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特表2023-539860X線画像用イメージングプレートの蓄積機能を決定する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-20
(54)【発明の名称】X線画像用イメージングプレートの蓄積機能を決定する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20230912BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230912BHJP
   G16H 30/20 20180101ALI20230912BHJP
   A61B 6/14 20060101ALN20230912BHJP
【FI】
A61B6/00 300T
G06T7/00 612
A61B6/00 350A
G16H30/20
A61B6/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513349
(86)(22)【出願日】2021-08-09
(85)【翻訳文提出日】2023-02-24
(86)【国際出願番号】 DE2021100678
(87)【国際公開番号】W WO2022042794
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】102020122196.7
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507063595
【氏名又は名称】デュール デンタル ソシエタス オイロペア
【氏名又は名称原語表記】DUERR DENTAL SE
【住所又は居所原語表記】Hoepfigheimer Str. 17, 74321 Bietigheim-Bissingen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ハック
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ラディコス
(72)【発明者】
【氏名】ジーモン ヤゴダ
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ヴィーチョレク
【テーマコード(参考)】
4C093
5L096
5L099
【Fターム(参考)】
4C093AA03
4C093AA28
4C093CA35
4C093CA41
4C093DA05
4C093FD03
4C093FD09
4C093FF16
4C093FF19
4C093FF28
4C093FH02
4C093FH03
4C093GA05
5L096BA06
5L096BA13
5L096EA18
5L096FA34
5L096GA51
5L099AA26
(57)【要約】
本発明は、X線イメージングプレートの蓄積の質を決定する方法に関し、この方法は、イメージングプレートの多数のデジタルX線画像を提供するステップ;関連する画像領域に対するX線画像に相互相関演算を実行するステップ;相関値から特徴画像を作成するステップ;特徴画像のピクセルの機能を、その相関値が相関閾値を上回る、このピクセルの周囲にあるピクセルの数に基づいて分類するステップを有している。さらに、本発明は、このための装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線イメージングプレートの蓄積機能を決定する方法であって、
前記方法は、
a)前記イメージングプレートの多数のデジタルX線画像を提供するステップ(S11);
b)関連する画像領域に対する前記X線画像に相互相関演算を実行するステップ(S12);
c)前記相関値から特徴画像を作成するステップ(S13);
d)特徴画像のピクセルの前記蓄積機能を、前記ピクセルの周囲にある他のピクセルの前記相関値に基づいて分類するステップ(S14)
を有している、
方法。
【請求項2】
その相関値が相関閾値を上回る、周囲のピクセルのみを前記分類するステップにおいて使用する(S37)、請求項1記載の方法。
【請求項3】
X線画像(10)と、同じ前記イメージングプレートの残りのX線画像(10)との間で、前記相互相関演算を対で、好ましくは少なくとも10枚の先行するX線画像(10)、特に好ましくは少なくとも20枚の先行するX線画像(10)、特に少なくとも30枚の先行するX線画像(10)で実行するステップを有している、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記相互相関演算の実行の前に、デジタルX線画像に対してアライメント識別または/および縁部識別を実行するステップ(S34)を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記デジタルX線画像は有用なデータを有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記相互相関演算を局所的に正規化する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記ピクセルの周囲は、一辺の長さが10μm~1000μmの間、好ましくは200μm~500μmの間、特に好ましくは400μmの正方形である、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
その相関値が前記相関閾値を上回る、前記周囲のピクセルの数が閾値を上回る場合、前記ピクセルの前記蓄積機能を欠陥があると分類する(S38)、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記閾値は25%である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記X線画像の前記関連する画像領域は、アライメントマーキングまたは/および前記イメージングプレートの縁部を除外する(S33)、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記分類するステップにおいて、X線画像の記録日を考慮する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
X線画像用イメージングプレートの蓄積能力を決定する装置であって、
前記装置は、
a)露光されたイメージングプレートを読み出すためのイメージングプレートリーダと
b)請求項1から11までのいずれか1項記載の方法を実施するように構成されている制御機器と
を有している、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、X線画像用イメージングプレートの蓄積機能を決定する方法に関する。
【0002】
2.先行技術の説明
X線技術、特に歯科用X線技術では今日、X線画像を記録するためにイメージングプレートがよく使用される。これらのイメージングプレートは、透明な行列に埋め込まれている蛍光体材料を含んでいる。これによって、入射X線光によって、励起された準安定状態にされる蓄積センタが生じる。このようなイメージングプレートがX線機器を使用して露光されると、イメージングプレートは、励起された蓄積センタおよび励起されていない蓄積センタの形で潜像を含む。
【0003】
イメージングプレートを読み出すために、イメージングプレートは走査装置内で、読み出し光を用いて点ごとに走査され、この結果、励起された蓄積センタの準安定状態が蛍光の放出のもとで緩和する。この蛍光は、検出器ユニットを使用して検出可能であるので、相応の評価電子機器を使用して、デジタルX線画像が得られる。たとえば、読み出しプロセスにはドラムスキャナまたはフラットベッドスキャナが使用される。
【0004】
イメージングプレート技術の大きな利点は、イメージングプレートを再利用できることである。プレートに蓄積された画像情報がいずれにせよ消去される読み出しの後、イメージングプレートを、後続の記録プロセスおよび蓄積プロセスに使用することができる。この際にはさまざまなエージングプロセスによって、再利用性が制限される。一方では、局所的な蓄積センタが時間の経過とともに発生することがあり、このような蓄積センタはもはや励起可能ではなく、したがってX線画像において暗いままである。他方では、実際の動作において、機械的な負荷によっても、イメージングプレートの表面に引っかき傷または点状の損傷が残ることがある。
【0005】
したがって、イメージングプレートの蓄積機能を評価できることが望ましい。たとえば、イメージングプレートを眼で見て、引っかき傷またはその他の損傷がないかに関して表面を調べ、相応に分類することができる。さらに、このイメージングプレートによって行われた記録の数または読み出しプロセスの数をカウントすることができる。もう1つの要因として、製造日に基づくイメージングプレートの耐用年数を考慮することができる。しかしこれらの措置では、イメージングプレートの実際の蓄積機能について、信頼できる言明を出すことはできない。
【0006】
発明の概要
本発明の課題は、上述の欠点を回避し、特にイメージングプレートの蓄積機能および蓄積の質についての正確な言明を可能にする、X線イメージングプレートの蓄積機能を決定する方法を提供することである。
【0007】
上述の課題は、独立請求項による、X線フィルムの蓄積機能を決定する方法によって解決される。本発明による方法は、以下のステップを有する:
【0008】
イメージングプレートの多数のデジタルX線画像を提供するステップ;関連する画像領域に対するX線画像に相互相関演算を実行するステップ;相関値から特徴画像を作成するステップ;特徴画像のピクセルの蓄積機能を、このピクセルの周囲にある他のピクセルの相関値に基づいて分類するステップ。
【0009】
発明者らは、同一のイメージングプレートによって作成されたX線画像の分析が、イメージングプレートの蓄積機能および蓄積の質を決定するための良好な基礎を形成することに気づいた。蓄積機能の低下の原因となり得るイメージングプレートの欠陥の位置は固定されている。個々のX線画像の純粋にピクセルベースの比較は、一般に、このような位置固定された構造体の識別には効果的ではない。同一の読み出し装置によって同一のイメージングプレートを読み出す場合でも、たとえば読み出しプロセス中のイメージングプレートの異なる曲率によって、ピクセルレベルで異なっているX線画像が生じる可能性がある。さらに、さまざまなX線画像(たとえば臼歯のX線記録)は、ピクセルレベルでの1対1の比較の際に、特定の領域において、常に類似の構造体を有することがある。このピクセルに実際に常に構造体が画像化されていることに基づく推論なのではあるが、これによって、誤判定、すなわちピクセルが変更不可能であり、したがってもはや使用することができないとの誤判定が生じるだろう。
【0010】
それにもかかわらず、X線イメージングプレートの蓄積機能を決定するために、存在する異なるデジタルX線画像間での相互相関演算が本発明にしたがって実行される。ここで、相関演算が関連する画像領域に対してのみ実行され、アライメントのためのイメージングプレートのマーキングまたは/および同様にX線画像において画像化される可能性があるイメージングプレート縁部などの無関係な画像領域が演算から除外されるのは有利である。
【0011】
相互相関演算は相関値を提供し、これらの相関値を組み合わせて、同様に画像を形成することができる。相関値からなる画像は特徴画像と称される。なぜなら、これは、相関演算に基づいて、ベースとなるイメージングプレートの特徴を明らかにするからである。このようにして、とりわけ、考慮されている2つのX線画像上で同じまたは非常に類似しており、したがっておそらくイメージングプレートの特徴であり、画像化された構造体ではない特徴が画像化される。
【0012】
ここで、このような特徴画像のピクセルが、自身の蓄積機能または蓄積能力に関して分類され得る。このために、その周囲にあるピクセルの相関値が考慮される。周囲のピクセルの相関度合いのレベルに基づいて、考慮されているピクセルが高度に相関しているか否かを決定することができる。このような場合には、その蓄積機能は欠陥を有していると分類される。
【0013】
この方法の好ましい実施形態では、その相関値が相関閾値を上回る、周囲のピクセルのみが分類するステップにおいて使用される。すなわち、周囲のピクセルと比較される相関閾値が定義される。次いで、好ましくは、その相関値がこの相関閾値を上回るピクセルのみが分類に使用される。
【0014】
択一的または付加的に、平均相関値を周囲のピクセルに対して計算することができる。この平均相関値を、同様に、相関閾値と比較することができる。
【0015】
好ましくは相互相関演算は、X線画像と、同一のイメージングプレートの残りの提供されたX線画像との間で、対で実行される。したがって、提供されたn個のX線画像に対して1/2n(n-1)回の相互相関演算を行うことができる。これによって、1/2n(n-1)個の特徴画像が得られる。この相互相関演算を、少なくとも10枚、好ましくは少なくとも20枚、特に好ましくは少なくとも30枚のX線画像に対して行うことが好ましい。
【0016】
相互相関演算では、相関を、たとえば、画像全体の小さなセクションに対して計算することができる。ここでは相関フィールドと称されるこのセクションは、引っかき傷などの典型的な損傷を確実に識別することができる程度に、小さく選択される。25s/蓄積センタもしくはピクセルあたりの典型的な比率では、一辺の長さが400μmまたは16ピクセルであると有利である。
【0017】
この相関フィールドは、好ましくは、相互相関の計算のために、ピクセルごとにシフトされ、相関計算が毎回実行される。
【0018】
この方法を改善するために、好ましくは、相互相関演算が実行される前に、デジタルX線画像に対してアライメント識別または/および縁部識別を実行することができる。これによって特徴画像のコントラストが向上する。
【0019】
特に好ましくは、デジタルX線画像は有用なデータを有している。すなわち、X線イメージングプレートの蓄積機能を確定するために、このX線イメージングプレートにおいて、空の露光などを実行する必要はない。むしろ、動作中に、同一のイメージングプレートの記録されたデジタルX線画像に基づいて、いわばバックグラウンドにおいて、イメージングプレートの蓄積機能を監視および分析することができる。すなわち、特定の記録パラメータを使用する必要も、蓄積機能を決定する目的で意図された特別なX線画像をイメージングプレートによって記録する必要もない。同一のイメージングプレートによって生成されたX線画像プール全体またはその一部、たとえば、最後の30回の記録または過去X日間の記録を分析に提供するだけでよい。
【0020】
具体的には、相互相関演算は、たとえばLNCC(LNCC = Locally Normalized Cross Correlation)アルゴリズムを使用する、局所的に正規化された計算であることが好ましい。
【0021】
分類のために考慮されるピクセルの周囲は、一辺の長さが10μm~1000μmの間、好ましくは200μm~500μmの間、特に好ましくは400μmの正方形であることが好ましい。
【0022】
この方法の発展形態では、その相関値が相関閾値を上回る、周囲のピクセルの数が最大数以上である場合、このピクセルの蓄積機能は欠陥があると分類される。この最大数は、好ましくは、分析フィールド内のすべてのピクセルの25%である。すなわち、考慮されているピクセルの周囲にあるすべてのピクセルの25%で、相関値が相関閾値を上回っている場合、このピクセルの蓄積機能は欠陥があると分類される。
【0023】
相互相関演算が実行される関連する画像領域は、たとえば、場合によってはX線画像上で識別可能な、アライメントマーキングまたは/およびイメージングプレートの縁部などの、イメージングプレート上のマーキングを除外する。
【0024】
さらに、ピクセルの蓄積能力の分類時に、X線画像の記録日を、分類するステップの際に考慮することができる。
【0025】
上述の課題はさらに、X線画像用イメージングプレートの蓄積能力を決定する装置によって解決される。本発明による装置は、露光されたイメージングプレートを読み出すためのイメージングプレートリーダと、上述の方法を実施するように構成されている制御機器とを有している。
【0026】
以降で本発明の実施例を、図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】第1の実施形態を示す図である。
図2】適切なX線画像の作成を示す図である。
図3】第2の実施形態を示す図である。
図4】第2の実施形態の第1の部分を示す図である。
図5】第2の実施形態の第2の部分を示す図である。
【0028】
好ましい実施例の説明
図1は、本発明による方法の第1の実施形態を示す図である。
【0029】
第1のステップ(S11)において、イメージングプレートの多数のデジタルX線画像が提供される。X線画像は、同一のイメージングプレートから取得される。これは、各X線画像が物理的に同一のイメージングプレートから取得されることを意味する。このようにして、プレート上またはプレート中の欠陥の存在の可能性を識別することができる。多数のX線画像は、たとえば、実際の有用なデータを含んでいる最後の10回、20回または30回の記録であり得る。しかし、原則として、存在しているX線画像から任意の各サブセットが形成されてよい。有用なデータは、たとえば、通常の診断目的で、イメージングプレートを使用することから生じ得る。この提供ステップは、たとえば、イメージングプレートに割り当てられている一意の識別子に基づいて、このイメージングプレートに属するX線画像を多数のX線画像からフィルタリングすることを含んでいてよい。イメージングプレートは、たとえば、一意の識別番号が格納されているRFIDタグを有していてよい。イメージングプレートリーダを使用してイメージングプレートを読み出す場合、この識別番号を照会し、(たとえばメタデータにおける)X線画像に追加し、これと一緒に格納することができる。
【0030】
付加的または択一的に、この提供ステップは、同一のイメージングプレートのX線画像の記録日にしたがってフィルタリングすることを含んでいてよい。
【0031】
さらなるステップ(S12)において、相互相関アルゴリズムが、関連する画像領域に対する提供されたX線画像に適用される。関連する画像領域は、相互相関アルゴリズムが適用される前にすでに、提供されているX線画像から選択されていてよい。相互相関アルゴリズムを適用する場合、X線画像は自身の相関に関して、対でチェックされる。
【0032】
さらなるステップ(S13)において、相互相関アルゴリズムから得られた相関値を用いて特徴画像が作成される。この特徴画像では、有用なデータからの特徴ではなく、イメージングプレートの蓄積機能を反映している特徴が識別可能である。
【0033】
ピクセルまたは画像領域全体を、それらの蓄積機能に関して特徴付けるために、X線画像のピクセルの周囲が、さらなるステップ(S14)において考慮される。ここでは、調べられたピクセルを囲むピクセルの相関値を使用して、調べられたピクセルの蓄積機能を推測することができ、その蓄積機能を特徴付けるもしくは分類することができる。たとえば、個々の相関値またはすべての相関値が特定の閾値を上回る場合、調べられたピクセルの蓄積機能は、相応に、「存在しない」または「欠陥がある」と分類され得る。択一的または付加的に、相関閾値に達している、または相関閾値を上回るピクセルの数を考慮することができる。たとえば、周囲のピクセルの特定のパーセンテージが特定の閾値を上回る場合、調べられたピクセルの蓄積機能は「存在しない」または「欠陥がある」と特徴付けされ得る。
【0034】
図2は、イメージングプレートの蓄積機能を調べるために必要なX線画像を作成するプロセスを示す図である。
【0035】
第1のステップ(S21)において、X線記録装置を使用してイメージングプレートが露光される。これは、これ以上説明する必要のない一般的なプロセスである。
【0036】
さらなるステップ(S22)において、走査装置を使用してイメージングプレートが読み出される。これによって、デジタルX線画像が作成される。詳細に説明したように、読み出しプロセス中に、蓄積センタの準安定状態が読み出し光によって励起され、蛍光の放出のもとで緩和が生じる。
【0037】
同時に、これに前後して、イメージングプレートに一意に割り当てられる識別子を取得するために、イメージングプレートに取り付けられたRFIDタグが読み出される(S23)。
【0038】
次いで(S24)、デジタルX線画像が、イメージングプレートの一意の識別子と関連付けされ、蓄積場所に格納される。ここでX線画像をすでに、イメージングプレートにしたがって分類して格納することができる。択一的に、X線画像をすでに、各記録日にしたがって事前に分類することもできる。
【0039】
図3は、本発明による方法の第2の実施形態を示す図である。
【0040】
第1のステップ(S31)において、同一のイメージングプレートのn個のX線画像を提供するために、X線画像が格納されている蓄積場所にアクセスする。X線画像と関連付けられている識別子に基づいて、同一のイメージングプレートのX線画像が選択される。たとえば、イメージングプレートに一意に割り当て可能な識別子が、X線画像ファイル、たとえばメタデータに埋め込まれていてよい。n個のX線画像の選択は、一般に、特定の数、たとえば10回、20回または30回の、最後に、同一のイメージングプレートで行われたX線記録を含んでいる。
【0041】
さらなるステップ(S32)において、X線画像がアライメントされる。このために、たとえば、X線画像において識別可能なアライメントマーキングを、最初の大まかなアライメントに使用することができ、X線画像において識別可能なX線フィルムの縁部を微細なアライメントのために使用することができる。
【0042】
分析のためにX線画像の画像コンテンツをより適切に準備するために、分析に使用できない画像コンテンツが、さらなるステップ(S33)においてマスキングされる。これはたとえば、上述のアライメントマーキング、イメージングプレートの縁部またはイメージングプレートと固定的に関連付けられている他の画像コンテンツであり得る。次に、マスキングされた画像コンテンツを除いて、関連する画像コンテンツに対してさらなる分析が行われる。
【0043】
さらなるステップ(S34)において、画像コンテンツの信号対雑音比を改善するために、マスキングされたX線画像に対して縁部識別が実行される。
【0044】
このようにして準備されたX線画像に対して相互相関演算が行われる(S35)。
【0045】
これは、図4にも示されている。
【0046】
ここではまず、フィールド12内の平均値miおよび標準偏差siが、n個のX線画像10のそれぞれに対して計算される。ここで相関フィールド12と定義されるフィールド12は、X線画像自体よりも小さいX線画像10の一部を含んでいる。好ましくは相関フィールド12のサイズは、イメージングプレートの生じ得る損傷の寸法に合わされている。これは、生じ得る損傷が依然として識別可能なままである程度に、相関フィールド12が小さくなければならないことを意味しているべきである。同時に、相関フィールド12は、特定の数の蓄積センタもしくはピクセルにわたって平均化が行われる程度の大きさを有しているべきである。たとえば、このような相関フィールドの寸法は、100μm×100μm、すなわち、たとえば4ピクセル×4ピクセルであり得る。
【0047】
相関フィールド12は、X線画像全体にわたってピクセルごとにシフトされ(S351)、相関フィールド12の各位置に対して、平均値miが計算され(S352)、標準偏差siが計算される(S353)。このような計算から、元の画像とほぼ同じサイズの値の行列が得られる。画像の中央領域において、フィールド位置は各ピクセルに対応するが、画像の縁部では、相関フィールドの固有のサイズに基づいて、一部のピクセルとフィールド位置とが対応していない。
【0048】
同時に、相関フィールド内の相関フィールドの各位置に対して、フィールド内の各ピクセルと、別の画像の同じ位置のピクセルとの積
【数1】
が計算され、相関フィールドにわたって平均化される(S354)。この演算は、可能なすべての画像の組合せに対して実行される。結果として得られる値の行列は、平均値および標準偏差に対するサイズと同じサイズを有する。平均値および標準偏差の行列の数は画像の数に対応するが、積の形成によって、すべての可能な組合せに対して1/2n(n-1)個の値の行列ができる。
【0049】
このようにして得られた値の行列を使用して、1/2n(n-1)個の組合せのそれぞれについて局所的に正規化された相互相関を計算し(S355)、これらの組合せすべてにわたって平均化することができる(S356)。相互相関は次のように計算される:
【数2】
【0050】
ここで、mi,mjは相関フィールドにわたって平均化された画像iもしくはjの平均値であり、si,sjは属する標準偏差である。mijは、上述のように、相関フィールドにわたって平均化された、画像iと画像jとの間の積である。
【0051】
このようにしてすべての可能な画像の組合せについて得られたlncc値が平均化され、計算された相関値を有する単一の値の行列14が残る(S356)。択一的に、算術による平均値形成の代わりに、中央値と、必要に応じて付加的に標準偏差とを計算することもできる。
【0052】
この値の行列14を、画像として表すことができる(S36)。この特徴画像またはフィーチャ画像と称される画像において、特徴16,18(図5参照)が識別可能であり、これらは、同一のイメージングプレートによって行われたさまざまな記録にわたって存続し、したがって、イメージングプレートの特徴であり、実際にX線画像10上に画像化された構造体の特徴ではない。これに対して、実際の画像化された構造体は、X線画像ごとに少なくともわずかに異なっている。
【0053】
ここで、相関値に基づいてイメージングプレートの蓄積能力を特徴付け、特定の領域に対して、蓄積能力を「存在しない」または「欠陥がある」と分類するために、特徴画像のピクセルが調べられる(S37)。これは、図5にも示されている。
【0054】
特徴画像14において、すべてのピクセル22から、固定された分析フィールド20内のその相関値が閾値を上回るピクセル24が決定される。この閾値は、好ましくは0.07~0.15の間にあり、たとえば0.1にある。分析フィールド20はたとえば、たとえば400μm×400μmの物理的寸法を有しており、すでに述べたように、分析フィールド20をイメージングプレートの物理的寸法ならびに予想される欠陥のタイプおよびサイズに合わせることができる。
【0055】
その平均相関値がこの閾値以上である、分析フィールド20内の画像点22の数が最大数を上回る場合(S38)、分析フィールド20に属する画像点26は、自身の蓄積能力に関してもはや機能しないものとして特徴付けされる28。分析フィールド20を用いて、特徴画像14が点ごとに走査され、最後には、その機能性が損なわれており、もはや機能していないと特徴付けされる画像箇所28がマーキングされている。たとえば、分析フィールド20内に位置するすべての相関値の25%などの相対的な値を、閾値以上にある相関値の最大数として選択することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】