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特表2023-539764ガスフォイル軸受機械用の始動-停止制御システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-19
(54)【発明の名称】ガスフォイル軸受機械用の始動-停止制御システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F04D 27/00 20060101AFI20230911BHJP
   F04D 17/12 20060101ALI20230911BHJP
   F04D 27/02 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
F04D27/00 K
F04D17/12
F04D27/02 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514008
(86)(22)【出願日】2021-08-25
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 US2021047453
(87)【国際公開番号】W WO2022051139
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】17/009,535
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511158339
【氏名又は名称】コープランド エルピー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】オークリー,マイケル ディー.
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ゼージ
(72)【発明者】
【氏名】ペレヴォースチコフ,マイケル エム.
(72)【発明者】
【氏名】スワロー,マシュー ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3H021
3H130
【Fターム(参考)】
3H021AA02
3H021BA25
3H021CA04
3H021DA01
3H021DA03
3H130AA14
3H130AB27
3H130AB42
3H130AC30
3H130DB06X
3H130ED05G
(57)【要約】
HVACシステムが、アンロードデバイスと、遠心コンプレッサと、ガスフォイル軸受と、VFDと、コントローラとを含む。コントローラは、遠心コンプレッサから負荷を取り除くためにアンロードデバイスを作動させること、モータを遠心コンプレッサのリフトオフ速度を上回り且つ遠心コンプレッサの動作速度を下回る第1の速度まで加速させること、モータをある時間期間に亘って運転すること、遠心コンプレッサに負荷を印加するためにアンロードデバイスを作動させること、およびモータを動作速度まで加速させることによって、遠心コンプレッサを停止状態から始動させるようにプログラムされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンロードデバイスと、
遠心コンプレッサと、を含む、
HVACシステムであって、
前記遠心コンプレッサは、
コンプレッサハウジングと、
前記コンプレッサハウジング内に回転可能に支持される駆動シャフトを有するモータと、
前記駆動シャフトに接続され、前記駆動シャフトの回転時に冷媒ガスを圧縮するように作動可能である、インペラと、
前記コンプレッサハウジングによって支持され、前記駆動シャフトを支持する、ガスフォイル軸受と、
前記モータと前記アンロードデバイスとに接続されるコントローラと、を含み、
前記コントローラは、
前記遠心コンプレッサから負荷を除去するために前記アンロードデバイスを作動させること、
前記モータを前記ガスフォイル軸受のリフトオフ速度を上回り且つ前記遠心コンプレッサの動作速度を下回る第1の速度まで加速させること、
前記モータをある時間期間に亘って前記第1の速度で運転すること、
前記遠心コンプレッサに前記負荷を印加するために前記アンロードデバイスを作動させること、および
前記モータを前記動作速度まで加速させることによって、
前記遠心コンプレッサを停止条件から始動させるようにプログラムされる、
HVACシステム。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記遠心コンプレッサから負荷を除去するために前記アンロードデバイスを作動させること、
前記モータを0よりも大きい最小速度に向かって減速させること、および
前記モータの速度が前記最小速度に達するときに前記モータから電力を除去し且つ前記モータが停止まで惰行運転することを可能にすることによって、
前記遠心コンプレッサを動作条件から停止させるように更にプログラムされる、
請求項1に記載のHVACシステム。
【請求項3】
前記時間期間は、所定の時間期間である、請求項1に記載のHVACシステム。
【請求項4】
前記時間期間は、前記モータが前記第1の速度に達するときに開始し、前記遠心コンプレッサのサージが停止するときに終了する、可変の時間期間である、請求項1に記載のHVACシステム。
【請求項5】
前記モータの電流を感知する電流センサを更に含み、前記コントローラは、前記モータの前記感知される電流が実質的に一定の電流であるときに、前記遠心コンプレッサの前記サージが停止したことを決定する、請求項4に記載のHVACシステム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記モータを第1の加速度で前記第1の速度まで加速し、前記モータを前記第1の加速度よりも少ない第2の加速度で前記動作速度まで加速させる、請求項1に記載のHVACシステム。
【請求項7】
前記最小速度は、それよりも下では前記遠心コンプレッサのサージにマージンを加えたものが起こり得る推定サージ速度を含む、請求項1に記載のHVACシステム。
【請求項8】
前記推定サージ速度は、ルックアップテーブルから前記コントローラによって検索され、当該HVACシステムの圧力比に伴って変化する、請求項7に記載のHVACシステム。
【請求項9】
前記最小速度は、ルックアップテーブルから前記コントローラによって検索され、当該HVACシステムの圧力比に伴って変化する、請求項7に記載のHVACシステム。
【請求項10】
前記アンロードデバイスは、冷媒バイパス弁を含む、請求項1に記載のHVACシステム。
【請求項11】
モータによって駆動されるインペラのシャフトを支持するガスフォイル軸受を備える遠心コンプレッサを制御するコントローラであって、
前記モータへの接続のためのモータインターフェースを含むVFDと、
アンロードデバイスへの接続のためのアンロードインターフェースと、
プロセッサと、
命令を収容するメモリと、を含み、
前記命令は、前記プロセッサによって実行されるときに、前記コントローラに、
前記遠心コンプレッサから負荷を除去するために前記アンロードデバイスを作動させること、
前記モータを前記ガスフォイル軸受のリフトオフ速度を上回り且つ前記遠心コンプレッサの動作速度を下回る第1の速度まで加速させること、
前記モータをある時間期間に亘って前記第1の速度で運転すること、
前記遠心コンプレッサに前記負荷を印加するために前記アンロードデバイスを作動させること、および
前記モータを前記動作速度まで加速させることによって、
前記遠心コンプレッサを停止条件から始動させる、
コントローラ。
【請求項12】
前記メモリは、命令を収容し、該命令は、前記プロセッサによって実行されるときに、前記コントローラに、
前記遠心コンプレッサから負荷を除去するために前記アンロードデバイスを作動させること、
前記モータを0よりも大きい最小速度に向かって減速させること、および
前記モータの速度が前記最小速度に達するときに前記モータから電力を除去し且つ前記モータが停止まで惰行運転することを可能にすることによって、
前記遠心コンプレッサを動作条件から停止させる、
請求項11に記載のコントローラ。
【請求項13】
前記時間期間は、前記モータが前記第1の速度に達するときに開始し、前記遠心コンプレッサのサージが停止するときに終了する、可変の時間期間である、請求項11に記載のコントローラ。
【請求項14】
電流センサから前記モータの電流を表す信号を受信する電流センサインターフェースを更に含み、当該コントローラは、前記モータの前記感知される電流が実質的に一定の電流であるときに、前記遠心コンプレッサのサージが停止したことを決定する、請求項13に記載のコントローラ。
【請求項15】
当該コントローラは、前記モータを第1の加速度で前記第1の速度まで加速させ、前記モータを前記第1の加速度よりも少ない第2の加速度で前記動作速度まで加速させる、請求項11に記載のコントローラ。
【請求項16】
前記最小速度は、それよりも下では前記遠心コンプレッサのサージにマージンを加えたものが起こり得る推定サージ速度を含む、請求項11に記載のコントローラ。
【請求項17】
前記推定サージ速度または前記最小速度は、ルックアップテーブルから当該コントローラによって検索され、前記HVACシステムの圧力比に伴って変化する、請求項11に記載のコントローラ。
【請求項18】
モータによって駆動されるインペラのシャフトを支持するガスフォイル軸受を備える遠心コンプレッサを制御する方法であって、当該方法は、
前記遠心コンプレッサから負荷を除去するためにアンロードデバイスを作動させること、
前記モータを前記ガスフォイル軸受のリフトオフ速度を上回り且つ前記遠心コンプレッサの動作速度を下回る第1の速度まで加速させること、
前記モータをある時間期間に亘って前記第1の速度で運転すること、
前記遠心コンプレッサに前記負荷を印加するために前記アンロードデバイスを作動させること、および
前記モータを前記動作速度まで加速させることによって、
前記遠心コンプレッサを停止条件から始動させることを含む、
方法。
【請求項19】
前記遠心コンプレッサから負荷を除去するために前記アンロードデバイスを作動させること、
前記モータを0よりも大きい最小速度に向かって減速させること、および
前記モータの速度が前記最小速度に達するときに前記モータから電力を除去し且つ前記モータが停止まで惰行運転することを可能にすることによって、
前記遠心コンプレッサを動作条件から停止させることを更に含む、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記時間期間は、前記モータが前記第1の速度に達するときに開始し、前記遠心コンプレッサのサージが停止するときに終了する、可変の時間期間である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
電流センサから前記モータの電流を表す信号を受信することと、
前記モータの前記感知される電流が実質的に一定の電流であるときに、前記遠心コンプレッサのサージが停止したことを決定することと、を更に含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記モータを第1の速度まで加速させることは、前記モータを第1の加速度で前記第1の速度まで加速させることを含み、前記モータを前記動作速度まで加速させることは、前記モータを前記第1の加速度よりも少ない第2の加速度で前記動作速度まで加速させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記最小速度は、それよりも下では前記遠心コンプレッサのサージにマージンを加えたものが起こり得る推定サージ速度を含み、当該方法は、ルックアップテーブルから前記推定サージ速度または前記最小速度を検索することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2020年9月1日に出願された米国特許出願第17/009,535号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示の分野は、一般に、制御システムに関し、より具体的には、ガスフォイル軸受アセンブリを含む機械のための制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
ガスフォイル軸受(GFB:gas foil bearing)機械は、とりわけ、2段冷媒遠心コンプレッサのようなHVAC用途において使用される。HVACコンプレッサは、ガスフォイル軸受によって支持されるインペラステージ間のモータに動作的に接続される駆動シャフトを有する。駆動シャフトは、インペラが、冷媒をHVACシステムにおける選択された圧力に圧縮するために、ある回転速度で回転されるように、インペラステージの間に位置付けられることができる。コンプレッサ軸受は、典型的には、コンプレッサ軸受と駆動シャフトとの間の摩擦を低減する1つ以上の構成を備える。ひとたびシャフトが十分速く回転すると、ガスはフォイルをシャフトから押し離すので、接触は起こらない。シャフトおよびガスフォイル軸受は、粘性効果を介してガスを軸受内に引き込む回転によって生成されるガスの高圧によって分離される。ガスフォイル軸受に対するシャフトの高速がエアギャップを開始させるために必要とされ、ひとたびこれが達成されると、摩耗は生じない。これらの軸受は、オイルシステムの排除による重量減少、高速および高温での安定運転、高速での低電力損失、保守の少ない長寿命を含む、既知の軸受に対するいくつかの利点を有する。
【0004】
現在のガスフォイル軸受は、コンプレッサ内で発生する圧力に応じて変形する。始動動作および停止動作の間に、ガスフォイル軸受の摩耗および破損が生じる。より具体的には、GFB機械をリフトオフ速度より下で運転させること、およびコンプレッサのサージ事象は、軸受および軸受コーティングの摩耗を加速させる。サージは、コンプレッサによって生成されるヘッドがコンプレッサの吐出圧力に打ち勝つのに不十分であるように入口流が減少されるときに生じ得る、遠心コンプレッサの特徴的な挙動である。ひとたびサージが発生すると、コンプレッサの出力圧力は劇的に低下されて、コンプレッサ内の流れの反転を引き起こす。遠心コンプレッサがサージするとき、コンプレッサインペラを通じるガス流の実際の反転がある。サージは、通常、多段コンプレッサの一段で開始し、非常に急速に起こり得る。コンプレッサは、より低い動作速度の故に、始動および停止中に、サージ事象の影響を特に受けやすい。サージ事象の激しさおよびそれによって引き起こされる損傷は、コンプレッサ速度と共に増大する。GFBマシンがそのリフトオフ速度より下で運転される時間を最小限にすること、およびコンプレッサが経験するサージ事象の数および激しさを最小限にすることは、軸受の寿命が増大させる。
【0005】
この背景セクションは、以下に記載され且つ/或いは特許請求される、本開示の様々な態様に関連することがある技術の様々な態様を読者に紹介することを意図している。この議論は、本開示の様々な態様のより良い理解を促進する背景情報を読者に提供するのに役立つと考えられる。従って、これらの陳述は、先行技術の承認としてではなく、この観点から読み取られるべきことが理解されるべきである。
【発明の概要】
【0006】
一態様では、アンロードデバイスと、遠心コンプレッサと、ガスフォイル軸受と、コントローラとを含む、HVACシステムが記載される。遠心コンプレッサは、コンプレッサハウジングと、コンプレッサハウジング内で回転可能に支持される駆動シャフトを有するモータと、駆動シャフトに接続され、駆動シャフトの回転時に冷媒ガスを圧縮するように作動可能である、インペラとを含む。ガスフォイル軸受は、コンプレッサハウジングによって支持され、駆動シャフトを支持する。コントローラは、モータとアンロードデバイスとに接続される。コントローラは、遠心コンプレッサから負荷を除去するためにアンロードデバイスを作動させること、モータをガスフォイル軸受のリフトオフ速度を上回り且つ遠心コンプレッサの動作速度を下回る第1の速度まで加速させること、モータをある時間期間に亘って第1の速度で運転すること、遠心コンプレッサに負荷を印加するためにアンロードデバイスを作動させること、およびモータを動作速度まで加速させることによって、遠心コンプレッサを停止条件から始動させるようにプログラムされる。コントローラは、遠心コンプレッサから負荷を除去するためにアンロードデバイスを作動させること、モータを0よりも大きい最小速度に向かって減速させること、およびモータの速度が最小速度に達するときにモータから電力を除去し且つモータが停止まで惰行運転することを可能にすることによって、遠心コンプレッサを動作条件から停止させるように更にプログラムされる。
【0007】
別の態様では、モータによって駆動されるインペラのシャフトを支持するガスフォイル軸受を備える遠心コンプレッサを制御するコントローラが記載される。コントローラは、モータへの接続のためのモータインターフェースと、アンロードデバイスへの接続のためのアンロードインターフェースと、プロセッサと、メモリとを含む。メモリは、命令を収容し、命令は、プロセッサによって実行されるときに、コントローラに、遠心コンプレッサから負荷を除去するためにアンロードデバイスを作動させること、モータをガスフォイル軸受のリフトオフ速度を上回り且つ遠心コンプレッサの動作速度を下回る第1の速度まで加速させること、モータをある時間期間に亘って前記第1の速度で運転すること、遠心コンプレッサに負荷を印加するためにアンロードデバイスを作動させること、およびモータを動作速度まで加速させることによって、遠心コンプレッサを停止条件から始動させるメモリは、更に、命令を収容し、命令は、プロセッサによって実行されるときに、コントローラに、遠心コンプレッサから負荷を除去するためにアンロードデバイスを作動させること、モータを0よりも大きい最小速度に向かって減速させること、およびモータの速度が最小速度に達するときにモータから電力を除去し且つモータが停止まで惰行運転することを可能にすることによって、遠心コンプレッサを動作条件から停止させる。
【0008】
更に別の態様では、モータによって駆動されるインペラのシャフトを支持するガスフォイル軸受を備える遠心コンプレッサを制御する方法が記載される。方法は、遠心コンプレッサから負荷を除去するためにアンロードデバイスを作動させること、モータをガスフォイル軸受のリフトオフ速度を上回り且つ遠心コンプレッサの動作速度を下回る第1の速度まで加速させること、モータをある時間期間に亘って第1の速度で運転すること、遠心コンプレッサに負荷を印加するためにアンロードデバイスを作動させること、およびモータを動作速度まで加速させることによって、遠心コンプレッサを停止条件から始動させることを含む。方法は、遠心コンプレッサから負荷を除去するためにアンロードデバイスを作動させること、モータを0よりも大きい最小速度に向かって減速させること、およびモータの速度が最小速度に達するときにモータから電力を除去し且つモータが停止まで惰行運転することを可能にすることによって、遠心コンプレッサを動作条件から停止させることを更に含む。
【0009】
上述の態様に関連して注記される構成の様々な改良が存在する。更なる構成も、上記の態様に組み込まれてよい。これらの改良および追加の構成は、個々にあるいは任意の組み合わせにおいて存在することがある。例えば、例示された実施形態のいずれかに関連して以下で議論される様々な構成は、単独であるいは任意の組み合わせにおいて上述の態様のいずれかに組み込まれることがある。
【0010】
以下の図は、本開示の様々な態様を示している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】組み立てられたコンプレッサの斜視図である。
【0012】
図2】外部導管が取り外された状態の、線2-2に沿って取られた図1のコンプレッサの断面図である。
【0013】
図3】保持クリップのペアを使用して軸受ハウジングのスリーブ内に保持されたフォイル軸受アセンブリ内に支持された駆動シャフトを示す、図2に示す軸受ハウジングのスリーブを通じた断面図である。
【0014】
図4】一端にある軸受ハウジング内に形成された保持リップと他端にある保持クリップとの間で軸受ハウジング内に保持されたフォイル軸受アセンブリ内に支持された駆動シャフトを示す、図1のコンプレッサにおける使用に適した軸受ハウジングの別の実施形態の断面図である。
【0015】
図5】軸受ハウジングおよび駆動シャフトに対して配置されたフォイル軸受アセンブリの要素の分解図である。
【0016】
図6】ガスフォイル軸受(GFB)機械の始動-停止制御システムのブロック図である。
【0017】
図7】停止状態から遠心コンプレッサを始動させる方法のフローチャートである。
【0018】
図8】遠心コンプレッサについてのサージ電流特徴グラフである。
【0019】
図9】遠心コンプレッサを動作状態から停止させる方法のフローチャートである。
【0020】
図10】実際の速度が遠心コンプレッサの停止中に低下するときの、推定されるサージ速度および最小速度変化についての減速曲線のグラフである。
【0021】
図11】遠心コンプレッサの例示的な始動ルーチンのフローチャートである。
【0022】
図12】遠心コンプレッサの例示的な停止ルーチンのフローチャートである。
【0023】
図13】遠心コンプレッサの例示的な非常停止ルーチンのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
対応する参照符号は、図面全体を通じて対応する部分を示す。
【0025】
簡潔にするために、HVACコンプレッサに関する例を説明する。しかしながら、本明細書に記載の方法およびシステムは、任意の適切なガスフォイル軸受(GFB:gas foil bearing)機械に適用されることがある。GFB機械の始動-停止制御システムでは、コンプレッサに対する負荷を切断し、次に、軸受のリフトオフ速度(~10k RPM)を上回る無負荷速度までコンプレッサを急速に加速し、初期サージが停止するまでその速度で留める、始動ルーチンが、軸受の更なる変形を防止する。加えて、負荷を切断し、次に、コンプレッサを推定されるサージ速度にマージンを加えた速度まで徐々に減速し、次に、コンプレッサが停止まで惰行運転することを可能にする 、停止ルーチンが、軸受の変形を更に防止する。
【0026】
図1を参照すると、2段冷媒コンプレッサの形態で示されるコンプレッサが、概ね100で示されている。コンプレッサ100は、一般に、少なくとも1つの封止されたキャビティを形成するコンプレッサハウジング102を含み、冷媒圧縮の各段階が少なくとも1つの封止されたキャビティ内で達成される。コンプレッサ100は、冷媒蒸気を(図1では印されていない)第1の圧縮ステージに導入するための第1の冷媒入口110と、第1の冷媒出口114と、圧縮された冷媒を第1の圧縮ステージから第2の圧縮ステージに移送するための冷媒移送導管112と、冷媒蒸気を(図1では印されていない)第2の圧縮ステージに導入するための第2の冷媒入口118と、第2の冷媒出口120とを含む。冷媒移送導管112は、両端で第1の冷媒出口114および第2冷媒入口118にそれぞれ動作的に接続される。第2の冷媒出口120は、圧縮された冷媒を第2の圧縮ステージからコンプレッサ100が組み込まれる冷却システムに送達する。冷媒移送導管112は、コンプレッサ100で必要に応じて冷媒を加えるための冷媒ブリード122(refrigerant bleed)を更に含むことがある。
【0027】
図2を参照すると、コンプレッサハウジング102は、コンプレッサ100の両端で第1の圧縮ステージ124および第2の圧縮ステージ126を取り囲む。第1の圧縮ステージ124は、第1の冷媒入口110を介して入る冷媒に運動エネルギを追加するように構成された第1のインペラ106を含む。第1のインペラ106によって冷媒に与えられる運動エネルギは、増加した冷媒圧力(すなわち、圧縮)に変換される。何故ならば、冷媒速度は、軸受ハウジング200と外側コンプレッサハウジング102の一部分との間に形成された封止されたキャビティ(例えば、ディフューザ)への移送後に遅くされるからである。同様に、第2の圧縮ステージ126は、第2の冷媒入口118を介して入る第1の圧縮ステージ124から移送される冷媒に運動エネルギを加えるように構成された第2のインペラ116を含む。第2のインペラ116によって冷媒に与えられる運動エネルギは、増加した冷媒圧力(すなわち、圧縮)に変換される。何故ならば、冷媒速度は、軸受ハウジング200aと外側コンプレッサハウジング102の第2の部分との間に形成された封止されたキャビティ(例えば、ディフューザ)への移送後に遅くされるからである。圧縮された冷媒は、(図2には示されていない)第2の冷媒出口120を介して第2の圧縮ステージ126を出る。
【0028】
図2を参照すると、第1ステージのインペラ106および第2ステージのインペラ116は、駆動シャフト104の両端で接続される。駆動シャフト104は、第1ステージのインペラ106および第2ステージのインペラ116が第2の冷媒出口120を出る予め選択された圧力に冷媒を圧縮するように選択された回転速度で回転されるように、第1ステージのインペラ106と第2ステージのインペラ116との間に位置付けられるモータ108に動作的に接続される。任意の適切なモータが、コンプレッサ100に組み込まれてよく、コンプレッサは、電気モータを含むが、それに限定されない。駆動シャフト104は、以下に追加的な詳細において説明されるように、各軸受ハウジング200/200aのスリーブ202内に位置付けられたガスフォイル軸受アセンブリ300によって支持される。各軸受ハウジング200/200aは、図2に示されるように、それぞれの軸受ハウジング200/200aをコンプレッサハウジング102に接続するための取り付け構造(図示せず)を含む。
【0029】
図2を参照すると、各軸受ハウジング200/200aは、駆動シャフト104を支持し、駆動シャフト104は、スリーブ202の反対側の軸受ハウジング200/200aを通じて突出し、インペラ106は、駆動シャフト104の突出した端部に接続される。図3および図5を参照すると、ガスフォイル軸受アセンブリ300は、軸受ハウジング200内の円筒ボア206内に位置付けられる。駆動シャフト104は、ガスフォイル軸受アセンブリ300内に密接に嵌合し、ガスフォイル軸受アセンブリは、スリーブ202の内壁に隣接して位置付けられた外側コンプライアントフォイルまたはフォイル層302と、駆動シャフト104に隣接して位置付けられた(「頂部フォイル」とも称される)内側コンプライアントフォイルまたはフォイル層306と、内側フォイル層306と外側フォイル層302との間に位置付けられたバンプフォイルまたはフォイル層310とを含む。ガスフォイル軸受アセンブリのフォイルまたは層302/306/310は、既存のフォイル軸受設計方法によって決定されるようなギャップ設計が比較的少ないか或いは全くない状態で駆動シャフト104を受け入れるような大きさとされた本質的に円筒形のチューブを形成する。外側フォイル層302、内側フォイル層306、およびバンプフォイル層310のような、フォイル軸受アセンブリ300のコンポーネント(構成要素)は、フォイル軸受アセンブリ300が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の適切な材料で構成されてよい。適切な材料は、例えば、金属合金を含むが、例示的であり、これに限定されない。いくつかの実施態様では、例えば、外側フォイル層302、内側フォイル層306およびバンプフォイル層310の各々は、ステンレス鋼(例えば、17-4ステンレス鋼)で構成される。
【0030】
再び図3を参照すると、図示の実施形態のフォイル軸受アセンブリ300は、スリーブ202の円筒ボア206内の軸方向への層302/306/310の滑りを防止するために、層302/306/310の両端に隣接して位置付けられる一対のフォイル留め具312a/312b(foil keepers)を更に含む。フォイル留め具312a/312bにそれぞれ隣接して位置付けられる一対のフォイル保持クリップ314a/314bが、層302/306/310を図3に示されていない円筒ボア206内のロックされた軸方向位置に固定する。フォイル保持クリップ314a/314bは、軸受ハウジング200に取り外し可能に接続されることがある。
【0031】
他の実施形態では、図4に示されるように、各軸受ハウジング200は、軸受ハウジング200と一体に形成され(例えば、鋳造され)、円筒ボア206を画定する半径方向内面204から半径方向内方に突出する、フォイル保持リップ214を含む。図示の実施形態において、フォイル保持リップ214は、(図2に示される)インペラ116に近接して円筒ボア206のインペラ端216の近くに位置付けられる。フォイル保持リップ214は、フォイル軸受アセンブリ300の層302/306/310の少なくとも一部分と重なる半径方向内面204から、ある半径方向距離を突出するように、サイズ決定および寸法決定される。フォイル保持リップ214は、半径方向内面204の周囲の周りに完全に延在してよく、あるいは、フォイル保持リップは、半径方向内面204の周囲の一部分に亘って延在し、隣接する半径方向内面204と同一平面にある空間によって分離される、2つ以上のセグメントを含むことができる。(図4には示されていない)軸受ハウジング200aも、同様に形成される。
【0032】
図4に示された実施形態のフォイル軸受アセンブリ300は、スリーブ202の円筒ボア206内の層302/306/310の軸方向移動を抑制するために、フォイル保持リップ214に対向して層302/306/310の端に隣接して位置付けられる単一のフォイル保持クリップ314を更に含む。この実施形態において、フォイル保持クリップ314は、円筒ボア206のモータ端218の近くの円筒ボア206の半径方向内面204内に形成された周方向溝212にスナップ留めされる。
【0033】
フォイル保持リップ214は、インペラ端216で円筒ボア206の開口にすぐ隣接する位置を含むが、これに限定されない、インペラ端216の近くの円筒ボア206の任意の領域内に位置付けられてよい。代替的には、フォイル保持リップ214は、モータ端218で円筒ボア206の開口にすぐ隣接する位置を含むが、これに限定されない、モータ端218の近くの円筒ボア206の任意の領域内に位置付けられてよい。そのような実施形態において、フォイル保持クリップ314は、図4に示される構成とは本質的に反対の構成において、インペラ端216の近くの円筒ボア206の半径方向内面204内に形成された周方向溝212にスナップ留めされる。
【0034】
図4を再び参照すると、フォイル軸受アセンブリ300は、モータ端218で軸受ハウジング200の円筒ボア206内にフォイル軸受アセンブリ300を挿入することによって、軸受ハウジング200内に装着される。次に、フォイル軸受アセンブリ300は、層302/306/310がフォイル保持リップ214に接触するまで、インペラ端216に向かって円筒ボア206内に軸方向に前進される。次に、フォイル保持クリップ314は、円筒ボア206のモータ端218の近くの周方向溝212にスナップ留めされて、フォイル軸受アセンブリ300を所定の場所にロックする。
【0035】
他の実施形態では、スリーブ202内にフォイル軸受アセンブリ300を固定するための任意の好適な方法が使用されてよい。適当な方法の非限定的な例は、留め具および保持クリップ、接着剤、止めネジ、および任意の他の適当な固定方法を含む。
【0036】
軸受ハウジング200/200aは、上述のフォイル軸受アセンブリ300のような半径方向軸受、スラスト軸受、および近接プローブ、圧力変換器、熱電対、キーフェイザーなどのような受動的または能動的制御スキームのためのフィードバックとして使用される(図示されていない)感知デバイスを含むが、これらに限定されない、様々な要素のための取付構造として更に機能することがある。
【0037】
フォイル軸受アセンブリ300は、限定されることのない任意の適切な形態において提供されてよい。例えば、フォイル軸受アセンブリ300は、2つの層、3つの層、4つの層、または制限されることのない追加の層を備えることがある。フォイル軸受アセンブリ300のバンプフォイル310は、コンプレッサ100の動作中に回転する駆動シャフト104のための弾性表面を提供するために半径方向弾力構造から形成されてよい。バンプフォイル310は、限定されるものではないが、変形可能なバンプのアレイ、または断続的な圧縮半径方向荷重の下で変形およびリバウンドするように設計された他の構成、および断続的な圧縮半径方向荷重の下で圧縮およびリバウンドすることができる任意の他の弾力的弾性材料を含む、任意の適切な半径方向弾力構造から形成されてよい。バンプフォイル310は、外層302および内層306のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない、少なくとも1つの隣接する層に接続されてよい。いくつかの実施態様において、バンプフォイル310は、外層302および内層306の両方に接続されてよい。他の実施形態において、バンプフォイル310は、自由浮動する(free-floating)ことがあり、フォイル軸受アセンブリ300の任意の層に接続されないことがある。
【0038】
図6を参照すると、システム400の例示的な実施形態が、遠心コンプレッサ404を含む。システム400は、コンプレッサハウジング405と、アンロードデバイス401(unloading device)と、ユーザインターフェース415と、コントローラ410とを備える、コンプレッサ404を含む。コンプレッサ404は、モータ406と、インペラ407と、ガスフォイル軸受409とを含む。システム400は、電流センサ408と、モータ406と通信するモータインターフェース413とを有する、可変周波数駆動装置416(VFD:variable frequency drive)を更に含む。コンプレッサハウジング405と、モータ406、インペラ407、およびガスフォイル軸受409を含む、コンプレッサ404とは、図1-5に記載されたコンプレッサ100と同様に構成されてよく、あるいは異なる方法で構成されてよい。コンプレッサ404は、システム400内の特定の構造に限定されない。コンプレッサ404は、コンプレッサ404の始動、停止、および動作ルーチンを制御するためのコントローラ410を含む。コントローラ410は、プロセッサ411と、メモリ412と、アンロードインターフェース414とを含む。メモリ412は、コントローラ410に方法を実行させるためにプロセッサ411によって実行される命令を含む。
【0039】
システム400のアンロードデバイス401は、ガスフォイル軸受409の加速された摩耗を防止するために、サージ事象に対処するための始動および停止ルーチンの間にコンプレッサへの負荷を除去および/または低減する。遠心コンプレッサ404では、低すぎる流れまたは高すぎる圧力上昇が、インペラ内の迎え角(angle of attack)を変えて、分離および失速を生む。これは、コンプレッサの流れの不安定さを引き起こし、軸受およびギアに衝撃を与え、使用されるならば、システム圧力を不安定にする。これは、過剰なスロットリング、高温放電ガス、低温戻りガス、または目詰まりした凝縮器の吸気フィルタのような問題に起因する、吸気密度および流量低下によって引き起こされる。これらのプロセス条件が、コンプレッサ404を低流量で作動させ、コンプレッサ404がサージ値より多くの流量を常に処理することを保証させるときに、アンロードデバイス401は、コンプレッサ404によって送達されるガスが吸引部に再循環することを可能にするために必要なときに開かれる。アンロードデバイス401がコンプレッサ404に結合されると、流れは、コンプレッサ404が失速/サージサイクルに入るのを防止するために維持される。この例において、アンロードデバイス401は、許容される用途において、バイパス弁またはブローオフ弁である。冷媒バイパス弁のようなバイパス弁は、ガスのための代替的な経路を提供し、それによって、コンプレッサ404の圧力上昇を停止し、よって、停止中の始動または減速中にコンプレッサモータ406がどんなに遅く加速しても、あらゆる潜在的なサージ(surging)を制限する。他の実施形態において、アンロードデバイス401は、膨張弁である。膨張弁は、液体冷媒から圧力を除去して、コンプレッサ404の蒸発器内の液体から蒸気への膨張または状態変化を可能にし、多くのHVACシステムに含まれる。アンロードデバイス401の更なる実施形態は、サーボ弁のような可変オリフィスまたは直径弁と、デューティサイクルに従って開閉を制御するように構成されるソレノイド弁およびパルス幅変調(PWM)弁のような固定オリフィスまたは直径弁とを含む。アンロードデバイス401の他の実施形態は、可変ディフューザまたは可変入口ガイドベーン(VIGV:Variable Inlet Guide Vane)を含むことがあるが、これらに限定されない。多くのタイプのアンロードデバイスが本明細書において説明されるが、アンロードデバイス401は、コンプレッサ404に対する負荷を低減する任意の適切なデバイスであってよい。コンプレッサ404の始動および停止ルーチンにおけるアンロードデバイス401の戦略的開放は、システム400によって指示される。
【0040】
アンロードデバイス401は、コントローラ410に動作的に結合され、コントローラ410は、以下に詳細に説明されるような1つ以上の制御スキームに従ったバイパス弁の開放のような、アンロードデバイス401の少なくとも1つの動作パラメータを制御するように構成される。コントローラ410は、電流センサ408から受信する測定値または他のデータに基づいて1つ以上の制御スキームに従ってコンプレッサ404に対する負荷の除去または低減を制御し、コンプレッサ404の1つ以上の状態を監視するように構成される。電流センサ408は、モータ406の電流を感知し、コントローラ410は、モータ406の感知される電流が実質的に一定の電流であるならば、コンプレッサ404のサージが停止したかどうかを決定する。1つ以上の制御スキームにおける使用のための適切なセンサの非限定的な例が、温度センサ、圧力センサ、流量センサ、電流センサ、電圧センサ、回転速度センサ、および任意の他の適切なセンサを含む。他の実施形態において、コントローラ410は、センサから受信する測定値または他のデータに依存することなく、1つ以上の制御スキームに従ってコンプレッサ404に対する負荷の除去または低減を制御し、その代わりに、予め設定されたタイミングに基づいて作動する。
【0041】
いくつかの実施態様において、負荷の除去または低減は、コンプレッサ404の検出された状態に応答して制御される。これらの実施形態において、コンプレッサシステム100は、コントローラ410によって制御される少なくとも1つのアンロードデバイス401を含む。いくつかの実施態様において、コンプレッサ404に対する負荷の軽減または切断は、コンプレッサ404の検出された状態に基づいて1つ以上のフィードバック制御スキームに従って少なくとも1つのアンロードデバイス401を作動させることによって制御される。コンプレッサ404への負荷の低減または切断を可能にするために使用されるフィードバックまたは閉ループ制御スキームは、限定されるものではないが、PIDコントローラ、PIコントローラ、ファジー論理コントローラ、およびコンプレッサ404に対する負荷を低減または切断するために使用されることがある任意の他の適切な制御スキームを含むことがある。
【0042】
制御システム400は、VFD416をモータ406に接続するためのモータインターフェース413と、コントローラを駆動装置(ドライブ)に接続するためのインターフェース413と、コントローラ410をアンロードデバイス401に接続するためのアンロードインターフェース414とを含むので、プロセッサ411は、メモリ412に記憶された命令を実行して、始動および停止方法の間にコンプレッサ400から負荷を低減または切断することがある。
【0043】
制御システム400は、システム400に関連する情報を出力する(例えば、表示する)且つ/或いは(例えば、ユーザから)受信するするように構成されたユーザインターフェース415を含む。いくつかの実施形態において、ユーザインターフェース415は、システム400の動作をアクティブ化(起動)および非アクティブ化(起動解除)する(すなわち、オンおよびオフする)ために、あるいは他の方法で動作を可能にするために、ユーザからアクティブ化および/または非アクティブ化入力を受信するように構成される。その上、いくつかの実施形態において、ユーザインターフェース415は、例えば、限定されるものではないが、警告インジケータ、ガスフォイル軸受409の状態、および任意の他の適切な情報を含む、システム400の1つ以上の動作特性に関連する情報を出力するように構成される。
【0044】
ユーザインターフェース415は、ユーザインターフェース415が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の適切な入力デバイスおよび出力デバイスを含んでよい。例えば、ユーザインターフェース415は、限定されるものではないが、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ジョイスティック、スロットル、ボタン、スイッチ、および/または他の入力デバイスを含む、入力デバイスを含むことがある。その上、ユーザインターフェース415は、例えば、限定されるものではないが、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、または有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ)、スピーカ、インジケータライト、計器、および/または他の出力デバイスを含む、出力デバイスを含むことがある。更に、ユーザインターフェース415は、システムコントローラ(図示せず)のような、異なるコンポーネントの一部であることがある。他の実施形態は、ユーザインターフェース415を含まない。
【0045】
いくつかの実施形態において、システム400は、遠隔制御インターフェースによって制御されることがある。例えば、システム400は、システム400の遠隔制御およびアクティブ化を可能にする無線制御インターフェースに接続するように構成された通信インターフェース(図示せず)を含むことがある。無線制御インターフェースは、タブレットまたはスマートフォンのような、ポータブルコンピューティングデバイス上に実装されることがある。
【0046】
コントローラ410は、一般に、コンプレッサ404の動作を制御するように構成される。コントローラ410は、別のデバイスまたはコントローラからの命令およびプログラミングを通じて動作を制御するか、あるいはシステムコントローラを通じて制御システム400と一体化される。いくつかの実施形態では、例えば、コントローラ410は、ユーザインターフェース415からユーザ入力を受信し、そのようなユーザ入力に応答してシステム400の1つ以上のコンポーネントを制御する。例えば、コントローラ410は、ユーザインターフェース415から受信するユーザ入力に基づいてモータ406への電力供給を制御することがある。その上、いくつかの実施形態において、コントローラ410は、エネルギ蓄積デバイスなどからシステム400に供給される電力を調整または制御することがある。
【0047】
コントローラ410は、一般に、互いに通信的に結合されることがあり、独立してまたは互いに接続して作動されることがある(例えば、コントローラ410は、コントローラネットワークの全部または一部を形成することがある)、コンピュータ、処理ユニット、および/または同等物の任意の適切な組み合わせを含む、任意の適切なコンピュータおよび/または他の処理ユニットを含むことがある。コントローラ410は、1つ以上のモジュールまたはデバイスを含むことがあり、それらのうちの1つ以上は、システム400内に封入され、あるいはシステム400から遠隔に配置されることがある。コントローラ410は、コンプレッサ404の一部であるか、あるいは別個のものであってよく、HVACシステム内のシステムコントローラの一部であってよい。コントローラ410および/またはコントローラ410のコンポーネントは、システム400の他のコンポーネント内に統合または組み込まれてよい。いくつかの実施形態では、例えば、コントローラ410は、モータ406またはアンロードデバイス401内に組み込まれてよい。コントローラ410は、様々なコンピュータ実装機能(例えば、計算、決定、および本明細書に開示される機能を実行すること)を実行するように構成された1つ以上のプロセッサ411および関連するメモリデバイス412を含むことがある。本明細書で使用されるとき、「プロセッサ」という用語は、集積回路のみならず、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路、および他のプログラマブル回路も指す。加えて、コントローラ410のメモリデバイス412は、一般に、限定されるものではないが、コンピュータ読取可能媒体(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、コンピュータ読取可能不揮発性媒体(例えば、フラッシュメモリ)、フロッピーディスク、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、光磁気ディスク(MOD)、デジタル汎用ディスク(DVD)および/または他の適切なメモリ要素を含む、メモリ要素であることがあり、あるいはそのようなメモリ要素を含むことがある。そのようなメモリデバイス412は、一般に、プロセッサによって実装されるときに、限定されるものではないが、システム400を制御すること、モータ406の動作を制御すること、ユーザインターフェース415から入力を受信すること、ユーザインターフェース415を介してオペレータに出力を提供すること、アンロードデバイス401および/または様々な他の適切なコンピュータ実装機能を制御することが含む、本明細書に記載される様々な機能を実行するように構成するあるいはコントローラ410に実行させる、適切なコンピュータ読取可能命令を記憶するように構成されることがある。
【0048】
図7を参照して、停止状態から遠心コンプレッサを始動させる方法500が説明される。方法500は、始動ルーチンまたは始動方法と称されることもある。この始動方法500、ならびに本明細書に記載される追加的な方法は、上述のシステム400を使用して実装されてよい。プロセッサ411は、方法500のための命令を実行し、メモリ412は、命令を格納する。始動方法500は、遠心コンプレッサ404から負荷を除去するためにアンロードデバイス401を作動すること(501)によって開始する。例示的な実施形態において、アンロードデバイスは、弁を開くことによってコンプレッサ404の圧力比を低下させて、その質量流量を増加させる、コンプレッサ404の吐出と吸引との間のバイパス弁である。次に、モータ406は、ガスフォイル軸受409のリフトオフ速度を上回り、遠心コンプレッサ404の動作速度を下回る、第1の速度まで加速される(502)。コンプレッサ404がアンロードされる間に第1の速度に急速まで加速させることによって、コンプレッサ404は、ガスフォイル軸受409の摩耗を防止するのを助け、始動中の潜在的なサージ事象に対処するために、減少された量の時間に亘って、ガスフォイル軸受409のリフトオフ速度よりも下で作動する。次に、モータ406は、ある時間期間に亘って第1の速度で作動される(503)。例示的な実施形態において、モータ406が作動される時間期間は、製造者によってあるいはユーザインターフェース415を介してユーザによって設定され且つ予め決定される。他の実施形態において、時間期間は、モータが第1の速度に達するときに開始し、遠心コンプレッサのサージングが停止するときに終わる、可変の時間期間であり、推定、計算、または測定されることができる。コンプレッサ404がサージ事象を経験するかどうかにかかわらず、システム400は、コンプレッサ404をガスフォイル軸受409のリフトオフ速度を上回る第1の速度まで加速して、それらの摩耗を最小限に抑える。幾つかの場合には、モータ406がある時間期間に亘って第1の速度で作動されるとき、始動ルーチンにはサージ事象がないことがある。サージ事象が始動方法500中に発生したならば、電流センサ408は、モータ406の電流を感知し、コントローラ410は、モータ406の感知された電流が実質的に一定の電流であるときに、コンプレッサ404のサージが停止したことを決定する。いくつかの実施形態において、システム400は、複数の始動中にシステムの測定値を監視および格納するために、サージング事象の持続期間および重要性のメモリ412に格納された履歴的な傾向に基づいてモータが第1の速度で作動される時間を最適化するために、異なる学習アルゴリズムを組み込むことがある。いくつかの実施態様において、システム400は、コンプレッサ404の寿命に亘って経験される全てのサージ事象に関連する測定値を監視および格納し、時間期間をメモリ412に現在格納されている最も長いサージ事象として設定する。この場合、システム400によって現在設定されている時間よりも長い新しいサージ事象が発生するたびに、時間期間は、始動方法500の将来の反復についての最新のサージ事象よりも長いように再設定(リセット)される。いくつかの実施形態において、機械学習アルゴリズムまたはニューラルネットワークは、コンプレッサ404が常駐する異なるシミュレーション環境に基づいてコンプレッサ404についてのサージ事象の周波数および持続時間を予測し、これらのシミュレーションに基づいて時間期間を設定するために、システム400によって利用されることがある。
【0049】
図8を参照すると、速度曲線601とモータ電流曲線602とを含む始動方法500中のサージ電流特性グラフ600が示されている。図8は、モータ速度502が第1の速度に加速されること(502)、および時間期間605に亘って第1の速度でモータ406を運転すること(503)を示している。時間期間605に亘って第1の速度でモータ406が運転する間に、可能なサージ603の領域が、モータ電流曲線602における振動で特定されている。コンプレッサ404は、サージの現在の振動パターンが終了し(604)、コンプレッサ404が完全始動のために示されるまで、無負荷速度で保持される。
【0050】
戻って図7の始動方法500を参照すると、モータ406が時間期間605に亘って第1の速度で作動させられた(503)後に、アンロードデバイス401は、コンプレッサ404に負荷を印加するように作動される(504)。いくつかの実施態様において、コンプレッサ404に負荷を印加することは、バイパス弁を閉じることを含む。図8では、サージの全ての場合において、コンプレッサ404に負荷を印加するためにアンロードデバイスを作動させる(504)ことは、サージの電流振動パターンが停止した(604)後にのみ開始する。始動中にサージがないならば、モータ406は、典型的には製造者によってあるいはユーザインターフェース415を介してユーザによって予め決定される時間期間605に亘って、第1の速度で作動する。最後に、モータ406は、次に、動作速度まで加速され、コンプレッサ404は、始動ルーチンを完了し、その動作ルーチンを開始する。いくつかの実施形態において、コントローラ410は、モータ406を第1の加速度で第1の速度まで加速し、モータを第1の加速度よりも小さい第2の加速度で動作速度まで加速させる。他の実施形態において、第1および第2の加速度は、同じである。他の実施形態において、第2の加速度は、第1の加速度よりも小さい。
【0051】
図9を参照すると、遠心コンプレッサ404を動作状態から停止させる方法700が記載されている。方法700は、停止ルーチンまたは停止方法と称されることもある。先ず、アンロードデバイス401は、始動方法500と同様に、コンプレッサ404から負荷を除去するように作動される(701)。コントローラ410は、始動方法500、作動、および停止方法700を実装することがあり、あるいはコンプレッサ404のこれら3つのステージの任意の組み合わせを実装することがある。次に、モータ406は、ゼロよりも大きな最小速度に向かって702を減速する。最後に、モータ406の速度が最低速度に達すると、電力はモータ406から除去され(703)、次に、モータ406は、停止まで惰行運転することが可能にされる。いくつかの実施形態において、最小速度は、それよりも下ではコンプレッサ404のサージにマージン(margin)を加えたものが発生することがある推定サージ速度である。
【0052】
図10を参照すると、推定サージ速度801および最小速度802についての減速曲線800が、コンプレッサ404の停止中に実際の速度803が減少するにつれて変化することが示されている。実際の速度減速度曲線803は、モータ406がゼロよりも大きい最小速度802に向かって減速するときの停止方法700を示す。実際の速度が最小速度804である時点で、電力は除去され、モータ406は、停止まで惰行運転することが可能にされる。推定サージ速度曲線801は、それよも下ではサージ事象が発生するリスクがある推定コンプレッサ速度である。サージ事象の回避を容易にするために、減速702中に推定サージ速度曲線801の下に入らないようにコンプレッサ404を余分に保護するために、マージン805が推定サージ速度曲線801に追加される。推定サージ速度にマージンを加えた曲線802は、コンプレッサ404の速度が減速(702)中に最小速度に向かって下がるのをコントローラ410が防止するレベルである。いくつかの実施態様において、推定サージ速度は、ルックアップテーブルからコントローラ410によって検索され(取り出され)、コンプレッサ404が常駐するHVACシステムの圧力比に伴って変化する。他の実施形態において、最小速度は、ルックアップテーブルからコントローラ410によって検索され、コンプレッサ404が常駐するHVACシステムの圧力比に伴って変化する。始動方法500におけるサージ事象に関して上述したように、学習アルゴリズムが、推定サージ速度にマージンを加えた曲線802、推定サージ速度曲線801、および停止方法700における最小速度を含む、加速曲線を計算するために使用されることがある。
【0053】
図11を参照すると、始動方法900の例示的な実施形態が説明される。始動方法900は、より広い始動方法500の一実施形態であり、非限定的であることが意図され、上述のシステム400を使用して実施されることがある。この実施形態において、モータ406およびガスフォイル軸受409は、それらの温度が100°F未満である開始条件を与えられる。他の始動条件は、コンプレッサ404が停止してから少なくとも5分待つこと、コンプレッサ404が最小電力よりも大きな要求(kW)を有すること、およびVFD416が故障していないことを含むことがある。開始ルーチンは、開始を要求し、上述の開始条件が満たされているかどうかを確認すること始まり、条件が満たされるまで進行しない。条件が満たされた後に、バイパス弁は、100%に設定され、コンプレッサ404をアンロードするように開く。VFD416は有効にされ、モータ406の加速がAmaxRPM/秒に設定され、速度コマンドがNunloadRPMに設定され、次に、開始タイマが有効にされる。例示的な実施形態において、Amaxは、4500RPM/秒であり、Nunloadは、10000RPMである。速度は増加し、NstartRPMに達するのにTstart秒を有し、方法900は、この基準が満たされるまで、それ以上進まない。Tstart秒よりも長い時間後にNstartRPMに到達するならば、(図12に示される)停止方法1000の例示的な実施形態が、以下に記載されるように実装される。例示的な実施形態において、Tstartは、0.5秒であり、Nstartは、2000RPMである。ひとたびTstart秒内にNstartRPMに到達すると、速度は、NunloadRPMに増加される。速度は、Tunload秒内にNunloadRPMに到達しなければならず、この基準が満たされるまで進行しない。Tunload秒より長い時間後にNunloadRPMに到達するならば、停止方法1000が実行される。ある実施形態において、Tunloadは、5秒である。NunloadRPMが達成された後に、サージ事象について処理タイマ(settle timer)が有効にされる。方法900は、サージが検出されるかどうかを確認し、検出されるならば、処理時間(settle time)は、Tresetに設定される。例示的な実施形態において、Tresetは、0秒である。この場合、Tsurge分よりも多くの時間が経過したことを開始タイマが示すならば、停止方法1000が実行される。Tsurge分未満の時間が経過したことを開始タイマが示すならば、方法を繰り返し、サージが検出されなくなるまでサージを確認する。サージが検出されないときには、処理タイマが確認される。Tsettle秒未満の時間が警戒したことを開始タイマが示すならば、開始タイマは、Tsurge分が経過したかどうかを確認するために再び確認される。再び、開始タイマでTsurge分を超える時間が経過したならば、停止方法1000が実行され、開始タイマでTsurge分未満の時間が経過したならば、方法は、サージ検出ステップを繰り返す。例示的な実施形態において、Tsurgeは、2分であり、Tsttleは、30秒である。Tsettle秒よりも長い時間が経過したことを処理タイマが示すならば、バイパス弁は、1秒当たりRopen%でBopen%に設定され、加速は、AminRPM/秒に下がり、速度コマンドは、最小速度Nminに設定される。次に、実際の速度は、Nminと比較される。開始タイマがTmin分よりも大きい時間を示し、実際の速度がNminに達していないならば、停止方法1000が実行される。実際の速度が開始タイマによって示されるようにTmin未満で最小速度に達するならば、コンプレッサ404のために自動制御がアクティブ化される。例示的な実施形態において、Bopenは、50%であり、Ropenは、1秒当たり0.5%であり、Aminは、150RPM/秒であり、Tminは、3~4分の範囲内にある。他の実施形態において、Amax、Nunload、Tstart、Nstart、Nunload、Tunload、Treset、Tsurge、Tsttle、Bopen、Ropen、Amin、Nmin、およびTminは、任意の他の適切な値であってよい。本明細書で示される自動制御は、コンプレッサを停止するまで作動させるための別個のセットの制御アルゴリズムである。
【0054】
図12を参照すると、停止方法1000(shutdown method)の例示的な実施形態が説明される。停止方法1000は、より広い停止方法700(stop method)の一実施形態であり、上述のシステム400を使用して実装されることがある。この実施形態において、上述の始動方法900におけるように、停止が要求されるとき、バイパス弁は、コンプレッサをアンロードするために100%に設定される。停止タイマは有効にされ、速度コマンドは、最小速度Nminに設定される。実際の速度がNminに1.01を乗じた値より大きいならば、停止タイマは、Tstop分が経過したかどうかを見るために確認される。この場合、Tstop分未満の時間が経過したことを停止タイマが示すならば、速度コマンドは、再びNminに設定され、実際の速度がNminに係数(Factor)を乗じた値よりも大きいかどうか、実際の速度が確認される。停止時間がTstop分以上であるならば、VFDコマンドは無効に設定され、速度コマンドは、0RPMに設定される。実際の速度が最小速度に係数を乗じた速度未満であるならば、VFDも無効にされ、速度コマンドは、0RPMに設定される。例示的な実施形態において、Tstopは、3分であり、係数は、1.01である。次はTwait分を待つことであり、次に、バイパス弁は、0%に設定される。例示的な実施形態において、Twaitは、2分である。次に、停止方法1000は、モータ406が停止まで惰行運転するすると終了する。
【0055】
図13を参照すると、通常の停止方法1000に加えて、非常停止(e-stop)方法1100が、ユーザインターフェース415を介して、あるいは緊急停止の場合に、ユーザがHVACシステムをオーバーライドする(無効にする)ために実装されてもよい。e-stopが要求されるときに、VFDコマンドは、無効であるように設定され、速度コマンドは、0RPMに設定される。バイパス弁は、100%に設定され、Twait分後に、バイパス弁は、0%に設定される。例示的な実施形態において、Twaitは、2分である。次に、e-stop方法1100は終了し、モータ406が停止まで惰行運転する。
【0056】
本明細書に記載される方法およびシステムの技術的利点は、(a)HVACシステムにおける始動および停止手順の間の軸受の摩耗を防止するためにコンプレッサがガスフォイル軸受のリフトオフ速度を下回る時間を最小限にすること、(b)HVACシステムにおけるコンプレッサによって見られるサージ事象の数および重大性を最小限にするためにアンロードデバイスを利用すること、(c)始動および停止手順の間にサージ事象を処理するためにコンプレッサをある時間期間に亘って無負荷速度に維持すること、および(d)サージ事象の数および重大性を制限するために停止中の速度を低減することである。
【0057】
本開示またはその実施形態の要素を導入する場合、冠詞「a」、「an」、「the」および「said」は、1つよりも多くの要素が存在することを意味することを意図する。「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing)」および「有する(having)」という用語は、包括的であることを意図し、列挙される要素以外の追加の要素が存在する場合があることを意味する。特定の向きを示す用語(例えば、「頂」、「底」、「側」など)の使用は、記載の便宜のためであり、記載される品目の如何なる特定の向きも必要としない。
【0058】
本開示の範囲から逸脱することなく、上記構成および方法において様々な変更が行われることができるので、上記記述に含まれ且つ添付の図面に図示される全ての事項は、例示的なものとして解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されるべきでない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】