(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-20
(54)【発明の名称】インバータの出力クラスの設定方法およびインバータ
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20230912BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512169
(86)(22)【出願日】2021-08-31
(85)【翻訳文提出日】2023-02-17
(86)【国際出願番号】 EP2021074017
(87)【国際公開番号】W WO2022043582
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】102020122705.1
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】515078095
【氏名又は名称】エスエムエイ ソーラー テクノロジー アクティエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SMA Solar Technology AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィオット,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ティール,ライムント
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA27
5H770CA05
5H770QA40
(57)【要約】
本発明は、インバータ(10)の出力クラスを設定するための方法であって、インバータ(10)は、インバータ(10)に関する情報を含む装置タイププレート(12)を有し、その情報は、装置に固有であり、選択された出力クラスとは無関係であり、それぞれが、複数の出力クラスからの1つの出力クラスに割り当てられ、割り当てられた出力クラスに関する情報を含む、複数の出力クラス固有のクラスプレート(14.1、14.2、14.3、14.4)から選択されたクラスプレート(14)をインバータ(10)は有する、方法に関する。本方法は、装置タイププレート(12)およびクラスプレート(14)の画像を取り込み、画像として取り込まれたデータから装置固有の情報および割り当てられた出力クラスに関する情報を読み取るステップと、割り当てられた出力クラスに関する情報を有する設定手順をインバータ(10)に伝達するステップと、読み取られた情報の認証後、設定手順を用いてインバータ(10)の出力クラスを設定するステップとを含む。本発明はまた、設定可能な出力クラスを有するインバータに関する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバータ(10)の出力クラスを設定するための方法であって、前記インバータ(10)は、前記インバータ(10)の装置固有の情報を含む装置タイププレート(12)を含み、前記情報は、選択された出力クラスとは無関係であり、それぞれが、複数の出力クラスからの1つの出力クラスに割り当てられ、前記割り当てられた出力クラスに関する情報を含む、複数の出力クラス固有のクラスプレート(14.1、14.2、14.3、14.4)から選択されたクラスプレート(14)を前記インバータ(10)は備え、前記方法は、
前記装置タイププレート(12)および前記クラスプレート(14)を画像形式で取り込み、画像として取り込まれた前記データから前記装置固有の情報および前記割り当てられた出力クラスに関する情報を読み取るステップと、
前記割り当てられた出力クラスに関する前記情報を含む設定手順を前記インバータ(10)に伝達するステップと、
前記読み取られた情報の認証後、前記設定手順に基づいて前記インバータ(10)の前記出力クラスを設定するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記画像形式での読み取りの前に、前記複数のクラスプレート(14.1、14.2、14.3、14.4)から前記クラスプレート(14)を選択し、前記クラスプレート(14)を前記インバータ(10)に取り付ける、特に恒久的に取り付ける、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記設定手順は、前記インバータに伝達される前に、前記装置固有の情報および前記割り当てられた出力クラスに関する情報から生成される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記インバータ(10)は、取り付けられたクラスプレート(14)の操作を防止するための構造を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記インバータ(10)の前記出力クラスを設定する前に、前記伝達された設定手順を認証するステップをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記認証するステップは、前記画像形式で取り込みを行っている人物に関する情報を取り込みチェックするステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記認証するステップは、前記インバータ(10)の前記出力クラスを設定するための前提条件があるかどうかをチェックするステップを含む、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記認証するステップは、前記取り込まれた画像内の構造の状態をチェックするステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記認証するステップは、リモートデータ接続(26)を介したデータベース(24)のクエリを含む、請求項5~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
認証が成功した場合、前記設定手順は、認証セクション、インバータ識別セクション、および出力クラスセクションによって前記インバータ(10)に送信され、前記インバータ(10)は、前記出力クラスセクションに含まれる出力クラスが設定される前に、特に恒久的に設定される前に、前記認証セクションおよび前記インバータ識別セクションをチェックする、請求項5~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記画像形式での取り込みと、前記設定手順の送信とが、同一の装置(20)、特にスマートフォンによって行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記設定手順は、前記画像形態での取り込みに使用される装置(20)とは独立した送信手段によって送信される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記設定手順は、前記インバータに伝達される前に暗号化および/または署名されることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記設定手順の伝達は、前記装置固有の情報と前記割り当てられた出力クラスに関する情報の組み合わせが許容される組み合わせであるかどうかをチェックした後に行われる、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
設定可能な出力クラスを有するインバータ(10)であって、前記インバータは、前記インバータ(10)の装置固有の情報を含む装置タイププレート(12)を含み、前記情報は、選択された出力クラスとは無関係であり、それぞれが、複数の出力クラスからの1つの出力クラスに割り当てられ、前記割り当てられた出力クラスに関する情報を含む、複数の出力クラス固有のクラスプレート(14.1、14.2、14.3、14.4)から選択されたクラスプレート(14)を前記インバータ(10)は備え、前記装置タイププレート(12)および前記クラスプレート(14)は、画像形式で読み取り可能であり、前記インバータ(10)は、前記割り当てられた出力クラスに関する情報を有する暗号化および/または署名された設定手順を受信するように構成された受信機(16)を備え、前記インバータ(10)は、前記暗号化された設定手順を解読し、および/または前記署名された設定手順を認証し、前記設定手順に基づいて前記インバータ(10)の前記出力クラスを設定するように構成されたコントローラ(18)を備える、インバータ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータの出力クラスの設定方法およびインバータに関する。
【背景技術】
【0002】
インバータは、DC電圧をAC電圧に、またはその逆に変換するように構成されたパワーエレクトロニクス装置である。特定のタイプのインバータは、通常、様々な出力クラスで入手できる。異なる出力クラスのインバータは、異なる出力用に設計されている。したがって、特定の用途に適した出力を備えたインバータの選択が簡素化される。
【0003】
インバータは、例えば、太陽電池モジュールからのDC電圧を、電力供給グリッドに給電するためのAC電圧に変換することができる。したがって、PVインバータとも呼ばれるインバータは、太陽光発電設備(PV設備)の一部である。この場合、PV設備は複数のPV発電機を有することができる。様々な出力クラスが利用できるため、様々なPV設備および/またはPV発電機に適切な出力を備えたインバータに対する顧客の要件を満たすことができる。
【0004】
しかしながら、生産と部品の調達を簡単に行うために、特定の状況下では、特定のタイプのインバータの様々なバリエーションの最小数が望まれる。したがって、可能な限り多くの出力クラスを選択するという顧客の要求は、効果的な装置の生産と相容れない可能性がある。この問題は、例えば、装置の出力が、生産のできるだけ遅い段階で、または任意選択で設置または試運転中に画定されることにより解決できる。この場合、1つのタイプのインバータは、技術的な観点からは実質的にまたは完全に同一であり、出力設定によって(例えば、ソフトウェアによって)および出力設定に対応するタイププレートによって異なることが可能である。出力の設定とタイププレートの取り付けは、生産の最後に実行できるため、ほとんどの生産ステップはすべての出力クラスで同じように進めることができる。
【0005】
製造業者、卸売業者、および/または設置業者の側で在庫管理のために、装置はさらに様々な出力クラスに存在する場合がある。したがって、技術的に同一である出力クラスによって得られる利点は、主に生産に利用される。この理由は、装置の出力が生産の最後に画定されているためである。出力設定を設置時に先送りにすることは、卸売業者、設置業者、および製造業者にとって物流管理がさらに簡素化されることを意味する。
【0006】
PVインバータの安全基準では、タイププレートに出力とそれに依存する変数(例えば、最大グリッド電流)を指定する必要がある。装置の出力は、設備内の配線およびヒューズの設計に不可欠であり、さらに、グリッドオペレータによって与えられるグリッドへの給電許可の基礎となる。したがって、設置時に出力が画定されている場合でも、タイププレートの出力仕様が装置の実際の出力と一致していることを保証する必要がある。この場合、誤用に対する保護も必要である。
【0007】
文献DE102015101684A1は、変数タイププレートの一部としてRFIDタグを使用することを提案している。出力はRFIDステッカーにエンコードされており、インプリントに対応している。前記ステッカーは、設置時に取り付けられる。インバータにはRFIDリーダが内蔵されており、運転を開始するたびにRFIDステッカーのデータを読み取り、読み取った出力を設定する。これにより、タイププレートに示される出力が装置の実際の出力と一致することが保証される。
【0008】
この方法の欠点の1つは、インバータに統合されたRFIDリーダの技術的な複雑さである。さらに、この技術を使用すると、ハウジングの材料の選択が制限される。RFIDは、無線に基づいており、ハウジングは、RFID通信周波数に対して遮蔽効果を持ってはならない。
【0009】
文献EP3438009A1は、すでにパッケージ化されたインバータが、タイププレートと、設置後にインバータを構成する装置を、パッケージに含むことによって試運転できる方法を開示している。
【0010】
さらに、文献DE102014226620A1は、取り付けられたタイプ識別子がスマートフォンを使用して読み取られ、駆動装置の動作のためにタイプ識別子に固有に割り当てられたパラメータのセットがスマートフォンに伝達される電気油圧駆動装置を開示している。その目的は、パラメータの誤った送信とそれによる損傷を防ぐことである。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、インバータの出力クラスの設定を効率的に処理するという目的に基づいている。
【0012】
この目的は、特許請求項1の構成を有する方法、および特許請求項14の構成を有するインバータによって達成される。好ましい実施形態は、従属特許請求項に明記されている。
【0013】
インバータは、インバータの装置固有の情報を含む装置タイププレートを有し、この情報は、選択した出力クラスとは無関係である。それぞれが、複数の出力クラスからの1つの出力クラスに割り当てられた複数の出力クラス固有のクラスプレートから選択されるクラスプレートをインバータはさらに有する。クラスプレートは、インバータに割り当てられた出力クラスに関する情報を含む。この場合、割り当てられた出力クラスは、インバータが設定されることが意図される出力クラスである。
【0014】
インバータの出力クラスを設定する方法は、
装置タイププレートおよびクラスプレートを画像形式で取り込み、画像として取り込まれたデータから(すなわち、1つまたは複数の取り込まれた画像から)装置固有の情報および割り当てられた出力クラスに関する情報を読み取るステップと、
割り当てられた出力クラスに関する情報を有する設定手順をインバータに伝達するステップと、
読み取られた情報の認証後、設定手順に基づいてインバータの出力クラスを設定するステップとを含む。
【0015】
好ましくは、装置タイププレートおよびクラスプレートは、一緒に(すなわち、1つの光学的記録で)画像形式で取り込まれる。画像の取り込みは、例えばモバイル装置の(例えば、スマートフォンの)カメラによって行うことができる。
【0016】
一実施形態では、インバータは、入力側DC電圧をAC電圧に、またはその逆に変換することを可能にするパワーエレクトロニクススイッチを制御するコントローラを有する。好ましくは、コントローラは、設定手順が受信された後、例えばコントローラのコンピューティング装置上で実行可能なプログラムコードのソフトウェア構成によって、インバータの出力クラスを設定するように構成される。
【0017】
設定手順は、音響的、機械的、光学的、直接電気的、またはその他の手段、特に無線でインバータに伝達することができる。可能な送信手段の例としては、RFID、インバータ内のカメラ、インバータ内のバーコードスキャナ、マイク、振動センサ、フォトダイオード、Bluetooth、WLAN、イーサネット、RS485、USBスティック、メモリカードなどがある。インバータへの設定手順の伝達は、装置固有の情報と割り当てられた出力クラスに関する情報の組み合わせが許容される組み合わせであるかどうかをチェックした後に行うことが好ましい。
【0018】
本発明は、インバータに取り付けられるラベルの独自仕様に標準準拠した方法で設定された出力クラスが対応することを保証するように、インバータが動作可能な複数の出力クラスから選択されたインバータの出力クラスの設定を、設置中に設定すること、特に永続的に設定することを可能にする。これは、インバータ用の2パーツプレートを使用して行われる。2パーツプレートは、一方のパーツとして装置タイププレートを、他方のパーツとしてクラスプレートを備えている。装置タイププレートは、生産中に恒久的に取り付けられることが好ましい。これには、インバータに関するすべての非出力変数情報が、好ましくは人間が読み取り可能な形式(例えば、平文)でも、含まれている。さらに、装置タイププレートは、視覚的に読み取り可能なコード、好ましくはコンピュータによって視覚的に読み取り可能なコード(例えば、装置を識別するQRコードまたはバーコード)を含む。装置の識別は、例えば、シリアル番号および/または型式指定を含むことができる。
【0019】
クラスプレートは、インバータの出力変数情報を含み、好ましくは複数の変形でインバータに含まれる。クラスプレートの情報は、画像形式で(例えば、QRコードの形式で)読み取ることができ、インバータの出力クラスに関する情報を含む。この場合、好ましくは、クラスプレートの出力変数情報はさらに、人間が読み取り可能な形式(例えば、平文)でも存在する。
【0020】
クラスプレートは、設置中にインバータに取り付けることが好ましい。一実施形態では、画像形式での読み出しの前に、複数のクラスプレートからクラスプレートを選択し、クラスプレートをインバータに取り付ける(特に、恒久的に取り付ける)ことができる。選択および取り付けのこれらのステップは、例えば、インバータの設置中、および設置業者によるその試運転の前に行うことができる。クラスプレートは、例えば、クラスプレートを貼り付けることによって、取り付けることができる。恒久的な取り付けとは、プレートが破壊されずに再び取り外すことができないことを意味すると理解される。
【0021】
この方法は、特定の出力を指定するクラスプレートを含むラベルを有するインバータが実際にこの出力に適合することを保証することができる。提案されたソリューションは、タイププレートの出力が実際の出力と一致することをより良く保証するため、設置業者が実行する設定よりも安全である。設置業者が誤ったステッカーを取り付けて、規範的に承認されていない装置を誤って生産してしまうという状況が回避される。さらに、インバータが属する可能性のあるPV設備が、グリッドオペレータによって登録された仕様と一致することを保証できる場合がある。
【0022】
画像形式で読み出された情報は、インバータの出力クラスが設定される前に、本発明に従って認証される。この文脈では、認証とは、中身の正しい出所および/または正しさがチェックされることを意味する。認証は、暗号化方法によって(例えば、アプリによって、画像形式で読み取られた情報の署名をチェックすることによって)チェックすることができる。一例として、認証後にのみ設定手順を生成することが可能である。認証は、任意選択で、画像形式で取り込まれた情報が、例えば、データベースクエリによってチェックされ得る、リモートデータ接続を介したデータベースのクエリを含むことができる。データベースは、特に、装置固有の情報と割り当てられた出力クラスに関する情報の許容可能な組み合わせのリストを有することができるため、タイププレートとクラスプレートの許容できない組み合わせを確実に認識することができ、この場合、設定手順は生成されない。
【0023】
設定手順は、装置タイププレートおよびクラスプレートから推定できない(または、直接推定できない)追加のセキュリティ機能を有することが好ましい。インバータはこれらのセキュリティ機能をチェックできることが好ましい。セキュリティ機能は、例えば認証に使用でき、例えば暗号化および/または署名を含むことができる。これにより、セキュリティがさらに向上する。
【0024】
認証が成功した場合、設定手順は、認証セクション、インバータ識別セクション、および出力クラスセクションによってインバータに送信することができ、インバータは、出力クラスセクションに含まれる出力クラスが設定される前に、特に恒久的に設定される前に、認証セクションおよびインバータ識別セクションをチェックする。この場合、認証セクションは、特に、インバータによってチェックされる署名を含むことができる。
【0025】
一実施形態では、設定手順は、インバータに伝達される前に、装置固有の情報および割り当てられた出力クラスに関する情報から生成される。生成は、例えば、装置タイププレートとクラスプレートを画像形式で取り込むために使用される同じ装置上で行うことができる。代替的または追加的に、設定手順は、リモートデータ接続を介して(例えば、インターネットおよび/または移動無線を介して)、画像の取り込みを実行するために使用される装置と通信関係がある制御センターで生成することができる。制御センターは、例えば、インバータの製造業者によって運営され、好ましくはデータベースを有するコンピューティングセンターとすることができ、例えば、クラウド内に配置される。1つの開発では、モバイル装置(例えば、スマートフォン)は、データを伝達でき、制御センターで、例えば非公開の秘密の知識に基づいて、暗号化および/または署名された装置固有の設定手順を生成できる。好ましくは、制御センターの施設へのアクセスは、以前に確認された身元と許可の後にのみ可能である。代替的または追加的に、暗号化および/または署名された設定手順は、モバイル装置上で直接生成することができる。
【0026】
一実施形態では、インバータは、取り付けられたクラスプレートの操作を防止するための構造を備える。これは、例えば、クラスプレートがインバータに機械的に取り付けられ、その取り外しが、視覚的な損傷を引き起こすようにすることによって達成できる。したがって、操作は認識可能である。そのような機械的取り付けは、例えば、取り外し不可能なラッチフックを使用して行うことができる。また、すべての出力クラスに関する仕様が装置タイププレートに既に記載されており、適用されないものは、例えば所定の破断点で破断されることによって削除されているという事実によっても達成できる。また、すべての出力クラスに関する仕様が装置タイププレートに既に記載されており、適用されないものは、例えば取り外し不可能なラッチフックでプレートを覆うことによって覆われているという事実によっても達成できる。
【0027】
有利なことに、画像形式での取り込みは、暗号機能を備えたモバイル装置で行われる。これは、例えばアプリと暗号化を備えたスマートフォンを使用して、実現できる。その結果、例えば、各国のように、インバータに関する要件およびグリッドアクセスのコストがインバータの出力とともに増加する場合、誤使用を防止することが可能である。さらに、許可されていない出力増加を防止することができる。特に、グリッドオペレータによる設置の承認後に出力の許可されていない増加を防止することを目的としている。
【0028】
一実施形態では、インバータが設置され、クラスプレートが取り付けられた後、設置業者は、例えば、スマートフォンのカメラを使用して、アプリで装置タイププレートおよびクラスプレートのコードをスキャンする。アプリは、タイププレートの両方のパーツが存在し、互いに対して正しい位置にあることをチェックする。一実施形態では、装置タイププレート上のインバータタイプに関する情報とクラスプレート上の出力クラスに関する情報から、アプリは暗号化された安全な設定手順を生成することができ、これは、インバータの電源を起動する目的で、インバータによって有効性がチェック可能であり、これをインバータに送信する。インバータはこの設定手順をチェックし、チェックが成功した場合に対応する出力を設定する。好ましくは、出力は恒久的に設定され、これはユーザーまたは設置作業者ではなく、製造業者のみが再度変更できることを意味する。これにより、プレート上の出力がインバータの実際の出力に対応していることを保証できる。
【0029】
好ましい一実施形態では、インバータは、設定手順の送信者に、出力の設定が成功したことを報告する。同様に、出力が正常に設定されなかったという事実を報告することもでき、その場合、適切な場合は、成功しなかった理由を追加で伝達することができる。
【0030】
本発明の好ましい一実施形態では、画像形式での取り込みと設定手順の送信は、同一の装置、特にモバイル装置、好ましくはスマートフォンによって行われる。その結果、容易な取り扱い性が保証される。
【0031】
一実施形態は、取り込まれた画像内の操作を防止するために構造の状態をチェックすることを含むことができる。一例として、インバータに取り付けられたクラスプレートの操作を防止するための構造は、モバイル装置で認識できる。例として、不正に取り付けられたクラスプレートを認識するように、例えば、インバータの上記の機械的対策によって、操作に対して保護されたアプリを設計できる。例として、取り込まれた画像内の構造の状態をチェックすることによって、操作が行われたことが明らかになった場合、設定手順の生成を省略することができる。
【0032】
一実施形態では、認証は、画像形式での取り込みを行っている人物に関する情報を取り込み、チェックすることを含むことができる。例として、実行者に関する情報を取り込み、その人物が許可されているかどうかをはっきりさせるためにチェックを行うことができる。実行者に関する情報は、例えば人物の画像の取り込み、または、例えば許可カードの読み取りとすることができる。例として、設定手順の生成は、それに関連付けることができ、人物が許可された人物として識別された場合にのみ行われる。
【0033】
一実施形態では、認証は、インバータの出力クラスを設定するための前提条件があるかどうかをチェックすることを含むことができる。設定手順の生成は、契約関係の検証後にのみ行われることが有利である。このような検証は、リモートデータベースのクエリによって行うことができ、例えば、支払いが行われること、有効なフレームワーク契約が存在すること、アクティベーションのための許可が存在することが含まれる。検証のために、この情報は、要求主体に関する情報(例えば、PV設備の身元、要求主体の役割、および/またはその身元等)とリンクさせることができる。特に、設定される出力クラスが、注文して支払ったものに対応しているかどうかチェックすることもできる。データベースを備えた制御センターでの設定手順の生成中に、設定された出力の支払いをチェックできる。インバータの価格が出力と設定された出力の支払いに依存する場合、これは、それを有効にする前、かつ設定コードを生成する前にチェックすることができる。この目的のために、別のコードを使用することができ、別のコードは、例えばリモートデータ送信を介して、制御センターによってインバータに伝達される。これはすべて、装置固有の情報と割り当てられた出力クラスに関する情報の組み合わせの許容性のチェックに関連して、同時にチェックできる。この方法の一変形例では、設定手順の生成時に、支払い手順を自動的に開始することもでき、価格は設定手順に含まれる出力クラスに対応する。
【0034】
この方法により、生産後およびインバータの設置中に、費用対効果が高く安全な出力設定が可能になる。このようにして物流管理を簡素化することができる。
【0035】
1つの開発では、安全性をさらに高めるために、出力クラスの設定なしではインバータが電力を出力しないようにすることができる。
【0036】
さらなる一実施形態では、出力クラスの設定後、出力クラスは設置業者によって後で変更することができず、むしろ、例えばインバータの製造業者のみによって変更することができることが有利である。
【0037】
一実施形態では、設定手順は、例えばリモートデータ通信を介して制御センターからインバータへ、画像形式で取り込むために使用される装置とは独立した送信手段によって送信することができる。
【0038】
好ましい一実施形態では、設定手順は、インバータに伝達される前に、秘密性を確保するために暗号化される、および/または真正性を確保するために署名される。その結果、インバータは伝達された設定手順の認証を行う。結果として達成されることは、出力クラスの設定のために想定されたインバータによってのみ設定手順が受け入れられることである。
【0039】
設定可能な出力クラスを有するインバータは、インバータの装置固有の情報を含む装置タイププレートを有し、その情報は、出力クラスとは無関係である。それぞれが、複数の出力クラスからの1つの出力クラスに割り当てられ、割り当てられた出力クラスに関する情報を含む、複数の出力クラス固有のクラスプレートから選択されたクラスプレートをインバータはさらに有する。好ましくは、装置タイププレートおよびクラスプレートは、それらが画像形式で一緒に読み取り可能となるようにインバータ上に配置される。インバータは、割り当てられた出力クラスに関する情報を有する暗号化および/または署名された設定手順を受信するように構成された受信機をさらに有する。インバータのコントローラは、暗号化された設定手順を解読し、および/または署名された設定手順を認証し、設定手順に基づいてインバータの出力クラスを設定するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明は、図に示された例示的な実施形態に基づいて、以下でさらに詳細に記載および説明される。
【0041】
【
図1】
図1は、インバータの出力クラスを設定する方法を概略的に示す。
【
図2】
図2は、モバイル装置を備えたインバータを概略的に示す。
【
図3】
図3は、装置タイププレートと複数のクラスプレートを模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、インバータの出力クラスを設定する方法のステップを概略的に示している。
【0043】
ステップS1では、クラスプレート14(
図2)が、複数のクラスプレート14.1、14.2、14.3、14.4(
図2)から選択され、インバータ10(
図2)に取り付けられる。
【0044】
ステップS2では、インバータ10に取り付けられた装置タイププレート12(
図2)およびクラスプレート14(
図2)が画像形式で取り込まれ、装置固有の情報および割り当てられた出力クラスに関する情報が、取り込まれたデータ、つまり1つまたは複数の取り込まれた画像から読み取られる。
【0045】
ステップS3では、読み取った情報を認証する。この場合、認証は、好ましくは、インバータ10の出力クラスを設定するための前提条件があるかどうかをチェックすることを含む。このチェックには、例えば、リモートデータ送信26を介して、インバータから離れて配置されたデータベース24にクエリすることが含まれる。例として、データベースクエリは、クラスプレート14で指定された出力クラスに対しても支払いが行われたかどうかを判断することができる。
【0046】
ステップS4では、設定手順がインバータ10に伝達され、設定手順は、インバータ10に割り当てられ、設定されることが意図されている出力クラスに関する情報を有する。
【0047】
ステップS5では、設定手順に基づいてインバータ10の出力クラスを設定する。
【0048】
図2は、設定可能な出力クラスを有するインバータ10を概略的に示す。インバータ10は、インバータ10の装置特有の情報を含む装置タイププレート12を有し、この情報は出力クラスとは無関係である。それぞれが、複数の出力クラスからの1つの出力クラスに割り当てられ、割り当てられた出力クラスに関する情報を含む、複数の出力クラス固有のクラスプレート14.1、14.2、14.3、14.4(
図3)から選択されたクラスプレート14をインバータ(10)はさらに有する。インバータ10の装置タイププレート12およびクラスプレート14は、画像形式で読み取り可能である。装置タイププレートの情報は、好ましくは、プレート12、14上に機械可読画像コード(例えば、バーコードまたはQRコードなど)の形式で取り付けられる。代替的または追加的に、同じ情報を人間が読み取り可能な形式でプレートに取り付けることができる。
【0049】
好ましくは、装置タイププレート12およびクラスプレート14は、それらが画像形式で一緒に読み取り可能となるように、インバータ10上に配置される。インバータ10は、割り当てられた出力クラスに関する情報を有する暗号化および/または署名された設定手順を受信するように構成された受信機16を有する。インバータ10は、暗号化された設定手順を解読し、および/または署名された設定手順を認証し、設定手順に基づいてインバータ10の出力クラスを設定するように構成されたコントローラ18を有する。
【0050】
モバイル装置20は、装置タイププレート12およびクラスプレート14を画像形式で取り込むように、好ましくはそれらを一緒に画像形式で取り込むように構成されたカメラ22を有する。この目的のために、コード(例えば、バーコードおよび/またはQRコードなど)を読み取ることができる。代替的または追加的に、人間が読み取り可能な情報を取り込むことができ、プログラムされた回路によって(例えば、モバイル装置20のアプリによって)取り込むことができる。その一例は、テキスト認識のためのOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)である。
【0051】
モバイル装置は、リモートデータ接続26(例えば、移動無線および/またはインターネット)を介してデータベース24に接続される。データベースを使用して、例えば、画像形式で取り込まれた情報を認証して検証することができる。
【0052】
図3は、装置タイププレート12およびクラスプレート14を概略的に示しており、例えば、インバータ10上などに配置することができる。それらが図示のように配置されている場合、それらは画像形式で一緒に読み取ることができ、これにより方法が加速され、方法の安全性がさらに高まる。装置タイププレート12は、インバータ10の装置特有の情報を含み、この情報は出力クラスとは無関係である。方法(
図1)のステップS1において、クラスプレート14は、複数のクラスプレート14.1、14.2、14.3、14.4から選択される。クラスプレート14.1、14.2、14.3、14.4のそれぞれは、出力クラス固有である、すなわち、インバータ10を設定できる出力クラスにそれぞれ割り当てられる。好ましくは、インバータ10は、設定可能な各出力クラスに対して割り当てられたクラスプレート14.1、14.2、14.3、14.4を有する。好ましくは、複数のクラスプレート14.1、14.2、14.3、14.4は、インバータの配送内容物に同封され、設置中に、設定される出力クラスに対応するクラスプレートを選択してインバータ10に取り付けることができる。
【国際調査報告】