(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-19
(54)【発明の名称】薬剤移送アダプタ
(51)【国際特許分類】
A61J 1/20 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
A61J1/20 316B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513560
(86)(22)【出願日】2021-08-23
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 US2021047147
(87)【国際公開番号】W WO2022046632
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フランク リー
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA11
4C047CC04
4C047HH01
(57)【要約】
薬剤移送アダプタは、第1の端部と、第1の端部の反対側に配置された第2の端部とを有する本体と、本体から延在し、開口部を画定する移送スパイクとを含み、移送スパイクは、容器の閉鎖部を貫通するように構成され、本体から延在するコネクタと、本体から延在する固定部材とを含む。固定部材は、第1の側面および第1の側面の反対側に配置された第2の側面を有し、固定部材の第1の側面は、本体を容器に固定するように構成された接着面を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤移送アダプタであって、
第1の端部と、前記第1の端部の反対側に配置された第2の端部とを有する本体と、
前記本体から延在し、開口部を画定する移送スパイクであって、容器の閉鎖部を貫通するように構成される前記移送スパイクと、
前記本体から延びるコネクタと、
前記本体から延びる固定部材であって、第1の側面と、前記第1の側面の反対側に配置された第2の側面とを有し、前記固定部材の前記第1の側面は、前記本体を容器に固定するように構成された接着面を備える前記固定部材と、を備える、薬剤移送アダプタ。
【請求項2】
前記固定部材は、前記本体から延びる延長部分と、前記延長部分から延びるテーパ部分と、前記テーパ部分から延びる長方形部分とを備える、請求項1に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項3】
前記長方形部分が、前記延長部分よりも広い、請求項2に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項4】
前記固定部材が可撓性を有する、請求項1に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項5】
前記移送スパイクが、前記本体の前記第1の端部から延在する、請求項1に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項6】
前記コネクタが、前記本体の前記第2の端部から延在する、請求項5に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項7】
前記本体が長方形であり、前記本体が、第1のグリップ面と、前記第1のグリップ面の反対側に配置された第2のグリップ面とを含む、請求項1に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項8】
前記第1および第2のグリップ面は、それぞれ弓状である、請求項7に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項9】
前記本体がディスク形状である、請求項1に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項10】
前記本体が、前記本体の前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する側壁を有する円筒形である、請求項1に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項11】
前記コネクタが、前記本体の前記第1および第2の端部の中間の位置で前記本体から延在する、請求項10に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項12】
前記本体は、第1のグリップ面と、前記第1のグリップ面の反対側に配置された第2のグリップ面とを含み、前記第1および第2のグリップ面はそれぞれ弓形である、請求項10に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項13】
前記固定部材は、前記本体から延びる延長部分と、前記延長部分から延びるテーパ部分と、前記テーパ部分から延びる長方形部分とを備える、請求項10に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項14】
前記固定部材の前記延長部分が、前記本体の前記側壁に沿って延在する、請求項10に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項15】
前記固定部材の前記延長部分の前記接着面が、前記固定部材を前記本体に固定するために前記本体の前記側壁と接触している、請求項14に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項16】
前記固定部材は、第1の固定部材と、前記第1の固定部材の反対側に配置された第2の固定部材とを備える、請求項1に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項17】
前記第1の固定部材および前記第2の固定部材が一体的に形成される、請求項16に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項18】
前記第1の固定部材および前記第2の固定部材は、前記コネクタを受け入れる開口部を画定し、前記第1の固定部材および前記第2の固定部材を前記本体に固定するために、前記本体と接触する前記第1の固定部材および前記第2の固定部材の第1の側の前記接着面の一部を有する、請求項17に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項19】
前記固定部材が、前記移送スパイクの長さの少なくとも50%の長さを有する、請求項1に記載の薬剤移送アダプタ。
【請求項20】
前記固定部材が、前記移送スパイクの長さの少なくとも90%の長さを有する、請求項1に記載の薬剤移送アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、薬剤移送アダプタ、およびより具体的には、固定部材を有する薬剤移送アダプタに関する。
【0002】
本出願は、2020年8月25日に出願された「薬剤移送アダプタ」と題された米国出願第17/002,299号の優先権を主張し、その開示全体が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
がん治療などの危険な薬剤を再構成、輸送、投与する医療提供者は、医療提供者をこれらの薬剤への曝露の危険にさらし、医療環境に危険をもたらす可能性がある。意図しない化学療法への曝露は、神経系に影響を及ぼし、生殖器系を損ない、将来的に血液がんを発症するリスクを高める可能性がある。いくつかの薬剤は、それらが投与される前に溶解または希釈されなければならず、これは、針によって、1つの容器から粉末または液体形態の薬剤を含有する密封されたバイアルに溶媒を移すことを伴う。薬剤は、バイアルの内部と周囲の大気との間に圧力差が存在する場合、バイアルからの針の引き抜き中、および針がバイアル内にある間に、ガス形態またはエアロゾル化によって不注意に大気中に放出され得る。医療提供者が有毒薬剤に晒されるリスクを軽減するために、これらの薬剤の移送は、閉鎖システムの移送デバイスまたはシステムを利用して達成される。閉鎖システムの移送デバイスまたはシステムは、注射器アダプタ、患者用コネクタ、IVバッグスパイク、およびバイアルアダプタを含み得る。
【発明の概要】
【0004】
一態様または一実施形態では、薬剤移送アダプタは、第1の端部と、第1の端部の反対側に配置された第2の端部とを有する本体と、本体から延在し、開口部を画定する移送スパイクとを含み、移送スパイクは、容器の閉鎖部を貫通するように構成され、本体から延在するコネクタと、本体から延在する固定部材とを含む。固定部材は、第1の側面および第1の側面の反対側に配置された第2の側面を有し、固定部材の第1の側面は、本体を容器に固定するように構成された接着面を含む。
【0005】
固定部材は、本体から延びる延長部分と、延長部分から延びるテーパ部分と、テーパ部分から延びる長方形(rectangular)部分とを含み得る。長方形部分は、延長部分よりも広くてもよい。固定部材は柔軟であってもよい。移送スパイクは、本体の第1の端部から延びることができる。コネクタは本体の第2の端部から延びている。本体は長方形であり得、本体は、第1のグリップ面および第1のグリップ面の反対側に配置された第2のグリップ面を含む。第1および第2のグリップ面は、それぞれ弓形であってもよい。本体はディスク状であってもよい。
【0006】
本体は、本体の第1の端部と第2の端部との間に延びる側壁を有する円筒形であり得る。コネクタは、本体の第1および第2の端部の中間の位置で本体から延在し得る。本体は、第1のグリップ面および第1のグリップ面の反対側に配置された第2のグリップ面を含み得、第1および第2のグリップ面はそれぞれ弓形である。固定部材は、本体から延びる延長部分、延長部分から延びるテーパ部分、およびテーパ部分から延びる長方形部分を含み得、固定部材の延長部分は、本体の側壁に沿って延びる。固定部材の延長部分の接着面は、固定部材を本体に固定するために本体の側壁と接触している。
【0007】
固定部材は、第1の固定部材および第1の固定部材の反対側に配置された第2の固定部材を含み得る。第1の固定部材および第2の固定部材は一体的に形成されてもよい。第1の固定部材および第2の固定部材は、第1の固定部材および第2の固定部材を本体に固定するために、本体と接触する第1の固定部材および第2の固定部材の第1の側の接着面の一部を有する、コネクタを受け入れる開口部を画定し得る。
【0008】
固定部材は、移送スパイクの長さの少なくとも50%の長さを有し得る。固定部材は、移送スパイクの長さの少なくとも90%の長さを有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の上述およびその他の特徴および利点、並びにそれらを達成する方法は、添付の図面と併せて取られた本開示の実施形態の以下の説明を参照することにより、より明らかになり、本開示自体もよりよく理解されるであろう。
【
図1】
図1は、本出願の一態様または一実施形態による薬剤移送アダプタの正面図である。
【
図2】
図2は、固定部材の第1の位置を示す、
図1の薬剤移送アダプタの斜視図である。
【
図3】
図3は、固定部材の第2の位置を示す、
図1の薬剤移送アダプタの斜視図である。
【
図4】
図4は、本出願の第2の態様または一実施形態による薬剤移送アダプタの正面図である。
【
図5】
図5は、固定部材の第1の位置を示す、
図4の薬剤移送アダプタの斜視図である。
【
図6】
図6は、固定部材の第2の位置を示す、
図4の薬剤移送アダプタの斜視図である。
【
図7】
図7は、本出願の第3の態様または一実施形態による薬剤移送アダプタの正面図である。
【
図8】
図8は、固定部材の第1の位置を示す、
図7の薬剤移送アダプタの斜視図である。
【
図9】
図9は、注入容器と共に使用されている薬剤移送アダプタを示す、
図7の薬剤移送アダプタの斜視図である。
【
図10】
図10は、注入容器と共に使用されている薬剤移送アダプタを示す、
図7の薬剤移送アダプタの部分斜視図である。
【
図11】
図11は、薬剤バイアルと共に使用されている薬剤移送アダプタを示す、
図7の薬剤移送アダプタの部分斜視図である。
【
図12】
図12は、本出願の第4の態様または実施形態による薬剤移送アダプタの側面図である。
【
図14】
図14は、薬剤バイアルと共に使用されている薬剤移送アダプタを示す、
図12の薬剤移送アダプタの部分斜視図である。
【
図15】
図15は、本出願の第5の態様または実施形態による薬剤移送アダプタの斜視図である。
【
図17】
図17は、本出願の第6の態様または実施形態による薬剤移送アダプタの斜視図である。
【
図18】
図18は、薬剤バイアルと共に使用されている薬剤移送アダプタを示す、
図17の薬剤移送アダプタの部分斜視図である。
【
図19】
図19は、注入容器と共に使用されている薬剤移送アダプタを示す、
図17の薬剤移送アダプタの部分斜視図である。
【0010】
対応する参照符号は、いくつかの図の中で対応している部分を示している。本明細書に提示される例示は、本開示の例示的な実施形態を示しており、そのような例示は、いかなる形でも本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明は、当業者が本発明を実施するために企図される説明された実施形態を作成および使用することを可能にするために提供される。しかしながら、様々な修正、等価物、変形、および、代替物は、当業者に容易に明らかなことである。任意の、および、全てのそのような修正、変形、等価物、および代替物は、本発明の主旨および範囲の中に入ることが意図されたものである。
【0012】
以下、説明の目的のために、「上部」、「下部」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「最上部」、「最下部」、「横」、「縦」、および、それらの派生語は、図面において配向されるように、本発明に関するものとする。しかしながら、本発明は、それとは反対に明示的に特定されない限り、様々な代替的な変形を前提としてもよいことは理解されよう。また、添付の図面に示され、および、以下の明細書に記載される具体的な装置は、単に、本発明の例示的な実施形態であることも理解されるべきである。そのため、本明細書に開示される側面に関連する具体的な寸法および他の物理的な特徴は、限定的なものであるとしてみなされるべきではない。
【0013】
図1~3を参照すると、一態様または一実施形態による薬剤移送アダプタ10は、本体12と、本体12から延びる移送スパイク14と、本体12から延びるコネクタ16と、本体12から延びる固定部材18とを含む。本体12は、第1の端部20と、第1の端部20の反対側に配置された第2の端部22とを有する。移送スパイク14は、開口部24を画定し、移送スパイク14は、容器の閉鎖部を貫通するように構成される。コネクタ16は、注射器バレルまたは注射器アダプタに接続するように構成される。固定部材18は、第1の側面26と、第1の側面26の反対側に配置された第2の側面28とを有する。固定部材18の第1の側面26は、本体12を容器に固定するように構成された接着面を含む。移送スパイク14の開口部24は、移送スパイク14を通って、コネクタ16を通って、コネクタ16に接続された構成要素への流体の移送を可能にするために、コネクタ16と流体連通している。薬剤移送アダプタ10は、注射器などの1つの容器から、IVバッグ、IVボトル、バイアルなどの別の容器に薬剤または流体を移送するように構成される。一態様または一実施形態では、薬剤移送アダプタ10は、IVバッグアダプタであり、注射器アダプタおよびIVバッグのスパイクポートに接続されるように構成される。
【0014】
図1~3を再び参照すると、固定部材18は、本体12から延びる延長部分30と、延長部分30から延びるテーパ部分32と、テーパ部分32から延びる長方形部分34とを備える。長方形部分34は、延長部分30よりも広く、これは、固定部材18の表面積を増加させ、それによって固定部材18の第1の側面26の接着面積を増加させる。長方形部分34は、矩形のような形状であるが、他の適切な形状および構成を利用することができる。固定部材18は可撓性であり、固定部材18が容器または容器の一部、例えばIVバッグのスパイクポートの周りに巻き付けられて、薬剤移送アダプタ10を容器に固定することを可能にするように構成される。固定部材18は、固定部材18が容器に固定されることを可能にする
図2に示される第1の位置と、移送スパイク14が固定部材18からの干渉なしに容器を貫通することを可能にする
図3に示される第2の位置とを有する。固定部材18は、第1の位置から第2の位置に移動するとき、およびその逆に移動するときに90度移動可能であり得るが、他の適切な角度が利用され得る。一態様または一実施形態では、固定部材18は、粘着ホイルなどの接着テープから形成されるが、他の適切な配置が利用され得る。一態様または一実施形態では、固定部材18は、固定部材18を使用する前に剥がされたライナーを含む。一態様または一実施形態では、固定部材は、取り外し可能なライナーで覆われた単一の側面上の接着剤を有する医療グレードのラミネート箔、例えば、3Mカンパニーから入手可能な3M(商標)9792Rアルミニウム箔タップから形成されるが、他の適切なテープが利用され得る。一態様または一実施形態では、固定部材18は、薬剤移送アダプタ10を容器から容易に取り外すことができないように、薬剤移送アダプタ10を容器に恒久的または半恒久的に固定するように構成される。
【0015】
移送スパイク14は、本体12の第1の端部20から延在し、コネクタ16は、本体12の第2の端部22から延在するが、他の適切な構成が利用され得る。一態様または一実施形態では、移送スパイク14は、コネクタ16に対して直角に配置され得る。本体12は長方形であるが、他の適切な形状および構成が利用され得る。本体12は、第1のグリップ面36と、第1のグリップ面36の反対側に配置された第2のグリップ面38とを含む。薬剤移送アダプタ10の使用中、医療従事者は、第1および第2のグリップ面36、38を把持し、移送スパイク14で容器を貫通することができる。第1および第2のグリップ面36、38は弓形であるが、他の適切な形状および構成が利用され得る。
【0016】
図1~3を再び参照すると、薬剤移送アダプタ10は、2つの固定部材18を含み、第1の固定部材40が第2の固定部材42の反対側に配置される。第1の固定部材40は、第2の固定部材42が一体的に形成されているが、他の適切な構成を利用することができる。第1の固定部材40および第2の固定部材42は、コネクタ16を受け入れる開口部44を画定する。第1および第2の固定部材40、42の第1の側面26の接着面の一部は、第1および第2の固定部材40、42を本体に固定するために本体12と接触している。
【0017】
一態様または一実施形態では、固定部材18は、移送スパイク14の長さの少なくとも50%の長さを有する。さらなる態様または実施形態では、固定部材18は、移送スパイク14の長さの少なくとも90%の長さを有する。固定部材は、薬剤移送アダプタ10を容器から除去するのに必要な力を増加させるのに十分な接着面積を有するのに十分な長さと表面積を有する一方、固定部材18と容器との間の界面の強度を損なう可能性のある固定部材18の付着していない部分または欠陥を引き起こすほどには長すぎない。
【0018】
図4~6を参照すると、第2の態様または実施形態による薬剤移送アダプタ50が示されている。薬剤移送アダプタ50は、本体12がディスク形状であり、各固定部材18の延長部分30がより短く、長方形部分34がより広いことを除いて、
図1~3に示される薬剤移送アダプタ10に類似している。
【0019】
図7~11を参照すると、第3の態様または実施形態による薬剤移送アダプタ80が示されている。薬剤移送アダプタ80は、以下で論じられる違いを除いて、
図1~3の薬剤移送アダプタ10に類似している。薬剤移送アダプタ80は、単一の固定部材18のみを含む。本体12は、本体12の第1の端部20と第2の端部22との間に延びる側壁82を有する円筒形であり得る。コネクタ16は、本体12の第1および第2の端部20、22の中間の位置で本体12から延在する。本体12は、第1のグリップ面84および第1のグリップ面84の反対側に配置された第2のグリップ面86を含み得、第1および第2のグリップ面84、86はそれぞれ弓形である。固定部材18の延長部分30は、本体12の側壁82に沿って延びる。固定部材18の延長部分30の接着面は、固定部材18を本体12に固定するために本体12の側壁82と接触している。
【0020】
図9~11を参照すると、薬剤移送アダプタ80は、IVバッグ92のスパイクポート90(
図9および10)ならびに薬剤バイアルまたは容器96(
図11)に固定されて示される。
図9および10に示されるように、移送スパイク14は、移送スパイク14の少なくとも一部がスパイクポート90内に受容された状態でスパイクポート90のクロージャを貫通する。移送スパイク14がスパイクポート90に挿入された後、固定部材18、特に固定部材18の長方形部分34は、IVバッグ92のスパイクポート90の周りに巻き付けられ、固定部材18の第1の側面26上の接着面をスパイクポート90と係合させることによって薬剤移送アダプタ80をIVバッグ92に固定する。注射器アダプタ94は、IVバッグ92が移送スパイク14、本体12、およびコネクタ16を介して注射器アダプタ94と流体連通するように、コネクタ16に固定される。本体12の側壁82は、注射器アダプタ94がコネクタ16に固定されるとき、注射器アダプタ94の一部を取り囲む。注射器バレル(図示せず)は、注射器アダプタ94に固定され得る。注射器アダプタ94は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2015/0297454号に示され、記載されている注射器アダプタと同じ方法で動作してもよい。
図11に示されるように、薬剤移送アダプタ80は、それがIVバッグ92に接続するのと同様の方法で薬剤バイアル96に接続される。移送スパイク14は、移送スパイク14が薬剤バイアル96と流体連通するように薬剤バイアル96の閉鎖部を貫通し、また固定部材18の長方形部分34が薬剤バイアル96のキャップ98などの部分に押し付けられて、固定部材18の第1の側面26上の接着面と薬剤バイアル96との係合を介して薬剤移送アダプタ80を薬剤バイアル96に固定する。
【0021】
図12~14を参照すると、第4の態様または実施形態による薬剤移送アダプタ100が示される。薬剤移送アダプタ100は、以下で論じられる違いを除いて、
図7~11の薬剤移送アダプタ80に類似している。薬剤移送アダプタ100の固定部材18は、延長部分30のみを含む。すなわち、単一の固定部材18は長方形である。
図14に示されるように、薬剤移送アダプタ100は、上記で論じられ、
図11に示される薬剤移送アダプタ80と同様の方法で薬剤バイアル96に接続される。移送スパイク14は、移送スパイク14が薬剤バイアル96と流体連通するように薬剤バイアル96の閉鎖部を貫通し、また固定部材18の延長部分30が薬剤バイアル96の一部に押し付けられて、固定部材18の接着面と薬剤バイアル96との係合を介して薬剤移送アダプタ100を薬剤バイアル96に固定する。
【0022】
図15および16を参照すると、第5の態様または実施形態による薬剤移送アダプタ110が示される。薬剤移送アダプタ110は、以下で論じられる違いを除いて、
図12~14の薬剤移送アダプタ100に類似している。固定部材18は、固定部材18の延長部分30から垂直に延びる取り付け部分112をさらに含む。取り付け部分112は、薬剤移送アダプタ110の本体12への固定部材18の取り付けをさらに確実にするための追加の表面積を提供する。取り付け部分112は長方形であるが、他の適切な形状および構成を利用することができる。
【0023】
図17~19を参照すると、第6の態様または実施形態による薬剤移送アダプタ120が示される。薬剤移送アダプタ120は、以下で論じられる違いを除いて、
図12~14の薬剤移送アダプタ100に類似している。単一の固定部材18を提供するのではなく、薬剤移送アダプタ120は、
図1~
図3に示される薬剤移送アダプタ10と同様の方法で2つの固定部材122、124を含む。第1の固定部材122および第2の固定部材124は、コネクタ16を受け入れる開口部126を画定する。
図18に示されるように、薬剤移送アダプタ120は、上記で論じられ、
図11に示される薬剤移送アダプタ80と同様の方法で薬剤バイアル96に接続される。移送スパイク14は、移送スパイク14が薬剤バイアル96と流体連通するように薬剤バイアル96の閉鎖部を貫通し、また固定部材18の延長部分30が薬剤バイアル96の一部に押し付けられて、固定部材18の接着面と薬剤バイアル96との係合を介して薬剤移送アダプタ120を薬剤バイアル96に固定する。
図19に示されるように、薬剤移送アダプタ120をIVバッグ92に固定する際に、移送スパイク14は、移送スパイク14の少なくとも一部がスパイクポート90内に受け入れられた状態でスパイクポート90の閉鎖部を貫通する。移送スパイク14がスパイクポート90に挿入された後、固定部材122、124の延長部分30がIVバッグ92のスパイクポート90上に押され、薬剤移送アダプタ120が、固定部材122、124上の接着面とスパイクポート90との係合を介してIVバッグ92に固定される。固定部材122、124の延長部分30は、移送スパイク14の長手方向軸と整列している。
【0024】
本開示は例示的な構造を有するように記載されてきたが、本開示は、本開示の精神および範囲の中でさらに修正され得るものである。したがって、本願は、その一般原則を用いた本開示のあらゆる変形、使用、または適応を包含することを意図している。さらに、本願は、本開示が関連する技術分野における既知または慣例の範囲内で、添付の請求項の範囲内に収まるような本開示からの逸脱をカバーすることを意図している。可能な限り、上述の任意の態様または実施形態の1つまたは複数の特徴は、任意の他の態様または実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わせることができる。
【国際調査報告】