IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

特表2023-539749身体装着式アンテナ構造のコンポーネントとしてスラップブレスレットを使用する方法及び装置
<>
  • 特表-身体装着式アンテナ構造のコンポーネントとしてスラップブレスレットを使用する方法及び装置 図1
  • 特表-身体装着式アンテナ構造のコンポーネントとしてスラップブレスレットを使用する方法及び装置 図2
  • 特表-身体装着式アンテナ構造のコンポーネントとしてスラップブレスレットを使用する方法及び装置 図3
  • 特表-身体装着式アンテナ構造のコンポーネントとしてスラップブレスレットを使用する方法及び装置 図4
  • 特表-身体装着式アンテナ構造のコンポーネントとしてスラップブレスレットを使用する方法及び装置 図5
  • 特表-身体装着式アンテナ構造のコンポーネントとしてスラップブレスレットを使用する方法及び装置 図6
  • 特表-身体装着式アンテナ構造のコンポーネントとしてスラップブレスレットを使用する方法及び装置 図7
  • 特表-身体装着式アンテナ構造のコンポーネントとしてスラップブレスレットを使用する方法及び装置 図8
  • 特表-身体装着式アンテナ構造のコンポーネントとしてスラップブレスレットを使用する方法及び装置 図9
  • 特表-身体装着式アンテナ構造のコンポーネントとしてスラップブレスレットを使用する方法及び装置 図10
  • 特表-身体装着式アンテナ構造のコンポーネントとしてスラップブレスレットを使用する方法及び装置 図11
  • 特表-身体装着式アンテナ構造のコンポーネントとしてスラップブレスレットを使用する方法及び装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-19
(54)【発明の名称】身体装着式アンテナ構造のコンポーネントとしてスラップブレスレットを使用する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/38 20060101AFI20230911BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20230911BHJP
   H01Q 13/08 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
H01Q1/38
H01Q1/22 Z
H01Q13/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513580
(86)(22)【出願日】2021-08-25
(85)【翻訳文提出日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 US2021047515
(87)【国際公開番号】W WO2022046881
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】63/071,226
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/411,014
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】イエ ウェイ チェン
(72)【発明者】
【氏名】ロジャース レイチェル エリーズ
(72)【発明者】
【氏名】ギル ジェイソン アーサー
(72)【発明者】
【氏名】ディーン サム ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ビール エリック ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】グリーン チャールズ エドワード
【テーマコード(参考)】
5J045
5J046
5J047
【Fターム(参考)】
5J045AA05
5J045DA09
5J046AA03
5J046AB13
5J047AA02
5J047AB03
5J047AB13
5J047EF02
(57)【要約】
本開示の態様は、無線信号を送信する身体装着式装置における信号減衰を緩和する方法、装置及びシステムに関する。身体装着式装置のためのアンテナ構造が、少なくとも1つの無線信号を放射するように構成されたアンテナアレイと、アンテナアレイに容量的に結合された導電性バンドとを含む。導電性バンドは、ユーザの身体に着脱可能に結合して、導電性バンドが身体に結合されている時に少なくとも1つの無線信号の減衰を緩和するように構成される。導電性バンドは、少なくとも1つの無線信号に対応する無線周波数(RF)信号電流が導電性バンドを通じて流れることを容易にして身体によるRF信号電流の吸収を防ぐことによって減衰を緩和する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体装着式装置のためのアンテナ構造であって、
少なくとも1つの無線信号を放射するように構成されたアンテナアレイと、
前記アンテナアレイに容量的に結合された導電性バンドと、
を含み、前記導電性バンドは、
ユーザの身体に着脱可能に結合し、
前記導電性バンドが身体に結合されているときに前記少なくとも1つの無線信号の減衰を緩和する、
ように構成される、
アンテナ構造。
【請求項2】
前記減衰を緩和するように構成された前記導電性バンドは、
前記少なくとも1つの無線信号に対応する無線周波数(RF)信号電流が前記導電性バンドを通って流れることを容易にし、
前記身体による前記RF信号電流の吸収を防ぐ、
ように構成される、請求項1に記載のアンテナ構造。
【請求項3】
前記導電性バンドは、
鋼、
導電性ポリマー、
金属メッシュ、又は、
金属埋め込みセラミック、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のアンテナ構造。
【請求項4】
前記導電性バンドは、前記身体から外れているときには直線構成に平坦化され、前記身体に結合されているときには湾曲構成に曲げられるように構成される、請求項1に記載のアンテナ構造。
【請求項5】
前記導電性バンドが前記直線構成にあるときの前記アンテナアレイの性能特性は、前記導電性バンドが前記湾曲構成にあるときの前記アンテナアレイの性能特性と異なる、請求項4に記載のアンテナ構造。
【請求項6】
前記導電性バンドの長さ、幅又は厚みのうちの少なくとも1つは、前記アンテナアレイの少なくとも1つの性能特性を最適化するように構成される、請求項1に記載のアンテナ構造。
【請求項7】
前記少なくとも1つの性能特性の最適化は、前記アンテナアレイの最大信号放射範囲を拡大することを含む、請求項6に記載のアンテナ構造。
【請求項8】
前記最大信号放射範囲は4~8メートルの範囲に拡大される、請求項7に記載のアンテナ構造。
【請求項9】
前記導電性バンドの長さ、幅又は厚みのうちの少なくとも1つは、前記アンテナアレイから放射される前記少なくとも1つの無線信号に対する前記身体の吸収効果を遮蔽するように構成される、請求項1に記載のアンテナ構造。
【請求項10】
前記少なくとも1つの無線信号は極超短波(UHF)範囲の周波数を有する、請求項1に記載のアンテナ構造。
【請求項11】
身体装着式装置上の信号減衰を緩和する方法であって、
前記身体装着式装置に、アンテナアレイと、該アンテナアレイに容量的に結合された導電性バンドとを備え付けることと、
前記導電性バンドをユーザの身体に着脱可能に結合することと、
前記アンテナアレイから少なくとも1つの無線信号を放射することと、
前記導電性バンドが前記身体に結合されているときに、前記導電性バンドを介して前記少なくとも1つの無線信号の減衰を緩和することと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記減衰を緩和することは、
前記少なくとも1つの無線信号に対応する無線周波数(RF)信号電流が前記導電性バンドを通って流れるのを容易にすることと、
前記身体による前記RF信号電流の吸収を防ぐことと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記導電性バンドは、
鋼、
導電性ポリマー、
金属メッシュ、又は、
金属埋め込みセラミック、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記導電性バンドを前記ユーザの身体に着脱可能に結合することは、
前記導電性バンドが前記身体から外れているときに、前記導電性バンドを直線構成に平坦化することと、
前記導電性バンドが前記身体に結合されているときに、前記導電性バンドを湾曲構成に曲げることと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記身体装着式装置に前記導電性バンドを備え付けることは、前記導電性バンドの長さ、幅又は厚みのうちの少なくとも1つを、前記アンテナアレイの少なくとも1つの性能特性を最適化するように構成することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの性能特性の最適化は、前記アンテナアレイの最大信号放射範囲を拡大することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記最大信号放射範囲は4~8メートルの範囲に拡大される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記身体装着式装置に前記導電性バンドを備え付けることは、前記導電性バンドの長さ、幅又は厚みのうちの少なくとも1つを、前記アンテナアレイから放射される前記少なくとも1つの無線信号に対する前記身体の吸収効果を遮蔽するように構成することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの無線信号は極超短波(UHF)範囲の周波数を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
無線信号を送信するための身体装着式装置であって、
アンテナアレイと、
読み取り装置から送信された第1の信号を前記アンテナアレイを介して受信し、
前記第1の信号のエネルギーに基づいて、前記身体装着式装置に特有の第2の信号を生成し、
前記アンテナアレイを介して前記読み取り装置に前記第2の信号を送信する、
ように構成された回路と、
前記アンテナアレイに容量的に結合された導電性バンドと、
を含み、前記導電性バンドは、
ユーザの身体に着脱可能に結合し、
前記導電性バンドが前記身体に結合されているときに前記第2の信号の減衰を緩和する、
ように構成される、
身体装着式装置。
【請求項21】
前記減衰を緩和するように構成された前記導電性バンドは、
前記第2の信号に対応する無線周波数(RF)信号電流が前記導電性バンドを通って流れることを容易にし、
前記身体による前記RF信号電流の吸収を防ぐ、
ように構成される、請求項20に記載の身体装着式装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2020年8月27日に出願された「身体装着式アンテナ構造のコンポーネントとしてスラップブレスレットを使用する方法及び装置(METHOD AND APPARATUS FOR USING SLAP BRACELET AS COMPONENT OF BODY-WORN ANTENNA STRUCTURE)」という名称の米国仮特許出願シリアル番号第63/071,226号に対する優先権及びその利益を主張する、2021年8月24日に出願された「身体装着式アンテナ構造のコンポーネントとしてスラップブレスレットを使用する方法及び装置」という名称の米国実用新案出願シリアル番号第17/411,014号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、これらの文献の内容はその全体が全ての適用可能な目的で以下に完全に記載されているかのように引用により本書に組み入れられる。
【0002】
後述する技術は、一般にアンテナに関し、具体的には身体装着式アンテナ構造に関する。
【背景技術】
【0003】
ウェアラブル技術の進歩により、通信能力の範囲及び程度の拡大が可能になった。例えば、通信の目的で手首又は身体装着式装置が広く使用されている。このような装置は、空間内の物体又は人物を追跡又は識別し、或いは関連するデータを送信又は受信するために使用することができる。しかしながら、ウェアラブル装置のアンテナは人体に近接しているため、効率的及び/又は効果的な放射を提供することが困難である。
【0004】
最近の傾向では、ウェアラブル装置をできるだけ小型化することが求められている。例えば、小型の手首又は身体装着式装置をより良い性能に対する需要の高まりと組み合わせると多くの課題が生じる。ウェアラブル装置に関連するアンテナ及びインピーダンス整合は、特定の関心信号の取得又は装置の感度/範囲の拡大のために複数の信号を区別できなければならない。また、アンテナは効率的な放射体である必要がある。しかしながら、小型のフォームファクタに従って装置を製造した場合には、特に対応して小型のアンテナを使用すると、人体に近接して配置した時に性能が損なわれる恐れがある。より小型の装置に対応するために、独創的なアンテナ設計及び製造の改善が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スマートウォッチなどの従来の手首又は身体装着式装置では、装置のパック部分(主要部分又は「時計」部分)又はリストバンド部分内のみにアンテナアレイを配置することができる。しかしながら、アンテナアレイが手首又は身体に近接しており、身体には無線信号を吸収する性質があるため、このような装置の最大信号放射範囲は限られている(例えば、1~2m)。さらに、従来の手首又は身体装着式装置ではアンテナアレイのチューニングができないため、人体による信号吸収を緩和することができず、従って信号放射範囲を現在の限界(例えば、1~2メートル)よりも拡大することができない。従って、本開示は、アンテナアレイの最大信号放射範囲を拡大するために、手首又は身体装着式装置のアンテナアレイを改善/チューニングする構造及び/又は技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、このような態様の基本的理解をもたらすために、本開示の1又は2以上の態様の概要を提示する。この概要は、本開示の全ての想定される特徴の広範な概説ではなく、本開示の全ての態様の重要な又は必須の要素を識別することも、或いは本開示の一部又は全部の態様の範囲を正確に説明することも意図するものではない。この概要の唯一の目的は、後述するさらに詳細な説明の前置きとして、本開示の1又は2以上の態様のいくつかの概念を簡略化した形で提示することである。
【0007】
本開示の態様は、信号を送信するための身体装着式装置(body-worn device)上の信号減衰を緩和する(mitigating)方法、装置及びシステムに関する。システムは、身体装着式装置(例えば、無線周波数識別(RFID)タグ)及び読み取り装置(例えば、RFIDリーダ)を含む。身体装着式装置は、回路と、アンテナアレイと、アンテナアレイに容量的に結合された(capacitively coupled)導電性バンド(conductive band)とを含むことができる。導電性バンドは、ユーザの身体に着脱可能に結合することができる。身体装着式装置は、バッテリ又は内部電源を使用せずに動作することができる。従って、身体装着式装置は、読み取り装置の送信からエネルギーを受け取り、この同じエネルギーを使用して応答送信を返送することができる。ある態様では、アンテナアレイの放射性能特性を改善するために導電性バンドの構造(例えば、長さ、幅及び/又は厚み)を様々なサイズにチューニング又は調整することができる。その他の態様、実施形態及び特徴についても特許請求し、説明する。
【0008】
1つの例では、身体装着式装置のためのアンテナ構造を開示する。アンテナ構造は、少なくとも1つの無線信号を放射するように構成されたアンテナアレイと、アンテナアレイに容量的に結合された導電性バンドとを含む。導電性バンドは、ユーザの身体に着脱可能に結合して、導電性バンドが身体に結合されている時に少なくとも1つの無線信号の減衰を緩和するように構成される。
【0009】
別の例では、身体装着式装置上の信号の減衰を緩和する方法を開示する。この方法は、身体装着式装置に、アンテナアレイと、アンテナアレイに容量的に結合された導電性バンドとを備え付ける(providing)ことと、導電性バンドをユーザの身体に着脱可能に結合することと、アンテナアレイから少なくとも1つの無線信号を放射することと、導電性バンドが身体に結合されている時に導電性バンドを介して少なくとも1つの無線信号の減衰を緩和することと、を含む。
【0010】
さらなる例では、無線信号を送信するための身体装着式装置を開示する。身体装着式装置は、アンテナアレイと、読み取り装置から送信された第1の信号をアンテナアレイを介して受信し、第1の信号のエネルギーに基づいて身体装着式装置に特有の第2の信号を生成し、アンテナアレイを介して読み取り装置に第2の信号を送信するように構成された回路とを含む。身体装着式装置は、アンテナアレイに容量的に結合された導電性バンドをさらに含み、導電性バンドは、ユーザの身体に着脱可能に結合して、導電性バンドが身体に結合されている時に第2の信号の減衰を緩和するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の態様によるアンテナ構造例の湾曲(又は屈曲)構成を示す図である。
図2】本開示の態様によるアンテナ構造例の平坦(又は直線)構成を示す図である。
図3】本開示の態様による、コネクタ付きアンテナ素子を含むアンテナを有するアンテナ構造例を示す図である。
図4】本開示の態様による、容量結合を介してスラップバンドに結合されたアンテナを有するアンテナ構造例を示す図である。
図5】本開示の態様による、ユーザの手首(又は他の身体部分)に巻き付けられた(アンテナ及びスラップバンドを含む)アンテナ構造の略図例である。
図6】本開示の態様による、ユーザの手首(又は他の身体部分)に巻き付けられたアンテナ構造の別の略図例である。
図7】本開示の態様による、アンテナの放射パターン例を示す図である。
図8】本開示の態様による、ユーザの手首上でシミュレートした時のスラップバンド付きアンテナの放射パターン例のプロットである。
図9】本開示の態様による、ユーザの手首上でシミュレートした時のスラップバンド付きアンテナのS(1、1)性能例を示すスミスチャートである。
図10】本開示の態様による、アンテナ構造の利得対周波数を示す利得プロット例である。
図11】本開示の態様による、装置間で無線信号を伝えるシステム例を示すブロック図である。
図12】本開示の態様による、身体装着式装置上の信号減衰を緩和するプロセス例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面と共に後述する詳細な説明は、様々な構成の説明として意図するものであり、本明細書で説明する概念を実施できる唯一の構成を表すように意図するものではない。詳細な説明は、様々な概念を完全に理解できるように具体的な詳細を含む。しかしながら、当業者には、これらの具体的な詳細を伴わずにこれらの概念を実施できることが明らかであろう。いくつかの例では、このような概念を曖昧にしないように、周知の構造及びコンポーネントについてはブロック図形式で示す。本出願ではいくつかの実施例を示すことによって態様及び実施形態を説明するが、当業者であれば、多くの異なる配置及びシナリオではさらなる実装及び使用例を実現することができると理解するであろう。本明細書で説明する技術革新は、多くの異なるプラットフォームタイプ、装置、システム、形状、サイズ及び/又はパッケージング構成にわたって実装することができる。
【0013】
人体は、無線信号の透過率及び反射率に対して重要な課題を示す。人体には固有の塩分量及び水分量が存在することによって無線信号が人体に吸収され、意図する目的地に伝搬できない場合がある。本開示の態様は、検出可能な範囲内での無線送信又は後方散乱を達成するために、無線動作をサポートして増強する無線装置を人体に確実に固定するための装置及び方法を提供する。
【0014】
ある態様では、異なる離散周波数で動作できる無線装置の下方に存在する金属ばねバンド(例えば、鋼鉄ばねバンド)を含む装置を提供する。金属ばねバンドは、装置が装着された人体から無線装置を遮蔽するように構成される。金属ばねバンドは、無線装置の全体的アンテナ構造の一部とすることができる。金属ばねバンドは、無線装置に結合して又は結合せずにアンテナ構造機能を果たすことができる。金属ばねバンドの幅、長さ及び/又は厚みをチューニング可能な変数として利用することによって、無線装置を最適化することができる。また、金属ばねバンドの全体的サイズは、人体からのアンテナ構造の遮蔽を改善するように最適化することができる。
【0015】
上記では、ばねバンドを金属ばねバンド(例えば、鋼鉄ばねバンド)として説明したが、ある態様では、ばねバンドが金属材料のみに限定されない。ばねバンドは、導電性ポリマー、金属メッシュ、金属埋め込みセラミック(metal-imbued ceramic)、或いは無線周波数(RF)アンテナ機能又は特性を有しながら人体に装着できる他のいずれかの材料などの他の材料でも形成することができると考えられる。
【0016】
図1は、本開示の態様によるアンテナ構造例100の湾曲(又は屈曲)構成を示す図である。図2は、本開示の態様によるアンテナ構造例100の平坦(又は直線)構成を示す図である。
【0017】
ある態様では、アンテナ構造100が、アンテナ102と、アンテナ102に電気的に結合できるスラップバンド104とを含む。スラップバンド104は、スラップバンドが所望の構成を維持することを可能にする可鍛性材料(malleable material)で形成される。例えば、図1に示すように、スラップバンド104は、ユーザの手首又はその他の身体部分に巻き付くように平坦構成から湾曲又は屈曲することができる。スラップバンド104は、ユーザの手首から取り外された時などには湾曲構成(curved configuration)から平坦(又は直線)構成(図2)に戻ることができる。さらに、スラップバンド104の可鍛性材料は、アンテナ102と電気的に結合するように導電性である。例えば、スラップバンド104は、鋼、導電性ポリマー、金属メッシュ、金属埋め込みセラミック、又は他のいずれかの導電性材料で形成することができる。
【0018】
スラップバンド104は、アンテナ102に直接又は別様に結合することができる。ある態様では、スラップバンド104が、無線周波数(RF)電流がバンド及び/又はユーザの手首を通じて失われるのではなくスラップバンド104の導電性部分及びユーザの手首の周囲を流れることができるグランドプレーン構造(ground plane structure)を含む。アンテナ102及びスラップバンド104の1又は2以上の部分は、スラップバンド104をアンテナ102に結合するために使用される結合機構に応じて、互いに電気的に結合することも、又はしないこともできる。
【0019】
ある態様では、スラップバンド104の物理的寸法を変更又はチューニングすることができる。例えば、アンテナ102における所望の性能特性を達成するために、スラップバンドの長さ、幅及び/又は厚みを様々なサイズに調整することができる。これに加えて及び/又はこれに代えて、アンテナ102の性能に対する人体の影響を隠し又は遮蔽するためにスラップバンド104の長さ、幅及び/又は厚みを変更することもできる。
【0020】
図3は、本開示の態様による、コネクタ付きアンテナ素子(connectorized antenna elements)を含むアンテナ102を有するアンテナ構造例100を示す。図4は、本開示の態様による、1又は2以上の容量結合402を介してスラップバンド104に結合されたアンテナ102を有するアンテナ構造例100を示す図である。
【0021】
ある態様では、アンテナ構造100のアンテナ102を誘電材料のスラブ上に構築することができ、このことはアンテナ102の小型化に役立つ。1つの態様では、空気を誘電材料として使用することができる。図3に示すように、アンテナ102は、第1のアンテナ素子(例えば、第1のプリント基板(PCB))302、第2のアンテナ素子(例えば、第2のPCB)304、及び第1のアンテナ素子302と第2のアンテナ素子304との間の空隙306を含む。第1のアンテナ素子302は、必要な放射構造を実現するために、スラップバンド104の上方で(例えば、1又は2以上のケーブル又はワイヤ308を介して)第2のアンテナ素子304にコネクタ接続される。スラップバンド104は、グランドプレーンとして機能することができる。いくつかの態様では、アンテナ102が、アンテナの小型化に役立つように、異なる誘電特性を有する他の材料(例えば、セラミック)を使用することもできる。
【0022】
ある態様では、アンテナ構造100が、従来のタイプの身体装着式装置(例えば、スマートウォッチ)とは異なる。例えば、従来のタイプの身体装着式装置では、アンテナ構造がもっぱら装置自体の主要部分又は本体に組み込まれている。従って、スマートウォッチのバンドはアンテナ構造機能に影響を与えない。対照的に、本開示ではスラップバンド104がアンテナ構造100の一部であり、従ってアンテナ構造100の機能に影響を与える。スラップバンド104がアンテナ102に電気的に接続されているか、それともアンテナ102とは完全に異なるかにかかわらず、アンテナ構造100の信号放射範囲に影響を与え/信号放射範囲を拡大するために、スラップバンド104の誘電値がアンテナ102と組み合わせて使用される。ある態様では、所望の放射範囲を達成するために、スラップバンド104の長さ、幅及び/又は厚みを特定のサイズにチューニングすることができる。これまで、アンテナ102は、1~2メートルの最大信号放射範囲を有することができていた。一方で、アンテナ構造100を実装する身体装着式装置は、チューニングされたスラップバンド104をアンテナ構造100の一部として使用することによって4~8メートルの最大信号放射範囲を達成できることもある。従って、スラップバンド104を使用すると、アンテナ構造100は、身体上に装着されている間、拡大された範囲を有することができる。
【0023】
図5は、ユーザの手首(又は他の身体部分)502に巻き付けられた(アンテナ102及びスラップバンド104を含む)アンテナ構造100の略図例500である。図5では、スラップバンド104がアンテナ102の放射構造の一部としてどのように作用しているかを示すために、スラップバンド104の表面電流をプロットしている。図6は、ユーザの手首(又は他の身体部分)502に巻き付けられたアンテナ構造100の別の略図例600である。図6では、スラップバンド104がアンテナ102の放射構造の一部としてどのように作用しているかを示すために、スラップバンド104の電場をプロットしている。図7は、アンテナ102の放射パターン例702を示す図700である。
【0024】
ある態様では、人体に近接している時にアンテナ102の性能が妨げられることがある。従って、(導電性材料で形成された)スラップバンド104を使用して、アンテナ102を人体の悪影響から遮蔽することができる。さらに、スラップバンド104を通じてRF電流が流れるように、スラップバンド104をアンテナ102の放射構造の一部として使用することもできる。従って、ユーザを通じてではなくユーザの手首/身体の周囲を流れるようにRF電流を導き、このようにして潜在的損失を回避することができる。スラップバンド104の構成をアンテナ102の修正と併せて制御することによって、アンテナ102の性能特性を調整又は改善することができる。
【0025】
ある態様では、アンテナ102の様々な性能特性を、グランドプレーンとして作用するスラップバンド104の修正、或いはアンテナ102のグランドプレーンに関連するアーマチュアの修正に基づいて制御することができる。性能特性は、以下に限定するわけではないが、アンテナサイズ、周波数、利得、放射パターン、放射効率、アパーチャ及び/又はインピーダンスを含むことができる。いくつかの態様では、アンテナ102の構造の修正、スラップバンド104の構造の修正、又はこれらの組み合わせを介して性能特性を制御することができる。ある態様では、スラップバンド104が湾曲/屈曲構成にある時のアンテナ102の性能を、スラップバンド104が平坦/直線構成にある時のアンテナ102の性能と異なるように設計することができる。例えば、アンテナ102の放射パターンは、湾曲/屈曲したバンド構成から平坦/直線的なバンド構成にシフトすることによって望むように調整され、このようにしてエンドデバイスにおける2つの異なる使用事例を容易にすることができる。
【0026】
ある態様では、アンテナ構造100が複数のアンテナを含むことができる。アンテナは、互いに順に又は同時にアクティブになることができる。さらに、スラップバンド104は、スラップバンド104を各アンテナの放射構造の一部として使用できるように、複数のアンテナ間で共有することができる。ある態様では、アンテナ構造100が、より正確に及び/又は効率的にアンテナ信号を向けるために、アンテナの位置、サイズ及び/又は偏波を調整するように構成された物理的要素を含むことができる。複数のアンテナを含むアンテナ構造100の一例では、アンテナ構造が、互いに近接して配置された近距離無線通信(NFC)コイル及び極超短波(UHF)アンテナを含むことができる。NFCコイル及びUHFアンテナは、物理的に近接して同じ場所に配置されたアンテナ(NFCコイル及びUHFアンテナ)の小型化を可能にするように、その放射構造の一部としてスラップバンド104を共有することができる。
【0027】
図8は、ユーザの手首502上でシミュレートした時のスラップバンド104付きアンテナ102の放射パターン例のプロット800である。図9は、ユーザの手首502上でシミュレートした時のスラップバンド104付きアンテナ102のS(1、1)性能例を示すスミスチャート900である。図10は、異なる角度θ(度)についてのアンテナ構造100の利得対周波数(例えば、0.915GHz)を示す利得プロット例1000である。
【0028】
ある態様では、アンテナ構造100が、アンテナの放射パターン又はその他の所望のアンテナ特性を形成するように動的に調整(又は再構成)できる導波器又は反射器を含むことができる。例えば、スラップバンド104は、アンテナ102の放射パターン又はその他の特性を形成するように再構成できる導波器/反射器とみなすことができる。スイッチ又は他の非直接結合機構を使用して導波器/反射器をアクティブ又は非アクティブにすることで、アンテナ構造100のRF特性を望む通りに調整することができる。スイッチは、物理的な半導体ベースのスイッチとすることも、或いはアンテナ102に対するスラップバンド104の容量結合を変更できる何らかのハードウェア要素とすることもできる。
【0029】
図11は、本開示の態様による、装置間で無線信号を伝えるシステム例1100を示すブロック図である。システム1100は、身体装着式装置1102(例えば、無線周波数識別(RFID)タグ)及び読み取り装置1110(例えば、RFIDリーダ)を含む。身体装着式装置1102は、回路1104と、アンテナアレイ1106と、アンテナアレイ1106に容量的に結合された導電性バンド1108とを含むことができる。導電性バンド1108は、装置1102のユーザの身体に着脱可能に結合することができる。さらに、アンテナアレイ1106と導電性バンド1108との組み合わせは、本開示全体を通じて言及する「アンテナ構造」と呼ぶことができる。
【0030】
ある態様では、身体装着式装置1102が、バッテリ又は内部電源を使用せずに動作することができる。従って、身体装着式装置1102は、読み取り装置の送信1112からエネルギーを受け取り、この同じエネルギーを使用して応答送信1114を返送することができる。例えば、身体装着式装置1102は、読み取り装置1110から伝播された電磁波1112をアンテナアレイ1106を介して受け取る。電磁波1112がアンテナアレイ1106に到達すると、電磁波1112のエネルギーがアンテナアレイ1106を通じて移動して回路1104を作動させる。回路1104は、身体装着式装置1102に特有の情報でエネルギーを変調(例えば、回路のデータで変調)して応答送信1114を生成する。その後、回路1104は、(身体装着式装置1102/回路1104に特有の情報で変調された)応答送信1114を、アンテナアレイ1106を介して電磁波の形で読み取り装置1110に送信する。
【0031】
読み取り装置1110は、応答送信1114を受け取り、身体装着式装置1102/回路1104に特有の情報を読み取り、この情報に基づいて身体装着式装置1102に対応する動作を実行することができる。例えば、読み取り装置1110は、身体装着式装置1102を装着したユーザが読み取り装置1110の近傍内に存在することを把握し、及び/又は(例えば、テーマパーク環境内で)身体装着式装置1102を装着したユーザに、情報に対応する所定のサービスを与えることができる。
【0032】
ある態様では、導電性バンド1108が、ユーザの身体に結合された時に応答送信1114の減衰を緩和することができる。例えば、回路1104がアンテナアレイ1106を介して読み取り装置1110に応答送信1114を送信すると、導電性バンド1108は、応答送信1114に対応する無線周波(RF)信号電流が導電性バンド1108を通じて流れることを容易にして、身体によるRF信号電流の吸収を防ぐことができる。
【0033】
従来の身体装着式装置(例えば、従来のリストバンドタグ/システム)は、特定の信号周波数(例えば、900MHz)を吸収する人体の能力に起因して信号放射範囲が制限されてしまう場合がある。通常、このような装置の最大範囲は約1~2メートルである。従って、従来の身体装着式装置の使用は、(例えば、音楽祭、スポーツイベントなどの)人が多く集まっている最中に実装される用途などのいくつかの用途では扱いにくい場合があった。例えば、ユーザの手首がアンテナ構造に近いことによって装置の信号放射範囲が制限される(すなわち、ユーザの手首がアンテナ構造から放射される装置信号の大部分を減衰させる)ことにより、ユーザの装置からの短距離送信を読み取るためにユーザの近くに読み取りポータル(reading portals)を設置することが必要になる場合がある。
【0034】
本開示の態様は、読み取り装置(例えば、RFIDリーダ)が4~8メートルも離れた身体装着式装置からの信号を読み取ることを可能にするシステム及び/又は方法を提供する。従って、読み取り装置が身体装着式装置を読み取ることができる距離を定めることができる。ある態様では、本開示は、ユーザの身体(例えば、手首)によって生じる信号減衰を緩和するように構成された身体装着式装置を提供する。さらなる態様では、アンテナ構造特性を、身体装着式装置のフォームファクタがほとんどのユーザに適合することを可能にしながら、読み取り装置が身体装着式装置のアンテナ構造からの信号を検出できる最大距離を定めるようにチューニングすることができる。従って、本開示の身体装着式装置は、所望の信号範囲を達成するようにチューニング可能なアンテナパラメータを有するように機能するだけでなく、ユーザのサイズ/形状にも適合する。
【0035】
図12は、本開示の態様による、身体装着式装置上の信号減衰を緩和する例示的なプロセス1200を示すフローチャートである。いくつかの例では、身体装着式装置1102、或いは後述する機能又はアルゴリズムを実行するいずれかの好適な装置又は手段がプロセス1200を実行することができる。
【0036】
1202において、身体装着式装置に、アンテナアレイ(例えば、アンテナ102又はアンテナアレイ1106)と、アンテナアレイに容量的に結合された導電性バンド(例えば、スラップバンド104又は導電性バンド1108)とを備え付ける。ある態様では、導電性バンドを、スチール、導電性ポリマー、金属メッシュ、及び/又は金属埋め込みセラミックで形成することができる。
【0037】
ある態様では、身体装着式装置に導電性バンドを備え付けることが、導電性バンドの長さ、幅及び/又は厚みを、アンテナアレイの1又は2以上の性能特性を最適化するように構成することを含むことができる。例えば、性能特性を最適化することは、アンテナアレイの最大信号放射範囲を(例えば、4~8メートルの範囲に)拡大して、身体装着式装置からの送信を読み取り装置がこのような範囲から読み取ることができるようにすることを含むことができる。別の態様では、身体装着式装置に導電性バンドを備え付けることが、導電性バンドの長さ、幅及び/又は厚みを、アンテナアレイから放射される少なくとも1つの無線信号に対する身体の吸収効果を遮蔽するように構成することを含むことができる。
【0038】
1204において、導電性バンドをユーザの身体に着脱可能に結合する。ある態様では、導電性バンドを身体から外す(uncouple)ために導電性バンドを実質的に直線的な構成に平坦化し、導電性バンドを身体に結合するために導電性バンドを湾曲構成に曲げることによって、導電性バンドがユーザの身体に着脱可能に結合される。ある態様では、導電性バンドが直線構成にある時のアンテナアレイの性能特性(例えば、放射パターン)が、導電性バンドが湾曲構成にある時のアンテナアレイの性能特性と異なることができる。
【0039】
1206において、アンテナアレイから少なくとも1つの無線信号(例えば、応答送信1114)を放射する。ある態様では、少なくとも1つの無線信号が、極超短波(UHF)範囲(例えば、約900MHz)の周波数、又は身体によって吸収されやすい他のいずれかの周波数を有する。
【0040】
1208において、導電性バンドが身体に結合されている時に、導電性バンドを介して少なくとも1つの無線信号の減衰を緩和する。ある態様では、少なくとも1つの無線信号に対応する無線周波数(RF)信号電流が導電性バンドを通じて流れることを容易にして身体によるRF信号電流の吸収を防ぐことによって減衰が緩和される。
【0041】
本開示における「例示的な(exemplary)」という単語は、「例、事例又は説明例として役立つ」ことを意味するために使用するものである。本明細書において「例示的な」ものとして説明するいずれかの実装又は態様は、必ずしも本開示の他の態様よりも好ましいもの又は有利なものとして解釈すべきではない。同様に、「態様(aspects)」という用語は、説明する特徴、利点又は動作モードを本開示の全ての態様が含むことを必要とするものではない。本明細書で使用する「結合された(coupled)」という用語は、2つの物体間の直接的又は間接的な結合を意味する。例えば、物体Aが物体Bに物理的に接触しており、物体Bが物体Cに接触している場合、物体A及びCは、たとえ互いに直接物理的に接触していなくても互いに結合していると考えることができる。例えば、たとえ第1の物体が決して第2の物体と直接物理的に接触していなくても、第1の物体は第2の物体に結合しているものとすることができる。
【0042】
図1図12に示すコンポーネント、ステップ、特徴及び/又は機能のうちの1つ又は2つ以上は、単一のコンポーネント、ステップ、特徴又は機能に再配置し及び/又は組み合わせることも、或いは複数のコンポーネント、ステップ又は機能に具体化することもできる。本明細書に開示する新規特徴から逸脱することなく、さらなる要素、コンポーネント、ステップ及び/又は機能を追加することもできる。図1図12に示す装置、デバイス及び/又はコンポーネントは、本明細書で説明した方法、特徴及び/又はステップを実行するように構成することができる。本明細書で説明した新規アルゴリズムは、ソフトウェア内に効率的に実装し、及び/又はハードウェアに埋め込むことができる。
【0043】
開示した方法のステップの特定の順序又は階層は、例示的なプロセスの例示であると理解されたい。方法のステップの特定の順序又は階層は、設計選択に基づいて再配置することができると理解される。添付する方法の請求項は、様々なステップの要素をサンプル順で提示するものであり、請求項内に具体的に記載していない限り、提示する特定の順序又は階層に限定されるように意図するものではない。
【0044】
上記の説明は、本明細書で説明した様々な態様をあらゆる当業者が実施できるように提供したものである。当業者にはこれらの態様の様々な修正が容易に明らかになると思われ、本明細書に定める一般的原理は他の態様に適用することもできる。従って、特許請求の範囲は、本明細書に示した態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲の文言に一致する完全な範囲が認められるものであり、単数形の要素についての言及は、特にそのように記載していない限り「唯一の」を意味するものではなく、むしろ「1又は2以上」を意味するように意図される。別途明示していない限り、「いくつかの(some)」という用語は1又は2以上を意味する。ある項目リスト「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」に関する表現は、(1つの要素を含む)これらの項目のいずれかの組み合わせを意味する。一例として、「a、b又はcのうち少なくとも1つ」は、a、b、c、aとb、bとc、及びaとbとcを含むように意図される。本開示全体を通じて説明した様々な態様の要素の、当業者に周知の又は後で知られるようになる全ての構造的及び機能的同等物は、引用によって本明細書に明確に組み入れられ、特許請求の範囲に含まれるように意図される。さらに、本明細書に開示した内容は、これらが特許請求の範囲に明示されているかどうかに関わらず、一般に公開されることを意図するものではない。請求項の要素については、この要素が「~のための手段」という表現を用いて明確に示されていない限り、又は方法の請求項の場合には「~するステップ」という表現を用いて記載されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定に基づいて解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0045】
100 アンテナ構造
102 アンテナ
104 スラップバンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】