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特表2023-539799融合タンパク質およびそれを含む組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-20
(54)【発明の名称】融合タンパク質およびそれを含む組成物
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/12 20060101AFI20230912BHJP
   C07K 14/47 20060101ALI20230912BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20230912BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20230912BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230912BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230912BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230912BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230912BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230912BHJP
   C12P 21/00 20060101ALI20230912BHJP
   C12P 21/06 20060101ALI20230912BHJP
   C12M 3/00 20060101ALI20230912BHJP
   A23L 33/19 20160101ALI20230912BHJP
   A23L 15/00 20160101ALI20230912BHJP
   A23J 1/00 20060101ALI20230912BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20230912BHJP
   A23J 3/08 20060101ALI20230912BHJP
   A23L 13/00 20160101ALI20230912BHJP
   A23L 17/00 20160101ALI20230912BHJP
   A23C 9/152 20060101ALI20230912BHJP
   A23C 9/13 20060101ALI20230912BHJP
   A23C 11/06 20060101ALI20230912BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20230912BHJP
   A61K 8/04 20060101ALI20230912BHJP
   A61K 8/11 20060101ALI20230912BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20230912BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20230912BHJP
   B82Y 5/00 20110101ALI20230912BHJP
   B82Y 40/00 20110101ALI20230912BHJP
【FI】
C12N15/12
C07K14/47
C07K19/00
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/00 C
C12P21/06
C12M3/00 Z
A23L33/19
A23L15/00 Z
A23J1/00 Z
A23L5/00 M
A23J3/08
A23L13/00 Z
A23L17/00 Z
A23C9/152
A23C9/13
A23C11/06
A61K8/02
A61K8/04
A61K8/11
A61K8/64
A61Q19/00
B82Y5/00
B82Y40/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507991
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(85)【翻訳文提出日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 US2021044696
(87)【国際公開番号】W WO2022031941
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】63/061,656
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】517058738
【氏名又は名称】パーフェクト・デイ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー スコット ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ガイストリンガー
(72)【発明者】
【氏名】タイ ビー.ワゴナー
(72)【発明者】
【氏名】ジェニン ツァン-フーエイ リン
【テーマコード(参考)】
4B001
4B018
4B029
4B035
4B042
4B064
4B065
4C083
4H045
【Fターム(参考)】
4B001AC05
4B001BC14
4B001DC50
4B001EC99
4B018LB06
4B018LB07
4B018MD21
4B018MD71
4B018ME02
4B018MF12
4B029AA21
4B029BB20
4B035LC16
4B035LE01
4B035LE04
4B035LE06
4B035LG44
4B035LG50
4B035LP22
4B035LP24
4B035LP32
4B035LP42
4B042AC10
4B042AD36
4B042AD37
4B042AK16
4B042AP27
4B064AG01
4B064CA02
4B064CA05
4B064CA06
4B064CA08
4B064CA11
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA10
4B064DA20
4B065AA01X
4B065AA01Y
4B065AA57X
4B065AA57Y
4B065AA58X
4B065AA58Y
4B065AA72X
4B065AA72Y
4B065AA83X
4B065AA83Y
4B065AA88X
4B065AA88Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA41
4B065CA44
4B065CA50
4B065CA60
4C083AD411
4C083AD412
4C083CC01
4C083CC02
4C083DD08
4C083DD12
4C083DD14
4C083DD16
4C083DD41
4C083EE11
4H045AA10
4H045AA20
4H045BA41
4H045CA40
4H045EA01
4H045EA15
4H045EA34
4H045EA60
4H045FA72
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、概して、組換えタンパク質、かかる組換えタンパク質を含む組成物、ならびにかかる組換えタンパク質および組成物を製造する方法に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造を有する組換えタンパク質:
(A)(乳タンパク質1)-(リンカーペプチド1)-(乳タンパク質2)、
または
(B)(乳タンパク質1)-(リンカーペプチド1)-(乳タンパク質2)-(リンカーペプチド2)-(乳タンパク質3)、
または
(C)(乳タンパク質1)-(リンカーペプチド1)-(乳タンパク質2)-(リンカーペプチド2)-(乳タンパク質3)-(リンカーペプチド3)-(乳タンパク質4);
ここで、
(i)乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、乳タンパク質4、リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、およびリンカーペプチド3は、ペプチド結合を介して連結されており;かつ
(ii)乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、および乳タンパク質4の少なくとも1つは、遊離チオール基を含む、
組換えタンパク質。
【請求項2】
(i)前記組換えタンパク質が構造(A)を有し、
(ii)タンパク質1が、遊離のチオール基を含む乳タンパク質であり、かつ
(iii)乳タンパク質2が、遊離チオール基を含まない乳タンパク質である、
請求項1に記載の組換えタンパク質。
【請求項3】
(i)前記組換えタンパク質が構造(B)を有し、
(ii)乳タンパク質1が、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、かつ
(iii)乳タンパク質2および乳タンパク質3の各々が、遊離のチオール基を含まない乳タンパク質である、
請求項1に記載の組換えタンパク質。
【請求項4】
(i)前記組換えタンパク質が構造(B)を有し、
(ii)乳タンパク質2が、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、かつ
(iii)乳タンパク質1および乳タンパク質3の各々が、遊離のチオール基を含まない乳タンパク質である、
請求項1に記載の組換えタンパク質。
【請求項5】
(i)前記組換えタンパク質が構造(C)を有し、
(ii)乳タンパク質1が、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、かつ
(iii)乳タンパク質2、乳タンパク質3および乳タンパク質4の各々が、遊離のチオール基を含まない乳タンパク質である、
請求項1に記載の組換えタンパク質。
【請求項6】
(i)前記組換えタンパク質が構造(C)を有し、
(ii)乳タンパク質2が、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、かつ
(iii)乳タンパク質1、乳タンパク質3および乳タンパク質4の各々が、遊離のチオール基を含まない乳タンパク質である、
請求項1に記載の組換えタンパク質。
【請求項7】
(i)前記組換えタンパク質が構造(A)を有し、かつ
(ii)乳タンパク質1および乳タンパク質2の各々が、遊離のチオール基を含む乳タンパク質である、
請求項1に記載の組換えタンパク質。
【請求項8】
(i)前記組換えタンパク質が構造(B)を有し、
(ii)乳タンパク質1および乳タンパク質2の各々が、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、かつ
(iii)乳タンパク質3が、遊離のチオール基を含まない乳タンパク質である、
請求項1に記載の組換えタンパク質。
【請求項9】
(i)前記組換えタンパク質が構造(B)を有し、
(ii)乳タンパク質1および乳タンパク質3の各々が、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、かつ
(iii)乳タンパク質2が、遊離のチオール基を含まない乳タンパク質である、
請求項1に記載の組換えタンパク質。
【請求項10】
(i)前記組換えタンパク質が構造(C)を有し、
(ii)乳タンパク質1および乳タンパク質2の各々が、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、かつ
(iii)乳タンパク質3および乳タンパク質4の各々が、遊離のチオール基を含まない乳タンパク質である、
請求項1に記載の組換えタンパク質。
【請求項11】
(i)前記組換えタンパク質が構造(C)を有し、
(ii)乳タンパク質1および乳タンパク質3の各々が、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、かつ
(iii)乳タンパク質2および乳タンパク質4の各々が、遊離のチオール基を含まない乳タンパク質である、
請求項1に記載の組換えタンパク質。
【請求項12】
(i)前記組換えタンパク質が構造(C)を有し、
(ii)乳タンパク質1および乳タンパク質4の各々が、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、かつ
(iii)乳タンパク質2および乳タンパク質3の各々が、遊離のチオール基を含まない乳タンパク質である、
請求項1に記載の組換えタンパク質。
【請求項13】
(i)前記組換えタンパク質が構造(C)を有し、
(ii)乳タンパク質2および乳タンパク質3の各々が、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、かつ
(iii)乳タンパク質1および乳タンパク質4の各々が、遊離のチオール基を含まない乳タンパク質である、
請求項1に記載の組換えタンパク質。
【請求項14】
(i)前記組換えタンパク質が構造(B)を有し、かつ
(ii)乳タンパク質1、乳タンパク質2および乳タンパク質3の各々が、遊離チオール基を含む乳タンパク質である、
請求項1に記載の組換えタンパク質。
【請求項15】
(i)前記組換えタンパク質が構造(C)を有し、
(ii)乳タンパク質1、乳タンパク質2および乳タンパク質3の各々が、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、かつ
(iii)乳タンパク質4が、遊離のチオール基を含まない乳タンパク質である、
請求項1に記載の組換えタンパク質。
【請求項16】
(i)前記組換えタンパク質が構造(C)を有し、
(ii)乳タンパク質1、乳タンパク質2および乳タンパク質4の各々が、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、かつ
(iii)乳タンパク質3が、遊離のチオール基を含まない乳タンパク質である、
請求項1に記載の組換えタンパク質。
【請求項17】
(i)前記組換えタンパク質が構造(C)を有し、
(ii)乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3および乳タンパク質4の各々が、遊離チオール基を含む乳タンパク質である、
請求項1に記載の組換えタンパク質。
【請求項18】
プロモーター配列、任意の分泌シグナル配列、請求項1から17のいずれかに記載の組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列、およびターミネーター配列を含むポリヌクレオチドからなる組換え発現構築物であって、
前記プロモーター配列が、前記任意の分泌シグナル配列および前記組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列に対してセンス方向に作動可能に連結され、
前記任意の分泌シグナル配列が、前記組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列に対してセンス方向に作動可能に連結され、および、
1つ以上のターミネーター配列が、組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列に対して作動可能に連結されている、
組換え発現構築物。
【請求項19】
請求項18に記載の組換え発現構築物を含む、組換えベクター。
【請求項20】
請求項18に記載の組換え発現構築物を含む、組換え宿主細胞。
【請求項21】
請求項18に記載の組換え発現構築物を2つ以上含む、請求項20に記載の組換え宿主細胞。
【請求項22】
前記組換え宿主細胞が細菌に由来する、請求項20に記載の組換え宿主細胞。
【請求項23】
前記組換え宿主細胞が真菌に由来する、請求項20に記載の組換え宿主細胞。
【請求項24】
前記真菌が、酵母である、請求項23に記載の組換え宿主細胞。
【請求項25】
前記真菌が、糸状菌である、請求項23に記載の組換え宿主細胞。
【請求項26】
前記組換え宿主細胞が植物に由来する、請求項20に記載の組換え宿主細胞。
【請求項27】
請求項20に記載の組換え宿主細胞を得る方法であって、
組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド、または請求項18に記載の組換え発現構築物、または請求項19に記載の組換えベクターを得るステップ;および
前記ポリヌクレオチド、組換え発現構築物、または組換えベクターを、宿主細胞へ導入するステップを含む、前記方法。
【請求項28】
請求項1から17のいずれかに記載の組換えタンパク質を製造する方法であって、
請求項20に記載の組換え宿主細胞を、組換えタンパク質の製造に適した条件下で培地中で発酵させることを含む、前記方法。
【請求項29】
組換えタンパク質を精製して、組換えタンパク質を含む調製物を得ることをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記調製物が、総タンパク質の50質量%を超える純度の組換えタンパク質を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
カゼインを製造する方法であって、
a) 以下の構造を有する組換えタンパク質を生産することができる組換え宿主細胞を発酵させるステップを含み、前記構造が、
(A)(乳タンパク質1)-(リンカーペプチド1)-(乳タンパク質2)、
または
(B)(乳タンパク質1)-(リンカーペプチド1)-(乳タンパク質2)-(リンカーペプチド2)-(乳タンパク質3)、
または
(C)(乳タンパク質1)-(リンカーペプチド1)-(乳タンパク質2)-(リンカーペプチド2)-(乳タンパク質3)-(リンカーペプチド3)-(乳タンパク質4);
ここで、
(i) 乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、乳タンパク質4、リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、およびリンカーペプチド3は、ペプチド結合を介して連結されており、
(ii) 乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3および乳タンパク質4の少なくとも1つがβ-ラクトグロブリンであり、
(iii) 乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3および乳タンパク質4の少なくとも1つがカゼインであり、および
(iv) 前記カゼインが、プロテアーゼの認識配列または切断配列を含む1つ以上のリンカーペプチドに隣接している、
である、前記方法。
【請求項32】
(i)前記組換えタンパク質が構造(A)を有し、
(ii)乳タンパク質1が、β-ラクトグロブリンであり、
(iii)乳タンパク質2が、カゼインであり、かつ
(iv)リンカーペプチド1が、プロテアーゼの認識配列または切断配列を含む、
請求項31に記載の方法。
【請求項33】
(i)前記組換えタンパク質が構造(B)を有し、
(ii)乳タンパク質1および乳タンパク質2の少なくとも一方が、β-ラクトグロブリンであり、
(iii)乳タンパク質2が、カゼインであり、かつ
(iv)リンカーペプチド1およびリンカーペプチド2が、プロテアーゼの認識配列または切断配列を含む、
請求項31に記載の方法。
【請求項34】
(i)前記組換えタンパク質が構造(C)を有し、
(ii)乳タンパク質1および乳タンパク質4の少なくとも一方が、β-ラクトグロブリンであり、
(iii)乳タンパク質2および乳タンパク質3が、カゼインであり、かつ
(iv)リンカーペプチド1、リンカーペプチド2およびリンカーペプチド3が、プロテアーゼの認識配列または切断配列を含む、
請求項31に記載の方法。
【請求項35】
(i)前記組換えタンパク質が構造(C)を有し、
(ii)乳タンパク質1および乳タンパク質3の少なくとも一方が、β-ラクトグロブリンであり、
(iii)乳タンパク質2および乳タンパク質4が、カゼインであり、かつ
(iv)リンカーペプチド1、リンカーペプチド2およびリンカーペプチド3が、プロテアーゼの認識配列または切断配列を含む、
請求項31に記載の方法。
【請求項36】
(i)前記組換えタンパク質が構造(C)を有し、
(ii)乳タンパク質1が、β-ラクトグロブリンであり、
(iii)乳タンパク質2、乳タンパク質3および乳タンパク質4が、カゼインであり、かつ
(iv)リンカーペプチド1、リンカーペプチド2およびリンカーペプチド3が、プロテアーゼの認識配列または切断配列を含む、
請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記カゼインが、κ-カゼインである、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記カゼインが、β-カゼインである、請求項31に記載の方法。
【請求項39】
前記カゼインが、α-S1-カゼインである、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記カゼインが、α-S2-カゼインである、請求項31に記載の方法。
【請求項41】
前記プロテアーゼが、キモシン、トリプシン、ペプシン、マトリックスメタロプロテアーゼ、GIプロテアーゼ、スプチリシン、kex2エンドプロテアーゼ、およびTEVプロテアーゼからなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項42】
前記プロテアーゼの認識配列または切断配列を含む1つ以上のリンカーペプチドをプロテアーゼで切断し、それによってカゼインを遊離させるステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項43】
前記組換え宿主細胞が、細菌に由来する、請求項31に記載の方法。
【請求項44】
前記組換え宿主細胞が、真菌に由来する、請求項31に記載の方法。
【請求項45】
前記真菌が酵母である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記真菌が糸状菌である、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記組換え宿主細胞が、植物に由来する、請求項31に記載の方法。
【請求項48】
前記植物が大豆である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
タンパク質ポリマーを含むポリマーであって、
前記タンパク質ポリマーがジスルフィド結合を介して結合したタンパク質モノマーを含み、前記タンパク質モノマーが請求項1から17いずれかに記載の1つ以上の組換えタンパク質を含む、前記ポリマー。
【請求項50】
前記タンパク質モノマーが、1つの組換えタンパク質を含む、請求項49に記載のポリマー。
【請求項51】
前記タンパク質モノマーが、2つ以上の異なる組換えタンパク質を含む、請求項49に記載のポリマー。
【請求項52】
前記ポリマーが、組換えタンパク質を構成する乳タンパク質以外の乳タンパク質を本質的に含まない、請求項49に記載のポリマー。
【請求項53】
前記ポリマーが、石油由来成分を本質的に含まない、請求項49に記載のポリマー。
【請求項54】
請求項49に記載のポリマーを製造する方法であって、
(i)1つ以上の組換えタンパク質を得るステップ、および
(ii)前記1つ以上の組換えタンパク質中に含まれる1つ以上の遊離チオール基が1つ以上の分子内および/または分子間ジスルフィド結合を形成するように、前記1つ以上の組換えタンパク質を穏やかに変性させるステップ、
を含む、前記方法。
【請求項55】
請求項1から17のいずれかに記載の組換えタンパク質および/または請求項49から53のいずれかに記載のポリマーを含む、組成物。
【請求項56】
前記組成物が、食品である、請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
前記食品が、補充食品である、請求項56に記載の組成物。
【請求項58】
前記補充食品が、補充乳製品である、請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
前記補充食品が、補充動物肉または補充動物肉製品である、請求項57に記載の組成物。
【請求項60】
前記補充食品が、補充卵または補充卵製品である、請求項57に記載の組成物。
【請求項61】
前記食品が、代替食品である、請求項56に記載の組成物。
【請求項62】
前記代替食品が、代替乳製品である、請求項61に記載の組成物。
【請求項63】
前記代替食品が、代替動物肉または代替動物肉製品である、請求項61に記載の組成物。
【請求項64】
前記代替食品が、代替卵または代替卵製品である、請求項61に記載の組成物。
【請求項65】
前記組成物が、化粧品またはパーソナルケア組成物である、請求項55に記載の組成物。
【請求項66】
前記組成物が、フィルムである、請求項55に記載の組成物。
【請求項67】
前記組成物が、コーティングである、請求項55に記載の組成物。
【請求項68】
前記組成物が、スプレーである、請求項55に記載の組成物。
【請求項69】
前記組成物が、ゲル、ナノゲル、ヒドロゲル、ヒドロナノゲル、またはヒドロゲルビーズである、請求項55に記載の組成物。
【請求項70】
前記組成物が、カプセルである、請求項55に記載の組成物。
【請求項71】
前記組成物が、ミクロスフィア、ナノ粒子、ナノフィブリル、またはナノチューブである、請求項55に記載の組成物。
【請求項72】
前記組成物が、ナノフィブリルである、請求項55に記載の組成物。
【請求項73】
前記組成物が、ヒドロフィブリルである、請求項55に記載の組成物。
【請求項74】
前記組成物が、ナノチューブである、請求項55に記載の組成物。
【請求項75】
前記組成物が、発泡体である、請求項55に記載の組成物。
【請求項76】
前記組成物が、生物学的足場である、請求項55に記載の組成物。
【請求項77】
前記組成物が、カプセルである、請求項55に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年8月5日に出願された米国仮特許出願シリアル番号63/061,656の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、概して、組換えタンパク質、そのような組換えタンパク質を含む組成物、およびそのような組換えタンパク質および組成物を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
石油系ポリマーは、現代社会、例えば工業製品や消費者製品で広く使用されている。しかし、石油系ポリマーの製造、使用、廃棄は大きな環境フットプリントを残す。そのポリマーは、再生不可能な石油または天然ガス源由来のモノマーから製造され、有害な化合物を溶出する可能性があり、通常は埋立地に廃棄される。近年、リサイクルによる廃棄が増加しているが、リサイクル率は低いままである。さらに、異なる種類の石油系ポリマーおよび/または加工添加剤(例えば、充填剤、着色剤、可塑剤)を含む製品のリサイクルは複雑であり、経済的ではない。これらの問題は、新しく開発された光分解性ポリマーによっては解決されない。そのポリマーも、石油由来の成分から作られ、通常は完全に分解されるのではなく、太陽光によってより小さなプラスチック粒子に分解されるだけであるからである。
【0004】
消費財生産のためのバイオポリマーの使用は古代にさかのぼる。バイオポリマーは、再生可能な材料(例えば、農業副産物)に由来し、典型的には安全であり、多くの場合、完全に生分解性である(すなわち、細菌、真菌、または他の微生物によって分解可能である)。バイオポリマーを製造するための従来の出発材料としては、乳タンパク質、デンプン、およびセルロースが挙げられる。
【0005】
好ましい特性にもかかわらず、乳タンパク質は、授乳中の成熟動物から得られた乳から抽出することにより生産には費用がかかるために、バイオポリマーの出発物質として好まれなくなった。さらに、そのような産生は、混合タンパク質(例えば、ホエイまたはカゼインのタンパク質単離物またはホエイタンパク質もしくはカゼインそれぞれの混合物を含むタンパク質濃縮物、並びに乳の他の成分(例えば、炭水化物、 ミネラル、脂質))の画分を生じ、重合反応および/または得られるポリマーの特性における挙動の研究および予測を困難にする。最後に、化学的に生成されたモノマーは、生物全体によって生成された乳タンパク質よりも反応容器内でより容易に修飾することができ、バイオポリマーと比較して石油系ポリマーの汎用性を高めている。
【0006】
組換え乳タンパク質を含むバイオポリマーは、生産コストおよび重合反応を予測および/または制御する能力において石油系ポリマーとよりよく競合することができるため、このような欠陥は、乳タンパク質の組換え産生によって克服される。さらに、乳タンパク質の組換え産生は、修飾された乳タンパク質の組換え産生、およびそこから新たな属性を有するバイオポリマーの産生の機会を提供する。
【0007】
したがって、組換えで産生される乳タンパク質から作製されるバイオポリマーに対する必要性が存在する。
【0008】
参照による援用
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、特許出願、配列、データベースエントリ、科学出版物、および他の参考文献は、あたかも、個々の刊行物、特許、特許出願、配列、データベースエントリ、科学出版物、または他の参考文献が、参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されたものと同じ程度に、その全体が参照により組み込まれる。参照により組み込まれる資料が本開示と相反または矛盾する程度まで、定義を含む本開示は、いかなるそのような資料よりも優先される。
【発明の概要】
【0009】
パラグラフ1:様々な態様において、本明細書で提供されるのはタンパク質であり、それは、以下の構造を有する組換えタンパク質である:
(A)(乳タンパク質1)-(リンカーペプチド1)-(乳タンパク質2)、
または
(B)(乳タンパク質1)-(リンカーペプチド1)-(乳タンパク質2)-(リンカーペプチド2)-(乳タンパク質3)、
または
(C)(乳タンパク質1)-(リンカーペプチド1)-(乳タンパク質2)-(リンカーペプチド2)-(乳タンパク質3)-(リンカーペプチド3)-(乳タンパク質4);
ここで、
(i) 乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、乳タンパク質4、リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、およびリンカーペプチド3は、ペプチド結合を介して連結されており;および
(ii) 乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、および乳タンパク質4の少なくとも1つは、遊離チオール基を含む乳タンパク質(例えば、遊離チオール基を含むβ-ラクトグロブリン、遊離チオール基を含む血清アルブミン、または遊離チオール基を含むラクトペルオキシダーゼ)である。
【0010】
パラグラフ2:パラグラフ1の組換えタンパク質は、構造(A)を有してよく、乳タンパク質1は遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質2は遊離チオール基を含まない乳タンパク質である。
【0011】
パラグラフ3:パラグラフ1の組換えタンパク質は、構造(B)を有してよく、乳タンパク質1は、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質2および乳タンパク質3のそれぞれは、遊離チオール基を含まない乳タンパク質である。
【0012】
パラグラフ4:パラグラフ1の組換えタンパク質は、構造(B)を有してよく、乳タンパク質2は遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質1および乳タンパク質3のそれぞれは遊離チオール基を含まない乳タンパク質である。
【0013】
パラグラフ5:パラグラフ1の組換えタンパク質は、構造(C)を有してよく、乳タンパク質1は、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質2、乳タンパク質3および乳タンパク質4のそれぞれは、遊離チオール基を含まない乳タンパク質である。
【0014】
パラグラフ6:パラグラフ1の組換えタンパク質は、構造(C)を有してよく、乳タンパク質2は、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質1、乳タンパク質3および乳タンパク質4のそれぞれは、遊離チオール基を含まない乳タンパク質である。
【0015】
パラグラフ7:パラグラフ1の組換えタンパク質は、構造(A)を有してよく、乳タンパク質1および乳タンパク質2のそれぞれは、遊離チオール基を含む乳タンパク質である。
【0016】
パラグラフ8:パラグラフ1の組換えタンパク質は、構造(B)を有してよく、乳タンパク質1および乳タンパク質2のそれぞれは、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質3は、遊離チオール基を含まない乳タンパク質である。
【0017】
パラグラフ9:パラグラフ1の組換えタンパク質は、構造(B)を有してよく、乳タンパク質1および乳タンパク質3のそれぞれは、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質2は、遊離チオール基を含まない乳タンパク質である。
【0018】
パラグラフ10:パラグラフ1の組換えタンパク質は、構造(C)を有してよく、乳タンパク質1および乳タンパク質2のそれぞれは、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質3および乳タンパク質4のそれぞれは、遊離チオール基を含まない乳タンパク質である。
【0019】
パラグラフ11:パラグラフ1の組換えタンパク質は、構造(C)を有してよく、乳タンパク質1および乳タンパク質3のそれぞれは、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質2および乳タンパク質4のそれぞれは、遊離チオール基を含まない乳タンパク質である。
【0020】
パラグラフ12:パラグラフ1の組換えタンパク質は、構造(C)を有してよく、乳タンパク質1および乳タンパク質4のそれぞれは、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質2および乳タンパク質3のそれぞれは、遊離チオール基を含まない乳タンパク質である。
【0021】
パラグラフ13:パラグラフ1の組換えタンパク質は、構造(C)を有してよく、乳タンパク質2および乳タンパク質3のそれぞれは、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質1および乳タンパク質4のそれぞれは、遊離チオール基を含まない乳タンパク質である。
【0022】
パラグラフ14:パラグラフ1の組換えタンパク質は、構造(B)を有してよく、乳タンパク質1、乳タンパク質2および乳タンパク質3のそれぞれは、遊離チオール基を含む乳タンパク質である。
【0023】
パラグラフ15:パラグラフ1の組換えタンパク質は、構造(C)を有してよく、乳タンパク質1、乳タンパク質2および乳タンパク質3のそれぞれは、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質4は、遊離チオール基を含まない乳タンパク質である。
【0024】
パラグラフ16:パラグラフ1の組換えタンパク質は、構造(C)を有してよく、乳タンパク質1、乳タンパク質2および乳タンパク質4のそれぞれは、遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質3は、遊離チオール基を含まない乳タンパク質である。
【0025】
パラグラフ17:パラグラフ1の組換えタンパク質は、構造(C)を有してよく、乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3および乳タンパク質4のそれぞれは、遊離チオール基を含む乳タンパク質である。
【0026】
パラグラフ18:様々な態様において、プロモーター配列、任意の分泌シグナル配列、パラグラフ1から17のいずれかの組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列、およびターミネーター配列を含むポリヌクレオチドからなる組換え発現構築物が本明細書に提供され;ここで、プロモーター配列は、任意の分泌シグナル配列および組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列にセンス方向で作動可能に連結され、任意の分泌シグナル配列は、組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列にセンス方向に作動可能に連結され、1つ以上のターミネーター配列は、組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列に作動可能に連結される。
【0027】
パラグラフ19:様々な態様において、パラグラフ18の組換え発現構築物を含む組換えベクターが本明細書に提供される。
【0028】
パラグラフ20:様々な態様において、パラグラフ18の組換え発現構築物の1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個、またはそれ以上)を含む組換え宿主細胞が、本明細書で提供される。組換え宿主細胞は、細菌、真菌(例えば、酵母、糸状菌[例えば、アスペルギルス属(Aspergillus)、トリコデルマ属(Trichoderma)、ミセリオフトラ属(Myceliophthora)のメンバー])、古細菌、原生生物、動物、植物、藻類、原生動物、またはクロミスタに由来し得る。
【0029】
パラグラフ21:様々な態様において、パラグラフ20の組換え宿主細胞を得るための方法が本明細書に提供され、この方法は、組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチドを得るステップ、またはパラグラフ18の組換え発現構築物を得るステップ、またはパラグラフ19の組換えベクターを得るステップ;およびポリヌクレオチド、組換え発現構築物、または組換えベクターを宿主細胞に導入するステップを含む。
【0030】
パラグラフ22:様々な態様において、パラグラフ1~17のいずれかに記載の組換えタンパク質の製造方法が本明細書に提供され、この方法は、組換えタンパク質の製造に適した条件下で、培地中でパラグラフ20の組換え宿主細胞を発酵させることを含む。この方法は、組換えタンパク質を精製して、組換えタンパク質を含む調製物(例えば、総タンパク質の50質量%を超える組換えタンパク質の純度を有する調製物)を得るステップ、および/または組換えタンパク質を後処理するステップをさらに含んでよい。
【0031】
パラグラフ23:様々な態様において、カゼイン(例えば、κーカゼイン、β-カゼイン、α-S1-カゼイン、α-S2-カゼイン)を製造するための方法が本明細書で提供され、その方法は、以下の構造を有する組換えタンパク質を産生することができる組換え宿主細胞を発酵させることを含む。
【0032】
(A)(乳タンパク質1)-(リンカーペプチド1)-(乳タンパク質2)、
または
(B)(乳タンパク質1)-(リンカーペプチド1)-(乳タンパク質2)-(リンカーペプチド2)-(乳タンパク質3)、
または
(C)(乳タンパク質1)-(リンカーペプチド1)-(乳タンパク質2)-(リンカーペプチド2)-(乳タンパク質3)-(リンカーペプチド3)-(乳タンパク質4);
ここで、
(i) 乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、乳タンパク質4、リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、およびリンカーペプチド3は、ペプチド結合を介して連結されており、
(ii) 乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3および乳タンパク質4の少なくとも1つがβ-ラクトグロブリンであり、
(iii) 乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3および乳タンパク質4の少なくとも1つがカゼインであり、および
(iv) ここで、カゼインは、プロテアーゼの認識または切断配列を含む1つ以上のリンカーペプチドに隣接している。
【0033】
パラグラフ24:パラグラフ23の方法において、組換えタンパク質は構造(A)を有してよく、乳タンパク質1はβ-ラクトグロブリンであり、乳タンパク質2はカゼインであり、リンカーペプチド1はプロテアーゼの認識または切断配列を含む。
【0034】
パラグラフ25:パラグラフ23の方法において、組換えタンパク質は構造(B)を有してよく、乳タンパク質1および乳タンパク質2のうちの少なくとも1つはβ-ラクトグロブリンであり、乳タンパク質2はカゼインであり、リンカーペプチド1およびリンカーペプチド2はプロテアーゼの認識または切断配列を含む。
【0035】
パラグラフ26:パラグラフ23の方法において、組換えタンパク質は、構造(C)を有してよく、乳タンパク質1および乳タンパク質4のうちの少なくとも1つは、β-ラクトグロブリンであり、乳タンパク質2および乳タンパク質3は、カゼインであり、リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、およびリンカーペプチド3は、プロテアーゼの認識または切断配列を含む。
【0036】
パラグラフ27:パラグラフ23の方法において、組換えタンパク質は、構造(C)を有してよく、乳タンパク質1および乳タンパク質3のうちの少なくとも1つは、β-ラクトグロブリンであり、乳タンパク質2および乳タンパク質4は、カゼインであり、リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、およびリンカーペプチド3は、プロテアーゼの認識または切断配列を含む。
【0037】
パラグラフ28:パラグラフ23の方法において、組換えタンパク質は、構造(C)を有してよく、乳タンパク質1は、β-ラクトグロブリンであり、乳タンパク質2、乳タンパク質3、および乳タンパク質4は、カゼインであり、リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、およびリンカーペプチド3は、プロテアーゼ(例えば、キモシン、トリプシン、ペプシン、マトリックスメタロプロテアーゼ、GIプロテアーゼ、サブチリシン、kex2エンドプロテアーゼ、TEVプロテアーゼ)の認識または切断配列を含む。
【0038】
パラグラフ29:パラグラフ23の方法は、プロテアーゼの認識または切断配列を含む1つ以上のリンカーペプチドをプロテアーゼで切断し、それによってカゼインを放出するステップをさらに含んでよい。
【0039】
パラグラフ30:様々な態様では、ポリマーが本明細書に提供され、ポリマーはタンパク質ポリマーを含み、タンパク質ポリマーはジスルフィド結合を介して連結されたタンパク質モノマーを含み、タンパク質モノマーは、パラグラフ1~7のいずれかの1つ以上の組換えタンパク質(例えば、1つの組換えタンパク質、2つ以上の組換えタンパク質)を含む。
【0040】
パラグラフ31:様々な態様では、パラグラフ30のポリマーの製造方法が本明細書に提供され、この方法は、パラフラフ1~17のいずれかの1つ以上の組換えタンパク質を(例えば、パラグラフ22の方法を使用して)取得するステップと、1つ以上の組換えタンパク質中の遊離チオール基が1つ以上の組換えタンパク質内および/または分子間ジスルフィド結合を形成するように、1つ以上の組換えタンパク質を穏やかに変性させる(例えば、1つ以上の組換えタンパク質のコンフォメーションが比較的安定またはわずかに不安定または不安定であるようなpHで、1つ以上の組換えタンパク質をある温度[例えば、組換えタンパク質のTmより10~30℃以下]に加熱することによる)ステップ、とを含む。
【0041】
パラグラフ32:様々な態様において、本明細書には、パラグラフ1~17のいずれかの組換えタンパク質および/またはパラグラフ30のいずれかのポリマーを含む組成物(例えば、食品[例えば、栄養補助食品(例えば、補充乳製品、補充動物肉もしくは動物肉製品、補充卵もしくは卵製品)、代替食品(例えば、代替乳製品、代替動物肉もしくは動物肉製品、代替卵もしくは卵製品)]、化粧品またはパーソナルケア組成物)が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
例示的な実施形態は、添付の図面を使用することにより、さらに具体的かつ詳細に記載および説明される。
図1】本発明の代表的な実施形態による、本明細書に提供される組換え乳タンパク質の産生に使用される標的化ベクターのマップである。
図2】本発明の代表的な実施形態による、β-カゼインをコードするか、または(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(β-カゼイン)の構造を有する組換えタンパク質をコードする発現構築物を含む、組換え真菌宿主細胞によるβ-カゼインの産生をチャート化した図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
発明の詳細な説明
本発明の後述の考察は、例示および説明の目的のために提示され、本発明を本明細書に開示される実施形態に限定することを意図するものではない。したがって、開示される実施形態の変形および修正は、例えば、本開示を理解した後の当業者の技能および知識の範囲内にあるように、本発明の範囲内にある。本明細書に開示されたものと代替、交換可能なおよび/または同等の構造、機能、範囲、またはステップを含む、許可された範囲での代替の実施形態を含む権利を取得することを意図しており、特許性のある主題を公に捧げることを意図していない。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、文脈上別段の必要がない限り、単数形には複数形が含まれ、複数形には単数形が含まれるものとする。
【0044】
定義
本明細書で使用される用語「a」および「an」および「the」および同様の参照は、別段の指示がない限り、また、文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方(例えば、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味する)を指す。例えば、「化合物」という用語は、「少なくとも1つの化合物」および「1つ以上の化合物」という用語と同義であり、単一の化合物またはそれらの混合物を含む複数の化合物を指し得る。
【0045】
本明細書で使用される「および/または」という用語は、互いに組み合わせて、または互いに排他的な複数の構成要素を指す。例えば、「x、y、および/またはz」は、「x」のみ、「y」のみ、「z」のみ、「x、y、およびz」、「(xおよびy)またはz」 「(xおよびz)またはy」、「(yおよびz)またはx」、「xおよびy」のみ、「xおよびz」のみ、「yおよびz」のみ、または「xまたはyまたはz」を指す場合がある。
【0046】
本明細書で使用される「少なくとも」または「1つ以上」という用語は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、またはそれ以上、あるいはその後に記載されるすべての要素を指す。
【0047】
本明細書で使用される「カゼイン」という用語は、少なくとも20(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150)のアミノ酸配列を含もポリペプチドであって、哺乳類産生乳(すなわち、哺乳類産生乳に対して天然であるカゼイン;例えば、ネイティブカゼイン)に天然に見出されるカゼインのアミノ酸の配列と少なくとも40%(例えば、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、少なくとも100%)同一であるポリペプチドを指す。カゼインの例としては、β-カゼイン、κ-カゼイン、α-S1-カゼイン、およびα-S2-カゼインが挙げられる。したがって、本明細書で使用される「β-カゼイン」、「κ-カゼイン」、「α-S1-カゼイン」、および「α-S2-カゼイン」という用語は、少なくとも20(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、哺乳類産生乳(例えば、それぞれ、ボス・タウルスβ-カゼイン(UniProt配列P02666のアミノ酸16~224)、ボス・タウルスκ-カゼイン(UniProt配列P02668のアミノ酸22~190)、ボス・タウルスα-S1-カゼイン(UniProt配列P02662のアミノ酸16~214)、およびボス・タウルスα-S2-カゼイン(UniProt配列P02663のアミノ酸16~222))中のアミノ酸の配列と、少なくとも40%(例えば、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも 60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、100%)が 同一であるポリペプチドを含む。カゼインのアミノ酸配列と、哺乳類産生乳中に天然に見出されるカゼインのアミノ酸配列との間の差異は、カゼインの構造および/または1つ以上の機能を実質的に変化させない、保存的アミノ酸置換(すなわち、化学的に類似したアミノ酸によるアミノ酸の置換;機能的に類似したアミノ酸を提供する保存的置換表が当該技術分野で周知である)、非保存的アミノ酸置換、並びにアミノ酸挿入、アミノ酸欠失、およびポリペプチド切断(例えば、カゼインの断片を提供する)に起因し得る。そのようなアミノ酸の置換/欠失/挿入は、当技術分野で公知の方法を用いて同定することができる。この方法は、分子モデリングアプローチ(例えば、PyMol[シュレディンガー、ニューヨーク、NY])またはマルチ配列アラインメント(例えば、天然カゼインのオルソログ; 例えば、MUSCLE[Edgar, 2004, Nucleic Acids Res 32: 1792-1797]を使用)を通じて、タンパク質の構造および/または機能を実質的に変更しないとものとして、同定された候補アミノ酸置換/欠失/挿入を含むカゼインを製造し、タンパク質構造および/または機能を決定するための周知の方法を用いてこのカゼインを試験することを含む。そのような方法はまた、カゼインが本発明において有用であるかどうかを判定し、特定の用途において改善された機能を有するカゼインを同定するために用いられ得る。
【0048】
本明細書でポリヌクレオチドの文脈において使用される「コードする」という用語は、適切な調節配列の制御下に置かれると、ポリペプチドに翻訳され得るmRNAに転写されるコード配列を含むポリヌクレオチドを指す。コード配列は、概して、開始コドン(例えば、ATG)で始まり、停止コドン(例えば、UAA、UAGおよびUGA)で終わる。コード配列は、単一のオープンリーディングフレーム、または(例えば、イントロンによって区切られた)いくつかのオープンリーディングフレームを含んでもよい。
【0049】
本明細書で使用される「本質的に含まない」という用語は、一般的な分析方法によって示された組成物において検出できない成分、または機能しないような微量で存在する成分のいずれかを指す。この文脈で使用される「機能的」という用語は、微量の示された成分を含む組成物の特性に実質的に寄与しないこと、または微量の示された成分を含む示された組成物において実質的な活性(例えば、化学活性、酵素活性)を有さないこと、または微量の示された成分を含む組成物の使用もしくは消費に対して健康に悪影響を及ぼさないことを指す。本明細書で使用される「実質的に寄与する」という用語は、指定された成分が、その成分が存在しない場合(例えば、その成分を除いて、組成物と同一である参照組成物において)、その属性の存在/活性/測定可能性が、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%少なくなるように、その組成物の属性に寄与することを指す。
【0050】
本明細書で使用される「糸状菌」という用語は、ユーミコタ(Eumycota)および卵菌(Oomycota)の細目のあらゆる糸状形態の生物を指す(Hawksworthら、In, Ainsworth and Bisby's Dictionary of The Fungi、第8版、1995、CAB International、大学出版、ケンブリッジ、英国、によって定義されている)。糸状菌は、栄養成長中の菌糸の伸長によって酵母と区別される。
【0051】
本明細書で使用される「食品」という用語は、食事目的で(すなわち、健康への悪影響はないが、消化管内への消化物 の摂取による有意な栄養的および/またはカロリー摂取を伴う)、飼いならされた動物(例えば、犬、猫)、家畜(例えば、牛、豚、馬)、および野生動物(例えば、飼いならされていない捕食動物)を含む、ヒトまたは動物が摂取できる組成物を指す。この用語は、ヒトまたは動物が摂取できる食品を製造するために、1つ以上の他の成分と組み合わせるか、またはそれらに添加することができる組成物を含む。
【0052】
本明細書で使用される「遊離チオール基」という用語は、チオール基中の水素原子が別の原子に置き換えられていないシステイン残基のチオール含有側鎖を指す。例えば、奇数のシステイン残基を含む乳タンパク質は、還元条件および非還元条件の両方において、遊離チオール基を含み得る。
【0053】
本明細書で使用される「真菌」という用語は、子嚢菌門、担子菌門、接合菌門、および子嚢菌門、卵菌門、および糸球菌門の生物を指す。しかし、真菌の分類法は絶えず進化していることが理解されており、したがって、真菌界のこの特定の定義は将来調整される可能性がある。本明細書で使用される「真菌宿主細胞」という用語は、真菌から得られる宿主細胞を指す。
【0054】
本明細書で使用される「ホモログ」という用語は、参照タンパク質に含まれるアミノ酸の配列と同様の長さ(すなわち、クエリアミノ酸配列の長さの+/-20%以内にある長さ)のアミノ酸配列と、少なくとも40%(例えば、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%)同一であり、参照タンパク質と同様の(例えば、50%以内、40%以内、30%以内、20%以内、または10%以内の)機能的特性を有するタンパク質を指す。この用語は、多型変異体、種間ホモログ(例えば、オルソログ)、パラログ、およびタンパク質の対立遺伝子を含む。
【0055】
本明細書で使用される「宿主細胞」という用語は、特定の対象細胞だけでなく、そのような細胞の子孫を指す。突然変異または環境の影響のいずれかにより、特定の改変が後の世代で起こり得るため、そのような子孫は、実際には対象細胞と同一ではないかもしれないが、本明細書で使用される「宿主細胞」という用語の範囲内に含まれる。
【0056】
本明細書で使用される、2つ以上のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の文脈における「同一性」または「同一の」という用語は、2つ以上のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列をそれぞれ最大限一致するように整列したときに同一であるヌクレオチドまたはアミノ酸残基を指す。出願に応じて、「同一性」は、比較される配列の領域にわたって(例えば、機能ドメインの長さにわたって)、または配列の全長にわたって存在することができる。「領域」は、少なくとも9、14、19、24、29、34、39、もしくはそれ以上のヌクレオチド、または少なくとも6、10、14、18、22、26、30、もしくはそれ以上のアミノ酸の連続した伸長であると見なされる。比較のために、典型的には1つの配列が、1つ以上の試験配列が比較される参照配列として作用する。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験および参照配列をコンピューターに入力し、必要であればサブ配列座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムパラメーターを指定する。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメーターに基づいて、参照配列に対する試験配列のパーセント配列同一性を計算する。比較のための配列の最適アラインメントは、例えば、Smith & Waterman, Adv Appl Math 2:482 (1981)の局所相同性アルゴリズム、Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443 (1970)のホモロジーアラインメントアルゴリズム、Pearson & Lipman, Proc Nat'l Acad Sci. USA 85:2444 (1988)の類似性検索法、これらのアルゴリズムのコンピューター実装(ウィスコンシン大学バイオテクノロジーセンターのGenetics Computer Group(GCG)の配列解析ソフトウェアパッケージにおけるGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA、これらはデフォルトパラメータと共に使用することができる)、または目視検査(一般に、下記Ausubel et al.を参照されたい)によって実行可能である。パーセント配列同一性および配列類似性を決定するのに適切なアルゴリズムの一例は、BLASTアルゴリズムである(例えば、Altschul et al. [1990] J Mol Biol 215:403-410;Gish & States. [1993] Nature Genet. 3:266-272;Madden et al. [1996] Meth Enzymol 266:131-141;Altschul et al [1997] Nucleic Acids Res 25:3389-3402;Zhang 7 Madden [1997] Genome Res 7:649-656)を参照されたい)。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、国立生物工学情報センターを通して公的に入手可能である。
【0057】
本明細書で使用される「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「とともに(with)」、またはそれらの変形は、「含む(comprising)」という用語と同様の方法で包括的であることを意図する。
【0058】
本明細書で使用される「リンカーペプチド」という用語は、本明細書で提供される組換えタンパク質の別々のドメイン(すなわち、乳タンパク質)の間に位置するアミノ酸の配列を指す。リンカーペプチドは、1~80個のアミノ酸を含んでもよい。
【0059】
本明細書で使用される「哺乳類産生乳」という用語は、哺乳類によって産生される乳を指す。
【0060】
本明細書で使用される「乳タンパク質」という用語は、ホエイタンパク質またはカゼインを指す。乳タンパク質は、任意の哺乳類に由来してよく、牛、ヒト、ヒツジ、ムフロン、ヤギ、水牛、ラクダ、馬、ロバ、アルパカ、ヤク、ラマ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカク、 ゴリラ、チンパンジー、マウンテンヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、オポッサム、ウサギ、クジラ、ヒヒ、ギボン、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、およびエキドナを含むがこれらに限定されない。
【0061】
本明細書で使用される「天然」という用語は、その非修飾状態で自然界に見出されるもの(例えば、ヒトによって遺伝的に修飾されておらず、ヒトによって定義されていない条件[例えば、酸素化レベル、pH、塩濃度、温度、および栄養素(例えば、炭素、窒素、硫黄)の利用可能性]下で維持される細胞)を指す。
【0062】
本明細書で使用される「作動可能に連結された」という用語は、それらが機能的に関連することを可能にする要素の配置を指す。例えば、プロモーター配列は、タンパク質コード配列の転写を制御する場合、タンパク質コード配列に作動可能に連結され、分泌シグナル配列がタンパク質を細胞の分泌系を介して指示する場合、分泌シグナル配列は、タンパク質に作動可能に連結される。「作動可能に連結された」要素は、別の要素と連続的に連結しているか、または別の要素にトランスまたは距離を置いて作用し得る。作動可能に連結され得る機能の非限定的な例としては、転写の制御、翻訳の制御、タンパク質折り畳み、およびタンパク質分泌が挙げられる。
【0063】
本明細書で使用される 「1つ以上」という用語は、その後に列挙される要素のうちの1つ、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個、またはそれ以上、またはすべてを指す。
【0064】
本明細書で使用される「任意」または「任意に」という用語は、特徴もしくは構造が存在するもしくは存在しないこと、または事象もしくは状況が発生するもしくは発生しないことを指す。当該記載には、特徴または構造が存在する場合、特徴または構造が存在しない場合、事象または状況が発生する場合、および事象または状況が発生しない場合が含まれる。
【0065】
本明細書で使用される「ペプチド結合」という用語は、ユーペプチド結合(すなわち、ポリペプチドまたはタンパク質鎖に沿って、2つの連続したアルファ-アミノ酸を、1つのアルファ-アミノ酸のC1からもう一方のN2へと結合させるアミド型の共有化学結合)を指す。
【0066】
「ポリマー」という用語は、タンパク質モノマーを重合させることによって調製されるポリマー化合物を指し、同じタイプであるか、または異なるタイプであるかを問わない。したがって、ポリマーという総称は、通常、1つのタンパク質モノマーのみから調製されたポリマーを指すために使用される用語「ホモポリマー」、および2つ以上の異なるモノマーから調製されたポリマーを指す「コポリマー」を包含する。「ポリマー」は、分岐を有するか有さない直鎖であってもよく、ポリマーマトリックス(例えば、相互接続ポリマー鎖)を含んでもよい。
【0067】
本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」という用語は、少なくとも2つ(例えば、少なくとも5つ、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも500、少なくとも1000)のヌクレオチドのポリマー形態を指す。この用語は、DNA分子(例えば、cDNA、ゲノムDNA、合成DNA)およびRNA分子(例えば、mRNA、合成RNA)のセンスおよびアンチセンス鎖、並びに非天然ヌクレオチド類似体、非天然ヌクレオシド間結合、および/または化学修飾を含有するDNAもしくはRNAの類似体の両方を含む。ポリヌクレオチドは、化学的または生化学的に修飾されていてもよいし、または非天然または誘導体化されたヌクレオチド塩基を含んでいてもよい。このような修飾には、例えば、標識;メチル化;天然に存在するヌクレオチドの1つ以上の類似体による置換;非荷電結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カルバメート)、荷電結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート)、ペンダント部位(例えば、ポリペプチド)、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレン)、キレート剤、アルキル化剤、および修飾結合(例えば、アルファアノマー核酸)などのヌクレオチド間結合が含まれる。修飾ヌクレオチドの例は当技術分野で知られている(例えば、Malyshev et al. 2014. Nature 509:385; Li et al. 2014. J. Am. Chem. Soc. 136:826を参照されたい)。水素結合または他の化学的相互作用を介して指定された配列に結合する能力においてポリヌクレオチドを模倣する合成分子も含まれる。そのような分子は当技術分野で知られており、例えば、ペプチド結合が分子の骨格におけるリン酸結合の代わりとなる分子を含む。他の修飾には、例えば、リボース環が架橋部分または「ロックされた」ポリヌクレオチドに見られる修飾などの他の構造を含む類似体が含まれ得る。ポリヌクレオチドは、任意の位相幾何学的立体構造であってよい。例えば、ポリヌクレオチドは、一本鎖、二本鎖、三本鎖、四本鎖、部分的二本鎖、分枝状、ヘアピン、環状、またはパッドロック(padlocked)構造であってもよい。本明細書で使用される「ポリヌクレオチド配列」という用語は、ポリヌクレオチドに含まれるヌクレオチドの配列、またはポリヌクレオチドを構成するヌクレオチドの配列を指す。
【0068】
本明細書で使用される「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は交換可能であり、少なくとも2個(例えば、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも100個のアミノ酸の、天然に存在するポリマー形態または天然には存在しないポリマー形態を指す。「ポリペプチド」または「タンパク質」は、活性構造を有してもよく、または機能構造を欠いていてもよく、コード化および/または非コード化アミノ酸を含み、天然に存在するアミノ酸および/または天然に存在しないアミノ酸を含み、化学修飾および/または生化学修飾および/または誘導体化アミノ酸を含み、非修飾および/または修飾ペプチド骨格を含み、および/または単量体(すなわち、単鎖を有する)またはポリマー(すなわち、共有結合または非共有結合であってよい2つ以上の鎖を有する)であってもよい。本明細書で使用される「アミノ酸配列」という用語は、「ポリペプチド」もしくは「タンパク質」に含まれるアミノ酸配列、または「ポリペプチド」もしくは「タンパク質」を構成するアミノ酸配列を指す。
【0069】
本明細書で使用される「翻訳後修飾」またはその頭字語「PTM」は、生合成後のポリペプチドへの化学基の共有結合を指す。PTMは、ポリペプチドのアミノ酸側鎖、またはそのC末端もしくはN末端に生じ得る。PTMの非限定的な例としては、グリコシル化(すなわち、グリカン基(例えば、単糖類、二糖類、多糖類、直鎖グリカン、分枝状グリカン、ガルフ残基を有するグリカン、硫酸塩および/またはリン酸塩残基を有するグリカン、D-グルコース、D-ガラクトース、D-マンノース、L-フコース、N-アセチル-D-ガラクトースアミン、N-アセチル-D-グルコースアミン、N-アセチル-D-ニューラミニン酸、ガラクトフラノース、ホスポジター、N-アセチルグルコースアミン、N-アセチルアクタミン、N-アセチルガラクタミン、シアル酸、およびこれらの組み合わせ;例えば、Deshpande et al. 2008. Glycobiology 18(8):626を参照されたい)の、C-結合(すなわち、C-グリコシル化)、N-結合(すなわち、N-グリコシル化)、またはO-結合(すなわち、O-グリコシル化)を介して、またはグリピエーション(すなわち、グリコシルホスファチジルイノシトールアンカー付加)を介して)またはホスホグリコシル化(すなわち、ホスホセリンのリン酸を介して結合)を介してのタンパク質への共有結合、リン酸化(すなわち、リン酸基のタンパク質への共有結合)、アルキル化(すなわち、アルカン基(例えば、メチル化におけるメタン基)のタンパク質への共有結合)、脂質化(すなわち、脂質グループ(例えば、プレニル化およびイソプレニル化におけるイソプレノイドグループ(例えば、ファルネシル化のファルネソル基、ゲラニル化のゲラニオール基、ゲラニルゲラニル化のゲラニルゲラニオール基)、脂肪アシル化における脂肪酸基(例えば、ミリストイル化におけるミリスチン酸、パルミトイル化におけるパルミチン酸)、グリプ化におけるグリコシルホスファチジルイノシトールアンカー)の共有結合化、ヒドロキシル化(すなわち、水酸基の共有結合)、スモイル化(すなわち、小さなユビキチン様修飾因子(またはSUMO)のタンパク質への結合)、ニトロシル化(すなわち、NO基のタンパク質への付着(例えば、S-ニトロシル化))、ニトロソチオール化(すなわち、NO基(例えば、S-ニトロソチオール)のタンパク質中のシステインチオールへの付着)、グルタチオン化(すなわち、グルタチオン基のタンパク質中のシステインチオールへの付着(例えば、S-グルタチオン化))、およびチロシンニトロ化(すなわち、硝酸基のタンパク質のチロシン残基への付着)が含まれる。
【0070】
本明細書で使用される「プロモーター配列」という用語は、細胞内の下流のポリヌクレオチドの転写を指示するポリヌクレオチドを指す。プロモーター配列は、転写の開始部位の近くに必要なヌクレオチド、例えば、ポリメラーゼII型プロモーターの場合、TATAエレメントを含み得る。プロモーター配列はまた、任意選択で、転写の開始部位から数千塩基対離れて位置し得る遠位エンハンサーまたはリプレッサーエレメントを含んでもよい。
【0071】
本明細書で使用される「プロテアーゼ」という用語は、ペプチド結合)を加水分解(すなわち、切断)することができるタンパク質(例えば、酵素分類群EC3.4のメンバー)を指す。プロテアーゼの非限定的な例としては、キモシン、トリプシン、ペプシン、マトリックスメタロプロテイナーゼ、GIプロテアーゼ(例えば、ヒトまたは他の動物の胃腸管に存在し、ヒトまたは微生物起源のプロテアーゼ)、ズブチリシン(UniProt# P00782)、kex2エンドプロテアーゼ(UniProt# P13134)、およびTEVプロテアーゼ (UniProt# P04517)が挙げられる。
【0072】
本明細書で使用される用語「プロテアーゼ認識または切断配列」または「プロテアーゼの認識または切断配列」は、プロテアーゼによって認識され、ペプチド結合がプロテアーゼによって切断されるアミノ酸配列を指す。
【0073】
本明細書で使用される「タンパク質濃縮物」という用語は、炭水化物、脂質、灰分、および他の微量成分の1つ以上の少なくとも一部(または実質的な部分)を除去して得られるタンパク質材料を指す。典型的には、30%から80%の間(例えば、30%から80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、または35%の間;35%から80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、または40%の間;40%から80%、75%、70%、65、60%、55%、50%、または45%の間;45%から80%、75%、70%、65%、60%、55%、または50%の間;50%から80%、75%、70%、65%、60%または55%の間;55%から80%、75%、70%、65%、または60%の間;60%から80%、75%、70%、または65%の間;65%から80%、75%、または70%の間;70から80%、または75%の間;または75%から80%の間)の重量のタンパク質を含む。
【0074】
本明細書で使用される「タンパク質単離物」という用語は、多糖類、可溶性炭水化物、灰分、および他の微量成分の1つ以上の少なくとも一部(または実質的な部分)の除去時に得られるタンパク質材料を指す。それは、典型的には、少なくとも80重量%(すなわち、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%)のタンパク質を含む。
【0075】
本明細書で使用される「精製」または「精製された」または「単離」または「単離された」という用語は、成分がその成分が由来する供給源の化学物質、細胞成分、および細胞(例えば、細胞壁、膜脂質、染色体、他のタンパク質、生物内の他の細胞)から実質的に分離される成分を指す。成分は、少なくとも60%の純度であってもよく、例えば、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%以上の純度であってもよい。この用語は、成分がすべての化学物質、細胞成分、および細胞から分離されることを必要としない(しかし許容される)。
【0076】
タンパク質(例えば乳タンパク質)に関して本明細書で使用される「組換え」という用語は、組換え宿主細胞において産生されるタンパク質、または組換えポリヌクレオチドから合成されるタンパク質を指す。
【0077】
本明細書で使用される「組換え宿主細胞」という用語は、組換えポリヌクレオチドを含む宿主細胞を指す。したがって、例えば、組換え宿主細胞は、宿主細胞の天然(非組換え)形態には見られないポリヌクレオチドまたはポリペプチドを産生し得るか、または組換え宿主細胞は、宿主細胞の天然(非組換え)形態とは異なるレベルでポリヌクレオチドまたはポリペプチドを産生し得る。かかる用語は、特定の対象細胞のみならず、かかる細胞の子孫も指すことが意図されていることを理解すべきである。突然変異または環境の影響のいずれかにより、特定の改変が後の世代で起こり得るため、そのような子孫は、対象細胞と同一ではないかもしれないが、本明細書で使用される「組換え宿主細胞」という用語の範囲内に含まれる。宿主細胞は、単離された細胞であっても培養で増殖した細胞株であってもよく、生体組織または生物に存在する細胞であってもよい。
【0078】
本明細書で使用される「組換えポリヌクレオチド」という用語は、天然に存在する環境から除去されたポリヌクレオチド、または天然に見出されるときにポリヌクレオチドの全てもしくは一部が、ポリヌクレオチドに隣接もしくは近接しているポリヌクレオチドと会合していないポリヌクレオチド、または天然には結合していないポリヌクレオチドに作動可能に連結されているポリヌクレオチド、または天然には存在しないポリヌクレオチド、または天然ではそのポリヌクレオチドには見出されない修飾(例えば、人為的に、例えばヒトの介入によって、導入された挿入、欠失、もしくは点変異)を含有するポリヌクレオチド、または異種部位で染色体に組み込まれているポリヌクレオチドを指す。この用語は、例えば、クローン化されたDNA単離物、または化学的に合成されたヌクレオチド類似体を含むポリヌクレオチドを説明するために使用することができる。ポリヌクレオチドは、自然には発生しない遺伝子改変を含む場合、「組換え」とみなされる。例えば、内因性ポリヌクレオチドは、人為的に(例えば、ヒトの介入によって)導入された1つ以上のヌクレオチドの挿入、欠失、または置換を含む場合、「組換えポリヌクレオチド」とみなされる。そのような修飾は、ポリヌクレオチドに、点変異、置換変異、欠失変異、挿入変異、ミスセンス変異、フレームシフト変異、複製変異、増幅変異、転座変異、または反転変異を導入することができる。この用語は、宿主細胞の染色体にあるポリヌクレオチド、並びに宿主細胞の染色体にないポリヌクレオチド(例えば、エピソームに含まれるポリヌクレオチド)を含む。宿主細胞または生物における組換えポリヌクレオチドは、宿主細胞のインビボ細胞機構を使用して複製することができる。しかしながら、そのような組換えポリヌクレオチドは、その後細胞内に複製されるが、それでも本発明の目的のために組換えであるとみなされる。
【0079】
本明細書で使用される「調節エレメント」という用語は、調節エレメントが作動可能に結合しているポリヌクレオチドの発現(例えば、転写、転写後イベント、翻訳)を媒介、調節、または制御するポリヌクレオチド配列を指す。
【0080】
本明細書で使用される「分泌シグナル」という用語は、タンパク質のN末端に作動可能に連結され、タンパク質が生成される(すなわち、合成される)宿主細胞の細胞内分泌経路を介して宿主細胞の外部へタンパク質を送達することを仲介するペプチドを指す。典型的には、組換えタンパク質と分泌シグナルとの作動可能な連結には、組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列の開始コドンの除去が必要である。
【0081】
本明細書で使用される「類似の」という用語は、指定された属性に関して約+/-15%以内であることを意味する。この用語は、指定された属性に関して+/-9%、+/8%、+/-7%、+/-6%、+/-5%、+/-4%、+/-3%、+/-2%、または+/-1%の範囲内であることを含む。
【0082】
本明細書で使用される「2つ以上」という用語は、その後に列挙される要素のうちの2つ、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個、またはそれ以上、またはすべてを指す。
【0083】
本明細書で使用される「ホエイタンパク質」という用語は、少なくとも20(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、哺乳類産生乳(すなわち、哺乳類産生乳に対して天然であるホエイタンパク質;例えば、ネイティブホエイタンパク質)に天然に見出されるホエイタンパク質のアミノ酸の配列と少なくとも40%(例えば、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、少なくとも100%)同一であるポリペプチドを指す。ホエイタンパク質の例には、α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン、ラクトトランスフェリン、ラクトフェリシン、血清アルブミンタンパク質、ラクトペルオキシダーゼタンパク質、およびグリコマクロペプチドが含まれる。したがって、本明細書で使用される「α-ラクトアルブミン」、「β-ラクトグロブリン」、「ラクトトランスフェリン」、「ラクトフェリシン」、「血清アルブミン」、「ラクトペルオキシダーゼ」、および「グリコマクロペプチド」という用語は、少なくとも20(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150)の配列を含むポリヌクレオチドであって、哺乳類産生乳に天然に見出されるα-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン、ラクトトランスフェリン、ラクトフェリシン、血清アルブミン、ラクトペルオキシダーゼ、およびグリコマクロペプチド(GMP)それぞれのアミノ酸配列(例えば、ボス・タウルスα-ラクトアルブミン(UniProt配列P00711のアミノ酸20~142)、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリン(UniProt配列P02754のアミノ酸17~178)、ボス・タウルスラクトトランスフェリン(UniProt配列P24627のアミノ酸20~708)、ボス・タウルスラクトフェリシン(UniProt配列P24627のアミノ酸36~60)、ボス・タウルス血清アルブミン(UniProt配列P0276のアミノ酸25~607)、ボス・タウルスラクトペルオキシダーゼ(UniProt配列P80025のアミノ酸101~712)、およびボス・タウルスグリコマクロペプチド (GMP;UniProt配列P02668のアミノ酸127~190)と、少なくとも40%(例えば、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、100%)同一である配列を含むポリヌクレオチドを指す。ホエイタンパク質のアミノ酸配列と、哺乳類産生乳中に天然に見出されるホエイタンパク質のアミノ酸配列との間の差異は、ホエイタンパク質の構造および/または1つ以上の機能を実質的に変化させない、保存的アミノ酸置換(すなわち、化学的に類似したアミノ酸によるアミノ酸の置換;機能的に類似したアミノ酸を提供する保存的置換表が当該技術分野で周知である)、非保存的アミノ酸置換、並びにアミノ酸挿入、アミノ酸欠失、およびポリペプチド切断(例えば、ホエイタンパク質の断片を提供する)に起因し得る。そのようなアミノ酸の置換/欠失/挿入は、当技術分野で公知の方法を用いて同定することができる。この方法は、分子モデリングアプローチ(例えば、PyMol[シュレディンガー、ニューヨーク、NY])またはマルチ配列アラインメント(例えば、天然ホエイタンパク質のオルソログ; 例えば、MUSCLEを使用 [Edgar, 2004, Nucleic Acids Res 32: 1792-1797])を通じて、タンパク質の構造および/または機能を実質的に変更しないとものとして、同定された候補アミノ酸置換/欠失/挿入を含むホエイタンパク質を製造し、タンパク質構造および/または機能を決定するための周知の方法を用いてこのホエイタンパク質を試験することを含む。そのような方法はまた、ホエイタンパク質が本発明において有用であるかどうかを判定し、特定の用途において改善された機能を有するホエイタンパク質を同定するために用いられ得る。
【0084】
本明細書で使用される「ベクター」という用語は、宿主細胞に導入されるポリヌクレオチド配列を運ぶことができる核酸を指す。ベクターの非限定的な例としては、クローニングベクター、発現ベクター、シャトルベクター、プラスミド、ファージ粒子、ウイルスベクター、コスミド、細菌人工染色体(BAC)、酵母人工染色体(YAC)、ウイルス粒子(例えば、異種ポリヌクレオチドを含む)、DNA構築物(例えば、クローニングまたはPCR増幅によって産生される)、および直鎖二本鎖分子(例えば、PCR断片)が挙げられる。ある特定のベクターは、それらが導入される宿主細胞内での自律複製が可能である(例えば、宿主細胞内で機能する複製起点を有するベクターである)。他のベクターは、宿主細胞への導入時に宿主細胞のゲノムに組み込まれることができ、それによって宿主ゲノムと共に複製される場合がある。
【0085】
本明細書で使用される「酵母」という用語は、サッカロマイセス目の任意の生物を指す。酵母の栄養成長は単細胞葉状体の出芽/小疱形成(blebbing)によるものであり、炭素異化作用は発酵性であってもよい。
【0086】
本明細書で使用される「質量%」という用語は、水和組成物で決定される質量のパーセント値を意味し、前記組成物には粉末の質量および水和剤の質量が含まれ、水和組成物全体のパーセンテージ値として100%が固定されている。本明細書で提供される組成物が粉末形態である(水和剤の質量が後で添加される)実施形態では、この用語は、最終的な水和組成物全体に対する相対値として決定される質量のパーセンテージ値を指す(最終的な水和組成物全体のパーセンテージ値として100%が固定される)。
【0087】
本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別段の記載がない限り、列挙された最小値および最大値を含む範囲内にある各別個の値(分数または積分)を個別に参照する略記法として役立つことを単に意図している。各別個の値は、本明細書に個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、そこに含まれるすべてのサブ範囲を含むことを意図していることを理解すべきである。例えば、「1から10」の範囲は、記載された最小値1と記載された最大値10との間の(およびそれを含む)すべてのサブ範囲、すなわち、1以上の最小値と10以下の最大値を有する範囲、を含むことを意図している。さらに、以下に記載されるすべての範囲および量は概算であり、本発明を限定することを意図するものではないことを理解すべきである。
【0088】
本明細書に開示される任意の方法において、特定のアクションを実行するための順序またはステップの順序は、本発明が動作可能なままである限り、重要ではないことを理解されたい。さらに、2つ以上の手順またはアクションを同時に行ってもよい。
【0089】
組換えタンパク質について本明細書に開示される任意の構造は、組換えタンパク質のC末端からN末端まで読み取ることができ、または組換えタンパク質のN末端からC末端まで読み取ることができることをさらに理解されたい。例えば、(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(カゼイン)の構造を有する組換えタンパク質の開示は、そのC末端にβ-ラクトグロブリンを有し、そのN末端にカゼインを有する組換えタンパク質として読むことができる。または、C末端にカゼイン、N末端にβ-ラクトグロブリンを持つと読むことができる。
【0090】
組換えタンパク質
様々な態様において、本明細書では以下の構造の組換えタンパク質が提供される:
(A)(乳タンパク質1)-(リンカーペプチド1)-(乳タンパク質2)、
または
(B)(乳タンパク質1)-(リンカーペプチド1)-(乳タンパク質2)-(リンカーペプチド2)-(乳タンパク質3)、
または
(C)(乳タンパク質1)-(リンカーペプチド1)-(乳タンパク質2)-(リンカーペプチド2)-(乳タンパク質3)-(リンカーペプチド3)-(乳タンパク質4);
ここで、
乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、乳タンパク質4、リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、およびリンカーペプチド3は、ペプチド結合を介して連結されており;そして
乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3および乳タンパク質4の少なくとも1つは、遊離チオール基を含む乳タンパク質である。
【0091】
上記のいずれかに記載の組換えタンパク質において、乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、および/または乳タンパク質4は、長さおよび/またはアミノ酸配列が、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよく;および/またはリンカーペプチド1、リンカーペプチド2、および/またはリンカーペプチド3は、長さおよび/またはアミノ酸配列が互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0092】
遊離チオール基を含む乳タンパク質には、チオール基がタンパク質から除去された後述のもの以外の特定のβ-ラクトグロブリン(例えば、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリン[UniProt配列P02754のアミノ酸17-178])、チオール基がタンパク質から除去された後述のもの以外の特定の血清アルブミン(例えば、ボス・タウルス血清アルブミンタンパク質[UniProt配列P02769のアミノ酸25-607])、およびチオール基がタンパク質から除去された後述のもの以外の特定のラクトペルオキシダーゼ(例えば、ボス・タウルスラクトペルオキシダーゼ[UniProt配列P80025のアミノ酸101-712])が含まれる。遊離チオール基を含まない乳タンパク質には、特定のα-ラクトアルブミン(例えば、ボス・タウルスα-ラクトアルブミン[UniProt配列P00711のアミノ酸20-142])、特定のラクトトランスフェリン(例えば、ボス・タウルスラクトトランスフェリン[UniProt配列P24627のアミノ酸20-708])、特定のラクトフェリシン(例えば、ボス・タウルスラクトフェリシン[UniProt配列P24627のアミノ酸36-60])、特定のグリコマクロペプチド(GMP;例えば、ボス・タウルスGMP[UniProt配列P02668のアミノ酸127-190])、特定のβ-カゼイン(例えば、ボス・タウルスβ-カゼイン[UniProt配列P02666のアミノ酸16-224]、特定のκ-カゼイン(例えば、ボス・タウルスκ-カゼイン[UniProt配列P02668のアミノ酸22-190])、特定のボス-カゼイン[190]が含まれる。 UniProt配列P02668])、特定のα-S1-カゼイン(例えば、ボス・タウルスα-S1-カゼイン[UniProt配列P02662のアミノ酸16-214])、特定のα-S2-カゼイン(例えば、ボス・タウルスα-S2-カゼイン[UniProt配列P02663のアミノ酸16-222])、特定のβ-ラクトグロブリン(例えば、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリン[UniProt配列P02754のアミノ酸17-178])、特定の血清アルブミン(例えば、58位のシステインからセリンへのアミノ酸置換を含み、それによりチオール基がタンパク質から除去されたボス・タウルス血清アルブミン[UniProt配列P02769のアミノ酸25-607])、および特定のラクトペルオキシダーゼ(例えば、558位のシステインからセリンへのアミノ酸置換を含み、それによりチオール基がタンパク質から除去されたボス・タウルスラクトペルオキシダーゼ[UniProt配列P8002のアミノ酸101-712]が含まれる。当業者は、乳タンパク質が遊離チオール基を含むか、または遊離チオール基を含まないかを容易に確認することができる(例えば、乳タンパク質が奇数のシステイン残基を含むかを決定することによって、および/または、例えば、部分還元または非還元条件下でのタンパク質のタンパク質分解消化後の質量分析(MS)分析、およびタンパク質結晶構造の分析などの、当業者に知られている方法を使用して遊離非ジスルフィド結合チオール基の存在に関する乳タンパク質の構造を分析することによって確認することができる)。
【0093】
理論に拘束されることを望まないが、非還元条件(例えば、既存の分子内ジスルフィド結合が変化しない条件)における上記のいずれかによる組換えタンパク質は、利用可能な遊離チオール基(複数可)を介して、上記のいずれかによる別の組換えタンパク質への共有結合(すなわち、ジスルフィド架橋)を形成することができ、それによって、乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、および/または乳タンパク質4の非結合(すなわち、ペプチド結合を介して互いに共有結合しない)形態での使用によっては形成することができない、または同じ程度もしくは同じ純度で形成することができない様々なポリマーを形成することができ、また、組換えタンパク質、および/または組換えタンパク質から形成されるポリマーから本質的になる組成物に寄与し得る。
【0094】
乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、乳タンパク質4
上記の構造(A)、(B)、または(C)を有する組換えタンパク質において、乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、または乳タンパク質4のうちの1つのみが、遊離チオール基を含む乳タンパク質であってもよい(すなわち、組換えタンパク質は一価遊離チオール基を含む)。
【0095】
したがって、組換えタンパク質は以下のものを有し得る:
前記乳タンパク質1が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、前記乳タンパク質2が遊離チオール基を含まない乳タンパク質である、上記構造(A);
乳タンパク質1が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質2が遊離チオール基を含まない乳タンパク質であり、乳タンパク質3が遊離チオール基を含まない乳タンパク質である、上記構造(B);
乳タンパク質1が遊離チオール基を含まない乳タンパク質であり、前記乳タンパク質2が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、前記乳タンパク質3が遊離チオール基を含まない乳タンパク質である、上記構造(B);
乳タンパク質1が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質2が遊離チオール基を含まない乳タンパク質であり、乳タンパク質3が遊離チオール基を含まない乳タンパク質であり、乳タンパク質4が遊離チオール基を含まない乳タンパク質である、上記構造(C);
乳タンパク質1が遊離チオール基を含まない乳タンパク質であり、乳タンパク質2が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質3が遊離チオール基を含まない乳タンパク質であり、乳タンパク質4が遊離チオール基を含まない乳タンパク質である、上記の構造(C)。
【0096】
そのような組換えタンパク質の非限定的な例には以下のものが挙げられる。
【0097】
(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(A);
(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(A);
(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(A);
(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(B);
(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(B);
(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(B);
(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド 1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(B);
(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(B);
(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(B);
(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);および
(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);および
(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C)。
【0098】
上記の構造(A)、(B)、または(C)を有する組換えタンパク質において、乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、および乳タンパク質4のうちの2つのみが、遊離チオール基を含む乳タンパク質であってもよい(すなわち、組換えタンパク質は二価の遊離チオール基を含む)。
【0099】
したがって、組換えタンパク質は以下のものを有し得る:
前記乳タンパク質1が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、前記乳タンパク質2が遊離チオール基を含む乳タンパク質である、上記構造(A);
乳タンパク質1が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、前記乳タンパク質2が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、前記乳タンパク質3が遊離チオール基を含まない乳タンパク質である、上記構造(B);
乳タンパク質1が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質2が遊離チオール基を含まない乳タンパク質であり、乳タンパク質3が遊離チオール基を含む乳タンパク質である、上記構造(B);
乳タンパク質1が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質2が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質3が遊離チオール基を含まない乳タンパク質であり、乳タンパク質4が遊離チオール基を含まない乳タンパク質である、上記構造(C);
乳タンパク質1が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質2が遊離チオール基を含まない乳タンパク質であり、乳タンパク質3が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質4が遊離チオール基を含まない乳タンパク質である、上記構造(C);
乳タンパク質1が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質2が遊離チオール基を含まない乳タンパク質であり、乳タンパク質3が遊離チオール基を含まない乳タンパク質であり、乳タンパク質4が遊離チオール基を含む乳タンパク質である、上記構造(C);または
乳タンパク質1が遊離チオール基を含まない乳タンパク質であり、乳タンパク質2が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質3が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質4が遊離チオール基を含まない乳タンパク質である、上記の構造(C)。
【0100】
そのような組換えタンパク質の非限定的な例には以下のものが挙げられる。
【0101】
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)の形態を有する上記構造(A);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ウシ血清アルブミン)-(ウシ血清アルブミン)の形態を有する上記による構造(A) ;
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(A);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(ウシ血清アルブミン)の形態を有する上記構造(A);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(A);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(A);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(B);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1 )-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2 )- (α-ラクトアルブミンの形態を有する上記構造(B);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(B);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1 )-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(B);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(B);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)- (α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(B);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(β-ラクトグロブリン)の形態を有する上記構造(B);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(ウシ血清アルブミン)の形態を有する上記構造(B);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(B);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(ウシ血清アルブミン)の形態を有する上記構造(B);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(B);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(B);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)- (α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C) ;
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (βーラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(β-ラクトグロブリン)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(β-ラクトグロブリン)の形態を有する上記構造(C);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(ウシ血清アルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(C);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(ウシ血清アルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(C);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(C);
- (α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記による構造(C);
- (α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記による構造(C);
- (α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド3)-(αーラクトアルブミン)の形態を有する上記による構造(C);および
- (α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C)
【0102】
上記の構造(B)、または(C)を有する組換えタンパク質において、乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、および乳タンパク質4のうちの3つだけが、遊離チオール基を含む乳タンパク質であってもよい(すなわち、組換えタンパク質は三価の遊離チオール基を含む)。
【0103】
したがって、組換えタンパク質は以下のものを有し得る:
- 乳タンパク質1が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質2が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質3が遊離チオール基を含む乳タンパク質である、上記構造(B);
- 乳タンパク質1が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質2が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質3が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質4が遊離チオール基を含まない乳タンパク質である、上記構造(C);
- 乳タンパク質1が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質2が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質3が遊離チオール基を含まない乳タンパク質であり、乳タンパク質4が遊離チオール基を含む乳タンパク質である、上記の構造(C)。
【0104】
そのような組換えタンパク質の非限定的な例には以下のものが挙げられる。
【0105】
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(β-ラクトグロブリン)の形態を有する上記構造(B);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1 )-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2 )-(ウシ血清アルブミン)の形態を有する上記構造(B);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(B);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(ウシ血清アルブミン)の形態を有する上記構造(B);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(B);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2)-(β-ラクトグロブリン)の形態を有する上記構造(B);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2)- (ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(B);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(β-ラクトグロブリン)の形態を有する上記構造(B);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(ウシ血清アルブミン)の形態を有する上記構造(B);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2)-(β-ラクトグロブリン)の形態を有する上記構造(B);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(β-ラクトグロブリン)の形態を有する上記構造(B);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(ウシ血清アルブミン)の形態を有する上記構造( B ) ;
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(ウシ血清アルブミン)の形態を有する上記構造( B ) ;
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(B);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2)- (ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(B);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(B);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)- (β-ラクトグロブリン)の形態を有する上記構造(B);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(ウシ血清アルブミン)の形態を有する上記構造(B);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド3)-(αーラクトアルブミン)の形態を有する上記による構造(C);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C)
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド3)-(αーラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド3)-(αーラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C) ;
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド3)-(α-ラクトアルブミン)の形態を有する上記構造(C) ;
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(C);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(β-ラクトグロブリン)の形態を有する上記構造(C);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(ウシ血清アルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(C);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(C);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(β-ラクトグロブリン)の形態を有する上記構造(C);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(C);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(α-ラクトアルブミン)-(リンカーペプチド3)-(β-ラクトグロブリン)の形態を有する上記構造(C);
【0106】
上記の構造(C)を有する組換えタンパク質において、乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、および乳タンパク質4の全て(すなわち4つ)が、遊離チオール基を含む乳タンパク質であってもよい(すなわち、組換えタンパク質は四価の遊離チオール基を含む)。
【0107】
したがって、組換えタンパク質は、乳タンパク質1が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質2が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質3が遊離チオール基を含む乳タンパク質であり、乳タンパク質4が遊離チオール基を含む乳タンパク質である、上記の構造(C)を有し得る。
【0108】
そのような組換えタンパク質の非限定的な例には以下のものが挙げられる。
【0109】
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド3 )-(β-ラクトグロブリン)の形態を有する上記による構造(C);
- (ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド1)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド2)-(ウシ血清アルブミン)-(リンカーペプチド3)-(ウシ血清アルブミン)の形態を有する上記構造(C);
- (ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)ー(リンカーペプチド3)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(C);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド3)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(C);
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(ラクトペルオキシダーゼ)-(リンカーペプチド2)-(ラクトペルオキシダーゼ)ー(リンカーペプチド3)-(ラクトペルオキシダーゼ)の形態を有する上記構造(C);および
- (β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド2)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド3)-(ウシ血清アルブミン)の形態を有する上記による構造(C)。
【0110】
上記による構造(A)、(B)、または(C)を有する組換えタンパク質において、乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、および/または乳タンパク質4は、天然PTM(例えば、哺乳類PTM)、非天然PTM(例えば、非哺乳類PTM)、または少なくとも1つの天然PTMと少なくとも1つの非天然PTMとの混合物を有してもよい。本明細書で使用される「非天然PTM」という用語は、タンパク質中の1つ以上のPTMの1つ以上の位置の違い(例えば、グリコシル化、リン酸化)、および/または天然に存在するタンパク質(例えば、哺乳類由来の乳;すなわち、「天然のPTM」を有するタンパク質)と比較して、タンパク質の1つ以上の位置にある1つ以上のPTMの種類における違いを意味する。
【0111】
リンカーペプチド
上記のいずれかによる組換えタンパク質において、リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、および/またはリンカーペプチド3は、0~約80個の間のアミノ酸(例えば、0から80、70、60、50、40、30、20、10、または5個の間のアミノ酸;5から80、70、60、50、40、30、20、または10個の間のアミノ酸;10から80、70、60、50、40、30または20個の間のアミノ酸;20から80、70、60、50、40または30個の間のアミノ酸;40から80、70、60、または50個の間のアミノ酸;50から80、70、または60個の間のアミノ酸;60から80、70個の間のアミノ酸、または70から80個の間のアミノ酸)の長さを有してよい。
【0112】
上記のいずれかによる組換えタンパク質において、リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、および/またはリンカーペプチド3は、1つ以上の遊離チオール基を含んでもよい。1つ以上のリンカーペプチドは、1つ以上のシステイン残基を含んでもよい。あるいは、リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、および/またはリンカーペプチド3は、システイン残基を欠いていてもよく、または遊離チオール基を欠いていてもよい。
【0113】
上記のいずれかによる組換えタンパク質において、リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、および/またはリンカーペプチド3は、プロテアーゼ認識または切断配列を含んでもよい。適切なプロテアーゼ認識または切断配列の非限定的な例としては、本明細書に開示されるプロテアーゼのいずれかの認識または切断配列が挙げられる。あるいは、リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、および/またはリンカーペプチド3は、グリコシル化されたときに、タンパク質分解に対する保護を提供する1つ以上のアミノ酸(例えば、セリン残基、トレオニン残基)を含んでもよい。
【0114】
上記のいずれかによる組換えタンパク質において、リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、および/またはリンカーペプチド3は、エマルションを安定化させ得る。
【0115】
上記のいずれかによる組換えタンパク質において、リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、および/またはリンカーペプチド3は、構造的柔軟性を促進する1つ以上のアミノ酸(例えば、グリセリン残基など)を含んでもよく、または構造的剛性を促進する1つ以上のアミノ酸を含んでもよい。
【0116】
上記のいずれかによる組換えタンパク質では、リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、および/またはリンカーペプチド3は、合成リンカー(すなわち、天然に存在しないリンカー)であってもよい。合成リンカーは、当該技術分野において既知である(例えば、Reddy Chichili et al. 2013 Protein Sci 22:153-67, Zou et al. 2012 Microb Cell Fact 11:21、Gustavsson et al. 2001 Protein engineering 14(9): 711-715、Adlakha et al.2011 Appl Environ Microbiol 77 (14): 4859 -4866、およびAdlakha et al.2011 Appl Environ Microbiol 77 (14): 4859 -4866を参照されたい)。
【0117】
上記のいずれかによる組換えタンパク質では、リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、および/またはリンカーペプチド3は、天然リンカー(すなわち、天然に存在するリンカー)であってもよい。天然リンカーは、当該技術分野において既知である(例えば、Beckham et al. 2010 Biophysical Journal 99 (11): 3773 -3781、Levasseur et al.2005 Applied & Environmental Microbiology 71 (12):8132-8140、Tan et al. 2015 Nat Commun 6:7542、Brunecky et al. Science 342 (6165):1513-1516、Kahn et al.2019 Biotechnol Biofuels 12:44、Conesa et al.2001 FEBS Lett.503(2-3):117-120)を参照されたい)。
【0118】
組換えタンパク質の特性
上記のいずれかによる組換えタンパク質は、様々な特性を有し得る。特性の非限定的な例としては、溶解度(すなわち、所定の条件下および種々の溶媒中で分散してコロイド状に安定しているタンパク質の量、例えば、ホエイタンパク質またはジャガイモタンパク質の溶解度に類似またはそれ以上の溶解度)、発泡/膨潤能力(すなわち、泡を形成する能力、ここで、本明細書で使用される「泡」という用語は、固体または水性連続相中に分散された気泡を指す)、泡安定性(すなわち、物理的および/または化学的条件に応答した泡の半減期)、乳化能力(すなわち、エマルションを安定化させる能力または所定の質量の試料が不安定化することなく乳化させることができる油の量)、ゲル化/増粘/凝固能力(すなわち、ゲルを形成する能力、ここで使用される「ゲル」という用語は、水素結合によってタンパク質分子に連結され、かつ定義された粘弾性特性を有する溶媒で満たされた空間を有するタンパク質ネットワークを指す)、ゲル化プロファイル(例えば、経時的なゲル化/増粘/凝固能力の経時的曲線、温度の関数としての粘弾性パラメータ)、ゲル強度(すなわち、定義された領域のゲル表面を破壊するために必要な機械的な力)(例えば、ゼラチンのものに類似するゲル化/増粘/凝固挙動)、水の結合能力(すなわち、定義された質量のタンパク質によって結合される水の量)、熱安定性(すなわち、様々なpHおよびイオン強度での高温での構造安定性、例えば、ラクトグロブリンのそれに類似する熱安定性、少なくとも80℃の熱安定性)、保存安定性、凍結/融解安定性、健康プロファイル(すなわち、アレルギー性エピトープ[すなわち、ヒトまたは他の動物においてアレルギー性応答を誘発するアミノ酸配列]を本質的に含まない、炎症性T細胞エピトープを本質的に含まない)、胃腸消化性(すなわち、薬剤がヒトまたは他の動物の胃腸管(すなわち、口、食道、胃、小腸、大腸、および肛門)で分解される速度)、発酵ブロス中での熱安定性(すなわち、発酵ブロス中での全長タンパク質生成物の割合)、および味(例えば、淡白な味、風味の欠如)が挙げられる。例えば、乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、および乳タンパク質4のうちの少なくとも1つが遊離チオール基を含むβ -ラクトグロブリンであり、乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、および乳タンパク質4のうちの少なくとも1つがカゼイン(例えば、κ-カゼイン、β-カゼイン、α-S1-カゼイン、α-S2-カゼイン)である上記に記載の構造(A)、(B)、または(C)を有する組換えタンパク質は、β-ラクトグロブリンと共有結合していないカゼインと比較して、組換え宿主細胞によってより高い力価で産生および/または分泌され得るか、またはより高い安定性(例えば、組換え宿主細胞の発酵におけるタンパク質安定性)を有する。
【0119】
組換え発現構築物
様々な態様において、本明細書では 、以下のポリヌクレオチドからなる組換え発現構築物が提供される:
- プロモーター配列(例えば、本明細書に開示されるプロモーターのいずれかのためのポリヌクレオチド配列)、
- 任意の分泌シグナル配列(すなわち、新生タンパク質に結合して、新生タンパク質が合成される細胞の外部への、新生タンパク質の送達を媒介するペプチドをコードする配列、例えば、本明細書に開示される分泌シグナルのいずれかをコードするポリヌクレオチド配列)、
- 組換えタンパク質コード配列(すなわち、上記のいずれかによる組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列であって、任意選択でタグポリペプチド(例えば、本明細書に開示されるタグポリペプチドのいずれか)を含む)、および
- ターミネーター配列(例えば、本明細書に開示されるターミネーターのいずれかのポリヌクレオチド配列);
ここで、
- プロモーター配列は、任意の分泌シグナル配列および組換えタンパク質コード配列(すなわち、プロモーター配列および任意の分泌シグナル配列並びに組換えタンパク質コード配列は、プロモーター配列が任意の分泌シグナル配列および組換えタンパク質コード配列の転写の媒介または調節に有効であるように配置される)にセンス方向で作動可能に連結され、
- 任意の分泌シグナル配列は、組換えタンパク質コード配列にセンス方向で作動可能に連結され(すなわち、任意の分泌シグナル配列および組換えタンパク質コード配列は、転写および翻訳が任意の分泌シグナルを含む組換えタンパク質を産生するように配置される)、および
- 1つ以上のターミネーター配列は、組換えタンパク質コード配列に作動可能に連結されている(すなわち、組換えタンパク質コード配列、および1つ以上のターミネーター配列は、1つ以上のターミネーター配列が組換えタンパク質コード配列の転写を終了するのに有効であるように配置されている)。
【0120】
組換え発現構築物は、発現した組換えタンパク質が親和性精製のためのペプチド配列を含むように、親和性精製タグをコードする作動可能に連結された配列をさらに含んでもよい。このような親和性精製タグは、発現時に親和性精製タグがアミノ末端、カルボキシ末端、またはその両方のいずれかに存在するように動作可能に連結され得る。かかる親和性精製タグは、マルトース結合タンパク質(MBP)タグ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)タグ、ポリ(His)タグ、ヘキサ(His)タグ、FLAGタグ、V5タグ、VSVタグ、Eタグ、NEタグ、ヘマグルチニン(Ha)タグ、およびMycタグを含んでよい。
【0121】
組換え発現構築物は、宿主細胞のゲノムへの相同組換え(すなわち、標的組込み)または非相同組換えによる組込みのための配列をさらに含み得る。組換え発現構築物は、組換え発現構築物の相同組換えの確率を高めるために、宿主細胞のゲノム内の標的配列と十分な同一性を有する少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも 500、少なくとも750、少なくとも1,000、または少なくとも10,000塩基対を含んでいてもよい。そのような相同配列は、非コーディングまたはコーディングであり得る。
【0122】
上記のいずれかによる組換え発現構築物に含まれる任意の分泌シグナル配列および/または組換えタンパク質コード配列は、上記のいずれかによる組換え宿主細胞における発現のためにコドン最適化されていてもよい。
【0123】
上記のいずれかによる組換え発現構築物は単離されていてもよい。
【0124】
上記のいずれかによる組換え発現構築物は、組換え発現構築物の断片を宿主細胞のゲノム(例えば、上記のいずれかによる組換え宿主細胞のゲノム)に組み込むことにより生成され得る。例えば、組換えタンパク質コード配列を含むポリヌクレオチド(分泌シグナル配列に任意に作動可能に連結される)は、内因性遺伝子座の1つ以上の調節エレメントが組換えタンパク質コード配列に作動可能に連結されるように、宿主細胞のゲノム内に安定して組み込まれてもよく、それによって上記のいずれかによる組換え発現構築物を生成し得る。
【0125】
プロモーター配列
上記のいずれかによる組換え発現構築物は、以下のいずれかによる組換え宿主細胞において活性である任意のプロモーター配列を含んでもよい。
【0126】
プロモーター配列は、構成的プロモーター配列(すなわち、ほとんどの環境条件および発生条件下で活性であるプロモーター配列)、または誘導性もしくは抑制性プロモーター配列(すなわち、特定の環境条件または発生条件下で[例えば、限定されないが、炭素(例えば、グルコース、ガラクトース、ラクトース、スクロース、セルロース、ソフォロース、ゲンチオビオース、ソルボース、セルラーゼプロモーターを誘導する二糖類、デンプン、トリプトファン、チアミン、メタノール)、リン酸塩、窒素、または他の栄養素;温度;pH;浸透圧;重金属または重金属イオン;阻害剤;ストレス;異化物;およびそれらの組み合わせなどの特定の因子の存在または非存在下で])のみ活性であるプロモーター配列、であり得る。
【0127】
プロモーター配列は、単一のプロモーター配列、または2つ以上のプロモーター配列(例えば、2つ以上のプロモーターまたはその機能的部分の組み合わせ、誘導性および構成的プロモーターの組み合わせ)からなることができる。2つ以上のプロモーター配列は同一であってもよく、または2つ以上のプロモーター配列のうちの少なくとも2つは同一でない可能性がある。
【0128】
プロモーター配列は、双方向プロモーター配列(すなわち、転写因子をリクルートすることによって両方の方向で転写を開始するポリヌクレオチド、例えば、2つの同一または異なるプロモーターを反対方向に融合させることによって生成される)を含むか、またはそれからなることができる。
【0129】
適切なプロモーター配列の非限定的な例には、T7プロモーター、T5プロモーター、Tacプロモーター、pL/pRプロモーター、phoAプロモーター、lacUV5プロモーター、trcプロモーター、trpプロモーター、cstAプロモーター、xylAプロモーター、manPプロモーター、malAプロモーター、lacAプロモーター、aprEプロモーター、ΔaprEプロモーター、srfAプロモーター、p43プロモーター、ylbAプロモーター、σBプロモーター、vegプロモーター、PG1プロモーター、PG6プロモーター、λPLプロモーター、λPRプロモーター、およびspaプロモーター、および機能部分およびその組み合わせ、が挙げられる。
【0130】
適切なプロモーター配列の非限定的な例としては、真菌宿主細胞内で機能するプロモーター配列であって、xlnAプロモーターを含み、xyn1プロモーター、xyn2プロモーター、xyn3プロモーター、xyn4プロモーター、bxl1プロモーター、cbh1プロモーター、cbh2プロモーター、egl1プロモーター、egl2プロモーター、egl3プロモーター、egl4プロモーター、egl5プロモーター、glaAプロモーター、agdAプロモーター、gpdAプロモーター、gpd 1プロモーター、AOX1プロモーター、GAP1プロモーター、MET3プロモーター、ENO1プロモーター、GPD1プロモーター、PDC1プロモーター、TEF1プロモーター、AXE1プロモーター、CIP1プロモーター、G H61プロモーター、PKI1プロモーター、RP2プロモーター、ADH1プロモーター、CUP1プロモーター、GAL1プロモーター、PGK1プロモーター、YPT1プロモーター、LAC4プロモーター、LAC4-PB1プロモーター、FLD1プロモーター、MOXプロモーター、DAS1プロモーター、DAS2プロモーター、GAP1プロモーター、STR3プロモーター、ADH3プロモーター、GUT2プロモーター、CYC1プロモーター、TDH3プロモーター、PGL1プロモーター、ADH2プロモーター、HXT7プロモーター、CLB1プロモーター、およびPHO5プロモーター、並びに機能部分およびこれらの組み合わせ、が挙げられる。
【0131】
分泌シグナル配列
上記のいずれかによる組換え発現構築物は、任意に、以下のいずれかによる組換え宿主細胞において活性である任意の分泌シグナル配列を含んでもよい。
【0132】
任意の分泌シグナル配列は、新生組換えタンパク質のERへの翻訳後の転座(すなわち、新生組換えタンパク質がERに転座する前に細胞細胞質内に存在するように、タンパク質合成が先行して転移する)または共翻訳(すなわち、タンパク質合成およびERへの転座が同時に起こる)を媒介する分泌シグナルをコードしてよい。
【0133】
適切な分泌シグナル配列の非限定的な例としては、細菌宿主細胞内で機能する分泌シグナル配列が挙げられ、以下のタンパク質:PelB、OmpA、Bla、PhoA、PhoS、MalE、LivK、LivJ、MglB、AraF、AmpC、RbsB、MerP、CpdB、Lpp、Lamb、OmpC、PhoE、OmpF、TolC、BtuB、およびLuTA、並びに、それらの機能部分および組み合わせ、のいずれかをコードする遺伝子の分泌シグナル配列が含まれる。
【0134】
適切な分泌シグナル配列の非限定的な例としては、真菌宿主細胞内で機能する分泌シグナル配列が挙げられ、CBH1、CBH2、EGL1、EGL2、XYN1、XYN2、BXL1、HFB1、HFB2、GLAA、AMYA、AMYC、AAMA、α交配因子、SUC2、PHO5、INV、AMY、LIP、PIR、OST1、およびβ-グルコシダーゼのいずれか並びにそれらの機能部分および組み合わせ、をコードする遺伝子の分泌シグナル配列が含まれる。
【0135】
ターミネーター配列
上記のいずれかによる組換え発現構築物は、以下のいずれかによる組換え宿主細胞において活性である任意のターミネーター配列を含んでもよい。
【0136】
適切なターミネーター配列の非限定的な例としては、adh 1、amaA、amdS、amyA、aox1、cbh1、cbh2、cyc1、egl1、egl2、gal1、gap1、glaA、gpd1、gpdA、pdc1、pgk1 tef1、tps 1、trpC、xyn1、xyn2、xyn3、及びxyn4遺伝子のターミネーター配列、並びにそれらの機能部分および組み合わせが挙げられる。
【0137】
ターミネーター配列は、単一のターミネーター配列、または2つ以上のターミネーター配列からなることができ、2つ以上のターミネーター配列は同一であってもよく、または2つ以上のターミネーター配列のうちの少なくとも2つは同一ではなくてもよい。ターミネーター配列は、双方向ターミネーター配列からなることができる。
【0138】
追加の調節エレメント
上記のいずれかによる組換え発現構築物は、追加の調節エレメントをさらに含んでもよい。
【0139】
調節エレメントの非限定的な例には、プロモーター配列、ターミネーター配列、転写開始配列、翻訳開始配列、翻訳停止配列、エンハンサー配列、アクチベーター配列、応答要素、タンパク質認識部位、誘導性要素、タンパク質結合配列、5'および3'が含まれる非翻訳領域(例えば、ポリアデニル化シグナルを含む3’非翻訳領域)、上流活性化配列(UAS)、イントロン、オペレーター(すなわち、プロモーターに隣接する核酸の配列であって、プロモーターはタンパク質結合ドメインを含んでおり、リプレッサータンパク質がプロモーターに結合すると、プロモーターの活性を低下または除去することができる)、効率的なRNAプロセッシングシグナル (例えば、スプライシングシグナル、ポリアデニル化シグナル)、細胞質mRNAを安定化させる配列、翻訳効率を高める配列 (例えば、リボソーム結合部位[例えば、Shine-Dalgarno配列])、タンパク質の安定性を高める配列、タンパク質の分泌を高める配列、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0140】
組換えベクター
様々な態様では、本明細書では、上記のいずれかによる組換え発現構築物またはその断片を含む組換えベクター(例えば、組換えタンパク質コード配列および任意の分泌シグナル配列を含み、宿主細胞のゲノムへの組み込み時に上記のいずれかによる組換え発現構築物を生成するポリヌクレオチド)が提供される。
【0141】
組換えベクターは、上記のいずれかによる単一の組換え発現構築物、または上記のいずれかによる2つ以上の組換え発現構築物を含んでもよく、これらは同一であってもよく、または少なくとも2つは同一ではなくてもよい(例えば、プロモーター配列、分泌シグナル、タンパク質コード配列、ターミネーター配列、および/または追加の調節エレメントにおいて相互に異なる)。組換えベクターが2つ以上の組換え発現構築物を含む実施形態では、2つ以上の組換え発現構築物は、同じ組換えタンパク質をコードし得る。いくつかのそのような実施形態では、同じ組換えタンパク質をコードする2つ以上の組換え発現構築物は、プロモーター配列、分泌シグナル配列、ターミネーター配列、および/または追加の調節エレメントにおいて相互に異なる。
【0142】
組換えベクターは、組換え宿主細胞内での組換えベクターの増殖に適した1つ以上の他の要素をさらに含んでもよい。そのような他の要素の非限定的な例としては、複製起点および選択マーカーが挙げられる。複製起点および選択マーカーは、当該技術分野において既知であり、細菌および真菌の複製起点(例えば、AMA1、ANSI)が含まれる。選択マーカーは、耐性遺伝子(すなわち、宿主細胞が外来的にに付加された化合物[例えば、抗生物質化合物]を解毒することを可能にするタンパク質をコードするポリヌクレオチド)、栄養補助マーカー(すなわち、宿主細胞がその必須成分を欠く培地中で成長しながら必須成分(通常はアミノ酸)を合成することを可能にするタンパク質をコードするポリヌクレオチド)、またはカラーマーカー(すなわち、色を生成することができるタンパク質をコードする遺伝子)であり得る。適切な選択マーカーの非限定的な例としては、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸還元酵素)、pyrG(オロチジン5'-リン酸脱炭酸酵素)、sC(硫酸アデニルトランスフェラーゼ)、trpC(アントラニル酸合成酵素)、およびBLE(ブレオマイシン型抗生物質耐性)、並びにそれらの誘導体が挙げられる。適切な選択マーカーの非限定的な例としては、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸還元酵素)、pyrG(オロチジン5'-リン酸脱炭酸酵素)、sC(硫酸アデニルトランスフェラーゼ)、trpC(アントラニル酸合成酵素)、およびble(ブレオマイシン型抗生物質耐性)、並びにそれらの誘導体が挙げられる。選択マーカーは、選択マーカーの産生を減少させる改変を含んでいてもよく、したがって、組換えベクターを含む組換え宿主細胞が選択下で生存することを可能にするために必要なコピーの数を増加させることができる。選択はまた、共形質転換によって達成されてもよく、ここで、形質転換は、2つのベクターの混合物で実行され、選択は、1つのベクターに対してのみ行われる。
【0143】
組換えベクターは、宿主細胞のゲノムへの相同組換え(すなわち、標的組換え)または非相同組換えによる組み込みのための配列をさらに含んでもよい。組換え発現構築物は、組換え発現構築物の相同組換えの確率を高めるために、宿主細胞のゲノム内の標的配列と十分な同一性を有する少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも 500、少なくとも750、少なくとも1,000、または少なくとも10,000塩基対を含んでいてもよい。そのような相同配列は、非コーディングまたはコーディングであり得る。
【0144】
上記のいずれかによる組換えベクターは単離されていてもよい。
【0145】
組換え宿主細胞
様々な態様において 、本明細書で提供されるのは、上記のいずれかによる組換えタンパク質を産生することができる組換え宿主細胞であり、組換え宿主細胞は、上記のいずれかによる組換え発現構築物を含む。
【0146】
組換え宿主細胞は、上記のいずれかによる単一の組換え発現構築物を含んでもよく、または上記のいずれかによる2つ以上の組換え発現構築物を含んでもよい。組換え宿主細胞が2つ以上の組換え発現構築物を含む実施形態では、2つ以上の組換え発現構築物は同一であってもよく、または2つ以上の組換え発現構築物のうちの少なくとも2つは互いに異なっていてもよい(例えば、プロモーター配列、タンパク質コード配列、分泌シグナル配列、ターミネーター配列、および/または追加の調節エレメント)。
【0147】
組換え宿主細胞は、組換え宿主細胞のゲノム内に安定して(例えば、標的化された(例えば、相同組換えを介して)またはランダムな(すなわち、非標的化された)組み込みを介して)組み込まれた組換え発現構築物を含んでいてもよく、および/または安定して組み込まれていないが、むしろ染色体外に(例えば、本明細書に提供される自律的複製組換えベクター上で)維持される組換え発現構築物を含んでもよい。
【0148】
上記のいずれかによる組換え宿主細胞は、任意の細菌、真菌(例えば、酵母、糸状菌)、古細菌、原虫、動物(任意の単細胞動物を含む)、植物(任意の単細胞植物を含む)、藻類、原生動物、およびクロミスタを含む任意の生物、またはその遺伝的変異体(例えば、変異体)から、並びに一般に安全(GRAS)として認識されている産業用宿主細胞から得ることができる。
【0149】
適切な植物の非限定的な例には、ソテツ、イチョウ(ginkgo biloba)、針葉樹、ヒノキ、セイヨウネズ、クロベ、スギ材、マツ、アンジェリカ、キャラウェイ、コリアンダー、クミン、ウイキョウ、パセリ、ディル、タンポポ、ムギワラギク、マリーゴールド、ヨモギ、ベニバナ、カモミール、レタス、ニガヨモギ、キンセンカ、シトロネラ、セージ、タイム、チアシード、マスタード、オリーブ、コーヒー、トウガラシ、ナス、パプリカ、クランベリー、キウイ、野菜植物(例えば、ニンジン、セロリ)、タゲテス、タンジー、タラゴン、ヒマワリ、ウィンターグリーン、バジル、ヒソップ、ラベンダー、レモンバーベナ、マジョラム、メリッサ、パチョリ、ペニーロイヤル、ペパーミント、ローズマリー、ゴマ、スペアミント、サクラソウ、サマラ、コショウ、ピメント、ジャガイモ、スイートポテト、トマト、ブルーベリー、イヌホウズキ、ペチュニア、アサガオ、ライラック、ジャスミン、スイカズラ、キンギョソウ、サイリウム、シナ、ソバ、アマランス、チャード、キヌア、ホウレンソウ、ルバーブ、ホホバ、キプセレア、クロレラ、マルラ、ヘーゼルナッツ、キャノーラ、ケール、チンゲンサイ、ルタバガ、乳香、没薬、エレミ、麻、カボチャ、スカッシュ、ウリ、キャッサバ、ツルサイカチ、マメ(例えば、アルファルファ、レンズマメ、インゲンマメ、クローブ、エンドウ、ファバコセイラ(fava coceira)、フリジョールボラロジャ(frijole bola roja)、フリジョールネグロ(frijole negro)、ハギ、カンゾウ、ルピナス、メスキート、キャロブ、大豆、ピーナツ、タマリンド、フジ、カシア、ヒヨコマメ/ガルバンゾ、フェヌグリーク、グリーンピース、イエローピース、サヤエンドウ、ライマメ、ソラマメ)、ゼラニウム、亜麻、ザクロ、綿、オクラ、インドセンダン、イチジク、マルベリー、クローブ、ユーカリ、ティーツリー、ニアウリ、結実植物(例えば、リンゴ、アプリコット、モモ、プラム、ナシ、ネクタリン)、イチゴ、ブラックベリー、ラズベリー、サクランボ、プルーン、バラ、タンジェリン、シトラス(例えば、グレープフルーツ、レモン、ライム、オレンジ、ダイダイ、マンダリン)、マンゴー、ベルガモット、ブークー、ブドウ、ブロッコリー、芽キャベツ、スプラウト、カメリナ、カリフラワー、菜種、セイヨウアブラナ(キャノーラ)、カブ、キャベツ、キュウリ、スイカ、ハネデューメロン、ズッキーニ、カバノキ、クルミ、キャッサバ、バオバブ、オールスパイス、アーモンド、パンノキ、ビャクダン、マカダミア、サトイモ、チューベローズ、アロエベラ、ガーリック、オニオン、エシャロット、バニラ、ユッカ、ベチバー、ガランガル、オオムギ、トウモロコシ、キョウオウ(curcuma aromatica)、ショウガ、レモングラス、エンバク、ヤシ、パイナップル、コメ、ライ麦、モロコシ、ライコムギ、ターメリック、ヤムイモ、竹、オオムギ、カユプテ、カンナ、カルダモン、トウモロコシ、オート、小麦、シナモン、サッサフラス、リンデラベンゾイン、ベイローレル、アボカド、イランイランノキ、メース、ナツメグ、ワサビノキ、トクサ、オレガノ、コリアンダー、チャービル、チャイブ、集合果、穀物植物、薬草、葉物野菜、非穀物マメ科植物、穀果植物、多肉植物、陸上植物、水生植物、ツルサイカチ、キビ、核果、分離果、顕花植物、非顕花植物、栽培植物、野生植物、木、低木、花、草、草本、ブラシノキ、リアナ、サボテン、熱帯植物、亜熱帯植物、温帯植物、および苔(例えば、ヒメツリガネゴケ(Physcomitrella Patens))が挙げられる。
【0150】
適切な酵母の非制限的な例には、以下の属の何れかのメンバー、およびこれらの誘導体および交雑種が含まれる:カンジダ属(Candida)(例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・エチェルシー(Candida etchellsii)、カンジダ・ギリエルモンディ(Candida guilliermondii)、カンジダ・ヒュミリス(Candida humilis)、カンジダ・リポリティカ(Candida lipolytica)、カンジダ・オルソプシロシス(Candida orthopsilosis)、カンジダ・パルミオレオフィル(Candida palmioleophila)、カンジダ・プソイドトロピカリス(Candida pseudotropicalis)、カンジダ属の種(Candida sp.)、カンジダ・ウチリス(ウトラ酵母)(Candida utilis)、カンジダ・ヴェルサチリス(Candida versatilis))、クラドスポリウム属(Cladosporium)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)(例えば、クリプトコッカス・テルリコルス(Cryptococcus terricolus)、クリプトコッカス・クルヴァツス(Cryptococcus curvatus))、デバリオマイセス属(Debaryomyces)(例えば、デバリオマイセス・ハンセニイ(Debaryomyces hansenii))、エンドマイセス属(Endomyces)(例えば、エンドマイセス・ヴェルナリス(Endomyces vernalis))、エンドマイコプシス属(Endomycopsis)(例えば、エンドマイコプシス・ヴェルナリス(Endomycopsis vernalis))、エレモテシウム属(Eremothecium)(例えば、エレモンテシウム・アシュビイ(Eremothecium ashbyii))、ハンセヌラ属(Hansenula)(例えば、ハンセヌラ属の種(Hansenula sp.)、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha))、クルイベロマイセス属(Kluyveromyces)(例えば、クルイベロマイセス属の種(Kluyveromyces sp.)、クルイベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロマイセス・マルキシアヌス・バー・ラクティス(Kluyveromyces marxianus var. lactis)、クルイベロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)、クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans))、リポマイセス属(Lipomyces)(例えば、リポマイセス・スタルケイ(Lipomyces starkeyi)、リポマイセス・リポフェル(Lipomyecs lipofer))、オガタエア属(Ogataea)(例えば、オガタエア・ミヌタ(Ogataea minuta))、ピチア属(Pichia)(例えば、ピチア属の種(Pichia sp.)、ピチア・パストリス(Pichia pastoris) (Komagataella phaffii)、ピチア・フィンランディカ(Pichia finlandica)、ピチア・ピチアテルハロフィア(Pichia trehalophila)、ピチア・コクラマエ(Pichia koclamae)、ピチア・メンブラナエファシエンス(Pichia membranaefaciens)、ピチア・ミヌタ(Pichia minuta)、ピチア・リンドネリ(Pichia lindneri)、ピチア・オプンティアエ(Pichia opuntiae)、ピチア・サーモトレランス(Pichia thermotolerans)、ピチア・サリクタリア(Pichia salictaria)、ピチア・グエルクウム(Pichia guercuum)、ピチア・ピジュペリ(Pichia pijperi)、ピチア・スチプティス(Pichia stiptis)、ピチア・メタノリカ(Pichia methanolica))、ロドスポリジム属(Rhodosporidium)(例えば、ロドスポリジム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides))、ロドトルラ属(Rhodotorula)(例えば、ロドドルラ属の種(Rhodotorula sp.)、ロドドルラ・グラシリス(Rhodotorula gracilis)、ロドドルラ・グルチニス(Rhodotorula glutinis)、ロドドルラ・グラミニス(Rhodotorula graminis))、サッカロマイセス属(Saccharomyces)(例えば、サッカロマイセス属の種(Saccharomyces sp.)、サッカロマイセス・バヤヌス(Saccharomyces bayanus)、サッカロマイセツ・ベチクス(出芽酵母)(Saccharomyces beticus)、サッカロマイセツ・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・チェバリエリ(Saccharomyces chevalieri)、サッカロマイセス・ジアシタチクス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロマイセス・エリプソイデウス(Saccharomyces ellipsoideus)、サッカロマイセス・エクシグウス(Saccharomyces exiguus)、サッカロマイセス・フロレンチウス(Saccharomyces florentinus)、サッカロマイセス・フラギリス(Saccharomyces fragilis)、サッカロマイセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastorianus)、サッカロマイセス・ポンベ(Saccharomyces pombe)、サッカロマイセス・サケ(清酒酵母)(Saccharomyces sake)、サッカロマイセス・ウバルム(Saccharomyces uvarum))、スポロボロマイセス属(Sporobolomyces)(例えば、スポロボロマイセス・ロセウス(Sporobolomyces roseus)、スポリジオボルス属(Sporidiobolus)(例えば、スポリジオボルス・ジョンソニイ(Sporidiobolus johnsonii)、スポリジオボルス・サルモニコロル(Sporidiobolus salmonicolor))、トリコスポロン属(Trichosporon)(例えば、トリコスポロン・カカオリポシミリス(Trichosporon cacaoliposimilis)、トリコスポロン・オレアギノスス・エスピー・ノブ(Trichosporon oleaginosus sp. nov.)、トリコスポロン・カカオリポシミリス・エスピー・ノブ(Trichosporon cacaoliposimilis sp. nov.)、トリコスポロン・アラシレ(Trichosporon gracile)、トリコスポロン・ダルシタム(Trichosporon dulcitum)、トリコスポロン・ジロヴェシイ(Trichosporon jirovecii)、トリコスポロン・インセクトルム(Trichosporon insectorum))、キサントフィロマイセス属(Xanthophyllomyces)(例えば、キサントフィロマイセス・デンドロロウス(Xanthophyllomyces dendrorhous))、ヤロウイア属(Yarrowia)(例えば、ヤロウイア。リポリチカ(Yarrowia lipolytica))、およびジゴサッカロマイセス属(Zygosaccharomyces)(例えば、ジゴサッカロマイセス・ルーキシイ(耐塩性酵母)(Zygosaccharomyces rouxii)。
【0151】
適切な糸状菌の非制限的な例は、以下の属の何れかのメンバー、およびこれらの誘導体および交雑種を含む、真菌のホロモルフ、テレモルフ、およびアナモルフ形態を含む:アクレモニウム属(Acremonium)(例えば、アクレモニウム・アラバメンセ(Acremonium alabamense)、アスペルギルス属(Aspergillus)(例えば、アスペルギルス・アクレアツス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス・アワモリ(アワモリコウジカビ)(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・クラバタス(Aspergillus clavatus)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・フォエティダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・フミーガツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・ジャポニクス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(クロコウジカビ)(Aspergillus niger)、アスペルギルス・ニガー・バー・アワモリ(Aspergillus niger var. awamori)、アスペルギルス・オクラセウス(Aspergillus ochraceus)、アスペルギルス・オリザエ(ニホンコウジカビ)(Aspergillus oryzaeI)、アスペルギルス・ソーヤ(ショウユコウジカビ)(Aspergillus sojae)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)、同様に、エメリセラ種(Emericella)、ネオサルトリア種(Neosartorya)およびペトロマイセス種(Petromyces)species)、アウレオバシディウム属(Aureobasidium)、カナリオマイセス属(Canariomyces)、ケトミウム属(ケタマカビ)(Chaetomium)、ケトミニウム属(Chaetomidium)、コリナスクス属(Corynascus)、クリソスポリウム属(Chrysosporium)(例えば、クリソスポリウム・ボトリオイデス(Chrysosporium botryoides)、クリソスポリウム・カルミケリ)(Chrysosporium carmichaeli)、クリソスポリウム・クラシツニカツム(Chrysosporium crassitunicatum)、クリソスポリウム・エウロパ(Chrysosporium europae)、クリソスポリウム・エボルセアンヌイ(Chrysosporium evolceannui)、クリソスポリウム・ファリニコラ(Chrysosporium farinicola)、クリソスポリウム・ファスチジム(Chrysosporium fastidium)、クリソスポリウム・フィリフォルメ(Chrysosporium filiforme)、クリソスポリウム・ゲオルギア(Chrysosporium georgiae)、(クリソスポリウム・グロビフェルム(Chrysosporium globiferum)、クリソスポリウム・グロビレルム・バー・アルチクラタム(Chrysosporium globiferum var. articulatum)、クリソスポリウム。グロビレルム・バー・ニベウム(Chrysosporium globiferum var. Niveum)、クリソスポリウム・ヒルンド(Chrysosporium hirundo)、クリソスポリウム・ヒスパニウム(Chrysosporium hispanicum)、クリソスポリウム・ホルミイ(Chrysosporium holmii)、クリソスポリウム・インジウム(Chrysosporium indicum)、クリソスポリウム・イオプス(Chrysosporium iops)、クリソスポリウム・ケラチノフィルム(Chrysosporium keratinophilum)、クリソスポリウム・クレイセリイ(Chrysosporium kreiselii)、クリソスポリウム・クズロビアヌム(Chrysosporium kuzurovianum)、クリソスポリウム・リグノルム(Chrysosporium lignorum)、クリソスポリウム・オバタム(Chrysosporium obatum)、クリソスポリウム・ルクノウェンセ(Chrysosporium lucknowense)、クリソスポリウムルクノウェンセ・ガーグ 27K(Chrysosporium lucknowense Garg 27K)、クリソスポリウム・メジウム(Chrysosporium medium)、クリソスポリウム・メジウム・バー・スピセセンス(Chrysosporium medium var. spissescens)、クリソスポリウム・メフィチクム(Chrysosporium mephiticum)、クリソスポリウム・メルダリウム(Chrysosporium merdarium)、クリソスポリウム・マルダリウム・バー・ロゼウム(Chrysosporium merdarium var. roseum)、クリソスポリウム・ミノル(Chrysosporium minor)、クリソスポリウム・パンニコラ(Chrysosporium pannicola)、クリソスポリウム・パルブム(Chrysosporium parvum)、クリソスポリウム・パルブム・バー・クレセンス(Chrysosporium parvum var. crescens)、クリソスポリウム・ピロスム(Chrysosporium pilosum)、クリソスポリウム・プソイドメルダリウム(Chrysosporium pseudomerdarium)、クリソスポリウム・ピリフォルミス(Chrysosporium pyriformis)、クリソスポリウム・クイーンズランジクム(Chrysosporium queenslandicum)、クリソスポリウム・シグレリ(Chrysosporium sigleri)、クリソスポリウム・スルフレウム(Chrysosporium sulfureum)、クリソスポリウム・シンクロナム(Chrysosporium synchronum)、クリソスポリウム・トロピクム(Chrysosporium tropicum)、クリソスポリウム・ウンデュラタム(Chrysosporium undulatum)、クリソスポリウム・バレナレンセ(Chrysosporium vallenarense)、クリソスポリウム・ベスペルチィウム(Chrysosporium vespertilium)、クリソスポリウム・ゾナタム(Chrysosporium zonatum))、クーネメリア属(Coonemeria)、クンニングアメラ(クスダマカビ)属(Cunninghamella)(例えば、クンニングアメラ/エヒヌラータ(Cunninghamella ehinulata))、ダクチロマイセス属(Dactylomyces)、エメリセラ属(Emericella)、フィリバシジム属(Filibasidium)、フサリウム属(Fusarium)(例えば、フサリウム・モニリフォルメ(Fusarium moniliforme)、フサリウム・ヴェネナタム(Fusarium venenatum)、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum)、フサリウム・プロリフェラタム(Fusarium proliferatum)フサリウム・ヴェルチオリオイデス(Fusarium verticiollioides)、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)、フサリウム・クルークウェレンセ(Fusarium crookwellense)、フサリウム・ポアエ(Fusarium poae)、フサリウム・スポロトリキオイデス(Fusarium sporotrichioides)、フサリウム・サンブキナム(Fusarium sambuccinum)、フサリウム・トルロサム(Fusarium torulosum)、同様に、これらに関連するジベレラテレオモルフィック形態(Gibberella teleomorphic forms))、ジベレラ属(Gibberella)、フミコラ属(Humicola)、ヒポクレア属(Hypocrea)、レンチヌラ属(Lentinula)、マルベランキア属(Malbranchea)(例えば、マルベランキア・フィラメントサ(Malbranchea filamentosa))、マグナポルテ属(Magnaporthe)、マルブランキウム属(Malbranchium)、メラノカルプス属(Melanocarpus)、モルティエラ(クサレケカビ)属(Mortierella)(例えば、モルティエラ・アルピナ 1S-4(Mortierella alpina 1S-4)、モルティエラ・イサベリネ(Mortieralla isabelline)、モルティエラ・ビナセア(Mortierrla vinacea)、モルティエラ・ヴィナセア・バー・ラフィノセウチチゼル)(Mortieralla vinaceae var. raffinoseutilizer))、ムーコル(ケカビ)属(Mucor)属(例えば、ムーコル・ミエヘイ・クーニー・エ・エメルソン・シッパー(Mucor miehei Cooney et Emerson(Rhizomucor miehei Cooney & R. Emerson)Schipper)、ムーコル・プシルス・リンド(Mucor pusillus Lindt)、ムーコル・クルシネロイデス(Mucor circinelloides)、ムーコル・ムセド(Mucor mucedo))、マイセリオフィソラ属(Myceliophthora)(例えば、マイセリオフィソラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila))、マイロセシウム属(Myrothecium)、ネオカリマスティクス属(Neocallimastix)、ニューロスポラ属(Neurospora)(例えば、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa))、ペシロマイセス属(Paecilomyces)、ペニシリウム(アオカビ)属(Penicillium)(例えば、ペニシリウム・クリソゲナム(Penicillium chrysogenum)、ペニシリナム・イイラシウム(Pennicillium iilacinum)、ペニシリウム・ロックフォルティ(Penicillium roquefortii))、フェネロカエテ属(Phenerochaete)、フレビア(シワウロコタケ)属(Phlebia)、ピロマイセス属(Piromyces)、ピシウム(フハイカビ)属(Pythium)、リゾプス(クモノスカビ)属(Rhizopus)(例えば、リゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus))、シゾフィリウム(スエヒロタケ)属(Schizophyllum)、シタリジム属(Scytalidium)、スポロトリクム属(Sporotrichum)(例えば、スポロトリクム・セルロフィルム(Sporotrichum cellulophilum))、ステレウム(キウロコタケ)属(Stereum)、タラロマイセス属(Talaromyces)、サーモアスカス属(Thermoascus)、サーモマイセス属(Thermomyces)、チエラビア属(Thielavia)(例えば、チエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris))、トリポクラジウム属(Tolypocladium)、およびトリコデルマ属(Trichoderma)(例えば、トリコデルマ・ハルチアナム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、トリコデルマ・ビレンス(Trichoderma virens)、トリコデルマ・シトリノビリデ(Trichoderma citrinoviride)、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride))。
【0152】
適切な細菌の非制限的な例は、ファーミキューテ(firmicutes)、シアノバクテリア(cyanobacteria)(ブルー-グリーンアガエ(藍藻)(blue-green algae))、オシラトリオフシデア(oscillatoriophcideae)、バシラス(bacillales)、ラクトバシラス(lactobacillales)、オスキラトリアス(oscillatoriales)、バシラス(bacillaceae)、ラクトバシラス(lactobacillaceae)、および以下の属の何れかのメンバー、およびこれらの誘導体および交雑種を含む:アシネトバクター属(Acinetobacter)、アセトバクタ-属(Acetobacter)(例えば、アセトバクター・サボキシダンス(Acetobacter suboxydans)、アセトバクター・キシリナム(Acetobacter xylinum)、アクチノプラン属(Actinoplane)(例えば、アクチノプラン・ミソリエンシス(Actinoplane missouriensis))、アルトロスピラ属(Arthrospira)(例えば、アルトロスピラ・プラテンシス(Arthrospira platensis)、アルトロスピラ・マキシマ(Arthrospira maxim))、バシラス属(Bacillus)(例えば、バシラス・セレウス(Bacillus cereus)、バシラス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バシラス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バシラス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バシラス・サブチリス(枯草菌)(Bacillus subtilis))、エスケリキア(大腸菌)属(Escherichia)(例えば、エスケリキア・コリ(大腸菌)(Escherichia coli))、ラクトバチルス属(Lactobacillus)(例えば、ラクトバチスル・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)(例えば、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス・ラクチス・ランスフィールド・グループN(Lactococcus lactis Lancefield Group N)、ラクトバチスル・ロイテリ(Lactobacillus reuteri))、ロイコノストック属(Leuconostoc)(例えば、ロイコノストック・シトロボルム(Leuconostoc citrovorum)、ロイコノストック・デキストラニクム(Leuconostoc dextranicum)、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides))、ミクロコッカス属(Micrococcus)(例えば、ミクロコッカス・リゾデイクティカス(Micrococcus lysodeikticus))、ロドコッカス属(Rhodococcus)(例えば、ロドコッカス・オパカス(Rhodococcus opacus)、ロドコッカス・オパカス 菌株PD630)(Rhodococcus opacus strain PD630))、スピルリナ属(Spirulina)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)(例えば、ストレプトコッカス・クレモリス(Streptococcus cremoris)、ストレプトコッカス・ラクチス(Streptococcus lactis)、ストレプトコッカス・ラクチスの亜種ジアセチルラクチス(Streptococcus lactis subspecies diacetylactis)、ストレプトコッカス・ サーモフィラス(Streptococcus thermophilus))、ストレプトマイセス属(Streptomyces)(例えば、ストレプトマイセス・シャタノーゲンシス(Streptomyces chattanoogensis)、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)、ストレプトマイセス・ナタレンシス(Streptomyces natalensis)、ストレプトマイセス・オリバセウス(Streptomyces olivaceus)、ストレプトマイセス・オリボクロモゲネス(Streptomyces olivochromogenes)、ストレプトマイセス・ルビギノサス(Streptomyces rubiginosus))、テトラヒメナ属(Tetrahymena)(例えば、テトラヒメナ・サーモフィル(Tetrahymena thermophile)、テトラヒメナ・ヘゲウィスキー(Tetrahymena hegewischi)、テトラヒメナ・ハイパーアンギュラリス(Tetrahymena hyperangularis)、テトラヒメナ・マラセンシス(Tetrahymena malaccensis)、テトラヒメナ・ピブメントーサ(Tetrahymena pigmentosa)、テトラヒメナ・ピリフォルミス(Tetrahymena pyriformis)、テトラヒメナ・ボラックス(Tetrahymena vorax))、およびキサントモナス属(Xanthomonas)(例えば、キサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris))。
【0153】
適切な藻類の非制限的な例は、以下の属の何れかのメンバー、およびそれらの誘導体および交雑種を含む:赤藻(red algae)、褐藻(brown algae)、緑藻(green algae)、マイクロアルジェ(microalgae)、アクナンテス属(Achnanthes)(例えば、アクナンテス・オリエンタリス(Achnanthes orientalis))、アグメネルム属(Agmenellum)、アラリア属(Alaria)(例えば、クシロワカメ(Alaria marginata)、アンフィプロラ属(Amphiprora)(例えば、アンフィプロラ・ヒアリン(Amphiprora hyaline)、アンフォラ属(Amphora)(例えば、アンフォラ・コフェイフォルミス(Amphora coffeiformis)、アンフォラ・コフェイフォルミス・リネア(Amphora coffeiformis linea)、アンフォラ・コフェイフォルミス・プンクタタ(Amphora coffeiformis punctata)、アンフォラ・コフェイフォルミス・タイロリ(Amphora coffeiformis taylori)、アンフォラ・コフェイフォルミス・テヌイス(Amphora coffeiformis tenuis)、アンフォラ・デリカテッシマ(Amphora delicatissima)、アンフォラ・デリカテッシマ・キャピタタ(Amphora delicatissima capitata)、アンフォラ属(Amphora sp.)、アナベナ(Anabaena)、アナリプス属(Analipus)(例えば、マツモ(Analipus japonicus)、アンキトロデスムス属(Ankistrodesmus)(例えば、アンキトロデスムス・ファルカタス(Ankistrodesmus falcatus)、アスコルフィルム属(Ascophyllum)(例えば、アスコルフィルム・ノドスム(Ascophyllum nodosum)、ボエケロヴィア属(Boekelovia)(例えば、ボエケロヴィア・ホオグランディ(Boekelovia hooglandii)、ボロディネラ属(Borodinella)(例えば、ボロディネラ属の種(Borodinella sp.)、ボツリオコッカス属(Botryococcus)(例えば、ボツリオコッカス・ブラウニー(Botryococcus braunii)、ボツリオコッカス・スデティクス(Botryococcus sudeticus)、カルテリア属(Carteria)、キートケロス属(Chaetoceros)(例えば、キートケロス・グラシリス(Chaetoceros gracilis)、キートケロス・ムエレリ(Chaetoceros muelleri)、キートケロス・ムエレリ・サブサルサム(Chaetoceros muelleri subsalsum)、(キートケロス属の種(Chaetoceros sp.)、クロレラ属(Chlorella)(例えば、クロレラ・アニトラタ(Chlorella anitrata)、クロレラ・アンタルクチカ(Chlorella Antarctica)、クロレラ・アウレオビリディス(Chlorelle aureoviridis)、クロレラ・カンジダ(Chlorella candida)、クロレラ・カプスレート(Chlorella capsulate)、クロレラ・デシカート(Chlorella desiccate)、クロレラ・エリプソイディア(Chlorella ellipsoidea)、クロレラ・エメルソニイ(Chlorella emersonii)、クロレラ・フスカ(Chlorella fusca)、クロレラ・フスカ・バー・バクオレタ(Chlorella fusca var. vacuolata)、クロレラ・グルコトロファ(Chlorella glucotropha)、クロレラ・インフシオナム(Chlorella infusionum)、クロレラ・インフシオナム・バー・アクトフィラ(Chlorella infusionum var. actophila)、クロレラインフシオナム・バー・アウゼノフィラ(Chlorella infusionum var. auxenophila)、クロレラ・ケスレリ(Chlorella kessleri)、クロレラ・ロボフォラ(Chlorella lobophora)(SAG 37.88株)、クロレラ・ルテオヴィリディス(Chlorella luteoviridis)、クロレラ・ルテオヴィリディス・バー・アウレオビリディス(Chlorella luteoviridis var. aureoviridis)、クロレラ・ルテオヴィリディス・バー・ルテスセンス(Chlorella luteoviridis var. lutescens)、クロレラ・ミニアタ(Chlorella miniata)、クロレラ・ミヌチシマ(Chlorella minutissima)、クロレラ・ムタビリス(Chlorella mutabilis)、クロレラ・ノクツルナ(Chlorella nocturna)、クロレラ・パルヴァ(Chlorella parva)、クロレラ・フォトフィラ(Chlorella photophila)、クロレラ・プリングシェイミイ(Chlorella pringsheimii)、クロレラ・プロトセコイデス(Chlorella protothecoides)、クロレラ・プロトセコイデス・バー・アシジコラ(Chlorella protothecoides var. acidicola)、クロレラ(Chlorealla)、クロレラ・レギュラリス(Chlorella regularis)、クロレラ・レギュラリス・バー・ミニマ(Chlorella regularis var. minima)、クロレラ・レギュラリス・バー・ウンブリカタ(Chlorella regularis var. umbricata)、クロレラ・レイシグリイ(Chlorella reisiglii)、クロレラ・サッカロフィラ(Chlorella saccharophila)、クロレラ・サッカロフィラ・バー・エリプソイデア(Chlorella saccharophila var. ellipsoidea)、クロレラ・サリナ(Chlorella salina)、クロレラ・シンプレクス(Chlorella simplex)、クロレラ・ソロキニアナ(Chlorella sorokiniana)、クロレラ属の種(Chlorella sp.)、クロレラ・スファエリカ(Chlorella sphaerica)、クロレラ・スティグマトホラ(Chlorella stigmatophora)、クロレラ・バンイエリイ(Chlorella vanniellii)、クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)、クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)、クロレラ・ブルガリス/エフ・テルシア(Chlorella vulgaris f. tertia)、クロレラ・ブルガリス・バー・アウトトロフィカ(Chlorella vulgaris var. autotrophica)、クロレラ・ブルガリス・バー・ビリディス(Chlorella vulgaris var. viridis)、クロレラ・ブルガリス・バー・ブルガリス(Chlorella vulgaris var. vulgaris)、クロレラ・ブルガリス・バー・ブルガリス・エフ・テルシア(Chlorella vulgaris var. vulgaris f. tertia)、クロレラ・ブルガリス・バー・ブルガリス・エフ・ビリディス(Chlorella vulgaris var. vulgaris f. viridis)、クロレラ・キサンテラ(Chlorella xanthella)、クロレラ・
ゾフィンジエンシス(Chlorella zofingiensis)、クロレラ・トレボウキシオイデス(Chlorella trebouxioides)、クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris))、クロロコクッム属(Chlorococum)(例えば、クロロコックム・インフシオヌム(Chlorococcum infusionum)、クロロコックム属の種(Chlorococcum sp.))、クロロゴニウム属(Chlorogonium)、ツノマタ属(Chondrus)(例えば、コンドルス・クリスプス(Chondrus crispus(トチャカ))、コンドルス・オセラツス(Chondrus ocellatus(ツノマタ)))、クロオモナス属(Chroomonas(例えば、クロオモナス属の種(Chroomonas sp.))、クリソスファエラ属(Chrysosphaera)(例えば、クリソスファエラ属の種(Chrysosphaera sp.))、クリコスフェラ属(Cricosphaera)(例えば、クリコスフェラ属の種(Cricosphaera sp.))、クリプトモナス属(Cryptomonas)(例えば、クリプトモナス属の種(Cryptomonas sp.))、キクロテラ属(Cyclotella)(例えば、キクロテラ・クリプディカ(Cyclotella cryptica)、キクロテラ・メネギニアナ(Cyclotella meneghiniana)、キクロテラ属の種(Cyclotella sp.))、ドナリエラ属(Dunaliella)(例えば、ドナリエラ属の種(Dunaliella sp.)、ドナリエラ・バーダウィル(Dunaliella bardawil)、ドナリエラ・ビオクラータ(Dunaliella bioculata)、ドナリエラ・グラニュラート(Dunaliella granulate)、ドナリエラ・マリティメ(Dunaliella maritime)、ドナリエラ・ミヌタ(Dunaliella minuta)、ドナリエラ・パルバ(Dunaliella parva)、ドナリエラ・ペイルセイ(Dunaliella peircei)、ドナリエラ・プリモレクタ(Dunaliella primolecta)、ドナリエラ・サリナ(Dunaliella salina)、ドナリエラ・テリコラ(Dunaliella terricola)、ドナリエラ・テルチオレクタ(Dunaliella tertiolecta)、ドナリエラ・ビリディス(Dunaliella viridis)、ドナリエラ・テルチオレクタ(Dunaliella tertiolecta))、カジメ属(Ecklonia)(例えば、カジメ属の種)(Ecklonia sp))、エイセニア属(Eisenia)(例えば、エイセニア・ビシクリス(Eisenia bicyclis))、エリプソイドン属(Ellipsoidon)(例えば、エリプソイドン属の種(Ellipsoidon sp.))、エリモスファエラ属(Eremosphaera)、(例えば、エリモスファエラ・ビリディス(Eremosphaera viridis)、(エリモスファエラ属の種)(Eremosphaera sp.))、キリンサイ属(Eucheuma)(例えば、ユキマ・コットニー(Eucheuma cottonii)、 ユキマ・スピノスム(Eucheuma spinosum))、ユーグレナ属(Euglena)、フラギラリア属(Fragilaria)(例えば、フラギラリア・クロトネンシス(Fragilaria crotonensis)、フラギラリア属の種(Fragilaria sp.))、フランセイア属(Franceia)(例えばフランセイア属の種(Franceia sp.))、フルセラリア属(Furcellaria)(例えば、フルセラリア・ファスティギアタ(Furcellaria fastigiate))、ギガルティナ属(Gigartina)(例えば、ギガルティナ・アシクラリス(Gigartina acicularis)、ギガルティナ・ブルサ-パストリス(Gigartina bursa-pastoris),ギガルティナ・ピスチラータ(Gigartina pistillata)、ギガルティナ・ラデュラ(Gigartina radula)、ギガルティナ・スコットスベルギイ(Gigartina skottsbergii)、ギガルティナ・ステラーテ(Gigartina stellate))、グレオカプサ属(Gleocapsa)(例えば、グレオカプサ属の種(Gleocapsa sp.))、グロエオサムニオン属(Gloeothamnion)(例えば、グロエオサムニオン属の種(Gloeothamnion sp.))、フノリ属(Gloiopeltis)(例えば、フクロフノリ(Gloiopeltis furcate))、オゴノリ属(Gracilaria)(例えば、シラモ(Gracilaria bursa-pastoris)、グラシラリア・リチェノイズ(Gracilaria lichenoides))、ヒジキ属(Hizikia)(例えば、ヒジキ(Hizikia fusiforme))、ヒメノモナス属(Hymenomonas)(例えば、ヒメノモナス属の種(Hymenomonas sp.))、イソクリシス属(Isochrysis)(例えば、イソクリシス・アッフィーニス・ガルバナ(Isochrysis aff. Galbana)、イソクリシス・ガルバナ(Isochrysis galbana))、ガゴメコンブ属(Kjellmaniella)(例えば、トロロコンブ(Kjellmaniella gyrate))、ラミナリア属(Laminaria)(例えば、ミツイシコンブ(Laminaria angustata)、ラミナリア・ロンギルリス(Laminaria longirruris)、ラミナリア・ロンギシマ(Laminaria Longissima)、リシリコンブ(Laminaria ochotensis)、ラミナリア・クラウストニア(Laminaria claustonia)、カラフトコンブ(Laminaria saccharina)、ラミナリア・ディギタータ(Laminaria digitata)、マコンブ(Laminaria japonica))、レポキンクリス属(Lepocinclis)、オオウキモ属(Macrocystis)(例えば、オオウキモ(Macrocystis pyrifera))、ミクラクチニウム属(Micractinium)、モノラフィディウム属(Monoraphidium)(例えば、モノラフィディウム・ミヌタム(Monoraphidium minutum)、モノラフィディウム属の種(Monoraphidium sp.))、ナノクロリス属(Nannochloris)(例えば、ナンノクロリス属の種(Nannochloris sp.))、ナンノクロロプシス属(Nannochloropsis)(例えば、ナンノクロロプシス・サリナ(Nannochloropsis salina)、ナンノクロロプシス属の種(Nannochloropsis sp.))、 ナビクラ属(Navicula)(例えば、ナビクラ・アクセプタータ(Navicula acceptata)、ナビクラ・ビスカンテラエ(Navicula biskanterae)、ナビクラ・シュードテネロイデス(Navicula pseudotenelloides)、ナビクラ・ペリクローサ(Navicula pelliculosa)、ナビクラ・サプロフィラ(Navicula saprophila)、ナビクラ属の種(Navicula sp.))、ネフロクロリス属(Nephrochloris)(例えば、ネフロクロリス属の種(Nephrochloris sp.))、ネフロセルミス属(Nephroselmis)(例えば、ネフロセルミス属の種(Nephroselmis sp.))、ニッチア属(Nitzschia)(例えば、ニッチア・コムニス(Nitzschia communis)、ニッチア・アレクサンドリナ(Nitzschia alexandrina)、ニッチア・コムニス(Nitzschia communis)、ニッチア・ジスシパタ(Nitzschia dissipata)、ニッチア・フルストゥルム(Nitzschia frustulum)、ニッチア・ハンチアーナ(Nitzschia hantzschiana)、ニッチア・インコンスピクア(Nitzschia inconspicua)、ニッチア・インターメディア(Nitzschia intermedia)、ニッチア・ミクロセファーラ(Nitzschia microcephala)、ニッチア・プシラ(Nitzschia pusilla)、ニッチア・プシラ・エリプチカ(Nitzschia pusilla elliptica)、ニッチア・プシラ・モノエンシス(Nitzschia pusilla monoensis)、ニッチア・クアドランギュラー(Nitzschia quadrangular)、ニッチア属の種(Nitzschia sp.))、オクロモナス属(Ochromonas)(例えば、オクロモナス属の種(Ochromonas sp.))、オオキスティス属(Oocystis)(例えば、オオキスティス・パルバ(Oocystis parva)、オオキスチス・プシラ(Oocystis pusilla)、オオキスティス属の種(Oocystis sp.))、ユレモ(オスキラトリア)属(Oscillatoria)(例えば、オスキラトリア・リムネチカ(Oscillatoria limnetica)、オスキラトリア属の種(Oscillatoria sp.)、オスキラトリア・サブブレビス(Oscillatoria subbrevis)、パルマリア属(Palmaria)(例えば、パルマリア・パルマータ(Palmaria palmata))、パスケリア属(Pascheria)(例えば、ペスケリア・アシドフィラ(Pascheria acidophila))、パブロバ属(Pavlova)(例えば、パブロバ属の種(Pavlova sp.))、ペタロニア属(Petalonia)(例えば、セイヨウババノリ(Petalonia fascia))、ファガズ属(Phagus)、フォルミディウム属(Phormidium)、プラチモナス属(Platymonas)(例えば、プラチモナス属の種(Platymonas sp.))、プロイロキリシス属(Pleurochrysis)(例えば、プロイロキリシス・カルテラエ(Pleurochrysis carterae)、プロイロキリシス・デンターテ(Pleurochrysis dentate)、プロイロキリシス属の種(Pleurochrysis sp.))、ポルヒラ属(Porphyra)(例えば、ポルフィラコルンビナ(Porphyra columbina)、ポルフィラ・クリスパータ(Porphyra crispata)、ポルフィラ・デュータータ(Porhyra deutata)、ポルフィラ・ペルホラータ(Porhyra perforata)、マルバアマノリ(Porhyra suborbiculata)、アサクサノリ(Porphyra tener))、ポルフィリジウム属(Porphyridium)(例えば、ポルフィリジウム・クルエンタム(Porphyridium cruentum)、ポルフィリジウム・プルプレウム(Porphyridium purpureum)、ポルフィリジウム・エルギネウム(Porphyridium aerugineum))、プロトテカ属(Prototheca)(例えば、プロトテカ・ウィクケルハミイ(Prototheca wickerhamii)、プロトテカ・スタグノラ(Prototheca stagnora)、プロトテカ・ポルトリセンシス(Prototheca portoricensis)、プロトテカ・モリフォルミス(Prototheca moriformis)、プロトテカ・ソフィ(Prototheca zopfii))、ピラミモナス属(Pyramimonas)(例えば、ピラミモナス属の種(Pyramimonas sp.))、ピロボトリス属(Pyrobotrys)、ロデラ属(Rhodella)(例えば、ロデラ・マキュラテ(Rhodella maculate)、ロデラ・レティキュラタ(Rhodella reticulata)、ロデラ・ヴィオラセア(Rhodella violacea))、ロディメニア(マサゴシバリ)属(Rhodymenia)(例えば,ロディメニア・パルマタ(Rhodymenia palmata))、サルシノイド属(Sarcinoid)(例えば、サルシノイド・クリソフィテ(Sarcinoid chrysophyte))、イカダモ属(Scenedesmus)(例えば、セネデスムス・アルマタス(Scenedesmus armatus))、スキトシフォン(カヤモノリ)属(Scytosiphon)(例えば、スキトシフォン・ローメ(Scytosiphon lome))、スパイロジャイラ属(Spirogyra)、スピルリナ(Spirulina)(例えば、スピルリナ・プラテンシス(Spirulina platensis))、スティココックス属(Stichococcus)(例えば、スティココックス属の種(Stichococcus sp.))、シネココックス(Synechococcus)(例えば、シネココックス属の種(Synechococcus sp.))、テトラエドロン属(Tetraedron)、テトラセルミス属(Tetraselmis)(例えば,テトラセルミス属の種(Tetraselmis sp.)、テトラセルミス・スエシカ(Tetraselmis suecica))、タラシオシラ属(Thalassiosira)(例えば、タラシオシラ・ワイスフロッギー(Thalassiosira weissflogii)、およびヴィリジエラ属(Viridiella)(例えば、ヴィリジエラ・フリデリシアナ(Viridiella fridericiana))。
【0154】
上記のいずれかによる組換え宿主細胞は、組換えタンパク質の産生を改善する遺伝子組み換えを含んでもよい。適切な遺伝子組み換えの非限定的な例としては、キナーゼ活性の変化、ホスファターゼ活性の変化、プロテアーゼ活性の変化、遺伝子発現誘導経路の変化、タンパク質折り畳みに関与するタンパク質の産生および/または活性の変化、並びにタンパク質分泌(例えば、小胞輸送)に関与するタンパク質の産生および/または活性の変化が挙げられる。
【0155】
組換え宿主細胞の取得方法
様々な態様において、本明細書では、上記のいずれかに記載の組換え宿主細胞を得るための方法が提供され、本方法は、上記のいずれかに記載の組換えタンパク質(および任意の分泌シグナル)をコードするポリヌクレオチド、または上記のいずれかに記載の組換え発現構築物、または上記のいずれかに記載の組換えベクターを取得すること;および、上記のいずれかに記載の組換え宿主細胞(例えば、本明細書に開示される宿主細胞のいずれか)に、ポリヌクレオチド、組換え発現構築物、または組換えベクターを導入して、上記のいずれかに記載の組換え宿主細胞を得ること、を含む。
【0156】
ポリヌクレオチド、組換え発現構築物、および/または組換えベクターは、直接化学合成およびクローニングを含むがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の適切な方法によって得ることができる。
【0157】
ポリヌクレオチド、組換え発現構築物、または組換えベクターを宿主細胞に導入するための方法は、当該技術分野で周知である。そのような方法の非限定的な例には、リン酸カルシウムトランスフェクション、デンドリマートランスフェクション、リポソームトランスフェクション(例えば、カチオン性リポソームトランスフェクション)、カチオン性ポリマートランスフェクション、DEAEデキストラントランスフェクション、細胞圧搾、ソノポレーション、光学的トランスフェクション、プロトプラスト融合、プロトプラスト変換、インペールフェクション、流体力学的送達、遺伝子銃、マグネトフェクション、ウイルストランスフェクション、エレクトロポレーションおよび化学的変換(例えば、PEGを使用)が含まれる。
【0158】
組換え宿主細胞を同定するための方法は、当該技術分野において周知であり、細胞の増殖のための選択または増殖に対する選択を可能にする、ポリヌクレオチド、組換え発現構築物、または組換えベクターによってコードされる薬剤耐性または補助栄養マーカーの発現のスクリーニング、または他の手段(例えば、ポリヌクレオチド、組換え発現構築物、または組換えベクターに含まれる発光ペプチドの検出、個々の組換え宿主細胞コロニーの分子分析[例えば、制限酵素マッピング、PCR増幅、サザン分析、または単離された染色体外ベクターもしくは染色体組み込み部位の配列分析])が含まれる。
【0159】
上記のいずれかによる組換え宿主細胞による組換えタンパク質の産生は、RNAレベルで、最も好適にはタンパク質レベルで実施されるアッセイなど、当該技術分野で既知の任意の適切な方法を使用して、または組換えタンパク質の産生もしくは活性を測定する機能的バイオアッセイの使用によって評価され得る。そのようなアッセイの非限定的な例としては、ノーザンブロッティング、ドットブロッティング(DNAまたはRNA)、RT-PCR(逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応)、RNA-Seq、インサイチューハイブリダイゼーション 、サザンブロッティング、酵素活性アッセイ、免疫学的アッセイ(例えば、免疫組織化学染色、免疫学的アッセイ、ウェスタンブロッティング、ELISA)、および遊離チオールアッセイ(例えば、遊離システイン残基を含むタンパク質の産生を測定するためのもの)が挙げられる。
【0160】
組換えタンパク質の産生方法
様々な態様において、本明細書では、上記のいずれかに記載の組換えタンパク質の製造方法であって、上記のいずれかに記載の組換え宿主細胞を、組換えタンパク質の製造に適した条件下で培地中で発酵させることを含む方法が提供される。
【0161】
この方法は、組換えタンパク質を発酵ブロスから精製して、組換えタンパク質を含む調製物を得ること、および/または組換えタンパク質を後処理すること、をさらに含んでいてもよい。
【0162】
あるいは、組換えタンパク質は、インビトロ法を使用して(例えば、無細胞転写および/または翻訳システムを使用して)得ることができる。
【0163】
発酵
組換えタンパク質を産生するための適切な条件は、典型的には、上記のいずれかによる組換え宿主細胞が増殖および/または生存可能であり、組換えタンパク質を産生することができる条件である。
【0164】
適切な条件の非限定的な例には、適切な培地(例えば、適切な栄養素含有量[例えば、適切な炭素含有量、適切な窒素含有量、適切なリン含有量]、適切なサプリメント含有量、適切な微量金属含有量、適切なpHを有する培地)、適切な温度、適切な供給速度、適切な圧力、適切な酸素化レベル、適切な発酵期間(すなわち、組換え宿主細胞を含む培地の量)、適切な発酵量(すなわち、組換え宿主細胞を含む培地の量)、および適切な発酵容器が含まれる。
【0165】
適切な培地には、組換え宿主細胞が増殖および/または生存し続けることができ、組換えタンパク質を産生することができるすべての培地が含まれる。典型的には、培地は、炭素源、同化可能な窒素源(すなわち、組換え宿主細胞による代謝利用に適した形態で窒素を放出することができる窒素含有化合物)、およびリン酸塩源を含む水性媒体である。
【0166】
炭素源の非限定的な例には、単糖類、二糖類、多糖類、酢酸塩、エタノール、メタノール、グリセロール、メタン、およびそれらの組み合わせが含まれる。単糖類の非限定的な例には、デキストロース(グルコース)、フルクトース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、およびそれらの組み合わせが含まれる。二糖類の非限定的な例には、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、セロビオース、およびそれらの組み合わせが含まれる。多糖類の非限定的な例には、デンプン、グリコーゲン、セルロース、アミロース、ヘミセルロース、マルトデキストリン、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0167】
同化可能な窒素源の非限定的な例には、無水アンモニア、硫酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸一アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿素、ペプトン、タンパク質加水分解物、コーンスティープリカー、コーンスティープソリッド、使用済み穀物、使用済み穀物抽出物、および酵母抽出物が含まれる。アンモニアガスの使用は、大規模な操作に便利であり、水性発酵物(発酵培地)に適切な量でバブリングすることによって使用することができる。同時に、そのようなアンモニアは、pH制御を支援するために使用することもできる。
【0168】
培地は、無機塩、ミネラル(例えば、マグネシウム、カルシウム、カリウム、ナトリウム;例えば、適切な可溶性の同化可能なイオンおよび複合形態で)、金属または遷移金属(例えば、銅、マンガン、モリブデン、亜鉛、鉄、ホウ素、ヨウ素;例えば、適切な可溶性同化可能な形態で)、ビタミン、および組換え体の分解を防ぐことができる他の栄養素または機能性成分(例えば、組換えタンパク質の分解を防止できるプロテアーゼ[例えば、植物ベースのプロテアーゼ]、組換えタンパク質の分解できるプロテアーゼの活性を低下させることができるプロテアーゼ阻害剤、および/またはプロテアーゼ活性を吸い取ることができる犠牲タンパク質、消泡剤、抗菌剤、界面活性剤、乳化油)をさらに含むことができる。
【0169】
適切な培地は、商業的供給業者から入手可能であるか、または公開された組成物(例えば、アメリカンタイプカルチャーコレクションのカタログにおける)に従って調製され得る。
【0170】
適切なpHは、約2から約8の間(例えば、2から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4、3.5、3、または2.5の間;2.5から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4、3.5、または3の間;3から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4、または3.5の間;3.5から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、または4の間;4から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、または4.5の間;4.5から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、または4.6の間;4.6から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、または4.7の間;4.7から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、または4.8の間;4.8から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、または4.9の間;4.9から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、または5の間;5から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、または5.1の間;5.1から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、または5.2の間;5.2から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、または5.3の間;5.3から8、7.5、7、6.5、6、5.5、または5.4の間; 5.4から8、7.5、7、6.5、6、または5.5の間;5.5から8、7.5、7、6.5、または6の間;6から8、7.5、7、または6.5の間;6.5から8、7.5、または7の間;7から8の間、または7.5;または7.5から8の間であり得る。
【0171】
適切な温度は、約20度から約46℃の間(例えば、20℃から46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、32℃、30℃、28℃、26℃、24℃、または22℃の間;22℃から46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、32℃、30℃、28℃、26℃、または24℃の間;24℃から46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、32℃、30℃、28℃、または26℃の間;26℃から46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、32℃、30℃、または28℃の間;28℃から46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、32℃、または30℃の間;30℃から46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、または32℃の間;32℃から46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、または34℃の間;36℃から46℃、44℃、42℃、40℃、または38℃の間;38℃から46℃、44℃、42℃、または40℃の間;40℃から46℃、44℃、または42℃の間;42℃から46℃、または44℃の間;または44℃から46℃の間)であり得る。
【0172】
適切な供給速度は、1時間あたり1gの乾燥細胞重量(DCW)あたり、約0.01gから約0.2gのグルコース当量の供給速度であり得る。
【0173】
適切な圧力は、0psigから約50psigの間(例えば、0psigから50psig、40psig、30psig、20psig、または10psigの間;10psigから50psig、40psig、30psig、または20psigの間;20psigから50psig、40psig、または30psigの間;30psigから50psig、または40psigの間;または40psigから50psigの間)の圧力であり得る。
【0174】
適切な酸素供給は、毎分の発酵槽内の液体体積あたりの酸素の体積(vvm)として、約0.1vvmから約2.1vvmの間(例えば、0.1vvmから2.1vvm、1.9vvm、1.7vvm、1.5vvm、1.3vvm、1.1vvm、0.9vvm、0.7vvm、0.5 vvm、または0.3 vvmの間;0.3vvmから2.1vvm、1.9vvm、1.7vvm、1.5vvm、1.3vvm、1.1vvm、0.9 vvm、0.7 vvm、または0.5vvmの間;0.5vvmから2.1vvm、1.9 vvm、1.7 vvm、1.5 vvm、1.3 vvm、1.1vvm、0.9 vvm、または0.7vvmの間;0.7vvmから2.1vvm、1.9 vvm、1.7 vvm、1.5 vvm、1.3 vvm、1.1vvm、または0.9vvmの間;0.9vvmから2.1vvm、1.9 vvm、1.7 vvm、1.5 vvm、1.3 vvm、または1.1vvmの間;1.1vvmから2.1vvm、1.9 vvm、1.7 vvm、1.5 vvm、または1.3vvmの間;1.3vvmから2.1vvm、1.9 vvm、1.7 vvm、または1.5vvmの間;1.5vvmから2.1vvm、1.9 vvm、または1.7vvmの間;1.7vvmから2.1vvmまたは1.9vvmの間;または1.9vvmから2.1vvmの間)の曝気速度であり得る。
【0175】
適切な発酵期間は、約10時間から約500時間の間(例えば、10時間から500時間、400時間、300時間、200時間、100時間、50時間、40時間、30時間、もしくは20時間の間;20時間から500時間、400時間、300時間、200時間、100時間、50時間、40時間、もしくは30時間の間;30時間から500時間、400時間、300時間、200時間、100時間、50時間、もしくは40時間の間;40時間から500時間、400時間、300時間、200時間、100時間、もしくは50時間の間;50時間から500時間、400時間、300時間、200時間、もしくは100時間の間;100時間から500時間、400時間、300時間、もしくは200時間の間;200時間から500時間、400時間、もしくは300時間の間;300時間から500時間、もしくは400時間の間;または400時間から500時間の間)の発酵期間であり得る。
【0176】
適切な発酵体積は、約1Lから10,000,000Lの間(例えば、1Lから10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、500,000L、100,000L、50,000L、10,000L、5,000L、1,000L、500L、100L、50L、もしくは10Lの間;10Lから10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、500,000L、100,000L、50,000L、10,000L、5,000L、1,000L、500L、100L、もしくは50Lの間;50Lから10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、500,000L、100,000L、50,000L、10,000L、5,000L、1,000L、500L、もしくは100Lの間;100Lから10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、5000,000L、100,000L、500,000L、10,000L、5,000L、1,000L、もしくは500Lの間;500Lから10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、500,000L、100,000L、50,000L、10,000L、5,000L、もしくは1,000Lの間;1,000Lから10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、500,000L、100,000L、50,000L、10,000L、もしくは5,000Lの間;5,000Lから10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、500,000L、100,000L、50,000L、もしくは10,000Lの間;10,000Lから10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、500,000L、100,000L、もしくは50,000Lの間;50,000Lから10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、500,000L、もしくは100,000Lの間;100,000Lから10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、もしくは500,000Lの間;500,000Lから10,000,000L、5,000,000L、もしくは1,000,000Lの間;1,000,000Lから10,000,000L、もしくは5,000,000Lの間;または5,000,000Lから10,000,000Lの間であり得る。
【0177】
適切な発酵容器は、当技術分野で知られている任意の発酵容器であってよい。発酵容器の非限定的な例には、培養プレート、振とうフラスコ、発酵槽(例えば、攪拌タンク発酵器、エアリフト発酵器、気泡塔発酵器、固定床バイオリアクター、実験室発酵器、工業用発酵器、またはそれらの任意の組み合わせ)が含まれ、任意の適切な規模(例:小規模、大規模)および任意のプロセス(例:固体培養、液中培養、バッチ、流加、または連続フロー)で使用される。
【0178】
精製
組換えタンパク質を(例えば、発酵ブロスから)精製して、組換えタンパク質を含む調製物を得るための方法は、当該技術分野で周知であり、上記のいずれかによる組換えタンパク質を精製するように適合され得る。
【0179】
上記のいずれかによる組換えタンパク質は、例えば、サイズ排除/交換クロマトグラフィー、膜を介した限外濾過、ゲル透過クロマトグラフィー(例えば、分取ディスクゲル電気泳動)、または密度遠心分離によって、その分子量に基づいて精製され得る。
【0180】
上記のいずれかによる組換えタンパク質はまた、その表面電荷または疎水性/親水性に基づいて、例えば、等電点沈殿、アニオン/カチオン交換クロマトグラフィー、等電点電気泳動(IEF)、または逆相クロマトグラフィーによって精製されてもよい。
【0181】
上記のいずれかによる組換えタンパク質はまた、その溶解度に基づいて、例えば、硫酸アンモニウム沈殿、等電点沈殿、界面活性剤、洗剤、または溶媒抽出によって精製され得る。
【0182】
上記のいずれかによる組換えタンパク質はまた、別の分子に対するその親和性に基づいて、例えば、親和性クロマトグラフィー、反応性染料、またはヒドロキシアパタイトによって精製され得る。親和性クロマトグラフィーは、組換えタンパク質に対する特異的結合親和性を有する抗体、または組換えタンパク質上の糖部分に結合するレクチン、または組換えタンパク質に特異的に結合する任意の他の分子を使用することができる。組換えタンパク質は、組換えタンパク質の親和性に基づく精製を容易にするために、そのC末端、N末端、またはその両方に作動可能に連結された精製タグを含んでもよい。適切な精製タグの非限定的な例としては、親和性タグ(すなわち、特定の薬剤またはマトリックスに結合するペプチドまたはポリペプチド)、可溶化タグ(すなわち、タンパク質の適切な折り畳みを補助し、沈殿を防止するペプチドまたはポリペプチド)、クロマトグラフィータグ(すなわち、タンパク質のクロマトグラフィー特性を変化させて特定の分離技術にわたって異なる分解をもたらすペプチドまたはポリペプチド)、エピトープタグ(すなわち、抗体によって結合されるペプチドまたはポリペプチド)、蛍光タグ、発色タグ、酵素基質タグ(すなわち、特定の酵素反応の基質であるペプチドまたはポリペプチド)、化学基質タグ(すなわち、特定の化学修飾の基質であるペプチドまたはポリペプチド)、自己切断タグ(すなわち、誘導性タンパク質分解活性を有するペプチドまたはポリペプチド;例えば、Sortaseタグ、Nproタグ、FrpCモジュール、CPD)、疎水性タグ(疎水性が高く、タンパク質を封入体形成に導くタンパク質またはポリペプチド;例えば、KSIタグ、TrpEタグ)、またはこれらの組み合わせが挙げられる。適切な親和性タグの非限定的な例としては、マルトース結合タンパク質(MBP)タグ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)タグ、ポリ(His)タグ、ヘキサ(His)タグ、SBPタグ、Strep-タグ、およびカルモジュリンタグが挙げられる。適切な溶解度タグの非限定的な例としては、チオレドキシン(TRX)タグ、ポリ(NANP)タグ、MBPタグ、SUMOタグ、GB1タグ、NUSA CBDタグ、およびGSTタグが挙げられる。クロマトグラフィータグの非限定的な例としては、ポリアニオン性アミノ酸タグ(例えば、FLAGタグ)およびポリグルタメートタグが挙げられる。エピトープタグの非限定的な例としては、V5タグ、VSVタグ、Eタグ、NEタグ、ヘマグルチニン(Ha)タグ、Mycタグ、およびFLAGタグが挙げられる。蛍光タグの非限定的な例としては、緑色蛍光タンパク質(GFP)タグ、青色蛍光タンパク質(BFP)タグ、シアン蛍光タンパク質(CFP)タグ、黄色蛍光タンパク質(YFP)タグ、オレンジ色蛍光タンパク質(OFP)タグ、赤色蛍光タンパク質(RFP)タグ、およびこれらの誘導体が挙げられる。酵素基質タグの非限定的な例としては、ビオチニル化に適した配列内にリジンを含むペプチドまたはポリペプチド(例えば、AviTag、ビオチンカルボキシル担体タンパク質[BCCP])が挙げられる。化学基質タグの非限定的な例としては、FIAsH-EDT2との反応に適切な基質が挙げられる。タグペプチドまたはポリペプチドは、組換えタンパク質の単離後に(例えば、プロテアーゼ切断を介して)除去され得る。
【0183】
上記のいずれかによる組換えタンパク質が上記のいずれかによる組換え宿主細胞によって分泌される実施形態では、組換えタンパク質は、培地から直接精製され得る。他の実施形態において、組換えタンパク質は、細胞溶解物から精製されてもよい。
【0184】
組換えタンパク質は、発酵ブロスに含まれる他の成分と比較して、30%を超える、35%を超える、40%を超える、45%を超える、50%を超える、55%を超える、60%を超える、65%を超える、70%を超える、75%を超える、80%を超える、85%を超える、90%を超える、95%を超える、97%を超える、もしくは99%を超える、高い純度に;または、発酵ブロスに含まれる他の成分と比較して、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、または少なくとも10倍多い存在量となるように;または、総タンパク質質量に対して、30%を超える、35%を超える、40%を超える、45%を超える、50%を超える、55%を超える、60%を超える、65%を超える、70%を超える、75%を超える、80%を超える、85%を超える、90%を超える、95%を超える、97%を超える、または99%を超える、より高い純度に、精製することができる。
【0185】
組換えタンパク質の同一性は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ウエスタンブロット分析、イースタンブロット分析、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動、酵素産物の形成、酵素基質の消失、および二次元質量分析(2D-MS/MS)配列の同定によって確認および/または定量することができる。
【0186】
後処理
後処理は、組換え乳タンパク質の特定の化学的および/または物理的特性を変える可能性があり、これらの特性は、サイズ、電荷、疎水性、親水性、溶媒和、タンパク質折り畳み、および化学反応性を含むがこれらに限定されない。
【0187】
後処理は、組換えタンパク質の再折り畳み(例えば、変性剤を除去することによって);組換えタンパク質の断片化(例えば、化学的手段によって、またはプロテアーゼへの曝露によって);組換えタンパク質の加熱(例えば、タンパク質凝集体を除去するために);組換えタンパク質の反応性部位の除去(例えば、酸化によってメチオニンおよび/またはトリプトファン残基の反応性部位を除去することによって);組換えタンパク質の調節(例えば、化学的、光化学的、および/または酵素的戦略を介して);組換えタンパク質を含む調製物の脱灰(例えば、透析、超濾過、逆浸透、イオン交換クロモグラフィーによって);組換えタンパク質からのタグおよび/またはポリペプチドの除去(例えば、部位への曝露によって);組換えタンパク質のビオチン化(すなわち、ビオチンの付着);および/または組換えタンパク質への他の要素(例えば、ポリエチレングリコール、抗体、リポソーム、リン脂質、DNA、RNA、ポリヌクレオチド、糖、二糖、多糖、澱粉、セルロース、洗浄剤、細胞壁)のコンジュゲートを含むことができる。
【0188】
後処理は、ランダムな方法または部位特異的な方法で(例えば、システイン残基のスルフヒドリル基において[例えば、アミノエチル化、ヨードアセトアミドの形成、マレイミドの形成、Dhaの形成、ジスルフィドを介した共有結合形成、および脱硫化]、リジン残基の第一級アミン基において[例えば、活性化エステル、塩化スルホニル、イソチオシアネート、不飽和アルデヒドエステル、およびアルデヒドの結合のため]、チロシン残基のフェノール性ヒドロキシル基において、特定のアレルギー性エピトープ[例えば、グリカン基]において)起こり得る。
【0189】
組換えタンパク質は、乾燥(例えば、スプレー乾燥または 凍結乾燥を介して)または濃縮(例えば、沈殿または蒸発を介して)され得る(例えば、粉末を得るために)。
【0190】
カゼインの製造方法
様々な態様において、本明細書では、カゼイン(例えば、κ-カゼイン、β-カゼイン、α-S1-カゼイン、α-S2-カゼイン)の製造方法が提供され、この方法は、上記のいずれかによる組換え宿主細胞を発酵させることを含み、組換え宿主細胞は、上記のいずれかによる構造(A)、(B)、または(C)を有する組換えタンパク質を産生することが可能であり、組換えタンパク質の乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、および乳タンパク質4のうちの少なくとも1つは、β -ラクトグロブリンであり、乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、および乳タンパク質4のうちの少なくとも1つは、カゼインであり、ここで、カゼインは、プロテアーゼの認識または切断配列(例えば、本明細書で開示された、任意のプロテアーゼ認識または切断配列)を含む少なくとも1つのペプチドリンカーに隣接している。
【0191】
理論によって限定されることを望まないが、β-ラクトグロブリンへのカゼインの共有結合は、カゼインの凝集を防止し、それによって、組換え宿主細胞による組換えカゼインのより高い力価産生を提供し得ると考えられる。
【0192】
上記の方法での使用に適切な組換えタンパク質の非限定的な例としては、以下のいずれかが挙げられる:
(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(カゼイン)の形態を有する上記構造(A)、
(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(カゼイン)-(リンカーペプチド2)-(β-ラクトグロブリン)の形態を有する上記の構造(B)、
(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(カゼイン1)-(リンカーペプチド2)-(カゼイン2)の形態を有する上記構造(B)、
(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(カゼイン1)-(リンカーペプチド2)-(カゼイン2)-(リンカーペプチド3)-(β-ラクトグロブリン)の形態を有する上記構造(C)、
(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(カゼイン1)-(リンカーペプチド2)-(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド3)-(カゼイン2)の形態を有する上記構造(C)、および
(β-ラクトグロブリン)-(リンカーペプチド1)-(カゼイン1)-(リンカーペプチド2)-(カゼイン2)-(リンカーペプチド3)-(カゼイン3)の形態を有する上記構造(C)、
ここで
リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、およびリンカーペプチド3は、プロテアーゼの認識または切断配列(例えば、本明細書に開示されるプロテアーゼ認識または切断配列のいずれか)を含んでいてもよく、
リンカーペプチド1、リンカーペプチド2、およびリンカーペプチド3は、互いに同一であってもよく、または長さおよび/もしくはアミノ酸配列が互いに異なる場合があり、および
カゼイン1、カゼイン2、およびカゼイン3は、互いに同一であってもよく、または長さおよび/もしくはアミノ酸配列が互いに異なっていてもよい。
【0193】
この方法は、リンカーペプチドをプロテアーゼと切断し、それによってカゼインを放出することをさらに含み得る。
【0194】
組換えタンパク質を含むポリマー
様々な態様において、本明細書で提供されるのはポリマーである。
【0195】
ポリマーは、ジスルフィド結合を介して連結されたタンパク質モノマーを含むタンパク質ポリマーを含み得る。タンパク質モノマーは、上記のいずれかによる1つ以上の組換えタンパク質であってもよい。例えば、タンパク質モノマーは、単一の組換えタンパク質であり得る。あるいは、タンパク質モノマーは、少なくとも2つの異なる組換えタンパク質であってもよい。
【0196】
ポリマーは、生産、使用、および廃棄において利点を提供し、これには、その生産のための再生可能な天然資源の使用および生分解性の可能性、並びに石油資源の非依存性による環境へのより小さい悪影響が含まれるが、これらに限定されない。さらに、ポリマーは、乳タンパク質のサブセットに由来するモノマーを含み得る(すなわち、ポリマーは、組換えタンパク質に含まれない他の乳タンパク質、および哺乳類由来乳に含まれる不純物を本質的に含まない)。さらに、ポリマーは、組換えタンパク質の精製された調製物から製造することができ、重合プロセスに対するより大きな制御およびポリマー特性の調整を提供する。具体的には、重合プロセスのプロセスおよび結果に影響を及ぼし得る(例えば、ポリマーの安定性および/または他の属性に影響を及ぼし得る)様々なタンパク質、脂質、および他の成分の混合物を含む哺乳類由来の乳からポリマーを産生することとは対照的に、上記のいずれかによる組換えタンパク質からのポリマーの産生は限定成分系を構成し、これによりプロセスおよび結果に対するより良い制御を提供し得る。
【0197】
ポリマーは、質量で、約0.001%~約100%(例えば、0.001%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、1%、0.1%、または0.01%の間;0.01%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、1%、または0.1%の間;0.1%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、または1%の間;1%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%の間;10%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、または20%の間;20%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、または30%の間;30%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、または40%の間、40%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、または50%の間;50%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、または60%の間;60%から100%、99%、95%、90%、80%、または70%の間、70%から100%、99%、95%、90%、または80%の間;80%から100%、99%、95%、または90%の間;90%と100%、99%、または95%の間;95%と100%、または99%の間;または99%と100%の間)のタンパク質ポリマーを含み得る。
【0198】
タンパク質ポリマーは、質量で、約0.001%~約100%(例えば、0.001 %から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、1%、0.1%、または0.01%の間;0.01%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、1%、または0.1%の間;0.1%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、または1%の間;1%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%の間;10%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、または20%の間;20%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、または30%の間;30%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、または40%の間、40%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、または50%の間;50%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、または60%の間;60%から100%、99%、95%、90%、80%、または70%の間、70%から100%、99%、95%、90%、または80%の間;80%から100%、99%、95%、または90%の間;90%と100%、99%、または95%の間;95%と100%、または99%の間;または99%と100%の間)の1つ以上の組換えタンパク質を、含み得る。
【0199】
繰り返されるタンパク質モノマーは、中間分子を介して、および/または他の共有結合(例えば、アミド結合[例えば、ラクタム架橋、天然化学ライゲーション結合、シュタウディンガーライゲーション結合])を介して、および/または非共有結合相互作用(例えば、静電相互作用、水素結合、立体相互作用、ファンデルワールス相互作用)を介して、さらに連結されてもよい。
【0200】
上記のいずれかによるポリマーは、上記のいずれかによる組換えタンパク質を、組換えタンパク質と相互作用することができる1つ以上の他の成分(例えば、石油由来化合物[例えば、エチレン、プロピレン、塩化ビニル]、炭水化物[例えば、アルギネート、キトサン、セルロース]、非乳タンパク質[例えば、植物タンパク質(例えば、本明細書に開示される植物タンパク質のいずれか)、動物タンパク質(例えば、コラーゲン、ゼラチン、絹フィブロイン、ケラチン、オボアルブミン)、真菌タンパク質(例えば、本明細書に開示される真菌タンパク質のいずれか)、およびこれらの組み合わせ])と混合することによって産生されるポリマーブレンドであり得る。組換えタンパク質の1つ以上の他の成分に対する質量比は、約1対100~約100対1(例えば、約100対1、約90対1、約80対1、約70対1、約60対1、約50対1、約40対、約30対1、約20対1、約10対1、約9対1、約8対1、約7対1、約6対1、約5対1、約4対1、約3対1、約2 対1、約1対1、約1対2、約1対3、約1対4、約1対5、約1対6、約1対7、約1対8、約1対9、約1対10、約1対20、約1対30、約1対40、約1対50、約1対60、約1対70、約1対80、約1対90、または約1対100)であり得る。
【0201】
上記のいずれかによるポリマーは、従来の石油由来ポリマーに類似していてもよい。そのような類似性は、本明細書に開示される2つ以上の属性のうちの任意の1つまたは任意の組み合わせに起因してもよい。
【0202】
上記のいずれかによるポリマーは、上記のいずれかによるポリマーに含まれる組換えタンパク質または組換えタンパク質以外の任意のタンパク質を本質的に含まないものであってよい。
【0203】
上記のいずれかによるポリマーは、上記のいずれかによるポリマーに含まれる組換えタンパク質または組換えタンパク質以外の任意の組換えタンパク質を本質的に含まないものであってよい。
【0204】
上記のいずれかによるポリマーは、上記のいずれかによるポリマーに含まれる組換えタンパク質または組換えタンパク質以外の任意の組換え乳タンパク質を本質的に含まないものであってよい。
【0205】
上記のいずれかによるポリマーは、哺乳類産生乳(例えば、牛乳、ヤギ乳、ヒツジ乳、人乳、水牛乳、ヤク乳、ラクダ乳、ラマ乳、アルパカ乳、 馬乳、ロバ乳)中に見出される成分を本質的に含まないか、または哺乳類産生乳中に見出される少なくとも1つの成分を低濃度で含んでいてもよい。哺乳類由来乳に見られる成分の非限定的な例としては、乳糖、飽和脂肪、コレステロール、天然乳タンパク質、および天然乳脂質が挙げられる。
【0206】
ポリマーは、上記のいずれかによる組換えタンパク質に含まれる乳タンパク質以外の乳タンパク質を本質的に含まないものであってよい。
【0207】
上記のいずれかによるポリマーは、動物から得られた成分(すなわち、動物に由来する成分であって、動物製品[すなわち、消費物であるか、または典型的にはヒトによって消費のために調製された動物の部分;例えば、動物肉、動物脂肪、動物血液]、動物の副産物[すなわち、典型的にはそれ自体消費可能ではないが消費のために塗擦した動物の副産物である製品;例えば、動物の骨、動物の死体、およびそこから単離された成分]、動物によって産生される製品[例えば、哺乳類由来の乳、鶏卵、蜂蜜]、およびそこから産生される消費物[例えば、哺乳類由来の乳から抽出されたゼラチン、レンネット、哺乳類由来の乳から抽出されたホエイタンパク質、哺乳類由来の乳から抽出されたカゼイン、哺乳類由来の乳から抽出された乳脂質、動物脂質、動物タンパク質]を本質的に含まないか、または2質量%以下含んでいてもよい。
【0208】
上記のいずれかによるポリマーは、石油由来成分を本質的に含まないか、または2質量%以下の石油由来成分を含んでいてもよい。
【0209】
ポリマーの製造方法
様々な態様において、本明細書で提供されるのは、上記のいずれかによるポリマーの製造方法であって、以下を包含する:
a) 上記のいずれかによる1つ以上の組換えタンパク質を得る(例えば、上記のいずれかによる組換え宿主細胞による産生を介して)ステップ、および
b) 前記1つ以上の組換えタンパク質に含まれる1つ以上の遊離チオール基が1つ以上の分子内および/または分子間ジスルフィド結合を形成するように、前記1つ以上の組換えタンパク質を軽度に変性させるステップ。
【0210】
組換えタンパク質を軽度に変性させる(例えば、組換えタンパク質の20%未満を変性させる)ことは、組換えタンパク質に含まれる遊離チオール基(複数可)を露出させるが、組換えタンパク質中の既存の分子内ジスルフィド結合を破壊しない条件下で達成することができる。そのような条件には、組換えタンパク質のコンフォメーションが比較的安定しているpH(すなわち、組換えタンパク質の10%未満が変性されるpH)で組換えタンパク質をある温度(例えば、組換えタンパク質のTmより10~20℃低い温度)に加熱すること、または組換えタンパク質のコンフォメーションがわずかに不安定であるpH(すなわち、組換えタンパク質の10%~50%が変性されるpH)で組換えタンパク質をある温度(例えば、組換えタンパク質のTmより15~25℃低い温度)で組換えタンパク質を加熱すること、または組換えタンパク質のコンフォメーションが安定しないpH (すなわち、組換えタンパク質の50%超が変性されるpH)で組換えタンパク質をある温度(例えば、組換えタンパク質のTmより20~30℃低い温度)で組換えタンパク質を加熱することが含まれ得る。穏やかな変性条件は、加熱の持続時間によっても調節することができる。
【0211】
ジスルフィド結合の形成は、非還元条件下で、適切なpHおよび適切なイオン強度で、適切な温度で、並びに適切な加熱時間で生じ得る(例えば、Ramos et al. 2017 Crit Rev Food Sci Nutr.57 (7): 1377-1393、Tavares et al.2014 Trends in Food Science and Technology 37: 5 -20, Teng et al.2015 RSC Adv. 5: 35138、Bourbon et al.2019 Gels 5: 9, Ahmed et al.2016 Colloids and Surfaces B: Biointerfaces 143: 371 -381, Remondetto and Subirade 2003 Biopolymers 69: 461 -469, Gunasekaran et al.2007 Journal of Food Engineering 83:31-40を参照されたい)。適切な温度の非限定的な例としては、組換えタンパク質のTmを約0℃~約30℃下回る温度(例えば、35℃から105℃、100℃、95℃、90℃、85℃、80℃、75℃、70℃、65℃、50℃、50℃、45℃、または40℃の間;40℃から105℃、100℃、95℃、90℃、85℃、70℃、65℃、50℃、50℃、または45℃の間;45℃から105℃、100℃、95℃、90℃、85℃、80℃、75℃、70℃、65℃、60℃、55℃、または50℃の間;50℃から105℃、100℃、95℃、90℃、85℃、80℃、75℃、70℃、65℃、60℃、または55℃の間;55℃から105℃、100℃、95℃、90℃、85℃、80℃、75℃、70℃、65℃、または60℃の間;60℃から105℃、100℃、95℃、90℃、85℃、80℃、75℃、70℃、または65℃の間;65℃から105℃、100℃、95℃、90℃、85℃、80℃、75℃、または70℃の間;70℃から105℃、100℃、95℃、90℃、85℃、80℃、または75℃の間; 75℃から105℃、100℃、95℃、90℃、85℃、または80℃の間;80℃から105℃、100℃、95℃、90℃、または85℃の間;85℃から105℃、100℃、95℃、または90℃の間;90℃から105℃、100℃、または95℃の間;95℃から105℃、または100℃の間;または100℃から105℃の間)が挙げられる。
【0212】
適切なpHの非限定的な例としては、11未満、10.5未満、10未満、9.5未満、9未満、8.5未満、8未満、7.5未満、7未満、6.5未満、6未満、5.5未満、5未満、4.5未満、または4未満のpH;または約3.5から約11の間(例えば、3.5から11、10.5、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、または4の間;4.5から11、10.5、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、または5の間;5から11、10.5、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、または5.5の間;5.5から11、10.5、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、または6の間;6から11、10.5、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、または6.5の間;6.5から11、10.5、10、9.5、9、8.5、8、7.5、または7の間;7から11、10.5、10、9.5、9、8.5、8、または7.5の間;7.5から11、10.5、10、9.5、9、8.5、または8の間;8から11、10.5、10、9.5、9、または8.5の間;8.5から11、10.5、10、9.5、または9の間;9から11、10.5、10、9.5の間;9.5から11、10.5、または10の間;10から11、または10.5の間;または10.5から11の間)が挙げられる。適切なpHの非限定的な例としては、11未満、10.5未満、10未満、9.5未満、9未満、8.5未満、8未満、7.5未満、7未満、6.5未満、6未満、5.5未満、5未満、4.5未満、または4未満のpH;または約3.5から約11の間(例えば、3.5から11、10.5、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、または4の間;4.5から11、10.5、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、または5の間;5から11、10.5、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、または5.5の間;5.5から11、10.5、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、または6の間;6から11、10.5、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、または6.5の間;6.5から11、10.5、10、9.5、9、8.5、8、7.5、または7の間;7から11、10.5、10、9.5、9、8.5、8、または7.5の間;7.5から11、10.5、10、9.5、9、8.5、または8の間;8から11、10.5、10、9.5、9、または8.5の間;8.5から11、10.5、10、9.5、または9の間;9から11、10.5、10、9.5の間;9.5から11、10.5、または10の間;10から11、または10.5の間;または10.5から11の間)が挙げられる。
【0213】
適切な加熱時間の非限定的な例としては、5分から120分、110分、100分、90分、80分、70分、60分、50分、40分、30分、20分、または10分の間;10分から120分、110分、100分、90分、80分、70分、60分、50分、40分、30分、または20分の間;20分から120分、110分、100分、90分、80分、70分、60分、50分、40分、または30分の間;30分から120分、110分、100分、90分、80分、70分、60分、50分、または40分の間;40分から120分、110分、100分、90分、80分、70分、60分、または50分の間;50分から120分、110分、100分、90分、80分、70分、または60分の間;60分から120分、110分、100分、90分、80分、または70分の間;70分から120分、110分、100分、90分、または80分の間;80分から120分、1 10分、100分、または90分の間;90分から120分、110分、または100分の間;100分から120分、または110分の間;または110分から120分の間の加熱時間が挙げられる。
【0214】
加えて、重合は、当技術分野で知られているタンパク質モノマーを重合するための様々な他の方法を使用して修飾されることができ、例えば、組換えタンパク質の押し出し(例えば、Tavares et al.2014 Trends in Food Science and Technology 37:5-20, Teng et al.2015 RSC Adv.5, 35138を参照);活性剤のカプセル化(例えば、Tavares et al. 2014Trends in Food Science and Technology 37:5-20を参照);エレクトロスピニング(例えば、Stie et al.2020 ACS Appl.Nano Mater.3: 1910-1921, Sullivan, et al.2014 Food Hydrocolloids 35:36-50, Akhmetova & Heinz 2021 Pharmaceutics 13:4, Ahmed et al. 2016 Colloids and Surfaces B : Biointerfaces 143:371-381を参照);ヒドロゲル、ヒドロナノゲル、ナノフィブリル、ナノ粒子、ナノチューブ、ナノゲル、ヒドロゲルビーズ、バイオポリマー粒子、またはマイクロスフェアへの処理(例えば、Ramos et al.2017 Crit Rev Food Sci Nutr.57 (7):1377-1393、Gunasekaran et al.2007 Journal of Food Engineering 83: 31 -40, McClements 2017 Advances in Colloid and Interface Science 240: 31-59を参照)、およびフィルムおよび/またはコーティングへの処理(例えば、食用フィルムおよびコーティングの製造、および/またはカプセル化されたナノ粒子、ナノエマルジョン、およびゲルの送達; (例えば、Ramos et al.2012 Critical Reviews in Food Science and Nutrition, 52 (6): 533 -552)、発泡体への加工(例えば、Ye et al.2021 Adv. Sustainable Syst.2100063を参照)、架橋剤(すなわち、タンパク質上の官能基を活性化し、したがってスペーサーを組み込まずにタンパク質を結合する化学物質)、架橋酵素(例えば、トランスフェラーゼ[酵素コミッション番号(EC)2;例えば、トランスグルタミナーゼ]、加水分解酵素(EC3))、酸化(例えば、酸化剤を使用して)、放射線照射(例えば、UV、ガンマ線、電子ビームを使用して)、機械的攪拌、電界、圧力(例えば、押出)、乱流、摩擦、光酸化処理(例えば、光反応性アミノ酸類似体を使用して)、3Dプリンティング、エレクトロスピニング、およびこれらの組み合わせを用いる方法。が挙げられる。
【0215】
当業者によく知られているように、成分は、様々な方法、例えば、成分の乾式ブレンドまたは溶融ブレンドでブレンドすることができる。例えば、ポリエチレン樹脂およびタンパク質ポリマーは、例えば、成分を押出機内でペレットとして添加することによって乾式ブレンドされてもよく、ここで、成分は加熱され、一緒に混合される。あるいは、ポリエチレン樹脂およびタンパク質ポリマーは、溶融ブレンドされてもよく、各成分は、溶融され、コンパウンダーまたは押出機中で混合され、次いでペレット化される。成分を混合するための他のブレンド方法は、本明細書で企図される。
【0216】
組換えタンパク質を含む組成物
様々な態様において、本明細書で提供されるのは、上記のいずれかによる組換えタンパク質および/または上記のいずれかによるポリマーを含むか、または本質的にそれからなる組成物である。
【0217】
組成物は、組換えタンパク質および/またはポリマーを乾燥質量で、約0.1%から約100%の間(例えば、0.1%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、もしくは0.2%の間;0.2%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、もしくは0.3%の間;0.3%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、もしくは0.4%の間;0.4%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、もしくは0.5%の間;0.5%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、しくは0.6%の間;0.6%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、もしくは0.7%の間;0.7%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、もしくは0.8%の間;0.8%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、もしくは0.9%の間;0.9%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、もしくは1%の間;1%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、もしくは2%の間;2%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、もしくは3%の間;3%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、もしくは4%の間;4%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、もしくは5%の間;5%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、もしくは6%の間;6%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、もしくは7%の間;7%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、もしくは8%の間;8%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、もしくは9%の間;9%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、もしくは10%の間;10%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、もしくは11%の間;11%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、もしくは12%の間;12%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、もしくは13%の間;13%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、もしくは14%の間;14%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、もしくは15%の間;15%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、もしくは20%の間;20%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、もしくは25%の間;25%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、もしくは30%の間;30%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、もしくは35%の間;35%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、もしくは40%の間;40%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、もしくは45%の間;45%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、もしくは50%の間;50%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、もしくは55%の間;55%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、もしくは60%の間;60%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、もしくは65%の間;65%から100%、95%、90%、85%、80%、75%、もしくは70%の間;70%から100%、95%、90%、85%、80%、もしくは75%の間;75%から100%、95%、90%、85%、もしくは80%の間;80%から100%、95%、90%、もしくは85%の間;または85%から100%、95%、もしくは90%の間;90%から100%もしくは95%、または95%から100%の間)で含むことができる。
【0218】
標準的な周囲温度および条件(すなわち、20℃~30℃および0.95~1.05atm)では、上記のいずれかによる組成物は、流体、半固体(例えば、ゼラチン状)、固体、または粉末であってよい。粉末の含水率は、2 0 %未満、1 5 %未満、1 0 %未満、7 %未満、5 %未満、3 %未満、または1 %未満;あるいは約0.1%~約20% (例えば、0.1%から20%、15%、10%、5%、もしくは1%の間;1%から20%、15%、10%、もしくは5%の間;5%から20%、15%、もしくは10%の間;10%から20%、もしくは15%の間;または15%から20%の間)であってよい。粉末は粉末形態で使用してもよく、粉末形態を使用前に水和剤で再構成してもよく、粉末形態を他の乾燥成分(例えば、小麦粉、砂糖、ミネラル、pHまたはイオン強度調整剤)を混合してから水和剤を加えてもよい。
【0219】
上記のいずれかによる組成物は、他の成分(例えば、本明細書に開示される他の成分のいずれか)をさらに含んでもよい。例えば、組成物は、そのような他の成分のいずれか1つ、そのような他の成分の2つ以上の任意の組み合わせ、またはそのような他の成分のすべてを、質量として、約0.001%から約50%の間 (例えば、0.001%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、もしくは0.01%の間;0.01%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、もしくは0.1%の間;0.1%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、もしくは0.05%の間;0.05%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、もしくは1%の間;1%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、もしくは2%の間;2%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、もしくは3%の間;3%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、もしくは4%の間;4%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、もしくは5%の間;5%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、もしくは6%の間;6%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、もしくは7%の間;7%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、もしくは8%の間;8%から50%、25%、20%、15%、10%、もしくは9%の間;9%から50%、25%、20%、15%、もしくは10%の間;10%から50%、25%、20%、もしくは15%の間;15%から50%、25%、もしくは20%の間;20%から50%、もしくは25%の間;または25%から50%の間)で含んでよい。
【0220】
上記のいずれかによる組成物は、様々な製品であり得る。例えば、封入物(例えば、送達のための治療用または栄養補助剤を封入する生成物[例えば、マイクロ粒子またはナノ粒子(例えば、ビーズ、ミセル、カプセル、ヒドロゲル)、産業上の有用性を有する組成物(例えば、誘電体)、接着剤(すなわち、接着結合を形成する材料;例えば、糊、壁紙接着剤、木材接着剤、紙接着剤、コルク接着剤、チップボード接着剤、外科用/医療用接着剤、セメント、粘液、ペースト)、コーティングまたは化粧面(例えば、光沢コーティング、保護コーティング、ニス、医療用錠剤のコーティング、 紙コーティング、塗装、皮革仕上げ、織物コーティング)、スプレー、塗料またはインクまたはインクのための顔料結合剤、硬質プラスチック(例えば、ボトル、ボタン、ウィンドウ、ペン)、中硬質プラスチック(例えば、ボトル、繊維[例えば、糸])、軟質プラスチック(例えば、バッグ、ラップ、食用フィルム、防水フィルム、コンタクトレンズ、包装材料)、織物(例えば、織物、カーペット、カーテン、衣類)、工業用ポリマー(すなわち、合成工業材料の製造に使用される化合物)、医療診断薬(例えば、J. Berger et al. 2004. Europ J of Pharm and Biopharm 57:19を参照)、ゲル(例えば、治療薬の制御放出のためのヒドロゲル、タンパク質(例えば、酵素)を固定化するためのヒドロゲル)、インプラント(例えば、骨置換複合体、神経修復を支持する材料、成長細胞のための足場、人工インプラント)、衣類(例えば、靴)、潤滑剤、家具の一部、紙(例えば、紙シート、紙ラベル、包装紙、写真サポート)、家庭用品(例えば、ポット、ボウル、プレート、カップ)、および生物学的足場(すなわち、生物学的マトリックスを模倣する構造、縫合糸、骨置換材料、神経修復を支持する材料、成長細胞のための足場、補綴物、創傷治癒促進膜、創傷被覆材、組織工学的足場材)が挙げられる。
【0221】
その他の成分
上記のいずれかによる組成物に任意に含まれる他の成分は、任意の他の成分であってもよい。
【0222】
適切な他の成分の非限定的な例としては、他のタンパク質、生物活性剤、栄養剤、および機能性剤が挙げられる。
【0223】
任意の他のタンパク質は、任意の供給源に由来する1つ以上の天然および/または組換えの他のタンパク質、並びに様々な供給源に由来する天然および/または組換えの他のタンパク質の混合物から、本質的になっていてよい。適切な供給源の非限定的な例としては、動物、植物、藻類、真菌、または細菌が挙げられる。動物性タンパク質の非限定的な例としては、構造的動物性タンパク質(例えば、コラーゲン、トロポエラスチン、エラスチン、ケラチン、シルクフィブロイン;例えば、Akhmetova & Heinz, 2021 Pharmaceuticals2 13:42参照)、乳タンパク質(例えば、本明細書に非重合形態で開示されるホエイタンパク質またはカゼインのいずれか)、卵タンパク質(例えば、本明細書のオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、G162M F167Aオボムコイド、オボグロブリンG2、オボグロブリンG3、α-オボムチン、β-オボムチン、リゾチーム、オボインヒビター、オボグリコプロテイン、フラボプロテイン、オボマクロブリン、オボスタチン、シスタチン、アビジン、オボアルブミン関連タンパク質X、オボアルブミン関連タンパク質Y)、生理活性ペプチド、治療用ペプチド(例えば、抗菌ペプチド[例えば、マガイニン、セクロピン]、アポトーシスメディエーターのBcL-2ファミリーに由来する孔形成ペプチド;例えば、Boohaker et al. 2012 Curr Med Chem. 19(22):3794-804を参照)、および球状タンパク質(例えば、アルブミン)が含まれる。植物タンパク質の非限定的な例としては、エンドウ豆タンパク質(例えば、レグミン、ビシリン、コビシリン)、大豆タンパク質、ジャガイモタンパク質(例えば、チューベリン、プロテアーゼ阻害剤ノテートII)、小麦タンパク質、およびゼインが挙げられる。真菌タンパク質の非限定的な例としては、グルコアミラーゼ、キシラナーゼ、アミラーゼ、グルカナーゼ、SUNファミリーのメンバー(Sim1p、Uth1p、Nca3p、Sun4p)、伸長因子1-α、ミトコンドリアのロイシル-tRNA合成酵素、アルファ-アミラーゼ、アルファ-ガラクトシダーゼ、セルラーゼ、エンド-1,4-ベータ-キシラナーゼ、エンドグルカナーゼ、エキソ-1,4-ベータ-キシロシダーゼ、グルコアミラーゼ、ペプチダーゼ、アスペルギロペプシン-1、1,4- ベータ-D-グルカンセロビオヒドロラーゼA、アルファ-ガラクトシダーゼA、アルファ-ガラクトシダーゼB、アルファ-ガラクトシダーゼD、アルファ-グルクロニダーゼA、ベータ-ガラクトシダーゼC、グルカン1,3-ベータ-グルコシダーゼA、ハイドロフォビン、およびグルカンエンド-1,3-ベータ-グルコシダーゼeglC、が挙げられる。任意の他のタンパク質は、組換えられた他のタンパク質(例えば、哺乳類PTM、非哺乳類PTM、またはその混合物を有する、および/または哺乳類PTMを欠く、および/またはヒトもしくは動物において免疫応答を誘発することができるエピトープを欠く、組換えられた他のタンパク質)を含んでよい。
【0224】
生物活性剤の非限定的な例としては、中和剤(すなわち、生理学的利益を有する、または疾患に対する保護を提供する化合物)、および治療薬(すなわち、疾患を治療する化合物)が挙げられる。
【0225】
栄養剤の非限定的な例としては、栄養補助食品、プレバイオティクス、プロバイオティクス、プロビタミン、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質、炭水化物、脂質、並びに必須および半必須アミノ酸が挙げられる。
【0226】
ビタミンの非限定的な例としては、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン、チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(それぞれビタミンB5)、ピリドキシン(ビタミンB6)、葉酸(ビタミンB9)、コバラミン(ビタミンB12)、ビタミンC、葉酸塩、ビタミンA、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、並びにこれらの誘導体および混合物が挙げられる。
【0227】
ミネラルの非限定的な例としては、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クエン酸塩、塩化物、リン酸塩、マグネシウム、カリウム、亜鉛、鉄、モリブデン、マンガン、銅、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0228】
抗酸化剤の非限定的な例としては、例えば、α-トコフェロール(例えば、ボス・タウルスの乳に含まれるトコフェロール)、低分子量チオール(例えば、ボス・タウルスの乳に含まれる低分子量チオール)、レチノール(例えば、ボス・タウルスの乳に含まれるレチノール)、カロテノイド(例えば、牛乳に含まれるカロテノイド、α-カロテン、β-カロテン、γ-カロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン)、ビタミンE、アザディラクタインディカ(Azadirachta indica)抽出物、リボフラビン、ローズマリー抽出物、ローズマリー抽出物に含まれるフェノール性ジテルペン(例えば、カルノソール、カルノシン酸)、セージ抽出物、アスコルビン酸(ビタミンC)およびその塩、乳酸およびその塩、ブドウ残渣サイレージ、ブドウ残渣サイレージに含まれるフェノール化合物(例えば、フェルラ酸)、大豆(Glycine max)抽出物、大豆抽出物に含まれるイソフラボンまたはポリフェノール化合物、ニンニク(Allium sativum)抽出物、ニンニク抽出物に含まれるフェノールまたはフラボノイドまたはテルペノイド化合物、フェンネル(Foeniculum vulgare Mill.)抽出物、カモミール(Matricaria recutita L.)抽出物、脂肪酸(例、α-リポ酸)、褐藻類(例、アスコフィルムノドスム(Ascophyllum nodosum)、ヒバマタ(Fucus vesiculosus))、未熟ピンクペッパー(GEO)のエッセンシャルオイル、成熟ピンクペッパー(MEO)のエッセンシャルオイル、緑茶抽出物、ブチル化ヒドロキシアニソール(E320)、ブチル化ヒドロキシトルエン(E321)、ポリフェノール(例えば、クルクミン、クルクミノイド、デスメトキシクルクミン(ヒドロキシシルマモイルフェルロイルメタン)、ビス-デスメトキシクルクミン)、カテキン(例、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキン、Cカテキン、緑茶抽出物に含まれるカテキン)、並びにそれらの誘導体またはそれらの混合物が挙げられる。
【0229】
炭水化物の非限定的な例には、以下が含まれる:単糖、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、およびそれらの混合物など;二糖類、例えば、マルトース、ラクトース、スクロース、およびそれらの混合物など;多糖類、例えば、デンプン(例えば、ペクチン、コーン(トウモロコシ)デンプン、オート麦デンプン、ジャガイモデンプン、サツマイモデンプン、米デンプン、エンドウ豆デンプン、小麦デンプン、小豆デンプン、緑豆デンプン、葛デンプン、片栗デンプン、アロールートデンプン、マングビーンデンプン、サゴデンプン、タピオカで、植物デンプン(例えば、本明細書に開示される植物のいずれかから得られるデンプン)、およびそれらの誘導体、並びにそれらの2つ以上の混合物。いくつかの実施形態において、デンプンは、変性デンプン(例えば、アルファ化デンプン(例えば、トウモロコシ、小麦、タピオカ)、アルファ化高アミロース含有量デンプン、アルファ化加水分解デンプン(例えば、マルトデキストリン、コーンシロップ固形物、米シロップ固形物、タピオカシロップ固形物)、アルファ化置換デンプン(例えば、オクテニルコハク酸変性デンプン)などの化学修飾デンプン、アルカリ変性デンプン、漂白デンプン、酸化デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプン、リン酸物エステル化リン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化デンプン、モノスターチアセテート、アセチル化デンプン、モノスターチアセテート、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、グリセロール架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化グリセロール架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、アセチル化酸化デンプン、デキストリン、オクテニルコハク酸ナトリウム澱粉、およびそれらの誘導体、並びにそれらの2つ以上の混合物)、穀粉(例えば、樫粉、アーモンド粉、アマランス粉、アッタ粉、大麦粉、豆粉、そば粉、カッサバ粉、栗粉、チュニョ粉、ココナッツ粉、コーン(トウモロコシ)粉、デュラム粉、アインコーン粉、エマー粉、ファバ豆粉、ガルバンゾ粉、粉砕チアシード、粉砕亜麻仁粉、麻粉、コラサン粉、レンズ豆粉、マイダ粉、麦芽大麦粉、マサハリナ、メスキート粉、キビ粉、ナッツ粉、オート麦粉、エンドウ豆粉、ピーナッツ粉、ジャガイモ粉、キノア粉、米粉、ライ麦粉、ソルガム粉、大豆粉、スペルト小麦粉、スイートライス粉、タロ粉、テフ粉、小麦粉、バイタル小麦グルテン、粉砕チアシード、粉砕亜麻仁、およびそれらの誘導体、並びにそれらの2つ以上の混合物)、ガム(例えば、アロールート粉、キサンタンガム、アカシアガム(アラビアガム)、ジェランガム、グアーガム、イナゴ豆ガム(カロブガム)、トラガカントガム、カラゲナン、タラガム、小麦ガム、コンニャクガム、寒天ガム、カラヤガム、サレップ、変性セルロース(例えば、メチルセルロース、メトキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、マイクロクリスタリンセルロース)、およびそれらの誘導体および混合物である。いくつかの実施形態では、ガムは、変性ガム(例えば、脱アセチル化、脱アセチル化清澄化、部分脱アセチル化、部分脱アセチル化清澄化、およびそれらの誘導体、並びにそれらの2つ以上の混合物)、食用繊維(例えば、アカシア繊維、竹繊維、大麦ふすま、にんじん繊維、セルロース(例、木パルプセルロース)、柑橘類繊維、トウモロコシふすま、可溶性食物繊維、不溶性食物繊維、オートブラン、エンドウ豆繊維、米ぬか、籾殻、オオバコ殻、コンニャク、大豆繊維、大豆多糖類、小麦ふすま、イヌリン、およびそれらの誘導体、およびそれらの2つ以上の混合物)、およびそれらの2つ以上の混合物;並びにそれらの2つ以上の混合物である。
【0230】
脂質の非限定的な例としては、脂肪、油、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、および遊離脂肪酸が挙げられる。
【0231】
油の非限定的な例としては、植物油(例えば、ひまわり油、ココナッツ油、マスタードシード油、ピーナッツ油、キャメリナサティバ油、キャノーラ油、コーン油、綿実油、キューピア油、亜麻仁油、オリーブ油、パーム油、菜種油、サフラワー油、ゴマ油、大豆油、アーモンド油、ブナ油、ブラジルナッツ油、カシューナッツ油、ヘーゼルナッツ油、マカダミアナッツ油、モンゴナッツ油、ピーカン油、パインナッツ油、ピスタチオ油、クルナッツ油、アボカド油、ブドウ油)、微生物由来油、藻類由来油、真菌由来油、海洋動物油(例:大西洋魚油、太平洋魚油、地中海魚油、軽圧搾魚油、アルカリ処理魚油、加熱処理魚油、淡褐色魚油、重褐色魚油、カツオ油、マイワシ油、マグロ油、スズキ油、オヒョウ油、ヤリイカ油、バラクーダ油、タラ油、メンハーデン油、イワシ油、アンチョビ油、カペリン油、大西洋タラ油、大西洋ニシン油、大西洋サバ油、大西洋メンハーデン油、サケ科魚類油、サメ油、イカ油、カトルフィッシュ油、タコ油、オキアミ油、アザラシ油、鯨油)、非エッセンシャルオイル、エッセンシャルオイル、天然油、非水素化油、部分水素化油、水素化油(例えば、水素化ココナッツ油)、粗製油、半精製(アルカリ精製とも呼ばれる)油、エステル交換油、および精製油が挙げられる。いくつかの実施形態では、長鎖油(例えば、ヒマワリ油、トウモロコシ油、オリーブ油、大豆油、ピーナッツ油、クルミ油、アーモンド油、ゴマ油、綿実油、キャノーラ油、サフラワー油、亜麻仁油、パーム油、パーム核油、パームフルーツ油、ココナッツ油、ババス油、シアバター、マンゴーバター、ココアバター、小麦胚芽油、米ぬか油、オレイン酸を400%過剰発現させた人工ヒマワリ油)は、短鎖トリグリセリドと組み合わされて、トランスエステル化脂肪酸エステルが製造される(例えば、特定の風味プロファイルを作成するために)。
【0232】
モノグリセリドおよびジグリセリドの非限定的な例としては、植物由来のモノグリセリドおよびジグリセリドが挙げられる(例えば、ヒマワリ、ココナッツ、ピーナッツ、綿実、オリーブ、ヤシ、菜種、サフラワー、ゴマ、大豆、アーモンド、ブナッツ、ブラジルナッツ、カシュー、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、モンゴナッツ、ピーカン、パインナッツ、ピスタチオ、クルナッツ、およびアボカドに由来するモノグリセリドおよびジグリセリド)。モノグリセリドおよびジグリセリドは、本明細書に開示される任意の遊離脂肪酸のアシル鎖を含む、当該技術分野で既知の任意の遊離脂肪酸のアシル鎖を含んでもよい。
【0233】
遊離脂肪酸の非限定的な例としては、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ミリストレイン酸、パミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、ワクセン酸、リノール酸、リノレイド酸、α-リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、オメガ脂肪酸(例えば、アラキドン酸、オメガ-3脂肪酸、オメガ-6脂肪酸、オメガ-7脂肪酸、オメガ-9脂肪酸)、炭素数が4 ~16の偶数個の長さの脂肪酸、モノ飽和酸(特に18個の炭素を有する)、低い界面張力を有する脂肪酸(例えば、20ダイン/cm未満、15ダイン/cm未満、11ダイン/cm未満、9ダイン/cm未満、7ダイン/cm未満、5ダイン/cm未満、3ダイン/cm未満、2ダイン/cm未満、1ダイン/cm未満、または0.5ダイン/cm未満、0.1~20ダイン/cm、1~15ダイン/cm、2~9ダイン/cm、3~9ダイン/cm、4~9ダイン/cm、5~9ダイン/cm、2~7ダイン/cm、0.1~5 ダイン/cm、0.3~2ダイン/cm、または0.5~1ダイン/cm、0.1ダイン/cm、0.5ダイン/cm、1.0ダイン/cm、1.5ダイン/cm、2.0ダイン/cm、2.5ダイン/cm、3.0ダイン/cm、3.5ダイン/cm、4.0ダイン/cm、4.5ダイン/cm、5.0ダイン/cm、5.5ダイン/cm、6.0ダイン/cm、6.5ダイン/cm、7.0ダイン/cm、7.5ダイン/cm、8.0ダイン/cm、8.5ダイン/cm、9.0ダイン/cm、9.5ダイン/cm、10.0ダイン/cm、10.5ダイン/cm、11.0ダイン/cm、11.5ダイン/cm、12.0ダイン/cm、12.5ダイン/cm、13.0ダイン/cm、13.5ダイン/cm、14.0ダイン/cm、14.5ダイン/cm、15.0ダイン/cm、15.5ダイン/cm、16.0ダイン/cm、16.5ダイン/cm、17.0ダイン/cm、17.5ダイン/cm、18.0ダイン/cm、18.5ダイン/cm、19.0ダイン/cm、19.5ダイン/cm、または20.0ダイン/cm、)、sn-3でエステル化された酪酸(4:0)またはカプロン酸(6:0)、sn-1位およびsn-2位でエステル化された中鎖脂肪酸(8:0~14:0)および16:0、ステアリン酸(18:0)がsn-1位に配置された脂肪酸、オレイン酸(18:1)がsn-1位およびsn-3位に配置された脂肪酸、ある範囲の炭素原子(例えば、8~40、10~38、12~36、14~34、16~32、18~30、または20~28個の炭素原子)を有する脂肪酸、少なくとも1つの不飽和結合(すなわち、炭素二重結合または三重結合;例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、または少なくとも8個の炭素-炭素二重結合および/または三重結合)を有する脂肪酸、共役不飽和結合を有する脂肪酸(すなわち、それらの間にメチレン(CH2)基を含まずに、少なくとも1対の炭素-炭素二重結合および/または三重結合が一緒に結合される(例えば、4CH:CH:CH:CH))、および上記の脂肪酸の誘導体(例えば、エステル(例えば、メチルおよびエチルエステル)、塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム塩)、トリグリセリド誘導体、ジグリセリド誘導体、モノグリセリド誘導体、が挙げられる。遊離脂肪酸は、飽和または不飽和であり得る。いくつかの実施形態では、遊離脂肪酸は、哺乳類に由来するものではなく、哺乳類によって産生されるものでもない。
【0234】
リン脂質の非限定的な例としては、レシチンリン脂質(例えば、大豆レシチンリン脂質、ヒマワリレシチンリン脂質、綿レシチンリン脂質、菜種レシチンリン脂質、米ぬかレシチンリン脂質、トウモロコシレシチンリン脂質、小麦粉レシチンリン脂質)、カルジオリピン、セラミドホスホコリン、セラミドホスホエタノールアミン、グリセロリン脂質、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質、およびホスファチジルセリンが挙げられる。いくつかの実施形態では、リン脂質は、哺乳類に由来するものではなく、哺乳類によって産生されるものでもない。
【0235】
トリグリセリドの非限定的な例としては、トリブチリン、短鎖トリグリセリド、3つのオレイン酸を含む短鎖トリグリセリド、ヘキサン酸を含む短鎖トリグリセリド、ヘキサン酸および酪酸を含む短鎖トリグリセリド、ヘキサン酸およびデカン酸を含む短鎖トリグリセリド、並びに1つの酪酸、1つのヘキサン酸、および1つのオクタン酸を含む短鎖トリグリセリドが挙げられる。
【0236】
必須および半必須アミノ酸の非限定的な例としては、システイン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、およびバリンが挙げられる。
【0237】
機能性剤の非限定的な例としては、酸味料、緩衝剤、保存期間延長剤、pHおよび/またはイオン強度調整剤、抗菌剤、抗酸化剤、防腐剤、乳化剤、可塑剤、テクスチャリング/口当たり剤、着色剤、味/香味剤、香料、発酵剤、および流動剤が挙げられる。
【0238】
保存期間延長剤の非限定的な例としては、一酸化炭素、亜硝酸塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、Bombal、並びにそれらの誘導体および混合物が挙げられる。
【0239】
保存剤の非限定的な例としては、p-ヒドロキシ安息香酸誘導体、ソルビン酸、安息香酸、ナイシン、ナタマイシン、並びにこれらの誘導体および混合物が挙げられる。
【0240】
乳化剤の非限定的な例としては、アニオン性乳化剤、非イオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤、バイオ乳化剤、立体(steric)乳化剤、ピッケリング乳化剤、糖脂質(例えば、トレハロース脂質、ソホロ脂質、ラムノリピド、マンノシルエリスリオール脂質)、オリゴペプチド(例えば、グラミシジンS、ポリミキシン)、リポペプチド(例えば、サーファクチン)、リン脂質、脂肪酸、中性脂質、高分子生物界面活性剤、両性多糖類、リポ多糖類、タンパク質(例えば、エンドウ豆タンパク質、大豆タンパク、ヒヨコ豆タンパク質、藻類タンパク質、酵母タンパク質、ジャガイモタンパク質、レンチルタンパク質)、マンノタンパク質、リン酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム、モノグリセリドのモノおよびジアセチル酒石酸エステル、リン脂質、モノステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸マグネシウム、脂肪酸のナトリウム/カリウム/カルシウム塩、カルシウムステアロイルジラクテート、ポリグリセロールエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、モノグリセリドの酢酸エステル、モノグリセリドの乳酸エステル、モノグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のポリグリセロールエステル、ポリリシノール酸ポリグリセロール、脂肪酸のプロパン1,2-ジオールエステル、糖エステル、脂肪酸のスクロースエステル、モノグリセリド、アセチル化モノグリセリド、モノグリセリドのラクチルエステル、ジグリセリド、リン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸エステル、ナトリウム/カルシウムステアロイル-2-ラクチレート、ホスファチドアンモニウム、ポリソルベート、ポリソルベート-80,カルボキシメチルセルロース(CMC)、モジュレーテッド(modulated)セルロース、クエン酸エステル、ローカストビーンガム、グアーガム、リポサン(liposan)、エマルサン(emulsan)、レシチン(例えば、植物性レシチン、ガルバンゾレシチン、ソラマメレシチン、大豆レシチン、ヒマワリレシチン、カノーラレシチン)、界面活性剤(例えば、ソルビタントリオレエート(各Span 85)、ソルビタントリステアレート(各Span 65)、ソルビタンセスキオレエート(Arlacel 83)、グリセリルモノステアレート、ソルビタンモノオレエート(Span 80)、ソルビタンモノステアレート(Span 60)、ソルビタンモノパルミテート(Span 40)、ソルビタンモノラウレート(Span 20)、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(各Tween 65)、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート(Tween 85)、ポリオキシエチレングリコール400モノステアレート、ポリソルベート60(Tween 60)、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリソルベート80(Tween 80)、ポリソルベート40(Tween 40)、ポリソルベート20(Tween 20)、PEG20トリステアレート、PEG20トリオレエート、PEG20モノステアレート、PEG20モノオレエート、PEG20モノパルミテート、およびPEG20モノラウレートソルビタン)、並びにそれらの誘導体および混合物が挙げられる。
【0241】
可塑剤の非限定的な例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、グリセロール、ソルビトール、PEG-300、PEG-600、尿素、オクタン酸、パルミチン酸、酒石酸およびフタル酸ジブチル、モノ、ジ、またはトリグリセリドエステル、フルクトース、カプロン酸、ヒドロカプロン酸、ジ、トリ、またはテトラエチレングリコール、グリセロール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、スクロース、並びにこれらの誘導体および混合物が挙げられる。
【0242】
食感/口当たり剤の非限定的な例としては、ガム(例えば、グアーガム、キャロブガム、小麦ガム、キサンタンガム)、増量剤、充填剤、抗粘着性化合物、分散剤、吸湿性化合物、ケミエステティック(chemethetic)剤、フィルム形成剤、増粘剤、硬化剤、軟化剤、安定剤、凍結防止剤、泡立ち防止剤、並びにそれらの誘導体および混合物が挙げられる。
【0243】
香味剤/芳香剤の非限定的な例としては、酪酸エチル、2-フリルメチルケトン、2,3-ペンタンジオン、γ-ウンデカラクトン、δ-ウンデカラクトン、プロピレングリコール、グリセロール、エチルアルコール、ジメチルスルフィド、2-メチルブタノール、4-シス-ヘプテナール2-トランス-ノネナール、アセトン、2-ウンデカノン、2-ブタノン、アミルアルコール、δ-デカラクトン、2-ヘプタノン、δ-ドデカラクトン、2-ノナノン、δ-テトラデカラクトン、硫化水素、ジメチルスルホン、ベンゾチアゾール、2-ペンタノン、2-トリデカノン、δ-オクタラクトン、2-ペンタデカノン、天然香味料、人工香味料(例えば、チョコレート香味料、コーヒー香味料、ストローベリー香味料、アーモンド香味料、ヘーゼルナッツ香味料、バニラ香味料、グリーンティー香味料、アイリッシュ・クリーム香味料、ココナッツ香味料)、甘味料(例えば、非タンパク質甘味料、タンパク質系甘味料)並びにそれらの誘導体および混合物が挙げられる。
【0244】
非タンパク質甘味剤の非限定的な例としては、糖、変性糖、天然甘味料、甘味タンパク質、人工甘味料、糖アルコール、糖繊維、糖抽出物が挙げられ、以下のものを含む:スクロース、サトウキビジュース、トウモロコシ糖、高フルクトースコーンシロップ、トウモロコシ甘味料、アガベシロップ、大麦麦芽シロップ、シラカバのシロップ, 黒糖蜜、玄米シロップ、カラメル、トウモロコシ糖、デキストロース、ドゥクスマトック(douxmatok)シロップ、ココナッツパームシュガー、フルクトース、ガラクトース、グルコース、グルコースフルクトースシロップ、ゴールデンシロップ、アセスルファムカリウム、アドバンテーム、アリテーム、アスパルテーム、アスパルテーム-アスルファム塩、シクラメート(例えば、シクラメートナトリウム)、エリスリトール、フルクトオリゴ糖類、アルロース、グルシトール(ソルビトール)、グリセロール(グリセリン)、グリチルリチン、ゴールデンシロップ、HFCS-42、HFCS-55、HFCS-90、高マルトースコーンシロップ、はちみつ、デーツシロップ、HSH、水素化デンプン加水分解物(HSH)、イソマルツロース、イソマルトオリゴ糖(IMO)、イソグルコース、イヌリン、転化糖、イソマルト、ラクチトール、ラクトース、レブロース(フルクトース)、羅漢果(別名モンフルーツ)、マルチトール、マルトデキストリン、マルトース、マンニトール、メープルシロップ、糖蜜、モナチン、モネリン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、オリゴフルクトース、パーム糖、ポリデキストロース、ラパドゥーラ、リファインシロップ、サッカリン、サッカロース、ソルガムシロップ、ステビア、RebM、RebA、RebD、ステビオシド、スクラロース、スクロース、タガトース、オスラジン、ズルチン、グルシン、アスルファムカリウム、L-アスパルチル-L-フェニルアラニン、P-4000、モグロシド、トレハロース、キシリトール、ヤーコンシロップ、並びにこれらの誘導体および混合物。
【0245】
タンパク質ベースの甘味剤の非限定的な例としては、ブラゼイン(UniProt配列P5652)、クルクリン(UniProt配列P19667アミノ酸23-136、Q6F495アミノ酸23-135、それぞれ)、マビンリン(UniProt配列P80351アミノ酸1-32、P80351アミノ酸3-104、P30233アミノ酸36-68、P30233アミノ酸83-154、P80352アミノ酸1-32、P80352アミノ酸33 -104、P80353アミノ酸1-28、P80353アミノ酸29-100)、ミラクリン(UniProt配列P13087アミノ酸30-220)、モネリン(Unprot配列P02881、P02882)、ペンタジン、ソーマチン(UniProt配列P02883アミノ酸23-229、P02884アミノ酸23-229、それぞれ)、並びにそれらの相同物およびフラグメントおよび混合物が挙げられる。
【0246】
食品
上記のいずれかに記載の組成物は、食品であってもよい。
【0247】
食品は、補充食品(すなわち、上記のいずれかによる組換えタンパク質を補充された従来の食品)であってもよく、または国民健康栄養調査(NHANES)によって定義される食品カテゴリーのいずれかから選択される代替食品(すなわち、従来の食品に類似し、従来の食品の代わりに使用することができる食品)であってもよい。
【0248】
NHANES食品カテゴリーの非限定的な例としては、スナック食品およびガム(例えば、スナックバー、クラッカー、穀物製品由来の塩味のあるスナック、チューインガム);パン、穀物、およびパスタ(例えば、オーツブレッドおよびロールパン、コーンブレッド、コーンマフィン、トルティーヤ、小麦粉およびドライミックス、ビスケット、マルチグレインブレッドおよびロールパン、全粒粉パンおよびロールパン、パスタ、ライ麦パンおよびロールパン、割れ小麦パンおよびロールパン、白いパンおよびロールパン);飲料(例えば、ビールおよびエール、飲料濃縮物、飲料、エナジードリンク、スポーツドリンク、液体代替品、ソフトドリンク、炭酸飲料、ジュース、ワイン、ビール、栄養飲料、栄養粉末、タンパク質強化飲料、コーヒー、お茶);お菓子やデザート(例えば、ケーキ、キャンディー、チップス、クッキー、コブラー、ペストリー、氷またはアイスキャンディ、マフィン、パイ、砂糖の代替物または代用品、シロップ、はちみつ、ゼリー、ジャム、保存食、サラダ、クレープ、デニッシュ、朝食ペストリー、ドーナツ);朝食用食品(例えば、穀物、シリアル、米、フレンチトースト、パンケーキ、ワッフル、コーヒーケーキ);サラダドレッシング、オイル、ソース、調味料(例えば、調理用油脂、植物油、サラダドレッシング、トマトソース、グレービー);ジャガイモ(例えば、ポテトサラダ、ポテトスープ、チップスとスティック、フライドポテト、マッシュポテトスタッフドポテト、パフ);およびスープ(例えば、野菜スープ、野菜ブロス)、食事、主菜、タンパク質(例えば、肉代替品)、および魚介類が挙げられる。
【0249】
上記のいずれかによる食品は、補充乳製品(すなわち、上記のいずれかによる組換えタンパク質で補充された従来の乳製品)または代替乳製品(すなわち、従来の乳製品に類似する食品)であってもよい。本明細書で使用される「乳製品」という用語は、乳(例えば、全乳[少なくとも3.25%の乳脂肪]、部分脱脂乳[1%から2%の乳脂肪]、スキムミルク[0.2%未満の乳脂肪]、クッキングミルク、コンデンスミルク、フレーバーミルク、ヤギ乳、羊乳、乾燥乳、蒸発ミルク、ミルクフォーム)、および乳に由来する製品を指す。ここで、乳に由来する製品は以下のものを含むがこれらに限定されない:ヨーグルト(例、全乳ヨーグルト[170gあたり少なくとも6グラムの脂肪]、低脂肪ヨーグルト[170gあたり2~5グラムの脂肪]、無脂肪ヨーグルト[170gあたり0.5グラム以下の脂肪]、ギリシャヨーグルト[ホエイを取り除いた水切りヨーグルト]、ホイップヨーグルト、ヤギ乳ヨーグルト、ラブネ[labne]、羊乳ヨーグルト、ヨーグルトドリンク[例、全乳ケフィア、低脂肪乳ケフィア]、ラッシー)、チーズ(例、リコッタなどのホエイチーズ;モッツアレラなどのパスタフィラタチーズ;ハバルティやミュンスターなどの半軟質チーズ;スイスやジャルスバーグなどの中硬質チーズ;チェダーやパルメザンなどの硬質チーズ;コルビーモントレージャックなどのウォッシュドカードチーズ;ブリーやカマンベールなどの軟質熟成チーズ;カッテージチーズ、フェタチーズ、クリームチーズ、パニール、カードなどのフレッシュチーズ)、プロセスチーズ、プロセスチーズ食品、プロセスチーズ製品、プロセスチーズスプレッド、酵素調整チーズ;コールドパックチーズ)、乳製品ベースのソース(例、サラダドレッシング、ベシャメルソース、フレッシュソース、冷凍ソース、冷蔵ソース、貯蔵安定性ソース)、乳製品スプレッド(例、低脂肪スプレッド、低脂肪バター)、クリーム(例えば、ドライクリーム、ヘビークリーム、ライトクリーム、ホイップクリーム、ハーフアンドハーフ、コーヒーホワイトナー、コーヒークリーマー、サワークリーム、クレームフレーシュ)、冷凍菓子(例、アイスクリーム、スムージー、ミルクシェイク、冷凍ヨーグルト、サンデー、ジェラート、カスタード)、乳製品デザート(生、冷蔵、冷凍など)、バター(ホイップバター、発酵バターなど)、乳製品粉末(全乳粉、脱脂粉乳、脂肪-充填乳粉(つまり、すべてまたは一部の動物性脂肪の代わりに植物性脂肪を含む乳粉末)、乳児用調整乳、タンパク質濃縮物(例えば、乳タンパク質濃縮物、ホエイタンパク質濃縮物、脱塩ホエイタンパク質濃縮物、β-ラクトグロブリン濃縮物、α-ラクトアルブミン濃縮物、グリコマクロペプチド濃縮物 、カゼイン濃縮物)、栄養補助食品、テクスチャーブレンド、フレーバーブレンド、着色ブレンド、すぐに飲めるまたはすぐに混合できる製品(例、生、冷蔵、または貯蔵安定性のある乳タンパク質飲料、減量飲料、栄養飲料、スポーツ回復飲料、およびエネルギー飲料)、プリン、ゲル、チュアブル、クリスプ、バー(例、栄養バー、プロテインバー)、および発酵乳製品(例えば、ヨーグルト、チーズ、サワークリーム、発酵バターミルク、発酵バター、発酵バターオイル) 。
【0250】
上記のいずれかによる食品は、補充された動物肉または動物肉製品(すなわち、上記のいずれかによる組換え宿主細胞によって産生される上記のいずれかによる組換えタンパク質で補充される従来の動物肉または動物肉製品および/または上記のいずれかによる方法)または代替の動物肉または動物肉製品(すなわち、従来の動物肉または動物肉製品に類似する食品)であってもよい。動物肉および動物肉製品の非限定的な例としては、動物から得られる骨格筋、もしくは他の臓器(例えば、腎臓、心臓、肝臓、胆嚢、腸、胃、骨髄、脳、胸腺、肺、舌)から得られる肉、またはそれらの一部が挙げられる。動物肉は、暗い色の肉でも白身の肉でもよい。動物肉または動物肉製品を得ることができる動物の非限定的な例としては、牛、子羊、羊、馬、家禽(poultry)(例えば、鶏、鴨、ガチョウ、七面鳥)、家禽(fowl)(例えば、ハト(pigeon)、ハト(dove)、ライチョウ、ヤマウズラ、ダチョウ、エミュー、キジ、ウズラ)、淡水または海水魚(例えば、ナマズ、マグロ、カジキ、サメ、オヒョウ、チョウザメ、サケ、バス、マスキー、パイク、ボウフィン、ガー、ウナギ、ヘラチョウザメ、ブリーム、コイ、マス、ウォールアイ、ライギョ、クラッピー、シスター(sister)、イガイ、ホタテガイ、アワビ、イカ(squid)、タコ、ウニ、イカ(cuttlefish)、尾索動物)、甲殻類(例えば、カニ、ロブスター、エビ、フジツボ)、狩猟動物(例えば、シカ、キツネ、野生ブタ、ヘラジカ(elk)、ヘラジカ(moose)、トナカイ、カリブー、アンテロープ、シマウマ、リス、マーモット、ウサギ、クマ、ビーバー、マスクラット、オポッサム、アライグマ、アルマジロ、ヤマアラシ、バイソン、バッファロー、イノシシ、オオヤマネコ、ボブキャット、コウモリ)、爬虫類(例えば、ヘビ、カメ、トカゲ、アリゲーター、クロコダイル)、昆虫または他の節足動物、げっ歯類(ヌートリア、モルモット、ラット、マウス、野ネズミ、グラウンドホッグ、カピバラ)、カンガルー、クジラ、およびアザラシが挙げられる。動物肉または動物肉製品は、挽かれ、刻まれ、細切れにされ、または他の方法で加工されてもよく、未調理でも、調理しても、または調理されていてもよい。
【0251】
上記のいずれかによる食品は、補充卵製品(すなわち、上記のいずれかによる組換えタンパク質で補充された従来の卵または卵製品)または代替の卵または卵製品(すなわち、従来の卵または卵製品に類似する食品)であってもよい。卵および卵製品の非限定的な例としては、全卵(例えば、液体全卵、噴霧乾燥全卵、凍結全卵)、卵白(例えば、液体卵白、噴霧乾燥卵白、凍結卵白)、卵黄、卵料理、卵スープ、卵白で作られる混合物、卵代替物で作られた混合物、マヨネーズ、カスタード、およびサラダドレッシングが挙げられる。
【0252】
上記のいずれかに記載の食品は、ペットフードまたは動物飼料であってもよい。
【0253】
上記のいずれかによる食品は、上記のいずれかによる組成物に含まれる組換えタンパク質または組換えタンパク質以外の任意のタンパク質を本質的に含まないものであってよい。
【0254】
上記のいずれかによる食品は、上記のいずれかによる組成物に含まれる組換えタンパク質または組換えタンパク質以外の任意の組換えタンパク質を本質的に含まないものであってよい。
【0255】
上記のいずれかによる食品は、上記のいずれかによる組成物に含まれる組換えタンパク質または組換えタンパク質以外の任意の組換え乳タンパク質を本質的に含まないものであってよい。
【0256】
上記のいずれかによる食品は、哺乳類産生乳(例えば、牛乳、ヤギ乳、ヒツジ乳、人乳、水牛乳、ヤク乳、ラクダ乳、ラマ乳、アルパカ乳、馬乳、ロバ乳)中に見出される成分を本質的に含まないか、または哺乳類産生乳中に見出される少なくとも1つの成分を低濃度で含んでいてもよい。哺乳類由来乳に見出される成分の非限定的な例としては、乳糖、飽和脂肪、コレステロール、天然乳タンパク質、および天然乳脂質が挙げられる。食品は、組換えタンパク質に含まれる乳タンパク質または上記のいずれかによる組成物に含まれる組換えタンパク質以外の乳タンパク質を本質的に含まなくてもよい。
【0257】
上記のいずれかによる食品は、動物から得られた成分(すなわち、動物に由来する成分であって、動物製品[すなわち、消費物であるか、または典型的にはヒトによって消費のために調製された動物の部分;例えば、動物肉、動物脂肪、動物血液]、動物の副産物[すなわち、典型的にはそれ自体消費可能ではないが消費のために塗擦した動物の副産物である製品;例えば、動物の骨、動物の死体、およびそこから単離された成分]、動物によって産生される製品[例えば、哺乳類由来の乳、鶏卵、蜂蜜]、およびそこから産生される消費物[例えば、哺乳類由来の乳から抽出されたゼラチン、レンネット、哺乳類由来の乳から抽出されたホエイタンパク質、哺乳類由来の乳から抽出されたカゼイン、哺乳類由来の乳から抽出された乳脂質、動物脂質、動物タンパク質]を本質的に含まないか、または2質量 %以下含んでいてもよい。
【0258】
化粧品またはパーソナルケア製品
上記のいずれかによる組成物は、化粧品またはパーソナルケア組成物であってもよい。
【0259】
本明細書で使用される「化粧品またはパーソナルケア組成物」という用語は、体表面(すなわち、皮膚、髪、爪、歯、および口腔の組織[例えば、歯肉]などの人体の露出領域)に適用されて、知覚的または実際の美化または衛生化効果を付与する組成物を指す。
【0260】
化粧品またはパーソナルケア組成物の非限定的な例としては、抗しわ処置剤(すなわち、張りを出すために使用される組成物[例えば、皮膚の平滑化、皮膚のしわの減少、皮膚の小じわの除去])、アンチエイジング処置剤(すなわち、老化の徴候を除去するために使用される組成物[例えば、しわ、小じわ、光傷害の徴候(例えば、日光スポット) ] )、日焼け防止剤(すなわち、紫外線曝露から保護するために使用される組成物)、火傷防止処置剤(すなわち、火傷[例えば、日焼け]を鎮静化するために使用される組成物)、抗にきび処置剤(すなわち、にきびおよび/またはそれに関連する症状の処置に有効な組成物)、皮膚洗浄剤(すなわち、皮膚および/または皮膚の毛穴の洗浄に使用される組成物[例えば、毛穴洗浄のための鼻ストリップ])、抗フケ処置剤(すなわち、フケを減少または除去するために使用される組成物)、体臭防止処置剤(すなわち、体臭を減少または除去するために使用される組成物)、自己日焼け処置剤(すなわち、皮膚の色を暗くするために使用される組成物)、皮膚美白処置剤(すなわち、皮膚の色を漂白/脱色するために使用される組成物)、ヘアカラートリートメント(すなわち、髪を着色するために使用される組成物)、ローション(例えば、スキンローション、ボディケアローション、洗浄液、保湿ローション、プレシェーブローション,アフターシェーブローション)、ペースト(例えば、洗浄ペースト)、軟膏、バーム、膏薬、マスク、クリーム(例えば、油中水クリーム、水中油クリーム、デイクリーム、ナイトクリーム、アイクリーム、スキンクリーム、フェイスクリーム、しわ防止クリーム、日焼け止めクリーム、保湿クリーム、アフターシェーブクリーム、皮膚漂白クリーム、自己日焼けクリーム、ビタミンクリーム、保湿化クリーム、マッサージクリーム)、ミルク(例えば、ボディミルク、クレンジングミルク)、ジェル(例えば、無水ジェル、シャワージェル)、オードトワレ、石鹸(例えば、透明石鹸、高級石鹸、消臭石鹸、クリーム石鹸、ベビーソープ、皮膚保護石鹸、研磨石鹸、シンデット、ペースト状石鹸、ソフトソープ、ピーリングソープ)、スキンピーリングトリートメント、液体洗浄剤、シャワーおよび入浴剤(例えば、洗浄ローション、シャワーバス、シャワージェル、フォームバス、オイルバス、スクラブ剤)、フォーム(例えば、シェービングフォーム、フォームバス)、消臭剤、ヘアケア製品(例えば、シャンプー、コンディショナー、ヘアムース、ヘアカラー、ヘアスプレー、リンスオフローション、ヘアジェル、ヘアエマルジョン、ヘアラッカー、ヘアトニック)、リップグロス、スプレー(例えば、ヘアスプレー、ポンプスプレー、発泡剤入りスプレー)、皮膚欠損の処置(例えば、皮膚炎、腫物、あかぎれ、シミ、ひび、傷跡、そばかす、ほくろ、発疹、水疱、膿疱)、トナー、クリーニングティッシュ、サニタリータオル、タンポン、おむつ、忌避剤、メークアップ製品(例えば、スタジオ用顔料、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、アイライナーペン、ルージュ、フェイスパウダー、アイブロウペンシル、口紅、ファンデーション、着色クリーム、コンシーラースティック、シミスティック、ブラッシュ)、スティック(例えば、口紅、コンシーラースティック、シミスティック)、脱毛剤、ハンドクリーニング製品、インティメート衛生用品、フットケア製品、ベビーケア製品、および口腔衛生用品(例えば、チューイングガム、マウスウォッシュ、歯磨剤、歯肉洗浄剤、義歯接着剤、義歯固定剤)が挙げられる。
【0261】
上記のいずれかによる化粧品またはパーソナルケア組成物は、上記のいずれかによる組成物に含まれる組換えタンパク質または組換えタンパク質以外の任意のタンパク質を本質的に含まないものであってよい。
【0262】
上記のいずれかによる化粧品またはパーソナルケア組成物は、上記のいずれかによる組成物に含まれる組換えタンパク質または組換えタンパク質以外の任意の組換えタンパク質を本質的に含まないものであってよい。
【0263】
上記のいずれかによる化粧品またはパーソナルケア組成物は、上記のいずれかによる組成物に含まれる組換えタンパク質または組換えタンパク質以外の任意の組換え乳タンパク質を本質的に含まないものであってよい。
【0264】
上記のいずれかによる化粧品またはパーソナルケア組成物は、哺乳類産生乳(例えば、牛乳、ヤギ乳、ヒツジ乳、人乳、水牛乳、ヤク乳、ラクダ乳、ラマ乳、 アルパカ乳、馬乳、ロバ乳)中に見出される成分を本質的に含まないか、または哺乳類産生乳中に見出される少なくとも1つの成分を低濃度で含んでいてもよい。哺乳類由来乳に見出される成分の非限定的な例としては、乳糖、飽和脂肪、コレステロール、天然乳タンパク質、および天然乳脂質が挙げられる。化粧品またはパーソナルケア組成物は、組換えタンパク質に含まれる乳タンパク質または上記のいずれかによる組成物に含まれる組換えタンパク質以外の乳タンパク質を本質的に含まなくてもよい。
【0265】
上記のいずれかによる化粧品またはパーソナルケア組成物は、動物から得られた成分(すなわち、動物に由来する成分であって、動物製品[すなわち、消費物であるか、または典型的にはヒトによって消費のために調製された動物の部分;例えば、動物肉、動物脂肪、動物血液]、動物の副産物[すなわち、典型的にはそれ自体消費可能ではないが消費のために塗擦した動物の副産物である製品;例えば、動物の骨、動物の死体、およびそこから単離された成分]、動物によって産生される製品[例えば、哺乳類由来の乳、鶏卵、蜂蜜]、およびそこから産生される消費物[例えば、哺乳類由来の乳から抽出されたゼラチン、レンネット、哺乳類由来の乳から抽出されたホエイタンパク質、哺乳類由来の乳から抽出されたカゼイン、哺乳類由来の乳から抽出された乳脂質、動物脂質、動物タンパク質]を本質的に含まないか、または2質量%以下含んでいてもよい。
【0266】
上記のいずれかによる化粧品またはパーソナルケア組成物は、石油由来の成分を本質的に含まなくてもよい。
【0267】
組成物の製造方法
様々な態様において、本明細書では、上記のいずれかによる組成物(例えば、上記のいずれかによる食品、上記のいずれかによる化粧品またはパーソナルケア組成物)を製造するための方法が提供され、この方法は、上記のいずれかによる組換えタンパク質を得ることを含む 。
【0268】
組成物が食品(例えば、上記のいずれかによる食品)である場合、当技術分野で知られている様々なレシピを使用して、食品を調製することができる。上記のいずれかに記載の組換えタンパク質は、そのようなレシピにおいて精製された形態で使用されてもよく、または上記のいずれかに記載の方法で得られた発酵ブロスもしくは調製物に含まれてもよい。
【0269】
属性
上記のいずれかによる組換えタンパク質、ポリマー、または組成物は、様々な属性を有し得る。
【0270】
属性は、結晶性(例えば、特定の半透明性、不透明性、または透明性を提供する結晶性)であり得る。例えば、より高い結晶性は、一般に、ポリマーを通過する光が少なく、ポリマーの半透明性または不透明性、並びに機械的強度、剛性、耐薬品性、および安定性に影響を与える。結晶性を測定するための方法は、当該技術分野において既知であり、示差走査熱量測定法(DSC)を含む(例えば、B Wunderlich, Thermal Analysis, Academic Press, 1990, pp 417-431.; TN 48, “Polymer Heats of Fusion”, TA Instruments, New Castle, DE; Ramos et al 2012 Critical Reviews in Food Science and Nutrition 52(6):533-552を参照されたい)。
【0271】
属性は、粘度および/または密度であり得る。粘度および密度を測定する方法は、当該技術分野で既知であり、粘度測定法、回転粘度測定法、毛細血管粘度測定法、振動粘度測定法、超音波パルスエコー法、ピクノメトリック法、密度測定法、およびアレオメトリック法を含む(例えば、Kazys & Rekuviene 2011 Ultragarsas (Ultrasound) 66(4):20-25を参照されたい)。
【0272】
属性は、溶解度(すなわち、所与の条件下で、および種々の溶媒中で分散し、コロイド状に安定しているポリマーの量)であってもよい。溶解度を測定する方法は、当該技術分野で既知であり、経時的な不安定化の光学的測定、沈降層厚の測定、および重量分離後の分散タンパク質量を定量化する測定が含まれる。
【0273】
属性は、起泡/膨張能力であってもよい。起泡能力を測定する方法は、当該技術分野で既知であり、規定の速度で、かつ規定の条件下(例えば、温度、pH、イオン強度、タンパク質濃度、炭水化物濃度)での特定の時間の間、ホイップ後に形成された発泡体中に組み込まれた空気の割合の測定、 所与の質量の発泡体が液体排出または浸透の形態で不安定化するのに要する時間の測定、および剪断下の降伏応力または試料中の流れを開始するために必要な応力の量の測定が含まれる(例えば、2020年10月29日に発行されたPCT公開WO2020219595を参照されたい)。
【0274】
属性は、ゲル化/増粘/凝固能力であってもよい。ゲル化/増粘能力を 測定するための方法は、当該技術分野で既知であり、定義された条件(例えば、温度、pH、イオン強度、タンパク質濃度、炭水化物濃度)下でゲルを形成するために必要な時間の測定、レオメーター上での周波数掃引で得られた貯蔵および弾性係数および位相角の測定、並びにゲルの物理力および/または化学的条件(例えば、攪拌、温度、pH、イオン強度、タンパク質濃度、糖濃度)に対する耐性の測定が含まれる(例えば、2020年10月29日に発行されたPCT公開WO20219595を参照されたい)。
【0275】
属性はゲル化プロファイルであってもよい。ゲル化プロファイルを測定する方法は、当該技術分野で既知である(例えば、Stable Micro Systems Ltd. 2020. How to Measure the Physical Properties of Gels & Films AZoM、https://www.azom.com/article.aspx?ArticleID=19349を参照されたい)。
【0276】
属性は、水結合能力であってもよい。水保持能力は 、カゼインの約80%~約120%であってもよい。水保持能力を測定する方法は、当該技術分野で既知であり、キャピラリー粘度測定、遠心分離後に滲出した水の量の測定、または蒸気圧の関数としてのタンパク質の質量当たりの結合水の質量に基づく水分吸着等温線の製作が含ま れる。
【0277】
属性は乳化能力であってもよい。乳化能力を測定する方法は、当該技術分野で既知であり、表面過剰濃度の測定、重力法を使用した所与の質量のタンパク質によって乳化された油の測定、脂質と水の混合物中の相分離の経時的安定性の測定、クリーミングまたは沈降の速度の測定、経時的な不透明度の変化の測定、経時的な分散相粒径の変化の測定、および界面特性の測定が含まれる。
【0278】
属性は、貯蔵寿命(すなわち、色および外観の経時的な維持/安定性[例えば、2年])であってもよい。色および外観維持能力を測定する方法は、当該技術分野において既知である(例えば、 Ramos et al. 2012 Critical Reviews in Food Science and Nutrition 52 (6): 533 -552を参照されたい)。
【0279】
属性は、熱安定性であってもよい。熱安定性は、少なくとも80℃の熱安定性、および/または最も低い融解温度(Tm)を有する乳タンパク質1、乳タンパク質2、乳タンパク質3、または乳タンパク質4ユニットの熱安定性に類似する熱安定性であってもよい。安定性を測定する方法は、当該技術分野で既知であり、粒子サイズの変化、粒子特性の変化、光学特性(例えば、不透明度、濁度、透明度)の変化、溶解度の変化、重力分離に対する耐性の変化、粘度の変化、および/または汚れ/フィルム形成に対する耐性の変化などの、加熱中および加熱後の変化の測定が含まれる。泡の熱安定性を測定する方法は、当該技術分野で既知である(例えば、Ye et al.2021 Adv. Sustainable Syst. 2100063を参照されたい)。
【0280】
属性は、弾性(すなわち、力の適用の結果として伸張または他の変化の後に元の形状に戻る能力)であってもよい。弾性を測定する方法は、当該技術分野で既知である(例えば、 Cao and Mezzenga, 2020 Nat Food 1:106-118を参照されたい)。
【0281】
属性は、引張強度(すなわち、材料が引き伸ばされたときに破壊することなく支えることができる最大荷重を、材料の 元の断面積で割ったもの)であってもよい。引張強度を測定する方法は、当該技術分野で既知である(例えば、Ramos et al.2012 Critical Reviews in Food Science and Nutrition 52 (6): 533 -552, Mundadaet al 2011 Iran J Pharm Res 10 (1): 35 -42を参照されたい)。
【0282】
属性は、伸長度(すなわち、材料の元の長さの変化率として表される、壊れる前の長さの最大変化)であってもよい。伸長度を測定する方法は、当該技術分野で既知である(例えば、Olivas and Barbosa - Canovas, 2005 Crit Rev Food Sci Nutr 45 (7 -8): 657 -670を参照されたい)。
【0283】
属性は、ヤング率(すなわち、応力/ひずみ曲線の初期線形部分におけるひずみに対する応力の比)であってもよい。ヤング率を測定する方法は、当該技術分野で既知である(例えば、McHugh and Krochta, 1994 J Agric.Food Chem 42 : 41-45 を参照されたい)。
【0284】
属性は、引き裂き抵抗(すなわち、引き裂きの影響に耐える能力)であってもよい。引き裂き抵抗を測定する方法、当該技術分野で既知である(例えば、Krochta 2002 Protein-based Films and Coatings, pp 1-41を参照されたい)。
【0285】
属性は、生分解性(すなわち、無害な生成物に代謝することができる)であってもよい。生分解性を測定する方法は、当該技術分野において既知であり、OECD 306海水中の生分解性、OECD 311(ASTM E2170)嫌気性生分解性/生化学的メタンポテンシャル、ASTM D5338好気性生分解性/堆肥化アッセイ、ASTM D 5511嫌気性生分解性/「埋立地シミュレーション」、ASTM D5988(ISO17556)土壌中の生分解が含まれる。
【0286】
組成物が食品である場合、属性は、品質(例えば、風味、口当たり、脂肪感、クリーミーさ、コク、油っぽさ、厚み、硬さ(hardness)/硬さ(firmness)、サクサク感、脆さ、カリカリ感、歯ごたえ、噛みごたえ、柔らかさ、コンパクトさ、粘着性、接着性、ざらつき、滑らかさ、ジューシーさ、湿り気、マウスコート、舌の滑り性、粗さ、研磨性、噛んだ時および/または咀嚼時の均一性、弾力性、エクスチャー、空気感、スプーンから舌上にサンプルを採取するために必要な力)、栄養成分(例えば、タンパク質、種類および/または量、および/またはアミノ酸の種類および/または量[例えば、分岐アミノ酸]、PDCAAS、BV、脂質の種類および/または量、ミネラルの種類および/または量、ビタミンの種類および/または量)、展延性、味付与能力、胃腸吸収性、胃腸消化性、酸化安定性、ミセル(すなわち、組成物内に分散体として存在し、1つ以上の生体分子[例えば、水、ミネラル、ビタミン]をカプセル化し得る一般的または大まかに球状の超分子構造)形成能力、他のタンパク質との相互作用、飢餓および/または満腹感調節能力、並びに汎用性(すなわち、多様な用途への可能性および多様な食品製品生産の可能性;例えば、代替乳製品に類似する食品(例えば、本明細書に開示される代替乳製品のいずれか)を産生する能力)であってもよい。
【0287】
組成物がフィルムまたはコーティングである場合、属性は、表面形態の凝集性および/または表面(例えば、食品の表面)への接着性であってもよい。粘着性および接着性を測定する方法は、当該技術分野で既知であり、走査電子顕微鏡法が含まれる(例えば、Choi et al.2002 J. Food. Sci. 66:2668-2672)および共焦点ラマン顕微分光法、表面増強ラマン散乱、およびフーリエ変換ラマン分光法 (例えば、Hsu et al.2005 Mat. Sci. Eng. 25:282-290を参照されたい)。
【0288】
組成物がフィルムまたはコーティングである場合、属性は、脆性および/または剛性(例えば、ダーツ強度、穿刺抵抗性、剥離強度)であってもよい。脆性および/または剛性を測定する方法は、当該技術分野で既知である(例えば、Krochta, 2002 Protein-based Films and Coatings, pp 1-41を参照されたい)。
【0289】
組成物がフィルムまたはコーティングである場合、属性は、ガス透過性(すなわち、指定された温度および湿度条件下で、材料の両側間の単位圧力差によって誘発される、単位厚さの平坦な材料の単位面積を通るガス透過率)であってもよい。ガス透過性を測定する方法は、当該技術分野において既知であり、 酸素透過性の測定のためのASTM,1998、およびCO2透過性の測定のための水蒸気透過性を測定するために用いられる方法の修正が含まれる(例えば、Ayranci et al., 1999 J Sci Food Agric 79:1033-1037を参照されたい)。
【0290】
組成物がフィルムまたはコーティングである場合、属性は、水蒸気透過性(すなわち、 指定された温度および湿度条件下で、材料の両側間の単位圧力差によって誘発される、単位厚さの平坦な材料の単位面積を通る水蒸気透過率)であってもよい。水蒸気透過性を測定する方法は、当該技術分野で既知であり、ASTM E96-95(ASTM、1996)が含まれる。
【0291】
組成物がフィルムまたはコーティングである場合、属性は、アロマ化合物透過性(すなわち、 指定された温度および湿度条件下で、材料の両側間の単位圧力差によって誘発される、単位厚さの平坦な材料の単位面積を通るアロマ化合物(例えば、δーリモネン]透過率)であってもよい。アロマ化合物の透過性を測定する方法は、当該技術分野で既知である(例えば、Chalier et al 2006 Developments Food Science 43: 437-440, Perez - Gago and Krochta 2002 Protein - Based Films and Coatings, pp 159 -180を参照されたい)。
【0292】
組成物がフィルムまたはコーティングである場合、属性は、色または透明度(すなわち、光透過率、ヘイズ、および/または透明度)などの光学特性であってもよい。光学特性を測定する方法は、当該技術分野で既知である(例えば、Abbot 1999 Postharvest Biol Technol 15: 207-225、Sakai 1998 Konica Minolta Sensing、pp 3 -91を参照されたい)。フィルムの透明度は、しばしば、ASTM D1746(ASTM, 1997, Annual Book of ASTM Standards, pp 389 -391)に従って決定される。
【0293】
組成物がゲルである場合、属性は、腫脹速度であってもよい(例えば、液体に浸漬したとき)。腫脹速度を測定する方法は、当該技術分野で既知である(例えば、Gunasekaran et al. 2007 Journal of Food Engineering 83:31-40を参照されたい)。
【0294】
組成物がゲルである場合、属性はゲルレオロジーであってもよい。ゲルレオロジーは、ゼラチンの約80%~約120%であってもよい。ゲルレオロジーを測定する方法は、当該技術分野において既知であり、粘弾性、貯蔵弾性率、複合弾性率、位相角、損失弾性率、時間依存的挙動、クリープ、弛緩、および回復を測定することが含まれる(例えば、Tien et al 2000 J Agric. Food Chem 48: 5566 -5575, Mundada et al 2011 Iran J Pharm Res 10 (1): 35-42を参照されたい)。
【0295】
組成物がゲルである場合、属性はゲル強度であってもよい。ゲル強度を測定する方法は、当該技術分野で既知であり、針入度および振動レオロジーが含まれる。
【0296】
組成物が発泡体である場合、属性は、発泡体密度/多孔性および/または発泡体熱安定性であってもよい。発泡体密度/多孔性および/または熱安定性を測定するための方法は、当該技術分野で既知である(例えば、Ye et al 2021 Adv Sustainable Syst 2100063, Gunasekaran et al. 2007 Journal of Food Engineering 83:31-40を参照されたい)。
【0297】
組成物が発泡体である場合、属性は発泡体安定性であってもよい。発泡体安定性を測定する方法は、当該技術分野で既知であり、所与の質量の発泡体が液体排出または浸透の形態で不安定化するのに要する時間の測定、および試料中の流れを開始するために必要な剪断下の降伏応力または応力の量の測定を含む(例えば、2020年10月29日に発行されたPCT公開WO 2020219595を参照されたい)。
【0298】
組成物がエマルションである場合、属性は、エマルション安定性(すなわち、例えば、所与のタンパク質濃度、脂質濃度、pH、イオン強度、または調製方法などの所与の条件下で産生されるエマルションの半減期)であってもよい。エマルション安定性を測定する方法は、当該技術分野において既知であり、経時的な目視検査、経時的な粒径の測定、重量法(経時的なクリーミングまたは沈降)、および光学的方法(例えば、経時的な光透過または後方散乱の測定)が含まれる。
【0299】
属性はまた、色、形状(例えば、長さ、幅、均一性)、形状保持、構造(例えば、分子構造[例えば、タンパク質折り畳み/コンフォメーション]、空気セル平均サイズ、空気セルサイズ分布、空気セル壁厚さ)、可塑性、アレルギー性、 テクスチャー、厚さ、滑らかさ、化学反応性、溶融温度、靭性、クリープまたは低温の流れ、多孔性、耐衝撃性、導電性、熱伝導性、柔軟性、表面活性特性(例えば、表面暴露された官能基、 表面疎水性、表面電荷、表面張力)、破断強度、ガラス転移温度、関連する/結合した化合物の放出、毒性、および/または成形温度から選択され得る。
【実施例
【0300】
以下の実施例は、本開示の特定の実施形態を例示するために含まれている。実施例に開示された技術は、本開示の方法およびプロセスにおいて良好に機能するために発明者によって発見された技術を表す。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、開示される特定の実施形態において多くの変更を行うことができ、それでも同様または同様の結果を得ることができることを理解すべきである。したがって、実施例に記載されている、または示されているすべての事項は、限定的な意味ではなく、例示として解釈されるべきである。
【0301】
実施例1:組換えタンパク質の製造
トリコデルマ(例えば、Trichoderma reesei)、アスペルギルス(例えば 、Aspergillus niger)、およびピチア(例えば、Pichia pastoris[Komagataella phaffii]、菌株BG12[Biogrammatics, Carlsbad, CA])宿主細胞における組換えタンパク質発現に関して、図1に示される組換えベクターは、当該技術分野において既知の遺伝子工学的方法を使用して構築される。組換えベクターは、上記のいずれかによる組換えタンパク質をコードするタンパク質コード配列(「組換えタンパク質ORF」)を含む組換え発現構築物を含み、宿主細胞内での発現のためにコドン最適化され、N末端分泌シグナル 配列(例えば、トリコデルマ宿主細胞のタンパク質CBH1またはXYN1のプレまたはプレプロシグナルペプチド;アスペルギルス宿主細胞のタンパク質GLAAのプレまたはプレプロシグナルペプチド;ピチア宿主細胞の サッカロミセス・セレビシアエ アルファメイティングファクターのプレまたはプレプロシグナルペプチド)に;適切なプロモーター(例えば、トリコデルマ宿主細胞のcbh1、xyn1、またはtef1のプロモーター配列;アスペルギルス宿主細胞のGlaまたはgenAのプロモーター配列;ピチア宿主細胞のgapまたはaox1遺伝子のプロモーター配列)およびターミネーター(例えば、トリコデルマ宿主細胞のpdc1遺伝子のターミネーター配列;アスペルギルス宿主細胞のglaAまたはgpdA遺伝子のターミネーター配列;ピチア宿主細胞のaox1遺伝子のターミネーター配列)の制御下で、作動可能に連結される。組換えベクターは、発現構築物の宿主細胞のゲノムへの組み込み(例えば、トリコデルマ宿主細胞のcbh1またはegl1遺伝子座へ;アスペルギルス宿主細胞のglaA遺伝子座へ;ピチア宿主細胞のaox1遺伝子座へ)、細菌および/または真菌形質転換体の選択のための選択マーカー、および複製の細菌起点への組み込みを指示することができるポリヌクレオチドをさらに含む。細菌選択マーカーおよび複製起点は、組換えベクターを宿主細胞に形質転換する前に、制限酵素消化によって組換えベクターから除去される。
【0302】
組換えベクターは、トリコデルマ、アスペルギルス、またはピチア宿主細胞に形質転換され、形質転換体は、陽性選択のために最小限培地または抗生物質上での増殖によって選択される。形質転換体を24ウェルプレート中で培養し、発現構築物の組み込みコピーを含み、組換えタンパク質を分泌する組換え宿主細胞のSDS-PAGEゲル分析による同定のために培養上清を採取する。
【0303】
組換え宿主細胞を、細胞増殖および組換えタンパク質の産生を可能にする条件下で、攪拌発酵容器内で発酵させる。発酵は、少なくとも100時間後に、1L当たり約20g~約50gの乾細胞重量(DCW)のバイオマス濃度で収穫される。バイオマスは、5,000×gで遠心分離することによってブロスから除去される。
【0304】
培養上清は、適切な分子量カットオフを有する膜上で濃縮される。濃縮保持液を5kdaMWCOメンブレンで、50mMイミダゾール、pH6.8でダイアフィルトレーションする。濃縮された保持液をQセファロースFFカラムに通す。移動相は50mMのイミダゾール、pH6.8であり、組換えタンパク質は2MのNaCl勾配で溶出される。グラジエントは、30カラムボリュームにわたって0~30%で実行される。ピーク画分を収集し、RP-HPLC上で分析する。85%を超える純度を有する組換えタンパク質を含有するピークを、最終的な水中へのダイアフィルトレーションのためにプールする。
【0305】
実施例2:組換えカゼインの製造
図1に示される組換えベクターを、当該技術分野で既知の遺伝子工学的方法を使用して構築した。組換えベクターは、ボス・タウルスβ-カゼイン(UniProt配列P02666のアミノ酸16~224)をコードするタンパク質コード配列、または乳タンパク質1がボス・タウルスβ-ラクトグロブリン(UniProt配列P02754のアミノ酸17~178)であり、リンカーペプチド1がNVISKRのアミノ酸配列(kex2エンドプロテアーゼ認識または切断部位を含む)を有し、乳タンパク質2がボス・タウルスβ-カゼイン(UniProt配列P 02666のアミノ酸16~224)である上記の構造(A)を有する組換えタンパク質をコードタンパク質コード配列を含み、アスペルギルス・ニガーにおける発現のためにコドン最適化され、N末端分泌シグナル(例えば、タンパク質GLAAのプレまたはプレプロシグナルペプチド)に;適切なプロモーター(例えば、glaAまたはgpdA遺伝子のプロモーター配列)および適切なターミネーター(例えば、glaAまたはgpdA遺伝子のターミネーター配列)の制御下で、作動可能に連結されている、発現構築物を含んでいた。組換えベクターは、発現構築物のアスペルギルス・ニガー 宿主細胞のゲノムへの組み込み(例えば、glaA遺伝子座で)を指示することができるポリヌクレオチド、細菌および/または真菌形質転換体の選択のための選択マーカー、および複製の細菌起点をさらに含んでいた。細菌選択マーカーおよび複製起点は、組換えベクターを宿主細胞に形質転換する前に、制限酵素消化によって組換えベクターから除去された。組換えベクターをアスペルギルス・ニガー宿主細胞に形質転換し、陽性選択のために最小限の培地または抗生物質での増殖によって形質転換体を選択した。形質転換体をディープウェルプレートで培養し、ELISAと抗β-カゼイン抗体を用いて培養上清を分析した。図2に示すように、β-ラクトグロブリンとの組換え融合タンパク質として産生されると、β-カゼインの産生および/または安定性が増加した。
【0306】
実施例3:組換えタンパク質の融解温度(Tm)の決定
実施例1の組換えタンパク質の融解温度(Tm)は、示差走査熱量測定(DSC)によって決定される。この目的のために、組換えタンパク質を含む細胞を加熱し、そのサーモグラムを参照試料のものと比較して、組換えタンパク質の熱安定性(組換えタンパク質内の結合相互作用(例えば、非共有結合、イオン性、ファンデルワールス、流体静力学)が最終的に破壊する前に一定量のエネルギーを吸収するため)への洞察を推論し、組換えタンパク質のTm(すなわち、熱中間点遷移)を定義する。
【0307】
実施例4:組換えタンパク質モノマーを含むポリマーの製造
実施例1のいずれかの組換えタンパク質を、弱酸(例えば、5%酢酸)または塩基(例えば、5%重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム)と、単独または他の成分(例えば、本明細書に開示される他の成分のいずれか)と組み合わせて、組換えタンパク質の最終濃度を約2質量%~約18質量%、最終pHを約4~約11、および最終導電率を約10ms/cm~約300mS/cmとなるように混合する。混合物を、組換えタンパク質が穏やかに変性する(例えば、組換えタンパク質の20%未満が変性する)温度およびpHで20分間加熱する。その結果、組換えタンパク質の遊離チオール基(単数または複数)は露出しているが、分子内ジスルフィド結合は切断されていない(例えば、組換えタンパク質のTmより10℃~20℃低い[実施例3で決定])。次いで混合物を21℃または周囲温度に冷却する。ポリマーは、遠心分離(例えば、4,000gで20分間)、濾過、溶媒抽出、クロマトグラフィー、または他の方法によって捕捉される。
【0308】
ポリマーは、成形を可能にする水分含有量まで乾燥される。成形後、ポリマーをさらに乾燥させて最終的な形状にする。
【0309】
実施例5:組換えタンパク質の押し出し
実施例1のいずれかの組換えタンパク質を実施例4に記載のように加熱して、穏やかに変性した組換えタンパク質を得る。次いで、組換えタンパク質を、グリセロール10重量%および水30重量%の存在下で、共回転二軸押出機(例えば、BerstorffZE25(CL)40d)中で0重量%、10重量%、または30重量%のAl23と配合する。
【0310】
さらなる他の成分としては、TCPおよび/またはカップリング剤NZ12 (例えば、1重量% )が挙げられる。押し出された化合物(ペレットの形態)は、それぞれの含水率が10~12%に達するまで(24時間60℃)調整した後、ASTM引張試験棒(24mm2断面)に成形される。試料は、最適化された処理条件下で、例えば、Demag D25NC4を使用して成形される。射出成形サンプルは、少なくとも1週間、23℃および60%相対湿度(RH)でコンディショニングされる。
【0311】
実施例6:組換えタンパク質を含むゲルの製造
円筒形(内径10mm、長さ40mm)のステンレス鋼管には、約2質量%~約18質量%の組換えタンパク質を約4~約11の最終pHで含む溶液が充填される。チューブをゴム栓で閉じ、ビニール電気テープで密封し、ウォーターバスに垂直に置く。溶液を実施例4に記載されるように加熱して、穏やかに変性した組換えタンパク質を得る。ゲルを室温まで冷却し、次いで4℃で一晩放置した後、チューブから取り出し、直径10mm、厚さ2mmの錠剤に切断し、錠剤が一定の質量(すなわち、±0.001g以内)に達するまで密閉された乾燥機で乾燥させる。
【0312】
実施例7:組換えタンパク質を含むフィルム/シートの製造
実施例1の組換えタンパク質の約20重量%~約40重量%を含む溶液を、実施例4に記載されるように加熱して、穏やかに変性した組換えタンパク質を得る。軽度変性組換えタンパク質は、任意選択で、合成コポリマー(例えば、ポリ酢酸ビニル[PVAc]、ポリビニルアルコール[PVA]、ポリビニルピロリドン[PVP])と組み合わされる。その後、溶液は氷水浴中で急速に冷却される。気泡を除去するために、溶液を4℃で一晩保持する。最後に、溶液を27×27cm2のガラスプレートの中心にキャストし、周囲条件(25℃)で72時間乾燥させる。
図1
図2
【国際調査報告】