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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-20
(54)【発明の名称】角度調整可能な研ぎ治具
(51)【国際特許分類】
   B24B 3/54 20060101AFI20230912BHJP
   B24B 3/36 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
B24B3/54
B24B3/36 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515585
(86)(22)【出願日】2021-09-08
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 EP2021074716
(87)【国際公開番号】W WO2022053518
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】102020123503.8
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522359121
【氏名又は名称】ホール 1993 ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】ホール ティモ
(72)【発明者】
【氏名】ホール オットマー
【テーマコード(参考)】
3C158
【Fターム(参考)】
3C158AA04
3C158AB04
3C158CA01
3C158CA04
3C158CB04
3C158DB01
3C158DB08
3C158DB09
(57)【要約】
本発明は、とりわけブレード(2a)を有する研ぎ又は研磨対象の切削器具(2)を保持して、当該ブレード(2a)をローリングシャープナー等の研ぎ及び/又は研磨器具(3)に対して少なくとも1つの位置決め角度(α)に位置決めするための研ぎ治具(1)に関する。ブレード(2a)を複数の異なる位置決め角度に位置決めできるようにし、これにより研ぎ治具の多面的な使用可能性を可能にするため、研ぎ治具(1)は、複数の異なる位置決め角度(α)に設定するために互いに対して相対的に調整可能な少なくとも2つの部分(5,7a,7b)を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研ぎ治具(1)、とりわけ、ブレード(2a)を有する研ぎ又は研磨対象の切削器具(2)を保持して、当該ブレード(2a)をローリングシャープナー等の研ぎ及び/又は研磨器具(3)に対して少なくとも1つの位置決め角度(α)に位置決めするための研ぎ治具(1)であって、
複数の異なる位置決め角度(α)に設定するために互いに対して相対的に調整可能な少なくとも2つの部分(5,7a,7b)を有する
ことを特徴とする研ぎ治具(1)。
【請求項2】
互いに対して相対的に調整可能な前記部分(5,7a,7b)は、複数の異なる位置間で無段階又は段階的に、好適には互いに逆の方向(R)に調整可能である、
請求項1記載の研ぎ治具(1)。
【請求項3】
互いに対して相対的に調整可能な前記部分(5,7a,7b)は複数の異なる位置に、好適には磁気及び/又は摩擦接続及び/又は形状接続により、有利には係止により固定可能である、
請求項1又は2記載の研ぎ治具(1)。
【請求項4】
互いに対して相対的に調整可能な前記部分(5,7a,7b)を複数の異なる位置間において案内移動で調整するための案内部(4)を備えている、
請求項1から3までのいずれか1項記載の研ぎ治具(1)。
【請求項5】
互いに対して相対的に調整可能な前記部分(5,7a,7b)は互いに弾性により、好適には互いに固定された状態で付勢されており、
前記固定された状態は有利には、前記弾性による付勢が減少又は消失することにより解消されて、前記部分(5,7a,7b)が互いに対して相対的に調整可能となるものである、
請求項1から4までのいずれか1項記載の研ぎ治具(1)。
【請求項6】
互いに対して相対的に調整可能な前記部分のうち少なくとも1つは、少なくとも1つの接触面(5a,5b)を有するボディ(5)として構成され、
前記接触面(5a,5b)は、当該接触面(5a,5b)に前記ブレード(2a)を規定通りに接触状態に保持できるものである、
請求項1から5までのいずれか1項記載の研ぎ治具(1)。
【請求項7】
前記ボディ(5)は前記接触面(5a,5b)を少なくとも2つ有し、
前記接触面(5a,5b)は好適には、互いに平行にオフセットしており、
有利には、前記接触面のうち1つの接触面(5a)に保持されたブレード(2a)を背側から支持するために適した段部(5c)が、前記接触面(5a,5b)間に形成されている、
請求項6記載の研ぎ治具(1)。
【請求項8】
少なくとも1つの脚台部(7a,7b)を備えており、
前記脚台部(7a,7b)は、好適には平坦である下面部(U)に前記ボディ(5)を置くための設置平面(E)を画定し、
好適には、前記位置決め角度(α)を変えるために前記設置平面(E)と前記接触面(5a,5b)との間の角度(β)が調整可能である、
請求項6又は7記載の研ぎ治具(1)。
【請求項9】
前記脚台部(7a,7b)は前記ボディ(5)に対して相対的に調整可能であり、
好適には、前記設置平面(E)と前記接触面(5a,5b)との間の角度(β)は、前記ボディ(5)に対する前記脚台部(7a,7b)の調整によって調整可能である、
請求項8記載の研ぎ治具(1)。
【請求項10】
前記脚台部(7a,7b)は前記ボディ(5)に取り外し可能に配置されている、
請求項8又は9記載の研ぎ治具(1)。
【請求項11】
前記脚台部(7a,7b)は長手軸(L)に沿って延在すると共に、当該脚台部(7a,7b)の長手軸(L)に沿って前記ボディ(5)に対して相対的に調整可能であり、好適には、前記脚台部(7a,7b)の長さは変更可能であり、及び/又は、前記脚台部(7a,7b)と前記ボディ(5)とは、前記脚台部(7a,7b)の長手軸(L)に沿ってオフセットした異なる位置に互いに固定可能である、
請求項9又は10記載の研ぎ治具(1)。
【請求項12】
前記脚台部(7a,7b)は複数であり、
複数の前記脚台部(7a,7b)が合わさって、前記研ぎ治具(1)を前記下面部(U)に置くための前記設置平面(E)を画定し、
好適には、前記位置決め角度(α)を変えるために前記脚台部(7a,7b)の部分集合が前記ボディ(5)に対して及び/又は前記脚台部(7a,7b)の他の部分集合に対して調整可能である、
請求項8から11までのいずれか1項記載の研ぎ治具(1)。
【請求項13】
少なくとも2つの前記脚台部(7a,7b)が異なる構成であり、
異なる構成の前記脚台部(7a,7b)は好適には、前記位置決め角度(α)を変えるために交換可能であり、有利には互いに交換可能である、
請求項12記載の研ぎ治具(1)。
【請求項14】
設定された前記位置決め角度(α)の度数を読み取るための目盛を有する、
請求項1から13までのいずれか1項記載の研ぎ治具(1)。
【請求項15】
前記位置決め角度(α)を変えるために前記ボディ(5)に対して変位可能な少なくとも1つの調整要素(8)を備えており、
前記調整要素(8)は好適には、前記ボディ(5)の上側から下側に変位することにより前記位置決め角度(α)を拡大し、前記ボディ(5)の下側から上側に変位することにより前記位置決め角度(α)を縮小し、又はその逆である、
請求項6から14までのいずれか1項記載の研ぎ治具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、とりわけブレードを有する研ぎ又は研磨対象の切削器具を保持して、当該ブレードをローリングシャープナー等の研ぎ及び/又は研磨器具に対して少なくとも1つの位置決め角度に位置決めするための研ぎ治具に関する。
【0002】
請求項1の先行技術部に記載の研ぎ治具は、独国実用新案第202020001180号明細書から公知となっている。ローリングシャープナーは例えば欧州特許出願公開第3278928号明細書から公知となっている。
【背景技術】
【0003】
上述のような研ぎ治具は、通常は金属製のため磁化可能なブレードを磁力によって固定するものであり、磁気研ぎ治具とも称される。しかし、本発明の原理は基本的に、研ぎ及び/又は研磨器具に対して所定の位置決め角度に研ぎ対象又は研磨対象の切削器具のブレードを位置決めできるものであれば、いかなる種類の研ぎ治具にも適用することができる。
【0004】
独国実用新案第202020001180号明細書から公知の研ぎ治具は特定の寸法のブレードのために設計されたものであり、2つの接触面を有する。ブレード高さが大きいブレードについては、当該ブレード、特にブレード刃部がローリングシャープナーに対して位置決め角度で位置決めされ、処理のために切れ刃に接近可能となるように、当該ブレードを研ぎ治具の一方の接触面に規定通りに載置して、背側で平坦な下面部に支持する。ブレード高さが小さいブレードについては、研ぎ治具の上側から切れ刃がはみ出てローリングシャープナーによる処理のために接近可能となるように、研ぎ治具の他方の接触面に段部が設けられ(独国実用新案第202020001180号明細書の図10及び図11)、この段部にブレード背側を載せる。
【0005】
位置決め角度はここでは研ぎ角度に相当し、この研ぎ角度は研ぎ対象の切れ刃の鋭利度を決定する。位置決め角度が小さいほど切れ刃は鋭利になる。しかし、切れ刃の摩耗しやすさは一般に、鋭利度が増加するほど高くなる。切れ刃の耐久期間ないしは安定性のもう1つの重要なファクタは、ブレードの鋼微細構造である。よって、ブレードの鋼微細構造がしっかりしている、ないしは硬いほど(大抵は炭素成分がより多い)、小さい研ぎ角度で、安定性を損なうことなくブレードを研ぐことができる。このことが、多かれ少なかれ、ハイグレードないしは高硬度の鋼の利点である。切削器具の用途及びブレードの種類に応じて、望ましい研ぎ角度が変わってくる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の基礎となる課題は、ブレードを複数の異なる位置決め角度に位置決めできるようにし、これにより先行技術の研ぎ治具の多面的な使用可能性を可能にすべく、研ぎ治具を改良することである。
【0007】
上記課題の解決手段として、本発明は請求項1に記載の研ぎ治具を提供する。 本発明の研ぎ治具はとりわけ、ブレードを有する研ぎ又は研磨対象の切削器具を保持して、当該ブレードをローリングシャープナー等の研ぎ及び/又は研磨器具に対して少なくとも1つの位置決め角度に位置決めするために供されるものである。本発明の研ぎ治具は、複数の異なる位置決め角度に設定するために互いに対して相対的に調整可能な少なくとも2つの部分を有する。上述の相対的に調整可能な部分によって、本発明の研ぎ治具の設定構成(ひいては位置決め角度)を変えることができる。これにより、本発明の研ぎ治具によって、個別要望に応じて異なる角度に設定可能となる。例えばフィレットナイフ等の特定の用途には、切れ刃を非常に鋭利に研ぐため、非常に小さいないしは非常に鋭角の研ぎ角度が適している。研ぎ角度が小さい場合、切れ刃のフランク面においてブレードの材料が広い面積で削ぎ落されて切れ刃が脆弱化し、通常は高い摩耗にさらされることとなる。研ぎ角度が鈍角ないしは大きい場合、切れ刃の鋭利度が小さくなるが、その代わりにブレードの摩耗は通常は小さくなる。好適には、位置決め角度は10°~20°の範囲内で調整可能である。
【0008】
互いに対して相対的に調整可能な前記部分が、複数の異なる位置間で無段階又は段階的に、好適には互いに逆の方向に調整可能であるように構成すると、有利となり得る。かかる構成により、本発明の研ぎ治具のユーザフレンドリー性が向上する。好適には、位置決め角度は1°、2°又は5°の幅で調整可能である。
【0009】
また、互いに対して相対的に調整可能な前記部分が複数の異なる位置に、好適には磁気及び/又は摩擦接続(kraftschluessig)及び/又は形状接続(formschluessig)により、有利には係止により固定可能であるように構成することも、有意義となり得る。かかる構成により、例えばブレードの研ぎ又は研磨処理を行っている間等に研ぎ治具に大きい力がかかった場合であっても、設定された位置決め角度が変わらないことを保証することができる。
【0010】
互いに対して相対的に調整可能な前記部分を複数の異なる位置間において案内移動で調整するための案内部を研ぎ治具が備えている場合、有用となり得る。かかる構成により、本発明の研ぎ治具のユーザフレンドリー性をさらに改善することができ、これにより研ぎ治具の誤操作も発生しにくくなる。
【0011】
互いに対して相対的に調整可能な前記部分が互いに弾性により、好適には互いに固定された状態で付勢されており、前記固定された状態が有利には、前記弾性による付勢が減少又は消失することにより解消されて、前記部分が互いに対して相対的に調整可能となるものとすることにより、利便性が良くなり得る。これにより、互いに対して相対的に調整可能な部分が意図せずに位置変更して位置決め角度が変化するおそれが低減する。
【0012】
互いに対して相対的に調整可能な前記部分のうち少なくとも1つが、少なくとも1つの接触面を有するボディとして構成され、前記接触面が、当該接触面に前記ブレードを規定通りに接触状態に保持できるものである構成にすると、有用となり得る。このボディは好適には、研ぎ又は研磨対象の切削器具のブレードの当接による衝撃を吸収するため、ある程度の嵩を有する。ボディはこのようにして、本発明の研ぎ治具に高い価値を与える。ボディの上述のようなある程度の嵩により、例えばブレードの研ぎ又は研磨処理を行っている間等にブレードに大きい力がかかることによって、位置決め角度が意図せずに変化することを防止することもできる。ボディは例えばプラスチック及び/又は木材及び/又は金属から作製され、略直方体形である。
【0013】
前記ボディが前記接触面を少なくとも2つ有し、前記接触面が好適には互いに平行にオフセットし、有利には、前記接触面のうち1つの接触面に保持されたブレードを背側から支持するために適した段部が、前記接触面間に形成されている場合、有用となり得る。かかる構成により、ブレード背側と切れ刃との間の距離が小さい狭福のブレードの背側を段部に乗せて、研ぎ又は研磨処理のためにボディの上側からはみ出すことができる。ブレード背側と切れ刃との間の距離が大きい広幅のブレードは、下側の接触面と接触させることができる。
【0014】
前記研ぎ治具が少なくとも1つの脚台部を備えており、前記脚台部が、好適には平坦である下面部に前記ボディを置くための設置平面を画定し、好適には、前記位置決め角度を変えるために前記設置平面と前記接触面との間の角度が調整可能である場合、有意義となり得る。脚台部は好適には、例えばブレードの研ぎ又は研磨処理を行っている間等にブレードに力がかかった場合でも本発明の研ぎ治具が確実に据え置かれることを保証するため、例えば防滑性の立設面を有する。このような脚台部により、研ぎ治具の重量の力が略点状に、小さい立設面に集中することとなる。よって、脚台部の下面に設けられる防滑性材料を併用することにより、下面部に対して非常に大きい静止摩擦係数を達成することができ、これにより研ぎ治具の高い設置安定性を達成することができる。
【0015】
前記脚台部は前記ボディに対して相対的に調整可能であり、好適には、前記設置平面と前記接触面との間の角度は、前記ボディに対する前記脚台部の調整によって調整可能である構成にすると、有用となり得る。本発明の目的に鑑みると、位置決め角度を変えるために脚台部がボディに対して調整可能であることは、特に目的に適っている。すなわち、位置決め角度は、研ぎ治具の下面部に対する接触面の向きによって大方決定される。この向きはというと、脚台部によって画定される設置平面と、当該設置平面に対するボディの相対的姿勢と、によって影響される部分が大きい。
【0016】
前記脚台部を前記ボディに取り外し可能に配置することが有利となり得る。これにより、取り外した脚台部の代わりに別の寸法の脚台部をボディに配置し、これにより別の位置決め角度に設定することができる。
【0017】
前記脚台部が長手軸に沿って延在すると共に、当該脚台部の長手軸に沿って前記ボディに対して相対的に調整可能であり、好適には、前記脚台部の長さが変更可能であり、及び/又は、前記脚台部と前記ボディとが、前記脚台部の長手軸に沿ってオフセットした異なる位置に互いに固定可能であるように構成すると、好適となり得る。このようにして脚台部を例えばテレスコープ式に延長ないしは突出させることができ、又は長さ調整可能な調整ねじとして構成することができる。代替的に、脚台部とボディとの間の係合位置を変えることにより、下面部に対するボディの向きを変えることもできる。このようにボディに対して相対的に調整可能な脚台部によって、位置決め角度を特に簡単に変えることができる。
【0018】
前記脚台部が複数であり、複数の前記脚台部が合わさって、前記研ぎ治具を前記下面部に置くための前記設置平面を画定し、好適には、前記位置決め角度を変えるために前記脚台部の部分集合が前記ボディに対して及び/又は前記脚台部の他の部分集合に対して調整可能である構成にすると、有用となり得る。脚台部を3つとすると、研ぎ治具のボディを基部に固定的にしっかり据え置くために有意義となる。特に、平面視で矩形である略直方体形のボディの場合には脚台部を4つとすることも可能であり、これら4つの脚台部は、例えば矩形の平面視形状の各隅に配置される。上述の場合、位置決め角度を変えるためには例えば、3つの脚台部のうち1つの脚台部のみをボディに対して調整可能とし、又は4つの脚台部のうち2つの脚台部のみをボディに対して調整可能とすることで足りる。しかし基本的には、全ての脚台部をボディに対して調整可能とすることも可能である。
【0019】
少なくとも2つの前記脚台部が異なる構成であり、異なる構成の前記脚台部は好適には、前記位置決め角度を変えるために交換可能であり、有利には互いに交換可能である構成とすると、有意義となり得る。例えば、1つの研ぎ治具が1つのボディと4つの脚台部とを備えており、ボディはこれら4つの脚台部で基部に立つ。その際には、前側の脚台部の方が後側の脚台部より長い。前方の脚台部と後方の脚台部とを交換すると基部に対するボディの姿勢が変わり、これにより位置決め角度が変わる。ボディの前側(ないしは「前方」)とは、通常は接触面が位置する側である。
【0020】
研ぎ治具が、設定された前記位置決め角度の度数を読み取るための目盛を有すると、好適となり得る。かかる構成によって、位置決め角度が実際にどのように設定されたかをユーザが判別しやすくなる。これにより、本発明の研ぎ治具のユーザフレンドリー性が向上する。
【0021】
しかし、前記研ぎ治具が前記位置決め角度を変えるために前記ボディに対して変位可能な少なくとも1つの調整要素を備えており、前記調整要素が好適には、前記ボディの上側から下側に変位することにより前記位置決め角度を拡大し、前記ボディの下側から上側に変位することにより前記位置決め角度を縮小し、又はその逆であるように構成することも、利便性が高くなり得る。上述の調整要素により、下面部に対するボディの向き(ひいては位置決め角度)を、特に簡単に変えることができる。
【0022】
本発明の他の一側面は、上記の実施形態のうち1つの実施形態の研ぎ治具と、ローリングシャープナー等の研ぎ及び/又は研磨器具、例えば欧州特許出願公開第3278928号明細書に記載のローリングシャープナー等と、に関するものである。
【0023】
特許請求の範囲、明細書及び図面に開示されている構成を組み合わせて、本発明の他の好適な改良形態を得ることができる。
【0024】
用語及び定義
ローリングシャープナーは例えば欧州特許出願公開第3278928号明細書から公知となっている。かかるローリングシャープナーは、端面の研ぎ及び研磨面を有する2つのローラと、両ローラ間に配置された把持体と、を備える。規定通りの使用時には、把持体に力が加わることによってローリングシャープナーが下面部上において押されたり引き寄せられ、これにより、ローリングシャープナーの下面部に対して垂直方向の向きの平面内で、端面の研ぎ及び研磨面が回転する。下面部は好適には平坦であり、有利には水平方向の向きである。上記の下面部に対して垂直方向の向きの平面は、本発明では「研ぎ平面」と称される。
【0025】
本発明における研ぎ角度はとりわけ、研ぎ平面に対する研ぎ対象又は研磨対象のブレード刃部の平面の向きに相当する。ブレード刃部の向きが研ぎ平面に対して平行である場合、研ぎ角度は0°である。例えばナイフ切れ刃等の場合、理想的な研ぎ角度は10~20°の範囲となる。
【0026】
本発明における位置決め角度とは、本発明の研ぎ治具を規定通りに使用した場合に、下面部に対して垂直方向の向きの平面、特に研ぎ平面に対して、研ぎ対象又は研磨対象の研ぎ器具のブレード、特にブレード刃部が保持される角度をいう。規定通りの使用の場合、研ぎ治具は下面部上において想定された配置でおかれ、この下面部は好適には平坦であり、有利には水平方向であり、特に好適には、ローリングシャープナーが動く下面部と同一の下面部である。さらに、(通常は磁性の)ブレード刃部は、研ぎ治具の接触面に対して平行になるように当該接触面と(好適には磁気により)接触状態に保持される。このようにして、位置決め角度は通常の場合、研ぎ角度と一致する。
【0027】
切削器具は通常はブレードと把持部とを備えており、規定通りには、この把持部で切削器具を把持する。ブレードは通常、把持部に結合されたブレード刃部と、当該ブレード刃部の少なくとも1つの縁部に配された切れ刃と、を有する。ブレード刃部は通常は平面内に延在し、2つの平行なフランク面を有する。一例の切削器具は、ステンレス鋼ブレードと、直線のブレード背側と、ブレードにおけるブレード背側とは反対側の縁部に設けられた凸状の曲線の切れ刃と、を有する調理用包丁である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の第1の実施形態例の研ぎ治具の背面斜視図であり、当該研ぎ治具は、接触側において段状にオフセットした2つの接触面を有するボディと、当該ボディに固定された2つの脚台部と、当該ボディに調整可能にクランプ固定可能な2つの脚台部と、を備えており、上記2つの接触面は、磁気により引き付けられたブレードと接触するものである。
図2図1の本発明の研ぎ治具の正面斜視図である。
図3図1及び図2に示された本発明による使用時の本発明の研ぎ治具の側面図であり、磁化可能なブレードが磁気により下側の接触面と接触状態に保持され、ブレード刃部は、下面部上で回転するローリングシャープナーにおける研ぎ平面内で回転する研ぎ及び研磨面に対して研ぎ角度に相当する位置決め角度に位置決めされており、隠れて見えなくなっている部品は破線で示されている。
図4】本発明の第2の実施形態例の研ぎ治具の背面斜視図であり、当該研ぎ治具は、接触側において段状にオフセットした2つの接触面を有するボディと、ボディに対して調整可能な調整体と、を備えており、上記2つの接触面は、磁気により引き付けられたブレードと接触するものであり、ボディは、研ぎ治具の位置決め角度を変えるために、調整体に対して複数の異なる係止位置に固定可能となっている。
図5図4の本発明の研ぎ治具の正面斜視図である。
図6図4及び図5に示された本発明による使用時の本発明の研ぎ治具の側面図であり、磁化可能なブレードが磁気により下側の接触面と接触状態に保持され、ブレード刃部は、下面部上で回転するローリングシャープナーにおける研ぎ平面内で回転する研ぎ及び研磨面に対して研ぎ角度に相当する位置決め角度に位置決めされており、隠れて見えなくなっている部品は破線で示されている。
図7】本発明の第3の実施形態例の研ぎ治具の背面斜視図であり、当該研ぎ治具は、接触側において段状にオフセットした2つの接触面を有するボディと、ボディに取り付けられた3つの脚台部と、を備えており、上記2つの接触面は、磁気により引き付けられたブレードと接触するものであり、後側の脚台部は、研ぎ治具の位置決め角度を変えるために長さが調整可能となっている。
図8図7の本発明の研ぎ治具の正面斜視図である。
図9図7及び図8に示された本発明による使用時の本発明の研ぎ治具の側面図であり、磁化可能なブレードが磁気により下側の接触面と接触状態に保持され、ブレード刃部は、下面部上で回転するローリングシャープナーにおける研ぎ平面内で回転する研ぎ及び研磨面に対して研ぎ角度に相当する位置決め角度に位置決めされており、隠れて見えなくなっている部品は破線で示されている。
図10】本発明の第4の実施形態例の研ぎ治具の背面斜視図であり、当該研ぎ治具は、接触側において段状にオフセットした2つの接触面を有するボディと、基部に設置可能な4つの脚台部と、を備えており、上記2つの接触面は、磁気により引き付けられたブレードと接触するものであり、4つの脚台部のうち少なくとも2つの脚台部は、研ぎ治具の位置決め角度を変えるために交換可能となっている。
図11図10の本発明の研ぎ治具の正面斜視図である。
図12図10及び図11に示された本発明による使用時の本発明の研ぎ治具の側面図であり、磁化可能なブレードが磁気により下側の接触面と接触状態に保持され、ブレード刃部は、下面部上で回転するローリングシャープナーにおける研ぎ平面内で回転する研ぎ及び研磨面に対して研ぎ角度に相当する位置決め角度に位置決めされており、隠れて見えなくなっている部品は破線で示されている。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照して本発明の有利な実施形態例を詳細に説明する。
【0030】
第1の実施形態例(図1~3)「段部クランプ式治具」
以下で図1~3を参照して説明する第1の実施形態例では、本発明の研ぎ治具1は略直方体のボディ5を備えており、当該ボディ5の前側の端面には、互いに平行にオフセットした2つの接触面5a,5bが設けられている。各接触面5a,5bには、切削器具2の磁化可能なブレード2aを磁力によって規定通りに保持することができる。接触面5a,5bの間に形成された段部5cが、上側の接触面5aに磁気により接触状態に保持されるブレード2aの背側を支えるために供される。各接触面5a,5bには円柱状の磁石6が、ボディ5のそれぞれ対応する受容部に挿入されている。磁石6における外側を向いた各端面は、各接触面5a,5bと同一平面上に揃っている。オプションとして、ボディ5は少なくとも1つの弾性コンタクト部材(不図示)を備えることができ、これは例えばシリコーン又はゴム製であり、この弾性コンタクト部材は、磁気により保持されるブレード2aに対する静止摩擦係数を高めるために接触面5a,5b及び/又は磁石6の一部又は全部を覆う。
【0031】
総じて4つの脚台部7a,7bが、平坦な下面部U上に研ぎ治具1を置くための設置平面Eを画定する。前側の脚台部7aはプラスチック栓部として形成されており、ボディ5の下側の対応する開口に摩擦接続により挿入されている。後側の脚台部7bは、複数の調整ディスク8を有するクランプねじとして形成され、それぞれ長手軸Lに沿って延在する。後側の脚台部7bは各自の長手軸Lに沿ってボディ5に対して相対的に調整可能であり、複数の異なる位置に固定可能である。こうするためには、後側の脚台部7bを、ボディ5における接触面5a,5bとは反対側の後側5dの各対応する受容部に摩擦接続かつ形状接続により保持される。2つの後側の脚台部7bを各自の長手軸Lに沿ってボディ5に対して調整することにより、脚台部7a,7bによって画定される設置平面Eと接触面5a,5bとの間の角度β(ひいては、接触面5a,5bと、下面部Uに垂直な向きの研ぎ平面Sと、の間の位置決め角度α(=90°-β))を調整することができる。
【0032】
この研ぎ治具1の基本的な思想は、後側の脚台部7bの調整ディスク8をボディ5の上側から下側に(及びその逆方向に)変位できるようにする、というものである。調整ディスク8をボディ5の上側から下側に(及びその逆方向に)変位させることにより、位置決め角度α(=90°-β)を変えることができる。ボディ5の上側から下側に調整ディスク8を1つ変位させる毎に、位置決め角度ないしは研ぎ角度αは本実施形態では1°変化する。
【0033】
ボディ5は、当該ボディ5の上側及び下側が基部Uに対して平行な向きになる横置きの状態で、位置決め角度ないしは研ぎ角度αが10°になるように構成されている。その際には、調整ディスク8は全てボディ5の上方に配される。ボディ5の上側から下側に調整ディスク8を1つ変位させる毎に、位置決め角度ないしは研ぎ角度αは1°拡大する。全ての調整ディスク8がボディ5の下方に位置する際には、位置決め角度ないしは研ぎ角度αは20°になる。後側の各脚台部7bは、ボディ5の上側と下側とに調整ディスク8を挟んで固定し、これにより位置決め角度ないしは研ぎ角度αを固定するように、クランプナットを介してボディ5に固定されることができる。固定磁石5eが、固定ねじ無しでも後側の脚台部7bをボディ5に定位置に保持する。
【0034】
研ぎ治具1の規定通りの使用を図3に分かりやすく示す。かかる使用時には、例えば調理用包丁等の切削器具2における研ぎ対象又は研磨対象のブレード2aが、磁気によりボディ5の下側の接触面5bに接触状態に保持される。その際には、ブレード2aのブレード刃部は(ボディ5の対応する接触面5bと同様に)基部Uに対して角度βに斜行し、基部Uに対して垂直方向の向きの研ぎ平面Sに対して位置決め角度ないしは研ぎ角度αに斜行する。例えば欧州特許出願公開第3278928号明細書から公知のローリングシャープナー等のローリングシャープナーは、2つのローラ間に配置された本体と、2つの端面の研ぎ及び研磨面と、を備えており、基部U上においてローリングシャープナーを回転させると、両研ぎ及び研磨面はブレード2aに沿って研ぎ平面S内で回転する。
【0035】
第2の実施形態例(図4~6)「段部係止治具」
以下にて図4~6を参照して説明する第2の実施形態例の大半は上記の実施形態例に基づいており、その一部に同じ構成を含んでおり、かかる同じ構成には同一の符号を付して、再度の説明を割愛する。以下では、上記の実施形態例との相違点を説明する。
【0036】
第1の実施形態例と同様、総じて4つの脚台部7a,7bが、平坦な下面部U上に研ぎ治具1を置くための設置平面Eを画定する。
【0037】
第1の実施形態例との相違点として、2つの後側の脚台部7bは、ボディ5に対して調整可能な調整体4に設けられている。この調整体4は、脚台部7bの長手方向Lに対して平行に延在する案内スロット4aを有する。この案内スロット4aの中で、ボディ5に結合され調整体4に対して固定可能な案内要素4bが、互いに逆方向の2つの方向R(矢印で示されている)に案内移動で調整可能となっている。案内要素4bは例えばノブの形態を有し、調整体4の方向に弾性によって付勢されている。調整体4のボディ5側には係止歯列4cが設けられており、この係止歯列4cは、ボディ5における接触面5a,5bとは反対側の後側5dに設けられた対応する係止歯列5eと係合する。
【0038】
本治具の基本的な思想は、ボディ5が横置きの状態で10°の位置決め角度ないしは研ぎ角度αを成すように構成されていることである。その際には、調整体4の下辺はボディ5の下辺と同じになる。互いに係合する係止歯列4c,5eは、1つの歯の分移動することにより位置決め角度ないしは研ぎ角度αが1°変化するように構成されている。
【0039】
調整体4の上辺がボディ5の上辺と同じであるとき、研ぎ角度は20°になる。案内要素4bはオプションとしてクランプねじを有するが、この案内要素4bを介して、2つの互いに相対的に調整可能な部分(ここでは、後側の調整脚部7bが設けられた調整体4と、前側の調整脚部7aが設けられたボディ5)を所望の位置に互いに係止することにより、かつ形状接続により固定することによって、位置決め角度ないしは研ぎ角度αを固定することができる。案内要素4bを弾性付勢とは逆方向に操作すると(なおかつ、ボディ5が調整体4に固定された状態を解除すると)、調整体4とボディ5とは案内スロット4aに沿って方向Rに互いに相対的に1度ずつ調整可能となり、互いに係合可能な係止歯列4c,5eを介して所望の位置に、係止及び形状接続によって互いに固定することができる。ボディ5と調整体4との間の圧縮ばね4dによって、快適な係止挙動が得られる。調整体4に設けられた目盛によって、位置決め角度ないしは研ぎ角度αの設定された度数を読み取ることができる。
【0040】
第3の実施形態例(図7~9)「無段階調整治具」
以下にて図7~9を参照して説明する第3の実施形態例についても同様に、大半は上記2つの実施形態例に基づいており、その一部に同じ構成を含んでおり、かかる同じ構成には同一の符号を付して、再度の説明を割愛する。以下では、上記2つの実施形態例との相違点を説明する。
【0041】
上記2つの実施形態例との相違点として、平坦な下面部U上に研ぎ治具1を置くための設置平面Eを画定する脚台部7a,7bは総じて3つのみであり、後側の脚台部7bは調整ねじとして構成されており、この調整ねじとして構成された後側の脚台部7bのボディ5の下側から突出する長さは、調整ねじ頭部として形成された操作具9を操作することにより調整可能となっている。図中の3点置きの安定性を向上するためには、後側の脚台部7bを図示の幅より広幅に形成することにより立設面を拡大することができ、とりわけ前側の脚台部7aより広幅に形成することができる。
【0042】
本研ぎ治具1の基本的な思想は、ボディ5が横置きの状態で10°の位置決め角度ないしは研ぎ角度αを成すように構成されていることである。
【0043】
後側の脚台部7bとして形成された調整ねじを回して突没させることにより、位置決め角度ないしは研ぎ角度αを10°~20°の任意の角度に設定することができる。
【0044】
調整ねじには、好適には自己保持性のねじ部を設けることにより、所望の位置において固定する必要がないようにする。
【0045】
操作具9となる調整ねじ頭部に設けられた目盛によって、設定された位置決め角度ないしは研ぎ角度αの度数を読み取ることができる。
【0046】
第4の実施形態例(図10~12)「交換脚部式治具」
以下にて図10~12を参照して説明する第4の実施形態例についても同様に、大半は上記3つの実施形態例に基づいており、その一部に同じ構成を含んでおり、かかる同じ構成には同一の符号を付して、再度の説明を割愛する。以下では、上記3つの実施形態例との相違点を説明する。
【0047】
第1及び第2の実施形態例と同様に、総じて4つの脚台部7a,7bが、下面部Uに研ぎ治具1を置くための設置平面Eを画定する。前側の2つの脚台部7aは、調整不能にボディ5に固定されている。複数の異なる位置決め角度ないしは研ぎ角度αを設定するため、後側の2つの各脚台部7bが、対ごとにより長い又はより短い脚台部7bと交換可能となっている。
【0048】
本研ぎ治具1の基本的な思想は、ボディ5が横置きの状態で15°の位置決め角度ないしは研ぎ角度αを成すように構成されていることである。
【0049】
上記の交換脚部は、保持磁石10によって非常に迅速に交換及び固定することができる。5つの短い交換脚部7b(14°,13°,12°,11°及び10°)及び5つの長い交換脚部7b(16°,17°,18°,19°及び20°)が存在し、これらの交換脚部7bにはそれぞれ対応する度数が記載されている。
【0050】
もちろん、研ぎ治具1のボディ5に設けられた保持磁石10とは異なる態様で交換脚部を固定することも可能である。非常に簡単な一手段は、他の機構を用いることなく単に交換脚部を交換し、(雄型の)差込脚部として、ボディ5の対応する(雌型の)受容部に差し込むことである。それぞれ異なる高さの複数の異なる交換脚部を共に納入することができる。
【0051】
上記の実施形態例の各構成は、互いに組み合わせることができる。適切な組み合わせにより、本発明の思想の範囲内で他の実施形態例を実現することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 研ぎ治具
2 切削器具(ナイフ)
2a ブレード
2b 切れ刃
3 ローリングシャープナー
4 調整体
4a 案内スロット
4b 案内要素
4c 係止歯列
4d ばね
5 ボディ
5a 接触面(上側)
5b 接触面(下側)
5c 段部
5d 後側
5e 係止歯列
6 磁石
7a 前側の脚台部
7b 後側の脚台部
8 調整ディスク
9 操作具
10 保持磁石
E 設置平面
L 長手軸
R 方向
S 研ぎ平面
U 基部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11
図12
【国際調査報告】