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特表2023-539935クラウンスプリング端子、電気コネクタジャック及び電気コネクタ
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  • 特表-クラウンスプリング端子、電気コネクタジャック及び電気コネクタ 図1
  • 特表-クラウンスプリング端子、電気コネクタジャック及び電気コネクタ 図2
  • 特表-クラウンスプリング端子、電気コネクタジャック及び電気コネクタ 図3
  • 特表-クラウンスプリング端子、電気コネクタジャック及び電気コネクタ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-20
(54)【発明の名称】クラウンスプリング端子、電気コネクタジャック及び電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/187 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
H01R13/187 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515611
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-04-10
(86)【国際出願番号】 CN2020136023
(87)【国際公開番号】W WO2022052350
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】202021962356.0
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518098117
【氏名又は名称】菲尼克斯▲亜▼太▲電▼气(南京)有限公司
【住所又は居所原語表記】No.36 Phoenix Road, Jiangning Economic and Technology Development Zone, Nanjing, Jiangsu Province, 211100 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チャンリ
(72)【発明者】
【氏名】ダイ、ハイキオン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ファウェイ
(57)【要約】
本発明は、クラウンスプリング端子の両端にそれぞれ位置する2つの連結バンドと、前記2つの連結バンドの間に設置され、前記2つの連結バンドのうちの少なくとも1つに電気的に接続された複数のリーフスプリングと、を備え、前記複数のリーフスプリングは、単純ばりとカンチレバーと、少なくとも1対の隣接する前記単純ばりと前記カンチレバーとの間に設置され、前記少なくとも1対の隣接する単純ばりとカンチレバーとの間に電気的接続を供給するための接続部と、を備えるクラウンスプリング端子を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウンスプリング端子の両端にそれぞれ位置する2つの連結バンドと、
前記2つの連結バンドの間に設置され、前記2つの連結バンドのうちの少なくとも1つに電気的に接続された複数のリーフスプリングと、を備え、
前記複数のリーフスプリングは、
単純ばりとカンチレバーと、
少なくとも1対の隣接する前記単純ばりと前記カンチレバーとの間に設置され、前記少なくとも1対の隣接する単純ばりとカンチレバーとの間に電気的接続を供給するための接続部と、を備えることを特徴とするクラウンスプリング端子。
【請求項2】
前記クラウンスプリング端子は筒状体であり、
前記接続部は前記筒状体の中間部に位置し、前記筒状体の内面に対して外面に向かって形成された窪みを有する、ことを特徴とする請求項1に記載のクラウンスプリング端子。
【請求項3】
前記複数のリーフスプリングは、第1と第2のカンチレバーと、前記第1と第2のカンチレバーの間に設置され、且つ前記第1と第2のカンチレバーと共に結合体を形成する第1の単純ばりと、を備える、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクラウンスプリング端子。
【請求項4】
前記第1の単純ばりは、前記接続部を介して前記第1と第2のカンチレバーにそれぞれ電気的に接続されている、ことを特徴とする請求項3に記載のクラウンスプリング端子。
【請求項5】
前記クラウンスプリング端子は、複数の前記結合体を含み、少なくとも1対の隣接する前記結合体の間に、少なくとも1つの追加の単純ばりおよび/または少なくとも1つの追加のカンチレバーをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のクラウンスプリング端子。
【請求項6】
前記第1と第2のカンチレバー及び前記追加のカンチレバーのうちの少なくとも1つのカンチレバーは、少なくとも1つの自由端を有することを特徴とする請求項5に記載のクラウンスプリング端子。
【請求項7】
前記少なくとも1つのカンチレバーは、2つの自由端を有することを特徴とする請求項6に記載のクラウンスプリング端子。
【請求項8】
前記自由端は紡錘体構造を有し、
前記紡錘体構造の厚さが前記少なくとも1つのカンチレバーの長手方向に沿って前記紡錘体構造の中間部から前記自由端の端部に向かって漸次薄くなり、
前記紡錘体構造の幅が前記紡錘体構造の中間部から両側に向かって漸次小さくなる、ことを特徴とする請求項6または7に記載のクラウンスプリング端子。
【請求項9】
前記紡錘体構造は、前記少なくとも1つのカンチレバーの長手方向に沿って延びる貫通孔をさらに有する、ことを特徴とする請求項8に記載のクラウンスプリング端子。
【請求項10】
前記貫通孔は、紡錘体状に形成されている、ことを特徴とする請求項9に記載のクラウンスプリング端子。
【請求項11】
前記第1の単純ばりと前記追加の単純ばりのうちの少なくとも1つの単純ばりは、その長手方向に沿って延びる少なくとも一セグメントの貫通孔を有する、ことを特徴とする請求項5に記載のクラウンスプリング端子。
【請求項12】
前記少なくとも一セグメントの貫通孔は、個別の三セグメントの貫通孔を備える、ことを特徴とする請求項11に記載のクラウンスプリング端子。
【請求項13】
前記クラウンスプリング端子は筒状体であり、
前記連結バンドは、前記カンチレバーの両端のうちの少なくとも一端に対応する位置に、前記筒状体の外面に対して少なくとも1つの突起が形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のクラウンスプリング端子。
【請求項14】
前記連結バンドは、さらに、前記単純ばりの両端のうちの少なくとも一端に対応する位置に、前記筒状体の外面に対して少なくとも1つの突起が形成されている、ことを特徴とする請求項13に記載のクラウンスプリング端子。
【請求項15】
アウタースリーブと、
前記アウタースリーブの内に位置する請求項1-14のいずれか一項に記載のクラウンスプリング端子と、を備える、ことを特徴とする電気コネクタジャック。
【請求項16】
ピンと、
前記ピンと電気的に接続するための請求項15に記載の電気コネクタジャックと、を備える、ことを特徴とする電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタに関し、特に、クラウンスプリング端子、当該クラウンスプリング端子を使用する電気コネクタジャック及び電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気コネクタの技術分野において、ある種類の電気コネクタは、電気コネクタジャック内にクラウンスプリング端子を設置し、クラウンスプリング端子を使用することで電気コネクタジャックと母端ピンとの間の導電接続を図る。このような電気コネクタは、電子機器や電気機器に広く使用されている。
【0003】
従来技術のクラウンスプリング端子は、一般的に円筒状に形成され、その両端の連結バンドの間に長方形のリーフスプリングが設置されている。また、リーフスプリングの中間部であって円筒の内部の軸心に向かって突起の接触点が形成され、これらの接触点を介して外部のピンと電気的に接触させて導通回路として機能させる。既存のクラウンスプリング端子は、設定許容な接触点数が制限されており、接触抵抗が大きいままであり、母端ピンと電気コネクタジャックとの挿抜力も大きいため、従来のクラウンスプリング端子の構造では、大電流伝送時の接触抵抗と挿抜力の増大に対応できなくなってきています。
【0004】
また、クラウンスプリング端子はリーフスプリングの中間部に内径の最も小さい箇所があり、この最も小さい箇所は、何度も挿抜する過程で磨耗しやすくかつ降伏しやすくて、挿抜力が不安定になり、このような構造はクラウンスプリング端子の使用寿命を制限した。
【0005】
そのため、従来のクラウンスプリング端子には、導通能力や使用寿命などでまだ不足があり、接触面積が大きく、導通能力が強く、寿命がより長い高性能・高精度の電気機器の要求を満たすことができなかった。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、接触面積の大きい高キャリア電流のクラウンスプリング端子を提供することを目的の一つとする。
【0007】
本発明のもう1つの目的は、長い寿命の高キャリア電流のクラウンスプリング端子を提供することである。
【0008】
上記の目的に基づいて、本発明は、クラウンスプリング端子の両端にそれぞれ位置する2つの連結バンドと、
前記2つの連結バンドの間に設置され、前記2つの連結バンドのうちの少なくとも1つに電気的に接続された複数のリーフスプリングと、を備え、
前記複数のリーフスプリングは、
単純ばりとカンチレバーと、
少なくとも1対の隣接する前記単純ばりと前記カンチレバーとの間に設置され、前記少なくとも1対の隣接する単純ばりとカンチレバーとの間に電気的な接続を供給するための接続部と、を備える、クラウンスプリング端子を提供する。
【0009】
さらに、前記クラウンスプリング端子は筒状体であり、前記接続部は前記筒状体の中間部に位置し、前記筒状体の内面に対して外面に向かって形成された窪みを有する。
【0010】
さらに、前記複数のリーフスプリングは、第1と第2のカンチレバーと、前記第1と第2のカンチレバーの間に設置され、且つ前記第1と第2のカンチレバーと共に結合体を形成する第1の単純ばりと、を備える。
【0011】
さらに、前記第1の単純ばりは、前記接続部を介して前記第1と前記第2のカンチレバーにそれぞれ電気的に接続されている。
【0012】
さらに、前記クラウンスプリング端子は、複数の前記結合体を含み、少なくとも1対の隣接する前記結合体の間に、少なくとも1つの追加の単純ばりおよび/または少なくとも1つの追加のカンチレバーをさらに備える。
【0013】
さらに、前記第1と第2のカンチレバー及び前記追加のカンチレバーのうちの少なくとも1つのカンチレバーは、少なくとも1つの自由端を有する。
【0014】
さらに、前記少なくとも1つのカンチレバーは、2つの自由端を有する。
【0015】
さらに、前記自由端は紡錘体構造を有し、
前記紡錘体構造の厚さが前記少なくとも1つのカンチレバーの長手方向に沿って前記紡錘体構造の中間部から前記自由端の端部に向かって漸次薄くなり、
前記紡錘体構造の幅が前記紡錘体構造の中間部から両側に向かって漸次小さくなる。
【0016】
さらに、前記紡錘構造体は、前記少なくとも1つのカンチレバーの長手方向に沿って延びる貫通孔を有する。
【0017】
さらに、前記貫通孔は、紡錘体状に形成されている。
【0018】
前記第1の単純ばりと前記追加の単純ばりのうちの少なくとも1つの単純ばりは、その長手方向に沿って延びる少なくとも一セグメントの貫通孔を有する。
【0019】
さらに、前記少なくとも一セグメントの貫通孔は、個別の三セグメントの貫通孔を備える。
【0020】
さらに、前記連結バンドは、前記カンチレバーの両端のうちの少なくとも一端に対応する位置に、前記筒状体の外面に対して少なくとも1つの突起が形成されている。
【0021】
さらに、前記連結バンドは、前記単純ばりの両端のうちの少なくとも一端に対応する位置に、前記筒状体の外面に対して少なくとも1つの突起が形成されている。
【0022】
また、本発明は、アウタースリーブと、前記アウタースリーブの内に位置する上記のクラウンスプリング端子と、を備える電気コネクタジャックを提供する。
【0023】
また、本発明は、ピンと、前記ピンと電気的に接続するための上記の電気コネクタジャックと、を備える電気コネクタを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明をより詳しく理解できるために、上記簡単に概説された本発明のより具体的な説明は、いくつかの実施形態を参照して得られ、いくつかの実施形態は、添付の図面に示され、理解を容易にするために、図に共通する同じ要素を示すために可能な限り同じ符号を使用する。ただし、添付の図面は、本発明の典型的な実施例を示しているに過ぎず、本発明の範囲を限定するものとはみなされないことに留意すべきである。本発明は、添付の図面において他の同等の実施形態を許容することができる。
【0025】
図1】本発明の一実施例によるクラウンスプリング端子が筒状体に捲れ返られた場合の斜視図である。
図2】本発明の一実施例によるクラウンスプリング端子の平坦化の場合の平面構造の概略図。
図3】本発明の一実施例によるクラウンスプリング端子の局所構造の拡大図。
図4】本発明の一実施例による電気コネクタの概略図である。
【0026】
本発明の一実施例における要素は、説明することなく他の実施例に有利に適用され得ることが期待される。
【符号の説明】
【0027】
100 クラウンスプリング端子
101、102 単純ばり
103 カンチレバー
103a 紡錘体構造
103b 貫通孔
104 接続部
105、106 突起
200 電気コネクタ
201 電気コネクタジャック
202 ピン
203 アウタースリーブ
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、本明細書に開示されているものから、本発明の他の利点および技術的効果を当業者が明確に理解することができるように、具体的な実施形態を用いて説明する。また、本発明は、以下の具体的な実施形態に限定されるものではなく、他の異なる実施形態によって実施または適用されてもよく、また、本明細書中の各具体的な内容は、本発明の旨から逸脱することなく、種々の修正および変更が行われてもよい。
【0029】
以下、本発明の具体的な実施形態について添付の図面に基づいて詳細に述べる。列挙された添付の図面は簡単な説明にすぎず、実際の寸法で描かれたものではなく、関連構造の実際の寸法を反映していないので、先に説明しておく。
【0030】
図1は、本発明の一実施例によるクラウンスプリング端子が筒状体に捲れ返られた場合の斜視図である。図2は、本発明の一実施例によるクラウンスプリング端子の平坦化の場合の平面構造の概略図であり、そのうち、表示されている平面は図1に示す筒状体の外面に対応し、表示されていない平面は、図1に示す筒状体の内面に対応している。
【0031】
図1図2に示すように、いくつかの実施例では、クラウンスプリング端子100は、捲れ返られて筒状体を形成してもよく、両端に連結バンドを有してもよく、両端の連結バンドの間に複数の単純ばり101、102および複数のカンチレバー103を有してもよく、少なくとも1対の隣接する単純ばり102とカンチレバー103の間に、それぞれの中間部において接続部104を介して相互に電気的に接続されてもよい。このような設計を採用することにより、各単純ばりとカンチレバーの幅を大幅に縮小することができ、筒状体の周方向において単純ばりとカンチレバーの数をできるだけ多く設置することができるとともに、母端ピンとの接触面積を維持ないしは大きくすることができるいくつかの実施例では、接続部104は、単純ばり102とカンチレバー103の中間部からずれて設置されてもよい。
【0032】
別の実施例では、接続部104には、筒状体の軸心から離れる方向に突起105が形成され、すなわち図2において紙面の外に突出している。この突起105は、筒状体の内面から見て、筒状体の外面に向かって形成された窪みにも見える。突起105は、球状に形成された突起であってもよいし、長方形状等の他の形状に形成されてもよい。突起105の数は、1個であってもよいし、2個以上であってもよい。従来技術では、リーフスプリングに設置された、筒状体の軸心方向に向かって突出する接触点と外部ピンとを利用して電気的接続する。このような構成では、クラウンスプリング端子の中間部と外部ピンとの電気的接触は、それぞれの上記接触点が外部ピンと点接触するように形成されている。これに対して、本発明では、接続部104に、筒状体の軸心から離れる方向に向かっている突起、すなわち筒状体の内面から見て外面に向かって形成された窪みが設置される。これにより、クラウンスプリング端子の中間部と外部ピンとの電気的接触に関して、いくつかの実施例では、この窪みの周囲の少なくとも一部が外部ピンと多点接触するように形成されることができる。さらに、いくつかの実施例では、この窪みの周辺の全体が外部ピンと閉環状接触するように形成されてもよく、それによって電気的接触面積が大幅に増加し、電気的性能が大幅に改善される。
【0033】
図2に示すように、いくつかの実施例では、クラウンスプリング端子100には、少なくとも1つの結合体が形成されてもよい。各結合体は、一つの単純ばり102と二つのカンチレバー103とで構成することができる。各単純ばり102とカンチレバー103は、使用中に外部ピンとのより良好な電気的接触を提供するために、その接続部104の位置において、紙面内に向かって環状ベルト窪みを形成するように設置されることができる。このような独特の結合構造を採用することにより、各単純ばりとカンチレバーの幅をさらに狭めることができ、限られたスペース内に単純ばりとカンチレバーが最も多く設置され、さらに、最も多くの接触部位と接触面積が得られ、最適な通流性能を得ることができる。いくつかの実施例では、隣接する結合体の間には、少なくとも1つの追加の単純ばり101および/または少なくとも1つの追加のカンチレバーが配置されることができ、前記追加の単純ばりとカンチレバーが環状ベルト窪みの箇所において隣接するリーフスプリングから電気的に分離される。いくつかの実施例では、環状ベルト窪みの箇所において、結合体の接続部104、追加の単純ばり102、カンチレバー103に従来技術のように筒状体の軸心に向かった突起が設置されることができ、すなわち図2のように紙面内に向かってさらに窪む。これにより、従来技術のように筒状体の軸心に向かった突起を採用しても、本発明の上記特殊な結合体構造により、単純ばりとカンチレバーの数が大幅に増加するので、突起の数をその分増やすことができ、母端ピンとの接触面積を大きくすることができる。
【0034】
いくつかの実施例では、単純ばり101、102には、それ自体の延在方向に沿って少なくとも一セグメントの貫通孔が設置されることができる。図2に示すように、本実施の形態では、各単純ばり101、102には、3段の貫通孔が形成された例を示し、これにより、単純ばりに透かし彫り構造が形成される。この透かし彫り構造を採用することにより、局所的な応力集中を大幅に低減することができ、単純ばりの局所的な塑性変形を緩和し、クラウンスプリング端子の挿抜寿命を延ばすことができる。いくつかの実施例では、少なくとも1つの単純ばりに沿って一セグメントまたは二セグメントの貫通孔が設置されることができる。
【0035】
いくつかの実施例では、カンチレバー103の両端のうちの少なくとも一端を自由端に形成することができ、図2に示す実施形態では、カンチレバー103は両端のいずれも自由端となる構造となるように設置される。カンチレバー103の少なくとも一つの自由端を紡錘体構造に形成することができる。この紡錘体構造に関して、幅が中間部から両側に向かって漸次小さくなるように設置され、かつ当該中間部を紙面外に向かった突起に形成することができるので、後述するアウタースリーブ203との接触面積が増加し、後述するアウタースリーブ203との電気的接触をより確実に行うことができる。
【0036】
さらに、図3は、左側のクラウンスプリング端子100のA1部分を拡大したカンチレバーの局所拡大図を示している。
【0037】
いくつかの実施例では、図3に示すように、カンチレバー103の紡錘体構造103aの厚みは、カンチレバー103の長手方向に沿って、紡錘体構造の中間部から自由端の端部に向かって漸次薄くなるように設置される。いくつかの実施例では、紡錘体構造103aの中間部の内面は、クラウンスプリング端子100の内面に突出するように設置され、自由端の端部の内面は、クラウンスプリング端子100の内面と同一平面または凹むするように設置されてもよい。別の実施例では、紡錘体構造103aは、カンチレバー103の長手方向に沿った貫通孔103bを有することができ、当該貫通孔103bは紡錘体状に形成されていてもよい。このような紡錘体構造または貫通孔を有する紡錘体構造を採用することにより、局部的な応力集中を大幅に低減し、カンチレバーの局部的な塑性変形を緩和し、より良い柔軟性とより長い挿抜寿命を提供することができる。また、上記のように紡錘体の厚さを工夫することで、外部ピンの挿入時に自由端に当たることを回避し、クラウンスプリング端子への損傷を回避したことができ、信頼性を飛躍的に向上させた。いくつかの実施例では、図2に示すように、筒状体の上下両端に位置する連結バンドには、カンチレバー103の両端のうちの少なくとも一端に対応する位置に少なくとも1つの突起106が形成されている。本実施形態では、各カンチレバー103の両端に対応する位置のいずれにも1つの突起106が形成される例を示している。同様に、当該突起106は、球面状に形成されてもよいし、長方形状等の他の形状に形成されてもよい。突起106を設けることにより、後述するアウタースリーブ201との接触をより確実に提供することができる。別の実施例では、単純はり102の少なくとも一端に対応する位置に、少なくとも1つの追加の突起が形成されてもよい。
【0038】
いくつかの実施例では、クラウンスプリング端子100が上下対称構造に形成されることができ、組立方向を区別する必要がなく、組立難易度と組立コストを低減することができる。
【0039】
図4は、本発明の一実施例によるクラウンスプリング端子を用いた電気コネクタ200を例示した。いくつかの実施例では、電気コネクタ200は、電気コネクタジャック201とピン202を備え、当該電気コネクタジャック201は、内面がクラウンスプリング端子100の両端の連結バンドとクラウンスプリング端子100に設置されたカンチレバーの紡錘体の中間部とに電気的に接続された電気接続部を有するアウタースリーブ203と、アウタースリーブ203内に組み立てられた、捲れ返えた状態でのクラウンスプリング端子100とを備えてもよい。ピン202の外面には、クラウンスプリング端子100の中間部に設置された接続部(例えば、図2の突起105を含む部分)と電気的に接続される電気接続部が設けられている。ピン202を電気コネクタジャック201に挿入すると、ピン202の電気接続部はクラウンスプリング端子100の中間環状ベルトに位置する、上記突起を含む接続部104に電気的に接続され、ピン202とクラウンスプリング端子との電気的な接触がクラウンスプリング端子の中間環状ベルトに位置する面接触となるため、電気的な接触面積を大幅に増加させ、電気的な性能を大幅に向上させた。このような構成を有する各種のクラウンスプリング端子100を用いることにより、クラウンスプリング端子100とアウタースリーブ203および/またはピン202との接触面積を大きくすることができ、より低い接触抵抗が得られ、高キャリア電流を実現することができる。一方、このような構成の各種クラウンスプリング端子を用いることにより、挿抜により電気コネクタ200に加わる応力集中が大幅に低減され、よりソフトな挿抜力が得られ、電気コネクタ200の使用寿命を大幅に向上させることができる。
【0040】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明した。しかしながら、本発明の広義の精神および範囲を逸脱することなく、様々な実施形態および変形が採用され得ることを理解されたい。当業者は、創造的な労力を要することなく、本発明の構想に基づいて多くの補正及び変更を行うことができる。したがって、当業者が本発明の構想に基づいて、先行技術を元に論理的な分析、推論又は限定的な実験によって得ることができる技術案は、すべて本発明の特許請求の範囲により確定される保護の範囲内に属するものとする。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】