(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-20
(54)【発明の名称】拡張視野を提供するための光ガイド表示アセンブリ
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20230912BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20230912BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20230912BHJP
G02C 11/00 20060101ALI20230912BHJP
H04N 13/337 20180101ALI20230912BHJP
H04N 13/344 20180101ALI20230912BHJP
H04N 13/341 20180101ALI20230912BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20230912BHJP
G02F 1/13 20060101ALN20230912BHJP
H04N 13/346 20180101ALN20230912BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/30
G02B5/18
G02C11/00
H04N13/337
H04N13/344
H04N13/341
H04N5/64 511A
G02F1/13 505
H04N13/346
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023508497
(86)(22)【出願日】2021-08-26
(85)【翻訳文提出日】2023-04-05
(86)【国際出願番号】 US2021047668
(87)【国際公開番号】W WO2022046973
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】アミールソライマニ, ババク
(72)【発明者】
【氏名】リー, ユン-ハン
(72)【発明者】
【氏名】ワン, モンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】マケルダウニー, スコット チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ルー, ルー
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ジュンレン
【テーマコード(参考)】
2H006
2H088
2H149
2H199
2H249
【Fターム(参考)】
2H006CA00
2H088EA08
2H088EA10
2H149AA17
2H149AB01
2H149BA02
2H149BA03
2H149BA11
2H149FA42Z
2H149FC01
2H149FC09
2H199CA02
2H199CA13
2H199CA23
2H199CA24
2H199CA25
2H199CA29
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2H199CA49
2H199CA53
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2H199CA63
2H199CA65
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA68
2H199CA83
2H249AA02
2H249AA06
2H249AA12
2H249AA45
2H249AA62
2H249AA64
(57)【要約】
デバイスは、1つまたは複数の光ガイドを含む。デバイスはまた、第1の入力視野(FOV)を有する第1の光を第1の光ガイド内に結合するように構成された第1の入射結合要素と、第2の入力FOVを有する第2の光を第2の光ガイド内に結合するように構成された第2の入射結合要素とを含む。デバイスはまた、第1の光を第1の出力FOVを有する第1の出力光として第1の光ガイドから外に結合するように構成された第1の出射結合要素と、第2の光を、第1の出力FOVと実質的に重ならない第2の出力FOVを有する第2の出力光として第2の光ガイドから外に結合するように構成された第2の出射結合要素とを含む。第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の出力FOVまたは第2の出力FOVの少なくとも一方よりも大きい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の光ガイドと、
第1の入力視野(FOV)を有する第1の光を第1の光ガイド内に結合するように構成された第1の入射結合要素と、
第2の入力FOVを有する第2の光を第2の光ガイド内に結合するように構成された第2の入射結合要素と、
前記第1の光を第1の出力FOVを有する第1の出力光として前記第1の光ガイドから外に結合するように構成された第1の出射結合要素と、
前記第2の光を、前記第1の出力FOVと実質的に重ならない第2の出力FOVを有する第2の出力光として前記第2の光ガイドから外に結合するように構成された第2の出射結合要素と、を備える、デバイスであって、
前記第1の出力FOVと前記第2の出力FOVとの組み合わせは、前記第1の出力FOVまたは前記第2の出力FOVの少なくとも一方よりも大きい、デバイス。
【請求項2】
前記第1の出力FOVと前記第2の出力FOVとの前記組み合わせは、前記第1の出力FOVおよび前記第2の出力FOVの各々よりも大きい、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1の出射結合要素は、前記第1の出射結合要素の様々な位置で前記第1の光を前記第1の光ガイドから外に結合するように構成され、
前記第2の出射結合要素は、前記第2の出射結合要素の様々な位置で前記第2の光を前記第2の光ガイドから外に結合するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1の入射結合要素は、第1の偏光を有する前記第1の光を第1の内部全反射(「TIR」)伝播光として前記第1の光ガイド内に実質的に結合し、前記第1の偏光に直交する第2の偏光を有する前記第2の光を実質的に透過させるように構成され、
前記第2の入射結合要素は、前記第2の偏光を有する前記第2の光を第2のTIR伝播光として前記第2の光ガイド内に実質的に結合し、前記第1の偏光を有する前記第1の光を実質的に透過させるように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1の出射結合要素は、第3の偏光を有する前記第1のTIR伝播光を前記第1の光ガイドから外に実質的に結合し、前記第3の偏光に直交する第4の偏光を有する前記第2のTIR伝播光を実質的に透過させるように構成され、
前記第2の出射結合要素は、前記第4の偏光を有する前記第2のTIR伝播光を前記第2の光ガイドから外に実質的に結合し、前記第3の偏光を有する前記第1のTIR伝播光を実質的に透過させるように構成される、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の入射結合要素、前記第2の入射結合要素、前記第1の出射結合要素、または前記第2の出射結合要素のうちの少なくとも1つは、偏光選択性要素を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記偏光選択性要素は、サブ波長構造、液晶、または光屈折ホログラフィック材料のうちの少なくとも1つを含む偏光選択性格子またはホログラフィック要素を含む、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記偏光選択性要素は、面内方向および面外方向の両方に空間的に変化する配向を有する光軸を有する液晶ポリマー材料を含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1の光ガイドまたは前記第2の光ガイドの少なくとも一方の表面に配置され、前記第1の光および前記第2の光が全内部反射(「TIR」)によって前記第1の光ガイドおよび前記第2の光ガイドの内部に伝播するときに、前記第1の光または前記第2の光の少なくとも一方の偏光を維持するように構成された1つまたは複数の偏光補正フィルムをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の出射結合要素は、表示フレームの第1のサブフレーム中に前記第1の光の第1の偏光成分を前記第1の出力光として前記第1の光ガイドから外に結合するように構成され、
前記第2の出射結合要素は、前記第1のサブフレーム中に前記第1の光の第2の偏光成分を前記第2の出力光として前記第2の光ガイドから外に結合するように構成され、
前記デバイスは、前記第1のサブフレーム中に前記第1の出力光の偏光および前記第2の出力光の偏光を維持するように構成された偏光スイッチをさらに備え、
前記デバイスは、前記第1の出力光を透過させ、前記第2の出力光を遮断するように構成された偏光子をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第1の出射結合要素は、前記表示フレームの第2のサブフレーム中に前記第2の光の第1の偏光成分を第3の出力光として前記第1の光ガイドから外に結合するように構成され、
前記第2の出射結合要素は、前記第2のサブフレーム中に前記第2の光の第2の偏光成分を第4の出力光として前記第2の光ガイドから外に結合するように構成され、
前記偏光スイッチは、前記第2のサブフレーム中に前記第3の出力光の偏光を変更し、前記第4の出力光の偏光を変更するように構成され、
前記偏光子は、前記第3の出力光を遮断し、前記第4の出力光を透過させるように構成される、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第1の光ガイドおよび前記第2の光ガイドは同じ単一の光ガイドであり、
前記第1の入射結合要素および前記第2の入射結合要素は、前記単一の光ガイドにおいて互いに積み重ねられるか、または並んで配置され、
前記第1の出射結合要素および前記第2の出射結合要素は、前記単一の光ガイドにおいて互いに積み重ねられるか、または並んで配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第1の光ガイドおよび前記第2の光ガイドは異なる光ガイドであり、
前記第1の入射結合要素および前記第1の出射結合要素は前記第1の光ガイドに結合され、
前記第2の入射結合要素および前記第2の出射結合要素は前記第2の光ガイドに結合される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1の光および前記第2の光を放射するように構成された光源アセンブリであって、前記第1のFOVは所定のFOVの第1の部分であり、前記第2のFOVは前記所定のFOVの第2の部分である、光源アセンブリと
表示フレームの同じサブフレーム中、または前記表示フレームの2つの連続するサブフレーム中に、前記第1の光および前記第2の光を放射するように前記光源アセンブリを制御するように構成されたコントローラと、をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記第1の光および前記第2の光を放射するように構成された光源アセンブリであって、前記第1のFOVおよび前記第2のFOVの各々は実質的に同じ所定のFOVに対応する、光源アセンブリと、
2つの連続するサブフレーム中に前記第1の光および前記第2の光を別々に放射するように前記光源アセンブリを制御するように構成されたコントローラと、をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記第1の光および前記第2の光を放射するように構成された光源アセンブリであって、光源、および前記光源によって放射された前記第1の光または前記第2の光の少なくとも一方の偏光を切り替えるように構成された第1の偏光スイッチを含む光源アセンブリと、
前記第1の出力光または前記第2の出力光の少なくとも一方の偏光を切り替えるように構成された第2の偏光スイッチと、
前記第1の偏光スイッチおよび前記第2の偏光スイッチの動作状態を同期させるように構成されたコントローラと、をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記第1の出力FOVと前記第2の出力FOVとの前記組み合わせは、前記第1の入力FOVまたは前記第2の入力FOVの少なくとも一方よりも大きい、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
第1の入力視野(FOV)を有する第1の光を第1の光ガイド内に結合し、前記第1の光を第1の出力FOVを有する第1の出力光として前記第1の光ガイドから外に結合することと、
第2の入力FOVを有する第2の光を第2の光ガイド内に結合し、前記第2の光を、前記第1の出力FOVと実質的に重ならない第2の出力FOVを有する第2の出力光として前記第2の光ガイドから外に結合することと、を含む、方法であって、
前記第1の出力FOVと前記第2の出力FOVとの組み合わせは、前記第1の出力FOVまたは前記第2の出力FOVの少なくとも一方よりも大きい、方法。
【請求項19】
表示フレームの同じサブフレーム中に前記第1の光および前記第2の光を生成すること、または
第1のサブフレーム中に前記第1の光を生成し、第2のサブフレーム中に第2の光を生成すること、をさらに含み、前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームは表示フレームの連続したサブフレームである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の光および前記第2の光は、直交偏光を有する、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、デバイスに関し、より具体的には、拡張視野を提供するための光ガイド表示アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ニアアイ表示(「NED」)は、ビデオ再生、ゲーム、およびスポーツなどの様々な用途で広く実装されている。NEDは、仮想現実(「VR」)、拡張現実(「AR」)、または複合現実(「MR」)を実現するために使用されてきた。ARヘッドセットまたはMRヘッドセットは、現実世界の画像またはシースルー画像と重なり合う仮想画像を表示する。回折結合構造を有する瞳拡張光ガイド表示システムまたはアセンブリは、潜在的にサングラス/眼鏡の形状因子、適度に大きな視野(「FOV」)、高い透過率、および大きなアイボックスを提供することができる、NEDのための有望な設計である。光ガイド表示システムは、虚像を表す画像光を生成する表示要素と、画像光を光ガイド表示システムのアイボックスに導くために回折結合構造と結合された光ガイドとを含む。出射結合回折要素として機能する回折結合構造は、光ガイドの出力側で虚像を複製して有効瞳を拡張する。回折結合構造と結合された光ガイドは、画像光と現実世界からの光とを結合する光学コンバイナとしても機能することができ、それにより、表示要素によって生成された画像光によって表される虚像は、現実世界からの光によって表される現実世界画像と重ね合わされる、または現実世界画像が上に載せられる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、請求項1に記載のデバイスおよび請求項18に記載の方法に関する。有利な実施形態は、従属請求項の特徴を含んでもよい。
【0004】
本開示の開示された実施形態と一致して、本発明によるデバイスは、1つまたは複数の光ガイドを含む。デバイスはまた、第1の入力視野(「FOV」)を有する第1の光を第1の光ガイド内に結合するように構成された第1の入射結合要素を含む。デバイスはまた、第2の入力FOVを有する第2の光を第2の光ガイド内に結合するように構成された第2の入射結合要素を含む。デバイスはまた、第1の光を第1の出力FOVを有する第1の出力光として第1の光ガイドから外に結合するように構成された第1の出射結合要素を含む。デバイスは、第2の光を、第1の出力FOVと実質的に重ならない第2の出力FOVを有する第2の出力光として第2の光ガイドから外に結合するように構成された第2の出射結合要素をさらに含む。第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVの少なくとも一方よりも大きい。
【0005】
一実施形態では、第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVの各々よりも大きくてもよい。
【0006】
さらなる実施形態では、第1の出射結合要素は、第1の出射結合要素の異なる位置で第1の光を第1の光ガイドから外に結合するように構成されてもよく、第2の出射結合要素は、第2の出射結合要素の異なる位置で第2の光を第2の光ガイドから外に結合するように構成されてもよい。
【0007】
一実施形態によれば、第1の入射結合要素は、第1の偏光を有する第1の光を第1の内部全反射(「TIR」)伝播光として第1の光ガイド内に実質的に結合し、第1の偏光に直交する第2の偏光を有する第2の光を実質的に透過させるように構成されてもよく、第2の入射結合要素は、第2の偏光を有する第2の光を第2のTIR伝播光として第2の光ガイド内に実質的に結合し、第1の偏光を有する第1の光を実質的に透過させるように構成されてもよい。好ましくは、第1の出射結合要素は、第3の偏光を有する第1のTIR伝播光を第1の光ガイドから外に実質的に結合し、第3の偏光に直交する第4の偏光を有する第2のTIR伝播光を実質的に透過させるように構成されてもよく、第2の出射結合要素は、第4の偏光を有する第2のTIR伝播光を第2の光ガイドから外に実質的に結合し、第3の偏光を有する第1のTIR伝播光を実質的に透過させるように構成されてもよい。
【0008】
一実施形態では、第1の入射結合要素、第2の入射結合要素、第1の出射結合要素、または第2の出射結合要素のうちの少なくとも1つは、偏光選択性要素を含んでもよい。好ましくは、偏光選択性要素は、サブ波長構造、液晶、または光屈折ホログラフィック材料のうちの少なくとも1つを含む偏光選択性格子またはホログラフィック要素を含んでもよい。さらに好ましくは、偏光選択性要素は、面内方向および面外方向の両方に空間的に変化する配向を有する光軸を有する液晶ポリマー材料を含んでもよい。
【0009】
一実施形態によれば、デバイスは、第1の光ガイドまたは第2の光ガイドの少なくとも一方の表面に配置され、第1の光および第2の光が全内部反射(「TIR」)によって第1の光ガイドおよび第2の光ガイドの内部に伝播するときに、第1の光または第2の光の少なくとも一方の偏光を維持するように構成された1つまたは複数の偏光補正フィルムをさらに備えてもよい。
【0010】
本発明によるデバイスの一実施形態では、第1の出射結合要素は、表示フレームの第1のサブフレーム中に第1の光の第1の偏光成分を第1の出力光として第1の光ガイドから外に結合するように構成されてもよく、第2の出射結合要素は、第1のサブフレーム中に第1の光の第2の偏光成分を第2の出力光として第2の光ガイドから外に結合するように構成されてもよい。デバイスは、第1のサブフレーム中に第1の出力光の偏光および第2の出力光の偏光を維持するように構成された偏光スイッチと、第1の出力光を透過させ、第2の出力光を遮断するように構成された偏光子とをさらに備えてもよい。好ましくは、第1の出射結合要素は、表示フレームの第2のサブフレーム中に第2の光の第1の偏光成分を第3の出力光として第1の光ガイドから外に結合するように構成されてもよく、第2の出射結合要素は、第2のサブフレーム中に第2の光の第2の偏光成分を第4の出力光として第2の光ガイドから外に結合するように構成されてもよく、偏光スイッチは、第2のサブフレーム中に第3の出力光の偏光を変更し、第4の出力光の偏光を変更するように構成されてもよく、偏光子は、第3の出力光を遮断し、第4の出力光を透過させるように構成されてもよい。
【0011】
さらなる実施形態によれば、第1の光ガイドおよび第2の光ガイドは同じ単一の光ガイドであってもよく、第1の入射結合要素および第2の入射結合要素は、単一の光ガイドにおいて互いに積み重ねられてもよい、または並んで配置されてもよく、第1の出射結合要素および第2の出射結合要素は、単一の光ガイドにおいて互いに積み重ねられてもよい、または並んで配置されてもよい。
【0012】
一実施形態では、第1の光ガイドおよび第2の光ガイドは異なる光ガイドであってもよく、第1の入射結合要素および第1の出射結合要素は第1の光ガイドに結合されてもよく、第2の入射結合要素および第2の出射結合要素は第2の光ガイドに結合されてもよい。
【0013】
さらなる実施形態によれば、本発明のデバイスは、第1の光および第2の光を放射するように構成された光源アセンブリをさらに備えてもよく、この場合、第1のFOVは所定のFOVの第1の部分であり、第2のFOVは所定のFOVの第2の部分である。デバイスはまた、表示フレームの同じサブフレーム中または表示フレームの2つの連続するサブフレーム中に第1の光および第2の光を放射するように光源アセンブリを制御するように構成されたコントローラを備えてもよい。
【0014】
一実施形態では、デバイスはまた、第1の光および第2の光を放射するように構成された光源アセンブリであって、第1のFOVおよび第2のFOVの各々が実質的に同じ所定のFOVに対応する、光源アセンブリと、2つの連続するサブフレーム中に第1の光および第2の光を別々に放射するように光源アセンブリを制御するように構成されたコントローラとを備えてもよい。
【0015】
さらなる実施形態では、デバイスは、第1の光および第2の光を放射するように構成された光源アセンブリであって、光源、光源によって放射された第1の光または第2の光の少なくとも一方の偏光を切り替えるように構成された第1の偏光スイッチを含む光源アセンブリと、第1の出力光または第2の出力光の少なくとも一方の偏光を切り替えるように構成された第2の偏光スイッチと、第1の偏光スイッチおよび第2の偏光スイッチの動作状態を同期させるように構成されたコントローラとを追加で備えてよい。
【0016】
本発明の装置の一実施形態によれば、第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の入力FOVまたは第2の入力FOVの少なくとも一方よりも大きくてもよい。
【0017】
本開示の開示された実施形態と一致して、本発明による方法は、第1の入力視野(「FOV」)を有する第1の光を第1の光ガイド内に結合することと、第1の光を第1の出力FOVを有する第1の出力光として第1の光ガイドから外に結合することとを含む。本方法はまた、第2の入力FOVを有する第2の光を第2の光ガイド内に結合することと、第2の光を、第1の出力FOVと実質的に重ならない第2の出力FOVを有する第2の出力光として第2の光ガイドから外に結合することとを含む。第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVの少なくとも一方よりも大きい。
【0018】
一実施形態では、請求項に記載される方法は、表示フレームの同じサブフレーム中に第1の光および第2の光を生成すること、または第1のサブフレーム中に第1の光を生成し、第2のサブフレーム中に第2の光を生成することであって、第1のサブフレームおよび第2のサブフレームは表示フレームの連続したサブフレームであることをさらに含んでよい。
【0019】
さらなる実施形態では、第1の光および第2の光は、直交偏光を有してよい。
【0020】
本開示の他の態様は、本開示の説明、特許請求の範囲、および図面に照らして当業者によって理解され得る。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0021】
以下の図面は、様々な開示された実施形態による例示目的のために提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A】本開示の一実施形態による、ニアアイ表示(「NED」)の概略図である。
【
図1B】本開示の一実施形態による、
図1Aに示されるNEDの半分の断面図である。
【
図2A】本開示の一実施形態による、光ガイド表示アセンブリの概略図である。
【
図2B】本開示の別の実施形態による、光ガイド表示アセンブリの概略図である。
【
図3】本開示の一実施形態による、拡張視野(「FOV」)を提供するように構成された光ガイド表示アセンブリの概略図である。
【
図4】本開示の別の実施形態による、拡張FOVを提供するように構成された光ガイド表示アセンブリの概略図である。
【
図5】本開示の一実施形態による、拡張FOVを提供するように構成された光ガイド表示アセンブリの概略図である。
【
図6A】本開示の別の実施形態による、拡張FOVを提供するように構成された光ガイド表示アセンブリの概略図である。
【
図6B】本開示の別の実施形態による、拡張FOVを提供するように構成された光ガイド表示アセンブリの概略図である。
【
図7A】本開示の別の実施形態による、拡張FOVを提供するように構成された光ガイド表示アセンブリの概略図である。
【
図7B】本開示の別の実施形態による、拡張FOVを提供するように構成された光ガイド表示アセンブリの概略図である。
【
図8】本開示の一実施形態による、拡張FOVを提供するための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示と整合する実施形態を添付の図面を参照して説明するが、添付の図面は例示を目的とするものであり、本開示の範囲を限定することが意図されていない。可能な限り、同一の部分または類似の部分を指すために図面全体を通して同一の参照番号が使用され、その詳細な説明は省略され得る。
【0024】
さらに、本開示では、開示された実施形態および開示された実施形態の特徴は組み合わされる場合がある。記載された実施形態は、本開示の実施形態の全部ではなく一部である。開示された実施形態に基づいて、当業者は、本開示と一致する他の実施形態を導出することができる。例えば、修正、適合、置換、追加、または他の変形が、開示された実施形態に基づいて行われてもよい。開示された実施形態のそのような変形は、依然として本開示の範囲内である。したがって、本開示は、開示された実施形態に限定されない。代わりに、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0025】
本明細書で使用される場合、「結合する(couple)」、「結合される(coupled)」、「結合している(coupling)」などの用語は、光結合、機械的結合、電気的結合、電磁結合、またはそれらの任意の組み合わせを包含し得る。2つの光学素子の間の「光結合」とは、2つの光学素子が光学的に直列に配列された構成を指し、一方の光学素子から出力された光が他方の光学素子によって直接的または間接的に受け取られてよい。光学系列は、1つの光学素子から出力された光が1つまたは複数の他の光学素子によって透過される、反射される、回折される、変換される、修正される、または他の方法で処理または操作され得るように、光路内の複数の光学素子の光学的位置決めを指す。いくつかの実施形態では、複数の光学素子が配置される順序は、複数の光学素子の全体的な出力に影響を与える場合もあるし、影響を与えない場合もある。結合は、直接結合または間接結合(例えば、中間要素を介した結合)であってもよい。
【0026】
「AまたはBのうちの少なくとも1つ」という語句は、Aのみ、Bのみ、またはAとBなど、AとBのすべての組み合わせを包含することができる。同様に、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」という語句は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとB、AとC、BとC、またはAとBとCなど、A、B、およびCのすべての組み合わせを包含することができる。「Aおよび/またはB」という語句は、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」という語句と同様の方法で解釈することができる。例えば、語句「Aおよび/またはB」は、Aのみ、Bのみ、またはAとBなど、AとBのすべての組み合わせを包含する場合がある。同様に、語句「A、B、および/またはC」は、語句「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」と同様の意味を有する。例えば、「A、B、および/またはC」という語句は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとB、AとC、BとC、またはAとBとCなど、A、B、およびCのすべての組み合わせを包含する場合がある。
【0027】
第1の要素が第2の要素に対して、第2の要素上に、第2の要素に、または少なくとも部分的に第2の要素内に「装着された」、「設けられた」、「形成された」、「添えられた」、「取り付けられた」、「固定された」、「接続された」、「接合された」、「記録された」、または「配置された」と記載されている場合、第1の要素は、堆積、コーティング、エッチング、結合、接着、ねじ込み、圧入、スナップ嵌合、クランプなどの任意の適切な機械的または非機械的な方法を使用して、第2の要素に対して、第2の要素上に、第2の要素に、または少なくとも部分的に第2の要素内に「装着された」、「設けられ」、「形成され」、「添えられ」、「取り付けられ」、「固定され」、「接続され」、「接合され」、「記録され」または「配置され」てよい。加えて、第1の要素は、第2の要素と直接接触してよい、または第1の要素と第2の要素との間に中間要素が存在してもよい。第1の要素は、左、右、前、後、上、または下など、第2の要素の任意の適切な側に配置されてもよい。
【0028】
第1の要素が第2の要素の「上」に配置または配列されているものとして図示または説明される場合、「上」という用語は、単に第1の要素と第2の要素との間の例示的な相対的な向きを示すために使用される。説明は、図に示される基準座標系に基づいてもよいし、図に示される視界または例示的な構成に基づいてもよい。例えば、図に示される視界が説明される場合、第1の要素は、第2の要素の「上」に配置されていると説明することができる。「上」という用語は、第1の要素が第2の要素の上に垂直な重力方向にあることを必ずしも暗に示すわけではことが理解される。例えば、第1の要素と第2の要素のアセンブリを180度回転させた場合、第1の要素は第2の要素の「下」にあってもよい(第2の要素は第1の要素の「上」にあってもよい)。したがって、図が、第1の要素が第2の要素の「上」にあることを示す場合、その構成は単なる例示であることが理解される。第1の要素は、第2の要素に対して任意の適切な配向(例えば、第2の要素の上方または上、第2の要素の下方または下、第2の要素の左、第2の要素の右、第2の要素の後ろ、第2の要素の前など)で配置されてもよいし、配列されてもよい。
【0029】
第1の要素が第2の要素の「上」に配置されていると説明される場合、第1の要素は、第2の要素上に直接配置されても、間接的に配置されてもよい。第1の要素が第2の要素上に直接配置されていることは、第1の要素と第2の要素との間に追加の要素が配置されていないことを示す。第1の要素が第2の要素上に間接的に配置されていることは、第1の要素と第2の要素との間に1つまたは複数の追加の要素が配置されていることを示す。
【0030】
本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、中央処理装置(「CPU」)、グラフィックス処理装置(「GPU」)、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、プログラマブルロジックデバイス(「PLD」)、またはそれらの任意の組み合わせなどの任意の適切なプロセッサを包含し得る。上記で列挙されていない他のプロセッサが使用されてもよい。プロセッサは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせとして実装されてもよい。
【0031】
「コントローラ」という用語は、デバイス、回路、光学素子などを制御するための制御信号を生成するように構成された任意の適切な電気回路、ソフトウェア、またはプロセッサを包含してよい。「コントローラ」は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせとして実装されてもよい。例えば、コントローラは、プロセッサを含んでもよく、またはプロセッサの一部として含まれてもよい。
【0032】
「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、データ、信号、または情報を記憶、転送、通信、放送、または伝送するための任意の適切な媒体を包含することができる。例えば、非一時的コンピュータ可読媒体は、メモリ、ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、テープなどを含んでもよい。メモリは、読み出し専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「ROM」)、フラッシュメモリなどを含んでもよい。
【0033】
「フィルム」および「層」という用語は、支持基材上または基材間に配置され得る、剛性または可撓性の自立または自立フィルム、コーティング、または層を含み得る。語句「面内方向」、「面内配向」、「面内回転」、「面内整列パターン」および「面内ピッチ」は、それぞれフィルムまたは層(例えば、フィルムもしくは層の表面平面、またはフィルムもしくは層の表面平面に平行な平面)の面内における方向、配向、回転、整列パターンおよびピッチを意味する。「面外方向」という用語は、フィルムまたは層の(例えば、フィルムまたは層の表面平面に垂直な、例えば、表面平面に平行な平面に垂直な)平面に非平行な方向を示す。例えば、「面内」方向が表面平面内の方向を指す場合、「面外」方向は、表面平面に垂直な厚さ方向、または表面平面と平行でない方向を指してよい。
【0034】
「直交偏光」で使用される「直交」という用語または「直交偏光」で使用される「直交」という用語は、2つの偏光を表す2つのベクトルの内積が実質的に0であることを意味する。例えば、直交偏光を有する2つの光または2つの直交偏光は、2つの直交方向の偏光を有する2つの直線偏光(例えば、デカルト座標系におけるx軸方向およびy軸方向)または反対の掌性を有する2つの円に偏光された光(例えば、左周り円偏光および右周り円偏光)であってもよい。
【0035】
従来の光ガイド(導波路とも呼ばれる)表示システムまたはアセンブリでは、光ガイドの内面での入射角(例えば、内面に入射する光と内面の法線との間の角度)が臨界角以上である場合、光は全内部反射(「TIR」)を介して光ガイド内を伝播してよい。臨界角は、光ガイドが製造される材料(ただし、光ガイドの外部環境は、屈折率が約1.0の空気であるという条件で)の屈折率によって決定され得る。例えば、BK-7ガラスの臨界角は約42°である。臨界角は、光ガイドの表面に反射コーティングを配置することによって、または光ガイドを製造するためにより高い屈折率を有する材料を使用することによって縮小されてよい。臨界角が縮小される場合、光ガイドによって提供されるFOVが増大されてよい。しかしながら、反射コーティングを追加するか、またはより高い反射指数を有する材料を使用することは、光ガイドのコストおよび重量を増加させる可能性がある。光がTIRを通って光ガイド内を伝播するとき、光/光線のTIR経路と光ガイドの内面の法線とによって形成される角度(または光ガイドの内面に入射する光/光線の入射角)は、導波角度または伝播角度と呼ばれる場合がある。従来のガラス材料(例えば、BK-7ガラス)から製造された光ガイドでは、光がTIRを通って光ガイド内を伝播してよい伝播角度の最大値は約50°である。
【0036】
従来の光ガイド表示システムにおけるFOVの制限を考慮して、本開示は、光ガイド(または光ガイドスタック)と、光ガイド(または光ガイドスタック)に結合された1つまたは複数の偏光選択性要素とを含むデバイス(例えば、光学デバイス)または光ガイド表示アセンブリを提供する。偏光選択性要素は、光ガイド(または光ガイドスタック)に結合された入射結合要素および/または出射結合要素として機能してよい。入射結合要素または出射結合要素は、偏光選択性入射結合要素または偏光選択性出射結合要素と呼ばれることもある。1つまたは複数の偏光選択性要素と結合された光ガイドは、光源アセンブリによって生成された虚像を表す画像光を、偏光多重化方式および/または時間多重化方式で光学デバイスのアイボックスに導くことができる。光学デバイスは、光ガイド内に結合された虚像を表す画像光のFOVと比較して、アイボックスにおいて増大した(または拡張された)FOVを提供することができる。説明の便宜上、光ガイド内に入力される画像光のFOVは入力FOVと呼ばれる場合があり、光ガイドから出力される画像光のFOVは出力FOVと呼ばれる場合がある。本開示の光学デバイスは、増大した出力FOVを提供することができる(すなわち、出力FOVは入力FOVよりも大きい)。いくつかの実施形態では、偏光選択性要素のいずれかは、等方性材料または異方性材料に基づいて製造された1つまたは複数の偏光選択性格子またはホログラフィック要素を含んでもよい。偏光選択性格子またはホログラフィック要素は、適切なサブ波長構造、液晶、光屈折ホログラフィック材料、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、偏光選択性入射結合要素または偏光選択性出射結合要素の少なくとも一方は、直線偏光選択性要素であってもよい。いくつかの実施形態では、偏光選択性入射結合要素または偏光選択性出射結合要素の少なくとも一方は、円偏光選択性要素であってもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、光学デバイスは、光ガイドを含んでもよい。光学デバイスは、第1の偏光および第1の入力FOVを有する第1の入力光を光ガイドの内部のTIR経路内に(例えば、回折を介して)それぞれ結合するように構成された第1の偏光選択性入射結合要素(例えば、第1の偏光選択性入射結合格子)を含んでもよい。光デバイスはまた、第1の偏光に直交する第2の偏光および第2の入力FOVを有する第2の入力光を光ガイド内のTIR経路内に結合するように構成された第2の偏光選択性入射結合要素(例えば、第2の偏光選択性入射結合格子)を含んでもよい。第1の入力光および第2の入力光は、第1のTIR伝播光および第2のTIR伝播光としてTIRを通って光ガイド内を伝播してよい。光デバイスはまた、第1のTIR伝播光を第1の出力FOVを有する第1の出力光として光ガイドから外に結合するように構成された第1の偏光選択性出射結合要素(例えば、第1の偏光選択性出射結合格子)を含んでもよい。光デバイスは、第2のTIR伝播光を、第2の出力FOVを有する第2の出力光として光ガイドから外に結合するように構成された第2の偏光選択性出射結合要素(例えば、第2の偏光選択性出射結合格子)を含んでもよい。第1の出力光および第2の出力光は、直交偏光を有してよい。第1の出力FOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重ならなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重なり合わない連続したFOV(例えば、0°~+50°、0°~-50°)であってもよい。第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVの各々よりも実質的に大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の入力FOVと第2の入力FOVとの組み合わせよりも大きくてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、光学デバイスは、複数の光ガイドを含む光ガイドスタックを含んでもよい。例えば、光ガイドスタックは、第1の光ガイドおよび第2の光ガイドを含んでもよい。第1の偏光選択性入射結合要素(例えば、第1の偏光選択性入射結合格子)および第1の偏光選択性出射結合要素(例えば、第1の偏光選択性出射結合格子)は、第1の光ガイドに結合されてもよい。第2の偏光選択性入射結合要素(例えば、第2の偏光選択性入射結合格子)および第2の偏光選択性出射結合要素(例えば、第2の偏光選択性出射結合格子)は、第2の光ガイドに結合されてもよい。第1の偏光選択性入射結合要素(例えば、第1の偏光選択性入射結合格子)は、第1の入力FOVを有する第1の入力光を第1のTIR伝播光として第1の光ガイド内の第1のTIR経路内に(例えば、回折を介して)結合するように構成されてよい。第1のTIR伝播光は、第1の光ガイド内の第1のTIR経路に沿って第1の偏光選択性出射結合要素に向かって伝播してよい。
【0039】
第1の偏光選択性出射結合要素(例えば、第1の偏光選択性出射結合格子)は、第1のTIR伝播光を第1の出力FOVに対応する第1の出力光として第1の光ガイドから外に(例えば、回折を介して)結合するように構成されてよい。第2の偏光選択性入射結合要素(例えば、第2の偏光選択性入射結合格子)は、第2の入力FOVを有する第2の入力光を第2のTIR伝播光として第2の光ガイド内の第2のTIR経路内に(例えば、回折を介して)結合するように構成されてもよい。第2のTIR伝播光は、TIRを通って第2の光ガイド内の第2のTIR経路に沿って伝播してよい。第2の偏光選択性出射結合要素(例えば、第2の偏光選択性出射結合格子)は、第2のTIR伝播光を第2の出力FOVに対応する第2の出力光として第2の光ガイドから外に(例えば、回折を介して)結合するように構成されてもよい。第1の出力光および第2の出力光は、直交偏光を有してよい。第1の出力FOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重ならなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重なり合わない連続したFOV(例えば、0°~+50°、0°~-50°)であってもよい。第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の入力FOVおよび第2の入力FOVの各々よりも実質的に大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の入力FOVと第2の入力FOVとの組み合わせよりも大きくてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1の入力光および第2の入力光は、光ガイドまたは光ガイドスタックに結合された光源から放射された光(または画像光)の同じFOVの異なる部分に対応してよい。光源から放射された画像光は、虚像を表してよい。例えば、画像光のFOVは、第1の部分および第2の部分(例えば、左半分および右半分)の2つの部分を含んでもよい。FOVの第1の部分および第2の部分は、第1の入力光および第2の入力光の第1の入力FOVおよび第2の入力FOVに対応してよい。光ガイドまたは光ガイドスタックは、FOVの異なる部分に対応する第1の入力光および第2の入力光を同じ期間中に(例えば、同じ期間内に同時に)受け取る、または時系列的に(例えば、2つの連続する時間インスタンスにおいて一方の光が他方の光よりも先に受信される)受け取るように構成されてよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、第1の入力光および第2の入力光の各々は、光ガイドまたは光ガイドスタックに結合された光源から放射された画像光(虚像を表す)の全FOVに対応してもよい。すなわち、第1の入力光の第1の入力FOVは、光源によって放射された画像光の全FOVに対応してもよく、第2の入力光の第2の入力FOVは、光源によって放射された画像光の全FOVに対応してもよい。光ガイドまたは光ガイドスタックは、それぞれが画像光の完全なFOVに対応する第1の入力光および第2の入力光を時系列的に受け取るように構成されてもよい(例えば、2つの連続する時間インスタンスにおいて一方の入力光が他方の入力光の前に受け取られてよい)。いくつかの実施形態では、光ガイド表示アセンブリの出力側における第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、光源によって生成された画像光のFOVよりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、光ガイド内の光を伝播する第1のTIRは、第1の入力光の第1の入力FOVよりも小さい第1の中間FOVに対応してもよい。光ガイド内の第2のTIR伝播光は、第2の入力光の第2の入力FOVよりも小さい第2の中間FOVに対応してもよい。光ガイド表示アセンブリの出力側における第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、光ガイドの内部の第1のTIR伝播光および第2のTIR伝播光の第1の中間FOVと第2の中間FOVとの組み合わせよりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、光ガイド表示アセンブリの出力側における第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の入力FOVおよび第2の入力FOVの各々(各々が光源によって放射された画像光の全FOVに対応する)よりも大きくてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1のTIR伝播光に含まれる少なくとも1つの第1のTIR伝播光線および第2のTIR伝播光に含まれる少なくとも1つの第2のTIR伝播光線は、TIRを通って光ガイド内を伝播するときに実質的に同じ伝播角度を有し得る。いくつかの実施形態では、第1の偏光選択性出射結合要素は、少なくとも1つの第1のTIR伝播光線を、少なくとも1つの第1の方向(または第1の出力角度)に伝播する少なくとも1つの第1の出力光線として光ガイド(または光ガイドスタックに含まれる第1の光ガイド)から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第2の偏光選択性出射結合要素は、少なくとも1つの第2のTIR伝播光線を、少なくとも1つの第2の方向(または第2の出力角度)に伝播する少なくとも1つの第2の出力光線として光ガイド(または光ガイドスタックに含まれる第2の光ガイド)から外に結合するように構成されてよい。出力角度は、出力光線と出射結合要素の表面の法線との間の角度として定義されてよい。出力角度は、出力光線と出射結合要素の表面の法線との間の時計回りの関係または反時計回りの関係に応じて正または負として定義されてよい。第1の方向(または第1の出力角度)および第2の方向(または第2の出力角度)は、異なる方向(または異なる出力角度)であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力角度および第2の出力角度は、反対の出力角度であってもよい。例えば、第1の出力角度および第2の出力角度は、同じ絶対値および反対の符号(例えば、θおよび-θ)を有することができる。いくつかの実施形態では、第1の出力角度および第2の出力角度は、異なる絶対値および反対の符号(例えば、θ1および-θ2であり、θ1およびθ2は異なる値を有する)を有する場合もある。
【0043】
従来の光ガイド表示アセンブリでは、光ガイド内のTIR経路の伝播角度は、光ガイドから出射結合された出力光線の出力角度に1対1で対応してもよい。本開示では、光ガイド内のTIR経路の伝播角度は、2つの異なる出力角度、例えば、反対の符号を有する2つの出力角度にマッピングされてもよい。したがって、開示された光ガイド表示アセンブリによって提供されるFOVは、アセンブリに含まれる光ガイド(または光ガイドスタック)が、同様の屈折率または同じ屈折率を有する同様の材料または同じ材料で製造される場合、従来の光ガイド表示アセンブリによって提供されるFOVと比較して(例えば、2倍)、拡大され得る、増大され得る、または拡張され得る。従来の光ガイド表示アセンブリと比較して、開示された光ガイド表示アセンブリは、より低い屈折率を有する材料から製造された光ガイドを有する同じFOVまたは同様のFOVを提供することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、光源アセンブリによって生成された画像光のFOVの2つの異なる部分を送達するために単一の光ガイドが使用される場合、例えばそれぞれ赤色光、緑色光、および青色光の任意の適切な順序で入射結合し、その後の出射結合することによって成分カラー画像(例えば、原色画像)を送達するように構成された3つの光ガイドを積み重ねることによって、多色(例えば、フルカラー)2D瞳拡張(または複製)が達成されてよい。いくつかの実施形態では、画像光のFOVの異なる部分を送達するために単一の光ガイドが使用される場合、例えば、それぞれ赤色光と緑色光の組み合わせ、および緑色光と青色光の組み合わせを任意の適切な順序で入射結合し、その後出射結合することによって成分色画像(例えば、原色画像)を送達するように構成された2つの光ガイドを積み重ねることによって、多色(例えば、フルカラー)2D瞳孔拡張(または複製)が達成されてよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、画像光のFOVの2つの異なる部分を送達するために互いに積み重ねられた複数の光ガイドを有する単一の光ガイドスタックが使用される場合、例えばそれぞれ赤色光、緑色光、および青色光の任意の適切な順序での入射結合およびその後の出射結合によって成分カラー画像(例えば、原色画像)を送達するように構成された3つの光ガイドスタックを積み重ねることによって、多色(例えば、フルカラー)2D瞳拡張(または複製)が達成されてよい。いくつかの実施形態では、画像光のFOVの異なる部分を送達するために単一の光ガイドスタックが使用される場合、例えば、それぞれ赤色光と緑色光の組み合わせ、および緑色光と青色光の組み合わせを任意の適切な順序で入射結合し、その後出射結合することによって成分色画像(例えば、原色画像)を送達するように構成された2つの光ガイドスタックを積み重ねることによって、多色(例えば、フルカラー)2D瞳孔拡張(または複製)が達成されてよい。
【0046】
図1Aは、本開示の一実施形態による、ニアアイ表示(「NED」)100の概略図を例示する。いくつかの実施形態では、NED100はヘッドマウント表示(「HMD」)と呼ばれる場合がある。NED100は、1つまたは複数の画像、ビデオ、オーディオ、またはそれらの組み合わせなどのメディアコンテンツをユーザに提示することができる。いくつかの実施形態では、オーディオコンテンツは、外部デバイス(例えば、スピーカおよび/またはヘッドフォン)を介してユーザに提示されてもよい。NED100は、VRデバイス、ARデバイス、MRデバイス、またはそれらの組み合わせとして動作することができる。いくつかの実施形態では、NED100がARデバイスおよび/またはMRデバイスとして動作するとき、NED100の一部は少なくとも部分的に透明であってもよく、NED100の内部構成要素は少なくとも部分的に視認可能であってもよい。
【0047】
図1Aに示されるように、NED100は、フレーム110、左表示システム120L、および右表示システム120Rを含んでもよい。いくつかの実施形態では、
図1Aに示される1つまたは複数のデバイスは省略されてもよい。いくつかの実施形態では、
図1Aに示されていない1つまたは複数の追加のデバイスまたは構成要素がNED100に含まれる場合もある。フレーム110は、左表示システム120Lおよび右表示システム120R(例えば、ユーザの眼に隣接する)をユーザの身体部分(例えば、頭部)に取り付けるように構成された適切な種類の取り付け構造を含んでもよい。フレーム110は、メディアコンテンツをユーザに表示するように構成され得る、1つまたは複数の光学素子に結合されてよい。いくつかの実施形態では、フレーム110は、眼鏡のフレームを表してもよい。左表示システム120Lおよび右表示システム120Rは、ユーザがNED100によって提示された仮想コンテンツを見ること、および/または現実世界のオブジェクトの画像を見ることを可能にするように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、左表示システム120Lおよび右表示システム120Rの各々は、シースルー光学素子を含んでもよい。いくつかの実施形態では、左表示システム120Lおよび右表示システム120Rは、光(例えば、虚像に対応する画像光)を生成し、画像光をユーザの眼に向けるように構成された任意の適切な表示アセンブリ(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、NED100は投影システムを含んでもよい。例示を目的として、
図1Aは、投影システムが、フレーム110に結合されたプロジェクタ135を含む場合があることを示している。
【0048】
図1Bは、本開示の一実施形態による、
図1Aに示されるNED100の断面図である。例示の目的のために、
図1Bは、NED100の左表示システム120Lに関連する断面図を示す。右表示システム120Rの断面図は、左表示システム120Lについて示されたものと同様であってよい。
図1Bに示されるように、眼160について、左表示システム120Lは、拡張された視野(「FOV」)を有する画像光を眼160に送達するための光学デバイス115を含んでもよい。いくつかの実施形態では、光学デバイス115は、光ガイド表示アセンブリ115であってもよい。光ガイド表示アセンブリ115は、光ガイドまたは光ガイドのスタックを含んでもよい。射出瞳125は、ユーザがNED100を装着したときに眼160がアイボックス165内に位置決めされる位置であり得る。例示を目的として、
図1Bは、単一の眼160および単一の光ガイド表示アセンブリ115に関連する断面図を示す。いくつかの実施形態では、
図1Bに示される光ガイド表示アセンブリ115とは別個で、同様の別の光ガイド表示アセンブリが、ユーザのもう一方の眼の射出瞳に位置するアイボックスに画像光を提供してもよい。
【0049】
光ガイド表示アセンブリ115は、1つまたは複数の屈折率を有する1つまたは複数の材料(例えば、プラスチック、ガラスなど)に基づいて作製された光ガイドおよび/または1つまたは複数の格子を含んでもよい。光ガイド表示アセンブリ115は、NED100の重量を効果的に最小化し、視野(「FOV」)を増大(または拡張)させることができる。いくつかの実施形態では、光学デバイス115は、NED100の構成要素であってもよい。いくつかの実施形態では、光ガイド表示アセンブリ115は、何らかの他のNED、または画像光を特定の位置に向ける他のシステムの構成要素であってもよい。
図1Bに示されるように、光ガイド表示アセンブリ115は、ユーザの片方の眼160に対して設けられてよい。片眼用の光ガイド表示アセンブリ115は、もう一方の眼の同様の光ガイド表示アセンブリから分離されていてもよい、または部分的に分離されていてもよい。特定の実施形態では、単一の光ガイド表示アセンブリ115がユーザの両眼に使用されてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、NED100は、光ガイド表示アセンブリ115と眼160との間に配置された1つまたは複数の光学素子(図示せず)を含み得る。光学素子は、例えば、光ガイド表示アセンブリ115から放射された画像光の収差を補正し、光ガイド表示アセンブリ115から放射された画像光を拡大する、または光ガイド表示アセンブリ115から放射された画像光の別の種類の光学調整を実行するように構成されてもよい。1つまたは複数の光学素子の例は、アパーチャ、フレネルレンズ、凸レンズ、凹レンズ、フィルタ、画像光に影響を及ぼす任意の他の適切な光学素子、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光ガイド表示アセンブリ115は、光ガイド表示のスタックを含んでもよい。いくつかの実施形態では、積み重ねられた光ガイド表示は、光ガイド表示を積み重ねることによって形成された多色表示(例えば、赤-緑-青(「RGB」)表示)を含んでもよい。光ガイド表示に含まれる各単色光源は、異なる色の光を放射するように構成されてもよい。例えば、積み重ねられた光ガイド表示は、複数の平面(例えば、多重焦点カラー表示)に画像光を投影するように構成された多色表示を含んでもよい。いくつかの実施形態では、積み重ねられた光ガイド表示は、複数の平面(例えば、多重焦点単色表示)に画像光を投影するように構成された単色表示を含む場合もある。光ガイド表示アセンブリ115の様々な実施形態を以下に説明する。
【0051】
いくつかの実施形態では、NED100は、現実世界の環境からの現実世界の光の透過率を動的に調整し、それによってNED100をVRデバイスとARデバイスとの間、またはVRデバイスとMRデバイスとの間で切り替えることができる適応型調光要素130を含んでもよい。いくつかの実施形態では、AR/MRデバイスとVRデバイスとの間の切り替えと共に、適応型調光要素130をARデバイスおよび/MRデバイスにおいて使用して、現実のオブジェクトと仮想オブジェクトとの明るさの差を緩和してもよい。
【0052】
図2Aは、本開示の一実施形態による、光学システムまたは光学デバイス200の概略図を例示する。光学デバイス200はまた、光ガイド表示アセンブリ(または光ガイド表示システム)200とも称され得る。光ガイド表示アセンブリ200は、
図1Aおよび
図1Bに示されるNED100などのVR用途、AR用途および/またはMR用途のためのNEDに実装されてよい。例えば、光ガイド表示アセンブリ200は、
図1Aおよび
図1Bに示される光ガイド表示アセンブリ115の一実施形態であってもよい(またはそれと同様であってもよい)。
【0053】
図2Aに示されるように、光ガイド表示アセンブリ200は、光源アセンブリ205と、光ガイド210と、コントローラ215とを含んでもよい。コントローラ215は、プロセッサまたは処理ユニット201を含んでもよい。プロセッサは、中央処理装置(「CPU」)、グラフィック処理装置(「GPU」)などの任意の適切なプロセッサによってもよい。コントローラ215は、記憶装置202を含んでもよい。記憶装置202は、メモリ、ハードディスクなどの非一時的なコンピュータ可読媒体であってもよい。記憶装置202は、コンピュータ実行可能プログラム命令またはコードを含むデータまたは情報を記憶するように構成されてもよく、コンピュータ実行可能プログラム命令またはコードは、本明細書に開示された方法またはプロセスの様々な制御または機能を実行するためにプロセッサ201によって実行されてよい。
【0054】
光源アセンブリ205は、光源220および光調整システム225を含んでよい。光源220は、虚像を表し、所定のFOVを有する画像光などの光を生成するように構成された任意の適切な光源であってよい。いくつかの実施形態では、光源220は、コヒーレント光または部分的にコヒーレントな光を生成するように構成された光源であってよい。光源220は、例えば、レーザダイオード、垂直共振器面発光レーザ、発光ダイオード、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光源220は、液晶表示(「LCD」)パネル、液晶オンシリコン(「LCoS」)表示パネル、有機発光ダイオード(「OLED」)表示パネル、マイクロ発光ダイオード(「マイクロLED」)表示パネル、デジタル光処理(「DLP」)表示パネル、またはそれらの組み合わせなどの表示パネルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光源220は、OLED表示パネルまたはマイクロLED表示パネルなどの自発光パネルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光源220は、LCDパネル、LCoS表示パネル、またはDLP表示パネルなどの外部源によって照明される表示パネルを含む場合もある。外部ソースの例は、レーザ、LED、OLED、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0055】
光調整システム225は、光源220によって放射された光を調整するように構成された1つまたは複数の光学構成要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、光調整システム225は、光源220によって放射された光の様々な調整を実行するコントローラ215によって制御されてもよい。光を調整することは、例えば、光の透過、減衰、拡大、コリメート、および/または向きの調整を含んでもよい。
【0056】
光源アセンブリ205は、画像光230を生成し、画像光を、光ガイド210と結合された入射結合要素235に向かって出力することができる。例えば、入射結合要素235は、光ガイド210の第1の部分に配置されてもよい。入射結合要素235は、画像光230を光ガイド210の内部の全内部反射(「TIR」)経路内に結合することができる。光ガイド210は、入射結合要素235から光ガイド210に結合された出射結合要素245に画像光230を導くことができる。例えば、出射結合要素245は、光ガイド210の第2の部分に配置されてもよい。入射結合要素235によって入射結合された画像光230は、TIR伝播光231として光ガイド210の内部をTIRを通って出射結合要素245に向かって伝播してよい。第1の部分および第2の部分は、光ガイド210の異なる位置に配置されてもよい。出射結合要素245は、TIR伝播光231を眼260に向かう出力光232として光ガイド210から外に結合するように構成されてよい。出射結合要素245は、TIR伝播光231が出射結合要素245の異なる位置に入射するとき、TIR伝播光231を出射結合要素245の異なる位置で光ガイド210から外に連続的に結合してよい。したがって、出射結合要素245は、画像光を複製して、光ガイド表示アセンブリ200の有効瞳を拡張してよい。いくつかの実施形態では、光ガイド210は、現実世界の環境から光255を受け取る場合があり、光255を出力光232(画像光であってもよい)と合成し、合成した光を眼260に送達してもよい。
【0057】
光ガイド210は、現実世界の環境に面する第1の表面または側面210-1と、眼260に面する対向する第2の表面または側面210-2とを含んでもよい。光源アセンブリ205の位置および入射結合要素235の種類に応じて、入射結合要素235は、第1の表面210-1または第2の表面210-2に配置されてもよく、光源アセンブリ205と同じ光ガイド210の側に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、入射結合要素235および光源アセンブリ205は、光ガイド210の異なる側に配置されてもよい。
図2Aに示される実施形態では、入射結合要素235は、光ガイド210の第1の表面210-1に配置される。いくつかの実施形態では、入射結合要素235は、第1の表面210-1において光ガイド210の一部として一体的に形成されてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、入射結合要素235は、別個の要素として光ガイド210の第1の表面210-1に形成される、または配置され(例えば、そこに添えられ)てもよい。いくつかの実施形態では、入射結合要素235は、別個の要素として光ガイド210の第2の表面210-2に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、入射結合要素235は、第2の表面210-2において光ガイド210の一部として一体的に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、入射結合要素235は、1つまたは複数の回折格子、1つまたは複数の縦続接続された反射器、1つまたは複数のプリズム面要素、および/またはホログラフィック反射器のアレイ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、入射結合要素235は、1つまたは複数の偏光選択性要素を含んでもよく、偏光選択性入射結合要素と呼ばれてもよい。偏光選択性要素のいずれかは、等方性材料または異方性材料に基づいて製造された偏光選択性格子またはホログラフィック要素を含んでもよい。偏光選択性格子またはホログラフィック要素は、適切なサブ波長構造、液晶、光屈折ホログラフィック材料、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。入射結合要素235に含まれる偏光選択性格子のピッチは、光ガイド210内の画像光230の全内部反射(「TIR」)を可能にするように構成されてよい。結果として、入射結合要素235によって光ガイド210内に結合された画像光230は、伝播角度αでTIR経路213に沿ってTIRを通って光ガイド210内を伝播してよい。
図2Aに示されるように、伝播角度αは、TIR経路213と光ガイド210の内面の法線223との間に形成される角度として定義されてよい。
【0059】
出射結合要素245は、光ガイド210の第1の表面210-1または第2の表面210-2に配置されてもよい。例えば、
図2Aに示されるように、出射結合要素245は、光ガイド210の第2の表面210-2に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、出射結合要素245は、光ガイド210の一部として一体的に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、出射結合要素245は、別個の要素として光ガイド210の第2の表面210-2に形成される、または配置され(例えば、そこに添えられ)てもよい。いくつかの実施形態では、出射結合要素245は、光ガイド210の第1の表面210-1に配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、出射結合要素245は、第1の表面210-1において光ガイド210の一部として一体的に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、出射結合要素245は、別個の要素として光ガイド210の第1の表面210-1に形成される、または配置され(例えば、そこに添えられ)てもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、出射結合要素245は、1つまたは複数の回折格子、1つまたは複数の縦続接続された反射器、1つまたは複数のプリズム面要素、および/またはホログラフィック反射器のアレイ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、出射結合要素245は、1つまたは複数の偏光選択性要素を含んでもよく、偏光選択性出射結合要素と呼ばれてもよい。偏光選択性要素のいずれかは、等方性材料または異方性材料に基づいて製造された偏光選択性格子またはホログラフィック要素を含んでもよい。偏光選択性格子またはホログラフィック要素は、適切なサブ波長構造、液晶、光屈折ホログラフィック材料、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。出射結合要素245に含まれる偏光選択性格子のピッチは、偏光選択性格子が画像光230を光ガイド210から外に回折させ得るように構成されてもよい。その結果、TIRは発生しなくなる。
【0061】
光ガイド210は、画像光230の全内部反射を促進するように構成された1つまたは複数の材料を含んでもよい。光ガイド210は、例えば、プラスチック、ガラス、および/またはポリマーを含んでもよい。光ガイド210は、比較的小さなフォームファクタを有し得る。例えば、光ガイド210は、x次元に沿って約50mmの幅、y次元に沿って30mmの長さ、z次元に沿って0.5~1mmの厚さであってもよい。
【0062】
コントローラ215は、光源アセンブリ205と通信可能に結合されてよく、光源アセンブリ205の動作を制御することができる。いくつかの実施形態では、光ガイド表示アセンブリ200は、入力画像光230を視野(「FOV」)が増大または拡張された出力画像光232として眼260に向けるように構成されてよい。例えば、眼260に提供される画像光232の出力FOVは、x軸方向および/またはy軸方向において60度以上150度以下であってよい。光ガイド210は、8mm以上50mm以下の幅、および6mm以上20mm以下の高さを有するアイボックスを提供するように構成されてもよい。光ガイド表示アセンブリ200を用いて、物理的表示および電子機器がNEDの前部本体の側面に移動されてよく、現実世界の環境の実質的に遮るものがない視界を達成することができ、これはARユーザ体験を向上させる。
【0063】
いくつかの実施形態では、光ガイド210は、出射結合要素245に向かって画像光230を方向転換する、折り畳む、および/または拡張するように構成された1つまたは複数の追加の要素を含んでもよい。
図2Bは、本開示の一実施形態による、光学システムまたは光学デバイス250の概略図を例示する。光学システム250は、(例えば、光学システム250によって送達される画像光のFOVを拡張するために)拡張されたFOVを提供するように構成されてよい。光学システム250は、光ガイド表示アセンブリ250と呼ばれることもある。光ガイド表示アセンブリ250は、
図2Aに示される光ガイド表示アセンブリ200に含まれる要素と同様または同じ要素を含んでもよい。同じまたは同様の要素の説明は、
図2Aに関連して与えられた上記の説明を参照することができる。
【0064】
例えば、
図2Bに示されるように、光ガイド表示アセンブリ250は、光ガイド210、光源アセンブリ205、入射結合要素235、出射結合要素245、およびコントローラ215を含んでもよい。光ガイド表示アセンブリ250は、画像光230が出射結合要素245によって光ガイド210から外に結合され得るように、画像光230を出射結合要素245に方向転換するように構成された誘導要素240をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、誘導要素240は、出射結合要素245の位置に対向する表面の位置に配列されてもよい。いくつかの実施形態では、誘導要素240は、光ガイド210の第1の表面210-1の、第2の表面210-2の出射結合要素245の位置に対応し、対向する位置に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、誘導要素240は、第1の表面210-1において光ガイド210の一部として一体的に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、誘導要素240は、別個の要素として光ガイド210の第1の表面210-1に形成される、または配置され(例えば、そこに添えられ)てもよい。いくつかの実施形態では、誘導要素240は、光ガイド210の第2の表面210-2に配置されてもよく、出射結合要素245は、誘導要素240に対向する第1の表面210-1に配置されてもよい。例えば、誘導要素240は、第2の表面210-2において光ガイド210の一部として一体的に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、誘導要素240は、別個の要素として光ガイド210の第2の表面210-2に形成される、または配置され(例えば、そこに添えられ)てもよい。いくつかの実施形態では、誘導要素240および出射結合要素245は、光ガイド210の同じ表面に配置されてもよい。例えば、誘導要素240および出射結合要素245は、互いに積み重ねられてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、誘導要素240および出射結合要素245は、同様の構造を有する場合もある。いくつかの実施形態では、誘導要素240は、1つまたは複数の回折格子、1つまたは複数の縦続接続された反射器、1つまたは複数のプリズム面要素、および/またはホログラフィック反射器のアレイ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、誘導要素240は、1つまたは複数の偏光選択性要素を含んでもよく、偏光選択性誘導要素と呼ばれてもよい。偏光選択性要素のいずれかは、等方性材料または異方性材料に基づいて製造された偏光選択性格子またはホログラフィック要素を含んでもよい。偏光選択性格子またはホログラフィック要素は、適切なサブ波長構造、液晶、光屈折ホログラフィック材料、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。誘導要素240は、折り畳み要素240とも呼ばれる場合もある。いくつかの実施形態では、光源アセンブリ205によって生成された画像光230の方向転換、折り畳み、および/または拡張などの複数の機能が、単一の要素、例えば出射結合要素245に組み合わされてもよい。そのような実施形態では、誘導要素240は省略されてもよい。
【0066】
図3A~
図7Bは、本開示の様々な実施形態による、拡張されたFOVを提供するように構成された光ガイド表示アセンブリの概略図を例示する。例示および説明の目的のために、図に示される偏光選択性入射結合要素、偏光選択性出射結合要素、および/または偏光選択性指向要素の各々は、1つまたは複数の偏光選択性格子、例えば透過型または反射型偏光選択性格子を含んでもよい。偏光選択性入射結合要素に含まれる偏光選択性格子は、偏光選択性入射結合格子と呼ばれることがある。偏光選択性出射結合要素に含まれる偏光選択性格子は、偏光選択性出射結合格子と呼ばれることがある。例示および説明の目的のために、図に示される偏光選択性入射結合格子のすべておよび偏光選択性出射結合格子のすべては、同じタイプ(例えば、透過型または反射型)であってもよい。いくつかの実施形態では、偏光選択性入射結合格子は、異なるタイプのものであってもよい。いくつかの実施形態では、偏光選択性出射結合格子は、異なるタイプのものであってもよい。いくつかの実施形態では、偏光選択性入射結合格子および偏光選択性出射結合格子は、異なるタイプのものであってもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、偏光選択性要素は、光学異方性材料(例えば、LC材料)を含んでもよい。光学異方性材料の光学軸は、偏光感受性ホログラフィック応答を提供するために、面内方向および面外方向の両方において空間的に変化する配向で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、そのような空間的に変化する配向で構成された光軸を含む光学異方性材料は、偏光体積ホログラム(「PVH」)またはPVH要素を形成し得る。「光軸」という用語は、結晶内の方向を指してよい。光軸方向に伝播する光は複屈折(または複屈折)を受けない場合がある。光軸は、単一の線ではなく特定の方向であってもよく、その方向に平行な光は複屈折を受けない場合がある。いくつかの実施形態では、PVHは、所定の掌性を有する円偏光(または楕円偏光)を主に(または実質的に)回折させ、所定の掌性とは反対の掌性を有する円偏光(または楕円偏光)を主に(または実質的に)透過させる(例えば、無視できる程度の回折で)ように構成されてもよい。PVHは、所定の掌性を有する円偏光(または楕円偏光)を、所定の掌性とは反対の掌性を有する円偏光(または楕円偏光)よりもはるかに小さい光透過率で透過し得ることが理解される。また、PVHは、所定の掌性を有する円偏光(または楕円偏光)よりも回折効率がはるかに小さい、所定の掌性とは反対の掌性を有する円偏光(または楕円偏光)を回折させてもよい。
【0068】
無偏光または直線偏光は、互いに反対の掌性を有する2つの円偏光成分(例えば、第1の成分および第2の成分)に分解されてよい。したがって、第1の成分は、PVHによって主に回折されてよく、第2の成分は、PVHによって主に透過(例えば、無視できる程度の回折で)されてよい。PVHは、所定の掌性を有する円偏光(または楕円偏光)を主に(または実質的に)前方または後方に回折させるように構成されてもよい。PVHが、所定の掌性を有する円偏光(または楕円偏光)を主に(または実質的に)前方回折させるように構成されている場合、PVHは、透過型PVHと呼ばれることがある。PVHが、所定の掌性を有する円偏光(または楕円偏光)を主に(または実質的に)後方回折させるように構成されている場合、PVHは、反射型PVHと呼ばれることがある。
【0069】
いくつかの実施形態では、PVHは、PVHの体積内の複数のヘリックス構造に配列された光学異方性分子(例えば、LC分子)を含み得る。螺旋構造の掌性は、PVHの偏光選択性を規定し得る。いくつかの実施形態では、PVHは、螺旋構造の掌性と同じ掌性を有する円偏光(または楕円偏光)を主に(または実質的に)回折させ、螺旋構造の掌性とは反対の掌性を有する円偏光(または楕円偏光)を主に(または実質的に)透過させる(例えば、無視できる程度の回折で)ように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、PVH中の光学異方性分子は、PVHの体積内の複数のヘリックス構造に配列されなくてもよい。光学異方性分子ダイレクタ面における光学異方性分子のダイレクタの回転の掌性は、PVHの偏光選択性を規定してよい。光学異方性分子ダイレクタ面(または分子ダイレクタ面)は、光学異方性分子のダイレクタによって形成されるまたはそれを含む面である。光学異方性分子は、PVHの体積内の複数の平行な分子誘導面に配列されてもよい。いくつかの実施形態では、PVHは、分子ディレクタ面での光学異方性分子のディレクタの回転の掌性と同じ掌性を有する円偏光(または楕円偏光)を主に(または実質的に)回折させ、分子ディレクタ面での光学異方性分子のディレクタの回転の掌性とは反対の掌性を有する円偏光(または楕円偏光)を主に(または実質的に)透過させる(例えば、無視できる程度の回折で)ように構成されてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、PVHの体積内の螺旋構造の掌性、またはPVHの体積内の分子ディレクタ面での光学異方性分子のディレクタの回転の掌性に応じて、PVHは左周りPVHまたは右周りPVHと呼ばれることがある。例えば、左周りPVHは、主として(前方または後方に)左周り円偏光(「LHCP」)の光を回折させ、主として(例えば、無視できる程度の回折で)右周り円偏光(「RHCP」)の光を透過させるように構成されてもよい。右周りPVHは、RHCP光を主に(前方または後方に)回折させ、LHCP光を主に(例えば、無視できる程度の回折で)透過させるように構成されてもよい。
【0071】
以下の記載では、例示の目的で、PVH(PVH格子とも呼ばれる)を含む偏光選択性格子は、偏光選択性入射結合要素、偏光選択性出射結合要素および/または偏光選択性誘導要素/折り畳み要素の例として使用されてよい。いくつかの実施形態では、光ガイド表示アセンブリはまた、1つまたは複数のPVH格子と結合された光ガイドを有する実施形態に関して本明細書に記載された同じまたは同様の設計原理に従って、拡張されたFOVを提供するための他の適切な偏光選択性要素を含む場合もある。さらに、例示を目的として、一次元(「1D」)FOV拡張(例えば、水平FOV拡張)が、FOVを拡張する原理を説明するための例として使用される。いくつかの実施形態では、二次元(「2D」)FOV拡張(例えば、水平方向および垂直方向のFOV拡張)はまた、光を偏光選択性出射結合要素に向かって90°方向転換するように構成された1つまたは複数の追加の偏光選択性要素(例えば、偏光選択性折り畳み要素または誘導要素)を導入することによって達成されてよい。偏光選択性入射結合要素、偏光選択性出射結合要素および/または偏光選択性誘導要素に含まれる偏光選択性要素の例として偏光選択性格子が使用されてもよいが、入射結合要素、出射結合要素および/または誘導要素に含まれる偏光選択性要素は、偏光選択性格子に限定されない。
【0072】
図3は、本開示の一実施形態による光学システムまたは光学デバイス300の概略図を例示する。光学システム300は、光ガイド表示アセンブリ300と呼ばれることもある。光ガイド表示アセンブリ300は、拡張されたFOVを提供するように構成されてよい。光ガイド表示アセンブリ300は、
図2Aに示される光ガイド表示アセンブリ200または
図2Bに示される光ガイド表示アセンブリ250に含まれる要素、構造、および/または機能と同じまたは同様の要素、構造、および/または機能を含み得る。同じまたは同様の要素、構造、および/または機能の説明は、
図2Aまたは
図2Bに関連して上に与えられた説明を参照することができる。
【0073】
図3に示されるように、光ガイド表示アセンブリ300は、光源アセンブリ305と、光ガイド310と、コントローラ315とを含んでよく、これらは、
図2Aおよび
図2Bに示される光源アセンブリ205、光ガイド210、およびコントローラ215、それぞれの要素、構造、および/または機能と同様または同じ要素、構造、および/または機能を含んでもよい。光源アセンブリ305は、所定のFOV(例えば、40°以上)で画像光350(虚像または表示画像を表す)を生成するように構成された光源320を含んでよい。光源アセンブリ305は、直交偏光を有する複数の部分(例えば、第1の部分および第2の部分)において所定のFOVを有する画像光350を出力してよく、各部分はFOVの一部に対応する。例えば、光源アセンブリ305は、FOVの第1の部分(第1の入力FOVと称する)に対応する第1の光353(または第1の入力光353)と、FOVの第2の部分(第2の入力FOVと称する)に対応する第2の光354(または第2の入力光354)とを出力してもよい。第1の入力FOVを有する第1の光353および第2の入力FOVを有する第2の光354は、
図3に示されるように、光源アセンブリ305から光ガイド310に向かって異なる非平行方向に伝播してよい。第1の光353および第2の光354は、直交偏光を有してもよい。
図3に示されるy-z断面図では、第1の入力FOVを有する第1の光353は、第1の光線353aおよび353bによって境界付けられてもよい。例えば、第1の光線353aは第1の光353の右端の光線であってよく、第1の光線353bは第1の光353の左端の光線であってよい。第2の入力FOVを有する第2の光354は、第2の光線354aおよび354bによって境界付けられてもよい。例えば、第2の光線354aは、第2の光354の最も左側の光線であってよく、第2の光線354bは、第2の光354の最も右側の光線であってよい。いくつかの実施形態では、第2の光線354b(例えば、第2の光354の右端の光線)および第1の光線353b(例えば、第1の光353の最も左側の光線)は、互いに実質的に重なり合ってもよい。第2の光線354bおよび第1の光線353bは、
図3に示すyz断面図において同じ破線で示されている。コントローラ315は、光源アセンブリ305などの光ガイド表示アセンブリ300に含まれる様々な要素を制御し得る。
【0074】
光ガイド310は、光源アセンブリ305から異なる方向に伝播する第1の光353および第2の光354を受け取るように構成されてよい。光ガイド310は、1つまたは複数の入射結合要素と結合されてもよい。いくつかの実施形態では、各入射結合要素は偏光選択性であってよい。いくつかの実施形態では、各入射結合要素は、1つまたは複数の偏光選択性格子を含んでもよい。考察の目的のために、各入射結合要素は、入射結合格子と呼ばれることがある。他の実施形態では、非格子構造が入射結合要素として使用されてもよいことが理解される。
図3に示される実施形態では、光ガイド310は、第1の入射結合格子335-1および第2の入射結合格子335-2と結合されてよく、これらは、第1の光353および第2の光354を回折を介して、それぞれ直交偏光で光ガイド310内に結合するように構成されてよい。入射結合格子335-1、335-2は、透過型格子であってもよいし、反射型格子であってもよい。第1の入射結合格子335-1は、第1の光353を回折を介して第1のTIR伝播光355として光ガイド310内に結合してよく、第2の入射結合格子335-2は、第2の光354を回折を介して第2のTIR伝播光356として光ガイド310内に結合してよい。例示を目的として、
図3は、第1のTIR伝播光355のうちの1つの第1のTIR伝播光線355aと、第2のTIR伝播光356のうちの1つの第2のTIR伝播光線356aとを示す。第1の入射結合格子335-1は、第1の光線353aを第1のTIR伝播光線355aとして光ガイド310内に結合してよい。第2の入射結合格子335-2は、第2の光線354aを第2のTIR伝播光線356aとして光ガイド310内に結合してよい。第1の光線353bおよび第2の光線354bの対応するTIR伝播光線は、
図3には描かれていない。
【0075】
光ガイド310はまた、1つまたは複数の出射結合要素と結合されてもよい。いくつかの実施形態では、各出射結合要素は偏光選択性であってよい。いくつかの実施形態では、各出射結合要素は、1つまたは複数の偏光選択性格子を含んでもよい。考察の目的のために、各出射結合要素は、出射結合格子と呼ばれることがある。他の実施形態では、非格子構造が出射結合要素として使用されてもよいことが理解される。
図3に示される実施形態では、光ガイド310は、第1の出射結合格子345-1および第2の出射結合格子345-2と結合されてよい。出射結合格子345-1、345-2は、透過型格子であっても反射型格子であってもよい。第1の出射結合格子345-1および第2の出射結合格子345-2は、第1のTIR伝播光355および第2のTIR伝播光356を回折を介して、それぞれ異なる非平行方向に光ガイド310から外に結合するように構成されてよい。第1の出射結合格子345-1は、第1のTIR伝播光355を、第1の出力光線357aおよび357bによって境界付けられる第1の出力光357として光ガイド310から外に結合するように構成されてよい。第2の出射結合格子345-2は、第2のTIR伝播光356を、第2の出力光線358aおよび358bによって境界付けられる第2の出力光358として光ガイド310から外に結合するように構成されてよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、第1の出力光357は第1の出力FOVに対応してよく、第2の出力光358は第2の出力FOVに対応してよい。第1の出力FOVは、第1の出力光線357aおよび357bによって境界付けられた角度領域に対応してよい。第2の出力FOVは、第2の出力光線358aおよび358bによって境界付けられた角度領域に対応してよい。すなわち、第1の入射結合格子335-1、光ガイド310、および第1の出射結合格子345-1は、光ガイド表示アセンブリ300のアイボックスに第1の出力FOVを提供するように構成されてよい。第2の入射結合格子335-2、光ガイド310、および第2の出射結合格子345-2は、光ガイド表示アセンブリ300のアイボックスに第2の出力FOVを提供するように構成されてよい。第1の出力FOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重ならなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重なり合わない連続したFOV(例えば、0°~+50°、0°~-50°)であってもよい。第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVの各々よりも実質的に大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の入力光353および第2の入力光354の第1の入力FOVおよび第2の入力FOVよりも大きくてもよく、画像光350の所定のFOVよりも大きくてよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、第1のTIR伝播光355は、第1の入力光353の第1の入力FOVよりも小さい第1の中間FOVに対応してもよく、第2のTIR伝播光356は、第2の入力光354の第2の入力FOVよりも小さい第2の中間FOVに対応してもよい。光ガイド表示アセンブリ300の出力側における光357、358の第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の中間FOVと第2の中間FOVとの組み合わせよりも大きくてよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、第1の出射結合格子345-1は、第1のTIR伝播光線355aを、第1の出力光線357aとして第1の出力角度で光ガイド310から外に結合するように構成されてよい。第2の出射結合格子345-2は、第2のTIR伝播光線356aを、第2の出力光線358aとして第2の出力角度で光ガイド310から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第1の出力角度および第2の出力角度は、同じ絶対値および反対の符号、例えば反対の出力角度+θおよび-θを有してよい。いくつかの実施形態では、第1の出力角度および第2の出力角度は、異なる絶対値および反対の符号(例えば、+θ1および-θ2であり、θ1およびθ2は異なる値を有する)を有する場合もある。いくつかの実施形態では、第1の入射結合格子335-1は、第1の光線353bを光ガイド310内に結合するように構成されてよく、第1の出射結合格子345-1は、第1の光線353bを第1の出力光線357bとして光ガイド310から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第2の入射結合格子335-1は、第2の光線354bを光ガイド310内に結合するように構成されてよく、第2の出射結合格子345-1は、第2の光線354bを第2の出力光線358bとして光ガイド310から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第1の出力光線357bおよび第2の出力光線358bは、互いに実質的に重なり合ってもよい。
【0079】
光線が光ガイドから外に回折される場合、出力される光線の出力角度は、回折角度とも呼ばれることに留意されたい。回折角度とは、回折された光線と出射結合格子の表面の法線(いくつかの実施形態では、出射結合格子の表面の法線は、出射結合格子が結合される光ガイドの表面の法線と平行であってもよい)とによって形成される角度を指す。本開示では、回折角度は、回折された光線と出射結合格子の表面の法線との間の位置関係に応じて、正の角度または負の角度として定義することができる。例えば、
図3に示されるように、回折された光線が法線から時計回りの方向にあるとき、回折角度は正の角度と定義されてよく、回折された光線が法線から反時計回りの方向にあるとき、回折角度は負の角度と定義されてよい。
【0080】
従来の光ガイド表示アセンブリでは、光ガイド内のTIR経路の伝播角度は、TIR伝播光線の偏光状態にかかわらず、光ガイドから出射結合された出力光線の出力角度に1対1で対応してよい。すなわち、TIR経路の伝播角度は、TIR伝播光線の偏光状態にかかわらず、光ガイドから出射結合された光線の単一の出力角度に対応し得る。伝播角度は、光ガイドの屈折率によって決定される。したがって、光ガイド(または光ガイド表示アセンブリ)によって提供されるFOVは、光ガイドの屈折率によって決定され得る。
図3に示される光ガイド表示アセンブリ300において、偏光選択性入射結合格子335-1、335-2および偏光選択性出射結合格子345-1、345-2を用いると、光ガイド310内のTIR経路の同じ伝播角度は、2つの異なる出力角度、例えば反対符号を有する2つの回折角度に対応し得る。例えば、TIR経路の伝播角度が実質的に同じである第1のTIR伝播光線355aおよび第2のTIR伝播光線356aは、出射結合格子345-1および345-2によってそれぞれ第1の出力光線357aおよび第2の出力光線358aとして回折されてよく、この場合、第1の出力光線357aおよび第2の出力光線358aは、反対の符号を有する出力角度(例えば、回折角度)を有する。したがって、光ガイド表示アセンブリ300によって提供されるFOVは、アセンブリに含まれる光ガイドが同じまたは同様の屈折率を有する材料で製造される場合、従来の光ガイド表示アセンブリと比較して(例えば、2倍)拡大または拡張されてよい。代替的または追加的に、従来の光ガイド表示アセンブリと比較して、より低い屈折率を有する材料で製造された光ガイドを使用して、開示された光ガイド表示アセンブリ300によって同じまたは同様のFOVが提供されてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、入射結合格子335-1および335-2の各々は、光ガイド310の第1の表面310-1または第2の表面310-2に配置されてよい。例えば、いくつかの実施形態では、入射結合格子335-1および335-2は、光ガイド310の第1の表面310-1または第2の表面310-2に並んで、または積層構成で配置されてもよい。出射結合格子345-1および345-2の各々は、光ガイド310の第1の表面310-1または第2の表面310-2に配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、出射結合格子345-1および345-2は、光ガイド310の第1の表面310-1または第2の表面310-2に並んで、または積層構成で配置されてもよい。例示を目的として、
図3は、光ガイド310の第2の表面310-2に入射結合格子335-1および335-2が積み重ねられ、光ガイド310の第1の表面310-1に出射結合格子345-1および345-2が積み重ねられることを示している。いくつかの実施形態では、入射結合格子335-1および335-2は、第1の表面310-1に配置されてよく、出射結合格子345-1および345-2は、第2の表面310-2に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、入射結合格子335-1および335-2ならびに出射結合格子345-1および345-2は、同じ表面(例えば、第1の表面310-1または第2の表面310-2)に配置されてもよい。格子335-1、335-2、345-1、または345-2の少なくとも1つ(例えば、各々)は、所定の偏光を有する偏光を主に(例えば、実質的に)回折させ、所定の偏光とは異なる偏光を有する偏光(例えば、直交偏光)を実質的にゼロまたは無視できる回折で主に(例えば、実質的に)透過させるように構成された偏光選択性格子であってもよい。格子335-1、335-2、345-1、および345-2に関連する所定の偏光は、同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、入射結合格子335-1および335-2は、直交偏光を有する偏光を回折させるように構成されてもよい。例えば、第1の入射結合格子335-1は、第1の偏光を有する偏光を主に回折させ、第1の偏光に直交する第2の偏光を有する偏光を実質的にゼロまたは無視できる回折で主に透過させるように構成されてもよい。第2の入射結合格子335-2は、第2の偏光を有する偏光を主に回折させ、第2の偏光に直交する第1の偏光を有する偏光を実質的にゼロまたは無視できる回折で主に透過させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、出射結合格子345-1および345-2は、直交偏光、例えば直交偏光を有する偏光を回折させるように構成されてもよい。出射結合格子345-1および345-2の各々は、入射結合格子335-1および335-2の対応するものと同じ偏光選択性を有してよい。例えば、第1の出射結合格子345-1は、第1の入射結合格子335-1と同じ偏光選択性を有してもよく、第2の出射結合格子345-2は、第2の入射結合格子335-2と同じ偏光選択性を有してもよい。出射結合格子345-1は、第1の偏光を有する偏光を主に回折させ、第1の偏光に直交する第2の偏光を有する偏光を実質的にゼロまたは無視できる回折で主に透過させるように構成されてもよい。出射格子345-2は、第2の偏光を有する偏光を主に回折させ、第2の偏光に直交する第1の偏光を有する偏光を実質的にゼロまたは無視できる回折で主に一次透過させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の出射結合格子345-1は、第2の入射結合格子335-2と同じ偏光選択性を有してもよく、第2の出射結合格子345-2は、第1の入射結合格子335-1と同じ偏光選択性を有してもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、格子335-1、335-2、345-1、または345-2の少なくとも1つ(例えば、各々)は、所定の偏光を有する偏光を主に回折させ、異なる(例えば、直交)偏光を有する偏光を実質的にゼロまたは無視できる回折で主に透過させるように構成され得る偏光選択格子であってもよい。例えば、格子335-1、335-2、345-1、または345-2の少なくとも1つ(例えば、各々)は、所定の掌性を有する円偏光を主に回折させ、所定の掌性とは反対の掌性を有する円偏光を実質的にゼロまたは無視できる回折で主に透過させるように構成され得る円偏光選択性格子であってもよい。入射結合格子335-1および335-2は、反対の掌性を有する円偏光を回折させるように構成されてもよい。例えば、第1の入射結合格子335-1は、第1の所定の掌性(例えば、左掌性または右掌性)を有する円偏光を回折させように構成されてもよく、第2の入射結合格子335-2は、第1の所定の掌性とは反対の第2の所定の掌性(例えば、右掌性または左掌性)を有する円偏光を回折させるように構成されてもよい。出射結合格子345-1および345-2はまた、反対の掌性を有する円偏光を回折させるように構成されてもよい。例えば、第1の出射結合格子345-1は、第1の所定の掌性を有する光を回折させるように構成されてもよく、第2の出射結合格子345-2は、第1の所定の掌性とは反対の第2の所定の掌性を有する光を回折させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、入射結合格子335-1および335-2の各々は、透過型PVHまたは反射型PVHを含んでもよい。いくつかの実施形態では、出射結合格子345-1および345-2の各々は、透過型PVHまたは反射型PVHを含んでもよい。透過型PVHおよび/または反射型PVHの様々な組み合わせが、入射結合格子335-1および335-2、ならびに出射結合格子345-1および345-2に含まれるか、またはそれらとして実装されてもよい。
【0084】
光源アセンブリ305は、光源(例えば、電子表示)320および光調整システム325を含んでよい。光源アセンブリ305は、
図3に示されていない他の要素を含んでもよい。光源320は、
図2Aおよび
図2Bに示される光源220の一実施形態であってもよく(または同様であってもよい)、光調整システム325は、
図2Aおよび
図2Bに示される光調整システム225の一実施形態であってもよい(またはそれと同様であってもよい)。いくつかの実施形態では、画像光350は無偏光であってもよいし、偏光であってもよい。いくつかの実施形態では、画像光350は発散光であってもよい。光調整システム325は、光源320から画像光350を受け取り、画像光350を処理して、望ましい特性で構成された第1の光353および第2の光354を出力するように構成されてもよい。光調整システム325は、画像光350を処理するように構成された適切な光学素子を含んでもよい。光調整システム325内を伝播する光350の光路は、
図3には示されていない。光350は、光調整システム325内を任意の適切な光路で伝播してよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、光調整システム325は、FOVの異なる部分に対応する画像光350の異なる部分を異なる伝播方向に向けるように構成された誘導要素(図示せず)を含んでもよい。例えば、誘導要素は、光350の第1の部分を第1の伝播方向に誘導し、画像光350の第2の部分を第1の伝播方向とは異なる第2の伝播方向に誘導するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、光調整システム325は、画像光350を偏光し、2つの直交偏光を出力するように構成された偏光変換要素322を含んでもよい。いくつかの実施形態では、偏光変換要素322は、1つまたは複数の直線偏光子、1つまたは複数の円偏光子、1つまたは複数の切り替え可能な半波長板などの1つまたは複数の切り替え可能な波長板、1つまたは複数の切り替え可能な1/4波長板、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、コントローラ315は、偏光変換要素322の動作状態(例えば、切り替え状態または非切り替え状態)を制御してよい。いくつかの実施形態では、光調整システム325はまた、画像光350をコリメートするように構成されたコリメータ321(例えば、コリメートレンズ)を含んでもよい。誘導要素は、光調整システム325内の適切な位置に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、誘導要素は、偏光変換要素322と光源320との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、誘導要素は、偏光変換要素322とコリメータ321との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、誘導要素は、コリメータ321と光ガイド310との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、誘導要素は省略されてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、光源アセンブリ305は、同じ期間中に(すなわち、同時に)、例えば、光源320によって生成された表示画像の同じ表示フレーム(または表示フレームの同じサブフレーム)中に、第1の光353および第2の光354を一緒に出力してもよい。いくつかの実施形態では、光源アセンブリ305は、時系列的に第1の光353および第2の光354を出力してもよい。例えば、光源320によって生成された表示画像の表示フレームは、2つの連続するサブフレームを含んでもよい。コントローラ315は、光源アセンブリ305を制御して、第1のサブフレーム内の画像光350の所定のFOVの第1の部分に対応する第1の入力FOVを有する第1の光353と、第2のサブフレーム内の画像光350の所定のFOVの第2の部分に対応する第2の入力FOVを有する第2の光354とを出力してもよい。第1のサブフレームおよび第2のサブフレームは、表示フレームの2つの連続するサブフレームであってもよい。いくつかの実施形態では、光源320は、光学スイッチに結合されてもよく、光学スイッチは、第1のサブフレームにおいて第1の光351を透過させ、第2の光352を遮断し、第2のサブフレームにおいて第2の光352を透過させ、第1の光351を遮断するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、光学スイッチはコントローラ315によって制御されてもよい。
【0087】
図3に示される実施形態では、入射結合格子335-1および335-2ならびに出射結合格子345-1および345-2の例として反射型PVH格子が使用されている。入射結合格子335-1および335-2は、反対の掌性を有する円偏光を主に後方回折させるように構成されてよい。出射格子345-1および345-2は、反対の掌性を有する円偏光を主に後方回折させるように構成されてもよい。説明の目的のために、出射結合格子345-1および345-2は、それぞれ入射結合格子335-1および335-2と同じ偏光選択性を有してよい。例えば、入射結合格子335-1に向かって伝播する第1の光353はRHCP光であってよく、入射結合格子335-2に向かって伝播する第2の光354はLHCP光であってもよい。入射結合格子335-1および出射結合格子345-1の各々は、RHCP光をRHCP光として主に後方回折させ、LHCP光をLHCP光として実質的にゼロまたは無視できる回折で主に透過させるように構成されてもよい。入射結合格子335-2および出射結合格子345-2の各々は、LHCP光をLHCP光として主に後方回折させ、RHCP光をRHCP光として実質的にゼロまたは無視できる回折で主に透過させるように構成されてもよい。
【0088】
図3を参照すると、入射結合格子335-1は、第1の光353(例えば、RHCP光)を回折を介して、TIR伝播光355(例えば、RHCP光)として光ガイド310内に結合し、第2の光354(例えば、LHCP光)を実質的にゼロまたは無視できる回折で入射結合格子335-2に向けて透過させてよい。入射結合格子335-2は、第2の光354(例えば、LHCP光)を回折を介してTIR伝播光356(例えば、LHCP光)として光ガイド310内に結合してよい。図示を簡単にするために、
図3は、TIR伝播光355における1つの光線355a(例えば、RHCP光)およびTIR伝播光356における1つの光線356a(例えば、LHCP光)の光路を単に示している。TIR伝播光355(例えば、RHCP光)およびTIR伝播光356(例えば、LHCP光)は、TIRを介して出射結合格子345-1および345-2に向かって光ガイド310の内部を伝播してよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、TIR伝播光355(例えば、RHCP光)およびTIR伝播光356(例えば、LHCP光)の偏光は、光ガイド310の内部を伝播するときに変更されなくてもよい。いくつかの実施形態では、TIR伝播光355(例えば、RHCP光)またはTIR伝播光356(例えば、LHCP光)の少なくとも一方の偏光は、光ガイド310の内部を伝播するときに変更されてもよく、例えば、光ガイド310の内面で内部全反射された後に変化されてもよく、そして偏光が解消されてよい。いくつかの実施形態では、光ガイド310は、光ガイド310の1つまたは複数の表面(例えば、1つまたは2つの外面)に隣接して配置された、またはそこに配置された1つまたは複数の偏光補正フィルム330を含んでもよい。いくつかの実施形態では、偏光補正フィルム330は、TIR伝播光355および/またはTIR伝播光356が光ガイド310の内部を伝播する間、TIR伝播光355および/またはTIR伝播光356の偏光状態を保存するように構成されてもよい。例えば、偏光補正フィルム330は、TIR伝播光355および356が光ガイド310の内部を伝播するときにTIR伝播光355および356の少なくとも一方の偏光解消を補償し、それによってTIR伝播光355または356の少なくとも一方の偏光を維持するように構成されてもよい。
図3に示される実施形態において、偏光補正フィルム330は、TIR伝播光355および356が光ガイド310の内部を伝播するとき、TIR伝播光355の右周り円偏光およびTIR伝播光356の左周り円偏光を維持するように構成されてもよい。
【0090】
出射結合格子345-1および345-2は、TIR伝播光355および356を光ガイド310から異なる方向に主に後方回折させ、それによって画像光350のFOVを複製および拡張するように構成されてもよい。出射結合格子345-1は、TIR伝播光355(例えば、RHCP光)を回折を介して、第1の回折角度を有する第1の出力光357(例えば、RHCP光)として光ガイド310から外に結合し、TIR伝播光356(例えば、LHCP光)を実質的にゼロまたは無視できる回折で出射結合格子345-2に向かって透過させるように構成されてもよい。出射結合格子345-2は、TIR伝播光356(例えば、LHCP光)を回折を介して、第1の回折角度とは異なる第2の回折角度を有する第2の出力光358(例えば、LHCP光)として光ガイド310から外に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力光357は第1の出力FOVに対応してよく、第2の出力光358は第2の出力FOVに対応してもよい。いくつかの実施形態では、入射結合格子335-1、光ガイド310、および出射結合格子345-1は、光ガイド表示アセンブリ300のアイボックスに第1の出力FOVを提供するように構成されてよい。入射結合格子335-2、光ガイド310、および出射結合格子345-2は、光ガイド表示アセンブリ300のアイボックスに第2の出力FOVを提供するように構成されてよい。第1の出力FOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重ならなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重なり合わない連続したFOV(例えば、0°~+50°、0°~-50°)であってもよい。光ガイド310の出力側の第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の出力FOVと第2の出力FOVとのそれぞれよりも実質的に大きくてもよい。光ガイド310の出力側における第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、光源320によって放射された画像光350の所定のFOVよりも大きくてもよく、光ガイド310の入力側における第1の入力光353の第1の入力FOVと第2の入力光354の第2の入力FOVとの組み合わせよりも大きくてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、コントローラ315が同じサブフレーム中に(例えば、同時に)第1の光353を第1の入力FOVで出力し、第2の光354を第2の入力FOVで出力するように光源アセンブリ305を制御する場合、出射結合要素345-1および345-2は、同じサブフレーム中に第1の光353(すなわち、光ガイド310内にある場合、355である)および第2の光354(すなわち、光ガイド310内にある場合、356である)を第1の出力光357および第2の出力光358として光ガイド310から外に結合してよい。コントローラ315が、連続するサブフレーム(例えば、第1のサブフレームおよび第2のサブフレーム)中に、第1の入力FOVを有する第1の光353および第2の入力FOVを有する第2の光354を出力するように光源アセンブリ305を制御する場合、出射結合要素345-1および345-2は、連続するサブフレーム中に、第1の光353(すなわち、光ガイド310内にある場合、355である)および第2の光354(すなわち、光ガイド310内にある場合、356である)を第1の出力光357および第2の出力光358として光ガイド310から外に結合してよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、入射結合格子および出射結合格子は透過型PVH格子であってもよい。
図4は、本開示の別の実施形態による、拡張されたFOVを提供するように構成された光学デバイスまたは光学システム400の概略図を例示する。光学システム400は、光ガイド表示アセンブリ400と呼ばれることもある。
図4に示される光ガイド表示アセンブリ400は、
図2Aに示される光ガイド表示アセンブリ200、
図2Bに示される光ガイド表示アセンブリ250、または
図3に示される光ガイド表示アセンブリ300に含まれるものと同じまたは同様の要素、構造、および/または機能を含んでもよい。同じまたは同様の要素、構造、および/または機能の説明は、
図2A、
図2Bまたは
図3に関連して上に与えられた説明を参照することができる。
【0093】
図4に示されるように、光ガイド表示アセンブリ400は、光源アセンブリ405と、光ガイド410と、コントローラ415とを含んでよく、これらは、
図3に示される光源アセンブリ305、光ガイド310、およびコントローラ315、それぞれの要素、構造、および/または機能と同じまたは同様である、要素、構造、および/または機能を含んでもよい。いくつかの実施形態では、光源アセンブリ405、光ガイド410、およびコントローラ415は、
図2Aおよび
図2Bにそれぞれ示される光源アセンブリ205、光ガイド210、およびコントローラ215の要素、構造、および/または機能と同じまたは同様の要素、構造、および/または機能を含んでもよい。
【0094】
光源アセンブリ405は、光源420と、偏光変換要素422およびコリメータ421を含む光調整システム425とを含んでよく、これらは、
図3に示される光源320と、偏光変換要素322およびコリメータ321を含む光調整システム325、または
図2Aおよび
図2Bに示される光源220および光調整システム225と同様であり得る。同じまたは同様の要素、構造、および/または機能の説明は、
図2A、
図2Bまたは
図3に関連して上に与えられた説明を参照してよい。コントローラ415は、光源アセンブリ405などの光ガイド表示アセンブリ400に含まれる様々な要素を制御し得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、光源420は、表示画像に対応する画像光450(虚像または表示画像を表す)を生成してよい。画像光450は、所定のFOVに関連付けられてもよい。画像光450は、無偏光であっても偏光であってもよい。いくつかの実施形態では、画像光450は発散光であってもよい。光調整システム425は、光源420から画像光450を受け取り、画像光450を処理して、望ましい特性で構成された第1の光453(または第1の入力光453)および第2の光454(または第2の入力光454)を出力するように構成されてよい。例えば、第1の光453は、(画像光450のFOVの)第1の部分(第1の入力FOVと呼ばれる)に対応してもよく、第2の光454は、画像光450のFOVの第2の部分(第2の入力FOVと呼ばれる)に対応してもよい。第1の光453および第2の光454は、直交偏光を有してもよい。光調整システム425内を伝播する画像光450の光路は、
図4には示されていない。画像光450は、光調整システム425内を任意の適切な光路で伝播してよい。
【0096】
図4に示されるy-z断面図では、第1の光453は、第1の光線453aおよび453bによって境界付けられてもよい。例えば、第1の光線453aは第1の光453の右端の光線であってよく、第1の光線453bは第1の光453の左端の光線であってよい。第2の光454は、第2の光線454aおよび454bによって境界付けられてもよい。例えば、第2の光線454aは、第2の光454の最も左側の光線であってよく、第2の光線454bは、第2の光454の最も右側の光線であってよい。いくつかの実施形態では、第2の光線454b(例えば、第2の光454の右端の光線)および第1の光線453b(例えば、第1の光453の最も左側の光線)は、互いに実質的に重なり合ってもよい。第2の光線454bおよび第1の光線453bは、
図4に示されるyz断面図において同じ破線で示されている。
【0097】
光ガイド410は、1つまたは複数の入射結合要素と結合されてもよい。いくつかの実施形態では、各入射結合要素は偏光選択性であってよい。いくつかの実施形態では、各入射結合要素は、1つまたは複数の偏光選択性格子を含んでもよい。考察の目的のために、各入射結合要素は、入射結合格子と呼ばれることがある。他の実施形態では、非格子構造が入射結合要素として使用されてもよいことが理解される。
図4に示される実施形態では、光ガイド410は、光453および454を回折を介して光ガイド410にそれぞれ結合するように構成された第1の入射結合格子435-1および第2の入射結合格子435-2と結合されてよい。第1の入射結合格子435-1および第2の入射結合格子435-2は、直交偏光を有する円偏光を前方回折させるように構成された透過型PVH格子であってもよい。光ガイド410はまた、1つまたは複数の出射結合素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、各出射結合要素は偏光選択性であってよい。いくつかの実施形態では、各出射結合要素は、1つまたは複数の格子を含んでよい。考察の目的のために、各出射結合要素は、出射結合格子と呼ばれることがある。他の実施形態では、非格子構造が出射結合要素として使用されてもよいことが理解される。
図4に示される実施形態では、光ガイド410は、第1の出射結合格子445-1および第2の出射結合格子445-2と結合されてよい。第1の出射結合格子445-1および第2の出射結合格子445-2は、直交偏光を有する円偏光を主に前方回折させるように構成された透過型PVH格子であってもよい。
【0098】
出射結合格子445-1および445-2の各々は、入射結合格子435-1および435-2の対応するものと同じ偏光選択性を有してよい。例示および説明のために、
図4に示される実施形態では、入射結合格子435-1および出射結合格子445-1は、同じ偏光選択性を有する透過型PVH格子であってもよく、入射結合格子435-2および出射結合格子445-2は、同じ偏光選択性を有する透過型PVH格子であってもよい。例えば入射結合格子435-1および出射結合格子445-1は、LHCP光としてRHCP光を主に前方回折させ、LHCP光としてLHCP光を実質的にゼロまたは無視できる回折で主に透過させるように構成されてもよい。例えば入射結合格子435-2および出射結合格子445-2は、LHCP光をRHCP光として主に前方回折させ、RHCP光をRHCP光として実質的にゼロまたは無視できる回折で主に透過させるように構成されてもよい。
【0099】
例示を目的として、
図4は、光ガイド410の第1の表面410-1に入射結合格子435-1および435-2が積み重ねられ、光ガイド410の第2の表面410-2に出射結合格子445-1および445-2が積み重ねられることを示している。いくつかの実施形態では、光源アセンブリ405および眼260は、光ガイド410の同じ側に配列されてもよく、入射結合格子435-1および435-2は、光ガイド410の第1の表面410-1に積み重ねられてもよく、出射結合格子445-1および445-2は、光ガイド410の同じ第1の表面410-1に積み重ねられる。いくつかの実施形態では、
図4には示されていないが、入射結合格子435-1および435-2は、光ガイド410の第1の表面410-1に並んで配置されてもよく、出射結合格子445-1および445-2は、光ガイド410の第2の表面410-2に並んで配置されてもよい。並んで配置される場合、入射結合格子435-1および435-2ならびに出射結合格子445-1および445-2は、光ガイド410の同じまたは異なる表面に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、
図4には示されていないが、
図4に示される実施形態は、
図3に示される偏光補正フィルム330と同様の偏光補正フィルムを含んでもよい。
【0100】
図4を参照すると、第1の光453および第2の光454は、反対の掌性を有する円偏光であってよい。例えば、第1の光453はRHCP光であってもよく、第2の光454はLHCP光であってもよい。いくつかの実施形態では、入射結合格子435-1は、LHCP光を実質的にゼロまたは無視できる回折で透過させ、RHCP光を前方回折させるように構成されてもよい。入射結合格子435-2は、RHCP光を実質的にゼロまたは無視できる回折で透過させ、LHCP光を前方回折させるように構成されてもよい。したがって、入射結合格子435-2は、偏光を変更することなく第1の光453(例えば、RHCP光)を実質的にゼロまたは無視できる回折で入射結合格子435-1に向けて透過させるように構成されてもよい。入射結合格子435-1は、第1の光453(例えば、RHCP光)を回折を介して、偏光が変更された第1のTIR伝播光455(例えば、LHCP光)として光ガイド410内に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、入射結合格子435-2は、第2の光454(例えば、LHCP光)を回折を介して、偏光が変更された第2のTIR伝播光456(例えば、RHCP光)として光ガイド410内に結合するように構成されてもよい。光456(例えば、RHCP光)が入射結合格子435-1を通過するとき、入射結合格子435-1は、偏光を変更することなく実質的にゼロまたは無視できる回折で光456を透過させてよい。例示を目的として、
図4は、第1のTIR伝播光455のうちの1つの第1のTIR伝播光線455aと、第2のTIR伝播光456のうちの1つの第2のTIR伝播光線456aとを示す。第1の入射結合格子435-1は、第1の光線453aを第1のTIR伝播光線455aとして光ガイド410内に結合してよい。第2の入射結合格子435-2は、第2の光線454aを第2のTIR伝播光線456aとして光ガイド410内に結合してよい。第1の光線453bおよび第2の光線454bの対応するTIR伝播光線は、
図4には描かれていない。
【0101】
いくつかの実施形態では、光ガイド410は、光ガイド410の1つまたは複数の表面(例えば、1つまたは複数の外面)に配置された1つまたは複数の偏光補正フィルムを含んでもよい。偏光補正フィルムは、第1のTIR伝播光455および第2のTIR伝播光456がTIRを通って光ガイド410の内部を伝播するとき、第1のTIR伝播光455(例えば、LHCP光)および第2のTIR伝播光456(例えば、RHCP光)のそれぞれの偏光を維持するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、偏光補正フィルムは、
図3に示される偏光補正フィルム330と同様であってもよい。
【0102】
出射結合格子445-1および445-2は、第1のTIR伝播光455および第2のTIR伝播光456を前方回折させ、それによって光源アセンブリ405によって生成された画像光のFOVを複製および拡張するように構成されてもよい。例えば、出射結合格子445-1は、TIR伝播光455(例えば、LHCP光)を偏光を変更することなく実質的にゼロまたは無視できる回折で出射結合格子445-2に向かって透過させてよい。出射結合格子445-2は、TIR伝播光455(例えば、LHCP光)を回折を介して、偏光が変更された第1の出力光457(例えば、RHCP光)として光ガイド410から外に結合するように構成されてもよい。出射結合格子445-1は、TIR伝播光456(例えば、RHCP光)を回折を介して、偏光が変更された第2の出力光458(例えば、LHCP光)として光ガイド410から外に結合してよい。出射結合格子445-2は、第2の出力光458(例えば、LHCP光)を偏光を変更することなく実質的にゼロまたは無視できる回折で透過させてよい。
【0103】
図4に示される実施形態では、第1の出力光457は、第1の出力光線457aおよび457bによって境界付けられてもよく、第2の出力光458は、第2の出力光線458aおよび458bによって境界付けられてもよい。いくつかの実施形態では、第2の出射結合格子445-2は、第1のTIR伝播光線455aを、第1の出力光線457aとして第1の出力角度で光ガイド410から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第1の入射結合格子435-1は、第1の光線453bを光ガイド410内に結合するように構成されてよく、第2の出射結合格子445-2は、第1の光線453bを第1の出力光線457bとして光ガイド410から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第1の出力光457は第1の出力FOVに対応してもよい。第1の出力FOVは、第1の出力光線457aおよび457bによって境界付けられた角度領域に対応してよい。いくつかの実施形態では、第1の出射結合格子445-1は、第2のTIR伝播光線456aを、第2の出力光線458aとして第2の出力角度で光ガイド410から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第2の入射結合格子435-1は、第2の光線454bを光ガイド410内に結合するように構成されてよく、第1の出射結合格子445-1は、第2の光線454bを第2の出力光線458bとして光ガイド410から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第2の出力光458は、第2の出力FOVに対応してもよい。第2の出力FOVは、第2の出力光線458aおよび458bによって境界付けられた角度領域に対応してよい。いくつかの実施形態では、第1の出力角度および第2の出力角度は、同じ絶対値および反対の符号、例えば反対の出力角度+θおよび-θを有してよい。いくつかの実施形態では、第1の出力角度および第2の出力角度は、異なる絶対値および反対の符号(例えば、+θ1および-θ2であり、θ1およびθ2は異なる値を有する)を有する場合もある。いくつかの実施形態では、第1の出力光線457bおよび第2の出力光線458bは、互いに実質的に重なり合ってもよい。
【0104】
従来の光ガイド表示アセンブリでは、光ガイド内の伝播角度は、出力光の回折角度に1対1で対応してもよい。
図4に示される実施形態では、光ガイド410内のTIR経路の同じ伝播角度は、2つの異なる回折角度、例えば反対の符号を有する2つの回折角度に対応してよい。例えば、TIR経路の伝播角度が実質的に同じである第1のTIR伝播光線455aおよび第2のTIR伝播光線456aは、出射結合格子445-2および445-1によってそれぞれ第1の出力光線457aおよび第2の出力光線458aとして回折されてよく、この場合、第1の出力光線457aおよび第2の出力光線458aは、反対の符号を有する出力角度(例えば、回折角度)を有する。したがって、光ガイド表示アセンブリ400によって提供されるFOVは、アセンブリに含まれる光ガイドが同じまたは同様の屈折率を有する材料を基にして製造される場合、従来の光ガイド表示アセンブリと比較して(例えば、2倍)拡大または拡張されてよい。代替的または追加的に、従来の光ガイド表示アセンブリと比較して、より低い屈折率を有する材料に基づいて製造された光ガイド410を使用して、開示された光ガイド表示アセンブリ400によって同じまたは同様のFOVが提供されてもよい。
【0105】
すなわち、第1の入射結合格子435-1、光ガイド410、および第2の出射結合格子445-2は、光ガイド表示アセンブリ400のアイボックスに第1の出力FOVを提供するように構成されてよい。第2の入射結合格子435-2、光ガイド410、および第1の出射結合格子445-1は、光ガイド表示アセンブリ400のアイボックスに第2の出力FOVを提供するように構成されてよい。第1の出力FOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重ならなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重なり合わない連続したFOV(例えば、0°~+50°、0°~-50°)であってもよい。第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVの各々よりも実質的に大きくてもよい。いくつかの実施形態では、光ガイド表示アセンブリ400の出力側における第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、光ガイド表示アセンブリ400の入力側において光源420によって放射された画像光450の所定のFOV(または第1の光453の第1の入力FOVと第2の光454の第2の入力FOVとの組み合わせ)よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1のTIR伝播光455は、第1の光453の第1の入力FOVよりも小さい第1の中間FOVに対応してもよく、第2のTIR伝播光456は、光454の第2の入力FOVよりも小さい第2の中間FOVに対応してもよい。光ガイド表示アセンブリ400の出力側における第1の出力FOVと第2の出力FOVとを組み合わせたFOVは、第1の中間FOVと第2の中間FOVとの組み合わせよりも大きくてよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、コントローラ415が同じサブフレーム中に(例えば、同時に)第1の光453を第1の入力FOVで出力し、第2の光454を第2の入力FOVで出力するように光源アセンブリ405を制御する場合、出射結合要素445-1および445-2は、同じサブフレーム中に第1の光453(すなわち、光ガイド410内にある場合、455である)および第2の光454(すなわち、光ガイド410内にある場合、456である)を第1の出力光457および第2の出力光458として光ガイド410から外に結合してよい。コントローラ415が、連続するサブフレーム(例えば、第1のサブフレームおよび第2のサブフレーム)中に、第1の入力FOVを有する第1の光453および第2の入力FOVを有する第2の光454を出力するように光源アセンブリ405を制御する場合、出射結合要素445-1および445-2は、連続するサブフレーム中に、第1の光453(すなわち、光ガイド410内にある場合、455である)および第2の光454(すなわち、光ガイド410内にある場合、456である)を第1の出力光457および第2の出力光458として光ガイド410から外に結合してよい。
【0107】
図5は、本開示の別の実施形態による、拡張されたFOVを提供するように構成された光学デバイスまたは光学システム500の概略図を例示する。光学システム500は、光ガイド表示アセンブリ500と呼ばれることもある。
図5に示される光ガイド表示アセンブリ500は、
図2Aに示される光ガイド表示アセンブリ200、
図2Bに示される光ガイド表示アセンブリ250、
図3に示される光ガイド表示アセンブリ300、または
図4に示される光ガイド表示アセンブリ400に含まれるものと同じまたは同様の要素、構造、および/または機能を含んでもよい。同じまたは同様の要素、構造、および/または機能の説明は、
図2、
図3または
図4に関連して上に与えられた説明を参照することができる。
【0108】
図5に示されるように、光ガイド表示アセンブリ500は、光源アセンブリ505およびコントローラ515を含んでよく、これらは、
図2に示される光源アセンブリ205およびコントローラ215、
図3に示される光源アセンブリ305およびコントローラ315、または
図4に示される光源アセンブリ405およびコントローラ415と同様または同じ要素、構造、および/または機能を含んでよい。光源アセンブリ505は、光源520と、偏光変換要素522およびコリメータ521を含む光調整システム525とを含んでよく、これらは、
図4に示される光源420と、偏光変換要素422およびコリメータ421を含む光調整システム425、
図3に示されるす光源320と、偏光変換要素322およびコリメータ321を含むおよび光調整システム325、または
図2Aおよび
図2Bに示される光源220と、光調整システム225と同様であってよい。同じまたは同様の要素、構造、および/または機能の説明は、
図2A、
図2B、
図3または
図4に関連して上に与えられた説明を参照してよい。コントローラ515は、光源アセンブリ505などの光ガイド表示アセンブリ500に含まれる様々な要素を制御し得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、光源520は、表示画像または虚像を表す画像光550を生成してよい。画像光550は、所定のFOVに関連付けられてもよい。画像光550は、無偏光であっても偏光であってもよい。いくつかの実施形態では、画像光550は発散光であってもよい。光調整システム525は、光源520から画像光550を受け取り、画像光550を処理して、望ましい特性で構成された第1の光553(または第1の入力光553)および第2の光554(または第2の入力光554)を出力するように構成されてよい。例えば、第1の光553は、(画像光550のFOVの)第1の部分(第1の入力FOVと呼ばれる)に対応してもよく、第2の光554は、画像光550のFOVの第2の部分(第2の入力FOVと呼ばれる)に対応してもよい。第1の光553および第2の光554は、直交偏光を有してもよい。光調整システム525内を伝播する画像光550の光路は、
図5には示されていない。画像光550は、光調整システム525内を任意の適切な光路で伝播してよい。
【0110】
図5に示されるy-z断面図では、第1の入力FOVを有する第1の光553は、第1の光線553aおよび553bによって境界付けられてもよい。例えば、第1の光線553aは第1の光553の右端の光線であってよく、第1の光線553bは第1の光553の左端の光線であってよい。第2の入力FOVを有する第2の光554は、第2の光線554aおよび554bによって境界付けられてもよい。例えば、第2の光線554aは、第2の光554の最も左側の光線であってよく、第2の光線554bは、第2の光554の最も右側の光線であってよい。いくつかの実施形態では、第2の光線554b(例えば、第2の光554の右端の光線)および第1の光線553b(例えば、第1の光553の最も左側の光線)は、互いに実質的に重なり合ってもよい。
【0111】
光ガイド表示アセンブリ500は、互いに積み重ねられた複数の光ガイドを有する光ガイドスタック510を含んでもよい。
図5は、光ガイドスタック510を形成するために互いに積み重ねられた第1の光ガイド512および第2の光ガイド514の2つの光ガイドを示す。3つ、4つ、5つなど、他の適切な数の光ガイドがいくつかの実施形態に含まれてもよい。光ガイド512および514のそれぞれは、
図2に示される光ガイド210の実施形態、
図3に示される光ガイド310の実施形態、または
図4に示される光ガイド410の実施形態であってもよい(またはそれらと同様であってもよい)。所定のFOV(例えば、40°以上)を有する光は、FOVの異なる部分に対応する直交偏光(例えば、直交偏光を有する第1および第2の光)を有する2つの部分または成分として構成されてもよい。光ガイドスタック510は、第1の光を第1の入力光として受け取り、第2の光を第2の入力光として受け取るように構成されてもよい。第1および第2の入力光は、直交偏光を有してよい。
【0112】
光ガイドスタック510は、1つまたは複数の光ガイドと結合された1つまたは複数の入射結合要素を含んでよい。いくつかの実施形態では、各入射結合要素は偏光選択性であってよい。いくつかの実施形態では、各入射結合要素は、1つまたは複数の偏光選択性格子を含んでもよい。考察の目的のために、各入射結合要素は、入射結合格子と呼ばれることがある。他の実施形態では、非格子構造が入射結合要素として使用されてもよいことが理解される。
図5に示される実施形態では、光ガイドスタック510は、光ガイド512および光ガイド514にそれぞれ結合された第1の偏光選択性入射結合格子535-1および第2の偏光選択性入射結合格子535-2を含んでよい。第1の入射結合格子535-1および第2の偏光選択性入射結合格子535-2は、第1の入力光および第2の入力光を回折を介してそれぞれ第1の光ガイド512および第2の光ガイド514内に結合するように構成されてもよい。第1の入力光および第2の入力光は、実質的に同じ伝播角度でTIRを通ってそれぞれの光ガイドの内部を伝播してよい。第1および第2の入力光のそれぞれの偏光は、TIRを通ってそれぞれの光ガイドの内部を伝播しながら、1つまたは複数の偏光補正フィルム(例えば、
図3に示される偏光補正フィルム330と同様である)によって維持され得る。
【0113】
光ガイドスタック510はまた、光ガイド512および514に結合された1つまたは複数の出射結合要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、各出射結合要素は偏光選択性であってよい。いくつかの実施形態では、各出射結合要素は、1つまたは複数の偏光選択性格子を含んでもよい。考察の目的のために、各出射結合要素は、出射結合格子と呼ばれることがある。他の実施形態では、非格子構造が出射結合要素として使用されてもよいことが理解される。
図5に示される実施形態では、光ガイドスタック510は、光ガイド512および514にそれぞれ結合された2つの偏光選択性出射結合格子、すなわち第1の出射結合格子545-1および第2の出射結合格子545-2を含む。第1の出射結合格子545-1および第2の出射結合格子545-2は、光ガイド512および514からの第1の光および第2の光を回折を介してそれぞれ異なる方向に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、入射結合格子535-1および535-2の各々ならびに出射結合格子545-1および545-2の各々は、透過型格子(例えば、透過型PVH)または反射型格子(例えば、反射型PVH)であってもよい。
【0114】
光ガイドスタック510は、第1の光553を第1の入力光として受け取り、第2の光554を第2の入力光として受け取るように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、光ガイド512は、入射結合格子535-1および出射結合格子545-1と結合されてもよい。入射結合格子535-1および出射結合格子545-1の各々は、光ガイド512の第1の表面512-1または第2の表面512-2に配置されてもよい。例示を目的として、入射結合格子535-1は、第2の表面512-2に配置されているものとして示されており、出射結合格子545-1は、第1の表面512-1に配置されているものとして示されている。光ガイド514は、入射結合格子535-2および出射結合格子545-2と結合されてもよい。入射結合格子535-2および出射結合格子545-2の各々は、光ガイド514の第1の表面514-1または第2の表面514-2に配置されてもよい。例示を目的として、入射結合格子535-2は、第2の表面514-2に配置されているものとして示されており、出射結合格子545-2は、第1の表面514-1に配置されているものとして示されている。光ガイド512または光ガイド514に結合される入射結合格子および出射結合格子の数は、タイプごとに1つに限定されず、2つ、3つ、4つなどの任意の適切な数であってもよい。2つ以上の入射結合格子および/または2つ以上の出射結合格子が光ガイド512および514のそれぞれに結合される場合、入射結合格子および出射結合格子の構成は、
図2、
図3、もしくは
図4に示される構成、またはそれらの組み合わせを採用してもよい。
【0115】
いくつかの実施形態では、入射結合格子535-1および535-2は、
図3に示される入射結合格子335-1および335-2、または
図4に示される入射結合格子435-1および435-2の実施形態であってもよい(またはそれらと同様であってもよい)。出射結合格子545-1および545-2は、
図3に示される出射結合格子345-1および345-2の実施形態、または
図4に示される出射結合格子445-1および445-2の実施形態であってもよい(またはそれらと同様であってもよい)。いくつかの実施形態では、
図5に示されるように、入射結合格子535-1および535-2は、反対の掌性を有する円偏光を主に後方回折させるように構成された反射型PVH格子であってもよく、出射結合格子545-1および545-2は、反対の掌性を有する円偏光を主に後方回折させるように構成された反射型PVH格子であってもよい。いくつかの実施形態では、出射結合格子545-1および545-2は、それぞれ入射結合格子535-1および535-2と同じ偏光選択性を有してよい。いくつかの実施形態では、導波が光ガイド内で行われるために、光ガイド512および514は空隙によって分離されてもよい。いくつかの実施形態では、光ガイド512と514との間の空隙は、光ガイドの屈折率よりも低い屈折率を有する材料(例えば、接着剤)で少なくとも部分的に充填されてもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、入射結合格子535-1は、第1の光553(例えば、RHCP光)を回折を介して、偏光を変更することなく第1のTIR伝播光555(例えば、RHCP光)として光ガイド512内に結合し、第2の光554(例えば、LHCP光)を、偏光を変更することなく実質的にゼロまたは無視できる回折で光ガイド514の結合格子535-2に向かって透過させるように構成されてもよい。第1のTIR伝播光555(例えば、RHCP光)は、TIRを通って出射結合格子545-1に向かって光ガイド512の内部を伝播してよい。入射結合格子535-2は、第2の光554(例えば、LHCP光)を回折を介して、偏光を変更することなく第2のTIR伝播光556(例えば、LHCP光)として光ガイド514内に結合するように構成されてもよい。第2のTIR伝播光556(例えば、LHCP光)は、TIRを通って出射結合格子545-2に向かって光ガイド514の内部を伝播してよい。例示を目的として、
図5は、第1のTIR伝播光555のうちの1つの第1のTIR伝播光線555aと、第2のTIR伝播光556のうちの1つの第2のTIR伝播光線556aとを示す。第1の入射結合格子535-1は、第1の光線553aを第1のTIR伝播光線555aとして光ガイド512内に結合してよい。第2の入射結合格子535-2は、第2の光線554aを第2のTIR伝播光線556aとして光ガイド514内に結合してよい。第1の光線553bおよび第2の光線554bの対応するTIR伝播光線は、
図5には描かれていない。
【0117】
いくつかの実施形態では、光ガイド512および光ガイド514は、それぞれの光ガイドの1つまたは複数の表面(例えば、1つまたは複数の外面)に配置された1つまたは複数の偏光補正フィルムを含んでもよい。偏光補正フィルムは、第1のTIR伝播光555および第2のTIR伝播光556がそれぞれの光ガイドの内部を伝播するとき、TIR伝播光555(例えば、RHCP光)およびTIR伝播光556(例えば、LHCP光)のそれぞれの偏光を維持するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、偏光補正フィルムは、
図3に示される偏光補正フィルム330と同様であってもよい。
【0118】
出射結合格子545-1は、光ガイド512からの第1のTIR伝播光555(例えば、RHCP光)を回折を介して、偏光を変更することなく第1の出力光557(例えば、RHCP光)として結合するように構成されてもよく、この光は、出射結合格子545-2および光ガイド514を通過した後に眼260に向かって伝播してよく、これらは第1の出力光557の偏光を変更することはない。出射結合格子545-2は、第2のTIR伝播光556(例えば、LHCP光)を回折を介して、眼260に向かって伝播する第2の出力光558(例えば、LHCP光)として光ガイド514から外に結合するように構成されてもよい。
【0119】
図5に示される実施形態では、第1の出力光557は、第1の出力光線557aおよび557bによって境界付けられてもよく、第2の出力光558は、第2の出力光線558aおよび558bによって境界付けられてもよい。いくつかの実施形態では、第1の出射結合格子545-1は、第1のTIR伝播光線555aを、第1の出力光線557aとして第1の出力角度で光ガイド512から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第1の入射結合格子535-1は、第1の光線553bを光ガイド512内に結合するように構成されてよく、第1の出射結合格子545-1は、第1の光線553bを第1の出力光線557bとして光ガイド512から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第1の出力光557は第1の出力FOVに対応してもよい。第1の出力FOVは、第1の出力光線557aおよび557bによって境界付けられた角度領域に対応してよい。いくつかの実施形態では、第2の出射結合格子545-2は、第2のTIR伝播光線556aを、第2の出力光線558aとして第2の出力角度で光ガイド514から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第2の入射結合格子535-1は、第2の光線554bを光ガイド514内に結合するように構成されてよく、第2の出射結合格子545-2は、第2の光線554bを第2の出力光線558bとして光ガイド514から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第2の出力光558は、第2の出力FOVに対応してもよい。第2の出力FOVは、第2の出力光線558aおよび558bによって境界付けられた角度領域に対応してよい。いくつかの実施形態では、第1の出力光線557aの第1の出力角度および第2の出力光線558aの第2の出力角度は、同じ絶対値および反対の符号、例えば反対の出力角度+θおよび-θを有してよい。いくつかの実施形態では、第1の出力光線557aの第1の出力角度および第2の出力光線558aの第2の出力角度は、異なる絶対値および反対の符号(例えば、+θ1および-θ2であり、θ1およびθ2は異なる値を有する)を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力光線557bおよび第2の出力光線558bは、互いに実質的に重なり合ってもよい。
【0120】
従来の光ガイド表示アセンブリでは、光ガイド内の伝播角度は、出力光の回折角度に1対1で対応してもよい。
図5に示される実施形態では、光ガイド512および514内のTIR経路の同じ伝播角度は、2つの異なる回折角度、例えば、反対の符号を有する2つの回折角度に対応してよい。例えば、TIR経路の伝播角度が実質的に同じである第1のTIR伝播光線555aおよび第2のTIR伝播光線556aは、それぞれ第1の出力角度で第1の出力光線557aとして、および第2の出力角度で第2の出力光線558aとして、出射結合格子545-1および545-2によって回折され得る。第1および第2の出力角度(または回折角度)は、同じまたは異なる絶対値および反対の符号を有してもよい。したがって、光ガイド表示アセンブリ500によって提供されるFOVは、同じまたは同様の屈折率を有する材料を基にして製造された積み重ねられた光ガイドを含む従来の光ガイド表示アセンブリと比較して(例えば、2倍)拡大または拡張されてよい。追加的または代替的に、従来の光ガイドスタックと比較して、同じまたは同様のFOVが、より低い屈折率を有する材料に基づいて製造された光ガイドを有する開示された光ガイド表示アセンブリ500によって提供されてもよい。
【0121】
第1の入射結合格子535-1、光ガイド512、および第1の出射結合格子545-1は、光ガイド表示アセンブリ500のアイボックスに第1の出力FOVを提供するように構成されてよい。第2の入射結合格子535-2、光ガイド514、および第2の出射結合格子545-2は、光ガイド表示アセンブリ500のアイボックスに第2の出力FOVを提供するように構成されてよい。第1の出力FOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重ならなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重なり合わない連続したFOV(例えば、0°~+50°、0°~-50°)であってもよい。第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVの各々よりも実質的に大きくてもよい。いくつかの実施形態では、光ガイド表示アセンブリ500の出力側における第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、光ガイド表示アセンブリ500の入力側において光源520によって放射された画像光550の所定のFOV(または第1の光553の第1の入力FOVと第2の光554の第2の入力FOVとの組み合わせ)よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1のTIR伝播光555は、第1の光553の第1の入力FOVよりも小さい第1の中間FOVに対応してもよく、第2のTIR伝播光556は、第2の光554の第2の入力FOVよりも小さい第2の中間FOVに対応してもよい。光ガイド表示アセンブリ500の出力側における第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の中間FOVと第2の中間FOVとの組み合わせよりも大きくてよい。
【0122】
いくつかの実施形態では、コントローラ515が同じサブフレーム中に(例えば、同時に)第1の光553を第1の入力FOVで出力し、第2の光554を第2の入力FOVで出力するように光源アセンブリ505を制御する場合、出射結合要素545-1および545-2は、同じサブフレーム中に第1の光553(すなわち、光ガイド表示アセンブリ510の光ガイド512内にある場合、555である)および第2の光554(すなわち、光ガイド表示アセンブリ510の光ガイド514内にある場合、556である)を第1の出力光557および第2の出力光558として光ガイド512および514から外に結合してよい。コントローラ515が、連続するサブフレーム(例えば、第1のサブフレームおよび第2のサブフレーム)中に、第1の入力FOVを有する第1の光553および第2の入力FOVを有する第2の光554を出力するように光源アセンブリ505を制御する場合、出射結合要素545-1および545-2は、連続するサブフレーム中に、第1の光553(すなわち、光ガイド512内にある場合、555である)および第2の光554(すなわち、光ガイド514内にある場合、556である)を第1の出力光557および第2の出力光558としてそれぞれ光ガイド512および光ガイド514から外に結合してよい。
【0123】
図6Aおよび
図6Bは、本開示の別の実施形態による、拡張されたFOVを提供するように構成された光学デバイスまたは光学システム600の概略図を例示する。光学システム600は、光ガイド表示アセンブリ600と呼ばれることもある。
図6Aおよび
図6Bに示される光ガイド表示アセンブリ600は、
図2Aに示される光ガイド表示アセンブリ200、
図2Bに示される光ガイド表示アセンブリ250、
図3に示される光ガイド表示アセンブリ300、
図4に示される光ガイド表示アセンブリ400、または
図5に示される光ガイド表示アセンブリ500に含まれるものと同じまたは同様の要素、構造、および/または機能を含んでもよい。同じまたは同様の要素、構造、および/または機能の説明は、
図2A、
図2B、
図3、
図4または
図5に関連して上に与えられた説明を参照することができる。
【0124】
図6Aおよび
図6Bに示されるように、光ガイド表示アセンブリ600は、光源アセンブリ605、光ガイド610、およびコントローラ615を含んでよく、これらは、
図2Aおよび
図2Bに示される光源アセンブリ205、光ガイド210、およびコントローラ215の実施形態、
図3に示される光源アセンブリ305、光ガイド310およびコントローラ315の実施形態、
図4に示される光源アセンブリ405、光ガイド410およびコントローラ415の実施形態、または
図5に示される光源505、光ガイド512および514ならびにコントローラ515の実施形態であってよい(またはそれらと同様であってもよい)。
【0125】
光源アセンブリ605は、光源620と、偏光変換要素622およびコリメータ621を含む光調整システム625とを含んでよく、これらは、
図5に示される光源520と、偏光変換要素522およびコリメータ521を含む光調整システム525、
図4に示される光源420と、偏光変換要素422およびコリメータ421を含む光調整システム425、
図3に示される光源320と、偏光変換要素322およびコリメータ321を含む光調整システム325、または
図2Aおよび
図2Bに示される光源220と、光調整システム225と同様であり得る。同じまたは同様の要素、構造、および/または機能の説明は、
図2A、
図2B、
図3、
図4または
図5に関連して上に与えられた説明を参照してもよい。
【0126】
所定のFOV(例えば、40°以上)を有する光は、FOVの異なる部分に対応する直交偏光(例えば、直交偏光を有する第1および第2の光)を有する2つの部分として構成されてもよい。光源アセンブリ605は、直交偏光を有する第1の光および第2の光を時系列的に(例えば、表示フレームの2つの連続するサブフレームの間に)出力するように構成されてもよく、これは、光源620に結合された第1の偏光スイッチ623によって実現されてよい。第1の偏光スイッチ623により、光源アセンブリ605は、2つの連続するサブフレームの間にそれぞれ第1の偏光を有する第1の光および第2の偏光を有する第2の光を出力してよい。第1の偏光および第2の偏光は、直交偏光であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の偏光スイッチ623は、光調整システム625に含まれてもよい。
【0127】
光ガイド610は、2つの連続するサブフレームの間にそれぞれ、第1の偏光を有する第1の光を第1の入力光として、第2の偏光を有する第2の光を第2の入力光として受け取るように構成されてもよい。光ガイド610は、1つまたは複数の入射結合要素と結合されてもよい。いくつかの実施形態では、各入射結合要素は偏光選択性であってよい。いくつかの実施形態では、各入射結合要素は、1つまたは複数の格子を含んでよい。考察の目的のために、入射結合要素は、入射結合格子と呼ばれることがある。他の実施形態では、非格子構造が入射結合要素として使用されてもよいことが理解される。
図6Aに示される実施形態では、2つの偏光選択性入射結合格子、すなわち第1の入射結合格子635-1および第2の入射結合格子635-2が光ガイド610に結合されている。入射結合格子の数は2つに限定されず、1、3、4、5、6などの任意の適切な数とすることができる。第1の入射結合格子635-1および第2の入射結合格子635-2は、2つの連続するサブフレームの間にそれぞれ直交偏光を有する第1および第2の入力光を回折を介して光ガイド610内に結合するように構成されてもよい。第1の入力光および第2の入力光は、2つの連続するサブフレーム中にそれぞれTIRを介して光ガイド610の内部を伝播してもよい。
【0128】
光ガイド610はまた、1つまたは複数の出射結合要素と結合されてもよい。いくつかの実施形態では、各出射結合要素は偏光選択性であってよい。いくつかの実施形態では、各出射結合要素は、1つまたは複数の偏光選択性格子を含んでもよい。考察の目的のために、各出射結合要素は、出射結合格子と呼ばれることがある。他の実施形態では、非格子構造が出射結合要素として使用されてもよいことが理解される。
図6Aに示される実施形態では、第1の出射結合格子645-1および第2の出射結合格子645-2の2つの出射結合格子が光ガイド610に結合される。入射結合格子635-1および635-2ならびに出射結合格子645-1および645-2の各々は、透過型格子(例えば、透過型PVH)または反射型格子(例えば、反射型PVH)であってもよい。
【0129】
第1の偏光を有する第1の入力光および第2の偏光を有する第2の入力光は、2つの連続するサブフレームの間にそれぞれ、第1のTIR伝播光および第2のTIR伝播光として入射結合格子635-1および635-2から出射結合格子645-1および645-2に向かって光ガイド610の内部を伝播してよい。いくつかの実施形態では、第1のTIR伝播光は、初期偏光として第1の偏光を有してよく、第2のTIR伝播光は、初期偏光として第2の偏光を有してよい。第1のTIR伝播光および第2のTIR伝播光の偏光は、TIRを通って光ガイド610の内部を伝播するとき、維持されない場合がある(すなわち、それぞれの初期偏光から変化する場合がある)。第1のTIR伝播光が第1の出射結合要素および/または第2の出射結合要素に到達すると、第1のTIR伝播光は第1の偏光成分および第2の偏光成分を含み得る。第1の偏光成分は第1の偏光を有してもよく、第2の偏光成分は第2の偏光を有してもよい。したがって、第1の偏光成分および第2の偏光成分は、直交偏光成分と呼ばれてよい。第2のTIR伝播光が第1の出射結合要素および/または第2の出射結合要素に到達すると、第2のTIR伝播光は、第1のTIR伝播光と同様に、第1の偏光成分および第2の偏光成分を含み得る。したがって、2つの連続するサブフレームの各々の間、2つの偏光選択性出射結合格子645-1および645-2は、対応するTIR伝播光の2つの直交偏光成分を回折を介してそれぞれ2つの直交偏光出力光として光ガイド610から外に結合してよい。
【0130】
例えば、第1のサブフレームにおいて、第1のTIR伝播光が出射結合格子645-1および出射結合格子645-2に到達すると、第1のTIR伝播光は、第1の偏光成分(例えば、RHCP成分)および第2の偏光成分(例えば、LHCP成分)を有し得る。出射結合格子645-1および出射結合格子645-2は、第1のTIR伝播光の第1の偏光成分(例えば、RHCP成分)および第2の偏光成分(例えば、LHCP成分)を回折を介して、それぞれ第1のRHCP出力光および第1のLHCP出力光として光ガイド610から外に結合してよい。第2のサブフレームにおいて、第2のTIR伝播光が出射結合格子645-1および出射結合格子645-2に到達すると、第2のTIR伝播光は、第1の偏光成分(例えば、RHCP成分)および第2の偏光成分(例えば、LHCP成分)を有し得る。出射結合格子645-1および出射結合格子645-2は、第2のTIR伝播光の第1の偏光成分(例えば、RHCP成分)および第2の偏光成分(例えば、LHCP成分)を回折を介して、それぞれ第2のRHCP出力光および第2のLHCP出力光として光ガイド610から外に結合してよい。各サブフレームにおいて、2つの直交偏光された出力光は2つの画像を形成してよく、そのうちの一方は一次像であってもよく、他方はゴースト像であってもよい。ゴースト像は、出射結合格子645-1および645-2(または光ガイド610)と眼260との間に配置された第2の偏光スイッチ630および吸収性偏光子640を介して抑制または除去されてよい。
【0131】
コントローラ615は、光源アセンブリ605、第1の偏光スイッチ623、および第2の偏光スイッチ630など、光ガイド表示アセンブリ600に含まれる様々な要素を制御してもよい。例えば、コントローラ615は、動作状態を同期させるために、第1の偏光スイッチ623および第2の偏光スイッチ630の動作状態を制御してよい。すなわち、第2の偏光スイッチ630の動作状態(例えば、切り替え状態または非切り替え状態)は、第1の偏光スイッチ623の動作状態と同じになるように制御されてもよい。コントローラ615によって第1の偏光スイッチ623を制御して動作状態を変化させる場合、第1の偏光スイッチ623の動作状態に合わせて動作状態を変化させるために、第2の偏光スイッチ630がコントローラ615によって同時に制御されてもよい。
【0132】
いくつかの実施形態では、
図6Aおよび
図6Bを参照すると、光源620は、例えば、所定のFOV(例えば、40°以上)を有する表示画像に対応する所定のFOV(例えば、40°以上)を有する画像光650(虚像または表示画像を表す)を放射してよい。画像光650は、無偏光であっても偏光であってもよい。いくつかの実施形態では、画像光650は発散光であってもよい。所定のFOV(例えば、40°以上)を有する画像光650は、光源620によって放射された画像光のFOVの異なる部分に対応する2つの部分651(
図6Aに示される)および652(
図6Bに示される)(例えば、第1の光651および第2の光652)として構成されてもよい。光源620は、FOVの異なる部分に対応する2つの光651および652を時系列的に放射するようにコントローラ615によって制御されてもよい。例えば、光源620によって生成された表示画像の表示フレームは、第1のサブフレームと第2のサブフレームの2つの連続したサブフレームを含んでもよい。コントローラ615は、
図6Aに示されるように、第1のサブフレーム中に画像光650のFOVの第1の部分(第1の入力FOVと呼ばれる)に対応する光651を放射し、
図6Bに示されるように、第2のサブフレーム中に画像光650のFOVの第2の部分(第2の入力FOVと呼ばれる)に対応する光652を放射するように光源620を制御してもよい。
【0133】
光調整システム625は、光源620から光651を受け取り、光651を処理して第1のサブフレーム中に第1の光653(または第1の入力光653)を出力し、光源620から光652を受け取り、光652を処理して第2のサブフレーム中に第2の光654(または第2の入力光654)を出力するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、光653および654の特性は、それぞれ
図3に示される光353および光354の特性と同様であってもよい。例えば、第1の光653は、画像光650のFOVの第1の部分(第1の入力FOVと呼ばれる)に対応してもよく、第2の光654は、画像光650のFOVの第2の部分(第2の入力FOVと呼ばれる)に対応してもよい。第1の光653および第2の光654は、直交偏光を有してもよい。光調整システム625内を伝播する画像光650の光路は、
図6Aおよび
図6Bには示されていない。画像光650は、光調整システム625内を任意の適切な光路で伝播してよい。
図6Aに示されるy-z断面図では、第1の光653は、第1の光線653aおよび653bによって境界付けられてもよい。例えば、第1の光線653aは第1の光653の右端の光線であってよく、第1の光線653bは第1の光653の左端の光線であってよい。
図6Bに示されるy-z断面図では、第2の光654は、第2の光線654aおよび654bによって境界付けられてもよい。例えば、第2の光線654aは、第2の光654の最も左側の光線であってよく、第2の光線654bは、第2の光654の最も右側の光線であってよい。
【0134】
いくつかの実施形態では、光調整システム625は、第1の偏光スイッチ623を含んでもよく、これは、第1の偏光スイッチ623の動作状態(例えば、切り替え状態または非切り替え状態)に応じて、入力光の偏光を維持するか、または入力光の偏光を直交偏光に切り替えるように構成された能動要素であってもよい。コントローラ615は、第1の偏光スイッチ623の動作状態を制御するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の偏光スイッチ623は、第1の偏光スイッチ623の動作状態(例えば、切り替え状態または非切り替え状態)に応じて、円偏光入力光の掌性を維持するか、または円偏光入力光の掌性を反対の掌性に切り替えるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、光調整システム625はまた、画像光650が第1の偏光スイッチ623に入射する前に画像光650を偏光するように構成された偏光変換要素622を含んでもよい。いくつかの実施形態では、偏光変換要素622は、偏光変換要素322に関連して上述したように、切り替え可能な波長板であってもよい。切り替え可能な偏光変換要素622の動作状態(例えば、切り替え状態または非切り替え状態)は、コントローラ615によって制御されてよい。
【0135】
光調整システム625はまた、コリメータ621(例えば、コリメートレンズ)を含むことができる。例示を目的として、
図6Aおよび
図6Bは、偏光変換要素622とコリメータ621との間に第1の偏光スイッチ623が配列されていることを示す。図示されていないが、いくつかの実施形態では、偏光変換要素622は、第1の偏光スイッチ623とコリメータ621との間に配列されてもよい。偏光変換要素622は、第1の偏光スイッチ623から出力された光を所定の偏光、例えば円偏光に偏光するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、偏光変換要素622は省略されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の偏光スイッチ623は、光源アセンブリ605の一部でなくてもよく、光源アセンブリ605と光ガイド610との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の偏光スイッチ623は光源アセンブリ605の一部でなくてもよい。その代わりに、第1の偏光スイッチ623は、光ガイド610の一部であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1の偏光スイッチ623は、光ガイド610の表面に配置されてもよい。
【0136】
いくつかの実施形態では、第1の偏光スイッチ623は、切り替え可能な半波長板(「SHWP」)を含んでもよい。例えば、光源620は、第1の偏光スイッチ623に向けて、第1の掌性を有する円偏光を放射するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、偏光変換要素622は省略されてもよい。第1の偏光スイッチ623(例えば、SHWP)は、円偏光の掌性を維持するために、非切り替え状態で動作するようにコントローラ615によって制御されてよい。第1の偏光スイッチ623(例えば、SHWP)は、円偏光の掌性を第1の掌性から第1の掌性とは反対の第2の掌性に切り替える切り替え状態で動作するようにコントローラ615によって制御されてもよい。
【0137】
いくつかの実施形態では、光源620は、直線偏光を放射するように構成されてもよく、偏光変換要素622は、直線偏光を第1の掌性を有する円偏光に変換するように構成された1/4波長板(「QWP」)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、光源620は、無偏光を放射するように構成されてもよく、偏光変換要素622は、直線偏光子およびQWPを含んでもよい。直線偏光子は、無偏光を直線偏光に変換するように構成されてよい。QWPは、直線偏光を第1の掌性を有する円偏光に変換するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、光源620が無偏光を放射するとき、偏光変換要素622内の直線偏光子とQWPとの組み合わせは、円偏光子に置き換えられてもよい。
【0138】
いくつかの実施形態では、光ガイド610は、1つまたは複数の入射結合要素と結合されてもよい。いくつかの実施形態では、各入射結合要素は偏光選択性であってよい。いくつかの実施形態では、各入射結合要素は、1つまたは複数の格子を含んでよい。考察の目的のために、各入射結合要素は、入射結合格子と呼ばれることがある。他の実施形態では、非格子構造が入射結合要素として使用されてもよいことが理解される。
図6Aは、2つの入射結合格子、すなわち第1の入射結合格子635-1および第2の入射結合格子635-2が光ガイド610と結合されることを示す。第1の入射結合格子635-1および第2の入射結合格子635-2の各々は、光ガイド610の第1の表面610-1または第2の表面610-2に配置されてもよい。光ガイド610は、1つまたは複数の出射結合要素と結合されてもよい。いくつかの実施形態では、各出射結合要素は偏光選択性であってよい。いくつかの実施形態では、各出射結合要素は、1つまたは複数の格子を含んでよい。考察の目的のために、各出射結合要素は、出射結合格子と呼ばれることがある。他の実施形態では、非格子構造が出射結合要素として使用されてもよいことが理解される。
図6Aは、2つの出射結合格子、すなわち第1の出射結合格子645-1および第2の出射結合格子645-2が光ガイド610と結合されることを示す。出射結合格子645-1および第2の出射結合格子645-2の各々は、光ガイド610の第1の表面610-1または第2の表面610-2に配置されてもよい。例示を目的として、
図6Aおよび
図6Bは、光ガイド610の第2の表面610-2に入射結合格子635-1および635-2が積み重ねられ、光ガイド610の第1の表面610-1に出射結合格子645-1および645-2が積み重ねられることを示している。
【0139】
入射結合格子635-1および635-2は、
図3に示される入射結合格子335-1および335-2の実施形態、
図4に示される入射結合格子435-1および435-2の実施形態、または
図5に示される入射結合格子535ー1および535-2の実施形態であってもよい(またはそれらと同様であってもよい)。出射結合格子645-1および645-2は、
図3に示される出射結合格子345-1および345-2の実施形態、
図4に示される出射結合格子445-1および445-2の実施形態、または
図5に示される出射結合格子545ー1および545-2の実施形態であってもよい(またはそれらと同様であってもよい)。いくつかの実施形態では、入射結合格子635-1および635-2の各々ならびに出射結合格子645-1および645-2の各々は、透過型格子(例えば、透過型PVH)または反射型格子(例えば、反射型PVH)であってもよい。
図6Aおよび
図6Bに示される実施形態では、入射結合格子635-1および635-2は、直交偏光を有する円偏光を後方回折されるように構成された反射型PVH格子であってもよく、出射結合格子645-1および645-2は、直交偏光を有する円偏光を後方回折されるように構成された反射型PVH格子であってもよい。出射結合格子645-1および645-2は、それぞれ入射結合格子635-1および635-2と同じ偏光選択性を有してよい。
【0140】
いくつかの実施形態では、光ガイド610は、ゴースト像を抑制するように構成された第2の偏光スイッチ630および吸収性偏光子640と結合されてもよい。第2の偏光スイッチ630は、吸収性偏光子640と光ガイド610との間に配置されてもよく、吸収性偏光子640は、第2の偏光スイッチ630と眼260との間に配置されてもよい。第2の偏光スイッチ630は、第1の偏光スイッチ623の一実施形態であってもよく(またはそれと同様であってもよく)、第1の偏光スイッチ623と同期していてもよい。例えば、第2の偏光スイッチ630および第1の偏光スイッチ623は両方とも、第1のサブフレームおよび第2のサブフレームのうちの一方の間は切り替え状態で動作し、第1のサブフレームおよび第2のサブフレームのうちの他方の間は非切り替え状態で動作するようにコントローラ615によって制御されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の偏光スイッチ630は、第1の偏光スイッチ623と同期されなくてもよい。例えば、第2の偏光スイッチ630および第1の偏光スイッチ623は、異なるサブフレームの間は切り替え状態で動作し、異なるサブフレームの間は非切り替え状態で動作するように構成されてもよい。すなわち、サブフレームにおいて、第1の偏光スイッチ623および第2の偏光スイッチ630の一方が切り替え状態で動作し、第1の偏光スイッチ623および第2の偏光スイッチ630の他方が非切り替え状態で動作してもよい。吸収性偏光子640は、ゴースト像を形成する光を吸収により遮断し、一次像を形成する光を透過させるように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、吸収性偏光子640は、円偏光子であってもよい。いくつかの実施形態では、吸収性偏光子640は直線偏光子であってもよく、QWPは、吸収性偏光子640と第2の偏光スイッチ630との間に配置されてもよい。QWPは、円偏光を直線偏光に変換する、またはその逆に変換するように構成されてもよい。
【0141】
図6Aを参照すると、表示フレームの最初のサブフレームの間、光源620は、偏光変換要素622に向かって光651を出力してよい。いくつかの実施形態では、光651は、画像光650のFOVの第1の部分(第1の入力FOVと呼ばれる)に対応してもよい。例示を目的として、光651は、無偏光または直線偏光であってもよい。偏光変換要素622は、光651を円偏光(例えば、RHCP光)に偏光するように構成され得る。円偏光(例えば、RHCP光)は、第1の偏光スイッチ623(例えば、SHWP)に向かって伝播してよい。第1の偏光スイッチ623(例えば、SHWP)は、非切り替え状態で動作して、偏光に影響を与えることなく円偏光(例えば、RHCP光)を透過させるように構成されてもよい。例えば、第1の偏光スイッチ623(例えば、SHWP)は、偏光変換要素622から受け取った円偏光(例えば、RHCP光)を、偏光を変更することなく円偏光(例えば、RHCP光)として透過させてよい。入射結合格子635-1は、第1の光653(例えば、RHCP光)を回折を介して第1のTIR伝播光655(例えば、RHCP光)として光ガイド610内に結合するように構成されてもよい。例示を目的として、
図6Aは、第1のTIR伝播光655のうちの1つの第1のTIR伝播光線655aを示す。第1の入射結合格子635-1は、第1の光線653aを第1のTIR伝播光線655aとして光ガイド610内に結合してよい。第1の光線653bの対応するTIR伝播光線は、
図6Aには描かれていない。
【0142】
第1のTIR伝播光655(例えば、右周り円偏光)の初期偏光は、第1のTIR伝播光655がTIRを通って出射結合格子645-1および645-2に向かって光ガイド610の内部を伝播するときに維持されなくてもよい(すなわち、変化する場合がある)。出射結合格子645-1および645-2に到達すると、第1のTIR伝播光655は、初期偏光を有する一次部分(または第1の偏光成分)と、初期偏光に直交する偏光を有する二次部分(または第2の偏光成分)(すなわち、初期偏光から変化した)とを含んでよい。例えば、出射結合格子645-1および645-2に到達するとき、第1のTIR伝播光655は、第1のTIR伝播光655のRHCP成分である一次部分(または第1の偏光成分)と、第1のTIR伝播光655のLHCP成分である二次部分(または第2の偏光成分)とを含んでもよい。出射結合格子645-1は、第1のTIR伝播光655の第1の偏光成分(例えば、RHCP成分)を回折を介して第1の出力光661(例えば、RHCP光)として光ガイド610から外に結合し、第1のTIR伝播光655の第2の偏光成分(例えば、LHCP成分)を回折なしで出射結合格子645-2に向かって透過させるように構成されてもよい。出射結合格子645-2は、第1のTIR伝播光655の第2の偏光成分(例えば、LHCP成分)を回折を介して第2の出力光662(例えば、LHCP光)として光ガイド610から外に結合するように構成されてもよい。直交偏光を有する第1の出力光661および第2の出力光662は、2つの画像を形成してよく、一方は、出射結合格子645-1によって回折された第1の出力光661によって形成される一次像であり、他方は、出射結合格子645-2によって回折された第2の出力光662によって形成される鏡像であるゴースト像である。
【0143】
第2の偏光スイッチ630(例えば、SHWP)は、第1の偏光スイッチ623(例えば、SHWP)と同期されて非切り替え状態で動作してもよく、それにより、それぞれの偏光に影響を与えることなく光661(例えば、RHCP光)および光662(例えば、LHCP光)を透過させてよい。コントローラ615は、動作状態を同期させるように第2の偏光スイッチ630および第1の偏光スイッチ623を制御してよい。いくつかの実施形態では、第2の偏光スイッチ630(例えば、SHWP)は、光661(例えば、RHCP光)の偏光を維持し、光661(例えば、RHCP光)を光663(例えば、RHCP光)として透過させるように構成されてよい。加えて、第2の偏光スイッチ630(例えば、SHWP)は、光662(例えば、LHCP光)の偏光を維持し、光662(例えば、LHCP光)を光664(例えば、LHCP光)として透過させるように構成されてもよい。偏光子640は、一次像を形成する光を透過させ、ゴースト像を形成する光を吸収により遮断するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、
図6Aに示されるように、偏光子640は、RHCP光を透過させ、吸収を介してLHCP光を遮断するように構成された吸収型円偏光子であってもよい。したがって、光663(例えば、RHCP光)は、眼260に向かって伝播する第1の出力光657(例えば、RHCP光)として偏光子640内を透過されてよく、光664(例えば、LHCP光)は、吸収を介して偏光子640によって遮断されてよい。したがって、光664は、眼260によって受け取られることはない。眼260は、出射結合格子645-1によって回折された光661によって形成された一次像を観測することができ、出射結合格子645-2によって回折された光662によって形成されたゴースト像は観測することはない。
【0144】
図6Bを参照すると、表示フレームの第2のサブフレームの間、光源620は、偏光変換要素622に向かって光652を出力してよい。いくつかの実施形態では、光652は、画像光650のFOVの第2部分(第2入力FOVと呼ばれる)に対応してもよい。例示を目的として、光652は、無偏光または直線偏光であってもよい。偏光変換要素622は、光651を円偏光(例えば、RHCP光)に偏光するように構成され得る。円偏光(例えば、RHCP光)は、第1の偏光スイッチ623(例えば、SHWP)に向かって伝播してよい。第1の偏光スイッチ623(例えば、SHWP)は、円偏光(例えば、RHCP光)の掌性を逆の掌性に切り替えるために、切り替え状態で動作するように構成されてもよい。例えば、第1の偏光スイッチ623(例えば、SHWP)は、偏光変換要素622から受け取った円偏光(例えば、RHCP光)を、偏光を変更して円偏光(例えば、LHCP光)として透過させてよい。
【0145】
入射結合格子635-1は、RHCP光を後方回折させ、実質的にゼロまたは無視できる回折でLHCP光を透過させるように構成されているので、第2の光654(例えば、LHCP光)は、結合格子635-1を通って結合格子635-2に向かって透過され得る。入射結合格子635-2は、第2の光654(例えば、LHCP光)を回折を介して第2のTIR伝播光656(例えば、LHCP光)として光ガイド610内に結合するように構成されてもよい。例示を目的として、
図6Bは、第2のTIR伝播光656の1つの第2のTIR伝播光線656aを示す。第2の入射結合格子635-2は、第2の光線654aを第2のTIR伝播光線656aとして光ガイド610内に結合してよい。第2の光線654bの対応するTIR伝播光線は、
図6Bには示されていない。
【0146】
第2のTIR伝播光656の初期偏光(例えば、右周り円偏光)は、第2のTIR伝播光656がTIRを通って出射結合格子645-1および645-2に向かって光ガイド610の内部を伝播するときに維持されなくてもよい(すなわち、変化する場合がある)。出射結合格子645-1および645-2に到達すると、第2のTIR伝播光656は、初期偏光を有する一次部分(または第1の偏光成分)と、初期偏光に直交する偏光を有する二次部分(または第2の偏光成分)とを含んでよい。例えば、出射結合格子645-1および645-2に到達するとき、第2のTIR伝播光656は、第2のTIR伝播光656のLHCP成分である一次部分(または第1の偏光成分)と、第2のTIR伝播光656のRHCP成分である二次部分(または第2の偏光成分)とを含んでもよい。出射結合格子645-1は、第2のTIR伝播光656の第1の偏光成分(例えば、RHCP成分)を回折を介して第1の(または第3の)出力光665(例えば、RHCP光)として光ガイド610から外に結合し、第2のTIR伝播光656の第2の偏光成分(例えば、LHCP成分)を実質的にゼロまたは無視できる回折で出射結合格子645-2に向かって透過させるように構成されてもよい。出射結合格子645-2は、第2のTIR伝播光656の第2の偏光成分(例えば、LHCP成分)を回折を介して、第2の(または第4の)出力光666(例えば、LHCP光)として光ガイド610から外に結合するように構成されてもよい。直交偏光を有する第1の出力光665(例えばRHCP光)および第2の出力光666(例えばLHCP光)は、2つの画像を形成してよく、一方は、出射結合格子645-2によって回折された第2の出力光666によって形成される一次像であり、他方は、出射結合格子645-1によって回折された第1の出力光665によって形成される鏡像であるゴースト像である。
【0147】
第2の偏光スイッチ630(例えば、SHWP)は、第1の偏光スイッチ623(例えば、SHWP)と同期されて切り替え状態で動作してもよい。切り替え状態において、第2の偏光スイッチ630(例えば、SHWP)は、光の偏光を直交偏光に切り替える、または直交偏光に変更するように構成されてもよい。例えば、第2の偏光スイッチ630は、第1の出力光665の掌性(例えば、RHCP光)を切り替え、反対の掌性(例えば、LHCP光)を有する偏光を有する光667を出力してもよい。いくつかの実施形態では、第2の偏光スイッチ630(例えば、SHWP)は、第2の出力光666(例えば、LHCP光)の掌性を切り替え、反対の掌性(例えば、RHCP光)を有する偏光を有する光668を出力するように構成されてもよい。偏光子640は、RHCP光を透過させ、吸収を介してLHCP光を遮断するように構成された吸収型円偏光子であり得るので、光668(例えば、RHCP光)は、眼260に向かって伝播する第2の出力光658(例えば、RHCP光)として偏光子640を透過されてよく、光667(例えば、LHCP光)は、吸収を介して偏光子640によって遮断されてよい。したがって、光667は、眼260によって受け取られることはない。眼260は、出射結合格子645-2によって回折された光666によって形成された一次像を観測することができ、出射結合格子645-1によって回折された光665によって形成されたゴースト像は観測することはない。
【0148】
図6Aおよび
図6Bを参照すると、いくつかの実施形態では、第1の出力光657は、第1の出力光線657aおよび657bによって境界付けられてもよい。いくつかの実施形態では、第1の出射結合格子645-1は、第1のTIR伝播光線655aを、第1の出力光線657aとして第1の出力角度で光ガイド612から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第1の入射結合格子635-1は、第1の光線653bを光ガイド610内に結合するように構成されてよく、第1の出射結合格子645-1は、第1の光線653bを第1の出力光線657bとして光ガイド612から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第1の出力光657は第1の出力FOVに対応してもよい。第1の出力FOVは、第1の出力光線657aおよび657bによって境界付けられた角度領域に対応してよい。第2の出力光658は、第2の出力光線658aおよび658bによって境界付けられてもよい。第2の出射結合格子645-2は、第2のTIR伝播光線656aを、第2の出力光線658aとして第2の出力角度で光ガイド614から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第2の入射結合格子635-1は、第2の光線654bを光ガイド610内に結合するように構成されてよく、第2の出射結合格子645-2は、第2の光線654bを第2の出力光線658bとして光ガイド614から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第2の出力光658は、第2の出力FOVに対応してもよい。第2の出力FOVは、第2の出力光線658aおよび658bによって境界付けられた角度領域に対応してよい。いくつかの実施形態では、第1の出力光線657aの第1の出力角度および第2の出力光線658aの第2の出力角度は、同じ絶対値および反対の符号、例えば反対の出力角度+θおよび-θを有してよい。いくつかの実施形態では、第1の出力光線657aの第1の出力角度および第2の出力光線658aの第2の出力角度は、異なる絶対値および反対の符号(例えば、+θ1および-θ2であり、θ1およびθ2は異なる値を有する)を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力光線657bおよび第2の出力光線658bは、互いに実質的に重なり合ってもよい。したがって、光ガイド表示アセンブリ600によって提供されるFOVは、同じまたは同様の屈折率を有する材料を基にして製造された積み重ねられた光ガイドを含む従来の光ガイド表示アセンブリと比較して(例えば、2倍)拡大または拡張されてよい。追加的または代替的に、従来の光ガイドと比較して、同じまたは同様のFOVが、より低い屈折率を有する材料に基づいて製造された光ガイド610を有する開示された光ガイド表示アセンブリ600によって提供されてもよい。
【0149】
第1の入射結合格子635-1、光ガイド612、および第1の出射結合格子645-1は、光ガイド表示アセンブリ600のアイボックスに第1の出力FOVを提供するように構成されてよい。第2の入射結合格子635-2、光ガイド614、および第2の出射結合格子645-2は、光ガイド表示アセンブリ600のアイボックスに第2の出力FOVを提供するように構成されてよい。第1の出力FOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重ならなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重なり合わない連続したFOV(例えば、0°~+50°、0°~-50°)であってもよい。第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVの各々よりも実質的に大きくてもよい。いくつかの実施形態では、光ガイド表示アセンブリ600の出力側における第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、光ガイド表示アセンブリ600の入力側において光源アセンブリ605によって放射された画像光650の所定のFOVよりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1のTIR伝播光655は、第1の光653の第1の入力FOVよりも小さい第1の中間FOVに対応してもよく、第2のTIR伝播光656は、第2の光654の第2の入力FOVよりも小さい第2の中間FOVに対応してもよい。光ガイド表示アセンブリ600の出力側における第1の出力FOVと第2の出力FOVとを組み合わせたFOVは、第1の中間FOVと第2の中間FOVとの組み合わせよりも大きくてよい。
【0150】
図7Aおよび
図7Bは、本開示の別の実施形態による、拡張されたFOVを提供するように構成された光学デバイスまたは光学システム700の概略図を例示する。光学システム700は、光ガイド表示アセンブリ700と呼ばれることもある。
図7Aおよび
図7Bに示される光ガイド表示アセンブリ700は、
図2Aに示される光ガイド表示アセンブリ200、
図2Bに示される光ガイド表示アセンブリ250、
図3に示される光ガイド表示アセンブリ300、
図4に示される光ガイド表示アセンブリ400、
図5に示される光ガイド表示アセンブリ500、
図6に示される光ガイド表示アセンブリ600に含まれるものと同じまたは同様の要素、構造、および/または機能を含んでもよい。同じまたは同様の要素、構造、および/または機能の説明は、
図2A、
図2B、
図3、
図4、
図5、
図6Aまたは
図6Bに関連して上に与えられた説明を参照することができる。
【0151】
図7Aおよび
図7Bに示されるように、光ガイド表示アセンブリ700は、光源アセンブリ705と、光ガイドスタック710と、コントローラ715とを含んでもよい。光源アセンブリ705およびコントローラ715は、
図2Aおよび
図2Bに示される光源アセンブリ205およびコントローラ215の実施形態、
図3に示される光源アセンブリ305およびコントローラ315の実施形態、
図4に示される光源アセンブリ405およびコントローラ415の実施形態、
図5に示される光源アセンブリ505およびコントローラ515の実施形態、または
図6Aおよび
図6Bに示される光源アセンブリ605およびコントローラ615の実施形態であってよい(またはそれと同様であってもよい)。光源アセンブリ705およびコントローラ715の説明は、
図2A、
図2B、
図3、
図4、
図5、
図6A、または
図6Bに関連して与えられた上記の説明を参照することができる。
【0152】
光ガイドスタック710は、互いに積み重ねられた複数の光ガイドを含んでよい。例示を目的として、
図7Aは、光ガイドスタック710が第1の光ガイド712および第2の光ガイド714を含み得ることを示している。3つ、4つ、5つなど、他の適切な数の光ガイドが使用されてもよい。光ガイド712および714の各々は、
図2に示される光ガイド210の一実施形態、
図3に示される光ガイド310の一実施形態、
図4に示される光ガイド410の一実施形態、
図5に示される光ガイド512および514の一実施形態、または
図6Aに示される光ガイド610の一実施形態であってもよい(またはそれらと同様であってもよい)。
【0153】
光源アセンブリ705は、光源(例えば、電子表示)720と、偏光変換要素722、コリメータ721、および第1の偏光スイッチ723を含む光調整システム725とを含んでよく、これらは、
図6Aおよび
図6Bに示される光源620と、偏光変換要素622、コリメータ621、および第1の偏光スイッチ623を含む光調整システム625と同様であってよい。いくつかの実施形態では、光源720、偏光変換要素722、およびコリメータ721はまた、
図5に示される光源520、偏光変換要素522、およびコリメータ521と同様であってもよい。いくつかの実施形態では、光源720、偏光変換要素722、およびコリメータ721はまた、
図4に示される光源420、偏光変換要素422、およびコリメータ421と同様であってもよい。いくつかの実施形態では、光源720、偏光変換要素722、およびコリメータ721はまた、
図3に示される光源320、偏光変換要素322、およびコリメータ321と同様であってもよい。いくつかの実施形態では、光源720および光調整システム725はまた、
図2Aおよび
図2Bに示される光源220および光調整システム225と同様であってもよい。同じまたは同様の要素、構造、および/または機能の説明は、
図2A、
図2B、
図3、
図4、
図5、
図6Aまたは
図6Bに関連して上に与えられた説明を参照してよい。
【0154】
所定のFOV(例えば、60°以下)を有する光は、2つの直交偏光部分(例えば、直交偏光を有する第1の光および第2の光)で構成され得る。2つの直交偏光部分の各々は、完全な所定のFOVに関連付けられてよい。光源アセンブリ705は、直交偏光で第1の光および第2の光を時系列的に(例えば、表示フレームの2つの連続するサブフレームの間に)出力するように構成されてもよく、これは、光源720に結合された第1の偏光スイッチ723によって実現されてよい。光ガイドスタック710は、それぞれ、2つの連続するサブフレームの間に、第1の光を第1の入力光として受け取り、第2の光を第2の入力光として受け取るように構成されてもよい。
【0155】
光ガイドスタック710は、各光ガイド712または714に結合された1つまたは複数の入射結合要素を含んでよい。いくつかの実施形態では、各入射結合要素は偏光選択性であってもよい。いくつかの実施形態では、各入射結合要素は、1つまたは複数の格子を含む。考察の目的のために、各入射結合要素は、入射結合格子と呼ばれることがある。他の実施形態では、非格子構造が入射結合要素として使用されてもよいことが理解される。
図7Aに示される実施形態では、光ガイド712および714は、それぞれ第1の入射結合格子735-1および第2の入射結合格子735-2と結合されてよい。第1の入射結合格子735-1および第2の入射結合格子735-2は、2つの連続するサブフレームの間に、第1の入力光および第2の入力光を回折を介して光ガイド712および714内にそれぞれ結合するように構成され得る。第1の入力光および第2の入力光は、実質的に同じ伝播角度でTIRを通ってそれぞれの光ガイド712および714の内部を伝播してよい。第1の入力光および第2の入力光の偏光は、例えば、
図3に示される偏光補正フィルム330と同様の1つまたは複数の偏光補正フィルムによって、それぞれの光ガイド712および714の内部で維持されてもよい。
【0156】
光ガイドスタック710はまた、光ガイド712および714に結合された1つまたは複数の出射結合要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、各出射結合要素は偏光選択性であってよい。いくつかの実施形態では、出射結合要素の各々、1つまたは複数の格子を含んでよい。考察の目的のために、各出射結合要素は、出射結合格子と呼ばれることがある。他の実施形態では、非格子構造が入射結合要素として使用されてもよいことが理解される。
図7Aに示される実施形態では、光ガイド712および714は、それぞれ第1の出射結合格子745-1および第2の出射結合格子745-2と結合されてよい。第1の出射結合格子745-1および第2の出射結合格子745-2は、2つの連続するサブフレームの間に、TIRを通って光ガイド712および714の内部を伝播する第1の光および第2の光を回折を介してそれぞれ異なる方向に(または回折角度で)、光ガイド712および714から外に結合するように構成されてよい。入射結合格子735-1および735-2ならびに出射結合格子745-1および745-2の各々は、透過型格子(例えば、透過型PVH)または反射型格子(例えば、反射型PVH)であってもよい。
【0157】
図7Aおよび
図7Bを参照すると、いくつかの実施形態では、光源720は、所定のFOV(例えば、60°以下)を有する表示画像に対応する所定のFOV(例えば、60°以下)を有する画像光750(虚像または表示画像を表す)を生成してよい。画像光750は、無偏光であっても偏光であってもよい。いくつかの実施形態では、画像光750は発散光であってもよい。画像光750は、それぞれが画像光750の完全な所定のFOVに対応する2つの部分(例えば、2つの光)751および752で構成されてもよい。光源720は、時系列的に2つの光751、752を放射するように構成されてもよい。例えば、光源720によって生成された表示画像の表示フレームは、第1のサブフレームと第2のサブフレームの2つの連続したサブフレームを含んでもよい。光源720は、
図7Aに示されるように、第1のサブフレーム中に画像光750の完全な所定のFOVに対応する光751を放射し、
図7Bに示されるように、第2のサブフレーム中に画像光750の完全な所定のFOVに対応する光752を放射するように構成されてもよい。
【0158】
光調整システム725は、
図7Aに示されるように、光源720から光751を受け取り、光751を処理して第1のサブフレーム中に第1の光753を出力するように構成され得る。光調整システム725は、
図7Bに示されるように、光源720から光752を受け取り、光752を処理して第2のサブフレーム中に第2の光754を出力するように構成され得る。第1の光753および第2の光754は、直交偏光を有してもよい。第1の光753および第2の光754は、第1の入力FOVおよび第2の入力FOVを有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の光753および第2の光754の各々は、光源720によって生成された画像光750の完全なFOVに関連付けられてもよい。すなわち、第1の入力FOVおよび第2の入力FOVはそれぞれ、画像光750の完全なFOVであってよい。光ガイドスタック710は、
図7Aに示されるように、第1のサブフレーム中に第1の光753を第1の入力光として受け取るように構成されてよい。光ガイドスタック710は、
図7Bに示されるように、第2のサブフレーム中に第2の光754を第2の入力光として受け取るように構成されてよい。
図7Aおよび
図7Bに示されるy-z断面図では、完全な所定のFOVを有する第1の入力光753は、第1の光線753aおよび753bによって境界付けられてもよい。例えば、第1の光線753aは第1の入力光753の右端の光線であってもよく、第1の光線753bは第1の入力光753の左端の光線であってもよい。完全な所定のFOVを有する第2の入力光754は、第2の光線754aおよび754bによって境界付けられてもよい。例えば、第2の光線754aは、第2の入力光754の最も左側の光線であってもよく、第2の光線754bは、第2の入力光754の最も右側の光線であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の光線754b(例えば、第2の入力光754の右端の光線)および第1の光線753b(例えば、第1の入力光753の最も左側の光線)は、互いに実質的に重なり合ってもよい。
【0159】
いくつかの実施形態では、第1の偏光スイッチ723は、第1の偏光スイッチ723の動作状態(例えば、スイッチング状態または非スイッチング状態)に応じて、入力光の偏光を維持するか、または入力光の偏光を直交偏光に切り替えるように構成された能動要素であってもよい。例えば、第1の偏光スイッチ723は、第1の偏光スイッチ723の動作状態(例えば、スイッチング状態または非スイッチング状態)に応じて、円偏光入力光の掌性を維持するか、または円偏光入力光の掌性を反対の掌性に切り替えるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、偏光変換要素722は、光源720と第1の偏光スイッチ723との間に配置され、光が第1の偏光スイッチ723に入射する前に光源720によって放射された光を偏光するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、偏光変換要素722は、第1の偏光スイッチ723とコリメータ721との間に配置され、第1の偏光スイッチ723から出力された光を所定の偏光に偏光する、例えば円偏光に偏光するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、コリメータ721(例えば、コリメートレンズ)は、光源720によって生成された光をコリメートするように構成されてもよい。例えば、コリメータ721は、第1の偏光スイッチ723から出力された光をコリメートしてもよい。いくつかの実施形態では、偏光変換要素722は省略されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の偏光スイッチ723は、光源アセンブリ705の一部でなくてもよく、光源アセンブリ705と光ガイドスタック710との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の偏光スイッチ723は、光源アセンブリ705の一部でなくてもよく、光ガイドスタック710の一部であってもよい。例えば、第1の偏光スイッチ723は、光ガイドスタック710の光ガイド712、714の一方の面に配置されてもよい。
【0160】
いくつかの実施形態では、第1の偏光スイッチ723はSHWPを含んでもよい。例えば、光源720は、第1の偏光スイッチ723(例えばSHWP)に向けて、第1の掌性を有する円偏光を放射するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、偏光変換要素722は省略されてもよい。第1の偏光スイッチ723(例えば、SHWP)は、円偏光の掌性を維持するために、非切り替え状態で動作するようにコントローラ715によって制御されてよい。第1の偏光スイッチ723(例えば、SHWP)は、円偏光の掌性を第1の掌性から第1の掌性とは反対の第2の掌性に切り替える切り替え状態で動作するようにコントローラ715によって制御されてもよい。
【0161】
いくつかの実施形態では、光源720は、直線偏光を放射するように構成されてもよく、偏光変換要素722は、直線偏光を第1の掌性を有する円偏光に変換するように構成されたQWPを含んでもよい。QWPは、第1の掌性を有する円偏光を第1の偏光スイッチ723(例えば、SHWP)に出力してもよい。いくつかの実施形態では、光源720は、無偏光を放射するように構成されてもよく、偏光変換要素722は、直線偏光子およびQWPを含んでもよい。直線偏光子は、無偏光を直線偏光に変換するように構成されてよい。QWPは、直線偏光を第1の掌性を有する円偏光に変換するように構成されてよい。QWPは、第1の掌性を有する円偏光を第1の偏光スイッチ723(例えば、SHWP)に出力してもよい。いくつかの実施形態では、光源720が無偏光を放射するとき、直線偏光子とQWPとの組み合わせは、円偏光子に置き換えられてもよい。
【0162】
いくつかの実施形態では、光ガイド712は、第1の入射結合格子735-1および第1の出射結合格子745-1と結合されてもよい。光ガイド714は、第2の入射結合格子735-2および第2の出射結合格子745-2と結合されてもよい。入射結合格子735-1および735-2は、
図3に示される入射結合格子335-1および335-2の実施形態、
図4に示される入射結合格子435-1および435-2の実施形態、
図5に示される入射結合格子535ー1および535-2の実施形態、または
図6Aに示される入射結合格子635-1および635-2の実施形態であってもよい(またはそれらと同様であってもよい)。出射結合格子745-1および745-2は、
図3に示される出射結合格子345-1および345-2の実施形態、
図4に示される出射結合格子445-1および445-2の実施形態、
図5に示される出射結合格子545ー1および545-2の実施形態、または
図6Aに示される出射結合格子645-1および645-2の実施形態であってもよい(またはそれらと同様であってもよい)。いくつかの実施形態では、入射結合格子735-1および735-2は、反対の掌性を有する円偏光を後方回折させるように構成された反射型PVH格子であってもよく、出射結合格子745-1および745-2は、反対の掌性を有する円偏光を後方回折させるように構成された反射型PVH格子であってもよい。出射結合格子745-1および745-2の各々は、入射結合格子735-1および735-2のものと同じ偏光選択性を有してよい。例えば、出射結合格子745-1は、入射結合格子735-1と同じ偏光選択性を有してもよく、出射結合格子745-2は、入射結合格子735-2と同じ偏光選択性を有してもよい。いくつかの実施形態では、導波が光ガイド内で行われるために、光ガイド712および714は空隙によって分離されてもよい。いくつかの実施形態では、光ガイド712と714との間の空隙は、光ガイドの屈折率よりも低い屈折率を有する材料(例えば、接着剤)で少なくとも部分的に充填されてもよい。
【0163】
図7Aを参照すると、表示フレームの最初のサブフレームの間、光源720は、偏光変換要素722に向かって光751を放射してよい。例示を目的として、光751は、無偏光または直線偏光であってもよい。偏光変換要素722は、光751を円偏光(例えば、RHCP光)に偏光するように構成され得る。偏光変換要素722は、円偏光を第1の偏光スイッチ723(例えば、SHWP)に向けて出力してもよい。第1の偏光スイッチ723(例えば、SHWP)は、非切り替え状態で動作して、偏光に影響を与えることなく円偏光(例えば、RHCP光)を透過させるようにコントローラ715によって制御されてもよい。例えば、第1の偏光スイッチ723(例えば、SHWP)は、偏光変換要素722から受け取った円偏光(例えば、RHCP光)を円偏光(例えば、RHCP光)として透過させてよい。入射結合格子735-1は、第1の入力光753(例えば、RHCP光)を回折を介して第1のTIR伝播光755(例えば、RHCP光)として光ガイド712内に結合するように構成されてもよい。例示を目的として、
図7Aは、第1のTIR伝播光755のうちの1つの第1のTIR伝播光線755aを示す。第1の入射結合格子735-1は、第1の光線753aを第1のTIR伝播光線755aとして光ガイド712内に結合してよい。第1の光線753bの対応するTIR伝播光線は、
図7Aには描かれていない。第1のTIR伝播光755の初期偏光(例えば、右周りの円偏光)は、例えば、
図3に示される偏光補正フィルム330と同様の1つまたは複数の偏光補正フィルムによって、TIRを通って出射結合格子745-1に向かって光ガイド712の内部を伝播するときに維持されてよい。
【0164】
出射結合格子745-1は、第1のTIR伝播光755(例えば、RHCP光)を回折を介して第1の出力光757(例えば、RHCP光)として光ガイド712から外に結合するように構成されてもよい。出射結合格子745-2は、LHCP光を後方回折させ、RHCP光を透過させるように構成されているので、第1の出力光757(例えば、RHCP光)は、出射結合格子745-2および光ガイド714を通って眼260に向かって実質的にゼロまたは無視できる回折で透過され得る。
図7Aに示される実施形態では、第1の出力光757は、第1の出力光線757aおよび757bによって境界付けられてもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力光757は第1の出力FOVに対応してもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力FOVは、第1の入力光753の完全な所定のFOVよりも大きくてもよい。
【0165】
図7Bを参照すると、表示フレームの第2のサブフレームの間、光源720は、偏光変換要素722に向かって光752を出力してよい。例示を目的として、光752は、無偏光または直線偏光であってもよい。偏光変換要素722は、光751を円偏光(例えば、RHCP光)に偏光するように構成され、円偏光を偏光スイッチ723(例えば、SHWP)に向けて出力してもよい。偏光スイッチ723(例えば、SHWP)は、円偏光(例えば、RHCP光)の掌性を逆の掌性に切り替えるために、切り替え状態で動作するように構成されてもよい。例えば、偏光スイッチ723(例えば、SHWP)は、偏光変換要素722から受け取った円偏光(例えば、RHCP光)を、反対の掌性を有する円偏光(例えば、LHCP光)として透過させてよい。
【0166】
入射結合格子735-1は、RHCP光を後方回折させ、LHCP光を透過させるように構成され得るため、第2の入力光754(例えば、LHCP光)は、偏光を変更することなく光ガイド712および入射結合格子735-1を介して結合格子735-2に向かって回折させることなく透過されてよい。入射結合格子735-2は、第2の入力光754(例えば、LHCP光)を回折を介して、第2のTIR伝播光756(例えば、LHCP光)として光ガイド714内に結合するように構成されてもよい。例示を目的として、
図7Bは、第2のTIR伝播光756の1つの第2のTIR伝播光線756aを示す。第2の入射結合格子735-2は、第2の光線753aを第2のTIR伝播光線756aとして光ガイド714内に結合してよい。第2の光線753bの対応するTIR伝播光線は、
図7Aには示されていない。第1のTIR伝播光756の初期偏光(例えば、右周りの円偏光)は、例えば、
図3に示される偏光補正フィルム330と同様の1つまたは複数の偏光補正フィルムによって、TIRを通って出射結合格子745-2に向かって光ガイド714の内部を伝播するときに維持されてよい。出射結合格子745-2は、第2のTIR伝播光756(例えば、LHCP光)を回折を介して、眼260に向かって伝播する第2の出力光758(例えば、LHCP光)として光ガイド714から外に結合するように構成されてもよい。
図7Bに示される実施形態では、第2の出力光758は、第2の出力光線758aおよび758bによって境界付けられてもよい。いくつかの実施形態では、第2の出力光758は、第2の出力FOVに対応してもよい。いくつかの実施形態では、第2の出力FOVは、第2の入力光754の完全な所定のFOVよりも大きくてもよい。
【0167】
図7Aおよび
図7Bを参照すると、いくつかの実施形態では、第1の出射結合格子745-1は、第1のTIR伝播光線755aを、第1の出力光線757aとして第1の出力角度で光ガイド712から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第1の入射結合格子735-1は、第1の光線753bを光ガイド712内に結合するように構成されてよく、第1の出射結合格子745-1は、第1の光線753bを第1の出力光線757bとして光ガイド712から外に結合するように構成されてよい。第1の出力FOVは、第1の出力光線757aおよび757bによって境界付けられた角度領域に対応してよい。いくつかの実施形態では、第2の出射結合格子745-2は、第2のTIR伝播光線756aを、第2の出力光線758aとして第2の出力角度で光ガイド714から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第2の入射結合格子735-1は、第2の光線754bを光ガイド712内に結合するように構成されてよく、第2の出射結合格子745-2は、第2の光線754bを第2の出力光線758bとして光ガイド714から外に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第1の出力光線757aの第1の出力角度および第2の出力光線758aの第2の出力角度は、同じ絶対値および反対の符号、例えば反対の出力角度+θおよび-θを有してよい。いくつかの実施形態では、第1の出力光線757aの第1の出力角度および第2の出力光線758aの第2の出力角度は、異なる絶対値および反対の符号(例えば、+θ1および-θ2であり、θ1およびθ2は異なる値を有する)を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力光線757bおよび第2の出力光線758bは、互いに実質的に重なり合ってもよい。したがって、光ガイド表示アセンブリ700によって提供されるFOVは、アセンブリに含まれる光ガイドが同じまたは同様の屈折率を有する材料を基にして製造される場合、従来の光ガイド表示アセンブリと比較して(例えば、2倍)拡大または拡張されてよい。代替的または追加的に、従来の光ガイド表示アセンブリと比較して、より低い屈折率を有する材料に基づいて製造された光ガイド712および714を使用して、開示された光ガイド表示アセンブリ700によって同じまたは同様のFOVが提供されてもよい。
【0168】
図7Aおよび
図7Bに示される実施形態では、第1の入射結合格子735-1、光ガイド712、および第1の出射結合格子745-1は、光ガイド表示アセンブリ700のアイボックスに第1の出力FOVを提供するように構成されてよい。第2の入射結合格子735-2、光ガイド714、および第2の出射結合格子745-2は、光ガイド表示アセンブリ700のアイボックスに第2の出力FOVを提供するように構成されてよい。第1の出力FOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重ならなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1のFOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重なり合わない連続したFOV(例えば、0°~+50°、0°~-50°)であってもよい。第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVの各々よりも実質的に大きくてもよい。いくつかの実施形態では、光ガイド表示アセンブリ700の出力側における第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、光ガイド表示アセンブリ700の入力側において光源720によって放射された画像光750の所定のFOVよりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1のTIR伝播光755は、第1の入力光753の第1の入力FOVよりも小さい第1の中間FOVに対応してもよく、第2のTIR伝播光756は、第2の入力光754の第2の入力FOVよりも小さい第2の中間FOVに対応してもよい。光ガイド表示アセンブリ700の出力側における第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の中間FOVと第2の中間FOVとの組み合わせよりも大きくてよい。
【0169】
いくつかの実施形態では、
図7Aに示されるように、第2の偏光スイッチ730が、光ガイドスタック710(例えば、光ガイド714)と眼260との間に配置されてもよい。第2の偏光スイッチ730は、第1の偏光スイッチ723の一実施形態であってもよい(またはそれと同様であってもよい)。いくつかの実施形態では、第2の偏光スイッチ730は、第1の偏光スイッチ723と同期されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の偏光スイッチ730および第1の偏光スイッチ723は、動作状態を同期させるために、すなわち、同じサブフレーム(例えば、第1のサブフレームおよび第2のサブフレームのうちの一方)中に切り替え状態または非切り替え状態の両方で動作するために、コントローラ715によって制御されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の偏光スイッチ730は、第1の偏光スイッチ723と同期されなくてもよい。例えば、第2の偏光スイッチ730および第1の偏光スイッチ723は、同じサブフレーム中に異なる動作状態で動作するようにコントローラ715によって制御されてもよい。例えば、第2の偏光スイッチ730および第1の偏光スイッチ723は、異なるサブフレームの間は切り替え状態で動作し、異なるサブフレームの間は非切り替え状態で動作するようにコントローラ715によって制御されてもよい。
【0170】
第2の偏光スイッチ730を、第1のサブフレームおよび第2のサブフレームの一方の間は切り替え状態で動作し、第1のサブフレームおよび第2のサブフレームの他方の間は非切り替え状態で動作するように制御することにより、眼260は同じ偏光を有する2つの出力光を受信することができる。例えば、最初のサブフレームの間、第2の偏光スイッチ730は、非切り替え状態で動作するようにコントローラ715によって制御されてもよく、それにより、光757の偏光(例えば、RHCP光)を維持し、偏光(例えば、RHCP光)を変化させることなく光757を光757’として眼260に透過させてよい。第2のサブフレームの間、第2の偏光スイッチ730は、切り替え状態で動作するようにコントローラ715によって制御されてもよく、それにより、光758(例えば、LHCP光)の掌性を反対の掌性に切り替え、偏光の掌性が変更された(例えば、RHCP光)光758’として光758を眼260に透過させてよい。したがって、眼260は、異なるサブフレームで同じ偏光を有する2つの出力光757’および758’を受け取ることができる。第1の偏光スイッチ723および第2の偏光スイッチ730を制御することに加えて、コントローラ715は、光源アセンブリ705などの光ガイド表示アセンブリ700に含まれる様々な他の要素を制御してもよい。
【0171】
例示を目的として、
図2A~
図7Bは、光源アセンブリと、眼が、光ガイドまたは光ガイドスタックの反対側に位置することを示している。図示されていないが、いくつかの実施形態では、光源アセンブリと、眼は、光ガイドまたは光ガイドスタックの同じ側に配置されてもよい。様々な実施形態において図示または説明された光ガイドまたは光ガイドスタックおよび光ガイドまたは光ガイドスタックの特徴は、組み合わされてもよい。いくつかの実施形態では、入射結合格子および出射結合格子のすべては、同じタイプの偏光選択格子、例えば透過型PVH格子または反射型PVH格子であってもよい。いくつかの実施形態では、入射結合格子および出射結合格子は、異なるタイプの偏光選択格子を含むことができ、例えば、入射結合格子または出射結合格子の少なくとも1つは、残りの格子とは異なるタイプの格子であってもよい。例えば、
図3に示される実施形態では、入射結合格子(335-1および335-2)および出射結合格子(345-1および345-2)のうちの少なくとも一方は透過型PVH格子であってもよく、残りの格子は反射型PVH格子であってもよい。
図4に示される実施形態では、入射結合格子(435-1および435-2)および出射結合格子(445-1および445-2)のうちの少なくとも一方は反射型PVH格子であってもよく、残りの格子は透過型PVH格子であってもよい。例えば、
図5に示される実施形態では、入射結合格子(535-1および535-2)および出射結合格子(545-1および545-2)のうちの少なくとも一方は透過型PVH格子であってもよく、残りの格子は反射型PVH格子であってもよい。例えば、
図6Aおよび
図6Bに示される実施形態では、入射結合格子(635-1および635-2)および出射結合格子(645-1および645-2)のうちの少なくとも一方は透過型PVH格子であってもよく、残りの格子は反射型PVH格子であってもよい。例えば、
図7Aおよび
図7Bに示される実施形態では、入射結合格子(735-1および735-2)および出射結合格子(745-1および745-2)のうちの少なくとも一方は透過型PVH格子であってもよく、残りの格子は反射型PVH格子であってもよい。
【0172】
いくつかの実施形態では、入射結合格子のグループおよび出射結合格子のグループは、同じ方法で(例えば、光ガイドに並んで配置されるか、または積み重ねられる)、または異なる方法で配置されてもよい。入射結合格子のグループは、出射結合格子と同じ側に配置されていてもよいし、出射結合格子のグループが配置されている側とは異なる側に配置されていてもよい。例えば、
図3に示される実施形態では、入射結合格子のグループ(335-1および335-2)および出射結合格子のグループ(345-1および345-2)の一方は、光ガイド310に並んで配置されてもよく、他方のグループは、光ガイド310に積み重ねられてもよい。例えば、
図4に示される実施形態では、入射結合格子のグループ(435-1および435-2)および出射結合格子のグループ(445-1および445-2)の一方は、光ガイド410に並んで配置されてもよく、他方のグループは、光ガイド410に積み重ねられてもよい。例えば、
図6Aおよび
図6Bに示される実施形態では、入射結合格子のグループ(635-1および635-2)および出射結合格子のグループ(645-1および645-2)の一方は、光ガイド610に並んで配置されてもよく、他方のグループは、光ガイド610に積み重ねられてもよい。
【0173】
いくつかの実施形態では、FOVの2つの異なる部分をそれぞれ送達するための2つの光ガイドを含む
図5に示される光ガイド表示アセンブリ500と同様に、
図4に示される光ガイド表示アセンブリ400は、FOVの2つの異なる部分をそれぞれ送達するための2つの光ガイドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、
図6Aおよび
図6Bに示される光ガイド表示アセンブリ600は、FOVの2つの異なる部分をそれぞれ送達するための2つの光ガイドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、
図7Aおよび
図7Bに示される光ガイド表示アセンブリ700は、各々が完全なFOVに対応する2つの光を時系列的に送達するための1つの光ガイドを含んでもよい。
【0174】
図に示す実施形態のすべては、FOV拡張の原理を説明するための例として、1D FOV拡張を提供するように構成された光ガイド表示アセンブリを示している。2D FOV拡張を達成するために、光ガイド表示アセンブリは、追加の格子を含んでもよい。追加の格子は、FOV拡張の方向がx軸方向(図示の拡張方向に垂直なy軸方向)であり得ることを除いて、図示される格子と同様の機能を実行し得る。
【0175】
例えば、
図3に示される光ガイド表示アセンブリでは、2D FOV拡張を提供するために、2つの追加の出射結合格子が、第1の表面310-1で出射結合格子345-1および345-2と積み重ねられてもよい。いくつかの実施形態では、2つの追加の出射結合格子が互いに積み重ねられ、第1の表面310-1で出射結合格子345-1および345-2のスタックと並んで配置されてもよい。いくつかの実施形態では、2つの追加の出射結合格子が互いに積み重ねられ、第2の表面310-2に(2つの出射結合格子345-1および345-2のスタックに対向して)配置されてもよい。
【0176】
例えば、
図4に示される光ガイド表示アセンブリでは、2D FOV拡張を提供するために、2つの追加の出射結合格子が、2つの出射結合格子445-1および445-2と積み重ねられてもよい。いくつかの実施形態では、2つの追加の出射結合格子が互いに積み重ねられ、(2つの出射結合格子445-1および445-2のスタックに対向して)第1の表面410-1に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、2つの追加の出射結合格子が互いに積み重ねられ、出射結合格子445-1および445-2のスタックと並んで配置されてもよい。いくつかの実施形態では、2つの追加の出射結合格子が第1の表面410-1に並んで配置されてもよい。いくつかの実施形態では、2つの追加の出射結合格子が、出射結合格子445-1および445-4のスタックと第2の表面410-2に並んで配置されてもよい。
【0177】
図5に示される光ガイド表示アセンブリでは、2D FOV拡張を提供するために、追加の出射結合格子が含まれてもよい。追加の出射結合格子は、様々な構成で既存の出射結合格子と組み合わせることができる。例示的な構成を以下に列挙する。構成の他の変形例も使用することができる。いくつかの実施形態では、追加の出射結合格子が出射結合格子545-1と積み重ねられてもよく、追加の出射結合格子が出射結合格子545-2と積み重ねられてもよい。いくつかの実施形態では、追加の出射結合格子が、出射結合格子545-1に対向する第2の表面512-2に配置されてもよく、追加の出射結合格子が、出射結合格子545-2に対向する第2の表面514-2に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、追加の出射結合格子が出射結合格子545-1と並んで配置されてもよく、追加の出射結合格子が第2の表面514-2と並んで配置されてもよい。
【0178】
図6Aおよび
図6Bに示される光ガイド表示アセンブリでは、2D FOV拡張を提供するために、追加の出射結合格子が含まれてもよい。追加の出射結合格子は、
図3に示される光ガイド表示アセンブリに基づく2D FOV拡張に関連して上述したものと同様の様々な構成で既存の出射結合格子と組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、追加の偏光変換要素が含まれてもよい。
【0179】
図7Aおよび
図7Bに示される光ガイド表示アセンブリでは、2D FOV拡張を提供するために、追加の出射結合格子が含まれてもよい。追加の出射結合格子は、
図5に示される光ガイド表示アセンブリに基づく2D FOV拡張に関連して上述したものと同様の様々な構成で既存の出射結合格子と組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、追加の偏光変換要素が含まれてもよい。
【0180】
図8は、本開示の一実施形態による、拡張FOVを提供するための方法800を示すフローチャートである。方法800は、第1の偏光および第1の入力FOVを有する第1の光を第1の内部全反射(「TIR」)伝播光として1つまたは複数の光ガイド内に結合すること(ステップ810)を含んでよい。例えば、第1の入射結合要素は、第1の光を第1のTIR伝播光として1つまたは複数の光ガイド内に結合してよい。方法800はまた、第2の偏光および第2の入力FOVを有する第2の光を第2のTIR伝播光として1つまたは複数の光ガイド内に結合すること(ステップ820)を含んでよい。例えば、第2の入射結合要素は、第2の光を第2のTIR伝播光として1つまたは複数の光ガイドに結合してよい。第1の偏光および第2の偏光は、直交偏光であってもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の光ガイドは、第1の入射結合要素(例えば、第1の入射結合格子)、第2の入射結合要素(例えば、第2の入射結合格子)、および1つまたは複数の出射結合要素(例えば、出射結合格子)と結合された単一の光ガイドを含んでもよい。入射結合格子は、第1の光および第2の光を回折を介して光ガイド内に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の光ガイドは、それぞれが1つまたは複数の入射結合格子および1つまたは複数の出射結合格子と結合された、2つ以上の光ガイド(光ガイドスタックを形成する)を含んでもよい。第1の光は、第1の光ガイドに結合された1つまたは複数の入射結合格子を介して第1の光ガイドに結合されてもよい。第2の光は、第2の光ガイドに結合された1つまたは複数の入射結合格子を介して第2の光ガイドに結合されてもよい。第1の光および第2の光は、同じサブフレーム中(例えば、同時に)または異なるサブフレーム中(例えば、時系列的に)に1つまたは複数の光ガイド内に結合されてもよい。
【0181】
方法800はまた、第1のTIR伝播光を第1の出力FOVに対応する第1の出力光として1つまたは複数の光ガイドから外に結合すること(ステップ830)を含んでもよい。例えば、第1の出射結合要素は、第1のTIR伝播光を第1の出力FOVに対応する第1の出力光として1つまたは複数の光ガイドから外に結合してよい。方法800はまた、第2のTIR伝播光を第2の出力FOVに対応する第2の出力光として1つまたは複数の光ガイドから外に結合すること(ステップ840)を含んでもよい。例えば、1つまたは複数の光ガイドに結合された1つまたは複数の出射結合格子は、第1のTIR伝播光および第2のTIR伝播光を回折を介して、第1の出力FOVに対応する第1の出力光および第2の出力FOVに対応する第2の出力光として1つまたは複数の光ガイドから外に結合してよい。入射結合要素および出射結合要素は、偏光選択性であってよい。例えば、入射結合要素および出射結合要素は、反射型PVH格子または透過型PVH格子を含んでもよい。したがって、異なる偏光(例えば、直交偏光)の光は、異なる入射結合格子を介して光ガイド内に結合され、異なる出射結合格子を介して異なる方向に光ガイドから外に結合されてよい。第1の出力FOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重ならなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVは、実質的に重なり合わない連続したFOV(例えば、0°~+50°、0°~-50°)であってもよい。第1の出力FOVと第2の出力FOVとの組み合わせは、第1の出力FOVおよび第2の出力FOVの各々よりも実質的に大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の出力光の第1の出力FOVと第2の出力光の第2の出力FOVとの組み合わせは、1つまたは複数の光ガイド内に結合された第1の光の第1の入力FOVおよび第2の光の第2の入力FOVよりも実質的に大きくてもよい。
【0182】
方法800は、他の追加のステップまたは他の追加のプロセスを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、方法800は、第1の偏光を有する第1の光を生成することを含んでもよい。例えば、開示された光源アセンブリは、第1の偏光を有する第1の光を生成してよく、第1の光を第1の入射結合要素に向けて出力してよく、入射結合要素は、第1の光を1つまたは複数の光ガイドに結合し得る。方法800はまた、第2の偏光を有する第2の光を生成することを含んでもよい。例えば、開示された光源アセンブリは、第2の偏光を有する第2の光を生成してよく、第2の光を第2の光を1つまたは複数の光ガイド内に結合し得る第2の入射結合要素に出力してよい。第2の偏光は、第1の偏光と直交してもよい。いくつかの実施形態では、第1の光および第2の光の各々は、光源アセンブリによって生成された画像光の所定のFOVの異なる部分に対応してよい。いくつかの実施形態では、第1の光および第2の光の各々は、実質的に全体の(例えば、完全な)所定のFOVに対応してよい。いくつかの実施形態では、方法800は、第1の光および第2の光を生成するようにコントローラによって光源アセンブリを制御することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、方法800は、同じサブフレーム中に(例えば、同時に)第1の光および第2の光を生成するようにコントローラによって光源アセンブリを制御することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、方法800は、表示フレームの2つの連続するサブフレームにおいて時系列的に第1の光および第2の光を生成するように、コントローラによって光源アセンブリを制御することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の光および第2の光が同じサブフレーム中に生成されるとき、第1の光および第2の光は、同じサブフレーム中に1つまたは複数の光ガイド内に結合されてもよく、第1のTIR伝播光および第2のTIR伝播光は、同じサブフレーム中に1つまたは複数の光ガイドから外結合されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の光および第2の光が2つの連続するサブフレーム、例えば第1のサブフレームおよび第2のサブフレーム中に生成されるとき、第1の光は第1のサブフレーム中に1つまたは複数の光ガイド内に結合されてもよく、第1のTIR伝播光は第1のサブフレーム中に1つまたは複数の光ガイドから外に結合されてもよい。第2の光は、第2のサブフレーム中に1つまたは複数の光ガイド内に結合されてもよく、第2のTIR伝播光は、第2のサブフレーム中に1つまたは複数の光ガイドから外に結合されてもよい。
【0183】
この説明のいくつかの部分は、情報に対する動作のアルゴリズムおよび記号表現に関して本開示の実施形態を説明する場合がある。これらの動作は、機能的、計算的、または論理的に説明されているが、コンピュータプログラムまたは同等の電気回路、マイクロコードなどによって実施されてもよい。さらに、一般性を失うことなく、これらの動作の配置をモジュールとして参照することが時には便利であることも証明されている。記載された動作およびそれらに関連するモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせで具現化されてもよい。
【0184】
本明細書に記載されたステップ、動作、またはプロセスのいずれも、単独で、または他のデバイスと組み合わせて、1つまたは複数のハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュールで実行または実施されてよい。一実施形態では、ソフトウェアモジュールは、記載されたステップ、動作、またはプロセスのいずれか、またはそのすべてを実行するためにコンピュータプロセッサによって実行することができるコンピュータプログラムコードを含むコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品で実装される。いくつかの実施形態では、ハードウェアモジュールは、デバイス、システム、光学素子、コントローラ、電気回路、論理ゲートなどのハードウェア構成要素を含んでよい。
【0185】
本開示の実施形態はまた、本明細書の動作を実行するための装置に関してよい。この装置は、特定の目的のために特別に構成されてもよく、および/またはそれは、コンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成される汎用コンピューティングデバイスを含んでもよい。そのようなコンピュータプログラムは、非一時的で有形のコンピュータ可読記憶媒体、またはコンピュータシステムバスに結合され得る電子命令を記憶するのに適した任意の種類の媒体に記憶されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、プログラムコードを記憶することができる任意の媒体、例えば、磁気ディスク、光ディスク、読み出し専用メモリ(「ROM」)、またはランダムアクセスメモリ(「RAM」)、電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ(「EPROM」)、電気的に消去可能なプログラム可能読み出し専用メモリ(「EEPROM」)、レジスタ、ハードディスク、ソリッドステート・ディスク・ドライブ、スマート・メディア・カード(「SMC」)、セキュアデジタルカード(「SD」)、フラッシュカードなどであってもよい。さらに、本明細書に記載された任意のコンピューティングシステムは、単一のプロセッサを含んでもよく、またはコンピューティング能力を高めるために複数のプロセッサを採用してもよい。プロセッサは、中央処理装置(「CPU」)、グラフィックス処理装置(「GPU」)、またはデータを処理し、および/またはデータに基づいて計算を実行するように構成された任意の処理装置であってもよい。プロセッサは、ソフトウェア構成要素とハードウェア構成要素の両方を含み得る。例えば、プロセッサは、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、プログラマブルロジックデバイス(「PLD」)、またはそれらの任意の組み合わせなどのハードウェアコンポーネントを含み得る。PLDは、複合プログラマブルロジックデバイス(「CPLD」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)などであり得る。
【0186】
本開示の実施形態はまた、本明細書に記載される計算プロセスによって生成される製品に関してもよい。そのような製品は、計算プロセスから生じる情報を含んでよく、この場合、情報は、非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体に記憶され、本明細書に記載されるコンピュータプログラム製品または他のデータの組み合わせの任意の実施形態を含んでもよい。
【0187】
さらに、図面に示された実施形態が単一の要素を示す場合、図面には示されていないが本開示の範囲内にある実施形態または別の実施形態は、複数のそのような要素を含む場合があることが理解される。同様に、図面に示された実施形態が複数のそのような要素を示す場合、図面には示されていないが本開示の範囲内にある実施形態または別の実施形態は、1つのそのような要素のみを含んでもよいことを理解されたい。図面に示された要素の数は、例示のみを目的としており、実施形態の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、特に明記しない限り、図面に示される実施形態は相互に排他的ではなく、任意の適切な方法で組み合わされてもよい。例えば、1つの図/実施形態に示されているが別の図/実施形態には示されていない要素は、それにもかかわらず、他の図/実施形態に含まれる場合がある。1つまたは複数の光学層、フィルム、プレート、または要素を含む本明細書に開示される任意の光学デバイスにおいて、図に示される層、フィルム、プレート、または要素の数は、例示のみを目的としている。依然として本開示の範囲内にある、図に示されていない他の実施形態では、同じまたは異なる図/実施形態に示されている同じまたは異なる層、フィルム、プレート、または要素は、スタックを形成するために様々な方法で組み合わされてもよい、繰り返されてもよい。
【0188】
例示的な実装形態を示すために、様々な実施形態が説明されてきた。開示された実施形態に基づいて、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な他の変更、修正、再配置、および置換を行うことができる。よって、上記の実施形態を参照して本開示を詳細に説明してきたが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではない。本開示は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の同等の形態で具体化されてもよい。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲に定義される。
【国際調査報告】