準位置に対応する位置に切り替わる際に前記表示器(4、5)をブロックするように構成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の時間設定方法。
【請求項8】
自動永続的時間設定トリガが選択され、前記自動永続的時間設定トリガは、周期的に、前記置時計(100)の前記表示器の回転に接続される機構によって、又はユーザによって設定された補助機構のトリガによって、アラーム型機構内でユーザによって規定される瞬間で、前記置時計(100)によって制御されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の時間設定方法。
【請求項9】
前記永続的時間設定は、時間設定要求の間のユーザの作用によって、又は前記置時計(100)による時間設定制御によってトリガされることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の時間設定方法。
【請求項10】
巻上げは、前記巻上げを可能にする前記永続的時間設定の間、前記制御手段(300)に対するユーザの作用の間の要求時にのみ実行されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の時間設定方法。
【国際調査報告】