(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-19
(54)【発明の名称】カプセル吸入器
(51)【国際特許分類】
A61M 15/00 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536208
(86)(22)【出願日】2021-08-23
(85)【翻訳文提出日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 IB2021057718
(87)【国際公開番号】W WO2022043857
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PL
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520070297
【氏名又は名称】プリンノ・エスピー.ゼットオー.オー.
【氏名又は名称原語表記】PULINNO SP.Z O.O.
【住所又は居所原語表記】Bydgoskich Przemyslowcow 6,85-862 Bydgoszcz,Poland
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ロスゼジク,パウエル
(72)【発明者】
【氏名】ソスノウスキ,トマス
(72)【発明者】
【氏名】モスカル,アルカディウス
(72)【発明者】
【氏名】クルクズ,エミル
(72)【発明者】
【氏名】スルテク,ミシロウ
(72)【発明者】
【氏名】ブジュノウスキ,スロウミル
(72)【発明者】
【氏名】ウィルウィキ,マテウス
(72)【発明者】
【氏名】ウィスニエウスキ,ウォルデマ
(72)【発明者】
【氏名】クルクズ,クルジストフ
(57)【要約】
本発明は、カプセルから単回用量の乾燥粉末を投与するためのカプセル吸入器を提供し、本吸入器は、本体と、ふるいおよびマウスピース基部を有するマウスピースと、本体に結合されている開口部を有するカバーと、を備える。さらに、吸入器は、カプセル収容要素と、カプセル穿刺機構を含む押しボタンと、を備える。吸入器の本体には、マイクロプロセッサを含む電子基板が配置され、この基板は、磁場センサおよび光インジケータを含み、磁石を含む押しボタンに近接して配置されている。磁石は、穿刺要素に位置付けられ、磁石に近接して磁場センサが配置され、吸入器の電子基板は、結合要素を介してマウスピースの基部に結合される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセルから乾燥粉末単回用量を投与するためのカプセル吸入器であって、前記吸入器は、本体(14)と、ふるい(3)およびマウスピース(2)基部(4)を含むマウスピース(2)と、開口部を備え、前記本体(14)に結合されているカバー(5)と、カプセル収容要素(6)と、少なくとも1つのばね(9)および少なくとも1つの穿刺要素(7.1)を備えるカプセル穿刺機構を有する少なくとも1つの押しボタン(7)と、を備え、前記本体内(14)に、マイクロプロセッサ(11.4)を有する電子基板(11)が配置され、前記基板は、少なくとも1つの磁場センサ(11.2)および少なくとも1つの光インジケータ(11.3)を備え、少なくとも1つの穿刺要素(7.1)および少なくとも1つの磁石(8)を備える少なくとも1つの押しボタン(7)に近接して位置付けられ、前記磁石(8)が、前記穿刺要素(7.1)に配置され、前記磁石(8)に近接して、前記磁場センサ(11.2)が位置付けられ、その一方で、前記電子基板(11)が、結合要素(10)を介して前記マウスピース(2)の前記基部(4)に結合されることを特徴とする、吸入器。
【請求項2】
前記磁場センサ(11.2)が、ホール効果デバイスであることを特徴とする、請求項1に記載の吸入器。
【請求項3】
前記光インジケータ(11.3)が、ダイオードであることを特徴とする、請求項1または2に記載の吸入器。
【請求項4】
前記電子基板が、前記結合要素(10)を介して、前記マウスピース(2)の前記基部(4)に結合している、基部開口センサ(4)であるスイッチ(11.12)を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の吸入器。
【請求項5】
前記電子基板が、前記本体(14)内に収容されたフレーム(13)内に配置されることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の吸入器。
【請求項6】
前記結合要素(10)が、押し部であることを特徴とする、請求項5に記載の吸入器。
【請求項7】
前記カプセル収容要素(6)が、圧力降下チャンバ(6.2)およびカプセルチャンバ(6.1)を含み、前記カプセル収容要素(6)の下部の、前記カプセルチャンバ(6.1)に隣接する前記圧力降下チャンバ(6.2)内で、圧力センサ(11.1)が、前記電子基板(11)上に配置されることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の吸入器。
【請求項8】
マイクロプロセッサ(11.4)に結合されている前記電子基板(11)上に、吸入器位置センサ(11.10)が配置されることを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の吸入器。
【請求項9】
前記位置センサ(11.10)が、加速度計であることを特徴とする、請求項8に記載の吸入器。
【請求項10】
マイクロプロセッサ(11.4)に結合されている前記電子基板(11)上に、アンテナ(11.5)が配置されることを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の吸入器。
【請求項11】
前記アンテナ(11.5)が、Bluetoothアンテナであることを特徴とする、請求項10に記載の吸入器。
【請求項12】
マイクロプロセッサ(11.4)に結合されている前記電子基板(11)上に、コネクタ(11.6)が配置されることを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の吸入器。
【請求項13】
前記コネクタ(11.6)が、USB-Cタイプのコネクタであることを特徴とする、請求項12に記載の吸入器。
【請求項14】
マイクロプロセッサ(11.4)に結合されている前記電子基板(11)上に、オン/オフスイッチが配置されることを特徴とする、請求項1~13のいずれかに記載の吸入器。
【請求項15】
マイクロプロセッサ(11.4)に結合されている前記電子基板(11)上に、リセット要素(11.7)が配置されることを特徴とする、請求項1~14のいずれかに記載の吸入器。
【請求項16】
前記リセット要素(11.7)が、リセットスイッチであることを特徴とする、請求項15に記載の吸入器。
【請求項17】
マイクロプロセッサ(11.4)に結合されている前記電子基板(11)上に、リアルタイムクロック(11.8)が配置されることを特徴とする、請求項1~16のいずれかに記載の吸入器。
【請求項18】
マイクロプロセッサ(11.4)に結合されている前記電子基板(11)上に、音声インジケータ(11.11)が配置されることを特徴とする、請求項1~17のいずれかに記載の吸入器。
【請求項19】
フレーム(13)内にバッテリ(12)が配置されることを特徴とする、請求項1~18のいずれかに記載の吸入器。
【請求項20】
前記本体(14)が、少なくとも1つの結合要素(15)によって前記フレーム(13)と離脱可能に結合されることを特徴とする、請求項1~19のいずれかに記載の吸入器。
【請求項21】
前記結合要素(15)が、ねじまたはボルトであることを特徴とする、請求項20に記載の吸入器。
【請求項22】
前記本体(14)および前記カバー(5)上に、前記マウスピース(2)および前記基部(4)を取り囲んで覆うハウジング(1)が位置付けられることを特徴とする、請求項1~21のいずれかに記載の吸入器。
【請求項23】
前記ふるい(3)が、幅(a)が0.94~1cmで、高さ(b)が0.97~1.03cmで、開口部間の間隔(X)が、0.47~0.53cmである長方形の開口部を有するメッシュを備えることを特徴とする、請求項1~22のいずれかに記載の吸入器。
【請求項24】
前記ふるい(3)が、幅(c)が0.68~0.72cmで、高さ(d)が1.07~1.13cmで、開口部間の間隔(Y)が、1.37~1.43cmである長方形の開口部を有するメッシュを備えることを特徴とする、請求項1~22のいずれかに記載の吸入器。
【請求項25】
前記ふるい(3)が、幅(e)が1.08~1.14cmで、高さ(f)が1.07~1.13cmで、開口部間の間隔(Z)が、0.90~0.96cmである長方形の開口部を有するメッシュを備えることを特徴とする、請求項1~22のいずれかに記載の吸入器。
【請求項26】
前記基部(4)上に、前記基部(4)を持ち上げるための突出部(4.1)が配置されることを特徴とする、請求項1に記載の吸入器。
【請求項27】
前記マウスピース(2)の前記基部(4)が、前記カバー(5)にヒンジ結合されていることを特徴とする、請求項1に記載の吸入器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変抵抗パラメータのスマートカプセル吸入器を提供し、これにより、セルロースまたはゼラチンカプセルに封入された乾燥粉末形態の特定の薬物製剤に好適である肺沈着が確実に行われる。
【0002】
吸入器用のキャップまたは付属品の形態の両方で、適切な肺沈着を確保するための既知のデバイス、ならびに完全な薬物用量の適切な投与を確実に行う構造を有するスマート吸入器がある。
【0003】
英国特許出願公開第2542910(A)号は、ユーザー専用のバンドを使用するカプセル吸入器を使用して、適切な薬物摂取を確実に行うことを意図したデバイスおよび方法を開示している。このバンドは、電源、吸入器近接センサ、コントローラ、メモリ、時間測定ユニット、および通信ユニットを備える。バンドは、検出センサによって定期的に吸入器の近接を確認する。これは、吸入器に提供したマーカーにより可能であり、吸入器が検出されたときに作動させて、吸入器から提供されたデータを収集して記録し、ホームメモリに送信する。この発明の最も重要な態様のうちの1つは、吸入器およびバンドによる低エネルギー消費を確実に行う。
【0004】
米国特許第10155094(B2)号から、吸入器の使用を監視することができ、吸入器に適用されるキャップの形態を有し、使用されている吸入器の検出が可能になり、ユーザーへの吸入器の使用中のデバイスによって収集された情報を送信できるデバイスが知られている。米国特許第10155094(B2)号に開示されたデバイスは、吸入を検出するための圧力センサと、吸入器の位置および配向を検出するための位置センサと、薬用量を投与するため、吸入器への圧力を検出したときにまたは吸入器ハウジングを開いたときに監視デバイスを作動させるためのセンサまたはスイッチと、薬物摂取操作中にセンサから得られたデータを記録するためのメモリと、を備え得る。米国特許第10155094(B2)号に開示されたデバイスは、液体用の容器を備えた吸入器にのみ使用することができ、その構造のために、薬物を含むカプセルの穿刺を制御する能力がなく、その適用が制限されるカプセル吸入器には適応できない。米国特許第10155094(B2)号の解決策の目的は、吸入器から脱着可能で、多数の液体吸入器に使用される監視デバイスを提供することであるが、これは、監視デバイスの機能性、組み立て方法、およびカプセルの穿刺を行う要素へ接続できるモジュールがないことに関してのみであり、このデバイスは、カプセル吸入器には適用できない。
【0005】
発明明細書P.422716は、カプセルの形態で薬物を摂取することでき、それぞれの薬物製剤専用の肺沈着を確実に行う構造の、乾燥粉末の単回投与用の吸入器について開示している。P.422716に開示された吸入器は、マウスピースと、カプセル受容チャンバと、カプセル穿刺要素と、回転チャンバと、空気入口チャネルと、薬物分散要素と、を備える。吸入器は、構成的溶液によって活性物質粒子の好適な分解を確実に行うことにより、適切な薬物摂取を確実に行い、ここで、溶液は、調整可能な構成パラメータを有し、これにより特定の薬物に調整することができる。
【0006】
先行技術から公知であるデバイスは、吸入器のユーザーに薬物が確実に投与され、適切な摂取が確実に行われる方法を提供するが、これらは、カプセルをベースとするもの以外の吸入器に関連する。それとは別に、完全な監視のために、バンドなどの追加のデバイスが必要であるか、吸入器自体ではなくキャップに関連しており、これらは、薬物を含むカプセルの穿刺が正確に行われているかを検証していない。従来技術の解決策では、複雑な命令をユーザーに自動的に送信することを提供せず、追加のメモリを必要とする。とりわけ、吸入プロセスが正しく行われていることを検証することおよびリアルタイムでのユーザーへの好適なフィードバックを送信することなど、カプセル吸入器専用の薬物摂取を確実に包括的に監視するための解決策がない。
【0007】
カプセルから乾燥粉末単回用量を投与するためのカプセル吸入器であって、本吸入器は、本体と、ふるいおよびマウスピース基部を含むマウスピースと、開口部を有し、本体に結合されているカバーと、カプセル収容要素と、少なくとも1つのばねおよび少なくとも1つの穿刺要素を含むカプセル穿刺機構を有する少なくとも1つの押しボタンと、を備え、本体内に、マイクロプロセッサを有する電子基板が配置され、電子基板は、少なくとも1つの磁場センサおよび少なくとも1つの光インジケータを含み、少なくとも1つの穿刺要素および少なくとも1つの磁石を有する少なくとも1つの押しボタンに近接して位置付けられることを特徴とする。磁石は、穿刺要素によって位置付けられ、磁石に近接して、磁場センサが位置付けられ、電子基板は、結合要素を介してマウスピース基部に結合される。
【0008】
好ましくは、磁場センサは、ホール効果デバイスである。
【0009】
好ましくは、光インジケータは、ダイオードである。
【0010】
好ましくは、電子基板は、結合要素を介してマウスピース基部に結合されている基部開口センサであるスイッチを含む。
【0011】
好ましくは、電子基板は、本体内に収容されるフレーム内に配置される。
【0012】
好ましくは、結合要素は、押し部である。
【0013】
好ましくは、カプセル収容要素は、圧力降下チャンバとカプセルチャンバとを含み、カプセル収容要素の下部において、カプセルチャンバに隣接する圧力降下チャンバに圧力センサが配置され、電子基板上に位置付けられる。
【0014】
好ましくは、マイクロプロセッサに結合されている電子基板上に、吸入器位置センサが配置される。
【0015】
好ましくは、位置センサは、加速度計である。
【0016】
好ましくは、マイクロプロセッサに結合されている電子基板上に、アンテナが配置される。
【0017】
好ましくは、アンテナは、Bluetoothアンテナである。
【0018】
好ましくは、マイクロプロセッサに結合されている電子基板上に、コネクタが配置される。
【0019】
好ましくは、コネクタは、USB-Cタイプのコネクタである。
【0020】
好ましくは、マイクロプロセッサに結合されている電子基板上に、オン/オフスイッチが配置される。
【0021】
好ましくは、マイクロプロセッサに結合されている電子基板上に、リセット要素が配置される。
【0022】
好ましくは、リセット要素は、リセットスイッチである。
【0023】
好ましくは、マイクロプロセッサに結合されている電子基板上に、リアルタイムクロックが配置される。
【0024】
好ましくは、マイクロプロセッサに結合されている電子基板上に、音声インジケータが配置される。
【0025】
好ましくは、フレーム内に、バッテリが配置される。
【0026】
好ましくは、本体は、少なくとも1つの結合要素によってフレームに脱着可能に結合される。
【0027】
好ましくは、結合要素は、ねじまたはボルトである。
【0028】
好ましくは、本体およびカバー上に、マウスピースおよび基部を覆う包囲ハウジングが設けられる。
【0029】
好ましくは、ふるいは、幅が0.94~1cm、高さが0.97~1.03cm、開口間の間隔が0.47~0.53cmの長方形の開口部を有するメッシュを備える。
【0030】
好ましくは、ふるいは、幅が0.68~0.72cm、高さが1.07~1.13cm、開口間の間隔が1.37~1.43cmの長方形の開口部を有するメッシュを備える。
【0031】
好ましくは、ふるいは、幅が1.08~1.14cm、高さが1.07~1.13cm、開口間の間隔が0.90~0.96cmの長方形の開口部を有するメッシュを備える。
【0032】
好ましくは、基部上に、基部を持ち上げるための突出部が配置される。
【0033】
好ましくは、マウスピース基部は、カバーにヒンジで固定される。
【0034】
本発明による吸入器は、ユーザー(患者)の吸気間に引き起こされる空気の流れ下で、ラクトース担体に埋め込まれた形態の活性物質を含む薬物の固体形態からエアロゾルを生成する。このプロセスでは、吸入器の内部抵抗および空力抵抗を克服する必要がある。吸入の有効性は、微小分子画分の生成を決定づける薬物の適切な解凝集を確実にする吸気の流れの形成に依存する。次に、吸入器の適切な構造により、肺沈着の速度および性質が決定され、吸入された薬物の高い治療有効性をもたらす。吸入器は、薬物を含むカプセルを吸入器チャンバに挿入し、ニードル機構で穿刺する必要がある1回投与デバイスである。
【0035】
本発明による吸入器の主要機能としては、以下が含まれる:
- 吸入器の開閉に関する情報の送信;
- 吸入器内の空気の流れによって引き起こされる圧力降下の測定;
- XYZ座標系で吸入器の位置を決定できること;
- 薬物を含むカプセルを穿刺する押しボタンの動きを監視できること;
- 携帯電話とのBluetooth接続を確立できること;
- 吸入器メモリにいくつかの測定からのデータを記録できる;
- ユーザーとの光および音声による通信;
- 吸入器の適切な使用のためのユーザーのトレーニング機能を備えた、デバイスからデータを収集できるようにするための専用アプリケーション;
- 全治療用量の特定の薬物を摂取する可能性が高いことを示すアプリケーション。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明の目的を、以下の図面に示す:
【
図1】カバーを備える、閉じている構成での本発明による吸入器を示す吸入器の正面図および側面図を示す。
【
図3】本発明による吸入器のハウジングを断面図で示す。
【
図4a】本発明による吸入器のマウスピースを示し、破線は、マウスピース内のチャネルを示し、キャッチが視認される。
【
図4b】本発明による吸入器のマウスピースを示し、破線は、
図4bのもの以外の、マウスピースの内側にあるチャネルを示し、キャッチが視認される。
【
図5】本発明による吸入器のマウスピースの基部を底面図で示し、入口チャネルおよび回転式チャンバが視認される。
【
図6】本発明による吸入器のマウスピースの基部を、それぞれ等角底面図および等角上面図で示す。
【
図7-9】ふるいの側面図、上面図、および等角図を示す。
【
図11】カプセル収容要素を示し、それぞれ、要素の底部を示す等角図、要素の上部を示す等角図、および要素の上面図である。
【
図12】本発明による吸入器の押しボタンの穿刺機構を示す。
【
図15】本発明による吸入器の電源の説明図を示す。
【0037】
図1および
図2に示す実施形態では、カプセルから単回用量の乾燥粉末を投与するためのカプセル吸入器は、マウスピース2の基部4にヒンジで結合されているカバー5と、キャッチを介して結合されている本体14と、を備える。基部4の上部の開口部にはふるい3が取り付けられ、マウスピース2はハウジング1によって上から閉じることができる。基部4の中央の「内側」部分には、回転式チャンバ4.2があり、それに対して、2つの反対側から入口チャンネル4.3が開き、チャンネルを通って空気が引き込まれる。基部4上には、基部4を持ち上げるために、例えば突出部4.1が設けられている。
【0038】
カバー5は、要素内部を監視して、カプセルが動かなくなったか、またはカプセルが適切に挿入されたか、またはカプセルが穿刺されたかを判断できるようにするために、例えば透明なプラスチックで作製され得るカプセル収容要素6を覆う。外側中央上部にあるカプセル収容要素6は、ユーザーが内部にカプセルを置くカプセルチャンバ6.1と共に容積部6.3を有し、このチャンバ6.1内でカプセルが穿刺される。容積部6.3内で、カプセルは、チャンバ6.1からカプセル上への空気流によって引き込まれ、マウスピース2の基部4に設けられた回転式チャンバ4.2内で旋回して、治療物質10を放出する。しかし、カプセル収容要素6の内側底部内で、カプセルチャンバ6.1の長辺のうちの一方は、圧力降下チャンバ6.2に隣接し、開口部6.6を介して容積部6.3と連通し、その中に、圧力センサ11.1を含む電子基板11の一部を下から挿入させる。
【0039】
圧力センサ11.1では、ユーザーが薬物投与強度および時間を測定することが可能になる。時間と対応させて圧力測定することにより、ユーザーが薬物を摂取している間に、吸気持続時間および吸気力を決定できるようになる。
【0040】
その2つの対向する壁のそれぞれにあるカプセル収容要素6は、2つの開口部、すなわち穿刺要素用の開口部6.4および下部にマンドレル用の開口部6.5を有する。穿刺要素用の開口部6.4内に、穿刺要素7.1、例えばニードルが入る。穿孔要素7.1は穿孔機構の一部であり、マンドレル7.2上の押しボタン7に固定される。マンドレル用の開口部6.5には、マンドレル7.2が入り、このマンドレルは押しボタン7にも固定されている。マンドレル7.2には、ばね9が設けられ、マンドレル7.2自体が押しボタン7の動きを安定させる。これにより、押しボタン7は、押下されたときにその縦軸から逸脱することなく、穿刺要素7.1は、開口部6.4を介してカプセルチャンバ6.1内に常に同じ配向で「入り」、カプセルの穿刺の再現性をもたらし、したがって薬物放出の再現可能な有効性をもたらすようになる。さらに、マンドレル7.2の下部の押しボタン7には、磁石8が設けられている。押しボタン7は、カプセル収容要素6の高さに位置付けられる。
【0041】
吸入器は、上部および下部のキャッチを介して本体14およびカバー5に結合されている2つの押しボタン7を有する。本体14内には、フレーム13が置かれ、例えばねじまたはボルトなどの2つの接続要素15によって本体14と脱着可能に結合される。フレーム13では、
図13に示すとおり、特別に設計された圧力降下チャンバ6.2に対する圧力センサ11.1の正確な位置付けが可能になる。フレーム13は、押しボタン7の安定化および滑らかな動きを提供し、すべての構成要素を接合する。ある実施形態では、フレーム13内には、マイクロプロセッサ11.4を含む電子基板11と、バッテリ(または蓄電池)12とが位置付けられている。別の実施形態では、電子基板11は、好適にプロファイルされている本体14内に収容される。
【0042】
電子基板11は、その側面に、例えばホール効果デバイスである2つの磁場センサ11.2と、例えばLEDである光インジケータ11.3とを有し、それぞれが押しボタン7に近接して位置付けられている。さらに、センサ11.2は、磁場センサ11.2上を移動する磁石8の動きに反応することができるように、磁石に近接して位置付けられ、これにより、穿刺要素7.1のそれぞれが押下される速度および深さを記録することが可能になる。
【0043】
加えて、電子基板11はまた、基部開口センサ4であるスイッチ11.12を含み、マウスピース2の基部4と結合要素10、例えば押し部を介して結合され、カバー5の上面の開口部を通り、その表面がマウスピース2の基部4に隣接している。吸入器の作動は、マウスピース2の基部4を開くことによって行われる。押し部のステータスは、マウスピース2の基部4を開くことによって機械的に変更される。マウスピースの基部4が開いていることの検出は、スイッチ11.12により記録され、吸入プロセスの開始を示す。
【0044】
別の実施形態では、マイクロプロセッサ11.4に結合されている電子基板11上に、例えば3軸加速度計などの位置センサ11.10が配置され、これにより、吸入中に吸入器が適切な位置に維持されているか、すなわち、水平線に対して10°~20°+/-2°の範囲内、例えば、15°の傾斜角度を有するかを検証することによって、吸入が適切に実行されたかの検証が可能になる。
【0045】
さらなる実施形態では、マイクロプロセッサ11.4に結合されている電子基板11上に、アンテナ11.5、例えばBluetoothアンテナが配置され、これにより、吸入器とユーザーデバイス、例えばスマートフォンとのワイヤレス通信が可能になる。スマートフォンには適切なアプリケーションがインストールされていてもよく、アプリケーションの主な機能には以下が含まれる:
- 教育モジュール-デバイスの操作、吸気力および持続時間、デバイスの傾斜角度;
- 吸入履歴および毎日/毎週/毎月の統計;
- 次の吸入に向けたカウントダウン;
- 個別化リマインダーを設定する機能;
- 統計モジュール;
- 個別化警告アラートと共に花粉マップ;
- リマインダーと共に、投与された薬物の個別化リスト;
- 天気ウィジェット-温度、空気の質。
【0046】
一実施形態では、マイクロプロセッサ11.4に結合されている電子基板11上に、例えばUSB-Cタイプのコネクタである、コネクタ11.6も位置付けられ、操作中に排出される、バッテリ12によって給電されるデバイスの充電が可能になる。
【0047】
別の実施形態では、マイクロプロセッサ11.4と結合されている電子基板11上にオン/オフスイッチが配置され、これにより、例えば吸入器を使用していないときに消費電力を制限する必要がある場合に、吸入器を手動でオンおよび/またはオフにすることができる。
【0048】
さらなる実施形態では、吸入器の操作に問題がある場合に、デバイスの設定をリセットしてもよく、これは、電子基板11上にリセット要素11.7、例えば、マイクロプロセッサに接続されたリセットスイッチ11.4を実装することにより、可能になる。
【0049】
別の実施形態では、マイクロプロセッサ11.4に結合されている電子基板11上にリアルタイムクロック11.8が配置され、モバイルアプリケーションとペアリングせずにデバイスの自律操作中に、測定が行われた正確な時間が記録できるようになる。
【0050】
別の実施形態では、マイクロプロセッサ11.4に結合されている電子基板11上の吸入器は、光インジケータ11.3と共に、音声インジケータ11.11を有し、これにより、吸入プロセスの各ステップで、エラーが発生したときに、対応する警告がユーザーに送信される。
【0051】
さらなる実施形態では、吸入器は、特定のユーザーに投与される薬物に対する吸入器の個別化が可能になる交換型ふるい3を備える。例えば、
図7に示すふるい3は、幅aが0.97mm±0.03mm、高さbが1.00mm±0.03mm、開口部間の間隔Xが0.5mm±0.03mmの長方形の開口部を有するメッシュを有してもよい。
【0052】
別の実施形態では、
図8に示すふるい3は、幅cが0.7mm±0.02mm、高さdが1.1mm±0.03mm、開口間の間隔Yが1.4mm±0.03mmの長方形の開口部を有するメッシュを含む。
【0053】
さらなる実施形態では、
図9に示すふるい3は、幅cが1.11mm±0.03mm、高さdが1.1mm±0.03mm、開口間の間隔Zが0.93mm±0.03mmの長方形の開口部を有するメッシュを含む。
【0054】
別の実施形態では、吸入器は、
図4aに示すとおり、マウスピース2の内径のクリアランスが減少している交換型マウスピース2を有する。
【0055】
さらなる実施形態では、吸入器は、
図4bに示すとおり、マウスピース2の内径のクリアランスが一定値である交換型マウスピース2を有する。
【0056】
さらなる実施形態では、
図15および
図16に示す吸入器の電子基板11は、以下に接続された、例えばCC2650F128RGZRなどのBLE無線モジュールを有するマイクロプロセッサを含む:
- 圧力センサ11.1、例えばBMP280;
- スイッチ11.2、例えばSKRTLAE010;
- 位置センサ11.10、例えばMPU6050;
- 左右の磁場センサ11.2、例えば634-SI7210-B-00-IVおよび634-SI7210-B-03-IV;
- 左右の光インジケータ11.3、例えば、KPFA-3010RGBC-11;
- 音声インジケータ11.11、例えば、SMT-1640-S-2-R;
- 任意のオン/オフスイッチ、例えば、RGB LED信号伝達;
- 吸入器が数回の完全な操作サイクルを記録できるようにするためのメモリ11.9、例えば、AT24CM02などのEEPROM。
【0057】
さらに、一実施形態では、マイクロプロセッサ11.4は、
図15に示す電源ユニットを有し、電圧安定器2.8V(例えばTC1015-2.8)、LiPo蓄電池3.7V最小380mAh、分圧器、コネクタ11.6(例えばUSB-Cソケット)に結合している蓄電池充電ユニット3.7V(例えばLTC4054)を含む。
【0058】
本発明による吸入器を使用して吸入を行うことを望むユーザーは、第一に、デバイスが充電されていることを確認することによって、デバイスを使用する準備をする必要がある。青色のライトの点滅は、デバイスを使用する準備ができており、スマートフォンにリンクされていないことを示す。1回目に使用する前に、ユーザーは、特別に設計されたアプリケーションを使用して、実行される吸入の規則性を監視するか否かを決定する。このアプリケーションには、治療プロセス(吸入)の適切な実行について、ユーザーをトレーニングすることを目的とした教育モジュールも有する。
【0059】
ユーザーがアプリケーションを使用して吸入器を操作することを望む場合、ユーザーは、最初に自分のスマートフォンにアプリケーションをダウンロードする必要がある。ユーザーは、自分のスマートフォンにアプリケーションをインストールする。アプリケーションを起動する前に、ユーザーは、スマートフォンのBluetoothモジュールをアクティブ化し、デバイスとのペアリングを行う。アプリケーションのインストール時に、ユーザーは、ユーザーズガイドに従ってアプリケーションを構成する。
【0060】
このように吸入器を準備したユーザーは、アプリケーションを起動させ、薬物を含むカプセルのブリスターがあり、吸入プロセスを開始する。ユーザーは、吸入器を片手で持ち、他方の手でデバイスのハウジング1を把持するか、または親指でマウスピース2の基部4に位置付けられた突出部4.1(
図6)を持ち上げて、デバイスを開く。マウスピース2(
図4)と、ふるい3(
図7~
図9)と、マウスピース2の基部4(
図5および6)と、ハウジング1(
図3)と、を備えるモジュールマウスピースユニットは、上向きに開き、デバイスから後方に旋回させる。このデバイスを開くことにより、結合要素10(
図2)への圧力が解放される。結合要素10の解放から生じる動きは、スイッチ11.12上での圧力も解放する(
図16b)。スイッチ11.12は、吸入器を制御する電子機器の一部である。スイッチ11.12は、電子基板11上に位置付けられ(
図2および16)、吸入器の本体14内に位置付けられる(
図14)。電子基板11は、例えば、両面に部品を有する四層技術で作られたPCBであってもよい(
図16)。
【0061】
結合要素10によりスイッチ11.12への圧力が解放されることにより、吸入器の操作を「デバイス開」として制御するソフトウェアによって読み出される信号の生成が引き起こされる。「デバイス開」という情報が生成されたときに、電気要素によって信号が送信され、同じ電子基板11に位置付けられたダイオード11.3によって、光信号の放出が引き起こされる。ダイオード11.3は、吸入器が作動した瞬間に緑色の点滅を開始する。同時に、アンテナ11.5でもあるBluetoothモジュールの使用により、電子基板11上に位置付けられたマイクロプロセッサ11.4は、信号をユーザーのスマートフォンに送信する。アプリケーション画面に「カプセルを挿入して、デバイスを閉じてください」というメッセージが表示される。この時点で、ユーザーは、ブリスターからカプセルを取り出し、カプセル収容要素6内に配置されている特別なカプセルチャンバ6.1にカプセルを位置付ける(
図11)。この操作が完了したときに、ユーザーは、吸入器を閉じる。マウスピース2(
図4)、ふるい3(
図7~9)、およびマウスピース2の基部4(
図5および
図6)ならびにハウジング1(
図3)を備えるモジュールマウスピースシステムは、下向きに閉じて、デバイスの前面を回転させる。デバイスを開いた後、ユーザーがいかなる操作もしない場合、約3分後にデバイスはスタンバイモードに戻る。
【0062】
カプセルが適所に配置され、デバイスが閉じられた後、ユーザーは、吸入器を手で囲むようにデバイスを把持する。アプリケーション画面は、次のメッセージを送信する:「デバイスを垂直に維持して、側面の押しボタンを押して、放してください。緑のライトは、カプセルが適切に穿刺されていることを示しています」。吸入器の背面には、カバー5に位置付けられたヒンジ5.1を画定する(
図10)。吸入器の背面は、ユーザーの手のひらで囲い込むため、ユーザーは、人差し指および親指を使用して、デバイスの両側に位置付けられた押しボタン7(
図12)を同時に押下してもよい。押しボタン7が押下される前に、実際にカプセルがカプセルチャンバ6.1内に位置付けられているかにかかわらず、ユーザーは、カプセル収容要素6(
図11)を通して見ながら、自分の目の高さおよび状態でデバイスを持ち上げてもよい。そのようにした場合、ユーザーは、吸入器を垂直に維持し、同時に押しボタン7を押下する。ニードル7.1は、ばね9を使用することによって可能になる押しボタン7のスライド運動により、押しボタン7上に配置され(
図2)、カプセルを穿刺する。押しボタン7には、磁石8が取り付けられている(
図12)。電子基板11は、磁石8の動きに反応する2つのホール効果センサ、「ホール効果デバイス」11.2をその側面に有する。ホール効果デバイス11.2によって送信される信号は、数値の信号を生成する。しきい値を超えると、インストールされているマイクロプロセッサまたはモバイルアプリケーションがプロセスを承認し、このことは緑のライトの点灯が作動することによってユーザーに示される。何らかの理由で好適な信号値に達しない場合、ダイオード11.3は、紫色に変わり、アプリケーションは、次のメッセージを表示する:「紫のライトは、カプセルの穿刺が不適切であることを示しています。カプセルを交換して、再度吸入を開始してください」。
【0063】
ユーザーがカプセルを適切に穿刺させた場合、ばねスプリング9の使用により、押しボタン7は、解放されて最初の位置に戻る。磁石8の動きによって生じたホール効果デバイス11.2によって生成された信号は、初期状態に戻り、ユーザーは、アプリケーションから次の情報を受信する:「吸入する前にキャップを外し、吸入器の外側で浅く息を吸ってください。次に、吸入器のマウスピースを口に入れます」。デバイスは、その後のプロセスの準備ができているため、緑のライトを点灯させる。ハウジング1(
図2)を取り外したときに、ユーザーは、アプリケーションで「次へ」をクリックする。ユーザーは、次のメッセージを受信する:「吸入器の適切な角度を見つけてください。必ず、直立姿勢を維持してください」。
【0064】
ユーザーは、吸入器を垂直位置にするために吸入器を動かす。ユーザーが息を吸い込む前に、デバイスを適切な角度に設定する必要がある。電子基板11上に位置付けられた加速度計11.10により、適切な角度を設定することが可能である。デバイスの角度が変化すると、デバイスまたはモバイルアプリケーションを制御するソフトウェアがXYZ座標内の位置を監視する。適切な角度を探索している間、ダイオード11.3はオフである。しかし、適切な角度が設定されると、緑のライトを点灯し始める。さらに、適切な角度に達したことは、単一の音声信号によって吸入器によって伝達される。アプリケーション内に「適切な姿勢を保ち、深呼吸をしてください」というメッセージが表示され、画面の左右に2つの矢印の頭が表示される。デバイスが適切な角度に達すると、画面内の矢印の頭が1つの線に統合され、色が緑色に変わる。ライトの信号伝達のほかに、アプリケーションは、単一の音声信号も生成する。これは、電子基板11上に配置されている音声インジケータ11.11を使用することにより可能である。ユーザーは、音声信号を聞いたときに、吸気し、吸入器マウスピース2を口に挿入し、それを確実に噛む。ユーザーは強く、場合によっては迅速に吸気する。電子基板11上に配置された圧力センサ11.1の使用により、デバイスは、吸入器内の圧力降下を監視してもよい。
【0065】
使用される吸入器のタイプに対応する圧力降下dPは、ユーザーの吸気によって引き起こされる空気Qの流量に影響を及ぼす。吸気の間、圧力降下により、空気が流れる。空気は、2つの入口チャネル4.3によってデバイスに引き込まれる。空気は、マウスピース2の基部4に配置された回転式チャンバ4.2に到達する。空気は、渦巻きを生成し、同時にカプセルチャンバ6.1から穿刺されたカプセルを引き込む負圧を生成する。カプセルは、回転運動して、穿刺により生じた開口部から薬物を放出する。薬物は、治療物質の微粒子および担体の粗粒の2種類の粒子で構成されている。これらの2つの粒子は、化学結合ではなく、機械力の下で薬物製造プロセス中に結合される。カプセルから凝集物を引き込み、空気を循環させた結果、凝集物は、細かい画分および粗い画分の2つの画分に分かれる。ユーザーが適切な量の空気を引き込むことができるかに応じて、薬物構造の解凝集の有効性が決定する。その結果、エアロゾル、すなわち空気と治療物質およびその中に懸濁された担体粒子との混合物が産生される。ユーザーによる吸気の間、エアロゾルは、上気道に達する。有効な解凝集により、治療物質を含む微粒子画分が気道の下部に到達し、細気管支に「吸収」される可能性が高まる。適切な空気の流れを得ることは、適切な治療用量を提供する可能性を高くするための必要条件である。圧力降下と空気流との関係を決定する式を使用することにより、適切な治療用量を提供するかなりの可能性を可能にするために必要な、得られる圧力降下の最適範囲を決定する。電子基板11上に位置付けられた圧力センサ11.1は、デバイスの組み立て中に、カプセルチャンバ6.1に隣接する特別に設計された圧力降下チャンバ6.2に挿入され、圧力降下チャンバ6.2は、開口部6.6を介して容積部6.3と連通している。容積部は、カプセル収容要素6の上部にカプセルチャンバ6.1と共に配置される。
【0066】
ユーザーは、吸気する。圧力変化が示されるまで、デバイスは、緑のライトを点灯させる。ダイオード11.3が緑色に点滅する。このとき、ユーザーは、5秒間息を止める必要がある。ダイオード11.3は、5秒以上経過するまで点滅する。アプリケーションにより、5秒カウントダウンする。最小値の5秒に達すると、デバイスは、緑のライトを点灯させる。アプリケーションに次のメッセージが表示される「5秒間、息を止めましたか?」。
【0067】
ユーザーは、空気を吐く。ユーザーが息を止めたことを確認するかまたは拒否したとき、アプリケーションは、「タブレットを取り外しましたか?」というメッセージを表示する。ユーザーは、最初と同様に吸入器を開く。結合要素10が解放されると、デバイスおよびアプリケーションに対して信号が生成される。ユーザーは、吸入器をきれいにして閉じる。確認時に、ユーザーは、吸入プロセスレポートを受け取る。ユーザーは、「次へ」をクリックしたとき、吸入が完了したことを確認し、次の吸入時間を示すメッセージを受け取る。ボタン「終了」が押されると、2つの音声信号が生成され、吸入器のボタンで、緑のライトを点灯させる。3秒後、デバイスは、スタンバイ段階に移行する。
【0068】
本明細書の全体で使用される「上部」、「下部」などのすべての用語は、例として提供されており、吸入器要素の位置付けまたはその構成を限定するものではない。
【0069】
本明細書に示される実施形態は、本発明に関連する単に非限定的な指示であり、特許請求の範囲によって定義される保護の範囲を決して限定することはできない。本発明による吸入器で使用される各技術的解決策は、保護の範囲を超えることなく、同等の技術によって実施され得ることを理解されたい。
【国際調査報告】